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特表2024-513805液冷放熱機器、キャビネット及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】液冷放熱機器、キャビネット及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20240319BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 A
H05K7/20 Q
H05K7/20 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559839
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 CN2021129144
(87)【国際公開番号】W WO2022205917
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】202110362479.3
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523365262
【氏名又は名称】西安易朴通訊技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】XI’AN YEP TELECOM TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】5th Floor, Building C, Huanpu Industrial Park, Tiangu 8th Road No. 211, High-tech Zone Xi’an, Shaanxi 710000 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】曲 中江
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA05
5E322DA04
5E322DB01
5E322DB06
5E322EA11
5E322FA04
(57)【要約】
本出願の実施例は、液冷技術分野に関し、液冷放熱機器、キャビネット及びシステムを開示し、従来のコールドプレート式液冷方案に存在する液漏れリスク、メンテナンスの難易度が高く、システム性能が悪く、外観の美感に欠けるという技術問題を解決した。本出願では、液冷放熱機器であって、シャーシの外側壁上に管路出口が開設され、外側壁は、シャーシのシャーシパネル、IO口パネルに接触する側板外壁であり、回路基板は、シャーシの内底面上に固定され、蒸発器は、予め設定される隙間で回路基板上に固定され、回路基板とともに収容空間を形成し、発熱電子素子は、収容空間内の回路基板上に取り付けられ、且つ回路基板に電気的に接続され、蒸発器に熱的に接続され、凝縮器は、管路出口が位置する領域の外側壁上に固定され、蒸気管路と液体管路は、管路出口を通過し、蒸発器と凝縮器とを連通する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液冷放熱機器であって、
シャーシと、回路基板と、蒸発器と、発熱電子素子と、凝縮器と、蒸気管路と、液体管路とを含み、
前記シャーシの外側壁上に管路出口が開設され、前記外側壁は、前記シャーシのシャーシパネル、IO口パネルに接触する側板外壁であり、
前記回路基板は、前記シャーシの内底面上に固定され、
前記蒸発器は、予め設定される隙間で前記回路基板上に固定され、前記回路基板とともに収容空間を形成し、
前記発熱電子素子は、前記収容空間内の前記回路基板上に取り付けられ、且つ前記回路基板に電気的に接続され、前記蒸発器に熱的に接続され、
前記凝縮器は、前記管路出口が位置する領域の前記外側壁上に固定され、
前記蒸気管路と前記液体管路は、前記管路出口を通過し、前記蒸発器と前記凝縮器とを連通し、
ここで、前記発熱電子素子の作動時に、前記蒸発器内の液体は、前記発熱電子素子が発する熱を吸収し、蒸気に気化し、内部蒸気圧の作用で前記蒸気管路に沿って前記凝縮器に入り、前記凝縮器によって液体に冷却された後に前記液体管路に沿って前記蒸発器に戻る、液冷放熱機器。
【請求項2】
前記凝縮器は、基板と、ハウジングと、複数の凝縮器フィンと、蒸気入口と、液体出口とを含み、
前記ハウジングと前記基板は、密閉するキャビティを構成し、
前記複数の凝縮器フィンは、前記キャビティ内の前記基板上に並んで間隔をあけて固定され、
前記蒸気入口は、前記蒸気管路に連通し、前記複数の凝縮器フィンと平行な前記ハウジングの側壁上の一端に開設され、
前記液体出口は、前記液体管路に連通し、前記蒸気入口が位置する前記側壁上の他端に開設される、請求項1に記載の液冷放熱機器。
【請求項3】
前記凝縮器の個数は、偶数個であり、
前記シャーシの対向する二つの外側壁上に、それぞれ前記管路出口が開設され、前記凝縮器は、前記管路出口が位置する領域の前記外側壁上に対称に固定される、請求項1に記載の液冷放熱機器。
【請求項4】
前記液冷放熱機器は、熱伝導パッドをさらに含み、
前記熱伝導パッドは、前記凝縮器の液冷放熱キャビネットにおけるコールドプレートに接触する側に設置される、請求項1に記載の液冷放熱機器。
【請求項5】
液冷放熱キャビネットであって、キャビネットのフロントドアに近い二つのフロントピラーと、キャビネットのリアドアに近い二つのリアピラーと、請求項1から4のいずれか1項に記載の液冷放熱機器を置くためのシャーシパレットと、前記液冷放熱機器の外側壁上に固定される凝縮器と協働して使用する液冷機構とを含み、
前記シャーシパレットは、前記二つのフロントピラーと前記二つのリアピラーとで囲む領域に固定され、前記二つのフロントピラーと前記二つのリアピラーによって固定され、
前記液冷機構は、前記シャーシパレットの上方領域の、前記凝縮器と同一側に位置する前記リアピラー上に固定される、液冷放熱キャビネット。
【請求項6】
前記液冷機構は、コールドプレートと、弾性部材と、入水管路と、出水管路と、コールドプレートシュート構造と、入水マニホールドと、出水マニホールドとを含み、
前記コールドプレートシュート構造は、前記リアピラー上に固定され、
前記弾性部材の一端は、前記リアピラー上に固定され、且つ前記コールドプレートシュート構造に対応する領域の間に位置し、
前記コールドプレートは、前記弾性部材の他端に固定され、前記コールドプレートシュート構造内にスライド可能に取り付けられ、前記入水管路によって前記入水マニホールドに連通し、前記出水管路によって前記出水マニホールドに連通し、
ここで、前記コールドプレートが前記凝縮器上に設置される熱伝導パッドに接触していない時に、前記弾性部材が自然伸長状態にあり、前記コールドプレートが前記凝縮器上に設置される熱伝導パッドに接触している時に、前記弾性部材が圧縮状態にあり、それによって前記コールドプレートが前記熱伝導パッドによって前記凝縮器に接触して熱伝達し、前記凝縮器と前記液冷放熱機器内に位置する蒸発器が液冷放熱機器内の発熱電子素子を放熱させるように補助する、請求項5に記載の液冷放熱キャビネット。
【請求項7】
前記コールドプレートシュート構造は、第一のシュートと第二のシュートとを含み、前記弾性部材は、第一の固定部と第二の固定部とを含み、
前記第一のシュートと前記第二のシュートは、予め設定される距離を隔てて前記リアピラー上に固定され、前記予め設定される距離は、前記コールドプレートの厚さよりもわずかに大きく、
前記コールドプレートは、前記第一のシュートと前記第二のシュートで構成される収容空間にスライド可能に取り付けられ、
前記第一の固定部は、前記コールドプレートの前記リアピラーに向かう面上に固定され、前記第二の固定部は、前記リアピラーの前記コールドプレートに向かう面上に固定される、請求項6に記載の液冷放熱キャビネット。
【請求項8】
前記凝縮器の蒸気入口は、前記コールドプレートの入水マニホールドに接続する冷水入口に対向して設置され、前記凝縮器の液体出口は、前記コールドプレートの出水マニホールドに接続する温水出口に対向して設置される、請求項5から7のいずれか1項に記載の液冷放熱キャビネット。
【請求項9】
前記液冷放熱キャビネットは、シャーシ固定部材をさらに含み、
前記シャーシ固定部材は、前記弾性部材が常に圧縮状態にあるように、前記シャーシパレット上に置かれる前記液冷放熱機器を前記二つのフロントピラー上に固定するために用いられる、請求項5から7のいずれか1項に記載の液冷放熱キャビネット。
【請求項10】
液冷放熱システムであって、請求項1から4のいずれか1項に記載の液冷放熱機器と、請求項5から9のいずれか1項に記載の液冷放熱キャビネットとを含み、
前記液冷放熱機器は、前記液冷放熱キャビネットにおけるシャーシパレット上に置かれ、前記シャーシパレットに沿って液冷放熱キャビネットに入れた時に、前記液冷放熱機器の外側壁上に固定される各凝縮器が一つの熱伝導パッドによって前記液冷放熱キャビネットにおけるリアピラー上に固定される一つのコールドプレートに接触するようにし、前記コールドプレートがコールドプレートシュート構造に沿って前記リアピラーの方向に向かってスライドするようにし、前記コールドプレートと前記リアピラーとの間に位置する弾性部材を自然伸長状態から圧縮状態まで圧縮することによって、前記コールドプレートが前記熱伝導パッドによって前記凝縮器に接触して熱伝達するようにし、前記凝縮器と前記液冷放熱機器内に位置する蒸発器が液冷放熱機器内の発熱電子素子を放熱させるように補助する、液冷放熱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、出願番号が「2021103624793」であり、出願日が2021年04月02日の中国特許出願に基づいて提案され、この中国特許出願の優先権を主張しており、この中国特許出願のすべての内容は援用により本出願に取り組まれる。
【0002】
本出願の実施例は、液冷技術分野に関し、特に液冷放熱機器、キャビネット及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
データセンターは、Internetネットワークインフラストラクチャ上でデータ情報を伝達、加速、提示、計算、記憶するためのグローバルコラボレーションの特定の機器ネットワークで、無数のコンピュータハードウェアで構成されている。データセンターにおけるコンピュータハードウェアの絶えない増加に伴い、データセンターが直面している放熱と省エネの圧力はますます高まっている。研究によると、液冷放熱は、データセンターの電源使用効率(Power Usage Effectiveness、PUE)を1.2以下に下げることができ、PUEが1に近いほどデータセンターのエネルギー効率が良いことを示しているため、データセンターの放熱と省エネのニーズからは、液冷技術は必然的な選択である。
【0004】
現在、IT/通信機器とデータセンターで広く使われているのはコールドプレート式液冷方案で、コールドプレート式液冷方案はデータセンターの建設に対する制限が比較的小さいが、目的のコールドプレート式液冷方案は、放熱信頼性、配管レイアウト設計とメンテナンス性の面で以下の問題がある。
【0005】
1、放熱の信頼性の問題:図1を参照すると、現在のコールドプレート式液冷方案は、電子機器、例えばシャーシ100’の内部にコールドプレート11’、冷水管路12’と温水管路13’の二つの部分がある。コールドプレート11’、冷水管路12’と温水管路13’は溶接又は係合で組み立てられている。コールドプレート11’の内部には液体(一般的には水)があり、コールドプレート11’と冷水管路12’、温水管路13’の加工プロセスと組み立てプロセスの問題から、コールドプレート11’と冷水管路12’、温水管路13’には液体漏れのリスクがある。また、シャーシ100’の外部では通常、クイック継手200’とホース300’でキャビネットのmanifoldに接続されているが、クイック継手200’は可動部品であるため、図1に示すコールドプレート式液冷方案のシステム、例えばデータセンターを採用すると、長期運転中にも液漏れリスクがある。
【0006】
2、配管レイアウトの面での問題:現在のコールドプレート式液冷方案では、コールドプレート11’、冷水管路12’と温水管路13’がシャーシ100’内部から出る方式は前側から出る方式と後側から出る方式の2種類がある。図1を参照すると、前側から出る方式は、シャーシ100’上の液冷パネル14’側から出て、100’上の液冷パネル14’側は一般的にハードディスクをレイアウトするため、冷水管路12’と温水管路13’をレイアウトするために、ハードディスクの一部を取り外す必要があり、これはシステムの性能だけでなく、機器の美感にも影響する。後側から出る方式はIO口側から出て、当然IOの一部を取り外す必要があり、システム全体の性能にも影響する。
【0007】
3、メンテナンス性の面での問題:シャーシ100’又はシャーシ100’内のいずれか一つの独立してデータ処理を行うことができるノードはすべてクイック継手200’とホース300’をシャーシのmanifoldに接続する必要があり、シャーシ100’又はノードをメンテナンスする必要がある場合、まずクイック継手200’を抜いたり(雄ヘッドと雌ヘッドを分離する)、オンにしたりする必要があり、また、あるノードをメンテナンスする場合、ノードのモジュール(例えばハードディスク)は上下管路(冷水管路12’と温水管路13’)の干渉を受けてスムーズに挿抜できない可能性があるため、メンテナンスでIOの一部を取り外すと、システム全体の性能にも影響する。メンテナンス性の面でいくつかの問題があり、空冷システムと同じような利便性が得られない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願の実施例は、液冷放熱機器を提供し、シャーシと、回路基板と、蒸発器と、発熱電子素子と、凝縮器と、蒸気管路と、液体管路とを含み、
前記シャーシの外側壁上に管路出口が開設され、前記外側壁は、前記シャーシのシャーシパネル、IO口パネルに接触する側板外壁であり、
前記回路基板は、前記シャーシの内底面上に固定され、
前記蒸発器は、予め設定される隙間で前記回路基板上に固定され、前記回路基板とともに収容空間を形成し、
前記発熱電子素子は、前記収容空間内の前記回路基板上に取り付けられ、且つ前記回路基板に電気的に接続され、前記蒸発器に熱的に接続され、
前記凝縮器は、前記管路出口が位置する領域の前記外側壁上に固定され、
前記蒸気管路と前記液体管路は、前記管路出口を通過し、前記蒸発器と前記凝縮器とを連通し、
ここで、前記発熱電子素子の作動時に、前記蒸発器内の液体は、前記発熱電子素子が発する熱を吸収し、蒸気に気化し、内部蒸気圧の作用で前記蒸気管路に沿って前記凝縮器に入り、前記凝縮器によって液体に冷却された後に前記液体管路に沿って前記蒸発器に戻る。
【0009】
本出願の実施例は、液冷放熱キャビネットをさらに提供し、キャビネットのフロントドアに近い二つのフロントピラーと、キャビネットのリアドアに近い二つのリアピラーと、上記液冷放熱機器を置くためのシャーシパレットと、前記液冷放熱機器の外側壁上に固定される凝縮器と協働して使用する液冷機構とを含み、
前記シャーシパレットは、前記二つのフロントピラーと前記二つのリアピラーとで囲む領域に固定され、前記二つのフロントピラーと前記二つのリアピラーによって固定され、
前記液冷機構は、前記シャーシパレットの上方領域の、前記凝縮器と同一側に位置する前記リアピラー上に固定される。
【0010】
本出願の実施例は、液冷放熱システムをさらに提供し、上記液冷放熱機器と、上記液冷放熱キャビネットとを含み、
前記液冷放熱機器は、前記液冷放熱キャビネットにおけるシャーシパレット上に置かれ、前記シャーシパレットに沿って液冷放熱キャビネットに入れた時に、前記液冷放熱機器の外側壁上に固定される各凝縮器が一つの熱伝導パッドによって前記液冷放熱キャビネットにおけるリアピラー上に固定される一つのコールドプレートに接触するようにし、前記コールドプレートがコールドプレートシュート構造に沿って前記リアピラーの方向に向かってスライドするようにし、前記コールドプレートと前記リアピラーとの間に位置する弾性部材を自然伸長状態から圧縮状態まで圧縮することによって、前記コールドプレートが前記熱伝導パッドによって前記凝縮器に接触して熱伝達するようにし、前記凝縮器と前記液冷放熱機器内に位置する蒸発器が液冷放熱機器内の発熱電子素子を放熱させるように補助する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来のコールドプレート式液冷方案におけるシャーシ内部にレイアウトされる放熱装置の構造概略図である。
図2】本出願の一実施例による液冷放熱機器の構造概略図である。
図3】本出願の一実施例による液冷機器における凝縮器12Aの内部構造概略図である。
図4】本出願の別の実施例による液冷放熱キャビネットの平面図である。
図5】本出願の別の実施例による液冷放熱キャビネット200における液冷機構204Aと204Bの具体的な構造概略図である。
図6】本出願の別の実施例による液冷放熱キャビネット200における液冷機構204Aにおけるコールドプレート204A-1の内部構造概略図である。
図7】本出願の別の実施例による液冷放熱キャビネットの、キャビネットのフロントドアを視角とする側視図である。
図8】本出願の別の実施例による液冷放熱システムにおける液冷放熱機器の凝縮器12A、熱伝導パッド15Aと液冷放熱キャビネットにおける液冷機構204Aにおけるコールドプレート204A-1との三者の間の関係概略図である。
図9】本出願のもう一つの実施例による液冷放熱システムの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下は、本出願の実施例における図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述し、明らかに、記述された実施例ただは、本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0013】
なお、本出願の実施例に方向性に関する指示(例えば上、下、左、右、前、後……)がある場合、この方向性指示は、ある特定の姿勢(図面に示すように)で各部材の間の相対位置関係、運動状況などを説明するためにのみ使用され、この特定の姿勢が変化すると、この方向性指示もそれに応じて変化する。
【0014】
また、本出願の実施例に「第一」、「第二」などに関する記述がある場合、この「第一」、「第二」などの記述は、説明の目的でのみ使用され、その相対的重要性を指示したり暗示したり、指示された技術的特徴の数を暗黙的に示したりすると理解できない。 それによって、「第一」、「第二」と限定された特徴は、明示的又は暗黙的に少なくとも一つの当該特徴を含むことができる。また、各実施例の間の技術案は互いに結合されていてもよいが、当業者が実現できることを基礎とする必要があり、技術案の結合が互いに矛盾したり実現できなかったりした場合には、そのような技術案の結合は存在せず、本出願の請求の範囲内にもないと考えるべきである。
【0015】
本出願の一実施例は、液冷放熱機器を提供し、この液冷放熱機器はサーバ、交換機、通信機器などであってもよく、具体的な実現において、本実施例でいう液冷放熱機器は、シャーシ、回路基板、蒸発器、発熱電子素子、凝縮器、蒸気管路、液体管路、ハードディスク領域、ファン、メモリ、インターフェースカード領域と電源領域を含むが、それらに限らない。
【0016】
説明を容易にするために、本実施例は、データセンターのサーバを例に、図2図3を結び付けながら説明する。
【0017】
図2に示すように、具体的な実現において、本実施例でいう液冷放熱機器のシャーシ100の外側壁10上に10A-1と10B-1などの管路出口が開設され、回路基板(図2は図示せず)は、シャーシ100の内底面上に固定され、蒸発器11A、11Bは、それぞれ予め設定される隙間で回路基板上に固定され、回路基板とともに収容空間を形成し、発熱電子素子16Aは、蒸発器11Aと回路基板とで形成する収容空間内に取り付けられ、且つ回路基板に電気的に接続され、蒸発器11Aに熱的に接続され、発熱電子素子16Bは、蒸発器11Bと回路基板とで形成する収容空間内に取り付けられ、且つ回路基板に電気的に接続され、蒸発器11Bに熱的に接続され、凝縮器12Aは、管路出口10A-1が位置する領域の外側壁10上に固定され、凝縮器12Bは、管路出口10B-1が位置する領域の外側壁10上に固定され、蒸気管路13Aと液体管路14Aは、管路出口10A-1を通過し、蒸発器11Aと凝縮器12Aとを連通し、蒸気管路13Bと液体管路14Bは、管路出口10B-1を通過し、蒸発器11Bと凝縮器12Bとを連通する。
【0018】
上記構造に基づいて、発熱電子素子16A、16Bの作動時に、それぞれに対応する蒸発器11A、11B内の液体は、発熱電子素子16A、16Bが発する熱を吸収し、蒸気に気化し、内部蒸気圧の作用でそれぞれに対応する蒸気管路13A、13Bに沿ってそれぞれに対応する凝縮器12A、12Bに入り、凝縮器12A、12Bによって液体に冷却された後にそれぞれに対応する液体管路14A、14Bに沿って蒸発器11A、11Bに戻る。
【0019】
凝縮器12A、12Bが蒸気を液体に液化する過程で、蒸気は絶えず熱を放出してさらに温度の比較的低い液体になるため、蒸発器と凝縮器との協働により、発熱電子素子から発生した熱を迅速に奪い、さらに発熱電子素子の迅速な放熱を達成することができる。
【0020】
本出願の一実施例では、本実施例において言及された外側壁10は具体的にシャーシ100のシャーシパネル(図2においてハードディスク領域左側に対応するパネル)とIO口パネル(図2においてインターフェースカード領域と電源領域右側に対応するパネル)に接触する側板外壁を指す。
【0021】
本出願の一実施例では、外側壁10上に開設される管路出口について、図2における10A-1と10B-1の外側壁10での具体的な位置は、シャーシ100内の発熱電子素子16A、16Bの位置、及び発熱電子素子16A、16Bの周囲空隙、他の電子素子、例えばIOインターフェース、電源、ハードディスクなどのレイアウトに基づいて合理的に計画することができ、即ち凝縮器と蒸発器をできるだけ簡単に連通する蒸気管路、液体管路のシャーシ100内でのレイアウトである。
【0022】
本出願の一実施例では、外側壁10上に開設される管路出口の個数について、液冷放熱機器全体に使用する必要がある凝縮器の個数に基づいて決めてもよく、例えば管路出口が凝縮器に一対一に対応し、又は一つの管路出口が複数の凝縮器に対応し、図2は、一つの管路出口が一つの凝縮器に対応し、例えば管路出口10A-1が凝縮器12Aに対応し、管路出口10B-1が凝縮器12Bに対応することを示すが、実際の応用において、これに限らない。
【0023】
本出願の一実施例では、本実施例でいう発熱電子素子16A、16Bは、液冷放熱機器における中央プロセッサ(central processing unit、CPU)、メモリなどの消費電力素子を含むが、それらに限らず、本実施例は、これを制限しない。
【0024】
液冷放熱機器における凝縮器をよりよく理解するために、本実施例は、具体的な構造の凝縮器を与え、具体的にはフィン構造の凝縮器である。
【0025】
説明を容易にするために、以下に凝縮器12Aを例に、フィン構造の凝縮器を具体的に説明する。
【0026】
図3に示すように、凝縮器12Aは、基板(図3において示せず)、ハウジング12A-1と、複数の凝縮器フィン12A-2と、蒸気入口と、液体出口とを含む。
【0027】
本出願の一実施例では、ハウジング12A-1と基板は、密閉するキャビティを構成し、複数の凝縮フィン12A-2は、キャビティ内の基板上に並んで間隔をあけて固定され、蒸気管路13A(図2において)に接続される蒸気入口は、複数の凝縮器フィン12A-2と平行なハウジング12A-1の側壁の一端に開設され、液体管路14Aに接続される液体出口は、複数の凝縮器フィン12A-2と平行なハウジング12A-1の同一側壁の他端に開設され、図3に示す。
【0028】
本出願の一実施例では、冷却された液体がタイムリーに蒸発器中に還流できるようにするために、液体出口を図3に示す複数の凝縮器フィン12A-2と平行なハウジング12A-1の側壁の最底部に開設する必要があり、このように冷却された液体が比較的少なくても、蒸発器13A中に還流することもできる。
【0029】
上記蒸発器は、予め設定される隙間で回路基板上に固定される時に、具体的に形成された収容空間に固定する必要がある発熱電子素子の厚さに基づいて決定し、即ち形成された収容空間は、発熱電子素子を収容空間内の回路基板上に固定することを保証できるとともに、発熱電子素子の作動時に発する熱が蒸発器によって全部又はできるだけ多く吸収されることを保証するように、発熱電子素子の上面(回路基板に接触する面から離れる)をできるだけ蒸発器に近づける。
【0030】
実際の応用において、発熱電子素子と蒸発器との間の熱伝達効果を高めるために、発熱電子素子の上面に一熱伝導パッドを設置するとともに、熱伝導パッドの対向する二つの面がそれぞれ発熱電子素子と蒸発器に接触するように設置してもよく、それによって発熱電子素子が熱伝導パッドによって蒸発器に密接に接触できるようにし、さらに発熱電子素子から発生した熱をできるだけ多く、できるだけ早く蒸発器に伝達することを保証する。
【0031】
同時に熱伝導パッドの柔軟性の特性に基づいて、発熱電子素子と蒸発器との間に熱伝導パッドを設置することにより、発熱電子素子と蒸発器とが直接接触し押出してデバイスが損傷する問題の発生を効果的に回避することもできる。
【0032】
本出願の一実施例では、図2図3において与えられた上記例は、本実施例の技術案をよりよく理解するために挙げられた例に過ぎず、本実施例のユニークな制限ではない。
【0033】
即ち、実際の応用において、シャーシ外側壁上に設置される凝縮器の個数は2つに限らず、凝縮器の個数は、具体的に液冷放熱機器内で放熱する必要がある発熱電子素子の個数に基づいて決定してもよく、例えば一つの発熱電子素子が一つの凝縮器に対応する。
【0034】
本出願の一実施例では、凝縮器の個数は、凝縮器の冷凍効果に基づいて決定してもよく、例えば選用された凝縮器の冷凍効果が高い場合、複数の発熱電子素子が一つの凝縮器に対応するように設置してもよく、逆に、一つの発熱電子素子が一つの凝縮器に対応し、又は一つの発熱電子素子が複数の凝縮器に対応し、本実施例は、これを制限しない。
【0035】
したがって、発熱電子素子が発する熱を吸収するための蒸発器について、実際の応用において、一つの発熱電子素子が一つの蒸発器に対応するように設置してもよく、同一領域における複数の発熱電子素子が一つの蒸発器に対応するように設置してもよく、本実施例は、これを制限しない。
【0036】
実際の応用において、凝縮器の個数が偶数個である場合、例えば、図2における2個であり、シャーシ全体の外観の対称性、及びバランスを保証するために、シャーシの対向する二つの外側壁上にそれぞれ図2における管路出口10A-1、10B-1などの管路出口を開設する必要がある。
【0037】
偶数個の凝縮器を管路出口が位置する領域の外側壁上に対称に固定する必要があり、図2における凝縮器12Aを管路出口10A-1が位置する領域の外側壁上に固定する必要があり、凝縮器12Bを管路出口10B-1が位置する領域の外側壁上に固定する必要がある。
【0038】
本出願の一実施例では、本実施例による液冷放熱機器、即ちデータセンターのサーバは、実際の応用において、このサーバを専用に置く液冷放熱キャビネットに入れる必要があり、液冷放熱機器と液冷放熱キャビネットとの協働を可能にし、さらに放熱効果をよりよく高めるために、前記液冷放熱機器は、熱伝導パッドをさらに含む。
【0039】
液冷放熱機器は、液冷放熱キャビネットに入れる時に、凝縮器が液冷放熱キャビネットのコールドプレートに接触し、さらに凝縮器とコールドプレートとの協働によって発熱電子素子の二次放熱を実現するため、熱伝導パッドは具体的に凝縮器の液冷放熱キャビネットにおけるコールドプレートに接触する側に設置される。
【0040】
本出願の一実施例では、一つの液冷放熱機器のシャーシの外側壁上に複数の凝縮器を固定する可能性があるため、各凝縮器の側壁にも一熱伝導パッドを設置する必要があり、それによって凝縮器が液冷放熱キャビネットにおけるコールドプレートに接触した時に、熱伝導パッドによって熱伝達をよりよく行うことができ、それによって液冷放熱機器は、液冷放熱キャビネットとよりよく協働して放熱できるようにし、さらに放熱効果を高める。
【0041】
凝縮器側壁に設置される熱伝導パッドについて、実際の応用において繰り返し使用可能な材料を採用して製造することができる。
【0042】
同様に、発熱電子素子と蒸発器との間に設置される熱伝導パッドは、繰り返し使用可能な材料を採用して製造することもできる。
【0043】
上記記述から明らかなように、本実施例による液冷放熱機器は、発熱電子素子に蒸発器を設置し、シャーシ外側壁に凝縮器を固定し、蒸気管路と液体管路を利用し、蒸発器と凝縮器とを連通し、蒸発器と凝縮器との協働により、従来の直接液冷を気化してから液化するように変更し、放熱効果を大幅に高めた。
【0044】
加えて、液冷放熱機器全体において放熱する液冷機構(蒸発器、凝縮器、蒸気管路、液体管路)は、クイック継手によって接続される必要がなく、それによってクイック継手を採用することによる液冷放熱機器内の液漏れのリスクを回避した。
【0045】
本実施例による液冷放熱機器は、気化してから液化するという放熱方式は、使用する必要がある液体が非常に少ないため、漏れてもシャーシ内部の電子素子に損傷を与えない。
【0046】
本実施例による液冷放熱機器は、凝縮器をシャーシ外側壁に設置することにより、シャーシ内部空間を占有しないため、蒸気管路と液体管路のレイアウトは、シャーシ内のハードウェア領域におけるハードディスクの完全性、IOインターフェース領域のIOインターフェースの個数に影響を与えないため、システム性能がより良い。
【0047】
本実施例による液冷放熱機器は、上記構造に基づいて、シャーシ正面に液冷パネル、クイック継手の雌ヘッドを設置する必要がなく、液冷放熱機器の全体の外形がより美しくなっている。
【0048】
本出願の別の実施例は、液冷放熱キャビネットに関し、この液冷放熱キャビネットは、主に第一の実施例による液冷放熱機器を置き、液冷放熱機器における凝縮器と協働し、液冷放熱機器における発熱電子素子をさらに放熱させるために用いられる。
【0049】
理解できるように、実際の応用において、液冷放熱キャビネットと液冷放熱機器をよりよく協働させるために、液冷放熱キャビネットは、置かれる液冷放熱機器に基づいてカスタマイズでき、例えばデータセンターに置かれるサーバの液冷放熱キャビネットに対して、これらのサーバが一般的に標準サーバであるため、液冷放熱キャビネットの幅は、標準幅、例えば800mmを取ることができる。
【0050】
本実施例でいう液冷放熱キャビネットをよりよく理解するために、以下、図4から図7を結び付け、液冷放熱キャビネットを詳細に説明し、
図4に示すように、本実施例でいう液冷放熱キャビネット200は、キャビネットのフロントドアに近い二つのフロントピラー201と、キャビネットのリアドアに近い二つのリアピラー202と、第一の実施例による液冷放熱機器を置くためのシャーシパレット203と、液冷放熱機器の外側壁上に固定される凝縮器(図2における凝縮器12A、12B)と協働して使用する液冷機構204A、204Bとを含む。
【0051】
液冷機構は液冷放熱機器における凝縮器と協働して使用するため、液冷放熱キャビネット200における液冷機構の個数は、液冷放熱機器の外側壁上に固定される凝縮器の個数と同じで、一対一に対応する必要がある。図4に二つの液冷機構204A、204Bが示されるのは、この液冷放熱キャビネットが図2に対応する外側壁に二つの凝縮器12A、12Bを設置する液冷放熱機器と協働して使用されることを説明するためだけであり、本実施例の技術案をよりよく理解するために挙げられた例であり、本実施例のユニークな制限ではない。
【0052】
図4から分かるように、具体的に実現する時に、シャーシパレット203は、二つのフロントピラー201と二つのリアピラー202とで囲む領域に固定され、二つのフロントピラー201と二つのリアピラー202によって固定される。
【0053】
シャーシパレット203の固定方式について、具体的に実現する時に、ボルト、締結具などの固定部材を採用して固定してもよく、二つのフロントピラー201と二つのリアピラー202上に溝を開設することにより、そしてシャーシパレット203を溝内に挿入し、固定してもよく、当業者であれば、必要に応じて設置することができ、本実施例は、これを制限しない。
【0054】
図4から分かるように、具体的に実現する時に、液冷機構204A、204Bは、シャーシパレット203の上方領域の、凝縮器と同一側に位置するリアピラー202上に固定される。
【0055】
液冷機構204A、204Bの具体的な構造について、以下に図5を結び付けながら詳細に説明し、
図5に示すように、液冷機構204Aについて、コールドプレート204A-1と、弾性部材204A-2と、入水管路204A-3と、出水管路204A-4と、コールドプレートシュート構造204A-5と、入水マニホールド204A-6と、出水マニホールド204A-7とを含む。
【0056】
液冷機構204Bについて、同様に上記7つの構造アセンブリ、図5に示すコールドプレート204B-1と、弾性部材204B-2と、入水管路204B-3と、出水管路204B-4と、コールドプレートシュート構造204B-5と、入水マニホールド204B-6と、出水マニホールド204B-7とを含む。
【0057】
説明を容易にするために、以下に液冷機構204Aを例に、上記7つの構造アセンブリの設置位置を説明し、
図5に示すように、コールドプレートシュート構造204A-5は、リアピラー202上に固定され、弾性部材204A-2の一端は、リアピラー202上に固定され、且つコールドプレートシュート構造204A-5に対応する領域の間に位置し、コールドプレート204A-1は、弾性部材204A-2の他端に固定され、コールドプレートシュート構造204A-5内にスライド可能に取り付けられ、入水管路204A-3によって入水マニホールド204A-6に連通し、出水管路204A-4によって出水マニホールド204A-7に連通する。
【0058】
コールドプレート204A-1が凝縮器(図2における12A)上に設置される熱伝導パッド(図2における15A)に接触していない時に、弾性部材204A-2が自然伸長状態にあり、コールドプレート204A-1が凝縮器(図2における12A)上に設置される熱伝導パッド(図2における15A)に接触している時に、弾性部材204A-2が圧縮状態にあり、それによってコールドプレート204A-1が熱伝導パッド(図2における15A)によって凝縮器(図2における12A)に接触して熱伝達し、凝縮器(図2における12A)と液冷放熱機器内に位置する蒸発器(図2における11A)が液冷放熱機器内の発熱電子素子(図2における16A)を放熱させるように補助する。
【0059】
上記の入水マニホールド204A-6、204B-6、及び出水マニホールド204A-7、204B-7について、即ち一般的にいうmanifoldである。
【0060】
コールドプレート204A-1、204B-1について、本実施例でフィン構造のコールドプレートを採用し、説明を容易にするために、以下に204A-1を例に、図6を結び付けながら具体的に説明する。
【0061】
図6に示すように、コールドプレート204A-1は、基板(図6において示せず)と、ハウジング204A-11と、複数の凝縮器フィン204A-12と、冷水入口と、温水出口とを含む。
【0062】
具体的な実現において、ハウジング204A-11と基板は、密閉するキャビティを構成し、複数の凝縮フィン204A-12は、キャビティ内の基板上に並んで間隔をあけて固定され、入水マニホールド204A-6(図5において)に接続する冷水入口が複数の凝縮器フィン204A-12と平行なハウジング204A-11の側壁の一端に開設され、出水マニホールド204A-7に接続する温水出口が複数の凝縮器フィン204A-12と平行なハウジング204A-11の同一側壁の他端に開設され、図6に示す。
【0063】
実際の応用において、凝縮器12A(図2において)が熱伝導パッド15A(図2において)によって伝達してきた熱を吸収した冷水が温水になった後に、温水がタイムリーに出水マニホールド204A-7から流出することを保証するために、温水出口を図6に示す複数の凝縮器フィン204A-12と平行なハウジング204A-11の側壁の最底部に開設する必要があり、このように吸熱して得られた温水が比較的少なくても、出水マニホールド204A-7から流出することもできる。
【0064】
上記例は、本実施例の技術案をよりよく理解するために挙げられた例に過ぎず、本実施例のユニークな制限ではない。
【0065】
なお、本実施例でいうコールドプレートシュート構造について、図5における204A-5であっても、204B-5であっても、具体的に実現する時に、第一のシュートと第二のシュートの二つの部分に分けられる。
【0066】
第一のシュートと第二のシュートは、予め設定される距離を隔ててリアピラー上に固定され、コールドプレートは、第一のシュートと第二のシュートで構成される収容空間にスライド可能に取付けられる。
【0067】
前記予め設定される距離は、前記コールドプレートの厚さよりもわずかに大きく、このようにコールドプレートを第一のシュートと第二のシュートで構成される収容空間に取り付けることができることを保証できるとともに、コールドプレートの収容空間における揺れ幅が過度に大きくならないことを保証し、即ちコールドプレートのスライドプロセスの安定性を保証し、コールドプレートに接触する液冷放熱機器の凝縮器がコールドプレートに安定して接触できるようにし、さらに全体の放熱効果を保証する。
【0068】
本実施例でいう弾性部材について、図5における204A-2であっても、204B-2であっても、弾性部材とコールドプレート及びリアピラーとの固定効果を保証するために、弾性部材は、第一の固定部と第二の固定部とを含んでもよい。
【0069】
弾性部材がスプリングであることを例に、スプリングの一端は外側に延びて第一の固定部を形成し、他端は外側に延びて第二の固定部を形成する。
【0070】
第一の固定部は、コールドプレートのリアピラーに向かう面上に固定され、第二の固定部は、リアピラーのコールドプレートに向かう面上に固定される。
【0071】
第一の固定部は、接着、ねじなどの方式によってコールドプレート上に固定されてもよい。
【0072】
第二の固定部は、接着、ねじなどの方式によってリアピラー上に固定されてもよい。
【0073】
上記例は、本実施例の技術案をよりよく理解するために挙げられた例に過ぎず、本実施例のユニークな制限ではない。
【0074】
実際の応用において、一つの液冷放熱キャビネットに、液冷放熱機器を複数台置く可能性があり、各台の液冷放熱機器における発熱電子素子の放熱効果を保証するために、液冷放熱キャビネットにおける二つのフロントピラーと二つのリアピラーとの間に予め設定される間隔で複数のシャーシパレットを固定するとともに、各シャーシパレットの上方領域の、凝縮器と同一側に位置するリアピラー上に一つの液冷機構を固定してもよい。
【0075】
本出願の一実施例では、シャーシパレットをフロントピラーとリアピラー上に安定して固定できることを保証するとともに、シャーシパレット上に置かれるシャーシ(液冷放熱機器)が左右両側から外れないように、シャーシパレットは、U形溝パレットを採用し、U形溝パレットの側壁が同一側に位置するフロントピラーとリアピラーにそれぞれ接触固定されるように設置してもよい。
【0076】
多層U形溝構造のシャーシパレットの液冷放熱キャビネットにおける設置について、図7に示す。
【0077】
液冷放熱機器を液冷放熱キャビネットに入れることを保証した後に、液冷放熱機器の外側壁上の凝縮器が液冷放熱キャビネットにおける液冷機構のコールドプレートに接触した後に、弾性部材を圧縮状態まで圧縮し、その間弾性部材が常に圧縮状態にあることを保証でき、さらに凝縮器とコールドプレートとの間に設置される熱伝導パッドに十分な圧力を提供でき、凝縮器がコールドプレートと熱伝導パッドによって良好な熱伝達を行うことができ、液冷放熱キャビネットは、シャーシ固定部材をさらに含む。
【0078】
本出願の一実施例では、シャーシ固定部材は、シャーシパレット上に置かれる液冷放熱機器を二つのフロントピラー上に固定するために用いられ、それによって弾性部材は、常に圧縮状態にある。
【0079】
上記シャーシ固定部材について、実際の応用において、ビスと耳掛けの二つの部分からなってもよい。そして、実際の応用において、シャーシの固定効果を保証するために、シャーシの二つの外側壁上に耳掛けを固定する必要する必要があり、そしてビスによって二つの耳掛けを両側に位置するフロントピラーに固定し、それによって液冷放熱機器を二つのフロントピラー上に固定することを実現する。
【0080】
本出願の一実施例では、液冷放熱機器のシャーシの外側壁上に固定される一定の高さを有する凝縮器によって、シャーシ外側壁がシャーシパレットの側壁から少し離れており、シャーシへの固定をさらに実現するために、液冷放熱キャビネットが衝突された時に、シャーシパレット上に置かれる液冷放熱機器が左右に揺れて、シャーシ内部の抵抗素子がずれ、全体の性能に影響を与えることを回避し、液冷放熱キャビネットは、シャーシ補助構造をさらに含む。
【0081】
本出願の一実施例では、シャーシ補助構造は、凝縮器が固定される液冷放熱機器のシャーシの外側壁上に設置され、液冷放熱機器がシャーシパレットに沿って液冷放熱キャビネットに入れた時に、シャーシパレットの側壁に密着する。
【0082】
シャーシ補助構造を設置することにより、シャーシへの固定をさらに実現できるとともに、シャーシ補助構造がシャーシパレットの側壁に密着できるため、シャーシがシャーシパレットの開口方向に沿ってスライドしやすく、シャーシ固定をシャーシパレット、又はシャーシパレットから取り出しやすい。
【0083】
本出願の一実施例では、本実施例による液冷放熱キャビネットは、液冷放熱機器と協働する必要があり、コールドプレートによって液冷放熱機器のシャーシの外側壁上に固定される凝縮器の熱を吸収し、凝縮器が、蒸発器が発熱電子素子によって気化された高温蒸気を吸収し、迅速に温度の比較的低い液体に冷却するように補助し、凝縮器の蒸気入口は、コールドプレートの入水マニホールドに接続する冷水入口に対向して設置する必要があり、凝縮器の液体出口は、コールドプレートの出水マニホールドに接続する温水出口に対向して設置する必要があり、凝縮器を図2における12A、熱伝導パッドを15A、コールドプレートを図5における204A-1とすると、これらの三者の設置方式については詳しく図8を参照されたい。
【0084】
このような設置に基づいて、高温の蒸気が蒸気入口によって凝縮器に入った後に、熱は、熱伝導パッドによって対向して設置されるコールドプレートに伝達され、このように冷水入口からコールドプレートに流入する冷水は、伝達してきた熱を吸収し、温水になり、コールドプレート上の温水出口から流出し、さらに熱で二次放熱を実現する。
【0085】
上記記述から明らかなように、本実施例による液冷放熱キャビネットは、液冷放熱キャビネット機中にコールドプレートを設置することにより、液冷放熱機器内の凝縮器が二次放熱するように補助し、それによって液冷放熱機器における発熱電子素子をよりよく放熱させることができ、さらに放熱効果を高めた。
【0086】
本実施例による液冷放熱キャビネットは、液冷放熱キャビネット機におけるコールドプレートと液冷放熱機器上の凝縮器は、クイック継手によって接続する必要がなく、それによってクイック継手の採用による液漏れのリスクを回避することができる。
【0087】
本出願の別の実施例は、液冷放熱システムを提供し、前述実施例による液冷放熱機器と前述実施例による液冷放熱キャビネットとを含む。
【0088】
図9に示すように、液冷放熱機器(図9におけるシャーシ100)は、液冷放熱キャビネット200におけるシャーシパレット上に置かれ、シャーシパレットに沿って液冷放熱キャビネットに入れた時に、液冷放熱機器の外側壁上に固定される各凝縮器が一つの熱伝導パッドによって液冷放熱キャビネットにおけるリアピラー上に固定される一つのコールドプレートに接触するようにし、コールドプレートがコールドプレートシュート構造に沿ってリアピラーの方向に向かってスライドするようにし、コールドプレートとリアピラーとの間に位置する弾性部材を自然伸長状態から圧縮状態まで圧縮することによって、コールドプレートが熱伝導パッドによって凝縮器に接触して熱伝達するようにし、凝縮器と液冷放熱機器内に位置する蒸発器が液冷放熱機器内の発熱電子素子を放熱させるように補助する。
【0089】
上記記述から明らかなように、本実施例による液冷放熱システムは、液冷放熱キャビネット機におけるコールドプレートが熱伝導パッドによって液冷放熱機器のシャーシの外側壁上の凝縮器に接触するように設置することにより、二次放熱を実現し、それによって液冷放熱機器における発熱電子素子をよりよく放熱させることができ、さらに放熱効果を高めた。
【0090】
本実施例による液冷放熱システムは、液冷放熱機器における凝縮器と液冷放熱キャビネットにおけるコールドプレートが直接に熱伝導パッドによって熱伝達を実現するため、クイック継手とホースにより実現する必要がないため、実際のメンテナンス時にクイック継手を挿抜したりホースを整理したりする必要がなく、シャーシパレット上からシャーシを取り出すだけでよく、放熱効果を保証すると同時に、作業者のメンテナンスも大幅に容易になる。
【0091】
以上は、本出願の好ましい実施例に過ぎず、それによって本出願の特許範囲が制限されるわけではなく、本出願の出願発想の下で、本出願の明細書及び図面内容を利用してなされた等価構造変換、又は直接/間接的に他の関連する技術分野に運用されるものはすべて本出願の特許保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】