(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-26
(54)【発明の名称】缶
(51)【国際特許分類】
B65D 3/22 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
B65D3/22 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562520
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 EP2022060162
(87)【国際公開番号】W WO2022219176
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523384735
【氏名又は名称】エンヴィカン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ENVICAN GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】シェーニッヒ, クリストフ
(57)【要約】
本発明は、過圧を有することができる、又は輸送中もしくは保管中に過圧を発生させることができる固体、液体及び/又は気体状媒体を収容する缶に関し、缶の円筒形缶スリーブ(101)は、主に紙又は厚紙材料からなり、少なくとも2つの巻層を含み、底部がベース要素(4)で閉じられ、上部が蓋部要素(5)で閉じられ、缶スリーブ(101)の最内層は、缶(1)の長手方向に延びる長手方向継ぎ目を有する直線巻バリア層(102)から成り、ここで、長手方向継ぎ目は、バリア層(102)のフィルムシートによって内側でシールされ、そのフィルムシートは、長手方向継ぎ目の領域でバリア層(102)に一旦重なるか、又は、長手方向継ぎ目は缶の長手方向に真っ直ぐに延びるシールストリップ(110)によってシールされ、又は、長手方向継ぎ目は厚さ増加部分を形成し、そして紙又は厚紙材料の巻層の形態の缶スリーブ(101)の更なる層(103、104)の内側又は外側の長手方向縁部は、厚さ増加部分の側面に面している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過剰な圧力を有する可能性があり、又は輸送中もしくは保管中に過剰な圧力を発生する可能性がある固体、液体及び/又は気体状媒体を含み、前記缶の円筒形缶シェル(101)は、主に紙又は厚紙材料から成り、少なくとも2つの巻層を含み、底部が底部要素(4)で閉じられ、上部が蓋部要素(5)で閉じられる缶(1)であって、
前記缶シェル(101)の最内層は、それ自体が前記缶(1)の長手方向に延びる長手方向継ぎ目を有する直線巻きバリア層(102)から成り、
a)前記長手方向継ぎ目は、前記バリア層(102)のフィルム層によって内側でシールされており、このフィルム層は、前記長手方向継ぎ目のエリア内で前記バリア層(102)と重なる、
b)前記長手方向継ぎ目は、前記缶の長手方向に真っ直ぐに延びるシールストリップ(110)によってシールされる、
c)前記長手方向継ぎ目は折り畳まれた継ぎ目として設計され、紙又は厚紙材料で作られた前記巻層の形態の前記缶シェル(101)の更なる層(103、104)の内側又は外側の長手方向縁部は、前記折り畳まれた継ぎ目から生じる厚さ増加部分の側面に面する
ことを特徴とする、缶(1)。
【請求項2】
前記バリア層(102)は、内部拡散防止フィルム又は内部拡散防止バリア積層体(108)と外側の厚紙又は紙又はクラフト紙層(107)とで作られた積層体であり、前記バリア層(102)は、前記長手方向継ぎ目の前記エリアで前記バリア層(102)の第2の縁部領域と重なる第1の縁部領域を有することを特徴とする、請求項1に記載の缶。
【請求項3】
前記第1の縁部領域で、前記バリア層(102)は、前記内部拡散防止フィルム又は内部拡散防止バリア積層体(108)と、前記外側の厚紙又は紙又はクラフト紙層(107)と、前記第1の縁部領域がシールストリップ(110)によってシールされる前記内側縁部とを含むことを特徴とする、請求項2に記載の缶。
【請求項4】
前記第1の縁部エリア又は前記第1の縁部エリアの少なくとも外側エリアで、前記バリア層(102)は、前記内側拡散防止フィルム又は前記内側拡散防止バリア積層体(108)のみを含み、前記第1の縁部エリアの前記内側拡散防止フィルム又は前記内側拡散防止バリア積層体(108)は、前記第2の縁部エリアの前記内側拡散防止フィルム又は前記内側拡散防止バリア積層体(108)上にあることを特徴とする、請求項2に記載の缶。
【請求項5】
前記缶(1)の長手方向に延びる前記バリア層(102)の前記長手方向継ぎ目は、厚さ増加部分を有し、前記缶シェルの前記バリア層(102)に続く紙又は厚紙材料の巻層の形態の前記層(103)の前記内側又は外側の長手方向縁部は前記厚さ増加部分の側面に面していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の缶。
【請求項6】
前記缶(1)の長手方向に延びる前記バリア層(102)の前記長手方向継ぎ目は、厚さ増加部分を有し、紙又は厚紙材料で作られた巻層である前記缶シェルの後続の層(103)が前記バリア層(102)全体の周りに位置し、それにより、前記長手方向継ぎ目によって生じる前記厚さ増加部分が前記層(103)上に存在し、前記層(103)に続く紙又は厚紙材料の巻層である前記缶シェルの層(104)の前記内側又は外側長手方向縁部は、前記厚さ増加部分の側面に面していることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の缶。
【請求項7】
前記缶シェルの前記2つの後続の層(103、104)のうちの1つの長手方向縁部の両方が、前記厚さ増加部分の2つの対向する側面に面することを特徴とする、請求項5又は6に記載の缶。
【請求項8】
前記缶シェルの前記2つの追加の層(103、104)のうちの少なくとも1つの前記2つの長手方向縁部の外側が、同じ層の前記2つの長手方向縁部の内側に重なることを特徴とする、請求項5又は6に記載の缶。
【請求項9】
前記缶シェルの両方の後続層(103、104)がそれぞれ重なり合い、厚さを減少させることなくそれらと前記重なり合うエリアに存在し、前記それぞれの層(103、104)の前記内側長手方向縁部が前記厚さ増加部分の側面に面していることを特徴とする、請求項8に記載の缶。
【請求項10】
前記バリア層(102)は、内側拡散防止フィルム又は内側拡散防止バリア積層体(108)と、外側の厚紙又は紙又はクラフト紙層(107)とで作られた積層体であり、それにより、前記缶シェル(101)の前記バリア層(102)は、紙又は厚紙材料で作られた少なくとも1つの更なる巻層(103)を含み、前記バリア層(102)及び紙又は厚紙材料で作られた前記巻層(103)の前記隣接する厚紙又は紙表面が、互いに直接に接着、特にグルー接着されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の缶。
【請求項11】
前記バリア層(102)は、内部拡散防止バリア積層体(108)と外側クラフト紙層(107)とで作られた既成の積層体であり、前記バリア層(102)は、0.098mm~0.145mmの層厚を有し、前記バリア層(102)の前記クラフト紙層(107)は0.065mm~0.090mmの層厚を有し、前記拡散防止バリアフィルム又は前記拡散防止バリア積層体(108)は0.033mm~0.055mmの層厚を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の缶。
【請求項12】
クラフト紙で作られた少なくとも1つの巻層(103)は、前記バリア層(102)上方の外側に取り付けられており、その内側クラフト紙の表面は、前記バリア層(102)のクラフト紙の表面に接着、特にグルー接着され、その前記外側クラフト紙の表面は、紙又は厚紙材料で作られた更なる巻層(104)の厚紙、紙又はクラフト紙の表面に接着、特にグルー接着されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の缶。
【請求項13】
前記バリア層(102)自体は、1つ又は複数のフォイル層から成り、厚紙又は紙又はクラフト紙層(107)を有さず、前記バリア層(102)が、前記長手方向継ぎ目の前記エリアでそれ自体と単純に重なり合っていることを特徴とする、請求項1に記載の缶。
【請求項14】
前記バリア層(102)は、内部拡散防止フィルム又は内部拡散防止バリア積層体(108)及び外側の厚紙又は紙又はクラフト紙層(107)で作られた積層体であり、前記バリア層(102)の前記2つの縁部が接触し、前記長手方向継ぎ目のエリアに突合せ接合部を形成し、前記当接エリアがシールストリップ(110)によってシールされていることを特徴とする、請求項1に記載の缶。
【請求項15】
前記バリア層(102)は、内部拡散防止フィルム又は内部拡散防止バリア積層体(108)と外側の厚紙又は紙又はクラフト紙層(107)とから作られた積層体であり、前記バリア層(102)の前記内側切断縁部で、前記拡散防止フィルム又は前記バリア積層体(108)の少なくとも1つのフィルム層が前記クラフト紙層(107)の周囲にU字形に配置されるか、又はシールストリップ(110)が前記バリア層(102)の前記内側切断縁部の周囲にU字形に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の缶。
【請求項16】
前記媒体は炭酸飲料であることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の缶。
【請求項17】
過剰な圧力を有する可能性があり、又は輸送中もしくは保管中に過剰な圧力を発生する可能性がある固体、液体及び/又は気体状媒体を含み、前記缶の前記円筒形缶シェル(101)は、主に紙又は厚紙材料からなり、
前記缶シェル(101)は、内側にバリア層(102)を有し、外側にバリア層(106)を有し、
紙又は厚紙材料で作られた少なくとも2つの巻かれた中間層(103、104)を間に含み、
底部が底部要素(4)で閉じられ、上部が蓋部要素(5)で閉じられる缶(1)であって、
前記缶シェル(101)の最内層は、それ自体が前記缶(1)の前記長手方向に延びる長手方向継ぎ目を有する直線巻きバリア層(102)から成り、
前記長手方向継ぎ目は前記層構造に厚さ増加部分を形成し、
前記中間層(103、104)の少なくとも1つの前記内側又は外側の長手方向縁部は、前記長手方向継ぎ目から生じる前記厚さ増加部分の側面に面している
ことを特徴とする、缶(1)。
【請求項18】
前記缶シェル(101)の前記更なる層(103、104)の少なくとも一方の前記内側長手方向縁部は、前記長手方向継ぎ目から生じる前記厚さ増加部分の側面に面しており、この層(103、104)の前記外側長手方向縁部は、この層(103、104)の前記内側長手方向縁部に重なることを特徴とする、請求項17に記載の缶。
【請求項19】
前記缶シェル(101)の前記更なる層(103、104)のうちの少なくとも2つの前記内側長手方向縁部はそれぞれ、前記長手方向継ぎ目から生じる前記厚さ増加部分の側面に面しており、それぞれの層(103、104)の前記外側長手方向縁部は、同じ層(103、104)の前記内側長手方向縁部に重なることを特徴とする、請求項17に記載の缶。
【請求項20】
前記缶シェル(101)の外側シール層は、防湿材料で作られた管状スリーブの形態であり、前記管状スリーブは、また、前記缶シェル(101)の前記2つの切断縁部を覆うことを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載の缶。
【請求項21】
前記管状スリーブは、前記缶シェル(101)の前記長手方向に巻かれたバリア層(102)に重なることを特徴とする、請求項19に記載の缶。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の缶の製造方法であって、
第1のステップでは、前記缶シェルは、個々の層が巻取りマンドレル上で塗布され、互いに連続的に接続される連続運転する巻取り機で製造され、巻取りの間、前記バリア層(102)には、長手方向に延びる長手方向継ぎ目が設けられ、その後、結果として得られたチューブ(27)は、両側が開いた個々の円筒形中空体に切断され、
第2のステップでは、前記円筒形中空体の前記2つの開口端は外側に曲げられ、その結果、前記端部は前記残りの円筒形中空体よりも大きな直径の円形断面を有し、
第3のステップでは、フランジ取付け装置を用いて、前記円筒形中空体の下端をベース要素(4)で閉じ、
第4のステップでは、充填システム(33)を使用して底部で閉じられた前記中空体に媒体を充填し、
第5のステップでは、圧着装置を使用して、前記底部が閉じられた前記充填済み中空体の上部を蓋部要素(5)で閉じ、
前記第4及び第5のステップは、及び好ましくは前記第3のステップも、公知のアルミ缶の充填及び閉栓に適した充填システムで実施される
ことを特徴とする、缶の製造方法。
【請求項23】
前記第2のステップの前又は後に、管状スリーブが前記円筒形中空体の外側に配置され、前記管状スリーブが両側で前記円筒形中空体を越えて突出し、前記円筒形中空体の内部に折り畳まれることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記管状スリーブが、前記バリア層(102)に接着又は溶接されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料で作られた缶シェルを備えた耐圧缶に関する。
【背景技術】
【0002】
耐圧缶は、正圧を有する媒体、又は保管、輸送、使用中に正圧を発生させる可能性のある媒体を包装するための缶である。
【0003】
したがって、本発明は、炭酸ミネラルウォータ、甘い飲み物、エナジードリンク又はビールなどのガス放出缶飲料にも使用できる流体容器、特に、飲料容器に関するものであり、なぜならば、特別な機能として、これらの目的のために、圧力に対して十分な耐性があるからである。設計次第で、内部圧力がなお一層高いあらゆる種類のスプレー缶に適している。更に、本発明は、技術的な製造及び物流方法に関しており、このような飲料缶を使用することにより、飲料の充填、特に現場での容器の缶充填が容易になり、必要に応じて、好ましくは既存の充填プラントと同期して製造できる。好ましくは、この新しい流体容器または飲料容器の導入に対応する従来の缶充填業者は、缶充填プラントを改造する必要はなく、シームレスに使用し続けることができる。缶の自社製造が容易になり、これに必要なスペースは、以降の充填用として以前は不可欠であった空のアルミ缶のバッファ保管に必要なスペースのごく一部である。
【0004】
包装業界では、紙製又は厚紙製の包装材を有する多層包装が知られており、その個々のプライは、マンドレルの長手方向に対して直線的又は斜めに巻かれているため、包装シェルの長手方向に延びる自分自身との接合エリア、又は包装シェルの長手方向の周囲に螺旋状に延びる自分自身との接合エリアを有している。これらのパッケージには、内側バリア層があってもよく、その2つの縁部の接合エリアには、しっかりと折り畳まれた継ぎ目がある。層の複合材料として、一般に厚紙と紙の材料が使用される。このような缶シェルは、これまで一般的な包装目的、例えば洗剤、ココアパウダーなどの粉末の包装、又はポテトチップスなどのスナックに使用されており、食品の場合、バリア層は、外部からの液体及び気体の侵入から食品を保護し、食品又は包装シェルの内部からの液体及び気体の流出を防ぐ。
【0005】
一方、食品や飲料用に複合材料で作られた缶シェルを備えた多くの複合パッケージがある。しかし、これらは圧縮強度の分野では限界に達しているため、加圧媒体、特に炭酸飲料には使用されていない。特許文献には、例えば国際公開第9959882(A9)号及び欧州特許第0101139(A2)号明細書など、炭酸飲料用の複合材料で作られたこのような缶シェルに関する提案があるが、これまでのところ、このような製品は市場に出ていない。おそらく、提案された缶シェル及び/又は完成缶では、圧縮強度を十分に達成できなかったため、又はこれらの提案された缶シェル及び/又は完成缶は、従来の飲料缶、特にアルミ缶と競合できなかったためであろう。
【0006】
国際公開第9959882(A9)号に説明されている炭酸飲料用のパッケージの欠点は、その特殊な形状であり、一方では独自の充填及びシーリング装置が必要であり、他方では消費者がなじみのある飲料缶の形態から逸脱している。
【0007】
欧州特許第0101139(A2)号明細書に説明されている炭酸飲料のパッケージの欠点は、特殊な形状であり、一方では、独自の充填及びシーリング装置を必要とし、他方では、特に、底部と蓋部の領域において消費者が慣れ親しんでいる飲料缶の形状から逸脱している。
【0008】
独国実用新案第202007010192(U1)号明細書から、炭酸飲料用の複合缶が知られており、そのシェルは主に紙又は厚紙材料から成り、壁厚は0.5545mmである。独国実用新案第202007010192(U1)号明細書の欠点は、シェルが、両面にコーティングされた厚い硫酸塩ボードで構成されており、ボードが重なり合っているため、シェルの他の部分に比べて非常に幅広の部分が生じることである。別の欠点は、積層体の内側縁部及び外側縁部の側縁部が露出しているため、例えば、テープで更にシールする必要があることである。
【0009】
国際公開第2012155890(A1)号明細書では、複合材料で作られたシェルを有する炭酸飲料パッケージが説明されており、シェルは主に紙又は厚紙材料から成る。缶の複合シェルのシェル厚(又は層厚)は0.5~0.8mmであり、バリアフィルムの厚さは50~120μmである。国際公開第2012155890(A1)号明細書の欠点は、積層体全体が重なり合うことであり、その結果、シェルの残りの部分と比較して非常に幅広の部分が生じることである。別の欠点は、積層体の内側縁部及び外側縁部の側縁部が露出しているため、例えば、テープで更にシールする必要があることである。
【0010】
米国特許第3687351(A1)号明細書から、炭酸飲料用の複合缶が知られており、そのシェルは主に紙又は厚紙材料から成り、シェルの厚さは約0.48mmであり、層構造が層厚約25μmの厚いアルミニウム層を含むという点で不利である。
【0011】
米国特許第4642252号明細書は、複合シェルを有する炭酸飲料包装を説明しており、シェルの大部分は紙又は厚紙材料で作られている。
図1、
図8及び
図9による例示的な実施形態のシェルの厚さは、それぞれ約900μm、即ち、0.9mmである。米国特許第4642252号明細書の欠点は、最内層、即ち、バリア層が螺旋状に巻かれているために、折り畳まれた継ぎ目の長さが長くなることである。
【0012】
米国特許第4766019号明細書では、複数のプラスチック層で作られたシェルを有する炭酸飲料用の缶が提案されている。シェルの厚さ(又は層厚)は、例示的な一実施形態では、22mil、即ち、約0.56mmである。米国特許第4766019号明細書には、従来のアルミニウム蓋部でプラスチックシェルを閉じることができるように、シェル厚を30mil(0.762mm)未満にすべきと説明されている。欠点は、シェル全体がプラスチックで作られていることであり、これは持続可能性が低いと思われる。米国特許第4766019号明細書の最も内側のバリア層は、マンドレル上に押し出されている。
【0013】
米国特許第4181239(A)号明細書もまた、プラスチックシェルを有する缶を示しており、缶シェル全体がプラスチック層で構成されているという点で不利である。米国特許第4181239(A)号明細書では、シェルの厚さは85~770μm、好ましくは100~400μmであるべきと述べられている。
【0014】
従来技術から明らかなように、缶シェルを従来のアルミ缶の標準的なアルミ缶蓋部で閉じることができるように、缶シェルは特定の厚さを超えてはならないと認識されてきた。第二に、少なくともいくつかの巻き付けられた個々の層の缶シェルでは、缶シェルがその層厚に円周上で大きな偏差を示すべきでないことが認識されているようである。これを実現するために、最内層は薄いプラスチックフィルムとして、又は米国特許第4181239(A)号明細書、米国特許第4766019号明細書、米国特許第4642252号明細書から入手できる様々なプラスチックフィルムと、場合によってはアルミフォイルとの積層体として設計される。米国特許第4642252号明細書では、プラスチックフィルムとアルミフォイルとのバリア積層体の螺旋状に折り畳まれた継ぎ目は、紙の中間層によって積層されている。
【0015】
米国特許出願公開第2020189791(A1)号明細書は、過圧を有するか、又は輸送中もしくは保管中に過圧が発生する液体及び/又は気体状媒体を収容する缶を開示しており、缶の円筒形缶スリーブは、主に紙又は厚紙材料から成り、底部が底部要素で上部が蓋で閉じられ、缶は少なくとも5バールの内部圧力に耐えることができ、缶スリーブの最内層は、缶自体と長手方向に延びる折り畳まれた継ぎ目を有する直線巻きバリア層から成り、バリア層は、内側拡散防止バリアフィルム又は内側拡散防止バリア積層体とクラフト紙の外層とから成る既成の積層体である。
【0016】
巻かれた個々の層から成る紙又は厚紙でできた複合缶の場合、個々の層、即ち、プラスチックフィルムとオプションのアルミフォイルとのバリア積層体と、紙又は厚紙材料の後続層との間のホールドが、加圧媒体、特に炭酸飲料の包装として使用するには、特に折り畳まれた継ぎ目領域で不十分である可能性があることは問題であることが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】国際公開第9959882号明細書
【特許文献2】欧州特許第0101139号明細書
【特許文献3】独国実用新案第202007010192号明細書
【特許文献4】国際公開第2012155890号明細書
【特許文献5】米国特許第3687351号明細書
【特許文献6】米国特許第4642252号明細書
【特許文献7】米国特許第4766019号明細書
【特許文献8】米国特許第4181239号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2020189791号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、加圧媒体、特に、炭酸飲料用缶の複合材料で作られた市場性のある缶シェルを更に改良することであり、この缶シェルは、このような媒体の一般的な又は起こり得る内部圧力に確実に耐えることができ、主に紙又は厚紙材料から成る。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本目的を実現するために、一実施形態では、正圧を有するか又は輸送中及び保管中に正圧を発生させる可能性がある固体、液体及び/又は気体状媒体を収容する缶が提案されており、缶の円筒形缶シェルは主に紙又は厚紙材料から成り、少なくとも2つの巻層から成り、底部は底部要素で、上部は蓋部要素で閉じられ、缶シェルの最内層は、缶の長手方向に延びるそれ自体との長手方向継ぎ目から成る直線巻きバリア層で構成され、このバリア層は、以下の選択肢の1つによってシールされる。
-長手方向継ぎ目は、バリア層のフィルム層によって内側でシールされており、このフィルム層は、長手方向継ぎ目エリア内でバリア層と単に重なる、又は
-長手方向継ぎ目は、缶の長手方向に真っ直ぐに延びるシールストリップによってシールされる、又は
-長手方向継ぎ目は、折り畳まれた継ぎ目であり、紙又は厚紙材料の巻層の形態の缶シェルの更なる層の内側又は外側の長手方向縁部は、折り畳まれた継ぎ目によって生じた厚さ増加部分の側面に面する。
【0020】
本目的を実現するために、更なる実施形態では、過圧を有する可能性があるか、輸送中及び保管中にそのような圧力を発生する可能性がある固体、液体及び/又は気体状媒体を収容する缶が提案されており、この缶の円筒形缶シェルは、主に紙又は厚紙材料で作られ、缶シェルは、内側にバリア層を有しかつ外側にバリア層を有し、その間に紙又は厚紙材料の少なくとも2つの巻かれた中間層を含み、底部は底部要素で閉じられ、上部は蓋部要素で閉じられており、缶シェルの最内層は、缶の長手方向に延びる長手方向継ぎ目を有する直線巻きバリア層から成り、長手方向継ぎ目は層構造において厚さ増加部分を形成し、中間層の少なくとも1つの内側又は外側の長手方向縁部は長手方向継ぎ目によって生じた厚さ増加部分の側面に面している。
【0021】
一実施形態では、缶シェルの更なる層の少なくとも1つの内側長手方向縁部が、長手方向継ぎ目によって生じた厚さ増加部分の側面に面しており、この層の外側長手方向縁部がこの層の内側長手方向縁部に重なる。
【0022】
一実施形態では、缶シェルの他の層のうちの少なくとも2つの内側長手方向縁部が、それぞれ、長手方向継ぎ目によって生じた厚さ増加部分の側面に面しており、それぞれの層の外側長手方向縁部がこの層の内側長手方向縁部に重なる。
【0023】
一実施形態では、バリア層は、内側拡散防止フィルム又は内側拡散防止バリア積層体と、厚紙又は紙又はクラフト紙の外層とからなる積層体であり、バリア層は、長手方向継ぎ目エリアにおいてバリア層の第2の縁部エリアと重なる第1の縁部エリアを有する。
【0024】
一実施形態では、バリア層は、内側拡散防止フィルム又は内側拡散防止バリア積層体と、第1の縁部エリアの厚紙又は紙又はクラフト紙の外層とから成り、第1の縁部エリアの内側縁部はシールストリップによってシールされる。
【0025】
一実施形態では、第1の縁部エリアまたは第1の縁部エリアの少なくとも外側エリアのバリア層は、内側拡散防止フィルムまたは内側拡散防止バリア積層体のみから成り、第1の縁部エリアの内側拡散防止フィルムまたは内側拡散防止バリア積層体は、第2の縁部エリアの内側拡散防止フィルムまたは内側拡散防止バリア積層体に取り付けられている。
【0026】
一実施形態では、バリア層は、第2の縁部エリア又は第2の縁部エリアの少なくとも外側エリアの厚紙又は紙又はクラフト紙層のみから成る。
【0027】
一実施形態では、バリア層の厚紙又は紙又はクラフト紙の層がそれ自体に重ならない。
【0028】
一実施形態では、バリア層の厚紙又は紙又はクラフト紙の層がそれ自体に重なる。
【0029】
一実施形態では、缶の長手方向に延びるバリア層の長手方向継ぎ目は厚さ増加部分を有し、バリア層に続く紙又は厚紙材料の巻層の形態の缶シェルの層の内側又は外側の長手方向縁部は厚さ増加部分の側面に面している。
【0030】
一実施形態では、缶の長手方向に延びるバリア層の長手方向継ぎ目は厚さ増加部分を有し、紙または厚紙材料の巻層の形態の缶シェルの後続する層がバリア層の周囲に配置され、その結果、長手方向継ぎ目によって生じる厚さ増加部分が前記後続の層にも存在し、紙または厚紙材料の巻層の形態の後続する層に続く、缶シェルの次の後続の層の内側または外側の長手方向縁部は、厚さ増加部分の側面に面する。
【0031】
一実施形態では、缶シェルの後続する2つの層のうちの1つの長手方向縁部の両方が、厚さ増加部分の対向する2つの側面に面している。
【0032】
一実施形態では、缶シェルの後続する2つの層のうちの少なくとも1つの2つの長手方向縁部の外側は、同じ層の2つの長手方向縁部の内側と重なる。
【0033】
一実施形態では、缶シェルの後続する2つの層のそれぞれは、それ自体と重なり、厚さが減少することなくそれ自体と重なるエリアに存在し、それぞれの層の内側長手方向縁部は、厚さ増加部分の側面に面している。
【0034】
一実施形態では、バリア層自体は1つ又は複数のフィルム層から成り、厚紙又は紙又はクラフト紙層を有さず、バリア層は長手方向継ぎ目のエリアで単に重なりあっている。
【0035】
一実施形態では、バリア層は、内側拡散防止フィルム又は内側拡散防止バリア積層体と、厚紙又は紙又はクラフト紙の外層とから成る積層体であり、バリア層の両縁部は長手方向の継ぎ目のエリアで接触して突合せ接合部を形成し、突合せ接合部のエリアはシールストリップでシールされる。
【0036】
一実施形態では、バリア層は、内側拡散防止フィルム又は内側拡散防止バリア積層体と、厚紙又は紙又はクラフト紙の外層との積層体であり、拡散防止フィルム又はバリア積層体の少なくとも1つのフィルム層は厚紙又は紙又はクラフト紙層の内側切断縁部の周囲にU字形に形成されるか、又はシールストリップはバリア層の内側切断縁部の周囲にU字形に配置される。
【0037】
一実施形態では、バリア層は、内側の拡散防止フィルム又は内側の拡散防止バリア積層体と、厚紙又は紙、特にクラフト紙の外側の層との積層体であり、バリア層の周囲に紙又は厚紙材料の少なくとも1つの更なる層が存在し、バリア層の厚紙又は紙の表面と、互いに重なっている紙又は厚紙材料の更なる巻層とを、互いに直接に接着し、特にグルー接着することが提案される。
【0038】
バリア層がフィルムと厚紙又は紙、特にクラフト紙との積層体として形成される場合、引張力は厚紙又は紙、特にクラフト紙によって消散されるため、フィルムは特に長手方向継ぎ目の重なり領域で緩和され、直線的な継ぎ目により、引張力は円周方向に有利に作用し、最内層やバリア層を螺旋状に巻いた場合のように、缶の長手方向に付加的な力が加わることはない。
【0039】
最内層が外側で紙材料から成り、かつ次の層が紙材料で作られる場合、これらの2つの紙材料を互いに直接に接着する、特にグルー接着することができ、その結果、接着剤は紙材料の両面で繊維に浸透することにより、一方の紙層の繊維が接着剤によって他方の紙層の繊維に直接に結合される。この利点は、特に堅固な保持感であり、紙材料の間にプラスチックのバリア層が存在する場合、この方法では実現できない。
【0040】
バリア層は、0.060mm~0.145mmの層厚を有することが好ましい。バリア層のクラフト紙層は、好ましくは、0.065mm~0.090mmの層厚を有する。バリア層のクラフト紙層は、好ましくは、少なくとも4.0kN/mの引張強度MD及び少なくとも2kN/mの引張強度CDを有する。好ましくは、拡散防止バリアフィルム又は拡散防止バリア積層体は、0.033mm~0.055mmの層厚を有する。
【0041】
好ましくは、バリア積層体は、アルミニウム層と少なくとも2つのプラスチック層とから成り、このアルミニウム層は2つのプラスチック層の間に存在する。
【0042】
好ましくは、互いに別々に巻かれた少なくとも2つの追加の厚紙又は紙、特にクラフト紙の層がバリア層の上に配置される。
【0043】
缶は、好ましくは、少なくとも5バールの内部圧力に耐えることができる。
【0044】
あまり好ましくない実施形態では、厚紙又は紙、特にクラフト紙の少なくとも2つの層は、それ自体が重ならないか、又はそれ自体との重なり領域で厚さが減少した少なくとも1つの縁部領域を有する。
【0045】
好ましくは、厚紙又は紙、特にクラフト紙の更なる層の少なくとも2つのそれぞれの層厚は、いずれの場合も、140μm~175μmの範囲から選択される。クラフト紙層のクラフト紙のそれぞれの引張強度は、好ましくは、少なくとも10kN/m(MD)及び少なくとも5kN/m(CD)である。
【0046】
好ましくは、更なるクラフト紙層及び/又は紙又は厚紙材料の更なる層は、それぞれ長手方向に巻かれる。好ましくは、それらの接合部又は重なりエリアは、異なる周辺領域に位置する、又は厚紙もしくは紙、特にクラフト紙の2つの層の互いに向かい合う接合縁部は、好ましくは互いにオフセットされている。
【0047】
好ましくは、厚紙又は紙の層、特にバリア層に隣接するクラフト紙の接合部又は重なり領域は、バリア層の長手方向継ぎ目に対してオフセットされている。
【0048】
好ましくは、缶は、厚紙又は紙、特にクラフト紙の層の外側に適用される外側シール層を有し、この外側シール層は、例えばフィルム、積層体、又はコート紙として存在し得る。好ましくは、バリア層、好ましくは厚紙又は紙、特にクラフト紙の少なくとも2つの更なる層、及び好ましくは外側シール層も巻取りシステムで処理されて中空チューブを連続的に形成し、そこから個々の中空円筒が切断される。
【0049】
代替的に、少なくとも2つの層の厚紙又は紙、特にクラフト紙の最外層は、巻かれる前に、厚紙又は紙、特にクラフト紙の層とバリアフィルムとの積層体として既に存在していてもよく、バリアフィルムは、巻かれた後に複合缶シェルの外側に位置する。
【0050】
複合缶シェルの外側の外側バリアフィルム又は外側シール層は、水分を缶シェルから逃がすことができるが、水分が外側から缶シェルに入ることができない、半透過性フィルムであってもよい。
【0051】
複合缶シェルの外側の外側バリアフィルム又は外側シール層の材料は、リサイクル可能又は再生可能なPE、生分解性PE、EVOH又は他の公知のバリア材料であってもよい。
【0052】
代替の一実施形態では、個々の中空体の切断後にのみ、外側シール層が取り付けられる。これは、外側の防湿材料の管状スリーブを個々の中空体に被せて固定することにより実行できる。好ましくは、収縮フィルムから形成される収縮チューブは、円筒形中空体に被せられ、熱とそれに伴う直径の減少によって、缶シェル上に形成される。好ましくは、中空体の2つの切断縁部は、管状スリーブで覆われるので、水分はこの中に浸透できない。スリーブ又は収縮チューブの配置は、個々の中空体の両端部分が外側に形成される前に実行するのが有利である。スリーブ又は収縮チューブの中空体への接着又は嵌め込みは、中空体の端部を外側へ曲げる前又はその間に行うことができる。しかしながら、スリーブの中空体への配置や内転は、個々の中空体の両端部分が外側に形成された後に行うこともできる。
【0053】
管状スリーブで中空体の切断縁部を覆うことは、管状スリーブが切断縁部の周囲で中空体の内部に巻き込まれることを含む。管状スリーブは、好ましくは、両端が中空体の内部に少なくとも3mm、特に少なくとも4mm突出している。有利には、管状スリーブは、中空体の内側でそれらが重なり合うエリアで、バリア層又はバリア積層体に溶接することができる。
【0054】
管状スリーブは、プラスチックフィルムを含むか、又はプラスチックフィルムから成る。プラスチックフィルムは、好ましくは、ポリオレフィンから成る。
【0055】
管状スリーブは、収縮スリーブ又は伸張スリーブであり得る。
【0056】
管状スリーブの下に位置する中空体の紙層は、好ましくは、印刷される。印刷は、この紙層が巻かれる前に施すこともできるし、又は、巻取り機のマンドレル上のエンドレスチューブ上に既に、もしくはエンドレスチューブが個々の中空体上で切断された後に、巻かれた後の管状体に施すことができる。しかしながら、印刷を管状スリーブの内側及び/又は外側に配置することもできる。
【0057】
管状スリーブは、好ましくは、エンドレスチューブから切断された個々の中空体の搬送経路の終点で、ほぼ又は完全に乾燥した中空体に取り付けられる。中空体は、好ましくは、搬送経路に沿って連続的に移動される。乾燥装置は、搬送経路に沿って配置することもできるし、搬送経路が少なくとも1つの乾燥装置を通るようにすることもできる。あまり好ましくはないが、中空体は、例えば、乾燥装置内で十分に乾燥するまで一時的に保管することができる。
【0058】
その後、管状スリーブを1つ又は複数の中空体上に長手方向に被せるか、又は1つもしくは複数の中空体を長手方向に管状スリーブ内に押し込む。管状スリーブは、その両端で各缶シェルを越えて突出し、そこで内側に折り畳まれ、缶シェルのバリア層(内側ライナ)にグルー接着又は好ましくは溶接される。管状スリーブは、個別に供給することも連続チューブとして供給することもでき、この場合、連続チューブは、1つ又は複数の缶シェルを挿入した後に、それぞれの缶シェルの次位置で切断される。
【0059】
個々の中空体が切断された後、外側シール層はコーティングするかフィルムで包むことによって塗布され得るが、この場合、中空体の2つの切断縁部も、好ましくは、コーティング又はフィルムによって覆われる。
【0060】
層構造の外側が巻取りシステムで既にシールされていると、使用する材料、特にグルー接着剤とその塗布量に起因して、中空体の2つの切断縁部上方の層構造が十分に乾燥しない場合、個々の中空体を切断した後に外側シール層を塗布することは特に有用である。
【0061】
フィルム状の外側バリア層の代わりとして、厚紙又は紙、特にクラフト紙の少なくとも2層のうち最外層は、巻き取る前に後の外側に、既に片面にバリア材料、例えば塗料をコーティングしておくことができる。
【0062】
あまり好ましくないが、製造後、中空チューブ又は切り離された中空円筒の外側に、塗料などのバリア材料を塗布することができる。
【0063】
例えば、水性ポリマーコーティング又はUVペイントを塗料として使用できる。
【0064】
好ましくは、厚紙又は紙、特にクラフト紙の層の紙材料が露出している個々の中空円筒の切断縁部は、例えば、テープやフィルムを貼るか、塗料、防水性グルー接着剤、又は液体プラスチックなどのバリア材料でコーティングすることによってシールされる。特に好ましくは、切断縁部は含浸により、即ち、切断縁部で厚紙又は紙、特にクラフト紙の層の繊維マトリックスに浸透するか、多少吸い込まれる液体を塗布することによってシールされ、その結果、厚紙又は紙、特にクラフト紙に耐液性の縁部領域が形成される。このような含浸は、缶の最外層が1つ(重なり合う場合)又は2つ(突合せ接続継ぎ目の場合)の露出した長手方向の吸収縁部を有する場合にも使用することができる。
【0065】
含浸のために、水溶液又は水性エマルジョンとしてポリマー混合物を使用することが好ましい。
【0066】
好ましくは、個々の中空円筒の切断縁部は、底部要素及び蓋の配置を容易にするため、又は底部要素及び蓋部の保持を改善するために、外側に曲げられる。
【0067】
一実施形態では、液体又は気体の凝集状態又はプラズマ状態のコーティングがバリア層に施される。一実施形態では、このコーティングは、形成された中空体の内側に巻いた後に塗布される。
【0068】
酸化ケイ素(SiOx)によるコーティングが特に好ましい。コーティング、特にSiOxによるコーティングは、バリア層がそれ自体と折り畳まれた継ぎ目を形成しない、即ち、例えばそれ自体と単純な重なり又は突合せ継ぎ目を有する実施形態において特に有用である。
【0069】
酸化ケイ素(SiOx)の代わりに、又はそれに加えて、バリア層は、別の酸化物層、特に別の半金属酸化物層又は金属酸化物層を含むこともできる。
【0070】
好ましい実施形態では、ナノセルロース、特に、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)から成る、又はそれを含むコーティングが行われる。バリア層の厚紙又は紙材料、特にクラフト紙材料は、好ましくは、ナノセルロース、特に、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含む。ナノセルロース、特にミクロフィブリル化セルロース(MFC)は、本発明において、バリア特性及び/又は強度を高めるために、フィルムとして、プラスチックフィルム中、又は紙材料中(したがって、厚紙又は紙、特にクラフト紙材料の他の層中)で使用することができる。
【0071】
本発明により、好ましくは、缶シェルが必要な最大層厚を超えず、長手方向継ぎ目の領域においてバリア層には依然としてシェル厚さの許容偏差があるので、缶シェルが標準的なアルミ缶蓋で閉じられ、標準的なアルミ缶充填によって缶を充填して閉じることも可能であることが実現される。
【0072】
有用には、中空円筒の製造のために、本発明による缶シェルの個々の層がマンドレルの周囲に置かれて供給され、好ましくは表面全体にわたってグルー接着される場合、公知の巻取りマンドレルシステムが丸い巻取りマンドレルを使って使用され得るので、本発明による缶シェルの製造のために連続運転する標準的なプラントが、少しの適応努力で使用され得る。本発明による缶の丸い構造は、標準的な缶蓋で閉じることができるように要求されており、円筒形の本体は、他の形状、例えば、一般的な包装目的でごく一般的な、角が丸くほぼ長方形の本体よりも圧力に強い。
【0073】
有用には、本発明による複合缶シェルの構造により、従来の消費財の包装のために以前に使用されていたプラントで、耐圧容器を製造することができる。驚くべきことに、厚紙又は紙、特にクラフト紙からなるバリア層と、本発明の好ましい厚さ範囲のバリアフィルム又はバリア積層体とを使用することによって、バリアフィルム又はバリア積層体のマンドレルでの伸びが防止され、直線巻きの方が螺旋巻きよりもはるかに強力であることが判明するので、公知のプラントの運転速度を有利に増加させることができることが示されている。
【0074】
厚紙又は紙、特にクラフト紙の少なくとも2つの更なる層を、マンドレルの長手方向にバリア層と同様に巻く代わりに、少なくとも2つの更なるクラフト紙層を直線巻きバリア層の周囲に斜めに巻き付けることもでき、この場合、クラフト紙の変位エリア及び縁部エリアの面取り又はグレーディングが行われ得る。少なくとも2つの更なるクラフト紙層の斜め巻きは、各層について同じ方向に行われることもあれば、互いに反対方向に行われることもある。しかし、斜めに巻かれた更なるクラフト紙層を有するこの変形例は、クラフト紙層の接合エリア又は重なりエリアがバリア層の長手方向継ぎ目と交差するという欠点があり、その結果、これらの位置で弱点が生じる可能性がある。反対巻きの場合、少なくとも2つのクラフト紙層の接合エリア又は重なりエリアも交差するため、そこにも弱い箇所が生じる可能性がある。
【0075】
したがって、好ましくは、厚紙又は紙、特にクラフト紙の少なくとも2つの更なる層もまた、真っ直ぐに巻かれる。
【0076】
本発明に由来する、あまり好ましくない、またはあまり有用でない可能性のある修正は、厚紙又は紙、特にクラフト紙の層の代わりに、片面又は両面にプラスチック(特にPE)を積層した紙又はクラフト紙のウェブを使用し、2つの層の隣接するプラスチック層を溶接することによって層間の接続を行うことに見られよう。したがって、少なくとも1つの層は外側のPEフィルムを有し、少なくとも1つの更なる層は内側のPEフィルムを有し、これらの層は、特に巻取り機のマンドレル上で層が貼り付けられるとき、特に超音波溶接によって一緒に溶接される。もちろん、全ての層をプラスチック-プラスチック(PE-PE)の溶接で固定することもできる。この代替実施形態に到達するために、2つの表面を結合するためのグルー接着剤が言及されている本明細書の少なくとも1つ又は全ての部分で、グルー接着剤をプラスチックフィルムに置き換えることが理論的に可能であり、したがって、グルー接着される表面は代わりに一緒に溶接される。PE-PE溶接は、飲料用カートンの製造では一般的であるが、飲料用カートンは、炭酸飲料や強い正圧を有する媒体、又は強い正圧を発生させる媒体には適さないという欠点を有する。飲料用カートンの層構造(バリア層(PE又はPE-Alu-PE)-紙-プラスチック層(PE))は、理論的には、長手方向継ぎ目(飲料用カートンの通常の内部ストリップとの単純な重なり、又は折り畳まれた継ぎ目)を有する缶の最内層として使用することができ、これは、その上に内側のプラスチック層(PE)と外側の厚紙又は紙の層を有する少なくとも1層を追加して巻くためであり、層構造の最外層は、例えばPEで作られた外側バリア層を有する。しかし、通常の飲料用カートンとは異なり、層構造は円筒形であり、層構造を端部でそれ自体に溶接するのではなく、適切な閉栓要素(缶底部及び缶蓋部)で閉じられる。
【0077】
本発明を図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1】第1の実施形態による飲料缶の形態の本発明による流体容器の分解図を示す。
【
図2】2層から成る
図1の飲料缶の概略断面図であり、大きく拡大されて示されている。
【
図3】第2、3層の実施形態による飲料缶の概略断面図であり、層が大きく拡大されて示されている。
【
図4】内側にバリア層を含む第1の層を有する飲料缶の概略断面図を示しており、この層の2つの縁部領域は巻層に重なって外側に導かれ、次にバリア層と共に溶接され、その後、グルー接着剤が巻層上に塗布され、グルー接着される。
【
図8】シリコンベースのシールリングを備えた、径方向断面の事前成形された輪郭の別の変形例を示す。
【
図9】完成缶の長手方向断面の立面図であり、底部と蓋部にビード状の気密縁部を備えている。
【
図10】厚紙又は紙の複合缶シェル及び/又はアルミ缶シェルを充填するための、本発明によるプラントの第1のセクションを概略的に示す。
【
図11】厚紙又は紙の複合缶シェル及び/又はアルミ缶シェルを充填するための、本発明によるプラントの第2のセクションを概略的に示す。
【
図12】厚紙又は紙の複合缶シェル及び/又はアルミ缶シェルを充填するための、本発明によるプラントの第3のセクションを概略的に示す。
【
図13】本発明による円筒形缶シェルの第1の実施形態の長手方向断面を示す。
【
図14】第1の実施形態の層構造の長手方向断面の詳細を示す。
【
図15】第1の実施形態の層構造であり、バリア層の長手方向継ぎ目を通る断面の詳細を示す。
【
図16】本発明による円筒形缶シェルの第2の実施形態の長手方向断面を示す。
【
図17】第2の実施形態の層構造の長手方向断面の詳細を示す。
【
図18】第2の実施形態の層構造であり、バリア層の長手方向継ぎ目を通る断面の詳細を示す。
【
図19】本発明による円筒形缶シェルの第3の実施形態の長手方向断面を示す。
【
図20】第3の実施形態の層構造の長手方向断面の詳細を示す。
【
図21】第3の実施形態の層構造であり、バリア層の長手方向継ぎ目を通る断面の詳細を示す。
【
図22】本発明による円筒形缶シェルの第4の実施形態の長手方向断面を示す。
【
図23】第4の実施形態の層構造の長手方向断面の詳細を示す。
【
図24】第4の実施形態の層構造であり、バリア層の長手方向継ぎ目を通る断面の詳細を示す。
【
図25】本発明による円筒形缶シェルの第5の実施形態の長手方向断面を示す。
【
図26】第5の実施形態の層構造の長手方向断面の詳細を示す。
【
図27】第5の実施形態の層構造であり、バリア層の長手方向継ぎ目を通る断面の詳細を示す。
【
図28】本発明による円筒形缶シェルの第6の実施形態の長手方向断面を示す。
【
図29】本発明による円筒形缶シェルの第7の実施形態の長手方向断面を示す。
【
図30】第7実施形態の層構造の長手方向断面の詳細を示す。
【
図31】第7の実施形態の層構造であり、バリア層の長手方向継ぎ目を通る断面の詳細を示す。
【
図32】本発明による円筒形缶シェルの層構造であり、外側継ぎ目にシールストリップを備えたバリア層の長手方向継ぎ目を通る断面の詳細である。
【
図34】バリア層に隣接する円筒形缶シェルの追加の層構造の一実施形態の長手方向断面を示す。
【
図35】バリア層に隣接する円筒形缶シェルの追加の層構造の更なる実施形態の長手方向断面を示す。
【
図36】突合せ接合部を形成するバリア層の縁部と、その上に位置する更なる層とを有する第1の実施形態を示す。
【
図37】突合せ接合部を形成するバリア層の縁部と、その上に位置する更なる層とを有する第2の実施形態を示す。
【
図38】突合せ接合部を形成するバリア層の縁部と、その上に位置する更なる層とを有する第3の実施形態を示す。
【
図39】突合せ接合部を形成するバリア層の縁部と、その上に位置する更なる層とを有する第4の実施形態を示す。
【
図40】突合せ接合部を形成するバリア層の縁部と、その上に位置する更なる層とを有する第5の実施形態を示す。
【
図41】突合せ接合部を形成するバリア層の縁部と、その上に位置する更なる層とを有する第6の実施形態を示す。
【
図42】突合せ接合部を形成するバリア層の縁部と、その上に位置する更なる層とを有する第7の実施形態を示す。
【
図43】第1の中間層に厚さ増加部分を含む第1の実施形態を示す。
【
図44】第2の中間層に厚さ増加部分を含む第2の実施形態を示す。
【
図45】自己重なりする中間層を有する第1の実施形態を示す。
【
図46】自己重なりする中間層を有する第2の実施形態を示す。
【
図47】自己重なりする中間層を有する第3の実施形態を示す。
【
図48】バリア層のU字形シールを有する実施形態を示す。
【
図49】バリア層のU字形シールを有する実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
個々の図について説明する前に、本発明による流体容器を一般論として説明すると、流体容器は、特に、飲料缶としての設計において加圧容器として設計され、この目的のために、飲料を受け入れるための内部、底部部材、及び蓋部材で構成される中空の円筒形缶本体を有し、底部材は形成された中空円筒形缶本体の第1の長手方向端部を閉栓し、蓋部材は中空円筒形缶本体の第2の長手方向端部を閉栓する。缶本体は、少なくとも1つの巻かれた内側材料層と1つの巻かれた外側材料層から成り、即ち、厚紙複合材料又はクラフト紙の少なくとも2つのラップ又は層から成り、層は正確に360°延びるか、又は別の実施形態では、ラップ全体よりわずかに長く延びる。正確に1ラップ長の層ともう少し長い層の組合せが可能である。これらの層は、製造される缶本体の軸に対して直角に巻かれることが好ましく、その結果、必要な重なりと継ぎ目の長さが最小になるため、最大の圧縮強度が得られる。しかし、巻きバンドの長手方向の縁部が互いに接合されて緊密な重なりと継ぎ目を形成する螺旋状の巻き方では、より長い継ぎ目が必要になる。このような巻き方は螺旋巻きとも呼ばれ、これまでのところ、円筒形のテーブルボムや積み重ねられたポテトチップス用の容器、又はあらゆる種類の他の適切な商品の容器に見られる。本発明による耐圧缶、好ましくは、また耐熱缶の巻かれた内側材料層は、軸方向に延びる内側継ぎ目を有し、厚紙複合材料層またはクラフト紙層によって形成され、この厚紙複合材料層またはクラフト紙層は、好ましくは片面のみに、缶の内部に面する側面にガス気密性およびアロマ気密性のバリア複合材料でコーティングされ、巻かれた外側材料層は外側の継ぎ目を有し、好ましくはクラフト紙層によって形成され、重なりによって形成された継ぎ目は、缶の周囲に関して、内側材料層の継ぎ目に対してオフセットされていることが好ましい。厚紙複合材料の第3の層が存在する場合、その重なり又は継ぎ目は、缶の周囲に関して、再び、中央層の継ぎ目に対してずらして配置することが好ましい。
【0080】
この流体容器によれば、飲料容器又は円筒形飲料缶が、構造的に単純な方法とコストで提供され、この容器は、単純な構造とリサイクル可能な材料の使用を特徴とする。このような飲料缶は、驚くべきことに、特にいくつかの層とラップから成ることにより、十分に耐圧性を持つように設計及び製造することができるため、炭酸飲料だけでなく非炭酸飲料にも使用でき、主に裸の厚紙複合材料から製造されるものの、最大11バールの圧力に耐えることができる。最小限の内側のコーティングやバリア層を除き、シェルは主に厚紙材料やクラフト紙で構成される。この飲料缶は食品にも安全である。本発明による缶本体は、厚紙又は更には紙、即ち、クラフト紙から成り、もはやアルミニウム製ではない。バリア複合材の助けを借りて内側の材料層をシールすることにより、蒸気、アロマ、脂肪、及び酸素を完全に遮断するバリアが得られる。このバリア複合材は、例えば、押出成形機によるホットキャスティング法によって塗布される。バリア複合材に使用される材料は、ポリオレフィン層と少なくとも1層の結合剤である。必要に応じて、アルミニウムの層を追加で使用することができ、この場合、この最内層の表面総重量は約60g/m2~130g/m2である。更なる代替案では、バリア複合材は、更にエチレン-ビニルアルコールコポリマーの層を含んでもよく、これにより、表面総重量は50g/m2~100g/m2を達成することができる。
【0081】
外側材料層のクラフト紙層は、缶の内側に面する側の片面をポリオレフィン層でコーティングすることが好ましい。このポリオレフィン層の坪量は、少なくとも10g/m2、最大で50g/m2で、ポリエチレンPE又はポリエチレンテレフタレートPETから成る。理想的な坪量は20g/m2であることがわかっている。この場合、ポリエチレンテレフタレートPETの有利なバリア効果を使用できる。したがって、この飲料缶は、環境保護と廃棄物削減に重要な貢献をする。
【0082】
飲料缶は包装体として機能でき、それに応じて外側に内容物のラベルを貼りたいという要望があることを考慮して、外側材料層のクラフト紙層は、缶の内部と反対の外側の片面に、印刷可能又はペイント可能な防水性を有するように形成される。したがって、広告メッセージを印刷又はペイントできる外面を利用できる。巻かれた内側材料層及び巻かれた外側材料層は、好ましくは、表面全体にわたってグルー接着される。こうすることで、継ぎ目が缶の円周に対して相対的にオフセットした状態を保ち、圧縮強度を高めることができる。
【0083】
この流体容器又は飲料缶の安定性を環境に優しい方法で高めるために、有利には、巻かれた内側材料層と巻かれた外側材料層との間に少なくとも1つの巻かれた中間材料層を適用することによって三重包装が製造され、この中間材料層もクラフト紙層によって形成され、内側材料層、少なくとも1つの中間材料層と外側材料層は、対向するクラフト紙層上に全面に亘ってグルー接着される。少なくとも1つの巻かれた中間材料層は、中間の継ぎ目を有し、この中間の継ぎ目は、好ましくは、巻きの周囲に関して内側継ぎ目及び外側継ぎ目に対してオフセットされている。内側の継ぎ目、中間の継ぎ目、及び外側の継ぎ目を千鳥状に配置すると、炭酸飲料を充填する際の気密性と耐圧性の点で特に有利である。
【0084】
特に有利なのは、最内層のポリオレフィン層と少なくとも1つの接着促進剤層とのバリア複合材である。特に高い圧縮強度、11バール以上の圧力を達成する際に、内側材料層の機械的安定性を高めるために、バリア複合材は、更に、アルミニウムの層及び少なくとも60g/m2、最大130g/m2の総坪量を含むことがある。しかしながら、材料を選択することにより、流体容器の重量はわずかしか増加せず、その一方で内側の材料層は適切な材料を選択することで靭性が高まる。
【0085】
代替的に、バリア複合材の機械的安定性を高めるためには、アルミニウム単層ではなくエチレン-ビニルアルコール共重合体の層を追加して使用してもよく、その場合、総坪量は少なくとも50g/m2、最大100g/m2である。エチレン-ビニルアルコール共重合体もまた、バリアを形成するために必要な特性を有する。機械的安定性を高めた更に別の実施形態では、更に、総坪量が少なくとも50g/m2、最大で100g/m2のポリビニルアルコールの層をバリア複合材として使用することができる。この場合、ポリビニルアルコールは高い引張強度と柔軟性を有する。
【0086】
流体容器の総重量を下げることを考慮して、少なくとも60g/m2、最大で180g/m2の坪量を有するクラフト紙層が好適である。底部要素及び/又は蓋部要素は、金属缶の良好な耐圧性のために製造することができ、好ましくは、従来通り、アルミニウム製である。
【0087】
以下では、個々の図について詳細に記載し説明する。
図1では、飲料缶1の形態の本発明による流体容器が、模式的な単一部品図で示されている。飲料缶1は、管部分、即ち、中空円筒形缶本体2と、飲料を受け入れる役割を果たす缶内部3と、底部要素4と、蓋部要素5とを備える。底部要素4は、缶本体2の第1の長手方向端部6を閉じる役割をし、蓋部要素5は、缶本体2の第2の長手方向端部7を閉じるように設けられる。底部要素4及び蓋部要素5は、好ましくは金属、好ましくはアルミニウムでできている。前記飲料缶1は、直径が35mm~600mmで高さが100mm~250mmであってもよく、直径45mm~70mmで高さは100mmからが望ましい。
【0088】
図2は、原則として、2層の缶本体を有する第1の変形例を断面で示し、層はかなり拡大して示されている。バリア複合材としてインラインポリオレフィン層を有する第1のクラフト紙層18は、中央の円筒形鋼製マンドレルの周囲で内側層11の周りに巻かれ、第1の継ぎ目15と一緒に、巻き方向の縁部がグルー接着又は溶接される。続いて、第2のクラフト紙層18が外側材料層12として第1の層11上に巻かれ、巻き方向にある縁部が缶本体2の継ぎ目15とは反対側の継ぎ目16に溶接又はグルー接着されて、中空缶内部3を有する缶本体2が生成される。
【0089】
図3では、飲料容器1の第2の実施形態が缶本体2を通る断面で示されているので、
図2の第1の実施形態に対して、この第2の実施形態では、缶本体2の構造が2つの層のみではなく、3つの材料層11、14、12を有するという点で異なることがわかる。以下の説明は、両方の実施形態に適用され、2つの実施形態の相違点が取り上げられる。
【0090】
図2及び
図3に示される両方の実施形態において、缶本体2は、巻かれた内側材料層11及び巻かれた外側材料層12から成る。
図3による第2の実施形態では、更なる材料層、即ち、内側材料層11と外側材料層12との間に配置される巻かれた中間材料層14が存在する。2つ以上の中間材料層14を内側材料層11と外側材料層12との間に配置することも可能であるが、3つの中間材料層14は一種の最大値を表し、安定性を高めるために中間層の数を更に増やす必要はないことが示されている。
【0091】
内側材料層11、外側材料層12、及び第2の実施形態での中間材料層14は、材料ウェブロールから巻き出される。次に、好ましくは機械で、それらの縁部領域は、後に重なり合う縁部領域が厚紙複合材料層自体の厚さよりも厚くならないように、傾斜面又は段差のいずれかを形成するように研磨される。その後、材料ウェブは、マンドレル23の周りに、その進行方向に対して横方向に、かつ缶本体2に対して直角に巻かれ、缶本体2と後の密閉缶1が製造される。その後、個々の材料層の重なり合った縁部領域は、グルー接着によって互いに形状にフィットするように接続される。結果として、巻かれた内側材料層11は内側継ぎ目15を有し、外側材料層12は外側継ぎ目16を有する。したがって、第2の実施形態では、中間材料層14は中間継ぎ目17を有する。
【0092】
流体容器、特にまた飲料缶の機能と美観のためには、
図3に示すように、個々の継ぎ目15、16、及びオプションで17が同一の周方向位置に配置されるのではなく、
図2の第1の実施形態では内側継ぎ目15、外側継ぎ目16、及び
図3の第2の実施形態における中間継ぎ目17は、材料層11、12、及びオプションで14がグルー接着された後、異なる周方向位置に追加的に配置されると有利である。
図2に示すように、内側継ぎ目15が外側継ぎ目16に対して180°オフセットして配置されていようが、又は、
図3に示すように、継ぎ目15、16及び17が互いに対して約15°だけオフセットして配置されていようが、さほど重要ではない。継ぎ目15、16及びオプションとして17は、互いに相対的にオフセットして配置され、缶本体2の同じ周方向位置に配置されていないことが有用である。
【0093】
基材として、内側材料層11及び外側材料層12はそれぞれクラフト紙層18によって形成され、存在する場合には、中間材料層14もクラフト紙層18によって形成される。この場合、それぞれのクラフト紙層18は、好ましくは少なくとも40g/m2、最大で180g/m2の坪量を有し、少なくとも80g/m2、最大で120g/m2の坪量が好ましい。代替の基材として、引張強度の高い袋紙も検討されている。
【0094】
図2及び
図3によれば、両方の実施形態において、外側材料層12のクラフト紙層18は、缶内部3から反対側を向いた外側側面の片面に、バリア複合材としてのポリオレフィン層19でコーティングされている。この外側材料層12の2層構造は破線で概略的に示されており、
図2及び
図3の表現は実際の層の厚さを反映していない。ポリオレフィン層19は、好ましくは少なくとも10g/m
2、最大で40g/m
2の坪量を有し、20g/m
2の坪量が好ましい。更に、ポリオレフィン層19は、半浸透性を備えていてもいなくてもよい。ポリオレフィン層19(図示せず)の代替として、外側材料層12のクラフト紙層18は、缶内部3から反対側を向いた外側側面の片面に印刷又は塗装されてもよい。
【0095】
更に、
図2及び
図3によれば、両方の実施形態において、内側材料層11は、缶内部3を向いた側面に、ガス気密性及びアロマ気密性のバリア複合材20で片面コーティングされる。ここでも、2層構造は、それぞれの図において破線で概略的に示されている。バリア複合材20自体は多層であり得る。
【0096】
内側材料層11については、缶内部3を向いた側面の片面にガス気密性及びアロマ気密性の層でコーティングすることができる。ここでも、二層構造はそれぞれの図に破線で概略的に示されている。好ましくは、この層は、プラズマコーティングなどのコーティングによって噴霧、印刷又は塗布される。特に好ましくは、この層は無機バリア材料を含む。特に好ましくは、この層は非金属の無機バリア材料を含む。
【0097】
特に好ましくは、この層はバリア材料として酸化ケイ素(SiOx)を含む。好ましくは、この層は内側材料層11の紙材料に直接塗布される。内側材料層11の紙材料には、SiOxコーティング施す前に、好ましくは、プライマーの形態で、薄いプラスチック層を設けることができる。代替的に、内側材料層11は、厚紙、紙、特にクラフト紙層とバリアフィルムとの積層体として既に存在することができ、バリアフィルムの上又は中に追加のSiOx層が存在する。この層は、巻かれる前に内側材料層上に既に存在し得て、又は巻かれる前に塗布することができる。この層は、内側材料層11が巻かれた後、特に中空体全体が巻かれた後に塗布することができる。プラズマコーティングは、SiOxからなるバリア層を塗布するのに特に適している。
【0098】
この層は、好ましくは、ナノセルロース、特にミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含有する。
【0099】
内側材料層11は、好ましくは、ナノセルロース、特にミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含有する。
【0100】
プラスチックバリア層又はバリア複合材は、ポリオレフィン層及び接着剤の少なくとも1つの層を含むことができる。加えて、バリア複合材20は、次いで、アルミニウム、エチレン-ビニルアルコールコポリマー又はポリビニルアルコールの層を有してもよい。アルミニウムの追加層の場合、バリア複合材20は、好ましくは少なくとも60g/m2、最大130g/m2、好ましくは110g/m2の総坪量を有する。アルミニウムの代わりにエチレン-ビニルアルコールコポリマー又はポリビニルアルコールの追加層の場合、バリア複合材20は、好ましくは少なくとも50g/m2、最大100g/m2、好ましくは70g/m2の総坪量を有する。
【0101】
上記の層構造を考慮すると、
図2による第1の実施形態では、巻かれた内側材料層11及び巻かれた外側材料層12は、好ましくは、それぞれのクラフト紙層18の反対側の側面の表面全体にわたってグルー接着されることがわかる。
図3による第2の実施形態では、対向するクラフト紙層18上の内側材料層11、中間材料層14及び外側材料層12は、好ましくは、これらの表面全体にわたってグルー接着されている。
【0102】
要約すると、飲料缶として説明されるこの例示的な流体容器は、主に厚紙材料で作られており、非炭酸飲料と炭酸飲料の両方に適している。これは、好ましくは、3ピースで直線的に製造された、主に-均一な圧力吸収のために-円筒形の流体容器であるが、理論的には5リットルのビール樽の形状など、他の形状も可能である。流体容器は、それぞれ、多層厚紙とバリア厚紙の複合材で作られた缶本体2と、好ましくは金属製、好ましくはアルミニウムで作られた底部要素4と、好ましくは金属製、好ましくはアルミニウムでも作られた蓋部要素5とから成る。蓋部要素5には更に、開けるための公知の装置、好ましくはプルリングを備えており、オプションとして、再閉栓を可能にする手段を設けてもよい。
【0103】
製造のために、
図4及び
図5に示すように、最も内側の巻き、即ち、バリアウェブとして機能する最内層11がマンドレル23の周囲に形成される。この場合、巻きの外周を超えて突出する層の縁部エリアは、好ましくは、他の縁部エリアよりも外側に配置される。重ね合わされた2つの縁部領域は、好ましくは互いに接続され、例えば、プラスチック層が重なり部分のプラスチック層上に静止する場合は、誘導溶接又は超音波溶接によって溶接され、重なり部分の隣接する層の少なくとも1つが紙で作られている場合はグルー接着される。図示のように、接着剤又は充填材料、特にグルー接着剤22を重なりエリア52に塗布することができるので、順に重なって位置する巻層の2つの縁部エリアが互いに接着される。
【0104】
図5に示すように、厚紙複合材料の次の層14は、マンドレル23と、ここでは
図4のバージョンに従って接続された既存の層11との周囲に、同時に、かつ空間的にわずかにオフセットして巻かれ、次の層14は接着でそれに接続される。第2の層14の縁部領域は、好ましくは、重なりあうことによって互いに確実に接続され得るように階段状に研磨され、この重なりはグルー接着されて中央継ぎ目17を形成する。
図5では、厚紙複合材料の第3の層12、即ち、外側の層が、時間的かつ局所的に、中央層14の周囲にごくわずかにオフセットされた状態で巻かれ、積極的な重なりもまたグルー接着されて外側の継ぎ目16が形成されることも示されている。最外層は、水蒸気が缶本体から逃げることができるように、また逆に水蒸気が缶本体内に侵入しないように、外側材料で、例えば、非常に微細な孔のある層でコーティングしてもよい。このコーティングは、好ましくはポリエチレンPE、ポリプロピレンPP又はポリエチレンテレフタレートPETである。最も外側の継ぎ目16は、結合剤又は接着剤を含む/含まないPE、PP、PETからなるシールストリップ(点線で示す)でシールすることができ、このシールストリップはその形態に応じて、熱を加えて/加えずに塗布される。マンドレル23上を移動する結果として得られる連続チューブ27にストリップ46を貼り付ける代わりに、最外層の継ぎ目16を高温の液体PEでシールしてもよい。
【0105】
厚紙複合材料で作られた缶の工業生産の場合、この材料は、それぞれのコーティングが施されたクラフト紙のプレハブシートがロール状に巻かれた状態で供給され、材料はこれらから巻き出され、
図5に示す巻取り装置に供給される。例えば、
図5の例では、巻かれる3つの層11、14、及び12のウェブとして3つのローラが存在することになる。巻き出しの後、好ましくは、ウェブ14、12の縁部領域は、傾斜面44又は段差21を生成するために機械によって研磨される。主にこれらのローラが、グルー接着剤、及び底部要素と蓋部要素と共に、流体容器の製造のために缶充填機に供給され得るが、空容器はなく、したがってかさばる商品もない。
【0106】
巻取り装置に供給される前に、ウェブ11、14、12は、その平坦な側面の一方に接着剤、好ましくはグルー接着剤でコーティングされる。
【0107】
その後、
図5に示すように、個々の層11、14、12の「連続」ウェブ、即ち、最初に最内層11を形成するウェブは、マシンステーションによって、固定された円筒状の鋼製マンドレル23に沿って層を送り、引っ張ることによって、スチール製マンドレル23の周囲に巻かれる。材料ウェブは、鋼製マンドレル23と、それぞれがU字形断面を有する複数の連続するローラ(図示せず)との間を走行する。最内層11では、
図4に示すように、バリア層の2つの縁部の重なりが生じる。次に、チューブに巻かれた最内層11は、鋼製マンドレル23の更なる部分上を進む。接触ローラ(図示せず)は、マンドレル23上に供給された最内層11を保持し、最内層11がマンドレル23上を搬送されるようにする。
【0108】
次に、最内層11のすぐ後ろにある同じ機械で、中央層14を局所的に最も内側の包装又は層11に貼り付ける。傾斜面44は、好ましくは、この中央層14の段差21又は長手方向縁部に切り込まれ、マンドレル23の巻き取りによって重なるようにされ、あらかじめ塗布されたグルー接着剤によって接着される。そして最後に、外層も同時に塗布され、先に巻かれた層14上で局所的にわずかに後退される。
【0109】
次に、
図5に示すような、3つの層が結合された厚紙複合材料で作られたパイプ27は、
図5に示されるように、切断装置26、例えば、クロック付式前後ギロチンに送られ、パイプ27を所望の位置でパイプ部分28に切断する。切断は、好ましくは可動式ギロチンだけでなく、公知の多回転刃切断機でも実行できる。この場合、複数の回転刃を備えたキャリッジが連続チューブ27とともに生産速度で移動するため、1回の操作で複数のパイプ部分28を切断することができる。切断後、パイプ部分28は、ヒートトンネルを通過し、グルー接着剤の水分を除去することが好ましい。熱は様々な方法で生成できる。温風が優先される。
【0110】
所望の缶の容積に応じて、パイプ部分28を所望の長さに切断した後、パイプ部分28の開口端の切断縁部を機械で突起状に形成する。この目的のために、回転する展延ツールが両側から開口端に挿入される。
図6は、この展延の可能性を示す。缶本体2は、内側縁部51が丸みを帯びた中空円筒48に挿入される。軸50を中心に回転するスチールローラ49により、この湾曲した内側縁部51は後退し、軸50は円錐の壁を画定するように移動する。スチールローラ49は、湾曲した内側縁部51上で1回又は複数回のパスで缶本体2の上側縁部を転がり、層をわずかに拡げる。その結果は、次の
図7に示すような投影図となる。切断縁部については、好ましくは、このカード化の後にシールするか、または、後続の充填が必然的に湿度の高い雰囲気の中で行われるために、湿気がクラフト紙層の内部に浸透しないように、例えば、液状ポリエチレンPE又はディスパージョン接着剤、又は他の適切な速硬化性で食品グレードの接着剤などのディスパージョン接着剤で塗装することによって展延が行われた後にシールする。その後、切断縁部を再び熱で処理して、硬化時間を最小限に抑える。この目的のために、この時点では、赤外線が好ましい。その後、これらのチューブ部分28は、搬送装置内に直立姿勢で一列に配置され、次いで、
図10に示されるようにカルーセル30を通過し、このカルーセル30上で、機械32は、各パイプ部分28の開放された上面側に、供給マガジン31から分離された閉栓要素、例えば底部要素4を開始し、閉栓要素の半径方向外側に向いた底部縁部の外側縁部領域を、開放されたパイプ部分28の縁部領域の周囲で半径方向にシール密に形成する。
【0111】
図7は、底部要素4又は蓋部要素5の形態の閉栓要素を強固に圧着するこの工程を示している。底部要素及び蓋部要素は、従来のアルミ缶をシールするために使用されている標準的な底部又は蓋部とすることができ、次いで同じ機械で組み立てることができる。底部要素4又は蓋部要素5は、アルミニウム製であり、半径方向に突出した縁部領域41、即ち、缶本体2の直径を超えて突出したエリアを有する。縁部領域41を有する底部要素4又は蓋部要素5は、機械によって缶本体2の縁部領域42と重なるようにされる。その後、機械32によって圧着が行われ、この目的のために、機械32は、片持ちの2層部分41、42、即ち、縁部41を缶本体の縁部42と一緒に圧着し、即ち、約360°以上転動させ、堅く形成された継ぎ目を作る。
図7に示されるように、缶本体2の切断縁部は、防湿材料から成るシール37である。蓋部要素5又は底部要素4は、通常、弾性シール材である複合材料38を有し、この複合材料38は、缶本体2の縁部領域42に面する突出した縁部領域41の領域に塗布される。
【0112】
好ましくは、複合材料38は、蓋部要素5又は底部要素4のカール39(縁部の最も外側の下向きの湾曲)の内側から蓋部要素5又は底部要素4の肩部40まで延びており、複合材料38は、少なくとも部分的に、肩部40の高さを超えて、かつ少なくとも部分的にカール39の内側の半径を超えて延びている。好ましくは、複合材料38は、肩部40の高さの少なくとも半分を超えて延びている。
【0113】
図8は、代替の底部又は蓋部4を示しており、ここでは直径方向の断面で示されている。図からわかるように、シリコンベースのシールリング47は、それによって形成された下向きに開放している溝の中に挿入される。従来のアルミ缶と同じように、同じ機械を使って蓋部を取り付ける。シリコンシールは、更に適切な締め付けを提供し、重なり合うエリアは一緒に内側に巻き込まれる。
【0114】
図10は、カルーセル30を備えた回転移送機32を示し、この移送機32は、上述のように、缶本体に底部要素を取り付け、底部要素の縁部を缶本体の縁部に圧着する。次に、
図11に示すように、一方に開いているパイプ部分28をコンベアチャネル内で上下逆さまにして、開いている側が上を向くようにする。その後、充填ステーション33、特にカルーセル充填ステーションを通過し、各パイプ部分28に決められた充填量が充填される。最後に、
図12に示すように、底部が閉栓された充填チューブ部分28は、カルーセル34を通過し、このカルーセル34上で、機械35は、供給マガジン36から、プルリングクロージャを有する単一の蓋部要素5を、各充填チューブ部分28の開放している上側に挿入し、次に、半径方向に突出する蓋部要素5の縁部は、開放しているチューブ部分28の縁部領域の周囲でシールするように圧着される。
【0115】
充填されシールされた容器1は、後に
図9に示すように、その長手方向の軸に沿った断面で示される。缶本体2と上下のフランジ43が見え、これらにより、蓋部5と底部4がシールされた状態で固定されている。
【0116】
図13では、缶シェル101の第1の実施形態が、円筒形容器を通る長手方向断面で示されている。缶シェル101は、内側から外側に向かって、バリア層102、第1の中間層103、好ましくは少なくとも1つの第2の中間層104、外側の紙又はクラフト紙層105及び外側のバリア層106を有する。
【0117】
バリア層102は、円周の一点で、缶シェル101の長手方向に延びる重なり継ぎ目を有し、その重なり継ぎ目では、バリア層102の2つの層は、上下に重なる。
【0118】
図13~
図15に示す第1の実施形態は、バリア層102として、バリアフィルム又は複数のフィルム層からなるバリア積層体108のみを含む。バリア層102は、耐湿性であり、両面及びその切断縁部で気密性である。バリア層102を単純に重ねるだけで、しっかりとした長手方向継ぎ目を形成するのに十分である。
【0119】
図14及び
図15は、
図13の実施形態を詳細に示し、ここではバリア層102がバリア積層体108として示されている。長手方向継ぎ目を作るとき、異種材料を互いに接着する必要がないことは有利であるが、これは、例えば、紙材料とプラスチックの異種材料の接着は、一般に、紙と紙、又はプラスチックとプラスチックの接着よりも、より特殊な接着剤及び/又はより長い時間を必要とし、接続が弱くなるからである。一実施形態では、バリア積層体は、重なりエリア内でそれ自体に溶接される。すでに述べた誘導溶接や超音波溶接の変形形態に加えて、本発明の全ての実施形態において、プラスチックに直接熱を加えることによって、例えば、熱風によって溶接を行うこともできる。
【0120】
缶シェル101の周方向における長手方向継ぎ目の重なりの長さは、好ましくは、1~6mm、特に、好ましくは2~4mm、特に3mmである。
【0121】
図13~
図15から逸脱して、
図16~
図31の実施形態では、バリア層102は、クラフト紙層107とバリアフィルムとの複合体として、又はクラフト紙層107と複数のフィルム層のバリア積層体108との複合体として設計される。これにより、バリア層102は包みやすくなり、より安定する。
【0122】
好ましくは、缶シェル101の周方向における長手方向継ぎ目の重なりの長さは、1~6mm、特に、好ましくは2~4mm、特に、3mmである。
【0123】
図16及び
図31に示すように、缶シェル101の最内層は、好ましくは、クラフト紙層107上に積層されるバリア積層体108によって形成することができる。バリア積層体108とクラフト紙層107の結合は、円筒形缶シェル101を巻き取る前に既に行われる。バリア層102の材料は、好ましくは、クラフト紙層107とバリア積層体108との複合体の形態で製造され、その後、ロールに巻かれ、次いで円筒形缶シェル101の巻取り工程にロールとして供給される。
【0124】
【0125】
長手方向継ぎ目エリアでは、
図16~
図18の実施形態では、バリア層102はそれ自体との重なりを有し、バリア層102の2つの層は互いに重なる。バリア層102の内側切断縁部をシールするために、シールストリップ110が取り付けられるが、これは、両側の切断縁部を越えて突出し、そこでバリア積層体108の両方の内側フォイル部分に接着又は溶接される。
【0126】
内側から外側に向かって見た長手方向継ぎ目のエリアでは、最初にシールストリップ110があり、次にバリア積層体108があり、続いてクラフト紙層107が続き、これらは巻取り前に既に互いにしっかりと結合されている。クラフト紙層107は、バリア積層体108の更なる層に隣接し、これらは巻取り中に互いに接着されることが好ましい。バリア積層体108の更なる層には、更にクラフト紙層107が続き、これらは巻取り前に既に互いにしっかりと接続されている。
【0127】
図19~
図21に第3の実施形態を示す。この実施形態では、バリア層102は重なり合わずに巻かれているので、缶シェル101の長手方向に延びるバリア層の2つの縁部が接触し突合せ接合部を形成する。当接縁部である長手方向の継ぎ目をシールするために、シールストリップ110が取り付けられる。
【0128】
あまり好ましくないが、液体シーラント、例えば、ホットメルトを塗布することによって、当接縁部をシールするか又は液密にすることができる。
【0129】
図22~
図24に第4の実施形態を示す。この実施形態では、バリア積層体108又はバリアフィルムは、クラフト紙層107を越えて突出しているので、クラフト紙層107の切断縁部は、バリア積層体108又はバリアフィルムによって覆われるか、またはシールされる。
図24では、第1の縁部領域のクラフト紙層107及びバリア積層体108の両方が、第2の縁部領域のクラフト紙層107及びバリア積層体108に重なっており、第1の縁部領域のバリア積層体108は、クラフト紙層107よりも長い距離で第2の縁部領域に重なっている。
【0130】
図25~
図27に第5の実施形態を示す。この実施形態では、バリア積層体108又はバリアフィルムは、クラフト紙層107を越えて突出しているので、クラフト紙層107の切断縁部は、バリア積層体108又はバリアフィルムによって覆われるか、またはシールされる。
図27に示す実施形態では、第1の縁部領域のバリア積層体108のみが、クラフト紙層107及び第2の縁部領域のバリア積層体108と重なっている。第1の縁部領域のクラフト紙層107は、第2の縁部領域のクラフト紙層107と突合せ接合されており、これにより、図示のように、クラフト紙層の縁部間にわずかなギャップが存在することもある。
【0131】
図28に第6の実施形態を示す。この実施形態では、バリア積層体108又はバリアフィルムは、第1の縁部領域でクラフト紙層107を越えて突出し、第2の縁部領域でクラフト紙層107は、バリア積層体108を越えて突出する。第1の領域のバリア積層体108は、第2の領域の露出したクラフト紙層107の内側に静止する。図示のように、バリア積層体108の2つの縁部は当接することができ、この場合、シールストリップ110は当接縁部を覆う。別の実施形態では、第1の縁部領域のバリア積層体108は、第2の縁部領域のバリア積層体108と重なっており、この場合、シールストリップ110は必要ない。
【0132】
図29~
図31に第7の実施形態を示す。この実施形態では、バリア積層体108又はバリアフィルムは、第1の縁部領域でクラフト紙層107を越えて突出し、第2の縁部領域でクラフト紙層107は、バリア積層体108を越えて突出する。第1の縁部領域のクラフト紙層107は、第2の縁部領域の露出したクラフト紙層107の内側に静止する。第1の縁部領域のクラフト紙層107は、第2の縁部領域のバリア積層体108に当接するか、又はその間にギャップを有することができる。第1の縁部領域のバリア積層体108は、第2の縁部領域のバリア積層体108と重なり、接着又は溶接される。第1の縁部領域と第2の縁部領域の2つの重ね合わせられたクラフト紙層107は、特に、グルー接着剤で互いに接着することができる。
【0133】
したがって、
図16~
図31の全ての実施形態において、バリア層102の外層は、このようにクラフト紙層107によって全周にわたって形成されている。クラフト紙層107は、好ましくは、外側は未処理、即ち、塗装も積層加工もなされていないので、外側はクラフト紙材料で形成されている。
【0134】
図16~
図31の実施形態では、内側の中間層103は、巻取り工程中にバリア層102の外側の周囲に配置されており、中間層103は処理がなされない、即ち、内側及び外側がコーティング又は積層加工されていない。内側中間層103の内側は、その表面全体にわたってバリア層102の外側とグルー接着されており、ここでは好ましくはクラフト紙材料がクラフト紙材料と直接にグルー接着されるので、グルー接着剤が両方の層の繊維マトリックスに浸透することができ、それによって接着剤の特に高い最終強度が達成される。
【0135】
あまり好ましくないが、ホットメルト接着剤や二液型接着剤などの他の接着剤を使用してもよいが、ホットメルトの最終強度は低いことと、二液型接着剤の処理が難しいことが、グルー接着剤又は水性接着剤に比べて大きな欠点として挙げられることがある。本明細書における接着剤は、接着剤の水溶液であると理解される。特に、公知の紙グルー接着剤を使用することができる。
【0136】
あまり好ましくないが、2つ以上の異なる接着剤の組合せを使用してもよく、これらは2つの層を結合するために一緒に使用するか、又はそれぞれ異なる層を結合するために使用できる。例えば、ホットメルトと水性接着剤は、2つの層を一緒に結合するために、層の上に並べて塗布することができる。
【0137】
溶剤系接着剤及びグルー接着剤は、特に液体状態で又は発泡体として塗布することができる。
【0138】
発泡体には、非発泡性の接着剤やグルー接着剤と比較して、より少ない液体量で接着やグルー接着される表面を覆うことができるという利点がある。
【0139】
図13~
図15の場合、内側中間層103は、バリア積層体108又はバリアフィルムの周囲に巻き付けられる。一実施形態では、内側中間層103は、その内側にプラスチック製又は積層フィルム製のコーティングを有する。この実施形態では、内側中間層103のコーティング又は積層された面を、バリア積層体108又はバリアフィルムにグルー接着又は溶接することができる。
【0140】
図13~
図33に示すように、好ましくは、少なくとも1つの更なる中間層104が、巻取り工程中に内側中間層103の外側の周囲に配置され、好ましくは、この更なる中間層104は処理されない、即ち、内側にコーティングも積層加工もされない。
【0141】
少なくとも2つの中間層103、104の使用は、缶シェルのために厚い層のみを使用するよりも複雑であり、より高い材料コストを伴うが、2つの薄い層、特にクラフト紙層は、巻取り機でより速く処理することができ、しかも缶本体の安定性は、1つの厚い層の使用と比較して、驚くべきことに、更に増加し得るという利点がある。
【0142】
好ましくは、
図13~
図33に示すように、2つの中間層103、104及び追加の紙又はクラフト紙層105が使用され、内側の中間層103及び各追加の中間層104は、好ましくは、両面がコーティングされておらず、外側の紙又はクラフト紙層105は、好ましくは少なくとも内側が未処理又はコーティングされていない。
【0143】
特に好ましい缶シェルは、高さが130mmから~150mmの範囲、外径が50mmから~60mmの範囲、内径が48.6mmから~58.6mmの範囲で製造される。
【0144】
特に好ましいシールされた缶の寸法は、外側高さ134mm、内側高さ133mm、外径52.4mm、内径51.2mm、内容量約270~275ml、充填容量250mlである。
【0145】
説明したように、缶は、最内層としてバリア層102を有し、これは、
図16~
図34の実施形態ではフィルム材料とクラフト紙から形成され、
図13~
図15の実施形態ではフィルム材料のみから形成されている。フィルム材料は、好ましくは、アルミフォイル及び少なくとも1つのプラスチックフィルムを含む複合フィルムであり、これらは一緒にバリア積層体108を形成する。バリア積層体108は、好ましくはアルミフォイルを有し、特に好ましくは層厚が6~9μmであり、これらは2つのプラスチック層の間に存在する。
【0146】
バリア積層体108は、好ましくはプラスチックフィルム、好ましくはPE、アルミフォイル、好ましくはサーリン(Surlyn)の形態の接着促進剤、プラスチックフィルム、好ましくはPEを内側から外側へ配置した構造を有する。バリア積層体108の個々の層厚は、特に好ましくは、プラスチックフィルム10~25μm、結合剤2~5μm、アルミフォイル6.5~7.5μm、プラスチックフィルム10~25μmである。
【0147】
バリア積層体108は、好ましくは、30μm~55μmの厚さを有する。バリア積層体108は、特に好ましくは、35~50μm、特に40~45μmの厚さを有する。好ましくは、バリア積層体108は、45~75g/m2、特に50g/m2~65g/m2の坪量を有する。
【0148】
一実施形態では、バリア層108はまた、バリア積層体の上又は中に存在するか、バリア積層体の1層、数層、又は全層を置き換える、シリコン含有バリア材料、特にSiOxから成る少なくとも1層から成る。
【0149】
一実施形態では、少なくとも50nm、特に少なくとも500nmの層厚のSiOxから形成された層がある。
【0150】
バリア層102のクラフト紙層107は、好ましくは60μm~90μmの厚さを有する。バリア層102のクラフト紙層107は、特に好ましくは70~85μmの厚さを有する。バリア層102のクラフト紙層107は、好ましくは40g/m2~80g/m2、特に50~70g/m2、特に60g/m2の坪量を有する。
【0151】
バリア層102は、90μm~145μmの好ましい層厚を有する。バリア層102は、110~135μmの特に好ましい層厚を有する。
【0152】
クラフト紙層107のクラフト紙の引張強度MDは、好ましくは少なくとも4kN/m、特に少なくとも5.0kN/mである。クラフト紙層107のクラフト紙の引張強度CDは、好ましくは少なくとも2kN/m、好ましくは少なくとも2.5kN/mである。
【0153】
バリア層102の第2の実施形態では、これは、内側から外側に向かって、ヒートシール塗料、好ましくはPETの形態のプラスチック層、アルミフォイルの形態のアルミニウム層、接着剤の形態のプラスチック層、及びクラフト紙から成るクラフト紙層107を有するバリア積層体108の構造を有する。クラフト紙層107のクラフト紙は、40g/m2の坪量を有することが好ましい。ヒートシール用ラッカーは、好ましくは、坪量が1.6g/m2、アルミフォイルは層厚が7.7μmで坪量が20.8g/m2、及び接着剤のプラスチック層は坪量が2g/m2である。全体として、このバリア層102は、約60μmの層厚と約65g/m2の坪量を有する。
【0154】
バリア層102は、長手方向にマンドレルの周囲に巻かれて長手方向の継ぎ目を形成し、バリア積層体108の内側のプラスチックフィルムがマンドレルに対向し、クラフト紙層107がマンドレルから離れる方向に対向する管状体を形成する。
【0155】
次の層、即ち、内側中間層103は、好ましくはクラフト紙で作られ、特に好ましくは、坪量125g/m2、引張強度MD>12kN/m、厚さ0.160μmを有する。クラフト紙の両面は未処理である。好ましくは、内側クラフト紙層103は、95g/m2~135g/m2の坪量及び/又は10kN/mを超える引張強度及び/又は0.140mm~0.175mmの厚さを有する。
【0156】
クラフト紙層は、バリア層102の管状体の周囲に巻かれることによって、バリア層102のクラフト紙層107に直接かつ完全に、特にグルー接着によって結合される。
【0157】
グルー接着については、グルー接着剤、好ましくはポリ酢酸ビニルを、バリア層102の外側又は内側中間層103の内側に、10~25g/m2、特に15~20g/m2の量で塗布することが好ましい。
【0158】
次の層は、中間層104であり、例えば、坪量125g/m2、引張強度>12kN/m、及び厚さ0.160mmのクラフト紙から成る。クラフト紙の両面は未処理である。好ましくは、中間層104は、95g/m2~125g/m2の坪量及び/又は10kN/mを超える引張強度MD及び/又は0.140mm~0.175mmの厚さを有する。
【0159】
この追加の中間層104は、バリア層102及び内側中間層103の管状体の周囲に巻き付けることによって、特にグルー接着することによって、直接、その全体が下層の内側中間層103に結合される。
【0160】
グルー接着のために、グルー接着剤、好ましくはポリ酢酸ビニルを、好ましくは10~25g/m2、特に15~20g/m2の量で内側中間層103の外側又は追加的中間層104の内側に塗布する。
【0161】
好ましくは、缶本体は、外側の紙又はクラフト紙の層105から形成される第4の層を有する。外側の紙又はクラフト紙層105は、好ましくは80~130g/m2、特に100~120g/m2の坪量を有する。外側の紙又はクラフト紙層105は、好ましくは70~120μm、特に90~110μmの厚さを有する。
【0162】
外側の紙又はクラフト紙層105は、巻取り装置において中間層104に貼り付けられ、好ましくはグルー接着剤、好ましくはポリ酢酸ビニルで、好ましくは10~25g/m2、特に15~20g/m2の量で、表面全体に接着される。
【0163】
缶シェル101は、好ましくは、バリア層102、内側中間層103、中間層104、及び外側の紙又はクラフト紙層105を含む。缶シェルの厚さDは約550μmである。バリア層102、内側中間層103、中間層104、及び外側の紙又はクラフト紙層105から成る缶シェル101は、好ましくは500~650μm、より好ましくは550~620μmの全厚を有する。バリア層102、内側中間層103、中間層104、及び外側の紙又はクラフト紙層105から成る缶シェル101は、好ましくは300N/15mmより大きい、特に350N/15mmより大きい、即ち20kN/mより大きい、特に23kN/mより大きい引張強度CDを有する。好ましくは、バリア層102、内側中間層103、中間層104、及び外側の紙又はクラフト紙層105から成る缶シェル101は、少なくとも400g/m2、特に、少なくとも450g/m2の坪量を有する。
【0164】
好ましくは、この外側クラフト紙層105は、缶の外側に面する側に外側バリア層106、例えば、ピンホールの有無にかかわらず、単層バリアフィルム、好ましくは坪量15g/m2及び/又は厚さ15ミクロンのポリエチレン(PE)、又はワニスでコーティングされたものを備える。
【0165】
代替的に、外側層は、ピンホールの有無にかかわらず、バリアフィルムの形態の外側バリア層106のみから構成されてもよく、好ましくは25g/m2のPEである。この場合、内側中間層103及び第2の中間層104は、缶シェルの全材料厚さが維持されるように、その材料厚さを調整することができる。
【0166】
缶の高さと直径に応じて、中間層104の数は1より大きくてもよく、例えば、高さ245mm及び直径175mmを有する缶の場合、中央層の数は2層が好ましいことが想定される。例えば、層103、104、105当たりの好ましい厚さを0.160μm、バリア層102の厚さを127μmとすると、全厚さDは767μmとなる。
【0167】
缶の高さ及び直径に応じて、内側中間層103、中間層104、及び外側クラフト紙層105がより大きな強度を有するようにすることができ、例えば、Hが245mm及びDが175mmの缶の場合、それぞれの厚さは265μmである。例えば、バリア層102の厚さ127μmとすると、全厚さDは922μmとなる。
【0168】
層が薄いほど、使用するクラフト紙の全体的な坪量に対して、より速い缶の処理速度、そしてより高い缶本体の安定性を達成し得ることから、層厚を増すよりも層数を増やす方が有効である。
【0169】
引張強度MDとクラフト紙層107及び層103、104、105に使用されるクラフト紙の坪量との商としての引張強度指数MDは、好ましくは70~120Nm/gの範囲である。
【0170】
引張強度CDとクラフト紙層107及び層103、104、105に使用されるクラフト紙の坪量との商としての引張強度指数CDは、好ましくは35~70Nm/gの範囲である。
【0171】
使用されるクラフト紙の引張強度指数MDは、好ましくは80Nm/gより大きい。引張強度指数MDは、特に好ましくは100Nm/gより大きい。
【0172】
使用されるクラフト紙の引張強度指数CDは、特に好ましくは40Nm/gより大きい。引張強度指数CDは、特に好ましくは50Nm/gより大きい。
【0173】
クラフト紙層107に加えて、層構造は、好ましくは、特定の引張強度指数MD及びCDを有するクラフト紙で作られた少なくとも2つの更なるクラフト紙層103、104から成る。クラフト紙層107又は更なる層103、104の少なくとも一方は、特定の引張強度指数MD及びCDを有する別の厚紙材料で形成されてもよい。クラフト紙は、MD、特にCD(クロス方向)の引張強度指数が大きいことで、従来の紙とは区別される。
【0174】
好ましくは、クラフト紙層107のクラフト紙及び層103、104のクラフト紙は漂白されていない。外側の紙又はクラフト紙層105の紙又はクラフト紙は漂白されていてもよく、これは、その外側に印刷するのに有用であり得る。外側の紙又はクラフト紙層105には、巻かれる前に既に製品デザインが印刷されていてもよく、この印刷は、有益には、紙又はクラフト紙層105と外側バリア層106との間に存在していてもよい。その後、切断装置26での切断が印刷に対して登録される。
【0175】
図32は、本発明による缶シェル101の特に好ましい構造の断面を示す。この構造では、内側中間層103及び更なる中間層104は、それぞれのウェブ材料に対向する層の2つの縁部が互いに重なり合うが、重なり合うエリアの層の層厚を増加させることなく、又は実質的に増加させることがないように、斜めに形成された側縁部を有する。斜めの形状の代替として、
図33に示すように、階段状の縁部や連結縁部など、他の形状の縁部も適している。一般的に言えば、層103、104、105の少なくとも1つの両縁部のうち少なくとも一方は、2つの縁部が重なり合う領域の厚さが減少するような形状を設けることが好ましい。特に好ましくは、層103、104、105の少なくとも1つの両縁部に、重ねられた縁部の厚さが層自体の厚さに等しくなるような形状が設けられる。特に好ましくは、最も内側の中間層103に、このような構造が設けられる。好ましくは、塗布された中間層104の少なくとも1つにこのような構造が設けられ、特に好ましくは、全ての塗布された中間層104にこのような構造が設けられる。
【0176】
図32に示すように、外側クラフト紙層105の縁部は、接合部で接触することが好ましく、この接合領域では、PE、PET又はPPのストリップ109(ストライプとも呼ばれる)を塗布することにより、又は、缶本体が形成された後、スプレーヘッドを用いてシール材を塗布することにより、ギャップがシールされる。外側クラフト紙層105の当接縁部は、結果として生じるギャップがより規則的であり、したがって視覚的に魅力的であり、外側クラフト紙層105の縁部領域の層厚の減少がないため効果的であるが、外部からの機械的影響に対する安定性が低くなる。
【0177】
あまり好ましくないが、内側中間層103の縁部及び/又は追加の中間層104の縁部は、接触してそれぞれの層に突合せ接合部を形成し得るが、これは層構造の安定性に悪影響を及ぼす可能性が想定される。
【0178】
本発明による缶シェル101を製造するために、最初に、バリア層102をウェブ材料として巻取り機のマンドレルの長手方向に供給し、更にマンドレルの長手方向に移動させる。マンドレルの周囲に2つの縁部が形成され、これらの縁部がマンドレルの反対側で接触し、マンドレルがウェブ材料で囲まれる。
【0179】
長手方向継ぎ目を作るために、バリア層102のウェブ材料の2つの縁部は、マンドレル上で上下に重なる。バリア層102は、外側にグルー接着剤が塗布されないことが好ましい。
【0180】
したがって、特に好ましくは、本発明による巻取り機は、長手方向継ぎ目エリアにおいて、バリア層102の2つの並置された領域の少なくとも一方に狙いを定めて接着剤(例えば、グルー接着剤又はホットメルト)を塗布するアプリケータ、例えば、ノズルを設けたアプリケータを備えた公知の先行技術の改良として提供される。
【0181】
これにより、缶シェル101の安定性に悪影響を及ぼす可能性のある空気が、重なりエリアに閉じ込められるのを効果的に防ぐことができる。缶の内部圧力は、層構造内に閉じ込められた空気を加圧し、その閉じ込められた空気の圧力は、層構造に内部からストレスをかけるか、閉じ込められた空気が蓋部で閉じられた端部に向かって逃げようとする原因となり、そこでクリープ損傷が発生する可能性がある。
【0182】
次のステップでは、好ましくは、内側中間層103は、巻取り機のマンドレルの長手方向にウェブ材料として供給され、マンドレルの長手方向に更に移動されるので、内側中間層103は、バリア層102の周囲に配置される。内側中間層103の2つの縁部は、マンドレル上に位置するバリア層102の周囲に形成され、これらの縁部はマンドレルの反対側で接触し、マンドレル上に配置されたバリア層102は内側中間層103のウェブ材料によって囲まれるようになる。説明したように、内側中間層103の縁部は、互いにグルー接着されるように重なり合うことが好ましい。内側中間層103は、例えば、ウェブ材料の供給中にグルー接着剤を塗布することによって、内側にグルー接着剤が供給されることになり、内側中間層103をバリア層102のクラフト紙層107に嵌合又は押圧するとき、グルー接着剤は層間のエリア全体に行き渡る。
【0183】
次のステップでは、0から好ましくは最大3つまでの追加の中間層104が、内側中間層103の周囲に順次積層され、これらも、好ましくは、ウェブ材料として巻取り機のマンドレルの長手方向に供給され、マンドレルの長手方向に移動される。各追加の中間層104の2つの縁部は、既にマンドレル上に位置する内側中間層103の周囲に形成され、これらの縁部がマンドレルの反対側で接触し、マンドレル上に位置する内側中間層103がウェブ材料によって囲まれるようになる。説明したように、各中間層104の縁部は、好ましくは、互いにグルー接着されるように重なり合う。各中間層104は、例えば、ウェブ材料の供給中にグルー接着剤を塗布することによって、内側にグルー接着剤が供給されることになり、マンドレル上に既に配置された内側中間層103に中間層104を嵌合又は押圧するとき、グルー接着剤は層間のエリア全体に行き渡る。
【0184】
次のステップで、外側の紙又はクラフト紙層105は、既にマンドレルの周囲に巻き付けられた外側の層103、104の周囲に形成されるが、その際、好ましくは、巻取り機のマンドレルの長手方向にウェブ材料として供給され、マンドレルの長手方向に更に移動される。外側のクラフト紙層105の2つの縁部は、マンドレル上に既に位置する外側の層103、104の周囲に形成されるため、これらの縁部はマンドレルの反対側で接触し、マンドレル上に既に位置する層103、104はウェブ材料によって囲まれるようになる。説明したように、外側クラフト紙層105の縁部は、接合部で接触するために、互いに重なり合わないことが好ましい。外側のクラフト紙層105は、例えば、ウェブ材料の供給中にグルー接着剤を塗布することによって、内側に接着剤が供給されることになり、外側のクラフト紙層105を下側の巻層103、104に嵌合又は押圧するとき、グルー接着剤は層間のエリア全体に行き渡る。
【0185】
図32に示すように、外側クラフト紙層105は、好ましくは、外側バリア層106を既に有していてもよく、即ち、外側面が耐液性又は撥液性となるように片面がコーティングされた積層体又はウェブ材料として供給されてもよい。例えば、外側クラフト紙層105には、防水又は防湿印刷を施すことができる。
【0186】
外側クラフト紙層105が、供給中にまだ耐液性又は撥液性の外側を有していない場合、巻取り機内又は巻取り機後にそれを設けることができる。例えば、巻取り機内で外側クラフト紙層105の周囲に、耐液性又は撥液性のフィルムや積層体を貼り付けてもよい。例えば、巻取り後、成形された中空円筒に、耐液性又は撥液性の物質、特に塗料を噴霧又は印刷してもよい。巻取り機で外側クラフト紙層105の周囲に耐液性又は撥液性のフィルムや積層体を貼り付ける場合、このフィルムや積層体をプラスチック側に溶接して外側クラフト紙層105を強固に囲むようにしてもよい。フィルムの場合、単純な重なりで十分である。例えば、フィルムと薄い印刷紙やラベル用紙で作られた積層体の場合、その上に折り畳み継ぎ目を設けてもよい。バリア層106は、印刷層又はラベル層の形で塗布してもよく、この印刷層又はラベル層は、少なくともその外側で、外側クラフト紙層105の上に密着しており、この印刷層又はラベル層は、次に、例えば、その2つの縁部の当接領域において、グルー接着剤の付いたストリップ109でシールされる。
【0187】
供給中に外側クラフト紙層105が既に耐液性又は撥液性の外側を有している場合、次のステップにおいて、外側の層の接合領域は、好ましくは、例えば、耐液性又は撥液性の材料を液体として塗布する、又はストリップ109、特に粘着テープの形態で貼り付けることによって、巻取り機でシールされる。
【0188】
したがって、外側の紙もしくはクラフト紙層105又はその上に配置された更なる層の外側の継ぎ目は、折り畳まれた継ぎ目、単純な重なり合い、又は接合部(突合せ接合継ぎ目)として設計することができる。突合せ接合継ぎ目は、ホットメルト、ストライプ、テープ、又はシール液によってシールすることができ、これらの手段は、最外層を巻き付けた後、個々の中空円筒を切断する前に、巻取り機において適用することが好ましい。ストライプ又はテープは、自己接着性であってもよいし、超音波溶接で固定されるプラスチックストリップ、特にPEストリップとして存在してもよい。
【0189】
好ましくは、ホットメルトは、マンドレル上に位置する紙チューブにノズルを備えた巻取り機内で塗布され、ノズルを通過して移動する。好ましくは、ノズルは、巻取り機において塗布される紙チューブの最外層の長手方向に延びる突合せ接合継ぎ目のギャップに対して垂直に向けられる。ノズルは、断面が円筒形又は長方形で、直線状又は平らな開口面を有してもよい。
【0190】
しかし、好ましくは、ノズル開口面は、紙チューブの円周方向に見て、紙チューブの円筒形状に適合した凹状であり、ノズルの開口面は、紙チューブから均一な距離を有することが好ましい。
【0191】
ホットメルトは、好ましくは、最外層を巻いた後、巻取り機内で直接に塗布され、最外層は緻密な外側バリア層106であるか、又はそれを既に有する。ホットメルトは、最外層の吸水性の切断縁部をシールするために、及び/又は突合せ接合継ぎ目に沿って露出する下層103又は104をシールするために塗布される。好ましくは、外層は吸湿性材料、特に紙又はクラフト紙から形成され、その外側には耐湿性材料、例えば耐湿性フィルムと積層されるか、耐湿性物質でコーティングが施されている。突合せ接合継ぎ目のギャップは、好ましくは0.5~4mmの範囲内である。ホットメルトは、好ましくは、突合せ接合継ぎ目のギャップ上に突出するストリップの形態で塗布され、ホットメルトのストリップの幅は、好ましくは、突合せ接続継ぎ目のギャップの幅より、少なくとも1mm、特に少なくとも2mm広い。例えば、突合せ接続継ぎ目のギャップの幅は3mmであり、ホットメルトストリップの幅は6mmである。ホットメルトは、例えば160℃~190℃の加熱状態で塗布され、個々の円筒が巻取り機のマンドレル23から切断されるまで冷却することにより硬化する。これは、例えば送風機の形態の冷却装置によって支援されることが好ましい。突合せ接合継ぎ目を接着剤でシールすることにより、缶の外周は非常に平坦又は均質になる。接着剤又はホットメルトによって外側バリア層106上に形成されるフィルムは、例えば、厚さはわずか0.05~0.1mmである。バリア層106を含む外側クラフト紙層105の代わりに、異なる紙又は厚紙材料、好ましくは再生紙又は繊維材料から作られたもの、又はそれを含むものを使用することも可能である。
【0192】
本発明による外層シーリングの更なる実施形態では、外側クラフト紙層105はフィルムの形態の外側バリア層106を備え、クラフト紙層105及びフィルムは積層体として存在し、したがって、巻取り装置に材料ウェブとして一緒に供給される。フィルム層は、一方の側に突出したフィルム層の縁部が、他方の突出していないフィルム層の縁部に静止するように、クラフト紙層105よりも材料ウェブの横方向に長くなるように設計されている。この場合、フィルム層の突出した縁部は、クラフト紙と重ならないフィルム層上で溶融又は溶接してもよいし、又は、重なり領域の下側に、フィルム層をそれ自体に結合するための接着剤、特に活性化可能な、特に熱活性化可能な接着剤を塗布してもよい。
【0193】
層が巻かれて管状体に接合された後、
図5に見られるように、公知の切断機を使用してマンドレルから個々の中空円筒が切断される。
【0194】
個々の中空円筒は、その後、縁部領域の両端で折り曲げられる。
【0195】
曲げは、好ましくは5mmの長さ範囲で実施され、外側縁部は外向きに2.5mm曲げられる。外側縁部から、曲げられた領域は、好ましくは半径3~4mm、特に半径3.3~3.5mmの円形経路に沿って、曲げられないシェル領域に結合することが好ましい。
【0196】
切断された、又は既に折り曲げられた縁部には、水分によって吸収能力が低下するように、好ましくは、シール液が塗布される。これは、好ましくは、曲げ加工中このシール液を塗布することによって行われる。代替的に、テープや収縮チューブを貼ることにより、切断縁部をシールすることができる。
【0197】
曲げられ、最終的にシールされた中空円筒は、その後、缶の閉栓機に移され、そこで中空円筒の最初の一端、好ましくは下端が、第1の閉栓要素、例えば、最初に底部要素4で閉じられる。底部要素4は、好ましくは、従来のアルミ缶のアルミニウム製の底部要素であり、これは本発明の缶と少なくともほぼ同じ容量又は同じ直径を有する。
【0198】
その後、媒体、特に炭酸飲料が、好ましくは0.25リットルの量で、底部が閉栓された中空円筒に充填される。
【0199】
充填された中空円筒は、続いて、第2の閉栓要素、例えば、蓋部要素5で上部が閉栓される。蓋部は、好ましくは、従来のアルミ缶のアルミニウム製の蓋であり、少なくとも本発明の缶とほぼ同じ容積又は同じ直径を有する。
【0200】
閉栓及び充填は、好ましくは80,000缶/時間の処理能力を持つ時計付きプラントで実行される。
【0201】
好ましくは、巻取り機で40,000缶/時が生産され、これは、巻取りマンドレルの方向における完成パイプの速度が約1.5m/sであることを意味する。機械をミラーリングすることにより、80,000缶/hという所望の処理量を達成できるが、この場合、両機械ユニットからのフランジ付き缶本体を缶底部シーラーの前で一緒にする。
【0202】
好ましくは、より低速の巻取りシステムに由来する本発明の缶シェル2は、同じより高速の閉栓充填プラントで、従来のアルミ缶シェルと一緒に、より好ましくは、同じ底部要素及び同じ蓋部を用いて、工具入れ替えや時間の中断なしに、閉栓することができる。このことは、巻取りシステムの速度は、もはや処理にとって重要ではなく、充填プラントはこれとは無関係に、完全な処理性能で運転できることを意味する。
【0203】
本発明による複合缶と従来のアルミ缶は、同じプラントでバッチで又は交互に充填と閉栓をすることができるので、単一の巻取りプラントの製造速度の低さを従来のアルミ缶の製造で補うことができる。例えば、毎時40,000缶と毎時40,000アルミ缶をプラントで製造することができ、有効なことに、2つの製造ライン、即ち、環境に優しい複合缶と実績のあるアルミ缶をプラントで同時に連続製造することができる。
【0204】
本発明による複合シェル缶の必要性を正確に満たし、標準缶の残りの容量を使用することができるため、本発明による複合缶の販売は、当初は従来の充填プラントをフルに利用することにつながらないため、製品導入に特に有利である。したがって、本発明による缶と従来のアルミ缶の充填プラントの本発明による同時使用又は連続使用すると、アルミニウム缶の製造を継続することができ、複合缶に徐々に置き換えられて割合が増加するだけであるため、製品転換の更なる阻害閾値が更に減少する。
【実施例1】
【0205】
図16~
図33の1つによる好ましい層構造により、高さ134mm、外径52.4mm、炭酸飲料充填容量250mlの飲料缶が製造される。紙又はクラフト紙層105として、あまり破れにくい上質紙、具体的にはLumiflex(商標)110 gsm Stora Enso AGの紙層105が使用され、缶の後の外側にPEコーティングが施される。飲料缶の上部と底部は、標準的な閉栓装置を用いて、アルミ缶の標準的な底部と蓋部でシールされている。
【0206】
使用される層とその結果の層構造は、以下の表に明記されている。
【表1】
【0207】
引張強度MD(マシン方向)は、缶シェル101の長手方向におけるクラフト紙の引張強度を示し、引張強度CD(クロス方向)は、缶シェル101の周方向におけるクラフト紙の引張強度を示す。使用されている紙層105の従来の紙は、特にクロス方向(CD)において、引張強度が著しく低いことがわかる。
【0208】
缶シェル101の層構造全体の坪量は、1層当たり18g/m2のグルー接着剤の塗布により、個々の層の合計と比較して増加する。グルー接着剤の塗布量は、グルー接着剤を3層全面に塗布したため、合計54g/m2となる。
【0209】
バリア積層体108としては、厚さ25μmのPEプラスチックフィルム、厚さ7μmのアルミフォイル、厚さ3μmのサーリン接着剤、及び厚さ15μmのPEプラスチックフィルムという構造の積層体を使用する。
【0210】
このようにして準備された缶は、炭酸飲料の保管や輸送に適している。
【0211】
したがって、本発明による容器の特に好ましい層構造は、缶の長手方向に延びる単純な重なり継ぎ目を有するバリア積層体108とクラフト紙層107とから成る内側バリア層102を有し、その上に、缶の長手方向に延びる重なり継ぎ目を各々が有する2つの巻層103、104があり、層103、104は、継ぎ目領域において、厚さ減少部分を有する少なくとも1つの縁部を含み、クラフト紙層103、104の上には、紙又は厚紙材料の巻層が続き、この巻層は、外側に、外側バリア層106と、缶の長手方向に延びる突合せ接合継ぎ目を形成するギャップとを有し、このギャップはホットメルトでシールされ、層103、104は、クラフト紙表面で、互いに、及び下層と上層に、直接接着され、特にグルー接着される。
【0212】
本発明による缶の利点は、リサイクル性と良好な生態学的評価である。使用されている材料の缶は、プラスチックでコーティングされた厚紙の包装に似ているため、アルミニウム部分、紙層、プラスチックフィルムを互いに分離し、これに類似した公知の溶解方法でリサイクルのために分離及び仕分けすることができる。特に、再生可能資源の割合が高く、特に紙の形をしているため、アルミニウム製及び/又はプラスチック製の缶よりも有利になる。この缶の生態学的評価は、従来のアルミ缶よりも優れている。
【0213】
図34は、正圧を有するか、又は輸送中又は保管中に正圧を発生させる可能性のある固体、液体及び/又は気体状媒体を収容する缶1で使用するための、バリア層の長手方向継ぎ目を通る長手方向断面における缶シェル101の変形例を示しており、缶の円筒形缶シェル101は、主に紙又は厚紙材料から成り、少なくとも2つの巻層から成り、底部が底部要素4で、上部が蓋部要素5で閉じられており、缶1は少なくとも5バールの内部圧力に耐えることができ、缶シェル101の最内層は、缶1の長手方向に延びる長手方向継ぎ目を有する直線巻きバリア層から成り、バリア層は、内側拡散防止フィルム又は内側拡散防止バリア要素108、中央の紙又は好ましくはクラフト紙層107、及び外側プラスチック層111から成る積層体であり、缶シェル101のバリア層の周囲には、内側プラスチック層111を有する紙又は厚紙材料から成る少なくとも1つの更なる巻層が存在し、バリア層102の隣接するプラスチック層111と紙又は厚紙材料とから成る更なる巻層は、互いに直接溶接される。長手方向継ぎ目は、
図13~
図31の実施形態のうちの1つに従って作ることができる。
【0214】
内側プラスチック層111を有する紙又は厚紙材料の更なる巻層は、外側プラスチック層111を有することもできる。
【0215】
更に、各層が内側プラスチック層111及び/又は外側プラスチック層111を有する、1つ又はより好ましくは最大2つの紙又は厚紙材料の更なる層が存在してもよく、層の隣接するプラスチック層111は互いに溶接される。
【0216】
図35に示すように、紙又は厚紙材料の更なる層103、104、105の間には1つのプラスチック層111のみを存在させることができ、例えば、巻き取る前に2つの隣接する層の一方に既に存在させることができる。
図35の変形例では、クラフト紙層107と隣接する層103との間にプラスチック層111が存在しないため、紙材料の上に紙材料が重なるようになる。
【0217】
一実施形態では、このように、層状構造はバリア層から成り、その紙材料は、次の層の紙又は厚紙材料の紙材料に接着、特にグルー接着されており、この次の層の紙又は厚紙材料と缶シェルの最外層の紙又は厚紙材料との間には、これらの層のうちの2つの間に少なくとも1つのプラスチック層111が存在する。少なくとも1つのプラスチック層111は、有用には、それを加熱することによって2つの層を接続するために使用される。少なくとも2つの層が加熱又は溶融されたプラスチックによって接続されるという事実から、接着剤又はグルー接着剤によって層構造に導入される液体の量は減少する。
【0218】
少なくとも連続する2層の紙又は厚紙材料のうち2つの紙材料を直接結合又はグルー接着することで、缶の安定性が向上し、バリア層は好ましくはこれらの層のうちの1つであり、その結果、バリア層とそれに続く層は特に堅く接続される。
【0219】
紙又は厚紙材料の2つの層の間に配置される少なくとも1つのプラスチック層111には、好ましくはミシン目又は開口部が設けられ、それにより、水分が紙又は厚紙材料の層の間のプラスチック層111を通って分配され得る。結果として、接着剤又はグルー接着剤によってもたらされた水分は、紙又は厚紙材料の層の間に効果的に分配され、その結果、個々の層の全体的な水分含有量を減らすことができる。
【0220】
プラスチック層の材料は、好ましくは、ポリオレフィン、特にPEである。
【0221】
図34及び
図35の実施形態は、缶のバリア層102及び外側バリア層がどのように実装され得るかにかかわらず有用である。例えば、バリア層のバリア材料108は、フィルム、積層体、複合フィルム、もしくはコーティング、又はこれらの組合せの形態であり得る。
【0222】
プラスチック層111を有する紙又は厚紙材料で作られた更なる巻層は、好ましくは、それ自体との重なり領域において厚さが減少した長手方向の継ぎ目を順に有することができる。最外層は、ギャップを適切にシールした上で、再び突合せ継ぎ目を設けてもよい。
【0223】
本発明による、又は缶の実施形態による缶の1つもしくは複数の層又は全層の紙もしくは厚紙材料は、好ましくは、同等の引張強度指数MD(Machine Direction)及びCD(Cross Direction)を有するクラフト紙又は紙又は厚紙材料であってよい。
【0224】
図36~
図41は、バリア層に続く内側中間層103の内側縁部がバリア層102の縁部に当接し、内側中間層103の外側縁部が内側中間層103の内側縁部に重なる、更なる実施形態を示す。巻取り機のマンドレル上に位置するバリア層102の周囲に巻き付けるときに、内側中間層103の縁部をどの程度正確に配置できるかによって、製造に起因して内側中間層103の内側縁部とバリア層102の縁部との間にギャップが生じる場合もある。バリア層102及び内側中間層103はそれぞれ、それ自体と重なり合う部分を有し、それによってそれらは真っ直ぐに巻かれ、したがってマンドレル上に形成されたエンドレスチューブの長手方向に真っ直ぐに延びる縁部を含む。
【0225】
図36に示すように、第2の中間層104の内側縁部が第1の中間層103の外側縁部に当接し、第2の中間層104の外側縁部が第2の中間層104の内側縁部に重なることが好ましい。紙又は厚紙材料、特にクラフト紙で作られた中間層が更にある場合、それらも同じ方法で具現化することが好ましい。
【0226】
図36に示すように、外側の紙又はクラフト紙層105の内側縁部は、下にある層104の外側縁部に当接し、外側の紙又はクラフト紙層105の外側縁部は、外側の紙又はクラフト紙層105の内側縁部に重なることが好ましい。他の実施形態について既に説明したように、外側の紙又はクラフト紙層105は、外側バリア層106を有するか、又は設けられる。
【0227】
中間層103及び104は、好ましくは、同じ材料厚さで存在する。
【0228】
更なる層103及び104は、2つの重なり合う縁部エリアの一方又は両方において、それら自体と重なり合うエリアの材料厚さを減少させることができる。
【0229】
図37に示すように、バリア層102の縁部は、それ自体と単純に重なることによって形成されてもよい。図示のように、中間層103はバリア層102と同じ厚さであるようにすることができる。中間層103及びバリア層102は、異なる材料厚さで存在することもできる。
【0230】
図38に示すように、バリア層102の縁部は、それ自体と折り畳まれた継ぎ目を有することによって形成され得る。図示のように、中間層103は二重バリア層102と同じ強度であるようにすることができる。しかしながら、中間層103は、異なる材料厚さで存在することもできる。
【0231】
図39及び
図40に示すように、第2の中間層104の第1の縁部は第1の中間層103の外側縁部に当接していてもよく、第2の中間層104の第2の縁部は第2の中間層104の第1の縁部まで延びていない。第2の中間層104の第2の縁部は、バリア層102とそれ自体との重なりから生じる、層構造の厚さ増加部分が存在する内側中間層103のエリアの始まりまで延びることが好ましい。
図39と
図40に見られるように、バリア層102とその上に存在する層103との重なりエリアにおける厚さ増加部分は、第2の追加層104によって隠されている。
【0232】
図41及び
図42に示すように、内側中間層103の外側縁部は、厚さが減少するように、特に傾斜面を有するように、設計することができる。更に、外側に位置する追加の中間層104の縁部は、厚さを薄く、特に、傾斜面を有するように、設計することができる。結果として、上下に位置する2つの層103、104の縁部、特に傾斜面は、重なり合うように存在することができる。
図41及び
図42に示すように、第2の中間層104の第2の縁部もまた、又は代替的に、厚さを減らして、特に傾斜面を有するように設計することができる。
図41に示すように、更なる中間層104は、それ自体に重なることができ、それによって、外側縁部の傾斜面を使用して、同じく傾斜面を有する外部に隣接する層を取り付けることができる。
図42に示すように、更なる層104は、バリア層102と内側中間層103との複合体の厚さの変化が起こるエリアに傾斜面が存在することで、厚さ増加部分を隠す役割を果たすことができる。
【0233】
図37、
図39及び
図41の実施形態では、長手方向継ぎ目は、図示のようにシールストリップ110によってシールすることができる。しかしながら、図示とは異なり、
図15、
図24、
図27及び
図31に示すように、長手方向継ぎ目は、単に長手方向継ぎ目のエリア内でバリア層102に重なるバリア層102のフィルム層によってシールすることもできる。
【0234】
図36、
図38、
図40及び
図42の実施形態では、バリア層102の紙又はクラフト紙層107の切断縁部が内側に露出しないため、シールは折り畳まれた継ぎ目自体によって行われる。折り畳まれた継ぎ目は、バリア層102の2つの縁部領域が、拡散防止バリア積層体108又は拡散防止フィルムもしくはコーティングと共に互いに対向し、2つの縁部領域がバリア層102自体の上に折り返されるという事実によって特定される。
【0235】
図43及び
図44は、バリア層102の継ぎ目の厚さ増加部分が、更なる層構造によって少なくとも大部分隠されている実施形態を概略的に示している。
図43及び
図44では、継ぎ目は自己シール性の折り畳み継ぎ目として設計されているが、これはまた、他の図に記載されているバリア層102の継ぎ目の実施形態のうちの1つに従って設計することもできる。
【0236】
図43では、バリア層102の継ぎ目は、バリア層102に隣接する中間層103の紙、厚紙、又は特にクラフト紙材料のギャップに収容されている。したがって、層103の2つの長手方向縁部は、互いに距離を置いて、継ぎ目エリアにおけるバリア層102の厚さ増加部分の両側に位置している。この実施形態では、後続の更なる紙又は厚紙、特にクラフト紙層104は、好ましくは、缶シェルの全周に亘っている。層104の2つの長手方向縁部は、
図43に示すように、層104の重なり合う縁部領域で、互いに隣接又は重なることができ、厚さを減少することができる。図示されているものとは逆に、層104の突合せ接合部又は重なりエリアは、バリア層102の継ぎ目からオフセットして配置され、したがって層103のギャップからオフセットして配置されることが好ましい。
【0237】
図44の実施形態では、バリア層102とバリア層102に隣接する層103の継ぎ目は、後続の紙又は厚紙、特にクラフト紙の更なる層104のギャップ内に収容される。層104の2つの長手方向縁部は、互いに距離を置いており、継ぎ目エリアでバリア層102及び層103の厚さ増加部分の両側に位置している。この実施形態では、層103は缶シェルの全周に亘っている。層103の2つの長手方向縁部は、
図44に示すように、層103の重なり合う縁部領域で、互いに当接又は互いに重なることができ、厚さを減少することができる。図示のように、層103の突合せ接合部又は重なりエリアは、バリア層102の継ぎ目からオフセットされ、したがって層104のギャップからオフセットされることが好ましい。
【0238】
図44の実施形態では、バリア層102に直接隣接する層103が自己完結型であるため、缶本体の安定性が、特にバリア層102の継ぎ目エリアでより大きくなるので、
図44の実施形態は、
図43の実施形態よりも有効であることが証明されている。
【0239】
図45は、更なる層103、104の少なくとも一方がそれ自体と重なり合い、それぞれの層103、104の重なり合う縁部領域の厚さが減少しない実施形態を示す。両方の層103、104は、好ましくはこのように設計される。したがって、層103及び/又は層104は、単純な重なりの形態で厚さ増加部分を有する。バリア層102は、本明細書で説明の実施形態のうちの1つに従って具体化することができ、特に継ぎ目エリア内での単純な重なり又はそれ自体と折り畳まれた継ぎ目を有する。層102、103及び104のそれぞれの重なりは、好ましくは、厚さの差の合計が生じないように、互いにオフセットして配置される。層103及び/又は104の重なりの範囲は、例えば、1~10mm、特に1~5mmの範囲で小さくすることができる。
【0240】
それぞれの層103、104の少なくとも一方の内側縁部又は外側縁部は、層構造の厚さの変化が起こる層構造エリアに面していることが好ましい。層103に示すように、層103、104の少なくとも一方は、下層の厚さ増加部分の前に、内側長手方向縁部と共に存在し、かつ厚さ増加部分の上方に配置され得て、層の外側長手方向縁部は厚さ増加部分が立ち上がる縁部の前にある。
【0241】
層104に示すように、層103、104の少なくとも一方は、下層の厚さ増加部分の下降縁部の後に内側長手方向縁部と共に位置することができ、他方の端部は、層の外側長手方向縁部が層の内側長手方向縁部と重なるように、厚さ増加部分の上方に導かれ得る。
【0242】
図46は、両方の更なる層103、104がそれら自体と重なる実施形態を示す。それぞれの層103、104の重なり合う縁部領域では、厚さが低減していない。したがって、層103及び層104は、単純な重なりの形態で厚さ増加部分を有する。バリア層102は、本明細書に説明の実施形態のうちの1つに従って設計することができ、特に、継ぎ目エリア内にそれ自体との単純な重なり又は折り畳まれた継ぎ目を有する。層102、103及び104のそれぞれの重なりは、互いに対してオフセットして配置されているので、厚さの差の合計は生じない。
【0243】
両方の層103、104は、下層の厚さ増加部分の下降側面に向かって内側長手方向縁部と共に位置し、かつ他方の端部と共に厚さ増加部分の上方に導かれ、それぞれの層103、104の外側長手方向縁部がそれぞれの層103、104の内側長手方向縁部に重なる。
【0244】
図46に示すように、層103、104の内側長手方向縁部は、下層の長手方向縁部によって形成されていない厚さ増加部分の側面に面することができる。代替的に、層103、104の内側長手方向縁部は、下層の長手方向縁部によって形成される厚さ増加部分の側面に面することができる。
【0245】
好ましくは、それぞれの層103、104の内側縁部と、厚さ増加部分の側面との間にはわずかなギャップがあり、内側縁部が側面まで完全に突出しないように、即ち、側面上又は側面上方に静止しないようにする。
【0246】
図47は、2つの更なる層103、104がそれ自体重なり合っている、特に好ましい実施形態を示す。それぞれの層103、104の重なり合う縁部領域では、厚さが低減していない。したがって、層103及び層104は、単純な重なりの形態で厚さ増加部分を有する。バリア層102は、本明細書に説明の実施形態のうちの1つに従って設計することができ、特に、継ぎ目エリア内にそれ自体との単純な重なり又は折り畳まれた継ぎ目を有する。層102、103及び104のそれぞれの重なりは、互いに対してオフセットして配置されているので、厚さの差の合計は生じない。
【0247】
両方の層103、104は、内側長手方向縁部を下層の厚さ増加部分の下降側面に向けて位置させ、かつ他方の端部を厚さ増加部分の上に導き、それぞれの層103、104の外側長手方向縁部はそれぞれの層103、104の内側長手方向縁部に重なるようにする。
【0248】
図47に示すように、層103、104の内側長手方向縁部は、厚さ増加部分の同じ側面に面することができる。例に示すように、層103及び104の内側長手方向縁部は、それぞれ、厚さ増加部分の左側にあり得る。例示したように、層103及び104の外側長手方向縁部は、いずれの場合にも、厚さ増加部分と同じ側、即ち、層103、104の内側長手方向縁部も存在する側にある。
【0249】
好ましくは、それぞれの層103、104の内側縁部と、厚さ増加部分の側面との間にはわずかなギャップがあり、内側縁部が側面まで完全に突出しないように、即ち、側面上又は側面上方に静止しないようにする。
【0250】
追加の層は、好ましくは、外側の紙又はクラフト紙層105について
図47に示すのと同じ方法で配置される。層105は、その内側長手方向縁部が層104の外側長手方向縁部に面しており、これが厚さ増加部分の立上り縁部を形成する。
【0251】
基本的に、
図47の変形例においても、また他の変形例においても、バリア層102と外側の紙又はクラフト紙層105との間に位置する層103、104の数は、2より大きくすることができることに留意されたい。バリア層102と外側の紙又はクラフト紙層105との間には、紙又はクラフト紙で作られた1~5つの中間層103、104、特に2~3つの中間層103、104があることが好ましい。
【0252】
バリア層102と外側バリア層106との間には、紙又はクラフト紙で作られた2~6つの中間層103、104、特に3~4つの中間層103、104があることが好ましい。
【0253】
中間層103、104のそれぞれについて、紙又は厚紙材料の巻層の形態の、缶シェルのこの層の内側又は外側の長手方向縁部は、バリア層の長手方向継ぎ目から生じる厚さ増加部分の側面に面することが好ましい。
【0254】
中間層103、104及び任意選択的に層105の少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つ又は4つについて、実施形態では、缶シェル101の更なる層103、104及び任意選択的に層105の少なくとも1つの内側長手方向縁部は、長手方向継ぎ目によって生ずる厚さ増加部分の側面に面しており、それぞれの層103、104、105の外側長手方向縁部が同じ層103、104、105の内側長手方向縁部に重なる。このようにして設計された全ての層について、それぞれの層の2つの長手方向エリアの重なりエリアは、層の材料厚さの2倍であり、重なりエリアは、周方向に互いにオフセットして配置されることが好ましい。
図47に示すように、重なりエリアは、好ましくは、互いに隣接して配置され、これらの層の最も内側の層の第1の重なりエリアは、バリア層102の厚さ増加部分の側面に隣接し、他の層の更なる重なりエリアは、それぞれ下層の外側長手方向縁部に隣接する。
【0255】
重なりエリアでは、それぞれの中間層103、104及び任意選択的に層105は、好ましくは、それ自体に接着、特にグルー接着される。
【0256】
図48及び
図49は、バリア層102全体の内側長手方向縁部又は紙、特にクラフト紙層107の内側長手方向縁部をシール材が取り囲むことから、内側の紙、特にクラフト紙層107の内側縁部領域の両側にシール材が存在する実施形態を示す。バリア層102のウェブ材料は、好ましくは、巻取り前又は巻取り装置に供給されるときに、既にこのように存在する。代替的に、巻取り装置のマンドレルへの供給中に、ウェブ材料の縁部の周囲にシール材を巻き付けることも可能である。
【0257】
図48は、バリア層102のバリア積層体108又はバリアフィルムが、紙、特にクラフト紙の層107の内側長手方向縁部を囲むように設計され得ることを示す。巻取り中、バリア層102の外側縁部領域は、バリア積層体108の折り返し縁部領域、又は紙、特にクラフト紙層107の長手方向縁部を越えて突出するバリアフィルムの上方に位置するようになる。
【0258】
図49は、バリア層102の内側長手方向縁部、したがって紙、特にクラフト紙の層107の内側長手方向縁部をU字形に囲むシールストリップ110が存在し得ることを示す。巻取り中、バリア層102の外側縁部領域は、紙、特にクラフト紙層107の長手方向縁部を越えて突出するシールストリップ110の折り返し縁部領域の上方に位置するようになる。シールストリップ110の代わりに、シール材を有するコーティングを、同様に、バリア層102の内側長手方向縁部の周囲にU字形に塗布することもできる。コーティングは、バリア層102の材料ウェブを巻取り機のマンドレルに供給する前又は供給中に、液体又は気体の形態で、又はプラズマとして塗布することができる。缶シェルの内側で、シールストリップ110又はコーティングは、バリア積層体108又はバリアフィルムの縁部領域を覆う。
【0259】
更なる実施形態では、
図41、
図39、
図37、
図34、
図28、
図21、
図18の実施形態の修正では、シールストリップ110の代わりに、又はそれに加えて、既に巻かれたエンドレスチューブ、又は好ましくはエンドレスチューブから既に切断された個々の缶シェルに塗布されたコーティングがあり、コーティングは、バリア層の継ぎ目を形成するシール材で作られる。シールストリップ110と同様に、コーティングは、バリア積層体108の内側長手方向縁部エリアの周囲にのみ帯状塗布として施すことができる。任意選択的に、コーティングはまた、缶シェルの切断縁部に、及び/又は缶シェルの最外層の継ぎ目上で帯状塗布として施すことができる。
【0260】
別の実施形態では、コーティングは、缶シェルの内側全体に施される。更に、コーティングは、缶シェルの切断縁部及び/又はその外側全体に施すことができる。巻取り機のエンドレスチューブから切断された缶シェルの追加のコーティングは、本明細書に説明の全ての実施形態で実行することができる。
【国際調査報告】