(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】電力チップの専用サブシステム
(51)【国際特許分類】
G01R 21/133 20060101AFI20240319BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20240319BHJP
G06F 15/78 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
G01R21/133 Z
H02J13/00 301A
G06F15/78 515
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551664
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 CN2022078179
(87)【国際公開番号】W WO2022252718
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110616466.4
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523319335
【氏名又は名称】南方▲電▼网数字▲電▼网研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】DIGITAL GRID RESEARCH INSTITUTE, CHINA SOUTHERN POWER GRID.
【住所又は居所原語表記】No. 86 of Room 406, No. 1 Yichuang Street China-Singapore Guangzhou Knowledge City, Huangpu District Guangzhou, Guangdong 510700 China
(74)【代理人】
【識別番号】110003915
【氏名又は名称】弁理士法人岡田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲習▼ ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】姚 浩
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲軍▼健
(72)【発明者】
【氏名】陶 ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 清唐
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲ユー▼霆
【テーマコード(参考)】
5B062
5G064
【Fターム(参考)】
5B062AA03
5B062AA05
5B062DD10
5G064AC09
5G064CB06
5G064DA01
(57)【要約】
本願は、電力チップの専用サブシステム及び電力システムの専用チップに関する。電力専用MACモジュールは、タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットを処理して、電力業務データを得るために用いられる。信号変換サブシステムは、タイムスケール管理モジュールの提供する第2タイムスケールに基づき、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング、運搬及び記憶処理を行うために用いられる。データ処理モジュールには、電力専用デジタル信号処理アレイ及び電力専用デジタル信号処理アレイに結合される第1メモリが含まれる。電力専用デジタル信号処理アレイは、信号変換サブシステムにおける電力業務データが指定アルゴリズムに従ってデータ処理を行って、所定のフォーマットに合致する処理データを得るために用いられる。本システムを採用することで、電力データ処理の需要を満たした上、システムのコスト及び消費電力を低下させ、システムの安定性を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力チップの専用サブシステムであって、
リアルタイム処理モジュールと、データ処理モジュールと、信号変換サブシステムと、タイムスケール管理モジュールと、電力専用MACモジュールとを含み、前記リアルタイム処理モジュール、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールは、システムバスを介して相互接続され、
前記リアルタイム処理モジュールは、前記データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールをスケジューリングするために用いられ、
前記電力専用MACモジュールは、前記タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットを処理して、電力業務データを得るために用いられ、
前記信号変換サブシステムは、前記タイムスケール管理モジュールの提供する第2タイムスケールに基づき、前記電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング、運搬及び記憶処理を行うために用いられ、
前記データ処理モジュールには、電力専用デジタル信号処理アレイ及び前記電力専用デジタル信号処理アレイに結合される第1メモリが含まれ、前記電力専用デジタル信号処理アレイは、前記信号変換サブシステムにおける電力業務データを指定アルゴリズムに従ってデータ処理して、所定のフォーマットに合致する処理データを得るために用いられ、前記第1メモリは、前記処理データを記憶するために用いられる、
ことを特徴とする電力チップの専用サブシステム。
【請求項2】
前記信号変換サブシステムは、埋め込み式プロセッサと、第2メモリと、シリアル周辺機器インタフェースモジュールとを含み、
前記埋め込み式プロセッサは、前記第2タイムスケールに基づき、特定の埋め込み式プログラムを実行して、外付けの信号変換チップを制御して、前記電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング、運搬及び記憶処理を行うことを実施し、前記信号変換サブシステムと前記信号変換チップは、前記シリアル周辺機器インタフェースモジュールの提供するシリアル周辺機器インタフェースプロトコルにより通信を行い、
前記第2メモリは、前記埋め込み式プログラム及び前記埋め込み式プロセッサが処理した電力業務データを記憶するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記信号変換サブシステムは、メモリアクセスモジュールをさらに含み、
前記電力専用MACモジュールにおける電力業務データのデータ量がデータ量の閾値よりも大きいと検出すると、前記埋め込み式プロセッサは、前記第2タイムスケールに基づき、特定の埋め込み式プログラムを実行して、外付けの信号変換チップを制御して、前記電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング及び記憶処理を行うことを実施し、前記メモリアクセスモジュールは、前記電力専用MACモジュールにおける電力業務データを運搬処理するために用いられる、
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記シリアル周辺機器インタフェースモジュールのモードは、単線モード、2線モード及び4線モードのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記信号変換サブシステムは、8チャネルのインタフェースになるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記電力専用MACモジュールには、専用命令セットで実現されるプログラム可能なメッセージ専用プロセッサが一つ搭載され、前記メッセージ専用プロセッサは、前記タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットに対してフィルタリング及びストーム抑制処理を行って、電力業務データを得るために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、1つのスレーブインタフェース及び1つのホストインタフェースを含み、前記スレーブインタフェース及び前記ホストインタフェースは、前記システムを電力システムの専用チップに集積するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記リアルタイム処理モジュールは、第1リアルタイムプロセッサ及び第2リアルタイムプロセッサを含み、前記第1リアルタイムプロセッサは、信号変換サブシステムをスケジューリングするために用いられ、前記第2リアルタイムプロセッサは、電力専用MACモジュールをスケジューリングするために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1タイムスケールは、イーサネットデータパケット処理のタイムスタンプ情報を含み、前記第2タイムスケールは、電力業務データのサンプリング時間間隔情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
電力システムの専用チップであって、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシステムが集積されている、
ことを特徴とする電力システムの専用チップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電気技術の分野に関し、特に、電力システムの専用チップ及び電力チップの専用サブシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、スマートグリッドは、電力網の情報化の手法により、システムの内部とシステム間の情報の迅速な伝達、及び各種のより高度な応用を実現している。電力網の情報化は、イーサネット技術を電力網に融合することにより、電力網通信のリアルタイム性、信頼性の向上を図る。コンピュータオープンシステムの相互接続通信参照モデルにおいて、MAC層の制御は、イーサネットにおける各機器の信頼性、高効率な通信の保証となる。
【0003】
現在、電力網用のチップは、汎用のMACモジュールにより単一のMAC機能を実現することが多く、また、ヘテロジニアスマルチコアの技術は、すでに超大規模コンピュータなどの分野に広く応用され、汎用のヘテロジニアスマルチコアのアーキテクチャは、すでに電力分野の安全制御可能なこと、低コスト、低消費電力のカスタマイズ化の需要を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、上記技術的問題に対して、電力データ処理の需要を満足した上、システムのコスト及び消費電力を低下し、システムの安定性を向上させる電力チップの専用サブシステム及び電力システムの専用チップを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電力チップの専用サブシステムであって、リアルタイム処理モジュールと、データ処理モジュールと、信号変換サブシステムと、タイムスケール管理モジュールと、電力専用MACモジュールとを含み、リアルタイム処理モジュール、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールは、システムバスを介して相互接続され、
リアルタイム処理モジュールは、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールをスケジューリングするために用いられ、
電力専用MACモジュールは、タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットを処理して、電力業務データを得るために用いられ、
信号変換サブシステムは、タイムスケール管理モジュールの提供する第2タイムスケールに基づき、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング、運搬及び記憶処理を行うために用いられ、
データ処理モジュールには、電力専用デジタル信号処理アレイ及び電力専用デジタル信号処理アレイに結合される第1メモリが含まれ、電力専用デジタル信号処理アレイは、信号変換サブシステムにおける電力業務データを指定アルゴリズムに従ってデータ処理して、所定のフォーマットに合致する処理データを得るために用いられ、第1メモリは、処理データを記憶するために用いられる、
電力チップの専用サブシステムである。
【0006】
一実施例では、信号変換サブシステムは、埋め込み式プロセッサと、第2メモリと、シリアル周辺機器インタフェースモジュールとを含み、
埋め込み式プロセッサは、第2タイムスケールに基づき、特定の埋め込み式プログラムを実行して、外付けの信号変換チップを制御して、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング、運搬及び記憶処理を行うことを実施し、信号変換サブシステムと信号変換チップは、シリアル周辺機器インタフェースモジュールの提供するシリアル周辺機器インタフェースプロトコルにより通信を行い、
第2メモリは、埋め込み式プログラム及び埋め込み式プロセッサが処理した電力業務データを記憶するために用いられる。
【0007】
一実施例では、信号変換サブシステムは、メモリアクセスモジュールをさらに含み、
電力専用MACモジュールにおける電力業務データのデータ量がデータ量の閾値よりも大きいと検出すると、埋め込み式プロセッサは、第2タイムスケールに基づき、特定の埋め込み式プログラムを実行して、外付けの信号変換チップを制御して、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング及び記憶処理を行うことを実施し、メモリアクセスモジュールは、電力専用MACモジュールにおける電力業務データを運搬処理するために用いられる。
【0008】
一実施例では、シリアル周辺機器インタフェースモジュールのプロトコルモードは、単線モード、2線モード及び4線モードのうちの少なくとも1つを含む。
【0009】
一実施例では、信号変換サブシステムは、8チャネルのインタフェースになるように構成されている。
【0010】
一実施例では、電力専用MACモジュールには、専用命令セットで実現されるプログラム可能なメッセージ専用プロセッサが一つ搭載され、メッセージ専用プロセッサは、タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットに対してフィルタリング及びストーム抑制処理を行って、電力業務データを得るために用いられる。
【0011】
一実施例では、システムは、1つのスレーブインタフェース及び1つのホストインタフェースを含み、スレーブインタフェース及びホストインタフェースは、システムを電力システムの専用チップに集積するために用いられる。
【0012】
一実施例では、リアルタイム処理モジュールは、第1リアルタイムプロセッサ及び第2リアルタイムプロセッサを含み、第1リアルタイムプロセッサは、信号変換サブシステムをスケジューリングするために用いられ、第2リアルタイムプロセッサは、電力専用MACモジュールをスケジューリングするために用いられる。
【0013】
一実施例では、第1タイムスケールは、イーサネットデータパケット処理のタイムスタンプ情報を含み、第2タイムスケールは、電力業務データのサンプリング時間間隔情報を含む。
【0014】
電力システムの専用チップであって、上記のシステムが集積されている、
電力システムの専用チップである。
【発明の効果】
【0015】
上記電力チップの専用サブシステム及び電力システムの専用チップは、電力チップの専用サブシステムにおけるリアルタイム処理モジュールにより、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールをスケジューリングする。電力専用MACモジュールは、タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットを処理して、電力業務データを得る。信号変換サブシステムは、タイムスケール管理モジュールの提供する第2タイムスケールに基づき、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング、運搬及び記憶処理を行うために用いられる。データ処理モジュールは、指定アルゴリズムに従って電力業務データをデータ処理して、リアルタイムプロセッサ又は電力システムの専用チップにおける応用プロセッサの負荷を低下させ、データ処理効率及びシステムの高性能を向上させるとともに、コストを低下し、システムの安定性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施例における電力チップの専用サブシステムの構造ブロック図である。
【
図2】一実施例における電力チップの専用サブシステムの構造ブロック図の模式図である。
【
図3】一実施例における信号変換サブシステムの構造ブロック図である。
【
図4】一実施例における電力システムの専用チップの構造ブロック図である。
【
図5】一実施例における電力設備の内部構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照しながら、本願をさらに詳しく説明する。ここで記述される具体的な実施例は、本願を解釈するためだけに用いられ、本願を限定するために用いられないものと理解すべきである。
【0018】
本願は、電力業務データ処理に適用される電力チップの専用サブシステムを提供する。電力チップの専用サブシステムは、ヘテロジニアスマルチコアアーキテクチャに基づくものであり、当該システムが端末に応用されるとして説明する。理解できるように、電力チップの専用サブシステムは、端末及びサーバを含む応用環境に応用して、端末とサーバとのインタラクションにより実現されてもよいし、サーバに応用してもよい。
【0019】
一実施例では、
図1に示すように、電力チップの専用サブシステムが提供される。この電力チップの専用サブシステムは、リアルタイム処理モジュール、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールを含み、リアルタイム処理モジュール、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールは、システムバスを介して相互接続されている。
【0020】
リアルタイム処理モジュールは、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールをスケジューリングするために用いられ、つまり、リアルタイム処理モジュールは、各モジュールの応用駆動を実行するために用いられる。リアルタイム処理モジュールには、少なくとも2つのリアルタイムプロセッサが含まれ、各リアルタイムプロセッサは、並列に応用駆動を実行する。リアルタイムプロセッサは、サブシステム全体のリソースのスケジューリング、プログラムのスケジューリング及びデータフローの制御を完成する。リソースのスケジューリングとは、電力業務データを電力チップの専用サブシステムから、バス相互接続を介して、SRAM/DDRなどのメモリ又はプロセッサ自体に運搬して使用することである。リアルタイム処理モジュールは、第1リアルタイムプロセッサ及び第2リアルタイムプロセッサを含み、第1リアルタイムプロセッサは、信号変換サブシステムをスケジューリングするために用いられ、第2リアルタイムプロセッサは、電力専用MACモジュールをスケジューリングするために用いられる。
【0021】
電力専用MACモジュールは、汎用MACモジュールに専用命令セットで実現されるメッセージ専用プロセッサを一つ搭載し、カスタム命令により特定のイーサネットメッセージに対するサブスクライブの機能を効率的に実現することができる。タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットを処理して、電力業務データを得るために用いられる。電力業務データは、電力システムにおける電流、電圧などのアナログ量を含む。
【0022】
第1タイムスケールは、イーサネットデータパケット処理のタイムスタンプ情報を含み、「第1」と「第2」は、異なるタイムスケールを区別するために用いられ、即ち、第1タイムスケールは、第2タイムスケールであってもよいし、第2タイムスケールは、第1タイムスケールであってもよい。タイムスケール管理モジュールは、電力チップの専用サブシステムにおける信号変換サブシステム及び電力専用MACモジュールにタイムスケールを提供するために用いられ、タイムスケールは、周辺装置の提供するIRIG-B(InterRange Instrumentation Group-B、Bタイムコード)及びPPS(Precision Positioning System、高精度測位サービス)フォーマットのタイムスケールのうちのいずれかによって定められる。
【0023】
選択的には、電力専用MACモジュールには、専用命令セットで実現されるプログラム可能なメッセージ専用プロセッサが一つ搭載され、メッセージ専用プロセッサは、タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットに対して、フィルタリング及びストーム抑制処理を行って、電力業務データを得るために用いられ、データの紛失を回避する。
【0024】
信号変換サブシステムは、ADCサブシステムであってもよく、タイムスケール管理モジュールの提供する第2タイムスケールに基づき、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対して、サンプリング、運搬及び記憶処理を行うために用いられる。信号変換サブシステム、即ちADCサブシステムは、ADCチップの制御モジュールであり、SPI(Serial Peripheral Interface、シリアル周辺機器インタフェース)プロトコルによって通信を行う。
【0025】
第2タイムスケールは、電力業務データのサンプリング時間間隔情報を含む。第2タイムスケールは、信号変換サブシステムが必要な電力業務データを採集して、採集された電力業務データを所定のフォーマットのデータに変換するようにトリガーするために用いられる。例えば、電力専用MACモジュールのサブスクライブしたイーサネットメッセージに基づき得る電力業務データは、アナログ信号である。第2タイムスケールに基づき、信号変換サブシステムの外付けのADCサンプリングチップが電力業務データをサンプリングするように制御して、サンプリング電力業務データを得る。サンプリング電力業務データを信号変換することにより、デジタル信号形式の電力業務データを得る。デジタル信号形式の電力業務データを、信号変換サブシステムが結合されたメモリに送信して記憶する。信号変換サブシステムが結合されたDMAモジュール(Direct Memory Access、ダイレクトメモリアクセス)により、データ運搬を行う。ADCサブシステムがタスクを完成した後、リアルタイムプロセッサに信号指示を中断して、データのサンプリング、運搬及び記憶を完了する。
【0026】
データ処理モジュールには、電力専用デジタル信号処理アレイ、及び電力専用デジタル信号処理アレイに結合される第1メモリを含む。電力専用デジタル信号処理アレイは、信号変換サブシステムにおける電力業務データを、指定アルゴリズム(指定アルゴリズム、即ち、電力システムに応用されるデジタル信号処理アルゴリズム、例えば、離散フーリエ変換(DiscreteFourier Transform、DFT)、高速フーリエ変換(fast Fourier transform、FFT)などのアルゴリズム)に従ってデータ処理して、所定のフォーマットに合致する処理データを得る(例えば、DFTを採用して取得電流又は電圧に畳込み演算を行い、対応するベクトルを得る)ために用いられる。メモリは、処理データを記憶するために用いられる。
【0027】
ただし、電力専用デジタル信号処理アレイは、DSPアレイ(Digital Signal Processing、デジタル信号処理技術のチップ)である。DSPアレイは、電力システムに応用される各種のデジタル信号処理アルゴリズムを実行することができ、応用プロセッサのデータ処理の負荷を緩和して、応用プロセッサのデータ処理性能を向上させ、結合された第1メモリは、SRAM(Static Random-Access Memory、スタティックランダムアクセスメモリ)である。SRAMは、計算データを記憶するために用いられる。
【0028】
選択的には、SRAMは、電力チップの専用サブシステムにおける他のモジュールの生成する中間データを記憶するために用いられ、当該中間データは、DSP計算が生成するデータ、ADCサブシステムのサンプリングデータなどを含む。
【0029】
選択的には、一実施例では、当該システムは、1つのスレーブインタフェース及び1つのホストインタフェースを含み、スレーブインタフェース及びホストインタフェースは、システムを電力システムの専用チップに集積するために用いられ、それにより、電力チップの専用サブシステムを異なるタイプや機能の電力システムの専用チップに集積することが容易になり、コストを低減させる。
【0030】
プロセッサは、レジスタを配置することにより、ADCサンプリングを起動させる。サンプリングが終了すると、プロセッサは、中断を受けて、ADCチップインタフェースによるデータの受信を開始し、初歩的にデータを処理後、データをSRAM/DDRなどに運搬して記憶して、リアルタイムプロセッサに引き渡して後続のデータ処理及び計算を行う。一実施例では、
図2に示すように、電力チップの専用サブシステムの構造ブロック図の模式図である。電力チップの専用サブシステムは、リアルタイム処理モジュール、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールを含む。また、リアルタイム処理モジュールは、2つのリアルタイムプロセッサを含み、そのうち、一方のリアルタイムプロセッサは、ADCサブシステムをスケジューリングするために用いられ、他方のリアルタイムプロセッサは、電力専用MACモジュールをスケジューリングするために用いられる。データ処理モジュールには、DSPと電力専用デジタル信号処理アレイに結合される第1メモリSRAMとが含まれる。ADCサブシステムは、8チャネルのインタフェースになるように構成され、電力専用MACは、8チャネルのインタフェースになるように構成されている。スレーブインタフェース及びホストインタフェースは、当該システムを電力システムの専用チップに集積するために用いられる。
【0031】
上記電力チップの専用サブシステムは、リアルタイム処理モジュールにより、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールをスケジューリングする。各モジュールは、機能的に互いに独立し、独立に柔軟に配置することができる。電力専用MACモジュールは、タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットを処理して、電力業務データを得る。信号変換サブシステムは、タイムスケール管理モジュールの提供する第2タイムスケールに基づき、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング、運搬及び記憶処理を行うために用いられる。リアルタイムプロセッサにより、タイムスケール管理モジュールを配置することで、同時にADCサブシステム及び電力専用MACモジュールにタイムスケールを提供することができ、それにより、ADCサンプリングの定時と、イーサネットデータパケットメッセージの定時的な解析などの機能をサポートする。データ処理モジュールは、電力業務データを指定アルゴリズムに従ってデータ処理し、それにより、リアルタイムプロセッサ又は電力システムの専用チップにおける応用プロセッサの負荷を低下させ、データ処理効率及びシステムの高性能を向上させるとともに、コストを低下させ、システムの安定性を向上させる。
【0032】
一実施例では、
図3に示すように、信号変換サブシステムが提供される。当該信号変換サブシステムは、埋め込み式プロセッサ、第2メモリ、シリアル周辺機器インタフェースモジュール及びメモリアクセスモジュールを含み、そのうち、
埋め込み式プロセッサは、第2タイムスケールに基づき、特定の埋め込み式プログラムを実行し、外付けの信号変換チップを制御して、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング、運搬及び記憶処理を行うことを実施する。信号変換サブシステムと信号変換チップは、シリアル周辺機器インタフェース(SPI)モジュールの提供するシリアル周辺機器インタフェースプロトコルによって通信を行う。つまり、SPIインタフェースは、SPIプロトコルにより、信号変換サブシステムをADCサンプリングチップと通信させることができる。また、SPIプロトコルのモードは、単線、2線、4線などのモードに設定され、それにより、異なるタイプのADCサンプリングチップに適応することができ、信号変換サブシステムの汎用性を向上させる。
【0033】
第2メモリは、埋め込み式プログラム及び埋め込み式プロセッサによる処理後の電力業務データを記憶するために用いられる。第2メモリは、SRAMであり、即ち、SRAMは、同時に埋め込み式プロセッサのプログラムのメモリ及びデータのメモリとすることができ、記憶するプログラム及びデータの大きさは、いずれも柔軟に設定可能であり、異なるプログラム及びデータの需要に応じて設定される大きさを決定することができる。
【0034】
メモリアクセスモジュール(即ち、DMAモジュール)は、電力専用MACモジュールにおける電力業務データのデータ量がデータ量の閾値よりも大きいと検出すると、埋め込み式プロセッサは、第2タイムスケールに基づき、特定の埋め込み式プログラムを実行し、外付けの信号変換チップを制御して、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング及び記憶処理を行うことを実施する。メモリアクセスモジュールは、電力専用MACモジュールにおける電力業務データを運搬処理するために用いられる。即ち、DMAモジュールは、柔軟なデータ運搬に用いられ、それにより、埋め込み式プロセッサを占用することなく、埋め込み式プロセッサに例えばADCサンプリングのデータ処理などの他の処理を行わせることができる。これにより、埋め込み式プロセッサの性能を向上させる。上記信号変換サブシステムにおいて、ADCサブシステムは、まず外部ホストによって埋め込み式プログラムをSRAM中に取り入れ、そして、埋め込み式プロセッサを起動させ、取得した第2タイムスケールに基づき、外付けのADCサンプリングチップを制御して、サンプリングを起動させて、SPIプロトコルによって通信を行って、電力業務データを送信又は受信する。即ち、埋め込み式プロセッサは、サンプリングが開始する前に、DMAモジュールを配置することができ、サンプリングが開始後、DMAは、SPIに適応する電力業務データを自ら運搬し、また、選択的に、異なるメモリ(例えば、DSPのSRAM、埋め込み式プロセッサのSRAMなど)に運搬する。DMAとSPIモジュールとは、ハードウェアによるハンドシェイクの方式によりハンドシェイクし、その後、バスを介して相互接続されてデータ運搬を行う。埋め込み式プロセッサは、先立って運搬されてきたデータに対していくつかの処理を行って、その後、データをサブシステムの他のモジュールに送信することができる。即ち、柔軟な配置により、電力業務データを処理する際、専用機能の需要を配置することで、コストを低下させることができる。
【0035】
一実施例では、
図4に示すように、電力システムの専用チップ(電力SoCチップ)が提供され、当該電力システムの専用チップには、電力チップの専用サブシステム、応用プロセッサ、他のモジュール及びDDRコントローラ(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory、ダブルデータレート・シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ)が集積されている。電力チップの専用サブシステム、応用プロセッサ、他のモジュール及びDDRコントローラは、通信バスを介して相互接続されている。DDRコントローラは、DDRメモリにアクセス可能であり、大量のデータの記憶について、柔軟にDDRアクセスにより解决することができる。
【0036】
電力チップの専用サブシステムは、リアルタイム処理モジュール、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールを含み、リアルタイム処理モジュール、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールは、システムバスを介して相互接続されている。
【0037】
リアルタイム処理モジューは、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールをスケジューリングするために用いられる。リアルタイム処理モジュールは、第1リアルタイムプロセッサ及び第2リアルタイムプロセッサを含む。第1リアルタイムプロセッサは、信号変換サブシステムをスケジューリングするために用いられ、第2リアルタイムプロセッサは、電力専用MACモジュールをスケジューリングするために用いられる。
【0038】
電力専用MACモジュールは、タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットを処理して、電力業務データを得るために用いられる。第1タイムスケールは、イーサネットデータパケット処理のタイムスタンプ情報を含む。即ち、電力専用MACモジュールには、専用命令セットで実現されるプログラム可能なメッセージ専用プロセッサが一つ搭載されている。メッセージ専用プロセッサは、タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットに対してフィルタリング及びストーム抑制処理を行って、電力業務データを得るために用いられる。
【0039】
信号変換サブシステムは、タイムスケール管理モジュールの提供する第2タイムスケールに基づき、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング、運搬及び記憶処理を行うために用いられる。データ処理モジュールには、電力専用デジタル信号処理アレイと、電力専用デジタル信号処理アレイに結合される第1メモリとが含まれる。電力専用デジタル信号処理アレイは、信号変換サブシステムにおける電力業務データを指定アルゴリズムに従ってデータ処理して、所定のフォーマットに合致する処理データを得るために用いられる。メモリは、処理データを記憶するために用いられる。
【0040】
なお、信号変換サブシステムは、埋め込み式プロセッサ、第2メモリ及びシリアル周辺機器インタフェースモジュールを含む。埋め込み式プロセッサは、第2タイムスケールに基づき、特定の埋め込み式プログラムを実行して、外付けの信号変換チップを制御して、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング、運搬及び記憶処理を行うことを実施する。第2タイムスケールは、電力業務データのサンプリング時間間隔情報を含む。信号変換サブシステムと信号変換チップは、シリアル周辺機器インタフェースモジュールの提供するシリアル周辺機器インタフェースプロトコルによって通信を行う。第2メモリは、埋め込み式プログラム及び埋め込み式プロセッサの処理後の電力業務データを記憶するために用いられる。信号変換サブシステムは、8チャネルのインタフェースとなるように構成されている。シリアル周辺機器インタフェースモジュールのプロトコルモードには、単線モード、2線モード及び4線モードのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0041】
電力専用MACモジュールにおける電力業務データのデータ量がデータ量の閾値よりも大きいと検出すると、埋め込み式プロセッサは、第2タイムスケールに基づき、特定の埋め込み式プログラムを実行して、外付けの信号変換チップを制御して、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング及び記憶処理を行うことを実施する。信号変換サブシステムにおけるメモリアクセスモジュールにより、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対して運搬処理を行う。
【0042】
選択的には、システムは、1つのスレーブインタフェース及び1つのホストインタフェースを含む。スレーブインタフェース及びホストインタフェースは、システムを電力システムの専用チップに集積するために用いられる。
【0043】
具体的には、電力システムの専用チップの応用プロセッサは、バスによって電力チップの専用サブシステム内におけるすべての配置可能なオプションを配置することができ、また、電力チップの専用サブシステムは、さらにバスを介してDDR SDRAM(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory、ダブルデータレート・シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ、単にDDRと称する)コントローラにアクセスことができる。DDRコントローラは、DDRメモリにアクセスすることができる。大量のデータの記憶について、柔軟にDDRアクセスにより解決することができる。電力SoCにおいて電力チップの専用サブシステムは、応用プロセッサにより初期化された後、自動的に稼働することができ、SoCの他のリソースを占用することがなく、応用プロセッサは、このとき、他のタスクを行うことができる。電力チップの専用サブシステムに割り当てられた動作が完了した後、中断信号により応用プロセッサに通知する。即ち、電力データ処理の需要を満たした上、システムのコストや消費電力を低下し、システムの安定性を向上させる。
【0044】
電力システムの専用チップに関する具体的な限定について、前文において電力チップの専用サブシステムに対する限定を参照すればよく、ここで説明の繰り返しは省略する。上述した電力システムの専用チップにおける各モジュールは、すべて又は一部がソフトウェア、ハードウェア及びそれらの組み合わせで実現することができる。
【0045】
一実施例では、電力設備が提供され、当該電力設備は、端末であってもよく、その内部構造図は、
図5で示すようにすることができる。当該電力設備は、システムバスを介して接続されたプロセッサ、メモリ、通信インタフェース、ディスプレイ及び入力装置を含む。なお、当該電力設備のプロセッサは、計算及び制御能力を提供するために用いられる。当該電力設備のメモリは、不揮発性記憶媒体と内部メモリを含む。当該不揮発性記憶媒体には、オペレーティングシステム及びプログラムが記憶されている。当該内部メモリは、不揮発性記憶媒体におけるオペレーティングシステム及びプログラムの動作に環境を提供する。当該電力設備の通信インタフェースは、外部の端末と有線又は無線の形態で通信するために用いられる。無線の形態は、WIFI、サービスプロバイダネットワーク、NFC(近距離無線通信)又は他の技術により実現することができる。当該設備プログラムは、プロセッサによって実行されると、電力チップの専用サブシステムを実現する。当該電力設備のディスプレイは、液晶ディスプレイ又は電子インクディスプレイであってもよい。当該電力設備の入力装置は、ディスプレイに被覆されたタッチ層であってもよく、設備に設けられたボタン又はタッチパネルなどであってもよい。
【0046】
当業者であれば理解できるように、
図5に示した構造は、本願発明に関連する部分構造のブロック図に過ぎず、本願発明が応用される電力設備に対する限定とならず、具体的な電力設備は、図に示した部材と比べてより多く又はより少ない部材を含むことができ、或いは、ある一部の部材を組み合わせることができ、或いは、異なる部材の配置を有することができる。
【0047】
一実施例では、電力設備が提供され、当該電力設備は、メモリ及びプロセッサを含み、メモリには、コンピュータプログラムが記憶されている。当該プロセッサは、コンピュータプログラムを実行すると、上記システムの実施例における機能を実現する。
【0048】
一実施例では、読み取り可能な記録媒体が提供され、読み取り可能な記録媒体には、コンピュータプログラムが記憶されている。当該コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、上記システムの実施例における機能を実現する。
【0049】
当業者であれば理解できるように、上記実施例に係るシステムの全部又は一部のプロセスは、コンピュータプログラムによって関連するハードウェアに指示することで実現できる。コンピュータプログラムは、不揮発性読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。当該コンピュータプログラム(設備プログラム)は実行されるとき、上記各システムの実施例のプロセスを含むことができる。また、本願の提供する各実施例に用いられたメモリ、記憶装置、データベース又は他の媒体に対するいかなる言及も、いずれも不揮発性と揮発性メモリのうちの少なくとも1つを含むことができる。不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、磁気テープ、フロッピーディスク、フラッシュメモリ又は光メモリなどを含むことができる。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)又は外部高速キャッシュメモリを含むことができる。限定ではなく、説明として、RAMは、多種の形式、例えばスタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory、SRAM)又はダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory、DRAM)などであってもよい。
【0050】
以上の実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡単にするため、前記実施例中の各技術的特徴のすべての可能な組み合わせは説明されていないが、これらの技術的特徴の組み合わせが矛盾しない限り、すべて本明細書に記載された範囲と見なすべきである。
【0051】
以上の実施例は本願のいくつかの実施形態を表現しただけで、その説明は比較的に具体的で詳細であるが、これによって発明の特許請求の範囲に対して制限すると理解すべきではない。当業者にとって、本願の構想を逸脱しない前提で、また若干の変形と改良を行うことができ、これらはすべて本願の保護範囲に属することを明確にすべきである。従って、本願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲を基準とする。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力チップの専用サブシステムであって、
リアルタイム処理モジュールと、データ処理モジュールと、信号変換サブシステムと、タイムスケール管理モジュールと、電力専用MACモジュールとを含み、前記リアルタイム処理モジュール、データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールは、システムバスを介して相互接続され、
前記リアルタイム処理モジュールは、前記データ処理モジュール、信号変換サブシステム、タイムスケール管理モジュール及び電力専用MACモジュールをスケジューリングするために用いられ、
前記リアルタイム処理モジュールには、少なくとも2つのリアルタイムプロセッサが含まれ、各リアルタイムプロセッサは、並列に応用駆動を実行し、リアルタイムプロセッサは、サブシステム全体のリソースのスケジューリング、プログラムのスケジューリング及びデータフローの制御を完成し、前記電力専用MACモジュールとは、汎用MACモジュールに専用命令セットで実現される一つのメッセージ専用プロセッサが一つ搭載されるものを指し、
前記電力専用MACモジュールは、前記タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットを処理して、電力業務データを得るために用いられ、
前記第1タイムスケールは、イーサネットデータパケット処理のタイムスタンプ情報を含み、
前記信号変換サブシステムは、前記タイムスケール管理モジュールの提供する第2タイムスケールに基づき、前記電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング、運搬及び記憶処理を行うために用いられ、
前記信号変換サブシステムはADCサブシステムであり、前記電力業務データに対するサンプリングとは、信号変換サブシステムの外付けのADCサンプリングチップにより電力業務データに対してサンプリングを行うことを指し、前記信号変換サブシステムにはメモリアクセスモジュールが結合され、前記メモリアクセスモジュールは、電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対して運搬処理を行うために用いられ、
前記データ処理モジュールには、電力専用デジタル信号処理アレイ及び前記電力専用デジタル信号処理アレイに結合される第1メモリが含まれ、前記電力専用デジタル信号処理アレイは、前記信号変換サブシステムにおける電力業務データを指定アルゴリズムに従ってデータ処理して、所定のフォーマットに合致する処理データを得るために用いられ、前記第1メモリは、前記処理データを記憶するために用いられ、
前記デジタル信号処理アレイはDSPアレイであり、各種の電力デジタル信号処理アルゴリズムを実行し、前記第1メモリはSRAMであり、前記SRAMは、DSP計算が生成するデータと、ADCサブシステムのサンプリングデータとを含めて、計算データを記憶するために用いられる、
ことを特徴とする電力チップの専用サブシステム。
【請求項2】
前記信号変換サブシステムは、埋め込み式プロセッサと、第2メモリと、シリアル周辺機器インタフェースモジュールとを含み、
前記埋め込み式プロセッサは、前記第2タイムスケールに基づき、特定の埋め込み式プログラムを実行して、外付けの信号変換チップを制御して、前記電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング、運搬及び記憶処理を行うことを実施し、前記信号変換サブシステムと前記信号変換チップは、前記シリアル周辺機器インタフェースモジュールの提供するシリアル周辺機器インタフェースプロトコルにより通信を行い、
前記第2メモリは、前記埋め込み式プログラム及び前記埋め込み式プロセッサが処理した電力業務データを記憶するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記信号変換サブシステムは、メモリアクセスモジュールをさらに含み、
前記電力専用MACモジュールにおける電力業務データのデータ量がデータ量の閾値よりも大きいと検出すると、前記埋め込み式プロセッサは、前記第2タイムスケールに基づき、特定の埋め込み式プログラムを実行して、外付けの信号変換チップを制御して、前記電力専用MACモジュールにおける電力業務データに対してサンプリング及び記憶処理を行うことを実施し、前記メモリアクセスモジュールは、前記電力専用MACモジュールにおける電力業務データを運搬処理するために用いられる、
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記シリアル周辺機器インタフェースモジュールのモードは、単線モード、2線モード及び4線モードのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記信号変換サブシステムは、8チャネルのインタフェースになるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記メッセージ専用プロセッサは、前記タイムスケール管理モジュールの提供する第1タイムスケールに基づき、サブスクライブされたイーサネットデータパケットに対してフィルタリング及びストーム抑制処理を行って、電力業務データを得るために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、1つのスレーブインタフェース及び1つのホストインタフェースを含み、前記スレーブインタフェース及び前記ホストインタフェースは、前記システムを電力システムの専用チップに集積するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記リアルタイム処理モジュールは、第1リアルタイムプロセッサ及び第2リアルタイムプロセッサを含み、前記第1リアルタイムプロセッサは、信号変換サブシステムをスケジューリングするために用いられ、前記第2リアルタイムプロセッサは、電力専用MACモジュールをスケジューリングするために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2タイムスケールは、電力業務データのサンプリング時間間隔情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
電力システムの専用チップであって、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシステムが集積されている、
ことを特徴とする電力システムの専用チップ。
【国際調査報告】