IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オーラ ヘルス オサケユキチュアの特許一覧

特表2024-513829ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測
<>
  • 特表-ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測 図1
  • 特表-ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測 図2
  • 特表-ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測 図3
  • 特表-ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測 図4
  • 特表-ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測 図5
  • 特表-ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測 図6
  • 特表-ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測 図7
  • 特表-ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測 図8
  • 特表-ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測 図9
  • 特表-ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測 図10
  • 特表-ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測 図11
  • 特表-ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20240319BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240319BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20240319BHJP
   A61B 5/01 20060101ALI20240319BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20240319BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A61B10/00 P
A61B5/00 102A
A61B5/16 130
A61B5/01 100
A61B5/0245 B
A61B5/08
A61B10/00 305B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560365
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 US2022022905
(87)【国際公開番号】W WO2022212755
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/169,314
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/710,045
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522496220
【氏名又は名称】オーラ ヘルス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シグペン,ニーナ ニコル
(72)【発明者】
【氏名】ゴトリーブ,ネタ アー.
(72)【発明者】
【氏名】ポー,ゲラルド
(72)【発明者】
【氏名】アッシュバッハー,キルスティン エリザベス
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C117
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AB02
4C017AC26
4C017BC11
4C017DD14
4C038PP05
4C038PQ06
4C038PS00
4C038PS07
4C038SS08
4C038SV00
4C117XA02
4C117XB01
4C117XB02
4C117XB04
4C117XB09
4C117XB15
4C117XC11
4C117XE13
4C117XE14
4C117XE16
4C117XE17
4C117XE20
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE26
4C117XE37
4C117XG19
4C117XJ13
4C117XJ34
4C117XP12
(57)【要約】
流産識別のための方法、システム及びデバイスを説明する。システムは、複数日にわたって収集された生理学的データを受信するように構成されてよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。加えて、システムは、体温値の時系列を決定するように構成されてよい。システムは、複数の体温値がユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別し、ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出してよい。システムは、ユーザデバイス上のグラフィカルユーザインタフェース上に表示するために、早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成してよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受け取るステップであって、前記生理学的データは、少なくとも体温データを含む、ステップと、
受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するステップと、
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別するステップと、
前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出するステップと、
ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、前記早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの前記体温値の妊娠ベースラインに対する前記複数の体温値の前記時系列における偏差を計算するステップを更に含み、前記偏差は、前記ユーザの前記体温値の妊娠ベースラインからの前記複数の体温値の低下を含み、前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別するステップは、前記偏差を計算することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の1つ以上の正の傾きが、前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインの正の傾きよりも低いことを識別するステップを更に含み、前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別するステップは、前記1つ以上の正の傾きが、前記ユーザの前記体温値の妊娠ベースラインの正の傾きよりも低いことを識別することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記生理学的データは、心拍数データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数データが前記ユーザの妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記受け取った心拍数データが、前記ユーザの前記妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生理学的データは、心拍数変動データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数変動データが前記ユーザの妊娠ベースライン心拍数変動を下回ることを決定するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記受け取った心拍数変動データが、閾値を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記生理学的データは、呼吸数データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った呼吸数データが前記ユーザの妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記受け取った呼吸数データが、前記ユーザの前記妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記生理学的データは、睡眠データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った睡眠データからの検出された睡眠障害の量が前記ユーザの妊娠ベースライン睡眠障害閾値を超えることを決定するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記検出された睡眠障害の量が前記ユーザの前記妊娠ベースライン睡眠障害閾値を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、妊娠後のある時間期間内の月経周期の存在を識別するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記月経周期の存在を識別することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
妊娠後のある時間期間内の月経周期の確認、妊娠喪失の確認又はその両方を受け取るステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記確認を受け取ることに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記体温データを受け取ることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の各体温値を決定するステップを更に含み、前記体温データは、連続的な夜間体温データを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、将来の早期妊娠喪失の可能性、ユーザが早期妊娠喪失を経験することになる可能性又はその両方を推定するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記推定に少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記早期妊娠喪失の指標を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに関連付けられる準備スコア、前記ユーザに関連付けられる活動スコア、前記ユーザに関連付けられる睡眠スコア又はそれらの組合せを更新するステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記早期妊娠喪失の指標を示す前記メッセージを、前記ユーザデバイスに送信するステップを更に含み、前記ユーザデバイスは、臨床医、前記ユーザ又はその両方に関連付けられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記早期妊娠喪失の指標を検出したことに基づいて、前記ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに早期妊娠喪失症状タグを表示させるステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、前記早期妊娠喪失の指標を表示させるステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記メッセージは、前記早期妊娠喪失が起こった時間間隔、前記早期妊娠喪失が起こることが予測される時間間隔、前記早期妊娠喪失に関連付けられる症状を入力する要求、前記早期妊娠喪失に関連付けられる教育コンテンツ、睡眠目標の調整されたセット、活動目標の調整されたセット、前記早期妊娠喪失に関連付けられる症状を改善するための推奨又はそれらの組合せを更に含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記生理学的データを機械学習分類器に入力するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記生理学的データを前記機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項19】
装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
前記メモリに記憶され、前記プロセッサによって実行可能な命令であって、当該装置に、
ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受け取らせ、前記生理学的データは、少なくとも体温データを含み、
受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定させ、
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別させ、
前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出させ、
ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、前記早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成させる、
命令と、
を備える、装置。
【請求項20】
コードを記憶する非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記コードは、プロセッサによって実行可能な命令であって、
ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受け取り、前記生理学的データは、少なくとも体温データを含み、
受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定し、
前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別し、
前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出し、
ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、前記早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成する、
ための命令を含む、非一時的コンピュータ読取可能媒体。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2022年3月31日に出願された、「MISCARRIAGE IDENTIFICATION AND PREDICTION FROM WEARABLE-BASED PHYSIOLOGICAL DATA」と題する、Thigpen等による、米国非仮特許出願第17/710,045号の利益を主張し、これは、2021年4月1日に出願された、「WOMEN'S HEALTH TRACKING」と題する、Aschbacher等による、米国仮特許出願第63/169,314号の利益を主張し、その各々は、本出願人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に援用される。
【0002】
技術分野
以下は、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測を含む、ウェアラブルデバイス及びデータ処理に関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかのウェアラブルデバイスは、体温及び心拍数に関連付けられるデータをユーザから収集するように構成されることがある。例えばいくつかのウェアラブルデバイスは、リプロダクティブ・ヘルスに関連付けられる周期を検出するように構成されることがある。しかしながら、ウェアラブルデバイスによって実装される従来の周期検出技術は不十分である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするシステムの一例を示す図である。
【0005】
図2】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするシステムの一例を示す図である。
【0006】
図3】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするシステムの一例を示す図である。
【0007】
図4】本発明の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするタイミング図の例を示す図である。
【0008】
図5】本発明の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするタイミング図の例を示す図である。
【0009】
図6】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の一例を示す図である。
【0010】
図7】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートする装置のブロック図である。
【0011】
図8】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするウェアラブルアプリケーションのブロック図である。
【0012】
図9】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするデバイスを含むシステムの図である。
【0013】
図10】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートする方法を示すフローチャートである。
図11】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートする方法を示すフローチャートである。
図12】本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートする方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
いくつかのウェアラブルデバイスは、体温データや心拍数データ等を含む、生理学的データをユーザから収集するように構成されることがある。取得された生理学的データは、ユーザの動きや、睡眠パターンのような他の活動を分析するために使用されることがある。多くのユーザは、睡眠パターン、活動及び全体的な身体的健康状態を含む、自身の身体的健康に関するより多くの洞察を望んでいる。特に、多くのユーザは、自身の月経周期、排卵、受精パターン及び妊娠を含む、女性の健康に関するより多くの洞察を望んでいる可能性がある。しかしながら、典型的な周期追跡又は女性のヘルスデバイス及びアプリケーションは、いくつかの理由から、ロバストな予測及び洞察を提供する能力を欠いている。
【0015】
第1に、典型的な周期予測アプリケーションは、ユーザが、毎日離散的な時間にデバイスを用いて手動で自身の体温を測ることを要する。この単一の体温データポイントは、女性の健康周期パターン及び妊娠パターンを示す真の体温変化を正確に捕捉又は予測するための十分なコンテキストを提供しない可能性があり、ユーザの動き又は行為に対する測定デバイスの感度を考慮すると、正確に捕捉することが困難である可能性がある。第2に、ウェアラブルであるデバイス、あるいは1日を通してより頻繁にユーザの体温を測定するデバイスであっても、典型的なデバイス及びアプリケーションは、測定された体温と組み合わせて女性の周期及び妊娠に対する生理学的寄与の完全なセットをより包括的に理解することができる、ユーザからの他の生理学的、行動的又はコンテキスト的入力を収集する能力を欠いている。
【0016】
本開示の態様は、早期妊娠喪失(early pregnancy loss)の指標を識別するための技術を対象とする。特に、本開示のコンピューティングデバイスは、ユーザに関連付けられるウェアラブルデバイスから体温データを含む生理学的データを受信し、複数日にわたって取得された体温値の時系列を決定し得る。生理学的データは、妊娠しているユーザに関連付けられてよい。例えば本開示の態様は、体温値の時系列のグラフ表示から、ユーザの体温値の妊娠ベースラインに対する体温値の時系列の偏差のような、1つ以上の形態的特徴を識別し得る。したがって、本開示の態様は、形態的特徴(例えば偏差)を識別することに基づいて、ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出する。そのような場合、早期妊娠喪失の指標は、ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低い体温値に関連付けられてよい。早期妊娠喪失の指標は、早期妊娠喪失が既に起こっていること、現在起こっていること、及び/又は早期妊娠喪失が将来起こることが予測されることを検出する例であってもよい。
【0017】
いくつかの実装では、システムは、ユーザからの履歴体温データ及びユーザの妊娠ベースライン値を分析し、早期妊娠喪失の指標を識別し、ユーザの早期妊娠喪失を示す指標を生成し得る。ユーザは、システムによって示されるように、早期妊娠喪失が既に起こっているかどうかを確認することができ、システムは、このユーザ入力を予測機能(例えば将来の早期妊娠喪失を予測するための機械学習モデル)に組み込むことができる。システムはまた、体温時系列データをリアルタイムで分析し、体温データの時系列における1つ以上の形態的特徴を識別したことに基づいて、及び/又はユーザの入力に基づいて、今後の早期妊娠喪失を予測し得る。
【0018】
本開示の目的のために、「早期妊娠喪失」という用語は、妊娠20週前のユーザの妊娠の自然喪失を指すために使用され得る。早期妊娠喪失(例えば流産)は、血液、体液又は組織の喪失及び/又は腹部もしくは腰部の痛みから始まる。例えば胎児が自立して生存できるようになる前に、ユーザの身体が胎児を子宮から排出するとき、ユーザは流産を経験している可能性がある。
【0019】
本開示のいくつかの態様は、ユーザが月経周期早期妊娠喪失の症状及び影響を経験する前に、早期妊娠喪失の検出を対象とする。しかしながら、本明細書で説明される技術は、ユーザが症状を出さないか又はその症状に気づかない場合に早期妊娠喪失を検出するためにも使用され得る。いくつかの実装では、コンピューティングデバイスは、温度センサを使用して早期妊娠喪失の指標を識別し得る。そのような場合、コンピューティングデバイスは、ユーザがこれらのイベントにタグ付け又はラベル付けすることなく、早期妊娠喪失の遡及的な日付を推定し得る。
【0020】
従来のシステムでは、早期妊娠喪失は、早期妊娠喪失が生じた後に、胎児ドップラ(fetal doppler)及び/又は超音波を使用することによって検出され得る。他の場合には、早期妊娠喪失は、ユーザが経験する症状(例えば腹痛、出血、痛み等)に基づいて検出されてよい。このような場合、早期妊娠喪失は、発生後に検出されるか、かつ/又は臨床医との予約時に確認されることがある。本明細書で説明される技術は、ユーザの表面体温を連続的に測定するウェアラブルから取得される測定値と、(例えばPPG信号を介して)動脈血流のような血流から抽出される信号とに基づいて、ユーザから生理学的データを連続的に収集し得る。いくつかの実装では、コンピューティングデバイスは、昼夜を通じて連続的にユーザの体温をサンプリングし得る。夜間を通して十分なレート(例えば1分当たり1サンプル)でサンプリングすることは、本明細書で説明される分析のための十分な体温データを提供し得る。
【0021】
場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性のある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉することがある。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては、あるいはユーザが1日に1回手動で体温を測っていた場合には提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉し得る。したがって、コンピューティングデバイスによって収集されたデータは、ユーザが早期妊娠喪失を経験したときを識別するために使用され得る。
【0022】
本明細書で説明される技術は、早期妊娠喪失の指標をユーザ、臨床医、不妊治療専門医、介護者又はそれらの組合せに、様々な方法で通知し得る。例えばシステムは、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)上に表示するために、早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成し得る。このような場合、システムは、ユーザデバイスのGUIにメッセージ又は他の通知を表示させて、検出された早期妊娠喪失をユーザや臨床医等に通知し、将来の早期妊娠喪失の推定された可能性をユーザに通知し、ユーザに推奨等を行い得る。いくつかの実装では、システムは、ユーザにタグの推奨を行ってよい。例えばシステムは、早期妊娠症状タグ(例えば腹痛(cramps)、背中痛)を、個人化された方法でユーザに推奨し得る。
【0023】
システムはまた、可能性のある妊娠喪失の検出/予測を行うために使用されるデータを示す、グラフィクス又はテキストを含んでもよい。例えばGUIは、ユーザの妊娠ベースラインからの体温偏差に基づいて、早期妊娠喪失の可能性の通知を表示してもよい。場合によっては、GUIは、正常なベースラインからの心拍数偏差、正常なベースラインからの呼吸数偏差、正常なベースラインからの心拍数変動(HRV)又はこれらの組合せに基づいて、早期妊娠喪失の可能性の通知を表示し得る。早期検出(例えばユーザが症状を経験する前)に基づいて、ユーザは、早期妊娠喪失に関連付けられる今後の症状の重症度を軽減するのに役立つか又は早期妊娠喪失を有するリスクを完全に制限するのに役立つ可能性がある早期の措置をとることができる。
【0024】
本開示の態様は、最初に、ウェアラブルデバイスを介したユーザからの生理学的データの収集をサポートするシステムのコンテキストで説明される。本開示の追加の態様は、例示的なタイミング図及び例示的なGUIのコンテキストにおいて説明される。本開示の態様は、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測に関連する装置図、システム図及びフローチャートによって更に図示され、それらを参照して説明される。
【0025】
図1は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするシステム100の例を示す。システム100は、1人以上のユーザ102によって装着及び/又は操作され得る複数の電子デバイス(例えばウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)を含む。システム100は、ネットワーク108及び1つ以上のサーバ110を更に含む。
【0026】
電子デバイスは、ウェアラブルデバイス104(例えばリングウェアラブルデバイス、腕時計ウェアラブルデバイス等)、ユーザデバイス106(例えばスマートフォン、ラップトップ、タブレット)を含む、当技術分野で公知の任意の電子デバイスを含み得る。それぞれのユーザ102に関連付けられる電子デバイスは、以下の機能のうちの1つ以上:すなわち、1)生理学的データを測定することと、2)測定されたデータを記憶することと、3)そのデータを処理することと、4)処理されたデータに基づいて(例えばGUIを介して)ユーザ102に出力を提供することと、5)互いに及び/又は他のコンピューティングデバイスとデータを通信することと、のうちの1つ以上を含み得る。異なる電子デバイスが、これらの機能の1つ以上を実行してもよい。
【0027】
例示的なウェアラブルデバイス104は、ユーザ102の指に装着されるように構成されたリングコンピューティングデバイス(以下、「リング」)、ユーザ102の手首に装着されるように構成された手首コンピューティングデバイス(例えばスマートウォッチ、フィットネスバンド又はブレスレット)及び/又は頭部装着コンピューティングデバイス(例えば眼鏡/ゴーグル)のようなウェアラブルコンピューティングデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイス104はまた、頭部の周りのバンド(例えば額のヘッドバンド)、腕の周りのバンド(例えば前腕のバンド及び/又は上腕のバンド)及び/又は脚の周りのバンド(例えば大腿部又はふくらはぎのバンド)、耳の後ろ、脇の下等の他の位置に配置され得るバンド、ストラップ(例えばフレキシブル又は非フレキシブルバンド又はストラップ)、スティックオンセンサ等も含み得る。ウェアラブルデバイス104はまた、衣料品に取り付けられてもよく、あるいは衣類に含まれてもよい。例えばウェアラブルデバイス104は、衣服のポケット及び/又はポーチに含まれてもよい。別の例として、ウェアラブルデバイス104は、衣服にクリップ留め及び/又はピン留めされてもよく、あるいは他の方法でユーザ102の近くに維持されてもよい。例示的な衣料品には、帽子、シャツ、手袋、ズボン、靴下、上着(例えばジャケット)及び下着が含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実装では、ウェアラブルデバイス104は、身体活動中に使用されるトレーニング/スポーツ用デバイスのような他のタイプのデバイスとともに含まれてもよい。例えばウェアラブルデバイス104は、自転車、スキー、テニスラケット、ゴルフクラブ及び/又はトレーニングウェイトに取り付けられてもよく、あるいはそれらに含まれてもよい。
【0028】
本開示の多くは、リングウェアラブルデバイス104のコンテキストで説明され得る。したがって、用語「リング104」、「ウェアラブルデバイス104」及び同様の用語は、本明細書で特に明記しない限り、交換可能に使用され得る。しかしながら、本明細書では、本開示の態様は、他のウェアラブルデバイス(例えば腕時計ウェアラブルデバイス、ネックレスウェアラブルデバイス、ブレスレットウェアラブルデバイス、イヤリングウェアラブルデバイス、アンクレットウェアラブルデバイス等)を使用して実行されてもよいことが企図されているので、用語「リング104」の使用は、限定的なものとみなされるべきではない。
【0029】
いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、スマートフォン及びタブレットコンピューティングデバイスのようなハンドヘルドモバイルコンピューティングデバイスを含んでよい。ユーザデバイス106はまた、ラップトップ及びデスクトップコンピューティングデバイスのようなパーソナルコンピュータも含んでよい。他の例示的なユーザデバイス106は、(例えばインターネットを介して)他の電子デバイスと通信し得るサーバコンピューティングデバイスを含んでよい。いくつかの実装では、コンピューティングデバイスは、外部ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えばホルターモニタ)のような医療デバイスを含んでよい。医療デバイスは、ペースメーカー及び電気除細動器のような植込み型医療デバイスも含んでよい。他の例示的なユーザデバイス106は、モノのインターネット(IoT)デバイス(例えばIoTデバイス)、スマートテレビ、スマートスピーカ、スマートディスプレイ(例えばビデオ通話ディスプレイ)、ハブ(例えば無線通信ハブ)、セキュリティシステム、スマートアプライアンス(例えばサーモスタット及び冷蔵庫)及びフィットネス機器のようなホームコンピューティングデバイスを含んでよい。
【0030】
いくつかの電子デバイス(例えばウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)は、フォトプレチスモグラフィ波形、連続皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、HRV、アクチグラフィ、ガルバニック皮膚反応、パルス酸素濃度及び/又は他の生理学的パラメータのような、それぞれのユーザ102の生理学的パラメータを測定し得る。生理学的パラメータを測定するいくつかの電子デバイスはまた、本明細書で説明される計算の一部/すべてを実行してもよい。いくつかの電子デバイスは、生理学的パラメータを測定しないことがあるが、本明細書で説明される計算の一部/すべてを実行することがある。例えばリング(例えばウェアラブルデバイス104)、モバイルデバイスアプリケーション又はサーバコンピューティングデバイスは、他のデバイスによって測定された、受信した生理学的データを処理することがある。
【0031】
いくつかの実装では、ユーザ102は、複数の電子デバイスを操作し得るか又は複数の電子デバイスに関連付けられてよく、そのうちのいくつかが、生理学的パラメータを測定してよく、そのうちのいくつかが、測定された生理学的パラメータを処理してよい。いくつかの実装では、ユーザ102は、生理学的パラメータを測定するリング(例えばウェアラブルデバイス104)を有してもよい。ユーザ102は、ユーザデバイス106(例えばモバイルデバイス、スマートフォン)を有し得るか又はユーザデバイス106に関連付けられてもよく、ここで、ウェアラブルデバイス104及びユーザデバイス106は、互いに通信可能に結合される。場合によっては、ユーザデバイス106は、ウェアラブルデバイス104からデータを受信し、本明細書で説明される計算の一部/すべてを実行してよい。いくつかの実装では、ユーザデバイス106はまた、運動/活動パラメータのような、本明細書で説明される生理学的パラメータを測定してもよい。
【0032】
例えば図1に示されるように、第1ユーザ102-a(ユーザ1)は、本明細書で説明されるように動作し得るウェアラブルデバイス104-a(例えばリング104-a)及びユーザデバイス106-aを操作し得るか、又はこれらに関連付けられてよい。この例では、ユーザ102-aに関連付けられるユーザデバイス106-aは、リング104によって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。比較すると、第2ユーザ102-b(ユーザ2)は、リング104-b、腕時計ウェアラブルデバイス104-c(例えば時計104-c)及びユーザデバイス106-bに関連付けられてよく、ここで、ユーザ102-bに関連付けられるユーザデバイス106-bは、リング104-b及び/又は時計104-cによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。さらに、n番目のユーザ102-n(ユーザN)は、本明細書で説明される電子デバイスの構成(例えばリング104、ユーザデバイス106-n)に関連付けられてもよい。いくつかの態様では、ウェアラブルデバイス104(例えばリング104、時計104)及び他の電子デバイスは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi及び他の無線プロトコルを介して、それぞれのユーザ102のユーザデバイス106に通信可能に結合されてもよい。
【0033】
いくつかの実装では、システム100のリング104(例えばウェアラブルデバイス104)は、ユーザの指の中の動脈血流に基づいて、それぞれのユーザ102から生理学的データを収集するように構成され得る。特に、リング104は、ユーザの指の手のひら側で光を放出する1つ以上のLED(例えば赤色LED、緑色LED)を利用して、ユーザの指の中の動脈血流に基づいて生理学的データを収集してよい。いくつかの実装では、リング104は、緑色LEDと赤色LEDの両方の組合せを使用して生理学的データを取得してもよい。生理学的データは、これらに限定されないが、体温データ、加速度計データ(例えば動き/運動データ)、心拍数データ、HRVデータ、血中酸素濃度データ又はそれらの任意の組合せを含む、当技術分野で公知の任意の生理学的データを含み得る。
【0034】
赤色LED及び緑色LEDは、異なる条件下(例えば明るい/暗い、活性/不活性)で身体の異なる部分などを介して生理学的データを取得するときに、それら自体の明確な利点を有することが見出されているので、緑色LEDと赤色LEDの両方の使用は、他の解決策に対していくつかの利点を提供し得る。例えば緑色LEDは、運動中により良好な性能を示すことが分かっている。さらに、リング104の周りに分散された複数のLED(例えば緑色LEDと赤色LED)を使用することは、腕時計ウェアラブルデバイス内など、互いに近接して配置されるLEDを利用するウェアラブルデバイスと比較して、優れた性能を示すことが分かっている。さらに、指の血管(例えば動脈、毛細血管)は、手首の血管と比較して、LEDを介してよりアクセスしやすい。特に、手首の動脈は手首の下部(例えば手首の手のひら側)に位置しており、これは、ウェアラブル時計デバイスや同様のデバイスが典型的に装着される手首の上部(例えば手首の手の甲側)では毛細血管のみがアクセス可能であることを意味する。このように、リング104内でLED及び他のセンサを利用することは、手首に装着されるウェアラブルデバイスと比較して優れた性能を示すことが分かっているが、これは、リング104が(毛細血管と比較して)動脈へのより大きなアクセスを有し、それによって、より強い信号及びより価値のある生理学的データをもたらすためである。
【0035】
システム100の電子デバイス(例えばユーザデバイス106、ウェアラブルデバイス104)は、有線又は無線通信プロトコルを介して、1つ以上のサーバ110に通信可能に結合されてもよい。例えば図1に示されるように、電子デバイス(例えばユーザデバイス106)は、ネットワーク108を介して1つ以上のサーバ110に通信可能に結合されてもよい。ネットワーク108は、インターネットのような伝送制御プロトコル及びインターネットプロトコル(TCP/IP)を実装してよく、あるいは他のネットワーク108プロトコルを実装してもよい。ネットワーク108とそれぞれの電子デバイスとの間のネットワーク接続は、電子メール、ウェブ、テキストメッセージ、メール又はコンピュータネットワーク108内の任意の他の適切な形式の対話を介したデータの転送を容易にすることができる。例えばいくつかの実装では、第1ユーザ102-aに関連付けられるリング104-aは、ユーザデバイス106-aに通信可能に結合されてよく、ここで、ユーザデバイス106-aは、ネットワーク108を介してサーバ110に通信可能に結合される。追加又は代替的な場合において、ウェアラブルデバイス104(例えばリング104、時計104)は、ネットワーク108に直接通信可能に結合されてもよい。
【0036】
システム100は、ユーザデバイス106と1つ以上のサーバ110との間でオンデマンドデータベースサービスを提供してもよい。場合によっては、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106からデータを受信してよく、該データを記憶し、分析してもよい。同様に、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106にデータを提供してもよい。場合によっては、サーバ110は、1つ以上のデータセンタに配置されてもよい。サーバ110は、データの記憶、管理及び処理のために使用されてもよい。いくつかの実装では、サーバ110は、ウェブブラウザを介してユーザデバイス106にウェブベースのインタフェースを提供してもよい。
【0037】
いくつかの態様では、システム100は、ユーザ102が眠っている時間期間を検出し、ユーザ102が眠っている時間期間を1つ以上の睡眠段階に分類し得る(例えば睡眠段階分類)。例えば図1に示されるように、ユーザ102-aは、ウェアラブルデバイス104-a(例えばリング104-a)及びユーザデバイス106-aに関連付けられてよい。この例では、リング104-aは、体温、心拍数、HRV、呼吸数等を含む、ユーザ102-aに関連付けられる生理学的データを収集し得る。いくつかの態様において、リング104-aによって収集されたデータが、機械学習分類器に入力されてもよく、ここで、機械学習分類器は、ユーザ102-aが眠っている(眠っていた)時間期間を決定するように構成される。さらに、機械学習分類器は、覚醒睡眠段階、急速眼球運動(REM、rapid eye movement)睡眠段階、浅い睡眠段階(ノンレム(NREM))及び深い睡眠段階(NREM)を含む、異なる睡眠段階に時間期間を分類するように構成され得る。いくつかの態様では、分類された睡眠段階は、ユーザデバイス106-aのGUIを介してユーザ102-aに表示され得る。睡眠段階分類は、推奨される就寝時間や推奨される起床時間等のようなユーザの睡眠パターンに関するフィードバックをユーザ102-aに提供するために使用されてもよい。さらに、いくつかの実装では、本明細書で説明される睡眠段階分類技術は、睡眠スコア(Sleep Scores)や準備スコア(Readiness Scores,)等のような、それぞれのユーザについてのスコアを計算するために使用されてもよい。
【0038】
いくつかの態様では、システム100は、概日リズム由来の特徴を利用して、生理学的データ収集、データ処理手順及び本明細書で説明される他の技術を更に改善し得る。概日リズム(circadian rhythm)という用語は、約24時間毎に繰り返す、個人の睡眠-覚醒周期を調節する自然の内部プロセスを指してよい。この点に関して、本明細書で説明される技術は、生理学的データ収集、分析及びデータ処理を改善するために概日リズム調整モデルを利用し得る。例えば概日リズム調整モデルは、ウェアラブルデバイス104-aを介してユーザ102から収集された生理学的データとともに機械学習分類器に入力されてよい。この例では、概日リズム調整モデルは、ユーザの自然な、約24時間の概日リズムを通じて収集された生理学的データを「重み付け」又は調整するように構成されてよい。いくつかの実装では、システムは、最初に「ベースライン」概日リズム調整モデルで開始してよく、各ユーザ102から収集された生理学的データを使用してベースラインモデルを修正し、それぞれのユーザ102毎に特有の、調整されて個別化された概日リズム調整モデルを生成してよい。
【0039】
いくつかの態様では、システム100は、他の生体リズムを利用して、これらの他のリズムのフェーズによって、生理学的データの収集、分析及び処理を更に改善し得る。例えば週次リズムが、個人のベースラインデータ内で検出される場合、モデルは、週の曜日によってデータの「重み」を調整するように構成され得る。この方法によるモデルに対する調整を必要とする可能性のある生体リズムは:1)ウルトラディアン(1日のリズムよりも速く、睡眠状態における睡眠周期と、覚醒状態の間の測定された生理学的変数における1時間未満から数時間の周期性までの変動とを含む);2)概日リズム;3)仕事のスケジュールのように概日リズムの上に課せられることが示される非内因性の日次リズム;4)週次リズム、又は外因的に課せられる他の人工的な時間周期(例えば12日の「週」を有する仮想文化では、12日のリズムを使用することができる);5)女性では複数日の卵巣リズム、男性では精子形成リズム;6)月(lunar)のリズム(人工照明が少ない又はない状態で生活する人に関連する);及び7)季節的リズムを含む。
【0040】
生体リズムは必ずしも定常的なリズムではない。例えば多くの女性は、複数周期にわたって卵巣周期の長さの変動性を経験し、ウルトラディアンリズムは、ユーザ内部であっても、日をまたがって正確に同じ時間又は周期性で発生するとは予想されない。したがって、生理学的データにおけるこれらのリズムの時間分解能を保持しながら、周波数組成を定量化するのに十分な信号処理技術を使用して、これらのリズムの検出を改善し、各リズムのフェーズを、測定される各瞬間に割り当て、それによって調整モデル及び時間間隔の比較を修正することができる。生体リズム-調整モデル及びパラメータは、個人又は個人のグループの動的な生理学的ベースラインをより正確に捕捉するために、必要に応じて線形又は非線形の組合せで追加されることができる。
【0041】
いくつかの態様では、システム100のそれぞれのデバイスは、ウェアラブルデバイス104によって収集されたデータに基づく流産の識別と予測ための技術をサポートし得る。特に、図1に示されるシステム100は、ユーザ102の早期妊娠喪失の指標を検出し、ユーザ102に対応するユーザデバイス106に早期妊娠喪失の指標を表示させるための技術をサポートし得る。早期妊娠喪失の指標は、早期妊娠喪失が既に起こっていることを検出すること、早期妊娠喪失が現在起こっていることを検出すること及び/又は早期妊娠喪失が将来起こることが予測されることの例であってもよい。
【0042】
例えば図1に示されるように、ユーザ1(ユーザ102-a)は、ウェアラブルデバイス104-a(例えばリング104-a)及びユーザデバイス106-aに関連付けられ得る。この例では、リング104-aは、体温、心拍数、HRV、呼吸数等を含む、ユーザ102-aに関連付けられるデータを収集し得る。いくつかの態様では、リング104-aによって収集されたデータを使用して、ユーザ1が流産を経験する早期妊娠喪失の指標を検出し得る。早期妊娠喪失を識別及び/又は予測することは、リング104-a、ユーザ1に関連付けられるユーザデバイス106-a、1つ以上のサーバ110又はそれらの任意の組合せを含む、システム100の構成要素のいずれかによって実行され得る。早期妊娠喪失を識別及び/又は予測すると、システム100は、ユーザデバイス106のGUIに選択的に、早期妊娠喪失の指標を表示させ得る。このような場合、ユーザデバイス106は、ユーザ1、ユーザ2、ユーザN又はそれらの組合せに関連付けられてよく、ここで、ユーザ2及びユーザNは、ユーザ1に関連付けられる臨床医、介護者、ユーザ又はそれらの組合せの例であってもよい。
【0043】
いくつかの実装では、生理学的データ(例えば体温データを含む)を受信すると、システム100は、複数日にわたって得られる体温値の時系列を決定し得る。システム100は、体温値が、ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別し得る。本明細書でより詳細に説明されるように、妊娠ベースラインは、ユーザの正常又は非妊娠ベースラインとは異なる可能性がある妊娠又は妊娠の特定のフェーズを通して測定されるベースライン又は平均体温、あるいはユーザの通常の体温変化を指してよい。このような場合、システム100は、体温値がユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別することに基づいて、ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出し得る。
【0044】
いくつかの実装では、システム100は、検出された早期妊娠喪失の指標に基づいて、ユーザ1、ユーザ2及び/又はユーザNのためのアラート、メッセージ又は推奨を(例えばリング104-a、ユーザデバイス106-a又はその両方を介して)生成してよく、ここで、メッセージは、早期妊娠喪失のタイミングのような、検出された早期妊娠喪失の指標に関する洞察を提供し得る。場合によっては、メッセージは、早期妊娠喪失に関連付けられる症状、早期妊娠喪失に関連付けられる教育的ビデオ及び/又はテキスト(例えばコンテンツ)、早期妊娠喪失に関連付けられ症状を改善するための推奨又はそれらの組合せに関する洞察を提供し得る。
【0045】
上記以外の他の問題を追加的に又は代替的に解決するために、本開示の1つ以上の態様がシステム100において実装されてもよいことが当業者に理解されるべきである。さらに、本開示の態様は、本明細書で説明される「従来の」システム又はプロセスに技術的な改善を提供し得る。しかしながら、本明細書及び添付の図面は、本開示の態様を実装することから生じる例示的な技術的改善を含むものにすぎず、したがって、特許請求の範囲内で提供される技術的改善のすべてを表すものではない。
【0046】
図2は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするシステム200の例を示す。システム200は、システム100を実装してよく、あるいはシステム100によって実装されてもよい。特に、システム200は、図1を参照して説明したような、リング104(例えばウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106及びサーバ110の例を示す。
【0047】
いくつかの態様では、リング104は、ユーザの指の周りに装着されるように構成されてよく、ユーザの指の周りに装着されたときに1つ以上のユーザの生理学的パラメータを決定し得る。例示的な測定及び決定は、ユーザの皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、HRV、血中酸素レベル等を含み得るが、これらに限定されない。
【0048】
システム200は、リング104と通信するユーザデバイス106(例えばスマートフォン)を更に含む。例えばリング104は、ユーザデバイス106と無線通信及び/又は有線通信を行ってよい。いくつかの実装では、リング104は、測定されて処理されたデータ(例えば体温データ、フォトプレチスモグラム(PPG)データ、運動/加速度計データ、リング入力データ等)をユーザデバイス106に送信し得る。ユーザデバイス106はまた、リング104ファームウェア/構成更新のようなデータをリング104に送信し得る。ユーザデバイス106は、データを処理し得る。いくつかの実装では、ユーザデバイス106は、処理及び/又は記憶のために、データをサーバ110に送信し得る。
【0049】
リング104は、内側ハウジング205-a及び外側ハウジング205-bを含み得るハウジング205を含んでよい。いくつかの態様では、リング104のハウジング205は、これらに限定されないが、デバイスエレクトロニクス、電源(例えばバッテリ210及び/又はキャパシタ)、デバイスエレクトロニクス及び/又は電源を相互接続する1つ以上の基板(例えばプリント基板)等を含むリングの様々な構成要素を記憶するか、又は他の方法で含み得る。デバイスエレクトロニクスは、処理モジュール230-a、メモリ215、通信モジュール220-a、電力モジュール225等のようなデバイスモジュール(例えばハードウェア/ソフトウェア)を含んでよい。デバイスエレクトロニクスはまた、1つ以上のセンサも含んでよい。例示的なセンサは、1つ以上の温度センサ240、PPGセンサアセンブリ(例えばPPGシステム235)及び1つ以上の運動センサ245を含んでよい。
【0050】
センサは、リング104のそれぞれの構成要素/モジュールと通信し、それぞれのセンサに関連付けられる信号を生成するように構成される、関連モジュール(図示せず)を含んでよい。いくつかの態様では、リング104の構成要素/モジュールの各々は、有線接続又は無線接続を介して互いに通信可能に結合されてもよい。さらに、リング104は、光センサ(例えばLED)、オキシメータ等を含む生理学的データをユーザから収集するように構成される、追加及び/又は代替のセンサ又は他の構成要素を含んでもよい。
【0051】
図2を参照して図示され、説明されるリング104は、単に例示の目的のために提供される。このように、リング104は、図2に示される構成要素のような追加の又は代替の構成要素を含んでよい。本明細書で説明される機能性を提供する他のリング104が製造されてもよい。例えばより少ない構成要素(例えばセンサ)を有するリング104が製造されてもよい。特定の例では、単一の温度センサ240(又は他のセンサ)と、電源と、単一の温度センサ240(又は他のセンサ)を読み取るように構成されるデバイスエレクトロニクスとを有するリング104が製造されてもよい。別の具体例では、温度センサ240(又は他のセンサ)が、(例えばクランプ、バネ式クランプ等を使用して)ユーザの指に取り付けられてもよい。この場合、センサは、温度センサ240(又は他のセンサ)を読み取る手首装着型コンピューティングデバイスのような別のコンピューティングデバイスに配線されてもよい。他の例では、追加のセンサ及び処理機能を含むリング104が製造されてもよい。
【0052】
ハウジング205は、1つ以上のハウジング205構成要素を含んでよい。ハウジング205は、外側ハウジング205-b構成要素(例えばシェル)と内側ハウジング205-a構成要素(例えばモールディング)を含んでよい。ハウジング205は、図2に明示的に図示されていない追加の構成要素(例えば追加の層)を含んでもよい。例えばいくつかの実装では、リング104は、デバイスエレクトロニクス及び他の導電性材料(例えば電気トレース)を外側ハウジング205(例えば金属製の外側ハウジング205-b)から電気的に絶縁する1つ以上の絶縁層を含んでもよい。ハウジング205は、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210、基板及び他の構成要素のための構造的支持を提供し得る。例えばハウジング205は、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210及び基板を圧力及び衝撃のような機械的な力から保護し得る。ハウジング205はまた、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210及び基板を水及び/又は他の化学物質からも保護し得る。
【0053】
外側ハウジング205-bは、1つ以上の材料から製造され得る。いくつかの実装では、外側ハウジング205-bは、比較的軽量で強度と耐摩耗性を提供し得るチタンのような金属を含んでよい。外側ハウジング205-bはまた、ポリマーのような他の材料から製造されてもよい。いくつかの実装では、外側ハウジング205-bは装飾的であるだけでなく、保護的であってもよい。
【0054】
内側ハウジング205-aは、ユーザの指とインタフェースするように構成され得る。内側ハウジング205-aは、ポリマー(例えば医療グレードのポリマー)又は他の材料から形成されてもよい。いくつかの実装では、内側ハウジング205-aは透明であってもよい。例えば内側ハウジング205-aは、PPG発光ダイオード(LED)によって放出される光に対して透明であってもよい。いくつかの実装では、内側ハウジング205-aは、外側ハウジング205-bの上に成形されてもよい。例えば内側ハウジング205-aは、外側ハウジング205金属シェルに適合するように成形(例えば射出成形)されるポリマーを含んでもよい。
【0055】
リング104は、1つ以上の基板(図示せず)を含んでもよい。デバイスエレクトロニクス及びバッテリ210が、1つ以上の基板上に含まれてもよい。例えばデバイスエレクトロニクス及びバッテリ210は、1つ以上の基板上に取り付けられてもよい。例示的な基板は、フレキシブルPCB(例えばポリイミド)のような1つ以上のプリント回路基板(PCB)を含んでよい。一部の実装では、エレクトロニクス/バッテリ210は、フレキシブルPCB上に表面実装型デバイス(例えば表面実装技術(SMT、surface-mount technology)デバイス)を含んでもよい。いくつかの実装では、1つ以上の基板(例えば1つ以上のフレキシブルPCB)は、デバイスエレクトロニクス間の電気通信を提供する電気トレースを含んでもよい。電気トレースはまた、バッテリ210をデバイスエレクトロニクスに接続してもよい。
【0056】
デバイスエレクトロニクス、バッテリ210及び基板は、様々な方法でリング104内に配置されてもよい。いくつかの実装では、センサ(例えばPPGシステム235、温度センサ240、運動センサ245及び他のセンサ)がユーザの指の下側とインタフェースするように、デバイスエレクトロニクスを含む1つの基板が、リング104の下部(例えば下半分)に沿って取り付けられてよい。これらの実装では、バッテリ210は、リング104の上部に沿って(例えば別の基板上に)含まれてもよい。
【0057】
リング104の様々な構成要素/モジュールは、リング104に含まれ得る機能性(例えば回路及び他の構成要素)を表す。モジュールは、本明細書のモジュールに起因する機能を生成することができるアナログ及び/又はデジタル回路を実装する任意の離散及び/又は集積電子回路構成要素を含んでよい。例えばモジュールは、アナログ回路(例えば増幅回路、フィルタリング回路、アナログ/デジタル変換回路及び/又は他の信号調整回路)を含んでもよい。モジュールはまた、デジタル回路(例えば組合せ論理回路又は逐次論理回路、メモリ回路等)も含んでよい。
【0058】
リング104のメモリ215(メモリモジュール)は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能でプログラム可能なROM(EEPROM)、フラッシュメモリ又は任意の他のメモリデバイスのような、任意の揮発性、不揮発性、磁気的又は電気的媒体を含んでよい。メモリ215は、本明細書で説明されるデータのいずれかを記憶してよい。例えばメモリ215は、それぞれのセンサ及びPPGシステム235によって収集されたデータ(例えば運動データ、体温データ、PPGデータ)を記憶するように構成されてもよい。さらに、メモリ215は、1つ以上の処理回路によって実行されると、モジュールに、本明細書のモジュールに起因する様々な機能を実行させる命令を含んでもよい。本明細書で説明されるリング104のデバイスエレクトロニクスは、デバイスエレクトロニクスの一例にすぎない。したがって、デバイスエレクトロニクスを実装するために使用される電子構成要素のタイプは、設計的考慮事項に基づいて変化し得る。
【0059】
本明細書で説明されるリング104のモジュールに起因する機能は、1つ以上のプロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの任意の組合せとして具現化されてよい。異なる特徴をモジュールとして描写することは、異なる機能的態様を強調するように意図されており、必ずしもそのようなモジュールが別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを暗示するものではない。むしろ、1つ以上のモジュールに関連付けられる機能性は、別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実行されてもよく、あるいは共通のハードウェア/ソフトウェア構成要素内に統合されてもよい。
【0060】
リング104の処理モジュール230-aは、1つ以上のプロセッサ(例えば処理ユニット)、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、システムオンチップ(SoC)及び/又は他の処理デバイスを含んでよい。処理モジュール230-aは、リング104に含まれるモジュールと通信する。例えば処理モジュール230-aは、センサのようなリング104のモジュール及び他の構成要素にデータを送信し/これらからデータを受信してもよい。本明細書で説明されるように、モジュールは、様々な回路構成要素によって実装されてもよい。したがって、モジュールは、回路(例えば通信回路及び電力回路)とも呼ばれることがある。
【0061】
処理モジュール230-aは、メモリ215と通信し得る。メモリ215は、処理モジュール230-aによって実行されると、処理モジュール230-aに、該処理モジュール230-aに起因する様々な機能を実行させるためのコンピュータ読取可能命令を含んでもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-a(例えばマイクロコントローラ)は、通信モジュール220-a(例えば統合されたBluetooth(登録商標) Low Energyトランシーバ)及び/又は追加のオンボードメモリ215によって提供される通信機能のような、他のモジュールに関連付けられる追加の特徴を含んでもよい。
【0062】
通信モジュール220-aは、ユーザデバイス106(例えばユーザデバイス106の通信モジュール220-b)との無線通信及び/又は有線通信を提供する回路を含んでもよい。いくつかの実装では、通信モジュール220-a、220-bは、Bluetooth回路及び/又はWi-Fi回路のような無線通信回路を含んでもよい。いくつかの実装では、通信モジュール220-a、220-bは、ユニバーサルシリアルバス(USB)通信回路のような有線通信回路を含むことができる。通信モジュール220-aを使用して、リング104及びユーザデバイス106は、互いに通信するように構成され得る。リングの処理モジュール230-aは、通信モジュール220-aを介してユーザデバイス106にデータを送信/ユーザデバイス106からデータを受信するように構成され得る。例示的なデータは、運動データ、体温データ、パルス波形、心拍数データ、HRVデータ、PPGデータ及びステータス更新(例えば充電ステータス、バッテリ充電レベル及び/又はリング104構成設定)を含み得るが、これらに限定されない。リングの処理モジュール230-aはまた、ユーザデバイス106から更新(例えばソフトウェア/ファームウェア更新)及びデータを受信するようにも構成されてもよい。
【0063】
リング104は、バッテリ210(例えば再充電可能バッテリ210)を含んでよい。例示的なバッテリ210は、リチウムイオン又はリチウムポリマータイプのバッテリ210を含んでよいが、様々なバッテリ210の選択肢が可能である。バッテリ210は、無線で充電されてもよい。いくつかの実装では、リング104は、キャパシタのような、バッテリ210以外の電源を含んでもよい。電源(例えばバッテリ210又はキャパシタ)は、リング104の曲線に一致する湾曲した形状を有してもよい。いくつかの態様では、充電器又は他の電源は、リング104自体によって収集されたデータに加えて、データを収集するために使用され得るか、又はそれを補足する、追加のセンサを含んでもよい。さらに、リング104の充電器又は他の電源は、ユーザデバイス106として機能してよく、この場合、リング104の充電器又は他の電源は、リング104からデータを受信し、リング104から受信したデータを記憶及び/又は処理し、リング104とサーバ110との間でデータを通信するように構成され得る。
【0064】
いくつかの態様では、リング104は、バッテリ210の充電を制御し得る電力モジュール225を含む。例えば電力モジュール225は、リング104とインタフェースしたときにバッテリ210を充電する、外部ワイヤレス充電器とインタフェースし得る。充電器は、リング104のデータ構造(datum structure)と嵌合して、104の充電中にリング104との特定の配向を生成するデータ構造を含んでもよい。電力モジュール225はまた、デバイスエレクトロニクスの電圧を調節し、デバイスエレクトロニクスへの電力出力を調節し、バッテリ210の充電状態を監視し得る。いくつかの実装では、バッテリ210は、高電流放電、104の充電中の過電圧及び104の放電中の不足電圧からバッテリ210を保護する、保護回路モジュール(PCM、protection circuit module)を含んでよい。電力モジュール225はまた、静電放電(ESD、electro-static discharge)保護も含んでよい。
【0065】
1つ以上の温度センサ240は、処理モジュール230-aに電気的に結合されてもよい。温度センサ240は、該温度センサ240によって読み取られた又は感知された体温を示す体温信号(例えば体温データ)を生成するように構成されてもよい。処理モジュール230-aは、温度センサ240の位置におけるユーザの体温を決定し得る。例えばリング104において、温度センサ240によって生成された体温データは、ユーザの指におけるユーザの体温(例えば皮膚温度)を示してもよい。いくつかの実装では、温度センサ240は、ユーザの皮膚に接触してもよい。他の実装では、ハウジング205の一部(例えば内側ハウジング205-a)は、温度センサ240とユーザの皮膚との間にバリア(例えば薄い熱伝導性バリア)を形成してもよい。いくつかの実装では、ユーザの指に接触するように構成されるリング104の部分は、熱伝導性部分と断熱性部分を有してもよい。熱伝導性部分は、ユーザの指から温度センサ240に熱を伝導し得る。断熱性部分は、リング104の部分(例えば温度センサ240)を周囲温度から絶縁し得る。
【0066】
いくつかの実装では、温度センサ240は、体温を決定するために、処理モジュール230-aが使用し得るデジタル信号(例えば体温データ)を生成し得る。別の例として、温度センサ240が受動センサを含む場合、処理モジュール230-a(又は温度センサ240モジュール)は、温度センサ240によって生成された電流/電圧を測定し、測定された電流/電圧に基づいて体温を決定し得る。例示的な温度センサ240は、負の温度係数(NTC、negative temperature coefficient)サーミスタのようなサーミスタ、あるいは抵抗器、トランジスタ、ダイオード及び/又は他の電気/電子構成要素を含む他のタイプのセンサを含んでよい。
【0067】
処理モジュール230-aは、ユーザの体温を経時的にサンプリングし得る。例えば処理モジュール230-aは、サンプリングレートに従ってユーザの体温をサンプリングしてよい。例示的なサンプリングレートは、1秒当たり1サンプルを含んでよいが、処理モジュール230-aは、1秒当たり1サンプルよりも高い又は低い他のサンプリングレートで体温信号をサンプリングするように構成されてもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、昼夜を通して継続的に、ユーザの体温をサンプリングし得る。一日を通して十分なレートで(例えば1秒に1サンプル、1分に1サンプル等)でサンプリングすることにより、本明細書で説明される分析のための十分な体温データを提供し得る。
【0068】
処理モジュール230-aは、サンプリングされた体温データをメモリ215に記憶し得る。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、サンプリングした体温データを処理し得る。例えば処理モジュール230-aは、ある時間期間の平均体温値を決定し得る。一例では、処理モジュール230-aは、1分間に収集されたすべての体温値を合計し、1分間のサンプル数で割ることによって、1分間あたりの平均体温値を決定し得る。体温が1秒当たり1サンプルでサンプリングされる特定の例では、平均体温は、60秒で割った1分間のすべてのサンプリングされた体温の合計であってもよい。メモリ215は、経時的な平均体温値を記憶してよい。いくつかの実装では、メモリ215は、メモリ215を節約するために、サンプリングされた体温の代わりに、平均体温(例えば1分当たり1つ)を記憶してもよい。
【0069】
メモリ215に記憶され得るサンプリングレートは、設定可能であり得る。いくつかの実装では、サンプリングレートは、昼夜を通して同じであってもよい。他の実装では、サンプリングレートは、昼/夜を通して変更されてもよい。いくつかの実装では、リング104は、生理学的変化を示さない体温の大きなスパイク(spike)(例えば熱いシャワーからの温度スパイク)のような体温読み取り値を、フィルタリング/拒否してもよい。いくつかの実装では、リング104は、104の運動中の過度の運動のような(例えば運動センサ245によって示されるような)、他の要因のために信頼できない可能性がある体温読み取り値をフィルタリング/拒否してもよい。
【0070】
リング104(例えば通信モジュール)は、サンプリングされた体温データ及び/又は平均体温データを、記憶及び/又は更なる処理のためにユーザデバイス106に送信してもよい。ユーザデバイス106は、サンプリングされた体温データ及び/又は平均体温データを、記憶及び/又は更なる処理のためにサーバ110に転送してもよい。
【0071】
リング104は、単一の温度センサ240を含むように示されているが、リング104は、ユーザの指の近くに内側ハウジング205-aに沿って配置されるような、1つ以上の位置に複数の温度センサ240を含んでもよい。いくつかの実装では、温度センサ240は、スタンドアロン温度センサ240であってよい。追加又は代替的に、1つ以上の温度センサ240は、加速度計及び/又はプロセッサのような他の構成要素とともに含まれてもよい(例えば他の構成要素とともにパッケージされてもよい)。
【0072】
処理モジュール230-aは、単一の温度センサ240に関して説明したものと同様の方法で、複数の温度センサ240からデータを取得して処理してよい。例えば処理モジュール230は、複数の温度センサ240の各々から体温データを個別にサンプリングし、平均し、記憶し得る。他の例では、処理モジュール230-aは、異なるレートでセンサをサンプリングし、異なるセンサについて異なる値を平均化/記憶してもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、指の異なる位置にある2つ以上の温度センサ240によって決定された2つ以上の体温の平均に基づいて、単一の体温を決定するように構成されてもよい。
【0073】
リング104上の温度センサ240は、ユーザの指(例えば任意の指)における遠位体温を取得してもよい。例えばリング104上の1つ以上の温度センサ240は、指の下側から、あるいは指の異なる位置で、ユーザの体温を取得してもよい。いくつかの実装では、リング104は、遠位体温を(例えばサンプリングレートで)連続的に取得してもよい。本明細書では、指にあるリング104によって測定される遠位温度が説明されるが、他のデバイスは同じ/異なる位置で体温を測定してもよい。場合によっては、ユーザの指で測定された遠位体温は、ユーザの手首又は他の外部身体位置で測定された体温と異なることがある。加えて、ユーザの指で測定された遠位体温(例えば「シェル」体温)は、ユーザの深部体温とは異なることがある。このように、リング104は、身体の他の内部/外部位置では取得されない可能性がある有用な体温信号を提供し得る。場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性がある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉し得る。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉し得る。
【0074】
リング104は、PPGシステム235を含んでよい。PPGシステム235は、光を送信する1つ以上の光送信器を含んでよい。PPGシステム235は、1つ以上の光送信器によって送信された光を受信する1つ以上の光受信器も含んでよい。光受信器は、該光受信器によって受信した光の量を示す信号(以下、「PPG」信号とする)を生成し得る。光送信器は、ユーザの指の領域を照明し得る。PPGシステム235によって生成されるPPG信号は、照明された領域における血液の灌流を示し得る。例えばPPG信号は、ユーザの脈圧によって引き起こされる、照明された領域における血液量の変化を示し得る。処理モジュール230-aは、PPG信号をサンプリングし、PPG信号に基づいてユーザのパルス波形を決定し得る。処理モジュール230-aは、ユーザのパルス波形に基づいて、ユーザの呼吸速度、心拍数、HRV、酸素飽和度及び他の循環パラメータのような、様々な生理学的パラメータを決定し得る。
【0075】
いくつかの実装では、PPGシステム235は、反射型PPGシステム235として構成されてもよく、この場合、光受信器は、ユーザの指の領域を通って反射される透過光を受信する。いくつかの実装では、PPGシステム235は、光がユーザの指の一部を通って光受信器に直接送信されるように、光送信器及び光受信器が互いに対向して配置される、透過型PPGシステム235として構成されてもよい。
【0076】
PPGシステム235に含まれる送信器及び受信器の数及び比率は、変化してもよい。例示的な光送信器は、発光ダイオード(LED)を含んでよい。光送信器は、赤外線スペクトル及び/又は他のスペクトルの光を送信してよい。例示的な光受信器は、フォトセンサ、フォトトランジスタ及びフォトダイオードを含んでよいが、これらに限定されない。光受信器は、光送信器から受信した波長に応答してPPG信号を生成するように構成されてもよい。送信器と受信器の位置は変化してもよい。加えて、単一のデバイスが、反射型及び/又は透過型PPGシステム235を含んでもよい。
【0077】
図2に示されるPPGシステム235は、いくつかの実装では、反射型PPGシステム235を含んでもよい。これらの実装では、PPGシステム235は、中央に配置された光受信器(例えばリング104の下部)と、光受信器の両側に配置された2つの光送信器とを含んでよい。この実装では、PPGシステム235(例えば光受信器)は、光送信器の一方又は両方から受信した光に基づいてPPG信号を生成し得る。他の実装では、1つ以上の光送信器及び/又は光受信器の他の配置、組合せ及び/又は構成が考えられる。
【0078】
処理モジュール230-aは、光受信器によって生成されたPPG信号をサンプリングしながら、光を送信するように光送信器の一方又は両方を制御し得る。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、光受信器によって生成されたPPG信号をサンプリングしている間、より強い受信信号を有する光送信器に光を送信させ得る。例えば選択された光送信器は、PPG信号がサンプリングレート(例えば250Hz)でサンプリングされている間、連続的に光を放射し得る。
【0079】
PPGシステム235によって生成されたPPG信号をサンプリングすることにより、「PPG」と呼ばれ得るパルス波形を得ることができる。パルス波形は、複数の心周期の血圧対時間を示し得る。パルス波形は、心周期を示すピークを含み得る。加えて、パルス波形は、呼吸数を決定するために使用され得る呼吸誘導変動(respiratory induced variation)を含んでもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、パルス波形をメモリ215に記憶し得る。処理モジュール230-aは、パルス波形が生成されるときに、及び/又はメモリ215からのパルス波形を処理して、本明細書で説明されるユーザの生理学的パラメータを決定し得る。
【0080】
処理モジュール230-aは、パルス波形に基づいてユーザの心拍数を決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、パルス波形のピーク間の時間に基づいて心拍数(例えば1分あたりの拍動数)を決定し得る。ピーク間の時間は、拍動間隔(IBI、interbeat interval)と呼ばれることがある。処理モジュール230-aは、決定された心拍数の値とIBI値をメモリ215に記憶してよい。
【0081】
処理モジュール230-aは、経時的にHRVを決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、IBlの変動に基づいてHRVを決定してもよい。処理モジュール230-aは、メモリ215に経時的なHRV値を記憶してよい。さらに、処理モジュール230-aは、経時的にユーザの呼吸数を決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、ある期間にわたるユーザのIBI値の周波数変調、振幅変調又はベースライン変調に基づいて、呼吸数を決定してもよい。呼吸数は、1分間当たりの呼吸で計算されてよく、あるいは別の呼吸数(例えば30秒当たりの呼吸)として計算されてもよい。処理モジュール230-aは、経時的なユーザの呼吸数の値をメモリ215に記憶してもよい。
【0082】
リング104は、1つ以上の加速度計(例えば6-D加速度計)及び/又は1つ以上のジャイロスコープ(ジャイロ)のような1つ以上の運動センサ245を含み得る。運動センサ245は、センサの運動を示す運動信号を生成し得る。例えばリング104は、加速度計の加速度を示す加速度信号を生成する、1つ以上の加速度計を含んでよい。別の例として、リング104は、角運動(例えば角速度)及び/又は方位の変化を示すジャイロ信号を生成する、1つ以上のジャイロセンサを含んでよい。運動センサ245は、1つ以上のセンサパッケージに含まれてよい。例示的な加速度計/ジャイロセンサは、3つの垂直軸における角速度及び加速度を測定し得る、Bosch(登録商標) BMI160慣性微小電気機械システム(MEMS、micro electro-mechanical system)センサである。
【0083】
処理モジュール230-aは、サンプリングレート(例えば50Hz)で運動信号をサンプリングし、サンプリングされた運動信号に基づいてリング104の運動を決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、加速度信号をサンプリングしてリング104の加速度を決定してよい。別の例として、処理モジュール230-aは、ジャイロ信号をサンプリングして角運動を決定してよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、運動データをメモリ215に記憶してよい。運動データは、サンプリングされた運動データ、並びにサンプリングされた運動信号(例えば加速度及び角度値)に基づいて計算された運動データを含んでよい。
【0084】
リング104は、本明細書で説明される様々なデータを記憶し得る。例えばリング104は、生のサンプリングされた体温データ及び計算された体温データ(例えば平均温度)のような体温データを記憶してよい。別の例として、リング104は、パルス波形や、パルス波形に基づいて計算されるデータ(例えば心拍数の値、IBI値、HRV値及び呼吸数の値)のようなPPG信号データを記憶してよい。リング104はまた、直線運動及び角運動を示すサンプリングされた運動データのような運動データも記憶してよい。
【0085】
リング104又は他のコンピューティングデバイスは、サンプリング/計算された生理学的データに基づいて、追加の値を計算し、記憶し得る。例えば処理モジュール230は、睡眠メトリクス(例えば睡眠スコア)、活動メトリクス及び準備メトリクスのような、様々なメトリクスを計算して記憶してよい。いくつかの実装では、追加の値/メトリクスは、「導出値(derived values)」と呼ばれることがある。リング104又は他のコンピューティング/ウェアラブルデバイスは、運動に関して様々な値/メトリクスを計算し得る。運動データの例示的な導出値は、運動カウント値、規則性値(regularity values)、強度値、タスクの代謝当量値(METs、metabolic equivalence of task values)及び方向値を含み得るが、これらに限定されない。運動カウント、規則性値、強度値及びMETsは、経時的なユーザの運動の量(例えば速度/加速度)を示し得る。方向値は、リング104がユーザの指に対してどのように向けられているか、及びリング104が左手に装着されているか右手に装着されているかを示し得る。
【0086】
いくつかの実装では、運動カウント及び規則性値は、1つ以上の期間(例えば1つ以上の30秒から1分の期間)内の加速度ピークの数をカウントすることによって決定され得る。強度値は、運動の数及び運動の関連する強度(例えば加速度値)を示し得る。強度値は、関連する閾値加速度値に応じて、低、中及び高に分類されてよい。METsは、ある期間(例えば30秒)の間の運動の強度と、運動の規則性/不規則性と、異なる強度に関連付けられる運動の数とに基づいて決定され得る。
【0087】
いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、メモリ215に記憶されたデータを圧縮し得る。例えば処理モジュール230-aは、サンプリングされたデータに基づいて計算を行った後に、サンプリングされたデータを削除してもよい。別の例として、処理モジュール230-aは、記憶される値の数を減らすために、より長い期間にわたってデータを平均化してもよい。具体的な例では、1分間にわたるユーザの平均体温がメモリ215に記憶されている場合、処理モジュール230-aは、記憶のために5分間の平均体温を計算し、その後、その1分間の平均体温データを消去してもよい。処理モジュール230-aは、使用される/利用可能なメモリ215の総量、及び/又はリング104がデータをユーザデバイス106に最後に送信してからの経過時間のような様々な要因に基づいてデータを圧縮してよい。
【0088】
ユーザの生理学的パラメータは、リング104に含まれるセンサによって測定され得るが、他のデバイスが、ユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。例えばユーザの体温は、リング104に含まれる温度センサ240によって測定され得るが、他のデバイスがユーザの体温を測定してもよい。いくつかの例では、他のウェアラブルデバイス(例えば手首デバイス)は、ユーザの生理学的パラメータを測定するセンサを含んでもよい。加えて、外部医療デバイス(例えばウェアラブル医療デバイス)及び/又は植込み型医療デバイスのような医療デバイスが、ユーザの生理学的パラメータを測定することがある。任意のタイプのコンピューティングデバイス上の1つ以上のセンサを使用して、本明細書で説明される技術を実装してよい。
【0089】
生理学的測定は、昼及び/又は夜を通して連続的に行われてもよい。いくつかの実装では、生理学的測定は、104の昼部分及び/又は夜の部分の間に行われてもよい。いくつかの実装では、生理学的測定は、ユーザが、活動状態、安静状態(resting state)及び/又は睡眠状態のような特定の状態にあると決定したことに応答して行われてもよい。例えばリング104は、よりクリーンな生理学的信号を取得するために、安静/睡眠状態で生理学的測定を行うことができる。一例では、リング104又は他のデバイス/システムは、ユーザが安静にしている及び/又は睡眠しているときを検出し、その検出された状態の生理学的パラメータ(例えば体温)を取得し得る。デバイス/システムは、本開示の技術を実装するために、ユーザが他の状態にあるときに、安静/睡眠生理学的データ及び/又は他のデータを使用してもよい。
【0090】
いくつかの実装では、本明細書で前述したように、リング104は、データを収集、記憶及び/又は処理するように構成されてもよく、本明細書で説明されるデータのいずれかを、記憶及び/又は処理のためにユーザデバイス106に転送し得る。いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、ウェアラブルアプリケーション250、オペレーティングシステム(OS)、ウェブブラウザアプリケーション(例えばウェブブラウザ280)、1つ以上の追加のアプリケーション及びGUI275を含む。ユーザデバイス106は、センサ、オーディオデバイス、触覚フィードバックデバイス等を含む他のモジュール及び構成要素を更に含んでもよい。ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザデバイス106にインストールされ得るアプリケーション(例えば「app」)の例を含み得る。ウェアラブルアプリケーション250は、本明細書で説明されるように、リング104からデータを取得し、取得したデータを記憶し、取得したデータを処理するように構成され得る。例えばウェアラブルアプリケーション250は、ユーザインタフェース(UI)モジュール255と、取得モジュール260と、処理モジュール230-bと、通信モジュール220-bと、アプリケーションデータを記憶するように構成される記憶モジュール(例えばデータベース265)を含んでよい。
【0091】
本明細書で説明される様々なデータ処理動作は、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110又はそれらの任意の組合せによって実行され得る。例えば場合によっては、リング104によって収集されたデータは、前処理され、ユーザデバイス106に送信されてよい。この例では、ユーザデバイス106は、受信したデータに対して何らかのデータ処理動作を実行し得るか、データ処理のためにデータをサーバ110に送信し得るか、又はその両方を行ってよい。例えば場合によっては、ユーザデバイス106は、比較的低い処理能力を必要とする処理動作及び/又は比較的低いレイテンシを必要とする動作を実行することがあり、一方、ユーザデバイス106は、比較的高い処理能力を必要とする処理動作及び/又は比較的高いレイテンシを許容し得る動作を処理するために、データをサーバ110に送信することがある。
【0092】
いくつかの態様では、システム200のリング104、ユーザデバイス106及びサーバ110は、ユーザの睡眠パターンを評価するように構成され得る。特に、システム200のそれぞれの構成要素は、リング104を介してユーザからデータを収集し、収集されたデータに基づいて、ユーザについての1つ以上のスコア(例えば睡眠スコア、準備スコア)を生成するために使用され得る。例えば本明細書において前述したように、システム200のリング104は、ユーザによって装着されて、ユーザから体温、心拍数、HRV等を含むデータを収集し得る。リング104によって収集されたデータは、所与の「睡眠日(sleep day)」について、ユーザの睡眠を評価するために、ユーザが眠っているときを決定するために使用されてもよい。いくつかの態様では、スコアは、第1睡眠日が第1スコアセットに関連付けられ、第2睡眠日が第2スコアセットに関連付けられるように、ユーザについて、それぞれの睡眠日毎に計算され得る。スコアは、それぞれの睡眠日の間にリング104によって収集されたデータに基づいて、それぞれの睡眠日毎に計算されてもよい。スコアは、睡眠スコア、準備スコア等を含むが、これらに限定されない。
【0093】
場合によっては、「睡眠日」は、所与の睡眠日が、それぞれの暦日の真夜中から真夜中まで続くように、伝統的な暦日(calendar day)と整合してよい。他の場合には、睡眠日は、暦日に対してオフセットされてもよい。例えば睡眠日は、ある暦日の午後6:00(18:00)から次の暦日の午後6:00(18:00)まで続いてよい。この例では、午後6:00は「カットオフ時間」として機能してよく、この場合、午後6:00より前にユーザから収集されたデータは現在の睡眠日についてカウントされ、午後6:00より後にユーザから収集されたデータは次の睡眠日についてカウントされる。ほとんどの個人が夜に最も多く眠るという事実のために、暦日に対して睡眠日をオフセットすることにより、システム200は、ユーザの睡眠スケジュールと一致するような方法でユーザの睡眠パターンを評価することができる。場合によっては、それぞれのユーザが典型的に睡眠する時間の長さに睡眠日を整合させるように、ユーザは、暦日に対して睡眠日のタイミングを(例えばGUIを介して)選択的に調整することができる。
【0094】
いくつかの実装では、それぞれの日毎のユーザの各総合スコア(例えば睡眠スコア、準備スコア)が、1つ以上の「寄与因子(contributors)」、「要因(factors)」又は「寄与要因(contributing factors)」に基づいて決定/計算され得る。例えばユーザの全体的な睡眠スコアは、総睡眠、効率、休息、レム睡眠、深い睡眠、レイテンシ、タイミング又はそれらの任意の組合せを含む一組の寄与因子のセットに基づいて計算され得る。睡眠スコアは、任意の量の寄与因子を含んでよい。「総睡眠」寄与因子は、睡眠日の全睡眠期間の合計を指してよい。「効率」寄与因子は、ベッドにいる間に起きている間に費やされる時間と比較した睡眠に費やされる時間のパーセンテージを反映してよく、睡眠日の長い睡眠期間(例えば主睡眠期間(primary sleep period))の効率平均を使用して、各睡眠期間の持続時間によって重み付けして、計算され得る。「休息」寄与因子は、ユーザの睡眠がどれほど安らかであるかを示してよく、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して、各期間の持続時間によって重み付けして、計算され得る。休息寄与因子は、「ウェイクアップカウント」(例えば異なる睡眠期間中に検出されたすべてのウェイクアップ(ユーザが、目が覚めたとき)の合計)、過剰な動き(excessive movement)、及び「ゴットアップカウント(got up count)」(例えば異なる睡眠期間中に検出されたすべてのゴットアップ(ユーザがベッドから起き上がったとき)の合計)に基づくことができる。
【0095】
「レム睡眠」寄与因子は、レム睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたるレム睡眠持続時間の合計を指してよい。同様に、「深い睡眠」寄与因子は、深い睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたる深い睡眠持続時間の合計を指してよい。「レイテンシ」寄与因子は、ユーザが睡眠に入るのにかかる時間(例えば平均、中央値、最長)を意味してよく、睡眠日を通して長い睡眠期間の平均を使用して、各期間の持続時間及びそのような期間の数によって重み付けして、計算され得る(例えば所与の睡眠段階の統合は、それ自体の寄与因子であり得るか又は他の寄与因子を重み付けし得る)。最後に、「タイミング」寄与因子は、睡眠日及び/又は暦日内の睡眠期間の相対的タイミングを指してよく、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して、各期間の持続時間によって重み付けして、計算され得る。
【0096】
別の例として、ユーザの全体的な準備スコアは、睡眠、睡眠バランス、心拍数、HRVバランス、回復指数、体温、活動、活動バランス又はそれらの任意の組合せを含む、一組の寄与因子に基づいて計算され得る。準備スコアは、任意の量の寄与因子を含んでよい。「睡眠」寄与因子は、睡眠日内のすべての睡眠期間の組み合わされた睡眠スコアを指してよい。「睡眠バランス」寄与因子は、睡眠日内のすべての睡眠期間の累積持続時間を指してよい。特に、睡眠バランスは、ユーザがある期間(例えば過去2週間)にわたって取得してきた睡眠が、ユーザのニーズとバランスが取れているかどうかをユーザに示すことができる。典型的に、成人が健康で注意力を維持し、精神的にも身体的にも最高のパフォーマンスを発揮するためには、一晩に7~9時間の睡眠が必要である。しかしながら、時にはよく眠れない夜があることは普通のことなので、睡眠バランスの寄与因子は長期的な睡眠パターンを考慮に入れて、各ユーザの睡眠ニーズが満たされているかどうかを判断する。「安静時心拍数」寄与因子は、睡眠日の最長睡眠期間(例えば主睡眠期間)からの最低心拍数及び/又は主睡眠期間後に生じるうたた寝(nap)からの最低心拍数を示し得る。
【0097】
準備スコアの「寄与因子」(例えば要因、寄与要因)に関連して続けると、「HRVバランス」寄与因子は、主睡眠期間及び主睡眠期間後に起こるうたた寝からの最も高いHRV平均を示し得る。HRVバランス寄与因子は、第1期間(例えば2週間)にわたるユーザのHRV傾向を、なんらかのより長い第2期間(例えば3ヶ月)にわたる平均HRVと比較することによって、ユーザが自身の回復状態を追跡するのを助けることができる。「回復指数」寄与因子は、最長睡眠期間に基づいて計算されてもよい。回復指数は、夜間にユーザの安静時心拍数が安定するまでにかかる時間を測定する。非常に良好な回復の兆候は、ユーザの安静時心拍数が夜の前半、ユーザが起きる少なくとも6時間前に安定し、身体が翌日のために回復する時間を残すことである。「体温」寄与因子は、最長睡眠期間(例えば主睡眠期間)に基づいて、あるいは、うたた寝中のユーザの最高体温が最長期間中の最高体温よりも少なくとも0.5℃高い場合には最長睡眠期間後に生じるうたた寝に基づいて、計算され得る。いくつかの態様では、リングは、ユーザが眠っている間にユーザの体温を測定してよく、システム200は、ユーザのベースライン体温に対するユーザの平均体温を表示してよい。ユーザの体温が正常範囲の外にある場合(例えば明らかに0.0より上又は下)、体温寄与因子は強調表示されるか(例えば「要注意(Pay attention)」状態になる)又は他の方法でユーザにアラートを生成し得る。
【0098】
いくつかの態様において、システム200は、流産の識別及び予測のための技術をサポートし得る。特に、システム200のそれぞれの構成要素は、経時的なユーザの体温を表す時系列の体温値が、ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別することに基づいて、早期妊娠喪失の指標を検出するために使用され得る。ユーザの早期妊娠喪失の指標は、システム200のリング104上の温度センサを利用することによって、識別及び/又は予測され得る。場合によっては、早期妊娠喪失の指標は、体温値の妊娠ベースラインに対して経時的にユーザの体温を表す時系列における偏差のような1つ以上の形態的特徴を識別し、時系列の偏差に対応する早期妊娠喪失の指標を検出することによって推定され得る。早期妊娠喪失の指標は、早期妊娠喪失が既に起こっていること、現在起こっていること、及び/又は早期妊娠喪失が将来起こることが予測されることを識別する例であり得る。
【0099】
例えば本明細書で前述したように、システム200のリング104は、ユーザによって装着されて、温度、心拍数、HRV、呼吸データ等を含むデータをユーザから収集し得る。システム200のリング104は、(例えばPPG信号を使用して)動脈血流から抽出される温度センサ及び測定値に基づいて、ユーザから生理学的データを収集し得る。生理学的データは、連続的に収集されてもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、昼夜を通して連続的にユーザの体温をサンプリングしてよい。昼及び/又は夜を通じて十分なレートで(例えば1分当たり1サンプル)サンプリングすることにより、本明細書で説明される分析のための十分な体温データを提供し得る。いくつかの実装では、リング104は、(例えばサンプリングレートで)体温データを連続的に取得し得る。いくつかの例では、たとえ温度が連続的に収集されたとしても、システム200は、該システム200が収集したか又は他の方法で導出したユーザに関する他の情報(例えば睡眠段階、活動レベル、病気の発症等)を利用して、基礎となる生理学的現象の正確な表現である特定の日の代表体温を選択し得る。
【0100】
対照的に、ユーザが毎日手動で体温を測定することを必要とするシステム、及び/又は体温を連続的に測定するが、ユーザに関する他のコンテキスト情報を欠いているシステムは、月経周期予測及び/又は妊娠追跡のために不正確な又は一貫性のない体温値を選択する可能性があり、不正確な予測及び低下したユーザ体験につながる。対照的に、リング104によって収集されるデータは、ユーザの早期妊娠喪失の指標を正確に検出するために使用され得る。早期妊娠喪失の識別及び予測並びに関連技術は、図3を関連して更に示され、説明される。
【0101】
図3は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするシステム300の例を示す。システム300は、システム100、システム200又はその両方を実装し得るか、又はこれらによって実装され得る。特に、システム300は、図1を参照して説明したような、リング104(例えばウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106及びサーバ110の例を示す。
【0102】
リング305は、本明細書で説明されるような他の形態の生理学的データの中でも、体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335及び睡眠データ340を取得し得る。このような場合、リング305は、体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335及び睡眠データ340をユーザデバイス310に送信してよい。体温データ320は、連続的な夜間体温データを含んでよい。呼吸数データ330は、連続的な夜間呼吸数データを含み得る。場合によっては、複数のデバイスが生理学的データを取得してもよい。例えば第1コンピューティングデバイス(例えばユーザデバイス310)及び第2コンピューティングデバイス(例えばリング305)が、体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335、睡眠データ340又はそれらの組合せを取得してもよい。
【0103】
例えばリング305は、ユーザの体温データ320、呼吸数データ330、心拍数データ325、HRVデータ335及び睡眠データ340、ガルバニック皮膚反応、血中酸素飽和度、アクチグラフィ及び/又は他のユーザの生理学的データのようなユーザの生理学的データを取得し得る。例えばリング305は、生データを取得し、生データを日次粒度(daily granularity)の特徴に変換し得る。いくつかの実装では、異なる粒度の入力データが使用されてもよい。リング305は、更なる処理のために、モバイルデバイス(例えばユーザデバイス310)のような別のコンピューティングデバイスにデータを送信してよい。
【0104】
例えばユーザデバイス310は、受信したデータに基づいて、早期妊娠喪失の指標を識別及び/又は予測し得る。場合によっては、システム300は、体温データ320、呼吸数データ330、心拍数データ325、HRVデータ335、睡眠データ340、ガルバニック皮膚反応、血中酸素飽和度、活動、睡眠構造又はこれらの組合せに基づいて、早期妊娠喪失の指標を識別及び/又は予測してよい。場合によっては、システム300は、どの特徴が早期妊娠喪失の有用な予測子であるかを決定してもよい。システムは、リング305及びユーザデバイス310によって実装されてもよいが、本明細書で説明されるコンピューティングデバイスの任意の組合せは、システム300に起因する特徴を実装し得る。
【0105】
ユーザデバイス310-aは、リングアプリケーション345を含み得る。リングアプリケーション345は、少なくともモジュール350とアプリケーションデータ355を含み得る。場合によっては、アプリケーションデータ355は、ユーザの履歴体温パターン及び他のデータを含んでよい。他のデータは、体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335、睡眠データ340又はそれらの組合せを含んでよい。
【0106】
リングアプリケーション345は、予測及び/又は検出された早期妊娠喪失をユーザに提示し得る。リングアプリケーション345は、データ処理を実行し得るアプリケーションデータ処理モジュールを含んでよい。例えばアプリケーションデータ処理モジュールは、システム300に帰属する機能を提供するモジュール350を含んでよい。例示的なモジュール350は、日次体温決定モジュール、時系列処理モジュール、流産識別モジュール及び流産予測モジュールを含んでもよい。
【0107】
日次体温決定モジュールは、(例えば夜間を通して連続的に収集された一連の体温値からその日の代表体温値を選択することによって)毎日の体温値を決定し得る。時系列処理モジュールは、時系列データを処理して、複数の体温値が体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別し得る。流産識別モジュールは、処理された時系列データに基づいて、ユーザの早期妊娠喪失の指標を識別し得る。流産予測モジュールは、処理された時系列データに基づいて、ユーザの早期妊娠喪失の指標を予測し得る。このような場合、システム300は、(例えばリング305から)ユーザの生理学的データを受信し、妊娠喪失が識別されるか又は予測されるかの日次分類を出力し得る。リングアプリケーション345は、取得された体温データ、他の生理学的データ及び妊娠追跡データ(例えばイベントデータ)及び流産追跡データのようなアプリケーションデータ355を記憶し得る。
【0108】
場合によっては、システム300は、ユーザの生理学的データ(例えば体温データ320)に基づいて、妊娠及び/又は流産追跡データを生成し得る。妊娠及び/又は流産追跡データは、ユーザの検出された早期妊娠喪失の指標を含んでよく、これはは、分析期間(例えば数週間/数ヶ月の期間)にわたる取得されたユーザ体温データ(例えば毎日の体温データ320)に基づいて決定され得る。例えばシステム300は、ウェアラブルデバイス(例えばリング305)からユーザに関連付けられる生理学的データを受信してよい。生理学的データは、少なくとも体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335、睡眠データ340又はこれらの組合せを含み得る。例えばシステム300は、分析期間(例えば複数日)にわたってユーザの生理学的データを取得する。そのような場合、システム300は、分析期間にわたってユーザの生理学的データを取得して処理し、ユーザの生理学的データの1つ以上の時系列を生成し得る。
【0109】
場合によっては、システム300は、分析期間にわたって毎日のユーザ体温データ320を取得し得る。例えばシステム300は、毎日、単一の体温値を計算してよい。システム300は、昼間及び/又は夜間に複数の体温値を取得し、取得した体温値を処理して、単一の日次体温値を決定し得る。いくつかの実装では、システム300は、受信した体温データ320に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定してもよい。システム300は、図5を参照して更に示され、説明されるように、複数の体温値がユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに基づいて、体温値の時系列における早期妊娠喪失の指標を検出し得る。
【0110】
いくつかの実装では、システム300は、受信した心拍数データ325が、複数日の少なくとも一部にわたって、ユーザの妊娠ベースライン心拍数を超えると決定することがある。そのような場合、システム300は、受信した心拍数データ325がユーザの妊娠ベースライン心拍数を超えると決定したことに基づいて、早期妊娠喪失の指標を検出し得る。いくつかの例では、システム300は、受信した呼吸数データ330が、複数日の少なくとも一部にわたって、ユーザの妊娠ベースライン呼吸数を超えると決定することがある。このような場合、システム300は、受信した呼吸数データ330がユーザの妊娠ベースライン呼吸数を超えると決定したことに基づいて、早期妊娠喪失の指標を検出し得る。
【0111】
いくつかの実装では、システム300は、受信したHRVデータ335が、複数日の少なくとも一部にわたって、ユーザの妊娠ベースラインHRV未満であること決定することがある。このような場合、システム300は、受信したHRVデータ335がユーザの妊娠ベースラインHRV未満であると決定したことに基づいて、早期妊娠喪失の指標を検出し得る。いくつかの実装では、システム300は、受信した睡眠データ340から検出された睡眠障害の量が、複数日のうちの少なくとも一部の間、ユーザの妊娠ベースライン睡眠障害閾値を超えることを決定し得る。そのような場合、システム300は、受信した睡眠データ340から検出された睡眠障害の量が、ユーザの妊娠ベースライン睡眠障害閾値を超えることを決定したことに基づいて、早期妊娠喪失の指標を検出し得る。そのような場合、妊娠ベースライン(例えば体温、心拍数、呼吸数、HRV、睡眠データ等)は、システム300によって取得される履歴データ360に基づいて、ユーザに特有に調整され得る。例えばこれらの妊娠ベースラインは、生理学的パラメータのベースライン又は平均値、あるいはユーザの妊娠を通じて生理学的値の典型的な傾向を表してよく、これは、ユーザの正常又は非妊娠ベースラインとは異なってよい。場合によっては、妊娠ベースラインは、各生理学的パラメータについて、ユーザの妊娠を通じて(例えば、妊娠の異なる段階に基づいて)異なることがある。場合によっては、妊娠ベースラインは、既知の標準、ユーザ間の平均、人口統計的に特定の及び/又はユーザの以前の妊娠に基づいてよい。
【0112】
場合によっては、1つ以上の生理学的測定値を組み合わせて、早期妊娠喪失の指標を検出し得る。そのような場合、妊娠喪失の指標を識別することは、1つの生理学的測定値又は生理学的測定値の組合せ(例えば体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335、睡眠データ340)に基づいてよい。例えばユーザの心拍数データ325は、ユーザの体温データ320と組み合わされて、早期妊娠喪失を特徴付けることができるインジケータであり得る。場合によっては、ユーザの心拍数データ325は、ユーザの体温データ320に照らして、早期妊娠喪失の指標を確認する(例えば早期妊娠喪失の決定的な指標又はより良好な予測を提供する)ことができる。例えばシステム300が、受信した心拍数データ325がユーザの妊娠ベースライン心拍数を超え、受信した体温データ320がユーザの妊娠ベースライン体温よりも高いと判断した場合、システム300は、心拍数データ325又は体温データ320のうちの一方が妊娠ベースラインから逸脱している場合よりも高い精度及び精密さで、早期妊娠喪失の指標を検証又は検出することができる。
【0113】
いくつかの例では、1つ以上の生理学的測定値を組み合わせて、検出された早期妊娠喪失の指標の可能性を反証するか又は低減し得る。このような場合、システム300は、1つの生理学的測定値又は生理学的測定値の組み合わせに基づいて、早期妊娠喪失の指標を識別する偽陽性を識別することがある。例えばシステム300が、受信した体温データ320はユーザの妊娠ベースライン体温よりも高いが、受信した呼吸数データ330は依然としてユーザの妊娠ベースライン呼吸数と一致すると判断する場合、システム300は、検出された早期妊娠喪失の指標は無効であるか、又は、体温と呼吸数の両方がそれらの妊娠ベースラインから逸脱した場合よりも少なくとも可能性が低いと判断することがある。このような場合、システム300は、ユーザが病気、月経周期におけるホルモン変化等を経験している可能性があると判断してよい。
【0114】
場合によっては、ユーザの生理学的データの組合せ(例えば体温データ320、心拍数データ325、呼吸数データ330、HRVデータ335、睡眠データ340又はこれらの組合せ)と組み合わせた、ユーザの記録された症状(例えばタグ)は、早期妊娠喪失の指標を特徴付けることができるインジケータであり得る。このような場合、ユーザの記録された症状は、ユーザの生理学的データに照らして、早期妊娠喪失の指標を確認する(早期妊娠喪失の決定的な指標又はより良好な予測を提供する)ことができる。例えばシステム300が、受信した体温データ320がユーザの妊娠ベースライン体温よりも高く、システムが流産(例えば出血、痛み等)に関連付けられるユーザ入力を受け取った場合、システムは、体温データ320の1つが妊娠ベースラインから逸脱する場合、又はユーザが早期妊娠喪失症状を記録する場合よりもより高い精度及び精密さで、早期妊娠喪失の指標を検証又は検出することができる。
【0115】
いくつかの例では、システム300は、ユーザ入力、1つの生理学的測定値、生理学的測定値の組合せ、又はそれらの組合せに基づいて、早期妊娠喪失の指標を識別する偽陽性を識別することがある。例えばシステム300が、受信した心拍数データ325がユーザの妊娠ベースライン心拍数より大きいと判断するが、ユーザ入力がストレス、病気、不安、薬剤の変更等に関連付けられる症状を示す場合、システム300は、検出された早期妊娠喪失の指標が無効(例えば偽陽性)であると判断してよい。このような場合、システム300は、ユーザ入力を受信することに基づいて、ユーザが病気、ストレス、月経周期におけるホルモン変化等を経験している可能性があると判断してよい。
【0116】
いくつかの実装では、システムは、不妊治療の成功を改善するために、個人化されたライフスタイル要因を識別することがある。例えばシステムは、睡眠、活動及び栄養に関連する行動メトリクスを追跡して、ユーザが妊孕性を改善し、不妊治療を指導するのを助けることができる。場合によっては、睡眠障害とリプロダクティブ・ヘルスとの間に関係があることがある(例えばユーザが妊娠中に流産を経験するかどうか)。睡眠障害は、月経異常、月経困難症、受胎率の低下、流産の増加及び出生時体重の低下を含むリプロダクティブ・ヘルスの結果に影響を及ぼす、睡眠障害及び概日リズムの乱れを経験している、ストレス下のユーザ及び/又はシフトワーカのようなユーザにおいて検出されることがある。、不妊治療を受けているユーザ及び集約ユーザの睡眠データを監視することによって、システム300は、妊娠成功率を高めるために、睡眠及び妊孕率の様々な次元とメトリクスの間の関係に貴重な洞察を提供し得る。
【0117】
いくつかの実装では、システム300は、ユーザに、シフトワーカであるか(例えばサインアッププロセス中に)又は他の睡眠障害を経験しているかどうかを示すように求めてもよい。そのような場合、メトリクス(例えば概日リズムの乱れの自己報告メトリクス及び信号導出メトリクス)を機械学習モデルの特徴として組み込んで、低妊孕率(subfertility)、不妊、不妊治療の成功、妊娠合併症(fertility complication)、流産の可能性又はそれらの組合せのリスクを予測し得る。ユーザの睡眠履歴を考慮し、概日リズムの乱れの大きさを定量化するシステム300は、妊孕性ステータスだけでなく全体的な健康状態(例えば深夜の食事、背痛、胸痛)に関する入力を提供し得るタグを表面化し得る。いくつかの実装では、これらの要因を使用して、ユーザに表示される洞察の選択及び個人化を駆動し得る。システム300は、月経周期の不規則性を考慮しながら、妊娠の見込みに関するフィードバックを提供し得る。例えばユーザには、概日リズム及び睡眠衛生に関連する情報が提供されてよい。ユーザには、ユーザの個人的な制約及び制限(例えば時間、栄養)の下で、アプリケーションがサポートする行動変化につながる可能性のある目標及び行動プランを設定するために、ヒューマン・イン・ザ・ループのライブ・スリープ・コーチと接続するオプションが提示されてもよい。いくつかの実装では、システム300は、メラトニンレベル及び補充が(例えば生殖組織に対する酸化ストレス媒介効果の低減のような生体メカニズムを介して)受精結果に影響を及ぼす可能性があるので、ユーザがメラトニンにタグを付け、睡眠及び受精における関連する変化を見ることを可能にすることができる。
【0118】
システム300は、ユーザデバイス310-a、310-bのGUIに、早期妊娠喪失の指標を表示させ得る。場合によって、システム300は、GUIに時系列を表示させてもよい。システム300は、生理学的データ(例えば少なくとも体温データ320)、タグ付けされたイベント及び/又は図4を参照して本明細書で説明される他のGUI要素を含む、追跡GUIを生成してもよい。そのような場合、システム300は、追跡GUIに排卵、月経、妊娠、流産等をレンダリングしてもよい。
【0119】
システム300は、ユーザデバイス310-a又は310-b上のGUI上に表示するため、早期妊娠喪失の指標を示すメッセージ370を生成し得る。例えばシステム300(例えばユーザデバイス310-a又はサーバ315)は、予測及び/又は識別された早期妊娠喪失を示すメッセージ370を、ユーザデバイス310-bに送信してもよい。このような場合、ユーザデバイス310-bは、臨床医、不妊治療専門医、介護者、パートナー又はこれらの組合せに関連付けられてもよい。可能性のある妊娠喪失の検出は、体温データにおいて検出されたパターンを強調し、妊娠喪失に関する教育的リンクを提供する、ユーザへの個人化されたメッセージ370をトリガし得る。
【0120】
いくつかの実装では、リングアプリケーション345は、早期妊娠喪失の指標をユーザに通知し、かつ/又は、アクティビティGUIで様々なタスクを実行するようにユーザに促してよい(prompt)。通知及びプロンプトは、テキスト、グラフィクス及び/又は他のユーザインタフェース要素を含んでよい。通知及びプロンプトは、識別又は予測された妊娠喪失があるときなどに、リングアプリケーション345に含まれてよく、リングアプリケーション345は、通知及びプロンプトを表示してよい。ユーザデバイス310は、ホーム画面上の別個のウィンドウに通知及びプロンプトを表示してよく、かつ/又は他の画面上に(例えばホーム画面の一番上に)オーバーレイしてもよい。場合によっては、ユーザデバイス310は、モバイルデバイス、ユーザの時計デバイス又はその両方に通知及びプロンプトを表示してもよい。
【0121】
いくつかの例では、システム300は、緩和アドバイス(mitigation advice)を提供する。そのような場合、システム300は、早期妊娠喪失の指標を確認又は反証するために取るべきステップに関する推奨を提供し得る。例えばシステム300が、ユーザの呼吸数が妊娠ベースライン心拍数よりも高くなっていると判断した場合、システム300は、数日間、1日に数回瞑想(meditation)及び/又は呼吸運動を実行し、呼吸数データ330を再評価するようにユーザに促してよい。このような場合、システム300は、ユーザが流産を経験しているかどうか、ユーザが不安の期間(period of anxiety)を経験しているかどうか、又はその両方であるかを判断するために、ユーザが緩和アドバイスを実行した後に、生理学的データを受信し得る。
【0122】
いくつかの実装では、ユーザデバイス310は、履歴ユーザデータを記憶し得る。場合によっては、履歴ユーザデータは履歴データ360を含んでよい。履歴データ360は、ユーザの履歴体温パターン、ユーザの履歴心拍数パターン、ユーザの履歴呼吸数パターン、ユーザの履歴HRVパターン、ユーザの履歴睡眠パターン、ユーザの履歴月経周期開始イベント(例えば周期長、周期開始日等)又はそれらの組合せを含んでよい。履歴データ360は、最近の数ヶ月から選択されてもよい。履歴データ360は、ユーザの閾値(例えば妊娠ベースライン)を決定するため、ユーザの体温値を決定するため、早期妊娠喪失を予測するため、早期妊娠喪失を識別するため、あるいはこれらの組合せのために、(例えばユーザデバイス310又はサーバ315によって)使用され得る。履歴データ360はサーバ315によって使用されてよい。履歴データ360を使用することにより、ユーザデバイス310及び/又はサーバ315は、ユーザの履歴データ360を考慮することによってGUIを個人化することができる。
【0123】
このような場合、ユーザデバイス310は、履歴データ360をサーバ315に送信し得る。場合によっては、送信された履歴データ360は、リングアプリケーション345に記憶される履歴データと同じであってもよい。他の例では、履歴データ360は、リングアプリケーション345に記憶される履歴データとは異なっていてもよい。サーバ315は、履歴データ360を受信し得る。サーバ315は、履歴データ360をサーバデータ365に記憶してもよい。
【0124】
いくつかの実装では、ユーザデバイス310及び/又はサーバ315はまた、ユーザ情報の例であり得る他のデータを記憶してもよい。ユーザ情報は、ユーザの年齢、体重、身長及び性別を含んでよいが、これらに限定されない。いくつかの実装では、ユーザ情報は、早期妊娠喪失を予測又は識別するための特徴として使用されてもよい。サーバデータ365は、ユーザ情報のような他のデータを含んでもよい。
【0125】
いくつかの実装では、システム300は、異なるユーザのための1つ以上のユーザデバイス310を含んでもよい。例えばシステム300は、主ユーザのためのユーザデバイス310-aと、主ユーザに関連付けられる第2ユーザ302(例えばパートナー)のためのユーザデバイス310-bとを含んでよい。ユーザデバイス310は、異なるユーザの生理学的パラメータを測定し、異なるユーザのためのGUIを提供し、異なるユーザからのユーザ入力を受信し得る。いくつかの実装では、異なるユーザデバイス310は、生理学的情報を取得し、月経周期、卵巣周期、疾患、妊孕性及び/又は妊娠のような女性の健康に関連する出力を提供し得る。いくつかの実装では、ユーザデバイス310-bは、男性の疾患及び生殖能力(fertility)のような、第2ユーザ302に関連する生理学的情報を取得してもよい。
【0126】
いくつかの実装では、システム300は、第2ユーザ302に関連情報を知らせるGUIを提供し得る。例えば第1ユーザと第2ユーザ302は、1つ以上のユーザデバイス310を介して、例えばサーバデバイス、モバイルデバイス又は他のデバイスを介して、互いに彼らの情報を共有することがある。いくつかの実装では、第2ユーザ302は、ユーザのアカウント(例えばユーザ名、ログイン情報等)及び/又は関連データのうちの1つ以上を互いに(例えば第1ユーザと)共有することがある。ユーザ間で情報を共有することにより、システム300は、第2ユーザ302が妊娠に関連する健康上の決定を行うのを支援し得る。いくつかの実装では、ユーザは、特定の情報を共有するように(例えばGUIにおいて)促されてもよい。例えばユーザは、GUIを使用して、彼女の妊娠情報を第2ユーザ302と共有することを選択してよい。このような場合、ユーザ及び第2ユーザ302は、彼らのそれぞれのユーザデバイス310上で通知を受信し得る。他の例では、第2ユーザ302は、通知又は他の共有の取り決めを介して、自身の情報(例えば疾患、妊娠データ等)をユーザに利用可能にし得る。このような場合、第2ユーザ302は、臨床医、不妊治療専門医、介護者、パートナー又はこれらの組合せの例であり得る。
【0127】
図4は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするタイミング図400の例を示す。タイミング図400は、システム100、システム200、システム300又はそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらによって実装されてもよい。例えばいくつかの実装では、タイミング図400は、図2に示されるように、ユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに表示されてもよい。
【0128】
本明細書で更に詳細に説明されるように、システムは、流産を識別し、予測するように構成され得る。場合によっては、昼夜を通したユーザの体温パターンが、流産を特徴付け得るインジケータとなり得る。例えば昼間及び夜間の皮膚温度は、流産(例えば早期妊娠喪失)を識別及び/又は予測し得る。このように、タイミング図400は、ユーザの体温データと時間(例えば複数の月にわたる)との間の関係を図示している。この点に関して、タイミング図400に示される実線の曲線は、「体温値405」を指すと理解されてよい。タイミング図400に示される破線の垂直線は、「排卵タグ410」を指すと理解されてよい。タイミング図400に示される破線と点線の垂直線は、「妊娠タグ420」を指すと理解されてよい。タイミング図400に示される実線の垂直線は、「月経期タグ(period tag)415」を指すと理解されてよい。ユーザの体温値405は、ベースライン体温に対して相対的であってもよい。
【0129】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ウェアラブルデバイスから、ユーザに関連付けられる生理学的データを受信し得る。生理学的データは、少なくとも体温データを含んでよい。システムは、受信した体温データに基づいて、複数日にわたって取得された体温値405の時系列を決定し得る。タイミング図400を参照すると、複数日は、10ヶ月の例であってよい。システムは、元の時系列体温データ(例えば体温値405)を処理して、早期妊娠喪失425の指標を検出し得る。場合によっては、時系列は、システム内のユーザによってタグ付けされた複数のイベントを含んでよい。例えば時系列は、排卵タグ410、月経期タグ415及び妊娠タグ420を含んでよい。場合によっては、排卵タグ410、月経期タグ415及び妊娠タグ420は、システムによって連続的に収集される生理学的データに基づいてシステムによって決定されてもよい。
【0130】
体温値405は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、昼間及び/又は夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えば体温データ、睡眠データ、心拍数、HRVデータ、呼吸数データ、睡眠データ、METデータ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性のある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉することがある。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては、又はユーザが1日に1回手動で体温を測っていた場合には提供されない可能性がある、追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉することがある。
【0131】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの相対的体温を何日も観察し、流産(例えば早期妊娠喪失)を示す可能性がある妊娠ベースラインに対する体温の低下をマークすることによって、早期妊娠喪失425の指標を検出し得る。早期妊娠喪失425の指標は、少なくとも1日、複数日、1週間、複数週又は1ヶ月を含む時間期間(例えばタイムスパン)を含んでもよい。このような場合、早期妊娠喪失425の指標は、開始日及び終了日を含んでよい。早期妊娠喪失425の指標は、以前に発生したか又は現在発生している検出された流産、及び/又は将来発生する可能性が高い予測された流産の例であってもよい。
【0132】
システムは、体温値405がユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別したことに基づいて、体温値405の時系列において早期妊娠喪失425の指標を検出し得る。例えばシステムは、時系列を決定した後に体温値405を識別し、体温値の妊娠ベースラインを識別してよい。システムは、体温値405が、ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別したことに応答して、ユーザの早期妊娠喪失425の指標を検出してよい。
【0133】
本明細書で更に詳細に説明されるように、システムは、月経周期、排卵、妊娠、流産等を追跡するように構成されてよい。場合によっては、夜間を通してのユーザの体温パターンは、流産を特徴付けることができるインジケータであり得る。例えば夜間の皮膚温度は、早期妊娠喪失425の指標を識別し得る。このように、タイミング図400は、ユーザの体温データと時間(例えば複数の月にわたる)との間の関係を示す。
【0134】
タイミング図400は、3つの月経期(例えば月経期タグ415)、妊娠の指標(例えば妊娠タグ420)、早期妊娠喪失425の指標、その後に続く少なくとも4つの月経周期(例えば月経期タグ415)を有するユーザを示してよい。例えばタイミング図400は、流産が妊娠タグ420から2ヶ月(例えば8週間)後に起こったことを示してよい。タイミング図400は、自動的に及び/又はアプリケーション内のユーザタグによって識別されていることがある幾つかの期間(例えば月経期タグ415)を有するユーザを示してよい。例えばタイミング図400は、ユーザが妊娠し(例えば妊娠タグ420を介して示される)、次いで、妊娠してから9ヶ月未満で月経期が再開しており(例えば月経期タグ415を介して自動的に検出又はタグ付けされる)、それによって、ユーザが流産した可能性が高いことを示す。妊娠タグ420の時間の前後のユーザの体温軌跡は、月経期タグ415の時間における体温ピークよりもあまり高くないことがある。そのような場合、システムは、ユーザの体温軌跡が妊娠してから9ヶ月未満でピークに達する(例えばそれによって月経期を示す)ことを決定し、それにより、システムは、ユーザが流産を経験している可能性が高いことを決定し得る。
【0135】
場合によっては、システムは、時系列を決定したことに基づいて、妊娠開始(例えば妊娠タグ420)後の期間内における月経周期430の存在を識別することがある。そのような場合、早期妊娠喪失425の指標は、月経周期430の存在を識別することに基づいて検出され得る。例えばシステムが妊娠タグ420から20週以内に月経周期430を識別する場合、システムは早期妊娠喪失425の指標を検出し得る。月経周期430は、ユーザの連続的に収集された生理学的データ、受信した確認又はその両方に基づいて識別されてよい。例えばシステムは、妊娠タグ420の後の期間内に月経周期430の確認を受信することがある。場合によっては、システムが妊娠喪失の確認を受信することがある。そのような場合、システムは、月経周期430、妊娠喪失又はその両方の確認を受信したことに応答して、早期妊娠喪失425の指標を検出し得る。
【0136】
図5は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするタイミング図500の例を示す。タイミング図500は、システム100、システム200、システム300又はそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらによって実装されてもよい。例えばいくつかの実装では、タイミング図500は、図2に示されるように、ユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに表示されてもよい。
【0137】
本明細書で更に詳細に説明されるように、システムは、妊娠ベースラインに対する偏差に基づいて流産を識別及び予測するように構成され得る。場合によっては、夜間を通してのユーザの体温パターンが、流産を特徴付ける可能性があるインジケータとなり得る。例え日中及び/又は夜間の皮膚温度は、流産(例えば早期妊娠喪失を識別及び/又は予測し得る。このように、タイミング図500は、ユーザの体温データと時間(例えば妊娠に関連する複数日にわたる)との間の関係を示す。この点に関して、タイミング図500に示された破線の曲線は、「体温値505」を指すと理解されてよい。この点に関して、タイミング図500に示された実線の曲線は、「体温値の妊娠ベースライン510」を指すと理解されてよい。ユーザの体温値505及び体温値の妊娠ベースライン510は、ベースライン体温に対して相対的であってもよい。
【0138】
場合によっては、システム(例えばリング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ウェアラブルデバイスから、ユーザに関連付けられる生理学的データを受信し得る。生理学的データは、少なくとも体温値505を含んでよい。システムは、受信した体温データに基づいて、複数日にわたって取得される体温値505の時系列を決定し得る。タイミング図500を参照すると、複数日は、少なくとも3ヶ月(例えば妊娠開始前の1ヶ月と妊娠開始後の2ヶ月)の例であってよい。システムは、早期妊娠喪失520の指標を検出するために、元の時系列体温データ(例えば体温値505)を処理し得る。場合によっては、時系列は、システム内のユーザによってタグ付けされた複数のイベントを含んでもよい。例えば時系列は妊娠の指標515を含んでよい。場合によっては、妊娠の指標515は、システムによって連続的に収集された生理学的データに基づいて、ユーザ入力に基づいて、又はその両方に基づいて、システムによって決定され得る。
【0139】
体温値505は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、夜間を通じて連続的に行われてよい。例えばいくつかの実装では、リングは、毎日/睡眠日の全体にわたって1つ以上の測定周期に従って連続的に生理学的データ(例えば体温データ、睡眠データ、心拍数、HRVデータ、呼吸数データ、METデータ、睡眠データ等)を取得するように構成されてよい。言い換えると、リングは、そのような測定を行うための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性のある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉することがある。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては、又はユーザが1日に1回手動で体温を測っていた場合には提供されない可能性がある、追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉することがある。
【0140】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの相対的体温を何日も観察し、流産を示す可能性がある、妊娠ベースライン(例えば体温値の妊娠ベースライン510)に対する体温の低下をマークすることによって、早期妊娠喪失520の指標を識別及び/又は予測し得る。早期妊娠喪失520の指標は、少なくとも1日、複数日、1週間又は複数週を含む時間期間(例えばタイムスパン)を含んでもよい。このような場合、早期妊娠喪失520の指標は、開始日及び終了日を含んでよい。早期妊娠喪失520の指標は、以前に発生したか又は現在発生している検出された流産、及び/又は将来発生する可能性が高い予測された流産の例であってもよい。
【0141】
システムは、体温値505がユーザの体温値の妊娠ベースライン510よりも低いことを識別したことに基づいて、体温値505の時系列において早期妊娠喪失520の指標を識別及び/又は予測し得る。例えばシステムは、時系列を決定した後に体温値505を識別し、体温値の妊娠ベースライン510を識別してよい。システムは、体温値505が、ユーザの体温値の妊娠ベースライン510よりも低いことを識別したことに応答して、ユーザの早期妊娠喪失520の指標を検出してよい。
【0142】
場合によっては、体温値505は、妊娠の指標515の後に、ユーザの体温値の妊娠ベースライン510から逸脱することがある。例えば妊娠の指標515を識別した後、システムは、体温値505の妊娠ベースラインからの体温値510の偏差(例えばより小さい)を決定し得る。システムは、時系列を決定したことに応答して、ユーザの体温値の妊娠ベースライン510に対する体温値505の時系列の偏差を計算し得る。偏差は、ユーザの体温値の妊娠ベースライン510からの体温値505の減少を含んでよい。そのような場合、体温値505が体温値の妊娠ベースライン510より低いことを識別することは、偏差を計算することに応答する。
【0143】
場合によっては、システムは、リングを介して収集されたユーザの体温値505の時系列を決定した後に、ユーザの体温の最大値及び/又は最小値を決定又は推定し得る。システムは、最大値及び/又は最小値を決定したことに基づいて、体温値505の時系列の1つ以上の正の傾き530を識別し得る。場合によっては、最大値と最小値の差を計算することにより、正の傾き530を決定してもよい。他の例では、体温値505の時系列の1つ以上の正の傾き530を識別することは、元の時系列体温データ(例えば体温値505)の導関数を計算することに応答し得る。
【0144】
システムは、最大値及び/又は最小値を決定することに基づいて、体温値の妊娠ベースライン510の時系列の1つ以上の正の傾き525を識別し得る。場合によっては、最大値と最小値との間の差を計算することにより、正の傾き525を決定し得る。他の例では、体温値の妊娠ベースライン510の時系列の1つ以上の正の傾き525を識別することは、体温値の妊娠ベースライン510の導関数を計算することに応答してもよい。
【0145】
いくつかの実装では、システムは、時系列を決定することに応答して、体温値505の1つ以上の正の傾き530が、ユーザの体温値の妊娠ベースライン510に対する正の傾き525よりも低いことを識別し得る。例えば体温値505の傾き530は、ユーザの体温の妊娠ベースライン510の傾き525より低いことがある。場合によっては、体温値505の傾き530の程度(例えば傾きの角度)は、ユーザの体温値の妊娠ベースライン510の傾斜525の程度よりも小さいことがある。このような場合、体温値505が、ユーザの体温値の妊娠ベースライン510よりも低いことを識別することは、1つ以上の正の傾き530が、ユーザの体温値の妊娠ベースライン510の正の傾き525よりも低いことを識別することに応答する。例えばユーザの体温値の妊娠ベースライン510と比較して、体温値505に対して、体温上昇は低く、体温低下はより早く起こる。このような場合、流産を経験しているか又は経験することが予測されるユーザの体温パターンは、満期妊娠を経験しているユーザの体温パターンとは異なる。
【0146】
本明細書で更に詳細に説明されるように、システムは、月経周期、排卵、妊娠等を追跡するように構成され得る。場合によっては、夜間を通してのユーザの体温パターンは、流産を特徴付ける可能性があるインジケータとなり得る。例えば夜間の皮膚温度は、早期妊娠喪失520の指標を識別し得る。このように、タイミング図500は、ユーザの体温データと時間(例えば複数の月にわたる)との間の関係を示す。
【0147】
場合によっては、システムは、体温値505がユーザの体温値の妊娠ベースライン510よりも低いことを識別したことに応答して、将来の早期妊娠喪失520の可能性520、ユーザが早期妊娠喪失520を経験することになる可能性、又はその両方を推定し得る。このような場合、システムは、早期妊娠喪失520の指標を予測し、早期妊娠喪失520の指標を検出し、又はその両方を行うことができる。
【0148】
図6は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするGUI600の一例を示す。GUI600は、システム100、システム200、システム300、タイミング図400、タイミング図500又は任意のそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらによって実装されてもよい。例えばGUI600は、ユーザ102に対応するユーザデバイス106(例えばユーザデバイス106-a、106-b、106-c)のGUI275の一例であってよい。
【0149】
いくつかの例では、GUI600は、GUI600(例えば図2に示されるGUI275)を介してユーザに表示され得る一連のアプリケーションページ605を示してよい。システムのサーバは、ユーザデバイス(例えばモバイルデバイス)のGUI600に、ユーザが妊娠モードを起動し、(例えばアプリケーションページ605を介して)その妊娠を追跡したいかどうかの問い合わせを表示させてよい。そのような場合、システムは、ユーザデバイスのGUI600上で個人化された追跡経験を生成して、コンテキストタグ又はユーザ質問に基づいて、妊娠喪失のリスクを予測し、又は妊娠がもはや存続可能(viable)でないときを検出し得る。
【0150】
上記の例を続けると、ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出する前に、ウェアラブルアプリケーションを開くと、ユーザにアプリケーションページが提示され得る。アプリケーションページ605は、妊娠モードを起動し、システムが妊娠を追跡することを可能にする要求を表示し得る。このような場合、アプリケーションページ605は、妊娠追跡アプリケーションに登録するようにユーザが招待される招待カードを表示してよい。アプリケーションページ605は、妊娠を追跡してよいかどうかを確かめるか、又は妊娠を追跡しない場合にはメッセージを閉じるように、ユーザにプロンプトを表示してよい。システムは、ユーザが妊娠の追跡にオプトインすることを選択するか又は妊娠の追跡にオプトアウトすることを選択するかの指示を受信し得る。
【0151】
妊娠の追跡に対して「はい」を選択すると、ユーザにはアプリケーションページ605が提示され得る。アプリケーションページ605は、妊娠を追跡する主な理由を確かめるためにユーザにプロンプトを表示してもよい。このような場合、アプリケーションページ605は、妊娠を追跡する意図を確認するようにユーザに促してもよい。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、妊娠追跡システムの意図される用途の確認を受信し得る。
【0152】
場合によっては、意図を確認すると、ユーザにアプリケーションページ605が提示され得る。アプリケーションページ605は、受胎日(day of conception)、出産予定日(due date)等を確かめるためにユーザにプロンプトを表示してもよい。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、出産予定日の確認を受信し得る。場合によっては、アプリケーションページ605は、出産予定日が決まっていなことがあるかどうかを示すプロンプトをユーザに表示してもよい。
【0153】
場合によっては、出産予定日を確認すると、ユーザにアプリケーションページ605が提示され得る。アプリケーションページは、ユーザが、いずれかの妊娠に関連する合併症、いずれかの既存の医学的状態、妊娠を達成するために用いたいずれかの不妊治療、ユーザのいずれかの睡眠障害(例えばユーザがシフトワーカであるかどうか)等を経験しているかどうかを確かめるためのプロンプトをユーザに表示し得る。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、ユーザが、いずれかの妊娠に関連する合併症、いずれかの既存の医学的状態、妊娠を達成するために用いたいずれかの不妊治療、ユーザのいずれかの睡眠障害(例えばユーザがシフトワーカであるかどうか)等を経験しているかどうかを確認を受信し得る。確認を受信すると、ユーザにはGUI600が提示されてよく、GUI600は、アプリケーションページ605を参照して更に示され、説明され得る。
【0154】
システムのサーバは、ユーザデバイス上のGUI600上に表示するために、早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成し得る。例えばシステムのサーバは、ユーザデバイス(例えばモバイルデバイス)のGUI600に、早期妊娠喪失の指標に関連付けられるメッセージ620を(例えばアプリケーションページ605を介して)表示させ得る。このような場合、システムは、ユーザデバイスのGUI600上に早期妊娠喪失の指標を出力して、妊娠がもはや存続可能でないこと、ユーザが妊娠喪失のリスクを経験していること及び/又は将来、妊娠喪失が予測されることを示してよい。
【0155】
上記の例を続けると、ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出すると、ウェアラブルアプリケーションを開く際に、ユーザにアプリケーションページ605が提示され得る。図6に示されるように、アプリケーションページ605は、メッセージ620を介して、早期妊娠喪失が予測及び/又は識別されたという指標を表示し得る。このような場合、アプリケーションページ605は、ホームページ上にメッセージ620を含んでよい。ユーザの早期妊娠喪失が予測及び/又は識別される場合、本明細書で説明されるように、サーバは、メッセージ620をユーザに送信してよく、ここで、メッセージ620は、予測及び/又は識別された早期妊娠喪失に関連付けられる。場合によっては、サーバは、メッセージ620を、臨床医、不妊治療専門医、介護者、ユーザのパートナー又はこれらの組合せに送信してよい。このような場合、システムは、臨床医、不妊治療専門医、介護者、パートナー又はこれらの組合せに関連付けられるユーザデバイス上にアプリケーションページ605を提示してよい。
【0156】
例えばユーザは、メッセージ620を受信してよく、該メッセージは、早期妊娠喪失が起こった時間間隔、早期妊娠喪失が予測される時間間隔、早期妊娠喪失に関連付けられる症状を入力する要求、早期妊娠喪失に関連付けられる教育コンテンツ、睡眠目標の調整されたセット、活動目標の調整されたセット、早期妊娠喪失に関連付けられる症状を改善するための推奨等を示してよい。例えばメッセージ620は、妊娠喪失のリスクを示してよい。メッセージは、ユーザが、本明細書で前述したように、早期妊娠喪失の予測及び識別に基づいて、異なるメッセージ620を受信し得るように、構成可能/カスタマイズ可能であり得る。
【0157】
図6に示されるように、アプリケーションページ605は、アラート610を介して、早期妊娠喪失の指標を表示し得る。ユーザは、アラート610を受信することがあり、該アラートは、早期妊娠喪失が起こったかどうかを確かめるように、又は早期妊娠喪失が起こっていない場合にはアラート610を却下するように、ユーザに促してよい。このような場合、アプリケーションページ605は、早期妊娠喪失を確認するか又は却下する(例えばシステムが早期妊娠喪失の指標を正しく検出したかどうかを確認/否定する、かつ/又は臨床医を介して妊娠喪失が確認されたかどうかを確認/否定する)ようにユーザに促すことができる。例えばシステムは、ユーザデバイスを介して、早期妊娠喪失の指標を検出したことに応答して、妊娠喪失の確認を受信してよい。
【0158】
加えて、いくつかの実装では、アプリケーションページ605は、それぞれの日についてのユーザの1つ以上のスコア(例えば睡眠スコア、準備スコア等)を表示してよい。さらに、場合によっては、予測及び/又は識別された妊娠喪失を使用して、ユーザに関連付けられる1つ以上のスコア(例えば睡眠スコア、準備スコア等)を更新(例えば修正)してもよい。すなわち、予測及び/又は識別された妊娠喪失に関連付けられるデータを使用して、後続の暦日についてユーザのスコアを更新してもよい。このような場合、システムは、アラート610を介してスコア更新をユーザに通知してよい。
【0159】
場合によっては、準備スコアは、検出された早期妊娠喪失の指標に基づいて更新されてよい。そのような場合、準備スコアは、予測及び/又は識別された妊娠喪失に基づいて「要注意」をユーザに示してよい。ユーザについて準備スコアが変わる場合、システムは、周期症状(cycle symptoms)が重い可能性があるユーザに対して回復モードを実装してよく、数日間の調整されたアクティビティと準備ガイダンスの恩恵を受け得る。他の例では、準備スコアは、睡眠スコアに基づいて更新されてもよい。しかしながら、システムは、ユーザが流産を経験しているか又は流産を経験することが予測されると判断することがあり、流産の影響を相殺するために、準備スコア、睡眠スコア及び/又は活動スコアを調整することがある。
【0160】
場合によっては、ユーザデバイスのGUI600を介してユーザに表示されるメッセージ620は、予測及び/又は識別された早期妊娠喪失が全体的なスコア(例えば全体的な準備スコア)及び/又は個々の寄与要因にどのように影響したかを示してよい。例えばメッセージは、「現在、身体に負担がかかっているようですが、気分が良ければ、軽度又は中強度の運動をすることは、身体が症状と戦うのに役立つ可能性があります(It looks like your body is under strain right now, but if you’re feeling ok, doing a light or medium intensity exercise can help your body battle the symptoms)」又は「回復メトリクスからは、身体はまだ大丈夫なようですので、軽い運動が症状を軽減するのに役立つ可能性があります。明日は気分が良くなるといいですね!(From your recovery metrics it looks like your body is still doing ok, so some light activity can help relieve the symptoms. Hope you’ll feel better tomorrow!)」を示してもよい。早期妊娠喪失が予測及び/又は識別された場合、メッセージ620は、ユーザのユーザ履歴、ユーザのグループ、一般知識又はそれらの組合せに基づいてユーザの全体的な健康を改善するために、ユーザに提案を提供してもよい。例えばメッセージは、「本当に活力がないと感じているのであれば、今日は休息モードに切り替えてみませんか(“If you feel really low on energy, why not switch to rest mode for today)」又は「腹痛と痛みがあるので、今日は休息に専念してください(Since you have cramps and pain, devote today for rest)」を示してもよい。そのような場合、ユーザに表示されるメッセージ620は、ユーザがライフスタイルを調整するのを助けるための、的を絞った洞察を提供することができる。
【0161】
アプリケーションページ605は、グラフ表示615を介して、妊娠喪失の間にユーザが経験した体温、心拍数、HRV、呼吸数、睡眠データ等を含む、1つ以上のパラメータを示し得る。グラフ表示615は、図4を参照して説明したタイミング図400の例であってよい。このような場合、システムは、ユーザデバイスのGUI600に、検出された妊娠喪失の指標に関連付けられるメッセージ620、アラート610又はグラフ表示615を表示させてよい。
【0162】
場合によっては、ユーザは、ユーザ入力625を介して症状を記録してよい。例えばシステムは、妊娠喪失に関連付けられる症状等(例えば流れ(flow)、腹痛、頭痛、偏頭痛、痛み等)を記録するために、ユーザ入力(例えばタグ)を受信し得る。システムは、ユーザのユーザ履歴、ユーザのグループ、予測及び/又は識別された早期妊娠喪失又はそれらの組合せに基づいて、ユーザにタグを推奨し得る。場合によっては、システムは、ユーザデバイスのGUI600に、以前のユーザ症状タグと、早期妊娠喪失のタイミングとの間の相関関係に基づいて、症状タグを表示させてもよい。
【0163】
アプリケーションページ605はまた、予測及び/又は識別された早期妊娠喪失に関連付けられる洞察や推奨等を含むメッセージ620も含み得る。システムのサーバは、ユーザデバイスのGUI600に、予測及び/又は識別された早期妊娠喪失に関連付けられるメッセージ620を表示させ得る。ユーザデバイスは、メッセージ620を介して、予測及び/又は識別された早期妊娠喪失に関連付けられる推奨及び/又は情報を表示し得る。本明細書で以前に述べたように、正確に予測及び/又は識別された早期妊娠喪失は、ユーザの全体的な健康と回復プロセスに有益であり得る。
【0164】
いくつかの実装では、システムは、ユーザの予測及び/又は識別された妊娠喪失に関する追加の洞察を提供し得る。例えばアプリケーションページ605は、妊娠ベースラインに対して低下した体温等のような、ユーザの予測及び/又は識別された早期妊娠喪失をもたらした、1つ以上の生理学的パラメータ(例えば寄与要因)を示してよい。言い換えると、システムは、予測及び/又は識別された早期妊娠喪失に関する何らかの情報又は他の洞察を提供するように構成され得る。個人化された洞察は、予測及び/又は識別された早期妊娠喪失を生成するために使用された、収集された生理学的データの側面(例えば生理学的データ内の寄与要因)を示し得る。
【0165】
いくつかの実装では、システムは、分類器をトレーニングし(例えば機械学習分類器のための教師あり学習)、妊娠喪失の決定及び/又は予測技術を改善するために、識別及び/又は予測された早期妊娠喪失に関するユーザ入力を受信するように構成され得る。例えばユーザデバイスは、ユーザ入力625を受信してよく、これらのユーザ入力625は次いで、分類器に入力されて、分類器をトレーニングし得る。いくつかの例では、システムは、検出された妊娠喪失の指標を使用して、システムをトレーニングし、ユーザ及び/又は他のユーザの将来の妊娠喪失をより正確に及び/又は精密に予測し得る。例えばシステムが最初に予測しなかった妊娠喪失にユーザがタグ付けする場合、システムは、妊娠喪失を示すパターンを検出し、そのパターンをユーザ又はユーザのグループの将来の妊娠に適用してよい。
【0166】
アプリケーションページ605上で早期妊娠喪失を予測及び/又は識別すると、GUI600は、ユーザがアプリケーションページ605を見ている現在の日付と、早期妊娠喪失が予測及び/又は識別される日付を含む日付範囲と、早期妊娠喪失が予測及び/又は識別される日付を含む日付範囲とを指示し得る、カレンダービューを表示し得る。例えば日付範囲は、破線構成を使用して暦日を囲んでよく、現在の日付は暦日を囲んでよく、早期妊娠喪失が予測される日付が囲まれてもよい。カレンダービューはまた、現在の暦日と、ユーザの妊娠の日(例えばユーザが妊娠8週目であること)の指標とを含むメッセージを含んでもよい。
【0167】
図7は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするデバイス705のブロック図700を示す。デバイス705は、入力モジュール710、出力モジュール715及びウェアラブルアプリケーション720を含んでよい。デバイス705はまた、プロセッサも含んでもよい。これらの構成要素の各々は、(例えば1つ以上のバスを介して)互いに通信し得る。
【0168】
入力モジュール710は、様々な情報チャネル(例えば制御チャネル、データチャネル、疾患検出技術に関連する情報チャネル)に関連付けられるパケット、ユーザデータ、制御情報又はそれらの任意の組合せのような情報を受信するための手段を提供し得る。情報は、デバイス705の他の構成要素に渡されてもよい。入力モジュール710は、単一のアンテナ又は複数のアンテナのセットを利用してよい。
【0169】
出力モジュール715は、デバイス705の他の構成要素によって生成された信号を送信するための手段を提供し得る。例えば出力モジュール715は、様々な情報チャネル(例えば制御チャネル、データチャネル、疾患検出技術に関連する情報チャネル)に関連付けられるパケット、ユーザデータ、制御情報又はそれらの任意の組合せのような情報を送信してよい。いくつかの例では、出力モジュール715は、トランシーバモジュール内の入力モジュール710と同じ場所に配置されてもよい。出力モジュール715は、単一のアンテナ又は複数のアンテナのセットを利用してよい。
【0170】
例えばウェアラブルアプリケーション720は、データ取得構成要素725、体温データ構成要素730、計算構成要素735、流産構成要素740、ユーザインタフェース構成要素745又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。いくつかの例では、ウェアラブルアプリケーション720又はその様々な構成要素は、入力モジュール710、出力モジュール715又はその両方を使用して又は他の方法でこれらと協力して、様々な動作(例えば受信、モニタ、送信)を実行するように構成されてもよい。例えばウェアラブルアプリケーション720は、入力モジュール710から情報を受信し、出力モジュール715に情報を送信し、あるいは入力モジュール710、出力モジュール715又はその両方と組み合わせて統合されて、情報を受信し、情報を送信し、又は本明細書で説明されるような様々な他の動作を実行してもよい。
【0171】
データ取得構成要素725は、ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。体温データ構成要素730は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。計算構成要素735は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値が、ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。流産構成要素740は、複数の体温値が、ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。ユーザインタフェース構成要素745は、ユーザデバイス上のグラフィカルユーザインタフェース上に表示するために、早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0172】
図8は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするウェアラブルアプリケーション820のブロック図800を示す。ウェアラブルアプリケーション820は、本明細書で説明されるように、ウェアラブルアプリケーション又はウェアラブルアプリケーション720、あるいはその両方の態様の例であってよい。ウェアラブルアプリケーション820又はその様々な構成要素は、本明細書で説明されるようなウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測の様々な態様を実行するための手段の例であり得る。例えばウェアラブルアプリケーション820は、データ取得構成要素825、体温データ構成要素830、計算構成要素835、流産構成要素840、ユーザインタフェース構成要素845又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。これらの構成要素の各々は、直接的又は間接的に、互いに(例えば1つ以上のバスを介して)通信し得る。
【0173】
データ取得構成要素825は、ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。体温データ構成要素830は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。計算構成要素835は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値が、ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。流産構成要素840は、複数の体温値が、ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。ユーザインタフェース構成要素845は、ユーザデバイス上のグラフィカルユーザインタフェース上に表示するために、早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0174】
いくつかの例では、計算構成要素835は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの体温値の妊娠ベースラインに対して複数の体温値の時系列における偏差を計算するための手段として構成されてよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、偏差は、ユーザの体温値の妊娠ベースラインからの複数の体温値の低下を含み、複数の体温値が、体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別することは、偏差を計算することに少なくとも部分的に基づく。
【0175】
いくつかの例では、計算構成要素835は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の1つ以上の正の傾きが、ユーザの体温値の妊娠ベースラインの正の傾きよりも低いことを識別するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、複数の体温値が、ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別することは、1つ以上の正の傾きが、ユーザの体温値の妊娠ベースラインの正の傾きよりも低いことを識別することに少なくとも部分的に基づく。
【0176】
いくつかの例では、生理学的データは、心拍数データを更に含み、データ取得構成要素825は、複数日の少なくとも一部の間に、受信した心拍数データがユーザの妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、早期妊娠喪失の指標を検出することは、受信した心拍数データが、ユーザの妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0177】
いくつかの例では、生理学的データは、心拍数変動データを更に含み、データ取得構成要素825は、複数日の少なくとも一部の間に、受信した心拍数変動データがユーザの妊娠ベースライン心拍数変動を下回ることを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、早期妊娠喪失の指標を検出することは、受信した心拍数変動データが、ユーザの妊娠ベースライン心拍数変動を満たすと決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0178】
いくつかの例では、生理学的データは、呼吸数データを更に含み、データ取得構成要素825は、複数日の少なくとも一部の間に、受信した呼吸数データがユーザの妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、早期妊娠喪失の指標を検出することは、受信した呼吸数データが、ユーザの妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0179】
いくつかの例では、生理学的データは、睡眠データを更に含み、データ取得構成要素825は、複数日の少なくとも一部の間に、受信した睡眠データからの検出された睡眠障害の量がユーザの妊娠ベースライン睡眠障害閾値を超えることを決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、早期妊娠喪失の指標を検出することは、検出された睡眠障害の量がユーザの妊娠ベースライン睡眠障害閾値を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0180】
いくつかの例では、流産構成要素840は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、妊娠後のある時間期間内の月経周期の存在を識別するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、早期妊娠喪失の指標を検出することは、月経周期の存在を識別することに少なくとも部分的に基づく。
【0181】
いくつかの例では、ユーザインタフェース構成要素845は、妊娠後のある時間期間内の月経周期の確認、妊娠喪失の確認又はその両方を受信するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、早期妊娠喪失の指標を検出することは、上記確認を受信することに少なくとも部分的に基づく。
【0182】
いくつかの例では、体温データ構成要素830は、体温データを受信することに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の各体温値を決定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、体温データは、連続的な夜間体温データを含む。
【0183】
いくつかの例では、流産構成要素840は、複数の体温値が、ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、将来の早期妊娠喪失の可能性、ユーザが早期妊娠喪失を経験することになる可能性又はその両方を推定するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、早期妊娠喪失の指標を検出することは、上記推定に少なくとも部分的に基づく。
【0184】
いくつかの例では、計算構成要素835は、早期妊娠喪失の指標を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連付けられる準備スコア、ユーザに関連付けられる活動スコア、ユーザに関連付けられる睡眠スコア又はそれらの組合せを更新するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0185】
いくつかの例では、ユーザインタフェース構成要素845は、早期妊娠喪失の指標を示すメッセージをユーザデバイスに送信するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、ユーザデバイスは、臨床医、ユーザ又はその両方に関連付けられる。
【0186】
いくつかの例では、ユーザインタフェース構成要素845は、早期妊娠喪失の指標を検出したことに基づいて、ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、早期妊娠喪失症状タグを表示させるための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0187】
いくつかの例では、ユーザインタフェース構成要素845は、ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、早期妊娠喪失の指標を表示させるための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0188】
いくつかの例では、メッセージは、早期妊娠喪失が起こった時間間隔、早期妊娠喪失が起こることが予測される時間間隔、早期妊娠喪失に関連付けられる症状を入力する要求、早期妊娠喪失に関連付けら得る教育コンテンツ、睡眠目標の調整されたセット、活動目標の調整されたセット、早期妊娠喪失に関連付けられる症状を改善するための推奨又はそれらの組合せを更に含む。
【0189】
いくつかの例では、計算構成要素835は、機械学習分類器に生理学的データを入力するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよく、ここで、早期妊娠喪失の指標を検出することは、機械学習分類器に生理学的データを入力することに少なくとも部分的に基づく。
【0190】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0191】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて、ユーザから生理学的データを収集する。
【0192】
図9は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートするデバイス905を含むシステム900の図を示す。デバイス905は、本明細書で説明されるようなデバイス705の構成要素の一例であってもよく、あるいはその構成要素を含んでもよい。デバイス905は、本明細書で前述したようなユーザデバイス106の例を含んでよい。デバイス905は、ウェアラブルアプリケーション920、通信モジュール910、アンテナ915、ユーザインタフェース構成要素925、データベース(アプリケーションデータ)930、メモリ935及びプロセッサ940のような、ウェアラブルデバイス104及びサーバ110との通信を送受信するための構成要素を含む、双方向通信のための構成要素を含み得る。これらの構成要素は、電子的に通信しているか、又は他の方法で1つ以上のバス(例えばバス945)を介して(例えば動作的に、通信的に、機能的に、電子的に、電気的に)結合されていてもよい。
【0193】
通信モジュール910は、アンテナ915を介して、デバイス905のための入力信号及び出力信号を管理し得る。通信モジュール910は、図2に示して説明したユーザデバイス106の通信モジュール220-bの一例を含んでよい。この点に関して、通信モジュール910は、図2に図示されるように、リング104及びサーバ110との通信を管理し得る。通信モジュール910は、デバイス905に統合されていない周辺機器も管理し得る。場合によっては、通信モジュール910は、外部周辺機器への物理的な接続又はポートを表してよい。場合によっては、通信モジュール910は、iOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、MS-DOS(登録商標)、MS-WINDOWS(登録商標)、OS/2(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)又は別の既知のオペレーティングシステムのようなオペレーティングシステムを利用してよい。他の場合には、通信モジュール910は、ウェアラブルデバイス(例えばリング104)、モデム、キーボード、マウス、タッチスクリーン又は類似のデバイスを表すか又はそれらと対話してよい。場合によっては、通信モジュール910は、プロセッサ940の一部として実装されてもよい。いくつかの例では、ユーザは、通信モジュール910、ユーザインタフェース構成要素925を介して、あるいは通信モジュール910によって制御されるハードウェア構成要素を介して、デバイス905と対話してよい。
【0194】
場合によっては、デバイス905は、単一のアンテナ915を含んでよい。しかしながら、他のいくつかの場合では、デバイス905は、2つ以上のアンテナ915を有してもよく、これらは、複数の無線伝送を同時に送信又は受信することができる。通信モジュール910は、1つ以上のアンテナ915を介して、本明細書で説明されるように、有線リンク又は無線リンクを介して、双方向に通信してよい。例えば通信モジュール910は、無線トランシーバを表してよく、別の無線トランシーバと双方向に通信してよい。通信モジュール910はまた、パケットを変調し、変調されたパケットを伝送のために1つ以上のアンテナ915に提供し、1つ以上のアンテナ915から受信されたパケットを復調するためのモデムも含んでよい。
【0195】
ユーザインタフェース構成要素925は、データベース930内のデータ記憶及び処理を管理し得る。場合によっては、ユーザは、ユーザインタフェース構成要素925と対話してもよい。他の場合には、ユーザインタフェース構成要素925は、ユーザ対話なしに自動的に動作してもよい。データベース930は、単一のデータベース、分散データベース、複数の分散データベース、データストア、データレイク又は緊急バックアップデータベースの例であってよい。
【0196】
メモリ935は、RAM及びROMを含んでもよい。メモリ935は、実行されると、プロセッサ940に本明細書で説明される様々な機能を実行させる命令を含む、コンピュータ読取可能でコンピュータ実行可能なソフトウェアを記憶し得る。場合によっては、メモリ935は、他の中でも特に、周辺の構成要素又はデバイスとの対話のような基本的なハードウェア又はソフトウェア動作を制御し得る、BIOSを含んでよい。
【0197】
プロセッサ940は、インテリジェントハードウェアデバイス(例えば汎用プロセッサ、DSP、CPU、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理構成要素、離散ハードウェア構成要素、又はそれらの任意の組合せ)を含んでもよい。場合によっては、プロセッサ940は、メモリコントローラを使用してメモリアレイを動作させるように構成されてもよい。他の場合には、メモリコントローラはプロセッサ940に組み込まれてもよい。プロセッサ940は、メモリ935に記憶されたコンピュータ読取可能命令を実行して、様々な機能(例えば睡眠段階アルゴリズムのための方法及びシステムをサポートする機能又はタスク)を実行するように構成されてもよい。
【0198】
例えばウェアラブルアプリケーション920は、ウェアラブルデバイスからユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための手段として構成されてよく、又は他の方法でそのような手段をサポートしてよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。ウェアラブルアプリケーション920は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するための手段として構成されてよく、又は他の方法でそのような手段をサポートしてよい。ウェアラブルアプリケーション920は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値がユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別するための手段として構成されてよく、又は他の方法でそのような手段をサポートしてもよい。ウェアラブルアプリケーション920は、複数の体温値がユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの早期妊娠喪失の指標を識別するための手段として構成されてよく、又は他の方法でそのような手段をサポートしてもよい。ウェアラブルアプリケーション920は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェース上に表示するために、早期妊娠喪失の指標を示すユメッセージを生成するための手段として構成されてよく、又は他の方法でそのような手段をサポートしてもよい。
【0199】
本明細書で説明される実施例に従ってウェアラブルアプリケーション920を含めるか又は構成することによって、デバイス905は、改善された通信信頼性、低減されたレイテンシ、低減された処理に関連する改善されたユーザ体験、低減された電力消費、通信リソースのより効率的な利用、デバイス間の改善された協調、より長いバッテリ寿命及び処理能力の改善された利用のための技術をサポートし得る。
【0200】
ウェアラブルアプリケーション920は、アプリケーション(例えば「app」)、プログラム、ソフトウェア又は他の構成要素を含んでよく、これらは、リング104、サーバ110、他のユーザデバイス106等との通信を容易にするように構成される。例えばウェアラブルアプリケーション920は、リング104からデータ(例えば生理学的データ)を受信し、受信したデータに対して処理動作を実行し、サーバ110とデータを送受信し、ユーザ102にデータを提示させるように構成される、ユーザデバイス106上で実行可能なアプリケーションを含んでよい。
【0201】
図10は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートする方法1000を示すフローチャートである。方法1000の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてよい。例えば方法1000の動作は、図1から図9を参照して説明したようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御する命令のセットを実行してもよい。追加的又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0202】
1005において、本方法は、ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受信するステップを含んでよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。1005の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1005の動作の態様は、図8を参照して説明したように、データ取得構成要素825によって実行されてよい。
【0203】
1010において、本方法は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得される複数の体温値の時系列を決定するステップを含んでよい。1010の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1010の動作の態様は、図8を参照して説明したように、体温データ構成要素830によって実行されてよい。
【0204】
1015において、本方法は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値がユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別するステップを含んでよい。1015の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1015の動作の態様は、図8を参照して説明したように、計算構成要素835によって実行されてよい。
【0205】
1020において、本方法は、複数の体温値がユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出するステップを含んでよい。1020の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1020の動作の態様は、図8を参照して説明したように、流産構成要素840によって実行されてよい。
【0206】
1025において、本方法は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成するステップを含んでよい。1025の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1025の動作の態様は、図8を参照して説明したように、ユーザインタフェース構成要素845によって実行されてよい。
【0207】
図11は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートする方法1100を示すフローチャートである。方法1100の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてよい。例えば方法1100の動作は、図1から図9を参照して説明したようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御する命令のセットを実行してもよい。追加的又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0208】
1105において、本方法は、ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受信するステップを含んでよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。1105の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1105の動作の態様は、図8を参照して説明したように、データ取得構成要素825によって実行されてよい。
【0209】
1110において、本方法は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得される複数の体温値の時系列を決定するステップを含んでよい。1110の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1110の動作の態様は、図8を参照して説明したように、体温データ構成要素830によって実行されてよい。
【0210】
1115において、本方法は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの体温値の妊娠ベースラインに対する複数の体温値の時系列における偏差を計算するステップを含んでよく、ここで、偏差は、ユーザの体温値の妊娠ベースラインからの複数の体温値の低下を含み、複数の体温値が、体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別することは、偏差を計算することに少なくとも部分的に基づく。1115の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1115の動作の態様は、図8を参照して説明したように、計算構成要素835によって実行されてよい。
【0211】
1120において、本方法は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値がユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別するステップを含んでよい。1120の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1120の動作の態様は、図8を参照して説明したように、計算構成要素835によって実行されてよい。
【0212】
1125において、本方法は、複数の体温値がユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出するステップを含んでよい。1125の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1125の動作の態様は、図8を参照して説明したように、流産構成要素840によって実行されてよい。
【0213】
1130において、本方法は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成するステップを含んでよい。1130の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1130の動作の態様は、図8を参照して説明したように、ユーザインタフェース構成要素845によって実行されてよい。
【0214】
図12は、本開示の態様による、ウェアラブルベースの生理学的データからの流産の識別と予測をサポートする方法1200を示すフローチャートである。方法1200の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてよい。例えば方法1200の動作は、図1から図9を参照して説明したようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御する命令のセットを実行してもよい。追加的又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0215】
1205において、本方法は、ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受信するステップを含んでよく、生理学的データは、少なくとも体温データを含む。1205の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1205の動作の態様は、図8を参照して説明したように、データ取得構成要素825によって実行されてよい。
【0216】
1210において、本方法は、受信した体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得される複数の体温値の時系列を決定するステップを含んでよい。1210の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1210の動作の態様は、図8を参照して説明したように、体温データ構成要素830によって実行されてよい。
【0217】
1215において、本方法は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値の1つ以上の正の傾きが、ユーザの体温値の妊娠ベースラインの正の傾きよりも低いことを識別するステップを含んでよく、ここで、複数の体温値が、ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別することは、1つ以上の正の傾きが、ユーザの体温値の妊娠ベースラインの正の傾きよりも低いことを識別することに少なくとも部分的に基づく。1215の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1215の動作の態様は、図8を参照して説明したように、計算構成要素835によって実行されてよい。
【0218】
1220において、本方法は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、複数の体温値がユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別するステップを含んでよい。1220の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1220の動作の態様は、図8を参照して説明したように、計算構成要素835によって実行されてよい。
【0219】
1225において、本方法は、複数の体温値がユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出するステップを含んでよい。1225の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1225の動作の態様は、図8を参照して説明したように、流産構成要素840によって実行されてよい。
【0220】
1230において、本方法は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成するステップを含んでよい。1230の動作は、本明細書に開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例では、1230の動作の態様は、図8を参照して説明したように、ユーザインタフェース構成要素845によって実行されてよい。
【0221】
上述の方法は、可能な実装を記述しており、動作及びステップは、再配置されるか又は他の方法で修正されてよく、他の実装も可能であることに留意されたい。さらに、上記の方法の2つ以上からの態様を組み合わせてもよい。
【0222】
方法を説明する。本方法は、ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受け取るステップであって、 生理学的データは、少なくとも体温データを含む、ステップと、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するステップと、 時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、 複数の体温値が ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別するステップと、 複数の体温値が ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、 ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出するステップと、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、 早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成するステップと、を含み得る。
【0223】
装置を説明する。本装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令を含み得る。命令は、プロセッサによって実行可能であり、本装置に、ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受け取らせ、 生理学的データは、少なくとも体温データを含み、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定させ、 時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、 複数の体温値が ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別させ、 複数の体温値が ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、 ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出させ、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、 早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成させ得る。
【0224】
別の装置を説明する。本装置は、ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受け取る手段であって、 生理学的データは、少なくとも体温データを含む手段と、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定する手段と、 時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、 複数の体温値が ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別する手段と、 複数の体温値が ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、 ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出する手段と、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、 早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成する手段と、を含み得る。
【0225】
コードを記憶する非一時的コンピュータ読取可能媒体を説明する。コードは、プロセッサによって実行可能な命令であって、ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受け取り、 生理学的データは、少なくとも体温データを含み、受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定し、 時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、 複数の体温値が ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別し、 複数の体温値が ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、 ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出し、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、 早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成するための命令を含み得る。
【0226】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、 時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、 ユーザの 体温値の妊娠ベースラインに対する 複数の体温値の 時系列における偏差を計算するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、 偏差は、 ユーザの 体温値の妊娠ベースラインからの 複数の体温値の低下を含み、 複数の体温値が ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別することは、 偏差を計算することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0227】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、 複数の体温値の1つ以上の正の傾きが、 ユーザの体温値の妊娠ベースラインの正の傾きよりも低いことを識別するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、複数の体温値が ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別することは、 1つ以上の正の傾きが、 ユーザの 体温値の妊娠ベースラインの正の傾きよりも低いことを識別することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0228】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、 生理学的データは、心拍数データを更に含み、方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体は、 複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数データが ユーザの妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、 早期妊娠喪失の指標を検出することは、 受け取った心拍数データが、 ユーザの 妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0229】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、 生理学的データは、心拍数変動データを更に含み、方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体は、 複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数変動データが ユーザの妊娠ベースライン心拍数変動を下回ることを決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、 早期妊娠喪失の指標を検出することは、 受け取った心拍数変動データが、閾値を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0230】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、 生理学的データは、呼吸数データを更に含み、方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体は、 複数日の少なくとも一部の間に、受け取った呼吸数データが ユーザの妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、 早期妊娠喪失の指標を検出することは、 受け取った呼吸数データが、 ユーザの 妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0231】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、 生理学的データは、睡眠データを更に含み、方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体は、 複数日の少なくとも一部の間に、受け取った睡眠データからの検出された睡眠障害の量が ユーザの妊娠ベースライン睡眠障害閾値を超えることを決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、 早期妊娠喪失の指標を検出することは、 検出された睡眠障害の量が ユーザの 妊娠ベースライン睡眠障害閾値を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0232】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、 時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、妊娠後のある時間期間内の月経周期の存在を識別するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、 早期妊娠喪失の指標を検出することは、 月経周期の存在を識別することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0233】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、妊娠後のある時間期間内の月経周期の確認、妊娠喪失の確認又はその両方を受け取るための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、 早期妊娠喪失の指標を検出することは、 確認を受け取ることに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0234】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、体温データを受け取ることに少なくとも部分的に基づいて、 複数の体温値の各体温値を決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、 体温データは、連続的な夜間体温データを含む。
【0235】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、複数の体温値が ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことがあると識別したことに少なくとも部分的に基づいて、将来の早期妊娠喪失の可能性、ユーザが早期妊娠喪失を経験することになる可能性又はその両方を推定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、 早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、 推定に少なくとも部分的に基づいてよい。
【0236】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、 早期妊娠喪失の指標を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、 ユーザに関連付けられる準備スコア、 ユーザに関連付けられる活動スコア、 ユーザに関連付けられる睡眠スコア又はそれらの組合せを更新するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよい。
【0237】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、 早期妊娠喪失の指標を示す メッセージを、 ユーザデバイスに送信するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、 ユーザデバイスは、臨床医、 ユーザ又はその両方に関連付けられてよい。
【0238】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、 早期妊娠喪失の指標を検出したことに基づいて、 ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに早期妊娠喪失症状タグを表示させるための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよい。
【0239】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、 ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、 早期妊娠喪失の指標を表示させるための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよい。
【0240】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、 メッセージは、 早期妊娠喪失が起こった時間間隔、 早期妊娠喪失が起こることが予測される時間間隔、 早期妊娠喪失に関連付けられる症状を入力する要求、 早期妊娠喪失に関連付けら得る教育コンテンツ、睡眠目標の調整されたセット、活動目標の調整されたセット、 早期妊娠喪失に関連付けられる症状を改善するための推奨又はそれらの組合せを更に含んでよい。
【0241】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、 生理学的データを機械学習分類器に入力するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでもよく、 早期妊娠喪失の指標を検出することは、 生理学的データを 機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0242】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0243】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて、ユーザから生理学的データを収集する。
【0244】
以下は、本開示の態様の概要を提供する:
【0245】
態様1:ウェアラブルデバイスから、妊娠しているユーザに関連付けられる生理学的データを受け取るステップであって、前記生理学的データは、少なくとも体温データを含む、ステップと;受け取った体温データに少なくとも部分的に基づいて、複数日にわたって取得された複数の体温値の時系列を決定するステップと;前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別するステップと;前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの早期妊娠喪失の指標を検出するステップと;ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示するために、前記早期妊娠喪失の指標を示すメッセージを生成するステップと;を含む、方法。
【0246】
態様2:前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの前記体温値の妊娠ベースラインに対する前記複数の体温値の前記時系列における偏差を計算するステップを更に含み、前記偏差は、前記ユーザの前記体温値の妊娠ベースラインからの前記複数の体温値の低下を含み、前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別するステップは、前記偏差を計算することに少なくとも部分的に基づく、態様1に記載の方法。
【0247】
態様3:前記時系列を決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の1つ以上の正の傾きが、前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインの正の傾きよりも低いことを識別するステップを更に含み、前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインよりも低いことを識別するステップは、前記1つ以上の正の傾きが、前記ユーザの前記体温値の妊娠ベースラインの正の傾きよりも低いことを識別することに少なくとも部分的に基づく、態様1又は2のいずれかに記載の方法。
【0248】
態様4:前記生理学的データは、心拍数データを更に含み、当該方法は、
前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数データが前記ユーザの妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記受け取った心拍数データが、前記ユーザの前記妊娠ベースライン心拍数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至3のいずれかに記載の方法。
【0249】
態様5:前記生理学的データは、心拍数変動データを更に含み、当該方法は、前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った心拍数変動データが前記ユーザの妊娠ベースライン心拍数変動を下回ることを決定するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記受け取った心拍数変動データが、閾値を満たすことを決定することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至4のいずれかに記載の方法。
【0250】
態様6:前記生理学的データは、呼吸数データを更に含み、当該方法は、前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った呼吸数データが前記ユーザの妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記受け取った呼吸数データが、前記ユーザの前記妊娠ベースライン呼吸数を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至5のいずれかに記載の方法。
【0251】
態様7:前記生理学的データは、睡眠データを更に含み、当該方法は、前記複数日の少なくとも一部の間に、受け取った睡眠データからの検出された睡眠障害の量が前記ユーザの妊娠ベースライン睡眠障害閾値を超えることを決定するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記検出された睡眠障害の量が前記ユーザの前記妊娠ベースライン睡眠障害閾値を超えることを決定することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至6のいずれかに記載の方法。
【0252】
態様8:前記時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、妊娠後のある時間期間内の月経周期の存在を識別するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記月経周期の存在を識別することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至7のいずれかに記載の方法。
【0253】
態様9:妊娠後のある時間期間内の月経周期の確認、妊娠喪失の確認又はその両方を受け取るステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記確認を受け取ることに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至8のいずれかに記載の方法。
【0254】
態様10:前記体温データを受け取ることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の体温値の各体温値を決定するステップを更に含み、前記体温データは、連続的な夜間体温データを含む、態様1乃至9のいずれかに記載の方法。
【0255】
態様11:前記複数の体温値が前記ユーザの体温値の妊娠ベースラインより低いことを識別したことに少なくとも部分的に基づいて、将来の早期妊娠喪失の可能性、ユーザが早期妊娠喪失を経験することになる可能性又はその両方を推定するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記推定に少なくとも部分的に基づく、態様1乃至10のいずれかに記載の方法。
【0256】
態様12:前記早期妊娠喪失の指標を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに関連付けられる準備スコア、前記ユーザに関連付けられる活動スコア、前記ユーザに関連付けられる睡眠スコア又はそれらの組合せを更新するステップを更に含む、態様1乃至11のいずれかに記載の方法。
【0257】
態様13:前記早期妊娠喪失の指標を示す前記メッセージを、前記ユーザデバイスに送信するステップを更に含み、前記ユーザデバイスは、臨床医、前記ユーザ又はその両方に関連付けられる、態様1乃至12のいずれかに記載の方法。
【0258】
態様14:前記早期妊娠喪失の指標を検出したことに基づいて、前記ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに早期妊娠喪失症状タグを表示させるステップを更に含む、態様1乃至13に記載の方法。
【0259】
態様15:前記ユーザに関連付けられるユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに、前記早期妊娠喪失の指標を表示させるステップを更に含む、態様1乃至14のいずれかに記載の方法。
【0260】
態様16:前記メッセージは、前記早期妊娠喪失が起こった時間間隔、前記早期妊娠喪失が起こることが予測される時間間隔、前記早期妊娠喪失に関連付けられる症状を入力する要求、前記早期妊娠喪失に関連付けら得る教育コンテンツ、睡眠目標の調整されたセット、活動目標の調整されたセット、前記早期妊娠喪失に関連付けられる症状を改善するための推奨又はそれらの組合せを更に含む、態様15に記載の方法。
【0261】
態様17:前記生理学的データを機械学習分類器に入力するステップを更に含み、前記早期妊娠喪失の指標を検出するステップは、前記生理学的データを前記機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づく、態様1乃至16のいずれかに記載の方法。
【0262】
態様18:前記ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む、態様1乃至17のいずれかに記載の方法。
【0263】
態様19:前記ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて、前記ユーザから前記生理学的データを収集する、態様1乃至18のいずれかに記載の方法。
【0264】
態様20:装置であって:プロセッサと;前記プロセッサに結合されたメモリと;前記メモリに記憶され、前記プロセッサによって実行可能であり、当該装置に、態様1乃至19のいずれかに記載の方法を実行させる命令と;を備える、装置。
【0265】
態様21:態様1乃至19のいずれかに記載の方法を実行するための少なくとも1つの手段を備える装置。
【0266】
態様22:コードを記憶する非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記コードは、態様1乃至19のいずれかに記載の方法を実行するためにプロセッサによって実行可能な命令を備える、非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【0267】
添付図面に関連して、本明細書で説明される説明は、例示的な構成を記載しており、実装され得るか又は特許請求の範囲内にあるすべての例を表すものではない。本明細書で使用される「例示的」という用語は、「例、例示又は説明として機能する」ことを意味し、「好ましい」又は「他の例より有利である」ことを意味しない。詳細な説明は、記載される技術の理解を提供する目的のための特定の詳細を含む。しかしながら、これらの技術は、これらの特定の詳細なしに実施されてもよい。いくつかの例では、記載される例の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形式で示されている。
【0268】
添付の図面では、類似の構成要素又は特徴は、同じ参照ラベルを有することがある。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、ハイフンによって参照ラベルの後に続き、類似の構成要素を区別する第2ラベルによって区別されることがある。明細書において第1参照ラベルのみが使用される場合、説明は、第2参照ラベルに関係なく、同じ第1参照ラベルを有する類似の構成要素の任意の1つに適用可能である。
【0269】
本明細書で説明される情報及び信号は、様々な異なるテクノロジ及び技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば上記の説明を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は粒子、光学場又は粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表されてもよい。
【0270】
本明細書の開示に関連して説明される様々な例示のブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA又は他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、あるいは本明細書に説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで実装又は実行されてもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又は状態マシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(例えばDSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサ又は任意の他のそのような構成)として実装されてもよい。
【0271】
本明細書で説明される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組合せで実装されてよい。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ読取可能媒体上の1つ以上の命令又はコードとして記憶されるか又は伝送され得る。他の例及び実装は、本開示の範囲及び添付の特許請求の範囲内である。例えばソフトウェアの性質により、上述の機能は、プロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング又はこれらの任意の組合せによって実行されるソフトウェアを使用して実装することができる。機能を実装する特徴はまた、機能の一部が異なる物理的位置で実装されるように分散されることを含め、物理的に様々な位置に配置されてもよい。また、特許請求の範囲を含め、本明細書中で使用されるとき、項目のリスト(例えば「のうちの少なくとも1つ」又は「のうちの1つ以上」のような句が前にある項目のリスト)で使用される「又は(or)」は、例えばA、B、又はCのうちの少なくとも1つのリストが、A又はB又はC又はAB又はAC又はBC又はABC(すなわち、AとBとC)を意味するような包括的なリストを示す。また、本明細書で使用されるとき、「に基づいて」という句は、条件のクローズなセットを指すように解釈されないものとする。例えば「条件Aに基づいて」として記載される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づいてもよい。言い換えると、本明細書で使用されるとき、「に基づいて」という句は、「少なくとも部分的に基づいて」という句と同じ方法で解釈されるものとする。
【0272】
コンピュータ読取可能媒体は、非一時的コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体との両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく例として、非一時的コンピュータ読取可能媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能なプログラム可能ROM(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROM又は他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令又はデータ構造の形式で所望のプログラムコード手段を搬送又は記憶するために使用することができ、かつ汎用若しくは専用コンピュータ又は汎用若しくは専用プロセッサによってアクセスすることができる、任意の他の非一時的媒体を含むことができる。また、任意の接続は、適切には、コンピュータ読取可能媒体と呼ばれる。例えばソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線や無線、マイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ又は他のリモートソースから送信される場合、その同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線や無線、マイクロ波のような無線技術は媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるときディスク(disk又はdisc)は、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク及びブルーレイ(登録商標)ディスクを含むが、ここで、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、一方、ディスク(disc)はレーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれる。
【0273】
本明細書における説明は、当業者が本開示を作成又は使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書に定義される一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変形に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明される実施例及び設計に限定されず、本明細書に開示される原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】