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特表2024-513876真核および微生物細胞成長の調節のための製品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】真核および微生物細胞成長の調節のための製品
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20240319BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20240319BHJP
   C12M 3/00 20060101ALI20240319BHJP
   C12M 1/38 20060101ALI20240319BHJP
   C12N 1/00 20060101ALI20240319BHJP
   C12Q 1/04 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
C12M1/00 C
C12M1/34 B
C12M3/00 B
C12M1/38 A
C12N1/00 A
C12Q1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561163
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 IB2022053170
(87)【国際公開番号】W WO2022214965
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/170,838
(32)【優先日】2021-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523377483
【氏名又は名称】テッツ,ビクター
(71)【出願人】
【識別番号】523377494
【氏名又は名称】テッツ,ゲオルギー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】テッツ,ビクター
(72)【発明者】
【氏名】テッツ,ゲオルギー
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
4B065
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029AA07
4B029BB01
4B029FA01
4B063QA06
4B063QQ06
4B063QQ07
4B063QR75
4B063QR76
4B063QS39
4B063QX01
4B063QX02
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AC10
4B065CA46
(57)【要約】
本発明は、真核および原核細胞の細胞成長を柔軟に調節するための方法に関する。特別な実施形態において、真核および微生物細胞成長の調節は、それらと環境因子、栄養培地、培地添加剤、補充物質との相互作用の制御により起こる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる構成の検査システムの調製のための自動および/もしくは半自動ステーション、ならびに/または栄養培地および/もしくは培地添加剤および/もしくは補充物質を含む微生物および/もしくは細胞培養物の培養のための異なる構成の検査システムおよび/もしくはBio adjustable Tetzインキュベーターおよび/もしくはCO2インキュベーターおよび/もしくはバイオリアクターおよび/もしくはインキュベーター-温室が、試験の目的に関係するプログラムされた組成の培地を調製すること、ならびに/または微生物および真核細胞と物理的、化学的、生物学的環境因子との相互作用を調節、制御すること、ならびに/または混合微生物群の中の異なるまだ培養可能でない細菌および/もしくは真菌の成長速度を変更すること、を個別に可能にする点が異なる、製品。
【請求項2】
異なる構成の検査システムの調製するため、ならびに/または栄養培地、培地添加剤および補充物質の使用を含む微生物の培養のための方法、それらの使用方法であって、試験の目的に関係するプログラムされた組成の培地を調製すること、ならびに/または微生物および真核細胞と物理的、化学的、生物学的環境因子との相互作用を調節、制御すること、ならびに/または混合微生物群内の、種々の非限定的な例としてのまだ培養可能でない細菌、真菌の成長速度を変更すること、微生物および/もしくは真菌細胞の成長および/もしくは合成活性を変更および/もしくは増進すること、ならびに/またはそれらに及ぼす抗菌剤の影響を決定すること、を個別に可能にして、有効および/または無効な抗菌剤および/またはそれらの組合わせ、例えば(1)薬物耐性微生物ならびに/または(2)既存の生残菌、もしくは感染の抗生物質治療の過程で形成され得る生残菌、および/もしくは芽胞形成菌、(3)一次病原体(PP)および微生物モジュレーター(MM)に及ぼす抗菌剤の併用効果の(3)同時分析により起こった再発感染、に対して活性である、可能な限り狭い作用スペクトラムおよび/または最高の安全性プロファイルおよび/または最小の費用および/または特定の投与経路を有する抗菌剤、ならびにこれらの作用の結果を説明する装置および方法を選択するという点が異なり、前記試料が、生物医薬製造、医学、獣医学、農業、バイオエンジニアリング、薬物開発および発見、生態学、宇宙探査、宇宙技術、薬物の薬物動態および薬力学を変更する変更した代謝パラメータを有する人および/または特に小児における使用のための、流体、水、食品、飲料、生体液、組織、微生物プローブ、医薬調製物、哺乳動物起源の組織および液体、空気、土壌、表面、スワブの少なくとも1つ、ならびにそれらの任意の組合わせを含む、方法、それらの使用方法。
【請求項3】
個々のプログラムされた特性、多様な濃度および組合わせの抗菌化合物および異なる補充物質のセットの異なる構成の検査システムの調製のための自動または半自動ステーション/複合体が、最終製品の全ての詳細および特性を記録してその電子パスポートを作成し、検査システムを配置するための検査材料を調製し、検査システム上で検査材料の配置を行い、指定された条件下で酸素に対して異なるトレランスを有する微生物の成長を確実にし、微生物の成長を制御し、この成長の結果および/もしくは抗生物質の有効性の結果を考慮し、ならびに結果をデータベースに入力し、および/または結果を指定されたアドレス/デスティネーションに送信する、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
自動または半自動ステーション/複合体の記録ユニットが、前記検査システムにおける微生物の成長の前記結果および/または抗菌剤の有効性の前記結果を考慮して、前記結果を前記データベースに加えて、および/または前記結果を前記指定されたアドレス/デスティネーションに送信する、請求項1、3に記載の製品。
【請求項5】
指定された時間間隔で成長をモニタリングし、ならびに/またはこの成長の結果および/もしくは抗生物質の効果の結果を考慮し、その非限定的な例が、デジタル写真撮影、可視および/もしくは紫外線および/もしくは赤外線スペクトルでの登録、ならびに/またはその非限定的な例がグレースケール値の計算およびヒストグラム計算であるコンピュータ作成画像、ならびに/または測光、ならびに/または比色法、ならびに/または電流フローの媒体の導電性/抵抗である、請求項1、3、4に記載の製品。
【請求項6】
センサーが統合された検査システムが、前記微生物の成長および代謝の存在および性質に応じて変化する個々の細胞の状態を様々な方法でモニタリングすることができる、請求項1、3~5に記載の製品。
【請求項7】
培地の表面での微生物成長の制御が、前記検出センサーに対して1~10度および/または10~30度および/または30~45度および/または45~90度の角度で行われる、請求項1、3~6に記載の製品。
【請求項8】
前記検査システムが、特定の組織および臓器における薬物動態を零から最大量まで反映する、1つのゾーンで、および/または別の分離したゾーンの形態で、各抗菌剤のための濃度勾配を含有する、請求項1、3~7に記載の製品。
【請求項9】
細菌および/または真菌および/または細胞の培養のためのBio adjustable Tetzインキュベーターおよび/またはCO2インキュベーターおよび/またはバイオリアクターおよび/またはインキュベーター-温室が、地磁気および/または電磁波暴露および/または地磁気活性の変更および/または地球の磁場の変更を制御および/または調節することができる、請求項1に記載の製品。
【請求項10】
インキュベーター、コンテナ、発酵装置、タンク、バイオリアクター、エンベロープ、バッグ、実験器具、実験用具が、所与の度合いの保護を提供するミューメタル、ならびに/または銅チャンバーと亜鉛(zink)およびプラスチックまたは紙との組合わせを有する誘電性プラスチックまたは紙とそれらとの複合体で作製されたシェル/部分を有する、請求項1、9に記載の製品。
【請求項11】
インキュベーター、コンテナ、発酵装置、タンク、バイオリアクター、エンベロープ、バッグ、実験器具、実験用具、培養プレートが、ホイルおよび/またはそれと誘電体との複合体で作製されたシェル/部分を有する、請求項1、9、10に記載の製品。
【請求項12】
インキュベーター、コンテナ、発酵装置、タンク、バイオリアクター、エンベロープ、バッグ、実験器具、実験用具、培養プレートが、ミューメタルおよび/もしくはホイルならびに/またはそれらと誘電体との複合体で作製されたシェル/部分を有する、請求項1、9~11に記載の製品。
【請求項13】
インキュベーター、コンテナ、発酵装置、タンク、バイオリアクター、エンベロープ、バッグ、実験器具、実験用具、培養プレートが、非限定的例が地磁気の変更、磁場および/または磁気波、輻射線、ならびに細胞が収集された個体の健康状態である、環境、生態の分析に用いられる真核および原核生物の培養のための、ミューメタルおよび/もしくはホイルならびに/またはそれらの複合体と誘電体で作製したシェル/部分を有する、請求項1、9~12に記載の製品。
【請求項14】
栄養培地のための補充物質および添加剤が、微生物成長および/または合成活性および/または分泌および/または遺伝子発現、ファーミキュテス門、グラキリクテス(Gracilicutes)、モリクテス綱、抗酸菌、酵母、カビ、および真核細胞培養物の割合に影響を及ぼすことを含む異なる微生物の成長比を調整するために用いられ得る、リバビリン(0.1~1000μg/mL)、ならびに/またはアシクロビル(0.1~1000μg/mL)、ならびに/またはオロチン酸リチウム(0.1~1000μg/mL)、ならびに/またはオロチン酸カリウム(potassium orothate)(0.1~1000μg/mL)、ならびに/または2-クロロ-5-フェニル-5H-ピリミド[5’,4’:5,6]ピラノ[2,3-d]ピリミジン-4-オールの誘導体(0.1~1000μg/mL)、ならびに/またはヌクレアーゼ(非限定的例は、DNase(0.1~1000μg/mL)、および/またはRNase(0.1~1000μg/mL)である)、非限定的例がネビラピン、エトラビリン、ラミブジン、テノホビル、アバカビル、ラルテグラビル(0.1~1000μg/mL)である、トランスクリプターゼおよび/もしくはインテグラーゼ阻害剤および/もしくはプロテアーゼ阻害剤の添加により、混合微生物群内の微生物を含む異なる微生物の成長を調節する、請求項1に記載の製品。
【請求項15】
固形または液体培養培地での微生物、真菌および真核細胞の成長が、可視光および/または青色光および/または赤色光により1日のうち1分~24時間起こる、請求項1に記載の製品。
【請求項16】
外部環境、土壌、水、本、芸術作品、哺乳動物、植物の疾患を引き起こすヒト、動物、植物、真菌と相互作用する物体の中に見出され得る混合微生物群内の種々の真菌および/または細菌の複合成長を含む、非限定的例がカンジダ属、アスペルギルス属、ムコール属、トリコフィトン属、ブラストミセス属、クリプトコッカス属、ニューモシスティス属、パラコクシジオイデス属、ヒストプラズマ属、コクシジオイデス属、タラロミセス属、スポロトリックス属、エモンシア属、フザリウム属、マラセチア属、ミクロスポルム属、サッカロマイセス属、サプロレグニア属、エリシフェ属、クラビセン(Clavicens)、クラドスポリウム属、ビポラリス属、シューム(Shoem)、ヘルミントスポリウム属、アルターナリア属、ペニシリウム属、クリソスポリウム、アルターナリア属、エピコッカム属、オーレオバシジウム属、アブシジア属、クリソスポリウム、ゲオトリクム属、リソプス(Risopus)、ユーロチウム属である真菌(皮膚糸状菌、酵母、カビ)の成長加速のための、ジャガイモ煎じ汁0.1~500ml;トウモロコシ粉チンキ剤0.1~100mL;オーツ麦粉10~350mL;心臓・脳ブロス0.001~100.0g;ジャガイモ・人参煎じ汁10~350mL;デキストロース/グルコース40g;ペプトン10g;スクロース0.001~100.0g;セロビオース0.001~100.0g;酵母エキス0.001~20.0g;マルトース0.001~100.0g;NaNO3 0.001~10.0g;K2HPO4 0.001~10.0g;MgSO4 0.001~10.0g;KCl 0.001~10.0g;FeSO4 0.001~40.0g;ZnSO4 0.001~5.0g;MnCl2 0.001~5.0g、Twin80 0.001~10mL、チアミン0.001~5.0mg;ビオチン0.001~4.0mg;心臓・脳ブロス0.001~100.0g;寒天0~100g;オロチン酸誘導体0.001~500g;赤血球0~100mL;細菌成長を阻害する抗生物質(非限定的例は、クロラムフェニコール、セファロスポリン、テトラサイクリンである)を含む、請求項1、15に記載の製品。
【請求項17】
非限定的例がカンジダ属、アスペルギルス属、ムコール属、トリコフィトン属、ブラストミセス属、クリプトコッカス属、ニューモシスティス属、パラコクシジオイデス属、ヒストプラズマ属、コクシジオイデス属、タラロミセス属、スポロトリックス属、エモンシア属、フザリウム属、マラセチア属、ミクロスポルム属、サッカロマイセス属、サプロレグニア属、エリシフェ属、クラビセン、クラドスポリウム属、ビポラリス属、シューム、ヘルミントスポリウム属、アルターナリア属、ペニシリウム属、クリソスポリウム、アルターナリア属、エピコッカム属、オーレオバシジウム属、アブシジア属、クリソスポリウム、ゲオトリクム属、リソプス、ユーロチウム属である真菌(皮膚糸状菌、酵母、カビ)の迅速な成長のために用いられる、請求項1、15、16に記載の製品。
【請求項18】
前記抗真菌剤が、アゾール誘導体(ケトコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、およびボリコナゾール)、エキノキャンディン系(アニデュラファンギン、カスポファンギン、アミノカンジン、ミカファンギン)、アリルアミン系(テルビナフィン、Naftin、トルナフタート)、ポリエン系(ナイスタチン、アンフォテリシンB)、フルシトシン、イブレキサファンゲルプ、防腐剤、消毒剤の非限定的例から選択される、真菌に対して有効な抗生物質の迅速な選択のための、請求項1、15~17に記載の製品。
【請求項19】
前記感染部位に存在する最大数の、および/または多様な無関係な微生物を同時に成長させるために、胆汁酸塩寒天、チオ硫酸塩・クエン酸塩・胆汁酸塩-スクロース寒天、胆汁エスクリン寒天、血液寒天、チョコレート寒天、チャコール血液寒天、脳心臓浸出液ブロス、シクロセリンフルクトース寒天、シクロセリン卵黄寒天、卵生理食塩水培地、アルカリ性卵培地、血液-消化物寒天およびブロス、フレッチャー寒天、加熱した血液寒天/チョコレート寒天、マッコンキー寒天、マンニトール塩寒天、ヒス血清水培地、レフレル血清ミューラー・ヒントン寒天、栄養寒天、調理肉汁、非栄養寒天、ペプトン水、パイク培地、嫌気的滅菌培地、ロバートソン調理肉汁、半固形寒天、カンピロバクター培地、グラム陰性ブロス、トリプティカーゼ大豆ブロス、チオグリコール酸ブロス、トリプティカーゼ大豆ブロス、最小培地、コーンミール培地、ジャガイモデキストロース寒天、V8ジュース寒天、糞(dung)寒天、酵母エキス、麦芽エキス寒天、(サルモネラ-シゲラ)寒天、ヘクトエンエンテリック寒天、リステリア(リステリアブロス、DMEM、ウシ胎仔血清、ナリジクス酸、FBSの組成物を含む)、テトラチオン酸塩ブロス、サブロー寒天、チャコール酵母エキス寒天、マンニトール塩寒天、LBブロス、LB寒天、コロンビアブロス、コロンビア寒天、ペプティッドミート(Pepted Meat)寒天、MPB、BcS-LM成長培地、ブルセラ寒天、コーンミール寒天、水寒天、エマーソンYpSs寒天、抗生物質寒天、酸性化コーンミール寒天、ジャガイモ人参寒天、麦芽寒天、麦芽エキス寒天、ジャガイモデキストロース寒天、およびそれらの組合わせである培地上で生体試料および/または細菌および/または真菌を培養することにより、感染部位で一次病原体(複数可)の特性を制御する微生物モジュレーター(複数可)への作用により、様々な方法により微生物の早期成長を登録すること、および前記培地に添加された抗菌剤の使用の効率を決定すること、を可能にする、請求項1に記載の製品。
【請求項20】
非限定的例が0~1時間(C0~1h)、C1~2h、C0~2h、C1~2h、C0~3h、C1~3h、C2~3h、 C0~4h、C1~4h、C2~4h、C3~4h、C0~5h、C1~5h、C2~5h、C3~5h、C4~5h、C0~6h、C1~6h、C2~6h、C3~6h、C4~6h、C5~6h、C0~7h、C1~7h、C2~7h、C3~7h、C4~7h、C5~7h、C0~12h、C2~12h、C4~12h、C6~12h、C8~12h、C0~24h、C6~24h、C12~24hの抗菌剤濃度である、抗菌剤投与後の異なる時点で感染部位および/または全身循環で実現可能な前記抗菌剤の平均濃度に対応する濃度(前記感染部位での最大濃度未満)で使用される前記培地に添加した前記抗菌剤を含有する、請求項1に記載の製品。
【請求項21】
抗菌剤(複数可)の濃度が、微生物成長を殺滅および/または阻害するのに充分な時間(非限定的例は30分間、2時間、3時間以内の時間である)、前記感染部位で達成され得る値から選択される、前記抗菌剤(複数可)を補充した培地を含有する、請求項1に記載の製品。
【請求項22】
細菌-真菌ミックスを含む微生物ミックス中の特定の細菌および/または真菌に対して選択的に活性である抗生物質を2~6時間で選択することが可能である、請求項1に記載の製品。
【請求項23】
前記システムに添加される抗生物質濃度が、局所、経腸、経口、非経口、吸入、鼻内、直腸、膣を非限定的例とする、個体への投与経路に依存する薬物動態の特徴に基づいて選択される、請求項1、21、22に記載の製品。
【請求項24】
抗生物質が、非限定的例が、正常もしくは易感染性免疫反応を有する個体における、耳感染、副鼻腔感染、咳もしくは気管支炎、咽頭痛、肺感染(肺炎、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患、結核、マイコバクテリウム、ヒストプラスマ症、ブラストミセス症、気管支拡張症、膿瘍、蓄膿症)、皮膚および軟組織感染(糖尿病創感染、熱傷、創傷、虫刺され、伝染性膿痂疹、蜂窩織炎/丹毒、毛包炎、皮膚膿瘍、フルンケル、吹き出物、壊死した軟組織感染)、婦人科感染症、母体感染、眼感染、中咽頭感染、消化管の感染(中毒、IBD、炎症性腸疾患)、髄膜炎、敗血症、真菌血症、全身性真菌症、爪真菌症、尿路感染症、性感染症、カンジダ外陰膣炎、小児および肺移植を受けた患者における感染を含むバークホルデリアspp.により引き起こされた感染、生残菌形成および/もしくはそれらの形成の防止に関連する感染、ならびに/または芽胞形成微生物により引き起こされた感染、ならびに/または再発感染である、細菌および/または真菌感染を処置するために選択される、請求項1、21~23に記載の製品。
【請求項25】
混合微生物群からのこれまで培養不能であった微生物(PPおよび/またはMM)の単離を可能にする培養培地および抗生物質および添加剤が用いられる(異なる濃度で使用される)、請求項1に記載の製品。
【請求項26】
薬物候補および/または薬物の抗菌効果が、(1)他の薬物の活性との比較分析、(2)臨床試験のために患者集団を選択すること、(3)人および動物への作用の効果を評価すること、のために混合微生物群(非限定的例は、生体試料中の微生物群である)に対して評価される、請求項1、25に記載の製品。
【請求項27】
固形または液体培養培地での微生物、真菌および真核細胞成長が、可視光および/または青色光および/または赤色光もしくは赤外光により1日のうち1分~24時間起こる、請求項2に記載の方法。
【請求項28】
ミューメタルが、非限定的例として微生物の成長および/または合成活性および/または分泌および/または遺伝子の発現を変更および/または増進するために用いられ、非限定的例として医学、バイオテクノロジー、バイオマニュファクチャリング、食品業界における使用のための、非限定的例としての、目的の分子および/またはタンパク質の天然の、および/または改変された、および/または操作された真核生物または原核生物産生体、タンパク質発現システム、ファージディスプレイ、ならびに組換えタンパク質を過剰発現するものである、請求項2に記載の方法。
【請求項29】
検査システムを用いて培養された、およびまだ培養されていない微生物の純粋培養物を得るために、微生物が、抗菌剤を含有する、および/または含有しないゾーンおよび/またはウェルから継代培養される、請求項2に記載の方法。
【請求項30】
微生物成長(即ち、一次病原体および/または微生物モジュレーター)の出現および/もしくは進行の兆候、または前記兆候の非存在の分析が、視覚的検査(即ち、肉眼、顕微鏡)、または非限定的例としての写真撮影、ビデオ、コンピュータ作成画像による画像検出、測光、自動化プログラムおよび/またはAIアルゴリズムを含むまたは含まない非限定的例のグレースケール値の計算およびヒストグラム計算を伴う比色法および/または(c)入力ベクトルを機械学習プラットフォームおよび/またはソフトウエアに入力すること;画像認識および画像処理法、分光光度法、スキャナー、レーザーにより行われ;非限定的例では、前記培地の表面の分析が(i)試料とカメラとの特定の固定された距離(ii)特定の波長を用いること、(iii)前記検査システムと前記カメラとの特定の角度によって行われ、特定の期間内に目的の抗菌剤(非限定的例は時間依存的または濃度依存的である)を補充した同じウェルの写真画像の比較もしくはそれらの任意の組合わせ、ならびに/または他のウェルの前記成長との比較、および/または成長の所定の閾値との比較、により行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項31】
微生物成長(即ち、一次病原体および/または微生物モジュレーター)の出現および/もしくは進行の兆候、または前記兆候の非存在の分析が、視覚的検査(即ち、肉眼、顕微鏡)、または非限定的例としての写真撮影、ビデオ、コンピュータ作成画像による画像検出、測光、自動化プログラムおよび/またはAIアルゴリズムを含むまたは含まない非限定的例のグレースケール値の計算およびヒストグラム計算を伴う比色法;および/または(c)入力ベクトルを機械学習プラットフォームおよび/またはソフトウエアに入力すること、画像認識および画像処理法、分光光度法、スキャナー、レーザーにより行われ、非限定的例では、前記培地の表面の分析が、(i)試料とカメラとの距離が、4~5cm、7~10cm、12~18cm、20~30cm、32.5~50cmであること(ii)1×、1.5×、2×~10×、10×~40×、40×~1000×の倍率、(iii)検出センサーに対して1~10度および/または10~30度および/または30~45度および/または45~90度の角度である前記検査システムと前記カメラとの角度、を用いて行われ、;特定の期間内に目的の抗菌剤を補充した同じウェルの写真画像の比較もしくはそれらの任意の組合わせ、ならびに/または他のウェルの前記成長との比較、および/または成長の既定の閾値との比較により行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項32】
非限定的例が以下に列挙された期間:0~1時間、0~2時間、1時間~2時間、0時間~3時間、1時間~3時間、2時間~3時間、0時間~4時間、1時間~4時間、2時間~4時間、0時間~5時間、1時間~5時間、2時間~5時間、3時間~5時間、0時間~6時間、1時間~6時間、2時間~6時間、3時間~6時間、4時間~6時間、0時間~8時間、1時間~8時間、2時間~8時間、3時間~8時間、4時間~8時間、0時間~9時間、1時間~9時間、2時間~9時間、3時間~9時間、4時間~9時間、5時間~9時間、0時間~12時間、1時間~12時間、2時間~12時間、4時間~12時間、8時間~12時間、0時間~18時間、1時間~18時間、2時間~18時間、4時間~18時間、6時間~18時間、0時間~24時間、1時間~24時間、2時間~24時間、4時間~24時間、12時間~36時間、24時間~36時間である特定の期間内、またはそれらの任意の組合わせにおいて、微生物成長(即ち、一次病原体および/または微生物モジュレーター)の出現および/もしくは進行の兆候、または前記兆候の非存在をモニタリングすることにより抗生物質の有効性を評価する場合、異なる期間にわたり同じウェルの微生物成長の一対比較に基づいて可能な限りすぐに抗菌剤の効果についてのデータを得ることを可能にする、結果を説明する請求項2に記載の方法。
【請求項33】
抗生物質有効性が、成長の2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8時間の一定時間を含む異なる時点で目的の抗生物質を含有するウェルの寒天上で微生物成長(即ち、一次病原体および/または微生物モジュレーター)の出現および/もしくは進行の兆候、または前記兆候の非存在をモニタリングすることにより評価される、請求項2に記載の方法。
【請求項34】
抗生物質有効性モデルが、異なる確率を割り付けられる、請求項2、31、32に記載の方法。
【請求項35】
第一段階が抗生物質のセットを含有する前記培地での混合微生物の複合成長であり、加えて抗生物質を含有する、または含有しない異なる培地で細菌の追跡プレーティングが行われる、生体試料の微生物ミックスから純粋な微生物培養物またはPPを得る、請求項2に記載の方法。
【請求項36】
抗生物質選択のアルゴリズムが、式「C1/x max」の中の「x」値が最高になることにより決定される、有効となる最高の確率の評価に基づく、請求項1に記載の製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本明細書において、真核および原核細胞成長の制御および調節、抗菌剤を含む物理学的、化学的、生物学的、環境的因子との微生物相互作用の調節、ならびに微生物多様性の制御のための新規自動化システム、検査システム、検査システムの調製のための方法を提供する。同様に、これまで培養不能であった細菌および真菌の単離のための方法および製品も提供する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
薬学、獣医学および生物学という異なる分野での今日の重大な問題の1つは、外部環境およびインビトロでの細胞多様性のために真核細胞および微生物細胞の成長および応答を制御および調節できることである。細胞成長を柔軟に調節できることは、これまで培養不能であった微生物の同定、有効な化学療法剤の選択を含む検査業務から出発する種々の工程、およびバイオマニュファクチャリングにおいて使用するために重要である。真核細胞および微生物細胞成長をそのようにインビトロで調整するためには、細胞と環境因子、栄養状態、培地添加剤、補充物質との相互作用、試験目的に関連するプログラムされた組成を含む高度に個別化された培地を調製できること、微生物および真核細胞と物理学的、化学的、生物学的環境因子との相互作用を制御できること、混合微生物群内の未だ培養不能である様々の細菌および/または真菌の成長速度を変更できること、ならびにそれらと宿主因子との相互作用、の正確な調整を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
本発明の様々な非限定的態様および実施形態が、以下に記載される。
【0005】
幾つかの実施形態において、方法は、これまで培養不能であった微生物の培養、所望の特徴を有する微生物を得ること、非限定的例がグラム陽性菌、グラム陰性菌、桿菌、球菌、球桿菌、ビブリオ属、糸状菌、スピロヘータである目的の微生物の指向性選択(directed selection)に用いられる。
【0006】
幾つかの実施形態において、提案される培養方法は、純粋培養物または混合細菌培養物として培地で成長した、97%未満の同一性を示す16s rRNA配列を有するこれまで培養不能であった細菌の成長を可能にする。
【0007】
一態様において、種々の生体試料は、細菌および/または真菌および/またはウイルスを含有する。
【0008】
一態様において、種々の生体試料は、好気性および/または嫌気性細菌を含有する。
【0009】
幾つかの実施形態において、PPおよびMMは、細菌および/または真菌である。
【0010】
一態様において、種々の生体試料は、細菌、真菌(即ち、酵母、カビ)からなる群からの細菌および/または真菌(一次病原体および/または微生物モジュレーターを含む)、原虫を含有し、細菌および真菌の非限定的な例は、シュードモナス目、エアロモナス目、レジオネラ目、パスツレラ目、ビブリオ目、バークホルデリア目、アルファプロテオバクテリア綱、スピロヘータ目、ラクトバチルス目、バチルス目、エンテロバクター目、子嚢菌門、担子菌門、ツボカビ門、グロムス門、微胞子虫、粘菌類、卵菌類、接合菌門であり、それらの非限定的な例は、エアロモナス属、バチルス属、アシネトバクター属、バルトネラ属、ボルデテラ属、ボレリア属、バークホルデリア属、ブルセラ属、カンピロバクター属、クラミジア属、クラミドフィラ属、クロストリジウム属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、エシェリヒア属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、クレブシエラ属、モラクセラ属、レジオネラ属、レプトスピラ属、リステリア属、マイコバクテリウム属、マイコプラズマ属、ナイセリア属、シュードモナス属、ペニバチルス属、リケッチア属、サルモネラ属、シゲラ属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、トレポネーマ属、トレポネーマ属、ウレアプラズマ属、ビブリオ属、エルシニア属、カンジダ属、アスペルギルス属、ムコール属、トリコフィトン属、ブラストミセス属、クリプトコッカス属、ニューモシスティス属、パラコクシジオイデス属、ヒストプラズマ属、コクシジオイデス属、タラロミセス属、スポロトリックス属、エモンシア属、フザリウム属、マラセチア属、ミクロスポルム属、サッカロマイセス属である。
【0011】
幾つかの実施形態において、この場合、微生物は、PCR、トランスクリプトーム、メタゲノムシークエンシング、ならびに他の遺伝子分析、生化学的、微生物学的方法(即ち、染色、顕微鏡検査)の前、後、およびそれと同時に分析される。
【0012】
幾つかの実施形態において、検査システムによって選択された抗生物質を使用して、患者の状態(非限定的例は、重篤状態の患者である)を正常化することができ、感染部位での細菌および/もしくは真菌量、感染部位でない臓器での細菌および/もしくは真菌量、血液および他の体液中の細菌および/もしくは真菌量、炎症促進性マーカー、FEV1%、発熱、浮腫、毒血症、生存率、入院および/もしくは抗生物質処置の回数および期間のようなパラメーターを改善し、および/またはICU滞在を減少させ、および/または抗生物質使用の開始を減少させ、および/または感染工程の解明をもたらし、ならびに/または創傷治癒に必要な時間、および/または選択された抗生物質使用の最初の96時間および/もしくは4~28日以内の抗生物質投与の時間および/もしくは広域スペクトラム抗生物質投与の時間を減少させ、感染部位の細菌および真菌数カウントおよび/もしくは微生物の他の部分の数を変更することができる抗生物質を選択する。
【0013】
幾つかの実施形態において、選択された抗菌剤は、経験的治療および/または継続中の抗菌治療の適応のために用いられる。
【0014】
幾つかの実施形態において、選択された抗菌剤は、予防のために用いられる。
【0015】
幾つかの実施形態において、選択された抗菌剤は、材料をプレーティングして最初の2.5時間以内に用いられる。
【0016】
幾つかの実施形態において、選択された抗菌剤は、材料をプレーティングして最初の4時間以内に用いられる。
【0017】
幾つかの実施形態において、選択された抗菌剤は、耐性、トレランス、生来の耐性、バイオフィルムに関連するトレランス、緩徐な成長および生残菌を克服するために用いられる。
【0018】
一実施形態において、生残菌は、緑膿菌、クレブシエラ属、大腸菌大腸菌、黄色ブドウ球菌黄色ブドウ球菌、サルモネラ種から選択される。
【0019】
一実施形態において、方法は、混合バイオフィルムを形成する細菌および/または真菌により引き起こされた感染の処置に用いられる。
【0020】
一実施形態において、方法は、多剤耐性菌により引き起こされた感染の処置のために、ならびに再発感染の処置および/または防止のために用いられる。
【0021】
幾つかの実施形態において、提案された方法は、ファージセラピーに用いられる。
【0022】
幾つかの実施形態において、抗菌剤および/またはヌクレアーゼおよび/または他の添加剤は、生体標本および/または培地に直接添加され、生体標本は、異なる磁気条件で培養される。
【0023】
一実施形態において、微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの分析は、混合微生物培養の微生物成長の存在、代謝、出現もしくは非存在を分析することにより、および/または微生物が成長している混合細菌群もしくは培地の形態、サイズ、色、生化学的特徴、電気的特徴および他の特徴の分析により行われる。
【0024】
一実施形態において、微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの分析は、成長の所定の閾値への微生物成長の存在、代謝、出現または非存在を分析することにより行われる。
【0025】
幾つかの実施形態において、PPおよびMMは、固形培地上で成長する。
【0026】
幾つかの実施形態において、診断検査システムは、マルチウェルプレートを含む。
【0027】
幾つかの実施形態において、提案された方法および装置は、PPの抗生物質耐性遺伝子の発現が、非限定的例としてMMにより調節される感染部位での発現と類似である条件を作出する。
【0028】
幾つかの実施形態において、栄養培地は、感染部位からの有機成分から追加的に補充される。
【0029】
幾つかの実施形態において、生体試料は、溶媒(即ち、水、PBS、NaCl、栄養培地、同じ対象からの生体材料)を添加すること、ホモジナイゼーション(即ち、ボルテックス処理)、濾過、(即ち、微生物を細胞片から分離するための0.8、1.0、1.2マイクロメートル孔径フィルターでの濾過ステップを含む)を行うことによって処理される。
【0030】
幾つかの実施形態において、検査方法は、処理前に室温および/もしくは+4で貯蔵された、ならびに/または凍結された生体試料を使用する。
【0031】
幾つかの実施形態において、1~10,000種の異なる抗菌剤ならびにそれらの組合わせおよび/または順列が、同じ生体試料の微生物に対して同時に分析される。
【0032】
幾つかの実施形態において、抗生物質が、哺乳動物の生物におけるPK/PDモデリングおよびシミュレーションに従って添加される場合、所与の抗生物質レジメンの妥当性を調整する。
【0033】
幾つかの実施形態において、抗菌剤は、感染部位および/または全身循環および/または標的臓器の様々なPK/PDパラメータを表す濃度で成長培地に添加される
【0034】
幾つかの実施形態において、試験される賦形剤および/または抗菌物質は、微生物の培養前および/もしくは培養と同時に、および/もしくは培養後に栄養培地に導入され、ならびに/または生体試料に添加される。
【0035】
幾つかの実施形態において、PPおよび/またはMMに対する抗生物質有効性は、プレーティング後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間以内、または24~48時間、48~120時間に推定される。
【0036】
幾つかの実施形態において、PPおよび/またはMMを含む細菌および/または真菌の培養に用いられる栄養培地は、寒天、ビタミンB12、アスコルビン酸、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、牛肉エキス、アルファケトグルタル酸塩、ウシ心臓浸出液、Bee浸出液(Bee Infusion)、ビオチン、Bitone H Plus動物組織消化物、塩化カルシウム、コーンスターチ、L-システイン、デキストロース、リン酸二カリウム、D-マンニトール、硫酸第一鉄、葉酸、ゼラチン、グルコース、L-システインHCl、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、ナイアシン、ニコチンアミド、p-アミノ安息香酸、カゼインの膵臓消化物、ゼラチンの膵臓消化物、パントン(Pantone)、パントテン酸塩、動物組織のペプシン消化物、ペプトン、硫酸カリスム、プロテオースペプトン、リボフラビン、塩化ナトリウム、可溶性デンプン、デンプン、スクロース、チアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ウシ心臓トリプシン消化物、トリプトンG(Tryptoneg)、酵母エキス、硫酸亜鉛、ACESバッファ、塩化カリウム、チオグリコール酸、真菌用ペプトン(カゼインおよび動物組織の酵素消化物)、調理肉汁の粒子、赤血球、血液、ならびにアミノ窒素の供給物であるペプトン、タンパク質水解物、浸出液および抽出物、成長因子、血液、血清、酵母エキスまたはビタミン、NADエネルギー源の糖、アルコールおよび炭水化物、リン酸、酢酸およびクエン酸の緩衝塩、リン酸の無機塩および金属塩、硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、鉄選択剤(iron Selective Agents)、化学物質、抗菌剤および指示薬のフェノールレッド、ニュートラルレッド、ゲル化剤、寒天、ゼラチン、アルギン酸塩、シリカゲル、水、血清、FBS、ガラクトースを含有する。
【0037】
一実施形態において、生体試料のプレーティング後の検査システムは、27℃~42℃の温度で培養される。
【0038】
一実施形態において、PPとMMの組合わせ検査システムの混合培養に対して選択された抗生物質は、グラム陽性菌に対してのみ活性であるがグラム陰性菌に対して活性であることが見出され、および/またはグラム陰性菌に対してのみ活性である抗生物質がグラム陽性菌に対して活性であることが見出される、有効な狭域スペクトラムの抗生物質を発見することを可能にする。
【0039】
一実施形態において、自動化システムは、感染部位および患者の状態に応じて、任意の抗生物質のリストおよびそれらの濃度を含み得る、医師の個々の要求に応じて検査システムを自動的に製造することが可能である。
【0040】
一実施形態において、自動化システムは、栄養培地、異なる数のウェルを有するプレート、培地への補充物質、および臨床業務で用いられる種々の抗生物質の予備品を有する。
【0041】
一実施形態において、自動化システムは、より頻繁に用いられて、適切な温度および湿度環境でそれらを貯蔵する検査システムを予め調製することができる。
【0042】
幾つかの実施形態において、寒天の表面の分析の場合の微生物成長の徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析は、(i)試料とカメラの間の特定の固定された距離、(ii)用いられる特定の波長、(iii)散乱スポットの特定の距離、(iv)検査システムとカメラの間の特定の角度によって行われる。
【0043】
一実施形態において、肉眼での分析は、微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析のために用いられる。
【0044】
一実施形態において、写真および/またはビデオカメラは、微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析のために用いられる。
【0045】
一実施形態において、写真および/またはビデオカメラは、微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析のために、50~12800の露出およびISOで、ならびに最大30秒のシャッタースピードで用いられる。
【0046】
一実施形態において、特別なソフトウエアを用いて、微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析に用いられる写真および/またはビデオデータを改良する。
【0047】
一実施形態において、微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析は、0.1×~1000×の倍率で行われる。
【0048】
一実施形態において、微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析は、非限定的例が4~5cm、7~10cm、12~18cmである、試料と検出器(即ち、カメラ)の間の固定された距離を用いて行われる。
【0049】
一実施形態において、微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析は、培地または微生物コロニー表面でのグレアを回避するために行われる。
【0050】
一実施形態において、同じウェルでの微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの分析は、経時的に行われ、画像は1~300分の任意の範囲内で撮影される。
【0051】
一実施形態において、複数のウェルでの微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの分析は、経時的に行われ、分析は1~300分の任意の範囲内で行われ、肉眼および/または視覚化ソフトウエアおよび/またはAIによって分析され得る。
【0052】
一実施形態において、同じウェルおよび/もしくは複数のウェルでの微生物成長および/もしくはPPおよび/もしくはMM、ならびに/または微生物成長の非存在の分析は、ビデオ記録により絶え間なく行われる。
【0053】
一実施形態において、同じウェルでの微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの分析は、経時的に行われ、画像は、1~48時間の任意の範囲内で撮影される。
【0054】
一実施形態において、複数のウェルでの微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの分析は、経時的に行われ、分析は、1~48時間の任意の範囲内で行われ、肉眼および/または視覚化ソフトウエアおよび/またはAIを用いて分析され得る。
【0055】
一実施形態において、同じウェルでの微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの分析は、蛍光色素を培地または生体試料に添加した後、抗菌剤を補充した培地中で培養し、、蛍光強度のレベルを特定することにより微生物成長の存在、代謝、出現または非存在を視覚化することにより経時的に行われる。
【0056】
一実施形態において、同じウェルでの微生物成長および/またはPPおよび/またはMMの分析は、抗体または同位体標識によって同定された蛍光強度のレベルを測定することにより行われる。
【0057】
一実施形態において、寒天に添加された化合物の抗菌活性の試験は、肉眼での微生物成長の徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析に基づいて、異なる時点および/または異なる抗生物質および/または抗生物質ミックスおよび/または抗生物質の非存在の間で成長を比較することにより行われる。
【0058】
一実施形態において、寒天に添加された化合物の抗菌活性の試験は、特別な色素の存在かまたは非存在下で光学機器、即ち、(1×、1.5×、2×~10×、10×~40×、40×~1000×倍率)の顕微鏡による、微生物成長の徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析に基づいて行われる。
【0059】
一実施形態において、寒天に添加された化合物の抗菌活性の試験は、細胞外マトリクス物質のメタボロミクス分析による微生物成長の徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析に基づいて行われる。
【0060】
一実施形態において、寒天に添加された化合物の抗菌活性の試験は、写真による微生物成長の徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析に基づいて、異なる時点および/または異なる抗生物質および/または抗生物質ミックスおよび/または抗生物質の非存在の間で成長を比較することにより行われる。
【0061】
一実施形態において、寒天に添加された化合物の抗菌活性の試験は、ビデオによる微生物成長の徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析に基づいて、異なる時点および/または異なる抗生物質および/または抗生物質ミックスおよび/または抗生物質の非存在の間で成長を比較することにより行われる。
【0062】
一実施形態において、検査システムは、マイクロ流体装置である。
【0063】
一実施形態において、寒天に添加された化合物の抗菌活性の試験は、微生物成長を検出するために特別な色素によって行われる。
【0064】
一実施形態において、寒天に添加された化合物の抗菌活性の試験は、マシンビジョンおよび/またはAIアルゴリズムおよび/または予測アルゴリズムによる微生物成長の徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析に基づいて行われる。
【0065】
一実施形態において、寒天に添加された化合物の抗菌活性の試験は、3D、動力学、反射光およびセンサー技術を非限定的読出しとする異なる読出しの使用、特異的波長での光の使用に基づいた微生物成長の徴候の「出現」または「進行」または非存在の分析に基づいて行われる。
【0066】
一実施形態において、非限定的例がPPおよび/またはMMへのDNAタグである特別なタグが、微生物成長を試験するために用いられる。
【0067】
一実施形態において、細菌成長を阻害する抗生物質の効果は、2~18時間試験される。
【0068】
一実施形態において、自動化装置は、栄養培地および微生物の培養物を製造して栄養培地に添加物を投入するために用いられ、それらの使用方法は、試験の目的に関連するプログラムされた組成の培地の個別の生成を可能にする、微生物と環境因子との相互作用を制御する、まだ培養されていない細菌および真菌を混合バイオフィルムの一部として含む様々な微生物の成長の強度を変化させる、微生物の成長速度を変化させる、微生物に及ぼす抗生物質の影響を決定するという点が異なり、ならびにこれらの作用の結果を記録するための装置および方法が異なる。
【0069】
幾つかの実施形態において、微生物成長のための装置は、特定のパラメータを有する栄養培地の調製、培地に生体試料をプレーティングすること、特定温度および/または磁場および/またはCO2含量で生体試料を処理すること、ならびに微生物成長の詳細についてのデータ解析を読み取ること、のための自動化工程を提供する。
【0070】
一実施形態において、自動化システムは、所与の検査システムのベースライン/生データを同定し、微生物/細胞成長に必要な条件および温度を維持し、成長の存在および/または非存在および/または変更を登録するためにプローブを定期的にスキャンするためにプレート上の標識に基づく可能な特別なステーションである。
【0071】
幾つかの実施形態において、自動化システムは、成長の存在を同定し、このデータを分析して、医師に送付される情報を含む所与の患者の処置のための抗菌剤の使用のための推奨を説明することを可能にする記録装置を有する。
【0072】
一実施形態において、微生物成長(即ち、一次病原体および/または微生物モジュレーター)の培養に用いられる栄養培地は、非限定的例が、ホイル、金属、金属カバリング、金属ボックス、金属ウェル、特別なエンベロープ、ミューメタル、磁気遮蔽、ニッケル-鉄成分を有する成分、強磁性合金を有する材料などを用いることである、磁場、電場および/もしくは電磁場を修飾して微生物成長に影響を及ぼす磁場および/もしくは電磁場を変更するために用いられる内部および/もしくは外部部品および/もしくはカバリングを追加的に補充されるか、または有する。
【0073】
幾つかの実施形態において、感染部位からの細菌および/または真菌を、非限定的例が遠心分離である異なる方法によって、検査システムへのプレーティングの前に、生体試料(非限定的例は血液、CSF、腹水である)から濃縮することができ、および/または生体試料、栄養培地、緩衝剤の添加された追加の部分により溶解することができる。
【0074】
幾つかの実施形態において、異なる構成の検査システムを調製するために、ならびに/または栄養培地、培地添加剤および補充補充物質の使用による微生物の培養のために、それらの使用方法は、試験の目的に関係するプログラムされた組成の培地を調製すること、ならびに/または微生物および真核細胞と物理的、化学的、生物学的環境因子との相互作用を調節、制御すること、ならびに/または混合微生物群内の、種々の非限定的な例としてのまだ培養可能でない細菌、真菌の成長速度を変更すること、微生物成長および/または合成活性を変更および/または増進すること、ならびに/またはそれらに及ぼす抗菌剤の影響を決定して、有効なおよび/または無効な抗菌剤および/またはその組み合わせ、例えば(1)薬物耐性微生物ならびに/または(2)既存の生残菌、もしくは感染の抗生物質治療の過程で形成され得る生残菌、および/もしくは芽胞形成菌、(3)一次病原体(PP)および微生物モジュレーター(MM)に及ぼす抗菌剤の併用効果の同時分析により起こった再発感染、に対して活性である、可能な限り狭い作用スペクトラムおよび/または最高の安全性プロファイルおよび/または最小の費用および/または特定の投与経路を有する抗菌剤、ならびにこれらの作用の結果を説明する装置および方法を選択すること、を個別に可能にする点が異なりプログラムされた、前記試料は、生物医薬製造、医学、獣医学、農業、バイオエンジニアリング、薬物開発および発見、生態学、宇宙探査、宇宙技術、薬物の薬物動態および薬力学を変更する変更された代謝パラメータを有する人および/または特に小児における使用のための、流体、水、食品、飲料、生体液、組織、微生物プローブ、医薬調製物、哺乳動物起源の組織および液体、空気、土壌、表面、スワブ、ならびにそれらの任意の組合わせを含む。
【0075】
幾つかの実施形態において、個々のプログラムされた特性、多様な濃度および組合わせでの抗菌化合物および異なる補充物質のセットの異なる構成の検査システムの調製のための自動または半自動ステーション/複合体は、最終製品の全ての詳細および特性を記録してその電子パスポートを作成し、検査システムを配置するための検査材料を調製し、検査システム上で検査材料の配置を行い、指定された条件下で酸素に対して異なるトレランスを有する微生物の成長を確実にし、微生物の成長を制御し、この成長の結果および/もしくは抗生物質の有効性の結果を考慮し、ならびに結果をデータベースに入力し、および/または結果を指定されたアドレス/デスティネーションに送信する。
【0076】
幾つかの実施形態において、自動または半自動ステーション/複合体の記録ユニットは、検査システムにおける微生物の成長の結果および/または抗菌剤の有効性の結果を考慮して、結果をデータベースに加えて、および/または結果を指定されたアドレス/デスティネーションに送信する。
【0077】
幾つかの実施形態において、装置は、指定された時間間隔で成長をモニタリングし、ならびに/またはこの成長の結果および/もしくは抗生物質の有効性の結果を考慮し、その非限定的な例は、デジタル写真撮影、可視および/もしくは紫外線および/もしくは赤外線スペクトルでの登録、ならびに/またはその非限定的な例がグレースケール値の計算およびヒストグラム計算であるコンピュータ作成画像、ならびに/または測光、ならびに/または比色法、ならびに/または電流フローの媒体の導電性/抵抗である。
【0078】
幾つかの実施形態において、センサーが統合された検査システムは、微生物の成長および代謝の存在および性質に応じて変化する個々の細胞の状態を様々な方法でモニタリングすることができる。
【0079】
幾つかの実施形態において、培地表面での微生物成長の制御は、検出センサーに対して1~10度および/または10~30度および/または30~45度および/または45~90度の角度で行われる。
【0080】
幾つかの実施形態において、検査システムは、1つのゾーンで、および/または別の分離したゾーンの形態で、特定の組織および臓器における薬物動態の零から最大量までを反映する、各抗菌剤に関する濃度勾配を含有する。
【0081】
幾つかの実施形態において、細菌および/または真菌および/または細胞の培養のためのBio adjustable Tetzインキュベーターおよび/またはCO2インキュベーターおよび/またはインキュベーター-温室は、地磁気および/または電磁波暴露および/または地磁気活性の変更および/または地球の磁場の変更の制御および/または調節を可能にする。
【0082】
幾つかの実施形態において、インキュベーター、コンテナ(非限定的例は発酵装置、タンク、バイオリアクターである)、エンベロープ、バッグ、実験器具、実験用具は、所与の度合いの保護を提供するミューメタルおよび/またはそれと誘電体(例えば、銅チャンバーと亜鉛(zink)およびアスベストとの組み合わせを有するプラスチックまたは紙)との複合体で作製されたシェル/部分を有する。
【0083】
幾つかの実施形態において、インキュベーター、コンテナ(非限定的例は発酵装置、タンク、バイオリアクターである)、エンベロープ、バッグ、実験器具、実験用具、培養プレートは、ホイルおよび/またはそれと誘電体との複合体で作製されたシェル/部分を有する。
【0084】
幾つかの実施形態において、インキュベーター、コンテナ(非限定的例は発酵装置、タンク、バイオリアクターである)、エンベロープ、バッグ、実験器具、実験用具、培養プレートは、ミューメタルおよび/もしくはホイルならびに/またはそれと誘電体との複合体で作製されたシェル/部分を有する。
【0085】
幾つかの実施形態において、ミューメタルは、微生物の成長および/または合成活性および/または分泌および/または遺伝子の発現を変更および/または増進するために用いられ、非限定的例として医学、バイオテクノロジー、バイオマニュファクチャリング、食品業界における使用のための、非限定的例としての、目的の分子および/またはタンパク質の天然の、および/または改変された、および/または操作された真核生物または原核生物産生体、タンパク質発現システム、ファージディスプレイ、および組換えタンパク質を過剰発現するものである。
【0086】
幾つかの実施形態において、インキュベーター、コンテナ(非限定的例は発酵装置、タンク、バイオリアクターである)、エンベロープ、バッグ、実験器具、実験用具、培養プレートは、非限定的例が地磁気の変更、磁場および/または磁気波、輻射線である環境、生態の分析に用いられる細胞の培養のために、ミューメタルおよび/もしくはホイルならびに/またはそれらと誘電体との複合体で作製されたシェル/部分を有する。
【0087】
幾つかの実施形態において、請求項1に記載の栄養培地および処置のための補充物質および添加剤は、微生物成長および/または合成活性および/または分泌および/または遺伝子発現、ファーミキュテス門、グラキリクテス(Gracilicutes)、モリクテス綱、抗酸菌、酵母、カビ、および真核細胞培養物の割合に影響を及ぼすことを含む異なる微生物の成長比を調整するために用いられ得る、リバビリン(0.1~1000μg/mL)、アシクロビル(0.1~1000μg/mL)、オロチン酸リチウム(0.1~1000μg/mL)、オロチン酸カリウム(potassium orothate)(0.1~1000μg/mL)、2-クロロ-5-フェニル-5H-ピリミド[5’,4’:5,6]ピラノ[2,3-d]ピリミジン-4-オールの誘導体(0.1~1000μg/mL)、ヌクレアーゼ(非限定的例は、DNase(0.1~1000μg/mL)および/またはRNase(0.1~1000μg/mL)である)、非限定的例がネビラピン、エトラビリン、ラミブジン、テノホビル、アバカビル、ラルテグラビル(0.1~1000μg/mL)である、トランスクリプターゼおよび/またはインテグラーゼ阻害剤および/またはプロテアーゼ阻害剤の添加により混合微生物群内の微生物を含む異なる微生物の成長を調節することができる。
【0088】
幾つかの実施形態において、栄養培地は、外部環境、土壌、水、本、芸術作品、哺乳動物、植物の疾患を引き起こすヒト、動物、植物、真菌と相互作用する物体の中に見出され得る混合微生物群内の種々の真菌および/または細菌の複合成長を含む、非限定的例がカンジダ属、アスペルギルス属、ムコール属、トリコフィトン属、ブラストミセス属、クリプトコッカス属、ニューモシスティス属、パラコクシジオイデス属、ヒストプラズマ属、コクシジオイデス属、タラロミセス属、スポロトリックス属、エモンシア属、フザリウム属、マラセチア属、ミクロスポルム属、サッカロマイセス属、サプロレグニア属、エリシフェ属、クラビセン(Clavicens)、クラドスポリウム属、ビポラリス属、シューム(Shoem)、ヘルミントスポリウム属、アルターナリア属、ペニシリウム属、クリソスポリウム、アルターナリア属、エピコッカム属、オーレオバシジウム属、アブシジア属、クリソスポリウム、ゲオトリクム属、リソプス(Risopus)、ユーロチウム属である真菌(皮膚糸状菌、酵母、カビ)の成長加速のために用いられ、ジャガイモ煎じ汁0.1~500ml;トウモロコシ粉チンキ剤0.1~100mL;オーツ麦粉10~350mL;心臓・脳ブロス0.001~100.0g;ジャガイモ・人参煎じ汁10~350mL;デキストロース/グルコース40g;ペプトン10g;スクロース0.001~100.0g;セロビオース0.001~100.0g;酵母エキス0.001~20.0g;マルトース0.001~100.0g;NaNO3 0.001~10.0g;K2HPO4 0.001~10.0g;MgSO4 0.001~10.0g;KCl 0.001~10.0g;FeSO4 0.001~40.0g;ZnSO4 0.001~5.0g;MnCl2 0.001~5.0g、Twin80 0.001~10mL、チアミン0.001~5.0mg;ビオチン0.001~4.0mg;心臓・脳ブロス0.001~100.0g;寒天0~100g;オロチン酸誘導体0.001~500g;赤血球0~100mL;細菌成長を阻害する抗生物質(クロラムフェニコール、クロラムフェニコール、セファロスポリン、テトラサイクリンなど)を含む。
【0089】
幾つかの実施形態において、検査システムは、非限定的例がカンジダ属、アスペルギルス属、ムコール属、トリコフィトン属、ブラストミセス属、クリプトコッカス属、ニューモシスティス属、パラコクシジオイデス属、ヒストプラズマ属、コクシジオイデス属、タラロミセス属、スポロトリックス属、エモンシア属、フザリウム属、マラセチア属、ミクロスポルム属、サッカロマイセス属、サプロレグニア属、エリシフェ属、クラビセン、クラドスポリウム属、ビポラリス属、シューム、ヘルミントスポリウム属、アルターナリア属、ペニシリウム属、クリソスポリウム、アルターナリア属、エピコッカム属、オーレオバシジウム属、アブシジア属、クリソスポリウム、ゲオトリクム属、リソプス、ユーロチウム属である真菌(皮膚糸状菌、酵母、カビ)の迅速な成長のために用いられる。
【0090】
幾つかの実施形態において、真菌に対して有効な抗生物質を迅速に選択するために、抗真菌剤は、非限定的例としてアゾール誘導体(ケトコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、およびボリコナゾール)、エキノキャンディン系(アニデュラファンギン、カスポファンギン、アミノカンジン、ミカファンギン)、アリルアミン系(テルビナフィン、Naftin、トルナフタート)、ポリエン系(ナイスタチン、アンフォテリシンB)、フルシトシン、イブレキサファンゲルプ、防腐剤、消毒剤から選択される。
【0091】
幾つかの実施形態において、検査システムは、非限定的例が、胆汁酸塩寒天、チオ硫酸塩・クエン酸塩・胆汁酸塩-スクロース寒天、胆汁エスクリン寒天、血液寒天、チョコレート寒天、チャコール血液寒天、脳心臓浸出液ブロス、シクロセリンフルクトース寒天、シクロセリン卵黄寒天、卵生理食塩水培地、アルカリ性卵培地、血液-消化物寒天およびブロス、フレッチャー寒天、加熱された血液寒天/チョコレート寒天、マッコンキー寒天、マンニトール塩寒天、ヒス血清水培地、レフレル血清ミューラー・ヒントン寒天、栄養寒天、調理肉汁、非栄養寒天、ペプトン水、パイク培地、嫌気的滅菌培地、ロバートソン調理肉汁、半固形寒天、カンピロバクター培地、グラム陰性ブロス、トリプティカーゼ大豆ブロス、チオグリコール酸ブロス、トリプティカーゼ大豆ブロス、最小培地、コーンミール培地、ジャガイモデキストロース寒天、V8ジュース寒天、糞(dung)寒天、酵母エキス、麦芽エキス寒天、(サルモネラ-シゲラ)寒天、ヘクトエンエンテリック寒天、リステリア(リステリアブロス、DMEM、ウシ胎仔血清、ナリジクス酸、FBSの組成物を含む)、テトラチオン酸塩ブロス、サブロー寒天、チャコール酵母エキス寒天、マンニトール塩寒天、LBブロス、LB寒天、コロンビアブロス、コロンビア寒天、ペプティッドミート(Pepted Meat)寒天、MPB、BcS-LM成長培地、ブルセラ寒天、コーンミール寒天、水寒天、エマーソンYpSs寒天、抗生物質寒天、酸性化コーンミール寒天、ジャガイモ人参寒天、麦芽寒天、麦芽エキス寒天、ジャガイモデキストロース寒天、およびそれらの組合わせである培地上で生体試料および/またはバクテリアおよび/または真菌を培養することにより、感染部位で一次病原体(複数可)の特性を制御する細菌モジュレーター(複数可)への作用により、感染部位に存在する最大数のおよび/または多様な無関係な微生物の同時発育を可能にして、様々な方法により微生物の早期発育を登録すること、および培地に添加された抗菌剤の使用の効率を決定すること、を可能にする。
【0092】
幾つかの実施形態において、請求項1および2に記載の検査システムを用いて培養された、およびまだ培養されていない微生物の純粋培養物を得るために、微生物は、抗菌剤を含有する、および/または含有しないゾーンおよび/またはウェルから継代培養される。
【0093】
幾つかの実施形態において、微生物成長(即ち、一次病原体および/または微生物モジュレーター)の出現および/もしくは進行の兆候、または兆候の非存在の分析は、非限定的例の視覚的検査(即ち、肉眼、顕微鏡)、または写真撮影、ビデオ、コンピュータ作成画像による画像検出、測光、自動化プログラムおよび/またはAIアルゴリズムおよび/またはソフトウエアを含むまたは含まない非限定的例のグレースケール値の計算およびヒストグラム計算を伴う比色法、画像認識および画像処理法、分光光度法、スキャナー、レーザーにより行われによって行われ;非限定的例では、培地の表面の分析は、(i)試料とカメラの間の特定の固定された距離、(ii)特定の波長を用いること、(iii)検査システムとカメラの間の特定の角度(非限定的例は、検出センサーに対して1~10度および/または10~30度および/または30~45度および/または45~90度の角度である)によって行われ;特定の期間内に目的の抗菌剤を補充された同じウェルの写真画像の比較もしくはそれらの任意の組合わせ、および/または他のウェルの成長との比較、および/または成長の所定の閾値との比較により行われる。
【0094】
幾つかの実施形態において、検査システムにより得られた結果は、非限定的例が、以下に列挙された期間:0~1時間、0~2時間、1時間~2時間、0時間~3時間、1時間~3時間、2時間~3時間、0時間~4時間、1時間~4時間、2時間~4時間、0時間~5時間、1時間~5時間、2時間~5時間、3時間~5時間、0時間~6時間、1時間~6時間、2時間~6時間、3時間~6時間、4時間~6時間、0時間~8時間、1時間~8時間、2時間~8時間、3時間~8時間、4時間~8時間、0時間~9時間、1時間~9時間、2時間~9時間、3時間~9時間、4時間~9時間、5時間~9時間、0時間~12時間、1時間~12時間、2時間~12時間、4時間~12時間、8時間~12時間、0時間~18時間、1時間~18時間、2時間~18時間、4時間~18時間、6時間~18時間、0時間~24時間、1時間~24時間、2時間~24時間、4時間~24時間、12時間~36時間、24時間~36時間である特定の期間内、またはそれらの任意の組合わせにおける細菌成長(即ち、一次病原体および/または微生物モジュレーター)の出現および/もしくは進行の兆候、または兆候の非存在をモニタリングすることにより抗生物質の有効性を評価する場合、異なる期間にわたり同じウェルの細菌成長の一対比較に基づいて可能な限りすぐに抗菌剤の有効性についてのデータを得ることができる。
【0095】
幾つかの実施形態において、抗生物質有効性は、成長の2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8時間の固定された時間を含む異なる時点で目的の抗生物質を含有するウェルの寒天上で微生物成長(即ち、一次病原体および/または微生物モジュレーター)の出現および/もしくは進行の兆候、または兆候の非存在をモニタリングすることにより評価される。
【0096】
幾つかの実施形態において、生体試料は、抗菌剤濃度の非限定的例が、0~1時間(C0~1時間)、C1~2時間、C0~2時間、C1~2時間、C0~3時間、C1~3時間、C2~3時間、 C0~4時間、C1~4時間、C2~4時間、C3~4時間、C0~5時間、C1~5時間、C2~5時間、C3~5時間、C4~5時間、C0~6時間、C1~6時間、C2~6時間、C3~6時間、C4~6時間、C5~6時間、C0~7時間、C1~7時間、C2~7時間、C3~7時間、C4~7時間、C5~7時間、C0~12時間、C2~12時間、C4~12時間、C6~12時間、C8~12時間、C0~24時間、C6~24時間、C12~24時間である、この抗菌剤投与後の異なる時点で感染部位および/または全身循環で実現可能な抗菌剤の平均濃度に対応する濃度(感染部位での最大濃度未満)で使用される培地に添加された抗菌剤と共に検査システムにプレーティングされる。
【0097】
幾つかの実施形態において、検査システムは、抗菌剤(複数可)を補充された培地を含有し、抗菌剤(複数可)の濃度は、微生物成長を殺滅および/または阻害するのに充分な時間(非限定的例は30分間、2時間、3時間以内の時間である)、感染部位で達成され得る値から選択される。
【0098】
幾つかの実施形態において、請求項1~23によれば、抗生物質有効性モデルは、異なる確率を割り付けられる。
【0099】
幾つかの実施形態において、検査システムは、微生物ミックス中の特定の細菌および/または真菌に対して選択的に活性である抗生物質を可能な限り迅速に(非限定的例は2~6時間である)選択することができる。
【0100】
幾つかの実施形態において、検査システムに添加される抗生物質濃度は、非限定的例が局所、経腸、経口、非経口、吸入、鼻内、直腸、膣である、個体への投与経路に依存する薬物動態の詳細に基づいて選択される。
【0101】
幾つかの実施形態において、検査システム内の抗生物質は、非限定的例が、正常もしくは易感染性免疫応答を有する個体における、耳感染、副鼻腔感染、咳もしくは気管支炎、咽頭痛、肺感染(肺炎、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患、結核、マイコバクテリウム、ヒストプラスマ症、ブラストミセス症、気管支拡張症、膿瘍、蓄膿症)、皮膚および軟組織感染(糖尿病創感染、熱傷、創傷、虫刺され、伝染性膿痂疹、蜂窩織炎/丹毒、毛包炎、皮膚膿瘍、フルンケル、吹き出物、壊死した軟組織感染)、婦人科感染症、母体感染、眼感染、中咽頭感染、消化管の感染(中毒、IBD、炎症性腸疾患)、髄膜炎、敗血症、真菌血症、全身性真菌症、爪真菌症、尿路感染症、性感染症、カンジダ外陰膣炎、小児および肺移植を受けた患者における感染を含むバークホルデリア種により引き起こされた感染、生残菌形成および/もしくはそれらの形成の防止に関連する感染、ならびに/または芽胞形成微生物により引き起こされた感染、ならびに/または再発感染である、バクテリアおよび/または真菌感染を処置するために選択される。
【0102】
幾つかの実施形態において、混合微生物群からのこれまで培養不能であった微生物(PPおよび/またはMM)の単離を可能にする培養培地および抗生物質が、検査システムにおいて用いられる(異なる濃度で使用される)。
【0103】
幾つかの実施形態において、薬物候補および/または薬物の抗菌効果は、(1)他の薬物の活性との比較分析、(2)臨床試験のために患者集団を選択すること、(3)ヒトおよび動物への作用の有効性を評価すること、のために混合微生物群(非限定的例は、生体試料中の微生物群である)に対して評価される。
【0104】
幾つかの実施形態において、抗生物質選択のアルゴリズムは、式「C1/x max」の中の「x」値が最高になることにより決定される、有効となる最高の確率の評価に基づく。
【0105】
本特許および特許出願は、色付きで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面(複数可)を含む本特許または特許出願公開のコピーは、それを要請して必要な料金を支払えば、特許庁により提供される。
【図面の簡単な説明】
【0106】
図1】検査システムの調製のための自動または半自動ステーション/複合体の計画を示す。
図2】検査システムの調製のための自動または半自動ステーション/複合体の登録ユニットの計画を示す。
図3】方法(アルゴリズム)#1または方法(アルゴリズム)#2を用いた、24時間の追跡モニタリングを含む肉眼検査による成長の存在の分析を示す:MM-混合培地(コロンビア寒天+ペプティッドミート寒天);LB-ルリアブロス寒天;PMA-ペプティッドミート寒天;CA-コロンビア寒天;SA-シェドラー寒天。
図4】方法(アルゴリズム)#1または方法(アルゴリズム)#2を用いた、24時間の追跡モニタリングを含む顕微鏡検査による成長の存在の分析を示す。MM-混合培地(コロンビア寒天+ペプティッドミート寒天);LB-ルリアブロス寒天;PMA-ペプティッドミート寒天;CA-コロンビア寒天;SA-シェドラー寒天。用いた抗生物質の全組の組合わせデータ。
図5】方法(アルゴリズム)#3を用いた、24時間の追跡モニタリングを含む肉眼検査による成長の非存在の分析を示す。
図6】方法(アルゴリズム)#3を用いた、24時間の追跡モニタリングを含む顕微鏡検査による成長の非存在の分析を示す。MM-混合培地(コロンビア寒天+ペプティッドミート寒天);LB-ルリアブロス寒天;PMA-ペプティッドミート寒天;CA-コロンビア寒天;SA-シェドラー寒天。用いた抗生物質の全組の組合わせデータ。
図7】方法(アルゴリズム)#1または方法(アルゴリズム)#2を用いた、24時間の追跡モニタリングを含む肉眼検査による成長の存在の分析を示す。用いた抗生物質の全組の組合わせデータ。
図8】試験で用いた単一プローブのグレースケールヒストグラムの例を示す。
図9】微生物成長の多様性に及ぼす異なる磁場および/または電磁場の影響を示す。
図10】24時間の追跡モニタリングを含む肉眼検査による成長の非存在の分析を示す。CC-対照;D-DNase;R-RNase;D+R-DNase+RNase。
図11】抗生物質の存在または非存在における通常の磁場、変更された磁場(ホイル)、変更された磁場(ミューシールド材料)での成長下の細菌多様性を示す。
図12】細胞数を増加させるためのホイルの使用を示す(×10倍率)。
図13】微生物の成長に及ぼす異なる新規インキュベーターの影響を示す。
図14】環境条件をモニタリングするためのミューメタル含有装置の使用を示す。
図15】24時間の追跡モニタリングを含む肉眼検査による成長の存在の分析を示す。
図16】細菌成長を調節するためのミューメタルおよび異なる寒天設定の使用を示す。
図17】細菌記憶を調節するためのミューメタルおよび異なる寒天設定の使用を示す。
図18】健康状態をモニタリングするためのミューメタル検査システムの使用を示す。
図19】通常および変更された地磁気条件での微生物成長への光の使用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0107】
発明の詳細な記載
本明細書において本発明者らは、予想に反して初めて、真核および原核細胞成長の新規制御方法を同定し、自動化診断方法および検査システムを開発し、これらの方法およびシステムは、インビボの微生物と同一の微生物の成長をモデル化することにより、ならびに細胞多様性を変化させることによるそのような工程のモデル化および/または調節により、有効な狭域スペクトラム抗生物質、単一細菌(manobacteria)として培養された場合にこの抗生物質が有効でない細菌を含む抗生物質耐性細菌に対して有効な抗生物質、生残菌の形成を防止する抗生物質、;抗菌剤の代謝の個々の詳細を有する生物に関して感染部位または生物に既に存在する生残菌に対して有効な抗生物質、の選択を可能にすることを含む。方法の実行は、以下に提供された実施例を用いてさらに説明される。
【0108】
定義
一次病原体 - 特異的条件で疾患原因物質になり得る微生物。感染部位には、1種または複数の一次病原体が存在し得る。一次病原体は、細菌、真菌(即ち、酵母、カビ)、原虫からなる群から選択され、細菌および真菌の非限定的例は、シュードモナス目、エアロモナス目、レジオネラ目、パスツレラ目、ビブリオ目、バークホルデリア目、アルファプロテオバクテリア綱、スピロヘータ目、ラクトバチルス目、バチルス目、エンテロバクター目、子嚢菌門、担子菌門、ツボカビ門、グロムス門、微胞子虫、粘菌類、卵菌類、接合菌門であり、それらの非限定的例は、エアロモナス属、バチルス属、アシネトバクター属、バルトネラ属、ボルデテラ属、ボレリア属、バークホルデリア属、ブルセラ属、カンピロバクター属、クラミジア属、クラミドフィラ属、クロストリジウム属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、エシェリヒア属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、クレブシエラ属、モラクセラ属、レジオネラ属、レプトスピラ属、リステリア属、マイコバクテリウム属、マイコプラズマ属、ナイセリア属、シュードモナス属、ペニバチルス属、リケッチア属、サルモネラ属、シゲラ属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、トレポネーマ属、ウレアプラズマ属、ビブリオ属、エルシニア属、カンジダ属、アスペルギルス属、ムコール属、トリコフィトン属、ブラストミセス属、クリプトコッカス属、ニューモシスティス属、パラコクシジオイデス属、ヒストプラズマ属、コクシジオイデス属、タラロミセス属、スポロトリックス属、エモンシア属、フザリウム属、マラセチア属、ミクロスポルム属、サッカロマイセス属、サプロレグニア属、エリシフェ属、クラビセン、クラドスポリウム属、ビポラリス属、シューム、ヘルミントスポリウム属、アルターナリア属、ペニシリウム属、クリソスポリウム、アルターナリア属、エピコッカム属、オーレオバシジウム属、アブシジア属、クリソスポリウム、ゲオトリクム属、リソプス、ユーロチウム属である。。
【0109】
微生物モジュレーター - 特異的条件で、一次病原体を直接的または間接的に調整し、抗生物質耐性遺伝子の発現を変更することを含む、抗生物質に対する一次病原体の感受性を増加または減少させることができる微生物。
【0110】
抗生物質有効性 - 「主要病原体」に対する抗生物質有効性は、一次病原体および/または微生物モジュレーターに直接的または間接的に影響を及ぼす(非限定的な選択肢は、殺滅する、除去する、生存数を減少させる、成長を阻害する)それらの抗生物質から選択される。
【0111】
微生物成長の兆候の出現および/または進行は、フィルム、マイクロコロニー、コロニー、菌叢、バイオフィルムの形成、色の変化、色素の色の変化、細胞成長の存在および/または代謝を反映する電気および/または磁気パラメータ、蛍光の変化などを含む。
【0112】
栄養培地 - 微生物成長に適した、ならびに/または一次病原体および/もしくは微生物モジュレーターの培養に用いられる培養培地であり、液体培地、半固形培地、高密度培地である。
【0113】
抗菌剤 - 抗菌剤および/またはその組合わせおよび/またはその順列であり、その非限定的例は、アミノグリコシド系、アンナマイシン、ペニシリン系、マクロリド系、セファロスポロン系、クロラムフェニコール、グリコペプチド系、フルオロキノロン系、高活性のベータラクタム、テトラサイクリン系、キノロン系、スルホサミド系、ストレプトグラミン系、トリメトプリム、スルファメトキサゾール、尿路抗感染薬、リポペプチド系、オキサゾリジノン系、アンナマイシン、ニトロフラントイン、ニトロイミダゾール、リンコサミド系、アゾール系、エキノカンジン、ニトロイミダゾール、ポリエン系抗生物質、トリテルペノイド系、ペプチド抗菌剤、バクテリオファージに加え、防腐剤および消毒剤(即ち、アルコール、アルデヒド、アニリド、ビアグニド、フェノール、ジアミジン、ハロゲン放出薬、金属誘導体、過酸素、第四級アンモニウム化合物、蒸気相)である。
【0114】
Bio adjustable Tetzインキュベーター - 地磁気および/または電磁波暴露および/または地磁気活性の変更および/または地球の磁場の変更の制御および/または調節を可能にする細菌および/または真菌および/または細胞培養物の培養のためのインキュベーターおよび/またはCO2インキュベーターおよび/またはи/илиインキュベーター-温室。
【0115】
Bio adjustable Tetzエンベロープ/コンテナ - 地磁気、輻射線、電磁波放射、地磁気活性の揺れ(wavering)、地球の磁場の変更などの影響を制御および/または調節することができる。
【0116】
非限定的例として哺乳動物起源の組織および流体、例えば唾液、スワブ、喀痰、気管支肺胞洗浄液、膿、滑液、生体液(例えば、血清、胎児血清、血漿、脳脊髄液)、母乳、尿、創傷および/または熱傷材料、手術材料、消化管組織、皮膚、上皮組織、結合組織、筋肉組織、脂肪組織、疎性結合組織、体組織、神経組織、骨組織、軟骨組織、リンパ組織、筋肉組織、線維組織、尿路組織、リンパ組織、肝臓組織、およびそれらの任意の組合わせの少なくとも1つを含み、追加的に、非限定的例として溶媒を添加すること、ホモジナイゼーション、濾過により処理され得る、生体試料。
【0117】
単数形の「1つの(a)」「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈で他に明確に断りがなければ、複数の言及を含む。このため例えば「1つの方法」という言及は、本明細書に記載された、および/または本開示を読むことで当業者に自明になる、タイプの1つまたは複数の方法および/またはステップを含む。
【0118】
逆転写酵素阻害剤(ネビラピン、ペンシクロビル、テノホビル、ジソプロキシル、ジドブジン、ホスカルネット、エファビレンツ、スタブジン、デラビルジン、ラミブジン、アデホビル、ジピボキシル、エトラビリン、アバカビル)。
【0119】
インテグラーゼ/リコンビナーゼ阻害剤(ラルテグラビル、ドルテグラビル、ビクテグラビル、カボテグラビル)。
【0120】
2,8-ジクロロ-5-(4-ニトロフェニル)-5,9-ジヒドロ-4H-ピリミド[5’,4’:5,6]ピラノ[2,3-d]ピリミジン-4,6(1H)-ジオン(VTL)。
【0121】
プロテアーゼ阻害剤(アスナプレビル、ボセプレビル、グラゾプレビル、グレカプレビル、パリタプレビル、シメプレビル、テラプレビ(Telaprevi)、アムプレナビル、アタザナビル、ダルナビル、ホサムプレナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、チプラナビル)。
【0122】
実施例
本発明はまた、以下の実施例を用いて記載および実証される。しかし、本明細書におけるこれらおよび他所の実施例の使用は、例示に過ぎず、本発明の、または任意の例証された用語の範囲および意味を限定するものではない。同様に本発明は、本明細書に記載された任意の固有の好ましい実施形態に限定されない。事実、本発明の多くの改変および変形形態が、本明細書を読むことで当業者に自明になり得て、そのような変形形態は、本発明の主旨または範囲から逸脱することなくなされ得る。それゆえ本発明は、添付の特許請求の範囲で権利を与えられた均等物の全範囲と共にそれらの特許請求の範囲の用語のみにより限定されるものとする。
【0123】
実施例1.検査システムの調製、生体試料の処理、検査システムの処理、データ登録および分析のための自動化検査システム
個々のプログラムされた特性を有する検査システムの調製のための自動または半自動ステーション/複合体である装置の例を、図1に提示する。
【0124】
登録ユニットの例を、図2に提示する。
【0125】
図1および2は、検査システムの調製、生体試料処理、検査システム処理、データ登録および分析のための自動化検査システムの可能な構造を示す。
【0126】
実施例2.データ解析のための最適な視覚化角度の決定
本発明者らは、視覚化角度がデータ解析の速度および精密さに影響を及ぼし得るかを試験した。
【0127】
本発明者らは、嚢胞性線維症の患者からの気管内吸引物および喀痰試料をプレーティングした。試料を、PBSに溶解し、成長面積1.9、0.95、0.32cm2の混合培地(コロンビア寒天+ペプティッドミート寒天+5%赤血球)を充填したマルチウェルプレートのウェルにプレーティングされた。プレートを異なる角度の下、肉眼で視覚化して、マイクロコロニーまたは菌叢の存在の分析を行った。ペトリ皿寒天プレート上の個々のコロニーの全てが融合して、細菌のフィールドまたはマットを形成すると、菌叢は、細菌コロニーが出現したとして示唆された。データを、表1および2に提示する。
【表1】
【表2】
【0128】
これらの結果は、微生物成長の兆候としての「マイクロコロニーの出現」が任意の視覚化角度での菌叢と比較して、抗生物質有効性のより迅速な評価を可能にすることを明確に示している。驚くべきことに、本発明者らは、視覚化角度の変化が、微生物成長を有意に迅速に視覚化し得ることを見出した。
【0129】
実施例3.抗生物質選択の速度および正確さに及ぼすデータ解析アルゴリズムの影響
人工呼吸器関連肺炎の患者からの気管内吸引物(n=3)、喀痰(n=3)、BAL(n=3)、創傷スワブ(n=3)を、PBSに再懸濁し、0.15μLを、混合培地(コロンビア寒天+ペプティッドミート寒天)(MM);ルリアブロス(LB)寒天;ペプティッドミート寒天(PMA);コロンビア寒天(CA);またはシェドラー寒天(SA)を充填した24ウェルプレート検査システムにプレーティングした。
【0130】
22ウェルに、抗生物質(薬物投与の0~4時間後に肺内で実現される各抗生物質の平均濃度で使用される):アンピシリン、セフトリアキソン、セフタジジム、セフェピム、ピペラシリン-タゾバクタム、メロペネム、バンコマイシン、クリンダマイシン、シプロフロキサシン、イミペネム、レボフロキサシン、トブラマイシン、アミカシン、リネゾリド、トブラマイシン、ピペラシリン-タゾバクタム、セフタジジム+トブラマイシン、ピペラシリン-タゾバクタム+トブラマイシンを補充した培地を充填した。2つのウェルは、抗生物質不含であった。
【0131】
生体試料を、滅菌スワブで寒天をわずかに押して円形に運動することにより、培地にプレーティングした。プレートを、37℃でインキュベートし、微生物成長の存在/非存在の分析を、肉眼で、または12mpカメラを搭載した20×倍率のAmScope顕微鏡で、プレーティング後0時間~5時間は15分ごとにモニタリングし、その後、5時間~8時間ならびに18および24時間目は1時間ごとにモニタリングした。
【0132】
細菌成長を分析する3種の方法(アルゴリズム)を、用いた。
【0133】
方法(アルゴリズム)#1。検査技師は、特定の時点で抗生物質(複数可)を補充した各ウェルの細菌成長の兆候を、過去の時点(複数可)の同じウェルの細菌成長の兆候と比較することにより、細菌成長の出現を分析した。
【0134】
方法(アルゴリズム)#2。検査技師は、抗生物質(複数可)を補充した各ウェルの細菌成長の兆候を、抗生物質不含対照の細菌成長と比較することにより、細菌成長の出現を分析した。
【0135】
方法(アルゴリズム)#3。検査技師は、3.0時間、3.5時間、4時間および24時間の一定期間でウェルの細菌成長の非存在を分析した。結果を、表3および4に示す。
【表3】
【表4】
【0136】
結論:抗生物質を補充した単一のウェルの中で経時的に微生物成長の出現(進行)を比較することにより、細菌成長の存在を分析すること(方法(アルゴリズム)#1による)は、対照の抗生物質不含ウェルと比較して抗生物質を補充したウェルでの細菌成長の存在を分析することにより細菌成長の存在を評価する場合、方法(アルゴリズム)#2と比較して、有効な抗生物質のより迅速な選択を可能にする。
【0137】
次に本発明者らは、最初の24時間の成長までの進行に関する微生物成長の早期兆候をモニタリングすることにより得られた結果がどれほど正確であるかを分析した。本発明者らは、検査システムに従って抗生物質が2.5~5時間の最初の時点で有効であった(微生物成長なし)が、その後、微生物成長が、次の24時間の培養の間にマイクロコロニーが出現するまで進行した場合として定義される、可能性のあるベリーメジャーエラー(very major error、VME)に特に関心を持った。データを、図3、4に提示する。
【0138】
結論:認められるように、特定の時点で抗生物質(複数可)を補充した各ウェルでの細菌成長の兆候を、過去の時点で同じウェルでの細菌成長の兆候と比較する方法(アルゴリズム)#1を用いることは、有意に少ない量のベリーメジャーエラーでより正確なデータ解析を提供する。混合培地の使用は、他の培地と比較してより正確な結果を提供する。顕微鏡の使用は、受け取ったデータの精度を上昇させる。
【0139】
本発明者らは次に、異なる一定時点での細菌成長の非存在の分析が、次の24h培養の間の微生物成長の次の進行に関してどれほど正確であるかをモニタリングした(図5)。
【0140】
結論:認められるように、本発明者らが細菌成長の非存在をモニタリングする場合に方法(アルゴリズム)#3を用いることは、方法(アルゴリズム)#2よりも迅速に時点で信頼性のある結果を提供する。混合培地の使用は、他の培地と比較してより正確な結果を提供する。顕微鏡の使用は、受け取ったデータの正確さを非有意に上昇させる。
【0141】
実施例4.真菌の多様な迅速培養に用いられる新規培地組成物
真菌培養のための新規な培地(混合培地1)を、以下のとおり調製した:以下の重量部の培地成分を、調製した(1リットルあたり):ジャガイモ煎じ汁200g;トウモロコシ粉チンキ剤50ml;オーツ麦粉煎じ汁350ml;ジャガイモ・人参煎じ汁300ml;スクロース30g;セロビオース20g;酵母エキス4g;マルトース40g;NaNO3 2.0g;K2HPO4 1.0g;MgSO4 0.5g;KCl 0.5g;FeSO4 1g;ZnSO4 0.1g;MnCl2 0.1g、Twin80 10mL。
【0142】
混合培地1(MM1)を、120℃、1.0atmで20分間オートクレーブ処理することにより滅菌した。真菌成長の多様性および速度を評定するために、Human Microbiology Instituteのコレクションからの異なる真菌を、MM1またはサブロー寒天に配置し、6時間未満の視覚的真菌成長の観測を、評定した。
【0143】
特許請求された栄養培地MM1とサブロー寒天との比較の結果を、表5に示す。
【表5】
【0144】
結果の分析から、発表された栄養培地MM1は、真菌培養で用いられる他の広範囲で用いられる栄養培地と比較して6時間未満で最大数の真菌の培養を可能にすることが示された。
【0145】
実施例5.抗真菌抗生物質の選択の速度および正確さに及ぼすデータ解析アルゴリズムの影響
C.アルビカンス、非アルビカンスカンジダ種、アスペルギルス種により引き起こされた口腔カンジダ症が確認された患者の口腔スワブ(n=6)を、PBSに溶解し、0.1μLを、混合培地1(上記参照)、混合培地2(サブロー寒天+ジャガイモデキストロース寒天+ビタミンB12+B7)(MM2)、サブロー寒天(SA)、ジャガイモデキストロース寒天(PDA)、サブロー心臓浸出液(SABHI)寒天を充填した12ウェルプレート検査システムにプレーティングした。11ウェルに、抗生物質(薬物投与後の異なる時点で肺内で実現された各抗生物質の平均濃度で使用される)、つまりナイスタチン、アンフォテリシンB、クロトリマゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、テルビナフィン、ポサコナゾール、ボリコナゾール、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギンを補充した培地を充填した。1つのウェルは、抗生物質不含であった。
【0146】
プレートを、30℃でインキュベートし、微生物成長の存在/非存在の分析を、肉眼でプレーティング後0時間~5時間は15分ごとにモニタリングし、その後、5時間~8時間およびその後、18および24時間目は1時間ごとにモニタリングした。
【0147】
真菌成長を分析する3種の方法(アルゴリズム)を、用いた。
【0148】
方法(アルゴリズム)#1。検査技師は、特定の時点で抗生物質(複数可)を補充した各ウェルの真菌成長の兆候を、過去の時点(複数可)の同じウェルでの真菌成長の兆候と比較することにより、真菌成長の出現を分析した。
【0149】
方法(アルゴリズム)#2。検査技師は、抗生物質(複数可)を補充した各ウェルの真菌成長の兆候を、抗生物質不含対照での真菌成長と比較することにより、真菌成長の出現を分析した。
【0150】
方法(アルゴリズム)#3。検査技師は、3.5時間、5時間および24時間の一定期間でウェルの真菌成長の非存在を分析した。結果を、表6に示す。
【表6】
【0151】
結論:抗生物質を補充した1つのウェルの中で経時的に真菌成長の出現(進行)を比較することにより、真菌成長の存在を分析すること(方法(アルゴリズム)#1)は、同じ期間の対照抗生物質不含ウェルと比較して抗生物質を補充したウェルでの細菌成長の存在を分析することにより真菌成長の存在を評価する場合の方法(アルゴリズム)#2と比較して、有効な抗生物質のより迅速な選択を可能にする。
【0152】
次に、本発明者らは、最初の24時間間の成長までの進行に関する真菌成長の早期兆候をモニタリングすることにより得られた結果がどれほど正確であるかを分析した。本発明者らは、検査システムに従って抗生物質が4~8時間の最初の時点で有効であった(細菌の成長なし)が、その後、それが、次の24時間培養の間に成長の出現に進行した場合として定義される、可能性のあるベリーメジャーエラー(VME)に特に関心を持った。データを、図7に提示する。
【0153】
結論:認められるように、方法(アルゴリズム)#1を用いることは、有意に少ない量のベリーメジャーエラーでより正確なデータを提供する。混合培地1および混合培地2の使用は、他の培地と比較してより正確な結果を提供する。
【0154】
実施例6.微生物成長の存在を分析するためのコンピュータ作成画像の使用
VAPの患者から以前用いられたものと同じ喀痰試料を、PBSに再懸濁し、0.2μLを、エッペンドルフシングルチャネルピペットで、抗生物質を添加されていない混合培地(コロンビア寒天+ペプティッドミート寒天+10%赤血球)を充填した12ウェルプレート検査システムにプレーティングした。
【0155】
プレートを、37℃でインキュベートし、微生物成長の存在/非存在の分析を、(i)肉眼、または(ii)通常の設定のiPhoneXで撮影した画像で、0時間~5時間に15分ごとにモニタリングした。(i)および(ii)の両者に関して、本発明者らは、目/カメラから10cmの一定距離および60°の角度での一定の設定を利用した。デジタルカメラで撮影した画像を、グレースケールに変換し、その後、画像ヒストグラムを、オンラインソフトウエアhttps://www.dcode.fr/image-histogramによって作成した。結果を、表7および図8に示す。
【表7】
【0156】
認められるように、画像解析ソフトウエアの使用は、肉眼と比較してより迅速かつより信頼性のある結果を提供する。
【0157】
実施例7.選択した栄養培地で成長を与える細菌タイプの調節のためのホイルまたはミューメタルシールディングの使用
本発明者らは次に、磁場の変更が栄養培地で成長した細菌の多様性に影響を及ぼし得るかを試験した。そのために本発明者らは、コロンビアおよびペプティッドミート寒天で構成した培地に生体試料(喀痰)50μLをプレーティングし、通常または変更された磁場/電磁場の下、37℃および異なる時点でインキュベートした。本発明者らは、細菌をミューシールド材料内で成長させることにより、またはホイル内に配置したペトリ皿にプレーティングすることにより、変更された磁場を調整した。
【0158】
顕微鏡検査を、Nikon Eclipse Ti(Nikon Plan Fluor ×100/1.30 Oil Ph3 DLLおよびPlan Apo ×100/1.40 Oil Ph3対物レンズ)顕微鏡を用いて実施した。細菌の形態を、メチレンブルーまたはグラム染色(Sigma)で細胞膜を染色することにより決定した。結果を、表8および図9に示す。
【表8】
【0159】
細菌の多様性が、磁場および/または電磁場の変更後に有意に異なったこと、ならびに非限定的例がホイルおよびミュー材料の使用である、磁場および/または電磁場の変更を、微生物多様性の調整に用いることができること、が明確に認められた。
【0160】
実施例8.細菌成長の速度に及ぼすヌクレアーゼの影響
肺炎患者からの気管内吸引物(n=3)、喀痰(n=3)、BAL(n=2)、創傷スワブ(n=3)を、PBSに溶解し、0.1μLを、混合培地(コロンビア寒天+ペプティッドミート寒天+10%赤血球)を充填した12ウェルプレート検査システムにプレーティングした。9ウェルに、100μg/mLまでの異なる濃度で使用されるヌクレアーゼ(DNase I、RNase、DNase+RNase)を補充した培地を充填した。
【0161】
プレートを、37℃でインキュベートし、微生物成長の存在/非存在の分析を、プレーティングの0時間~5時間後は15分ごとに、その後、5時間~8時間、その後、18および24時間目は1時間ごとに、肉眼で、または12mpカメラを搭載した20×倍率のAmScope顕微鏡でモニタリングした。結果を、表9に示す。
【表9】
【0162】
次に、本発明者らは、最初の24時間間での成長までの進行に関する微生物成長の早期兆候をモニタリングすることにより得られた結果がどれほど正確であるかを分析した。本発明者らは、検査システムに従って抗生物質が2.5~5時間の最初の時点で有効であった(細菌の成長なし)が、その後、それが次の24時間培養の間に成長の出現まで進行した場合として定義される、可能性のあるベリーメジャーエラー(VME)に特に関心を持った(図10)。
【0163】
結論.ヌクレアーゼを補充した培地での生体試料の培養および/または異なる濃度のヌクレアーゼによる生体試料の処置は、より少ない誤差数で、細菌のより急速な成長および成長の早期段階での成長のより精密な分析を可能にする。
【0164】
実施例9.抗菌剤の存在下での細菌多様性および微生物感受性に及ぼす磁場および/または電磁場の変更の影響
本発明者らは次に、磁場の変更が栄養培地で成長した細菌の多様性に影響を及ぼし得るかを試験した。そのために本発明者らは、コロンビアおよびペプティッドミート寒天で構成した培地に生体試料(喀痰)50μLをプレーティングし、通常または変更された磁場/電磁場の下、37℃および異なる時点でインキュベートした。本発明者らは、細菌をミューシールド材料内で成長させることにより、またはホイル内に配置したペトリ皿にプレーティングすることにより、変更された磁場を調整した。抗生物質を、投与後4時間の間に感染部位で実現可能な平均濃度として直接培地に添加した。
【0165】
抗生物質有効性を、24時間の培養のうちに肉眼で検出した細菌成長の存在または非存在により決定した。顕微鏡検査を、Nikon Eclipse Ti(Nikon Plan Fluor ×100/1.30 Oil Ph3 DLLおよびPlan Apo ×100/1.40 Oil Ph3対物レンズ)顕微鏡を用いて実施した。細菌の形態を、メチレンブルーまたはグラム染色(Sigma)で細胞膜を染色することにより決定した。結果を、表10、11および図11に示す。
【表10】
【表11】
【0166】
結論.ミューメタルまたはホイルで調整した異なる磁場および/または電磁場における細菌の成長が培地で成長を与える微生物の多様性に差次的に影響を及ぼしたことが、明確に認められる。それはまた、異なるタイプの細菌の選択および特定の細菌種の過剰な成長を可能にする。ミューメタルでの磁場/電磁場シールディングは、ミックス中のグラム陰性桿菌の多様性を上昇させ、ホイルの使用は、ミックス中のグラム陰性菌およびグラム陽性菌の多様性を上昇させ、成長を与える表現型の数を増加させる。
【0167】
実施例10.真核細胞の成長および特徴に及ぼす磁場および/または電磁場の変更の影響
本発明者らは次に、磁場の変更が真核細胞の成長に影響を及ぼし得るかを試験した。そのために、48時間の単相からの合計5×105個のCHO-K1細胞を、10%ウシ胎仔血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen)を補充したDMEM培養培地(Gibco)を含むペトリ皿において湿潤5%CO2中、37℃で24時間、成長させた(Sanyo MCO-19AIC)。
【0168】
本発明者らは、50ミクロンのホイルで作製したホイルボックス内で細菌を成長させることにより、変更された磁場を調整した。顕微鏡検査を、Axiovert 40 CFL(Zeiss)で行った。結果を、表12および図12に示す。
【表12】
【0169】
このデータは、ホイルの使用が細胞の合成活性および細胞数を増加させることを明確に示している。
【0170】
実施例11.真核細胞成長を調整するためのミューメタルの使用
真核細胞成長の加速におけるミューメタルの役割を評定するために、本発明者らは、C.グラブラタMR-V32を使用した。酵母検査のための標準の接種数は、2.5×10e3CFU/mlであり、真菌を、サブローブロス中、35℃での24時間のインキュベーションで培養した。対照真菌を、Sanyoインキュベーター(MCO-19AIC)で成長したか、またはSanyoインキュベーター(MCO-19AIC)内に配置した自社製ミューメタルエンベロープ内に配置した、またはSanyoインキュベーター(MCO-19AIC)内に配置したミューメタルボックス内に配置した。6および24時間の成長後のベースラインのOD600を、NanoDrop OneC分光光度計(ThermoFisher Scientific、米国MA州ウォルサム)を用いて評定した。結果を、表13に示す。
【表13】
【0171】
これらのデータは、ミューメタル内での真核細胞の培養が、細胞の合成活性および細胞数を増加させることを示している。
【0172】
実施例12.一意的特性を有する微生物の成長および/または感染部位での微生物成長のための現実の状態の調整のための新規インキュベーターの使用
本発明者らは、微生物が特別に開発されたインキュベーターで培養した場合と、市販のインキュベーターで培養した場合の、直接の感染部位での微生物の特徴を比較した。
【0173】
本発明者らは、市販のインキュベーターとして、地磁気を上昇させる強磁性のSanyo鉄およびニッケルチャンバー、および地磁気を低下させる銅チャンバーの反磁性を有するHeracell 150i CO2インキュベーター(Thermo Fisher Scientific)とを使用した。
【0174】
本発明者らは、4つのタイプの特別に開発されたインキュベーター(Bio adjustable Tetzインキュベーター)を開発した。
【0175】
原型1 - 反磁性層によって互いに分離されたミューメタル層およびホイル層が付加したインキュベーター
【0176】
原型2 - 反磁性層によって互いに分離されたミューメタル層およびホイル層が付加したインキュベーター
【0177】
原型3 - チャンバーにミューメタルが付加したインキュベーター
【0178】
原型4 - 反磁性可塑性層によって互いに分離されたホイル層が付加されたインキュベーター、チャンバーにミューメタルが付加したインキュベーター
【0179】
生体試料(唾液)を、90mmペトリ皿(Corning)内のコロンビアおよびペプティッドミート寒天で構成された培地にプレーティングした。
【0180】
結果を、図13に示す。
【0181】
本発明者らは、意外にも、インキュベーター内の地磁気の変更が微生物の成長に差次的的に影響を及ぼすことを見出した。異なるインキュベーター(Bio adjustable Tetzインキュベーター)の使用は、地球の地磁気、外部磁場、成長の間に微生物により生成された自身による電磁場に差次的に影響を及ぼし、異なる特性、即ち異なる合成活性を有する微生物を得ることを可能にする。
【0182】
実施例13.環境条件、輻射線および生態をモニタリングするためのミューメタル含有装置の使用
本発明者らは、環境、気候および地磁気条件をモニタリングするための装置として、ミューメタル製ボックスを使用した。そのために、本発明者らは毎日、ミューメタルボックス内に配置された90mmガラス製ペトリ皿上のコロンビア寒天の表面に微生物(芽胞形成物を含む)をプレーティングして、37℃で24時間培養した。本発明者らは、バイオフィルム形態の変更を分析し、これらの変更を地磁気嵐に割り付けた。結果を、図14に示す。
【0183】
認められるように、ミューメタル内で微生物を培養することにより、地磁気嵐および他の変更、ならびに磁気圏の撹乱を検出することが可能である。
【0184】
実施例14.特異的微生物群の成長を制御するために培養培地に添加した補充物質
本発明者らは次に、トランスクリプターゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、リコンビナーゼ/インテグラーゼ阻害剤、ヌクレアーゼを含む異なる化合物によって、生体試料から成長した細菌多様性を調節することができるかを試験した。そのために本発明者らは、10%赤血球を補充したコロンビアおよびペプティッドミート寒天で構成された培地に生体試料10μLをプレーティングして、37℃で異なる時点でインキュベートした(表14)。
【表14】
【0185】
細菌多様性を調整するための化合物の有効性を、18時間の培養後に特定の形態学的特徴を有する細菌の存在または非存在により決定した。
【0186】
顕微鏡検査を、Nikon Eclipse Ti(Nikon Plan Fluor ×100/1.30 Oil Ph3 DLLおよびPlan Apo ×100/1.40 Oil Ph3対物レンズ)顕微鏡を用いて実施した。細菌形態を、細胞膜をメチレンブルーまたはグラム染色で染色することにより決定した。結果を、表15に示す。
【表15】
【0187】
この実施例で列挙された異なる化合物ならびにヌクレアーゼおよびプロテイナーゼの使用後に、細菌多様性が有意に異なることが、明確に認められた。列挙された化合物の使用は、細菌の異なるタイプの選択、および特定の細菌種の過剰な成長を可能にした。
【0188】
実施例15.これまで培養不能であった細菌を選択するための検査システムの使用
アルツハイマー病患者の舌から得られたスワブを、高密度培地:(i)コロンビアおよびペプティッドミート寒天、または(ii)LB寒天、または(iii)5%ヒツジ赤血球、抗生物質、ヌクレアーゼを補充した、もしくは補充していないコロンビア寒天、にプレーティングした。
【0189】
寒天に添加したヌクレアーゼは、100μg/mLで使用されるDNase I、RNase(全てSigma-Aldrich)、またはそれらのミックスであった。プローブを、37℃で24時間培養した。異なる形態型のコロニーを、抗生物質またはヌクレアーゼを含む、または含まない適切な寒天培地に、続く24時間の間に37℃で再度プレーティングした。このサイクルを、顕微鏡検査により一定サイズの(momospaces)コロニーを得るために数回繰り返した。結果を、表16に示す。
【表16】
【0190】
認められるように、培地に添加された異なる賦形剤は、細菌の成長に差次的に影響を及ぼし、それらの幾つかは、より多様な範囲の微生物の成長を可能にした。
【0191】
本発明者らは次に、幾つかの賦形剤を有する、または有さないプローブ間で比較した、一意的である(コロニーの形態または顕微鏡検査に基づく)細菌種を同定した。「一意的」と同定された細菌の数を、表17に列挙する。
【表17】
【0192】
認められるように、異なる化合物の添加は、生体試料中に存在する細菌の成長を可能にしたが、標準法に従えば成長していなかった。その後、ゲノムDNAを、ゲノムDNA精製キット(QIAmp)を用いて抽出した。16S rRNA遺伝子を、汎用細菌プライマー27Fおよび1492Rで増幅し、SeqMan v7ソフトウエアを用いてアセンブルした。ストレプトコッカス・オラクルス(oraculs)sp.nov.の16S rRNA遺伝子は、S.ニューモニエと95%の配列同一性を保有し、M.ミティスと94%の配列同一性を保有する。
【0193】
ペアエンドライブラリ(300bp長)を、TruSeq DNA試料調製キットを用いて調製し、その後、HiSeq 2500装置(Illumina、米国)を用いてシーケンシングした。試料に、製造業者の使用説明に従ってライブラリ調製およびシーケンシングを行った。
【0194】
生データの配列リードを、Trimmomatic(v0.38)でクリーニングしてIlluminaアダプターを除去し、スライディング4塩基ウィンドウ内にトリミングし、塩基あたりの平均品質が15未満に低下する場合に切除した。Bowtie 2(v2.3.4.2)によるヒト参照ゲノム(GRCH38)への割り付けにより、混入したヒト配列を除去し、割り付けられていないリードペアのみを回収した。ドラフトゲノムを、SPAdes v3.7.1およびデフォルトパラメータを用いてアセンブルした。アセンブルされた20のコンティグは、150フォールドの平均k-merカバレッジ、1,970,714bpの全長、41.6%のGC含量を有した。インシリコDNA-DNAハイブリダイゼーションを、ゲノム・トゥー・ゲノム・ディスタンス・カルキュレータ(Genome-to-Genome Distance calculator)を用いて行った。
【0195】
結果から、S.オラクルスsp.nov.のゲノムが、関連する種(即ち、それぞれ24.60%および32.20%の類似性値を有するS.ニューモニエおよびS.ミティス)の代表的菌株のゲノムと明確に異なり、DNA-DNAハイブリダイゼーションでは70%カットオフ未満であることが、明らかとなった。
【0196】
実施例17.PPに対して可能な限り狭い範囲の活性を有する有効な抗生物質を選択するために記載された方法の使用
有効であると選択された抗生物質の分析を、提案された方法と、生体試料の直接プレーティングと、標準のAST法(微量液体希釈法)と、を対比させて使用して、有効であることが示唆された抗生物質の喀痰試料への添加後の一次病原体緑膿菌の消失により分析した。本発明者らは、成人CF患者からの確認済み緑膿菌感染を有する5つの喀痰試料を使用した。
【0197】
各喀痰試料を、4部に分割した(p1、p2、p3、p4)。
【0198】
P1試料を、PBS 1.0mlで再懸濁して、0~4時間で感染部位で実現され得る平均濃度で添加した抗生物質を含む固体栄養培地を含有するウェルにプレーティングし、37℃で24時間培養した(提案された方法)。
【0199】
P2を、0~4時間で感染部位で実現され得る平均濃度で添加した抗生物質を含む固体栄養培地を含有するウェルに直接プレーティングし(再懸濁されない)、37℃で24時間培養した。
【0200】
P3を、日常的な微量液体希釈法で処理する。緑膿菌に対する抗生物質有効性を、Clinical and Laboratory Standards Instituteの推奨に従って許容できる、または耐性がある、として分類した。
【0201】
用いられた狭域スペクトラム抗生物質:アズトレオナム、バンコマイシン、コリスチン、セファレキシン
【0202】
次に本発明者らは、P1~P3の中で有効であると選択された抗生物質の有効性を検査して、それらを生体試料の残りの部分に添加した(P4として記す)。生存する緑膿菌の数CFU/mlを、評価した。(i)4log10または(ii)全除去数、による緑膿菌CFU/mlの減少は、有効であると示唆した。結果を、表18に示す。
【表18】
【0203】
認められるように、意外にも提案された方法は、生体試料が培地に直接プレーティングした場合の方法と比較して、および標準的ASTと比較して、より高速での狭域スペクトラム抗生物質選択を可能にした。狭域スペクトラム抗生物質の選択は、抗生物質耐性の伝搬を低減するための抗生物質管理責任にとって重大である。その上、多くの場合、提案された方法で選択した狭域スペクトラム抗生物質は、より頻繁に緑膿菌を完全に除去することができたを、他の方法はできなかった。
【0204】
実施例18.目的の微生物を間接的に根絶する抗生物質レジメンを開発するための記載された方法の使用
本発明者らは、緑膿菌(一次病原体)に対して間接的に活性な抗生物質を、緑膿菌に対して直接有効でない抗生物質から選択するために、上記方法を利用した。本発明者らは、上記実験からの生体試料を使用した。緑膿菌に対して活性でないこと(標準の微量液体希釈法による)が知れられる2種の抗生物質バンコマイシンおよびセファレキシンを、公知のシュードモナスと共に喀痰試料に添加した。本発明者らは、緑膿菌に対して間接的に活性であるこれらの抗生物質を、混合バイオフィルム中の緑膿菌を除去するのにどのようにして有効になり得るかを評価した(表19)。
【表19】
【0205】
認められるように、提案された方法は、緑膿菌に対して間接的に活性である抗生物質の選択を可能にし、緑膿菌を直接標的化することなくこの病原体を根絶することが可能であったが、標準的AST(微量液体希釈法)は、そのような薬物を有効と同定することができなかった。
【0206】
実施例19.一次病原体に対してのみに行い、培地上で可視の成長を与える全ての微生物に対して行わない抗生物質選択の方法
肺感染症を有する患者からの4つの喀痰試料を、用いた。MALDI-TOFによる、試料中で同定された一次微生物の上位4種の細菌量を、表20に列挙する。各微生物の純粋細菌培養は、日常的な微生物学的方法により得られた。結果を、表20に示す。
【表20】
【0207】
一次病原体に対する最小阻害濃度(MIC)を、メロペネム、セフェピム、セフタジジム、アミカシンに関して微量液体希釈法により決定した。
【0208】
PPに対する特定の抗生物質のMICが、16μg/mLを超える場合、PPは、耐性であることが示唆された。この場合、MICが16μg/mLのこの抗生物質を、以下の試験で用いた。PPのみ、または微生物モジュレーター(MM)のみ、または元の喀痰を、5%赤血球を補充し、PPに対して決定されたMICで添加されるが16μg/mL以下の抗生物質を補充した栄養コロンビア寒天を充填した24ウェルプレートのウェルにプレーティングし、37℃で24時間インキュベートした。結果を、表21に示す。
【表21】
【0209】
表に認められるように、PPに対する抗生物質有効性のデータは、細菌を単独で培養した場合と、MMと共に培養した場合とで異なる。それぞれ細菌セット#1および2におけるメロペネムおよびセフェピムに関して認められるように、PPは、単一細菌培養として成長させた場合にはこれらの抗生物質に対して耐性であるが、混合培養の形態でMMと一緒に培養した場合、驚くべきことに抗生物質に対して感受性になり、培地での成長を与えなかった。
【0210】
逆の効果を、細菌ミックス#3、4で認められ、セフタジジムおよびアミカシンは、緑膿菌を単独で培養した場合に緑膿菌(一次病原体)に対して活性でなかったが、MMと一緒に成長させると、同じ抗生物質が、このPPを根絶することができたが、微生物ミックス中の他の細菌は、成長し続けた。
【0211】
認められるように、意外にも提案された方法は、培地上で可視の成長を有する混合プローブ中でも、有効な抗生物質の選択を可能にする。
【0212】
実施例20.細菌成長の出現のタイミングでの希釈使用の役割
本発明者らは、肺炎(市中感染、院内感染、人工呼吸器関連)、嚢胞性線維症の患者、肺移植前の患者、慢性閉塞性疾患の患者から単離した生体試料(3つの喀痰、3つの気管支肺胞洗浄液、3つの喉スワブ、糖尿病創傷潰瘍からの3つの剥離組織(scapings))を使用した。
【0213】
生体試料を、全て5%赤血球を補充した固形栄養培地コロンビアおよびペプティッドミート寒天、LB寒天、コロンビア寒天にプレーティングした。
【0214】
群1-直接プレーティング
【0215】
群2-60秒間のボルテックス処理の後にプレーティング
【0216】
群3-生体試料1mlまたはスワブ1つにPBS 1mlを添加した後にプレーティング
【0217】
群4-生体試料1mlまたはスワブ1つにPBS 1mlを添加して60秒間ボルテックス処理の後にプレーティング
【0218】
プローブを、37℃でインキュベートし、各プローブ内での細菌成長の出現の視覚的モニタリング、および肉眼による45°の角度でのプレートの観察により細菌の成長を1時間に1回分析した。結果を、表22に示す。
【表22】
【0219】
次に本発明者らは、最初の24時間の間に成長まで進行することに関して微生物成長の早期兆候をモニタリングすることにより得られた結果がどれほど正確であるか分析した。本発明者らは、検査システムに従って抗生物質が2.5~5時間の最初の時点で有効であった(細菌の成長なし)が、その後、それが、次の24時間の培養の間に成長の出現まで進行した場合として定義される、可能性のあるベリーメジャーエラー(VME)に特に関心を持った(図15)。
【0220】
認められるように、意外にも、プローブサンプリングの前の溶媒および/またはボルテックス処理の使用は、細菌成長の速度、ならびに細菌成長の出現および進行の正確さを有意に上昇させた。
【0221】
実施例21.生残菌に対して有効な抗生物質の選択のため、および/または生残菌の抗生物質誘発形成を防止するための4時間未満の提案された方法の使用
肺疾患患者からの病理学的材料(喀痰)を、5%赤血球を補充されて異なる濃度で採用した抗生物質を添加した栄養培地を充填した24ウェルプレートのウェルにプレーティングした。
【0222】
群#1-抗生物質を、感染部位で実現され得る最大(ピーク)濃度Cmaxに近い濃度で使用した。
【0223】
群#2-抗生物質を、抗生物質投与の0~4時間後に感染部位で実現可能な平均濃度で使用した(C0-4時間)。
【0224】
アルゴリズム#1.検査技師は、特定の時点で抗生物質(複数可)を補充した各ウェルの細菌成長の兆候を、過去の時点(複数可)の同じウェルでの細菌成長の兆候と比較することにより、細菌成長の出現を分析した。
【0225】
アルゴリズム#2.検査技師は、抗生物質(複数可)を補充した各ウェルの細菌成長の兆候を、抗生物質不含対照での細菌成長と比較することにより、細菌成長の出現を分析した。
【0226】
アルゴリズム#3-微量液体希釈法を用いた標準の抗生物質感受性試験。結果を、表23に示す。
【表23】
【0227】
より低い濃度(感染部位で実現可能な最大濃度でない)で使用される抗生物質の使用が混合微生物群における抗生物質有効性のより迅速な評価を実現することができ、その上、抗生物質がCmaxで添加した場合と、C0-4時間濃度で添加した場合を対比すると、有効であると示唆された抗生物質のスペクトラムがプローブ間で異なることが、明確に認められる。
【0228】
次に本発明者らは、提案されたアルゴリズムで選択した抗生物質が有効であることを確認した。成体C57BL/6マウスを、感染の4日前(150mg/kg体重)、感染の1日前(100mg/kg)、および感染の1日後(100mg/kg)にシクロホスファミドを皮下注射することにより、好中球減少症にした。マウスを、2%イソフルランで麻酔し、生体試料(+4℃で貯蔵)を経口的に滴下注入した。手短に述べると、鼻孔を遮断し、マウスを、垂直に60秒間保定したまま、生体試料50μLを肺に吸引させた。
【0229】
群#1-動物(n=8)を、バンコマイシンで72時間処置した。(1)微量液体希釈法、および(2)Cmax濃度で培地に添加した抗生物質による提案された方法により有効であると決定された抗生物質は、C0-4時間濃度で培地に添加した抗生物質を用いる提案された方法によれば無効であると示唆した。
【0230】
群#2-動物(n=8)を、セフェピムで72時間処置した。微量液体希釈法により有効であると決定された抗生物質は、CmaxおよびC0-4時間濃度で培地に添加した抗生物質を用いる提案された方法によれば無効であると示唆した。
【0231】
肺および肝臓を、収集しててリン酸緩衝生理食塩水1mL中でホモジナイズし、その後、組織ホモジネートの10倍系列希釈物を、100μg/mLバンコマイシンまたはセフェピムを補充した5%ヒツジ血液を含むコロンビア寒天にプレーティングした。結果を、表24に示す。
【表24】
【0232】
これらの結果から認められるように、抗生物質を、感染部位で実現可能な最大量より低い濃度(C0-4時間)で使用し、一次病原体に対してのみならず、微生物モジュレーターに対しても選択する、提案された方法に基づいて選択した抗生物質は、生残菌に対して活性である、または生残菌形成を防止する抗生物質のより精密な選択を可能にする。Cmax濃度で使用される抗生物質の使用は、実際に有効である抗生物質(狭域スペクトラムを含む)の多様性を過小評価し、より低い濃度の抗生物質の検査システムへの添加は、より正確な結果を提供する。
【0233】
驚くべきことに、本発明者らは、感染部位で実現可能な最大濃度より低い濃度C0-h4時間での抗生物質添加が、抗生物質がCmax濃度で添加した場合の検査システムと比較してより迅速に抗生物質を選択し得ることを見出した。その上、特定の時点で抗生物質(複数可)を補充した各ウェル内の細菌成長の兆候を、過去の時点で同じウェル内の細菌成長の兆候と比較する場合のアルゴリズム#1の使用は、より迅速なデータ解析を提供する。
【0234】
実施例22.嚢胞性線維症と比較して細菌多様性のより低い疾患の生体試料からの一次病原体に及ぼす細菌モジュレーターの影響の評価
本発明者らは、肺炎、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病創傷、熱傷、関節炎、膀胱炎の患者から単離した生体試料(喀痰、喉スワブ、糖尿病創傷潰瘍からの剥離組織、熱傷からのスワブ、尿、滑液)を用いた。
【0235】
生体試料を、以下のとおり処理した:生体試料1mlまたはスワブ1つにPBS 1mlを添加して、60秒間ボルテックス処理した後、37℃で4時間インキュベートした。
【0236】
微生物多様性を、培養に基づく技術により評定した。同定された微生物が微生物モジュレーターであることを確認するために、本発明者らは、微生物モジュレーターを含む培地および含まない培地から一次病原体を単離して、Illumina HiSeq4000によるトランスクリプトーム分析を利用して抗生物質耐性プロファイルの発現をモニタリングし、一次病原体の抗生物質耐性遺伝子の発現に影響を及ぼす微生物モジュレーターを評価した。
【0237】
一次病原体の抗生物質耐性遺伝子の発現を、UniprotおよびNCBIタンパク質データベースに対して評定した(表25)。
【表25】
【0238】
これらの結果は、小さな細菌多様性を有するプローブであっても、PP内のARGの発現を調整するMMを有し得ることを、明確に示す。
【0239】
実施例23.変更された薬物動態を有する人、抗菌剤に対する感受性が高い人における治療のための有効濃度依存性抗生物質の選択のための個々の抗生物質組成物による検査システム
本発明者らは次に、意外にも、異なる濃度の濃度依存性抗生物質を補充した培地上でのPPおよびMMの組合わせ培養の提案された方法を用いることにより、標準のガイドラインに基づく通常の方法と比較してより安全かつ有効な抗生物質レジメンを開発すること、およびより有効な抗生物質を選択することが可能であることを発見した。
【0240】
本発明者らは、異なる肺感染を有する患者からの喀痰を用いた。各微生物の純粋細菌培養を、日常的な微生物学的方法により得て、細菌同定を、MALDI-TOF分析により行い、生体試料の微生物多様性を、メタゲノミクス分析(16S RNAシークエンシング)により行った。
【0241】
一次病原体を、臨床写真、微生物学的検査および微生物学的分析の記載を受け取った独立した医師との協議に基づいて各感染症例の主要な病原体として選択した。抗生物質に対するPPの感受性を、標準の微量系列希釈法を用いて評価した。結果を、表26に示す。
【表26】
【0242】
次に生体試料を、異なる濃度(本発明者らはMICをCmaxと等しいと解釈した)で使用されるトブラマイシンを補充したコロンビア+ペプトミート寒天を充填した48ウェルプレートのウェルにプレーティングし、PP成長の存在を、24時間の成長により各ウェルで評価した。結果を、表27に示す。
【表27】
【0243】
次に、本発明者らは、同じ生体試料を用いてマウスを感染させて、肺炎を調整した。そのために、成体C57BL/6マウスを、感染の4日前(150mg/kg体重)、感染の1日前(100mg/kg)および感染の1日後(100mg/kg)にシクロホスファミドを皮下に注射することにより、好中球減少症にした。マウスを、2%イソフルランで麻酔し、PBSで希釈した(disluted)生体試料を経口的に滴下注入した。手短に述べると、鼻孔を遮断し、マウスを、垂直に60秒間保定したまま、生体試料50μLを肺に吸引させた。MIXを、Cmaxとして使用された。
【0244】
動物30匹を用いて(n=10/群)、3つの種々の生体試料から提案された方法により得られた結果に従って、異なる濃度のトブラマイシンによって処置した。各群の動物5匹に、最小限に有効であると示唆した濃度でトブラマイシンを投与し、各群の動物5匹に、提案された方法で最も無効の濃度であると示唆した濃度でトブラマイシンを投与した。結果を、表28に示す。
【表28】
【0245】
異なる濃度で使用したトブラマイシンでの処置の有効性または無効性を、以下の表に提示する。有効性を、48時間にわたる3log10によるPPカウントの減少により評価した。結果を、表29に示す。
【表29】
【0246】
したがって提案された方法は、MIC濃度に基づく薬物を用いることを示唆した標準法とは対照的に、より低い投与量の抗菌薬を用いて有効な治療を選択することを可能にした。このことは、潜在疾患、薬力学パラネータの変更を有する人々、および小児にとって重要である。加えて、100%の正確さを有する提案された方法により、抗生物質の濃度および有効でない治療経過を決定することができる。
【0247】
実施例24.薬物動態が変更された人、小児、抗菌薬に過敏の人において、治療のための有効時間依存性抗生物質の選択のための個々の抗生物質組成物を用いる検査システム
本発明者らは次に、意外にも、異なる濃度の時間依存性抗生物質を補充した培地でのPPおよびMMの組合わせ培養の提案された方法を用いることにより、本発明者らは標準ガイドラインに基づく通常の方法と比較してより安全かつ有効な抗生物質レジメンを開発し得ること、およびより有効な抗生物質を選択し得ることを発見した。
【0248】
本発明者らは、異なる肺感染の患者からの喀痰を用いた。各微生物の純粋な細菌培養物を、日常的な微生物学的方法により得られ、細菌同定を、MALDI-TOF分析により行われ、生体試料の微生物多様性を、メタゲノミクス分析(16S RNAシークエンシング)により行われた。
【0249】
一次病原体を、臨床写真、微生物学的検査および微生物学的分析の記載を受け取った独立した医師との協議に基づいて、各感染症例の主な病原体として選択した。抗生物質に対するPPの感受性は、標準の微量系列希釈法を用いて評価した。結果を、表30に示す。
【表30】
【0250】
次に、生体試料を、アモキシシリンを補充したコロンビア+ペプティッド(Pept)ミート寒天を充填した48ウェルプレートのウェルにプレーティングした。本発明者らは、生体試料中のPP+MMへのアモキシシリンQID、BIDおよびTID投与を調整した。以下の仮定を行った。結果を、表31に示す。
【表31】
【0251】
次に本発明者らは、アモキシシリンを補充したウェル内の細菌成長の存在を評価した。結果を、表32に示す。
【表32】
【0252】
動物25匹を用いて(n=5/群)、3つの種々の生体試料から提案された方法により得られた結果に従って異なる濃度のアモキシシリンによって処置した。各群からの動物5匹に、提案された方法で評価されるスケジュールでアモキシシリンを投与し(C0-6時間はTID、C0-12時間はBID、またはC-24時間はQIDに相当)、群2および群3からの動物5匹に、最も無効であると示唆したレジメンでアモキシシリンを投与した。結果を、表33に示す。
【表33】
【0253】
そのような処置の有効性または無効性を、以下の表に提示する。有効性を、48時間にわたる3log10によるPPカウントの減少により評価した。結果を、表34に示す。
【表34】
【0254】
したがって提案された方法は、抗菌薬のより稀で最適化された投薬レジメンの使用を含む薬物投与のための有効なレジメンを選択することを可能にした。このことは、潜在疾患、変更された薬力学的パラメータを有する人々、および小児にとって重要である。加えて、100%の正確さを有する提案された方法により、有効でない治療経過を決定することが可能となる。
【0255】
実施例25.提案された診断法のための確率モデルの評価
本発明者らは次に、確率モデルの構築に基づいて抗生物質を選択しようと試みた。抗生物質有効性を、新規パラメータに基づいて評価した。
ABEPPMM100 - 100%の「複合体」PP+MMの除去に必要とされる抗生物質濃度
ABEPPMM99 - 99%の「複合体」PP+MMの除去に必要とされる抗生物質濃度
ABEPPMM90 - 90%の「複合体」PP+MMの除去に必要とされる抗生物質濃度
ABEPPMM50 - 50%の「複合体」PP+MMの除去に必要とされる抗生物質濃度
ABEPP100 - 100%PPの除去に必要とされる「複合体」PP+MMに影響を及ぼす抗生物質濃度
ABEPP99 - 99%PPの除去に必要とされる「複合体」PP+MMに影響を及ぼす抗生物質濃度
ABEPP90 - 90%PPの除去に必要とされる「複合体」PP+MMに影響を及ぼす抗生物質濃度
ABEPP50 - 50%PPの除去に必要とされる「複合体」PP+MMに影響を及ぼす抗生物質濃度
【0256】
本発明者らは、感染が多剤耐性微生物により引き起こされる場合、およびABEPPMM100またはABEPP100値の実現により(即ち、マクロ生物の個々の特徴(併発疾患、抗生物質の薬物動態の特色)により)有効な抗生物質を選択することが不可能である場合、治療的に有効である確率が最も高い抗生物質を選択する必要があると仮定した。
【0257】
本発明者らは、確定したPPとしての黄色ブドウ球菌を含む肺炎の小児からの喀痰を用いた。
患者1 - 少年10歳
患者2 - 少年5歳
患者3 - 少女7歳
【0258】
生体試料を、感染部位で実現可能な異なる濃度で使用した抗生物質(レボフロキサシン、セフェピムを非限定的例とする)を補充したコロンビア寒天を充填したマルチウェルプレートのウェルにプレーティングし、PPおよびMMの存在を、24時間の成長の後に分析した。
【0259】
Cmax×2=感染部位で実現可能な最大ピーク抗生物質濃度×2
C0-1時間 - 投与の0~1時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C0-2時間 - 投与の0~2時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C0-3時間 - 投与の0~3時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C1-3時間 - 投与の1~3時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C0-4時間 - 投与の0~4時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C2-3時間 - 投与の2~3時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C4-6時間 - 投与の4~6時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C0-6時間 - 投与の0~6時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C6-8時間 - 投与の6~8時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C0-8時間 - 投与の0~8時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C8-12時間 - 投与の8~12時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C0-12時間 - 投与の0~12時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C12-24時間 - 投与の12~24時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
C0-24時間 - 投与の0~24時間後の感染部位で実現可能な抗生物質の平均濃度
【0260】
結果を、表35および36に示す。
【表35】
【表36】
【0261】
表1に提示したデータを認められるように、患者1のレボフロキサシンは、最も有効である。同時に患者2および3(肝機能障害の小児)には、抗生物質の最大用量を投与することができない。
【0262】
レボフロキサシンまたはセフェピムのどちらの抗生物質が患者2および3にとって最も有効であるかを評定するために、本発明者らは、確率的なモデルを使用した。
【0263】
認められるように、抗生物質レボフロキサシンは、より高濃度で両患者において作用する。しかし患者2では、C0-3時間~C0-12時間と等しい濃度のレボフロキサシンは、PP+MMの「複合体」の50%を破壊することができる。患者3の場合、レボフロキサシンは、C0-3時間~C0-12時間のより高い濃度範囲でPP+MMの「複合体」の50%を除去する。
【0264】
レボフロキサシンの効果の確率の計算は、式:
ABEPPMM50に達するための最大抗生物質「X」濃度-ABEPPMM50に達するための最小抗生物質「X」濃度
ABEPPMM50に達するための最大抗生物質「X」濃度×確率計数50
に従って行われた。
【0265】
したがって患者2では、レボフロキサシン有効性の確率=(4.7μg/mL[投与3時間後のレボフロキサシンの肺濃度]-3.7[投与12時間後のレボフロキサシンの肺濃度])/4.7μg/mL[投与3時間後のレボフロキサシンの肺濃度]×確率計数50=0.212×確率計数50
【0266】
患者3では、レボフロキサシン有効性の確率=(4.7μg/mL[投与3時間後のレボフロキサシンの肺濃度]-4μg/mL[投与3時間後のセフェピムの肺濃度])/4.7μg/mL[投与3時間後のセフェピムの肺濃度]×確率計数50=0.15×確率計数50
【0267】
したがって提案された方法は、レボフロキサシンが患者3における同じ抗生物質の有効性と比較して、患者2にとってより有効である可能性が最も高いことを評価することができる。
【0268】
患者2のセフェピム有効性の確率は=(23μg/mL[投与8時間後のセフェピムの肺濃度]-8[投与12時間後のセフェピムの肺濃度]ABEPPMM50)/23[投与8時間後のセフェピムの肺濃度]μg/mL×確率計数50=0.65×確率計数50
【0269】
患者3では、セフェピム有効性の確率は=(23μg/mL[投与8時間後のセフェピムの肺濃度]-12[投与6時間後のセフェピムの肺濃度]ABEPPMM50)/23μg/mL×確率計数90=0.47×確率計数90
【0270】
したがって提案された方法は、セフェピムが患者2における同じ抗生物質の有効性と比較して、患者3にとってより有効である可能性が最も高いことを評価することができる。
【0271】
これらのデータは、提案された方法が代謝特徴を有する個体および特別な群の患者を含む個体において抗生物質の有効性を決定することを様々な確率で可能にすることを明確に示している。その上、ABEPPMMまたはABEPPのいずれの確率も、異なる確率で実現され得る。
【0272】
意外にも本発明者らは、病原性材料を、異なる濃度で使用した抗生物質と共に栄養培地に接種した場合の、提案された検査法において有効抗菌薬の選択が、異なる濃度の有効な抗生物質を選択すること、および抗生物質の濃度を決定することが可能であり、抗生物質を、排泄に影響を受けた人により低い濃度で、結果的により低い毒性ならびにより少ない副反応および合併症を伴って適用することができることを見出した。
【0273】
実施例26.細菌成長を刺激するためのミューメタルおよび異なる寒天スティング(sting)の使用
本発明者らは、細菌の成長およびメモリを調節するためにミューメタルを用いた。そのために、本発明者らは、90mmペトリ皿上の混合コロンビアおよびペプティットミート寒天(変更されていない、または小さな5mm径の丸い欠損を有する)の表面に10μL 一夜バチルス・プミルスVT 1200(overnight Bacillus pumilus VT 1200)をプレーティングし、ミューメタルボックス内に配置して、37℃で24時間培養した(図16)。
【0274】
表面(即ち、電磁性表面)の変更を有する培地上の変更した地磁気内の細菌成長を、微生物成長の多様な「波状の」細菌成長(microbial growth diverse “wave-like” bacterial growth)を刺激したことが認められた。本発明者らはその後、「ミューメタル+寒天の欠損」プレートからの細菌を変更されていない寒天にプレーティングして、続く24時間の間37℃で細菌成長を制御した(図17)。
【0275】
本発明者らは意外にも、微生物成長の刺激がバイオテクノロジーで用いられ得る複数の細胞作製全体で保存することを発見した。
【0276】
実施例27.健康状態をモニタリングするためのミューメタル検査システムの使用
健常個体、および潜在疾患(偏頭痛)を有する対象の唾液を用いて、無作為な7種の菌株(純粋培養物または細菌ミックスとして)を単離した。それらのそれぞれの一夜培養物10μLを、90mmペトリ皿上の10%赤血球を補充した混合コロンビアおよびペプティッドミート寒天の表面にプレーティングし、ミューメタルボックス内に配置し、37℃で24時間培養した。結果を、図18に示す。
【0277】
特定疾患を有する個体の生体試料からの細菌成長は、地磁気の変化後に変化しなかった健常個体の微生物叢からの細菌と比較して、変更した地磁気において差次的な微生物成長をもたらしたことが認められる。
【0278】
実施例28.バイオマニュファクチャリングにおいて細胞の生産性を上昇させるための光の利用
B.プミルスVT1200を、90mmペトリ皿の寒天上で培養し、光環境において37℃で48時間培養した。結果を、図19に示す。
【0279】
本発明者らはまた、細胞を富裕培養で培養した場合の細胞生産性およびバイオマスに及ぼす光の役割を分析した(表37)。
【表37】
【0280】
認められるように、光環境下での成長は、細胞成長および合成活性を促進し、このため生産性を上昇させるためにバイオテクノロジーにおいて用いられ得る。
【0281】
実施例29.抗生物質選択のためのアルゴリズム
各生体試料を、各マルチウェルプレートのウェルの内部の固形栄養培地に直接プレーティングする。各ウェルの栄養培地に、Cmax、C1/2max、C1/4max、C1/10max、C1/50max、C1/100max、C1/1000maxの濃度で使用した異なる抗生物質またはこれらの抗生物質の組合わせを補充する。PP、MMまたはそれらのミックスの培養後に、これらのPP、MMまたはそれらのミックスの成長を防止する抗生物質は、式「C1/x max」の中の「x」値が最高になることにより決定される、有効となる最高の確率を有することが示唆される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11-1】
図11-2】
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真核または原核細胞の一方または両方の、成長および分化する能力を増加させる物理的条件を変更することが可能である、細胞の成長を調節する製品。
【請求項2】
ミューメタルが、前記細胞の前記物理的条件を変更するために前記製品に添加される、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記細胞が成長することができる1つまたは複数のウェルで構成される、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
前記1つまたは複数のウェルが、亜鉛、プラスチックおよび紙のうちの1つまたは複数をさらに含む銅チャンバーで構成される、請求項3に記載の製品。
【請求項5】
前記細胞の前記成長が、プラスチックウェル内で成長した細胞と比較して増加する、請求項1に記載の製品。
【請求項6】
インキュベーター、インキュベーター-温室、コンテナ、発酵装置、タンク、バイオリアクター、エンベロープ、バッグ、実験器具、実験用具、または培養プレートである、請求項1に記載の製品。
【請求項7】
ホイルおよび誘電体で構成される、請求項1に記載の製品。
【請求項8】
反磁性層により互いに分離されている1つまたは複数のミューメタルまたはホイル層で構成される、請求項1に記載の製品。
【請求項9】
地磁気、輻射線、電磁波放射、地磁気活性の揺れ(wavering)、電磁波暴露、および地球の磁場の変更のうちの1つまたは複数を制御および調節する能力を提供する、請求項1に記載の製品。
【請求項10】
地磁気、輻射線、電磁波放射、地磁気活性の揺れ、電磁波暴露、および地球の磁場の変更のうちの1つまたは複数を制御する前記能力が、原核細胞の抗生物質感受性を増加または減少させることができる、請求項9に記載の製品。
【請求項11】
前記製品が、真核または原核細胞の1つまたは複数の、成長および分化する能力を増加させる物理的条件を変更することが可能であり、さらに、前記真核または原核細胞の1つまたは複数が、リバビリン(ribovrin)、アシクロビル、オロチン酸リチウム、オロチン酸カリウム(potassium orothate)、2-クロロ-5-フェニル-5H-ピリミド[5’,4’:5,6]ピラノ[2,3-d]ピリミジン-4-オールの誘導体、ヌクレアーゼ、トランスクリプターゼ、プロテアーゼ阻害剤およびインテグラーゼ阻害剤のうちの1つまたは複数を含む培地中で成長する、細胞の成長を調節する製品。
【請求項12】
前記培地が、0.1~1000μg/mLの用量のリバビリン、0.1~1000μg/mLの用量のアシクロビル、0.1~1000μg/mLの用量のオロチン酸リチウム、0.1~1000μg/mLの用量のオロチン酸カリウム、0.1~1000μg/mLの用量の2-クロロ-5-フェニル-5H-ピリミド[5’,4’:5,6]ピラノ[2,3-d]ピリミジン-4-オールの誘導体、0.1~1000μg/mLの用量のヌクレアーゼ、0.1~1000μg/mLの用量のトランスクリプターゼ、0.1~1000μg/mLの用量のインテグラーゼ阻害剤、および0.1~1000μg/mLの用量のプロテアーゼ阻害剤のうちの1つまたは複数を含む、請求項11に記載の製品。
【請求項13】
前記ヌクレアーゼが、DNaseおよびRNaseのうちの1つまたは複数である、請求項11に記載の製品。
【請求項14】
前記プロテアーゼ阻害剤が、ネビラピン、エトラビリン、ラミブジン、テノホビル、アバカビル、およびラルテグラビルのうちの1つまたは複数である、請求項11に記載の製品。
【請求項15】
前記原核細胞の成長速度および多様性が、増加する、請求項11に記載の製品。
【請求項16】
抗生物質に対する前記原核細胞の耐性が、増加する、請求項11に記載の製品。
【請求項17】
まだ培養可能でなかった原核細胞を、成長させることができる、請求項11に記載の製品。
【請求項18】
真核および原核細胞の一方または両方により引き起こされた感染症に罹患した対象において使用するための抗菌剤を選択する方法であって、前記真核および原核細胞の前記一方または両方により引き起こされた感染の重症度を低減する前記抗菌剤の能力を、請求項1に記載の製品への前記真核および原核細胞の一方または両方の投与により決定することができ、前記真核および原核細胞の前記一方または両方を、1種または複数の抗菌剤を含む培地中で成長させ、どの抗菌剤が真核および原核細胞の前記一方または両方の成長速度に影響を及ぼす能力を有するかを決定するために、それらの抗菌剤の効果が同定される、方法。
【請求項19】
前記製品が、前記真核および原核細胞の前記一方または両方が成長する1つまたは複数のウェルで構成される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記培地が、固体または液体であり、前記培地が、前記真核または原核細胞の前記成長の測定を可能にする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記原核細胞が、細菌である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記抗菌剤が、抗生物質または抗真菌剤である、請求項18に記載の方法。
【国際調査報告】