(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】摩耗アセンブリ
(51)【国際特許分類】
E02F 9/28 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
E02F9/28 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559996
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 US2022025109
(87)【国際公開番号】W WO2022221722
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518269669
【氏名又は名称】エスコ・グループ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ウッド,クリントン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】リーダム,キャメロン・アール
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー,クリストファー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】グルーウェル,クリストファー・イー
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015JA04
(57)【要約】
外面を含む摩耗部材を含む土木作業用機器用摩耗アセンブリ、
分離可能な構成要素を受けるための開口部、および外面から開口部に延在する穴。分離可能な構成要素を摩耗部材に固定するための穴内のロックであって、ロックが、カラーと、ピンが分離可能な構成要素を保持するために内側に移動可能であり、分離可能な構成要素をリリースするために外側に移動可能であるように、カラー内で調整可能なピンとを含む、ロック。カラーを穴内に固定するための磁石。ロックは、穴の中に外側に旋回してもよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木作業用機器用摩耗アセンブリであって、
外面、分離可能な構成要素を受けるための開口部、および前記外面から前記開口部に延在する穴を含む摩耗部材と、
前記分離可能な構成要素を前記摩耗部材に固定するための前記穴内のロックであって、前記ロックが、カラーと、ピンが前記分離可能な構成要素を保持するために内側に移動可能であり、前記分離可能な構成要素をリリースするために外側に移動可能であるように、前記カラー内で調整可能な前記ピンとを含む、ロックと、
前記カラーを前記穴内に固定するための磁石と、を備える、土木作業用機器用摩耗アセンブリ。
【請求項2】
前記摩耗部材が、接地係合ツールであり、前記分離可能な構成要素が、前記摩耗部材を、土木作業用機器の採掘縁部に取り付けるためのノーズである、請求項1に記載の摩耗アセンブリ。
【請求項3】
前記摩耗部材がリギング構成要素であり、前記分離可能な構成要素がリギングピンである、請求項1に記載の摩耗アセンブリ。
【請求項4】
前記磁石が前記摩耗部材に固定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の摩耗アセンブリ。
【請求項5】
前記磁石が前記カラーに固定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の摩耗アセンブリ。
【請求項6】
土木作業用機器用摩耗アセンブリであって、
外面、分離可能な構成要素を受けるための開口部、前記外面から前記開口部に延在する穴、前記外面に隣接する外側部分および前記開口部内に、前記外側部分を囲む凹部を形成する内側部分を有する前記穴、および前記凹部の一方の側面上の旋回支持体を備える、土木作業用機器用摩耗部材と、
前記穴内のロックであって、前記ロックが、カラーならびに前記分離可能な構成要素を保持するために内側に、および前記分離可能な構成要素をリリースするために外側に移動するように前記カラー内に調整可能なピンを含み、前記カラーが、前記旋回支持体と係合して前記カラーを前記凹部内に旋回させる旋回形成物を含む、ロックと、を備える、土木作業用機器用摩耗アセンブリ。
【請求項7】
前記摩耗部材が、接地係合ツールであり、前記分離可能な構成要素が、前記摩耗部材を、土木作業用機器の採掘縁部に取り付けるためのノーズである、請求項6に記載の摩耗アセンブリ。
【請求項8】
前記摩耗部材がリギング構成要素であり、前記分離可能な構成要素がリギングピンである、請求項6に記載の摩耗アセンブリ。
【請求項9】
前記磁石が前記摩耗部材に固定される、請求項6~8のいずれか一項に記載の摩耗アセンブリ。
【請求項10】
前記磁石が前記カラーに固定される、請求項6~8のいずれか一項に記載の摩耗アセンブリ。
【請求項11】
土木作業用機器用摩耗部材であって、
外面と、
分離可能な構成要素を受けるための開口部と、
前記外面から前記開口部に延在する穴であって、前記穴が、前記外面に隣接する外側部分と前記開口部内に凹部を形成する内側部分とを有し、前記凹部が前記外側部分を囲む、穴と、
ロックが前記開口部内に前記分離可能な構成要素を保持できるように、前記凹部への前記ロックのカラーの旋回を容易にするための前記凹部の一方の側面上の旋回支持体と、を備える、土木作業用機器用摩耗部材。
【請求項12】
前記凹部が、前記旋回支持体の反対側の磁石を含む、請求項11に記載の摩耗部材。
【請求項13】
前記摩耗部材がリギング構成要素である、請求項11に記載の摩耗部材。
【請求項14】
前記摩耗部材が、接地係合ツールである、請求項11に記載の摩耗部材。
【請求項15】
前記旋回支持体が、その中心に開口部を含む突出部である、請求項11~14のいずれか一項に記載の摩耗部材。
【請求項16】
前記旋回支持体が、前記カラー内の突出部と相互作用する凹部である、請求項11~14のいずれか一項に記載の摩耗部材。
【請求項17】
土木作業用機器用摩耗部材であって、
外面と、
分離可能な構成要素を受けるように内面によって画定される開口部と、
前記外面から前記開口部に延在する穴と、
前記摩耗部材にロックを保持するために、前記内面に隣接した前記穴に少なくとも一つの磁石と、を備える、土木作業用機器用摩耗部材。
【請求項18】
前記摩耗部材がリギング構成要素である、請求項17に記載の摩耗部材。
【請求項19】
前記摩耗部材が、接地係合ツールである、請求項17に記載の摩耗部材。
【請求項20】
分離可能な構成要素に土木作業用摩耗部材を固定するためのロックであって、
本体を含むカラー、前記本体の一方の側面から延在する少なくとも一つの突出部、前記本体を貫通するねじ付き開口部、および設置位置で前記摩耗部材の内面に前記カラーを保持するための少なくとも一つの磁石と、
前記分離可能な構成要素の内側および外側に移動するために前記カラー内で調整可能である前記カラー内の前記ねじ付き開口部内のねじ付きピンと、を備える、ロック。
【請求項21】
前記磁石が前記突出部内に位置付けられる、請求項20に記載のロック。
【請求項22】
前記カラーが、互いの反対の側面上に前記突出部のうちの二つを含み、各突出部が磁石を含む、請求項20~21のいずれか一項に記載のロック。
【請求項23】
前記ピンが、前記ねじ付きピンが前記分離可能な構成要素を前記摩耗部材に保持するロック位置と、前記ねじ付きピンが前記分離可能な構成要素をリリースするリリース位置との間で調節可能である、請求項20~22のいずれか一項に記載のロック。
【請求項24】
分離可能な構成要素に土木作業用摩耗部材を固定するためのロックであって、
カラーであって、前記カラーを前記摩耗部材上の内面に対して使用可能な位置に旋回させることを容易にするための前記カラーの一端上の旋回形成物と、前記カラーを貫通するねじ付き開口部と、前記カラーを摩耗部材に保持するための少なくとも一つの磁石と、を含む、カラーと、
前記分離可能な構成要素の内側および外側に調整可能な、前記カラー内の前記ねじ付き開口部内のねじ付きピンと、を備える、ロック。
【請求項25】
前記カラーが、本体および少なくとも一つの突出部を含み、前記磁石が前記突出部内に位置付けられる、請求項24に記載のロック。
【請求項26】
前記ピンが、前記ねじ付きピンが前記分離可能な構成要素を前記摩耗部材に保持するロック位置と、前記ねじ付きピンが前記分離可能な構成要素をリリースするリリース位置との間で調節可能である、請求項24~25のいずれか一項に記載のロック。
【請求項27】
前記旋回形成物が、前記摩耗部材内の突出部と嵌合する凹部である、請求項24~26のいずれか一項に記載のロック。
【請求項28】
前記摩耗部材内の前記突出部がカットアウト部分を含む、請求項27に記載のロック。
【請求項29】
土木作業用機器用摩耗部材にロックを設置するためのプロセスであって、
分離可能な構成要素を受けるための開口部と、前記開口部と交差する横方向の穴とを有する摩耗部材を提供することと、
貫通穴が前記摩耗部材の前記横方向の穴と位置合わせするように、前記開口部内におよび前記開口部の内面に対して貫通穴を有するカラーを設置することと、
前記摩耗部材および/または前記カラー上に磁石を提供して、前記摩耗部材に前記カラーを固定することと、
前記開口部に向かって、および前記開口部から離れて調整可能な前記カラーの前記貫通穴にピンを挿入することと、を含む、プロセス。
【請求項30】
前記カラーが、前記開口部の前記内面に対して前記カラーを設置する時に、前記摩耗部材上の旋回支持体の周りに旋回する旋回形成物を含む、請求項28に記載のプロセス。
【請求項31】
前記摩耗部材および/またはカラー上に第二の磁石を含んで、前記カラーを前記摩耗部材に固定する、請求項28~29のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項32】
土木作業用機器用摩耗部材であって、
第二の摩耗部材をその空洞で取り付けるためのノーズであって、前記ノーズが、前記第二の摩耗部材を前記摩耗部材に固定するためのロックを受けるためのロック穴を有し、前記ロック穴が、実質的に円形部分を有する内面と、前記ロックと係合するための二つの平坦なセクションを有する、ノーズを備える、土木作業用機器用摩耗部材。
【請求項33】
前記ロックがピンを含み、前記二つの平坦なセクションが前記ロックの前記ピンの端部と二つの位置で係合する、請求項31に記載の摩耗部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、「Wear Assembly」と題する2021年4月16日に出願された米国仮特許出願第63/176,065号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、土木作業用機器用の摩耗アセンブリ、ならびに摩耗アセンブリの摩耗部材、基部、および/またはロックに関する。
【背景技術】
【0003】
土木作業用バケツなど、土木作業用機器は、取り壊し、採掘、土木移動、およびその他の同様の苛酷な用途に使用される。土木作業用機器を摩耗から保護するために、および/または機器の動作を強化するために、摩耗部品が土木作業用機器に取り付けられうる。こうした摩耗部品には、点、アダプタ、シュラウドなどが含まれうる。このような摩耗部品は、一般的に、厳しい条件、重い荷重、および極度の摩滅に供される。したがって、摩耗部品は経時的に摩耗し、多くの場合、現場において理想的な条件よりも低い条件下で交換されなければならない。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、土木作業用機器用の摩耗アセンブリ用の摩耗部材に関する。本開示はまた、摩耗部材および単一の一体構成要素として組み合わされたロックを含み、すなわち、摩耗部材は、一緒に接合されたウェアラブル本体およびロックを含む。本開示はまた、ロック、摩耗部材(例えば、点、アダプタ、シュラウド、破砕ハンマ、ランナなど)、および基部それぞれに関する。
【0005】
一つの他の例では、摩耗アセンブリは、摩耗部材を土木作業用機器に取り付けるため基部と係合するための取付部分を有する摩耗部材を含む。基部および反対側の外面と嵌合するための内面を有する取付部分、外面から内面に延在する穴、および内面から穴に一体的に取り付けられたロック。ロックが基部と接触して摩耗部材を機器に保持するように位置付けられるロック位置と、ロックが穴の中に留まっている間にロックが基部をリリースするように位置付けられるリリース位置との間の動きに対して調節可能なロック。ロックは、ロックを摩耗部材に捕捉するための少なくとも一つの磁石を含む。
【0006】
別の例では、摩耗アセンブリを組み立てるプロセスは、内面によって画定される空洞を有する摩耗部材に、ロック凹部を提供すること、ロックのカラーを摩耗部材の空洞からロック凹部に磁気的に取り付けること、およびロックのカラー内のボアを通してピンを挿入することを含む。
【0007】
別の例では、摩耗部材を機器に固定するためのロックは、ねじ付き開口部および磁石を有するカラー、カラーと係合するためのねじ付きピン、および摩耗部材を基部に係止するための基部を含みうる。少なくとも、設置位置内の摩耗部材の内面にカラーを係止する磁石。摩耗部材および設置位置に取り付けられたロックは、単一の摩耗アセンブリとして出荷することができる。
【0008】
さらなる例では、摩耗アセンブリが、基部と係合するための(摩耗部材を土木作業用機器に取り付けるための)取付部分を有する摩耗部材と、基部および反対側の外面と嵌合するための内面を有する取付部分と、外面から内面へ延在する穴と、ロックが基部と接触して摩耗部材を機器に保持するように位置付けられるロック位置と、ロックが穴の中に留まっている間にロックが基部をリリースするように位置付けられるリリース位置との間の移動のために、内面から穴に一体的に取り付けられたロックと、を含む。ロックは、摩耗部材の内面上のロックを捕捉するための少なくとも一つの磁石を有するカラー、およびカラーを通過する移動可能なピンを含む。
【0009】
一つの他の例では、摩耗アセンブリは、摩耗部材を土木作業用機器および外面に取り付けるための基部と係合するための取付部分を有する摩耗部材を含む。取付部分は、基部と嵌合するための内面を有し、内面は、摩耗部材を通して外面から内面へ延在する凹部および穴を画定する。凹部は、摩耗部材と係合するためにロックが係合し、外側にスイングするために、凹部内に突出する支持体を有する前部壁を有する。凹部は、ロックの一部分を磁石で受けてロックを揺動位置に保持するための支持体の反対側の部分を含む。
【0010】
別の例では、摩耗アセンブリを組み立てるプロセスは、内面によって画定される空洞を有する摩耗部材に、ロック凹部を提供すること、カラーの一方の側面の周りのロックのカラーを旋回させ、ロックのカラーを、カラーの他方の側面の摩耗部材の空洞からロック凹部に磁気的に取り付けること、およびロックのカラー内のボアを通してピンを挿入することを含む。
【0011】
別の例では、ロックは、摩耗部材の内面にロックを保持するため磁石を有する一端上にベアリング面、開口部、およびカラーが摩耗部材の内面から設置位置に回転して、機器に対して摩耗部材を装置に取り外し可能に保持するように摩耗部材の内面に位置する支持体を受ける一端の凹部を有するカラー、ならびにカラー内の開口部を通過するピンを含む。
【0012】
さらなる例では、摩耗アセンブリは、摩耗部材を土木作業用機器および外面に取り付けるための基部と係合するための取付部分を有する摩耗部材を含む。摩耗部材の取付部分は、基部と嵌合するための内面を有し、内面は、摩耗部材を通って外面から内面へ延在する穴を含む凹部を画定する。この凹部は、摩耗部材と係合し、取付部分の内面から摩耗部材にロックを部分的に保持するために、ロックを外側に係合およびスイングするように、凹部内に突出する支持体を有する。
【0013】
一つの他の例では、摩耗アセンブリを組み立てるプロセスは、ロック凹部を備える内面によって画定される空洞を有する摩耗部材を提供すること、空洞の内面から、カラーの一方の側面の周りにロックのカラーを外側に旋回させること、およびロックのカラー内のボアを通してピンを挿入することを含む。
【0014】
別の例では、ロックは、カラーが摩耗部材の内面から設置位置に回転する摩耗部材上に支持体を受けるため一端に開口部および凹部を有するカラー、およびカラーの開口部を通過し、摩耗部材を機器に取り外し可能に保持するためのピンを含む。
【0015】
別の例では、摩耗アセンブリを出荷するプロセスは、内面によって画定される空洞を有する摩耗部材に、ロック凹部を提供すること、空洞の内面から、カラーの少なくとも一方の側面の周りに、ロックのカラーを摩耗部材に磁気的に取り付けること、ロックのカラー内のボアを通してピンを挿入すること、および摩耗アセンブリを出荷することを含む。
【0016】
さらなる例では、摩耗アセンブリは、摩耗部材を土木作業用機器および外面に取り付けるための基部と係合するための取付部分を有する摩耗部材を含む。取付部分は、基部と嵌合するための内面を有する。内面は、内面に凹部を含む穴を画定する。ピンおよびカラーを有するロックは、摩耗部材と基部との間に閉じ込められ、支持される。通過ボアを有するカラーは、ピンが通過するようにねじ式で、サイズ設定および形状設定される。
【0017】
一つの他の例では、基部は、摩耗部材の空洞と嵌合するようにサイズ設定および形状設定されたノーズを含む。基部はロック穴を有し、ロック穴は内面によって画定される。内面は実質的に円形であり、ロックのピンが係合するため一つの側面上に二つの平坦なセクションを有する。
【0018】
別の例では、摩耗部材は、摩耗部材を通過し、摩耗部材の内部および外部に開放するロック穴を有する、内面内のロックアクセス凹部を含む。凹部の一方の側面がカラーを完全に係合し、他方の側面がカラーの側面の一部分のみを係合する状態で、ロックのカラーと嵌合するようにサイズ設定および形状設定される、ロックアクセス凹部。
【0019】
別の例では、土木作業用機器用の摩耗アセンブリは、摩耗部材と、摩耗部材を基部に取り外し可能に固定するためのロックとを含み、ロックは、少なくとも一つの磁石によって摩耗部材に固定される。
【0020】
別の例では、土木作業用機器用の摩耗アセンブリは、基部を受けるための取付空洞を有する摩耗部材と、取付空洞および摩耗部材の外面で開口する穴とを含む。カラーは、カラー内の貫通穴が摩耗部材内の穴と位置合わせされるように、少なくとも一つの磁石によって摩耗部材に固定される。ピンは、摩耗部材を基部に取り外し可能に保持するために、貫通穴内に可動式に固定される。
【0021】
別の例では、土木作業用機器用の摩耗アセンブリは、摩耗部材、カラーおよびピンを含む。摩耗部材は、基部を受けるための取付空洞と、取付空洞および摩耗部材の外面で開口する穴とを有する。カラーは、ピンが摩耗部材を基部に取り外し可能に保持できるように、ピンを可動式に受け、固定するための摩耗部材の穴と位置合わせされた貫通穴を含む。カラーおよび摩耗部材は、カラーが空洞から定位置に旋回することを可能にする相補的な突出部および凹部を含む。随意に、カラーを摩耗部材に保持するために少なくとも一つの磁石を含めることができる。
【0022】
別の例では、土木作業用機器用の摩耗部材は、基部を受けるための取付空洞、取付空洞および摩耗部材の外面で開口する穴、ならびに空洞からのおよび穴内の設置位置に少なくともロックの構成要素と協働および旋回する突出部または凹部を有する。随意に、カラーを摩耗部材に保持するために少なくとも一つの磁石を含めることができる。
【0023】
さらなる例では、土木作業用機器用の摩耗アセンブリの第一の構成要素は、第二の構成要素を受けるための取付空洞、取付空洞および第一の構成要素の外面で開口する穴、ならびに取付空洞から、穴内の設置位置に、少なくともロックの構成要素と協働および旋回する突出部または凹部を含む。任意選択で、カラーを第一の構成要素に保持するために、少なくとも一つの磁石を含めることができる。
【0024】
一つのさらなる例では、土木作業用機器用の摩耗アセンブリは、外面を含む摩耗部材、分離可能な構成要素を受けるための開口部、および外面から開口部に延在する穴を含む。分離可能な構成要素を摩耗部材に固定するための穴内のロックであって、ロックが、カラーと、ピンが分離可能な構成要素を保持するために内側に移動可能であり、分離可能な構成要素をリリースするために外側に移動可能であるように、カラー内で調整可能なピンとを含む、ロック。カラーを穴内に固定するための磁石。
【0025】
一例では、土木作業用機器用の摩耗アセンブリは、外面を含む摩耗部材、分離可能な構成要素を受けるための開口部、外面から開口部に延在する穴、外面に隣接した外側部分および外側部分を囲む、開口部内の凹部を形成する内側部分を有する穴、ならびに凹部の一方の側面上の旋回支持体を含む。ロックが、カラーならびに分離可能な構成要素を保持するために内側におよび分離可能な構成要素をリリースするために外側に移動するようにカラー内に調整可能なピンを含み、カラーは、旋回支持体と係合してカラーを凹部内に旋回させる旋回形成物を含む、穴の中のロック。
【0026】
別の例では、土木作業用機器用の摩耗部材が、外面、分離可能な構成要素を受けるための開口部と、外面から開口部に延在する穴であって、穴が外面に隣接する外側部分および開口部内に外側部分を囲む凹部を形成する内側部分を有する、穴と、ロックが開口部に分離可能な構成要素を保持できるように、ロックのカラーを凹部内に旋回することを容易にするための、凹部の一方の側面上の旋回支持体とを含む。
【0027】
さらなる例では、分離可能な構成要素に土木作業用の摩耗部材を固定するためのロックであって、ロックが、本体を含むカラーと、本体の一方の側面から延在する少なくとも一つの突出部と、本体を通って延在するねじ付き開口部と、カラーを摩耗部材の内面に設置位置に保持するための少なくとも一つの磁石とを含む、ロックと、分離可能な構成要素の内側および外側に移動するためにカラー内で調整可能な、カラー内のねじ付き開口部内のねじ付きピン。
【0028】
一つのさらなる例では、分離可能な構成要素に土木作業用の摩耗部材を固定するためのロックであって、ロックは、摩耗部材上の内面に対して使用可能な位置内にカラーの旋回を容易にするためにカラーの一端に旋回形成物を含むカラー、カラーを通って延在するねじ付き開口部、およびカラーを摩耗部材に保持する少なくとも一つの磁石を含む、ロックと
分離可能な構成要素の内側および外側に調整可能な、カラー内のねじ付き開口部内のねじ付きピン。
【0029】
土木作業用機器用の摩耗部材にロックを取り付けるためのプロセスであって、プロセスが、1)分離可能な構成要素を受けるための開口部と、開口部と交差する横方向の穴を有する摩耗部材を提供することと、2)貫通穴が摩耗部材内の横方向の穴と位置合わせするように、開口部内に開口部の内面に対して貫通穴を有するカラーを設置することと、3)摩耗部材上の磁石および/またはカラーを提供して、カラーを摩耗部材に固定することと、4)開口部に向かって、および開口部から離れて調整可能な、カラー内の貫通穴にピンを挿入することとを含む、プロセス。
【0030】
本開示のロックおよび摩耗アセンブリの利点は、図面および詳細な説明を考慮した後により容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本開示による、摩耗部材、基部、およびロックを含む摩耗アセンブリの斜視図である。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【
図7】
図7は、ベースに取り付ける前にロックが設置される、
図1の摩耗部材の内部の部分断面図である。
【0038】
【
図8】
図8は、ロックがリリース位置にある、
図1の線8~8に沿った断面図である。
【0039】
【
図9】
図9は、ロックがロック位置にある
図1の線8~8に沿った部分断面図である。
【0040】
【
図10】
図10は、本開示による、摩耗部材およびロックを含む第二の摩耗アセンブリの部分分解図である。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【
図14】
図14は、摩耗部材を基部に取り付ける前に、ロックが設置プロセスの状態にある、
図10の摩耗部材の内部の部分断面図である。
【0045】
【0046】
【
図16】
図16は、ロックがリリース位置にある断面図である。
【0047】
【
図17】
図17は、ロックがロック位置にある部分断面図である。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【
図26】
図26は、ロックがロック位置にある、
図18の線26~26に沿った部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本開示は、土木作業用機器用の摩耗アセンブリに関する。本明細書の開示は、接地係合ツール(この例では、点として示される)をアダプタに固定する例を含むが、本開示による摩耗アセンブリは、中間アダプタ、シュラウド、ランナ、ピック、ハンマ、リギング構成要素などの他の種類の摩耗部品を固定するのに使用されうる。同様に、採掘バケットは、土木作業用機器として本明細書に開示されているが、その他の種類の土木作業用機器、例えば、ドレッジカッタヘッド、シュレッダ、リギング機器、ロールクラッシャ、シュート、トラック本体などを使用できる。相対的な用語、例えば前部、後部、上部、底部等は、議論の便宜上使用される。用語、前部または前方へは、一般的に、使用中(例えば、採掘中)の法線方向を示すために使用され、上方または上部は、一般的に、例えば、材料がバケット内に集められる場合にそれが上を通過する表面への基準として使用される。それにもかかわらず、様々な土木作業用機械の動作において、摩耗アセンブリは、使用中に様々な方向に向けられ、あらゆる種類の方向に移動する可能性があることが認識される。
【0058】
図1~2の図示の例では、摩耗アセンブリ10は、二つの別個の構成要素とロック、例えば、摩耗部材12、基部すなわち分離可能な構成要素58、およびロック14を含む。別の方法として、摩耗部材12およびロック14の組み合わせは、随意に単一ユニットとして販売、出荷、保管、および/または設置されうる、摩耗アセンブリ10とみなされうる。摩耗部材12は、採掘中に地面を貫通するために狭まった前端部12Bに収束する作業部分12Aを有する点、および基部58を受けるための内面21によって画定される後方開口空洞19を有する取付部分12Cとして示される。作業部分12Aは空洞19の前方であり、取付部分12Cは長手方向Aの作業部分12Aの後方である。
【0059】
基部58は、土木作業用機器(バケツの採掘縁部など)の一体部分であってもよく、または、例えば、溶接、もしくは機械的取り付けによって、こうした機器(例えば、アダプタ)に取り付けられた別個の構成要素であってもよい。その中に受けられる空洞19および基部58は、使用中に摩耗部材12を適切に支持するように相補的形状である。この実施形態では、基部58は、アダプタまたはキャストリップのノーズである。図示の例では、空洞およびノーズは概して米国特許第7,882,649号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるとおりであるが、広範囲の空洞およびノーズの構成を使用できる。ノーズ58は、摩耗部材を基部に固定するためにピン22の先端部27を受ける開口部60を含む(
図3)。
【0060】
ロック14は、二つの分離可能な構成要素を土木作業動作の際に固定するためのカップリング配置である。
図4~9を参照すると、ロック14は、取付構成要素すなわちカラー26および保持構成要素すなわちピン22を含む。ロック14は、摩耗部材の壁を通って延在し、取付空洞19と連通する穴17内に受けられる。図示した実施形態では、穴17は、点12の側壁を貫通するが、他の壁を貫通することができる。例としてのみ、穴17は、他の側壁または点12の上壁を貫通しうる。複数の穴17(例えば、各側壁の)を使用して、摩耗部材12を基部58に保持するために複数のロックを固定することができる。他の摩耗部材では、穴17は、摩耗部材の底部、上部、または他の壁を貫通しうる。取付空洞の代わりに、シャンク(図示せず)を有する摩耗部材では、穴17は、空洞を有する基部を貫通して、シャンクを受ける。この配置では、穴60は、シャンク内に形成される。図示した実施形態では、穴17は、空洞19内に開口する内側部分すなわち凹部16、ならびに摩耗部材12の外面に開口する外側部分すなわち通路18を含む。この例では、通路18はより狭く、肩または凹面35を画定して、カラー26が外側に動くのを保持するが、カラー26を保持するための他の配置(例えば、突出部、締め具など)を使用してもよい。また、図示した例では、凹部16および通路18はそれぞれ、外側方向に(例えば、製造目的のために)狭くなるが、他の形状を有しうる。
【0061】
カラー26は、摩耗部材12の凹部またはロック受け領域16に嵌合し、ボアすなわち開口部26Aを含む本体25を有する。図示したボアは、ピン22を合致するねじ部22Bで受けるためのねじ部26Bを含むが、カラーに対してピンを固定および移動させるためのねじ部のない他の構成(例えば、ラッチのこじ開け、オイル圧力など)も可能である。図示の例では、本体25は、凹部16に受けられる内側部分31と、通路18に受けられる外側部分30とを含む。内側部分31は、使用中に外側への動きに抵抗するために、通路18よりも大きいように細長い。外側部分30は、穴17とのボア26Aの位置合わせを確保するために、および/またはより長いねじ部の連続を提供するために、通路18内に受容するためにより小さい。それにもかかわらず、他のカラー形状も可能である。
【0062】
カラー26は、カラー26および/またはロック14を凹部16に固定するため少なくとも一つの磁石11を含む。図示の例では、二つの磁石は、カラー26の外面30のそれぞれの端部13、13’の近くに位置するが、他の位置および数の磁石11も可能である。各磁石11は、開放穴11A(この例では、ブラインドホールである)内に設置されてもよく、またはその他の方法でカラー26に固定されてもよい。磁石11および穴11Aは円筒形として図示されているが、他の形状も可能である。磁石は、代替的に、穴17内の摩耗部材に固定されうる。磁石11は、カラー26を保持してもよく、ピン22が設置されると、摩耗部材12の出荷、保管、および/または設置中に、摩耗部材12内の所定の位置にロック14。この配置は、まず、ロック14を摩耗部材12から移動または取り外すことなく、摩耗部材12を基部58上に設置することを許容しうる。一部の例では、ロック14は、第一のまたはリリース位置で摩耗部材12に保持されることが好ましく、ピン22の内側端部27はカラー26内に位置するため、ロック14は、摩耗部材12の基部58への設置を妨げない(
図1)。内側端部27は、設置中に基部が取り除かれる限り、リリース位置のカラー26の内側にありうる(
図8)。
【0063】
ピン22は、その全体が参照により組み込まれる、米国特許出願第16/671,096号に開示されているピンと類似しうる。ピン22は、ピン22を回転させるための工具受け形成22Cを含む。例示の例では、形成22Cは、例えば六角レンチ工具を受けるために、ヘッド22Aにファセット22Dを有する穴を含む。ピン22は、ねじ部22Bを有するヘッドから離れる方向に延在する遠位テーパシャンク24を含むことができる。この例では、外側シール28は、ピン22上のヘッド22Aの内側に位置する凹部28A内に保持される(
図5)。外側シール28および内側シール29は、組み立てられたロック用に密閉されたねじ部空間を提供する。シールは、内側シールがピン上にあり、外側シールがカラー上にあるように逆であってもよい。さらに、代替の例では、シール28、29のいずれかは、カラーまたはピン上に位置付けられてもよい。他の例では、一方または両方のシール28、29は使用されない場合がある。
【0064】
好ましい一例では、ねじ付きピン22は、周囲のねじ部22Bを超えて突出するように付勢された任意のラッチまたは戻り止め45を含む。ラッチ戻り止め45が外側ポケットと位置合わせをする場合、ねじ付きピン22がカラー26に対して特定の位置に固定されるように、対応する外側ポケットまたは凹部46は、カラー26のねじ部26B内に形成されて、戻り止め45を受け入れる。ラッチ戻り止め45は、ねじ付きピン22上のねじ部22Bの開始点に、ピンヘッド22Aよりもピン端部27に近く位置することが好ましい。ラッチ戻り止め45は、シート鋼で形成され、ピン22内のサンプ52内に定位置に保持され、エラストマー50に弾性的に固定されうることが好ましい。エラストマー52は、例えば、エラストマー52が定位置に硬化し、ラッチ戻り止め45に結合するように、ラッチ戻り止め45の周りに成形されてもよい。ラッチ45は、代替的に、カラー26およびピン22のポケット46内にあってもよい。
【0065】
単一の一体摩耗部材12およびロック14の使用は、在庫に保持される部品の数を減少させる。こうした構造は、在庫および保管の必要性を低減し、設置中にロックを落下すること(特に夜間に問題となる場合がある)を排除し、適切なロックが常に使用されることを保証し、摩耗部材の設置を容易にする。それにもかかわらず、所望される場合、ピン22はいつでも取り外すことができる。カラー26は、単一のユニット(一体または単一体として組み立てられる)であることが好ましく、強度および簡略化のために一体構造であることが好ましい。同様に、ピン22は、強度および単純性のために、一体構造の一つの単一のユニットであることが好ましい。それにもかかわらず、カラーおよび/またはピンは、複数のピースで形成されうる。カラーおよびピンは、製造時に摩耗部材12に組み立てられることが好ましいが、カラー26およびピン22は他の時に設置されてもよい。例えば、ピン22を有するまたは有さないカラー26は、基部に設置する前に、作業現場で設置されうる。カラー26がピン22なしで設置される場合、ピン22は、摩耗部材12を基部58に固定するために外側から挿入されうる。
【0066】
凹部16は、摩耗部材12の内面21の開口部であり、ロック14のカラー26を受容し、協働するよう構成される。すなわち、カラーは、空洞19内部から穴17に嵌合される。凹部16は、ピン22およびロック14のカラー26の内側部分30を受けるための通路18を囲む。凹部16および/または通路18は、内面33、34によって画定される細長い円形状であってもよいが、他の形状も可能である。
【0067】
図7~9を参照すると、ロック14を設置するために、カラー26は、空洞19内部から凹部16に挿入され、その結果、カラー上の磁石11は、穴17の両側の凹部16の凹面35と係合し、外側部分30は穴17内に受容される。磁石11の代替的な位置は、凹面35内のファントムに示されている。磁石11は、凹面35と同一平面であってもよい。凹部16を画定する表面は、ピン22の設置および/または調整中にカラー26の回転に抵抗する。凹部16はまた、カラー26を支持するための前面33および後面34、35を含む。図示の例では、後面34は、ノーズ58の伸張を収容するために、前面よりも小さい内側方向の伸張を有するが、他の配置も可能である。さらに、後面34および/または前面33は、使用中にピン22に付与されるカンチレバーおよび他の負荷に対する抵抗結合を提供する。磁石11は、常に凹部16にカラー26を保持するよう機能するが、それらは、主に、ピン22の設置中、ならびに摩耗部材12の出荷、保管、および/または設置中にカラーを保持するためである。摩耗部材12が基部上に組み立てられた時に、ノーズ58のカラー26に対する反対は、カラー26が使用中、凹部16から外れるのを防止する。
【0068】
ピン22は、ピン端部27が先端部27であり、ピンのねじ部22Bがカラーのねじ部26Bと螺合するように、摩耗部材12の外側からカラー26内に設置されうるが、カラー26に結合されてもよく、カラー26と共に穴17内に設置されてもよい。先端部27は、好ましくは、ノーズ58の側面56の穴部60に受容されるためねじ切りされていない。外側ポケット46内のラッチ戻り止め45の係合は、ねじ付きピン22をカラー26に対してリリース位置に保持し、カラー26は、ピン22を空洞19の外側(または少なくともノーズ58に十分なクリアランスを有する穴60の外側)に保持する。そのため、摩耗部材12は、ノーズ58に設置される(および/またはノーズ58から取り外される)ことができる(
図8)。ピン22は、摩耗部材12が、カラー26が凹部16内に捕捉されている間、設置する準備ができているが、そうである必要はないように、リリース位置に出荷および保管されることが好ましい。他の例では、ピンは、ラッチ戻り止めを含まず、単に摩耗部材12を基部に係止するように機能する。
【0069】
ピン22へのトルクのさらなる付加は、外側ポケット46からラッチ戻り止め45を押しつぶす。内側ポケットまたは凹部は、カラー26のねじ部の内側端部に任意に形成され、ロックを係止位置に置く(
図9)。先端部27は、完全に挿入される場合、摩耗部材12をベース58に固定するために穴60内に係合する(
図9)。
図3を参照すると、基部開口部60は、穴60の奥行きの少なくとも一部分の周りの二つの平坦なセクションまたは平坦部55A、55Bを含みうる。平坦部55A、55Bは、開口部60の内壁の前方端部に位置して、ピン22の先端部27の二つの接触点を提供するが、他の位置も可能である。平坦部55A、55Bは、ピン22に対する応力を低減し、使用および取り外しにおけるロックの係合からのロック穴摩耗を低減しうる。それにもかかわらず、湾曲したまたは他の非線形形状のセクションを使用してもよい。
【0070】
摩耗部材12を基部58から取り外すために、ピン22は、カラー26からピン22を回して外すトルク付与ツール(例えば、トルクレンチ)を使用してリリースされてもよい。ピン22はカラー26から取り外すことができるが、ピン22を完全に取り外すことなく、リリース位置に後退されるだけである。次に、摩耗部材12をノーズ58から取り外すことができる。ピン22を回して外すトルクは、棚面33によって抵抗される、カラー26上に実質的なねじり荷重を及ぼしうる。
【0071】
本開示によるロックの使用は、多くの利点を提供することができる。すなわち、(i)ロックを摩耗部材に組み込むことができ、これにより、ロックは、より少ない在庫およびより容易な設置のために、すぐに設置できる位置で出荷および保管される。(ii)ロックが、簡単に使用するために、共通の打ち込みツール(例えば、六角工具)のみを必要とする、(iii)安全動作のために、ロックにハンマを必要としない、(iv)ロックは、迅速な設置および/または取り外しのための簡単なツールへのアクセスを提供する、(v)ロックは、正しい設置の視覚的および/または触覚的な確認を提供することができる、(vi)信頼性および/または簡便性を強化するために、各摩耗部品に新しいロックを設けることができる、(vii)ロックが使いやすい単純で直感的な操作を有する、(viii)ロックは、一体化が高負荷をサポートし、特別な工具や接着剤を必要とせず、永久的な組立品を作る、単純なキャスタブル形体の周りに構築された一体化システムを有してもよい、(ix)磁石が、カラーを摩耗部材に迅速かつ容易な設置位置に保持する、および/または(x)ロックが摩耗アセンブリの内部に位置して、ロックを摩耗から保護し、ロック放出のリスクを低減する。
【0072】
図10の図示の例では、摩耗アセンブリ110は、摩耗部材112、基部158、およびロック114を含む。摩耗部材112および基部158は、摩耗部材12および基部58と実質的に類似しているが、以下でさらに論じるいくつかの区別は例外である。
【0073】
図示の例では、摩耗部材112は、採掘中に地面を貫通するための狭くされた先端部112Bの形態の作業部分112Aを有する点、および基部158を受けるため内面121によって画定される後方開口空洞119を有する取付部分112Cとして示されている。
【0074】
摩耗部材112は、その中に基部158を受け入れるように概して形状設定されている空洞119を含み、摩耗部材112を基部158に固定するためにピン122の内側端部127と係合するようにサイズ設定および形状設定された開口部160を含む。開口部160は、任意に、上で論じたように、二つの線形セクションを含んでもよい。
【0075】
ロック114は、土木作業動作の際に二つの分離可能な構成要素を固定するためのカップリング配置である。
図11~13を参照すると、摩耗部材112の穴117に設置されたロック114。穴117は、凹部すなわち内側部分116および通路すなわち外側部分118を含む。ロック114は、取付構成要素すなわちカラー126および保持構成要素すなわちピン122を含む。ピン122は、ピン22と実質的に類似している。カラー126は、摩耗部材112の凹部116に嵌合し、ボアまたは開口部126Aを含む本体125を有する。図示の例では、ボア126Aは、合致するねじ部122Bを有するピン122を受けるためねじ部126Bを含むが、他の構成も可能である。
【0076】
カラー126は、カラー126および/またはロック114を凹部116に固定するための少なくとも一つの磁石111を含む。図示の例では、磁石111は、カラー126の上面172上の本体125の端部113の近くに位置するが、他の位置も可能である。磁石は、代替的に、穴117内の摩耗部材112に固定されうる。本体125は、凹部116内に形成された相補的支持機構164と協働するように構成されるカップリング構造またはアンカー機構162を含む(
図14)。アンカー162および支持体164は、アンカー162の相互作用によって、摩耗部材112の内部121内から相補的な支持体164とロック114が着座できるように構成され、その後、ロック114は、回転Bの係止軸の周りを概して凹部116に向かって外側に旋回されうる(
図15)。アンカー162および支持体164は、軸Bの周りのロック114の回転を容易にするように構成されることが好ましい。例えば、アンカー162は、ロック凹部116の近位壁に形成された突出部または隆起に対応する支持体164と相互作用するスロットに対応する(
図14を参照)。突出部164は、アンカー162が支持体164の上部および底部にのみ係合するように、開口部164Aを含んでもよい(
図15)。開口部164Aは、製造プロセスにおける応力を低減するために含まれうる。スロット162は、代替的に、摩耗部材およびロック上の隆起上に形成されうる。
【0077】
支持体164および磁石111の存在は、ロック114が摩耗部材112の基部158への設置を妨げないように、カラー126またはロック114を第一のまたはリリース位置に収容する機能を果たす。支持体164と組み合わせた磁石111は、摩耗部材112内の所定位置にロック114を保持し、摩耗部材112の出荷および保管を可能にし、好ましくは、開口117からロック114(例えば、ピン122またはカラー126のいずれか)をまず移動または取り外すことなく、摩耗部材112を適切な基部158上に設置することをさらに可能にする。しかしながら、基部158は、第一の位置にロック114を保持する必要はないが、使用中に基部のカラーへの反対が、カラーが凹部116から外れることを防止する。ロック114の任意の外側への動きは、スロット162内の支持体164および抵抗面135に当接するロック114の端部113の上面172によって抵抗される(
図16)。
【0078】
本体125は、上面172と類似の形状の底面174を含む。一例では、上面172は、底面174よりも長さ寸法が長い。上面172は、近位面176および反対の遠位面177に隣接している。スロット162は、下側面180に隣接する曲面178を画定する(
図12)。図示する例の下側面180は、摩耗部材112または基部158によって出荷およびロック位置に係合されない(
図16~17)。他の例では、底面174は、基部158と係合してもよい。本体125は、横方向側面179およびロック114の端部113、113’に向かって収束する2組の収束面181~184を含む。図示の例では、収束面182、183は近位端113に向かって収束し、遠位端113’に向かって収束する収束面181、184よりも寸法が長いが、他の構成も可能である。例えば、収束面181、184はより長い場合がある。また、面181~184の一対が、収束してもよく、1対も収束しなくてもよい。
【0079】
凹部116は、摩耗部材112の内面121の開口部であり、ロック114のカラー126を受け、カラー126と協働するよう構成される(
図15)。ロック114は、リリース位置で摩耗部材112に物理的に結合されてもよい。凹部116は、通路118を囲んで、ロック114のカラー126の内側部分を受ける。穴117は、外面および内面121に開口するように、摩耗部材112の壁を貫通する。通路118は、内面118によって画定される細長い円形状であってもよいが、他の形状も可能である。凹部116は、カラー126の本体125と嵌合するようにサイズ設定および形状設定された部分133を含む。凹部部分133は、上面187および下面188、後部に向かってテーパ状になる収束面190、193、および前部に向かってテーパ状になる収束面191、192を含む。上面187および下面188、ならびに収束面190~193は、ピンがカラー内の通過開口内で回転されるときに、回転防止面として作用するが、他の配置も可能である。収束面190~193は、穴117のサイズを減少させ、点強度および製造可能性を補助する。
【0080】
図14を参照すると、ロック114を設置するために、カラー126は、摩耗部材112の空洞119内から凹部116に挿入される。カラー126は、支持体164(軸Bに沿って)の周りで外側に回転し、磁石111は、ロック114の近位側面113の凹部116の凹面135と磁気的に係合し、ロック114の外側部分は通路118内に受けられる。カラー126の一端113が係合する棚面133を含む凹部116。図示した実施形態では、ロック114および磁石111は、肩部135に対して設定する。しかしながら、磁石は、摩耗部材の他の表面に対して設定するように位置しうる。さらに、棚面133、肩部135、および隆起164の協働は、使用中にピン122に付与されるカンチレバーおよび他の負荷に対する抵抗結合を提供する。摩耗部材112が基部158上に組み立てられたときに基部158のカラー126に対する反対は、使用中にカラー126が凹部116から外れることを防止する。次に、ピン122はカラー126内にねじ込まれる。カラーおよびピンは、カラーが凹部116内へ回転する時にピンのクリアランスを提供するために、穴117に調整付きユニットとして設置されてもよい。
【0081】
図16~17を参照すると、ロック114は、上で論じたように二つの位置を有する。ピン122は、先端部127およびピンのねじ部122Bがカラーのねじ部126Bと螺合するように、摩耗部材112の外側からカラー126内に設置される。リリース位置または出荷位置では、ロック114はまた、スロット162に受容される隆起164および棚面135に取り付けられる磁石111によって、外側への移動に対して制約される(
図16)。磁石111が故障した場合、ピン122はカラー126が外に回転するのを止める。設置位置におけるロック114のねじれは、スロット162の隆起164によって抵抗され、およびロック114を有する穴117の周壁133、135、187、188、190~193の近接によって抵抗される。さらなるねじれは、ピン122をロック位置に移動させ、先端部127の一部分のみが基部158の穴160と係合して、摩耗部材112を基部158に保持する(
図17)。
【0082】
摩耗部材112を取り外すために、ピン122は、穴117に留まりつつ、カラー126からリリース位置または出荷位置(
図16)に戻るようにピン122を回して外すために、トルク付与ツール(例えば、トルクレンチ)を使用してリリースされてもよい。ピン122はカラー126から取り外すことができるが、ピン122を完全に取り外すことなく、リリース位置に後退するだけである。次いで、摩耗部材112をノーズ158から取り外すことができる。
【0083】
図18~26の図示の例では、摩耗部材212、リギングピンまたは分離可能な構成要素258、およびロック214を含むリギングアセンブリ210が示されている。図示の例では、摩耗部材212は、それぞれの開口部219A、219Bを有するアーム212A、212Bそれぞれを有するYコネクタとして示されている。開口部219A、219Bの各々は、リギングピン258を受けるため内面221A、221Bによって画定される。この例では、リギングピン258は、円筒形本体258Aおよび平坦部258Cまたは他の非球形構成を備えるヘッド258Bを有する。他の構成のピンを使用してもよい。
【0084】
基部端部212Cは、Yコネクタ212の反対端部に設けられる。リギング構成要素212は通常、リギングアセンブリの一部であり、リギングピン258を介して(すなわち、アーム212A、212Bの間、および基部端部212Cの開口を介して)他の構成要素(例えば、他のリギング構成要素、チェーン、バケット部品など)に固定される。Yコネクタリギング構成要素が例として使用されるが、ロック214を使用して、他の種類のリギング構成要素にピンを固定することができる。
【0085】
各開口部219A、219Bは、リギングピン258を受け入れるように概して形状設定されてもよい。穴217は、アーム212Aを貫通して、開口部219Aと交差する。穴217はまた、または代替的にアーム212B(図示せず)内に位置してもよい。穴217は、開口部219Aの内部221に開口する内側部分または凹部217’を含む。凹部217’は、ロック214のカラー226の本体225を受け、本体225と協働するよう構成される。穴217の外側部分は、内面218によって画定される細長い円形状であってもよいが、他の形状も可能である。穴217の外側部分または通路216は、ロックのカラー226の少なくとも外側部分231と嵌合するようにサイズ設定および形状設定される(
図25)。凹部217’は、側面290~293を含みうる反対の溝287、288を含みうる。側面290~293は、ピン222がカラー226の通過開口226A内で回転する時に、回転防止面として作用しうるが、他の配置も可能である(
図24~25)。穴217は、通路218および凹部217’と連通するレリーフ232をさらに含みうる(
図24)。
【0086】
リギング摩耗部材212は、土木作業動作の際に二つの分離可能な構成要素を固定するためのカップリング配置である。ロック214は、リギングピン258を摩耗部材212に固定する。
図20~22を参照すると、ロック214は、取付構成要素すなわちカラー226および保持構成要素すなわちピン222を含む。ピン222は、ピン22と実質的に類似していてもよい。ピン222は、ピン22よりも長いシャンク224を有するものとして図示される。ピン222などのより長いピンは、接地係合ツール(例えば、点)の形態で摩耗部材を基部(例えば、アダプタノーズ)に固定するために任意に使用されうる。こうした配置では、ピンは基部を貫通し、点の両方の側壁と係合しうる。また、より短いピンをリギング部材に使用することができる。カラー226は、ピン222の前の穴217および凹部217’内に設置される。この例では、カラーは、アーム212Aの外側外側壁への開口部219Aの伸長によって形成される、アーム212Aの開口外側端部を通して設置される。ロック214のピン222は、穴217を通過し、一つの開口部219Aに入る(
図26)。
【0087】
カラー226は、摩耗部材212のアーム212Aのロック受け凹部217’に嵌合し、通路218内に延在する本体225を有する。本体225は、円筒形状であってもよく、ボア226Aを含んでもよい。図示の例では、ボア226Aは、合致するねじ部222Bを有するピン222を受けるためねじ部226Bを含むが、他の構成も可能である。図示したボアは、合致するねじ部222Bでピン222を受けるためのねじ部226Bを含むが、カラーに対してピンを固定および移動させるためのねじ部のない他の構成(例えば、ラッチのこじ開け、オイル圧力など)も可能である。
【0088】
図示の例では、本体225は、凹部217’内に受けられる内側部分230と、穴217内に受けられる外側部分231とを含む。内側部分230は、使用中に外側への動きに抵抗するために、穴217よりも大きくなるように細長い。内側部分230は、穴217とボア226Aとの位置合わせを確保するために、および/またはより長いねじ部の連続を提供するために、穴217に受容するためにより小さい。それにもかかわらず、他のカラー形状も可能である。
【0089】
本体225はさらに、本体225の円筒形部分から外側に延在する少なくとも二つの突出部215、215’によってさらに画定されてもよい。突出部215、215’は、ロック受け領域217’内の溝287、288内に嵌合するようにサイズ設定および形状設定されてもよい。突出部215、215’のうちの一方は、他方とは異なる長さまたは形状を有してもよい。図示の例では、第三の突出部229は、穴217からロック受け領域217’内に延在する、レリーフ232内に位置してもよい。
【0090】
カラー226は、カラー226を固定し、したがって、凹部217’内にロック214を固定するための少なくとも一つの磁石211を含む。図示の例では、二つの磁石211は、それぞれの端部213、213’の付近に、カラー226の二つの突出部215、215’の外面30上に位置するが、他の位置および数の磁石211も可能である。磁石211は、一方の磁石211が他方よりも高くなるように、異なる高さにあるものとして図示されるが、他の構成も可能である。磁石211は、異なるサイズとして示されているが、同じであってもよい。各磁石211は、開放穴211Aに設置されてもよく、またはその他の方法でカラー226に固定されてもよい。磁石211および穴211Aは、上述の磁石11および穴11Aと類似している。磁石211は、摩耗部材212の出荷、保管、および/または設置中にカラー226を定位置に保持することができる。この配置により、ピン222上のシャンク224の長さに応じて、ロック214を摩耗部材212からまず移動または取り外すことなく、リギングピン258を摩耗部材212上に設置することができる。図示の例では、ロック214は、ロック位置またはロック解除された位置にのみ位置付けられる(
図26)。ピン222が、設置中にリギングピン258と係合または妨害するのに十分なほど遠くに延在しない(図示せず)限り、ピン端部227は、リリース位置においてカラー226の内側にありうる。
【0091】
本体225は、上面272と類似の形状の底面274を含む。他の実施例では、底面274は、リギングピン258と係合してもよい。突出部215、215’は、側面281~284を含む。これらの側面は、ロック214の端部213、213’に向かって収束してもよい。図示の例では、収束面283、284は、近位端215に向かって収束し、側面281、282よりも寸法が長いが、他の構成(分岐、平面、湾曲など)も可能である。
【0092】
図23を参照すると、ロック214を設置するために、カラー226は、摩耗部材212の内部221内から凹部217’に挿入される。カラー226は、磁石211が溝287、288の凹面289と磁気的に係合するまで、穴217の中へとスライドされる。さらに、磁石211と溝287、288の側面の協働は、使用中にピン222に付与されるカンチレバーおよび他の負荷に対する抵抗結合を提供する。リギングピン258は、カラーの設置後にリギング部材212に挿入される。カラーは、製造時、在庫時または現場で設置できる。リギングピン258が摩耗部材212上に設置される時に、リギングピン258のカラー226への反対は、使用中にカラー226が凹部217’から外れるのを防止する。次に、ピン222はカラー226にねじ込まれる(
図26)。
【国際調査報告】