(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】粉末の取り扱いまたは粉末の取り扱いに関連する改善
(51)【国際特許分類】
B65B 1/06 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
B65B1/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561336
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 GB2022050845
(87)【国際公開番号】W WO2022214797
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517102994
【氏名又は名称】エルピーダブリュ テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LPW TECHNOLOGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110004059
【氏名又は名称】弁理士法人西浦特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒーリー,カラム
【テーマコード(参考)】
3E118
【Fターム(参考)】
3E118AB03
3E118BB02
3E118BB04
3E118DA02
3E118EA10
(57)【要約】
所定量の粉末を容器に分配するための分配チャンバと、閉状態と開状態との間で移動可能であり、粉末源から分配チャンバへの粉末の進入を制御する入口バルブと、閉状態と開状態との間で移動可能であり、分配チャンバから容器への粉末の排出を制御する出口バルブとを備えた、粉末を分配するための粉末分配装置について説明している。入口バルブ及び出口バルブは、共通の取り外し可能なハンドルによって、閉状態と開状態との間で個別に作動される。入口バルブ及び出口バルブはそれぞれ、ハンドルを受け入れて係合するためのインターロックを有している。インターロックは、入口バルブ及び出口バルブのそれぞれが閉状態にある場合にハンドルを受け入れ及び解放し、入口バルブ及び出口バルブのそれぞれが開状態にある場合にハンドルが取り外されることを防止するようにハンドルと係合するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末を分配するための粉末分配装置であって、
所定量の粉末を容器に分配するための分配チャンバと、
閉状態と開状態との間で移動可能であり、粉末源から前記分配チャンバへの前記粉末の進入を制御する入口バルブと、
閉状態と開状態との間で移動可能であり、前記分配チャンバから前記容器への前記粉末の排出を制御する出口バルブとを備え、
前記入口バルブ及び前記出口バルブは、共通の取り外し可能なハンドルによって、前記閉状態と前記開状態との間で個別に作動され、
前記入口バルブ及び前記出口バルブはそれぞれ、前記ハンドルを受け入れて係合するためのインターロックを有しており、
前記インターロックは、前記入口バルブ及び前記出口バルブのそれぞれが閉状態にある場合に前記ハンドルを受け入れ及び解放し、前記入口バルブ及び前記出口バルブのそれぞれが開状態にある場合に前記ハンドルが取り外されることを防止するように前記ハンドルと係合するように構成されていることを特徴とする粉末分配装置。
【請求項2】
前記分配チャンバは、前記入口バルブ及び前記出口バルブのいずれか一方または両方を備えていることを特徴とする請求項1に記載の粉末分配装置。
【請求項3】
前記粉末源は、前記入口バルブと粉末流が連通したホッパー出口を有するホッパーを備えており、前記ホッパー出口は、任意に、ホッパー出口バルブを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の粉末分配装置。
【請求項4】
前記分配チャンバは、前記ホッパーに対して取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の粉末分配装置。
【請求項5】
前記入口バルブ及び前記出口バルブは、前記ハンドルが受け入れられる回転可能なスピンドルを備えており、前記スピンドルを回転させると、前記バルブが前記閉状態と前記開状態の間で作動することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の粉末分配装置。
【請求項6】
前記スピンドルが配置されたスピンドルハウジングをさらに備え、
前記スピンドルハウジングは、前記バルブが前記閉状態にあるときに前記ハンドルを受け入れ、前記バルブが前記開状態にあるときに引き抜き防止のために前記ハンドルを保持して前記インターロックを提供することを特徴とする請求項5に記載の粉末分配装置。
【請求項7】
前記スピンドルハウジングは、
前記スピンドルの周囲に延び、前記ハンドルの作動移動経路を画定するインターロック開口部を備え、
前記インターロック開口部は、挿入開口部と、長手方向軸及び前記長手方向軸を横切る幅を有する細長い作動開口部とを含み、
前記挿入開口部は、前記作動開口部の横幅よりも広いことを特徴とする請求項6に記載の粉末分配装置。
【請求項8】
前記スピンドルハウジングの直径方向に対向する側面に設けられた2つのインターロック開口部をさらに備えることを特徴とする請求項6または7に記載の粉末分配装置。
【請求項9】
前記ハンドルを備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の粉末分配装置。
【請求項10】
単一のハンドルのみを備える、請求項9に記載の粉末分配装置。
【請求項11】
前記ハンドルは、その第1の端部に取付部を備える請求項9または10に記載の粉末分配装置。
【請求項12】
前記取付部は、前記スピンドルに挿入され、前記スピンドルと駆動可能に係合する拡張部を備えることを特徴とする請求項5に従属する場合の請求項11に記載の粉末分配装置。
【請求項13】
前記取付部は、前記拡張部に隣接する縮小部を有し、その間に、半径方向に延びる肩部を有する請求項12に記載の粉末分配装置。
【請求項14】
前記ハンドルの長さに沿って分布し、それぞれ第1のインターロック開口部、及び、第2のインターロック開口部と係合する第1の取付部及び第2の取付部をさらに備える請求項8に従属する場合の請求項11から13のいずれか1項に記載の粉末分配装置。
【請求項15】
前記拡張部は、第1の拡張部であり、
前記縮小部は、第1の縮小部であり、
前記半径方向に延びる肩部は、前記第1の取付部の第1の肩部であり、
前記第2の取付部は、半径方向に延びる第2の肩部によって分離された第2の拡張部及び第2の縮小部を有することを特徴とする請求項13に従属する場合の請求項14に記載の粉末分配装置。
【請求項16】
前記第2の拡張部は、前記第1の拡張部よりも直径が小さいことを特徴とする請求項15に記載の粉末分配装置。
【請求項17】
前記ハンドルは第2の端部を備え、前記第2の端部は、前記第2の端部を使用して前記ハンドルを前記入口バルブまたは前記出口バルブに取り付けることができないように構成されていることを特徴とする請求項9乃至16のいずれか1項に記載の粉末分配装置。
【請求項18】
前記容器をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の粉末分配装置。
【請求項19】
前記容器は、前記分配チャンバに対して取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする請求項18に記載の粉末分配装置。
【請求項20】
前記容器は、前記分配チャンバから取り外される前に密封可能であることを特徴とする請求項18または19に記載の粉末分配装置。
【請求項21】
請求項1乃至20のいずれか1項に記載の粉末分配装置を備え、各容器が異なるサイズを有する複数の前記容器、及び/または、各分配チャンバが異なる所定の容積を有する複数の分配チャンバをさらに備える、部品のキット。
【請求項22】
粉末分配装置から粉末を分配する方法であって、
粉末源と、
前記粉末源に取り付けられた分配チャンバと、
閉状態と開状態との間で移動可能であり、粉末源から前記分配チャンバへの前記粉末の進入を制御する入口バルブと、
閉状態と開状態との間で移動可能であり、前記分配チャンバから前記容器への前記粉末の排出を制御する出口バルブと、
容器とを備え、
a)前記ハンドルを前記入口バルブに取り付け、前記粉末が前記分配チャンバ内に進入できるように前記ハンドルで前記入口バルブを開き、前記ハンドルで前記入口バルブを閉じ、前記ハンドルを取り外すステップと、
b)前記ハンドルを前記出口バルブに取り付け、前記粉末が前記分配チャンバから前記容器内に流出できるように前記出口バルブを開くステップと、
c)前記容器を取り外すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記出口バルブを閉じ、前記出口バルブから前記ハンドルを取り外すステップをさらに含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記容器を使用場所に輸送するステップをさらに含み、任意選択で前記使用場所が積層造形装置を含む請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
ステップc)の前に、ステップa)及びb)を繰り返すことをさらに含む請求項22乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記粉末源を前記分配位置に提供するステップをさらに含む請求項22乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末を分配するための装置及び方法に関する。本発明は、積層造形システムで使用するための既知量の粉末を分配するのに特に有用である。
【背景技術】
【0002】
積層造形(アディティブ・レイヤ・マニュファクチャリング(Additive layer manufacturing)(ALM))は、物理部品を層ごとに製造する製造プロセスの総称である。ALM製造方法には、使用される一般的な加工技術に基づいて、異なる分類に分類される多くの種類があり、通常、各分類には多くの異なる変異形が含まれる。
【0003】
そのような分類の1つは、所望の形状(geometry)に従って、粉末の層が連続的に堆積され、固化される粉末床製法(powder bed processes)である。各層の形状は、目的の部品の3D CADモデルのセクションまたはスライスに対応する。したがって、各層が堆積されて固化されると、その結果得られる固化された層の積み重ねにより、3D CADモデルに対応する望ましい3D形状が得られる。粉末床製法には通常、選択的レーザ焼結(selective laser sintering)、選択的レーザ溶融(selective laser melting)及び電子ビーム溶融(electron beam melting)として知られる方法が含まれる。
【0004】
ALMの別の分類は、吹き出し粉末製法(blown powder manufacturing)である。吹き出し粉末製法は、粉末の流れを所望の形状に堆積させながら固化することを含む。
【0005】
ALM技術、特に、粉末床や吹き出し粉末製法は、様々な技術や業界の幅広い範囲にわたる多種多様な部品の金属、セラミック、ポリマ部品を製造するために使用できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
粉末をベースとするALM法を使用した部品製造は、多くの変動要因の影響を受けるため、通常、製造方法や生産ラインの成功には、再現性のある方法を実現することが不可欠である。粉末をベースとするALM法で一貫性を提供するには、既知であり再現可能な特性を持つ粉末を使用することが望ましく、それによって特定の方法における不確定要素の数が削減される。そして、この目標を達成するために、近年、この方法に一貫性と信頼性の高い粉末を提供するために多大な努力が費やされてきた。粉末に影響を与える不確定要素には、例えば、粒径(particle size)と粒子分布(particle distribution)、粒子組成(particle composition)と純度(purity)が含まれてもよい。しかしながら、理解されるように、粉末の製造及び供給におけるこの細部への注意は、当然、粉末サプライチェーンにおけるコスト、及び、ALM部品の固定費(embedded cost)の増加につながる。さらに、粉末の要件により、固化されていない、または、ALM法で使用されていない粉末をリサイクルすることは、多くの場合、困難及び/または非効率的である。したがって、ALM装置で使用される粉末の量と在庫のレベルを監視する必要がある。
【0007】
本発明は、一貫性を提供し、粉末の無駄を減らすのに役立つ、制御された反復可能な方法で粉末を分配するための改良された方法及び関連する装置を提供することを目的とする。
【0008】
上記背景は粉末をベースとするALM技術に関するものであるが、本発明は粉末を利用する他の分野にも利用できることが理解されよう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、添付の特許請求の範囲に記載の粉末分配装置及び粉末分配方法を提供する。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、粉末を分配するための粉末分配装置であって、所定量の粉末を容器(receptacle)に分配するための分配チャンバ(dispensing chamber)と、閉状態と開状態との間で移動可能であり、粉末源(powder source)から分配チャンバへの前記粉末の進入を制御する入口バルブ(inlet valve)と、閉状態と開状態との間で移動可能であり、分配チャンバから容器への粉末の排出を制御する出口バルブ(outlet valve)とを備え、入口バルブ及び出口バルブは、共通の取り外し可能なハンドルによって、閉状態と開状態との間で個別に作動され、入口バルブ及び出口バルブはそれぞれ、ハンドルを受け入れて係合するためのインターロック(interlock)を有しており、インターロックは、入口バルブ及び出口バルブのそれぞれが閉状態にある場合にハンドルを受け入れ及び解放し、入口バルブ及び出口バルブのそれぞれが開状態にある場合にハンドルが取り外されることを防止するようにハンドルと係合するように構成されていることを特徴とする粉末分配装置を提供する。
【0011】
分配チャンバの入口バルブ及び出口バルブが、共通の、すなわち同じハンドルによって操作される粉末分配装置を提供することにより、両方のバルブが同時に開くことが防止される。したがって、粉末源から容器への粉末の直接の流れを防止することができ、分配時に量を容易かつ確実に計量することができる。さらに、容器が、分配チャンバに取り付けられていないとき、または、分配チャンバから取り外されているとき、粉末の偶発的な流出を防止または制限することができる。
【0012】
分配チャンバは、入口バルブ及び出口バルブのいずれか一方または両方を備えていてもよい。あるいは、入口バルブは粉末源に設けられてもよいし、分配チャンバと粉末源との間に取り付けられる中間部材(intermediate member)であってもよい。同様に、出口バルブは、容器の一部を形成してもよいし、分配チャンバと容器との間に取り付けられる別個の部品であってもよい。
【0013】
分配チャンバの一部として入口バルブ及び出口バルブを設けることにより、装置をアレンジするのに便利な方法が提供される。さらに、バルブを操作するために使用されるハンドルを、分配チャンバに関連付けることができ、複数の異なる粉末源から粉末を分配するために使用することができる。
【0014】
粉末源は、入口バルブと粉末流が連通したホッパー出口を有するホッパー(hopper)を備えていてもよい。ホッパーは、可搬性のものであってもよい。分配チャンバを取り付ける前に、ホッパーは、ホッパー内に収容された粉末が汚染物質または不純物から隔離されるように、密閉されたユニットであってもよい。ホッパー出口は、出口バルブを備えていてもよい。
【0015】
分配チャンバは、ホッパーに対して取り外し可能に取り付けられていてもよい。取り外し可能なアタッチメントは、入口バルブを介して可能になっていてもよい。分配チャンバに取り外し可能なアタッチメントを提供すると、ホッパーを個別に提供し、分配チャンバを異なるホッパーで使用することができる。
【0016】
入口バルブ及び出口バルブは、ハンドルが取り付けられる回転可能なスピンドルを備えていてもよい。スピンドルを回転させると、バルブが閉状態と開状態の間で作動してもよい。ハンドルは、スピンドルに挿入されていてもよい。スピンドルへのハンドルの挿入は、挿入軸(insertion axis)に沿って行うことができる。
【0017】
粉末分配装置は、スピンドルが配置されたスピンドルハウジングをさらに備えていてもよい。スピンドルハウジングは、バルブハウジングに対して固定されていてもよい。
【0018】
インターロックは、スピンドルハウジングを備えていてもよい。スピンドルハウジングは、バルブが閉状態にあるときにハンドルを受け入れ、バルブが開状態にあるときに引き抜き防止のためにハンドルを保持するように構成されていてもよい。
【0019】
スピンドルハウジングは、スピンドルの周囲に延び、ハンドルの作動移動経路(actuation travel path)を画定するインターロック開口部を備えていてもよい。
【0020】
インターロック開口部は、挿入開口部(insertion aperture)と、周方向長さを画定する長手方向軸、及び、長手方向軸を横切る幅を有する細長い作動開口部(elongate actuation aperture)とを含んでもよい。
【0021】
挿入開口部は、作動開口部の横幅よりも広くてもよい。したがって、インターロック開口部は、挿入開口部から作動開口部まで狭くなってもよい。インターロック開口部は、鍵穴状(keyhole shaped)であってもよい。
【0022】
スピンドルハウジングは、第1のインターロック開口部及び第2のインターロック開口部を備えていてもよい。インターロック開口部は、同様の形状及び同様のサイズを有していてもよい。第1のインターロック開口部及び第2のインターロック開口部は、スピンドルハウジングの直径方向に対向する両側に配置されていてもよい。第1のインターロック開口部は、スピンドルハウジングのハンドル側にあってもよい。第2のインターロック開口部は、ハンドルの終端部(terminal end)に対応する側にあってもよい。第1のインターロック開口部及び第2のインターロック開口部は、ハンドルの異なる部分を受け入れてもよい。
【0023】
ハンドルの終端部と係合するインターロック開口部は、スピンドルハウジングのハンドル側に位置するインターロック開口部より小さくてもよい。より小さなインターロック開口部を設けると、ハンドルをスピンドルに挿入できる方向が制限され、ハンドルがスピンドルに深く挿入されすぎたり、スピンドルを通って挿入されたりすることをさらに防止することができる。
【0024】
粉末分配装置は、ハンドルをさらに備えることができる。ハンドルは、分配チャンバに設けられる唯一のハンドルであってもよい。したがって、粉末分配装置は単一のハンドルのみを備えてもよい。
【0025】
ハンドルは、その第1の端部に取付部(mounting portion)を備えていてもよい。取付部は、使用時にバルブに取り付けられ、バルブと係合してインターロックを提供してもよい。
【0026】
取付部は、バルブスピンドルに挿入するための拡張部(expanded section)を備えていてもよい。拡張部は、スピンドルと駆動可能に係合してもよい。拡張部は、使用時にスピンドル内に設置され、スピンドルに当接して、ハンドルの回転と共にスピンドルを回転させることができる。
【0027】
取付部は、拡張部に隣接する縮小部(reduced section)を有し、その間に、半径方向に延びる肩部(shoulder)を有していてもよい。肩部は、バルブが開位置にあるとき、及び、ハンドルを引き抜こうとしたときに、スピンドルハウジングを押すことができるストッパ機構(stop feature)を提供してもよい。
【0028】
粉末分配装置は、ハンドルの長さに沿って分布する、第1の取付部及び第2の取付部をさらに備えていてもよい。
【0029】
第1の取付部及び第2の取付部が存在する場合、前述の拡張部は第1の拡張部であり、前述の縮小部は第1の取付部の第1の縮小部であってもよい。
【0030】
第2の取付部は、半径方向に延びる第2の肩部によって分離された、第2の拡張部と第2の縮小部とを有していてもよい。
【0031】
第1の肩部及び第2の肩部は、スピンドルハウジングの直径と同様の距離だけ、軸方向に分離されていてもよい。したがって、使用時、第1の肩部は、バルブが開状態にあるときに、スピンドルハウジングの第1の側の内面と係合するように配置され、第2の肩部は、スピンドルハウジングの反対側の第2の側にある、スピンドルの外面と係合するように構成されていてもよい。
【0032】
第2の取付部は、第1の取付部に対して、ハンドルの終端部に、またはその終端部に向かって配置されていてもよい。ハンドル部分/ハンドルの第2の端部に向かって配置されていてもよい。第2の拡張部は、第1の拡張部よりも直径が小さくてもよい。ハンドルの終端部に小さな拡張部を設けることにより、ハンドルがスピンドルに挿入される量を制限することができる。すなわち、第2の拡張部を受け入れる第2のインターロック開口部の挿入開口部は、第1の取付部がそこを通過するのを防ぐようなサイズにすることができ、それによってハンドルが挿入できる範囲が制限され、ハンドルの使用がより便利になる。
【0033】
ハンドルは、第1の端部と第2の端部とを有していてもよい。第1の端部はインターロックと係合するように構成することができ、第2の端部はバルブに取り付けることができないように構成することができる。したがって、ハンドルは、その第1の端部のみによってバルブに取り付けることができる。
【0034】
粉末分配装置は、容器をさらに備えることができる。容器は、分配チャンバに取り外し可能に取り付けることができる。容器は、分配チャンバから取り外される前に密封可能であってもよい。容器は、内部容積を密封して粉末の漏出を防止するためのバルブまたは他の封止手段を有していてもよい。
【0035】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による粉末分配装置を備え、さらに1以上の容器を備えている部品のキットを提供する。複数の容器を有する場合、各容器は、異なる容積サイズを有していてもよい。部品のキットは、1以上の分配チャンバを備えていてもよい。複数の分配チャンバを有する場合、各分配チャンバは、異なる容積サイズを有していてもよい。
【0036】
本発明の第3の態様によれば、粉末分配装置から粉末を分配する方法であって、粉末源と、粉末源に取り付けられた分配チャンバと、閉状態と開状態との間で移動可能であり、粉末源から分配チャンバへの粉末の進入を制御する入口バルブと、閉状態と開状態との間で移動可能であり、分配チャンバから容器への粉末の排出を制御する出口バルブと、容器とを備え、
a)ハンドルを入口バルブに取り付け、粉末が分配チャンバ内に進入できるようにハンドルで入口バルブを開き、ハンドルで入口バルブを閉じ、ハンドルを取り外すステップと、
b)ハンドルを出口バルブに取り付け、粉末が分配チャンバから容器内に流出できるように出口バルブを開くステップと、
c)容器を取り外すステップと、
を含むことを特徴とする方法を提供する。
【0037】
方法は、出口バルブを閉じ、前記出口バルブから前記ハンドルを取り外すステップをさらに含んでいてもよい。
【0038】
方法は、容器を使用場所に輸送するステップをさらに含み、任意選択で使用場所が積層造形装置を含んでいてもよい。
【0039】
方法は、ステップc)の前に、ステップa)及びb)を繰り返すことをさらに含んでいてもよい。
【0040】
当業者であれば、相互に排他的な場合を除き、本明細書に記載される態様、実施形態、または実施例のいずれか1つに関連して記載される特徴は、別個に、または他の態様、実施形態、または実施例と組み合わせて使用できることを理解するであろう。さらに、ある特徴が、「備えていてもよい(有していてもよい)」、「含んでいてもよい」、または同様の用語を使用して説明されている場合、その特徴は、それが提供される文脈内で任意であると想定されることが理解されよう。
【0041】
本発明をはっきりと理解するために、1以上の本発明の実施の態様を、例として、添付の図を参照して示す。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図2】粉末分配方法のステップを表すフロー図である。
【
図3】
図3a乃至
図3cは、
図1に示す粉末分配装置で使用できるバルブの動作シーケンスを示す図である。
【
図4】
図1に示される粉末分配装置とともに使用され得るハンドルの取付部を示す図である。
【
図5】
図5a乃至
図5cは、
図4に示すハンドルとともに使用できるバルブインターロックの詳細図である。
【
図6】
図6a乃至
図6jは、粉末分配装置を使用して粉末を分配する方法の動作ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、粉末分配装置10を示している。粉末分配装置10は、ホッパー12の形態の粉末源、分配チャンバ14、容器16、及び、ハンドル18を含んでもよい。
【0044】
ホッパー12は、分配チャンバ14を介して容器16に分配される粉末20を保持している。通常、ホッパー12は、使用のために少量ずつ分配され、任意に時々補充される、大量の(bulk quantity)粉末20を貯蔵するために使用される。ホッパー12は、その場で(in situ)粉末20を再充填することもできるし、製造業者または卸売業者からの満杯のホッパーと交換することもできる。したがって、
図6aに関連して説明するように、ホッパー12は、異なる場所で充填され、所定のプロセスまたは用途に必要な特性を有する必要なバルク量の粉末を収容した、密封されたユニットとしてエンドユーザに提供されてもよい。粉末は、必要に応じて、金属、セラミック、またはポリマ等の任意の粉末であってもよい。
【0045】
ホッパー12は、粉末20を収容できる、任意の適切な容器を備えることができる。
図1に示した例では、ホッパー12は、1つまたは複数の壁によって画定される内部貯蔵容積を有するコンテナによって提供されている。ホッパー12の横断面(すなわち、
図1に示した左から右の断面)は示されていないが、円形または四角形等の任意の適切な外形であってもよい。ホッパー12には、重力によって粉末が分配されるように、内部貯蔵容積の最下点に出口22が設けられている。
【0046】
出口22は、分配チャンバ14と密封可能に嵌合するための適切な接続部を含み、ホッパーを密封して輸送できるようにするためのバルブを備えることができる。
【0047】
分配チャンバ14は、取り外し可能であり、様々なサイズの異なる分配チャンバ14と交換可能であるように、ホッパー12に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。いくつかの実施形態では、分配チャンバ14は、分配チャンバ14を他の分配チャンバ14と交換する意図なしに、ホッパー12及び分配チャンバ14が単一のユニットとして供給または使用されるように、ホッパー12に永久的に固定されてもよい。ホッパー出口22と分配チャンバ14との間の接続部は、例えば、ボルト締めまたは溶接されたフランジ配置、または何らかの形式の結合またはインターロックなどの従来の手段を使用して達成することができる。
【0048】
ホッパー12と分配チャンバ14との間の接続部は、粉末20が容器16に供給されるように流れることができる流路を提供する。流路は、ホッパー12から容器16への連続的な流路が無くなるように、ゲートを有する(gated)ものであってもよい。流路の開閉(gating)は、入口バルブ24が出口バルブ26と同時に開かず、その逆も同様であるように配置された、入口バルブ24と出口バルブ26によって提供されてもよい。
【0049】
分配チャンバ14は、ホッパー12から容器16に、粉末20の既知の計量を分配するために使用される、既知の内部容積(known internal volume)を画定する。分配チャンバ14は、ホッパー出口22に取り付けられ、そこから粉末20を受け入れる入口と、容器16に取り付けられ、分配チャンバ14内の粉末を供給する出口を有している。
【0050】
分配チャンバ14は、ホッパー12から既知の量の粉末20を受け取ることができる、任意の適切な容器によって提供されてもよい。いくつかの実施形態では、分配チャンバ14は、内部容積の両端に位置する、第1の入口端と第2の出口端を有する中空のベッセル容器(vessel)を備えることになる。
図1に示す分配チャンバ14は、第1の端部と第2の端部との間に延在し、内部容積を画定する外壁部を含む。分配チャンバは、一般に細長くてもよく、円形などの任意の望ましい横断面を有していてもよい。分配チャンバは、例えば、円形断面のパイプによって提供されてもよい。
【0051】
容器16は、計量された体積の粉末20を分配チャンバ14から受け取るために設けられている。容器16は、粉末20をホッパー12から使用場所(例えば、ALM装置)に運ぶために使用される可搬性のコンテナとして使用されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、ホッパー12は、ALM装置等の使用場所に配置されてもよく、この場合、容器は、例えばALM装置、または、粉末プロセスシステムの一部であってもよい。
【0052】
分配チャンバの入口バルブ24は、ホッパー12の一部、分配チャンバ14の一部、または、ホッパー12と分配チャンバ14を結合する中間コンポーネントであってもよい。分配チャンバの出口バルブ26は、分配チャンバ14の一部、容器16の一部、または、分配チャンバ14を容器16に結合する中間コンポーネントであってもよい。
【0053】
上述したように、ホッパー出口22と容器入口28との間の連続的な流路を得られないように、ホッパー12と容器との間の流路は、ゲートを有している。そのため、入口バルブ24と出口バルブ26は、入口バルブ24と出口バルブ26のうちの一方だけが一度に開くことができるように、排他的に動作可能であってもよい。
【0054】
入口バルブ24及び出口バルブ26はそれぞれ、粉末がそこを通って流れることができる開状態と、粉末がそこを通って流れることができない閉状態とを有するように動作可能である。開状態と閉状態との間のバルブ24,26の作動は、共通のハンドル18、すなわち同じハンドル18によって提供される。
【0055】
ハンドル18は、例えば、挿入することによって、インターロックを介して、入口バルブ24及び出口バルブ26に対して、動作可能に取り付けることができる。一実施形態では、インターロックは、バルブ24,26のそれぞれが閉状態にある間はハンドル18が操作可能に係合及び係合解除されるが、バルブのそれぞれが開状態にある間は係合解除できないように構成されていてもよい。したがって、ハンドル18は、バルブが開いた後、バルブが完全に閉じるまで引き抜くことができない。したがって、粉末分配装置10に単一の共通ハンドルを設けることにより、一度に1つのバルブが動作するように制限され、分配チャンバ14のゲート制御が実現できるようになる。
【0056】
いくつかの実施形態では、ハンドル18は、粉末分配装置10に取り付けられてもよい。これは、ハンドル18の置き忘れを防止するのに役立つが、共通の施設(premises)内に、それぞれ独自のハンドルを備えた複数の粉末分配装置10がある場合に、入口バルブ24と出口バルブ26の両方を一度に開くように、それによってゲートを有するバルブシステムを無効化するように、別個のハンドルを同時に使用することができないことも意味する。これにより、施設内の複数のハンドルに、共通のデザインを持たせることができる。
【0057】
ハンドル18は、任意の適切な方法で粉末分配装置10に取り付けることができる。
図1に示した実施形態では、ハンドル18は、ライン30によって装置10に繋がれている(tethered)。ライン30は、破線18´及び破線18´´で示すように、ハンドル18を入口バルブ24及び出口バルブ26に挿入できるのに十分な長さを有する。ラインは、任意の適切な位置に取り付けることができる。
【0058】
次に、
図1及び
図2を参照して、粉末分配装置10を動作させる方法210について説明する。この方法の第1のステップ212は、分配チャンバ充填ステップである。このステップは、分配チャンバ14が満杯になるまで、粉末20が入口バルブ24から分配チャンバ14内に流入できるように、入口バルブ24を開くことを含む。このとき、分配チャンバの出口バルブ26からホッパー12内に延びる、粉末の連続的なカラム(column of powder)が存在することになる。
【0059】
ステップ214では、入口バルブ24を閉じ、分配チャンバ14内の粉末20を、ホッパー12内のストックの粉末20から隔離する。第3のステップは、容器充填ステップ216である。このステップは、出口バルブ26を開き、分配チャンバ14内の一定量の粉末が、重力によって容器16内に流れることができるようにすることを含む。分配チャンバ14が空になったら、出口バルブ26を閉じて、さらなる量の粉末20が必要かどうかを決定することができる(ステップ220)。同じ容器16内でさらに粉末20が必要な場合、分配プロセス(ステップ212・218)を繰り返して、容器16に対して、粉末20の1回以上のさらなる計量を提供することができる。または容器内の粉末を使用することができる、若しくは、容器を取り外すことで粉末を粉末分配装置10から取り外し(ステップ222)、使用場所に運ぶことができる。
【0060】
図1に関連して上述したように、入口バルブ24及び出口バルブ26の開閉は、両方のバルブが同時に開くことを防止するために、順次実行され、また、共通のハンドル18が使用され、容器16に対して、所定の量だけの粉末が分配される。したがって、ステップ212は、ハンドル18を入口バルブ24に挿入して開くことを含むことができ、ステップ214は、出口バルブ26を閉じてハンドル18を取り外すことを含むことができ、ステップ216は、ハンドル18を出口バルブ26に挿入して開くことを含むことができ、ステップ218は、出口バルブ26を閉じてハンドル18を取り外すことを含むことができる。
【0061】
次に、
図3a乃至
図3cを参照して、ハンドル318及びバルブ324の動作について、説明する。
図3a乃至
図3cのそれぞれに示したバルブ324は、入口バルブ24または出口バルブ26のいずれかに対応することができ、いくつかの実施形態の分配装置10では、互いに似たものであってもよい。
図3a乃至
図3cでは、バルブ324は、個別のコンポーネントとして図示されており、必要に応じて、異なる構成部品の間に挿入することができる。しかしながら、上述したように、バルブ324は、ホッパー12、分配チャンバ14、または容器16に直接取り付けられるか、またはそれらの一部であってもよい。
【0062】
いくつかの観点では、バルブ324は、バルブ入口334とバルブ出口336を有し、その間に流路が延びるバルブハウジング332を備えるという点で従来型のものである。流路は、バルブスピンドル336の回転により、バルブ324の閉状態に対応する閉位置と、バルブ324の閉状態に対応する開位置との間で動作するように動作可能なバルブ部材(図示せず)を含む。バルブは、例えば、バタフライバルブ(butterfly valve)であってもよい。スピンドル338の回転は、ハンドル318を使用して作動される。
図3a乃至
図3cの実施形態では、ハンドル318はスピンドル338と係合して、スピンドル336の回転軸340の周りでクランクし(cranked)、スピンドル336を回転させ、バルブ324を開閉することができる径方向に延びるレバー(lever)を提供する。したがって、ハンドル318は、バルブスピンドル338用のハンドレバーとなる。
【0063】
ハンドル318は、インターロック342を介してスピンドル338と係合する。インターロック342は、バルブ324が閉状態にあるときに、ハンドル318がスピンドル338と動作可能に係合及び係合解除できるように構成されている。ハンドル318がスピンドル軸340の周りで閉状態から離れる方向に回転されると、バルブ324が閉状態に戻るまで、ハンドル318を引き抜くことはできない。
【0064】
図3aは、バルブ324に挿入される前のハンドル318を示している。
図3bは、バルブ324が閉状態にある状態で、スピンドル338に完全に挿入されたハンドルを示している。
図3cは、開いた状態のバルブ324と、引き抜くことができないように、スピンドル338にインターロックされたハンドル318を示している。
図3cでは、バルブ324は、スピンドル338が閉位置から90度回転された状態で、完全に開いた状態として示されている。しかしながら、バルブ324は、軸340の周りのハンドル318の最初の動きで、開き始めることが理解されるであろう。換言すれば、ハンドル318は、バルブ324を通る粉末の流路がない場合にのみ取り外すことができる。
【0065】
ハンドル318は、第1の端部344と第2の端部346とを有し、その間にハンドルシャフトが延びている、細長い部材(例えば、ロッド)として示されている。第1の端部344は、挿入軸349に沿ってインターロック342に挿入して係合するための取付部348を備える。第2の端部346は、スピンドル338の遠位にあり、使用時に、バルブ324を作動させるために手で掴むことができる部分を提供するように構成されている。第2の端部346及び/またはシャフトは、改善されたグリップを補助するように、及び/または、それがスピンドル338に挿入されること、またはそうでなければ、バルブ324に動作可能に取り付けられることを防止するように構成されていてもよい。したがって、ハンドル318は、挿入端(insertion end)のみを介して、スピンドル338と動作可能に係合するように構成されてもよい。
図3aの実施形態では、ハンドルには、インターロック342に挿入するには大きすぎる幅を有する端部(例えば、取付部348よりも大きな直径を有する拡張端部)が設けられている。しかしながら、第2の端部346は、インターロック342への挿入を防止するために他の方法で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ハンドル318は、バルブ324に取り付けられる端部に関わらず使用できるように、第1の端部344及び第2の端部346の両方に取付部を備えていてもよい。
【0066】
図4は、図示のスピンドル338と係合及びインターロックするために使用できる取付部448の拡大図を示している。
図5a乃至
図5cは、スピンドル538とハンドルの係合を示している。
【0067】
取付部448は、ハンドルシャフトの端部(ハンドル418の第1の、終端部344)に設けられており、使用時にスピンドル538と係合及びスピンドル538を駆動するように機能する拡張部450を含む。拡張部450は、(ハンドルの長手方向軸に対応し得る)挿入軸に沿って延びる長さを有し、また、本明細書では縮小部452と呼ばれる、隣接する小径部よりも大きい直径を有する。縮小部452は、拡張部450のハンドル側に位置している。したがって、拡張部450は、第1の直径を有し、縮小部452は、拡張部450の第1の直径よりも小さい第2の直径を有する。
図4に示した実施の形態は、円筒形のロッドの形状のハンドルと、同じく円筒形の拡張部を含む。しかしながら、ハンドル、縮小部452、拡張部450の異なる断面形状が可能であることは理解されるであろう。このような場合、拡張部の直径は、幅または他の半径方向の測定値とすることができる。したがって、本明細書に記載される拡張部及び縮小部は、半径方向の拡張部または半径方向の縮小部と呼ばれることがある。なお、半径方向とは、ハンドルの挿入軸449を基準とする。
【0068】
第1の直径と第2の直径との間の移行部(transition)は、本明細書で肩部454と呼ぶ、リップまたはステップによって提供される。肩部454は、ハンドルの挿入軸449に対して垂直であって、ハンドル418の第2の端部に向かって軸方向に面し得る半径方向に延びる表面の形態で提供されてもよい。挿入軸449は、ハンドル418がスピンドルに挿入される際の線である。縮小部452の直径は、ハンドルシャフトの直径に対応してもよく、及び/または、ハンドルシャフトによって提供されてもよい。
【0069】
拡張部450の軸方向の長さは、スピンドル438に挿入されるとスピンドル538を超えて突出しないように、スピンドル538の幅と同じかそれより短くてもよい。したがって、拡張部450は、スピンドル438内に完全に収容されてもよく、スピンドルハウジング456内で回転可能であってもよい。拡張部450の直径は、クランクされたときにスピンドル438を回転させるため、拡張部450が貫通孔の内面にぴったりと、しかし自由に受け入れられて当接するように、スピンドル438の貫通孔の直径に対応してもよい。
【0070】
肩部454は、ハンドル418がスピンドル538から引き抜かれるのを防止できるストッパ(stop)を提供する。すなわち、スピンドル438が閉状態から開状態に向かって移動するとき、肩部454は、スピンドルハウジング456の対応する壁部を押すことで(bearing against)、ハンドル418が引き抜かれることを防止する。これについては以下でより詳細に説明する。
【0071】
取付部448は、第1の取付部であってもよい。ハンドル418は、第2の取付部448´を備えていてもよい。第1の取付部448及び第2の取付部448´は、ハンドル418の長さに沿って設けられている。第1の取付部448は、第2の取付部448´のハンドル端側に設けられてもよく、ハンドル418の終端部に向かって配置されるか、または、終端部を提供してもよい。第1の取付部448及び第2の取付部448´は、
図5a乃至
図5cに関連して以下に説明するように、スピンドルの別個のインターロック部分と係合してもよい。したがって、第2の取付部448´は、スピンドルハウジング456の反対側と係合し、ハンドル418をスピンドル438に連結するためのさらなる手段を提供することができる。
【0072】
第2の取付部448´は、第1の取付部448と同様の方法で構成することができ、隣接する第2の縮小部452´に対して拡張された第2の拡張部450´を備えていてもよい。第2の縮小部452´は、第2の肩部454´を介して第2の拡張部450´に拡張する前に、第1の拡張部450から延びる第2の縮径された部分であってもよい。第2の拡張部450´は、第1の拡張部450と同じサイズであっても、それより小さくてもよい。第2の縮小部452´は、第1の縮小部452と同じサイズであっても、小さくても、または大きくてもよい。いくつかの実施の形態では、第1の縮小部450及び第2の縮小部452´は、ハンドル418をどちらの方向からでもスピンドル418に挿入できるように、実質的に同じであってもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、ハンドル418が、第1の取付部または第2の取付部の一方のみを備えてもよいことは理解されるであろう。
【0074】
図5a乃至
図5cは、スピンドル438及びインターロック442をさらに詳細に示している。
図5aは、ハンドル418がインターロック442内に部分的に配置されている、インターロック442の背面側(挿入軸449に沿って右から左であるハンドル418の挿入方向に関して)を示している。
図5bは、ハンドル418がインターロック442内に部分的に挿入された状態のインターロック442の前面側を示している。
図5cは、ハンドル418がインターロック442に完全に挿入され、ハンドル418がスピンドルの回転軸を中心に回転されて挿入軸449に対して90°の位置にある、完全に開いた位置にある状態を示している。
【0075】
スピンドル438は、バルブハウジング332に対して固定されたスピンドルハウジング456内に位置する円筒状部材である。スピンドル438は、ハンドル418によって作動されるとき、スピンドル軸440(スピンドル438の長手方向軸に対応してもよく、挿入軸449と直交してもよい)の周りを回転するように構成されている。スピンドル438は、スピンドル軸440を横切って、スピンドル438を直径方向に延び、挿入軸449を画定する貫通孔を備える。スピンドル貫通孔は、ハンドルが必要な回転によってスピンドル438を駆動できるように、ハンドル418の第1の拡張部450をぴったりと受け入れる大きさである均一な直径を有していてもよい。したがって、第1の拡張部450の外面は、スピンドル438を駆動するための軸受面(bearing surface)を構成してもよい。
【0076】
スピンドルハウジング456は、インターロック452を提供することができる。
図5a乃至
図5cに示す実施形態では、インターロック452は、スピンドル438の周囲に円周方向に延び、作動時にハンドル418が移動する回転経路を画定する、細長いインターロック開口部458によって提供されている。インターロック開口部458は、第1の拡張部450に対応する挿入開口部460と、第1の縮小部452に対応する作動開口部(作動スロットと呼ばれることもある)462とを含む。
図5a乃至
図5cに示した実施形態では、インターロック開口部は、半径方向内側方向から見た場合、概して、鍵穴状であると考えることができる。
【0077】
上述したように、挿入開口部460は、取付部448が挿入軸449に沿って容易に挿入できるように、ハンドル418の取付部448に対応する形状及び寸法を有する。挿入開口部460は、バルブが閉状態にあるときに、スピンドル貫通孔と位置合わせされた状態で、スピンドル貫通孔と同じサイズまたはそれより大きくてもよい。
【0078】
作動スロット462は、スピンドル軸440の周囲に円周方向に延びる長さと、スピンドル軸440に平行に延びる横幅とを有する、挿入開口部460から延びる細長い延長部である。作動スロット462の幅は、対応する方向において挿入開口部460より小さく、且つ、第1の拡張部452の直径よりも小さいので、ハンドルがスピンドル軸440の周囲を回転され、作動スロット462内に位置する場合、取付部448を作動スロット462を通して引き抜くことができない。より具体的には、取付部448を作動スロット462を通して引き抜こうとすると、第1の肩部454が、作動スロット462を画定するスピンドルハウジング456の内面に接触することになる。
【0079】
スピンドルハウジング456は、スピンドルハウジング456の両側で直径方向に対向し、それぞれ第1の取付部448及び第2の取付部448´と係合するように配置された、第1のインターロック開口部458及び第2のインターロック開口部458´を有していてもよい。第1のインターロック開口部458及び第2のインターロック開口部458´は、対応する形状及び寸法を有していてもよく、
図5a乃至
図5cにおいて反時計回りとして示される共通の作動方向に延びていてもよい。したがって、挿入開口部460,460´は、スピンドル438の両側で挿入軸449に沿って並び、作動開口部462,462´のそれぞれは、それぞれの挿入開口部460,460´から離れるように反時計回り方向に延び、使用時にバルブを閉状態から開状態に移動させるための作動方向を定義する。
【0080】
図5a及び
図5bは、バルブが閉位置にあるときにハンドル418がスピンドル438に挿入されている様子を示している。したがって、
図5aでは、取付部448´及び第2の拡張部450´を有するハンドル418の終端部が、スピンドル貫通孔から出て第2のインターロック開口部442の挿入開口部460´を通過する前の状態で示されている。
図5bは、第1の肩部454と、第1の挿入開口部460を介してスピンドル貫通孔内に延びる第1の拡張部450とを有する取付部448のハンドル側を示している。完全に挿入されると、第1の肩部454がスピンドルハウジング456の半径方向内側に位置し、
図5cに示されるように、第2の拡張部450´がスピンドルハウジング456の半径方向外側に位置することが理解されるであろう。したがって、第1の縮小部452及び第2の縮小部452´のそれぞれは、ハンドル418を回転させてバルブを操作できるように、それぞれの作動開口部内に配置されている。
【0081】
上述のように、第1の縮小部452及び第2の縮小部452の幅は、作動開口部462,462´のそれぞれの横幅よりも小さい。したがって、スピンドル438は、縮小部が引っかかることなく(without fouling)、作動開口部462、462´の長さに沿って通過するように回転可能である。ハンドルを作動開口部内に配置すると、第1の肩部及び第2の肩部のそれぞれにより、ハンドルを引き抜くことができない。
【0082】
図5cは、バルブが完全に開いており、ハンドルが引き抜かれないようにインターロックされている、作動位置にあるハンドルを示している。
【0083】
図4に戻って参照すると、取付部はまた、第1の拡張部450と第2の縮小部452´との間の移行部を画定する第3の肩部464を含んでもよい。第3の肩部464は、ハンドル418の反対側の第2の挿入開口部460´の内面と係合することによって、ハンドル418がスピンドルを越えて挿入されるのを防止するために使用されてもよい。このためには、第1の拡張部450の直径は、第2の挿入開口部560´の直径よりも大きくなければならず、したがって、第2の拡張部450´の直径よりも大きくなければならないことが理解されよう。
【0084】
図6a乃至
図6jは、本明細書に記載の粉末分配装置が展開されて使用される方法を示す。
図6aには、所定の場所で分配される大量の粉末620を含む、ホッパー612の形態の粉末源が示されている。この場所は、例えば、ALM施設内のセントラル配布場所(central distribution location)であってもよい。粉末620は、粉末の調製及び/または供給を専門とする別の場所/施設で調製され、充填されてもよい。粉末620は、例えば、所与のエンドユーザの要求に応じて、特定のタイプまたは品質であることが認定(certified)または保証され(guaranteed)、所定の計量した量で分配できるように密閉されたホッパー612で現場に配送されてもよい。
【0085】
粉末源がその場に配置されると、分配チャンバ614が粉末源612に取り付けられてもよい。
図6bに示す例では、分配チャンバ614は、本明細書に記載のものと同様の入口バルブ624及び出口バルブ626を含む。しかしながら、入口バルブ624は粉末源612に取り付けられてもよく、出口バルブ626は容器616に取り付けられてもよいことは理解されよう。
図6cに示す例では、出口バルブ626は、分配チャンバ614の底に取り付けられている。この時点で、粉末分配装置610は、使用のために組み立てられたと考えることができる。
【0086】
粉末分配装置を使用するには、
図6dに示すように、本明細書に記載のものと同様のハンドル618を入口バルブ624に挿入することができる。挿入されると、ハンドル618は、粉末620が粉末源612から分配チャンバ614内に流れる(620´)ことができるように、入口バルブ624を作動させるために回転されてもよい。理解されるように、ハンドル618は、バルブ624が閉状態にない限り引き抜くことができない、本明細書に記載のインターロックタイプのものであってもよい。分配チャンバ620が満杯になり、粉末の流れ620´が停止したら、
図6fに示すようにバルブ624を閉じ、ハンドルを取り外すことができる。分配チャンバがいつ満杯になるかについての決定は、例えば、ハンドルを完全に作動させた後、所定の秒数待つことによって達成することができる。
【0087】
入口バルブ624から取り外されると、ハンドル618は、
図6gに示されるように出口バルブ626に挿入することができ、
図6hに示されるように、分配チャンバ616内に存在する所定量の粉末620で容器616を満たすように作動することができる。
図2に関連して述べたように、容器616が分配チャンバ614から複数回の充填を受け取ることができる場合、
図6d乃至
図6iに示す工程を繰り返すことができる。粉末が、容器616内に、所望の回数、充填されて分配されると、出口バルブ626を閉じ、
図6jに示すように、容器616を密閉し、使用される場所に輸送する。
【0088】
理解されるように、分配工程は、粉末源612が枯渇して補充が必要になるまで、複数回繰り返すことができる。また、理解されるように、分配チャンバ612及び容器616は、エンドユーザの要求に応じて、さまざまな量の粉末を保持できるように、異なるサイズであってもよい。
【0089】
本明細書に記載の粉末分配装置及び方法は、既知の量の粉末を分配する便利で信頼性の高い方法を提供する。これにより、粉末の使用状況の監視と追跡をより簡単に行うことができる。これにより、粉末の無駄使いを防ぎ、在庫レベルの管理と粉末の再注文をより効率的に行うことができる。さらに、専用操作ハンドルの使用により、バルク容器と出口/容器との間の連続的な流路が防止され、粉末のロスが分配チャンバ内に含まれる量に限定される。
【0090】
本発明は、本明細書に記載された例及び実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で様々な修正及び改良を行うことができることが理解されるであろう。
【国際調査報告】