(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】分散型台帳を介した安全で追跡可能な資金移動操作のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04L 9/32 20060101AFI20240319BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20240319BHJP
【FI】
H04L9/32 200B
H04L9/32 200D
H04L9/32 200E
G06Q20/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520009
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-26
(86)【国際出願番号】 IB2022052866
(87)【国際公開番号】W WO2022208330
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】202121014783
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523112747
【氏名又は名称】ジェイアイオー・プラットフォームズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ディリップ・クリシュナスワミ
(72)【発明者】
【氏名】アアユーシュ・バトナガー
(57)【要約】
本開示は、一般的に、資金移動/金融取引に関し、より具体的には、分散型台帳を介した安全で追跡可能な資金移動操作のためのシステムおよび方法に関する。システムは、ユーザデバイスの送金人または受取人から、第1のユーザ公開鍵または第2のユーザ公開鍵を決定するキーワードベースのクエリを受信する。システムは、送金人のユーザデバイスをトリガーして、受取人の決定された第1のユーザ公開鍵に移動されるべき金額をサインオフし、サインオフ済み金額をブロックチェーンネットワークに伝送する。システムは、ブロックチェーンネットワークから、移動要求の正当性確認を受信し、チェック&デビットスマートコントラクトマイクロサービスを呼び出し、送金人のTSDCBアカウントの残高をチェックして引き落とす。システムは、移動スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、受取人のTSDCBアカウントに引き落とし額を入れ、送金人および受取人に対するTSDCBアカウントアイデンティティ(TA-ID)を識別する。システムは、ブロックチェーンネットワークに関連付けられている台帳にトランザクションを記録する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散型台帳を通じて安全で追跡可能な資金移動操作を行うためのシステム(110)であって、
プロセッサ(202)と、
前記プロセッサ(202)に結合されているメモリ(204)であって、前記メモリ(204)はプロセッサ実行可能命令を含み、前記命令は、実行したときに前記プロセッサ(202)に
ユーザデバイス(104)に関連付けられている送金人および受取人の少なくとも一方から、前記受取人に関連付けられている第1のユーザ公開鍵および前記送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵の少なくとも一方を決定するためのキーワードベースのクエリを受信し、前記送金人および前記受取人の前記少なくとも一方は、トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)アカウントに関連付けられ、
前記送金人に関連付けられている前記ユーザデバイス(104)をトリガーして、前記TSDCBアカウントの前記受取人に関連付けられている前記決定された第1のユーザ公開鍵に対して移動されるべき金額をサインオフし、前記サインオフは、前記送金人に関連付けられている前記TSDCBアカウントに対応する秘密鍵を使用して前記送金人によって実行され、
前記送金人に関連付けられている前記ユーザデバイス(104)から受信された前記サインオフ済み金額を、ブロックチェーンネットワーク(112)に伝送し、前記サインオフ済み金額は、トランザクションにデジタル署名が添付された前記関連付けられているTSDCBアカウントへの資金移動要求を介して受信され、
前記ブロックチェーンネットワーク(112)から、前記送金人に関連付けられている前記第2のユーザ公開鍵の前記デジタル署名の正当性を確認することに基づき前記移動要求の正当性確認を受信し、
前記サインオフ済み金額を前記受取人に移動するために、チェック&デビットスマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、前記送金人に関連付けられている前記TSDCBアカウントの残高をチェックして引き落とし、
前記送金人に関連付けられている前記TSDCBアカウントおよび前記受取人に関連付けられている前記TSDCBアカウントが異なる通貨またはデジタルTSDCBコインまたはデジタルTSDCBトークンを含んでいるかどうかを決定し、
前記送金人に関連付けられている前記TSDCBアカウントおよび前記受取人に関連付けられている前記TSDCBアカウントが前記異なる通貨または前記デジタルTSDCBコインまたは前記デジタルTSDCBトークンを含むときに、前記サインオフ済み金額の前記移動前に、通貨換算のための換算スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出し、
前記送金人に関連付けられている前記TSDCBアカウントの前記引き落としが完了した後、移動スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、前記受取人に関連付けられている前記TSDCBアカウントに前記引き落とし額を入れ、
前記受取人への前記サインオフ済み金額の前記移動が完了した後、前記送金人および前記受取人に対する1つまたは複数のTSDCBアカウントアイデンティティ(TA-ID)を識別し、
前記ブロックチェーンネットワーク(112)に関連付けられている台帳に前記トランザクションを記録し、前記記録は、前記受取人に関連付けられている前記第1のユーザ公開鍵と、前記送金人に関連付けられている前記第2のユーザ公開鍵と、前記送金人から前記受取人への前記サインオフ済み金額とを含む、ように行わせる、メモリ(204)とを備えるシステム(110)。
【請求項2】
前記プロセッサ(202)は、
モニタースマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、一定額を超える金融取引、および一定額を超える短い時間窓内のトランザクションのセットのうちの少なくとも一方を含む警告トリガーを監視するようにさらに構成される請求項1に記載のシステム(110)。
【請求項3】
前記送金人および前記受取人に対する前記1つまたは複数のTSDCBアカウントアイデンティティ(TA-ID)は生成され、前記TA-IDの前記生成のために、前記プロセッサ(202)は、
前記ユーザデバイス(104)から、生成された前記第1のユーザ公開鍵、前記第2のユーザ公開鍵、および前記秘密鍵を受信し、
前記ユーザデバイス(104)上の安全なアプリケーションをトリガーして、TSDCB識別サーバ(116)とインタラクティブにやり取りしTSDCBアイデンティティ番号(TIN)を生成し、前記秘密鍵ペアは、前記TSDCB識別サーバ(116)から前記TINを取得するのと同時に、またはその後に前記ユーザデバイス(104)内で生成され、
前記TSDCB識別サーバ(116)から、前記TSDCB識別サーバ(116)のデジタル署名とともに前記生成済みTINを受信するようにさらに構成される請求項1に記載のシステム(110)。
【請求項4】
前記送金人に関連付けられている前記TSDCBアカウントおよび前記受取人に関連付けられている前記TSDCBアカウントは、前記ブロックチェーンネットワーク(112)を使用して作成され、前記TSDCBアカウントの前記作成のために、前記プロセッサ(202)は、
前記ユーザデバイス(104)から、前記TSDCBアカウントおよび前記TSDCBアカウントID(TA-ID)を作成する要求を受信し、前記要求は、前記ユーザに対してセットアップする前記公開鍵を伴うTINを含み、
前記TINの認証のために、前記ユーザデバイス(104)への要求をトリガーし、前記ユーザデバイス(104)は、暗号化形式で識別情報を前記システム(110)に伝送し、前記ユーザデバイス(104)は、前記秘密鍵によって署名されたデジタル署名とともにTSDCB識別サーバ(116)の前記公開鍵を使用して前記識別情報を暗号化し、
前記ユーザデバイス(104)の前記公開鍵を使用して前記デジタル署名を検証し、次いで前記暗号化済み識別情報メッセージを前記TSDCB識別サーバ(116)に提出し、前記TSDCB識別サーバ(116)は、前記バイオメトリック識別を前記TINに属するものとして検証し、証明されたデジタル署名とともに成功/失敗通知を前記システム(110)に返し、
TSDCB認証局(118)(TSDCB-CA)に、前記ユーザデバイス(104)によって生成された前記TINとともに前記生成済み公開鍵を提供し、前記公開鍵を前記TINにバインドし、前記TSDCB-CAは、前記ユーザデバイス(104)からの前記公開鍵に基づき前記ユーザデバイス(104)に対する証明書を生成し、前記証明書に署名し、
前記ユーザデバイス(104)の前記ユーザに対する前記TSDCBアカウントID(TA-ID)を、前記ユーザに対する前記TIN、前記公開鍵、および前記証明書を記録することによって作成する、ように構成される請求項1に記載のシステム(110)。
【請求項5】
前記キーワードベースのクエリは、名前、通貨またはトークンの種類、携帯電話番号、およびトレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーンアイデンティティ番号(TIN)の少なくとも1つを含む請求項1に記載のシステム(110)。
【請求項6】
前記通貨は、伝統的通貨、デジタル通貨、仮想通貨、および世界通貨のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載のシステム(110)。
【請求項7】
前記ブロックチェーンネットワーク(112)に関連付けられている前記台帳に前記トランザクションを記録するステップは、前記送金人および前記受取人の前記TSDCBアカウントに関連付けられている前記TIN、前記トランザクションに関連付けられている前記TIN、前記TA-ID、および公開鍵を含む請求項1に記載のシステム(110)。
【請求項8】
分散型台帳を通じて安全で追跡可能な資金移動操作を行うための方法であって、
システム(110)に関連付けられているプロセッサ(202)によって、ユーザデバイス(104)に関連付けられている送金人および受取人の少なくとも一方から、前記受取人に関連付けられている第1のユーザ公開鍵および前記送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵の少なくとも一方を決定するキーワードベースのクエリを受信するステップであって、前記送金人および前記受取人の前記少なくとも一方は、トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)アカウントに関連付けられる、ステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記送金人に関連付けられている前記ユーザデバイス(104)をトリガーして、前記TSDCBアカウントの前記受取人に関連付けられている前記決定された第1のユーザ公開鍵に対して移動されるべき金額をサインオフするステップであって、前記サインオフは、前記送金人に関連付けられている前記TSDCBアカウントに対応する秘密鍵を使用して前記送金人によって実行される、ステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記送金人に関連付けられている前記ユーザデバイス(104)から受信された前記サインオフ済み金額を、ブロックチェーンネットワーク(112)に伝送するステップであって、前記サインオフ済み金額は、トランザクションにデジタル署名が添付された前記関連付けられているTSDCBアカウントへの資金移動要求を介して受信される、ステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記ブロックチェーンネットワーク(112)から、前記送金人に関連付けられている前記第2のユーザ公開鍵の前記デジタル署名の正当性を確認することに基づき前記移動要求の正当性確認を受信するステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記サインオフ済み金額を前記受取人に移動するために、チェック&デビットスマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、前記送金人に関連付けられている前記TSDCBアカウントの残高をチェックして引き落とすステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記送金人に関連付けられている前記TSDCBアカウントおよび前記受取人に関連付けられている前記TSDCBアカウントが異なる通貨またはデジタルTSDCBコインまたはデジタルTSDCBトークンを含んでいるかどうかを決定するステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記送金人に関連付けられている前記TSDCBアカウントおよび前記受取人に関連付けられている前記TSDCBアカウントが前記異なる通貨または前記デジタルTSDCBコインまたは前記デジタルTSDCBトークンを含むときに、前記サインオフ済み金額の前記移動の前に、通貨換算のための換算スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出すステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記送金人に関連付けられている前記TSDCBアカウントの前記引き落としが完了した後、移動スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、前記受取人に関連付けられている前記TSDCBアカウントに前記引き落とし額を入れるステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記受取人への前記サインオフ済み金額の前記移動が完了した後、前記送金人および前記受取人に対する1つまたは複数のTSDCBアカウントアイデンティティ(TA-ID)を識別するステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記ブロックチェーンネットワーク(112)に関連付けられている台帳に前記トランザクションを記録するステップであって、前記記録は、前記受取人に関連付けられている前記第1のユーザ公開鍵と、前記送金人に関連付けられている前記第2のユーザ公開鍵と、前記送金人から前記受取人への前記サインオフ済み金額とを含む、ステップとを含む方法。
【請求項9】
前記方法は、
前記プロセッサ(202)によって、モニタースマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、一定額を超える金融取引、および一定額を超える短い時間窓内のトランザクションのセットのうちの少なくとも一方を含む警告トリガーを監視するステップをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記送金人および前記受取人に対する前記1つまたは複数のTSDCBアカウントアイデンティティ(TA-ID)は、生成され、前記TA-Dを生成するステップは、
前記プロセッサ(202)によって、前記ユーザデバイス(104)から、生成された前記第1のユーザ公開鍵、前記第2のユーザ公開鍵、および前記秘密鍵を受信するステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記ユーザデバイス(104)上の安全なアプリケーションをトリガーして、TSDCB識別サーバ(116)とインタラクティブにやり取りしTSDCBアイデンティティ番号(TIN)を生成するステップであって、前記秘密鍵ペアは、前記TSDCB識別サーバ(116)から前記TINを取得するのと同時に、またはその後に前記ユーザデバイス(104)内で生成される、ステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記TSDCB識別サーバ(116)から、前記TSDCB識別サーバ(116)のデジタル署名とともに前記生成済みTINを受信するステップとをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記送金人に関連付けられている前記TSDCBアカウントおよび前記受取人に関連付けられている前記TSDCBアカウントは、前記ブロックチェーンネットワーク(112)を使用して作成され、前記TSDCBアカウントの前記作成は、
前記プロセッサ(202)によって、前記ユーザデバイス(104)から、前記TSDCBアカウントおよび前記TSDCBアカウントID(TA-ID)を作成する要求を受信するステップであって、前記要求は、前記ユーザに対してセットアップする前記公開鍵を伴うTINを含む、ステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記TINの認証のために、前記ユーザデバイス(104)への要求をトリガーするステップであって、前記ユーザデバイス(104)は、暗号化形式で識別情報を前記システム(110)に伝送し、前記ユーザデバイス(104)は、前記秘密鍵によって署名されたデジタル署名とともにTSDCB識別サーバ(116)の前記公開鍵を使用して前記識別情報を暗号化する、ステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記ユーザデバイス(104)の前記公開鍵を使用して前記デジタル署名を検証し、次いで前記暗号化済み識別情報メッセージを前記TSDCB識別サーバ(116)に提出するステップであって、前記TSDCB識別サーバ(116)は、前記バイオメトリック識別を前記TINに属するものとして検証し、証明されたデジタル署名とともに成功/失敗通知を前記システム(110)に返す、ステップと、
前記プロセッサ(202)によって、TSDCB認証局(118)(TSDCB-CA)に、前記ユーザデバイス(104)によって生成された前記TINとともに前記生成済み公開鍵を提供し、前記公開鍵を前記TINにバインドするステップであって、前記TSDCB-CAは、前記ユーザデバイス(104)からの前記公開鍵に基づき前記ユーザデバイス(104)に対する証明書を生成し、前記証明書に署名する、ステップと、
前記プロセッサ(202)によって、前記ユーザデバイス(104)の前記ユーザに対する前記TSDCBアカウントID(TA-ID)を、前記ユーザに対する前記TIN、前記公開鍵、および前記証明書を記録することによって作成するステップとをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記キーワードベースのクエリは、名前、通貨またはトークンの種類、携帯電話番号、およびトレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーンアイデンティティ番号(TIN)の少なくとも1つを含む請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記通貨は、伝統的通貨、デジタル通貨、仮想通貨、および世界通貨のうちの少なくとも1つを含む請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記ブロックチェーンネットワーク(112)に関連付けられている前記台帳に前記トランザクションを記録するステップは、前記送金人および前記受取人の前記TSDCBアカウントに関連付けられている前記TIN、前記トランザクションに関連付けられている前記TIN、前記TA-ID、および公開鍵を含む請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
権利の留保
この特許文書の開示の一部は、限定はしないが、Jio Platforms Limited(JPL)またはその関連会社(以下、所有者と称される)に帰属する、著作権、意匠、商標、ICレイアウト設計、および/またはトレードドレス保護などの、知的財産権の対象となる資料を含む。所有者は、特許商標庁特許ファイルまたは記録に記載されているとおりであれば誰が行おうと特許文書または特許開示の複製に対し異存はないが、そうでない場合には何であれすべての権利を留保する。そのような知的財産権に対するすべての権利は所有者によって完全に留保される。
【0002】
本開示の実施形態は、一般的に、資金移動/金融トランザクションに関する。より具体的には、本開示は、分散型台帳を通して安全で追跡可能な資金移動操作を行うためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の次の説明は、本開示の分野に関連する背景情報を提供することを意図されている。この節は、本開示の様々な特徴に関係し得る技術の特定の態様を含み得る。しかしながら、この節は、本開示に関する読者の理解を深めるためにのみ使用され、先行技術の承認として使用されるものではないことは理解されるべきである。
【0004】
一般に、暗号通貨などのデジタル通貨に関連する資金移動業務は、大きな誇大広告を生み出しているようであるが、暗号通貨を活用する可能な違法行為につながるトランザクションを追跡できないことから、規制当局によってそのような通貨の展開は制限されているように見え、その結果そのような通貨の可能な禁止または制限を引き起こす。暗号通貨に関する重要な問題の1つは、規制当局が暗号通貨ベースの金融トランザクションの実際の参加者を追跡することを許さない公開鍵/秘密鍵ペアの使用に起因するものであり得る。また、非対称暗号(公開鍵-秘密鍵ペア)を利用する暗号通貨を使用することで、デジタル資産の所有者が資産に対応する秘密鍵の所有者をチェックすることによって所有されていることを容易に検証することができるが、ほかの誰もその資産に対するアクセス権を有していないことを証明することは事実上実行不可能であり得る。したがって、主要な問題は、そのようなトランザクションのユーザ識別の追跡可能性の欠如、および二重支払いを回避するために特定のデジタル金融資産へのアクセス権を誰も有していないことの保証の欠如を含み得る。ビットコインのような暗号通貨は、発行暗号通貨ユニットが独立して追跡されるような未使用トランザクション(Unspent Transactions)(UTXO)モデルに基づき追跡されるものとしてよく、そこでは完了したトランザクションの出力に関連付けられている金額はUTXOとしてマークされるが、その一方でインプットに関連付けられている金額は完全に消費されたものとしてマークされる。典型的には、各ビットコイントランザクションは2つのアウトプットを有するものとしてよく、1つは意図された受取人へのアウトプットであり、他のアウトプットは送金人に戻される残りの「おつり」である。UTXOモデルは二重支払いを回避するために設計されたが、そのような暗号通貨システムにおいて利用可能なUTXOの数が時間とともに増大すると、管理または追跡がますます困難になり得る。また、規制の観点から、UTXOモデルは、トランザクションに関連付けられているユーザを追跡するかまたは識別することを可能にしない場合があり、したがって、このことはトランザクションを追跡することを非常に困難な作業にする。
【0005】
さらに、グローバルに分散されたブロックチェーンネットワークは、サポートする毎秒トランザクション処理件数(TPS)が非常に少なくそのことがそのようなネットワークがグローバルスケールで金融トランザクションをサポートできる能力を制限するスケーラビリティ問題にも悩まされ得る。スケーラビリティ、透過性、およびトレーサビリティに加えて、資金移動のセキュリティを強化し、その一方で、単一のインターフェースおよび/またはアカウントを使用して異なる種類の通貨にアクセスすることを可能にすることによってローカルとグローバルの両方で資金移動をユーザが十分柔軟に行うことを可能にすることも重要であり得る。ウォレットベースのシステムは、ユーザ決済インターフェース(User Payment Interface)(UPI)を使用するウォレット間資金移動については人気があったが、そのようなシステムでは、詐欺の明白な増大に直面したものと思われる。詐欺師は、回収要求を提出し、アカウント所有者に、UPI PINまたはOTP pinを入力することを求め、回収要求の進行を可能にし得る。また、そのようなウォレットシステムは、使いやすいように個人銀行アカウントに直接リンクされ、このことはそのような個人銀行アカウントに保管されているお金を公開するときに固有のリスクを提示する。
【0006】
したがって、当技術分野では、監査機関または監視機関が資金移動操作を追跡して不正な操作を防ぐことができるようにより透明性の高い資金移動を提供しながら、改善された柔軟性、ユーザエクスペリエンス、スケーラビリティ、個人化を含む、分散型台帳を通じて安全で追跡可能な資金移動操作のためのロバストで信頼性の高い、効率的なシステムおよび方法を提供する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書における少なくとも1つの実施形態が達成する本開示の目的のいくつかは、本明細書において以下に列挙される通りである。
【0008】
一般的な態様において、本開示は、分散型台帳を通して安全で追跡可能な資金移動操作を行うためのシステムおよび方法を提供する。
【0009】
本開示の目的は、様々な種類の通貨間の安全で追跡可能な資金移動または交換を円滑にし、グローバルな運用のためのスケーラビリティを可能にするためのシステムおよび方法を提供することである。
【0010】
本開示の目的は、トランザクションに係るユーザ/エンティティのアイデンティティを追跡することができないことに関係する懸念に起因して従来は許され得ないデジタル通貨を適応する範囲を拡大しながら、監査機関または監視機関が資金移動操作を追跡して不正な操作を防ぐことができるように資金移動の透明性を高めるためのシステムおよび方法を提供することである。
【0011】
本開示の目的は、強化されたユーザエクスペリエンス、ユーザアイデンティティに関する資金移動の個人化、および操作の柔軟性の改善を円滑にするためのシステムおよび方法を提供することである。
【0012】
本開示の目的は、現実世界のエンティティの間、現実世界のエンティティと仮想世界のエンティティとの間、または仮想世界のエンティティの間の資金移動を円滑にするためのシステムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この節は、以下の「発明を実施するための形態」でさらに説明される簡略化された形式の本発明のいくつかの対象および態様を導入するために用意されている。この「発明の概要」は、請求されている主題の重要な特徴または範囲を識別することを意図されていない。
【0014】
一態様において、本開示は、分散型台帳を通して安全で追跡可能な資金移動操作を行うためのシステムを提供する。システムは、ユーザデバイスに関連付けられている送金人および受取人の少なくとも一方から、受取人に関連付けられている第1のユーザ公開鍵および送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵の少なくとも一方を決定するためのキーワードベースのクエリを受信する。送金人および受取人の少なくとも一方は、トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(Traceable Secure Digital Currency Blockchain)(TSDCB)アカウントに関連付けられる。さらに、システムは、送金人に関連付けられているユーザデバイスをトリガーして、TSDCBアカウントの受取人に関連付けられている決定された第1のユーザ公開鍵に対して移動されるべき金額をサインオフ(sign off)する。サインオフは、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントに対応する秘密鍵を使用して送金人によって実行される。さらに、システムは、送金人に関連付けられているユーザデバイスから受信されたサインオフ済み金額を、ブロックチェーンネットワークに伝送する。サインオフ済み金額は、トランザクションにデジタル署名が添付された関連付けられているTSDCBアカウントへの資金移動要求を介して受信される。その後、システムは、ブロックチェーンネットワークから、送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵のデジタル署名の正当性を確認することに基づき移動要求の正当性確認を受信する。また、システムは、サインオフ済み金額を受取人に移動するために、チェック&デビットスマートコントラクトマイクロサービス(check and debit smart contract microservice)を呼び出して、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントの残高をチェックし引き落とす。さらに、システムは、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントおよび受取人に関連付けられているTSDCBアカウントが異なる通貨またはデジタルTSDCBコインまたはデジタルTSDCBトークンを含んでいるかどうかを決定する。その後、システムは、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントおよび受取人に関連付けられているTSDCBアカウントが異なる通貨またはデジタルTSDCBコインまたはデジタルTSDCBトークンを含むときに、サインオフ済み金額を移動する前に、通貨換算のための換算スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出す。さらに、システムは、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントの引き落としが完了した後、移動スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、受取人に関連付けられているTSDCBアカウントに引き落とし額を入れる。さらに、システムは、受取人へのサインオフ済み金額の移動が完了した後、送金人および受取人に対する1つまたは複数のTSDCBアカウントアイデンティティ(TA-ID)を識別する。その後、システムは、ブロックチェーンネットワークに関連付けられている台帳にトランザクションを記録する。この記録は、受取人に関連付けられている第1のユーザ公開鍵と、送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵と、送金人から受取人へのサインオフ済み金額とを含む。
【0015】
別の態様において、本開示は、分散型台帳を通して安全で追跡可能な資金移動操作を行うための方法をさらに提供する。この方法は、ユーザデバイスに関連付けられている送金人および受取人の少なくとも一方から、受取人に関連付けられている第1のユーザ公開鍵および送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵の少なくとも一方を決定するためのキーワードベースのクエリを受信することを含む。送金人および受取人の少なくとも一方は、トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)アカウントに関連付けられる。さらに、方法は、送金人に関連付けられているユーザデバイスをトリガーして、TSDCBアカウントの受取人に関連付けられている決定された第1のユーザ公開鍵に対して移動されるべき金額をサインオフすることを含む。サインオフは、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントに対応する秘密鍵を使用して送金人によって実行される。さらに、方法は、送金人に関連付けられているユーザデバイスから受信されたサインオフ済み金額を、ブロックチェーンネットワークに伝送することを含む。サインオフ済み金額は、トランザクションにデジタル署名が添付された関連付けられているTSDCBアカウントへの資金移動要求を介して受信される。また、方法は、ブロックチェーンネットワークから、送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵のデジタル署名の正当性を確認することに基づき移動要求の正当性確認を受信することを含む。また、方法は、サインオフ済み金額を受取人に移動するために、チェック&デビットスマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントの残高をチェックし引き落とすことを含む。これ以降、方法は、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントおよび受取人に関連付けられているTSDCBアカウントが異なる通貨またはデジタルTSDCBコインまたはデジタルTSDCBトークンを含んでいるかどうかを決定することを含む。さらに、方法は、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントおよび受取人に関連付けられているTSDCBアカウントが異なる通貨またはデジタルTSDCBコインまたはデジタルTSDCBトークンを含むときに、サインオフ済み金額を移動する前に、通貨換算のための換算スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出すことを含む。さらに、方法は、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントの引き落としが完了した後、移動スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、受取人に関連付けられているTSDCBアカウントに引き落とし額を入れることを含む。これ以降、方法は、受取人へのサインオフ済み金額の移動が完了した後、送金人および受取人に対する1つまたは複数のTSDCBアカウントアイデンティティ(TA-ID)を識別することを含む。また、方法は、ブロックチェーンネットワークに関連付けられている台帳にトランザクションを記録することを含む。この記録は、受取人に関連付けられている第1のユーザ公開鍵と、送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵と、送金人から受取人へのサインオフ済み金額とを含む。
【0016】
本明細書に組み込まれ、本発明の一部を構成する添付図面は、開示されている方法およびシステムの例示的な実施形態を例示し、類似の参照番号は異なる図面全体を通して同じ部分を指す。これらの図面内のコンポーネントは、必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに本発明の原理を明確に図解することに重点が置かれている。いくつかの図面は、ブロック図を使用してコンポーネントを示し得るが、各コンポーネントの内部回路を表し得ない。そのような図面の発明は、電気部品、電子部品、またはそのようなコンポーネントを実装するために一般的に使用される回路の発明を含むことは、当業者には理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の一実施形態による、分散型台帳を通じての安全で追跡可能な資金移動操作のために本開示のシステムが実装され得る例示的なネットワークアーキテクチャ、または実装するために使用される例示的なネットワークアーキテクチャを例示する図である。
【
図2】本開示の一実施形態による、分散型台帳を通じての安全で追跡可能な資金移動操作のためのシステムの例示的な表現を例示する図である。
【
図3A】本開示の実施形態による、多通貨トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)ユーザアカウントの構成の例示的なブロック図表現を例示する図である。
【
図3B】本開示の実施形態による、TSDCBアカウント作成および処理トランザクションの例示的な流れ図表現を例示する図である。
【
図3C】本開示の実施形態による、計算要件に基づく、二次ユーザデバイスに対する処理トランザクションの例示的な流れ図表現を例示する図である。
【
図4A】本開示の実施形態による、ユーザ資金アカウントを作成するための例示的なシーケンス図表現を例示する図である。
【
図4B】本開示の実施形態による、ユーザ資金アカウントによってサポートされる異なる種類の通貨に関する資金移動、および分散型台帳におけるその後の記録の例示的なシーケンス図表現を例示する図である。
【
図5A】本開示の実施形態による、アカウント振替のためのTSDCBベースのマイクロサービスサービスチェーンの例示的な流れ図表現を例示する図である。
【
図5B】本開示の実施形態による、
図5Aの通貨/トークン換算マイクロサービスに関係する並列動作の例示的な流れ図表現を例示する図である。
【
図6A】本開示の実施形態による、記録されたトランザクションに対する監視エージェントの例示的なブロック図表現を例示する図である。
【
図6B】本開示の実施形態による、様々な当事者/当局と対応するノードとの間の通信またはインタラクティブなやり取りを伴い得るTSDCBシステムのアーキテクチャの例示的なブロック図表現を例示する図である。
【
図6C】本開示の実施形態による、ブロックチェーンネットワーク内のトランザクションブロックにまたがるハッシュチェーンの例示的なブロック図表現を例示する図である。
【
図6D】本開示の一実施形態による、特定の参加マーチャントに対応する資金移動ブロックにまたがる個人化されたハッシュチェーンの例示的なブロック図表現を例示する図である。
【
図6E】本開示の一実施形態による、TSDCBシステムとグローバル通貨ブロックチェーンネットワークとのインタラクティブなやり取りの例示的な流れ図表現を例示する図である。
【
図6F】本開示の実施形態による、様々な仮想デジタル世界および仮想世界内のエンティティ間の資金移動の例示的なブロック図表現を例示する図である。
【
図6G】本開示の実施形態による、TSDCBプラットフォーム上の現実世界のエンティティと仮想世界のエンティティとの間のインタラクティブなやり取りの例示的なブロック図表現を例示する図である。
【
図6H】本開示の実施形態による、TSDCBプラットフォーム上の仮想世界のエンティティの間のインタラクティブなやり取りの例示的なブロック図表現を例示する図である。
【
図6I】本開示の実施形態による、個人秘密鍵ウォレットおよびセキュア処理サービスの例示的なブロック図表現を例示する図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、分散型台帳を通じての安全で追跡可能な資金移動操作のための方法を示す例示的な方法フローチャートを例示する図である。
【
図8】本開示の実施形態による、本発明の実施形態が利用され得る例示的なコンピュータシステム、または本発明の実施形態を利用するために使用される例示的なコンピュータシステムを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
前述の内容は、本発明の次のより詳細な説明からより明らかになるものとする。
【0019】
次の説明では、説明を目的として、本開示の実施形態を完全に理解できるようにする様々な具体的詳細を述べている。しかしながら、これらの具体的詳細がなくても本開示の実施形態が実施され得ることは明らかであろう。これ以降説明されるいくつかの特徴は、各々、互いに独立して、または他の特徴の任意の組合せとともに使用され得る。個別の特徴は、上で説明されている問題のすべてを解決しない場合があるか、または上で説明されている問題の一部のみを解決することもあり得る。上で説明されている問題のいくつかは、本明細書において説明されている特徴のどれによっても完全には解決されていないこともあり得る。
【0020】
次の説明は、例示的な実施形態のみを提供し、本開示の範囲、適用可能性、または構成を限定するものではない。むしろ、例示的な実施形態の次の説明は、例示的な実施形態を実装することを可能にする説明を当業者に与える。定められた本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、要素の機能および構成に様々な変更が行われ得ることは理解されるべきである。
【0021】
次の説明では、実施形態を十分理解できるように、具体的に詳細を述べている。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的詳細がなくてもこれらの実施形態が実施され得ることを理解するであろう。たとえば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、および他のコンポーネントは、不要な詳しさで実施形態を分かりにくくしないようにブロック図形式のコンポーネントとして示され得る。他の場合には、よく知られている回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技術は、これらの実施形態が不明確にならないよう、不要な詳細を述べることなく示され得る。
【0022】
また、個別の実施形態は、フローチャート、流れ図、データ流れ図、構造図、またはブロック図として示されているプロセスとして説明され得ることに留意されたい。フローチャートでは操作を逐次プロセスとして記述している場合があるが、操作の多くは、並列または同時実行することができる。それに加えて、操作の順序は並べ替えられてもよい。プロセスは、その操作が完了したときに終了するが、図に含まれていない追加ステップを有していることもあり得る。プロセスは、メソッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。プロセスが関数に対応しているときに、その終了は呼び出し側関数またはメイン関数への関数の戻りに対応することができる。
【0023】
「例示的な」および/または「例証的な」という言い回しは、本明細書では、一例、事例、または例示として働くことを意味するために使用される。疑念を避けるために、本明細書において開示される主題は、そのような例によって限定されない。それに加えて、本明細書において「例示的」かつ/または「例証的」として説明されている任意の態様または設計は、必ずしも、他の態様または設計よりも好ましいもしくは有利であると解釈されるものではなく、また当業者に知られている同等の例示的な構造および技術を排除することを意図するものでもない。さらに、「含む」、「有する」、「包含する」という言い回し、および他の類似の言い回しが詳細な説明または請求項のいずれかにおいて使用される限りでは、そのような言い回しは、追加のもしくは他の要素を排除することなく、開放移行語として「含む、備える」という言い回しと似た方式で、包括的であることを意図されている。
【0024】
本明細書全体を通して「一実施形態」もしくは「実施形態」または「事例」もしくは「一事例」と記述されている場合、これは、実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、「一実施形態において」または「実施形態では」という語句が本明細書全体のさまざまな箇所に記載されていても、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、好適な任意の方式で1つまたは複数の実施形態に組み合わせられ得る。
【0025】
本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としており、本発明の範囲を制限することは意図されていない。本明細書で使用されているように、単数形の冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上明らかにそうでないことを示していない限り、複数形も含むことが意図されている。さらに、「含む、備える」および/または「含むこと、備えること」という言い回しは、本明細書内で使用されている場合、記載されている特徴、整数、工程、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を意味し、1つもしくは複数の他の特徴、領域、整数、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらからなる群の存在または追加を除外しないことも理解されるであろう。本明細書で使用されているように、「および/または」という言い回しは、1つまたは複数の関連する列挙されている項目のありとあらゆる組合せを含む。
【0026】
本開示の様々な実施形態は、分散型台帳を通して安全で追跡可能な資金移動操作を行うためのシステムおよび方法を提供する。本明細書の実施形態は、様々な種類の通貨間の交換を可能にし、グローバルな運用のためのスケーラビリティを円滑にする。また、本明細書の実施形態は、監査機関または監視機関が資金移動操作を追跡して不正な操作を防止することができるように資金移動の透明性を高める。本明細書の実施形態は、デジタル通貨、仮想通貨、世界通貨、仮想トークン、またはデジタルトークン、および他のそのような通貨などの様々な通貨をサポートする柔軟性を提供する。本明細書の実施形態は、資金移動のための一次および二次デバイスをサポートする。本明細書の実施形態は、スマートコントラクトマイクロサービスチェーン、および大規模分散型台帳ネットワークの必要性を回避し、良好なスケーラビリティを可能にする最適化されたスマートコントラクトマイクロサービスチェーンを作成することを可能にし、マイクロサービスアンカーは、外部通貨とインタラクティブにやり取りするために提供され得る。本明細書の実施形態は、マーチャントなどの特定のエンティティに対する個人化されたブロックチェーン台帳サポートを確実にする。本明細書の実施形態は、規制当局、監査当局、税務当局、および他のそのような当事者に対する監視および個人化されたブロックチェーン台帳サポートを可能にする。本明細書の実施形態は、現実世界のエンティティの間、現実世界のエンティティおよび仮想世界のエンティティの間、ならびに仮想世界のエンティティの間の資金移動を可能にする。本明細書の実施形態は、デジタル形式の追跡可能な大きな法定紙幣を有するハイブリッド通貨システムを可能にする。本明細書の実施形態は、個人的秘密鍵ウォレットおよびセキュア処理サービスをサポートする。本明細書の実施形態は、トランザクションを追跡するためのサポートの欠如に起因して現在使用され得ないデジタル通貨の採用も可能にする。
【0027】
本開示の実施形態により、本開示のシステム(110)が実装され得る、または実装するために使用される安全で追跡可能な資金移動システム(100)のための例示的なネットワークアーキテクチャ(ネットワークアーキテクチャ(100)とも称される)を例示する
図1を参照する。例示されているように、例示的なネットワークアーキテクチャ(100)は、1つまたは複数のユーザデバイス(104-1、104-2、...、104-N)(個々にユーザデバイス(104)と称され、まとめてユーザデバイス(104)と称される)に関連付けられている1人または複数のユーザ(102-1、102-2、...、102-N)(個別にユーザ(102)と称され、まとめてユーザ(102)と称される)から受信された要求に基づき、分散型台帳を通じて安全で追跡可能な資金移動操作のためのシステム(110)を備え得る。ユーザデバイス(104)は、資金の送金人または受取人に関連付けられ得る。システム(110)は、エンティティ(114)に関連付けられているコンピューティングデバイス(108)にさらに動作可能に結合され得る。エンティティ(114)は、ベンダー、ネットワーク通信事業者、会社、組織、大学、研究施設、企業、防衛施設、当局、財務部門、政府、銀行、決済サービスプロバイダ、または任意の他の安全を保証された施設、および同様のものを含み得る。いくつかの実装形態において、システム(110)は、また、第2のコンピューティングデバイス(108)に関連付けられ得る。さらに、システム(110)は、通信ネットワーク(106)を介して1つまたは複数のユーザデバイス(104)に通信可能に結合され得る。通信ネットワーク(106)は、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、および同様のものなどの、異なるタイプのネットワークのうちの1つとして実装され得るワイヤレスネットワーク、有線ネットワーク、またはこれらの組合せを含み得る。さらに、通信ネットワーク(106)は、専用ネットワークまたは共有ネットワークのいずれかであってよい。共有ネットワークは、様々なプロトコル、たとえば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)、および同様のものを使用することができる異なるタイプのネットワークの関連付けを表すことができる。
【0028】
いくつかの実装形態において、1つまたは複数のユーザデバイス(104)およびコンピューティングデバイス(108)は、限定はしないが、ハンドヘルドワイヤレス通信デバイス(たとえば、携帯電話、スマートフォン、ファブレットデバイス、タブレットデバイスなど)、ウェアラブルコンピュータデバイス(たとえば、頭部装着型ディスプレイコンピュータデバイス、頭部装着型カメラデバイス、腕時計型コンピュータデバイスなど)、全地球測位システム(GPS)デバイス、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、もしくは他のタイプのポータブルコンピュータ、メディア再生デバイス、ポータブルゲーミングシステム、および/またはワイヤレス通信能力を有する任意の他のタイプのコンピューティングデバイス、ならびに同様のものを含み得る。
【0029】
いくつかの実装形態において、システム(110)は、ブロックチェーンネットワーク(112)に結合され得る。
図1には単一のブロックチェーンネットワークが示されているが、本明細書において説明されている安全で追跡可能な資金移動操作能力のために複数のブロックチェーンネットワークが利用され得ることは理解される。ブロックチェーンネットワーク(112)は、また、通信ネットワーク(106)を通じて1つまたは複数のユーザデバイス(104)およびコンピューティングデバイス(108)に動作可能に結合され得る。
図1に例示されているように、ブロックチェーンネットワーク(112)は、本開示の少なくとも1つの実施形態による例示的な一例である。ブロックチェーンネットワーク(112)は、ブロックを有する簡略化されたブロックチェーンを例示する。ブロックは、ジェネシスブロックを含み得る。各ブロックは、ブロックを一意的に識別する識別情報、またはハッシュ、以前のブロック(たとえば、以前のブロックのハッシュ番号)を時系列順に識別するタイムライン、送金人と受取人との間のすべての移動を記録するトランザクション、および少なくとも1人の送金人と少なくとも1人の受取人とを識別する公開鍵などの特定の情報を含み得る。したがって、リンクされたブロックは、チェーン内の各リンク、またはブロックが、ハッシュまたは前のリンク、もしくはブロックを含むことによって、前のリンク、またはブロックを一意的に識別するチェーンを形成する。ブロックチェーンネットワーク(112)は、分散型台帳であり得るか、またはブロックチェーンは、ネットワーク上に分散されるか、もしくは複製され得る。分散型台帳は、基礎となるブロックチェーンネットワーク(112)内のデータベース上に複製され、維持され得る。ブロックチェーンネットワーク(112)(または非集中的で安全なトランザクション台帳)は、分散型ネットワーク内のノードによって維持され得る。ブロックチェーンネットワーク(112)/台帳の各ブロックは、差別化された情報を含み、異なる目的を有し得るけれども、各ブロックは、限定はしないが、通信、メッセージ、情報、データ、および同様のものを含み得る。ブロックチェーンネットワーク(112)は、たとえば、ネットワーク内のノードを通して、少なくとも2つのエンティティの間で、メッセージを送信するか、またはトランザクションを実行するために使用され得る。非限定的な例により、ブロックチェーンネットワーク(112)のブロック内のメッセージは、ヘッダおよびコンテンツ、ならびに同様のものを含み得る。ヘッダは、ブロックのための少なくとも1つのブロックID、暗号ハッシュ関数として使用され得る任意の数であるノンス値を含み得る。これらの値およびブロック情報は、ブロックを連結して繋ぎ合わせてチェーンを形成する際に使用され得る。
【0030】
さらに、システム(110)は、公開/秘密鍵を生成するために、トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)識別サーバ(116)およびトレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)認証局(TSDCB-CA)(118)などの認証局と通信し得る。
【0031】
図1はネットワークアーキテクチャ(100)の例示的なコンポーネントを示しているが、他の実装形態では、ネットワークアーキテクチャ(100)は、
図1に描かれているよりも少ないコンポーネント、異なるコンポーネント、異なる配置構成のコンポーネント、または追加の機能コンポーネントを含み得る。それに加えて、ネットワークアーキテクチャ(100)の1つまたは複数のコンポーネントは、ネットワークアーキテクチャ(100)の1つまたは複数の他のコンポーネントによって実行されるものとして説明される機能を実行し得る。
【0032】
いくつかの実装形態において、システム(110)はスタンドアロンデバイスであってもよく、またコンピューティングデバイス(
図1には示されていない)および/または集中型サーバ(
図1には示されていない)に通信可能に結合され得る。別の実装形態では、システム(110)は、コンピューティングデバイスまたは集中型サーバに関連付けられ得る。システム(110)は、限定はしないが、電子デバイス、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、有線デバイス、サーバ、および同様のもので実装されてもよい。そのようなサーバは、限定はしないが、スタンドアロンサーバ、リモートサーバ、クラウドサーバ、専用サーバ、および同様のものを含み得る。一実施形態において、システム(110)は、通信ネットワーク(106)を使用して、他のデバイスまたは1つもしくは複数のユーザデバイス(104)またはコンピューティングデバイス(108)、またはブロックチェーンネットワーク(112)と通信し得る。他の実施形態では、システム(110)は、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、WiMax(登録商標)、iBeacon(登録商標)、および近距離無線通信(NFC)などの他の様々なプロトコルおよび技術を介して通信してもよい。他の実施形態では、システム(110)は、また、デバイスに有線方式で接続してもよい。エンティティデバイスの例は、限定はしないが、コンピュータモニタ、テレビ、発光ダイオード(LED)、および液晶ディスプレイ(LCD)を含み得る。
【0033】
一実施形態において、システム(110)は、メモリと結合されている1つまたは複数のプロセッサを含むものとしてよく、メモリは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときにシステム(110)に分散型台帳を通じて安全で追跡可能な資金移動操作を実行させ得る命令を記憶し得る。本開示の一実施形態による、電気通信事業展開領域における輻輳の決定のためのシステム(110)の例示的な表現が、
図2に示されている。一態様において、システム(110)は、1つまたは複数のプロセッサ(202)を含むことができる。1つまたは複数のプロセッサ(202)は、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、エッジもしくはフォグマイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、中央演算処理装置、論理回路、および/または操作命令に基づきデータを処理する任意のデバイスとして実装されてもよい。他の能力のうち、1つまたは複数のプロセッサ(202)は、システム(110)のメモリ(204)に記憶されているコンピュータ可読命令をフェッチして実行するように構成され得る。メモリ(204)は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に1つまたは複数のコンピュータ可読命令またはルーチンを記憶するように構成されてよく、これらの命令は、ネットワークサービス上でデータパケットを作成するか、または共有するためにフェッチされ実行され得る。メモリ(204)は、たとえば、RAMなどの揮発性メモリ、またはEPROM、フラッシュメモリ、および同様のものなどの不揮発性メモリを含む任意の非一時的記憶デバイスを含み得る。
【0034】
一実施形態において、システム(110)は、インターフェース(206)を含み得る。インターフェース(206)は、様々なインターフェース、たとえば、I/Oデバイスと称される、データ入力および出力デバイスのためのインターフェース、記憶デバイス、および同様のものを含み得る。インターフェース(206)は、システム(110)の通信を円滑にし得る。インターフェース(206)は、システム(110)の1つまたは複数のコンポーネントに対する通信経路を提供してもよい。そのようなコンポーネントの例は、限定はしないが、処理ユニット/エンジン(208)およびデータベース(210)を含み得る。
【0035】
処理ユニット/エンジン(208)は、ハードウェアと、処理エンジン(208)の1つまたは複数の機能を実装するためのプログラミング(たとえば、プログラム可能な命令)の組合せとして実装され得る。本明細書において説明されている例で、ハードウェアとプログラミングのそのような組合せは、いくつかの異なる方法で実装されてよい。たとえば、処理エンジン(208)のためのプログラミングは、非一時的機械可読記憶媒体上に記憶されているプロセッサ実行可能命令であってもよく、処理エンジン(208)のためのハードウェアは、そのような命令を実行するための、処理リソース(たとえば、1つまたは複数のプロセッサ)を含み得る。本発明の例では、機械可読記憶媒体は、処理リソースによって実行されたときに処理エンジン(208)を実装する命令を記憶することができる。そのような例では、システム(110)は、命令を記憶する機械可読記憶媒体および命令を実行するための処理リソースを含み得るか、または機械可読記憶媒体は、分離しているが、システム(110)および処理リソースからアクセス可能であってもよい。他の例では、処理エンジン(208)は、電子回路によって実装されてもよい。
【0036】
処理エンジン(208)は、受信モジュール(212)、トリガーモジュール(214)、伝送モジュール(216)、呼び出しモジュール(218)、決定モジュール(220)、識別モジュール(222)、記録モジュール(224)、および他のモジュール(226)のいずれかから選択された1つまたは複数のモジュール/エンジンを含み得る。処理エンジン(208)は、さらに、エッジベースのマイクロサービスイベント処理エンジンであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0037】
一実施形態において、システム(110)は、送金人および受取人に対する1つまたは複数のTSDCBアカウントアイデンティティ(TA-ID)を生成し得る。TA-IDの生成のために、受信モジュール(212)は、ユーザデバイス(104)から、生成された第1のユーザ公開鍵、第2のユーザ公開鍵、および秘密鍵を受信し得る。さらに、トリガーモジュール(214)は、ユーザデバイス上の安全なアプリケーションをトリガーして、TSDCBアイデンティティ番号(TIN)を生成するためにTSDCB識別サーバとインタラクティブにやり取りし得る。秘密鍵ペアは、TSDCB識別サーバ(116)からTINを取得するのと同時またはその後にユーザデバイス内で生成され得る。さらに、受信モジュール(212)は、TSDCB識別サーバ(116)から、TSDCB識別サーバ(116)のデジタル署名とともに生成済みTINを受信し得る。
【0038】
一実施形態において、システム(110)は、ブロックチェーンネットワークを使用することで、送金人に関連付けられているTSDCBアカウント、および受取人に関連付けられているTSDCBアカウントを作成し得る。TSDCBアカウントの作成のために、受信モジュール(212)は、ユーザデバイスからTSDCBアカウントおよびTSDCBアカウントID(TA-ID)を作成するための要求を受信し得る。要求は、ユーザに対してセットアップするための公開鍵を伴うTINを含む。さらに、トリガーモジュール(214)は、TINの認証のために、ユーザデバイス(104)への要求をトリガーし得る。ユーザデバイス(104)は、暗号化形式で識別情報をシステムに伝送し得る。ユーザデバイス(104)は、秘密鍵によって署名されたデジタル署名とともにTSDCB識別サーバ(116)の公開鍵を使用して識別情報を暗号化し得る。さらに、システム(110)は、ユーザデバイス(104)の公開鍵を使用してデジタル署名を検証し、次いで暗号化済み識別情報メッセージをTSDCB識別サーバ(116)に提出し得る。TSDCB識別サーバ(116)は、バイオメトリック識別をTINに属するものとして検証し、証明されたデジタル署名とともに成功/失敗の通知をシステム(110)に返し得る。さらに、システム(110)は、TSDCB認証局(TSDCB-CA)(118)に、ユーザデバイス(104)によって生成されたTINとともに生成済み公開鍵を提供し、公開鍵をTINにバインドし得る。TSDCB-CA(118)は、ユーザデバイス(104)からの公開鍵に基づきユーザデバイス(104)の証明書を生成し、証明書に署名し得る。さらに、システム(110)は、ユーザデバイス(104)のユーザに対するTSDCBアカウントID(TA-ID)を、ユーザに対するTIN、公開鍵、および証明書を記録することによって作成し得る。
【0039】
一実施形態おいて、受信モジュール(212)は、ユーザデバイス(104)に関連付けられている送金人および受取人の少なくとも一方から、受取人に関連付けられている第1のユーザ公開鍵および送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵の少なくとも一方を決定するためのキーワードベースのクエリを受信し得る。送金人および受取人の少なくとも一方は、トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)アカウントに関連付けられ得る。キーワードベースのクエリは、限定はしないが、名前、通貨またはトークンの種類、携帯電話番号、トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーンアイデンティティ番号(TIN)、および同様のもののうち少なくとも1つを含む。さらに、トリガーモジュール(214)は、送金人に関連付けられているユーザデバイス(104)をトリガーして、TSDCBアカウントの受取人に関連付けられている決定された第1のユーザ公開鍵に対して移動されるべき金額をサインオフし得る。サインオフは、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントに対応する秘密鍵を使用して送金人によって実行され得る。
【0040】
一実施形態において、伝送モジュール(216)は、送金人に関連付けられているユーザデバイス(104)から受信されたサインオフ済み金額を、ブロックチェーンネットワーク(112)に伝送し得る。サインオフ済み金額は、トランザクションにデジタル署名が添付された、関連付けられているTSDCBアカウントへの資金移動要求を介して受信され得る。一実施形態において、受信モジュール(212)は、ブロックチェーンネットワーク(112)から、送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵のデジタル署名の正当性を確認することに基づき移動要求の正当性確認を受信し得る。
【0041】
一実施形態において、呼び出しモジュール(218)は、サインオフ済み金額を受取人に移動するために、チェック&デビットスマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントの残高をチェックし引き落とし得る。さらに、決定モジュール(220)は、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントおよび受取人に関連付けられているTSDCBアカウントが異なる通貨またはデジタルTSDCBコインまたはデジタルTSDCBトークンを含んでいるかどうかを決定し得る。通貨は、限定はしないが、従来の通貨、デジタル通貨、仮想通貨、世界通貨、および同様の通貨のうちの少なくとも1つを含む。
【0042】
一実施形態において、呼び出しモジュール(218)は、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントおよび受取人に関連付けられているTSDCBアカウントが異なる通貨またはデジタルTSDCBコインまたはデジタルTSDCBトークンを含むときに、サインオフ済み金額を移動する前に、通貨換算のための換算スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出し得る。さらに、呼び出しモジュール(218)は、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントの引き落としが完了した後、移動スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、受取人に関連付けられているTSDCBアカウントに引き落とし額を入れることができる。これ以降、識別モジュール(222)は、受取人へのサインオフ済み金額の移動が完了した後、送金人および受取人に対する1つまたは複数のTSDCBアカウントアイデンティティ(TA-ID)を識別し得る。さらに、記録モジュール(224)は、ブロックチェーンネットワークに関連付けられている台帳にトランザクションを記録し得る。この記録は、受取人に関連付けられている第1のユーザの公開鍵と、送金人に関連付けられている第2のユーザの公開鍵と、送金人から受取人へのサインオフ済み金額とを含む。一実施形態において、ブロックチェーンネットワークに関連付けられている台帳にトランザクションを記録することは、送金人および受取人のTSDCBアカウントに関連付けられているTIN、トランザクションに関連付けられているTIN、TA-ID、公開鍵、および同様のものを含み得る。
【0043】
一実施形態において、呼び出しモジュール(218)は、モニタースマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、一定額を超える金融取引、および一定額を超える短い時間窓内のトランザクションのセットのうちの少なくとも一方を含む警告トリガーを監視し得る。
【0044】
一実施形態において、システム(110)は、システムオンチップ(SoC)システム、限定はしないが、同様のものであってよい。別の実施形態では、オンサイトデータキャプチャ、記憶、マッチング、処理、意思決定、および作動ロジックは、マイクロサービスアーキテクチャ(MSA)を使用して符号化され得るが、これに限定されない。複数のマイクロサービスは、移植性をサポートするためにコンテナ化され、イベントベースであってもよい。
【0045】
一実施形態において、ネットワークアーキテクチャ(100)は、近接処理が在庫の再見積もりに向けて取得され得るので、システム(110)における任意の種類の変更に対応できるようにモジュール式で柔軟であり得る。システム(110)の構成詳細は、実行中に変更することができる。
【0046】
一実施形態において、システム(110)は、遠隔監視され、システム(110)のデータ、アプリケーション、および物理的セキュリティが完全に確実にされ得る。一実施形態において、データは、細心の注意を払って収集され、クラウドベースのデータレイクに預けられ、実施可能な洞察を抽出するために処理され得る。したがって、予知保全の態様が達成され得る。
【0047】
例示的な一実施形態において、通信ネットワーク(106)は、たとえば、限定はしないが、1つまたは複数のメッセージ、パケット、信号、波、電圧もしくは電流レベル、それらの何らかの組合せ、またはそのようなものを伝送する、受信する、転送する、生成する、バッファリングする、記憶する、ルーティングする、切り替える、処理する、またはこれらの組合せを実行する1つまたは複数のノードを有する1つまたは複数のネットワークの少なくとも一部を含み得る。ネットワークは、たとえば、限定はしないが、ワイヤレスネットワーク、有線ネットワーク、インターネット、イントラネット、パブリックネットワーク、プライベートネットワーク、パケット交換ネットワーク、回線交換ネットワーク、アドホックネットワーク、インフラストラクチャネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)、ケーブルネットワーク、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク、光ファイバネットワーク、これらの何らかの組合せ、のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0048】
一実施形態において、1つまたは複数の第1のコンピューティングデバイス(104)または第2のコンピューティングデバイスは、限定はしないが、Android(商標)、iOS(商標)、Kai OS(商標)、および同様のものを含む、任意のオペレーティングシステム上に常駐する実行可能命令のセットを介してシステム(110)と通信し得る。一実施形態において、1つまたは複数の第1のコンピューティングデバイス(104)は、限定はしないが、任意の電気機器、電子機器、電気機械機器、もしくは機器、または携帯電話、スマートフォン、仮想現実(VR)デバイス、拡張現実(AR)デバイス、ラップトップ、汎用コンピュータ、デスクトップ、携帯情報端末、タブレットコンピュータ、メインフレームコンピュータ、または任意の他のコンピューティングデバイスなどの上記のデバイスのうちの1つもしくは複数のデバイスの組合せを含むものとしてよく、コンピューティングデバイスは、限定はしないが、カメラなどの視覚補助デバイス、音声補助装置、マイクロフォン、キーボード、タッチパッド、タッチ対応スクリーン、電子ペン、および同様のものなどのユーザからの入力を受け取るための入力デバイスを含む1つまたは複数の内蔵もしくは外部結合アクセサリを含み得る。1つまたは複数の第1のコンピューティングデバイス(104)は、言及されているデバイスに制限されず、他の様々なデバイスが使用され得ることは理解され得る。スマートコンピューティングデバイスは、データおよび他のプライベート/機密情報を記憶するための適切なシステムの1つであってよい。
【0049】
図3Aは、本開示の実施形態による、多通貨トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)ユーザアカウントの構成の例示的なブロック図表現を例示している。ユーザアカウントは、限定はしないが、302-1、302-2......、302-Kとして表される伝統的通貨アカウント(TC1、TC2、...TCK)(まとめてTC(302)と称される)、306-1、306-2、...、306-Mとして表されるデジタルトークンアカウント(DT1、DT2、...、DTM)(まとめてDT(306)と称される)、304-1、304-2、...、304-Lとして表されるデジタル通貨アカウント(DC1、DC2、...、DCl)(まとめてDC(304)と称される)、VC308-1、308-2、...、308-Nとして表される仮想通貨アカウント(VC1、VC2、...、VCN)(まとめてVC(308)と称される)、310-1、310-2、….、310-Oとして表される仮想トークンアカウント(まとめてVT(310)と称される)、312-1、312-2、...、312-Pとして表される世界通貨アカウント(GC1、GC2、...、GCP)(まとめてGC(312)と称される)、および他のそのような通貨を含む複数の通貨のうちの少なくとも1つをサポートし得る。仮想通貨は、限定はしないが、暗号通貨、および法的に承認され得る他のそのような通貨を含み得る。伝統的通貨および世界通貨は、限定はしないが、ルピー、ドル、ユーロ、ポンド、および伝統的にまたは世界的に知られている他の様々な通貨などの例を含み得る。一実施形態において、システム(110)は、ユーザ資金アカウントが少なくとも1つの通貨および/またはトークンをサポートすることを可能にし得る。別の実施形態では、システム(100)は、ユーザ資金アカウントが伝統的な世界通貨または世界通貨のデジタルバージョンのいずれかであり得る少なくとも1つの種類の世界通貨をサポートすることを可能にし得る。一実施形態において、システム(110)は、ユーザ資金アカウントによってサポートされる1つの種類の通貨が別の種類の通貨に交換され得るように複数の通貨にまたがる交換を可能にし得る。
【0050】
一実施形態において、システム(110)などの分散型台帳ベースのシステムは、ユーザ資金アカウントおよび/またはユーザに対する公開鍵/秘密鍵ペアの生成を円滑にし、それにより公開鍵/秘密鍵ペアがシステム(110)に関連付けられているTSDCB認証局(118)などの認証局によって発行され得る。一実施形態において、システム(110)の分散型台帳は、ブロックチェーンネットワーク(112)であってもよい。例示的な一実施形態において、システム(110)に関連付けられている分散型台帳は、たとえば、限定はしないが、インドのインド準備銀行(RBI)もしくはインド国立決済公社(NPCI)、またはアメリカ合衆国(USA)の証券取引委員会(SEC)、およびインドもしくは米国などの所得税当局および所管金融当局などの主要エンティティにアクセス権が与えられた、トランザクションを実行し記録する認可されたプライベートブロックチェーンシステムであってもよい。金融、所得税、または所管当局の様々な他の例も含まれ得る。一実施形態において、システム(110)が1つの種類の通貨から別の種類の通貨への換算のためのアンカーサポートの提供を可能にし得るように複数の通貨がサポートされ得る。一実施形態において、システム(110)は、物理デジタル世界および/もしくは仮想デジタル世界の間で通貨を交換するため、または仮想デジタル世界および/もしくは物理デジタル世界における資金移動のために使用することができる。
【0051】
一実施形態において、システム(110)は、システム承認済みアイデンティティを有する各ユーザがTSDCB認証局(118)によって発行され得る公開鍵/秘密鍵ペアにアクセスすることを可能にし得る。システム(110)承認済みアイデンティティは、限定はしないが、たとえば、インドのアドハー(Aadhaar)カードまたは仮想アドハーアイデンティティ、米国の個人アカウント番号(PAN)ID、社会保障番号などのバイオメトリックベースのアイデンティティ、および他のそのようなアイデンティティなど、国内当局によって発行された一意的な追跡可能なアイデンティティに基づいて生成されるものとしてよく、ユーザアカウントに関連付けられている追跡可能な識別情報が使用されてもよい。TSDCB認証局(118)は、ユーザ(102)に関連付けられているユーザデバイス(104)上の命令の実行可能なセットを通じてアクセスされ得る。一実施形態において、複数のユーザデバイス(104)(電話または旅行支援電子カードなど)を有するユーザ(102)については、別々の公開鍵/秘密鍵ペアが、ユーザ(102)に関連付けられている各ユーザデバイス(104)に対して発行され得る。ユーザデバイス(104)に関連付けられている秘密鍵は、ユーザ資金アカウント内の金額にアクセスすることを可能にし得る。一実施形態において、システム承認済みアイデンティティに対応する複数の公開鍵/秘密鍵ペアは、同じユーザアカウントにマッピングされ得る。
【0052】
一実施形態において、システム(110)は、資金アカウント残高に関する情報の取り出しを可能にし、これは、ユーザ(102)に関連付けられている公開鍵に基づきシステム(110)によって暗号化されるものとしてよく、それにより対応する秘密鍵を含む特定のユーザデバイス(104)のみが情報を復号してユーザ(102)に表示することができる。不正行為を軽減するために、システム(110)からの他の通信(OTPまたはPINに関係するインタラクションなど)も、ユーザデバイス(104)からの公開鍵を使用して暗号化されてもよく、それによりネットワーク上の中間ノードがデータ送信中にそのようなメッセージを復号することができない。一実施形態において、ユーザ追跡可能性のために、システム承認済みアイデンティティは、特定の公開鍵にマッピングするために使用され得るユーザ(102)に対する一意的な追跡可能なアイデンティティ(有効な当局によって発行される)によってバックアップされ得る。したがって、新しいユーザ資金アカウントを作成するときに、システム(110)は、アカウントを設定する間に利用されるべき米国の社会保障番号などの、アイデンティティの手動検証などのバイオメトリック識別または代替的識別プロセスを義務付け得る。これは、各アカウントの公開鍵から、システム承認済みアイデンティティまたは一意的な追跡可能なアイデンティティ(アドハー番号など)へのマッピングが可能であり得ることを意味する。本開示は、言及されている実施形態および/または例によって限定されることはなく、いくつかの異なる実施形態は、本開示のシステムおよび方法の実装形態によって実現され得ることは理解され得る。
【0053】
一実施形態において、システム(110)は、限定はしないが、マーチャント、企業体、および同様のものなどを含む、参加エンティティ(またはそのデバイス)とのインタラクティブなやり取りも可能にし得る。システム(110)は、たとえば、インドのPAN(永久アカウント番号)もしくは社会保障番号(SSN)に基づく、または個人もしくは勤務先住所、および同様のものに基づく、などの、限定はしないが、代替的KYCメカニズムを含むなど、規制要件に応じたソリューションを使用することによってユーザ(102)および/または参加エンティティをオンボードしてもよい。様々な他の属性が、ユーザおよび/または参加エンティティをオンボードすることについて考慮され得る。
【0054】
図3Bは、本開示の実施形態による、TSDCBアカウント作成および処理トランザクションの例示的な流れ図表現を例示している。分散型台帳支援システム(110)に関与する様々なノードおよびコンポーネントが、
図3Bに示されている。
図3Bに例示されているように、システム(110)に関連付けられている分散型台帳は、ブロックチェーンに対応するものとしてよく、システム(110)は、以下、トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)システム(320)と称され得る。TSDCBシステム(320)は、TSDCBプラットフォームマネージャ(322)および検証済み証明書(324)のコレクションまたはキャッシュを含み得る。TSDCBシステム(320)は、ユーザがアカウント作成および/または資金移動を実行するための実行可能命令のセット(アプリケーション)にアクセスすることを可能にされ得るデバイスであり得るTSDCB一次ユーザデバイス326(以下、ユーザデバイス(104)とも称される)とインタラクティブにやり取りし得る。TSDCBシステム(320)は、公開鍵/秘密鍵の生成のためにTSDCB識別サーバ(116)およびTSDCB認証局と称されるTSDCB認証局(TSDCB-CA)(118)と通信し得る。TSDCBシステム(320)は、複数の通貨をサポートするユーザ資金アカウント(交換可能にTSDCBアカウントと称される)の作成を可能にし得る。例示的な一実施形態において、TSDCBアカウントは、たとえば、限定はしないが、デジタル署名のための量子抵抗性ECDSA-with-SHA512ハッシュアルゴリズムとともにsecp521r1曲線ASN.1 OIDに基づくサイズ521の鍵サイズを使用することによる楕円曲線デジタル署名アルゴリズム(ECDSA-521)アルゴリズムを使用するなど、非対称暗号を使用して作成され得る。様々な他の技術が、アカウントの生成においても採用され得る。例示的な一実施形態において、バイオメトリック検証がアカウント生成時に実行され、ユーザをバイオメトリックアイデンティティまたはすでに確立されている一意的な追跡可能なアイデンティティ(UIDAIなどのTSDCBアイデンティティ検証サーバ(
図3Bには示されていない)によってバイオメトリック検証時に確認され得るインドのアドハーまたは仮想アドハーIDなど)にリンクし得る。TSDCBシステム(320)は、また、ユーザ資金アカウントの設定後に、ユーザTSDCBアイデンティティ番号(TIN)およびさらにユーザ資金アカウントアイデンティティ(TSDCBアイデンティティまたはTSDCB-ID)を生成することも可能にし得る。例示的な一実施形態において、
図3Bに示されているように楕円曲線ディフィー-ヘルマン(ECDHE)セッションが、ユーザデバイスとTSDCB-CA(118)との間で情報を安全に交換するようにTSDCBC認証局(118)とともにセットアップされ得る。
【0055】
一実施形態において、TSDCB-CA(118)は、各ユーザ資金アカウント(TSDCBユーザアカウント)に対してX.509証明書を発行するために使用され得る。例示的な一実施形態において、ユーザデバイス(104)は、それ独自の公開鍵/秘密鍵ペアを生成するためのソフトウェア開発キット(SDK)を用意されており、これはARMベースのユーザデバイスもしくはスマートフォン/フィーチャーフォン用のARM TrustZone(TZ)を用いた信頼できる実行環境(TEE)などのデバイス上のセキュアパーティション、またはx86ベースのシステム用のIntel SGXなどのセキュアエンクレーブにおいて実行され得る。一実施形態において、公開鍵/秘密鍵ペアは、たとえば、楕円曲線ECDSA-521アルゴリズムを使用して作成され得る。例示的な一実施形態において、ルート鍵がユーザデバイス(104)に融合され、派生鍵が作成され、そのような派生鍵がルート鍵で暗号化され得る鍵階層を形成し得る。別の例示的な実施形態では、派生鍵は、鍵階層内でルート鍵に到達するまで、他の派生鍵で再帰的に暗号化され得る。プラットフォーム上の鍵階層内の派生鍵は、秘密鍵を暗号化するために利用され、ユーザデバイス上の安全を保証されたメモリロケーションに記憶され得る。様々な他の例示的な実施形態が可能であり得る。
【0056】
図3Cは、本開示の実施形態による、計算要件に基づく、二次ユーザデバイスに対する処理トランザクションの例示的な流れ図表現を例示している。
図3Cの例示的なブロック図表現は、追加のTSDCB二次ユーザデバイス(328)(以下、二次ユーザデバイスとも称される)を描いている。TSDCBシステム(320)は、スマートフォンまたはフィーチャーフォン、ラップトップおよびユーザに関連付けられている他のそのような電子コンピューティングデバイスなどの一次ユーザデバイス(326)に対してユーザ(102)の単一のTSDCBアイデンティティまたはTSDCBアイデンティティ番号(TIN)に公開鍵/秘密鍵ペアが関連付けられることを円滑にし得る。ユーザ(102)は、TSDCBプラットフォームベースの振替のために二次ユーザデバイスユーザも使用し得る。たとえば、ユーザは、TSDCBアカウントID(すなわち、ユーザ資金アカウントに関係する一意的なアイデンティティ、(TA-ID)とも称される)を有するスマートフォン(一次ユーザデバイスであってもよい)、およびこれも同じTSDCBアカウントを使用するスマートシティ内の異なる種類の地方交通機関にまたがって使用され得るスマート電子トラベルカードなどの二次ユーザデバイス(328)を有し得る。本開示のシステム(110)は、ユーザが、TA-IDとユーザに関連付けられているTSDCBアイデンティティ番号(TIN)との間の一対一マッピングで一次デバイスおよび二次デバイスの両方にまたがって共通のTA-IDに対して1つの単一のまたは共通のユーザ公開鍵/ユーザ秘密鍵ペアを使用可能にすることによって統合ソリューションを使用可能にし得る。例示的な一実施形態において、これらのデバイスのうちの1つは、一次デバイス(326)にバインドする二次デバイス(328)として機能することが許され、それにより二次デバイス(328)はアカウントアクセスに一次デバイスの資格情報を利用し得る。別の例示的な実施形態では、セキュアピアツーピア(P2P)メカニズムは、たとえば、Bluetooth-Low Energy(LE)などのP2Pプロトコルを使用して利用可能であり、二次デバイス(328)と一次デバイス(326)とをペアリングするために使用できる。様々な他のメカニズムが可能であり得る。また、維持され、一次ユーザデバイス(326)を利用することを可能にされ得るユーザ(102)に関連付けられているすべての二次ユーザデバイス(328)をリストすることも可能であり得る。二次デバイス(328)は、一次ユーザデバイス(326)上の共通一次公開鍵/秘密鍵ペアを、トランザクション提出時に提供される、ユニバーサルスマートトラベルカード、および同様のものなどの二次デバイス(328)から資金移動が生じたことを示す追加情報とともに、使用し得る。例示的な一実施形態において、スマートトラベルカードは、
図3Cに示されているように、Bluetooth-LEなどの短距離通信技術を介して一次ユーザデバイスにバインドし得る。例示的な一実施形態において、必要な場合にそのような二次ユーザデバイス(328)を介してバイオメトリック認証も有効化され得る。別の例示的な実施形態では、たとえば、IPv6で直接アドレス指定可能であり、それ独自の公開鍵/秘密鍵ペアを生成する能力を有する二次デバイス(328)などの、1つまたは複数の二次デバイスが使用され得る。そのような二次デバイス(328)は、異なるTA-IDが各そのような追加のユーザ公開鍵に関連付けられ得るようにTSDCBシステム(320)にその公開鍵を別々に登録させるものとしてよく、それにより複数のTA-IDが同じTINにマッピングされ得る。一例において、各そのような追加の二次ユーザデバイス(328)に関連付けられている各TA-IDについて、別のX.509証明書が使用されてよく、これによって、二次デバイスに対して望ましい場合に追加のTA-IDおよびユーザ公開鍵が利用され、望み通りに異なるデバイス同士を容易に区別することができる。様々な他の例示的な実施形態が可能であり得る。
【0057】
図3Bおよび
図3Cにおいて説明されているような実施形態のいずれかまたは両方を参照すると、いくつかの動作上の実施形態が共通に説明されている。一実施形態において、TSDCBアカウント(ユーザ資金アカウント)は、限定はしないが、不換USドル、不換ルピー、またはデジタルTSDCBコインもしくはデジタルTSDCBトークンおよび他のそのような通貨などを含む異なる種類の通貨をサポートし得る。異なる通貨の各々は、TSDCBシステム(320)において異なる公開鍵/秘密鍵ペアを活用し得る。例示的な一実施形態において、TSDCBシステム(320)は、ユーザがいくつかの通貨にまたがって共通公開鍵/秘密鍵ペアを通じてTSDCBアカウントにおいてサポートされるすべての通貨にアクセスすることを可能にし、移動される通貨に関するトランザクション提出のタイミングで単なる追加の情報が提供され得る。これは、ユーザ(102)が所与のTSDCBアイデンティティに関連付けられているTSDCBアカウントに対する単一の公開鍵/秘密鍵ペアを操作することができるのでユーザエクスペリエンスを高め得る。別の実施形態において、TSDCBシステム(320)が、TSDCBアカウントID(TA-ID)からTSDCBアイデンティティ番号(TIN)への多対一マッピングまたはTA-IDとTINとの間の一対一マッピングのいずれかを利用するかどうかに応じて、TSDCB-CAは、各TINに対するマッピングを維持できる場合がある。例示的な一実施形態において、TSDCBアカウントID(TA-ID)をアクティベートするために1回限りのバイオメトリクス認証が義務付けられ得る。一対一マッピングの場合、アクティベーションプロセスは、同じユーザ/TSDCBアイデンティティ番号(TIN)に関連付けられている任意の前のアカウントがあるかどうかを決定し、これに基づきTSDCBシステム(320)は新しいTA-IDのアクティベーションを許可しなくてもよい。別の例示的な実施形態において、TA-IDと単一のTINとの間の多対一マッピングの場合、アクティベーションプロセスは、すでに存在しているTA-IDの数が、ユーザに関連付けられている対応するTSDCBアイデンティティ番号(TIN)に対する許容限度に達している場合に、新しいTSDCBアカウントID(TA-ID)のアクティベーションを許可しないものとしてよい。様々な他の例示的な実施形態が可能であり得る。
【0058】
一実施形態において、単一のTA-IDに関連付けられ得るTINとともに単一のユーザ公開鍵/ユーザ秘密鍵ペアが使用されると仮定すると、ユーザ公開鍵は、
図3Aに示されているように、異なる通貨アカウントのうちの1つまたは複数に利用され得る。別の実施形態では、異なるユーザ公開鍵が異なるTSDCBアカウントに使用される必要がある場合、追加のユーザ公開鍵および対応するTA-IDは、同じユーザに対して作成され得る。別の実施形態では、ユーザによって必要とされる通貨アカウントの各々に関連付けられているユーザ公開鍵および対応するTA-IDは、TSDCBプラットフォームまたはTSDCBシステム(320)に関連付けられているデータベース上に記憶される。複数のTA-IDが各ユーザに必要になり得る場合、それらはすべてTSDCBプラットフォームに記憶され得るそのユーザに対する一意的なTINにマッピングされる。一実施形態において、各通貨アカウントについて、そのユーザ(102)に対するユーザの公開鍵を検索するために追加のキーワード(電話番号またはユーザ名など)が記憶され得る。ユーザ公開鍵は、金融取引を提出するために使用され得る。一実施形態において、通貨またはトークンアカウント残高がそのユーザ公開鍵に対応するTA-IDに関して記憶されるようにユーザ公開鍵をTA-IDに内部的に変換することが可能であり得る。
【0059】
例示的な一実施形態において、複数の通貨からの少なくとも1つの通貨がTSDCBシステムそれ自体によってホストされている場合、少なくとも1つの通貨はTSDCBプラットフォーム上で交換され得る。別の例示的な実施形態では、複数の通貨からの少なくとも1つの通貨は、代替的プラットフォームがそれ自体(任意選択で)ブロックチェーン技術ベースの台帳を含み得るような代替的プラットフォーム上で交換されてもよい。この場合、TSDCBシステム(320)は、2つのトランザクションユーザの追跡可能性とともにそのブロックチェーン台帳に取引の終了を記録し得る。本開示は、言及されている実施形態および/または例によって限定されることはなく、いくつかの異なる実施形態は、本開示のシステムおよび方法の実装形態によって実現され得ることは理解され得る。
【0060】
図4Aは、本開示の実施形態による、ユーザ資金アカウントを作成するための例示的なシーケンス図表現を例示している。一次ユーザデバイス(326)は、以下で説明されているように、TSDCB識別サーバ(402)からTINを取得する前に、またはそれと同時に、またはその後に、ユーザ公開鍵/ユーザ秘密鍵ペアを生成し得る。一実施形態において、ユーザ公開鍵/ユーザ秘密鍵ペアの生成は、限定はしないが、ARM TrustZoneまたはIntel SGXエンクレーブなどを含む、ユーザデバイスプラットフォーム上のセキュアパーティションで実行され得る。一実施形態において、鍵ペア生成は、好ましくは楕円曲線ECDSA-521アルゴリズムを使用して、またはRSAなどの任意の他の代替的アルゴリズムを使用して実行される。別の実施形態では、必要に応じて、TSDCBそれ自体の信頼できる実行および記憶環境に処理および記憶をオフロードすることも可能であり得る。
【0061】
図4Aに例示されるように、ステップ(410)で、命令の安全なセット(アプリケーション)がTSDCB一次ユーザデバイス(326)上で開始され、TSDCB識別サーバ(116)(バイオメトリック認証サーバ(UIDAIなどの)または他のもの)とインタラクティブにやり取りし、ユーザ(102)のTSDCBアイデンティティ番号(TIN)(仮想アドハー IDまたは他のものなど)を生成し得る。一実施形態において、バイオメトリック認証情報(指紋および/または虹彩スキャンなど)が使用され得る場合、バイオメトリック認証情報は、TSDCBアカウント管理キオスクでの入力としてみなされ、TSDCB識別サーバ(116)に提出され、TSDCBアイデンティティ番号(TIN)として利用できるIDを取得することができる。ステップ(412)で、TSDCB識別サーバ(116)は、TINを作成し、生成されたTINとともにTSDCB識別サーバ(116)のデジタル署名を含み、デジタル署名をTSDCBユーザデバイス(一次ユーザデバイスおよび/二次ユーザデバイス)(326)に返す。ステップ(414)で、TSDCB一次ユーザデバイス(326)は、次いで、TINを、ユーザ公開鍵(ECDSA-521もしくはRSA-2048かの鍵生成アルゴリズムまたは他のアルゴリズムの性質とともに生成される)と一緒にTSDCBプラットフォームマネージャ(TSDCB-PM)(322)に提出し、ユーザに対するTSDCBアカウントID(TA-ID)をセットアップする。
【0062】
ステップ(416)で、TSDCB-PM(322)は、次いで、TSDCB一次ユーザデバイス(326)へのTINの検証に対する要求を開始する。ステップ(418)で、TSDCB一次ユーザデバイス(326)は、次いで、TSDCB-PM(322)に識別情報(アカウント生成デスクで生成されたバイオメトリック認証など)を提出する。一実施形態において、識別情報は、暗号化形式でTSDCB-PM(322)に提出されてもよく、これはユーザ秘密鍵によって署名されたデジタル署名とともにTSDCB識別サーバ(402)の公開鍵で暗号化されてもよい。ステップ(420)で、TSDCB-PM(322)は、TSDCBユーザデバイス(326)の公開鍵を使用してデジタル署名を検証してよく、暗号化された識別情報メッセージをTSDCB識別サーバ(402)に提出する。ステップ(422)で、TSDCB識別サーバ(116)は、バイオメトリック識別をTINに属するものとして検証してよく、証明済みデジタル署名とともに成功/失敗の通知をTSDCB-PM(322)に返す。ステップ(424)で、ユーザに対するTSDCBアカウントIDを生成するために、TSDCB-PM(322)は、TINとともにTSDCBユーザデバイス(326)によって生成されたユーザ公開鍵を提出し得る。一実施形態において、詳細は、TSDCB認証局(TSDCB-CA)(118)とECDHEセッションを介して共有され、ユーザの公開鍵をTINにバインドし得る。同じステップ(424)で、その後、TSDCB-CA(118)は、ユーザデバイス公開鍵に基づきTSDCBユーザデバイス(326)に対する証明書(X.509証明書など)を生成し、それによりその証明書は署名されるものとしてよくそれをTSDCB-PM(406)と共有する。ステップ(426)で、TSDCB-PM(406)は、TSDCB-CA(322)から証明書を受信し得る。
【0063】
ステップ(428)で、TSDCB-PM(322)は、次いで、ユーザに対するアカウントIDを、ユーザ(102)に対するTIN、ユーザ公開鍵、およびX.509証明書を記録することによって作成し得る。TSDCBアカウントID(TA-ID)は、ユーザに関連付けられているユーザ公開鍵、またはユーザ公開鍵のハッシュによって識別され得る。代替的に、TSDCBアカウントID(TA-ID)は、TIN、またはTINのハッシュに基づき識別され得る。代替的に、さらに、TA-IDは、(ユーザ公開鍵||TIN)によって与えられる2つのIDの連結などのユーザ公開鍵またはTINからの情報を組み合わせることによって、またはハッシュ(ユーザ公開鍵||TIN)、たとえば、ユーザ公開鍵およびTINの連結のSHA3/SHA512ハッシュなどのハッシュを計算することによって識別され得る。さらに、ユーザ公開鍵および/またはTINに基づく任意の変換が、TA-IDとして使用されてよい。たとえば、追加のノンス(1回限りの乱数)が生成され、また(ユーザ公開鍵||TIN||ユーザノンス)などの連結で使用され、その連結または連結ハッシュのハッシュ(ユーザ公開鍵||TIN||ユーザノンス)はTA-IDとして使用されることも可能である。TSDCB-PMは、次いで、TA-IDおよび対応するX.509証明書をユーザデバイスと共有する。このときに、TSDCBユーザデバイス(326)、TSDCB-PM(322)、およびTSDCB-CA(118)は、ユーザアカウントに関連付けられているTA-IDにマッピングされたユーザデバイスの証明書を有し得る。一実施形態において、アカウント作成は、TSDCBアカウントID(TA-ID)の作成直前にTSDCBアイデンティティ番号(TIN)が生成されるべきである場合に実行され得る。TINがすでに利用可能である場合、ステップ(410)および(412)は、TA-ID作成プロセスにおいてスキップされ得る。他の様々な実施形態が可能である。一実施形態において、セキュリティ強化のため、
図4に例示されているような上記プロセスのすべてのステップは、TSDCBユーザデバイス(404)がIntelSGXをサポートする場合にIntel(商標)SGXエンクレーブ上の信頼できる実行環境(TEE)において実行され得るか、またはこれはARMベースのデバイス上のARM TrustZoneにおいて実行することが可能であり、および/またはTSDCBユーザデバイス(404)上の実行命令のセットは、上で説明されているアカウント生成プロセスに関連付けられているマイクロサービスを実行する仮想マシンまたはコンテナなどにおけるセキュアパーティションで実行することができる。本開示は、言及されている実施形態、ステップ、および/または例によって限定されることはなく、いくつかの異なる実施形態は、本開示のシステムおよび方法の実装形態によって実現され得ることは理解され得る。
【0064】
前に開示されている実施形態は、ユーザ/ユーザデバイスまたはユーザ資金アカウントに関するユーザ公開鍵、TIN、およびTA-IDの間の関連付けを確立し得る。一実施形態において、それに加えて、ユーザは、認証のためにTSDCBプラットフォームにログインするためのログインユーザ名およびパスワード資格情報を与えられ得る。例示的な一実施形態において、必要なときに二要素認証も使用されてよく、いくつかの場合において、資金移動を処理するために一要素認証のみが使用され得る。一実施形態において、ユーザは、一次要素認証のために適切な資格情報でログインし、その後、たとえば二次要素認証としてモバイルデバイスに送信されたOTPを使用してよい。様々な他の実施形態が可能であり得る。一実施形態において、「資金移動」という用語は、同じユーザの複数のアカウント間および/またはユーザと資金受取人の2つの異なるアカウント間で伝統的な通貨(
図3Aの302)、デジタルトークン(
図3Aの306)、デジタル通貨(
図3Aの304)、仮想通貨(
図3Aの308)、仮想トークン(
図3Aの310)、世界通貨(
図3Aの312)、および他のそのような通貨のいずれかもしくは組合せの移動および/または交換に関連し得る。様々な他のシナリオも適用可能であり得る。
【0065】
図4Bは、本開示の実施形態による、ユーザ資金アカウントによってサポートされる異なる種類の通貨に関する資金移動、および分散型台帳におけるその後の記録の例示的なシーケンス図表現を例示している。
図4Bに例示されているように、マイクロサービスベースのTSDCBプラットフォームは、マイクロサービスベースのフレームワークにおけるブロックチェーントランザクションのスケーラブルな処理に利用され得る。たとえば、マイクロサービスベースのプラットフォームは、高い性能を達成するために、スケーラブルなマイクロサービスベースのインフラストラクチャを有するプロデューサ/コンシューマ分散型台帳パラダイムにおける非同期処理および同時処理を利用し得る。代替的に、ブロックチェーンプラットフォームの他の変更形態も、システムを実現するために使用され得る。様々な他の実装形態も適用可能であり得る。スマートコントラクトマイクロサービスの実装は、限定はしないが、特定の通貨またはトークンアカウントのアカウント残高をチェックするスマートコントラクトマイクロサービス、通貨のグループ(すべてのデジタル通貨、またはすべての仮想通貨またはすべての世界通貨、またはすべてのデジタルトークンなど)のアカウント残高をチェックするスマートコントラクトマイクロサービス、ユーザに関連付けられているキーワードに基づきユーザ公開鍵を検索するスマートコントラクトマイクロサービス、ユーザの1つのアカウントから同じユーザに属する別のアカウントに送金するスマートコントラクトマイクロサービス、ユーザの1つのアカウントから異なるユーザに属する別のアカウントに送金するスマートコントラクトマイクロサービス、およびいくつかの他の機能/目的などを含む異なる機能を使用可能にするために行われ得る。様々な他の目的も適用可能であり得る。
【0066】
TSDCBプラットフォーム上のユーザ資金アカウント(ユーザまたは送金人TSDCBアカウント)から資金を送信するために、送信ユーザは、最初に、アカウントにログインすることができる。次いで、TSDCBアカウントに関連付けられているユーザ秘密鍵は、送金人(受取人のユーザ公開鍵への送金人のユーザ公開鍵によって識別される)から資金を移動するために利用され得る。ステップ(432)で、TSDCB一次ユーザデバイス(326)を介したユーザ(送金人)は、キーワードベースのクエリ(名前、通貨もしくはトークンの種類、電話番号、またはTINに基づく)を使用して、その(送金人の)ユーザ公開鍵を見つけるために検索することができる。送信ユーザは、類似キーワードベースのクエリ検索を使用して、受取人のアカウントの(受取人の)ユーザ公開鍵を見つけることができる。送金人のTSDCBアカウントに関連付けられている秘密鍵は、受取人のTSDCBアカウントに関連付けられている公開鍵に移動される金額をサインオフするために利用され、この署名済みトランザクションは、ステップ(434)において、処理のためにTSDCB-PM(322)に提出され得る。ステップ(434)で、TSDCB-PM(322)は、最初に、デジタル署名の正当性確認を行う(送金人のユーザ公開鍵に対するX.509証明書などに基づき)ことによって、移動要求を「正当性確認」することができる。ステップ(436)で、送信ユーザは、TSDCB一次ユーザデバイス(326)を介して、トランザクションに添付されたデジタル署名とともにTSDCB-PM(322)への資金移動要求を開始する。ステップ(438)で、「チェック&デビット」スマートコントラクトマイクロサービスが、TSDCBプラットフォームマネージャ(322)において呼び出され、送金人のアカウント残高をチェックし、移動を可能にするために送金人のアカウントから引き落とす。引き落としが完了した後、別の「移動」スマートコントラクトマイクロサービスが呼び出され、受取アカウントに入金することができる。ステップ(440)で、送金人および受取人に対するユーザ公開鍵に基づき、送金人および受取人に対する対応するTA-IDが識別され、それによりブロックチェーン台帳はTSDCBプラットフォーム上の送金アカウントと受取アカウントとの間の移動を記録することができる。ステップ(442)で、TSDCB-PM(322)は、成功/失敗通知をTSDCB送金人ユーザデバイス(326)に返す。一実施形態において、送金アカウントおよび受取アカウントが異なる通貨またはトークンに属する場合、追加の「換算」スマートコントラクトマイクロサービスが、移動を完了する前に換算を可能にするために呼び出され得る。
【0067】
図5Aは、本開示の実施形態による、アカウント振替のためのTSDCBベースのマイクロサービスサービスチェーンの例示的な流れ図表現を例示している。スマートコントラクトマイクロサービスのサービスチェーン(
図5Aで導入されている)は、資金移動の必要性に基づき動的に呼び出され得る。一実施形態において、各マイクロサービスは、コンテナまたは仮想マシンで実行され得る。
図5Aに例示されているように、ステップ(502)で、移動要求の正当性確認が行われ得る。ステップ(504)で、TA-ID(ユーザ資金口座に関連付けられている)が、移動に関して識別され得る。ステップ(506)で、ユーザの引き落としアカウントを送信することがチェックされ、引き落とされ得る。ステップ(508)で、通貨またはトークンは、資金移動の要件に基づき、換算されるか、または交換され得る。ステップ(510)で、資金移動は完了し得る。一実施形態において、通貨/トークン換算マイクロサービス(
図5Aのステップ508)は、本開示の実施形態により、
図5Bの例示的表現に示されているように楽観的実行スケジュールが作成され得るように送金人のアカウント残高をチェック&デビットするマイクロサービス(
図5Aのステップ506)と並行して実行され得る。移動のためにTA-IDを識別する(554)、移動要求正当性確認(552)に関係する他のステップは、
図5Aにおいて説明されているように同様に実行される。しかし、この実施形態は、チェック&デビット操作(558)が失敗した場合に、通貨変換タスク(556)が無駄な実行となる可能性があるという欠点を明確にし得る。しかしながら、
図5Bの例示的な実装形態の利点は、チェック&デビット操作(658)が成功した場合に、全体のサービスチェーンがより速く完了できる(560)ことを含み得る。
【0068】
一態様において、前述の図で説明されているようなTSDCBシステム(320)は、また、所管当局または本物の金融規制当局が、従来のシステムでは極めて困難であるか、または不可能であり得る、資金移動の1つまたは複数の態様を監視するか、または追跡することを可能にし得る。資金移動の態様を追跡することができるという態様は、世界中の規制当局および政府当局にとって重要な新たに起こる要件であり得、そのTSDCBシステムは、たとえば、公開鍵/秘密鍵非対称暗号を利用しながらTSDCBアイデンティティに基づき、ユーザ間の決済振替をサポートすることを実行できる可能性がある。プラットフォーム上のピアツーピア(P2P)金融トランザクションなどの例では、送金人のアカウントから移動されている資金は、引き落とされ、次いで、TSDCBプラットフォーム上に記録された振込金額に関係する情報記録とともに、受取人のアカウントに入金され、監査能力はいくつかの代替的手段または特徴を含み得る。これは、限定はしないが、送金人のアカウントおよび受取人のアカウントに関連付けられているTINがブロックチェーン台帳のトランザクション記録に含まれ得ることを含み得る。代替的に、TSDCBプラットフォームは、送金人および受取人のアカウントに対するTA-IDおよびユーザ公開鍵に基づきトランザクションを単に記録するだけであり、TA-IDに関連付けられているTINまたはアカウントに関連付けられているユーザ公開鍵を報告するための将来の検索を単に提供するだけでよい。別の態様として、それに加えて、TSDCBプラットフォームは、個人化されたブロックチェーン台帳トランザクションチェーンを作成することによって、純粋に監査当局のために個人化された台帳を作成することができ、その個人化された台帳チェーンは、システムで処理されているトランザクションに関連付けられているTINなどの追加の情報を含み得る。様々な他の態様/特徴が可能であり得る。TSDCBシステムは、そうでなければ従来のシステムでは必要とされる、決済振替を管理するために大規模分散型ブロックチェーンネットワークを必要とすることのないような従来のシステムとは重要な相違点を有する。一実施形態において、参加者(マーチャント、銀行、またはユーザ)などの主要エンティティのみがトランザクションに関与し、中立エンティティ(規制当局またはブロックチェーンプラットフォームマネージャ所有者エンティティなど)は、TSDCBプラットフォームによってホストされる許可されたプライベートブロックチェーンネットワーク上の直接参加者となり得る。TSDCBアカウントユーザは、ユーザブロックチェーンノードによってホストされてもよく、複数のそのようなノードは、システムがユーザ間にまたがって同時データ処理をスケーリングし、使用可能にするために利用することが可能である。コアブロックチェーンネットワークは、マーチャントのTSDCBアカウントと個別ユーザとの間の振替を使用可能にしマーチャントがマーチャントブロックチェーンノードを介してブロックチェーンプラットフォームにアクセスできるように店舗を持つマーチャントを含む特定のユースケースに関して拡張され得る。本開示のコアブロックチェーンネットワークで利用される許可されたプライベートネットワークは、プラットフォームがユーザとマーチャントとにまたがってうまくスケーリングすることを可能にし得る。
【0069】
一実施形態において、規制当局(または監査当局または税務当局)は、その規制当局または監査当局または税務当局に関係するトランザクションに対する個人化された台帳チェーンを受信し得る。そのような個人化された台帳チェーンについて、トランザクションは、そのような規制/監査/税務当局がトランザクションを追跡することを可能にするように、追跡可能なアイデンティティ情報(TIN--たとえばインドのアドハーIDもしくは仮想アドハーID、および/またはPAN ID、または米国の社会保障番号など)などの追加情報で補強され得る。たとえば、税務当局は、一定額を超えるトランザクションに、またはユーザの同じペア間のトランザクションの集約されたセットが所与の時間枠内で一定額を超える場合にのみ関心を持ち得る。そのような場合、個人化された台帳が、そのような振替に携わる個人および/またはマーチャント/企業を追跡するために記録されるトランザクション情報とともに作成され得る。例示的な一実施形態において、監視エージェントが、TSDCBプラットフォームの1つまたは複数の態様を監視するために含まれ得る。
【0070】
図6Aは、本開示の実施形態による、記録されたトランザクションに対する監視エージェント(602)の例示的なブロック図表現を例示している。
【0071】
監視エージェント(602)は、
図6Aに示されているように、TSDCBプラットフォーム(606)上のトランザクションおよびそのステータスを観察するTSDCBノード0(プラットフォームマネージャ)(604)を実行するコードの一部として含まれ得る。監視エージェント(602)は、規制/監査/税務当局に対して個人化された台帳チェーン上でメッセージ作成をトリガーするように構成され得る。台帳に記録されるトランザクションの内容は、メッセージ作成のために満たされている可能性のある条件、トランザクションに関連付けられているタイムスタンプ、取引ユーザまたはエンティティに関連付けられているTIN/追跡可能アイデンティティ情報、および他のそのような詳細を含むことができる。監視および個人化された台帳作成機能は、処理されている他のタスクとともにシステムにおいて追加の同時処理マイクロサービスタスクとして実行され得る。一実施形態において、所与のトランザクションに対する参加エンティティからのデジタル署名(ECDSA-with-SHA512アルゴリズムを使用するなど)に基づく裏書が、ブロックチェーン台帳のトランザクションデータとともにキャプチャされ記録され得る。参加エンティティに対する対応するデジタル証明書も、ブロックチェーン台帳内のトランザクションデータとともに保存され得る。しかしながら、これらのデジタル証明書は、繰り返し使用される可能性が高いので、システムは、トランザクション参加者のデジタル証明書に関連付けられているハッシュを単に記録するだけでよく、対応するデジタル証明書は台帳の外部に保存される。これは、ブロックチェーン台帳内のブロックチェーントランザクションデータの全体的なサイズを最小にし得る。
【0072】
図6Bは、本開示の実施形態による、様々な当事者/当局と対応するノードとの間の通信またはインタラクティブなやり取りを伴い得るTSDCBシステム(320)のアーキテクチャの例示的なブロック図表現を例示している。
図6Bに例示されているように、TSDCBシステム(320)は、ユーザ、規制当局、銀行およびマーチャントなどの金融機関などの様々な当事者/当局に関係する複数のノードに関連付けられ得るトレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)プラットフォーム(606)を含み得る。TSDCBプラットフォーム(606)は、トランザクションの性質およびユースケースに応じて複数のノードのうちの1つまたは複数とインタラクティブにやり取りし得る。TSDCBプラットフォーム(606)は、限定はしないが、TSDCBプラットフォームマネージャ(322)に関するTSDCBノード0(618)、TSDCB認証局(118)に関するTSDCBノード1(620)、規制当局(612)に関するTSDCBノード2(622)、ユーザ(102)に関連付けられているTSDCBユーザデバイス(326)に関するTSDCBノード3(624)、銀行(614)に関連付けられているTSDCBノード4(626)、およびマーチャントPOSデバイス(616)に関連付けられているTSDCBノード5(628)を含む少なくとも1つのノードとインタラクティブにやり取りし得る。
【0073】
一態様において、前述の図において説明されているTSDCBシステム(320)は、従来のシステムにおいて制御することが極めて困難であるか、または不可能であり得る、資金移動のセキュリティの強化および/または資金移動に係る詐欺事件の可能性を回避することも可能にし得る。TSDCBシステムは、異なる種類の要求を処理するために異なるスマートコントラクトの実行を可能にし得る。たとえば、従来のトランザクションシステムに対して記録された回収要求の詐欺ユースケースについては、そのような要求を検出するスマートコントラクトを実行し、ユーザデバイス上のユーザインターフェース(UI)を介してユーザに警告して資金移動を確認するために決済ユーザとの追加のインタラクションを有するなどのチェックの追加のレベルが実装され得る。例示的な一実施形態において、資金移動があり得、要求が詐欺的でないと結論され得る場合、ユーザのデジタル署名は(ユーザのTSDCBアカウントに関連付けられている秘密鍵に基づき)使用され、トランザクションのユーザの裏書きを含めることができる。別の例示的な実施形態では、決済が確認されない場合、詐欺警告がトリガーされ、意図する受取人のTSDCBアカウントに関する公開鍵に関連付けられている追跡可能なTSDCBアイデンティティが、詐欺師を識別するために利用され得る。例示的な一実施形態において、追加のチェックが処理中に実行されるものとしてよく、これは受信ウェブポータルにOTPを単に入力するのではなく、むしろ、デバイスからのOTPの提出を確認するためにTSDCBアカウントに関連付けられているデジタル署名と併せてOTPが提出されることを必要とする。単一のTSDCBアカウントに関連付けられ得る公開鍵の数を制限することによって、国内で詐欺を行う可能性が劇的に低減され得る。したがって、追跡可能なユーザアカウントを有するブロックチェーンプラットフォームを利用することで、安全な資金移動または交換メカニズムが実装され、それにより資金移動技術に対する信頼性を高めることができる。
【0074】
一実施形態において、資金移動がTSDCBブロックチェーンプラットフォーム(606)上に記録されると、本開示の実施形態により、
図6Cの例示的表現の概要に示されているように、ブロックチェーンネットワーク(112)内のトランザクションブロックにまたがるハッシュチェーンが作成され得る。
図6Cの概要は、ブロックのハッシュチェーンを示しており、各ブロックは、ブロックを構成する資金移動のグループを含むものとしてよく、それにより現在のブロックハッシュは後続のブロックに伝播され改ざん防止ハッシュチェーンを作成する。ハッシュチェーンは、現在のブロックデータ634、640、646、652、658、および664にそれぞれ対応し得る636、642、648、654、660、および666として表され得る現在のブロックハッシュを含み、以前のブロックハッシュ632、638、644、650、656および662それぞれ含み得る。単純な場合において、1つのブロックはちょうど1つのトランザクションを含むことが可能である。一実施形態において、トランザクションブロックは、ブロックを構成する資金移動の構成可能な数、またはブロックを作成するための構成可能な時間持続時間に基づき作成され得る。
図6Cに例示されているように、
図6Cに描かれているトランザクションのブロックは、異なるユーザにまたがる、またはTSDCBシステム(320)におけるユーザとマーチャントとの間のトランザクション、または任意のそのような例を含み得る。
【0075】
一実施形態において、マーチャントなどのユーザは、それが関連付けられたトランザクションに関係する信頼できるハッシュチェーンにのみ関心を有し得る。これを達成するために、特定の参加マーチャントがブロックチェーン内に含まれ得るいくつかのトランザクションブロックにまたがるハッシュチェーンが作成され得る。一実施形態において、個人化されたブロックチェーン台帳は、特定のユーザまたはユーザのグループまたはマーチャントまたはマーチャントのグループまたはユーザおよびマーチャントのグループに対して作成されることが可能である。
【0076】
図6Dは、本開示の一実施形態による、特定の参加マーチャントに対応する資金移動ブロックにまたがる個人化されたハッシュチェーンの例示的なブロック図表現を例示している。
図6Dに示されているように、トランザクションにまたがって作成されたブロックハッシュは、特定の参加マーチャントを指示し得る。ハッシュチェーンは、マーチャントに特有の資金移動に関する現在のブロックデータ674、680、および686にそれぞれ対応し得る676、682、および688として表され得る現在のブロックハッシュを含み、また以前のブロックハッシュ672、678、684をそれぞれ含み得る。一実施形態において、グローバルブロックチェーン台帳では、データは、暗号化方式で記憶されてもよいが、個人化された台帳は、暗号化されていない状態で記憶されたデータを有し得る。代替的に、個人化された台帳内のデータは、暗号化鍵が特定のユーザもしくはマーチャントまたはユーザおよび/もしくはマーチャントのグループに関連付けられ得る暗号化方式で記憶され得る。そのような個人化された台帳は、望ましい場合にTSDCBプラットフォームによってグローバルブロックチェーン台帳から動的に作成され、グローバルブロックチェーン台帳から、またはユーザおよび/もしくはマーチャントのより大きなグループに対して作成されるブロックチェーン台帳から導出され、共有されるそのような情報を必要とする参加者(ユーザおよび/またはマーチャント)のサブセットにまたがって分散され得る。個人化されたハッシュチェーンは、ユーザの信頼を高め、またTSDCBシステム(320)と、特定のマーチャントとの間で個人化された分散型共有台帳を作成するために個人化されたハッシュチェーンをマーチャントと共有することを円滑にし得る。そのような個人化された分散型台帳は、共通のTSDCB台帳に記録されるユーザおよびマーチャントにまたがるすべての情報の不要な共有に関係するプライバシーに対する懸念に対処するのにも役立ち得る。また、望ましい場合にTSDCBシステム(320)内の特定の参加者および/またはマーチャントに対して来歴および信頼をより良く管理するのに役立つ。様々な他の例示的な実施形態が可能であり得る。一実施形態において、TSDCBシステム(320)は、代替的世界通貨ブロックチェーンネットワークにおける参加者ノードとしての参加または統合を円滑にし得る。
【0077】
図6Eは、本開示の一実施形態による、TSDCBシステムとグローバル通貨ブロックチェーンネットワークとのインタラクティブなやり取りの例示的な流れ図表現を例示している。TSDCBシステム(320)は、世界通貨ブロックチェーンネットワーク(694)に関連付けられている世界通貨アンカーノード(692)とインタラクティブにやり取りするためのサポートを提供することができる。TSDCBシステム(320)は、世界通貨ブロックチェーンネットワーク(694)とのインタラクションのサポートを使用可能にし得る世界通貨アンカーマイクロサービス(690)を使用してアクセスされる世界通貨の残高を維持するためにTSDCBユーザデバイス(326)とインタラクティブにやり取りし得る。一実施形態において、TSDCBユーザは、次いで、望ましい場合に世界通貨の変動を受ける選択された世界通貨での残高を維持することを選択することができる。TSDCBユーザは、
図6Eの提案されたメカニズムを、規制当局による監視のために利用可能であり得る、不換通貨または仮想通貨におけるインフレに対するヘッジのために「安定した」世界通貨を使用して金融残高を維持するための投資手段として使用し得る。代替的に、そのような通貨換算は、TSDCBユーザが、特定の不換または仮想通貨が使用可能でない地理的境界を越えて旅行し、したがって海外旅行中に換算が必要なときにのみ有効化され得る。一実施形態において、未使用の資金の金額は、旅行が終了したときに、いかなる規制当局による監視も必要とすることなく、ユーザのTSDCBアカウントに換算して戻すことができる。したがって、本発明のTSDCBシステム(320)は、相互運用性を可能にし、世界デジタル通貨資金移動に対して異なる国の地理的アンカーとして機能し得る。様々な他の例示的な実施形態が可能であり得る。一実施形態において、TSDCBシステム(320)は、仮想世界におけるエンティティ間の資金移動を可能にし得る。
【0078】
図6Fは、本開示の実施形態による、様々な仮想デジタル世界(696)および仮想世界内のエンティティ間の資金移動の例示的なブロック図表現を例示している。TSDCBシステム(320)が有効化された後、TSDCBユーザは、限定はしないが、仮想小売(696-1)、または仮想旅行(696-1)、仮想娯楽(696-3)、仮想公益事業(696-4)および他の仮想サービス提供エンティティ(696-N)などを含む異なるエンティティと資金移動のためにインタラクティブにやり取りするか、または通信することを可能にされ得る。参加エンティティは、たとえば、TSDCBシステム(320)におけるサプライチェーンの物品の流れに関してそれらの資金移動も管理し得る。
【0079】
図6Gは、本開示の実施形態による、TSDCBプラットフォーム(606)上の現実世界のエンティティと仮想世界のエンティティとの間のインタラクティブなやり取りの例示的なブロック図表現を例示している。一実施形態において、TSDCBシステム(320)は、現実世界および仮想世界におけるエンティティ間の資金移動を可能にし得る。
図6Gに例示されているように、TSDCBシステム(320)は、ユーザ、マーチャント、銀行などの金融機関、および他のそのようなエンティティなどの様々な当事者/当局に関係する複数のノードに関連付けられ得るトレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)プラットフォーム(606)を含み得る。TSDCBプラットフォーム(606)は、現実世界および仮想世界の組合せにおけるトランザクションの性質およびユースケースに応じて複数のノードのうちの1つまたは複数とインタラクティブにやり取りし得る。TSDCBプラットフォーム(606)は、限定はしないが、TSDCBプラットフォームマネージャ(322)に関するTSDCBノード0(697-3)、TSDCB認証局(118)に関するTSDCBノード1(607-4)、現実世界のユーザ(102)に関するTSDCBノード2(697-5)、現実世界の銀行(614)に関連付けられているTSDCBノード4(697-6)、仮想世界の銀行(697-1)に関連付けられているTSDCBノード5(697-7)、および仮想世界のユーザ(697-2)に関連付けられているTSDCBノード6(697-8)を含む少なくとも1つのノードとインタラクティブにやり取りし得る。様々な他のノードまたはエンティティ/当事者/当局が含まれてもよい。一実施形態において、必要なときに、
図6Gに示されているように、現実世界および仮想世界のエンティティ(現実世界および仮想世界のユーザアイデンティティ、現実世界および仮想世界の銀行など)がTSDCBプラットフォーム(606)上で互いにインタラクティブにやり取りしている場合に必要に応じて伝統的な不換USD(米ドル)または伝統的な不換INR(インドルピー)または代替的通貨による資金移動を可能にするようにTSDCBシステムの換算が行われ得る。そのような参加エンティティ間のトランザクションは、これらの参加エンティティに関連付けられている共有ブロックチェーン/DLT台帳上に記録され得る。様々な他の例示的な実施形態が可能であり得る。一実施形態において、TSDCBシステムは、デジタル通貨による資金移動を可能にし得る、そのような仮想デジタル世界におけるそれらの対応するアバターを使用して参加し仮想デジタルワードでユーザがインタラクティブにやり取りすることを可能にするように仮想現実環境内のエンティティ間の資金移動を可能にし得る。
【0080】
図6Hは、本開示の実施形態による、TSDCBプラットフォーム(606)上の仮想世界のエンティティの間のインタラクティブなやり取りの例示的なブロック図表現を例示している。仮想ユーザ、仮想銀行、および仮想マーチャントなどの参加エンティティ間のトランザクションは、これらの参加エンティティに関連付けられている共有ブロックチェーン/DLT台帳上に記録され得る。
図6Hに例示されているように、TSDCBシステム(320)は、ユーザ、マーチャント、銀行などの金融機関、および他のそのようなエンティティなどの様々な当事者/当局に関係する複数のノードに関連付けられ得るトレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)プラットフォーム(606)を含み得る。TSDCBプラットフォーム(606)は、仮想現実環境におけるトランザクションの性質およびユースケースに応じて複数のノードのうちの1つまたは複数とインタラクティブにやり取りすることができ、ユーザのアバターは、TSDCBシステム(320)を使用して資金移動を実行し得る。TSDCBプラットフォーム(606)は、限定はしないが、仮想デジタル世界仮想ユーザ(698-1)に関するTSDCBノード6(698-5)、仮想デジタル世界銀行(698-2)に関するTSDCBノード5(698-6)、仮想デジタル世界マーチャント(698-3)に関するTSDCBノード7(698-7)、ならびに現実および仮想デジタル世界認証局(698-4)と関連付けられているTSDCBノード0(698-8)を含む少なくとも一つのノードとインタラクティブにやり取りし得る。様々な他のノードまたはエンティティ/当事者/当局が含まれてもよい。
【0081】
一実施形態において、TSDCBシステム(320)上で実現可能にされ得る追加の特徴は、システム内のすべての発行済み通貨の完全な追跡可能性を有するデジタル金融エコシステムを使用可能にすることである。たとえば、通貨管理閾値未満の少額(INR1000など)を伴う場合、上で説明されているようなアカウントベースのモデルを単に利用するだけで、個人または取引エンティティ間の資金移動を管理し、金融トランザクション処理を単純に保つことも可能である。しかしながら、大きな金額(たとえば1000ルピー以上など)については、各発行済みの大きなデジタル通貨「紙」/「紙幣」に関連付けられている追跡番号を有することができる。システムは、INR1000、INR2000、INR5000、INR1000、INR2000、INR50000、INR100000、INR200000、INR500000などの発行された法定紙幣の異なる額面金額を有することができる。本開示は、言及されている実施形態および/または例によって限定されることはなく、いくつかの異なる実施形態は、本開示のシステムおよび方法の実装形態によって実現され得ることは理解され得る。一実施形態において、大きな通貨金額が交換され得るときに、資金移動は、個人またはエンティティ間の大きな通貨額面金額について追跡され得る。この場合、デジタル法定紙幣の現在のセットの所有者に関連付けられている秘密鍵は、資金移動が完了したときに、これらのデジタル法定紙幣の新しい所有者の公開鍵に紙幣を再割り当てするために使用され得る。一実施形態において、通貨管理閾値を下回る可能性のある資金移動における任意の残額(たとえば、1000ルピー未満の残額についてなど)は、実際の法定「紙幣」が追跡されず、金額のみが追跡される伝統的なアカウントベースモデルを使用して管理されるだけであり得る。本開示の実施形態は、また、より大きな額面金額に対する追跡可能な通貨と結合された少額に対するアカウントベースモデルのハイブリッドアプローチが利用され、それによって資金移動のより良い透明性、信頼、および説明責任をもたらすので、金融規制当局にとって有益であり得る。
【0082】
図6Iは、本開示の実施形態による、個人秘密鍵ウォレットおよびセキュア処理サービスの例示的なブロック図表現を例示している。秘密鍵の安全な保管および安全な処理は、TSDCBプラットフォーム(606)上の信頼できる実行環境(TEE)(699-1)(Intel(登録商標)SGXエンクレーブまたはARM(登録商標)Trustzoneまたは類似の安全な環境内など)で実行可能であり、それによりTSDCBシステム(320)においてさらなる処理のために署名付き資金移動を可能にする。公開鍵/秘密鍵ペアは、TEE(699-1)内で生成され、TEE(699-1)内に安全に保管され得る。一実施形態において、暗号通貨ベースのシステムにおいて、ユーザの秘密鍵は、ユーザデバイス(104)上に残り、それは決して公開されないが、特定のユーザデバイスがその公開鍵/秘密鍵ペアを生成できないか、またはそのような秘密鍵をそのデバイス上に安全に保管することすらできない場合に備えて、TSDCBシステム(320)は、秘密鍵を(鍵ペアの関連公開鍵とともに)TSDCBプラットフォーム(606)それ自体に保管するオプションを提供することができる。代替的に、ユーザが秘密鍵を失うことを望み得ない場合、そのような秘密鍵ウォレットサービスは、悲惨な状況下でのみ使用されるのが有用であり得る。その場合、ユーザデバイスは、TSDCBプラットフォーム(606)を利用して、プラットフォームに提出するために秘密鍵で署名することによって最終的な資金移動を作成し、秘密鍵ベースの処理はTSDCBデータベース上で安全に管理される。安全な秘密鍵ウォレット(699-2)ベースのサービスを提供することによって、TSDCBプラットフォーム(606)は、鍵がTSDCBに安全に記憶されることを確実にする。許可されたユーザのみが、そのような秘密鍵ウォレットへのアクセス権を有し得る。一実施形態において、ユーザは、必要な場合にのみ(たとえば、ユーザデバイスが紛失したとき)そのような秘密鍵ウォレットにアクセスする必要性を最小にするために、ログイン/パスワード、OTP、および場合によっては必要ならば手動検証も含む多要素認証で自分自身を認証することが要求され得る。他の場合において、ユーザデバイスが限られた処理能力または安全な記憶能力を有する場合、そのような能力は非常に関連性のあるものであり得る。
【0083】
図7は、本開示の一実施形態による、分散型台帳を通じての安全で追跡可能な資金移動操作のための方法(700)を示す例示的な方法フローチャートを例示している。
【0084】
図7に例示されているように、方法(700)は、分散型台帳を通じて安全で追跡可能な資金移動操作の方法を例示する1つまたは複数のブロックを含む。方法(700)は、コンピュータ実行可能命令の一般的文脈において説明され得る。一般的に、コンピュータ実行可能命令は、機能を実行する、または抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造体、プロシージャ、モジュール、および関数を含むことができる。
【0085】
方法(700)が説明される順序は、制限として解釈されることを意図されず、任意の数の説明された方法ブロックが任意の順序で組み合わされ、方法(700)を実装することができる。それに加えて、個別のブロックは、本明細書において説明されている主題の範囲から逸脱することなく方法から削除され得る。さらに、方法(700)は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組合せで実装することができる。
【0086】
ブロック(702)で、方法(700)は、システム(110)に関連付けられているプロセッサ(202)によって、ユーザデバイス(104)に関連付けられている送金人および受取人の少なくとも一方から、受取人に関連付けられている第1のユーザ公開鍵および送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵の少なくとも一方を決定するキーワードベースのクエリを受信することを含み得る。送金人および受取人の少なくとも一方は、トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)アカウントに関連付けられる。
【0087】
ブロック(704)で、方法(700は)、プロセッサ(202)によって、送金人に関連付けられているユーザデバイス(104)に対してトリガーして、TSDCBアカウントの受取人に関連付けられている決定された第1のユーザ公開鍵に対して移動されるべき金額をサインオフすることを含み得る。サインオフは、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントに対応する秘密鍵を使用して送金人によって実行される。
【0088】
ブロック(706)で、方法(706)は、プロセッサ(202)によって、送金人に関連付けられているユーザデバイス(104)から受信されたサインオフ済み金額を、ブロックチェーンネットワーク(112)に伝送することを含み得る。サインオフ済み金額は、トランザクションにデジタル署名が添付された関連付けられているTSDCBアカウントへの資金移動要求を介して受信される。
【0089】
ブロック(708)で、方法(700)は、プロセッサ(202)によって、ブロックチェーンネットワーク(112)から、送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵のデジタル署名の正当性を確認することに基づき移動要求の正当性確認を受信することを含み得る。
【0090】
ブロック(710)で、方法(700)は、プロセッサ(202)によって、サインオフ済み金額を受取人に移動するために、チェック&デビットスマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントの残高をチェックして引き落とすことを含み得る。
【0091】
ブロック(712)で、方法(700)は、プロセッサ(202)によって、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントおよび受取人に関連付けられているTSDCBアカウントが異なる通貨またはデジタルTSDCBコインまたはデジタルTSDCBトークンを含んでいるかどうかを決定することを含み得る。
【0092】
ブロック(714)で、方法(700)は、プロセッサ(202)によって、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントおよび受取人に関連付けられているTSDCBアカウントが異なる通貨またはデジタルTSDCBコインまたはデジタルTSDCBトークンを含むときに、サインオフ済み金額を移動する前に、通貨換算のための換算スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出すことを含み得る。
【0093】
ブロック(716)で、方法(700)は、プロセッサ(202)によって、送金人に関連付けられているTSDCBアカウントの引き落としが完了した後、移動スマートコントラクトマイクロサービスを呼び出して、受取人に関連付けられているTSDCBアカウントに引き落とし額を入れることを含み得る。
【0094】
ブロック(718)で、方法(700)は、プロセッサ(202)によって、受取人へのサインオフ済み金額の移動が完了した後、送金人および受取人に対する1つまたは複数のTSDCBアカウントアイデンティティ(TA-ID)を識別することを含み得る。
【0095】
ブロック(720)で、方法(700)は、プロセッサ(202)によって、ブロックチェーンネットワーク(112)に関連付けられている台帳にトランザクションを記録することを含み得る。この記録は、受取人に関連付けられている第1のユーザ公開鍵と、送金人に関連付けられている第2のユーザ公開鍵と、送金人から受取人へのサインオフ済み金額とを含む。
【0096】
図8は、本開示の実施形態による、本発明の実施形態が利用され得る例示的なコンピュータシステム(800)、または本発明の実施形態を利用するために使用される例示的なコンピュータシステム(800)を例示している。
【0097】
図8に示されているように、コンピュータシステム(800)は、外部記憶デバイス(810)、バス(820)、メインメモリ(830)、リードオンリーメモリ(840)、大容量記憶デバイス(850)、通信ポート(860)、およびプロセッサ(870)を備えることができる。当業者であれば、コンピュータシステムが複数のプロセッサおよび通信ポートを備え得ることを理解するであろう。プロセッサ(870)の例は、限定はしないが、Intel(登録商標)Itanium(登録商標)もしくはItanium 2プロセッサ、またはAMD(登録商標)Opteron(登録商標)もしくはAthlon MP(登録商標)プロセッサ、Motorola(登録商標)の一連プロセッサ、FortiSOC(商標)システムオンチッププロセッサまたは他の将来のプロセッサを含む。プロセッサ(870)は、本発明の実施形態に関連付けられている様々なモジュールを含み得る。通信ポート(860)は、モデムベースダイアルアップ接続で使用するためのRS-232ポート、10/100イーサネットポート、銅もしくはファイバを使用するギガビット、または10ギガビットポート、シリアルポート、パラレルポート、または他の既存もしくは将来のポートのいずれかにすることができる。通信ポート(860)は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはコンピュータシステムが接続する任意のネットワークなどのネットワークに応じて選択され得る。メモリ(830)は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または当技術分野で一般的に知られている他の任意の動的記憶デバイスとすることができる。リードオンリーメモリ(840)は、任意の静的記憶デバイス、たとえば、限定はしないが、静的情報、たとえばプロセッサ(870)の起動もしくはBIOS命令を記憶するためのプログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)チップであってよい。大容量記憶デバイス(850)は、情報および/または命令を記憶するために使用することができる、任意の現在のまたは将来の大容量記憶ソリューションであってよい。例示的な大容量記憶ソリューションは、限定はしないが、Parallel Advanced Technology Attachment(PATA)もしくはSerial Advanced Technology Attachment(SATA)ハードディスクドライブもしくはソリッドステートドライブ(内部または外部、たとえば、ユニバーサルシリアルバス(USB)および/またはFirewireインターフェースを有する)、たとえば、Seagate社から入手可能なもの(たとえば、Seagate Barracuda 782ファミリ)またはHitachi社から入手可能なもの(たとえば、Hitachi Deskstar 13K800)、1つもしくは複数の光ディスク、Dot Hill Systems Corp.、LaCie、Nexsan Technologies, Inc. およびEnhance Technology, Inc.を含む様々なベンダーから入手可能なRedundant Array of Independent Disks(RAID)記憶装置、たとえば、ディスクのアレイ(たとえば、SATAアレイ)を含む。
【0098】
バス820)は、プロセッサを他のメモリ、記憶装置、および通信ブロックと通信可能に結合するものである。バス(820)は、これはプロセッサ(870)をソフトウェアシステムに接続する、たとえば、拡張カード、ドライブ、および他のサブシステムさらにはフロントサイドバス(FSB)などの他のバスを接続するための、Peripheral Component Interconnect(PCI)/PCI Extended (PCI-X)バス、Small Computer System Interface(SCSI)、USB、または同様のものであってよい。
【0099】
任意選択で、操作者および管理インターフェース、たとえば、ディスプレイ、キーボード、およびカーソル制御デバイスも、コンピュータシステムとの操作者による直接的なインタラクティブなやり取りをサポートするためにバス(820)に結合され得る。他の操作者および管理者インターフェースは、通信ポート(860)を通じて接続されるネットワーク接続を通じて提供され得る。外部記憶デバイス(810)は、外部ハードドライブ、フロッピードライブ、IOMEGA(登録商標)Zip Drives、コンパクトディスク-リードオンリーメモリ(CD-ROM)、コンパクトディスク-書き換え可能(CD-RW)、デジタルビデオディスク-リードオンリーメモリ(DVD-ROM)のいずれの種類であってもよい。上で説明されているコンポーネントは、様々な可能性を例示することのみを意図されている。決して、前述の例示的なコンピュータシステムが、本開示の範囲を限定すべきではない。
【0100】
本開示の様々な実施形態は、分散型台帳を通して安全で追跡可能な資金移動操作を行うためのシステムおよび方法を提供する。本明細書の実施形態は、様々な種類の通貨間の交換を可能にし、グローバルな運用のためのスケーラビリティを円滑にする。また、本明細書の実施形態は、監査機関または監視機関が資金移動操作を追跡して不正な操作を防止することができるように資金移動の透明性を高める。本明細書の実施形態は、デジタル通貨、仮想通貨、世界通貨、仮想トークン、またはデジタルトークン、および他のそのような通貨などの様々な通貨をサポートする柔軟性を提供する。本明細書の実施形態は、資金移動のための一次および二次デバイスをサポートする。本明細書の実施形態は、スマートコントラクトマイクロサービスチェーン、および大規模分散型台帳ネットワークの必要性を回避し、良好なスケーラビリティを可能にする最適化されたスマートコントラクトマイクロサービスチェーンを作成することを可能にし、マイクロサービスアンカーは、外部通貨とインタラクティブにやり取りするために提供され得る。本明細書の実施形態は、マーチャントなどの特定のエンティティに対する個人化されたブロックチェーン台帳サポートを確実にする。本明細書の実施形態は、規制当局、監査当局、税務当局、および他のそのような当事者に対する監視および個人化されたブロックチェーン台帳サポートを可能にする。本明細書の実施形態は、現実世界のエンティティの間、現実世界のエンティティおよび仮想世界のエンティティの間、ならびに仮想世界のエンティティの間の資金移動を可能にする。本明細書の実施形態は、デジタル形式の追跡可能な大きな法定紙幣を有するハイブリッド通貨システムを可能にする。本明細書の実施形態は、個人的秘密鍵ウォレットおよびセキュア処理サービスをサポートする。本明細書の実施形態は、トランザクションを追跡するためのサポートの欠如に起因して現在使用され得ないデジタル通貨の採用も可能にする。
【0101】
本明細書では好ましい実施形態にかなりの重点が置かれているが、多くの実施形態が作られ、本発明の原理から逸脱することなく好ましい実施形態に多くの変更が加えられ得ることは理解されるであろう。本発明の好ましい実施形態におけるこれらの、および他の変更は、本明細書の開示から当業者に明らかになるであろうが、それによって、前述の説明事項は、本発明の単なる例示として実装され、制限として実装されないことは明確に理解されるであろう。
【符号の説明】
【0102】
100 ネットワークアーキテクチャ
102 ユーザ
102-1、102-2、...、102-N ユーザ
104 ユーザデバイス
104-1、104-2、...、104-N ユーザデバイス
106 通信ネットワーク
108 コンピューティングデバイス
110 システム
112 ブロックチェーンネットワーク
114 エンティティ
116 トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)識別サーバ
118 トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)認証局(TSDCB-CA)
202 プロセッサ
204 メモリ
206 インターフェース
208 処理ユニット/エンジン
210 データベース
212 受信モジュール
214 トリガーモジュール
216 伝送モジュール
218 呼び出しモジュール
220 決定モジュール
222 識別モジュール
224 記録モジュール
226 他のモジュール
302 伝統的通貨アカウント(TC)
302-1、302-2、...、302-K 伝統的通貨アカウント(TC)
304 デジタル通貨アカウント(DC)
304-1、304-2、...、304-L デジタル通貨アカウント(DC)
306 デジタルトークンアカウント(DT)
306-1、306-2、...、306-M デジタルトークンアカウント(DT)
308 仮想通貨アカウント(VC)
308-1、308-2、...、308-N 仮想通貨アカウント(VC)
310 仮想トークンアカウント(VT)
310-1、310-2、...、310-O 仮想トークンアカウント(VT)
312 世界通貨アカウント(GC)
312-1、312-2、...、310-P 世界通貨アカウント(GC)
320 トレーサブルセキュアデジタル通貨ブロックチェーン(TSDCB)システム
322 TSDCBプラットフォームマネージャ
324 検証済み証明書
326 TSDCB一次ユーザデバイス
328 追加のTSDCB二次ユーザデバイス
402 TSDCB識別サーバ
406 TSDCB-PM
602 監視エージェント
604 TSDCBノード0(プラットフォームマネージャ)
606 TSDCBプラットフォーム
607-4 TSDCBノード1
612 規制当局
614 銀行
616 マーチャントPOSデバイス
618 TSDCBノード0
620 TSDCBノード1
622 TSDCBノード2
624 TSDCBノード3
626 TSDCBノード4
628 TSDCBノード5
632、638、644、650、656および662 ブロックハッシュ
634、640、646、652、658および664 ブロックデータ
636、642、648、654、660および666 ブロックハッシュ
658 チェック&デビット操作
672、678、684 ブロックハッシュ
674、680、および686 ブロックデータ
676、682、および688 ブロックハッシュ
690 世界通貨アンカーマイクロサービス
692 世界通貨アンカーノード
694 世界通貨ブロックチェーンネットワーク
696-1 仮想小売
696-2 仮想旅行
696-3 仮想娯楽
696-4 仮想公益事業
696-N 他の仮想サービス提供エンティティ
697-1 仮想世界の銀行
697-2 仮想世界のユーザ
697-3 TSDCBノード0
697-5 TSDCBノード2
697-6 TSDCBノード4
697-7 TSDCBノード5
697-8 TSDCBノード6
698-1 仮想デジタル世界仮想ユーザ
698-2 仮想デジタル世界銀行
698-3 仮想デジタル世界マーチャント
698-4 現実および仮想デジタル世界認証局
698-5 TSDCBノード6
698-6 TSDCBノード5
698-7 TSDCBノード7
698-8 TSDCBノード0
699-1 信頼できる実行環境(TEE)
699-2 安全な秘密鍵ウォレット
700 方法
800 コンピュータシステム
810 外部記憶デバイス
820 バス
830 メインメモリ
840 リードオンリーメモリ
850 大容量記憶デバイス
860 通信ポート
870 プロセッサ
【国際調査報告】