(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-26
(54)【発明の名称】密閉電池筺体
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240318BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20240318BHJP
H01M 50/224 20210101ALI20240318BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240318BHJP
【FI】
H01M50/204 101
H01M50/271 S
H01M50/224
H01M50/249
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562505
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 EP2022060312
(87)【国際公開番号】W WO2022223559
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マテュー, アレクサンドル
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA32
5H040AS07
5H040AY05
5H040CC05
5H040CC59
5H040LL01
5H040LL06
5H040NN03
(57)【要約】
本発明は、下方筺体(2)および上方筺体を含むツーピース電池筺体に関する。本発明によると、金属フレーム(101)が装着されるEPDMシール(102)が、得られた筺体の良好な防水性を確実にするために下方筺体(2)と上方フレームとの間に挿入される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の少なくとも1つのモジュールを収納するように構成された電池筺体(50、100)であって、平坦な接合縁(6)を有する下部筺体(2)および平坦な接合面を有する上部筺体を含む2つの部分でできていて、前記下部筺体(2)および前記上部筺体は、前記平坦な接合面と接触状態にある前記平坦な接合縁(6)の配置により、前記筺体を形成するために互いに支え合うようになることができ、EPDMシール(52、102)が、前記筺体を密封状態にするために前記平坦な接合縁(6)と前記平坦な接合面との間に挿入される、電池筺体(50、100)において、金属フレーム(51、101)が、前記EPDMシール(52、102)に固定されること、ならびに、前記EPDMシール(52、102)および前記金属フレーム(51、101)からなる組立体が、前記下部筺体(2)の平坦な接合縁(6)と前記上部筺体の前記平坦な接合面との間に挿入されること、を特徴とする、電池筺体(50、100)。
【請求項2】
前記平坦な接合縁(6)上で、前記EPDMシール(102)が、中央部分を占有し、前記金属フレーム(101)が、中央から外れた位置を占有すること、を特徴とする、請求項1に記載の電池筺体。
【請求項3】
前記下部筺体(2)の前記平坦な接合縁(6)が、前記上部筺体の相補的固定点と協働するように構成されたいくつかの固定点(7)であって、前記接合縁(6)の長手方向中心軸に沿って整列されることにより前記接合縁(6)から出る固定点(7)を有すること、ならびに前記EPDMシール(102)が、前記固定点(7)を把持することにより前記固定点(7)の周りを通ること、を特徴とする、請求項2に記載の電池筺体。
【請求項4】
前記EPDMシール(102)は、前記固定点(7)が前記シール(102)の長手方向中心軸に沿って整列されるように、前記固定点(7)を把持すること、を特徴とする、請求項3に記載の電池筺体。
【請求項5】
前記EPDMシール(52、102)が、前記金属フレーム(51、101)上にオーバーモールドされること、を特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の電池筺体。
【請求項6】
前記金属フレーム(101)の全長は、前記EPDMシール(102)の全長より小さいか、前記EPDMシール(102)の全長に等しいこと、を特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の電池筺体。
【請求項7】
前記金属フレーム(101)が前記EPDMシール(102)に沿って不連続に現れるように、前記金属フレーム(101)の全長は、前記EPDMシール(102)の全長よりも厳密に小さいこと、を特徴とする、請求項6に記載の電池筺体。
【請求項8】
前記EPDMシール(102)が、いかなる金属フレーム(101)も伴わない区域(105)を有すること、ならびに前記区域(105)が各々、前記金属フレーム(101)を有する2つの区域(104)を結び付ける主セグメント(106)、および前記主セグメント(106)と直角であることにより前記主セグメント(106)と交差する少なくとも1つの二次セグメント(107、108、109)を備えること、を特徴とする、請求項7に記載の電池筺体。
【請求項9】
いかなる金属フレーム(101)も伴わない前記EPDMシール(102)の各区域(105)が、前記主セグメント(106)と直角であることにより前記主セグメント(106)と交差する3つの平行な二次セグメント(107、108、109)を有すること、を特徴とする、請求項8に記載の電池筺体。
【請求項10】
前記金属フレーム(101)が、鋼およびアルミニウムの中から選択される金属でできていること、を特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の電池筺体。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、密閉電池筺体に関する。
【0002】
一般的には、トラクション電池は、構造的な下部筺体および非構造的な上部筺体からなる。下部筺体は、優先的には、金属で作製され、上記電池のモジュールの周りにフレームを構成する。上部筺体は、防水性および電磁流に対する耐性のみを確実にする。
【0003】
上部筺体と下部筺体との間の防水性は、このタイプの構成に特によく適しているEPDM(エチレン-プロピレン-ジエン単量体)リップシールによって確実にされ得る。電池のサイズの増加と共に、これらのEPDMシールは、ますます大きくなっており、また、構造体を最適化するために、それらは、ますます薄くもなっている。現在、あまりにも大きくかつあまりにも薄すぎるEPDMシールは、この筺体を組み立てる際、操作するのが困難である。
【0004】
出願第CN107946515号は、2つの筺体、および上記2つの筺体の間に挿入されるように構成されたリップシールを有する電池筺体を開示する。シールは、EPDMで作製され、ケーシングの下部筺体上に設置され得る。このシールは、2つの筺体の固定点を取り囲むように、表面全体に広がって2つの筺体を結び付ける。この解決策は、組み立て中に、数ある中でも上で述べた欠点を提示する。
【0005】
本発明による電池の筺体は、先行技術において直面される欠点を克服することを可能にする。
【0006】
本発明の主題は、電池の少なくとも1つのモジュールを収納するように構成された電池筺体であって、上記筺体は、平坦な接合縁を有する下部筺体および平坦な接合面を有する上部筺体を含む2つの部分でできていて、下部筺体および上部筺体は、平坦な接合面と接触状態にある平坦な接合縁の配置により筺体を形成するために、互いに支え合うようになることができ、EPDMシールが、筺体を密封状態にするために平坦な接合縁と平坦な接合面との間に挿入される。
【0007】
本発明によると、金属フレームは、上記シールの剛性を増大させるようにEPDMシールに固定され、EPDMシールおよび金属フレームからなる組立体が、下部筺体の平坦な接合縁と上部筺体の平坦な接合面との間に挿入される。
【0008】
EPDMシールおよび金属フレームを備える組立体は、金属フレームを通じた剛性の構成要素、およびEPDMシールを通じた密封性の構成要素を有する、剛性の結果として生じるシールを構成する。金属フレームは、EPDMシールのプロファイルに従う金属棒によって具現化される。この金属フレームは、EPDMシールの長さの全体にわたって、あるいは上記EPDMシールの特定のセクタにわたって存在し得る。この金属フレームの存在は正当であるが、それは、この金属フレームがEPDMシールを固くすることを可能にし、故に、結果として生じるシールを、下部筺体の平坦な接合縁上の正しい位置に置くために、これが容易かつ正確に操作されることを可能にすることが理由である。例として、下部筺体の平坦な接合縁が矩形フレームの形態を有する場合、EPDMシールもまた、矩形フレームの形態を有し、金属フレームもまた、上記EPDMシールに完全または部分的に付随する矩形フレームの概形を有する。「上」および「下」という用語は、電池を含む筺体が車両に搭載されるときの2つの筺体の位置付けを示す。
【0009】
本発明の可能な特徴によると、平坦な接合縁上で、EPDMシールは、中央部分を占有し、金属フレームは、中央から外れた位置を占有する。このやり方では、平坦な接合縁が特定の幅を有するため、EPDMシールは、上記接合縁の上にもはや完全には乗らないリスクを伴って、平坦な接合縁から分離されるリスクを負わず、したがって、下部筺体と上部筺体との間の良好な密封をもはや確実にしない。平坦な接合縁上の中央位置にシールを置くことにより、上記シールは、上記接合縁の上に完全かつ確実に乗る。平坦な接合縁は、長さおよび幅を有し、上に説明される中央位置は、この幅に関して検討されなければならない。
【0010】
本発明の可能な特徴によると、下部筺体の平坦な接合縁は、上部筺体の相補的固定点と協働するように構成されたいくつかの固定点を有し、上記固定点は、上記接合縁の長手方向中心軸に沿って整列されることにより平坦な接合縁から出て、EPDMシールが、上記固定点を把持する。これらの固定点は、例えば、平坦な接合縁から出るタップ付き円筒挿入部によって表され得る。有利には、EPDMシールは、上記固定点が通過するように構成された孔を有する。これらの固定点は、それらの元々の機能を満足することに加えて、EPDMシールを平坦な接合縁上に正しく位置付けるためのガイド要素としても作用する。
【0011】
本発明の可能な特徴によると、EPDMシールは、上記固定点が上記シールの長手方向中心軸に沿って整列されるようなやり方で、固定点を把持する。
【0012】
本発明の可能な特徴によると、EPDMシールは、金属フレーム上にオーバーモールドされる。
【0013】
本発明の可能な特徴によると、金属フレームの長さは、EPDMシールの長さより小さいか、またはこれに等しい。実際、金属フレームは、EPDMシールの長さと同じ長さを有し得るか、またはEPDMシールを固くし続ける一方でEPDMシールの長さよりも小さい長さを有し得る。実際、EPDMシールおよび金属フレームからなる組立体をロボットが効率的および正確に操作することを可能にするために、EPDMシールの長さ全体にわたって延びる剛性フレームを有する必要はない。
【0014】
本発明の可能な特徴によると、金属フレームの長さは、上記金属フレームが上記EPDMシールに沿って不連続であるように見えるように、EPDMシールの長さよりも厳密に小さい。このやり方では、金属フレームは、シールが金属フレームによって固くされないかなりの区域を作成することなく、EPDMシールに沿って不均一に分散される。
【0015】
本発明の可能な特徴によると、EPDMシールは、いかなる金属フレームも伴わない区域を有し、上記区域が各々、金属フレームを有する2つの区域を結び付ける主セグメント、および主セグメントと直角であることによりこれと交差する少なくとも1つの二次セグメントを備える。
【0016】
本発明の可能な特徴によると、金属フレームを有さないEPDMシールの各区域は、主セグメントと直角であることによりこれと交差する3つの平行二次セグメントを有する。これは、シールの主セグメントが、上記主セグメントに対して直角に延びる3つの平行二次セグメントにより交差される「フィッシュボーン」構成を表す。
【0017】
本発明の可能な特徴によると、フレームは、鋼およびアルミニウムの中から選択される金属でできている。これらは、特に、しかしながら排他的ではなく、本発明による電池筺体の生産のためのEPDMシールに固定されるように構成された金属フレームに適している材料である。
【0018】
本発明による電池筺体は、EPDMシールへの金属フレームの的確な固定のおかげで、製造するのが容易かつ迅速でありながら完璧に密封する利点を提供する。さらには、この筺体は、完璧に密封状態でありながら、既存のものと同じ一定のバルクを有し続ける利点を有する。
【0019】
本発明による電池筺体の2つの好ましい実施形態の詳細な説明は、以下の図を参照しながら、本明細書内以下に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明による筺体の第1の実施形態の生産のための下部筺体の接合縁の区域の斜視図である。
【
図3】本発明による筺体の第2の実施形態の生産のための下部筺体の接合縁の区域の斜視図である。
【
図5】本発明による筺体の第2の実施形態の生産のための下部筺体の接合縁の特定の区域の斜視図であり、上記区域が不連続の金属フレームを示す、図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
自動車の電池は、上記電池のモジュールが収納される筺体を備える。この筺体は、下部筺体2および上部筺体を含む2つの部分にあり、上記下部筺体2は、電池のモジュールを受容するように構成されたレセプタクルを囲み、上部筺体は、下部筺体2に蓋をするように構成されたカバーとしての役割を果たす。
【0022】
非限定的な例として、異なる図を参照すると、下部筺体2は、矩形の平坦な底部、および上記矩形底部の4つの周辺縁から出る4つの平坦な側壁3を有し、上記側壁3は、上記底部に近接し、かつこれに対して直角である。このやり方では、下部筺体2は、電池のモジュールが中に置かれる開いた平行六面体レセプタクルを囲む。4つの側壁3は各々、上記壁と下部筺体2の底部との間の接合線に平行である細長の自由縁4を有する。4つの側壁3は、一定の高さを有し、上記高さは、下部筺体の底部に対して直角にある軸に沿って検討される寸法を有する。このやり方では、側壁の4つの自由縁は、上記底部に平行である同じ平面内にある。各自由縁4は、下部筺体2の底部に平行である平坦表面5によって具現化され、上記自由縁4の4つの平坦表面5は、同じ平面内にあり、平坦な矩形フレームになぞらえられ得る平坦な接合縁6を規定する。
【0023】
図には表されない上部筺体は、電池を収納する閉じた筺体を形成するために下部筺体2の平坦な接合縁6と接触状態になるように構成された平坦な接合面を有する。
【0024】
下部筺体2と上部筺体との間の良好な防水性を確実にするために、EPDMシールは、上記シールが、下部筺体2と上部筺体との間で、上記2つの筺体が組み立てられるときに圧迫されるように、下部筺体の接合縁6上に置かれる。
【0025】
ここで、このタイプのシールがしばしば遭遇する1つの問題は、上記シールが長くかつ薄いこと、したがって、低い剛性を有し、主にロボットにより、それを下部筺体2の接合縁上に正しく置くことを困難にすることである。
【0026】
本発明による筺体は、より剛性であり、したがって扱いがより容易である結果として生じるシールを獲得するように、金属フレームをEPDMシールに固定することによって、この問題を解決する。優先的には、および非限定的な様式で、この金属フレームは、鋼またはアルミニウムでできている。有利には、および非限定的な様式で、EPDMシールは、金属フレームにオーバーモールドされる。
【0027】
図1および
図2を参照すると、本発明による筺体50の第1の好ましい実施形態にしたがって、金属フレーム51およびEPDMシール52は、上記金属フレーム51が前記接合縁6上の中央位置にある一方、EPDMシール52が上記接合縁6上の中央から外れた位置にあるように、下部筺体2の平坦な接合縁6に沿って平行に延びる。「中央位置」および「中央から外れた位置」という表現は、接合縁6の幅に関して検討されるものとする。下部筺体2の接合縁6は、上部筺体の相補的固定点と協働するように構成された固定点7を有する。これらの固定点7は、接合縁6から出る円筒およびタップ付き挿入部の形態で現れる。これらの固定点7は、接合縁6に沿って均等に離間され、上記接合縁6上の中央位置に、この縁6の幅を考慮して、置かれる。本実施形態では、金属フレーム51は、その長さにわたって、一連の円形開口53を有し、その直径は、固定点を具現化する挿入部7の直径よりも大きい。したがって、金属フレーム51は、各開口53が挿入部7を収容するように、接合縁6上の中央位置に置かれる。これらの挿入部7の周りを通ることができるように、金属フレーム53は、EPDMシール52の幅よりも大きい、著しい幅を有する。金属フレーム52のこのような著しい幅のおかげで、EPDMシール52は、接合縁6の幅を囲む末端縁において追い返される。
【0028】
図2を参照すると、そのような構成のリスクは、EPDMシール52がもはや接合縁6の上に完全には乗らず、したがって、十分な効果を伴って、下部筺体2と上部筺体との間の良好な密封をもはや確実にしないということである。実際、
図2に例証されるように、EPDMシール52の部分54は、接合縁6から外へ延び、上記平坦な接合縁6に対して完全には押圧されない場合がある。そのような構成の結果は、EPDMシール52が、下部筺体2と上部筺体との間の密閉機能を、十分な効果を伴って、もはや確実にしないということである。
【0029】
図4、
図5、および
図6を参照すると、EPDMシール102が下部筺体2の平坦な接合縁6上に完全に乗ることを確認するため、本発明による筺体100の好ましい第2の実施形態にしたがって、上記EPDMシール102の位置および金属フレーム101の位置は、先に説明された第1の実施形態に対して逆にされる。実際、この好ましい第2の実施形態100では、金属フレーム101およびEPDMシール102は、上記EPDMシールが上記接合縁6上の中央位置にある一方、金属フレーム101が上記接合縁6上の中央から外れた位置にあるように、下部筺体2の平坦な接合縁6に沿って平行に延びる。「中央位置」および「中央から外れた位置」という表現は、接合縁6の幅に関して検討されるものとする。このやり方では、中央位置にあることにより、EPDMシール102は、確実に、下部筺体2の平坦な接合縁6上に完全に乗っており、下部筺体2と上部筺体との間の密閉機能を完全に確実にする。本実施形態では、EPDMシール102は、その長さにわたって、一連の円形開口103を有し、その直径は、固定点を具現化する挿入部7の直径よりも大きい。したがって、EPDMシール102は、各開口103が挿入部7を収容するように、接合縁6上の中央位置に置かれる。これらの挿入部7の周りを通ることができるように、EPDMシールは、金属フレーム101の幅よりも大きい、著しい幅を有する。
【0030】
図4に例証されるように、EPDMシール102は、特定の安全マージンを伴って下部筺体2の平坦な接合縁6に対して完全に押圧されたままである。実際、この中央位置において、EPDMシール102は、その位置が、平坦な接合縁6上で、もはや上記平坦な接合縁6に対して完全には押圧されない点まで逸脱することになるリスクを負わない。
【0031】
本発明による筺体100の好ましい第2の実施形態に関する
図5を参照すると、金属フレーム101がEPDMシール102の長さのすべてにわたって延びる必要はない。実際、金属フレーム101が上記EPDMシール102の長さのすべてにわたって延びるにしろ、金属フレーム101がこのEPDMシール102に沿って部分的にしか延びないにしろ、EPDMシール102がロボットにより同じ有効性で操作され得ることが確認されている。金属フレーム101がEPDMシール102のすべてにわたって延びないとき、金属フレーム101は、EPDMシール102によって、および金属フレーム101によって形成される結果として生じるシールが、金属スクリーン101ありの区域104および金属スクリーン101なしの区域105を交互にとるように、優先的には、このEPDMシール102に沿って不連続に現れる。金属スクリーン101なしの区域105において、EPDMシール102は、金属スクリーン101を伴う2つの区域104を結び付ける主セグメント106、および主セグメント106と直角であることによりこれと交差する3つの平行二次セグメント107、108、109からなる、特定の形態をとる。主セグメント106は、金属スクリーン101が提供される区域104においてEPDMシール102の幅よりも小さい幅を有する。3つの二次セグメント107、108、109は、上記区域105における上記EPDMシール102の密閉能力を増大させるために、いかなる金属スクリーン101も伴わない区域105において、下部筺体2の平坦な接合縁6にわたってEPDMシール102を「広げる」傾向がある。
【0032】
EPDMシール102が、優先的には、金属フレーム101にオーバーモールドされるため、いかなる金属スクリーン101も伴わない区域105の作成は、より小さい型を使用することを可能にするが、それは、EPDMシール102が、いかなる金属スクリーン101も伴わない区域105において、上記型内で折られ得ることが理由である。より小さい型の使用は、EPDMシール102および不連続の金属スクリーン101からなる組立体の製造費をかなり低減することを可能にする。
【国際調査報告】