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特表2024-513690哺乳動物におけるノミおよびダニの侵入を制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】哺乳動物におけるノミおよびダニの侵入を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20240319BHJP
   A61P 33/10 20060101ALI20240319BHJP
   A61P 33/14 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 31/7008 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 31/422 20060101ALI20240319BHJP
   A23K 20/137 20160101ALI20240319BHJP
   A23K 50/40 20160101ALI20240319BHJP
   A01K 15/02 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P33/10
A61P33/14
A61K31/7008
A61K31/422
A23K20/137
A23K50/40
A01K15/02 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555752
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 US2022019913
(87)【国際公開番号】W WO2022192648
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/159,801
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523346157
【氏名又は名称】イン ザ ボウル アニマル ヘルス,インコーポレーテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523346168
【氏名又は名称】ロビン・エス・リドヌール
(71)【出願人】
【識別番号】523346179
【氏名又は名称】ケビン・イー・ウィラード
(71)【出願人】
【識別番号】523346180
【氏名又は名称】ジョゼフ・アール・ウィンクル
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】ロビン・エス・リドヌール
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・イー・ウィラード
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ・アール・ウィンクル
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
2B005AA06
2B005AA07
2B150AA06
2B150AB03
2B150AB10
2B150AE01
2B150AE12
2B150DB12
2B150DD11
4C084AA17
4C084MA52
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB371
4C084ZB372
4C084ZC611
4C084ZC612
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC67
4C086EA02
4C086GA03
4C086GA09
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB37
4C086ZC61
(57)【要約】
活性物質が哺乳動物に実質的に毎日経口投与され、このことが最終的には哺乳動物の活性物質の血中濃度を哺乳動物のノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効な量まで上昇させる。次いで、経口投与は少なくとも1日の期間中止されるが、哺乳動物の活性物質の血中濃度はノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに十分に高いままである。期間は3日または7日にわたるものでありうる。期間が経過した後、実質的に毎日の用量の投与は、再開して哺乳動物の活性物質の血中濃度をノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効な量に維持し続けることができる。経口投与の中止は1ヵ月以上にわたって数回生じうる。対応する期間の標示用量より低減された投与量を用いる、哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入を制御するために活性物質を投与するためのレジメンを確立する方法もまた開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノミおよび/またはダニの侵入の制御を必要とする哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入を制御する方法であって、
前記哺乳動物に有効量の活性物質を経口投与する工程、
前記経口投与を数日にわたって実質的に毎日継続して、それにより前記哺乳動物の前記活性物質の血中濃度を前記ノミおよび/またはダニの侵入を低減するのに有効な量まで上昇させる工程、
前記哺乳動物の前記活性物質の血中濃度が前記ノミまたはダニの侵入を低減するのに有効な量まで到達した後、前記経口投与を少なくとも1日の期間中止する工程を含み、前記哺乳動物の活性物質の血中濃度が前記期間にわたって前記ノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効なままである、方法。
【請求項2】
前記期間が少なくとも3日の連続した日数であり、前記哺乳動物の活性物質の血中濃度が前記期間にわたって前記ノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効なままである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記期間が少なくとも7日の連続した日数であり、前記哺乳動物の活性物質の血中濃度が前記期間にわたって前記ノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効なままである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記期間が経過した後、前記実質的に毎日の投与を再開し、それにより前記哺乳動物の活性物質の血中濃度を前記ノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効な量に維持し続ける工程を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記期間が、それぞれ少なくとも1日であり、かつすべてが30日以内に生じる複数の期間を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記活性物質がスピノシンおよびイソオキサゾリンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記活性物質がスピノシンである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スピノシンがスピノサドである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記活性物質がイソオキサゾリンである、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記イソオキサゾリンがミボリラネル、フルララネル、サロラネル、アフォキソラネル、ロチラネル、ウミフォキソラネル、エサフォキソラネル、チゴラネル、モドフラネル、およびそれらの塩からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記活性物質が湿潤飼料または乾燥飼料の成分である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記飼料が乾燥飼料を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記活性物質がチューの成分である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入を制御するために低減された投与量の活性物質を経口投与するためのレジメンを確立する方法であって、
(a)ノミおよび/またはダニを制御するための哺乳動物への経口投与のための所定の投与量を有する活性物質を選択する工程であって、前記所定の投与量が30日に1回または1ヵ月に1回の所定の投与レジメンのためのものである、工程、
(b)前記所定の投与量に約0.90以下を掛けて低減された投与量を得る工程、
(c)前記低減された投与量から低減された1日投与量を換算する工程、ならびに
(d)前記活性物質を前記低減された1日投与量で前記哺乳動物に数日にわたって実質的に毎日投与するための説明書を提供する工程を含み、
それにより、前記投与するための説明書に従った後、前記哺乳動物のノミおよび/またはダニの侵入が、活性物質の前記所定の投与量を前記哺乳動物に前記30日に1回または1ヵ月に1回の間隔で投与する場合と同じかまたはそれより大きい程度まで制御される、方法。
【請求項15】
工程(b)が前記所定の投与量に約0.20から約0.90の間を掛けることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
工程(b)が前記所定の投与量に約0.70以下を掛けることを含む、請求項14および15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
工程(b)が前記所定の投与量に約0.50以下を掛けることを含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記活性物質がスピノシンおよびイソオキサゾリンからなる群から選択される、請求項14~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記活性物質がスピノシンである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記スピノシンがスピノサドである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
工程(b)が前記所定の投与量に約12.5%~90%を掛けることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記所定の投与量がダニではなくノミを制御し、かつ前記低減された1日投与量がノミおよびダニを制御する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
工程(a)~(d)の実施が、活性物質の前記所定の投与量を前記哺乳動物に前記30日に1回または1ヵ月に1回の間隔で投与した場合に到達される最大血中濃度の約10%未満に到達する、前記哺乳動物の血中における前記活性物質の最大濃度をもたらす、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記活性物質がイソオキサゾリンである、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記イソオキサゾリンがミボリラネル、フルララネル、サロラネル、アフォキソラネル、ロチラネル、チゴラネル、ウミフォキソラネル、エサフォキソラネル、モドフラネル、およびそれらの塩からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記活性物質がミボリラネルである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
工程(b)が前記所定の投与量に約0.125~約0.9を掛けることを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
工程(a)~(d)の実施が、活性物質の前記所定の投与量を前記哺乳動物に前記30日に1回または1ヵ月に1回の間隔で投与した場合に到達される最大血中濃度の約20%未満に到達する、前記哺乳動物の血中における前記活性物質の最大濃度をもたらす、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記活性物質が飼料の成分であり、かつ工程(d)が前記飼料を投与するための説明書を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項30】
前記活性物質がチューの成分であり、かつ工程(d)が前記チューを投与するための説明書を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項31】
工程(c)が前記低減された投与量を約30で割って前記低減された1日投与量を得ることを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の教示は、一般的に、飼料中の活性物質を投与して哺乳動物におけるノミおよびダニの侵入を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]害虫であることに加えて、ダニおよびノミは哺乳動物に重大な健康上のリスクを生じさせる。それらは疾患の媒介生物であり、家畜に侵入した場合は重大な経済的損害も引き起こす。
【0003】
[0003]ダニは哺乳動物における多くの様々な病原体の媒介生物である。ダニに引き起こされる疾患の例は、ボレリオ症(Borrelia burgdorferiにより引き起こされるライム病)、バベシア症(またはBabesia microtiにより引き起こされるピロプラズマ症)およびリケッチア症(ロッキー山紅斑熱)を含む。ダニはまた毒素を放出し、宿主に炎症またはまひを引き起こしうる。
【0004】
[0004]野生動物、例えばシカ、エルク、カリブー、ムース等のダニの侵入は、群れから群れへ、または野生動物から家畜(例えば、ウシ、ネコおよびイヌ)およびヒトへの疾患のまん延を引き起こしうる。
【0005】
[0005]家畜はまた、様々なダニ、例えば、ダニのRhipicephalus属、特にmicroplus種(ウシダニ)、decoloratus種およびannulatus種のダニの侵入に敏感である。ダニ、例えばRhipicephalus microplusは、家畜が草を食べる牧場に生息していることから、制御するのが特に困難である。ウシに加えて、Rhipicephalusの種および他のダニの属がスイギュウ、ウマ、ロバ、ヤギ、ヒツジ、シカ、ブタ、ネコおよびイヌに侵入し、これらにおいて見出されうる。哺乳動物における多大なダニの負担は、生産を減少させ、皮革を損傷させうるだけでなく、寄生原生動物により引き起こされる疾患、例えばバベシア症(「ウシ熱」)およびアナプラズマ症を移しうる。
【0006】
[0006]家畜に加えて、ダニはまた、ペットおよびヒトにも疾患、例えばライム病、上行性まひおよびロッキー山紅斑熱をまん延させる。
[0007]世界的に見て、イヌおよびネコの最も一般的な外部寄生虫は、ネコおよびイヌのノミであるそれぞれCtenocephalides felis felisおよびCtenocephalides canisである。ノミ関連の侵入は、獣医に報告されたイヌ科動物の皮膚科の問題の主要な原因の1つである。更に、ネコノミは、イヌおよびネコにおいてサナダムシを移すことが知られており、ネコひっかき病および発疹熱の伝染にも関わっている。
【0007】
[0008]特に懸念されることに、ペットにおけるダニおよびノミの侵入の健康関連のリスクはヒトにも広がる。[アメリカ疾病管理予防センター、増加傾向の病気、バイタルサイン、2018年5月、https://www.cdc.gov/vitalsigns/vector-borne/から入手可能]ペット、例えばイヌおよびネコは、世界的に見て家庭においてますます一般的である。世界中で、約4億7100万匹のイヌおよび3億7300万匹のネコが家庭のペットとして飼われている。米国だけでは、ペットを飼うことは1970年代から米国において3倍になった。残念なことに、ノミおよびダニはこれらのペットに侵入することができる。侵入されたペットは、それらのヒトの飼い主を上昇した病気のリスクにさらす。ノミおよびダニからヒトのリスクを制御する1つの方法は、ペットにおける侵入のリスクを制御することである。
【0008】
[0009]ノミおよびダニの侵入を制御するために現在利用可能な治療は、様々な度合いの成功を達成している。多くの治療は、屋内および屋外の表面、ならびに動物に適用される化学薬品の局所または環境への適用を含む。用いられる化学薬品は、様々なカルバメート、オルガノホスフェート、ピレトリンおよびピレスロイド、イソオキサゾリン、特定の大環状ラクトン、昆虫およびダニ成長阻害剤(キチン合成阻害剤、幼若ホルモンアナログ、および幼若ホルモンを含む)、ニトロメチレン、ネオニコチノイド、ピリジンおよびピラゾールまたはフィプロール(fiprole)を含む。これらの化合物は、動物および動物の飼い主の両方に問題となる、毒性のある副作用を有することが多い。更に、これらの化学薬品の使用は、殺虫剤耐性およびダニ駆除剤耐性ならびに治療不足のために効果がないことがあるという証拠がある。
【0009】
[0010]局所治療は、よく知られたノミおよびダニの侵入を制御する方法である。これらの治療薬を哺乳動物の毛および皮膚に送達する数多くの方法があるが、これらの方法の多くは、効果がないか、および/または分注動作の間もしくは後に哺乳動物もしくは使用者に安全性リスクがあるかである。より具体的には、塗布器の先端を取り付ける際には塗布器の先端と薬物送達装置との間の物理的接続が得られる必要があることから、接続が不十分となり、それによりいくらかの治療薬が装置から漏れ出て使用者と物理的に接触することになるリスクが本質的にある。例えば、より大きなイヌ科動物の場合、一方の手でディスペンサーを操作し、他方の手でイヌ科動物を所定の位置に保持するのは困難なことがあり、結果として、すべてではないがいくらかの物質が、イヌ科動物の皮膚に到達する代わりに床またはそれを塗布している人にこぼれてしまう。この漏出は、無駄になり汚れるものであるだけでなく、特に使用者が薬物と直接接触する状態になる場合、使用者を皮膚炎または他のそのような健康問題を患うという増大したリスクにさらす。
【0010】
[0011]経口治療もまたペットに利用可能である。しかしながら、効果的であるためには、飼い主は例えば30~90日に1回治療を行う必要がある。治療間の時間が長いことは、飼い主が用量を投与するのを忘れる場合、コンプライアンスの問題を生む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
[0012]効果的な治療が利用可能であるにもかかわらず、Harris Pollによる最近の研究によれば、ペットの飼い主の33%が、日常的に彼らのペットをノミおよびダニから全く保護していないことが分かった。別の研究によれば、ペットの飼い主は、ペットは年間を通してノミおよびダニの予防治療を受けることが必要であると言われているにもかかわらず、平均して、ペットにつき1年当たり4ヵ月のみのノミおよびダニの予防製品を購入していることが分かった。したがって、飼い主が使用することを覚えていることが容易な、ペットにおいてノミおよびダニの侵入を制御するための比較的安全で効果的な薬物が引き続き求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[0013]驚くべきことに、本発明者らにより、スピノシンおよびイソオキサゾリンを含むがこれらには限定されない活性物質による治療が、より少ない、より頻繁な/長く続く用量で経口投与された場合にノミおよびダニの侵入に対して改善した制御を提供できることが見出された。投与は飼料と組み合わされることが以下で議論される。しかしながら、活性物質がそれだけで、または飼料以外の投与形態、例えばチュー、錠剤、液体、ゲルもしくは他の経口投与に適切な形態で投与されてよいこともまた考えられる。有利なことに、より少ない、より頻繁な用量を用いることにより、ノミおよびダニの侵入を制御するために同じ期間にわたって必要な活性物質の合計は少なくなる。例えば、30日(1ヵ月)の期間に単回投与のために30mg/kgのイソオキサゾリンが必要とされる場合、わずか1日当たり0.16~0.83mg/kg、または同じ30日の期間にわたって累積5~25mg/kgが必要とされ、より少ない、より頻繁な用量に変わる。
【0013】
[0014]有利なことに、治療的に有効な1ヵ月に1回の用量のために必要な活性物質、例えばイソオキサゾリンおよび/またはスピノシンの全量は、毎日の投与に転換することにより、10~87.5%低減することができる。しかしながら、実用的な観点からは、(1)均一な供給を生むこと、および(2)非常に少ない量の活性物質の分析管理試験は達成が困難でありうるという、少なくとも2つの問題が生じる。飼料由来の分析マトリクスは、非常に複雑で分析が困難でありうる。分析は、いくらかの必要とされる用量および飼料濃度のためには100万分の1から10億分の1の範囲となる。したがって、当業者が、1ヵ月にわたる毎日の用量の合計が従来の1ヵ月に1回の用量と同じかまたはより高くさえ、例えば従来の1ヵ月に1回の用量の200%になるように、毎日の用量を上昇させることを選択することが可能となる。このことは、毎日の飼料の一部として用量を投与する場合に、均一性を確保するだけでなく、分析の正確性を高めて分析のばらつきを低減するのを助けるために行うことができる。
【0014】
[0015]更に、本発明者の注目すべき発見までは、スピノシンはダニの制御に効果的ではないと一般的に考えられており、それは投与が毎月行われ、ダニの侵入を制御するには動物の血中におけるスピノシンの量が低下するのが速すぎるためである。
【0015】
[0016]本明細書で教示された方法および組成物は、コンプライアンスを高めるという更なる利点を有するものであり、それはより少ない用量の活性成分を飼料に組み込むことができるためである。飼い主は、いずれにしても毎日の餌やりのレジメンに自然に従うことから、飼い主が治療を行うことを忘れるかまたは怠る可能性は低い。したがって、本開示は、既に知られた治療法によって達成されたものよりも安全で効果的な方法でのダニの長期間の制御のための方法を提供する。すべての飼い主が覚えるべきことは、彼らが通常そうするように彼らのペットに餌を与えることである。
【0016】
[0017]更に、特定の活性物質のバイオアベイラビリティを、それらを飼料とともに投与することにより改善することができる。したがって、本開示は、既に知られた治療によって達成されたものよりも安全で効果的な方法でのノミおよびダニの長期間の制御のための方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0018]用語「活性物質」および「活性成分」は本明細書で交換可能に用いられ、錠剤、カプセル、液体、ゲル、薬の入った飼料、トリート、チュー等のような剤形により哺乳動物に送達されるノミおよび/またはダニの侵入を制御するための生物学的、栄養学的または薬学的に活性な物質を言う。
【0018】
[0019]スピノシンは1つの可能性のある活性物質である。スピノシンは天然由来の発酵産物である。それらはSaccharopolyspora spinosaの培養により生成されたマクロライドである。S.spinosaの発酵は、スピノシンAおよびスピノシンD(A83543AおよびA8354Dとも呼ばれる)を含む多くの因子を生成する。スピノシンAおよびスピノシンDは、殺虫剤として最も活性な2つのスピノシンである。これらの2つのスピノシンから主になる製品が、一般名「スピノサド」として市販されている。主要なスピノシン因子であるスピノシンAは、優れたヒトおよび哺乳動物への安全性ならびに毒性プロファイルを有することが特に知られている。
【0019】
[0020]それぞれのスピノシンは、2つの異なる糖であるアミノ-糖フォロスアミン(forosamine)および中性糖2N,3N,4N-(トリ-O-メチル)ラムノースが結合された独特な四環系の一部である、大環状十二員環を有する。この独特な構造がスピノシンを他の大環状化合物から際立たせている。
【0020】
[0021]スピノシンAは、Saccharopolyspora spinosaの発酵培養液から単離および同定された最初のスピノシンであった。発酵培養液のその後の研究により、S.spinosaがスピノシンA~J(A83543A~J)と呼ばれた多くのスピノシンを生成することが明らかになった。主成分はスピノシンAおよびスピノシンDである。K~Wの文字が付けられた更なるスピノシンは、S.spinosaの変異株から同定された。様々なスピノシンが、四環系の選択された部位のフォロスアミンのアミノ基、および2N,3N,4N-(トリ-O-メチル)ラムノース基の置換パターンの違いを特徴とする。
【0021】
[0022]Boeckらは、米国特許第5,362,634号(1994年11月8日発行)、第5,496,932号(1996年3月5日発行)、および第5,571,901号(1996年11月5日発行)において(彼らがA83543因子A、B、C、D、E、F、G、HおよびJと呼んだ)スピノシンA~HおよびJ、ならびにそれらの塩を記載している。Mynderseらは、米国特許第5,202,242号(1993年4月13日発行)において(彼らがA83543因子L、MおよびNと呼んだ)スピノシンL~N、それらのN-脱メチル誘導体、およびそれらの塩を記載し、Turnerらは、米国特許第5,591,606号(1997年1月7日発行)および第5,631,155号(1997年5月29日発行)において(彼らがA83543因子Q、R、SおよびTと呼んだ)スピノシンQ~T、それらのN-脱メチル誘導体、およびそれらの塩を記載している。例えば、アメリカ化学会シンポジウムシリーズ:害虫駆除用植物化学物質におけるCarl V.DeAmicis、James E.Dripps、Chris J.HattonおよびLaura I.Karr、第11章、「Physical and Biological Properties of Spinosyns:Novel Macrolide Pest-Control Agents from Fermentation」、第146~154頁(1997)により、スピノシンK、O、P、U、V、WおよびYが記載されている。
【0022】
[0023]スピノシンは反応して塩を形成することができ、この塩も本開示の方法および配合物に有益である。塩は、塩調製の標準的な手順を用いて調製される。例えば、スピノシンAは、適切な酸で中和して酸付加塩を形成することができる。スピノシンの酸付加塩は特に有益である。代表的な好適な酸付加塩は、有機酸または無機酸のいずれか、例えば硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、コール酸、パモン酸、ムチン酸、グルタミン酸、ショウノウ酸、グルタル酸、グリコール酸、フタル酸、酒石酸、ギ酸、ラウリン酸、ステアリン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ソルビン酸、ピクリン酸、安息香酸、桂皮酸等との反応により形成された塩を含む。
【0023】
[0024]本明細書で用いられる場合、用語「スピノシン」は、個々のスピノシン因子(スピノシンA、B、C、D、E、F、G、H、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、WまたはY)、個々のスピノシン因子のN-脱メチル誘導体、化学修飾スピノシン、例えばスピネトラム、上記のいずれかの塩、上記のいずれかの代謝産物、それらの生理学的に許容可能な誘導体、またはそれらの組合せを言う。
【0024】
[0025]スピノシンはまた、本明細書に開示された方法に従って本明細書に記載された投与量が用いられた場合にそれらがノミおよび/またはダニに対して非常に効果的で治療後に保護が残ることから、利点をもたらす。更に、スピノシンは、既存の化合物への殺虫または殺ダニ交差耐性を有さない。したがって、それらは、現在用いられている製品に対して既存のレベルの耐性を有する哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの数に対して特に有益である。したがって、スピノシンは、総合的病害虫管理(IPM)プログラムに用いて、耐性が十分に発現されていないかまたは未だ発現されていない一般的に用いられる製品の生命線を延長することができる。
【0025】
[0026]イソオキサゾリンは別の可能性のある活性物質である。イソオキサゾリンは、以下に示したように互いに隣接して位置するそれぞれ酸素および窒素からなる1つの原子を含む、複素五員環化合物の類である。
【0026】
【化1】
【0027】
[0027]イソオキサゾリンはすべてイソオキサゾールの誘導体である。それらは、より一般的なオキサゾリンの構造異性体であり、二重結合の位置に応じて3つの異なる異性体で存在する。
【0028】
[0028]イソオキサゾリンの誘導体が知られている。例えば、WO2007/105814、WO2008/122375、およびWO2009/035004は、特定のアルキレン連結アミドを開示している。WO2010/032437は、ベンジルアミドがイソオキサゾリンのオルト位に移動できることを開示している。WO2007/075459は、複素五員環~六員環で置換されたフェニルイソオキサゾリンを開示し、WO2010/084067およびWO2010/025998は、十員環~十一員環の縮合したアリールおよびヘテロアリールで置換されたフェニルイソオキサゾリンを開示している。イソオキサゾリンを製造するためのキラルプロセスがWO2011/104089およびWO2009/063910に開示されている。
【0029】
[0029]多くのイソオキサゾリン化合物が知られており、これらに限定されないが、4-(5-メチル-5-置換ピロリル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル)安息香酸アミド誘導体;4-(5-置換カルバモイルメチル4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル)安息香酸アミド誘導体;3-(5-置換カルバモイルメチル5-置換アルキル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル)安息香酸アミド誘導体;4-(5-置換カルバモイルメチル4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル)ベンズアミジン誘導体;4-(5-置換-5-置換アリール-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル)安息香酸アミド化合物;3-(4-置換フェニル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール誘導体;5-置換アルキル-3,5-ビス置換フェニル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール誘導体;3-アルコキシフェニル-5-置換-5-フェニル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール誘導体;3-アルコキシフェニル-5-置換アルキル-5-置換カルバモイル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール誘導体;3-(4-ハロフェニル)-5-置換-5-置換フェニル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール誘導体;3-(4-ニトロフェニル)-5-置換-5-置換フェニル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール誘導体;4-ヒドロキシイミノメチル安息香酸アミド誘導体;4-ヒドロキシイミノメチルN,N-ジメチル安息香酸アミド;4-ヒドロキシイミノメチルベンゾイルピペリジン誘導体;4-ヒドロキシイミノメチルN-ビシクロアルキル安息香酸アミド誘導体;6-(ヒドロキシイミノメチル)ピリジン-2-カルボキサミド誘導体;ハロアルケニルベンゼン誘導体、例えば置換3,3,3-トリフルオロ-2-プロペニルベンゼン誘導体;4-(イソオキサゾリニル)-ベンズアミド、例えば置換4-(5-(ハロメチル)-5-フェニル-イソオキサゾリン-3-イル)-ベンズアミド;4-(イソオキサゾリニル)-ベンゾチオアミド、例えば置換4-(5-(ハロメチル)-5-フェニル-イソオキサゾリン-3-イル)-ベンゾチオアミド;ジヒドロイソオキサゾール化合物;およびスピロ環置換イソオキサゾリンを含む。
【0030】
[0030]哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入を制御するための特に興味深いイソオキサゾリンは、アフォキソラネル(化学名:(a)1-ナフタレンカルボキサミド、4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-;または(b)4-{5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル}-N-{2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル}ナフタレン-1-カルボキサミド)、フルララネル(化学名:(a)ベンズアミド、4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-メチル-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-;または(b)4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]-2-メチル-N-{2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル}ベンズアミド)、サロラネル(化学名:(a)エタノン、1-[5’-[(5S)-5-(3,5-ジクロロ4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]スピロ[アゼチジン-3,1’(3’H)-イソベンゾフラン]-1-イル]-2-(メチルスルホニル)-;または(b)1-{5’-[(5S)-5-(3,5-ジクロロ4-フルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]-3’-H-スピロ[アゼチジン-3,1’-[2]ベンゾフラン]-1-イル}-2-(メチルスルホニル)エタノン)、ロチラネル(化学名:(a)2-チオフェンカルボキサミド、5-[(5S)-4,5-ジヒドロ-5-(3,4,5-トリクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-3-メチル-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-;または(b)3-メチル-N-{2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル}-5-[(5S)-5-(3,4,5-トリクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-3-イル]チオフェン-2-カルボキサミド)、エサフォキソラネル(化学名:(a)1-ナフタレンカルボキサミド、4-[(5S)-5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-;または(b)(S)-4-(5-(3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル)-N-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)エチル)-1-ナフトアミド)、チゴラネル(化学名:(a)ベンズアミド、2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[1’-メチル-3’-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)-4’-(トリフルオロメチル)[1,5’-ビ-1H-ピラゾール]-4-イル]-;または(b)2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[2’-メチル-5’-(ペンタフルオロエチル)-4’-(トリフルオロメチル)-2’H-[1,3’-ビピラゾール]-4-イル]ベンズアミド)、ウミフォキソラネル(化学名:(a)1-ナフタレンカルボキサミド、4-[(5S)-5-[3-クロロ-4-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-;または(b)4-{(5S)-5-[3-クロロ-4-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル}-N-{2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル}ナフタレン-1-カルボキサミド)、モドフラネル(化学名:6-フルオロ-N-(2-フルオロ-3-{[4-(へプタフルオロプロパン-2-イル)-2-ヨード-6-(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}フェニル)ピリジン-3-カルボキサミド)、およびミボリラネル(化学名:(a)4H-シクロペンタ[c]チオフェン-1-カルボキサミド、3-[(5S)-5-(3,5-ジクロロ4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル-3-イソオキサゾリル]-N-[2-[(2,2-ジフルオロエチル)アミノ]-2-オキソエチル]-5,6-ジヒドロ-);または(b)3-[(5S)-5-(3,5-ジクロロ4-フルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]-N-[2-[(2,2-ジフルオロエチル)アミノ]-2-オキソエチル]-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]チオフェン-1-カルボキサミドである。
【0031】
[0031]より具体的には、以下の構造を有するイソオキサゾリンが本開示の方法および配合物に好適である。
【0032】
【化2】
【0033】
[0032]いくつかのイソオキサゾリンは反応して塩を形成することができ、この塩も本開示の方法および配合物に有益である。塩は、塩調製の標準的な手順を用いて調製されてよい。例えば、好適な塩は、ヒドロハロゲン化酸、例えばフッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸およびヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、リン酸、塩素酸、過塩素酸のような酸付加塩、スルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸の塩、カルボン酸、例えばバレリアン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、マンデル酸、アスコルビン酸、乳酸、グルコン酸、クエン酸の塩、またはアミノ酸、例えばグルタミン酸およびアスパラギン酸の塩でありうる。別法として、金属塩もまた本開示には好適である。例えば、アルカリ金属塩、例えばリチウム、ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属、例えばカルシウム、バリウムおよびマグネシウム、またはアルミニウムの塩である。
【0034】
[0033]本明細書で用いられる場合、用語「イソオキサゾリン」および「イソオキサゾリンまたはそれらの誘導体」は、あらゆるイソオキサゾリン、イソオキサゾリン誘導体、それらの塩、それらの代謝産物、またはそれらの組合せを言う。
【0035】
[0034]イソオキサゾリンはまた、より少ない、より頻繁な/長く続く用量で経口投与された場合にそれらがノミおよび/またはダニに対して非常に効果的で治療後に保護が残ることから、利点をもたらす。更に、イソオキサゾリンは、既存の化合物への既知の殺虫または殺ダニ交差耐性を有さない。したがって、それらは、現在用いられている製品に対して既存のレベルの耐性を有する哺乳動物におけるノミおよびダニの数に対して特に有益である。したがって、イソオキサゾリンは、総合的病害虫管理(IPM)プログラムに用いて、耐性が十分に発現されていないかまたは未だ発現されていない一般的に用いられる製品の生命線を延長することができる。
【0036】
[0035]全身性の効能(例えば、ノミおよびダニによる活性物質、例えばスピノシンまたはイソオキサゾリンを含む血液の摂取)は、ノミまたはダニとの皮膚表面での接触が曝露のモードである局所適用された配合物と比べて異なるモードの曝露をもたらす。経口全身性治療ならびにノミおよびダニをそれらが血液を摂取することにより殺すことの利点は、局所適用および接触で殺すことと比べて、
a)ヒトの塗布器および子どもおよび哺乳動物の生活環境にある物(例えば、フローリング、カーペット、家具)への曝露の低減、
b)哺乳動物の水(湖、小川、入浴等)への曝露による損失または摩擦による損失の心配がないこと、
c)UV曝露およびUV劣化の心配がないこと、
d)皮膚における油による酸化の問題がないこと等、ならびに
e)(用量のうちいくらかは垂れる、擦れて取れるおよび/または治療直後に分注チューブに残ることが起こりうる局所適用と比べて)全用量が投与される確実さを含む。
【0037】
[0036]本開示の配合物、または飼料、および方法は、主な活性物質と組み合わせて、治療効能を有する1つ以上の他の活性物質を更に含んでよい。そのような活性物質は、ノミおよびダニに対して有効な物質を含む。活性物質は、例えば、スピノシン、イソオキサゾリン、アベルメクチン、ミルベマイシン、昆虫またはダニ成長調整剤(キチン合成阻害剤、幼若ホルモンアナログ、および幼若ホルモンを含む)、ニトロメチレン、ネオニコチノイド、ピリジンおよびピラゾールまたはフィプロールを含んでよい。
【0038】
[0037]本開示の方法は、活性物質を哺乳動物に少ない頻繁な用量で投与することによって行われる。習慣的な投与を容易にするために、投与は、毎日の飼料、おやつ、トリート、チュー、または他の補足飼料を用いて行うことができる。製造プロセスおよび飼料組成物が、活性物質および該当する場合は他の活性物質の効能、安定性ならびに安全性に関連する悪影響を及ぼさない限り、多くの異なる飼料が考えられる。例えば、乾燥、半湿潤、缶詰レトルトの飼料または新鮮冷蔵飼料の幅広い分類における飼料、おやつ、トリート、または他の補足飼料が、本開示による使用に適合することができる。哺乳動物は、飼料製品を毎週、ほぼ毎週、または毎日消費することにより、管理された量の活性物質を与えられる。
【0039】
[0038]より少ない用量の活性物質を動物の飼料、おやつ、トリート、チュー、または他の補足飼料組成物に組み込み、それを有効頻度で(最も好ましくは毎日)投与することにより、活性物質の血中濃度が、毎日または実質的に毎日の投与により維持することのできる最適な定常状態に到達するまで、時間をかけて上昇する。それに対して、活性物質、例えばスピノシンまたはイソオキサゾリンが、より多い用量でより少ない頻度、例えば、「トリート」により30日の期間において1度投与される、多い用量の単回治療で経口投与される場合、血中における活性物質のレベルは、投与時に急上昇し、次いで、次の用量が投与されるまで低下する。多い用量での少ない頻度の投与は、動物がそれぞれの用量においてより多くの活性物質を消費する必要があり、それにより活性物質の血中レベルが、次の投与前に効果的な予防に必要なレベル以下に低下しないことを意味する。更に、活性物質としてのスピノシンの血中レベルの急速で急激な低下のために、1ヵ月に1回の投与方法を用いてダニの侵入を制御するのに十分な血中濃度を維持することは不可能であった。それに対して、本開示の方法においてスピノシンを用いることでダニを制御することが可能である。
【0040】
[0039]本明細書で議論されたすべての比、パーセンテージ、および部は、別に特定されなければ「重量による」ものである。
[0040]用語「ダニの侵入を制御する」は、哺乳動物におけるダニによる侵入を防止、治療、最小化または除去することを言う。
【0041】
[0041]用語「ダニ」は、ダニ目のあらゆる構成員を言う。用語「ダニ」は、成長の卵期、幼生期、若虫期、および成虫期を含む。より具体的には、用語ダニは、Ixodidae科およびArgasidae科のダニを含む。より具体的には、用語「ダニ」は、Africaniella属、Amblyomma属、Anomalohimalaya属、Bothriocroton属、Dermacentor属、Haemaphysalis属、Hyalomma属、Ixodes属、Margaropus属、Nosomma属、Rhipicentor属、Rhipicephalus属、Antricola属、Argas属、Nothoaspis属、Ornithodoros属、およびOtobius属の種を含む。
【0042】
[0042]用語「ノミの侵入を制御する」は、哺乳動物におけるノミによる侵入を防止、治療、最小化または除去することを言う。
[0043]用語「ノミ」は、ノミ目のあらゆる構成員を言う。用語「ノミ」は、成長の卵期、幼生期、蛹期、および成虫期を含む。
【0043】
[0044]用語「哺乳動物」は、Mammalia綱のあらゆる構成員を言う。特に、オオカミ、コヨーテ、ジャッカル、シカ、エルク、ムース、トナカイ等のような野生哺乳動物を言うことができる。ウシ、ヒツジ、ブタ、バイソン、ウシ等のような家畜も言うことができる。ペットも言うことができる。ヒトも言うことができる。
【0044】
[0045]用語「ペット」は、ペットとして飼うことのできるあらゆる家畜を言う。これはウマ、イヌ、オオカミ、コヨーテ、ネコ、ハムスター、アレチネズミ、ハツカネズミ、モルモット、フェレット、ウサギ等を含むが、それらに限定されない。
【0045】
[0046]用語「イヌ科動物」は、Canis属のあらゆる構成員を言い、オオカミ、イヌ、コヨーテおよびジャッカルのような種を含む。
[0047]用語「ネコ科の動物」は、Felidae亜科のあらゆる構成員を言い、飼いネコ、ボブキャット、野生のネコ、オセロット、lynx属の構成員、マヌルネコおよびクーガーのような種を含む。
【0046】
[0048]本開示の方法を行う際には、「飼料」は、毎日または実質的に毎日投与されうる、動物の飼料もしくはトリート、おやつまたは他の補足飼料である。異なる形態の飼料、例えばキブルとトリートを用いることにより、ペットの飼い主は、時々イヌ科動物の食事およびおやつを変えつつ、それでも毎日の用量のスピノシンを都合よく投与することができる。
【0047】
[0049]用語「チュー」は、イヌ科動物を引き付ける風味および芳香族性を有するが、典型的には栄養価のないトリートを言う。本開示の方法を行う際には、「飼料」および/または「チュー」は交換可能に用いられてよい。
【0048】
[0050]本開示のための用語「有効時間」は、本明細書では「有効期間」とも言い、少なくとも、哺乳動物の血中における活性物質のレベルを、ノミおよび/またはダニを制御するのに十分に高いレベル、即ち「治療有効」レベルにするのに必要な投与期間を含む。いくつかの実施形態において、有効時間はわずか3日でありうる。別の場合、有効時間は7日または15日またはそれ以上でありうる。以下で議論するように、有効時間は活性物質がどれほど頻繁に投与されるかに応じて変化する。
【0049】
[0051]先に示唆したように、「有効時間」は活性物質が投与される頻度に応じて変化する。本明細書で用いられる場合、用語「有効頻度」とは、哺乳動物の血中において活性物質の治療有効濃度を生じる所定の時間にわたる、投与数を意味する。すべての場合、本明細書で用いられる場合の「有効頻度」としては、1ヵ月当たり活性物質の複数の投与が考えられる。当業者は、活性物質が幅広い頻度で投与されうることを理解する。例えば、活性物質は、毎日、1日おき、3日おき、1週間当たり1回または一貫していない時間間隔までもの頻度で投与することができる。
【0050】
[0052]更に、上記で議論したように、有効頻度は、哺乳動物の血中において活性物質の治療有効レベルを得るのに必要とされる期間に影響を与えうる。例として、哺乳動物が飼料組成物を毎日供給される場合、哺乳動物の血中において活性物質の治療有効レベルを得るのに必要とされる投与期間、したがって「有効時間」は、哺乳動物が飼料組成物を1週間当たり1回または2回のみ供給される場合よりも比較的短いであろう。
【0051】
[0053]更に、有効頻度は、哺乳動物の体重に対してmg/kgの毎日の投与量により影響を受ける。特に、少し高めの毎日の用量であれば、投与が忘れられても効能に与える影響は少ない。
【0052】
[0054]更に、有効頻度は治療の期間により影響を受ける。初期段階、例えば哺乳動物の血中の活性物質の量が治療有効レベルに到達する前には、活性物質は、より長い使用期間の後、即ち治療有効レベルが得られた後に必要とされるよりも頻繁に投与される必要がありうる。
【0053】
[0055]本開示の目的で、「実質的に毎日」とは、哺乳動物の血中における活性物質の濃度が治療有効レベルに上昇してそのままであるように十分に定期的であることを意味する。例えば、開示された毎日の飼料組成物は、好ましくは、哺乳動物に毎日無期限に供給することができる。しかしながら、実際問題としては、日数が定期的に忘れられうるまたは抜かされうる多くの理由がある。例えば、哺乳動物が不健康になることがあり、または飼い主が毎日の薬の入った飼料組成物を使い切ることがある。開示された方法は、活性物質の毎日の投与が時折中断されたとしても、哺乳動物がある程度ノミおよび/またはダニからそれでも保護されるのに十分に強力なものである。本開示の方法を行う際には、用語「実質的に毎日」は、少なくとも1ヵ月当たり10日、より好ましくは1ヵ月当たり15日、更により好ましくは1ヵ月当たり20日を含む。これらの供給頻度のすべては、それらが例えば1週間当たり3回であろうと1日おきであろうと毎日であろうと、活性成分が哺乳動物の血中における活性成分の治療有効レベルに到達して維持することをそれらが促進する限りにおいて、実質的に毎日に適合する。
【0054】
[0056]驚くべきことに、いくつかの状況では、活性物質ならびにその数が制御されることが意図されたノミおよび/またはダニに応じて、開示された方法は十分に強力であり、活性物質の投与は一時期中断することができ、それでも哺乳動物の血中における活性物質の濃度は十分に高いままで、ノミおよび/またはダニの数の制御は供給が中断された期間に維持されることが分かった。例えば、活性物質の供給は、1日、3日、7日または1週間以上中断することができる。このことを実証するいくつかの説明例を以下に示す。実施例1、実施例2、実施例4、実施例7、実施例8、実施例9、実施例10および実施例12(活性成分の投与が中断された後の市販標示の有効性を実証する)を参照のこと。活性成分の投与を中断し、それでも治療有効血中濃度を維持するこの能力は、同等の毎日の用量の約10%~約250%の用量を含む広範な範囲の用量レベルにわたって存在する。
【0055】
[0057]食用動物の生産を除いて、飼料の可変性の問題および投与期間にわたって治療薬物レベルを維持できないことのために、動物の食べ物中で薬物を投与することは困難である。例えば、イヌに1日に1回餌を与える飼い主もいれば、1日に1回より多く餌を与える飼い主もいる。ネコは1日を通して少量の食事をとることが多い。いくつかの動物は病気のために数日間食べないことがある。例として、イベルメクチンは食料生産動物およびペットの両方において広く用いられるが、飼料中への投与により食料生産動物においてのみ用いられてきた。しかしながら、本発明者らは、より少ない実質的に毎日の用量を用いることによって時間をかけて哺乳動物の血中における特定の活性成分の濃度を作り上げることが、飼料の可変性の問題を解決することを見出した。
【0056】
[0058]有利なことに、本発明の方法による用量投与の中断は、従来の方法の用量投与、即ちより少ない頻度で投与される多い用量の中断と比較して、ノミおよびダニの侵入の制御への悪影響が非常に少ない。好ましくは、用量投与の中断は、活性物質の血中濃度がノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに十分高い定常状態レベルまたは準定常状態レベルに到達するまでは起こらない。一方で、投与/供給レジメンをまず開始した後、かつ血中濃度がノミおよび/またはダニの数を制御するのに必要な所望の量に到達する前に、毎日の投与/供給を中断し、次いで、再開することもまた可能である。この場合、実質的に毎日の投与/供給が、活性物質の濃度を哺乳動物のノミおよび/またはダニの数を制御するのに効果的な量まで到達させるために、通常はより長い時間がかかる。
【0057】
[0059]用語「治療有効」とは、活性物質の用量または血液レベルが、薬物が存在しなかった場合よりもノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに十分であることを意味する。活性物質はそれだけで存在してもよく、1つ以上の更なる活性物質とともに存在してもよい。好ましくは、それは薬物が存在しなかった場合よりもおおよそ少なくとも50%、ノミおよび/またはダニの侵入を制御し、より好ましくは、それは薬物が存在しなかった場合よりもおおよそ少なくとも90%、ノミおよび/またはダニの侵入を制御する。
【0058】
[0060]本開示の方法を行う際には、有効量または治療有効量の活性物質が哺乳動物に経口投与される。用語「有効量」または「治療有効量」は、ノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに必要な量を言う。当業者が理解するように、この量は多くの因子に応じて変化する。これらの因子は、例えば、治療される哺乳動物の種類およびその重量および全体的な健康状態を含む。
【0059】
[0061]本開示はスピノシンの濃度を飼料、例えばキブルの観点で記載するが、他の投与形態、例えばトリートまたはチューを用いた投与もまた考えられる。スピノシンが単独で、または錠剤、液体、ゲルもしくは経口投与のための他の適切な形態で投与されうることもまた考えられる。当業者は、スピノシンの濃度が具体的な投与形態に応じて変化することを理解する。例えば、投与形態がトリートまたはチューである場合、トリートまたはチューにおけるスピノシンの濃度は、例えばキブルにおけるスピノシンの濃度よりも大きくなる。例えば、イヌ科動物の重量に応じたスピノシンの毎日の用量が10mgである場合、典型的な5gのトリートまたはチューは、約0.2パーセントのスピノシン(重量による)を含む。1日に消費されるキブルの量は5gより多いことから、キブルにおけるスピノシンのパーセントはより小さくなる。
【0060】
[0062]一般的に、ノミの侵入を制御するためのスピノシンの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.125~約4.5mgのスピノシンの毎日の用量を言う。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.2~約3.75mgである。
【0061】
[0063]ノミの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.0005~約0.2パーセントのスピノシン(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.001から約0.12パーセントの間のスピノシン(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.003から約0.06パーセントの間のスピノシン(重量による)である。
【0062】
[0064]一般的に、ダニの侵入を制御するためのスピノシンの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.625~約4.5mgのスピノシンの毎日の用量を言う。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約1~約3.75mgである。
【0063】
[0065]ダニの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.005~約2パーセントのスピノシン(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.01から約0.5パーセントの間のスピノシン(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.03から約0.2パーセントの間のスピノシン(重量による)である。
【0064】
[0066]イソオキサゾリンは効力が異なる。したがって、イソオキサゾリンの有効量は、本開示の方法で用いられるそれぞれの具体的なイソオキサゾリンについて計算される必要がある。一般的に、イソオキサゾリンの毎日の用量としての有効量は、投与/再治療間隔(例えば、毎月投与される製品については30日)の長さで割った前記イソオキサゾリンについて認可された標示用量の約12.5%~90%の範囲である。選択された具体的な用量は、約7日の実質的に毎日の投与のうちに、より好ましくは約5日の実質的に毎日の投与のうちに、最も好ましくは約3日の実質的に毎日の投与のうちに前記イソオキサゾリンの哺乳動物の血中濃度を治療有効レベルまで上昇させるのに十分でありうる。
【0065】
[0067]本開示はイソオキサゾリンの濃度を飼料、例えばキブルの観点で記載するが、他の投与形態、例えばトリートまたはチューを用いた投与もまた考えられる。イソオキサゾリンが単独で、または錠剤、液体、ゲルもしくは経口投与のための他の適切な形態で投与されうることもまた考えられる。当業者は、イソオキサゾリンの濃度が具体的な投与形態に応じて変化することを理解する。例えば、動物飼料がトリートである場合、トリートにおけるイソオキサゾリンの濃度は、例えばキブルにおけるイソオキサゾリンの濃度よりも大きくなる。例えば、イヌ科動物の重量に応じたイソオキサゾリンの毎日の用量が20mgである場合、典型的な5gのトリートは、約0.004パーセントのイソオキサゾリン(重量による)を含みうる。1日に消費されるキブルの量は5gより多いことから、キブルにおけるイソオキサゾリンのパーセントはより小さくなる。
【0066】
[0068]例えば、ノミの侵入を制御するためのミボリラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.04~約1.5mgのミボリラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.07~約1.25mgである。
【0067】
[0069]ノミの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.0001~約0.08パーセントのミボリラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.0002から約0.05パーセントの間のミボリラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.0006から約0.03パーセントの間のミボリラネル成分(重量による)である。
【0068】
[0070]別の例において、ノミの侵入を制御するためのロチラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.017~約0.6mgのロチラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.027~約0.5mgである。
【0069】
[0071]ノミの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.00004~約0.03パーセントのロチラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.00008から約0.02パーセントの間のロチラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.0002から約0.001パーセントの間のロチラネル成分(重量による)である。
【0070】
[0072]別の例において、ノミの侵入を制御するためのアフォキソラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.002~約0.075mgのアフォキソラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.003~約0.0625mgである。
【0071】
[0073]ノミの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.000005~約0.03パーセントのアフォキソラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.00001から約0.02パーセントの間のアフォキソラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.00003から約0.0012パーセントの間のアフォキソラネル成分(重量による)である。
【0072】
[0074]別の例において、ノミの侵入を制御するためのサロラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.001~約0.036mgのサロラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.0016~約0.03mgである。
【0073】
[0075]ノミの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.000002~約0.03パーセントのサロラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.000004から約0.02パーセントの間のサロラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.0003から約0.0006パーセントの間のサロラネル成分(重量による)である。
【0074】
[0076]別の例において、ノミの侵入を制御するためのフルララネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.008~約0.3mgのフルララネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.013~約0.25mgである。
【0075】
[0077]ノミの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.00002~約0.03パーセントのフルララネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.00004から約0.02パーセントの間のフルララネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.0001から約0.006パーセントの間のフルララネル成分(重量による)である。
【0076】
[0078]別の例において、ノミの侵入を制御するためのウミフォキソラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.001~約0.04mgのウミフォキソラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.0017~約0.03125mgである。
【0077】
[0079]ノミの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.000002~約0.03パーセントのウミフォキソラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.000005から約0.02パーセントの間のウミフォキソラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.00001から約0.0006パーセントの間のウミフォキソラネル成分(重量による)である。
【0078】
[0080]別の例において、ノミの侵入を制御するためのエサフォキソラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.001~約0.038mgのエサフォキソラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.0017~約0.03125mgである。
【0079】
[0081]ノミの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.000002~約0.03パーセントのエサフォキソラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.000005から約0.02パーセントの間のエサフォキソラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.00001から約0.0006パーセントの間のエサフォキソラネル成分(重量による)である。
【0080】
[0082]別の例において、ノミの侵入を制御するためのチゴラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.001~約0.038mgのチゴラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.0017~約0.03125mgである。
【0081】
[0083]ノミの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.000002~約0.03パーセントのチゴラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.000005から約0.02パーセントの間のチゴラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.00001から約0.0006パーセントの間のチゴラネル成分(重量による)である。
【0082】
[0084]例えば、ダニの侵入を制御するためのミボリラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.21~約1.5mgのミボリラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.33~約1.25mgである。
【0083】
[0085]ダニの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.001~約0.4パーセントのミボリラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.002から約0.24パーセントの間のミボリラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.003から約0.12パーセントの間のミボリラネル成分(重量による)である。
【0084】
[0086]別の例において、ダニの侵入を制御するためのロチラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.083~約0.6mgのロチラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.133~約0.5mgである。
【0085】
[0087]ダニの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.0004~約0.16パーセントのロチラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.0008から約0.1パーセントの間のロチラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.002から約0.005パーセントの間のロチラネル成分(重量による)である。
【0086】
[0088]別の例において、ダニの侵入を制御するためのアフォキソラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.01~約0.075mgのアフォキソラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.017~約0.0625mgである。
【0087】
[0089]ダニの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.00005~約0.16パーセントのアフォキソラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.0001から約0.1パーセントの間のアフォキソラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.0003から約0.006パーセントの間のアフォキソラネル成分(重量による)である。
【0088】
[0090]別の例において、ダニの侵入を制御するためのエサフォキソラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.005~約0.0375mgのエサフォキソラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.008~約0.03125mgである。
【0089】
[0091]ダニの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.00002~約0.16パーセントのエサフォキソラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.00005から約0.1パーセントの間のエサフォキソラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.0001から約0.003パーセントの間のエサフォキソラネル成分(重量による)である。
【0090】
[0092]別の例において、ダニの侵入を制御するためのサロラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.005~約0.036mgのサロラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.0008~約0.03mgである。
【0091】
[0093]ダニの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.00002~約0.16パーセントのサロラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.00004から約0.1パーセントの間のサロラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.0001から約0.003パーセントの間のサロラネル成分(重量による)である。
【0092】
[0094]別の例において、ダニの侵入を制御するためのフルララネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.0417~約0.3mgのフルララネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.067~約0.25mgである。
【0093】
[0095]ダニの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.0002~約0.016パーセントのフルララネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.0004から約0.1パーセントの間のフルララネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.001から約0.03パーセントの間のフルララネル成分(重量による)である。
【0094】
[0096]別の例において、ダニの侵入を制御するためのウミフォキソラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.005~約0.375mgのウミフォキソラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.0008~約0.03125mgである。
【0095】
[0097]ダニの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.00002~約0.16パーセントのウミフォキソラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.00005から約0.1パーセントの間のウミフォキソラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.0001から約0.003パーセントの間のウミフォキソラネル成分(重量による)である。
【0096】
[0098]別の例において、ダニの侵入を制御するためのチゴラネルの有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.005~約0.0375mgのチゴラネルの用量であってよい。より一般的には、有効量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.008~約0.03125mgである。
【0097】
[0099]ダニの侵入を制御するための動物飼料は、典型的には、飼料中に約0.00002~約0.16パーセントのチゴラネル(重量による)を含む。好ましくは、飼料中に約0.00005から約0.1パーセントの間のチゴラネル(重量による)である。最も好ましくは、飼料中に約0.0001から約0.003パーセントの間のチゴラネル成分(重量による)である。
【0098】
[00100]1つの態様において、本開示は、活性物質および動物飼料を含む全身に活性な経口組成物を少なくとも1週間当たり1回、より好ましくは1週間当たり3回、最も好ましくは実質的に毎日の頻度で投与することにより、哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入を制御する方法に関する。
【0099】
[00101]別の態様において、本開示は、活性物質および動物飼料またはチューを含む全身に活性な経口組成物に関する。
[0102]本開示はまた、哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入を制御するための動物飼料またはチューの製造のための活性物質の使用に関する。
【0100】
[0103]本開示はまた、長期間、哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入を制御する方法であって、毎日の飼料において哺乳動物に活性物質の有効量の用量を毎日または実質的に毎日経口投与する工程を含む、方法に関する。毎日の飼料は、毎日投与されることを意図されるが、本明細書に記載されたような他の頻度で投与されてもよい飼料である。本方法は、長期間、哺乳動物におけるノミおよび/またはダニを制御するのに特に有益であり、哺乳動物に活性物質の有効量の用量を実質的に毎日経口投与する工程を含む。
【0101】
[0104]本開示のある態様は、それ自体、単回投与で哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入を制御するために効果がないかまたは準最適であるが、本明細書で記載されたように時間をかけて反復投与することによりノミおよび/またはダニの侵入の有効な制御をもたらす、ある量の活性物質の経口投与である。効果がないかまたは準最適であるとは、単回投与および数回投与が、薬物を全く投与しない場合と比較して50%未満のノミおよび/またはダニの侵入の減少となり、減少がないかまたは実質的にないことを含むことを意味する。このことは、本明細書で開示された、急性的というよりも慢性的な投与の態様を反映する。
【0102】
[0105]実施形態1:ノミおよび/またはダニの侵入の制御を必要とする哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入を制御する方法であって、
前記哺乳動物に有効量の活性物質を経口投与する工程、
経口投与を数日にわたって実質的に毎日継続して、それにより哺乳動物の活性物質の血中濃度をノミおよび/またはダニの侵入を低減するのに有効な量まで上昇させる工程、
哺乳動物の活性物質の血中濃度がノミまたはダニの侵入を低減するのに有効な量まで到達した後、経口投与を少なくとも1日の期間中止する工程を含み、哺乳動物の活性物質の血中濃度がその期間にわたってノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効なままである、方法。
【0103】
[0106]実施形態2:期間が少なくとも3日の連続した日数であり、哺乳動物の活性物質の血中濃度がその期間にわたってノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効なままである、実施形態1に記載の方法。
【0104】
[0107]実施形態3:期間が少なくとも7日の連続した日数であり、哺乳動物の活性物質の血中濃度がその期間にわたってノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効なままである、実施形態1に記載の方法。
【0105】
[0108]実施形態4:期間が経過した後、実質的に毎日の投与を再開し、それにより哺乳動物の活性物質の血中濃度をノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効な量に維持し続ける工程を更に含む、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
【0106】
[0109]実施形態5:期間が、それぞれ少なくとも1日であり、かつすべてが30日以内に生じる複数の期間を含む、実施形態4に記載の方法。
[0110]実施形態6:記活性物質がスピノシンおよびイソオキサゾリンからなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
【0107】
[0111]実施形態7:活性物質がスピノシンである、実施形態6に記載の方法。
[0112]実施形態8:前記スピノシンがスピノサドである、実施形態7に記載の方法。
[0113]実施形態9:活性物質がイソオキサゾリンである、実施形態6に記載の方法。
【0108】
[0114]実施形態10:イソオキサゾリンがミボリラネル、フルララネル、サロラネル、アフォキソラネル、ロチラネル、ウミフォキソラネル、エサフォキソラネル、チゴラネル、モドフラネル、およびそれらの塩からなる群から選択される、実施形態9に記載の方法。
【0109】
[0115]実施形態11:活性物質が湿潤飼料または乾燥飼料の成分である、実施形態1~10のいずれかに記載の方法。
[0116]実施形態12:飼料が乾燥飼料を含む、実施形態11に記載の方法。
【0110】
[0117]実施形態13:活性物質がチューの成分である、実施形態1~10のいずれかに記載の方法。
[0118]実施形態14:哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入を制御するために低減された投与量の活性物質を経口投与するためのレジメンを確立する方法であって、
(a)ノミおよび/またはダニを制御するための哺乳動物への経口投与のための所定の投与量を有する活性物質を選択する工程であって、所定の投与量が30日に1回または1ヵ月に1回の所定の投与レジメンのためのものである、工程、
(b)所定の投与量に約0.90以下を掛けて低減された投与量を得る工程、
(c)低減された投与量から低減された1日投与量を換算する工程、ならびに
(d)活性物質を低減された1日投与量で哺乳動物に数日にわたって実質的に毎日投与するための説明書を提供する工程を含み、
それにより、投与するための説明書に従った後、哺乳動物のノミおよび/またはダニの侵入が、活性物質の所定の投与量を哺乳動物に30日に1回または1ヵ月に1回の間隔で投与する場合と同じかまたはそれより大きい程度まで制御される、方法。
【0111】
[0119]実施形態15:工程(b)が所定の投与量に約0.20から約0.90の間を掛けることを含む、実施形態14に記載の方法。
[0120]実施形態16:工程(b)が所定の投与量に約0.70以下を掛けることを含む、実施形態14および15のいずれかに記載の方法。
【0112】
[0121]実施形態17:工程(b)が所定の投与量に約0.50以下を掛けることを含む、実施形態14~16のいずれかに記載の方法。
[0122]実施形態18:活性物質がスピノシンおよびイソオキサゾリンからなる群から選択される、実施形態14~17のいずれかに記載の方法。
【0113】
[0123]実施形態19:活性物質がスピノシンである、実施形態18に記載の方法。
[0124]実施形態20:前記スピノシンがスピノサドである、実施形態19に記載の方法。
【0114】
[0125]実施形態21:工程(b)が所定の投与量に約12.5%~90%を掛けることを含む、実施形態20に記載の方法。
[0126]実施形態22:所定の投与量がダニではなくノミを制御し、かつ低減された1日投与量がノミおよびダニを制御する、実施形態20に記載の方法。
【0115】
[0127]実施形態23:工程(a)~(d)の実施が、活性物質の所定の投与量を哺乳動物に30日に1回または1ヵ月に1回の間隔で投与した場合に到達される最大血中濃度の約10%未満に到達する、哺乳動物の血中における活性物質の最大濃度をもたらす、実施形態20に記載の方法。
【0116】
[0128]実施形態24:活性物質がイソオキサゾリンである、実施形態18に記載の方法。
[0129]実施形態25:イソオキサゾリンがミボリラネル、フルララネル、サロラネル、アフォキソラネル、ロチラネル、チゴラネル、ウミフォキソラネル、エサフォキソラネル、モドフラネル、およびそれらの塩からなる群から選択される、実施形態24に記載の方法。
【0117】
[0130]実施形態26:活性物質がミボリラネルである、実施形態25に記載の方法。
[0131]実施形態27:工程(b)が所定の投与量に約0.125~約0.9を掛けることを含む、実施形態26に記載の方法。
【0118】
[0132]実施形態28:工程(a)~(d)の実施が、活性物質の所定の投与量を哺乳動物に30日に1回または1ヵ月に1回の間隔で投与した場合に到達される最大血中濃度の約20%未満に到達する、哺乳動物の血中における活性物質の最大濃度をもたらす、実施形態27に記載の方法。
【0119】
[0133]実施形態29:活性物質が飼料の成分であり、かつ工程(d)が飼料を投与するための説明書を含む、実施形態14~28のいずれかに記載の方法。
[0134]実施形態30:活性物質がチューの成分であり、かつ工程(d)がチューを投与するための説明書を含む、実施形態14~28のいずれかに記載の方法。
【0120】
[0135]実施形態31:工程(c)が低減された投与量を約30で割って低減された1日投与量を得ることを含む、実施形態14~30のいずれかに記載の方法。
[0136]実施形態32:ノミおよび/またはダニの侵入の制御を必要とする哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入を制御するための有効量の活性物質を含む飼料であって、
飼料の経口投与が数日にわたって実質的に毎日継続され、それにより哺乳動物の活性物質の血中濃度をノミおよび/またはダニの侵入を低減するのに有効な量まで上昇させ、
哺乳動物の活性物質の血中濃度がノミまたはダニの侵入を低減するのに有効な量まで到達した後、毎日の飼料の経口投与が少なくとも1日の期間中止され、哺乳動物の活性物質の血中濃度がその期間にわたってノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効なままである、飼料。
【0121】
[0137]実施形態33:期間が少なくとも3日の連続した日数であり、哺乳動物の活性物質の血中濃度がその期間にわたってノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効なままである、実施形態32に記載の飼料。
【0122】
[0138]実施形態34:期間が少なくとも7日の連続した日数であり、哺乳動物の活性物質の血中濃度がその期間にわたってノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効なままである、実施形態32に記載の飼料。
【0123】
[0139]実施形態35:期間が経過した後、実質的に毎日供給の投与を再開し、それにより哺乳動物の活性物質の血中濃度をノミおよび/またはダニの侵入を制御するのに有効な量に維持し続ける工程を更に含む、実施形態32~34のいずれかに記載の飼料。
【0124】
[0140]実施形態36:期間が、それぞれ少なくとも1日であり、かつすべてが30日以内に生じる複数の期間を含む、実施形態35に記載の飼料。
[0141]実施形態37:活性物質がスピノシンおよびイソオキサゾリンからなる群から選択される、実施形態32に記載の飼料。
【0125】
[0142]実施形態38:活性物質がスピノシンである、実施形態37に記載の飼料。
[0143]実施形態39:前記スピノシンがスピノサドである、実施形態38に記載の飼料。
【0126】
[0144]実施形態40.活性物質がイソオキサゾリンである、実施形態37に記載の飼料。
[0145]実施形態41:イソオキサゾリンがミボリラネル、フルララネル、サロラネル、アフォキソラネル、ロチラネル、ウミフォキソラネル、エサフォキソラネル、チゴラネル、モドフラネル、およびそれらの塩からなる群から選択される、実施形態40に記載の飼料。
【0127】
[0146]実施形態42:飼料が湿潤飼料もしくは乾燥飼料またはトリートである、実施形態32~41のいずれかに記載の飼料。
[0147]実施形態43:哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入の制御に用いる活性物質であって、
活性物質がノミおよび/またはダニを制御するための哺乳動物への経口投与のための所定の投与量を有し、活性物質の所定の投与量が30日に1回または1ヵ月に1回の、任意に所定の投与レジメンを繰り返す所定の投与レジメンのためのものであり、
所定の投与量に約0.90以下が掛けられて低減された投与量が得られ、
低減された投与量が約30で割られて低減された1日投与量が得られ、
低減された1日投与量の活性物質が哺乳動物に数日にわたって実質的に毎日投与され、
数日にわたる投与後、哺乳動物のノミおよび/またはダニの数が、活性物質の所定の投与量を哺乳動物に1ヵ月以上の間隔で投与する場合と同じかまたはそれより大きい程度まで制御される、活性物質。
【0128】
[0148]実施形態44:所定の投与量に約0.20から約0.90の間が掛けられる、実施形態43に記載の活性物質。
[0149]実施形態45:所定の投与量に約0.70以下が掛けられる、実施形態43および44のいずれかに記載の活性物質。
【0129】
[0150]実施形態46:所定の投与量に約0.50以下が掛けられる、実施形態43~45のいずれかに記載の活性物質。
[0151]実施形態47:活性物質がスピノシンおよびイソオキサゾリンからなる群から選択される、実施形態43~46のいずれかに記載の活性物質。
【0130】
[0152]実施形態48:活性物質がスピノシンである、実施形態47に記載の活性物質。
[0153]実施形態49:前記スピノシンがスピノサドである、実施形態48に記載の活性物質。
【0131】
[0154]実施形態50:所定の投与量に約12.5%~90%が掛けられる、実施形態49に記載の活性物質。
[0155]実施形態51:所定の投与量がダニではなくノミを制御し、かつ低減された1日投与量がノミおよびダニを制御する、実施形態50に記載の活性物質。
【0132】
[0156]実施形態52:哺乳動物の血中における活性物質の最大濃度が、活性物質の所定の投与量を哺乳動物に1ヵ月以上の間隔で投与した場合に到達される最大血中濃度の約10%未満に到達する、実施形態50に記載の活性物質。
【0133】
[0157]実施形態53:活性物質がイソオキサゾリンである、実施形態47に記載の活性物質。
[0158]実施形態54:イソオキサゾリンがミボリラネル、フルララネル、サロラネル、アフォキソラネル、ロチラネル、チゴラネル、ウミフォキソラネル、エサフォキソラネル、モドフラネル、およびそれらの塩からなる群から選択される、実施形態53に記載の活性物質。
【0134】
[0159]実施形態55:活性物質がミボリラネルである、実施形態54に記載の活性物質。
[0160]実施形態56:所定の投与量に約0.125~約0.9が掛けられる、実施形態55に記載の活性物質。
【0135】
[0161]実施形態57:哺乳動物の血中における活性物質の最大濃度が、活性物質の所定の投与量を哺乳動物に1ヵ月以上の間隔で投与した場合に到達される最大血中濃度の約20%未満に到達する、実施形態55に記載の活性物質。
【0136】
[0162]実施形態58:哺乳動物におけるノミおよび/またはダニの侵入の制御に用いる活性物質であって、
活性物質がノミおよび/またはダニを制御するための哺乳動物への経口投与のための所定の投与量を有し、活性物質の所定の投与量が30日に1回または1ヵ月に1回の所定の投与レジメンのためのものであり、
所定の投与量に約0.90以下が掛けられて低減された投与量が得られ、
低減された投与量から低減された1日投与量が換算され、
低減された1日投与量の活性物質が哺乳動物に数日にわたって実質的に毎日投与され、
数日にわたる投与後、哺乳動物のノミおよび/またはダニの数が、活性物質の所定の投与量を哺乳動物に30日に1回または1ヵ月に1回の間隔で投与する場合と同じかまたはそれより大きい程度まで制御される、活性物質。
【0137】
[0163]実施形態59:所定の投与量に約0.20~約0.90が掛けられる、実施形態58に記載の活性物質。
[0164]実施形態60:所定の投与量に約0.70以下が掛けられる、実施形態58~59のいずれかに記載の活性物質。
【0138】
[0165]実施形態61:所定の投与量に約0.50以下が掛けられる、実施形態58~60のいずれかに記載の活性物質。
[0166]実施形態62:活性物質がスピノシンおよびイソオキサゾリンからなる群から選択される、実施形態58~61のいずれかに記載の活性物質。
【0139】
[0167]実施形態63:活性物質がスピノシンである、実施形態62に記載の活性物質。
[0168]実施形態64:前記スピノシンがスピノサドである、実施形態63に記載の活性物質。
【0140】
[0169]実施形態65:所定の投与量に約12.5%~90%が掛けられる、実施形態64に記載の活性物質。
[0170]実施形態66:所定の投与量がダニではなくノミを制御し、かつ低減された1日投与量がノミおよびダニを制御する、実施形態63に記載の活性物質。
【0141】
[0171]実施形態67:活性物質がイソオキサゾリンである、実施形態58に記載の活性物質。
[0172]実施形態68:イソオキサゾリンがミボリラネル、フルララネル、サロラネル、アフォキソラネル、ロチラネル、チゴラネル、ウミフォキソラネル、エサフォキソラネル、モドフラネル、およびそれらの塩からなる群から選択される、実施形態67に記載の活性物質。
【0142】
[0173]実施形態69:活性物質がミボリラネルである、実施形態68に記載の活性物質。
[0174]実施形態70:所定の投与量に約0.125~約0.9が掛けられる、実施形態69に記載の活性物質。
【0143】
[0175]実施形態71:活性物質が飼料の成分である、実施形態58~70のいずれかに記載の活性物質。
[0176]実施形態72:活性物質がチューの成分である、実施形態58~70のいずれかに記載の活性物質。
【0144】
[0177]実施形態73:低減された1日投与量が低減された投与量の1/10から1/30の間である、実施形態58~72のいずれかに記載の活性物質。
[0178]実施形態74:低減された1日投与量が低減された投与量の1/15から1/30の間である、実施形態73に記載の活性物質。
【0145】
[0179]実施形態75:低減された1日投与量が低減された投与量の約1/30である、実施形態74に記載の活性物質。
[0180]活性物質がイソオキサゾリンである実施形態のいずれかのある態様において、ダニの侵入を制御するための投与は、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に治療有効濃度の特定のイソオキサゾリンを供給する。正確な濃度は特定のイソオキサゾリンに応じて変化しうる。例えば、ミボリラネルの投与は、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約400ng/mLを超えて約4000ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、アフォキソラネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約20ng/mLを超えて約800ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、フルララネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約40ng/mLを超えて約2000ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、サロラネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約10ng/mLを超えて約600ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、ロチラネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約80ng/mLを超えて約2000ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、チゴラネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約10ng/mLを超えて約600ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、ウミフォキソラネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約10ng/mLを超えて約600ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、エサフォキソラネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約10ng/mLを超えて約400ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。
【0146】
[0181]活性物質がイソオキサゾリンである実施形態のいずれかのある態様において、ダニの侵入を制御するための投与は、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に治療有効濃度の特定のイソオキサゾリンを供給する。正確な濃度は特定のイソオキサゾリンに応じて変化しうる。例えば、ミボリラネルの投与は、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約400ng/mLを超えて約4000ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、アフォキソラネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約20ng/mLを超えて約800ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、フルララネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約40ng/mLを超えて約2000ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、サロラネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約10ng/mLを超えて約600ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、ロチラネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約80ng/mLを超えて約2000ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、チゴラネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約10ng/mLを超えて約600ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、ウミフォキソラネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約10ng/mLを超えて約600ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、エサフォキソラネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約10ng/mLを超えて約400ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。
【0147】
[0182]活性物質がイソオキサゾリンである実施形態のいずれかのある態様において、ノミの侵入を制御するための投与は、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に治療有効濃度の特定のイソオキサゾリンを供給する。正確な濃度は特定のイソオキサゾリンに応じて変化しうる。例えば、ミボリラネルの投与は、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約40ng/mLを超えて約2500ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、アフォキソラネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約2ng/mLを超えて約600ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、フルララネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約4ng/mLを超えて約1500ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、サロラネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約1ng/mLを超えて約400ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、ロチラネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約8ng/mLを超えて約2000ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、チゴラネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約1ng/mLを超えて約300ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、ウミフォキソラネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約1ng/mLを超えて約300ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、エサフォキソラネルは、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約1ng/mLを超えて約300ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。
【0148】
[0183]活性物質がイソオキサゾリンである実施形態のいずれかのある態様において、ノミの侵入を制御するための投与は、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に治療有効濃度の特定のイソオキサゾリンを供給する。正確な濃度は特定のイソオキサゾリンに応じて変化しうる。例えば、ミボリラネルの投与は、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約40ng/mLを超えて約2500ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、アフォキソラネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約2ng/mLを超えて約600ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、フルララネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約4ng/mLを超えて約1500ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、サロラネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約1ng/mLを超えて約400ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、ロチラネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約8ng/mLを超えて約2000ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、チゴラネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約1ng/mLを超えて約300ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、ウミフォキソラネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約1ng/mLを超えて約300ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。別の例において、エサフォキソラネルは、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約1ng/mLを超えて約300ng/mL未満のイソオキサゾリン濃度を供給する。
【0149】
[0184]活性物質がスピノシンである実施形態のいずれかのある態様において、投与は、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約300ng/mLを超えて約6000ng/mL未満のスピノシン濃度を供給する。より好ましくは、投与は、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約300ng/mLを超えて約2500ng/mL未満のスピノシン濃度を供給する。更により好ましくは、投与は、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約300ng/mLを超えて約2000ng/mL未満のスピノシン濃度を供給する。更により好ましくは、投与は、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中に約400ng/mLを超えて約1500ng/mL未満のスピノシン濃度を供給する。
【0150】
[0185]活性物質がスピノシンである実施形態のいずれかのある態様において、投与は、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約300ng/mLを超えて約6000ng/mL未満のスピノシン濃度を供給する。より好ましくは、投与は、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約300ng/mLを超えて約2500ng/mL未満のスピノシン濃度を供給する。更により好ましくは、投与は、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約300ng/mLを超えて約2000ng/mL未満のスピノシン濃度を供給する。更により好ましくは、投与は、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中に約400ng/mLを超えて約1500ng/mL未満のスピノシン濃度を供給する。
【0151】
[0186]活性物質がスピノシンである実施形態のいずれかのある態様において、ノミの侵入を制御するための投与は、少なくとも30日間、前記イヌ科動物の血中で少なくとも5ng/mlで600ng/ml以下のスピノシン濃度を維持する。より好ましくは、投与は、少なくとも30日間、前記イヌ科動物の血中で少なくとも5ng/mlで300ng/ml以下のスピノシン濃度を維持する。より好ましくは、投与は、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中で少なくとも10ng/mlで225ng/ml以下のスピノシン濃度を維持する。更により好ましくは、投与は、少なくとも30日間、前記哺乳動物の血中で少なくとも25ng/mlで200ng/ml以下のスピノシン濃度を維持する。
【0152】
[0187]活性物質がスピノシンである実施形態のいずれかのある態様において、ノミの侵入を制御するための投与は、少なくとも365日間、前記イヌ科動物の血中で少なくとも5ng/mlで600ng/ml以下のスピノシン濃度を維持する。より好ましくは、投与は、少なくとも365日間、前記イヌ科動物の血中で少なくとも5ng/mlで300ng/ml以下のスピノシン濃度を維持する。更により好ましくは、投与は、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中で少なくとも10ng/mlで225ng/ml以下のスピノシン濃度を維持する。更により好ましくは、投与は、少なくとも365日間、前記哺乳動物の血中で少なくとも25ng/mlで200ng/ml以下のスピノシン濃度を維持する。
【実施例
【0153】
[0188]以下の例は本開示の方法を説明する。
実施例1
[0189]Rhipicephalus sanguineusの治療および制御のためにイヌに経口で、即ち口から投与されたスピノシンの効能
[0190]方法:48時間にわたって生きているノミが約50%という信頼性のある侵入率を適切に維持することのできるイヌのプールを作るため、40匹のイヌのプールに約100匹の餌を与えていない成体C.felisを予め侵入させる。最大の生きているノミのカウントを有するイヌを、試験的な侵入によるそれらの治療前のノミのカウントに基づき、2つの治療群(群当たり6匹のイヌ)にランダムに割り当てる。第1の治療群は対照群であり、第2の治療群は試験群である。
【0154】
[0191]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、市販の乾燥ドッグフード飼料を与え、水は自由に飲めるようにする。
[0192]試験群のそれぞれのイヌに口からスピノシン、好ましくはスピノサドの液体配合物を与える。イヌの重量に対して2.5mg/kgの用量を0~29日目のそれぞれにイヌに投与し、イヌの重量に対して5mg/kgの用量を30~50日目に投与する。
【0155】
[0193]対照群のイヌにはスピノシンを与えないか、またはいずれかの他のダニ制御治療を行う。試験群のそれぞれのイヌにはその毎日の飼料(乾燥フード)を供給し、個々のイヌがその毎日の飼料の全体の少なくとも25%を食べた後、個々の用量の液体配合物を投与する。スピノシンの用量を与えた後、イヌに食事を続けさせる。このことは飼料にスピノシンを組み込むことに似ている。試験群および対照群のそれぞれのイヌに、12日目、19日目、28日目、35日目、42日目、49日目および56日目の試験日に50匹の餌を与えていない成体のダニ(約50%雄/50%雌)を試験的に侵入させる。付着した生きている成体のダニおよび瀕死状態の成体のダニを合わせたカウントを、14日目、21日目、30日目、37日目、44日目、51日目および58日目に行う。用量を30日目に上昇させ、最終用量を50日目に与えることに留意する。
【0156】
[0194]結果:スピノサドによる、対照群と比較した試験群の付着した生きている成体のダニおよび瀕死状態の成体のダニのカウントの減少パーセントを以下のグラフに示す。
【0157】
【化A】
【0158】
[0195]上述したのと同じ研究方法を用い、スピノシンの初期用量が投与された後、72時間、120時間、168時間、336時間、504時間、720時間および888時間に血液を取り出す。次いで、異なる用量レベルでのスピノシンの血中平均濃度を決定することができる。
【0159】
[0196]異なる用量レベルでのイヌ科動物の血中におけるスピノサドの平均血漿濃度のサンプル結果を以下の表および図に示す。比較として、月1回の単回投与のスピノサドの平均血漿濃度もまた、以下の表および図に示す。
【0160】
【表1】
【0161】
【化B】
【0162】
実施例2
[0197]Ctenocephalides felisの治療および制御のためにイヌに経口で、即ち口から投与されたスピノシンの効能
[0198]方法:48時間にわたって生きているノミが約50%という信頼性のある侵入率を適切に維持することのできるイヌのプールを作るため、40匹のイヌのプールに約100匹の餌を与えていない成体C.felisを予め侵入させる。最大の生きているノミのカウントを有するイヌを、試験的な侵入によるそれらの治療前のノミのカウントに基づき、4つの治療群(群当たり6匹のイヌ)にランダムに割り当てる。第1の治療群は対照群であり、群2~4は試験群である。
【0163】
[0199]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、市販の乾燥ドッグフード飼料を与え、水は自由に飲めるようにする。
[0200]試験群2~4のそれぞれのイヌに口からスピノシン、好ましくはスピノサドの液体配合物を与える。以下の表に示す試験群に応じて、用量を0~29日目のそれぞれにイヌに投与する。
【0164】
【表2】
【0165】
[0201]対照群のイヌにはスピノシンを与えないか、またはいずれかの他のノミ制御治療を行う。試験群2~4のそれぞれのイヌにはその毎日の飼料(乾燥フード)を供給し、個々のイヌがその毎日の飼料の全体の少なくとも25%を食べた後、個々の用量の液体配合物を投与する。スピノシンの用量を与えた後、イヌに食事を続けさせる。このことは飼料にスピノシンを組み込むことに似ている。試験群2~4および対照群のそれぞれのイヌに、1日目、5日目、12日目、19日目、28日目および35日目の試験日に100匹の餌を与えていない成体のノミを試験的に侵入させる。生きている成体のノミを合わせたカウントを、2日目、7日目、14日目、21日目、30日目および37日目に行う。最終の試験的な侵入を、スピノシンの最後の毎日の用量の5日後に生じさせる。
【0166】
[0202]結果:スピノサドによる、試験群2~4の生きている成体のノミのカウントの減少パーセントを以下のグラフに示す。
【0167】
【化C】
【0168】
[0203]上述したのと同じ研究方法を用い、スピノシンの初期用量が投与された後、72時間、120時間、168時間、336時間、504時間、720時間および888時間に血液を取り出す。次いで、異なる用量レベルでのスピノシンの血中平均濃度を決定することができる。
【0169】
[0204]異なる用量レベルでのイヌ科動物の血中におけるスピノサドの平均血漿濃度のサンプル結果を以下の表および図に示す。
【0170】
【表3】
【0171】
【化D】
【0172】
[0205]比較として、月1回与える単回投与のスピノサドの平均血漿濃度を、以下の図に示す。
【0173】
【化E】
【0174】
実施例3
[0206]イヌの重量に対して0.5mg/kgの用量で薬の入った飼料中で投与された場合のイヌにおけるスピノシンの効能
[0207]方法:48時間にわたって生きているノミが約50%という信頼性のある侵入率を適切に維持することのできる18匹のイヌのプールを作るため、イヌのプールに約100匹の餌を与えていない成体C.felisを予め侵入させる。最大の生きているノミのカウントを有するイヌを、試験的な侵入によるそれらの治療前のノミのカウントに基づき、3つの群(群当たり6匹のイヌ)にランダムに割り当てる。第1の治療群は対照群であり、群2~3は試験群である。
【0175】
[0208]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、水は自由に飲めるようにする。
[0209]少なくとも4日の初期順応期間があり、その間に試験群2および3のイヌを、標準的な保証された市販の食べ物から薬の入っていないバージョンの毎日の飼料に移行させる。順応期間の間、イヌに1時間で飼料を摂取させ、その後、イヌの飼料の受け入れを観察および記録する。
【0176】
[0210]試験群2および3のそれぞれのイヌに口から、スピノシン、好ましくはスピノサドを含む毎日の飼料配合物を与える。試験群に応じて0~29日目のそれぞれにイヌに投与される用量および配合物を以下の表に示す。
【0177】
【表4】
【0178】
[0211]対照群のイヌにはスピノシンを与えないか、またはいずれかの他のノミ制御治療を行う。0~29日目に、試験群2および3のそれぞれのイヌには、1時間にわたってスピノシンを含むその毎日の飼料を供給する。30~37日目に、すべてのイヌにスピノシンまたは生理学的に許容可能なその誘導体を含まない通常のドッグフードを与える。
【0179】
[0212]試験群2および3ならびに対照群のそれぞれのイヌに、1日目、5日目、12日目、28日目および35日目の試験日に100匹の餌を与えていない成体のノミを試験的に侵入させる。生きている成体のノミを合わせたカウントを、2日目、7日目、14日目、30日目および37日目に行う。
【0180】
[0213]結果:スピノサドを含む飼料を用いたサンプル研究において、群2および3のすべてのイヌは、吐き戻すことなく1時間以内に0.5mg/kgの用量に必要なすべてのフードを摂取した。スピノサドによる、試験群2および3の生きている成体のノミのカウントのサンプルの減少パーセントを以下のグラフに示す。
【0181】
【化F】
【0182】
[0214]この例から、いくつかの毎日の用量が忘れられても、有効量のスピノシンを薬の入った飼料によりイヌに投与してノミの侵入を制御することができることを理解することができる。
【0183】
実施例4
[0215]Rhipicephalus sanguineusの治療および制御のためにイヌに経口で、即ち口から投与されたイソオキサゾリンの効能
[0216]方法:約50%のノミが48時間の終わりに生きていることにより定義される信頼性のある侵入率を適切に維持することのできるイヌを作るため、14匹のイヌのプールに約100匹の餌を与えていない成体C.felisを予め侵入させる。最大の生きているノミのカウントを有する12匹のイヌを研究に含めるために選択する。イヌを対照群および試験群に分ける。
【0184】
[0217]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、市販の乾燥ドッグフード飼料を与え、水は自由に飲めるようにする。
[0218]治療群のそれぞれのイヌに口からイソオキサゾリンの液体配合物を与える。0.75mg/kgの用量を0~29日目のそれぞれにイヌに投与する。
【0185】
[0219]対照群のイヌにはイソオキサゾリンを与えないか、またはいずれかの他のダニ制御治療を行う。治療群のそれぞれのイヌにはその毎日の飼料(乾燥フード)を供給し、個々のイヌがその毎日の飼料の全体の少なくとも25%を食べた後、個々の用量の液体配合物を投与する。イソオキサゾリンの用量を与えた後、イヌに食事を続けさせる。このことは飼料にイソオキサゾリンを組み込むことに似ている。治療群および対照群のそれぞれのイヌに、5日目、12日目、19日目、28日目および35日目の試験日に50匹の成体のダニを試験的に侵入させる。生きている付着したダニおよび瀕死状態の付着したダニを合わせたカウントを、7日目、14日目、21日目、30日目および37日目に行う。
【0186】
[0220]結果:ミボリラネルによる、治療群の生きている付着したダニおよび瀕死状態の付着したダニのカウントの減少パーセントを以下のグラフに示す。
【0187】
【化G】
【0188】
[0221]上述したのと同じ研究方法を用い、イソオキサゾリンの初期用量が投与された後、72時間、168時間、336時間、504時間、720時間および888時間に血液を取り出す。次いで、異なる用量レベルでのイソオキサゾリンの血中平均濃度を決定することができる。
【0189】
[0222]異なる用量レベルでのイヌ科動物の血中におけるミボリラネルの平均血漿濃度のサンプル結果を以下の表および図に示す。
【0190】
【表5】
【0191】
【化H】
【0192】
実施例5
[0223]Rhipicephalus sanguineusの治療および制御のためにイヌに経口で、即ち口から投与されたイソオキサゾリンの様々な用量の効能
[0224]方法:約25%の付着したダニが48時間の終わりに生きていることにより定義される信頼性のある侵入率を適切に維持することのできるイヌを作るため、46匹のイヌのプールに約50匹の餌を与えていない成体R.sanguineusダニを予め侵入させる。最大の生きている付着したダニのカウントを有する40匹のイヌを研究に含めるために選択する。イヌを1つの対照群および4つの治療群にランダムに割り当てる。
【0193】
[0225]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、市販の乾燥ドッグフード飼料を与え、水は自由に飲めるようにする。
[0226]治療群(試験群2~5)のそれぞれのイヌに口からイソオキサゾリンの液体配合物を与える。試験群に応じて、用量を0~59日目のそれぞれにイヌに投与する。
【0194】
【表6】
【0195】
[0227]対照群のイヌにはイソオキサゾリンを与えないか、またはいずれかの他のダニ制御治療を行う。治療群のそれぞれのイヌにはその毎日の飼料(乾燥フード)を供給し、個々のイヌがその毎日の飼料の全体の少なくとも25%を食べた後、個々の用量の液体配合物を投与する。イソオキサゾリンの用量を与えた後、イヌに食事を続けさせる。このことは飼料にイソオキサゾリンを組み込むことに似ている。治療群3~5および対照群のそれぞれのイヌに、2日目、5日目、12日目、19日目、28日目、35日目および42日目の試験日に50匹の成体のダニを試験的に侵入させる。群2のイヌに、19日目、28日目および35日の試験日に50匹の成体のダニを侵入させる。生きている成体のダニを合わせたカウントを、2日目、7日目、14日目、21日目、30日目、37日目および44日目に行う。
【0196】
[0228]結果:ミボリラネルについての、治療群の生きている付着したダニおよび瀕死状態の付着したダニのカウントの減少パーセントを以下のグラフに示す。
【0197】
【化I】
【0198】
[0229]上述したのと同じ研究方法を用い、イソオキサゾリンの初期用量が投与された後、0時間、72時間、120時間、168時間、336時間、504時間、720時間、888時間、1056時間、1224時間および1440時間に血液を取り出す。次いで、異なる用量レベルでのイソオキサゾリンの血中平均濃度を決定することができる。
【0199】
[0230]ミボリラネルについての、異なる用量レベルでのイヌ科動物の血中におけるイソオキサゾリンの平均血漿濃度のサンプル結果を以下の表および図に示す。
【0200】
【表7】
【0201】
【化J】
【0202】
実施例6
[0231]イソオキサゾリンが静脈内投与された場合ならびに溶液で経口投与および結晶で経口投与された場合のイヌにおけるイソオキサゾリンの血漿濃度の比較
[0232]方法:50%雌、50%雄、6匹の幼動物、28匹の成体の24匹のイヌのプールを、以下の表に従って4つの研究群に割り当てる。
【0203】
【表8】
【0204】
[0233]イヌを水が自由に飲めるようにする。研究の1日目、イソオキサゾリンの投与前に、幼動物のイヌにそれらの毎日の飼料の約25%を缶詰飼料として供給する。4時間後、幼動物にそれらの毎日の飼料の残りを乾燥飼料として供給する。研究の1日目、投与前に、成体のイヌにドッグフードの約1/3缶を供給し、10時間後の血液採取時点の後にそれらの毎日の飼料の残りを供給する。研究の残りについては、すべてのイヌの毎日の飼料を約2時間かけて供給する必要がある。
【0205】
[0234]研究の1日目、餌を与えた状態でイヌに1用量のイソオキサゾリンを与える。治療前にイヌを絶食させる(幼動物は10時間未満絶食させる)。イヌがその毎日の飼料の25%を食べたことを観察したら、約30分以内にイソオキサゾリン治療を行う。このことは飼料にイソオキサゾリンを組み込むことに似ている。
【0206】
[0235]初期治療後の0、0.083、0.25、0.5、1、3、6、10、24、48および96時間ならびに初期治療後の7、10、14、21、28および32日に試験群1および2(静脈内投与)の血液サンプルを採取する。初期治療後の0、0.25、0.5、1、3、6、10、24、48および96時間ならびに初期治療後の7、10、14、21、28および32日に試験群3および4(経口投与)の血液サンプルを採取する。1日目の最初のサンプル後、更に血液サンプルを取る前にイヌを最短で4時間絶食させる。
【0207】
[0236]結果:ほぼこの例によるミボリラネルを用いて行った研究における平均血漿濃度を以下の図に示す。
【0208】
【化K】
【0209】
実施例7
[0237]Rhipicephalus sanguineusの治療および制御のためにイヌに経口で、即ち口から投与されたイソオキサゾリンの様々な配合物の効能
[0238]方法:約25%の付着したダニが48時間の終わりに生きていることにより定義される信頼性のある侵入率を適切に維持することのできるイヌを作るため、36匹のイヌのプールに約50匹の餌を与えていない成体R.sanguineusダニを予め侵入させる。最大の生きている付着したダニのカウントを有する30匹のイヌを研究に含めるために選択する。イヌを1つの対照群および4つの治療群にランダムに割り当てる。
【0210】
[0239]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、市販の乾燥ドッグフード飼料を与え、水は自由に飲めるようにする。
[0240]治療群(試験群2~5)のそれぞれのイヌに口からイソオキサゾリンの液体配合物を与える。試験群に応じて、用量を0~20日目のそれぞれにイヌに投与する。
【0211】
【表9】
【0212】
[0241]対照群のイヌにはイソオキサゾリンを与えないか、またはいずれかの他のダニ制御治療を行う。治療群のそれぞれのイヌにはその毎日の飼料(乾燥フード)を供給し、個々のイヌがその毎日の飼料の全体の少なくとも25%を食べた後、個々の用量の液体配合物を投与する。イソオキサゾリンの用量を与えた後、イヌに食事を続けさせる。このことは飼料にイソオキサゾリンを組み込むことに似ている。治療群および対照群のそれぞれのイヌに、2日目、5日目、12日目、19日目および28日目の試験日に50匹の餌を与えていない成体のダニを試験的に侵入させる。付着した生きている成体のダニおよび瀕死状態の成体のダニを合わせたカウントを、2日目、7日目、14日目、21日目および30日目に行う。
【0213】
[0242]結果:この例による治療群の付着した生きているダニおよび付着した瀕死状態のダニのカウントの減少パーセントを以下のグラフに示す。
【0214】
【化L】
【0215】
実施例8
[0243]1日についてイヌの重量に対して1.0mg/kgの用量で薬の入った飼料中でイソオキサゾリンが投与された場合のイヌにおけるイソオキサゾリンの血漿濃度
[0244]方法:30匹のイヌのプールを重量により5つの群に割り当て、群間および群内でのばらつきを最小化する。それぞれの群にイソオキサゾリンを含む異なる飼料配合物を与え、単回投与後1ヵ月の期間にわたってイソオキサゾリンの血中レベルを決定する。
【0216】
[0245]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、水は自由に飲めるようにする。
[0246]少なくとも4日の初期順応期間があり、その間にイヌを、標準的な保証された市販の食べ物から薬の入っていないバージョンの毎日の飼料に移行させる。順応期間の間、イヌに15分/日で飼料を消費させる。
【0217】
[0247]研究の1日目、イヌにイソオキサゾリンを含む約9.4g/kgの毎日の飼料を与える。それぞれのイヌの薬の入った飼料の量を、研究の日の前のつい最近のイヌの体重に応じて決定する。薬の入った飼料を研究の開始時に15分間供給する。食べ残した薬の入った飼料をいずれも取り除いて重さをはかる。食べ残した薬の入った飼料の量と同等の量の薬の入っていない飼料を、10時間後の最初の血液採取時に供給する。
【0218】
[0248]以下の時間、薬の入った飼料の供給後の0時間(薬の入った飼料の供給時)、0.25時間、0.5時間、1時間、3時間、6時間、10時間、1日、2日、4日、6日、9日、13日、20日、27日および31日に血液サンプルを採取する。
【0219】
[0249]結果:ほぼこの例によるミボリラネルを用いて行った研究における平均血漿濃度を以下の表および図に示す。
【0220】
【表10】
【0221】
【化M】
【0222】
[0250]上記の例を比較することにより、平均して有効量のイソオキサゾリンを薬の入った飼料によりイヌに投与することができることを理解することができる。
実施例9
[0251]Rhipicephalus sanguineusの治療および制御のために薬の入った飼料においてイソオキサゾリンが投与された場合のイソオキサゾリンの効能
[0252]方法:約25%の付着したダニが72時間の終わりに生きていることにより定義される信頼性のある侵入率を適切に維持することのできるイヌを作るため、イヌのプールに約50匹の餌を与えていない成体R.sanguineusダニを予め侵入させる。最大の生きている付着したダニのカウントを有する24匹のイヌを研究に含めるために選択する。最大の生きている付着したダニのカウントを有する18匹のイヌを、1つの対照群および2つの治療群にランダムに割り当てる。次の最大の生きている付着したダニのカウントを有する6匹のイヌを、3つ目の治療群に割り当てる。
【0223】
[0253]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、水は自由に飲めるようにする。
[0254]治療群(試験群2~4)のそれぞれのイヌに、0~49日目の研究日に薬の入った毎日の飼料を与える。試験群に応じて、薬の入った毎日の飼料を0~49日目のそれぞれに1時間の間、イヌに供給する。
【0224】
【表11】
【0225】
[0255]対照群のイヌにはイソオキサゾリンを与えないか、またはいずれかの他のダニ制御治療を行う。治療群2および3ならびに対照群のそれぞれのイヌに、治療フェーズの間は2日目、4日目、12日目および28日目の試験日に、薬の入った毎日の飼料の最後の供給の後の洗浄期間の間は52日目、56日目および62日目に、50匹の餌を与えていない成体のダニを試験的に侵入させる。付着した生きている成体のダニおよび瀕死状態の成体のダニを合わせたカウントを、3日目、8日目、15日目、30日目、54日目および58日目に行う。
【0226】
[0256]結果:ミボリラネルについての、この例による治療群の生きている成体のダニのカウントの減少パーセントを以下のグラフに示す。
【0227】
【化N】
【0228】
[0257]上述したのと同じ研究方法を用い、イソオキサゾリンの初期用量が投与された後、0時間、1時間、3時間、6時間、10時間、24時間、48時間、96時間、168時間、240時間および336時間に血液を取り出す。次いで、異なる用量レベルでのイソオキサゾリンの血中平均濃度を決定することができる。
【0229】
[0258]ミボリラネルについての、異なる用量レベルでのイヌ科動物の血中におけるイソオキサゾリンの平均血漿濃度のサンプル結果を以下の表および図に示す。
【0230】
【表12】
【0231】
【化O】
【0232】
実施例10
[0259]Ctenocephalides felisの治療および制御のためにイヌに経口で、即ち口から投与されたイソオキサゾリンの様々な用量の効能
[0260]方法:約50%のノミが48時間の終わりに生きていることにより定義される信頼性のある侵入率を適切に維持することのできるイヌを同定するため、14匹のイヌのプールに約100匹の餌を与えていない成体C.felisを予め侵入させる。最大の生きているノミのカウントを有する12匹のイヌを研究に含めるために選択する。イヌを対照群および治療群に分ける。
【0233】
[0261]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、市販の乾燥ドッグフード飼料を与え、水は自由に飲めるようにする。
[0262]治療群のそれぞれのイヌに口からイソオキサゾリンの液体配合物を与える。0.75mg/kgの用量を0~29日目のそれぞれにイヌに投与する。
【0234】
[0263]対照群のイヌにはイソオキサゾリンを与えないか、またはいずれかの他のノミ制御治療を行う。治療群のそれぞれのイヌにはその毎日の飼料(乾燥フード)を供給し、個々のイヌがその毎日の飼料の全体の少なくとも25%を食べた後、個々の用量の液体配合物を投与する。イソオキサゾリンの用量を与えた後、イヌに食事を続けさせる。このことは飼料にイソオキサゾリンを組み込むことに似ている。治療群および対照群のそれぞれのイヌに、2日目、5日目、12日目、20日目および35日目の試験日に100匹の餌を与えていない成体のノミを試験的に侵入させる。生きている成体のノミを合わせたカウントを、4日目、7日目、14日目、21日目および37日目に行う。
【0235】
[0264]結果:ミボリラネルによる、治療群の生きている成体のノミのカウントの減少パーセントを以下のグラフに示す。
【0236】
【化P】
【0237】
[0265]上述したのと同じ研究方法を用い、イソオキサゾリンの初期用量が投与された後、72時間、168時間、336時間、504時間、720時間および888時間に血液を取り出す。次いで、異なる用量レベルでのイソオキサゾリンの血中平均濃度を決定することができる。
【0238】
[0266]ミボリラネルについての、異なる用量レベルでのイヌ科動物の血中におけるイソオキサゾリンの平均血漿濃度のサンプル結果を以下の表および図に示す。
【0239】
【表13】
【0240】
【化Q】
【0241】
実施例11
[0267]Ctenocephalides felisの治療および制御のためにイヌに経口で、即ち口から投与されたイソオキサゾリンの様々な用量の効能
[0268]方法:約25%の付着したダニが48時間の終わりに生きていることにより定義される信頼性のある侵入率を適切に維持することのできるイヌを同定するため、46匹のイヌのプールに約50匹の餌を与えていない成体R.sanguineusダニを予め侵入させる。最大の生きている付着したダニのカウントを有する40匹のイヌを研究に含めるために選択する。イヌを1つの対照群および4つの治療群にランダムに割り当てる。
【0242】
[0269]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、市販の乾燥ドッグフード飼料を与え、水は自由に飲めるようにする。
[0270]治療群(試験群2~5)のそれぞれのイヌに口からイソオキサゾリンの液体配合物を与える。試験群に応じて、用量を0~59日目のそれぞれにイヌに投与する。
【0243】
【表14】
【0244】
[0271]対照群のイヌにはイソオキサゾリンを与えないか、またはいずれかの他のノミ制御治療を行う。治療群のそれぞれのイヌにはその毎日の飼料(乾燥フード)を供給し、個々のイヌがその毎日の飼料の全体の少なくとも25%を食べた後、個々の用量の液体配合物を投与する。イソオキサゾリンの用量を与えた後、イヌに食事を続けさせる。このことは飼料にイソオキサゾリンを組み込むことに似ている。治療群および対照群のそれぞれのイヌに、1日目、5日目、12日目、19日目、28日目、35日目および42日目の試験日に100匹の餌を与えていない成体のノミを試験的に侵入させる。生きている成体のノミを合わせたカウントを、2日目、7日目、14日目、21日目、30日目、37日目および44日目に行う。
【0245】
[0272]結果:ミボリラネルについての、治療群の生きている成体のノミのカウントの減少パーセントを以下のグラフに示す。
【0246】
【化R】
【0247】
[0273]上述したのと同じ研究方法を用い、イソオキサゾリンの初期用量が投与された後、0時間、72時間、120時間、168時間、336時間、504時間、720時間、888時間、1056時間、1224時間および1440時間に血液を取り出す。次いで、異なる用量レベルでのイソオキサゾリンの血中平均濃度を決定することができる。
【0248】
[0274]ミボリラネルについての、異なる用量レベルでのイヌ科動物の血中におけるイソオキサゾリンの平均血漿濃度のサンプル結果を以下の表および図に示す。
【0249】
【表15】
【0250】
【化S】
【0251】
実施例12
[0275]Ctenocephalides felisの治療および制御のためにイヌに経口で、即ち口から投与されたイソオキサゾリンの様々な配合物の効能
[0276]方法:約25%の付着したダニが48時間の終わりに生きていることにより定義される信頼性のある侵入率を適切に維持することのできるイヌを同定するため、36匹のイヌのプールに約50匹の餌を与えていない成体R.sanguineusダニを予め侵入させる。最大の生きている付着したダニのカウントを有する30匹のイヌを研究に含めるために選択する。イヌを1つの対照群および4つの治療群にランダムに割り当てる。
【0252】
[0277]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、市販の乾燥ドッグフード飼料を与え、水は自由に飲めるようにする。
[0278]治療群(試験群2~5)のそれぞれのイヌに口からイソオキサゾリンの液体配合物を与える。試験群に応じて、用量を0~20日目のそれぞれにイヌに投与する。
【0253】
【表16】
【0254】
[0279]対照群のイヌにはイソオキサゾリンを与えないか、またはいずれかの他のノミ制御治療を行う。治療群のそれぞれのイヌにはその毎日の飼料(乾燥フード)を供給し、個々のイヌがその毎日の飼料の全体の少なくとも25%を食べた後、個々の用量の液体配合物を投与する。イソオキサゾリンの用量を与えた後、イヌに食事を続けさせる。このことは飼料にイソオキサゾリンを組み込むことに似ている。治療群および対照群のそれぞれのイヌに、1日目、5日目および28日目の試験日に100匹の餌を与えていない成体のノミを試験的に侵入させる。生きている成体のノミを合わせたカウントを、2日目、7日目および30日目に行う。
【0255】
[0280]結果:この例による治療群の生きている成体のノミのカウントの減少パーセントを以下のグラフに示す。
【0256】
【化T】
【0257】
実施例13
[0281]Rhipicephalus sanguineusの治療および制御のためにイヌに経口で、即ち口から投与されたイソオキサゾリンの様々な配合物の効能
[0282]方法:約25%の付着したダニが48時間の終わりに生きていることにより定義される信頼性のある侵入率を適切に維持することのできるイヌを同定するため、24匹のイヌのプールに約50匹の餌を与えていない成体R.sanguineusダニを予め侵入させる。最大の生きている付着したダニのカウントを有する20匹のイヌを研究に含めるために選択する。イヌを1つの対照群および4つの治療群にランダムに割り当てる。
【0258】
[0283]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、市販の乾燥ドッグフード飼料を与え、水は自由に飲めるようにする。
[0284]治療群(試験群2~5)のそれぞれのイヌに口からイソオキサゾリンの液体配合物を与える。試験群に応じて、用量を0~27日目のそれぞれにイヌに投与する。
【0259】
【表17】
【0260】
[0285]対照群のイヌにはイソオキサゾリンを与えないか、またはいずれかの他のダニ制御治療を行う。治療群のそれぞれのイヌにはその毎日の飼料(乾燥フード)を供給し、個々のイヌがその毎日の飼料の全体の少なくとも25%を食べた後、個々の用量の液体配合物を投与する。イソオキサゾリンの用量を与えた後、イヌに食事を続けさせる。このことは飼料にイソオキサゾリンを組み込むことに似ている。治療群および対照群のそれぞれのイヌに、2日目、5日目、12日目、19日目、28日目および33日目の試験日に100匹の餌を与えていない成体のダニを試験的に侵入させる。生きている付着した成体のダニおよび瀕死状態の付着した成体のダニを合わせたカウントを、2日目、7日目、14日目、21日目、30日目および35日目に行う。
【0261】
[0286]結果:この例による治療群の生きている付着した成体のダニおよび瀕死状態の付着した成体のダニのカウントの減少パーセントを以下のグラフに示す。
【0262】
【化U】
【0263】
実施例14
[0287]Ctenocephalides felisの治療および制御のためにイヌに経口で、即ち口から投与されたイソオキサゾリンの様々な配合物の効能
[0288]方法:約25%の付着したダニが48時間の終わりに生きていることにより定義される信頼性のある侵入率を適切に維持することのできるイヌを同定するため、24匹のイヌのプールに約50匹の餌を与えていない成体Rhipicephalus sanguineusダニを予め侵入させる。最大の生きている付着したダニのカウントを有する20匹のイヌを研究に含めるために選択する。イヌを1つの対照群および4つの治療群にランダムに割り当てる。
【0264】
[0289]イヌを研究期間の間、個々に小屋で飼い、市販の乾燥ドッグフード飼料を与え、水は自由に飲めるようにする。
[0290]治療群(試験群2~5)のそれぞれのイヌに口からイソオキサゾリンの液体配合物を与える。試験群に応じて、用量を0~27日目のそれぞれにイヌに投与する。
【0265】
【表18】
【0266】
[0291]対照群のイヌにはイソオキサゾリンを与えないか、またはいずれかの他のノミ制御治療を行う。治療群のそれぞれのイヌにはその毎日の飼料(乾燥フード)を供給し、個々のイヌがその毎日の飼料の全体の少なくとも25%を食べた後、個々の用量の液体配合物を投与する。イソオキサゾリンの用量を与えた後、イヌに食事を続けさせる。このことは飼料にイソオキサゾリンを組み込むことに似ている。治療群および対照群のそれぞれのイヌに、1日目、5日目および33日目の試験日に100匹の餌を与えていない成体のノミを試験的に侵入させる。生きている成体のノミを合わせたカウントを、2日目、7日目および35日目に行う。
【0267】
[0292]結果:この例による治療群の生きている成体のノミのカウントの減少パーセントを以下のグラフに示す。
【0268】
【化V】
【0269】
[0293]本発明が例示の様式を有するように説明されてきたが、本発明は、本開示の意図内および範囲内で更に改変されてよい。したがって、本出願は、その一般原則を用いた本発明のあらゆるバリエーション、使用、または適応に及ぶことが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0208
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0208】
【化K】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0221
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0221】
【化M】
【国際調査報告】