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▶ クリスタル バイオテック インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】がん治療のためのウイルスベクター
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/869 20060101AFI20240319BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20240319BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 35/763 20150101ALI20240319BHJP
   A61K 38/19 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 38/20 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20240319BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240319BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240319BHJP
   C12N 15/11 20060101ALN20240319BHJP
【FI】
C12N15/869 Z ZNA
C12N7/01
C12N15/12
A61K35/763
A61K38/19
A61K38/20
A61K48/00
A61K9/08
A61K9/14
A61K9/72
A61P35/00
A61P37/04
C12N15/11 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560362
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 US2022023135
(87)【国際公開番号】W WO2022212896
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/170,103
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520417056
【氏名又は名称】クリスタル バイオテック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【弁理士】
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナン スマ
(72)【発明者】
【氏名】パリー トレバー
(72)【発明者】
【氏名】プレバイト ダナ ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】デュアマイヤー メアリー ジェーン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA95X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA01
4B065CA44
4C076AA12
4C076AA30
4C076AA93
4C076BB11
4C076BB27
4C076CC50
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA13
4C084BA44
4C084DA01
4C084DA12
4C084DA14
4C084DA19
4C084NA14
4C084ZB032
4C084ZB092
4C084ZB212
4C084ZB261
4C084ZB271
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BC83
4C087CA12
4C087MA17
4C087MA43
4C087MA52
4C087MA56
4C087MA57
4C087MA58
4C087MA59
4C087MA60
4C087MA63
4C087MA66
4C087NA13
4C087ZB03
4C087ZB09
4C087ZB26
4C087ZB27
(57)【要約】
本開示は、免疫調節ポリペプチド(例えば、ヒトIL-2またはIL-12ポリペプチドなどの炎症誘発性サイトカイン)をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む組み換え核酸;組み換え核酸を含むウイルス;組み換え核酸および/またはウイルスを含む、組成物および製剤;それらの使用方法(例えば、肺がんなどのがんの処置のため);ならびにそれらの製造物品またはキットを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項2】
複製能力を有する、請求項1記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項3】
複製欠損である、請求項1記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項4】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組み換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組み換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組み換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組み換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組み換えヘルペスウイルス7ゲノム、組み換えエプスタイン-バーウイルスゲノム、組み換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム、およびそれらの任意の派生体からなる群より選択される、請求項1~3のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項5】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムである、請求項1~4のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項6】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、組み換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組み換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノム、またはそれらの任意の派生体である、請求項5記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項7】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが組み換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムである、請求項5または請求項6記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項8】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、1つまたは複数の毒性単純ヘルペスウイルス遺伝子の発現を低減または排除するように操作されている、請求項4~7のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項9】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、不活性化変異を含む、請求項4~8のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項10】
前記不活性化変異が、単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する、請求項9記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項11】
前記不活性化変異が、単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の欠失である、請求項10記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項12】
単純ヘルペスウイルス遺伝子が、感染細胞タンパク質(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、およびUL55からなる群より選択される、請求項10または請求項11記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項13】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、請求項12記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項14】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む、請求項12または請求項13記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項15】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL41遺伝子に不活性化変異を含む、請求項12~14のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項16】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、請求項12~15のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項17】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP27遺伝子に不活性化変異を含む、請求項12~16のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項18】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL55遺伝子に不活性化変異を含む、請求項12~17のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項19】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP47遺伝子に不活性化変異を含まない、請求項12~18のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項20】
組み換え単純ヘルペスウイルスが、ICP34.5遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含まない、請求項12~19のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項21】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、一方または両方のICP4ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、請求項4~20のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項22】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP22ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、請求項4~21のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項23】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL41ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、請求項4~22のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項24】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、一方または両方のICP0ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、請求項4~23のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項25】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP27ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、請求項4~24のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項26】
組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL55ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、請求項4~25のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項27】
免疫調節ポリペプチドがヒト免疫調節ポリペプチドである、請求項1~26のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項28】
免疫調節ポリペプチドが、サイトカインまたはケモカインである、請求項1~27のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項29】
サイトカインが炎症誘発性サイトカインである、請求項28記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項30】
サイトカインが、インターロイキン(IL)-1、IL-2、IL-7、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17、IL-18、IL-28、IL-32、IL-33、IL-34、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、インターフェロンガンマ(IFNγ)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)からなる群より選択される、請求項28または請求項29記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項31】
サイトカインがIL-2である、請求項28または請求項29記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項32】
IL-2が、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、請求項31記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項33】
サイトカインがIL-12である、請求項28または請求項29記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項34】
IL-12が、SEQ ID NO:5、6、および85からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、請求項33記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項35】
サイトカインが顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)ではない、請求項28または請求項29記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項36】
ケモカインが炎症誘発性ケモカインである、請求項28記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項37】
ケモカインが、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド1(CXCL1)、CXCL2、CXCL8、CXCL9、CXCL11、CXCL16、C-Cモチーフケモカインリガンド2(CCL2)、CCL3、CCL4、CCL5、およびCCL11からなる群より選択される、請求項28または請求項34記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項38】
免疫調節ポリペプチドが、SEQ ID NO:1~30からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1~37のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項39】
免疫調節ポリペプチドが、SEQ ID NO:1~19からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1~37のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項40】
免疫調節ポリペプチドが、SEQ ID NO:20~30からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1~37のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項41】
対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して、標的細胞に導入されたときに低減された細胞毒性を有する、請求項1~40のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項42】
前記標的細胞がヒト細胞である、請求項41記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項43】
前記標的細胞が、呼吸器の細胞である、請求項41または請求項42記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項44】
前記標的細胞が気道上皮細胞である、請求項41~43のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項45】
請求項1~44のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノムを含む、ヘルペスウイルス。
【請求項46】
複製能力を有する、請求項45記載のヘルペスウイルス。
【請求項47】
複製欠損である、請求項45記載のヘルペスウイルス。
【請求項48】
腫瘍溶解性ではない、請求項45~47のいずれか一項記載のヘルペスウイルス。
【請求項49】
対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して低減された細胞毒性を有する、請求項45~48のいずれか一項記載のヘルペスウイルス。
【請求項50】
単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、エプスタイン-バーウイルス、およびカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスからなる群より選択される、請求項45~49のいずれか一項記載のヘルペスウイルス。
【請求項51】
単純ヘルペスウイルスである、請求項45~50のいずれか一項記載のヘルペスウイルス。
【請求項52】
単純ヘルペスウイルスが、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、またはそれらの任意の派生体である、請求項50または請求項51記載のヘルペスウイルス。
【請求項53】
単純ヘルペスウイルスが単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)である、請求項50~52のいずれか一項記載のヘルペスウイルス。
【請求項54】
単純ヘルペスウイルスが腫瘍溶解性ではない、請求項50~53のいずれか一項記載のヘルペスウイルス。
【請求項55】
請求項1~44のいずれか一項記載の組み換えヘルペスウイルスゲノムまたは請求項45~54のいずれか一項記載のヘルペスウイルスと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【請求項56】
外用、経皮、皮下、皮内、経口、鼻腔内、気管内、舌下、口内、直腸、腟内、吸入、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局所、または皮膚上投与に適している、請求項55記載の薬学的組成物。
【請求項57】
経口、鼻腔内、気管内、または吸入投与に適している、請求項55または請求項56記載の薬学的組成物。
【請求項58】
鼻腔内または吸入投与に適している、請求項55~57のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項59】
吸入投与に適している、請求項55~58のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項60】
ドライパウダー吸入器、加圧式定量噴霧吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、電気流体力学エアロゾルデバイス、またはそれらの任意の組み合わせでの使用に適している、請求項55~59のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項61】
ネブライザーでの使用に適している、請求項55~60のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項62】
ネブライザーが振動型メッシュ式ネブライザーである、請求項61記載の薬学的組成物。
【請求項63】
医薬としての使用のための、請求項45~54のいずれか一項記載のヘルペスウイルスまたは請求項55~62のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項64】
治療法における使用のための、請求項45~54のいずれか一項記載のヘルペスウイルスまたは請求項55~62のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項65】
がんを処置するための医薬の製造における、請求項45~54のいずれか一項記載のヘルペスウイルスまたは請求項55~62のいずれか一項記載の薬学的組成物の使用。
【請求項66】
前記がんが、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、副腎皮質がん、膀胱尿路上皮がん、脳幹神経膠腫、脳低悪性度神経膠腫、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、原発不明がん、カルチノイド腫瘍、原発不明がん腫、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎児性腫瘍、子宮頸部扁平上皮がん、子宮頸部腺がん、小児がん、胆管がん、脊索腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、内分泌膵島細胞腫瘍、子宮内膜がん、上衣芽細胞腫、上衣腫、食道がん、感覚神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、胆嚢がん、胃がん(gastric cancer)、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質細胞腫瘍、消化管間質腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、多形膠芽腫神経膠腫、ヘアリー細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼球内黒色腫、膵島細胞腫瘍、カポジ肉腫、腎がん、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、口唇がん、肝がん、リンパ様新生物びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、悪性線維性組織球腫骨がん、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞がん、メルケル細胞皮膚がん、中皮腫、原発不明転移性扁平上皮性頸部がん、口内がん、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非黒色腫皮膚がん、非小細胞肺がん、口腔がん(oral cancer)、口腔がん(oral cavity cancer)、中咽頭がん、骨肉腫、他の脳脊髄腫瘍、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵がん、乳頭腫、副鼻腔がん、副甲状腺がん、骨盤がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫および傍神経節腫、中分化型松果体実質腫瘍、松果体芽腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性肝細胞肝がん、前立腺腺がんなどの前立腺がん、直腸がん、腎がん、腎細胞がん、腎細胞がん、呼吸器がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、セザリー症候群、皮膚黒色腫、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮がん、扁平上皮性頸部がん、胃がん(stomach cancer)、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣がん精巣胚細胞腫瘍、喉のがん、胸腺がん、胸腺腫、甲状腺がん、移行上皮がん、腎盂尿管移行上皮がん、絨毛性腫瘍、尿管がん、尿道がん、子宮がん、子宮がん、ブドウ膜黒色腫、腟がん、外陰がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ならびにウィルムス腫瘍からなる群より選択される、請求項65記載の使用。
【請求項67】
対象に、請求項45~54のいずれか一項記載のヘルペスウイルスまたは請求項55~62のいずれか一項記載の薬学的組成物の有効量を投与する工程を含む、対象の1つまたは複数の細胞における免疫調節ポリペプチドのレベルを発現させる、強化する、増加させる、増強する、および/または補充する方法。
【請求項68】
前記1つまたは複数の細胞が、呼吸器、気道上皮、および/または肺の1つまたは複数の細胞である、請求項67記載の方法。
【請求項69】
その必要がある対象におけるがんの1つまたは複数の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的軽減を提供する方法であって、該対象に、請求項45~54のいずれか一項記載のヘルペスウイルスまたは請求項55~62のいずれか一項記載の薬学的組成物の有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項70】
その必要がある対象におけるがんを処置する方法であって、該対象に、請求項45~54のいずれか一項記載のヘルペスウイルスまたは請求項55~62のいずれか一項記載の薬学的組成物の有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項71】
前記がんが、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、神経内分泌腫瘍、中皮腫、シュワン腫、髄膜腫、腺がん、黒色腫、白血病、およびリンパ性悪性疾患からなる群より選択される、請求項69または請求項70記載の方法。
【請求項72】
前記がんが、固形腫瘍、血液がん、膀胱がん、脳がん、乳がん、結腸がん、胃がん、神経膠腫、頭部がん、白血病、肝がん、肺がん、リンパ腫、骨髄腫、頸部がん、卵巣がん、黒色腫、膵がん、腎がん、唾液腺がん、胃がん、胸腺上皮がん、および甲状腺がんからなる群より選択される、請求項69~71のいずれか一項記載の方法。
【請求項73】
前記がんが、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、または肺扁平上皮がんである、請求項69~72のいずれか一項記載の方法。
【請求項74】
前記がんが非小細胞肺がんである、請求項69~73のいずれか一項記載の方法。
【請求項75】
前記がんが骨肉腫である、請求項69~72のいずれか一項記載の方法。
【請求項76】
前記対象がヒトである、請求項67~75のいずれか一項記載の方法。
【請求項77】
前記ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、前記対象に、外用、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口内、直腸、腟内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、腫瘍内、局所、または吸入を介して、投与される、請求項67~76のいずれか一項記載の方法。
【請求項78】
前記ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、前記対象に、経口、鼻腔内、気管内、または吸入を介して、投与される、請求項67~77のいずれか一項記載の方法。
【請求項79】
前記ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、前記対象に、鼻腔内、または吸入を介して、投与される、請求項67~78のいずれか一項記載の方法。
【請求項80】
前記ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、前記対象に吸入を介して投与される、請求項67~79のいずれか一項記載の方法。
【請求項81】
前記ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、ドライパウダー吸入器、加圧式定量噴霧吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学エアロゾルデバイスを使用して投与される、請求項67~80のいずれか一項記載の方法。
【請求項82】
前記ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、ネブライザーを使用して投与される、請求項67~81のいずれか一項記載の方法。
【請求項83】
ネブライザーが振動型メッシュ式ネブライザーである、請求項82記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2021年4月2日に出願された米国仮特許出願第63/170,103号の優先権の恩典を主張する。
【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出物の内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる:コンピュータ可読形式(CFR)の配列表(ファイル名761342001540SeqList.txt、記録日:2022年4月1日、サイズ:86,233バイト)。
【0003】
発明の分野
本開示は、一部には、免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む組み換え核酸、それらを含むウイルス、それらの薬学的組成物および製剤、ならびにそれらの使用方法(例えば、肺がんなどのがんを処置するためのもの)に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
がんは、世界中の主な死亡原因の中に入っている。臨床的診療および処置方法での顕著な進歩にかからわず、生存期間を延長し、がんの死亡率を減少させるために、がんのより有効な処置選択肢が依然として必要である。
【0005】
特許出願、特許公報、非特許文献、およびNCBI/UniProtKB/Swiss-Protアクセッション番号を含む、本明細書に引用されるすべての参考文献は、個々の参考文献が参照により組み入れられると具体的かつ個別に示されたかのように、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【発明の概要】
【0006】
概要
これらおよび他の必要性に対処するために、本明細書において、ウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)での使用のための、1つもしくは複数のポリペプチド(例えば、サイトカインおよびケモカインなどの1つもしくは複数の免疫調節ポリペプチド)をコードする組み換え核酸(例えば、組み換えヘルペスウイルスゲノム)、その必要がある対象におけるがんを処置するために有用な薬学的組成物および製剤、医薬、ならびに/または方法が提供される。
【0007】
したがって、本開示のある特定の局面は、免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む組み換えヘルペスウイルスゲノムに関する。いくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは、免疫調節ポリペプチドをコードする2つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは複製能力を有する。いくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは複製欠損である。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは、1つまたは複数のウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組み換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組み換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組み換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組み換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組み換えヘルペスウイルス7ゲノム、エプスタイン-バーウイルスゲノム、組み換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム、およびそれらの任意の組み合わせまたは派生体より選択される。
【0008】
前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組み換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組み換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノム、またはそれらの任意の組み合わせもしくは派生体である。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組み換えHSV-1ゲノムである。
【0009】
前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つまたは複数の単純ヘルペスウイルス遺伝子(例えば、1つまたは複数の毒性単純ヘルペスウイルス遺伝子)の発現を低減または排除するように操作されている。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、不活性化変異を含む。いくつかの態様では、不活性化変異は、単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する。いくつかの態様では、不活性化変異は、単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルス遺伝子は、感染細胞タンパク質(ICP)0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、およびUL55より選択される。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化変異を含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化変異を含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子に不活性化変異を含まない。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP34.5遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含まない。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL36遺伝子に不活性化変異を含まない。
【0010】
前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つまたは複数のウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、一方または両方のICP4ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、一方または両方のICP0ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む。
【0011】
前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、免疫調節ポリペプチドはヒト免疫調節ポリペプチドである。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、免疫調節ポリペプチドは分泌型免疫調節ポリペプチドである。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、免疫調節ポリペプチドは、サイトカインまたはケモカインである。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、サイトカインは炎症誘発性サイトカインである。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、サイトカインは、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-12(IL-12)、インターロイキン-13(IL-13)、インターロイキン-15(IL-15)、インターロイキン-17(IL-17)、インターロイキン-18(IL-18)、インターロイキン-28(IL-28)、インターロイキン-32(IL-32)、インターロイキン-33(IL-33)、インターロイキン-34(IL-34)、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、インターフェロンガンマ(IFNγ)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)より選択される。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、サイトカインはIL-2である。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、サイトカインはIL-12である。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、サイトカインはGM-CSFではない。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ケモカインは炎症誘発性ケモカインである。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ケモカインは、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド1(CXCL1)、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド2(CSCL2)、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド8(CXCL8)、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド9(CXCL9)、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド11(CXCL11)、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド16(CXCL16)、C-Cモチーフケモカインリガンド2(CCL2)、C-Cモチーフケモカインリガンド3(CCL3)、C-Cモチーフケモカインリガンド4(CCL4)、C-Cモチーフケモカインリガンド5(CCL5)、およびC-Cモチーフケモカインリガンド11(CCL11)より選択される。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、免疫調節ポリペプチドは、SEQ ID NO:1~30より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの態様では、免疫調節ポリペプチドは、SEQ ID NO:1~19より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの態様では、免疫調節ポリペプチドは、SEQ ID NO:20~30より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの態様では、免疫調節ポリペプチドは、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの態様では、免疫調節ポリペプチドは、SEQ ID NO:5~6より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。
【0012】
前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して、標的細胞に導入されたときに低減された細胞毒性を有する。いくつかの態様では、標的細胞はヒト細胞である。いくつかの態様では、標的細胞は、呼吸器の細胞である。いくつかの態様では、標的細胞は気道上皮細胞である。
【0013】
本開示の他の局面は、本明細書に記載される組み換えヘルペスウイルスゲノムのいずれかを含むヘルペスウイルスに関する。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスは、複製能力を有する。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスは複製欠損である。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスは、腫瘍溶解性ではない。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスは偽型ウイルスである。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスは偽型ウイルスではない。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスは偽型腫瘍溶解性ウイルスではない。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスは、対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して低減された細胞毒性を有する。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、エプスタイン-バーウイルス、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、およびそれらの任意の組み合わせまたは派生体より選択される。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスは単純ヘルペスウイルスである。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスは腫瘍溶解性ではない。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1、HSV-2、またはそれらの任意の組み合わせもしくは派生体である。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスはHSV-1である。いくつかの態様では、HSV-1は腫瘍溶解性ではない。
【0014】
本開示の他の局面は、本明細書に記載される組み換えヘルペスウイルスゲノムのいずれかおよび/または組み換えヘルペスウイルスのいずれかと、薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む薬学的組成物に関する。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、薬学的組成物は、外用、経皮、皮下、皮内、経口、鼻腔内、気管内、舌下、口内、直腸、腟内、吸入、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局所、または皮膚上投与に適している。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、薬学的組成物は、経口、鼻腔内、気管内、または吸入投与に適している。いくつかの態様では、薬学的組成物は、鼻腔内または吸入投与に適している。いくつかの態様では、薬学的組成物は、吸入投与に適している。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、薬学的組成物は、ドライパウダー吸入器、加圧式定量噴霧吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、電気流体力学エアロゾルデバイス、またはそれらの任意の組み合わせでの使用に適している。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、薬学的組成物は、ネブライザーでの使用に適している。いくつかの態様では、ネブライザーは振動型メッシュ式ネブライザーである。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、薬学的組成物は、リン酸緩衝液を含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、薬学的組成物は、グリセロールを含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、薬学的組成物は、脂質担体を含む。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、薬学的組成物は、ナノ粒子担体を含む。
【0015】
本開示の他の局面は、本明細書に記載される組み換え核酸(例えば、組み換えヘルペスウイルスゲノム)、組み換えウイルス(例えば、組み換えヘルペスウイルス)、および/または薬学的組成物のいずれかの医薬としての使用に関する。
【0016】
本開示の他の局面は、治療法における、本明細書に記載される組み換え核酸(例えば、組み換えヘルペスウイルスゲノム)、組み換えウイルス(例えば、組み換えヘルペスウイルス)、および/または薬学的組成物のいずれかの使用に関する。
【0017】
本開示の他の局面は、がん(例えば、肺がん)を処置するための医薬の調製における、本明細書に記載される組み換え核酸(例えば、組み換えヘルペスウイルスゲノム)、組み換えウイルス(例えば、組み換えヘルペスウイルス)、および/または薬学的組成物のいずれかの使用に関する。
【0018】
本開示の他の局面は、対象に、本明細書に記載される組み換えヘルペスウイルスおよび/または薬学的組成物のいずれかの有効量を投与する工程を含む、対象の1つまたは複数の細胞における免疫調節ポリペプチドのレベルを発現させる、強化する、増加させる、増強する、および/または補充する方法に関する。いくつかの態様では、1つまたは複数の細胞は、呼吸器、気道上皮、および/または肺の1つまたは複数の細胞である。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、対象はヒトである。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に、外用、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口内、直腸、腟内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、腫瘍内、局所、または吸入を介して投与される。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に、経口、鼻腔内、気管内、または吸入を介して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に、鼻腔内、または吸入を介して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に吸入を介して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、ドライパウダー吸入器、加圧式定量噴霧吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学エアロゾルデバイスを使用して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの態様では、ネブライザーは振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0019】
本開示の他の局面は、その必要がある対象におけるがんの1つまたは複数の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的軽減を提供する方法であって、対象に、本明細書に記載される組み換えヘルペスウイルスおよび/または薬学的組成物のいずれかの有効量を投与する工程を含む方法に関する。いくつかの態様では、がんは、固形腫瘍、血液がん、膀胱がん、脳がん、乳がん、結腸がん、胃がん(gastric cancer)、神経膠腫、頭部がん、白血病、肝がん、肺がん、リンパ腫、骨髄腫、頸部がん、卵巣がん、黒色腫、膵がん、腎がん、唾液腺がん、皮膚がん、胃がん(stomach cancer)、胸腺上皮がん、および甲状腺がんより選択される。いくつかの態様では、がんは、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、または肺扁平上皮がんである。いくつかの態様では、がんは非小細胞肺がんである。いくつかの態様では、がんは骨肉腫である。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、対象はヒトである。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に、外用、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口内、直腸、腟内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、腫瘍内、局所、または吸入を介して投与される。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に、経口、鼻腔内、気管内、または吸入を介して投与される。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に、経口、鼻腔内、気管内、または吸入を介して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に、鼻腔内、または吸入を介して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に吸入を介して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、ドライパウダー吸入器、加圧式定量噴霧吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学エアロゾルデバイスを使用して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの態様では、ネブライザーは振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0020】
本開示の他の局面は、その必要がある対象におけるがんを処置する方法であって、対象に、本明細書に記載される組み換えヘルペスウイルスおよび/または薬学的組成物のいずれかの有効量を投与する工程を含む方法に関する。いくつかの態様では、がんは、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、神経内分泌腫瘍、中皮腫、シュワン腫、髄膜腫、腺がん、黒色腫、白血病、およびリンパ性悪性疾患より選択される。いくつかの態様では、がんは、固形腫瘍、血液がん、膀胱がん、脳がん、乳がん、結腸がん、胃がん、神経膠腫、頭部がん、白血病、肝がん、肺がん、リンパ腫、骨髄腫、頸部がん、卵巣がん、黒色腫、膵がん、腎がん、唾液腺がん、皮膚がん、胃がん、胸腺上皮がん、および甲状腺がんより選択される。いくつかの態様では、がんは、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、または肺扁平上皮がんである。いくつかの態様では、がんは非小細胞肺がんである。いくつかの態様では、がんは骨肉腫である。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、対象はヒトである。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に、外用、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口内、直腸、腟内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、腫瘍内、局所、または吸入を介して投与される。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に、経口、鼻腔内、気管内、または吸入を介して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に、鼻腔内、または吸入を介して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、対象に吸入を介して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、ドライパウダー吸入器、加圧式定量噴霧吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学エアロゾルデバイスを使用して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの態様では、ネブライザーは振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0021】
本開示の他の局面は、対象に、(a)組み換えヘルペスウイルスゲノムを含むヘルペスウイルスであって、組み換えヘルペスウイルスゲノムが、ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、ヘルペスウイルスと、(b)薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物を投与する工程を含む、対象の呼吸器の1つまたは複数の細胞に、ポリペプチド(例えば、免疫修飾薬ポリペプチド)を送達する方法に関する。いくつかの態様では、対象は、呼吸器の1つまたは複数の細胞を冒す疾患または状態、例えば、呼吸器に起源をもつまたは他の組織もしくは器官から転移した、気道および/または肺を冒すがんまたは新生物を患っている。いくつかの態様では、対象は、遺伝性肺疾患を患わない。いくつかの態様では、対象は、アルファ-1-アンチトリプシン欠損症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全症、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、および肺線維症より選択される疾患を患わない。いくつかの態様では、対象におけるポリペプチドの発現および/または活性の欠如またはレベル低減は、遺伝性肺疾患に関連しない。いくつかの態様では、対象におけるポリペプチドの発現および/または活性の欠如またはレベル低減は、アルファ-1-アンチトリプシン欠損症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全症、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、および肺線維症より選択される疾患に関連しない。
【0022】
前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスは偽型ウイルスである。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスは、偽型ウイルスではない。前記態様のいずれかと組み合わされ得るいくつかの態様では、ヘルペスウイルスは、偽型腫瘍溶解性ウイルスではない。
【0023】
本開示の他の局面は、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤のいずれかと、その投与説明書とを含む製造物品またはキットに関する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1-1】野生型および改変単純ヘルペスウイルスゲノムの模式図を示す。図1Aは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図1Bは、ICP4(両コピー)のコード配列の欠失を含む改変単純ヘルペスウイルスゲノムであって、発現カセットが、ICP4遺伝子座それぞれに組み込まれた免疫調節ポリペプチドをコードする核酸を含有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1-2】野生型および改変単純ヘルペスウイルスゲノムの模式図を示す。図1Cは、ICP4(両コピー)およびUL41のコード配列の欠失を含む改変単純ヘルペスウイルスゲノムであって、発現カセットが、ICP4遺伝子座それぞれに組み込まれた免疫調節ポリペプチドをコードする核酸を含有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図1Dは、ICP4(両コピー)およびUL41のコード配列の欠失を含む改変単純ヘルペスウイルスゲノムであって、発現カセットが、UL41遺伝子座に組み込まれた免疫調節ポリペプチドをコードする核酸を含有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1-3】野生型および改変単純ヘルペスウイルスゲノムの模式図を示す。図1Eは、ICP4(両コピー)およびICP22のコード配列の欠失を含む改変単純ヘルペスウイルスゲノムであって、発現カセットが、ICP4遺伝子座それぞれに組み込まれた免疫調節ポリペプチドをコードする核酸を含有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図1Fは、ICP4(両コピー)およびICP22のコード配列の欠失を含む改変単純ヘルペスウイルスゲノムであって、発現カセットが、ICP22遺伝子座に組み込まれた免疫調節ポリペプチドをコードする核酸を含有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1-4】野生型および改変単純ヘルペスウイルスゲノムの模式図を示す。図1Gは、ICP4(両コピー)、UL41およびICP22のコード配列の欠失を含む改変単純ヘルペスウイルスゲノムであって、発現カセットが、ICP4遺伝子座それぞれに組み込まれた免疫調節ポリペプチドをコードする核酸を含有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図1Hは、ICP4(両コピー)、UL41およびICP22のコード配列の欠失を含む改変単純ヘルペスウイルスゲノムであって、発現カセットが、UL41遺伝子座に組み込まれた免疫調節ポリペプチドをコードする核酸を含有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1-5】野生型および改変単純ヘルペスウイルスゲノムの模式図を示す。図1Iは、ICP4(両コピー)、UL41およびICP22のコード配列の欠失を含む改変単純ヘルペスウイルスゲノムであって、発現カセットが、ICP22遺伝子座に組み込まれた免疫調節ポリペプチドをコードする核酸を含有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図2】未感染の対照細胞(モック)またはヒトIL-12(図2A)もしくIL-2(図2B)導入遺伝子をコードする改変単純ヘルペスウイルスに感染多重度(MOI)1で感染した細胞におけるヒトIL-12およびIL-2のウェスタンブロット検出を示す。組み換えヒトIL-12(図2A)またはIL-2(図2B)を陽性対照として使用した。図2A:レーン1 ラダー;レーン2 組み換えIL-12;レーン3~6 HSV-IL12;レーン7 モック。図2B:レーン1 ラダー;レーン2 組み換えIL-2;レーン3~5 HSV-IL2;レーン6 モック。
図3】ヒト(図3A)およびマウス(図3B)HSV-IL12のインビトロ生物活性アッセイを、ヒトPBMC(図3A)またはマウス脾細胞(図3B)からのIFNγ放出の関数として示す。データは、三重反復でアッセイされた細胞を示し、平均±標準偏差(SD)、n=1として提示されている。
図4-1】健康なマウスにおけるHSV-IL12のインビボ評価を示す。図4Aは、HSV-IL12気管内投与後の動物体重を示す。データは平均±平均の標準誤差(SEM)として提示されている。各時点につき、グループあたりn=動物2~3匹。図4B~4Cは、HSV-IL12の気管内投与後のBALB/cマウスの肺中のゲノム(図4B)および転写産物(図4C)レベルを示す。qPCR(図4B)およびqRT-PCR(図4C)を実施して、それぞれil12ゲノムおよび転写産物を測定した。データは、二連反復で実施されたサンプルを示し、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとして表示されている。図4D~4Eは、ELISAによって分析された血清(図4D)および気管支肺胞洗浄液(BALF;図4E)中のIL-12タンパク質濃度を示す。血清サンプルは、二重反復でアッセイされた1つの動物サンプルの平均±SDとして示されている。BALFデータは、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとして示されている。図4Fは、HSV-IL12気管内投与後の肺ホモジネート中のIL-12濃度を示す。生検材料を凍結肺組織から切り出し、ホモジナイズし、ELISAによって二重反復でアッセイした。ホモジネートのタンパク質濃度をBCAアッセイによって測定し、IL-12濃度を総タンパク質に対して正規化した。データは、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとして表示されている。図4Gは、週1回のHSV-IL12気管内投与後の動物体重を示す。HSV-IL12投与前、表記時点で動物を計量した。データは平均値±SEMとして提示されている。グループあたりn=動物4~6匹。図4H~4Iは、週1回で3週連続の処置後のBALB/cマウスの肺中のil12ゲノム(図4H)および転写産物(図4I)レベルを示す。データは、二連反復で実施されたサンプルを示す。個々の動物からの値が、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとともに表示されている。図4J~4Kは、BALFおよび肺ホモジネート中のIL-12タンパク質濃度を示す。BALF(図4J)および肺ホモジネート(図4K)を、mIL-12タンパク質濃度に関し、ELISAによって分析した。全サンプルを二重反復でアッセイした。個々の動物からの値が、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとともに示されている。図4L~4Mは、炎症の尺度としてのBALF細胞の分析を示す。生検材料を凍結肺組織から切り出し、ホモジナイズし、ELISAによって二重反復でアッセイした。データは、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとして表示されている。
図4-2】図4-1の説明を参照のこと。
図4-3】図4-1の説明を参照のこと。
図4-4】図4-1の説明を参照のこと。
図4-5】図4-1の説明を参照のこと。
図5-1】健康なマウスにおけるHSV-IL2のインビボ評価を示す。図5Aは、HSV-IL2気管内投与後の動物体重を示す。データは平均±SEMとして提示されている。各時点につき、グループあたりn=動物2~3匹。図5B~5Cは、HSV-IL2の気管内投与後のBALB/c動物の肺中のil2ゲノム(図5B)および転写産物(図5C)レベルを示す。データは、二連反復で実施されたサンプルを示し、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとして表示されている。図5D~5Eは、ELISAによって分析された血清(図5D)および気管支肺胞洗浄液(BALF;図5E)中のIL-2タンパク質濃度を示す。血清サンプルは、サンプルを二重反復でアッセイしたときのグループあたり動物2~3匹の平均±SEMとして示されている。BALFデータは、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとして示されている。図5Fは、HSV-IL2気管内投与後の肺ホモジネート中のIL-2濃度を示す。生検材料を凍結肺組織から切り出し、ホモジナイズし、ELISAによって二重反復でアッセイした。ホモジネートのタンパク質濃度をBCAアッセイによって測定し、IL-2濃度を総タンパク質に対して正規化した。データは、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとして表示されている。図5G~5Iは、血清(図5G)、気管支肺胞洗浄液(BALF;図5H)およびライセート(図5I)中のIL-2薬物動態を示す。データは、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとして表示されている。
図5-2】図5-1の説明を参照のこと。
図5-3】図5-1の説明を参照のこと。
図6-1】健康なマウスにおけるHSV-GMCSFのインビボ評価を示す。図6Aは、HSV-GMCSF気管内投与後の動物体重を示す。データは平均±SEMとして提示されている。各時点につき、グループあたりn=動物2~3匹。図6B~6Cは、HSV-GMCSFの気管内投与後のBALB/c動物の肺中のgmcsfゲノム(図6B)および転写産物(図6C)レベルを示す。qPCR(図6B)およびqRT-PCR(図6C)を実施して、それぞれgmcsfゲノムおよび転写産物を測定した。データは、二連反復で実施されたサンプルを示し、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとして表示されている。図6D~6Eは、ELISAによって分析された血清(図6D)および気管支肺胞洗浄液(BALF;図6E)中のGM-CSFタンパク質濃度を示す。血清およびBALFデータは、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとして示されている。図6Fは、HSV-GMCSF気管内投与後の肺ホモジネート中のGM-CSF濃度を示す。図6Gは、週1回のHSV-GMCSF気管内投与後の動物体重を示す。HSV-GMCSF投与前、表記時点で動物を計量した。データは平均値±SEMとして提示されている。グループあたりn=動物2~3匹。図6H~6Iは、週1回で3週連続の処置後のBALB/c動物の肺中のgmcsfゲノム(図6H)および転写産物(図6I)レベルを示す。データは、二連反復で実施されたサンプルを示す。個々の動物からの値が、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとともに表示されている。図6J~6Lは、血清(図6J)、BALF(図6K)および肺ホモジネート(図6L)中のGMCSFタンパク質濃度を示す。全サンプルを二重反復でアッセイした。個々の動物からの値が、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとともに示されている。図6M~6Nは、炎症の尺度としてのBALF細胞の分析を示す。BALFから単離された細胞を血球計の使用によって計数し、トリパンブルー色素排除法に基づいて生存率を決定した。データは、グループあたりn=動物2~3匹の平均±SEMとして表示されている。
図6-2】図6-1の説明を参照のこと。
図6-3】図6-1の説明を参照のこと。
図6-4】図6-1の説明を参照のこと。
図6-5】図6-1の説明を参照のこと。
図7-1】免疫適格マウスにおけるインビボ骨肉腫肺転移モデルの樹立を示す。図7Aは、対照(ビヒクル)対K7M2(マウス腫瘍細胞株)注入マウスの体重を示す。データは平均±SEMとして提示されている。各時点につき、グループあたりn=動物2~5匹。図7B~7Cは、K7M2細胞の接種後3週(図7B)または6週(図7C)における、対照対腫瘍細胞株曝露マウスの肺重量を示す。個々の動物からの値が、グループあたりn=動物2~5匹の平均±SEMとともに示されている。図7D~7Fは、K7M2細胞の接種後6週における肺切片のヘマトキシリン・エオシン(H&E)組織学的染色を示す。倍率は、2.5倍(図7D)、20倍(図7E)、10倍(図7F)および20倍(図7G)である。
図7-2】図7-1の説明を参照のこと。
図8】骨肉腫のインビボマウスモデルにおけるHSV-IL12効能を示す。図8Aは、対照対HSV-IL12投与マウスの体重を示す。データは平均±SEMとして提示されている。各時点につき、グループあたりn=動物5匹。図8Bは、対照対HSV-IL12投与マウスの肺重量を示す。個々の動物からの値が平均±SEMとともに示されている。グループあたりn=動物3~5匹。
図9-1】健康なマウスにおける週1回のコンビナトリアルHSV-IL12/GMCSF気管内投与のインビボ評価を示す。図9Aは、週1回のHSV-IL12/GMCSFコンビナトリアル気管内投与後の動物体重を示す。HSV-IL12/GMCSF投与前、0日目および7日目ならびに8日目の屠殺時に動物を計量した。データは平均±SEMとして提示されている。グループあたりn=動物3~4匹。図9B~9Eは、BALFおよび肺ホモジネート中のIL-12およびGMCSFタンパク質濃度を示す。BALF(図9B~9C)および肺ホモジネート(図9D~9E)を、mIL-12およびmGM-CSFタンパク質濃度に関し、ELISAによって分析した。全サンプルを二重反復でアッセイした。個々の動物からの値が、グループあたりn=動物3~4匹の平均±SEMとともに示されている。図9Fは、炎症の尺度としてのBALF細胞の分析を示す。BALFから単離された細胞を血球計の使用によって計数し、トリパンブルー色素排除法に基づいて生存率を決定した。データは、グループあたりn=動物3~4匹の平均±SEMとして表示されている。
図9-2】図9-1の説明を参照のこと。
図10】骨肉腫のインビボマウスモデルにおけるコンビナトリアルHSV-IL12およびHSV-GMCSF効能を示す。図10Aは、対照対HSV-IL12のみ、HSV-GMCSFのみ、ならびにコンビナトリアルHSV-IL12およびHSV-GMCSF投与マウスの体重を示す。データは平均±SEMとして提示されている。各時点につき、グループあたりn=動物2~5匹。図10Bは、対照対HSV-IL12のみ、HSV-GMCSFのみ、ならびにコンビナトリアルHSV-IL12およびHSV-GMCSF投与マウスの生存曲線を示す。データは、グループあたりn=動物5匹の平均±SEMとして提示されている。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
以下の説明は、例示的な方法、パラメーター、その他を示す。しかし、このような説明は、本開示の範囲への限定として意図されず、その代わりに例示的な態様の説明として提供されることが認識されるべきである。
【0026】
I. 一般的技術
本明細書に記載または参照される技術および手順は、一般的に、十分に理解されており、当業者による従来の方法論、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual 3d edition (2001) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.; Current Protocols in Molecular Biology (F.M. Ausubel, et al. eds., (2003)); the series Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.): PCR 2: A Practical Approach (M.J. MacPherson, B.D. Hames and G.R. Taylor eds. (1995)), Harlow and Lane, eds. (1988); Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait, ed., 1984); Methods in Molecular Biology, Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook (J.E. Cellis, ed., 1998) Academic Press; Animal Cell Culture (R.I. Freshney), ed., 1987); Introduction to Cell and Tissue Culture (J.P. Mather and P.E. Roberts, 1998) Plenum Press; Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures (A. Doyle, J.B. Griffiths, and D.G. Newell, eds., 1993-8) J. Wiley and Sons; Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J.M. Miller and M.P. Calos, eds., 1987); PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis et al., eds., 1994); Short Protocols in Molecular Biology (Wiley and Sons, 1999)に記載された広く利用される方法論を使用して一般に採用される。
【0027】
II. 定義
本開示を詳細に説明する前に、本開示は特定の組成物または生物系に限定されず、様々であることができることを理解されない。本明細書に使用される用語法は、特定の態様だけを説明するためのものであって、限定が意図されないことも、理解されたい。
【0028】
本明細書に使用される場合、文脈上明らかに他のことが示されていないかぎり、単数形「a」、「an」および「the」は、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「分子」への言及は、2つ以上のこのような分子の組み合わせ、その他を任意に含む。
【0029】
本明細書に使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つまたは複数のあらゆる組み合わせを含み得る。例えば、「aおよび/またはb」という用語は、「aのみ」、「bのみ」、「aまたはb」、または「aおよびb」を指す場合があり;「a、b、および/またはc」という用語は、「aのみ」、「bのみ」、「cのみ」、「aまたはb」、「aまたはc」、「bまたはc」、「a、b、またはc」、「aおよびb」、「aおよびc」、「bおよびc」、または「a、b、およびc」を指す場合がある、などである。
【0030】
本明細書に使用される場合、「約」という用語は、当業者に容易に知られているそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーター自体に向けられる態様を含む(かつ説明する)。
【0031】
本開示の局面および態様は、局面および態様「を含む」、「からなる」、および「から本質的になる」を含むことが理解される。
【0032】
本明細書に使用される場合、「ポリヌクレオチド」、「核酸配列」、「核酸」という用語、およびそれらの変形は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含有する)、ポリリボヌクレオチド(D-リボースを含有する)、プリンまたはピリミジン塩基のN-グリコシドである任意の他の種類のポリヌクレオチド、および非ヌクレオチド骨格を含有する他のポリマーの総称であるものとするが、但し、該ポリマーは、DNAおよびRNAに見られるような塩基対形成および塩基の積み重ねを可能にする立体配置の核酸塩基を含有する。したがって、これらの用語は、公知種類の核酸配列修飾、例えば、類似体による1つまたは複数の天然ヌクレオチドの置換、およびヌクレオチド間修飾を含む。
【0033】
本明細書に使用される場合、核酸は、別の核酸配列と機能的関係に置かれた場合に、「機能的に連結される(operatively linked)」または「機能的に連結される(operably linked)」。例えば、プロモーターまたはエンハンサーは、それが配列の転写に影響するならば、コード配列と機能的に連結され、また、リボソーム結合部位は、それが翻訳を容易にするように位置しているならば、コード配列と機能的に連結される。一般的に、「機能的に連結される」または「機能的に連結される」は、連結されるDNAまたはRNA配列が連続していることを意味する。
【0034】
本明細書に使用される場合、「ベクター」という用語は、異種核酸をその発現または複製のいずれかのために細胞内に導入するために使用される別個のエレメントを指す。発現ベクターは、核酸の発現を引き起こすことが可能な、プロモーター領域などの調節配列と機能的に連結されるこのような核酸を発現することが可能なベクターを含む。したがって、発現ベクターは、適切な宿主細胞に導入されると核酸の発現をもたらす、プラスミド、ファージ、組み換えウイルス、または他のベクターなどのDNAまたはRNA構築物を指し得る。適切な発現ベクターは、当業者に周知であり、真核細胞中で複製可能なもの、およびエピソームに残るもの、または宿主細胞ゲノム中に組み込まれるものを含む。
【0035】
本明細書に使用される場合、「オープンリーディングフレーム」または「ORF」は、タンパク質またはポリペプチドをコードするDNAまたはRNAのいずれかの核酸の連続ストレッチを指す。典型的に、核酸は、ATGもしくはAUGなどの翻訳開始シグナルまたは開始コドン、および終止コドンを含む。
【0036】
本明細書に使用される場合、「非翻訳領域」または「UTR」は、オープンリーディングフレームの5'および/または3'末端の非翻訳核酸を指す。ポリヌクレオチド中の1つまたは複数のUTRの包含は、転写後調節、mRNA安定性、および/またはポリヌクレオチドの翻訳に影響し得る。
【0037】
本明細書に使用される場合、「導入遺伝子」という用語は、細胞に導入された後、適切な条件下でRNAに転写され、翻訳および/または発現されることが可能なポリヌクレオチドを指す。いくつかの局面では、それは、それが導入された細胞に所望の性質を付与する、または別なふうに所望の治療もしくは診断成果につながる。
【0038】
本明細書に使用される場合、「ポリペプチド」、「タンパク質」、および「ペプチド」という用語は、互換的に使用され、2つ以上のアミノ酸のポリマーを指し得る。
【0039】
本明細書に使用される場合、「対象」、「宿主」、または「個体」は、ヒト、家畜および農用動物、ならびに展示動物、競技用動物、またはペット、例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシのみならず、研究に使用される動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、および非ヒト霊長類などを含む、哺乳動物に分類される任意の動物を指す。いくつかの態様では、哺乳動物はヒトである。
【0040】
本明細書に使用される場合、「医薬製剤」または「薬学的組成物」という用語は、活性成分の生物学的活性が有効であることを可能にする形態の調製物であって、組成物または製剤が投与される対象に許容されない毒性のある追加的な構成成分を含有しない調製物を指す。「薬学的に許容される」賦形剤(例えば、媒体、添加剤)は、採用された活性成分の有効用量を提供するために対象哺乳動物の合理的に投与できるものである。
【0041】
本明細書に使用される場合、「有効量」は、特定の障害の1つまたは複数の症状の測定可能な改善または予防に影響するために必要な、少なくとも最少量である。「有効量」は、患者の病状、年齢、性別、および体重などの要因により変動し得る。有効量はまた、処置の任意の毒性または有害効果に治療的有益効果が勝る量である。予防的使用のために、有益なまたは望ましい結果は、疾患、その合併症および疾患の発生中に現れる中間病理学的表現型のリスクを排除もしくは低減すること、重症度を減らすこと、または発病を遅らせることなどの結果を含む。治療的使用のために、有益なまたは望ましい結果は、疾患に起因する1つまたは複数の症状を減少させること、疾患を患っている人々の生活の質を増進すること、疾患の症状を処置するために使用される他の薬物療法の用量を減少させること、疾患の進行を遅らせること、および/または生存期間を延長することなどの臨床結果を含む。有効量は、1回または複数回の投与で投与することができる。本開示のために、組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物の有効量は、予防的または治療的処置を直接的または間接的のいずれかで達成するのに十分な量である。臨床状況で理解されるように、組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物の有効量は、別の薬物、化合物、または薬学的組成物と併せて達成される場合または達成されない場合がある。したがって、「有効量」は、1つまたは複数の治療剤を投与する状況で考慮される場合があり、1つまたは複数の他の作用物質と併せて、望ましい結果が達成され得るまたは達成されるならば、有効量で与えられるために単一の作用物質が考慮され得る。
【0042】
本明細書に使用される場合、「処置」は、臨床病理の経過中に治療されている個体または細胞の自然経過を変更するように計画された臨床的介入を指す。処置の望ましい効果は、疾患/障害/欠陥の進行速度を減少させること、疾患/障害/欠陥の状態を回復または緩和すること、および寛解または進行の改善を含む。
【0043】
本明細書に使用される場合、疾患/障害/欠陥の「進行を遅らせること」という用語は、疾患/障害/欠陥の発生を延期、妨害、減速、遅延、安定化、および/または先送りすることを指す。この遅れは、疾患/障害/欠陥の病歴および/または処置されている個体に応じて様々な長さまたは時間であることができる。当業者に明白なように、十分なまたは顕著な遅れは、事実上、個体が疾患を発症しないという点で予防を包含することができる。
【0044】
本開示にわたり、様々な局面が範囲の形式で提示される。範囲の形式での記載は、単に便宜および簡潔さのためであって、本開示の範囲への柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の記載は、可能なすべての部分範囲およびその範囲内の個々の数値を具体的に開示したものと見なされるべきである。例えば、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各介在値および記載された範囲における任意の他の記載値または介在値が、本開示内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限値および下限値は、独立して、より小さな範囲に含まれ得、また、記載される範囲における特に除外される任意の限界値に従うことを条件として、本開示内に包含される。記載された範囲が、一方または両方の限界値を含む場合、それらの含まれる限界値の一方または両方を除外する範囲もまた、本開示に含まれる。これは、範囲の広さにかかわらずあてはまる。
【0045】
III. 組み換え核酸
本開示のある特定の局面は、免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上など)のポリヌクレオチドを含む組み換え核酸(例えば、単離された組み換え核酸)に関する。いくつかの態様では、組み換え核酸は、免疫調節ポリペプチドをコードする1つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの態様では、組み換え核酸は、免疫調節ポリペプチドをコードする2つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの態様では、組み換え核酸は、免疫調節ポリペプチドをコードする3つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの態様では、組み換え核酸は、2つ以上の免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む。いくつかの態様では、組み換え核酸は、2つ以上の免疫調節ポリペプチドをコードする2つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの態様では、2つ以上の免疫調節ポリペプチドは同一である。いくつかの態様では、2つ以上の免疫調節ポリペプチドは異なる。
【0046】
いくつかの態様では、本開示は、第1の免疫調節ポリペプチド、リンカーポリペプチド、および第2の免疫調節ポリペプチドを含むキメラポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組み換え核酸に関する。いくつかの態様では、第1および第2の免疫調節ポリペプチドは同じである。いくつかの態様では、第1および第2の免疫調節ポリペプチドは異なる。いくつかの態様では、リンカーポリペプチドは、切断可能なリンカーポリペプチドである。いくつかの態様では、リンカーポリペプチドは、切断不可能なリンカーポリペプチドである。
【0047】
いくつかの態様では、組み換え核酸はベクターである。いくつかの態様では、組み換え核酸はウイルスベクターである。いくつかの態様では、組み換え核酸はヘルペスウイルスベクターである。いくつかの態様では、組み換え核酸は単純ヘルペスウイルスアンプリコンである。いくつかの態様では、組み換え核酸は組み換えヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは組み換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムである。
【0048】
免疫調節ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
いくつかの態様では、本開示は、1つまたは複数の免疫調節ポリペプチド(例えば、1つまたは複数のヒト免疫調節ポリペプチド)をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む組み換え核酸に関する。例えば、ヒトサイトカインおよびケモカイン、例えば、ヒト炎症誘発性サイトカインおよびケモカインを含む、本明細書に記載されるまたは当技術分野において公知の任意の適切な免疫調節ポリペプチドは、本開示のポリヌクレオチドによってコードされ得る。
【0049】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載されるまたは当技術分野において公知の任意の免疫調節遺伝子(その任意のアイソフォームを含む)の野生型コード配列を含む。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載されるまたは当技術分野において公知の任意の免疫調節遺伝子の野生型コード配列のコドン最適化バリアントを含む。いくつかの態様では、遺伝子のコード配列のコドン最適化バリアントの使用は、対応するコドン最適化されていない野生型配列の異種発現の安定性および/または収量と比較して、標的細胞におけるコードされたポリペプチドの異種発現(RNAおよび/またはタンパク質)の安定性および/または収量を増加させる。1つまたは複数の標的細胞(例えば、1つまたは複数のヒト細胞)における発現のための配列のコドン最適化を行うための、例えば、Fathら(PLoS One. 2011 Mar 3;6(3): e17596)によって記載された方法による、当技術分野において公知の任意の適切な方法が使用され得る。
【0050】
いくつかの態様では、本開示は、ヒトサイトカインのコード配列を含む1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む組み換え核酸に関する。例えば、IL1A遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3552; SEQ ID NO:31を参照されたい)、IL1B遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3553; SEQ ID NO:32を参照されたい)、IL2遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3558; SEQ ID NO:33を参照されたい)、IL3遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3562を参照されたい)、IL4遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3565を参照されたい)、IL5遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3567を参照されたい)、IL6遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3569を参照されたい)、IL7遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3574; SEQ ID NO:34を参照されたい)、IL9遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3578を参照されたい)、およびIL10遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3586を参照されたい)、IL11遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3589を参照されたい)、IL12A遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3592; SEQ ID NO:35を参照されたい)、IL12B遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3593; SEQ ID NO:36を参照されたい)、IL13遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3596; SEQ ID NO:317を参照されたい)、IL15遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3600; SEQ ID NO:38を参照されたい)、IL17A遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3605; SEQ ID NO:39を参照されたい)、IL17B遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:27190を参照されたい)、IL17C遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:27189を参照されたい)、IL17D遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:53342を参照されたい)、IL25遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:64806を参照されたい)、IL17F遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:112744を参照されたい)、IL18遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3606; SEQ ID NO:40を参照されたい)、IFNL2遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:282616; SEQ ID NO:41を参照されたい)、IFNL3遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:282617; SEQ ID NO:42を参照されたい)、IFNL1遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:282618を参照されたい)、IL32遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:9235; SEQ ID NO:43を参照されたい)、IL33遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:90865; SEQ ID NO:44を参照されたい)、IL34遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:146433; SEQ ID NO:45を参照されたい)、IL36A遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:27179を参照されたい)、IL36B遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:27177を参照されたい)、IL36G遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:56300を参照されたい)、IFNA1遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3439を参照されたい)、IFNA13遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3447を参照されたい)、IFNA2遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3440を参照されたい)、IFNA4遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3441を参照されたい)、IFNA5遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3442を参照されたい)、IFNA6遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3443を参照されたい)、IFNA7遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3444を参照されたい)、IFNA8遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3445を参照されたい)、IFNA10遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3446を参照されたい)、IFNA14遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3448を参照されたい)、IFNA16遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3449を参照されたい)、IFNA17遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3451を参照されたい)、IFNA21遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3452を参照されたい)、IFNB1遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3456を参照されたい)、IFNB3遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:618946を参照されたい)、IFNG遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3458; SEQ ID NO:46を参照されたい)、TNF遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:7124; SEQ ID NO:47を参照されたい)、LTA遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:4049を参照されたい)、CSF3遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:1440; SEQ ID NO:48を参照されたい)、CSF2遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:1437; SEQ ID NO:49を参照されたい)、CSF1遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:1435を参照されたい)などを含む、当技術分野において公知の任意の適切なヒトサイトカイン遺伝子(その任意のアイソフォームを含む)は、本開示のポリヌクレオチドによってコードされ得る。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL4遺伝子をコードする配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL10遺伝子をコードする配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、GM-CSF遺伝子をコードする配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL4、IL10、および/またはGM-CSF遺伝子をコードする配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載されるまたは当技術分野において公知のヒトサイトカイン遺伝子(および/またはそのコード配列)のいずれかの配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの態様では、サイトカインは炎症誘発性サイトカインである。いくつかの態様では、サイトカインは、ヒトIL-1、IL-2、IL-7、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17、IL-18、IL-28(例えば、IL-28αおよび/またはIL-28β)、IL-32、IL-33、IL-34、TNFα、IFNγ、G-CSF、および/またはGM-CSFより選択される。
【0051】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドはIL-1αポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-1αポリペプチドはヒトIL-1αポリペプチド(例えば、UniProtアクセッション番号:P01583)である。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IL1A遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3552、SEQ ID NO:31を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、IL-1αポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-1αポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0052】
いくつかの態様では、IL-1αポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200個であるが、271個よりも少ない、SEQ ID NO:1の連続アミノ酸を含み得る。
【0053】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-1βポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-1βポリペプチドはヒトIL-1βポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P01584を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IL1B遺伝子のコード配列(例えば、NCBI Gene ID:3553、SEQ ID NO:32を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントを含む。いくつかの態様では、IL-1βポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:2に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-1βポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0054】
いくつかの態様では、IL-1βポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200個であるが、269個よりも少ないSEQ ID NO:2の連続アミノ酸を含み得る。
【0055】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-2ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-2ポリペプチドはヒトIL-2ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P60568を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドコード配列は、野生型IL2遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3558、SEQ ID NO:33を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアント(例えば、SEQ ID NO:61を参照されたい)を含む。いくつかの態様では、IL-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:3の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0056】
いくつかの態様では、IL-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:3の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100個であるが、153個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0057】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-7ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-7ポリペプチドはヒトIL-7ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P13232を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドコード配列は、野生型IL7遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3574、SEQ ID NO:34を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントを含む。いくつかの態様では、IL-7ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:4の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-7ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0058】
いくつかの態様では、IL-7ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:4の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100個であるが、177個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0059】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-12サブユニットαポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-12サブユニットαポリペプチドはヒトIL-12サブユニットαポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P29459を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IL12A遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3592、SEQ ID NO:35を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアント(例えば、SEQ ID NO:62を参照されたい)のコード配列を含む。いくつかの態様では、IL-12サブユニットαポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:5の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-12サブユニットαポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0060】
いくつかの態様では、IL-12サブユニットαポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:5の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200個であるが、219個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0061】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-12サブユニットβポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-12サブユニットβポリペプチドはヒトIL-12サブユニットβポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P29460を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IL12B遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3593、SEQ ID NO:36を参照されたい)またはそのコドン最適化バリアント(例えば、SEQ ID NO:63を参照されたい)のコード配列を含む。いくつかの態様では、IL-12サブユニットβポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-12サブユニットβポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0062】
いくつかの態様では、IL-12サブユニットβポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:6の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300個であるが、328個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0063】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-13ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-13ポリペプチドはヒトIL-13ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P35225を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IL13遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3596、SEQ ID NO:37を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、IL-13ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:7の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-13ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0064】
いくつかの態様では、IL-13ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100個であるが、146個よりも少ないSEQ ID NO:7の連続アミノ酸を含み得る。
【0065】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-15ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-15ポリペプチドはヒトIL-15ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P40933を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IL15遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3600、SEQ ID NO:38を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、IL-15ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:8の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-15ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0066】
いくつかの態様では、IL-15ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:8のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:8の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100個であるが、162個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0067】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-17Aポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-17AポリペプチドはヒトIL-17Aポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q16552を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IL17A遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3605、SEQ ID NO:39を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、IL-17Aポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:9の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-17Aポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0068】
いくつかの態様では、IL-17Aポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:9の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100個であるが、155個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0069】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-18ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-18ポリペプチドはヒトIL-18ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q14116を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IL18遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3606、SEQ ID NO:40を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、IL-18ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-18ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0070】
いくつかの態様では、IL-18ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:10の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150個であるが、193個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0071】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-28Aポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-28AポリペプチドはヒトIL-28Aポリペプチド(例えば、UniProtアクセッション番号:Q8IZJ0を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IFNL2遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:282616、SEQ ID NO:41を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、IL-28Aポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-28Aポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0072】
いくつかの態様では、IL-28Aポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:11の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150個であるが、200個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0073】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-28Bポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-28BポリペプチドはヒトIL-28Bポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q8IZI9を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IFNL3遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:282617、SEQ ID NO:42を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、IL-28Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-28Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0074】
いくつかの態様では、IL-28Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:12の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100個であるが、196個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0075】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-32ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-32ポリペプチドはヒトIL-32ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P24001を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IL32遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:9235、SEQ ID NO:43を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、IL-32をコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:13に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-32ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0076】
いくつかの態様では、IL-32ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:13のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:13の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200個であるが、234個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0077】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-33ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-33ポリペプチドはヒトIL-33ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:O95760を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IL33遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:90865、SEQ ID NO:44を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、IL-33ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:14の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-33ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0078】
いくつかの態様では、IL-33ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:14のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:14の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200個であるが、270個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0079】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IL-34ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IL-34ポリペプチドはヒトIL-34ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q6ZMJ4を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IL34遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:146433、SEQ ID NO:45を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、IL-34ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:15の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IL-34ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0080】
いくつかの態様では、IL-34ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:15の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200個であるが、242個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0081】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、TNFαポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、TNFαポリペプチドはヒトTNFαポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P01375を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型TNF遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:7124、SEQ ID NO:46を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、TNFαポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:16の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、TNFαポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0082】
いくつかの態様では、TNFαポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:16のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:16の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200個であるが、233個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0083】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、IFNγポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、IFNγポリペプチドはヒトIFNγポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P01579を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型IFNG遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3458、SEQ ID NO:47を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、IFNγポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、IFNγポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0084】
いくつかの態様では、IFNγポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:17の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100個であるが、166個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0085】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、G-CSFポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、G-CSFポリペプチドはヒトG-CSFポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P09919を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CSF3遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:1440、SEQ ID NO:48を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、G-CSFポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:18の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、G-CSFポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0086】
いくつかの態様では、G-CSFポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:18の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200個であるが、207個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0087】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、GM-CSFポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、GM-CSFポリペプチドはヒトGM-CSFポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P04141を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CSF2遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:1437、SEQ ID NO:49を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、GM-CSFポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:19の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、GM-CSFポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0088】
いくつかの態様では、GM-CSFポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:19のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:19の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100個であるが、144個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0089】
いくつかの態様では、本開示は、ヒトケモカインのコード配列を含む1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む組み換え核酸に関する。例えば、CCL1遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6346を参照されたい)、CCL2遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6347; SEQ ID NO:56を参照されたい)、CCL3遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6348; SEQ ID NO:57を参照されたい)、CCL4遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6351; SEQ ID NO:58を参照されたい)、CCL5遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6352; SEQ ID NO:59、CCL7遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6354を参照されたい)、CCL8遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6355を参照されたい)、CCL11遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6356; SEQ ID NO:60を参照されたい)、CCL13遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6357を参照されたい)、CCL14遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6358を参照されたい)、CCL15遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6359を参照されたい)、CCL16遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6360を参照されたい)、CCL17遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6361を参照されたい)、CCL18遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6362を参照されたい)、CCL19遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6363を参照されたい)、CCL20遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6364を参照されたい)、CCL21遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6366を参照されたい)、CCL22遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6367を参照されたい)、CCL23遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6368を参照されたい)、CCL24遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6369を参照されたい)、CCL25遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6370を参照されたい)、CCL26遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:10344を参照されたい)、CCL27遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:10850を参照されたい)、CCL28遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:56477を参照されたい)、CXCL1遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:2919; SEQ ID NO:50を参照されたい)、CXCL2遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:2920; SEQ ID NO:51を参照されたい)、CXCL3遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:2921を参照されたい)、CXCL4遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:5196を参照されたい)、CXCL5遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6374を参照されたい)、CXCL6遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6372を参照されたい)、PPBP遺伝子(CXCL7遺伝子としても知られ、例えば、NCBI Gene ID:5473を参照されたい)、CXCL8遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3576; SEQ ID NO:52を参照されたい)、CXCL9遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:4283; SEQ ID NO:53を参照されたい)、CXCL10遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3627を参照されたい)、CXCL11遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6373; SEQ ID NO:54を参照されたい)、CXCL12遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6387を参照されたい)、CXCL13遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:10563を参照されたい)、CXCL14遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:9547を参照されたい)、CXCL16遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:58191; SEQ ID NO:55を参照されたい)、CXCL17遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:284340を参照されたい)、XCL1遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6375を参照されたい)、XCL2遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6846を参照されたい)、CX3CL1遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6376)などを含む、当技術分野において公知の任意の適切なヒトケモカイン遺伝子(その任意のアイソフォームを含む)は、本開示のポリヌクレオチドによってコードされ得る。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチド(例えば、1つもしくは複数の第1のポリヌクレオチドおよび/または1つもしくは複数の第2のポリヌクレオチド)は、本明細書に記載されるまたは当技術分野において公知のヒトケモカイン遺伝子(および/またはそれらのコード配列)のいずれかの配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの態様では、ケモカインは炎症誘発性ケモカインである。いくつかの態様では、ケモカインは、ヒトCXCL1、CXCL2、CXCL8、CXCL9、CXCL11、CXCL16、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、および/またはCCL11より選択される。
【0090】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、CXCL1ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、CXCL1ポリペプチドはヒトCXCL1ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P09341を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CXCL1遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:2919、SEQ ID NO:50を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、CXCL1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:20の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、CXCL1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0091】
いくつかの態様では、CXCL1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:20の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100個であるが、107個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0092】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、CXCL2ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、CXCL2ポリペプチドはヒトCXCL2ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P19875を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CXCL2遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:2920、SEQ ID NO:51を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、CXCL2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:21の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、CXCL2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:21のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0093】
いくつかの態様では、CXCL2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:21のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:21の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100個であるが、107個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0094】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、CXCL8ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、CXCL8ポリペプチドはヒトCXCL8ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P10145を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CXCL8遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:3576、SEQ ID NO:52を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、CXCL8ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:22の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、CXCL8ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0095】
いくつかの態様では、CXCL8ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:22の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75個であるが、99個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0096】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、CXCL9ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、CXCL9ポリペプチドはヒトCXCL9ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q07325を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CXCL9遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:4283、SEQ ID NO:53を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、CXCL9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:23の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、CXCL9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0097】
いくつかの態様では、CXCL9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:23の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100個であるが、125個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0098】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、CXCL11ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、CXCL11ポリペプチドはヒトCXCL11ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:O14625を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CXCL11遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6373、SEQ ID NO:54を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、CXCL11ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:24の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、CXCL11ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0099】
いくつかの態様では、CXCL11ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:24のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:24の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75個であるが、94個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0100】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、CXCL16ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、CXCL16ポリペプチドはヒトCXCL16ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q9H2A7を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CXCL16遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:58191、SEQ ID NO:55を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、CXCL16ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:25の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、CXCL16ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0101】
いくつかの態様では、CXCL16ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:25のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:25の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200個であるが、254個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0102】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、CCL2ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、CCL2ポリペプチドはヒトCCL2ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P13500を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CCL2遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6347、SEQ ID NO:56を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、CCL2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:26の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、CCL2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0103】
いくつかの態様では、CCL2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:26のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:26の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75個であるが、99個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0104】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、CCL3ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、CCL3ポリペプチドはヒトCCL3ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P10147を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CCL3遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6348、SEQ ID NO:57を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、CCL3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:27の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、CCL3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0105】
いくつかの態様では、CCL3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:27のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:27の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75個であるが、92個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0106】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、CCL4ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、CCL4ポリペプチドはヒトCCL4ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P13236を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CCL4遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6351、SEQ ID NO:58を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、CCL4ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:28の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、CCL4ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0107】
いくつかの態様では、CCL4ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:28のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:28の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75個であるが、92個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0108】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、CCL5ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、CCL5ポリペプチドはヒトCCL5ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P13501を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CCL5遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6352、SEQ ID NO:59を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、CCL5ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:29の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、CCL5ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0109】
いくつかの態様では、CCL5ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:29のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:29の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75個であるが、91個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0110】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、CCL11ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、CCL11ポリペプチドはヒトCCL11ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P51671を参照されたい)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、野生型CCL11遺伝子(例えば、NCBI Gene ID:6356、SEQ ID NO:60を参照されたい)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの態様では、CCL11ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:30の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、CCL11ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0111】
いくつかの態様では、CCL11ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:30のアミノ酸配列のN末端切断物、C末端切断物、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断物、C末端切断物、または断片は、SEQ ID NO:30の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75個であるが、97個よりも少ない連続アミノ酸を含み得る。
【0112】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1~30より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1~30より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。
【0113】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1~19より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1~19より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。
【0114】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:20~30より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:20~30より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。
【0115】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:3、5および6より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:3、5および6より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。
【0116】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、インターロイキン-1アルファ(IL-1α)ペプチド、インターロイキン-1ベータ(IL-1β)ペプチド、インターロイキン-2(IL-2)ペプチド、インターロイキン-3(IL-3)ペプチド、インターロイキン-4(IL-4)ペプチド、インターロイキン-5(IL-5)ペプチド、インターロイキン-6(IL-6)ペプチド、インターロイキン-7(IL-7)ペプチド、インターロイキン-8(IL-8)ペプチド、インターロイキン-9(IL-9)ペプチド、インターロイキン-10(IL-10)ペプチド、インターロイキン-11(IL-11)ペプチド、インターロイキン-12サブユニットアルファ(IL-12α)ペプチド、インターロイキン-12サブユニットベータ(IL-12β)ペプチド、インターロイキン-13(IL-13)ペプチド、インターロイキン-15(IL-15)ペプチド、インターロイキン-17(IL-17)ペプチド、インターロイキン-17B(IL-17B)ペプチド、インターロイキン-17C(IL-17C)ペプチド、インターロイキン-17D(IL-17D)ペプチド、インターロイキン-25(IL-25)ペプチド、インターロイキン-17F(IL-17F)ペプチド、インターロイキン-18(IL-18)ペプチド、インターロイキン-28A(IL-28A)ペプチド、インターロイキン-28B(IL-28B)ペプチド、インターロイキン-29(IL-29)ペプチド、インターロイキン-32(IL-32)ペプチド、インターロイキン-33(IL-33)ペプチド、インターロイキン-34(IL-34)ペプチド、インターロイキン-36アルファ(IL-36α)ペプチド、インターロイキン-36(IL-36β)ベータペプチド、インターロイキン-36ガンマ(IL-36γ)ペプチド、インターフェロンアルファ-1(IFNα-1)ペプチド、インターフェロンアルファ-2(IFNα-2)ペプチド、インターフェロンアルファ-4(IFNα-4)ペプチド、インターフェロンアルファ-5(IFNα-5)ペプチド、インターフェロンアルファ-6(IFNα-6)ペプチド、インターフェロンアルファ-7(IFNα-7)ペプチド、インターフェロンアルファ-8(IFNα-8)ペプチド、インターフェロンアルファ-10(IFNα-10)ペプチド、インターフェロンアルファ-14(IFNα-14)ペプチド、インターフェロンアルファ-16(IFNα-16)ペプチド、インターフェロンアルファ-17(IFNα-17)ペプチド、インターフェロンアルファ-21(IFNα-21)ペプチド、インターフェロンベータ-1(IFNβ-1)ペプチド、インターフェロンベータ-3(IFNβ-3)ペプチド、インターフェロンガンマ(IFNγ)ペプチド、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)ペプチド、腫瘍壊死因子ベータ(TNFβ)ペプチド、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)ペプチド、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)ペプチド、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン1(CCL1)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン2(CCL2)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン3(CCL3)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン4(CCL4)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン5(CCL5)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン7(CCL7)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン8(CCL8)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン11(CCL11)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン13(CCL13)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン14(CCL14)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン15(CCL15)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン16(CCL16)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン17(CCL17)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン18(CCL18)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン19(CCL19)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン20(CCL20)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン21(CCL21)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン22(CCL22)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン23(CCL23)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン24(CCL24)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン25(CCL25)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン26(CCL26)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン27(CCL27)ペプチド、C-Cモチーフケモカイン28(CCL28)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン1(CXCL1)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン2(CXCL2)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン3(CXCL3)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン4(CXCL4)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン5(CXCL5)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン6(CXCL6)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン7(CXCL7)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン9(CXCL9)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン10(CXCL10)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン11(CXCL11)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン12(CXCL12)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン13(CXCL13)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン14(CXCL14)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン16(CXCL16)ペプチド、C-X-Cモチーフケモカイン17(CXCL17)ペプチド、Cモチーフケモカイン1(XCL1)ペプチド、Cモチーフケモカイン2(XCL2)ペプチド、C-X3-Cモチーフケモカイン1(CX3CL1)ペプチドのうち任意の1つもしくは複数、および/またはそれらの任意のキメラポリペプチドを任意の適切な組み合わせでコードする。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、インターロイキン-4(IL-4)ペプチドをコードしない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、インターロイキン-10(IL-10)ペプチドをコードしない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)ペプチドをコードしない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、インターロイキン-4(IL-4)ペプチド、インターロイキン-10(IL-10)ペプチド、および/または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)ペプチドをコードしない。
【0117】
ポリペプチド(例えば、免疫調節ポリペプチド)をコードする本開示のポリヌクレオチドは、追加的なコード配列および非コード配列をさらにコードし得る。追加的なコード配列および非コード配列の例は、追加的なポリペプチドタグをコードする配列(例えば、融合タンパク質を産生するためにポリペプチドとインフレームでコードされるもの)、イントロン(例えば、ネイティブ、改変、または異種イントロン)、5'および/または3' UTR(例えば、ネイティブ、改変、または異種5'および/または3' UTR)、その他を含み得るが、それに限定されるわけではない。適切なポリペプチドタグの例は、精製タグ、例えば、his-タグ、フラッグ-タグ、マルトース結合タンパク質およびグルタチオン-S-トランスフェラーゼタグ、検出タグ、例えば、測光的に検出され得るタグ(例えば、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質など)および検出可能な酵素活性を有するタグ(例えば、アルカリホスファターゼなど)、分泌配列、シグナル配列、リーダー配列、および/または安定化配列、プロテアーゼ切断部位(例えば、フューリン切断部位、TEV切断部位、トロンビン切断部位など)、その他を含有するタグの任意の組み合わせを含み得るが、それに限定されるわけではない。いくつかの態様では、5'および/または3'UTRは、ポリヌクレオチドの安定性、局在化、および/または翻訳効率を増加させる。いくつかの態様では、5'および/または3'UTRは、タンパク質発現のレベルおよび/または持続期間を改善する。いくつかの態様では、5'および/または3'UTRは、オフターゲット発現を遮断または低減し得る(例えば、特定の細胞型(例えば、神経細胞)において、細胞周期中の特定時間に、特定の発生段階などでの発現を阻害する)エレメント(例えば、1つまたは複数のmiRNA結合部位など)を含む。いくつかの態様では、5'および/または3'UTRは、特定の細胞型においてコードされるポリペプチドの発現を強化し得るエレメント(例えば、1つまたは複数のmiRNA結合部位など)を含む。
【0118】
いくつかの態様では、ポリペプチド(例えば、免疫調節ポリペプチド)をコードする本開示のポリヌクレオチドは、1つまたは複数(例えば、1つまたは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上など)の調節配列に機能的に連結される。「調節配列」という用語は、エンハンサー、インスレーター、プロモーター、および他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含み得る。例えば、哺乳動物遺伝子(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン、インスリン、その他)からのエンハンサー配列、真核細胞ウイルスからのエンハンサー配列(例えば、複製起点の後ろ側(late side)(bp100~270)のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後ろ側のポリオーマエンハンサー、アデノウイルスエンハンサー、その他)、およびそれらの任意の組み合わせを含む、当技術分野において公知の任意の適切なエンハンサーが使用され得る。例えば、HSVクロマチン境界(CTRL/CTCF結合/インスレーター)エレメントCTRL1および/またはCTRL2、ニワトリ高感受性領域4インスレーター(cHS4)、ヒトHNRPA2B1-CBX3遍在性クロマチンオープニングエレメント(UCOE)、ヒトインターフェロンベータ遺伝子(IFNB1)由来の足場/マトリックス接着領域(S/MAR)、およびそれらの任意の組み合わせを含む、当技術分野において公知の任意の適切なインスレーターが使用され得る。例えば、ウイルス(例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2など)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、サルウイルス40(SV40)、その他)のゲノムから得られたプロモーター、異種哺乳動物遺伝子からのプロモーター(例えば、アクチンプロモーター(例えば、β-アクチンプロモーター)、ユビキチンプロモーター(例えば、ユビキチンC(UbC)プロモーター)、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーター、免疫グロブリンプロモーター、熱ショックプロモーターからのもの、その他)、相同哺乳動物遺伝子由来のプロモーター、合成プロモーター(CAGプロモーターなど)、およびそれらの任意の組み合わせを含む、当技術分野において公知の任意の適切なプロモーター(例えば、哺乳動物宿主細胞における転写に適しているもの)が、使用され得るが、但し、このようなプロモーターが宿主細胞と適合性であることを条件とする。調節配列は、核酸の構成性発現を指示する配列のみならず、組織特異的調節配列および/または誘導もしくは抑制配列を含み得る。
【0119】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、1つまたは複数の異種プロモーターに機能的に連結される。いくつかの態様では、1つまたは複数の異種プロモーターは、構成性プロモーター、組織特異的プロモーター、一時的(temporal)プロモーター、空間的(spatial)プロモーター、誘導性プロモーター、および抑制性プロモーターのうち1つまたは複数である。いくつかの態様では、1つまたは複数の異種プロモーターは、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)前初期プロモーター、ヒト伸長因子-1(EF1)プロモーター、ヒトβ-アクチンプロモーター、ヒトUbCプロモーター、ヒトPGKプロモーター、合成CAGGプロモーター、およびそれらの任意の組み合わせのうち1つまたは複数である。いくつかの態様では、ポリペプチド(例えば、免疫調節ポリペプチド)をコードする本開示のポリヌクレオチドは、HCMVプロモーターに機能的に連結される。
【0120】
いくつかの態様では、ポリペプチド(例えば、IL-2および/またはIL-12などの免疫調節ポリペプチド)をコードする本開示のポリヌクレオチドが、対象の1つまたは複数の標的細胞(例えば、対象の呼吸器、気道、肺などの1つまたは複数の細胞)に送達された場合に、該ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発現する。いくつかの態様では、ポリペプチド(例えば、IL-2および/またはIL-12などの免疫調節ポリペプチド)の発現は、対象の1つまたは複数の標的細胞におけるポリペプチドのレベル、機能、および/または活性を(例えば、ポリペプチドの発現前と比較して、細胞において発現された内因性ポリペプチドのレベルと比較してなどで)強化する、増加させる、増強する、および/または補充する。いくつかの態様では、ポリペプチド(例えば、IL-2および/またはIL-12などの免疫調節ポリペプチド)の発現は、対象におけるがん(例えば、固形腫瘍、血液がん、膀胱がん、脳がん、乳がん、結腸がん、胃がん、神経膠腫、頭部がん、白血病、肝がん、肺がん、リンパ腫、骨髄腫、頸部がん、卵巣がん、黒色腫、膵がん、腎がん、唾液腺がん、皮膚がん、胃がん(stomach cancer)、胸腺上皮がん、甲状腺がんなど)の1つまたは複数の徴候または症状の(例えば、ポリペプチドの発現前と比較した)予防的、姑息的、または治療的軽減を提供する。
【0121】
キメラポリペプチド
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、第1の免疫調節ポリペプチドおよび第2の免疫調節ポリペプチドを含むキメラポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、第1および第2の免疫調節ポリペプチドは同じである。いくつかの態様では、第1および第2の免疫調節ポリペプチドは異なる。いくつかの態様では、キメラポリペプチドは、第1および第2の免疫調節ポリペプチドを連結するリンカーポリペプチドをさらに含む。いくつかの態様では、キメラポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、第1の免疫調節ポリペプチド-リンカーポリペプチド-第2の免疫調節ポリペプチドを含む。第1および/または第2の免疫調節ポリペプチドは、本明細書に記載されるまたは当技術分野において公知の免疫調節ポリペプチドのいずれかであり得る。
【0122】
いくつかの態様では、リンカーポリペプチドは切断可能なリンカーポリペプチドである。例えば、T2Aリンカー、P2Aリンカー、E2Aリンカー、およびF2Aリンカーなどを含む、当技術分野において公知の任意の切断可能なリンカーポリペプチドは、本開示のキメラポリペプチドに使用され得る。いくつかの態様では、リンカーポリペプチドはT2Aリンカーポリペプチドである。T2Aリンカーポリペプチドをコードする例示的な核酸配列は、SEQ ID NO:64として提供される。T2Aリンカーポリペプチドの例示的なアミノ酸配列は、SEQ ID NO:68として提供される。いくつかの態様では、リンカーポリペプチドはP2Aリンカーポリペプチドである。P2Aリンカーポリペプチドをコードする例示的な核酸配列は、SEQ ID NO:65として提供される。P2Aリンカーポリペプチドの例示的なアミノ酸配列は、SEQ ID NO:69として提供される。いくつかの態様では、リンカーポリペプチドはE2Aリンカーポリペプチドである。E2Aリンカーポリペプチドをコードする例示的な核酸配列は、SEQ ID NO:66として提供される。E2Aリンカーポリペプチドの例示的なアミノ酸配列は、SEQ ID NO:70として提供される。いくつかの態様では、リンカーポリペプチドはF2Aリンカーポリペプチドである。F2Aリンカーポリペプチドをコードする例示的な核酸配列は、SEQ ID NO:67として提供される。F2Aリンカーポリペプチドの例示的なアミノ酸配列は、SEQ ID NO:71として提供される。いくつかの態様では、リンカーポリペプチドは、SEQ ID NO:68~71より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの態様では、リンカーポリペプチドは、SEQ ID NO:68~71より選択される配列を含む。
【0123】
いくつかの態様では、リンカーポリペプチドは切断不可能なリンカーポリペプチドである。例えば、
などを含む、当技術分野において公知の任意の切断不可能なリンカーポリペプチドが、本開示のキメラポリペプチドに使用され得る。いくつかの態様では、リンカーポリペプチドは、SEQ ID NO:72~83より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの態様では、リンカーポリペプチドは、SEQ ID NO:72~83より選択される配列を含む。
【0124】
第1のヒト免疫調節ポリペプチド、リンカーポリペプチド、および第2のヒト免疫調節ポリペプチドを含むキメラポリペプチドをコードする例示的な核酸配列は、SEQ ID NO:84として提供される。第1のヒト免疫調節ポリペプチド、リンカーポリペプチド、および第2のヒト免疫調節ポリペプチドを含むキメラのポリペプチドの例示的なアミノ酸配列は、SEQ ID NO:85として提供される。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:85の配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。
【0125】
いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド(COL7)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド(LH3)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド(KRT17)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、トランスグルタミナーゼ(TGM)ポリペプチド(例えば、ヒトTGM1ポリペプチドおよび/またはヒトTGM5ポリペプチドなどのヒトトランスグルタミナーゼポリペプチド)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、美容用タンパク質(例えば、コラーゲンタンパク質、フィブロネクチン、エラスチン、ルミカン、ビトロネクチン/ビトロネクチン受容体、ラミニン、神経調節物質、フィブリリン、追加的な皮膚細胞外マトリックスタンパク質など)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、抗体(例えば、全長抗体、抗体断片など)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、カザール型セリンプロテアーゼインヒビター(SPINK)ポリペプチド(例えば、SPINK5ポリペプチドなどのヒトSPINKポリペプチド)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、フィラグリンまたはフィラグリン2ポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンまたはフィラグリン2ポリペプチド)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、嚢胞性線維症膜貫通型コンダクタンス調節因子(CFTR)ポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、魚鱗癬関連ポリペプチド(例えば、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー12ポリペプチド、1-アシルグリセロール-3-リン酸O-アシルトランスフェラーゼABHD5ポリペプチド、アルデヒドデヒドロゲナーゼファミリー3メンバーA2ポリペプチド、アラキドン酸12-リポキシゲナーゼ12R型ポリペプチド、ヒドロペルオキシドイソメラーゼALOXE3ポリペプチド、AP-1複合体サブユニットシグマ-1Aポリペプチド、アリールスルファターゼEポリペプチド、カスパーゼ-14ポリペプチド、コルネオデスモシンポリペプチド、セラミドシンターゼ3ポリペプチド、炭水化物スルホトランスフェラーゼ8ポリペプチド、クローディン-1ポリペプチド、シスタチン-Aポリペプチド、シトクロムP450 4F22ポリペプチド、3-ベータ-ヒドロキシステロイド-デルタ(8),デルタ(7)-イソメラーゼポリペプチド、超長鎖脂肪酸伸長タンパク質4ポリペプチド、フィラグリンポリペプチド、フィラグリン2ポリペプチド、ギャップ結合ベータ-2ポリペプチド、ギャップ結合ベータ-3ポリペプチド、ギャップ結合ベータ-4ポリペプチド、ギャップ結合ベータ-6ポリペプチド、3-ケトジヒドロスフィンゴシンレダクターゼポリペプチド、ケラチン、II型細胞骨格1ポリペプチド、ケラチン、II型細胞骨格2上皮ポリペプチド、ケラチン、I型細胞骨格9ポリペプチド、ケラチン、I型細胞骨格10ポリペプチド、リパーゼメンバーNポリペプチド、ロリクリンポリペプチド、膜結合型転写因子部位-2プロテアーゼポリペプチド、マグネシウム輸送体NIPA4ポリペプチド、ステロール-4-アルファ-カルボン酸3-デヒドロゲナーゼ、脱炭酸ポリペプチド、ペルオキシソームターゲティングシグナル2受容体ポリペプチド、D-3-ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼポリペプチド、フィタノイル-CoAジオキシゲナーゼ、ペルオキシソームポリペプチド、パタチン様ホスホリパーゼドメイン含有タンパク質1ポリペプチド、プロテアソーム成熟タンパク質ポリペプチド、ホスホセリンアミノトランスフェラーゼポリペプチド、短鎖デヒドロゲナーゼ/レダクターゼファミリー9Cメンバー7ポリペプチド、セルピンB8ポリペプチド、長鎖脂肪酸輸送タンパク質4ポリペプチド、シナプトソーム関連タンパク質29ポリペプチド、腫瘍原性抑制因子14タンパク質ポリペプチド、ステリル-スルファターゼポリペプチド、液胞タンパク質ソーティング関連タンパク質33Bポリペプチド、およびCAAXプレニルプロテアーゼ1ホモログポリペプチド)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド、および/またはそれらの任意のキメラポリペプチド(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。いくつかの態様では、本開示のポリヌクレオチドは、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド、トランスグルタミナーゼ(TGM)ポリペプチド、フィラグリンポリペプチド、美容用タンパク質、抗体、SPINKポリペプチド、CFTRポリペプチド、魚鱗癬関連ポリペプチド、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチド、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチド、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチド、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチド、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチド、精子関連抗原1ポリペプチド、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチド、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチド、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチド、放射状スポークヘッド1ホモログポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチド、放射状スポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチド、ダイニン集合因子1軸糸ポリペプチド、ダイニン集合因子2軸糸ポリペプチド、ロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチド、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチド、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチド、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチド、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチド、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチド、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチド、セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ受容体R3ポリペプチド、エンドグリンポリペプチド、マザーズアゲンストデカペンタプレジック(Mothers against decapentaplegic)ホモログ9ポリペプチド、カベオリン-1ポリペプチド、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチド、eIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチド、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチド、ジスケリン(Dyskerin)ポリペプチド、テロメア伸長調節因子ヘリカーゼ1ポリペプチド、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチド、TERF1相互作用核因子2ポリペプチド、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチド、ムチン-5Bポリペプチド、デスモプラキンポリペプチド、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチド、ジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチド、および/またはそれらの任意のキメラポリペプチド(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。
【0126】
組み換え核酸
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載されるポリヌクレオチドのうち任意の1つまたは複数のを含む組み換え核酸に関する。いくつかの態様では、組み換え核酸はベクター(例えば、発現ベクター、ディスプレイベクターなど)である。いくつかの態様では、ベクターは、DNAベクターまたはRNAベクターである。一般的に、ポリヌクレオチドを維持する、増殖させる、および/または発現させて対象において1つまたは複数のポリペプチドを産生するのに適切なベクターが、使用され得る。適切なベクターの例は、例えば、プラスミド、コスミド、エピソーム、トランスポゾン、およびウイルスベクター(例えば、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、シンドビスウイルスベクター、麻疹ベクター、ヘルペスウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクターなど)を含み得る。いくつかの態様では、ベクターはヘルペスウイルスベクターである。いくつかの態様では、ベクターは、宿主細胞において自律的複製が可能である。いくつかの態様では、ベクターは、宿主細胞において自律的複製が不可能である。いくつかの態様では、ベクターは、宿主DNAに組み込むことができる。いくつかの態様では、ベクターは、宿主DNAに組み込むことができない(例えば、エピソーム性である)。例えば、化学合成による、または核酸の単離されたセグメントの人為的操作による(例えば、遺伝子操作技術による)ものを含む、対象となる1つまたは複数のポリヌクレオチドを含有するベクターを製造する方法は、当業者に周知である。
【0127】
いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は単純ヘルペスウイルス(HSV)アンプリコンである。構造的特徴を含むヘルペスウイルスアンプリコンおよびそれを製造する方法は、当業者に一般的に公知である(例えば、de Silva S. and Bowers W. "Herpes Virus Amplicon Vectors". Viruses 2009, 1, 594-629を参照されたい)。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスアンプリコンはHSV-1アンプリコンである。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスアンプリコンはHSV-1ハイブリッドアンプリコンである。HSV-1ハイブリッドアンプリコンの例は、HSV/AAVハイブリッドアンプリコン、HSV/EBVハイブリッドアンプリコン、HSV/EBV/RVハイブリッドアンプリコン、および/またはHSV/スリーピングビューティハイブリッドアンプリコンを含み得るが、それに限定されるわけではない。いくつかの態様では、アンプリコンはHSV/AAVハイブリッドアンプリコンである。いくつかの態様では、アンプリコンはHSV/スリーピングビューティハイブリッドアンプリコンである。
【0128】
いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は組み換えヘルペスウイルスゲノムである。組み換えヘルペスウイルスゲノムは、例えば、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組み換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組み換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組み換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組み換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組み換えヘルペスウイルス7ゲノム、組み換えエプスタイン-バーウイルスゲノム、組み換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム、およびそれらの任意の組み合わせまたは派生体を含む、ヘルペスウイルス科の当技術分野において公知のDNAウイルスの任意のメンバーからの組み換えゲノムであり得る。いくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは、1つまたは複数の(例えば、1つまたは複数の、2つ以上の、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10個以上など)の不活性化変異を含む。本明細書に使用される場合、「不活性化変異」は、(例えば、不活性化変異を欠如する、対応する配列と比較して)低減された、検出不能の、または排除された量および/または機能を有する遺伝子またはレギュロン産物(RNAまたはタンパク質)をもたらす任意の変異を指し得る。不活性化変異の例は、所与の遺伝子またはレギュロンの転写制御配列(プロモーター、エンハンサー、インスレーターなど)および/またはコード配列における欠失、挿入、点変異、および再編成を含み得るが、それに限定されるわけではない。例えば、qPCR、ノーザンブロット、RNAseq、ウエスタンブロット、ELISAなどを含む、当技術分野において公知の遺伝子またはレギュロン産物の量を測定する任意の適切な方法が、使用され得る。いくつかの態様では、1つまたは複数の不活性化変異は1つまたは複数(例えば、1つまたは複数の、2つ以上の、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10個以上など)のヘルペスウイルス遺伝子中にある。いくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは、弱毒化されている(例えば、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して)。いくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは複製能力を有する。いくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは複製欠損である。いくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは腫瘍溶解性ではない。
【0129】
いくつかの態様では、組み換え核酸は組み換え単純ヘルペスウイルス(HSV)ゲノムである。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つまたは複数(例えば、1つまたは複数の、2つ以上の、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10個以上など)の不活性化変異を含む。いくつかの態様では、1つまたは複数の不活性化変異は、1つまたは複数(例えば、1つまたは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10個以上など)の単純ヘルペスウイルス遺伝子中にある。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、弱毒化されている(例えば、対応する野生型単純ヘルペスウイルスゲノムと比較して)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは複製能力を有する。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは複製欠損である。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは腫瘍溶解性ではない。
【0130】
いくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノムは、組み換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組み換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノム、またはそれらの任意の派生体である。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは組み換えHSV-1ゲノムである。いくつかの態様では、組み換えHSV-1ゲノムは、例えば、17、Ty25、R62、S25、Ku86、S23、R11、Ty148、Ku47、H166syn、1319-2005、F-13、M-12、90237、F-17、KOS、3083-2008、F12g、L2、CD38、H193、M-15、India 2011、0116209、F-11I、66-207、2762、369-2007、3355、MacIntyre、McKrae、7862、7-hse、HF10、1394,2005、270-2007、OD4、SC16、M-19、4J1037、5J1060、J1060、KOS79、132-1988、160-1982、H166、2158-2007、RE、78326、F18g、F11、172-2010、H129、F、E4、CJ994、F14g、E03、E22、E10、E06、E11、E25、E23、E35、E15、E07、E12、E14、E08、E19、E13、ATCC 2011株など(例えば、Bowen et al. J Virol. 2019 Apr 3;93(8)を参照されたい)を含む、当技術分野において公知の任意のHSV-1株由来であり得る。いくつかの態様では、組み換えHSV-1ゲノムは、KOS株由来である。いくつかの態様では、組み換えHSV-1ゲノムは、McKrae株由来ではない。いくつかの態様では、組み換えHSV-1ゲノムは弱毒化されている(例えば、対応する野生型HSV-1ゲノムと比較して)。いくつかの態様では、組み換えHSV-1ゲノムは複製能力を有する。いくつかの態様では、組み換えHSV-1ゲノムは複製欠損である。いくつかの態様では、組み換えHSV-1ゲノムは腫瘍溶解性でない。
【0131】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、感染細胞タンパク質(または感染細胞ポリペプチド)(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41および/またはUL55単純ヘルペスウイルス遺伝子のうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または8つすべてに不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP34.5(一方もしくは両方のコピー)および/またはICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない(例えば、免疫刺激ウイルスの産生を避けるため)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP34.5(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP34.5(一方または両方のコピー)およびICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、腫瘍溶解性ではない。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、条件付き複製能力を有しない。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、がん性細胞において条件付き複製能力を有しない。
【0132】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、UL41、および/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、およびICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、およびICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、およびUL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、およびICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、およびUL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、ICP22遺伝子に不活性化変異、およびUL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、ICP22遺伝子に不活性化変異、およびUL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、不活性化変異は、ICP0(一方もしくは両方のコピー)、ICP4(一方もしくは両方のコピー)、ICP22、および/またはUL41遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27、ICP47、および/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0133】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP0(一方もしくは両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、UL41、および/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、およびICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、およびUL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異、ICP22遺伝子に不活性化変異、およびUL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、不活性化変異は、ICP4(一方もしくは両方のコピー)、ICP22、および/またはUL41遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方もしくは両方のコピー)、ICP27、ICP47、および/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0134】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方もしくは両方のコピー)、ICP4(一方もしくは両方のコピー)、ICP27、ICP47、UL41、および/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化変異、およびUL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、不活性化変異は、ICP22および/またはUL41遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方もしくは両方のコピー)、ICP4(一方もしくは両方のコピー)、ICP27、ICP47、および/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0135】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方もしくは両方のコピー)、ICP4(一方もしくは両方のコピー)、ICP22、ICP47、UL41、および/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの態様では、不活性化変異は、ICP27遺伝子のコード配列の欠失である。
【0136】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方もしくは両方のコピー)、ICP4(一方もしくは両方のコピー)、ICP22、ICP27、UL41、および/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの態様では、不活性化変異は、ICP47遺伝子のコード配列の欠失である。
【0137】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方もしくは両方のコピー)、ICP4(一方もしくは両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、および/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの態様では、不活性化変異は、UL41遺伝子のコード配列の欠失である。
【0138】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方もしくは両方のコピー)、ICP4(一方もしくは両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、および/またはUL41遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの態様では、不活性化変異は、UL55遺伝子のコード配列の欠失である。
【0139】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、長鎖内部繰り返し(IRL)領域および短鎖内部繰り返し(IRS)領域を含む内部繰り返し(ジョイント)領域に不活性化変異(例えば、欠失)を含む。いくつかの態様では、ジョイント領域の不活性化(例えば、欠失)は、ICP4およびICP0遺伝子それぞれの1つのコピーを排除する。いくつかの態様では、ジョイント領域の不活性化(例えば、欠失)は、ICP22およびICP47遺伝子についてのプロモーターをさらに不活性化する(例えば欠失させる)。所望であれば、これらの遺伝子の一方または両方の発現は、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムへの最初期プロモーターの挿入によって回復することができる(例えば、Hill et al. (1995). Nature 375(6530): 411-415; Goldsmith et al. (1998). J Exp Med 187(3): 341-348を参照されたい)。理論に縛られることを望むわけではないが、ジョイント領域の不活性化(例えば、欠失)は、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムの安定性に寄与し、かつ/または組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムがより多くのおよび/もしくはより大きな導入遺伝子を収容できるようにし得る。
【0140】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、およびICP27遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、およびUL55遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、およびUL55遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、および/またはUL55遺伝子の不活性化変異は、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、および/またはUL55遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの態様では、ICP22およびICP47遺伝子中の不活性化変異は、ICP22およびICP47遺伝子のプロモーター領域内の欠失である(例えば、ICP22およびICP47コード配列は無傷であるが、転写活性ではない)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、およびUL55遺伝子のコード配列中に欠失、ならびにICP22およびICP47遺伝子のプロモーター領域中に欠失を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方もしくは両方のコピー)および/またはUL41遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0141】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)およびICP4(一方または両方のコピー)遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、およびICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、およびICP27遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27およびUL55遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの態様では、ICP0(一方もしくは両方のコピー)、ICP4(一方もしくは両方のコピー)、ICP22、ICP27および/またはUL55遺伝子の不活性化変異は、ICP0(一方もしくは両方のコピー)、ICP4(一方もしくは両方のコピー)、ICP22、ICP27および/またはUL55遺伝子のコード配列の欠失を含む。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47および/またはUL41遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0142】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはそれよりも多いウイルス遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む。適切なウイルス座位の例は、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、tk、UL41およびUL55単純ヘルペスウイルス遺伝子座を含み得るが、それに限定されるわけではない。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、一方または両方のウイルスICP4遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む(例えば、一方または両方ICP4座位にポリペプチド(免疫調節ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む組み換えウイルス)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP22座位にポリペプチド(免疫調節ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む組み換えウイルス)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む(例えば、UL41座位にポリペプチド(免疫調節ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む組み換えウイルス)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP27遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP27座位にポリペプチド(免疫調節ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む組み換えウイルス)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP47遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP47座位にポリペプチド(免疫調節ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む組み換えウイルス)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスUL55遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む(例えば、UL55座位にポリペプチド(免疫調節ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む組み換えウイルス)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスtk遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む(例えば、tk座位にポリペプチド(免疫調節ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む組み換えウイルス)。
【0143】
いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、一方または両方のウイルスICP4遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチド、およびウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む(例えば、一方または両方のICP4座位に免疫調節ポリペプチド(ヒトIL-12ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチド、およびICP22座位に免疫調節ポリペプチド(例えば、ヒトGM-CSFポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含む組み換えウイルス)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、一方また両方のウイルスICP4遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチド、およびウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む(例えば、一方または両方のICP4座位に免疫調節ポリペプチド(例えば、ヒトIL-12ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチド、およびUL41座位に免疫調節ポリペプチド(例えば、ヒトGM-CSFポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含む組み換えウイルス)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチド、およびウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP22座位に免疫調節ポリペプチド(例えば、ヒトIL-12ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチド、およびUL41座位に免疫調節ポリペプチド(例えば、ヒトGM-CSFポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含む組み換えウイルス)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、一方また両方のウイルスICP4遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチド、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチド、およびウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む(例えば、一方または両方のICP4座位に免疫調節ポリペプチド(例えば、ヒトIL-12ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチド、ICP22座位に免疫調節ポリペプチド(例えば、ヒトGM-CSFポリペプチド)をコードするポリヌクレオチド、およびUL41座位に免疫調節ポリペプチド(例えば、ヒトIL-2ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含む組み換えウイルス)。いくつかの態様では、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、一方もしくは両方のウイルスICP4遺伝子座内に本開示の1つもしくは複数のポリヌクレオチド、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つもしくは複数のポリヌクレオチド、ウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つもしくは複数のポリヌクレオチド、ウイルスICP27遺伝子座内に本開示の1つもしくは複数のポリヌクレオチド、ウイルスICP47遺伝子座内に本開示の1つもしくは複数のポリヌクレオチド、ウイルスtk遺伝子座内に本開示の1つもしくは複数のポリヌクレオチド、および/またはウイルスUL55遺伝子座内に本開示の1つもしくは複数のポリヌクレオチドを含む。
【0144】
いくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、1つまたは複数のヘルペスウイルス遺伝子(例えば、1つまたは複数の毒性ヘルペスウイルス遺伝子)、例えば、HSV ICP0遺伝子の一方または両方のコピー、HSV ICP4遺伝子、HSV ICP22遺伝子、HSV UL41遺伝子、HSV ICP27遺伝子、HSV ICP47遺伝子、HSV tk遺伝子、HSV UL55遺伝子の一方または両方のコピーなどの発現を減少させるまたは排除するように操作されている。いくつかの態様では、組み換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノム(例えば、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム)と比較して組み換えゲノム(例えば、標的細胞に導入されたときに)の細胞毒性を低減するように操作されている。いくつかの態様では、標的細胞はヒト細胞(初代細胞またはそれから派生した細胞株)である。いくつかの態様では、標的細胞は、呼吸器の細胞(初代細胞またはそれから派生した細胞株)である。いくつかの態様では、標的細胞は気道上皮細胞(初代細胞またはそれから派生した細胞株)である。いくつかの態様では、標的細胞は、肺の細胞(初代細胞またはそれから派生した細胞株)である。いくつかの態様では、組み換えゲノム(例えば、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノム)の細胞毒性(例えば、標的細胞における)は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%低減されている(例えば、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムと比べた組み換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムの相対細胞毒性を測定する;標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムと比べた組み換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムの相対細胞毒性を測定するなど)。いくつかの態様では、組み換えヘルペスゲノム(例えば、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノム)の細胞毒性(例えば、標的細胞における)は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍、少なくとも約1000倍、またはそれよりも大きく低減されている(例えば、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムと比べた組み換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムの相対細胞毒性を測定する;標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムと比べた組み換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムの相対細胞毒性を測定するなど)。生体染色色素(ホルマザン色素)、プロテアーゼバイオマーカー、MTTアッセイ(またはXTT、MTS、水溶性テトラゾリウム塩などの関連テトラゾリウム塩を使用するアッセイ)の使用によるもの、ATP含量の測定などを含む、細胞毒性を測定する方法は、当業者に公知である。
【0145】
いくつかの態様では、組み換えゲノム(例えば、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、対応する野生型ゲノム(例えば、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム)と比較して標的細胞の組み換えゲノムへの曝露後に標的細胞の増殖に対するその影響を低減するように操作されている。いくつかの態様では、標的細胞はヒト細胞(初代細胞またはそれから派生した細胞株)である。いくつかの態様では、標的細胞は、呼吸器の細胞(初代細胞またはそれから派生した細胞株)である。いくつかの態様では、標的細胞は気道上皮細胞(初代細胞またはそれから派生した細胞株)である。いくつかの態様では、標的細胞は、肺の細胞(初代細胞またはそれから派生した細胞株)である。いくつかの態様では、組み換えゲノムへの曝露後の標的細胞の増殖は、対応する野生型ゲノムへの曝露後の標的細胞の増殖と比較して少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%速い(例えば、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖と比べた、組み換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対細胞増殖を測定する;標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖と比べた、組み換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対細胞増殖を測定するなど)。いくつかの態様では、組み換えゲノムへの曝露後の標的細胞の増殖は、対応する野生型ゲノムへの曝露後の標的細胞の増殖と比較して少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍、または少なくとも約1000倍速い(例えば、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖と比べた、組み換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対細胞増殖を測定する;標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖と比べた、組み換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対細胞増殖を測定するなど)。例えば、Ki67細胞増殖アッセイ、BrdU細胞増殖アッセイなどの使用によるものを含む、細胞増殖を測定する方法は、当業者に公知である。
【0146】
ベクター(例えば、ヘルペスウイルスベクター)は、本開示の1つまたは複数のポリヌクレオチドを、宿主細胞におけるポリヌクレオチドの発現に適した形態で含み得る。ベクターは、発現されるべきポリヌクレオチド(例えば、上記)と機能的に連結される1つまたは複数の調節配列を含み得る。
【0147】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載される組み換え核酸のいずれかを含む1つまたは複数の異種ポリヌクレオチド(例えば、細菌人工染色体(BAC))に関する。
【0148】
いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸(例えば、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、組み換え核酸中に任意の方向で挿入された、本明細書に記載されるポリヌクレオチドのうち1つまたは複数を含む。組み換え核酸が、本明細書に記載される2つ以上(例えば、2つ以上の、3つ以上など)のポリヌクレオチドを含む場合、ポリヌクレオチドは、相互に同方向または逆方向に挿入され得る。理論に縛られることを望むわけではないが、組み換え核酸(例えば、ベクター)中にアンチセンス方向で2つのポリヌクレオチド(例えば、2つの導入遺伝子)を組み込むことは、リードスルーを回避し、各ポリヌクレオチドの適正な発現を確実にするのを助け得る。
【0149】
いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド(COL7)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド(LH3)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド(KRT17)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は、トランスグルタミナーゼ(TGM)ポリペプチド(例えば、ヒトトランスグルタミナーゼポリペプチド、例えばヒトTGM1ポリペプチドおよび/またはヒトTGM5ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は、美容用タンパク質(例えば、コラーゲンタンパク質、フィブロネクチン、エラスチン、ルミカン、ビトロネクチン/ビトロネクチン受容体、ラミニン、神経調節物質、フィブリリン、追加的な皮膚細胞外マトリックスタンパク質など)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は、抗体(例えば、全長抗体、抗体断片など)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は、カザール型セリンプロテアーゼインヒビター(SPINK)ポリペプチド(例えば、ヒトSPINKポリペプチド、例えばSPINK5ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は、フィラグリンまたはフィラグリン2ポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンまたはフィラグリン2ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は、嚢胞性線維症膜貫通型コンダクタンス調節因子(CFTR)ポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は、魚鱗癬関連ポリペプチド(例えば、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー12ポリペプチド、1-アシルグリセロール-3-リン酸O-アシルトランスフェラーゼABHD5ポリペプチド、アルデヒドデヒドロゲナーゼファミリー3メンバーA2ポリペプチド、アラキドン酸12-リポキシゲナーゼ12R型ポリペプチド、ヒドロペルオキシドイソメラーゼALOXE3ポリペプチド、AP-1複合体サブユニットシグマ-1Aポリペプチド、アリールスルファターゼEポリペプチド、カスパーゼ-14ポリペプチド、コルネオデスモシンポリペプチド、セラミドシンターゼ3ポリペプチド、炭水化物スルホトランスフェラーゼ8ポリペプチド、クローディン-1ポリペプチド、シスタチン-Aポリペプチド、シトクロムP450 4F22ポリペプチド、3-ベータ-ヒドロキシステロイド-デルタ(8),デルタ(7)-イソメラーゼポリペプチド、超長鎖脂肪酸伸長タンパク質4ポリペプチド、フィラグリンポリペプチド、フィラグリン2ポリペプチド、ギャップ結合ベータ-2ポリペプチド、ギャップ結合ベータ-3ポリペプチド、ギャップ結合ベータ-4ポリペプチド、ギャップ結合ベータ-6ポリペプチド、3-ケトジヒドロスフィンゴシンレダクターゼポリペプチド、ケラチン、II型細胞骨格1ポリペプチド、ケラチン、II型細胞骨格2上皮ポリペプチド、ケラチン、I型細胞骨格9ポリペプチド、ケラチン、I型細胞骨格10ポリペプチド、リパーゼメンバーNポリペプチド、ロリクリンポリペプチド、膜結合型転写因子部位-2プロテアーゼポリペプチド、マグネシウム輸送体NIPA4ポリペプチド、ステロール-4-アルファ-カルボン酸3-デヒドロゲナーゼ、脱炭酸ポリペプチド、ペルオキシソームターゲティングシグナル2受容体ポリペプチド、D-3-ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼポリペプチド、フィタノイル-CoAジオキシゲナーゼ、ペルオキシソームポリペプチド、パタチン様ホスホリパーゼドメイン含有タンパク質1ポリペプチド、プロテアソーム成熟タンパク質ポリペプチド、ホスホセリンアミノトランスフェラーゼポリペプチド、短鎖デヒドロゲナーゼ/レダクターゼファミリー9Cメンバー7ポリペプチド、セルピンB8ポリペプチド、長鎖脂肪酸輸送タンパク質4ポリペプチド、シナプトソーム関連タンパク質29ポリペプチド、腫瘍原性抑制因子14タンパク質ポリペプチド、ステリル-スルファターゼポリペプチド、液胞タンパク質ソーティング関連タンパク質33Bポリペプチド、およびCAAXプレニルプロテアーゼ1ホモログポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド、および/またはそれらの任意のキメラポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの態様では、本開示の組み換え核酸は、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド、トランスグルタミナーゼ(TGM)ポリペプチド、フィラグリンポリペプチド、美容用タンパク質、抗体、SPINKポリペプチド、CFTRポリペプチド、魚鱗癬関連ポリペプチド、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチド、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチド、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチド、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチド、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチド、精子関連抗原1ポリペプチド、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチド、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチド、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチド、放射状スポークヘッド1ホモログポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチド、放射状スポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチド、ダイニン集合因子1軸糸ポリペプチド、ダイニン集合因子2軸糸ポリペプチド、ロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチド、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチド、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチド、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチド、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチド、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチド、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチド、セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ受容体R3ポリペプチド、エンドグリンポリペプチド、マザーズアゲンストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチド、カベオリン-1ポリペプチド、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチド、eIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチド、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチド、ジスケリンポリペプチド、テロメア伸長調節因子ヘリカーゼ1ポリペプチド、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチド、TERF1相互作用核因子2ポリペプチド、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチド、ムチン-5Bポリペプチド、デスモプラキンポリペプチド、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチド、ジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチド、および/またはそれらの任意のキメラポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含まない。
【0150】
IV. ウイルス
本開示のある特定の局面は、本明細書に記載されるポリヌクレオチドおよび/または組み換え核酸のうちいずれかを含むウイルスに関する。いくつかの態様では、ウイルスは、対象(例えば、ヒト)の1つまたは複数の標的細胞に感染することが可能である。いくつかの態様では、ウイルスは、対象(例えば、ヒト)の1つまたは複数の標的細胞にポリヌクレオチドおよび/または組み換え核酸を送達するのに適している。いくつかの態様では、1つまたは複数の標的細胞はヒト細胞である。いくつかの態様では、1つまたは複数の標的細胞は、1つまたは複数の気道上皮細胞である。いくつかの態様では、1つまたは複数の標的細胞は、呼吸器の1つまたは複数の細胞(例えば、気道上皮細胞(例えば、杯細胞、線毛細胞、クララ細胞、神経内分泌細胞、基底細胞、中間または傍基底細胞、漿液細胞、刷子細胞、オンコサイト、無線毛円柱細胞、および/または化生細胞);肺胞細胞(例えば、1型肺細胞、2型肺細胞、および/または立方非線毛細胞);気管支中の唾液腺細胞(例えば、漿液細胞、粘液細胞、および/または導管細胞)など)である。いくつかの態様では、1つまたは複数の標的細胞は、肺の1つまたは複数の細胞である。
【0151】
例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、センダイウイルスウイルス、パピローマウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)、ワクシニアウイルス、および/またはそれらの任意のハイブリッドもしくは派生体ウイルスを含む、当技術分野において公知の任意の適切なウイルスが使用され得る。いくつかの態様では、ウイルスは弱毒化されている。いくつかの態様では、ウイルスは複製能力を有する。いくつかの態様では、ウイルスは複製欠損である。いくつかの態様では、ウイルスは、腫瘍溶解性ではない。いくつかの態様では、ウイルスは、対応する未改変の野生型ウイルスの組織向性と比べてその組織向性を変更するように改変されている。いくつかの態様では、ウイルスは、対応する野生型ウイルスと比較して低減された細胞毒性を有する(例えば、標的細胞において)。組み換え核酸を含むウイルスを産生する方法は、当業者に周知である。
【0152】
いくつかの態様では、ウイルスは、例えば、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、エプスタイン-バーウイルス、およびカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスなどを含む、ヘルペスウイルス科のDNAウイルスのメンバーである。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスは弱毒化されている。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスは複製欠損である。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスは、複製能力を有する。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスは、1つまたは複数のヘルペスウイルス遺伝子(例えば、1つまたは複数の毒性ヘルペスウイルス遺伝子)の発現を低減または排除するように操作されている。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスは、対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して低減された細胞毒性を有する。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスは、腫瘍溶解性ではない。
【0153】
いくつかの態様では、ウイルスは単純ヘルペスウイルスである。組み換え核酸を含む単純ヘルペスウイルスは、例えば、米国特許第10,174,341号、US 2019/0276845、米国特許第9,877,990号、米国特許第10,155,016号、米国特許第10,441,614号、米国特許第11,185,564号、US 2020/0093874、米国特許第10,525,090号、US 2020/0197456、US 2021/0261649、US 2021/0395775、米国特許第10,829,529号、US 2021/0087245、US 2021/0189427、米国特許第10,786,438号、US 2021/0045988、および/またはWO2021/046131に開示された方法によって産生され得、これらのすべては、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスは弱毒化されている。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスは複製欠損である。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスは、複製能力を有する。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスは、1つまたは複数の単純ヘルペスウイルス遺伝子(例えば、1つまたは複数の毒性単純ヘルペスウイルス遺伝子)の発現を低減または排除するように操作されている。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスは、対応する野生型単純ヘルペスウイルスと比較して低減された細胞毒性を有する。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスは、腫瘍溶解性ではない。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1、HSV-2、またはそれらの任意の派生体である。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスはHSV-1ウイルスである。いくつかの態様では、HSV-1は弱毒化されている。いくつかの態様では、HSV-1は複製欠損である。いくつかの態様では、HSV-1は、複製能力を有する。いくつかの態様では、HSV-1は、1つまたは複数のHSV-1遺伝子(例えば、1つまたは複数の毒性HSV-1遺伝子)の発現を低減または排除するように操作されている。いくつかの態様では、HSV-1は、対応する野生型HSV-1と比較して低減された細胞毒性を有する。いくつかの態様では、HSV-1は腫瘍溶解性ではない。
【0154】
いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスは、未改変の野生型単純ヘルペスウイルスの組織向性と比べてその組織向性を変更するように改変されている。いくつかの態様では、単純ヘルペスウイルスは、改変型エンベロープを含む。いくつかの態様では、改変型エンベロープは、1つまたは複数(例えば、1つまたは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上など)の変異型単純ヘルペスウイルス糖タンパク質を含む。単純ヘルペスウイルス糖タンパク質の例は、糖タンパク質gB、gC、gD、gH、およびgLを含み得るが、それに限定されるわけではない。いくつかの態様では、改変型エンベロープは、野生型単純ヘルペスウイルスと比べて単純ヘルペスウイルスの組織向性を変更する。
【0155】
いくつかの態様では、1つまたは複数の標的細胞(例えば、呼吸器の1つまたは複数の細胞)についての本開示のウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルスなどのヘルペスウイルス)の形質導入効率(インビトロおよび/またはインビボ)は、少なくとも約25%である。例えば、1つまたは複数の標的細胞についてのウイルスの形質導入効率は、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、またはそれより大きい場合がある。いくつかの態様では、ウイルスは単純ヘルペスウイルスであり、1つまたは複数の標的細胞(例えば、呼吸器の1つまたは複数の細胞)についてのウイルスの形質導入効率は、約85%~約100%である。いくつかの態様では、ウイルスは単純ヘルペスウイルスであり、1つまたは複数の標的細胞(例えば、呼吸器の1つまたは複数の細胞)についてのウイルスの形質導入効率は、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%である。例えば、qPCR分析、ディープシーケンシング、ウエスタンブロッティング、蛍光分析(例えば、蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)、蛍光レポーター遺伝子発現、免疫蛍光、FACS)などを含む、ウイルス形質導入効率をインビトロまたはインビボで測定する方法は、当業者に周知である。
【0156】
いくつかの態様では、固形腫瘍(例えば、進行した固形腫瘍)および血液悪性疾患を含むがんの処置のための1つまたは複数の治療用ポリペプチドを産生する、偽型である場合もない場合もある組み換えウイルスが、本明細書に提供される。いくつかの態様では、組み換えウイルスは、腫瘍溶解性でない。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換えウイルスによって産生される1つまたは複数の治療用ポリペプチドは、腫瘍細胞のエフェクター細胞媒介溶解などによる抗腫瘍効果を媒介または強化する。本開示は、組み換えウイルスを含む治療用組成物ならびに固形腫瘍および血液悪性疾患の処置における使用方法をさらに提供する。
【0157】
いくつかの態様では、治療用ポリペプチドは免疫調節ポリペプチドである。いくつかの態様では、免疫調節ポリペプチドは、1つまたは複数の細胞型、例えば、制御性T細胞(Treg)、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)、樹状細胞、T細胞、マクロファージ、好中球、および/またはNK細胞の活性をモジュレートする。
【0158】
V. 薬学的組成物および製剤
本開示のある特定の局面は、本明細書に記載される組み換え核酸(例えば、組み換えヘルペスウイルスゲノム)および/または本明細書に記載されるウイルス(例えば、組み換えゲノムを含むヘルペスウイルス)(例えば、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムを含む単純ヘルペスウイルス)のいずれかと、薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む薬学的組成物または製剤に関する。
【0159】
いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、本明細書に記載されるウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)のうち任意の1つまたは複数を含む。いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、約104~約1012プラーク形成単位(PFU)/mLのウイルスを含む。例えば、薬学的組成物または製剤は、約104~約1012、約105~約1012、約106~約1012、約107~約1012、約108~約1012、約109~約1012、約1010~約1012、約1011~約1012、約104~約1011、約105~約1011、約106~約1011、約107~約1011、約108~約1011、約109~約1011、約1010~約1011、約104~約1010、約105~約1010、約106~約1010、約107~約1010、約108~約1010、約109~約1010、約104~約109、約105~約109、約106~約109、約107~約109、約108~約109、約104~約108、約105~約108、約106~約108、約107~約108、約104~約107、約105~約107、約106~約107、約104~約106、約105~約106、または約104~約105PFU/mLのウイルスを含み得る。いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、約104、約105、約106、約107、約108、約109、約1010、約1011、または約1012PFU/mLのウイルスを含む。
【0160】
薬学的組成物および製剤は、所望の純度を有する活性成分(組み換え核酸および/またはウイルスなど)を1つまたは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤と混合することによって調製することができる。薬学的に許容される担体または賦形剤は、一般的に、採用される投薬量および濃度でレシピエントに無毒であり、緩衝剤(リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、および他の有機酸など);抗酸化剤(アスコルビン酸およびメチオニンなど);保存剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、フェノール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、およびm-クレゾールなど);アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリシンなど);低分子量(約10残基未満の)ポリペプチド;タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなど);ポリオール(グリセロールなど、例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%などのグリセロールを含む製剤);親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど);単糖、二糖、および他の炭水化物(グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む);キレート剤(EDTAなど);糖(スクロース、マンニトール、トレハロース、またはソルビトールなど);塩形成対イオン(ナトリウムなど);金属複合体(Zn-タンパク質複合体など);および/または非イオン界面活性剤(ポリエチレングリコール(PEG)など)を含み得るが、それに限定されるわけではない。薬学的に許容される担体の徹底的な説明は、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES (Mack Pub. Co., N.J. 1991)から入手可能である。
【0161】
いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、1つまたは複数の脂質(例えば、陽イオン性脂質)担体を含む。いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、1つまたは複数のナノ粒子担体を含む。ナノ粒子は、急速または制御放出のための、封入された薬物(合成低分子、タンパク質、ペプチド、細胞、ウイルス、および核酸ベースバイオ治療薬)を運搬することができるサブミクロン(約1000nm未満)サイズの薬物送達媒体である。多様な分子(例えば、タンパク質、ペプチド、組み換え核酸など)は、当技術分野において周知の方法を使用してナノ粒子中に効率的に封入することができる。いくつかの態様では、ナノ粒子中に「封入された」分子は、ナノ粒子内に含有される、またはナノ粒子の表面に付着および/もしくは結合された、またはそれらの任意の組み合わせの、分子(ウイルスなど)を指し得る。本明細書に記載される組成物または製剤での使用のためのナノ粒子は、例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、PLGA、PLA、PGA、およびそれらの任意の組み合わせを含むナノ粒子を含む、当技術分野において公知の任意の種類の生体適合性ナノ粒子であり得る(例えば、Vauthier et al. Adv Drug Del Rev. (2003) 55: 519-48;US 2007/0148074;US 2007/0092575;US 2006/0246139;米国特許第5,753,234号;米国特許第7,081,483号;およびUS 2008/0260851を参照されたく、これらのすべては、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる)。
【0162】
いくつかの態様では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、皮膚、経口、鼻腔内、気管内、舌下、口内、外用、経皮、皮内、腹腔内、眼窩内、硝子体内、網膜下、経粘膜、関節内、埋め込み、吸入、くも膜下腔内、脳室内、および/または鼻腔内投与を含む、当技術分野において公知の任意の投与経路に適合されている、またはそれに適している場合がある。いくつかの態様では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、経口、鼻腔内、気管内、および/または吸入投与に適合されている、またはそれに適している。いくつかの態様では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、鼻腔内および/または吸入投与に適合されている、またはそれに適している。いくつかの態様では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、吸入投与に適合されている、またはそれに適している。
【0163】
いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、皮膚、経口、鼻腔内、気管内、舌下、口内、外用、経皮、皮内、腹腔内、眼窩内、硝子体内、網膜下、経粘膜、関節内、埋め込み、吸入、くも膜下腔内、脳室内、または鼻腔内投与を含む、当技術分野において公知の任意の投与経路に適合されている、またはそれに適している。いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、経口、鼻腔内、気管内、および/または吸入投与に適合されている、またはそれに適している。いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、鼻腔内および/または吸入投与に適合されている、またはそれに適している。いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、吸入投与に適合されている、またはそれに適している。
【0164】
いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、1つまたは複数の追加的な構成成分をさらに含む。追加的な構成成分の例は、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなど);増量剤(例えば、ラクトースおよび他の糖、結晶セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリレートまたはリン酸水素カルシウムなど);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、硬化植物油、トウモロコシデンプン、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなど);崩壊剤(例えば、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウムなど);湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど);塩溶液;アルコール;ポリエチレングリコール;ゼラチン;ラクトース;アミラーゼ;ステアリン酸マグネシウム;タルク;ケイ酸;粘性パラフィン;ヒドロキシメチルセルロース;ポリビニルピロリドン;甘味剤;矯味剤;芳香剤;着色剤;モイスチャライザー;日焼け止め;抗細菌剤;ポリヌクレオチドを安定化するまたはそれらの分解を防止することができる薬剤、その他を含み得るが、それに限定されるわけではない。いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、メチルセルロースゲル(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどを含む)。いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、リン酸緩衝液を含む。いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、グリセロール(例えば、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%など)を含む。いくつかの態様では、薬学的組成物または製剤は、リン酸緩衝液およびグリセロールを含む。
【0165】
インビボ投与のために使用されるべき薬学的組成物および製剤は、一般的に無菌である。無菌性は、例えば、無菌濾過膜を通した濾過によって、容易に達成され得る。
【0166】
いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかは、ポリペプチド(例えば、免疫調節ポリペプチド、例えば、IL-2またはIL-12ポリペプチド)をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを対象の1つまたは複数の細胞(例えば、対象の呼吸器の1つまたは複数の細胞)中に送達するために使用され得る。いくつかの態様では、対象は、がんを患っている。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、がん腫の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、リンパ腫の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、芽細胞腫の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、肉腫の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、神経内分泌腫瘍の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、中皮腫の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、シュワン腫の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、髄膜腫の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、腺がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、黒色腫の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、白血病の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、リンパ性悪性疾患の処置に使用され得る。
【0167】
いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、ポリペプチド(例えば、免疫調節ポリペプチド、例えばIL-2またはIL-12ポリペプチド)をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを対象の1つまたは複数の細胞(例えば、対象の呼吸器の1つまたは複数の細胞)中に送達するために使用され得る。いくつかの態様では、対象は、がんを患っている。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、固形腫瘍の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、血液がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、膀胱がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、脳がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、乳がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、結腸がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、胃がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、神経膠腫の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、頭部がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、白血病の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、肝がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、肺がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、リンパ腫の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、骨髄腫の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、頸部がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、卵巣がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、黒色腫の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、膵がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、腎がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、唾液腺がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、皮膚がん(例えば、黒色腫、基底細胞がん、扁平上皮がん、光線角化症、異型母斑、および/またはメルケル細胞がん)の処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、胃がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、胸腺上皮がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、甲状腺がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、骨肉腫の処置に使用され得る。
【0168】
いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、ポリペプチド(例えば、免疫調節ポリペプチド、例えばIL-2またはIL-12ポリペプチド)をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを対象の1つまたは複数の細胞(例えば、対象の呼吸器の1つまたは複数の細胞)中に送達するために使用され得る。いくつかの態様では、対象は、肺がんを患っている。肺がんは、しばしば、燕麦細胞がんとも呼ばれる小細胞肺がん(SCLC)と、非小細胞肺がん(NSCLC)との広い分類に分けられる。NSCLCは、扁平上皮がん(SCC)、腺がんおよび大細胞がんの3つの主な種類にさらに分けられる。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、小細胞肺がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、肺腺がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、肺扁平上皮がんの処置に使用され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかは、非小細胞肺がんの処置に使用され得る。
【0169】
VI. 方法
本開示のある特定の局面は、免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む本明細書に記載される組み換え核酸(例えば、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノム、例えば組み換えHSV-1ゲノム)のいずれかを含む、本明細書に記載されるウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス、例えばHSV-1)のいずれかと、薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物を対象に投与する工程を含む、免疫調節ポリペプチドを対象の1つまたは複数の細胞(例えば、呼吸器の1つまたは複数の細胞、例えば、気道上皮細胞(杯細胞、線毛細胞、クララ細胞、神経内分泌細胞、基底細胞、中間または傍基底細胞、漿液細胞、刷子細胞、オンコサイト、無線毛円柱細胞、および/または化生細胞);肺胞細胞(1型肺細胞、2型肺細胞、および/または立方非線毛細胞);気管支中の唾液腺細胞(漿液細胞、粘液細胞、および/または導管細胞)など)に送達する方法に関する。いくつかの態様では、薬学的組成物は、対象に外用、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口内、直腸、腟内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、腫瘍内、局所、または吸入を介して投与される。いくつかの態様では、薬学的組成物は、対象に経口、鼻腔内、気管内、または吸入を介して投与される。いくつかの態様では、薬学的組成物は、対象に鼻腔内、または吸入を介して投与される。いくつかの態様では、薬学的組成物は、対象に吸入を介して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、ドライパウダー吸入器、加圧式定量噴霧吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学エアロゾルデバイスを使用して投与される。いくつかの態様では、ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの態様では、ネブライザーは振動型メッシュ式ネブライザーである。いくつかの態様では、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)は、複製能力を有する。いくつかの態様では、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)は、条件付き複製能力を有しない。いくつかの態様では、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)は、がん性細胞中で複製しない。いくつかの態様では、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)は複製欠損である。いくつかの態様では、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)は、腫瘍溶解性ではない。
【0170】
いくつかの態様では、対象はヒトである。いくつかの態様では、対象はがんを患っている。いくつかの態様では、がんは、急性骨髄性白血病(LAMLまたはAML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、副腎皮質がん(ACC)、膀胱尿路上皮がん(BLCA)、脳幹神経膠腫、脳低悪性度神経膠腫(LGG)、脳腫瘍、乳がん(BRCA)、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、原発不明がん、カルチノイド腫瘍、原発不明がん腫、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎児性腫瘍、子宮頸部扁平上皮がん、子宮頸腺がん(CESC)、小児がん、胆管がん(CHOL)、脊索腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん(腺がん)(COAD)、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、内分泌膵島細胞腫瘍、子宮内膜がん、上衣芽細胞腫、上衣腫、食道がん(ESCA)、感覚神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、胆嚢がん、胃(gastric/stomach)がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質細胞腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、妊娠性絨毛性腫瘍、多形膠芽腫神経膠腫GBM)、ヘアリー細胞白血病、頭頸部がん(HNSD)、心臓がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼球内黒色腫、膵島細胞腫瘍、カポジ肉腫、腎がん、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、口唇がん、肝がん、リンパ様新生物びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫[DLBCL)、悪性線維性組織球腫骨がん、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞がん、メルケル細胞皮膚がん、中皮腫(MESO)、原発不明転移性扁平上皮性頸部がん、口内がん、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非黒色腫皮膚がん、非小細胞肺がん、口腔がん(oral cancer)、口腔がん(oral cavity cancer)、中咽頭がん、骨肉腫、他の脳脊髄腫瘍、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵がん、乳頭腫、副鼻腔がん、副甲状腺がん、骨盤がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫および傍神経節腫(PCPG)、中分化型松果体実質腫瘍、松果体芽腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、原発性肝細胞肝がん、前立腺腺がん(PRAD)などの前立腺がん、直腸がん、腎がん、腎細胞(腎)がん、腎細胞がん、呼吸器がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫(SARC)、セザリー症候群、皮膚黒色腫(SKCM)、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮がん、扁平上皮性頸部がん、胃(stomach/gastric)がん、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣がん精巣胚細胞腫瘍(TGCT)、喉のがん、胸腺がん、胸腺腫(THYM)、甲状腺がん(THCA)、移行上皮がん、腎盂尿管移行上皮がん、絨毛性腫瘍、尿管がん、尿道がん、子宮がん、子宮がん、ブドウ膜黒色腫(UVM)、腟がん、外陰がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ならびに/またはウィルムス腫瘍より選択される。いくつかの態様では、がんはウイルス関連がんである。いくつかの態様では、がんはヒトパピローマウイルス(HPV)関連がん(例えば、喉の奥、子宮頸部、肛門、外陰部、陰茎、および/または腟のHPV関連がん)である。いくつかの態様では、がんは、皮膚がん(例えば、黒色腫、基底細胞がん、扁平上皮がん、光線角化症、異型母斑、および/またはメルケル細胞がん)ではない。いくつかの態様では、がんは、黒色腫ではない。いくつかの態様では、対象は、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、神経内分泌腫瘍、中皮腫、シュワン腫、髄膜腫、腺がん、黒色腫、白血病、およびリンパ性悪性疾患のうち1つまたは複数を患っている。いくつかの態様では、対象は、固形腫瘍、血液がん、膀胱がん、脳がん、乳がん、結腸がん、胃がん、神経膠腫、頭部がん、白血病、肝がん、肺がん、リンパ腫、骨髄腫、頸部がん、卵巣がん、黒色腫、膵がん、腎がん、唾液腺がん、皮膚がん、胃がん、胸腺上皮がん、および甲状腺がんのうち1つまたは複数を患っている。いくつかの態様では、対象は、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、または肺扁平上皮がんのうち1つまたは複数を患っている。いくつかの態様では、対象は、骨肉腫を患っている。
【0171】
いくつかの態様では、対象への組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤の投与は、対象における1つまたは複数の対応する未処置細胞中のポリペプチドの内因性レベルと比較して、対象の1つまたは複数の接触または処置された細胞中の免疫調節ポリペプチドのレベル(転写物またはタンパク質のレベル)を少なくとも約2倍増加させる。例えば、組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤の投与は、対象における1つまたは複数の対応する未処置細胞中のポリペプチドの内因性レベルと比較して、対象の1つまたは複数の接触または処置された細胞中の免疫調節ポリペプチドのレベル(転写物またはタンパク質のレベル)を少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍、少なくとも約1000倍、またはそれよりも大きく増加させる場合がある。いくつかの態様では、1つまたは複数の接触または処置された細胞は、呼吸器の1つまたは複数の細胞(例えば、気道上皮の1つまたは複数の細胞)である。例えば、qPCR、ウエスタンブロット、質量分析などを含む、試料から転写物またはタンパク質のレベルを測定する方法は、当業者に周知である。
【0172】
本開示の他の局面は、対象に、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかの有効量を投与する工程を含む、その必要がある対象におけるがんの1つまたは複数の徴候または症状に予防的、姑息的、または治療的軽減を提供する方法に関する。いくつかの態様では、対象はヒトである。いくつかの態様では、対象はがんを患っている。いくつかの態様では、がんは、急性骨髄性白血病(LAMLまたはAML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、副腎皮質がん(ACC)、膀胱尿路上皮がん(BLCA)、脳幹神経膠腫、脳低悪性度神経膠腫(LGG)、脳腫瘍、乳がん(BRCA)、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、原発不明がん、カルチノイド腫瘍、原発不明がん腫、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎児性腫瘍、子宮頸部扁平上皮がん、子宮頸部腺がん(CESC)、小児がん、胆管がん(CHOL)、脊索腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん(腺がん)(COAD)、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、内分泌膵島細胞腫瘍、子宮内膜がん、上衣芽細胞腫、上衣腫、食道がん(ESCA)、感覚神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、胆嚢がん、胃(gastric/stomach)がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質細胞腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、妊娠性絨毛性腫瘍、多形膠芽腫神経膠腫GBM)、ヘアリー細胞白血病、頭頸部がん(HNSD)、心臓がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼球内黒色腫、膵島細胞腫瘍、カポジ肉腫、腎がん、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、口唇がん、肝がん、リンパ様新生物びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫[DLBCL)、悪性線維性組織球腫骨がん、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞がん、メルケル細胞皮膚がん、中皮腫(MESO)、原発不明転移性扁平上皮性頸部がん、口内がん、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非黒色腫皮膚がん、非小細胞肺がん、口腔がん、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫、他の脳脊髄腫瘍、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵がん、乳頭腫、副鼻腔がん、副甲状腺がん、骨盤がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫および傍神経節腫(PCPG)、中分化型松果体実質腫瘍、松果体芽腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、原発性肝細胞肝がん、前立腺腺がんなどの前立腺がん(PRAD)、直腸がん、腎がん、腎細胞(腎臓)がん、腎細胞がん、呼吸器がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫(SARC)、セザリー症候群、皮膚黒色腫(SKCM)、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮がん、扁平上皮性頸部がん、胃(stomach/gastric)がん、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣がん精巣胚細胞腫瘍(TGCT)、喉のがん、胸腺がん、胸腺腫(THYM)、甲状腺がん(THCA)、移行上皮がん、腎盂尿管移行上皮がん、絨毛性腫瘍、尿管がん、尿道がん、子宮がん、子宮がん、ブドウ膜黒色腫(UVM)、腟がん、外陰がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ならびに/またはウィルムス腫瘍より選択される。いくつかの態様では、がんはウイルス関連がんである。いくつかの態様では、がんはヒトパピローマウイルス(HPV)関連がん(例えば、喉の奥、子宮頸部、肛門、外陰部、陰茎、および/または腟のHPV関連がん)である。いくつかの態様では、がんは、皮膚がん(例えば、黒色腫、基底細胞がん腫、扁平上皮がん、光線角化症、異型母斑、および/またはメルケル細胞がん)ではない。いくつかの態様では、がんは、黒色腫ではない。いくつかの態様では、対象は、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、神経内分泌腫瘍、中皮腫、シュワン腫、髄膜腫、腺がん、黒色腫、白血病、およびリンパ性悪性疾患のうち1つまたは複数を患わない。いくつかの態様では、対象は、固形腫瘍、血液がん、膀胱がん、脳がん、乳がん、結腸がん、胃がん、神経膠腫、頭部がん、白血病、肝がん、肺がん、リンパ腫、骨髄腫、頸部がん、卵巣がん、黒色腫、膵がん、腎がん、唾液腺がん、胃がん、胸腺上皮がん、および甲状腺がんのうち1つまたは複数を患っている。いくつかの態様では、対象は、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、または肺扁平上皮がんのうち1つまたは複数を患っている。いくつかの態様では、対象は、骨肉腫を患っている。
【0173】
本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤は、経口、鼻腔内、気管内、舌下、口内、外用、直腸、吸入、経皮、皮下、皮内、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜、腟内、硝子体内、眼窩内、網膜下、関節内、関節周囲、局所、皮膚上、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、それに限定されるわけではない、当技術分野において公知の任意の適切な方法または経路によって投与され得る。したがって、本開示は、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、医薬、または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかを個体(例えば、がんを有する個体)に送達する方法を包含する。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤は、経口、鼻腔内、気管内に、および/または吸入を介して投与される。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤は、鼻腔内にまたは吸入を介して投与される。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤は、吸入を介して投与される。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤は、ドライパウダー吸入器、加圧式定量噴霧吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学エアロゾルデバイスを使用して投与される。いくつかの態様では、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの態様では、ネブライザーは振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0174】
経口、鼻腔内、気管内、およびまたは吸入投与経路を介して気道および/または肺に薬物を送達する方法は、当業者に一般的に公知である(例えば、Gardenhire et al. A Guide to Aerosol Delivery Devices for Respiratory Therapists, 4th Edition, American Association for Respiratory care, 2017; Patil et al. Pulmonary Drug Delivery Strategies: A Concise, Systematic Review, Lung India. 2012. 29(1):44-9; Marx et al. Intranasal Drug Administration - An Attractive Delivery Route for Some Drugs, 2015を参照されたい)。
【0175】
いくつかの態様では、組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または組成物もしくは製剤は、エアロゾル化製剤の吸入によって肺に送達される。いくつかの態様では、組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または組成物もしくは製剤は、肺腫瘍の切除後にエアロゾル化製剤の吸入によって肺に送達される。吸入は、対象の鼻および/または口を経由して起こり得る。肺に組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤を送達するための例示的なデバイスは、ドライパウダー吸入器、加圧式定量噴霧吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー(例えば、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、振動型メッシュ式ネブライザー)、衝突ジェット(colliding jet)、押出ジェット(extruded jet)、表面波マイクロ流体噴霧、キャピラリーエアロゾル生成、電気流体力学エアロゾルデバイスなどを含み得るが、それに限定されるわけではない(例えば、Carvalho and McConville. The function and performance of aqueous devices for inhalation therapy. (2016) Journal of Pharmacy and Pharmacologyを参照されたい)。
【0176】
液体製剤は、例えば、加圧式定量噴霧吸入器(pMDI)を使用して対象の肺に投与され得る。pMDIは、一般的に、少なくとも2つの構成要素:液体製剤が1つまたは複数の噴射剤と組み合わせて加圧下で収容されているキャニスター、およびキャニスターを収容し、作動させるために使用されるレセプタクルを含む。キャニスターは、製剤の単回用量または多回用量を含有し得る。キャニスターは、そこからキャニスターの内容物が放出され得るバルブ、典型的には計量バルブを含み得る。キャニスターに力を加えてそれをレセプタクル内に押し込み、それによってバルブを開き、バルブからレセプタクル出口を通って薬物粒子を移送させることによって、エアロゾル化された薬物がpMDIから施薬される。キャニスターから放出されると、液体製剤が微粒化され、エアロゾルを形成する。pMDIは、典型的には、キャニスターの内容物を加圧するため、およびレセプタクル出口から液体製剤を送り出すために1つまたは複数の噴射剤を採用し、エアロゾルを形成する。任意の適切な噴射剤が利用される場合があり、例えば圧縮ガスまたは液化ガスを含む多様な形態をとる場合がある。
【0177】
液体製剤は、例えば、ネブライザーを使用して、対象の肺に投与され得る。ネブライザーは、液体製剤を、下気道中に吸入できる、しばしば直径約5ミクロン未満の空気力学的質量中央径を有するミストまたは小滴の雲に変換する液体エアロゾル生成器である。エアロゾルの雲が吸入された場合、小滴は、活性作用物質を鼻、上気道、および/または肺深部に運搬する。患者に製剤を投与するために、空気圧式(ジェット)ネブライザー、電気機械的ネブライザー(例えば、超音波ネブライザー、振動型メッシュ式ネブライザー)などを含むが、それに限定されるわけではない、当技術分野において公知の任意の種類のネブライザーが使用され得る。空気圧式(ジェット)ネブライザーは、液体製剤の微粒化のための推進力として加圧ガス供給を使用する。周囲の液体製剤を同伴し、それを薄膜またはフィラメントに剪断する低圧場を生み出すために、圧縮ガスがノズルまたはジェットを通して送達される。この膜またはフィラメントは不安定であり、崩壊して小滴になり、小滴は、圧縮ガス流によって吸気中に運搬される。小滴プルーム中に挿入されたバッフルがより大きな液滴を遮断し、それらをバルク液体リザーバに戻す。電気機械的ネブライザーは、液体製剤を霧化するために電気的に生成された機械力を使用する。電気推進力は、例えば、液体製剤を超音波周波数で振動させることによって、またはバルク液体を薄膜中の小さな穴に強制的に通すことによって加えることができる。力は、液体薄膜またはフィラメント流を生成し、これらは、崩壊して小滴になって、吸気流中に引き込むことができる低速移動エアロゾル流を形成する。いくつかの態様では、ネブライザーは振動型メッシュ式ネブライザーである。振動型メッシュ式ネブライザーの例は、例えば、Phillips InnoSpire、Aerogen Solo、PARI eFlowなどを含む。
【0178】
液体製剤は、例えば、電気流体力学(EHD)エアロゾルデバイスを使用して対象の肺に投与され得る。EHDエアロゾルデバイスは、液体薬物溶液または懸濁液をエアロゾル化するために電気エネルギーを使用する。
【0179】
ドライパウダー製剤は、例えば、ドライパウダー吸入器(DPI)を使用して対象の肺に投与され得る。DPIは、典型的には、容器内部にドライパウダーの雲を生み出すためにガスのバーストなどの機構を使用し、次いで対象はこの雲を吸入することができる。DPIにおいて、投与されるべき用量は、非加圧ドライパウダーの形態で保管され、吸入器の作動時に、粉末粒子が対象によって吸入される。場合により、pMDIと同様に粉末を施薬するために圧縮ガスが使用され得る。場合により、DPIは、呼吸で作動し得る(吸気に正確に応答してエアロゾルが生み出される)。典型的には、ドライパウダー吸入器は、咳の誘発を避けるために吸入1回あたり数十ミリグラム未満の用量を投与する。DPIの例は、例えば、Turbohaler(登録商標)吸入器(AstraZeneca)、Clickhaler(登録商標)吸入器(Innovata)、Diskus(登録商標)吸入器(Glaxo)、EasyHaler(登録商標)(Orion)、Exubera(登録商標)吸入器(Pfizer)などを含む。
【0180】
いくつかの態様では、組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に1回投与される。いくつかの態様では、組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物は、対象に少なくとも2回(例えば、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも10回など)投与される。いくつかの態様では、少なくとも約1時間(例えば、少なくとも約1時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間、少なくとも約1日、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約15日、少なくとも約20日、少なくとも約30日、少なくとも約40日、少なくとも約50日、少なくとも約60日、少なくとも約70日、少なくとも約80日、少なくとも約90日、少なくとも約100日、少なくとも約120日など)が投与の間(例えば、第1の投与と第2の投与との間、第2の投与と第3の投与との間など)に経過する。いくつかの態様では、組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に1日1、2、3、4、5回またはそれよりも多い回数投与される。いくつかの態様では、組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に1ヶ月1、2、3、4、5回またはそれよりも多い回数投与される。
【0181】
VII. 宿主細胞
本開示のある特定の局面は、本明細書に記載される組み換え核酸のうちいずれかを含む1つまたは複数の宿主細胞に関する。例えば、真正細菌、例えば、グラム陰性またはグラム陽性生物、例えば腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、例えばエシェリキア属(Escherichia)(例えば、大腸菌(E. coli))、エンテロバクター属(Enterobacter)、エルミニア属(Erminia)、クレブシエラ属(Klebsiella)、プロテウス属(Proteus)、サルモネラ属(Salmonella)(例えば、ネズミチフス菌(S. typhimurium))、セラチア属(Serratia)(例えば、セラチア マルセセンス(S. marcescans))、および赤痢菌属(Shigella)のみならず、バチルス属、例えば枯草菌(B. subtilis)およびB.リケニフォルミス(B. licheniformis)を含む原核細胞;真菌細胞(例えば、出芽酵母(S. cerevisiae));昆虫細胞(例えば、S2細胞など);およびSV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7、ATCC CRL 1651)、ヒト胚腎臓株(293または懸濁培養での成長のためにサブクローニングされた293細胞)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10)、マウスセルトリ細胞(TM4)、サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頸がん細胞(HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳房腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51)、TRI細胞、MRC 5細胞、FS4細胞、ヒト肝細胞腫株(Hep G2)、DHFR" CHO細胞を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、および骨髄腫細胞株、例えばNS0およびSp2/0を含む哺乳動物細胞を含む、当技術分野において公知の任意の適切な宿主細胞(原核または真核)が使用され得る。いくつかの態様では、宿主細胞は、ヒトまたは非ヒト霊長類細胞である。いくつかの態様では、宿主細胞は、細胞株由来の細胞である。適切な宿主細胞または細胞株の例は、293、HeLa、SH-Sy5y、Hep G2、CACO-2、A549、L929、3T3、K562、CHO-K1、MDCK、HUVEC、Vero、N20、COS-7、PSN1、VCaP、CHO細胞、その他を含み得るが、それに限定されるわけではない。
【0182】
いくつかの態様では、組み換え核酸は単純ヘルペスウイルスベクターである。いくつかの態様では、組み換え核酸は単純ヘルペスウイルスアンプリコンである。いくつかの態様では、組み換え核酸は、HSV-1アンプリコンまたはHSV-1ハイブリッドアンプリコンである。いくつかの態様では、ヘルパーウイルスを含む宿主細胞は、本明細書に記載されるHSV-1アンプリコンまたはHSV-1ハイブリッドアンプリコンと接触され、本明細書に記載される1つまたは複数の組み換え核酸を含むウイルスの産生をもたらす。いくつかの態様では、ウイルスは、接触された宿主細胞の上清から収集される。ヘルパーウイルスを含む宿主細胞をHSV-1アンプリコンまたはHSV-1ハイブリッドアンプリコンと接触させることによってウイルスを生成する方法は、当技術分野において公知である。
【0183】
いくつかの態様では、宿主細胞は相補(complementing)宿主細胞である。いくつかの態様では、相補宿主細胞は本明細書に記載されるウイルスベクターのうちいずれかにおいて不活性化されている1つまたは複数の遺伝子を発現する。いくつかの態様では、相補宿主細胞は、本明細書に記載される組み換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組み換え単純ヘルペスウイルスゲノム)と接触される。いくつかの態様では、相補宿主細胞を組み換えヘルペスウイルスゲノムと接触させることは、本明細書に記載される1つまたは複数の組み換え核酸を含むヘルペスウイルスの産生をもたらす。いくつかの態様では、ウイルスは、接触された宿主細胞の上清から収集される。相補宿主細胞を組み換え単純ヘルペスウイルスと接触させることによってウイルスを生成する方法は、一般的に、米国特許第10,174,341号、US 2019/0276845、米国特許第9,877,990号、米国特許第10,155,016号、米国特許第10,441,614号、米国特許第11,185,564号、US 2020/0093874、米国特許第10,525,090号、US 2020/0197456、US 2021/0261649、US 2021/0395775、米国特許第10,829,529号、US 2021/0087245、US 2021/0189427、米国特許第10,786,438号、US 2021/0045988、および/またはWO2021/046131に記載されており、これらのすべては、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0184】
VIII. 製造物品またはキット
本開示のある特定の局面は、本明細書に記載される組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤のうちいずれかを含む製造物品またはキットに関する。いくつかの態様では、製造物品またはキットは、組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤を投与するための使用説明書を含む添付文書を含む。
【0185】
組み換え核酸、ウイルス、医薬、および/または薬学的組成物もしくは製剤に適した容器は、例えば、ボトル、バイアル、バッグ、チューブ、およびシリンジを含み得る。容器は、多様な材料、例えば、ガラス、プラスチック(ポリ塩化ビニルもしくはポリオレフィンなど)、または金属合金(ステンレス鋼もしくはハステロイなど)から形成され得る。いくつかの態様では、容器は、容器の上または容器に伴うラベルを含み、その際、該ラベルは、使用上の注意書きを表示する。製造物品またはキットは、他の緩衝液、希釈剤、増量剤、吸入器、ネブライザー、鼻腔内投与デバイス、添付文書、その他を含む、商業上の観点およびユーザの観点から望ましい他の材料をさらに含む場合がある。
【0186】
IX. 列挙された態様
態様1:免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0187】
態様2:複製能力を有する、態様1の組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0188】
態様3:複製欠損である、態様1または2のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0189】
態様4:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組み換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組み換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組み換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組み換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組み換えヘルペスウイルス7ゲノム、組み換えエプスタイン-バーウイルスゲノム、組み換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム、およびそれらの任意の派生体からなる群より選択される、態様1~3のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0190】
態様5:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムである、態様1~4のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0191】
態様6:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、組み換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組み換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノム、またはそれらの任意の派生体である、態様1~5のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0192】
態様7:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが組み換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムである、態様1~6のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0193】
態様8:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが組み換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノムである、態様1~7のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0194】
態様9:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、1つまたは複数の毒性単純ヘルペスウイルス遺伝子の発現を低減または排除するように操作されている、態様1~8のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0195】
態様10:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、1つまたは複数の毒性単純ヘルペスウイルス遺伝子の発現を低減および排除するように操作されている、態様1~9のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0196】
態様11:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、不活性化変異を含む、態様1~10のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0197】
態様12:不活性化変異が、単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する、態様1~11のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0198】
態様13:不活性化変異が、単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の欠失である、態様1~12のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0199】
態様14:単純ヘルペスウイルス遺伝子が、感染細胞タンパク質(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、およびUL55からなる群より選択される、態様1~13のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0200】
態様15:単純ヘルペスウイルス遺伝子がICP4である、態様1~14のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0201】
態様16:単純ヘルペスウイルス遺伝子がICP22である、態様1~15のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0202】
態様17:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、態様1~16のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0203】
態様18:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、態様1~17のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0204】
態様19:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL41遺伝子に不活性化変異を含む、態様1~18のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0205】
態様20:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、態様1~19のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0206】
態様21:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP0遺伝子の1つのコピーに不活性化変異を含む、態様1~20のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0207】
態様22:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP0遺伝子の両方のコピーに不活性化変異を含む、態様1~21のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0208】
態様23:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP27遺伝子に不活性化変異を含む、態様1~22のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0209】
態様24:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL55遺伝子に不活性化変異を含む、態様1~23のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0210】
態様25:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP47遺伝子に不活性化変異を含まない、態様1~24のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0211】
態様26:組み換え単純ヘルペスウイルスが、ICP34.5遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含まない、態様1~25のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0212】
態様27:組み換え単純ヘルペスウイルスが、ICP34.5遺伝子の1つのコピーに不活性化変異を含まない、態様1~26のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0213】
態様28:組み換え単純ヘルペスウイルスが、ICP34.5遺伝子の両方のコピーに不活性化変異を含まない、態様1~27のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0214】
態様29:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、一方または両方のICP4ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、態様1~28のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0215】
態様30:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、一方のICP4ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、態様1~29のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0216】
態様31:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、両方のICP4ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、態様1~30のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0217】
態様32:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP22ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、態様1~31のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0218】
態様33:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL41ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、態様1~32のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0219】
態様34:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、一方または両方のICP0ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、態様1~33のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0220】
態様35:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、一方のICP0ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、態様1~34のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0221】
態様36:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、両方のICP0ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、態様1~35のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0222】
態様37:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP27ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、態様1~36のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0223】
態様38:組み換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL55ウイルス遺伝子座内に免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む、態様1~37のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0224】
態様39:免疫調節ポリペプチドがヒト免疫調節ポリペプチドである、態様1~38のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0225】
態様40:免疫調節ポリペプチドが、サイトカインまたはケモカインである、態様1~39のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0226】
態様41:サイトカインが炎症誘発性サイトカインである、態様1~40のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0227】
態様42:サイトカインが、インターロイキン(IL)-1、IL-2、IL-7、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17、IL-18、IL-28、IL-32、IL-33、IL-34、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、インターフェロンガンマ(IFNγ)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)からなる群より選択される、態様1~42のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0228】
態様43:サイトカインがIL-2である、態様1~42のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0229】
態様44:サイトカインがIL-12である、態様1~43のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0230】
態様45:サイトカインがG-CSFである、態様1~44のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0231】
態様46:サイトカインがGM-CSFである、態様1~45のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0232】
態様47:サイトカインがGM-CSFではない、態様1~46のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0233】
態様48:IL-2が、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、態様1~47のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0234】
態様49:IL-12が、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、およびSEQ ID NO:85からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、態様1~48のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0235】
態様50:ケモカインが炎症誘発性ケモカインである、態様1~49のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0236】
態様51:ケモカインが、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド1(CXCL1)、CXCL2、CXCL8、CXCL9、CXCL11、CXCL16、C-Cモチーフケモカインリガンド2(CCL2)、CCL3、CCL4、CCL5、およびCCL11からなる群より選択される、態様1~50のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0237】
態様52:免疫調節ポリペプチドが、SEQ ID NO:1~30からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、態様1~51のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0238】
態様53:免疫調節ポリペプチドが、SEQ ID NO:1~19からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、態様1~52のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0239】
態様54:免疫調節ポリペプチドが、SEQ ID NO:20~30からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、態様1~53のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0240】
態様55:対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して、標的細胞に導入されたときに低減された細胞毒性を有する、態様1~54のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0241】
態様56:標的細胞がヒト細胞である、態様1~55のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0242】
態様57:標的細胞が、呼吸器の細胞である、態様1~56のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0243】
態様58:標的細胞が気道上皮細胞である、態様1~57のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノム。
【0244】
態様59:態様1~58のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノムを含むヘルペスウイルス。
【0245】
態様60:複製能力を有する、態様59のヘルペスウイルス。
【0246】
態様61:複製欠損である、態様59または60のヘルペスウイルス。
【0247】
態様62:腫瘍溶解性ではない、態様59~61のいずれかのヘルペスウイルス。
【0248】
態様63:対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して低減された細胞毒性を有する、態様59~62のいずれかのヘルペスウイルス。
【0249】
態様64:単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、エプスタイン-バーウイルス、およびカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスからなる群より選択される、態様59~63のいずれかのヘルペスウイルス。
【0250】
態様65:単純ヘルペスウイルスである、態様59~64のいずれかのヘルペスウイルス。
【0251】
態様66:単純ヘルペスウイルスが、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、またはそれらの任意の派生体である、態様59~65のいずれかのヘルペスウイルス。
【0252】
態様67:単純ヘルペスウイルスが単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)である、態様59~66のいずれかのヘルペスウイルス。
【0253】
態様68:単純ヘルペスウイルスが単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)である、態様59~67のいずれかのヘルペスウイルス。
【0254】
態様69;単純ヘルペスウイルスが腫瘍溶解性ではない、態様59~68のいずれかのヘルペスウイルス。
【0255】
態様70:態様1~58のいずれかの組み換えヘルペスウイルスゲノムまたは態様59~69のいずれかのヘルペスウイルスと、薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物。
【0256】
態様71:外用、経皮、皮下、皮内、経口、鼻腔内、気管内、舌下、口内、直腸、腟内、吸入、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局所、または皮膚上投与に適している、態様70の薬学的組成物。
【0257】
態様72:経口、鼻腔内、気管内、または吸入投与に適している、態様70または71の薬学的組成物。
【0258】
態様73:鼻腔内または吸入投与に適している、態様70~72のいずれかの薬学的組成物。
【0259】
態様74:吸入投与に適している、態様70~73のいずれかの薬学的組成物。
【0260】
態様75:鼻腔内投与に適している、態様70~74のいずれかの薬学的組成物。
【0261】
態様76:ドライパウダー吸入器、加圧式定量噴霧吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、電気流体力学エアロゾルデバイス、またはそれらの任意の組み合わせでの使用に適している、態様70~75のいずれかの薬学的組成物。
【0262】
態様77:ネブライザーでの使用に適している、態様70~76のいずれかの薬学的組成物。
【0263】
態様78:ネブライザーが振動型メッシュ式ネブライザーである、態様70~77のいずれかの薬学的組成物。
【0264】
態様79:医薬としての使用のための、態様59~69のいずれかのヘルペスウイルスまたは態様70~78のいずれかの薬学的組成物。
【0265】
態様80:治療法における使用のための、態様59~69のいずれかのヘルペスウイルスまたは態様70~78のいずれかの薬学的組成物。
【0266】
態様81:がんを処置するための医薬の製造における、態様59~69のいずれかのヘルペスウイルスまたは態様70~78のいずれかの薬学的組成物の使用。
【0267】
態様82:がんが、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、副腎皮質がん、膀胱尿路上皮がん、脳幹神経膠腫、脳低悪性度神経膠腫、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、原発不明がん、カルチノイド腫瘍、原発不明がん腫、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎児性腫瘍、子宮頸部扁平上皮がん、子宮頸部腺がん、小児がん、胆管がん、脊索腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、内分泌膵島細胞腫瘍、子宮内膜がん、上衣芽細胞腫、上衣腫、食道がん、感覚神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質細胞腫瘍、消化管間質腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、多形膠芽腫神経膠腫、ヘアリー細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼球内黒色腫、膵島細胞腫瘍、カポジ肉腫、腎がん、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、口唇がん、肝がん、リンパ様新生物びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、悪性線維性組織球腫骨がん、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞がん、メルケル細胞皮膚がん、中皮腫、原発不明転移性扁平上皮性頸部がん、口内がん、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非黒色腫皮膚がん、非小細胞肺がん、口腔がん、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫、他の脳脊髄腫瘍、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵がん、乳頭腫、副鼻腔がん、副甲状腺がん、骨盤がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫および傍神経節腫、中分化型松果体実質腫瘍、松果体芽腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性肝細胞肝がん、前立腺腺がんなどの前立腺がん、直腸がん、腎がん、腎細胞がん、腎細胞がん、呼吸器がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、セザリー症候群、皮膚黒色腫、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮がん、扁平上皮性頸部がん、胃がん、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣がん精巣胚細胞腫瘍、喉のがん、胸腺がん、胸腺腫、甲状腺がん、移行上皮がん、腎盂尿管移行上皮がん、絨毛性腫瘍、尿管がん、尿道がん、子宮がん、子宮がん、ブドウ膜黒色腫、腟がん、外陰がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ならびにウィルムス腫瘍からなる群より選択される、態様81の使用。
【0268】
態様83:対象に、態様59~69のいずれかのヘルペスウイルスまたは態様70~78のいずれかの薬学的組成物の有効量を投与する工程を含む、対象の1つまたは複数の細胞における免疫調節ポリペプチドのレベル発現させる、強化する、増加させる、増強する、および/または補充する方法。
【0269】
態様84:1つまたは複数の細胞が、呼吸器、気道上皮、および/または肺の1つまたは複数の細胞である、態様83の方法。
【0270】
態様85:1つまたは複数の細胞が、呼吸器の1つまたは複数の細胞である、態様83または84のいずれかの方法。
【0271】
態様86:1つまたは複数の細胞が、気道上皮の1つまたは複数の細胞である、態様83~85のいずれかの方法。
【0272】
態様87:1つまたは複数の細胞が、肺の1つまたは複数の細胞である、態様83~86のいずれかの方法。
【0273】
態様88:対象に、態様59~69のいずれかのヘルペスウイルスまたは態様70~78のいずれかの薬学的組成物の有効量を投与する工程を含む、がんの1つまたは複数の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的軽減を提供する方法。
【0274】
態様89:その必要がある対象におけるがんを処置する方法であって、対象に、態様59~69のいずれかのヘルペスウイルスまたは態様70~78のいずれかの薬学的組成物の有効量を投与する工程を含む方法。
【0275】
態様90:がんが、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、神経内分泌腫瘍、中皮腫、シュワン腫、髄膜腫、腺がん、黒色腫、白血病、およびリンパ性悪性疾患からなる群より選択される、態様88または89のいずれかの方法。
【0276】
態様91:がんが、固形腫瘍、血液がん、膀胱がん、脳がん、乳がん、結腸がん、胃がん、神経膠腫、頭部がん、白血病、肝がん、肺がん、リンパ腫、骨髄腫、頸部がん、卵巣がん、黒色腫、膵がん、腎がん、唾液腺がん、胃がん、胸腺上皮がん、および甲状腺がんからなる群より選択される、態様88~90のいずれかの方法。
【0277】
態様92:がんが、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、または肺扁平上皮がんである、態様88~91のいずれかの方法。
【0278】
態様93:がんが小細胞肺がんである、態様88~92のいずれかの方法。
【0279】
態様94:がんが非小細胞肺がんである、態様88~93のいずれかの方法。
【0280】
態様95:がんが肺腺がんである、態様88~94のいずれかの方法。
【0281】
態様96:がんが肺扁平上皮がんである、態様88~95のいずれかの方法。
【0282】
態様97:がんが骨肉腫である、態様88~96のいずれかの方法。
【0283】
態様98:対象がヒトである、態様88~97のいずれかの方法。
【0284】
態様99:ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、対象に、外用、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口内、直腸、腟内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、腫瘍内、局所、または吸入を介して投与される、態様88~98のいずれかの方法。
【0285】
態様100:ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、対象に、経口、鼻腔内、気管内、または吸入を介して投与される、態様88~99のいずれかの方法。
【0286】
態様101:ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、対象に、鼻腔内、または吸入を介して投与される、態様88~100のいずれかの方法。
【0287】
態様102:ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、対象に鼻腔内投与される、態様88~101のいずれかの方法。
【0288】
態様103:ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、対象に吸入を介して投与される、態様88~102のいずれかの方法。
【0289】
態様104:ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、ドライパウダー吸入器、加圧式定量噴霧吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学エアロゾルデバイスを使用して投与される、態様88~103のいずれかの方法。
【0290】
態様105:ヘルペスウイルスまたは薬学的組成物が、ネブライザーを使用して投与される、態様88~104のいずれかの方法。
【0291】
態様106:ネブライザーが振動型メッシュ式ネブライザーである、態様88~105のいずれかの方法。
【0292】
本明細書は、当業者が本開示を実施することを可能にするのに十分なものであると見なされる。本明細書に示され、説明される改変に加えて、本開示の様々な改変が前述の説明から当業者に明らかとなり、添付の特許請求の範囲内に入るであろう。
【実施例
【0293】
本開示は、以下の実施例を参照することによってより完全に理解されるであろう。しかし、これは、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書に記載される例および実施形態は、例示のみを目的としたものであり、それに照らして、様々な変形または変更が当業者に示唆され、それらの変形または変更が本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解されよう。
【0294】
実施例1:免疫調節ポリペプチドをコードする改変単純ヘルペスウイルスベクター
標的哺乳動物細胞(気道の細胞など)中で免疫調節ポリペプチドを発現することができる改変単純ヘルペスウイルスゲノムベクターを作製するためには、まず、単純ヘルペスウイルスゲノム(図1A)を改変して、1つまたは複数の単純ヘルペスウイルス遺伝子を不活化する。このような改変が哺乳動物細胞におけるゲノムの毒性を減らし得る。次に、これらの改変/弱毒化組換えウイルス構築物の、所望の免疫調節ポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを有するような変異体を生成する。これらの変異体としては、各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下で免疫調節ポリペプチドのコード配列(例えばSEQ ID NO:3)を含む発現カセットを含む、組み換えΔICP4改変HSV-1ゲノム(図1B);各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下で免疫調節ポリペプチドのコード配列(例えばSEQ ID NO:3)を含む発現カセットを含む、組み換えΔICP4/ΔUL41改変HSV-1ゲノム(図1C);UL41遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下で免疫調節ポリペプチドのコード配列(例えばSEQ ID NO:3)を含む発現カセットを含む、組み換えΔICP4/ΔUL41改変HSV-1ゲノム(図1D);各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下で免疫調節ポリペプチドのコード配列(例えばSEQ ID NO:3)を含む発現カセットを含む、組み換えΔICP4/ΔICP22改変HSV-1ゲノム(図1E);ICP22遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下で免疫調節ポリペプチドのコード配列(例えばSEQ ID NO:3)を含む発現カセットを含む、組み換えΔICP4/ΔICP22改変HSV-1ゲノム(図1F);各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下で免疫調節ポリペプチドのコード配列(例えばSEQ ID NO:3)を含む発現カセットを含む、組み換えΔICP4/ΔUL41/ΔICP22改変HSV-1ゲノム(図1G);UL41遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下で免疫調節ポリペプチドのコード配列(例えばSEQ ID NO:3)を含む発現カセットを含む、組み換えΔICP4/ΔUL41/ΔICP22改変HSV-1ゲノム(図1H);およびICP22遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下で免疫調節ポリペプチドのコード配列(例えばSEQ ID NO:3)を含む発現カセットを含む、組み換えΔICP4/ΔUL41/ΔICP22改変HSV-1ゲノム(図1I)がある。
【0295】
これらの改変単純ヘルペスウイルスゲノムベクターは、1つまたは複数の単純ヘルペスウイルス遺伝子を発現するように改変されている操作された細胞中にトランスフェクトされる。これらの操作された細胞は、改変ゲノムが中にパッケージングされている複製欠損単純ヘルペスウイルスを細胞培養物の上清中に分泌する。次いで、上清を捕集し、濃縮し、無菌濾過する。
【0296】
本明細書に記載される改変単純ヘルペスウイルスゲノムベクターは、以下の表1の例示的な免疫調節ポリペプチドのいずれか1つまたは複数を任意の適当な組み合わせで発現することができる。
【0297】
(表1)代表的な免疫調節ポリペプチド
【0298】
実施例2:ヒトIL-12、IL-2、およびGM-CSFをコードする改変単純ヘルペスウイルスベクターの構築
以下の例は、ヒトIL-12(例えばSEQ ID NO:35および36を参照;HSV-IL12)、IL-2(例えばSEQ ID NO:33を参照;HSV-IL2)またはGM-CSF(例えばSEQ ID NO:49を参照;HSV-GMCSF)を好結果にコードし、かつ全長ヒトIL-12(例えばSEQ ID NO:5および6を参照)、IL-2(例えばSEQ ID NO:3を参照)またはGM-CSF(例えばSEQ ID NO:19を参照)タンパク質を発現した、組み換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の操作を記載する。
【0299】
異種プロモーターおよびポリA配列を含むヒトIL-12、IL-2またはGM-CSF発現カセットを組み込むように、組み換えHSV-1を操作した(実施例1を参照)。ヒトIL-12、IL-2またはGM-CSFカセットを含むと推定されるウイルスプラークを選択し、相補細胞株における感染によってスクリーニングして、ヒトIL-12、IL-2およびGM-CSFタンパク質発現をウェスタンブロット分析によって試験した(データは示さず)。続いて、追加的なインビトロ分析のために、HSV-IL12、HSV-IL2、およびHSV-GMCSFと呼ばれる高発現クローンを選択した。
【0300】
無血清細胞培地において、相補細胞に、ビヒクル対照を模擬感染させたか、または、HSV-IL12、HSV-IL2、またはHSV-GMCSFを感染多重度(MOI)1で感染させた。感染後24時間または48時間で、細胞ペレットを回収し、プロテアーゼ阻害物質を含むRIPAバッファ中で溶解し、BCAアッセイによってタンパク質含有量を定量した。各サンプル30~40μgをロードし、4~20%アクリルアミドゲル上で泳動させ、HSVにコードされたヒトタンパク質の発現をウェスタンブロット分析によって評価した(図2A~2B)。組み換えヒトIL-12またはIL-2を陽性対照としてゲルにロードした。未感染の対照細胞においてはヒトIL-12またはIL-2は検出されなかったが、HSV-IL12およびHSV-IL2の感染後には、それぞれヒトIL-12(図2A)およびIL-2(図2B)の強力な発現が細胞中に認められた。
【0301】
また、IL-12、IL-2、およびGM-CSFは天然に分泌されるタンパク質であるため、細胞培養上清を回収し、ヒトタンパク質の存在についてELISAによって検査した。ウェスタンブロットデータと合致して、試験したMOIでHSV-IL12、HSV-IL2およびHSV-GMCSFに感染した細胞の上清中、それぞれヒトIL-12(2.01μg/mlおよび2.58μg/ml)、IL-2(0.531μg/ml、0.850μg/mlおよび1.200μg/ml)、およびGM-CSF(643.427ng/ml、513.56ng/mlおよび200.167ng/ml)が検出されて、全長ヒトタンパク質が組み換えベクターからの発現後に適切にプロセシング/分泌されたことを示唆した。
【0302】
まとめると、この実施例で提示されたデータは、組み換えHSV-1ベクターであるHSV-IL12、HSV-IL2、およびHSV-GMCSFが複数の細胞型に効率的に感染し、かつその中にコードされたヒト導入遺伝子を発現することができることを示した。さらに、データは、外因性ヒトタンパク質がその後に感染細胞から(適切に)分泌されることを示した。理論によって拘束されることを望まないが、このデータはさらに、様々ながん(例えば骨肉腫)の処置のための、新規で、標的化され、広く適用可能な遺伝子治療ベクターとしての、操作された単純ヘルペスウイルスの使用を裏付けると考えられる。
【0303】
実施例3:インビトロヒトおよびマウスIL-12生物活性アッセイ
この試験の目的は、一部には、組み換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)から作製された組み換えヒトおよび/またはマウスIL-12タンパク質が、市販の組み換えIL-12タンパク質と同程度に生物活性であるかどうかを判定することであった。
【0304】
ヒト胎児腎臓293(HEK293)細胞にHSV-IL12をMOI=1で48時間感染させた。HEK293感染からの上清中のIL-12濃度をELISAによって測定した。ヒトPBMCおよびマウス脾細胞をそれぞれ完全RPMIまたはDMEM中で培養し、湿潤環境中5%CO2で37℃に維持した。市販のヒトまたはマウスαCD3/αCD28でコートされたビーズを洗浄し、ウェルあたり2μLの量でそれぞれPBMCまたは脾細胞培養物に添加した。図3A~3Bに示すように、ヒトまたはマウスのHSV-IL12によるHEK293感染からの上清の連続希釈物を、αCD3/αCD28コートされたビーズとともに、PBMCまたは脾細胞培養物に添加した。比較として、市販の組み換えIL-12タンパク質を類似の濃度でいくつかの培養物に添加した。刺激後24時間で、PBMCまたはマウス脾細胞培養上清を回収し、IFNγ産生についてELISAによってアッセイした。
【0305】
図3A~3Bに示すように、αCD3/αCD28でコートされたビーズの添加は、ヒトPBMC(図3A)およびマウス脾細胞(図3B)の両方からのIFNγの放出を生じさせた。それと比べ、ヒトHSV-IL12およびマウスHSV-IL12の両方からのウイルス上清をαCD3/αCD28刺激ヒトPBMC(図3A)およびマウス脾細胞(図2B)に添加すると、αCD3/αCD28刺激のみの場合と比べ、より高いレベルのIFNγ分泌が誘導された。さらに、HSV-IL12依存性のIFNγ放出は、組み換えIL-12の場合に匹敵した(図3A~3B)。
【0306】
まとめると、これらの結果は、組み換え単純ヘルペスウイルスから作製された組み換えヒトおよびマウスIL-12タンパク質が、市販の組み換えIL-12タンパク質と同程度に生物活性であることを示唆した。
【0307】
実施例4:健康なマウスにおけるHSV-IL12の気管内投与およびインビボ評価
近年、がん処置において、免疫療法または免疫系の標的化が腫瘍量の減少において大きな可能性を示している。具体的には、強力な炎症誘発性サイトカインである組み換えインターロイキン(IL)-12タンパク質の投与が評価されている。IL-12は、3つのジスルフィド架橋によって結合されたp35およびp40サブユニットで構成されたヘテロ二量体サイトカインである。炎症誘発性サイトカインとして、IL-12は主に、活性化された抗原提示細胞(例えばマクロファージおよび樹状細胞)によって産生されて、T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞によるインターフェロンγ(IFNγ)産生の増加を刺激する。すると、IFNγは続いて、その他の効果の中でもとりわけ、腫瘍細胞アポトーシスを開始し、腫瘍細胞抗原提示を上方制御し、マクロファージ殺腫瘍活性を誘導することができる。過去数十年にわたる研究により、IL-12が抗腫瘍免疫応答の強力な刺激因子であることが示され、がん治療法としてのその使用が裏付けられている。しかし、以前の臨床試験によると、がん患者における全身的IL-12処置が高レベルの毒性を生じさせることを示している。
【0308】
本発明者らは、非複製HSV-1ベースの遺伝子治療ベクターを利用して、p35およびp40サブユニットのil12aおよびil12b遺伝子(HSV-IL12)をそれぞれコードする改変ベクターを開発した。HSV-IL12の感染は、G4Sリンカーによって共有結合したサブユニットを有するIL-12 p70ヘテロ二量体の発現を生じさせた。ウイルス的に産生されたIL-12タンパク質と組み換えIL-12タンパク質とを比較するインビトロ試験が、マウス脾臓T細胞の活性化中のIFNγ発現の誘導(上記実施例3を参照)において類似の効能を示した。
【0309】
これらの試験により導入遺伝子生物活性を確認したため、次のステップは、HSV-IL12をインビボで試験することであった。本試験は、若い(8~10週齢)BALB/c動物に単回用量のHSV-IL12を気管内投与(i.t.)した後のIL-12発現を毒性と併せて評価した。肺組織、気管支肺胞洗浄液(BALF)、および血清中の核酸およびタンパク質分析により、3つの異なる用量のHSV-IL12をIL-12発現について評価した。毒性は、試験の経過中(投与後24および48時間)の全体重の減少によって測定した。加えて、局所的HSV-IL12送達と以前に試験した投与経路とを比較する手段として、あるグループの動物に組み換えIL-12タンパク質を全身(皮下; s.c.)投与した。
【0310】
実施したすべての処置は、該当する動物福祉法に準拠し、地域の動物実験委員会(IACUC)によって承認されたものであった。この試験には、健康な8週齢の雌BALB/cマウス22~28匹を使用した。
【0311】
マウスをテラゾールとデクスドミターとの腹腔内混合物で鎮静させた。鎮静は、足指ピンチ反射テストを使用することによって判定した。乾燥を防ぐために眼軟膏(Puralube Vet)を眼に塗布した。投薬の際には、動物を支持テーブル上の金属トレイ上に配置した。
【0312】
気管内(i.t.)投与は、濡れた氷の上でウイルスベクターを解凍し、適切な力価を達成するためにビヒクル中に希釈し、50μLの用量で投与することによって実施した。下顎および舌をピンセットでやさしく離すように動かし、喉頭蓋および喉頭を露出させた。約4.5cmのカテーテルチューブを気管内に中程まで挿入し、シリンジに接続された23G針をカテーテルの先端に取り付けて用量を投与した。陰性対照マウスにはビヒクルのみをi.t.注入した。投与後、麻酔から回復する間に動物を観察した。
【0313】
加えて、あるグループの動物に、組み換えIL-12タンパク質(1×PBSに希釈した0.5mg)を全身投与経路として皮下(s.c.)注射した。この用量は、マウスにおいて毒性であることが実証されていたため、選択した。投与の際には、覚醒状態のマウスの首筋をつかみ、1mLシリンジおよび27G針を使用してその用量を首の後ろに投与した。
【0314】
上記処置のi.t.またはs.c.投与後の表記時点で、動物をCO2窒息によって安楽死させ、心臓穿刺を実施して血液を血清分離管(BD Biosciences)中に捕集した。管を遠心分離にかけて赤血球をペレット化し、血清を取り出し、エッペンドルフ管中で瞬間凍結させた。次いで、動物に、冷たい1×PBS 40mLを毎分20mLの速度で灌流した。1×PBS 2mLを使用して気管支肺胞洗浄(BAL)を実施した。動物1匹ごとに回収量を記録した。BALサンプルを遠心分離にかけて細胞を取り出し、BAL液(BALF)をアッセイのために捕集した。100×プロテアーゼ阻害物質(Fisher Scientific)を最終濃度1×で全BALFサンプルに添加した。次いで、左右の肺を切除し、タンパク質および核酸分析に備えて液体窒素中で瞬間凍結させた。
【0315】
再懸濁させたBAL細胞ペレットを2000rpmで5分間、遠心分離にかけ、上清を取り出し、廃棄した。残留赤血球を、1×赤血球溶解バッファ(Sigma)を使用して溶解させた(室温で2分間インキュベートした)。1×PBS 500μLを添加して溶解反応を停止し、上記のように細胞を遠心分離にかけた。上清を除去し、細胞を、細胞ペレットのサイズに依存して100~500μLの1×PBS中に再懸濁させた。各サンプルのアリコートをトリパンブルー(Fisher Scientific)中に希釈し、血球計を使用して細胞数および生存率を評価した。
【0316】
瞬間凍結させた肺は、処理まで-80℃で保存した。処理当日に、カミソリ刃を使用して凍結肺を切り取り、すぐに計量し、ドライアイスに戻した。2つの生検材料を、1つはRNA/DNA作業用に、もう1つはELISA用のホモジネートを作製するために、切り出した。核酸分析のための生検材料は、ただちに、新鮮なDTTで調製したRLTバッファ350μL中に、製造業者(Qiagen)のプロトコルにしたがって再懸濁させた。タンパク質分析のための生検材料は、1×プロテアーゼ阻害物質(Fisher Scientific)を添加したPierceのTPER試薬(Fisher Scientific)300μL中に再懸濁させた。5mmの金属ビーズを各管に加え、サンプルをTissue Lyser(Qiagen)によって25Hzで3分間ホモジナイズした。核酸をただちに抽出し、タンパク質ホモジネートを以下のように処理した;サンプルを10,000×gで5分間の遠心分離にかけてデブリをペレット化し;上清を捕集し、エッペンドルフ管中に分取した。ホモジネートは、ELISAおよびBCAアッセイまで-20℃で保存した。
【0317】
DNAおよびRNA抽出は、Qiagen AllPrep DNA/RNA抽出キットを製造業者のプロトコルにしたがって使用して実施した。DNAおよびRNAの両サンプルを蒸留され脱イオン化されたRNアーゼフリー水中に溶出させた。TURBO DNAキット(Invitrogen)を製造業者の指示にしたがって使用して、残留ゲノムDNAをRNAサンプルから除去した。すべての核酸をNanodrop(BioTek)上で分光測光的に定量した。il12 DNAゲノムおよびRNA転写産物の絶対定量を、TaqManリアルタイムPCR分析により、カスタムの導入遺伝子特異的プライマー/プローブペアを使用して実施した。フォワードプライマーおよびリバースプライマーをそれぞれ45nmol含み、プローブを12.5nmol含む20×il12プライマー/プローブ混合物を各反応物中で1倍に希釈して、最終的なプライマーおよびプローブ濃度を達成した。qRT-PCR分析の前に、MultiScribe Reverse Transcriptase(Applied Biosystems)を使用してRNAをcDNAへと逆転写した。
【0318】
DNA定量(qPCR)およびRNA定量(qRT-PCR)にはTaqman(登録商標)Fast Advanced Master Mix(Applied Biosystems)を使用した。qPCRアッセイおよびqRT-PCRアッセイにはそれぞれDNAまたはcDNA 50ngを使用した。全サンプルを二重反復で実施し、既知のコピー数のil12導入遺伝子を含むgBlock標準の希釈系列から導出された検量線を使用してコピー数を決定した。
【0319】
ELISAの前に、肺ホモジネートのタンパク質濃度をBCAアッセイ(Pierce)によって測定した。ELISAの場合、使用したすべての試薬はR&D Systemsから取得したものであった。次いで、肺ホモジネート、BALF、および血清を、αIL-12捕捉抗体で一晩コートされたELISAプレート上にて、製造業者の指示にしたがってアッセイした。プレートを1×試薬希釈液によって室温で1時間ブロックしたのち、サンプルおよび標準を試薬希釈液で相応に希釈し、二重反復でアッセイした(1ウェルあたり50μL)。サンプルをプレート上で振とうしながら室温で2時間インキュベートした。インキュベーション後、プレートを1×洗浄バッファで3回洗浄し、各洗浄の間にブロッティングを実施した。
【0320】
ビオチン化検出抗体を、試薬希釈液中、プロトコルに指定された作業濃度まで希釈し、100μLを各ウェルに加えた。サンプルを振とうしながら室温で2時間インキュベートした。インキュベーション後、プレートを上記のように洗浄し、40×ストレプトアビジンを試薬希釈液中で1×に希釈した。100μLを各ウェルに添加し、プレートを室温の暗所で20分間インキュベートした。プレートを再び洗浄したのち、TMB基質を使用して暗所で20分間発色させた。反応を2N H2SO4でクエンチした。プレートを、SoftMax Proソフトウェアを使用してSpectraMax分光光度計で読み取った。すべてのODは、プレートブランクに基づいてバックグラウンドを差し引いたものであり、4点検量線を使用して濃度を決定した。
【0321】
肺ホモジネートの場合、ELISAによって測定されたIL-12濃度を、BCAアッセイから得られた総タンパク質濃度に対して正規化し、タンパク質1μgあたりのIL-12のpgとして計算した。
【0322】
実施例4a:HSV-IL12単回投与
この試験の目的は、(1)健康なBALB/cマウスに気管内投与したときの、マウスIL-12のHSV-IL12媒介発現の動態を、転写産物およびタンパク質レベルで局所的および全身的に評価すること;(2)様々な用量でHSV-IL12の毒性を評価すること;および(3)気管内投与されたHSV-IL12と全身投与された組み換えIL-12タンパク質との間で毒性およびIL-12局在を比較することであった。
【0323】
ウイルスベクターのi.t.送達時の健康な免疫適格マウスにおけるマウスIL-12のHSV-IL12媒介発現を評価するために、インビボ試験を実施した。合計28匹のBALB/cマウスをこの試験に使用した。表2は実験計画の概要を提供する。活性被験物質または対照被験物質のi.t.またはs.c.投与後の表記の時点で、動物を屠殺し、下流の分析に備えて肺を瞬間凍結させた。
【0324】
(表2)試験計画および被験物質(TA)投与
hr―時間;i.t.―気管内投与;s.c.―皮下投与
【0325】
投与前に、および屠殺前にも、試験物質毒性を評価するために全動物を計量した。データは、高用量グループ(9.5E8 pfu)の動物が処置後48時間で劇的な体重減(約16%)を示して、ウイルス、IL-12のいずれかまたは両方に対する毒性を示唆することを示した(図4A)。他のグループの動物は処置後に体重の変化を示さず、投与による毒性作用がないことを示した。
【0326】
屠殺後の肺組織のqPCR分析は、il12ゲノムが処置後24時間および48時間の両方で投与量との直接的な関係を実証することを示した(図4B)。加えて、DNAレベルは、各投与グループ内で2つの時点の間で比較的安定であった。il12ゲノムは処置グループ間で異なったが、il12転写産物レベルは、用量にかかわらず同等であった(図4C)。これらのデータは、転写産物レベルがゲノムの特定のレベルで横ばいになる場合があり、その場合には、より多くのゲノムが存在しても転写産物の増加が生じないことを示唆する。これは、ウイルスの1:25希釈度(低用量)においてでさえ最高レベルの導入遺伝子発現(未希釈、高用量)が達成可能であることを示す。rIL-12 s.c.投与は、DNAおよび/またはRNAではなくIL-12タンパク質を投与したときに予想された、認めうるレベルのil12ゲノムまたは転写産物をもたらさなかった(図4B~4C)。また、予想したように、ビヒクル対照レシピエントは、アッセイの検出限界に近いil12ゲノム/転写産物レベルを実証した(図4B~4C)。高用量グループは、血清中で>0.08μg/mLのIL-12タンパク質を実証し(図4D)、これが毒性の誘因である可能性がもっとも高かった(図4A)。しかし、これは、中および低用量グループ(ng/mL範囲)では劇的に減少していた(図4D)。IL-12はまた、中用量グループのBALF中でも検出された(図4E)。さらに、組み換えIL-12処置グループと比べて、HSV-IL12処置グループのBALF中に相当に多いIL-12が認められ、HSV-IL12の効率的な局所送達が示唆された。
【0327】
血清およびBALFに加えて、IL-12のELISA分析に備えて肺生検材料をホモジナイズした。総タンパク質について正規化したのち、結果は、ビヒクルとs.c.組み換えタンパク質との間でIL-12タンパク質濃度に有意差がないことを示した(図4F)。加えて、中および低用量グループのホモジネートは、検出可能なレベルのIL-12タンパク質を含有していた。
【0328】
本試験は、(1)健康なBALB/cマウスへの気管内投与時の、マウスIL-12のHSV-IL12媒介発現の動態;(2)様々な用量におけるHSV-IL12の毒性;および(3)全身投与された組み換えIL-12タンパク質と比べたHSV-IL12間の忍容性を評価した。投与後48時間で動物が体重の20%近くを失ったため、屠殺時のマウスの体重測定は、この試験において高用量(9.5E8 pfu)が十分には忍容されなかったことを示した(図4A)。しかし、さらなる調査により、高レベルの組み換えIL-12タンパク質がHSV-IL12とともに精製され、かつi.t.投与されると、潜在的に毒性に寄与することがわかった。その他の処置グループのいずれでも有意な体重減は認められず、忍容性が示された。s.c.投与されたrIL-12用量はいくぶん毒性であるという仮説を立てたが、この試験の動物は1つの用量しか投与されなかった。これは、毎日連続の投与後に毒性が認められた以前の試験とは対照的である。
【0329】
qRT-PCRデータは、il12ゲノムが試験物質投与とともに減少した(図4B)にもかかわらず、処置後24時間および48時間の投与グループの間でil12転写産物レベルが同等である(図4C)ことを示した。これらの結果は、il12転写がより低い試験物質用量ではより効率的であり得、さらに調査されるべきであることを示すであろう。また、より低用量のウイルスを投与することもでき、それでもなお、高レベルの導入遺伝子発現を生じさせることを示唆するであろう。これは、HSV-IL12が噴霧によって投与される患者状況において好都合であろう。
【0330】
血清(図4D)およびBALF(図4E)中のIL-12タンパク質レベルは、投与されるHSV-IL12の用量によっていくぶん傾向があることが認められた。IL-12タンパク質濃度は肺ホモジネートにおいて非常に変わりやすく(図4F)、HSV-IL12処置によるタンパク質発現を理解するためにはさらなる試験が必要であることを示す。
【0331】
実施例4b:HSV-IL12毎週投与
この試験の目的は、一部には、健康な免疫適格マウスにおける、マウスIL-12のHSV-IL12媒介発現およびその毒性を評価することであった。ビヒクルおよび気管内投与されるHSV-IL12の投与を、s.c. rIL-12とともに、週1回で3週連続にわたり実施した。合計22匹のBALB/cマウスをこの試験に使用した。表3は実験計画の概要を提供する。
【0332】
(表3)試験計画および被験物質(TA)投与
i.t.―気管内;s.c.―皮下
【0333】
各投与前および最終的な屠殺の前に、動物体重を記録した。最後の投与(15日目)後24時間で、最終的な屠殺を実施した。下流の分析に備えてBALFならびに関連の細胞、血清、および肺を捕集した。
【0334】
各毎週用量投与および最終的な屠殺の前に、試験物質毒性を評価するために全動物を計量した。2回目の毎週用量投与後、最高HSV-IL12用量グループ(用量#1)の全動物が死亡し、この用量における強い毒性が示された(図4G)。その代わり、他すべてのグループの動物は2回目の投与を経ても比較的同じ体重を維持した。しかし、2回目から3回目の投与で、用量#2グループ(3.8E7 pfu)の動物は体重の平均10%を失い、複数回の投与にわたる毒性が示唆された。また、このグループからの動物1匹が2回目の投与後に死亡した。用量#3グループの動物は顕著な毒性の徴候を示さず(体重はビヒクルおよびrIL-12レシピエントグループと同程度であった)、7.6E6 pfu週1回がこのモデルにおける最高耐容用量であったことを実証した。
【0335】
肺組織のqPCR分析は、HSV-IL12投与グループ間でil12ゲノムの差が統計的に有意ではないことを示した(図4H)。用量#2グループの動物がわずかに増加した転写産物コピー数を有したという点で、類似の傾向がil12転写産物で認められた(図4I)。しかし、この差は、用量#3動物の全コピー数から統計的に有意ではなかった。まとめると、これらの結果は、用量#2(3.8E7 pfu)および用量#3(7.6E6 pfu)グループの動物の間で投与されたpfuにおいて5分の1への減少があったが、それが、より高いil12ゲノムまたは転写産物コピーを生じさせなかったことを示唆し、より低いウイルス用量でさえ効率的な導入遺伝子発現を示唆する。
【0336】
さらに、図4J~4Kに示すように、BALFおよび肺ホモジネート中のIL-12タンパク質レベルは投与と直接的な関係を示した。血清およびBALFに加えて、IL-12のELISA分析に備えて肺生検材料をホモジナイズした。総タンパク質について正規化したのち、結果は、ビヒクルとs.c.組み換えタンパク質との間でIL-12タンパク質濃度に有意差がないことを示した(図4L~4M)。加えて、中および低用量グループのホモジネートは、検出可能なレベルのIL-12タンパク質を含有していた。
【0337】
まとめると、これらのデータは、週1回で3週連続で投与される低用量(7.6E6 pfu)HSV-IL12の気管内投与が健康なマウスにおいて十分に忍容されたことを示した。
【0338】
実施例5:健康なマウスにおけるHSV-IL2の気管内投与およびインビボ評価
インターロイキン-2(IL-2)は、活性化したT細胞およびNK細胞によって主に産生される単量体サイトカインである。これらの細胞の場合、IL-2は、多くの場合、パラクリン方式でシグナルを送って、細胞増殖および分裂を刺激する。特にT細胞の場合、最適なクローン拡大増殖および抗アポトーシスシグナルの上方制御のために、活性化後のIL-2刺激が必要である。研究により、がんにおける免疫療法剤としてのIL-2の使用が裏付けられている。しかし、IL-2単剤療法の1つの重大な欠点がその毒性である。加えて、IL-2は、非常に短い血清半減期(数分)を有し、したがって、効能を示すためには、きわめて高い用量(600,000IU/kg超)かつ高い頻度(1日あたり複数回)で全身投与されなければならない。これらの用量および投与頻度では、IL-2処置は、例えば非限定的に、血管漏出症候群、低血圧、および心臓毒性を生じさせる可能性がある。
【0339】
実施例5a:HSV-IL2単回投与
この試験の目的は、一部には、HSV-IL2の気管内投与後24時間での肺および血清中の導入遺伝子発現を、組み換えタンパク質投与の場合と比べて評価することであった。若い(8~10週齢)BALB/cマウスに単回用量のHSV-IL2を気管内(i.t.)投与した。3つの異なる用量のHSV-IL2を、IL-2発現について、肺組織、気管支肺胞洗浄液(BALF)、および血清中の核酸およびタンパク質分析によって評価した。加えて、局所的HSV-IL2送達と以前に試験した投与経路とを比較する手段として、あるグループの動物に組み換えIL-2タンパク質を投与した。すべての手順は先に記載されている(例えば、上記実施例4を参照)。表4は実験計画の概要を提供する。
【0340】
(表4)試験計画および被験物質(TA)投与
IT―気管内投与;IV―静脈内投与
【0341】
この試験の結果は、グループ間で体重の差が認められなかったことを示唆する(図5A)。屠殺後の肺組織のqPCR分析は、il2ゲノムが処置後24時間で投与量との直接的な関係を実証することを示した(図5B)。il2ゲノムは処置グループ間で異なったが、il2転写産物レベルは、用量にかかわらず、同等であった(図5C)。これらの結果は、健康なマウスにおける単回投与HSV-IL12で認められたもの(図4B~4C)に類似し、挿入された導入遺伝子に依存しないベクターの一貫性を実証した。タンパク質レベルに関して、IL-2は血清中に検出されたが(図5D)、BALFで測定された肺におけるレベル(図5E)は10倍以上高く、限定的な全身曝露での、標的組織におけるより有意な発現を示す。肺ホモジネート中のIL-2タンパク質レベルは動物間でいくらかのばらつきを示したが、レベルは検出可能であり、組み換えタンパク質で処置した動物と比べて相対的に高かった(図5F)。さらに、組み換えIL-2のIV注射後24時間で、肺ホモジネート中のIL-2タンパク質レベルは、おそらくはその短い半減期のせいで、検出不可能であった。これらのデータは、組み換えタンパク質療法と比べて長期化した、HSV-IL2からのエフェクター曝露を示唆する。
【0342】
まとめると、これらのデータは、HSV-IL2の感染が完全長の機能的マウスIL-2の発現を生じさせたことを示した。そのうえ、HSV-IL2のi.t.投与により、限定的な全身曝露(血清中で測定されたように)で、標的臓器(肺)における高レベルのIL-2タンパク質を生じさせた。
【0343】
実施例5b:HSV-IL2薬物動態
この試験の目的は、一部には、単回用量のHSV-IL2の気管内(i.t.)投与後の健康なマウスから回収された肺組織および体液におけるベクター形質導入およびIL-2発現の動態を定量的に測定することであった。
【0344】
すべての手順は先に記載されている(例えば、上記実施例4を参照)。表5は実験計画の概要を提供する。
【0345】
(表5)試験計画および被験物質(TA)投与
i.t.:気管内投与;h.p.i.t.:気管内投与後時間
【0346】
この試験の結果が図5G~5Iに示され、HSV-IL2の単回用量気管内投与後の血清(図5G)、BALF(図5H)、およびライセート(図5I)中のIL-2発現の薬物動態を実証する。全体として、これらの結果によると、IL-2タンパク質レベルがHSV-IL2のi.t.投与後24時間でピークに達し、投与後24時間~48時間で減少することが示され、これは、導入遺伝子翻訳の減少、IL-2の短い半減期、またはそれらの組み合わせのせいであり得る。しかし、これらの動物におけるIL2タンパク質曝露は、組み換えタンパク質療法の場合と比べ、ベクターから発現させた場合に有意に長期化した。
【0347】
実施例6:健康なマウスにおけるHSV-GMCSFの気管内投与およびインビボ評価
顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)は、骨髄細胞の活性化および炎症部位への遊走において重要な役割を演じる単量体サイトカインである。がん治療に関して、GM-CSFは、化学療法後の好中球回復を増強することに加えて、特に化学療法耐性の症例において抗腫瘍免疫応答を効果的に活性化することが示されている。OS肺転移に関して、吸入GM-CSF療法を試験した臨床試験によると、患者における複数回の毎日投与が実施可能であり、かつ毒性が限定的であると判定された。
【0348】
実施例6a:HSV-GMCSF単回投与
この試験の目的は、一部には、HSV-GMCSF気管内投与後24時間および48時間でのGM-CSFの導入遺伝子発現を組み換えタンパク質の場合と比べて評価して、限定的な毒性および強力なGM-CSF発現のための最適用量を決定することであった。
【0349】
若い(8~10週齢)BALB/c動物に単回用量のHSV-GMCSFを気管内(i.t.)投与した。3つの異なる用量のHSV-GMCSFを、GM-CSF発現に関し、肺組織、気管支肺胞洗浄液(BALF)、および血清中の核酸およびタンパク質分析によって評価した。加えて、局所的HSV-GMCSF送達と以前に試験した投与経路とを比較する手段として、あるグループの動物に組み換えGM-CSFタンパク質を投与した。
【0350】
すべての手順は先に記載されている(例えば、上記実施例4を参照)。表6は実験計画の概要を提供する。
【0351】
(表6)試験計画および被験物質(TA)投与
hr-時間;IT-気管内投与
【0352】
この試験の結果は、高(4.88E8 pfu)および中(9.75E7 pfu)用量グループの動物が処置後48時間で体重減を実証し(図6A)、毒性を示唆することを示した。その他のグループの動物は、処置後に体重の変化を示さず、投与による毒性作用がないことを示した。屠殺後の肺組織のqPCR分析は、gmcsfゲノムが処置後24時間および48時間の両方で投与量と直接的な関係を実証したことを示した(図6B)。gmcsfゲノムは処置グループ間で異なったが、gmcsf転写産物レベルは、用量にかかわらず同等であった(図6C)。さらに、HSV-GMCSFで処置された動物の血清中に低レベルのGM-CSFが検出された(図6D);しかし、これらのレベルはBALF中のレベルの約40分の1の低さであり(図6E)、ここでもまた、限定的な全身曝露を実証している。肺ホモジネート分析により、投与後24時間および48時間の両方で検出可能なGM-CSFレベルを明らかにし、2つの時点の間で減少が見られた(図6F)。
【0353】
まとめると、これらのデータにより、HSV-GMCSFの感染が、完全長のマウスGM-CSFの発現を生じさせたことを示した。
【0354】
実施例6b:HSV-GMCSF毎週投与
この試験の目的は、一部には、週1回のHSV-GMCSF気管内投与の毒性を、3週の過程で、組み換えGM-CSFタンパク質の場合と比べて評価することであった。すべての手順は先に記載されている(例えば、上記実施例4を参照)。表7は実験計画の概要を提供する。
【0355】
各投与および最終的な屠殺の前に、動物体重を記録した。最後の投与(15日目)後24時間で最終的な屠殺を実施した。下流の分析に備えてBALFならびに関連の細胞、血清、および肺を捕集した。
【0356】
(表7)試験計画および被験物質(TA)投与
IT―気管内
【0357】
図6Gに示すように、用量#1または用量#2の動物は、試験の経過を通して比較的同じ体重にとどまり、用量#1および用量#2の両方が十分に忍容されることを示した。肺組織のqPCR分析により、HSV-GMCSF投与グループ間のgmcsfゲノムおよび転写産物の差が統計的に有意ではないことを示した(図6H~6I)。まとめると、これらの結果は、両投与量での効率的な導入遺伝子発現を示唆する。
【0358】
GM-CSFタンパク質レベルを評価すると、HSV-GMCSF処置によるGM-CSFへのいくらかの全身曝露が見られたが(血清レベル;図6J)、それは、局所的発現/曝露と比べると最小限であったと、ここでもまた判定された(BALF;図6K)。
【0359】
まとめると、これらのデータは、HSV-GMCSFが、表記の用量で週1回の気管内投与の後、十分に忍容されることを示唆した。
【0360】
実施例7:骨肉腫のインビボマウスモデルの樹立
骨肉腫(OS)は、クリニックで診断される最も一般的なタイプの骨がんであり、主に小児および若年成人において発症する。発症率の点では、毎年100万人あたり3.4例が診断されて、OSを比較的まれな悪性腫瘍としている。しかし、小児(15歳未満)100万人あたりの発症率は5.6例であり、青少年において3番目に多いがんである。
【0361】
OSは、骨様組織を生成することができる紡錘形の悪性間質細胞に由来する。通常、腫瘍の主な細胞型の特徴に基づき、3つのグループ、骨芽細胞型、軟骨芽細胞型、または線維芽細胞型のいずれかに細分される。症例の80%は、脛骨近位部、上腕骨近位部、および大腿骨遠位部をはじめとする長骨の骨幹端(成長板の位置)に由来する。まれではあるが、脊椎および骨盤で症例が認められたこともある。
【0362】
OS転移の主な部位は肺であり、OS患者の20%が診断時に転移性疾患を有すると推定される。残念ながら、肺転移の存在は患者の5年生存率に劇的な影響を及ぼして、非転移患者の70%から30%へと低下させる。OS肺転移の標準治療は肺切除である;しかし、臨床試験において他の単独療法およびコンビナトリアル療法の使用を研究している。
【0363】
OS腫瘍進行および処置効能を試験するために、K7M2腫瘍BALB/cマウスモデルをはじめとするいくつかの前臨床動物モデルが開発されている。K7M2細胞は、自然発生BALB/cマウス骨肉腫の派生細胞である;しかし、接種により被接種動物の>90%において致命的な肺転移をもたらすという点で、その親系統とは異なる。また、同系腫瘍であるため、免疫適格BALB/c動物へのその接種は、完全に無傷な免疫系の存在下での腫瘍増殖および退縮の研究を可能にする。まとめると、これらの特徴によって、それが、ヒト骨肉腫肺転移およびこの適応症で開発中の薬の予備研究に適したモデルとなる。
【0364】
この試験の目標は、以前に記載されている、K7M2細胞の静脈内投与後の骨肉腫肺転移のK7M2 BALB/cモデルを樹立し、腫瘍転移の動態を解明することであった。すべての手順は先に記載されている(例えば、上記実施例4を参照)。表8は実験計画の概要を提供する。
【0365】
(表8)試験計画および被験物質(TA)投与
【0366】
図7A~7Cに示すように、体重(図7A)は、試験期間を通してグループ間で比較的変化しないままであったが、K7M2細胞の接種後3週(図7B)および6週(図7C)の両方で、腫瘍レシピエントマウスの肺重量が増加した。さらに、接種後6週のK7M2レシピエントの肺の組織学的分析により、血管の90%超中に腫瘍転移の徴候を示す腫瘍量と、部分的な血栓形成とが明らかとなった(図7D~7G)。
【0367】
まとめると、これらのデータにより、肺重量の増加および肺における腫瘍形成陽性を示す、K7M2細胞の静脈内投与後の骨肉腫肺転移のK7M2 BALB/cモデルを樹立した。
【0368】
実施例8:骨肉腫のインビボマウスモデルにおけるHSV-IL12効能
この試験の目的は、一部には、樹立した転移性骨肉腫肺腫瘍増殖の抑制における、HSV-IL12の気管内投与の効能を評価することであった。すべての手順は先に記載されている(例えば、上記実施例4を参照)。表9は実験計画の概要を提供する。
【0369】
(表9)試験計画
IT―気管内;IV―静脈内
【0370】
図8A~8Bに示すように、体重(図8A)は、試験期間を通してグループ間で比較的変化しないままであったが、K7M2細胞の接種後6週でマウスの肺重量が増加した(図8B)。注目すべきことに、HSV-IL12の気管内投与は肺重量のK7M2媒介増加を軽減した(図8B)。加えて、HSV-IL12で処置された動物5匹はすべて、予定された屠殺時点まで生存したが、ビヒクルで処置された動物2匹は試験の早期に死亡した。HSV-IL12は、組み換えタンパク質療法に匹敵しうる効能を有すると思われた。
【0371】
まとめると、これらのデータは、HSV-IL12が、樹立した転移性骨肉腫肺腫瘍増殖を阻害するのに有効であったことを示唆し得る。
【0372】
実施例9:健康なマウスにおける週1回のコンビナトリアルHSV-IL12+HSV-GMCSFの気管内投与およびインビボ評価
この試験の目的は、一部には、健康なマウスにおいて、気管内投与されるコンビナトリアルサイトカイン発現性(IL-12およびGM-CSF)非複製HSV-1ベクターの週1回投与の毒性を評価することであった。すべての手順は先に記載されている(例えば、上記実施例4を参照)。表10は実験計画の概要を提供する。
【0373】
(表10)試験計画
i.t.:気管内投与
【0374】
この試験の結果は、高用量グループの動物が、0日目および7日目に投与された毎週用量それぞれの後、いくぶん劇的な体重減を示すことを示唆した(図9A)。高用量のHSV-GMCSFおよびHSV-IL12それぞれが、個別に投与された場合、毎週投与後に毒性ではなかったことを考慮すると、これはいくぶん驚くべきことであった。その代わり、中用量グループの動物は処置後に体重の変化を示さず、表記の用量からの毒性作用がないことを示す。コンビナトリアル処置後のIL-12およびGM-CSF発現のタンパク質分析によって、高用量の両ウイルスで処置された動物のBALF(図9B~9C)および肺ホモジネート(図9D~9E)における高レベルの両サイトカインが明らかとなった。高用量グループと比べ、中用量で処置された動物からの肺標本それぞれにおいて両サイトカイン濃度の減少があり(図9B~9E)、導入遺伝子発現に対する用量効果が示された。最後に、BALF中の細胞浸潤物の計数によると、高用量処置が組織へのより大きな免疫細胞流入をもたらし(図9F)、これらの動物における体重減によって例示される毒性に潜在的に寄与する(図9G)ことが示された。
【0375】
まとめると、これらのデータは、気管内投与されるHSV-IL12+HSV-GMCSF非複製HSV-1ベクターを伴う週1回投与が完全長マウスIL-12およびGM-CSFの発現をもたらし、これが、健康な動物においては、それぞれ7.46E6および3.9E6の用量で十分に忍容されることを示唆した。
【0376】
実施例10:骨肉腫のインビボマウスモデルにおけるコンビナトリアルHSV-IL12およびHSV-GMCSF効能
この試験の目的は、一部には、樹立した転移性骨肉腫肺腫瘍増殖の阻害における、コンビナトリアルHSV-IL12およびHSV-GMCSF療法の気管内投与の効能を評価することであった。すべての手順は先に記載されている(例えば、上記実施例4を参照)。表11は実験計画の概要を提供する。
【0377】
(表11)試験計画
i.t.:気管内投与;i.v.:静脈内投与
【0378】
図10Aに示すように、動物体重は試験の過程でいくらかの変動を示し、それは、動物が病気で死ぬことを示した(図10A)。生存に関して、腫瘍担持マウスへのHSV-GMCSF投与は、K7M2を接種された動物に与えられた、ビヒクルのみを含む他すべての治療と比べ、生存率の有意な低下を生じさせた(図10B)。図10Bに示す結果は、転移性黒色腫の処置のための、GM-CSFをコードする複製ウイルスベクターのヒト使用の承認を考慮すると、驚くべきものであった。さらに、HSV-GMCSF療法は効果的ではなかったかもしれないが、腫瘍担持マウスに対するHSV-IL12による処置は、ビヒクル対照動物と比べて生存を増強し、外因性GM-CSFに曝露された動物の生存を長期化した(図10B)。重要なことに、HSV-IL12処置グループの動物1匹は、腫瘍が可動性を妨げていたため、温情的に安楽死させたが、その動物を解剖したところ、目に見える腫瘍は肺に存在しなかった。
【0379】
これらのデータにより、HSV-IL12が、樹立した転移性肺腫瘍増殖を制限する可能性を有し得ることを示唆する。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図1-4】
図1-5】
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図4-4】
図4-5】
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図6-4】
図6-5】
図7-1】
図7-2】
図8
図9-1】
図9-2】
図10
【配列表】
2024513826000001.app
【国際調査報告】