(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】細胞外小胞組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7088 20060101AFI20240319BHJP
C12N 15/113 20100101ALI20240319BHJP
C07K 14/47 20060101ALI20240319BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240319BHJP
A61K 9/127 20060101ALI20240319BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240319BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240319BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240319BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240319BHJP
A61K 47/64 20170101ALI20240319BHJP
A61K 47/65 20170101ALI20240319BHJP
A61K 9/72 20060101ALI20240319BHJP
A61K 47/69 20170101ALI20240319BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240319BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240319BHJP
A61P 7/04 20060101ALI20240319BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240319BHJP
A61P 5/06 20060101ALI20240319BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20240319BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20240319BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240319BHJP
A61P 13/02 20060101ALI20240319BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240319BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A61K31/7088
C12N15/113 Z ZNA
C07K14/47
C12N5/10
A61K9/127
A61K48/00
A61K47/26
A61K47/02
A61K47/36
A61K47/64
A61K47/65
A61K9/72
A61K47/69
A61P43/00 105
A61P35/00
A61P7/04
A61P3/10
A61P5/06
A61P3/00
A61P27/02
A61P21/00
A61P13/02
A61P3/06
A61P35/02
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560441
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 US2022023120
(87)【国際公開番号】W WO2022212884
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522228126
【氏名又は名称】ロンザ セールス アーゲー
【氏名又は名称原語表記】LONZA SALES AG
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】オニール, コンリン
(72)【発明者】
【氏名】ブルドー, レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】エリス, キンバリー
(72)【発明者】
【氏名】ウッド, アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
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4H045AA10
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4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を含むことができる細胞外小胞(例えば、エクソソーム)を含む組成物に関するものであり、組成物は、450mOsm/kg未満である浸透圧濃度を有する。また、本明細書において、細胞外小胞を産生するための方法、及び細胞外小胞を使用して、ある範囲の医学的障害を治療及び/又は予防するための方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を含む細胞外小胞を含む医薬組成物であって、前記ASOが、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含み、
前記組成物が約450mOsm/kg未満の浸透圧濃度を有する、医薬組成物。
【請求項2】
前記組成物の前記浸透圧濃度が、少なくとも約300~約450mOsm/kg、少なくとも約310~約450mOsm/kg、少なくとも約320~約450mOsm/kg、少なくとも約330~約450mOsm/kg、少なくとも約340~約450mOsm/kg、少なくとも約350~約450mOsm/kg、少なくとも約355~約450mOsm/kg、少なくとも約360~約450mOsm/kg、少なくとも約365~約450mOsm/kg、少なくとも約365~約445mOsm/kg、少なくとも約365~約440mOsm/kg、少なくとも約365~約435mOsm/kg、少なくとも約365~約430mOsm/kg、少なくとも約365~約425mOsm/kg、少なくとも約370~約420mOsm/kg、少なくとも約375~約415mOsm/kg、少なくとも約380~約410mOsm/kg、少なくとも約385~約405mOsm/kg、少なくとも約390~約400mOsm/kg、少なくとも約395~約400mOsm/kg、又は少なくとも約390~約395mOsm/kgである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の前記浸透圧濃度が、少なくとも約365~約425mOsm/kgである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物の前記浸透圧濃度が、約365mOsm/kg、約370mOsm/kg、約375mOsm/kg、約380mOsm/kg、約385mOsm/kg、約390mOsm/kg、約395mOsm/kg、約400mOsm/kg、約405mOsm/kg、約410mOsm/kg、約415mOsm/kg、約420mOsm/kg、又は約425mOsm/kgである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物の前記浸透圧濃度が、約395mOsm/kgである、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記細胞外小胞が、エクソソームである、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、25℃の温度で、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、少なくとも約12時間、少なくとも約15時間、少なくとも約20時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、又は少なくとも約7日の間保存することが可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、凍結及び解凍することが可能であり、解凍された組成物が、約7.2のpHを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、7.0、7.1、7.2、7.3、又は7.4のpHを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、7.2のpHを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
pIが、約1~約6.5の範囲にある、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、(i)低下した凝集物、(ii)EVの改善した安定性、(iii)EVアーキテクチャの改善した完全性、(iv)EV上又はEV中に含まれた操作されたタンパク質の改善した安定性、(v)改善した濾過性を有し、(vi)前記ASOの解離を低下させる、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
(i)糖、(ii)リン酸ナトリウム、(iii)リン酸カリウム、(iv)リン酸ナトリウム、又は(v)それらの任意の組み合わせを更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記糖が、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖、糖アルコール、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記糖が、約180.00g/mol~約380.00g/molの分子量を有する、請求項13又は14に記載の組成物。
【請求項16】
前記糖が、ラクトース、グルコース、スクロース、トレハロース、及び/又はそれらの組み合わせを含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記糖が、約90.00g/mol~約190.00g/molの分子量を有する糖アルコールである、請求項13~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記糖アルコールが、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、及び/又はそれらの組み合わせを含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記糖が、スクロース又はトレハロースである、請求項13~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記糖が、前記組成物中に、約5%w/vの濃度で存在する、請求項13~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が、約6mS/cm+/-10%~約10mS/cm+/-10%の導電率を有する、請求項13~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記導電率が、6mS/cm~約7mS/cm、約7mS/cm~約8mS/cm、約8mS/cm~約9mS/cm、又は約9mS/cm~約10mS/cmである、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記導電率が、約6mS/cm、約7mS/cm、約8mS/cm、約9mS/cm、又は約10mS/cmである、請求項21又は22に記載の組成物。
【請求項24】
塩化ナトリウムが、前記組成物中に、約50mM~約150mMの濃度で存在する、請求項13~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
塩化ナトリウムの前記濃度が、約50mM~約140mM、約60mM~約130mM、約70mM~約120mM、約80mM~約110mM、約90mM~約100mM、約100mM~約110mM、約95mM~約105mM、約95mM~約110mM、又は約90mM~約105mMである、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
塩化ナトリウムの前記濃度が、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、又は約150mMである、請求項24又は25に記載の組成物。
【請求項27】
塩化ナトリウムの前記濃度が、約95mM、約96mM、約97mM、約98mM、約99mM、約100mM、約101mM、約102mM、約103mM、約104mM、又は約105mMである、請求項24~26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
前記リン酸カリウムが、前記組成物中に、約1mM~約10mM、約2mM~約9mM、約3mM~約8mM、約4mM~約7mM、約5mM~約6mM、又は約4mM~約5mMの濃度で存在する、請求項13~27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
前記リン酸カリウムの前記濃度が、約4.5mM、約4.6mM、約4.7mM、約4.8mM、約4.9mM、約5.0mM、約5.1mM、約5.2mM、約5.3mM、約5.4mM、又は約5.5mMである、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記リン酸カリウムの前記濃度が、約5mMである、請求項28又は29に記載の組成物。
【請求項31】
前記リン酸カリウムが、一塩基性リン酸カリウムである、請求項13~30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
前記リン酸ナトリウムが、前記組成物中に、約5mM~約30、約10mM~約20mM、約11mM~約19mM、約12mM~約18mM、約13mM~約17mM、約14mM~約16mM、約15mM~約16mM、又は約14mM~約15mMの濃度で存在する、請求項13~31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
前記リン酸ナトリウムが、前記組成物中に、約14.5mM、約14.6mM、約14.7mM、約14.8mM、約14.9mM、約15.0mM、約15.1mM 約15.2mM、約15.3mM、約15.4、mM、又は約15.5mMの濃度で存在する、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記リン酸ナトリウムの前記濃度が、約15mMである、請求項32又は33に記載の組成物。
【請求項35】
前記リン酸ナトリウムが、二塩基性リン酸ナトリウム七水和物である、請求項13~34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
前記組成物が、凍結乾燥されていない、請求項1~35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
前記組成物が、キレート剤を含まない、請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
前記組成物が、アルブミンを含まない、請求項1~37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
a.約5%w/vの濃度でスクロース、
b.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
c.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
d.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
前記組成物が、7.2のpHの溶液中にあり、
前記組成物が、約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
a.約5%w/vの濃度でスクロース、
b.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
c.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
d.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
前記組成物が、7.2のpHの溶液中にあり、
前記組成物が、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
a.約146mMの濃度でスクロース、
b.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
c.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
d.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
前記組成物が、7.2のpHの溶液中にあり、
前記組成物が、約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
a.約146mMの濃度でスクロース、
b.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
c.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
d.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
前記組成物が、7.2のpHの溶液中にあり、
前記組成物が、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
前記組成物が、約-20℃~約-80℃の温度で保存することが可能であり、前記細胞外小胞の前記安定性が低下しない、請求項1~42のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記組成物が、約1週、約2週、約3週、約4週、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約1年、約2年、約3年、又は約4年の間保存することができる、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
前記細胞外小胞が、足場タンパク質を更に含む、請求項1~44のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
前記足場タンパク質が、足場Xである、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
ペイロードが、前記足場タンパク質に連結されている、請求項45又は46に記載の組成物。
【請求項48】
前記ペイロードが、リンカーによって前記足場タンパク質に連結されている、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記リンカーが、ポリペプチドである、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記リンカーが、非ポリペプチド部分である、請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
足場Xが、前記細胞外小胞の外面に前記ペイロードを固定することが可能である足場タンパク質である、請求項46~50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項52】
前記足場タンパク質が、プロスタグランジンF2受容体ネガティブレギュレーター(PTGFRNタンパク質)を含む、請求項46~51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
前記足場タンパク質が、前記PTGFRNタンパク質又はその断片を含む、請求項45~52のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
前記足場タンパク質が、配列番号1及び6~12のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む、請求項45~52のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項55】
前記足場タンパク質が、配列番号1と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は約100%同一のアミノ酸配列を含む、請求項45~54のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項56】
前記組成物が、非経口、局所、静脈内、経口、皮下、動脈内、皮内、経皮、直腸、頭蓋内、腹腔内、鼻腔内、腫瘍内、筋肉内髄腔内、若しくは脳室内経路によって、又は吸入剤として投与することができる、請求項1~55のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項57】
前記ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項58】
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、前記ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約50mM~約150mMの濃度でスクロース、
(c)約100mM~約200mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
前記組成物の前記pHが、約7.2であり、
前記組成物が、少なくとも約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項59】
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、前記ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約4%~約6%の濃度でスクロース、
(c)約50mM~約150mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
前記組成物の前記pHが、約7.2であり、
前記組成物が、少なくとも約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項60】
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、前記ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約146mMの濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
前記組成物の前記pHが、約7.2であり、
前記組成物が、少なくとも約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項61】
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、前記ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約5%の濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
前記組成物の前記pHが、約7.2であり、
前記組成物が、少なくとも約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項62】
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、前記ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約146mMの濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
前記組成物の前記pHが、約7.2であり、
前記組成物が、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項63】
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、前記ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約5%の濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
前記組成物の前記pHが、約7.2であり、
前記組成物が、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項64】
前記細胞外小胞が、エクソソームである、請求項58~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記ASOが、配列番号144に示される前記核酸配列を含む、請求項1~64のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項66】
前記ASOが、配列番号145に示される前記核酸配列を含む、請求項1~64のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項67】
前記ASOが、配列番号193に示される前記核酸配列を含む、請求項1~64のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項68】
前記ASOが、配列番号185に示される前記核酸配列を含む、請求項1~64のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項69】
前記ASOが、リンカーによって前記細胞外小胞と会合している、請求項1~68のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項70】
前記リンカーが、コレステロール、トコフェロール、脂肪酸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
前記リンカーが、切断可能なリンカーである、請求項69又は70に記載の組成物。
【請求項72】
前記リンカーが、切断可能なリンカーである、請求項48~71のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項73】
疾患又は状態の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記対象に、請求項1~72のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項74】
前記疾患又は状態が、がん、線維症、血友病、糖尿病、成長因子欠乏症、眼疾患、ポンペ病、リソソーム蓄積障害、ムコビシドーシス(mucovicidosis)、嚢胞性線維症、デュシェンヌ型及びベッカー型筋ジストロフィー、トランスサイレチンアミロイドーシス、血友病A、血友病B、アデノシン-デアミナーゼ欠乏症、Leber先天黒内障、X連鎖副腎白質ジストロフィー、異染性白質ジストロフィー、OTC欠乏症、糖原貯蔵障害1A、クリグラー・ナジャール症候群、原発性高シュウ酸尿症1型、急性間欠性ポルフィリン症、フェニルケトン尿症、家族性高コレステロール血症、ムコ多糖症VI型、α1アンチトリプシン欠損症、並びに高コレステロール血症である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記がんが、膀胱がん、子宮頸がん、腎細胞がん、精巣がん、結腸直腸がん、肺がん、頭頸部がん、卵巣、リンパ腫、肝臓がん、神経膠芽細胞腫、黒色腫、骨髄腫、白血病、膵臓がん、又はそれらの組み合わせである、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
疾患又は状態の治療を必要とする対象においてそれを行うための、請求項1~72のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項77】
疾患又は状態を治療するための医薬品の製造における、請求項1~72のいずれか一項に記載の組成物の、使用。
【請求項78】
(i)ASOを含む細胞外小胞と、(ii)塩又は糖とを組み合わせることを含み、前記ASOが、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含み、前記組成物が、約450mOsm/kg未満の浸透圧濃度を含む、請求項1~72のいずれか一項に記載の医薬組成物を調製する、方法。
【請求項79】
前記塩が、
a.塩化ナトリウム、
b.リン酸カリウム、
c.リン酸ナトリウム、又は
d.それらの任意の組み合わせを含む、請求項78に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月1日に出願された米国仮出願第63/169,751号の優先的利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
EFS-WEBを介して電子的に提出された配列表の参照
本出願において提出された、電子的に提出された配列表の内容(名称:4000_127PC01_Seqlisting_ST25.txt、サイズ:66,571バイト、及び作成日:2022年3月31日)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、1つ以上の外因性の生物学的に活性な部分を含むことができる細胞外小胞(EV)、例えば、エクソソームの保存及び投与のための組成物、並びにかかる組成物を調製及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
EV、例えば、エクソソームは、細胞間情報伝達の重要なメディエーターである。それらはまた、がんを含む多くの疾患の診断及び予後診断における重要なバイオマーカーである。薬物送達ビヒクルとして、EVは、多くの治療分野における新しい治療モダリティとして、従来の薬物送達方法(例えば、ペプチド免疫、DNAワクチン)を超える利点を提供する。研究の1つの分野は、EVの有効性を損なうことなく、患者投与前の長い保存期間中にEVを安定的に含むことができる組成物の製剤化である。既知の製剤は欠点に苦しんでいる。例えば、特定の製剤、例えば、TRIS緩衝液を含有するものは、様々な温度で(すなわち、製剤が凍結又は解凍されたときに)pHが変動することを防止しない。pHのわずかな変動でさえ、EVの凝集を誘発し、それによってそれらの機能性を低下又は妨げ得る。更に、既知の組成物は、外因的に添加されたポリペプチド、例えば、ヒト血清アルブミン、又はキレート剤などの外部成分を含む。
【0005】
したがって、既知の製剤の欠点を克服し、したがって、EVベースの技術の治療的使用及び他の用途をより可能にすることができる、EVの保存及び投与のための効果的な組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本開示のいくつかの態様は、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を含む細胞外小胞を含む医薬組成物に関するものであり、ASOは、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含み、組成物は、約450mOsm/kg未満の浸透圧濃度を有する。
【0007】
いくつかの態様において、組成物の浸透圧濃度は、少なくとも約300~約450mOsm/kg、少なくとも約310~約450mOsm/kg、少なくとも約320~約450mOsm/kg、少なくとも約330~約450mOsm/kg、少なくとも約340~約450mOsm/kg、少なくとも約350~約450mOsm/kg、少なくとも約355~約450mOsm/kg、少なくとも約360~約450mOsm/kg、少なくとも約365~約450mOsm/kg、少なくとも約365~約445mOsm/kg、少なくとも約365~約440mOsm/kg、少なくとも約365~約435mOsm/kg、少なくとも約365~約430mOsm/kg、少なくとも約365~約425mOsm/kg、少なくとも約370~約420mOsm/kg、少なくとも約375~約415mOsm/kg、少なくとも約380~約410mOsm/kg、少なくとも約385~約405mOsm/kg、少なくとも約390~約400mOsm/kg、少なくとも約395~約400mOsm/kg、又は少なくとも約390~約395mOsm/kgである。いくつかの態様において、組成物の浸透圧濃度は、少なくとも約365~約425mOsm/kgである。いくつかの態様において、組成物の浸透圧濃度は、約365mOsm/kg、約370mOsm/kg、約375mOsm/kg、約380mOsm/kg、約385mOsm/kg、約390mOsm/kg、約395mOsm/kg、約400mOsm/kg、約405mOsm/kg、約410mOsm/kg、約415mOsm/kg、約420mOsm/kg、又は約425mOsm/kgである。いくつかの態様において、組成物の浸透圧濃度は、約395mOsm/kgである。
【0008】
いくつかの態様において、細胞外小胞は、エクソソームである。
【0009】
いくつかの態様において、組成物は、25℃の温度で、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、少なくとも約12時間、少なくとも約15時間、少なくとも約20時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、又は少なくとも約7日の間保存することが可能である。
【0010】
いくつかの態様において、本組成物は、凍結及び解凍することが可能であり、解凍された組成物は、約7.2のpHを有する。いくつかの態様において、本組成物は、約7.0、7.1、7.2、7.3、又は7.4のpHを有する。いくつかの態様において、本組成物は、7.2のpHを有する。いくつかの態様において、pIは、約1~約6.5の範囲にある。
【0011】
いくつかの態様において、組成物は、(i)低下した凝集物、(ii)EVの改善した安定性、(iii)EVアーキテクチャの改善した完全性、及び(iv)EV上又はEV中に含まれた操作されたタンパク質の改善した安定性を有する。
【0012】
いくつかの態様において、組成物は、(i)糖、(ii)リン酸ナトリウム、(iii)リン酸カリウム、(iv)リン酸ナトリウム、又は(v)それらの任意の組み合わせを更に含む。
【0013】
いくつかの態様において、糖は、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖、糖アルコール、又はそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、糖は、約180.00g/mol~約380.00g/molの分子量を有する。いくつかの態様において、糖は、ラクトース、グルコース、スクロース、トレハロース、及び/又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、糖は、約90.00g/mol~約190.00g/molの分子量を有する糖アルコールである。いくつかの態様において、糖アルコールは、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、及び/又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、糖は、スクロース又はトレハロースである。いくつかの態様において、糖は、組成物中に、約5%w/vの濃度で存在する。
【0014】
いくつかの態様において、組成物は、約6mS/cm+/-10%~約10mS/cm+/-10%の導電率を有する。いくつかの態様において、導電率は、6mS/cm~約7mS/cm、約7mS/cm~約8mS/cm、約8mS/cm~約9mS/cm、又は約9mS/cm~約10mS/cmである。いくつかの態様において、導電率は、約6mS/cm、約7mS/cm、約8mS/cm、約9mS/cm、又は約10mS/cmである。
【0015】
いくつかの態様において、塩化ナトリウムは、組成物中に、約50mM~約150mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約50mM~約140mM、約60mM~約130mM、約70mM~約120mM、約80mM~約110mM、約90mM~約100mM、約100mM~約110mM、約95mM~約105mM、約95mM~約110mM、又は約90mM~約105mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、又は約150mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約95mM、約96mM、約97mM、約98mM、約99mM、約100mM、約101mM、約102mM、約103mM、約104mM、又は約105mMである。
【0016】
いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約1mM~約10mM、約2mM~約9mM、約3mM~約8mM、約4mM~約7mM、約5mM~約6mM、又は約4mM~約5mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムの濃度は、約4.5mM、約4.6mM、約4.7mM、約4.8mM、約4.9mM、約5.0mM、約5.1mM、約5.2mM、約5.3mM、約5.4mM、又は約5.5mMである。いくつかの態様において、リン酸カリウムの濃度は、約5mMである。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、一塩基性リン酸カリウムである。
【0017】
いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約5mM~約30、約10mM~約20mM、約11mM~約19mM、約12mM~約18mM、約13mM~約17mM、約14mM~約16mM、約15mM~約16mM、又は約14mM~約15mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約14.5mM、約14.6mM、約14.7mM、約14.8mM、約14.9mM、約15.0mM、約15.1mM 約15.2mM、約15.3mM、約15.4、mM、又は約15.5mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムの濃度は、約15mMである。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、二塩基性リン酸ナトリウム七水和物である。
【0018】
いくつかの態様において、組成物は、凍結乾燥されていない。いくつかの態様において、組成物は、キレート剤を含まない。いくつかの態様において、組成物は、アルブミンを含まない。
【0019】
いくつかの態様において、組成物は、約5%w/vの濃度でスクロース、約100mMの濃度で塩化ナトリウム、約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、組成物は、約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0020】
いくつかの態様において、組成物は、約5%w/vの濃度でスクロース、約100mMの濃度で塩化ナトリウム、約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0021】
いくつかの態様において、組成物は、約146mMの濃度でスクロース、約100mMの濃度で塩化ナトリウム、約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、組成物は、約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0022】
いくつかの態様において、組成物は、約146mMの濃度でスクロース、約100mMの濃度で塩化ナトリウム、約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0023】
いくつかの態様において、組成物は、約-20℃~約-80℃の温度で保存することが可能であり、細胞外小胞の安定性は低下しない。いくつかの態様において、組成物は、約1週、約2週、約3週、約4週、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約1年、約2年、約3年、又は約4年の間保存することができる。
【0024】
いくつかの態様において、細胞外小胞は、足場タンパク質を更に含む。いくつかの態様において、足場タンパク質は、足場Xである。
【0025】
いくつかの態様において、ペイロードは、足場タンパク質に連結されている。いくつかの態様において、ペイロードは、リンカーによって足場タンパク質に連結されている。いくつかの態様において、リンカーは、ポリペプチドである。いくつかの態様において、リンカーは、非ポリペプチド部分である。
【0026】
いくつかの態様において、足場Xは、細胞外小胞の外面にペイロードを固定することが可能である足場タンパク質である。いくつかの態様において、足場タンパク質は、プロスタグランジンF2受容体ネガティブレギュレーター(PTGFRNタンパク質)を含む。いくつかの態様において、足場タンパク質は、PTGFRNタンパク質又はその断片を含む。いくつかの態様において、足場タンパク質は、配列番号1及び6~12のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、足場タンパク質は、配列番号1と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は約100%同一のアミノ酸配列を含む。
【0027】
いくつかの態様において、組成物は、非経口、局所、静脈内、経口、皮下、動脈内、皮内、経皮、直腸、頭蓋内、腹腔内、鼻腔内、腫瘍内、筋肉内の経路によって、又は吸入剤として投与することができる。いくつかの態様において、組成物は、髄腔内経路によって投与することができる。いくつかの態様において、組成物は、脳室内経路によって投与することができる。
【0028】
いくつかの態様において、ASOは、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む。
【0029】
いくつかの態様において、組成物は、(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、(b)約50mM~約150mMの濃度でスクロース、(c)約100mM~約200mMの濃度で塩化ナトリウム、(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、組成物のpHは約7.2であり、組成物は、少なくとも約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0030】
いくつかの態様において、組成物は、(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、(b)約4%~約6%の濃度でスクロース、(c)約50mM~約150mMの濃度で塩化ナトリウム、(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、組成物のpHは約7.2であり、組成物は、少なくとも約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0031】
いくつかの態様において、組成物は、(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、(b)約146mMの濃度でスクロース、(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、組成物のpHは約7.2であり、組成物は、少なくとも約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0032】
いくつかの態様において、組成物は、(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、(b)約5%の濃度でスクロース、(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、組成物のpHは約7.2であり、組成物は、少なくとも約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0033】
いくつかの態様において、組成物は、(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、(b)約146mMの濃度でスクロース、(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、組成物のpHは約7.2であり、組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0034】
いくつかの態様において、組成物は、(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、(b)約5%の濃度でスクロース、(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、組成物のpHは約7.2であり、組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0035】
いくつかの態様において、細胞外小胞は、エクソソームである。
【0036】
いくつかの態様において、ASOは、配列番号144に示される核酸配列を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号145に示される核酸配列を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号193に示される核酸配列を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号185に示される核酸配列を含む。
【0037】
いくつかの態様において、ASOは、リンカーによって細胞外小胞と会合している。いくつかの態様において、リンカーは、コレステロール、トコフェロール、脂肪酸、又はそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、リンカーは、切断可能なリンカーである。いくつかの態様において、リンカーは、切断可能なリンカーである。
【0038】
本開示のいくつかの態様は、疾患又は状態の治療を必要とする対象においてそれを行う方法に関するものであり、方法は、対象に、本明細書に開示の組成物を投与することを含む。いくつかの態様において、疾患又は状態は、がん、線維症、血友病、糖尿病、成長因子欠乏症、眼疾患、ポンペ病、リソソーム蓄積障害、ムコビシドーシス(mucovicidosis)、嚢胞性線維症、デュシェンヌ型及びベッカー型筋ジストロフィー、トランスサイレチンアミロイドーシス、血友病A、血友病B、アデノシン-デアミナーゼ欠乏症、Leber先天黒内障、X連鎖副腎白質ジストロフィー、異染性白質ジストロフィー、OTC欠乏症、糖原貯蔵障害1A、クリグラー・ナジャール症候群、原発性高シュウ酸尿症1型、急性間欠性ポルフィリン症、フェニルケトン尿症、家族性高コレステロール血症、ムコ多糖症VI型、α1アンチトリプシン欠損症、並びに高コレステロール血症である。いくつかの態様において、がんは、膀胱がん、子宮頸がん、腎細胞がん、精巣がん、結腸直腸がん、肺がん、頭頸部がん、卵巣、リンパ腫、肝臓がん、神経膠芽細胞腫、黒色腫、骨髄腫、白血病、膵臓がん、又はそれらの組み合わせである。
【0039】
本開示のいくつかの態様は、疾患又は状態の治療を必要とする対象においてそれを行うための、本明細書に開示される医薬組成物に関する。
【0040】
本開示のいくつかの態様は、疾患又は状態を治療するための医薬品の製造における、本明細書に開示の組成物の使用に関する。
【0041】
本開示のいくつかの態様は、(i)ASOを含む細胞外小胞と、(ii)塩又は糖とを組み合わせることを含む、本明細書に開示の医薬組成物を調製する方法に関するものであり、ASOは、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含み、組成物は、約450mOsm/kg未満の浸透圧濃度を含む。いくつかの態様において、塩は、(a)塩化ナトリウム、(b)リン酸カリウム、(c)リン酸ナトリウム、又は(d)それらの任意の組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1-1】STAT6転写物を標的とする様々なASO配列を列挙する表である。表には、次の情報が含まれる(左から右へ):(i)ASOの説明、(ii)いかなる特定の設計又は化学構造も有しないASO配列、(iii)ASO配列のみについて指定された配列番号、(iv)ASO長、(v)化学構造を有するASO配列、及び(vi)標的転写物配列(配列番号3)上の標的開始位置及び終結位置。ASOは、5’から3’方向である。化学構造における記号は以下の通りである:NbはLNAを意味し、dNはDNAを意味し、5MdCは5-メチル-dCを意味し、NmはMOEを意味し、sはホスホロチオエートを意味する。
【
図1-2】STAT6転写物を標的とする様々なASO配列を列挙する表である。表には、次の情報が含まれる(左から右へ):(i)ASOの説明、(ii)いかなる特定の設計又は化学構造も有しないASO配列、(iii)ASO配列のみについて指定された配列番号、(iv)ASO長、(v)化学構造を有するASO配列、及び(vi)標的転写物配列(配列番号3)上の標的開始位置及び終結位置。ASOは、5’から3’方向である。化学構造における記号は以下の通りである:NbはLNAを意味し、dNはDNAを意味し、5MdCは5-メチル-dCを意味し、NmはMOEを意味し、sはホスホロチオエートを意味する。
【
図1-3】STAT6転写物を標的とする様々なASO配列を列挙する表である。表には、次の情報が含まれる(左から右へ):(i)ASOの説明、(ii)いかなる特定の設計又は化学構造も有しないASO配列、(iii)ASO配列のみについて指定された配列番号、(iv)ASO長、(v)化学構造を有するASO配列、及び(vi)標的転写物配列(配列番号3)上の標的開始位置及び終結位置。ASOは、5’から3’方向である。化学構造における記号は以下の通りである:NbはLNAを意味し、dNはDNAを意味し、5MdCは5-メチル-dCを意味し、NmはMOEを意味し、sはホスホロチオエートを意味する。
【
図1-4】STAT6転写物を標的とする様々なASO配列を列挙する表である。表には、次の情報が含まれる(左から右へ):(i)ASOの説明、(ii)いかなる特定の設計又は化学構造も有しないASO配列、(iii)ASO配列のみについて指定された配列番号、(iv)ASO長、(v)化学構造を有するASO配列、及び(vi)標的転写物配列(配列番号3)上の標的開始位置及び終結位置。ASOは、5’から3’方向である。化学構造における記号は以下の通りである:NbはLNAを意味し、dNはDNAを意味し、5MdCは5-メチル-dCを意味し、NmはMOEを意味し、sはホスホロチオエートを意味する。
【
図1-5】STAT6転写物を標的とする様々なASO配列を列挙する表である。表には、次の情報が含まれる(左から右へ):(i)ASOの説明、(ii)いかなる特定の設計又は化学構造も有しないASO配列、(iii)ASO配列のみについて指定された配列番号、(iv)ASO長、(v)化学構造を有するASO配列、及び(vi)標的転写物配列(配列番号3)上の標的開始位置及び終結位置。ASOは、5’から3’方向である。化学構造における記号は以下の通りである:NbはLNAを意味し、dNはDNAを意味し、5MdCは5-メチル-dCを意味し、NmはMOEを意味し、sはホスホロチオエートを意味する。
【
図1-6】STAT6転写物を標的とする様々なASO配列を列挙する表である。表には、次の情報が含まれる(左から右へ):(i)ASOの説明、(ii)いかなる特定の設計又は化学構造も有しないASO配列、(iii)ASO配列のみについて指定された配列番号、(iv)ASO長、(v)化学構造を有するASO配列、及び(vi)標的転写物配列(配列番号3)上の標的開始位置及び終結位置。ASOは、5’から3’方向である。化学構造における記号は以下の通りである:NbはLNAを意味し、dNはDNAを意味し、5MdCは5-メチル-dCを意味し、NmはMOEを意味し、sはホスホロチオエートを意味する。
【
図2】ASOをロードしたエクソソームを精製するためのプロセスの概略図である。
【
図3A】室温(RT)又は5℃で最大15日間保存された試料のASO濃度(
図3A)、遊離ASO濃度(
図3B)、及びIC50(
図3C)。
【
図3B】室温(RT)又は5℃で最大15日間保存された試料のASO濃度(
図3A)、遊離ASO濃度(
図3B)、及びIC50(
図3C)。
【
図3C】室温(RT)又は5℃で最大15日間保存された試料のASO濃度(
図3A)、遊離ASO濃度(
図3B)、及びIC50(
図3C)。
【
図4A】15日間室温で保持されたCC700濾過した中間体について、NTA(
図4A)、UV(
図4B)、AEX-UHPLC(
図4C)、及びDLS(
図4D)のグラフ表示である。
【
図4B】15日間室温で保持されたCC700濾過した中間体について、NTA(
図4A)、UV(
図4B)、AEX-UHPLC(
図4C)、及びDLS(
図4D)のグラフ表示である。
【
図4C】15日間室温で保持されたCC700濾過した中間体について、NTA(
図4A)、UV(
図4B)、AEX-UHPLC(
図4C)、及びDLS(
図4D)のグラフ表示である。
【
図4D】15日間室温で保持されたCC700濾過した中間体について、NTA(
図4A)、UV(
図4B)、AEX-UHPLC(
図4C)、及びDLS(
図4D)のグラフ表示である。
【
図5A】15日間5℃に保持されたCC700濾過した中間体について、NTA(
図5A)、UV(
図5B)、AEX-UHPLC(
図5C)、及びDLS(
図5D)のグラフ表示である。
【
図5B】15日間5℃に保持されたCC700濾過した中間体について、NTA(
図5A)、UV(
図5B)、AEX-UHPLC(
図5C)、及びDLS(
図5D)のグラフ表示である。
【
図5C】15日間5℃に保持されたCC700濾過した中間体について、NTA(
図5A)、UV(
図5B)、AEX-UHPLC(
図5C)、及びDLS(
図5D)のグラフ表示である。
【
図5D】15日間5℃に保持されたCC700濾過した中間体について、NTA(
図5A)、UV(
図5B)、AEX-UHPLC(
図5C)、及びDLS(
図5D)のグラフ表示である。
【
図6A】CC700カラム濾過におけるローディング温度及びNaCl/スクロースを評価するためのプロセスの概略図である。
【
図6B】CC700カラム濾過におけるローディング温度及びNaCl/スクロースを評価するためのプロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本開示は、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を含むEV、例えば、エクソソームを含む組成物に関するものであり、組成物は、約450mOsm/kg未満の浸透圧濃度を含む。
【0044】
様々な態様の非限定的な例が本明細書に開示される。
【0045】
I.定義
本開示をより容易に理解し得るために、特定の用語が最初に定義される。追加の定義は、詳細な説明を通して示される。
【0046】
「a」又は「an」実体という用語は、1つ以上のその実体を指し、例えば、「ヌクレオチド配列(a nucleotide sequence)」は、1つ以上のヌクレオチド配列を表すと理解されることに留意されたい。したがって、「a」(又は「an」)、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書において互換的に使用することができる。
【0047】
更に、「及び/又は」は、本明細書で使用される場合、他方を伴うか若しくは伴わない2つの特定の特徴又は構成要素の各々の具体的な開示として理解されるべきである。したがって、本明細書の「A及び/又はB」などの語句で使用される「及び/又は」という用語は、「A及びB」、「A又はB」、「A」(単独)、並びに「B」(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、B、及び/又はC」などの語句に使用される「及び/又は」という用語は、以下の態様の各々を包含することが意図される:A、B、及びC;A、B、又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);並びにC(単独)。
【0048】
態様が「含む(comprising)」という言葉で本明細書に記載されるときはいつも、それ以外の「からなる(consisting of)」及び/又は「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語で記載されている他の類似の態様もまた示されることが理解される。
【0049】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が関連する当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。例えば、the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei-Show,2nd ed.,2002,CRC Press、The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press、及びthe Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressは、本開示で使用される多くの用語の一般的な辞書を当業者に提供する。
【0050】
単位、接頭辞、及び記号は、国際単位系(SI)で認められている形式で表記する。数値範囲は、範囲を定義する数値を含む。特に明記しない限り、ヌクレオチド配列は、5’から3’の方向に左から右に記載される。アミノ酸配列は、アミノからカルボキシ方向に左から右に記載される。本明細書に提供される見出しは、本開示の様々な態様の限定ではなく、本明細書に対して全体として参照によって有することができる。したがって、直下で定義される用語は、本明細書をその全体で参照することによってより完全に定義される。
【0051】
「約」という用語は、本明細書において、およそ、ざっと、おおむね、又はその領域内を意味するように使用される。「約」という用語が数値範囲と組み合わせて使用される場合、示された数値の上下の境界を広げることによって、その範囲を修正する。概して、「約」という用語は、数値を、記載された値の上下に、例えば、10パーセントの変動で、上又は下(より高いか又はより低い)に修正することができる。
【0052】
本明細書で使用される場合、「細胞外小胞」又は「EV」という用語は、内部空間を囲む膜を含む細胞由来の小胞を指す。細胞外小胞は、それらが由来する細胞よりも小さい直径を有する全ての膜結合小胞(例えば、エクソソーム、ナノ小胞)を含む。いくつかの態様において、細胞外小胞は、直径が20nm~1000nmの範囲であり、内部空間(すなわち、管腔)内、細胞外小胞の外面での提示、及び/又は膜にまたがることのいずれかで様々な巨大分子ペイロードを含むことができる。いくつかの態様において、ペイロードは、核酸、タンパク質、炭水化物、脂質、低分子、及び/又はそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、EVは、複数(例えば、2つ以上)のペイロード又は他の外因性の生物学的に活性な部分を含む。特定の態様において、細胞外小胞は、1つ以上の足場部分を更に含むことができる。例として、限定されないが、細胞外小胞には、アポトーシス小体、細胞の断片、直接的又は間接的な操作(例えば、連続押出又はアルカリ溶液による処理)による細胞由来の小胞、小胞化オルガネラ、及び生細胞によって産生される小胞(例えば、直接的な形質膜出芽又は後期エンドソームと形質膜との融合)が含まれる。細胞外小胞は、生きているか若しくは死んでいる有機体、外植化組織若しくは器官、原核生物細胞若しくは真核生物細胞、及び/又は培養細胞から引き出すことができる。いくつかの態様において、細胞外小胞は、1つ以上の導入遺伝子産物を発現する細胞によって産生される。本明細書に開示されるEVは改変されており、したがって、天然に存在するEVを含まない。
【0053】
本明細書で使用される場合、「エクソソーム」という用語は、直径が20~300nm(例えば、40~200nm)の細胞外小胞を指す。エクソソームは、内部空間(すなわち、管腔)を囲む膜を含み、いくつかの態様において、直接的な形質膜の出芽によって、又は後期エンドソームと形質膜との融合によって、細胞(例えば、産生細胞)から生成することができる。いくつかの態様において、エクソソームは、複数(例えば、2つ以上)の外因性の生物学的に活性な部分(例えば、本明細書に記載される)を含む。特定の態様において、エクソソームは、1つ以上の足場部分を更に含む。以下に記載されるように、エクソソームは、産生細胞に由来し、そのサイズ、密度、生化学的パラメータ、又はそれらの組み合わせに基づいて、産生細胞から単離することができる。いくつかの態様において、本開示のEV(例えば、エクソソーム)は、1つ以上の導入遺伝子産物を発現する細胞によって産生される。本開示のエクソソームは改変されており、したがって、天然に存在するエクソソームを含まない。
【0054】
本明細書で使用される場合、「ナノ小胞」という用語は、20~250nm(例えば、30~150nm)の直径を有する細胞外小胞を指し、細胞(例えば、産生細胞)から直接的又は間接的な操作によって生成され、そのためナノ小胞が操作なしで細胞によって生成されることはない。ナノ小胞を産生するための細胞の適切な操作には、連続押出、アルカリ性溶液による処理、超音波処理、又はこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、ナノ小胞の産生は、産生細胞の破壊をもたらし得る。いくつかの態様において、本明細書に記載のナノ小胞集団は、形質膜からの直接的な発芽又は後期エンドソームと形質膜との融合による、細胞に由来する小胞を実質的に含まない。いくつかの態様において、ナノ小胞は、複数(例えば、少なくとも2つ)の外因性の生物学的に活性な部分を含む。特定の態様において、ナノ小胞は、1つ以上の足場部分を更に含む。ナノ小胞は、産生細胞から引き出されると、そのサイズ、密度、生化学的パラメータ、又はそれらの組み合わせに基づいて、産生細胞から単離することができる。本明細書で使用される場合、ナノ小胞は改変されており、したがって、天然に存在するナノ小胞を含まない。
【0055】
本明細書で使用される場合、「表面操作されたEV、例えば、エクソソーム」(例えば、足場X操作されたEV、例えば、エクソソーム)という用語は、その組成に改変された膜又は表面を有するEV(例えば、エクソソーム)を指し、それによって、操作されたEV(例えば、エクソソーム)の膜又は表面は、改変前のEV又は天然に存在するEVのいずれかのものと異なる。操作は、EV(例えば、エクソソーム)の表面上、又はEV(例えば、エクソソーム)の膜内で行うことができ、それによって、EV、例えば、エクソソームの表面が変化する。例えば、膜は、タンパク質、脂質、小分子、炭水化物などのその組成において改変される。組成は、化学的、物理的、若しくは生物学的な方法によって、又は化学的、物理的、若しくは生物学的な方法によって以前に若しくは同時に改変された細胞から産生されることによって、変化させることができる。具体的には、組成は、遺伝子操作によって、又は遺伝子操作によって既に改変された細胞から産生されることによって変化させることができる。いくつかの態様において、表面操作されたEV、例えば、エクソソームは、複数(例えば、少なくとも2つ)の外因性の生物学的に活性な部分を含む。特定の態様において、外因性の生物学的に活性な部分は、EV、例えば、エクソソームの表面に曝露され得るか、あるいはEV、例えば、エクソソームの表面に曝露される部分のための固定点(結合)であることができる、外因性タンパク質(すなわち、EV、例えば、エクソソームが自然に発現しないタンパク質)又はその断片若しくはバリアントを含むことができる。他の態様において、表面操作されたEV、例えば、エクソソームは、EV、例えば、エクソソームの表面に曝露され得るか、あるいはEV、例えば、エクソソームの表面に曝露される部分のための固定点(結合)であることができる、天然エクソソームタンパク質(例えば、足場X)又はその断片若しくはバリアントのより高い発現(例えば、より高い数)を含む。
【0056】
本明細書に記載されるEV、例えば、エクソソームの文脈で使用される場合、「改変された」という用語は、改変されたEV、例えば、エクソソームが、天然に存在するEV、例えば、エクソソームとは異なるような、EV、例えば、エクソソーム及び/又はその産生細胞の変更又は操作を指す。いくつかの態様において、本明細書に記載される改変されたEV、例えば、エクソソームは、天然に存在するEV、例えば、エクソソームの膜と比較して、タンパク質、脂質、小分子、炭水化物などの組成で異なる膜を含む(例えば、膜は、より高い密度若しくは数の天然エクソソームタンパク質を含み、かつ/又は膜は、エクソソームに天然に見出されない複数(例えば、少なくとも2つ)の生物学的に活性な部分を含む。本明細書で使用される場合、エクソソームに天然には見出されない生物学的に活性な部分はまた、「外因性の生物学的に活性な部分」として記載される。特定の態様において、膜へのかかる改変は、EV、例えば、エクソソーム(例えば、本明細書に記載される表面操作されたEV、例えば、エクソソーム)の外面を変化させる。
【0057】
本明細書で使用される場合、「足場部分」という用語は、ペイロード又は目的の任意の他の外因性の生物学的に活性な部分を、EV、例えば、エクソソームに、EV、例えば、エクソソームの管腔表面又は外面のいずれかで固定するために使用することができる分子を指す。特定の態様において、足場部分は、合成分子を含む。いくつかの態様において、足場部分は、非ポリペプチド部分を含む。他の態様において、足場部分は、EV、例えば、エクソソームに天然に存在する脂質、炭水化物、又はタンパク質を含む。いくつかの態様において、足場部分は、EV、例えば、エクソソームに天然に存在しない脂質、炭水化物、又はタンパク質を含む。特定の態様において、足場部分は、足場Xである。更なる態様において、足場部分は、足場X及び別の足場部分を含む。本開示で使用することができる他の足場部分の非限定的な例には、アミノペプチダーゼN(CD13)、ネプリライシン、別名膜メタロエンドペプチダーゼ(MME)、エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼファミリーメンバー1(ENPP1)、ニューロピリン-1(NRP1)、CD9、CD63、CD81、PDGFR、GPIアンカータンパク質、ラクトアドヘリン、LAMP2、及びLAMP2Bが含まれる。
【0058】
本明細書で使用される場合、「足場X」という用語は、エクソソームの表面で最近同定されているエクソソームタンパク質を指す。例えば、米国特許第10,195,290号を参照し、それは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。足場Xタンパク質の非限定的な例としては、プロスタグランジンF2受容体ネガティブレギュレーター(「PTGFRNタンパク質」)、ベイシジン(「BSGタンパク質」)、免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー2(「IGSF2タンパク質」)、免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー3(「IGSF3タンパク質」)、免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー8(「IGSF8タンパク質」)、インテグリンベータ-1(「ITGB1タンパク質」)、インテグリンアルファ-4(「ITGA4タンパク質」)、4F2細胞表面抗原重鎖(「SLC3A2タンパク質」)、及びATPトランスポータータンパク質のクラス(「ATP1A1タンパク質」、「ATP1A2タンパク質」、「ATP1A3タンパク質」、「ATP1A4タンパク質」、「ATP1B3タンパク質」、「ATP2B1タンパク質」、「ATP2B2タンパク質」、「ATP2B3タンパク質」、「ATP2Bタンパク質」)が挙げられる。いくつかの態様において、足場Xタンパク質は、タンパク質全体又はその断片(例えば、機能的断片、例えば、EV、例えば、エクソソームの外面又は管腔表面に別の部分を固定することが可能である最小断片)であることができる。いくつかの態様において、足場Xは、部分(例えば、ペイロード、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)をエクソソームの外面又は管腔表面に固定することができる。
【0059】
本明細書で使用される場合、「足場Y」という用語は、エクソソームの管腔表面内で新たに同定されたエクソソームタンパク質を指す。例えば、国際公開第2019/099942号を参照し、それは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。足場Yタンパク質の非限定的な例としては、ミリストイル化アラニンリッチプロテインキナーゼC基質(「MARCKSタンパク質」)、ミリストイル化アラニンリッチプロテインキナーゼC基質様1(「MARCKSL1タンパク質」)、及び脳酸可溶性タンパク質1(「BASP1タンパク質」)が挙げられる。いくつかの態様において、足場Yタンパク質は、タンパク質全体又はその断片(例えば、機能的断片、例えば、EV、例えば、エクソソームの管腔表面に部分を固定することが可能である最小断片)であることができる。いくつかの態様において、足場Yは、部分(例えば、スティングアゴニスト及び/又はIL-12部分)をEV、例えば、エクソソームの管腔に固定することができる。
【0060】
本明細書で使用される場合、タンパク質(例えば、治療用タンパク質、又は足場X)の「断片」という用語は、天然に存在するタンパク質と比較して、天然に存在する配列よりも短いか、N末端及び/若しくはC末端が欠失しているか、又は欠失したタンパク質の任意の部分である、タンパク質のアミノ酸配列を指す。本明細書で使用される場合、「機能的断片」という用語は、タンパク質機能を保持するタンパク質断片を指す。したがって、いくつかの態様において、足場Xタンパク質の機能的断片は、部分を、EV、例えば、エクソソームの管腔表面又は外面に固定する能力を保持する。断片が機能的断片であるかどうかは、EV、例えばエクソソームのタンパク質含有量を決定する任意の既知の方法によって評価することができ、この方法には、ウェスタンブロット、FACS分析、及び自己蛍光タンパク質、例えば、GFPなどとの断片の融合が含まれる。特定の態様において、足場Xタンパク質の機能的断片は、天然に存在する足場Xタンパク質の能力、例えば、部分を固定する能力の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は少なくとも約100%を保持する。
【0061】
本明細書で使用される場合、分子(例えば、機能的分子、抗原、又は足場X)の「バリアント」という用語は、当該技術分野で既知の方法による比較で、特定の構造的及び機能的同一性を別の分子と共有する分子を指す。例えば、タンパク質のバリアントは、別のタンパク質における置換、挿入、欠失、フレームシフト、又は再配列を含むことができる。
【0062】
いくつかの態様において、足場Xのバリアントは、全長の成熟PTGFRN、BSG、IGSF2、IGSF3、IGSF8、ITGB1、ITGA4、SLC3A2、若しくはATPトランスポータータンパク質、又はPTGFRN、BSG、IGSF2、IGSF3、IGSF8、ITGB1、ITGA4、SLC3A2、若しくはATPトランスポータータンパク質の断片(例えば、機能的断片)に対して少なくとも約70%の同一性を有するバリアントを含む。いくつかの態様において、PTGFRNのバリアント又は断片のバリアントは、配列番号1に記載のPTGFRN又はその機能的断片と、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の配列同一性を共有する。
【0063】
「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられたものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野において定義されており、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。したがって、ポリペプチドにおけるアミノ酸が同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸で置き換えられている場合、置換は保存的であると考えられる。別の態様において、アミノ酸の鎖は、側鎖ファミリーメンバーの順序及び/又は組成が異なる構造的に類似した鎖で保存的に置き換えることができる。
【0064】
2つのポリヌクレオチド配列又はポリペプチド配列間の「配列同一性パーセント」又は「同一性パーセント」という用語は、2つの配列の最適アラインメントのために導入されなければならない付加又は欠失(すなわち、ギャップ)を考慮に入れて、比較ウィンドウにわたって配列によって共有された同一の一致した位置の数を指す。一致した位置は、同一のヌクレオチド又はアミノ酸が、標的配列及び参照配列の両方で示される任意の位置である。標的配列で示されるギャップは、ギャップがヌクレオチド又はアミノ酸ではないため、計数されない。同様に、標的配列のヌクレオチド又はアミノ酸が計数され、参照配列からのヌクレオチド又はアミノ酸は計数されないため、参照配列に示されるギャップは計数されない。
【0065】
配列同一性のパーセンテージは、同一のアミノ酸残基又は核酸塩基が両方の配列で生じる位置の数を決定することによって計算され、一致した位置の数を得、一致した位置の数を、比較のウィンドウにおける位置の総数で除し、結果に100を乗じて、配列同一性のパーセンテージを得る。配列の比較及び2つの配列間の配列同一性パーセントの決定は、オンライン使用及びダウンロードの両方で容易に利用可能なソフトウェアを使用して達成することができる。好適なソフトウェアプログラムは、種々の供給源から入手可能であり、タンパク質配列及びヌクレオチド配列の両方のアラインメントのためのものである。配列同一性パーセントを決定するのに好適な1つのプログラムは、米国政府の国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)のBLASTウェブサイト(blast.ncbi.nlm.nih.gov)から入手可能なBLASTプログラム一式の一部であるbl2seqである。Bl2seqは、BLASTN又はBLASTPアルゴリズムのいずれかを使用して、2つの配列間の比較を行う。BLASTNは、核酸配列の比較に使用され、BLASTPは、アミノ酸配列の比較に使用される。他の適切なプログラムは、例えば、バイオインフォマティクスプログラムのEMBOSS一式の一部であるNeedle、Stretcher、Water、又はMatcherであり、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute)(EBI)からもwww.ebi.ac.uk/Tools/psaで入手可能である。
【0066】
ポリヌクレオチド又はポリペプチド参照配列と整列される単一のポリヌクレオチド又はポリペプチド標的配列内の異なる領域は、各々がそれら自体の配列同一性パーセントを有することができる。配列同一性パーセント値は、四捨五入して最も近い10分の1にすることに留意されたい。例えば、80.11、80.12、80.13、及び80.14は切り捨てを行って80.1となり、80.15、80.16、80.17、80.18、及び80.19は切り上げを行って80.2となる。また、長さの値は常に整数であることに留意されたい。
【0067】
配列同一性パーセントの計算のための配列アラインメントの生成は、一次配列データによって排他的に駆動される二成分配列-配列比較に限定されない。配列アラインメントは、複数の配列アラインメントから引き出すことができる。複数の配列アラインメントを生成するための1つの適切なプログラムは、ClustalW2であり、www.clustal.orgから入手可能である。別の好適なプログラムは、MUSCLEであり、www.drive5.com/muscle/から入手可能である。ClustalW2及びMUSCLEは、代替的に、例えば、EBIから入手可能である。
【0068】
また、配列アラインメントは、配列データを、構造データ(例えば、結晶学的タンパク質構造)、機能データ(例えば、変異の位置)、又は系統発生データなどの異種の供給源からのデータと統合することによって生成することができることも認識されるであろう。複数の配列アラインメントを生成するために異種のデータを統合する好適なプログラムは、T-Coffeeであり、www.tcoffee.orgで入手可能であり、代替的に、例えば、EBIから入手可能である。また、配列同一性パーセントを計算するために使用される最終的なアラインメントは、自動又はマニュアルのいずれかでキュレートすることができることも認識されるであろう。
【0069】
ポリヌクレオチドバリアントは、コード領域、非コード領域、又はそれらの両方に変化を含むことができる。一態様において、ポリヌクレオチドバリアントは、サイレント置換、付加、又は欠失を生成する変化を含むが、コードされたポリペプチドの特性又は活性を変更しない。別の態様において、ヌクレオチドバリアントは、遺伝コードの縮重に起因するサイレント置換によって生成される。他の態様において、バリアントは、5~10、1~5、又は1~2個のアミノ酸が、任意の組み合わせで置換、欠失、又は付加されている。ポリヌクレオチドバリアントは、様々な理由、例えば、特定の宿主についてコドン発現を最適化するために生成することができる(ヒトmRNAにおけるコドンを他のもの、例えば、E.coliなどの細菌宿主に変化させる)。
【0070】
天然に存在するバリアントは、「対立遺伝子バリアント」と呼ばれ、生物の染色体上の所与の遺伝子座を占める遺伝子のいくつかの代替形態のうちの1つを指す(Genes II,Lewin,B.,ed.,John Wiley & Sons,New York(1985))。これらの対立遺伝子バリアントは、ポリヌクレオチド及び/又はポリペプチドレベルのいずれかで変化し得、本開示に含まれる。代替的に、非天然に存在するバリアントは、変異誘発技術によって、又は直接的合成によって生成することができる。
【0071】
タンパク質工学及び組換えDNA技術の既知の方法を使用して、バリアントを生成して、ポリペプチドの特徴を改善又は変更することができる。例えば、1つ以上のアミノ酸を、生物学的機能の実質的な喪失を伴わずに、分泌したタンパク質のN末端又はC末端から欠失させることができる。Ron et al.,J.Biol.Chem.268:2984-2988(1993)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、3、8、又は27個のアミノ-末端アミノ酸残基を欠失した後でさえ、ヘパリン結合活性を有するバリアントKGFタンパク質を報告した。同様に、インターフェロンガンマは、このタンパク質のカルボキシ末端から8~10個のアミノ酸残基を欠失した後、最大10倍高い活性を示した。(Dobeli et al.,J.Biotechnology 7:199-216(1988)、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。)
【0072】
更に、十分な証拠によって、バリアントが、天然に存在するタンパク質と同様の生物学的活性をしばしば保持することが実証されている。例えば、Gayle及び共同研究者(J.Biol.Chem 268:22105-22111(1993)、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、ヒトサイトカインIL-1aの広範な変異解析を行った。彼らは、ランダム変異誘発を使用して、分子の全長にわたってバリアントごとに平均2.5個のアミノ酸変化した3,500を超える個々のIL-1a変異体を生成した。全ての可能なアミノ酸位置で複数の変異を調べた。研究者らは、「分子の[ほ]とんど([m]ost)は、[結合又は生物学的活性]のいずれにもほとんど影響を及ぼさずに変化させることができた」ことを見出した。(要約を参照されたい。)実際、調査した3,500を超えるヌクレオチド配列のうち、23個の特有なアミノ酸配列のみが、野生型とは活性で著しく異なるタンパク質を生成した。
【0073】
上述のように、ポリペプチドバリアントには、例えば、修飾ポリペプチドが含まれる。修飾としては、例えば、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質又は脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合、交差結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有交差結合の形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシル化、GPI足場形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、ペグ化(Mei et al.,Blood 116:270-79(2010)、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、タンパク質分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化などのタンパク質に対するアミノ酸のトランスファー-RNA媒介性付加、及びユビキチン化が挙げられる。いくつかの態様において、足場Xは、任意の都合のよい位置で修飾される。
【0074】
本明細書で使用される場合、「に連結される」、「にコンジュゲートされる」、及び「に固定される」という用語は、互換的に使用され、それぞれ、第1の部分と第2の部分、例えば、それぞれ足場Xと、外因性の生物学的に活性な部分との間、例えば、細胞外小胞の管腔表面内又はその外面で、それぞれ細胞外小胞内又はその上に発現される足場部分と、抗原、例えば、足場X(例えば、PTGFRNタンパク質)との間で形成される共有結合又は非共有結合を指す。いくつかの態様において、第1の部分は、本明細書に開示されるASOであり、第2の部分は、足場部分、例えば、脂質、ステロイド、又はそれらの類似体若しくは誘導体である。
【0075】
本明細書で使用される場合、「産生細胞」という用語は、EV、例えば、エクソソームを生成するために使用される細胞を指す。産生細胞は、インビトロで培養された細胞であるか、又はインビボでの細胞にあることができる。産生細胞としては、EV、例えば、エクソソームを生成するのに有効であることが知られている細胞、例えば、HEK293細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、間葉系幹細胞(MSC)、BJヒト包皮線維芽細胞、fHDF線維芽細胞、AGE.HN(登録商標)ニューロン前駆細胞、CAP(登録商標)羊膜細胞、脂肪間葉系幹細胞、RPTEC/TERT1細胞が挙げられるが、これらに限定されない。特定の態様において、産生細胞は、抗原提示細胞ではない。いくつかの態様において、産生細胞は、樹状細胞、B細胞、肥満細胞、マクロファージ、好中球、Kupffer-Browicz細胞、これらの細胞のうちのいずれかに由来する細胞、又はそれらの任意の組み合わせではない。いくつかの態様において、本開示で有用なEV、例えば、エクソソームは、EV、例えば、エクソソームの表面に曝露されるMHCクラスI又はクラスII分子に抗原を有しないが、代わりに、EV、例えば、エクソソームの管腔に、又はEV、例えば、エクソソームの表面に、足場Xとの結合によって抗原を有することができる。
【0076】
本明細書で使用される場合、「単離する」、「単離された」、及び「単離すること」、又は「精製する」、「精製された」、及び「精製すること」、並びに「抽出された」及び「抽出すること」という用語は、互換的に使用され、1つ以上の精製プロセス、例えば、所望のEV調製物の選択又は濃縮を受けている所望のEVの調製物(例えば、複数の既知又は未知の量及び/又は濃度)の状態を指す。いくつかの態様において、本明細書で使用される単離すること又は精製することは、産生細胞を含有する試料からEVを取り出す、部分的に取り出す(例えば、画分)プロセスである。いくつかの態様において、単離されたEV組成物は、検出可能な望ましくない活性を有しないか、又は代替的に、望ましくない活性のレベル又は量は、許容されるレベル又は量以下である。他の態様において、単離されたEV組成物は、所望のEVの量及び/又は濃度を、許容される量及び/又は濃度以上で有する。他の態様において、単離されたEV組成物は、組成物が得られる出発材料(例えば、産生細胞調製物)と比較して濃縮されている。この濃縮は、出発物質と比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、99.99%、99.999%、99.9999%、又は99.9999%であることができる。いくつかの態様において、単離されたEV調製物は、残留生物学的生成物を実質的に含まない。いくつかの態様において、単離されたEV調製物は、任意の混入する生物学的物質が、100%フリー、99%フリー、98%フリー、97%フリー、96%フリー、95%フリー、94%フリー、93%フリー、92%フリー、91%フリー、又は90%フリーである。残留生物学的生成物には、非生物的物質(化学物質を含む)又は不必要な核酸、タンパク質、脂質、若しくは代謝産物を含むことができる。残留生物学的生成物を実質的に含まないことはまた、EV組成物が検出可能な産生細胞を含有せず、EVのみが検出可能であることを意味することができる。
【0077】
本明細書で使用される場合、「ペイロード」という用語は、EVと接触する標的(例えば、標的細胞)に作用する薬剤を指す。EV、例えば、エクソソームに含むことができるペイロードの非限定的な例は、ASOである。EV、例えば、エクソソーム、及び/又は産生細胞に導入することができるペイロードとしては、ヌクレオチド(例えば、検出可能な部分若しくは毒素を含むか又は転写を破壊するヌクレオチド)、核酸(例えば、酵素などのポリペプチドをコードするDNA若しくはmRNA分子、又はmiRNA、dsDNA、lncRNA、及びsiRNAなどの調節機能を有するRNA分子)、アミノ酸(例えば、検出可能な部分若しくは毒素を含むか又は翻訳を破壊するアミノ酸)、ポリペプチド(例えば、酵素)、脂質、炭水化物、及び小分子(例えば、小分子薬物及び毒素)などの薬剤が挙げられる。特定の態様において、ペイロードは、ASOを含む。
【0078】
本明細書で使用される場合、「標的化部分」という用語は、インビボ又はインビトロ(例えば、異なる種類の細胞の混合培養物中)で細胞外小胞(例えば、エクソソーム、ナノ小胞)の分布を変更することができる薬剤を指す。標的化部分は、タンパク質、ペプチド、脂質、若しくは炭水化物などの生体分子、又は合成分子であることができる。例えば、標的化部分は、抗体(例えば、抗CD19ナノボディ、抗CD22ナノボディ)、合成ポリマー(例えば、PEG)、天然リガンド(例えば、CD40L、アルブミン)、組換えタンパク質(例えば、XTEN)であることができるが、これらに限定されない。特定の態様において、標的化部分は、EVの表面に提示される。標的化部分は、足場タンパク質(例えば、足場X)に融合されることによって(例えば、遺伝子的にコードされた融合分子として)、EV表面に提示され得る。いくつかの態様において、標的化部分は、標的化部分をEV表面分子に結合させる化学反応によってEV表面に提示され得る。非限定的な例は、PEG化である。いくつかの態様において、本明細書に開示されるEV(例えば、エクソソーム)は、(ペイロードに加えて)標的化部分を更に含むことができる。いくつかの態様において、上記の標的化部分は、小分子(例えば、ASO)、薬物、及び/又は治療用タンパク質(例えば、抗CD3/抗CD19抗体、抗メソセリン抗体/アポトーシス促進タンパク質)などの機能部分と組み合わせることができる。
【0079】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、天然か、又は部分的若しくは全体的に合成によって産生されたかにかかわらず、免疫グロブリン、及びその断片を包含する。本用語はまた、免疫グロブリン結合ドメインに相同的である結合ドメインを有するいずれのタンパク質も網羅する。「抗体」には、免疫グロブリン遺伝子からのフレームワーク領域を含むポリペプチド、又は抗原に特異的に結合して認識するその断片を更に含む。抗体という用語の使用は、全抗体、ポリクローナル、モノクローナル、及び組換え抗体、それらの断片を含むことを意味し、更に、単鎖抗体、ヒト化抗体、マウス抗体、キメラ抗体、マウス-ヒト抗体、マウス-霊長類抗体、霊長類-ヒトモノクローナル抗体、抗イディオタイプ抗体、抗体断片、例えば、scFv、(scFv)2、Fab、Fab’、及びF(ab’)2、F(ab1)2、Fv、dAb、及びFd断片、ダイアボディ、並びに抗体関連ポリペプチドが含まれる。抗体には、それらが望ましい生物学的活性又は生物学的機能を示す限り、二重特異性抗体及び多重特異性抗体が含まれる。「抗体」という用語は、例として、天然に存在及び非天然に存在する両方の抗体、モノクローナル及びポリクローナル抗体、キメラ及びヒト化Ab、ヒト又は非ヒトAb、完全な合成Ab、並びに単鎖Abを含む。非ヒト抗体は、ヒトにおけるその免疫原性を低減する組換え方法によってヒト化され得る。明示的に記載されていない場合、及び文脈が別段の指示をしない限り、「抗体」という用語はまた、前述の免疫グロブリンのうちのいずれかの抗原結合断片又は抗原結合部分を含み、一価及び二価の断片又は部分、並びに単鎖Abを含む。
【0080】
「個体」、「対象」、「宿主」、及び「患者」という用語は、本明細書で互換的に使用され、診断、治療、又は療法が望まれる任意の哺乳動物対象、特にヒトを指す。本明細書に記載の組成物及び方法は、ヒト療法及び獣医学適用の両方に適用可能である。いくつかの態様において、対象は哺乳動物であり、他の態様において、対象はヒトである。本明細書で使用される場合、「哺乳動物対象」は、ヒト、愛玩動物(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなど)、及び実験動物(例えば、サル、ラット、マウス、ウサギ、モルモットなど)を含むが、これらに限定されない、全ての哺乳動物を含む。
【0081】
「医薬組成物」という用語は、活性成分の生物学的活性が有効であることを可能にするような形態にあり、組成物が投与される対象に対して許容できない毒性である、追加の成分を含有しない調製物を指す。かかる組成物は、無菌であり得る。
【0082】
本明細書で使用される場合、「実質的にフリー」という用語は、EV、例えば、エクソソームを含む試料が、質量/体積(m/v)パーセント濃度で10%未満の巨大分子を含むことを意味する。いくつかの画分は、0.001%未満、0.01%未満、0.05%未満、0.1%未満、0.2%未満、0.3%未満、0.4%未満、0.5%未満、0.6%未満、0.7%未満、0.8%未満、0.9%未満、1%未満、2%未満、3%未満、4%未満、5%未満、6%未満、7%未満、8%未満、9%未満、又は10%未満(m/v)の巨大分子を含有し得る。
【0083】
本明細書で使用される場合、「従来のエクソソームタンパク質」という用語は、CD9、CD63、CD81、PDGFR、GPIアンカータンパク質、ラクタドヘリンLAMP2、及びLAMP2B、それらの断片、又はそれらに結合するペプチドを含むが、これらに限定されない、エクソソームで濃縮されることが既に知られているタンパク質を意味する。
【0084】
「投与すること」は、本明細書で使用される場合、本明細書に開示されるEV、例えば、エクソソームを含む組成物を、薬学的に許容される経路を介して対象に与えることを意味する。投与経路は、静脈内、例えば、静脈内注射及び静脈内注入であることができる。追加の投与経路には、例えば、皮下、筋肉内、経口、鼻腔、及び肺投与が含まれる。EV、例えば、エクソソームは、少なくとも1つの賦形剤を含む医薬組成物の一部として投与することができる。
【0085】
例えば、本明細書に開示される細胞外小胞の「有効量」は、具体的に言明された目的を実行するのに十分な量である。
【0086】
本明細書で使用される「治療する」、「治療」、又は「治療すること」は、例えば、疾患又は状態を治癒することを必ずしも伴わずに、疾患又は状態の重症度の低減、疾患経過期間の低減、疾患又は状態に関連する1つ以上の症状の改善又は排除、疾患又は状態を有する対象への有益な効果の提供を指す。本用語はまた、疾患若しくは状態又はそれらの症状の予防又は防止を含む。一態様において、「治療すること」又は「治療」という用語は、抗原に対する対象における免疫応答を誘導することを意味する。
【0087】
「防止する」又は「防止すること」は、本明細書で使用される場合、特定の転帰の発生又は重症度を減少又は低減することを指す。いくつかの態様において、転帰を防止することは、予防的治療を介して達成される。
【0088】
II.医薬組成物
本明細書において、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を含む、細胞外小胞、例えば、エクソソームの保存及び投与のための組成物が提供され、組成物は、約450mOsm/kg未満の浸透圧濃度を含む。いくつかの態様において、ASOは、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である、長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む。上述のように、本開示の組成物は、EVの低下した凝集、EVの改善した安定性、及びEVアーキテクチャの改善した完全性、EV上又はEV中に含まれた操作されたタンパク質の改善した安定性、並びにASOなどのロード又はコンジュゲートされた材料の改善した安定性を含むが、これらに限定されない、複数の利点を提供する。本明細書に開示される組成物は、ある温度の範囲で様々な長さの期間にわたって、組成物内に含有されるEVの安定性を損なうことなく、凍結して保存することが可能である。
【0089】
いくつかの態様において、組成物の浸透圧濃度は、少なくとも約300~約450mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、少なくとも約310~約450mOsm/kg、少なくとも約320~約450mOsm/kg、少なくとも約330~約450mOsm/kg、少なくとも約340~約450mOsm/kg、少なくとも約350~約450mOsm/kg、少なくとも約355~約450mOsm/kg、少なくとも約360~約450mOsm/kg、少なくとも約365~約450mOsm/kg、少なくとも約365~約445mOsm/kg、少なくとも約365~約440mOsm/kg、少なくとも約365~約435mOsm/kg、少なくとも約365~約430mOsm/kg、少なくとも約365~約425mOsm/kg、少なくとも約370~約420mOsm/kg、少なくとも約375~約415mOsm/kg、少なくとも約380~約410mOsm/kg、少なくとも約385~約405mOsm/kg、少なくとも約390~約400mOsm/kg、少なくとも約395~約400mOsm/kg、又は少なくとも約390~約395mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、少なくとも約365~約425mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、少なくとも約300mOsm/kg、約310mOsm/kg、約320mOsm/kg、約330mOsm/kg、約340mOsm/kg、約350mOsm/kg、約360mOsm/kg、約365mOsm/kg、約370mOsm/kg、約375mOsm/kg、約380mOsm/kg、約385mOsm/kg、約390mOsm/kg、約395mOsm/kg、約400mOsm/kg、約405mOsm/kg、約410mOsm/kg、約415mOsm/kg、約420mOsm/kg、約425mOsm/kg、約430mOsm/kg、又は約435mOsm/kg、約440mOsm/kg、又は約445mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、約375mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、約380mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、約385mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、約390mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、約395mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、約400mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、約405mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、約410mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、約415mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、約420mOsm/kgである。いくつかの態様において、溶液の浸透圧濃度は、約425mOsm/kgである。
【0090】
いくつかの態様において、本組成物は、糖、及び1つ以上の塩を更に含む。いくつかの態様において、塩には、塩化ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。いくつかの態様において、本組成物は、約7.2のpHの溶液中にある。
【0091】
本開示は、細胞外小胞を含む医薬組成物を提供し、医薬組成物は、凍結及び/若しくは保存のために安定であり、かつ/又は哺乳動物、例えば、ヒトにおける投与に好適である。保存中の生物製剤の不安定性は、凝集、脱アミノ化、異性化、加水分解、酸化、及び/又は変性によって引き起こされ得る。これらの構造変更は、様々な異なる要因:生物製剤の特性、及び/又は温度、pH、及び生物製剤のイオン強度を含む他の要因、並びに生物製剤とともに製剤化される構成要素に起因し得る。
【0092】
いくつかの態様において、本開示の医薬組成物は、安定して製剤化され、それによって組成物は、キレート剤及び/又はアルブミン、例えば、組換えヒトアルブミンを必要としない。
【0093】
ヒトアルブミンは、血液中で最も普遍的なタンパク質であり、およそ40g/Lの量で存在する。血液中のその役割は、金属、ホルモン、脂肪酸、及び毒素などの多数のより小さい実体の輸送である。しかしながら、それはまた、血液のコロイド膨張(又はコロイド浸透)圧の約75%を占め、アルブミンの単一の遊離システイン(34位)は、血液中に存在する還元当量の大部分を占める。これらの特徴は全て、製剤中にアルブミンを用いる際に機能的な特性である。
【0094】
アルブミンは、歴史的に、ある範囲の異なる製剤で使用されてきている。当初、血漿由来のヒト血清アルブミンが用いられたが、化学的に定義された(組換え)ヒト血清アルブミンの使用に向けた製造業におけるシフトがあった。組換え産物は、動物由来産物の不存在、供給の確実性、高純度、宿主由来プロテアーゼの不存在、高い均質性、高い遊離チオール含有量、既知又は未知のヒト病原体の不存在、バッチ間の一貫性、及び確立された調節経路の存在などの要因により、有利である。
【0095】
製剤中のアルブミンは、表面吸着、凝集、フィブリル化、及び酸化を防止し、溶解性、凍結乾燥ケーキ形成、及び/又は凍結乾燥粉末からのAPIの溶解特性を改善することが報告されている。これらの既知の利点にもかかわらず、本開示は、細胞外小胞を含む、安定したアルブミン無含有医薬組成物を提供する。
【0096】
キレート剤は、金属イオンと結合し、医薬製剤の安定性及び有効性に重要な役割を果たす成分である。キレート化のプロセスは、金属イオンを、それらがいずれの他の物質とも化学反応することを防ぐことによって安定させる。本組成物は、それがキレート剤を含有しないことを特徴とすることができる。
【0097】
いくつかの態様において、本明細書に開示の組成物は、pIを約1~約6.5の範囲で有する。本開示のEVのpI範囲は、本明細書に開示されている、表面巨大分子、例えば、PTGFRNが過剰発現されている場合、生理学的pH値でコロイド的に安定なアニオン性エクソソームを可能にする。いくつかの態様において、表面分子は、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、又は炭水化物であり得る。いくつかの態様において、6.5を超えるpIは、EV、例えば、エクソソームに、毒性又は制限された体内分布をもたらし得る有用なpH範囲で中性電荷(不安定)又はカチオン電荷のいずれかを引き起こすことができる。
【0098】
いくつかの態様において、本開示の組成物は、液体状態で製剤化され、組成物の温度を凍結及び氷点下温度に低下させることによって、保存のために凍結することができる。脱水又は凍結乾燥を介して組成物を凍結することは企図されない。いくつかの態様において、組成物は、凍結乾燥されていない。
【0099】
II.A.アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)
本開示は、STAT6核酸、例えば、STAT6プレmRNA及びSTAT6 mRNAを含むSTAT6転写物などの哺乳動物STAT6をコードする核酸分子、又は哺乳動物STAT6をコードするかかる核酸分子の天然に存在するバリアントの機能を調節する際に使用するためにアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を用いる。本開示の文脈における「ASO」という用語は、2つ以上のヌクレオチドの共有結合によって形成される分子(すなわち、オリゴヌクレオチド)を指す。
【0100】
いくつかの態様において、EV、例えば、エクソソームは、少なくとも1つのASOを含む。いくつかの態様において、EV、例えば、エクソソームは、少なくとも2つのASO、例えば、第1のヌクレオチド配列を含む第1のASO、及び第2のヌクレオチド配列を含む第2のASOを含む。いくつかの態様において、EV、例えば、エクソソームは、少なくとも3つのASO、少なくとも4つのASO、少なくとも5つのASO、少なくとも6つのASO、又は6つを超えるASOを含む。いくつかの態様において、第1のASO、第2のASO、第3のASO、第4のASO、第5のASO、第6のASO、及び/又は第9のASOの各々は、異なる。
【0101】
いくつかの態様において、EV、例えば、エクソソームは、第1のASO及び第2のASOを含み、第1のASOは、第1の転写物中の第1の標的配列に相補的である第1のヌクレオチド配列を含み、第2のASOは、第1の転写物中の第2の標的配列に相補的である第2のヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、第1の標的配列は、第2の標的配列と重複しない。いくつかの態様において、第1の標的配列は、転写物の5’UTR内にある少なくとも1つのヌクレオチドを含み、第2の標的配列は、5’UTR内にあるヌクレオチドを含まない。いくつかの態様において、第1の標的配列は、転写物の3’UTR内にある少なくとも1つのヌクレオチドを含み、第2の標的配列は、3’UTR内にあるヌクレオチドを含まない。いくつかの態様において、第1の標的配列は、転写物の5’UTR内にある少なくとも1つのヌクレオチドを含み、第2の標的配列は、3’UTR内にある少なくとも1つのヌクレオチドを含む。
【0102】
いくつかの態様において、第1のASOは、エクソン-イントロン接合部内の配列を標的とし、第2のASOは、エクソン-イントロン接合部内の配列を標的とする。いくつかの態様において、第1のASOは、エクソン-イントロン接合部内の配列を標的とし、第2のASOは、エクソン内の配列を標的とする。いくつかの態様において、第1のASOは、エクソン-イントロン接合部内の配列を標的とし、第2のASOは、イントロン内の配列を標的とする。いくつかの態様において、第1のASOは、エクソン内の配列を標的とし、第2のASOは、エクソン内の配列を標的とする。いくつかの態様において、第1のASOは、イントロン内の配列を標的とし、第2のASOは、エクソン内の配列を標的とする。いくつかの態様において、第1のASOは、イントロン内の配列を標的とし、第2のASOは、イントロン内の配列を標的とする。
【0103】
いくつかの態様において、EV、例えば、エクソソームは、第1のASO及び第2のASOを含み、第1のASOは、第1の転写物中の第1の標的配列に相補的である第1のヌクレオチド配列を含み、第2のASOは、第2の転写物中の第2の標的配列に相補的である第2のヌクレオチド配列を含み、第1の転写物は、第2の転写物と同じ遺伝子の産物ではない。
【0104】
ASOは、長さが10~20、14~20、16~20、又は15~25ヌクレオチドなどの約10~約30の連続したヌクレオチド配列を含む。特定の態様において、ASOは、長さが20ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが18ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが19ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが17ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが16ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが15ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが14ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが13ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが12ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが11ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが10ヌクレオチドである。
【0105】
いくつかの態様において、ASOは、長さが約10~約50ヌクレオチド、例えば、約10~約45、約10~約40、約10、若しくは約35、又は約10~約30の連続したヌクレオチド配列を含む。特定の態様において、ASOは、長さが21ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが22ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが23ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが24ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが25ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが26ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが27ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが28ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが29ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが30ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが31ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが32ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが33ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが34ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが35ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが36ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが37ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが38ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが39ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが40ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが41ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが42ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが43ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが44ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが45ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが46ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが47ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが48ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが49ヌクレオチドである。特定の態様において、ASOは、長さが50ヌクレオチドである。
【0106】
本明細書で使用される「アンチセンスASO」、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」、及び「オリゴマー」という用語は、「ASO」という用語と互換性がある。
【0107】
配列番号への言及は、特定の核酸塩基配列を含むが、いかなる設計又は完全な化学構造も含まない。更に、本明細書の図に開示されるASOは、代表的な設計を示すが、別段の指示がない限り、図に示される特定の設計に限定されない。例えば、請求項(又は本明細書)が配列番号101を言及する場合、それは、配列番号101のヌクレオチド配列のみを含む。本明細書に開示される任意のASOの設計は、配列番号XXとして記述することができ、5’末端からの第1のヌクレオチド、第2のヌクレオチド、第3のヌクレオチド、第1のヌクレオチド、第2のヌクレオチド、及び第Nのヌクレオチドの各々は、修飾ヌクレオチド、例えば、LNAであり、他のヌクレオチドの各々は、非修飾ヌクレオチド(例えば、DNA)である。
【0108】
様々な態様において、本開示のASOは、RNA(単位)を含まない。いくつかの態様において、ASOは、1つ以上のDNA単位を含む。一態様において、本開示によるASOは、線状分子であるか、又は線状分子として合成される。いくつかの態様において、ASOは一本鎖分子であり、例えば、同じASO内の等価領域に相補的である(すなわち、二本鎖)少なくとも3、4、又は5個の連続したヌクレオチドの短い領域を含まず、この観点において、ASOは(本質的に)二本鎖ではない。いくつかの態様において、ASOは、本質的に、二本鎖ではない。いくつかの態様において、ASOは、siRNAではない。様々な態様において、本開示のASOは、連続したヌクレオチド領域から完全に構成することができる。したがって、いくつかの態様において、ASOは、実質的に自己相補的ではない。
【0109】
他の態様において、本開示は、ASOの断片を含む。例えば、本開示は、本明細書に開示されるASOの少なくとも1つのヌクレオチド、少なくとも2つの連続したヌクレオチド、少なくとも3つの連続したヌクレオチド、少なくとも4つの連続したヌクレオチド、少なくとも5つの連続したヌクレオチド、少なくとも6つの連続したヌクレオチド、少なくとも7つの連続したヌクレオチド、少なくとも8つの連続したヌクレオチド、又は少なくとも9つの連続したヌクレオチドを含む。本明細書に開示される配列のいずれの断片も、本開示の一部として企図される。
【0110】
いくつかの態様において、本開示におけるASOは、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PMO)又はペプチドコンジュゲート化ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PPMO)を含む。
【0111】
II.A.1.STAT6を標的とするASO
好適には、本開示のASOは、STAT6 mRNAの発現又はSTAT6タンパク質を下方調節(例えば、低下するか又は除去する)することが可能である。これに関して、本開示のASOは、M2マクロファージの分化を促進し、かつ/又はM1マクロファージの分化を減少させることができる。特に、本開示は、STAT6プレmRNAの1つ以上の領域(例えば、イントロン領域、エクソン領域、及び/又はエクソン-イントロン接合部領域)を標的とするASOに関する。
【0112】
別途示されない限り、「STAT6」という用語は、本明細書で使用される場合、1つ以上の種(例えば、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、ウシ、及びクマ)からのSTAT6を指すことができる。
【0113】
STAT6(STAT6)は、シグナルトランスデューサー及び転写活性化因子6としても知られている。STAT6/STAT6の同義語が知られており、IL-4 STAT、インターロイキン4誘導性STAT、転写因子IL-4 STAT、STAT6B、STAT6C、及びD12S1644が含まれる。ヒトSTAT6遺伝子における配列は、公的に利用可能なGenBank受託番号NC_000012.12:c57111413~57095404に見出すことができる。ヒトSTAT6遺伝子は、染色体位置12q13.3で57111413~57095404、相補体で見出される。
【0114】
ヒトSTAT6プレ-mRNA転写物(配列番号1)における配列は、染色体12q13.3の残基57111413~57095404、相補体の逆相補体に対応する。STAT6 mRNA配列(GenBank受託番号NM_001178078.1)は、配列番号3におけるヌクレオチド「t」がmRNAにおいて「u」として示されることを除いて、配列番号3(表1)に提供される。ヒトSTAT6タンパク質における配列は、公開されて利用可能な受託番号:P42226-1、(標準配列、配列番号2、表1)、P42226-2(配列番号4)、及びP42226-3(配列番号5)で見出すことができ、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【表1】
【0115】
ヒトSTAT6遺伝子産物の天然バリアントが知られている。例えば、ヒトSTAT6タンパク質の天然バリアントは、M118R、D419N、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上のアミノ酸置換を含むことができる。選択的スプライシングに起因するヒトSTAT6タンパク質の追加のバリアントも、当該技術分野で知られている。STAT6アイソフォーム2(識別子:UniProtにおけるP42226-2)は、標準配列(配列番号3)とは以下:配列番号3と比較して残基1~174の欠失及び175PSE177の175MEQ177による置換、で異なる。STAT6アイソフォーム3の配列(識別子:P42226-3)は、標準配列(配列番号3)とは以下:配列番号3と比較して残基1~110の欠失、で異なる。したがって、本開示のASOは、STAT6タンパク質の天然バリアントの発現を低下又は阻害するように設計することができる。
【0116】
ASOの標的核酸配列の例は、STAT6プレmRNAである。配列番号1は、ヒトSTAT6ゲノム配列(すなわち、染色体12q13.3のヌクレオチド57111413~57095404、相補体の逆補体)を表す。配列番号1は、配列番号1におけるヌクレオチド「t」が、プレmRNAにおいて「u」として示されることを除いて、STAT6プレmRNA配列と同一である。特定の態様において、「標的核酸」は、STAT6タンパク質をコードする核酸又はその天然に存在するバリアントのイントロン、及びそれに由来するRNA核酸、例えば、プレmRNAを含む。他の態様において、標的核酸は、STAT6タンパク質をコードする核酸又はその天然に存在するバリアントのエクソン領域、及びそれに由来するRNA核酸、例えば、プレmRNAを含む。更に他の態様において、標的核酸は、STAT6タンパク質をコードする核酸又はその天然に存在するバリアントのエクソン-イントロン接合部、及びそれに由来するRNA核酸、例えば、プレmRNAを含む。いくつかの態様において、例えば、研究又は診断で使用する場合、「標的核酸」は、上記DNA又はRNA核酸標的に由来するcDNA又は合成オリゴヌクレオチドであることができる。STAT6プレmRNAによってコードされるヒトSTAT6タンパク質配列は、配列番号3として示される。他の態様において、標的核酸は、STAT6タンパク質をコードする核酸又はその天然に存在するバリアントの非翻訳領域、例えば、5’UTR、3’UTR、又はその両方を含む。
【0117】
いくつかの態様において、本開示のASOは、STAT6転写物、例えば、配列番号1のイントロン内の領域にハイブリダイズする。特定の態様において、本開示のASOは、STAT6転写物、例えば、配列番号1のエクソン内の領域にハイブリダイズする。他の態様において、本開示のASOは、STAT6転写物、例えば、配列番号1のエクソン-イントロン接合部内の領域にハイブリダイズする。いくつかの態様において、本開示のASOは、STAT6転写物内、例えば、配列番号1内の領域(例えば、イントロン、エクソン、又はエクソン-イントロン接合部)にハイブリダイズし、ASOは、本明細書の別の箇所に記載されているように式:5’A-B-C3’による設計を有する。
【0118】
いくつかの態様において、ASOは、STAT6タンパク質の特定のアイソフォーム(例えば、アイソフォーム1)をコードするmRNAを標的とする。いくつかの態様において、ASOは、STAT6タンパク質の全てのアイソフォームを標的とする。他の態様において、ASOは、STAT6タンパク質の2つのアイソフォーム(例えば、アイソフォーム1及びアイソフォーム2、アイソフォーム1及びアイソフォーム3、又はアイソフォーム2及びアイソフォーム3)を標的とする。
【0119】
いくつかの態様において、ASOは、STAT6転写物内の核酸配列、例えば、配列番号1又は配列番号3に対応する領域に相補的な連続したヌクレオチド配列(例えば、長さが10~30ヌクレオチド、例えば、長さが20ヌクレオチド)を含む。いくつかの態様において、ASOは、STAT6転写物の核酸配列、又は配列内の領域(「標的領域」)にハイブリダイズする連続したヌクレオチド配列を含み、核酸配列は、(i)配列番号3のヌクレオチド1~700、(ii)配列番号3のヌクレオチド1000~1500、(iii)配列番号3のヌクレオチド1500~2000、(iv)配列番号3のヌクレオチド2000~2500、(v)配列番号3の2500~3000、又は(vi)配列番号3の3000~3700に対応し、任意選択的に、ASOは、本明細書に記載される設計のうちの1つ、又は本明細書の他の箇所に示される化学構造を有する。
【0120】
いくつかの態様において、ASOは、STAT6転写物の核酸配列、又は配列内の領域(「標的領域」)にハイブリダイズする連続したヌクレオチド配列を含み、核酸配列は、(i)配列番号3のヌクレオチド413~803、(ii)配列番号3のヌクレオチド952~1688、(iii)配列番号3のヌクレオチド1726~2489、(iv)配列番号3のヌクレオチド2682~2912、(v)配列番号3の2970~3203、又は(vi)配列番号3の3331~3561に対応し、任意選択的に、ASOは、本明細書に記載される設計のうちの1つ、又は本明細書の他の箇所に示される化学構造を有する。
【0121】
いくつかの態様において、ASOは、STAT6転写物の核酸配列、又は配列内の領域(「標的領域」)にハイブリダイズする連続したヌクレオチド配列を含み、核酸配列は、(i)配列番号3のヌクレオチド463~753、(ii)配列番号3のヌクレオチド1002~1638、(iii)配列番号3のヌクレオチド1776~2439、(iv)配列番号3のヌクレオチド2682~2862、(v)配列番号3の3020~3153、又は(vi)配列番号3の3381~3511に対応し、任意選択的に、ASOは、本明細書に記載される設計のうちの1つ、又は本明細書の他の箇所に示される化学構造を有する。
【0122】
いくつかの態様において、ASOは、STAT6転写物の核酸配列、又は配列内の領域(「標的領域」)にハイブリダイズする連続したヌクレオチド配列を含み、核酸配列は、(i)配列番号3のヌクレオチド503~713、(ii)配列番号3のヌクレオチド1042~1598、(iii)配列番号3のヌクレオチド1816~2399、(iv)配列番号3のヌクレオチド2722~2822、(v)配列番号3の3060~3113、又は(vi)配列番号3の3421~3471に対応し、任意選択的に、ASOは、本明細書に記載される設計のうちの1つ、又は本明細書の他の箇所に示される化学構造を有する。
【0123】
いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1053~1067(例えば、ASO-STAT6-1053、配列番号91)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1359~1373(例えば、ASO-STAT6-1359、配列番号92)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1890~1904(例えば、ASO-STAT6-1890、配列番号93)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1892~1906(例えば、ASO-STAT6-1892、配列番号94)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1915~1929(例えば、ASO-STAT6-1915、配列番号95)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1916~1930(例えば、ASO-STAT6-1916、配列番号96)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1917~1931(例えば、ASO-STAT6-1917、配列番号97)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1918~1932(例えば、ASO-STAT6-1918、配列番号98)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1919~1933(例えば、ASO-STAT6-1919、配列番号99)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1920~1934(例えば、ASO-STAT6-1920、配列番号100)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1937~1951(例えば、ASO-STAT6-1937、配列番号101)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1938~1952(例えば、ASO-STAT6-1938、配列番号102)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2061~2075(例えば、ASO-STAT6-2061、配列番号103)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2062~2076(例えば、ASO-STAT6-2062、配列番号104)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2063~2077(例えば、ASO-STAT6-2063、配列番号105)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2064~2078(例えば、ASO-STAT6-2064、配列番号106)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2066~2080(例えば、ASO-STAT6-2066、配列番号107)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2067~2081(例えば、ASO-STAT6-2067、配列番号108)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2068~2082(例えば、ASO-STAT6-2068、配列番号109)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2352~2366(例えば、ASO-STAT6-2352、配列番号110)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド3073~3087(例えば、ASO-STAT6-3073、配列番号111)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1053~1068(例えば、ASO-STAT6-1053、配列番号112)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1054~1069(例えば、ASO-STAT6-1054、配列番号113)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1356~1371(例えば、ASO-STAT6-1356、配列番号114)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1847~1862(例えば、ASO-STAT6-1847、配列番号115)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1886~1901(例えば、ASO-STAT6-1886、配列番号116)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1887~1902(例えば、ASO-STAT6-1887、配列番号117)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1888~1903(例えば、ASO-STAT6-1888、配列番号118)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1889~1904(例えば、ASO-STAT6-1889、配列番号119)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1890~1905(例えば、ASO-STAT6-1890、配列番号120)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1893~1908(例えば、ASO-STAT6-1893、配列番号121)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1917~1932(例えば、ASO-STAT6-1917、配列番号122)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1919~1934(例えば、ASO-STAT6-1919、配列番号123)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2056~2071(例えば、ASO-STAT6-2056、配列番号124)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2060~2075(例えば、ASO-STAT6-2060、配列番号125)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2066~2081(例えば、ASO-STAT6-2066、配列番号126)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2070~2085(例えば、ASO-STAT6-2070、配列番号127)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2351~2366(例えば、ASO-STAT6-2351、配列番号128)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2352~2367(例えば、ASO-STAT6-2352、配列番号129)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2359~2374(例えば、ASO-STAT6-2359、配列番号130)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド3633~3648(例えば、ASO-STAT6-3633、配列番号131)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド673~689(例えば、ASO-STAT6-673、配列番号132)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1052~1068(例えば、ASO-STAT6-1052、配列番号133)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1356~1372(例えば、ASO-STAT6-1356、配列番号134)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1357~1373(例えば、ASO-STAT6-1357、配列番号135)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1359~1375(例えば、ASO-STAT6-1359、配列番号136)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1360~1376(例えば、ASO-STAT6-1360、配列番号137)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1839~1855(例えば、ASO-STAT6-1839、配列番号138)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1848~1864(例えば、ASO-STAT6-1848、配列番号139)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1849~1865(例えば、ASO-STAT6-1849、配列番号140)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1891~1907(例えば、ASO-STAT6-1891、配列番号141)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1915~1931(例えば、ASO-STAT6-1915、配列番号142)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1916~1932(例えば、ASO-STAT6-1916、配列番号143)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1917~1933(例えば、ASO-STAT6-1917、配列番号144)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1938~1954(例えば、ASO-STAT6-1938、配列番号145)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1939~1955(例えば、ASO-STAT6-1939、配列番号146)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2063~2079(例えば、ASO-STAT6-2063、配列番号147)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2064~2080(例えば、ASO-STAT6-2064、配列番号148)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2065~2081(例えば、ASO-STAT6-2065、配列番号149)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2066~2082(例えば、ASO-STAT6-2066、配列番号150)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2068~2084(例えば、ASO-STAT6-2068、配列番号151)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2187~2203(例えば、ASO-STAT6-2187、配列番号152)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2350~2366(例えば、ASO-STAT6-2350、配列番号153)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2351~2367(例えば、ASO-STAT6-2351、配列番号154)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2352~2368(例えば、ASO-STAT6-2352、配列番号155)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2357~2373(例えば、ASO-STAT6-2357、配列番号156)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド513~532(例えば、ASO-STAT6-513、配列番号157)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド671~690(例えば、ASO-STAT6-671、配列番号158)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1131~1150(例えば、ASO-STAT6-1131、配列番号159)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1354~1373(例えば、ASO-STAT6-1354、配列番号160)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオ
チド1355~1374(例えば、ASO-STAT6-1355、配列番号161)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1356~1375(例えば、ASO-STAT6-1356、配列番号162)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1432~1451(例えば、ASO-STAT6-1432、配列番号163)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1555~1574(例えば、ASO-STAT6-1555、配列番号164)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1556~1575(例えば、ASO-STAT6-1556、配列番号165)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1557~1576(例えば、ASO-STAT6-1557、配列番号166)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1558~1577(例えば、ASO-STAT6-1558、配列番号167)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1826~1845(例えば、ASO-STAT6-1826、配列番号168)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1827~1846(例えば、ASO-STAT6-1827、配列番号169)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1833~1852(例えば、ASO-STAT6-1833、配列番号170)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1843~1862(例えば、ASO-STAT6-1843、配列番号171)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1846~1865(例えば、ASO-STAT6-1846、配列番号172)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1847~1866(例えば、ASO-STAT6-1847、配列番号173)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1883~1902(例えば、ASO-STAT6-1883、配列番号174)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1889~1908(例えば、ASO-STAT6-1889、配列番号175)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1890~1909(例えば、ASO-STAT6-1890、配列番号176)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1891~1910(例えば、ASO-STAT6-1891、配列番号177)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1916~1935(例えば、ASO-STAT6-1916、配列番号178)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1917~1936(例えば、ASO-STAT6-1917、配列番号179)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2056~2075(例えば、ASO-STAT6-2056、配列番号180)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2057~2076(例えば、ASO-STAT6-2057、配列番号181)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2060~2079(例えば、ASO-STAT6-2060、配列番号182)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2062~2081(例えば、ASO-STAT6-2062、配列番号183)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2063~2082(例えば、ASO-STAT6-2063、配列番号184)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2065~2084(例えば、ASO-STAT6-2065、配列番号185)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2068~2087(例えば、ASO-STAT6-2068、配列番号186)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2347~2366(例えば、ASO-STAT6-2347、配列番号187)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2348~2367(例えば、ASO-STAT6-2348、配列番号188)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2358~2377(例えば、ASO-STAT6-2358、配列番号189)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2782~2801(例えば、ASO-STAT6-2782、配列番号190)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド3070~3089(例えば、ASO-STAT6-3070、配列番号191)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド3071~3090(例えば、ASO-STAT6-3071、配列番号192)に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド3431~3450(例えば、ASO-STAT6-3431、配列番号193)に対応する。
【0124】
いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1053~1067(例えば、ASO-STAT6-1053、配列番号91)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1359~1373(例えば、ASO-STAT6-1359、配列番号92)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1890~1904(例えば、ASO-STAT6-1890、配列番号93)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1892~1906(例えば、ASO-STAT6-1892、配列番号94)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1915~1929(例えば、ASO-STAT6-1915、配列番号95)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1916~1930(例えば、ASO-STAT6-1916、配列番号96)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1917~1931(例えば、ASO-STAT6-1917、配列番号97)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1918~1932(例えば、ASO-STAT6-1918、配列番号98)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1919~1933(例えば、ASO-STAT6-1919、配列番号99)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1920~1934(例えば、ASO-STAT6-1920、配列番号100)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1937~1951(例えば、ASO-STAT6-1937、配列番号101)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1938~1952(例えば、ASO-STAT6-1938、配列番号102)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2061~2075(例えば、ASO-STAT6-2061、配列番号103)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2062~2076(例えば、ASO-STAT6-2062、配列番号104)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2063~2077(例えば、ASO-STAT6-2063、配列番号105)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2064~2078(例えば、ASO-STAT6-2064、配列番号106)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2066~2080(例えば、ASO-STAT6-2066、配列番号107)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2067~2081(例えば、ASO-STAT6-2067、配列番号108)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2068~2082(例えば、ASO-STAT6-2068、配列番号109)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2352~2366(例えば、ASO-STAT6-2352、配列番号110)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド3073~3087(例えば、ASO-STAT6-3073、配列番号111)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1053~1068(例えば、ASO-STAT6-1053、配列番号112)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1054~1069(例えば、ASO-STAT6-1054、配列番号113)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1356~1371(例えば、ASO-STAT6-1356、配列番号114)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1847~1862(例えば、ASO-STAT6-1847、配列番号115)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1886~1901(例えば、ASO-STAT6-1886、配列番号116)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1887~1902(例えば、ASO-STAT6-1887、配列番号117)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1888~1903(例えば、ASO-STAT6-1888、配列番号118)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1889~1904(例えば、ASO-STAT6-1889、配列番号119)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1890~1905(例えば、ASO-STAT6-1890、配列番号120)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1893~1908(例えば、ASO-STAT6-1893、配列番号121)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1917~1932(例えば、ASO-STAT6-1917、配列番号122)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1919~1934(例えば、ASO-STAT6-1919、配列番号123)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2056~2071(例えば、ASO-STAT6-2056、配列番号124)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2060~2075(例えば、ASO-STAT6-2060、配列番号125)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2066~2081(例えば、ASO-STAT6-2066、配列番号126)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2070~2085(例えば、ASO-STAT6-2070、配列番号127)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2351~2366(例えば、ASO-STAT6-2351、配列番号128)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2352~23
67(例えば、ASO-STAT6-2352、配列番号129)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2359~2374(例えば、ASO-STAT6-2359、配列番号130)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド3633~3648(例えば、ASO-STAT6-3633、配列番号131)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド673~689(例えば、ASO-STAT6-673、配列番号132)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1052~1068(例えば、ASO-STAT6-1052、配列番号133)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1356~1372(例えば、ASO-STAT6-1356、配列番号134)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1357~1373(例えば、ASO-STAT6-1357、配列番号135)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1359~1375(例えば、ASO-STAT6-1359、配列番号136)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1360~1376(例えば、ASO-STAT6-1360、配列番号137)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1839~1855(例えば、ASO-STAT6-1839、配列番号138)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1848~1864(例えば、ASO-STAT6-1848、配列番号139)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1849~1865(例えば、ASO-STAT6-1849、配列番号140)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1891~1907(例えば、ASO-STAT6-1891、配列番号141)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1915~1931(例えば、ASO-STAT6-1915、配列番号142)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1916~1932(例えば、ASO-STAT6-1916、配列番号143)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1917~1933(例えば、ASO-STAT6-1917、配列番号144)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1938~1954(例えば、ASO-STAT6-1938、配列番号145)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1939~1955(例えば、ASO-STAT6-1939、配列番号146)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2063~2079(例えば、ASO-STAT6-2063、配列番号147)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2064~2080(例えば、ASO-STAT6-2064、配列番号148)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2065~2081(例えば、ASO-STAT6-2065、配列番号149)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2066~2082(例えば、ASO-STAT6-2066、配列番号150)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2068~2084(例えば、ASO-STAT6-2068、配列番号151)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2187~2203(例えば、ASO-STAT6-2187、配列番号152)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2350~2366(例えば、ASO-STAT6-2350、配列番号153)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2351~2367(例えば、ASO-STAT6-2351、配列番号154)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2352~2368(例えば、ASO-STAT6-2352、配列番号155)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2357~2373(例えば、ASO-STAT6-2357、配列番号156)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド513~532(例えば、ASO-STAT6-513、配列番号157)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド671~690(例えば、ASO-STAT6-671、配列番号158)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1131~1150(例えば、ASO-STAT6-1131、配列番号159)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1354~1373(例えば、ASO-STAT6-1354、配列番号160)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1355~1374(例えば、ASO-STAT6-1355、配列番号161)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1356~1375(例えば、ASO-STAT6-1356、配列番号162)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1432~1451(例えば、ASO-STAT6-1432、配列番号163)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1555~1574(例えば、ASO-STAT6-1555、配列番号164)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1556~1575(例えば、ASO-STAT6-1556、配列番号165)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1557~1576(例えば、ASO-STAT6-1557、配列番号166)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1558~1577(例えば、ASO-STAT6-1558、配列番号167)の3’末端及び/
又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1826~1845(例えば、ASO-STAT6-1826、配列番号168)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1827~1846(例えば、ASO-STAT6-1827、配列番号169)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1833~1852(例えば、ASO-STAT6-1833、配列番号170)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1843~1862(例えば、ASO-STAT6-1843、配列番号171)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1846~1865(例えば、ASO-STAT6-1846、配列番号172)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1847~1866(例えば、ASO-STAT6-1847、配列番号173)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1883~1902(例えば、ASO-STAT6-1883、配列番号174)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1889~1908(例えば、ASO-STAT6-1889、配列番号175)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1890~1909(例えば、ASO-STAT6-1890、配列番号176)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1891~1910(例えば、ASO-STAT6-1891、配列番号177)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1916~1935(例えば、ASO-STAT6-1916、配列番号178)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1917~1936(例えば、ASO-STAT6-1917、配列番号179)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2056~2075(例えば、ASO-STAT6-2056、配列番号180)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2057~2076(例えば、ASO-STAT6-2057、配列番号181)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2060~2079(例えば、ASO-STAT6-2060、配列番号182)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2062~2081(例えば、ASO-STAT6-2062、配列番号183)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2063~2082(例えば、ASO-STAT6-2063、配列番号184)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2065~2084(例えば、ASO-STAT6-2065、配列番号185)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2068~2087(例えば、ASO-STAT6-2068、配列番号186)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2347~2366(例えば、ASO-STAT6-2347、配列番号187)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2348~2367(例えば、ASO-STAT6-2348、配列番号188)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2358~2377(例えば、ASO-STAT6-2358、配列番号189)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2782~2801(例えば、ASO-STAT6-2782、配列番号190)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド3070~3089(例えば、ASO-STAT6-3070、配列番号191)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド3071~3090(例えば、ASO-STAT6-3071、配列番号192)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチドに対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド3431~3450(例えば、ASO-STAT6-3431、配列番号193)の3’末端及び/又は5’末端における±10、±20、±30、±40、±50、±60、±70、±80、又は±90ヌクレオチド)に対応する。
【0125】
いくつかの態様において、ASOは、TGAGCGAATGGACAGGTCTT(配列番号89)ではない。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2056内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2055内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2054内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2053内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2052内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2051内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2050内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2049内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2048内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2047内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2046内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2045内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2044内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2043内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2042内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2041内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2040内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2039内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド1~2038内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。
【0126】
いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2041~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2042~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2043~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2044~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2045~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2046~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2047~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2048~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2049~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2050~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2051~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2052~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2053~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2054~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2055~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2056~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2057~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2058~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。いくつかの態様において、標的領域は、配列番号3のヌクレオチド2059~3963内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列に対応する。
【0127】
いくつかの態様において、本開示のASOは、STAT6転写物(例えば、ゲノム配列、配列番号1)内の複数の標的領域にハイブリダイズする。いくつかの態様において、ASOは、STAT6転写物内の2つの異なる標的領域にハイブリダイズする。いくつかの態様において、ASOは、STAT6転写物内の3つの異なる標的領域にハイブリダイズする。複数の標的領域にハイブリダイズする例示的なASOの配列、及び異なる標的領域の開始/終結部位は、
図1Aに提供される。いくつかの態様において、STAT6転写物(例えば、ゲノム配列、配列番号1)内の複数の領域にハイブリダイズするASOは、STAT6転写物(例えば、ゲノム配列、配列番号1)内の単一領域にハイブリダイズするASOと比較して、STAT6発現を低下させることに、より強力である(例えば、より低いEC50を有する)。
【0128】
II.A.2.ASO STAT6配列
いくつかの態様において、本開示のASOは、STAT6転写物、例えば、配列番号1又は配列番号3に対応するヌクレオチド配列の領域の相補体に対応する連続したヌクレオチド配列を含む。
【0129】
特定の態様において、本開示は、長さが10~15ヌクレオチド、10~20ヌクレオチド、10~25ヌクレオチドなどの10~30、又は長さが約20ヌクレオチドのASOを提供し、連続したヌクレオチド配列は、配列番号1若しくは配列番号3、又はその天然に存在するバリアントなどのSTAT6転写物の相補体内の領域と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%の配列同一性を有する。したがって、例えば、ASOは、配列番号1若しくは配列番号3の配列、又はその一部を有する一本鎖核酸分子にハイブリダイズする。
【0130】
ASOは、哺乳動物STAT6タンパク質(例えば、配列番号1又は配列番号3)をコードする核酸の等価領域に対して十分に相補的(完全に相補的)である連続したヌクレオチド配列を含むことができる。ASOは、配列番号1又は配列番号3のヌクレオチドX~Yに対応する、核酸配列、又は配列内の領域に対して十分に相補的(完全に相補的)である連続したヌクレオチド配列を含むことができ、式中、X及びYは、それぞれ、
図1Aに示すように、開始部位及び終結部位である。
【0131】
ASOは、哺乳動物STAT6タンパク質(例えば、配列番号3)をコードするmRNAの等価領域に対して十分に相補的(完全に相補的)である連続したヌクレオチド配列を含むことができる。ASOは、配列番号3のヌクレオチドX~Yに対応する、mRNA配列、又は配列内の領域に対して十分に相補的(完全に相補的)である連続したヌクレオチド配列を含むことができ、式中、X及びYは、それぞれ、開始部位及び終結部位である。
【0132】
いくつかの態様において、本開示のASO又は連続したヌクレオチド配列のヌクレオチド配列は、配列番号91~193(すなわち、
図1Aの配列)から選択される配列と少なくとも約80%の配列同一性、例えば、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%の配列同一性、少なくとも約97%の配列同一性、少なくとも約98%の配列同一性、少なくとも約99%の配列同一性、例えば約100%の配列同一性(相同)を有する。いくつかの態様において、ASOは、本明細書の他の箇所に記載される設計、又は本明細書の他の箇所に示される化学構造(例えば、
図1A)を有する。
【0133】
いくつかの態様において、ASO(又はその連続したヌクレオチド部分)は、配列番号91~193からなる群から選択される配列のうちの1つ、又はその少なくとも10個の連続したヌクレオチドの領域から選択されるか、又はそれを含み、ASO(又はその連続したヌクレオチド部分)は、対応するSTAT6転写物と比較したときに、任意選択的に、1つ、2つ、3つ、又は4つのミスマッチを含むことができる。
【0134】
いくつかの態様において、ASOは、91(例えば、ASO-STAT6-1053)、92(例えば、ASO-STAT6-1359)、93(例えば、ASO-STAT6-1890)、94(例えば、ASO-STAT6-1892)、95(例えば、ASO-STAT6-1915)、96(例えば、ASO-STAT6-1916)、97(例えば、ASO-STAT6-1917)、98(例えば、ASO-STAT6-1918)、99(例えば、ASO-STAT6-1919)、100(例えば、ASO-STAT6-1920)、101(例えば、ASO-STAT6-1937)、102(例えば、ASO-STAT6-1938)、103(例えば、ASO-STAT6-2061)、104(例えば、ASO-STAT6-2062)、105(例えば、ASO-STAT6-2063)、106(例えば、ASO-STAT6-2064)、107(例えば、ASO-STAT6-2066)、108(例えば、ASO-STAT6-2067)、109(例えば、ASO-STAT6-2068)、110(例えば、ASO-STAT6-2352)、111(例えば、ASO-STAT6-3073)、112(例えば、ASO-STAT6-1053)、113(例えば、ASO-STAT6-1054)、114(例えば、ASO-STAT6-1356)、115(例えば、ASO-STAT6-1847)、116(例えば、ASO-STAT6-1886)、117(例えば、ASO-STAT6-1887)、118(例えば、ASO-STAT6-1888)、119(例えば、ASO-STAT6-1889)、120(例えば、ASO-STAT6-1890)、121(例えば、ASO-STAT6-1893)、122(例えば、ASO-STAT6-1917)、123(例えば、ASO-STAT6-1919)、124(例えば、ASO-STAT6-2056)、125(例えば、ASO-STAT6-2060)、126(例えば、ASO-STAT6-2066)、127(例えば、ASO-STAT6-2070)、128(例えば、ASO-STAT6-2351)、129(例えば、ASO-STAT6-2352)、130(例えば、ASO-STAT6-2359)、131(例えば、ASO-STAT6-3633)、132(例えば、ASO-STAT6-673)、133(例えば、ASO-STAT6-1052)、134(例えば、ASO-STAT6-1356)、135(例えば、ASO-STAT6-1357)、136(例えば、ASO-STAT6-1359)、137(例えば、ASO-STAT6-1360)、138(例えば、ASO-STAT6-1839)、139(例えば、ASO-STAT6-1848)、140(例えば、ASO-STAT6-1849)、141(例えば、ASO-STAT6-1891)、142(例えば、ASO-STAT6-1915)、143(例えば、ASO-STAT6-1916)、144(例えば、ASO-STAT6-1917)、145(例えば、ASO-STAT6-1938)、146(例えば、ASO-STAT6-1939)、147(例えば、ASO-STAT6-2063)、148(例えば、ASO-STAT6-2064)、149(例えば、ASO-STAT6-2065)、150(例えば、ASO-STAT6-2066)、151(例えば、ASO-STAT6-2068)、152(例えば、ASO-STAT6-2187)、153(例えば、ASO-STAT6-2350)、154(例えば、ASO-STAT6-2351)、155(例えば、ASO-STAT6-2352)、156(例えば、ASO-STAT6-2357)、157(例えば、ASO-STAT6-513)、158(例えば、ASO-STAT6-671)、159(例えば、ASO-STAT6-1131)、160(例えば、ASO-STAT6-1354)、161(例えば、ASO-STAT6-1355)、162(例えば、ASO-STAT6-1356)、163(例えば、ASO-STAT6-1432)、164(例えば、ASO-STAT6-1555)、165(例えば、ASO-STAT6-1556)、166(例えば、ASO-STAT6-1557)、167(例えば、ASO-STAT6-1558)、168(例えば、ASO-STAT6-1826)、169(例えば、ASO-STAT6-1827)、170(例えば、ASO-STAT6-1833)、171(例えば、ASO-STAT6-1843)、172(例えば、ASO-STAT6-1846)、173(例えば、ASO-STAT6-1847)、174(例えば、ASO-STAT6-1883)、175(例えば、ASO-STAT6-1889)、176(例えば、ASO-STAT6-1890)、177(例えば、ASO-STAT6-1891)、178(例えば、ASO-STAT6-1916)、179(例えば、ASO-STAT6-1917)、180(例えば、ASO-STAT6-2056)、181(例えば、ASO-STAT6-2057)、182(例えば、ASO-STAT6-2060)、183(例えば、ASO-STAT6-2062)、184(例えば、ASO-STAT6-2063)、185(例えば、ASO-STAT6-2065)、186(例えば、ASO-STAT6-2068)、187(例えば、ASO-STAT6-2347)、188(例えば、ASO-STAT6-2348)、189(例えば、ASO-STAT6-2358)、190(例えば、ASO-STAT6-2782)、191(例えば、ASO-STAT6-3070)、192(例えば、ASO-STAT6-3071)、及び193(例えば、ASO-STAT6-3431)からなる群から選択される配列を含む。
【0135】
いくつかの態様において、ASOは、配列番号91に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1053)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号92に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1359)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号93に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1890)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号94に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1892)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号95に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1915)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号96に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1916)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号97に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1917)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号98に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1918)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号99に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1919)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号100に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1920)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号101に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1937)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号102に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1938)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号103に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2061)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号104に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2062)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号105に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2063)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号106に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2064)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号107に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2066)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号108に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2067)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号109に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2068)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号110に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2352)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号111に示される配列(例えば、ASO-STAT6-3073)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号112に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1053)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号113に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1054)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号114に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1356)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号115に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1847)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号116に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1886)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号117に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1887)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号118に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1888)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号119に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1889)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号120に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1890)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号121に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1893)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号122に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1917)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号123に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1919)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号124に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2056)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号125に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2060)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号126に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2066)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号127に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2070)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号128に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2351)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号129に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2352)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号130に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2359)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号131に示される配列(例えば、ASO-STAT6-3633)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号132に示される配列(例えば、ASO-STAT6-673)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号133に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1052)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号134に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1356)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号135に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1357)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号136に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1359)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号137に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1360)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号138に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1839)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号139に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1848)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号140に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1849)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号141に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1891)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号142に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1915)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号143に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1916)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号144に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1917)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号145に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1938)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号146に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1939)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号147に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2063)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号148に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2064)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号149に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2065)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号150に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2066)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号151に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2068)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号152に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2187)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号153に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2350)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号154に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2351)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号155に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2352)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号156に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2357)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号157に示される配列(例えば、ASO-STAT6-513)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号158に示される配列(例えば、ASO-STAT6-671)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号159に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1131)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号160に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1354)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号161に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1355)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号162に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1356)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号163に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1432)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号164に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1555)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号165に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1556)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号166に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1557)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号167に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1558)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号168に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1826)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号169に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1827)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号170に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1833)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号171に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1843)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号172に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1846)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号173に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1847)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号174に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1883)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号175に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1889)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号176に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1890)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号177に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1891)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号178に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1916)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号179に示される配列(例えば、ASO-STAT6-1917)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号180に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2056)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号181に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2057)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号182に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2060)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号183に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2062)を含む。いくつかの態様において、ASOは、
配列番号184に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2063)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号185に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2065)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号186に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2068)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号187に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2347)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号188に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2348)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号189に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2358)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号190に示される配列(例えば、ASO-STAT6-2782)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号191に示される配列(例えば、ASO-STAT6-3070)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号192に示される配列(例えば、ASO-STAT6-3071)を含む。いくつかの態様において、ASOは、配列番号193に示される配列(例えば、ASO-STAT6-3431)を含む。
【0136】
いくつかの態様において、本開示のASOは、標的核酸配列(例えば、STAT6転写物)に結合し、STAT6転写物の発現を、細胞における正常(すなわち、対照)発現レベルと比較して、少なくとも10%又は20%、例えば、正常な発現レベル(例えば、ASOに曝露されていない細胞における発現レベル)と比較して、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%、阻害又は低下することが可能である。
【0137】
いくつかの態様において、本開示のASOは、標的細胞において、ASOと接触している細胞をASOと接触していない(例えば、生理食塩水と接触している)細胞と比較したとき、インビトロでSTAT6 mRNAの発現を、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%低下することが可能である。
【0138】
II.A.3.ASO長
ASOは、長さが合計10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30の連続したヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含むことができる。ある範囲がASO、又は連続したヌクレオチド配列長に与えられるとき、この範囲は、例えば、10~30(又はその間)の範囲に提供される、より低い長さ及びより高い長さを含み、10及び30の両方を含むことを理解されたい。
【0139】
いくつかの態様において、ASOは、長さが合計で約14~20、14、15、16、17、18、19、又は20の連続したヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む。特定の態様において、ASOは、長さが合計約20の連続したヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む。特定の態様において、本開示のASOは、長さが14ヌクレオチドである。特定の態様において、本開示のASOは、長さが15ヌクレオチドである。特定の態様において、本開示のASOは、長さが16ヌクレオチドである。特定の態様において、本開示のASOは、長さが17ヌクレオチドである。特定の態様において、本開示のASOは、長さが18ヌクレオチドである。特定の態様において、本開示のASOは、長さが19ヌクレオチドである。
【0140】
II.A.4.ヌクレオシド及びヌクレオシド類似体
本開示の一態様において、ASOは、1つ以上の非天然に存在するヌクレオシド類似体を含む。本明細書で使用される「ヌクレオシド類似体」は、糖及び/又は塩基部分における修飾による、DNA又はRNAヌクレオシドなどの天然ヌクレオシドのバリアントである。類似体は、原則として、オリゴヌクレオチドの文脈における天然ヌクレオシドに単に「サイレント」又は「等価」であり得、すなわち、オリゴヌクレオチドが標的遺伝子発現を阻害するために働く方法に機能的効果を有しない。かかる「等価」類似体は、それにもかかわらず、例えば、それらが製造にとって容易若しくは安価である場合、又は保存若しくは製造条件に対してより安定である場合、又はタグ若しくは標識を表す場合に有用であることができる。しかしながら、いくつかの態様において、類似体は、例えば、標的に対する増加した結合親和性及び/又は細胞内ヌクレアーゼに対する増加した耐性及び/又は細胞内への輸送の増加した容易さによって、ASOが発現を阻害するように作用する方法に、機能的効果を有するであろう。ヌクレオシド類似体の具体例は、例えば、Freier & Altmann;Nucl.Acid Res.,1997,25,4429-4443及びUhlmann;Curr.Opinion in Drug Development,2000,3(2),293-213、並びにスキーム1によって記載されている。本開示のASOは、1超、2超、3超、4超、5超、6超、7超、8超、9超、10超、11超、12超、13超、14超、15超、16超、18超、19超、又は20個超のヌクレオシド類似体を含むことができる。いくつかの態様において、ASOにおけるヌクレオシド類似体は、同じである。他の態様において、ASOにおけるヌクレオシド類似体は、異なる。ASOにおけるヌクレオチド類似体は、以下のヌクレオシド類似体のうちのいずれか1つ又は組み合わせであることができる。
【0141】
いくつかの態様において、ヌクレオシド類似体には、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチルRNA(2’-OMe)、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA(2’-MOE)、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNA、2’-フルオロ-DNA、アラビノ核酸(ANA)、2’-フルオロ-ANA、二環式ヌクレオシド類似体、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。いくつかの態様において、ヌクレオシド類似体は、糖修飾ヌクレオシドを含む。いくつかの態様において、ヌクレオシド類似体は、二環式糖を含むヌクレオシドを含む。いくつかの態様において、ヌクレオシド類似体は、LNAを含む。
【0142】
いくつかの態様において、ヌクレオシド類似体は、拘束エチルヌクレオシド(cEt)、2’,4’-拘束2’-O-メトキシエチル(cMOE)、α-L-LNA、β-D-LNA、2’-O,4’-C-エチレン架橋核酸(ENA)、アミノ-LNA、オキシ-LNA、チオ-LNA、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの態様において、ASOは、1つ以上の5’-メチル-シトシン核酸塩基を含む。
【0143】
核酸塩基という用語は、核酸ハイブリダイゼーションにおいて水素結合を形成するヌクレオシド及びヌクレオチドに存在するプリン(例えば、アデニン及びグアニン)及びピリミジン(例えば、ウラシル、チミン、及びシトシン)部分を含む。本開示の文脈において、核酸塩基という用語はまた、天然に存在する核酸塩基とは異なり得るが、核酸ハイブリダイゼーション中に機能的である修飾核酸塩基を包含する。いくつかの態様において、核酸塩基部分は、核酸塩基を修飾又は置換することによって改変される。この文脈において、「核酸塩基」は、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチン、及びヒポキサンチンなどの天然に存在する核酸塩基、並びに非天然に存在するバリアントの両方を指す。かかるバリアントは、例えば、Hirao et al.,(2012)Accounts of Chemical Research vol 45 page 2055、及びBergstrom(2009)Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry Suppl.37 1.4.1に記載されている。
【0144】
いくつかの態様において、核酸塩基部分は、プリン又はピリミジンを、イソシトシン、プソイドイソシトシン、5-メチル-シトシン、5-チオゾロ-シトシン、5-プロピニル-シトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-ブロモウラシル、5-チアゾロウラシル、2-チオ-ウラシル、2’チオ-チミン、イノシン、ジアミノプリン、6-アミノプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、及び2-クロロ-6-アミノプリンから選択される核酸塩基などの置換プリン又は置換ピリミジンなどの修飾されたプリン又はピリミジンに変更することによって改変される。
【0145】
核酸塩基部分は、対応する各核酸塩基、例えば、A、T、G、C、又はUについて文字コードによって示され得、各文字は、任意選択的に、等価機能の修飾核酸塩基を含み得る。例えば、例示されるオリゴヌクレオチドでは、核酸塩基部分は、A、T、G、C、及び5-メチル-シトシンから選択される。任意選択的に、LNAギャップマーについて、5-メチル-シトシンLNAヌクレオシドが使用され得る。
【0146】
本開示のASOは、DNA及びRNAに見出されるリボース糖部分と比較したとき、修飾された糖部分、すなわち糖部分の修飾を有する1つ以上のヌクレオシドを含むことができる。リボース糖部分の修飾を有する多数のヌクレオシドが、主に、親和性及び/又はヌクレアーゼ耐性などのオリゴヌクレオチドの特定の特性を改善することを目的として作製されている。
【0147】
かかる修飾は、リボース環構造が、例えば、ヘキソース環(HNA)、又はリボース環上のC2’とC4’炭素との間に典型的にはバイラジカル架橋を有する二環式環(LNA)、又はC2’とC3’炭素との間の結合を典型的には欠く非結合リボース環(例えば、UNA)を用いた置き換えによって修飾されているものを含む。他の糖修飾ヌクレオシドには、例えば、ビシクロヘキソース核酸(WO2011/017521)又は三環式核酸(WO2013/154798)が含まれる。修飾ヌクレオシドはまた、例えば、ペプチド核酸(PNA)、又はモルホリノ核酸の場合、糖部分が非糖部分で置き換えられているヌクレオシドを含む。
【0148】
糖修飾はまた、リボース環上の置換基を水素以外の基、又はRNAヌクレオシドに天然に見出される2’-OH基に変更することによって行われる修飾を含む。置換基は、例えば、2’、3’、4’、又は5’位に導入され得る。修飾糖部分を有するヌクレオシドとしては、2’置換ヌクレオシドなどの2’修飾ヌクレオシドも挙げられる。実際、2’置換ヌクレオシドを開発することに多くの集中が費やされており、多数の2’置換ヌクレオシドが、オリゴヌクレオチドに組み込まれるときに、増強したヌクレオシド耐性及び増強した親和性などの有益な特性を有することが見出されている。
【0149】
2’糖修飾ヌクレオシドは、2’位にH又は-OH以外の置換基を有するヌクレオシド(2’置換ヌクレオシド)であるか、又は2’結合したバイラジカルを含み、2’置換ヌクレオシド及びLNA(2’-4’バイラジカル架橋)ヌクレオシドが含まれる。例えば、2’修飾糖は、オリゴヌクレオチドに対する増強した結合親和性(例えば、親和性増強2’糖修飾ヌクレオシド)及び/又は増加したヌクレアーゼ耐性を提供し得る。2’置換修飾ヌクレオシドの例は、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA(MOE)、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNA、2’-フルロ-DNA、アラビノ核酸(ANA)、及び2’-フルオロ-ANAヌクレオシドである。更なる例について、例えば、Freier & Altmann;Nucl.Acid Res.,1997,25,4429-4443、Uhlmann,Curr.Opinion in Drug Development,2000,3(2),293-213、及びDeleavey and Damha,Chemistry and Biology 2012,19,937を参照されたい。以下は、いくつかの2’置換修飾ヌクレオシドの例示である。
【化1】
【0150】
LNAヌクレオシドは、ヌクレオシドのリボース糖環のC2’とC4’との間のリンカー基(バイラジカル又は架橋と呼ばれる)(すなわち、2’-4’架橋)を含む修飾ヌクレオシドであり、リボース環の立体構造を制限又はロックする。これらのヌクレオシドはまた、文献では架橋核酸又は二環式核酸(BNA)とも称される。リボースの立体構造のロックは、LNAが相補的なRNA又はDNA分子のオリゴヌクレオチドに組み込まれるとき、ハイブリダイゼーションの増強した親和性(二本鎖の安定化)に関連する。これは、オリゴヌクレオチド/相補体二本鎖の融解温度を測定することによって日常的に決定することができる。
【0151】
非限定的な例示的LNAヌクレオシドは、WO99/014226、WO00/66604、WO98/039352、WO2004/046160、WO00/047599、WO2007/134181、WO2010/077578、WO2010/036698、WO2007/090071、WO2009/006478、WO2011/156202、WO2008/154401、WO2009/067647、WO2008/150729、Morita et al.,Bioorganic & Med.Chem.Lett.12,73-76、Seth et al.,J.Org.Chem.2010,Vol 75(5)pp.1569-81、及びMitsuoka et al.,Nucleic Acids Research 2009,37(4),1225-1238に開示されている。
【0152】
いくつかの態様において、本開示のASOの修飾ヌクレオシド又はLNAヌクレオシドは、式I又はIIの一般構造を有し、
【化2】
式I 式II
式中、
Wは、-O-、-S-、-N(R
a)-、-C(R
aR
b)-、特に-O-から選択され、
Bは、核酸塩基又は修飾核酸塩基部分であり、
Zは、隣接するヌクレオシド又は5’末端基とのヌクレオシド間結合であり、
Z*は、隣接するヌクレオシド又は3’末端基とのヌクレオシド間結合であり、
R
1、R
2、R
3、R
5、及びR
5*は、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、アジド、複素環、及びアリールから選択され、
X、Y、R
a、及びR
bは、本明細書に定義される通りである。
【0153】
いくつかの態様において、-X-Y-、Raは、水素又はアルキル、特に水素又はメチルである。-X-Y-のいくつかの態様において、Rbは、水素又はアルキル、特に水素又はメチルである。-X-Y-の他の態様において、Ra及びRbの一方又は両方は、水素である。-X-Y-の更なる態様において、Ra及びRbのうちの1つのみが、水素である。-X-Y-のいくつかの態様において、Ra及びRbの一方はメチルであり、他方は水素である。-X-Y-の特定の態様において、Ra及びRbは、両方とも、同時にメチルである。
【0154】
いくつかの態様において、-X-、Raは、水素又はアルキル、特に水素又はメチルである。-X-のいくつかの態様において、Rbは、水素又はアルキル、特に水素又はメチルである。-X-の他の態様において、Ra及びRbの一方又は両方は、水素である。-X-の特定の態様において、Ra及びRbのうちの1つのみが、水素である。-X-の特定の態様において、Ra及びRbのうちの一方は、メチルであり、他方は、水素である。-X-の他の態様において、Ra及びRbは、両方とも同時にメチルである。
【0155】
いくつかの態様において、-Y-、Raは、水素又はアルキル、特に水素又はメチルである。-Y-の特定の態様において、Rbは、水素又はアルキル、特に水素又はメチルである。-Y-の他の態様において、Ra及びRbの一方又は両方は、水素である。-Y-のいくつかの態様において、Ra及びRbのうちの1つのみが、水素である。-Y-の他の態様において、Ra及びRbの一方は、メチルであり、他方は、水素である。-Y-のいくつかの態様において、Ra及びRbは、両方とも同時にメチルである。
【0156】
いくつかの態様において、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、独立して、水素及びアルキル、特に水素及びメチルから選択される。
【0157】
いくつかの態様において、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。
【0158】
いくつかの態様において、R1、R2、R3は、同時に全て水素であり、R5及びR5*の一方は水素であり、他方は上記で定義された通り、特に、アルキル、より具体的には、メチルである。
【0159】
いくつかの態様において、R1、R2、R3は、同時に全て水素であり、R5及びR5*の一方は水素であり、他方はアジドである。
【0160】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CH2-であり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。かかるLNAヌクレオシドは、WO99/014226、WO00/66604、WO98/039352、及びWO2004/046160に開示されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれ、ベータ-D-オキシLNA及びアルファ-L-オキシLNAヌクレオシドとして当該技術分野で一般に知られているものを含む。
【0161】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-S-CH2-であり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。かかるチオLNAヌクレオシドは、WO99/014226及びWO2004/046160に開示されており、それは参照により本明細書に組み込まれる。
【0162】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-NH-CH2-であり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。かかるアミノLNAヌクレオシドは、WO99/014226及びWO2004/046160に開示されており、それは参照により本明細書に組み込まれる。
【0163】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CH2CH2-又は-OCH2CH2CH2-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。かかるLNAヌクレオシドは、WO00/047599及びMorita et al.,Bioorganic & Med.Chem.Lett.12,73-76に開示されており、それらは参照により本明細書に組み込まれ、2’-O-4’C-エチレン架橋核酸(ENA)として当技術分野で一般に知られているものを含む。
【0164】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CH2-であり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3は、同時に全て水素であり、R5及びR5*のうちの一方は、水素であり、他方は、アルキル、例えば、メチルなど、水素ではない。かかる5’置換LNAヌクレオシドは、WO2007/134181に開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0165】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CRaRb-であり、Ra及びRbの一方又は両方は、水素ではなく、特に、アルキル、例えば、メチルであり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3は、同時に全て水素であり、R5及びR5*の一方は、水素であり、他方は、水素ではなく、特に、アルキル、例えば、メチルである。かかるビス修飾LNAヌクレオシドは、WO2010/077578に開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0166】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CH(CH2-O-CH3)-である(“2’O-methoxyethyl bicyclic nucleic acid”,Seth et al.,J.Org.Chem.2010,Vol 75(5)pp.1569-81)。
【0167】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CHRa-であり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。かかる6’-置換LNAヌクレオシドは、WO2010/036698及びWO2007/090071に開示されており、これらは両方とも参照により本明細書に組み込まれる。かかる6’-置換LNAヌクレオシドでは、Raは、メチルなどの特にC1-C6アルキルである。
【0168】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CH(CH2-O-CH3)-であり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。かかるLNAヌクレオシドはまた、当該技術分野において環状MOE(cMOE)としても知られており、WO2007/090071に開示されている。
【0169】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CH(CH3)-である。
【0170】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CH2-O-CH2-である(Seth et al.,J.Org.Chem 2010、前掲)
【0171】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CH(CH3)-であり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。かかる6’-メチルLNAヌクレオシドは、当該技術分野では、cETヌクレオシドとしても知られており、(S)-cET又は(R)-cETジアステレオ異性体のいずれかであり得、WO2007/090071(ベータ-D)及びWO2010/036698(アルファ-L)に開示されており、これらは両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
【0172】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CRaRb-であり、RaもRbも水素ではなく、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。特定の態様において、Ra及びRbは、同時に両方ともアルキルであり、特に、同時に両方ともメチルである。かかる6’-二置換LNAヌクレオシドは、本明細書に参照により組み込まれるWO2009/006478に開示されている。
【0173】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-S-CHRa-であり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。かかる6’置換チオLNAヌクレオシドは、WO2011/156202に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。かかる6’-置換チオLNAの特定の態様において、Raはアルキル、特にメチルである。
【0174】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-C(=CH2)C(RaRb)-であり、例えば、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。かかるビニルカルボLNAヌクレオシドは、WO2008/154401及びWO2009/067647に開示されており、これらは両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
【0175】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-N(ORa)-CH2-であり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。いくつかの態様において、Raは、メチルなどのアルキルである。かかるLNAヌクレオシドは、N置換LNAとしても知られており、WO2008/150729に開示されており、本明細書に参照により組み込まれる。
【0176】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-NCH3-である(Seth et al.,J.Org.Chem 2010、前掲)。
【0177】
いくつかの態様において、-X-Y-は、ON(Ra)- -N(Ra)-O-、-NRa-CRaRb-CRaRb-、又は-NRa-CRaRb-であり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。特定の態様において、Raは、メチルなどのアルキルである。(Seth et al.,J.Org.Chem 2010、前掲)。
【0178】
いくつかの態様において、R5及びR5*は、同時に両方とも水素である。他の態様において、R5及びR5*の一方は、水素であり、他方は、メチルなどのアルキルである。かかる態様において、R1、R2、及びR3は、特に水素であることができ、-X-Y-は、-O-CH(CH3)-などの特に-O-CH2-又は-O-CHC(Ra)3-であることができる。
【0179】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-CH2-O-CH2-などの-CRaRb-O-CRaRb-であり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。かかる態様において、Raは、特に、メチルなどのアルキルであることができる。かかるLNAヌクレオシドは、立体構造的に制限されたヌクレオチド(CRN)としても知られ、WO2013/036868に開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0180】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CH2-O-CH2-などの-O-CRaRb-O-CRaRb-であり、Wは、酸素であり、R1、R2、R3、R5、及びR5*は、同時に全て水素である。特定の態様において、Raは、メチルなどの特にアルキルであることができる。かかるLNAヌクレオシドは、COCヌクレオチドとしても知られ、Mitsuoka et al.,Nucleic Acids Research 2009,37(4),1225-1238に開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0181】
特定されない限り、LNAヌクレオシドは、ベータ-D又はアルファ-Lの立体異性体にあり得るよりも認識される。
【0182】
LNAヌクレオシドの特定の例がスキーム1に示される。
【化3】
【0183】
他の箇所で例示されるように、本開示のいくつかの態様において、オリゴヌクレオチドにおけるLNAヌクレオシドは、ベータ-D-オキシ-LNAヌクレオシドである。
【0184】
II.A.5.ヌクレアーゼ媒介性分解
ヌクレアーゼ媒介性分解は、相補的ヌクレオチド配列の分解を、かかる配列と二本鎖を形成するときに媒介することが可能であるオリゴヌクレオチドを指す。
【0185】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、標的核酸のヌクレアーゼ媒介性分解を介して機能し得、本開示のオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ、具体的には、エンドヌクレアーゼ、好ましくはエンドリボヌクレアーゼ(RNase)、例えばRNaseHを動員することが可能である。ヌクレアーゼ媒介性メカニズムを介して作用するオリゴヌクレオチド設計の例は、典型的には、少なくとも5又は6個のDNAヌクレオシドの領域を含み、親和性増強ヌクレオシド、例えばギャップマーと片側又は両側で隣接するオリゴヌクレオチドである。
【0186】
II.A.6.RNaseH活性及び動員
アンチセンスオリゴヌクレオチドのRNaseH活性は、相補的RNA分子を有する二本鎖でRNaseHを動員して、相補的RNA分子の分解を誘導する能力を指す。WO01/23613は、RNaseH活性を決定するためのインビトロ方法を提供し、RNaseHを動員する能力を決定するために使用され得る。典型的には、オリゴヌクレオチドは、相補的標的核酸配列とともに提供されるとき、それが、試験される修飾オリゴヌクレオチドと同じ塩基配列を有するが、オリゴヌクレオチド内の全てのモノマー間にホスホロチオエート結合を有するDNAモノマーのみを含むオリゴヌクレオチドを使用し、WO01/23613の実施例91~95によって提供される方法論を使用して、pmol/l/分で測定された決定された初期速度の、少なくとも10%、又は20%超などの少なくとも5%の初期速度を有する場合、RNaseHを動員することが可能であるとみなされる。
【0187】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、相補的標的核酸とともに提供されるとき、pmol/l/分で測定されたRNaseH初期速度が、試験されるオリゴヌクレオチドと同じ塩基配列を有するが、2’置換を有さず、オリゴヌクレオチド内の全てのモノマー間にホスホロチオエート結合を有する、DNAモノマーのみを含むオリゴヌクレオチドを使用し、WO01/23613の実施例91~95によって提供される方法論を使用したとき、決定される初期速度の少なくとも10%未満など、5%未満などの20%未満である場合、RNaseHを動員することが可能ではないとみなされる。
【0188】
II.A.7.ASO設計
本開示のASOは、ヌクレオシド及びヌクレオシド類似体の両方を含むヌクレオチド配列を含むことができ、ギャップマーの形態にあることができる。本開示のASOで使用することができるギャップマーの立体配置の例は、米国特許出願公開第2012/0322851号に記載されている。
【0189】
本明細書で使用される「ギャップマー」という用語は、1つ以上の親和性増強修飾ヌクレオシドが5’及び3’に隣接する(フランク)、RNaseH動員オリゴヌクレオチドの領域(ギャップ)を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを指す。「LNAギャップマー」という用語は、親和性増強修飾ヌクレオシドのうちの少なくとも1つがLNAヌクレオシドであるギャップマーオリゴヌクレオチドである。「混合ウイングギャップマー」という用語は、隣接領域が、少なくとも1つのLNAヌクレオシド及び少なくとも1つのDNAヌクレオシド又は非LNA修飾ヌクレオシド、例えば、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA(MOE)、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNA、2’-フルオロ-DNA、アラビノ核酸(ANA)、及び2’-フルオロ-ANAヌクレオシドなどの少なくとも1つの2’置換修飾ヌクレオシドを含むLNAギャップマーを指す。
【0190】
いくつかの態様において、本開示のASOは、ミックスマーの形態であることができる。いくつかの態様において、本開示のASOは、トータルマーの形態であり得る。いくつかの態様において、標的領域に対するASOの親和性を増強することに加えて、いくつかのヌクレオシド類似体はまた、RNase(例えば、RNaseH)結合及び切断を媒介する。α-L-LNAモノマーは、ある程度RNaseH活性を動員するため、いくつかの態様において、α-L-LNAモノマーを含むASOのギャップ領域(例えば、本明細書で言及される領域B)は、RNaseHによって認識可能で切断可能なより少ないモノマーからなり、ミックスマー構築におけるより多くのフレキシビリティが導入される。
【0191】
いくつかの態様において、本開示のASOは、ギャップマーであり、領域B(B)として本明細書で言及されるRNaseHなどのRNaseを動員することが可能であるヌクレオチド(例えば、1つ以上のDNA)の連続した伸長を含み、領域Bは、5’及び3’の両方で、領域Bのヌクレオチドの連続した伸長にヌクレオシド類似体5’及び3’の領域が隣接しており、これらの領域は、それぞれ、領域A(A)及びC(C)と呼ばれる。いくつかの態様において、ヌクレオシド類似体は、糖修飾ヌクレオシド(例えば、高親和性糖修飾ヌクレオシド)である。特定の態様において、領域A及びCの糖修飾ヌクレオシドは、標的核酸に対するASOの親和性を増強する(すなわち、親和性増強2’糖修飾ヌクレオシド)。いくつかの態様において、糖修飾ヌクレオシドは、LNA及び/又は2’-MOEなどの高親和性2’糖修飾などの2’糖修飾ヌクレオシドである。
【0192】
ギャップマーでは、領域Bの5’及び3’のほとんどのヌクレオシドは、DNAヌクレオシドであり、それぞれ領域A及びCのヌクレオシド類似体(例えば、高親和性糖修飾ヌクレオシド)に隣接して配置される。いくつかの態様において、領域A及びCは、領域Bから最も遠い末端(すなわち、領域Aの5’末端及び領域Cの3’末端)にヌクレオシド類似体を有することによって更に定義することができる。
【0193】
いくつかの態様において、本開示のASOは、式(5’から3’に)A-B-Cのヌクレオチド配列を含み、式中、(A)(5’領域又は第1のウイング配列)は、少なくとも1つのヌクレオシド類似体(例えば、3~5個のLNA単位)を含み、(B)RNaseを動員することが可能である(プレmRNA又はmRNA標的などの相補的なRNA分子と二本鎖で形成される場合)、少なくとも4つの連続したヌクレオシド(例えば、4~24個のDNA単位)を含み、(C)(3’領域又は第2のウイング配列)は、少なくとも1つのヌクレオシド類似体(例えば、3~5個のLNA単位)を含む。
【0194】
いくつかの態様において、領域Aは、LNAなどの3~5個のヌクレオシド類似体を含み、領域Bは、6~24(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14)個のDNA単位からなり、領域Cは、LNAなどの3又は4個のヌクレオシド類似体からなる。かかる設計には、(A-B-C)3-14-3、3-11-3、3-12-3、3-13-3、4-9-4、4-10-4、4-11-4、4-12-4、及び5-10-5が含まれる。いくつかの態様において、ASOは、LLLDnLLL、LLLLDnLLLL、又はLLLLLDnLLLLLの設計を有し、式中、Lは、ヌクレオシド類似体であり、Dは、DNAであり、nは、4~24の任意の整数であることができる。いくつかの態様において、nは、6~14の任意の整数であることができる。いくつかの態様において、nは、8~12の任意の整数であることができる。いくつかの態様において、ASOは、LLLMMDnMMLLL、LLLMDnMLLL、LLLLMMDnMMLLLL、LLLLMDnMLLLL、LLLLLLMMDnMMLLLLL、又はLLLLLLMDnMLLLLLの設計を有し、Dは、DNAであり、nは、3~15の任意の整数であることができ、Lは、LNAであり、Mは、2’MOEである。
【0195】
更なるギャップマー設計は、WO2004/046160、WO2007/146511、及びWO2008/113832に開示されており、各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0196】
II.A.9.ヌクレオチド間結合
本明細書に記載のASOのモノマーは、結合基を介して一緒にカップリングされる。好適には、各モノマーは、結合基を介して3’隣接モノマーに連結される。
【0197】
当業者は、本開示の文脈において、ASOの末端での5’モノマーが、5’結合基を含まないが、それは、5’末端基を含み得るか、又は含み得ないことを理解するであろう。
【0198】
いくつかの態様において、連続したヌクレオチド配列は、1つ以上の修飾ヌクレオシド間結合を含む。「結合基」又は「ヌクレオシド間結合」という用語は、2つのヌクレオシドを共有結合することが可能である基を意味することが意図される。非限定的な例としては、リン酸基及びホスホロチオエート基が挙げられる。
【0199】
本開示のASOのヌクレオシド又はその連続したヌクレオシド配列は、結合基を介して一緒にカップリングされる。好適には、各ヌクレオシドは、結合基を介して3’隣接ヌクレオシドに連結される。
【0200】
いくつかの態様において、ヌクレオシド間結合は、その正常なホスホジエステルから、切断可能であるホスホロチオエートなどのヌクレアーゼ攻撃に対してより耐性のあるものに修飾され、それはRNaseHによって切断可能であり、標的遺伝子の発現を低下させるアンチセンス阻害のその経路も可能にする。いくつかの態様において、ヌクレオシド間結合の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%が修飾されている。
【0201】
II.B.pH
いくつかの態様において、医薬組成物は、EVを安定して製剤化することができるpHを有する。pHは、約7.0~約7.4、例えば、約7.1~約7.3、例えば、約7.2の範囲にあることができる。いくつかの態様において、本組成物は、約7.2のpHの溶液中にある。EVは、本明細書の他の箇所に開示されており、糖は、単糖、二糖、三糖、又は任意の他の糖であることができ、塩化ナトリウムは、以下に示され、リン酸カリウム及びリン酸ナトリウムは、以下に示される。
【0202】
いくつかの態様において、凍結前及び凍結後の組成物は、同じままである。例えば、凍結前及び凍結後の組成物は、約7.1のpHを有する。いくつかの態様において、凍結前及び凍結後の組成物は、約7.2のpHを有する。いくつかの態様において、凍結前及び凍結後の組成物は、約7.3のpHを有する。いくつかの態様において、凍結前及び凍結後の組成物は、約7.4のpHを有する。
【0203】
いくつかの態様において、組成物のpHは、リン酸塩の濃度を変更することによって調整することができる。いくつかの態様において、組成物のpHは、リン酸カリウムの濃度を変更することによって調整することができる。いくつかの態様において、組成物のpHは、リン酸カリウムの濃度を添加又は増加させることによって上昇させることができる。いくつかの態様において、リン酸カリウムの濃度は、リン酸ナトリウムの濃度よりも高い。
【0204】
いくつかの態様において、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウムの一塩基性形態と二塩基性形態との比率を使用して、医薬組成物のpHを調整することができる。いくつかの態様において、一塩基性リン酸ナトリウム及び/又は一塩基性リン酸カリウムを使用して、医薬組成物のpHを上昇させることができる。いくつかの態様において、二塩基性リン酸ナトリウム及び/又は二塩基性リン酸カリウムを使用して、医薬組成物のpHを低下させることができる。いくつかの態様において、開示される組成物のpH範囲は、約6.8~約7.6である。したがって、組成物のpHが所望よりも低い場合、pHは、塩(すなわち、カリウム又はナトリウム)の二塩基性形態に対する一塩基性形態の比率を変更することによって変化させることができる。いくつかの態様において、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウムの一塩基性形態と二塩基性形態との比率は、組成物のpHが7.0~7.4、例えば、7.1~7.3、例えば、7.2になるまで、組成物のpHを調整するために使用することができる。いくつかの態様において、pHの上限は、サポン化としてより一般的に知られている加水分解を受ける、開示されたEV、例えば、エクソソームの脂質の破壊に起因する。いくつかの態様において、カリウム塩は、凍結時にpHを安定させる。
【0205】
II.C.塩化ナトリウム
いくつかの態様において、塩化ナトリウムは、組成物中に、約10mM~約200mMの塩化ナトリウムの濃度で存在する。いくつかの態様において、塩化ナトリウムは、組成物中に、約10mM~134mM、約10mM~約190mM、約20mM~約180mM、約30mM~約170mM、約40mM~約160mM、約50mM~約150mM、約60mM~約140mM、約70mM~約130mM、約80mM~約120mM、約90mM~約110mM、約95mM~約105mM、約90mM~約100mM、約100mM~約110mM、約95mM~約100mM、約100mM~約105mM、約50mM~約140mM、約60mM~約130mM、約70mM~約120mM、約80mM~約110mM、約95mM~約110mM、又は約90mM~約105mMの濃度で存在する、。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約50mM~約150mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約50mM~約140mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約60mM~約140mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約60mM~約130mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約70mM~約130mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約70mM~約120mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約80mM~約120mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約80mM~約110mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約90mM~約110mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約90mM~約105mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約90mM~約100mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約95mM~約110mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約95mM~約105mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約95mM~約100mMである。
【0206】
いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約50mM、約55mM、約60mM、約65mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、約100mM、約105mM、約110mM、約115mM、約120mM、約125mM、約130mM、約135mM、約140mM、約145mM、又は約150mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約50mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約60mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約70mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約80mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約90mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約95mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約100mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約105mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約110mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約120mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約130mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約140mMである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約150mMである。
【0207】
いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約2.9mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約3.0mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約3.1mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約3.2mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約3.3mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約3.4mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約3.5mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約3.6mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約3.7mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約3.8mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約3.9mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約4.0mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約4.1mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約4.2mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約4.3mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約4.4mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約4.5mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約4.6mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約4.7mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約4.8mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約4.9mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約5.0mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約5.1mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約5.2mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約5.3mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約5.4mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約5.5mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約5.6mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約5.7mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約5.8mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約5.9mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約6.0mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約6.1mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約6.2mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約6.3mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約6.4mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約6.5mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約6.6mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約6.7mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約6.8mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約6.9mg/mlである。いくつかの態様において、塩化ナトリウムの濃度は、少なくとも約7.0mg/mlである。
【0208】
II.D.リン酸塩
いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムは、組成物中に、約1mM~約20mM、約1mM~約10mM、約2mM~約10mM、約3mM~約10mM、約4mM~約10mM、約5mM~約10mM、約2mM~約9mM、約3mM~約8mM、約4mM~約7mM、約4mM~約6mM、約3mM~約6mM、又は約4.5mM~約5.5mMの濃度で存在する。
【0209】
いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、約4.5mM、約4.6mM、約4.7mM、約4.8mM、約4.9mM、約5.0mM、約5.1mM、約5.2mM、約5.3mM、約5.4mM、又は約5.5mMである。
【0210】
いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約1mM~約20mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約1mM~約10mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約2mM~約10mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約3mM~約10mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約4mM~約10mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約5mM~約10mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約2mM~約9mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約3mM~約8mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約4mM~約7mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約4mM~約6mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約3mM~約6mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約4.5mM~約5.5mMの濃度で存在する。
【0211】
いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムは、組成物中に、約3.0mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムは、組成物中に、約3.5mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムは、組成物中に、約4.0mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムは、組成物中に、約4.1mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムは、組成物中に、約4.2mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムは、組成物中に、約4.3mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムは、組成物中に、約4.4mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムは、組成物中に、約4.5mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約4.6mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約4.7mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約4.8mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約4.9mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約5.0mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約5.1mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約5.2mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約5.3mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約5.4mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約5.5mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約5.6mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約5.7mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約5.8mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約5.9mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸カリウムは、組成物中に、約6.0mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、組成物中のリン酸カリウムの濃度は、5.15mMである。
【0212】
本明細書に開示される一塩基性リン酸カリウムの濃度のいずれも、体積当たりの重量、例えば、mg/mlの用語で表すことができる。当業者は、本明細書に開示されるmM濃度を体積当たりの重量濃度に容易に変換することができるであろう。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.14mg/ml~少なくとも約2.75mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.14mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.15mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.17mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.2mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.23mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.25mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.5mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.60mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.61mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.62mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.63mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.64mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.65mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.66mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.67mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.68mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.69mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.70mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.71mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.72mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.73mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.74mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約0.75mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約1.0mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約1.25mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約1.50mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約1.75mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.0mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.03mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.04mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.05mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.1mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.2mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.3mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.4mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.5mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.6mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.7mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.8mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約2.9mg/mlである。いくつかの態様において、リン酸カリウム、例えば、一塩基性リン酸カリウムの濃度は、少なくとも約3.0mg/mlである。
【0213】
いくつかの態様において、リン酸ナトリウム、例えば、二塩基性リン酸ナトリウム七水和物は、組成物中に、約5mM~約100mM、5mM~約30、約10mM~約20mM、約11mM~約19mM、約12mM~約18mM、約13mM~約17mM、約14mM~約16mM、約15mM~約16mM、又は約14mM~約15mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約11mM~約19mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約12mM~約18mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約13mM~約17mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約14mM~約16mMの濃度で存在する。
【0214】
いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約14.5mM、約14.6mM、約14.7mM、約14.8mM、約14.9mM、約15.0mM、約15.1mM 約15.2mM、約15.3mM、約15.4、mM、又は約15.5mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約14.5mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約14.6mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約14.7mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約14.8mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約14.9mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約15.0mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約15.1mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約15.2mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約15.3mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約15.4mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、約15.5mMの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムの濃度は、14.9mMである。
【0215】
本明細書における一塩基性リン酸ナトリウムの濃度のいずれも、体積当たりの重量、例えば、mg/mlの用語で表すことができる。当業者は、本明細書に開示されるmM濃度を体積当たりの重量濃度に容易に変換することができるであろう。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約1.42mg/ml~少なくとも約14.2mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約1.4mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約1.5mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約1.6mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約1.7mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約1.8mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約1.9mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.1mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.13mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.2mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.25mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.3mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.4mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.5mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.6mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.7mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.75mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.8mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約2.9mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約3.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約3.25mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約3.5mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約3.75mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約3.8mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約3.83mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約3.85mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約3.9mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約4.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約4.25mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約4.5mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約4.75mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約5.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約5.5mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約6.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約6.5mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約7.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約7.5mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約8.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約8.5mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約9.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約9.5mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約10.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約11.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約12.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約13.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約14.0mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、リン酸ナトリウムは、組成物中に、少なくとも約14.0mg/mlの濃度で存在する。
【0216】
II.E.糖
いくつかの態様において、組成物中に存在する糖は、単糖、二糖、三糖、又は任意の他の糖である。いくつかの態様において、糖は、スクロースである。いくつかの態様において、糖は、トレハロースである。
【0217】
組成物中の好適な量のスクロース又はトレハロースは、組成物を安定化し、かつ/又はいずれの凝集体も減少させる。いくつかの態様において、医薬組成物は、(i)細胞外小胞、及び(ii)約5%w/vの濃度でスクロース又はトレハロースである糖を含む。
【0218】
本明細書に開示する糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、5%w/vの濃度で、1%w/vのスクロースを含む組成物よりも優れた安定性を提供することができる。特に、(i)細胞外小胞、例えば、エクソソーム及び(ii)約5%w/vの濃度でスクロース又はトレハロースである糖を含む医薬組成物は、(i)EVの低下した凝集、(ii)EVの改善した安定性、(iii)EVアーキテクチャの改善した完全性、(iv)EV上又はEV中に含まれた操作されたタンパク質の改善した安定性、及び(v)小分子薬物又はタンパク質などの受動的にロード又はコンジュゲートされた物質の改善した安定性を含むが、これらに限定されない利点を提供する。いくつかの態様において、利点は、ASOの改善した濾過性及び低下した解離速度を更に含む。いくつかの態様において、組成物は、1%w/v~4%w/v、例えば1%の濃度でスクロース又はトレハロースを含む参照組成物と比較して、低下した凝集を有する。いくつかの態様において、組成物は、1%w/v~4%w/v、例えば1%の濃度でスクロース又はトレハロースを含む参照組成物と比較して、改善した安定性を有する。いくつかの態様において、組成物は、1%w/v~4%w/v、例えば1%の濃度でスクロース又はトレハロースを含む参照組成物と比較して、EVアーキテクチャの改善した完全性を有する。
【0219】
いくつかの態様において、組成物は、1%w/v~4%w/v、例えば1%の濃度でスクロース又はトレハロースを含む参照組成物と比較して、EV上又はEV中に含まれる操作されたタンパク質の改善した安定性を有する。
【0220】
いくつかの態様において、組成物は、1%w/v~4%w/v、例えば1%の濃度でスクロース又はトレハロースを含む参照組成物と比較して、小分子薬物又はタンパク質などの受動的にロード又はコンジュゲートされた物質の改善した安定性を有する。
【0221】
他の態様において、組成物は、5.5%w/v、6%w/v、7%w/v、8%w/v、9%w/v、又は10%w/vを超える濃度でスクロース又はトレハロースを含む参照組成物と比較して、改善した安定性を有する。
【0222】
いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約1%~少なくとも約10%、少なくとも約2%~少なくとも約9%、少なくとも約3%~少なくとも約8%、少なくとも約4%~少なくとも約7%、少なくとも約4%~少なくとも約6%、少なくとも約3%~少なくとも約7%、少なくとも約5%~少なくとも約10%、少なくとも約5%~少なくとも約9%、少なくとも約5%~少なくとも約8%、又は少なくとも約5%~少なくとも約7%の濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約1%の濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約2%の濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約3%の濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約4%の濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約5%の濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約6%の濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約7%の濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約8%の濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約9%の濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約10%の濃度で存在する。
【0223】
いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約1%のスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約2%のスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約2.5%のスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約3%のスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約4%のスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約5%のスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約6%のスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約7%のスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約8%のスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約9%のスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約10%のスクロースを含む。
【0224】
いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約1%のトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約2%のトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約3%のトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約4%のトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約5%のトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約6%のトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約7%のトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約8%のトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約9%のトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約10%のトレハロースを含む。
【0225】
いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約10mg/ml~少なくとも約200mg/ml、少なくとも約100mg/ml~少なくとも約200mg/ml、少なくとも約110mg/ml~少なくとも約190mg/ml、少なくとも約120mg/ml~少なくとも約180mg/ml、少なくとも約130mg/ml~少なくとも約170mg/ml、少なくとも約140mg/ml~少なくとも約160mg/ml、又は少なくとも140mg/ml~少なくとも約150mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約146mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約145mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約140mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約135mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約150mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約155mg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、糖、例えば、スクロース又はトレハロースは、組成物中に、少なくとも約160mg/mlの濃度で存在する。
【0226】
いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約135mg/mlのスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約140mg/mlのスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約145mg/mlのスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約146mg/mlのスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約150mg/mlのスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約155mg/mlのスクロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約160mg/mlのスクロースを含む。
【0227】
いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約135mg/mlのトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約140mg/mlのトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約145mg/mlのトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約146mg/mlのトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約150mg/mlのトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約155mg/mlのトレハロースを含む。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約160mg/mlのトレハロースを含む。
【0228】
特定の態様において、組成物は、少なくとも約2.5%のスクロースを含み、組成物は、約2%未満のスクロースを含む同様の組成物と比較して改善した安定性を有する。
【0229】
II.F.導電率
いくつかの態様において、本開示の組成物は、約6mS/cm+/-10%~約10mS/cm+/-10%の導電率を有する。いくつかの態様において、導電率は、6mS/cm+/-10%~約7mS/cm+/-10%、約7mS/cm+/-10%~約8mS/cm+/-10%、約8mS/cm+/-10%~約9mS/cm+/-10%、又は約9mS/cm+/-10%~約10mS/cm+/-10%である。いくつかの態様において、導電率は、約6mS/cm+/-10%、約7mS/cm+/-10%、約8mS/cm+/-10%、約9mS/cm+/-10%、又は約10mS/cm+/-10%である。
【0230】
いくつかの態様において、組成物は、約6mS/cm+/-10%~約10mS/cm+/-10%の導電率を有する。いくつかの態様において、導電率は、約6mS/cm+/-10%である。いくつかの態様において、導電率は、約7mS/cm+/-10%である。いくつかの態様において、導電率は、約8mS/cm+/-10%である。いくつかの態様において、導電率は、約9mS/cm+/-10%である。いくつかの態様において、導電率は、約10mS/cm+/-10%である。いくつかの態様において、導電率は、7.23mS/cm+/-10%である。いくつかの態様において、導電率は、8.8mS/cm+/-10%である。
【0231】
II.G.抗酸化剤
いくつかの態様において、本開示の組成物は、抗酸化剤を更に含む。いくつかの態様において、抗酸化剤には、D-メチオニン、L-メチオニン、アスコルビン酸、エリトルビン酸、アスコルビン酸Na、チオグリセロール、システイン、アセチルシステイン、シスチン、ジチオエリスリトール、グルタチオン、トコフェロール、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、重硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、A-トコフェロール、γ-トコフェロール、没食子酸プロピル、パルミチン酸アスコルビル、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ尿素、チオ硫酸ナトリウム、没食子酸プロピル、ビタミンC、N-アセチルシステイン、セレニウム、及びチオグリコール酸ナトリウムが含まれ、いくつかの態様において、抗酸化剤は、メチオニンである。他の態様において、抗酸化剤は、D-メチオニンである。他の態様において、抗酸化剤は、L-メチオニンである。
【0232】
いくつかの態様において、組成物は、チオ硫酸又はその塩を含む。いくつかの態様において、チオ硫酸又はその塩は、チオ硫酸ナトリウムを含む。
【0233】
いくつかの態様において、本明細書に開示の組成物は、抗還元剤を含む。いくつかの態様において、抗還元剤は、EDTA、EGTA、CuSO4、S-アデノシルメチオニン、システイン、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0234】
II.H.プロテアーゼ阻害剤
いくつかの態様において、本明細書に開示される組成物は、プロテアーゼ阻害剤を含む。チオレドキシンなどのタンパク質は、ジスルフィド結合を有するタンパク質を還元することができる。EDTA、EGTA、及びCuSO4などの阻害剤の添加は、ヘキソキナーゼなどのメタロプロテアーゼの活性を特に低下させることができる。EEGTA/EDTAは、二価カチオンをキレート化することによって阻害する。したがって、いくつかの態様において、組成物は、EDTA、EGTA、CuSO4、及びそれらの任意の組み合わせから選択されるプロテアーゼ阻害剤を更に含む。いくつかの態様において、温度は、プロテアーゼの活性を低下させるために低下される。
【0235】
II.I.組成物の特徴
本開示の組成物は、組成物のEVが、変動する温度条件下、例えば、凍結及び/若しくは解凍並びに/又は対象に投与されたときに安定であるように製剤化されている。拘束されることを望むものではないが、本開示の糖、例えば、約5%w/vのスクロースと、リン酸カリウム及びリン酸ナトリウムとの本開示の特定の比率での組み合わせは、組成物及びその中に含有されるEVに優れた安定性を提供すると考えられる。例えば、いくつかの態様において、本開示の組成物は、様々な長さの期間及び様々な温度で保存することが可能であり、細胞外小胞、例えば、エクソソームの安定性は低下しない。更に、いくつかの態様において、本開示の組成物は、周囲温度で液体として製剤化し、その後、組成物を-80℃の冷凍庫に入れて凍結させ、次いで解凍することができる。したがって、いくつかの態様において、組成物は、凍結前に液体として保存することができ、組成物は、凍結中に固体として保存することができ、組成物は、以下に記載されるように、EVの安定性を損なうことなく、解凍後に液体として保存することができる。
【0236】
いくつかの態様において、組成物は、凍結する前に、液体として保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、凍結前に、約25℃~約1℃の温度で液体として保存することができ、EV、例えば、エクソソームの安定性は低下しない。いくつかの態様において、組成物は、凍結前に、EV、例えば、エクソソームの安定性を損なうことなく、約25℃~約1℃で液体として保存することができる。
【0237】
いくつかの態様において、組成物は、凍結する前に、少なくとも約4時間、少なくとも約10時間、少なくとも約12時間、少なくとも約15時間、少なくとも約20時間、少なくとも約24時間、液体として保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、凍結する前に、約4時間~約12時間、約5時間~約12時間、約6時間~約12時間、約4時間~約24時間、約6時間~約24時間、約12時間~約24時間、又は約4時間~約16時間、液体として保存される。いくつかの態様において、組成物は、凍結する前に、36時間未満、30日未満、24時間未満、23時間未満、22時間未満、21時間未満、20時間未満、19時間未満、18時間未満、17時間未満、16時間未満、15時間未満、14時間未満、13時間未満、12時間未満、11時間未満、10時間未満、9時間未満、8時間未満、7時間未満、6時間未満、5時間未満、又は4時間未満、液体として保存することができる。
【0238】
いくつかの態様において、組成物は、凍結する前に、約1週間、約4℃で液体として保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、4℃で最大1週間安定であることができる。いくつかの態様において、組成物は、凍結する前に、約4℃で液体として約1週間保存し、次いで、それを必要とする対象に投与することができる。
【0239】
いくつかの態様において、組成物は、解凍される前に長期間、凍結した固体として保存することが可能である。いくつかの態様において、組成物は、ゼロ及びゼロ未満の温度、例えば、約0℃~-80℃又は-80℃の温度で、固体として保存することができ、EV、例えば、エクソソームの安定性は低下しない。いくつかの態様において、組成物は、約0℃~-80℃又は-80℃の温度で、凍結した固体として保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、約0℃~-50℃の温度で、凍結した固体として保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、約0℃~-20℃の温度で、凍結した固体として保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、約0℃~-15℃の温度で、凍結した固体として保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、-80℃で最大6ヶ月間保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、-80℃で1年間安定であることができる。いくつかの態様において、組成物は、-80℃で2年間安定であることができる。
【0240】
本開示の組成物は、様々な長さの時間にわたって凍結した固体として保存し、その後それを必要とする対象への投与のための調製時に解凍することができる。いくつかの態様において、解凍した液体は、EV、例えば、エクソソームの安定性を損なうことなく、投与前に様々な長さ及び様々な温度で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍し、約1℃~約25℃の温度で液体として保存することが可能であり、EV、例えば、エクソソームの安定性は低下しない。
【0241】
いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約1℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約2℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約3℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約4℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約5℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約6℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約7℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約8℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約9℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約10℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約11℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約12℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約13℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約14℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約15℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約16℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約17℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約18℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約19℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約20℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約21℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約22℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約23℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約24℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、約25℃で保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍した液体として、4℃で約1週間保存することができる。いくつかの態様において、組成物は、解凍して液体として、4℃で最大1週間、安定であることができる。
【0242】
いくつかの態様において、組成物を保存し、次いで、それを必要とする対象に直接投与することができる。いくつかの態様において、組成物は、25℃で最大24時間保存し、次いで、それを必要とする対象に直接投与することができる。いくつかの態様において、組成物は、4℃で最大3日間保存し、次いで、それを必要とする対象に直接投与することができる。いくつかの態様において、組成物は、4℃で最大7日間保存し、次いで、それを必要とする対象に直接投与することができる。いくつかの態様において、組成物は、-80℃で最大6ヶ月間保存し、解凍し、次いで、それを必要とする対象に直接投与することができる。
【0243】
II.J.例示的な組成物
いくつかの態様において、組成物は、
a.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む、細胞外小胞、
b.約5%w/vの濃度でスクロース、
c.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
d.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
e.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0244】
いくつかの態様において、組成物は、
a.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む、細胞外小胞、
b.約5%w/vの濃度でスクロース、
c.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
d.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
e.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0245】
いくつかの態様において、組成物は、
a.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む、細胞外小胞、
b.約146mMの濃度でスクロース、
c.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
d.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
e.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約365~約425mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0246】
いくつかの態様において、組成物は、
a.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む、細胞外小胞、
b.約146mMの濃度でスクロース、
c.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
d.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
e.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0247】
いくつかの態様において、組成物は、
a.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
b.約5%の濃度でスクロース、
c.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
d.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
e.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0248】
いくつかの態様において、組成物は、
f.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
g.約146mMの濃度でスクロース、
h.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
i.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
j.約15mMの濃度での二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0249】
いくつかの態様において、組成物は、
a.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列GAAAGGTTCCGTCGGGC(配列番号144)を含む、細胞外小胞、
b.約5%の濃度でスクロース、
c.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
d.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
e.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0250】
いくつかの態様において、組成物は、
f.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列GAAAGGTTCCGTCGGGC(配列番号144)を含む、細胞外小胞、
g.約146mMの濃度でスクロース、
h.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
i.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
j.約15mMの濃度での二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0251】
いくつかの態様において、組成物は、
a.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列CTGAGTCGCTGAAGCGG(配列番号145)を含む、細胞外小胞、
b.約5%の濃度でスクロース、
c.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
d.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
e.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0252】
いくつかの態様において、組成物は、
f.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列CTGAGTCGCTGAAGCGG(配列番号145)を含む、細胞外小胞、
g.約146mMの濃度でスクロース、
h.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
i.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
j.約15mMの濃度での二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0253】
いくつかの態様において、組成物は、
a.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列GCCCTTGTACTTTTGCATAG(配列番号193)を含む、細胞外小胞、
b.約5%の濃度でスクロース、
c.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
d.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
e.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0254】
いくつかの態様において、組成物は、
f.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列GCCCTTGTACTTTTGCATAG(配列番号193)を含む、細胞外小胞、
g.約146mMの濃度でスクロース、
h.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
i.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
j.約15mMの濃度での二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0255】
いくつかの態様において、組成物は、
a.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列GCAAGATCCCGGATTCGGTC(配列番号185)を含む、細胞外小胞、
b.約5%の濃度でスクロース、
c.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
d.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
e.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0256】
いくつかの態様において、組成物は、
f.ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列GCAAGATCCCGGATTCGGTC(配列番号185)を含む、細胞外小胞、
g.約146mMの濃度でスクロース、
h.約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
i.約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
j.約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウム七水和物を含み、
組成物は、7.2のpHの溶液中にあり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0257】
いくつかの態様において、ASOは、配列番号91~193から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、ASOは、核酸配列GAAAGGTTCCGTCGGGC(配列番号144)を含む。いくつかの態様において、ASOは、核酸配列CTGAGTCGCTGAAGCGG(配列番号145)を含む。いくつかの態様において、ASOは、核酸配列GCCCTTGTACTTTTGCATAG(配列番号193)を含む。いくつかの態様において、ASOは、核酸配列GCAAGATCCCGGATTCGGTC(配列番号185)を含む。
【0258】
特定の態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む、細胞外小胞、
(b)スクロース、
(c)塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
スクロースは、約73mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、約100mM、約105mM、約110mM、約115mM、約120mM、約125mM、約130mM、約135mM、約140mM、約145mM、約146mM、及び約150mMから選択される濃度であり、
塩化ナトリウムは、約50mM、約55mM、約60mM、約65mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、約100mM、約105mM、約110mM、約115mM、約120mM、約125mM、約130mM、約135mM、約140mM、約145mM、及び約150mMから選択される濃度であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0259】
特定の態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞、
(b)スクロース、
(c)塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
スクロースは、約73mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、約100mM、約105mM、約110mM、約115mM、約120mM、約125mM、約130mM、約135mM、約140mM、約145mM、約146mM、及び約150mMから選択される濃度であり、
塩化ナトリウムは、約50mM、約55mM、約60mM、約65mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、約100mM、約105mM、約110mM、約115mM、約120mM、約125mM、約130mM、約135mM、約140mM、約145mM、及び約150mMから選択される濃度であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0260】
いくつかの態様において、ASOは、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む。
【0261】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞、
(b)スクロース、
(c)塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
スクロースは、約2.5%、約2.6%、約2.7%、約2.8%、約2.9%、約3.0%、約3.1%、約3.2%、約3.3%、約3.4%、約3.5%、約3.6%、約3.7%、約3.8%、約3.9%、約4.0%、約4.1%、約4.2%、約4.3%、約4.4%、約4.5%、約4.6%、約4.7%、約4.8%、約4.9%、及び約5.0%から選択される濃度であり、
塩化ナトリウムは、約50mM、約55mM、約60mM、約65mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、約100mM、約105mM、約110mM、約115mM、約120mM、約125mM、約130mM、約135mM、約140mM、約145mM、及び約150mMから選択される濃度であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0262】
いくつかの態様において、ASOは、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む。
【0263】
特定の態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む、細胞外小胞、
(b)約73mM~約146mMの濃度でスクロース、
(c)約50mM~約150mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0264】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む、細胞外小胞、
(b)約2.5%~約5%の濃度でスクロース、
(c)約50mM~約150mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0265】
特定の態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約73mM~約146mMの濃度でスクロース、
(c)約50mM~約150mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0266】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約2.5%~約5%の濃度でスクロース、
(c)約50mM~約150mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0267】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む、細胞外小胞、
(b)約5%の濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0268】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、STAT6転写物内の核酸配列に相補的である長さが10~30ヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含む、細胞外小胞、
(b)約2.5%の濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0269】
いくつかの態様において、ASOは、配列番号91~93から選択される核酸配列を含む。
【0270】
特定の態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約146mMの濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0271】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約5%の濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0272】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約4.5%の濃度でスクロース、
(c)約50mM~約150mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0273】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約4%の濃度でスクロース、
(c)約50mM~約150mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0274】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約3.5%の濃度でスクロース、
(c)約50mM~約150mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0275】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約3%の濃度でスクロース、
(c)約50mM~約150mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0276】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが、配列番号91~193から選択される核酸配列を含む、細胞外小胞、
(b)約2.5%の濃度でスクロース、
(c)約50mM~約150mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0277】
特定の態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列GAAAGGTTCCGTCGGGC(配列番号144)を含む、細胞外小胞、
(b)約146mMの濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0278】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列GAAAGGTTCCGTCGGGC(配列番号144)を含む、細胞外小胞、
(b)約5%の濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0279】
特定の態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列CTGAGTCGCTGAAGCGG(配列番号145)を含む、細胞外小胞、
(b)約146mMの濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0280】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列CTGAGTCGCTGAAGCGG(配列番号145)を含む、細胞外小胞、
(b)約5%の濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0281】
特定の態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列GCCCTTGTACTTTTGCATAG(配列番号193)を含む、細胞外小胞、
(b)約146mMの濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0282】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列GCCCTTGTACTTTTGCATAG(配列番号193)を含む、細胞外小胞、
(b)約5%の濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0283】
特定の態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列GCAAGATCCCGGATTCGGTC(配列番号185)を含む、細胞外小胞、
(b)約146mMの濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0284】
いくつかの態様において、組成物は、
(a)ASOを含む細胞外小胞であって、ASOが核酸配列GCAAGATCCCGGATTCGGTC(配列番号185)を含む、細胞外小胞、
(b)約5%の濃度でスクロース、
(c)約100mMの濃度で塩化ナトリウム、
(d)約5mMの濃度で一塩基性リン酸カリウム、
(e)約15mMの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含み、
(f)組成物のpHは、約7.2であり、
組成物は、約395mOsm/kgの浸透圧濃度を含む。
【0285】
いくつかの態様において、組成物は、凍結乾燥されている。
【0286】
III.細胞外小胞、例えば、エクソソーム
本明細書において、対象の免疫系を調節することが可能である改変EV、例えば、エクソソームが開示される。本開示において有用なEV、例えば、エクソソームは、少なくとも1つの外因性の生物学的に活性な部分を産生するように操作されている。いくつかの態様において、EV(例えば、エクソソーム)は、2つの外因性の生物学的に活性な部分を含む。いくつかの態様において、EV(例えば、エクソソーム)は、3つの外因性の生物学的に活性な部分を含む。他の態様において、EV(例えば、エクソソーム)は、4つの外因性の生物学的に活性な部分を含む。更なる態様において、EV(例えば、エクソソーム)は、5つ以上の外因性の生物学的に活性な部分を含む。いずれの態様において、EV(例えば、エクソソーム)は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又はそれ以上の外因性の生物学的に活性な部分を含む。
【0287】
上記に記載されるように、本明細書に記載のEV、例えば、エクソソームは、約20~300nmの直径を有する細胞外小胞である。特定の態様において、本開示のEV、例えば、エクソソームは、約20~290nm、20~280nm、20~270nm、20~260nm、20~250nm、20~240nm、20~230nm、20~220nm、20~210nm、20~200nm、20~190nm、20~180nm、20~170nm、20~160nm、20~150nm、20~140nm、20~130nm、20~120nm、20~110nm、20~100nm、20~90nm、20~80nm、20~70nm、20~60nm、20~50nm、20~40nm、20~30nm、30~300nm、30~290nm、30~280nm、30~270nm、30~260nm、30~250nm、30~240nm、30~230nm、30~220nm、30~210nm、30~200nm、30~190nm、30~180nm、30~170nm、30~160nm、30~150nm、30~140nm、30~130nm、30~120nm、30~110nm、30~100nm、30~90nm、30~80nm、30~70nm、30~60nm、30~50nm、30~40nm、40~300nm、40~290nm、40~280nm、40~270nm、40~260nm、40~250nm、40~240nm、40~230nm、40~220nm、40~210nm、40~200nm、40~190nm、40~180nm、40~170nm、40~160nm、40~150nm、40~140nm、40~130nm、40~120nm、40~110nm、40~100nm、40~90nm、40~80nm、40~70nm、40~60nm、40~50nm、50~300nm、50~290nm、50~280nm、50~270nm、50~260nm、50~250nm、50~240nm、50~230nm、50~220nm、50~210nm、50~200nm、50~190nm、50~180nm、50~170nm、50~160nm、50~150nm、50~140nm、50~130nm、50~120nm、50~110nm、50~100nm、50~90nm、50~80nm、50~70nm、50~60nm、60~300nm、60~290nm、60~280nm、60~270nm、60~260nm、60~250nm、60~240nm、60~230nm、60~220nm、60~210nm、60~200nm、60~190nm、60~180nm、60~170nm、60~160nm、60~150nm、60~140nm、60~130nm、60~120nm、60~110nm、60~100nm、60~90nm、60~80nm、60~70nm、70~300nm、70~290nm、70~280nm、70~270nm、70~260nm、70~250nm、70~240nm、70~230nm、70~220nm、70~210nm、70~200nm、70~190nm、70~180nm、70~170nm、70~160nm、70~150nm、70~140nm、70~130nm、70~120nm、70~110nm、70~100nm、70~90nm、70~80nm、80~300nm、80~290nm、80~280nm、80~270nm、80~260nm、80~250nm、80~240nm、80~230nm、80~220nm、80~210nm、80~200nm、80~190nm、80~180nm、80~170nm、80~160nm、80~150nm、80~140nm、80~130nm、80~120nm、80~110nm、80~100nm、80~90nm、90~300nm、90~290nm、90~280nm、90~270nm、90~260nm、90~250nm、90~240nm、90~230nm、90~220nm、90~210nm、90~200nm、90~190nm、90~180nm、90~170nm、90~160nm、90~150nm、90~140nm、90~130nm、90~120nm、90~110nm、90~100nm、100~300nm、110~290nm、120~280nm、130~270nm、140~260nm、150~250nm、160~240nm、170~230nm、180~220nm、又は190~210nmの直径を有する。本明細書に記載のEV、例えば、エクソソームのサイズは、以下に記載される方法に従って測定することができる。
【0288】
いくつかの態様において、本開示のEV、例えば、エクソソームは、内面及び外面を含む、二重脂質膜(「EV、例えば、エクソソーム、膜」)を含む。特定の態様において、内面は、EV、例えば、エクソソームの内核(すなわち、管腔)に面する。特定の態様において、外面は、産生細胞又は標的細胞のエンドソーム、多胞体、又は膜/細胞質と接触していることができる。
【0289】
いくつかの態様において、EV、例えば、エクソソームの膜は、脂質及び脂肪酸を含む。いくつかの態様において、EV、例えば、エクソソームの膜は、リン脂質、糖脂質、脂肪酸、スフィンゴ脂質、ホスホグリセリド、ステロール、コレステロール、及びホスファチジルセリンを含む。
【0290】
いくつかの態様において、EV、例えば、エクソソームの膜は、内側リーフレット及び外側リーフレットを含む。内側リーフレット及び外側リーフレットの組成は、当該技術分野で既知の二重層横断分布アッセイによって決定することができ、例えば、Kuypers et al.,Biohim Biophys Acta 1985 819:170を参照されたい。いくつかの態様において、外側リーフレットの組成は、およそ70~90%のコリンリン脂質、およそ0~15%の酸性リン脂質、及びおよそ5~30%のホスファチジルエタノールアミンである。いくつかの態様において、内側リーフレットの組成は、およそ15~40%のコリンリン脂質、およそ10~50%の酸性リン脂質、及びおよそ30~60%のホスファチジルエタノールアミンである。
【0291】
いくつかの態様において、EV、例えば、エクソソームの膜は、グリカンなどの1つ以上の多糖を含む。
【0292】
いくつかの態様において、EV、例えば、エクソソームの膜は、複数の外因性の生物学的に活性な部分をEV、例えば、エクソソームに固定することが可能である(例えば、管腔表面又は外面のいずれかで)、1つ以上の足場部分を更に含む。いくつかの態様において、足場部分は、複数の外因性の生物学的に活性な部分のうちの少なくとも1つをEVに固定又は連結する。いくつかの態様において、足場部分は、複数(例えば、少なくとも2つ)の外因性の生物学的に活性な部分の各々をEVに固定又は連結する。特定の態様において、足場部分は、ポリペプチド(「エクソソームタンパク質」)である。他の態様において、足場部分は、非ポリペプチド部分である。いくつかの態様において、エクソソームタンパク質は、エクソソーム膜で濃縮される、膜貫通タンパク質、内在性タンパク質、及び末梢タンパク質などの様々な膜タンパク質を含む。それらは、様々なCDタンパク質、トランスポーター、インテグリン、レクチン、及びカドヘリンを含むことができる。特定の態様において、足場部分(例えば、エクソソームタンパク質)は、足場Xを含む。更なる態様において、足場部分(例えば、エクソソームタンパク質)は、1つを超える足場X部分を含む。
【0293】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるEV、例えば、エクソソームは、1つ以上のペイロード(例えば、生物学的に活性な部分)を標的に送達することが可能である。したがって、特定の態様において、EV(例えば、エクソソーム)は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の異なるペイロードを含む。ペイロードは、EVと接触している標的(例えば、標的細胞)に作用する薬剤である。接触することは、インビトロ又は対象において生じ得る。EVに導入することができるペイロードの非限定的な例としては、ヌクレオチド(例えば、検出可能な部分若しくは毒素を含んでいるか又は転写を破壊するヌクレオチド)、核酸(例えば、酵素などのポリペプチドをコードするDNA若しくはmRNA分子、又はmiRNA、dsDNA、lncRNA、若しくはsiRNAなどの調節機能を有するRNA分子)、MS2などのRNA結合タンパク質、アミノ酸(例えば、検出可能な部分又は翻訳を破壊する毒素を含むアミノ酸)、ポリペプチド(例えば、酵素)、脂質、炭水化物、及び小分子(例えば、小分子薬物及び毒素)などの薬剤が挙げられる。いくつかの態様において、ペイロードは、外因性の生物学的に活性な部分(例えば、本明細書に開示されるもの)を含む。
【0294】
III.A.足場部分、例えば、足場X又は足場Y
いくつかの態様において、本開示のEV、例えば、エクソソームは、その組成物に改変された膜を含む。例えば、それらの膜組成物は、膜のタンパク質、脂質、又はグリカン含有量を変更することによって改変することができる。
【0295】
いくつかの態様において、表面操作されたEV、例えば、エクソソームは、PEG誘導融合及び/又は超音波融合などの化学的方法及び/又は物理的方法によって生成される。他の態様において、表面操作されたEV、例えば、エクソソームは、遺伝子操作によって生成される。遺伝子改変された産生細胞又は遺伝子改変された細胞の子孫から産生されたEV、例えばエクソソームは、改変された膜組成物を含むことができる。いくつかの態様において、表面操作されたEV、例えば、エクソソームは、足場部分(例えば、エクソソームタンパク質、例えば、足場X)をより高いか若しくはより低い密度(例えば、より高い数)で有するか、又は足場部分のバリアント若しくは断片を含む。
【0296】
例えば、表面(例えば、足場X)操作されたEVは、足場部分(例えば、エクソソームタンパク質、例えば、足場X)をコードする外因性配列又はそのバリアント若しくは断片で形質転換された細胞(例えば、HEK293細胞)から産生することができる。外因性配列から発現された足場部分を含むEVは、改変された膜組成物を含むことができる。
【0297】
足場部分の様々な改変又は断片は、本開示の態様のために使用することができる。例えば、結合剤に対する増強した親和性を有するように改変された足場部分は、結合剤を使用して精製することができる表面操作されたEVを生成するために使用することができる。EV及び/又は膜をより効果的に標的化するように改変された足場部分を使用することができる。エクソソーム膜を特異的及び効果的に標的とするために必要とされる最小断片を含むように改変された足場部分も使用することができる。
【0298】
足場部分の非限定的な例としては、プロスタグランジンF2受容体ネガティブレギュレーター(PTGFRN)、ベイシジン(BSG)、免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー2(IGSF2)、免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー3(IGSF3)、免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー8(IGSF8)、インテグリンベータ-1(ITGB1)、インテグリンアルファ-4(ITGA4)、4F2細胞表面抗原重鎖(SLC3A2)、及びATPトランスポータータンパク質のクラス(ATP1A1、ATP1A2、ATP1A3、ATP1A4、ATP1B3、ATP2B1、ATP2B2、ATP2B3、ATP2B)が挙げられる。特定の態様において、足場部分は、タンパク質全体である。他の態様において、足場部分は、タンパク質断片(例えば、機能的断片)である。
【0299】
他の態様において、本開示に有用な足場部分、第1の足場部分、第2の足場部分、及び/又は第3の足場部分は、従来のエクソソームタンパク質を含み、限定されないが、テトラスパニン分子(例えば、CD63、CD81、CD9、及び他)、リソソーム関連膜タンパク質2(LAMP2及びLAMP2B)、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)、GPIアンカータンパク質、ラクトアドヘリン及びその断片、これらのタンパク質若しくはその断片のいずれかに対して親和性を有するペプチド、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0300】
いくつかの態様において、本明細書に記載の表面(例えば、足場X)-操作されたEVは、当該技術分野で既知のEVと比較して優れた特徴を示す。例えば、表面(例えば、足場X)-操作されたEVは、天然に存在するEV又は従来のエクソソームタンパク質を使用して産生されたEVよりも、それらの表面により高度に濃縮された改変タンパク質を含む。更に、本開示の表面(例えば、足場X)-操作されたEVは、天然に存在するEV又は従来のエクソソームタンパク質を使用して産生されたEVと比較して、より大きな、より特異的な、又はより制御された生物学的活性を有することができる。
【0301】
いくつかの態様において、足場Xは、プロスタグランジンF2受容体ネガティブレギュレーター(PTGFRNポリペプチド)を含む。PTGFRNタンパク質は、CD9パートナー1(CD9P-1)、Glu-Trp-Ile EWIモチーフ含有タンパク質F(EWI-F)、プロスタグランジンF2-アルファ受容体調節タンパク質、プロスタグランジンF2-アルファ受容体関連タンパク質、又はCD315とも称することができる。ヒトPTGFRNタンパク質の全長アミノ酸配列(Uniprot受託番号Q9P2B2)は、配列番号1として表2に示される。PTGFRNポリペプチドは、シグナルペプチド(配列番号1のアミノ酸1~25)、細胞外ドメイン(配列番号1のアミノ酸26~832)、膜貫通ドメイン(配列番号1のアミノ酸833~853)、及び細胞質ドメイン(配列番号1のアミノ酸854~879)を含む。成熟PTGFRNポリペプチドは、シグナルペプチドを伴わない配列番号1、すなわち、配列番号1のアミノ酸26~879からなる。いくつかの態様において、本開示に有用なPTGFRNポリペプチド断片は、PTGFRNポリペプチドの膜貫通ドメインを含む。他の態様において、本開示に有用なPTGFRNポリペプチド断片は、PTGFRNポリペプチドの膜貫通ドメインと、(i)膜貫通ドメインのN末端に、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150個のアミノ酸、(ii)膜貫通ドメインのC末端に、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、若しくは少なくとも25個のアミノ酸、又は(i)及び(ii)の両方と、を含む。
【0302】
いくつかの態様において、PTGFRNポリペプチドの断片は、IgVなどの1つ以上の機能的又は構造的ドメインを欠いている。
【0303】
他の態様において、足場Xは、配列番号1のアミノ酸26~879と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一のアミノ酸配列を含む。他の態様において、足場Xは、配列番号9と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一のアミノ酸配列を含む。他の態様において、足場Xは、1つのアミノ酸変異、2つのアミノ酸変異、3つのアミノ酸変異、4つのアミノ酸変異、5つのアミノ酸変異、6つのアミノ酸変異、又は7つのアミノ酸変異を除いて、配列番号9のアミノ酸配列を含む。変異は、置換、挿入、欠失、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。いくつかの態様において、足場Xは、配列番号9のアミノ酸配列と、配列番号9のN末端及び/又はC末端に1個のアミノ酸、2個のアミノ酸、3個のアミノ酸、4個のアミノ酸、5個のアミノ酸、6個のアミノ酸、7個のアミノ酸、8個のアミノ酸、9個のアミノ酸、10個のアミノ酸、11個のアミノ酸、12個のアミノ酸、13個のアミノ酸、14個のアミノ酸、15個のアミノ酸、16個のアミノ酸、17個のアミノ酸、18個のアミノ酸、19個のアミノ酸、又は20個以上のアミノ酸と、を含む。
【0304】
他の態様において、足場Xは、配列番号6、7、8、10、11、又は12と少なくとも約少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一のアミノ酸配列を含む。他の態様において、足場Xは、1つのアミノ酸変異、2つのアミノ酸変異、3つのアミノ酸変異、4つのアミノ酸変異、5つのアミノ酸変異、6つのアミノ酸変異、又は7つのアミノ酸変異を除いて、配列番号6、7、8、10、11、又は12のアミノ酸配列を含む。変異は、置換、挿入、欠失、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。いくつかの態様において、足場Xは、配列番号6、7、8、10、11、又は12のアミノ酸配列と、配列番号6、7、8、10、11、又は12のN末端及び/又はC末端に1個のアミノ酸、2個のアミノ酸、3個のアミノ酸、4個のアミノ酸、5個のアミノ酸、6個のアミノ酸、7個のアミノ酸、8個のアミノ酸、9個のアミノ酸、10個のアミノ酸、11個のアミノ酸、12個のアミノ酸、13個のアミノ酸、14個のアミノ酸、15個のアミノ酸、16個のアミノ酸、17個のアミノ酸、18個のアミノ酸、19個のアミノ酸、又は20個以上のアミノ酸と、を含む。
【表2】
【0305】
他の足場Xタンパク質の非限定的な例は、米国特許第10,195,290B1号及び同第10,561,740B2号に見出すことができ、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0306】
いくつかの態様において、足場Xを使用して、任意の部分を、EV、例えばエクソソームの管腔表面及び外面に、同時に連結することができる。例えば、PTGFRNポリペプチドを使用して、EV、例えば、エクソソームの外面に加えて、管腔内(例えば、管腔表面上)で抗原、アジュバント、及び/又は免疫調節物質を連結することができる。したがって、特定の態様において、足場Xは、二重の目的、例えば、EV、例えば、エクソソームの管腔表面での抗原及び外面でのアジュバント若しくは免疫調節剤、EV、例えば、エクソソームの外面での抗原及び管腔表面でのアジュバント若しくは免疫調節剤、EV、例えば、エクソソームの管腔表面でのアジュバント及び外面での免疫調節剤、又はEV、例えば、エクソソームの管腔表面での免疫調節剤及び外面でのアジュバントのために使用することができる。
【0307】
いくつかの態様において、足場タンパク質は、足場Yを含む。本明細書に開示の組成物及び方法に使用することができる足場Yタンパク質の非限定的な例には、例えば、国際公開第2019/099942号又は同第2020/101740号に開示されるこれらの足場Yタンパク質が含まれ、それらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの態様において、足場Yタンパク質は、ミリストイル化アラニンリッチプロテインキナーゼC基質(「MARCKSタンパク質」)、ミリストイル化アラニンリッチプロテインキナーゼC基質様1(「MARCKSL1タンパク質」)、脳酸可溶性タンパク質1(「BASP1タンパク質」)から選択される。いくつかの態様において、足場Yタンパク質は、タンパク質全体又はその断片(例えば、機能的断片、例えば、EV、例えば、エクソソームの管腔表面に部分を固定することが可能である最小断片)であることができる。いくつかの態様において、足場Yは、部分をEV、例えば、エクソソームの管腔に固定することができる。
【0308】
III.B.固定化部分
いくつかの態様において、本明細書に開示されるASO又は本明細書に開示される1つ以上のペイロードは、固定化部分に連結することができる。いくつかの態様において、ペイロードをEV(例えば、エクソソーム)の外面及び/又は管腔表面に連結するために使用することができる固定化部分は、ステロール(例えば、コレステロール)、GM1、脂質(例えば、脂肪酸)、ビタミン、小分子、ペプチド、又はそれらの組み合わせを含む。
【0309】
いくつかの態様において、固定化部分は、脂質である。脂質固定化部分は、当該技術分野で既知の任意の脂質、例えば、パルミチン酸又はグリコシルホスファチジルイノシトールであることができる。いくつかの態様において、脂質は、脂肪酸、ホスファチド、リン脂質(例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、又はホスファチジルエタノールアミン)、又はそれらの類似体(例えば、ホファチジルコリン、レシチン、ホスファチジルエタノールアミン、セファリン、若しくはホスファチジルセリン、又はそれらの類似体若しくは部分、例えば、その部分的に加水分解された部分)である。
【0310】
一般に、固定化部分は、化学的に結合される。しかしながら、固定化部分は、ペイロードに酵素的に結合させることができる。
【0311】
本開示の方法を行うために使用することができるいくつかのタイプの膜固定が、以下の表に示される。
【表3】
【0312】
いくつかの態様において、本開示の固定化部分は、本明細書に開示の2つ以上のタイプの固定化部分を含むことができる。例えば、いくつかの態様において、足場部分は、2つの脂質、例えば、リン脂質及び脂肪酸、又は2つのリン脂質、又は2つの脂肪酸、又は脂質及びビタミン、又はコレステロール及びビタミンを含むことができる。
【0313】
いくつかの態様において、本開示に有用な固定化部分は、ステロール、ステロイド、ホパノイド、ヒドロキシステロイド、セコステロイド、又は親油性特性を有するそれらの類似体を含む。いくつかの態様において、固定化部分は、植物ステロール、ミコステロール、又は動物ステロールなどのステロールを含む。例示的な動物ステロールとしては、コレステロール及び24S-ヒドロキシコレステロールが挙げられ、例示的な植物ステロールとしては、エルゴステロール(ミコステロール)、カンペステロール、シトステロール、及びスチグマステロールが挙げられる。いくつかの態様において、ステロールは、エルゴステロール、7-デヒドロコレステロール、コレステロール、24S-ヒドロキシコレステロール、ラノステロール、シクロアルテノール、フコステロール、サリンゴステロール、カンペステロール、β-シトステロール、シトスタノール、コプロスタノール、アベナステロール、又はスチグマステロールから選択される。ステロールは、遊離ステロール、アシル化(ステロールエステル)、アルキル化(ステリルアルキルエーテル)、硫酸化(硫酸ステロール)、又はそれ自体がアシル化(アシル化ステロールグリコシド)され得るグリコシド部分(ステリルグリコシド)に連結したもののいずれかとして見出され得る。いくつかの態様において、固定化部分は、コレステロールである。
【0314】
いくつかの態様において、固定化部分は、ステロイドを含む。いくつかの態様において、ステロイドは、ジヒドロテストステロン、ウバオール、ヘシゲニン、ジオスゲニン、プロゲステロン、又はコルチゾールから選択される。
【0315】
いくつかの態様において、固定化部分は、脂肪酸である。いくつかの態様において、脂肪酸は、短鎖、中鎖、又は長鎖脂肪酸である。いくつかの態様において、脂肪酸は、飽和脂肪酸である。いくつかの態様において、脂肪酸は、不飽和脂肪酸である。いくつかの態様において、脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸である。いくつかの態様において、脂肪酸は、オメガ-3又はオメガ-6脂肪酸などの多価不飽和脂肪酸である。
【0316】
いくつかの態様において、固定化部分は、リン脂質を含む。リン脂質は、全ての細胞膜の主要成分である脂質クラスである。それらは、それらの両親媒性特性のために脂質二重層を形成することができる。リン脂質分子の構造は、概して、2つの疎水性脂肪酸「尾部」及びリン酸基からなる親水性「頭部」から構成される。例えば、リン脂質は、以下の式による脂質であることができ、
【化4】
式中、R
pは、リン脂質部分を表し、R
1及びR
2は、同じか又は異なり得る、不飽和を有するか又は有しない脂肪酸部分を表す。
【0317】
いくつかの態様において、ペイロードは、本明細書に開示される固定化部分にリンカーの組み合わせを介して連結され、切断可能及び/又は切断不能なリンカーの任意の組み合わせを含むことができる。いずれの理論にも拘束されることなく、リンカーの組み合わせの機能の1つは、固定化部分とペイロードとの間に最適な間隔を提供することである。
【0318】
III.C.リンカー
上記に記載されるように、本開示の細胞外小胞(EV)(例えば、エクソソーム及びナノ小胞)は、本明細書に開示される1つ以上の外因性の生物学的に活性な部分をEVに(例えば、外面に、又は管腔表面上に)連結する1つ以上のリンカーを含むことができる。いくつかの態様において、1つ以上の外因性の生物学的に活性な部分は、EVに直接的に、又は1つ以上の足場部分(例えば、足場X)を介して連結される。例えば、特定の態様において、1つ以上の外因性の生物学的に活性な部分は、足場Xを介してエクソソームの外面に連結される。更なる態様において、1つ以上の外因性の生物学的に活性な部分は、足場Xを介してエクソソームの管腔表面に連結される。リンカーは、当該技術分野で既知の任意の化学的部分であることができる。
【0319】
本明細書で使用される場合、「リンカー」という用語は、ペプチド配列若しくはポリペプチド配列(例えば、合成ペプチド配列又はポリペプチド配列)、又は非ポリペプチド、例えば、アルキル鎖を指す。いくつかの態様において、2つ以上のリンカーを直列に連結することができる。複数のリンカーが存在する場合、各リンカーは、同じか又は異なることができる。一般に、リンカーは、可撓性を提供するか、又は立体障害を防止/改善する。リンカーは、典型的には切断されないが、特定の態様において、かかる切断が望ましいものであり得る。したがって、いくつかの態様において、リンカーは、リンカーの配列内に位置し得るか、又はリンカー配列のいずれかの末端でリンカーに隣接し得る、1つ以上のプロテアーゼ切断可能な部位を含むことができる。
【0320】
いくつかの態様において、リンカーは、ペプチドリンカーである。いくつかの態様において、ペプチドリンカーは、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、少なくとも55個、少なくとも60個、少なくとも65個、少なくとも70個、少なくとも75個、少なくとも80個、少なくとも85個、少なくとも90個、少なくとも95個、又は少なくとも100個のアミノ酸を含むことができる。
【0321】
いくつかの態様において、ペプチドリンカーは、合成であり、すなわち、非天然に存在する。一態様において、ペプチドリンカーは、アミノ酸の第1の直鎖配列を、天然には連結又は遺伝子的に融合されていないアミノ酸の第2の直鎖配列に、連結又は遺伝子的に融合するアミノ酸配列を含むペプチド(又はポリペプチド)(例えば、天然又は非天然に存在するペプチド)を含む。例えば、一態様において、ペプチドリンカーは、天然に存在するポリペプチドの改変形態(例えば、付加、置換、又は欠失などの変異を含む)である非天然に存在するポリペプチドを含むことができる。
【0322】
リンカーは、切断に感受性であることができ(「切断可能なリンカー」)、それによって、外因性の生物学的に活性な部分の放出を容易する。
【0323】
いくつかの態様において、リンカーは、「還元-感受性リンカー」である。いくつかの態様において、還元-感受性リンカーは、ジスルフィド結合を含む。いくつかの態様において、リンカーは、「酸不安定性リンカー」である。いくつかの態様において、酸不安定性リンカーは、ヒドラゾンを含む。好適な酸不安定性リンカーにはまた、例えば、シス-アコニット酸リンカー、ヒドラジドリンカー、チオカルバモイルリンカー、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0324】
いくつかの態様において、ASOは、リンカーによって、EV、例えば、エクソソームと会合される。いくつかの態様において、リンカーには、アクリルホスホラミダイト(例えば、ACRYDITE(商標))、アデニル化、アジド(NHSエステル)、ジゴキシゲニン(NHSエステル)、コレステロール-TEG、I-LINKER(商標)、アミノ修飾子(例えば、アミノ修飾子C6、アミノ修飾子C12、アミノ修飾子C6 dT、又はUni-Link(商標)アミノ修飾子)、アルキン、5’ヘキシニル、5-オクタジニルdU、ビオチン化(例えば、ビオチン、ビオチン(アジド)、ビオチンdT、ビオチン-TEG、デュアルビオチン、PCビオチン、又はデスチオビオチン)、チオール修飾(チオール修飾子C3 S-S、ジチオール、又はチオール修飾子C6 S-S)、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0325】
いくつかの態様において、リンカーは、テルペン、例えば、ネロリドール、ファルネソール、リモネン、リナロール、ゲラニオール、カルボン、フェンコン、若しくはメントールなど、脂質、例えば、パルミチン酸若しくはミリスチン酸など、コレステロール、オレイル、レチニル、コレステリル残基、コール酸、アダマンタン酢酸、1-ピレン酪酸、ジヒドロテストステロン、1,3-ビス-O(ヘキサデシル)グリセロール、ゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシルグリセロール、ボルネオール、1,3-プロパンジオール、ヘプタデシル基、O3-(オレオイル)リトコール酸、O3-(オレオイル)コレン酸、ジメトキシトリチル、フェノキサジン、マレイミド部分、グルコリニナーゼ(glucorinidase)型、CL2A-SN38型、葉酸、炭水化物、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、又はそれらの任意の組み合わせを含む。特定の態様において、ASOは、コレステロールタグを含み、コレステロールタグは、EVの膜、例えば、エクソソームと会合する。いくつかの態様において、リンカーは、切断不能なリンカーを含む。
【0326】
いくつかの態様において、リンカーは、テトラエチレングリコール(TEG)、ヘキサエチレングリコール(HEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、スクシンイミド、又はそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、リンカーは、生物学的に活性な分子をリンカーに連結するスペーサーユニットを含む。
【0327】
いくつかの態様において、1つ以上のリンカーは、一緒に連結される、より小さな単位(例えば、HEG、TEG、グリセロール、C2~C12アルキルなど)を含む。一態様において、結合は、エステル結合(例えば、ホスホジエステル又はホスホロチオエートエステル)又は他の結合である。
【0328】
いくつかの態様において、リンカーは、R3-(O-CH2-CH2)n-又はR3-(0-CH2-CH2)n-O-を特徴とするポリエチレングリコール(PEG)を含み、R3は、水素、メチル、又はエチルであり、nは、2~200の値を有する。いくつかの態様において、リンカーは、スペーサーを含み、スペーサーは、PEGである。
【0329】
いくつかの態様において、PEGリンカーは、オリゴ-エチレングリコール、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール(TEG)、ペンタエチレングリコール、又はヘキサエチレングリコール(HEG)リンカーである。
【0330】
IV.治療方法
EVの投与が対象に有益な効果がある複数の疾患又は状態を治療するための、本開示の医薬組成物の投与が、更に企図される。いくつかの態様において、本明細書に開示の対象における疾患又は状態を治療する方法は、医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0331】
いくつかの態様において、本開示は、非経口、局所、静脈内、経口、皮下、動脈内、皮内、経皮、直腸、頭蓋内、腹腔内、鼻腔内、腫瘍内、筋肉内の経路によって、又は吸入剤として投与することができる組成物を提供する。いくつかの態様において、EVを含む医薬組成物は、静脈内、例えば、注射によって投与される。いくつかの態様において、組成物は、髄腔内経路によって投与することができる。いくつかの態様において、組成物は、脳室内経路によって投与することができる。経粘膜投与又は経皮投与のために、浸透させるバリアに適切な浸透剤が製剤に使用される。かかる浸透剤は、当該技術分野で一般的に知られており、例えば、経粘膜投与のために、界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は、鼻腔スプレー又は坐剤の使用によって達成することができる。経皮投与のために、改変されたエクソソームは、当該技術分野で一般的に既知のように、軟膏、膏薬、ゲル、又はクリームに製剤化される。
【0332】
いくつかの態様において、EVは、対象の循環器系に静脈内で投与される。いくつかの態様において、EVは、好適な液体に注入され、対象の静脈に投与される。いくつかの態様において、EVは、対象の循環器系に動脈内で投与される。いくつかの態様において、EVは、好適な液体に注入され、対象の動脈に投与される。いくつかの態様において、EVは、髄腔内投与によって対象に投与される。いくつかの態様において、EVは、脳脊髄液(CSF)に到達するように、脊柱管への、又はクモ膜下腔への注射を介して投与される。いくつかの態様において、EVは、対象の1つ以上の腫瘍に腫瘍内で投与される。いくつかの態様において、EVは、鼻腔内投与によって対象に投与される。いくつかの態様において、EVは、局所投与又は全身投与のいずれかの形態で、鼻を通して吹き込むことができる。特定の態様において、EVは、鼻腔スプレーとして投与される。
【0333】
いくつかの態様において、EVは、腹腔内投与によって対象に投与される。いくつかの態様において、EVは、適切な液体中に注入され、対象の腹膜に注射される。いくつかの態様において、腹腔内投与は、リンパ管へのEVの分布をもたらす。いくつかの態様において、腹腔内投与は、胸腺、脾臓、及び/又は骨髄へのEVの分布をもたらす。いくつかの態様において、腹腔内投与は、1つ以上のリンパ節へのEVの分布をもたらす。いくつかの態様において、腹腔内投与は、頸部リンパ節、鼠径リンパ節、縦隔リンパ節、又は胸骨リンパ節のうちの1つ以上へのEVの分布をもたらす。いくつかの態様において、腹腔内投与は、膵臓へのEVの分布をもたらす。
【0334】
いくつかの態様において、EV、例えば、エクソソームは、眼球周囲投与によって対象に投与される。いくつかの態様において、sは、眼球周囲組織に注射される。眼球周囲薬物投与には、結膜下、テノン嚢下前部、テノン嚢下後部、及び眼球後部の投与経路が含まれる。
【0335】
いくつかの態様において、治療は、予防的である。いくつかの態様において、本開示でのEVは、免疫応答を誘導するために使用される。いくつかの態様において、本開示でのEVは、対象にワクチン接種するために使用される。
【0336】
いくつかの態様において、疾患又は状態は、がん、線維症、血友病、糖尿病、成長因子欠乏症、眼疾患、ポンペ病、リソソーム蓄積障害、ムコビシドーシス(mucovicidosis)、嚢胞性線維症、デュシェンヌ型及びベッカー型筋ジストロフィー、トランスサイレチンアミロイドーシス、血友病A、血友病B、アデノシン-デアミナーゼ欠乏症、Leber先天黒内障、X連鎖副腎白質ジストロフィー、異染性白質ジストロフィー、OTC欠乏症、糖原貯蔵障害1A、クリグラー・ナジャール症候群、原発性高シュウ酸尿症1型、急性間欠性ポルフィリン症、フェニルケトン尿症、家族性高コレステロール血症、ムコ多糖症VI型、α1アンチトリプシン欠損症、並びに高コレステロール血症である。
【0337】
いくつかの態様において、疾患又は障害は、移植片対宿主病(GvHD)である。いくつかの態様において、本開示で治療することができる疾患又は障害は、自己免疫疾患である。自己免疫疾患の非限定的な例には、多発性硬化症、末梢神経炎、シェーグレン症候群、関節リウマチ、脱毛症、自己免疫性膵炎、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、セリアック病、デビック病(視神経脊髄炎)、糸球体腎炎、IgA腎障害、分類した脈管炎、強皮症、糖尿病、動脈炎、白斑、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、乾癬、ブドウ膜炎、全身性エリテマトーデス、及びそれらの組み合わせが含まれる。
【0338】
いくつかの態様において、疾患又は障害は、感染性疾患である。特定の態様において、疾患又は障害は、腫瘍ウイルスである。いくつかの態様において、本開示で治療することができる感染症には、ヒトガンマヘルペスウイルス4(エプスタイン・バーウイルス)、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス、サイトメガロウイルス、staphylococcus aureus、mycobacterium tuberculosis、chlamydia trachomatis、HIV-1、HIV-2、コロナウイルス(例えば、MERS-CoV及びSARS CoV)、フィロウイルス(例えば、マールブルグ及びエボラ)、Streptococcus pyogenes、Streptococcus pneumoniae、Plasmodia種(例えば、vivax及びfalciparum)、チクングンヤウイルス、ヒトパピローマウイルス(HPV)、B型肝炎、C型肝炎、ヒトヘルペスウイルス8、単純ヘルペスウイルス2(HSV2)、Klebsiella種、Pseudomonas aeruginosa、Enterococcus種、Proteus種、Enterobacter種、Actinobacter種、コアグラーゼ陰性staphylococci(CoNS)、Mycoplasma種、又はそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0339】
いくつかの態様において、がんは、膀胱がん、子宮頸がん、腎細胞がん、精巣がん、結腸直腸がん、肺がん、頭頸部がん、卵巣がん、リンパ腫、肝臓がん、神経膠芽細胞腫、黒色腫、骨髄腫、白血病、膵臓がん、又はそれらの組み合わせである。
【0340】
特定の態様において、がんは、STAT6タンパク質の増加した発現に関連する。本開示で治療することができるがんの非限定的な例には、結腸直腸がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC))、膵臓がん(例えば、膵管腺がん(PDAC))、白血病、子宮がん、卵巣がん、膀胱がん、胆管がん、胃がん、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。いくつかの態様において、がんは、結腸腺がん、直腸腺がん、膵臓腺がん、膵管腺がん、膵管腺がん(PDAC)、卵巣漿液性嚢胞腺がん、急性骨髄性白血病、精巣がん(例えば、精巣胚細胞腫瘍、精上皮腫、非精上皮腫、及び絨毛腺がん)、肺腺がん、脳低悪性度神経膠腫、多形性神経膠芽細胞腫、ブドウ膜黒色腫、甲状腺がん、子宮体内膜がん、子宮がん肉腫、褐色細胞腫、傍神経節腫、及びそれらの任意の組み合わせから選択される。特定の態様において、がんは、骨髄増多がん(myeloid-rich cancer)である。いくつかの態様において、がんは、肝臓がんを含む。いくつかの態様において、がんは、肝細胞がん(HCC)を含む。いくつかの態様において、がんは、膵管腺がん(PDAC)を含み、いくつかの態様において、がんは、結腸直腸がん(CRC)を含む。いくつかの態様において、がんは、卵巣がんを含む。いくつかの態様において、がんは、軟膜腫を含む。
【0341】
がんを有する対象に投与されるとき、特定の態様において、本開示のEVは、免疫応答を上方調節し、対象の免疫系の腫瘍標的化を増強することができる。いくつかの態様において、治療されるがんは、腫瘍微小環境、又はいわゆる「高温腫瘍」若しくは「炎症性腫瘍」への白血球(T細胞、B細胞、マクロファージ、樹状細胞、単球)の浸潤を特徴とする。いくつかの態様において、治療されるがんは、腫瘍微小環境への低レベル若しくは検出できないレベルの白血球浸潤、又はいわゆる「低温腫瘍」若しくは「非炎症性腫瘍」を特徴とする。いくつかの態様において、EVは、「低温腫瘍」を「高温腫瘍」に変換するのに十分な量及び時間で投与され、すなわち、当該投与することは、腫瘍微小環境への白血球(T細胞など)の浸潤をもたらす。特定の態様において、がんは、膀胱がん、子宮頸がん、腎細胞がん、精巣がん、結腸直腸がん、肺がん、頭頸部がん、及び卵巣、リンパ腫、肝臓がん、神経膠芽細胞腫、黒色腫、骨髄腫、白血病、膵臓がん、又はそれらの組み合わせを含む。他の用語では、「遠位腫瘍」又は「遠隔腫瘍」は、元の(又は原発の)腫瘍から遠位臓器又は遠隔組織、例えば、リンパ節に拡散している腫瘍を指す。いくつかの態様において、本開示のEVは、転移性拡散後の腫瘍を治療する。
【0342】
上記に引用される全ての参考文献、並びに本明細書に引用される全ての参考文献は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0343】
以下の実施例は、限定ではなく、例示として提供される。
【実施例】
【0344】
本発明は、以下の実施例によって更に例示される。実施例は、例示的な目的のためのみに提供され、本開示の範囲及び内容を決して制限するものとして解釈されるべきではない。本開示の実施は、別途指示がない限り、当該技術分野内のタンパク質化学、生化学、組換えDNA技術、及び薬理学の従来の方法を用いる。かかる技術は文献で十分に説明されている。例えば、T.E.Creighton,Proteins:Structures and Molecular Properties(W.H.Freeman and Company,1993)、Green & Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,4th Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2012)、Colowick & Kaplan,Methods In Enzymology(Academic Press)、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition(Pharmaceutical Press,2012)、Sundberg & Carey,Advanced Organic Chemistry:Parts A and B,5th Edition(Springer,2007)を参照されたい。
【0345】
実施例1:例示的な組成物04製剤開発
アンチセンスオリゴマーをロードしたエクソソームのための医薬品製剤が開発される。C-03医薬品製剤が出発点として使用される。リン酸緩衝液濃度(5mMの一塩基性リン酸カリウム及び15mMの二塩基性リン酸ナトリウム)及びpH(pH7.2)は、C-03医薬品と比較して変わらずそのままである。塩化ナトリウム濃度は、約50mM~約150mMの範囲の濃度で試験し、スクロース濃度は、約2.5%~5%(約73mM~約146mM)の濃度で試験する。条件は監視される。本明細書に開示されるように、STAT6を標的とするASOをロードしたエクソソームを含む、様々なASOをロードしたエクソソーム構築物を分析する。水性トリスEDTA緩衝液又は純水中で、ASOはエクソソームから解離し、したがって、塩化ナトリウム及びスクロースの組み合わせは、ロードされたASOを保持する役割を果たす可能性が高い。
【0346】
実施例2:ASOをロードしたエクソソームを含む組成物の濾過
本明細書に開示されるように、STAT6を標的とするASOをロードしたエクソソームを、
図2に示されるプロトコールに従って精製した。濾過ステップの後、試料を室温又は5℃で15日間保持し、ASO濃度(
図3A)、遊離ASOパーセント(
図3B)、及びIC50(
図7C)を分析した。材料を20~22℃(室温)及び5℃で15日間保持し、全量及び遊離の両方のASO含有量、A260、A280、A405、STAT6 mRNAノックダウン細胞レポーターアッセイを用いたインビトロ効力(
図4B及び
図5B)、粒子濃度のNTA(
図4A及び
図5A)、並びに平均粒子直径及び多分散性指数を測定するDLS(
図4D及び
図5D)について、保持時間全体にわたって試験した。AEX-UPLC(
図4C)によって測定された総ASO含有量は、両方の保持温度で15日間(約2週間)にわたる安定性を示す。ASOの遊離パーセントは、保持時間の関数としてわずかに増加するが、5℃保持は、遊離ASOパーセントを減少させるようである。インビトロ効力データは、室温で8日間保持にわたって匹敵するIC50値を示す。5℃は、長時間保持すると強度が低下する傾向があるが、変化はわずかである。
【0347】
室温保持(20~22℃)後、NTAは8日間保持を通して安定性を示す。A260、A280、A405に変化は観察されず、沈殿物又は容器を保持するための吸着による生成物の損失も、濁度の上昇も示さない。DLSは、平均粒子直径にそのような変化を示し、保持にわたって凝集が観察されないことを示す。
【0348】
5℃の保持に続いて、NTAは15日の保持を通じて安定性を示し、A260、A280、A405に変化は観察されず、これは、沈殿又は容器を保持するための吸着による生成物の損失がなく、濁りが増加しないことを示す。DLSは、保持8日目まで平均粒子直径に変化を示さず、保持にわたって凝集が観察されなかったことを示す。保持15日目は、直径のわずかな増加を示す。
【0349】
図6Aは、37℃でのロードと比較して室温で、及びより低い塩(50mMのNaCl)条件と比較してより高い塩(150mMのNaCl)でロードしたとき、ロード及びクリーンアップされた材料のASO/EVにおける差を示すプロトコールの概略図を提供する。37℃でロードした時の最も高い塩条件は、クリーンアップした材料中で最も高いASO/EVをもたらす。この比率は、37℃でより低い塩濃度でロードする時に減少する。ローディング温度を24℃(又は20~25℃の範囲の室温)に低下させると、ASO/EVの更なる低下が観察される。遊離ASOパーセントは、capto coreがローディング温度及び塩濃度とは無関係に遊離ASOをクリーンアップすることができることを示し、この方法が堅牢なクリーンアップ能力を有することを示す。
【0350】
図6Bは、上記で実行された3つの条件におけるCapto Coreのクリーンアップ能力、並びに希釈係数、希釈剤(CEF、HI、及びPBS)、及びそれらがCapto Coreからクリーンアップされた後にエクソソームから解離するASOに対する希釈した材料の保持時間に重点を置いたプロトコールの概略図を提供する。PBSは、注射前にexoASOを希釈するためにクリニックで使用することができる一般的で可能性のある希釈剤(0.9%生理食塩水)と同様の塩濃度を有する。遊離ASOパーセントは、より低い塩濃度を含む緩衝液中でロード及びクリーンアップされた材料を希釈すると、より多くのASOがEVから解離することを示す(表3)。希釈係数が増加するにつれて、解離はより劇的になる。しかしながら、より高い塩含有緩衝液(150mMのNaCl)で材料を希釈する場合、ASOの解離は観察されない。希釈されたクリーンアップした材料を室温で20時間保持すると、希釈液がより低い塩濃度(50mM)を含む場合にのみ、更なる解離が観察される。より高い塩含有希釈剤では、希釈された材料を室温で20時間保持した場合、解離は観察されない。これらのデータは、ロードされたエクソソームの安定性が、塩濃度を維持することによって最適化できることを示す。
【表4】
【0351】
概要及び要約セクションではなく、詳細な説明セクションが、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されることが理解されるべきである。概要及び要約セクションは、発明者によって企図されるように、本開示の1つ以上だが全てではない例示的な態様を説明することができ、したがって、本開示及び添付の特許請求の範囲をいかなる方法でも限定することを意図するものではない。
【0352】
本開示は、指定された機能及びその関係の実行を例示する機能的ビルディングブロックの補助によって上記で説明されている。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、本明細書において、説明の便宜のために任意に定義されている。指定された機能及びその関係が適切に行われる限り、代替的な境界を定義することができる。
【0353】
特定の態様の前述の説明は、本開示の一般的な性質を非常に完全に明らかにするため、他の者は、当業者の技術の範囲内で知識を適用することによって、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、過度の実験を伴わずに、かかる特定の態様を様々な用途に容易に修正及び/又は適応させることができる。したがって、かかる適応及び修正は、本明細書に提示される教示及びガイダンスに基づいて、開示される態様の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書における用語又は専門用語は、本明細書の用語又は専門用語が、教示及びガイダンスに照らして当業者によって解釈されるように、説明の目的であり、限定の目的ではないことが理解されるべきである。
【0354】
本開示の幅及び範囲は、上記の例示的な態様のいずれかによって制限されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。
【0355】
本出願で引用される全ての刊行物、特許、特許出願、及び他の文書は、各個々の刊行物、特許、特許出願、又は他の文書が、全ての目的のために参照により組み込まれることが個別に示されているかのように同程度まで、全ての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0356】
様々な具体的な態様が例示及び記載されているが、上記の明細書は限定的ではない。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得ることが認識されるであろう。
【配列表】
【国際調査報告】