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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-26
(54)【発明の名称】本態性振戦の治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/58 20060101AFI20240318BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20240318BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240318BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240318BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
A61K31/58
A61P25/14
A61K9/20
A61K9/48
G01N33/50 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562534
(86)(22)【出願日】2022-04-11
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 US2022024264
(87)【国際公開番号】W WO2022221195
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】63/173,867
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514058913
【氏名又は名称】セージ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】コルクホーン, ヘレン アン
(72)【発明者】
【氏名】バンコレ, オルワケミ
(72)【発明者】
【氏名】エルダー-リサイ, アディ
(72)【発明者】
【氏名】ジェルバシ, マーガレット エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】ウォールド, ジェフリー エー.
【テーマコード(参考)】
2G045
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
2G045AA13
2G045AA37
2G045CA26
2G045DA80
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC01
4C076FF70
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA02
(57)【要約】
本発明は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、化合物1、もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物1もしくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、当該対象が、(a)治療開始後に少なくとも約5%の振戦振幅の減少、(b)治療開始後にTETRAS日常生活動作(ADL)サブスケール合計スコアの低下、または(c)その両方を経験する方法を提供する。1つの態様では、本発明は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に約5mg~約80mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与することを含む方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記対象に、約5mg~約80mgの用量の化合物1、
【化1】
または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
前記対象に、約50mg~約70mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象に、約10mg~約30mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記対象に、約20mg~約40mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記対象に、約10mg、約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記対象に、約60mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記対象に、約45mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記対象に、約30mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記対象に、約15mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記対象に治療有効量の化合物1、
【化2】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、前記対象が、治療開始後に少なくとも約5%の振戦振幅の減少を経験する、前記方法。
【請求項11】
前記対象が、治療開始後に少なくとも約15%の振戦振幅の減少を経験する、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記対象が、治療開始後に少なくとも約30%の振戦振幅の減少を経験する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記対象が、治療開始後に少なくとも約50%の振戦振幅の減少を経験する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記対象が、治療開始後に少なくとも約75%の振戦振幅の減少を経験する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記対象が、治療開始から約8日後に振戦振幅の減少を経験する、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記対象が、治療開始から28日後に、振戦振幅の減少を経験する、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記対象が、治療開始前の初期本態性振戦評価スケール(The Essential Tremor Assessment Scale)(TETRAS)パフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約10以上である、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記対象が、治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約4である、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記対象が、治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約6である、請求項1~16または18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記対象が、治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約8である、請求項1~16、18、または19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記対象が、治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約10である、請求項1~16または18~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記対象が、治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約12である、請求項1~16または18~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記対象に治療有効量の化合物1、
【化3】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、前記対象が、治療開始後にTETRAS日常生活動作(ADL)サブスケール合計スコアの低下を経験する、前記方法。
【請求項24】
前記対象が、治療開始後、少なくとも約5%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記対象が、治療開始後、少なくとも約10%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記対象が、治療開始後、少なくとも約15%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する、請求項23~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記対象が、治療開始後、少なくとも約20%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する、請求項23~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記対象が、治療開始から約8日後に、TETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する、請求項23~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記対象が、治療開始から約28日後に、TETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する、請求項23~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記対象が、治療開始前に少なくとも12の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアを有する、請求項23~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記対象が、治療開始前に少なくとも約20の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアを有する、請求項23~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記対象が、治療開始前に少なくとも約24の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアを有する、請求項23~29または31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記対象が、治療開始前に少なくとも約28の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアを有する、請求項23~29、31、または32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記対象に、約5mg~約80mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項23~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記対象に、約10mg~約70mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項36に記載の方法。
【請求項36】
前記対象に、約50mg~約70mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項36に記載の方法。
【請求項37】
前記対象に、約10mg~約30mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記対象に、約10mg、約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記対象に、約60mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記対象に、約30mg~約50mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記対象に、約45mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記対象に、約20mg~約40mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与する、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
化合物1または前記その薬学的に許容される塩を1日1回投与する、請求項1~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
化合物1またはその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回、少なくとも約28日間投与する、請求項1~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記対象が、治療開始から約8日後に、少なくとも約175ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項1~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記対象が、治療開始から約8日後に、約200ng/mL~約250ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項1~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記対象が、治療開始から約15日後に、少なくとも約210ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項1~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記対象が、治療開始から約15日後に、約210ng/mL~約450ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項1~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記対象が、治療開始から約22日後に、少なくとも約230ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項1~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記対象が、治療開始から約22日後に、約230ng/mL~約390ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項1~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記対象が、治療開始から約29日後に、約250ng/mLを超える化合物1の血漿中濃度を有する、請求項1~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
化合物1または前記その薬学的に許容される塩が経口投与される、請求項1~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
化合物1または前記その薬学的に許容される塩が、錠剤またはカプセルとして投与される、請求項1~52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記対象に、約50mg~約80mgの初期用量の化合物1、
【化4】
または用量相当量のその薬学的に許容される塩を投与することを含み、前記初期用量が少なくとも1日1回投与される、前記方法。
【請求項55】
前記初期用量が、治療開始から約1~約30日の期間投与される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記初期用量が、治療開始から約28日の期間投与される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記初期用量が、約55mg~約70mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩である、請求項54~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記対象に、約25mg~約50mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む第2の用量を投与することを含み、前記第2の用量が、前記初期用量の最後の投与の翌日に投与される、請求項54~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記第2の用量が、約30mg~約45mgの用量の化合物1または用量相当量の前記その薬学的に許容される塩を含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記第2の用量が、約25mg~約35mgの用量の化合物1または用量相当量の前記その薬学的に許容される塩を含む、請求項58または59に記載の方法。
【請求項61】
前記第2の用量が約60日以下の期間投与される、請求項58~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記対象に、約5mg~約24mgの用量の化合物1または用量相当量の前記その薬学的に許容される塩を含む第3の用量を投与することを含み、前記第3の用量が、前記第2の用量の最後の投与の翌日に投与される、請求項58~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記第3の用量が、約5mg~約20mgの用量の化合物1または用量相当量の前記その薬学的に許容される塩を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記第3の用量が、約7.5mg~約17.5mgの用量の化合物1または用量相当量の前記その薬学的に許容される塩を含む、請求項62または63に記載の方法。
【請求項65】
化合物1または前記その薬学的に許容される塩が経口投与される、請求項54~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
化合物1または前記その薬学的に許容される塩が、錠剤またはカプセルとして投与される、請求項54~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記対象に治療有効量の化合物1、
【化5】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、前記対象が、治療開始から約8日後に約100ng/mL~約450ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、前記方法。
【請求項68】
前記対象が、治療開始から約8日後に、約150ng/mL~約400ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記対象が、治療開始から約8日後に、約175ng/mL~約400ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記対象が、治療開始から約8日後に、約175ng/mL~約250ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記対象が、治療開始から約8日後に、約200ng/mL~約250ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記対象に治療有効量の化合物1、
【化6】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、前記対象が、治療開始から約15日後に約210ng/mL~約475ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、前記方法。
【請求項73】
前記対象が、治療開始から約15日後に、約210ng/mL~約450ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記対象が、治療開始から約15日後に、約210ng/mL~約350ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記対象が、治療開始から約15日後に、約210ng/mL~約280ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記対象が、治療開始から約15日後に、約320ng/mL~約420ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項72に記載の方法。
【請求項77】
前記対象が、治療開始から約15日後に、約275ng/mL~約490ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、請求項72に記載の方法。
【請求項78】
本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記対象に治療有効量の化合物1、
【化7】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、前記対象が、治療開始から約22日後に約230ng/mL~約390ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する、前記方法。
【請求項79】
化合物1または前記その薬学的に許容される塩が経口投与される、請求項66~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
化合物1または前記その薬学的に許容される塩が、錠剤またはカプセルとして投与する、請求項66~79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記血漿中濃度がCtroughである、請求項66~80のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT出願は、2021年4月12日に出願された米国仮出願第63/173,867号の利益を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
【0002】
本発明は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う化合物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
プロゲステロンとその代謝産物は、脳の興奮性に大きな影響を及ぼすことが実証されている(Backstrom,T.et al.Acta Obstet.Gynecol.Scand.Suppl.130:19-24(1985)、Pfaff,D.W.and McEwen,B.S.,Science 219:808-814(1983)、Gyermek et al.,J Med Chem.11:117(1968)、Lambert,J.et al.,Trends Pharmacol.Sci.8:224-227(1987))。さらに、小脳-視床皮質経路を介した小脳機能障害が本態性振戦(ET)に重要な役割を果たしていることを示唆するいくつかの証拠がある(McAuley 2000、Pinto 2003、Elble 2009、Schnitzler 2009、Deuschl 2009)。陽電子放射断層撮影法(PET)を用いた活性化試験では、小脳の局所脳血流が、安静時及び片腕伸展により振戦が誘発された時の両方で異常に増加することが示されている(Boechker 1994、Wills 1996)。死後分析では、ET患者の小脳歯状核において、GABA受容体が35%、GABA受容体が22~31%減少していることが明らかになった(Paris-Robidas 2012)。
振戦(例えば、本態性振戦)の治療及び予防における神経活性ステロイド、例えば、本明細書に記載の神経活性ステロイドの使用を支持する証拠が増えつつある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Backstrom,T.et al.Acta Obstet.Gynecol.Scand.Suppl.130:19-24(1985)
【非特許文献2】Pfaff,D.W.and McEwen,B.S.,Science 219:808-814(1983)
【非特許文献3】Gyermek et al.,J Med Chem.11:117(1968)
【非特許文献4】Lambert,J.et al.,Trends Pharmacol.Sci.8:224-227(1987)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に化合物1、
【化1】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0006】
1つの態様では、本発明は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に約5mg~約80mgの用量の化合物1、
【化2】
または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与することを含む方法を提供する。
【0007】
一部の実施態様では、対象は、約35mg~約70mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回(例えば、QD、BID、TID、またはQID)投与される。例えば、対象は、約30mg~約60mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回(例えば、QD、BID、TID、またはQID)投与される。
【0008】
一部の実施態様では、対象は、約10mg~約35mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回(例えば、QD、BID、TID、またはQID)投与される。例えば、対象は、約15mg~約30mgの用量化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回(例えば、QD、BID、TID、またはQID)投与される。
【0009】
一部の実施態様では、対象は、約10mg~約20mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回(例えば、QD、BID、TID、またはQID)投与される。
【0010】
一部の実施態様では、対象は、約25mg~約35mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回(例えば、QD、BID、TID、またはQID)投与される。
【0011】
一部実施態様では、対象は、約40mg~約50mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回(例えば、QD、BID、TID、またはQID)投与される。
【0012】
一部の実施態様では、対象は、約55mg~約65mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回(例えば、QD、BID、TID、またはQID)投与される。
【0013】
本明細書に記載されるいずれかの実施態様のような一部の実施態様では、化合物1または用量等価物もしくはその薬学的に許容される塩は、対象に1日1回投与され、投与は夜間(例えば、就寝前)である。
【0014】
1つの態様では、本発明は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に治療有効量の化合物1、
【化3】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、当該対象が、治療開始後に少なくとも約5%の振戦振幅の減少を経験する方法を提供する。
【0015】
一部の実施態様では、対象は、治療開始後に少なくとも約10%の振戦振幅の減少を経験する。例えば、対象は、治療開始後に少なくとも約12%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、または少なくとも約25%)の振戦振幅の減少を経験する。例えば、対象は、治療開始後に少なくとも約30%(例えば、少なくとも約35%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%)の振戦振幅の減少を経験する。他の実施例では、対象は、治療開始後に少なくとも約50%の振戦振幅の減少を経験する。一部の実施例では、対象は、治療開始後に少なくとも約75%の振戦振幅の減少を経験する。また、一部の実施例では、対象は、約30%~約99%(例えば、約30%~約85%、約30%~約80%、約30%~約75%など)の振戦振幅の減少を経験する。
【0016】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約5日後に振戦振幅の減少を経験する。一部の実施態様では、対象は、治療開始から約8日後に振戦振幅の減少を経験する。例えば、対象は、治療開始から約10日後、約12日後、約14日後、約16日後、約18日後、約20日後、約25日後、約30日後、または約40日後に振戦振幅の減少を経験する。
【0017】
一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアは、12以下である。一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアは、少なくとも約4である。一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアは、少なくとも約6である。一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアは、少なくとも約8である。一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアは、少なくとも約10である。一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアは、少なくとも約12である。一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアは、少なくとも約20である。一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアは、少なくとも約24である。一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアは、少なくとも約28である。
【0018】
本発明の別の態様は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、治療有効量の化合物1、
【化4】
またはその薬学的に許容される塩を当該対象に投与することを含み、当該対象が、治療開始後にTETRAS日常生活動作(ADL)サブスケール合計スコアの低下を経験する方法を提供する。
【0019】
一部の実施態様では、対象は、治療開始後に少なくとも約5%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。例えば、対象は、治療開始後に少なくとも約10%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。他の実施例では、対象は、治療開始後に少なくとも約15%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。他の実施例では、対象は、治療開始後に少なくとも約20%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0020】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約8日後にTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0021】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約10日後にTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0022】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約15日後にTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0023】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約20日後にTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0024】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約25日後にTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0025】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約30日後にTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0026】
一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアは、少なくとも12である。
【0027】
一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアは、約28未満である。
【0028】
一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアは、少なくとも約20である。
【0029】
一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアは、少なくとも約24である。
【0030】
一部の実施態様では、対象の治療開始前の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアは、少なくとも約28である。
【0031】
一部の実施態様では、対象は、約5mg~約80mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。例えば、対象は、約10mg~約70mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。他の実施例では、対象は、約50mg~約70mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。一部の実施例では、対象は、約10mg~約30mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。また、一部の実施例では、対象は、約10mg、約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。
【0032】
一部の実施態様では、対象は、約60mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。
【0033】
一部の実施態様では、対象は、約30mg~約50mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。
【0034】
一部の実施態様では、対象は、約45mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。
【0035】
一部の実施態様では、対象は、約20mg~約40mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。
【0036】
一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。
【0037】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回、少なくとも約28日間投与される。
【0038】
一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回長期的に投与される。
【0039】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約8日後に、少なくとも約175ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。例えば、対象は、治療開始から約8日後に、約200ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。他の実施例では、対象は、治療開始から約8日後に、約200ng/mL~約250ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。一部の実施例では、対象は、治療開始から約15日後に、少なくとも約210ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。一部の実施例では、対象は、治療開始から約15日後に、約210ng/mL~約450ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。別の実施例では、対象は、治療開始から約22日後に、少なくとも約230ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。一部の実施例では、対象は、治療開始から約22日後に、約230ng/mL~約390ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。また、一部の実施例では、対象は、治療開始から約29日後に、約250ng/mLを超える化合物1の血漿中濃度を有する。
【0040】
一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、経口投与される。例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、錠剤またはカプセルとして投与される。
【0041】
本発明の別の態様は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に、約5mg~約80mgの初期用量の化合物1、
【化5】
または用量相当量のその薬学的に許容される塩を投与することを含み、当該初期用量が、少なくとも1日1回(例えば、夜間に(例えば、就寝時に))投与される方法を提供する。
【0042】
一部の実施態様では、初期用量は、治療開始から約1日から約30日の期間投与される。例えば、初期用量は、治療開始から約28日の期間投与される。
【0043】
一部の実施態様では、初期用量は、約55mg~約70mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩である。
【0044】
一部の実施形態では、初期用量は1日1回投与される。
【0045】
一部の実施態様は、対象に、約25mg~約50mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む第2の用量を投与することを含み、当該第2の用量は、初期用量の最後の投与の翌日に投与される。一部の実施例では、第2の用量は、約30mg~約45mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む。他の実施例では、第2の用量は、約25mg~約35mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0046】
一部の実施態様では、第2の用量は約60日以下の期間投与される。他の実施態様では、第2の用量は、約60日を超える期間投与される。
【0047】
一部の実施態様では、第2の用量は少なくとも1日1回投与される。例えば、第2の用量は1日1回投与される。
【0048】
一部の実施態様は、対象に、約5mg~約24mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む第3の用量を投与することを含み、当該第3の用量は、第2の用量の最後の投与の翌日に投与される。一部の実施例では、第3の用量は、約5mg~約20mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む。他の実施例では、第3の用量は、約7.5mg~約17.5mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0049】
一部の実施態様では、第3の用量は少なくとも1日1回投与される。例えば、第3の用量は1日1回投与される。
【0050】
一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、経口投与される。例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、錠剤またはカプセルとして投与される。
【0051】
本発明の別の態様は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に、治療有効量の化合物1、
【化6】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、当該対象が、治療開始から約8日後に約100ng/mL~約450ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する方法を提供する。
【0052】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約8日後に約150ng/mL~約400ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。例えば、対象は、治療開始から約8日後に約175ng/mL~約400ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。他の実施例では、対象は、治療開始から約8日後に約175ng/mL~約250ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。他の実施例では、対象は、治療開始から約8日後に約200ng/mL~約250ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。一部の実施例では、本明細書に記載の血漿中濃度は、血漿中濃度、Ctroughである。
【0053】
本発明の別の態様は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に治療有効量の化合物1、
【化7】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、当該対象が、治療開始から約15日後に、約210ng/mL~約475ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する方法を提供する。
【0054】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約15日後に約210ng/mL~約450ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。例えば、対象は、治療開始から約15日後に約210ng/mL~約350ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。例えば、対象は、治療開始から約15日後に約210ng/mL~約280ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。他の実施例では、対象は、治療開始から約15日後に約320ng/mL~約420ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。また、一部の実施例では、対象は、治療開始から約15日後に約275ng/mL~約490ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。一部の実施例では、本明細書に記載の血漿中濃度は、血漿中濃度、Ctroughである。
【0055】
本発明の別の態様は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に治療有効量の化合物1、
【化8】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、当該対象が、治療開始から少なくとも約22日後に、約230ng/mL~約390ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する方法を提供する。一部の実施例では、本明細書に記載の血漿中濃度は、血漿中濃度、Ctroughである。
【0056】
以下の図は、例示として提供されるものであり、特許請求される発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】実施例1による対象の内訳を示す図である。
【0058】
図2】実施例1による治療グループ別の、本態性振戦評価評価スケール(The Essential Tremor Rating Assessment Scale)(TETRAS)パフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアにおける、LS平均のベースラインからの経時変化(全解析セット)のプロットである。
【0059】
図3】実施例1による、29日目のTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢合計スコアにおける、ベースラインからの変化(全解析セット)のフォレストプロットである。
【0060】
図4】実施例1による、治療グループ別の、TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアにおける、LS平均のベースラインからの経時変化(ベースラインのTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢合計スコアが12以上の患者について)のプロットである。
【0061】
図5】実施例1による、治療グループ別の、TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアにおける、LS平均のベースラインからの経時変化(プロトコルセットごと)のプロットである。
【0062】
図6】実施例1による、治療グループ別のTETRAS ADL合計スコアにおける、LS平均のベースラインからの経時変化(全解析セット)のプロットである。
【0063】
図7】実施例1による、29日目のTETRAS ADL合計スコアのベースラインからの変化(全解析セット)のフォレストプロットである。
【0064】
図8】実施例1による、治療グループ別の、TETRASパフォーマンスサブスケール合計スコアにおける、LS平均のベースラインからの経時変化(全解析セット)のプロットである。
【0065】
図9】実施例1による、29日目におけるTETRASパフォーマンスサブスケール合計スコアのベースラインからの変化(全解析セット)のフォレストプロットである。
【0066】
図10】実施例1による、治療グループ別の、TETRASパフォーマンスサブスケール項目4/6/7/8合計スコアにおける、LS平均のベースラインからの経時変化(全解析セット)のプロットである。
【0067】
図11】実施例1による、29日目におけるTETRASパフォーマンスサブスケール項目4/6/7/8合計スコアのベースラインからの変化(全解析セット)のフォレストプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本発明は、本態性振戦を治療する方法であって、治療有効量の化合物1、
【化9】
またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象(例えば、ヒト)に投与することを含む方法を提供する。
【0069】
I.定義
【0070】
本明細書で使用される場合、「調節」という用語は、GABA受容体機能の阻害または増強を指す。「モジュレーター」(例えば、GABA受容体の機能を調節する化合物またはその薬学的に許容される塩)は、例えば、GABA受容体の作動薬、部分作動薬、拮抗薬、または部分拮抗薬であってよい。
【0071】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、数値または値の範囲に言及する場合、値(value)または範囲、あるいは値(values)のばらつきの程度を許容するものであり、例えば、明記された値または範囲の明記された限界値の10%以内、または5%以内である。
【0072】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、連邦政府もしくは州政府の規制機関、または米国以外の国の対応する機関によって承認されているか承認可能であること、または動物、特にヒトに使用するために米国薬局方もしくは他の一般に認められた薬局方に記載されていることを意味する。
【0073】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理活性を有する、本発明の化合物の塩を指す。特に、そのような塩は非毒性であり、無機または有機の酸付加塩及び塩基付加塩であり得る。具体的には、そのような塩には以下のものが含まれる:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で形成された、または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2,2,2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酪酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸で形成された酸付加塩、あるいは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、またはアルミニウムイオンで置換されるか、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基と配位したときに形成される塩。塩にはさらに、ほんの一例としてナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどが含まれ、また、化合物が塩基性官能基を含む場合には、非毒性の有機酸または無機酸の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などが含まれる。「薬学的に許容されるカチオン」という用語は、酸性官能基の許容されるカチオン性対イオンを指す。そのようなカチオンとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムカチオンなどが例示される。例えば、Berge,et al.,J.Pharm.Sci.(1977)66(1):1-79を参照されたい。
【0074】
本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、生理学的条件下で本発明の治療活性薬剤に変換される、治療的に不活性な化合物を包含することを意図している。プロドラッグを製造する1つの方法は、生理学的条件下で、標的とする生体内作用部位で加水分解または切断され、治療効果をもたらす所望の分子を出現させる選択部位を設計することである。ある特定の実施形態では、プロドラッグは対象の酵素活性によって変換される。
【0075】
代替の実施形態では、本発明は、本明細書に記載される化合物のプロドラッグを提供し、そこにおいて、当該プロドラッグは、本明細書に記載の式(例えば、化合物1)に描かれるように、C3ヒドロキシ上に開裂可能な部位を含む。
【0076】
本明細書で使用される場合、「互変異性体」という用語は、特定の化合物構造の互換性のある形態であり、水素原子と電子の転移という点で異なる化合物を指す。したがって、二つの構造はπ電子と原子(通常はH)の移動によって平衡状態になり得る。例えば、エノールとケトンは酸または塩基で処理すると速やかに相互転換するので、互変異性体である。互変異性のもう1つの例は、フェニルニトロメタンのアシ体及びニトロ体であり、同様に酸または塩基で処理することによって形成される。互変異性形態は、目的の化合物の最適な化学反応性と生物学的活性の達成に関連し得る。
【0077】
本明細書で使用される場合、投与が企図される「対象」という用語は、ヒト(例えば、任意の年齢層の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、小児、思春期の若者)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人、または高齢成人))、及び/またはヒト以外の動物、例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類、ネコ、及び/またはイヌなどの哺乳動物を含むが、これらに限定されるものではない。特定の実施形態では、対象は哺乳動物である。他の実施形態では、対象はヒトである。
【0078】
本明細書で使用される場合、「疾患」、「障害」、「状態」という用語は互換的に使用される。
【0079】
本明細書で使用される場合、かつ別段の定めのない限り、「治療する」、「治療すること」及び「治療」という用語は、対象が特定の疾患、障害、または状態に罹患している間に発生し、疾患、障害、または状態(またはその任意の症状)の重症度を軽減するか、疾患、障害、または状態の進行を阻止するか、または遅らせる作用(「治療的処置」)を企図しており、また、対象が特定の疾患、障害、または状態に罹患し始める前に発生する予防的処置も企図している。
【0080】
一般に、化合物の「有効量」とは、所望の生物学的応答、例えばCNS関連障害を治療するのに十分な量、または麻酔あるいは鎮静を誘導するのに十分な量を指す。当業者には理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的評価項目、化合物の薬物動態、治療される疾患、投与様式、及び対象の年齢、体重、健康状態などの因子によって変化し得る。
【0081】
本明細書で使用される場合、かつ別段の定めのない限り、化合物の「治療上有効な量」とは、疾患、障害または状態の治療において治療上の利益を提供するのに十分な量、または疾患、障害または状態に関連する1つ以上の症状を遅延または最小化するのに十分な量である。治療上有効な量の化合物とは、単独で、または他の療法と組み合わせて、疾患、障害または状態の治療において治療上の利益をもたらす量の治療剤を意味する。「治療上有効な量」という用語は、治療全体を改善し、疾患もしくは状態の症状もしくは原因を軽減もしくは回避し、または他の治療剤の治療効果を増強する量を包含し得る。
【0082】
代替の実施形態では、本発明は、対象が特定の疾患、障害または状態に罹患し始める前に、予防薬として本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的に許容される組成物を投与することを企図する。本明細書で使用される場合、かつ別段の定めのない限り、化合物の「予防的に有効な量」とは、疾患、障害もしくは状態、または疾患、障害もしくは状態に関連する1つもしくは複数の症状を予防するか、またはその再発を予防するのに十分な量である。予防的に有効な量の化合物とは、治療薬の単独、または他の薬剤との併用で、疾患、障害または状態の予防に効果をもたらす量を意味する。「予防的に有効な量」という用語は、全体的な予防法を改善する量、または別の予防剤の予防効果を増強する量を包含し得る。
【0083】
本明細書で使用される場合、「治療開始」及び「治療の開始」という用語は、治療(例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩の投与)が開始される日を指すために互換的に使用される。例えば、治療開始日は、化学療法が最初に投与される日である。また、2種類以上の治療薬の投与で構成される投薬計画の場合、治療開始日は、化合物1またはその薬学的に許容される塩が最初に投与される日である。
【0084】
本明細書で使用される場合、「本態性振戦評価評価スケール(TETRAS)日常生活動作(ADL)サブスケール合計スコア」とは、The Tremor Research Groupによって開発された本態性振戦の評価スケールを指す(Elble,R.J.,J.Neurol.Neuromedicine 1(4):34-38(2016)、Elble,R.J.et.al.,Mov.Disord.27(12);1567-1569(2012))。TETRAS ADLサブスケールには12の指標または特性が含まれ、各指標または特性は、対象に存在する特性の重症度に基づいて0、1、2、3、または4でスコア化される。そして、12の特性それぞれのスコアが加算され、合計スコアは48点以下となる。TETRAS ADLサブスケール合計スコアで採点される12の特性には以下が含まれる:
【0085】
1)話す。
0=正常。1=わずかな声の振戦、「緊張」しているときのみ。2=軽度の声の振戦。すべての言葉が容易に理解できる。3=中程度の声の振戦。いくつかの単語が理解しにくい。4=重度の声の振戦、ほとんどの言葉が聞き取りにくい。
【0086】
2)スプーンを使った食事。
0=正常。1=やや異常。振戦があるが、スプーンを使って食事をするのに支障はない。2=軽度の異常、少しこぼす。3=中程度の異常、たくさんこぼす、または両手を使ったり身を乗り出したりするなど、課題を完了するために方略を変える。4=重度の異常、スプーンを使った食事ができない。
【0087】
3)コップから飲む。
0=正常。1=やや異常、振戦があるが、コップから飲むのに支障はない。2=軽度の異常、少しこぼす。3=中程度の異常、たくさんこぼす、または両手を使ったり身を乗り出したりするなど、課題を完了するために方略を変える。4=重度の異常、コップから飲めない、あるいはストローやシッピーカップを使う。
【0088】
4)衛生。
0=正常。1=やや異常、振戦はあるが衛生に支障はない。2=軽度の異常、多少の困難はあるが課題は完了できる。3=中程度の異常、両手を使ったり、影響の少ない方の手を使ったりといった方略を変えない限り、口紅を塗ったり髭を剃ったりといったほとんどの細かい作業ができない。4=重度の異常、衛生活動を単独で行うことができない。
【0089】
5)着替え。
0=正常。1=やや異常、振戦はあるが着替えに支障はない。2=軽度の異常、何でもできるが、振戦のために困難がある。3=中程度の異常、マジックテープ(登録商標)を使う、シャツのボタンを留めてから着る、または靴紐のある靴を避けるなどの方略を用いない限り、ほとんどの着替えができない。4=重度の異常、単独で服を着ることができない。
【0090】
6)注ぐ。
0=正常。1=やや異常、振戦はあるが注ぐのに支障はない。2=軽度の異常、こぼさないように細心の注意を払わなければならないが、時々こぼすことがある。3=中程度の異常、こぼさないように両手を使うか、他の方略を使わなければならない。4=重度の異常、注ぐことができない。
【0091】
7)食品トレイ、皿、または同様のものを運ぶ。
0=正常。1=やや異常、振戦はあるが、食品トレイや皿、または同様のものを運ぶのに支障はない。2=軽度の異常、食品トレイの上に物をこぼさないように細心の注意が必要。3=中程度の異常、体に密着させて運ぶなどの方略をとる。4=重度の異常、食品トレイや同様のものを運ぶことができない。
【0092】
8)鍵を使う。
0=正常。1=やや異常、振戦はあるが、片手で難なく鍵を差し込める。2=軽度の異常、よく的を外すが、それでも日常的に片手で鍵を入れることができる。3=中程度の異常、鍵を錠に差し込むのに両手を使うか他の方略が必要。4=重度の異常、鍵を錠に入れることができない。
【0093】
9)筆記。
0=正常。1=やや異常、振戦はあるが筆記に支障はない。2=軽度の異常、振戦のため、筆記が困難。3=中程度の異常、筆記する手をもう片方の手で保持する、ペンの持ち方を変える、または大きなペンを使うなどの方略を用いなければ書けない。4=重度の異常、書くことができない。
【0094】
10)労働。
0=正常。1=やや異常、振戦が存在するが、仕事または家庭での仕事ぶりには影響を及ぼさない。2=軽度の異常、振戦が作業を妨害する。何でもできるが、エラーを伴う。3=中程度の異常、転職や特殊設備の使用などの方略を用いずに作業を続けることができない。4=重度の異常、いかなる仕事または家庭での作業も行うことができない。
【0095】
11)最も影響を受けた課題(課題を指定すること、例:コンピュータのマウスの使用、筆記など)による全体的な障害。
0=正常。1=やや異常、振戦はあるが課題に影響はない。2=軽度の異常、振戦は課題の妨げになるが、課題は遂行できる。3=中程度の異常、課題はできるが方略を用いる必要がある。4=重度の異常、課題ができない。
【0096】
12)社会的影響。
0=なし。1=振戦を自覚しているが、生活様式や職業生活に影響はない。2=社会的な状況や仕事上の会合で、振戦のために恥ずかしい思いをすることがある。3=振戦のために、いくつかの社会的状況や仕事上の会合への参加を避ける。4=振戦のために、ほとんどの社会的状況または職業上の会合への参加を避ける。
【0097】
本明細書で使用される場合、「本態性振戦評価評価スケール(TETRAS)パフォーマンスサブスケール合計スコア」とは、The Tremor Research Groupによって開発された本態性振戦の評価スケールを指す(Elble,R.J.,J.Neurol.Neuromedicine 1(4):34-38(2016)、Elble,R.J.et.al.,Mov.Disord.27(12);1567-1569(2012))。TETRAS ADLパフォーマンスサブスケールには、9つの指標または特性が含まれ、各指標または特性は0~4で採点される。いくつかの指標または特性は、右肢と左肢の両方で実施され、及び/または複数の下位項目を含む。その後、9つの特性それぞれの得点が加算され、合計得点は64点以下となる。9つの指標または特性には以下のものがある:
【0098】
1)頭部振戦:頭部を左右に完全に回転させた後、中間の位置で10秒間観察する。次に患者は、頭を中程の位置に置いたまま、左を十分に見つめ、次に右を見つめるよう指示される。鼻を基準として、試験中の最大振幅の偏位を評価し、格付けする。0=振戦なし。1=わずかな振戦(<0.5cm)。2=軽度の振戦(0.5~<2.5cm)。3=中程度の振戦(2.5~5cm)。4=重度または醜い振戦(>5cm)。
【0099】
2)顔(顎を含む)の振戦:笑顔、目を閉じる、口を開ける、唇をすぼめる。安静時、活動時にかかわらず、最も関与する顔面解剖学的構造の振幅が最も大きいものの得点を付ける。反復性瞬目や眼球瞬動は顔面振戦の一部とみなすべきではない。0=振戦なし。1=わずか:かろうじて知覚できる振戦。2=軽度:顕著な振戦。3=中程度:明らかな振戦、ほとんどの随意的顔面収縮に見られる。4=重度:外観を著しく損なう振戦。
【0100】
3)声の振戦:まず、対象に伸ばした「アー」音と「イー」音をそれぞれ5秒間出してもらう。次に、患者に「平均的な1日をどのように過ごしますか?」と質問して、通常の会話中の音声を評価する。0=振戦なし。1=わずか:「アー」音と「イー」音に振戦があり、会話時には振戦がない。2=軽度:「アー」音と「イー」音に振戦があり、会話時の振戦は最小限。3=中程度:会話時に明らかな振戦があるが、完全に理解できる。4=重度:理解しにくい単語がある。
【0101】
4)上肢振戦:前方水平伸び姿勢、側方「はばたき」姿勢、指鼻指テストの3つの動作で振戦を評価する。それぞれの上肢は個別に評価、点数化される。前方水平伸び姿勢は5秒間保持する。側方はばたき姿勢は20秒間保持する。指鼻指運動は3回行う。振幅評価は、任意の単一平面に沿って最も変位が大きい点で、手の最大変位点を用いて推定すべきである。例えば、手首を中心に回転する純粋な回外-回内振戦の振幅は、親指または第5指のいずれかで評価されることになる。

【表14】
3つのすべての手の振戦の評価について:0=振戦なし。1=振戦がほとんど見られない。1.5=振戦は見られるが1cm未満。2=振幅は1~<3cm。2.5=振幅は3~<5cm。3=振幅は5~<10cm。3.5=振幅は10~<20cm。4=振幅は>20cm。
【0102】
5)下肢振戦:各下肢を地面に対して平行に水平に5秒間上げる。その後、それぞれの脚で標準的な踵から脛への動作を3回行う。いずれの動作においても最大振戦を得点とし、最大振戦の肢のみを得点とする。振戦は足を含む下肢のどの部分に存在してもよい。0=振戦なし。1=わずか:ほとんど知覚できない。2=軽度、どの部位でも1cm未満。3=中程度の振戦、どの部位でも5cm未満。4=重度の振戦、5cm超。
【0103】
6)アルキメデスの螺旋:標準(レター)用紙の罫線のないページの約1/4を埋めるアルキメデスの螺旋の描き方を実演する。螺旋の線の間隔は約1.3cm(0.5インチ)とする。次に、対象にその螺旋を写してもらう。それぞれの手を別々にテストし、採点する。ボールペンを使用する。ペンは、肢のどの部分もテーブルに触れないように持たなければならない。紙は、患者の描画スタイルに適した場所で、テーブルの上に固定する。肢の動きではなく、螺旋の振戦を採点する。各肢は個別に評価、点数化される。0=正常。1=わずか:振戦がほとんど見られない。2=軽度:明らかな振戦。3=中程度:図形の一部が認識できない。4=重度:図形が認識できない。
【0104】
7)手書き:患者に、利き手のみを用いて「これは私の最高の筆跡の見本です」という標準的な文章を書かせる。患者は筆記体で書かなければならない(すなわち、楷書体ではなく)。患者は、手をもう片方の手で保持したり、安定させたりすることはできない。ボールペンを使用する。紙は、患者の描画スタイルに適した場所で、テーブルの上に固定する。肢の動きではなく、筆記の振戦を採点する。0=正常。1=わずか:ほとんど見えない振戦のために乱雑。2=軽度:読めるが、かなりの振戦がある。3=中程度:一部の単語が読めない。4=重度:完全に読めない。
【0105】
8)ドット近似課題:試験官が点またはXを作り、対象にペン先を「点(またはXの中心)に、触れずにできるだけ近づけ(理想的には約1mm)、10秒間保持する」よう指示する。それぞれの手は別々に採点される。0=振戦なし。1=振戦がほとんど見えない。1.5=振戦は見えるが、1cm未満。2=振戦の振幅は1~<3cm。2.5=振戦の振幅は3~<5cm。3=振戦の振幅は5~<10cm。3.5=振戦の振幅は10~<20cm。4=振戦の振幅は>20cm。
【0106】
9)立位振戦:対象は、可能であれば介助を受けずに、立っている。膝は10~20cm離され、10~20°屈曲されている。両腕は対象の脇に下ろしている。振戦は、脚または体幹の任意の位置で評価する。0=振戦なし。1=ほとんど知覚できない振戦。2=明らかだが軽度の振戦、不安定さを引き起こさない。3=中程度の振戦、立位の安定性を損なう。4=重度の振戦、介助なしでは立つことができない。
【0107】
本明細書で使用される場合、「本態性振戦評価評価スケール(TETRAS)パフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコア」は、上記のTETRASパフォーマンスサブスケールの指標または特性4の「上肢振戦」を指す。3つの課題それぞれを各肢に実施し、合計6つの課題を与え、各課題を0点、1点、1.5点、2点、2.5点、3点、3.5点、または4点で採点し、各得点を合計して24点以下の合計スコアを与える。
【0108】
本明細書で使用される場合、「振戦振幅の減少」または「振戦振幅の変化率」は、以下の式に基づいて計算される(Elble R.J.,Tremor Other Hyperkinet.Mov.8:600(2018)):
【数1】
[式中、Tは最終の振戦振幅であり、
は初期の振戦振幅であり、
は最終の振戦の評価であり、
は、初期の振戦の評価であり、
αは0.05であり、そして、
N=6(TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアの6課題分)である。]
【0109】
「初期」及び「ベースライン」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0110】
本明細書で使用される場合、「トラフ濃度」及び「Ctrough」という用語は、次の用量が投与される直前に薬物、例えば化合物1が到達する濃度を指すために互換的に使用される。
【0111】
本明細書で使用される場合、「充填剤」という用語は、医薬組成物に嵩高性を付与する賦形剤を指す。充填剤の例としては、限定されるものではないが、ラクトース、ソルビトール、セルロース(例えば、微結晶セルロース)、リン酸カルシウム、デンプン、糖(例えば、マンニトール、スクロースなど)、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0112】
本明細書で使用される場合、「崩壊剤」という用語は、医薬組成物を水和させ、錠剤の分散を補助する賦形剤を指す。崩壊剤の例としては、限定されるものではないが、クロスカルメロースナトリウム、ポリプラスドン(すなわち、架橋ポリビニルピロリドン)、デンプングリコール酸ナトリウム、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0113】
本明細書で使用される場合、「滑沢剤」という用語は、錠剤に成形される医薬組成物に添加される賦形剤を指す。滑沢剤は、顆粒を錠剤に圧縮すること、及び医薬組成物の錠剤をダイプレスから排出することを補助する。滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸(ステアリン)、水素添加油、ステアリルフマル酸ナトリウム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0114】
本明細書で使用される場合、「滑剤」という用語は、医薬組成物に向上した流動特性を付与する賦形剤を指す。滑剤の例としては、制限されるものではないが、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、タルク、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0115】
本明細書で使用される場合、「用量相当量」という用語は、生物学的に等価な用量を意味する。例えば、化合物1の50mg用量に対する化合物1の薬学的に許容される塩の用量相当量は、化合物1の遊離塩基の50mg用量と生物学的に等価な用量を提供するのに必要な薬学的に許容される塩の量(重量)である。
【0116】
II.本態性振戦の治療方法
【0117】
本発明は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に化合物1、
【化10】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0118】
1つの態様において、本発明は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に、約5mg~約80mgの用量の化合物1、
【化11】
または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与することを含む方法を提供する。
【0119】
一部の実施態様では、対象は、約35mg~約70mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される(例えば、QD、BID、TID、またはQID)。場合によっては、対象は、約35mg~約70mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回投与される(すなわち、QD)。例えば、対象は、約27mg~約66mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される(例えば、QD、BID、TID、またはQID)。他の実施例では、対象は、約30mg~約60mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される(例えば、QD、BID、TID、またはQID)。また、一部の実施例では、対象は、化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩の約27mg~約66mgを、1日1回投与される(すなわち、QD)。例えば、対象は、約27mg~約66mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回、夜間(例えば、就寝時)に投与される。
【0120】
一部の実施態様では、対象は、約9mg~約38mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される(例えば、QD、BID、TID、またはQID)。場合によっては、対象は、約10mg~約35mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される(例えば、QD、BID、TID、またはQID)。例えば、対象は、約15mg~約30mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される(例えば、QD、BID、TID、またはQID)。他の実施例では、対象は、約10mg~約35mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回投与される(すなわち、QD)。例えば、対象は、約10mg~約35mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回、夜間(例えば、就寝時)に投与される。
【0121】
一部の実施態様では、対象は、約10mg~約20mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される(例えば、QD、BID、TID、またはQID)。例えば、対象には、約10mg~約20mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回投与される(すなわち、QD)。例えば、対象は、約10mg~約20mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回、夜間(例えば、就寝時)に投与される。
【0122】
一部の実施態様では、対象は、約25mg~約35mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される(例えば、QD、BID、TID、またはQID)。例えば、対象は、約25mg~約35mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回投与される(すなわち、QD)。他の実施例では、対象は、約25mg~約35mgの用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回、夜間(例えば、就寝時)に投与される。
【0123】
一部の実施態様では、対象は、約40mg~約50mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される(例えば、QD、BID、TID、またはQID)。例えば、対象は、約40mg~約50mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回投与される(すなわち、QD)。他の実施例では、対象は、約40mg~約50mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回、夜間(例えば、就寝時)に投与される。
【0124】
一部の実施態様では、対象は、約55mg~約65mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される(例えば、QD、BID、TID、またはQID)。例えば、対象は、約55mg~約65mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回投与される(すなわち、QD)。他の実施例では、対象は、約55mg~約65mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回、夜間(例えば、就寝時)に投与される。
【0125】
1つの態様では、本発明は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に治療有効量の化合物1、
【化12】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、当該対象が、治療開始後に少なくとも約5%の振戦振幅の減少を経験する方法を提供する。
【0126】
一部の実施態様では、対象は、約5mg~約80mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。
【0127】
一部の実施態様では、対象は、治療開始後に少なくとも約15%の振戦振幅の減少を経験する。例えば、対象は、治療開始後に少なくとも約30%(例えば、少なくとも約35%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%)の振戦振幅の減少を経験する。他の実施例では、対象は、治療開始後に少なくとも約50%の振戦振幅の減少を経験する。一部の実施例では、対象は、治療開始後に少なくとも約75%の振戦振幅の減少を経験する。また、一部の実施例では、対象は、約30%~約99%(例えば、約30%~約85%、約30%~約80%、約30%~約75%など)の振戦振幅の減少を経験する。
【0128】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約7日後に振戦振幅の減少を経験する。例えば、対象は、治療開始から約10日後、約12日後、約14日後、約16日後、約18日後、約20日後、約25日後、約30日後、または約40日後に振戦振幅の減少を経験する。
【0129】
一部の実施態様では、対象は、治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが12以下である。場合によっては、対象は、初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12である。他の事例では、対象の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアは、約4から12以下である。例えば、対象は、治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約4である。他の実施例では、対象は、治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約6である。一部の実施例では、対象は、治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4の上肢振戦の合計スコアが少なくとも約8である。一部の実施例では、対象は、治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約10である。他の実施例では、対象は、治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約12である。また、他の実施例では、対象は、治療開始前の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24である。
【0130】
一部の実施態様では、対象は、治療開始前の利き手の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約4である。他の事例では、対象は、治療開始前の利き手の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約5である。他の実施例では、対象は、治療開始前の利き手の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約5.5である。また、他の実施例では、対象は、治療開始前の利き手の初期TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアが少なくとも約6、7、8、9、10、11、または12である。
【0131】
一部の実施態様では、対象は、約5mg~約80mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を投与される。一部の実施例では、用量は約5mg~約60mgである。他の事例では、用量は約10mg~約60mgである。また、場合によっては、用量は約60mg、約50mg、約45mg、約30mg、約25mg、約15mg、約10mg、約7.5mg、または約5mgである。
【0132】
一部の実施態様では、対象は、用量(例えば、本明細書に記載の任意の用量)の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1つまたは複数の錠剤、カプセル剤、またはそれらの任意の組み合わせとして経口投与される。例えば、対象は、その用量の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1錠または2錠として経口投与される。
【0133】
一部の実施態様では、化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩は、少なくとも1日1回投与される。例えば、化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩は、1日に1回または2回投与される。
【0134】
一部の実施態様では、化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。例えば、化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩は、1日1回、夕方または朝に投与される。場合によっては、化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩は、1日1回、夕方に投与される。他の事例では、用量(例えば、本明細書に記載される任意の用量)の化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩は、1日1回、夕方に、1錠または2錠として経口投与される。
【0135】
本発明の別の態様は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に治療有効量の化合物1、
【化13】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、当該対象が、治療開始後にTETRAS日常生活活動(ADL)サブスケール合計スコアの低下を経験する方法を提供する。
【0136】
一部の実施態様では、対象は、治療開始後に少なくとも約5%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。例えば、対象は、治療開始後に少なくとも約10%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。他の実施例では、対象は、治療開始後に少なくとも約15%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。他の実施例では、対象は、治療開始後に少なくとも約20%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。一部の実施例では、対象は、治療開始後、約30%~約50%のTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0137】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約8日後にTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0138】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約10日後にTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0139】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約15日後にTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0140】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約20日後にTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0141】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約25日後にTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0142】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約30日後にTETRAS ADLサブスケール合計スコアの低下を経験する。
【0143】
一部の実施態様では、対象は、治療開始前の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアが少なくとも12である。
【0144】
一部の実施態様では、対象は、治療開始前の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアが約28未満である。
【0145】
一部の実施態様では、対象は、治療開始前の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアが少なくとも約20である。
【0146】
一部の実施態様では、対象は、治療開始前の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアが少なくとも約24である。
【0147】
一部の実施態様では、対象は、治療開始前の初期TETRAS ADLサブスケール合計スコアが少なくとも約28である。
【0148】
一部の実施態様では、対象は、約5mg~約80mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。例えば、対象は、約10mg~約70mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。他の実施例では、対象は、約50mg~約70mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。一部の実施例では、対象は、約10mg~約30mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。また、一部の実施例では、対象は、約10mg、約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。
【0149】
一部の実施態様では、対象は、約60mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。例えば、対象は、約60mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、1日1回投与される。
【0150】
一部の実施態様では、対象は、約30mg~約50mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。
【0151】
一部の実施態様では、対象は、約45mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。
【0152】
一部の実施態様では、対象は、約20mg~約40mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。
【0153】
一部の実施態様では、対象は、約5mg~約20mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。他の実施態様では、対象は、約5mg、約7.5mg、約10mg、または約15mgの用量の化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を、少なくとも1日1回投与される。
【0154】
一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載される任意の用量で、少なくとも1日1回、少なくとも約28日間投与される。
【0155】
一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載される任意の用量で、少なくとも1日1回、長期的に投与される。
【0156】
一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。
【0157】
一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、1日1回、約28日間投与される。
【0158】
一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、経口投与される。例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、錠剤またはカプセルとして投与される。
【0159】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約8日後に、少なくとも約175ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。例えば、対象は、治療開始から約8日後に、約200ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。他の実施例では、対象は、治療開始から約8日後に、約200ng/mL~約250ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。
【0160】
別の実施例では、対象は、治療開始から約15日後に、少なくとも約210ng/mL(例えば、少なくとも約250ng/mL、少なくとも約275ng/mL、少なくとも約300ng/mL、少なくとも約330ng/mL、または少なくとも約400ng/mL)の化合物1の血漿中濃度を有する。例えば、対象は、治療開始から約15日後に、約210ng/mL~約475ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。別の実施例では、対象は、治療開始から約15日後に約210ng/mL~約450ng/mL(例えば、約210ng/mL~約350ng/mL、約210ng/mL~約280ng/mL、約320ng/mL~約420ng/mL、または約275ng/mL~約490ng/mL)の化合物1の血漿中濃度を有する。
【0161】
別の実施例では、対象は、治療開始から約22日後に、少なくとも約230ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。例えば、対象は、治療開始から約22日後に、約230ng/mL~約390ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。
【0162】
別の実施例では、対象は、治療開始から約29日後に、約250ng/mLを超える化合物1の血漿中濃度を有する。例えば、対象は、治療開始から約29日後に、約270ng/mL~約450ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。
【0163】
本発明の別の態様は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該化対象に、約5mg~約80mgの初期用量の化合物1、
【化14】
または用量相当量のその薬学的に許容される塩の初期用量を投与することを含み、当該初期用量が少なくとも1日1回投与される方法を提供する。
【0164】
一部の実施態様では、初期用量は、治療開始から約1日から約30日の期間投与される。例えば、初期用量は、治療開始から約28日の期間投与される。他の実施態様では、初期用量は、治療開始から最長で約7日まで、最長で約14日まで、最長で約21日まで、または最長で約28日までの期間投与される。一部の実施態様では、初期用量は、治療開始から最長で約1ヶ月まで、最長で約2ヶ月まで、最長で約3ヶ月まで、最長で約4ヶ月まで、最長で約5ヶ月まで、または最長で約6ヶ月までの期間投与される。また、一部の実施態様では、初期用量は、治療開始から少なくとも約30日の期間投与される。
【0165】
一部の実施態様では、初期用量は約60mgである。一部の実施態様では、初期用量は約10mg~約70mgである。他の実施態様では、初期用量は約50mg~約70mgである。さらなる実施態様では、初期用量は約10mg~約30mgである。また、一部の実施態様では、初期用量は約10mg、約15mg、約30mg、約45mgまたは約60mgである。
【0166】
一部の実施態様では、初期用量は約30mgから約50mgである。他の実施態様では、初期用量は約45mgである。また、一部の実施態様では、初期用量は、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、または約50mgである。
【0167】
一部の実施態様では、初期用量は約20mg~約40mgである。
【0168】
一部の実施態様では、初期用量は約5mg~約20mgである。他の実施態様では、初期用量は約5mg、7.5mg、10mg、または15mgである。
【0169】
一部の実施態様は、対象に、約25mg~約50mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む第2の用量を投与することを含み、当該第2の用量は、初期用量の最後の投与の翌日に投与される。一部の実施例では、第2の用量は、約30mg~約45mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む。他の実施例では、第2の用量は、約25mg~約35mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む。また、一部の実施態様では、第2の用量は、約5mg、約7.5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、または約50mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0170】
一部の実施態様では、第2の用量は少なくとも1日1回投与される。例えば、第2の用量は1日1回投与される。
【0171】
一部の実施態様では、第2の用量は約60日以下の期間投与される。他の実施態様では、第2の用量は、約50日以下、45日以下、40日以下、35日以下、30日以下、25日以下、20日以下、15日以下、10日以下、または5日以下の期間投与される。また、一部の実施態様では、第2の用量は、最長で約7日まで、最長で約14日まで、最長で約21日まで、最長で約28日まで、最長で約1ヶ月まで、最長で約2ヶ月まで、最長で約3ヶ月まで、最長で約4ヶ月まで、最長で約5ヶ月まで、または最長で約6ヶ月までの期間投与される。
【0172】
一部の実施態様は、対象に、約5mg~約24mgの化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む第3の用量を投与することを含み、当該第3の用量は、第2の用量の最後の投与の翌日に投与される。一部の実施例では、第3の用量は、約5mg~約20mgの化合物1または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む。他の実施態様では、第3の用量は、約7.5mg~約17.5mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む。他の実施態様では、第3の用量は、約20mg~約40mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施態様では、第3用量は、約30mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む。また、一部の実施態様では、第3の用量は、約5mg、約7.5mg、約10mg、約12.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mg、約25mg、約27.5mg、または約30mgの化合物1、または用量相当量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0173】
一部の実施態様では、第3の用量は少なくとも1日1回投与される。例えば、第3の用量は1日1回投与される。
【0174】
一部の実施態様では、第3の用量は約60日以下の期間投与される。他の実施態様では、第3の用量は、約50日以下、45日以下、40日以下、35日以下、30日以下、25日以下、20日以下、15日以下、10日以下、または5日以下の期間投与される。そして、一部の実施態様では、第3の用量は、最長で約7日まで、最長で約14日まで、最長で約21日まで、最長で約28日まで、最長で約1ヶ月まで、最長で約2ヶ月まで、最長で約3ヶ月まで、最長で約4ヶ月まで、最長で約5ヶ月まで、または最長で約6ヶ月までの期間投与される。
【0175】
一部の実施態様では、対象が初期用量の投与後に治療下で発現した有害事象(Treatment-Emergent Adverse Event)(TEAE)を経験する場合、対象は、初期用量の最後の投与の翌日に、少なくとも1日1回(例えば、1日1回)、第2の用量(例えば本明細書に記載される任意の第2の用量など)を投与される。そのような実施態様では、第2の用量は、約60日以下の期間投与され得る。他の実施態様では、第2の用量は、約50日以下、45日以下、40日以下、35日以下、30日以下、25日以下、20日以下、15日以下、10日以下、または5日以下の期間投与される。また、一部の実施態様では、第2の用量は、最長で約7日まで、最長で約14日まで、最長で約21日まで、最長で約28日まで、最長で約1ヶ月まで、最長で約2ヶ月まで、最長で約3ヶ月まで、最長で約4ヶ月まで、最長で約5ヶ月まで、または最長で約6ヶ月までの期間投与される。
【0176】
一部の実施態様では、TEAEは、傾眠、めまい、疲労、平衡障害、複視、構音障害、歩行障害、注意力障害、ミオクローヌス、頭痛、下痢、知覚異常、嗜眠、精神状態変化、言語障害、協調運動異常、無力症、不眠症、尿路感染、過敏症、神経過敏、筋肉痛、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0177】
一部の実施態様では、第2の用量の投与後もTEAEが衰えない場合、対象が別のTEAEを経験する場合、またはその両方の場合、当該対象は、第2の用量の最後の投与の翌日に、少なくとも1日1回(例えば、1日1回)、第3の用量(例えば本明細書に記載される任意の第3の用量など)を投与される。このような実施態様では、第3の用量は、約60日以下の期間投与され得る。他の実施態様では、第3の用量は、約50日以下、45日以下、40日以下、35日以下、30日以下、25日以下、20日以下、15日以下、10日以下、または5日以下の期間投与される。また、一部の実施態様では、第3の用量は、最長で約7日まで、最長で約14日まで、最長で約21日まで、最長で約28日まで、最長で約1ヶ月まで、最長で約2ヶ月まで、最長で約3ヶ月まで、最長で約4ヶ月まで、最長で約5ヶ月まで、または最長で約6ヶ月までの期間投与される。
【0178】
本発明の別の態様は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に治療有効量の化合物1、
【化15】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、当該対象が、治療開始から約8日後に約100ng/mL~約450ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する方法を提供する。
【0179】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約8日後に、約150ng/mL~約400ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。例えば、対象は、治療開始から約8日後に約175ng/mL~約400ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。他の実施例では、対象は、治療開始から約8日後に、約175ng/mL~約250ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。他の実施例では、対象は、治療開始から約8日後に、約200ng/mL~約250ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。一部の実施例では、本明細書に記載の血漿中濃度は、血漿中濃度、Ctroughである。
【0180】
一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、経口投与される。例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、錠剤またはカプセルとして投与される。
【0181】
本発明の別の態様は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に治療有効量の化合物1、


【化16】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、当該対象が、治療開始から少なくとも約15日後に、約210ng/mL~約475ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する方法を提供する。
【0182】
一部の実施態様では、対象は、治療開始から約15日後に、約210ng/mL~約450ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。例えば、対象は、治療開始から約15日後に約210ng/mL~約350ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。例えば、対象は、治療開始から約15日後に約210ng/mL~約280ng/mLの化合物1の化合物の血漿中濃度を有する。他の実施例では、対象は、治療開始から約15日後に、約320ng/mL~約420ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。また、一部の実施例では、対象は、治療開始から約15日後に、約275ng/mL~約490ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する。一部の実施例では、本明細書に記載の血漿中濃度は、血漿中濃度、Ctroughである。
【0183】
一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、経口投与される。例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、錠剤またはカプセルとして投与される。
【0184】
本発明の別の態様は、本態性振戦の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、当該対象に治療有効量の化合物1、
【化17】
【0185】
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、当該対象が、治療開始から少なくとも約22日後に、約230ng/mL~約390ng/mLの化合物1の血漿中濃度を有する方法を提供する。一部の実施例では、本明細書に記載の血漿中濃度は、血漿中濃度、Ctroughである。
【0186】
一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、経口投与される。例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、錠剤またはカプセルとして投与される。
【実施例
【0187】
III.実施例
【0188】
本明細書に記載した本発明をより完全に理解し得るようにするため、以下の実施例を示す。本出願に記載される合成実施例及び生物学的実施例は、本明細書に提供される化合物、医薬組成物、及び方法を説明するために提供されるものであり、決してその範囲を限定するものとして解釈されるものではない。以下に提示または参照する一部の表及び図では、化合物1を「化1」と称する。
【0189】
実施例1:本態性振戦患者の治療における化合物1の有効性、安全性及び忍容性を評価する第2相二重盲検プラセボ対照無作為試験。
【0190】
目的
【0191】
主要な目的
【0192】
本態性振戦(ET)患者において、28日間投与後の上肢振戦軽減に対する化合物1の効果をプラセボと比較して評価する。
【0193】
副次的な目的
【0194】
総合的な上肢振戦軽減に対する化合物1の効果をプラセボと比較して評価する。
【0195】
日常生活動作(ADL)に対する化合物1の効果をプラセボと比較して評価する。
【0196】
全体的な振戦に対する化合物1の効果をプラセボと比較して評価する。
【0197】
化合物1の安全性と忍容性を評価する。
【0198】
その他の目的
【0199】
化合物1の安全性と忍容性をさらに評価する。
【0200】
ET、睡眠、抑うつ、不安、クオリティ・オブ・ライフ、羞恥心、自覚的健康状態、最も煩わしい症状に関する患者報告アウトカムに対する化合物1の効果を評価する。
【0201】
臨床医報告アウトカムに対する化合物1の効果を評価する。
【0202】
ET患者への化合物1経口錠の投与後の、化合物1の血漿中濃度及び薬物動態学的(PK)プロファイルを測定する。
【0203】
試験エンドポイント
【0204】
主要:
【0205】
29日目の本態性振戦評価(The Essential Tremor Rating Assessment)(TETRAS)パフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦スコアの、プラセボと比較したベースラインからの変化。
【0206】
二次的:
【0207】
29日目以外のすべての時点におけるTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦スコアの、プラセボと比較したベースラインからの変化。
【0208】
Kinesia ONE加速度計スコアの、プラセボと比較したベースラインからの変化。
【0209】
TETRASスケールADLスコアまたはTETRASトータルパフォーマンススコアの、プラセボと比較したベースラインからの変化。
【0210】
安全性:
・治療下で発現した有害事象(TEAE)の発生率。
・バイタルサイン、心電図(ECG)、臨床検査パラメータ、及びコロンビア自殺重症度評価スケール(C-SSRS)のベースラインからの変化により評価した化合物1の安全性及び忍容性。
・医師用離脱症状チェックリスト(PWC-20)。
【0211】
試験対象集団
【0212】
参加者は、18歳から80歳まで(両端の年齢を含む)で、少なくとも3年間ETと診断され、組合せトータル上肢TETRAS(トータルパフォーマンスサブスケール項目4)を構成する6項目の各スコアが少なくとも1.5以上であり、スクリーニング時及び1日目の前投与両方で、利き手側の上肢の合計スコア(右上肢または左上肢のいずれか利き手側の3項目の合計)が少なくとも5.5以上であった者とした。
【0213】
治療グループ
【0214】
グループは、化合物1を経口投与される錠剤(複数可)として(各錠剤は化合物1を15mg含有)、または対応するプラセボを1:1の割合で投与された。錠剤は即時放出型として製剤化された、白色から灰色がかった白色の、丸形のフィルムコーティング錠であって、15mgの化合物1、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、及び滑剤を含み、当該錠剤は直接打錠で成形され、フィルムコーティングとしてOpadry(登録商標)IIホワイトを施した。
【0215】
試験デザイン
【0216】
本試験は、ET患者を対象に化合物1の有効性、安全性、忍容性を評価する無作為二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験である。
【0217】
参加者は、化合物1を60mgまたはプラセボを1日1回、午前中に投与するグループに1:1で無作為に割り付けられた。参加者が治験責任医師により化合物1に関連し、忍容性がないと判断されたTEAEを報告した場合、治験責任医師は医学的に適切であれば、化合物1の用量を60mgから15mgずつ減量する場合があった(すなわち、60mgから45mg、そして30mgへ)。30mgの用量で忍容性のないTEAEが持続する場合、化合物1の投与は恒久的に中止された。
【0218】
本試験では、最長で28日までのスクリーニング期間、28日間の投与からなる29日間の治療期間(治療来診の終了は29日目のトラフ時に予定)、及び最終投与から14日間のフォローアップ期間が設定された。試験患者は28日間の治療期間中、本態性振戦に対する他の薬剤を服用していなかった。
【0219】
試験期間中、有効性及び安全性の評価が定期的に実施され、また、実施スケジュールに記載されたとおりに、化合物1の分析のための血液サンプルが採取された。血液サンプルは採取され、アウトカム指標は、28日間の治療期間にわたって、あらかじめ指定された時期に測定されることとなっていた。
【0220】
参加者は、治療期間及びフォローアップ期間中(試験第45日[±3日]目まで)、有害事象(AE)/重篤な有害事象(SAE)、通常の臨床検査評価、身体検査、バイタルサイン、心電図などのモニタリングを含む、安全性に関するモニタリングを受けた。
【0221】
サンプルサイズの決定
【0222】
アルファレベル0.05の両側検定を仮定すると、各治療グループ当たり約25名の評価可能な参加者のサンプルサイズであれば、一次エンドポイントにおけるプラセボ調整後の治療差3ポイント(標準偏差(SD)を3ポイントと仮定した29日目のTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦スコアのベースラインからの変化)を検出する検出力が85%となる。
【0223】
評価不能率が15%と、1:1の無作為化を仮定すると、約60人の参加者が無作為化される。脱落率が15%を超える場合は、追加の参加者が登録されてよい。
【0224】
分析セット
【0225】
全参加者:書面によるインフォームド・コンセントを行った全参加者を含む。この分析セットは対象の内訳に使用された。
【0226】
全解析セット:いずれかの投与量の化合物1の投与を受け、ベースライン及びベースライン後の有効性評価を少なくとも1回行った無作為抽出参加者をすべて含む。有効性データの解析には有効性セットを使用した。全解析セットでは、N=67であった。
【0227】
安全性セット:化合物1の投与を少なくとも1回受けた全参加者と定義される。安全性セットは、安全性データの説明的要約を提供するために使用された。
【0228】
統計分析
【0229】
有効性
【0230】
ベースラインからのHAM-D合計スコアの変化が、反復測定混合効果モデル(MMRM)を用いて分析された。
【0231】
このモデルには、従属変数として各来診時のベースラインからの変化、説明変数として治療、ベースラインのTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦スコア、評価時点、及び治療ごとの時点が含まれた。すべての説明変数は固定効果として扱われた。主な比較は、29日の時点における化合物1とプラセボとの間(最小平均2乗の差[LSMEAN])とした。
【0232】
モデルベースの点推定値(すなわち、LSMEAN、95%信頼区間及びp値)は、該当する場合に報告した。対象内誤差のモデル化には非構造共分散構造を用いた。構造化されていない共分散モデルで収束に問題がある場合は、テプリッツ、複合対称、または自己回帰(1)(AR[1])共分散構造を使用し、収束するまでこの順序に従った。AR(1)構造でもモデルが収束しなかった場合、結果は報告されないことになる。共分散構造がUNでない場合は、SASのPROC MIXED文のEMPIRICALオプションを使用して、分散共分散行列のサンドイッチ推定量を導出する。
【0233】
同様に、以下の変数の分析にはMMRMを使用した:TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、6、7、及び8の合計スコアのベースラインからの変化、及びTETRAS ADLスコア。各モデルにおいて、15日時点における化合物1の錠剤とそれに対応するプラセボとの比較に注目した。モデルベースの点推定値(すなわち、LS平均値)、95%信頼区間、及びp値が報告された。
【0234】
振戦の振幅の変化率は、以下の式に基づいて計算される:
【数2】
[式中、Tは最終の振戦振幅であり、
は初期の振戦振幅であり、
は最終の振戦の評価であり、
は初期の振戦の評価であり、
αは0.05であり、そして、
N=6(TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアの6課題分)である。]
【0235】
一次エンドポイントのサブグループ解析
【0236】
HAM-D合計スコア分析におけるベースラインからの変化に関するMMRM分析は、以下のサブグループについて繰り返された:
・年齢層:<65歳、65~80歳
・性別:男性、女性
・人種:白人、黒人またはアフリカ系アメリカ人、その他
・BMI(≦18.5、18.5~<25、25~<30、≧30kg/m
・本態性振戦と診断された年齢(<40歳、40~60歳、>60歳)
・参加者が、本態性振戦が始まったと思う年齢(<40歳、40~60歳、>60歳)
・本態性振戦と診断された年数(3~<6年、6~10年、>10年)
・参加者が、本態性振戦が始まったと思ってからの年数(3~<6年、6~10年、>10年)
アルコールは振戦に効果がある:はい(中間、よく効いた)、いいえ(いいえ、少し)、当てはまらない
ベースラインTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦スコア(<12、≧12)
【0237】
TETRASサブスケール項目4スコアのベースラインから29日目の朝の評価(29日目-ベースライン)(及び他のすべての時点)までの観察値及び変化量/変化率を、治療グループ及びサブグループごとにまとめた。
【0238】
さらに、MMRM結果に基づく29日目のTETRASサブスケール項目4スコアのベースラインからのLS平均変化(及び平均値の95%CI)を、治療グループ及びサブグループ別にプロットした。
【0239】
安全性
【0240】
化合物1の安全性と忍容性は、有害事象、併用薬の使用状況、身体所見、バイタルサイン、臨床検査値、12誘導心電図のベースラインからの変化により評価された。自殺傾向はC-SSRSによってモニターされた。安全性データは対象別、被験薬別に記載され、記述的に要約された。安全性の要約はすべて安全性セットを用いて行われた。
【0241】
有害事象の発生率は、安全性セットに含まれる対象について、臓器別及び対象が好む用語別に集計された。
【0242】
結果
【0243】
対象の内訳
【0244】
対象の内訳を図1にまとめた。全体で154人の重複しない参加者がスクリーニングを受けたが、そのうち84人はスクリーニングに失敗し、1人は試験終了のため無作為抽出されなかった。69人の参加者が、60mgの化合物1を投与するグループ(34人)とプラセボを投与するグループ(35人)に1:1の割合で無作為に割り付けられ、全員が被験薬を投与された。
【0245】
人口統計とベースライン特性
【0246】
この試験に参加した対象の人口統計及びベースライン特性は、性別を除いて治療グループ間でバランスがとれていた。
【0247】

【表1-1】
【表1-2】
【0248】
被験薬曝露とコンプライアンス
【0249】
図1を参照すると、化合物1グループでは、8/34人(23.5%)の参加者が60mgの用量で試験を完了し、19/34人(55.9%)が45mgに減量され、5/64人(14.7%)が60mgで試験を早期中止し、2/34人(5.9%)が60mgから直接30mgに減量された。投与量を45mgに減量された参加者のうち、5人は45mgで試験を完了し、11人はさらに30mgに減量され、3人は45mgで試験を早期中止した。投与量を45mgから30mgに減量された11名については、7名が30mgで試験を完了し、4名が早期に試験を中止した。投与量を60mgから30mgに直接減量した2人の参加者のうち、1人は30mgで試験を完了し、1人は30mgで早期中止した。
【0250】
プラセボグループでは、32/35人が初期用量で試験を完了し、1/35人が用量を減らして試験を完了し、2/35人が早期に試験を中止した。
【0251】
【表2】
【0252】
平均曝露日数は化合物1で21.3日(範囲3~29日)、プラセボで27.2日(範囲8~31日)であった。
【0253】
アドヒアランスは、化合物1で94.3%、(範囲74.47%~103.57%)、プラセボで100.2%(2.73)(範囲は96.43%~110.71%)であった。
【0254】
振戦振幅(29日目のTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦スコアのベースラインからの変化):
【0255】
全解析セット:
【0256】
ベースラインの平均値(SD):
・プラセボ:12.28(1.698)
・化合物1:12.82(1.727)
【0257】
29日目のベースラインからの変化:
LSMean(SE):
・プラセボ:-1.24(0.349)
・化合物1:-2.31(0.401)
【0258】
治療の差:
化合物1対プラセボ
・-1.07(-2.14、-0.00)
・P値=0.0491
【0259】
【表3】
【0260】
全解析セットについて、治療グループ別のTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアにおけるLS平均のベースラインからの経時変化の平均を図2に示す。29日目におけるTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢合計スコアのベースラインからの変化のフォレストプロットを図3に示す。
【0261】
【表4】
【0262】
振戦振幅のベースラインからの減少率:プラセボ投与グループ21%、対して化合物1投与グループ36%。
【0263】
振戦振幅のベースラインからの減少率:(ベースラインのTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコア≧12の対象において)プラセボグループ18%、対して化合物1グループ41%。
【0264】


【表5】
【0265】
全解析セットのサブグループ、ベースラインTETRASパフォーマンス項目4、上肢スコア≧12:
【0266】
【表6】
【0267】
ベースラインのTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢合計スコアが12以上の患者について、治療グループ別のTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアにおけるLS平均のベースラインからの経時変化を図4に示す。
【0268】
プロトコルに適合した対象集団:プロトコルに適合した対象集団には、プロトコルから大きく逸脱した9人の患者(化合物1投与グループ7名、プラセボ投与グループ2名、そのうち5名はコチニン陽性[1名はまた、ETを患って3年未満、1名は服薬アドヒアランスが<75%]、1名はETを患って3年未満、1名はTHC陽性、1名は利き手のTETRAS項目4、上肢スコアが5.5なかった、1名は29日目のTETRAS評価前に化合物1を服用した)は含まれていない。
【0269】
【表7】
【0270】
プロトコルに適合した対象集団に含まれる患者について、治療グループ別のTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、上肢振戦の合計スコアにおけるLS平均のベースラインからの経時変化を図5に示す。
【0271】
TETRAS ADL合計スコア(29日目のTETRAS ADL合計スコアのベースラインからの変化):
【0272】
全解析セット:
【0273】
ベースラインの平均値(SD):
・プラセボ:26.7(6.84)
・化合物1:26.3(8.50)
【0274】
29日目のベースラインからの変化:
LSMean(SE):
・プラセボ:-2.87(0.780)
・化合物1:-4.24(0.940)
【0275】
治療の差:
化合物1対プラセボ
・-1.37(-3.81、1.08)
・P値=0.2682
【0276】
【表8】
【0277】
全解析セットの29日目におけるTETRAS ADLサブスケール合計スコアのベースラインからの変化については、化合物1はプラセボよりも数値的には優れていたが、統計学的有意差には達しなかった。
【0278】


【表9】
【0279】
全解析セットについて、治療グループ別のTETRAS ADL合計スコアにおける、LS平均のベースラインからの経時的変化を図6に示す。29日目のTETRAS ADL合計スコアのベースラインからの変化のフォレストプロットを図7に示す。
【0280】
TETRASパフォーマンスサブスケール合計スコア(29日目におけるTETRASパフォーマンスサブスケール合計スコアの変化):
【0281】
全解析セット:
【0282】
ベースラインの平均値(SD):
・プラセボ:27.09(5.157)
・化合物1:27.68(4.618)
【0283】
29日目のベースラインからの変化:
LSMean(SE):
・プラセボ:-2.90(0.817)
・化合物1:-3.22(0.922)
【0284】
治療の差:
化合物1対プラセボ
・-0.32(-2.78、2.14)
・P値=0.7960
【0285】


【表10】
【0286】
全解析セットについて、治療グループ別のTETRASパフォーマンスサブスケール合計スコアにおける、LS平均のベースラインからの経時的変化を図8に示す。29日目におけるTETRASパフォーマンスサブスケール合計スコアのベースラインからの変化のフォレストプロットを図9に示す。
【0287】
TETRASパフォーマンスサブスケール項目4、6、7及び8のスコア(29日目におけるTETRASパフォーマンスサブスケール項目4、6、7及び8のスコアの変化):
【0288】
全解析セット:
【0289】
ベースラインの平均値(SD):
・プラセボ:22.82(3.520)
・化合物1:24.05(3.928)
【0290】
29日目のベースラインからの変化:
LSMean(SE):
・プラセボ:-2.22(0.615)
・化合物1:-2.81(0.699)
【0291】
治療の差:
化合物1対プラセボ
・-0.59(-2.45、1.28)
・P値=0.5331
【0292】
【表11】
【0293】
全解析セットについて、治療グループ別のTETRASパフォーマンスサブスケール項目4/6/7/8の合計スコアにおける、LS平均のベースラインからの経時的変化を図10に示す。29日目におけるTETRASパフォーマンスサブスケール項目4/6/7/8の合計スコアのベースラインからの変化のフォレストプロットを図11に示す。
【0294】
安全性
【0295】
有害事象
【0296】
化合物1グループでは33/34人(97.1%)に治療下で発現した有害事象(TEAE)が報告されたのに対し、プラセボグループでは20/35人(57.1%)であった。
【0297】
試験期間中の死亡例は報告されていない。
【0298】
化合物1グループでは11/34人(32.4%)が重篤なTEAEを報告し、プラセボグループでは2/35人(5.7%)が重篤なTEAEを報告した。
【0299】
重篤な有害事象(SAE)を経験した参加者は4名であった:
【0300】
1名の参加者が精神状態の変化を報告した(化合物1グループ、重度、5日目に発現、7日目に消失、関連あり、治療中止、60mgでの試験中止)。
【0301】
1名の参加者が精神状態の変化を報告した(化合物1グループ、重度、12日目に発現、17日目に消失、関連あり、60mgでの治療中止に至った)。
【0302】
1名の参加者(化合物1グループ)が3件のSAEを報告した:脱水症(軽度、6日目に発現、8日目に消失、無関係、薬剤中断)、頭痛(中程度、6日目に発現、7日目に消失、無関係、薬剤中断)、一過性脳虚血発作(軽度、6日目に発現、8日目に消失、無関係、薬剤中断)。この参加者は11日目に45mgに減量され、25日目にはさらに30mgに減量され、治療を完了した。
【0303】
1名の参加者が狭心症と呼吸困難を報告した(プラセボグループ、8日目に発生、関連なし)。
【0304】
化合物1グループでは21/34人(61.8%)で治療量の減少につながるTEAEが報告され、プラセボグループでは1/35人で治療量の減少につながるTEAEが報告された。
【0305】
化合物1グループでは9/34人(26.5%)で治療中止に至るTEAEが報告され、プラセボグループでは0人で治療中止に至るTEAEが報告された。これらの9人のうち、4人は5日目から22日目まで60mgを中止し、1人は14日目に45mgを中止し、4人は5日目から15日目まで30mgを中止した。
【0306】
化合物1グループでは4/34人(11.8%)で試験中止に至るTEAEが報告され、プラセボグループでは0人であった。
【0307】
全体として、患者は化合物1(60mg)または対応するプラセボを1日1回午前中に投与するグループに1:1で無作為に割り付けられた。本試験では、化合物1の高用量域での治療が評価され、60mgの忍容性が不十分な場合には、1日用量を45mgまたは30mgに減量することが可能であった。化合物1を投与された患者の62%で用量の減量が行われ、化合物1を投与された患者の38%で投与中止が認められた。化合物1投与グループの患者の10%以上で発生し、プラセボグループの患者の少なくとも2倍の割合で発生した最も一般的なTEAEは、傾眠68%、めまい38%、平衡障害15%、複視12%、構音障害12%、歩行障害12%であった。
【0308】

【表12】
【0309】
以下のTEAEが、化合物1を投与された少なくとも2人の参加者に報告されたが、プラセボを投与された参加者には報告されなかった:平衡障害(5人)、複視(4人)、構音障害(4人)、歩行障害(4人)、ミオクローヌス(3人)、嗜眠(2人)、精神状態の変化(2人)、言語障害(2人)。
【0310】
薬物動態(PK)濃度:
【0311】
治療完了者における化合物1の経時的な平均血漿中濃度の中央値を以下の表13に示す。血漿中濃度は8日目と29日目に投与前(Ctrough)に測定した。血漿中濃度の中央値は、終了時の用量群(例えば、30mg、45mgまたは60mg)に関係なく、治療完了者全員について算出した。
【0312】
【表13】
【0313】
等価物及び範囲
請求項において、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」などの冠詞は、反対に示されていない限り、または文脈から明らかでない限り、1つまたは1つを超えるものを意味する場合がある。グループの1つまたは複数のメンバーの間に「または」を含む請求項または説明は、反対に示されていない限り、または文脈から明らかでない限り、グループの1つ、1つを超える、またはすべてのメンバーが、所定の製品またはプロセスに存在する、採用される、またはその他の形で関連する場合に満足されるとみなされる。本発明は、グループの正確に1つのメンバーが、所定の製品またはプロセスに存在する、採用される、またはその他の形で関連する実施形態を含む。本発明は、1つを超える、またはすべてのグループメンバーが、所与の製品またはプロセスに存在する、採用される、またはその他の形で関連する実施形態を含む。
【0314】
さらに、本発明は、列挙された請求項の1つ以上から1つ以上の限定、要素、条項、記述用語が別の請求項に導入されるすべての変形、組み合わせ、順列を包含する。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項は、同一の基本の請求項に従属する任意の他の請求項に見出される1つ以上の制限を含むように修正され得る。要素がリストとして、例えばマーカッシュグループ形式で示される場合、その要素の各サブグループも開示され、また、任意の要素(複数可)をグループから削除することができる。一般に、本発明または本発明の態様が特定の要素及び/または特徴を含むものとして言及される場合、本発明または本発明の態様の特定の実施形態は、そのような要素及び/または特徴からなる、または本質的にそのような要素及び/または特徴からなることが理解されるべきである。簡略化のため、それらの実施形態は、本明細書においてこのとおりの言葉で具体的に記載されていない。また、「含む(comprising)」及び「含む(containing)」という用語は、開放的であることを意図しており、追加の要素またはステップを含めることを許容することに留意されたい。範囲が与えられている場合、終点が含まれる。さらに、特に示されていない限り、または文脈及び当業者の理解から明らかな場合を除き、範囲として表される値は、文脈上明らかにそうでないと判断される場合を除き、本発明の異なる実施形態において、範囲の下限の単位の10分の1まで、記載された範囲内の任意の特定の値または副範囲を想定することができる。
【0315】
本出願は、様々な発行済み特許、公開済み特許出願、学術誌論文、及びその他の刊行物を参照するものであり、これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参考文献と本明細書との間に矛盾がある場合は、本明細書が優先するものとする。さらに、先行技術に該当する本発明の特定の実施形態は、請求項のいずれか1項以上から明示的に除外することができる。このような実施形態は、当業者にとって既知であるとみなされるため、本明細書において明示的に除外が規定されていない場合であっても、除外することができる。本発明の任意の特定の実施形態は、先行技術の存在に関連するか否かにかかわらず、任意の理由で、任意の請求項から除外することができる。
【0316】
当業者であれば、本明細書に記載された特定の実施形態に対する多くの等価物を、日常的な実験以上のことを行わずに認識するか、または確認することができるであろう。本明細書に記載される本実施形態の範囲は、上記の説明に限定されることを意図するものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲に規定されるとおりである。当業者であれば、以下の特許請求の範囲に定義される本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書に対する様々な変更及び修正を行うことができることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】