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特表2024-513630シンチレーションを小さくし、かつ、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくするための運動誘導ぼかし
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  • 特表-シンチレーションを小さくし、かつ、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくするための運動誘導ぼかし 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】シンチレーションを小さくし、かつ、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくするための運動誘導ぼかし
(51)【国際特許分類】
   G06T 5/70 20240101AFI20240319BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240319BHJP
   G09G 5/34 20060101ALI20240319BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20240319BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20240319BHJP
   G06T 5/20 20060101ALI20240319BHJP
   G06T 7/254 20170101ALI20240319BHJP
   G06T 7/90 20170101ALI20240319BHJP
【FI】
G06T5/70
G09G5/00 510A
G09G5/00 530H
G09G5/34 C
G09G5/36 400
G09G5/37 200
G09G5/37 600
G06T5/20
G06T7/254 A
G06T7/90 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543403
(86)(22)【出願日】2021-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 US2021021353
(87)【国際公開番号】W WO2022191817
(87)【国際公開日】2022-09-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス,ジョナサン・ブレア
【テーマコード(参考)】
5B057
5C182
5L096
【Fターム(参考)】
5B057AA20
5B057BA02
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CC03
5B057CE04
5B057CE06
5B057DA07
5B057DA16
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB09
5B057DC02
5B057DC25
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB08
5C182AC14
5C182AC37
5C182AC43
5C182BA06
5C182BA25
5C182BA29
5C182BA45
5C182BA47
5C182BA57
5C182BA65
5C182CB04
5C182CB42
5C182CB45
5C182CC13
5C182DA52
5C182DA54
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA08
5L096CA04
5L096DA01
5L096DA02
5L096EA02
5L096FA15
5L096FA69
5L096FA70
5L096GA55
5L096HA03
(57)【要約】
本願明細書は、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくするための運動誘導ぼかしのための技術およびデバイスを記述している。センサ(例えばカメラ、マイクロホン、生体認証センサ、周辺光センサ、レーダセンサ等)を少なくとも部分的にディスプレイの領域の下面に置くことができる。しかしながらセンサをディスプレイの領域の下面に置くためには、しばしばピクセル密度を低くする(例えば解像度を相対的に低くする)必要があり、それは、コンテントがディスプレイ上を移動する際に、そのコンテントのシンチレーションの原因になり得る。本明細書において説明される技術は、低解像度の領域内を移動しているコンテントをぼかすことにより、この低いピクセル密度によるいくつかの望ましくない影響に対処する。さらに、この技術は、移動しているコンテントのスピードに基づいてぼかしの量を調整することができる。したがって、ディスプレイが異なる解像度の領域を含んでいる場合、本明細書において説明される技術は、移動しているコンテントをぼかして、解像度が異なるこれらの領域を分離している境界の出現を少なくすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動誘導ぼかしのための方法であって、
コンピューティングデバイスのディスプレイの第1の領域の第1の解像度を受け取るステップを含み、
前記第1の解像度は、第1のピクセル密度に対応し、
前記方法は、
前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイの第2の領域の第2の解像度を受け取るステップをさらに含み、
前記第2の解像度は、前記第1のピクセル密度より低い第2のピクセル密度に対応し、
前記方法は、
移動しているコンテントが前記ディスプレイの中を移動されようとしているスピードを決定するステップと、
前記第2の領域内における移動しているコンテントを前記スピードに基づいてぼかすステップとをさらに含み、
前記ぼかしは、前記移動しているコンテントをぼかされた移動しているコンテントに変換するように構成され、前記ぼかされた移動しているコンテントは、前記第2の領域内における前記移動しているコンテントのシンチレーションを小さくし、かつ、前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイの前記第1の領域および前記第2の領域を分離している境界の出現を、前記移動しているコンテントでの前記境界の出現に対して少なくし、
前記方法は、
前記ぼかされた移動しているコンテントを前記第2の領域内に表示するステップと、
前記移動しているコンテントを前記第1の領域内に表示するステップとをさらに含む、方法。
【請求項2】
前記ディスプレイ上における、前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
コンテントソースによって構成される、前記移動しているコンテントのソース解像度を受け取るステップをさらに含み、
前記コンテントソースは、前記移動しているコンテントを前記ディスプレイに供給し、
前記方法は、
解像度差を提供するために、前記ソース解像度および前記第1の解像度を比較するステップと、
前記解像度差に応答して、前記移動しているコンテントを前記第1の領域内に表示する前に前記第1の解像度に基づいて前記第1の領域内における前記移動しているコンテントを再サンプリングするステップとをさらに含み、
前記再サンプリングは、前記移動しているコンテントを前記ソース解像度から前記第1の解像度に変更するように構成され、
前記方法は、
第2の解像度差を提供するために、前記ソース解像度および前記第2の解像度を比較するステップと、
前記第2の解像度差に応答して、前記ぼかされた移動しているコンテントを前記第2の領域内に表示する前に前記第2の解像度に基づいて、前記第2の領域内における前記ぼかされた移動しているコンテントを再サンプリングするステップとをさらに含み、
前記再サンプリングは、前記ぼかされた移動しているコンテントを前記ソース解像度から前記第2の解像度に変更するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移動しているコンテントの前記スピードを決定する前記ステップは、
前記移動しているコンテントのソーススピードを受け取るステップを含み、
前記移動しているコンテントは、時間の経過に伴って連続的に受け取られる複数の画像を含み、
前記ソーススピードは、前記コンテントソースによって構成される、時間の経過に伴って連続的に受け取られる画像のスピードに対応し、
前記スピードを決定するステップは、
前記ソーススピードに基づいて、前記連続的に受け取られる画像同士の間の前記移動しているコンテントの変化を検出するステップをさらに含み、
前記変化は、前記移動しているコンテントの異なる場所における
前記移動しているコンテントの色の変化、
前記移動しているコンテントの位置の変化、または
前記移動しているコンテントのサイズの変化
のうちの1つまたは複数を含み、
前記スピードを決定するステップは、
前記移動しているコンテントの前記変化が前記連続的に受け取られる画像同士の間で増加すると、前記スピードの増加を検出するステップと、
前記移動しているコンテントの前記変化が前記連続的に受け取られる画像同士の間で減少すると、前記スピードの減少を検出するステップとをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記移動しているコンテントの前記スピードは、前記コンテントソースによって構成される前記ソーススピードによって設定され、
前記ソーススピードが速くなると、前記移動しているコンテントの前記スピードが速くなるとともに、前記ソーススピードが遅くなると、前記移動しているコンテントの前記スピードが遅くなり、
前記ソーススピードが速くなると、前記ぼかすステップがぼかしの量を多くし、前記ソーススピードが遅くなると、前記ぼかすステップがぼかしの量を少なくする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
前記第2の解像度を解像度閾値に対して比較するステップをさらに含み、
前記解像度閾値は、前記移動しているコンテントのシンチレーションを防止するための最低解像度を含み、かつ、前記最低解像度は最低ピクセル密度を含み、
前記方法は、
前記第2の解像度が前記解像度閾値より低いことに応答して、前記第2の領域内における前記移動しているコンテントをぼかすステップと、
前記第1の解像度を前記解像度閾値に対して比較するステップと、
前記第1の解像度が前記解像度閾値より高いことに応答して、前記移動しているコンテントを前記第1の領域内に表示するステップとをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
前記第2の解像度が前記解像度閾値より低いことを決定するステップと、
前記第2の領域内における前記移動しているコンテントの前記スピードを最低スピード閾値に対して比較するステップとをさらに含み、
前記最低スピード閾値は、前記第2の領域内の前記ディスプレイ上にシンチレーションをもたらす、前記移動しているコンテントの最低スピードに対応し、
前記方法は、
前記第2の領域内における前記移動しているコンテントの前記スピードが前記最低スピード閾値より速いことの決定に応答して、前記第2の領域内における前記移動しているコンテントをぼかすステップと、
前記ぼかされた移動しているコンテントを前記ディスプレイの前記第2の領域内に表示するステップと、
前記第2の領域内における前記移動しているコンテントの前記スピードが前記最低スピード閾値より遅いことの決定に応答して、前記移動しているコンテントを前記ディスプレイの前記第2の領域内に表示するステップとをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ディスプレイは、ピクセル層を備え、
前記ピクセル層は、
前記第1のピクセル密度、
前記第2のピクセル密度、および
前記移動しているコンテントをカラーで表示するように構成されたカラーピクセル
を含み、
カラーピクセルの密度は、前記ディスプレイの領域の解像度と相関され、
色欠陥はカラーピクセルの前記密度と関連付けられ、前記色欠陥は色歪みおよび前記移動しているコンテントのシンチレーションを含み、かつ、前記色欠陥は、前記第2の領域内の前記移動しているコンテントのシンチレーションおよび前記第1の領域および前記第2の領域を分離している前記境界の前記出現を多くし、
前記第2の解像度が前記解像度閾値より低いこと、カラーピクセルの前記密度が前記最低ピクセル密度より低いことの決定に応答して、前記第2の領域内における前記移動しているコンテントをぼかす、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記移動しているコンテントの前記スピードを決定する前記ステップは、
前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイ上で触覚入力を受け取るステップをさらに含み、
前記触覚入力は、前記ディスプレイと接触するユーザによって実施され、前記接触が、前記移動しているコンテントのサイズまたは位置を変更するために前記ディスプレイ上でなされ、
前記スピードを決定するステップは、
前記触覚入力と関連付けられた触覚スピードを検出するステップをさらに含み、
前記スピードは、前記触覚スピードである、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記移動しているコンテントをぼかす前記ステップは、前記移動しているコンテントの前記スピードが速くなると前記ぼかしの量を多くし、前記移動しているコンテントの前記スピードが遅くなると前記ぼかしの量を少なくし、
前記ぼかしの量が、
前記ぼかしの量と前記移動しているコンテントの前記スピードの間の線形相関であって、前記スピードの増加が前記ぼかしの量の線形増加に対応する線形相関、または
前記ぼかしの量と前記移動しているコンテントの前記スピードの間の非線形相関であって、前記スピードの増加が前記ぼかしの量の非線形増加に対応する非線形相関を含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ディスプレイは、前記移動しているコンテントを表示するように構成されたピクセルのアレイをさらに備え、ピクセルの前記アレイは、前記アレイのピクセル毎にピクセル強度を含み、
前記ディスプレイの前記第2の領域内における前記移動しているコンテントをぼかす前記ステップは、平滑フィルタの使用をさらに含み、前記平滑フィルタは、前記移動しているコンテントをぼかすために、ピクセル毎の前記ピクセル強度を前記第2の領域内の近傍のピクセルのピクセル強度の平均に置き換えるように構成され、
前記平滑フィルタは重みをさらに含み、前記重みは、前記移動しているコンテントの前記スピードと相関され、前記スピードが速くなると前記ぼかしの量を多くし、前記スピードが遅くなると前記ぼかしの量を少なくするように構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
前記第2の領域内における前記移動しているコンテントの前記スピードを最高スピード閾値に対して比較するステップをさらに含み、
前記最高スピード閾値は、前記コンピューティングデバイス上への表示が許容される、前記移動しているコンテントの最高スピードに対応し、
前記方法は、
前記スピードが前記最高スピード閾値より速いことの検出に応答して、前記移動しているコンテントを一定のぼかし量だけぼかすステップをさらに含み、
前記スピードが前記最高スピード閾値を超えて速くなると、前記一定のぼかし量は、静的値に構成されて前記静的値に維持される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
前記ディスプレイのリフレッシュスピードを検出するステップをさらに含み、
前記リフレッシュスピードは、最高リフレッシュスピードを含み、
前記方法は、
前記最高リフレッシュスピードに基づいて、前記移動しているコンテントの複数の画像および前記ぼかされた移動しているコンテントの複数の画像が連続的に前記ディスプレイ上に表示されるステップと、
前記最高スピード閾値を前記リフレッシュスピードに設定するステップとをさらに含み、
前記最高スピード閾値は、
前記触覚スピードが前記リフレッシュスピードより速いこと、または
前記ソーススピードが前記リフレッシュスピードより速いこと
のうちの1つまたは複数の検出に応答して、前記一定のぼかし量だけ、前記第2の領域内における前記移動しているコンテントのぼかしを可能にするようにさらに構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイの第3の領域の第3の解像度を受け取るステップをさらに含み、
前記第3の解像度は第3のピクセル密度に対応し、前記第3のピクセル密度は前記第1のピクセル密度より低く、
前記方法は、
前記移動しているコンテントの前記スピードを決定するステップと、
前記スピードに基づいて前記第3の領域内における前記移動しているコンテントをぼかすステップとをさらに含み、
前記ぼかしは、前記移動しているコンテントを第2のぼかされた移動しているコンテントに変換するように構成され、前記第2のぼかされた移動しているコンテントは、前記第3の領域内における前記移動しているコンテントのシンチレーションを小さくし、かつ、前記移動しているコンテントとの境界の出現に対して、前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイの前記第1の領域および前記第3の領域を分離している境界の出現を少なくし、
前記方法は、
前記第2のぼかされた移動しているコンテントを前記第3の領域内に表示するステップをさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイの前記第2の領域および前記第3の領域を分離している境界の出現を少なくするために、前記ぼかされた移動しているコンテントを前記第2の領域内に表示するステップと、
前記第2のぼかされた移動しているコンテントを前記第3の領域内に表示するステップとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサと、
ピクセルのアレイを備えたディスプレイとを含み、
前記ピクセルのアレイは、移動しているコンテントを前記ディスプレイ上で見ることができるように構成され、
前記プロセッサによる実行に応答して、前記ディスプレイを使用して、請求項1から14に記載されている前記方法のうちのいずれか1つの方法を実施するように前記コンピューティングデバイスを導くための命令を含むコンピュータ可読記憶媒体をさらに備えるコンピューティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
コンピューティングデバイスのディスプレイの下面にセンサを配置することは、本来であればカメラまたは赤外線センサなどのセンサのために使用されるはずの空間を解放するので、ディスプレイのサイズを大きくするための望ましい方法である。これらのアンダーディスプレイセンサの使用を可能にするために、いくつかのデバイスは、アンダーディスプレイセンサを有するディスプレイの領域により低いピクセル密度を有している。ピクセル密度は、ある領域で低くして、例えばディスプレイの下面に存在しているカメラによる光の収集を可能にすることができる。しかしながらコンテントがディスプレイ内を移動すると、ピクセル密度がより低い領域内でシンチレーションが生じることがある。これらの望ましくないシンチレーションは、しばしば、ディスプレイの領域を分離している境界で目に見え、そのためにユーザ体験が劣化する。したがってディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくし、また、ピクセル密度がより低い領域内のシンチレーションを小さくすることが望ましい。そのようにすることにより、ユーザ体験を改善することができる。
【発明の概要】
【0002】
概要
本明細書は、シンチレーションを小さくし、かつ、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくするための運動誘導ぼかしのための技術およびデバイスを記述している。センサ(例えばカメラ、マイクロホン、生体認証センサ、周辺光センサ、レーダセンサ、等)を少なくとも部分的にディスプレイの領域の下面に置くことができる。しかしながらセンサをディスプレイの領域の下面に置くためには、しばしば、その領域のピクセル密度を低くする(例えば他のディスプレイの領域に対して比較して解像度を相対的に低くする)必要があり、それは、コンテントがディスプレイ上を移動する際に、そのコンテントのシンチレーションの原因になり得る。本明細書において説明される技術は、低解像度の領域内を移動しているコンテントをぼかすことにより、このより低いピクセル密度によるいくつかの望ましくない影響に対処する。さらに、この技術は、移動しているコンテントのレートまたはスピードに基づいてぼかしの量を調整することができる。したがってディスプレイが異なる解像度の領域を含んでいる場合、本明細書において説明される技術は、移動しているコンテントをぼかしてシンチレーションを小さくし、かつ、解像度が異なるこれらの領域を分離している境界の出現を少なくすることができる。
【0003】
以下で説明される態様は、シンチレーションを小さくし、かつ、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくするための運動誘導ぼかしの方法、システム、装置および手段を含む。方法は、コンピューティングデバイスのディスプレイの第1の領域の第1の解像度を受け取るステップを含む。第1の解像度は第1のピクセル密度に対応する。コンピューティングデバイスのディスプレイの第2の領域の第2の解像度が同じく受け取られる。第2の解像度は、第1のピクセル密度より低い第2のピクセル密度に対応する。方法は、コンテントがディスプレイ上を移動されようとしているスピードを決定する。第2の領域内におけるこの移動しているコンテントは、その移動しているコンテントのスピードに基づいてぼかされ、移動しているコンテントをぼかされた移動しているコンテントに変換する。ぼかされた移動しているコンテントは、ディスプレイの第2の領域内における移動しているコンテントのシンチレーションを小さくする。コンピューティングデバイスのディスプレイの第1の領域およびの第2の領域を分離している境界の出現が、移動しているコンテントがぼかされない状態を維持する境界の出現に対して同じく低減される。次に、ぼかされた移動しているコンテントが第2の領域内に表示され、また、移動しているコンテントが第1の領域内に表示される。
【0004】
シンチレーションを小さくし、かつ、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくするための運動誘導ぼかしのための装置および技術は、以下の線図を参照して説明される。
【0005】
すべての図面を通して同じ番号を使用して、同様の特徴および構成要素が参照されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】コンピューティングデバイスのディスプレイの第2の領域内における移動しているコンテントの運動誘導ぼかしの技術の例示的な実装形態を示す図である。
図2】コンピューティングデバイスの一部としての運動誘導ぼかしの例示的な実装形態を示す図である。
図3図1からのコンピューティングデバイスのディスプレイの例示的な横断面図である。
図4】時間の経過に伴う、移動しているコンテントのシンチレーションおよび運動誘導ぼかしの例示的シーケンス流れ図である。
図5】スピードに基づく、移動しているコンテントの運動誘導ぼかしの2つの例示的な技術を示す図である。
図6-1】移動しているコンテントのサイズおよび/または位置を変更するユーザからの例示的な触覚入力を示す図である。
図6-2】触覚スピードに基づいて、移動しているコンテントに運動誘導ぼかしを適用するぼかしモジュールの2つの例を示す図である。
図7】移動しているコンテントのピクセル強度プロファイルが平滑フィルタによって修正される様子を示す例示的プロットである。
図8】ディスプレイの第1の領域、第2の領域および第3の領域を含む例示的なコンピューティングデバイスを示す図である。
図9】シンチレーションを小さくし、かつ、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくするための運動誘導ぼかしのための例示的方法を示す図である。
図10】シンチレーションを小さくし、かつ、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくする運動誘導ぼかしの技術を具体化する、または運動誘導ぼかしの技術の使用を可能にする技術を実現することができる例示的なコンピューティングシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
概要
コンピューティングデバイスのディスプレイの下面にセンサを配置することは、コンテントを見るために使用されるディスプレイのサイズを大きくするための望ましい方法になりつつある。いくつかのデバイスは、センサを含むディスプレイの領域に、これらのセンサの動作を可能にするためにより低いピクセル密度(例えばより低い解像度を有する)を使用している。ピクセル密度は、ある領域でより低くして、例えば写真またはビデオのためのカメラによる光の収集を可能にすることができる。コンテントがディスプレイ内を移動すると、低解像度(例えばより低いピクセル密度)の領域内でシンチレーションが生じる。これらのシンチレーションによって、低解像度の領域をより高い解像度の領域(例えばセンサを含んでいない領域)から分離している境界の出現が増加する。シンチレーションはユーザの気を散らすことがあり、また、境界の出現はユーザ体験を低下し得る。
【0008】
本明細書において説明されている技術とは対照的に、いくつかのデバイスは、移動しているコンテントを低解像度の領域に表示せず、ディスプレイの使用可能なサイズを制限している。他のデバイスは、移動しているコンテントをぼかすことなく、その移動しているコンテントを低解像度で表示している。これらの他のデバイスは、ピクセル化された状態での移動しているコンテントの出現を許容し、その結果、移動しているコンテントのレートまたはスピードが速くなると、より明らかなシンチレーションをもたらす。他のデバイスは、移動しているコンテントを一定のぼかし量だけぼかすことができるが、このぼかしが適切であるのは、特定のスピードに対してのみである(例えば静止しているコンテント、低速で移動しているコンテント、または高速で移動しているコンテント)。例えばモバイル電話が関連する一定のぼかし量を有する領域を含み(例えば時間の経過に伴って移動しない静止コンテントに対して構成されている)、また、ユーザがユーザ自身の電話上でアクション映画を観ることを決定すると、アクション映画内のコンテントのスピードが速くなるとシンチレーションが出現する。ユーザは、これらのシンチレーションによって気が散るようになることがあり、また、映画の重要な場面を見逃すことになり、あるいはイライラして他のデバイス上でその映画を観ることになる。その代わり、一定のぼかし量が高速(例えばアクション映画のスピードで)で移動しているコンテントに適応するが、ユーザがニュース(例えば静止コンテント)を読みたい場合、コンテントがぼかされ過ぎることがあり得る。ユーザは、ぼかされた領域内に出現するニュースの文章および見出しを読むのに苦労する場合がある。この場合、ユーザは、ピクセル化されたコンテントおよび少ない量のぼかしの恩恵を受けることになる。
【0009】
これらの課題に対処するために、本明細書は、シンチレーションを小さくし、かつ、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくする運動誘導ぼかしの方法を記述する。例えば調整可能な重みを有する平滑フィルタを使用して、これらの領域内における移動しているコンテントをぼかすことができる。この重みは、移動しているコンテントのレートまたはスピードに基づいて調整することができる。本明細書においては、移動しているコンテントのスピードを参照することができ、スピードは、移動しているコンテントの速度、加速度またはレートを含むことができる。移動しているコンテントのスピードはまた、一定の時間継続期間にわたって平均化されたスピード、または移動しているコンテントの瞬間スピードを含むことができる。運動誘導ぼかしの技術は、アクション映画を観ているユーザなどの移動しているコンテントのスピードが速くなると、ぼかしの量を増やすことができる。また、ウェブページの緩やかなスクロールなどのコンテントのスピードが遅くなると、ユーザからの触覚入力に基づいてぼかしの量を少なくすることも可能である。
【0010】
技術は、いくつかの事例では、解像度閾値より低い解像度を包含する領域内における運動誘導ぼかしの適用を控える。例えば解像度閾値が1インチ当たり300ピクセル(ppi)であり、また、ディスプレイの領域(例えばセンサを含むディスプレイの領域)が移動しているコンテントを200ppiの解像度で表示する場合、運動誘導ぼかしは、ユーザ体験を改善するために、この領域内における移動しているコンテントに適用される。しかしながら領域(例えばセンサを含んでいない領域)が移動しているコンテントを400ppiの解像度で表示する場合、運動誘導ぼかしは、その領域内における移動しているコンテントには適用されない。
【0011】
また、技術は、移動しているコンテントのスピードがスピード閾値未満(例えば運動誘導ぼかしを実施するために必要な最低スピード未満)である場合、運動誘導ぼかしの適用を控えることができる。そのようにすることにより、ユーザは、低解像度の領域内であっても、ぼかしなしに静止コンテントを見ることができる。したがって運動誘導ぼかしは、ユーザにとって最も有利である場合に、移動しているコンテントのスピードに対して適切な量で適用される。
【0012】
運動誘導ぼかしの例
図1は、コンピューティングデバイス110のディスプレイ108の第2の領域106内における移動しているコンテント104の運動誘導ぼかし102の技術の例示的な実装形態を示したものである。運動誘導ぼかし102は、シンチレーション116を小さくし、かつ、第1の領域114および第2の領域106を分離している境界112-1の出現を少なくするために、移動しているコンテント104に適用される。
【0013】
本明細書に記載されている例示的なコンピューティングデバイス110はモバイル電話であるが、他のタイプのコンピューティングデバイスも本明細書において説明されている技術を同じくサポートすることができるコンピューティングデバイス110は、例えば中央処理装置(CPU)、データ処理装置(DPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、等を含む1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。コンピューティングデバイス110はまた、プロセッサによって実行されると、運動誘導ぼかし102を移動しているコンテント104に適用するようにぼかしモジュールを導くための命令を含むコンピュータ可読媒体(CRM)を含むことができる。コンピューティングデバイス110はまた、少なくとも部分的にディスプレイ108の下面に配置された1つまたは複数のセンサを含むことができる。
【0014】
ディスプレイ108は、コンピューティングデバイス110の前面を少なくとも部分的に覆うように構成されている。例示的環境100-1では、少なくとも1つのセンサが少なくとも部分的に第2の領域106内のディスプレイ108の下面に配置されている。通常、個々の領域は、任意の数のセンサ(例えばゼロ、1個、2個、等)を包含することができ、また、コンピューティングデバイス110は1つまたは複数の領域を含むことができる。さらに、個々の領域は、そのサイズ、形状および場所が変化し得る。例えば第2の領域106のサイズは、例示的環境100-1では第1の領域114のサイズより小さいものとして描写されている。ディスプレイ108はまた、移動しているコンテント104を表示するように構成されたピクセルのアレイを含むことができる。個々の領域は、ディスプレイ108の別の領域と異なるか、または同様であるかのいずれかのピクセルのアレイと関連付けられたピクセル密度を包含することができる。
【0015】
例示的環境100-1では、第2の領域106は、移動しているコンテント104が第1の領域114と第2の領域106の間を移動すると、シンチレーション116を生成する。シンチレーション116は、第2の領域106の低解像度(例えば第1の領域114の解像度よりも低い解像度)によるものであり、その理由は、低解像度はセンサの動作を可能にするために構成されることによるものである。例えばカメラを少なくとも部分的に第2の領域106内のディスプレイ108の下面に配置して、移動しているコンテント104を見るために使用されるディスプレイ108の使用可能サイズを大きくすることができる。しかしながらカメラは、写真またはビデオを生成するために、ディスプレイ108を介して光を収集する必要があり得る。したがってピクセルによる光の遮断を防止するために、第2の領域106の低解像度が必要とされる(例えば第2の領域106内の面積当たりのピクセルが第1の領域114より少ないピクセルに対応する)。ピクセルによって光が遮断されると、カメラは、写真またはビデオ内に歪みをもたらし、ユーザをイライラさせ得ることになる。
【0016】
これらのシンチレーション116は、移動しているコンテント104の歪み、アーチファクトおよびエイリアシング効果を含み得る。本明細書において説明されているシンチレーション116は、もっぱら、ディスプレイ108上を移動しているコンテントを参照しているが、これらの歪み、アーチファクトおよびエイリアシング効果は、静止コンテントにも影響を及ぼし得る。この静止コンテントも、本明細書において説明されている技術のうちのいくつか(例えば重みを有する平滑フィルタ)を使用して同じくぼかすことができる。例えば景色の静止画像をぼかしてエイリアシング効果を小さくすることができる。次に、ユーザからの触覚入力によってその静止画像がディスプレイ108を横切って移動すると、さらに、その景色画像がディスプレイ108を横切って移動する際に、その景色画像に運動誘導ぼかし102の技術を適用することができる。
【0017】
シンチレーション116を小さくし、かつ、第1の領域114および第2の領域106を分離している境界112-1の出現を少なくするために、例示的環境100-2で描写されているように、運動誘導ぼかし102の技術が第2の領域106内で、移動しているコンテント104に対して実施される。移動しているコンテント104は、コンピューティングデバイス110上で受け取られ、または記憶される、時間の経過に伴ってディスプレイ108上を移動することになるコンテントを意味している。例えば移動しているコンテント104は、ディスプレイ108上に連続的に表示される前に、時間の経過に伴ってコンピューティングデバイス110によってコンテントソースから連続的に受け取られる複数の画像を含むことができる。これらの連続画像のコンテントは、時間の経過に伴って変化してコンテントの移動をもたらす。
【0018】
運動誘導ぼかし102の技術は、バイラテラルフィルタ、平滑化技術、ガウスぼかし、非線形フィルタ、ウェーブレット変換、統計的方法、ブロックマッチングアルゴリズム、機械学習(ML)モデル、等を利用することができ、これらの技術の各々は、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量を加減するように構成された1つまたは複数の重みを含むことができる。運動誘導ぼかし102の技術の実装形態については、図2に関連してさらに説明される。
【0019】
図2は、コンピューティングデバイス110の一部としての運動誘導ぼかし102の技術の例示的な実装形態を示したものである。コンピューティングデバイス110は、デスクトップコンピュータ202-1、タブレット202-2、ラップトップ202-3、テレビジョン202-4、コンピューティングウォッチ202-5、コンピューティンググラス202-6、ゲーミングシステム202-7、マイクロ波202-8および車両202-9を含む様々な非限定的な例示的デバイスと共に示されている。ホームサービスデバイス、スマートスピーカ、スマートサーモスタット、防犯カメラ、ベビーモニタ、Wi-Fi(登録商標)ルータ、ドローン、トラックパッド、ドローイングパッド、ネットブック、電子リーダ、ホームオートメーションおよび制御システム、ウォールディスプレイ、仮想現実感ヘッドセットおよび/または別の家電製品を含む他のデバイスを使用することも可能である。コンピューティングデバイス110は、着用可能であっても、非着用可能であるが移動式、または比較的静止型(例えばデスクトップおよび家庭用器具)であり得る。
【0020】
コンピューティングデバイス110は、1つまたは複数のプロセッサ204および1つまたは複数のコンピュータ可読媒体(CRM)206を含む。コンピュータ可読命令としてCRM206上に具体化されたアプリケーションおよび/またはオペレーティングシステム(図示せず)はプロセッサ204によって実行され、本明細書において説明されている複数の機能性のうちのいくつかを提供する。CRM206は、触覚検出モジュール212および運動検出モジュール214も含む。触覚検出モジュール212および運動検出モジュール214は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれらの組合せを使用して実装することができる。この例では、プロセッサ204は、触覚検出モジュール212および運動検出モジュール214を実装している。触覚検出モジュール212および運動検出モジュール214は、移動しているコンテント104をぼかして、シンチレーション116を小さくし、かつ、ディスプレイ108の領域を分離している境界112-1の出現を少なくするために、相まって、プロセッサ204による、例えばディスプレイ108およびタッチセンサ218からの応答(例えば入力、電気信号)の処理を可能にしている。
【0021】
ユーザは、触覚入力(例えばタッチ、スワイプ、スクロール、タップ)を使用して、ディスプレイ108上でコンテントを移動させ、または変更することができる。触覚入力を検出するために、コンピューティングデバイス110は、ユーザから入力を受け取って、移動しているコンテント104のサイズおよび/または位置を変更するタッチセンサ218を含むことができる。タッチセンサ218は、静電容量式タッチセンサ、抵抗膜式タッチセンサ、表面弾性波(SAW)技術、赤外線タッチセンサ、等を含むことができる。例えば触覚検出モジュール212は、ユーザからの触覚入力、および移動しているコンテント104のスピードに影響を及ぼす関連する触覚スピードを検出することができる。触覚検出モジュール212は、触覚スピードに基づいて運動誘導ぼかし102の技術を実行するようにプロセッサ204に信号発信することができる。代替的には、オペレーティングシステム、プロセッサ204、等によって触覚スピードを検出することも可能である。
【0022】
別の例では、触覚入力がない場合、運動検出モジュール214によって、移動しているコンテント104と関連付けられたスピードを決定することができる。運動検出モジュール214は、移動しているコンテント104の時間の経過に伴う変化、および/またはコンテントソースからのソーススピードを検出して、移動しているコンテント104のスピードを決定する。運動検出モジュール214は、スピードに基づいて運動誘導ぼかし102の技術を実行するようにプロセッサ204に信号発信する。代替的には、オペレーティングシステム、プロセッサ204、等によってスピードを検出することも可能である。
【0023】
CRM206は、さらに、触覚検出モジュール212、運動検出モジュール214、オペレーティングシステム、プロセッサ204、タッチセンサ218、等から入力を受け取るように構成されたぼかしモジュール208を含む。これらの入力は、移動しているコンテント104のスピード、触覚スピード、ソーススピード、リフレッシュスピード、最低スピード閾値、最高スピード閾値、解像度閾値、領域の解像度、等を含むことができる。ぼかしモジュール208は、これらの入力を使用して、移動しているコンテント104に運動誘導ぼかし102を適用すべきかどうか、どの程度のぼかしが必要であるかを決定し、かつ、移動しているコンテント104に運動誘導ぼかし102を適用するようにプロセッサ204に信号発信する。
【0024】
ぼかしモジュール208は、移動しているコンテント104およびぼかし制御210を含む。通常、移動しているコンテント104はぼかしモジュール208から分離することができる。ぼかし制御210は、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量を制御するように構成されている。ぼかし制御210は、移動しているコンテント104のスピードを利用して、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量を調整するために必要な重みの数値または関数を決定する。ぼかし制御210は、重みを調整して運動誘導ぼかし102の量を加減する。運動誘導ぼかし102は、移動しているコンテント104の平滑化、移動しているコンテント104の特徴(例えば詳細)と関連付けられた強度の低減、近傍のピクセル強度に基づく、移動しているコンテント104のピクセル強度の平均化、等を含むことができる。
【0025】
コンピューティングデバイス110は、少なくとも部分的にディスプレイ108の下面に配置された1つまたは複数のセンサ216を含む。センサ216は任意の領域に配置することができ、また、センサ216を包含している領域と関連付けられた解像度(例えばピクセル密度)は、センサ216の動作を可能にするためにより低いピクセル密度を有することができる。ディスプレイの下面に配置されたセンサの使用のために、ディスプレイの1つの部分が別の部分より低い解像度を有することがしばしばあるが、本明細書において説明されている技術は、解像度が変化する任意のディスプレイと共に使用することができ、使用されるべき技術のためにはアンダーディスプレイセンサは不要である。運動誘導ぼかし102の技術については、図3に関連してさらに説明される。
【0026】
図3は、図1からのコンピューティングデバイス110のディスプレイ108の例示的な横断面図を示したものである。ディスプレイ108は、ピクセル層304(例えばピクセルのアレイを含む)の上方に配置された透明層302(例えばプラスチックまたはガラスなどの透明な材料を含む)と共に描写されている。
【0027】
通常、ディスプレイ108は、アクティブ領域、1つまたは複数の有機層(例えば放出層、放射層、有機発光ダイオードのアレイ)、陰極、陽極、等を含むことができる。ディスプレイ108は、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイモジュール、発光ダイオード(LED)ディスプレイモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイモジュール、マイクロLEDディスプレイモジュール、個別に制御可能なピクセルを使用した表示技術、薄膜技術ディスプレイモジュール、等をさらに含むことができる。
【0028】
例示的環境300では、第1の領域114はセンサを含まず、第2の領域106は、少なくとも部分的にディスプレイ108の下面に配置され、また、少なくとも部分的に第2の領域106内に配置されたセンサ216を含む。センサ216は、例えばカメラ、マイクロホン、スピーカ、周辺光センサ、生体認証センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、近接センサ、全地球測位システム(GPS)、タッチスクリーンセンサ、ヘルスセンサ、バーコードまたはクイックレスポンス(QR)コードセンサ、気圧計、レーダセンサ、等を含むことができる。
【0029】
第1の領域114は第1のピクセル密度306を含み、また、第2の領域106は第2のピクセル密度308を含む。センサ216の動作を可能にするために、第2のピクセル密度308は第1のピクセル密度306よりも低い(例えば面積当たりのピクセルがより少ない)。第1のピクセル密度306は第1の解像度と関連付けられ、また、第2のピクセル密度308は第2の解像度と関連付けられ、第2の解像度は第1の解像度より低い。本明細書における考察を可能にするために、それぞれ第1の解像度および第1のピクセル密度306に対して比較すると、第2の解像度は低解像度を含み、また、第2のピクセル密度308は低ピクセル密度を含む。
【0030】
第1のピクセル密度306および第2のピクセル密度308を含むピクセル層304は、カラーピクセル(例えば赤、緑、青(RGB)ピクセル)を含む。これらのカラーピクセルにより、移動しているコンテント104をディスプレイ108上においてカラーで見ることができる。低解像度の領域は低密度のカラーピクセルを含む(例えば他のより高い解像度領域に対して、面積当たりのカラーピクセルがより少ない)。第2の領域106では、第2の解像度は、センサ216の動作を可能にするために低解像度を含む。カラーピクセルの密度が低くなると、色欠陥(例えばシンチレーション116、色歪み)がユーザに対してより明確になる。例えば第2の領域106の低解像度は、アクション映画における色欠陥の原因になり得る。ユーザは、移動している自動車、または人の顔がどのように見えるかを期待しているため、移動している自動車、あるいは人の顔に関連した色欠陥はユーザによって認識され得る。これらの色欠陥を少なくするために、ぼかしモジュール208は、第2の領域106内で運動誘導ぼかし102を適用してアクション映画をぼかし、ユーザ体験を改善する。
【0031】
コンピューティングデバイス110は、領域の解像度が解像度閾値より低くない限り、移動しているコンテント104に運動誘導ぼかし102を適用するようにプロセッサに命令することを控えることができる。解像度閾値は、移動しているコンテント104に運動誘導ぼかし102を適用するために必要な最低ピクセル密度に対応する最低解像度を含む。領域の面積当たりのピクセルが、最低解像度と対応する、面積当たりの規定された量のピクセルより少ない場合、ぼかしモジュール208は、運動誘導ぼかし102を適用するようにプロセッサに信号発信する。例えば第1の解像度は高く(例えば面積当たりのピクセルが、面積当たりの規定された量のピクセルより多い)、シンチレーション116を生じずに、移動しているコンテント104を表示することができる。この例では、第1の領域114に運動誘導ぼかし102を適用する必要はなく、移動しているコンテント104は正常に表示される。
【0032】
しかしながら第2の解像度がより低く(例えば面積当たりのピクセルが、面積当たりの規定された量のピクセルより少ない)、移動しているコンテント104のシンチレーション116の原因になっている場合、運動誘導ぼかし102が第2の領域106内で適用されることになる。ある例では、解像度閾値がインチ当たり250ピクセル(ppi)であり、また、第2の解像度が200ppiである場合、ぼかしモジュール208は、第2の領域106内で運動誘導ぼかし102を適用するようにプロセッサに信号発信する。第1の解像度が300ppiである場合、ぼかしモジュール208は、第1の領域114内で運動誘導ぼかし102を適用することを控える。
【0033】
移動しているコンテント104がコンピューティングデバイス110上に表示される前に、移動しているコンテント104を再サンプリングして、第1の解像度および第2の解像度に一致させる必要がある場合がある。移動しているコンテント104は、コンテントソース(例えばウェブページ、レシーバ、記憶されているコンテント、アプリケーション、等)によって、そのコンテントソースによって設定された解像度(例えばソース解像度)でコンピューティングデバイス110に供給することができる。ぼかしモジュール208はソース解像度を受け取り、それを第1の解像度および第2の解像度に対して比較する。
【0034】
第1の解像度がソース解像度とは異なっている場合、第1の領域114内の第1の解像度に一致させるために、移動しているコンテント104が再サンプリングされる。例えばソース解像度が400ppiであり、第1の解像度が300ppiである場合、400ppiから300ppiまで、移動しているコンテント104が再サンプリングされる。再サンプリングは、第1の解像度に一致させるためにソース解像度をどのように変更するかの数学的計算または仮定を含むことができる。同様に、第2の解像度がソース解像度とは異なっている場合、第2の領域106内の第2の解像度に一致させるために、移動しているコンテント104が再サンプリングされる。移動しているコンテント104は、移動しているコンテント104に運動誘導ぼかし102が適用される前、または適用された後のいずれかで再サンプリングすることができる。
【0035】
図4は、時間402の経過に伴う、移動しているコンテント104のシンチレーション116および運動誘導ぼかし102の例示的シーケンス流れ図を示したものである。移動しているコンテント104は、左側から右側への時間402の経過に伴って、第1の領域114から第2の領域106へ境界112-1を越えて移動している。例示的環境400-1、400-2および400-3では、移動しているコンテント104はピクセル化された状態で出現し、移動しているコンテント104のスピード、および解像度閾値より低い第2の解像度のため、第2の領域106内におけるシンチレーション116の原因になっている。第2の領域106内におけるこれらのシンチレーション116を小さくするために、ぼかしモジュール208は、例示的環境400-4、400-5および400-6に描写されているように、表示に先立って、移動しているコンテント104に運動誘導ぼかし102を適用するようにプロセッサに信号発信する(例えば個々の連続する画像を時間402の経過に伴って表示するために)。この例では、第1の解像度は解像度閾値より高いため、ぼかしモジュール208は、第1の領域114内における移動しているコンテント104に運動誘導ぼかし102を適用するようにプロセッサに信号発信するのを控えている。
【0036】
運動誘導ぼかし102を適用するために、ぼかしモジュール208は、最初に、移動しているコンテント104のスピードを検出する。スピードは、後でコンピューティングデバイス110のディスプレイ108上に表示される際にコンテントが変化または移動することになるスピードを意味している。例えば図4におけるスピードは、時間402の経過(例えば400-1、400-2および400-3)に伴う、移動しているコンテント104の変化する位置と相関している。移動しているコンテント104は、コンテントに固有のスピードのため、ディスプレイ108上を上に向かって移動している。
【0037】
ぼかしモジュール208は、移動しているコンテント104のスピードが最低スピード閾値(例えば運動誘導ぼかし102を適用するために必要な最低スピード)を超えない限り、運動誘導ぼかし102を適用するようにプロセッサに発信するのを控えることができる。さらに、最低スピード閾値は、シンチレーション116がユーザに対して明確になるのに必要な、移動しているコンテント104の最低スピードに対応している。例えばシンチレーション116は、移動しているコンテント104が静止している場合、明確ではない。本明細書においては最低スピード閾値を参照することができ、この最低スピード閾値はまた、運動誘導ぼかし102を適用するために必要な最小レート(例えば時間の経過に伴って測定された変化)、最低速度および最低加速度も含むことができる。最低スピード閾値はまた、移動しているコンテントの瞬間スピード、速度、加速度およびレート、ならびに、一定の時間継続期間にわたって平均化されるスピード、速度、加速度およびレートも含むことができる。しかしながらシンチレーション116は、移動しているコンテント104のスピードが速くなる(例えばアクション映画の場合)と明確になる。
【0038】
別の例では、最低スピード閾値は10ヘルツ(Hz)のレートに基づき、また、移動しているコンテント104は、第2の領域106内で、9Hzのスピードで変化する。ぼかしモジュール208は、9Hzのこのスピードの入力を受け取り、それを10Hzの最低スピード閾値に対して比較する。このスピードは最低スピード閾値より遅いため、ぼかしモジュール208は、移動しているコンテント104をぼかすようにプロセッサに信号発信するのを控え、その代わりに、移動しているコンテント104を正常に表示する(例えば運動誘導ぼかし102を適用することなく)ようにプロセッサに信号発信する。最低スピード閾値は、低速で移動しているコンテント(例えば最低スピード閾値未満のスピードで移動しているコンテント)および静止しているコンテントがぼかされるのを防止する。これらの状況では、ユーザは、ぼかされたコンテントよりもピクセル化されたコンテントを好み得る。そうではなく、移動しているコンテント104のスピードが11Hzである場合、ぼかしモジュール208は、11Hzのこのスピードの入力を受け取り、それを10Hzの最低スピード閾値に対して比較する。11Hzのこのスピードは最低スピード閾値より速いため、第2の領域106内における移動しているコンテント104に運動誘導ぼかし102が適用される。移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量は、図5でさらに説明されるように、スピードに基づいて、ぼかし制御210を使用して調整することができる。
【0039】
図5は、スピードに基づく、移動しているコンテント104の運動誘導ぼかし102の2つの例示的技術を示したものである。スピードが最低スピード閾値より速い場合、ぼかし制御210を使用して、移動しているコンテント104をスピードと関連付けられた量だけぼかすことができる。移動しているコンテント104のスピードが速くなると、シンチレーション116を小さくし、かつ、第1の領域114および第2の領域106を分離している境界112-1の出現を少なくするために、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量を多くすることができる。同様に、移動しているコンテント104のスピードが遅くなると、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量を少なくすることができる。
【0040】
図5では、移動しているコンテント104は、時間402の経過と共に、ディスプレイ108内を上に向かって、第1の領域114から第2の領域106へ境界112-1を越えて移動している。例示的環境500-1、500-2および500-3は第1のスピード502を描写し、また、例示的環境500-4、500-5および500-6は第2のスピード504を描写している。第1のスピード502は、第2のスピード504より遅く描写されている。したがって例示的環境500-1、500-2および500-3で移動しているコンテント104は、例示的環境500-4、500-5および500-6で移動しているコンテント104ほどにはぼかされていない。移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量は、移動しているコンテント104のスピードと線形的または非線形的に相関させることができる。例えばぼかしの量は、任意選択のオフセットを含めてスピードに比例的に関連付けることができる。代替的には、ぼかしの量は、非線形関数、演算または複数の演算のセットを使用してスピードに関連付けることができる。
【0041】
ぼかし制御210は、スピードが最高スピード閾値(例えばぼかしモジュール208によって許容される最高スピード)を超えて速くなると、運動誘導ぼかし102の量を一定の量(例えば静的値)に固定することができる。ぼかしモジュール208が移動しているコンテント104のスピードの入力を受け取り、かつ、スピードが最高スピード閾値より速いことを決定すると、一定の量の運動誘導ぼかし102が移動しているコンテント104に適用される。本明細書においては最高スピード閾値を参照することができ、この最高スピード閾値はまた、ぼかしモジュール208によって許容される最大レート(例えば時間の経過に伴って測定された変化)、最高速度および最高加速度を含むことができる。最高スピード閾値はまた、移動しているコンテントの瞬間スピード、速度、加速度およびレート、ならびに、一定の時間継続期間にわたって平均化されるスピード、速度、加速度およびレートを含むことができる。例えば最高スピード閾値が50Hzのレートに基づいて設定され、移動しているコンテント104が60Hzのスピード(例えば表示されるレート)を含んでいる場合、適用される運動誘導ぼかし102の量は、50Hzの最高スピード閾値と関連付けられた一定の量に保持されることになる。この例では、スピードが60Hzを超えて速くなるか、または60Hz未満に遅くなるが50Hzを超えている場合、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量は一定を維持することになる。
【0042】
移動しているコンテント104は、ディスプレイ108上に連続的に表示される前に、時間402の経過に伴ってコンピューティングデバイス110によって連続的に受け取られる複数の画像を包含する。例えば環境500-1、500-2および500-3は、移動しているコンテント104の3つの連続する画像を表している。コンテントソースは、特定のスピード(例えばソーススピード)で表示される連続する画像を構成することができる。本明細書においてはソーススピードを参照することができ、ソーススピードはまた、ソースレート(例えば時間の経過に伴って測定される変化)、ソース速度およびソース加速度を含むことができる。ソーススピードはまた、コンテントソースによって構成される瞬間スピード、速度、加速度およびレート、ならびに、一定の時間継続期間にわたって平均化されるスピード、速度、加速度およびレートを含むことができる。
【0043】
移動しているコンテント104のスピードは、コンテントソースから受け取った連続する画像同士の間で生じる変化に基づいてぼかしモジュール208が受け取ることができる。これらの変化は、例えばソーススピードに基づく移動しているコンテント104の色、位置またはサイズの変化を含む。ぼかし制御210は、スピードに基づいて、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量を変えることができる。移動しているコンテント104の変化がより頻繁になると、ぼかしの量を多くすることができる。移動しているコンテント104の変化がそれほど頻繁ではなくなると、ぼかしの量を少なくすることができる。
【0044】
例では、ユーザが、ゆっくり変化する(例えば時間402の経過と共にそれほど頻繁には変化しない)景色を描写しているビデオをディスプレイ108上で観ている場合、適用される運動誘導ぼかし102の量を少なくして、景色と紐づいた遅いスピード(例えば少ない変化)に適応することができる。しかしながらビデオが、後になって、速く変化する(例えば時間402の経過と共により頻繁に生じる)高速カーチェイスをフィーチャすると、適用される運動誘導ぼかし102の量を多くして、高速カーチェイスと紐づいた速いスピード(例えば多い変化)に適応することができる。
【0045】
移動しているコンテント104のスピードは、さらに、コンテントソースによって構成されるソーススピードと関連付けることができる。ソーススピードが速くなると、スピードを速くし、かつ、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量を多くして、シンチレーション116を小さくすることができる。ソーススピードが遅くなると、スピードを遅くし、かつ、適用される運動誘導ぼかし102の量を少なくすることができる。移動しているコンテント104のスピードを決定するための追加技術が、図6-1および図6-2に関連してさらに考察される。本明細書において説明されている任意の技術を使用して、また、任意の組合せで、ユーザ体験を改善するために領域内における運動誘導ぼかし102の技術が必要であるかどうか決定することができる。
【0046】
図6-1は、移動しているコンテント104のサイズおよび/または位置を変更するユーザ604からの例示的触覚入力602を示したものである。触覚入力602は、ディスプレイ108と接触606するユーザ604によって実施される。接触606は、ユーザ604の1本または複数本の指を使用したタッチ、スワイプ、ピンチ、フリック、タップ、スクロール、等を含むことができる。例示的環境600-1および600-2では、移動しているコンテント104は、ユーザ604の接触606(例えばピンチタッチ)を使用してディスプレイ108上で拡大されている。コンピューティングデバイス110は、触覚入力602を検出することができるように構成されたタッチセンサ218(例えば静電容量式タッチセンサ、抵抗膜式タッチセンサ、表面弾性波(SAW)技術、赤外線タッチセンサ、等)を含むことができる。
【0047】
触覚入力602の接触606と関連付けられたスピード(例えば触覚スピード)は、ぼかしモジュール208が受け取ることができる。触覚入力602の触覚スピードは、図6-2に描写されているように、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量に影響を及ぼすことができる。触覚スピードが速くなると、移動しているコンテント104のスピードを速くし、かつ、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量を多くすることができる。触覚スピードが遅くなると、移動しているコンテント104のスピードを遅くし、かつ、適用される運動誘導ぼかし102の量を少なくすることができる。本明細書においては触覚スピードを参照することができ、触覚スピードはまた、触覚レート(例えば時間の経過に伴って測定される、触覚入力602による変化)、触覚速度および触覚加速度を含むことができる。触覚スピードはまた、触覚入力602の瞬間スピード、速度、加速度およびレート、ならびに、一定の時間継続期間にわたって平均化されるスピード、速度、加速度およびレートを含むことができる。
【0048】
図6-2は、触覚スピードに基づいて、移動しているコンテント104に運動誘導ぼかし102を適用するようにプロセッサに信号発信するぼかしモジュール208の2つの例を示したものである。これらの例では、ユーザ604が、ピンチ接触を使用して異なる触覚スピードで、移動しているコンテント104のサイズを変更している(例えばサイズを拡大している)。例示的環境600-3、600-4および600-5と関連付けられた第1の触覚スピード608は、例示的環境600-6、600-7および600-8と関連付けられた第2の触覚スピード610より遅い。第2の触覚スピード610は第1の触覚スピード608より速いため、例示的環境600-6、600-7および600-8には例示的環境600-3、600-4および600-5よりも多くの量の運動誘導ぼかし102が適用されている。
【0049】
ぼかしモジュール208は、さらに、移動しているコンテント104の連続する画像を表示することができる速さの制限を設定するリフレッシュスピードを受け取ることができる。この事例では、最高スピード閾値はリフレッシュスピードに設定することができる。本明細書においてはリフレッシュスピードを参照することができ、リフレッシュスピードはまた、リフレッシュレート(例えば時間の経過に伴って測定される変化)、リフレッシュ速度およびリフレッシュ加速度を含むことができる。リフレッシュスピードはまた、コンテントがリフレッシュされる瞬間スピード、速度、加速度およびレート、ならびに、一定の時間継続期間にわたって平均化されるスピード、速度、加速度およびレートを含むことができる。
【0050】
例えばリフレッシュスピードが90Hzのレートに基づいている場合、最高スピード閾値は90Hzに設定される。触覚スピードが120Hzのレートに基づいている場合(例えば高速スワイプ入力または高速スクロール入力のために)、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量は、ぼかし制御210によって90Hzと関連付けられた一定の量に固定することができる。ソーススピードが100Hzのレートに基づいている場合(例えば高速ビデオのために)、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量は、この場合も、ぼかし制御210によって90Hzと関連付けられた一定の量に固定することができる。
【0051】
ぼかし制御210は、さらに、平滑フィルタを含むことができる。例えば平滑フィルタは、移動しているコンテント104の輪郭を滑らかにするために使用されるバイラテラルフィルタ(例えば非線形フィルタ)を含むことができる。この例ではバイラテラルフィルタは、ピクセル層304の個々の異なるピクセルと関連付けられたピクセル強度を近傍のピクセル強度の平均に置き換えることができる。平滑フィルタはまた、ガウスぼかし、非線形フィルタ、ウェーブレット変換、統計的方法、ブロックマッチングアルゴリズム、等を含むことができる。平滑フィルタは、例えばMLモデルを利用して、移動しているコンテント104の履歴に基づいてぼかし制御210を調整し、それによりユーザ体験を改善することができる。
【0052】
図7は、移動しているコンテント104のピクセル強度702プロファイルが平滑フィルタによって修正される様子の例示的プロットを示したものである。この例では、移動しているコンテント104と関連付けられたピクセル強度702は、距離704にわたって(例えばディスプレイ108の第2の領域106全体にわたって)変化している。移動しているコンテント104のピクセル強度702は、シンチレーション116のため、距離704にわたってより混沌として、また、滑らかさに欠けて見える。
【0053】
平滑フィルタは、重みを使用して、移動しているコンテント104のピクセル強度702を滑らかにする(例えば平均する)ことができる。重みは、移動しているコンテント104のスピードに応じて変化する数値または関数を表すことができる。スピードが速くなると、重みの数値または関数が変化して、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量が多くなる。スピードが遅くなると、重みの数値または関数が変化して運動誘導ぼかし102の量が少なくなる。
【0054】
例示的プロット700では、2つの異なる平滑フィルタ706-1および706-2が移動しているコンテント104に適用されている。平滑フィルタ706-2は、移動しているコンテント104に適用される運動誘導ぼかし102の量を多くするために、平滑フィルタ706-1とは異なる重みを使用している。平滑フィルタ706-2と関連付けられたピクセル強度702は、距離704にわたってより滑らかであり、平滑フィルタ706-1よりも近傍のピクセル強度の平均化が増加していることを表している(例えばより長い距離704にわたって)。さらに、運動誘導ぼかし102の技術の変形形態が図8に関連して説明される。
【0055】
図8は、ディスプレイ108の第1の領域114、第2の領域106および第3の領域802を含む例示的なコンピューティングデバイス110を示したものである。第3の領域802は、別の領域と異なっているか、または同様であるいずれかの第3の解像度(例えば第3のピクセル密度)を含む。第3の領域802はまた、少なくとも部分的にディスプレイ108の下面で、かつ、第3の領域802内に置かれた1つまたは複数のセンサ216を含むことができる。第3の領域802のサイズ、形状および位置はディスプレイ108内で変化し得る。
【0056】
第2の領域106内で実施される技術と同様、ぼかしモジュール208は、第3の領域802内における移動しているコンテント104のシンチレーションを小さくし、かつ、移動しているコンテント104をぼかすようにプロセッサに信号発信するのをぼかしモジュール208が控えるときの境界112-2の出現に対して、第3の領域802を第1の領域114から分離している境界112-2の出現を少なくするために、移動しているコンテント104のスピードに基づいて、第3の領域802内で運動誘導ぼかし102を適用するようにプロセッサに信号発信することができる。ぼかしモジュール208を使用して、第3の領域802を第2の領域106から分離している境界112-2(描写せず)の出現を少なくすることもできる。第3の領域802における移動しているコンテント104のスピードは、第2の領域106および第1の領域114内のスピードとは異なるか、または同様であり得る。さらに、第3の領域802におけるぼかしの量は、ディスプレイ108のいずれかの他の領域とは異なるか、または同様であり得る。
【0057】
例示的方法
図9は、シンチレーションを小さくし、かつ、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくするための運動誘導ぼかしのための例示的な方法900を示したものである。方法900は、実施される操作(または行為)のセットとして示されており、それらの操作の順序または組合せは、必ずしも本明細書において示されている順序または組合せに限定されない。さらに、これらの操作のうちの任意の1つまたは複数は、追加および/または代替方法の広範囲にわたるアレイを提供するために、反復し、組み合わせ、再編し、またはリンクさせることが可能である。以下の考察の一部では、図1図8で詳述した環境および実態を参照することができるが、これらの環境および実態に対する参照は、単に例としてなされているにすぎない。技術は、1つのコンピューティングデバイス110上で動作する1つの実体または複数の実体による実施に限定されない。
【0058】
902で、コンピューティングデバイスのディスプレイの第1の領域の第1の解像度が受け取られ、第1の解像度は第1のピクセル密度に対応している。例えばぼかしモジュール208は、図1図3および図8に示されているように、ディスプレイ108の第1の領域114の第1の解像度を受け取り、第1の解像度は第1のピクセル密度306に対応している。第1の領域114のサイズ、形状および場所は変化し得る。
【0059】
904で、コンピューティングデバイスのディスプレイの第2の領域の第2の解像度が受け取られる。第2の解像度は第2のピクセル密度に対応し、第2のピクセル密度は第1のピクセル密度より低い。例えばぼかしモジュール208はディスプレイ108の第2の領域106の第2の解像度を受け取る。第2の解像度は第2のピクセル密度308に対応し、第1のピクセル密度306より低い。
【0060】
906で、移動しているコンテントがディスプレイの中を移動されようとしているスピードが決定される。例えば、移動しているコンテントがディスプレイ108の中を移動されようとしているスピードは、図4に示されているようにぼかしモジュール208によって受け取られる。
【0061】
908で、移動しているコンテントをぼかされた移動しているコンテントに変換するために、移動しているコンテントがその移動しているコンテントのスピードに基づいて第2の領域内でぼかされる。ぼかされた移動しているコンテントは、第2の領域内における移動しているコンテントのシンチレーションを小さくし、かつ、移動しているコンテントとの境界の出現に対して、コンピューティングデバイスのディスプレイの第1の領域および第2の領域を分離している境界の出現を少なくするように構成される。例えば、第2の領域106内における移動しているコンテント104は、移動しているコンテント104をぼかされた移動しているコンテントに変換するために、ぼかしモジュール208を使用して、図1および図4に示されているように移動しているコンテント104に運動誘導ぼかし102を適用することによってぼかされる。運動誘導ぼかし102は、図5および図6-2に示されているようにぼかされた移動しているコンテントを生成するために、スピードに基づいて、移動しているコンテント104に適用される。移動しているコンテント104のシンチレーション116は第2の領域106内で小さくなる。ぼかすようにプロセッサに信号発信することをぼかしモジュール208が控え、その代わりに移動しているコンテント104を正常に表示するようにプロセッサに信号発信するときの境界112-1の出現に対して、コンピューティングデバイス110のディスプレイ108の第1の領域114および第2の領域106を分離している境界112-1の出現は少なくなる。
【0062】
910で、ぼかされた移動しているコンテントが第2の領域内で表示される。例えば移動しているコンテント104は、図1の環境100-2に示されているように、運動誘導ぼかし102が適用されて第2の領域106内で表示される。
【0063】
912で、移動しているコンテントが第1の領域内で表示される。例えば移動しているコンテント104は、図1の環境100-1に示されているように、運動誘導ぼかし102が適用されることなく第1の領域114内に表示される。
【0064】
例示的なコンピューティングシステム
図10は、シンチレーション116を小さくし、かつ、ディスプレイ108の領域を分離している境界112-1(または112-2)の出現を少なくする運動誘導ぼかし102の技術を具体化する、または運動誘導ぼかし102の技術の使用を可能にする技術を実装することができる例示的なコンピューティングシステム1000を示したものである。例示的なコンピューティングシステム1000は、図2を参照して説明した任意のタイプのクライアント、サーバおよび/またはコンピューティングデバイスとして実現することができる。
【0065】
コンピューティングシステム1000は、デバイスデータ1002(例えば受信されたデータ、受信中のデータ、同報通信のためにスケジュールされたデータ、またはデータのデータパケット)、ぼかしモジュール208および、1つまたは複数のセンサ216を含むことができる。デバイスデータ1002または他のデバイスコンテントは、デバイスの構成設定、デバイス上に記憶されているメディアコンテント、および/またはデバイスのユーザ604と関連付けられた情報を含むことができる。コンピューティングシステム1000上に記憶されているメディアコンテントは、任意のタイプの音声、ビデオおよび/または画像データを含むことができる。コンピューティングシステム1000は1つまたは複数のデータ入力1004を含むことができ、この1つまたは複数のデータ入力1004により、触覚入力602と関連付けられた接触606、ユーザ選択可能入力(明示的または暗黙的)、メッセージ、音楽、テレビジョンメディアコンテント、記録されたビデオコンテント、および任意のコンテントおよび/またはデータソースから受信される任意の他のタイプの音声、ビデオおよび/または画像データを含む、任意のタイプのデータ、メディアコンテントおよび/または入力を受け取ることができる。
【0066】
コンピューティングシステム1000はまた、シリアルおよび/またはパラレルインタフェース、無線インタフェース、任意のタイプのネットワークインタフェース、モデムおよび任意の他のタイプの通信インタフェースのうちの任意の1つまたは複数として実装することができる通信インタフェース1006を含むことができる。通信インタフェース1006は、コンピューティングシステム1000と通信ネットワークの間の接続および/または通信リンクを提供し、この接続および/または通信リンクにより、他の電子デバイス、コンピューティングデバイスおよび通信デバイスは、コンピューティングシステム1000とデータを通信する。
【0067】
コンピューティングシステム1000は、様々なコンピュータ実行可能命令を処理してコンピューティングシステム1000の動作を制御し、運動誘導ぼかし102のための技術を可能にする、または運動誘導ぼかし102を具体化することができる1つまたは複数のプロセッサ1008(例えばマイクロプロセッサ、コントローラ等のうちのいずれか)を含むことができる。代替的にまたは追加的には、コンピューティングシステム1000は、ハードウェア、ファームウェア、または一括して1010で識別されている処理および制御回路と関連して実装される固定論理回路機構のうちの任意の1つまたは組合せを使用して実装することができる。図には示されていないが、コンピューティングシステム1000は、デバイス内の様々な構成要素を結合するシステムバスまたはデータ転送システムを含むことができる。システムバスは、メモリバスもしくはメモリコントローラ、周辺バス、ユニバーサルシリアルバス、および/または任意の様々なバスアーキテクチャを利用するプロセッサもしくはローカルバスを含む複数の異なるバス構造のうちの任意の1つまたは組合せを含むことができる。
【0068】
コンピューティングシステム1000は、さらに、持続および/または非一時的データ記憶を可能にする(すなわち単なる信号伝送とは対照的に)1つまたは複数のメモリデバイスを含むコンピュータ可読媒体1012を含み、それらの例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリ(例えばリードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等のうちの任意の1つまたは複数)およびディスク記憶デバイスがある。ディスク記憶デバイスは、ハードディスクドライブ、記録可能および/または再書込み可能コンパクトディスク(CD)、任意のタイプのデジタル汎用ディスク(DVD)等を含む任意のタイプの磁気記憶デバイスまたは光記憶デバイスとして実装することができる。コンピューティングシステム1000はまた、大容量記憶媒体デバイス(記憶媒体)1014を含むことができる。
【0069】
コンピュータ可読媒体1012は、デバイスデータ1002、ならびに、様々なデバイスアプリケーション1016およびコンピューティングシステム1000の動作態様に関連する任意の他のタイプの情報および/またはデータを記憶するためのデータ記憶機構を提供している。例えばオペレーティングシステム1018は、コンピュータ可読媒体1012を備えたコンピュータアプリケーションとして維持され、プロセッサ1008上で実行される。デバイスアプリケーション1016は、任意の形態の制御アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、信号処理および制御モジュール、特定のデバイスに固有のコード、特定のデバイスのためのハードウェア抽象層等を含むデバイスマネージャを含むことができる。コンピューティングシステム1000は、ぼかしモジュール208を使用して、移動しているコンテント104のシンチレーション116を小さくし、かつ、コンピューティングデバイス110のディスプレイ108の領域を分離している境界112-1(または112-2)の出現を少なくすることができる。
【0070】
結論
以上、シンチレーションを小さくし、かつ、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくするための技術および装置について、特徴および/または方法に特化された言語で説明したが、添付の特許請求の範囲の主題は、必ずしも説明されている特定の特徴または方法に限定されないことを理解されたい。そうではなく、これらの特定の特徴または方法は、シンチレーションを小さくし、かつ、ディスプレイの領域を分離している境界の出現を少なくすることができる運動誘導ぼかしの例示的実装形態として開示されている。
【0071】
いくつかの例が以下で説明される。
例1:運動誘導ぼかしのための方法であって、コンピューティングデバイスのディスプレイの第1の領域の第1の解像度を受け取るステップを含む。第1の解像度は第1のピクセル密度に対応する。方法は、コンピューティングデバイスのディスプレイの第2の領域の第2の解像度を受け取るステップをさらに含む。第2の解像度は、第1のピクセル密度より低い第2のピクセル密度に対応する。方法は、コンテントがディスプレイ中を移動するスピードを決定するステップをさらに含む。移動しているコンテントは、第2の領域内をそのスピードで移動する。方法は、第2の領域内における移動しているコンテントをそのスピードに基づいてぼかすステップをさらに含む。ぼかしは、移動しているコンテントをぼかされた移動しているコンテントに変換するように構成され、ぼかされた移動しているコンテントは、第2の領域内における移動しているコンテントのシンチレーションを小さくし、かつ、移動しているコンテントとの境界の出現に対して、コンピューティングデバイスのディスプレイの第1の領域および第2の領域を分離している境界の出現を少なくする。方法は、ぼかされた移動しているコンテントを第2の領域内に表示するステップと、移動しているコンテントを第1の領域内に表示するステップとをさらに含む。
【0072】
例2:例1に記載された方法であって、ディスプレイ上における移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための方法は、コンテントソースによって構成される、移動しているコンテントのソース解像度を受け取るステップをさらに含む。コンテントソースは、移動しているコンテントをディスプレイに供給する。方法は、ソース解像度および第1の解像度を比較するステップと、ソース解像度が第1の解像度とは異なることに応答して、移動しているコンテントを第1の領域内に表示する前に、第1の解像度に基づいて第1の領域内における移動しているコンテントを再サンプリングするステップとをさらに含む。再サンプリングは、移動しているコンテントをソース解像度から第1の解像度に変更するように構成される。方法は、ソース解像度および第2の解像度を比較するステップと、ソース解像度が第2の解像度とは異なることに応答して、ぼかされた移動しているコンテントを第2の領域内に表示する前に、第2の解像度に基づいて第2の領域内におけるぼかされた移動しているコンテントを再サンプリングするステップとをさらに含む。再サンプリングは、ぼかされた移動しているコンテントをソース解像度から第2の解像度に変更するようにさらに構成される。
【0073】
例3:例1または2に記載の方法であって、移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための方法は、第2の解像度を解像度閾値に対して比較するステップをさらに含む。解像度閾値は、移動しているコンテントのシンチレーションを防止するために必要な最低解像度を含み、最低解像度は最低ピクセル密度を含む。方法は、第2の解像度が解像度閾値より低いことに応答して、第2の領域内における移動しているコンテントをぼかすステップと、第1の解像度を解像度閾値に対して比較するステップと、第1の解像度が解像度閾値より高いことに応答して、移動しているコンテントを第1の領域内に表示するステップとをさらに含む。
【0074】
例4:例3に記載の方法であって、ディスプレイの第1の領域の第1の解像度は解像度閾値より高く、ディスプレイの第2の領域の第2の解像度は解像度閾値より低い。
【0075】
例5:例3に記載の方法であって、移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための方法は、第2の解像度が解像度閾値より低いことを決定するステップと、第2の領域内における移動しているコンテントのスピードを最低スピード閾値に対して比較するステップとをさらに含む。最低スピード閾値は、シンチレーションのために、移動しているコンテントの必要な最低スピードに対応する。方法は、第2の領域内における移動しているコンテントのスピードが最低スピード閾値より速いことの決定に応答して、第2の領域内における移動しているコンテントをぼかすステップと、ぼかされた移動しているコンテントをディスプレイの第2の領域内に表示するステップと、第2の領域内における移動しているコンテントのスピードが最低スピード閾値より遅いことの決定に応答して、移動しているコンテントをディスプレイの第2の領域内に表示するステップとをさらに含む。
【0076】
例6:例5に記載の方法であって、移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための方法は、ディスプレイの第2の領域内における移動しているコンテントのスピードが最低スピード閾値より速いことを決定するステップと、第2の領域内における移動しているコンテントをぼかすステップとを含む。移動しているコンテントをぼかすステップは、移動しているコンテントのスピードが速くなるとぼかしの量を多くし、移動しているコンテントのスピードが遅くなるとぼかしの量を少なくすることをさらに含む。
【0077】
例7:例6に記載の方法であって、移動しているコンテントのぼかしの量は、ぼかしの量と移動しているコンテントのスピードの間の線形相関であって、スピードの増加がぼかしの量の線形増加に対応する線形相関、および、ぼかしの量と移動しているコンテントのスピードの間の非線形相関であって、スピードの増加がぼかしの量の非線形増加に対応する非線形相関、のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0078】
例8:例6に記載の方法であって、移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための方法は、第2の領域内における移動しているコンテントのスピードを最高スピード閾値に対して比較するステップをさらに含む。最高スピード閾値は、コンピューティングデバイス上への表示が許容される、移動しているコンテントの最高スピードに対応する。方法は、最高スピード閾値を超えるスピードの検出に応答して、移動しているコンテントを一定のぼかし量だけぼかすステップをさらに含む。スピードが最高スピード閾値を超えて速くなり、また、遅くなると、一定のぼかし量は、静的値に構成され、かつ、その静的値に維持される。
【0079】
例9:先行する例のいずれかに記載の方法であって、移動しているコンテントのスピードを決定するステップは、移動しているコンテントのソーススピードを受け取るステップを含む。移動しているコンテントは、時間の経過に伴ってコンピューティングデバイス上で連続的に受け取られる複数の画像を含み、ソーススピードは、コンテントソースによって構成される、時間の経過に伴って連続的に受け取られる画像のスピードに対応する。スピードを決定するステップは、ソーススピードに基づいて、連続的に受け取られる画像同士の間の、移動しているコンテントの変化を検出するステップをさらに含む。当該コンテントの変化は、移動しているコンテントの任意の異なる場所における移動しているコンテントの色の変化、移動しているコンテントの位置の変化、または移動しているコンテントのサイズの変化のうちの1つまたは複数を含む。スピードを決定するステップは、移動しているコンテントの変化が連続的に受け取られる画像同士の間で増加するとスピードの増加を検出するステップと、移動しているコンテントの変化が連続的に受け取られる画像同士の間で減少するとスピードの減少を検出するステップとをさらに含む。
【0080】
例10:例9に記載の方法であって、移動しているコンテントのスピードは、コンテントソースによって構成されるソーススピードによって設定される。ソーススピードが速くなると、移動しているコンテントのスピードが速くなり、ソーススピードが遅くなると、移動しているコンテントのスピードが遅くなる。また、ソーススピードが速くなると、ぼかしの量が増加し、ソーススピードが遅くなるとぼかしの量が減少する。
【0081】
例11:先行する例のいずれかに記載の方法であって、移動しているコンテントのスピードを決定するステップは、コンピューティングデバイスのディスプレイ上で触覚入力を受け取るステップをさらに含む。触覚入力は、ディスプレイと接触するユーザによって実施され、接触は、移動しているコンテントのサイズまたは位置を変更するためにディスプレイ上でなされる。スピードを決定するステップは、触覚入力と関連付けられた触覚スピードを検出するステップと、触覚スピードが速くなると、移動しているコンテントのスピードの増加を検出するステップと、触覚スピードが遅くなると、移動しているコンテントのスピードの減少を検出するステップとをさらに含む。
【0082】
例12:例8から11に記載の方法であって、ディスプレイ上における移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための方法は、ディスプレイのリフレッシュスピードを検出するステップをさらに含み、リフレッシュスピードは最高リフレッシュスピードを含む。方法は、その最高リフレッシュスピードに基づいて、移動しているコンテントの複数の画像およびぼかされた移動しているコンテントの複数の画像が連続的にディスプレイ上に表示されるステップと、最高スピード閾値をリフレッシュスピードに設定するステップをさらに含む。最高スピード閾値は、触覚スピードがリフレッシュスピードより速いこと、または、ソーススピードがリフレッシュスピードより速いことのうちの1つまたは複数の検出に応答して、一定のぼかし量だけ、第2の領域内における移動しているコンテントのぼかしを可能にするようにさらに構成される。
【0083】
例13:先行する例のいずれかに記載の方法であって、ディスプレイはピクセル層を備える。ピクセル層は、第1のピクセル密度、第2のピクセル密度、および、移動しているコンテントをカラーで表示するように構成されたカラーピクセルを含む。カラーピクセルの密度は、ディスプレイの領域の解像度と相関され、色欠陥はカラーピクセルの密度と関連付けられ、色欠陥は色歪みおよび移動しているコンテントのシンチレーションを含む。色欠陥は、第2の領域内のシンチレーションの出現、および第1の領域および第2の領域を分離している境界の出現を多くするように構成される。方法は、第2の解像度が解像度閾値より低いこと、カラーピクセルの密度が最低ピクセル密度より低いことの決定に応答して、色欠陥を少なくするために、第2の領域内における移動しているコンテントをぼかす。
【0084】
例14:先行する例のいずれかに記載の方法であって、ディスプレイは、移動しているコンテントを表示するように構成されたピクセルのアレイをさらに備える。ピクセルのアレイは、アレイのピクセル毎にピクセル強度を含む。ディスプレイの第2の領域内における移動しているコンテントのぼかしは、平滑フィルタをさらに備える。平滑フィルタは、移動しているコンテントをぼかすために、ピクセル毎のピクセル強度を第2の領域内の近傍のピクセルのピクセル強度の平均に置き換えるように構成される。
【0085】
例15:例14に記載の方法であって、平滑フィルタは、重みをさらに含む。重みは、移動しているコンテントのスピードと相関され、スピードが速くなるとぼかしの量を多くし、スピードが遅くなるとぼかしの量を少なくするように構成される。
【0086】
例16:先行する例のいずれかに記載の方法であって、コンピューティングデバイスのプロセッサは、第2の領域内における移動しているコンテントをぼかすように構成され、プロセッサは中央処理装置(CPU)、データ処理装置(DPU)またはグラフィックス処理装置(GPU)のうちの1つまたは複数を備える。
【0087】
例17:移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための方法は、コンピューティングデバイスのディスプレイの第3の領域の第3の解像度を受け取るステップをさらに含む。第3の解像度は、第3のピクセル密度に対応し、第3のピクセル密度は第1のピクセル密度より低い。方法は、コンテントがディスプレイ中を移動するスピードを決定するステップをさらに含む。移動しているコンテントは、第3の領域内をそのスピードで移動する。方法は、第3の領域内における移動しているコンテントをそのスピードに基づいてぼかすステップをさらに含む。ぼかしは、移動しているコンテントをぼかされた移動しているコンテントに変換するように構成され、ぼかされた移動しているコンテントは、第3の領域内のシンチレーションを小さくし、かつ、移動しているコンテントとの境界の出現に対して、コンピューティングデバイスのディスプレイの第1の領域および第3の領域を分離している境界の出現を少なくする。方法は、ぼかされた移動しているコンテントを第3の領域内に表示するステップをさらに含む。
【0088】
例18:例17に記載の方法であって、移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための方法は、コンピューティングデバイスのディスプレイの第2の領域および第3の領域を分離している境界の出現を少なくするために、ぼかされた移動しているコンテントを第2の領域および第3の領域内に表示するステップをさらに含む。
【0089】
例19:コンピューティングデバイスであって、少なくとも1つのプロセッサと、ピクセルのアレイを備えたディスプレイとを備える。ディスプレイは、ピクセルのアレイが、移動しているコンテントをディスプレイ上で見ることができるように構成される。コンピューティングデバイスは、プロセッサによる実行に応答して、ディスプレイを使用して、例1から18に記載されている方法のうちのいずれか1つの方法を実施するようにコンピューティングデバイスを導くための命令を含むコンピュータ可読記憶媒体をさらに備える。
【0090】
例20:例19に記載のコンピューティングデバイスであって、第1のセンサまたは第2のセンサのうちの1つまたは複数をさらに備える。第1のセンサは、少なくとも部分的にディスプレイの第2の領域の下面に配置され、第2の領域は、最低ピクセル密度より低い第2のピクセル密度を含み、最低ピクセル密度は解像度閾値に対応し、第2のピクセル密度は第1のセンサの動作を可能にするように構成される。第2のセンサは、少なくとも部分的にディスプレイの第3の領域の下面に配置され、第3の領域は最低ピクセル密度より低い第3のピクセル密度を含み、第3のピクセル密度は第2のセンサの動作を可能にするように構成される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6-1】
図6-2】
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動誘導ぼかしのための方法であって、
コンピューティングデバイスのディスプレイの第1の領域の第1の解像度を受け取るステップを含み、
前記第1の解像度は、第1のピクセル密度に対応し、
前記方法は、
前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイの第2の領域の第2の解像度を受け取るステップをさらに含み、
前記第2の解像度は、前記第1のピクセル密度より低い第2のピクセル密度に対応し、
前記方法は、
移動しているコンテントが前記ディスプレイの中を移動されようとしているスピードを決定するステップと、
前記第2の領域内における移動しているコンテントを前記スピードに基づいてぼかすステップとをさらに含み、
前記ぼかすことは、前記移動しているコンテントをぼかされた移動しているコンテントに変換するように構成され、前記ぼかされた移動しているコンテントは、前記第2の領域内における前記移動しているコンテントのシンチレーションを小さくし、かつ、前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイの前記第1の領域および前記第2の領域を分離している境界の出現を、前記移動しているコンテントでの前記境界の出現に対して少なくし、
前記方法は、
前記ぼかされた移動しているコンテントを前記第2の領域内に表示するステップと、
前記移動しているコンテントを前記第1の領域内に表示するステップとをさらに含む、方法。
【請求項2】
前記ディスプレイ上における、前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
コンテントソースによって構成される、前記移動しているコンテントのソース解像度を受け取るステップをさらに含み、
前記コンテントソースは、前記移動しているコンテントを前記ディスプレイに供給し、
前記方法は、
解像度差を提供するために、前記ソース解像度および前記第1の解像度を比較するステップと、
前記解像度差に応答して、前記移動しているコンテントを前記第1の領域内に表示する前に前記第1の解像度に基づいて前記第1の領域内における前記移動しているコンテントを再サンプリングするステップとをさらに含み、
前記再サンプリングは、前記移動しているコンテントを前記ソース解像度から前記第1の解像度に変更するように構成され、
前記方法は、
第2の解像度差を提供するために、前記ソース解像度および前記第2の解像度を比較するステップと、
前記第2の解像度差に応答して、前記ぼかされた移動しているコンテントを前記第2の領域内に表示する前に前記第2の解像度に基づいて、前記第2の領域内における前記ぼかされた移動しているコンテントを再サンプリングするステップとをさらに含み、
前記再サンプリングは、前記ぼかされた移動しているコンテントを前記ソース解像度から前記第2の解像度に変更するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移動しているコンテントの前記スピードを決定する前記ステップは、
前記移動しているコンテントのソーススピードを受け取るステップを含み、
前記移動しているコンテントは、時間の経過に伴って連続的に受け取られる複数の画像を含み、
前記ソーススピードは、前記コンテントソースによって構成される、時間の経過に伴って連続的に受け取られる画像のスピードに対応し、
前記スピードを決定するステップは、
前記ソーススピードに基づいて、前記連続的に受け取られる画像同士の間の前記移動しているコンテントの変化を検出するステップをさらに含み、
前記変化は、前記移動しているコンテントの異なる場所における
前記移動しているコンテントの色の変化、
前記移動しているコンテントの位置の変化、または
前記移動しているコンテントのサイズの変化
のうちの1つまたは複数を含み、
前記スピードを決定するステップは、
前記移動しているコンテントの前記変化が前記連続的に受け取られる画像同士の間で増加すると、前記スピードの増加を検出するステップと、
前記移動しているコンテントの前記変化が前記連続的に受け取られる画像同士の間で減少すると、前記スピードの減少を検出するステップとをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記移動しているコンテントの前記スピードは、前記コンテントソースによって構成される前記ソーススピードによって設定され、
前記ソーススピードが速くなると、前記移動しているコンテントの前記スピードが速くなるとともに、前記ソーススピードが遅くなると、前記移動しているコンテントの前記スピードが遅くなり、
前記ソーススピードが速くなると、前記ぼかすことによるぼかしの量を多くし、前記ソーススピードが遅くなると、前記ぼかしの量を少なくする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
前記第2の解像度を解像度閾値に対して比較するステップをさらに含み、
前記解像度閾値は、前記移動しているコンテントのシンチレーションを防止するための最低解像度を含み、かつ、前記最低解像度は最低ピクセル密度を含み、
前記方法は、
前記第2の解像度が前記解像度閾値より低いことに応答して、前記第2の領域内における前記移動しているコンテントをぼかすステップと、
前記第1の解像度を前記解像度閾値に対して比較するステップと、
前記第1の解像度が前記解像度閾値より高いことに応答して、前記移動しているコンテントを前記第1の領域内に表示するステップとをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
前記第2の解像度が前記解像度閾値より低いことを決定するステップと、
前記第2の領域内における前記移動しているコンテントの前記スピードを最低スピード閾値に対して比較するステップとをさらに含み、
前記最低スピード閾値は、前記第2の領域内の前記ディスプレイ上にシンチレーションをもたらす、前記移動しているコンテントの最低スピードに対応し、
前記方法は、
前記第2の領域内における前記移動しているコンテントの前記スピードが前記最低スピード閾値より速いことの決定に応答して、前記第2の領域内における前記移動しているコンテントをぼかすステップと、
前記ぼかされた移動しているコンテントを前記ディスプレイの前記第2の領域内に表示するステップと、
前記第2の領域内における前記移動しているコンテントの前記スピードが前記最低スピード閾値より遅いことの決定に応答して、前記移動しているコンテントを前記ディスプレイの前記第2の領域内に表示するステップとをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ディスプレイは、ピクセル層を備え、
前記ピクセル層は、
前記第1のピクセル密度、
前記第2のピクセル密度、および
前記移動しているコンテントをカラーで表示するように構成されたカラーピクセル
を含み、
カラーピクセルの密度は、前記ディスプレイの領域の解像度と相関され、
色欠陥はカラーピクセルの前記密度と関連付けられ、前記色欠陥は色歪みおよび前記移動しているコンテントのシンチレーションを含み、かつ、前記色欠陥は、前記第2の領域内の前記移動しているコンテントのシンチレーションおよび前記第1の領域および前記第2の領域を分離している前記境界の前記出現を多くし、
前記第2の解像度が前記解像度閾値より低いこと、カラーピクセルの前記密度が前記最低ピクセル密度より低いことの決定に応答して、前記第2の領域内における前記移動しているコンテントをぼかす、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記移動しているコンテントの前記スピードを決定する前記ステップは、
前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイ上で触覚入力を受け取るステップをさらに含み、
前記触覚入力は、前記ディスプレイと接触するユーザによって実施され、前記接触が、前記移動しているコンテントのサイズまたは位置を変更するために前記ディスプレイ上でなされ、
前記スピードを決定するステップは、
前記触覚入力と関連付けられた触覚スピードを検出するステップをさらに含み、
前記スピードは、前記触覚スピードである、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記移動しているコンテントをぼかす前記ステップは、前記移動しているコンテントの前記スピードが速くなると前記ぼかすことによるぼかしの量を多くし、前記移動しているコンテントの前記スピードが遅くなると前記ぼかしの量を少なくし、
前記ぼかしの量が、
前記ぼかしの量と前記移動しているコンテントの前記スピードの間の線形相関であって、前記スピードの増加が前記ぼかしの量の線形増加に対応する線形相関、または
前記ぼかしの量と前記移動しているコンテントの前記スピードの間の非線形相関であって、前記スピードの増加が前記ぼかしの量の非線形増加に対応する非線形相関を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ディスプレイは、前記移動しているコンテントを表示するように構成されたピクセルのアレイをさらに備え、ピクセルの前記アレイは、前記アレイのピクセル毎にピクセル強度を含み、
前記ディスプレイの前記第2の領域内における前記移動しているコンテントをぼかす前記ステップは、平滑フィルタの使用をさらに含み、前記平滑フィルタは、前記移動しているコンテントをぼかすために、ピクセル毎の前記ピクセル強度を前記第2の領域内の近傍のピクセルのピクセル強度の平均に置き換えるように構成され、
前記平滑フィルタは重みをさらに含み、前記重みは、前記移動しているコンテントの前記スピードと相関され、前記スピードが速くなると前記ぼかしの量を多くし、前記スピードが遅くなると前記ぼかしの量を少なくするように構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
前記第2の領域内における前記移動しているコンテントの前記スピードを最高スピード閾値に対して比較するステップをさらに含み、
前記最高スピード閾値は、前記コンピューティングデバイス上への表示が許容される、前記移動しているコンテントの最高スピードに対応し、
前記方法は、
前記スピードが前記最高スピード閾値より速いことの検出に応答して、前記移動しているコンテントを一定のぼかし量だけぼかすステップをさらに含み、
前記スピードが前記最高スピード閾値を超えて速くなると、前記一定のぼかし量は、静的値に構成されて前記静的値に維持される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
前記ディスプレイのリフレッシュスピードを検出するステップをさらに含み、
前記リフレッシュスピードは、最高リフレッシュスピードを含み、
前記方法は、
前記最高リフレッシュスピードに基づいて、前記移動しているコンテントの複数の画像および前記ぼかされた移動しているコンテントの複数の画像が連続的に前記ディスプレイ上に表示されるステップと、
前記最高スピード閾値を前記リフレッシュスピードに設定するステップとをさらに含み、
前記最高スピード閾値は、
前記触覚スピードが前記リフレッシュスピードより速いこと、または
前記ソーススピードが前記リフレッシュスピードより速いこと
のうちの1つまたは複数の検出に応答して、前記一定のぼかし量だけ、前記第2の領域内における前記移動しているコンテントのぼかしを可能にするようにさらに構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイの第3の領域の第3の解像度を受け取るステップをさらに含み、
前記第3の解像度は第3のピクセル密度に対応し、前記第3のピクセル密度は前記第1のピクセル密度より低く、
前記方法は、
前記移動しているコンテントの前記スピードを決定するステップと、
前記スピードに基づいて前記第3の領域内における前記移動しているコンテントをぼかすステップとをさらに含み、
前記ぼかすことは、前記移動しているコンテントを第2のぼかされた移動しているコンテントに変換するように構成され、前記第2のぼかされた移動しているコンテントは、前記第3の領域内における前記移動しているコンテントのシンチレーションを小さくし、かつ、前記移動しているコンテントとの境界の出現に対して、前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイの前記第1の領域および前記第3の領域を分離している境界の出現を少なくし、
前記方法は、
前記第2のぼかされた移動しているコンテントを前記第3の領域内に表示するステップをさらに含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記移動しているコンテントの運動誘導ぼかしのための前記方法は、
前記コンピューティングデバイスの前記ディスプレイの前記第2の領域および前記第3の領域を分離している境界の出現を少なくするために、前記ぼかされた移動しているコンテントを前記第2の領域内に表示するステップと、
前記第2のぼかされた移動しているコンテントを前記第3の領域内に表示するステップとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサと、
ピクセルのアレイを備えたディスプレイとを含み、
前記ピクセルのアレイは、移動しているコンテントを前記ディスプレイ上で見ることができるように構成され、
前記プロセッサによる実行に応答して、前記ディスプレイを使用して、請求項1から14に記載されている前記方法のうちのいずれか1つの方法を実施するように前記コンピューティングデバイスを導くための命令を含むコンピュータ可読記憶媒体をさらに備えるコンピューティングデバイス。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか1項に記載の方法をプロセッサに実行させるための、プログラム。
【国際調査報告】