(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】エラストマー製シールばね
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20240319BHJP
F16J 15/10 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
H01R13/52 301H
F16J15/10 U
F16J15/10 T
H01R13/52 301E
H01R13/52 301G
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022511217
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(85)【翻訳文提出日】2022-04-11
(86)【国際出願番号】 US2021051998
(87)【国際公開番号】W WO2022211845
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507164434
【氏名又は名称】ジェイ.エス.ティー.コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100120628
【氏名又は名称】岩田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】デマラトス デイビッド
【テーマコード(参考)】
3J040
5E087
【Fターム(参考)】
3J040AA02
3J040AA11
3J040BA01
3J040EA03
3J040EA16
3J040FA06
3J040HA03
5E087LL03
5E087LL04
5E087LL12
5E087RR12
(57)【要約】
本発明のシールばねは、二重機能性を有する。シールばねは、そのエラストマー品質によって達成される、電気コネクタシステム内での使用におけるシール特性およびばね機能の両方を提供する。シールばねは、好ましくは、シリコーン、EPDMゴム、または使用中に同様の性能を提供する材料および組成物などで構成される。本発明のシールばねは、その幾何学的形状によってばね部分またはシール部分に限定されたり定義されたりしない。導電性雌ハウジングおよびコネクタアセンブリ内のシールばねの実施態様が示されている。シールばねは、ディスクフェルールアセンブリに対して適切なばね力を圧縮して提供し、ワイヤシールドを含むディスクフェルールアセンブリを導電性外側雌ハウジングに対して押圧し、コネクタアセンブリのための接地機構を提供する。シールばねはまた、外側雌ハウジングおよびワイヤを密封する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールばねであって、
表面を有する側部と、
表面を有する第1の面と、
表面を有する第2の面と、
側壁を有する内側開口部と、
前記側部の一部分に位置し、かつ前記側面の一部分によって形成される外側シール部分と、
前記側壁の一部分上の前記内側開口部の内側に位置する内側シール部分と
を特徴とする、シールばね。
【請求項2】
前記外側シール部分が、前記シールばねの前記側部の前記側面の一部分によって形成されることを特徴とする、請求項1に記載のシールばね。
【請求項3】
前記内側シール部分が、前記側壁の側面の一部分によって形成されることを特徴とする、請求項1に記載のシールばね。
【請求項4】
前記外側シール部分が、ハウジングの壁と相互作用してハウジングの壁を密封することを特徴とする、請求項1に記載のシールばね。
【請求項5】
前記内側シール部分が、ワイヤと相互作用してワイヤを密封することを特徴とする、請求項1に記載のシールばね。
【請求項6】
前記第1の面が突出部を有することを特徴とする、請求項1に記載のシールばね。
【請求項7】
前記第2の面が突出部を有することを特徴とする、請求項1に記載のシールばね。
【請求項8】
前記突出部がディスクフェルールアセンブリと接触することを特徴とする、請求項6に記載のシールばね。
【請求項9】
前記突出部がディスクフェルールアセンブリと接触することを特徴とする、請求項7に記載のシールばね。
【請求項10】
シールばねをコネクタアセンブリ内に組み立てるための方法であって、
前記シールばねをワイヤ上に挿入するステップと、
前記シールばねをハウジングの内側空洞に挿入するステップと、
前記ハウジングをハウジング裏カバー内に押し込むステップと、
その後、前記ハウジング上に位置する突出部上に保持タブのための係止位置を提供するように、前記ハウジングをハウジング裏カバー内に押し込むステップと、
前記シールばねを前記ハウジング内に圧縮するステップと、
前記シールばねをディスクフェルールアセンブリに押し付けるステップと、
その後、ばね力を前記シールばねに与えるステップと
を特徴とする、方法。
【請求項11】
前記シールばねを前記ディスクフェルールアセンブリに押し付ける前記ステップが、前記シールばねにばね力を与える前記ステップの後に、前記ディスクフェルールアセンブリを前記ハウジングに押し付けることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
シールばねを前記コネクタアセンブリ内に組み立てるための前記方法が、前記シールばねにばね力を与える前記ステップの後に、前記シールばねが前記ハウジング裏カバーを押圧することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
シールばねを前記コネクタアセンブリに組み立てるための前記方法が、前記ハウジングに接地装置を設けることを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記シールばねが、前記ハウジングの前記内側空洞を密封することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記シールばねが、前記ワイヤを密封することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2021年4月1日に出願された米国仮特許出願第63/169,511号および2020年7月14日に出願された米国仮特許出願第63/051,517号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
シリコーンまたは任意のエラストマー材料(その性質がゴム状の材料)は、限定はしないが、水、空気(任意の気体要素または分子)またはコネクタシステムが組み立てられた場合には存在しない任意の異物として定義される任意のデブリなどの外部要素がコネクタシステムに入るのを防止する目的でシール(封止部材)を形成する材料として、複数の用途において、特に電気コネクタシステムにおいて使用されることが多い。特定のシールのシール特性は、材料のエラストマー特性、およびコネクタシステム内のその位置内で動作するための適切な単数または複数の幾何学的形状によって達成される。これらのシールは、多くの場合、意図された使用場所に基づいて、面シール、界面シール、リングシール、ケーブルシール、マット(matまたはmatte)シール、およびワイヤシールなどの用語で示される。
【背景技術】
【0003】
[事例1]
コネクタ用途におけるシリコーン(エラストマー)シールの使用は、マットシールを含んでもよい。マットシールは、シールとして単一の機能で機能するヘッダまたは装置構成コネクタアセンブリにおいて使用されてもよい。マットシールは、2つの独立した(別個の)表面を密閉する、単一の機能(密封)を果たしている。また、マットシールを使用する設計の典型であるバックカバーは、マットシールを固定して保護する。
【0004】
[事例2]
コネクタ用途におけるシリコーン(エラストマー)シールの使用は、2つのマットシールを含んでもよい。2つのマットシールは、ワイヤ対ワイヤ(インライン)構成コネクタアセンブリ内で使用されてもよい。一方のマットシールは雌マットシールであり、他方は雄マットシールである。マットシールの両方は、例えば、シールとプラスチックハウジングとの間の位置のシール、ならびにシールとマットシールの内側空洞を通って移動するワイヤとの間のシールである。マットシールは、単一の機能(密封)を果たしているが、それぞれ2つの独立した(別個の)表面に対して密封していることに留意されたい。また、マットシールを固定して保護するために、マットシールを使用する際の典型的な設計としてバックカバーが各シールに含まれる。
【0005】
[事例3]
コネクタ用途におけるシリコーン(エラストマー)シールの使用は、オーバーモールドされたマットシールおよび面シールを含んでもよい。オーバーモールドされたマットシールおよび面シールは、面シール構成コネクタアセンブリを含む鋳造装置内で使用されてもよい。オーバーモールドされたマットシールは、例えば、シールとプラスチックハウジングとの間の位置のシール、ならびにシールとオーバーモールドされたマットシールの内側空洞を通って移動するワイヤとの間のシールである。面シールは、プラスチックハウジングと鋳造装置との間を密封する1つの連続シールである。シールは、ガスケットまたはOリングと同じように動作している。
【0006】
マットシールおよび面シールは、単一の機能(密封)を果たしており、マットシールは、それぞれ2つの独立した(別個の)表面を密封しており、オーバーモールドされたマットシールは、単一の表面を密封していることに留意されたい。また、マットシールを固定して保護するために、やはりマットシールを使用する際の典型的な設計としてバックカバーが含まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシールばねは、二重機能性を有する。使用時には、シールばねは、電気コネクタアセンブリ内でシール特性およびばね機能の両方を提供する。二重機能性は、そのエラストマー品質によって達成される。シールばねは、シリコーン、EPDMゴム、使用中に同様の性能を提供する材料および組成物などで構成される。さらに、本発明のシールばねはまた、その幾何学的形状によってばね部分またはシール部分に限定されたり定義されたりしない。したがって、シールばねは形状に基づくものではなく、シール機能およびばね機能の二重機能性が必要とされる場所であればどこでも機能してもよい。このような実施態様の1つは、本出願において詳細に説明されるコネクタアセンブリのハウジングの内側空洞内にある。
【0008】
本発明のシールばねを有するコネクタアセンブリはまた、好ましくはディスクフェルール(円盤状口金)アセンブリを含む。シールばねはディスクフェルールアセンブリと相互作用する。使用時には、シールばねが圧縮されて変形し、一方の端部でディスクフェルールアセンブリを押圧し、他方の端部でハウジング裏カバーを押圧する。したがって、シールばねは、ばね機能を提供する。さらに、ディスクフェルールアセンブリは、ディスクフェルールアセンブリに取り付けられたワイヤシールドを介したコネクタアセンブリ用の接地装置を提供する。ディスクフェルールアセンブリがコネクタアセンブリの接地を支援するためには、ディスクフェルールアセンブリが、例えば接地機構に接触することが必要である。本出願では、接地機構は導電性ハウジング(金属注入樹脂製)を含むが、ハウジング内の導電性要素(すなわち、従来の打ち抜きシールドまたは同様の接地装置)であってもよいが、接地装置はこれらの前述の例に限定されない。
【0009】
ここで、使用時に、本発明のシールばねは圧縮されて、外側雌ハウジングの内側空洞に変形される。シールばねは、ハウジング裏カバーが外側雌ハウジングと嵌合して固定される場合に内側空洞内に圧縮される。シールばねのエラストマー特性およびデュロメータ仕様は、シールばねの圧縮状態が、ハウジング裏カバーおよびより重要なことにはディスクフェルールアセンブリの両方に対してばね力を加えることを可能にする。シールばねは、シールばねをディスクフェルールアセンブリに押し付けるように作用する外向きのばね力を生成して加え、ディスクフェルールアセンブリを外側雌ハウジング(導電性ハウジング)の内壁または外側雌ハウジング(図示せず)内の接地装置(すなわち、従来の打ち抜きシールド)に固定する。
【0010】
さらに、シールばねのシール特性は、圧縮シールばねが、外側雌ハウジング210に対する外側シール機能およびワイヤ300に対する内側シール機能を維持し、かつ提供することを可能にする。
【0011】
図示のように、シールばねはまた、使用時および動作時にシールばねの変形またはシール形状を乱すことなく、ディスクフェルールアセンブリおよび/またはハウジング裏カバーとのシールばねの接触を支援する突出部を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】本発明のハウジング裏カバーの端部斜視図である。
【
図4】ワイヤが挿入され、ディスクフェルールアセンブリが取り付けられた雌ハウジングの断面図である。
【
図5】ワイヤが挿入され、ディスクフェルールアセンブリが取り付けられ、シールばねが雌ハウジング内に存在する雌ハウジングの断面図である。
【
図6】ワイヤが挿入され、ディスクフェルールアセンブリが取り付けられ、シールばねが雌ハウジング内に存在し、ハウジング裏カバーが取り付けられた雌ハウジングを有する組み立てられたハウジングアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に見られるのは、本発明のシールばね100の好ましい実施形態である。シールばね100は、好ましくは、シリコーン、EPDMゴム、または使用中に同様の性能を提供する材料および組成物などで構成される。シールばね100は、第1の面102と、第1の対向面112と、第2の面104と、第2の対向面114と、側部106とを有する。側部106は表面116を有し、側部106は、第1の面102と第2の面104との間にある。シールばね100はまた、側部106の一部分にあり、かつ側面116の一部分によって形成される外側シール部分120を有する。ここで、外側シール部分120は、好ましくは側部106の略中央に位置する(
図1、
図2参照)。さらに、シールばね100は、側壁109を有する内側開口部108を有する。側壁109は表面110を有する。2つの内側開口部108の量が
図1および
図2に示されており、内側開口部108の数量は、好ましくは1つまたは1つより多い。さらに、シールばね100は、そのそれぞれの側壁109の一部分において内側開口部108の内側に位置し、側面110の一部分によって形成された内側シール部分130を有する。ここで、内側シール部分130は、好ましくは側壁109の略中央に位置する。
【0014】
シールばね100はまた、図示のように、内側開口部108を囲み、かつこれに対応する突出部140を有する。
図1および
図2に示すように、突出部140は、第1の面102および第2の面104の両方から突出している。代替的に、他の実施形態では、突出部140は、第1の面102および第2の面104のいずれか一方から突出していてもよい(図示せず)。突出部140は、側面144と垂直面142とを有する。側面144は、そこから延在するそれぞれの第1の面102または第2の面104に対して略垂直である。垂直面142は、そこから延在するそれぞれの第1の面102または第2の面104と略平行である。さらに、側面144および垂直面142は互いに接触し、かつ略垂直に延在する。
【0015】
図示のように、シールばね100は2つの内側開口部108を有し、ここで、対応する一対の突出部140は、一方が第1の面102から延在し、他方が第2の面104から延在する(
図1~
図2、
図5~
図6を参照)。前述のように、内側開口部108の数量は、好ましくは1つまたは1つより多く、これに限定されない。同様に、内側開口部108の数量に対応する突出部140の数量は、好ましくは1つまたは2つであり、より好ましくは、突出部140の数量は、内側開口部108の数量当たり2つであり、一対であり、2つの突出部140のうちの一方は第1の面102から延在し、2つの突出部140のうちの他方は第2の面104から延在する(
図1~
図2、
図5~
図6を参照)。
【0016】
図2は、シールばね100の第2の面104および第2の対向面114を示している。側面116を有する側部106もまた示されている。前述のように、シールばね100は、外側シール部分120と内側シール部分130とを有する。外側シール部分120は、コネクタアセンブリ200の外側雌ハウジング210と相互作用して外側雌ハウジング210を密封(seal)する(
図6を参照)。内側シール部分130は、後により詳細に説明するようにワイヤ300の内側絶縁体302と相互作用して内側絶縁体302を密封する(
図6を参照)。
【0017】
図3では、コネクタアセンブリ200のハウジング裏カバー230が示されている。ハウジング裏カバー230は内側空洞231を有する。内側空洞231は側壁233を有する。側壁233は表面234を有する。さらに、ハウジング裏カバー230の内側空洞231は、第1の端部237および第1の端部の表面238内に開口部232を有する。さらに、ハウジング裏カバー230は第2の端部239を有する。端部239は外面240を有する。内側空洞231は後壁235をさらに有し、後壁235は、第2の端部239の一部である。後壁235は内面236を有する。さらに、第2の端部239から略垂直に延在するのは、ハウジング裏カバー230のワイヤカラー歪み緩和部245である。ハウジング裏カバー230は、第2の端部239の後壁235を通って延在する開口部241を有する。開口部239はさらに延在し、ワイヤカラー歪み緩和部245内にある。開口部241は側壁240を有する。側壁240は表面241を有する。開口部241は、シールばね100に設けられた内側開口部108の各々にそれぞれ対応し、中心に位置合わせされる。
【0018】
図4では、ワイヤ300を収容する外側雌ハウジング210が示されている。外側雌ハウジング210は内側空洞211を有する。内側空洞211は側壁213を有する。側壁213は表面214を有する。また、外側雌ハウジング210の内側空洞211は、端部217に開口部212を有する。端部217は表面218を有する。内側空洞211は後壁215をさらに有する。後壁215は表面216を有する。
【0019】
図4では、ワイヤ300も詳述されている。ワイヤ300は、ワイヤコア301と、内側絶縁体302と、ワイヤ外側絶縁体304と、ワイヤシールド500とを有する。ワイヤ300は、(
図6に示すように)軸方向Aを有する。ワイヤシールド500は、ワイヤ300の内側絶縁体302と外側絶縁体304との間に位置する。ワイヤコア301は内側絶縁体302内に配置されている。
【0020】
さらに、
図4では、外側雌ハウジング210にワイヤ300が挿通されている。ワイヤコア301の一端は、端子に取り付けられ、かつ接続されている(図示せず)。端子は、外側雌ハウジング201内に係止される。したがって、端子が外側雌ハウジング201内に係止されると、ワイヤコア301は動かないように固定取付けされ、したがってワイヤ300もまた適所に係止され、その前進運動が阻止されかつ制限される。
【0021】
図4ではまた、ワイヤ300の内側絶縁体302の上および外側雌ハウジング210の内側空洞211の内側に位置決めされたディスクフェルールアセンブリ400が示されている。
図4では、外側絶縁体304の一部分が除去されており、それによってディスクフェルールアセンブリ400は、外側絶縁体304の自由端部に隣接して位置している。ワイヤシールド500は、ディスクフェルールアセンブリ400内にあるか、または一方の側または他方の側に位置し、ディスクフェルールアセンブリ400に取り付けられるかまたは固定される。したがって、ディスクフェルールアセンブリ400と接触するかまたはこれに固定されているワイヤシールド500の部分は、それに応じて、ディスクフェルールアセンブリ400と共に移動し、ディスクフェルールアセンブリと共に位置決めされる。
【0022】
図5に示すように、シールばね100が外側雌ハウジング301に挿入されている。ワイヤ300の内側絶縁体302は、シールばね100の内側開口部108を通って挿入されかつ延在する。次に、シールばね100は、外側雌ハウジング210の内側空洞211の開口部212に挿入される一方で、シールばね100は、ワイヤ300の軸方向Aに沿って移動され、ディスクフェルールアセンブリ400に向かってさらに挿入されて接触する。シールばね100は、第1の面102の第1の対向面112がディスクフェルールアセンブリ400に到達しかつ当接した場合に、外側雌ハウジング210内にさらに移動することによって制限される。
図5に見られるように、シールばね100の第2の面104および第2の対向面114は、外側雌ハウジングの内側空洞211から突出して外方に延在し、外側雌ハウジング210の開口部212内を通って外方に延在する。
【0023】
図6に示すように、ハウジング裏カバー230は、外側雌ハウジング210と相互作用してその上に固定されてもよい。ハウジング裏カバー230は、外側雌ハウジング210の外部の突出部(図示せず)と相互作用するための保持タブ243を有する。保持タブ243は、ハウジング裏カバー230が外側雌ハウジング210の外部に位置合わせされ、位置決めされ、係止され、かつ固定されることを可能にする。外側雌ハウジング210の一部分は、ハウジング裏カバー230の内側空洞231の完全に内部に存在する。外側雌ハウジング210は、ハウジング裏カバー230の内側空洞231の側壁233の表面234に接触する。嵌合中、外側雌ハウジング210は、ハウジング裏カバー230の開口部232に入り、そこを通過する。外側雌ハウジング210がハウジング裏カバーの内側空洞231に完全に嵌合して挿入されると、外側雌ハウジング210の端部217および端部の表面218は、ハウジング裏カバー230の内側空洞231の後壁235の内面236において、ハウジング裏カバー230の内側空洞231の後壁235に接触して当接する。これは、外側雌ハウジング210のハウジング裏カバー230内への前進運動を制限し、好ましくは、コネクタアセンブリ200の動作および使用のために外側雌ハウジング210をハウジング裏カバー230内に位置させる。
【0024】
さらに、ハウジング裏カバー230はシールばね100とも相互作用する。ハウジング裏カバー230と外側雌ハウジング210との嵌合中、ハウジング裏カバー230は、シールばね100の突出部140を押してこれに当接する。突出部140は、シールばねの第2の面104から突出している。ハウジング裏カバー230の内壁は、シールばね100の第2の面104から延びる突出部140の垂直面142に当接する。同様に、シールばね100の第1の面102から延びる突出部140の垂直面142は、ディスクフェルールアセンブリ400と完全に接触している。ハウジング裏カバー230と外側雌ハウジング210とが嵌合すると、シールばね100がワイヤ300の軸方向Aに圧縮される。保持タブ243が外側雌ハウジング210の外部に係止された状態で、ハウジング裏カバー230が外側雌ハウジング210に固定されかつ係止されると、シールばね100は完全に圧縮され、外側雌ハウジング210の完全に内側空洞211内に存在する。
【0025】
図6のように、シールばね100の完全に圧縮されかつ変形された向きまたは状態は、ワイヤ300の軸方向Aに沿って2つの反対方向にばね状の力およびばね機能を与える。このばね状の力およびばね機能は、まず、ディスクフェルールアセンブリ400に向かって、次に、ハウジング裏カバー230に向かって与えられる。シールばね100によってディスクフェルールアセンブリ400に向かって加えられるばね状の力は、ディスクフェルールアセンブリ400に固定力を与え、固定力は、ディスクフェルールアセンブリ400を、ディスクフェルールアセンブリ400が外側雌ハウジング210(導電性)の内側空洞211の後壁215に、または打ち抜きシールド(図示せず)に、または外側雌ハウジング210の内側空洞211内の同様の接地装置に当接して完全に接触している状態および位置に保持し続ける。
【0026】
外側雌ハウジング210は、ここでは金属特性(金属注入樹脂または金属組成物)を有し、外側雌ハウジング210は、ディスクフェルールアセンブリ400に設けられたワイヤシールド500を接地することによってコネクタアセンブリ200の接地経路または接地機構を完成させる導電性要素である。
【0027】
さらに、
図6では、適切なばね力を与えながら、圧縮シールばね100は、外側雌ハウジング210に対する外側シール機能およびワイヤ300に対する内側シール機能を維持し、かつ提供する。シールばね100の外側シール部分120は、外側雌ハウジング210の内側空洞211の側壁213の表面214を密封する(
図6を参照)。シールばね100の内側シール部分130は、ワイヤ300の内側絶縁体302を密封する(
図6を参照)。したがって、シールばね100は、2つの独立した別個の表面を密封している。
【0028】
シールばね100の材料の弾性特性および耐久性は、上述の特性および効果の組合せが提供されるように最適化される。さらに、本発明のシールばね100は、その幾何学的形状によってばね部分またはシール部分に限定されたり定義されたりしない。したがって、シールばね100は形状に基づくものではなく、シール機能およびばね機能の二重機能性が必要とされる場所であればどこでも機能してもよい。さらに、外側雌ハウジング210の内側空洞211のサイズまたは空間は、ばね機能またはシールばね100の内側および外側のシール特性を移行させて中断させないために、シールばね100の変形を可能にするように最適化されかつ調整されてもよい。あるいは、シールばね100の突出部140のサイズは、ばね機能またはシールばね100の内側および外側のシール特性を移行させて中断させないために、シールばね100の変形を可能にするように最適化されかつ調整されてもよい。
【0029】
上記の説明は、本発明の少なくとも垂直ディスクフェルールを組み立てるための製造方法における好ましい実施形態に関しているが、他の変形および修正が当業者には明らかであり、本発明の精神または範囲から逸脱することなく行われてもよいことに留意されたい。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールばねであって、
表面を有する側部と、
表面を有する第1の面と、
表面を有する第2の面と、
側壁を有する内側開口部と、
前記側部の一部分に位置し、かつ前記側面の一部分によって形成される外側シール部分と、
前記側壁の一部分上の前記内側開口部の内側に位置
し、前記内側開口部の前記側壁から延在する内側シール部分と
を特徴とする、シールばね。
【請求項2】
前記外側シール部分が、前記シールばねの前記側部の前記側面の一部分によって形成されることを特徴とする、請求項1に記載のシールばね。
【請求項3】
前記内側シール部分が、前記側壁の側面の一部分によって形成されることを特徴とする、請求項1に記載のシールばね。
【請求項4】
前記外側シール部分が、ハウジングの壁と相互作用してハウジングの壁を密封することを特徴とする、請求項1に記載のシールばね。
【請求項5】
前記内側シール部分が、ワイヤと相互作用してワイヤを密封することを特徴とする、請求項1に記載のシールばね。
【請求項6】
前記第1の面が突出部を有することを特徴とする、請求項1に記載のシールばね。
【請求項7】
前記第2の面が突出部を有することを特徴とする、請求項1に記載のシールばね。
【請求項8】
前記突出部がディスクフェルールアセンブリと接触することを特徴とする、請求項6に記載のシールばね。
【請求項9】
前記突出部がディスクフェルールアセンブリと接触することを特徴とする、請求項7に記載のシールばね。
【請求項10】
シールばねをコネクタアセンブリ内に組み立てるための方法であって、
前記シールばねをワイヤ上に挿入するステップと、
前記シールばねをハウジングの内側空洞に挿入するステップと、
前記ハウジングをハウジング裏カバー内に押し込むステップと、
その後、前記ハウジング上に位置する突出部上に保持タブのための係止位置を提供するように、前記ハウジングをハウジング裏カバー内に押し込むステップと、
前記シールばねを前記ハウジング内に圧縮するステップと、
前記シールばねをディスクフェルールアセンブリに押し付けるステップと、
その後、ばね力を前記シールばねに与えるステップと
を特徴とする、方法。
【請求項11】
前記シールばねを前記ディスクフェルールアセンブリに押し付ける前記ステップが、前記シールばねにばね力を与える前記ステップの後に、前記ディスクフェルールアセンブリを前記ハウジングに押し付けることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
シールばねを前記コネクタアセンブリ内に組み立てるための前記方法が、前記シールばねにばね力を与える前記ステップの後に、前記シールばねが前記ハウジング裏カバーを押圧することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
シールばねを前記コネクタアセンブリに組み立てるための前記方法が、前記ハウジングに接地装置を設けることを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記シールばねが、前記ハウジングの前記内側空洞を密封することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記シールばねが、前記ワイヤを密封することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【国際調査報告】