(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-26
(54)【発明の名称】流量スロットルバルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 17/30 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
F16K17/30 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563007
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 FI2022050203
(87)【国際公開番号】W WO2022219231
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523387471
【氏名又は名称】ソーラー ウォーター ソリューションズ オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ポーヨラ,ヘイッキ
【テーマコード(参考)】
3H060
【Fターム(参考)】
3H060AA02
3H060BB10
3H060CC15
3H060DC05
3H060DD02
3H060HH02
(57)【要約】
高圧ポンプによりシステムに圧送される流量の圧力を一定に保ち、20bar未満の圧力レベルで逆浸透装置のシステム圧を維持するためのリジェクトバルブとして特に適している流量スロットルバルブ。流圧は、所定の時間においてスロットルバルブの流出チャネル(2)内に部分的にあるばね駆動コーン(3)により制御される。モーションリストリクタ(7、8)は、その一番低い位置において、前記コーン(3)が前記システムの目標圧まで所定の流量のバイパスフローを可能にするように前記コーン(3)の広い端に支持されている。流量がさらに増加すると、その結果として前記コーン(3)は上昇し、前記流圧により前記リストリクタ部材(7)に与えられる力により、バルブが閉じることを防ぐことに寄与する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ポンプによりシステムに圧送される流量の圧力を一定に保ち、20bar未満の圧力レベルにおいて逆浸透装置のシステム圧を維持するためのリジェクトバルブとして特に適切である流量スロットルバルブであって、前記バルブは管状の本体(1)を含み、流れは前記管状の本体の一端から入り、前記本体(1)には円断面の中央流出チャネル(2)が提供され、前記本体内に流入側に狭い端が配置されているコーン(3)を有し、ステム(4)に沿って可動するサポートプレート(5)が前記流入側で支持される前記ステム(4)上で軸方向に支持され、
前記サポートプレート(5)の外端は前記本体(1)の内面にほぼ接し、
前記サポートプレート(5)には、そこを通る流れのためのチャネル(10)が設けられ、
前記ステム(4)を取り囲む加圧された圧縮ばね(6)は前記流出チャネル(2)と前記サポートプレート(5)との間に提供され、前記圧縮ばね(6)は一端が前記サポートプレート(5)に支持され、他端が本体(1)に支持されており、
モーションリストリクタ(7、8)は前記コーン(3)の大きな直径端に支持され、前記モーションリストリクタ(7、8)はリストリクタ部材(7)及び前記リストリクタ部材(7)に支持され、前記リストリクタ部材(7)から前記流出チャネル(2)の流出端を取り囲む平面(9)に伸びるリストリクタ脚部(8)からなり、前記リストリクタ脚部(8)は、前記コーンが前記ばね(6)により生成される力により前記流出チャネル(2)の前記流出端の周囲に対して押圧されることを回避するように前記コーン(3)の動きを制限するように適用される結果、前記コーン(3)は常に前記リストリクタ脚部(8)の間を流れ、さらに前記リストリクタ部材(7)と前記本体(1)との間の流れを許容するチャネル(11)を流れることを可能にする均一に取り囲むバイパスフローを可能にすることを特徴とする、
前記流量スロットルバルブ。
【請求項2】
前記ステム(4)上の前記サポートプレート(5)の位置は、前記ステムの前記軸方向において調節可能であることを特徴とする、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記ステム(4)は前記コーン(3)を通過し、前記リストリクタ部材(7)は前記ステム(4)に解放可能に支持されることを特徴とする、請求項1または2に記載のバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、高圧ポンプによりシステムに圧送される流量の圧力を一定に保ち、20bar未満の圧力レベルで逆浸透装置のシステム圧を維持するためのリジェクトバルブとして特に適している流量スロットルバルブである。
【背景技術】
【0002】
リジェクトとして逆浸透モジュールから出る量を調整することにより、モジュールにある圧力を調節できる一方、水は同時に高圧ポンプによりモジュールに供給されるということが知られている。モジュールは、従来の標準化された管状圧力容器及びそこに内蔵されている逆浸透膜を指す。食塩水の流れがモジュールを通過すると、膜は食塩水から真水を分離する。真水から分離された残りの濃縮物はリジェクトと呼ばれる。
【0003】
逆浸透システムにおいて、膜の数とタイプは供給量の制限を決定する。
【0004】
水中に溶解している固体、主に塩の濃度(TDS=total dissolved solids、総溶解固形物)が高いほど、水の浸透圧は高くなる。膜が食塩水から真水を分離するために、モジュール内の圧力はモジュールを流れる濃縮物の逆浸透圧と少なくとも同じでなければならない。膜により分離された真水の量は出力と呼ばれる。出力量およびリジェクト量の合計は、供給量に等しい。
【0005】
フローリストリクタ穴などの一定調整がリジェクト側で使用される場合、水の塩分濃度が変化するにつれて、システム内の圧力も変化するという問題がある。処理する水の温度も膜の出力に大きな影響を及ぼし、それに伴ってリジェクト量も変化する。一定調整による別の問題は、膜の劣化に伴って膜の出力が低減するということであり、供給量に対してリジェクトの量は増加する。一定調整は、供給量が一定であり、膜の出力が一定である状況においてのみ適切である。
【0006】
毎時数十リットルの出力を備える汽水用小型逆浸透装置において、リジェクトの流れの調整は通常、システムの圧力ポンプが起動すると、望ましい調整レベルに調整される手動調節可能なニードルバルブを使って行われる。この装置の主な問題は、膜の出力はシステムがしばらく使用された後で安定し始めるということである。
【0007】
特に、逆浸透システムが、中間電池なしでソーラーパネルから得られたエネルギーで動作する場合、リジェクトバルブの手動調節が常に必要である。これは、太陽の放射照度(kW/m2)が変化するにつれて、ソーラーパネルから得られる電力が変化するからである。そのため、システムのインバータ制御の高圧ポンプの回転速度も変化し、その結果、システムの供給量及びリジェクト量が変化する。
【発明の概要】
【0008】
本発明によるスロットルバルブの目的は、供給量の変化に関係なく逆浸透システムの圧力を一定に保ち、所定のシステム圧において機能的に信頼できるものにすることである。
【0009】
本発明によるバルブはばね駆動である。バルブは、流出チャネルのフロー開口部を調節し、流入側に狭い端を有するコーンを備える。以下に説明されるように、コーンは流れ方向において流出チャネルに移動するにつれて上昇し、流出チャネルの流出開口部の断面積も上昇する。
【0010】
チェックバルブ、圧力リリーフバルブ、安全バルブ、バイパスバルブなどのばね駆動の既知のバルブは、構造的には互いに似ているが、それらの動作原理及び使用目的は異なる。
【0011】
構造的には、本発明によるスロットルバルブはチェックバルブに似ているが、その機能と使用目的は、チェックバルブ、圧力リリーフバルブ、冷凍機用スロットルバルブ、その他上記バルブのそれとは異なる。それは、流量変化に応じて流路断面積が安定的に調節されるバルブであり、バルブはシステム圧を一定に保つ。これは、上記の他のバルブでは実現されない。
【0012】
公報JP3079258Uはチェックバルブを記述し、その構造は本発明によるスロットルバルブに似ている。そこにおいて、ばねはコニカルバルブシートの壁に対してバルブ閉塞コーンを押す。コーンはバルブシートの奥深くに収まり、コーンはその周りに取り付けられているシールリングを有する。バルブの使用目的は、閉じているときに、流入方向と逆方向からの流入を防ぐことである。コーンは大部分がシート内にあるため、バルブを開こうとする流入圧は主にコーンのステム端に及び、コーン自体にはほとんど及ばない。流入によりコーンおよびコーンのステムに及ぶ力が、ばねによりコーンに及ぶ反対の力を超過すると、コーンは突然上昇し、それによってチャネルが開く。その後すぐに、コーンとコーンのコニカルシートとの間の流圧はほぼゼロになる。これは、流速が互いに近くに位置する壁間で大きく増加するからである。公報で開示されているタイプのバルブでは、コーンに及ぶ流入圧は非常に小さいため、バルブが開くときに、ばね力はコーンをシートに引っ張り戻す。その発生を防ぐため、流入量は十分に大きく、ばね力は小さくなければならない。そうでない場合、コーンがシートを叩き始める(乱調現象)。コーンに及ぶばね力が大きくなるほど、この乱調現象は悪化する。したがって、ばねはできる限り緩くし、流動がなくなった後にシートにコーンを戻す程度で設計しなければならない。実際、このタイプのチェックバルブは常に最大限開いているか、完全に閉じている。このチェックバルブの構造は、流量が変化するにつれて流入圧を維持することには適していない。
【0013】
公報WO2014168768は、本発明によるバルブに構造において似ているバルブを記述する。これは、システム内の圧力が何らかの理由で上昇したときに、海中の高圧環境においてシステムの内部ガス圧の突然の圧力解放のためのものである。これは、液体の流れや流入圧の維持を目的としていない。液体が流れることにより、上記公報で記述されたチェックバルブと同じ問題に直面する。
【0014】
公報US2017/0030616A1は、冷凍機用スロットルバルブとして動作するバルブを記載し、コンプレッサにより加圧された冷媒液は、バルブを流れると蒸発する。バルブコーンは流出チャネルの縁に対して配置されている。バルブコーンが流出チャネルで詰まることを防ぐ試みにおいて、流出チャネルの縁には、冷媒液が連続的に流れることができるようにするための小さな溝が提供される。提案された解決策による問題は、コンプレッサにより圧送される液体の量が上昇するにつれてコーンが上昇し始めるときに、液体の流れの圧力によりコーンに及ぶ力が減少する一方、バルブを閉じようとするばねによるコーンに及ぶ力は上昇する。その他の力がない場合、バルブは突然閉じ、その後すぐに開き、コーンは流出チャネルの縁を叩き始める(乱調現象)。公報のバルブにおいて、コーンによって閉じられるフローチャネルの隣に一定の穴を備える追加のチャネルを加えることにより、最大流量でのコーンの上昇を低減することでこの現象を軽減するように試みている。公報は、提案される解決策が最大流量において乱調現象を取り除けないと指摘している。しかしながら、問題が、コーンが上昇し始めるすべての流量において発生するということは明らかである。
【0015】
本発明によるスロットルバルブは、添付の請求項1に記載されている特徴を基にして上述の問題(乱調現象)を解決する。本発明によるスロットルバルブのばね駆動コーンは流量の変化に従って上昇及び下降し、プリセットされたシステム圧を一定に保つ。
【0016】
本発明によるスロットルバルブは、本体内に中央で配置され、スロットルバルブの管状の本体の流路断面積よりも小さい流れに垂直の断面積を有する流出チャネルを有する。流出チャネルの流れ開口部を調節するコーンの狭い直径端は流入側にある。コーンの大きな直径端は、コーンを通過するステムに開放可能に支持され、ステムに垂直に配置されているリストリクタ部材からなる、直径端に支持されるモーションリストリクタを有し、リストリクタ部材はリストリクタ部材に支持されるリストリクタ脚部を有し、リストリクタ脚部はリストリクタ部材から流出チャネルの流出端を取り囲む平面まで伸びている。
【0017】
リストリクタ脚部は、ばねにより流出チャネルに与えられる力により、流出チャネルの端の周囲に対して押圧されることを回避するようにコーンの動きを制限し、その結果、コーンは常にリストリクタ脚部間を流れ、さらにリストリクタ部材と本体との間のチャネルを流れることを可能にする均一に取り囲むバイパスフローを可能にする。このバイパスフローの流量はリストリクタ脚部の長さを調節することにより調節できる。
図2。
【0018】
本体の内面にほぼ接しているサポートプレートは、流入側のコーンのステムに支持されており、加圧された圧縮ばねの一端は、その反対の端が本体に支持されているが、当該サポートプレートに支持されている。
【0019】
流れによりモーションリストリクタにわたって圧力差が発生し、流れ方向においてモーションリストリクタのリストリクタ部材に力が及び、その力は、流量が増加するにつれて増加し、その力の大きさは、流れ方向においてリストリクタ部材と本体との間のチャネルの断面積を調節することにより調節できる。また、流れによりリストリクタ部材に動的圧力が発生し、動的圧力は流れ方向においてリストリクタ部材に追加の力を与える。
【0020】
サポートプレートには流れを許容するチャネルが提供されている。流れに対して垂直なチャネルの断面積は、流れによりサポートプレートにわたって望ましい大きさの圧力差が発生し、同様に流れ方向においてサポートプレートに力が及び、その力は、流量が増加するにつれて増加し、バルブを閉じようとするばね力の増加に抵抗することに寄与するように配置される。
【0021】
流れ方向においてモーションリストリクタ及びサポートプレートに与えられる前述の力は、上昇するコーンにより発生する力の増加と、流圧によりコーンに与えられる力の減少に抵抗する。これらの抵抗力により、コーンの上昇高さは自動的に調節され、システム圧を一定に維持し、それにより乱調現象は発生しない。
【0022】
逆浸透システムに対してリジェクトバルブとして操作されるとき、本発明によるスロットルバルブは、逆浸透ユニット高圧ポンプの電気モータをインバータ経由でソーラーパネルから得られた電気を使って直接操作することができ、モータの回転速度と、相応して供給流量はソーラーパネルから得られる電力に従って変化する。モータの回転速度の変化により、真水の流量と、相応して単位時間あたりの逆浸透システムにより作られるリジェクトの流量は変化する。
【0023】
次に、本発明によるスロットルバルブの構造と操作は、
図1から3を参照して詳細を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】バルブコーンがコニカルシート上に支持されている従来技術のチェックバルブを示す。
【
図2】最も低い位置においてコーン3を備える本発明によるスロットルバルブの構造の縦断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図2:
-スロットルバルブは管状の本体1を含み、流れはその一端から入り、本体1には円断面を備える流出チャネル2が提供されている。
-コーン3は、コーンの狭い端が流入側にあり、コーンはコーン3を通過するステム4上に軸方向で支持されるように流出チャネル2に配置されている。
-サポートプレート5は流入側でステム4に支持され、サポートプレート5はステム4に沿って移動可能であり、本体1の内面にほぼ接している。
-ステム4を取り囲む加圧された圧縮ばね6は、流出チャネル2とサポートプレート5との間に提供され、圧縮ばね6はその一端がサポートプレート5に支持され、その他端が本体1に支持される。
-サポートプレート5には1つ以上の流れを許容するチャネル10が提供されている。
-モーションリストリクタはコーン3の大きな直径端に支持され、モーションリストリクタはコーン3を通過するステム4に解放可能に支持され、リストリクタ部材7から流出チャネル2の流出端を取り囲む平面9に伸びるリストリクタ部材に支持されるリストリクタ脚部8を有するリストリクタ部材7からなる。
-流れを許容するチャネル11はリストリクタ部材7と本体1との間に形成される。
-リストリクタ脚部8、ばね6により与えられる力により流出チャネル2の端の周囲に対して押圧されることを回避するように、コーン3の動きを制限する。リストリクタ脚部8により、コーン3は、コーン3が最も低い位置にあるときに、均一に取り囲むバイパスフローを常に可能にし、それによって流れはリストリクタ脚部8の間を通過し、さらにチャネル11を通過することができる。バイパスフローの流量はリストリクタ脚部8の長さを調節することにより調節することができる。
【0026】
図3:
-スロットルバルブにより生成される圧力はp1である。
-流出チャネル2の流出端とリストリクタ部材7との間の圧力はp2である。流出チャネル2にわたる圧力差は(p1-p2)である。
-リストリクタ部材7にわたる圧力差は(p2-p0)であり、圧力差とリストリクタ部材7上に与えられる力の大きさは、流れに垂直のリストリクタ部材7の断面積の大きさを調節することにより調節できる。
-流れによりサポートプレート5に与えられる力の大きさは、流れに垂直のチャネル10の断面積を調節することにより調節できる。
【0027】
流出チャネル2の流圧は主に速度に変換する(ベルヌーイの定理)。流出チャネル2の端における流速は、式v=CD(2gH)1/2から得られる。圧力ヘッドHは流れを調整するチャネルにわたる圧力差に相当する。
【0028】
流出チャネル2の貫流量は式Q=CD・A・(2g・H)1/2よりほぼ得られる。式中、Qは[m3/s]、CDはチャネル形状に依存する定数、A[m2]はチャネルの断面積、gは9.81m/s2、H[m]は圧力ヘッドであり、例えば流出チャネル2にわたる圧力差(p1-p2)である。
【0029】
同様の式は、リストリクタ部材7及びサポートプレート5にわたる流圧差を得るためにも使用される。
【0030】
次に、本発明によるバルブの実施形態を説明する。
【0031】
実施形態において解決される問題:
コーン3が流出チャネル2を完全に閉じる場合、高圧ポンプにより生成される圧力はバルブを開こうとしてコーン3に力を与える。システムの目標圧に達した場合にのみ、コーン3が上昇し始めるために、予圧ばね6により同じ大きさの抵抗力が発生しなければならない。バルブが開くとき、流圧が与えられるコーン3の断面積は減少する一方、バルブを閉じようとするばね6により生成される力は上昇する。コーン3に作用する別の力がない場合、バルブは突然閉じ、その後すぐに開く(乱調現象)。
【0032】
解決策:
リストリクタ部材7と、必要に応じて本発明のスロットルバルブのサポートプレート5に与えられる流れの方向に平行な力は、バルブを閉じようとする力の増加に対して抵抗する。
【0033】
この例示的な実施形態において、高圧ポンプにより圧送される流量は5~8m3/hである。システムの目標圧は10.5~11barである。流れはスロットルバルブから0bargの周囲圧力まで続く。
【0034】
スロットルバルブの寸法:
-本体1の内径は30mmである。
-流出チャネル2は16mmの直径と、2cm2の断面積を有する。
-コーン3のコーン角は34度である。
-圧縮ばね6は185mmの自由長さ、3.76mmのワイヤ径、3.55N/mmのばね定数を有する。
-流れに垂直のリストリクタ部材7の断面積は3.7cm2である。
-リストリクタ部材7と本体1との間のチャネル11の断面積は1.5mm2である。
【0035】
モーションリストリクタのリストリクタ脚部8の長さは、コーン3が最も低い位置にあり、p1-p2=10barであるときに、5m
3/hの流量がコーンを通過できる(
図2)ように定義されている。この場合、流出チャネル2の流出端におけるコーン3の断面積は1.7cm
2であり、相応して、コーン3を過ぎて環状フロー開口部の許容する流れの断面積は0.3cm
2である。流れは、流れ方向でコーン3に170Nの力を与える。リストリクタ部材7にわたる圧力差(P2-P0=0.4bar)は、リストリクタ部材7に15Nの力を与える。コーン3が正しい位置にとどまるために、ばね6により生成される力は前述の力の合計、つまり185Nと等しくなければならない。このことは、ばね6が133mmの長さに予圧されることを意味する。コーン3のステム4の流入側端はコーン3と同じ圧力を受けるので、流出チャネル2の流出端におけるコーン3の断面積は計算において使用されている。
【0036】
-5.5m3/hの流量、つまりバルブが開いた直後において、流出端におけるコーン3の断面積2は1.67cm2である。この場合、流圧により生成された167Nの力を受けている。リストリクタ部材7にわたる圧力差は0.5barであるため、リストリクタ部材7は19Nの力を受ける。ばね3はさらに0.25mm圧縮されるので、ばねにより生成される力は1N増加し、つまり186Nとなる。167N+19N=186Nであり、特に、リストリクタ部材7は追加で流れの動的圧力を受けているので、バルブは開いたままである。
【0037】
-最大流量8m3/h、流出チャネル2にわたる圧力差10barである場合、コーン3は1.5mm上昇し、コーンを取り囲む環状フロー開口部の断面積は0.5cm2に増加した。相応して、流出チャネル2の流出端におけるコーン3の断面積は1.50cm2に減少し、それによって流圧により生成され、コーン3に与えられた力は150Nである。ばね3により生成される力は5N増加し、つまり189Nとなった。8m3/hの流量により、モーションリストリクタのリストリクタ部材7にわたる1.1barを超える圧力差が発生する。この場合、流れによりリストリクタ部材7により与えられる力は41Nである。150N+41N>189Nであり、特にリストリクタ部材7は流れの動的圧力も受けて、流れの方向と平行の追加の力が発生するので、バルブは閉じない。
【0038】
流量が8m3/hである場合、リストリクタ部材にわたる圧力差は1.1barであるため、流出チャネル2の流入側の圧力は、流出チャネル2にわたる圧力差が10barになるように、11.1barでなければならない。
【0039】
サポートプレート5内のチャネル10のサイズは、サポートプレート5にわたる圧力差に影響を及ぼすようにしてよい。サポートプレート5はコーン3のステム4上で支持されているため、流れ方向におけるサポートプレート5上に与えられる力の大きさは、必要に応じてばね6によりコーン3に与えられる力に抵抗するように使用してよい。
【0040】
前述の力の結果、コーン3は異なる流量において自動的に平衡状態に入り、本発明によるスロットルバルブはシステム圧を望ましいレベルにおいて基本的に一定に保つ。
【国際調査報告】