(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】被験者の変化を検出し、それに応答するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
A61N 1/40 20060101AFI20240319BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240319BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20240319BHJP
A61B 5/05 20210101ALI20240319BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A61N1/40
A61B5/00 102A
A61B5/00 B
A61B5/107 300
A61B5/05
A61N1/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558596
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 IB2022052655
(87)【国際公開番号】W WO2022201060
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519275847
【氏名又は名称】ノボキュア ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルーヴェン・ルビィ・シャミール
(72)【発明者】
【氏名】ヨラム・ワッサーマン
(72)【発明者】
【氏名】ゼーヴ・ボンゾン
(72)【発明者】
【氏名】オレン・ペレス・ゼーヴィ
(72)【発明者】
【氏名】タル・マルチャーノ
【テーマコード(参考)】
4C038
4C053
4C117
4C127
【Fターム(参考)】
4C038VA20
4C038VB01
4C038VB40
4C038VC20
4C053JJ13
4C053JJ18
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4C053LL00
4C053LL20
4C117XA04
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4C117XR07
4C117XR08
4C117XR09
4C127AA06
4C127DD03
(57)【要約】
被験者の身体の腫瘍に対応する関心領域に腫瘍治療場を印加する方法であって、関心領域に、被験者の身体の第1の位置対間の第1の電場と、被験者の身体の第2の位置対間の第2の電場とを交互に印加するステップと、被験者の身体の関心領域の変化を検出するステップと、第1の電場および第2の電場の印加を停止するステップと、検出された変化に基づいて、被験者の身体の第3の位置対と、被験者の身体の第4の位置対とを選択するステップであって、第3の位置対と第4の位置対とが、第1の位置対と第2の位置対とは異なる、ステップと、第3の位置対間の第3の電場と、第4の位置対間の第4の電場とを関心領域に交互に印加するステップと、を含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の身体の腫瘍に対応する被験者の身体の関心領域に腫瘍治療場を印加する方法であって、
前記関心領域に、前記被験者の身体の第1の位置対間の第1の電場と、前記被験者の身体の第2の位置対間の第2の電場とを交互に印加するステップと、
前記被験者の身体の前記関心領域の変化を検出するステップと、
前記第1の電場および前記第2の電場の印加を停止するステップと、
検出された前記関心領域の変化に基づいて、前記被験者の身体の第3の位置対と、前記被験者の身体の第4の位置対とを選択するステップであって、前記第3の位置対と前記第4の位置対とが、前記第1の位置対と前記第2の位置対とは異なる、ステップと、
前記被験者の身体の前記第3の位置対間の第3の電場と、前記被験者の身体の第4の位置対間の第4の電場とを前記関心領域に交互に印加するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記関心領域の変化は、関心位置の変化または関心体積の変化のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記関心領域の変化は、
前記被験者の身体の姿勢変化、
前記被験者の身体のバイタルサイン変化、
前記被験者の身体の生理学的変化、
前記腫瘍治療場の電圧および/もしくは電流の変化、または
前記被験者の身体のインピーダンスの変化、
のうちの少なくとも1つに基づいて判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記関心領域における複数の変化を経時的に記録するステップと、
前記記録された変化に基づいて前記被験者の身体の習慣モデルを生成するステップと、
前記習慣モデルに基づいて、前記被験者の身体の前記第3の位置対と前記被験者の身体の前記第4の位置対とを選択するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記被験者の身体の前記関心領域の変化を検出するステップが、
時間に関する少なくとも1つの測定基準を監視するステップであって、前記少なくとも1つの測定基準が、前記被験者の身体内に誘導された1つまたは複数の腫瘍治療場に関連する、または1つまたは複数の腫瘍治療場が前記被験者の身体内に誘導されている間に前記被験者の身体に関連した測定値を含む、ステップと、
前記監視された少なくとも1つの測定基準を、前記被験者に対して確立された時間に関する前記少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンと比較するステップと、
前記ベースラインパターンからの前記監視された少なくとも1つの測定基準の逸脱を検出するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の電場は、前記被験者の身体の前記第1の位置対に対応する第1のトランスデューサ対の第1の部分の間に印加され、
前記第2の電場は、前記被験者の身体の前記第2の位置対に対応する第2のトランスデューサ対の第1の部分の間に印加され、
前記第3の電場は、前記被験者の身体の前記第3の位置対に対応する前記第1のトランスデューサ対の第2の部分の間に印加され、
前記第4の電場は、前記被験者の身体の前記第4の位置対に対応する前記第2のトランスデューサ対の第2の部分の間に印加される、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の電場は、前記被験者の身体の前記第1の位置対に配置された第1のトランスデューサ対の間に印加され、
前記第2の電場は、前記被験者の身体の前記第2の位置対に配置された第2のトランスデューサ対の間に印加され、
前記第3の電場と前記第4の電場が、
前記被験者の身体の前記3の位置対に配置された前記第1のトランスデューサ対の間と、前記被験者の身体の前記第4の位置対に配置された前記第2のトランスデューサ対との間、または
前記被験者の身体の前記第3の位置対に配置された前記第3のトランスデューサ対と、前記被験者の身体の前記第4の位置対に配置された前記第4のトランスデューサ対との間、
のいずれかに印加される、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
腫瘍治療場が被験者の身体内に誘導されている間または誘導された後に、前記被験者の身体の変化を検出し、それに応答するためのコンピュータ実装方法であって、
時間に関する少なくとも1つの測定基準の初期データセットを受信するステップであって、前記少なくとも1つの測定基準は、前記被験者の身体内に誘導された1つまたは複数の腫瘍治療場に関連する、または1つまたは複数の腫瘍治療場が前記被験者の身体内に誘導されている間に前記被験者の身体に関連した測定値を含む、ステップと、
訓練期間中に収集された前記少なくとも1つの測定基準を示す前記初期データセットに基づいて、時間に関する前記少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンを判定するステップと、
前記訓練期間後の時間に関して前記少なくとも1つの測定基準を監視するステップと、
前記ベースラインパターンからの前記監視される少なくとも1つの測定基準の逸脱の検出に応答してイベントをトリガするステップと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの測定基準が、
前記被験者の身体内に誘導される1つまたは複数の腫瘍治療場に関連する抵抗率、
前記被験者の身体内に誘導される1つまたは複数の腫瘍治療場に関連する電流、
前記被験者の身体内に誘導される1つまたは複数の腫瘍治療場に関連する電圧、
前記被験者の身体の第1の位置対における第1のトランスデューサアレイ対の少なくとも一部の間で誘導される、第1の腫瘍治療場に関連する第1の抵抗率と、前記被験者の身体の第2の位置対に配置された第2のトランスデューサアレイ対の少なくとも一部の間に誘導される第2の腫瘍治療場に関連する第2の抵抗率との差、
前記被験者の身体内に誘導される1つまたは複数の腫瘍治療場に関連するインピーダンス、および
前記被験者の身体の温度、
からなる群から選択される1つまたは複数の測定値を含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記ベースラインパターンが、時間窓にわたって平均化された前記少なくとも1つの測定基準の値の範囲、または前記時間窓にわたって平均化された前記少なくとも1つの測定基準の変化率の値の範囲である、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記ベースラインパターンを判定するステップが、主成分分析を使用して、時間に関して前記少なくとも1つの測定基準の前記初期データセットを分解することを含み、前記ベースラインパターンは、前記主成分分析から得られる固有ベクトルの第1のセットと固有値の第1のセットとを含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記主成分分析から得られる固有ベクトルの前記第1のセットおよび固有値の前記第1のセットに基づいて、時間に関して前記少なくとも1つの測定基準を表す初期信号を生成するステップと、
前記初期信号と、時間に関する前記監視された少なくとも1つの測定基準の対応する信号との間の差を計算するステップと、
前記初期信号と前記対応する信号との前記差が閾値を超えたことの検出に応じて前記イベントをトリガするステップと、
をさらに含む、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記イベントが、
前記被験者の身体の腫瘍の変化を示す警報を出力するステップ、
前記被験者の身体の追加の画像撮影が必要であるという警報を出力するステップ、または
前記検出された逸脱に基づいて、前記腫瘍治療場を生成するために使用されるトランスデューサの配置のために前記被験者の身体の位置を調整するための推奨事項を選択するステップ、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
被験者の身体の腫瘍に対応する前記被験者の身体の関心領域に腫瘍治療場を印加する方法であって、複数の電極を有する第1のトランスデューサ対と、複数の電極を有する第2のトランスデューサ対とを使用し、前記方法は、
前記第1のトランスデューサ対の第1の電極セット間の第1の電場と、前記第2のトランスデューサ対の第1の電極セット間の第2の電場を前記関心領域に交互に印加するステップと、
前記被験者の身体の前記関心領域の変化を判定するステップと、
前記第1の電場および前記第2の電場の印加を停止するステップと、
前記関心領域の前記変化に基づいて、前記第1のトランスデューサ対の第2の電極セットと前記第2のトランスデューサ対の第2の電極セットを選択するステップと、
前記第1のトランスデューサ対の前記第2の電極セット間に第3の電場を、前記第2のトランスデューサ対の前記第2の電極セット間に第4の電場を交互に前記関心領域に印加するステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記第1のトランスデューサ対の前記第1の電極セットと前記第2の電極セットの両方に第1の電極があり、
前記第1の電極は、前記第1の電場中および前記第3の電場中にエネルギーを放出し、
前記第1の電場中に前記第1の電極によって放出される前記エネルギーは、前記第3の電場中に前記第1の電極によって放出される前記エネルギーとは異なる、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年3月22日に提出された米国特許出願第17/701,470号、2021年3月23日に出願された米国特許出願第63/164,957号、2021年3月30日に出願された米国特許出願第63/168,059号、および2021年6月3日に出願された米国特許出願第63/196,528号に対する優先権を主張し、これらの出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
腫瘍治療場(Tumor treating fields: TT場)は、米国特許第7,565,205号に記載されているように、腫瘍の治療に使用できる中間周波数範囲内の低強度交流電場である。TT場は、患者の身体に配置されたトランスデューサ間にAC電圧を印加することにより、関心領域に非侵襲的に誘導される。従来は、第1のトランスデューサ対と第2のトランスデューサ対とが被験者の身体に配置される。第1のトランスデューサ対の間に第1の時間間隔でAC電圧が印加され、全体として前後方向に走る力線による電場が生成される。次に、第2のトランスデューサ対の間に第2の時間間隔でAC電圧が印加され、全体として右から左の方向に走る力線を持つ電場が生成され、システムはこのシーケンスを繰り返す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、被験者の身体の腫瘍に対応する被験者の身体の関心領域に腫瘍治療場を印加する方法であって、関心領域に、被験者の身体の第1の位置対間の第1の電場と、被験者の身体の第2の位置対間の第2の電場とを交互に印加するステップと、被験者の身体の関心領域の変化を検出するステップと、第1の電場および第2の電場の印加を停止するステップと、検出された関心領域の変化に基づいて、被験者の身体の第3の位置対と、被験者の身体の第4の位置対とを選択するステップであって、第3の位置対と第4の位置対とが、第1の位置対と第2の位置対とは異なる、ステップと、被験者の身体の第3の位置対間の第3の電場と、被験者の身体の第4の位置対間の第4の電場とを関心領域に交互に印加するステップと、を含む、方法、を対象とする。
【0005】
本発明の上記の態様は例示的なものであり、本発明の他の態様および変形は、以下の実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】被験者の身体の関心領域の変化に基づいて被験者の身体上のトランスデューサの位置を判定する例を示す図である。
【
図2】TT場を印加するために被験者の身体上の関心領域の変化とトランスデューサの位置を判定する例を示す図である。
【
図3】被験者の身体の関心領域の変化に基づいて被験者の身体上のトランスデューサの位置を判定する他の例を示す図である。
【
図4】被験者の身体の関心領域の変化に基づいて被験者の身体上のトランスデューサの位置を判定する他の例を示す図である。
【
図5A】被験者の身体上のトランスデューサ対の例を示す図である。
【
図5B】被験者の身体上のトランスデューサ対の例を示す図である。
【
図6A】被験者の身体上のトランスデューサ対の例を示す図である。
【
図6B】被験者の身体上のトランスデューサ対の例を示す図である。
【
図7】さまざまなトランスデューサの構造/構成の例を示す図である。
【
図8】さまざまなトランスデューサの構造/構成の例を示す図である。
【
図9】一対のトランスデューサの構成の例を示す図である。
【
図10】トランスデューサの位置を判定する装置の例を示す図である。
【
図11】被験者の身体の変化を検出する例を示す図である。
【
図12】監視されている生理学的測定基準のベースラインパターンからの逸脱を検出する例を示す図である。
【
図13】時間に対する測定基準のベースラインパターンの例を示す図である。
【
図14】変化を検出するためのシステムの較正の例を示す図である。
【
図15】トランスデューサの位置の違いを補正する例を示す図である。
【
図16】被験者の身体の変化を検出する別の例を示す図である。
【
図17A】インピーダンスと腫瘍サイズとの間の相関関係の例を示す図である。
【
図17B】インピーダンスと腫瘍サイズとの間の相関関係の例を示す図である。
【
図17C】インピーダンスと腫瘍サイズとの間の相関関係の例を示す図である。
【
図17D】インピーダンスと腫瘍サイズとの間の相関関係の例を示す図である。
【
図17E】インピーダンスと腫瘍サイズとの間の相関関係の例を示す図である。
【
図17F】インピーダンスと腫瘍サイズとの間の相関関係の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
被験者に効果的なTT場治療を提供するには、被験者の身体内の癌の種類、サイズ、および/または位置などに基づいて、被験者の身体にトランスデューサを設置する正確な位置を生成する必要がある。位置の判定は、多くの場合、時間とリソースを大量に消費するコンピュータシミュレーションに依存する。さらに、既存の方法では、リアルタイム治療中に発生する関心領域の変化(例えば、被験者の姿勢変化、生理学的変化などによる)を考慮することができない。もう1つの困難は、関心領域の変化を示す生理学的変化と、時間の経過とともに周期的に発生する被験者の身体の通常の変化とをどのように区別するかということである。さらに、TT場治療をできるだけ早く更新できるように、関心領域の変化を迅速に検出する必要がある。
【0008】
発明者はこれらの問題を認識し、TT場治療中に被験者の身体の関心領域の変化を追跡し、TT場治療中の被験者の身体の関心領域の変化に基づいてイベント(例えば、新しいMRI、トランスデューサの位置の変更など)をトリガするアプローチを発見した。リアルタイム治療で被験者の身体の関心領域の変化を考慮することで、トランスデューサを配置する位置の精度が向上し、TT場治療の効率が向上する。
【0009】
図1は、被験者の身体の腫瘍に対応する被験者の身体の関心領域にTT場を印加する例示的な方法100を示すフローチャートである。ステップS102において、方法100は、被験者の身体上の第1のトランスデューサ対と第2のトランスデューサ対の位置を特定するステップを含む(例えば、トランスデューサの第1および第2の対は、それぞれ被験者の身体の位置の第1および第2の対に配置され得る)。
【0010】
ステップS104において、方法100は、被験者の身体の関心領域(例えば、腫瘍)に、第1の位置対の間の第1の腫瘍治療場(TT場)と、第2の位置対の間の第2のTT場とを、交互に印加するステップを含む。第1のTT場は、第1の位置対の間に生成された第1のAC電圧を一定期間印加することによって生成されてもよく、第1のTT場の生成が停止され、次いで、第2の位置対の間に一定期間、第2のAC電圧を印加することによって第2のTT場が生成される。
【0011】
ステップS106において、方法100は、被験者の身体の関心領域の変化を検出するステップを含む。関心領域の変化には、関心領域の位置の変化または体積の変化のうちの少なくとも1つが含まれ得る。関心領域の変化を判定する例は、以下で説明する
図2のステップS216に示されている。関心領域の変化を検出するステップは、時間に関して少なくとも1つの測定基準を監視するステップと、監視された測定基準を、被験者に対して確立された時間に関して少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンと比較するステップとを含み得る。監視されている少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンからの逸脱を検出すると、変化が検出される。ベースラインパターンの確立、測定基準の監視、および測定基準とベースラインパターンの比較を
図11~
図16に示す。
【0012】
関心領域の変化が検出されない場合、方法100はステップS104に進む。関心領域の変化が検出された場合、方法100は、第1の位置対と第2の位置対との間のTT場の印加を停止するステップを含むステップS108に進む。
【0013】
ステップS110において、方法100は、ステップS106で判定された関心領域の変化に基づいて、第3の位置対と第4の位置対とを選択するステップを含む。第3および第4の位置対は、第1および第2の位置対とは異なる。その後、方法100は、ステップS104に戻ってもよいが、今回は、関心領域に、被験者の身体の第3の位置対の間の第3の電場と、被験者の身体の第4の位置対の間の第4の電場とを交互に印加する。方法100は、位置の検出された変化および選択された変化ごとに継続的に繰り返され得る。
【0014】
方法100の第1の位置対および第2の位置対は、第1のトランスデューサ対の第1の部分および第2のトランスデューサ対の第1の部分の位置に対応してもよく、そして、第1のTT場は、第1のトランスデューサ対の第1の部分の間に印加され、第2の電場は、第2のトランスデューサ対の第1の部分の間に印加されてもよい。別の例では、方法100の第1の位置対および第2の位置対は、各トランスデューサ対におけるトランスデューサ全体の位置に対応し得る。
【0015】
ステップS110における第3および第4の位置対の選択は、第3の電場が第1のトランスデューサ対の第2の部分の間に印加され、第4の電場が第2のトランスデューサ対の第2の部分の間に印加されるように、ステップS106で判定された関心領域の変化に基づいて、第1のトランスデューサ対の第2の部分および第2のトランスデューサ対の第2の部分を選択するステップを含み得る。一例では、2対のトランスデューサの第1の部分が互いに重ならず、2対のトランスデューサの第2の部分が互いに重ならない。別の例では、2対のトランスデューサの第1の部分が少なくとも部分的に互いに重なり、2対のトランスデューサの第2の部分が少なくとも部分的に互いに重なり合う。
【0016】
ステップS110における第3および第4の位置対を選択するステップは、第3および第4の電場が、第3の位置対に配置された第1のトランスデューサ対と第4の位置対に配置された第2のトランスデューサ対の間に印加されるように、第1および第2のトランスデューサ対をそれぞれ第3および第4の位置対に再配置するステップを含み得る。別の実施形態では、ステップS110における第3および第4の位置対を選択するステップは、第3および第4の電場が、第3の位置対に位置する第3のトランスデューサ対の間と第4の位置対に位置する第4のトランスデューサ対との間に印加されるように、第3の位置対に第3のトランスデューサ対を配置し、第4の位置対に第4のトランスデューサ対を配置するステップを含み得る。
【0017】
図2は、TT場を印加するために被験者の身体上の関心領域およびトランスデューサの位置を判定する例示的な方法200を示すフローチャートである。ステップS202において、方法200は、腫瘍に対応する(例えば、腫瘍の位置および/または体積に対応する)被験者の身体の関心領域を判定するステップを含む。
【0018】
被験者の身体内の関心領域は、画像データ204によって(例えば、画像データ204から構築されたコンピュータシミュレーションを介して)判定され得る。画像データ204は、被験者の身体の一部の1つまたは複数の画像(例えば、X線画像、磁気共鳴画像法(MRI)、コンピュータ断層撮影法(CT)画像、超音波画像など)を含み得る。
【0019】
関心領域の判定には、被験者の身体の姿勢情報206が組み込まれてもよい。姿勢情報206は、1つまたは複数のセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、および/または磁力計)によって検出および/または収集され得るか、またはユーザ入力によって判定され得る。センサは、第1のトランスデューサ対および第2のトランスデューサ対の外部に配置されてもよいし、第1のトランスデューサ対または第2のトランスデューサ対の少なくとも一方の一部であってもよい。
【0020】
関心領域の判定は、被験者の身体のバイタルサイン208に基づいて行われ得る。バイタルサイン208には、呼吸サイン(例えば、呼吸数、呼吸量)が含まれ得る。その他のバイタルサインには、体温、血圧、脈拍数などが含まれ得る。
【0021】
関心領域の判定は、電場測定値210に基づいてもよい。電場測定値210は、リアルタイムTT場治療前、および/またはリアルタイムTT場治療中に所望の期間印加されたTT場に対して生成および/または収集された電圧測定値および電流測定値を含み得る。
【0022】
関心領域の判定は、画像データ204、姿勢情報206、バイタルサイン208、および電場測定値210の2つ以上の要素の任意の組み合わせに基づいてもよい。一例として、関心領域の判定は、画像データ204および姿勢情報206に基づいてもよい。一例では、被験者の複数の姿勢に対応する複数の関心領域が判定される。複数の姿勢に対応する複数の関心領域は、リアルタイムTT場治療前に判定されてもよく、あるいはリアルタイムTT場治療中に判定および/または更新されてもよい。
【0023】
ステップS212では、第1のトランスデューサが第1の位置に配置され、第2のトランスデューサが第2の位置に配置される。ステップS202で判定された関心領域に基づいて位置が選択され、判定された関心領域に供給される最大電場電力が得られる。ステップS214で、方法200は、第1の位置と第2の位置に配置された第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間にTT場を誘導するステップを含む。ステップS216で、方法200は、関心領域の変化を検出するステップを含む。
【0024】
関心領域の変化は、被験者の身体の生理学的変化218によって引き起こされ得る。生理学的変化には、腫瘍サイズの変化、腫瘍位置の変化、体重増加、体重減少、体の腫れ、体の一部の腫れ、または炎症のうちの少なくとも1つが含まれていてもよく、画像データおよび/または他の測定値によって判定され得る。
【0025】
関心領域の変化は姿勢変化220によって引き起こされ得る。姿勢変化220は、複数の姿勢のうちの1つから複数の姿勢のうちの別の姿勢への変化を含んでもよい。複数の姿勢は、立位、座位、横臥位のうちの少なくとも2つ、または立位、座位、および横臥位の間の1つまたは複数の姿勢を含んでもよい。より具体的な例では、横たわる姿勢は、被験者が仰向け、左側、右側、胸部のうちの少なくとも1つを下にして横たわることを含んでもよい。姿勢変化220は、1つまたは複数のセンサによって検出および/または収集されてもよいし、ユーザ入力によって入力されてもよい。
【0026】
関心領域の変化は、被験者の身体のバイタルサイン222の変化によって引き起こされ得る。呼吸数と呼吸量により胴体の内部容積が変化し、関心領域の変化につながる可能性があるため、バイタルサイン変化222は、被験者の呼吸サイン(例えば、呼吸数または呼吸量の少なくとも1つ)の変化を含み得る。他のバイタルサインには、体温、血圧、脈拍数などが含まれ得る。バイタルサイン変化222は、センサによって検出されてもよいし、ユーザ入力によって入力されてもよい。
【0027】
特定の実施形態では、関心領域の変化は、上に挙げた要因218~222のうちの1つまたは複数の検出された変化に基づいて判定され得る。追加的にまたは代替的に、関心領域の変化は、関心領域に印加されるTT場の電圧および/または電流、被験者の身体の抵抗率、および/または被験者の身体のインピーダンスの変化(224)に基づいて判定され得る。電流測定値は、一対のトランスデューサ内の1つまたは複数の電極で測定された、一対のトランスデューサ間の被験者の身体を通過するTT場の電流を示す。電圧測定値は、TT場を誘導するために選択されたトランスデューサ対に印加される電圧を示す。TT場の経路に沿った被験者の身体の抵抗率は、以下で説明するように電圧および電流測定値に基づいて計算され得る。さらに、電圧および電流測定値ならびに/または計算された抵抗率は、被験者の身体のインピーダンスを計算するために使用され得る。1つのチャネル(例えば、一対のトランスデューサ間)に対して計算された抵抗率を、一対のトランスデューサ間の距離で割って、一対のトランスデューサ間の被験者の身体のインピーダンスを判定することができる。この計算は、関心領域に交互のTT場を印加するために使用される両方のチャネルに対して繰り返してもよい。
【0028】
ステップS226で、方法200は、ステップS202およびS216で収集されたデータに基づいて被験者の習慣モデルを生成するステップを任意選択で含む。姿勢情報206、バイタルサイン208、姿勢変化220、バイタルサイン変化222、および電流/電圧変化224は、TT場治療中に時間の経過につれて収集および記録され、タイムスタンプとともに保存され得る。被験者の習慣モデルは、追加のユーザ入力の有無にかかわらず、収集および保存されたデータに基づいて機械によって生成されてもよい。習慣モデルには、タイムスタンプ、姿勢情報、関心領域に関する情報が含まれていてもよく、出力デバイスに表示されてもよい。
【0029】
例として、習慣モデルには次の例示的な情報、すなわち、
午前12:00~午前8:00/仰向け/関心領域1、
午前8:00~10:00/立位/関心領域2、
午前10時~午後2時/席位/関心領域3、
午後2:00~3:00/立って歩く/関心領域4、
午後3時~8時/座位と仰向けの間の姿勢/関心部位5、
午後8時~午前12時/仰向け/関心領域1、
が含まれていてもよい。
【0030】
ステップS228で、方法200は、ステップS216で取得された関心領域の変化および/またはステップS226で生成された習慣モデルに基づいて、1つまたは複数の推奨事項を生成するステップを含んでもよい。これは、
図3のステップS310と同様である。推奨事項は、TT場を印加するためにトランスデューサを配置する被験者の身体の位置および/またはトランスデューサの推奨部分に関するものであってもよい。推奨事項は習慣モデルに組み込まれてもよい。
【0031】
ステップS230において、方法200は、ステップS216で検出された関心領域の変化および/またはステップS226で生成された習慣モデルに基づいて、印加電場を調整するステップを含んでもよい。電場の調整には、トランスデューサの位置の調整および/または被験者の身体に印加されるTT場の電圧の調整が含まれてもよい。調整は自動で行われてもよい。一例として、方法200は、被験者が習慣モデルに従って姿勢を変えるときに、電場を印加するトランスデューサのパート1からパート2に変更することができる。別の例では、TT場が調整される前に、姿勢変化を確認するために、確認のための質問がユーザデバイス上で被験者に提示されてもよい。
【0032】
図3は、TT場を印加するために被験者の身体上のトランスデューサの位置を判定するための別の例示的な方法300を示すフローチャートである。方法300は、
図2のステップS216を実行することを含む。ステップS302において、方法300は、ステップS216において取得された関心領域の変化に基づいて、複数の関心領域を生成するステップを含む。これには、被験者の身体の複数の姿勢を判定するステップが含まれていてもよい。ステップS302は、関心領域ごとに(例えば、姿勢ごとに)一対のトランスデューサを選択するステップと、選択されたトランスデューサの各対にTT場を印加するステップとをさらに含んでもよい。
【0033】
ステップS304において、方法300は、関心領域ごとに(例えば、姿勢ごとに)、選択された対のトランスデューサの第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に誘導されるTT場に関連する電圧測定値および電流測定値を受信するステップを含む。ステップS304は、取得および/または記録された電流および電圧測定値がコンピュータの処理コンポーネントで受信されるコンピュータ実装ステップであってもよい。
【0034】
電流および電圧測定値は、TT場のリアルタイム処理の前に、または、TT場が印加される治療期間中にリアルタイムもしくはほぼリアルタイムで生成および/または収集(例えば、ログファイルから受信またはアクセス)してもよい。このような電圧および電流測定値は、TT場治療全体を通じて定期的に取得されてもよい。
【0035】
ステップS306において、方法300は、関心領域ごとに、受信した電流および電圧測定値に基づいて、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサの間のTT場の経路に沿った被験者の身体の抵抗率を計算するステップを含む。TT場の経路に沿った被験者の身体の抵抗率は、次の式で計算できる。
ρ=E/J (式1)
ここで、ρは、印加されたTT場の経路に沿った被験者の身体の抵抗率(オームメートル(Ωm)単位)であり、Eは、印加されるTT場の電場の大きさ(ボルト/メートル(V/m)単位)であり、Jは、印加されるTT場の電流密度の大きさ(アンペア/平方メートル(A/m2))である。
【0036】
計算された抵抗率は、TT場が被験者の身体に印加される時間の経過とともに変化し得る。抵抗率の変化は、例えば、生理学的変化218、姿勢変化220、バイタルサイン変化222、またはトランスデューサの配置/取り付けの変化の結果であってもよい。
【0037】
ステップS308で、方法300は、受信した電流および電圧測定値に基づいて、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間のTT場の電力密度を計算するステップを含む。TT場の電力密度は、対応する関心領域に送達されるTT場線量を表すために使用され得る。印加されるTT場の電力密度は、次の式で計算できる。
P=1/2σE2 (式2)
ここで、Pは印加されるTT場の電力密度であり、σは組織の導電率であり、Eは印加されるTT場の電場の大きさである。
【0038】
組織の導電率σは次の式を満たす可能性がある。
σ=1/ρ (式3)
【0039】
したがって、電力密度Pは、印加されたTT場の電圧および電流測定値に基づいて式1~式3によって計算できる。
【0040】
ステップS310において、方法300は、計算された抵抗率および/または計算された電力密度に基づいて、1つまたは複数の推奨トランスデューサ対を選択し、出力するステップを含む。一例では、1つまたは複数のトランスデューサの推奨対の選択は、ステップS306での関心領域ごとに計算された抵抗率に基づく。ステップS310は、関心領域ごとに複数のトランスデューサ対の計算された抵抗率を比較するステップと、関心領域ごとに、計算された抵抗率に基づいて複数のトランスデューサ対をランク付けするステップとを含んでいてもよい。ランク付けに基づいて推奨されるトランスデューサ対を選択してもよい。ステップS310は、関心領域ごとに、複数のトランスデューサ対のランク付けに基づいて第1のトランスデューサ対を選択するステップと、関心領域ごとに、ランク付けに基づいて残りの1つまたは複数のトランスデューサ対から第2のトランスデューサ対を選択するステップと、を含んでいてもよい。別の例では、第2のトランスデューサ対の選択は、第1のトランスデューサ対の選択に基づく(例えば、選択された第1のトランスデューサ対に関する交差角に基づく)。第2のトランスデューサ対は、第1のトランスデューサ対の第1の部分によって画定される第1の線と、第2のトランスデューサ対の第1の部分によって画定される第2の線との間の第1の角度が約90度±20度であり、第1のトランスデューサ対の第2の部分によって画定される第3の線と、第2のトランスデューサ対の第2の部分によって画定される第4の線との間の第2の角度は、約90度±20度であるように選択されてもよい。
【0041】
ステップS310は、複数対のトランスデューサのうちの2対のトランスデューサの組み合わせについて極小電力密度(LMiPD: local minimum power density)を計算するステップと、最大LMiPDを有するレイアウトを選択するステップとを含んでいてもよい。LMiPDは、TT場によって2対のトランスデューサを介して関心領域に供給される2つの電力密度のうちの低い方を表し、式によって計算される。
【0042】
図4は、被験者の身体上のトランスデューサの位置を判定するための別の例示的な方法400を示すフローチャートである。
図4を参照すると、方法400は、
図1のステップS102、S106、およびS108を実行するステップを含む。ステップS402で、方法400は、第1のトランスデューサ対の第1の電極セットと第2のトランスデューサ対の第1の電極セットとを選択するステップを含む。各トランスデューサには電極要素のアレイが含まれていてもよい。電極は、以下でさらに説明するように、個別にアドレス指定可能な電極であってもよい。これらの電極セットの選択は、被験者の身体の関心領域に基づいて行うことができる。ステップS404において、方法400は、関心領域に、第1のトランスデューサ対の第1の電極セット間の第1のTT場と、第2のトランスデューサ対の第1の電極セット間の第2のTT場とを交互に印加するステップを含む。これは、
図1のステップS104と同様である。
【0043】
ステップS406において、方法400は、ステップS106で判定された関心領域の変化に基づいて、第1のトランスデューサ対の第2の電極セットと第2のトランスデューサ対の第2の電極セットを選択するステップを含む。第1の対と第2のトランスデューサ対の第2の電極セットの選択は、関心領域の変化に基づいて行われる。次に、第3のTT場と第4のTT場を、第1のトランスデューサ対の第2の電極セットの間と第2のトランスデューサ対の第2の電極セットの間の関心領域に交互に印加することができる。第1のトランスデューサ対の第1の電極セットと第2の電極セットは互いに重なり合わなくてもよいし、第1のトランスデューサ対の第1の電極セットと第2の電極セットは互いに部分的に重なり合ってもよい。例えば、第1のトランスデューサ対の第1の電極セットと第2の電極セットの両方に少なくとも1つの電極、例えば第1の電極があってもよい。
【0044】
第1のトランスデューサ対の少なくとも1つの電極は、第1および第3の電場中に異なる量の非ゼロエネルギーを放出することができ、そして、第2のトランスデューサ対の少なくとも1つの電極は、第2および第4の電場中に異なる量の非ゼロエネルギーを放出することができる。一例では、第1の電極セットおよび第2の電極セットの両方における少なくとも1つの電極(例えば、第1の電極)は、第1の電場中および第3の電場中にエネルギーを放出する。第1の電場中に第1の電極によって放出されるエネルギーは、第3の電場中に第1の電極によって放出されるエネルギーとは異なっていてもよい。より具体的な例として、第1の電場中に第1の電極によって放出されるエネルギーは、第3の電場中に第1の電極によって放出されるエネルギーのパーセンテージであってもよく、パーセンテージは0%より大きく100%未満であり、または、第3の電場中に第1の電極によって放出されるエネルギーは、第1の電場中に第1の電極によって放出されるエネルギーのパーセンテージであってもよく、そのパーセンテージは0%より大きく100%未満であってもよい。別の例では、第1の電極は、第1の電場の期間の第1の部分中、および第3の電場の期間の第1の部分中にエネルギーを放出する。第1の電場の期間の第1の部分中に放出されるエネルギーは、第3の電場の期間の第1の部分中に放出されるエネルギーと異なっていてもよい。
【0045】
一例では、第1の電場と第3の電場の間に第1の電極によって放出される異なるエネルギーは、第1の電極に印加される電圧信号が第1と第3の電場の間で異なることに起因する。例えば、第1の電極は、第1および第3の電場に対して異なる電圧信号を受け取る。第1の電極は、第1の電場中に第1の非ゼロ電圧を受け取り、第3の電場中に第2の非ゼロ電圧を受け取ることができ、第1の非ゼロ電圧は第2の非ゼロ電圧とは異なる。別の例では、第1の電極は、第1および第3の電場中は同じ振幅の電圧を受け取るが、第1および第3の電場の期間の異なる時間セグメント中には同じ振幅の電圧を受け取る。
【0046】
別の例では、第1の電場と第3の電場の間に第1の電極によって放出される異なるエネルギーは、第1の電極の静電容量の変化によるものである。例えば、第1の電極は、第1の電場中に第1の静電容量を有し、第3の電場中に第2の静電容量を有する。この例では、第1の電極は、第1および第3の電場中に同じ電圧信号を受信する可能性がある。第1の電極によって異なるエネルギーが放出される構造の例については、
図8を参照して以下に説明する。
【0047】
図5A~
図6Bは、位置特定される2対のトランスデューサの関心領域に基づいてトランスデューサの位置を判定する例を示す。位置の選択は、複数の姿勢に関連付けられた複数の関心領域に基づいてよい。
図5Aおよび
図5Bでは、被験者の身体の胴体上の複数の位置が選択されている。第1、第2、第3、および第4の位置501、502、503、および504は、被験者が左側を向いて横たわっているときにトランスデューサを配置するために選択され、第5、第6、第7、および第8の位置505、506、507、および508は、被験者が立っているときにトランスデューサの位置を特定するために選択される。位置501および504は、トランスデューサの第1の対に対する第1の位置対を形成することができ、位置502および503は、トランスデューサの第2の対に対する第2の位置対を形成することができる。位置505および508は、トランスデューサの第1の対(または第3の対)を配置するための第1の位置対を形成することができ、位置506および507は、トランスデューサの第2の対(または第4の対)を配置するための第2の位置対を形成することができる。
【0048】
図6Aおよび
図6Bでは、複数の電極要素が1つのトランスデューサアレイ609に統合されている。トランスデューサアレイは、ヘルメットまたは衣類(帽子、シャツ、ズボンなど)に組み込まれていてもよい。トランスデューサの複数の対がトランスデューサアレイ609内で選択され得、各トランスデューサは、トランスデューサアレイ609から選択された複数の電極要素を有する。被験者が左側を向いて横たわっている場合、第1、第2、第3、および第4のトランスデューサ601、602、603、および604がトランスデューサアレイ609内で選択され、被験者が立っている場合、第5、第6、第7、および第8のトランスデューサ605、606、607、および608が選択される。トランスデューサ601および603(またはトランスデューサ605および607)はトランスデューサの第1の対を形成することができ、トランスデューサ602および604(またはトランスデューサ606および608)はトランスデューサの第2の対を形成することができる。
【0049】
図7は、個別に選択可能な電極を備えたトランスデューサの例を示している。第1の電極要素のセット804は関心領域に基づいて選択することができ、第2の電極要素のセット809は関心領域の変化に基づいて選択することができる。第1のセット804は電極要素805、806、807、および808を含み、第2のセット809は電極要素807、808、810、および811を含む。電極要素807と808は両方のセットにある。
【0050】
図8は、トランスデューサの構成例を示している。この例では、トランスデューサ912は、n個の電極、例えば906および909を含み、電極906および909は、コントローラ901によって制御されるスイッチ902/903/904/905に配線される。各電極は2つの電極要素を含む。電極906は電極要素907および908を含み、電極909は電極要素910および911を含む。コントローラ901は、電極906および909に印加される電圧信号を変更するため、および/または電極906および909の静電容量を変更するために、電極に接続されたいくつかのスイッチを選択的にオフにすることができる。トランスデューサの例は、米国特許出願公開第2020/0155835A1号に記載されている。
【0051】
図9は、一対のトランスデューサ1001および1002の構成例を示す。両方のトランスデューサ1001/1002は、基板1004/1006上に配置され、導電性配線1009/1010を介して電気的および機械的に接続された電極要素1003/1005を含み得る。基板1004/1006には、布、発泡体、可撓性プラスチック、および/または導電性医療用ゲルが含まれてもよい。別の例では、1つまたは複数のトランスデューサは、基板なしで電気的および機械的に接続された電極要素を含んでもよい。トランスデューサは、被験者の身体に貼り付けられるか、被験者の身体を覆う衣服に取り付けられたり組み込まれたりする場合がある。
【0052】
トランスデューサ1001および1002は、AC電圧発生器1007およびコントローラ1008に接続され得る。コントローラ1008は、1つまたは複数のプロセッサ1013およびメモリ1014を有するコンピュータを含み得る。メモリ1014は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、トランスデューサ1001と1002との間に電場を誘導するようにAC電圧発生器1007を制御する、および/または本明細書に開示される1つまたは複数の方法をコンピュータに実行させる命令を記憶することができる。コントローラ1008は、電圧発生器1007によって実行される動作を監視し、電流/電圧値をメモリ1014に記憶し得る。他のタイプの情報(例えば、温度値、姿勢情報、バイタルサインなど)も同様に収集され得る(例えば、センサ1016を介して)。さまざまなタイプの情報がログファイルに保存され、ログファイルはメモリ1014内にあり得る。
【0053】
図10は、本明細書のさまざまな実施形態に従って、TT場を印加するためのトランスデューサの位置を判定するための例示的な装置1100を示す。装置1100は、1つまたは複数のプロセッサ1102、メモリ1103、および1つまたは複数の出力デバイス1105を含み得る。装置1100はコンピュータであってもよい。装置1100は、
図9のコントローラ1008に組み込まれてもよいし、コントローラ1008から分離されて通信可能に結合されてもよい。メモリ1103は、1つまたは複数のプロセッサ1102によってアクセス可能であり、メモリ1103は、プロセッサ1102によって実行されると、装置1100に本明細書に開示される1つまたは複数の方法を実行させる命令を記憶することができる。1つまたは複数の入力1101に基づいて、プロセッサ1102は、トランスデューサの複数の位置を生成および/またはランク付けし、1つまたは複数の位置推奨を出力デバイス1105上でユーザに出力するか、または警報を出力することができる。1つまたは複数の入力1101には、画像データ、電流および電圧測定値、姿勢情報、バイタルサイン、生理学的情報、および/またはユーザ入力が含まれ得る。
【0054】
図11は、TT場が被験者の身体内に誘導される間または誘導された後に、被験者の身体の変化を検出し、それに応答するコンピュータ実装方法例1200を説明するフローチャートである。ステップS1202で、方法1200は、1つまたは複数の測定値を受信することを含む。これらには、被験者の身体内で誘導された1つまたは複数のTT場に関連する測定値が含まれていてもよい。例えば、ステップS1202は、被験者の身体の第1の位置に配置された第1のトランスデューサの少なくとも一部と、被験者の身体の第2の位置に配置された第2のトランスデューサの少なくとも一部との間に誘導される1つまたは複数のTT場に関連する電流および電圧測定値を受信することを含んでもよい。1つまたは複数の測定値には、1つまたは複数のTT場が被験者の身体内で誘導される間に、被験者の身体に関連する測定値が含まれ得る。例えば、測定値には、TT場が被験者の身体内で誘導されている間に、被験者の身体に関連する温度が含まれ得る。他の測定値には、被験者の身体の姿勢やバイタルサインを判定するために使用される測定値が含まれ得る。
【0055】
ステップS1202で受信された測定値は、TT場が印加されている間にリアルタイムまたはほぼリアルタイムで収集され得る。一例では、AC発生器は、一対のトランスデューサに印加されるAC電圧の電流と電圧を監視し、電流と電圧の測定値を例えばログファイルに記録する。別の例では、AC発生器とは別個の1つまたは複数のセンサを使用してTT場の電流と電圧を検出し、ログファイルに記録するための電流と電圧の測定値を生成する。
【0056】
被験者の身体内にTT場を誘導する治療セッション中に、複数の電圧、電流、温度、および/またはその他の測定値が収集されてもよい。例えば、TT場治療全体を通して、電圧、電流、温度、および/またはその他の測定値を定期的に(例えば、1秒ごと、5秒ごと、30秒ごと、分ごと、5分ごと、10分ごと、30分ごと、1時間ごと、2時間ごと、4時間ごと、またはその他の間隔)取得できる。
【0057】
ステップS1204で、方法1200は、時間に関する少なくとも1つの測定基準の初期データセットを受信するステップを含むことができる。少なくとも1つの測定基準は、被験者の身体内に誘導された1つまたは複数の腫瘍治療場に関連する、または1つまたは複数の腫瘍治療場が被験者の身体内に誘導されている間に被験者の身体に関連した測定値を含む。初期データセットは、タイムスタンプとともに保存された少なくとも1つの測定基準の測定値の収集であってもよい。
【0058】
初期データセットでは、少なくとも1つの測定基準は、被験者の身体内で誘導される1つまたは複数のTT場に関連する抵抗率、被験者の身体内に誘導される1つまたは複数のTT場に関連する電流、被験者の身体内に誘導される1つまたは複数のTT場に関連する電圧、2対のトランスデューサアレイ間で被験者の身体内に誘導される交互のTT場間の抵抗率の差、2対のトランスデューサアレイ間で被験者の身体内に誘導される交互のTT場間の抵抗率の合計、被験者の身体内に誘導される1つまたは複数の腫瘍治療場に関連するインピーダンス、および被験者の身体温、からなる群から選択される1つまたは複数の測定値を含み得る。他の実施形態では他の測定基準が受信されてもよい。
【0059】
ステップS1204は、ステップS1202で収集または受信され、対応する時間値と関連付けられた測定値から、少なくとも1つの測定基準(例えば、抵抗率、微分抵抗率、または抵抗率の合計)の値を計算するステップを含み得る。例えば、ステップS1204は、式1に従って、ステップS1202で受信された電流および電圧測定値に基づいて、第1のトランスデューサの少なくとも一部と第2のトランスデューサの少なくとも一部との間のTT場の経路に沿った被験者の身体の抵抗率を計算することを含んでもよい。別の例として、ステップS1204は、上述の計算技術を使用して、被験者の身体内に誘導される1つまたは複数のTT場に関連するインピーダンスを計算することを含んでもよい。
【0060】
ステップS1204は、ステップS1202で収集または受信された測定値から、時間に対する一組の微分抵抗率を計算するステップを含んでもよい。微分抵抗率の測定基準は、被験者の身体の第1の位置対における第1のトランスデューサアレイ対の少なくとも一部の間に誘導される第1のTT場に関連する第1の抵抗率と、被験者の身体の第2の位置対における第2のトランスデューサアレイ対の少なくとも一部の間に誘導される第2のTT場に関連する第2の抵抗率との差であってもよい。微分抵抗率を計算するステップは、初期データセット内の時間ごとに、第1の計算された抵抗率と第2の計算された抵抗率との間の差の絶対値を計算することを含んでもよい。
【0061】
ステップS1204は、抵抗率の合計のセットを計算することを含んでもよく、これには、初期データセット内の時間ごとに第1および第2の計算された抵抗率の合計を計算することが含まれる。
【0062】
ステップS1206で、方法1200は、初期データセットに基づいて、時間に関する少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンを判定するステップを含む。初期データセットは、訓練期間中に収集された少なくとも1つの測定基準を示す。「収集された」という用語は、(センサなどを介して)測定された、または測定に基づいて計算された測定基準を指す場合がある。「訓練期間」は、少なくとも1つの測定基準が収集される期間を指してもよい。
【0063】
ベースラインパターンは、被験者固有の初期データセット内のシグネチャを含んでいてもよく、被験者の固有の生理機能に関連するサイクルを表す。ベースラインパターンは、生理学的変化(発汗、毛髪の成長など)、概日リズムに基づく変化(例えば、気温、ホルモン、または24時間周期のその他の変化)、および/または被験者の活動、姿勢、習慣、バイタルサイン、および/または場所の変化(睡眠、スポーツ、歩行、運動、机に座るなど)など、被験者の身体の時間に依存する変化を捕捉してもよい。
【0064】
ベースラインパターンは、時間窓にわたって平均化された少なくとも1つの測定基準の値の範囲、または時間窓にわたって平均化された少なくとも1つの測定基準の変化率であってもよい。例えば、1つまたは複数の測定基準(例えば、計算されたインピーダンス)の時間窓平均、または1つまたは複数の測定基準の変化率の時間窓平均は、測定基準の値と1つまたは複数の閾値との比較を介して計算および監視され得る。これらの時間窓平均の変化は、腫瘍のサイズの変化と相関していてもよい(
図17A~
図17F)。
【0065】
ステップS1206において、ベースラインパターンを判定するステップは、初期データセットに対して主成分分析(PCA: principal component analysis)を実行するなど、初期データセットに1つまたは複数の数値分析を適用するステップを含んでもよい。PCAでは、データセットを「主成分」に分解し、その主成分を使用してデータの基礎を変更し、場合によっては、より重要な主成分のサブセットのみを使用し、その他は無視する。主成分は、初期データセットを使用してコンピュータで直接計算できる。PCAにより、次の式で表される、1つまたは複数の固有ベクトルとそれに関連する固有値で構成されるベースラインパターンが得られる場合がある。
S(t)=a1・v1(t)+a2・v2(t)+ a3・v3(t) +... (式4)
ここで、S(t)は時間に関するベースラインパターンであり、v1(t)、v2(t)、およびv3(t)は、初期データセットに対して判定された主成分を表す固有ベクトルであり、a1、a2、およびa3は、関連する固有ベクトルの振幅を表す固有値である。各固有ベクトルvn(t)は被験者の身体の生理学的状態に関連していてもよく、対応する固有値anはデータに対するその生理学的状態の強さまたは影響に関連していてもよい。
【0066】
ステップS1208で、方法は、訓練期間後の時間に関して少なくとも1つの測定基準を監視するステップを含む(例えば、その後のTT場治療中)。訓練期間は、被験者の身体に1つまたは複数のTT場治療が実行される複数日間の期間であってもよい。少なくとも1つの測定基準を監視することは、ステップS1204と同様に、少なくとも1つの測定基準を受信および/または計算することを含み得る。ステップS1208において、時間に関して少なくとも1つの測定基準を監視することは、TT場が被験者の身体内に誘導される期間中にリアルタイムまたはほぼリアルタイムで実行され得る。訓練期間後のTT場または被験者の身体に関連する少なくとも1つの測定基準の監視には、TT場治療の印加が完了した後に発生する可能性のあるログファイルの受信またはアクセスが含まれ得る。ステップS1210において、この方法は、監視された少なくとも1つの測定基準(例えば、新しいデータセットにおける)が所定のベースラインパターンから逸脱しているかどうかを判定するステップを含んでもよい。
【0067】
ステップS1212で、方法1200は、(ステップS1210で)監視された少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンからの逸脱を検出したことに応答して、イベントをトリガするステップを含む。一例として、ステップS1214において、トリガされたイベントは、検出された逸脱に基づいて、1つまたは複数のトランスデューサの配置のために被験者の身体の位置を調整するための推奨事項を選択するステップを含んでいてもよい。これには、
図1~
図4を参照して上で説明した方法の1つまたは複数が含まれ得る。別の例では、ステップS1216で、トリガされたイベントには、警報の出力が含まれてもよい。ステップS1216において、警報を出力することは、被験者の身体の追加の撮像が必要であることを示す警報1218を出力することを含んでもよい。このようにして、方法1200は、被験者の身体内の腫瘍または関心領域の変化を表す可能性のある生理学的変化に応じて、必要に応じて追加の撮像をトリガするのに役立ち得る。ステップS1216において、警報を出力するステップは、被験者の身体の腫瘍の変化を示す警報1220を出力するステップを含んでもよい。
【0068】
プロセスは、監視された測定基準がベースラインパターンから逸脱してS1212でイベントをトリガするまで、ステップS1208およびS1210を繰り返すことができる。方法1200のプロセスは、1)被験者に対して実行された追加の撮像で腫瘍に変化がないことが示された場合、または2)トランスデューサの対が新しい位置に配置された場合、ステップS1202から再び開始して、新しい訓練期間中に収集および/または計算された少なくとも1つの測定基準に基づいて新しいベースラインパターンを判定することができる。
【0069】
図12は、監視された測定基準のベースラインからの逸脱を検出することによって被験者の身体の生理学的変化を追跡するコンピュータ実装方法例1300を説明するフローチャートである。
図12は、
図11のステップS1206、S1208、およびS1210を実行するプロセスの一例である。
図11のステップS1206およびS1208は、それぞれ、
図12のステップS1302およびS1304を含み得る。
図11のステップS1210は、
図12のステップS1306、S1308、および/またはS1310を含み得る。
【0070】
ステップS1302では、
図1のステップS104で受信した初期データセットがPCAを使用して分解される。ステップS1304で、方法1300は、時間に関する少なくとも1つの測定基準の1つまたは複数の追加データセットを収集するステップを含み得る。ステップS1306で、方法1300は、例えば、初期データセットまたは変更されたPCAに対して使用されたものと同じPCA分解を使用して、少なくとも1つの測定基準の1つまたは複数の追加データセットを分解するステップを含み得る。ステップS1308で、方法1300は、1つまたは複数の追加データセットをS1302の初期データのPCA分解と比較するステップを含み得る。ステップS1310で、方法1300は、ベースラインパターンからの1つまたは複数の追加データセットの逸脱を検出するステップを含み得る。
【0071】
一例では、S1308における比較は、1つまたは複数の追加データセットの分解(S1306)を初期データセットのPCA分解(S1302)と比較するステップを含んでもよい。例えば、方法1300は、S1306において、PCAを使用して第2のデータセットを分解し、以下のように固有ベクトルの第2のセットおよび固有値の第2のセットを生成するステップを含んでもよい。
S’(t)=a’1・v’1(t)+a’2・v’2(t)+ a’3・v’3(t) +... (式5)
ここで、S’(t)は、時間に関する第2のデータセットのPCA分解であり、v’1(t)、v’2(t)、およびv’3(t)は、第2のデータセットに対して判定された主成分を表す固有ベクトルであり、a’1、a’2、およびa’3は、関連する固有ベクトルの振幅を表す固有値である。
【0072】
上記のPCA分解を使用して、S1308での比較は、第2のデータセットから抽出された固有ベクトルと、最初のデータセットから抽出された固有ベクトルとを比較するステップ(例えば、vi(t)とv’i(t)とを比較すること)を含んでいてもよい。ステップS1310において、方法1300は、初期データセットのPCA分解には存在しない新しい固有ベクトルv’i(t)(1312)の検出に応答して、ベースラインパターンからの第2のデータセットの逸脱を検出することを含んでもよい。例えば、初期データセットのPCA分解(ベースラインパターン)は、3つの固有ベクトルv1(t)、v2(t)、およびv3(t)のセットを出力してもよく、一方、第2のデータセットのPCA分解は、4つの固有ベクトルv’1(t)、v’2(t)、v’3(t)、およびv’4(t)のセットを出力してもよい。各分解から抽出された固有ベクトル(または主成分)の数は、PCAソフトウェアによって判定された各主成分の相対的な影響に基づいて判定されてもよい。別の例では、ステップS1306は、PCAを介して1つまたは複数の追加データセットを、初期データセットのPCA(S1302)から抽出された同じ固有ベクトルv1(t)、v2(t)、およびv3(t)に分解するステップを含んでもよい。どちらの場合でも、コンピュータは分解中に新しい固有ベクトルの出現を検出し得る。被験者の習慣に対応する変化がないまま、一定時間後に固有ベクトルが出現した場合、これは腫瘍レベルでの変化を示している可能性がある。
【0073】
別の例では、ステップS1306は、第2のデータセットを、初期データセットのPCAから抽出された同じ固有ベクトルセットに対応する第2の固有値セットに分解するステップを含んでもよい。第2のデータセットのこのPCA分解は、次の式で表すことができる。
S’(t)=a’1・v1(t)+a’2・v2(t)+ a’3・v3(t) +... (式6)
ここで、S’(t)は、時間に関する第2のデータセットのPCA分解であり、v1(t)、v2(t)、およびv3(t)は、初期データセットに対して判定された主成分を表す固有ベクトルであり、a’1、a’2、およびa’3は、第2のデータセットの分解に基づくこれらの関連する固有ベクトルの振幅を表す固有値である。つまり、第2のデータセットは、初期データのPCA中に特定されたものと同じ固有ベクトルに分解され、第2のデータセットに最もよく適合するように、それらの固有ベクトルごとに固有値が判定される。第2のデータセットから抽出された固有値は、最初のデータセットから抽出された固有値と比較され得る(S1308)(例えば、aiとa’iとの比較)。ステップS1310では、方法1300は、固有値aiの第1のセットに基づいて閾値と交差する固有値a’iの第2のセット内の固有値を検出することに応答して、ベースラインパターンからの第2のデータセットの逸脱を検出するステップを含んでもよい(1314)。例えば、第2のデータセットのPCA分解では、対応する固有値(a1、a2、およびa3)とは初期データセットに対して、特定のしきい値量または特定のしきい値パーセンテージだけ異なる1つまたは複数の固有値a’1、a’2、およびa’3が出力され得る。
【0074】
式4の分解を使用して、S1308での比較は、複数の連続データセットのPCAを介して抽出された複数の固有値セットを相互に比較すること、および初期データセットから抽出された固有値と比較するステップを含み得る。例えば、ステップS1304およびS1306では、方法1300は、少なくとも1つの測定基準の複数のデータセットを経時的に収集するステップと、複数のデータセットのそれぞれを、初期データセットのPCAから抽出された固有ベクトルの同じセットに対応する別の固有値のセットに分解するステップとを含んでもよい。ステップS1310では、方法1300は、初期データセットの同じ固有ベクトルに対応する複数のデータセットの生成された固有値a’iにおける傾向の検出(1316)に応答して、ベースラインパターンからの複数のデータセットの逸脱を検出するステップを含んでもよい。
【0075】
別の例では、S1308での比較は、時間に関して監視された少なくとも1つの測定基準を表す信号を、初期データセットのPCA分解(S1302)と比較するステップを含んでもよい。例えば、S1308における比較は、初期データセットのPCAからの固有ベクトルの第1セットおよび固有値の第1セットに基づいて、時間に関する少なくとも1つの測定基準を表す初期信号を生成するステップと、次いで、この「初期信号」と、監視されている少なくとも1つの測定基準の対応する信号との差を計算するステップと、を含んでもよい(S1302)。「初期信号」は、追加データセットの時間tに関して取得された測定基準Mの信号(「初期信号」)を推定するため、初期データセットのPCA分解を使用して連立方程式を解くことによって生成され得る(1302)。ステップS1310において、方法1300は、初期信号と測定基準の対応する信号との間の差が閾値を超えたことの検出に応答して逸脱を検出するステップを含んでもよい(1318)。
【0076】
追加データセットの分解と初期データセットとの比較は、TT場治療中にリアルタイムまたはほぼリアルタイムで新しいデータセットごとに順次実行されてもよい。S1310で逸脱が検出されなかった場合、ステップS1304~S1308が繰り返される。
【0077】
図13は、時間1406に対する測定基準1404のベースラインパターン1402の例のプロット1400を示す。図示のように、ベースラインパターン1402は、測定基準1404の24時間サイクルを表すことができる。プロット1400には1つの測定基準1404のみが示されているが、被験者の全体的なベースラインパターンを判定するために、1つまたは複数の追加の測定基準を同時に監視することができる。初期データセットのPCAは、認識可能な24時間パターンを追跡し得る。
【0078】
図14は、訓練期間中に実行することができる、被験者の身体内にTT場が誘導される間または誘導された後に、被験者の身体の変化を検出するためのシステムを較正するためのコンピュータ実装方法1500を示す。ステップ1502で、方法1500は、被験者の身体上で第1のトランスデューサを配置する第1の位置と、被験者の身体上で第2のトランスデューサを配置する第2の位置とを出力するステップを含み得る。第1の位置と第2の位置はユーザインターフェースに出力されてもよい。ステップS1502は、被験者の身体上の第3および第4のトランスデューサを配置する第3および第4の位置を出力するステップをさらに含んでもよい。
【0079】
ステップS1504で、方法1500は、被験者の身体内に誘導された1つまたは複数のTT場に関連する、または1つまたは複数のTT場が被験者の身体内に誘導されている間に被験者の身体に関連付けられた1つまたは複数の測定値を受信するステップを含む。2対のトランスデューサを備えた実施形態では、被験者の身体内で誘導された1つまたは複数のTT場に関連する1つまたは複数の測定値を受信するステップ(S1504)は、被験者の身体の第1の位置と第2の位置に配置された第1のトランスデューサ対間に誘導された第1の電場に関連する1つまたは複数の測定値を受信するステップと、被験者の身体の第3の位置と第4の位置に配置された第2のトランスデューサ対間に誘導された第2の電場に関連する1つまたは複数の測定値を受信するステップとを含み得る。
【0080】
ステップS1506で、方法1500は、上述のように、訓練期間中に受信した1つまたは複数の測定値に基づいて、時間に関する少なくとも1つの測定基準の初期データセットを判定するステップを含む。ステップS1508で、方法1500は、初期データセットに対してPCAを実行して、固有ベクトルの第1セットおよび固有値の第1セットを生成するステップを含む。ステップS1510において、方法1500は、時間に関する少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンを判定するステップを含み、ベースラインパターンは、固有ベクトルの第1のセットおよび固有値の第1のセットの少なくとも一部を含む。一例では、ベースラインパターンは、固有ベクトルの第1のセットにおける固有ベクトルの総数のサブセットと、PCAを介して生成された固有値の第1のセットの対応するサブセットとを含み得る。ステップ1512で、方法1500は、ベースラインパターンをメモリに記憶するステップを含む。
【0081】
図15は、トランスデューサが定期的に被験者の身体上で取り外され、交換される場合があるため、
図14のプロセス中にトランスデューサの位置の違いを補正するための例示的な方法1600を示す。ステップS1602で、方法1600は、被験者の身体上の第1のトランスデューサを配置するための第1の位置と、被験者の身体上の第2のトランスデューサを配置するための第2の位置を出力するステップを含む。ステップS1604において、方法1600は、被験者の身体上の第1のトランスデューサの実際の位置および被験者の身体上の第2のトランスデューサの実際の位置に対応する入力(例えば、画像またはビデオデータ)を受信するステップを含み得る。ステップS1606では、方法1600は、第1のトランスデューサの実際の位置をトランスデューサが配置される第1の位置と比較するステップと、第2のトランスデューサの実際の位置をトランスデューサが配置される第2の位置と比較するステップとを含んでもよい。
【0082】
ステップS1608で、方法1600は、トランスデューサの実際の位置と所望の第1および第2の位置との間で検出された差異を補正するステップを含んでもよい。例では、S1608における補正は、第1のトランスデューサの実際の位置と第1の位置との間の位置の差、または、第2のトランスデューサの実際の位置と第2の位置との間の位置の差、のうちの少なくとも1つを補正するために、1つまたは複数の測定値(例えば、S1504で受信された測定値)を調整するステップ(1610)を含んでもよい。別の例では、S1608における補正は、第1のトランスデューサまたは第2のトランスデューサのうちの少なくとも1つの位置を補正するための命令(1612)をユーザインターフェースに出力するステップを含んでもよい。
【0083】
図16は、TT場の誘導中または誘導後の被験者の身体の変化を検出するためのコンピュータ実装方法の例を示す。方法1700は、ステップS1702で、被験者の身体内に誘導された第1の電場に関連する電流および電圧測定値を受信するステップを含み、第1の電場は被験者の身体内の腫瘍を通過する。方法1700は、ステップS1704で、被験者の身体内に誘導された第2の電場に関連する電流および電圧測定値を受信するステップを含み、第2の電場は被験者の身体内の腫瘍を通過する。方法1700は、ステップS1706で、第1および第2の電場に関連する受信した電流および電圧測定値に基づいて計算される微分抵抗率を計算するステップを含む。微分抵抗率には、第1の電場の経路に沿った被験者の身体の第1の抵抗率と、第2の電場の経路に沿った被験者の身体の第2の抵抗率との差が含まれる。
【0084】
方法1700は、ステップS1708で、時間に関する少なくとも1つの測定基準の初期データセットを判定するステップを含み、少なくとも1つの測定基準は、S1706の微分抵抗率を少なくとも含む。初期データセットは訓練期間中に収集された測定値に基づいて判定される。方法1700は、ステップS1710で、S1708の初期データセットに基づいて、時間に関する少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンを判定するステップを含む。
【0085】
方法1700は、ステップS1712で、訓練期間後に収集された測定値に基づいて、時間に関する少なくとも1つの測定基準の1つまたは複数の追加データセットを判定するステップを含む。方法1700は、ステップS1714で、1つまたは複数の追加データセットに関連付けられた少なくとも1つの測定基準がS1710のベースラインパターンから逸脱するかどうかを判定するステップを含んでもよい。逸脱が検出されない場合、方法1700はS1712に戻る。追加データセットのベースラインパターンからの逸脱が検出された場合、方法1700はステップS1716に進み、ステップS1716は、1つまたは複数の追加データセット内の少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンからの逸脱の検出に応答して警報を出力するステップを含む。ステップS1716は、被験者の身体の追加の画像化が必要であるという指示1718を出力するステップと、被験者の身体の腫瘍の変化の指示1720を出力するステップと、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0086】
図17A~
図17Fは、TT場治療全体を通して得られた計算されたインピーダンス測定値と画像データを介して判定された腫瘍サイズとの間の関係の例を示す。
図17A~
図17Fのそれぞれは、時間に関して計算されたインピーダンス1802(すなわち、1802A、1802B、1802C、1802D、1802E、および1802F)の傾向線を示すプロット1800(すなわち、1800A、1800B、1800C、1800D、1800E、および1800F)、ならびに時間に対する判定された腫瘍サイズ1804(すなわち、1804A、1804B、1804C、1804D、1804E、および1804F)を提供する。各プロット1800は、臨床試験中に6人の患者のうちの1人に対して行われた実際の測定/判定に対応する。インピーダンス1802は、TT場を送出する2つのチャネル(例えば、第1のトランスデューサ対間の第1のチャネルと第2のトランスデューサ対間の第2のチャネル)間のインピーダンスの合計である。腫瘍サイズ1804は、患者からのMRI画像に基づいて計算された腫瘍体積の推定値である。腫瘍サイズ1804の傾向線は、さまざまな時点での複数の腫瘍サイズ値を結ぶ直線によって示される(TT場治療中の異なる時点で撮影されたMRIに対応する)。インピーダンス1802の傾向線は、15日間にわたるインピーダンスのウィンドウ平均を介して取得された平均インピーダンス値を提供する。各日に表示される測定値は、当日、過去7日間、およびその後7日間のインピーダンス値の平均である。インピーダンス値が表示されていない時間は、トランスデューサが使用されなかった時間、またはログファイルへのアクセスがなかった時間に対応する。
【0087】
図17A~
図17Fに示すように、計算されたインピーダンス1802は、判定された腫瘍サイズ1804と相関する。したがって、インピーダンス測定は腫瘍の進行を追跡するために使用できる。インピーダンス値の変化を使用すると、MRIを撮影することなく、関心領域(腫瘍など)の経時的な変化を追跡できる。インピーダンスの計算と追跡は、1)次のMRIをいつ撮影するかを判定する、2)トランスデューサを配置する新しい位置の対を選択する、またはその両方に使用できる。例えば、被験者の身体内に誘導された腫瘍治療場に関連する電流および電圧測定値を受信し、被験者の身体に関連するインピーダンスを計算するために使用することができ、TT場が被験者の身体内に誘導されている間、インピーダンスは時間に関して監視されてもよく、監視されたインピーダンスのベースラインからの逸脱(例えば、インピーダンス値および/またはその変化率)を検出すると、イベントがトリガされ得る。
【0088】
本発明には、以下のような他の例示的な実施形態(「実施形態」)が含まれる。
【0089】
実施形態1:被験者の身体の腫瘍に対応する被験者の身体の関心領域に腫瘍治療場を印加する方法であって、関心領域に、被験者の身体の第1の位置対間の第1の電場と、被験者の身体の第2の位置対間の第2の電場とを交互に印加するステップと、被験者の身体の関心領域の変化を検出するステップと、第1の電場および第2の電場の印加を停止するステップと、検出された関心領域の変化に基づいて、被験者の身体の第3の位置対と、被験者の身体の第4の位置対とを選択するステップであって、第3の位置対と第4の位置対とが、第1の位置対と第2の位置対とは異なる、ステップと、被験者の身体の第3の位置対間の第3の電場と、被験者の身体の第4の位置対間の第4の電場とを関心領域に交互に印加するステップと、を含む、方法。
【0090】
実施形態1は、単独で、または相互に組み合わせて、実施形態2~7のいずれかの特徴と組み合わせることができる。実施形態2:関心領域の変化は被験者の身体の姿勢変化に基づいて判定され、被験者の身体の姿勢変化は、複数の姿勢のうちの1つから複数の姿勢のうちの別の姿勢への変化を含み、複数の姿勢は、立位、座位、横臥位のうちの少なくとも2つ、または立位、座位、および横臥位の間の1つまたは複数の姿勢を含む。実施形態3:横臥位は、被験者の仰向け、左側、右側、または胸のうちの少なくとも1つに横たわっている被験者を含む。実施形態4:関心領域の変化は被験者の身体の姿勢変化に基づいて判定され、姿勢変化は1つまたは複数のセンサによって検出される。実施形態5:姿勢変化を検出するための1つまたは複数のセンサは、第1のトランスデューサ対および第2のトランスデューサ対の外部に配置される。実施形態6:姿勢変化を検出する1つまたは複数のセンサは、第1のトランスデューサ対または第2のトランスデューサ対のうちの少なくとも1つの一部である。実施形態7:関心領域は、被験者の身体の画像データ、印加電場の電圧測定値と電流測定値、またはそれらの組み合わせによって判定される。
【0091】
実施形態8:被験者の身体の腫瘍に対応する被験者の身体の関心領域に腫瘍治療場を印加する方法であって、第1のトランスデューサ対と第2のトランスデューサ対を使用し、第1のトランスデューサ対の第1の部分の間の第1の電場と、第2のトランスデューサ対の第1の部分の間の第2の電場とを交互に関心領域に印加するステップと、被験者の身体の関心領域の変化を判定するステップと、第1の電場および第2の電場の印加を停止するステップと、関心領域の変化に基づいて、第1のトランスデューサ対の第2の部分と第2のトランスデューサ対の第2の部分とを選択するステップと、第1のトランスデューサ対の第2の部分の間に第3の電場を、第2のトランスデューサ対の第2の部分の間に第4の電場を交互に関心領域に印加するステップと、を含む、方法。
【0092】
実施形態8は、単独で、または組み合わせて、実施形態9~11のいずれかの特徴と組み合わせることができる。実施形態9:2対のトランスデューサの第1の部分が互いに重なり合わず、2対のトランスデューサの第2の部分が互いに重なり合わない。実施形態10:2対のトランスデューサの第1の部分が少なくとも部分的に互いに重なり合い、2対のトランスデューサの第2の部分が少なくとも部分的に互いに重なり合う。実施形態11:第1のトランスデューサ対の第1の部分によって画定される第1の線と、第2のトランスデューサ対の第1の部分によって画定される第2の線との間の第1の角度が、約90度±20度であり、第1のトランスデューサ対の第2の部分によって画定される第3の線と、第2のトランスデューサ対の第2の部分によって画定される第4の線との間の第2の角度が、約90度±20度である。
【0093】
実施形態12:被験者の身体の腫瘍に対応する被験者の身体の関心領域に腫瘍治療場を印加する方法であって、被験者の身体の第1の位置対に配置された第1のトランスデューサ対間に第1の電場を、被験者の身体の第2の位置対に配置された第2のトランスデューサ対間に第2の電場を、交互に誘導するステップと、被験者の身体の関心領域の変化を判定するステップと、第1および第2の電場を停止するステップと、関心領域の変化に基づいて、被験者の身体の第3の位置対と被験者の身体の第4の位置対を選択するステップであって、第3および第4の位置対は、第1および第2の位置対とは異なる、ステップと、被験者の身体の第3の位置対に配置された第1のトランスデューサ対間に第3の電場を、被験者の身体の第4の位置対に配置された第2のトランスデューサ対間に第4の電場を、交互に誘導するステップ、または被験者の身体の第3の位置対に配置された第3のトランスデューサ対間に第3の電場を、被験者の身体の第4の位置対に配置された第4のトランスデューサ対間に第4の電場を、交互に誘導するステップ、のいずれかと、を含む。
【0094】
実施形態13:関心領域の変化が、腫瘍の位置または腫瘍のサイズのうちの少なくとも1つの変化によって引き起こされる、実施形態12に記載の方法。
【0095】
実施形態14:被験者の身体の腫瘍に腫瘍治療場を印加するために、被験者の身体上のトランスデューサの位置を判定するためのコンピュータ実装方法であって、被験者の身体の複数の姿勢を判定するステップと、姿勢ごとに、腫瘍に対応する被験者の身体の対応する関心領域を判定するステップと、被験者の身体上の複数の位置対を選択するステップであって、各対の位置は、第1のトランスデューサを配置するための第1の位置と、第2のトランスデューサを配置するための第2の位置とを有する、ステップと、被験者の身体の複数の姿勢ごとに、対応する関心領域に基づいて、姿勢ごとに、推奨される位置の対を1つまたは複数選択し、出力するステップと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0096】
実施形態15:複数の電極要素を用いて被験者の身体の腫瘍に腫瘍治療場を印加する方法であって、被験者の身体の複数の姿勢を判定するステップと、各姿勢について、各電極要素アレイが1つまたは複数の電極要素を含む、複数の対の電極要素アレイを選択するステップと、各姿勢について、その姿勢に対応する電極要素アレイの対のそれぞれの間に電場を誘導するステップであって、誘導された電場が腫瘍を通過する、ステップと、各姿勢について、電極要素アレイの各対の間の各誘導された電場の電圧測定値および電流測定値を取得するステップと、各姿勢について、電極要素アレイの各対の間の各誘導された電場の電圧測定値および電流測定値に基づいて、磁場密度または抵抗率を計算するステップと、計算された電場密度または計算された抵抗率に基づいて、姿勢ごとに、電極要素のアレイの推奨対を1つまたは複数選択し、出力するステップと、を含む、方法。
【0097】
実施形態16:腫瘍治療場を被験者の身体に印加するシステムであって、被験者の身体の複数の位置対に配置されるように適合された複数のトランスデューサであって、各位置対が、被験者の身体に第1のトランスデューサを配置するための第1の位置と、被験者の身体に第2のトランスデューサを配置するための第2の位置とを有する、複数のトランスデューサと、少なくとも2つのトランスデューサに結合され、結合されたトランスデューサを使用して被験者の身体内の腫瘍を治療するために電場を誘導することができる電圧発生器と、被験者の身体の姿勢情報を検出するように適合された1つまたは複数のセンサと、電圧発生器および1つまたは複数のセンサに結合されたコントローラと、を備え、コントローラは、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、メモリは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、コントローラに、1つまたは複数のセンサからの姿勢情報に基づいて、複数の姿勢の中から姿勢を判定し、判定された姿勢に基づいて、複数の位置対の中から位置の対を選択し、被験者の身体内の腫瘍を治療するために、選択された位置の対の第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に電場を誘導する電圧を生成するように電圧発生器に指示する、ことを実行させる命令を含む、システム。
【0098】
実施形態17:腫瘍治療場を印加するために被験者の身体上のトランスデューサの位置を判定するための装置であって、1つまたは複数のセンサと、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリと、を備え、メモリは命令を記憶し、命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、装置に、被験者の身体上の複数の位置対に対応する位置情報を受信するステップであって、各位置対が、第1のトランスデューサを位置特定するための1つの第1の位置と、第2のトランスデューサを位置特定するための1つの第2の位置とを有する、ステップと、被験者の身体の複数の姿勢のそれぞれに対応する姿勢情報を1つまたは複数のセンサから受信するステップと、各姿勢について、対応する位置対のそれぞれの位置情報の腫瘍治療場情報を受信するステップと、腫瘍治療場情報に基づいて、姿勢ごとに1つまたは複数の推奨される位置対を選択して出力するステップと、を実行させる、装置。
【0099】
実施形態18:腫瘍治療場が被験者の身体内に誘導されている間または誘導された後に、被験者の身体の変化を検出し、それに応答するためのコンピュータ実装方法であって、時間に関する少なくとも1つの測定基準の初期データセットを受信するステップであって、少なくとも1つの測定基準は、被験者の身体内に誘導された1つまたは複数の腫瘍治療場に関連する、または1つまたは複数の腫瘍治療場が被験者の身体内に誘導されている間に被験者の身体に関連した測定値を含む、ステップと、訓練期間中に収集された少なくとも1つの測定基準を示す初期データセットに基づいて、時間に関する少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンを判定するステップと、訓練期間後の時間に関して少なくとも1つの測定基準を監視するステップと、監視されている少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンからの逸脱の検出に応答してイベントをトリガするステップと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0100】
実施形態18は、単独で、または互いに組み合わせて、実施形態19~28のいずれかの特徴と組み合わせることができる。実施形態19:初期データセットには、訓練期間を通じて一定の間隔で測定された少なくとも1つの測定基準が含まれる。実施形態20:ベースラインパターンを判定するステップは、主成分分析を使用して時間に関して少なくとも1つの測定基準の初期データセットを分解するステップを含み、ベースラインパターンは、主成分分析から得られる固有ベクトルの第1のセットと固有値の第1のセットを含む。実施形態21:時間に関して少なくとも1つの測定基準を監視するステップは、時間に関して少なくとも1つの測定基準の第2のデータセットを収集するステップと、第2のデータセットを初期データセットの主成分分析分解と比較するステップと、を含む。実施形態22:主成分分析を使用して第2のデータセットを分解し、第2の固有ベクトルセットおよび第2の固有値セットを生成し、固有ベクトルの第1のセットの固有ベクトルとは異なる固有ベクトルに加えて、固有ベクトルの第2のセット内で新しい固有ベクトルの検出に応答してイベントをトリガする。実施形態23:第2のデータセットを、固有ベクトルの第1のセットに対応する固有値の第2のセットに分解し、固有値の第1のセットに基づいて閾値と交差する固有値の第2のセットの固有値の検出に応答してイベントをトリガする。実施形態24:第2のデータセットを含む、少なくとも1つの測定基準の複数のデータセットを経時的に収集し、複数のデータセットのそれぞれを、固有ベクトルの第1セットに対応する別の固有値セットに分解し、時間の経過に伴う固有ベクトルの第1のセットの同じ固有ベクトルに対応する固有値の傾向の検出に応答してイベントをトリガする。実施形態25:腫瘍治療場が被験者の身体内に誘導されている間に、時間に関して少なくとも1つの測定基準を監視するステップが実行される。実施形態26:初期データセットを受信するステップは、被験者の身体内に誘導された1つまたは複数の腫瘍治療場に関連する電流および電圧測定値を受信するステップを含み、ベースラインパターンを判定するステップは、受信した電流および電圧測定値に基づいて、初期データセット内の少なくとも1つの測定基準の値を計算するステップを含み、少なくとも1つの測定基準は、被験者の身体の経路に沿った抵抗率、または被験者の身体を通る2つの経路間の抵抗率の差を含む。実施形態27:電流および電圧測定値は、電流および電圧測定値を判定できるデバイスに通信可能に接続されたコンピュータのログファイルに記録される。実施形態28:1つまたは複数の腫瘍治療場は、第1のトランスデューサの少なくとも一部と第2のトランスデューサの少なくとも一部との間に誘導される。
【0101】
実施形態29:腫瘍治療場が被験者の身体内に誘導されている間または誘導された後に、被験者の身体の変化を検出するためのコンピュータ実装方法であって、時間に関する少なくとも1つの測定基準の初期データセットを受信するステップであって、少なくとも1つの測定基準は、被験者の身体内に誘導された1つまたは複数の腫瘍治療場に関連する、または1つまたは複数の腫瘍治療場が被験者の身体内に誘導されている間に被験者の身体に関連した測定値を含む、ステップと、訓練期間中に収集された少なくとも1つの測定基準を示す初期データセットに基づいて、時間に関する少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンを判定するステップと、訓練期間後の時間に関して少なくとも1つの測定基準を監視するステップと、監視されている少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンからの逸脱の検出に応答して警報を出力するステップと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0102】
実施形態30:腫瘍治療場が被験者の身体内に誘導されている間または誘導された後に、被験者の身体の変化を検出するためのシステムを較正するコンピュータ実装方法であって、被験者の身体内に誘導された1つまたは複数の腫瘍治療場に関連する、または1つまたは複数の腫瘍治療場が被験者の身体内に誘導されている間に被験者の身体に関連した1つまたは複数の測定値を受信するステップと、訓練期間中に受信した1つまたは複数の測定値に基づいて、時間に関する少なくとも1つの測定基準の初期データセットを判定するステップと、時間に関して少なくとも1つの測定基準の初期データセットに対して主成分分析を実行して、固有ベクトルの第1セットおよび固有値の第1セットを生成するステップと、時間に関する少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンを判定するステップであって、ベースラインパターンは、固有ベクトルの第1のセットおよび固有値の第1のセットの少なくとも一部を含む、ステップと、ベースラインパターンをメモリに保存するステップと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0103】
実施形態30は、単独で、または互いに組み合わせて、実施形態31~36のいずれかの特徴と組み合わせることができる。実施形態31:被験者の身体上の第1のトランスデューサを配置するための第1の位置と、被験者の身体上の第2のトランスデューサを配置するための第2の位置とをユーザインターフェースに出力し、受信された1つまたは複数の測定値は、被験者の身体の第1の位置に配置された第1のトランスデューサの少なくとも一部と、被験者の身体の第2の位置に配置された第2のトランスデューサの少なくとも一部との間に誘導される腫瘍治療場に関連する。実施形態32:被験者の身体上の第1のトランスデューサの実際の位置と、被験者の身体上の第2のトランスデューサの実際の位置に対応する入力を受信し、第1のトランスデューサの実際の位置を第1の位置と比較し、第2のトランスデューサの実際の位置を第2の位置を比較する。実施形態33:第1のトランスデューサの実際の位置と第1の位置との間の位置決めの差、または第2のトランスデューサの実際の位置と第2の位置との間の位置決めの差のうちの少なくとも1つを修正するために1つまたは複数の測定値を調整する。実施形態34:実際の第1の位置または実際の第2の位置のうち少なくとも1つは、被験者の身体上の第1の位置または第2の位置に対応しないとの判定に応答して、第1のトランスデューサまたは第2のトランスデューサのうちの少なくとも1つの位置決めを修正するための命令をユーザインターフェースに出力する。実施形態35:被験者の身体内に誘導された1つまたは複数の腫瘍治療場に関連する1つまたは複数の測定値を受信するステップは、被験者の身体の第1の位置と第2の位置に配置された第1のトランスデューサ対間に誘導された第1の電場に関連する1つまたは複数の測定値を受信するステップと、被験者の身体の第3の位置と第4の位置に配置された第2のトランスデューサ対間に誘導された第2の電場に関連する1つまたは複数の測定値を受信するステップと、を含む。実施形態36:ベースラインパターンには、固有ベクトルの第1のセットのサブセットと、固有値の第1のセットの対応するサブセットとが含まれる。
【0104】
実施形態37:腫瘍治療場が被験者の身体内に誘導されている間または誘導された後に、被験者の身体の変化を検出するためのコンピュータ実装方法であって、被験者の身体内に誘導された第1の電場に関連する電流および電圧測定値を受信するステップであって、第1の電場は被験者の身体内の腫瘍を通過する、ステップと、被験者の身体内に誘導された第2の電場に関連する電流と電圧の測定値を受信し、第2の電場は被験者の身体内の腫瘍を通過する、ステップと、第1および第2の電場に関連する受信した電流および電圧測定値に基づいて微分抵抗率を計算するステップであって、微分抵抗率は、第1の電場の経路に沿った被験者の身体の第1の抵抗率と、第2の電場の経路に沿った被験者の身体の第2の抵抗率との差を含む、ステップと、少なくとも微分抵抗率を含む、時間に関する少なくとも1つの測定基準の初期データセットを判定するステップであって、初期データセットは、訓練期間中に収集された測定値に基づいて判定される、ステップと、初期データセットに基づいて、時間に関する少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンを判定するステップと、訓練期間後に収集された測定値に基づいて、時間に関する少なくとも1つの測定基準の1つまたは複数の追加データセットを判定するステップと、1つまたは複数の追加データセット内の少なくとも1つの測定基準のベースラインパターンからの逸脱の検出に応答して警報を出力するステップと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0105】
実施形態38:被験者の身体の腫瘍に対応する被験者の身体の関心領域に腫瘍治療場を印加する方法であって、複数の電極を有する第1のトランスデューサ対と、複数の電極を有する第2のトランスデューサ対を使用し、方法は、第1のトランスデューサ対の第1の電極セット間の第1の電場と、第2のトランスデューサ対の第1の電極セット間の第2の電場を関心領域に交互に印加するステップと、被験者の身体の関心領域の変化を判定するステップと、第1の電場および第2の電場の印加を停止するステップと、関心領域の変化に基づいて、第1のトランスデューサ対の第2の電極セットと第2のトランスデューサ対の第2の電極セットを選択するステップと、第1のトランスデューサ対の第2の電極セット間に第3の電場を、第2のトランスデューサ対の第2の電極セット間に第4の電場を交互に関心領域に印加するステップと、を含む、方法。
【0106】
実施形態38は、単独で、または互いに組み合わせて、実施形態39~49のいずれかの特徴と組み合わせることができる。実施形態39:第1の電極は、第1のトランスデューサ対の第1の電極セットと第2の電極セットの両方にあり、第1の電極は、第1の電場中および第3の電場中にエネルギーを放出し、第1の電場中に第1の電極によって放出されるエネルギーは、第3の電場中に第1の電極によって放出されるエネルギーとは異なる。実施形態40:第1の電場中に第1の電極によって放出されるエネルギーは、第3の電場中に第1の電極によって放出されるエネルギーのパーセンテージであり、パーセンテージは0%より大きく100%未満であり、または、第3の電場中に第1の電極によって放出されるエネルギーは、第1の電場中に第1の電極によって放出されるエネルギーのパーセンテージであり、パーセンテージは0%より大きく100%未満である。実施形態41:第1の電極は、第1の電場中に第1の静電容量を有し、第3の電場中に第1の静電容量とは異なる第2の静電容量を有する。実施形態42:第1の電極は、第1および第3の電場中に同じ電圧信号を受信するが、第1および第3の電場の中に異なる静電容量を有する。実施形態43:第1の電極は、第1および第3の電場に対して異なる電圧を受け取る。実施形態44:第1の電極は、第1の電場中に第1の非ゼロ電圧を受け取り、第3の電場中に第1の非ゼロ電圧とは異なる第2の非ゼロ電圧を受け取る。実施形態45:第1の電極は、第1および第3の電場中は同じ振幅の電圧を受け取るが、第1および第3の電場の期間の異なる時間セグメント中に受け取る。実施形態46:第1の電極は、第1の電場の期間の第1の部分中、および第3の電場の期間の第1の部分中にエネルギーを放出し、第1の電場の期間の第1の部分中に放出されるエネルギーは、第3の電場の期間の第1の部分中に放出されるエネルギーとは異なる。実施形態47:第1の電極は、第1のトランスデューサ対の第1および第2の電極セットの他の電極から個別に制御可能である。実施形態48:第1の対と第2のトランスデューサ対の電極は個別にアドレス指定可能であり、第1のトランスデューサ対の少なくとも1つの個別にアドレス指定可能な電極が、第1および第3の電場中に異なる非ゼロエネルギーを放出し、第2の対の少なくとも1つの個別にアドレス指定可能な電極が、第2および第4の電場中に異なる非ゼロエネルギーを放出する。実施形態49:第1のトランスデューサ対の少なくとも1つの電極が、第1および第3の電場中に異なる量の非ゼロエネルギーを放出し、第2のトランスデューサ対の少なくとも1つの電極が、第2および第4の電場中に異なる量の非ゼロエネルギーを放出する。
【0107】
実施形態50:腫瘍治療場が被験者の身体内に誘導されている間または誘導された後に、被験者の身体の変化を検出して応答するためのコンピュータ実装方法であって、被験者の身体内に誘導された腫瘍治療場に関連する電流と電圧の測定値を受信するステップと、電流と電圧の測定値に基づいて被験者の身体に関連するインピーダンスを計算するステップと、腫瘍治療場が被験者の身体内に誘導されている間、時間に対するインピーダンスを監視するステップと、監視されたインピーダンスのベースラインからの逸脱の検出に応じてイベントをトリガするステップと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0108】
本開示の任意の見出しまたは任意の部分で示される実施形態は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、同じまたは他の見出しまたは本開示の他の部分で示される実施形態と組み合わせることができる。
【0109】
特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対する多くの修正、変更、および変更が可能である。本発明は、記載された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の文言によって定義される全範囲およびその均等物を有することが意図されている。
【符号の説明】
【0110】
100、200、300、400、1200、1300、1500、1600、1700 方法
204 画像データ
206 姿勢情報
208 バイタルサイン
210 電場測定値
218 生理学的変化
220 姿勢変化
222 バイタルサイン変化
224 電流/電圧変化
501 第1の位置
502 第2の位置
503 第3の位置
504 第4の位置
505 第5の位置
506 第6の位置
507 第7の位置
508 第8の位置
601 第1のトランスデューサ
602 第2のトランスデューサ
603 第3のトランスデューサ
604 第4のトランスデューサ
609 トランスデューサアレイ
804 第1の電極要素のセット
805、806、807、808、807、808、810、811 電極要素
809 第2のセット
901、1008 コントローラ
906、909 電極
910、911 電極要素
912、1001、1002 トランスデューサ
1004、1006 基板
1007 AC電圧発生器
1009、1010 導電性配線
1013、1102 プロセッサ
1014、1103 メモリ
1016 センサ
1100 装置
1101 入力
1105 出力デバイス
1400、1800 プロット
1402 ベースラインパターン
1404 測定基準
1406 時間
1802 インピーダンス
1804 腫瘍サイズ
【国際調査報告】