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特表2024-513578電気治療装置の電極アセンブリにおける伝導性スペーサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-26
(54)【発明の名称】電気治療装置の電極アセンブリにおける伝導性スペーサ
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/04 20060101AFI20240318BHJP
   A61N 1/36 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
A61N1/04
A61N1/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562527
(86)(22)【出願日】2022-04-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 US2022024283
(87)【国際公開番号】W WO2022221203
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】63/174,210
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518241986
【氏名又は名称】パルス バイオサイエンシズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Pulse Biosciences,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ヒンマン,キャメロン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】クリーグ,ケネス アール.
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB03
4C053BB04
4C053BB06
4C053BB34
4C053JJ02
4C053JJ03
4C053JJ04
(57)【要約】
患者の治療領域に電気治療を分配するために、本明細書には、電気治療装置、それらの動作方法、及び患者への電気治療の送達方法が記載される。いくつかの実施形態では、電気治療装置は、少なくとも2つの電極と、電極間に配置された伝導性スペーサとを含む電極アセンブリを備える。電気治療装置の選択方法及びその動作方法も提供される。
【選択図】図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気治療の送達のための電極アセンブリであって、前記電極アセンブリは、
少なくとも2つの電極であって、各電極が、
治療領域に電気治療を適用するように構成された伝導性治療表面と、
伝導性スペーサと接触するように構成された伝導性非治療表面と、を含む、少なくとも2つの電極と、
前記少なくとも2つの電極のうちの2つの間に配置された前記伝導性スペーサであって、前記伝導性スペーサは、前記少なくとも2つの電極のうちの前記2つの間の前記治療領域の表面に電気的に接触するように構成されている、前記伝導性スペーサと、を含む、電極アセンブリ。
【請求項2】
前記伝導性スペーサが、ヒドロゲル、伝導性接着剤、伝導性ゲル、伝導性シリコーン、ウレタンゴム、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又はそれらの任意の組合せのうちの1つを含む、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記伝導性スペーサの伝導率は、前記治療領域の組織の伝導率の10倍(10x)に実質的に等しい、請求項1又は2のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記伝導性スペーサの伝導率は、前記治療領域の組織の伝導率よりも大きいか、又は実質的に等しく、前記治療領域の前記組織の伝導率の100倍以下である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記伝導性スペーサの高さが、前記少なくとも2つの電極間の距離に基づく、請求項1~4のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記伝導性スペーサの高さが、前記少なくとも2つの電極間の距離の20パーセント(20%)以上であり、前記少なくとも2つの電極間の前記距離の50パーセント(50%)以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも2つの電極の前記伝導性治療表面が、前記治療領域に電気的に及び/又は直接接触する、請求項1~6のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも2つの電極は、双極電極又は単極電極のうちの1つを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも2つの電極が、表面電極と貫通電極との組み合わせを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも2つの電極のうちの少なくとも1つが表面電極を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも2つの電極のうちの少なくとも1つが貫通電極を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
前記伝導性スペーサの長さが、前記少なくとも2つの電極のうちの1つ以上の長さに実質的に等しい、請求項1~11のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも2つの電極が、2列の針電極を備え、前記伝導性スペーサの長さが、前記2列の一方又は両方の長さに実質的に等しい、請求項1~11のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項14】
前記伝導性スペーサが少なくとも2つの伝導性ゾーンを含み、前記伝導性ゾーンのそれぞれが異なる伝導率を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項15】
前記伝導性スペーサが少なくとも1つの凹部を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項16】
前記伝導性スペーサが、半導体材料を含み、並列抵抗器として機能するように構成される、請求項1~15のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項17】
電気治療装置であって、
複数の交換可能な電極アセンブリのうちの1つに結合されるように構成された治療アプリケータと、
前記複数の交換可能な電極アセンブリであって、前記複数の電極アセンブリの各々は、
少なくとも2つの電極であって、各電極が、
対象の治療領域に電気治療を適用するように構成された伝導性治療面と、
伝導性スペーサと接触するように構成された伝導性非治療表面と、を含む、少なくとも2つの電極と、
前記少なくとも2つの電極の間に配置された前記伝導性スペーサであって、前記伝導性スペーサは、前記少なくとも2つの電極の間で前記対象の前記治療領域の表面に電気的に接触するように構成された、前記伝導性スペーサと、を含む、複数の交換可能な電極アセンブリと、を含む、電気治療装置。
【請求項18】
電気治療を施す方法であって、
少なくとも2つの電極と、前記少なくとも2つの電極のうちの2つの間に配置された伝導性スペーサとを備える電極アセンブリを治療領域上に配置することであって、
前記少なくとも2つの電極の各々の伝導性治療表面は、前記治療領域に電気的に接触し、
前記伝導性スペーサは、前記少なくとも2つの電極のうちの前記2つの間の前記治療領域の表面に接触するように、配置することと、
前記電極アセンブリを介して前記治療領域に電圧を印加することと、含む、方法。
【請求項19】
前記治療領域の組織の伝導率の10倍(10x)に実質的に等しい伝導率を有する前記伝導性スペーサに基づいて前記電極アセンブリを選択することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記治療領域の組織の伝導率以上であり、前記治療領域の前記組織の前記伝導率の100倍(100x)以下である伝導率を有する前記伝導性スペーサに基づいて、前記電極アセンブリを選択することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記電極アセンブリのサイズ及び/又は前記治療領域のサイズに少なくとも部分的に基づいて前記電極アセンブリを選択することを含む、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ以上の電極の各々の前記伝導性治療表面と前記治療領域の前記表面との間、前記伝導性スペーサと前記治療領域の前記表面との間、又はその両方の間の接触を促進するために、伝導性ゲルを前記治療領域の前記表面上に配置することを更に含む、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記伝導性スペーサの伝導率に少なくとも部分的に基づいて、前記電極アセンブリを介して前記治療領域に印加される前記電圧を選択することを更に含む、請求項18~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記伝導性スペーサの材料の伝導率及び/又は幾何学的形状に少なくとも部分的に基づいて、複数の電極アセンブリから前記電極アセンブリを選択することを更に含む、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
電気治療装置であって、
複数の交換可能な電極アセンブリのうちの1つに結合されるように構成された治療アプリケータと、
それぞれ、前記治療アプリケータに結合され、かつ前記治療アプリケータから取り外されるように構成された前記複数の交換可能な電極アセンブリであって、各交換可能な電極アセンブリは、2つ以上の電極と、患者の治療領域に電気治療を適用するために前記2つ以上の電極のうちの少なくとも2つの間に配置された伝導性スペーサとを備える、前記複数の交換可能な電極アセンブリと、
命令を実行するように構成されたコントローラと、を含み、実行すると、前記コントローラに
前記治療アプリケータに結合された前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つの指示を決定又は受信させる、電気治療装置。
【請求項26】
前記コントローラは、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つの前記伝導性スペーサに基づいて、表示装置上に構成情報を表示させるように更に構成される、請求項25に記載の電気治療装置。
【請求項27】
前記構成情報は、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つによる治療に適した組織のタイプの情報を含む、請求項26に記載の電気治療装置。
【請求項28】
前記伝導性スペーサは、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つのインピーダンスを低減するために、前記伝導性スペーサが抵抗器としても機能することを可能にするように構成された伝導率及び/又は幾何学的形状を有する、請求項25~27に記載の電気治療装置。
【請求項29】
パルス発生器を更に備え、前記伝導性スペーサは、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つの前記インピーダンスを前記パルス発生器のインピーダンスに整合させるように構成される、請求項25~28に記載の電気治療装置。
【請求項30】
前記コントローラは、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つの前記指示に少なくとも部分的に基づいて、前記治療領域のための電気治療パラメータを提供するように更に構成される、請求項25~29に記載の電気治療装置。
【請求項31】
電気治療装置の動作の方法であって、前記方法は、
治療アプリケータに結合された電極アセンブリの指示を決定又は受信することであって、前記電極アセンブリは、伝導性スペーサに伝導的に接触する少なくとも2つの電極を備える、ことと、
前記電極アセンブリの前記指示に少なくとも部分的に基づいて、前記伝導性スペーサの特性を決定することと、
前記電極アセンブリ及び前記伝導性スペーサの前記特性に少なくとも部分的に基づいて治療構成情報を選択することと、を含む、方法。
【請求項32】
治療構成を選択することは、治療パラメータを選択することを含み、前記方法は、前記電極アセンブリを用いて治療される組織のタイプ、治療持続時間、治療深さ、電圧場、パルス持続時間、パルス周波数、パルス数のうちの1つ以上を選択することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記電極アセンブリの前記指示が、前記電極アセンブリのサイズ、前記電極アセンブリのタイプ、前記電極の数、又は前記電極アセンブリのモデル番号のうちの少なくとも1つを含む、請求項31~32に記載の方法。
【請求項34】
前記伝導性スペーサの材料の伝導率若しくは前記伝導性スペーサの幾何学的形状のいずれか、又は前記伝導率及び前記幾何学的形状の両方に基づいて、前記伝導性スペーサを抵抗器として使用することを更に含む、請求項31~33に記載の方法。
【請求項35】
前記治療構成情報を表示装置上に表示することを更に含む、請求項31~34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2021年4月13日に出願された「CONDUCTIVE SPACER IN AN ELECTRODE ASSEMBLY OF AN ELECTRICAL TREATMENT APPARATUS」と題する米国仮出願第63/174,210号の優先権を主張し、この仮出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔発明の分野〕
本明細書には、患者を治療するためにナノ秒パルスなどの高電圧超短電気パルスを印加するために優先的に使用され得る電極アセンブリ(例えば、電気アプリケータ先端)が記載される。より具体的には、本明細書には、伝導性スペーサを有する電極アセンブリと、治療領域により均一に電気治療を分配するための電気治療のためにそれらを使用する方法が記載される。
【背景技術】
【0003】
電気治療治療、特に、ナノ秒パルス電界(nsPEF)治療として記載されることもある超短高電界強度電気パルスは、生体細胞の電気操作に使用することができる。例えば、電気パルスは、基底細胞癌、扁平上皮癌、及び黒色腫などの腫瘍細胞を含むヒト又は動物細胞及び組織の治療に使用することができる。
【0004】
これらの電気治療治療は、多くの場合、組織を貫通せずに治療領域上に配置される表面電極、又は組織を貫通する針電極のいずれかを組み込む電極アセンブリ(例えば、治療先端)を使用して行われる。電極間に電圧を印加して治療領域に電界を誘導し、治療領域の細胞に損傷を与える。表面電極を組み込んだ現在の電極アセンブリは、電極間の治療領域に電気治療を効果的に分配しない。針電極は、電気治療をより効果的に分配する。しかしながら、針電極は、患者にとってより不快である。
【発明の概要】
【0005】
電気治療を患者の治療領域に分配するために、1つの一般的な態様は、電気治療の送達のためのアセンブリを含む。電極アセンブリは、伝導性スペーサ及び少なくとも2つの電極を含むことができる。各電極は、治療領域に電気治療を適用するように構成された伝導性治療表面と、伝導性非治療表面とを含むことができる。伝導性非治療表面は、伝導性スペーサと接触するように構成されてもよい。伝導性スペーサは、電極の少なくとも2つの間に配置され、電極間の治療領域の表面に電気的に接触するように構成される。
【0006】
本開示の電極アセンブリは、ハンドヘルド装置として、カテーテルとして、又は他の経皮的に送達される装置として実装されてもよい。実施態様は、以下の特徴の様々な組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、伝導性スペーサは、ヒドロゲル、伝導性接着剤、伝導性ゲル、伝導性シリコーン、ウレタンゴム、伝導性熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、所望の伝導性を有する任意の他の生体適合性材料、任意の半導体材料、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、伝導性スペーサの伝導率は、治療領域の組織の伝導率の10倍(10x)に実質的に等しい。
【0008】
いくつかの実施形態では、伝導性スペーサの伝導率は、治療領域の組織の伝導率以上であり、治療領域の組織の伝導率の100倍(100x)以下である。
【0009】
いくつかの実施形態では、伝導性スペーサの高さは、電極間の距離に基づく。
【0010】
いくつかの実施形態では、伝導性スペーサの高さは、電極間の距離の20パーセント(20%)以上であり、電極間の距離の50パーセント(50%)以下である。いくつかの実施形態では、伝導性スペーサの高さは、少なくとも2つの電極間の距離の最大70%である。いくつかの実施形態では、最適な高さは、例えば、少なくとも2つの電極間の距離の30%~50%を含む、距離の20%~60%であってもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、各電極の伝導性治療表面は、例えば、治療領域と電極との間の電気的接触を確実にするのに役立つゲルを介して間接的に、治療領域に電気的に接触する。いくつかの実施形態では、各電極の伝導性治療表面は、例えば、表面電極が治療領域の表面に接触するか、又は貫通電極が治療領域を穿刺及び進入する状態で、治療領域に直接接触する。
【0012】
いくつかの実施形態では、電極は、双極又は単極電極である。
【0013】
いくつかの実施形態では、電極の少なくとも1つ以上は表面電極である。いくつかの実施形態では、電極のうちの少なくとも1つ以上は、針電極、ブレード電極、又はナイフ電極等の貫通電極である。いくつかの実施例では、電極のうちの少なくとも1つ以上は、非貫通(例えば、表面)電極と貫通電極との組み合わせを備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、伝導性スペーサの長さは、電極のうちの少なくとも1つの長さに実質的に等しい。
【0015】
いくつかの実施形態では、電極は、針電極の2つの列を含んでもよく、伝導性スペーサの長さは、2つの列の一方又は両方の長さに実質的に等しい。
【0016】
いくつかの実施形態では、伝導性スペーサは、少なくとも2つの伝導性ゾーンを含む。伝導性ゾーンの各々は、異なる伝導性を有してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、伝導性スペーサは、凹部、例えば幾何学的切欠きを含むことができる。更なる実装及び実施例では、伝導性スペーサは、半導体材料を含むことができ、伝導性スペーサ及び抵抗器の両方として作用/機能するように構成することができる。様々な実施例において、伝導性スペーサは、伝導性スペーサが抵抗器としても機能することを可能にするように構成された伝導率若しくは幾何学的形状、又はその両方を有することができる。例えば、本開示の電極アセンブリ、治療先端、電気治療装置、及び/又は方法の実施形態及び実施例のいずれかにおいて、伝導性スペーサは、例えば、電極アセンブリのインピーダンスを、電極アセンブリを介して電気エネルギーを生成及び印加するパルス発生器のインピーダンスに整合させるために、並列抵抗器として作用するように構成され得る。伝導性スペーサは、例えば、電極アセンブリのインピーダンスを低減するように構成されてもよい。
【0018】
本開示の1つの一般的な態様によれば、電気治療装置が提供される。装置は、複数の交換可能電極アセンブリと、複数の交換可能電極アセンブリのうちの1つに結合されるように構成される、治療アプリケータとを備えてもよい。複数の電極アセンブリの各々は、少なくとも2つの電極を含むことができ、各電極は、対象の治療領域に電気治療を適用するように構成された伝導性治療表面と、伝導性スペーサに接触するように構成された伝導性非治療表面とを有する。伝導性スペーサは、少なくとも2つの電極の間に配置されてもよく、ここで、伝導性スペーサは、少なくとも2つの電極の間で対象の治療領域の表面に電気的に接触するように構成される。いくつかの例及び実装では、伝導性スペーサは、伝導性スペーサ及び抵抗器の両方としての二重の役割を果たすように構成され得る。そのような伝導性スペーサ/抵抗器は、これら2つの機能の両方を達成するために伝導性を有する半導体材料を含むことができる。
【0019】
別の一般的な態様は、患者に、例えば、電気治療を施す方法を含む。電気治療を施す方法は、いくつかの実装では、少なくとも2つの電極と、電極のうちの2つの間に配置された伝導性スペーサとを含む電極アセンブリを、電極の各々の伝導性治療表面が治療領域に電気的に接触し、伝導性スペーサが電極間の治療領域の表面に電気的に接触するように、治療領域上に配置することを含むことができる。治療はまた、電極を介して治療領域に電圧を印加することを含む。いくつかの例では、電気治療を施すことは、美容上の適応のため、例えば、治療領域の外観を改善するためであってもよい。
【0020】
この態様のいくつかの実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、電極アセンブリを選択することを含んでもよい。電極アセンブリを選択することは、いくつかの実施形態では、治療領域の組織(例えば、いくつかの用途では治療領域の表面)の伝導率の10倍(10x)に実質的に等しい伝導率を有する伝導性スペーサに基づいてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、電極アセンブリを選択することは、治療領域の組織の伝導率よりも小さい、大きい、又は等しい伝導率を有する伝導性スペーサに基づいてもよい。いくつかの実施形態では、伝導率は、治療領域の組織の伝導率以上であり、治療領域の組織の伝導率の100倍(100x)以下であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、電極アセンブリを選択することは更に、電極アセンブリのサイズ及び/又は治療領域のサイズに少なくとも部分的に基づく。
【0023】
いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも2つの電極のそれぞれの伝導性治療表面と治療領域の表面との間、伝導性スペーサと治療領域の表面との間、又はその両方の間の接触を促進するために、治療領域の表面上に伝導性ゲルを配置することを含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法は、伝導性スペーサの伝導性に少なくとも部分的に基づいて、治療領域に印加される電圧を選択することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、方法は、伝導性スペーサの伝導率に少なくとも部分的に基づいて電極アセンブリを選択することを含むことができる。様々な例では、本方法は、電極アセンブリのインピーダンスを、交換可能な電極アセンブリを介して電気エネルギーを生成し印加するパルス発生器のインピーダンスに整合させるために、伝導性スペーサを抵抗器として使用することを含むことができる。いくつかの例では、方法は、伝導性スペーサを使用して電極アセンブリのインピーダンスを低減することを含むことができる。いくつかの例では、方法は、伝導性スペーサの材料の伝導率、又は形状、又は材料の伝導率及び形状の両方に基づいて、電極アセンブリ及び/又は伝導性スペーサを選択することを含むことができる。また、伝導性スペーサの材料及び/又は形状の伝導率は、治療深さ、又は抵抗値、又はその両方を改善するように選択されてもよい。様々な例では、方法は、治療ゾーン又は領域の形状を変更するために伝導性スペーサの形状を選択することを含んでもよい。本方法はまた、伝導性材料の形状を使用して並列抵抗の値を変更することを含むことができる。
【0025】
本開示の更に別の一般的な態様は、電気治療装置を含む。いくつかの例によれば、電気治療装置は、交換可能な電極アセンブリに結合されるように構成された治療アプリケータを含み(そのような交換可能な電極アセンブリは、例えば、治療先端とも呼ばれ得る)、いくつかの例では、表示装置を更に含み得る。交換可能な電極アセンブリはそれぞれ、治療アプリケータに結合され、治療アプリケータから取り外されるように構成される。各交換可能な電極アセンブリは、少なくとも2つの電極と、対象(例えば、患者)の治療領域に電気治療を適用するために電極間に配置された伝導性スペーサとを含む。電気治療装置はまた、命令を実行するように構成されたコントローラを含み、命令は、実行時に、コントローラに、治療アプリケータに結合された交換可能な電極アセンブリの指示を決定又は受信させ、いくつかの例では、任意選択で、交換可能な電極アセンブリの伝導性スペーサに基づいて、表示装置上に構成情報を表示させ得る。構成情報をユーザに通知する他のモードが、表示の代わりに、又は表示に加えて使用されてもよい。いくつかの例では、コントローラは、複数の交換可能な電極アセンブリのうちの1つの指示に少なくとも部分的に基づいて、治療領域の電気治療パラメータを提供するように更に構成されてもよい。
【0026】
電気治療装置のいくつかの実施形態において、構成情報は、交換可能な電極アセンブリによる治療に適した組織のタイプを含む。
【0027】
別の一般的な態様は、電気治療装置を選択する方法を含む。この方法は、電極アセンブリの伝導性スペーサに少なくとも部分的に基づいて電極アセンブリを選択することを含むことができ、ここで、電極アセンブリは少なくとも2つの電極を含み、そのうちの2つは伝導性スペーサに伝導的に接触する。本方法は、電極の各々の伝導性部分及び伝導性スペーサの伝導性表面が治療領域に接触するように、電極アセンブリを治療領域内に配置することを更に含んでもよい。
【0028】
本開示の別の一般的な態様によれば、電気治療装置の動作方法が提供される。本方法は、治療アプリケータに結合された電極アセンブリの指示を決定又は受信することを含み、電極アセンブリは、伝導性スペーサに伝導的に接触する少なくとも2つの電極を備え電極アセンブリの指示に少なくとも部分的に基づいて、伝導性スペーサの特性を決定することと、電極アセンブリ及び伝導性スペーサの特性に少なくとも部分的に基づいて、治療構成情報を選択することと、を含む。いくつかの実装では、治療構成を選択することは、治療パラメータを選択することを含んでもよく、本方法は、電極アセンブリを用いて治療される組織のタイプ、治療持続時間、治療深さ、電圧場、パルス持続時間、パルス周波数、パルス数のうちの1つ以上を選択することを含んでもよい。いくつかの例では、電極アセンブリの表示は、電極アセンブリのサイズ、電極アセンブリのタイプ、電極の数、又は電極アセンブリのモデル番号のうちの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの例では、方法は、伝導性スペーサの材料の伝導率若しくは伝導性スペーサの幾何学的形状のいずれか、又は伝導率及び幾何学的形状の両方に基づいて、伝導性スペーサを抵抗器として使用することを更に含むことができる。また更なる例では、本方法は、表示装置上に治療構成情報を表示することを含んでもよい。
【0029】
様々な例において、本方法は、伝導性スペーサを抵抗器として使用して、電極アセンブリのインピーダンスを、電極アセンブリを介して電気エネルギーを生成し印加するパルス発生器のインピーダンスに整合させることを含んでもよい。いくつかの例では、方法は、伝導性スペーサを使用して電極アセンブリのインピーダンスを低減することを含むことができる。いくつかの例では、方法は、伝導性スペーサの材料の伝導率、又は形状、又は材料の伝導率及び形状の両方に基づいて、電極アセンブリ及び/又は伝導性スペーサを選択することを含むことができる。また、伝導性スペーサの材料及び/又は形状の伝導率は、治療深さ、又は抵抗値、又はその両方を改善するように選択されてもよい。いくつかの例では、方法は、治療ゾーン又は領域の形状を変更するために伝導性スペーサの形状を選択することを含んでもよい。いくつかの例では、方法はまた、並列抵抗の値を変更するために伝導性材料の形状を使用することを含んでもよい。本開示の方法のいずれにおいても方法は、所望の抵抗値及び治療深さの両方を最適化するように電極アセンブリ及び/又は伝導性スペーサを選択することによって、伝導性スペーサを抵抗器としても使用することを含んでもよい。
【0030】
本開示の装置及び方法の他の特徴及び利点は、様々な実装の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、いくつかの実施形態によるナノ秒パルス発生装置を示す。
図2図2は、いくつかの実施形態による表面電極を有する電極アセンブリを示す。
図3A図3Aは、図2の電極アセンブリの構成のいくつかの例の一部の露出図を示す。
図3B図3Bは、図2の電極アセンブリの構成のいくつかの例の一部の露出図を示す。
図4A図4Aは、いくつかの実施形態による交換可能な電極アセンブリを示す。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による、針電極を有する電極アセンブリを示す。
図4C図4Cは、いくつかの実施形態による交換可能な電極アセンブリの近位端面図を示す。
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、治療アプリケータのハンドル部分と結合する前の交換可能電極アセンブリを示す。
図5B図5Bは、ハンドル部分と結合した後の図5Aの交換可能な電極アセンブリを示す。
図6A図6Aは、いくつかの実施形態による例示的なバルーンカテーテル電極アセンブリを示す。
図6B図6Bは、経皮的針電極アセンブリの実施例を図示する。
図6C図6Cは、経皮的針電極アセンブリの実施例を示す。
図7A図7Aは、いくつかの実施形態による表面電極を有する電極アセンブリの例の断面図を示す。
図7B図7Bは、いくつかの実施形態による表面電極を有する電極アセンブリの例の断面図を示す。
図8A図8Aは、いくつかの実施形態による、針電極を有する電極アセンブリの実施例の断面図を示す。
図8B図8Bは、いくつかの実施形態による、針電極を有する電極アセンブリの実施例の断面図を示す。
図9A図9Aは、いくつかの実施形態による、針電極及び中心表面電極を有する電極アセンブリの実施例の断面図を示す。
図9B図9Bは、いくつかの実施形態による、針電極及び中心表面電極を有する電極アセンブリの実施例の断面図を示す。
図9C図9Cは、いくつかの実施形態による、針電極及び中心表面電極を有する例示的電極アセンブリの斜視図を示す。
図10A図10Aは、いくつかの実施形態による、電気治療を行うための方法を示す。
図10B図10Bは、いくつかの実施形態による、電気治療のための電極アセンブリ及びパラメータを選択するための方法を示す。
図11図11は、いくつかの実施形態による、電気治療を行うようにパルス発生器を構成するための方法を示す。
図12A図12Aは、絶縁スペーサを有する表面電極アセンブリの治療領域の例示的なモデルを示す。
図12B図12Bは、いくつかの実施形態による、伝導性スペーサを有する表面電極アセンブリの治療領域の例示的モデルを示す。
図13A図13Aは、絶縁スペーサを有する別の表面電極アセンブリの治療領域の例示的モデルを示す。
図13B図13Bは、いくつかの実施形態による、伝導性スペーサを有する別の表面電極アセンブリの治療領域の例示的モデルを示す。
図14A図14Aは、いくつかの実施形態による、幅の10%である高さを有する伝導性スペーサを有する、表面電極アセンブリのための治療領域の例示的モデルを示す。
図14B図14Bは、いくつかの実施形態による、幅の20%である高さを有する伝導性スペーサを有する、表面電極アセンブリのための治療領域の例示的モデルを示す。
図14C図14Cは、いくつかの実施形態による、幅の30%である高さを有する伝導性スペーサを有する、表面電極アセンブリのための治療領域の例示的モデルを示す。
図14D図14Dは、いくつかの実施形態による、幅の40%である高さを有する伝導性スペーサを有する、表面電極アセンブリのための治療領域の例示的モデルを示す。
図14E図14Eは、いくつかの実施形態による、幅の50%である高さを有する伝導性スペーサを有する、表面電極アセンブリのための治療領域の例示的モデルを示す。
図15図15は、いくつかの実施形態による、伝導性スペーサの高さが増加するときの値の変化のグラフを示す。
図16A図16Aは、いくつかの実施形態による、治療領域の伝導率と同様の伝導率を伴う伝導性スペーサを有する、表面電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図16B図16Bは、いくつかの実施形態による、治療領域の伝導率の約10倍の伝導率を伴う伝導性スペーサを有する、表面電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図16C図16Cは、いくつかの実施形態による、治療領域の伝導率の約100倍の伝導率を伴う伝導性スペーサを有する、表面電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図16D図16Dは、いくつかの実施形態による、治療領域の伝導率の約1000倍の伝導率を伴う伝導性スペーサを有する、表面電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図17図17は、いくつかの実施形態による、伝導性スペーサの伝導率が増加するときの値の変化のグラフを示す。
図18A図18Aは、絶縁スペーサを有する3列針電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図18B図18Bは、いくつかの実施形態による、伝導性スペーサを有する3列針電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図18C図18Cは、2列の針電極及び中心表面電極を備え、絶縁スペーサを有する、電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図18D図18Dは、いくつかの実施形態による、2列の針電極及び中心表面電極を伴い、伝導性スペーサを有する、電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図19A図19Aは、いくつかの実施形態による、一方が他方の10倍である、2つの伝導性ゾーンを伴う伝導性スペーサを有する、表面電極を伴う電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図19B図19Bは、いくつかの実施形態による、2つの伝導性ゾーンを伴う伝導性スペーサを有する表面電極を伴う電極アセンブリのための治療領域のモデルを示し、2つの伝導性ゾーンのうちの1つは、絶縁性である。
図19C図19Cは、いくつかの実施形態による、2つの異なる伝導性ゾーンを伴う伝導性スペーサを有する、表面電極を伴う電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図20A図20Aは、いくつかの実施形態による、電極間に異なる伝導性ゾーンを伴う伝導性スペーサを有する、3つの表面電極を伴う電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図20B図20Bは、いくつかの実施形態による、異なる伝導性ゾーンを伴う伝導性スペーサを有する、針及び表面電極を伴う電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図21A図21Aは、伝導性スペーサに様々な形状の凹部を有する電極アセンブリの治療領域のモデルを示す。
図21B図21Bは、伝導性スペーサに様々な形状の凹部を有する電極アセンブリの治療領域のモデルを示す。
図21C図21Cは、伝導性スペーサに様々な形状の凹部を有する電極アセンブリの治療領域のモデルを示す。
図21D図21Dは、伝導性スペーサに様々な形状の凹部を有する電極アセンブリの治療領域のモデルを示す。
図21E図21Eは、伝導性スペーサに様々な形状の凹部を有する電極アセンブリの治療領域のモデルを示す。
図22A図22Aは、いくつかの実施形態による、伝導性スペーサ上に配置されたストリップ電極を有する電極アセンブリの治療領域のモデルを示す。
図22B図22Bは、いくつかの実施形態による、伝導性スペーサ上に配置されたストリップ電極を有する電極アセンブリの治療領域のモデルを示す。
図23A図23Aは、単極電極を有する電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図23B図23Bは、いくつかの実施形態による、伝導性スペーサを伴う単極電極を有する電極アセンブリのための治療領域のモデルを図示する。
図24図24は、いくつかの実施形態による、伝導性スペーサを伴う2つの電極を有する電極アセンブリのための治療領域のモデルを示す。
図25図25は、いくつかの実施形態による、治療アプリケータの電極アセンブリ部分の例示的断面図を示し、ここで、電極アセンブリ内の伝導性スペーサは、伝導性スペーサとして、また並列抵抗器としても作用するように構成される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
nsPEF治療などの電気治療は、とりわけ、腫瘍細胞及び病変などの望ましくない細胞にアポトーシス、プログラム細胞死を受けさせるために使用され得ることが示されている。試験は、このような病変及び腫瘍が治療後に存在しなくなるまで縮小し得ることを示した。薬物は不要であり得る。また、対象の免疫系が刺激されて、nsPEF治療された腫瘍内にない腫瘍の細胞を含む腫瘍細胞などの全ての同様の望ましくない細胞を攻撃し得ることも示されている。
【0033】
「腫瘍」は、対象上又は対象内の任意の新生物又は組織の異常な望ましくない成長を含む。腫瘍は、異常増殖を示す1つ以上の細胞の集合を含み得る。多くのタイプの腫瘍が存在する。悪性腫瘍は癌性であり、前悪性腫瘍は前癌性であり、良性腫瘍は非癌性である。腫瘍の例には、ほんの数例ではあるが、前立腺肥大症(BPH)、子宮筋腫、乾癬、脂漏性角化症、いぼ、脂漏性過形成、膵臓癌腫、肝臓癌腫、腎臓癌腫、結腸癌腫、基底前細胞癌腫、黒色腫、及びバレット食道関連組織が含まれる。
【0034】
ナノ秒パルス等のサブマイクロ秒電気パルスは、病変、粘膜上皮、胃腸管、食道、皮膚腫瘍及び疾患、老化皮膚、異常組織成長、心房細動等の心臓状態、耳鼻咽喉科状態の治療を含むが、これらに限定されない、種々の状態、障害、及び疾患の治療に使用されてもよい。
【0035】
本開示の器具、システム、及び方法は、非標的組織を傷つけるリスクを最小化又は回避しながら、様々な状態、障害、及び疾患の改善された治療のための短い高電界強度電気パルスの印加を含む。
【0036】
1000ナノ秒未満のパルス長が、免疫応答を刺激するのに有効であることが特に研究されている。約10~1000ナノ秒のパルス長は、低いパルス数で有効であるのに十分なエネルギーを搬送するのに十分長いが、所望の方法で有効であるのに十分短いという点で特に興味深い。
【0037】
一般に、治療を適用することは、サブマイクロ秒の電気パルスを印加することを含み得る。例えば、サブマイクロ秒電気パルスを印加することは、0.1ナノ秒(ns)~1000ナノ秒(ns)のパルス幅を有する電気パルスの列を印加することを含んでもよい。いくつかの変形例では、サブマイクロ秒電気パルスを印加することは、例えば、1キロボルト/センチメートル(kV/cm)未満、1kV/cm~500kV/cm、1kV/cm~100kV/cm、又は5kV/cm~50kV/cmのピーク電圧を有するナノ秒電気パルスの列を印加することを含む。サブマイクロ秒の電気パルスを印加することは、0.1(Hz)~10,000Hzの周波数で、サブマイクロ秒の電気パルス列を印加することを含み得る。他の用途では、他のパルス周波数及び幅が使用されてもよい。例えば、マイクロ秒又はより遅い電気パルスを使用することができる。更に、本明細書に記載の伝導性スペーサの使用は、電極間の電界の改善が望まれる任意の電気治療治療において使用されてもよい。したがって、本開示は、パルス技術のみに限定されず、例えば、無線周波数技術にも応用することができる。
【0038】
電極を含む様々な治療器具が知られている。これらの器具のいくつかでは、離間された複数の電極が使用される。他の実施形態では、絶縁スペーサが電極間に配置される。絶縁スペーサは、治療されるべき組織以外の領域を流れる電流から生じ得るアーク放電及び他の問題を回避するために使用され得る。表面電極は、改善された安全性、より少ない感染の危険性を提供し、治療される皮膚又は他の組織を穿刺しなければならない貫通電極(例えば、針電極、ブレード電極、ナイフ電極)よりも医師及び患者の両方によって好まれるが、絶縁スペーサを伴う表面電極は、電極間の治療領域内の所望の深さにおいて十分な治療値を提供することができない。したがって、針電極はしばしばより効果的である。しかしながら、より大きな治療領域に対しては、適切な領域を治療するためにより大きな電極アセンブリが一般的に必要とされる。電極アセンブリのサイズが大きくなると、電極アセンブリ内の針電極の数が増加する。これは、電極アセンブリを製造する複雑さ及びコストを増加させる。針電極の数を増加させることに伴う別の問題は、全ての針を皮膚内に駆動するために必要とされる挿入力が増加することである。その結果、針を押し込むことが困難になる可能性があり、針が皮膚を貫通しないか、さもなければ不十分な針貫通が生じる「爪床」現象が生じる可能性がある。更に、針電極を使用しても、治療領域に電気治療を効果的に分布させることは困難である。
【0039】
これらの問題に対処し、十分な深さに達し、より少ない貫通電極でより安全な代替案を提供することができる、治療領域における分散された有効な治療を提供するために、電極間に絶縁スペーサではなく伝導性スペーサを含む新しい電極アセンブリが本明細書で開示される。そのような伝導性スペーサを使用することは、治療領域におけるより一貫した治療深さを可能にするとともに、針電極の必要性を制限する。更に、針電極が使用される場合であっても、伝導性スペーサを使用して、針の追加の列及び/又は列内のいくつかの針の必要性を低減することができる。これらの治療における伝導性スペーサは、電極間のアーク放電を効果的に防止し、治療を妨げず、むしろ治療を改善する。
【0040】
図1は、一実施形態によるナノ秒パルス発生器システムを示す。2016年5月6日に出願され、「HIGH-VOLTAGE ANALOG CIRCUIT PULSER WITH FEEDBACK CONTROL」と題され、参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許第10/548,665号に説明されるようなパルス発生器のうちのいずれかが、本開示の治療装置とともに使用されてもよい。NsPEFシステム100は、治療器具又は治療アプリケータ102と、フットスイッチ103と、インターフェース104とを含む。フットスイッチ103は、コネクタ106を介して、ハウジング105及び内部の電子部品に接続されている。治療アプリケータ102は、コネクタ112を介して、ハウジング105及び内部の電子部品に接続されている。NsPEFシステム100はまた、ハンドル110と、収納引き出し108と、を備える。図1の詳細A部分に示されるように、nsPEFシステム100はまた、そのハンドル部分114で治療アプリケータ102を保持するように構成されているホルスター116を含む。治療アプリケータ102は、本開示を通してより詳細に説明される、電極アセンブリを遠位端に含む。
【0041】
人間のオペレータは、パルス数、振幅、パルス持続時間及び周波数情報を、例えば、インターフェース104の数字キーパッド又はタッチスクリーンに入力してもよい。インターフェース104は、ユーザが見て調整するための構成情報、ならびに治療の投与中の治療値及び情報を提供することを含む、治療に関する情報をオペレータに提供してもよい。いくつかの実施形態では、パルス幅を変化させることができる。ハウジング105内のコントローラ107は、nsPEFシステム100内のパルス制御要素に信号を送信する。コントローラは、命令を記憶するためのメモリ及び命令を実行するためのプロセッサを含む、任意の好適なコンピューティング装置であってもよい。いくつかの実施形態では、光ファイバケーブルは、制御信号の伝達を可能にすると同時に、高電圧回路であるnsPEF発生システム100を備えた金属製キャビネットの内容物を外部から電気的に絶縁する。システムを更に絶縁するために、システム100は、壁のコンセントからではなく、電池式であってもよい。
【0042】
図2は、いくつかの実施形態による電極アセンブリ200の一部を示す。いくつかの実施形態では、電極アセンブリ200は、治療アプリケータ102等の治療アプリケータのハンドルに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、電極アセンブリ(電極アセンブリ/治療アプリケータ102等)は、異なる電極アセンブリがハンドルに取り外し可能に結合され得るように、交換可能であってもよい。交換可能な電極アセンブリは、使い捨てあってもよく(例えば、貫通電極は、使用後に廃棄されてもよい)、又は再使用可能であってもよい(例えば、表面電極は、再使用可能であってもよい)。更なる実施形態では、治療アプリケータは別個のハンドルを有さず、電極アセンブリ自体が治療アプリケータ又は電気治療装置を形成する。電極アセンブリ200は、ハウジング210に結合され得る絶縁ハウジング205を含んでもよい。いくつかの実施形態では、絶縁ハウジング205及びハウジング210は、例えば成形プラスチックの単一部品である。絶縁ハウジング205は、例えば、プラスチックなどの任意の適切な絶縁材料から作製され得る。電極アセンブリ200はまた、2つの表面電極215(215a及び215bとして示される)と、伝導性スペーサ220とを含む。
【0043】
2つの電極215が示されているが、電極アセンブリ200は、任意の数の電極を含んでもよい。例えば、図18Aに示すように、3列の貫通電極が含まれ、他の例では、様々な数の電極が設けられてもよい。いくつかの実施形態では、電極215は、電流が2つの電極215の間を流れるように、一方が負に帯電し、他方が正に帯電するように、双極である。双極構成は、追加の電極とともに使用されてもよい。更に、図2は、同じ絶縁ハウジング205及びハウジング210内に封入された2つの電極215を示すが、電極215はそれぞれ、それ自体のハウジングを有してもよい。いくつかの実施形態では、電極215は、電流が電極と患者上に配置されるリターンパッドとの間を流れるように、単極電極であってもよい。電極215は、例えば、側面225上で測定して約1ミリメートル幅(又は厚さ)(電極215a又は215bの幅)、及び例えば、側面230上で測定して5ミリメートル長さ(電極215a又は215bの長さ)であってもよい。電極215は、例えば、ステンレス鋼、黒鉛、貴金属(例えば、金、銀、白金)、銅、チタン、真鍮、又は任意の他の好適な材料等の任意の好適な伝導性材料から作製されてもよい。電極215は、この図では絶縁ハウジング205内に延びているので見ることができないが、後の図でより詳細に示される高さを有することができる。電極215は、一定の距離を隔てて互いに実質的に平行に配置されている。例えば、5ミリメートル×10ミリメートル(5mm×10mm)の電極アセンブリでは、電極215は、10mm離して配置され、5mmの長さを有する。5mm×5mmの電極アセンブリにおいて、電極215は、5mm離して配置され、5mmの長さを有する。電極の寸法は、1.5mm×1.5mm、10mm×10mm、10mm×1.5mm、20mm×1mm等を含む、治療用途に応じて変動してもよい。更に、電極215の他の構成は、中心電極を囲繞するリング電極、均一に分散されない電極、電極のアレイ等を含んでもよい。加えて、表面電極が図2に描写されているが、例えば、貫通電極、カテーテル電極、クランプ電極(例えば、平行心臓クランプ又は腹腔鏡クランプ)、バレット食道装置、経皮針電極、バルーン電極、バルーンカテーテル電極等を含む、任意のタイプの電極が使用されてもよい。
【0044】
伝導性スペーサ220は、電極215aと215bとの間に配置される。伝導性スペーサ220は、伝導性スペーサ220にとって望ましい伝導率を有する任意の適切な伝導性材料から作製することができる。例えば、伝導性スペーサ220は、ヒドロゲル、伝導性接着剤、伝導性ゲル、伝導性シリコーン、ウレタンゴム、カーボンナノチューブ、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又はそれらの任意の組み合わせから作製されてもよい。伝導性スペーサ220の所望の伝導率は、治療される皮膚又は組織の伝導率に基づいて選択されてもよい。例えば、伝導性スペーサ220の伝導率は、治療されている皮膚又は組織の治療領域と実質的に同じ伝導率であってもよく、治療されている治療領域又は組織の伝導率の約100倍(100x)までであってもよい。いくつかの実施形態では、伝導性スペーサ220の伝導率は、伝導性スペーサ220全体にわたって変化してもよい。例えば、伝導性スペーサ220は、図19A、19B、19C、20A、及び20Bに示す例のように、異なる伝導性を有するゾーンを有してもよく、及び/又は伝導性スペーサ220内に伝導性の勾配があってもよい。図12A図20Bに関して、様々な伝導性の結果説明する。伝導性スペーサ220の粘稠度は、電極アセンブリ200内で形状及び位置を維持するのに十分に堅固であるが、固体、圧縮性、又はゼラチン状であってもよい。伝導性スペーサ220は、2つの電極215間の距離、又はいくつかの実施形態では、電極の2つの列(例えば、針電極列)間の距離の幅を有するように、電極215と接触してもよい。例えば、電極215の間隔が10mmである場合、伝導性スペーサ220の幅は10mmである。伝導性スペーサの長さは、電極215の長さと実質的に同様であってもよい。例えば、電極215の長さが(側面230上で測定して)5mmである場合、伝導性スペーサ220の長さも5mmであってよい。伝導性スペーサ220の底部は、伝導性スペーサ220及び表面電極215の両方が治療領域に接触するように、表面電極215の底部と実質的に同一平面であってもよい。いくつかの実施形態において、伝導性スペーサ220は、絶縁ハウジング205内に延びてもよい。換言すれば、伝導性スペーサ220及び電極215は、伝導性スペーサ220及び電極215の一部のみが露出されるように、絶縁性ハウジング205内に伝導性部分を有することができる。
【0045】
伝導性スペーサ220及び電極215の露出面は、いくつかの実施形態では、絶縁ハウジング205の開口部と実質的に同一平面である。伝導性スペーサ220と接触していない電極215の部分は、絶縁ハウジング205と接触していてもよい。
【0046】
図3A及び3Bは、電極アセンブリ200の電極215(215a及び215b)及び伝導性スペーサ220の露出図を示す。電極間の伝導性スペーサなどの伝導性材料の形状又は幾何学的形状を変化させることは、電界浸透を増加させるのに役立つことができ、また、治療ゾーンを均一化してより均一にすることができることが発見された。図3Aに示すように、伝導性スペーサ220aは、電極215と実質的に同じ高さである。図3Bにおいて、伝導性スペーサ220bの代替的な実施形態は、伝導性スペーサ220bの高さが凹部に対して変化するように、凹部又は切欠きを含む。図3Bにおいて、凹部は、角度を有する三角形の形状であり、角度は、様々な実施形態において変化し得る。伝導性スペーサの凹部は、本明細書において更に詳細に説明されるように、いくつかの実施形態において、より均一に分散された治療に影響を与えるように、形状及びサイズが変更されてもよい(また、いくつかの例において、様々な幾何学的形状の切欠きとして形成されてもよい)。しかしながら、凹部の形状は、いかなる幾何学的形状にも限定されず、任意の適切な方法で形成することができ、スペーサの材料の一部を切り取る必要はない。いくつかの実施形態では、電極215は、電極215の伝導性露出部分が、電極215と接触している伝導性スペーサ220と同じ高さになるように、絶縁ハウジング205などの絶縁ハウジング内に更に延びてもよく、又は電極215の周りに巻かれた絶縁材料を有してもよい。いくつかの実施形態では、電極215は、絶縁ハウジング205内の導体又は電極アセンブリ200内の他の場所に結合されてもよい。伝導性スペーサ220の高さは、例えば、電極215間の距離に基づいて選択することができる。例えば、電極215間の距離の約10%~50%である伝導性スペーサ220の高さが使用されてもよい。電極215間の距離は、伝導性スペーサ220の幅と実質的に同じであり、したがって、伝導性スペーサ220の高さは、伝導性スペーサ220の幅の約10%~50%であってよい。電極215間の距離の約40パーセント(40%)までの伝導性スペーサ220の高さを使用することができる。例えば、伝導性スペーサ220が10mmの幅を有するように電極215が10mm離れている場合、伝導性スペーサ220の高さは、例えば4mmであってもよい。伝導性スペーサと接触している電極215の伝導性露出部分は、高さ4mmであってもよい。伝導性スペーサ220及び電極215の治療表面は、治療が適用される心臓、肝臓、又は任意の他の細胞若しくは組織型を含む皮膚又は他の組織を含み得る治療領域300の表面上に配置されてもよい。
【0047】
図4Aは、交換可能/取り外し可能に結合された電極アセンブリ400の一例の側面図を示す。電極アセンブリ400は、ハウジング410及び絶縁ハウジング405を含む。電極アセンブリハウジング410は、わずかに細長いテーパ形状を有してもよい。ハウジング410の遠位端から突出しているのは、電極(この図では図示せず)を含み得る絶縁ハウジング405である。電極アセンブリ400の近位端から突出しているのは、電極(この図には示されていない)をパルス発生器に電気的に接続して、電極を介して患者に電気治療を適用するコネクタ415である。この例では、機械的コネクタ420は、近位端上の電極アセンブリ400を治療アプリケータのハンドルに機械的に取り付けるために使用される。
【0048】
図4Bは、針電極425及び伝導性スペーサ430を有する電極アセンブリ400の図を示す。電極アセンブリ400は、示されるように長方形又は正方形の断面を有してもよく、あるいは円形又は楕円形などの任意の形状の断面を有してもよい。針電極425は、遠位に面する(例えば、組織に面する)端から延びる。針電極425は、治療領域に電気治療を適用するために、患者の皮膚又は組織を貫通してもよい。針電極425は、鋭利で傾斜した遠位端を有してもよく、いくつかの実施形態では、円筒形針であってもよい。伝導性スペーサ430は、伝導性スペーサ220と実質的に同じであってもよい。伝導性スペーサ430は針電極425に接触する。伝導性スペーサ430は、伝導性スペーサ430の高さが針電極425の露出した伝導性表面と接触するように、絶縁ハウジング405及び/又はハウジング410内に延びる高さを有してもよい。針電極425は、伝導性スペーサ220が治療領域(例えば、皮膚又は組織)の表面と接触するまで、組織に進入してもよい。交換可能電極アセンブリ400は、針電極425を描写するが、本開示全体を通して説明されるように、表面電極215等のプレート若しくは表面電極、又は表面及び針電極の組み合わせが、交換可能電極アセンブリ400内で使用されてもよい。
【0049】
図4Cは、交換可能な電極アセンブリ400の近位端を示す。機械的コネクタ420は、治療アプリケータ(例えば、治療アプリケータ102)のハンドル(例えば、図1のハンドル114)上にスナップ留め又はラッチ留めされてもよい。機械的コネクタ420は、ハウジング410の一部であってもよい。2つの電気コネクタ415(415a及び415bとして示される)は、ハンドル内の電気コネクタと電気的に結合してもよい。この近位端は、ハンドルと結合して、交換可能な電極アセンブリ400とハンドルとの間の機械的及び電気的接続の両方を行うことができる。
【0050】
交換可能な電極アセンブリハウジング410内で、いくつかの実施形態では、電極は、電極アセンブリハウジング410に結合される電極アセンブリの一部を形成してもよく、それにより、電極は、絶縁ハウジング405及び電極アセンブリハウジング410に対して定位置に係止される。
【0051】
本明細書に記載の電極アセンブリは、複数の適応症において使用され得る、種々の異なるサイズ及び構成であってもよい。例えば、装置の遠位面上の治療領域のサイズ(例えば、直径)は、変動してもよく(例えば、約1mm~150mm以上)、任意の適切な形状(例えば、長方形、円形、三角形、楕円形等)であってもよい。使用される電極は、貫通電極、表面電極、又はそれらの組み合わせであってもよい。治療領域に接触する電極の伝導性表面は、任意の好適なサイズであってもよく、図6~8に関してより詳細に説明される。電極の一部は絶縁材料によって囲まれてもよく、電極の一部は伝導性スペーサと接触していてもよい。絶縁ハウジングなどから延びる伝導性スペーサと接触する電極の部分は全て、本明細書に記載されるような治療を適用するために必要に応じて調整されてもよい。
【0052】
交換可能な電極アセンブリ(例えば、使い捨て又は再利用可能な電極アセンブリ)は、概して、使い捨て又は再利用可能なハンドルと結合するように構成される。図5A及び5Bは、交換可能な電極アセンブリ500とハンドル505の一部との間の機械的及び電気的結合を示す。コネクタ510(図4A及び4Bにおいてクリップ-機械的コネクタ420として例として示される)は、交換可能な電極アセンブリ500及びハンドル505を一緒に機械的かつ解放可能に固定し得る。
【0053】
図6Aは、経皮的用途のための伝導性空間を伴う電極アセンブリの実装の別の実施例を示す。この例では、電極アセンブリ600はバルーンカテーテル構成を有する。電極アセンブリ600は、カテーテル本体605と、膨張可能バルーン610と、正電極625と、負電極630と、第1のゾーン615及び第2のゾーン620を有する伝導性スペーサ635とを含む。電極アセンブリ600では、1つおきの電極が正であり、残りの電極が負であるように、正電極625は負電極630と交互になっている。正電極625と負電極630との間には、第1のゾーン615、第2のゾーン620、及び別の第1のゾーン615を含む伝導性スペーサ635がある。第1のゾーン615は第1の伝導率を有することができ、第2のゾーン620は第2の伝導率を有することができる。いくつかの実施形態では、第2のゾーン620は絶縁ゾーンであってもよい。
【0054】
図6Bは、経皮的針電極アセンブリ650等の経皮的用途において有用な更なる実施例を示す。経皮的針電極アセンブリ650は、第1の電極670と、第2の電極660と、伝導性スペーサ665と、絶縁体655とを含んでもよい。
【0055】
図6Cは、経皮的針電極アセンブリ650の断面図675を示す。断面図675は、経皮的針電極アセンブリ650内に追加の絶縁体680があることを示す。第1の電極670は、経皮針電極アセンブリ650の中心を通って先端まで延び、組織を穿刺するように向けられる。経皮針電極アセンブリ650のシャフトに沿った第1の電極670の上方で、伝導性スペーサ665は、第1の電極670と第2の電極660との間にある。第2の電極660は、伝導性スペーサ665の上方で経皮針電極アセンブリ650のシャフトに沿って露出される。第2の電極660もまた、経皮的針電極アセンブリ650を通して延びるが、絶縁体655によって、露出部分の上方の治療領域から緩衝され、また、絶縁体680によって、経皮的針電極アセンブリ650のシャフトを通して、第1の電極670から緩衝される。
【0056】
図7Aは、治療領域710に治療を適用する表面電極アセンブリ705の断面図700を示す。治療領域710は、例えば腫瘍を有する皮膚又は組織表面を含む任意の適切な治療領域であってもよい。
【0057】
表面電極アセンブリ705は、電極アセンブリ200と同様であってもよい。表面電極アセンブリ705は、表面電極715(例として715a及び715bとして示される)と、伝導性スペーサ720と、絶縁性ハウジング725とを含んでもよい。表面電極715は、表面電極215と実質的に同じであってもよい。伝導性スペーサ720は、伝導性スペーサ220と実質的に同じであってもよい。絶縁ハウジング725は、絶縁ハウジング205と実質的に同じであってもよい。いくつかの実施形態では、表面電極715及び伝導性スペーサ720は、ハウジング725から外に延びてもよい。いくつかの実施形態では、表面電極715及び伝導性スペーサ720は、治療領域710との接触が、組織を治療領域710からハウジング725の中に引き込むことによって達成されるように、ハウジング725内に埋め込まれてもよい。そのような構成は、本明細書で説明される電極アセンブリのいずれかを通して使用されてもよい。
【0058】
断面図700に示されるように、各表面電極715a、715bの第1の表面730a、730bは、治療領域710と接触している。第1の表面730は、電極715の伝導性治療表面又は部分である。各表面電極735の第2の表面735a、715bは、伝導性スペーサ720と接触している。第2の表面735は、電極715の伝導性非治療表面又は部分である。各表面電極740の第3の表面740a、715bは、絶縁ハウジング725などの絶縁材料と接触している。2つの電極715の間にある伝導性スペーサ720の表面745は、治療領域710の表面と接触している。
【0059】
示されるように、電圧が表面電極715にわたって印加されるとき(例えば、電極715aは、正電荷を有してもよく、電極715bは、負電荷を有してもよい)、エネルギーパルスが、治療領域710に印加される。伝導性スペーサ720は、伝導性スペーサ720に接触する表面電極715の第2の表面735に基づいて、エネルギーパルスからの電流の一部を伝導する働きをすることができる。材料の伝導性は、エネルギーパルスが表面電極715の間の治療領域710に向けられ、治療領域710のより深くに向けられることを可能にする。そのような結果は、図12A図18Dの例によって示されるモデルに関して示される。
【0060】
図7Bは、治療領域710に治療を適用する表面電極アセンブリ755の代替断面図750を示す。断面図750において、伝導性スペーサ760は凹部780を含む。2つの電極715の間にある伝導性スペーサ760の表面745は、治療領域710の表面と接触している。伝導性スペーサ760は、図示されるように、第1の部分765を含む。第1の部分765aは、電極715aの表面735aと破線「A」との間に配置され、第1の部分765bは、電極715bの表面735bと破線「D」との間に配置される。第1の部分765aは、伝導性スペーサ760の第1の高さを有する縁が電極715の伝導性表面と接触するような第1の高さを有する。伝導性スペーサ760は、破線「B」と「C」との間に第2の部分775を含む。第2部分775は、第1高さよりも低い第2高さを有する。第2の部分775は、図7Bに示されるように半径方向である縁、図21Dに描写されるように平坦である縁、又は図21Aに描写されるように先端を有してもよい。伝導性スペーサ760は、第3の部分770を含み、その各々は、第1の部分765における第1の高さから第2の部分775における第2の高さまで延び、凹部780(例えば、「丸みを帯びたV字」切欠き)を画定する、角度の付いた縁785を含む。図示のように、第3の部分770aは、第1の部分765aの第1の高さから第2の部分775における第2の高さまで延びる角度付き縁785aを有し、第3の部分770bは、第1の部分765bの第1の高さから第2の部分775における第2の高さまで延びる角度付き縁785bを有する。図示された凹部780は例示的なものであるため、伝導性スペーサ760の形状を変更するために任意の形状又はサイズを使用することができる。
【0061】
図8Aは、患者の治療領域810に電気治療を適用する貫通電極を有する針電極アセンブリ705の一例の断面図800を示す。治療領域810は、例えば、腫瘍、病変、又は他の望ましくない状態を有する皮膚又は組織表面を含む、任意の好適な治療領域であってもよい。
【0062】
針電極アセンブリ805は、電極アセンブリ400と同様であってもよい。針電極アセンブリ805は、針電極815と、伝導性スペーサ820と、絶縁ハウジング825とを含んでもよい。針電極815は、針電極425と実質的に同じであってもよい。伝導性スペーサ820は、伝導性スペーサ430と実質的に同じであってもよい。絶縁ハウジング825は、絶縁ハウジング405と実質的に同様であってもよい。
【0063】
断面図800に示されるように、各針電極815a、815bの第1の表面830a、830bは、治療領域810と接触している。針電極815は、治療領域810内に延びるように表面を貫通してもよい。第1の表面830は、治療領域810と接触している電極815の伝導性治療表面又は部分である。それぞれの針状電極835の第2面835a,815bは、伝導性スペーサ820に接触している。第2の表面835は、電極815の伝導性非治療表面又は部分である。各針電極815の第3の表面840a、840bは、図8Aの実施例に示されるように、絶縁ハウジング825等の絶縁材料と接触してもよい。2つの電極815の間にある伝導性スペーサ820の表面845は、治療領域810の表面と接触している。
【0064】
示されるように、電圧が針電極815にわたって印加されると(例えば、電極815aは、正電荷を有してもよく、電極815bは、負電荷を有してもよい)、エネルギーパルスが、治療領域810に印加される。伝導性スペーサ820は、伝導性スペーサ820に接触する針電極815の第2の表面835に基づいて、エネルギーパルスからの電流の一部を伝導するように機能し得る。材料の伝導性は、エネルギーパルスが針電極815の間の治療領域810に向けられ、治療領域810のより深くに向けられることを可能にする。このような結果は、図12A~22Bに示されるモデルに関して示される。
【0065】
図8Bは、患者の治療領域810に電気治療を適用する貫通電極を有する針電極アセンブリの代替的な断面図850を示す。断面図850において、伝導性スペーサ860は凹部880を含む。2つの電極815の間にある伝導性スペーサ860の表面845は、治療領域810の表面と接触している。伝導性スペーサ860は、図示されるように、第1の部分865を含む。第1の部分865aは、電極815aの表面835aと破線「A」との間に配置され、第1の部分865bは、電極815bの表面835bと破線「D」との間に配置される。第1の部分865は、伝導性スペーサ860の第1の高さを有する縁が電極815の伝導性表面と接触するような第1の高さを有する。伝導性スペーサ860は、破線「B」と「C」との間に第2の部分875を含む。第2部分875は、第1高さよりも低い第2高さを有する。第2の部分875は、図8B及び図21Aに示されるように尖っている縁、図21D及び図21Eに示されるように平坦な縁、又は図21B及び図21Cに示されるように放射状の縁を有することができる。伝導性スペーサ860は、第3の部分870を含み、その各々は、第1の部分865における第1の高さから第2の部分875における第2の高さまで延び、凹部880(例えば、「V」切欠き)を画定する角度付き縁885を含む。図示のように、第3の部分870aは、第1の部分865aの第1の高さから第2の部分875における第2の高さまで延びる角度付き縁885aを有し、第3の部分870bは、第1の部分865bの第1の高さから第2の部分875における第2の高さまで延びる角度付き縁885bを有する。図示された凹部880は例示的なものであるため、伝導性スペーサ860の形状を変更するために任意の形状又はサイズの凹部を使用することができる。
【0066】
図9Aは、患者の治療領域910に治療を適用する複合電極アセンブリ905の例示的な断面図900を示す。治療領域910は、例えば腫瘍を有する皮膚又は組織表面を含む任意の適切な治療領域であってもよい。
【0067】
組み合わせ電極アセンブリ905は、複数の針電極915(例として915a及び915bとして示される)と、中心表面電極950と、伝導性スペーサ920(例として920a及び920bとして示される)と、絶縁ハウジング925とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、中心電極950は針電極であってもよく、外側電極915は表面電極であってもよい。電極の他の組み合わせは、貫通電極、カテーテル電極、表面電極、又は任意の他のタイプの電極を含む組み合わせ電極アセンブリに含まれてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、中心電極は、針電極であってもよく、外側電極は、中心電極を包囲するリングの形状の表面電極であってもよい。別の例として、いくつかの実施形態では、中心電極は、ディスク形状の表面電極であってもよく、外側電極は、中心電極を取り囲むリング形状の表面電極であってもよい。更に他の実施形態では、中心電極及び外側電極は、貫通電極、表面電極、カテーテル電極、又は任意の他のタイプの電極を含む同じタイプであってもよい。針電極915a、915bは、針電極425と実質的に同じであってもよい。中心表面電極950は、表面電極215と実質的に同じであってもよい。伝導性スペーサ920a、920bは、伝導性スペーサ220と実質的に同じであってもよい。
【0068】
断面図900に示されるように、各針電極930の第1の表面930a、915bは、治療領域910と接触している。針電極915は、治療領域910内に延びるように表面を貫通してもよい。第1の表面930は、電極915の伝導性治療表面又は部分である。各針電極935の第2の表面935a、915bは、それぞれの伝導性スペーサ920と接触している。例えば、第2の表面935aは、伝導性スペーサ920aと接触している。同様に、第2の表面935bは、伝導性スペーサ920bと接触している。第2の表面935は、電極915の伝導性非治療表面又は部分である。各針電極915の第3の表面940a、940bは、絶縁ハウジング925等の絶縁材料と接触してもよい。各伝導性スペーサ920の表面945a、945bは、治療領域910の表面と接触している。加えて、中央表面電極950は、治療領域910の表面と接触する第1の表面960と、各々がそれぞれの伝導性スペーサ920と接触する第2の表面955a、955bとを含む。
【0069】
示されるように、電圧が電極915a、915b、950にわたって印加されるとき(例えば、電極915a及び915bは、正電荷を有してもよく、電極950は、負電荷を有してもよく、逆もまた同様である)、エネルギーパルスが、治療領域910に印加される。伝導性スペーサ920は、伝導性スペーサ920に接触する針電極915の第2の表面935及び伝導性スペーサ920に接触する表面電極950の第2の表面955に基づいて、エネルギーパルスからの電流の一部を伝導する働きをすることができる。材料の伝導性は、治療パルスが針電極915の間の治療領域910に向けられ、治療領域910のより深くに向けられることを可能にする。このような結果は、図12A~22Bに示されるモデルに関して示される。
【0070】
図9Bは、治療領域910に治療を適用する複合電極アセンブリ975の代替の例示的な断面図970を示す。断面図970において、伝導性スペーサ980a、980bは、それぞれ凹部985a、985bを含む。各伝導性スペーサ980は、図8Bの伝導性スペーサ860又は図7Bの伝導性スペーサ760と同様であってもよい。伝導性スペーサ980内に描かれた凹部985は、「V」字型の切欠きとして例示されている。しかしながら、任意の形状が使用されてもよく、いくつかの実施形態では、各凹部985の形状は異なってもよい(例えば、凹部985aは「丸みを帯びたV」形状であってもよく、凹部985bは「U」形状であってもよい)。図示した凹部985は例示的なものであるため、伝導性スペーサ980の形状を変更するために任意の形状又はサイズを使用することができる。
【0071】
図9Cは、針電極992、中心表面電極994、及び伝導性スペーサ996を有する、例示的電極アセンブリ990の斜視図を示す。この例では、針電極992は、電極アセンブリ990の一方の側の電極992aの列と、電極アセンブリの他方の側の電極992bの第2の列とを含み、表面電極994(例えば、プレート994)は、電極992a及び992bの2つの列の間に平行に配置され得る。針電極992は、図9A及び図9Bに関して説明した針電極915と実質的に同じであってもよい。表面電極994は、図9A及び図9Bに関して説明した表面電極950と実質的に同じであってもよい。伝導性スペーサ996a、996bは、図9Aを参照して説明した伝導性スペーサ920又は図9Bを参照して説明した伝導性スペーサ980と実質的に同一でありうる。
【0072】
上述のような伝導性スペーサを有する電極アセンブリのいずれかを有する開示された治療システムは、患者に効果的な電気治療を提供するために使用されてもよい。図10A、10B、及び11は、電極アセンブリの選択、電気治療パラメータの選択、電気治療の適用、及び治療情報の表示(又は他の方法で通知/通信)のための様々な方法において選択的に組み合わせることができるプロセスステップのいくつかの例を提供する。一般に、図10A~10B及び11に示される方法を含む、本明細書に記載の方法は、例えば、治療領域の外観を向上させるために、美容適応症の治療のためであり得る。このような美容適応症は、典型的には、治療対象となる目に見える影響以外の症状はなく、煩わしくて心理社会的には悪影響をもたらす可能性があるが、一般には医学的な影響はない。例えば、皮脂腺過形成(SH)は、美容適応症の一例である。図12A~22Bは、電極アセンブリの種々の構成を使用する電気治療分布を描写するモデルを提供する。
【0073】
図10Aは、いくつかの実施形態による、患者に電気治療を適用するためのプロセス1000を示す。プロセス1000は、治療装置を動作する人間のユーザ(例えば、医療専門家)によって、又は例えば、図1のシステム100等のシステムによって行われてもよい。いくつかの実施形態では、任意選択のステップ1005において、ユーザは、電極アセンブリの伝導性スペーサに少なくとも部分的に基づいて電極アセンブリを選択することができる。例えば、ユーザは、治療される組織に適した伝導率を有する伝導性スペーサを有する電極アセンブリを選択することができる。伝導性スペーサの伝導率は、治療領域の伝導率より大きくても、小さくても、又は実質的に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、伝導性スペーサの伝導率は、治療領域の伝導率以上、治療領域の伝導率の100倍(100x)以下などの範囲内であってもよく、いくつかの実施形態では、治療領域の伝導率よりわずかに小さいか、ほぼ等しいか、又は約10倍(10x)であってもよく、いくつかの実施形態では、治療領域の伝導率の約1~10倍(1x~10x)であってもよい。治療領域の伝導率は、治療される組織のタイプに基づいて決定されてもよい。例えば、治療は、皮膚、肝臓組織、心臓組織、又は任意の他のタイプの組織若しくは細胞に対するものであり得る。表皮の伝導率は約1.1S/mであり、したがって、伝導性スペーサの伝導率の範囲は、1.1S/mよりわずかに小さい値から110S/mまでであってもよく、いくつかの実施形態では、好ましくは約11S/m(治療領域の伝導率の約10倍)であってもよい。他の組織に対する治療は、組織の伝導率が治療される組織のタイプによって変化し得るので、異なる伝導率範囲を有し得る。別の例として、ユーザは、治療される組織にとって望ましい凹部を有する伝導性スペーサを有する電極アセンブリを選択することができる。例えば、より小さい又はより大きい第2の高さ(例えば、「V」又は「U」形状の谷)を有する凹部、第1の高さを第2の高さに接続する縁のより急な又はより急でない角度、より広い又はより狭い凹部等は、種々のタイプの組織の治療のための種々の利点を有し得る。更に別の実施例では、パルス発生器システム(図1の実施例によって示されるもの等)のコントローラは、治療領域及び/又は治療されている組織に関する情報を受信し、電極アセンブリが使用するための選択を行い、治療のために取得及び使用するために、そのような選択情報をユーザ(例えば、技術者又は他の医療従事者)に提供してもよい。電極アセンブリは、各々が伝導性スペーサに伝導的に接触する少なくとも2つの電極を含むことができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、任意選択のステップ1010において、ユーザは、治療領域の表面上に伝導性ゲルを塗布して、電極アセンブリ電極と治療領域との間、及び/又は電極アセンブリの伝導性スペーサと治療領域との間の接触を促進することができる。例えば、伝導性ゲルは、正確に均一に平坦ではない皮膚又は他の治療領域への電極の均一な接触を促進するのを助けるために使用されることが多い。伝導性ゲルは、電極アセンブリの伝導性スペーサとはいくつかの点で異なる。例えば、そのような伝導性ゲルの粘稠度は、典型的には、伝導性スペーサよりもはるかに粘性が低く堅固である。更に、伝導性ゲルは、伝導性スペーサの表面と治療領域の表面との間に配置され、いくつかの表面電極の実施形態では、表面電極の表面と治療領域の表面との間に配置される。
【0075】
ステップ1015において、ユーザは、電極アセンブリを患者の治療領域に適用又は配置する。例えば、任意の表面電極及び伝導性スペーサは、治療領域の表面に伝導的に接触する(すなわち、電気的に接触する)ように配置される。伝導性スペーサが治療領域の表面に押し付けられて伝導的に接触するまで、任意の針電極が治療領域に挿入される。ハウジング内に埋め込まれた電極及び伝導性スペーサを有する電極アセンブリでは、組織が電極及び伝導性スペーサと伝導接触するように、組織が電極アセンブリ内に引き込まれる。
【0076】
ステップ1020において、電気治療パラメータは、治療領域に適用する電気治療のために選択される。電気治療パラメータは、治療領域に印加される電圧場、パルス幅、パルス周波数、パルス数、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、電気治療パラメータは、電極アセンブリ内の伝導性スペーサに少なくとも部分的に基づいて選択されてもよい。例えば、本開示の伝導性スペーサを有する電極アセンブリは、電極間に絶縁スペーサを有する又はスペーサを有さない電極アセンブリを用いて治療領域を治療するのに必要な電圧よりも、治療領域全体にわたって所望の治療深さで有効な治療を提供するのに必要な電圧が小さくてよい。このより低い電圧は、伝導性スペーサが、比較的高い電界が治療領域の上に存在し、より効果的に治療領域内に延びることを可能にするので、少なくとも部分的に可能であり得る。いくつかの実施形態では、パルス発生器システム(図1の例によって示されるもの等)のコントローラは、選択された電極アセンブリ及び伝導性スペーサの伝導性を決定又は認識するように構成されてもよく、また、治療のための提案される電気治療パラメータ値を提供してもよい。例えば、電極アセンブリがパルス発生器システムのハンドルに取り付けられるとき、コントローラは、電極アセンブリを識別する情報(例えば、モデル番号)を受信し得る。コントローラは、選択された電極アセンブリを使用して所与の治療領域を治療するための電気治療パラメータ値を決定するために使用することができる情報を含むデータベース又はテーブルを含むメモリにアクセスすることができる。電気治療パラメータ値は、例えば、伝導性スペーサの伝導率、伝導性スペーサの幾何学的切欠き情報、治療領域の伝導率、治療領域のサイズ又は形状などの任意の組合せに基づくことができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、任意選択のステップ1025において、ユーザは、電極アセンブリを介して治療領域に電気治療を適用することができる。そのような治療は、高電圧又は低電圧パルスを含んでもよい。パルスは、ナノ秒パルス、ピコ秒パルス、マイクロ秒パルス、ミリ秒パルスなどであってもよい。電気治療は、いくつかの実施形態では、直流(「DC」)パルス化であってもよい。いくつかの実施形態では、電気治療は、無線周波数(「RF」)治療であってもよい。
【0078】
図10Bは、電極アセンブリを選択する、及び/又は電気治療のためのパラメータを選択するための別の方法1050の実施例を示す。方法1050は、例えば、図1のシステム100等の治療装置又はシステムを動作する人間のユーザ(例えば、医療専門家)によって行われてもよい。いくつかの実施形態では、方法1050は、治療システム又は装置のコントローラによって実行されてもよい。方法1050は、ステップ1055において、電極アセンブリの伝導性スペーサに少なくとも部分的に基づいて電極アセンブリを選択することを含んでもよい。ステップ1055は、図10Aのプロセス1000における任意選択のステップ1005として上で詳細に説明されている。
【0079】
いくつかの実施形態では、任意選択のステップ1060において、伝導性ゲルが、電極アセンブリ電極と治療領域との間、及び/又は電極アセンブリの伝導性スペーサと治療領域との間の接触を促進するように、治療領域の表面上に塗布されてもよい。ステップ1060は、図10Aのプロセス1000における任意選択のステップ1010として上で詳細に説明されている。
【0080】
ステップ1065において、電気治療パラメータは、治療領域に適用する電気治療のために選択されてもよい。ステップ1065は、図10Aのプロセス1000におけるステップ1020として上で詳細に説明されている。
【0081】
図11は、電気治療のためのパルス発生器システムを構成するための別の方法1100、又は電気治療装置の動作方法の実施例を示す。方法1100は、パルス発生器システムのコントローラによって実行することができる。コントローラは、コントローラの1つ以上のプロセッサによって実行されると、コントローラにステップを実行させる命令をコントローラのメモリ内に記憶させることによって、方法1100を実行してもよい。ステップ1105では、コントローラは、治療アプリケータの交換可能電極アセンブリの指示を決定又は受信してもよい。例えば、人間のユーザは、交換可能電極アセンブリを選択し、交換可能電極アセンブリを治療アプリケータのハンドルに結合してもよい。いくつかの実装では、システムは、例えば、システムのコントローラ/プロセッサのメモリ内に記憶される情報に基づいて、特定の治療領域又は特定の治療のために、どの電極アセンブリを使用するかを決定し、ユーザインターフェースを通して提案してもよい。結合は、機械的、電気的、又はその両方であってもよい。電極アセンブリは、電極アセンブリのサイズ(例えば、5mm×5mm、10mm×5mm、5mm×10mm等)、伝導性スペーサの伝導率、電極の数、電極アセンブリのタイプ(例えば、それが表面電極、針電極、又は組み合わせ電極アセンブリであるかどうか)等を含む、電極アセンブリのタイプを示すために、コントローラに結合すると伝送される情報を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電極アセンブリのモデル番号は、コントローラに伝送されてもよく、コントローラは、モデル番号を使用して、例えば、メモリ内のテーブル内の電極アセンブリに関する情報を識別してもよい。
【0082】
ステップ1110において、コントローラは、交換可能な電極アセンブリの指示に基づいて伝導性スペーサの特性を決定する。例えば、指示は、伝導率情報(例えば、伝導率、伝導性ゾーンなど)を含んでもよく、又は提供される情報は、コントローラが伝導性スペーサの伝導率情報を調べることを可能にしてもよい。別の例として、表示は、伝導性スペーサの凹部の形状又は他の特性を含んでもよい。
【0083】
ステップ1115において、コントローラは、交換可能な電極アセンブリに基づいて、例えば電気治療パラメータを含む適切な治療構成情報を決定する。例えば、コントローラは、テーブル又はデータベース内の構成情報を検索することができる。構成情報は、例えば、電極アセンブリで治療される組織の好ましいタイプ、治療のためのピーク電圧値、電気治療を実施するための治療持続時間、治療が到達することが望ましい治療深さ、治療深さで治療されている組織のための最小有効治療値、及び/又は同等物を含んでもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、任意選択のステップ1120は、コントローラによって実行される。コントローラは、選択された交換可能な電極アセンブリに基づいて構成情報を使用して、電気治療のための構成可能な電気治療パラメータを設定することができる。例えば、コントローラは、治療のためのピーク電圧、印加される電圧場、パルス持続時間、パルス周波数、パルス数、パルス幅等を設定してもよい。いくつかの実施形態では、任意選択のステップ1120は、ユーザによって実行され得る。
【0085】
ステップ1125において、いくつかの実施形態では、コントローラは、随意に、好適な治療構成情報及び/又は構成可能電気治療パラメータを表示装置(例えば、インターフェース104)上に表示させてもよい。いくつかの実装では、好適な治療構成情報及び/又は治療パラメータを表示する代わりに、そのような情報は、例えば、口頭で(例えば、音によって)、又はテキストによって、通信又は伝送されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、構成可能パラメータを調節し、及び/又は好ましい若しくは好適な治療構成情報を修正してもよい。例えば、ユーザは、治療される組織のタイプ又は使用されるピーク電圧を修正してもよい。そのような修正は、いくつかの実施形態では、コントローラに、例えば、表又は履歴データに基づいて、決定された好適な治療構成情報を修正/更新させてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラのメモリ内の情報は、例えば、ピーク電圧等を制限することによって、所与の交換可能電極アセンブリのための構成設定が許容不可能な治療を提供することを可能にしない保護を含んでもよい。
【0086】
図12Aは、電極1205a、1205bの間に絶縁スペーサ1210を有し、絶縁体1220によって取り囲まれた表面電極アセンブリのための治療領域1215のモデル1200を示す。絶縁スペーサ1210を有する説明された表面電極1205は、以前の既知の治療において使用されていてもよく、本明細書に開示される伝導性スペーサを実装しない。このモデル1200は、図12Bに示されるような本開示の伝導性スペーサを使用することの実質的な利点を示すために、絶縁スペーサ1210を使用して治療領域1215を描写する目的で提供される。
【0087】
モデル1200は、2つの表面電極1205aと1205bとの間の絶縁スペーサ1210を用いて治療される治療領域1215に基づく。絶縁スペーサ1210は、その幅の10%である高さを有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。モデル内の数値を使用して示されるように、1から10まで番号付けされた等値線があり、これらは、各等値線における相対的治療値を示す。図示のように、絶縁スペーサ1210の中心の直下の治療領域1215は、2.0等値線において約2.5の深さまでの治療値を有する。しかしながら、4.0等値線は、絶縁スペーサ1210の中心の下に延びない。説明のために、治療領域1215は、4.0等値線に基づいて識別された有効治療値を有すると仮定する。電極1205の直下では、4.0等値線における治療値は、約2.25の深さになる。絶縁スペーサを使用して示されるように、治療は、治療領域1215全体にわたって均一に分配されない。治療領域に対する有効治療値に関連付けられた等値線は、治療領域における一貫した深さに対して均一に分配された治療を示すために可能な限り水平であってもよい。モデル1200の場合、等値線のいずれも均一に分布した治療を示していない。
【0088】
図12Bは、電極1255a、1255bの間に伝導性スペーサ1260を有し、絶縁体1270によって取り囲まれた表面電極アセンブリのための治療領域1265のモデル1250を示す。モデル1250は、2つの表面電極1255の間の伝導性スペーサ1260で治療される治療領域1265に基づく。伝導性スペーサ1260は、その幅の約10%の高さを有する。伝導性スペーサ1260は、治療領域1265の伝導率と実質的に同じ伝導率を有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。モデル1250では、電極1255の直下では、4.0等値線での治療値は約2.75の深さになり、伝導性スペーサ1260の中心の直下での4.0等値線での治療値は約1.25の深さになる。絶縁スペーサ1210が使用される場合、図12Aに示されるように、治療は、治療領域1215を通してよりも治療領域1265全体にわたって実質的により均一に分散されることに留意されたい。この例では、少なくとも1.25の深さまでの有効な治療が、治療領域1265全体にわたって達成される。
【0089】
図13Aは、電極1305間に絶縁スペーサ1310を有し、絶縁体1320によって取り囲まれた表面電極アセンブリのための治療領域1315のモデル1300を示す。図13Aに示される表面電極アセンブリは、図12Aに示される表面電極アセンブリよりもサイズが小さい。電極1305間の距離は、図12Aの電極1205間の距離の半分である。絶縁スペーサ1310を有する説明された表面電極1305は、以前の治療において使用されていてもよく、本明細書に開示される伝導性スペーサを実装しない。このモデル1300は、図13Bに示されるような伝導性スペーサを使用することの実質的な利点を示すために、絶縁スペーサ1310を使用して治療領域1315を描写する目的で提供される。
【0090】
モデル1300は、2つの表面電極1305aと1305bとの間の絶縁スペーサ1310を用いて治療される治療領域1315に基づく。絶縁スペーサ1310は、その幅の20%である高さを有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。絶縁スペーサ1310の直下の治療領域1315は、4.0等値線において約1の深さまでの治療値を有する。電極1305の直下では、4.0等値線における治療値は、約1.75の深さになる。しかしながら、有効治療値は、好ましいように治療領域1315全体にわたって均一に分配されない。
【0091】
図13Bは、電極1355a、1355bの間に伝導性スペーサ1360を有し、絶縁体1370によって取り囲まれた表面電極アセンブリのための治療領域1365のモデル1350を示す。
【0092】
モデル1350は、2つの表面電極1355の間の伝導性スペーサ1360で治療される治療領域1365に基づく。伝導性スペーサ1360は、その幅の約20%の高さを有する。伝導性スペーサ1360は、治療領域1365の伝導率と実質的に同じ伝導率を有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。モデル1350では、伝導性スペーサ1360の中心の直下では、4.0等値線での治療値は約1.6の深さになり、電極1355の直下の4.0等値線での治療値は約1.8の深さになる。絶縁スペーサ1310が使用される場合、有効治療値は、治療領域1365を通るよりも治療領域1315全体にわたって実質的により均一に分配されることに留意されたい。この例では、約1.6の深さまでの有効な治療が、治療領域1365全体にわたって達成される。
【0093】
図14A~14Eは、伝導性スペーサの高さを増加させる利点を分析するために使用することができる。
【0094】
図14Aは、電極1402a、1402bの間に伝導性スペーサ1404を有する表面電極アセンブリの治療領域1406のモデル1400を示す。領域1408は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0095】
モデル1400は、2つの表面電極1402の間の伝導性スペーサ1404で治療される治療領域1406に基づく。伝導性スペーサ1404は、その幅の約10%の高さを有する。伝導性スペーサ1404は、治療領域1406の伝導率と実質的に同じ伝導率を有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。伝導性スペーサ1404の直下の治療領域1406は、4.0等値線において約1.25の深さまでの治療値を有する。電極1402の直下では、4.0等値線における治療値は、約2.75の深さになる。
【0096】
図14Bは、電極1422a、1422bの間に伝導性スペーサ1424を有する表面電極アセンブリの治療領域1426のモデル1420を示す。領域1428は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0097】
モデル1420は、2つの表面電極1422の間の伝導性スペーサ1424で治療される治療領域1426に基づく。伝導性スペーサ1424は、その幅の約20%の高さを有する。伝導性スペーサ1424は、治療領域1426の伝導率と実質的に同じ伝導率を有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。伝導性スペーサ1424の直下の治療領域1426は、4.0等値線において約1.75の深さまでの治療値を有する。電極1422の直下では、4.0等値線における治療値は、約2.75の深さになる。
【0098】
図14Cは、電極1442a、1442bの間に伝導性スペーサ1444を有する表面電極アセンブリの治療領域1446のモデル1440を示す。領域1448は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0099】
モデル1440は、2つの表面電極1442の間の伝導性スペーサ1444で治療される治療領域1446に基づく。伝導性スペーサ1444は、その幅の約30%の高さを有する。伝導性スペーサ1444は、治療領域1446の伝導率と実質的に同じ伝導率を有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。伝導性スペーサ1444の直下の治療領域1446は、4.0等値線において約1.75の深さまでの治療値を有する。電極1442の直下では、4.0等値線における治療値は、約2.75の深さになる。
【0100】
図14Dは、電極1462a、1462bの間に伝導性スペーサ1464を有する表面電極アセンブリの治療領域1466のモデル1460を示す。領域1468は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0101】
モデル1460は、2つの表面電極1462の間の伝導性スペーサ1464で治療される治療領域1466に基づく。伝導性スペーサ1464は、その幅の約40%の高さを有する。伝導性スペーサ1464は、治療領域1466の伝導率と実質的に同じ伝導率を有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。伝導性スペーサ1464の直下の治療領域1466は、4.0等値線において約2の深さまでの治療値を有する。電極1462の直下では、4.0等値線における治療値は、約2.75の深さになる。
【0102】
図14Eは、電極1482a、1482bの間に伝導性スペーサ1484を有する表面電極アセンブリの治療領域1486のモデル1480を示す。領域1488は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0103】
モデル1480は、2つの表面電極1482の間の伝導性スペーサ1484で治療される治療領域1486に基づく。伝導性スペーサ1484は、その幅の約50%である高さを有する。伝導性スペーサ1484は、治療領域1486の伝導率と実質的に同じ伝導率を有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。伝導性スペーサ1484の直下の治療領域1486は、4.0等値線において約2の深さまでの治療値を有する。電極1482の直下では、4.0等値線における治療値は、約2.75の深さになる。
【0104】
図14A~14Eによって示されるように、伝導性スペーサの高さ対幅の比を増加させることは、伝導性スペーサの下の治療領域における有効治療値の深さを増加させるが、ある程度までである。伝導性スペーサの様々な他の組織及び伝導率ならびに異なるサイズの電極アセンブリ(例えば、5mm×5mm、5mm×10mm)を使用する他のモデルは、伝導性スペーサの高さが伝導性スペーサの幅の約20パーセント~60パーセント(20%~60%)であるときに、より小さい高さ対幅比を有する伝導性スペーサを使用するよりも有効治療深さが増加することを示す。有効治療深さの増加は、70%を超えると漸減する。伝導性スペーサの幅の約40パーセント(40%)の高さを有する伝導性スペーサは、良好な結果を提供する。したがって、特定の実施形態では、(例えば、5mm×10mmの電極アセンブリにおいて)4mmの高さ及び10mmの幅を有する伝導性スペーサは、4mm未満の高さ及び10mmの幅を有する伝導性スペーサよりも高い治療深さ及び均一性を提供する。同様に、(例えば、5mm×5mmの電極アセンブリにおいて)2mmの高さ及び5mmの幅を有する伝導性スペーサは、2mm未満の高さ及び5mmの幅を有する伝導性スペーサよりも増加した治療深さを提供する。
【0105】
図15は、モデル1400、1420、1440、1460、及び1480において収集されたデータに基づいて、伝導性スペーサの高さがその幅のパーセンテージとして増加されるときの最小有効治療値のパーセンテージ変化のグラフ1500の一例を示す。例えば、40%の高さ対幅比を有する伝導性スペーサに対する10%の高さ対幅比を有する伝導性スペーサによる有効電界のパーセント変化は、約30パーセント(30%)である。
【0106】
図16A~16Dは、伝導性スペーサの伝導率を増加させる利点を分析するために使用することができる。
【0107】
図16Aは、電極1602a、1602bの間に伝導性スペーサ1604を有する表面電極アセンブリの治療領域1606のモデル1600を示す。領域1608は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0108】
モデル1600は、2つの表面電極1602の間の伝導性スペーサ1604で治療される治療領域1606に基づく。伝導性スペーサ1604は、その幅の約20%の高さを有する。伝導性スペーサ1604は、治療領域1606の伝導率と実質的に同じ伝導率を有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。伝導性スペーサ1604の直下の治療領域1606は、4.0等値線において約1.75の深さまでの治療値を有する。電極1602の直下では、4.0等値線における治療値は、約2.75の深さになる。
【0109】
図16Bは、電極1622a、1622bの間に伝導性スペーサ1624を有する表面電極アセンブリの治療領域1626のモデル1620を示す。領域1628は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0110】
モデル1620は、2つの表面電極1622の間の伝導性スペーサ1624で治療される治療領域1626に基づく。伝導性スペーサ1624は、その幅の約20%の高さを有する。伝導性スペーサ1624は、治療領域1626の伝導率の約10倍(10x)の伝導率を有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。伝導性スペーサ1624の直下の治療領域1626は、4.0等値線において約2.75の深さまでの治療値を有する。電極1622の直下では、4.0等値線での治療値は約3mmの深さに達する。これは、治療領域1606の伝導率に実質的に等しい伝導率を有する伝導性スペーサ1604に対する実質的な改善であることに留意されたい。
【0111】
図16Cは、電極1642a、1642bの間に伝導性スペーサ1644を有する表面電極アセンブリの治療領域1646のモデル1640を示す。領域1648は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0112】
モデル1640は、2つの表面電極1642の間の伝導性スペーサ1644で治療される治療領域1646に基づく。伝導性スペーサ1644は、その幅の約20%の高さを有する。伝導性スペーサ1644は、治療領域1646の伝導率の約100倍(100x)の伝導率を有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。伝導性スペーサ1644の直下の治療領域1646は、4.0等値線において約3の深さまでの治療値を有する。電極1642の直下では、4.0等値線における治療値は、約3.25の深さになる。これは、有効治療深さが増加するので、治療領域1646の伝導率の10倍の伝導率を有する伝導性スペーサ1624よりも更に改善されることに留意されたい。
【0113】
図16Dは、電極1662a、1662bの間に伝導性スペーサ1664を有する表面電極アセンブリの治療領域1666のモデル1660を示す。領域1668は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0114】
モデル1660は、2つの表面電極1662の間の伝導性スペーサ1664で治療される治療領域1666に基づく。伝導性スペーサ1664は、その幅の約20%の高さを有する。伝導性スペーサ1644は、治療領域1646の伝導率の約1000倍(1000x)の伝導率を有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。伝導性スペーサ1664の直下の治療領域1666は、4.0等値線において約3の深さまでの治療値を有する。電極1662の直下では、4.0等値線における治療値は、約3.25の深さになる。治療領域1646の100倍の伝導率を有する伝導性スペーサ1644に対して顕著な改善はないことに留意されたい。
【0115】
図17は、モデル1600、1620、1640、及び1660において収集されたデータに基づいて、伝導性スペーサの伝導性が治療領域の伝導率の倍数として増加されるにつれて、最小有効治療値のパーセンテージ変化のグラフ1700を示す。例えば、治療領域の伝導率と実質的に同じ伝導率を有する伝導性スペーサと、治療領域の伝導率の100倍の伝導率を有する伝導性スペーサとの間の最小有効治療値のパーセント変化は、約72パーセント(72%)である。
【0116】
図18A~18Dは、3列貫通及び組み合わせ電極アセンブリの代替構成及び結果を示す。領域1808、1828、1848、1868は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0117】
図18Aは、針電極1802a、1802b、及び1802cの間に絶縁スペーサ1804a、1804bを伴う、3列針電極アセンブリのためのモデル1800を示す。
【0118】
図18Aのモデル1800は、3列針電極構成で治療されている治療領域1806に基づく。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。針電極1802a及び1802cの直下の治療領域1806は、4.0等値線において約4の深さまでの治療値を有する。針電極1802bの直下は、4.0等値線において約5.25の深さまで治療値を有する。針電極1802間の空間の直下では、4.0等値線における治療値は、約4から5.25の間の深さになる。針電極1802bの中間列は、縁電極1802aと1802cとの間の領域が治療を受けることを効果的に保証するが、それはかなりの費用がかかる。第1に、治療深さは、電極アセンブリの中心において更に大きい。第2に、追加の列の針が「爪床」現象を増加させ、貫通を困難にする。第3に、3列針電極アセンブリの製造コスト及び複雑さは、2列針電極アセンブリよりも実質的に大きい。
【0119】
図18Bは、針電極1822a、1822b、及び1822cの間に伝導性スペーサ1824a、1824bを伴う、3列針電極アセンブリのためのモデル1820を示す。
【0120】
図18Bのモデル1820は、3つの針電極1822a、1822b、1822cの間の伝導性スペーサ1824a及び1824bを用いて治療される治療領域1826に基づく。伝導性スペーサ1824は、治療領域1826の伝導率と実質的に同じ伝導率を有する。伝導性スペーサ1824a、1824bはそれぞれ、その幅の約80%であり、電極1822aと1822cとの間の全幅の40%である高さを有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。針電極1822a及び1822cの直下の治療領域1826は、4.0等値線において約4の深さまでの治療値を有する。針電極1822bの直下は、4.0等値線において約5.25の深さまで治療値を有する。針電極1822間の空間の直下では、4.0等値線における治療値は、約4から5.25の間の深さになる。中央列の針電極1822bは、縁電極1822aと1822cとの間の領域が治療を受けることを効果的に保証するが、この伝導率の伝導性スペーサは、伝導性スペーサのない3列針電極に対してほとんど影響を及ぼさないように見える。
【0121】
図18Cは、針電極1842a、1842cと表面電極1842bとの間に絶縁スペーサ1844a、1844bを伴う、針電極1842a及び1842cならびに表面電極1842bを伴う、組み合わせ電極アセンブリのためのモデル1840を示す。
【0122】
図18Cのモデル1840は、針電極の第3の列の代わりに、針電極1842a、1842cの2つの外側列と、針電極1842a、1842cの2つの列の間に配置された中心表面電極1842bとを用いて治療される治療領域1846に基づく。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。針電極1842a及び1842cの直下の治療領域1846は、4.0等値線において約2.75の深さまでの治療値を有する。表面電極1842bの直下の深さまでの治療値は約3.75である。針電極1842a,1842cと表面電極1842bとの間の空間の直下では、治療値は2.75~3.75の深さに達する。中間表面電極1842bは、縁電極1842aと1842cとの間の領域全体にわたって治療を分配するのを助けるが、分配は、3列の針電極の場合ほど均一ではない。
【0123】
図18Dは、針電極1862aと表面電極1862bとの間の伝導性スペーサ1864aと、針電極1862cと表面電極1862bとの間の伝導性スペーサ1864bとを伴う、組み合わせ電極アセンブリのためのモデル1860を示す。
【0124】
図18Dのモデル1860は、針電極の第3の列の代わりに、針電極1862a、1862cの2つの外側列と、針電極1862a、1862cの2つの列の間に配置された中心表面電極1862bとを用いて治療される治療領域1866に基づく。伝導性スペーサ1864は、治療領域1866の伝導率と実質的に同じ伝導率を有する。伝導性スペーサ1824a、1824bはそれぞれ、その幅の約80%であり、電極1862aと1862cとの間の全幅の40%である高さを有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。針電極1862a及び1862cの直下の治療領域1866は、4.0等値線において約3.5の深さまでの治療値を有する。表面電極1862bの直下は、約4.25の深さまでの有効治療値を有する。針電極1862a,1862cと表面電極1862bとの間の空間の直下では、有効治療値は3.5~4.25の深さになる。この構成は、治療領域1866全体にわたる有効治療値の分布の実質的な改善を提供する一方で、針電極の列を排除すること(例えば、「爪床」現象を回避すること)から知られている改善を提供し、針電極の列を単一の表面電極と置き換えることによって製造コスト及び複雑さを低減する。
【0125】
図19A~19Cは、表面電極及び複数の伝導性ゾーンを伴う伝導性スペーサを伴う、電極アセンブリのための代替構成及び結果を示す。領域1908、1928及び1948は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0126】
図19Aは、表面電極1902の間に第1の伝導性ゾーン1904a、1904b及び第2の伝導性ゾーン1910を有する伝導性スペーサを備えた表面電極1902a、1902bを有する電極アセンブリのモデル1900を示す。
【0127】
図19Aのモデル1900は、表面電極1902間に伝導性ゾーン1904、1910を伴う伝導性スペーサを有する表面電極アセンブリを用いて治療される治療領域1906に基づく。第1のゾーン1904の伝導率は、治療領域1906の伝導率の10倍であってもよく、第2のゾーン1910の伝導率は、治療領域1906の伝導率と実質的に同じであってもよい。1904、1910で示される2つの伝導性ゾーンは、この例でははっきりと描かれているが、いくつかの実施形態では、伝導性スペーサにおける伝導性の段階的な変化が使用されてもよい。伝導性スペーサは、その幅の約20%の高さを有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。表面電極1902a及び1902bの直下の治療領域1906は、4.0等値線において約3.25の深さまでの治療値を有する。伝導性ゾーン1904、1910の直下では、有効治療値は約4mmの深さに達し、実質的に均一に分布する。再び図16Bを参照すると、伝導性スペーサ1624は、その幅の約20%である高さと、治療領域1626の伝導率の約10倍である伝導率とを有する。モデル1620に示される治療の分布をモデル1900の分布と比較すると、分布は、伝導性スペーサ内の伝導性ゾーンが使用されるモデル1900において実質的により均一である。
【0128】
図19Bは、表面電極1922間に2つの伝導性ゾーン1924a、1924b、及び1930を有する伝導性スペーサを伴う、表面電極1922a、1922bを伴う電極アセンブリのためのモデル1920を示す。
【0129】
図19Bのモデル1920は、表面電極1922間に伝導性ゾーン1924、1930を伴う伝導性スペーサを有する表面電極アセンブリを用いて治療される治療領域1926に基づく。第1のゾーン1924の伝導率は、治療領域1926の伝導率の10倍であってもよく、第2のゾーン1930の伝導率は、実質的に0、すなわち絶縁性であってもよい。1924、1930で示される2つの伝導性ゾーンは、この例でははっきりと描かれているが、いくつかの実施形態では、伝導性スペーサにおける伝導性の段階的な変化が使用されてもよい。伝導性スペーサは、その幅の約20%の高さを有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。表面電極1922a及び1922bの直下の治療領域1926は、4.0等値線において約3の深さまでの治療値を有する。伝導性ゾーン1924、1930の直下では、治療値は約3.75の深さに達する。伝導性ゾーン1924、1930の下の領域は、かなり均一に分布しているが、図19Aに示す伝導性ゾーン1904、1910の下の領域は、わずかにより均一に分布しているように見える。
【0130】
図19Cは、表面電極1942間に2つの伝導性ゾーン1944a、1944b、及び1950を有する伝導性スペーサを備えた表面電極1942a、1942bを有する電極アセンブリのモデル1940を示す。
【0131】
図19Cのモデル1940は、表面電極1942間に伝導性ゾーン1944、1950を伴う伝導性スペーサを有する表面電極アセンブリを用いて治療される治療領域1946に基づく。第1のゾーン1924の伝導率は、治療領域1926の伝導率の100倍であってもよく、第2のゾーン1930の伝導率は、治療領域1946の伝導率の10倍であってもよい。図示された2つの伝導性ゾーン1944、1950は、この例でははっきりと描かれているが、いくつかの実施形態では、伝導性スペーサにおける伝導率の段階的な変化が使用されてもよい。伝導性スペーサは、その幅の約20%の高さを有する。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。表面電極1942a及び1942bの直下の治療領域1946は、4.0等値線において約3.25の深さまでの治療値を有する。伝導性ゾーン1944、1950の直下では、4.0の等値線における治療値は、約3.75の深さになる。伝導性ゾーン1944、1950の下の領域は、かなり均一に分布しているが、伝導性ゾーン1904、1910の下の図19Aに示される領域は、等しく均一に分布しているように見え、伝導性スペーサのより低い伝導率のより低いコストに起因して、より低いコストを有し得る。
【0132】
図20A及び20Bは、3列組み合わせアセンブリのための代替構成及び結果を示す。領域2008及び2028は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0133】
図20Aは、表面電極2002の間に第1の伝導性ゾーン2004a、2004b、2004c、2004d及び第2の伝導性ゾーン2010a、2010bを有する伝導性スペーサを備えた3列の表面電極2002a、2002b、2002cを有する電極アセンブリのモデル2000を示す。
【0134】
図20Aのモデル2000は、表面電極2002の間に伝導性ゾーン2004、2010を伴う伝導性スペーサを有する3列表面電極アセンブリで治療される治療領域2006に基づく。第1のゾーン2004の伝導率は、治療領域2006の伝導率の10倍であってもよく、第2のゾーン2010の伝導率は、実質的に0、すなわち絶縁性であってもよい。図示された2つの伝導性ゾーン2004、2010は、この例でははっきりと描かれているが、いくつかの実施形態では、伝導性スペーサにおける伝導率の段階的な変化が使用されてもよい。伝導性スペーサは、全幅(すなわち、電極2002aと2002cとの間の距離)の約20%である高さを有する。各伝導ゾーン2004の幅は、伝導性スペーサが間に配置される電極間の距離の40%である。言い換えれば、伝導性スペーサ2004aは、電極2002aと2002bとの間の距離の40%である。例えば、1kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。表面電極2002a及び2002cの直下の治療領域2006は、4.0等値線において約3の深さまでの治療値を有する。表面電極2002bの直下では、4.0等値線において約4.25の深さまでの治療値を有する。
【0135】
図20Bは、針電極2022a、2022b及び中心表面電極2032の2つの外側列を有し、第1の伝導性ゾーン2024a、2024b及び第2の伝導性ゾーン2030a、2030bを伴う伝導性スペーサを有する、3列電極アセンブリのためのモデル2020を示す。
【0136】
図20Bのモデル2020は、針電極2022aと表面電極2032との間に2つの伝導性ゾーン2030a、2024aを有する伝導性スペーサ、及び針電極2022bと表面電極2032との間に2つの伝導性ゾーン2030b、2024bを有する伝導性スペーサを用いて治療されている治療領域2026に基づく。第1のゾーン2030の伝導率は、実質的に0又は絶縁性であってもよく、第2のゾーン2024の伝導率は、治療領域2026の伝導率の約10倍であってもよい。図示された2つの伝導性ゾーン2024、2030は、この例でははっきりと描かれているが、いくつかの実施形態では、伝導性スペーサにおける伝導率の段階的な変化が使用されてもよい。伝導性スペーサは、全幅(すなわち、電極2022aと2022bとの間の距離)の約20%である高さを有する。各伝導ゾーン2024の幅は、伝導性スペーサが間に配置される電極間の距離の40%である。言い換えれば、伝導性スペーサ2024aは、電極2022aと2032との間の距離の40%である。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。針電極2022a及び2022bの直下の治療領域2026は、4.0等値線において約4の深さまでの治療値を有する。表面電極2032の直下では、4.0等値線において約4.75の深さまで治療値を有する。治療は、この構成で均一に分散されるが、貫通電極は、前述の同じ問題を有し、したがって、図19A、19B、19C、及び/又は20Aに示されるものなどの表面電極構成が好ましい場合がある。
【0137】
図21A~21Eは、凹部を備えた伝導性スペーサを有する表面アセンブリの代替構成及び結果を示す。様々な凹部、例えば幾何学的切欠きは、図19A図20Bに示され説明されているような伝導性ゾーンを有する伝導性スペーサと同様であってもよい。領域2108、2128、2148、2168及び2188は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0138】
図21Aは、電極2102a、2102bの間に伝導性スペーサ2104を有し、絶縁体2108によって取り囲まれた表面電極アセンブリのための治療領域2106のモデル2100を示す。
【0139】
モデル2100は、2つの表面電極2102の間に幾何学的に成形された伝導性スペーサ2104を用いて治療される治療領域2106に基づく。伝導性スペーサ2104は、「V」字形の凹部2116を有する。伝導性スペーサ2104は、伝導性スペーサ2104スペーサの幅の40%の2110における第1の高さと、2114における第1の高さの12.5%の第2の高さとを有する。第1の高さから第2の高さまで延びる縁の角度は100度である。伝導性スペーサ2104は、治療領域2106と実質的に同じ伝導性を有する。凹部2116が絶縁体として効果的に動作することに留意されたい。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。この実施形態では、伝導性スペーサ2104の中心の直下の治療領域2106は、4.0等値線において約4.25の深さまでの治療値を有する。電極2102の直下では、4.0等値線における治療値は、約3.25の深さになる。有効な治療の分布は、伝導性ゾーンを有する伝導性スペーサを有する図19Bに記載されたものほど均一に分布していない。
【0140】
図21Bは、電極2122a、2122bの間に伝導性スペーサ2124を有する表面電極アセンブリの治療領域2126のモデル2120を示す。領域2128は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0141】
モデル2120は、2つの表面電極2122の間の伝導性スペーサ2124で治療される治療領域2126に基づく。伝導性スペーサ2124は、「丸みを帯びたV」字形の幾何学的切欠き2136を有する。伝導性スペーサ2124は、伝導性スペーサ2124スペーサの幅の40%の2130における第1の高さと、2134における第1の高さの12.5%の第2の高さとを有する。この例では、第1の高さと第2の高さとの間に延びる縁2132の角度は90度である。いくつかの実施形態では、「U」又は「丸みを帯びたV」形状の凹部内の切欠きの曲率半径は、電界を平滑化することに役立ち得る。したがって、曲率半径は、いくつかの実施形態では、治療領域全体を通してより均一な場を生成するように調節されてもよい。伝導性スペーサ2124は、2つの表面電極2122の間に配置される。伝導性スペーサ2104は、治療領域2106と実質的に同じ伝導性を有する。凹部2116が絶縁体として効果的に動作することに留意されたい。例えば最大15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。伝導性スペーサ2124の直下の治療領域2126は、4.0等値線において約4.25の深さまでの治療値を有する。電極2122の直下では、4.0等値線における治療値は、約3.25の深さになる。
【0142】
図21Cは、電極2142a、2142bの間に伝導性スペーサ2144を有する表面電極アセンブリの治療領域2146のモデル2140を示す。領域2148は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0143】
モデル2140は、2つの表面電極2142の間の伝導性スペーサ2144で治療される治療領域2146に基づく。伝導性スペーサ2144は、「U」字形の凹部2156を有する。伝導性スペーサ2144は、2150における伝導性スペーサ2144スペーサの幅の40%の第1の高さと、2154における第1の高さの12.5%の第2の高さとを有する。第1の高さから第2の高さまで延びる縁の角度は10度である。伝導性スペーサ2144は、治療領域2146と実質的に同じ伝導性を有する。凹部2156が絶縁体として効果的に動作することに留意されたい。例えば、2kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。伝導性スペーサ2144の直下の治療領域2146は、4.0等値線において約4.25の深さまでの治療値を有する。電極2142の直下では、4.0等値線における治療値は、約3.25の深さになる。
【0144】
図21Dは、電極2162a、2162bの間に伝導性スペーサ2164を有する表面電極アセンブリの治療領域2166のモデル2160を示す。領域2168は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0145】
モデル2160は、2つの表面電極2162の間の伝導性スペーサ2164で治療される治療領域2166に基づく。伝導性スペーサ2164は、「平坦なV」形状の凹部2176を有する。伝導性スペーサ2164は、2170における伝導性スペーサ2164スペーサの幅の40%の第1の高さと、2174における第1の高さの12.5%の第2の高さとを有する。第1の高さから第2の高さまで延びる縁の角度は100度である。伝導性スペーサ2164は、治療領域2166と実質的に同じ伝導性を有する。凹部2176が絶縁体として効果的に動作することに留意されたい。例えば、5kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。伝導性スペーサ2164の直下の治療領域2166は、4.0等値線において約4.25の深さまでの治療値を有する。電極2162の直下では、4.0等値線における治療値は、約3.25の深さになる。
【0146】
図21Eは、電極2182a、2182bの間に伝導性スペーサ2184を有する表面電極アセンブリの治療領域2186のモデル2180を示す。領域2188は、絶縁ハウジングのように絶縁性である。
【0147】
モデル2180は、2つの表面電極2182の間の伝導性スペーサ2184で治療される治療領域2186に基づく。伝導性スペーサ2184は、異なる「平坦なV」形状の凹部2196を有する。伝導性スペーサ2184は、2190における伝導性スペーサ2184スペーサの幅の40%の第1の高さと、2194における第1の高さの12.5%の第2の高さとを有する。第1の高さから第2の高さまで延びる縁の角度は10度である。伝導性スペーサ2184は、治療領域2186と実質的に同じ伝導性を有する。凹部2196が絶縁体として効果的に動作することに留意されたい。例えば、5kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。この例における様々な深さでのおおよその治療値は、図12Aに記載されるように番号付けされた等値線によって示される。伝導性スペーサ2184の直下の治療領域2186は、4.0等値線において約4.5の深さまでの治療値を有する。電極2182の直下では、4.0等値線における治療値は、約3.25の深さになる。
【0148】
図22A及び22Bは、異なる幾何形状を有する伝導性スペーサ上のストリップ電極を示す。
【0149】
図22Aは、伝導性スペーサ2210がストリップ電極2205上に配置された状態のストリップ電極2205a、2205b、2205c、2205d、2205e、及び2205fを有する電極アセンブリの治療領域2215のモデル2200を示す。伝導性スペーサ2210は、治療領域2215の伝導率と実質的に同じ伝導率を有することができる。例えば、2kV~20kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。治療領域2215は、5.0から7.0までの範囲の深さに対する4.0等値線での治療値を有する。
【0150】
図22Bは、伝導性スペーサ2260がストリップ電極2255上に配置された状態のストリップ電極2255a、2255b、2255c、2255d、2255e、及び2255fを有する電極アセンブリの治療領域2265のモデル2250を示す。伝導性スペーサ2260は、ストリップ電極2255間に幾何学的凹部又は他の凹部を有することができる。図示のように、凹部は「V」字型であってもよい。伝導性スペーサ2260は、治療領域2265の伝導率と実質的に同じ伝導率を有することができる。例えば最大20kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。治療領域2215は、5.0から7.25までの範囲の深さに対する4.0等値線での治療値を有する。範囲は、図22Aよりも図22Bに示されるように少し大きいが、治療の全体的な分布は、治療領域2265にわたってより均一に見える。したがって、図22Aに示されるような凹部のない伝導性スペーサの上に、図22Bに示されるような凹部が使用される場合、治療の分布が改善される。
【0151】
図23A及び23Bは、単極電極アセンブリを使用する治療領域のモデルを描写する。
【0152】
図23Aは、伝導性スペーサを伴わない単極電極2302を有する電極アセンブリのための治療領域2306のモデル2300を示す。例えば、1kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。治療領域2306は、4.0の深さまで4.0の等値線で治療値を有するが、形状は非常に丸みを帯びているため、最も深い領域は治療領域の中心の1点のみである。
【0153】
図23Bは、単極電極の周囲に配置される伝導性スペーサ2354を伴う単極電極2352を有する電極アセンブリのための治療領域2356のモデル2350を示す。いくつかの実施形態では、伝導性スペーサ2354は、単極電極2352をリング形状で取り囲むことができる。例えば最大20kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。治療領域2356は、4.25の深さまで4.0等値線において治療値を有する。伝導性スペーサを用いると、治療領域2356における治療の分布は、図23Aに示す治療よりも実質的に丸みが少なく、より均一に分布していることに留意されたい。
【0154】
図24は、2つの電極2402a及び2402bならびに伝導性スペーサ2404を有する電極アセンブリのための治療領域2406のモデル2400を示す。伝導性スペーサ2404は、電極2402間に延び、更に、伝導性スペーサが治療領域2406に直接接触し、電極2402が治療領域2406に直接接触しないように、電極2402の上縁に配置される。電極2402は、伝導性スペーサ2404を介して間接的に治療領域2406に治療を提供する。例えば、1kV~15kVのピーク電圧を有し得る電圧パルスが印加される。様々な深さにおけるおおよその治療値は、図12Aに記載されているように番号付けされた等値線によって示されている。治療領域2406は、3.5の深さまで4.0等値線において治療値を有し、これは治療領域2406にわたって比較的一貫している。
【0155】
図25は、本開示の別の発明概念を例によって実証する。パルス形状を最適化するために、並列抵抗器が、いくつかの電極アセンブリ(例えば、治療先端)において使用され、治療先端インピーダンスを減少させ、システムインピーダンスをより良好に整合させてもよい。これを達成するために、治療アプリケータのハンドルに接続される電極アセンブリを使用する以前の既存のシステムでは、1つ以上の上回る抵抗器が、典型的には、ハンドル内に設置され、ハンドルに接続されると、電極アセンブリ/治療先端と並列になるように配置される。治療アプリケータのハンドル部分への電極アセンブリの結合は、ハンドル部分内の抵抗器を作動させる。そのような構成は、治療アプリケータのハンドル部分に複雑さを追加し、加えて、いくつかの実装では、ハンドル部分内の並列抵抗器の値を制限し得る。図25の例によって示される本開示の新規の構成を使用することは、上記の問題を解決し、部品及び製造を改善/簡略化し得、種々の電極アセンブリがカスタム調整されることを可能にする。
【0156】
図25は、本開示による電極アセンブリ2502を有する治療アプリケータ2500の一例の断面図を示す。治療アプリケータアセンブリ2500は、異なる治療先端(異なる電極アセンブリ)に解放可能に接続され得る、ハンドル部分2505を含んでもよい。ハンドル部分2505の正の高電圧入力HV+は、コネクタ2504aを介して治療先端の電極2502aに結合することができ、ハンドル部分の負の高電圧入力HVは、コネクタ2504bを介して治療先端の電極2502bに結合することができる。本実施例では、電極2502a及び2502bは、針電極として示され、組織2506を貫通してもよいが、上記で説明されるように、電極アセンブリの種々の構成(貫通及び非貫通)が、異なる実施例で使用されてもよい。ハンドル部分内に1つ以上の別個の抵抗器を有する代わりに、治療先端/電極アセンブリ内に配置される伝導性スペーサ2512は、二重の役割を果たし、伝導性スペーサ及び抵抗器2512’の両方として機能するように構成されてもよい。伝導性スペーサ/抵抗器2512/2512’は、電極2502aと電極2502bとの間に伝導的に結合され得る。電極2502a及び2502bは、例えば、図4Bに関して説明されるような針電極425と同様であってもよい。伝導性スペーサ/抵抗器は、伝導性プラスチックなどの半導体材料であってもよく、伝導性スペーサ2512を並列抵抗器としても機能させる。
【0157】
例えば、10~800オーム(例えば、10~500オーム、100~500オーム、100~400オーム、100~800オーム、150~350オーム、150~800オームなど)の抵抗を有することが望ましい場合がある。抵抗値(並列抵抗として)及び伝導性スペーサ値(治療深さを改善するための伝導性スペーサとして)は、材料の伝導率を選択することによって、及び/又は伝導性スペーサ/抵抗の幾何形状を変更することによって調整することができる。上述したように、伝導性スペーサの形状は、治療ゾーンの形状を変化させることができる。伝導性スペーサの形状は、並列抵抗の値を変更するために使用されてもよい。例えば、断面積が小さいほど抵抗が高くなり、断面積が大きいほど抵抗が低くなる。一例として、図8Aの先端は、図8Bの先端よりも低い並列抵抗値を有する。また、HV+とHVgivesとの間の距離が小さいほど、抵抗が低くなる。したがって、例えば、正確に同じ断面積では、より小さい(例えば、2.5mm)治療先端は、より大きい(例えば、5mm)治療先端よりも低い並列抵抗値を有するであろう。上記を考慮して、要件及び実施態様に応じて、断面積を調整することができ、又はスペーサ材料の伝導率を変更して、伝導性スペーサの二重機能を最適化して、有効抵抗器としても機能させることができる。図25を参照して説明されるようなスペーサ/抵抗器は、本開示の電極アセンブリ、治療先端/治療アプリケータ、及び電気治療装置の他の実施例及び実施形態のいずれかにおいて実装されてもよい。
【0158】
図10A図10B及び図11を参照して説明したものを含む本開示の方法のいずれかにおいて、方法は、所望の抵抗値及び治療深さの両方を最適化するように電極アセンブリ及び/又は伝導性スペーサを選択することによって、伝導性スペーサを抵抗器としても使用することを含んでもよい。したがって、材料の伝導率及び/又は伝導性スペーサの幾何学的形状は、治療深さ、又は抵抗値、又はその両方を改善するように選択され得る。任意のそのような方法は、材料の伝導率を変化させることによって、及び/又は抵抗器の幾何形状を変化させることによって、抵抗器としての伝導性スペーサの値を調整することを含んでもよい。また、本方法は、材料の伝導率を変化させることによって、及び/又は伝導性スペーサの幾何学的形状を変化させることによって、治療深さを改善するために伝導性スペーサの値を調整することを含んでもよい。本方法は、伝導性スペーサの形状を使用して並列抵抗の値を変更することを含むことができる。様々な例では、本方法は、電極アセンブリのインピーダンスを、交換可能な電極アセンブリを介して電気エネルギーを生成し印加するパルス発生器のインピーダンスに整合させるために、伝導性スペーサを抵抗器として使用することを含むことができる。いくつかの例では、方法は、伝導性スペーサを使用して電極アセンブリのインピーダンスを低減することを含むことができる。様々な例において、本開示の方法は、伝導性スペーサの形状を選択して、治療ゾーン又は領域の形状を変更することを含んでもよい。
【0159】
本明細書に記載の方法(ユーザインターフェースを含む)のいずれも、ソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェアとして実装することができ、1つ以上のプロセッサ(例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォンなどを含む)を含むコントローラによって実行され得る一連の命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体として説明され得、コントローラ/プロセッサによって実行されるとき、コントローラ/プロセッサに、表示、ユーザとの通信、分析、パラメータ(タイミング、周波数、強度などを含む)の修正、決定、警告などを含むがこれらに限定されないステップのいずれかの実行を制御させるか、それを実行させる。
【0160】
様々な例示的な実施形態が上述されているが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態に任意のいくつかの変更を加えることができる。例えば、記載された様々な方法のステップが実行される順序は、代替の実施形態ではしばしば変更され得、他の代替の実施形態では、1つ以上の方法のステップは完全にスキップされ得る。様々な装置及びシステムの実施形態のオプションの特徴は、いくつかの実施形態に含まれ得、他の実施形態には含まれ得ない。したがって、前述の説明は、主に例示的な目的で提供されており、特許請求の範囲に記載されているように、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0161】
本明細書に記載の様々な実施形態は、例としてのみであり、本発明の範囲を限定することを意図していないことが理解される。例えば、本明細書に記載の材料及び構造の多くは、本開示を検討すれば当業者には明らかであるように、本発明の趣旨から逸脱することなく、他の材料及び構造で置き換えることができる。したがって、特定の実施形態が本明細書で例示及び説明されてきたが、同じ目的を達成するように計算された任意の構成を、示された特定の実施例の代わりに用いることができる。本開示は、様々な実施例のありとあらゆる適応又は変形を網羅することを意図している。上記の実施例の組み合わせ、又は説明されている実施例の一部の特徴、及び本明細書に具体的に記載されていない他の実施例は、上記の説明を検討すると当業者には明らかであろう。したがって、特許請求される本発明は、本明細書に記載の特定の例及び実施形態からの変形形態を含むことができる。なぜ本発明が機能するかについての様々な理論は、限定を意図するものではないことが理解される。本発明の主題の様々な実施形態は、実際、複数が開示されている場合、本出願の範囲を任意の単一の発明又は発明の概念に自発的に限定することを意図することなく、単に便宜のために「発明」という用語によって本明細書で個別に又は集合的に言及され得る。
【0162】
本明細書内又は図面内で本明細書に提供される全ての測定値、寸法、及び材料は、単なる例である。本明細書の明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、実施例で使用される場合を含み、特に明記されていない限り、全ての数は、その用語が明示的に表示されない場合でも、「約」又は「おおよそ」という単語が前に付いているかのように読むことができる。
【0163】
「1つの(a)」、「1つの(an)」、又は「その(the)」の記載は、特に反対の指示がない限り、「1つ以上」を意味することが意図される。「第1の」構成要素への言及は、第2の構成要素が提供されることを必ずしも必要としない。更に、「第1」又は「第2」の構成要素への言及は、明示的に述べられていない限り、言及された構成要素を特定の位置に限定するものではない。特徴又は要素が、本明細書で別の特徴又は要素「上にある」と言及される場合、それは他の特徴又は要素上に直接存在することができ、又は介在する特徴及び/又は要素も存在し得る。特徴又は要素が、別の特徴又は要素に「接続されている」、「取り付けられている」又は「結合されている」と言及される場合、それは他の特徴又は要素に直接接続、取り付け、又は結合され得、又は介在する機能又は要素が存在する場合があることも理解されたい。一実施形態に関して説明又は示されているが、そのように説明又は示されている特徴及び要素は、他の実施形態に適用することができる。別の特徴に「隣接して」配設された構造又は特徴への言及は、隣接する特徴と重複するか、又はその下にある部分を有し得ることも当業者には理解されるであろう。
【0164】
本明細書で言及される全ての刊行物は、刊行物が引用される方法及び/又は材料を開示及び記載するために、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書において考察される刊行物は、本出願の出願日より前のそれらの開示のためにのみ提供される。本明細書中のいかなるものも、本発明が先行発明によってそのような刊行物に先行する権利を与えられないという承認として解釈されるべきではない。更に、提供される公開日は、実際の公開日と異なる場合があり、それは独立して確認される必要がある場合がある。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15
図16A
図16B
【図
図16C
図16D
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図22A
図22B
図23A
図23B
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気治療の送達のための電極アセンブリであって、前記電極アセンブリは、
少なくとも2つの電極であって、各電極が、
治療領域に電気治療を適用するように構成された伝導性治療表面と、
伝導性スペーサと接触するように構成された伝導性非処理表面と、を含む、少なくとも2つの電極と、
前記少なくとも2つの電極間に配置された前記伝導性スペーサであって、前記伝導性スペーサは、前記少なくとも2つの電極の伝導性非治療表面と、前記少なくとも2つの電極間の前記治療領域の表面とに電気的に接触するように構成されている、伝導性スペーサと、を含む、電極アセンブリ。
【請求項2】
前記伝導性スペーサが、ヒドロゲル、伝導性接着剤、伝導性ゲル、伝導性シリコーン、ウレタンゴム、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又はそれらの任意の組合せのうちの1つを含む、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記伝導性スペーサの伝導率は、前記治療領域の組織の伝導率の10倍(10x)に実質的に等しい、請求項1又は2のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記伝導性スペーサの伝導率は、前記治療領域の組織の伝導率よりも大きいか、又は実質的に等しく、前記治療領域の前記組織の伝導率の100倍以下である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記伝導性スペーサの高さが、前記少なくとも2つの電極間の距離に基づく、請求項1~4のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記伝導性スペーサの高さが、前記少なくとも2つの電極間の距離の20パーセント(20%)以上であり、前記少なくとも2つの電極間の前記距離の50パーセント(50%)以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも2つの電極の前記伝導性治療表面が、前記治療領域に電気的に及び/又は直接接触する、請求項1~6のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも2つの電極は、双極電極又は単極電極のうちの1つを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも2つの電極のうちの少なくとも1つが表面電極を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも2つの電極のうちの少なくとも1つが貫通電極を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
前記伝導性スペーサの長さが、前記少なくとも2つの電極のうちの1つ以上の長さに実質的に等しい、請求項1~10のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも2つの電極が、2列の針電極を備え、前記伝導性スペーサの長さが、前記2列の一方又は両方の長さに実質的に等しい、請求項1~10のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項13】
前記伝導性スペーサが少なくとも2つの伝導性ゾーンを含み、前記伝導性ゾーンの各々が異なる伝導率を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項14】
前記伝導性スペーサが少なくとも1つの凹部を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項15】
前記伝導性スペーサが、半導体材料を含み、並列抵抗器として機能するように構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項16】
電気治療装置であって、
複数の交換可能な電極アセンブリのうちの1つに結合されるように構成された治療アプリケータと、
各々が請求項1に記載の、複数の交換可能な電極アセンブリと、を含む、電気治療装置。
【請求項17】
電気治療装置であって、
複数の交換可能な電極アセンブリのうちの1つに結合されるように構成された治療アプリケータと、
それぞれ、前記治療アプリケータに結合され、かつ前記治療アプリケータから取り外されるように構成された前記複数の交換可能な電極アセンブリであって、各交換可能な電極アセンブリは、2つ以上の電極と、患者の治療領域に電気療法を適用するために前記2つ以上の電極の間に配置された伝導性スペーサとを備える、前記複数の交換可能な電極アセンブリと、
命令を実行するように構成されたコントローラと、を含み、実行すると、前記コントローラに
前記治療アプリケータに結合された前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つの指示を決定又は受信させる、電気治療装置。
【請求項18】
前記コントローラは、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つの前記伝導性スペーサに基づいて、表示装置上に構成情報を表示させるように更に構成されている、請求項17に記載の電気治療装置。
【請求項19】
前記構成情報は、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つによる治療に適した組織のタイプの情報を含む、請求項18に記載の電気治療装置。
【請求項20】
前記伝導性スペーサは、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つのインピーダンスを低減するために、前記伝導性スペーサが抵抗器としても機能することを可能にするように構成された伝導率及び/又は形状を有する、請求項17~19のいずれか一項に記載の電気治療装置。
【請求項21】
パルス発生器を更に備え、前記伝導性スペーサは、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つのインピーダンスを前記パルス発生器のインピーダンスに整合させるように構成される、請求項17~20のいずれか一項に記載の電気治療装置。
【請求項22】
前記コントローラは、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つの前記指示に少なくとも部分的に基づいて、前記治療領域のための電気治療パラメータを提供するように更に構成される、請求項17~21のいずれか一項に記載の電気治療装置。
【請求項23】
電気治療装置の動作の方法であって、前記方法は、
治療アプリケータに結合された電極アセンブリの指示を決定又は受信することであって、前記電極アセンブリは、伝導性スペーサに伝導的に接触する少なくとも2つの電極を備える、ことと、
前記電極アセンブリの前記指示に少なくとも部分的に基づいて、前記伝導性スペーサの特性を決定することと、
前記電極アセンブリ及び前記伝導性スペーサの前記特性に少なくとも部分的に基づいて治療構成情報を選択することと、を含む、方法。
【請求項24】
治療構成を選択することは、治療パラメータを選択することを含み、前記方法は、前記電極アセンブリを用いて治療される組織のタイプ、治療持続時間、治療深さ、電圧場、パルス持続時間、パルス周波数、パルス数のうちの1つ以上を選択することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記電極アセンブリの前記指示が、前記電極アセンブリのサイズ、前記電極アセンブリのタイプ、前記電極の数、又は前記電極アセンブリのモデル番号のうちの少なくとも1つを含む、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記伝導性スペーサの材料の伝導率もしくは前記伝導性スペーサの幾何学的形状のいずれか、又は前記伝導率及び前記幾何学的形状の両方に基づいて、前記伝導性スペーサを抵抗器として使用することを更に含む、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記治療構成情報を表示装置上に表示することを更に含む、請求項23~26のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気治療の送達のための電極アセンブリであって、前記電極アセンブリは、
少なくとも2つの電極であって、各電極が、
治療領域に電気治療を適用するように構成された伝導性治療表面と、
伝導性スペーサと接触するように構成された伝導性非処理表面と、を含む、少なくとも2つの電極と、
前記少なくとも2つの電極間に配置された前記伝導性スペーサであって、前記伝導性スペーサは、前記少なくとも2つの電極の伝導性非治療表面と、前記少なくとも2つの電極間の前記治療領域の表面とに電気的に接触するように構成されている、伝導性スペーサと、を含む、電極アセンブリ。
【請求項2】
前記伝導性スペーサが、ヒドロゲル、伝導性接着剤、伝導性ゲル、伝導性シリコーン、ウレタンゴム、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又はそれらの任意の組合せのうちの1つを含む、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記伝導性スペーサの伝導率は、前記治療領域の組織の伝導率の10倍(10x)に実質的に等しい、請求項1又は2のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記伝導性スペーサの伝導率は、前記治療領域の組織の伝導率よりも大きいか、又は実質的に等しく、前記治療領域の前記組織の伝導率の100倍以下である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記伝導性スペーサの高さが、前記少なくとも2つの電極間の距離に基づく、請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記伝導性スペーサの高さが、前記少なくとも2つの電極間の距離の20パーセント(20%)以上であり、前記少なくとも2つの電極間の前記距離の50パーセント(50%)以下である、請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも2つの電極の前記伝導性治療表面が、前記治療領域に電気的に及び/又は直接接触する、請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも2つの電極は、双極電極又は単極電極のうちの1つを含む、請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも2つの電極のうちの少なくとも1つが表面電極を含む、請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも2つの電極のうちの少なくとも1つが貫通電極を含む、請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
前記伝導性スペーサの長さが、前記少なくとも2つの電極のうちの1つ以上の長さに実質的に等しい、請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも2つの電極が、2列の針電極を備え、前記伝導性スペーサの長さが、前記2列の一方又は両方の長さに実質的に等しい、請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項13】
前記伝導性スペーサが少なくとも2つの伝導性ゾーンを含み、前記伝導性ゾーンの各々が異なる伝導率を有する、請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項14】
前記伝導性スペーサが少なくとも1つの凹部を含む、請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項15】
前記伝導性スペーサが、半導体材料を含み、並列抵抗器として機能するように構成される、請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項16】
電気治療装置であって、
複数の交換可能な電極アセンブリのうちの1つに結合されるように構成された治療アプリケータと、
各々が請求項1に記載の、複数の交換可能な電極アセンブリと、を含む、電気治療装置。
【請求項17】
電気治療装置であって、
複数の交換可能な電極アセンブリのうちの1つに結合されるように構成された治療アプリケータと、
それぞれ、前記治療アプリケータに結合され、かつ前記治療アプリケータから取り外されるように構成された前記複数の交換可能な電極アセンブリであって、各交換可能な電極アセンブリは、2つ以上の電極と、患者の治療領域に電気療法を適用するために前記2つ以上の電極の間に配置された伝導性スペーサとを備える、前記複数の交換可能な電極アセンブリと、
命令を実行するように構成されたコントローラと、を含み、実行すると、前記コントローラに
前記治療アプリケータに結合された前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つの指示を決定又は受信させる、電気治療装置。
【請求項18】
前記コントローラは、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つの前記伝導性スペーサに基づいて、表示装置上に構成情報を表示させるように更に構成されている、請求項17に記載の電気治療装置。
【請求項19】
前記構成情報は、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つによる治療に適した組織のタイプの情報を含む、請求項18に記載の電気治療装置。
【請求項20】
前記伝導性スペーサは、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つのインピーダンスを低減するために、前記伝導性スペーサが抵抗器としても機能することを可能にするように構成された伝導率及び/又は形状を有する、請求項17~19のいずれか一項に記載の電気治療装置。
【請求項21】
パルス発生器を更に備え、前記伝導性スペーサは、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つのインピーダンスを前記パルス発生器のインピーダンスに整合させるように構成される、請求項17に記載の電気治療装置。
【請求項22】
前記コントローラは、前記複数の交換可能な電極アセンブリのうちの前記1つの前記指示に少なくとも部分的に基づいて、前記治療領域のための電気治療パラメータを提供するように更に構成される、請求項17に記載の電気治療装置。
【請求項23】
電気治療装置の動作の方法であって、前記方法は、
治療アプリケータに結合された電極アセンブリの指示を決定又は受信することであって、前記電極アセンブリは、伝導性スペーサに伝導的に接触する少なくとも2つの電極を備える、ことと、
前記電極アセンブリの前記指示に少なくとも部分的に基づいて、前記伝導性スペーサの特性を決定することと、
前記電極アセンブリ及び前記伝導性スペーサの前記特性に少なくとも部分的に基づいて治療構成情報を選択することと、を含む、方法。
【請求項24】
治療構成を選択することは、治療パラメータを選択することを含み、前記方法は、前記電極アセンブリを用いて治療される組織のタイプ、治療持続時間、治療深さ、電圧場、パルス持続時間、パルス周波数、パルス数のうちの1つ以上を選択することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記電極アセンブリの前記指示が、前記電極アセンブリのサイズ、前記電極アセンブリのタイプ、前記電極の数、又は前記電極アセンブリのモデル番号のうちの少なくとも1つを含む、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記伝導性スペーサの材料の伝導率もしくは前記伝導性スペーサの幾何学的形状のいずれか、又は前記伝導率及び前記幾何学的形状の両方に基づいて、前記伝導性スペーサを抵抗器として使用することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記治療構成情報を表示装置上に表示することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【国際調査報告】