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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】視覚無視を治療するシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/08 20060101AFI20240319BHJP
   A61H 5/00 20060101ALI20240319BHJP
   G16H 20/30 20180101ALI20240319BHJP
   A61B 3/113 20060101ALI20240319BHJP
   A61B 3/103 20060101ALI20240319BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240319BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20240319BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A61B3/08
A61H5/00 Z
G16H20/30
A61B3/113
A61B3/103
A61B5/00 102A
A61B5/055 382
A61B5/055 380
A61B10/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551695
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-08-24
(86)【国際出願番号】 EP2022054749
(87)【国際公開番号】W WO2022184560
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】21159875.0
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ファン エー レイモンド
【テーマコード(参考)】
4C046
4C096
4C117
4C316
5L099
【Fターム(参考)】
4C046AA31
4C046AA33
4C046AA45
4C046BB10
4C046BB12
4C046DD07
4C046DD36
4C046EE10
4C046EE32
4C096AD14
4C096DC21
4C096DC22
4C096DC28
4C117XD01
4C117XD04
4C117XD06
4C117XE18
4C117XE45
4C117XR08
4C316AA13
4C316AA21
5L099AA15
(57)【要約】
視覚無視を治療するシステムは、仮想現実ヘッドセットと、機能的MRI(fMRI)スキャナ画像を受信する入力とを有する。初期分析段階の間、視覚画像は、仮想現実ヘッドセットを介してユーザに対して異なる角度位置及び奥行き位置でユーザに提示されるために生成される。fMRI画像は、生成された視覚画像に応じた、視覚的知覚、眼球運動の生成、及び対象の視覚的アウェアネスに関連する脳活動を監視するために処理される。このようにして、視覚無視を治療する際に使用するために、ユーザの視覚的アウェアネスの3Dマップが導出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚無視を治療するシステムであって、
仮想現実ヘッドセットと、
機能的MRIスキャナ画像を受信する入力と、
プロセッサと、
を有し、前記プロセッサが、
初期分析段階において、患者に合わせたプリズム治療を導出し、前記仮想現実ヘッドセットを介してユーザに対し異なる角度位置及び奥行き位置で前記ユーザに提示される視覚画像を生成することによって、前記患者に合わせたプリズム治療を実行するステップと、
前記機能的MRIスキャナ画像をリアルタイムに処理することによって、前記生成される視覚画像に応じた、視覚的知覚、眼球運動の生成、及び対象の視覚的アウェアネスに関連する脳活動を監視するステップと、
前記視覚無視を治療するのに使用される、前記ユーザの前記視覚的アウェアネスの3Dマップを導出するステップと、
を実行するように構成される、システム。
【請求項2】
前記患者に合わせたプリズム治療が、前記プリズム治療中に前記仮想現実ヘッドセットによってシミュレートされる仮想レンズ度数設定を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記患者に合わせたプリズム治療が、前記プリズム治療の持続時間にわたって変化していく仮想レンズ度数を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記仮想現実ヘッドセットに組み込まれた眼球運動追跡システムを更に有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記ユーザの視線の方向及び奥行きを確認するために前記眼球運動追跡情報を処理するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記ユーザが視覚的に意識する領域から、前記ユーザが視覚的に意識しない領域に移動する視覚画像を生成するように構成される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記初期分析段階において、前記ユーザによって認知されるべき顔の形態の画像を表示し、前記監視された脳活動によって前記顔が見られ、認知されたかを決定するように構成される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記顔が見られ、認知されたという前記ユーザからの標示を受け取る入力を更に有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記機能的MRIスキャナ画像を処理して、視覚皮質、紡錘状回顔領域、前頭前皮質、及び前頭皮質のうちの1つ又は複数において監視される脳活動を監視するように構成される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
機能的MRIスキャナを更に有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは更に、治療段階において、前記仮想現実ヘッドセットを介して前記ユーザに提示されるための視覚画像であって、前記仮想現実ヘッドセットを装着しない状態で前記ユーザの視野内に存在するであろう現実の視覚世界のシフトをもたらす前記視覚画像、を生成するように構成され、前記シフトは、角度方向及び奥行き方向の両方である、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
視覚無視を治療するのに使用されるデータを収集するためのコンピュータ実現方法であって、
患者に合わせたプリズム療法を導出するステップと、
導出された前記患者に合わせたプリズム療法の視覚画像であって、仮想現実ヘッドセットを介してユーザに対し異なる角度位置及び奥行き位置で提示される前記視覚画像、を生成するステップと、
機能的MRI画像を処理することによって、前記生成された視覚画像に応じた、視覚的知覚、眼球運動の生成、及び対象の視覚的アウェアネスに関連する脳活動を監視するステップと、
視覚無視を治療するのに使用される、前記ユーザの前記視覚的アウェアネスの3Dマップを導出するステップと、
を有する方法。
【請求項13】
コンピュータ上で実行される場合に請求項12に記載の方法を実行するように構成されるコンピュータプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚無視(visual neglect)を治療するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
視覚無視は、一般には視空間の半分の視野(左又は右)において、知覚せず、応答せず、又は刺激に眼を向けないことを伴う。視覚無視は、通常、脳卒中によって引き起こされ、機能障害を伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
うつ病(depression)が視覚無視によって引き起こされる生理学的/ニューロン障害の精神的結果であり得ることがよく知られている。視覚無視は、米国単独で、年間約400,000人の新規患者を含む。視覚無視患者の約30~50%において、視覚的機能障害の結果として大うつ病(major depression)が生じる。
【0004】
このうつ病の治療負担を軽減する必要性が広く認められている。
【0005】
視覚無視(及び関連するうつ病)の今日の一般的な治療は、固定プリズムによって引き起こされる、左又は右への光学的偏差を伴うプリズムトレーニングを使用する。
【0006】
図1は、患者12の視線にプリズム10を使用して、脳の正中方向の知覚を修正することを示す。
【0007】
トレーニング期間中、脳はシフトに適応し、それによって、前方の対象14が、右側(位置16)に位置しているように見える。最初、患者は、中心の対象が右側に位置しているかのように経験する。しかしながら、脳は、時間の経過とともにこのミスマッチに適応し、その結果、視覚世界は、トレーニング期間の後に左にシフトされ、これは、観察者が、左の視覚半球(以前は無視されていた)内で標的をよりよく知覚することができることを意味する。
【0008】
そのような光学的偏差を使用するトレーニングは、視覚無視をリハビリテーションすることができ、うつ病の重症度の低下につながる。この治療では、視覚無視の患者がテーブルのところで座り(又はベッドに座り)、外界を横方向に移動させる図1に示すウェッジプリズムを着用しながら、視覚的にガイドされる指向運動を手で繰り返し実施するようにトレーニングされる。
【0009】
脳のニューロンレベルでは、シフトされる視野トレーニングは、視覚情報が網膜ベースの座標から腕の運動座標に変換される方法を修正する。視覚情報を右方向に変位させるプリズムを装着している視覚無視患者は、対象が「現れる」場所の左側に、その実際のロケーションを指向するために指向運動を行わなければならない。無視の患者では、例えば、左方向の動きのこの増加は、プリズム適応期間後も持続し、日常生活の課題に一般化することができる。
【0010】
今日、医学療法士(medical therapist)は、トレーニングが視覚無視の減少をもたらすかに関して、参加者の応答に完全に頼らなければならない。従来のプリズムレンズは、眼鏡フレームに取り付けられなければならず、これは、プリズムレンズの度数(power)が固定され、トレーニング中、レンズの度数が固定されたままであることを意味する。トレーニングの過程で、強度を増加させるようにレンズ度数を適応的に変化させることは実用的ではない。
【0011】
リハビリテーションの実際から、最適なトレーニングのためには、腕の運動能力系に加えて、眼球運動能力系も訓練されて、正中方向の知覚を再較正することが重要である。しかしながら、療法士が眼球運動を正確に追跡することができないという問題があり、そのため、そのような測定は、従来の(人間により誘導される)トレーニングでは実用的ではない。ある程度まで、人間のトレーナは、患者の眼球運動の代理の手段として腕運動を使用するが、この方法は、無視される視野においては特に不正確である。
【0012】
例えば、M. Wilf et. al., "Combined virtual reality and haptic robotics induce space and movement invariant sensorimotor adaptation", Neuropsychologia 150 (2021) 107692に開示されているように、仮想現実ヘッドセットを使用してプリズムオフセットをシミュレートすることが知られている。これはプリズムシステムよりも便利である。
【0013】
視覚無視を治療するための改善されたシステムが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、請求項により規定される。
【0015】
本発明の一態様による実施例によれば、視覚無視を治療するためのシステムであって、仮想現実(virtual reality)ヘッドセットと、機能的MRI(fMRI)スキャナ画像を受信する入力と、プロセッサと、を有し、前記プロセッサが、初期分析段階において、仮想現実ヘッドセットを介してユーザに対し異なる角度位置及び奥行き位置でユーザに提示されるための視覚画像を生成するステップと、fMRI画像をリアルタイムに処理することにより、生成される視覚画像に応じた視覚的知覚(visual perception)、眼球運動の生成、及び対象の視覚的アウェアネス(視覚的意識、visual awareness)に関連する脳活動を監視するステップと、視覚無視の治療に使用される、ユーザの視覚的アウェアネスの3Dマップを導出するステップと、を実行するように適応される、システムが提供される。
【0016】
このシステムは、仮想現実ヘッドセットを使用して、角度位置(一般には、左右であるが、場合によっては、上下も含む)並びに奥行き位置含む、ユーザの視野を形成する3Dボリューム内の異なる位置に視覚刺激が提供されることを可能にする。現在、無視は1つの空間領域のみで起こり得るというエビデンスがある。この領域は、ペリパーソナルスペース(腕の長さ以内)又はエクストラパーソナルスペース(腕の長さを超える)でありうる。多くの患者が、両方の領域(ペリパーソナルスペース及びエクストラパーソナルスペース)で無視を示す。最近の研究では、患者の8%~22%が一方の距離で無視を示した(すなわち、ペリパーソナルスペース又はエクストラパーソナルスペース)一方で、患者の11%~14%が、両方の距離で無視を示したことがわかっている。無視を診断する際には、領域(region)固有の無視の種類を区別し、必要に応じてリハビリテーションプログラムを調整することが重要である。これは、本発明のシステムによって単純な方法で可能になる。
【0017】
仮想現実ヘッドセットの使用はまた、今日の実際における別の既存の欠点に対処する。ほとんどの研究は、患者がトレーニングを受けている間、患者自身の腕の動きを継続的に監視することを防ぐために、視覚的障壁(棚、厚紙、又は布)を使用する。これは実用的ではなく、この方法を、設定された医療基準に準拠させることは困難である。
【0018】
「仮想現実ヘッドセット」は、現実世界のビューを遮断し、3D仮想世界の表現を表示する、ユーザによって装着されるディスプレイシステムを意味することに留意されたい。それは、眼鏡、ゴーグル、又はヘルメットでありうる。
【0019】
システムは、fMRIイメージングからの機能的脳処理データ(すなわち、視覚無視に関連する機能的脳領域又は機能的ニューラルネットワーク)を使用して、視覚的アウェアネスを評価する。これは、視覚無視の治療のために感覚刺激を最適化する(従って、患者に合わせた治療を提供する)治療プログラムを導出するために、また、以前のトレーニングの有効性を監視するために、使用されることができる。リアルタイム磁気共鳴イメージング脳モニタリングの使用は、患者フィードバックのみからよりも、視覚空間の無視された過去から正確に視覚信号をピックアップすることができるかを療法士がることができることを意味する。
【0020】
仮想現実ヘッドセットは、プリズムレンズセットアップを実施するための代替的な方法を提供する。これは、眼鏡フレームに取り付けられなければならない物理的レンズを使用する必要性を回避し、トレーニング中のレンズ度数の変化を含む、異なるレンズ度数がエミュレートされることができることを意味する。
【0021】
プロセッサは、初期分析段階から、患者に合わせたプリズム治療を導出するように適応されることができる。しかしながら、プリズム治療は、物理的プリズムによってではなく、仮想現実ヘッドセットによって実施される。患者に合わせたプリズム治療は、例えば、プリズム治療中にVRヘッドセットによってシミュレートされる仮想レンズ度数設定を含む。患者に合わせたプリズム治療は、プリズム治療の持続時間にわたって変化していく仮想レンズ度数を含むことができる。これによってダイナミックな治療が可能になり、より迅速に肯定的な治療結果を得ることができる。
【0022】
システムは更に、好ましくは、仮想現実ヘッドセットに統合された眼球運動追跡システムを有する。
【0023】
既存のプリズム適応方法は、知覚される正中方向と腕の運動能力系との間の解離のみを利用する。視線追跡の使用は、知覚される正中方向と腕の運動系との間の解離に加えて、システムが、知覚される正中方向と眼球運動系との間の解離を利用することができることを意味する。
【0024】
実際、リハビリテーションの実際から、腕の運動能力系に加えて、眼球運動能力系が、知覚される正中方向を再較正するようにトレーニングされていることが、最適なトレーニングにとって興味深いことが知られている。従って、眼球の姿勢及び動きを測定する技術的能力が重要である。従来のプリズム適応セットアップでは、眼球運動は測定されない。療法士は、眼球運動を正確に追跡することができないので、そのような測定は、従来の(人間が誘導する)トレーニングでは実用的ではない。代わりに、腕の運動は、患者の眼球運動の代理の手段として使用されるが、この方法は、無視された視野において特に不正確である。
【0025】
このシステムは、MRイメージングボア内での視標追跡を可能にし、患者に合わせたプリズム治療を最適化し、これにより、うつ病のより効果的な治療をもたらすことができる。
【0026】
プロセッサは、ユーザの視線の方向及び奥行きを確認するために眼球運動追跡情報を処理するように適応されることができる。従って、眼球追跡は、患者の焦点の角度及び奥行きの両方を決定することができる。
【0027】
視線追跡の使用は、(仮想画像としてユーザに提示される)目に見える手の位置と眼球の運動座標との間の解離、又は(再び仮想画像として提示される)目に見える対象の位置と眼球の運動座標との間の解離を生成することを可能にし得る。解離はまた、目に見える手の位置と目に見える対象の位置との間でも生成されうる。
【0028】
例えば、療法ルーチンでは、画像生成は、視線追跡情報に応答してリアルタイムに制御されることができ、例えば、対象の画像(又は顔又は手の画像)を、それが患者の視線の前方に留まるように動かす。これは、より困難な(従って、より刺激的である)経験を提供し、その結果、患者に対してより効果的な治療を提供することができる。これは、目に見える手の位置と腕の運動座標との間の解離のみを生成する既知のシステムと比較して、追加の柔軟性を提供する。
【0029】
プロセッサは、例えば、ユーザが視覚的に意識している領域から、ユーザが視覚的に意識していない領域に、移動する視覚画像を生成するように構成される。次いで、fMRI分析は、ユーザが提示された画像を知覚しなくなったときを追跡することができる。
【0030】
プロセッサは、初期分析段階において、選択された角度及び奥行きで、ユーザによって認知されるべき顔を表示し、監視される脳活動によって顔が見られ、認知されたかを決定するように適応されることができる。
【0031】
認知可能な顔の使用は、前頭前皮質を刺激し、これは、視覚画像に対するより強い脳反応を刺激する。顔の画像はまた、上記で説明したように、可視の視野から無視される視野に移動されることができる。
【0032】
システムは、ユーザから、顔が見られ、認知されたという標示を受け取るための入力を更に有することができる。これは、処理をよりロバストにするための追加のフィードバックを提供する。
【0033】
プロセッサは、fMRI画像を処理することにより、視覚皮質、紡錘状回顔領域(FusiForm face area)、前頭前皮質、前頭皮質のうちの1又は複数において監視される脳活動を監視するように適応されることができる。
【0034】
システムは、fMRIスキャナを更に有することができる。
【0035】
プロセッサは更に、例えば、治療段階において、仮想現実ヘッドセットを介してユーザに提示されるための視覚画像であって、仮想現実ヘッドセットを装着しない状態で被検体の視野内に存在するであろう現実の視覚世界のシフトを導入する前記視覚画像を生成するように構成され、シフトは、角度方向及び奥行き方向の両方にある。
【0036】
これは、プリズム療法の仮想現実実現を提供する。
【0037】
本発明はまた、視覚無視を治療するのに使用するデータを収集するためのコンピュータ実現方法であって、仮想現実ヘッドセットを介してユーザに対して異なる角度及び奥行き位置でユーザに提示されるための視覚画像を生成するステップと、fMRI画像を処理することによって、生成される視覚画像に応じた、視覚的知覚、眼球運動の生成、及び対象の視覚的アウェアネスに関連する脳活動を監視するステップと、視覚無視を治療する際に使用するための、ユーザの視覚的アウェアネスの3Dマップを導出するステップと、を有する。
【0038】
本方法は、初期分析段階から患者に合わせたプリズム治療を導出することを更に含むことができる。
【0039】
本発明は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行される場合に、上述した方法を実施するように適応されるコンピュータプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムも提供する。
【0040】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、これを参照して説明される。
【0041】
本発明をより良く理解し、本発明をどのように実施することができるかをより明確に示すために、単なる例として、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】脳の正中方向の知覚を修正するために患者の視線におけるプリズムの適用を示す図。
図2】視覚無視を治療するシステムを示す図。
図3】プリズムシフトをシミュレートするためにバーチャルリアリティを使用することの適用可能性を示す実験の結果を示す図。
図4】視覚無視の治療に使用するデータを収集するためのコンピュータ実現方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明は、図面を参照して説明される。
【0044】
詳細な説明及び特定の例は、装置、システム及び方法の例示的な実施形態を示しているが、例示のみを目的としたものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではないことを理解されたい。本発明の装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面からより良く理解されるであろう。図面は単に概略的なものであり、一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。また、同じ参照数字が、同じ又は類似の部分を示すために、図面全体にわたって使用されることを理解されたい。
【0045】
本発明は、仮想現実ヘッドセットと、機能的MRI(functional MRI、fMRI)スキャナ画像を受信する入力部とを有する、視覚無視を治療するためのシステムを提供する。初期分析段階の間、視覚画像は、仮想現実ヘッドセットを介してユーザに対し異なる角度位置及び奥行き位置でユーザに提示されるために生成される。fMRI画像は、生成される視覚画像に応じた、視覚的知覚、眼球運動の生成、及び対象の視覚的アウェアネスに関連する脳活動を監視するために処理される。このようにして、視覚無視を治療する際に使用される、ユーザの視覚的アウェアネスの3Dマップが導出される。
【0046】
図2は、視覚無視を治療するためのシステム20を示す。システムは、眼球追跡システム24を具備する仮想現実ヘッドセット22を有する。システムは、プロセッサ26と、ユーザから制御コマンドを受信し及びユーザのために出力を生成するためのユーザインターフェース28を更に有する。
【0047】
システムは、機能的MRI(fMRI)スキャナ30と共に使用され、プロセッサ26は、fMRI画像を受信する入力32を有する。
【0048】
プロセッサ26は、初期分析段階及び治療段階の両方に使用される。初期分析段階の間、患者の状態が評価される。これは、仮想現実ヘッドセット22を介してユーザに対し異なる角度位置及び奥行き位置でユーザに提示されるための視覚画像を生成することを伴う。目的は、患者が視覚無視を患う3D空間領域を識別することである。
【0049】
この識別を行うために、fMRI画像が、リアルタイムに処理されることで、生成される視覚画像に応じた、視覚的知覚、眼球運動の生成、及び対象の視覚的アウェアネスに関連する脳活動を監視する。
【0050】
分析段階のために、患者はMRスキャナ30内に配置される。
【0051】
分析段階を実施する態様の一例は、患者の視野内に馴染みのある顔のピクチャを提示し、リアルタイムの脳活動を使用して、脳が視覚刺激を部分的に又は完全に処理することができるかを測定することである。
【0052】
活動が監視されている重要な脳領域は、提示されたピクチャが最初に眼によって検出され、その後に脳によって検出されるかをテストするための視覚皮質である。加えて、顔が顔処理脳領域によって処理されているかをチェックするために、脳の紡錘状回顔領域も監視されることができる。
【0053】
しかし、視覚皮質及び紡錘状回顔領域における脳活動は、患者が顔のピクチャを意識していること、及び患者が顔の部分に眼又は注意を向けることができることの両方の証明を提供しない。注意に関連する脳領域、及び眼球運動に関連する脳領域についての前頭前皮質の監視は、視覚対象が患者による顔ピクチャのアウェアネスをもたらすことを確実にするように実施されることができる。
【0054】
患者はまた、例えば、提示された視覚対象が知覚されるとき(患者が提示された視覚対象を意識していることを意味する)、又は対象がもはや知覚されないときにボタンを押すことによって、ユーザインターフェース28を介してユーザ入力を提供するように命令されることができる。脳活動の測定は、患者の頭部の前方の外部3D視野全体にわたる顔ピクチャのロケーションについて繰り返されることができる。この結果、患者が顔ピクチャを意識していないロケーションからなる3Dマップが得られる。
【0055】
このプロシージャは自動化されることができる。例えば、自動化されたシステムを使用して、標的が目に見える又は無視される2D前頭平面をマッピングすることができる。人工知能エージェントを使用して、視野内の標的の投影距離を適応的に変化させて、距離依存の視覚無視のシステマチックな診断を提供することができる。分析は、腕の長さの範囲内及び腕の長さを超える範囲の両方の距離をシミュレートすることができる。
【0056】
一例として、左半視野に視覚無視がある患者の場合、右半視野の視力は通常影響を受けない。このような患者の場合、右端の視覚半視野(良好な視野)から左の視覚半視野(無視される視野)に移動する標的が提示されることができる。左視覚無視の患者の場合、左側から開始すると標的が始めから見えないことになるため、右側から開始する。視覚処理に関連する脳の各領域を監視することによって、3D視野内の特定のロケーションにおける顔ピクチャの提示が、アウェアネスを生じさせるかを客観的に監視することができる。患者からのフィードバックも使用することができ、この例では、標的が見えなくなる見えなくなる瞬間である。
【0057】
従って、3Dマップは、後続の治療段階において視覚無視を治療する際に使用するために、分析段階におけるユーザの視覚的アウェアネスから導出される。仮想現実ヘッドセットは、角度位置(典型的には左右であるが、任意には上下も含む)及び奥行きを含む3D視野ボリューム内のそれぞれ異なる位置に視覚刺激を生成することができる。
【0058】
3D視野の部分をマッピングすることは特に興味深く、リアルタイムfMRIは、顔ピクチャが完全に処理されている一方で、患者が顔ピクチャをまだ意識していないことを療法士に示す。視野のこの部分では、治療が成功する可能性が最も高い。この視覚野の部分では、療法士は、治療段階において、視覚的対象を知覚することを学び、患者の頭部前方の3D視覚空間の特定の部分に対する視覚無視を克服するために、十分な注意資源(及びそれに対応する神経シナプス結合)が採用されるまで、視覚的対象の提示を繰り返すようにガイドされる。
【0059】
fMRI画像のリアルタイム処理は、機能的脳処理データ(すなわち、視覚無視に関連する機能的脳領域又は機能的ニューラルネットワーク)を使用して、視覚的アウェアネスを評価することを意味する。
【0060】
その後の治療段階は、識別された視覚無視の治療のために感覚刺激を最適化する治療プログラムを導出することを含む。従って、治療は患者に合わせて行われる。分析段階は、以前のトレーニングの有効性を監視するために繰り返されてもよい。
【0061】
治療段階は、fMRIフィードバックがマッピングのためにのみ使用されるように、完全に仮想現実ヘッドセットによって、すなわちfMRIフィードバックなしで、実行されることができる。治療段階は、例えば、家庭で行われてもよい。しかしながら、fMRIフィードバックはまた、治療中に得られる患者応答のフィードバックを最適化するために、治療段階中に使用されることもできる。
【0062】
仮想現実ヘッドセットは、例えば、知覚される対象の視覚的方向と、現実の手を使用して指向されうる対象との間の横方向のシフトを生成するために使用される。仮想現実ヘッドセットが、運動空間に対する視覚世界のシフトを引き起こすのに有効であることが実験によって確立されている。
【0063】
図3は、プリズムシフトをシミュレートするための仮想現実の有効性を検証するための実験の結果を示す。各画像は、一連の連続試行、すなわち、経時的な試行についての指向(ポインティング)エラーをプロットする。左の画像は、仮想現実ヘッドセットを使用するが、投影された視覚世界の横方向のシフトがないセッションの手による指向エラーを示す。中央の画像は、(プリズムシフトを模倣する)投影された視覚世界の横方向シフトを実現した場合の指向エラーのデータを示す。最初の指向イベントでは、個人は、対象の右側10cmのところに手を指向する。(仮想現実ヘッドセットによって生成された仮想画像として)手が見えるので、個人は、数回の指向試行の後に、対象の新しい知覚されるシフトに適応する。
【0064】
右の画像は、横方向シフトが突然再びゼロになった後の指向データを示す。このとき、シフトに適応された個人は、対象の左約10cmのところを指向する。数回の試行の後、個人は、ゼロ横方向シフトに再び適応する。
【0065】
仮想現実ヘッドセットを用いた視線追跡の使用は、トレーナが眼球運動をいかなる精度でも追跡することができないという問題に対処する。眼球運動測定は、すでに市販されている仮想現実ヘッドセットを使用して行うことができる。焦点の方向及び奥行きは、リアルタイムに追跡されることができる。ユーザに提示される3D画像は更に、ユーザの視野内の任意の所望の角度位置及び奥行き位置に配置されることができ、その結果、視野内の標的の投影距離並びに横方向シフトの適応的かつパーソナライズされた修正が達成されることができる。従って、分析は、距離依存性並びに横方向視覚無視の評価を可能にする。
【0066】
仮想現実ヘッドセットは、1又は複数の人工の手、並びに他の対象をユーザに投影するために使用されることができる。トレーニング用の対象は、分析段階中に識別された距離及び領域に投影されることができる。例えば、視覚対象及び(人工の)手の画像が、プリズムシフトが模倣されるように、視覚角度にわたってシフトされることができる。
【0067】
視覚無視のトレーニングは、本質的に、トレーニングのためにシミュレートされるレンズ度数を選択することを含む。最初は、この選択は、患者の個人的特徴(年齢、脳卒中後の期間など)にフィットする推奨レンズ度数を含むデータベースに基づいて行うことができる。視覚無視トレーニングは更に、自動化されることができる。
【0068】
トレーニングルーチンは、プリズム療法の持続時間にわたって変わっていく仮想レンズ度数を適用することを含むことができる。これは、自動であってもよく、又は、患者の能力に合わせてパーソナライズし、それに適応させるために、療法士によって調整が行われることもできる。パーソナライズされた仮想レンズ度数は、視覚偏差(仮想プリズムレンズ度数)をますます困難にするために、トレーニング中に適応することができる。これは、仮想現実ヘッドセットを使用するとき、簡単な方法で行われることができる。
【0069】
眼球運動の追跡は、治療をより効果的にするために使用されることができる。眼球運動は、例えば、治療中に眼球が(例えば、視野内で右から左に)移動する標的に追従しようと試みている間、追跡されることができる。標的位置は、眼が正確に標的に追従できないように、測定された眼球姿勢に対してリアルタイムにシフトされることができる。同時に、標的に対する眼球運動に関連する脳領域(前頭前皮質)のマッピングは、治療がfMRIイメージングと組み合わせて行われる場合、機能的MRイメージングを使用して維持されることができる。
【0070】
例えば、スキャナ内の第1の治療セッションでは、患者は、標的が右端の視覚半野から左の視覚半野に移動する、全視野仮想現実セットアップにおいて視野内の標的を追う(標的への固視を維持するように眼球運動を使用する)ように求められる。この移動する標的による刺激は、所定の回数(例えば、10回)繰り返される。
【0071】
眼球追跡は、最初に、いかなる視覚的シフトも伴わずに行うことができる。患者は、例えば、標的のアウェアネスを保つことができるとともに、無視される視野へとX度(正中線から左へ)移動するまで、眼球運動を通して標的を追跡することができる。
【0072】
後続の刺激セッションでは、視覚的シフト操作が、患者の脳に、無視視野に入り込むようにより深くへと眼球運動を行うように教示するために実行されることができる。従って、目的は、トレーニングによってXの値を増加させることである。この適応作業を行うために、患者の脳は、身体の残りの部分に対する視覚的な正中線が、従来のプリズム適応方法の場合とちょうど同じようにシフトされることを教示する必要がある。しかしながら、眼球追跡は、眼球運動システムが使用されることを意味する。標的(対象又は顔)は、例えば、患者が眼で指向している場所の左Z度のところに連続的に投影される。しかしながら、患者は、注意深く眼を標的上に固定し、左の視覚的半視野内へと標的に追従することを試みるように求められる。移動する標的によるこの刺激はまた、所定の回数(例えば、10回の繰り返し)繰り返される。
【0073】
次いで、患者は、時間が経つにつれて、眼が(正中線から左へ)X+Z度移動して無視される視野に入るまで、標的のアウェアネスを維持するとともに、眼球運動を通して標的を追跡することができる。
【0074】
更なる刺激セッションでは、タスクは、シミュレートされる視覚的シフトなしに繰り返される。これで、患者は、無視された視野内へとX+Z度移動するまで、標的のアウェアネスを維持することができる。
【0075】
上記の例は、眼球の可視対象ロケーションと目の運動座標との間で解離が生成されることを可能にするために、眼球の追跡及びfMRIモニタリングに基づく。
【0076】
別の例は、(仮想画像として手/腕がユーザに提示される)目に見える手のロケーション又は腕の姿勢と眼球の運動座標との間に解離が生成されることを可能にすることである。患者は、標的に追従するために手の動きを使用することができる。
【0077】
次いで、治療は、上記で概説したのと同じ一般的なアプローチに従うことができる。スキャナ内の第1の治療セッションでは、患者は、例えば、全視野仮想現実セットアップの視野内で指向する手の動きを使用して、標的に追従するように求められる。標的は、再び、右端の視覚的半視野から左方へ、左の視覚的半視野内に移動することができる(又は、反対側で無視の場合は反対の方法)。
【0078】
刺激は、所定の回数(例えば、10回の反復)、移動する標的を用いて繰り返されることができる。
【0079】
上述の実施形態では、刺激は、最初に、視覚的シフトを伴わずに実行される。患者は、無視される視野へと(正中線から)X度移動するまで、標的のアウェアネスを再び維持することができる。
【0080】
上記の実施例では、次いで、無視された視野内へとより深く手を動かすように患者の脳に教示するために、視覚的移動操作が実行される(トレーニングのためにXは増大しなければならない)。この場合の視覚的シフト操作は、仮想現実環境の全領域に患者の手の人工表現を投影することによって実施される。投影された手は、実際の正中線に対してY度だけシフトされる。
【0081】
次いで、同じ標的が、視野シフトなしに上記のように提示され、右端の視覚的半視野から左の視覚的半視野に再び移動する。患者は、人工の手(現実の手に対して位置がシフトされており、これは、仮想の手が現実の手の位置に基づいて投影されることを意味する)を指向し、眼球運動によって標的及び手の両方に追従するように求められる。
【0082】
このようにして、眼球運動システムは、手腕-身体運動システムから分離される。この手運動システムの再較正は、患者の脳に、視野シフトへの適応の前よりも無視される視野内により深く手を動かすように教示するために重要である。この標的運動を所定の回数繰り返すことによって、患者は、視野に対する手の投影のY度のシフトに適応するようにトレーニングされる。仮想現実環境において手が見えない場合、人は、眼が頭部に対してどこを指向しているか(向いているか)を知ることができないので、眼球運動システムが身体に対するその向きを再較正する動機付けがなくなることに留意されたい。
【0083】
プリズム適応なしに最初のタスクが繰り返される場合、患者は無視される視野へとX+Y度移動するまで標的のアウェアネスを維持することができるはずである。
【0084】
手の運動システムと眼球運動システムとの間、及び対象と眼球運動システムとの間の解離は、全体的な治療内で組み合わされることができる。更に、解離は、別の治療オプションとして、手と対象との間で生成されることができる。
【0085】
治療療法は、報酬システム(例えば、音楽又は他の通知による)を含むことができ、それによって、ユーザは、成功した治療結果に対して報酬を受ける。
【0086】
図4は、視覚無視を治療する際に使用するためのデータを収集するためのコンピュータ実現方法を示す。方法は、
ステップ40において、仮想現実ヘッドセットを介してユーザに対し異なる角度位置及び奥行き位置でユーザに提示される視覚画像を生成し;
ステップ42において、3D空間内の焦点を決定するために眼球運動を追跡し;
ステップ44において、fMRI画像を処理することにより、生成された視覚画像に応じた、視覚的知覚、眼球運動の生成、及び対象の視覚的アウェアネスに関連する脳活動を監視し;
ステップ46において、視覚無視を治療する際に使用するための、ユーザの視覚的アウェアネスの3Dマップを導出し;及び
ステップ48において、初期分析段階から患者に合わせたプリズム治療を導出する、ことを有する。
【0087】
開示された実施形態に対する変形例は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に記載の発明を実施する際に当業者によって理解され、実施されることができる。請求項において、単語「有する、含む(comprising)」は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。
【0088】
上述したように、システムは、データ処理を行うためにプロセッサを利用する。プロセッサは、必要とされる様々な機能を実行するために、ソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて、様々なやり方で実現される。前記プロセッサは通例、ソフトウェア(例えば、マイクロコード)を用いて、必要とされる機能を実行するようにプログラムされる1又は複数のマイクロプロセッサを用いる。プロセッサは、幾つかの機能を実行するための専用ハードウェアと、他の機能を実行するための1又は複数のプログラムされるマイクロプロセッサ及び関連する回路との組合せとして実施されてもよい。
【0089】
開示の様々な実施形態に用いられる回路の例は、これらに限定されないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。
【0090】
様々な実現例において、プロセッサは、例えばRAM、PROM、EPROM及びEEPROMである揮発性及び不揮発性コンピュータメモリのような1又は複数の記憶媒体に関連付けられることもできる。この記憶媒体は、1又は複数のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行される場合に、必要とされる機能を実行する1又は複数のプログラムで符号化されることができる。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に取り付けられることができ、又は記憶媒体に記憶される1又は複数のプログラムがプロセッサに読み込まれるように、伝送可能であってもよい。
【0091】
特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。
【0092】
コンピュータプログラムは他のハードウェアと一緒に、又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶/配布されることができるが、インターネット又は他の有線もしくは無線電気通信システムなどを介して、他の形態で配布されることもできる。
【0093】
「~するように適応される(adapted to)」という用語は、それが請求項又は明細書において用いられる場合、「~するように構成される(adapted to)」と言う用語と同等であることを意味する。
【0094】
請求項におけるいかなる参照符号も、その範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】