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特表2024-513591骨接合デバイス用、特に脊椎治療用の骨接合デバイス、及び、脊椎治療用の取り付けシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-26
(54)【発明の名称】骨接合デバイス用、特に脊椎治療用の骨接合デバイス、及び、脊椎治療用の取り付けシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20240318BHJP
   A61B 17/86 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
A61B17/70
A61B17/86
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563012
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 EP2022059942
(87)【国際公開番号】W WO2022219077
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】102021001896.6
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102022108980.0
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523387585
【氏名又は名称】オルト フープ ベンチャーズ ウーゲー(ハフトゥングスベシュレンクト)
【氏名又は名称原語表記】ORTHO HUB VENTURES UG(HAFTUNGSBESCHRAENKT)
【住所又は居所原語表記】Eierwiesenstrasse 30,70794 Filderstadt(DE)
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ホイヤー,フランク
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL24
4C160LL42
4C160LL62
(57)【要約】
【要約】
骨接合デバイス用、特に脊椎治療用の取り付けシステム(300)であって、接続要素を受け入れるように設計された第1の受け入れ領域(310)と、骨アンカーを受け入れるように設計された第2の受け入れ領域(319)と、直線状の横断方向開口部を有する第3の受け入れ領域(313)であって、横断方向開口部は、その第1の端部に第1の開口部を有し、その第2の端部に第2の開口部を有する、第3の受け入れ領域(313)と、位置決め要素(40)を受け入れて案内するための軸方向開口部(14)とを含む本体(301)を有し、さらに、固定要素と、位置決め要素とを有する、取り付けシステム(300)が開示される。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨接合デバイス(1)用、特に脊椎治療用の取り付けシステム(300)であって、
接続要素(350)を受け入れるように設計された第1の受け入れ領域(310)と、
骨アンカー(90)を受け入れるように設計された第2の受け入れ領域(319)と、
直線状の横断方向開口部(13)を有する第3の受け入れ領域(313)であって、前記横断方向開口部(13)は、その第1の端部に第1の開口部(501)を有し、その第2の端部に第2の開口部(502)を有する、第3の受け入れ領域(313)と、
位置決め要素(40)を受け入れて案内するための軸方向開口部(14)と
を含む本体(301)を有し、
前記デバイスは、さらに、
第1の固定ピン(431)及び荷重受け入れ領域(332)を有する固定要素(30)であって、前記第1の固定ピン(431)は、前記第1の開口部(501)を介して前記横断方向開口部(13)内へと挿入可能であり、該固定要素(30)は、前記横断方向開口部(13)より長く、前記第1の固定ピン(431)は、前記荷重受け入れ領域(332)から離れた端部に接触面(430)を有する、固定要素(30)と、
荷重導入領域(344)を有する位置決め要素(40)であって、前記荷重導入領域(344)により前記荷重受け入れ領域(332)に及ぼされる圧力によって前記固定要素(30)が前記横断方向開口部(13)に沿って前記第2の受け入れ領域(319)の方向へと案内され得るように、該位置決め要素(40)が前記軸方向開口部(14)によって位置決め及び案内され得る、位置決め要素(40)と
を有する、取り付けシステム(300)。
【請求項2】
前記第3の受け入れ領域(313)は、前記横断方向開口部(13)が、前記第2の受け入れ領域(319)内に中立位置で受け入れられている前記骨アンカー(90)の中心軸(103)に対してオフセットして設けられるように構成されており、前記オフセットが、少なくとも20°、好ましくは30°、特に好ましくは40°であり、最大で80°、好ましくは70°、特に好ましくは60°である、請求項1に記載の取り付けシステム(300)。
【請求項3】
前記荷重導入領域(344)及び前記荷重受け入れ領域(332)は、互いに相補的であるように設計されている、請求項1又は2に記載の取り付けシステム(300)。
【請求項4】
前記取り付けシステム(300)は、さらに押圧片(20)を含み、前記押圧片(20)は、前記取り付けシステム(300)の前記第1の受け入れ領域(310)に相当する第1の受け入れ領域(325)と、前記取り付けシステム(300)の前記第2の受け入れ領域(319)に相当すると共に複数のばね要素(327)を有する第2の受け入れ領域(329)と、前記本体(301)の前記第3の受け入れ領域(313)に相当すると共に直線状の横断方向開口部(323)を有する第3の受け入れ領域(403)とを有しており、前記押圧片(20)は、前記本体(301)の前記第1の受け入れ領域(310)を介して前記本体(301)内へと挿入され得る、請求項1~3のいずれか1項に記載の取り付けシステム(300)。
【請求項5】
前記軸方向開口部(14)が内ねじ山(314)を有し、前記位置決め要素(40)が外ねじ山(343)を有し、前記軸方向開口部(14)の前記内ねじ山(314)は、前記位置決め要素(40)の前記外ねじ山(343)と相補的であるように設計されており、特に、前記軸方向開口部(14)の前記内ねじ山(314)は、前記第2の受け入れ領域(319)内に中立位置で受け入れられている前記骨アンカー(90)の前記中心軸(103)に対して実質的に平行に延びている、請求項1~4のいずれか1項に記載の取り付けシステム(300)。
【請求項6】
前記軸方向開口部(14)が少なくとも1つの圧縮開口部(401)を有し、前記圧縮開口部(401)は、前記内ねじ山(314)の遠位端に位置しており、前記圧縮開口部(401)は、前記位置決め要素(40)の前記外ねじ山(343)が圧縮されることを可能にするように設計されている、請求項5に記載の取り付けシステム(300)。
【請求項7】
前記固定要素(30)が第2の固定ピン(432)をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の取り付けシステム(300)。
【請求項8】
前記第1の固定ピン(431)の接触面(430)、又は、任意選択的に前記第1及び/又は第2の固定ピン(432)の接触面(430)は、前記骨アンカー(90)の対応する接触面(430)と相補的であるように設計されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の取り付けシステム(300)。
【請求項9】
前記押圧片(20)の前記直線状の横断方向開口部(323)内にばね要素(327)が配置され、特に、該ばね要素(327)は、前記直線状の横断方向開口部(323)内の中央に配置される、請求項7に記載の取り付けシステム(300)、及び、請求項4、又は、請求項4と組み合わせた請求項5、6若しくは8、のうち1つに記載の取り付けシステム(300)。
【請求項10】
前記直線状の横断方向開口部(323)内に配置された前記ばね要素(327)が、遠位領域で広くなっているように設計されている、請求項9に記載の取り付けシステム(300)。
【請求項11】
前記第1の固定ピン(431)の接触面(430)、又は、任意選択的に前記第1及び/又は第2の固定ピン(431,432)の接触面(430)は、局所的に増加した表面粗さを有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の取り付けシステム(300)。
【請求項12】
前記第1の受け入れ領域(310)は、第1のフォーク脚部(11)及び第2のフォーク脚部(12)を有するフォークヘッド(10)、特に、U字型のフォークヘッド(10)として設計されている、請求項1~11のいずれか1項に記載の取り付けシステム(300)。
【請求項13】
前記本体(301)の前記第1の受け入れ領域(310)がねじ山(16)を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の取り付けシステム(300)。
【請求項14】
前記第3の受け入れ部分(313)及び前記軸方向開口部(14)が、前記第1のフォーク脚部(11)上に配置される、請求項12又は13に記載の取り付けシステム(300)。
【請求項15】
骨アンカー(90)と、請求項1~14のいずれか1項に記載の取り付けシステム(300)とを有する骨接合デバイス(1)、特に脊椎治療用の骨接合デバイス(1)。
【請求項16】
脊椎治療用の骨接合デバイス(1)であって、側面視においてU字型であり、貫通開口部(18)を有するフォークヘッド(10)により構成され又は該フォークヘッド(10)を有し、前記フォークヘッド(10)は、近位方向(101)に内側にあるねじ山(16)を備えた2つのフォーク脚部(11,12)を有し、前記フォークヘッド(10)内には、接続ロッド(50)が受け入れ可能であり、前記フォークヘッド(10)内には、前記貫通開口部(18)内で遠位方向(102)にボールヘッド受け入れ領域(19)が設けられており、前記ボールヘッド受け入れ領域(19)内には、骨アンカー(90)が旋回可能に据付されており、前記内側にあるねじ山(16)の中心と前記ボールヘッド受け入れ領域(19)の中心とが中心軸103を規定し、少なくとも1つの脚部(11,12)は、前記中心軸(103)に平行に配置された、位置決め要素(40)のための軸方向開口部(14)を提供し、
前記フォークヘッド(10)内には、前記軸方向開口部(14)と前記フォークヘッド(18)の前記貫通開口部とに連通している横断方向開口部(13)が設けられており、前記固定要素(30)は、該横断方向開口部(13)内で軸(130)に沿って移動可能に案内され、前記固定要素(30)は、横断方向開口部軸(130)に沿った圧縮力を導入することによって、前記フォークヘッド(10)内で前記骨アンカー(90)のヘッド領域(91)を角度的に安定した方法でクランプすることを特徴とする、骨接合デバイス(1)。
【請求項17】
前記フォークヘッド(10)の前記横断方向開口部(13)は、前記軸方向開口部(14)及び前記中心軸(103)に対して横断方向に設けられており、前記横断方向開口部軸(130)に沿って導入される前記圧縮力は、前記位置決め要素(40)によって発生される、請求項16に記載の骨接合デバイス(1)。
【請求項18】
前記固定要素(30)の半径方向内方に向けられた接触領域(31)は、増加した粗さ、刻み目又は歯を有することを特徴とする、請求項16又は17に記載の骨接合デバイス(1)。
【請求項19】
前記固定要素(30)のための前記横断方向開口部(13)は、少なくとも部分的に内ねじ山を有することを特徴とする、請求項16~18のいずれか1項に記載の骨接合デバイス(1)。
【請求項20】
前記フォークヘッド(10)が押圧片(20)を有し、該押圧片は、貫通開口部(28)と、前記骨アンカーのヘッド領域(29)の方へ向いている遠位方向に向けられた接触領域と、近位方向に向けられたロッド軸受(25)と、前記骨アンカーのヘッド領域(29)の領域内にある、前記固定要素(30)が自由に移動し得るように配置されている側方開口部又は部分切り欠き(23)とを有することを特徴とする、請求項16~19のいずれか1項に記載の骨接合デバイス(1)。
【請求項21】
前記フォークヘッド(10)には押圧片(20)が設けられており、前記骨アンカーのヘッド領域(91)が前記固定要素(30)のみによってクランプされる際、前記押圧片(20)が無荷重となることを特徴とする、請求項16~20のいずれか1項に記載の骨接合デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨接合デバイス用、特に脊椎治療用の骨接合デバイス、及び、脊椎治療用の取り付けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、例えば椎弓根ねじ等、脊椎の治療のための様々な骨接合デバイスが知られている。このような骨接合デバイスは、該骨接合デバイスを椎骨内へと挿入して取り付け、その後に長手方向ロッド又はいわゆる接続ロッドを介してそれらを互いに接続することによって、脊椎の位置ずれを修正したり、骨折を安定させたりして、椎骨を所望の位置に固定するために使用される。この場合、長手方向ロッドは、例えばグラブねじ又は他のロック要素等のロック要素を利用して骨接合デバイスに取り付けられ、滑り止めの方法で固定される。骨接合デバイスとしては、椎弓根ねじが使用されることが好ましく、該骨接合デバイスは、フォークヘッドと共に、少なくとも1つの平面に旋回可能に据付される骨アンカーであって、グラブねじが固定された際に角度的に安定する骨アンカーを有する。骨アンカーとしては、ボールヘッドを備えた骨ねじが使用されることが好ましい。通常、骨アンカー及びフォークヘッドを備えた骨接合デバイスは、フォークヘッドにおける近位方向から来る骨アンカーがフォークヘッドの遠位開口部を通って案内されるように取り付けられる。これは、骨アンカーシャフトの外径が骨アンカーのボールヘッドの直径より小さく、骨アンカーシャフトの外径がフォークヘッドの遠位開口部の直径より小さい場合にのみ機能する。骨アンカーシャフトの外径がフォークヘッドの開口部の直径及び/又は骨アンカーのボールヘッドの直径よりも大きい場合、組み立てに問題が生じる。
【0003】
従来技術より、椎弓根ねじ(DE102011053295A1)が知られており、この椎弓根ねじは一時的にロック可能であるため、脊椎不安定症の治療において広範囲に適用可能となる。これによって、多軸的に移動可能な椎弓根ねじを椎骨内へと任意の向きで挿入することが可能になるため、使用者は、フォークヘッドと骨アンカーとの間の角度を一時的にクランプすることができる。多軸性が一時的にブロックされると、フォークヘッドを介して矯正力が骨アンカーに導入され、これは椎骨の設置及び位置決めに直接的な影響を及ぼす可能性がある。この一時的なクランプがなければ、そのような矯正操作は実行できないか、実行にどうしても困難を伴う。このような構成では、一時的なクランプに必要な圧縮力を維持するために、器具を利用して押圧片を恒久的にクランプし、器具をねじに常時取り付ける必要がある。例えば変形や側弯症の矯正のようないくつかの脊椎矯正手術では、そのような器具を設置するスペースが存在しない。したがって、器具が取り外された後に、一時的なクランプを独立して維持することが可能なねじインプラントを提供することが望ましい。
【0004】
出願DE102018102173B3により、取り外し可能なピン要素を設けることによって一時的な圧縮力が恒久的に維持される椎弓根ねじアンカーが知られている。しかしながら、この構造では、一時的なクランプを発生させるために、押圧片をレバーのように作動させる必要がある。その結果、押圧片における圧縮応力と曲げ応力との組み合わせが増加し、一時的なクランプ効果の最大値が機械的に制限されることになる。さらに、押圧片の材料の厚さは、それらの荷重が破壊的な影響を及ぼさないような寸法にする必要がある。その結果、このような椎弓根ねじは、通常の椎弓根ねじよりも全高が高くなる。したがって、一時的なクランプ効果は、押圧片自体を介して導入されるのではなく、骨アンカーのヘッド領域に直接作用することが望ましい。したがって、押圧片は、一時的なクランプの間において機械的に切り離され、骨接合デバイスは、最大のクランプ効果の観点から、予備を提供することができる。
【0005】
さらに、これらの一時的にクランプ可能な椎弓根ねじ設計は、いずれも遠位方向から来るねじシャフトに適応できないことが理解される。それらが使用可能なのは、骨アンカーシャフトの外径がフォークヘッドの遠位開口部の直径より小さい骨アンカーにおいてのみである。
【0006】
したがって、従来技術により知られる骨接合デバイス又は椎弓根ねじは、インプラント中及び調整中だけでなく、患者内における恒久的な保持においても、位置決め及び固定に関して柔軟性がなく不安定であり、多くの設置スペースを必要とする。さらに、それらは特に外科医にとって扱いが難しい。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の目的は、骨接合デバイスを単純、柔軟かつ安全に取り扱うこと、特に、単純、柔軟かつ安全に位置決め及び固定を行うことを可能にすると共に、設置スペースを小さくすることを可能にすることである。
【0008】
上記目的は、請求項1に係る取り付けシステム、請求項1に係る取り付けシステムを備えた骨接合デバイス、及び、請求項1に係る取り付けシステム用の骨アンカーによって達成される。
【0009】
上記目的は、さらに、請求項15に係る接合デバイス、及び、請求項16に係る骨接合デバイスによっても達成される。
【0010】
本発明のさらなる特徴は、従属請求項に包含される。
【0011】
これにより、一時的にクランプ可能な骨接合デバイス、特に椎弓根ねじを提供することが可能になり、それによって、遠位方向から来る骨アンカーを取り付けることができ、一時的なクランプが作動する際、押圧片は荷重を受けず、骨接合デバイスが最終的に接続ロッド及びロック要素でロックされる際にのみ、押圧片は圧縮力を受ける。その結果、ねじシステムがモジュール化され、それによって使用者の資本負担が軽減されるという利点が得られ、全体的により多様なねじの品揃え(Schrauben-Portfolio)が提供され得る。さらに、押圧片の機械的な関与を伴わない一時的なクランプの場合における力と流れの分布によって、従来の設計と比較して安定性が大幅に向上し、椎弓根ねじは、その全体的な高さをより小さくすることができる。同時に、本発明に係る設計は、たとえ全ての器具が取り外されたとしても、一時的に発生されたクランプを独立して維持することを意図している。以下では、骨アンカーをその配向又は位置に固定可能なコンポーネント、取り付けシステム及び骨接合デバイスを示す。本発明によれば、(この区別が理解に役立つと思われる箇所では)事前固定と最終固定とが区別される。本発明によれば、事前固定(Vorfixieren)又は事前固定される(vorfixiert)とは、骨アンカーをその配向又は位置に固定することを意味すると理解され、それにより、取り付けシステム又は骨接合デバイスの外科的インプラント中において、例えば、骨接合デバイスをさらなる骨接合デバイス等のさらなるコンポーネントに接続するため、又は、それらを正確に挿入及び/又は位置決めするために、骨アンカーの位置又は配向の一時的な固定を保証し得ることが達成される。逆に、本発明によれば、最終固定(finales Fixieren)又は最終固定される(finales Fixieren)とは、骨アンカーを固定することを意味すると理解され、それにより、該骨アンカー(適切な場合、これに又はこれと共に固定された取り付けシステム又は骨接合デバイスを含む)が、特に動きによって誘起される荷重に関しても、患者の中において位置的に安定したままであることが達成される。
【0012】
さらに、以下では近位という空間的表示が使用され、これは、取り付けシステム又は骨接合デバイスの最終的な配向が外科医に近いことを意味する。逆に配置されたコンポーネントの場合、遠位という空間的表示が使用され、これは、取り付けシステム又は骨接合デバイスの最終的な配向が、外科医から遠いこと、又は、近位端から見て取り付けシステム又は骨接合デバイスの反対側の端であることを意味する。
【0013】
本発明に係る骨接合デバイス、特に脊椎治療用の取り付けシステムは、接続要素を受け入れるように設計された第1の受け入れ領域と、骨アンカーを受け入れるように設計された第2の受け入れ領域と、直線状の横断方向開口部を有する第3の受け入れ領域であって、前記横断方向開口部は、その第1の端部に第1の開口部を有し、その第2の端部に第2の開口部を有する、第3の受け入れ領域と、位置決め要素を受け入れて案内するための軸方向開口部とを備えた本体を有する。さらに、本発明に係る取り付けシステムは、第1の固定ピン及び荷重受け入れ領域を有する固定要素であって、前記第1の固定ピンは、前記第1の開口部を介して前記横断方向開口部内へと挿入可能であり、該固定要素は、前記横断方向開口部より長く、前記第1の固定ピンは、前記荷重受け入れ領域から離れた端部に接触面を有する、固定要素と、荷重導入領域を有する位置決め要素であって、前記荷重導入領域により前記荷重受け入れ領域に及ぼされる圧力によって前記固定要素が前記横断方向開口部に沿って前記第2の受け入れ領域の方向へと案内され得るように、該位置決め要素が軸方向開口部によって位置決め及び案内され得る、位置決め要素とを有する。
【0014】
押圧片の横断方向開口部は、例えば切り欠きとして設計され得る。
【0015】
荷重導入領域は、以下では接触領域とも称される。荷重受け入れ領域は、以下では接触領域とも称される。接触面は、以下では接触領域とも称される。
【0016】
この場合において、骨アンカーがボールヘッドとして設計された端部を有する場合、第2の受け入れ領域は、ボールヘッド受け入れ領域として設計され得る。したがって、第2の受け入れ領域は、その中に骨アンカーの近位端が受け入れられ得るように構成されることが好ましい。骨アンカーの該近位端は、以下では骨アンカーのヘッド領域とも称される。
【0017】
接続要素は、複数の骨接合デバイスを接続する役割を果たし、特に接続ロッド、特に好ましくは丸ロッドである。
【0018】
骨アンカーは、例えば、骨ねじ又は骨釘として構成され得る。
【0019】
好ましくは、第2の受け入れ領域はさらに、その中心軸に沿って骨アンカーを緩く固定するように設計されている。該中心軸は、骨アンカーの長手方向軸に対応する。その結果、例えば、骨アンカーが取り付けシステムから脱落する等、骨アンカーが取り付けシステムから不意に取り外されてしまうことを防止することができ、それによって取り扱い性が向上する。
【0020】
好ましくは、横断方向開口部は、その案内線に沿って一定の断面を有する。これにより、横断方向開口部内における固定要素の確実な案内が可能になる。
【0021】
固定要素の好ましい配向がある場合、横断方向開口部内において案内される固定要素の部分の断面及び横断方向開口部の断面は、これら2つの断面を用いることによってのみ、固定要素が好ましい配向となるように、固定要素が横断方向開口部内へと挿入され得るようそれぞれ設計されていることが好ましい。これにより、時間を節約し、安全な取り扱いが可能になる。
【0022】
好ましくは、横断方向開口部内において案内される固定要素の一部の断面と、横断方向開口部の断面とは、互いに相補的であるように設計されている。このようにして、遊びの少ない固定要素の確実な案内が可能になる。
【0023】
好ましくは、第1の開口部は、内側に位置している。これは、固定要素が第2の受け入れ領域を介して横断方向開口部内へと挿入できるように本体が構成されていることを意味する。したがって、第1の開口部は、第2の受け入れ領域が一方側に位置し、第3の受け入れ領域が他方側に位置するように位置決め及び構成される。このようにして、軸方向開口部の構成において、固定要素が外側から横断方向開口部内へと挿入可能でなければならないという条件を設ける必要がないことが達成され得る。このようにして、設置スペースを小さくすることができ、それによって、外科的労力をほとんど必要とせずに、取り付けシステムを患者に使用することができる。
【0024】
あるいは、第1の開口部は、外側にも設けられ得る。これにより、骨アンカーが既に第2の受け入れ領域内に受け入れられている場合であっても、固定要素を横断方向開口部内へと挿入することが可能になる。
【0025】
横断方向開口部は、例えば固定要素が骨アンカーの遠位端に衝突するのを避けることによって、骨アンカーの近位端の幾何学的形状に応じて、固定要素を荷重が最適化された方法で固定要素の近位端上へと案内され得るように構成及び位置決めされ得ることが好ましい。
【0026】
横断方向開口部は、骨アンカーの近位端の幾何学的形状に応じて、骨アンカーが第2の受け入れ領域における配向に関係なくこの所望の配向から偏向されないような方法で、固定要素が骨アンカーの近位端上に案内され得るように構成及び位置決めされることが好ましい。これは、例えば、骨アンカーの遠位端に対して、骨アンカーの遠位端上の固定要素を中心に案内することによって達成され得る。これにより、取り付けシステムの柔軟性が増加し、取り扱い性が向上する。
【0027】
固定要素が横断方向開口部より長いため、第1の固定ピンが少なくとも部分的に横断方向開口部から出て、第2の受け入れ領域内に受け入れられた骨アンカー上へと押し付けられることが達成される。このようにして、骨アンカーが第2の受け入れ領域内に固定され得る。
【0028】
固定要素が横断方向開口部よりも長いことは、固定ピンを横断方向開口部よりも長く構成することによって達成され得る。しかしながら、横断方向開口部は、荷重受け入れ領域が少なくとも部分的に該横断方向開口部内へと挿入されるようにも構成され得るため、固定ピンは必ずしも横断方向開口部よりも長く構成する必要はない。このようにして、特に省スペースの構成が達成され得る。
【0029】
好ましくは、第3の受け入れ領域は、横断方向開口部が、第2の受け入れ領域内に中立位置で受け入れられている骨アンカーの中心軸に対してオフセットして設けられるように構成されており、該オフセットは、少なくとも20°、好ましくは30°、特に好ましくは40°であり、最大で80°、好ましくは70°、特に好ましくは60°である。ここでのオフセットとは、固定要素が骨アンカー上へと近位から遠位へと押し付けられる、すなわち、第2の受け入れ領域内に中立位置で受け入れられている骨アンカーの中心軸に沿って押し付けられるのではなく、この向き又は軸からオフセットされることをいう。好ましくは、オフセットは、横断方向開口部の長手方向軸を、骨ねじの遠位端の実質的に中央に位置する回転点周りに回転させることによって行われる。これにより、骨アンカー又はその遠位端が第2の受け入れ領域の端部に対して押し付けられることが保証される。このようにして、強化された固定効果が達成される。骨アンカーの中立位置は、ここでは骨アンカー及び本体の互いに対する位置に対応し、このとき、骨アンカーの中心軸は、第1の受け入れ領域の近位端から開始し第2の受け入れ領域の方へと、すなわち遠位方向へと向かって、基本的に本体の方向に沿って延びている。
【0030】
好ましくは、骨アンカーの遠位端は、例えばボールヘッドのように球形であり、第2の受け入れ領域もまた、それと相補的な球形である。これにより、たとえオフセット角度が小さくても、骨アンカーの遠位端が第2の受け入れ領域の少なくとも1つの表面部分上へと少なくとも部分的に垂直に押し付けられることを保証することが可能になる。
【0031】
好ましくは、荷重導入領域及び荷重受け入れ領域は、互いに相補的であるように設計されている。このようにして、位置決め要素によって固定要素へと伝達される荷重が可能な限り広い接触面に伝達されることが達成され得ることになり、その結果、プロセス中において接触面に及ぼされる圧力が最小化される。これにより、固定要素を確実かつ堅牢に案内することが可能になる。
【0032】
位置決め要素がねじ山を有する、すなわち、一例として荷重ねじとして設計され、荷重導入領域が位置決め要素の遠位端に設けられる場合、荷重受け入れ領域は凹面状に設けられ得る。このようにして、位置決め要素が回転する際に、荷重が確実に伝達され得るようになる。
【0033】
好ましくは、荷重導入領域及び荷重受け入れ領域の接触面は、横断方向開口部の長手方向軸に対して実質的に垂直に向けられる。その結果、固定要素に荷重が横断方向開口部に沿って及ぼされることが達成され得ることになり、その結果、固定要素が傾いたり、詰まったりする恐れが最小限に抑えられる。これにより、取り付けシステム又は骨接合デバイスの安全な取り扱いが可能になる。
【0034】
好ましくは、取り付けシステムは、さらに押圧片を含み、該押圧片は、取り付けシステムの第1の受け入れ領域に相当する第1の受け入れ領域と、取り付けシステムの第2の受け入れ領域に相当し、複数のばね要素を有する第2の受け入れ領域と、本体の第3の受け入れ領域に相当し、直線状の横断方向開口部を有する第3の受け入れ領域とを有しており、押圧片は、本体の第1の受け入れ領域を介して本体内へと挿入され得る。ここでの相当するとは、押圧片が挿入された状態において、接続要素が両方の第1の受け入れ領域を介して、すなわち、本体の第1の受け入れ領域及び押圧片の第1の受け入れ領域を介して、取り付けシステム内に受け入れられ得、骨アンカーが両方の第2の受け入れ領域、すなわち、本体の第2の受け入れ領域及び押圧片の第2の受け入れ領域を介して、中心軸に沿って緩く固定され得、固定要素が両方の第3の受け入れ領域の第1の開口部を介して、すなわち、本体の第1の開口部及び押圧片の第1の開口部を介して、それらの横断方向開口部内に挿入され得ることを意味する。そして、押圧片は、骨アンカーの確実な最終固定を可能にして、身体の損傷領域の安定化を保証する役割を果たす。この最終固定は、ばね要素が互いに向かって移動するように押圧片の第2の受け入れ領域が変形するような方法で、接続要素を押圧片の第1の受け入れ領域上又は該第1の受け入れ領域内へと押し付けることによって達成される。ここで、骨アンカー又は骨アンカーの近位端が押圧片の第2の受け入れ領域内に位置している場合には、ばね要素がその上へと押し付けられ、その結果、押圧片の第2の受け入れ領域と骨アンカー又はその近位端との間に、摩擦接続(Reibschluss)又は摩擦接続(Kraftschluss)が生じる。押圧片の第1の受け入れ領域は、以下ではロッド軸受とも称される。
【0035】
押圧片の第2の受け入れ領域は、以下では骨アンカーのヘッド領域とも称される。ばね要素は、以下ではアーム又は弾性アームとも称される。
【0036】
このようなばね要素を本体の第2の受け入れ領域に設けることも可能であり、それによって、そのような摩擦接続又は摩擦接続が達成される。
【0037】
好ましくは、押圧片の第3の受け入れ領域は、固定要素と押圧片との間に摩擦接続が生じないように構成され、特に好ましくは、固定要素が骨アンカー上へと押し付けられた状態であっても、固定要素と押圧片との間に摩擦接続が生じないように構成される。このようにして、骨アンカーの確実な事前固定が可能になり、同時に押圧片の詰まりや傾きが避けられ、それによって最終的には骨アンカーの確実な最終固定も可能になる。これを達成するために、例えば、押圧片の横断方向開口部に大面積の凹部を設けることが可能であり、該凹部は、第1の固定ピンと相補的になるように、又は、適切であれば、さらなる固定ピンと相補的になるように構成されることが好ましい。
【0038】
好ましくは、押圧片はさらに、骨アンカーが本体の第2の受け入れ領域内へと挿入され得る第1の挿入位置を取ることが可能となり、かつ、骨アンカーが本体から取り外せなくなる第2の受け入れ領域に挿入され得る第2の挿入位置を取ることが可能となるように構成される。この場合、押圧片が本体の第1の受け入れ領域に挿入されるように近位から遠位へと調整可能であって、このとき押圧片が本体の第1の受け入れ領域の遠位端までは変位しないことが特に好ましい。これに続いて、押圧片を本体の第1の受け入れ領域内のさらに遠位方向へと挿入又は押し付けることによって、第2の挿入位置に到達され得る。押圧片が第1の挿入位置から第2の挿入位置へと変位されている間に、押圧片のばね要素は、半径方向に短時間偏向され、その後に中立位置へと旋回して戻ることができる。押圧片が第2の挿入位置内へと変位されている場合、ばね要素の遠位端が本体の第2の受け入れ領域の遠位端をブロックし、それによって、骨アンカーが本体から遠位方向へと取り外され得なくなる。このようにして、骨アンカーの脱落防止が可能になり、それによって、取り付けシステム又は骨接合デバイスの安全な取り扱いが可能になる。この目的のため、第2の受け入れ領域は、遠位方向に向かって先細になるように設計されてもよい。
【0039】
好ましくは、軸方向開口部が内ねじ山を有し、位置決め要素が外ねじ山を有し、軸方向開口部の内ねじ山は、位置決め要素の外ねじ山と相補的であるように設計されている。これにより、位置決め要素をねじ込むことによって固定要素に荷重を加えることが可能になる。これにより、骨アンカーの正確かつ確実な固定が可能になる。位置決め要素の外ねじ山は、以下ではねじ山とも称される。
【0040】
好ましくは、本体の第1の受け入れ領域は、近位に内ねじ山をさらに有する。これにより、ねじを用いて、例えばグラブねじを用いて、接続要素を第1の受け入れ領域又は複数の第1の受け入れ領域内へと押し込むことが可能になる。
【0041】
好ましくは、軸方向開口部のねじ径及び位置決め要素のねじ径は、本体の第1の受け入れ領域のねじ径よりも小さい。このようにして、取り付けシステムの小さなスペース要件が達成され得ることになり、それによって、外科的インプラント中に患者に生じる組織損傷が最小化される。
【0042】
好ましくは、軸方向開口部の内ねじ山及び位置決め要素の外ねじ山のねじピッチは、本体の第1の受け入れ領域の内ねじ山のねじピッチよりも小さい。このようにして、位置決め要素に荷重をかけるために加えられる締め付けトルクが低減され得ることになり、その結果、位置決め要素にかかるねじり荷重が軽減され、同時に、固定要素による骨アンカーの確実な固定が可能になる。これは、本体の第1の受け入れ領域に受け入れられるグラブねじよりも小さい寸法、例えばより小さい円周で位置決め要素が設計される場合に、位置決め要素のねじり強度が低くなるため、特に有利である。
【0043】
好ましくは、軸方向開口部の内ねじ山及び位置決め要素の外ねじ山は、1回転あたり最大1.00mm、好ましくは1回転あたり0.85mm未満、特に好ましくは1回転あたり0.70mm未満であり、かつ、1回転当たり少なくとも0.1mm、好ましくは1回転当たり少なくとも0.2mm、特に好ましくは1回転当たり少なくとも0.3mmである。このようにして、一方では位置決め要素にかかるねじり荷重が軽減されると同時に、位置決め要素は軸方向開口部に大幅に高い軸方向予応力を生成することが達成され得ることになり、その結果、取り付けシステムの取り扱いが改善される。
【0044】
好ましくは、軸方向開口部の内ねじ山は、第2の受け入れ領域内に中立位置で受け入れられている骨アンカーの中心軸に対して実質的に平行に延びている。このようにして、取り付け要素の省スペース設計が可能となり、それによって、骨接合デバイスの外科的インプラント中に生じる組織損傷が軽減される。さらに、これにより、位置決め要素と、本体の第1の受け入れ領域内に受け入れられたグラブねじとを、同様の方法で、かつ、互いに近接した状態で操作することが可能となり、それによって取り扱い性が向上する。
【0045】
軸方向開口部は、本体の横断方向開口部の主軸と平行に配向されることも可能である。このようにして、位置決め要素と固定要素との間の摩擦接続、そして最終的には固定要素と骨アンカーとの間の摩擦接続の効果が最大化され得ることになり、それによって取り付けシステムの信頼性及び安定性が向上する。
【0046】
さらに、本体の横断方向開口部は、本体の第2の受け入れ領域に中立位置で受け入れられている骨アンカーの中心軸に対して実質的に垂直に配向され得る。このようにして、骨アンカーに関して最大のクランプ効果が達成され得る。
【0047】
軸方向開口部は、好ましくは、少なくとも1つの圧縮開口部を有し、該圧縮開口部は、内ねじ山の遠位端に位置しており、該圧縮開口部は、位置決め要素の外ねじ山が圧縮されることを可能にするように設計されている。このようにして、脱落防止の意味において、例えば、位置決め要素が軸方向開口部から自動的に取り外されるのを防止することが可能になり、その結果、取り付けシステムの取り扱いが改善される。ここでの圧縮とは、位置決め要素の外ねじ山の局所的な変形を意味すると理解され、その変形は非常に強いため、変形した外ねじ山区域が該外ねじ山と基本的に相補的な内ねじ山に係合する際に、変形又は圧縮された外ねじ山区域が内ねじ山内に食い込むようになる。
【0048】
該外ねじ山を、軸方向開口部の外壁に沿って圧縮することも可能である。しかしながら、軸方向開口部もまた変形するおそれがあり、その結果、位置決め要素が完全にクランプされる、すなわち、軸方向開口部外へと回転することも軸方向開口部内へと回転することも不可能になる可能性がある。したがって、位置決め要素の外ねじ山の圧縮が、軸方向開口部の内ねじ山を損傷することなく、また位置決め要素に関しても損傷することなく局所的に制限されて、実質的に損害を与える方法で該圧縮が実行できないように、本体を構成することが有利である。
【0049】
軸方向開口部は、複数(例えば、2つ)の圧縮開口部を有していることが好ましく、それらの圧縮開口部は、特に好ましくは互いに対向して位置している。このようにして、周囲の構造に損傷を与える可能性がなく、均一な圧縮が可能になる。
【0050】
好ましくは、軸方向開口部内に形成された内ねじ山は、遠位方向において圧縮開口部又は複数の圧縮開口部の手前で終わる。このようにして、位置決め要素の外ねじ山が圧縮された後でも、該外ねじ山を軸方向開口部内へと遠位方向にさらにねじ込むことが可能になり、同時に近位方向へのねじの緩みが防止される。
【0051】
好ましくは、固定要素は、第2の固定ピンをさらに含む。これにより、固定要素を介して骨アンカーを2つの荷重点でクランプすることが可能になる。その結果、それらの荷重点は、第1及び第2の固定ピンの遠位端と骨アンカーとの間の接触面を介して生じる。それぞれの接触面から開始して、骨アンカー及び荷重導入方向の反対側に位置する領域から、荷重方向又は荷重軸がそれぞれの場合に生じる。例えば外科的インプラント中に、固定された骨アンカーに荷重がかかると、種々異なるクランプ抵抗が生じることがある。該荷重が荷重軸に沿って生じた場合、大きなクランプ抵抗が生じる。しかしながら、該荷重が荷重軸から離れて生じた場合、例えば荷重軸周りのねじり荷重の形態で生じた場合、生じるクランプ抵抗は小さくなる。これにより、あらゆる荷重に対して必要な量のクランプ効果を提供することができなくなる可能性がある。また、あらゆる可能な荷重に対して必要とされるクランプ効果を提供できるようにするために、位置決め要素がより多くの場合において作動することにもなり、その結果、固定要素がより多くの場合において骨アンカーへと押し付けられることになる。しかしながら、これにより材料が破損するおそれが高まる。複数の荷重点が可能になれば、そのようなおそれが最小化され得ると同時に、考えられるあらゆる荷重状況に関して確実なクランプ効果が達成され得る。
【0052】
また、単一の固定ピンを、骨アンカーと係合した際に複数の荷重軸を生じる接触面を有するように構成することも可能である。これは、例えば、それらの接触面上に互いに離間した2つの隆起部を設けることによって達成され得る。
【0053】
固定要素は、骨アンカーが該固定要素によってクランプされる際に、3点取り付け又は3点荷重が達成されるように構成されることが好ましい。このようにして、骨アンカーの任意の荷重状況に関して、その確実なクランプが単純な方法で可能になる。
【0054】
第1の固定ピンの接触面、又は、任意選択的に第1及び/又は第2の固定ピンの接触面は、骨アンカーの対応する接触面と相補的であることが好ましい。このようにして、固定ピンから骨アンカーへの安全かつ材料に優しい荷重伝達が可能になる。
【0055】
特に好ましくは、第1の固定ピンの接触面、又は、任意選択的に第1及び/又は第2の固定ピンの接触面は、第1の固定ピン又は、任意選択的に第1及び/又は第2の固定ピンと骨アンカーとの間の接触領域が最大化されるように構成される。このようにして、対応する摩擦面もまた最大化され、それによって摩擦接続の効果が最大化される。
【0056】
好ましくは、取り付けシステムは、ボールヘッドを備えた骨アンカーのために提供される。このようにして、このボールヘッドに適合した固定ピンの球面凹状に湾曲した接触面により、骨アンカーをその回転位置に関係なく確実に事前固定することが可能になり得る。回転位置は、本体及び骨アンカーの近位端から幾何学的に生じる、骨アンカーのあらゆる可能な位置を意味すると理解される。
【0057】
好ましくは、第1の固定ピン、又は、任意選択的に第1及び/又は第2の固定ピンの球面凹状に湾曲した接触面のおおよその直径は、ボールヘッドとして設計された骨アンカーの近位端の直径よりも小さい。これにより、第1の固定ピン、又は、任意選択的に第1及び/又は第2の固定ピンが骨アンカーの近位端上へと押し付けられた際、結果として生じる接触面が、せん断応力を例えば圧着という形態でさらに受けることが可能になる。さらに、第1の固定ピンの遠位端、又は、任意選択的に第1及び/又は第2の固定ピンの遠位端の曲がりが、押圧力の増加に伴って大きくなるにもかかわらず、可能な限り広い領域にわたって荷重が伝達されることが可能になる。さらに、これによって、結果として生じる接触面の主な耐荷重領域が、固定ピンに対してさらに半径方向外方に変位されることが可能になり、その結果、特に対応する荷重軸周りの回転荷重に対して、クランプ抵抗が増加する。ここでのおおよその直径は、球面凹状の湾曲が再び開始点に達するまで延長した場合に結果として生じる球又は円の直径であると理解される。
【0058】
好ましくは、第1の固定ピン、又は、任意選択的に第1及び/又は第2の固定ピンの球面凹状に湾曲した接触面のおおよその直径は、最大で1.00mm、好ましくは0.50mm、特に好ましくは0.20mmであり、かつ、ボールヘッドとして設計された骨アンカーの近位端の直径より少なくとも0.01mm、好ましくは0.02mmで、特に好ましくは0.05mm大きい。
【0059】
好ましくは、押圧片の直線状の横断方向開口部内にばね要素が配置され、特に、該ばね要素は、直線状の横断方向開口部内の中央に配置される。このようにして、押圧片の直線状の横断方向開口部内に配置されたばね要素が、ここで第1及び/又は第2の固定ピンと摩擦接続式に接続されることなく、第1及び第2の固定ピンがそれぞればね要素を通過して骨アンカーと係合するように案内されることが可能になる。このようにして、接続要素による骨アンカーの最終固定をより困難にしたり妨げたりすることなく、固定要素を用いた骨アンカーの確実な事前固定を保証することが可能になる。
【0060】
好ましくは、直線状の横断方向開口部内に配置されたばね要素は、遠位領域で広くなっているように設計されている。このようにして、押圧片が挿入されて固定要素がその横断方向開口部内へと挿入される際に、押圧片が不意に本体から近位方向に抜けることを防止することが達成され得る。この場合、固定要素はさらに、押圧片の脱落防止デバイスとして機能する。さらに、これにより、ばね要素と骨アンカーの近位端との間の潜在的な接触領域が最大化され、それによって最終固定のクランプ効果が最大化される。
【0061】
好ましくは、第1の固定ピンの接触面、又は、任意選択的に第1及び/又は第2の固定ピンの接触面は、局所的に増加した表面粗さを有する。このようにして、摩擦効果が、ひいては事前固定の効果が高められ得る。表面粗さは、例えば粗面化することによって、又は、刻み目及び/又は歯を設けることによって生成可能である。
【0062】
好ましくは、骨アンカーの近位端は、局所的に増加した表面粗さを有する。このようにして、摩擦効果、ひいては事前固定及び最終固定の効果が高められ得る。
【0063】
好ましくは、押圧片の接触面は、局所的に増加した表面粗さを有する。このようにして、摩擦効果、ひいては最終固定の効果が高められ得る。
【0064】
第1の受け入れ領域は、第1のフォーク脚部及び第2のフォーク脚部を有するフォークヘッド、特に、U字型のフォークヘッドとして設計されていることが好ましい。このようにして、重量が最適化され、かつ、スペースが最適化された設計が可能となり、それによって、例えば、特に患者への外科的インプラント中における取り付けシステム又は骨接合デバイスの取り扱い性が向上する。
【0065】
好ましくは、本体の第1の受け入れ領域がねじ山を有する。これにより、ねじを用いて、例えば省スペースのグラブねじを用いて、特に押圧片を介して間接的に骨アンカー上へと接続要素を押し付けることが可能になる。
【0066】
第1の受け入れ領域がフォークヘッドとして設計されている場合、両方のフォーク脚部が対応するねじ付き区域を有し得る。第1のフォーク脚部は、好ましくは第2のフォーク脚部のねじ付き区域と相補的であるねじ付き区域を有し、両方のねじ山が合わせて本体又はフォークヘッドの第1の受け入れ領域のねじ山を形成する。さらに、フォーク脚部、ひいては該フォーク脚部に形成されたねじ付き区域もまた、好ましくは互いに対向して配置される。このようにして、一方では接続要素の確実な締め付けが可能となり、他方では重量及び設置スペースのさらなる削減が可能になる。
【0067】
好ましくは、第3の受け入れ部分及び軸方向開口部は、第1のフォーク脚部上に配置される。これにより、必要な設置スペースが削減され得ることになり、取り扱い性が向上する。
【0068】
好ましくは、本体の第3の受け入れ領域の近位端は、近位から遠位に向かって、軸方向開口部の遠位端に続いている。これにより、必要な設置スペースが削減され得る。さらに、これにより、固定要素を、半径方向外方から半径方向内方に向かって、本体の横断方向開口部内へと挿入し、必要に応じて押圧片の横断方向開口部内へと挿入することが可能になり、その結果、取り扱い性が向上する。
【0069】
好ましくは、本体の横断方向開口部の半径方向外方端が半径方向外方に向かって覆われるように位置決め要素の遠位端が軸方向開口部から遠位方向へと突出可能することができるように、該位置決め要素が配置され得るよう、軸方向開口部が設計及び配置され、かつ/又は、位置決め要素が設計される。その結果、固定要素のための位置決め要素によって、半径方向外方への脱落防止が達成され得る。
【0070】
本発明に係る骨接合デバイス用、特に脊椎治療用の骨接合デバイスは、骨アンカーと、本発明に係る取り付けシステムとを有する。
【0071】
本発明に係る別の骨接合デバイス、特に多軸椎弓根ねじは、ヘッドを有する骨アンカーと、側面視においてU字型であるフォークヘッドと、該フォークヘッド内に位置する押圧片と、横断方向開口部内で案内される内側にある固定要素と、該固定要素を作動させるための取り外し可能に接続された位置決め要素とを有しており、該固定要素は、押圧片を必要とすることなく、又は、押圧片が存在する場合には押圧片に荷重をかけることなく、骨アンカーのヘッド領域をあらゆる自由度で一時的にクランプするのに適している。
【0072】
好ましい実施形態では、位置決め要素を介して間接的に、又は、接続ロッド又はグラブねじが存在することなく固定要素を介して直接的に、クランプ効果を導入することが可能である。これは接続ロッドを挿入しての最終クランプではないため、この種のクランプは一時的なクランプと称される。一時的なクランプによって、使用者は手術中に、所望の角度位置にある多軸ねじを単軸ねじへと変換することができる。これは、多軸ねじの全ての回転自由度が一時的にブロックされることを意味する。該ねじは、単軸的に振る舞う。これにより、使用者は、接続ロッドを所望の最終位置に挿入し、グラブねじで固定するまで、治療対象の椎骨を並進方向及び回転方向の両方で操作することが可能になる。患者側の外側で開始される矯正操作では多軸ボールジョイントが自由に動き、したがって矯正操作が椎骨には伝達されないため、このような矯正操作は多軸ねじでは不可能である。これは、ボールジョイントの回転自由度が無効になっている場合、つまり一時的にクランプされている場合にのみ機能する。
【0073】
一時的なクランプに関係なく、骨接合デバイスを骨内に移植した後、接続ロッドを挿入し、骨接合デバイスを全ての自由度においてロック要素で最終的に固定する必要がある。これは、ロック要素をしっかりとねじ込むことによって行われる。ロック要素が堅固に締結されると、軸方向の圧縮力がロック要素から接続ロッドへと伝達され、接続ロッドが押圧片のロッド支持点を押して、このとき生じる押圧片のさらに遠位方向への相対移動が最小限に抑えられ、それによって、骨アンカーがボール座部内において角度的に安定してクランプされる。最適には、2つ以上の骨接合デバイスが、接続ロッドを用いて互いに接続される。
【0074】
ここで、フォークヘッドは、接続ロッドを挿入し、ロック要素を用いてフォークヘッドへと固定され得るように構成されている。既に述べたように、これにより、骨アンカーのヘッド領域とフォークヘッドとの間の角度的に安定したクランプが達成される。本発明に係る構造では、ロック要素を利用した角度的に安定したクランプと固定要素を利用した角度的に安定したクランプとが、互いに独立して機能する。これらは個別に作動されることも、組み合わせて作動されることもできる。
【0075】
骨接合デバイスの好ましい実施形態では、フォークヘッドは貫通開口部を有し、近位方向において、ロック要素のための内側にあるねじ山を備えた2つのフォーク脚部を形成する。遠位方向では、該貫通開口部内にボールヘッド受け入れ領域が設けられており、該ボールヘッド受け入れ領域内に骨アンカーが旋回可能に据付されている。
【0076】
骨アンカーとしては、骨にねじ込むことが可能な骨ねじが使用されることが好ましい。しかしながら、フック、ブレード状アンカー、クランプ、釘、及び、種々異なる設計の骨アンカーもまた使用され得る。骨アンカーの基本的な特徴は、ボール状のヘッド、ネック領域、及び、骨に固定又は取り付け可能な領域である。本特許出願は、主としてフォークヘッドを扱うことを意図しており、骨アンカーは、骨に接続可能な考えられる全ての要素を意味すると理解されることを意図している。
【0077】
重要な特徴は、内側にあるねじ山の中心とボールヘッド受け入れ領域の中心とが、中心軸の位置及び向きを画定することである。位置決め要素のための軸方向開口部は、側方に、ロック要素の直径よりも大きく離れて設けられる。軸方向開口部は、主に中心軸と平行に配置されている。したがって、位置決め要素は、器具を利用してロック要素と同じ方向から駆動され得る。軸方向開口部内では、位置決め要素が長さ調整可能な方法で案内される。軸方向開口部という用語は、材料によって完全に囲まれた開口部に加えて、例えば中心軸(103)を横断するC字型の切り欠きのような、部分的な開口部又は部分的な切り欠きにもまた適用される。
【0078】
軸方向開口部及び中心軸を横断して、追加の開口部である横断方向開口部が設けられている。横断方向開口部は、フォークヘッドの軸方向開口部と貫通開口部との間の接続を確立する。該横断方向開口部内では、固定要素が横断方向開口部軸に沿って移動可能に案内される。横断方向開口部軸に沿った圧縮力が導入されることによって、固定要素がフォークヘッド内で骨アンカーのヘッド領域を角度的に安定した方法でクランプする。
【0079】
一時的なクランプ又は圧縮力は、位置決め要素を調整することにより、軸方向開口部内で案内される位置決め要素によって生成されることが好ましい。圧縮力はここで固定要素へと伝達又は偏向されて、結果として横断方向開口部軸に沿った圧縮力が生じ、それによってフォークヘッド内の骨アンカーのヘッド領域が一時的にクランプされる。
【0080】
あるいは、一時的なクランプ又は圧縮力の導入が、固定要素自体を介して行われることもまた考えられる。このためには、例えば、固定要素と横断方向開口部とがねじ山を利用して互いに係合し、それによって長手方向の調整が可能になることが必要となると考えられる。
【0081】
骨接合デバイスの特徴は、固定要素の横断方向開口部軸が、ボールヘッド受け入れ領域の仮想中心にほぼ向けられており、かつ、中心軸と交差していることである。その結果、圧縮力がフォークヘッド内の骨アンカーの回転中心へと向けられ得ることになり、最適なクランプが達成され得る。
【0082】
最適には、フォークヘッドは、軸方向開口部、横断方向開口部及び作動に必要な要素(位置決め要素及び固定要素)を受け入れるために、横断方向の膨らみ又は材料の厚みを提供する。
【0083】
好ましい実施形態では、フォークヘッドは押圧片を有し、該押圧片は、骨アンカーのヘッド領域の方へ向いている遠位方向に向けられた接触領域と、近位方向に向けられたロッド軸受とを有する。骨アンカーのヘッド領域の領域内には、側方開口部又は部分切り欠きが設けられ、該側方開口部又は部分切り欠き内には、固定要素が自由に移動し得るように配置されている。これにより、押圧片に荷重がかかることなく固定要素を作動させることが可能になる。
【0084】
好ましい実施形態では、フォークヘッドは、遠位方向から来る骨アンカーによって取り付けられ得る。コンポーネントのこの有利な配置により、骨アンカーをフォークヘッド上に取り付ける又は押し付けることによって、骨アンカーがフォークヘッドに比較的容易に取り付けられ得る。骨アンカーは、例えば解放器具等の補助手段を用いて、再び取り外すことも可能である。したがって、本発明に係る骨接合デバイスは、使用者によってモジュール式に構成され、製造された後に手術室で組み立てられ得る。これにより、例えば、まず骨アンカーを個別に骨内へとアンカリング又はねじ込み、次にフォークヘッドを既に埋め込まれた骨アンカーへと取り付けることが可能になる。これには、完全に埋め込まれた椎弓根ねじと比較して、骨アンカーが埋め込まれた後に外科医が手術野内で非常に広いスペースと良好な視界を確保できるという大きな利点がある。
【0085】
この利点は、一方では、より大きな骨アンカー、すなわちフォークヘッドの遠位内径よりも大きな外径を有する骨アンカーが取り付けられ得ることにある。他方では、使用者は、既成の膨大な品揃えに頼らずにフォークヘッドと骨アンカーとを手術中に組み合わせることができるため、骨アンカーの品揃えが最小限に抑えられ得る。このような品揃えは使用者が持ち合わせている必要があり、したがって、本発明に係るモジュール式のバージョンに必要とされる資本に比べて、非常に多くの資本が拘束される。
【0086】
骨接合デバイスのモジュール式設計では、押圧片が遠位方向に開口部スロットを有すると共に、結果的に少なくとも3つの弾性アームがヘッド受け入れ領域上に設計されることが有利である。弾性アームは、半径方向外方に偏向させられ、それによって骨アンカーのヘッド領域を囲み得る。その結果、遠位方向から来る骨アンカーが、押圧片内へと挟み込まれ得る。該押圧片は、少なくとも外側の遠位端の部分にてテーパ部を形成する。フォークヘッドには、少なくとも1つの内側テーパ区域がボール受け入れ領域のレベルで形成され、この内側テーパ区域は、押圧片のテーパ部に合致するようになり、ロック要素が作動した際に、フォークヘッドにより骨アンカーのヘッド領域が角度的に安定してクランプされる。ここでも、一時的なクランプが作動した際に押圧片に荷重がかからないように、押圧片が固定要素のための通路開口部を提供することが不可欠である。
【0087】
フォークヘッドの近位部分には、フック状の輪郭を有する円周溝が設けられ、これによって器具の後部グリップが提供される。代表的には、種々異なる設計の溝輪郭や、例えば開口部等の他の保持機構もまた考えられ、これらが器具の後部グリップを提供する。
【0088】
フォークヘッドの近位端には、接続ロッドの位置を変更できるようにするねじ付き領域を備えた取り外し可能な部分がさらに存在してもよい。低侵襲アクセスに使用されるように、2本の長い脚部によって形成されるスリーブ状のアクセス経路(Zugang)が提供されることも考えられる。これにより、取外し可能な脚部延長部は、近位端にて互いに接続されてもよい。取り外し可能な接続とは、例えば、接続ロッドが最終的に固定された後に延長部を取り外すのに適した既定の破断点を意味する。
【0089】
整形外科用インプラント材料として知られ、受け入れられている全ての金属合金は、材料としての使用に適している。それらには、例えば、チタン、コバルトクロム、ステンレス鋼合金が含まれる。フォークヘッド及びロック環について、従来の製造が不可能である場合、又は、最大限の技術的努力によってのみ可能である場合には、積層造形が最適な手段である。金属合金の積層造形は、3Dプリントとも称され、レーザー又は電子ビーム溶解プロセスを使用が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
図1図1aは、本発明に係る骨接合デバイスの斜視図を示す。図1bは、位置決め要素が取り外された本発明に係る骨接合デバイスの斜視図を示す。
図2図2は、フォークヘッド、固定要素、骨アンカー及び押圧片により構成される、本発明に係る骨接合デバイスの分解図を示す。
図3図3は、本発明に係る取り付けられた骨接合デバイスの側面図を、断面図と併せて示す。
図4図4は、一時的なクランプを作動させるために必要なコンポーネントの図を示す。
図5図5a,bは、位置決め要素の2つの異なる位置S1,S2を示す。
図6図6aは、遠位方向からの骨アンカーの取り付けが可能な代替実施形態の斜視図を示し、図6bは、その関連する分解図を示す。
図7図7は、図6a及び図6bのからの発明に係る取り付けられた骨接合デバイスの側面図を、対応する断面図と併せて示す。
図8図8は、完全に埋め込まれた骨接合デバイスの斜視図を示す。
図9図9は、埋め込まれた骨接合デバイスの代替実施形態を示し、ここでは、位置決め要素が患者の体内に留まっている。
図10図10aは、取り付けシステムを等角図で示す。図10bは、図10aに示される取り付けシステムを備えた骨接合デバイスを等角図で示す。
図11図11は、図10a及び図10bに示される取り付けシステムを分解図で示す。
図12a図12aは、図10bに示される骨接合デバイスを、断面と共に側面図で示す。
図12b図12bは、図10b及び図12aに示される骨接合デバイスを、図12aにも示される断面に沿った断面図で示す。
図13図13aは、第1の固定ピン及び第2の固定ピンを備えた固定要素を等角図で示す。図13bは、図13aに示される固定要素を側面図で示す。図13cは、図13a及び図13bに示される固定要素を平面図で示す。図13dは、図13a~図13cに示される固定要素を下方から示す。
図14a図14aは、図13a~図13dに示される固定要素と係合する位置決め要素、及び骨アンカーを等角図で示す。
図14b図14bは、骨アンカーのヘッド領域と係合する第1の固定ピンを備えた固定要素を平面図で示す。
図14c図14cは、図14aに示される骨アンカーのヘッド領域との係合位置における、図13a~図13dに示される固定要素を平面図で示す。
図15図15は、図10aに示される取り付けシステムを別の等角図で示す。
図16図16aは、押圧片と係合している、図13a~図13dに示される固定要素を等角図で示す。図16bは、図16aに示される押圧片との係合位置における、同様に図16aに示される固定要素を、断面と共に側面図で示す。図16cは、図16a及び16bに示される押圧片との係合位置における、同様に図16a及び16bに示される固定要素を、同様に図16bに示される断面に沿った断面図で示す。
図17図17は、接続要素を備えた図10b,12a,12bに示される骨接合デバイスを等角図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0091】
以下、参照番号を用いて図に具体的に示される特徴を参照する場合、この文脈で説明される本発明の教示は、それぞれの場合に示される特定の実施形態に限定されるものとして理解されるべきではない。むしろ、以下の説明は、本発明が教示する上記の一般原理を考慮して解釈されるべきである。これは特に、脊椎の治療用の骨接合デバイス1に関する以下の節1~30に当てはまる。
【0092】
脊椎を治療するための骨接合デバイス1が記載されており、2つ以上の骨接合デバイス1が、接続ロッド50を用いて1つ以上の椎骨を互いに接続し、それによって脊椎を安定させるために使用される。骨接合デバイス1、特にフォークヘッド10については、中心軸103に沿って延びる近位方向101、遠位方向102のように、空間に関連付けられる座標基準が規定される。中心軸103から外方に向かって半径範囲104が画定され、円周範囲105が、一定の半径と可変の円周角度とによって画定される(図1)。
【0093】
図1a,1b及び図2は、脊椎の治療用の本発明に係る骨接合デバイス1を示し、骨接合デバイス1は、側面視においてU字型であり、貫通開口部18を有するフォークヘッド10により構成され、フォークヘッド10は、近位方向101に内側にあるねじ山16を備えた2つのフォーク脚部11,12を有し、フォークヘッド10内には、接続ロッド50が受け入れ可能であり、フォークヘッド10内には、貫通開口部18内で遠位方向102にボールヘッド受け入れ領域19が設けられており、ボールヘッド受け入れ領域19内には、骨アンカー90が旋回可能に据付されており、内側にあるねじ山16の中心とボールヘッド受け入れ領域19の中心とが中心軸103を規定し、少なくとも1つの脚部11,12は、中心軸103に平行に配置された、位置決め要素40のための軸方向開口部14を提供する。フォークヘッド10内には、軸方向開口部14とフォークヘッド18の貫通開口部とに連通している横断方向開口部13が設けられている。この横断方向開口部13内では、固定要素30が軸130に沿って移動可能に案内される。横断方向開口部軸130に沿った圧縮力を導入することによって、固定要素30は、フォークヘッド10内で骨アンカー90のヘッド領域91を角度的に安定した方法でクランプする。固定要素30に対する圧縮力が解放されると、フォークヘッド10内で骨アンカーのヘッド領域91が再び移動可能になる。
【0094】
骨アンカー90は、好ましくは、内部にツール取り付け点92が位置するヘッド領域91を有し、かつ、遠位方向102に骨ねじ山93を有する。
【0095】
骨接合デバイス1は、好ましくは、近位方向101にツール取り付け点42を有するピン形状の位置決め要素40を有する(図3)。位置決め要素40は取り外し可能に設計されており、必要に応じて取り外されることも可能である(図1b)。位置決め要素40が取り外され、固定要素30が一時的にクランプされていない状態では、該骨接合デバイス1は、多軸椎弓根ねじのように振る舞う。
【0096】
図1a及び図2はまた、骨接合デバイス1のフォークヘッド10が押圧片20を有し、該押圧片が、貫通開口部28と、骨アンカーのヘッド領域29の方へ向いている遠位方向に向けられた接触領域と、近位方向に向けられたロッド軸受25とを有しており、2つの脚部21,22によって境界が定められており、骨アンカーのヘッド領域29の領域内には、側方開口部又は部分切り欠き23が設けられ、部分切り欠き23内には、固定要素30が自由に移動し得るように配置されていることを示す。接続ロッド50がU字型フォーク開口部15内へと挿入されると、接続ロッド50は押圧片25のロッド軸受に直接接触する。ここでロック要素60がフォークヘッド10に固定されると、圧縮力がロック要素60から接続ロッド50へと、接続ロッド50から押圧片20,25へと、押圧片20から骨アンカーのヘッド領域29,91へと、そして骨アンカー90から遠位ボール座部領域19に対して伝達される。この導入された圧縮力によって、多軸性がクランプされる。
【0097】
図2は、固定要素30の好ましい構造を示す。ここでは、固定要素20が好ましくは丸ロッドとして設計され、同心の横断方向開口部13内に移動可能に据付けられることが示されている。ここには示されていないが、固定要素20の代替実施形態も考えられる。例えば、固定要素は、横断方向開口部軸130を横断する断面に表される形状において、三角形、四角形又は多角形として、横断方向に丸みを帯びた三角形又は多角形として、又は、横断方向に平坦化された中実の円形として構成され、これらは、固定要素30の回転を防止するのに役立つ。固定要素30が横断方向開口部軸130に沿ってその幾何学的形状を変化させ、捕捉要素に係合機構を提供することも考えられる。
【0098】
図2からはまた、フォークヘッド10が、器具をグリップしたり、器具に係合したり、器具に後ろから係合したりするのに適した突起、開口部、溝、棒、輪郭又は他の特徴17を有することも推測され得る。位置決め要素40が器具の一部である場合、この器具結合特徴17は、フォークヘッド10に引張力を導入するために使用可能であり、この引張力は、位置決め要素40を介した圧縮力の導入に拮抗する力として作用する。
【0099】
図2はまた、軸方向開口部14がフォークヘッド脚部11,12に設けられる場合、概して軸方向開口部14が形成され得るように、脚部11又は12の一方と一体化した側方への材料の膨らみ(seitliche Materialwulst)をフォークヘッド10が有していることが有利であることも示している。
【0100】
図3は、本発明に係る骨接合デバイス1の側面図及び断面図を示す。固定要素130の軸は、ほぼボールヘッド受け入れ領域19の仮想中心の方へ向けられており、かつ、中心軸103と交差していることが分かる。さらに、横断方向開口部軸130は、位置決め要素140の軸方向開口部軸とも交差している。したがって、圧縮力はボール状の骨アンカーのヘッド領域91の中心に配向され、その結果、骨アンカー90が旋回された際にも、同様に大きな接触領域31,91が存在する。さらに、固定要素130の軸が中心軸103に対して10°~90°、好ましくは30°~85°、好ましくは60°~80°の角度Wで配置されていると有利である。その結果、固定要素30によって圧縮力が導入される際に、骨アンカーのヘッド領域91は、反対方向に、又はフォークヘッド18の反対側の内壁に対して押し付けられるだけでなく、ボール座部19内へと部分的に押し込まれる。したがって、骨アンカー90は、力の作用下において、ボール座部19内のフォークヘッド10の中心に位置する。
【0101】
図2はまた、固定要素軸130に沿った固定要素の開口部13が、該開口部13内に固定要素30を捕捉して保持するのに適した凹み、下方切り欠き、ピン、段差、変形可能領域又はテーパ部131を少なくとも1箇所に有することを示している。骨接合デバイス1の組み立てのために、固定要素13は、中央の貫通開口部18から来る横断方向開口部13内へと嵌め込まれる。続いて、骨アンカー90のヘッド領域91がボール座部19の貫通開口部18内に配置されて、固定要素30が横断方向開口部13内に捕捉されて保持される。
【0102】
あるいは、固定要素30のための横断方向開口部13が少なくとも部分的に内ねじ山を有し、固定要素30自体が回転によって圧縮力を生成し得ることも考えられる。あるいは、部分的な内ねじ山は、ねじ山が橋渡しされる障壁を表すという点で、固定要素30の脱落防止にも役立ち得る。
【0103】
骨接合デバイス1は、接続ロッド50を挿入され得ると共に、ロック要素60を用いてフォークヘッド10へと固定され得るように構成されており、それによって骨アンカーのヘッド領域91と骨接合デバイス10との間の角度的に安定したクランプが達成され、ロック要素60を利用した角度的に安定したクランプと固定要素30を利用した角度的に安定したクランプとは、互いに独立して作動されることも、互いに組み合わせて作動されることもできる。
【0104】
図3では、本質的な特徴的機能、すなわち、骨アンカーのヘッド領域91が固定要素30のみによって一時的にクランプされる際には、押圧片20は常に無荷重であることも理解され得る。接続ロッド50,60を挿入して固定するだけで、押圧片には力が加わる。その結果、フォークヘッド及び押圧片は、より高い機械的荷重を吸収することが可能になり、押圧片には、同等の設計に比べて設けられる材料を大幅に少なくすることができ、それによって骨接合デバイス1の全体の高さに対して良好な効果が得られる。脊椎用の骨接合デバイス1では、患者の解剖学的状態に最も良く適応するために、全体の高さを可能な限り小さくすることが重要である。
【0105】
図4は、一時的なクランプを生成する要素のみを示した縮小構造を示す。残りの要素は非表示とされている。
【0106】
位置決め要素40を調整することによって圧縮力が生成可能となり、この圧縮力が固定要素30へと伝達又は偏向され、それによって横断方向開口部軸130に沿って圧縮力が生成されて、フォークヘッド10内の骨アンカーのヘッド領域91が一時的にクランプされる。
【0107】
この場合、位置決め要素40は、ここでは非表示のフォークヘッド10の軸方向開口部14内に案内される。位置決め要素40がインプラントの一部である場合、位置決め要素40用の軸方向開口部14が少なくとも部分的に内ねじ山を有すると有利である。これに関連して、位置決め要素40自体が少なくとも部分的にねじ山43を有することが必要である。その結果、位置決め要素40がねじ込まれる又は締結される際に、導入される圧縮力を維持することが可能となる。位置決め要素40が器具の一部である場合、導入される圧縮力は器具によって生成されるため、位置決め要素40自体がねじ山を有する必要はない。
【0108】
位置決め要素40から固定要素30への圧縮力の偏向に関しては、固定要素30が、位置決め要素の遠位接触領域44と直接接触する半径方向外方に向けられた接触領域32を有すると有利であり、この接触点32,44は、位置決め要素軸140に沿った圧縮力が固定要素軸130に沿った圧縮力へと転換されるように構成されている。この場合、固定要素30の半径方向外方に向けられた接触領域32は、少なくとも1つの側面視において、部分的に凸状に設けられ得る(図4)。あるいは、固定要素30の半径方向外方に向けられた接触領域32は、少なくとも1つの側面視において、傾斜面を有することも考えられる。好ましい実施形態では、位置決め要素40の遠位接触領域44は、少なくとも部分的に凸状に設けられる。
【0109】
固定要素30の半径方向内方に向けられた接触領域31は、一時的なクランプを担う領域であり、骨アンカー90のヘッド領域91に対して直接当接する。この接触領域31が、側面視において少なくとも部分的に凹状である、又は、骨アンカーのヘッド領域91の外面の少なくとも一部に近似すると有利である。クランプ効果を最適化するには、固定要素30の半径方向内方に向けられた接触領域31が増加した粗さ、刻み目又は歯を有すると有利である(図4)。
【0110】
図5は、固定要素30が横断方向開口部軸130に沿った位置S1を取ることができ、この位置S1において圧縮力が骨アンカー90に伝達され、その結果、骨アンカー90が角度的に安定した状態でボールシート19内に保持されること、及び、固定要素30が第2の位置S2を取ることができ、この位置S2において骨アンカー90がボールシート19内に移動可能に保持されることを示す。固定要素30のこれらの位置は、位置決め要素40を調整することによって調整され得る。この場合、位置決め要素40が一時的なクランプのために固定要素30を半径方向内方へと移動させる位置S1と、骨アンカーの自由多軸性が生じるように固定要素が調整又は半径方向外方へと移動する位置決め要素の位置S2とがある。
【0111】
図6a及び図6bは、本発明に係る骨接合デバイス1のさらに好ましい実施形態を示す。ここでは、押圧片20は、遠位方向102に開口部スロット26を有する。その結果、少なくとも3つの弾性アーム27がヘッド受け入れ領域29上に形成され、弾性アーム27は、その外側に少なくとも部分的にテーパ部271を描き、骨アンカー90が遠位方向102から来るフォークヘッド10内へと取り付けられ得る。その結果、より大きな外径を有する骨アンカー90が、フォークヘッド10に取り付けられ得る。
【0112】
押圧片がフォークヘッド10内に最適にクランプされ得るように、少なくとも1つの内側テーパ区域183がボール受け入れ領域19内に画定され、この内側テーパ区域183は、押圧片20のテーパ部271に合致するように設けられ、ロック要素60が作動した際に、フォークヘッド10により骨アンカーのヘッド領域91が角度的に安定してクランプされる(図6a,b及び図7)。ここでも、側方開口部又は少なくとも部分的な切り欠き23であって、該開口部又は切り欠き23を通って固定要素30が案内され、該固定要素30が該開口部又は切り欠き23内を移動し得る、該側方開口部又は少なくとも部分的な切り欠き23を、押圧片が有することが必要である。これにより、一時的なクランプが作動した際に、押圧片20に荷重がかからないことが保証される。
【0113】
図7では、フォークヘッド脚部11,12のそれぞれに、近位方向101に有効な下方切り欠きを備えた支持面181が設けられ、押圧片20が、近位端に半径方向外方に向けられた突起24を有し、突出部24は、近位方向101から来る押圧片20がフォークヘッド10内へと嵌め込まれ得るように、半径方向内方に弾性を有するように設計されていることが示される。この場合、押圧片24の突起は支持面181に係止され、押圧片20は近位方向101に固定されるが、力は加えられない。図7では、貫通開口部18内のフォークヘッド10が、少なくとも部分的に、ねじ山16の芯径よりも大きい内径182を有する領域を有することも理解される。
【0114】
その結果、押圧片が最終位置においてフォークヘッド10にまだ完全に係止されていない場合、フォークヘッド10内における押圧片の弾性テーパ領域27に、骨アンカーのヘッド領域91と組み付けるための内径拡大部182のレベルで広がるための対応するスペースを設けることが可能である。
【0115】
図8では、位置決め要素40が骨接合デバイス1の一部であり、既定の破断点45を有する場合、接続ロッド50及びロック要素60による最終的なロックの後に、位置決め要素40の一部のみが患者の体内に残ることが示される。位置決め要素40が器具の一部であり、接続ロッド50及びロック要素60による最終的なロックの後に患者から取り外される場合にも、同様の絵が得られる。
【0116】
あるいは、位置決め要素40は、完全に骨接合デバイス1の一部としても設けられ得る。接続ロッド50及びロック要素60による最終的なロックの後に、位置決め要素40は患者の体内に留まる(図9)。この場合、位置決め要素40がフォークヘッド10の近位端101を越えて突出しないことが有利である。
【0117】
図10aは、取り付けシステム300を等角図で示す。取り付けシステム300の近位端は、近位方向101に従って上向きに配向され、その遠位端は、遠位方向102に従って下向きに配向される。取り付けシステム300は、本体301を有する。本体301は、近位側に第1の受け入れ領域310を有する。本体301は、遠位側に第2の受け入れ領域319を有する。本体301は、横断方向遠位側に第3の受け入れ領域313を有する。本体301は、横断方向近位側に軸方向開口部14を有する。軸方向開口部14内には、位置決め要素40が受け入れられる。
【0118】
図10bは、図10aに示される取り付けシステム300を備えた骨接合デバイス1を等角図で示す。位置決め要素40は、軸方向開口部14の近位側入口が見えるように、近位方向101に沿って軸方向開口部14から間隔を空けて示されている。骨アンカー90は、中立位置において第2の受け入れ領域319内に受け入れられる。図10aと図10bとを比較すると、取り付けシステム300がモジュール式で提供されること、すなわち、骨アンカー90がモジュール式で嵌め込まれる又はスナップ嵌めされる(図10b)と共に、再び取り外され得る(図10a)ことが理解される。
【0119】
図11は、図10a及び10bに示された取り付けシステム300を分解図で示す。取り付けシステム300は、本体301の第1の受け入れ領域310の上方で遠位方向101に示される押圧片20を有する。近位方向101において、押圧片20は、本体301の第1の受け入れ領域310に相当するように設計された第1の受け入れ領域325を有する。遠位方向102において、押圧片20はさらに、本体301の第1の受け入れ領域310に相当するように設計された第2の受け入れ領域329を有する。さらに、押圧片20は、側方に、本体301の第3の受け入れ領域313に相当するように設計された第3の受け入れ領域403を有する。軸方向開口部14は内ねじ山314を有し、ここではその近位領域が見えている。軸方向開口部14はさらに、内ねじ山314の遠位端に位置する圧縮開口部401を有し、ここでは、圧縮開口部401が軸方向開口部14の遠位端に位置し、内ねじ山314が軸方向開口部14の遠位-近位の高さではもはや存在していないことのみが理解され得る。取り付けシステム300はさらに、固定要素30を有する。固定要素30は、側方又は近位に。荷重受け入れ領域332又は接触領域32を有する。固定要素30はさらに、第1の固定ピン431を有する。
【0120】
図12aは、図10bに示される骨接合デバイス1を断面側面図で示す。この断面は、骨接合デバイス1の中心を通り、かつ、位置決め要素40及び骨アンカー90の中心を通る。軸方向開口部14はさらに、第2の圧縮開口部401を有する。両方の圧縮開口部401はそれぞれ、軸方向開口部14の横断方向に位置する。これらの2つの圧縮開口部401を通じて、軸方向開口部14の内ねじ山314の遠位領域が、例えばその最後のねじ山回転が圧縮され得る。
【0121】
位置決め要素40は、遠位側(遠位方向102を参照)に荷重導入領域344又は接触領域44を有する。荷重導入領域344は、固定要素30の荷重受け入れ領域332と接触又は係合する。軸方向開口部14は、遠位方向102に沿って画定される、又は、本体301の第2の受け入れ領域319が外部からアクセスされ得るように遠位端が配置される。位置決め要素40の近位端が軸方向開口部14の近位端に近接する程度まで位置決め要素40が軸方向開口部14内へとねじ込まれると、位置決め要素40の遠位端は、軸方向開口部14から突出する、すなわち、軸方向開口部の遠位端よりも遠位方向102に沿ってさらに配置される(図12bとも比較のこと)。このようにして、位置決め要素40は、その遠位端を介して、固定要素30の脱落防止デバイスとして機能する。
【0122】
図12bは、図10b及び図12aに示される骨接合デバイス1を、図12aにも示される断面C-Cに沿った断面図で示す。この断面は、骨接合デバイス1の中心を通り、かつ、位置決め要素40及び骨アンカー90の中心を通る。押圧片20は、本体301の第1の受け入れ領域310と押圧片20の第1の受け入れ領域325とが、並びに、本体301の第2の受け入れ領域319と押圧片20の第1の受け入れ領域329とが、互いを相補するように、第1の受け入れ領域310内に受け入れられる。近位方向101に沿って、本体301は、ねじ付き区域315を有する第1のフォーク脚部11と、ねじ付き区域316を有する第2のフォーク脚部12とを有する。両方のねじ付き区域315及び316は、互いに相補的となるように設計される。さらに、中心軸103が示されており、該中心軸103は、本体301又はその第1の受け入れ領域310及び本体301の第2の受け入れ領域319の中心を通って、かつ、押圧片20の第2の受け入れ領域329及び中立位置に配置された骨アンカー90の中心を通って延びている。また、固定要素軸130も示されており、該固定要素軸130は、第3の受け入れ領域313及びその中に受け入れられる固定要素30に沿って長手方向に延びている。骨アンカー90は、近位方向にヘッド領域91を有する(近位方向101と比較のこと)。骨アンカー90又はそのヘッド領域91は、取り付けシステム300において、押圧片の第2の受け入れ領域329内及び本体301の第2の受け入れ領域319内に受け入れられる。第3の受け入れ領域313は、固定要素30が受け入れ又は取り付けられる横断方向開口部13を有する。第3の受け入れ領域313は、第1の受け入れ領域310及び第2の受け入れ領域319に対してオフセットして配置され、すなわち、近位から遠位へと至る軸からずれている。ここでは、オフセットは、断面C-Cにおける本体301のヘッド領域91内又は第2の受け入れ領域319内の点周りにおける固定要素軸130の回転に基づいて示されている。この場合、中心軸103と固定要素軸130とが角度Wを形成する。位置決め要素40が近位端から固定要素30に衝突する場合、角度Wは、理論的には0°~90°の範囲にあり得、好ましくは20°~80°の範囲にある。角度Wが小さいほど、特に軸方向開口部14及び本体301の第3の受け入れ領域313についてのスペース要件が小さくなる。角度Wが大きいほど、骨アンカー90又はそのヘッド領域91上で固定要素30によって生じ得るクランプ効果が大きくなる。
【0123】
図13aは、第1の固定ピン431及び第2の固定ピン432を備えた固定要素30を等角図で示す。第1の固定ピン431及び第2の固定ピン432は、それぞれ外側に向かって丸みを帯びて形成されている。第1の固定ピン431及び第2の固定ピン432は、それぞれの遠位端に接触面430を有する。第1の固定ピン431と第2の固定ピン432との間には、間隙434が設けられている。
【0124】
図13bは、図13aに示された固定要素30を側面図で示す。ここで、固定要素30は、図12a及び図12bに示されるように、遠位-近位方向に配向されている。ここでは、接触面430は面取りされて構成されており、それによって、固定要素30が角度Wだけオフセットされているにもかかわらず、これらの接触面430は、広い領域にわたって骨アンカー90又はそのヘッド領域91に接触する(図12bと比較のこと)。さらに、接触面430は、内方に向かって、すなわち間隙434の方向に面取りされている。球面凹状に湾曲した接触面430は、前述した両方の面取りによって、すなわち内方かつ近位方向101又は遠位方向102に生じ、この接触面430は、骨アンカー90の回転位置に関係なく、広い領域にわたって骨アンカー90のヘッド領域91に適合する。ヘッド領域91の異なる幾何学的形状に対して、接触面430は、対応して異なる湾曲がされ得る。左側に示される荷重受け入れ領域332又は接触領域32は、固定要素軸130に対して垂直である固定要素30の主方向に対して、実質的に垂直に形成され又は向けられる。同様のことが、位置決め要素40の荷重導入領域344又は接触領域44にも当てはまり、これもまた、固定要素軸130に対して垂直に形成される(図12bを参照)。したがって、荷重受け入れ領域332及び荷重導入領域344は、互いに実質的に平行に配置され、それによって可能な限り最大の荷重伝達領域が得られ、したがって最も安全な荷重伝達が生じる。接触面430は、例えば図5a及び図5bに示される固定要素30の接触領域31の場合のように、増加した表面粗さを有するよう形成されてもよい。
【0125】
図13cは、図13a及び図13bに示される固定要素30を平面図で示す。図13dは、図13a~図13cに示される固定要素30を下方から示す。固定要素30は、図13c及び図13dの両方において、図12a,図12b,図13a及び図13bに示されるように、遠位-近位方向に配向されている。
【0126】
図14aは、図13a~図13dに示される固定要素30と係合する位置決め要素40、及び骨アンカー90を等角図で示す。固定要素30は、軸方向開口部14の内ねじ山314と相補的である外ねじ山343を有する(例えば、図12bと比較のこと)。位置決め要素40は、荷重導入領域344又は接触領域44が荷重受け入れ領域332又は接触領域32と係合するように、ここには図示されていない軸方向開口部14内へとねじ込まれている(例えば、図12bと比較のこと)。この場合、作用方向601は、位置決め要素40に対する位置決め要素軸140に沿うこととなる。この作用方向601は、次いで軸方向開口部14に平行(図12bと比較のこと)かつ遠位方向102と同じ方向に延びるため、中心軸103に平行に延びる。荷重導入領域344と荷重受け入れ領域332との間で、荷重は位置決め要素40から固定要素30へと伝達され、それによって作用方向602が固定要素30の配向から生じ、この作用方向602が固定要素30に関して固定要素軸130に沿うものとなる。この作用方向602に従って、接触面430が骨アンカー90又はそのヘッド領域91上へと押し付けられる(図13aと比較のこと)。
【0127】
図14bは、骨アンカー90のヘッド領域91と係合する第1の固定ピン431を備えた固定要素を平面図で示す。これにより、固定要素30は、その第1の固定ピン431又は接触面430/接触領域31が接触する形でヘッド領域91上へと押し付けられ、結果として接触面430又は接触領域31に対して本質的に垂直に延びる作用方向602が生じる。その結果、ヘッド領域91は、本体301の第2の受け入れ領域319又は押圧片20の第2の受け入れ領域329内へと押し込まれ(両方ともここには示されていないが、図3及び図12bを比較のこと)、結果として作用方向602とは反対に向けられた作用方向603が生じる。互いに反対となる作用方向602及び603は、ヘッド領域91の中心を通る作用軸611上を延びている。このようにして、2点クランプによる確実なクランプ効果が生じる。
【0128】
図14cは、図14aに示される骨アンカー90のヘッド領域91との係合位置における、図13a~図13dに示される固定要素30を平面図で示す。作用方向602(図14bに示すように延びている)に沿って、固定要素30がヘッド領域91に押し付けられる。その結果として生じる第1の固定ピン431の接触面430/接触領域31と第2の固定ピン432の接触面430/接触領域31との間の接触面では、次いで第1の固定ピン431に関して作用方向606が生じ、第2の固定ピン432に関して作用方向604が生じる。これら両方の作用方向604,606は、ここではそれぞれの接触面430/接触領域31に対して実質的に垂直に向いている。その結果、ヘッド領域91は、本体301の第2の受け入れ領域319又は押圧片20の第2の受け入れ領域329内へと押し込まれ(両方ともここには示されていないが、12bと比較のこと)、結果として、それぞれ作用方向604,606の方向とは反対に向けられた(作用方向604と反対の)作用方向605、(作用方向606と反対の)作用方向607が生じる。これら両方向の作用605,607はさらに、作用方向604,606の開始点とは反対側のヘッド領域91の側に生じる。互いに反対となる作用方向604及び605、並びに、作用方向606及び607は、それぞれ作用軸612(作用方向604及び605に対応)並びに作用軸613(作用方向606及び607に対応)上を延びており、これらはそれぞれヘッド領域91を中心からずれて(dezentral)通って延びている。両方の作用方向605及び607は、ヘッド領域91の同じ領域において開始する。このようにして、3点クランプによる確実なクランプ効果が生じ、図14bに示されるクランプ効果と比較してクランプ効果がさらに強化される。
【0129】
図15は、図10aに示される取り付けシステム300を別の等角図で示す。この図には、押圧片20は示されていない。さらに、本体301の第3の受け入れ領域313の遠位端又は横断方向開口部13の遠位端が示されており、そこから固定要素30の遠位端が突出する、又は、その接触面430/接触領域31が突出する。固定要素30の外側輪郭(図13aを参照)に沿って、横断方向開口部13の内側輪郭は、断面でほぼ細長い穴として設計される。固定要素30の確実な案内を可能にするために、横断方向開口部13のこの断面は、ここでは近位から遠位まで一定である(図12aもまた参照)。
【0130】
図16aは、押圧片20と係合している、図13a~図13dに示される固定要素30を等角図で示す。押圧片20は、複数のばね要素327、例えば半径方向に分散された4つのばね要素327を有する。ここでは、押圧片20の第1の受け入れ領域325は、近位方向101に向かって先細になるように設計されている。押圧片20の第3の受け入れ領域403では、固定要素30が、図12a,図12b,図13a及び図13bにも同様に示される遠位-近位の配向で受け入れられる。
【0131】
図16bは、図16aに示される押圧片20との係合位置における、同様に図16aに示される固定要素30を、断面と共に側面図で示す。ここでも、固定要素30は、図12a,図12b,図13a,図13b及び図16aにも同様に示される遠位-近位の配向で押圧片20の第3の受け入れ領域403内に受け入れられる。ここでは3つのばね要素327が見られるが、押圧片20はさらに第4のばね要素327を有し、この第4のばね要素327は、中央に示されたばね要素327によって覆われている(図16cを参照)。左側に示されるばね要素327は、第3の受け入れ領域403に位置している。
【0132】
図16cは、図16a及び16bに示される押圧片20との係合位置における、同様に図16a及び16bに示される固定要素30を、同様に図16bに示される断面D-Dに沿った断面図で示す。この場合、第3の受け入れ領域403内に配置されたばね要素327は、ここで該ばね要素327が第1の固定ピン431及び/又は第2の固定ピン432と摩擦接続式の接続をすることなく、第1の固定ピン431及び第2の固定ピン432が第3の受け入れ領域403を通過してスライドできるように設計される。遠位方向102において、第3の受け入れ領域403内に配置されたばね要素327は、第1の固定ピン431及び第2の固定ピン432の下方にて厚くなっている。同様に、第3の受け入れ領域403内に配置されたばね要素327は、第1の固定ピン431及び第2の固定ピン432の上方にて近位方向101に厚くなっている。図16cに示される図では、第3の受け入れ領域403内に配置されたばね要素327は、間隙434を覆うか、間隙434内に滑り込む(例えば、図13aと比較のこと)。このようにして、押圧片20もまた、固定要素30によって脱落から保護される。
【0133】
図17は、接続要素350を備えた図10b,12a,12bに示される骨接合デバイス1を等角図で示す。この場合、接続要素350は、接続ロッド50として設計される。接続ロッド50は、回転対称とされている。接続ロッド50は、本体301の第1の受け入れ領域310内及び押圧片20の第1の受け入れ領域325内に受け入れられ、ロック要素60によって固定又は事前固定される。ロック要素60がさらに締結されると、接続ロッド50は押圧片20上へとさらに押し付けられ(ここでは見えない、図12bと比較のこと)、最終的に骨アンカー90の最終固定が達成される。さらに、これにより、接続ロッド50が取り付けシステム300に対して最終固定されるようになり、それによって、接続ロッド50は、取り付けシステム300から遠位方向101に取り外されることも、取り付けシステム300から接続ロッド50の長手方向軸に沿って側方に取り外しされることもできなくなる。特に、取り付けシステム300に対する側方の固定は、ここでは、接続ロッド50の長手方向軸に平行に延びる又はそれに沿って延びる作用軸616によって示されている。しかしながら、ここで示されているのは事前固定の状態であり、この状態は、位置決め要素40を締結し、それによって固定要素30をヘッド領域91(ここでは見えない、図12bと比較のこと)上へと押し付けることによって達成され、図14a及び図14cを併せて見ることにより得られる。図14cに示される3点クランプでは、ヘッド領域91又は骨アンカー90に関して3つの互いに垂直な作用軸613,614,615が生じ、取り付けシステム300に関する骨アンカー90の配向及び位置に関して骨アンカー90が事前固定されている又は事前固定されるクランプ有効空間に、これらの作用軸613,614,615が及んでいる。3つの作用軸613,614,615は、ここではヘッド領域91内で交差している。作用軸614は、ここでは中心軸103と少なくとも部分的に一致して延びている。作用軸615は、作用軸616と平行に延びている。作用軸613は、作用軸614及び615に対して垂直に、かつ、ヘッド領域91を通って延びている。図17に示される事前固定によって達成されるクランプ効果は、特に、上述のように作用軸615によって示される接続ロッド50の長手方向軸に沿って達成される。図14bに示される2点クランプとは対照的に、図14c及び図17に示される3点クランプでは、特に、作用軸615に沿った作用軸615の方向の、すなわち、接続ロッド50の長手方向軸に沿ったクランプ効果が強化される。
【0134】
さらに好ましい実施形態は、以下の節1~30に示される。
【0135】
1.脊椎治療用の骨接合デバイス1であって、側面視においてU字型であり、貫通開口部18を有するフォークヘッド10により構成され又は該フォークヘッド10を有し、フォークヘッド10は、近位方向101に内側にあるねじ山16を備えた2つのフォーク脚部11,12を有し、フォークヘッド10内には、接続ロッド50が受け入れ可能であり、フォークヘッド10内には、貫通開口部18内で遠位方向102にボールヘッド受け入れ領域19が設けられており、ボールヘッド受け入れ領域19内には、骨アンカー90が旋回可能に据付されており、内側にあるねじ山16の中心とボールヘッド受け入れ領域19の中心とが中心軸103を規定し、少なくとも1つの脚部11,12は、中心軸103に平行に配置された、位置決め要素40のための軸方向開口部14を提供し、
フォークヘッド10内には、軸方向開口部14とフォークヘッド18の貫通開口部とに連通している横断方向開口部13が設けられており、固定要素30は、該横断方向開口部13内で軸130に沿って移動可能に案内され、固定要素30は、横断方向開口部軸130に沿った圧縮力を導入することによって、フォークヘッド10内で骨アンカー90のヘッド領域91を角度的に安定した方法でクランプすることを特徴とする、骨接合デバイス1。
【0136】
2.固定要素30に対する圧縮力が解放されると、フォークヘッド10内で骨アンカーのヘッド領域91が移動可能になることを特徴とする、節1に記載の骨接合デバイス1。
【0137】
3.位置決め要素40が軸方向開口部14内に案内され、位置決め要素40を調整することによって圧縮力が生成され、この圧縮力が固定要素30へと伝達又は偏向され、それによって横断方向開口部軸130に沿って圧縮力が生成されて、フォークヘッド10内の骨アンカーのヘッド領域91が一時的にクランプされることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0138】
4.接続ロッド50が挿入され得ると共に、ロック要素60を用いてフォークヘッド10へと固定され得、それによって骨アンカーのヘッド領域91と骨接合デバイス10との間の角度的に安定したクランプが達成され、ロック要素60を利用した角度的に安定したクランプと固定要素30を利用した角度的に安定したクランプとは、互いに独立して作動されることも、互いに組み合わせて作動されることもできることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0139】
5.位置決め要素40が骨接合デバイス1の一部であり、かつ、接続ロッド50及びロック要素60による最終的なロックの後に患者の体内に残ることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0140】
6.位置決め要素40がフォークヘッド10の近位端を越えて近位方向101に突出しないことを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0141】
7.位置決め要素40が骨接合デバイス1の一部であり、既定の破断点45を有し、かつ、接続ロッド50及びロック要素60による最終的なロックの後に、位置決め要素40の一部のみが患者の体内に残ることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0142】
8.位置決め要素40が器具の一部であり、かつ、接続ロッド50及びロック要素60による最終的なロックの後に患者から取り外されることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0143】
9.固定要素30が、骨アンカー90のヘッド領域91に対して直接当接する半径方向内方に向けられた接触領域31を有し、この接触領域31が、側面視において少なくとも部分的に凹状であることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0144】
10.固定要素30の半径方向内方に向けられた接触領域31が、側面視において骨アンカーのヘッド領域91の外面の少なくとも一部に近似することを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0145】
11.固定要素30の半径方向内方に向けられた接触領域31が、増加した粗さ、刻み目又は歯を有することを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0146】
12.固定要素30が横断方向開口部軸130に沿った位置S1を取ることができ、この位置S1において圧縮力が骨アンカー90に伝達され、その結果、骨アンカー90が角度的に安定した状態でボールシート19内に保持されること、及び、固定要素30が第2の位置S2を取ることができ、この位置S2において骨アンカー90がボールシート19内に移動可能に保持されることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0147】
13.固定要素30が、位置決め要素の遠位接触領域44と直接接触する半径方向外方に向けられた接触領域32を有し、この接触点32,44は、位置決め要素軸140に沿った圧縮力が固定要素軸130に沿った圧縮力へと転換されるように構成されていることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0148】
14.固定要素30の半径方向外方に向けられた接触領域32は、少なくとも1つの側面視において、部分的に凸状に設けられることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0149】
15.固定要素30の半径方向外方に向けられた接触領域32は、少なくとも1つの側面視において傾斜面を有することを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0150】
16.位置決め要素40の遠位接触領域44は、少なくとも部分的に凸状であることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0151】
17.固定要素130の軸が、ほぼボールヘッド受け入れ領域19の仮想中心に向けられており、かつ、中心軸103と交差していることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0152】
18.固定要素130の軸が、中心軸103に対して10°~90°、好ましくは30°~85°、好ましくは60°~80°の角度Wで配置されていることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0153】
19.固定要素軸130に沿った固定要素の開口部13が、該開口部13内に固定要素30を捕捉して保持するのに適した凹み、下方切り欠き、ピン、段差、変形可能領域又はテーパ部131を少なくとも1箇所に有することを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0154】
20.固定要素13が、中央の貫通開口部18から来る横断方向開口部13内へと嵌め込まれ、続いて、骨アンカー90が、そのヘッド領域91と共にボール座部19の貫通開口部18内に配置されて、固定要素30が横断方向開口部13内に捕捉されて保持されることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0155】
21.位置決め要素40のための軸方向開口部14が、少なくとも部分的に内ねじ山を有することを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0156】
22.固定要素30のための横断方向開口部13が、少なくとも部分的に内ねじ山を有することを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0157】
23.位置決め要素40が、ピンの形態に設計され、かつ、近位方向101にツール取り付け点42を有することを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0158】
24.位置決め要素40が器具の一部であり、フォークヘッド10が、器具をグリップしたり、器具に係合したり、器具に後ろから係合したりするのに適した突起、開口部、溝、棒、輪郭又は他の特徴17を有し、この特徴17は、フォークヘッド10に引張力を導入する役割を果たし、この引張力は、位置決め要素40を介した圧縮力の導入に拮抗する力として作用することを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0159】
25.フォークヘッド10が押圧片20を有し、該押圧片が、貫通開口部28と、骨アンカーのヘッド領域29の方へ向いている遠位方向に向けられた接触領域と、近位方向に向けられたロッド軸受25とを有しており、骨アンカーのヘッド領域29の領域内には、側方開口部又は部分切り欠き23が設けられ、部分切り欠き23内には、固定要素30が自由に移動可能となるように配置されていることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0160】
26.フォークヘッド10には押圧片20が設けられており、骨アンカーのヘッド領域91が固定要素30のみによってクランプされる際、押圧片20が無荷重となることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0161】
27.押圧片20が、遠位方向102に開口部スロット26を有し、その結果、少なくとも3つの弾性アーム27がヘッド受け入れ領域29上に形成され、弾性アーム27は、その外側に少なくとも部分的にテーパ部271を描き、骨アンカー90が遠位方向102から来るフォークヘッド10内へと取り付けられ得る。その結果、より大きな外径を有する骨アンカー90が、フォークヘッド10に取り付けられ得ることを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0162】
28.フォークヘッド10が、ボール受け入れ領域19内に少なくとも1つの内側テーパ区域183を画定し、この内側テーパ区域183は、押圧片20のテーパ部271に合致するようにされ、ロック要素60が作動した際に、フォークヘッド10により骨アンカーのヘッド領域91が角度的に安定してクランプされることを特徴とする、節27に記載の骨接合デバイス1。
【0163】
29.貫通開口部18内のフォークヘッド10が、少なくとも部分的に、ねじ山16の芯径よりも大きい内径182を有する領域を有することを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【0164】
30.脚部11,12のそれぞれに、近位方向101に有効な下方切り欠きを備えた支持面181が設けられ、押圧片20が、近位端に半径方向外方に向けられた突起24を有し、突出部24は、近位方向101から来る押圧片20がフォークヘッド10内へと嵌め込まれ得るように、半径方向内方に弾性を有するように設計されており、押圧片24の突起は支持面181に係止され、押圧片20は近位方向101に固定されるが、力は加えられないことを特徴とする、前述する節のいずれか1つに記載の骨接合デバイス1。
【符号の説明】
【0165】
1 骨接合デバイス
10 フォークヘッド
11 (第1の)フォーク脚部
12 (第2の)フォーク脚部
13 横断方向開口部
14 軸方向開口部
16 ねじ山
17 突出部、開口部、溝、ブリッジ、外形
18 貫通開口部
19 ボールヘッド受け入れ領域
20 押圧片
21 (押圧片の)脚部
22 (押圧片の)脚部
23 切り欠き
24 突出部
25 ロッド軸受
26 スロット
27 アーム
28 貫通開口部
29 骨アンカーのヘッド領域
30 固定要素
31 接触領域
32 接触領域
40 位置決め要素
42 ツール取り付け箇所
43 (位置決め要素の)ねじ山
44 接触領域
45 既定の破断点
50 接続ロッド
60 ロック要素
90 骨アンカー
91 (骨アンカーの)ヘッド領域
92 (骨アンカーの)ツール取り付け箇所
93 骨ねじ山
101 近位方向
102 遠位方向
103 中心軸
130 固定要素軸
140 位置決め要素軸
181 支持面
182 内径
183 内側テーパ区域
271 テーパ部
300 取り付けシステム
301 本体
310 (本体の)第1の受け入れ領域
313 (本体の)第3の受け入れ領域
314 (軸方向開口部の)内ねじ山
315 (第1のフォーク脚部の)ねじ付き区域
316 (第2のフォーク脚部の)ねじ付き区域
319 (本体の)第2の受け入れ領域
323 (押圧片の)横断方向開口部
325 (押圧片の)第1の受け入れ領域
327 ばね要素
329 (押圧片の)第2の受け入れ領域
332 荷重受け入れ領域
343 (位置決め要素の)外ねじ山
344 荷重導入領域
350 接続要素
352 (接続要素の)長手方向軸
401 圧縮開口部
403 (押圧片の)第3の受け入れ領域
430 (固定ピンの)接触面
431 第1の固定ピン
432 第2の固定ピン
434 間隙
501 (横断方向開口部の)第1の開口部
502 (横断方向開口部の)第2の開口部
601 作用方向
602 作用方向
603 作用方向
604 作用方向
605 作用方向
606 作用方向
607 作用方向
611 作用軸
612 作用軸
613 作用軸
614 作用軸
615 作用軸
616 作用軸
S1 位置
S2 位置
W 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12a
図12b
図13
図14a
図14b
図14c
図15
図16
図17
【国際調査報告】