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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-26
(54)【発明の名称】自動積荷取り扱いシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563065
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 EP2022059921
(87)【国際公開番号】W WO2022219066
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】2105316.0
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】カロリンチャック、パウエル
(72)【発明者】
【氏名】リンドボー、ラース・スバーカー・トゥーレ
(72)【発明者】
【氏名】ウェラン、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】イングラム-テッド、アンドリュー
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF01
3F022JJ11
3F022MM01
(57)【要約】
A)第1の自動保管及び取り出しシステム(52)及び第2の自動保管及び取り出しシステム(54)と、B)少なくとも1つのポートカラム(58)と、を備える自動積荷取り扱いシステム(50)であって、A)第1及び第2の自動保管及び取り出しシステム(52、54)の各自動保管及び取り出しシステムが、i)グリッドフレームワーク構造(1)と、ii)複数のロボット式積荷取り扱いデバイス(31)と、を備え、i)グリッドフレームワーク構造(1)が、a)グリッドパターンで配置され、グリッド開口部(15)を各々が画定する複数のグリッドセルを備えるトラックシステムと、b)1つ又は複数のアイテムを保管するための保管コンテナのそれぞれのスタックを保管するように各々が配置された複数の保管カラムであって、保管コンテナのスタックが、単一のグリッドスペース又はグリッドセルを保管コンテナの各スタックが占有するように、トラックシステムの下方に位置する、保管カラムと、を備え、ii)ロボット式積荷取り扱いデバイス(31)は、1つ又は複数の保管コンテナをスタックから持ち上げ、移動させるためにトラックシステム上で動作可能であり、B)1つのポートカラム(58)は、第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムの各々のトラックシステムのグリッド開口部から下方向に延在しており、1つのポートカラムを通して、トラックシステム上で動作可能なそれぞれのロボット式積荷取り扱いデバイスが1つ又は複数の保管コンテナをドロップオフし、ピックアップすることができる、自動積荷取り扱いシステムにおいて、自動積荷取り扱いシステムが、C)1つ又は複数の保管コンテナ又は保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを第1の自動保管及び取り出しシステム(52)の少なくとも1つのポートカラム(58)から第2の自動保管及び取り出しシステム(54)の少なくとも1つのポートカラムに移送するように構成された少なくとも1つの移送システム(56)をさらに備え、第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステムのグリッド開口部(15)は、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造が、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内に保管された保管コンテナとは異なってサイズ設定された保管コンテナを保管するように構成されるように、第2の自動保管及び取り出しシステム(54)のトラックシステムのグリッド開口部(15)とは異なったサイズであることを特徴とする、自動積荷取り扱いシステム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムと、B)少なくとも1つのポートカラムと、を備える自動積荷取り扱いシステムであって、
A)前記第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムの各自動保管及び取り出しシステムが、i)グリッドフレームワーク構造と、ii)複数のロボット式積荷取り扱いデバイスと、を備え、
i)前記グリッドフレームワーク構造が、
a)平行なトラックの第1のセット、及び実質的に水平な平面において前記第1のセットに対して横断方向に延びる平行なトラックの第2のセットを備え、複数のグリッドセルを備えるグリッドパターンで配置されるトラックシステムであって、各グリッドセルが、前記平行なトラックの第1のセットの隣接するトラックの対及び前記平行なトラックの第2のセットの隣接するトラックの対によって画定されたグリッド開口部を画定する、トラックシステムと、
b)1つ又は複数のアイテムを保管するための保管コンテナのそれぞれのスタックを保管するように各々が配置された複数の保管カラムであって、前記保管コンテナのスタックが、単一のグリッドスペース又はグリッドセルを保管コンテナの各スタックが占有するように、前記トラックシステムの下方に位置する、保管カラムと、
を備え、
ii)前記ロボット式積荷取り扱いデバイスは、1つ又は複数の保管コンテナをスタックから持ち上げ、移動させるために前記トラックシステム上で動作可能であり、
B)前記1つのポートカラムは、前記第1及び前記第2の自動保管及び取り出しシステムの各々の前記トラックシステムのグリッド開口部から下方向に延在しており、前記1つのポートカラムを通して、前記トラックシステム上で動作可能なそれぞれのロボット式積荷取り扱いデバイスが1つ又は複数の保管コンテナをドロップオフし、ピックアップすることができる、
自動積荷取り扱いシステムにおいて、前記自動積荷取り扱いシステムが、
C)1つ又は複数の保管コンテナ又は前記保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムから前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムに移送するように構成された少なくとも1つの移送システムをさらに備え、
前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステムの前記グリッド開口部は、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造が、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内に保管された前記保管コンテナとは異なってサイズ設定された保管コンテナを保管するように構成されるように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステムの前記グリッド開口部とは異なったサイズであることを特徴とする、自動積荷取り扱いシステム。
【請求項2】
前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステムの前記グリッド開口部が、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造が、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内に保管される前記保管コンテナより小さい保管コンテナを保管するように構成されるように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステムの前記グリッド開口部より小さい、請求項1に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項3】
前記第1及び前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の各々の前記少なくとも1つのポートカラムが、前記少なくとも1つの移送システムから移送された1つ又は複数の保管コンテナを受け入れるための入口ポートカラムと、1つ又は複数の保管コンテナを前記少なくとも1つの移送システムにドロップオフするための出口ポートカラムとを備える、請求項1又は2に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの移送システムが、1つ又は複数の保管コンテナを前記自動保管及び取り出しシステムのそれぞれのグリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するために、前記第1又は第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記出口ポートカラムから前記第1又は第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記入口ポートカラムまで延在する少なくとも1つのコンベヤユニットを備える少なくとも1つのコンベヤシステムを備える、請求項3に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの移送システムが、1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムから前記第2の自動保管及び取り出しシステムに輸送するために、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記少なくとも1つのポートカラムから前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記少なくとも1つのポートカラムまで延在する少なくとも1つのコンベヤユニットを備える少なくとも1つのコンベヤシステムを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの移送システムが、1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するように配置された第1のコンベヤシステムと、1つ又は複数の保管コンテナを前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するように配置された第2のコンベヤシステムとを備える少なくとも1つのコンベヤシステムを備える、請求項3に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコンベヤシステムが、入口コンベヤユニットと、出口コンベヤユニットと、移送コンベヤユニットとを備え、前記出口コンベヤユニットは、保管コンテナを前記出口ポートカラムから前記移送コンベヤユニットまで第1の方向に輸送するように配置され、前記入口コンベヤユニットは、保管コンテナを前記移送コンベヤユニットから前記入口ポートカラムまで第2の方向に輸送するように配置されている、請求項4から6のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項8】
前記移送コンベヤユニットが、保管コンテナを第3の方向に輸送するように配置されている、請求項7に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項9】
前記出口コンベヤユニット及び前記入口コンベヤユニットが、前記出口コンベヤユニットの前記第1の方向が前記入口コンベヤユニットの前記第2の方向の反対であり、前記第2の方向に平行であるように配置され、前記移送コンベヤユニットの前記第3の方向が、前記出口コンベヤユニットの前記第1の方向と前記入口コンベヤユニットの前記第2の方向の両方に実質的に直交する、請求項8に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの移送システムが、前記第1及び/又は第2の自動保管及び取り出しシステムの前記移送コンベヤユニットにおいて1つ又は複数の保管コンテナを保持するための緩衝ゾーンを備える、請求項7から9のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの移送システムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記少なくとも1つのポートカラムからドロップオフされた保管コンテナを受け入れるためのピックステーションを備える、請求項10に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項12】
前記ピックステーションが、前記第1の自動保管及び取り出しシステムからの、1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記移送コンベヤユニットにある1つ又は複数の保管コンテナに移送するためのロボット式アームを備える、請求項11に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項13】
前記ピックステーションが、前記保管コンテナを傾斜させるための傾斜機構と、前記傾斜機構を出た1つ又は複数のアイテムを捕捉するための、前記傾斜機構に隣接するスライドとを備える、請求項11又は12に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項14】
前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記保管コンテナが、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記スタック内で垂直に互いに離間されるようにスペーシング手段上に取り付けられた浅いトレイを備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項15】
前記浅いトレイの各々が、底壁と、前記浅いトレイが前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内のスタック内に保管されているときに、前記浅いトレイの内側の1つ又は複数のアイテムがそこを通してアクセスされ得る1つ又は複数の切欠部を備える上方向に延在するリムとを備える、請求項14に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの移送システムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステムからの、1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを組み立てるための少なくとも1つの組み立てステーションを備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項17】
前記第1及び前記第2の自動保管及び取り出しシステムの複数の積荷取り扱いデバイスの各積荷取り扱いデバイスが、保管コンテナと解放可能に係合するように構成された把持デバイスと、前記保管コンテナを前記トラックシステムの上方に持ち上げるように構成されたウインチ機構とを備える持ち上げ機構を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項18】
1つ又は複数のプロセッサと、命令を記憶するメモリとを備える制御システムをさらに備え、前記命令は、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたときに、
a)ユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられたアイテムの保管のリクエストを受信し、
b)前記ユーザ又は前記製品の前記少なくとも一部に関連付けられたデータを備える固有識別を生成し、
c)前記固有識別を前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の保管コンテナに割り当て、
d)前記固有識別に関連付けられたデータをデータベース内に記憶するように構成されている、請求項1から17のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項19】
前記固有識別が、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記保管コンテナのグリッド位置を前記固有識別に相関付けることによって、前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の保管コンテナに割り当てられる、請求項18に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項20】
前記制御システムが、
a)前記第2の自動保管及び取り出しシステム内の各保管コンテナに関連付けられたデータを備える固有識別を生成し、
b)前記保管コンテナの前記固有識別を前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記保管コンテナのグリッド位置に割り当てるようにさらに構成されている、請求項18又は19に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項21】
前記制御システムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数の保管コンテナからの複数のアイテムを、そのそれぞれの固有識別に基づいて、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の保管コンテナへの移送のために集約又は照合するように構成されている、請求項20に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項22】
前記制御システムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数の保管コンテナからの前記複数のアイテムを、1人又は複数人のユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられたそのそれぞれの固有識別を集約することによって、集約又は照合するように構成されている、請求項21に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項23】
前記制御システムが、1人又は複数人のユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられた、前記集約された固有識別を、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記保管コンテナの固有識別に割り当てるように構成されている、請求項22に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項24】
前記制御システムが、前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記保管コンテナの対応する固有識別に基づいて、
i)1人又は複数人のユーザに関連付けられた前記固有識別を前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記保管コンテナの前記対応する固有識別に相関付け、
ii)前記固有識別を前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記保管コンテナの前記グリッド位置に相関付けることに基づいて、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内で前記1つ又は複数の保管コンテナを位置特定し、
iii)前記1つ又は複数の保管コンテナを前記グリッド位置から取り出し、前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムまで移動させるように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令することによって、
1つ又は複数の保管コンテナを取り出すように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するようにさらに構成されている、請求項23に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項25】
前記自動積荷取り扱いシステムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の前記1つ又は複数の保管コンテナ内に保管された前記1つ又は複数のアイテムの各々が手荷物アイテムであり、前記ユーザに関連付けられた前記固有識別が手荷物タグデータであるような自動手荷物取り扱いシステムであり、前記手荷物タグデータは、旅行データを示す予約データと一緒に、ユーザ指定された目的地に関連付けられたデータを備え、前記第2の自動保管及び取り出しシステム内の前記1つ又は複数の保管コンテナの各々が、ユニットロードデバイス(ULD)である、請求項18から24のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項26】
前記製品の少なくとも一部が、前記集約又は照合された複数のアイテムの組立体を備える、請求項21から23のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項27】
前記制御システムが、前記製品の前記少なくとも一部に関連付けられた固有識別に基づいて、
i)前記製品の前記少なくとも一部の一部を各々が形成する1つ又は複数のアイテムを備える1つ又は複数の保管コンテナを識別し、
ii)前記固有識別を前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記保管コンテナの前記グリッド位置に相関付けることに基づいて、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内で前記1つ又は複数の保管コンテナを位置特定し、
iii)前記製品の少なくとも一部に組み立てるための1つ又は複数のアイテムを各々が備える前記1つ又は複数の保管コンテナをそのグリッド位置から取り出し、前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムまで移動させるように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令することによって、
前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムのそれぞれのポートカラムに取り出すべく、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するようにさらに構成される、請求項26に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項28】
少なくとも1つの移送システムにある第2の自動保管及び取り出しシステムからの1つ又は複数の保管コンテナに応答して、請求項18から25のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム内で1つ又は複数のアイテムを取り扱う方法であって、
i)第1の自動保管及び取り出しシステムからの1人又は複数人のユーザに関連付けられた固有識別を、前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムからの前記1つ又は複数の保管コンテナの固有識別に相関付けることによって、1つ又は複数のアイテムを備える1つ又は複数の保管コンテナを識別するステップと、
ii)前記1つ又は複数の識別された保管コンテナを取り出し、前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の少なくとも1つのポートに移動させるように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
iii)前記識別された1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを、前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムからの前記1つ又は複数の保管コンテナに移送するステップと、
iv)前記1つ又は複数の保管コンテナを前記少なくとも1つの移送システムから、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の保管カラムまで移動させるように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
を備える方法。
【請求項29】
前記第1の自動保管及び取り扱いシステムからの前記1つ又は複数の識別された保管コンテナの前記固有識別に基づいて、1つ又は複数のコンテナを前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造から前記少なくとも1つの移送システムに取り出すように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップをさらに備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
製品の少なくとも一部を形成するために請求項26又は27に記載の自動積荷取り扱いシステムからの1つ又は複数のアイテムを組み立てる方法であって、
i)第1の自動保管及び取り出しシステムからの、前記製品の前記少なくとも一部に関連付けられた固有識別を有する1つ又は複数のアイテムを備える1つ又は複数の保管コンテナを識別するステップと、
ii)前記製品の前記少なくとも一部に組み立てるための1つ又は複数のアイテムを各々が備える前記1つ又は複数の保管コンテナをそのグリッド位置から取り出し、前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムに移動させるように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
iii)前記製品の前記少なくとも一部を形成するように前記1つ又は複数の保管コンテナからの前記1つ又は複数のアイテムを組み立てるステップと、
iv)前記製品の前記少なくとも一部を、前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムからの前記1つ又は複数の保管コンテナに移送するステップと、
v)前記1つ又は複数の保管コンテナを前記少なくとも1つの移送システムから前記第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の保管カラムまで移動させるように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管コンテナ又は大型容器を取り扱うための自動保管及び取り出しシステムを備える自動積荷取り扱いシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの商業及び産業活動は、多数の異なる製品の保管及び取り出しを可能にするシステムを必要とする。一般に、製品又はアイテムの保管及び取り出しのための倉庫は、一連のラックを備え、ラックは、ラック間の通路内で移動可能であるフォークリフトなどの持ち上げデバイスを備える輸送デバイスによってアクセス可能である。製品又はアイテムは、典型的には、パレット又は他の保管コンテナ上に保管され、ラックの異なる高さに置かれる。手動駆動又は自動のいずれかの輸送デバイスが、ラック間の通路を上下に進行し、持ち上げデバイスは、特定の製品を保管するパレット又はパレット上のアイテムをラックから取り出すために使用される。しかし、製品の保管及び取り出しは、非常に労力を要し、多大な時間を必要とする。
【0003】
PCT公報の国際公開第2015/185628A号(オカド)は、大型容器又はコンテナのスタックがグリッドフレームワーク構造内に配置された、知られている自動保管及び取り出しシステムを説明している。大型容器又は保管用大型容器又はコンテナ又は保管コンテナとして知られているコンテナは、スタックを形成するために上下に積み重ねられる。スタックは、倉庫又は分配センタ内のグリッドフレームワーク構造内に配置される。大型容器又はコンテナは、グリッドフレームワーク構造の上部に位置するトラック上で遠隔で動作可能なロボット式積荷取り扱いデバイス(別様ではボットとして知られている)によってアクセスされる。国際公開第2015/185628A号(オカド)で教示されている自動保管及び取り出しシステムは、アイテムの保管のための非常に密度の高いシステムを実現しているが、この自動保管及び取り出しシステムは、保管されている大型容器又はコンテナの内容物の特定の属性に基づいて大型容器又はコンテナを照合することはできない。
【0004】
たとえば、産業活動が空港における手荷物取り扱いシステムである場合、大型容器又はコンテナの照合が必要である。世界中の空港ターミナルは、一般に、乗客の手荷物をチェックインし、これをフライトの出発前に飛行機の貨物倉に積み込み、そのフライトの終了時に乗客の手荷物を返すためにいくつかの形態のシステムを使用している。特に大きな国際空港においてこのサービスを提供するために必要とされる設備は、きわめて高価になり得る。空港内で使用される、知られている手荷物輸送システムは、出発のチェックインシステムと、到着の回収システムとを含み得る。
【0005】
空港におけるチェックイン時及び収集時の手荷物の流れの一例は、次を備え得る。乗客は、ターミナルにおいて手荷物をチェックインディスクに預ける。乗客の手荷物は、次いで、シュートまで手荷物を運ぶコンベヤ上に置かれ、シュートは、建物の下の階に位置し得るビルドセルまで手荷物を案内する。大きな国際ターミナルは、チェックインエリアの下方で200以上のビルドセルを使用し得る。
【0006】
そのような従来の手荷物システムで使用されるタイプのビルドセルは、典型的には、シュートを出た手荷物をシュート出口から離れるように運ぶためのコンベヤを含む。
【0007】
コンベヤから手荷物を取り除き、コンベヤに隣接した積み込みステーション上に載せるために、1人又は複数人の手作業の取扱者が、各ビルドセルに割り当てられる。各ビルドセルは、手荷物が間違った目的地に送られることを回避するために、指定のフライトの手荷物を収集するように指定される。タグ及びドーリ輸送システムが、次いで、積み込みステーションに横付けされ、手荷物は、フライトカン又は手荷物カートとしても知られているユニットロードデバイス(ULD)に手動で積み込まれる。
【0008】
ULDは、大量の貨物を1つのユニットにまとめる、又は照合することを可能にする役割を果たす。これは、取り扱う個々のユニットがより少なくなるため、地上クルーの時間及び飛行機に積み込む労力を削減する。ULDは、タグ及びドーリ上に積み込まれると、飛行機に輸送され、特定の航空機、航空会社、及び任意の適用可能なルール又は法規に応じて、手荷物は、ULDに入れて航空機上で保管されるか、又は航空機内に手動で積み下ろされる。
【0009】
上記で説明された手荷物取り扱いシステムは、多くの問題を抱えている。コンベヤは、手荷物を積み込みステーションまで移動させ、タグ及びドーリによってピックアップするために、地上レベルに位置しなければならない。複数のビルドセルが使用される場合、大きな表面積がとられる。さらに、フライトのチェックイン時間は、一般に、最大で約3時間かかる。すべての乗客のチェックインが完了するまでに、コンベヤ上に着座する手荷物をULDに積み込むことができない場合、その特定のコンベヤは、この時間中、他のフライトの手荷物を保管するために利用することはできない。
【0010】
手荷物をシュートのベースから手荷物カート又はULD上に移送することは、手動で持ち上げ、位置決めすることによって達成されてきた。しかし、そのような手動労力に起因し得る負傷についての懸念が生じている。
【0011】
したがって、上記で説明された問題を抱えない自動積荷取り扱いシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、公報の国際公開第2015/185628A号(オカド)に説明されている保管及び取り出しシステムの高い保管能力に基づいて(積荷取り扱いシステム又は自動取り扱いシステムとも称される)自動積荷取り扱いシステムを提供することによって、上記の問題を軽減した。公報の国際公開第2015/185628A号(オカド)に説明されている3次元グリッドフレームワーク構造は、当技術分野で知られている他の保管及び取り出しシステムと比較して、グリッドフレームワーク構造の所与の接地面積上にアイテム又は保管コンテナを高い密度で保管する能力を有する。保管されている1つ又は複数のアイテムを照合する及び/又は選別する能力を有する、国際公開第2015/185628A号(オカド)に説明された保管及び取り出しシステムの問題を克服するために、本発明は、A)第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムと、B)少なくとも1つのポートカラムと、を備える自動積荷取り扱いシステムであって、
A)第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムの各自動保管及び取り出しシステムが、i)グリッドフレームワーク構造と、ii)複数のロボット式積荷取り扱いデバイスと、を備え、
i)グリッドフレームワーク構造が、
a)平行なトラックの第1のセット、及び実質的に水平な平面において第1のセットに対して横断方向に延びる平行なトラックの第2のセットを備え、複数のグリッドセルを備えるグリッドパターンで配置されるトラックシステムであって、各グリッドセルが、平行なトラックの第1のセットの隣接するトラックの対及び平行なトラックの第2のセットの隣接するトラックの対によって画定されたグリッド開口部を画定する、トラックシステムと、
b)1つ又は複数のアイテムを保管するための保管コンテナのそれぞれのスタックを保管するように各々が配置された複数の保管カラムであって、保管コンテナのスタックが、単一のグリッドスペース又はグリッドセルを保管コンテナの各スタックが占有するように、トラックシステムの下方に位置する、保管カラムと、
を備え、
ii)ロボット式積荷取り扱いデバイスは、1つ又は複数の保管コンテナをスタックから持ち上げ、移動させるためにトラックシステム上で動作可能であり、
B)1つのポートカラムは、第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムの各々のトラックシステムのグリッド開口部から下方向に延在しており、1つのポートカラムを通して、トラックシステム上で動作可能なそれぞれのロボット式積荷取り扱いデバイスが1つ又は複数の保管コンテナをドロップオフし、ピックアップすることができる、
自動積荷取り扱いシステムにおいて、自動積荷取り扱いシステムが、
C)1つ又は複数の保管コンテナ又は保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを第1の自動保管及び取り出しシステムの少なくとも1つのポートカラムから第2の自動保管及び取り出しシステムの少なくとも1つのポートカラムに移送するように構成された少なくとも1つの移送システムをさらに備え、
第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステムのグリッド開口部は、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造が、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内に保管された保管コンテナとは異なってサイズ設定された保管コンテナを保管するように構成されるように、第2の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステムのグリッド開口部とは異なったサイズであることを特徴とする、自動積荷取り扱いシステムを提供する。
【0013】
第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムの各自動保管及び取り出しシステムが、グリッドフレームワーク構造と、1つ又は複数の保管コンテナをスタックから持ち上げ、移動させるための、トラックシステム上で動作可能な複数のロボット式積荷取り扱いデバイスとを備える第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムを提供することにより、本発明による積荷取り扱いデバイスは、保管コンテナの保管及び取り出しのためのそのそれぞれのグリッドフレームワーク構造の高い保管密度及び自動化を活用することができる。本発明の自動積荷取り扱いシステムが1つ又は複数の保管コンテナ又は保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを選別及び/又は照合することを可能にするために、自動積荷取り扱いシステムは、1つ又は複数の保管コンテナ又は保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを第1の自動保管及び取り出しシステムから第2の自動保管及び取り出しシステムに移送するように構成された少なくとも1つの移送システムをさらに備える。少なくとも1つの移送システムによって提供される、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造と第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造との間の関係により、保管コンテナ又は保管コンテナからのアイテムを、第1の保管及び取り出しシステムから取り出し、第2の保管及び取り出しシステム内に保管される前に、1つ又は複数のコンテナ内で照合又は集約又は選別することが可能になる。第2の保管及び取り出しシステム内での保管のために1つ又は複数の保管コンテナ又は保管コンテナからのアイテムを照合するために、第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステムのグリッド開口部は、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造が、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内に保管される保管コンテナとは異なってサイズ設定された保管コンテナを保管するように構成されるように、第2の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステムのグリッド開口部とは異なるサイズである。これにより、グリッドフレームワーク構造の不一致性が作りだされ、これは、不一致のグリッドフレームワーク構造の各々により、異なってサイズ設定された保管コンテナをそのそれぞれの不一致のグリッドフレームワーク構造に保管することが可能になり、また、1つ又は複数の保管コンテナ又は保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを不一致のグリッドフレームワーク構造間で移送するために、少なくとも1つの移送システムが必要とされることを意味する。本発明の目的のために、グリッド開口部のサイズは、ロボット式積荷取り扱いデバイスがトラックシステムにわたって移動するときにトラックシステムの最大グリッド開口部をわたす対角線の長さを表す。好ましくは、第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステムのグリッド開口部は、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造が、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内に保管される保管コンテナより小さい保管コンテナを保管するように構成されるように、第2の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステムのグリッド開口部より小さい。
【0014】
第1及び第2の保管及び取り出しシステムの各それぞれのグリッドフレームワーク構造は、平行なトラックの第1及び第2のセットがグリッド開口部を有する複数のグリッドスペース又はグリッドセルを備える水平面に位置するグリッドパターンで配置されるという意味で、平行なトラックの第1のセットと、平行なトラックの第1のセットに対して横断方向に延びる平行なトラックの第2のセットとを備えるトラックシステムを備える。したがって、平行なトラックの第1のセットは、ロボット式積荷取り扱いデバイスをX方向に案内し、平行なトラックの第2のセットは、ロボット式積荷取り扱いデバイスをY方向に案内する。
【0015】
保管コンテナは、第1及び第2の保管及び取り出しシステムのそれぞれのグリッドフレームワーク構造の1つ又は複数の保管カラム内のスタック内に保管され、ここにおいて、保管コンテナの各スタックは、単一のグリッドスペース又はグリッドセルを占有するように配置される。このようにして、グリッドセル又はグリッドスペースの開口部は、トラックシステム上で動作可能な積荷取り扱いデバイスがスタック内の保管コンテナを取り出すために保管カラムの各々上で横方向に移動することができる保管カラムに対応する。
【0016】
複数のロボット式積荷取り扱いデバイスの各々は、車体と、スタックの上方でグリッドフレームワーク構造のトラックシステム上をX及びY方向に進行するように配置された車輪組立体とを備える。車輪組立体は、トラックシステム上を延びる車輪の2つのセットを備える。車輪の2つのセットの各々は、トラックに沿ったX方向及びY方向それぞれの車両の移動を可能にするように駆動される。車両の正面の車輪の対と車両の後部の車輪の対とからなる車輪の第1のセットは、トラックの第1のセットの2つの隣接するトラックと係合するように配置される。同様に、車両の各側の車輪の対からなる車輪の第2のセットは、トラックの第2のセットの2つの隣接するトラックと係合するように配置される。車輪の第1のセットがトラックの第1のセットに係合され、車輪の第2のセットがトラック又はレールから離して持ち上げられたとき、車輪は、車体内に収容された駆動機構によって、ロボット式積荷取り扱いデバイスをX方向に移動させるように駆動され得る。積荷取り扱いデバイスをY方向に移動させるために、車輪の第1のセットは、トラック又はレールから離して持ち上げられ、車輪の第2のセットは、下降されてトラック又はレールの第2のセットと係合する。駆動機構は、次いで、Y方向の移動を達成するために車輪の第2のセットを駆動するために使用され得る。一方又は両方の車輪のセットは、車輪の各セットをそれぞれのレールから離して持ち上げるように垂直に移動されることが可能であり、それによって車両をトラックシステム上で所望の方向に移動させることを可能にする。
【0017】
追加的に、複数のロボット式積荷取り扱いデバイスの各々は、保管コンテナをグリッドの上部にわたって輸送するときに保管コンテナを受け入れ、収容するためのコンテナ受容スペースを備える。コンテナ受容スペースは、たとえば、国際公開第2015/019055号(オカドイノベーションリミテッド)で説明されているような、車体内に配置された空洞又は凹部を備えてもよい。代替的に、積荷取り扱いデバイスの車体は、国際公開第2019/238702号(オートストアテクノロジーAS)で教示されるようなカンチレバーを備えてもよく、この場合、コンテナ受容スペースは、ロボット式積荷ハンディングデバイスのカンチレバーの下方に位置する。
【0018】
第1及び第2の保管及び取り出しシステムの各それぞれのグリッドフレームワーク構造は、保管コンテナをスタック内に保管するための保管カラムとして使用されない少なくとも1つのグリッドカラムを有する。この少なくとも1つのグリッドカラムは、その代わりに、保管コンテナが少なくとも1つの移送システムに移送され得るように、保管コンテナをドロップオフし、及び/又はピックアップするためにロボット式積荷取り扱いデバイスによって使用され、この場合、保管コンテナの内容物は、第1の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の外側からアクセスされ、少なくとも1つの移送システムを介して、第2の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造に移送されることが可能である。本発明の目的のために、少なくとも1つのグリッドカラムのグリッド開口部は、「ポート」と呼ばれ、ポートが位置する少なくとも1つのグリッドカラムは、「少なくとも1つのポートカラム」と呼ばれる。少なくとも1つのポートカラムは、第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムの各々のトラックシステムのグリッド開口部から下方向に延在する。それぞれのグリッド開口部を介して、トラックシステム上で動作可能なそれぞれのロボット式積荷取り扱いデバイスは、1つ又は複数の保管コンテナをドロップオフし、ピックアップすることができる。任意選択により、少なくとも1つのポートカラムは、2つのポートカラムを備え、第1のポートカラムはドロップオフポートカラムとして専用にされ、ロボット式積荷取り扱いデバイスが、保管コンテナを少なくとも1つの移送システムにドロップオフすることができる出口ポートカラムとして規定され、第2のポートカラムは、ピックアップポートカラムとして専用にされ、ロボット式積荷取り扱いデバイスが、少なくとも1つの移送システムからポートカラムに配送された保管コンテナをピックアップすることができる入口ポートカラムとして規定される。
【0019】
任意選択により、少なくとも1つの移送システムは、1つ又は複数の保管コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステムから第2の自動保管及び取り出しシステムに輸送するために、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造のポートカラムから、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造のポートカラムまで延在する少なくとも1つのコンベヤユニットを備えるコンベヤシステムを備える。この例では、保管コンテナが第1の保管及び取り出しシステムから第2の保管及び取り出しシステムに直接移送され得るように、少なくとも1つのコンベヤユニットは、第1及び第2の保管及び取り出しシステムからのポートカラム間に延在し、ここで、保管コンテナは、たとえば、ユーザ詳細、空港手荷物取り扱いシステムの場合のフライト番号などの保管コンテナの内容物の属性に基づいて照合され得る。
【0020】
第1の保管及び取り出しシステムからの保管コンテナの内容物を、第2の保管及び取り出しシステムに入る保管コンテナに移送することを可能にするために、任意選択により、少なくとも1つの移送システムは、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造のポートカラムからドロップオフされた保管コンテナを受け入れるためのピックステーション又はピッキングステーションを備える。ピックステーションは、少なくとも1つのポートカラムにドロップオフされた保管コンテナの内容物に、グリッドフレームワーク構造の外側からピッキングするためにアクセスすることを可能にする。ピックステーションにおいて、1つ又は複数のアイテムが、第1の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の少なくとも1つのポートカラムにドロップオフされた保管コンテナからピッキングされ得る。1つ又は複数のピッキングされたアイテムは、次いで、第2の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内にそのそれぞれの少なくとも1つのポートカラムを介して後で保管するために異なってサイズ設定された保管コンテナに移送するために、照合及び/又は選別され得る。特定の実施形態は、ピッキングステーションが、少なくとも1つの移送システムを介して、第1の保管及び取り出しシステムの少なくとも1つのポートカラムにドロップオフされた保管コンテナの内容物を、第2の保管及び取り出しシステムの少なくとも1つのポートカラムにドロップオフされた保管コンテナに移送するように配置されると説明しているが、本発明は、保管コンテナの内容物の移送に限定されず、保管コンテナそれ自体を、少なくとも1つの移送システムを介して、ピックステーションから、第2の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内での保管のために異なってサイズ設定された保管コンテナに移送することを含むことができる。代替的に、1つ又は複数のアイテムが、別個の配送用保管コンテナに置かれることが可能であり、配送用保管コンテナは、第2の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内での保管のための保管コンテナの内側に置かれることが可能である。配送用保管コンテナは、1つ又は複数のアイテムを保管コンテナ内に一緒に保つことを便利にし、保管コンテナの内容物を、第2の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内での保管のために異なってサイズ設定された保管コンテナに容易に移送することを実現する。
【0021】
任意選択により、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッド構造の少なくとも1つのポートカラムは、少なくとも1つの移送システムから移送された1つ又は複数の保管コンテナを受け入れるための入口ポートカラムと、1つ又は複数の保管コンテナを少なくとも1つの移送システムにドロップオフするための出口ポートカラムとを備える。保管コンテナの内容物をピックステーションから、第2の保管及び取り出しシステムのグリッド構造内でのその後の保管のための保管コンテナに移送するために、少なくとも1つの移送システムは、第1及び/又は第2の自動保管及び取り出しシステムの出口ポートカラムからドロップオフされた1つ又は複数の保管コンテナを保持するための緩衝ゾーンを備える。異なってサイズ設定された保管コンテナは、ピックステーションにある1つ又は複数の保管コンテナ内の1つ又は複数のアイテムが、第2の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造へのその後の移送のために緩衝ゾーン内の、異なってサイズ設定された保管コンテナに移送され得るように、緩衝ゾーンにおいて保持される。代替的に、1つ又は複数の保管コンテナは、第1の自動保管及び取り出しシステムの少なくとも1つのポートカラムから、第2の自動保管及び取り出しシステムの緩衝ゾーンに保持された保管コンテナに移送され得る。任意選択により、緩衝ゾーンは、ピックステーションからピッキングされた1つ又は複数のアイテムを受け入れるように構成されたデカントステーションを備える。
【0022】
任意選択により、少なくとも1つの移送システムは、1つ又は複数の保管コンテナを自動保管及び取り出しシステムのそれぞれのグリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するために、第1又は第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の出口ポートカラムから第1又は第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の入口ポートカラムまで延在する少なくとも1つのコンベヤユニットを備える少なくとも1つのコンベヤシステムを備える。
【0023】
任意選択により、少なくとも1つの移送システムは、1つ又は複数の保管コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステムから第2の自動保管及び取り出しシステムに輸送するために、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の少なくとも1つのポートカラムから第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の少なくとも1つのポートカラムまで延在する少なくとも1つのコンベヤユニットを備えるコンベヤシステムを備える。
【0024】
任意選択により、少なくとも1つの移送システムは、1つ又は複数の保管コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するように配置された第1のコンベヤシステムと、1つ又は複数の保管コンテナを第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するように配置された第2のコンベヤシステムとを備える、少なくとも1つのコンベヤシステムを備える。第1のコンベヤシステムは、1つ又は複数の保管コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の移送コンベヤユニットを介して、出口ポートカラムから入口ポートカラムに輸送するように配置される。同様に、第2のコンベヤシステムは、1つ又は複数の保管コンテナを第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の移送コンベヤユニットを介して、出口ポートカラムから入口ポートカラムに輸送するように配置される。
【0025】
1つ又は複数の保管コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステム又は第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するために、任意選択により、少なくとも1つのコンベヤシステムは、入口コンベヤユニットと、出口コンベヤユニットと、移送コンベヤユニットとを備え、出口コンベヤユニットは、保管コンテナを出口ポートカラムから移送コンベヤユニットまで第1の方向に輸送するように配置され、入口コンベヤユニットは、保管コンテナを移送コンベヤユニットから入口ポートカラムまで第2の方向に輸送するように配置される。
【0026】
少なくとも1つの移送システムの少なくとも1つのコンベヤシステムは、保管コンテナを緩衝ゾーンを介して出口ポートから入口ポートに輸送し、この場合、保管コンテナは、第1の保管及び取り出しシステムから配送された保管コンテナ又は保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを受け取るために緩衝ゾーンに保持される。任意選択により、移送コンベヤユニットは、保管コンテナを出口コンベヤユニットから入口コンベヤユニットに輸送するように配置される。任意選択により、出口コンベヤユニット及び入口コンベヤユニットは、出口コンベヤユニットの第1の方向が入口コンベヤユニットの第2の方向の反対であり、これに平行であるように配置され、ここにおいて、移送コンベヤユニットの第3の方向は、出口コンベヤユニットの第1の方向と入口コンベヤユニットの第2の方向の両方に実質的に直交する。したがって、出口ポートを介して第2の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造を出た保管コンテナは、実質的に「U字」形状の経路でグリッド構造の入口ポートまで進行する。
【0027】
ピックステーションから第2の自動保管及び取り出しシステムの緩衝ゾーンにある保管コンテナまでの1つ又は複数のアイテムの移送は、手動操作によって、又は自動操作によって行われ得る。任意選択により、ピックステーションは、ピックステーションにドロップオフされた、第1の自動保管及び取り出しシステムの1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを、緩衝ゾーンにある、好ましくは第2の自動保管及び取り出しシステムの移送コンベヤユニットにある1つ又は複数の保管コンテナに移送するためのロボット式アームを備える。ピックステーションからの1つ又は複数のアイテムのピッキングを支援するために、好ましくはピックステーションは、保管コンテナを傾斜させるための傾斜機構と、傾斜機構を出た1つ又は複数のアイテムを捕捉するための、傾斜機構に隣接するスライドとを備える。
【0028】
任意選択により、第1の自動保管及び取り出しシステムの保管コンテナは、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内のスタック内で垂直に互いに離間されるようにスペーシング手段上に取り付けられた浅いトレイを備える。浅いトレイの各々は、底壁と、浅いトレイが第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内のスタック内に保管されているときに、浅いトレイの内側の1つ又は複数のアイテムがそこを通してアクセスされ得る1つ又は複数の切欠部を備える上方向に延在するリムとを備える。
【0029】
好ましくは、第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムの複数の積荷取り扱いデバイスの各積荷取り扱いデバイスは、保管コンテナと解放可能に係合するように構成された把持デバイスと、保管コンテナをトラックシステムの上方に持ち上げるように構成されたウインチ機構とを備える持ち上げ機構を備える。持ち上げ機構は、車体の内側に配置されてもよく、保管コンテナと解放可能に適合するように適合された、別様では把持デバイスとしても知られている持ち上げフレームと、少なくとも1つのスプール上に巻きつけられた持ち上げテザーと、保管コンテナをスタックからトラックシステムの上方に持ち上げるように構成されたウインチモータとを備えるウインチ機構とを備える。把持デバイスは、その位置が保管コンテナの上部又はリムを取り付けることができるように、車体から下降され得る。把持デバイスは、ウインチモータが給電されるときに保管コンテナがロボット式積荷取り扱いデバイスのコンテナ受容スペース内に持ち上げられるように、保管コンテナのリムを把持するように構成された把持要素を備える。
【0030】
本発明の自動積荷取り扱いシステムに受け入れられたアイテムの自動の確実なルーティングを可能にするために、好ましくは、自動積荷取り扱いシステムは、1つ又は複数のプロセッサと命令を記憶するメモリとを備える制御システムをさらに備え、命令は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されたときに、
a)ユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられたアイテムの保管のリクエストを受信し、
b)ユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられたデータを備える固有識別を生成し、
c)固有識別を第1の自動保管及び取り出しシステム内の保管コンテナに割り当て、
d)固有識別に関連付けられたデータをデータベース内に記憶するように構成される。
【0031】
ユーザに関連付けられるデータは、それだけに限定されないが、ユーザの名前、及び/又は居住地、及び/又はユーザに関連付けられた他の属性、たとえば勤務地を含む。代替的には、固有識別は、製品の少なくとも一部に関連付けられたデータを備えることができる。任意選択により、本発明の自動積荷取り扱いシステムは、組み立てラインの一部を形成することができ、ここでは、第1の自動保管及び取り出しシステムからの、1つ又は複数の保管コンテナから取り出された1つ又は複数のアイテムは、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内での保管のために移送される前に、製品の少なくとも一部又は製品全体を形成するために一緒に組み立てられ得る。任意選択により、少なくとも1つの移送システムは、第1の自動保管及び取り出しシステムからの、1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを組み立てるための少なくとも1つの組み立てステーションを備える。
【0032】
好ましくは、固有識別は、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナのグリッド位置を固有識別に相関付けることによって、第1の自動保管及び取り出しシステム内の保管コンテナに割り当てられる。ユーザに関連付けられた固有識別を第1の自動保管及び取り出しシステム内の保管コンテナに割り当てるための1つの方法は、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナの位置を固有識別に相関付けることによるものである。本発明の目的のために、トラックシステムは、ロボット式積荷取り扱いデバイスの移動を水平面内でX及びY方向に案内し、持ち上げ機構は、スタック内の保管コンテナにアクセスするために第3のZ方向に把持デバイスを移動させるように構成される。本出願の目的のために、Z=1は、グリッドフレームワーク構造の最上層、すなわち、トラックシステムのすぐ下方の層を規定し、Z=2は、トラックシステムの下方の2番目にある層であり、Z=3は、トラックシステムの下方の3番目にある層であるなどのように規定する。第1及び第2の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内に保持された保管コンテナの各々の位置は、デカルト座標系X、Y、Zによって表され得る。たとえば、保管コンテナは、デカルト座標系X、Y、Zから決定されたグリッド位置に位置すると言うことができる。
【0033】
第1の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナに、それぞれのユーザに関連付けられた固有識別が割り当てられるのと同様に、制御システムは、
a)第2の自動保管及び取り出しシステム内の各保管コンテナに関連付けられたデータを備える固有識別を生成し、
b)保管コンテナの固有識別を第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナの位置に割り当てるようにさらに構成される。
【0034】
ユーザに関連付けられた固有識別を生成し、その固有識別を第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッド位置(X、Y、Z)に割り当てることに加えて、制御システムは、さらに、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内の各保管コンテナに関連付けられたデータを備える固有識別を生成し、保管コンテナの固有識別を第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナのグリッド位置に割り当てる。このようにして、制御システムは、第2の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内の正しい保管コンテナに移送されるべき、第1の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造からのアイテム又は保管コンテナを正しく識別することができる。好ましくは、制御システムは、第1の保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数の保管コンテナからの複数のアイテムを、そのそれぞれの固有識別に基づいて、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナへの移送のために集約又は照合するように構成される。1つ又は複数のアイテム又は1つ又は複数の保管コンテナも、そのそれぞれの固有識別に基づいて、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナへの移送のために一緒に照合又は集約され得る。好ましくは、制御システムは、第1の保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数の保管コンテナからの複数のアイテムを、1人又は複数人のユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられたそのそれぞれの固有識別を集約することによって、集約又は照合するように構成される。たとえば、1つ又は複数のアイテムが、1人又は複数人のユーザに関連付けられた手荷物であり、各手荷物にはユーザに関連付けられたデータを備える固有識別が割り当てられている場合、制御システムは、そのそれぞれの固有識別を最初に識別し、次いで、識別された後、そのぞれぞれの固有識別を集約することに基づいて、第1の保管及び取り出しシステム内に保管されている手荷物を集約又は照合するように構成される。組み立てラインの場合、1つ又は複数のアイテムは、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナに移送される前に、組み立てステーションにおいて製品の少なくとも1つの部分に組み立てるために一緒に集約又は照合され得る。
【0035】
好ましくは、制御システムは、1人又は複数人のユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられた、集約されたそれぞれの固有識別を、第2の自動保管及び取り出しシステムの保管コンテナの固有識別に割り当てるように構成される。したがって、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッド構造内の保管コンテナは、第1の自動保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数の保管コンテナからの、集約されたアイテムを収容する準備がなされている。第2の自動保管及び取り出しシステムの保管コンテナの固有識別は、ユーザ、又は1人又は複数人のユーザに共通の別の属性、又は製品の少なくとも一部に関連付けられた属性に関連付けられたデータに基づく第1の自動保管及び取り出しシステムからの保管コンテナの集約された固有識別に対応することができる。たとえば、自動積荷取り扱いシステムが自動手荷物取り扱いシステムの場合、属性は、1人又は複数人のユーザ共通の旅行詳細に関連付けられたデータ、たとえばフライト番号であり得る。したがって、第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムからの保管コンテナの固有識別は、フライト詳細に関連付けられたデータに対応することができる。同様に、保管コンテナ内の1つ又は複数のアイテムが製品の少なくとも一部の一部分を形成する場合、第2の自動保管及び取り出しシステムの1つ又は複数の保管コンテナの固有識別は、製品の少なくとも一部に関連付けられたデータに基づく、第1の自動保管及び取り出しシステムからの保管コンテナの集約された固有識別に対応することができる。
【0036】
好ましくは、制御システムは、少なくとも1つの移送システムにある第2の自動保管及び取り出しシステムの保管コンテナの対応する固有識別に基づいて、
i)1人又は複数人のユーザに関連付けられた固有識別を、少なくとも1つの移送システムにある第2の自動保管及び取り出しシステムの保管コンテナの対応する固有識別に相関付け、
ii)固有識別を第1の自動保管及び取り出しシステムのそのそれぞれのグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナのグリッド位置に相関付けることに基づいて、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内の1つ又は複数の保管コンテナを識別し、
iii)1つ又は複数の保管コンテナをグリッド位置から取り出し、1つ又は複数の保管コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステムの少なくとも1つのポートカラムまで移動させるように、第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な積荷取り扱いデバイスに命令することによって、
1つ又は複数の保管コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステムのそれぞれのポートカラムに取り出すように、第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するようにさらに構成される。
【0037】
少なくとも1つの移送システム(すなわち緩衝ゾーン)にある第2の自動保管及び取り出しシステムの保管コンテナの固有識別に応じて、制御システムは、第1の自動保管及び取り出しシステムからの、1人又は複数人のユーザに関連付けられた固有識別を、少なくとも1つの移送システムにある保管コンテナの対応する固有識別に相関付けるように構成される。少なくとも1つの移送システムにある保管コンテナは、第1の自動保管及び取り出しシステムからの、保管コンテナからの1つ又は複数のアイテム、又は保管コンテナ自体を収容するように異なってサイズ設定される。たとえば、第2の自動保管及び取り出しシステムからの保管コンテナは、空港において荷物又は積載貨物を航空機に積み込むために一般的に使用されるユニットロードデバイス(ULD)であることができる。第1の自動保管及び取り出しシステムからの1つ又は複数の保管コンテナの固有識別を、少なくとも1つの移送システムにある第2の自動保管及び取り出しシステムからの保管コンテナの固有識別に相関付けることは、たとえば、フライトデータに基づくことができる。手荷物取り扱いシステムの場合、第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムの固有識別は、追加的に、ユーザが予約したフライトを示す予約データと一緒に、ユーザ定義された目的地に関連付けられたデータを備えることができる。
【0038】
制御システムが、第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムからの保管コンテナの固有識別に関連付けられた保管コンテナを相関付けた後、制御システムは、次いで、第1の自動保管及び取り出しシステムからの保管コンテナを少なくとも1つの移送システムにある第2の自動保管及び取り出しシステムからの保管コンテナにパッキングすることを実行するために、第1の自動保管及び取り出しシステムから1つ又は複数の保管コンテナを識別する。制御システムは、固有識別を第1の自動保管及び取り出しシステムのそのそれぞれのグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナのグリッド位置に相関付けることに基づいて、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内で1つ又は複数の保管コンテナを位置特定する。制御システムは、次いで、1つ又は複数の保管コンテナをその位置から取り出し、1つ又は複数の保管コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステムの少なくとも1つのポートカラムに移動させるように、第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令する。少なくとも1つのポートカラムにおいて、少なくとも1つの移送システムは、第1の自動保管及び取り出しシステムの少なくとも1つのポートカラムからの、1つ又は複数の保管コンテナ又は保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを、第2の自動保管及び取り出しシステムの少なくも1つのポートカラムからの1つ又は複数の保管コンテナに移送するように構成される。
【0039】
本発明の自動取り扱いシステムは、空港において手荷物取り扱いシステムとして利用されることが可能であり、この場合、自動取り扱いシステムは、第1の自動保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数の保管コンテナ内に保管された1つ又は複数のアイテムのそれぞれが手荷物アイテムであるような自動手荷物取り扱いシステムである。ユーザに関連付けられた固有識別は、手荷物タグデータであり、前記手荷物タグデータは、旅行データを示す予約データと一緒に、ユーザ指定された目的地に関連付けられたデータを備える。この場合、第2の自動保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数の保管コンテナの各々は、ユニットロードデバイス(ULD)である。自動取り扱いシステムは、手荷物取り扱いシステムに限定されず、任意の自動取り扱いシステムに使用され得る。たとえば、自動取り扱いシステムは、引っ越しにおける1人又は複数人のユーザに関連付けられたアイテムの収集及び保管に使用され得る。同様に、用語「ユーザ」は、会社又は組合などの法人をカバーするように広く解釈され得る。
【0040】
製品の少なくとも一部が集約又は照合された複数のアイテムの組立体を備える場合、好ましくは、制御システムは、製品の少なくとも一部に関連付けられた固有識別に基づいて、
i)製品の少なくとも一部の一部を各々が形成する1つ又は複数のアイテムを備える1つ又は複数の保管コンテナを識別し、
ii)固有識別を第1の自動保管及び取り出しシステムのそのそれぞれのグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナのグリッド位置に相関付けることに基づいて、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造内で1つ又は複数の保管コンテナを位置特定し、
iii)製品の少なくとも一部に組み立てるための1つ又は複数のアイテムを各々が備える1つ又は複数の保管コンテナをそのグリッド位置から取り出し、1つ又は複数の保管コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステムの少なくとも1つのポートカラムまで移動させるように、第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令することによって、
1つ又は複数の保管コンテナを取り出すように、第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するようにさらに構成される。
【0041】
製品の少なくとも一部又は完全な製品を組み立てるとき、制御システムは、製品の少なくとも一部を組み立てるために必要とされるアイテム又は部材を識別する。識別された後、制御システムは、第1の自動保管及び取り出しシステム内のそのぞれぞれのグリッド位置について保管コンテナを位置特定し、1つ又は複数の保管コンテナを取り出し、1つ又は複数の保管コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステムの少なくとも1つのポートカラムに移動させるように、トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令する。1つ又は複数のアイテムは、次いで、少なくとも1つの移送システムを介して第2の自動保管及び取り出しシステムにある保管コンテナに移送される前に、組み立てステーションにおいて一緒に組み立てられ得る。
【0042】
本発明は、少なくとも1つの移送システムにある第2の自動保管及び取り出しシステムからの1つ又は複数の保管コンテナに応答して、自動積荷取り扱いシステム内で1つ又は複数のアイテムを取り扱う方法であって、
i)第1の自動保管及び取り出しシステムからの1人又は複数人のユーザに関連付けられた固有識別を、少なくとも1つの移送システムにある第2の自動保管及び取り出しシステムからの1つ又は複数の保管コンテナの固有識別に相関付けることによって、1つ又は複数のアイテムを備える1つ又は複数の保管コンテナを識別するステップと、
ii)1つ又は複数の識別された保管コンテナを取り出し、1つ又は複数の保管コンテナを第1の保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の少なくとも1つのポートに移動させるように、第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
iii)識別された1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを、少なくとも1つの移送システムにある第2の自動保管及び取り出しシステムからの1つ又は複数の保管コンテナに移送するステップと、
iv)1つ又は複数の保管コンテナを少なくとも1つの移送システムから、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の保管カラムまで移動させるように、第2の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
を備える方法をさらに提供する。
【0043】
第1の自動保管及び取り出しシステムからの1つ又は複数のアイテム又は保管コンテナを、第2の自動保管及び取り出しシステムの1つ又は複数の保管コンテナに移送するための準備として、方法は、第1の自動保管及び取り出しシステムからの1つ又は複数の集約された保管コンテナの固有識別に基づいて、1つ又は複数の保管コンテナを第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造から少なくとも1つの移送システムに取り出すように、第2の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップをさらに備える。
【0044】
本発明は、製品の少なくとも一部を形成するために本発明による自動積荷取り扱いシステムからの1つ又は複数のアイテムを組み立てる方法であって、
i)第1の自動保管及び取り出しシステムからの、製品の少なくとも一部に関連付けられた固有識別を有する1つ又は複数のアイテムを備える1つ又は複数の保管コンテナを識別するステップと、
ii)製品の少なくとも一部に組み立てるための1つ又は複数のアイテムを各々が備える1つ又は複数の保管コンテナをそのグリッド位置から取り出し、1つ又は複数の保管コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステムの少なくとも1つのポートカラムに移動させるように、第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスを命令するステップと、
iii)製品の少なくとも一部を形成するように1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを組み立てるステップと、
iv)製品の少なくとも一部を、少なくとも1つの移送システムにある第2の自動保管及び取り出しシステムからの1つ又は複数の保管コンテナに移送するステップと、
v)1つ又は複数の保管コンテナを少なくとも1つの移送システムから第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の保管カラムに移動させるように、第2の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
を備える、方法をさらに提供する。
【0045】
自動取り扱いシステムは、次に、例を参照しながら詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムを有する自動取り扱いシステムの概略図。
図2】グリッドフレームワーク構造及びコンテナの概略図。
図3図1に示されるグリッドフレームワーク構造の上部のトラックの概略図。
図4図2に示されるグリッドフレームワーク構造の上部の積荷取り扱いデバイスの概略図。
図5】コンテナ持ち上げ手段が下降構成にある単一の積荷取り扱いデバイスの概略図。
図6】コンテナ持ち上げ手段が上昇及び下降構成にある単一の積荷取り扱いデバイスの概略切断図。
図7】グリッドフレームワーク構造と保管コンテナと積荷取り扱いデバイスとを備える第1の自動保管及び取り出しシステムの概略図。
図8】グリッドフレームワーク構造と保管コンテナと積荷取り扱いデバイスとを備える第2の自動保管及び取り出しシステムの概略図。
図9】第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムを有する自動取り扱いシステムの概略図。
図10】第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムを有する自動取り扱いシステムの異なる概略図。
図11(a)】ピックステーションの概略図。
図11(b)】図7の保管コンテナの斜視図。
図12】第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムを有する自動取り扱いシステムの概略図。
図13】第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムを有する自動取り扱いシステムの概略図。
図14】第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムを有する自動取り扱いシステムの概略図。
図15】本発明の例示的な実施形態による自動取り扱いシステムの構成要素を示すブロック図。
図16】グリッドフレームワーク構造内の保管コンテナに固有識別を割り振るプロセスを示す流れ図。
図17】自動取り扱いシステムにおける保管コンテナの選別の例示的な実施形態を示す流れ図。
図18】組み立てシステムとしての自動取り扱いシステムの適用を示す流れ図。
図19】組み立てステーションの例示的な実施形態を示す図。
図20図19の組み立てステーションを組み込む自動組み立てシステムを示す図。
図21】第2の自動保管及び取り出しシステムに隣接する図11のピックステーションを示す図。
図22】第2の自動保管及び取り出しシステムに隣接するピックステーションを示す図。
図23】第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムと移送システムとを有する自動取り扱いシステムの概略図。
図24】貨物ドーリ上に積み込まれている保管コンテナを示す、自動取り扱いシステムの後部の概略図。
図25】自動取り扱いシステムの概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
自動取り扱いシステムは、2つ以上の自動保管及び取り出しシステムを備える。2つ以上の自動保管及び取り出しシステムの各々は、以下でより詳細に説明されるように、グリッドフレームワーク構造と1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスとを備える。自動保管及び取り出しシステムの保管コンテナは、異なってサイズ設定され、保管コンテナ又は保管コンテナ内のアイテムは、これらが1つの自動保管及び取り出しシステムから別のそのシステムに移送されるときに照合及び/又は選別される。
【0048】
本発明は、第1の自動保管及び取り出しシステム及び第2の自動保管及び取り出しシステムを参照しながら以下で説明され、この場合、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッド開口部及び保管コンテナ及び積荷取り扱いデバイスは、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッド開口部及び保管コンテナ及び積荷取り扱いデバイスより大きい。
【0049】
用語「大きいグリッド開口部」は、第2の自動保管及び取り出しのグリッド開口部を説明するために使用され、用語「小さいグリッド開口部」は、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッド開口部を説明するために使用される。用語「大きいコンテナ」又は「大きい保管コンテナ」は、第2の自動保管及び取り出しシステムの保管コンテナを説明するために使用され、用語「小さいコンテナ」又は「小さい保管コンテナ」は、第1の自動保管及び取り出しシステムの保管コンテナを説明するために使用される。用語「大きい積荷取り扱いデバイス」は、第2の自動保管及び取り出しシステムの積荷取り扱いデバイスを説明するために使用され、用語「小さい積荷取り扱いデバイス」は、第1の自動保管及び取り出しシステムの積荷取り扱いデバイスを説明するために使用される。以下で説明されるような2つの自動保管及び取り出しシステムを有する自動取り扱いシステムは、特許請求される本発明の1つの例であり、本発明は、3つ以上の自動保管及び取り出しシステムを備え、また、3つ以上のサイズのグリッド開口部及び保管コンテナ及び積荷取り扱いデバイスを備える自動取り扱いシステムも包含することが理解されよう。
【0050】
第2の自動保管及び取り出しシステムの大きい保管コンテナは、第1の自動保管及び取り出しシステムの小さい保管コンテナのいくつかが第2の自動保管及び取り出しシステムの大きいコンテナの内側に収容され得るようにサイズ設定されてもよい。たとえば、大きい保管コンテナの寸法は、小さい保管コンテナの寸法の整数倍にいくらかのクリアランス許容量を加えたものであるように選択されてもよい。たとえば、1つの大きい保管コンテナ内に8つの小さい保管コンテナが収容され得るように、大きい保管コンテナの長さ及び広さ及び高さは、小さい保管コンテナの長さ及び広さ及び高さのそれぞれの2倍であってもよい。
【0051】
小さい保管コンテナをより大きいコンテナの内側に置くことの代替策として、1つ又は複数のアイテムが小さいコンテナから大きい保管コンテナ内にピッキングされてもよい。いくつかの用途では、保管コンテナは、コンテナからアイテムを取り出し、又はコンテナ内にアイテムを置くことを容易にするために、側面が深いコンテナではなくトレイであることができる。
【0052】
自動取り扱いシステムは、保管コンテナ又は保管コンテナ内のアイテムを1つの自動保管及び取り出しシステムから別のそのようなシステムに移送するために、1つ又は複数の移送システムを備える。本説明の目的のために、第1の自動保管及び取り出しシステムからの保管コンテナが第2の自動保管及び取り出しシステムに移送される例が、与えられる。
[用途例]
自動取り扱いシステムには多くの可能な用途がある。たとえば、自動取り扱いシステムは、乗客輸送のための手荷物を取り扱うための自動手荷物取り扱いシステムであってもよい。たとえば、自動保管及び取り出しシステムの1つ内の保管コンテナは、発送コンテナであってもよく、自動取り扱いシステムは、発送コンテナ内で発送するための品物を準備するためのものであってもよい。保管コンテナは、顧客の引っ越しのために個人の持ち物又は家具を保管するためのものであってもよく、又は長期間又は短期間保管設備内に持ち物を置くためのものであってもよい。自動取り扱いシステムは、ショールーム又は小売業者又はフリート顧客のための車両の受注を履行するためのものであってもよく、保管コンテナは車両を含んでもよい。自動取り扱いシステムは、顧客の注文(たとえば食料雑貨品注文)を履行し、その注文をハブアンドスポーク分配ネットワークのスポークに送られるより大きい発送品内へと照合するためのものであってもよい。自動取り扱いシステムは、プレハブ式又はモジュール式建物用であってもよい。自動取り扱いシステムは、自動組み立てラインであってもよく、ここでは、第1の自動保管及び取り出しシステムからの部材が組み立てられ、組み立てられた製品は、第2の自動保管及び取り出しシステム内での保管のために移送される。これらの用途は非限定的な例にすぎず、自動取り扱いシステムは、小売又は分配又は任意の他の用途のための任意の種類の品物又は製品又はアイテムを取り扱うために使用されてもよい。
【0053】
図1は、第1の自動保管及び取り出しシステム52及び第2の自動保管及び取り出しシステム54を有する自動取り扱いシステム50を概略的に示す。2つの自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造1が異なるサイズであり、保管カラム10、保管コンテナ9、直立部材3間の間隔、グリッド開口部又はアパーチャ15、及び積荷取り扱いデバイス31はすべて、第1の自動保管及び取り出しシステムより第2の自動保管及び取り出しシステムの方が相対的に大きいことが、図1から明確にわかり得る。図1に示される特定の実施形態では、第1の自動保管及び取り出しシステム52は、小さい保管コンテナ9を保管するように構成され、第2の自動保管及び取り出しシステム54は、大きい保管コンテナ9を保管するように構成される。
【0054】
図1はまた、第1の自動保管及び取り出しシステム52と第2の自動保管及び取り出しシステム54との間に位置決めされた移送システム56を示す。移送システムは、保管コンテナ又は保管コンテナ内のアイテムを1つの自動保管及び取り出しシステムから別の自動保管及び取り出しシステムに移送するために使用される。移送システムは、第1と第2の自動保管及び取り出しシステム間に延在する、1つ又は複数のコンベヤユニットを備えるコンベヤシステムを備えてもよい。第2の自動保管及び取り出しシステム54内の1つ又は複数のポートカラム58は、大きい保管コンテナ9を第2の自動保管及び取り出しシステム54のグリッドフレームワーク構造1内に輸送し、そこから出して移送システム56の1つに輸送するために使用される。1つ又は複数のポートカラム58は、1つ又は複数の保管コンテナを移送システム内にドロップオフするように構成された出口ポートカラムとして、また、移送システムから1つ又は複数の保管コンテナをピックアップするように構成された入口ポートカラムとして規定され得る。同様の方法で、第1の自動保管及び取り出しシステム52内の1つ又は複数のポートカラム58(図示されず)は、小さい保管コンテナ9を第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造1内に輸送し、そこから出して同じ移送システム56に輸送するために使用される。次に、アイテムが、大きい保管コンテナと小さい保管コンテナとの間で移送されることが可能であり、又は小さい保管コンテナ9が、大きい保管コンテナ9内に置かれるか、又はそこから取り除かれることが可能である。
[自動保管及び取り出しシステム]
自動保管及び取り出しシステムの好ましい実施形態が、図2~6を参照しながら以下で説明される。
【0055】
図2は、直立部材3と、直立部材3によって支持された水平部材5、7とを備えるグリッドフレームワーク構造1を示す。水平部材5は、互いに平行に、そして図示されるx軸に平行に延在する。水平部材7は、互いに平行に、図示されるy軸に平行に、そして水平部材5に対して横断方向に延在する。直立部材3は、互いに平行に、図示されるz軸に平行に、そして水平部材5、7に対して横断方向に延在する。水平部材5、7は、複数のグリッドスペース又はグリッドセル14を画定するグリッドパターンを形成し、グリッドスペース又はグリッドセル14の各々は、グリッド開口部15を画定する。図示される例では、コンテナ9は、グリッドパターンによって画定されたグリッドセル14の下にスタック11内に配置され、コンテナ9の1つのスタック11は、セル14毎にある。グリッド開口部15は、保管コンテナ9がグリッドフレームワーク構造を出るためのスペースを提供する。
【0056】
図示される例では、コンテナ9のスタック11は、保管カラム10を占有し、ここでは、各保管カラム10は、1つのグリッドセル14の下にある。保管カラムは、4つの直立部材3間のスペースとして画定されることが可能であり、保管カラムの各コーナに1つの直立部材3がある。
【0057】
図3は、図2に示されるグリッドフレームワーク構造1の一部を形成し、図2に示されるグリッドフレームワーク構造1の水平部材5、7の上部に位置するトラックシステム13のセクションの拡大平面図を示す。トラックシステム13は、水平部材5、7それ自体によって提供されてもよく(たとえば水平部材5、7の表面内又は表面上に形成されてもよく)、又は水平部材5、7の上部に取り付けられた1つ又は複数の追加の構成要素によって提供されてもよい。たとえば、水平部材5、7は、レール若しくはトラックを備えてもよく、又はレール若しくはトラックは、水平部材の上部に取り付けられてもよい。図示されるトラック構造13は、X方向レール又はトラック17と、y方向レール又はトラック19とを備え、すなわち、x方向に延在するトラック17の第1のセットと、トラック17の第1のセット内のトラック17に対して横断方向のy方向に延在するトラック19の第2のセットとを備える。トラック17、19は、グリッドセル14の中心にグリッド開口部15を画定する。グリッド開口部15は、グリッドセル14の下に位置するコンテナ9をグリッド開口部15を通して持ち上げ、下降させることを可能にするようにサイズ設定される。x方向トラック17は、チャネル21によって分離された対として提供され、y方向トラック19は、チャネル23によって分離された対として提供される。トラック構造の他の配置もまた可能であってもよい。
【0058】
図4は、図2に示される保管構造1の上部を移動する複数の積荷取り扱いデバイス31を示す。ロボット31又はボット31とも称され得る積荷取り扱いデバイス31には、ボット31がトラック構造13にわたって進行し、指定のグリッドセルに到達することを可能にするために、対応するx方向又はy方向のトラック17、19と係合するための車輪のセットが設けられる。チャネル21、23によって分離されたトラック17、19の図示される対は、ボット31が互いに衝突せずに隣り合うグリッドセルを占有する(又は互いにすれ違う)ことを可能にする。
【0059】
図5に詳細に示されるように、ボット31は、ボット31がその意図する機能を実行することを可能にする1つ又は複数の構成要素が内部に又はその上に取り付けられた本体33を備える。これらの機能は、トラック構造13上のグリッドフレームワーク構造1にわたって移動することと、ボット31がグリッドパターンによって画定された特有の位置でコンテナ9を取り出し、又は堆積することができるようにコンテナ9を(たとえばスタック11から、又はスタック11に)上昇又は下降させることを含んでもよい。
【0060】
図示されるボット31は、ボット31の本体33上に取り付けられ、ボット31をトラック17及び19それぞれに沿ってx及びy方向に移動させることを可能にする車輪35、37の第1及び第2のセットを備える。特に、2つの車輪35が、図5に見えるボット31の短い方の側面に設けられ、さらなる2つの車輪35が、ボット31の反対側の短い方の側面に設けられる(側面及びさらなる2つの車輪35は図5では見えない)。車輪35は、トラック17と係合し、ボット31がトラック17に沿って移動することを可能にするためにボット31の本体33上に回転可能に取り付けられる。同じようにして、2つの車輪37は、図5に見えるボット31の長い方の側面に設けられ、さらなる2つの車輪37は、ボット31の反対側の長い方の側面上に設けられる(側面及びさらなる2つの車輪37は図5では見えない)。車輪37は、トラック19と係合し、ボット31がトラック19に沿って移動することを可能にするためにボット31の本体33上に回転可能に取り付けられる。
【0061】
ボット31はまた、コンテナ9を上昇及び下降させるように構成されたコンテナ持ち上げ手段39を備える。図示されるコンテナ持ち上げ手段39は、4つのテープ又はリール41を備え、そのテープ又はリールは、その下側端部でコンテナ係合組立体43に接続される。コンテナ係合組立体43は、コンテナ9の形状特徴と係合するように構成された(たとえば、テープ41の近傍の、組立体43のコーナに設けられ得る)係合手段を備える。たとえば、コンテナ9には、係合手段が係合することができる1つ又は複数のアパーチャがその上側面内に設けられてもよい。代替的に又は追加的に、係合手段は、コンテナ9のリム又はリップの下方にひっかかるように構成されてもよく、及び/又はコンテナ9をクランプ又は把持するように構成されてもよい。テープ41は、必要とされるときにコンテナ係合組立体を上昇又は下降させるために巻き上げ又は巻き下げられてもよい。1つ又は複数のモータ又は他の手段であることができるウインチ機構40が、テープ41の巻き上げ若しくは巻き下げをもたらすか、又は制御するために設けられてもよい。
【0062】
図6でわかるように、図示されるボット31の本体33は、上側部分45と下側部分47とを有する。上側部分45は、1つ又は複数の動作構成要素(図示されず)を収容するように構成される。下側部分47は、上側部分45の下に配置される。下側部分47は、コンテナ持ち上げ手段39によって上昇されたコンテナ9の少なくとも一部を収容するためのコンテナ受容スペース又は空洞を備える。コンテナ受容スペースは、コンテナ9の下面をトラック構造13又はグリッドフレームワーク構造1の別の部分にひっかけることなくボット31がグリッドフレームワーク構造1の上部のトラック構造13にわたって移動することを可能にするために、コンテナ9が空洞の内側に十分収まることができるようにサイズ設定される。ボット31がその意図される目的地に到達したとき、コンテナ持ち上げ手段39は、コンテナ把持組立体43及び対応するコンテナ9を下降させて下側部分47内の空洞から出し、意図される位置に入れるように、テープ41を制御する。意図される位置は、コンテナ9のスタック11又はグリッドフレームワーク構造1の退出点(又はボット31がグリッドフレームワーク構造1内での保管のためにコンテナ9を収集するために移動している場合は、グリッドフレームワーク構造1の進入点)であってもよい。ポートカラムは、進入点及び退出点の一例である。図示される例では、上側及び下側部分45、47は物理的デバイダによって分離されているが、他の実施形態では、上側及び下側部分45、47は、特有の構成要素又はボット31の本体33の一部によって物理的に分割されなくてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、ボット31のコンテナ受容スペースは、ボット31の本体33内になくてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、コンテナ受容スペースは、ボット31の本体33に隣接してもよく、たとえば持ち上げられるコンテナの重量とボット31の本体33の重量が釣り合いをとっているカンチレバー配置内にあってもよい。そのような実施形態では、コンテナ持ち上げ手段39のフレーム又はアームは、ボット31の本体33から水平に突起してもよく、テープ/リール41は、突起するフレーム/アーム上のそれぞれの位置に配置され、コンテナを上昇及び下降させて本体33に隣接するコンテナ受容スペースに入れるためにこれらの位置から上昇及び下降されるように構成されてもよい。フレーム/アームが、ボット31の本体33上に取り付けられ、そこから突起する高さは、所望の効果を提供するように選択されてもよい。たとえば、より大きいコンテナ(又は複数のコンテナ)をフレーム/アーム下のコンテナ受容スペース内に上昇させることを可能にするために、フレーム/アームがボット31の本体33上で高く突起することが好ましくなり得る。あるいは、フレーム/アームは、ボット31にコンテナが積み込まれたときにボット31の質量中心を下側に保つために、本体33の下方に(ただし、フレーム/アームとトラック構造13との間に少なくとも1つのコンテナを収容するのに十分な高さで)突起するように配置されてもよい。
【0064】
ボット31が異なる車輪35、37上で第1及び第2の方向に移動することを可能にするために、ボット31は、車輪35の第1のセットをトラック17の第1のセットに、又は車輪37の第2のセットをトラック19の第2のセットに選択的に係合させるための車輪位置決め機構を含む。車輪位置決め機構は、車輪35の第1のセット及び/又は車輪37の第2のセットを本体33に対して上昇及び下降させるように構成され、それによって、積荷取り扱いデバイス31がグリッドフレームワーク構造1のトラック17、19にわたって第1の方向又は第2の方向のいずれかに選択的に移動することを可能にする。
【0065】
車輪位置決め機構は、車輪35、37の少なくとも1つのセットをトラック17、19との接触から外し、これに接触させるためにボット31の本体33に対して車輪35、37の少なくとも1つのセットを上昇及び下降させるために、1つ又は複数の線形アクチュエータ、回転式構成要素、又は他の手段を含んでもよい。いくつかの例では、車輪の一方のセットだけが、上昇及び下降されるように構成され、車輪の一方のセットを下降させる動作は、車輪の他方のセットを効果的に持ち上げて対応するトラックから離してもよく、その一方で、車輪の一方のセットを上昇させる動作は、車輪の他方のセットを効果的に下降させて対応するトラックと接触させてもよい。他の例では、車輪の両方のセットが、上昇及び下降されてもよく、これは、有利には、ボット31の本体33が実質的に同じ高さに留まり、したがって、本体33及びその上に取り付けられた構成要素の重量が、車輪位置決め機構によって持ち上げられ、下降される必要がないことを意味する。
[異なるサイズの自動保管及び取り出しシステム]
図7は、第1の自動保管及び取り出しシステム52の実施形態を概略的に示す。第1の自動保管及び取り出しシステム52は、グリッドフレームワーク構造1と積荷取り扱いデバイス31とを備える。上記でより詳細に説明されたように、積荷取り扱いデバイス31は、グリッドフレームワーク構造1の上部で動作し、x方向トラック17及びy方向トラック19それぞれと係合する車輪35、37の2つのセットによってトラックシステム13を横断する。積荷取り扱いデバイス31は、グリッド開口部15を通して、保管カラム10内のコンテナのスタック11からコンテナ9を取り出し、置き換えるように構成される。
【0066】
図8は、第2の自動保管及び取り出しシステム54を概略的に示す。第2の自動保管及び取り出しシステムは、グリッドフレームワーク構造1と積荷取り扱いデバイス31とを備え、第1の自動保管及び取り出しシステムと同様の方法で動作する。
【0067】
図8に示される第2の自動保管及び取り出しシステム54では、保管コンテナ9は、ケージ12(図11(a)を参照)の内側に収容される。図5に関連して上記で説明されたように、コンテナ係合組立体43が保管コンテナ9の形状特徴と直接係合する代替策として、コンテナ係合組立体43は、ケージ12の形状特徴と係合してもよい。たとえば、ケージ12には、その上側側面内に、係合手段が係合することができる1つ又は複数のアパーチャが設けられてもよい。代替的に又は追加的に、係合手段は、ケージ12のバーの下にひっかかるように及び/又はケージ12をクランプ若しくは把持するように構成されてもよい。
【0068】
図7に示される第1の自動保管及び取り出しシステム52の保管コンテナ9は、コンテナからアイテムを取り出し、又はコンテナ内にアイテムを置くことを容易にするために、側面が深いコンテナではなくトレイである。保管コンテナ9のこの代替の実施形態は、いくつかの用途、たとえば、個々のアイテムが第1の自動保管及び取り出しシステム52の小さい保管コンテナから第2の自動保管及び取り出しシステム54の大きい保管コンテナまで、又は第2の自動保管及び取り出しシステムの大きい保管コンテナから移送される用途では、有利であることができる。
[移送システム]
図9は、図7及び8それぞれに示されるような第1及び第2の保管及び取り出しシステム52、54を有する自動取り扱いシステム50の実施形態を概略的に示す。第1及び第2の自動保管及び取り出しシステム52、54の2つのグリッドフレームワーク構造1が異なるサイズ及びスケールのものであることが、図9からわかり得る。第2の自動保管及び取り出しシステム54の保管コンテナ9、積荷取り扱いデバイス31、及びグリッドアパーチャ15は、高さ及び/又は長さ及び/又は幅に関してすべて、第1の自動保管及び取り出しシステム52のそれぞれの保管コンテナ9、積荷取り扱いデバイス31、及びグリッドアパーチャ15より大きい。第2の自動保管及び取り出しシステム54のより大きい保管コンテナ9は、第1の自動保管及び取り出しシステム52の保管コンテナより大きいボリューム容量を有する。
【0069】
図10は、第1及び第2の保管及び取り出しシステム52、54と移送システム56とを有する、自動取り扱いシステム50の異なる図を概略的に示す。第2の自動保管及び取り出しシステム54からの保管コンテナ9が移送システム56にあるのがわかり得る。大きい保管コンテナ9は、1つ又は複数のポートカラム58を介して第2の自動保管及び取り出しシステム54のグリッドフレームワーク構造1に出入りするように輸送される。図示される実施形態では、移送システム56は、第2の自動保管及び取り出しシステム54の大きい保管コンテナ9を第1の自動保管及び取り出しシステム52の1つ又は複数のピックステーション64に隣接する位置に輸送し、ここで、第1の自動保管及び取り出しシステム52からピッキングされた1つ又は複数のアイテム又は保管コンテナは、第2の自動保管及び取り出しシステム54からの1つ又は複数の保管コンテナに移送される。移送システム56は、少なくとも1つのコンベヤシステム60を備える。図示される実施形態では、少なくとも1つのコンベヤシステムは、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造のポートカラムに出入りするように延在する3つのコンベヤユニット62を備える。
【0070】
第1の自動保管及び取り出しシステム52には、小さい保管コンテナ9を1つ又は複数のピックステーション64に隣接する位置に移送するために1つ又は複数のポートカラム58が設けられる。ピックステーション64において、アイテムは、第1の自動保管及び取り出しシステム52の小さい保管コンテナ9と、第2の自動保管及び取り出しシステム54の大きい保管コンテナ9との間で移送される。アイテムは、小さい保管コンテナから大きい保管コンテナ内に、又は大きい保管コンテナから小さい保管コンテナ内に移送され得る。図示される実施形態では、ピックステーション64には、1つ又は複数のロボット式アーム76が設けられ、ロボット式アームは、小さい保管コンテナ9からアイテムをピックアップし、これらをコンベヤシステム60上の大きい保管コンテナ9内に置くように構成される。移送システム56は、ピックステーション64にある1つ又は複数の保管コンテナからピックされたアイテムを受け入れるように構成されたデカントステーションをさらに備える。したがって、第1の自動保管及び取り出しシステム52からの、ピックステーションにある保管コンテナからピックされたアイテムは、第2の自動保管及び取り出しシステム内での保管のためにデカントステーションにある保管コンテナに移送される。
[コンベヤシステム]
図10に示される移送システム56の実施形態において上記で説明されたように、少なくとも1つのコンベヤシステム60は、3つのコンベヤユニット62を備える。3つのコンベヤユニットは、出口コンベヤユニット72、入口コンベヤユニット74、及び移送コンベヤユニット73と呼ばれる。
【0071】
コンベヤシステム60は、保管大型容器又はコンテナ9を第2の自動保管及び取り出しシステム54のポートカラムから、第1の自動保管及び取り出しシステム52から配送されたピッキングステーション64に輸送し、次いで、第2の自動保管及び取り出しシステムのポートカラムまで戻す。1つの実施形態では、保管大型容器又はコンテナは、グリッドフレームワーク構造1上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31によってピックアップされ、グリッドフレームワーク構造1内のその元の目的地又はグリッドフレームワーク構造1内の新しい目的地のいずれかに戻すために垂直に蓄積されてもよい。本発明の1つの実施形態では、移送システム56の少なくとも1つのコンベヤシステム60は、複数のコンベヤユニット62、すなわち上記で論じられたような入口コンベヤユニット74、少なくとも1つの移送コンベヤユニット73、及び出口コンベヤユニット72を備え、保管大型容器又はコンテナ9を自動保管及び取り出しシステムのポートカラムから緩衝ゾーン70に移送するように配置される。保管大型容器又はコンテナ9は、緩衝ゾーン70において停止される。ピックステーション64及び/又はデカントステーションは、緩衝ゾーン70にある保管コンテナがピックステーション64及び/又はデカントステーションからアクセスされ得るように、緩衝ゾーンに位置する。複数のコンベヤユニット62は、保管コンテナ9がコンベヤシステム60に沿って進行するときに、1つのコンベヤユニットから隣接するコンベヤユニットに輸送されるように、互いに隣接して配置されるか、又は互いに接続される。図10に示される少なくとも1つのコンベヤシステムの実施形態では、緩衝ゾーン70は、移送コンベヤユニット73である。他の実施形態では、少なくとも1つのコンベヤシステム60とは別個であり、これに隣接する緩衝ゾーン70が設けられてもよい。
【0072】
入口コンベヤユニット74、移送コンベヤユニット73、及び出口コンベヤユニット72は、同じ高さにある。各コンベヤユニット62は、コンベヤシステムの当技術分野で良く知られているベルト、チェーン、及び/又はローラの任意の適切な配置を備えてもよい。1つの実施形態では、入口コンベヤユニット74、移送コンベヤユニット73、及び出口コンベヤユニット72は、保管大型容器又はコンテナをコンベヤシステム60上の経路に沿って輸送するための複数のローラコンベヤを備える。入口コンベヤユニット74、移送コンベヤユニット73、及び出口コンベヤユニット72は、(図10の矢印によって示される)保管大型容器又はコンテナの輸送方向の経路がU字経路又はL字経路を辿ることができるように配置される。コンベヤシステム60は、ローラフレーム上に取り付けられてもよい。入口コンベヤユニット74及び出口コンベヤユニット72は、単一の保管コンテナ9を上部に収容するように配置される。
【0073】
入口コンベヤユニット74の経路又は輸送方向は、少なくとも1つの移送コンベヤユニット73の経路又は輸送方向が入口コンベヤユニット74と出口コンベヤユニット72の両方の経路又は輸送方向に垂直であるか、又はこれに直交するように、出口コンベヤユニット72の経路又は輸送方向に平行で、対向していてもよい。換言すれば、保管大型容器又はコンテナ9は、コンベヤシステム60に沿ってU字経路を進行し、ここでは、保管コンテナ9は、自動保管及び取り出しシステムを出て、少なくとも1つの移送コンベヤユニット73を介して自動保管及び取り出しシステム内に戻り、すなわち、保管コンテナ9は、コンベヤシステム60に沿って方向を2回変更する。任意選択により、入口コンベヤユニット74の経路又は輸送方向は、移送コンベヤユニット73の同じ輸送方向に長手方向に延在し、すなわち、入口コンベヤユニット74は、移送コンベヤユニット73の延長である。ここでは、入口コンベヤユニット74の経路又は輸送方向は、保管大型容器又はコンテナ9がコンベヤシステム60に沿ってL字経路を進行するように、すなわち、保管大型容器又はコンテナ9が、ポートカラムから緩衝ゾーンまで進行するときに方向を1回変更するように、移送コンベヤユニット73と出口コンベヤユニット72の両方の経路又は輸送方向に垂直であるか、又はこれに直交する。1つの実施形態では、コンベヤシステムは、保管大型容器の経路又は輸送方向がコンベヤシステムに沿ってU字経路とL字経路の両方を辿ることができるように配置される。U字経路及びL字経路の組み合わせは、複数の保管大型容器又はコンテナ9が、グリッドフレームワーク構造1上のトラックシステム13上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31によるその後の取り出しのためのグリッドフレームワーク構造1に向かって持ち上げられる前に、緩衝ゾーン70において並べられることを可能にする。これにより、複数の保管大型容器又はコンテナ9が移送システム56によって処理されることが可能になる。U字経路及びL字経路の組み合わせは、緩衝ゾーンにおいて複数の保管大型容器又はコンテナ9を処理するための移送システム56の幅を比較的小さくすることを可能にする。
【0074】
移送コンベヤユニット73は、入口コンベヤユニット74と出口コンベヤユニット72との間に延在し、保管大型容器又はコンテナ9が1つのコンベヤユニット62から隣接するコンベヤユニット62に輸送されるように水平面において互いに隣接して配置された複数のコンベヤユニット62を備えることができる。代替的に、少なくとも1つの移送コンベヤユニット73は、入口コンベヤユニット74と出口コンベヤユニット72との間に延在する単一のコンベヤユニットであることができる。典型的には、コンベヤユニット62の少なくとも1つのローラの1つ又は複数は、一体化された駆動モータを備え、その一方で残りのローラは、駆動ローラにベルトによって接続されてもよく、又はこれらは受動的であってもよい。
【0075】
別の実施形態では、方向変更コンベヤユニット75と呼ばれる追加のコンベヤユニットが、コンベヤシステム60内に一体化される。追加のコンベヤユニット又は方向変更コンベヤユニット(図示されず)は、移送コンベヤユニット73のローラ間に横方向に配設された、又は移送コンベヤユニット73のローラ間に噛み合い、移送コンベヤユニット73の輸送方向に対して横断方向に駆動されるように配置された1つ又は複数のローラ又はベルト又はチェーンを備える。追加のコンベヤユニット又は方向変更コンベヤユニットは、上昇位置において方向変更コンベヤユニットが保管コンテナ9と接触し、それによって方向変更コンベヤユニットに、保管大型容器を移送コンベヤユニット73から緩衝ゾーン70内の別個の表面上に引っ張らせる、又は引き込ませるように、移送コンベヤユニット73のローラに対して持ち上げ機構によって下降又は上昇される。緩衝ゾーン70内の別個の表面は、中間保持設備(図示されず)を備える。特定の実施形態は、方向変更コンベヤユニット75をコンベヤユニット上の保管大型容器と係合させるための持ち上げ機構を説明しているが、コンベヤシステムの当技術分野において一般的に知られている、コンベヤボール及びレール取り付けトローリなどの他の方向変更コンベヤユニットが、本発明において利用可能である。
【0076】
コンベヤユニットの移動を作動させるために、制御システムが使用される。制御システムは、1つ又は複数の駆動モータに信号を送信して、モータを作動させ、コンベヤユニットの移動を引き起こしてもよい。代替的に、又は追加的に、1つ又は複数のセンサが、1つ又は複数の保管コンテナの存在を検出するために使用されてもよく、センサは、制御システムに信号を送信してもよく、制御システムは、コンベヤユニットの1つ又は複数を移動させるように1つ又は複数の駆動モータを作動させてもよい。
【0077】
緩衝ゾーン70の一部である中間保持設備は、1つ又は複数のアイテム又は保管コンテナ9を移送システム56内に一時的に保持するように構成される。これらは、第1の自動保管及び取り出しシステム52及び/又は第2の自動保管及び取り出しシステム54からの保管コンテナであることができ、又は1つ又は複数の保管コンテナからのアイテムであることができる。たとえば、中間保持設備は、第2の自動保管及び取り出しシステム54からの大きい保管コンテナを保持することができ、第1の自動保管及び取り出しシステム52からの小さい保管コンテナ又は小さい保管コンテナからのアイテムは、大きい保管コンテナ(図11(a)を参照)内にピッキングされ、移される。
【0078】
中間保持設備の使用は、第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムからの保管コンテナが同時に移送システム内にある必要性を取り除くことによって、自動取り扱いシステムの効率性を向上させることができる。たとえば、第1の自動保管及び取り出しシステム52の小さい保管コンテナからのアイテムが、保管コンテナから中間保持設備にピッキングされることが可能であり、アイテムは、第2の自動保管及び取り出しシステム54からの大きい保管コンテナが移送システムの緩衝ゾーン70に到達するまで、中間保持設備内に留まることができる。アイテムがピッキングされた後、第1の自動保管及び取り出しシステムの小さい保管コンテナは、第2の自動保管及び取り出しシステム54からの大きい保管コンテナがアイテムを受け入れる準備ができるのを待つ必要なく、第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造に戻され得る。これは、保管コンテナが待つことなく、次の保管コンテナが移送システムを通って処理されるのを妨げないため、効率性を向上させる。
【0079】
図10の本発明の特定の実施形態における少なくとも1つのコンベヤシステムは、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の出口ポートカラムから入口ポートカラムまで延在する1つのコンベヤシステムを示しているが、少なくとも1つのコンベヤシステムは、保管コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するための第1のコンベヤシステムと、保管コンテナを第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するための第2のコンベヤシステムとを備えることができる。第1及び第2のコンベヤシステムの各々は、出口コンベヤユニットと、入口コンベヤユニットと、移送コンベヤユニットとを備え、ここにおいて、移送コンベヤユニットは、上記で論じられたように出口コンベヤユニットと入口コンベヤユニットとの間を延在する。したがって、第1のコンベヤシステムは、保管大型容器又はコンテナ9を第1の自動保管及び取り出しシステムの出口ポートカラムからピッキングステーション64に輸送し、次いで、第1の自動保管及び取り出しシステムの入口ポートカラムに戻す。同様に、第2のコンベヤシステムは、保管大型容器又はコンテナ9を第2の自動保管及び取り出しシステムの出口ポートカラムからデカントステーションに輸送し、次いで、第2の自動保管及び取り出しシステムの入口ポートカラムに戻す。ピックステーションは、1つ又は複数のアイテムが第1のコンベヤシステム上の保管コンテナからピッキングされ、第2のコンベヤシステム上の保管コンテナ内に配設されるか、又は移されることが可能であるように、第1のコンベヤシステムと第2のコンベヤシステムとの間に位置するか、又は位置決めされる。
【0080】
本発明の別の例示的な実施形態では、少なくとも1つのコンベヤシステムは、第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の少なくとも1つのポートカラムから第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の少なくとも1つのポートカラムの間を直接延在する少なくとも1つのコンベヤユニットを備える。したがって、第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムは、それらのそれぞれのグリッドフレームワーク構造間を延在する同じコンベヤシステムを共有する。その結果、入口コンベヤユニット、出口コンベヤユニット、及び移送コンベヤユニットは、第1の自動保管及び取り出しシステムと第2の自動保管及び取り出しシステムとの間で共有される。
[計量セル]
コンベヤシステム60が複数のコンベヤユニット62を備える場合、コンベヤユニット62の1つ又は複数は、計量セルを備えてもよく、又は代替的には、計量セルが、コンベヤシステムに沿ったいずれかの場所に配置され得る。計量セルは、少なくとも1つのコンベヤユニット62に接続され、保管コンテナ9を計量するように配置される。代替的に、又は追加的に、中間保持設備及び/又はピッキングステーション64には、1つ又は複数の計量セルが設けられてもよい。計量セルは、ロードセル又は当業者に一般的に知られている任意の他の計量セルであることができる。制御パネルは、アイテム又は他のコンテナが保管コンテナからピックアップされるか、又は保管コンテナに積み込まれるときに保管コンテナ9の重量を表示するように構成されてもよい。たとえば、ピックステーションにおいて動作されるとき、計量セルは、1つ又は複数のアイテムが保管コンテナ9からピッキングされるときに保管コンテナ9の重量を測定する。制御システムは、アイテムが保管コンテナからピッキングされるときに保管コンテナの重量を監視するために使用される。これにより、制御システムは、グリッドフレームワーク構造内に保管された保管コンテナの各々の重量を追跡し続けることが可能になる。
【0081】
計量セルは、積荷取り扱いデバイスの大型容器持ち上げデバイス及び/又は持ち上げ機構が保管大型容器又はコンテナを持ち上げる能力を妨げ得る、保管コンテナ9の過剰積み込みを防止する。積荷取り扱いデバイスの持ち上げ機構及び/又は大型容器持ち上げデバイスのモータは、所定の重量を運ぶように定格化される。所定の重量に到達すると、制御パネル上の表示は、特定の保管大型容器又はコンテナの重量に到達しており、これが輸送されて自動保管及び取り出しシステム内に戻るまで保管大型容器にアイテムをこれ以上加えることができないことを示すために、たとえばディスプレイパネルを介してオペレータに通知を提供するか、又は信号を制御システムに送信する。追加的に、又は代替的に、1つ又は複数の大型容器持ち上げデバイスの持ち上げ機構は、保管大型容器又はコンテナがグリッドフレームワーク構造に向かって持ち上げられるときにこれを計量するための計量セルを備えることができる。
[大型容器持ち上げデバイス]
任意選択により、1つ又は複数の保管大型容器又はコンテナが移送システム56内で渋滞することを防止するために、移送システム56は、1つ又は複数の保管大型容器を垂直に蓄積することを可能にするために、1つ又は複数の大型容器持ち上げデバイスを追加的に備える。大型容器持ち上げデバイスは、持ち上げアームと持ち上げ機構とを備える。本発明の特定の実施形態では、大型容器持ち上げデバイスは、持ち上げアームの対又は2つの持ち上げアームを備える。持ち上げアーム間のスペースは、持ち上げアームが降下してコンベヤユニット62を通り過ぎるときに、コンベヤユニット62が持ち上げアーム間を通り過ぎるのを可能にするのに十分な幅である。使用において、持ち上げアームは、コンベヤユニット上の保管大型容器の底壁と係合することができるように、コンベヤユニット62の下方の最低レベルまで降下する。保管大型容器又はコンテナは、保管大型容器がコンベヤユニット62から垂直に離間されるように、コンベヤユニット62上の最低位置からグリッド構造1に向かって最上位置に持ち上げられる。これにより、第2の保管大型容器又はコンテナが、コンベヤユニット62に入り、その上方にある保管大型容器又はコンテナの下方に垂直に蓄積されることが可能になる。
【0082】
大型容器持ち上げデバイスは、保管コンテナをグリッドフレームワーク構造1内に輸送する入口コンベヤユニット74の上方に配置されてもよい。入口コンベヤユニット74及び大型容器持ち上げデバイスは、グリッドフレームワーク構造1のポートカラム58内に位置してもよい。最上位置にある保管大型容器は、上方レベルにおいてグリッドフレームワーク構造1上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31がポートカラム58を通して保管大型容器又はコンテナ9を取り出すことができるまで待機する。より詳細には、積荷取り扱いデバイス31の把持デバイス43は、最上レベルにある保管大型容器又はコンテナ9を把持し、保管大型容器又はコンテナ9を積荷取り扱いデバイス31のコンテナ受容スペース内へと持ち上げることができる。センサが、最上レベルにある保管大型容器の取り出しを検出し、それによって入口コンベヤユニット74上に載る第2の保管大型容器又はコンテナの下方に持ち上げアームを下降させるために制御システム又はコントローラに信号を送信し、第2の保管大型容器又はコンテナは、その後、最上レベルまで持ち上げられて、コンベヤシステム上に並んでいる3番目の保管大型容器又はコンテナが、大型容器持ち上げデバイスによって持ち上げられることを可能にする。
【0083】
大型容器持ち上げデバイスは、複数の保管大型容器が異なる高さで垂直に蓄積されることを可能にするために垂直に離間された持ち上げアームの複数の対を備えることができる。たとえば、持ち上げアームの第1の対が、第1の保管大型容器を第1の高さまで持ち上げるように配置されることが可能であり、持ち上げアームの第2の対が、第2の保管大型容器を第2の高さまで持ち上げるように配置されることが可能であるなどである。これにより、複数の保管大型容器は、保管のためにグリッドフレームワーク構造内に輸送される前に異なる高さで垂直に蓄積されることが可能である。これに加えて、1つ又は複数の大型容器持ち上げデバイスは、互いに隣接して配置され得る。スペースを節約し、移送システム56の設置面積を低減するために、第1の大型容器持ち上げデバイスは、保管大型容器又はコンテナがコンベヤシステム60の同じ経路に沿って第1の大型容器持ち上げデバイス内に輸送され得るように、コンベヤシステム60の端部に配置され得る。第1の大型容器持ち上げデバイスが完全に占有された場合、コンベヤシステムは、コンベヤシステム60の方向に対して垂直に隣接する第2の大型容器持ち上げデバイス内に保管コンテナを向け直すように命令され得る。これは、保管大型容器を第2の大型容器持ち上げデバイス内に輸送するために、上記で説明されたように方向変更コンベヤユニット75を使用してコンテナの移動を制御することによって達成され得る。ここでは、制御システム又は別個のコントローラが、第1の大型容器持ち上げデバイス及び第2の大型容器持ち上げデバイスの占有を監視し、それらの占有度に応じて、保管大型容器を第1の大型容器持ち上げデバイス内に輸送するか、又は第2の大型容器持ち上げデバイス内に輸送するかを決定する。大型容器持ち上げデバイスの占有度は、大型容器持ち上げデバイス内の保管大型容器又はコンテナの存在を検出するために、1つ又は複数のセンサによって決定される。センサの例は、それだけに限定されないが、光センサなどの近接センサを含む。
【0084】
複数の大型容器持ち上げデバイスを有することにより、移送システム56による保管大型容器又はコンテナのより大きい処理能力が可能になる。大型容器持ち上げデバイスの数は、2つに限定されず、入口コンベヤユニット74は、複数の大型容器持ち上げデバイスが移送コンベヤユニットの受け入れ端部にあることを可能にするように配置され得る。
【0085】
1つ又は複数の大型容器持ち上げデバイスは、保管大型容器又はコンテナが持ち上げアームによって持ち上げられるときにこれを垂直に案内するための少なくとも2つのガイドを備えることができる。1つの実施形態では、4つのガイドが、大型容器持ち上げデバイスの4つのコーナに設けられる。ガイドは、ポートカラム58内に受け入れられる。同様に、大型容器持ち上げデバイスの最上部をグリッドフレームワーク構造1のポートカラムに接続するために、ブラケットが使用され得る。ブラケットは、保管大型容器又はコンテナをポートカラム内に案内するためのガイドを備える。これにより、大型容器持ち上げデバイスが、グリッドフレームワーク構造の別個の部分であること、ひいては既存のグリッドフレームワーク構造に後付けされる能力が可能になる。1つ又は複数の大型容器持ち上げデバイスは、大型容器持ち上げデバイスを封入し、持ち上げアームなどの大型容器持ち上げデバイスの構成要素が露出されることを防止するために、ガイドの少なくとも一部の外部に取り付けられた側壁又はパネルを備える。
[ピックステーション]
図11(a)は、ピックステーション又はピッキングステーション64の実施形態をより詳細に示す。コンベヤシステム60のコンベヤユニット62は、ピックステーションにあるアイテム又は小さい保管コンテナ9が大きい保管コンテナ9に移送され得るように、大きい保管コンテナ9を第2の自動保管及び取り出しシステム52からピックステーション64に隣接する場所に輸送する。小さい保管コンテナ9は、第1の自動保管及び取り出しシステム52(図示されず)の1つ又は複数のポートカラム58によって輸送されてピックステーションにある。この実施形態の小さい保管コンテナ9は、浅いトレイ8(図11(b)を参照)であり、アイテム6は、トレイ8内に保管されている(図11(b)を参照)。本発明の定義の目的のために、用語「浅い」トレイは、上昇した又は上方向に延在するリップ又はリムを有する浅いコンテナを意味するように解釈される。浅いトレイ8の上方向に延在するリム8bは、トラックシステム13上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31の把持デバイス39が浅いトレイ8を備える保管コンテナ9を把持し、これをスタック11から持ち上げることができることを確実にする。本発明の例示的な実施形態では、把持デバイス39は、浅いトレイ8の上方向に延在するリムと解放可能に係合する。上方向に延在するリム8bはまた、アイテム6が浅いトレイから落下することを防止する。
【0086】
底壁と、上方向に延在する対向する側壁と、端壁とを備える保管コンテナ9の従来の箱様構造内に1つ又は複数のアイテム6を保管する問題の1つは、スタック11内に保持されているとき、保管コンテナ9の内容物が保管コンテナ口部又は開放端部からしかアクセスできないことである。これは、保管コンテナ9の内容物へのアクセスを得るために、トラックシステム13上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31が保管コンテナ9をそのグリッド位置から持ち上げることを必要とする。しかし、積荷取り扱いデバイス31の1つ又は複数がトラックシステム13上で動作不能になると、スタック11内に保持された保管コンテナの内部へのアクセスは、困難となり得る。最悪のシナリオでは、スタック内の目標の保管コンテナ9の内部スペース内の内容物を取り出し、したがってそこへのアクセスを得るために、1つ又は複数の保管コンテナ9がスタック11から持ち上げられる必要がある。この問題を軽減するために、保管コンテナ9の内容物6は、保管コンテナの内側ではなく保管コンテナ9の外壁に置かれ得る。これは、保管コンテナの側面からの保管コンテナの内容物へのアクセスを可能にするために、保管コンテナの内容物を露出させるのに役立つ。図11(b)に示される特定の実施形態では、浅いトレイ8を使用して1つ又は複数のアイテム6を保管することにより、保管コンテナの側面からの保管コンテナ9の内容物への容易なアクセスが可能になり、それによって、保管コンテナの開放端部へのアクセスを得るために保管コンテナを持ち上げる必要性を取り除く。
【0087】
複数の浅いトレイ8を上下に積み重ねるために、本発明の例示的な実施形態では、浅いトレイ8は、グリッドフレームワーク構造1内のスタック11内の垂直に隣接する浅いトレイ8から上方にこの浅いトレイ8を垂直に離間させるために脚部又は柱8c上に取り付けられる。浅いトレイ8の積み重ねは、図7に示される。上記で論じられたように、図7に示されるグリッドフレームワーク構造は、第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造の一例である。図11(b)は、本発明の例示的な実施形態による、浅いトレイ8の形態の保管コンテナ9が、スタック11内の下方の垂直に隣接する保管コンテナ9の上方に浅いトレイ8が上昇されるように脚部8c上に取り付けられている斜視図を示す。図7に明確に示されるように、スタック11内の浅いトレイ8の各々は、浅いトレイ8が脚部又は柱8c上に取り付けられることによって、スタック内で他のトレイから垂直に離間される。脚部8cの各々は、図11(b)に示されるように浅いトレイ8の長手方向長さに沿って延在するが、浅いトレイ8を垂直に上昇させるために脚部8c上に浅いトレイ8を取り付けることは必要ではないため、スタック11内で浅いトレイを垂直に離間させるための他の手段が、本発明に適用可能である。たとえば、浅いトレイ8は、対向する側壁と端壁とを有する箱様構造の外側又は外部の壁の一部を形成することができる。脚部を使用して浅いトレイを垂直に上昇させることは、保管コンテナの重量を低減させることに役立つ。脚部8cは、スタック11(図7を参照)内の下方の垂直に隣接する保管コンテナの浅いトレイ8の表面上に載るように構成される。
【0088】
浅いトレイの上方向に延びるリム8bは、浅いトレイ8内の1つ又は複数のアイテム6が保管コンテナ9から逃げることを防止するために障壁として機能する。図11(b)に示される特定の実施形態では、上方向に延在するリム8bは、側面から浅いトレイ8の内部への容易なアクセスを可能にするために、1つ又は複数の切欠部8dを備える。図11(b)に示されるように、浅いトレイ8のリム内の切欠部8dは、垂直に隣接する浅いトレイの内部がスタックの一方の側面上に、たとえばグリッドフレームワーク構造内の通路に沿って露出されるという意味で、スタック11内の垂直に隣接する保管コンテナの切欠部8dがすべて同じ方向を向いている(又は位置合わせされる)ように配向される。積荷取り扱いデバイス31のいずれか1つがトラックシステム13上で動作不能になっても、保管コンテナ9の内容物へのアクセスは、浅いトレイ8のリム内の切欠部8dを通して依然として可能である。図7に示される例をあげれば、オペレータは、保管コンテナ9の内容物が露出される通路に沿って進行することによって保管コンテナ9の内容物6を取り出すことができる。
【0089】
1つ又は複数のアイテム6が、保管コンテナが移動されたときに浅いトレイ8から落下することが防止されることを確実にするために、浅いトレイ8の底壁8eは、くぼみ又は下方向に傾斜した底壁を有して形成されることが可能であり、それにより、底壁8e上に載っている1つ又は複数のアイテム6は、それ自体の重量下でくぼみに向かって導かれる。図11(b)に示される特定の例では、くぼみは、底壁8eの縁部から延在して凹形状にされる。図11(b)に示される特定の実施形態は保管コンテナ9を別個の部分として示しているが、浅いトレイ8及び上方向に延在するリム8bを備える保管コンテナ9は、単一の一体的本体として形成され得る。
【0090】
図11(a)に戻れば、傾斜機構78(図示されず)は、小さい保管トレイ上のアイテムがトレイから、トレイのリム内の切欠部又は開口部を通って傾斜プラットフォーム又はスライド80上に摺動するように、小さい保管コンテナ又はトレイ9を傾斜位置に傾ける。1つ又は複数のロボット式アーム76は、スライド80からアイテムをピックアップし、これらをコンベヤユニット62上の大きい保管コンテナ9内に置くように構成される。コンベヤユニット62は、大きい保管コンテナ9を輸送して第2の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造に戻す。
【0091】
図21は、第2の自動保管及び取り出しシステム54に隣接する、図11のピックステーション64を示す。保管コンテナ9は、積荷取り扱いデバイス31によって第2の自動保管及び取り出しシステム54のグリッドフレームワーク構造1から取り出され、ポートカラムを介してピックステーション64に移送される。保管コンテナ9は、ロボット式アームがピックステーション64のスライド80からアイテムをピッキングし、これを大きい保管コンテナ9の1つ内に直接置くことができるように、ロボット式アーム76の到達範囲内にある。
【0092】
図22に示されるように、複数のピックステーション64が、第2の自動保管及び取り出しシステム54のグリッドフレームワーク構造1に隣接して位置してもよい。
【0093】
移送システム56は、保管コンテナ9がロボット式アーム76の到達範囲内にあるように、大きい保管コンテナ9をピックステーション64に近づけるために使用される。
【0094】
図23は、ピックステーション64に対する移送システム56の場所を示す。ピックステーション64は、第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造1の下方に位置する。ピックステーション64にあるロボット式アーム76の把持装置だけが、グリッドフレームワーク構造1の下方であることがわかり得る。移送システム56(この図では、移送システムはコンベヤシステム60を備える)は、保管コンテナ9がロボット式アーム76の到達範囲内にあるように、大きい保管コンテナ9をピックステーション64に隣接する位置に輸送する。図23からわかるように、ポートカラム58は、保管コンテナがポートカラムを下って移送システム上に下降され得るように、移送システム56のすぐ上方に位置決めされる。保管コンテナ9は、次いで、ポートカラムを上って持ち上げられることによってグリッドフレームワーク構造に戻され、積荷取り扱いデバイス31によってグリッドフレームワーク構造内の位置に輸送されることが可能である。スペースを最適に使用し、アイテムをより効率的に移送するために、複数の移送システムが、第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造間の通廊内に配置され得る。
【0095】
本発明の実施形態では、ピッキングステーションは、在庫補充ステーションとして共有する(double up)ことができる。ピッキング/在庫補充ステーションは、ピッキングステーション及び/又は在庫補充ステーションの両方として機能することができるアクセスステーションを有する。ピッキングステーション64は、第1の自動保管及び取り出しシステムの一部であり、第1の自動保管及び取り出しシステムの1つ又は複数の保管コンテナ9から1つ又は複数のアイテムを取り出し、これらを第2の自動保管及び取り出しシステムに移送するためのシステムを提供するために、第2の自動保管及び取り出しシステム52と共働する。ピッキングステーションは、供給ゾーンを形成する1つ又は複数のシュートと、アクセスステーションと、ピックステーション緩衝ゾーンを形成する1つ又は複数の大型容器持ち上げデバイスとを備える。シュート及び大型容器持ち上げデバイスは、ポートカラム58の例である。その名前を参照すれば、1つ又は複数のシュートは、グリッドフレームワーク構造1上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31が、1つ又は複数のシュートからのいかなる持ち上げ支援も有さずに保管大型容器又はコンテナ9を下降させることを可能にする。これは、重力の作用下にあることができ、この場合、保管大型容器又はコンテナ9は、保管大型容器又はコンテナ9の重量下で、及び/又は積荷取り扱いデバイス31のコンテナ持ち上げ手段39によって下降されながら、シュートを下って降下させられる。
【0096】
1つ又は複数のアイテムは、アクセスステーションがピックステーションとして機能するか、又は在庫補充ステーションとして機能するかに応じて、アクセスステーション内の1つ又は複数の保管大型容器又はコンテナ9からピッキングされる。1つ又は複数のシュート及び1つ又は複数の大型容器持ち上げデバイスは、上記のグリッドフレームワーク構造1と共働するように配置される。複数のグリッドセル14は、1つ又は複数のシュート及び1つ又は複数の大型容器持ち上げデバイスそれぞれと共働するように配置されたドロップオフポート(出口ポート)及びピックアップポート(入口ポート)を備える。より詳細には、ドロップオフポート及びピックアップポートが位置する保管カラムは、ピッキングステーション64の1つ又は複数のシュート及び1つ又は複数の大型容器持ち上げデバイスとそれぞれ共働するように配置される。
【0097】
本発明のピッキングステーション64は、既存のグリッドフレームワーク構造1に容易に後付けされることが可能であり、したがって頭上を延びるトラックシステムと共働することができる単独ステーションとして配置され得る。たとえば、少なくとも1つのシュート及び少なくとも1つの大型容器持ち上げデバイスは、保管コンテナ又は大型容器9が容易に保管カラム10を通過して少なくとも1つのシュートに入ることができるように、1つ又は複数の保管カラム10と位置合わせされ得る。同様に、保管大型容器又はコンテナ9は、少なくとも1つの大型容器持ち上げデバイスから持ち上げられ、保管カラム10を通過することができる。ピックステーション64は、モジュール式構造のものであることができ、ここにおいて、供給ゾーン、アクセスステーション、及びピックステーション緩衝ゾーンは、一緒に組み立てられたモジュールとして形成され得る。その結果、ピッキングステーション64は、グリッドフレームワーク構造1に接続される必要はないが、グリッドフレームワーク構造1の別個の部分として形成され得る。既存のグリッドフレームワーク構造1に後付けされるピッキングステーション64の多用途性により、ピッキングステーション64がさまざまな場所において組み立てられることが可能になる。
【0098】
1つの実施形態では、ピッキングステーション64は、ピッキングステーションを供給ゾーン、ピックステーション緩衝ゾーン、及びアクセスステーションに分割する単独のフレームワークを備える。供給ゾーンの1つ又は複数のシュートは、保管カラム10内に受け入れ可能であり、保管大型容器又はコンテナ9をドロップオフポートを介して保管カラム10を下って供給ゾーン内に案内するように配置された少なくとも2つの垂直ガイドを備える。定義に関して、グリッド内のドロップオフポートが位置する保管カラム10は、配送カラムと呼ばれる。同様に、グリッド内のピックアップポートが位置する保管カラム10は、取り出しカラムと呼ばれる。本発明の特定の実施形態では、1つ又は複数のシュートの各々は、グリッドフレームワーク構造1の保管カラム内に受け入れ可能である4つのガイドを備える。ガイドの各々は、シュートの長さに沿って長手方向に延在する2つの垂直プレート(互いに垂直な2つのコンテナ案内プレート)を備える。ガイドの各々の一方の端部は、保管カラム又は配送カラム内に延在するように配置され、保管カラムを構成する4つの直立部材に突き当たる。したがって、ドロップオフポートを下って下降された保管大型容器又はコンテナ9は、(ドロップオフポートが位置する)配送カラムを介してガイドによって供給ゾーンのシュートを下って案内される。
【0099】
側壁又はパネルが、垂直のシュートを封入するために少なくとも2つの縦方向ガイドの外部に取り付けられる。側壁又はパネリングは、シュートを下って供給ゾーン内に降下する1つ又は複数の保管大型容器又はコンテナからオペレータを守ることを実現する。1つの実施形態では、ガイドの第1の部分は、側壁又はパネルによって覆われ、ガイドの第2の部分は、配送カラム内に受け入れられる。これにより、側壁又はパネルが配送カラムからピックステーション64のシュートまでの円滑な移行をもたらすことが可能になる。
[大きいコンテナ内への小さいコンテナの直接移送]
本発明はまた、アイテムが1つの保管コンテナから別の保管コンテナ内にピッキングされるのではなく、1つの自動保管及び取り出しシステムからの保管コンテナが、別の自動保管及び取り出しシステムからの保管コンテナの内側に直接置かれ得る実施形態も包含する。保管コンテナを保管コンテナの内側に置くことは、いくつかの異なる方法で達成され得る。いくつかの非限定的な例が以下に与えられるが、保管コンテナを別の保管コンテナの内側に置くいかなる手段も本発明の範囲内であることが理解されよう。
【0100】
第1の自動保管及び取り出しシステム52からの小さい保管コンテナは、小さい保管コンテナから個々のアイテムをピッキングするための上記で説明された同様の方法で、1つ又は複数のロボット式アーム76によって第2の自動保管及び取り出しシステム54からの大きい保管コンテナ内にピッキングされてもよい。ロボット式アームは、リム又はリップ又はアパーチャなどの小さい保管コンテナの形状特徴と係合する把持装置を有する適切なエンドエファクタを有してもよく、又はロボット式アームは、小さいコンテナの対向する側壁を把持してもよい。
【0101】
代替的には、平坦表面が、コンベヤシステムの1つ又は複数のコンベヤユニット上に配置されてもよく、コンベヤ上の大きい保管コンテナのすぐ上方にアパーチャがあるように1つ又は複数のアパーチャを平坦表面内に有し、それによって平坦表面内のアパーチャを通して大きい保管コンテナへのアクセスを提供する。小さい保管コンテナは、平坦表面内のアパーチャを通って大きいコンテナ内に持ち上げられ、ドロップオフされ、又は摺動されてもよい。小さいコンテナを持ち上げてアパーチャを通して大きいコンテナに入れるために、ロボット式アームが使用されてもよい。代替的には、小さいコンテナを、これがアパーチャを通って大きいコンテナ内に落下するようにアパーチャに搬送するために、平坦表面と同じ垂直高さにある別のコンベヤユニットが使用され得る。
【0102】
別のオプションは、大きいコンテナの内部へのアクセスをもたらすために、大きいコンテナが、その側壁の1つ内にアパーチャ、又は取り外され得る側壁を有することである。小さいコンテナは、大きいコンテナ内に摺動され得る。大きいコンテナのベースと同じ垂直高さにあるコンベヤユニットが、小さいコンテナを大きいコンテナ内に搬送するために使用されてもよい。代替的には、図11(a)を参照して上記で説明されたのと同様の方法で、小さいコンテナが大きいコンテナの側壁内のアパーチャを通って大きいコンテナ内に下方に摺動することを可能にするために、スライド又は下方向に傾けられた表面が使用されてもよい。この方法は、小さいコンテナが垂直落下を受けず、したがって小さいコンテナの内容物への損傷のリスクを回避するという利点を有する。
[自動取り扱いシステム]
図12は、第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムと移送システムとを有する自動取り扱いシステム50の別の図を概略的に示す。第1の自動保管及び取り出しシステム52は、第2の自動保管及び取り出しシステム54に隣接している。第1の自動保管及び取り出しシステムには、第2の自動保管及び取り出しシステムとは反対側にポートカラム58が設けられる。これらのポートカラム58は、コンテナを第1の自動保管及び取り出しシステム52内に輸送し、本明細書では、上記のようにピックアップポートカラムとして定義される。図12に示される自動取り扱いシステム50の実施形態では、第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造1は、いくつかのサブセクションに分割され、ポートカラム58は、主要グリッドフレームワーク構造から分離される。本発明は、自動保管及び取り出しシステムの任意のもののグリッドフレームワーク構造1が、1つの構造であるか、又はサブセクションに分割される実施形態、及びポートカラム58が、グリッドフレームワーク構造に一体化されるか、若しくはそのサブセクションであるか、又はグリッドフレームワーク構造から分離される実施形態を包含する。
【0103】
たとえば、自動取り扱いシステム50が空港又は他の輸送ハブにおける手荷物取り扱いシステムである用途では、第1の自動保管及び取り出しシステム52の小さいコンテナ内に保管されたアイテムは、乗客の手荷物又はスーツケースであってもよい。乗客が自分の手荷物をチェックインした後、手荷物は、(たとえば、図示されないが1つ又は複数のコンベヤによって)第1の自動保管及び取り出しシステム52に隣接する受け入れ領域に輸送されてもよく、各スーツケース又は手荷物のアイテムは、小さい保管コンテナ9の1つ内に置かれてもよい。小さい保管コンテナ9は、次いで、ポートカラム58によって第1の自動保管及び取り出しシステム52内に移送される。第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造1上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31は、手荷物を含む小さい保管コンテナ9を取り出し、そのコンテナを、第2の自動保管及び取り出しシステム54に隣接する第1の自動保管及び取り出しシステム52の側にある、本明細書ではドロップオフポートカラムとして上記のように規定された1つ又は複数のポートカラム58に輸送する。小さいコンテナ9は、第1の自動保管及び取り出しシステム52から1つ又は複数の移送システム56にポートカラムから移送される。1つ又は複数の移送システム56は、第1の自動保管及び取り出しシステム52の小さいコンテナから乗客の手荷物をピッキングし、これらを、移送システム内にある、すなわち緩衝ゾーンにおいて待機している大きい保管コンテナ内に移すピックステーション64を備える。1つの大きい保管コンテナは、同じ輸送手段(たとえば同じフライト)又は同じ目的地に割り振られた複数のスーツケース又は手荷物のアイテムを収容することができる。大きい保管コンテナ9は、移送システム56によって第2の自動保管及び取り出しシステム54に輸送され、大きい保管コンテナ9は、移送システム56に隣接する第2の自動保管及び取り出しシステム54の側の1つ又は複数のポートカラムを介して第2の自動保管及び取り出しシステム54のグリッドフレームワーク構造1に戻される。手荷物が必要とされるとき、大きい保管コンテナは、第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31によって第2の自動保管及び取り出しシステム54から取り出される。大きい保管コンテナ9は、積荷取り扱いデバイスによって、移送システムに隣接する側とは反対のグリッドフレームワーク構造1の側にある1つ又は複数のポートカラム58に輸送される。グリッドフレームワーク構造の反対側のこれらのポートカラムは、1つ又は複数の保管コンテナがグリッドフレームワーク構造を出るための二次ポートカラムを提供するという点で、移送システム56への及び移送システム56からのドロップオフポートカラム及びピックアップカラムとは異なる。大きい保管コンテナ9は、第2の自動保管及び取り出しシステム54の外にそのそれぞれのポートカラムを介して輸送される。大きい保管コンテナ9は、次いで、乗客の手荷物が適切な目的地に輸送され得るように、飛行機又は船舶又は列車又は他の輸送手段などの乗客輸送車両の貨物室内に積み込まれ得る。
【0104】
図13は、図12の自動取り扱いシステム50を概略的に示し、ここでは、プラットフォーム57が、第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造1のセクションの上部層の下方にある。プラットフォーム57は、ポートカラムを収容するための領域を提供する。図14は、図13の自動取り扱いシステム50を概略的に示し、ここでは、単一層のグリッドフレームワーク構造59が、プラットフォーム57の上部にある。この実施形態における単一層のグリッドフレームワーク構造57は、2つの目的を果たす。第1に、単一層のグリッドフレームワーク構造59は、保管コンテナをポートカラムからグリッドフレームワーク構造に輸送するために、積荷取り扱いデバイス31がポートカラム58と第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造1との間を移動することを可能にする。第2に、単一層のグリッドフレームワーク構造59は、保管コンテナを異なるサブセクション間で輸送するために、積荷取り扱いデバイス31が第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造1の異なるサブセクション間で移動することを可能にする。
【0105】
図24は、図12の自動取り扱いシステムの後部の概略図である。図は、大きい保管コンテナ9が積み込まれる貨物ドーリ69を示す。各貨物ドーリ69は、第2の自動保管及び取り出しシステム54のグリッドフレームワーク構造1のポートカラム58の1つの近くに位置決めされる。保管コンテナ9は、ポートカラム58を通って下方に下降され、貨物ドーリ69に積み込まれる。
【0106】
貨物ドーリ69は、保管コンテナ9が貨物ドーリ69上に直接下降され得るように、ポートカラム58のすぐ下方に位置決めされ得る。代替的には、貨物ドーリは、ポートカラム58に隣接して位置決めされることが可能であり、保管コンテナをポートカラム58から貨物ドーリ69に移送するために、ポートカラム58の底部に位置するコンベヤユニットが使用され得る。
【0107】
自動取り扱いシステム50が自動手荷物取り扱いシステムである用途では、大きい保管コンテナ9は、ユニットロードデバイス(ULD)であり、手荷物アイテムを含む。積み込まれた後、貨物ドーリは、ULDを乗客輸送車両(たとえば、飛行機、列車、又は船)に輸送し、貨物倉に積み込まれる。
【0108】
図25は、自動取り扱いシステムの概略平面図である。小さい保管コンテナ9は、第1の自動保管及び取り出しシステム52のポートカラム58を通って自動取り扱いシステム50に入る。図25では、保管コンテナの列が、グリッドフレームワーク構造1に入るのを待機しているポートカラム58によって並んでいるのがわかり得る。第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造1内に保管された後、小さい保管コンテナ9は、積荷取り扱いデバイス31によってポートカラム58に輸送され、ポートカラムを通って、ピックステーション64まで降下する。ピックステーション64において、ロボット式アーム76は、小さい保管コンテナからのアイテムを移送システム56、すなわち緩衝ゾーンで待機している大きい保管コンテナ内にピッキングする。満杯になると、大きい保管コンテナは、移送システムによって第2の自動保管及び取り出しシステム54のポートカラム58まで運ばれる。大きい保管コンテナは、ポータルカラム58を通って第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造1内に上昇し、保管のために積荷取り扱いデバイス31によってグリッドフレームワーク構造内の場所に輸送される。大きい保管コンテナが必要とされるとき、これらは、グリッドフレームワーク構造から反対側のポータルカラム58に輸送され、ポートカラム58を通って下方に下降され、貨物ドーリ69に積み込まれる。
[自動組み立てライン]
自動取り扱いシステム50の別の用途は、自動組み立てシステムである。この用途では、第1の自動保管及び取り出しシステム52内に保管されるアイテムは、組み立てられる部材であり、第2の自動保管及び取り出しシステム54内に保管されるアイテムは、部材の組立体又は最終製品である。移送システムは、部材が組み立てられる1つ又は複数の組み立てステーション65を備える(図19及び20を参照)。部材は、作業者及び/又はロボット式アームによって組み立てられてもよい。
【0109】
保管コンテナは、積荷取り扱いデバイス31によって第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造1から取り出され、1つ又は複数のポートカラムを介して組み立てステーション65にもっていかれる。組み立てステーション65において、第1の自動保管及び取り出しシステム52からの、小さい保管コンテナからの部材は、組立体又は最終製品に組み立てられる。組立体又は製品は、次いで、緩衝ゾーン70にある大きい保管コンテナ内に置かれる。最終製品又は組立体を含む大きい保管コンテナは、次いで、移送システムを介して第2の自動保管及び取り出しシステムのポートカラム58に輸送される。大きい保管コンテナは、ポートカラム58(ピックアップポートカラム)を上って輸送され、1つ又は複数の積荷取り扱いデバイス31によって第2の自動保管及び取り出しシステム内の保管場所に移送される。
【0110】
図19は、組み立てステーションの例示的な実施形態を示す。ポートカラム58は、保管コンテナ9を第1の自動保管及び取り出しシステムから組み立てステーション65に移送する。小さい保管コンテナは、組み立てのための部材を含む。図19はまた、組み立てに必要とされる小さい部材又は継手(たとえば、ねじ、ナット、ボルト)を含み得るラック67も示す。図19に示される実施形態では、組み立ては、コンベヤシステム上に位置するトレイ上で作業者によって実施される。各トレイは、1つの組立体を保持し、トレイは、異なる作業者が異なる部材を組立体に加えることができるように、そのライン内で1人の作業者から次の作業者へと組み立てラインに沿って進められてもよい。組み立てが完了すると、トレイは、移送システムによって第2の自動保管及び取り出しシステムに送られる準備ができている大きい保管コンテナ(描かれず)内に置かれ得る。
【0111】
たとえば、自動組み立てシステムが自転車を組み立てるためのものである場合、小さい保管コンテナは、自転車部材(車輪、フレーム、ギヤ、チェーン、ブレーキ、サドル、ハンドルバーなど)を含み、大きい保管コンテナは、組み立てられた自転車を保管するためのものである。組み立てライン内の最初の作業者は、1つの小さい保管コンテナから自転車フレームを取り出し、別の小さい保管コンテナから車輪を取り出す。作業者は、ラック67からのボルトを使用して自転車の車輪を自転車フレームに組み付け、部材が組み付けられた自転車を組み立てトレイ上に置く。組み立てトレイは、次いで、たとえばコンベヤシステムによってライン内の次の作業者まで組み立てラインに沿って進められる。ライン内の次の作業者は、組み立てトレイを受け入れ、別の小さい保管コンテナからハンドルバーのセットを取り、ハンドルバーを自転車フレームに組み付ける。組み立てトレイは、ライン内の、ギヤを自転車フレームに据付ける次の作業者まで進む。このようにして、自転車は、すべての部材が組み付けられるまで組み立てラインに沿って進む。仕上げられた自転車は、大きい保管コンテナ内に置かれ、第2の自動保管及び取り出しシステム内に輸送される。
【0112】
図20は、図19の組み立てステーションを組み込む自動組み立てシステムを示す。自動組み立てシステムは、第1の自動保管及び取り出しシステム52と第2の自動保管及び取り出しシステム54とを備える。組み立てステーションは、グリッドフレームワーク構造のトラックシステムの下方の、2つの自動保管及び取り出しシステム間に位置する。第1の自動保管及び取り出しシステムの小さい積荷取り扱いデバイス31は、グリッドフレームワーク構造から小さい保管コンテナを取り出し、これらをポートカラム58までもっていき、その後保管コンテナは、ポートカラムを下って組み立てステーションまで降下する。部材は、組み立てステーションにおいて製品又は組立体に組み立てられ、次いで、完成した製品又は組立体は、大きい保管コンテナ9内に置かれる。大きい保管コンテナは、次いで、1つ又は複数のポートカラムによって第2の自動保管及び取り出しシステムに移送される。
【0113】
図20には描かれていないが、保管コンテナが第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造まで戻され得るように、大きい保管コンテナ9を組み立てステーション65から第2の自動保管及び取り出しシステムのポートカラム58に輸送するために、コンベヤが使用されてもよい。
[制御システム]
図15に示される本発明の例示的な実施形態では、制御システム82は、第2の自動保管及び取り出しシステム54のグリッドフレームワーク構造内での保管のために、第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造1からの1つ又は複数の保管コンテナ9、又は保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムの移動を調整する。説明を容易にし、効率的にするために、第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドフレームワーク構造は、「グリッドA」と呼ばれ、第2の自動保管及び取り出しシステム54のグリッドフレームワーク構造は、「グリッドB」と呼ばれる。上記で論じられた本発明によると、グリッドAは、グリッドBとは一致せず、これは、これらが異なってサイズ設定された保管コンテナ又はトートを保管することを意味する。その意図は、グリッドAからの複数の保管コンテナ又は複数の保管コンテナの内容物が、グリッドBからの単一の保管コンテナ内の保管のために集約又は照合され得ることである。グリッドAからの複数の保管コンテナの内容物をグリッドB内の単一の保管コンテナに集約するために、グリッドA内の保管コンテナは、グリッドB内の保管コンテナより小さい。その結果、グリッドBは、グリッドAのグリッド開口部15より大きいグリッド開口部15を有することによって、より大きい保管コンテナを収容するように構成される。図15は、本発明の例示的な実施形態による自動取り扱いシステム50の構成要素を示すブロック図である。制御システム82は、1つ又は複数のプロセッサ84と、メモリ86(たとえば読み取り専用メモリ及びランダムアクセスメモリ)と、通信バス88とを備える。制御システム82の1つ又は複数のプロセッサ84は、本明細書で説明される自動積荷取り扱いシステムの機能を少なくとも部分的に提供するために、ROM及び/又はRAM内に記憶された命令を実行することができる。制御システム82の1つ又は複数のプロセッサ84は、通信バス88を介してワイヤレス/有線送受信機(図示されず)に通信可能に結合される。クラウド(図示されず)は、データの処理及び記憶がそのクラウド内部で実施され得るように、制御システムの一部を形成してもよい。制御システム82は、1つ又は複数のアイテム又は品物の移送又は発送のためのリクエストを受信し、そして、有線/ワイヤレスネットワークを介してユーザの個人通信デバイスに通信される、そのリクエストに対する固有識別92(a及びb)を生成するように動作可能である命令を実行するように命令される。固有識別92(a及びb)は、ユーザに関連付けられたデータを備える。データは、ユーザに関連付けられたデータがティア1識別を表すことができるティアシステムとして表されることが可能であり、本発明の自動積荷取り扱いシステムの用途に応じて、データは、ユーザに関連付けられた他の属性、たとえば自動積荷取り扱いシステムが自動手荷物取り扱いシステムの場合にはフライトデータをティア2識別として含むことができる。ティアシステムは、制御システムが固有識別の特定の属性に基づいてグリッドA内の保管コンテナを識別及び集約することを可能にする。これは、ユーザに関連付けられたティア1データ及び/又はそれより下位のデータ、たとえば特定のフライトの1つ又は複数の保管コンテナがグリッドB内の単一の保管コンテナへの移送のために一緒に集約される場合はフライトデータであり得る。グリッドA内の1つ又は複数の保管コンテナをそのそれぞれの固有識別の特定の属性に基づいて集約するリクエストに続いて、制御システムは、グリッドA内の関連する保管コンテナをそのそれぞれの固有識別の特定の属性に基づいて識別する。これは、ユーザ詳細又はティアシステム内のそれより下位のものに関連付けられ得る。
【0114】
自動積荷取り扱いデバイスは、アイテムの照合又は集約を必要とする任意の用途に適用可能であるが、単一の保管コンテナ内への集約のために1つ又は複数の保管コンテナの移動を調整するための制御システムの機能の説明を容易にするために、自動積荷取り扱いシステムは、自動手荷物取り扱いシステムに関して説明されることになる。自動手荷物取り扱いシステムの場合、ユーザは、乗客を含むことができ、固有識別は、ユーザ定義された目的地及び/又は旅行データ、たとえばフライト詳細に関連付けられたデータを備える。
【0115】
図15を併用して図16に示される流れ図を参照すると、固有識別92(a及びb)をグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナに割り振るプロセス100は、1人又は複数人のユーザが、ステップ102において、ユーザ定義された目的地への移送のために1つ又は複数のアイテムを保持することをリクエストすることで開始する。自動手荷物取り扱いシステムの場合、1つ又は複数のアイテムは、1つ又は複数の手荷物又は荷物アイテムであることができる。チェックインディスクにおいて、制御システムは、ユーザをティア1識別として、及び他の旅行データと一緒に関連付けられたユーザ定義された目的地をティア2識別としてなどのように関連付けられた固有識別92を備えるラベル又は手荷物識別タグ90aをステップ104において生成する。固有識別を備えるラベル90aは、バーコード、1Dバーコード、2Dバーコード、又はQRコード(登録商標)又はRFIDタグに符号化され得る。ラベル90aは、保管されている荷物のアイデンティティを確立するためにユーザインターフェース93aによって読み取り可能である。手荷物又は荷物は、次いで、グリッドAへのその後の移送のために保管コンテナ内に堆積され、グリッドAでは、その保管コンテナは、グリッドB内の大きい保管コンテナ内に集約される前に保管される。グリッドB内に保持された保管コンテナの特定の属性に関連付けられたデータを備える固有識別92bの生成の同様のプロセスが、本発明において適用可能である。グリッドAに保持された保管コンテナとグリッドB内に保持された保管コンテナとの間の固有識別92(a及びb)間の関係は、以下でさらに論じられ、自動手荷物取り扱いシステムの具体的な用途に依存する。たとえば、その関係は、自動積荷取り扱いシステムが自動手荷物取り扱いシステムの場合、旅行データであり得る。
【0116】
特定のユーザに対する保管コンテナを位置特定するために、制御システム82は、ステップ106において、生成された固有識別をグリッドA内に保持された保管コンテナに割り当てる。生成された固有識別をグリッドA内の保管コンテナに割り当てるプロセスは、ユーザに関連付けられた固有識別をグリッドA内の保管コンテナのグリッド位置に割り当てることを含むことができる。グリッド位置は、デカルト座標系X、Y、Zによって表され得る。本発明の目的のために、トラックシステム13は、トラックシステム13の上方の水平面におけるX及びY方向のロボット式積荷取り扱いデバイス31の移動を案内し、持ち上げ機構39は、スタック11内の下方の保管コンテナ9にアクセスするために、把持デバイス43を第3のZ方向に移動させるように構成される。本出願の目的のために、Z=1は、グリッドフレームワーク構造1の最上層、すなわちトラックシステム13のすぐ下の層を規定し、Z=2は、トラックシステム13の下方の2番目にある層であり、Z=3は、トラックシステム13の下方の3番目にある層であるなどのように規定する。第1及び第2の保管及び取り出しシステム(グリッドA及びB)52、54のグリッドフレームワーク構造1内に保持された保管コンテナ9の各々の位置は、デカルト座標系X、Y、Zによって表され得る。たとえば、保管コンテナは、デカルト座標系X、Y、Zから決定されたグリッド位置内に位置すると言うことができる。固有識別92aは、ユーザをティア1識別として、旅行データをティア2識別として、及びユーザに関連付けられた保管コンテナのグリッド位置をティア3識別として関連付けられたデータを含むことができる。
【0117】
保管コンテナのグリッドA内のそのそれぞれのグリッド位置を行き来する移動は、グリッドAのトラックシステム13上で動作可能な1つ又は複数のロボット式積荷取り扱いデバイス96aによって実施される。典型的には、グリッドフレームワーク構造上で遠隔で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイス96aは、グリッドフレームワーク構造内の特定の保管場所から保管コンテナ9を取り出すために、マスターコントローラから命令を受信するように構成される。マスターコントローラは、図15を参照して論じられた制御システム82の一部を形成することができる。マスターコントローラからの通信インフラを1つ又は複数のベースステーションを介して、グリッドフレームワーク構造上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに提供するために、ワイヤレス通信及びネットワークが使用されてもよい。ロボット式積荷取り扱いデバイス内のコントローラは、命令を受信したことに応答して、積荷取り扱いデバイスの移動を制御するようにさまざまな駆動機構を制御するように構成される。たとえば、積荷取り扱いデバイスは、グリッドフレームワーク構造上の特定の場所にある保管カラム10から保管コンテナ9を取り出すように命令されてもよい。保管カラム10は、デカルト座標系の特定のX、Y座標を有し、保管カラム10の深さは、Z座標によって表され得る。命令は、グリッドフレームワーク構造上でのX-Y方向のさまざまな移動を含むことができる。保管カラム10に着くと、Z方向に動作する持ち上げ機構39は、次いで、保管コンテナ9を把持し、これを積荷取り扱いデバイス31の本体33内のコンテナ受容スペース内に持ち上げ、ここで、保管コンテナは、ドロップオフポートとして一般的に知られているグリッドフレームワーク構造上の別の場所に輸送され、ここで、保管コンテナは、ポートカラム58内で下降される。命令は、保管コンテナ9のそのグリッド位置までの、そしてそのグリッド位置から、保管コンテナ9がドロップオフされ得るグリッドAの少なくとも1つのポートカラム58までの移動を含む。ユーザがチェックインディスクにおいて自身の手荷物をチェックし、ユーザに関連付けられた手荷物に固有識別92aが割り振られ、その手荷物が保管コンテナ9内に置かれると、保管コンテナ9は、トラックシステム13上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31によってグリッドA内のグリッド位置まで移動される。これは、制御システム82によって割り当てられた専用のグリッド位置、又はチェックインディスクにおいてユーザによって選択されたグリッド位置であり得る。グリッドA内の保管コンテナのグリッド位置は、上記で論じられたようなユーザに関連付けられた固有識別92aに割り当てられる。このプロセスは、チェックインディスクにおいてさまざまなユーザに対して繰り返される。
【0118】
その結果、グリッドA内での保管のための保管コンテナの割り振り及び移動、並びにグリッドA内での保管コンテナのグリッド位置への固有識別の割り当ては、ユーザから離れたバックグランド又はバックオフィス内で行われる自動プロセスである。これは、当技術分野で現在実施されているULDへのその後の移送のために、手動で手荷物をコンベヤから積み込みステーション上に取り出す必要性と比較される。本発明では、本発明によるグリッドフレームワーク構造の高い保管密度により、さまざまなユーザからの複数の手荷物アイテムを、これらがグリッドB内の保管コンテナにその後移送される場合に選別のためにグリッドAに移送することが可能になる。各自動保管及び取り出しシステムがグリッドフレームワーク構造1と、保管コンテナをそのグリッド位置からポートカラムまで移動させるためにグリッドフレームワーク構造上で動作可能な複数の積荷取り扱いデバイス31とを備える複数の自動保管及び取り出しシステムの動作により、1つのグリッドフレームワーク構造内に保持された保管コンテナを別のグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナに移送するために選別及び/又は再配置することが可能になる。ステップ106において固有識別92(a及びb)を保管コンテナに割り当てることは、1つのグリッドフレームワーク構造からの1つ又は複数のアイテムを別のグリッドフレームワーク構造内の保管コンテナへの移送のために選別及び/又は集約することに役立つ。
【0119】
さまざまなユーザに対する固有識別92aは、ステップ108においてデータベース94a(これ以後、図15では「グリッドAデータベース」と呼ばれる)内に記憶され得る。データベースは、制御システム82に通信可能に結合される。図15に示されるように、制御システム82と通信するグリッドAデータベース94aは、ユーザ(乗客)に関連付けられた情報を含む。この情報は、ユーザに関連付けられた固有識別、及び/又は指定された保管コンテナ内で利用可能な残りのスペースの量、及び/又は手荷物のサイズ/寸法/容積/重量、及び/又はグリッドA内の保管コンテナのグリッド位置、又はティアシステム内の他の関連情報を含む。各保管コンテナを識別する固有識別92aは、入力デバイス93a(図15を参照)によってラベルを走査することによって保管コンテナが識別され得るように、保管コンテナに貼付されたラベル90a上に含まれ得る。入力デバイス93aは、それだけに限定されないが、無線周波数識別リーダ、リニア及び/又はマトリクスバーコードリーダ、又は赤外線リーダを含む。データベースは、手荷物アイテム間の関連付け、たとえば、どの手荷物アイテムが同じユーザ又は同じ発送品に属するかを記憶することができる。保管コンテナは、これらが集約のためにグリッドB内の1つ又は複数のより大きい保管コンテナに移送されることが必要とされるまで、グリッドA内に保持される。
【0120】
類似のデータベース94bが、第2の自動保管及び取り出しシステム54のグリッドB内に保持された保管コンテナに関連付けられた情報の記憶のために、制御システム82と通信状態で設けられる。グリッドB内に保持された保管コンテナは、グリッドA内の保管コンテナとは異なるサイズのものであり、グリッドAからグリッドBに集約され、移送されたアイテム又は保管コンテナを保管するように意図される。グリッドA内の1人又は複数人のユーザに関連付けられた固有識別92aと同様に、固有情報92bは、グリッドB内に保持された保管コンテナに関連付けられたデータを備え、グリッドB内の保管コンテナのグリッド位置、指定された保管コンテナ内で利用可能な残りのスペースの量、及び/又は保管コンテナのサイズ/寸法/容積/重量、及び/又はグリッドB内の保管コンテナのグリッド位置に関する情報、又はティアシステム内の他の関連する情報を備えることができる。グリッドA内に保持された保管コンテナと同様に、グリッドB内に保持された保管コンテナに関連付けられた固有識別92bは、保管コンテナに貼付されたラベル又はタグ90bによって識別され得る。移送システム56、たとえば緩衝ゾーン70にある入力デバイス93bは、ラベル又はタグ90bから、グリッドBからの保管コンテナを識別することができる。
【0121】
自動手荷物取り扱いシステムの場合、グリッドB内の保管コンテナは、たとえば航空機、列車又は船などの車両内に荷物又は積載貨物を積み込むために使用されるユニットロードデバイス(ULD)であることができる。グリッドA内の保管コンテナのグリッド位置と同様に、グリッドB内の保管コンテナのグリッド位置は、デカルト座標系、X、Y、Zによって表され得る。グリッドAとグリッドBとの間の相違は、それぞれのグリッドフレームワーク構造のサイズであり、ここでは、グリッドA内のグリッド開口部15は、グリッドB内のグリッド開口部15より小さい。第1の自動保管及び取り出しシステム52のグリッドAと同様に、グリッドBのトラックシステム13上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイス31は、1つ又は複数の保管コンテナ9を、グリッドB内のポートカラム58においてドロップオフするために、そのそれぞれのグリッド位置を行き来させるように命令される。命令は、保管コンテナ9のそのそれぞれのグリッド位置への、及びそのそれぞれのグリッド位置からグリッドBの少なくとも1つのポートカラム58への移動を含む。上記で論じられたように、積荷取り扱いデバイスは、トラックシステム13上でX及びY方向に移動するための車輪組立体と、保管コンテナ9をそのグリッド位置から把持して、積荷取り扱いデバイス31のコンテナ受容スペースに入れるための把持デバイス43とを備える。
【0122】
図15の例示的な実施形態は、2つのデータベース94を示し、一方の94aは、グリッドAからの保管コンテナの固有識別92aに関連付けられたデータを記憶するためのものであり、他方の94bは、グリッドBからの保管コンテナの固有識別92bに関連付けられたデータを記憶するためのものであり、両方の固有識別92(a及びb)からのデータは、単一のデータベース94内に記憶され得る。
【0123】
固有識別92(a及びb)を有するグリッドB内の特定の保管コンテナ内への集約のためにグリッドAからの保管コンテナをステップ110において選別する例示的な実施形態が、図17の流れ図を参照して説明され得る。説明を容易にするために、用語「固有識別」は、「UI」に省略されており、積荷取り扱いデバイスは、図17では「ボット」に省略されている。プロセスは、ステップ112、114において、制御システム82が、保管コンテナ9を位置特定し、そのグリッド位置からドロップオフポートに取り出すようにグリッドBのトラックシステム13上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31に命令することで開始し、ドロップオフポートでは、保管コンテナはその後、少なくとも1つのポートカラム58を通って下げられ、少なくとも1つの移送システム56によって緩衝ゾーン70に移送される。グリッドBから保管コンテナを取り出すリクエスト112は、グリッドAからのアイテムをグリッドBからの保管コンテナ内に集約する必要性に依存してもよい。
【0124】
上記で論じられた少なくとも1つのポートカラム58からの少なくとも1つの移送システム56による保管コンテナの移動は、1つ又は複数のコンベヤユニット62を伴う。緩衝ゾーン70は、少なくとも1つの移送システム56の一部を表し、ここでは、グリッドAからの1つ又は複数のアイテム又は保管コンテナが積み込まれる間、グリッドBからの1つ又は複数の保管コンテナ9は保持される。緩衝ゾーン70において、保管コンテナのアイデンティティは、ステップ116において入力デバイス93bを使用して保管コンテナの固有識別92bを決定することによって決定される。入力デバイス93bは、スキャナ、たとえばバーコードスキャナ、QRコードリーダ、又は保管コンテナの固有識別92bを決定するための他の入力デバイスであり得る。制御システム82内への固有識別92bの入力は、手動操作、たとえば携帯用スキャナ、又は自動操作、たとえば取り付けられたスキャナによるものであることができる。保管コンテナのアイデンティティがそのそれぞれの固有識別から決定された後、制御システムは、ステップ118において対応する固有識別92aを有するグリッドA内に保持された保管コンテナを決定し、位置特定する。グリッドA及びグリッドB内の保管コンテナの固有識別間の対応は、本発明の自動積荷取り扱いシステムの用途に基づく。自動手荷物取り扱いシステムの例の場合、グリッドBからの保管コンテナとグリッドAからの保管コンテナとの間の固有識別間の対応は、旅行詳細、たとえばフライト番号、又はユーザ定義された目的地であり得る。グリッドBからの保管コンテナのラベルは、フライト詳細、目的地などに関連付けられたデータを含むことができる。制御システム82は、ティアシステム内に保持され得る固有識別92(a及びb)、たとえばティア2識別を用いて記憶された任意の対応するフライト詳細を識別するために、ユーザに関連付けられた固有識別のデータベースを検索することができる。
【0125】
制御システム82は、緩衝ゾーン70にあるグリッドBからの保管コンテナの固有識別92bに対応する固有識別92aを有するグリッドA内の1つ又は複数の保管コンテナを識別する。識別されると、制御システム82は、ステップ122において、識別された保管コンテナ9を取り出し、少なくとも1つのポートカラム58を下ってピックステーション64にドロップオフされるように保管コンテナを移動させるように、グリッドAのトラックシステム13上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイス31に命令する。ピックステーション64において、グリッドAからの、さまざまな保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムが、ステップ124において、緩衝ゾーン70にある保管コンテナに移送され、ここでこれらアイテムは、緩衝ゾーン70にある保管コンテナ内に集約される。自動手荷物取り扱いシステムの場合、1つ又は複数のアイテムは、荷物であることができ、緩衝ゾーンにある保管コンテナは、ユニットロードデバイス(ULD)であることができる。ピックステーションにあるさまざまな保管コンテナからの荷物又は手荷物は、緩衝ゾーンにあるULDに移送される。制御システム82は、グリッドAからの手荷物を含む保管コンテナの固有識別92aが、緩衝ゾーン70にあるULDの固有識別92b、たとえばフライト詳細及び目的地に対応することを確実にする。グリッドB内のULDへの移送のためのグリッドAからの手荷物の割り振りの自動化は、人的エラーの結果、置き間違えられた手荷物が間違ったULDに積み込まれることを取り除く。ピックステーション64にある入力デバイス93aは、間違ったアイテムが緩衝ゾーンにある保管コンテナ内に積み込まれることを防止するために、保管コンテナの固有識別92aが緩衝ゾーン70にある保管コンテナの固有識別92bに対応することを確実にし、したがって、フェイルセーフ機構を提供する。
【0126】
ピックステーション64にある保管コンテナから1つ又は複数のアイテムを緩衝ゾーン70にある保管コンテナに移送することは、手動操作であることができる。しかし、本発明の自動積荷取り扱いシステム50の自動化を高めるために、保管コンテナ9からのアイテムを、これらが緩衝ゾーン70にある保管コンテナ内に集約されるために移送されるピックステーション64においてピッキングすることは、ロボット式アーム76を使用して自動化されることが可能であり、ロボット式アームは、保管コンテナからアイテムを把持し、これらを、図10に示されるように緩衝ゾーンにある保管コンテナに移送することができる。例示的な実施形態は、緩衝ゾーン70にある保管コンテナに移送される1つ又は複数のアイテムをピッキングすることを説明しているが、ピッキングステーション64に堆積された保管コンテナ自体が、緩衝ゾーンにある保管コンテナ内に積み込まれるために移送されることが可能である。同様に、保管コンテナ9が、別途配送コンテナとして知られている、外側保管コンテナ及び内側保管コンテナを備えることができることも、本発明において適応可能である。ピックステーション64にある1つ又は複数の保管コンテナからの配送コンテナは、緩衝ゾーン70にあるより大きい保管コンテナに移送され得る。1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテム(手荷物)が緩衝ゾーンにおいて保管コンテナ内に集約された後、緩衝ゾーンにある保管コンテナは、グリッドBの少なくとも1つのポートカラム58に移動され、ここでは、これはその後、グリッドBのトラックシステム13上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31によってピックアップされ、グリッドBのグリッド位置に移送されることが可能であり、このグリッド位置で保管コンテナは、その後、後で使用するために保管され得る。自動手荷物取り扱いシステムの場合、グリッドB内に保持されたULDは、その後、これが車両上、たとえば航空機貨物倉内に積み込まれることが必要とされたときに、グリッドBのトラックシステム13上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31によって取り出される。航空機貨物倉上に積み込まれることがリクエストされたとき、制御システム82は、ULDをその関連付けられた固有識別92bに基づいて取り出し、航空機貨物倉への輸送に適した貨物ドーリ上にULDが積み込まれ得る少なくとも1つのポートカラム58にULDを堆積するように、グリッドBのトラックシステム13上で動作可能なロボット式積荷取り扱いデバイス31に命令することができる。
【0127】
しかし、対応する固有識別を有する、グリッドAから識別され得る保管コンテナが存在しない場合、制御システムは、グリッドBからの別の保管コンテナをリクエストする。対応する固有識別を有するグリッドAからの保管コンテナの不在は、保管コンテナの、グリッドA内のそのそれぞれのグリッド内での割り振りの遅延によるものになり得る。代替的には、このシナリオでは、グリッドBからの保管コンテナは、任意選択により、グリッドから取り出され、グリッドAからの保管コンテナが割り振られるまで、緩衝ゾーン70において中間保持設備71内に保持されることが可能である。
【0128】
図17の流れ図の例示的な実施形態は、制御システム82が、グリッドA内のコンテナを対応する固有識別92によって識別する前に保管コンテナをグリッドBから取り出すように積荷取り扱いデバイス31に命令することで開始されるが、その反対、つまり制御システムが、グリッドAからのポートカラムにある1つ又は複数の保管コンテナの対応する固有識別によって、グリッドBからの保管コンテナを識別することが適用可能である。
【0129】
同様に、少なくとも1つの移送システム56が、1つ又は複数の保管コンテナをグリッドAの少なくとも1つのポートカラム58からグリッドBの少なくとも1つのポートカラム58まで直接移送するために少なくとも1つコンベヤユニット62を備えることができることも、本発明において可能である。図17の例示的な実施形態は、自動積荷取り扱いシステム50を自動手荷物取り扱いシステムとして説明しているが、本発明の自動積荷取り扱いシステム50は、アイテムの選別及び/又は照合を必要とする他の用途において使用され得る。上記で説明されたグリッドフレームワーク構造1を各々が備える少なくとも2つの自動保管及び取り出しシステム52、54を使用することにより、1つ又は複数のアイテムを選別し、1つの保管コンテナから別のより大きい保管コンテナに照合又は集約することが可能になる。
【0130】
第1及び第2の自動保管及び取り出しシステム52、54と、これらをリンクさせる少なくとも1つの移送システム56とを有する自動積荷取り扱いシステム50を使用して、1つ又は複数のアイテムを照合又は集約する利点は、本発明の自動積荷取り扱いシステム50が、製造プロセスにおける組み立てラインに用途を見つけることもできることである。たとえば、第1の自動保管及び取り出しシステム52からのアイテムは、集約され、機械、たとえばポンプ、モータの一部を形成することができる製品、又は製品全体、たとえば自転車、洗濯機などに組み立てられ得る。したがって、上記で論じられた1人又は複数人のユーザに関連付けられたデータを備える固有識別92(a及びb)の代わりに、固有識別92(a及びb)は、アイテムが一緒に組み立てられたときに製品が作りだされるような、組み立てライン内の製品の少なくとも一部又は製品全体に関連付けられたデータを備えることができる。換言すれば、1つ又は複数のアイテムは、組み立てライン内で製品の少なくとも一部の1つ又は複数の部材を表すように考えられ得る。その結果、固有識別92(a及びb)は、製品又は製品の少なくとも一部に関連付けられたデータを備える。1つ又は複数の保管コンテナ9からの1つ又は複数のアイテムは、組み立てステーション65において組み立てられる製品の少なくとも一部に関連付けられたそのそれぞれの固有識別92(a及びb)に基づいて、一緒に集約又は照合され得る。その結果、少なくとも1つの移送システム56は、組み立てられた製品がグリッドBに移送される前にグリッドAから取り出された1つ又は複数のアイテム又は部材を組み立てるための組み立てステーション65をさらに備えることができる。
【0131】
グリッドA内の保管コンテナの固有識別92aは、組み立てステーション65において組み立てられる製品の少なくとも一部又は製品に関連付けられ得る。したがって、グリッドAのデータベース94aは、組み立てステーションにおいて組み立てられる製品又は製品の少なくとも一部をティア1識別とし、その対応するグリッド位置をティア2識別とする、固有識別92(a及びb)に関連付けられたデータを備える。組み立てられた製品は、次いで、グリッドB内でのその後の保管のために緩衝ゾーン70にある保管コンテナ9に移送され得る。グリッドB内の保管コンテナ9は、組み立てステーション65において組み立てられた製品の固有識別に対応する固有識別92bを有する。上記で論じられたように、グリッドBのデータベース94bは、組み立てられた製品及びグリッドB内のそのグリッド位置に関連付けられたデータを備える。アイテム及び/又は保管コンテナにそのそれぞれの固有識別92に関連する情報を用いてラベリングし、固有識別92を入力デバイスによって制御システム82に入力する操作は、上記で説明された通りである。
【0132】
図18は、本発明による自動積荷取り扱いシステム50を使用して製品130の少なくとも一部を組み立てるプロセスの例示的なステップを示す。第1のステップ132では、組み立てステーション65において製品を組み立てるリクエストがなされる。制御システム82は、組み立てステーション65において製品を組み立てるために必要とされる部材又はアイテムを決定する。これは、ステップ134において、グリッドAからのアイテムを含む保管コンテナの固有識別92aを決定することを伴う。上記で論じられたように、固有識別92は、組み立てステーション65において組み立てられる製品に関連付けられる。固有識別92は、それぞれの組み立てアイテムを含む保管コンテナ9のグリッド位置に関連付けられたデータを備える。アイテム又は部材のすべてが識別された後、制御システム82は、ステップ136において、それぞれのアイテムを含む保管コンテナ9を取り出すように、グリッドAのトラックシステム13上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイス31に命令する。積荷取り扱いデバイス31は、保管コンテナ9をグリッドAの少なくとも1つのポートカラム58に輸送し、保管コンテナ9は、その後、少なくとも1つの移送システム56に移送される。少なくとも1つの移送システム56にある保管コンテナ9からの固有識別92の情報を備えるラベルが、スキャンされ、制御システム82内に入力される。制御システム82は、組み立てステーション65にある部材又はアイテムのすべてが製品を組み立てるために存在しているかどうかをステップ138において決定する。そうでなければ、次いで、制御システム82は、欠品しているアイテム又は部材を識別し、これらをグリッドAから取り出すように1つ又は複数の積荷取り扱いデバイス31に命令する。アイテムのすべてが存在している場合、次いで、アイテムは、ステップ140において組み立てステーション65において組み立てるために集約される。
【0133】
上記で説明されたピックステーション64のように、アイテムの組み立ては、手動操作又は自動操作によるものであることができる。たとえば、自動操作は、1つ又は複数のロボット式アーム76が溶接、固定、配置などの自動化された組み立てステップを実施することを伴うことができる。組み立てステーション65において組み立てられた製品は、次いで、保管のためにグリッドBに移送される。制御システム82は、ステップ122において、組み立てステーションにおいて組み立てられた製品に対応する固有識別を有する1つ又は複数の保管コンテナ9を取り出し、1つ又は複数の保管コンテナ9を緩衝ゾーン70に移動させるように命令され得る。組み立てられた製品は、ステップ124において緩衝ゾーン70にある保管コンテナ9に移送される。移送はまた、緩衝ゾーン70にある保管コンテナ9上のラベルをスキャンし、ラベルからの情報を制御システム82内に入力することを伴うこともできる。ラベル上の情報は、緩衝ゾーン70にある保管コンテナの固有識別を含み、情報は、その後、データベース94b(グリッドBデータベース)内に記憶される。固有識別92bは、グリッドB内に保管されている組み立てられた製品及びそのそれぞれのグリッド位置の記録である。グリッドBのトラックシステム13上で動作可能な積荷取り扱いデバイス31は、保管コンテナ9を緩衝ゾーン70からグリッドB内のグリッド位置に移送する。グリッド位置は、グリッドB内の保管コンテナの固有識別92bに割り当てられる。グリッドAからの1つ又は複数のアイテムの組み立て、組み立てステーション65における組み立て、及びグリッドB内の組み立てられた製品の保管のこうしたプロセスは、グリッドA内の他のアイテムに対しても繰り返される。したがって、グリッドAは、組み立てられる製品の部材を提供し、グリッドBは、組み立てられた製品の保管を提供する。グリッドA及びグリッドBを互いにリンクさせる少なくとも1つの移送システム56は、グリッドAをグリッドBにリンクさせるために必要なステーションを提供する。
【0134】
本発明による自動積荷取り扱いシステム50の利点は、1つ又は複数のアイテムの選別及び/又は照合又は集約のプロセスが自動化され得ることである。1つ又は複数のアイテムの手動選別及び/又は集約の結果とするボトルネックは、自動化されて、選別及び/又は集約のプロセスをより一層高速のプロセスにすることができる。複数の移送システム56は、異なる固有識別92、たとえば自動手荷物取り扱いシステムの場合は異なるフライト詳細を有する1つ又は複数のアイテムを、第1の自動保管及び取り出しシステム52から第2の自動保管及び取り出しシステム54に選別及び/又は照合するように同時並行で作用することができる。さらに、グリッドフレームワーク構造1を使用して保管コンテナ9を保持することにより、保管コンテナをより高い密度で保管設備の所与の設置面積に合わせて保持することが可能になる。
[定義]
前述の項内に説明された変形形態の任意の1つ又は複数が、自動取り扱いシステムの同じ実施形態において実施されてもよいことが考えられる。
【0135】
本文書では、nがx、y、及びzの1つである場合の「n方向の移動」という言葉(及び関連する言い回し)は、両方向の(すなわち、n軸の正の端部に向かう、又はn軸の負の端部に向かう)、n軸に実質的に沿った又は平行な移動を意味するように意図される。
【0136】
本文書では、単語「接続する」及びその派生語は、直接的及び間接的な接続の可能性を含むように意図される。たとえば、「xはyに接続される」は、xが介入構成要素を有さずにyに直接的に接続される可能性、及びxが1つ又は複数の介入構成要素を用いてyに間接的に接続される可能性を含むように意図される。直接的接続が意図される場合、単語「直接的に接続される」、「直接的接続」、又は類似のものが使用されることになる。同様に、用語「支持」及びその派生語は、直接的及び間接的接触の可能性を含むように意図される。たとえば、「xはyを支持する」は、xが介入構成要素を有さずに直接的にyを支持し、直接的にyに接触する可能性、及びxが、x及び/又はyに接触する1つ又は複数の介入構成要素を有してyを支持する可能性を含むように意図される。単語「取り付ける」及びその派生語は、直接的及び間接的取り付けの可能性を含むように意図される。たとえば、「xがy上に取り付けられる」は、xが介入構成要素を有さずにy上に直接的に取り付けられる可能性、及びxが1つ又は複数の介入構成要素を有してy上に間接的に取り付けられる可能性を含むように意図される。
【0137】
本文書では、単語「備える」及びその派生語は、排除的な意味ではなく包括的な意味を有するように意図される。たとえば、「xはyを備える」は、xが1つだけのy、複数のy、又は1つ又は複数のy、及び1つ又は複数の他の要素を含む可能性を含むように意図される。排除的意味が意図される場合、言葉「xはyからなる」が使用され、これは、xが、y以外に何も含まないことを意味する。
【0138】
本文書では、「コントローラ」は、1つ又は複数の構成要素を制御する(たとえばこれに命令を提供する)のに適した任意のハードウエアを含むように意図される。たとえば、1つ又は複数のメモリと、構成要素又は複数の構成要素に関連するデータを処理し、構成要素がその/それらの意図される機能を実行することを可能にするために適切な命令を構成要素に送信するための適切なソフトウェアとが装備されたプロセッサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11(a)】
図11(b)】
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2023-11-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムと、B)少なくとも1つのポートカラムと、を備える自動積荷取り扱いシステムであって、
A)前記第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムの各自動保管及び取り出しシステムが、i)グリッドフレームワーク構造と、ii)複数のロボット式積荷取り扱いデバイスと、を備え、
i)前記グリッドフレームワーク構造が、
a)平行なトラックの第1のセット、及び実質的に水平な平面において前記第1のセットに対して横断方向に延びる平行なトラックの第2のセットを備え、複数のグリッドセルを備えるグリッドパターンで配置されるトラックシステムであって、各グリッドセルが、前記平行なトラックの第1のセットの隣接するトラックの対及び前記平行なトラックの第2のセットの隣接するトラックの対によって画定されたグリッド開口部を画定する、トラックシステムと、
b)1つ又は複数のアイテムを保管するための保管コンテナのそれぞれのスタックを保管するように各々が配置された複数の保管カラムであって、前記保管コンテナのスタックが、単一のグリッドスペース又はグリッドセルを保管コンテナの各スタックが占有するように、前記トラックシステムの下方に位置する、保管カラムと、
を備え、
ii)前記ロボット式積荷取り扱いデバイスは、1つ又は複数の保管コンテナをスタックから持ち上げ、移動させるために前記トラックシステム上で動作可能であり、
B)前記1つのポートカラムは、前記第1及び前記第2の自動保管及び取り出しシステムの各々の前記トラックシステムのグリッド開口部から下方向に延在しており、前記1つのポートカラムを通して、前記トラックシステム上で動作可能なそれぞれのロボット式積荷取り扱いデバイスが1つ又は複数の保管コンテナをドロップオフし、ピックアップすることができる、
自動積荷取り扱いシステムにおいて、前記自動積荷取り扱いシステムが、
C)1つ又は複数の保管コンテナ又は前記保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムから前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムに移送するように構成された少なくとも1つの移送システムをさらに備え、
前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステムの前記グリッド開口部は、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造が、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内に保管された前記保管コンテナとは異なってサイズ設定された保管コンテナを保管するように構成されるように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステムの前記グリッド開口部とは異なったサイズであることを特徴とする、自動積荷取り扱いシステム。
【請求項2】
前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステムの前記グリッド開口部が、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造が、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内に保管される前記保管コンテナより小さい保管コンテナを保管するように構成されるように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステムの前記グリッド開口部より小さい、請求項1に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項3】
前記第1及び前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の各々の前記少なくとも1つのポートカラムが、前記少なくとも1つの移送システムから移送された1つ又は複数の保管コンテナを受け入れるための入口ポートカラムと、1つ又は複数の保管コンテナを前記少なくとも1つの移送システムにドロップオフするための出口ポートカラムとを備える、請求項1又は2に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの移送システムが、1つ又は複数の保管コンテナを前記自動保管及び取り出しシステムのそれぞれのグリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するために、前記第1又は第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記出口ポートカラムから前記第1又は第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記入口ポートカラムまで延在する少なくとも1つのコンベヤユニットを備える少なくとも1つのコンベヤシステムを備える、請求項3に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの移送システムが、1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムから前記第2の自動保管及び取り出しシステムに輸送するために、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記少なくとも1つのポートカラムから前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記少なくとも1つのポートカラムまで延在する少なくとも1つのコンベヤユニットを備える少なくとも1つのコンベヤシステムを備える、請求項1又は2に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの移送システムが、1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するように配置された第1のコンベヤシステムと、1つ又は複数の保管コンテナを前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するように配置された第2のコンベヤシステムとを備える少なくとも1つのコンベヤシステムを備える、請求項3に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコンベヤシステムが、入口コンベヤユニットと、出口コンベヤユニットと、移送コンベヤユニットとを備え、前記出口コンベヤユニットは、保管コンテナを前記出口ポートカラムから前記移送コンベヤユニットまで第1の方向に輸送するように配置され、前記入口コンベヤユニットは、保管コンテナを前記移送コンベヤユニットから前記入口ポートカラムまで第2の方向に輸送するように配置されている、請求項4に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項8】
前記移送コンベヤユニットが、保管コンテナを第3の方向に輸送するように配置されている、請求項7に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項9】
前記出口コンベヤユニット及び前記入口コンベヤユニットが、前記出口コンベヤユニットの前記第1の方向が前記入口コンベヤユニットの前記第2の方向の反対であり、前記第2の方向に平行であるように配置され、前記移送コンベヤユニットの前記第3の方向が、前記出口コンベヤユニットの前記第1の方向と前記入口コンベヤユニットの前記第2の方向の両方に実質的に直交する、請求項8に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの移送システムが、前記第1及び/又は第2の自動保管及び取り出しシステムの前記移送コンベヤユニットにおいて1つ又は複数の保管コンテナを保持するための緩衝ゾーンを備える、請求項7に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの移送システムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記少なくとも1つのポートカラムからドロップオフされた保管コンテナを受け入れるためのピックステーションを備える、請求項10に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項12】
前記ピックステーションが、前記第1の自動保管及び取り出しシステムからの、1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記移送コンベヤユニットにある1つ又は複数の保管コンテナに移送するためのロボット式アームを備える、請求項11に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項13】
前記ピックステーションが、前記保管コンテナを傾斜させるための傾斜機構と、前記傾斜機構を出た1つ又は複数のアイテムを捕捉するための、前記傾斜機構に隣接するスライドとを備える、請求項11に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項14】
前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記保管コンテナが、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記スタック内で垂直に互いに離間されるようにスペーシング手段上に取り付けられた浅いトレイを備える、請求項1又は2に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項15】
前記浅いトレイの各々が、底壁と、前記浅いトレイが前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内のスタック内に保管されているときに、前記浅いトレイの内側の1つ又は複数のアイテムがそこを通してアクセスされ得る1つ又は複数の切欠部を備える上方向に延在するリムとを備える、請求項14に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの移送システムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステムからの、1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを組み立てるための少なくとも1つの組み立てステーションを備える、請求項1又は2に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項17】
前記第1及び前記第2の自動保管及び取り出しシステムの複数の積荷取り扱いデバイスの各積荷取り扱いデバイスが、保管コンテナと解放可能に係合するように構成された把持デバイスと、前記保管コンテナを前記トラックシステムの上方に持ち上げるように構成されたウインチ機構とを備える持ち上げ機構を備える、請求項1又は2に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項18】
1つ又は複数のプロセッサと、命令を記憶するメモリとを備える制御システムをさらに備え、前記命令は、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたときに、
a)ユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられたアイテムの保管のリクエストを受信し、
b)前記ユーザ又は前記製品の前記少なくとも一部に関連付けられたデータを備える固有識別を生成し、
c)前記固有識別を前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の保管コンテナに割り当て、
d)前記固有識別に関連付けられたデータをデータベース内に記憶するように構成されている、請求項1又は2に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項19】
前記固有識別が、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記保管コンテナのグリッド位置を前記固有識別に相関付けることによって、前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の保管コンテナに割り当てられる、請求項18に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項20】
前記制御システムが、
a)前記第2の自動保管及び取り出しシステム内の各保管コンテナに関連付けられたデータを備える固有識別を生成し、
b)前記保管コンテナの前記固有識別を前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記保管コンテナのグリッド位置に割り当てるようにさらに構成されている、請求項18に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項21】
前記制御システムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数の保管コンテナからの複数のアイテムを、そのそれぞれの固有識別に基づいて、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の保管コンテナへの移送のために集約又は照合するように構成されている、請求項20に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項22】
前記制御システムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数の保管コンテナからの前記複数のアイテムを、1人又は複数人のユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられたそのそれぞれの固有識別を集約することによって、集約又は照合するように構成されている、請求項21に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項23】
前記制御システムが、1人又は複数人のユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられた、前記集約された固有識別を、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記保管コンテナの固有識別に割り当てるように構成されている、請求項22に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項24】
前記制御システムが、前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記保管コンテナの対応する固有識別に基づいて、
i)1人又は複数人のユーザに関連付けられた前記固有識別を前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記保管コンテナの前記対応する固有識別に相関付け、
ii)前記固有識別を前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記保管コンテナの前記グリッド位置に相関付けることに基づいて、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内で前記1つ又は複数の保管コンテナを位置特定し、
iii)前記1つ又は複数の保管コンテナを前記グリッド位置から取り出し、前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムまで移動させるように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令することによって、
1つ又は複数の保管コンテナを取り出すように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するようにさらに構成されている、請求項23に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項25】
前記自動積荷取り扱いシステムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の前記1つ又は複数の保管コンテナ内に保管された前記1つ又は複数のアイテムの各々が手荷物アイテムであり、前記ユーザに関連付けられた前記固有識別が手荷物タグデータであるような自動手荷物取り扱いシステムであり、前記手荷物タグデータは、旅行データを示す予約データと一緒に、ユーザ指定された目的地に関連付けられたデータを備え、前記第2の自動保管及び取り出しシステム内の前記1つ又は複数の保管コンテナの各々が、ユニットロードデバイス(ULD)である、請求項18に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項26】
前記製品の少なくとも一部が、前記集約又は照合された複数のアイテムの組立体を備える、請求項21に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項27】
前記制御システムが、前記製品の前記少なくとも一部に関連付けられた固有識別に基づいて、
i)前記製品の前記少なくとも一部の一部を各々が形成する1つ又は複数のアイテムを備える1つ又は複数の保管コンテナを識別し、
ii)前記固有識別を前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記保管コンテナの前記グリッド位置に相関付けることに基づいて、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内で前記1つ又は複数の保管コンテナを位置特定し、
iii)前記製品の少なくとも一部に組み立てるための1つ又は複数のアイテムを各々が備える前記1つ又は複数の保管コンテナをそのグリッド位置から取り出し、前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムまで移動させるように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令することによって、
前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムのそれぞれのポートカラムに取り出すべく、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するようにさらに構成される、請求項26に記載の自動積荷取り扱いシステム。
【請求項28】
少なくとも1つの移送システムにある第2の自動保管及び取り出しシステムからの1つ又は複数の保管コンテナに応答して、請求項18に記載の自動積荷取り扱いシステム内で1つ又は複数のアイテムを取り扱う方法であって、
i)第1の自動保管及び取り出しシステムからの1人又は複数人のユーザに関連付けられた固有識別を、前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムからの前記1つ又は複数の保管コンテナの固有識別に相関付けることによって、1つ又は複数のアイテムを備える1つ又は複数の保管コンテナを識別するステップと、
ii)前記1つ又は複数の識別された保管コンテナを取り出し、前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の少なくとも1つのポートに移動させるように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
iii)前記識別された1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを、前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムからの前記1つ又は複数の保管コンテナに移送するステップと、
iv)前記1つ又は複数の保管コンテナを前記少なくとも1つの移送システムから、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の保管カラムまで移動させるように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
を備える方法。
【請求項29】
前記第1の自動保管及び取り扱いシステムからの前記1つ又は複数の識別された保管コンテナの前記固有識別に基づいて、1つ又は複数のコンテナを前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造から前記少なくとも1つの移送システムに取り出すように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップをさらに備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
製品の少なくとも一部を形成するために請求項26に記載の自動積荷取り扱いシステムからの1つ又は複数のアイテムを組み立てる方法であって、
i)第1の自動保管及び取り出しシステムからの、前記製品の前記少なくとも一部に関連付けられた固有識別を有する1つ又は複数のアイテムを備える1つ又は複数の保管コンテナを識別するステップと、
ii)前記製品の前記少なくとも一部に組み立てるための1つ又は複数のアイテムを各々が備える前記1つ又は複数の保管コンテナをそのグリッド位置から取り出し、前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムに移動させるように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
iii)前記製品の前記少なくとも一部を形成するように前記1つ又は複数の保管コンテナからの前記1つ又は複数のアイテムを組み立てるステップと、
iv)前記製品の前記少なくとも一部を、前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムからの前記1つ又は複数の保管コンテナに移送するステップと、
v)前記1つ又は複数の保管コンテナを前記少なくとも1つの移送システムから前記第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の保管カラムまで移動させるように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
を備える、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0138
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0138】
本文書では、「コントローラ」は、1つまたは複数の構成要素を制御する(たとえばこれに命令を提供する)のに適した任意のハードウエアを含むように意図される。たとえば、1つまたは複数のメモリと、構成要素または複数の構成要素に関連するデータを処理し、構成要素がその/それらの意図される機能を実行することを可能にするために適切な命令を構成要素に送信するための適切なソフトウェアとが装備されたプロセッサ。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] A)第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムと、B)少なくとも1つのポートカラムと、を備える自動積荷取り扱いシステムであって、
A)前記第1及び第2の自動保管及び取り出しシステムの各自動保管及び取り出しシステムが、i)グリッドフレームワーク構造と、ii)複数のロボット式積荷取り扱いデバイスと、を備え、
i)前記グリッドフレームワーク構造が、
a)平行なトラックの第1のセット、及び実質的に水平な平面において前記第1のセットに対して横断方向に延びる平行なトラックの第2のセットを備え、複数のグリッドセルを備えるグリッドパターンで配置されるトラックシステムであって、各グリッドセルが、前記平行なトラックの第1のセットの隣接するトラックの対及び前記平行なトラックの第2のセットの隣接するトラックの対によって画定されたグリッド開口部を画定する、トラックシステムと、
b)1つ又は複数のアイテムを保管するための保管コンテナのそれぞれのスタックを保管するように各々が配置された複数の保管カラムであって、前記保管コンテナのスタックが、単一のグリッドスペース又はグリッドセルを保管コンテナの各スタックが占有するように、前記トラックシステムの下方に位置する、保管カラムと、
を備え、
ii)前記ロボット式積荷取り扱いデバイスは、1つ又は複数の保管コンテナをスタックから持ち上げ、移動させるために前記トラックシステム上で動作可能であり、
B)前記1つのポートカラムは、前記第1及び前記第2の自動保管及び取り出しシステムの各々の前記トラックシステムのグリッド開口部から下方向に延在しており、前記1つのポートカラムを通して、前記トラックシステム上で動作可能なそれぞれのロボット式積荷取り扱いデバイスが1つ又は複数の保管コンテナをドロップオフし、ピックアップすることができる、
自動積荷取り扱いシステムにおいて、前記自動積荷取り扱いシステムが、
C)1つ又は複数の保管コンテナ又は前記保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムから前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムに移送するように構成された少なくとも1つの移送システムをさらに備え、
前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステムの前記グリッド開口部は、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造が、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内に保管された前記保管コンテナとは異なってサイズ設定された保管コンテナを保管するように構成されるように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステムの前記グリッド開口部とは異なったサイズであることを特徴とする、自動積荷取り扱いシステム。
[2] 前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステムの前記グリッド開口部が、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造が、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内に保管される前記保管コンテナより小さい保管コンテナを保管するように構成されるように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステムの前記グリッド開口部より小さい、[1]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[3] 前記第1及び前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の各々の前記少なくとも1つのポートカラムが、前記少なくとも1つの移送システムから移送された1つ又は複数の保管コンテナを受け入れるための入口ポートカラムと、1つ又は複数の保管コンテナを前記少なくとも1つの移送システムにドロップオフするための出口ポートカラムとを備える、[1]又は[2]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[4] 前記少なくとも1つの移送システムが、1つ又は複数の保管コンテナを前記自動保管及び取り出しシステムのそれぞれのグリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するために、前記第1又は第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記出口ポートカラムから前記第1又は第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記入口ポートカラムまで延在する少なくとも1つのコンベヤユニットを備える少なくとも1つのコンベヤシステムを備える、[3]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[5] 前記少なくとも1つの移送システムが、1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムから前記第2の自動保管及び取り出しシステムに輸送するために、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記少なくとも1つのポートカラムから前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記少なくとも1つのポートカラムまで延在する少なくとも1つのコンベヤユニットを備える少なくとも1つのコンベヤシステムを備える、[1]から[4]のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[6] 前記少なくとも1つの移送システムが、1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するように配置された第1のコンベヤシステムと、1つ又は複数の保管コンテナを前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造に出入りするように輸送するように配置された第2のコンベヤシステムとを備える少なくとも1つのコンベヤシステムを備える、[3]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[7] 前記少なくとも1つのコンベヤシステムが、入口コンベヤユニットと、出口コンベヤユニットと、移送コンベヤユニットとを備え、前記出口コンベヤユニットは、保管コンテナを前記出口ポートカラムから前記移送コンベヤユニットまで第1の方向に輸送するように配置され、前記入口コンベヤユニットは、保管コンテナを前記移送コンベヤユニットから前記入口ポートカラムまで第2の方向に輸送するように配置されている、[4]から[6]のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[8] 前記移送コンベヤユニットが、保管コンテナを第3の方向に輸送するように配置されている、[7]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[9] 前記出口コンベヤユニット及び前記入口コンベヤユニットが、前記出口コンベヤユニットの前記第1の方向が前記入口コンベヤユニットの前記第2の方向の反対であり、前記第2の方向に平行であるように配置され、前記移送コンベヤユニットの前記第3の方向が、前記出口コンベヤユニットの前記第1の方向と前記入口コンベヤユニットの前記第2の方向の両方に実質的に直交する、[8]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[10] 前記少なくとも1つの移送システムが、前記第1及び/又は第2の自動保管及び取り出しシステムの前記移送コンベヤユニットにおいて1つ又は複数の保管コンテナを保持するための緩衝ゾーンを備える、[7]から[9]のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[11] 前記少なくとも1つの移送システムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の前記少なくとも1つのポートカラムからドロップオフされた保管コンテナを受け入れるためのピックステーションを備える、[10]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[12] 前記ピックステーションが、前記第1の自動保管及び取り出しシステムからの、1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記移送コンベヤユニットにある1つ又は複数の保管コンテナに移送するためのロボット式アームを備える、[11]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[13] 前記ピックステーションが、前記保管コンテナを傾斜させるための傾斜機構と、前記傾斜機構を出た1つ又は複数のアイテムを捕捉するための、前記傾斜機構に隣接するスライドとを備える、[11]又は[12]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[14] 前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記保管コンテナが、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記スタック内で垂直に互いに離間されるようにスペーシング手段上に取り付けられた浅いトレイを備える、[1]から[13]のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[15] 前記浅いトレイの各々が、底壁と、前記浅いトレイが前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内のスタック内に保管されているときに、前記浅いトレイの内側の1つ又は複数のアイテムがそこを通してアクセスされ得る1つ又は複数の切欠部を備える上方向に延在するリムとを備える、[14]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[16] 前記少なくとも1つの移送システムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステムからの、1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを組み立てるための少なくとも1つの組み立てステーションを備える、[1]から[15]のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[17] 前記第1及び前記第2の自動保管及び取り出しシステムの複数の積荷取り扱いデバイスの各積荷取り扱いデバイスが、保管コンテナと解放可能に係合するように構成された把持デバイスと、前記保管コンテナを前記トラックシステムの上方に持ち上げるように構成されたウインチ機構とを備える持ち上げ機構を備える、[1]から[16]のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[18] 1つ又は複数のプロセッサと、命令を記憶するメモリとを備える制御システムをさらに備え、前記命令は、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたときに、
a)ユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられたアイテムの保管のリクエストを受信し、
b)前記ユーザ又は前記製品の前記少なくとも一部に関連付けられたデータを備える固有識別を生成し、
c)前記固有識別を前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の保管コンテナに割り当て、
d)前記固有識別に関連付けられたデータをデータベース内に記憶するように構成されている、[1]から[17]のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[19] 前記固有識別が、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記保管コンテナのグリッド位置を前記固有識別に相関付けることによって、前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の保管コンテナに割り当てられる、[18]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[20] 前記制御システムが、
a)前記第2の自動保管及び取り出しシステム内の各保管コンテナに関連付けられたデータを備える固有識別を生成し、
b)前記保管コンテナの前記固有識別を前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記保管コンテナのグリッド位置に割り当てるようにさらに構成されている、[18]又は[19]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[21] 前記制御システムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数の保管コンテナからの複数のアイテムを、そのそれぞれの固有識別に基づいて、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の保管コンテナへの移送のために集約又は照合するように構成されている、[20]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[22] 前記制御システムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の1つ又は複数の保管コンテナからの前記複数のアイテムを、1人又は複数人のユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられたそのそれぞれの固有識別を集約することによって、集約又は照合するように構成されている、[21]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[23] 前記制御システムが、1人又は複数人のユーザ又は製品の少なくとも一部に関連付けられた、前記集約された固有識別を、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記保管コンテナの固有識別に割り当てるように構成されている、[22]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[24] 前記制御システムが、前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記保管コンテナの対応する固有識別に基づいて、
i)1人又は複数人のユーザに関連付けられた前記固有識別を前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記保管コンテナの前記対応する固有識別に相関付け、
ii)前記固有識別を前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記保管コンテナの前記グリッド位置に相関付けることに基づいて、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内で前記1つ又は複数の保管コンテナを位置特定し、
iii)前記1つ又は複数の保管コンテナを前記グリッド位置から取り出し、前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムまで移動させるように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令することによって、
1つ又は複数の保管コンテナを取り出すように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するようにさらに構成されている、[23]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[25] 前記自動積荷取り扱いシステムが、前記第1の自動保管及び取り出しシステム内の前記1つ又は複数の保管コンテナ内に保管された前記1つ又は複数のアイテムの各々が手荷物アイテムであり、前記ユーザに関連付けられた前記固有識別が手荷物タグデータであるような自動手荷物取り扱いシステムであり、前記手荷物タグデータは、旅行データを示す予約データと一緒に、ユーザ指定された目的地に関連付けられたデータを備え、前記第2の自動保管及び取り出しシステム内の前記1つ又は複数の保管コンテナの各々が、ユニットロードデバイス(ULD)である、[18]から[24]のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[26] 前記製品の少なくとも一部が、前記集約又は照合された複数のアイテムの組立体を備える、[21]から[23]のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[27] 前記制御システムが、前記製品の前記少なくとも一部に関連付けられた固有識別に基づいて、
i)前記製品の前記少なくとも一部の一部を各々が形成する1つ又は複数のアイテムを備える1つ又は複数の保管コンテナを識別し、
ii)前記固有識別を前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内の前記保管コンテナの前記グリッド位置に相関付けることに基づいて、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造内で前記1つ又は複数の保管コンテナを位置特定し、
iii)前記製品の少なくとも一部に組み立てるための1つ又は複数のアイテムを各々が備える前記1つ又は複数の保管コンテナをそのグリッド位置から取り出し、前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムまで移動させるように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令することによって、
前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムのそれぞれのポートカラムに取り出すべく、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するようにさらに構成される、[26]に記載の自動積荷取り扱いシステム。
[28] 少なくとも1つの移送システムにある第2の自動保管及び取り出しシステムからの1つ又は複数の保管コンテナに応答して、[18]から[25]のいずれか一項に記載の自動積荷取り扱いシステム内で1つ又は複数のアイテムを取り扱う方法であって、
i)第1の自動保管及び取り出しシステムからの1人又は複数人のユーザに関連付けられた固有識別を、前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムからの前記1つ又は複数の保管コンテナの固有識別に相関付けることによって、1つ又は複数のアイテムを備える1つ又は複数の保管コンテナを識別するステップと、
ii)前記1つ又は複数の識別された保管コンテナを取り出し、前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の少なくとも1つのポートに移動させるように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
iii)前記識別された1つ又は複数の保管コンテナからの1つ又は複数のアイテムを、前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムからの前記1つ又は複数の保管コンテナに移送するステップと、
iv)前記1つ又は複数の保管コンテナを前記少なくとも1つの移送システムから、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造の保管カラムまで移動させるように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
を備える方法。
[29] 前記第1の自動保管及び取り扱いシステムからの前記1つ又は複数の識別された保管コンテナの前記固有識別に基づいて、1つ又は複数のコンテナを前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記グリッドフレームワーク構造から前記少なくとも1つの移送システムに取り出すように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップをさらに備える、[28]に記載の方法。
[30] 製品の少なくとも一部を形成するために[26]又は[27]に記載の自動積荷取り扱いシステムからの1つ又は複数のアイテムを組み立てる方法であって、
i)第1の自動保管及び取り出しシステムからの、前記製品の前記少なくとも一部に関連付けられた固有識別を有する1つ又は複数のアイテムを備える1つ又は複数の保管コンテナを識別するステップと、
ii)前記製品の前記少なくとも一部に組み立てるための1つ又は複数のアイテムを各々が備える前記1つ又は複数の保管コンテナをそのグリッド位置から取り出し、前記1つ又は複数の保管コンテナを前記第1の自動保管及び取り出しシステムの前記少なくとも1つのポートカラムに移動させるように、前記第1の自動保管及び取り出しシステムのトラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップと、
iii)前記製品の前記少なくとも一部を形成するように前記1つ又は複数の保管コンテナからの前記1つ又は複数のアイテムを組み立てるステップと、
iv)前記製品の前記少なくとも一部を、前記少なくとも1つの移送システムにある前記第2の自動保管及び取り出しシステムからの前記1つ又は複数の保管コンテナに移送するステップと、
v)前記1つ又は複数の保管コンテナを前記少なくとも1つの移送システムから前記第2の自動保管及び取り出しシステムのグリッドフレームワーク構造の保管カラムまで移動させるように、前記第2の自動保管及び取り出しシステムの前記トラックシステム上で動作可能な1つ又は複数の積荷取り扱いデバイスに命令するステップ、
とを備える、方法。
【国際調査報告】