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特表2024-513766洋上発電ユニットからの電力の海中伝送のための集電システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】洋上発電ユニットからの電力の海中伝送のための集電システム
(51)【国際特許分類】
   H02G 9/00 20060101AFI20240319BHJP
   F03D 9/25 20160101ALI20240319BHJP
   F03D 13/25 20160101ALI20240319BHJP
【FI】
H02G9/00
F03D9/25
F03D13/25
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023558534
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 EP2022057977
(87)【国際公開番号】W WO2022200599
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】21164914.0
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルティンセン、オイスタイン
(72)【発明者】
【氏名】フレトハイム、ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】モリツグ、ビトル
(72)【発明者】
【氏名】インゲブリクトセン、スティアン
(72)【発明者】
【氏名】モーエン、トール-エイビンド
【テーマコード(参考)】
3H178
5G369
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA24
3H178AA43
3H178BB79
3H178DD61Z
3H178DD70X
5G369AA19
5G369BA02
5G369BB01
5G369BB02
5G369CA09
(57)【要約】
本発明は、洋上発電ユニット(102;502)からの電力の海中収集のための集電システム(100;300)に関し、このシステムは、ローカルグリッドにおいて海中に独立して配置可能であり且つ各々がそれぞれの洋上発電ユニットから電力を収集するために洋上発電ユニットのセットのうちのそれぞれ1つと接続可能である、電力拡張装置モジュール(104;504)のセットを備え、電力拡張装置モジュールのセットは、電力消費体と接続可能であるローカルグリッド(106)において電気的に直列接続されるように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋上発電ユニット(102;502)からの電力の海中収集のための集電システム(100;300)であって、前記集電システムは、
スイッチング回路(108a~d)と、前記スイッチング回路を収容するための防水筐体と、をそれぞれ備える電力拡張装置モジュール(104;504)のセットを備え、
前記電力拡張装置モジュールは、ローカルグリッドにおいて、水中に完全に沈められて、海中で海底に独立して配置可能であり、各々が、前記洋上発電ユニットのセットのうちのそれぞれ1つと、それぞれの前記洋上発電ユニットから電力を収集するように接続可能であり、前記スイッチング回路(108a~d)は、関連付けられた前記洋上発電ユニットを前記ローカルグリッドに制御可能に接続するように構成されており、前記電力拡張装置モジュールのセットは、電力消費体と接続可能である前記ローカルグリッド(106)において、少なくとも1つの海中ケーブル(112)によって電気的に直列接続されるように構成されている、集電システム。
【請求項2】
前記防水筐体は、海底に配置可能な海中ケーブル(112)を介して、前記電力拡張装置モジュール間の電気的接続のために、前記防水筐体のウェット側(118)に電気的接続部を備える、請求項1に記載の集電システム。
【請求項3】
前記防水筐体は、オイル充填されているか、又は固定圧力若しくは1気圧の圧力を保持するように適合されているか、又は真空を保持するように適合されているか、又は窒素充填され、オイル充填され、そして圧力補償式であるか、又は非圧力補償式であるか、又はこれらの任意の組合せである、請求項1又は2に記載の集電システム。
【請求項4】
前記電力拡張装置モジュールは、関連付けられた前記洋上発電ユニットとの接続のための入力接続部(122a~c)を備え、前記電力拡張装置モジュールは、前記入力接続部を前記ローカルグリッドに接続するように構成されたT型バスバー接続部(126)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項5】
前記電力拡張装置モジュールは、関連付けられた前記洋上発電ユニットを前記ローカルグリッドに接続するように前記スイッチング回路を制御するため、及び関連付けられた前記洋上発電ユニットを前記ローカルグリッドから切断するように前記スイッチング回路を制御するための、通信及び制御回路(200)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項6】
海中に配置可能であり且つ海中電力拡張装置モジュールの少なくとも1つのローカルグリッドから前記電力消費体への電力を収集するために、前記少なくとも1つのローカルグリッドに接続されるように構成された電力ハブを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項7】
前記電力ハブは、前記洋上発電ユニットから受け取った前記電力を変換するための電力変圧器(304;514)を備え、変換された電力を前記電力消費体に供給する、請求項6に記載の集電システム。
【請求項8】
前記電力拡張装置モジュールは、隣接する電力拡張装置モジュールへの直列接続を遮断するための更なるスイッチ(124a~c)を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項9】
前記電力拡張装置モジュールは、ラジアルトポロジー又はリングトポロジーで接続可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項10】
前記電力拡張装置モジュールは、洋上発電ユニットとの接続のための乾式嵌合電気的接続部、又は洋上発電ユニットとの接続のための湿式嵌合可能なケーブル接続部を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項11】
前記電力拡張装置モジュールは、海底(110)に配置されるように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項12】
単一の洋上発電ユニットから電力を収集するために、前記洋上発電ユニットと電気的に接続可能な電力拡張装置モジュールであって、
前記電力拡張装置モジュールは、電力消費体と接続可能な、複数の電力拡張装置モジュールのローカルグリッドにおいて、電気的に直列接続されるように、海中に独立して配置されるように構成されており、前記電力拡張装置モジュールは、前記洋上発電ユニットを前記ローカルグリッドに制御可能に接続するためのスイッチング回路と、前記スイッチング回路を収容するための防水筐体と、を更に備え、前記防水筐体は、水中に完全に沈められた海底にある前記電力拡張装置モジュールの海中動作を可能にするように適合されている、電力拡張装置モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洋上発電ユニットからの電力の海中伝送のための集電システムに関する。本発明は更に、洋上発電ユニットから電力を収集するために、洋上発電ユニットと電気的に接続可能な電力拡張装置モジュール(power extender module)に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、風車、太陽光発電装置、及び波力発電によって実現されるような洋上発電設備は、近年、サイズ及び定格出力の両方が増大している。関連開発に伴う継続的なサイズ及び電力の増大は、それぞれの発電設備からの集電に関する課題に加えて、設置及び保守トピックに関しての物流課題につながる。
【0003】
いくつかのシステムでは、風力タービン等の発電設備は、「着床式」であり、即ち、タービンタワーが、例えば、モノパイル構成又はジャケット基礎によって、海底に固定されている。しかしながら、これは、風力タービンの使用を比較的浅い水域に限定する。より深い水域での地積を利用するために、浮体式風力タービンが開発されてきた。
【0004】
浮体式風力タービン、又は、例えば、浮体式太陽光発電等の他の浮体式発電設備では、設置及び集電における物流、並びに、関連のある場合は、配電が困難である。開閉装置及び他の電気機器は、多くの場合、水上タワーにおいて設置され、これは、開閉装置の設計を制限し得る。更に、従来のウィンドファームを拡張することは、海中ケーブルの接続を必要とし、比較的厄介な設置プロセスにつながる。
【発明の概要】
【0005】
先行技術の上述の及び他の欠点を考慮して、本発明の目的は、先行技術での欠陥を少なくとも部分的に軽減する集電システムを提供することである。提案される実施形態は、発電ユニットファームのより容易且つより効率的な設置の促進を提供する、洋上発電ユニットからの電力の海中伝送のための集電システムを提供する。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、洋上発電ユニットからの電力の海中伝送のための集電システムが提供される。
【0007】
このシステムは、ローカルグリッドにおいて海中に独立して配置可能であり且つ各々がそれぞれの洋上発電ユニットから電力を収集するために洋上発電ユニットのセットのうちのそれぞれ1つと接続可能である、電力拡張装置モジュールのセットを備え、電力拡張装置モジュールのセットは、1つ以上の電力消費体と接続可能であるローカルグリッドにおいて電気的に直列接続されるように構成されている。
【0008】
本発明は、電力拡張装置モジュールを海中動作のために適合させることの実現に少なくとも部分的に基づく。従って、電力拡張装置は、例えば、海底に位置して、水中で動作可能である。更に、発電ユニットの各々について個々の電力拡張装置モジュールを設けることが実現された。換言すれば、単一の電力拡張装置モジュールが、海底に配置され、本ファームの他の発電ユニットの他の電力拡張装置モジュールとは独立してその発電ユニットに接続され得る。例えば、更なる発電ユニットが発電ユニットのファームに追加される場合には、更なる電力拡張装置モジュールが沈められて海底に配設され、海底にあるローカルグリッドに接続される。従って、更なる電力拡張装置モジュールは、既に海底にあるケーブルに接続される。更なる発電ユニットは、その関連付けられた電力拡張装置モジュールに接続される。
【0009】
提案される集電システムでは、「Tコネクタ」としての追加の電力拡張装置モジュールを介して、単一のケーブルのみを水上発電ユニットと集電ケーブル(即ち、「アレイケーブル」)との間に追加しさえすればよい。提案される集電システムは、モジュール式システムを提供する。
【0010】
実施形態では、各海中電力拡張装置は、ローカルグリッドへの関連付けられた発電ユニットの制御可能な接続のためのスイッチング回路を備え得る。海中に配置された電力拡張装置モジュールがスイッチング回路を備えるとき、そのような回路の設計は、タワー又は他の水上ハブの制約に限定されない。
【0011】
好ましくは、電力拡張装置モジュールは、電力拡張装置モジュールのローカルグリッドにTコネクタとして接続される。
【0012】
各電力拡張装置モジュールは、T接続部を備え得、ローカルグリッドへの関連付けられた発電ユニットの制御された接続のために、通信回路、又は監視回路、又はモニタリング回路、又は中継回路、又はスイッチング回路のうちの少なくとも1つで構成され得る。
【0013】
電力拡張装置モジュールは、発電ユニットによって収穫された電力を受け取り、この電力をローカルグリッドに供給するように構成されている。電力拡張装置モジュールは、発電ユニットをローカルグリッドに接続することを可能にし、発電ユニットをローカルグリッドに制御可能に電気的に接続するため、及び、オプションで、発電ユニットをローカルグリッドから制御可能に電気的に切断するためのスイッチング回路を更に含み得る。従って、電力拡張装置モジュールは、ローカルグリッドと発電ユニットとの間の制御可能なノードとして、あるいは、通信回路、又は監視回路、又はモニタリング回路、又は中継回路、又はスイッチング回路のうちの少なくとも1つ等の好適な回路が設けられている場合には、「インテリジェント」ノードとしてさえも機能し得る。
【0014】
ローカルグリッドは、海底ケーブル、即ちアレイケーブルと直列に接続された電力拡張装置モジュールのセットで構成されている。
【0015】
電力は、ローカルグリッドから電力消費体に供給され得る。この場合、集電システムは、電力拡張装置モジュールのローカルグリッドを介して、発電ユニットからの電力を1つ又はいくつかの電力消費体に配電するように機能する。
【0016】
有利には、電力拡張装置モジュールは、スイッチング回路を収容するためのそれぞれの筐体をそれぞれ備え得る。筐体は、例えば、制御回路、又はモニタリング回路、又は中継回路を更に収容し得る。筐体は、有利には、海中環境におけるスイッチング回路の安全且つ信頼できる動作を保証する。筐体は、周囲の海からの水が筐体内のスイッチング回路に到達できないように防水性である。
【0017】
筐体は、海底に配置可能な海中ケーブルを介して、電力拡張装置モジュール間の電気的接続のために、筐体のウェット側に電気的接続部を備え得る。ウェット側は、電力拡張装置が海中に配置されたときに水に面する筐体の外側にある。2つの電力拡張装置のウェット側は、海底で互いに向き合い得るが、必ずしも物理的に接触していなくてもよい。
【0018】
筐体内の回路について安全且つ信頼できる環境を保証する様々な考えられる方法があり、例えば、限定はしないが、筐体が、オイル充填されていること、又は固定圧力若しくは1気圧の圧力を保持するように適合されていること、又は真空を保持するように適合されていること、又は窒素充填され、オイル充填され、そして圧力補償式であること、又は非圧力補償式であること、又はこれらの任意の組合せを含む。
【0019】
実施形態では、電力拡張装置モジュールは、関連付けられた発電ユニットとの接続のための入力接続部を備え得、電力拡張装置モジュールは、入力接続部をローカルグリッドに制御可能に接続するように構成されたT型バスバー接続部を備え得る。発電ユニットは、収穫された電力を電力拡張装置モジュールに伝送するために、入力接続部に接続可能である。T型バスバー接続部は、有利には、発電ユニットのデイジーチェーン接続を可能にする。これは、本ファームへの更なる発電ユニットの単体での追加及び設置を可能にする有利な方法を提供する。
【0020】
実施形態では、電力拡張装置モジュールは、関連付けられた発電ユニットをローカルグリッドに接続するようにスイッチング回路を制御するため、及び関連付けられた発電ユニットをローカルグリッドから切断するようにスイッチング回路を制御するための、又は関連付けられた発電ユニットをローカルグリッドから切断するように発電ユニット自体におけるスイッチング回路を制御するために、通信及び制御回路をそれぞれ備え得る。制御回路は、例えば、海底にある電線(複数可)又は光ファイバベースの直列通信ケーブルを介して、海上の制御局によってアクセス可能である。通信及び制御回路は、個々の発電ユニットのためのスイッチング回路の制御を提供する。電力拡張装置モジュールは、例えば、システム及び/又は発電ユニットの診断を行うための、電気的診断、インテリジェント、及び/又は測定機器をそれぞれ備え得る。
【0021】
実施形態では、集電システムは、海中に配置可能であり且つ海中電力拡張装置モジュールの少なくとも1つのローカルグリッドから電力消費体への電力を収集するために、この少なくとも1つのローカルグリッドに接続されるように構成された電力ハブを備え得る。電力ハブはまた、有利には、より大きい集電及び/又は配電システムを構築する能力を改善するために、海中に配置され得る。電力ハブは、1つ以上の電力消費体への後続の伝送のために、1つより多くのローカルグリッドの電力拡張装置モジュール及び発電ユニットからの接続及び集電を可能にするための海中配電盤を備え得る。
【0022】
電力ハブは、海中電力ハブの測定及び制御機器を遠隔制御するため、及びローカルグリッドとの接続のために開閉装置を制御するため、及び要求された状態情報と診断データを、例えばオペレータセンターに返すための、通信及び制御回路を備え得る。
【0023】
実施形態では、電力ハブは、発電ユニットから受け取った電力を変換するための電力変圧器を備え、変換された電力を電力消費体に供給し得るか、又は、例えば、電力エクスポートケーブルを介した高電圧長距離送電のために、電力を変換し得る。電力ハブは、電力変圧器の海中動作を可能にするように適合された筐体を備え得る。
【0024】
実施形態では、電力拡張装置は、隣接する電力拡張装置への直列接続を遮断するための更なるスイッチを備え得る。この更なるスイッチは、更なる電力拡張装置モジュール及び発電ユニットをシステムに設置するときに特に有利な、ローカルグリッドへの制御可能な電気的接続を提供する。
【0025】
本発明の実施形態は、ラジアルトポロジー又はリングトポロジーで接続可能であるように電力拡張装置を提供する。従って、発電ユニットもまた、ラジアルトポロジー又はリングトポロジーで配置され得る。
【0026】
実施形態では、電力拡張装置モジュールは、発電ユニット及び内/外のケーブル(cables in/out)との接続のための乾式又は湿式嵌合電気的接続部を備える。
【0027】
電力拡張装置モジュールは、好ましくは、使用時に海底に配置されるように構成されている。
【0028】
本発明の第2の態様によれば、単一の洋上発電ユニットから電力を収集するために、その発電ユニットと電気的に接続可能な電力拡張装置モジュールが提供される。電力拡張装置モジュールは、電力消費体と接続可能な、複数の電力拡張装置モジュールのローカルグリッドにおいて、電気的に直列接続されるように、海中に独立して配置されるように構成されている。
【0029】
実施形態では、電力拡張装置モジュールは、発電ユニットをローカルグリッドに制御可能に接続するためのスイッチング回路と、スイッチング回路を収容するための筐体と、備え得、筐体は、電力拡張装置モジュールの海中動作を可能にするように適合されている。
【0030】
本発明の第2の態様の更なる効果及び特徴は、本発明の第1の態様に関連して上記で説明したものと大部分が類似している。
【0031】
本発明の更なる特徴及び利点が、添付の特許請求の範囲及び以下の説明を検討すると明らかになるであろう。当業者は、本発明の異なる特徴が、本発明の範囲から逸脱することなく、以下に説明される実施形態以外の実施形態を作り出すために組み合わされ得ることを認識する。
【0032】
次に、本発明のこれら及び他の態様を、本発明の例となる実施形態を示す添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明の実施形態による、例となる集電システムを概念的に例示する。
図2A図2Aは、本発明の実施形態による、例となる電力拡張装置モジュールを概念的に例示する。
図2B図2Bは、本発明の実施形態による、例となる電力拡張装置モジュールを概念的に例示する。
図3A図3Aは、本発明の実施形態による、例となる集電システムを概念的に例示する。
図3B図3Bは、本発明の実施形態による、例となる集電システムを概念的に例示する。
図4A図4Aは、ラジアルトポロジーで配置された電力拡張装置モジュールを概略的に例示する。
図4B図4Bは、リングトポロジーで配置された電力拡張装置モジュールを概略的に例示する。
図5図5は、本発明の実施形態による、海中電力ハブにリングトポロジーで接続されている電力拡張装置モジュールを備える、例となる集電システムを概念的に例示する。
図6図6は、本発明の実施形態による、更なる海中電力ハブに接続されたそれぞれの海中電力ハブにリングトポロジーで接続されている電力拡張装置モジュールのセットを備える、例となる集電システムを概念的に例示する。
図7図7は、本発明の実施形態による、更なる海中電力ハブに接続されたそれぞれの海中電力ハブにリングトポロジーで接続されている電力拡張装置モジュールのセットを備える、例となる集電又は配電システムを概念的に例示する。
図8図8は、本発明の実施形態による、海中電力ハブにリングトポロジーで接続されている電力拡張装置モジュールのセットを備える、例となる集電又は配電システムを概念的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明を実施するための形態では、本発明の様々な実施形態が、特定の実装形態を参照して本明細書で説明される。実施形態を説明する際に、明確にするために、特定の専門用語が用いられる。しかしながら、本発明は、そのように選択された特定の専門用語に限定されることを意図するものではない。特定の例示的な実施形態が説明されるが、これは例示を目的としてのみ行われることを理解されたい。当業者であれば、他の構成要素及び構成が、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得ることを認識されよう。本発明を実施するための形態では、発電ユニットは、例えば、風力を電力に変換するための風力タービンを備える、浮体式風車として例示される。しかしながら、発電ユニットは、例えば、浮体式太陽光発電モジュール、又は浮体式フォメーション(floating formation)において洋上に配置された浮体式波力発電モジュール若しくは潮力発電モジュールであっても、等しく好適であり得ることを理解されたい。
【0035】
図1は、洋上発電ユニット102a~cからの電力の海中伝送のための集電システム100を概念的に例示する。
【0036】
システム100は、ローカルグリッド106において海中に独立して配置可能である電力拡張装置モジュール104a~cのセットを備える。海中は、海面101下で水中に沈んでいると理解されるべきである。電力拡張装置モジュール104a~cは、各々が、洋上発電ユニット102a~cのうちのそれぞれ1つと接続可能である。このようにして、電力拡張装置モジュール104a~cは、それぞれの洋上発電ユニット102a~cから電力を収集し得る。電力拡張装置モジュール104a~cのセットは、電力消費体と接続可能であるローカルグリッド106において、電気的に直列接続されるように構成されている。陸上電力グリッド又はハブ、洋上電力グリッド又はハブ、電力を必要とする洋上掘削装置、等のような、様々なタイプの電力消費体が考えられる。従って、電力消費体は、電力を受け取り、電力を更に配電するエンティティであり得るか、又は電力の直接的な消費体であり得るか、又はバッテリ等の電力貯蔵装置であり得る。
【0037】
更に、各海中電力拡張装置104a~cは、オプションで、関連付けられた発電ユニットをローカルグリッド106に制御可能に接続するためのスイッチング回路108a~cを備える。スイッチング回路108a~cは、高電圧開閉装置であり得る。
【0038】
図1に概念的に例示されるように、電力拡張装置モジュール104a~cは、海底110に配置されるように構成されている。換言すれば、電力拡張装置モジュール104a~cは、水中に沈められ、海底に配設され得、そこで、それは、ローカルグリッド106に接続され、それによって、関連付けられた風車102a~cは、それぞれの電力拡張装置モジュール104a~cを介して、ローカルグリッド106に接続可能となる。電力拡張装置モジュール104a~cは、デイジーチェーン構成で海底110にあるケーブル112に接続されており、これは、有利には、更なる風車を風車ファームに設置するために必要とされるケーブル量を低減する。電力拡張装置モジュールは、ローカルグリッド106においてTコネクタとして接続される。
【0039】
更に、電力拡張装置モジュールは、隣接する電力拡張装置への直列接続を遮断するための更なるスイッチ124a~cを備える。これは、電力拡張装置モジュールをローカルグリッドに制御可能に接続すること、及び電力拡張装置モジュールをローカルグリッドから制御可能に切断することを可能にする。これは、更なる発電ユニットを用いてシステム100を拡張することを容易にし、そしてまた、電力拡張装置モジュールの保守も容易にする。
【0040】
本明細書で提案される集電システム及び電力拡張装置モジュールにより、浮体式タービンを接続するための非常に高価な動的海中ケーブルの必要な長さが低減され、結果として、現在利用可能ではない、例えば、66kVを上回る、高電圧の動的エクスポートケーブルの必要性を低減するか、又は排除さえもする。
【0041】
更に、海中に配置可能な電力拡張装置モジュールを設けることによって、風力タービンがウィンドパークに到着した後からそれが開設(commissioning)され得るまでの設置時間が低減される。電力拡張装置モジュールがシステムに追加され、ウェット側接続部と、更なるスイッチ124a~cとを使用して、直列接続されたローカルグリッドに接続される。電力拡張装置モジュールがローカルグリッドに接続されると、スイッチング回路108a~cは、風力タービンをシステムに接続するように制御される。
【0042】
更に、追加の風力タービンを用いてシステムを拡張するときに、既存の風力発電についてのダウンタイムが低減される。
【0043】
なお更に、本発明の実施形態は、有利には、例えば、設置、開設、障害処理、保守、及び閉鎖(decommissioning)中に、個々の風力タービンを切断する可能性を提供する。
【0044】
加えて、本発明の実施形態は、さもなければ特定のタービン設計に合わせてカスタマイズされる必要があり得る、風力タービンに組み込まれる高電圧開閉装置の必要性を除去し得る。再び図1を参照すると、電力拡張装置モジュール104a~cは、スイッチング回路108a~cを収容するためのそれぞれの筐体114a~cを備える。筐体114a~cは、スイッチング回路が水中に沈んだ環境において確実に動作し得ることを保証する。従って、筐体は、電力拡張装置モジュールの海中動作を可能にするように適合されている。
【0045】
筐体は、海底110に配置可能な海中ケーブル112を介した、電力拡張装置モジュール104a~b間の電気的接続のために、ここでは、筐体114a~b上にのみ示されている、筐体のウェット側118に電気的接続部116(2つのみが番号付けされている)を備える。ウェット側にあるこのような電気的接続部は、電力拡張装置モジュール104a~cの各々に概念的に示されている。ウェット側118は、スイッチング回路108a~cが位置する筐体の内側とは反対の、水側に面している側である。従って、電力拡張装置モジュール104a~cは、海底110に配置可能な独立モジュールである。
【0046】
筐体は、その中に配置された機器のための適正な環境を保証するために、様々な方法で構成され得る。例えば、筐体は、オイル充填され得るか、又は固定圧力若しくは1気圧の圧力を保持するように適合され得るか、又は真空を保持するように適合され得るか、又は窒素充填され、オイル充填され、そして圧力補償式であり得るか、又は非圧力補償式であり得る。筐体のタイプは、目下の実装形態に依存する。
【0047】
電力拡張装置モジュールは、関連付けられた発電ユニット102a~cとの接続のための入力接続部122a~cを備える。この入力接続部122a~cは、発電ユニット102a~cから受け取った高電力を処理すると同時に、水中で確実に動作可能であるように構成されている。例えば、入力接続部122a~cは、発電ユニットとの接続のための湿式嵌合可能なケーブル接続部、又は乾式嵌合電気的接続部であり得る。様々な乾式嵌合電気的接続部、及び湿式嵌合可能なケーブル接続部が、当該技術分野においてそれ自体既知であり、本明細書では詳細に説明しない。
【0048】
図2Aは、図1にも示されている電力拡張装置モジュール104bを概念的に例示する。電力拡張装置モジュールは、スイッチング回路108bを介して、入力接続部122bをローカルグリッドに制御可能に接続するように構成されたT型バスバー接続部126を備える。T型バスバー126は、海底ケーブル112と接続可能な接続部116に接続されている。スイッチング回路108bは、入力接続部122を接続部116と、従って、ケーブル112と接続及び切断する。T型バスバー126は、本明細書で提案されるような電力拡張装置モジュールの有利なモジュール設計及び構成を可能にする、単純であるが堅牢な方法を提供する。
【0049】
更に、電力拡張装置モジュール104bは、関連付けられた発電ユニット102bをローカルグリッド106に接続するようにスイッチング回路を制御するため、及び関連付けられた発電ユニット102bをローカルグリッド106から切断するようにスイッチング回路を制御するための、通信及び制御回路200を備える。更に、通信及び制御回路200は、状態情報及び診断データを、例えばオペレータセンターに返すように構成されている。通信及び制御回路は、ローカルグリッド106の電力拡張装置モジュール104a~cの各々に到達する制御線128を介して制御信号を送ることによって遠隔制御可能である制御ユニットを備え得る。従って、例えば、陸上又は船上のオペレータは、制御信号線128上で伝送され且つ制御信号線128のための湿式嵌合可能な又は乾式嵌合接続部130を通じて入力される制御信号によって制御可能な制御ユニットを介して、発電ユニットをシステムから遠隔で切断し、例えば、測定及び診断データを、電力拡張装置モジュールから要求及び受信し得る。
【0050】
更に、電力拡張装置モジュール104bは、電力拡張装置モジュール及び関連付けられた発電ユニット102bの診断測定を行うための制御及び測定機器を備え得る。更に、電力拡張装置モジュール104bは、電力拡張装置モジュール104b又は関連付けられた発電ユニットに対する局所測定に基づく継電器保護機能(relay protection functionality)を備え得る。更に、過電流保護装置、無方向性及び方向性電流保護、方向性地絡もまた、電力拡張装置モジュールにおいて含まれ得る。
【0051】
図2Bは、更なる実施形態による、電力拡張装置モジュール204を概念的に例示する。ここで、電力拡張装置モジュール204は、入力接続部122bにおいて接続された発電ユニットをローカルグリッドに接続するためのT型バスバー接続部126を備える。T型バスバー126は、海底ケーブル112と接続可能な接続部116に接続されている。T型バスバー126は、電力拡張装置モジュールの有利なモジュール設計及び構成を可能にする、単純であるが堅牢な方法を提供する。通信及び制御回路200は、関連付けられた発電ユニットをローカルグリッドから切断するために、発電ユニット自体におけるスイッチング回路を制御するように構成され得る。
【0052】
図1及び図2A図2Bに概念的に例示されている電力拡張装置モジュール104bは、単一の洋上発電ユニット102a~cから電力を収集するために、その発電ユニットと電気的に接続可能である。電力拡張装置モジュール104bは、電力消費体と接続可能な、複数の電力拡張装置モジュール104a~cのローカルグリッドにおいて、電気的に直列接続されるように、海中に独立して配置されるように構成されている。電力拡張装置モジュール104bは、発電ユニット102bをローカルグリッド106に制御可能に接続するためのスイッチング回路108bを備える。
【0053】
図3Aは、海中に配置可能であり且つ海中電力拡張装置モジュールの少なくとも1つのローカルグリッド106から電力消費体への電力を収集するために、この少なくとも1つのローカルグリッド106に接続されるように構成された電力ハブ302を更に備える集電システム300を概念的に例示する。電力ハブ302は、発電ユニットから受け取った電力を変換するための電力変圧器を備え、変換された電力を電力消費体に供給する。更に、電力ハブは、海中電力ハブ302の、例えば、測定及び制御機器を遠隔制御するため、及びローカルグリッド106との接続を制御するための開閉装置308を制御するため、及び要求された状態情報と診断データを、例えばオペレータセンターに返すための、通信及び制御回路306を備え得る。
【0054】
電力拡張装置は、ラジアルトポロジー又はリングトポロジーで接続可能である。これは次に、より詳細に説明される。
【0055】
図3Bは、図3Aでのような電力ハブ302を更に備える集電システム300を概念的に例示するが、ここでは、図2Bに示されるような海中電力拡張装置モジュール204、即ち、図3Aに示されるスイッチ108a~cなしで、入力接続部122bにおいて接続された発電ユニットをローカルグリッドに接続するためのT型バスバー接続部126を有する電力拡張装置モジュールの少なくとも1つのローカルグリッド106に接続されるように構成されている。換言すれば、図3A図3Bとの間の違いは、電力拡張装置モジュールのタイプである。
【0056】
図4Aは、4つのローカルグリッド106において配置された電力拡張装置102を概略的に例示し、各ローカルグリッドは、電力ハブ302の単一の遮断器308に接続されたラジアルトポロジーにある。電力ハブは、ローカルグリッドを電力消費体に選択的に電気的に接続するための高電圧配電盤を備える。配電盤は、スイッチ308のセットを備える。
【0057】
図4Bは、2つのローカルグリッド106において配置された電力拡張装置102を概略的に例示し、各ローカルグリッドは、2つの遮断器308にリング状に接続されたリングトポロジーにある。リングトポロジーは、有利には、電力ハブ302への冗長接続を提供する。電力ハブは、ローカルグリッドを電力消費体に選択的に接続するための配電盤を備える。配電盤は、スイッチ308のセットを備える。
【0058】
図5は、浮体式風力タービンのセットを概略的に例示し、そのうちの1つが、502で示されている。更に、海中電力拡張装置モジュール504が、海底上に配置されている。電力拡張装置モジュール504の各々は、上述したように、それぞれの単一の浮体式風力タービン502と接続されている。電力拡張装置モジュール504は、2つのスイッチを備えるスイッチ装置510において、海中電力ハブ508に接続される1つの海底ケーブルの2つの端部とリング構成で接続されている。
【0059】
一例として、浮体式風力タービン502のセットは、200MWの電力を集合的に発生させ得る。海中電力ハブ508は、風力タービン502からの電力を、典型的に、フル稼働で(at full capacity)略230kV/503Aにおいて、送電レベルに変換するために、200MW容量で動作可能な変圧器514を備える。海底ケーブル512は、66kVでの送電に適合され得る。従って、電力ハブ508の変圧器は、風力タービン502からの66kVを230kVの送電レベルに変圧し得る。
【0060】
図6は、浮体式風力タービン502及び海中電力拡張装置504の更なる例となる実装形態を概略的に例示する。図示されたタービン502a~bの各々は、関連付けられた電力拡張装置モジュールにそれぞれ接続された風力タービンのグループを表す。風力タービン502a~bは、フル稼働で約100MWをそれぞれ発生させ得る。この例では、第1のセットの風力タービン502aは、第1の海中電力ハブ508aに接続されており、第2のセットの風力タービン502bは、第2の海中電力ハブ508bに接続されている。上記のように、海中アレイケーブル512は、66kVを運ぶように適合され得る。第1の海中電力ハブ508aに接続された電力拡張装置は、リング構成で接続されており、第2の海中電力ハブ508aに接続された電力拡張装置もまた、リング構成で接続されている。
【0061】
海中電力ハブ508a~bの変圧器514は、海中電力ハブ508a~bを、陸上施設につながり得るエクスポートケーブル555に/から、選択的に接続及び切断するための高電圧配電盤552を備える更なる海中電力ハブ550に接続されている。更なる海中電力ハブ550は、例えば、フル稼働で400MW、230kV、1000Aで動作し得る。換言すれば、ケーブル555は、230kV/1000Aにおいて400MWを運ぶように適合されている。
【0062】
図6を参照して説明された構成は、リング構成における電力拡張装置モジュールの更なるセットで拡張され得る。例えば、図7は、浮体式風力タービン502及び海中電力拡張装置504の更なる例となる実装形態を概略的に例示する。風力タービン502a~dは、フル稼働で約100MWをそれぞれ発生させ得る。この例では、第1のセットの風力タービン502aは、第1の海中電力ハブ508aに接続されており、第2のセットの風力タービン502bは、第2の海中電力ハブ508bに接続されており、第3のセットの風力タービン502cは、第3の海中電力ハブ508cに接続されており、第4のセットの風力タービン502dは、第4の海中電力ハブ508dに接続されている。上記のように、海中アレイケーブル512は、66kVを運ぶように適合され得る。各セットにおける電力拡張装置は、リング構成で接続されている。
【0063】
海中電力ハブ508a~dの変圧器514は、海中電力ハブ508a~dを、陸上施設につながり得る一対のエクスポートケーブル565a~bに/から、選択的に接続及び切断するための高電圧配電盤562を備える更なる海中電力ハブ560に接続されている。更なる海中電力ハブ560は、例えば、フル稼働で800MW、230kV、2×1000Aで動作し得る。換言すれば、ケーブル565a~bの各々は、230kV/1000Aにおいて400MWを運ぶように適合されている。
【0064】
図8は、全ての風力タービン502a~dが、それらの対応する電力拡張装置モジュール504を介して、海中電力ハブ570に直接接続されている、更なる例である。海中電力ハブ570は、風力タービン502a~dのセットを、陸上施設につながり得る一対のエクスポートケーブル565a~bに/から、選択的に接続及び切断するための高電圧配電盤572を備える。更なる海中電力ハブ570は、例えば、フル稼働で800MW、230kV、2×1000Aで動作し得る。換言すれば、ケーブル565a~bの各々は、230kV/1000Aにおいて400MWを運ぶように適合されている。図8のシステムは、例えば、図7のシステムのように、電力変圧器を含まない。従って、図8のシステムは、電力変圧器が定格され得る最大電力レベルに限定されない。これは、風力タービン及び電力拡張装置のローカルグリッドが送電レベル電圧で動作し得る場合に有利である。
【0065】
制御ユニットが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルデジタルシグナルプロセッサ、又は別のプログラマブルデバイスを含み得る。制御ユニットはまた、あるいは代わりに、特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ若しくはプログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイス、又はデジタルシグナルプロセッサを含み得る。制御ユニットが、上述のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又はプログラマブルデジタルシグナルプロセッサ等のプログラマブルデバイスを含む場合、プロセッサは、プログラマブルデバイスの動作を制御するコンピュータ実行可能コードを更に含み得る。
【0066】
本明細書で説明されるデバイス、制御ユニット、又は他のモジュール間の通信は、適宜、電気通信及び/又は光ファイバ通信に基づいて、無線又はハードワイヤードであり、特定の場合についての好適なプロトコルを実装し得る。
【0067】
本明細書におけるスイッチ及びスイッチング回路は、目下の特定の実装形態に応じて、例えば、回路遮断器及び/又は無負荷断路器、等を含み得る。
【0068】
本発明は、その特定の例示となる実施形態を参照して説明されてきたが、多くの異なる代替及び修正等が、当業者には明らかになるであろう。
【0069】
追加として、開示された実施形態に対する変形が、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲の参酌から、特許請求された発明を実施する際に当業者によって理解及び達成され得る。特許請求の範囲において、「備える」という語は他の要素又は工程を除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外するものではない。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを示すものではない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-10-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋上発電ユニット(102;502)からの電力の海中収集のための集電システム(100;300)であって、前記集電システムは、
スイッチング回路(108a~d)と、前記スイッチング回路を収容するための防水筐体と、をそれぞれ備える電力拡張装置モジュール(104;504)のセットを備え、ここで、前記防水筐体は、前記電力拡張装置モジュールが、動作中に、ローカルグリッドにおいて、水中に完全に沈められて、海中で海底に独立して配置されているときに、周囲の海からの水が前記防水筐体内の前記スイッチング回路に到達できないように、海中動作のための前記スイッチング回路を収容するものであり前記電力拡張装置モジュールの各々が、前記洋上発電ユニットのセットのうちのそれぞれ1つと、それぞれの前記洋上発電ユニットから電力を収集するように接続可能であり、前記スイッチング回路(108a~d)は、関連付けられた前記洋上発電ユニットを前記ローカルグリッドに制御可能に接続するように構成されており、前記電力拡張装置モジュールのセットは、電力消費体と接続可能である前記ローカルグリッド(106)において、少なくとも1つの海中ケーブル(112)によって電気的に直列接続されるように構成されている、集電システム。
【請求項2】
前記防水筐体は、海底に配置可能な海中ケーブル(112)を介して、前記電力拡張装置モジュール間の電気的接続のために、前記防水筐体のウェット側(118)に電気的接続部を備える、請求項1に記載の集電システム。
【請求項3】
前記防水筐体は、オイル充填されているか、又は固定圧力若しくは1気圧の圧力を保持するように適合されているか、又は真空を保持するように適合されているか、又は窒素充填され、オイル充填され、そして圧力補償式であるか、又は非圧力補償式であるか、又はこれらの任意の組合せである、請求項1又は2に記載の集電システム。
【請求項4】
前記電力拡張装置モジュールは、関連付けられた前記洋上発電ユニットとの接続のための入力接続部(122a~c)を備え、前記電力拡張装置モジュールは、前記入力接続部を前記ローカルグリッドに接続するように構成されたT型バスバー接続部(126)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項5】
前記電力拡張装置モジュールは、関連付けられた前記洋上発電ユニットを前記ローカルグリッドに接続するように前記スイッチング回路を制御するため、及び関連付けられた前記洋上発電ユニットを前記ローカルグリッドから切断するように前記スイッチング回路を制御するための、通信及び制御回路(200)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項6】
海中に配置可能であり且つ海中電力拡張装置モジュールの少なくとも1つのローカルグリッドから前記電力消費体への電力を収集するために、前記少なくとも1つのローカルグリッドに接続されるように構成された電力ハブを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項7】
前記電力ハブは、前記洋上発電ユニットから受け取った前記電力を変換するための電力変圧器(304;514)を備え、変換された電力を前記電力消費体に供給する、請求項6に記載の集電システム。
【請求項8】
前記電力拡張装置モジュールは、隣接する電力拡張装置モジュールへの直列接続を遮断するための更なるスイッチ(124a~c)を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項9】
前記電力拡張装置モジュールは、ラジアルトポロジー又はリングトポロジーで接続可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項10】
前記電力拡張装置モジュールは、洋上発電ユニットとの接続のための乾式嵌合電気的接続部、又は洋上発電ユニットとの接続のための湿式嵌合可能なケーブル接続部を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項11】
前記電力拡張装置モジュールは、海底(110)に配置されるように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の集電システム。
【請求項12】
単一の洋上発電ユニットから電力を収集するために、前記洋上発電ユニットと電気的に接続可能な電力拡張装置モジュールであって、
前記電力拡張装置モジュールは、電力消費体と接続可能な、複数の電力拡張装置モジュールのローカルグリッドにおいて、電気的に直列接続されるように、動作中に海中に独立して配置されるように構成されており、前記電力拡張装置モジュールは、前記洋上発電ユニットを前記ローカルグリッドに制御可能に接続するためのスイッチング回路と、前記スイッチング回路を収容するための防水筐体と、を更に備え、前記防水筐体は、動作中に周囲の海からの水が前記防水筐体内の前記スイッチング回路に到達できないように、水中に完全に沈められた海底にある前記電力拡張装置モジュールの海中動作を可能にするように適合されている、電力拡張装置モジュール。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
追加として、開示された実施形態に対する変形が、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲の参酌から、特許請求された発明を実施する際に当業者によって理解及び達成され得る。特許請求の範囲において、「備える」という語は他の要素又は工程を除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外するものではない。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを示すものではない。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 洋上発電ユニット(102;502)からの電力の海中収集のための集電システム(100;300)であって、前記集電システムは、
スイッチング回路(108a~d)と、前記スイッチング回路を収容するための防水筐体と、をそれぞれ備える電力拡張装置モジュール(104;504)のセットを備え、
前記電力拡張装置モジュールは、ローカルグリッドにおいて、水中に完全に沈められて、海中で海底に独立して配置可能であり、各々が、前記洋上発電ユニットのセットのうちのそれぞれ1つと、それぞれの前記洋上発電ユニットから電力を収集するように接続可能であり、前記スイッチング回路(108a~d)は、関連付けられた前記洋上発電ユニットを前記ローカルグリッドに制御可能に接続するように構成されており、前記電力拡張装置モジュールのセットは、電力消費体と接続可能である前記ローカルグリッド(106)において、少なくとも1つの海中ケーブル(112)によって電気的に直列接続されるように構成されている、集電システム。
[2] 前記防水筐体は、海底に配置可能な海中ケーブル(112)を介して、前記電力拡張装置モジュール間の電気的接続のために、前記防水筐体のウェット側(118)に電気的接続部を備える、[1]に記載の集電システム。
[3] 前記防水筐体は、オイル充填されているか、又は固定圧力若しくは1気圧の圧力を保持するように適合されているか、又は真空を保持するように適合されているか、又は窒素充填され、オイル充填され、そして圧力補償式であるか、又は非圧力補償式であるか、又はこれらの任意の組合せである、[1]又は[2]に記載の集電システム。
[4] 前記電力拡張装置モジュールは、関連付けられた前記洋上発電ユニットとの接続のための入力接続部(122a~c)を備え、前記電力拡張装置モジュールは、前記入力接続部を前記ローカルグリッドに接続するように構成されたT型バスバー接続部(126)を備える、[1]~[3]のいずれか一項に記載の集電システム。
[5] 前記電力拡張装置モジュールは、関連付けられた前記洋上発電ユニットを前記ローカルグリッドに接続するように前記スイッチング回路を制御するため、及び関連付けられた前記洋上発電ユニットを前記ローカルグリッドから切断するように前記スイッチング回路を制御するための、通信及び制御回路(200)を備える、[1]~[4]のいずれか一項に記載の集電システム。
[6] 海中に配置可能であり且つ海中電力拡張装置モジュールの少なくとも1つのローカルグリッドから前記電力消費体への電力を収集するために、前記少なくとも1つのローカルグリッドに接続されるように構成された電力ハブを備える、[1]~[5]のいずれか一項に記載の集電システム。
[7] 前記電力ハブは、前記洋上発電ユニットから受け取った前記電力を変換するための電力変圧器(304;514)を備え、変換された電力を前記電力消費体に供給する、[6]に記載の集電システム。
[8] 前記電力拡張装置モジュールは、隣接する電力拡張装置モジュールへの直列接続を遮断するための更なるスイッチ(124a~c)を備える、[1]~[7]のいずれか一項に記載の集電システム。
[9] 前記電力拡張装置モジュールは、ラジアルトポロジー又はリングトポロジーで接続可能である、[1]~[8]のいずれか一項に記載の集電システム。
[10] 前記電力拡張装置モジュールは、洋上発電ユニットとの接続のための乾式嵌合電気的接続部、又は洋上発電ユニットとの接続のための湿式嵌合可能なケーブル接続部を備える、[1]~[9]のいずれか一項に記載の集電システム。
[11] 前記電力拡張装置モジュールは、海底(110)に配置されるように構成されている、[1]~[10]のいずれか一項に記載の集電システム。
[12] 単一の洋上発電ユニットから電力を収集するために、前記洋上発電ユニットと電気的に接続可能な電力拡張装置モジュールであって、
前記電力拡張装置モジュールは、電力消費体と接続可能な、複数の電力拡張装置モジュールのローカルグリッドにおいて、電気的に直列接続されるように、海中に独立して配置されるように構成されており、前記電力拡張装置モジュールは、前記洋上発電ユニットを前記ローカルグリッドに制御可能に接続するためのスイッチング回路と、前記スイッチング回路を収容するための防水筐体と、を更に備え、前記防水筐体は、水中に完全に沈められた海底にある前記電力拡張装置モジュールの海中動作を可能にするように適合されている、電力拡張装置モジュール。
【国際調査報告】