(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】接点ユニットの製造方法及び接点ユニット
(51)【国際特許分類】
H01R 43/00 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
H01R43/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560711
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2022057958
(87)【国際公開番号】W WO2022207498
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カルステン・クロメ
(72)【発明者】
【氏名】ミルコ・ファンディーケン
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・モンツァー
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・シャウ
【テーマコード(参考)】
5E051
【Fターム(参考)】
5E051BA01
5E051BB05
(57)【要約】
本発明は、少なくとも2つの接触要素(11、12;21、22)を有する接点ユニット(100)を製造するための方法に関するものであり、当該方法は、第1の担体材料(M1)から形成される第1の接触要素担体(10)を供給するステップであって、第1の担体材料(M1)内には、少なくとも1つの接触要素(11、12)が、少なくとも1つの接触要素(11、12)の受容部分(11A、12A)で受容されており、第1の担体材料(M1)が受容部分(11A、12A)上で少なくとも部分的に焼き嵌めされているステップと、第2の担体材料(M2)から形成された第2の接触要素担体(20)を供給するステップであって、第2の接触要素担体(20)は、第1の接触要素担体(10)を長手方向(X)において受容するために構成されているステップと、第1の接触要素担体(10)を、第2の接触要素担体(20)内に、好ましくは長手方向(X)において、少なくとも部分的に、第1の接触要素担体(10)の取付位置(MP)まで挿入するステップと、少なくとも1つの基準接触要素(21、22)を、第2の接触要素担体(20)に取り付けるステップと、少なくとも1つの前記接触要素(11、12)を、好ましくは長手方向(X)において、第1の接触要素担体(10)内で最終位置(EP)まで移動させるステップであって、最終位置(EP)では、少なくとも1つの接触要素(11、12)の少なくとも1つの表面部分(11FA、12FA)と、少なくとも1つの基準接触要素(21、22)の少なくとも1つの表面部分(21FA、22FA)とが、同一平面上に配置されているステップと、を含んでいる。本発明はさらに、好ましくは本発明に係る方法にしたがって製造された接点ユニット(100)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの接触要素(11、12;21、22)を有する接点ユニット(100)を製造するための方法であって、
-第1の担体材料(M1)から形成される第1の接触要素担体(10)を供給するステップであって、前記第1の担体材料(M1)内には、少なくとも1つの接触要素(11、12)が、少なくとも1つの前記接触要素(11、12)の受容部分(11A、12A)で受容されており、前記第1の担体材料(M1)が前記受容部分(11A、12A)上で少なくとも部分的に焼き嵌めされているステップと、
-第2の担体材料(M2)から形成された第2の接触要素担体(20)を供給するステップであって、前記第2の接触要素担体(20)は、前記第1の接触要素担体(10)を長手方向(X)において受容するよう構成されているステップと、
-前記第1の接触要素担体(10)を、前記第2の接触要素担体(20)内に、好ましくは長手方向(X)において、少なくとも部分的に、前記第1の接触要素担体(10)の取付位置(MP)まで挿入するステップと、
-少なくとも1つの基準接触要素(21、22)を、前記第2の接触要素担体(20)に取り付けるステップと、
-少なくとも1つの前記接触要素(11、12)を、好ましくは長手方向(X)において、前記第1の接触要素担体(10)内で最終位置(EP)まで移動させるステップであって、前記最終位置(EP)では、少なくとも1つの前記接触要素(11、12)の少なくとも1つの表面部分(11FA、12FA)と、少なくとも1つの前記基準接触要素(21、22)の少なくとも1つの表面部分(21FA、22FA)とが、同一平面上に配置されているステップと、
を含む方法。
【請求項2】
少なくとも1つの前記接触要素(11、12)の移動が、少なくとも1つの前記接触要素(11、12)を、押圧工具(P)を用いて、少なくとも部分的に前記第1の接触要素担体(10)内へ、及び/又は、少なくとも部分的に前記第1の接触要素担体(10)を通るように押し込むことを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの前記接触要素(11、12)の移動、好ましくは少なくとも1つの前記接触要素(11、12)の押し込みが、押圧工具(P)を用いて行われ、かつ前記押圧工具(P)が少なくとも1つのストッパ(21S、22S)に、好ましくは少なくとも1つの前記ストッパ(21S、22S)の表面部分(21FA、22FA)に接触するまで行われ、少なくとも1つの前記ストッパ(21S、22S)は、第2の接触要素担体(20)上に形成及び/又は配置され、好ましくは、少なくとも1つの基準接触要素(21、22)の接触要素ストッパ(21S、22S)である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの基準接触要素(21、22)の取り付けが、少なくとも1つの前記基準接触要素(21、22)を、好ましくは長手方向(X)に対して垂直に、少なくとも部分的に第2の接触要素担体(20)の固定部分(20A)上に、又は少なくとも部分的に第2の接触要素担体(20)の固定部分(20A)内に押し付けることを含んでいる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第1の接触要素担体(10)の第2の接触要素担体(20)への少なくとも部分的な挿入が、前記第2の接触要素担体(20)の少なくとも1つのガイドチャネル(20K)に沿った、好ましくは長手方向(X)における、好ましくは前記第2の接触要素担体(20)の接触要素担体ストッパ(20S)までの、前記第1の接触要素担体(10)の差し込み及び/又は摺動を含んでいる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも部分的に、第1の接触要素担体(10)と第2の接触要素担体(20)との間に、好ましくは少なくとも取付位置(MP)において、少なくとも1つの摩擦接続、好ましくは少なくとも1つの圧着接続を形成するステップを含んでいる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも部分的に、第1の接触要素担体(10)と第2の接触要素担体(20)との間に、好ましくは取付位置(MP)において、少なくとも1つの形状接続、好ましくは少なくとも1つのラッチ接続を形成するステップを含んでいる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
第1の接触要素担体(10)の、第2の接触要素担体(20)内への、取付位置(MP)までの挿入が、少なくとも部分的に、
-少なくとも1つの接触要素(11、12)を、好ましくは長手方向(X)において、前記第2の接触要素担体(20)の少なくとも1つのガイドソケット(20ST)に通すことによって、少なくとも1つの前記接触要素(11、12)の案内部分(11F、12F)を位置合わせするステップを含んでいる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
第1の接触要素担体(10)を有する接点ユニット(100)であって、好ましくは、請求項1から8のいずれか一項に従って製造されており、
前記第1の接触要素担体(10)は、第1の担体材料(M1)から形成されており、前記第1の担体材料(M1)内において、少なくとも1つの接触要素(11、12)が、少なくとも1つの前記接触要素(11、12)の受容部分(11A、12A)に受容されており、
前記第1の担体材料(M1)は、前記第1の担体材料(M1)において少なくとも1つの前記接触要素(11、12)を、形状を安定させて支持するために、前記受容部分(11A、12A)に少なくとも部分的に焼き嵌めされており、
少なくとも受容部分(11A、12A)は、長手方向(X)において、ピン形状を有するように、及び/又はアンダーカットを有さないように構成されている接点ユニット(100)。
【請求項10】
少なくとも1つの接触要素(11、12)が、長手方向(X)において、ピン形状を有するように、及び/又はアンダーカットを有さないように構成されている、請求項9に記載の接点ユニット(100)。
【請求項11】
少なくとも受容部分(11A、12A)、好ましくは少なくとも1つの接触要素(11、12)が、長手方向(X)において、長方形、正方形、円形、台形、三角形、楕円形又は多角形の横断面を有している、請求項9又は10に記載の接点ユニット(100)。
【請求項12】
第1の接触要素担体(10)が長手方向(X)において、第2の接触要素担体(20)内に受容されており、第2の接触要素担体(20)は第2の担体材料(M2)から形成されており、前記第2の担体材料には、少なくとも1つの基準接触要素(21、22)が取り付けられており、少なくとも1つの接触要素(11、12)の少なくとも1つの表面部分(11FA、12FA)と少なくとも1つの基準接触要素(21、22)の少なくとも1つの表面部分(21FA、22FA)とが同一平面上に配置されている、請求項9から11のいずれか一項に記載の接点ユニット(100)。
【請求項13】
少なくとも1つの接触要素(11、12)が、作動部分(11B、12B)を有しており、前記作動部分は、長手方向(X)に対して横方向に延在し、少なくとも1つの表面部分(11FA、12FA)を有しており、好ましくは、少なくとも1つの前記表面部分(11FA、12FA)は平面状に形成されている、請求項9から12のいずれか一項に記載の接点ユニット(100)。
【請求項14】
第1の接触要素担体(10)が、第1の接触要素(11)と第2の接触要素(12)とを有しており、前記第1の接触要素(11)は、前記第2の接触要素(12)とは離間しており、及び/若しくは前記第2の接触要素(12)の反対側に配置されており、好ましくは平面に対して鏡面対称に形成及び/又は若しくは配置されている、並びに/又は、第2の接触要素担体(20)が、第1の基準接触要素(21)と第2の基準接触要素(22)とを有しており、前記第1の基準接触要素(21)は、前記第2の基準接触要素(22)とは離間しており、及び/若しくは前記第2の基準接触要素(22)の反対側に配置されており、好ましくは平面に対して鏡面対称に形成及び/又は配置されている、請求項9から13のいずれか一項に記載の接点ユニット(100)。
【請求項15】
受容部分(11A、12A)が、長手方向(X)において、少なくとも1つの接触要素(11、12)の長手方向(X)における全長の70%以上にわたって延在している、請求項9から14のいずれか一項に記載の接点ユニット(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接点ユニットの製造方法と、好ましくは当該方法に従って製造されている接点ユニットとに関する。
【背景技術】
【0002】
電気接点ユニットの製造において、導電性の金属接触要素をプラスチック材料でオーバーモールドすべき場合、特に射出プロセスの後に、確かな固着、すなわち接触要素がオーバーモールドされたプラスチック体に対して固定されることを確実にするために、しばしば付加的な手段を講じなければならない。構造上の手段は、例えば、エンボス、突起、リセス、フランジ、又はいわゆる「リアグリップ」形状の形成である。いずれの場合においても、オーバーモールドプロセスの後、担体としてオーバーモールドされたプラスチック体に対して接触要素が変位できないことを保証しなければならない。
【0003】
オーバーモールドプロセスにおける課題は、オーバーモールドされたプラスチック体に対する接触要素の正確な、又は決められた位置を得ることであり、これは、製造プロセスの他に、個々の構成要素の比較的大きな固有公差にも起因する。
【0004】
例えば、いわゆるSMD製品(表面実装デバイス)において共平面性に関して狭い公差仕様を得るために、接触要素はしばしば、オーバーモールドされず、正確な位置で既存の担体材料に押し込まれるか、又は、オーバーモールドプロセスがそれでも実施される場合は、その後で持続的に変形する。とはいえ、狭く、必要な公差仕様は、製造に際する労力を増大させなければ得られない。対応して必要となる測定器、及び組み立てに際する特別な進行は、製造費用の増加につながる。
【0005】
公開された特許文献1からは、電子部品を備えた、プラスチックでオーバーモールドされた導体構造の製造方法が知られている。導体構造は、導体構造に固定された電子部品と共に射出成形金型に挿入された後、熱可塑性プラスチックでの射出プロセスにおいてオーバーモールドされる。電子部品を保護するため、射出プロセスの前に、電子部品にシールを有する2つの部分から成るカバーが設けられる。
【0006】
さらに、公開された特許文献2には、2つの部分から成るハウジングに収容され、接続接点がハウジングから外に向かって誘導されている電気又は電子部品及びアセンブリをカプセル化する方法が記載されている。シール効果を高め、内部腐食から保護するために、ハウジングの接合部領域及び接続接点の出口領域において、熱可塑性プラスチックから成る外側カプセルが、射出成形によってハウジング上に成形される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1357774号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0383025号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、接点ユニットを製造するための改良された方法を提供することにあり、当該方法は、特に、少なくとも接点ユニットの製造の間、複雑な測定器を使用しないことを特徴としている。さらに、本発明の課題は、改良された接点ユニットを提供することにあり、当該接点ユニットでは特に、接触要素の少なくとも表面の共平面性が、接触要素の個々の公差及び/又は製造公差に関係なく、製造後に保証されており、特に公差が最小化されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本課題は、独立請求項1及び9の特徴によって解決される。本発明のさらなる実施例及び適用は、従属請求項から明らかであり、図を部分的に参照しながら、以下の説明においてより詳細に言及される。
【0010】
本発明は、第1の一般的な態様によると、少なくとも2つの接触要素を有する接点ユニット、好ましくはSMD接点ユニットを製造するための方法に関するものであり、当該方法は、第1の担体材料から形成される第1の接触要素担体を供給するステップであって、第1の担体材料には、少なくとも1つの接触要素が、少なくとも1つの接触要素の受容部分で受容され、第1の担体材料が、受容部分上に少なくとも部分的に焼き嵌めされているステップと、第2の担体材料から形成される第2の接触要素担体を供給するステップであって、第2の接触要素担体が、第1の接触要素担体を、主に長手方向において受容するように、好ましくは少なくとも形状接続的及び/又は摩擦接続的に受容するように構成されているステップと、第1の接触要素担体を少なくとも部分的に、好ましくは主に長手方向において、第1の接触要素担体の取付位置まで、好ましくは第2の接触要素担体のストッパまで、第2の接触要素担体に挿入するステップであって、ストッパは、好ましくは第2の接触要素担体に配置及び/又は形成されているステップと、少なくとも1つの基準接触要素を第2の接触要素担体に取り付けるステップと、少なくとも1つの接触要素を、好ましくは主に長手方向において、第1の接触要素担体内で最終位置まで移動させるステップであって、最終位置には、少なくとも1つの接触要素の少なくとも1つの表面部分及び少なくとも1つの基準接触要素の少なくとも1つの表面部分が、基本的に共平面に配置されているステップと、を含んでいる。
【0011】
本発明に係る方法によって、特に、個々の要素自体及びサブコンポーネントの公差及び偏差が、それらの製造後に補償され得る。さらに、例えば、接点ユニットの製造に際して、複雑な測定器の使用を省略することも可能である。
【0012】
第1の担体材料は、好ましくは、プラスチック材料のような、非導電性の、射出成形可能及び/又は鋳造可能な担体材料であってよい。第2の担体材料は、好ましくは、プラスチック材料のような、非導電性で、射出成形可能及び/又は鋳造可能な担体材料であってよい。好ましくは、第1の担体材料及び第2の担体材料は同一であり得る。
【0013】
本発明のさらなる態様によると、少なくとも1つの接触要素の移動が、少なくとも1つの接触要素を、押圧工具を用いて少なくとも部分的に第1の接触要素担体内に押し込むこと、及び/又は少なくとも部分的に第1の接触要素担体を通るように押し込むことを含んでいると規定してよい。これによって、例えば、少なくとも1つの接触要素は、主に対応する共平面性を得るために、十分な精度で、要求される又は所定の公差に準拠して、好ましくは少なくとも1つの基準接触要素に対して位置決め及び/又は位置合わせされ得る。
【0014】
代替的に、少なくとも1つの接触要素の移動は、少なくとも1つの接触要素を、好ましくは主に長手方向において、クランプ工具を用いて引っ張ることを含み得る。
【0015】
少なくとも1つの接触要素の移動、好ましくは少なくとも1つの接触要素の押圧が、押圧工具を用いて、押圧工具が少なくとも1つのストッパ、好ましくは少なくとも1つのストッパの表面部分に接触するまで行われることが可能であり、少なくとも1つのストッパは、第2の接触要素担体上に形成及び/又は配置されており、好ましくは少なくとも1つの基準接触要素の接触要素ストッパである。押圧工具は、好ましくは、基本的に共平面に配置された対応する作動面を有することができる。押圧工具は、好ましくは、対応する高い強度及び/又は剛性を有する金属材料から形成されていてよい。
【0016】
本発明のさらなる態様によると、少なくとも1つの基準接触要素の取り付けが、好ましくは少なくとも1つの基準接触要素を押し付けるために、少なくとも1つの基準接触要素を、好ましくは略垂直に、又は長手方向に対して略横方向に、少なくとも部分的に第2の接触要素担体の固定部分上に、又は少なくとも部分的に第2の接触要素担体の固定部分内に押し付けることを含んでいると規定してよい。これによって、例えば、第2の接触要素担体と少なくとも1つの基準接触要素との間に、形状接続及び特に摩擦接続が形成され得る。
【0017】
第1の接触要素担体の第2の接触要素担体への少なくとも部分的な挿入は、第2の接触要素担体の少なくとも1つのガイドチャネルに沿って、好ましくは主に長手方向において、好ましくは第2の接触要素担体の接触要素担体ストッパまで、第1の接触要素担体を差し込む及び/又は摺動させることを含んでいることが可能である。第1の接触要素担体による接触要素担体ストッパへの到達又は接触は、取付位置を表し得る。
【0018】
本発明のさらなる態様によると、当該方法が、第1の接触要素担体と第2の接触要素担体との間に、好ましくは少なくとも取付位置において、少なくとも部分的に、少なくとも1つの摩擦接続、好ましくは少なくとも1つの圧着接続を形成するステップを含んでいると規定してよい。
【0019】
本発明のさらなる態様によると、当該方法は、第1の接触要素担体と第2の接触要素担体との間に、好ましくは取付位置において、少なくとも部分的に、少なくとも1つの形状接続、好ましくは少なくとも1つのラッチ接続を形成するステップを含んでいると規定してよい。
【0020】
取付位置までの第1の接触要素担体の第2の接触要素担体への少なくとも部分的な挿入は、少なくとも1つの接触要素を、好ましくは主に長手方向において、第2の接触要素担体の少なくとも1つのガイドソケットに通すことによって、少なくとも1つの接触要素の案内部分を位置合わせするステップを含むことが可能である。位置合わせは、少なくとも1つの接触要素の塑性変形(永久変形)又は弾性変形を含み得る。ガイドソケットは主に長手方向に形成されていてよい。代替的に、ガイドソケットを長手方向に対して斜めに形成して、少なくとも1つの接触要素の案内部分を長手方向に対して斜めの位置及び/又は方向付けに誘導することも可能である。
【0021】
本発明は、第2の一般的な態様によると、第1の接触要素担体を有し、好ましくは第2の接触要素担体を有する接点ユニットに関するものであり、接点ユニットは、好ましくは、本明細書に開示される方法に従って製造されており、第1の接触要素担体は、第1の担体材料から形成されており、第1の担体材料には、少なくとも1つの接触要素が、少なくとも1つの接触要素の受容部分で受容されており、第1の担体材料は、少なくとも1つの接触要素を第1の担体材料において形状を安定させて支持するために、少なくとも部分的に受容部分上に焼き嵌めされており、少なくとも受容部分は、主に長手方向において、ピン形状を有するように、及び/又は、アンダーカットを有さないように構成されている。
【0022】
言い換えると、受容部分は、好ましくは、エンボス、突起、リセス、フランジ等を有さないので、一方向において、好ましくは、主に長手方向において、第1の担体材料に対する少なくとも1つの接触要素の可動性が保証又は付与されている。
【0023】
少なくとも1つの接触要素が、主に長手方向において、ピン形状を有するように、及び/又は、アンダーカットを有さないように構成されていることが可能である。
【0024】
本発明のさらなる態様によると、少なくとも受容部分、好ましくは少なくとも1つの接触要素が、長手方向において、略長方形、略正方形、略円形、略台形、略三角形、楕円形又は多角形の横断面を有すると規定してよい。
【0025】
本発明のさらなる態様によると、第1の接触要素担体が、主に長手方向において、第2の接触要素担体に受容され、第2の接触要素担体が、少なくとも1つの基準接触要素が取り付けられた第2の担体材料から形成され、少なくとも1つの接触要素の少なくとも1つの表面部分と少なくとも1つの基準接触要素の少なくとも1つの表面部分とが基本的に共平面に配置されていると規定してよい。
【0026】
少なくとも1つの接触要素が、長手方向に対して略横方向に延在し、少なくとも1つの表面部分を有する作動部分を有することが可能であり、好ましくは、少なくとも1つの表面部分は、基本的に平面的に、又は基本的に平坦に構成されている。
【0027】
本発明のさらなる態様によると、第1の接触要素担体が、第1の接触要素及び第2の接触要素を有し、第1の接触要素は、第2の接触要素とは離間して、及び/又は第2の接触要素の反対側に配置され、好ましくは、平面に対して略鏡面対称に形成及び/又は配置されている;及び/又は、第2の接触要素担体が、第1の基準接触要素及び第2の基準接触要素を有し、第1の基準接触要素が、第2の基準接触要素とは離間して、及び/又は第2の基準接触要素の反対側に配置され、好ましくは、平面に対して略鏡面対称に形成及び/又は配置されていると規定してよい。
【0028】
好ましくは、第1の接触要素は、第2の接触要素と略同一又は少なくとも類似しているように構成されていてよい。
【0029】
本発明のさらなる態様によると、受容部分が、主に長手方向において、少なくとも1つの接触要素の長手方向における全長の70%よりも長く延在していると規定してよい。これによって、例えば、第1の担体材料における少なくとも1つの接触要素の十分な保持又は支持が保証される。
【0030】
本発明によって、例えば、第1の担体本体内の2つの接触要素が、さらなる基準接触要素と共に、対応する公差への準拠が保証されるように、互いに対して配置及び位置合わせされた接点ユニットが供給され得る。これは、例えばSMDにおいて用いる場合に必要である。
【0031】
繰り返しを避けるために、本発明に係る接点ユニットの装置に純粋に向けられた特徴及び/又はそれに関連して開示された特徴も、当該方法に従って開示されたものとみなされ、請求可能であるべきであり、その逆もまた同様である。
【0032】
本発明の上述した実施例及び特徴は、任意に組み合わせることができる。本発明のさらなる又は他の詳細及び有利な効果は、添付の図を参照して以下にさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1A】本発明に係る接点ユニットの第1の実施例の第1の接触要素担体の斜視図である。
【
図1B】
図1Aに示された第1の接触要素担体の正面図である。
【
図1C】
図1Bに示された第1の接触要素担体の側面図(左からの側面図)である。
【
図1D】
図1Bに示された第1の接触要素担体の上面図である。
【
図2】本発明に係る接点ユニットの第1の実施例の分解組立図である。
【
図3】
図2に示された接点ユニットのさらなる分解組立図である。
【
図4A】
図2及び
図3に示された接点ユニットの側面図であり、組み立て状態にある接点ユニットを示す図である。
【
図4B】
図4Aに示された接点ユニットの断面図(
図4Aにおける断面B‐B)であり、押圧工具が概略的に描かれた図である。
【
図4C】
図4Aに示された接点ユニットの正面図であり、押圧工具が概略的に描かれた図である。
【
図5A】
図2及び
図3に示された接点ユニットの側面図であり、製造された状態にある接点ユニットを示す図である。
【
図5B】
図5Aに示された接点ユニットの断面図(
図5Aの断面C‐C)であり、押圧工具が概略的に描かれた図である。
【
図5C】
図5Aに示された接点ユニットの正面図であり、押圧工具が概略的に描かれた図である。
【
図6】本発明に係る方法の実施例のシーケンスを示す図である。
【
図7A】本発明に係る接点ユニットの第2の実施例の第1の接触要素担体の正面図及び側面図(左からの側面図)である。
【
図7B】本発明に係る接点ユニットの第3の実施例の第1の接触要素担体の正面図及び側面図(左からの側面図)である。
【
図7C】本発明に係る接点ユニットの第4の実施例の第1の接触要素担体の正面図及び側面図(左からの側面図)である。
【
図7D】本発明に係る接点ユニットの第5の実施例の第1の接触要素担体の正面図及び側面図(左からの側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図中、同一又は機能的に等価な構成要素又は要素には、同一の参照符号が付されている。また、それらの説明については、繰り返しを避けるために、他の実施例及び/又は図の説明が部分的に参照される。
【0035】
図に示された実施例に関する以下の詳細な説明は、より詳細に説明又は明確にするために用いられ、本発明の範囲をいかなる意味においても限定することを意図しない。
【0036】
本発明に係る方法の実施例を記載する前に、まず、本発明に係る装置の第1の実施例、すなわち、接点ユニット及び接点ユニットの個々の構成要素及び要素について、
図1A~
図5Cに基づいて、詳細に説明する。
【0037】
図1Aは、本発明に係る接点ユニット100の第1の実施例の第1の接触要素担体10の斜視図である(さらに
図2~
図5Cを参照)。
【0038】
第1の接触要素担体10は主に、導電性接触要素11、12のための担体本体を含んでおり、担体本体は、第1の担体材料M1から製造されている。第1の担体材料M1は、好ましくは、少なくとも1つの射出成形可能及び/又は少なくとも1つの鋳造可能な材料、例えば電気絶縁作用を有するプラスチック材料である。言い換えると、第1の担体材料M1は、好ましくは、少なくとも1つの射出成形可能及び/又は少なくとも1つの鋳造可能な絶縁材料であり、導電性を有していない。第1の担体材料M1を少なくとも1つの射出成形可能及び/又は少なくとも1つの鋳造可能な状態にするために、例えば、溶融プロセスを行うことが可能である。
【0039】
担体本体を形成する第1の担体材料M1は、導電性を有する2つの接触要素11、12を収容する。接触要素11、12は、電気信号及び/又は電気エネルギーを伝達するために用いられる。第1の接触要素11も第2の接触要素12も、導電性材料、好ましくは金属材料から製造されている。接触要素11、12の金属材料は、例えば銅及び/又は銅合金であってよい。さらに、金属材料は、少なくとも部分的に塑性的(永久的)に変形可能であるか、又は少なくとも部分的に弾性的に変形可能であってよい。
【0040】
第1の接触要素11及び第2の接触要素12の両方は、長手方向Xに沿って、第1の担体材料M1を通って延在している。言い換えると、第1の接触要素11及び第2の接触要素12は、第1の担体材料M1の端面の反対側の端面において、対応して長手方向Xにおいて第1の担体材料M1から離れるように延在している。
【0041】
第1の接触要素11は、第1の端面に案内部分11Fを含んでおり、第2の接触要素12は、この第1の端面に案内部分12Fを含んでおり、これらの機能については以下において詳細に説明する。さらに、第1の接触要素11は、第1の担体材料M1の長手方向Xにおいて第1の端面の反対側に形成されている第2の端面に、作動部分11Bを含んでいる。第1の接触要素11と同様に、第2の接触要素12も、この第2の端面に作動部分12Bを含んでいる。
【0042】
作動部分11Bは、接触要素11の自由端に先端を含んでおり、作動部分12Bは、接触要素12の自由端に先端を含んでいる。接触要素11、12は、第1の接触要素担体10内に配置され、互いに離間するように位置決めされているので、自由端、すなわち接触要素11、12の先端が互いに反対方向を示し、好ましくはそれぞれ主に長手方向Xに対して横方向を示している。作動要素11B、12Bが異なるように配置及び/又は構成されていることも可能であり、これについては、さらなる図を基に、以下においてさらに詳細に説明する。
【0043】
さらに、作動部分11Bは表面部分11FAを含み、作動部分12Bは表面部分12FAを含んでいる。表面部分11FA及び表面部分12FAは、それぞれ基本的に平面的又は基本的に平坦に形成されているが、接点ユニット100の製造に先立つ第1の接触要素担体10の製造ゆえに、特に第1の接触要素担体10の接触要素11、12のオーバーモールドを用いた製造に際して、好ましくは表面部分11FA及び12FAの互いに対する共平面性に関して、要求される又は所定の公差は準拠されないか、又は少なくとも複数の第1の接触要素担体10に関しては準拠され得ない。このことは、例えば、いわゆるSMD技術(「表面実装デバイス」)を用いたプリント回路基板の製造に際して必要である。なぜなら、そうでなければ、接点ユニット100、すなわち接点ユニット100の接触要素とプリント回路基板(図を見やすくするために図には示されていない)との間に満足な電気的接続を形成することができないからである。例えば、はんだ付けプロセスの際の大きすぎる公差は、プリント回路基板と接点ユニット100との間に望ましくない空洞を生じさせる可能性があり、これは回避されるべきである。
【0044】
表面部分11FA及び表面部分12FAはそれぞれ、第1の接触要素11及び/又は第2の接触要素12を動かすため、好ましくは長手方向Xにおいて、第1の担体材料M1の中及び/又は第1の担体材料M1を通るように押圧するため、すなわち押し込むために、押圧工具P(特に
図4B及び
図4Cならびに
図5B及び
図5Cを参照)に関するストッパとして機能する。これについては、さらなる図を基に、以下においてさらに詳細に説明する。
【0045】
図1Bは、
図1Aに示された第1の接触要素担体10の正面図である。第1の担体材料M1は、長手方向Xにおいて、少なくとも部分的に直方体として、及び/又は少なくとも部分的に連続的にテーパ状である横断面を有するように構成されており、好ましくは、第1の担体材料M1の第2の端面から第1の担体材料M1の第1の端面の方向において略テーパ状になるように構成されている。
【0046】
図1Cは、
図1Bに示された第1の接触要素担体10の側面図(左からの側面図)である。本図において、第1の接触要素担体10、好ましくは第1の担体材料M1は、略長方形の輪郭Kを有している。
【0047】
図1Dは、
図1Bに示された第1の接触要素担体10の上面図である。第1の接触要素担体10は、その横断面と比較して、主に長手方向Xに延在している。
【0048】
図1Eは、
図1Bに示された第1の接触要素担体10の断面図(
図1Dの断面A‐A)を示している。断面図からは、第1の接触要素11と第2の接触要素12との両方が、長手方向Xにおいて、第1の担体材料M1を通って延在していることが明らかである。第1の接触要素11及び第2の接触要素12は、基本的にピン形状を有するように形成されている。好ましくは、少なくとも第1の接触要素11の受容部分11Aと、それぞれ第1の担体材料M1と接触している、及び/又は第1の担体材料M1に受容されている第2の接触要素12の受容部分12Aとは、基本的にピン形状を有するように形成されている。第1の接触要素11は、受容部分11Aを介して第1の担体材料M1に保持及び/又は支持され、第2の接触要素12も同様に、その受容部分12Aを介して第1の担体材料M1に保持及び/又は支持される。受容部分11A及び受容部分12Aは、第1の接触要素11及び第2の接触要素12を形状を安定させて支持及び/又は保持するために、第1の担体材料M1によって少なくともオーバーモールドされている。好ましくは、受容部分11Aと、及び/又は受容部分12Aと、第1の担体材料M1との間に、少なくとも部分的に、接着結合の形で材料接続が形成される。
【0049】
少なくとも受容部分11A及び受容部分12Aの両方は、好ましくは長手方向Xにおいて、アンダーカットを有さないように形成されている。言い換えると、少なくとも受容部分11A及び少なくとも受容部分12Aは、長手方向Xにおいて、第1の担体材料M1に対する接触要素11、12の可動性を妨げるようなエンボス、突起、リセス、フランジ、又は類似の「アンダーカット」形状を有していない。
【0050】
好ましくは略正方形の横断面を有する接触要素11、12をピン形状に構成することによって、接触要素11、12を、本明細書に開示されているように好ましくはプラスチック材料である第1の担体材料M1に対して、例えば、接触要素11、12に対する押圧プロセス又は代替的な引っ張りプロセスによって、非破壊的に動かすことが可能である。さらにまた、第1の担体材料M1に受容された接触要素11、12を、突くプロセスによって、第1の担体材料M1に対して動かす、すなわち、変位させることも可能である。略正方形の横断面の代替として、接触要素11、12は、好ましくは、受容部分11A、12Aの領域において、略長方形の横断面又は略円形の横断面を有し得る。
【0051】
図1A~
図1Eを合わせて見ると、第1の接触要素11は、第2の接触要素12に対して、好ましくは第1の接触要素担体10の第1の担体材料M1内で離間して向かい合うように配置されており、これらは、好ましくは平面に対して対称に配置及び/又は形成されていることが明らかである。作動部分11Bは、部分的に、受容部分11Aに対して主に横方向に延在しており、作動部分12Bは、部分的に、受容部分12Aに対して主に横方向に延在している。接触要素11、12上の作動部分11B、12Bは、好ましくは、取付装置、すなわち第1の接触要素担体10を製造するための組立射出成形金型における位置決め及び/又は位置合わせの前に、変形、例えば曲げによって形成される。全体として、接触要素11、12は、第1の担体材料M1を用いた少なくとも1つの射出プロセスの前及び/又は少なくとも1つの鋳造プロセスの前に、独立して自立的に製造され得る。第1の担体材料M1は、好ましくは、固体及び/又は一体成形された本体として形成されている。
【0052】
図2は、接点ユニット100の第1の実施例の分解組立図である。接点ユニット100は、第1の接触要素担体10と第2の接触要素担体20とを含んでいる。第2の接触要素担体20は、第2の担体材料M2から構成されている。第2の担体材料M2は、好ましくは本明細書で開示されているように、第1の担体材料M1と同一であってもよい。代替的に、第2の担体材料M2が第1の担体材料M1とは異なる材料であってもよい。
【0053】
第2の接触要素担体20は、基本的にシリンダ形に形成及び/又は構成されており、第1の接触要素担体10を長手方向Xにおいて受容するためのガイドチャネル20K(
図4B及び
図5B参照)として形成された空洞を含んでいる。
【0054】
接点ユニット100を製造するために、第2の接触要素担体20と共に、好ましくは第1の基準接触要素21及び第2の基準接触要素22が用いられる。第1の基準接触要素21及び第2の基準接触要素22の両方は、好ましくはシールド接触要素として構成されていてよい。第1の基準接触要素21及び第2の基準接触要素22の両方は、曲げ及び/又は打ち抜き部品として形成されていてよい。また、第1の基準接触要素21及び/又は第2の基準接触要素22は、少なくとも部分的に、フライス加工部品として形成されていてもよい。
【0055】
第1の基準接触要素21及び第2の基準接触要素22の両方はそれぞれ、押圧工具Pを用いた接触及び作動のために、各表面部分21FA、22FAを備えた少なくとも1つの接触要素ストッパ21S、22Sを有している。押圧工具Pは、接点ユニット100の製造の際、第1の基準接触要素21及び/又は第2の基準接触要素22に対して、第1の担体材料M1内で第1の接触要素11及び/又は第2の接触要素12を位置決め及び/又は位置合わせするために用いられ、これによって、表面部分11FA、12FA、21FA及び22FAの互いに対する共平面性が、好ましくは必要な又は所定の公差に準拠して保証されるが、これについては、以下においてより詳細に記載する。このために、押圧工具Pは、対応する作動面を含んでおり、当該作動面は、基本的に同一平面上に配置されており、公差及び/又は幾何学的寸法は、(製造されるべき)接点ユニット100におけるよりも大幅に小さい。
【0056】
第1の基準接触要素21及び第2の基準接触要素22はそれぞれ、第2の接触要素担体20に配置及び/又は着脱可能に固定されるように形成及び/又は構成されている。
【0057】
図3は、
図2に示された接点ユニット100のさらなる分解組立図である。
図2及び
図3を合わせて見ると、第2の接触要素担体20が平面に対して略対称に形成されていることが明らかである。
【0058】
図4Aは、
図2及び
図3に示された接点ユニット100の側面図であり、接点ユニット100は組立状態、すなわち、まだ完全には構成されておらず、したがって製造されていない状態にある。したがって、接点ユニット100が製造されている間の状態が示されている。
【0059】
図4Bは、
図4Aに示された接点ユニット100を、概略的に描かれた押圧工具Pと共に示した断面図(
図4Aの断面B‐B)である。第1の接触要素担体10は、接点ユニット100の第2の接触要素担体20のガイドチャネル20K内に主に形状接続的に配置されており、すなわち長手方向Xにおいて受容されており、好ましくは、少なくとも部分的に、第2の接触要素担体20との少なくとも1つのラッチ接続及び/又は少なくとも1つの圧着接続を形成する。第1の接触要素担体10が第2の接触要素担体20と少なくとも1つの材料接続、好ましくは接着接続を形成することも可能である。言い換えると、第1の接触要素担体10は、第2の接触要素担体20に特に接着することができる。
【0060】
接触要素11、12は、それらの案内部分11F、12Fにおいて、第2の接触要素担体20のガイドソケット20STに受容されている。言い換えると、第1の接触要素担体10の接触要素11、12の案内部分11F、12Fはそれぞれ、第2の接触要素担体20の各ガイドソケット20STに部分的に受容され、好ましくは、形状接続的に、及び/又は略遊びを有さず、及び/又はクランプした状態で、ガイドソケットSTを貫通する。ガイドソケット20STはまた、特に、接触要素11、12及び好ましくは案内部分11F、12Fを1つの位置及び/又は方向付けにおいて保持するために設けられている。
【0061】
第1の接触要素担体10は、長手方向Xにおいて接触要素担体ストッパ20Sと接触しており、したがって取付位置MPにある。したがって、接触要素11、12は、
図4A~
図4Cでは、取付位置MPにあるものとして示されている。受容部分11A、12Aをピン形状に設計及び/又は構成することで、押圧工具Pを用いた押圧プロセスによって、接触要素11、12を、オーバーモールド及び/又は鋳造された第1の担体材料M1内に、及び/又は第1の担体材料M1を通るように押し込むこと、少なくとも部分的に、押圧によって動かすことが可能になる。押圧工具Pは、
図4B及び
図4Cにおいて概略的に示されている。好ましくは、第1の担体材料M1は、少なくとも部分的に受容部分11A、12A上に焼き嵌めされている。
【0062】
表面部分11FA、12FAにおける押圧工具Pを用いた最終位置EPへの押圧プロセスによって、一方では、接点ユニット100の製造の終わりにおいて、接触要素11、12が互いに対して正確な及び/又は所定の位置及び/又は方向付けにおいて配置されていることが可能になる。押圧工具Pは、主に長手方向Xにおいて、直線的又は並進的に移動し、押し込みプロセスの間、作動部分11B、12Bを介して接触要素11、12と作用接続されている。表面部分12FAは、表面部分22FAと同様に、基本的に平面的又は基本的に平坦に形成されている。押圧工具Pは、接触要素11、12に接触した後、作動部分11B、12Bを介して、ここでは特に表面部分11FA、12FAを介して、接触要素11、12と共に、主に長手方向Xにおいて、接触要素ストッパ21S、22Sに接触するまで、すなわち第1及び第2の基準接触要素21、22の表面部分21FA、22FAに接触するまで移動する。
【0063】
接触が行われるとすぐに、表面部分11FA、12FA及び21FA、22FAは最終位置EPにあり、基本的に同一平面上に配置されている。これによって、必要な又は所定の公差に準拠することが可能になり、これによって、本発明に係る接点ユニット100が特徴付けられる。
【0064】
接触要素11、12を、少なくとも部分的に、第1の担体材料M1、すなわちオーバーモールド及び/又は鋳造された第1の担体材料M1の内に、及び/又は第1の担体材料M1を通るように押し込むプロセスは、好ましくは、第1の担体材料M1が焼き嵌めされた状態で、接触要素11、12の受容部分11A、12A上に、及び/又は当該受容部分上で行われる。
【0065】
図4Cは、さらなる説明のために、
図4Aに示された接点ユニット100を、概略的に表した押圧工具Pと共に示した正面図である。
【0066】
図5Aは、
図2及び
図3に示された接点ユニット100の側面図であり、接点ユニット100は製造状態にある。
【0067】
図5Bは、
図5Aに示された接点ユニット100を、概略的に描かれた押圧工具Pと共に示した断面図(
図5Aの断面C‐C)である。接触要素11、12に関しては、押圧工具Pによる押圧プロセス、より具体的には、第1の担体材料M1内へ、及び/又は第1の担体材料M1を通るように押圧するプロセスが行われたので、今は、第1の接触要素担体10の第1の担体材料M1に対して、好ましくはそれぞれ他方の接触要素11、12に対して最終位置EPにある。言い換えると、接触要素11、12は互いに位置合わせされ、特に射出プロセス及び/又は鋳造プロセスによる製造に起因する公差は回避されるか、又は少なくとも低減される。さらに、接触要素11、12は、必要な、いわゆる共平面性公差に準拠できるように、基準接触要素21、22に対して位置決めされている。
【0068】
図5Cは、さらなる説明のための、
図5A及び
図5Bに示された接点ユニット100の正面図である。
【0069】
図6は、本発明に係る方法の第1の実施例のシーケンスを、主なプロセス又はセクションで示している。本明細書で開示される方法の個々の及び/又は複数のプロセス又はセクションは、同時に及び/又は時間的に前後して行われ得る。さらに、本発明に係る方法のさらなる実施例の範囲内で、第1のプロセス又はセクションの下流の第2のプロセス又はセクションが、第1のプロセス又はセクションの上流で行われることも可能である。
【0070】
図6に示された方法は、これまでの図を基に記載した2つの接触要素11、12及び2つの基準接触要素21、22を有する接点ユニット100に関連して例示的に説明される。したがって、対応する図への参照は部分的に省略される。
【0071】
当該方法は、セクションS10において、第1及び第2の接触要素担体10、20を供給することから始まる。第1及び第2の接触要素担体10、20は、好ましくは、本明細書に開示されるように構成されている。
【0072】
セクションS20では、第1の接触要素担体10は、第2の接触要素担体20に、好ましくは主に長手方向Xにおいて、第1の接触要素担体10の取付位置MPまで少なくとも部分的に挿入され、好ましくは押し込まれる。好ましくは、ここでは、接触要素11、12の案内部分11F、12Fは、第2の接触要素担体20のガイドソケット20STに挿入及び/又は通される。第1の接触要素担体10は、少なくとも部分的に、第2の接触要素担体20と少なくとも1つのラッチ接続及び/又は少なくとも1つの圧着接続を形成する。
【0073】
セクションS30において、第1及び第2の基準接触要素21、22の第2の接触要素担体20への取り付けは、第2の接触要素担体20のそれぞれ対応して構成及び/又は形成された固定部分20Aに第1及び第2の基準接触要素21、22を押し付けることによって行われる。第1及び第2基準接触要素21、22は、第1及び第2の担体材料M1、M2に対して長手方向Xにおいて突出するように構成されており、及び/又は第2の接触要素担体20上に配置されている。
【0074】
セクションS40において、第1の接触要素担体10の第1の接触要素11及び第2の接触要素12は、主に長手方向Xに動かされ、好ましくは押圧される。この際、押圧工具Pが用いられ、押圧工具Pは、製造されるべき接点ユニット100、特に接触要素11、12に適用される。この際、第2の接触要素担体20は保持され、押圧工具Pを通じて、結果として生じる圧縮力が、接触要素11、12に、すなわち表面部分11FA、12FAを有する作動部分11B、12Bに、主に長手方向Xにおいて加えられ得る。
【0075】
セクションS50において、押圧工具Pは、最終位置EPに達するまで長手方向Xに沿って移動し、最終位置EPにおいて、押圧工具Pは、第1及び第2の接触要素ストッパ21S、22S、すなわち第1及び第2の基準接触要素21、22の表面部分21FA、22FAに接触する。本明細書に開示された押圧工具Pの対応する構成によって、接触要素11、12の表面部分11FA、12FAと基準接触要素21、22の表面部分21FA、22FAとが基本的に同一平面上に配置され、特に、要求される又は所定の公差に準拠して配置されていることが得られる。言い換えると、押圧工具Pによって、表面部分11FA、12FA、21FA及び22FAの共平面性を再調整することが可能であり、これによって、公差が補償されるか、又は少なくとも大幅に最小化されている。
【0076】
セクションS60において、接点ユニット100は形成され、すなわち製造され、例えばプリント回路基板上のさらなる取付のために用いられ得る。
【0077】
さらなる
図7A~
図7Dはそれぞれ、本発明に係る接点ユニット100の第2、第3、第4及び第5の実施例の第1の接触要素担体10の正面図及び側面図(左からの側面図)を示している。この際、それぞれの接触要素11、12は、それらの作動部分11B、12Bが互いに対応するように配置及び/又は位置合わせされている。
【0078】
作動部分11B、12Bが略同一であるか、又は少なくとも互いに類似しているように構成されていることが可能である。作動部分11B、12Bが、略平行に、第1の担体材料M1内で互いに離間して配置されていることが可能である。作動部分11B、12B、特に作動面11FA、12FAのさらなる又は他の構成及び方向付けが考えられるが、好ましくは、作動面11FA、12FAの互いに対する少なくとも共平面の配置が得られることが保証されている。
【0079】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではない。むしろ、同様に本発明の思想を利用し、したがって保護範囲に入る多くの変型例及び変更例も可能である。好ましくは、本発明は、参照される特許請求の範囲からは独立して、従属請求項の対象及び特徴の保護も請求する。
【符号の説明】
【0080】
10 第1の接触要素担体
11 第1の接触要素
11A (第1の接触要素の)受容部分
11B (第1の接触要素の)作動部分
11F (第1の接触要素の)案内部分
12 第2の接触要素
12A (第2の接触要素の)受容部分
12B (第2の接触要素の)作動部分
12F (第2の接触要素の)案内部分
20 第2の接触要素担体
20A 固定部分
20K ガイドチャネル
20S 接触要素担体ストッパ
20ST ガイドソケット
21 第1の基準接触要素
21FA (第1の基準接触要素の)表面部分
21S (第1の基準接触要素の)接触要素ストッパ
22 第2の基準接触要素
22FA (第2の基準接触要素の)表面部分
22S (第2の基準接触要素の)接触要素ストッパ
100 接点ユニット
EP 最終位置
K 輪郭
M1 第1の担体材料
M2 第2の担体材料
MP 取付位置
P 押圧工具
X 長手方向
【国際調査報告】