(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】離散カーボンナノチューブを含む付加的製造用分散体および製造技術
(51)【国際特許分類】
C08J 3/28 20060101AFI20240319BHJP
B29C 64/209 20170101ALI20240319BHJP
B33Y 70/00 20200101ALI20240319BHJP
B29C 64/264 20170101ALI20240319BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240319BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240319BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240319BHJP
B29C 64/295 20170101ALI20240319BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20240319BHJP
C08K 9/04 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
C08J3/28 CEQ
C08J3/28 CES
C08J3/28 CEY
B29C64/209
B33Y70/00
B29C64/264
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y80/00
B29C64/295
C08L101/00
C08K9/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559021
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 US2022021778
(87)【国際公開番号】W WO2022204423
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523365284
【氏名又は名称】メクナノ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(74)【代理人】
【識別番号】100220423
【氏名又は名称】榊間 城作
(72)【発明者】
【氏名】ボスンヴァク,クライヴ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】スウォッガー,カート ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ロウダー,スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】イワノワ,オルガ
【テーマコード(参考)】
4F070
4F213
4J002
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本発明は、分散剤が酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォールに結合された、酸化離散カーボンナノチューブを備えた付加的製造複合体ブレンドを製造するための付加的製造組成物および方法を対象とする。そのような組成物は、特に、放射線硬化、焼結、または溶融溶解される場合に役立つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を使用して付加的製造分散体の硬化を改変する方法であって、
付加的製造分散体を調製し、前記分散体が架橋性部分の少なくとも一部、および酸化離散カーボンナノチューブを含み、前記酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォール上に分散剤が結合され、前記酸化離散カーボンナノチューブが前記分散体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の範囲で存在し、前記分散体中に存在する複数のカーボンナノチューブは離散的であること、ならびに前記分散体を、マイクロ波を含む電磁放射線で放射することを含む、方法。
【請求項2】
付加的製造分散体の硬化を改変する方法であって、
付加的製造分散体を調製し、前記分散体が架橋性アクリレート部分の少なくとも一部、および酸化離散カーボンナノチューブを含み、前記酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォール上に分散剤が結合され、前記離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された前記分散剤が、エーテルの群から選択される分子単位を含むこと、ならびに前記分散体を、マイクロ波を含む電磁放射線に暴露することを含む、方法。
【請求項3】
付加的製造分散体の硬化を加速する方法であって、
付加的製造分散体を調製し、前記分散体が熱可塑性部分の少なくとも一部、および離散カーボンナノチューブを含み、前記離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォール上に分散剤が結合され、前記離散カーボンナノチューブが前記分散体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の量で存在すること、ならびに前記分散体を、マイクロ波を含む電磁放射線で放射することを含む、方法。
【請求項4】
前記分散体がエポキシを含む、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項5】
前記分散体がコーティングを含む、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項6】
前記分散体がペイントを含む、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項7】
放射線が製造グリーン物に適用される、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項8】
付加的製造分散体の硬化を加速する方法であって、
分散体を形成し、前記分散体が熱可塑性部分の少なくとも一部、および離散カーボンナノチューブを含み、前記離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォール上に分散剤が結合され、前記離散カーボンナノチューブが前記分散体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の量で存在すること、ならびに前記分散体を、マイクロ波で放射することを含む、方法。
【請求項9】
フィラメント受入凹部およびプリント先端を含み、前記フィラメント受入凹部と前記プリント先端との間でフィラメント案内経路が形成されるプリントヘッド、
波入口ポートおよび波出口ポートを含む波ガイドであり、前記波入口ポートは、マイクロ波源からマイクロ波を受けるように構成され、前記波出口ポートは、前記フィラメント案内経路に近接し、前記案内経路にマイクロ波放射線を向けるように構成される波ガイド、
を含むプリントヘッドユニット。
【請求項10】
前記放射線が前記フィラメント受入凹部に向けられ、前記フィラメント案内経路中のフィラメントを加熱するように構成される、請求項9に記載のプリントヘッド。
【請求項11】
マイクロ波を放射するように構成されたマグネトロン;
携帯型の器具に前記マグネトロンをつなぐ導波管を備え、
前記携帯型器具が前記分散体に前記マイクロ波を選択的に向けるように構成される、分散体硬化器具。
【請求項12】
架橋性アクリレート部分の少なくとも一部、および酸化離散カーボンナノチューブを含み、前記酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォール上に分散剤が結合され、前記離散カーボンナノチューブの前記サイドウォール上に結合された分散剤が、分散体層に堆積されたエーテルの群から選択される分子単位を含む分散体、
前記分散体層に近接して配置された放射線源、ならびに
前記放射線源と前記分散体層との間に選択的に配置された少なくとも1つの選択的に変調可能な放射線シールドであり、前記少なくとも1つの放射線シールドは、前記分散体層の第1の部分を覆うように構成され、炉は、前記放射線への前記分散体層の暴露を選択的に覆って付加的に物品を製造するように構成される放射線シールドを含む、分散体硬化炉。
【請求項13】
架橋性部分の少なくとも一部、およびハロイサイトナノチューブを含み、前記架橋性部分の少なくとも一部と架橋することができるハロイサイトサイドウォールに分子部分が結合され、前記複合体中に存在する複数のハロイサイトナノチューブが離散的であり、前記複合体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の範囲で存在する、複合体。
【請求項14】
前記ハロイサイトナノチューブに結合された前記分子部分が、約50~約20,000ダルトンの範囲の平均分子量を含み、前記ハロイサイトナノチューブに対する前記ハロイサイトナノチューブに結合された分子部分の重量割合が、約0.02を超え約0.8未満である、請求項13に記載の複合体。
【請求項15】
エラストマーをさらに含み、前記エラストマーが、約5nmを超え約1マイクロメートル未満の少なくとも1のスケールの寸法を有し、前記複合体中の前記エラストマーの重量割合が約0.005を超え0.3未満である、請求項13に記載の複合体。
【請求項16】
カーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン、酸化グラフェン、還元グラフェン、炭素繊維、シリカ、ケイ酸塩、粘土、炭酸カルシウム、珪灰石、ガラス、難燃剤、および滑石からなる群から選択される前記分散体の約0.1重量%~約30重量%の%重量で充填剤をさらに含む、請求項13に記載の複合体。
【請求項17】
アニオン、カチオン、非イオンおよび両性イオンの界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールおよびポリビニル酢酸の共重合体、ポリビニルピロリドンおよびそれらの共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエーテルイミン、ポリエーテル、澱粉、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、前記ハロイサイトの前記サイドウォールに結合された少なくとも1つのさらなる分散剤をさらに含む、請求項13に記載の複合体。
【請求項18】
限定されないが、金属および金属合金、窒化ボロン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、グラファイト、ならびにグラフェンなどの熱伝導材料の群から選択される充填剤をさらに含む、請求項13に記載の複合体。
【請求項19】
熱可塑性物質の少なくとも一部、およびハロイサイトナノチューブを含み、熱可塑性物質の少なくとも一部と混和性のハロイサイトサイドウォールに分子部分が結合され、前記複合体中に存在する前記複数のハロイサイトナノチューブが離散的であり、前記複合体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の範囲で存在する、複合体。
【請求項20】
前記ハロイサイトナノチューブに結合された前記分子部分が、約50~約20,000ダルトンの範囲の平均分子量を含み、前記ハロイサイトナノチューブに対して前記ハロイサイトナノチューブに結合された前記分子部分の重量割合が、約0.02を超え約0.8未満である、請求項19に記載の複合体。
【請求項21】
エラストマーをさらに含み、前記エラストマーが、約5nmを超え約1マイクロメートル未満の少なくとも1のスケールの寸法を有し、前記複合体中の前記エラストマーの重量割合が約0.005を超え0.3未満である、請求項19に記載の複合体。
【請求項22】
カーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン、酸化グラフェン、還元グラフェン、炭素繊維、シリカ、ケイ酸塩、粘土、炭酸カルシウム、珪灰石、ガラス、難燃剤、および滑石からなる群から選択される前記分散体の約0.1重量%~約30重量%の%重量で充填剤をさらに含む、請求項19に記載の複合体。
【請求項23】
アニオン、カチオン、非イオンおよび両性イオンの界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールおよびポリビニル酢酸の共重合体、ポリビニルピロリドンおよびそれらの共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエーテルイミン、ポリエーテル、澱粉、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、前記ハロイサイトの前記サイドウォールに結合された少なくとも1つのさらなる分散剤をさらに含む、請求項19に記載の複合体。
【請求項24】
限定されないが、金属および金属合金、窒化ボロン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、グラファイト、ならびにグラフェンなどの熱伝導材料の群から選択される充填剤をさらに含む、請求項19に記載の複合体。
【請求項25】
約1nm~約100nmの直径を備えた繊維を含み、前記繊維は、結合されたナノスケール磁性または常磁性粒子を有し、前記複合体の付加的製造中に磁界を使用して、前記繊維を整列することができる、請求項13に記載の複合体。
【請求項26】
前記結合されたナノスケール粒子が前記繊維に対して約0.1~約0.8の重量割合で存在する、請求項25に記載の複合体。
【請求項27】
約1nm~約100nmの直径を備えた前記繊維が、カーボンナノファイバー、ハロイサイト、窒化ボロン、シリコン、タングステンスルフィド、チタン、ホウ素炭素窒素、およびセルロースの群から選択される、請求項25に記載の複合体。
【請求項28】
セラミック、サーメット、熱可塑性および熱硬化性粒子の群から選択される粒子をさらに含む、請求項19に記載の複合体。
【請求項29】
細菌、ウィルス、菌類、および生物学的作用物質と相互作用することができる種からなる群から選択される生物学的反応種をさらに含む、請求項25に記載の複合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散剤が酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォールに結合された、酸化離散カーボンナノチューブを備えた付加的製造複合体ブレンドを製造するための付加的製造組成物および方法を対象とする。そのような組成物は、特に、放射線硬化、焼結、または溶融溶解される場合に役立つ。
【背景技術】
【0002】
付加的製造(AM)は、材料の層を次々と互いに重ね合わせることにより3D物体を形成する技術を説明する適切な名前であり、材料は、一般に架橋性モノマーまたはオリゴマー、ポリマー、金属、セラミック、サーメット、および生体適合性材料である。コンピュータ、3Dモデリングソフトウェア(コンピュータ支援設すなわちCAD)、機械装置、および層化材料の使用は、AM技術に共通である。一旦CADスケッチが製造されれば、AM機器は、CADファイルからデータを読み込み、液体、粉体、テープなどのシート材料等の連続層を敷設、または次々と互いに重ね合わせて、3D物体を作製する。用語のAMは、3D印刷、ラピッドプロトタイピング(RP)、ダイレクトディジタル製造(DDM)、積層製造、および付加的作製のような部分集合を含む多くの技術を包含する。
【0003】
伝統的に、AMは、ポリマー材料を製造し扱う容易さにより、印刷用ポリマーに注目した。しかし、方法は、急速に発展して、様々なポリマーだけでなく金属およびセラミックを印刷して、AMを製造のために用途の広い選択肢にする。三次元の物理モデルの層ごとの作製は現代の概念であり、材料の層がプリンターおよび材料特性によって制御される。三次元の材料層は、プリンター操作者によって設定され、コンピュータファイルに格納されるような堆積速度によって制御される。
【0004】
カーボンナノチューブは、チューブ内の壁の数、単一壁、二重壁、および多重壁によって分類することができる。カーボンナノチューブのそれぞれの壁は、キラルまたは非キラル形態にさらに分類することができる。カーボンナノチューブの炭素原子のうちのいくつかは、窒素原子によって置換されてもよい。カーボンナノチューブは、商業上の使用が非常に制限された凝集したカーボンナノチューブのボールまたは束として現在製造されている。ポリマー複合材料における補強剤としてのカーボンナノチューブの使用は、カーボンナノチューブが著しい有用性を有することが予測される分野である。しかし、これらの用途でのカーボンナノチューブの利用は、個別化されたカーボンナノチューブを確実に生成することが一般にできないために妨げられている。ポリマー中の複合体としてカーボンナノチューブの性能向上の最大可能性に達するために、アスペクト比は、長さ対直径比であり、10を超えるものであるべきである。所与のチューブ長さについての最大アスペクト比は、各チューブが、それぞれ別のものから完全に分離する場合に到達していると取られる。カーボンナノチューブの束は、例えば、束の平均長さを束の直径で除算した複合体において効果的なアスペクト比を有する。
【0005】
様々な方法は、溶液中でカーボンナノチューブを解除または解くために開発されている。例えば、カーボンナノチューブは、積極的酸化手段によって広範囲に短くされ、次いで、希薄溶液中で個々のナノチューブとして分散されてもよい。これらのチューブは、高強度複合材料に適していない低いアスペクト比を有する。カーボンナノチューブも、界面活性剤が存在する状態で超音波処理によって個体として非常に希釈な溶液中に分散していてもよい。水溶液中にカーボンナノチューブを分散させるために使用される実例となる界面活性剤は、例えば、硫酸ドデシルナトリウム、またはセチルトリメチルアンモニウムブロマイドを含む。場合によっては、個別的に取り扱われたカーボンナノチューブの溶液は、ポリマー被覆カーボンナノチューブから調製されてもよい。個別的に取り扱われた単一壁カーボンナノチューブ溶液も、多糖、ポリペプチド、水溶性ポリマー、核酸、DNA、ポリヌクレオチド、ポリイミド、およびポリビニルピロリドンを使用して、非常に希薄な溶液中で調製されているが、これらの希薄溶液は、付加的製造に適さない。
【0006】
多くの材料(樹脂、プラスチック粉体、プラスチックフィラメント、およびホットメルトプラスチックインク)は、AMにおいて使用されている;しかし、耐熱変形性、剛性、衝撃強度、および硬化中の変形などのAM材料特性として多くの制限が残っている。ベース樹脂配合物に望ましくなくさらなる硬化時間をもたらさない充填剤の必要性が存在し続けている。向上させられた機械的、熱的、電気的、磁性、および化学的特性を備えた部品を製造し、高エネルギー吸収および反応性、低粘度、例外的な安定性、および高いグリーン強度などの厳密なバット光重合樹脂の必要条件を満足する、放射線硬化性樹脂の必要性もある。特に、前述のエネルギーおよび硬化の必要条件のために導電性カーボンブラックで少なくとも100億オーム/スクエアの抵抗性に達する試みがなされている。硬化変形を低減する硬化技術を変化した材料の必要性がある。最後に、AM物品のための硬化時間を低減する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、新規の組成物、ならびに付加的製造分散体およびその部品を製造するための方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、付加的製造分散体を含み、分散体が架橋性部分の少なくとも一部、および酸化離散カーボンナノチューブを含み、酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォール上に分散剤が結合され、酸化離散カーボンナノチューブが分散体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の範囲で存在し、分散体中に存在する複数のカーボンナノチューブは離散的である。
【0009】
好ましくは、酸化離散カーボンナノチューブは、内表面および外表面を含み、各表面は、内表面酸化種含有量および外表面酸化種含有量を含み、内表面酸化種含有量は、外表面酸化種含有量と少なくとも約20%、高くとも100%異なる。
【0010】
酸化離散カーボンナノチューブは、酸化離散カーボンナノチューブの混合物を含むことができ、酸化離散単一壁、酸化離散二重壁、酸化離散多重壁カーボンナノチューブの組み合わせから形成された酸化離散カーボンナノチューブの二峰性または三峰性分布を備える。
【0011】
酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、好ましくは共有結合している。
【0012】
酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、好ましくは約50~約20,000ダルトンの範囲の平均分子量を含み、酸化離散カーボンナノチューブに対する離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤の重量割合は約0.02を超え約0.8未満である。
【0013】
酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、結合された分散剤に接する材料と混和性であることが好ましい。
【0014】
本発明の第2の実施形態は、付加的製造分散体であり、分散体が架橋性アクリレート部分の少なくとも一部、および酸化離散カーボンナノチューブを含み、酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォール上に分散剤が結合され、離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤が、エーテルの群から選択される分子単位を含む。
【0015】
第2の実施形態の分子単位は、エチレンオキシドを含むことが好ましい。
【0016】
第1または第2の実施形態は、好ましくは分散体の約0.1重量%~約30重量%の%重量で充填剤をさらに含むことができ、充填剤は、カーボンブラック、グラフェン、酸化グラフェン、還元グラフェン、炭素繊維、シリカ、ケイ酸塩、ハロイサイト、粘土、炭酸カルシウム、珪灰石、ガラス、難燃剤、および滑石からなる群から選択される。
【0017】
第1または第2の実施形態は、熱可塑性物質、熱硬化性物質、およびエラストマーからなる群の1つをさらに含み得る。
【0018】
第1または第2実施形態は、コアシェルエラストマーをさらに含むことができ、エラストマーは、約0.01~約1マイクロメートルの直径を有する粒子を含むことが好ましい。
【0019】
第1または第2実施形態は、半導体粉体、金属粉体、またはセラミック粉体をさらに含むことができ、粉体は、約1nm~約20マイクロメートルの粒子径を有する。
【0020】
第1または第2の実施形態は、アニオン、カチオン、非イオンおよび両性イオンの界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールおよびポリビニル酢酸の共重合体、ポリビニルピロリドンおよびそれらの共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエーテルイミン、ポリエーテル、澱粉、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォールに結合された少なくとも1つのさらなる分散剤をさらに含み得る。
【0021】
第1または第2の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブが、窒素原子の約0.1重量%~約20重量%を含む。
【0022】
本発明の第3の実施形態は、付加的製造分散体であり、分散体が熱可塑性部分の少なくとも一部、および離散カーボンナノチューブを含み、離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォール上に分散剤が結合され、離散カーボンナノチューブが分散体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の量で存在する。
【0023】
第3の実施形態は、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤を含むことができ、灰分が約5重量%未満の窒素中で約500℃未満で少なくとも部分的に熱分解する。
【0024】
第3の実施形態は、複数の離散カーボンナノチューブを含み得る。
【0025】
3つの実施形態のうちのいずれかは、約100億オーム/スクエア未満の電気抵抗を有する、付加的製造によって作製された部品を含み得る。
【0026】
3つの実施形態のうちのいずれかは、2.5×l0-5g/mlの分散体中の酸化離散カーボンナノチューブの濃度について約0.5単位の吸光度を超える500nmでのUV可視吸収を有する分散体を含み得る。
【0027】
3つの実施形態のうちのいずれかは、限定されないが、金属および金属合金、窒化ボロン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、グラファイト、ならびにグラフェンなどの熱伝導材料の群から選択される充填剤をさらに含み得る。
【0028】
3つの実施形態のうちのいずれかは、細菌、ウィルス、菌類、および生物学的作用物質と相互作用することができる種からなる群から選択される生物学的反応種をさらに含み得る。
【0029】
酸化カーボンナノチューブは、限定されないが、濃硝酸、過酸化物および過硫酸塩などの酸化媒体に暴露されたカーボンナノチューブであり、それはカルボン酸、水酸基、ケトンおよびラクトンなどの化学単位を導入する。酸化離散カーボンナノチューブは、酸化離散単一壁、酸化離散二重壁、または酸化離散多重壁カーボンナノチューブからなる群から選択される。
【0030】
酸化離散カーボンナノチューブは、また、内表面および外表面を含むことができ、各表面は、内表面酸化種含有量(内部酸素種が外部酸素種と異なり得るので種含有量を含む内部酸素とも称する)および外表面酸化種含有量(内部酸素種が外部酸素種と異なり得るので種含有量を含む外部酸素とも称する)を含み、内表面酸化種含有量は、外表面酸化種含有量と少なくとも約20%、高くとも100%異なり、好ましくは、内表面酸化種含有量は外表面酸化種含有量未満である。内表面酸化種含有量は、カーボンナノチューブ重量に対して3重量パーセント以下、好ましくはカーボンナノチューブ重量に対して約0.01~約3重量パーセント、より好ましくは約0.01~約2、最も好ましくは約0.01~約1とすることができる。特に好ましい内表面酸化種含有量は、カーボンナノチューブ重量に対して0~約0.01重量パーセントである。外表面酸化種含有量は、カーボンナノチューブ重量に対して約0.1~約65重量パーセント、好ましくはカーボンナノチューブ重量に対して約1~約40、より好ましくは約1~約20重量パーセントとすることができる。これは、複数のナノチューブの全重量に対する所与の複数のナノチューブについての外部酸化種含有量の比較により決定される。
【0031】
酸化離散カーボンナノチューブは、酸化離散カーボンナノチューブの混合物をさらに含むことができ、酸化離散カーボンナノチューブの二峰性または三峰性分布は、酸化離散単一壁、酸化離散二重壁、酸化離散多重壁カーボンナノチューブの組み合わせから形成される。好ましくは、酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、酸化離散多重壁カーボンナノチューブの大部分、より好ましくは酸化離散二重壁カーボンナノチューブの大部分、さらにより好ましくは酸化離散単一壁カーボンナノチューブの大部分を含む。大部分は、分散体中に存在する全体のカーボンナノチューブの50重量%を超える意味である。
【0032】
本発明の他の実施形態の付加的製造分散体では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、水素結合、好ましくはイオン結合、より好ましくは共有結合している。
【0033】
他の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブは、約50~約20,000ダルトンの範囲の分子量からなる酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤をさらに有する。結合された分散剤の分子量範囲は、好ましくは約60~約5000ダルトン、より好ましくは約70~約1000ダルトンである。酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、炭素-炭素結合、炭素-窒素結合、炭素-酸素結合、炭素-硫黄結合およびシリコン-酸素結合の群から選択される化学単位からなる。架橋性マトリックスの存在下で、結合された分散剤の化学単位は、マトリックスに架橋されることができることが好ましい。
【0034】
酸化離散カーボンナノチューブに対する離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤の重量割合は、約0.02を超え約0.8未満である。好ましくは、結合された分散剤の重量割合は約0.03~約0.6であり、より好ましくは約0.05~約0.5、最も好ましくは約0.06~約0.4である。
【0035】
酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、それが分散剤に接する材料との良好な相溶性を有するように選択される。本明細書で良好な相溶性は、酸化カーボンナノチューブが個々または離散カーボンナノチューブとして分散することができるように、十分な量の電子、ファンデルワールス、イオン、または双極子相互作用を意味することである。好ましくは、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、それが熱力学的に混和性である、つまり、分散剤に接する材料と均一混合物を形成するように選択される。
【0036】
離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、エチレンオキシド分子単位をさらに含み得る。より好ましくは、結合された分散剤は、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの分子単位の混合物を含む。離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤の混合物または異なるタイプの結合された分散剤と酸化離散カーボンナノチューブの混合物があってもよい。
【0037】
本発明の他の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、窒素中の500℃未満では、分散剤の約5重量%未満の灰分があるように、熱分解を有するようにさらに選択されてもよい。好ましくは、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、窒素中の約500℃未満では、分散剤の約1重量%未満の灰分があるように熱分解を有し、より好ましくは、窒素中の約400℃未満では、分散剤の約1重量%未満の灰分があるように、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、熱分解を有する。
【0038】
酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブは、約10~約10000の酸化離散カーボンナノチューブの直径に対する長さの比として知られているアスペクト比から構成される。酸化離散単一壁カーボンナノチューブについては、アスペクト比は約300~約10000であることが好ましい。酸化離散二重壁カーボンナノチューブについては、アスペクト比は約150~約5000であることが好ましく、酸化離散多重壁のカーボンナノチューブについては、アスペクト比は約40~約500であることがより好ましい。
【0039】
酸化離散カーボンナノチューブのアスペクト比は、単一モード分布またはマルチモード分布(二峰性または三峰性分布など)とすることができる。マルチモード分布は、アスペクト比(あるL/D範囲の50%および他のL/D範囲の約50%など)の均等に分布した範囲を有することができる。分布は非対称とすることもでき、離散ナノチューブの比較的少ない割合が、特定のL/Dを有することができ、その一方でより大きな量が他のアスペクト比の分布を含み得ることを意味する。
【0040】
本発明の実施形態は、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブが、分散体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の重量範囲で存在するということである。好ましくは、分散体中に存在する酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの重量範囲は、分散体の全重量に対して約0.01~約10重量%、より好ましくは約0.01~約5重量%である。
【0041】
本発明のさらに他の実施形態において、分散体中に存在する複数カーボンナノチューブが離散的である。好ましくは、分散体中に存在する酸化カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化カーボンナノチューブの少なくとも約51重量%は離散的であり、好ましくは、分散体中に存在する酸化カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化カーボンナノチューブの少なくとも約65重量%は離散的であり、より好ましくは、分散体中に存在する酸化カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化カーボンナノチューブの少なくとも約75重量%は離散的であり、最も好ましくは、分散体中に存在するカーボンナノチューブの少なくとも約85重量%は離散的である。
【0042】
本発明の他の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、分散体の全重量に対して%重量で約0.05%~約80%の充填剤を含む。好ましくは、充填剤の%重量は、分散体の全重量に対して約0.05%~約30%、最も好ましくは約0.1%~約10%である。
【0043】
充填剤は、カーボンブラック、グラフェン、酸化グラフェン、還元グラフェン、炭素繊維、シリカ、ケイ酸塩、ハロイサイト、粘土、炭酸カルシウム、珪灰石、ガラス、難燃剤、および滑石からなる群から選択される。充填剤は、概略球状粒子、ロッド、繊維または板の形状であってもよい。好ましくは、充填剤は、約1nmを超え約10マイクロメートル未満の寸法の少なくとも1つのスケールを有し、より好ましくは、約5nmを超え約2マイクロメートル未満の寸法の少なくとも1つのスケールを有し、最も好ましくは、約10nmを超え約1マイクロメートル未満の寸法の少なくとも1つのスケールを有する。
【0044】
いくつかの実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブを含む分散体は、少なくとも2つの異なる充填剤の混合物をさらに含む。いくつかの実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブを含む分散体は、粒子サイズ、熱伝導率、パッキング、または分子量によって変化し得る異なる種の単一充填剤の混合物をさらに含む。
【0045】
本発明のさらなる実施形態では、分散体は、光架橋性モノマー、オリゴマー、またはポリマーをさらに含む。光架橋性モノマー、オリゴマー、またはポリマーは、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、ウレタン、アクリレート、アルキルアクリレート、シアノニトリル、シアノアクリレート、ニトリル、エポキシ、アミド、アミン、アルコール、エーテル、およびエステルの群から選択される分子単位を含む。
【0046】
他の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、熱可塑性物質をさらに含む。酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、熱可塑性物質を被覆してもよく、または酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブを、熱可塑性物質内に分散されてもよい。好ましい熱可塑性物質は、限定されないが、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート-アクリロニトリルブタジエンスチレンブレンド(PC-ABS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニルスルホン(PPSF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド、例えば、限定されないがナイロン12、ナイロン11、ナイロン6、およびナイロン6,6、ポリビニルアルコールおよび共重合体、ポリビニルブチレートおよび共重合体、ポリビニルピロリドンおよび共重合体、ポリエーテルおよび共重合体を含む非晶質ならびに半結晶熱可塑性物質の群から選択される。熱可塑性物質は、線状、グラフト化、櫛型、またはブロックポリマーであってもよい。
【0047】
本発明のさらに他の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、エラストマーをさらに含む。エラストマーは、限定されないが、天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエン、水素化スチレン-ブタジエン、ブチルゴム、ポリイソプレン、スチレン-イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエン、シリコーン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリレート、水素化および非水素化ニトリルゴム、ハロゲン変性エラストマー、ポリオレフィンエラストマー、フッ素ゴム、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。エラストマーは、非架橋、架橋、グラフト化されていてもよく、または共重合体であってもよい。
【0048】
他の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、ガラス転移温度が約25℃未満のポリマー耐衝撃性改良剤をさらに含む。衝撃性改良剤は、ポリエーテル、ポリエステル、ビニルポリマー、ポリビニル共重合体、ポリオレフィンポリアクリレート、ポリウレタン、ポリアミドおよびポリシロキサン、それらのブレンドならびに共重合体の群から選択される。それらは、限定されないが、エポキシ基、水酸基、イソシアネート基、およびカルボン酸基などの反応性基でさらに機能的にされてもよい。
【0049】
衝撃性改良剤は、分散体のメインマトリックス材料から相分離されていることが好ましく、良好な凝集または熱力学的相互作用をさらに有する。より好ましくは、衝撃性改良剤の組成物は、ブロック共重合体またはコア-シェルポリマーである。コアーシェルポリマーの例は、アクリレートまたはブタジエン系であるPARALOID(商標)衝撃性改良剤である。より好ましくは、UV可視波長範囲における放射線の散乱を最小化するように、衝撃性改良剤は、マトリックスの屈折率値の少なくとも0.03単位以内の屈折率値を有し、0.02単位以内であることがより好ましい。
【0050】
コア-シェル粒子は、1つより多いコアおよび/または1つより多いシェルを含み得る。さらに、エラストマー粒子とコア-シェル粒子の混合物は使用されることができる。1つの実施形態では、2つの異なる直径の衝撃性改良剤がある割合で使用される。異なる直径を備えた2つの異なる衝撃性改良剤の使用は、液体放射線硬化性樹脂の粘性を低下させる効果がある。1つの実施形態では、衝撃性改良剤の組成物は、約7対1の直径比率(例えば、140nm粒子対20nmの粒子)および約4対1の重量%比率である。他の実施形態では、衝撃性改良剤の組成物は、約5対1の直径比率および約4対1の重量%比率である。他の実施形態では、衝撃性改良剤の組成物は、約5対1の直径比率および約6対1の重量%比率である。
【0051】
酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体中の衝撃性改良剤の相分離領域サイズは、直径が約0.005マイクロメートルを超え約1マイクロメートル未満、好ましくは直径が0.01マイクロメートルを超え約0.8マイクロメートル未満、最も好ましくは直径が約0.05マイクロメートルを超え約0.6マイクロメートル未満とすることができる。
【0052】
衝撃性改良剤は、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体中に分散体の少なくとも約0.1重量%~約30重量%未満、好ましくは少なくとも約0.5%を超え約15%未満、最も好ましくは少なくとも約2%~約10%未満で存在し得る。
【0053】
他の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、金属粉体をさらに含む。金属粉体は、元素の周期表において記載される金属元素のいずれかを含み得る。金属は、また、金属酸化物、炭化物、ケイ化物、または窒化物の形態、または他の元素との合金であってもよい。ステンレス鋼、インコネル、ブロンズ、銅、銀、プラチナ、タングステン、アルミニウム、コバルト、プラチナ、および炭化タングステンの群に限定されないが、好ましい金属粉体が選択されることができる。金属粉体は、約1nmを超え約20マイクロメートル未満の粒子径を有していることがより好ましい。より有効な焼結については、二峰性金属粉体粒子直径分布を有することがさらに好ましくし得る。さらにより好ましくは、金属粉体粒子分布では、より大きな粒子サイズの数が大部分である。
【0054】
他の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、セラミック粉体をさらに含む。酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、シリカ、窒化ボロン、および炭化ケイ素、ならびにそれらの混合物の群に限定されないが、セラミック粉体が選択されることができる。好ましくは、セラミック粉体は、約1nmを超え約20マイクロメートル未満の粒子径を有する。セラミックのより有効な焼結については、二峰性セラミック粉体粒子直径分布を有することをさらに好ましくし得る。さらにより好ましくは、セラミック粉体粒子分布では、より大きな粒子サイズの数が大部分である。
【0055】
他の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、焼結時にサーメットを形成するセラミック粉体および金属粉体の混合物をさらに含む。好ましいサーメットは、元素の周期表の第4~第6の元素群の炭化物、窒化物、ホウ化物、およびケイ化物系である。
【0056】
本発明の他の実施形態において、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、アニオン、カチオン、非イオンおよび両性イオンの界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールおよびポリビニル酢酸の共重合体、ポリビニルピロリドンおよびそれらの共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエーテルイミン、ポリエーテル、澱粉、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォールに結合された少なくとも1つのさらなる分散剤をさらに含む。好ましくは、非共有結合のポリマー分散剤は、両親媒性ポリマーの群から選択される。
【0057】
酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォールに結合されたさらなる分散剤の分子量は、好ましくは約100~約400,000ダルトンの範囲にあり、より好ましくは約1000~約200,000ダルトンの範囲、最も好ましくは約10,000~約100,000ダルトンの範囲にある。
【0058】
酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォールに結合されたさらなる分散剤は、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブに対する結合されたさらなる分散剤の重量比が約0.01~約2で分散体中に存在し得る。好ましくは、重量比は約0.1~約1、最も好ましくは約0.2~約0.75である。
【0059】
本発明の他の実施形態は、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体が、有機溶媒をさらに含むということである。好ましい有機溶媒は、アルコール、エーテル、ケトン、ジオキソラン、酢酸塩、グリコール、およびそれらの混合物の群から選択される。
【0060】
本発明のさらに他の実施形態は、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体が、水をさらに含むということである。
【0061】
本発明の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は静電散逸である。好ましくは、分散体は、表面抵抗率が100億オーム/スクエア未満、より好ましくは1000万オーム/スクエア未満である。
【0062】
本発明のさらに他の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、窒素原子の約0.1重量%~約20重量%をさらに含む。
【0063】
本発明の1つの実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体についての500nmでのUV可視吸収は、2.5×105g/mlの分散体で分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの濃度について0.5単位を超える吸光度である。好ましくは、吸収の単位は、酸化カーボンナノチューブの同じ濃度および測定の波長で0.75を超え、最も好ましくは酸化カーボンナノチューブの同じ濃度および測定の波長で1単位を超える吸光度である。
【0064】
本発明のさらに他の実施形態では、充填剤は、チャー化成剤、膨張性剤、および気相中の反応からなる難燃剤の群から選択されることができ、有機ハロゲン化物(ハロアルカン)に限定されない。
【0065】
1つの実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、限定されないが、金属および金属合金、窒化ボロン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、グラファイトなどの熱導電性材料の群から選択される充填剤を含む。
【0066】
他の実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、限定されないが、ニッケル、鉄、コバルトの原子、ならびにそれらの合金および酸化物を含む材料などの、磁性および強磁性材料の群から選択される充填剤を含む。
【0067】
本発明の1つの実施形態は、磁性または強磁性粒子をさらに含む、分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、約1MHzを超える周波数で、好ましくは約lGHzを超える周波数で電磁吸光度またはシールドをもたらすということである。電子伝導充填剤粒子をさらに含む分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、また無線周波数のシールドに望ましい。
【0068】
さらに他の実施形態において、架橋性部分の少なくとも一部、および酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブを含む分散体は、放射線によって少なくとも部分的に架橋され、その後後硬化され、架橋性部分の少なくとも一部、および酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブを含み、熱または放射方法によって最終所望部品性能を達成し、最終所望部品性能を達成するための後硬化の時間は、酸化離散カーボンナノチューブのない分散体より10%少ない、好ましくは25%少ない、より好ましくは50%少ない時間である。
【0069】
他の実施形態において、架橋性部分の少なくとも一部、および酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブを含む分散体は、噴射可能である。
【0070】
他の実施形態において、架橋性部分の少なくとも一部、および酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブを含む分散体は、酸化離散カーボンナノチューブを含まない同様の分散体よりも約10%少ない放射電力、好ましくは約25%少ない放射電力、より好ましくは酸化離散カーボンナノチューブを含まない同様の分散体よりも約50%少ない放射電力を使用して焼結させることができる材料をさらに含む。
【0071】
1つの実施形態では、分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、エラストマーをさらに含み、最終部品が、分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブのない同様の分散体よりも繰り返し疲労の下で少なくとも約20%高い、好ましくは少なくとも約50%、最も好ましくは少なくとも約100%高い耐破壊性を示す。
【0072】
他の実施形態
実施形態1.分散体が架橋性部分の少なくとも一部、および酸化離散カーボンナノチューブを含み、酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォール上に分散剤が結合され、酸化離散カーボンナノチューブが分散体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の範囲で存在し、分散体中に存在する複数のカーボンナノチューブは離散的である、付加的製造分散体。
【0073】
実施形態2.酸化離散カーボンナノチューブは、内表面および外表面を含み、各表面は、内表面酸化種含有量および外表面酸化種含有量を含み、内表面酸化種含有量は、外表面酸化種含有量と少なくとも約20%、高くとも100%異なる、実施形態1の分散体。
【0074】
実施形態3.酸化離散カーボンナノチューブは、酸化離散単一壁、酸化離散二重壁、酸化離散多重壁カーボンナノチューブの組み合わせから形成された酸化離散カーボンナノチューブの二峰性または三峰性分布を備えた酸化離散カーボンナノチューブの混合物を含む、実施形態1の分散体。
【0075】
実施形態4.酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、共有結合している、実施形態1の分散体。
【0076】
実施形態5.酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、約50~約20,000ダルトンの範囲の平均分子量を含み、酸化離散カーボンナノチューブに対する離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤の重量割合は約0.02を超え約0.8未満である、実施形態1の分散体。
【0077】
実施形態6.酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、結合された分散剤に接触する材料と混和性である、実施形態1の分散体。
【0078】
実施形態7.分散体が架橋性アクリレート部分の少なくとも一部、および酸化離散カーボンナノチューブを含み、酸化離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォール上に分散剤が結合され、離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤が、エーテルの群から選択される分子単位を含む、付加的製造分散体。
【0079】
実施形態8.分子単位がエチレンオキシドを含む、実施形態7の分散体。
【0080】
実施形態9.カーボンブラック、グラフェン、酸化グラフェン、還元グラフェン、炭素繊維、シリカ、ケイ酸塩、ハロイサイト、粘土、炭酸カルシウム、珪灰石、ガラス、難燃剤、および滑石からなる群から選択される分散体の約0.1重量%~約30重量%の%重量で充填剤をさらに含む、実施形態1の分散体。
【0081】
実施形態10.熱可塑性物質、熱硬化性物質、およびエラストマーからなる群の1つをさらに含む、実施形態1の分散体。
【0082】
実施形態11.約0.01~約1マイクロメートルの粒子径をさらに含むコアシェルエラストマーをさらに含む、実施形態1の分散体。
【0083】
実施形態12.半導体粉体、金属粉体、またはセラミック粉体をさらに含み、粉体は、約1nm~約20マイクロメートルの粒子径を有する、実施形態1の分散体。
【0084】
実施形態13.アニオン、カチオン、非イオンおよび両性イオンの界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールおよびポリビニル酢酸の共重合体、ポリビニルピロリドンおよびそれらの共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエーテルイミン、ポリエーテル、澱粉、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォールに結合された少なくとも1つのさらなる分散剤をさらに含む、実施形態1の分散体。
【0085】
実施形態14.酸化離散カーボンナノチューブが、窒素原子の約0.1重量%~約20重量%を含む、実施形態1の分散体。
【0086】
実施形態15.分散体が熱可塑性部分の少なくとも一部、および離散カーボンナノチューブを含み、離散カーボンナノチューブの少なくとも1つのサイドウォール上に分散剤が結合され、離散カーボンナノチューブが分散体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の量で存在する、付加的製造分散体。
【0087】
実施形態16.酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤は、灰分が約5重量%未満の窒素中で約500℃未満で少なくとも部分的に熱分解する。実施形態15の付加的製造分散体。
【0088】
実施形態17.複数のカーボンナノチューブは離散的である、実施形態15の付加的製造分散体。
【0089】
実施形態18.付加的製造によって作製された部品が100億オーム/スクエア未満の電気抵抗を有する、実施形態1の分散体。
【0090】
実施形態19.分散体は、2.5×l0-5g/mlの分散体中の酸化離散カーボンナノチューブの濃度について約0.5単位の吸光度を超える500nmでのUV可視吸収を有する、実施形態1の分散体。
【0091】
実施形態20.限定されないが、金属および金属合金、窒化ボロン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、グラファイト、ならびにグラフェンなどの熱伝導材料の群から選択される充填剤をさらに含む、実施形態1の分散体。
【0092】
他の実施形態
いくつかの実施形態は、エネルギー源によって選択的に架橋される(または硬化される)バット(またはタンク)に装填される液体放射線硬化性樹脂を使用して、層ごとに部品を作製するために使用されるバット光重合に適用される、本明細書に開示される分散体を含む。いくつかの実施形態では、バット光重合において使用されるいくつかのタイプのエネルギー源:レーザー、発光ダイオード(LED)、デジタル光処理技術(DLP)、および液晶ディスプレイ(LCD)。バット光重合用の放射線は、UV(190~400nm)、visible(400~700nm)、またはIR(700~1000nm)とすることができる。
【0093】
いくつかの実施形態は、放射線硬化性樹脂は、2つの重要成分:重合性化学種および開始剤を含む。これらの成分に加えて、添加剤(希釈剤および界面活性剤)、吸収器(UV、可視光)、および充填剤は、樹脂の最終の機械的、光学的、または化学的特性を改変するために添加することができる。いくつかの実施形態は、重合性化学種を含み、限定されないが、典型的には置換および非置換アクリレートまたはメタクリレートのモノマーが挙げられるが、芳香族基、官能化オリゴマー、またはプレポリマーを含むより多くの化学種も含み得る。いくつかの実施形態では、重合性種の主な化学物質群は、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、アミノアクリレート、および脂環式エポキシを含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、開始種を速く所与の層厚で十分な濃度で発生するために放射線硬化性樹脂に十分なエネルギーを供給しなければならない。いくつかの実施形態では、樹脂組成物の吸光率および反応性、ならびにエネルギーのレベルは、良好なグリーン強度、層厚、および作製速度に必要である。いくつかの実施形態は樹脂を含み、これがリコート深さ(放射線暴露前の層厚)を直接達成するので、さらに厳密な粘性およびぬれ挙動の必要条件を満足しなければならず、これによりz方向の部品の構造分解能に影響を及ぼす。
【0095】
いくつかの実施形態は、本明細書に開示される光硬化性分散体を含み、汎用プラスチックおよび工学ポリマーの特性をシミュレートするために機械的性能の向上に注目する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される分散体は、鎖成長メカニズム、重合の混合モードの利用、ならびに添加剤および充填剤の包含を改変して、特別モノマーおよび硬化剤を開発して光硬化性樹脂剤の機械的性能を向上させる。
【0096】
いくつかの実施形態では、充填剤の添加は、剛性などのAM用途を選択するための特定の性能の必要条件を満たすために利用される。いくつかの実施形態では、SiO2およびAl2O3などの無機質充填剤は、はるかに長く望ましくない硬化時間なしで、バット光重合によって作製される成分の強度および剛性を高める。さらに、いくつかの実施形態では、これらの充填剤は、高い初期の樹脂粘度、劣った粘性安定性を引き起こさず、充填剤がベース樹脂から分離する傾向を示す。
【0097】
いくつかの実施形態では、材料噴射は、単独層内で複数の材料を堆積するためにワックスまたは液体フォトポリマーの堆積におけるインクジェット印刷技術において本明細書に開示される分散体を使用する。したがって、いくつかの実施形態では、ゴム状部品に結合された硬質プラスチック状部を備えた物体は、本明細書に開示される分散体の少なくとも1つを使用して形成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体での材料噴射は、非常に滑らかな表面仕上げを備える部品を形成する速い処理を含み、したがって後処理はほとんど要求されない。
【0098】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、2つの主要なパラメータ:噴射性および硬化性を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、ポリマーの粘性および表面張力などの物理的特性を制御するためにインクジェット印刷技術の必要条件の態様を満足する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、噴射ヘッドノズルを通った速いインク流を可能にさせるのに十分に低いポリマーの粘性を満足させる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、100cPの高い粘性を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、表面張力を含み、35mN/mを超えなければならず、重力によりダレを防止するオリフィスからの液滴吐出を可能にする。
【0099】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、約50℃での熱安定性を備えた材料噴射用の樹脂を含み、紫外線光に暴露された場合に同時に急速に硬化する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、材料噴射においてエポキシモノマーを使用する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、エポキシ配合物に充填剤を含む。
【0100】
いくつかの実施形態は、部品を作製するために適切なバインダと共に粉体材料(金属、セラミック、またはポリマー)を使用するAM方法としてバインダ噴射を含む。いくつかの実施形では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、粉体の層が構造プラットフォーム上に広げられ、その後、インクジェット印刷ヘッドが粉体を含み、バインダ(通常、接着剤)の液滴をそれぞれの層の2D形状で粉体に選択的に設置する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体では、部品を形成するためにプロセスが繰り返され、その後非結合粉体を除去する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、処理鉄系金属(例えば、ステンレス鋼)、非鉄金属(例えば、ブロンズ)、エラストマー、複合体、サーメット、およびセラミックを含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、2つの材料の結合および付着において重要な、粒子のぬれ性を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体のぬれ性は、印刷部品の印刷精度およびグリーン強度に影響を及ぼす。過剰なぬれは、粉体層においてバインダ液滴の極端な広がりに結びつき、それにより、印刷部品の精度が下がるであろう。劣ったぬれ性は、印刷層としたがってグリーン体の低い機械的完全性と間の接触が低下するであろう。粉体ぬれは、接触角、バインダ粘性、粒子サイズ、および形状などのいくつかのパラメータ、ならびにバインダと粉体との間に起こる反応に依存する。
【0102】
バインダ選択は、良好な部品作製にとって不可欠である。最初に、バインダは噴射可能でなければならない。理想的なバインダは低粘度を有し、剪断応力下で安定し、粉体の供給原料との良好な相互作用を有し、クリーンなバーンアウトを有し、長い貯蔵寿命を有する。一般的な液中結合剤は、ブチラール樹脂、ポリビニル、ポリシロキサン、ポリアクリル酸、およびポリエーテルウレタンである。
【0103】
重合粉体用バインダは、相互拡散および絡み合いによる粒子の合体に結びつく重合供給原料の膨張を促進する溶媒または溶媒混合物から典型的には構成される。膜形成重合分散体の溶液は、バインダとして同様に使用することができる。澱粉、プラスター、およびセメントなどの親水性粉体を処理することは、水性バインダを必要とする。疎水性ポリマー粉体(例えば、ポリ乳酸またはPLA)は、有機溶媒を使用して加工することができる。
【0104】
金属およびセラミック粉体用バインダは、典型的に、シリカ、硝酸アルミニウムなどの無機粒子の水性または非水性分散体、または膜形成ポリマー分散体である。バインダ系へのナノ粒子の取り込みは、充填された粉体層中の空間を満たし、したがって、焼結性を向上し、部品密度を向上し、収縮を低減する。ナノ粒子の融点は、ナノ粒子サイズの減少とともに指数関数的に減少する。したがって、バインダ中のナノ粒子は、供給原料粉体より低い温度で焼結して、大きな粒子を融合させることができ、それにより、成分のグリーン強度を向上させるだろう。さらに、ある場合には、最終部品中の低減された量の不純物により有機バインダと比較して、無機懸濁液が好ましい。金属、サーメット、またはセラミック用の焼結または硬化温度で、低い灰分の残留含有量を有するバインダを有していることが望ましい。
【0105】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、粉体層融合(PBF)、選択的レーザー溶解(SLM)、ダイレクト金属レーザー焼結(DMLS)、電子ビーム溶解(EBM)、選択的加熱焼結(SHS)等の様々な技術を包含するAMプロセス群等を含む。これらの方法は、すべて粉体供給原料の融合/融解によって3D物体を作製する。
【0106】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、レベリングローラまたはブレードによる構造領域に堆積された粉体分散体の薄層を融合させるためにレーザーエネルギーを使用するポリマー粉体層融合(別名、レーザー焼結またはLS)を含む。ポリマー粉体層融合処理のいくつかの実施形態は、ポリアミド(ナイロン)を含む。いくつかの実施形態は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、熱可塑性ウレタン(TPU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリプロピレン(PP)ならびに高温ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、およびポリエーテルケトン(PEK)を含む市販の材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、分散体の処理は、粒子の表面の近くで加熱し、焼結後に材料の強度を向上するためにレーザー放射線の転化を向上させる。
【0107】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、熱溶解フィラメント方式(FFF)を含み、分散体の堆積は、材料を溶解する加熱ノズルを通った、フィラメント形態の熱可塑性物質を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、熱可塑性物質を含み、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート-アクリロニトリルブタジエンスチレンブレンド(PC-ABS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニルスルホン(PPSF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリアミド(ナイロン12、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン6、6など)である。
【0108】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、充填剤で改質されたフィラメントを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される少なくとも1つの分散体は、充填剤を含み、金属、セラミック、天然繊維、炭素質材料(繊維、チューブ、グラフェン)、難燃剤等とすることができる。
【0109】
開示される実施形態は、付加的製造技術において実施されてもよい。いくつかの実施形態では、放射線は、本明細書に開示される分散体の少なくとも1つの反応速度を改変するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、放射線は電磁放射である。いくつかの実施形態では、放射線は、約1メートル~約700ナノメートルに範囲の電磁放射を含む。いくつかの実施形態では、波長範囲は、それぞれ一般にマイクロ波放射線と称する、300MHz~300GHzの周波数に対応する1メートル~1ミリメートルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、放射線は、300GHz~430THz(一般に赤外線と称するスペクトルの部分)の周波数に対応する約1ミリメートル~700ナノメートルであってもよい。いくつかの実施形態では、放射線は、1メートル~700nmの波長の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、放射線は、分散体の硬化速度を改変してもよい。いくつかの実施形態では、波長のより狭い範囲は、分散体のターゲット領域を選択的に放射するために解放することができる。いくつかの実施形態では、放射される場合、硬化速度は加速してもよい。いくつかの実施形態では、硬化が起こる反応速度は、放射線の特性に基づいて選択的に変調される。
【0110】
いくつかの実施形態は、本明細書に開示される付加的製造分散体の少なくとも1つを硬化するための技術を含む。いくつかの実施形態では、技術は、電磁放射線に分散体を暴露することを含む。いくつかの実施形態では、技術は、マイクロ波領域における電磁放射に分散体を暴露することを含む。いくつかの実施形態では、技術は、赤外線領域における電磁放射線に分散体を暴露することを含む。いくつかの実施形態では、技術は、マイクロ波放射線と赤外線の組み合わせを含む電磁放射線に分散体を暴露することを含む。いくつかの実施形態では、放射線はマグネトロンで生成される。いくつかの実施形態では、放射線はダイオードによって生成される。
【0111】
いくつかの実施形態は、本明細書に開示される付加的製造分散体の少なくとも1つの硬化を加速する方法を含む。いくつかの実施形態では、放射線はフィルタ処理され、分散体を波長の狭いスペクトルで選択的に放射する。いくつかの実施形態では、適用するように選択される波長は、分散体の分子物性に基づく。いくつかの実施形態では、放射された放射線の波長はフィルタ処理され、分散体での特性を補完する。いくつかの実施形態では、放射された波長の振幅は、選択的に変調されて分散体の特性を補完する。いくつかの実施形態では、補完されている分散体の特性は、分散体にカーボンナノチューブを含む。いくつかの実施形態では、補完されている分散体の特性は、分散体に充填剤を含む。いくつかの実施形態では、補完されている分散体の特性は、分散体にナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、補完されている分散体の特性は、特性の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、放射された分散体はエポキシを含む。いくつかの実施形態では、放射された分散体はコーティングを含む。いくつかの実施形態では、放射された分散体はペイントを含む。いくつかの実施形態では、放射された分散体は製造グリーン物を含む。
【0112】
いくつかの実施形態はプリントヘッドユニットを含む。いくつかの実施形態では、印刷ヘッドユニットはプリントヘッドを含む。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは、フィラメントを受けるように構成されたフィラメント受入凹部を含む。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは、プリントヘッドを通ったフィラメントを案内するように構成されたフィラメント案内経路をさらに含む。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは、プリント先端をさらに含む。いくつかの実施形態では、フィラメント案内経路は、フィラメント受入凹部からプリントヘッドを介してプリント先端にフィラメントを案内するようにプリント先端にフィラメント受入凹部を接続する。
【0113】
いくつかの実施形態では、プリントヘッドはさらに導波管を含む。いくつかの実施形態では、導波管は入口ポートを含む。いくつかの実施形態では、導波管は波入口ポートを含む。いくつかの実施形態では、導波管は波出口ポートを含む。いくつかの実施形態では、波入口ポートは、源から放射線を受け、波出口ポートに放射線を案内するように構成される。いくつかの実施形態では、波出口ポートはフィラメント案内経路に近接している。いくつかの実施形態では、波出口ポートは案内経路でマイクロ波放射を向かわせるように構成される。いくつかの実施形態では、プリントヘッドはフィラメント案内経路中のフィラメントを加熱するように構成される。
【0114】
いくつかの実施形態は、本明細書に開示される分散体の少なくとも1つを硬化するように構成された分散体硬化具を含む。いくつかの実施形態では、分散体硬化具は、赤外線を放射するように構成された発光ダイオードを含む。いくつかの実施形態では、分散体硬化具は導波管を含む。いくつかの実施形態では、分散体硬化具は、赤外線を集中させるように構成されたレンズを含む。いくつかの実施形態では、導波管は発光ダイオードからレンズに赤外線を案内する。いくつかの実施形態では、分散体硬化具は、分散体で赤外線を選択的に向けるように構成される。
【0115】
いくつかの実施形態は、本明細書に開示される実施形態の少なくとも1つを硬化するための分散体硬化炉を含む。いくつかの実施形態では、分散体硬化炉は、粉体層融合付加的製造を実行するように構成された粉体層を含む。いくつかの実施形態では、炉は、分散体層に近接して配置された放射線源を含む。いくつかの実施形態では、放射線はマイクロ波を含む。いくつかの実施形態では、放射線は赤外線を含む。いくつかの実施形態では、放射線は、異なる波長の組み合わせを含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、分散体硬化炉は、少なくとも1つの放射線シールドをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのシールドは、選択的に変調されたスクリーンおよびレンズを含み、選択的に変調されたスクリーンは、粉体層への放射線のブロック伝送を選択的に活性化するように構成された粒子を含む。いくつかの実施形態では、分散体硬化炉は、第1の反復中の時間Tの間、放射線への暴露から粉体層の部分を選択的にシールドするように構成される。いくつかの実施形態では、放射線は停止される。いくつかの実施形態では、新しい粉体は、粉体層の表面中で拭き取られる。いくつかの実施形態では、放射線は、放射線に層で暴露する時間Tの間に再び開始される。いくつかの実施形態では、シールドは異なる放射線パターンに層を暴露するために変調、構成される。いくつかの実施形態では、シールドは、シートに形成された所望のパターンをさらに含む少なくとも1枚の放射線不透過性材料を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの放射線シールドは、マイクロ波放射源と分散体層との間に選択的に配置される。いくつかの実施形態では、第1のマイクロ波放射線シールドは、分散体層の第1の部分を覆うように構成される。いくつかの実施形態では、第2のマイクロ波放射線シールドは、分散体層の第2の部分を覆うように構成される。いくつかの実施形態では、分散体硬化炉は、物品を付加的に製造するためにマイクロ波放射線に対する分散体層の暴露を選択的に覆うように構成される。
【0117】
1つの一般的な態様は複合体を含み、複合体は、架橋性部分の少なくとも一部、およびハロイサイトナノチューブを含み、架橋性部分の少なくとも一部と架橋することができるハロイサイトサイドウォールに分子部分が結合され、複合体中に存在する複数のハロイサイトナノチューブが離散的であり、複合体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の範囲で存在する。この態様の他の実施形態は、ハロイサイトナノチューブ組成物に対応する組成物、付加的製造中にハロイサイトナノチューブを使用する方法、および他の材料と混合されたハロイサイトナノチューブの組成物であり、各々は、少なくとも1つ以上の材料特性を向上させるように構成された組成物を含む。
【0118】
実施は、次の特徴の1つ以上を含んでもよい。複合体では、ハロイサイトナノチューブに結合された分子部分が約50~約20,000ダルトンの範囲の平均分子量を含み得、ハロイサイトナノチューブに対するハロイサイトナノチューブに結合された分子部分の重量割合は、約0.02を超え約0.8未満である。エラストマーは、約5nmを超え約1マイクロメートル未満の寸法の少なくとも1つのスケールを有しており、複合体中のエラストマーの重量割合は、約0.005を超え0未満である。複合体は、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン、酸化グラフェン、還元グラフェン、炭素繊維、シリカ、ケイ酸塩、粘土、炭酸カルシウム、珪灰石、ガラス、難燃剤、および滑石を含み得る群から選択される分散体の約0.1重量%~約30重量%の%重量で充填剤を含んでもよい。複合体は、アニオン、カチオン、非イオンおよび両性イオンの界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールおよびポリビニル酢酸の共重合体、ポリビニルピロリドンおよびそれらの共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエーテルイミン、ポリエーテル、澱粉、ならびにそれらの混合物を含み得る群から選択される、ハロイサイトのサイドウォールに結合された少なくとも1つのさらなる分散剤を含んでもよい。複合体は、限定されないが、金属および金属合金、窒化ボロン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、グラファイト、ならびにグラフェンなどの熱伝導材料の群から選択される充填剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、繊維は、結合されたナノスケール磁性または常磁性粒子を有し、複合体の付加的製造中に磁界を使用して、繊維を整列することができる。いくつかの実施形態では、結合されたナノスケール粒子は、繊維に対して約0.1~約0.8の重量割合で存在する。いくつかの実施形態では、約1nm~約100nmの直径を備えた繊維は、カーボンナノファイバー、ハロイサイト、窒化ボロン、シリコン、タングステンスルフィド、チタン、ホウ素炭素窒素、およびセルロースの群から選択される。いくつかの実施形態では、複合体は、細菌、ウィルス、菌類、および生物学的作用物質と相互作用することができる種を含み得る群から選択される生物学的反応種を含み得る。記載される技術の実施は、組成物、方法、プロセス、または製造技術を含み得る。
【0119】
1つの一般的な態様は複合体を含み、複合体は、熱可塑性物質、および熱可塑性物質の少なくとも一部分と混和性のハロイサイトサイドウォールに分子部分が結合されたハロイサイトナノチューブを含んでもよく、複合体中に存在する複数のハロイサイトナノチューブが離散的であり、複合体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の範囲で存在する。この態様の他の実施形態は、化学組成、装置、および製造技術を含み、各々は、方法の動作を実行するように構成される。
【0120】
実施は、次の特徴の1つ以上を含んでもよい。複合体では、ハロイサイトナノチューブに結合された分子部分は、約50~約20,000ダルトンの範囲に平均分子量を含んでもよく、ハロイサイトナノチューブに対してハロイサイトナノチューブに結合された分子部分の重量割合は、約0.02を超え約0未満である。いくつかの実施形態では、エラストマーは約5nmを超え約1マイクロメートル未満の少なくとも1のスケールの寸法を有し、複合体中のエラストマーの重量割合は、約0.005を超え0.3未満である。いくつかの実施形態では、複合体は、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン、酸化グラフェン、還元グラフェン、炭素繊維、シリカ、ケイ酸塩、粘土、炭酸カルシウム、珪灰石、ガラス、難燃剤、および滑石を含み得る群から選択される分散体の約0.1重量%~約30重量%の%重量で充填剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複合体は、アニオン、カチオン、非イオンおよび両性イオンの界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールおよびポリビニル酢酸の共重合体、ポリビニルピロリドンおよびそれらの共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエーテルイミン、ポリエーテル、澱粉、ならびにそれらの混合物を含み得る群から選択されるハロイサイトのサイドウォールに結合された少なくとも1つのさらなる分散剤を含み得る。いくつかの実施形態では、複合体は、限定されないが、金属および金属合金、窒化ボロン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、グラファイト、ならびにグラフェンなどの熱伝導材料の群から選択される充填剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、複合体は、セラミック、サーメット、熱可塑性および熱硬化性粒子の群から選択される粒子を含み得る。記載される技術の実施は、組成物、方法もしくはプロセス、または製造技術を含み得る。
【0121】
本発明の利点および特徴を得ることができる方法を説明するために、上記に簡潔に説明した本発明のより特定的な説明が、添付図面において図示されるその特定の実施形態を参照してなされるであろう。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを図示し、したがってその範囲への限定と考えられないことを理解して、本発明は、添付図面の使用により、さらなる特異性および詳細を伴って記載および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【
図1】
図1は、一般的な硬化用の閉鎖マイクロ波硬化装置の概略図を示す;および
【
図2】
図2は、波がターゲットとされた硬化用の特定位置に案内されるマイクロ波硬化装置の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0123】
次の説明では、本明細書に開示される本実施形態の完全な理解をもたらすように、特定の量、サイズなどのいくつかの詳細が以下に説明される。しかし、本開示がそのような特定の詳細なしで実行され得ることは、当業者に明らかだろう。多くの場合、そのような検討に関する詳細等は、そのような詳細が本開示についての完全な理解を得るのには必要でなく、従来技術における当業者の技術内にあるので省略された。
【0124】
本明細書で使用されるほとんどの用語は、当業者に認識可能であるが、しかし、明白に定義されていない場合、用語は、当業者に現在容認されている意味を採用しているものとして解釈すべきであることを理解すべきである。用語の解釈が、それを無意味または本質的に無意味にする場合に、定義は、Webster’s Dictionary,3rd Edition,2009から得られるべきである。定義および/または解釈は、本明細書において特に指定のない限り、または組み込みが有効性を維持するために必要な場合、関連があるとないとを問わず他の特許出願、特許、または出版物から組み込まれるべきでない。
【0125】
様々な実施形態では、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された、酸化離散カーボンナノチューブを含む分散体が開示され、酸化離散カーボンナノチューブが分散体の全重量に対して0を超え約30重量%以下の量で存在し、分散体中に存在する酸化複数のカーボンナノチューブは離散的である。
【0126】
鉄、アルミニウム、またはコバルトなどの金属触媒を使用する製造したままのカーボンナノチューブは、カーボンナノチューブ内に関連または捕捉された触媒の相当量、5重量パーセント以上の程度で保持することができる。これらの残留金属は、耐食性向上のために電子デバイスのような用途において有害である可能性があり、またはエラストマー複合体を硬化する際に加硫プロセスに妨げる可能性がある。さらに、これらの二価または多価金属イオンは、カーボンナノチューブ上のカルボン酸基と関係し、後の分散プロセス中のカーボンナノチューブの離散化を妨げる可能性がある。1つの実施形態では、約50,000parts per million(ppm)未満、好ましくは約10,000ppm未満の残留金属濃度を含む、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブを含む分散体が開示される。残留金属濃度は、25℃~800℃の窒素中で5℃/minで加熱し、ガスを空気に切り替え、800℃で30分間保持することによって、熱重量分析法を使用することによって都合よく決定することができる。%残留灰分は、出発材料の重量と比較して残留する材料の重量によって決定される。灰分は、その後、エネルギー分散X線および走査電子顕微鏡を使用して金属の種類について分析される。あるいは、酸化離散カーボンナノチューブは、分散媒から分離され、原子吸光技術を使用して分析することができる。
【0127】
酸化離散カーボンナノチューブの酸化レベルは、カーボンナノチューブに共有結合された酸化種の重量の量として定義される。カーボンナノチューブ上の酸化種のパーセント重量の測定のための熱重量方法は、約5mgの乾燥酸化カーボンナノチューブを取り、乾燥窒素雰囲気中において室温から800℃に5℃/分で加熱することを含む。200~600℃までのパーセンテージ重量損失は、酸化種のパーセント重量損失とする。酸化種もフーリエ変換赤外線分光法FTIRを、特に1680~1730cm-1の波長範囲において使用して定量することができる。
【0128】
酸化カーボンナノチューブは、カルボン酸または誘導体カルボニル含有種を含む酸化種を有し得る。誘導体カルボニル種は、ケトン、第四級アミン、アミド、エステル、アシルハロゲン、一価金属塩類等を含み得る。あるいは、またはさらにカーボンナノチューブは、水酸基から選択される、または水酸基含有種、ケトン、およびラクトン由来の酸化種を含んでもよい。
【0129】
用語「離散的」は、あるいは用語「剥離された」によって知られ、本明細書では、カーボンナノチューブの長さに沿って実質的に分離された、つまり、束ねられていない個々のカーボンナノチューブを意味すると理解される。アスペクト比は、カーボンナノチューブの長さ対直径比として定義される。カーボンナノチューブの束が存在する場合、アスペクト比は、束の長さ対直径比とする。絡み合ったカーボンナノチューブの球体ボールについては、アスペクト比は1とする。
【0130】
所望の用途に基づいて、酸化離散カーボンナノチューブのアスペクト比は、単モード分布、またはマルチモード分布(二峰性または三峰性分布など)になり得る。マルチモード分布は、アスペクト比(あるL/D範囲の50%および他のL/D範囲の約50%など)の均等に分布した範囲を有することができる。分布は非対称とすることができ、離散ナノチューブの比較的少ない割合が、特定のL/Dを有することができ、その一方でより大きな量が他のアスペクト比の分布を含み得ることを意味する。酸化離散カーボンナノチューブのアスペクト比は、例えば、有機溶媒に含まれる分散体の希釈物および走査型電子顕微鏡検査を使用して決定することができる。
【0131】
本明細書で説明する用途における使用に適し得るカーボンナノチューブの製造業者は、例えば、Southwest Nanotechnologies、Zeonano or Zeon、CNano Technology、Nanocyl、ACS Materials、American Elements、Chasm Technologies、Haoxin Technology、Hanwha Nanotech Group、Hyperion Catalysis、KH Chemical、Klean Commodities、LG Chem、Nano-C、NTP Shenzhen Nanotech Port、Nikkiso、Raymor、Saratoga Energy、SK Global、Solid Carbon Products、Sigma Aldrich、Sun Nanotech、Thomas Swan TimesNano、Tokyo Chemical Industry、XF Nano、およびOCSiAlを含む。
【0132】
離散カーボンナノチューブを得る方法は、カーボンナノチューブを高い機械的力に供することである。試料は、せん断中に106~108ジュール/m3程度の高いエネルギー密度を生成可能な処理機器によるせん断(乱流)および/またはキャビテーションによって発生する猛烈な破壊力を受けることがある。この仕様に見合う機器は、限定されないが、超音波処理機、キャビテータ、機械式ホモジナイザ、圧力式ホモジナイザおよびマイクロフルイダイザを含む。そのような1つのホモジナイザは米国特許第756953号に示され、その開示は参照によって本明細書に組み込まれる。さらなるせん断機器は、限定されないが、HAAKE(商標)ミキサ、Brabenderミキサ、Omniミキサ、Silversonミキサ、Colloidalコロイドミル、Gaullinホモジナイザおよび/または2軸押出機を含む。カーボンナノチューブの束は、せん断処理後に、解放されたことによって、より多数のナノチューブの表面および/またはナノチューブ表面のより多くの部分を周囲環境に暴露させる。通常、所与の開始量の絡まった受け取ったままかつ作製されたままのカーボンナノチューブに基づいて、複数の高表面積酸化カーボンナノチューブは、この処理によって、少量側のチューブ、一般的には堅いバンドル化したままの大量の少量側のチューブ、およびそのように堅くバンドル化された実質的には利用できないナノチューブの表面とともに、好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約75%、最も好ましくは少なくとも約95%、高くとも100%程度生成されることになる。
【0133】
Bosnyakらは、種々の特許出願(例えば、米国特許出願公開第2012-0183770号および米国特許出願公開第2011-0294013号)において、酸化およびせん断力の慎重かつ略同時の使用を通じて離散カーボンナノチューブを作製し、それによってナノチューブの内表面および外表面の両方を、内表面および外表面において通常ほぼ同等の酸化レベルまで酸化し、結果として個別のまたは離散したチューブを生成した。
【0134】
多くの実施形態では、本発明は、早期のBosnyakらの出願および開示のものとは異なる。カーボンナノチューブを酸化させて、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤を結合するプロセスにおいて、カーボンナノチューブのフィブリル化度合いは、酸素含有種の範囲または種類ごとに異なるカーボンナノチューブの集合、およびさらに酸化カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤に影響を及ぼし得る。例えば、チューブの多くがそのとき根幹として整列する場合、根幹のコア内のチューブは、根幹の最も外側の部分上のチューブよりも例えば硝酸での反応に酸化種を含みにくい。改質カーボンナノチューブのより均質な集合に、カーボンナノチューブを改質するために反応の間にカーボンナノチューブの離散または開放構造を有することが望まれる。限定されないが、2相性の材料における導電率などのいくつかの用途のために、カーボンナノチューブの束のフィブリル化度合いを制御して、酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に結合された分散剤の分布を得るのに望ましくすることができる。
【0135】
酸化離散カーボンナノチューブのサイドウォール上に分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブを含む分散体は、酸化離散カーボンナノチューブを最初に製造し、次いでサイドウォールまたは酸化離散カーボンナノチューブの端部上に分散剤を結合し、または酸化カーボンナノチューブを製造し、次いでサイドウォールまたは酸化カーボンナノチューブの端部上に分散剤を結合し、次いで分散剤が結合されたカーボンナノチューブを離散的にすることによって製造することができる。
【0136】
カーボンナノチューブに分散剤を共有結合する化学的性質によって限定されないが、選択された分散剤のアミン官能基と反応するためにカーボンナノチューブ上にカルボン酸基を使用することが都合がよい。適切な分散剤の例は限定されないが、Huntsman社の商品であり、アミン末端ポリエーテルJeffamineである。Jeffamineシリーズは、それらのプロピレンオキシド対エチレンオキシド比率およびアミノ化の程度においても異なる可能性がある。あるいは、カーボンナノチューブ上に存在する水酸基を、選択された分散剤のカルボキシル、イソシアナート、またはグリシジル基と反応させることができる。カーボンナノチューブのサイドウォールに分子を共有結合するための他の有用な化学部分としては、限定されないが、アジド、ハロゲン化アシル、およびシラン部分が挙げられる。
【0137】
分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、近赤外線からカーボンナノチューブによって急速に吸収されて熱を生成する1テラヘルツまでの高周波を使用することによって、処理および部品性能を向上させるために、付加的製造において有利に使用することができる。この効果は、架橋性分子を完全に硬化するのに必要な時間を改善し、材料の焼結を向上し、部品の反りを低減するために使用することができる。
【0138】
適切な衝撃性改良剤の例は、エラストマーであり、より好ましくは予め製造されたエラストマー粒子である。これらのエラストマーは、0℃未満、好ましくは-20℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0139】
衝撃改質成分の粒子サイズは、例えば、動的光散乱ナノ粒子粒径分析システムを使用することにより遂行することができる。そのようなシステムの一例は、堀場作製所社から入手可能なLB-550機械である。粒子サイズを測定する好ましい方法は、IS013320:2009によるレーザー回折粒子粒径分析である。そのような分析に関する情報は、Setting New Standards for Laser Diffraction Particle Size Analysis.Alan Rawle and Paul Kippax、Laboratory Instrumentation News、2010年1月21日で見出すことができる。
【0140】
分析において使用される液体放射線硬化性樹脂からのモノマーまたは溶媒は、測定される平均粒径に影響する場合がある。さらに、レーザー回折による分析には、溶媒または他の低粘度分散剤を使用することが要求される可能性がある。これらの溶媒は、測定される平均粒径に影響し得る。本発明のために、分散された平均粒径は、所与の配合物の列挙されたモノマーに暴露され、分散され、次いで、溶媒としてのプロピレンカーボネートをレーザー回折粒子粒径分析に使用して分析された粒子を指す。衝撃性改良剤粒子の分散体は、典型的に使用される希釈プロピレンカーボネート溶液中で10gプロピレンカーボネート中に0.1~0.4gの分散体の濃度で粒径分析を受けた。
【0141】
適切な衝撃改質成分は、分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体と混合することができ、エチレンまたはプロピレンおよび1つ以上のC2~C12オレフィンモノマーの共重合体系のエラストマーである。
【0142】
そのようなものの例は、1,4ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジ-シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、およびテトラヒドロインデンなどの第3の共重合性ジエンモノマー(EPDM);エチレン-オクテン共重合体およびエチレン/α-オレフィン/ポリエン共重合体などのエチレン/α-オレフィン共重合体を任意に含むエチレン/プロピレン共重合体またはエチレン/プロピレン共重合体である。
【0143】
他の適切なエラストマーは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエンランダム共重合体、スチレン/イソプレンランダム共重合体、アクリルゴム(例えば、ポリブチルアクリレート)、ポリ(ヘキサメチレンカルボナート)、エチレン/アクリレートランダム共重合体、およびアクリルブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/(メタ)アクリレート(SBM)ブロック共重合体、スチレン/ブタジエンブロック共重合体(スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、およびそれらの水添形SEBS、SEPS)、および(SIS)アイオノマーである。
【0144】
適切な市販のエラストマーは、Shellによって製造されたKraton(SBS、SEBS、SIS、SEBS、およびSEPS)ブロック共重合体、Arkemaによって製造されたNanostrengthブロック共重合体E20、E40(SBMタイプ)およびM22(全アクリル)、Lotrylエチル/アクリレートランダム共重合体(Arkema)およびSurlynアイオノマー(デュポン)である。
【0145】
任意に、エラストマーは、例えば、エポキシ、オキセタン、カルボキシル、またはアルコールなどの反応性基を含むように改質されてもよい。この改質は、例えば、反応性グラフト化または共重合で導入されることができる。後者の市販例は、Arkema製造のLotaderランダムエチレン/アクリレート共重合体AX8840(改質グリシジルメタクリレート/GMA)、AX8900、およびAX8930(GMAおよび改質無水マレイン酸/MA)である。
【0146】
任意に、エラストマーは、分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体と混合した後に架橋されてもよい。架橋構造は、従来方法によって導入されてもよい。そのような材料で使用される架橋剤の例としては、過酸化物、硫黄、クレゾール等を、任意に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性モノマーと組み合わせて与えることができる。
【0147】
1つの実施形態では、分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体と混合することができる衝撃性改良剤は、予め製造されたエラストマー粒子である。エラストマー粒子は、乳化重合によって製造されたラテックスから分離によって、または組成物の別の成分におけるin situの調製によって得られたものを含む様々な手段によって調製されてもよい。
【0148】
そのような予め製造されたエラストマー粒子の適切な市販の供給源は、様々な製造者による異なる平均粒径で入手可能なPB(ポリブタジエン)またはPBA(ポリブチルアクリレート)ラテックス、またはEPDM、SBS、SIS、または他のゴムの乳化によって得られたラテックスである。
【0149】
任意に、エラストマーは、架橋構造を含んでもよい。架橋構造は、従来の方法で導入されてもよい。そのような材料で使用される架橋剤の例として、過酸化物、硫黄、クレゾール等を、任意に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性モノマーと組み合わせて与えてもよい。
【0150】
任意に、シェルは、例えば、グラフト化によって、または乳化重合の第2の段階中に導入されることができる粒子上に存在してもよい。そのような粒子の例は、ゴムコアおよびガラス質シェルを含むコア-シェル衝撃性改良剤粒子である。コア材料の例は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリルゴム(例えば、ポリブチルアクリレートゴム)、スチレン/ブタジエンランダム共重合体、スチレン/イソプレンランダム共重合体、またはポリシロキサンである。シェル材料またはグラフト共重合体の例は、ビニル芳香族化合物(例えば、スチレン)、シアン化ビニル(例えば、アクリロニトリル)、または(メタ)アクリレート(例えば、メチルメタクリレート)の(コ)ポリマーである。
【0151】
任意に、反応性基は、グリシジルメタクリレートとの共重合などの共重合、または反応性官能基を形成するためのシェルの処理によってシェルに組み入れることができる。適切な反応性官能基は限定されないが、エポキシ基、オキセタン基、水酸基、カルボキシル基、ビニルエーテル基、および/またはアクリレート基が挙げられる。
【0152】
例えば、これらのコア-シェルタイプのエラストマー粒子の適切な市販の製品は限定されないが、Resinous Bond RKB(Resinous化成社製のエポキシにコアーシェル粒子を含む分散体)、Durastrength D400、Durastrength 400R(Arkema group製)、Paraloid EXL-2300(非機能性シェル)、Paraloid EXL-2314(エポキシ機能性シェル)、Paraloid EXL-2600、Paraloid KM334、およびParaloid EXL2300Gである。Paraloidコアシェルエラストマーは、Dow chemical社製であり、Genioperl P53、Genioperl P23、Genioperl P22は、Wacker chemical社製、Kane AceMX製品はKaneka製である。
【0153】
そのようなエラストマー粒子の他の例は、ジアルキルシロキサン繰り返し単位を含み得る架橋ポリオルガノシロキサンゴムであり、「アルキル」は、C1~C6アルキルである。そのような粒子は、Blockの米国特許第4,853,434号明細書に開示された方法によって製造され得、引用によってその全体が本明細書に組み込まれる。粒子は、オキシラン、グリシジル、オキセタン、ヒドロキシル、ビニルエステル、ビニルエーテルまたは(メタ)アクリレート基、またはそれらの組み合わせなどの反応性基を、好ましくは粒子の表面に含むために改質されてもよい。市販のポリオルガノシロキサンエラストマー粒子の例は、Albidurである。
【0154】
EP2240(A)、Albidur EP2640、Albidur VE3320、Albidur EP5340、Albidur EP5640、およびAlbiflex296(エポキシまたはビニルエーテル樹脂中に含まれる粒子の分散体Hanse Chemie社、独国)、Genioperl M41C(エポキシに含まれる分散体、Wacker Chemical社)、Chemisnow MXシリーズおよびMPシリーズ(Soken Chemical and Engineering社)。本発明で用いるコア-シェル粒子を製造するために使用することができる他の材料は、例えば、Nakamura et al,J Appl.Polym.Sci.v33n3 1987年2月20日、885~897頁、1987年に見出すことができ、ポリ(ブチルアクリレート)コアおよびポリ(メチルメタクリレート)シェルを備えたコア-シェル材料を開示する。シェルは、それがエポキシド基を含むように処理された。Saija,L.M. and Uminski,M.,Surface Coatings International Part B2002 85,No.B2、2002年6月、149~53頁は、ポリ(メチルメタクリレート-コ-ブチルアクリレート)から調製され、MMAまたはAMPSで処理されて表面上にカルボン酸基を備えた材料を製造するコアおよびシェルを備えたコアシェル材料を記載する;Aerdts,A.Mら、Polymer1997 38、No.16、1997年、4247~52頁は、ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、またはポリブタジエンをそのコアとして使用する材料を記載する。エポキシ化ポリ(メチルメタクリレート)は、シェルに使用される。エポキシド部位は、この材料のシェル上の反応部位である。他の実施形態では、グリシジルメタクリレートおよびメチルメタクリレートは、シェルにおいてコモノマーとして使用される。
【0155】
コア-シェル粒子は、1つを超えるコアおよび/または1つを超えるシェルを含み得る。さらに、エラストマー粒子とコア-シェル粒子の混合物を使用することができる。衝撃性改良剤の2つの異なる直径をある比率で使用して、架橋性モノマーまたはオリゴマーを含む分散体の粘性を低下させることができる。例えば、衝撃性改良剤の組成物は、約7対1の直径比率、つまり、140nmの直径粒子対20nmの直径粒子、および約4対1のwt%比率とすることができる。
【0156】
エラストマーまたは衝撃性改良剤の選択の他の望ましい特徴は、UV可視波長範囲における放射線の散乱を最小化するように、それが分散される材料の屈折率値の少なくとも0.03単位以内、より好ましくは0.02単位以内の屈折率値を有するエラストマーまたは衝撃性改良剤の組成物を選択することである。そのような混合物の一例は、Paraloid KM334(屈折率1.47)およびDymax BR-952-ウレタンジメタクリレート(屈折率1.48)である。
【0157】
分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、さらに、カーボンブラック、グラフェン、酸化グラフェン、還元グラフェン、炭素繊維、シリカ、ケイ酸塩、ハロイサイト、粘土、炭酸カルシウム、珪灰石、ガラス、難燃剤、および滑石からなる群から選択される、分散体の約0.1重量%~約30重量%の%重量で充填剤を含む。充填剤は、また、分散体内のそれらの結合および分布を向上させるために表面改質されてもよい。表面処理の一例は、シランカップリング剤のシリカ粒子への使用である。
【0158】
分散体の熱伝導率を決定する一般法は、試料に公知の熱流束を適用することであり、試料の定常温度に一旦達すると、試料の膜厚にわたる温度差が測定される。1次元の熱流および等方媒質を仮定した後に、フーリエの法則が、測定された熱伝導率を算出するために使用される。
【実施例1】
【0159】
酸化Tuball(商標)(OCSiAl)
67重量%硝酸500グラムを、撹拌機および凝縮器が取り付けられた1リットルのガラス反応容器において95℃に加熱する。酸に、受けたままの単一壁カーボンナノチューブ(Tuball(商標))5グラムを添加する。受けたままの綿毛状カーボンナノチューブは、長さが数ミリメートルおよび直径が1ミリメートルとすることができる緊密に束ねられた木の幹の形態を有する。溶液を約95℃で5時間維持する間に、酸とカーボンナノチューブの混合物を混合する。反応期間の終わりに、酸化単一壁カーボンナノチューブを、酸を除去するためにフィルタ処理し、逆浸透(RO)水でpH3~4に洗浄する。結果として生じるCNTは約3.6%に酸化し、4.4%金属残渣を含んでいた。
【実施例2】
【0160】
酸化多重壁カーボンナノチューブ、CNano Flotube9000
65%硝酸を含む4リットルの濃硝酸を、超音波処理装置および撹拌機が取り付けられた10リットルの温度制御反応容器に添加する。CNano社のnonの非離散多重壁カーボンナノチューブ、グレードFlowtube9000の40グラムを、酸混合物を撹拌し温度を85℃で維持しながら反応炉容器に装填する。超音波電力を130~150ワットで設定し、反応を3時間継続する。3時間後、粘性溶液を、5マイクロメートルのフィルタメッシュを備えたフィルタに移動し、酸混合物の多くを100psiの圧力を使用して濾過することにより除去する。濾過ケーキを、4リットルの脱イオン水で1回洗浄し、その後、9を超えるpHの4リットルの水酸化アンモニウム溶液で1回洗浄し、次いで、4リットルの脱イオン水であと2回洗浄する。最終洗浄の得られたpHは4.5である。濾過ケーキの少量の試料を、100℃で真空において4時間乾燥し、熱重量分析を先に記載するようにして得る。繊維上の酸化種の量は、2.4パーセントの重量であり、走査型電子顕微鏡法によって決定される平均アスペクト比は60である。残留触媒含有量を2,500ppmとして決定する。
【実施例3】
【0161】
分散剤を酸化単一壁カーボンナノチューブに共有結合する
実施例1の酸化単一壁カーボンナノチューブを固形分が6.6重量%の水を含む湿潤ケーキの形態で使用する。30.3gの湿潤ケーキを30gのイソプロパノールと混合し、350gのイソプロパノールおよび622gの水に溶解した3gのJeffamine M2005モノアミン末端ポリエーテルを、撹拌しながら添加する。撹拌を10分間継続する。スラリーをワーリングブレンダに移動し、高速で10分間配合する。
【0162】
スラリーを、次いでスケールが>20マイクロメートルの大きな構造を光学顕微鏡法によって観察しなくなるまで、温度を45℃未満に保つ実験室規模のホモジナイザに通す。
【0163】
次いで、得られた混合物を13においてブフナーフィルタおよびNo.2ワットマン濾紙を使用してフィルタ処理し、35wt%水性イソプロピルアルコールの100cm3で4回洗浄する。洗浄された湿潤ケーキを、次いで、まずコンベクション炉で120℃で95%固形分に、次いで150℃で1時間真空炉において乾燥する。これは、表1のSWNT MBという。
【0164】
200~600℃の範囲で5℃/分で窒素中で実行したTGA分析は、47%共有結合されたポリエーテルを付与した。
【実施例4】
【0165】
酸化多重壁カーボンナノチューブに分散剤を共有結合する
実施例2の酸化多重壁カーボンナノチューブを固形分が5重量%の水を含む湿潤ケーキの形態で使用する。40gの湿潤ケーキを30gのイソプロパノールと混合し、次いで、350gのイソプロパノールに2gのJeffamine M2005モノアミン末端ポリエーテルを溶解し、622gの水を撹拌しながら添加する。撹拌を10分間継続する。スラリーをワーリングブレンダに移動し、高速で10分間配合する。
【0166】
スラリーを、次いでスケールが>20マイクロメートルの大きな構造を光学顕微鏡法によって観察しなくなるまで、温度を45℃未満に保つ実験室規模のホモジナイザに通す。
【0167】
次いで、得られた混合物を13においてブフナーフィルタおよびNo.2ワットマン濾紙を使用してフィルタ処理し、35wt%水性イソプロピルアルコールの100cm3で4回洗浄する。洗浄された湿潤ケーキを、次いで、まずコンベクション炉で120℃で95%固形分に、次いで150℃で1時間真空炉において乾燥する。
【0168】
200~600℃の範囲で5℃/分で窒素中で実行したTGA分析は、18%共有結合されたポリエーテルを付与した。
【実施例5】
【0169】
ナイロン粉体をコーティングする
ナイロン11を、直径が10マイクロメートル未満の小さな粉粒体に粉砕する。分散体を、1gのポリビニルピロリドン(分子量が約24,000ダルトン(Sigma Aldrich))と一緒に200gの水性イソプロパノールアルコール(50/50)に実施例4のカーボンナノチューブlgを取ることによって作製する。100gのナイロン11粉体を、改質カーボンナノチューブ分散体中で撹拌し、1時間撹拌する。次いで、材料を110℃でコンベクション炉で乾燥する。乾燥材料を1時間ボールミルに設置して、乾燥された分散体のコーティングを備えたナイロン11の微細分散体を付与する。
【0170】
次いで、粉体をSLS付加的製造プロセスにおいて使用して、抵抗が100億オーム/スクエア未満の導電率が向上した強い部品を作製することができる。分散剤が共有結合された酸化離散カーボンナノチューブのコーティングは、赤外線または高周波による部品の焼結後アニーリングの向上を可能にする。
【実施例6】
【0171】
セラミック粉体をコーティングする
直径が10マイクロメートル未満の酸化アルミニウム粉粒体の使用。分散体を、分子量が約24,000ダルトン(Sigma Aldrich)のlgと一緒に200gの水性イソプロパノールアルコールに実施例4のカーボンナノチューブlgを取り、2000rpmで5分間Thinkyミキサにおいて混合することによって作製する。分散体を、酸化アルミニウム粉体の層上に選択的に噴射し、アルコールを乾燥により除去する。
【0172】
粉体を、酸化離散カーボンナノチューブの乾燥された分散体によって結合され、次いで、焼結して強い部品を作製することができる。分散剤が共有結合された酸化離散カーボンナノチューブの分散体は、セラミック部品のグリーン強度を著しく向上し、焼結中に共有結合された分散剤を除去する。酸化離散カーボンナノチューブを使用して、電気/磁界、または赤外線もしくは高周波による加熱を引き起こすことができる。
【実施例7】
【0173】
放射線硬化性樹脂の混合
バット光重合用の放射線硬化性組成物を、成分を計量し容器に装填することによって調製する。混合物を、均質樹脂混合物が得られるまで、室温または高温(80℃まで)で機械的に撹拌する。調製された組成物を、バット光重合装置において加工し、作製された試験片を、下記の試験方法に従って分析する。
【0174】
三次元試験片の作製
バット光重合装置で三次元試験片の調製に使用される基本手順は、以下のとおりである。放射線硬化性樹脂をバットに注入する。製造パラメータを標準黒色樹脂および25μmの層厚として設定した。このモードでは、樹脂を部品作製に先立って31℃に加熱する。樹脂の組成物によって、十分な数のレーザーパスを使用して所望の重合エネルギーをもたらした。材料を405nmの範囲で放射するレーザーに暴露した。当初は、「グリーン部品」を形成し、層を完全に硬化しない。硬化下で、さらに硬化する場合に連続層が結合によってより良好に付着することを可能にする。作製された「グリーン部品」を機械から除去し、イソプロピルアルコールで洗浄し、空気中で乾燥し、405nm多方向LEDランプを備えた硬化チャンバで後硬化する。特に断らない限り、試験片をすべて室温で30分間硬化チャンバで後硬化した。
【0175】
試験方法
樹脂を調製して、所望の粘性およびぬれ挙動必要条件を満足する。粘性およびぬれ挙動は、リコート深さ(放射線暴露前の層厚)に直接影響し、それは、そのときz方向の構造分解能に影響を及ぼす。粘性データを、HR20Discovery Hybrid Rheometer(TA Instruments)を使用して新たに調製した樹脂剤上で採集した。40mmの2.002°ステンレス鋼ペルチェ板を使用して流れ掃引実験に使用した。対数掃引を、室温で1.0e-3~8000 1/sの剪断速度で掃引することによって実行した。付加的流れ温度傾斜試験を、6 1/sの剪断速度および2℃/分のランプレートで25℃~80℃の温度傾斜で行った。表2は、3つの実施例の組成物についてのゼロ剪断速度での粘性を示す。データは、粘度が、最終樹脂配合物中に結合された分散剤の含有量を備えた酸化離散カーボンナノチューブの増加につれて指数関数的に上昇することを示す。温度傾斜結果を表3に示し、25℃、50℃、および80℃で比較ポイントをもたらす。結果は、温度の上昇につれて、粘性が一定の剪断速度で指数関数的に減少することを示す。
【0176】
【0177】
【0178】
表6は、実施例7.1、7.2、および対照7.1と分類された各光硬化性組成物の成分を列記する。注:TPOおよびOBの量は、合計組成物百分率にカウントしない。
【0179】
【0180】
引張データを、バット光重合装置を使用して作製された引張タイプIV試験片(ASTM D638)の試験により採集した。試験片をすべて垂直に作製した。引張強度、ヤング率、および破断時伸び試験を、後硬化後に24時間以上行った。室温および湿度を制御するための準備を行わず、バールを2日間平衡に保たなかったこと以外、引張試験を、引用によってその全体が本明細書に組み込まれるASTM D638に従って行った。試験をインストロン試験機(モデル5985)で実行した。報告データは3つの測定の平均である。表8は、組成物に添加された分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブを有さない対照と比較された実施例7.1および7.2についての極限引張強度、降伏強度、およびヤング率を示す。これらの実施例は、分散剤が結合された酸化離散カーボンナノチューブの添加が、酸化離散カーボンナノチューブのない樹脂と比較して引張および降伏強度の両方ならびにヤング率を増加させることを示す。
【0181】
【0182】
ASTM D-256A標準に従って試験片が設計されて、3.2mm×12.7mm×63.5mm(膜厚×幅×長さ)寸法を有していた以外、アイゾット衝撃強度を決定するための硬化された試験片を、引張棒に関しては同じ方法で調製した。Ray-Ranの電動切り込みカッターを使用して試験片に切り込みを入れた。アイゾット衝撃を、2.75J振子を備えたRay-Ranのユニバーサル振子衝撃システムを使用して測定した。報告データは3つの測定の平均である。
【0183】
実施例7.1~7.4の衝撃強度を表10に示す。これらの実施例は、分散剤が結合された離散酸化カーボンナノチューブの添加は、酸化離散カーボンナノチューブのない樹脂と比較して、作製された試験片の衝撃強度を著しく向上させる。
【0184】
【0185】
表12は、実施例7.3、7.4および対照2と分類される各光硬化性組成物の成分を列挙する。
【0186】
【0187】
硬化装置
図1を参照して、本明細書に開示される分散体に照射するための硬化装置を開示する。いくつかの実施形態では、硬化装置は分散体に照射することを含む。いくつかの実施形態は、従来の電子レンジにおいて本明細書に開示される分散体を硬化することを含む。いくつかの実施形態では、従来の電子レンジは、SHARP(商標)Countertop1200ワット電子レンジを含む。いくつかの実施形態では、放射線はグリーンAM部品に適用される。いくつかの実施形態では、グリーン部品は、放射線を加えることでより速く硬化される。いくつかの実施形態では、放射線は、部品を従来の方法よりも均一に硬化するために適用される。いくつかの実施形態では、放射線は、部品の表面を硬化する。いくつかの実施形態では、放射線は、構造の表面を貫通し、深さDで表面より下の分散体を硬化する。いくつかの実施形態では、放射線は、表面および深さDの両方を実質的に同時に硬化する。
【0188】
いくつかの実施形態では、分散体は、特定の放射線波長と作用する特性に基づいて選択されたCNT混合物を含む。いくつかの実施形態では、放射線の波長は、スペクトルのマイクロ波部分にある。いくつかの実施形態では、波長は赤外線である。いくつかの実施形態では、選択されるCNTは、放射線用アンテナとして働くように構成される。いくつかの実施形態では、放射線は、本明細書に開示されるCNTの混合物を備えたCNT分散体を含む。いくつかの実施形態では、CNT分散体は、所望な放射線とさらに作用するために機能化される。
【0189】
本発明のいくつかの実施形態は、様々なプリントヘッドが分散体を適用するために使用される硬化技術を含み、各プリントヘッドは別個の分散体を含む。いくつかの実施形態では、各別個の分散体は、本明細書に開示されるように、共通マトリックスを含み、各マトリックスは、特定の機能性を備えた別個のCNTを含む。いくつかの実施形態では、機能性は、放射線の形態により良好に応答してもよい。いくつかの実施形態では、機能性は、放射線の1つの形態に別の形態よりもより良好に応答してもよい。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは分散体を堆積し、製造されるAM部品に所望の特性をもたらしてもよい。いくつかの実施形態では、別個の分散体は混和性であり、差は使用されるCNTであり、このようにミクロのレベルでのAM部品の特性を製造で調節することを可能にする。いくつかの実施形態では、分散体において使用されるCNTは、AM部品の特定範囲における所望の特性を向上させるために選択される。いくつかの実施形態では、CNTが代替の特性を向上させるために選択される第2の分散体は、AM部品の代替領域での特性を向上させるために添加される。いくつかの実施形態では、別の分散体は、2つの別個の特性を組み合わせることによって形成される所望の特性を生成するために堆積される。いくつかの実施形態では、特性は、液滴のサイズによって制限され、液滴のサイズがより正確になるほど、AM部品の特定範囲における特性を制御する能力はより正確になる。
【0190】
いくつかの実施形態では、分散体への放射線の適用は、分散体を最小の変形で硬化する。いくつかの実施形態では、硬化勾配は、放射線が物品を貫通する深さでほぼ瞬間に短縮された時間Tである。いくつかの実施形態では、放射線の適用は、分散体の全面的な硬化時間を短縮する。
【0191】
いくつかの実施形態では、硬化時間は、放射線の適用によって著しく短縮される。反応エネルギーが製品を伝搬する時間を考慮する代わりに、放射線は、全三次元構造に反応エネルギーを略同時にもたらし、それにより、略同時に全体構造を硬化する。
【国際調査報告】