(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】ネットワークノード再選択のための方法、ネットワークノード及びコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 36/14 20090101AFI20240319BHJP
H04W 76/19 20180101ALI20240319BHJP
H04W 24/04 20090101ALI20240319BHJP
【FI】
H04W36/14
H04W76/19
H04W24/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559113
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 CN2022083031
(87)【国際公開番号】W WO2022206597
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/084917
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヨン
(72)【発明者】
【氏名】バルトロメ ロドリゴ, マリア クルズ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, チュンボ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA12
5K067AA23
5K067DD41
5K067EE02
5K067EE16
5K067HH22
(57)【要約】
本開示は、サービスに関連するコンテキスト に対するネットワークノード再選択のための方法(200、300)、ネットワークノード(500、600、700、800)、及びコンピュータ可読媒体を提供する。第1ネットワークノードにおける方法(200)は、第2ネットワークノードによって提供されていたコンテキストに対するサービスを提供できる第3ネットワークノードを再選択することを決定(S201)することと、コンテキストに関する要求メッセージを第3ネットワークノードに送信(S203)することと、を含み、要求メッセージは、要求メッセージに関するプロパティ情報を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスに関連するコンテキストについてのネットワークノード再選択のための第1ネットワークノードにおける方法(200)であって、
前記第1ネットワークノードは、前記第1ネットワークノードによって消費される前記サービスを提供するための第2ネットワークノードを選択しており、前記サービスに関連する前記コンテキストが作成されており、
前記方法(200)は、
前記第2ネットワークノードによって提供される前記コンテキストに対する前記サービスを提供できる第3ネットワークノードを再選択することを決定(S201)することと、
前記コンテキストの要求メッセージを前記第3ネットワークノードに送信(S203)することであって、前記要求メッセージは、前記要求メッセージに関するプロパティ情報を含む、ことと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法(200)であって、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報は、
前記要求メッセージが前記第2ネットワークノードへの到達失敗による再選択に関連することを示す情報と、
前記要求メッセージが前記第2ネットワークノードの過負荷制御による再選択に関連することを示す情報と、
前記要求メッセージが、前記第2ネットワークノードへの最後の試行中に前記第2ネットワークノードから一時的に拒否されたことによる再選択に関連することを示す情報と、の内の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法(200)であって、
前記第2ネットワークノードの前記過負荷制御は、前記第2ネットワークノードの過負荷情報に基づいて前記第1ネットワークノードによって実行され、
前記過負荷情報は、前記第2ネットワークノードから受信される過負荷制御情報(OCI)によって示される、或いは、
前記過負荷情報は、要求メッセージの総数に対するステータスコードと共に前記第2ネットワークノードによって拒否された要求メッセージ数の比率から導出され、前記ステータスコードは、前記第2ネットワークノードから受信され、要求メッセージが前記第2ネットワークノードよって拒否されたことを示す、方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法(200)であって、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報は、さらに、前記再選択に関連する前記要求メッセージが以前に前記第2ネットワークノードに送信されたことを示す再送信情報を含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法(200)であって、
前記再送信情報は、さらに、前記第2ネットワークノードに対する試行回数を含み、その場合、前記第1ネットワークノードが前記要求メッセージを前記第2ネットワークノードに送信したが、前記要求メッセージが一時的な原因コードと共に前記第2ネットワークノードによって拒否されている、方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法(200)であって、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報は、
前記要求メッセージの新規又は既存のカスタムヘッダ、又は
前記要求メッセージのメッセージボディ、
に含まれる、方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法(200)であって、
前記第1ネットワークノードは、
前記第1ネットワークノードが前記第2ネットワークノードに到達できないという事実と、
前記第2ネットワークノードが過負荷であると前記第1ネットワークノードが判定する事実と、
前記第1ネットワークノードが試行として前記要求メッセージを前記第2ネットワークノードに送信したが、前記要求メッセージが、一時的な原因コードと共に前記第2ネットワークノードによって拒否された事実と、
の内の少なくとも1つに基づいて前記第3ネットワークノードを再選択することを決定する、方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法(200)であって、さらに、
前記要求メッセージに対応する応答メッセージを前記第3ネットワークノードから受信することを含み、前記応答メッセージは、前記要求メッセージが前記第3ネットワークノードによって拒否されるか受け入れられるかのインジケーションを含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法(200)であって、
前記要求メッセージが前記第3ネットワークノードによって拒否されたことのインジケーションを含む応答メッセージが受信された場合、前記応答メッセージは、さらに、拒否原因情報を含み、
前記拒否原因情報は、
前記要求メッセージが前記第2ネットワークノードの過負荷制御に少なくとも起因する前記再選択に関連することを、前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報が示すという事実、及び/又は、前記コンテキストが格納されているデータベースから前記第3ネットワークノードが前記コンテキストを取得できないとの事実に基づいて、前記要求メッセージが現在拒否されていることを示す、或いは、
前記要求メッセージが拒否され、同じサービスに関連するコンテキストに対する後続の要求メッセージが、少なくとも前記サービスの実装の性質に基づいて拒否されるであろうことを示す、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法(200)であって、さらに、
受信した前記応答メッセージに含まれる前記拒否原因情報を、後の再選択決定のために格納することを含む、方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の方法(200)であって、
前記要求メッセージは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)要求メッセージである、方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の方法(200)であって、
前記第1ネットワークノードは、前記要求メッセージを送信するHTTPクライアントとして機能し、
ネットワーク機能(NF)サービスコンシューマと、
サービス通信プロキシ(SCP)と、
NFサービスプロデューサと、
の内の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項13】
請求項1から13のいずれか1項に記載の方法(200)であって、
前記第2ネットワークノード又は前記第3ネットワークノードは、前記要求メッセージに応答するHTTPサーバとして機能し、
NFサービスコンシューマと、
SCPと、
NFサービスプロデューサと、
の内の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項14】
サービスに関連するコンテキストについてのネットワークノード再選択のための第3ネットワークノードにおける方法(300)であって、
第1ネットワークノードは、前記第1ネットワークノードによって消費される前記サービスを提供するための第2ネットワークノードを選択しており、前記サービスに関連する前記コンテキストが作成されており、
前記方法(300)は、
前記第1ネットワークノードから、前記コンテキストの要求メッセージを受信(S301)することであって、前記要求メッセージは前記要求メッセージに関するプロパティ情報を含む、ことと、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報に少なくとも基づいて、前記要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定(S303)することと、
前記要求メッセージを拒否するか受け入れるかのインジケーションを含む応答メッセージを前記第1ネットワークノードに送信(S305)することと、
を含む方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法(300)であって、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報は、
前記要求メッセージが前記第2ネットワークノードへの到達失敗による再選択に関連することを示す情報と、
前記要求メッセージが前記第2ネットワークノードの過負荷制御による再選択に関連することを示す情報と、
前記要求メッセージが、前記第2ネットワークノードへの最後の試行中に前記第2ネットワークノードから一時的に拒否されたことによる再選択に関連することを示す情報と、の内の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法(300)であって、
前記第2ネットワークノードの前記過負荷制御は、前記第2ネットワークノードの過負荷情報に基づいて、前記第1ネットワークノードによって実行され、
前記過負荷情報は、前記第2ネットワークノードから受信される過負荷制御情報(OCI)によって示される、或いは、
前記過負荷情報は、要求メッセージの総数に対するステータスコードと共に前記第2ネットワークノードによって拒否された要求メッセージ数の比率から導出され、前記ステータスコードは、前記第2ネットワークノードから受信され、要求メッセージが前記第2ネットワークノードよって拒否されたことを示す、方法。
【請求項17】
請求項14から16のいずれか1項に記載の方法(300)であって、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報は、さらに、前記再選択に関連する前記要求メッセージが以前に送信されたことを示す再送信情報を含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法(300)であって、
前記再送信情報は、さらに、前記第2ネットワークノードに対する試行回数を含み、その場合、前記第1ネットワークノードが前記要求メッセージを前記第2ネットワークノードに送信したが、前記要求メッセージが一時的な原因コードと共に前記第2ネットワークノードによって拒否されている、方法。
【請求項19】
請求項14から18のいずれか1項に記載の方法(300)であって、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報は、
前記要求メッセージの新規又は既存のカスタムヘッダ、又は
前記要求メッセージのメッセージボディ、
に含まれる、方法。
【請求項20】
請求項14から19のいずれか1項に記載の方法(300)であって、
前記第3ネットワークノードは、
要求された前記サービスの実装の性質と、
前記コンテキストが格納されているデータベースから前記第3ネットワークノードが前記コンテキストを取得できないという事実と、
の内の少なくとも1つにさらに基づいて、前記要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定する、方法。
【請求項21】
請求項14から19のいずれか1項に記載の方法(300)であって、
前記第3ネットワークノードは、前記要求メッセージを拒否すると決定した場合、前記要求メッセージが拒否されたことのインジケーションを含む前記応答メッセージを送信する、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法(300)であって、
前記応答メッセージは、さらに、拒否原因情報を含み、
前記拒否原因情報は、
前記要求メッセージが前記第2ネットワークノードの過負荷制御に少なくとも起因する前記再選択に関連することを、前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報が示す問う事実、及び/又は、前記コンテキストが格納されているデータベースから前記第3ネットワークノードが前記コンテキストを取得できないとの事実に基づいて、前記メッセージが現在拒否されていることを示す、或いは、
前記要求メッセージが拒否され、同じサービスに関連するコンテキストに対する後続の要求メッセージが、少なくとも前記サービスの実装の性質に基づいて拒否されるであろうことを示す、方法。
【請求項23】
請求項14から22のいずれか1項に記載の方法(300)であって、
前記要求メッセージは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)要求メッセージである、方法。
【請求項24】
請求項14から23のいずれか1項に記載(300)の方法であって、
前記第1ネットワークノードは、前記要求メッセージを送信するHTTPクライアントとして機能し、
ネットワーク機能(NF)サービスコンシューマと、
サービス通信プロキシ(SCP)と、
NFサービスプロデューサと、
の内の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項25】
請求項14から24のいずれか1項に記載(300)の方法であって、
前記第2ネットワークノード又は前記第3ネットワークノードは、前記要求メッセージに応答するHTTPサーバとして機能し、
NFサービスコンシューマと、
SCPと、
NFサービスプロデューサと、
の内の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項26】
サービスに関連するコンテキストについてのネットワークノード再選択のために構成された第1ネットワークノード(600)であって、
前記第1ネットワークノードは、前記第1ネットワークノードによって消費される前記サービスを提供するための第2ネットワークノードを選択しており、前記サービスに関連する前記コンテキストが作成されており、
前記第1ネットワークノード(600)は、
少なくとも1つのプロセッサ(601)と、
命令を格納する少なくとも1つのメモリ(603)と、を備え、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサ(601)で実行されると、前記第1ネットワークノード(600)に、
前記第2ネットワークノードによって提供される前記コンテキストに対する前記サービスを提供できる第3ネットワークノードを再選択することを決定することと、
前記サービスの要求メッセージを前記第3ネットワークノードに送信することであって、前記要求メッセージは、前記要求メッセージに関するプロパティ情報を含む、ことと、
を行わせる様に構成される、第1ネットワークノード。
【請求項27】
請求項26に記載の第1ネットワークノード(600)であって、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサ(601)によって実行されると、さらに、前記第1ネットワークノード(600)に請求項2から13のいずれか1項に記載の方法を行わせる、第1ネットワークノード。
【請求項28】
サービスに関連するコンテキストについてのネットワークノード再選択のために構成された第3ネットワークノード(800)であって、
第1ネットワークノードは、前記第1ネットワークノードによって消費される前記サービスを提供するための第2ネットワークノードを選択しており、前記サービスに関連する前記コンテキストが作成されており、
前記第3ネットワークノード(800)は、
少なくとも1つのプロセッサ(801)と、
命令を格納する少なくとも1つのメモリ(803)と、を備え、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサ(801)で実行されると、前記第3ネットワークノード(800)に、
前記第1ネットワークノードから、前記コンテキストの要求メッセージを受信することであって、前記要求メッセージは前記要求メッセージに関するプロパティ情報を含む、ことと、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報に少なくとも基づいて、前記要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定することと、
前記要求メッセージを拒否するか受け入れるかのインジケーションを含む応答メッセージを前記第1ネットワークノードに送信することと、
を行わせる様に構成される、第3ネットワークノード。
【請求項29】
請求項28に記載の第3ネットワークノード(800)であって、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサ(801)によって実行されると、さらに、前記第3ネットワークノード(800)に請求項15から25のいずれか1項に記載の方法を行わせる、第3ネットワークノード。
【請求項30】
コンピュータプログラム命令が格納されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項31】
コンピュータプログラム命令が格納されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項15から25のいずれか1項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、通信技術の技術分野に関し、特に、ネットワークノード再選択のための方法、ネットワークノード及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、本開示で説明される技術の様々な実施形態の背景を提供することを目的としている。このセクションの説明は、追求され得る概念を含み得るが、必ずしも以前に考案又は追求された概念であるとは限らない。したがって、本明細書に別段の指示がない限り、このセクションに記載されるものは、本開示の説明及び/又は特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、このセクションに単に含まれるだけでは先行技術と認められない。
【0003】
NFサービスセット及びNFセット
3GPP TS23.501 V16.7.0の5.21.3.2項(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)によると、NFサービスセットは、NFインスタンス内の同じサービスタイプの交換可能なNFサービスインスタンスのグループとして定義され、同じNFサービスセット内のNFサービスインスタンスは、同じコンテキストデータへのアクセスを有する。また、NFセットは、同じサービスと同じネットワークスライスをサポートする、同じタイプの交換可能なNFインスタンスのグループとして定義され、同じNFセット内のNFインスタンスは、地理的に分散され得るが、同じコンテキストへのアクセスを有する。
【0004】
ネットワーク機能(NF)セット又はNFサービスセットが、3GPP TS23.501 V16.7.0の5.21.3項及び6.3.1.0項で規定されている様にネットワークに展開されると、NF(サービス)セットのNFサービスプロデューサは、リソースコンテキストを作成し、そのコンテキストは、同じNF(サービス)セットに属する総てのNF(サービス)インスタンスによって共有される、つまり、リソースコンテキストは、NF(サービス)セットに紐づけされる。したがって、リソースをターゲットとする要求は、共有されるコンテキストが失われない限り、NF(サービス)セット内の任意のNF(サービス)インスタンスによって処理され得る。
【0005】
例えば、
図1に示す様に、サーバ1及びサーバ2は、同じセット内である。コンテキストがサーバ1によって処理される場合、コンテキストは、例えば、同じセット内のサーバ1、サーバ2等の総てのサーバによってアクセスされ得る、セットのための非構造化データ格納ネットワーク機能(UDSF)といった共通の中央データベースに格納されているため、サーバ1がある時点で何らかの理由でコンテキストを処理できない間、コンテキストは、サーバ2によってスムーズに処理され得る。
【0006】
ネットワークにおいて、NFは、必要なサービスを提供し得る別のNFを選択し、そのサービスに対する要求メッセージ(例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)要求メッセージ)を他のNFに送信し得る。ここで、要求メッセージを送信するNFは、"クライアント"と呼ばれ、これはNFサービスコンシューマ、通常の要求メッセージの場合にはサービス通信プロキシ(SCP)、又は、通知要求メッセージの場合にはNFサービスプロデューサを参照し得る。それに応じて、要求メッセージを受信するNFは、"サーバ"と呼ばれ、これは、任意の適切なシナリオにおいて、NFサービスプロデューサ、SCP、又は、NFサービスコンシューマを参照し得る。たとえば、NFサービスコンシューマ(クライアントとして)は、NFサービスプロデューサ(サーバとして)によって提供されるサービスを利用し得る。
【0007】
例えば、過負荷、一時的な原因、到達不能等の何らかの理由により、クライアントは、選択されたサーバがクライアントによって要求されたサービスを提供できないと判定する。この場合、クライアントは、同じセット内の、要求されたサービスを提供できる別のサーバを再選択することができる。
【0008】
図1は、例えば、クライアントによって以前に選択されたサーバ1の過負荷によってトリガされる例示的な再選択プロセスを概略的に示している。
【0009】
ここでは、サーバ1の過負荷が再選択プロセスをトリガする例示的な理由として示されているが、サーバ1に到達できない、サーバ1が一時的な理由によるクライアントの要求メッセージを拒否した等、再選択プロセスをトリガする他の理由もあり、本開示に限定されない。
【0010】
S1_1において、クライアントは、最初に、ローカリティ、優先度、負荷等の選択基準に基づいてサーバインスタンス(この例ではサーバ1)を選択する。
【0011】
S1_2において、クライアントは、サービスAに関連する(リソース)コンテキストXを確立するために、サービスAの要求メッセージをサーバ1に送信する。特に、要求メッセージは、サービスに関連するコンテキスト毎(例えば、UE毎、又は、パケットデータユニット(PDU)セッション毎)に送信され、サービスは、少なくとも1つのコンテキストに関連し得る。
【0012】
S1_3において、サーバ1は、サービスAに関連するコンテキストXを作成する。
【0013】
この例において、S1_4でサーバ1は過負荷となる。
【0014】
S1_5において、クライアントは、例えば、サービスAに関連するコンテキストYを確立するために、サービスAに対する要求メッセージをサーバ1に送信し得る。
【0015】
S1_6において、サーバ1は、サーバ1の過負荷情報を示す過負荷制御情報(OCI)を提供することにより、或いは、要求メッセージがサーバ1によって拒否されたことを示す、429/503等のステータスコードを提供することにより、サーバ1が過負荷であることをクライアント1に示し得る。ステータスコード429/503を使用すると、(ステータスコード429/503と共に)拒否された要求メッセージの数と、要求メッセージの総数との比率に基づいて、クライアントは、サーバ1の過負荷情報をOCIとして取得できることに留意されたい。たとえば、サーバ1は、クライアントに削減してもらいたい要求メッセージの数の正確な割合をOCIで示し得る。
【0016】
S1_7において、クライアントは、過負荷になっているサーバ1に関する関連情報をOCIと共に格納し得る。クライアントは、サーバ1に送信されるシグナリングメッセージを減らす必要があるが、これは、クライアントで受信した上流のNF又はユーザ装置(UE)からの元の要求メッセージを拒否することによって、或いは、例えば、コンテキストの復元情報、例えば、コンテキストのバインディング情報に基づいて代替のNFを再選択することにより達成され得る。
【0017】
S1_8において、クライアントは、例えば、上流のNF又はUEからコンテキストXの要求を受信し、これにより、サーバ1のコンテキストを更新するためにクライアントがサービスAを消費することとなる。クライアントは、サーバ1が過負荷になっていることを知っているため、サーバ1が配置されているセット内の代替NF(この例ではサーバ2)を再選択することを決定し得る。前述した様に、同じセット内のサーバは、コンテキストに対して同じサービスを提供することができ、したがって、サービスに関連するコンテキストは、セット内のいずれのサーバによっても処理され得る。
【0018】
S1_9において、クライアントは、サーバ1が位置するセット内のサーバ2に対して、コンテキストXに対する要求メッセージを送信し得る。
【0019】
S1_10において、サーバ2は、要求メッセージを受諾し得る。ただし、その様な受諾は、サーバ1をさらに過負荷にする結果となり得る。例えば:
・過負荷のアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)の場合、代替AMFが、例えば、サービス動作、N1N2MessageTransferといった、Namf_communicationサービスのために選択された場合、代替AMFは、UEをページングし得る。ただし、UEがページングに応答すると、UEは、過負荷のAMFに対してサービス要求を開始する。
・別の例として、過負荷のセッション管理機能(SMF)、つまりSMF1が、ピアNF、たとえば、ポリシ制御機能(PCF)からのセッションの要求メッセージを処理しており、UDSF内の(そのセッションの)コンテキストが、このSMF1によってロックされ、同時に、別のピアNF、たとえば、AMFが、同じコンテキストに対してこの過負荷のSMF1へのコンタクトを試みる可能性がある。この様なシナリオにおいて、AMFは、SMF1が過負荷であることを認識しているため、代替SMF、つまりSMF2を再選択することを決定し得る。ただし、代替SMF2が要求メッセージを受信し、対応するコンテキストがSMF1によってロックされていることを認識すると、依然として要求を過負荷のSMF1にリダイレクトする。
【0020】
したがって、サーバ2は、再選択中に要求メッセージを受諾し得るが、コンテキストXに対するクライアントの要求メッセージを処理することはできない。
【0021】
(再選択された)代替サーバが、クライアントから既存のコンテキストに対する要求メッセージを受信した際に、異なるアクションを適切に実行することを可能にするメカニズムはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本開示の実施形態は、(再選択された)代替サーバが、クライアントから既存のコンテキストに対する要求メッセージを受信した際に、異なるアクションを適切に実行することを可能にし、要求メッセージが(再選択された)代替サーバによって拒否された場合に、同じ拒否原因によるさらなる再選択を回避するために、クライアントが拒否原因を受信して格納することを可能にするためのメカニズムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本開示の第1態様によると、サービスに関連するコンテキストについてのネットワークノード再選択のための第1ネットワークノード(すなわち、クライアント)における方法が提供される。第1ネットワークノードは、第1ネットワークノードによって消費されるサービスを提供するための第2ネットワークノード(すなわち、以前に選択されたサーバ)を選択しており、サービスに関連するコンテキストが作成されている、ことが提供される。方法は、第2ネットワークノードによって提供されていたコンテキストに対するサービスを提供できる第3ネットワークノード(すなわち、代替サーバ)を再選択することを決定することを含み、要求メッセージは、要求メッセージに関するプロパティ情報を含む。
【0024】
例示的な実施形態において、要求メッセージに関するプロパティ情報は、
要求メッセージが第2ネットワークノードへの到達失敗による再選択に関連することを示す情報と、
要求メッセージが第2ネットワークノードの過負荷制御による再選択に関連することを示す情報と、
要求メッセージが、第2ネットワークノードへの最後の試行中に第2ネットワークノードから一時的に拒否されたことによる再選択に関連することを示す情報と、
の内の少なくとも1つを含む。
【0025】
例示的な実施形態において、第2ネットワークノードの過負荷制御は、第2ネットワークノードの過負荷情報に基づいて第1ネットワークノードによって実行され、過負荷情報は、第2ネットワークノードから受信したOCIによって示される、或いは、過負荷情報は、第2ネットワークノードによって拒否されたステータスコードを伴う要求メッセージ数の、要求メッセージの総数に対する比率から導出され、ステータスコードは、第2ネットワークノードから受信され、要求メッセージが第2ネットワークノードによって拒否されたことを示す。
【0026】
例示的な実施形態において、要求メッセージに関するプロパティ情報は、さらに、再選択に関連する要求メッセージが以前に第2ネットワークノードに送信されたことを示す再送信情報を含む。
【0027】
例示的な実施形態において、再送信情報は、さらに、第2ネットワークノードに対する試行回数を含み、この場合、第1ネットワークノードは、要求メッセージを第2ネットワークノードに送信したが、要求メッセージは、一時的な原因コードと共に第2ネットワークノードによって拒否されている。
【0028】
例示的な実施形態において、要求メッセージに関するプロパティ情報は、要求メッセージの新規又は既存のカスタムヘッダ、又は、要求メッセージのメッセージボディに含まれる。
【0029】
例示的な実施形態において、第1ネットワークノードは、
第1ネットワークノードが第2ネットワークノードに到達できないという事実と、
第2ネットワークノードが過負荷であると第1ネットワークノードが判定したという事実と、
第1ネットワークノードが試行として要求メッセージを第2ネットワークノードに送信したが、要求メッセージが、一時的な原因コードとともに第2ネットワークノードによって拒否されたという事実と、
の内の少なくとも1つに基づいて、第3ネットワークノードを再選択することを決定する。
【0030】
例示的な実施形態において、方法は、さらに、要求メッセージに対応する応答メッセージを第3ネットワークノードから受信することを含み、応答メッセージは、要求メッセージが第3ネットワークノードによって拒否されたか受け入れられたかのインジケーションを含む。
【0031】
例示的な実施形態において、第3ネットワークノードによって要求メッセージが拒否されたことのインジケーションを含む応答メッセージが受信された場合、応答メッセージは、さらに、拒否原因情報を含み、拒否原因情報は、
要求メッセージが少なくとも第2ネットワークノードの過負荷制御に起因する再選択に関連することを、要求メッセージに関するプロパティ情報が示すという事実、及び/又は、コンテキストが格納されているデータベースから第3ネットワークノードがコンテキストを取得できないという事実に基づいて、要求メッセージが現在拒否されていること、又は
要求メッセージが拒否され、同じサービスに関連するコンテキストに対する後続の要求メッセージが、少なくともサービスの実装の性質に基づいて拒否されるであろうこと、
を示す。
【0032】
例示的な実施形態において、方法は、さらに、受信した応答メッセージに含まれる拒否原因情報を、後の再選択決定のために格納することを含む。
【0033】
例示的な実施形態において、要求メッセージはHTTP要求メッセージである。
【0034】
例示的な実施形態において、第1ネットワークノードは、要求メッセージを送信するHTTPクライアントとして機能し、
NFサービスコンシューマと、
SCPと、
NFサービスプロデューサと、
の内の少なくとも1つを含む。
【0035】
例示的な実施形態において、第2ネットワークノード又は第3ネットワークノノードは、要求メッセージに応答するHTTPサーバとして機能し、
NFサービスコンシューマと、
SCPと、
NFサービスプロデューサと、
の内の少なくとも1つを含む。
【0036】
本開示の第2態様によると、サービスに関連するコンテキストについてネットワークノードを再選択するための第3ネットワークノード(すなわち、代替サーバ)における方法が提供され、第1ネットワークノード(すなわち、クライアント)は、第1ネットワークノードによって消費されるサービスを提供するための第2ネットワークノード(すなわち、以前に選択されたサーバ)を選択し、サービスに関連するコンテキストが作成されている。方法は、第1ネットワークノードから、要求メッセージに関するプロパティ情報を含む、コンテキストに対する要求メッセージを受信することと、要求メッセージに関するプロパティ情報に少なくとも基づいて、要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定することと、要求メッセージを拒否したか受け入れたかを示すインジケーションを含む応答メッセージを第1ネットワークノードに送信することと、を含む。
【0037】
例示的な実施形態において、要求メッセージに関するプロパティ情報は、
要求メッセージが第2ネットワークノードへの到達失敗による再選択に関連することを示す情報と、
要求メッセージが第2ネットワークノードの過負荷制御による再選択に関連することを示す情報と、
要求メッセージが、第2ネットワークノードへの最後の試行中に第2ネットワークノードから一時的に拒否されたことによる再選択に関連することを示す情報と、
の内の少なくとも1つを含む。
【0038】
例示的な実施形態において、第2ネットワークノードの過負荷制御は、第2ネットワークノードの過負荷情報に基づいて第1ネットワークノードによって実行され、過負荷情報は、第2ネットワークノードから受信されるOCIによって示される、或いは、過負荷情報は、第2ネットワークノードによってステータスコードと共に拒否された要求メッセージ数の要求メッセージの総数に対する比率から導出され、ステータスコードは、第2ネットワークノードから受信され、要求メッセージが第2ネットワークノードによって拒否されたことを示す。
【0039】
例示的な実施形態において、要求メッセージに関するプロパティ情報は、さらに、再選択に関連する要求メッセージが以前に送信されたことを示す再送信情報を含む。
【0040】
例示的な実施形態において、再送信情報は、さらに、第2ネットワークノードに対する試行回数を含み、この場合、第1ネットワークノードは要求メッセージを第2ネットワークノードに送信したが、要求メッセージが、一時的な原因コードと共に第2ネットワークノードによって拒否されている。
【0041】
例示的な実施形態において、要求メッセージに関するプロパティ情報は、要求メッセージの新規又は既存のカスタムヘッダ、又は、要求メッセージのメッセージボディに含まれる。
【0042】
例示的な実施形態において、第3ネットワークノードは、さらに、
要求されたサービスの実装の性質と、
コンテキストが格納されているデータベースから第3ネットワークノードがコンテキストを取得できないという事実と、
の内の少なくとも1つに基づいて、要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定する。
【0043】
例示的な実施形態において、第3ネットワークノードは、要求メッセージを拒否すると決定した場合、要求メッセージが拒否されたことを示す応答メッセージを送信する。
【0044】
例示的な実施形態において、応答メッセージには、さらに、拒否原因情報を含み、拒否原因情報は、
要求メッセージが少なくとも第2ネットワークノードの過負荷制御に起因する再選択に関連することを、要求メッセージに関するプロパティ情報が示すという事実、及び/又は、コンテキストが格納されているデータベースから第3ネットワークノードがコンテキストを取得できないという事実に基づいて、要求メッセージが現在拒否されていること、又は
要求メッセージが拒否され、同じサービスに関連するコンテキストに対する後続の要求メッセージが、少なくともサービスの実装の性質に基づいて拒否されるであろうこと、
を示す。
【0045】
例示的な実施形態において、要求メッセージは、HTTP要求メッセージである。
【0046】
例示的な実施形態において、第1ネットワークノードは、要求メッセージを送信するHTTPクライアントとして機能し、
NFサービスコンシューマと、
SCPと、
NFサービスプロデューサと、
の内の少なくとも1つを含む。
【0047】
例示的な実施形態において、第2ネットワークノード又は第3ネットワークノノードは、要求メッセージに応答するHTTPサーバとして機能し、
NFサービスコンシューマと、
SCPと、
NFサービスプロデューサと、
の内の少なくとも1つを含む。
【0048】
本開示の第3態様によると、第1ネットワークノード(つまり、クライアント)が提供される。第1ネットワークノードは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、第1ネットワークノードに本開示の第1態様による方法のいずれかを実行させる命令を格納する少なくとも1つのメモリと、を含む。
【0049】
本開示の第4態様によると、第3ネットワークノード(つまり、代替サーバ)が提供される。第3ネットワークノードは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、第3ネットワークノードに本開示の第3態様による方法のいずれかを実行させる命令を格納する少なくとも1つのメモリと、を含む。
【0050】
本開示の第5態様によると、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラム命令を格納し、コンピュータプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに本開示の第1態様及び第2態様のいずれかによる方法を実行させる。
【0051】
本開示の実施形態の技術的解決策は、少なくとも以下の様な利点を達成し得る。
-第3ネットワークノード(つまり、再選択されたサーバ)が要求メッセージを続行できない場合、再選択をトリガする理由、例えば、第2ネットワークノード(つまり、以前に選択したサーバ)への到達失敗、第2ネットワークノードの過負荷制御、又は、第2ネットワークノードへの最後の試行中における第2ネットワークノードからの一時的な拒否、に少なくとも基づいて、第3ネットワークノードが、(再選択の結果として)受信した要求メッセージを拒否することが可能なる、及び、
-第1ネットワークノード(つまり、クライアント)の要求メッセージを拒否する第3ネットワークノード(つまり、再選択されたサーバ)の拒否原因を提供することにより、同じ拒否原因によるさらなる再選択を第1ネットワークノードが回避することを可能にする。
【0052】
本開示の目的、利点、及び特徴は、図面に関連した好ましい実施形態の説明に従ってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】従来の技術解決策による、例えばクライアントによって以前に選択されたサーバ1の過負荷によってトリガされる例示的な再選択プロセスを概略的に示す図。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、既存のコンテキストについてのネットワークノード再選択のための第1ネットワークノード(すなわち、クライアント)での方法を概略的に示す図。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による、既存のコンテキストについてのネットワークノード再選択のための第3ネットワークノード(すなわち、再選択されたサーバ)での方法を概略的に示す図。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による例示的な再選択プロセスを概略的に示す図。
【
図5】本開示の例示的な実施形態による、第1ネットワークノード(つまり、クライアント)の概略的なブロック図。
【
図6】本開示の別の例示的な実施形態による、第1ネットワークノード(つまり、クライアント)の概略的なブロック図。
【
図7】本開示の例示的な実施形態による、第3ネットワークノード(つまり、再選択されたサーバ)の概略的なブロック図。
【
図8】本開示の別の例示的な実施形態による、第3ネットワークノード(つまり、再選択されたサーバ)の概略的なブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図面全体を通じて、同一又は類似の要素を示すために同一又は類似の参照番号が使用されることに留意されたい。図面の様々な部分は、一定の縮尺で描かれておらず、例示のみを目的としており、したがって、本開示の範囲に対するいかなる制限及び制約としても理解されるべきではない。
【0055】
以下、本発明の原理と精神を例示的な実施形態を参照して説明する。本明細書で企図される実施形態の幾つかは、添付の図面を参照してより完全に説明される。しかしながら、他の実施形態は、本明細書に開示される主題の範囲内に含まれ、開示される主題は、本明細書に記載される実施形態のみに限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、主題の範囲を当業者に伝えるために例として提供されている。
【0056】
当業者であれば、"例示的な"という用語は、本明細書では"例示的な"又は"例として機能する"という意味で使用されており、特定の実施形態が他の実施形態よりも好ましいことや、特定の特徴が必須であることを示唆することを意図していないことを理解するであろう。同様に、"第1"及び"第2"という用語、及び同様の用語は、単にアイテム又は機能の1つの特定のインスタンスを別のインスタンスと区別するために使用されており、文脈で明確に示されていない限り、特定の順序や配置を示すものではない。さらに、本明細書で使用される"ステップ"という用語は、"動作"又は"アクション"と同義であることを意味する。本明細書における一連のステップの説明はこれらの動作が特定の順序で実行されなければならないことを意味するものではなく、記載された動作の文脈又は詳細が明確に別段の指示をしない限り、これらの動作は任意の順序で実行され得る。
【0057】
本明細書における"1つの実施形態"、"一実施形態"、"例示的な実施形態"等への言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、又は特徴を含む可能性があることを示すが、総ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特徴を含む必要はない。さらに、その様なフレーズは必ずしも同じ実施形態を参照しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関して説明されている場合、他の実施形態に関連してその様な特性、構造、又は特性を実装することは、明示的に記述されているか否かに拘わらず、当業者の知識の範囲内では提示されている。
【0058】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、例示的な実施形態を限定することを意図していない。単数形式は、文脈が明らかに他の場合を示している場合を除き、複数形式を含むことが意図される。ここで使用する、用語"含む"、"有する"、"備える"等は、述べられた特徴、要素及び/又は構成部品の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、要素、構成部品及び/又はそれらの組み合わせの存在を除外するものではない。
【0059】
本明細書で使用される"及び/又は"という用語は、関連する列挙された用語の1つ又は複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0060】
以下の説明及び請求の範囲においては、定義されない限り、使用される総ての技術的及び科学的用語は、本開示の技術分野に属する当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。
【0061】
本明細書で使用される"ネットワーク"という用語は、任意の適切な(無線又は有線)通信規格に従うネットワークを指す。例えば、無線通信規格は、ニューレディオ(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスド、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、高速パケットアクセス(HSPA)、符号分割多元アクセス(CDMA)、時分割多元アクセス(TDMA)、周波数分割多元アクセス(FDMA)、直交周波数分割多元アクセス(OFDMA)、シングルキャリア周波数分割多元アクセス(SC-FDMA)及びその他の無線ネットワークを含み得る。CDMAネットワークは、UTRA(UniversalTerrestrialRadioAccess)等の無線技術を実装し得る。UTRAは、WCDMA(登録商標)及びCDMAの他の変種を含む。TDMAネットワークは、移動通信用グローバルシステム(GSM)等の無線技術を実装し得る。OFDMAネットワークは、発展型UTRA(E-UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、フラッシュ-OFDMA、アドホックネットワーク、無線センサネットワーク等の無線技術を実装し得る。以下の説明では、"ネットワーク"及び"システム"という用語は交換可能に使用され得る。
【0062】
さらに、ネットワーク内の2つのデバイス間の通信は、有線通信プロトコルや、3GPP等の標準組織によって定義された無線通信プロトコルを含むがこれに限定されない、任意の適切な通信プロトコルに従って実行され得る。例えば、無線通信プロトコルは、第1世代(1G)、2G、3G、4G、4.5G、5G通信プロトコル、及び/又は、現在知られているか将来開発される他のプロトコル含み得る。
【0063】
本明細書で使用される"ネットワークノード"という用語は、端末デバイス又は別のネットワークノードがネットワークにアクセスし、そこからサービスを受けるのに経由する無線通信ネットワーク内のデバイスを参照する。ネットワークノードは、NF、基地局(BS)、アクセスポイント(AP)、又は無線通信ネットワーク内の任意の他の適切なデバイスを参照する。BSは、例えば、ノードB(ノードB又はNB)、発展型ノードB(eノードB又はeNB)、gNB、リモート無線ユニット(RRU)、無線ヘッダ(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、リレイ、フェムト、ピコ等の低電力ノードであり得る。ネットワークノードのさらに別の例には、MSR BS等のマルチスタンダード無線(MSR)無線機器、無線ネットワークコントローラ(RNC)又は基地局コントローラ(BSC)等のネットワークコントローラ、基地トランシーバステーション(BTS)、送信ポイント、送信ノード等が含まれ得る。ただし、より一般的には、ネットワークデバイスは、無線通信ネットワークへの端末デバイスアクセスを構成し、アレンジし、有効化及び/又は提供する様に動作可能である、或いは、無線通信ネットワークにアクセスする端末デバイスに何らかのサービスを提供することができる任意の適切なデバイス(又はデバイスのグループ)を示し得る。
【0064】
用語UEは、無線通信ネットワークにアクセスしてサービスの提供を受けることができる任意のエンドデバイスを参照する。制限しない例として、UEは、移動端末、端末デバイス、又は、他の適切なデバイスを参照する。UEは、例えば、SS(加入者局)、携帯加入者局、MS(移動局)、又はAT(アクセス端末)、中継ノードであり得る。UEは、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラ等の画像キャプチャ端末デバイス、ゲーム端末デバイス、音楽ストレージ及び再生機器、移動電話、セルラフォン、スマートフォン、VоIP(VoiceoverIP)電話、無線ローカルループ電話、タブレット、ウェアラブルデバイス、PDA(携帯情報端末)、ポータブルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、デジタルカメラ等の画像キャプチャ端末デバイス、ゲーム端末デバイス、音楽ストレージ及び再生機器、ウェアラブル端末デバイス、車載無線端末デバイス、無線エンドポイント、モバイルステーション、LEE(ラップトップ埋め込み機器)、LME(ラップトップ搭載機器)、USBドングル、スマートデバイス、無線顧客宅内機器(CPE)等を含み得るがこれらに限定されない。以下の説明では、"端末デバイス"、"端末"、"ユーザ装置"及び"UE"という用語は交換可能に使用され得る。一例として、端末デバイスは、3GPPのGSM、UMTS、LTE及び/又は5G規格など、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって公布された1つ以上の通信規格に従って通信する様に構成されたUEを表し得る。本明細書で使用される"ユーザ装置"又は"UE"は、関連するデバイスを所有及び/又は操作する人間のユーザの意味で"ユーザ"を必ずしも有する必要はない。幾つかの実施形態において、端末デバイスは、人間との直接的な相互作用無しに情報を送信及び/又は受信する様に構成され得る。例えば、端末デバイスは、内部又は外部のイベントによってトリガされたとき、又は無線通信ネットワークからの要求に応じて、所定のスケジュールでネットワークに情報を送信する様に設計され得る。代わりに、UEは、人間のユーザへの販売又は人間のユーザによる操作を目的とするが、最初は特定の人間のユーザに関連付けられていないデバイスを表し得る。
【0065】
さらに別の例として、IoT(Internet оf Things)シナリオでは、UEは、監視及び/又は測定を実行し、その様な監視及び/又は測定の結果を別の端末デバイス及び/又はネットワーク装置に送信する機器又は他のデバイスを表し得る。この場合、UEは、マシンツーマシン(M2M)デバイスであり、3GPPの文脈ではMTCデバイスとして参照され得る。1つの特定の例として、UEは、3GPP NB-IoT規格を実装する端末装置であり得る。その様な機器又はデバイスの特定の例は、センサ、電力計等のメータデバイス、産業用機械、又は冷蔵庫、テレビ等の家庭用機器、時計等の個人用ウェアラブル機器である。他のシナリオでは、UEは、その動作状態又はその動作に関連する他の機能を監視及び/又は報告できる車両又は他の機器を表し得る。
【0066】
本開示は、クライアントによって消費されるサービスを提供するためのサーバ(例えば、サーバ1)をクライアントが選択し、そのサービスに関連するコンテキストが作成されているが、サーバ1での何らかの理由により、クライアントが、サーバ1の配置位置と同じセットに配置されている代替サーバ(例:サーバ2)を再選択する必要があるというシナリオに適用される。
【0067】
図1の例示的な再選択プロセスと併せて、本開示の実施形態は、
図1に示す再選択プロセスのステップS1_1~S1_7が実行されるという条件の下で適用されるものと見做し得る。特に、本開示の実施形態は、
図1に示す再選択プロセスのステップS1_9~S1_10を改善し得る。
【0068】
前述した様に、
図1には、再選択プロセスをトリガする例示的な理由としてサーバ1の過負荷のみが示されているが、サーバ1が到達不能である、或いは、サーバ1が一時的な理由でクライアントの要求メッセージを拒否するなど、再選択プロセスをトリガする他の理由があり得ることに留意されたい。再選択プロセスをトリガする適切な理由はいずれも本開示の実施形態に適用可能である。
【0069】
本開示の基本的な考え方は主に、
1)クライアントから代替サーバ2への要求メッセージ(例えば、HTTP要求メッセージ)にプロパティ情報を含める。要求メッセージに関するプロパティ情報は、要求メッセージが、サーバ1への到達失敗によるコンテキストの再選択に関連することを示す情報、要求メッセージが、サーバ1の過負荷制御によるコンテキストの再選択に関連することを示す情報、要求メッセージが、サーバ1への最後の試行中にサーバ1から一時的に拒否されたことによるコンテキストの再選択に関連することを示す情報、再選択に関連する要求メッセージが再送されたことを示す再送信情報等を含み得る。したがって、サーバ2は、少なくとも要求メッセージに関するプロパティ情報に基づいて、受信した要求メッセージを拒否することができる。
2)サーバ2によって要求メッセージが拒否された場合、サーバ2からクライアントへの応答メッセージに拒否原因情報を含める。拒否原因情報は、コンテキストに対するサーバ再選択に関連する要求メッセージが、要求されたサービスの実装の性質によりサポートされていないこと、又は、コンテキストが格納されているデータベースからサーバ2がコンテキストを取得できないことを示し得る。したがって、クライアントは、同じ拒否原因に対するさらなる再選択を回避するために、受信した拒否原因情報を格納することができる。
【0070】
本発明の実施形態について、
図2~
図4を参照して例示的に説明する。
【0071】
以下、
図2を参照して、本開示の例示的な実施形態による、第1ネットワークノード(すなわち、クライアント)における既存のコンテキストに対するネットワークノード再選択のための方法200について説明する。クライアントとしての第1ネットワークノードは、NFサービスコンシューマ、例えば、通常の要求メッセージのためのSCP、通知要求メッセージのためのNFサービスプロデューサ、或いは、要求メッセージ(HTTP要求メッセージ等)を送信する他の将来の開発における同様のものであり得ることを理解されたい。
【0072】
前述した様に、方法200は、第1ネットワークノード(すなわち、クライアント)が、第1ネットワークノードによって消費されるサービスを提供するための第2ネットワークノード(すなわち、以前に選択されたサーバ、例えば、サーバ1)を選択し、サービスに関連するコンテキストが作成されているが、第2ネットワークノードでの何らかの理由(後述)により、第1ネットワークノードが、第2ネットワークノードと同じセット内の(代替の)第3ネットワークノード(例:サーバ2)を再選択する必要があるとのシナリオで実行される。
【0073】
それに応じて、要求メッセージを受信する第2ネットワークノード又は第3ネットワークノードは"サーバ"と呼ばれ、これは、適切なシナリオではNFサービスプロデューサ、SCP、NFサービスコンシューマ、或いは、他の将来の開発における同様のものを参照し得る。たとえば、NFサービスコンシューマ(クライアントとして)は、NFサービスプロデューサ(サーバとして)によって提供されるサービスを利用できる。
【0074】
図2に示す様に、方法200は、少なくともステップS201と、ステップS203と、を含み得る。
【0075】
ステップS201において、第1ネットワークノード(すなわち、クライアント)は、第2ネットワークノードが位置するセット内で、第2ネットワークノードによって提供されていたコンテキストに対するサービスを提供できる第3ネットワークノードを再選択することを決定し得る。
【0076】
例示的な実施形態において、例えば、上流のネットワークノード又はUEからの要求メッセージを受信した際、第2ネットワークノードによって提供されるサービスに関連する既存のコンテキストに対処するために、第1ネットワークノードは、
-たとえば、"PING"を使用してプローブすることができる第1ネットワークノードが第2ネットワークノードに到達できないという事実、たとえば、第2ネットワークノードがNFプロデューサである場合、第1ネットワークノードが元のリソース統一リソース識別子(URI)に到達できないという事実、又は、第2ネットワークノードがNFコンシューマである場合、通知/コールバックURIに到達できないという事実、
-第1ネットワークノードは、例えば、3GPP TS29.500 V17.1.0(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)の付録Aの"過負荷制御のためのクライアント側適応スロットル"に規定されている様に、第2ネットワークノードの過負荷情報を示すOCIを第2ネットワークノードから受信することによって、又は、第2ネットワークノードから、要求メッセージが第2ネットワークノードによって拒否されたことを示すステータスコード(例えば、429/503)を受信し、要求メッセージの総数に対する第2ネットワークノードによってステータスコードと共に拒否された要求メッセージの数の比率から第2ネットワークノードの過負荷情報を導出することによって、第2ネットワークノードが過負荷であると判定した事実、
-第1ネットワークノードは試行として要求メッセージを第2ネットワークノードに送信したが、要求メッセージが、一時的な原因コードと共に第2ネットワークノードによって拒否されたという事実、
の内の少なくとも1つに基づいて再選択が必要であると決定し得る。
【0077】
コンテキストが共通の中央データベース、例えば、同じセットの総てのネットワークノードによってアクセスされ得る、当該セットのためのUDSFに格納されているため、第1ネットワークノードは、第2ネットワークノードが配置されている場所と同じセット内に配置されている第3ネットワークノードを再選択し得る。
【0078】
次に、ステップS203において、第1ネットワークノードは、サービスに関連するコンテキストに対する要求メッセージを第3ネットワークノードに送信し得る。特に、要求メッセージは、サービスに関連するコンテキスト毎(例えば、UE毎、又はパケットデータユニット(PDU)セッション毎)に送信され、サービスは少なくとも1つのコンテキストに関連し得る。本開示全体にわたる"1つのコンテキスト"又は"そのコンテキスト"は、複数のコンテキストを排除するものではない。
【0079】
要求メッセージは、要求メッセージに関するプロパティ情報を含み得る。
【0080】
好ましくは、要求メッセージに関するプロパティ情報は、
-要求メッセージが第2ネットワークノードへの到達失敗に起因する再選択に関連することを示す情報;
-要求メッセージが第2ネットワークノードの過負荷制御に起因する再選択に関連することを示す情報;
-要求メッセージが、第2ネットワークノードへの最後の試行中に第2ネットワークノードから一時的に拒否されたことに起因する再選択に関連することを示す情報;
の内の少なくとも1つを含み得る。
【0081】
要求メッセージが第2のネットワークノードに対する過負荷制御に起因する再選択に関連することを示す情報を、要求メッセージに関するプロパティ情報が含む場合、第2ネットワークノードに対する過負荷制御は、第2ネットワークノードの過負荷情報に基づいて第1ネットワークノードによって実行され得る。過負荷情報は、第2ネットワークノードから受信したOCIによって示され得る、或いは、過負荷情報は、要求メッセージの総数に対する、第2ネットワークノードによってステータスコード(例えば、429/503)と共に拒否された要求メッセージ数の比率から導出され得る。ステータスコード(例えば、429/503)は、第2ネットワークノードから受信され、要求メッセージが第2ネットワークノードによって拒否されたことを示し得る。
【0082】
代替的に又は追加的に、要求メッセージに関するプロパティ情報は、再選択に関連する要求メッセージが以前に第2のネットワークノードに送信されたかどうか、すなわち、第1ネットワークノードが要求メッセージの送信を試みたかどうかを示す再送信情報をさらに含み得る。たとえば、ブール値パラメータ("真"又は"偽")が使用され得る。
【0083】
再送信情報が、例えば、真、つまり、再選択に関連する要求メッセージが以前に第2ネットワークノードに送信されたことを示す場合、再送信情報は、第2ネットワークノードへの試行回数をさらに含み、この場合、第1ネットワークノードは要求メッセージを第2ネットワークノードに送信したが、要求メッセージは一時的な原因コードを伴って第2ネットワークノードによって拒否さている。
【0084】
例えば、1回目の試行として、クライアントとしての第1ネットワークノードは、コンテキストの要求メッセージを、例えば、サーバ1等の第2ネットワークノードに送信し、2回目の試行として、コンテキストの要求メッセージを、サーバ2等の第3ネットワークノードを送信し得る。次に、第1ネットワークノードは、3回目の試行を行うことができ、例えば、コンテキストに対する要求メッセージを第3ネットワークノード又は他のネットワークノードに送信し得る。ここで、第1ネットワークノードが2回試行したため、要求メッセージは、プロパティ情報に再試行回数(この例では"2")を含み得る。
【0085】
要求メッセージに関するプロパティ情報は、要求メッセージの新規又は既存のカスタムヘッダ、又は、要求メッセージのメッセージボディに含まれ得る。
【0086】
上述した様な関連するプロパティ情報を含む要求メッセージは、第3ネットワークノードによって受信され得る。第3ネットワークノードは、少なくとも要求メッセージで受信されたプロパティ情報に基づいて、要求メッセージが拒否されるべきか受け入れられるべきかを決定し、要求メッセージが拒否されたか受け入れられたかについてのインジケーションを含む応答メッセージを第1ネットワークノードに送信することができ、それらについて
図3を参照して後に詳細に説明する。
【0087】
したがって、方法200において、第1ネットワークノードは、要求メッセージに対応する応答メッセージを第3ネットワークノードから受信し得る。応答メッセージは、要求メッセージが第3ネットワークノードによって拒否されたか受け入れられたかのインジケーションを含み得る。
【0088】
第3ネットワークノードによって要求メッセージが拒否されたことのインジケーションを含む応答メッセージが受信された場合、応答メッセージは拒否原因情報をさらに含み得る。例えば、拒否原因情報は、原因コードの特定フォーマットとして定義され得る。
【0089】
応答メッセージで受信された拒否原因情報は、コンテキストに対する要求メッセージが現在拒否されており、例えば、要求メッセージに関するプロパティ情報が示す事実に基づいて、第1ネットワークノードが後で再試行できることを第1のネットワークコードに示し、要求メッセージに関するプロパティ情報が示す事実は、要求メッセージが少なくとも第2ネットワークノードの過負荷制御が原因での再選択に関連すること、及び/又は、たとえば、コンテキストが第2ネットワークノードによってロックされているため、コンテキストが格納されているデータベースから第3ネットワークノードがコンテキストを取得できないことを示す。つまり、拒否はこの要求メッセージに対してのみ有効である。
【0090】
たとえば、SMF1が、ピアNF、たとえばPCFからのセッションの要求メッセージを処理しているため、UDSF内の(セッションの)コンテキストがこのSMF1によってロックされ、同時に、別のピアNF、たとえば、AMFが、同じコンテキストに対してこの過負荷のSMF1への接続を試みる可能性がある。このようなシナリオにおいて、AMF(第1ネットワークノードの例として)は、SMF1(第2ネットワークノードの例として)が過負荷であることを知っているため、代替SMF、つまり、SMF2(第3ネットワークノードの例として)を再選択することを決定し得る。したがって、代替SMF2(第3ネットワークノードの例として)が要求メッセージを受信し、対応するコンテキストがSMF1(第2ネットワークノードの例として)によってロックされていることを知っている場合、SMF2(第3ネットワークノードの例として)は、要求メッセージを拒否し、AMFが過負荷のSMF1(第2ネットワークノードの例として)に要求メッセージをリダイレクトしない様にするために、上記の事実に基づくその様な拒否原因情報を送信する。
【0091】
代替的又は追加的に、応答メッセージで受信する拒否原因情報は、要求メッセージが拒否され、同じサービスに関連するコンテキストに対する後続の要求メッセージが少なくともサービスの実装の性質に基づいて拒否されることを第1ネットワークノードに示し得る。すなわち、第1ネットワークノードは、基本的に、要求されたサービスの実装の性質に基づいて、同じサービスに関連するコンテキストに対する要求メッセージに対して第3ネットワークノードを再選択すべきではない。
【0092】
例えば、過負荷のAMF(第2ネットワークノードの例として)の場合、代替AMF(第3ネットワークノードの例として)が、例えば、サービス動作としてのN1N2メッセージ転送といったNamf_communicationサービスに対して選択された場合、代替AMF(第3ネットワークノードの例として)は、UEをページングし得る。ただし、UEがページングに応答すると、UEは、(第2のネットワークノードの例としての)過負荷のAMFに向けてサービス要求を依然開始する。したがって、代替AMF(第3ネットワークノードの例として)は、要求メッセージを拒否し、要求されたサービスの実装の性質に基づいて、その様な拒否原因情報を送信する。
【0093】
好ましくは、第1ネットワークノードは、受信した応答メッセージに含まれる拒否原因情報を、後の再選択決定のために格納し得る。
【0094】
以下、
図3を参照して、本開示の例示的な実施形態による、第3ネットワークノード(すなわち、再選択されるサーバ)における既存のコンテキストに対するネットワークノード再選択のための方法300について説明する。クライアントとしての第1ネットワークノードは、NFサービスコンシューマ、例えば、通常の要求メッセージのためのSCP、通知要求メッセージのためのNFサービスプロデューサ、或いは、要求メッセージ(HTTP要求メッセージ等)を送信する他の将来の開発における同様のものであり得ることと、それに応じて、要求メッセージを受信する第2ネットワークノード又は第3ネットワークノードは"サーバ"と呼ばれ、これは、適切なシナリオではNFサービスプロデューサ、SCP、NFサービスコンシューマ、或いは、他の将来の開発における同様のものを参照し得ることを理解されたい。たとえば、NFサービスコンシューマ(クライアントとして)は、NFサービスプロデューサ(サーバとして)によって提供されるサービスを利用できる。
【0095】
また、第3ネットワークノードにおける方法300は、前述した第1ネットワークノードにおける方法200に対応することも理解されたい。したがって、方法300の説明の一部は方法200の説明を参照して、簡略化のために省略する。
【0096】
前述した様に、方法300は、第1ネットワークノード(すなわち、クライアント)が、第1ネットワークノードによって消費されるサービスを提供するための第2ネットワークノード(すなわち、以前に選択されたサーバ、例えば、サーバ1)を選択し、サービスに関連するコンテキストが作成されているが、第2ネットワークノードでの何らかの理由(
図2を参照して前述した)により、第1ネットワークノードが、第2ネットワークノードと同じセット内の(代替の)第3ネットワークノード(例:サーバ2)を再選択する必要があるとのシナリオで実行される。そして、第1ネットワークノードは、第2ネットワークノードによって提供されていたコンテキストに対するサービスを提供できる第3ネットワークノードを選択することを決定する。
【0097】
図3に示す様に、方法300は、少なくともステップS301と、S303と、S305と、を含み得る。
【0098】
ステップS301において、第3ネットワークノードは、第1ネットワークノードから、コンテキストに対する要求メッセージを受信し得る。要求メッセージは、要求メッセージに関するプロパティ情報を含み得る。
【0099】
好ましくは、要求メッセージに関するプロパティ情報は、
-要求メッセージが第2ネットワークノードへの到達失敗による再選択に関連することを示す情報と、
-要求メッセージが第2ネットワークノードの過負荷制御による再選択に関連することを示す情報と、
-要求メッセージが、第2ネットワークノードへの最後の試行中に第2ネットワークノードから一時的に拒否されたことによる再選択に関連することを示す情報と、
の内の少なくとも1つを含み得る。
【0100】
代替的に又は追加的に、要求メッセージに関するプロパティ情報は、再選択に関連する要求メッセージが以前に第2のネットワークノードに送信されたかどうか、すなわち、第1ネットワークノードが要求メッセージの送信を試みたかどうかを示す再送信情報をさらに含み得る。たとえば、ブール値パラメータ("真"又は"偽")が使用され得る。
【0101】
再送信情報が、例えば、"真"、つまり、再選択に関連する要求メッセージが以前に第2のネットワークノードに送信されたことを示す場合、再送信情報は、第2ネットワークノードへの試行回数をさらに含み、この場合、第1ネットワークノードは、要求メッセージを第2ネットワークノードに送信したが、要求メッセージは、一時的な原因コードを伴って第2ネットワークノードによって拒否さている。
【0102】
例えば、クライアントとしての第1ネットワークノードは、1回目の試行として、コンテキストに対する要求メッセージを、例えば、サーバ1等の第2ネットワークノードに送信し、2回目の試行として、コンテキストに対する要求メッセージを、サーバ2等の第3ネットワークノードに送信し得る。次に、第1ネットワークノードは、3回目の試行、例えば、コンテキストに対する要求メッセージを第3ネットワークノード又は他のネットワークノードに送信し得る。ここで、第1ネットワークノードは既に2回試行しているため、要求メッセージは、プロパティ情報に再試行の回数(この例では"2")を含み得る。
【0103】
要求メッセージに関するプロパティ情報は、要求メッセージの新規又は既存のカスタムヘッダ、又は、要求メッセージのメッセージボディに含まれ得る。
【0104】
ステップS303において、第3ネットワークノードは、要求メッセージに関するプロパティ情報に少なくとも基づいて、要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定し得る。
【0105】
好ましくは、第3ネットワークノードは、要求メッセージに関するプロパティ情報と、要求されたサービスの実装の性質と、コンテキストが格納されているデータベースから第3のネットワークノードがコンテキストを取得できないという事実と、の内の少なくとも1つに基づいて、要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定し得る。
【0106】
たとえば、第3ネットワークノードは、要求メッセージが第2ネットワークノードの過負荷制御による再選択に関連していることを示す、受信したプロパティ情報に基づき、及び、コンテキストが第2ネットワークノードによってロックされるため、コンテキストが格納されているデータベースから第3ネットワークノードがコンテキストを取得できないという事実に基づき、要求メッセージを拒否することを決定し得る。つまり、拒否はこの要求メッセージに対してのみ有効である。この場合の特定の例として、SMF1が、ピアNF、例えば、PCFからのセッションの要求メッセージを処理しているため、UDSF内の(セッションの)コンテキストがこのSMF1によってロックされ、同時に、別のピアNF、例えば、AMFが、同じコンテキストに対してこの過負荷のSMF1への接続を試みる可能性がある。この様なシナリオにおいて、AMF(第1ネットワークノードの例として)は、SMF1(第2ネットワークノードの例として)が過負荷であることを知っているため、代替SMF、つまり、SMF1(第3ネットワークノードの例として)を再選択することを決定し得る。したがって、代替SMF2(第3ネットワークノードの例として)が要求メッセージを受信し、対応するコンテキストがSMF1(第2ネットワークノードの例として)によってロックされていることを知っている場合、SMF2(第3ネットワークノードの例として)は、要求メッセージを拒否し、AMFが過負荷のSMF1(第2ネットワークノードの例として)に要求メッセージをリダイレクトしない様にするために、上記の事実に基づくその様な拒否原因情報を送信する。
【0107】
別の例において、第3ネットワークノードは、要求メッセージが、第2ネットワークノードの過負荷制御による再選択に関連していることを示す受信したプロパティ情報と、サービスの実装の性質とに基づいて、要求メッセージを拒否することを決定し得る。したがって、第3ネットワークノードは、要求されたサービスの実装の性質により、同じサービスに関連するコンテキストの要求メッセージを常に拒否する。この場合の特定の例として、過負荷のAMF(第2ネットワークノードの例として)の場合、例えば、サービス動作としてのN1N2Message転送であるNamf_communicationサービスに対して代替AMF(第3のネットワークノードの例として)が選択されている場合、代替AMF(第3ネットワークノードの例として)は、UEをページングし得る。ただし、UEがページングに応答すると、UEは、(第2ネットワークノードの例として)過負荷のAMFに向けてサービス要求を依然開始する。したがって、代替AMF(第3ネットワークノードの例として)は、要求されたサービスの実装の性質により、同じサービスに関連するコンテキストの要求メッセージを常に拒否する。
【0108】
ステップS305において、第3ネットワークノードは、要求メッセージが拒否されたか受け入れられたかのインジケーションを含む応答メッセージを第1ネットワークノードに送信し得る。
【0109】
ステップS303で前述した様に、第3ネットワークノードが要求メッセージを拒否すると決定した場合、第3ネットワークノードは、要求メッセージを拒否したことのインジケーションを含む応答メッセージを送信し得る。
【0110】
この場合、応答メッセージは、さらに、拒否原因情報を含み得る。例えば、拒否原因情報は、原因コードの特定フォーマットとして定義され得る。
【0111】
図2を参照して前述した様に、拒否原因情報は、コンテキストに対する要求メッセージが現在拒否されており、例えば、要求メッセージに関するプロパティ情報が示す事実に基づいて、第1ネットワークノードが後で再試行できることを第1ネットワークノードに示し、要求メッセージに関するプロパティ情報が示す事実は、要求メッセージが第2ネットワークノードの過負荷制御に少なくとも起因する再選択に関連すること、及び/又は、例えば、コンテキストが第2ネットワークノードによってロックされているため、コンテキストが格納されているデータベースから第3ネットワークノードがコンテキストを取得できないことを示す。つまり、拒否はこの要求メッセージに対してのみ有効である。
【0112】
代替的又は追加的に、拒否原因情報は、要求メッセージが拒否され、同じサービスに関連するコンテキストに対する後続の要求メッセージが少なくともサービスの実装の性質に基づいて拒否されることを第1ネットワークノードに示し得る。すなわち、拒否原因情報は、要求されたサービスの実装の性質に基づいて、第1ネットワークノードが基本的に同じサービスに関連するコンテキストに対する要求メッセージに対して第3ネットワークノードを再選択すべきではないことを第1ネットワークノードに示し得る。
【0113】
以下、
図4を参照して、本発明の一実施形態による再選択プロセスのシグナリングシーケンス図について説明し、ここでは、本開示の例示的な実施形態によるネットワークノード再選択のための第1ネットワークノードにおける方法200及び第3ネットワークノードにおける方法300が適用される。
【0114】
以下の説明は、方法200及び300に関連するシグナリングに主に焦点を当てており、本開示の原理を曖昧にすることを避けるために、
図1に示す再選択プロセスのステップS1_1からS1_7と同様であり得るステップS4_1からS4_7等の他のシグナリングについては詳細に説明していないことに留意されたい。
図4において、方法200及び300に関連するシグナリングの修正が太字斜体で示されており、ステップS4_9からS4_11が含まれる。
【0115】
手順S4_1からS4_7の間、クライアントは、この例では、クライアントによって消費されるサービスAを提供するためのサーバ1を選択しており、サービスAに関連するコンテキストが作成されている。ただし、サーバ1に関連する幾つかのイベント、たとえば、サーバ1の過負荷、サーバ1に到達不可能、又は、一時的な原因等によりサーバ1がクライアントの要求メッセージを拒否する等が生じる。
【0116】
S4_8において、クライアントは、サーバ1に関連する(リソース)コンテキストに対する要求メッセージを、例えば、上流のNF又はUEから受信し得る。クライアントは、以下の事実の内の少なくとも1つに基づいて、代替サーバの再選択が必要であると判定し得る。
-クライアントがサーバ1に到達できないという事実、これは、例えば、"PING"を使用してプローブされ得る。例えば、サーバ1がNFプロデューサである場合には、クライアントが元のリソース統合リソース識別子(URI)に到達することはできず、サーバ1がNFコンシューマである場合、通知/コールバックURIに到達できない。
-例えば、3GPP TS29.500 V17.1.0(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)の付録Aの"過負荷制御のためのクライアント側適応スロットル"に規定されている様に、例えば、第2ネットワークノードの過負荷情報を示すOCIを第2ネットワークノードから受信することによって、又は、第2ネットワークノードから、要求メッセージが第2ネットワークノードによって拒否されたことを示すステータスコード(例えば、429/503)を受信し、要求メッセージの総数に対する第2ネットワークノードによってステータスコードと共に拒否された要求メッセージの数の比率から第2ネットワークノードの過負荷情報を導出することによって、クライアント1は、サーバ1が過負荷であると判断した事実
-クライアントは、試行として要求メッセージをサーバ1に送信したが、要求メッセージが、一時的な原因コードと共にサーバ1によって拒否されたという事実
【0117】
コンテキストが共通の中央データベース、例えば、同じセットの総てのサーバによってアクセスされ得る、当該セットのためのUDSFに格納されているため、クライアントは、サーバ1が配置されている場所と同じセット内に配置されているサーバ2を再選択し得る。
【0118】
S4_9において、クライアントは、コンテキストに対する要求メッセージ(例えば、Nnfp_serviceA動作要求)をサーバ2に送信し得る。要求メッセージは、要求メッセージに関するプロパティ情報を含み、それは、
-要求メッセージがサーバ1への到達失敗による再選択に関連することを示す情報と、
-要求メッセージがサーバ1の過負荷制御による再選択に関連することを示す情報と、
-要求メッセージが、サーバ1のへの最後の試行中にサーバ1から一時的に拒否されたことによる再選択に関連することを示す情報と、
の内の少なくとも1つを含み得る。
【0119】
要求メッセージに関するプロパティ情報は、再選択に関連する要求メッセージが以前にサーバ1に送信されたかどうか、すなわち、クライアントが要求メッセージの送信を試みたかどうかを示す再送信情報をさらに含み得る。たとえば、ブール値パラメータ("真"又は"偽")が使用され得る。
【0120】
再送信情報が、例えば、真、つまり、再選択に関連する要求メッセージが以前にサーバ1に送信されたことを示す場合、再送信情報は、サーバ1への試行回数をさらに含み、この場合、クライアントは、要求メッセージをサーバ1に送信したが、要求メッセージは一時的な原因コードを伴ってサーバ1によって拒否さている。
【0121】
サーバ2は、要求メッセージに関するプロパティ情報、要求されたサービスAの実装の性質、又は、コンテキストが格納されているデータベースからサーバ2がコンテキストを取得できないという事実の内の少なくとも1つに基づく、要求メッセージに関するプロパティ情報に少なくとも基づいて、要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定し得る。
【0122】
たとえば、サーバ2は、要求メッセージがサーバ1の過負荷制御による再選択に関連することを示す受信したプロパティ情報と、たとえば、コンテキストがサーバ1によってロックされるためコンテキストが格納されているデータベースからサーバ2がコンテキストを取得できないという事実と、に基づいて、要求メッセージを拒否することを決定し得る。つまり、拒否はこの要求メッセージに対してのみ有効である。
【0123】
別の例として、サーバ2は、要求メッセージがサーバ1の過負荷制御による再選択に関連することを示す受信したプロパティ情報と、サービスAの実装の性質と、に基づいて、要求メッセージを拒否することを決定し得る。つまり、サーバ2は、要求されたサービスAの実装の性質により、同じサービスAに関連するコンテキストの要求メッセージを常に拒否する。
【0124】
サーバ2が要求メッセージを拒否すると決定した場合、サーバ2は、対応する拒否原因情報を応答メッセージに含め得る。
【0125】
拒否原因情報は、コンテキストの要求メッセージが現在拒否されており、要求メッセージに関するプロパティ情報が示す事実に基づいて、クライアントが後に試行し得ることをクライアントに示し、要求メッセージに関するプロパティ情報が示す事実は、要求メッセージが、少なくともサーバ1の過負荷制御に起因する再選択に関連することを示す、及び/又は、コンテキストがサーバ1によってロックされているため、コンテキストが格納されているデータベースからサーバ2がコンテキストを取得できないことを示す。つまり、拒否はこの要求メッセージに対してのみ有効である。
【0126】
代替的又は追加的に、拒否原因情報は、要求メッセージが拒否され、同じサービスAに関連するコンテキストに対する後続の要求メッセージは、少なくともサービスAの実装の性質に基づいて拒否されることをクライアントに示し得る。つまり、拒否原因情報は、要求されたサービスAの実装の性質に基づいて、同じサービスAに関連するコンテキストに対する要求メッセージのためにクライアントが基本的にサーバ2を再選択すべきではないことをクライアントに示し得る。
【0127】
次に、S4_10において、サーバ2は、応答メッセージ(Nnfp_servicea操作応答等)をクライアントに送信し得る。応答メッセーは、要求メッセージが受け入れられたことのインジケーション(たとえば、"受諾")を含み得る。代替的に、応答メッセージは、前述した様に、要求メッセージが拒否されたことのインジケーションを(たとえば、"拒否")と、対応する拒否原因と、を含み得る。
【0128】
要求メッセージが拒否され、対応する拒否原因のインジケーションを伴う応答メッセージを受信した後、S4_11で、クライアントは、同じ拒否原因でのサーバ2のさらなる再選択を回避するために、受信した応答メッセージに含まれる拒否原因情報を格納し得る。
【0129】
図4に示すような例示的な手順は、たとえば3GPP TS29.500 V17.1.0の次のセクションの変更に関連し、変更箇所は、下線で示される。
【0130】
【0131】
5.2.3.3 カスタムヘッダをサポートするためのオプション
5.2.3.3.1 一般
3GPP NFサービスは、以下の表5.2.3.3-1に規定されるHTTPカスタムヘッダをサポートし得る。各カスタムヘッダの説明と、それらをいつ含めるかに関する規範的要件を表5.2.3.3-1に示す。
【0132】
【0133】
【0134】
5.2.3.2.x 3gpp-Sbi-Request-Property
ヘッダは、例えば、HTTP要求メッセージが既存のリソース/セッションコンテキストに対処するものである場合、かつ、HTTP要求が代替NFに向けてリダイレクトされるものである場合、HTTP要求メッセージに関連する追加情報を含む。
ヘッダのエンコードは、IETF RFC7230[12]で定義されているABNFに従う。
3gpp-Sbi-Request-Property = “3gpp-Sbi-Request-Property”“:”OWS“retrans=” retransvalue1*(“;”OWSparameter[(“;”OWSreceivedrejectioncause])
Retransvalue = “true”/“false” parameter “=” parametername“=”token
Parametername = “reason”
Reason = “reason” = OWScause
以下のパラメータが定義される:
-理由:NFがHTTP要求メッセージを再送信又はリダイレクトする理由を示す。これは、次のいずれかの値を取り得る:
-"unreachable":要求URI(リソースURIや通知/コールバックURI等)に到達できないため、HTTP要求が代替NFにリダイレクトされることを示す;
-"overlarded":代替NFへのリダイレクトを実行することにより、オーバロード制御の適用の結果としてHTTP要求が代替NFにリダイレクトされることを示す(6.4.3.5.1項を参照);
-"temporary-rejection-cause":一時的な拒否により、HTTP要求が同じ又は代替のNFに再送信されることを示す。
-receivedrejectioncause:retransvalueが"真"に設定され、理由が"temporary-rejection-cause"に設定されている場合、5.2.7.2項で定義されている様に、NFから受信した一時的な拒否原因(最後の試行)を示す。原因データタイプは、3GPP TS29.571[13]の5.2.4.1項に規定されている。
【0135】
【0136】
サービスベースのインターフェイスは、NFサービス間の通信にHTTP/2 over TCPを使用する。TCPは、IETF RFC5681[16]で規定されているトランスポートレベルの輻輳制御メカニズムを提供し、これは、2つのTCPエンドポイント間の輻輳制御(つまり、ホップごと)で使用され得る。HTTP/2は、IETF RFC7540[7]で規定されている様に、接続レベルの輻輳制御用に構成できるフロー制御メカニズムとストリーム同時実行の制限も提供する。
TCP及びHTTP/2の輻輳制御メカニズムに加えて、以下のエンドツーエンドのアプリケーションレベルの過負荷制御メカニズムが定義される。
要求を正常に処理するために利用可能なシグナリング容量に応じてNFサービスコンシューマにサービス要求の送信を減らす様に指示する、又は、NFサービスプロデューサに通知要求の送信を減らす様にそれぞれ指示することにより、過負荷制御は、過負荷になっているNFサービスプロデューサ、NFサービスコンシューマ、又は、SCPの受信シグナリング負荷を適切に軽減させることができる。NFサービスプロデューサ、NFサービスコンシューマ、又は、SCPは、そのシグナリング容量を超えて動作すると過負荷になる。
過負荷制御を適用することをNFサービスコンシューマによって指示された場合、過負荷範囲がNFインスタンスレベル又はNFセットレベルにある場合であっても、同じNF(NFプロデューサとして機能するときに、NFによって別のOCIが広告され得る)によって生成され得るNFサービスではなく、過負荷範囲に応じた通知又はコールバック要求に対してのみNFサービスコンシューマに対するシグナリング削減を実行すべきである。
過負荷制御は、一般に、過負荷が発生した場合(事後対応)に、受信トラフィックをトラフィックソースのできるだけ近くで遮断することを目的とし、これにより、ネットワーク内で問題が広がることを回避し、過負荷のエンティティはではサービスされ得ないシグナリングのためにネットワーク内の中間エンティティのリソースが使用されることを回避する。
過負荷制御については、優先ユーザ(MPSなど)と緊急サービスの優先的な扱いを引き続き可能にする必要がある。
過負荷制御は、HTTP応答で返されたHTTPステータスコード(6.4.2項で定義)に基づいて、又は、HTTP要求又は応答で通知された過負荷制御情報(OCI)(6.4.2項で定義)に基づいて実行され得る。
過負荷制御実施NFは、過負荷になったNFへのHTTP要求の送信を減らすために、要求メッセージの一部を抑制するか、可能であれば一部の要求メッセージを代替NFにリダイレクトする。(6.4.3.5)項を参照
【0137】
【0138】
過負荷緩和の一環として、過負荷制御実施NF、つまり、OCI(非ヌルの過負荷削減メトリックを持つ)を受信するエンティティは、受信範囲に対応する過負荷のピアに向けて、例えば、範囲がNFセットIDを示す場合にはNFセットの総てのNFインスタンスに向けて送信されるはずの要求メッセージの総数を削減し、同じ範囲に属する別のエンティティに要求をリダイレクトしない。
これは、ピアの過負荷レベルに比例して要求メッセージの一部を破棄することによって達成され、要求メッセージのスロットリングと呼ばれる、或いは、再選択の紐づけエンティティが過負荷範囲より大きい場合、可能であれば要求メッセージの一部を代替NFにリダイレクトする。
既存のリソース/セッションコンテキストに対処するために要求を代替NFにリダイレクトする場合、NFは、過負荷実施の結果として要求が代替NFにリダイレクトされることを示す3gpp-Sbi-Request-Propertyヘッダを含め得る。(5.2.3.2.x)項を参照
メッセージスロットリングは、HTTP要求(通知要求を含むあらゆるサービス要求)にのみ適用される。
ネットワーク機能は、6.4.3.5.2項で指定されている"損失"アルゴリズムをサポートし、使用するものとする。
【0139】
【0140】
6.4.3.5.2 損失アルゴリズム
過負荷になったNFサービスプロデューサ/コンシューマ/SCPは、送信するHTTP要求の数を減らすようピアに要求するか、6.4.3.4.3で規定されている様に、過負荷削減メトリックパラメータ内の要求されたトラフィック削減パーセンテージをOCIヘッダで伝送する。
過負荷削減メトリックの受信者は、可能であれば代替の宛先にリダイレクトすることによって、或いは、要求を失敗させ、宛先エンティティによって拒否されたかの様に処理することによって、要求メッセージの数をそのパーセンテージだけ減らす必要がある(例:olcScopeがNFインスタンスレベルであり、サービスリソースのバインディングインジケーションがSMFセット用である場合、Nsmf_PDUSession_CreateSMContextサービス動作に対するHTTP POST要求を同じSMFセット内の代替SMFに送信できる)。
ノート:たとえば、NFサービスプロデューサ/コンシューマ/SCPがピアにトラフィックを10%削減する様に要求した場合、そのピアは、そうでなければこのNFサービスプロデューサ/コンシューマ/SCPに送信されるはずのトラフィックの10%を調整する。
【0141】
【0142】
以下、
図5を参照して本開示の例示的な実施形態による第1ネットワークノードの構造について説明する。
図5は、本開示の例示的な実施形態による、ノード500の概略なブロック図である。
図5の第1ネットワークノード500は、
図2を参照して前述した方法200を実行し得る。したがって、第1ネットワークノード500に関する詳細な説明は、
図2の方法200の対応する説明及び前述した
図4のシグナリングシーケンス図を参照することができるため、ここでは簡略化のために省略する。
【0143】
前述した様に、クライアントとしての第1ネットワークノードは、NFサービスコンシューマ、例えば、通常の要求メッセージのためのSCP、通知要求メッセージのためのNFサービスプロデューサ、或いは、要求メッセージ(HTTP要求メッセージなど)を送信する他の将来の開発における同様のものであり得ることと、それに応じて、要求メッセージを受信する第2ネットワークノード又は第3ネットワークノードは"サーバ"と呼ばれ、これは、適切なシナリオではNFサービスプロデューサ、SCP、NFサービスコンシューマ、或いは、他の将来の開発における同様のものを参照し得ることを理解されたい。たとえば、NFサービスコンシューマ(クライアントとして)は、NFサービスプロデューサ(サーバとして)によって提供されるサービスを利用できる。
【0144】
図5に示す様に、第1ネットワークノード500は、決定ユニット501と、送信ユニット503と、を含み得る。
【0145】
決定ユニット501は、第2ネットワークノードによって提供されていたコンテキストに対するサービスを提供できる第3ネットワークノードを再選択することを決定する様に構成され得る。
【0146】
好ましくは、決定ユニット501は、
-第1ネットワークノード500が第2ネットワークノードに到達できないという事実と、
-第2ネットワークノードが過負荷であると第1ネットワークノード500が判定した事実と、
-第1ネットワークノード500が試行として要求メッセージを第2ネットワークノードに送信したが、要求メッセージが、一時的な原因コードと共に第2ネットワークノードによって拒否されたという事実と、
の内の少なくとも1つに基づいて、第3ネットワークノードを再選択することを決定する様に構成され得る。
【0147】
送信ユニット503は、コンテキストに対する要求メッセージを第3ネットワークノードに送信する様に構成され、要求メッセージは、要求メッセージに関するプロパティ情報を含み得る。
【0148】
前述した様に、要求メッセージに関するプロパティ情報は、
-要求メッセージが第2ネットワークノードへの到達失敗に起因する再選択に関連することを示す情報と、
-要求メッセージが第2ネットワークノードの過負荷制御に起因する再選択に関連することを示す情報と、
-要求メッセージが、第2ネットワークノードへの最後の試行中に第2ネットワークノードから一時的に拒否されたことに起因する再選択に関連することを示す情報と、
の内の少なくとも1つを含む。
【0149】
一実施形態において、第1ネットワークノード500は、第2ネットワークノードの過負荷情報に基づいて第2ネットワークノードの過負荷制御を行う過負荷制御ユニット(図示せず)をさらに含み得る。
【0150】
過負荷情報は、第2ネットワークノードから受信したOCIによって示され得る、或いは、要求メッセージの総数に対するステータスコードと共に第2ネットワークノードによって拒否された要求メッセージ数の比率から導出され、ステータスコードは第2ネットワークノードから受信され、要求メッセージが第2のネットワークノードによって拒否されたことを示す。
【0151】
例示的な実施形態において、要求メッセージに関するプロパティ情報は、さらに、再選択に関連する要求メッセージが以前に第2ネットワークノードに送信されたことを示す再送信情報を含み得る。
【0152】
代替的又は置換的に、再送信情報は、さらに、第2ネットワークノードに対する試行回数を含み、その場合、第1ネットワークノード500は、要求メッセージを第2ネットワークノードに送信したが、要求メッセージは、一時的な原因コードと共に第2ネットワークノードによって拒否されている。
【0153】
例示的な実施形態において、第1ネットワークノード500は、さらに、要求メッセージに対応する応答メッセージを第3ネットワークノードから受信する様に構成され得る受信ユニット(図示せず)を備え、応答メッセージは、要求メッセージが第3ネットワークノードによって拒否されたか受け入れられたかのインジケーションを含む。
【0154】
第3ネットワークノードによって要求メッセージが拒否されたことのインジケーションを含む応答メッセージが受信された場合、応答メッセージは、拒否原因情報をさらに含み得る。拒否原因情報は、
-要求メッセージが第2ネットワークノードの過負荷制御に少なくとも起因する再選択に関連することを要求メッセージに関するプロパティ情報が示すという事実、及び/又は、コンテキストが格納されているデータベースから第3ネットワークノードがコンテキストを取得できないという事実に基づいて、要求メッセージが現在拒否されていること、又は
-要求メッセージが拒否され、同じサービスに関連するコンテキストに対する後続の要求メッセージが、少なくともサービスの実装の性質に基づいて拒否されるであろうこと、
を示す。
【0155】
代替的又は追加的に、第1ネットワークノード500は、後続の再選択決定のために受信された応答メッセージに含まれる拒否原因情報を格納する様に構成される格納部(図示せず)をさらに含み得る。
【0156】
以下、
図6を参照して本開示の他の実施形態による第1ネットワークノードの構造について説明する。
図6は、本開示の例示的な実施形態による、第1ネットワークノード600の概略なブロック図である。
図6の第1のネットワークノード600は、
図2を参照して前述した方法200を実行し得る。したがって、第1ネットワークノード600に関する詳細な説明は、
図2の方法200の対応する説明及び前述した
図4のシグナリングシーケンス図を参照することができるため、ここでは簡略化のために省略する。
【0157】
前述した様に、クライアントとしての第1ネットワークノードは、NFサービスコンシューマ、例えば、通常の要求メッセージのためのSCP、通知要求メッセージのためのNFサービスプロデューサ、或いは、要求メッセージ(HTTP要求メッセージなど)を送信する他の将来の開発における同様のものであり得ることと、それに応じて、要求メッセージを受信する第2ネットワークノード又は第3ネットワークノードは"サーバ"と呼ばれ、これは、適切なシナリオではNFサービスプロデューサ、SCP、NFサービスコンシューマ、或いは、他の将来の開発における同様のものを参照し得ることを理解されたい。たとえば、NFサービスコンシューマ(クライアントとして)は、NFサービスプロデューサ(サーバとして)によって提供されるサービスを利用できる。
【0158】
図6に示す様に、第1ネットワークノード600は、少なくとも1つのプロセッサ601と、少なくとも1つのメモリ603と、を含む。少なくとも1つのプロセッサ601は、例えば、コンピュータプログラム命令を実行することができる任意の適切なCPU(中央処理装置)、マイクロコントローラ、DSP(デジタル信号プロセッサ)などを含む。少なくとも1つのメモリ603は、RAM(ランダムアクセスメモリ)とROM(読み取り専用メモリ)の任意の組み合わせであってもよい。少なくとも1つのメモリ603はまた、例えば、磁気メモリ、光メモリ、固体メモリ、あるいは遠隔搭載メモリのいずれか1つ又はそれらの組み合わせであり得る永続記憶装置を含み得る。
【0159】
少なくとも1つのメモリ603は、少なくとも1つのプロセッサ601によって実行可能な命令を格納する。命令は、少なくとも1つのメモリ603からロードされ、少なくとも1つのプロセッサ601上で実行されると、第1ネットワークノード600に、例えば、
図2及び
図4に関連してそれぞれ前述した手順のアクションを実行させ得るが、ここでは、簡略化のために省略する。
【0160】
以下、
図7を参照して本発明の一実施形態による第3ネットワークノードの構造について説明する。
図7は、本開示の例示的な実施形態による、第3ネットワークノード700の概略なブロック図である。
図7の第3ネットワークノード700は、
図3を参照して前述した方法300を実行し得る。したがって、第3ネットワークノード700に関する詳細な説明は、
図3の方法300の対応する説明及び前述した
図4のシグナリングシーケンス図を参照することができるため、ここでは簡略化のために省略する。
【0161】
前述した様に、クライアントとしての第1ネットワークノードは、NFサービスコンシューマ、例えば、通常の要求メッセージのためのSCP、通知要求メッセージのためのNFサービスプロデューサ、或いは、要求メッセージ(HTTP要求メッセージなど)を送信する他の将来の開発における同様のものであり得ることと、それに応じて、要求メッセージを受信する第2ネットワークノード又は第3ネットワークノードは"サーバ"と呼ばれ、これは、適切なシナリオではNFサービスプロデューサ、SCP、NFサービスコンシューマ、或いは、他の将来の開発における同様のものを参照し得ることを理解されたい。たとえば、NFサービスコンシューマ(クライアントとして)は、NFサービスプロデューサ(サーバとして)によって提供されるサービスを利用できる。
【0162】
図7に示す様に、第3ネットワークノード700は、受信ユニット701と、決定ユニット703と、送信ユニット705と、を含み得る。
【0163】
受信ユニット701は、第1ネットワークノードから、コンテキストに対する要求メッセージを受信する様に構成され、要求メッセージは要求メッセージに関するプロパティ情報を含む。
【0164】
前述した様に、要求メッセージに関するプロパティ情報は、
-要求メッセージが第2ネットワークノードへの到達失敗による再選択に関連することを示す情報と、
-要求メッセージが第2ネットワークノードの過負荷制御による再選択に関連することを示す情報と、
-要求メッセージが、第2ネットワークノードへの最後の試行中に第2ネットワークノードから一時的に拒否されたことによる再選択に関連することを示す情報と、
の内の少なくとも1つを含む。
【0165】
例示的な実施形態において、要求メッセージに関するプロパティ情報は、さらに、再選択に関連する要求メッセージが以前に第2ネットワークノードに送信されたことを示す再送信情報を含み得る。
【0166】
代替的又は置換的に、再送信情報は、さらに、第2ネットワークノードに対する試行回数を含み、その場合、第1ネットワークノード500は、要求メッセージを第2ネットワークノードに送信したが、要求メッセージは、一時的な原因コードと共に第2ネットワークノードによって拒否されている。
【0167】
決定ユニット703は、要求メッセージに関するプロパティ情報に少なくとも基づいて、要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定する様に構成され得る。
【0168】
好ましくは、決定ユニット703は、要求メッセージに関するプロパティ情報と、要求されたサービスの実装の性質と、コンテキストが格納されているデータベースから第3のネットワークノードがコンテキストを取得できないという事実と、の内の少なくとも1つに基づいて、要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定する様にさらに構成され得る。
【0169】
送信ユニット705は、要求メッセージを拒否するか受け入れるかのインジケーションを含む応答メッセージを第1ネットワークノードに送信する様に構成され得る。
【0170】
前述した様に、決定ユニット703が要求メッセージを拒否する場合、送信ユニット705は、さらに、要求メッセージを拒否したことのインジケーションを含む応答メッセージを送信する様に構成され得る。
【0171】
この場合、応答メッセージは、さらに、拒否原因情報を含み得る。例えば、拒否原因情報は、原因コードの特定フォーマットとして定義され得る。
【0172】
拒否原因情報は、コンテキストの要求メッセージが現在拒否されており、例えば、要求メッセージに関するプロパティ情報が示す事実に基づいて、第1ネットワークノードが後で再試行できることを第1のネットワークコードに示し、要求メッセージに関するプロパティ情報が示す事実は、要求メッセージが第2ネットワークノードの過負荷制御に少なくとも起因する再選択に関連すること、及び/又は、例えば、コンテキストが第2ネットワークノードによってロックされているため、コンテキストが格納されているデータベースから第3ネットワークノードがコンテキストを取得できないことを示す。つまり、拒否はこの要求メッセージに対してのみ有効である。
【0173】
代替的又は追加的に、拒否原因情報は、要求メッセージが拒否され、同じサービスに関連するコンテキストに対する後続の要求メッセージが少なくともサービスの実装の性質に基づいて拒否されることを第1ネットワークノードに示し得る。すなわち、拒否原因情報は、要求されたサービスの実装の性質に基づいて、第1ネットワークノードが基本的に同じサービスに関連するコンテキストに対する要求メッセージに対して第3ネットワークノードを再選択すべきではないことを第1ネットワークノードに示し得る。
【0174】
以下、
図8を参照して本開示の他の実施形態による第3ネットワークノードの構造について説明する。
図8は、本開示の例示的な実施形態による、第3ネットワークノード800の概略なブロック図である。
図8の第3ネットワークノード800は、
図3を参照して前述した方法300を実行し得る。したがって、第3ネットワークノード800に関する詳細な説明は、
図3の方法300の対応する説明及び前述した
図4のシグナリングシーケンス図を参照することができるため、ここでは簡略化のために省略する。
【0175】
前述した様に、クライアントとしての第1ネットワークノードは、NFサービスコンシューマ、例えば、通常の要求メッセージのためのSCP、通知要求メッセージのためのNFサービスプロデューサ、或いは、要求メッセージ(HTTP要求メッセージなど)を送信する他の将来の開発における同様のものであり得ることと、それに応じて、要求メッセージを受信する第2ネットワークノード又は第3ネットワークノードは"サーバ"と呼ばれ、これは、適切なシナリオではNFサービスプロデューサ、SCP、NFサービスコンシューマ、或いは、他の将来の開発における同様のものを参照し得ることを理解されたい。たとえば、NFサービスコンシューマ(クライアントとして)は、NFサービスプロデューサ(サーバとして)によって提供されるサービスを利用できる。
【0176】
図8に示す様に、第3ネットワークノード800は、少なくとも1つのプロセッサ801と、少なくとも1つのメモリ803と、を含む。少なくとも1つのプロセッサ801は、例えば、コンピュータプログラム命令を実行することができる任意の適切なCPU(中央処理装置)、マイクロコントローラ、DSP(デジタル信号プロセッサ)などを含む。少なくとも1つのメモリ803は、RAM(ランダムアクセスメモリ)とROM(読み取り専用メモリ)の任意の組み合わせであってもよい。少なくとも1つのメモリ803はまた、例えば、磁気メモリ、光メモリ、固体メモリ、あるいは遠隔搭載メモリのいずれか1つ又はそれらの組み合わせであり得る永続記憶装置を含み得る。
【0177】
少なくとも1つのメモリ803は、少なくとも1つのプロセッサ801によって実行可能な命令を格納する。命令は、少なくとも1つのメモリ803からロードされ、少なくとも1つのプロセッサ801上で実行されると、第3ネットワークノード800に、例えば、
図3及び
図4に関連してそれぞれ前述した手順のアクションを実行させ得るが、ここでは、簡略化のために省略する。
【0178】
本開示は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、EEPROM(電気的に消去可能なプログラム可能リードオンリーメモリ)、フラッシュメモリ、又は、ハードドライブといった、不揮発性又は揮発性メモリの形式である、少なくとも1つのコンピュータプログラム製品も提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムを有する。
【0179】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つのプロセッサ601によって実行されると、第1ネットワークノード600に、例えば、
図2及び
図4に関連して前述した手順のアクションを実行させる、コード/コンピュータ可読命令を含む、或いは、少なくとも1つのプロセッサ801によって実行されると、第3ネットワークノード800に、例えば、
図3及び
図4に関連して前述した手順のアクションを実行させる、コード/コンピュータ可読命令を含む。
【0180】
コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムモジュールで構成されたコンピュータプログラムコードとして構成され得る。コンピュータプログラムモジュールは、
図2から
図4のいずれかに示すフローの動作を基本的に実行する。
【0181】
プロセッサは、単一CPU(中央処理ユニット)であり得るが、2つ以上の処理ユニットを含み得る。例えば、プロセッサは、汎用目的マイクロプロセッサ、命令セットプロセッサ、及び/又は、関連チップセット、及び/又は、特定用途向け集積回路(ASIC)の様な特別なマイクロプロセッサを含み得る。プロセッサは、キャッシュ目的のためのボードメモリを含み得る。コンピュータプログラムは、プロセッサに接続されたコンピュータプログラム製品により担持され得る。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムを格納する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含み。例えば、コンピュータプログラム製品は、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)又はEEPROMを含み、上述したコンピュータプログラムモジュールは、他の実施形態において、メモリ形式の様々なコンピュータプログラム製品に分散され得る。
【0182】
本発明開示について、実施形態を参照して説明した。種々の修正、置換及び追加が、本発明開示の範囲から逸脱することなく、当業者により行われ得ることを理解すべきである。よって、本発明開示の範囲は、上述した特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲により定義されるのみである。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスに関連するコンテキストについてのネットワークノード再選択のための第1ネットワークノードにおける方法(200)であって、
前記第1ネットワークノードは、前記第1ネットワークノードによって消費される前記サービスを提供するための第2ネットワークノードを選択しており、前記サービスに関連する前記コンテキストが作成されており、
前記方法(200)は、
前記第2ネットワークノードによって提供される前記コンテキストに対する前記サービスを提供できる第3ネットワークノードを再選択することを決定(S201)することと、
前記コンテキストの要求メッセージを前記第3ネットワークノードに送信(S203)することであって、前記要求メッセージは、前記要求メッセージに関するプロパティ情報を含む、ことと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法(200)であって、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報は、
前記要求メッセージが前記第2ネットワークノードへの到達失敗による再選択に関連することを示す情報と、
前記要求メッセージが前記第2ネットワークノードの過負荷制御による再選択に関連することを示す情報と、
前記要求メッセージが、前記第2ネットワークノードへの最後の試行中に前記第2ネットワークノードから一時的に拒否されたことによる再選択に関連することを示す情報と、の内の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法(200)であって、
前記第2ネットワークノードの前記過負荷制御は、前記第2ネットワークノードの過負荷情報に基づいて前記第1ネットワークノードによって実行され、
前記過負荷情報は、前記第2ネットワークノードから受信される過負荷制御情報(OCI)によって示される、或いは、
前記過負荷情報は、要求メッセージの総数に対するステータスコードと共に前記第2ネットワークノードによって拒否された要求メッセージ数の比率から導出され、前記ステータスコードは、前記第2ネットワークノードから受信され、要求メッセージが前記第2ネットワークノードよって拒否されたことを示す、方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法(200)であって、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報は、さらに、前記再選択に関連する前記要求メッセージが以前に前記第2ネットワークノードに送信されたことを示す再送信情報を含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法(200)であって、
前記再送信情報は、さらに、前記第2ネットワークノードに対する試行回数を含み、その場合、前記第1ネットワークノードが前記要求メッセージを前記第2ネットワークノードに送信したが、前記要求メッセージが一時的な原因コードと共に前記第2ネットワークノードによって拒否されている、方法。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか1項に記載の方法(200)であって、
前記第1ネットワークノードは、
前記第1ネットワークノードが前記第2ネットワークノードに到達できないという事実と、
前記第2ネットワークノードが過負荷であると前記第1ネットワークノードが判定する事実と、
前記第1ネットワークノードが試行として前記要求メッセージを前記第2ネットワークノードに送信したが、前記要求メッセージが、一時的な原因コードと共に前記第2ネットワークノードによって拒否された事実と、
の内の少なくとも1つに基づいて前記第3ネットワークノードを再選択することを決定する、方法。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか1項に記載の方法(200)であって、さらに、
前記要求メッセージに対応する応答メッセージを前記第3ネットワークノードから受信することを含み、前記応答メッセージは、前記要求メッセージが前記第3ネットワークノードによって拒否されるか受け入れられるかのインジケーションを含む、方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の方法(200)であって、
前記要求メッセージが前記第3ネットワークノードによって拒否されたことのインジケーションを含む応答メッセージが受信された場合、前記応答メッセージは、さらに、拒否原因情報を含み、
前記拒否原因情報は、
前記要求メッセージが前記第2ネットワークノードの過負荷制御に少なくとも起因する前記再選択に関連することを、前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報が示すという事実、及び/又は、前記コンテキストが格納されているデータベースから前記第3ネットワークノードが前記コンテキストを取得できないとの事実に基づいて、前記要求メッセージが現在拒否されていることを示す、或いは、
前記要求メッセージが拒否され、同じサービスに関連するコンテキストに対する後続の要求メッセージが、少なくとも前記サービスの実装の性質に基づいて拒否されるであろうことを示す、方法。
【請求項9】
請求項
8に記載の方法(200)であって、さらに、
受信した前記応答メッセージに含まれる前記拒否原因情報を、後の再選択決定のために格納することを含む、方法。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか1項に記載の方法(200)であって、
前記要求メッセージは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)要求メッセージである、方法。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれか1項に記載の方法(200)であって、
前記第1ネットワークノードは、前記要求メッセージを送信するHTTPクライアントとして機能し、
ネットワーク機能(NF)サービスコンシューマと、
サービス通信プロキシ(SCP)と、
NFサービスプロデューサと、
の内の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項12】
請求項1から
11のいずれか1項に記載の方法(200)であって、
前記第2ネットワークノード又は前記第3ネットワークノードは、前記要求メッセージに応答するHTTPサーバとして機能し、
NFサービスコンシューマと、
SCPと、
NFサービスプロデューサと、
の内の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項13】
サービスに関連するコンテキストについてのネットワークノード再選択のための第3ネットワークノードにおける方法(300)であって、
第1ネットワークノードは、前記第1ネットワークノードによって消費される前記サービスを提供するための第2ネットワークノードを選択しており、前記サービスに関連する前記コンテキストが作成されており、
前記方法(300)は、
前記第1ネットワークノードから、前記コンテキストの要求メッセージを受信(S301)することであって、前記要求メッセージは前記要求メッセージに関するプロパティ情報を含む、ことと、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報に少なくとも基づいて、前記要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定(S303)することと、
前記要求メッセージを拒否するか受け入れるかのインジケーションを含む応答メッセージを前記第1ネットワークノードに送信(S305)することと、
を含む方法。
【請求項14】
請求項
13に記載の方法(300)であって、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報は、
前記要求メッセージが前記第2ネットワークノードへの到達失敗による再選択に関連することを示す情報と、
前記要求メッセージが前記第2ネットワークノードの過負荷制御による再選択に関連することを示す情報と、
前記要求メッセージが、前記第2ネットワークノードへの最後の試行中に前記第2ネットワークノードから一時的に拒否されたことによる再選択に関連することを示す情報と、の内の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項15】
請求項
13又は14に記載の方法(300)であって、
前記第3ネットワークノードは、
要求された前記サービスの実装の性質と、
前記コンテキストが格納されているデータベースから前記第3ネットワークノードが前記コンテキストを取得できないという事実と、
の内の少なくとも1つにさらに基づいて、前記要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定する、方法。
【請求項16】
請求項
13又は14に記載の方法(300)であって、
前記第3ネットワークノードは、前記要求メッセージを拒否すると決定した場合、前記要求メッセージが拒否されたことのインジケーションを含む前記応答メッセージを送信する、方法。
【請求項17】
サービスに関連するコンテキストについてのネットワークノード再選択のために構成された第1ネットワークノード(600)であって、
前記第1ネットワークノードは、前記第1ネットワークノードによって消費される前記サービスを提供するための第2ネットワークノードを選択しており、前記サービスに関連する前記コンテキストが作成されており、
前記第1ネットワークノード(600)は、
少なくとも1つのプロセッサ(601)と、
命令を格納する少なくとも1つのメモリ(603)と、を備え、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサ(601)で実行されると、前記第1ネットワークノード(600)に、
前記第2ネットワークノードによって提供される前記コンテキストに対する前記サービスを提供できる第3ネットワークノードを再選択することを決定することと、
前記サービスの要求メッセージを前記第3ネットワークノードに送信することであって、前記要求メッセージは、前記要求メッセージに関するプロパティ情報を含む、ことと、
を行わせる様に構成される、第1ネットワークノード。
【請求項18】
請求項
17に記載の第1ネットワークノード(600)であって、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサ(601)によって実行されると、さらに、前記第1ネットワークノード(600)に請求項2から
12のいずれか1項に記載の方法を行わせる、第1ネットワークノード。
【請求項19】
サービスに関連するコンテキストについてのネットワークノード再選択のために構成された第3ネットワークノード(800)であって、
第1ネットワークノードは、前記第1ネットワークノードによって消費される前記サービスを提供するための第2ネットワークノードを選択しており、前記サービスに関連する前記コンテキストが作成されており、
前記第3ネットワークノード(800)は、
少なくとも1つのプロセッサ(801)と、
命令を格納する少なくとも1つのメモリ(803)と、を備え、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサ(801)で実行されると、前記第3ネットワークノード(800)に、
前記第1ネットワークノードから、前記コンテキストの要求メッセージを受信することであって、前記要求メッセージは前記要求メッセージに関するプロパティ情報を含む、ことと、
前記要求メッセージに関する前記プロパティ情報に少なくとも基づいて、前記要求メッセージを拒否するか受け入れるかを決定することと、
前記要求メッセージを拒否するか受け入れるかのインジケーションを含む応答メッセージを前記第1ネットワークノードに送信することと、
を行わせる様に構成される、第3ネットワークノード。
【請求項20】
請求項
19に記載の第3ネットワークノード(800)であって、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサ(801)によって実行されると、さらに、前記第3ネットワークノード(800)に請求項
14から
16のいずれか1項に記載の方法を行わせる、第3ネットワークノード。
【請求項21】
コンピュータプログラム命令が格納されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から
12のいずれか1項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
コンピュータプログラム命令が格納されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項
13から
16のいずれか1項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】