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特表2024-513667架空電気ケーブルにおける光ファイバとのインターフェースを可能にするためのハードウェア
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】架空電気ケーブルにおける光ファイバとのインターフェースを可能にするためのハードウェア
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/48 20060101AFI20240319BHJP
   H02G 15/06 20060101ALI20240319BHJP
   H01R 4/50 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
G02B6/48
H02G15/06
H01R4/50 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553568
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 US2022019206
(87)【国際公開番号】W WO2022187750
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/157,603
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506217391
【氏名又は名称】シーティシー グローバル コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CTC GLOBAL CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ウェブ、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ピリング、イアン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ピリング、ダグラス エイ.
【テーマコード(参考)】
2H038
5G375
【Fターム(参考)】
2H038CA64
2H038CA73
5G375AA02
5G375AA18
5G375BA21
5G375CA14
5G375CA17
5G375CA19
5G375DA03
5G375DA11
5G375DA16
5G375EA02
(57)【要約】
架空電気ケーブルの終端および/またはスプライス接続のためのハードウェア構成要素。架空電気ケーブルは該ケーブルに関連付けられた光ファイバを有する。ハードウェア構成要素は、インターロゲーション・デバイスに対して接続するため、または電気通信設備に対して接続するために光ファイバにアクセスすることを可能にする。ハードウェア構成要素はまた、光ファイバを損傷させずに光ファイバが終端部およびスプライスを通過することも可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架空電気ケーブルと共に使用するための終端装置であって、
架空電気ケーブルの強度部材を把持するように構成されている把持アセンブリであって、前記把持アセンブリの外部表面に沿って配設された把持アセンブリ・チャネルを備え、前記把持アセンブリ・チャネルは1つまたは複数の光ファイバを前記把持アセンブリ・チャネル内に固定するように構成されている、把持アセンブリと、
前記把持アセンブリと一体的に形成されているか、または前記把持アセンブリに対して動作可能に取り付けられるように構成されている、コネクタであって、コネクタ本体と、前記コネクタ本体の外部表面に沿って配設されたコネクタ本体チャネルと、を備え、前記コネクタ本体チャネルは前記1つまたは複数の光ファイバを前記コネクタ本体チャネル内に固定するように構成されている、コネクタと、を備える、終端装置。
【請求項2】
前記把持アセンブリは、圧縮くさびを備える、請求項1に記載の終端装置。
【請求項3】
前記圧縮くさびは、コレットと、コレット・ハウジングと、を備え、前記コレット・ハウジングは前記コレットを前記コレット・ハウジング内に受け入れるように構成されている、請求項2に記載の終端装置。
【請求項4】
前記把持アセンブリ・チャネルは、前記コレット・ハウジングの外面上に配設される、請求項3に記載の終端装置。
【請求項5】
前記コネクタ本体は、コネクタ本体ねじ山を備え、前記コレット・ハウジングは、コレット・ハウジングねじ山を備え、前記コネクタ本体ねじ山は、前記コレット・ハウジングを前記コネクタ本体に対してねじ式に固定するために前記コレット・ハウジングねじ山と対合するように構成されている、請求項3または4に記載の終端装置。
【請求項6】
前記把持アセンブリ・チャネルは、前記把持アセンブリの一方の端部から前記把持アセンブリの第2の端部まで延びる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の終端装置。
【請求項7】
前記把持アセンブリ・チャネルは、ほぼ線形に前記把持アセンブリの前記外部表面に沿って延びる、請求項6に記載の終端装置。
【請求項8】
前記コネクタ本体チャネルは、前記コネクタ本体の第1の端部から前記コネクタ本体の第2の端部まで延びる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の終端装置。
【請求項9】
前記コネクタ本体チャネルは、ほぼ線形に前記コネクタ本体の前記外部表面に沿って延びる、請求項8に記載の終端装置。
【請求項10】
伝導性本体と、前記伝導性本体内の空洞と、を備える外側伝導性スリーブをさらに備え、前記伝導性本体は、前記把持アセンブリが前記コネクタに対して動作可能に取り付けられたときに前記把持アセンブリを覆って、および前記コネクタを覆って置かれるように構成されている、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の終端装置。
【請求項11】
前記コネクタ本体に対して動作可能に取り付けられた締結具を備える、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の終端装置。
【請求項12】
前記締結具は、前記コネクタ本体と一体的に形成される、請求項11に記載の終端装置。
【請求項13】
前記締結具は、アイボルトを備える、請求項11または12に記載の終端装置。
【請求項14】
光ファイバを電気ケーブルから前記把持アセンブリ・チャネルに向け直すように構成されているガイド・アパーチャを有するストレイン・リリーフ・ガイドをさらに備える、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の終端装置。
【請求項15】
光ファイバ・アパーチャをさらに備え、前記光ファイバ・アパーチャは光ファイバが前記アパーチャを通過するように構成されている、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の終端装置。
【請求項16】
前記光ファイバ・アパーチャは、前記コネクタの端部に配設される、請求項15に記載の終端装置。
【請求項17】
架空電気ケーブルを固定する終端装置であって、前記架空電気ケーブルは、強度部材と、前記強度部材を取り囲む電気導体と、前記電気ケーブルに関連付けられた1つまたは複数の光ファイバと、を有し、前記終端装置は、
前記強度部材を把持する把持アセンブリであって、前記把持アセンブリの外部表面に沿って配設された把持アセンブリ・チャネルを備える、把持アセンブリと、
前記把持アセンブリと一体的に形成されているか、または前記把持アセンブリに対して動作可能に取り付けられる、コネクタであって、コネクタ本体と、前記コネクタ本体の外部表面に沿って配設されたコネクタ本体チャネルと、を備える、コネクタと、
前記把持アセンブリ・チャネル内および前記コネクタ本体チャネル内に配設された少なくとも第1の光ファイバと、を備える、終端装置。
【請求項18】
前記把持アセンブリは、圧縮くさびを備える、請求項17に記載の終端装置。
【請求項19】
前記圧縮くさびは、コレットと、コレット・ハウジングと、を備え、前記コレット・ハウジングは前記コレットをコレット・ハウジング内に受け入れる、請求項18に記載の終端装置。
【請求項20】
前記把持アセンブリ・チャネルは、前記コレット・ハウジングの外面上に配設される、請求項19に記載の終端装置。
【請求項21】
前記コネクタ本体は、コネクタ本体ねじ山を備え、前記コレット・ハウジングは、コレット・ハウジングねじ山を備え、前記コネクタ本体ねじ山は、前記コレット・ハウジングを前記コネクタ本体に対してねじ式に固定するために前記コレット・ハウジングねじ山と動作可能に係合する、請求項19または20に記載の終端装置。
【請求項22】
前記把持アセンブリ・チャネルは、前記把持アセンブリの一方の端部から前記把持アセンブリの第2の端部まで延びる、請求項17乃至21のいずれか1項に記載の終端装置。
【請求項23】
前記把持アセンブリ・チャネルは、ほぼ線形に前記把持アセンブリの前記外部表面に沿って延びる、請求項22に記載の終端装置。
【請求項24】
前記コネクタ本体チャネルは、前記コネクタ本体の第1の端部から前記コネクタ本体の第2の端部まで延びる、請求項17乃至23のいずれか1項に記載の終端装置。
【請求項25】
前記コネクタ本体チャネルは、ほぼ線形に前記コネクタ本体の前記外部表面に沿って延びる、請求項24に記載の終端装置。
【請求項26】
伝導性本体と、前記伝導性本体内の空洞と、を備える外側伝導性スリーブをさらに備え、前記伝導性本体は、前記把持アセンブリを覆って、および前記コネクタを覆って配設される、請求項17乃至25のいずれか1項に記載の終端装置。
【請求項27】
前記コネクタ本体に対して動作可能に取り付けられた締結具を備える、請求項17乃至26のいずれか1項に記載の終端装置。
【請求項28】
前記締結具は、前記コネクタ本体と一体的に形成される、請求項27に記載の終端装置。
【請求項29】
前記締結具は、アイボルトを備える、請求項27または28に記載の終端装置。
【請求項30】
前記光ファイバを前記電気ケーブルから前記把持アセンブリ・チャネルに向け直すガイド・アパーチャを有するストレイン・リリーフ・ガイドをさらに備える、請求項17乃至29のいずれか1項に記載の終端装置。
【請求項31】
光ファイバ・アパーチャをさらに備え、前記光ファイバが、前記光ファイバの端部へのアクセスを可能にするために前記アパーチャを通過する、請求項17乃至30のいずれか1項に記載の終端装置。
【請求項32】
前記光ファイバ・アパーチャは、前記コネクタの端部に配設される、請求項31に記載の終端装置。
【請求項33】
架空電気ケーブルを固定する終端装置であって、前記架空電気ケーブルは、強度部材と、前記強度部材を取り囲む電気導体と、前記電気ケーブルに関連付けられた1つまたは複数の光ファイバとを有し、前記終端装置は、
前記強度部材を把持する把持アセンブリと、
前記把持アセンブリと一体的に形成されているか、または前記把持アセンブリに対して動作可能に取り付けられる、コネクタであって、コネクタ本体と、前記コネクタ本体を通って延在するコネクタ本体ボアと、を備える、コネクタと、
前記コネクタ本体ボアを通って配設された少なくとも第1の光ファイバと、を備える、終端装置。
【請求項34】
中央強度部材と、前記強度部材を覆って配設された電気導体とを有する架空電気ケーブルと共に使用するための終端装置であって、
前記架空電気ケーブルの前記強度部材を把持するように構成されている把持アセンブリと、
前記把持アセンブリと一体的に形成されているか、または前記把持アセンブリに対して動作可能に取り付けられるように構成されている、コネクタと、
空洞を内部に画定するスリーブ本体を備える外側スリーブであって、前記スリーブ本体は、前記外側スリーブが前記把持アセンブリおよび前記コネクタを覆って動作可能に圧着されたときに前記把持アセンブリと前記電気導体の端部との間に配設されるように配置された、前記スリーブ本体を貫通するアパーチャを備える、外側スリーブと、
前記外側スリーブを通る光ファイバ接続を提供するために前記アパーチャ内に動作可能に置かれるように構成されている光ファイバ・ソケットと、を備える、終端装置。
【請求項35】
架空電気ケーブル用の終端配置と共に使用するように構成されている把持アセンブリであって、前記架空電気ケーブルは、強度部材と、前記強度部材を取り囲む電気導体と、前記電気ケーブルに関連付けられた1つまたは複数の光ファイバとを有し、前記把持アセンブリは、
前記把持アセンブリを通るように配設された管腔であって、前記電気ケーブルの前記強度部材を内部に動作可能に受け入れるように構成されている、管腔と、
前記把持アセンブリの外面上に配設され、前記把持アセンブリの第1の端部から前記把持アセンブリの第2の端部まで延びるチャネルであって、前記1つまたは複数の光ファイバを内部に受け入れるように構成されている、チャネルと、を備える、把持アセンブリ。
【請求項36】
前記管腔は、コレットに配設され、前記チャネルは、前記コレットを内部に動作可能に受け入れるように構成されているコレット・ハウジングの外面上に配設される、請求項35に記載の把持アセンブリ。
【請求項37】
架空電気ラインの2つのライン・セグメントを機械的および電気的に接続するスプライス・アセンブリであって、
前記架空電気ラインの第1のライン・セグメントを動作可能に把持する第1の把持アセンブリおよび前記架空電気ラインの第2のライン・セグメントを動作可能に把持する第2の把持アセンブリであって、前記第1の把持アセンブリおよび前記第2の把持アセンブリの各々は、前記電気ケーブル・セグメントとは反対の前記把持アセンブリの端部上にボタンを備える、第1の把持アセンブリおよび第2の把持アセンブリと、
前記第1の把持アセンブリを前記第2の把持アセンブリに対して動作可能に接合するスペーサ・クリップであって、前記スペーサ・クリップ内の作業空間へのアクセスを提供するとともに前記スペーサ・クリップの側壁に2つのボタン切欠部を備える、アクセス・スロットを備え、前記把持アセンブリ・ボタンが、前記ボタン切欠部を通って置かれ、前記スペーサ・クリップによって固定される、スペーサ・クリップと、
前記把持アセンブリおよび前記スペーサ・クリップを覆って配設された伝導性スリーブ本体であって、前記第1のケーブル・セグメントの導体を前記第2のケーブル・セグメントの導体に対して電気的に接続する、伝導性スリーブ本体と、を備える、スプライス・アセンブリ。
【請求項38】
前記伝導性スリーブ本体を貫通して配設されたウィンドウ・ポートを備える、請求項37に記載のスプライス・アセンブリ。
【請求項39】
前記ウィンドウ・ポートを取り外し可能に覆うウィンドウ・ポート・カバーを備える、請求項38に記載のスプライス・アセンブリ。
【請求項40】
前記第1の架空電気ケーブル・セグメントおよび前記第2の架空電気ケーブル・セグメントの各々は、前記架空ケーブル・セグメントに関連付けられた1つ以上の光ファイバを備え、前記第1のセグメントの前記光ファイバは、前記スプライス・アセンブリ内において前記第2のセグメントの前記光ファイバに対して動作可能に接合される、請求項37乃至39のいずれか1項に記載のスプライス・アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、架空電気ケーブルの分野に関し、詳細には、電気の伝送および/または分配のために架空電気ケーブルを設置、支持するために使用されるハードウェア構成要素に関する。本開示は、詳細には、インターロゲーション設備または電気通信設備などのインターフェーシング設備とのその後の接続のために、架空電気ケーブルからの光ファイバがハードウェアを通過することを可能にするハードウェア構成要素に関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1】架空電気伝送ラインの一部を示す図。
図2】従来技術による、組み立てられた終端装置の断面図。
図3】従来技術による、組み立てられ、圧着された終端装置の断面図。
図4A】強度部材に連結された光ファイバを含む架空電気ケーブルを示す図。
図4B】強度部材に連結された光ファイバを含む架空電気ケーブルを示す図。
図5】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図6】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図7】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図8】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図9A】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図9B】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図10A】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図10B】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図10C】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図11】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図12A】本開示の一実施形態による、把持アセンブリを示す図。
図12B】本開示の一実施形態による、把持アセンブリを示す図。
図13A】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図13B】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図13C】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図14A】本開示による終端装置において有用であるスペーサ・クリップを示す図。
図14B】本開示による終端装置において有用であるスペーサ・クリップを示す図。
図14C】本開示による終端装置において有用であるスペーサ・クリップを示す図。
図15】本開示による終端装置におけるスペーサ・クリップの使用を示す図。
図16A】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図16B】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図17A】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図17B】本開示の一実施形態による終端装置を示す図。
図18A】本開示によるスプライス・アセンブリの実施形態を示す図。
図18B】本開示によるスプライス・アセンブリの実施形態を示す図。
図19】一実施形態によるスプライス・アセンブリの分解図。
図20A】本開示によるスプライス・アセンブリの実施形態を示す図。
図20B】本開示によるスプライス・アセンブリの実施形態を示す図。
図21A】光ファイバ・リングを組み込むスプライス・アセンブリの実施形態を示す図。
図21B】光ファイバ・リングを組み込むスプライス・アセンブリの実施形態を示す図。
図22A】本開示によるスプライス・アセンブリの実施形態を示す図。
図22B】本開示によるスプライス・アセンブリの実施形態を示す図。
図23A】本開示の一実施形態による、ボビン・システムを組み込むスプライス・アセンブリを示す図。
図23B】本開示の一実施形態による、ボビン・システムを組み込むスプライス・アセンブリを示す図。
図23C】本開示の一実施形態による、ボビン・システムを組み込むスプライス・アセンブリを示す図。
図23D】本開示の一実施形態による、スプライス・アセンブリを構築するための方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0003】
図1は、電気の伝送のための架空電気伝送ライン100の一部を示す。架空電気伝送および分配ラインは、支持塔102a/102b/102cなどの支持塔(たとえば鉄塔)を使用して、地形の上方に電気ケーブルを立ち上げることによって構築される。伝送および分配ラインは、何マイルにも及ぶ場合があり、たとえば電気的および機械的継続性のために多くの電気ケーブル・セグメントが接合されている極めて長い電気ケーブルの長さと、多くの支持塔とを必要とする。支持塔のいくつかは、塔102aのように、デッドエンド塔またはアンカー塔と称される。そのような塔は、終端点、たとえば変電所または電気ラインが地下にルーティングされる場所に位置付けられる。塔102aなどのデッドエンド塔はまた、電気ラインが方向を変える(曲がる)ところ、道路もしくはケーブルの不具合の場合に損傷または負傷のリスクが高い他の構造物を渡るところに、または長い直線のライン経路に一定間隔で必要とされる場合もある。そのような場合、架空電気ケーブルは、終端(たとえば切断)され、高い張力下でデッドエンド塔に対して固定され、隣接する架空電気ケーブルに対して電気的に接続されなければならない。図1に示されるように、電気ケーブル・セグメント110aは、デッドエンド終端装置120(たとえば張力クランプ)を使用して塔102aに対して固定(たとえばアンカー固定)され、電気ジャンパ104を通して隣接する電気ケーブル・セグメント110bに対して電気的に接続される。電気ケーブル・セグメント110a/110bは、絶縁ストリング106によって支持塔102aから絶縁される。
【0004】
別の終端構造は、スプライスと称される。架空ケーブルの単一のセグメントの長さは数千フィートをカバーする場合があり、送電網は、数百マイルの電気ケーブルを必要とする場合がある。これらの距離に及ぶために、架線作業員は、しばしば、2つのより短いケーブル・セグメントを一緒にスプライス接続(たとえば、連結)しなければならない。したがって、架空ケーブル設置の2つのデッドエンド間には、1つまたは複数のスプライスが置かれてもよい。スプライスは、ケーブルの2つの端部を一緒に保持する機械的接合部と、電流がスプライスを流れ抜けることを可能にする電気的接合部との両方として機能する。図1に示されるように、スプライス150は、機械的接合部および連続的な電気経路を形成するために、電気ケーブル・セグメント110cを電気ケーブル・セグメント110dに対して動作可能に接続する。
【0005】
図2は、図1のデッドエンド120などの、裸線の架空電気ケーブルと使用するための、従来技術による組み立てられた終端装置(たとえばデッドエンド)の断面図を示す。図2に示される終端装置220は、全体的に本願明細書に各々援用する、ブライアント(Bryant)によるPCT公報の国際公開第2005/041358号およびブライアント(Bryant)らによる米国特許第8,022,301号に示され、説明されているものと同様である。
【0006】
概括的に特徴付けると、図2に示される終端装置220は、把持アセンブリ221と、終端装置220をデッドエンド構造、たとえば図1に示されるような塔に対してアンカー固定するためのコネクタ222とを含み、このとき締結具223が、終端装置220の近位端部に配設されている。締結具223の反対側の終端装置220の遠位端部では、終端装置220は、架空電気ケーブル210に対して動作可能に接続され、この架空電気ケーブルは、強度部材214、たとえばファイバ補強された複合強度部材を取り囲み、これによって支持された(たとえば伝導性ストランドを備える)電気導体211を含む。
【0007】
把持アセンブリ221は、架空電気ケーブル210を終端装置220に対して固定するために強度部材214をきつく把持する。図2に示されるように、把持アセンブリ221は、圧縮タイプのフィッティング(たとえばくさびタイプのフィッティング)、詳細には、強度部材214を取り囲み、強度部材214上を把持する管腔225(たとえばボア)を有するコレット224を含む。コレット224は、コレット・ハウジング226に配設されており、また、電気ケーブル210に張力がかけられる(たとえば、支持塔に引き込まれる)とき、コレット224はコレット・ハウジング226にさらに引き込まれるため、強度部材214とコレット224との間に摩擦が生じる。コレット224の円錐(外側)形状およびコレット・ハウジング226の対合する内側漏斗形状は、強度部材214上の圧縮力を増大させ、強度部材214がコレット224を滑り出ないこと、したがって、架空電気ケーブル210が終端装置220に対して固定されることを保証する。
【0008】
図2に示されるように、外側スリーブ227が、把持アセンブリ221および電気ケーブル210の端部を覆って配設される。外側スリーブ227は、電気導体211とジャンパ・プレート229との間の電気伝導を容易にするために、伝導性スリーブ本体228を含む。内側スリーブ230(たとえば伝導性内側スリーブ)が、導体211と伝導性本体228との間の電気接続を容易にするために、導体211と伝導性本体228との間に置かれてもよい。伝導性本体228は、アルミニウムから作製されてもよく、ジャンパ・プレート229は、たとえば、伝導性本体228上に溶接されてもよい。ジャンパ・プレート229は、電気導体211と別の導体、たとえば、コネクタ・プレート231と電気連通する別の電気ケーブル(図示されず)との間の電気伝導を容易にするために、コネクタ・プレート231に対して取り付けるように構成される。
【0009】
コネクタ224は、締結具223(たとえばアイボルト)と、コネクタ本体234の把持要素端部233に配設された把持要素対合ねじ山232とを含む。把持要素対合ねじ山232は、ねじ山235および232が係合し、コネクタ224がコレット・ハウジング226に対して回転されたときに、コレット224をコレット・ハウジング226に押し込みながら、コネクタ224をコレット224に対して移動させることを容易にするために、コレット・ハウジング226のコネクタ対合ねじ山235と動作可能に対合するように構成される。これは、強度部材214に対するコレット224の圧縮性の把持を強化して、架空電気ケーブル210を終端装置220に対してさらに固定する。締結具223は、終端装置220、したがって電気ケーブル210をデッドエンド構造に対して固定するために、デッドエンド構造に対して、たとえば、デッドエンド塔に対して取り付けられるように構成される。図1を参照されたい。
【0010】
図3は、架空電気ケーブル上に圧着された(たとえば、圧縮された)図2の終端装置と同様の終端装置の斜視図を示す。終端装置320は、外側スリーブ327の近位端部から外方向に延在する締結具323を有するコネクタを含む。ジャンパ・プレート329は、接続プレート(たとえば、図2を参照されたい)との電気接続のために外側伝導性スリーブ本体328と一体的に形成される。図3に示されるように、外側スリーブ本体328は、下にある構造の2つの領域、すなわち、圧着されたスリーブ本体領域328aおよび圧着されたスリーブ本体領域328bを覆って(たとえばそれら上に)圧着される。圧着されたスリーブ本体領域328aは、通常、下にあるコネクタ(たとえば図2を参照)の中間部分を覆って位置し、圧着されたスリーブ領域328bは、通常、架空電気ケーブル310の一部を覆って位置する。圧着動作中に外側スリーブ本体328上にかけられた圧縮力は、終端装置320を電気ケーブル310に対して恒久的に固定するために、下にある構成要素に対して、すなわち圧着された領域328aの下方のコネクタに対して、および圧着された領域328bの下方の架空電気ケーブル310の部分に対して伝えられる。
【0011】
図2および図3に関して概括的に説明された終端装置は、さまざまな裸線の架空電気ケーブル構成で利用可能である。図2および図3に示される終端装置は、ファイバ補強された複合強度部材を有する架空電気ケーブルで特に有用である。たとえば、コレット・ハウジング(たとえば図2)に配設されたコレットを有する圧縮くさび把持要素は、ファイバ補強された複合強度部材が、複合材料を破断する大きなリスクを有さずに高い圧縮力の下で把持されることを可能にする。
【0012】
図4Aは、ファイバ補強された複合材料から作製された強度部材414Aを含む架空電気ケーブル410Aを示す。電気ケーブル410Aはまた、強度部材414Aの周りにらせん状に巻き付けられた(たとえばその周りにより合わせられた)伝導性ストランドの第1の層412Aaを備える導体411Aを含む。伝導性ストランドの第2の層412Abが、第1の層412Aa周りに巻き付けられる。伝導性ストランドは、銅またはアルミニウムなどの伝導性金属から作製されてもよく、架空電気ケーブルにおける使用のために、通常はアルミニウム、すなわち純粋なアルミニウムまたはアルミニウム合金から作製される。伝導性金属、たとえば、アルミニウムは、図1に示されるように電気の伝送および/または分配のための架空電気ラインを形成するために支持塔間に張られたときに、過剰に垂れ下がることなく自己支持するのに十分な機械的特性(たとえば十分な引っ張り強さ)を有さない場合がある。したがって、強度部材414Aは、架空電気ケーブル410Aが高い機械的張力下で支持塔間に張られたときに、電気導体411Aを物理的に支持または補強する。
【0013】
図4Aに示される強度部材414Aは、たとえば、バインディング・マトリクスに配設された複数の補強ファイバを備える、ファイバ補強された複合強度部材である。図4に示されるように、強度部材は、ポリマー・バインディング・マトリクス(たとえば、熱硬化性または熱可塑性バインディング・マトリクス)に配設された、高強度の実質的に連続的な補強ファイバ(たとえばカーボン・ファイバ)を備える高強度セクション415A(たとえば内側セクション)を含む。絶縁層416A(たとえば外側層)が、カーボン・ファイバとアルミニウムとの間の密接な接触に起因し得るガルバニック腐食を防止するために、内側セクション415Aを取り囲む。たとえば、絶縁層は、熱可塑性材料などの電気絶縁性ポリマーから作製されてもよい。代替的に、またはポリマー層に加えて、絶縁層は、たとえば、ポリマー・バインディング・マトリクスに実質的に連続的な補強ガラスファイバを含んでもよい。この構成の架空電気ケーブルは、商標ACCC(登録商標)(シー・ティー・シー グローバルコーポレイション(CTC Global Corp.))[カリフォルニア州アーバイン所在]の下で入手可能であり、全体的に本願明細書に援用するヒエル(Hiel)らによる米国特許第7,368,162号に説明される。加えて、強度部材は、たとえば、絶縁層416Aと第1の伝導層412Aaとの間に配設されたアルミニウムの層を含んでもよい。たとえば、全体的に本願明細書に援用するメイヤー(Meyer)らによる米国特許第10,395,794号を参照されたい。
【0014】
そのようなファイバ補強された複合強度部材は、図4Aに示されるような単一のファイバ補強された複合強度要素(たとえば、単一のロッド)を含んでもよい。代替的に、複合強度部材は、図4Bに示されるような強度部材を形成するように動作可能に組み合わせられた(たとえば一緒にねじられた、またはより合わせられた)複数の個々のファイバ補強された複合強度要素(たとえば個々のロッド)からなってもよい。そのような多重要素複合強度部材のそれぞれの例は、マカルー(McCullough)らによる米国特許第6,245,425号に示された多重要素アルミニウムマトリクス複合強度部材、トサカ(Tosaka)らによる米国特許第6,015,953号に示された多重要素カーボン・ファイバ強度部材、およびダニエル(Daniel)らによる米国特許第9,685,257号に示された多重要素強度部材を含むが、これらに限定されない。これらの米国特許のそれぞれは、全体的に本願明細書に援用される。他の構成および材料(たとえば他のファイバおよび/またはマトリクス材料)が、ファイバ補強された複合強度部材に使用されてもよい。
【0015】
図4Aに戻って参照すれば、電気ケーブル410Aはまた、電気ケーブル410Aに関連付けられた1つ以上の光ファイバを含む。図示されるように、ケーブル410Aは、強度部材414A内に埋め込まれた2つの(たとえば複数の)光ファイバ、すなわち光ファイバ417Aaおよび417Abを含む。より具体的には、光ファイバ417Aaは、高強度内側セクション415A内に埋め込まれるものとして特徴付けられてもよく、光ファイバ417Abは、内側セクション417Aと絶縁層417Aとの間に埋め込まれるものとして特徴付けられてもよい。そのような光ファイバは、強度部材414Aの外面上、たとえば強度部材414Aと第1の伝導層412Aaとの間に配設されるなど、他の位置に置かれることによって電気ケーブル410Aに関連付けられてもよいことが理解されよう。
【0016】
図4Bを参照すれば、類似の架空電気ケーブル410Bが示される。上記で留意したように、電気ケーブル410Bは、強度部材414Bを形成するように組み合わせられた(たとえばらせん状に巻き付けられた)複数の強度要素(たとえば強度部材414Ba)を有する強度部材414Bを含む。この場合、光ファイバ417Bbなどの1つまたは複数の光ファイバが、たとえば、光ファイバ417Baなどの埋め込まれた光ファイバに加えてまたはその代替策として個々の強度要素間に配設されて、電気ケーブル410Bに関連付けられる。図4Aに示されるケーブルと同様に、光ファイバは、電気ケーブル410Bの断面にわたって他の位置に置かれてもよい。
【0017】
前述の構成のいずれにおいても、光ファイバは、通常、電気ケーブルの全長に沿って配設される。光ファイバは、実質的に線形の形に配設されてもよく、または非線形であってもよく、たとえば、ねじられるか、または強度部材周りに巻き付けられてもよい。そのような光ファイバは、通信(たとえばデータ伝送)に利用されてもよく、および/または電気ケーブルの状態を決定するために電気ケーブルにインターロゲーションする(たとえばこれを検査する)ために、すなわちインターロゲーション要素として利用されてもよい。たとえば、BOTDR(ブリルアン時間領域光反射計測法(Brillouin optical time domain reflectometry))が、電気ケーブルの温度および/またはケーブルの長さに沿った強度部材の応力状態を判断するために使用されてもよい。光ファイバがインターロゲーション目的で架空電気ケーブルにおいて使用される1つの例が、全体的に本願明細書に援用するドン(Dong)らによる国際特許公報の国際公開第2019/168998号において示されている。
【0018】
光ファイバの機能に関係なく、たとえば、光ファイバの端部へと光(たとえばレーザからのコヒーレント光)を確実に導入するために、そして光ファイバの同じまたは反対側の端部から出現する光を検出および/または分析するために、ファイバの端部の少なくとも1つにアクセスすることが必要になる。しかし、図2および図3で分かるように、架空電気ケーブルがデッド・エンドにおいて(たとえば、上記で説明した終端装置を使用して)終端されるとき、強度部材の端部、したがって光ファイバの端部は、光ファイバの端部へと信号を進めるためにおよび/または光ファイバの端部から出現する光信号を検出するために、アクセスできなくなる。
【0019】
本開示の1つの目的は、架空電気ケーブルが設置された後でも、たとえば、架空電気ケーブルのスパンが張られ、終端された後でも、電気ケーブルに関連付けられたそのような光ファイバにアクセスすることを可能にする、架空電気ケーブルで使用するための終端装置などのハードウェアを提供することである。
【0020】
図5は、1つまたは複数の光ファイバが装置の外側からアクセスされることを可能にする、架空電気ケーブルで使用するための終端装置(たとえばデッドエンド)の1つの実施形態を示す。図5に示されるように、デッドエンド520は、把持アセンブリ521を含み、把持アセンブリは、たとえば、電気ケーブル510が非常に高い張力でしっかりと保持され得るように、架空電気ケーブル510の強度部材514を把持する。図1に示される終端装置と同様に、把持アセンブリ521は、圧縮くさびとして、特にコレット524とコレット524を内部に受け入れるように構成されたコレット・ハウジング526とを有するものとして特徴付けられてもよい。
【0021】
把持アセンブリ521は、把持アセンブリ521の外部表面に沿って、特にコレット・ハウジング526の外部表面に沿って配設された把持アセンブリ・チャネル537(たとえば溝または細長い切欠部)を含む。チャネル537は、たとえば、光ファイバ517を把持アセンブリ521と伝導性スリーブ本体528の内部表面との間に包含し、保護するために、光ファイバ517などの1つまたは複数の光ファイバをチャネル537内に固定するように構成(たとえば、サイズ設計および成形)される。図5に示されるように、把持アセンブリ・チャネル537は、把持アセンブリ521(たとえばコレット・ハウジング526)の外面に沿って、把持アセンブリ521の一方の端部から把持アセンブリ521の反対側の端部まで延びる。別の方法で特徴付けると、チャネル537は、少なくとも、伝導性スリーブ本体528と直接接触する把持アセンブリ521の部分に沿って配設される。また、把持アセンブリ・チャネル537は、把持アセンブリ521に沿って実質的に線形に配設される。線形構成はより容易に製造および実施されるが、チャネル537は、所望の場合に非線形であってもよく、たとえば、把持アセンブリの周りにらせん状に配設されてもよいことが理解されよう。いずれの場合も、チャネル537は、伝導性スリーブ本体528を把持アセンブリ521(図3を参照)上に下方に圧着することを可能にし、このとき、光ファイバ517は、ほとんどまたは全く圧縮を受けないため損傷されることはない。
【0022】
コネクタ522は、把持アセンブリ521に対して動作可能に取り付けられ、コネクタ本体534を含む。コネクタ本体534は、コネクタ本体534の外部表面に沿って配設された(たとえばその内部に形成された)コネクタ本体チャネル538を含む。把持アセンブリ・チャネル537と同様に、コネクタ本体チャネル538は、チャネル538内に1つまたは複数の光ファイバ、たとえば光ファイバ517を固定し、たとえば包含および保護するように構成(たとえば、サイズ設定および成形)される。コネクタ本体チャネル538は、少なくとも、伝導性スリーブ本体528と直接接触するコネクタ本体534の部分に沿って配設され、コネクタ本体534の全長に沿って配設されてもよい。把持アセンブリ・チャネル537と同様に、コネクタ本体チャネル538は、図5に示されるように実質的に線形にコネクタ本体534に沿って配設されてもよく、または非線形にコネクタ本体534に沿って配設されてもよい。
【0023】
コネクタ522、たとえば、コネクタ本体534は、コネクタ本体ねじ山を含んでもよく、コレット・ハウジング526は、たとえば上記の図2に示されるように、コレット・ハウジング526をコネクタ522に対して固定するためにコレット・ハウジングねじ山と対合する(たとえば、ねじ式に係合する)コネクタ対合ねじ山を含んでもよいが、把持アセンブリ521をコネクタ522に対して固定する他の手段が企図される。さらに、把持デバイスおよびコネクタが、一体的に、すなわち単一のユニットとして形成されてもよい。
【0024】
終端装置520を塔(図1を参照)に対して固定することを可能にするために、終端装置は、たとえば、図5に示されるようなコネクタ本体534に対して動作可能に取り付けられるか、またはコネクタ本体と一体的に形成される締結具523を含む。ガスケット539が、終端装置520への水分および他の異物の進入を低減するために、締結具523を外側スリーブ527から分離してもよい。図5に示されるように、締結具523は、アイボルトである(たとえば単一の閉ループを有する)。しかし、クレビス・ピンをプロングを通して置くことを可能にするアパーチャを有する2つのプロングを有するクレビス・タイプの締結具を含む他のタイプの締結具が、企図される。たとえば、全体的に本願明細書に各々援用する、デュプレ(Dupre)による米国特許第2,668,280号、およびスタウスケ(Stauske)らによる米国特許第6,338,590を参照されたい。
【0025】
上記で留意されたように、空洞を画定する伝導性スリーブ本体528を有する外側スリーブ527は、把持アセンブリ521を覆って、そしてコネクタ本体534を覆って置かれる。外側スリーブ527は、下にある構造上に、たとえば、図2に示されるようにコネクタ本体534上および電気ケーブル510上に圧着(たとえば圧縮)されてもよい。
【0026】
図5に示される終端装置520はまた、ストレイン・リリーフ・ガイド540を含み、ストレイン・リリーフ・ガイドは、光ファイバを包含し、電気ケーブル510から把持アセンブリ・チャネル537に向け直すように構成される。この点に関して、図5に示されるストレイン・リリーフ・ガイド540は、たとえば円錐状または漏斗状の性質のテーパにされた形状を含む。ストレイン・リリーフ・ガイド540は、たとえば、エラストマー材料などの柔軟な材料から作製されてもよい。ストレイン・リリーフ・ガイド540は、光ファイバ517が、光ファイバ517の有効性を損なう、または別様で有害となり得る小さい径方向の曲がりを受けないことを保証するように構成される。
【0027】
光ファイバ517は、終端装置520からファイバ退出アパーチャ541を通って延在する。ファイバ退出アパーチャ541は、1つまたは複数の光ファイバがアパーチャ541を通ることを可能にするように構成(たとえばサイズ設定および成形)される。したがって、OTDR、BOTDR、もしくは同様のインターロゲーション・デバイス、または電話通信デバイスとの接続などの接続が、光ファイバ517に対してなされてもよい。
【0028】
図6は、たとえば、図5に示される終端装置において利用され得る、一実施形態によるコネクタおよび把持アセンブリの斜視図を示す。把持アセンブリ621は、コレット624およびコレット・ハウジング626の配置を使用して、強度部材614に対して固定される。光ファイバ617は、強度部材614の周りに巻き付けられ、インターロゲーションに(すなわち感知要素として)利用されてもよく、および/または電気通信(たとえば、データ伝送)に使用されてもよい。光ファイバ617は、把持アセンブリ621の長さに沿って、すなわちコレット・ハウジング626の外面の長さに沿って延びる把持アセンブリ・チャネル637a内に配設される。コレット・ハウジング626は、複数の把持アセンブリ・チャネル637a/637b/637cを含み、これらのチャネルは、複数の光ファイバを収容してもよく、またはたとえば位置合わせの目的で単一の光ファイバと共に使用されてもよい。同様に、コネクタ622は、コネクタ本体634の表面に沿って線形に配設されたコネクタ本体チャネル638を含む。光ファイバ617は、コネクタ622からファイバ退出アパーチャ641を通って延在する。
【0029】
図7は、本開示による終端装置の代替の実施形態の断面図を示す。終端装置720は、強度部材714上を把持する、コレット724およびコレット・ハウジング726の形態の把持アセンブリ721を含む。この実施形態では、1つまたは複数の光ファイバ717は、強度部材714と共にコレット724を通って延在する。この点に関して、コネクタ本体734は、コネクタ本体734と一体的に形成され得る第1のフランジ743aを含むコネクタ本体734を通って長手方向に延在するポート742(たとえばボア)を含む。締結具723は、フランジ・ボルト744aなどの複数のフランジ・ボルトによって第1のフランジ743aに対して固定された第2のフランジ743bを含む。光ファイバ717は、光ファイバ717の端部がアクセスされ得るように、コネクタ本体ポート742を通り、第2のフランジ743bを貫通して配設されたファイバ退出アパーチャ741を通って延在する。この実施形態では、光ファイバ717は、フランジ743bがボルト744aを使用してフランジ743aに対して固定される前に、アパーチャ741を通して挿入されてもよい。光ファイバ717がアパーチャ741を出るときにこれらにかかる曲げ応力を低減するために、グロメット(たとえばゴム・グロメット)が利用されてもよい。
【0030】
前述の実施形態は、光ファイバが把持アセンブリおよびコネクタ本体を通っておよび/またはその周りを延在し、締結具端部の近くで終端装置を出る終端装置を示す。代替的に、終端装置は、光ファイバを、電気ケーブルの端部と把持アセンブリとの間の場所で終端装置から出るように、すなわち、光ファイバが把持アセンブリまたはコネクタを通り抜けてまたはその周りを進まないように、導くように構成されてもよい。さらに、光ファイバを終端装置内で1つまたは複数の接続光ファイバに対してスプライス接続して(たとえば融着スプライスまたはメカニカル・スプライス)、たとえば、これらのスプライスを終端装置内にシールすることが望ましくなり得る。
【0031】
図8は、1つのそのような終端装置820の実施形態を示す。終端装置820は、図5図7に関して上記で説明された光ファイバ・チャネルおよびアパーチャを除いて、上記で実質的に説明されたような把持アセンブリ821と、締結具823と一体的に形成されたコネクタ822とを含む。図8に示されるように、電気ケーブル810、すなわち電気導体811の端部は、把持アセンブリ821の前端から離間されて、(たとえば伝導性スリーブ本体828によって境界付けられた)作業空間845を画定し、強度部材814は、この作業空間を通って把持アセンブリ821まで延在する。電気ケーブル810に関連付けられ、これから延在する光ファイバ817aなどの各光ファイバは、第2の光ファイバ817bに対して動作可能に接続される。接続は、融着スプライス846などのスプライスを使用してなされてもよい。第2の光ファイバ817bは、伝導性スリーブ本体828におけるポート(たとえばアパーチャ)を通って少なくとも部分的に配設された光ファイバ・ソケット847に対して動作可能に接続される。たとえば、光ファイバ817bおよびソケット847は、この目的に合わせて構成された事前構築されたデバイスとして提供されてもよい。図8に示されるソケット847はまた、たとえば、ソケットの反対側の光ファイバ・ジャンパ848に対して取り付けるように構成される。本明細書では、ソケット847として説明されているが、ソケットは、スリーブ本体828を通る経路(たとえば動作可能な光信号経路)を提供する任意のデバイスであってもよい。たとえば、ソケット847は、スプライス・ボックスを備えてもよい。ソケット847は、コード・コネクタ、たとえば、光ファイバ817bにかかる張力を低減し、光ファイバ周りに液密シールを提供するストレイン・リリーフ・グリップを備えてもよい。ジャンパ848は、適切なフィッティング849と、光ファイバを包含するアーマード・ケーブル850とを含む。フィッティング849は、たとえば、光ファイバ817bをアーマード・ケーブル850における光ケーブルに対して接続するために、ソケット847と動作可能に対合するように構成される。光ファイバ上の電圧の低減が望まれる場合、および/またはトラッキングを防止するために、絶縁体ストリング851が、アーマード・ケーブル850に対して動作可能に接続されてもよい。
【0032】
図8に示される終端装置は、特に光ファイバ817aを終端装置の外部に対して動作可能に接続することを含む終端装置820の設置に関して、いくつかの利点を提供し得る。たとえば、光ファイバ817aが強度部材814の端部から分離されると、強度部材は、その最終長さに切断されてもよい。把持アセンブリ821(たとえばコレットおよびコレット・ハウジング)は、次いで、標準的な手順に従って、強度部材814に対して取り付けられ、それ上に固定されてもよい。緩い光ファイバ817aは、次いで、光ファイバ・ソケット847に対して事前に取り付けられた第2の光ファイバ817bに対して融着スプライス接続されてもよい。任意選択により、作業空間845内の光ファイバを保護するために、保護バッファ・チューブが、光ファイバを覆って置かれてもよい。終端装置は、その後、組み立てられてもよく、すなわち、外側スリーブ827は、電気ケーブル810およびコネクタ本体834を覆って配置され、圧着されてもよい。これらのステップは地上で実行されてもよく、たとえば、架空電気ケーブルが高く塔上でつなぎ合わせられている(ただし張力はかけられていない)間に実行される必要はないことに注目すべきである。組み立てられた終端アセンブリは、次いで、塔上の取付点まで持ち上げられ、その絶縁体ストリングに対して取り付けられてもよい。図1を参照されたい。この時点において、事前作製された光ファイバ・ジャンパ848は、電気ラインに張力がかけられる前後に光ファイバ・ソケット847に挿入されることによって、接続されてもよい。
【0033】
図9Aおよび図9Bは、代替の終端装置920の実施形態を示す。終端装置920は、外側スリーブ927の構成を除いて、図8に示される終端装置と実質的に同様である。図9Aおよび図9Bに示されるように、伝導性スリーブ本体は、2つの部分928aおよび928bから構築される。2つの部分928a/928bは、光ファイバ917aおよび917bが位置付けられた作業空間945を覆って配設されるか、またはこれに隣接する場所928cにおいて動作可能に接合するように構成される。この接合場所928cにおいて、伝導性スリーブ本体の2つの部分は、互いに、たとえば図9Aおよび図9Bに示されるようなラップ・ジョイントのように動作可能に嵌合する。一緒に置かれた後、2つの部分928aおよび928bは、強力な物理的結合および伝導性スリーブ本体を通る電気経路を提供するために、圧着することによって、または同様の技術によって互いに結合されてもよい。図9Aおよび図9Bに示される実施形態の1つの利点は、光ファイバ917aおよび917bが、スリーブ部分928bがスリーブ部分928aと対合され、結合される前に、作業空間945においてスプライス接続されてもよく、または別様に作業されてもよいことである。
【0034】
図10Aから図10Cは、図9Aおよび図9Bに示される終端装置と構造上同様である別の終端装置1020の実施形態を概略的に示す。この実施形態では、2つの対合する伝導性スリーブ本体部分1028aおよび1028bは、スリーブ部分1028bがスリーブ部分1028aに対合される前に露出される作業空間全体1045をそのままにして(たとえば容易にアクセス可能にして)、コネクタ1022上に配設される場所1028cにおいて接合するように構成される。図10Bを参照されたい。図9Aおよび図9Bに示される終端装置と同様に、この構造は、スリーブ部分1028a/1028bが対合され、結合されるか、または別様に互いにつなぎ合わせられる前に、光ファイバ1017aおよび1070bがスプライス接続されるか、または別様に作業されることを可能にし得る。
【0035】
図11は、図9Aおよび図9Bならびに図10Aから図10Cに示されるものと同様の終端装置のさらなる実施形態を示す。図11に示される実施形態では、伝導性スリーブ本体部分1128aは、スリーブ部分1128bの端部をその内部に受け入れるために増大された外径1128dを有する端部分を含む。
【0036】
図9Aから図11に示される実施形態では、伝導性スリーブ本体、たとえば外側スリーブは、終端装置の最終組み立ての前に光ファイバおよび関連する構成要素にアクセスすることを容易にするようにセグメント化(たとえば、分割または分岐)される。本開示の範囲内で、図示される実施形態に改変がなされてもよいことが理解されよう。たとえば、伝導性スリーブ本体の2つの部分は、ねじボルトまたは他の機械的特徴を使用して接合されてもよい。さらに、図示される実施形態のそれぞれにおいて、伝導性スリーブ本体は、スリーブの長手方向軸を通ってセグメント化される。しかし、外側スリーブは、たとえばクラム・シェルのように長手方向軸に沿ってセグメント化されてもよい。
【0037】
図12Aおよび図12Bは、本開示による把持アセンブリの実施形態を示し、ここで図12Aは、斜視図であり、図12Bは、断面図である。たとえば、図12Aおよび図12Bに示される把持アセンブリは、図5および図6に示される実施形態において利用されてもよい。把持アセンブリは、コレット1224と、対合するコレット・ハウジング1226とを含む。コレット・ハウジング1226は、図5および図6に示されるように1つまたは複数の光ファイバをそれらの内部に固定するように構成された2つの把持アセンブリ・チャネル1237aおよび1237bを含む。コレット・ハウジングは、2つのそのようなチャネルを備えるものとして示されているが、そのようなチャネルの1つまたは任意の数を含んでもよい。
【0038】
本開示の別の実施形態によれば、終端装置は、伝導性スリーブ本体を貫通するウィンドウ・ポートを備えて構築されて、たとえば光ファイバがウィンドウ・ポートを通して操作され得るように、ウィンドウ・ポートを通して光ファイバにアクセスするのを可能にする。ウィンドウ・ポートは、ウィンドウ・ポート・カバー、たとえば取り外し可能なウィンドウ・ポート・カバーを使用して環境からシールされてもよい。図13Aから図13Cは、そのような終端装置の1つの例の異なる図を示す。終端装置1320は、架空電気ケーブル1310を、たとえば図8から11に関して上記で説明されたようにしっかりと把持する。外側スリーブ1327は、伝導性スリーブ本体1328を含み、この伝導性スリーブ本体は、把持要素1321およびコネクタ1322を覆って置かれ、これらを取り囲む。ウィンドウ・ポート1354は、伝導性スリーブ本体1328内の光ファイバ1317にアクセスすることを可能にするために伝導性スリーブ本体1328を貫通して形成される。このようにして、終端装置1320は、現場で完全に組み立てられてもよく、光ファイバ1317は、たとえば、光ファイバをフェルール1356を通るように置いて、たとえばボルトまたは同様の締結具を使用してウィンドウ・ポート・カバー1355がウィンドウ・ポート1354上に戻された後に光ファイバにアクセスすることを可能にするために、光ファイバ1317を操作するためにウィンドウ・ポートを通ってアクセスされてもよい。加えて、図13A図13Cに示される伝導性スリーブ本体1328は、スリーブに形成されたディンプル1353(たとえばくぼみ)を含む。そのようなディンプル1353は、導体1311と伝導性本体1328との間の電気接続を容易にするために導体1311と伝導性本体1328との間に配設された内側スリーブ1330の移動を防止するように構成される。
【0039】
図13Cに示されるように、コネクタ1322は、2つのセクションで形成され、これらのセクションは、2つのコネクタ・セクション間に配設されたスペーサ・クリップ1357を使用して動作可能に接合される。図14Aから図14Cは、そのようなスペーサ・クリップ1457の異なる図を示す。スペーサ・クリップ1457は、全体的に円筒状の形態であり、たとえば全体的に円筒状の開いた側壁1460を有する。円筒状側壁1460に形成されたアクセス・スロット1461は、作業空間1445へのアクセスを可能にし、たとえば、この場合、光ファイバは、終端装置が組み立てられるとき(図13Cを参照)、作業空間1445に部分的に配設されてもよい。ボタン切欠部1459aから1459dは、スペーサ・クリップ1457がコネクタの2つのセクションに対して動動作可能に固定されることを可能にするために側壁に設けられる。作業空間1445の端部は、終端装置が組み立てられたときに2つのコネクタ・セグメントを保持するように構成された内壁セグメント1462aおよび1462bによって、部分的に制限される。スペーサ・クリップ1457は、鋼、たとえばステンレス鋼などの高強度材料から作製されてもよい。
【0040】
図15は、図13Aから図13Cに示される終端装置の一部の拡大断面図を示し、特に、コネクタの2つのセクションとのスペーサ・クリップの組み立てを示している。2つのコネクタ・セクション1534a(把持アセンブリ端部)および1534b(締結具端部)それぞれは、スペーサ・クリップ1557内に置かれたボタン1563aおよび1563bを含み、たとえば、この場合、ボタン1563a/1563bは、ボタン切欠部1559a/1559bを通って挿入され、スペーサ・クリップ1557の内壁セグメントに対して固定される。このようにして、光ファイバ1517は、スペーサ・クリップ1557によって画定された作業空間1545を通過し、その内部で操作可能である。
【0041】
前述の実施形態の他のバリエーションが、本開示によって考案される。たとえば、図16Aおよび図16Bは、図13から図13Cに関して上記で説明された終端装置と構造上同様である終端装置1620を示し、たとえば、ウィンドウ・ポート1654とウィンドウ・ポート・カバー1655とを含む。図16Aおよび図16Bに示されるように、ウィンドウ・ポート・カバー1655は、半円筒状であり、伝導性スリーブ本体1628の円周の大部分をカバーする。これは、下にあるポート1654がより大きくなること、たとえば、伝導性スリーブ本体1628のより大きい円周上に延在することも可能にする。
【0042】
図17Aおよび図17Bは、これもまた図13Aから図13Cに示される終端装置と構造上同様である終端装置1720を示す。この実施形態では、ジャンパ・プレート1729は、電気ケーブル1710と、光ファイバ1717が終端装置を出るポートとの間の位置において伝導性スリーブ本体1728につなぎ合わせられる。その結果、電気は、電気ケーブル1710から流れ、光ファイバの出口点に到達する前にジャンパ・プレート1729によって次のケーブル・セグメントに導かれて、光ファイバ1717が経験する電位を低減し、したがって光ファイバ1717への損傷またはそこからの読み取りの不具合の機会を低減する。たとえば光ファイバ出口点の前にこのようにしてジャンパ・プレートを置くことは、本明細書に開示される終端配置の実施形態のいずれにも適用可能であることが理解されよう。
【0043】
図5から図17に示される実施形態は、電気ケーブルを終端するための終端装置、終端装置の構成要素、および方法の例として提示されている。これらの実施形態は、説明的で非限定的であることが意図され、実施形態は、いくつかの改変が可能である。たとえば、前述の実施形態は、くさびクランプの形態、たとえばコレット・ハウジングに配設されたコレットの形態の把持アセンブリを示している。しかし、把持アセンブリは、圧着スタイルの把持アセンブリなどの他の形態をとってもよく、この場合、強度部材は、チューブに置かれ、チューブは、強度部材上に径方向に圧着(たとえば圧縮)される。把持アセンブリのこのスタイルの1つの例が、全体的に本願明細書に援用する、ケネル(Quesnel)ら(AFL)による米国特許第6,805,596号に示される。ケネル(Quesnel)らによって示される把持アセンブリは、コネクタと一体的に形成され、強度部材を内部に受け入れるための鋼チューブを備える。アルミニウム・スリーブが、強度部材と鋼チューブとの間に置かれ、鋼チューブは、次いで、強度部材上に圧着される。
【0044】
前述の実施形態は、たとえば、光ファイバが孤立化され、選択的にインターロゲーションされるか、または電気通信目的に使用され得るように、光ファイバの退出を可能にする終端装置に向けられている。図1に関して説明されたように、多くの電気伝送および分配ラインはまた、2つの電気ケーブル・セグメントが、たとえば2つの塔間の場所において電気的および機械的に一緒に接合されるスプライスを含む。終端装置からの1つまたは複数の光ファイバの退出に関して上記で説明された概念の多くは、スプライスを通る光ファイバの連続性を保証するためにスプライスに適用可能である。
【0045】
図18は、本開示によるスプライス・アセンブリの1つの実施形態を示す。スプライス・アセンブリ1820は、2つの架空電気ケーブル・セグメント1810aおよび1810bを電気的および機械的に接合する。電気接続は、伝導性スリーブ本体1828によって容易にされ、この伝導性スリーブ本体は、電気が1つのケーブルから伝導性スリーブを通って他のケーブルに進み得るように各ケーブル・セグメント1810a/1810bと電気的に接触している。スプライス・アセンブリ1820の内部で、2つのケーブル・セグメント1810aおよび1810bは、コネクタ1822によって機械的に接合される。詳細には、コネクタ1822は、ケーブル・セグメント1810aおよび1810bの強度部材1814aおよび1814bをそれぞれ把持する2つの把持アセンブリ1821aおよび1821bを機械的に接合する。図18Aおよび図18Bに示されるように、光ファイバ・セグメント1817cは、電気ケーブル1810aに関連付けられた光ファイバを、電気ケーブル1810bに関連付けられた光ファイバに、たとえば光ファイバ・ソケット1847aおよび1847bを通して接合する。図18Aに示されるように、伝導性スリーブ本体1828は、伝導性本体1828の長さの一部に沿って長手方向に分割された2つのセグメント1828aおよび1828bを使用して、たとえば蟻継ぎの形で形成される。このようにして、光ファイバを含むスプライス1820の内部は、2つのケーブル・セグメント1810aおよび1810bが機械的に接合された後にアクセスされ、操作されてもよい。その後、2つの伝導性本体セグメント1828aおよび1828bは、スプライス・アセンブリ1820を完成させるように組み立てられてもよい。
【0046】
別の実施形態では、スプライス・アセンブリは、上記の図13から図15に示されたスペーサ・クリップ配置と同様のスペーサ・クリップ配置を含んでもよい。図19は、そのようなスプライス・アセンブリの分解図を示す。スプライス・アセンブリ1920は、2つの電気ケーブル・セグメント1910aおよび1910bを機械的および電気的に接合する。伝導性スリーブ1928は、ケーブル・セグメント1910aと1910bとの間の電気接続を提供する。把持アセンブリ1921aおよび1921bは、電気ケーブル・セグメント1910aおよび1910bそれぞれに対して、すなわち、それぞれの強度部材上を把持することによって固定される。把持アセンブリ1921aおよび1921bのそれぞれは、たとえばスペーサ・クリップ1957におけるボタン切欠部を通過することによってスペーサ・クリップ1957内に固定されるように構成されたボタン1963aおよび1963bを含む。図14から図15を参照されたい。したがって、図13から図15に関して上記で説明された終端装置と同様に、スペーサ・クリップ1957は、有利には、たとえば図13Aから図13Cに示されるようなウィンドウ・ポートを通したスプライス・アセンブリ1920内での光ファイバの操作のための作業空間を提供する。
【0047】
図20Aおよび図20Bは、光ファイバへのアクセスおよび/またはそのルーティングのためのウィンドウ・ポートを組み込むスプライス・アセンブリのさらなる実施形態を示す。スプライス・アセンブリ2020は、スプライス・アセンブリの内部へのアクセスを可能にする、伝導性本体2028を貫通する2つのウィンドウ・ポート2054aおよび2054bを含む。ウィンドウ・ポート2054aおよび2054bは、把持アセンブリ2021aおよび2021bを接合するコネクタ2022の両側に位置付けられる。ウィンドウ・ポート2054aおよび2054bはまた、電気ケーブルから延在する光ファイバへの容易なアクセスを可能にするために、電気ケーブル・セグメント2010aおよび2010bの端部の近くにも位置付けられる。図20に示されるように、光ファイバ・セグメント2017cは、たとえばファイバ・スプライスを使用して、電気ケーブル2010aおよび2010bから延在する光ファイバに対して動作可能に接続され、把持アセンブリおよびコネクタを通過することを回避するようにウィンドウ・ポート2054aおよび2054bを通ってルーティングされる。上記で開示された終端装置と同様に、取り外し可能なウィンドウ・ポート・カバー2055aおよび2055bは、ウィンドウ・ポート2054aおよび2054bをカバーおよびシールし、スプライスの組み立て中および組み立て後にスプライス・アセンブリの内部にアクセスすることを可能にする。
【0048】
図21Aおよび図21Bは、光ファイバがスプライス・アセンブリの内部を通過することを可能にするために光ファイバ・リングを組み込むスプライス・アセンブリの別の実施形態を示す。図21Aは、光ファイバ・リング2165を示す。リング2165は、通常円形であり、1つ以上、好ましくは2つ以上の光ファイバ保持切欠部2166aをリング2165の円周に含む。保持切欠部2166aは、切欠部2166aを通過する光ファイバを保持するように構成され、たとえばそのようにサイズ設定および成形される。保持リング2165は、高温エラストマーなどのエラストマー材料から作製されてもよい。図21Bに示されるように、複数のリング2165aから2165dが、把持アセンブリ2121aおよび2121bの周りに、たとえば各把持アセンブリの両端に置かれてもよい。したがって、リング2165aから2165dは、把持アセンブリの外部を覆って密接に嵌合するように、たとえば摩擦嵌合するようにサイズ設定および成形される。そして、光ファイバ切欠部は、光ファイバへの損傷の機会を低減しながら、1つまたは複数のファイバが把持アセンブリ2121aおよび2121b上を、ならびにスプライスを通過することを可能にするように配置される。
【0049】
図22Aおよび図22Bは、本開示によるスプライス・アセンブリの別の実施形態を示す。スプライス・アセンブリ2220は、2つのケーブル・セグメント2210aおよび2210bを機械的および電気的に接合する。詳細には、コネクタ2222は、ケーブル・セグメント2210aおよび2210bの強度部材2214aおよび2214bをそれぞれ把持する2つの把持アセンブリ2221aおよび2221bを機械的に接合する。コネクタ2222は、2つの部分2222aおよび2222bを含み、これらの部分は、2つのコネクタ部分2222aおよび2222b上に配設されたねじ山2267aおよび2267bを対合させることによって、ねじ式に接続される。コネクタ部分2222bに関連付けられた1つのねじ部分2267bは、コネクタ部分2222aのねじ部分2267aと対合するために、その長手方向軸周りで自由に回転するように構成される。すなわち、ねじ部分2267bは、コネクタ部分2222b全体を回転させる必要なく回転し、ねじ山2267aと対合するように構成される。
【0050】
図22Bに示されるように、ケーブル2210aに関連付けられた光ファイバ・セグメント2217aは、電気ケーブル2210bに関連付けられた光ファイバ2217cに対して動作可能にスプライス接続され、光ファイバ2217bは、光ファイバ2217dに対して動作可能にスプライス接続される。スプライス、たとえば、融着スプライスは、コネクタ2222内に包含され、詳細には、コネクタ2222を通って延在するボア2269内に包含される。その結果、光ファイバを接続するスプライスは、コネクタ2222の2つの部分2222a/2222bをねじ式に対合させる前に作られてもよい。詳細には、光ファイバ2217aおよび2217bは、第1の部分2222aにおけるボア269を通って挿入されてもよく、光ファイバ2222bは、第2の部分2222bにおけるボア2269を通って挿入されてもよい。スプライスが完成した後、2つのコネクタ部分2222aおよび2222bは、互いに引き寄せられ、スプライスがボア2269内に包含された状態でねじ式に接続されてもよい。ねじ山2267bは自由に回転するため、2つのコネクタ部分2222aおよび2222bの対合は、電気ライン上でのスプライス・アセンブリ2220の構築中に、光ファイバまたはスプライス上に応力、たとえばねじり応力をかけることはない。
【0051】
図23Aから図23Cは、内側と外側のスプライス・ハードウェア構成要素間で光ファイバを保護および管理するように構成されたテイクアップ・ボビン・システムを含むスプライス・アセンブリを示す。図23Aは、そのようなボビン・システム2370を組み込むスプライス・アセンブリ2320の部分断面を示す。ボビン・システム2370は、3つの構成要素、すなわち、把持アセンブリ2321aおよび2321bのそれぞれの端部に位置付けられた2つのコーン・フィッティング2371aおよび2371bと、2つのコーン・フィッティング2371aと2371bとの間に、たとえばコネクタ2322を覆って配設されたテイクアップ・ボビン2372とからなる。
【0052】
コーン・フィッティング2371a/2371bは、光ファイバが組み立て中に損傷される可能性を低減するために光ファイバの最小曲げ半径を維持しながら、1つまたは複数の光ファイバを、強度部材から、たとえば強度部材の表面から、把持アセンブリ2321a/2321bの縁上に案内するように構成される。図23Bを参照すれば、コーン・フィッティング2371aは、コーン・フィッティング2371を強度部材と位置合わせするように、たとえば強度部材の端部を覆って置かれるように構成(たとえばサイズ設定および成形)された内径2373idを有するボア2372を備える。内側半径表面2371irは、最小曲げ半径を維持しながら、光ファイバを強度部材から上方に案内するように構成される。外側半径表面2371orは、フィラメントを下方に、たとえば、把持アセンブリの外部表面に対して実質的に接線方向に案内するように構成される。表面切断特徴2375、たとえば切欠部は、光ファイバの最小曲げ半径を維持しながらも、光ファイバを把持アセンブリ2321aの外径の周りのらせんへと案内するように構成される。フォーク型の突起部2376は、光ファイバが、ハウジング・レンチ平坦部上などの把持アセンブリ2321aの平坦な表面に引っかかることを防止する。スイベル・ジョイント2374は、表面切断特徴2375に対する外側半径表面2371orの回転を可能にして、外側半径表面2371orおよび表面切断特徴2375を位置合わせするように、たとえばクロック位置合わせするようにもっていくことを可能にする。コーン・フィッティングは、伝導性スリーブ2328内に嵌合するのに十分な小ささであるが、コーン・フィッティング2371、光ファイバ、および伝導性スリーブ2328の間の歪みを防止するに十分な大きさの外形を有する。
【0053】
図23Cを参照すれば、テイクアップ・ボビン2372は、最小の曲げ半径を維持するために光ファイバの外形、たとえば曲げを制御するように構成される。この点に関して、ボビン2372は、2つの光ファイバを接合するためのスプライス、たとえば融着スプライスを位置付けるためにクリップ特徴2378を含む。内径2372idは、把持アセンブリに合わせられて、ボビン2372が所定の場所にクリップし、その長手方向軸周りで自由に回転することを可能にする。内側リップ特徴2379は、把持アセンブリの端部上にボビン2372を位置付けるように構成される。表面切断特徴2380は、光ファイバを、最小曲げ半径を維持しながら、融着スプライス・スリーブの幅を考慮に入れて把持アセンブリの外径の周りのらせんへと案内するように構成される。ボビン2372の外径2372odは、伝導性スリーブ2328内に嵌合するのに十分な小ささであるが、ボビン2372、光ファイバ、および伝導性スリーブ2328の間の歪みを防止するのに十分な大きさである。
【0054】
図23Dは、本開示によるボビン・システムの使用のための方法を概略的に示す。電気ケーブル・セグメント2310aの導体2311aは、たとえば強度部材2314aおよび光ファイバ2317aの長さを露出させたまま、強度部材2314aからトリミングされる。伝導性スリーブ(図示されず)は、電気ケーブル2311a上を摺動される。光ファイバ2317aは、強度部材2314aから分離され、たとえば、強度部材の表面から剥がされる。類似のプロセスが、反対側の電気ケーブル・セグメントを剥離し、光ファイバを分離するために実施される。コーン・フィッティング2371aおよび2371bは、強度部材の両端上に設置され、光ファイバ2317aおよび2317bは、コーン・フィッティング2371aおよび2371bを貫通して通される。強度部材は、次いで、光ファイバ2317aおよび2317bの端部を強度部材から自由にしたままで、トリミングされる。
【0055】
スプライス・アセンブリ構成要素、たとえば、把持アセンブリ2321aおよび2321bならびにコネクタ2322は、光ファイバ2317aおよび2317bを自由にしながら設置される。光ファイバ2317aおよび2317bの2つの自由端部は、次いで、スプライス接続され、たとえば融着スプライス2346を形成する。スプライス接続された光ファイバ2317aおよび2317bの自由長さは、スプライス・アセンブリ2310aの長さを超え、光ファイバは、スプライス・アセンブリの下方にループに垂れ下がる。光ファイバの過剰な長さを管理するために、テイクアップ・ボビン2372は、コネクタ2322上に設置され、融着スプライス2346は、ボビンの中心へとクリップされる。コーン・フィッティング2371aおよび2371bは、次いで、把持アセンブリの端部に押し込まれ、ボビン2372は、実質的にすべての弛みが光ファイバ2317aおよび2317bから無くなるまで、コネクタ軸の周りで回転される。
【0056】
前述の実施形態は、単一の強度要素を有するファイバ補強された複合強度部材と共に実施される終端装置およびスプライス・アセンブリ、構成要素、ならびに方法を示す。しかし、これらの実施形態は、ファイバ補強された複合材料から作製されようと、またはACSR(アルミニウム導体鋼で補強された)構成もしくはACSS(アルミニウム導体鋼で支持された)構成におけるような鋼などの従来の材料から作製されようと、多重要素強度部材(たとえば図4B)と共に実施されてもよい。実施形態はまた、AAAC(オール・アルミニウム合金コンダクタ)構成などにおけるアルミニウム多重要素強度部材と共に実施されてもよい。加えて、実施形態は、OPGW(光グラウンドワイヤ)と共に実施されてもよい。
【0057】
前述の終端装置およびスプライス・アセンブリの特定の構成要素は、ステンレス鋼を含む鋼などの高強度金属から作製されてもよい。これらは、把持アセンブリ、たとえばコレットおよびハウジング構成要素と、コネクタとを含む。伝導性スリーブなどのより高い電気伝導性を必要とする構成要素は、たとえば、アルミニウムから作製されてもよい。
【0058】
架空電気ケーブルの終端およびスプライス接続のための終端装置、スプライス、および方法のさまざまな実施形態が詳細に説明されてきたが、これらの実施形態の改変および適応が当業者に想起されることは明らかである。しかし、そのような改変および適応が本開示の趣旨および範囲内にあることが、明示的に理解されるものとする。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図23A
図23B
図23C
図23D
【国際調査報告】