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特表2024-513895ワイヤフレーム上にRF電極を有するENT器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】ワイヤフレーム上にRF電極を有するENT器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561345
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 IB2022053149
(87)【国際公開番号】W WO2022214953
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/171,111
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/705,440
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】パルシ・ジェットミア
(72)【発明者】
【氏名】サラザール・ヘンリー・エフ
(72)【発明者】
【氏名】アブデルワヘド・ハニー
(72)【発明者】
【氏名】バス・シュバユ
(72)【発明者】
【氏名】ファング・イツァーク
(72)【発明者】
【氏名】バノスドール・マディソン・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】インスリー・ジョン・ダブリュ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK16
4C160MM06
(57)【要約】
外科用器具は、シースと、エネルギーカテーテルと、を含む。シースは、患者の頭部の鼻腔に挿入されるように構成されている。エネルギーカテーテルは、シャフトと、エンドエフェクタと、を含む。エンドエフェクタは、半径方向外向きに選択的に拡張するように構成されている。エンドエフェクタは、可撓性ワイヤと、ワイヤに沿って配設された電極とを、含む、エネルギー部材を含む。エネルギーカテーテルは、シースに対して選択的に並進可能である。近位位置において、エンドエフェクタは、シース内に同軸に収容され、それによって、エンドエフェクタが半径方向に拡張することを防止する。遠位位置において、エンドエフェクタは、シースから露出され、それによって、エンドエフェクタが、患者の頭部の鼻腔内の組織に接触するために拡張することを可能にする。エンドエフェクタが拡張状態にあるとき、エンドエフェクタは、ある幅と、幅よりも大きい長さと、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
(a)患者の頭部の鼻腔に挿入されるように構成されたシースと、
(b)前記シース内に配設されたエネルギーカテーテルであって、
(i)長手方向軸に沿って延在するシャフトと、
(ii)前記シャフトから遠位に延在し、非拡張状態から拡張状態に半径方向外向きに選択的に拡張するように構成された、細長い拡張可能なエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
(A)少なくとも1つの可撓性ワイヤと、
(B)前記少なくとも1つの可撓性ワイヤに沿って配設された複数の電極と、を備える、少なくとも1つのエネルギー部材を含む、細長い拡張可能なエンドエフェクタと、を含む、エネルギーカテーテルと、を備え、
前記エネルギーカテーテルが、前記エンドエフェクタが前記シース内に同軸に収容され、それによって、前記エンドエフェクタが前記非拡張状態から前記拡張状態に半径方向に拡張することを防止する近位後退位置と、前記エンドエフェクタが前記シースから露出され、それによって、前記エンドエフェクタが前記患者の頭部の前記鼻腔内の組織に接触するために前記非拡張状態から前記拡張状態に拡張することを可能にする遠位伸長位置との間で、前記シースに対して選択的に並進可能であり、
前記エンドエフェクタが前記拡張状態にあるとき、前記エンドエフェクタが、ある幅と、前記幅よりも大きい長さと、を有する、外科用器具。
【請求項2】
前記少なくとも1つの可撓性ワイヤが、導電性材料を含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記少なくとも1つの可撓性ワイヤが、弾性的に付勢された材料を含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記エンドエフェクタが、前記エネルギーカテーテルが前記近位後退位置から前記遠位伸長位置に並進することに応答して、前記非拡張状態から前記拡張状態に半径方向に弾性的に拡張するように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記少なくとも1つのエネルギー部材が、少なくとも1つの電気絶縁層を更に含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電気絶縁層が、前記少なくとも1つの可撓性ワイヤの周りに同軸に延在する、請求項5に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記少なくとも1つの電気絶縁層が、前記複数の電極のうちの隣接する電極の間に延在する、請求項5に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電気絶縁層が、前記複数の電極のうちの少なくとも1つの電極の外側表面の一部分によって提示されている、請求項5に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記少なくとも1つの電気絶縁層が、電気絶縁コーティングを含む、請求項8に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が、前記少なくとも1つの可撓性ワイヤから選択的に取り外し可能である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記少なくとも1つのエネルギー部材が、少なくとも1つのループ形状エネルギー部材を含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記少なくとも1つのループ形状エネルギー部材が、複数のループ形状エネルギー部材を含む、請求項11に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記複数のループ形状エネルギー部材が、互いに重なり合っている、請求項12に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記複数のループ形状エネルギー部材が、前記長手方向軸の周りに位置付けられている、請求項12に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記少なくとも1つのエネルギー部材が、少なくとも1つの角度付きエネルギー部材を含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項16】
外科用器具であって、
(a)シースと、
(b)前記シース内に配設されたエネルギーカテーテルであって、長手方向軸に沿って延在し、非拡張状態から拡張状態に半径方向外向きに選択的に拡張するように構成された、拡張可能なエンドエフェクタを含み、前記エンドエフェクタが、
(i)少なくとも1つの可撓性ワイヤと、
(ii)前記少なくとも1つの可撓性ワイヤに沿って配設された複数の電極と、を備える、少なくとも1つのエネルギー部材を含み、前記複数の電極のうちの各電極が、
(A)外側表面を有する導電性本体と、
(B)前記導電性本体の前記外側表面にわたって部分的に配設された電気絶縁層と、を含む、エネルギーカテーテルと、を備え、
前記エネルギーカテーテルが、前記エンドエフェクタが前記シース内に同軸に収容され、それによって、前記エンドエフェクタが前記非拡張状態から前記拡張状態に半径方向に拡張することを防止する近位後退位置と、前記エンドエフェクタが前記シースから露出され、それによって、前記エンドエフェクタが組織に接触するために前記非拡張状態から前記拡張状態に拡張することを可能にする遠位伸長位置との間で、前記シースに対して選択的に並進可能である、外科用器具。
【請求項17】
前記導電性本体が、導電性シリンダを含む、請求項16に記載の外科用器具。
【請求項18】
前記電気絶縁層が、電気絶縁コーティングを含む、請求項16に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年4月6日に出願の「ENT Instrument with RF Electrodes on Wire Frame」と題された米国仮特許出願第63/171,111号に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
鼻炎は、鼻腔内の粘膜の刺激作用及び炎症として呈する医学的状態である。炎症は、過剰な量の粘液の生成をもたらし、これは鼻汁、鼻詰まり、くしゃみ、及び/又は後鼻漏を引き起こす可能性がある。アレルギー性鼻炎は、空中のアレルゲンなどの環境要因に対するアレルギー反応であり、非アレルギー性(又は「血管運動性」)鼻炎は、環境要因とは独立して呈する慢性疾患である。鼻炎の従来の治療としては、例えば、抗ヒスタミン剤、局所又は全身コルチコステロイド、及び局所抗コリン薬が挙げられる。
【0003】
症状が重度かつ持続的である難治性鼻炎の場合、更なる治療の選択肢は、翼突管(又は「翼突筋」)神経の一部分の外科的除去であり、ヴィディアン神経切除として既知である手技である。ヴィディアン神経切除の理論的な基礎は、鼻炎が鼻腔の副交感神経支配と交感神経支配との間の不均衡、及び結果として生じる粘膜の粘液腺の過剰刺激によって引き起こされるということである。ヴィディアン神経切除は、この不均衡をかき乱し、ヴィディアン神経の外科的治療を介して鼻粘膜分泌物を低減させることを目的とする。しかしながら、場合によっては、ヴィディアン神経切除は、涙腺に付帯的損傷を引き起こす可能性があり、その涙腺は、ヴィディアン神経によって刺激される。涙腺へのそのような損傷は、慢性ドライアイなどの、患者にとって長期の健康上の合併症をもたらし得る。後方鼻神経切除、又は後方鼻神経の一部分の外科的除去は、難治性鼻炎を治療するためのヴィディアン神経切除の有効な代替方法であり得る。
【0004】
図1は、鼻腔(10)、前頭洞(12)、蝶形骨洞(14)、及び蝶形骨(16)を示す、患者の頭部の一部分の左矢状面の図を示す。鼻腔(10)は、鼻甲介(20)と、中鼻甲介(22)と、上鼻甲介(24)と、を含む鼻部の壁(18)によって横方向に画定される。ヴィディアン神経(32)は、蝶形骨(16)によって部分的に画定され、中鼻甲介(22)とおよそ位置合わせされて蝶形骨洞(14)の後方に位置するヴィディアン(すなわち「翼突」)管(30)の内部に存在する。ヴィディアン神経(32)は、大錐体神経(34)と深錐体神経(36)との接合部によってその後方端に形成され、その前方端で翼口蓋神経節(38)と接合し、その翼口蓋神経節(38)は、鼻粘膜への血流の調節に関与する。後鼻神経(40)は、翼口蓋神経節(38)と接合し、下鼻甲介(20)を取り囲む領域を通って延在する。
【0005】
ヴィディアン神経切除、後鼻神経切除、及び鼻甲介整復を実行するための器具及び方法は既知であるが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に説明された本発明を行い、又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例解的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
図1】特定の副鼻腔及び神経の詳細を示し、ヴィディアン神経及び後鼻神経が含まれる、患者の頭部の一部分の左矢状面の図を示す。
図2】例示的な医療手技椅子に着座した患者に使用される例示的な手術ナビゲーションシステムの概略図を示す。
図3A】鼻腔内でアブレーション手技を行うために使用され得る例示的な器具の側面図を示し、器具のシャフトアセンブリに対して近位後退位置にある器具のエネルギーカテーテルを示す。
図3B】器具のシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にある器具のエネルギーカテーテルを示す、図3Aの器具の側面図を示す。
図4図3Aに示されているエネルギーカテーテルの遠位部分の斜視図を示す。
図5図3Aに示されているエネルギーカテーテルのリング電極の斜視図を示す。
図6図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエネルギーカテーテルの遠位部分の斜視図を示す。
図7図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエネルギーカテーテルの遠位部分の斜視図を示す。
図8図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエネルギーカテーテルの遠位部分の斜視図を示す。
図9図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエネルギーカテーテルの遠位部分の斜視図を示す。
図10図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエネルギーカテーテルの遠位部分の斜視図を示す。
図11図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエンドエフェクタの遠位部分の斜視図を示す。
図12図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエンドエフェクタの遠位部分の斜視図を示す。
図13図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエンドエフェクタの遠位部分の斜視図を示す。
図14図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエンドエフェクタの遠位部分の斜視図を示す。
図15A】エンドエフェクタのそれぞれの長手方向セグメントに選択的に取り付けられた複数のリング電極を示す、図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエンドエフェクタの遠位部分の斜視図を示す。
図15B】エンドエフェクタのそれぞれの長手方向セグメントから選択的に取り外された複数のリング電極の一部を示す、図15Aのエンドエフェクタの遠位部分の斜視図を示す。
図16A】エンドエフェクタのそれぞれの弓状セグメントに選択的に取り付けられた複数のリング電極を示す、図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエンドエフェクタの遠位部分の斜視図を示す。
図16B】エンドエフェクタのそれぞれの弓状セグメントから選択的に取り外された複数のリング電極の一部を示す、図16Aのエンドエフェクタの遠位部分の斜視図を示す。
図17図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエンドエフェクタの遠位部分の斜視図を示す。
図18図3Aの器具とともに使用するための別の例示的なエンドエフェクタの遠位部分の斜視図を示す。
図19A】エネルギーカテーテルがシャフトアセンブリに対して近位後退位置にある、図3Aの器具の遠位部分の、後鼻神経の領域における患者の鼻腔内への挿入を示す、患者の頭部の一部分の左矢状面の図を示す。
図19B】後鼻神経の一部にRFエネルギーを送達し、それによって、神経部分をアブレーションするために、エネルギーカテーテルがシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にある、図3Aの器具の遠位部分を後鼻神経の領域における患者の鼻腔に挿入した状態の患者の頭部の一部分の左矢状面の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例解として本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例解的なものとしてみなされるべきである。
【0008】
本開示を明確にするために、本明細書において、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を握持する外科医又は他の操作者に対して定義される。「近位」という用語は、外科医のより近くに配置された要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタのより近くにかつ外科医からより遠くに配置された要素の位置を指す。更に、図面を参照して「上側」、「下側」、「垂直」、「水平」などの空間的用語が本明細書で使用される限り、このような用語は、例示的な記述目的にのみ使用され、限定する又は絶対的であることを意図するものではないことが理解されよう。その点において、本明細書に開示されるものなどの外科用器具を、本明細書で図示及び説明するものに限定されない様々な配向及び位置で使用し得ることが理解されよう。
【0009】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲の「約」及び「およそ」という用語は、構成要素の部分又は集合が、本明細書で説明されているその本来の目的のために機能することを可能とするような好適な寸法の許容範囲を示すものである。
【0010】
I.例示的な画像誘導手術ナビゲーションシステム
患者(patient、P)の頭部(head、H)内で医療手技を実施するとき、特に器具が患者(P)の頭部(H)内の器具の作業要素の内視鏡視野を得ることが困難又は不可能である場所にある場合に、患者(P)の頭部(H)内の器具の位置に関する情報を有することが望ましい場合がある。図2は、画像誘導を使用してENT手技を実行することを可能にする例示的なIGSナビゲーションシステム(50)を示す。本明細書に説明されている構成要素及び動作性を有することに加えて、あるいはそれに代えて、IGSナビゲーションシステム(50)は、米国特許第7,720,521号、発明の名称「Methods and Devices for Performing Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2010年5月18日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)、及び米国特許出願公開第2014/0364725号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2014年12月11日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であり得る。
【0011】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(50)は、磁場生成器アセンブリ(60)を備え、磁場生成器アセンブリ(60)は、馬蹄形フレーム(62)に組み込まれた磁場生成器(64)のセットを備える。磁場生成器(64)は、患者(P)の頭部(H)の周りに異なる周波数の交流磁場を生成するように動作可能である。以下に説明されるRFアブレーション器具のうちのいずれかなどの器具が、患者(P)の頭部(H)の中に挿入され得る。そのような器具は、独立型デバイスであり得るか、又はエンドエフェクタ上に位置付けられ得る。本実施例では、フレーム(62)が椅子(70)に装着され、フレーム(62)が患者(P)の頭部(H)に隣接して位置するように、患者(P)は、椅子(70)に着座する。単に一例として、椅子(70)及び/又は磁界生成器アセンブリ(60)は、米国特許第10,561,370号、発明の名称「Apparatus to Secure Field Generating Device to Chair」(2020年2月18日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であり得る。
【0012】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(50)は、更に、プロセッサ(52)を備え、プロセッサ(52)は、IGSナビゲーションシステム(50)の磁場生成器(64)及び他の要素を制御する。例えば、プロセッサ(52)は、磁界生成器(64)を駆動して交流電磁界を生成し、器具からの信号を処理して患者(P)の頭部(H)内における器具内のナビゲーションセンサの場所を判定するように動作可能である。プロセッサ(52)は、1つ又は2つ以上のメモリと通信する処理ユニット(例えば、組み合わせ論理回路又は他の類似の回路を使用してソフトウェア命令を評価及び実行するように配置された一組の電子回路)を備える。本実施例のプロセッサ(52)は、キーパッド及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを含む動作制御部(54)を備えるコンソール(58)内に装着されている。医師は、外科手技を実行しながら、動作制御部(54)を使用して、プロセッサ(52)と相互作用する。
【0013】
図示されていないが、器具は、磁界生成器(64)によって生成された交流磁界内における配置に応答するナビゲーションセンサを含み得る。結合ユニット(図示せず)は器具の近位端部に固定され得、コンソール(58)と器具との間のデータ及び他の信号の通信を提供するように構成され得る。結合ユニットは、データ及び他の信号の有線又は無線通信を提供することができる。
【0014】
いくつかの変形形態では、器具のナビゲーションセンサは、器具の遠位端部又はその近傍に少なくとも1つのコイルを備え得る。磁場生成器(64)によって生成された交流電磁場の中にこのようなコイルが位置付けされると、交流磁場がコイルの中に電流を生成し得、この電流は、器具内の導電路に沿って、及び結合ユニットを介して更にプロセッサ(52)に通信され得る。この現象により、IGSナビゲーションシステム(50)が、三次元空間内(すなわち、患者(P)の頭部(H)内)の器具の遠位端部の場所を判定することが可能となり得る。これを実現するために、プロセッサ(52)は、器具の遠位端部の場所の座標を、器具内のコイルの位置関連信号から計算するアルゴリズムを実行する。
【0015】
プロセッサ(52)は、プロセッサ(52)のメモリに記憶されたソフトウェアを使用して、IGSナビゲーションシステム(50)を較正し、動作させる。このような動作は、磁場生成器(64)を駆動することと、器具からのデータを処理することと、動作制御部(54)からのデータを処理することと、ディスプレイスクリーン(56)を駆動することと、を含む。いくつかの実装形態では、動作はまた、IGSナビゲーションシステム(50)の1つ又は2つ以上の安全機構又は機能の監視及び施行も含み得る。プロセッサ(52)は、患者の頭部(H)のビデオカメラ画像、患者の頭部(H)のCTスキャン画像、及び/又は患者の鼻腔内及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造のコンピュータ生成三次元モデルに対する器具の遠位端部の位置を示すディスプレイスクリーン(56)を介して、リアルタイムでビデオを提供するように更に動作可能である。ディスプレイスクリーン(56)は、外科手技中にこのような画像を同時に及び/又は互いに重ね合わせて表示することができる。そのようなディスプレイ画像は、また、患者の頭部(H)に挿入された器具のグラフィカル表現を含むことができ、それにより、操作者がリアルタイムでその実際の場所にある器具の仮想レンダリングを見ることができるようになる。単に一例として、ディスプレイスクリーン(56)は、米国特許第10,463,242号、発明の名称「Guidewire Navigation for Sinuplasty」(2019年11月5日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って画像を提供し得る。操作者が内視鏡も使用している場合には、内視鏡画像もディスプレイスクリーン(56)に提供することができる。
【0016】
ディスプレイスクリーン(56)を介して提供される画像は、操作者が患者の頭部(H)内で器具を操縦し、かつ別様に操作する際の誘導を支援し得る。また、以下に説明されるように、外科用器具の他の構成要素及び他の種類の外科用器具は、上で説明されるナビゲーションセンサのようなナビゲーションセンサを組み込み得ることを理解されたい。
【0017】
II.弾性支持ワイヤを有する拡張可能な電極アセンブリを備えた例示的なRFアブレーション器具
場合によっては、ヴィディアン神経切除手技の代替として、後鼻神経(40)などの鼻神経の効果的かつ安全なRFアブレーションを容易にするために、非拡張状態と拡張状態との間で選択的に作動可能な少なくとも1つの電極アセンブリを有するRFアブレーション器具を提供することが望ましい場合がある。そのようなアブレーション器具は、アブレーション部材が非拡張状態にある間に、鼻腔内に挿入して標的領域に到達させるのを容易にし、アブレーション部材が拡張状態にあるとき、標的組織との完全な接触を促進し得る。後述する例示的なRFアブレーション器具(100)は、そのように機能することができる。以下に提供される実施例は、後鼻神経(40)アブレーションに関連して考察されるが、RFアブレーション器具(100)は、患者の耳、鼻、又は咽喉内の様々な他の領域内の組織をアブレーションするために使用され得る。RFアブレーション器具(100)が用いられ得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明白であろう。
【0018】
A.単極性の二重ループ電極アセンブリを有するエネルギーカテーテルを備えた例示的なRFアブレーション器具
図3A図5は、RFエネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(100)の一例を示す。例えば、器具(100)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造を切除する、電気穿孔する(例えば、治療薬の吸収を促進するためなど)、若しくは抵抗加熱を適用するために使用され得る。この例の器具(100)は、ハンドルアセンブリ(110)と、シャフトアセンブリ(130)と、第1のループ電極アセンブリ(150a)及び第2のループ電極アセンブリ(150b)を有する細長いエンドエフェクタ(146)を備えたエネルギーカテーテル(140)と、を含む。器具(100)は、エネルギーカテーテル(140)の近位端部に位置付けられたエネルギーカテーテルコネクタ(104)を介してRF生成器(102)と結合されている。エネルギーカテーテルコネクタ(104)は、RF生成器(102)に結合された近位端部を有するケーブル(106)の遠位端部に選択的に結合することができる。他の変形例では、ケーブル(106)は、エネルギーカテーテル(140)と直接一体化され得る。いずれの場合も、RF生成器(102)は、以下でより詳細に説明するように、電極(170a、170b)を介して組織に送達するためのRF電気外科用エネルギーを生成するように動作可能である。このようなRF電気外科用エネルギーは、単極様式又は双極様式で送達され得る。
【0019】
この例のハンドルアセンブリ(110)は、本体(112)及びスライダ(122)を含む。本体(112)は、パワーグリップ、ペンシルグリップ、又は任意の他の好適な種類のグリップなどを介して、操作者の片手で握持して操作されるようにサイズ決定され、かつそのように構成されている。スライダ(122)は、本体(112)に対して長手方向に並進するように動作可能である。スライダ(122)は、エネルギーカテーテル(140)と結合されており、したがって、以下でより詳細に説明するように、エネルギーカテーテル(140)をループ電極アセンブリ(150a、150b)とともに長手方向に並進させるように動作可能である。図3Aから図3Bへの移行は、ループ電極アセンブリ(150a、150b)がスライダ(122)によって近位位置(図3A)から遠位位置(図3B)へ駆動されていることを示す。
【0020】
本実施例のシャフトアセンブリ(130)は、剛性部分(132)、剛性部分(132)の遠位にある可撓性部分(134)、及び開放遠位端部(136)を含む。プルワイヤ(図示せず)は、可撓性部分(134)と結合され、かつハンドルアセンブリ(110)の偏向制御ノブ(116)と結合されている。偏向制御ノブ(116)は、プルワイヤを近位に選択的に後退させるために、シャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に垂直な軸を中心として、本体(112)に対して回転可能である。プルワイヤが近位に後退すると、可撓性部分(134)が曲がり、それにより、遠位端部(136)を剛性部分(132)の長手方向軸から横方向に離れて偏向させる。したがって、偏向制御ノブ(116)、プルワイヤ、及び可撓性部分(134)が協働して、シャフトアセンブリ(130)に操縦性を付与する。ほんの一例として、シャフトアセンブリ(130)のこのような操縦性は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年11月25日公開の「Shaft Deflection Control Assembly for ENT Guide Instrument」と題された米国特許出願公開第2021/0361912号の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。他の変形例は、偏向制御ノブ(116)の代わりに、可撓性部分(134)の操縦を駆動するためのいくつかの他の種類のユーザ入力機構を提供し得る。いくつかの変形例では、可撓性部分(134)は、ニチノールから形成され得る。加えて、又は代替的に、開放遠位端部(136)は、組織を切開するように構成され得る。いくつかの代替の変形例では、偏向制御ノブ(116)は省略され、可撓性部分(134)は、可鍛性である。更なる他の変形例では、シャフトアセンブリ(130)の全長は、剛性である。
【0021】
シャフトアセンブリ(130)はまた、剛性部分(132)の長手方向軸を中心として、ハンドルアセンブリ(110)に対して回転可能である。このような回転は、ハンドルアセンブリ(110)の本体(112)と回転可能に結合された回転制御ノブ(114)を介して駆動され得る。代替的に、シャフトアセンブリ(130)は、いくつかの他の形態のユーザ入力部を介して回転され得るか、又は、ハンドルアセンブリ(110)に対して回転不可能であり得る。また、本明細書に説明されるハンドルアセンブリ(110)の例は、単に例解的な例であることを理解されたい。シャフトアセンブリ(130)は、代わりに、任意の他の好適な種類のハンドルアセンブリ又は他の支持体と結合され得る。
【0022】
図4で最もよく分かるように、本実施例のエネルギーカテーテル(140)は、近位本体部分(142)及び遠位本体部分(144)を有する本体(例えば、シャフト)を含み、細長いエンドエフェクタ(146)は、遠位本体部分(144)から遠位に延在するループ電極アセンブリ(150a、150b)を有する。この点に関して、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に各々平行であり、かつそれに沿って位置付けられたそれぞれの平面に沿って延在する。いくつかの他の変形例では、ループ電極アセンブリ(150a、150b)によって画定された平面は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸と平行であるが、それらから横方向にオフセットされている。各ループ電極アセンブリ(150a、150b)は、遠位本体部分(144)の遠位端部に結合された第1及び第2の外向きに広がったセグメント(152a、152b)と、それぞれの外向きに広がったセグメント(152a、152b)の遠位端部から遠位に延在する第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)と、長手方向セグメント(154a、154b)の遠位端部の間に延在する弓状横断方向セグメント(156)と、を含む。
【0023】
本実施例では、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は各々、少なくともループ電極アセンブリ(150a、150b)が遠位位置にある(すなわち、シャフトアセンブリ(130)に対して露出している)ときに、エンドエフェクタ(146)が概ね細長くなる(例えば、その幅よりも大きい長さを有する)ように、球根状の概ね楕円形又は卵形の形状を画定する。代替的に、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は、他の変形例では異なる形状を画定し得る。更に、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は各々、この実施例では概ね対称であるが、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は、必要に応じて非対称であり得る。本実施例のループ電極アセンブリ(150a、150b)はまた、後述するように弾性材料(例えば、ニチノールなど)から各々少なくとも部分的に形成されており、その結果、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は、各々弾性的に付勢されて、それぞれの概ね球根状の形状を形成するが、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は、横方向に、内向きに、かつ別様に変形するように各々構成されている。例えば、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は、ループ電極アセンブリ(150a、150b)が組織に押し付けられたとき、ループ電極アセンブリ(150a、150b)がシャフトアセンブリ(130)の可撓性部分(134)内に収容されたときなどに、変形し得る。
【0024】
図示されている実施例では、第1及び第2のループ電極アセンブリ(150a、150b)は、少なくとも部分的に互いに重なり合っている。より具体的には、第2のループ電極アセンブリ(150b)の第1の外向きに広がったセグメント(152a)は、第1のループ電極アセンブリ(150a)の外向きに広がったセグメント(152a、152b)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続しており、第1のループ電極アセンブリ(150a)の第2の外向きに広がったセグメント(152b)は、第2のループ電極アセンブリ(150b)の外向きに広がったセグメント(152a、152b)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続している。他の変形例では、第1及び第2のループ電極アセンブリ(150a、150b)は、互いに重なり合わない場合がある。例えば、第2のループ電極アセンブリ(150b)の第1の外向きに広がったセグメント(152a)は、ループ電極アセンブリ(150a)の第2の外向きに広がったセグメント(152b)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続し得、第1のループ電極アセンブリ(150a)の第2の外向きに広がったセグメント(152b)は、ループ電極アセンブリ(150b)の第1の外向きに広がったセグメント(152a)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続し得る。
【0025】
図4に更に図示されているように、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は各々、対応するセグメント(152a、152b、154a、154b、156)の各々に沿って延在する可撓性支持ワイヤ(160)を含む。各支持ワイヤ(160)は、それぞれのループ電極アセンブリ(150a、150b)の概ね球根状の形状を画定するように弾性的に付勢されている。支持ワイヤ(160)は各々、それぞれのループ電極アセンブリ(150a、150b)の任意の他の所定の幾何学的形状を画定するように弾性的に付勢され得る。いくつかの変形例では、支持ワイヤ(160)は各々、金属製であり得る。例えば、支持ワイヤ(160)は各々、ニチノールで形成され得る。本実施例のループ電極アセンブリ(150a、150b)は各々、以下で考察される理由により、それぞれの支持ワイヤ(160)にわたって延在する電気絶縁コーティング又はスリーブ(162)を更に含む。
【0026】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)は各々、対応する支持ワイヤ(160)に動作可能に固定された第1及び第2のリング電極(170a、170b)の形態の複数のエネルギー印加要素も含む。リング電極(170a)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(150a)のそれぞれの第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)に沿って互いから長手方向に離間している。同様に、リング電極(170b)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(150b)のそれぞれの第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)に沿って互いから長手方向に離間している。
【0027】
図5に図示されているように、各第1のリング電極(170a)は、対応する支持ワイヤ(160)及び/又はそれぞれのループ電極アセンブリ(150a、150b)の他の構成要素を受容するためのボア(174)を画定する、導電性シリンダ(172)を含む。第1のリング電極(170a)は各々、対応する導電性シリンダ(172)の外側円筒表面上に部分的に適用された電気絶縁コーティング又は層(176)も含み得る。例えば、絶縁層(176)は、導電性シリンダ(172)の外側円筒表面のおよそ半分にわたって適用され得る。絶縁層(176)は、例えば、非導電性接着剤、スプレーコーティング、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)、又はポリエーテルブロックアミド(polyether block amide、PEBA)のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。このようにして、絶縁層(176)は、後述するように、第1のリング電極(172a)の対応する導電性シリンダ(172)によって印加されるRFエネルギーから、絶縁層(176)が面する第1のリング電極(170a)の側の組織を保護するように構成され得る。各第2のリング電極(170b)は、第1のリング電極(170a)と同様に形成され得、同様に、ボア(174)及び/又は絶縁層(176)を有するシリンダ(172)を含み得る。図4では、各長手方向セグメント(154a、154b)に沿って位置付けられた8つのリング電極(170a、170b)が示されているが、任意の他の好適な数のリング電極(170a、170b)を提供し得る。
【0028】
引き続き図4を参照すると、各絶縁スリーブ(162)は、対応するセグメント(152a、152b、154a、154b、156)の各々に沿って、それぞれのリング電極(170a、170b)の各々の間に延在し、リング電極(170a、170b)は露出されたままである。このようにして、絶縁スリーブ(162)は、シャフトアセンブリ(130)内及び/又は隣接するリング電極(170a、170b)間の短絡を防止し得る。いくつかの変形例では、各ループ電極アセンブリ(150a、150b)のスリーブ(162)は、対応するリング電極(170a、170b)のそれぞれのボア(174)内に受容され得る。
【0029】
各リング電極(170a、170b)の導電性シリンダ(172)は、導電性シリンダ(172)をRF生成器(102)と電気的に結合する、対応する1つ若しくは2つ以上のワイヤ、トレース、及び/又は他の導電性要素と結合されている。いくつかの変形例では、導電性シリンダ(172)は各々、対応する支持ワイヤ(160)の形態の導電性要素を介してRF生成器(102)と電気的に結合されている。代替的に、導電性シリンダ(172)は各々、対応する支持ワイヤ(160)とは別個かつ異なる1つ又は2つ以上の導電性要素を介してRF生成器(102)と電気的に結合され得る。このような場合、導電性要素は各々、対応する支持ワイヤ(160)に沿って延在し、対応する支持ワイヤ(160)から電気的に絶縁され得る。この点に関して、各スリーブ(162)は、対応する支持ワイヤ(160)及び/又は導電性要素を受容するためのそれぞれの通路(図示せず)を画定し得る。いずれにしても、第1のリング電極(170a)は各々、第1の極性でRFエネルギーを印加するように構成されており、第2のリング電極(170b)は各々、第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成されている。したがって、リング電極(170a、170b)は、リング電極(170a、170b)に接触する組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能であり、第1のリング電極(170a)は活性電極として機能し、第2のリング電極(170b)は戻り電極として機能する。
【0030】
示される実施例では、第1及び第2のループ電極アセンブリ(150a、150b)がそれぞれ第1及び第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成されるよう、第1のリング電極(170a)は、第1のループ電極アセンブリ(150a)の第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)に沿って位置付けられており、第2のリング電極(170b)は、第2のループ電極アセンブリ(150b)の第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)に沿って位置付けられている。したがって、ループ電極アセンブリ(150a、150b)が互いに協働して、双極RFエネルギーを組織に印加することができる。いくつかの変形例では、第1のループ電極アセンブリ(150a)の第1のリング電極(170a)の導電性シリンダ(172)は、単一の導電性要素(例えば、第1のループ電極アセンブリ(150a)の対応する支持ワイヤ(160))を介してRF生成器(102)と電気的に結合され得、第2のループ電極アセンブリ(150b)の第2のリング電極(170b)の導電性シリンダ(172)は、単一の導電性要素(例えば、第2のループ電極アセンブリ(150b)の対応する支持ワイヤ(160))を介してRF生成器(102)と電気的に結合され得る。リング電極(170a、170b)のこの配置、及び第1のループ電極アセンブリ(150a)と第2のループ電極アセンブリ(150b)との重なっている関係により、リング電極(170a、170b)の極性は、円周方向に交互になり得る。
【0031】
リング電極(170a、170b)は、任意の好適な配置でループ電極アセンブリ(150a、150b)の長手方向セグメント(154a、154b)に沿って位置付けられ得、例えば、第1のリング電極(170a)がループ電極アセンブリ(150a、150b)の第1の長手方向セグメント(154a)に沿って位置付けられ、第2のリング電極(170b)がループ電極アセンブリ(150a、150b)の第2の長手方向セグメント(154b)に沿って位置付けられ得るか、又はその逆であり得、その結果、第1及び第2のループ電極アセンブリ(150a、150b)は、以下でより詳細に説明するように、独立して双極RFエネルギーを組織に印加し得ることが理解されるであろう。他の変形例では、第1及び第2のリング電極(170a、170b)は、隣接する第1及び第2のリング電極(170a、170b)が互いから電気的に絶縁された交互配置などで、両方のループ電極アセンブリ(150a、150b)の各長手方向セグメント(154a、154b)に沿って位置付けられ得る。ループ電極アセンブリ(150a、150b)の間で極性が割り当てられ得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明白であろう。加えて、又は代替的に、リング電極(170a、170b)の少なくとも一部は、後述するように、それぞれの長手方向セグメント(154a、154b)から選択的に取り外し可能であり得る。
【0032】
図3A及び図3Bに図示されているように、エネルギーカテーテル(140)は、シャフトアセンブリ(130)に対して、近位後退位置(図3A)と遠位伸長位置(図3B)との間でスライダ(122)を介して選択的に作動可能である。図3Aの例示的な近位後退位置では、ループ電極アセンブリ(150a、150b)を含むエンドエフェクタ(146)は、非拡張状態でシャフトアセンブリ(130)の可撓性部分(134)内に収容されている。この点に関して、可撓性部分(134)は、ループ電極アセンブリ(150a、150b)を非拡張状態に収縮させるようなサイズの内側断面寸法を有し得る。したがって、可撓性部分(134)は、ループ電極アセンブリ(150a、150b)を半径方向に圧縮し、エネルギーカテーテル(140)が近位後退位置にあるときに、ループ電極アセンブリ(150a、150b)が半径方向に拡張するのを防止するか、又は別様に、ループ電極アセンブリ(150a、150b)の半径方向の拡張を制限することができる。図3Bの例示的な遠位伸長位置では、ループ電極アセンブリ(150a、150b)を含むエンドエフェクタ(146)は、遠位端部(136)を越えて遠位に伸長するように、シャフトアセンブリ(130)の可撓性部分(134)から露出している。したがって、可撓性部分(134)は、エネルギーカテーテル(140)が遠位伸長位置に移行することに応答して、ループ電極アセンブリ(150a、150b)が中心長手方向軸から外向きに拡張状態に弾性的に拡張することを可能にし得る。
【0033】
図3Bに図示されているように、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は各々、エネルギーカテーテル(140)の遠位伸長位置への作動に応答して遠位本体部分(144)を越えて半径方向外向きに伸長するように、ループ電極アセンブリ(150a、150b)の弾性付勢に起因して、非拡張状態から拡張状態へと外向きに自動的に拡張可能である。したがって、エネルギーカテーテル(140)は、近位後退位置から遠位伸長位置に作動されるように構成されており、それに応答して、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は、非拡張状態から拡張状態へと自動的に拡張されて、RFアブレーション器具(100)の遠位端部を鼻腔(10)内に挿入した後に、ループ電極アセンブリ(150a、150b)、より具体的にはリング電極(170a、170b)を患者の標的組織と電気的に接触させるように構成されている。
【0034】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)の使用中、ループ電極アセンブリ(150a、150b)が図3Bに図示されているようにシャフトアセンブリ(130)の遠位端部(136)から完全に展開されると、操作者は、ループ電極アセンブリ(150a、150b)、より具体的にはリング電極(170a、170b)を、操作者がアブレーションしたい(又は別様にRFエネルギーを印加したい)組織に押し付け得る。組織が少なくとも1つの第1のリング電極(170a)及び少なくとも1つの第2のリング電極(170b)によって適切に係合された状態で、操作者は、次いで、RF生成器(102)をアクティブ化させ得、リング電極(170a、170b)は、ループ電極アセンブリ(150a、150b)が押し付けられている組織に双極RFエネルギーを印加する。いくつかのシナリオでは、RFエネルギーがループ電極アセンブリ(150a、150b)を介して組織に印加されている間に、生理食塩水又は他の潅注流体がシャフトアセンブリ(130)を通して放出され得、それにより、電気的連続性が促進される。加えて、又は代替的に、アブレーション手技中に生成される煙、蒸気などを排出するために、シャフトアセンブリ(130)、より具体的には開放遠位端部(136)を介して吸引が適用され得る。いくつかの代替的使用では、シャフトアセンブリ(130)は、遠位端部(136)が組織を特定の深さまで貫通するように、組織内に押し込まれ得る。例えば、遠位端部(136)は、別の器具を使用して形成された切開部を通して挿入され得、又は遠位端部(136)は、鈍的切開を提供するのに十分な力で押し込まれ得る。
【0035】
場合によっては、操作者は、ループ電極アセンブリ(150a、150b)をシャフトアセンブリ(130)の遠位端部(136)から部分的にのみ展開することを望む場合がある。図3Aに図示されているように、スライダ(122)が最近位位置にある状態で、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は、シャフトアセンブリ(130)内に完全に収容され得る。スライダ(122)が中間の長手方向位置(図示せず)まで遠位に部分的に前進したとき、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は、シャフトアセンブリ(130)の遠位端部(136)から遠位に部分的に伸長し得る(図示せず)。それにもかかわらず、操作者は、ループ電極アセンブリ(150a、150b)が部分的に展開された状態にあるときに、露出したリング電極(170a、170b)を組織に押し付け、次いで、少なくとも露出したリング電極(170a、170b)をアクティブ化させて、RFエネルギーを組織に印加することができる。ループ電極アセンブリ(150a、150b)が部分的に展開された状態にある間に、RFエネルギーを組織に印加することに加えて、又はその代わりに、操作者がループ電極アセンブリ(150a、150b)を完全に展開することを選択した場合、操作者は、スライダ(122)を遠位位置まで前進させ続け得る。スライダ(122)が遠位位置にある状態で、ループ電極アセンブリ(150a、150b)は完全に展開され、それにより、図3Bに示される概ね球根状の形状を画定し得る。単に例として、ループ電極アセンブリ(150a、150b)のこのような部分的な展開及び/又は完全な展開は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2022年2月24日公開の「ENT Ablation Instrument with Electrode Loop」と題された米国特許出願公開第2022/0054188号の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0036】
図示されていないが、器具(100)はまた、三次元空間における器具(100)の遠位端部(136)又はいくつかの他の構成要素の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ又は2つ以上の位置センサを含み得る。このような位置センサは、シャフトアセンブリ(130)に直接一体化され得るか、又は後述するようにループ電極アセンブリ(150a、150b)などの器具(100)の他の場所に一体化され得る。加えて、又は代替的に、このような位置センサは、シャフトアセンブリ(130)内に配設されたガイドワイヤ又は他の構成要素に一体化され得る。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ又は2つ以上のコイルの形態を採り得る。このような位置信号によって生成された位置データは、器具(100)の遠位端部(136)又はいくつかの他の構成要素が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、視覚的指標を操作者に提供するシステム(例えば、図2に示され、上記で説明したIGSナビゲーションシステム(50))によって処理され得る。このような視覚的指標は、患者の解剖学的構造の、手術前に得らされた1つ又は2つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供され得る。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0037】
加えて、いくつかの変形例では、エネルギーカテーテル(140)は、更に、ループ電極アセンブリ(150a、150b)によってアブレーションされている組織(例えば、神経)の状態を感知するように動作可能な1つ又は2つ以上の組織センサを含み得る。そのような各組織センサは、感知された状態を示す信号をプロセッサ(52)に通信し得る。信号を受信することに応答して、次いで、プロセッサ(52)は、RF生成器(102)から活性リング電極(170a)に送達されるRFアブレーションエネルギーを調整する(例えば、非アクティブ化する)ことができ、かつ/又は、感知された組織の状態を通知する、操作者への指示を提供することができる。いくつかの変形例では、かかる組織センサは、アブレーション中に標的組織の温度を測定するように動作可能な熱電対を備え得る。他の変形例では、かかる組織センサは、アブレーション中に組織の電気インピーダンスを測定するために低電力RF信号を標的組織に送達するように動作可能な一対の検出電極を備え得る。このようないくつかの変形例では、かかる検出電極は、リング電極(170a、170b)とは別個に提供することができる。他のそのような変形例では、1つ又は2つ以上のリング電極(170a、170b)は、アブレーション電極及び検出電極の両方として動作可能であり得る。いずれの構成においても、低電力RF信号は、標的組織に対して、リング電極(170a、170b)によって送達される高電力RFアブレーションエネルギーと同時に、又は迅速に交互に送達することができる。標的組織が実質的に無傷でアブレーションされない状態のままである間、低電力RF信号は、比較的低いインピーダンスを有する組織を自由に通過することができる。組織のアブレーションが進行するに従い、検出電極は、組織のインピーダンスの対応する増加を検出することができ、その増加は、プロセッサ(52)に伝達される。
【0038】
いくつかの変形例では、各リング電極(170a、170b)は、組織の1つ又は2つ以上のアブレーション領域を調整することを可能にするために、他のリング電極(170a、170b)に対して独立してアクティブ化され得る。上述したように、このようなアクティブ化は、所望の標的組織を確実に適切にアブレーションするために、組織センサ及び/又は位置センサからの、プロセッサ(52)によって受信されたフィードバックに応答してなど、プロセッサ(52)によって自動的に行われ得る。加えて、又は代替的に、このようなアクティブ化は、例えばディスプレイスクリーン(56)上に表示された画像又は他の情報に基づいて、操作者によって手動で行われ得る。
【0039】
本変形例のループ電極アセンブリ(150a、150b)は、スライダ(122)を介してシャフトアセンブリ(130)に対して選択的に前進及び後退され得るが、第1のループ電極アセンブリ(150a)及び/又は第2のループ電極アセンブリ(150b)は、代替的に、シャフトアセンブリ(130)に対して長手方向に固定され得る。このような変形例では、第1のループ電極アセンブリ(150a)及び/又は第2のループ電極アセンブリ(150b)は、シャフトアセンブリ(130)に対して摺動可能に配設された外側シース(図示せず)内に選択的に収容され得るか、又は外側シースによって露出され得る。例えば、第1のループ電極アセンブリ(150a)及び/又は第2のループ電極アセンブリ(150b)を選択的に収容又は露出するために、シャフトアセンブリ(130)は、このような外側シースに対して長手方向に摺動し得るか、又は外側シースがシャフトアセンブリ(130)に対して長手方向に摺動し得る。ループ電極アセンブリ(150a、150b)がどのように前進し、後退し、収容され、又は露出されるかにかかわらず、前進、後退、収容、又は露出の程度は、上述したものと同様の様式で選択されて調整され、それにより、組織接触の程度を変化させ得る。
【0040】
B.単極性の三重ループ電極アセンブリを有する代替的なエネルギーカテーテル
場合によっては、エネルギーカテーテル(140)と比較して追加のエネルギー送達能力を有する、器具(100)とともに使用するためのカテーテルを提供することが望ましい場合がある。図6は、そのような能力を有する別の例示的なエネルギーカテーテル(240)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エネルギーカテーテル(240)は、エネルギーカテーテル(140)と実質的に同様である。
【0041】
本実施例のエネルギーカテーテル(240)は、近位本体部分(142)及び遠位本体部分(144)を含み、細長いエンドエフェクタ(246)が、遠位本体部分(144)から遠位に延在する第1、第2、及び第3のループ電極アセンブリ(250a、250b、250c)を有する。この点に関して、ループ電極アセンブリ(250a、250b、250c)は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に各々平行であり、かつそれらに沿って位置付けられたそれぞれの平面に沿って延在する。いくつかの他の変形例では、ループ電極アセンブリ(250a、250b、250c)によって画定された平面は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸と平行であるが、それらから横方向にオフセットされている。各ループ電極アセンブリ(250a、250b、250c)は、第1及び第2の外向きに広がったセグメント(152a、152b)と、第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)と、弓状横断方向セグメント(156)と、を含む。
【0042】
図示されている実施例では、第1及び第2のループ電極アセンブリ(250a、250b)は、少なくとも部分的に互いに重なり合っている。より具体的には、第2のループ電極アセンブリ(250b)の第1の外向きに広がったセグメント(152a)は、第1のループ電極アセンブリ(250a)の外向きに広がったセグメント(152a、152b)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続しており、第1のループ電極アセンブリ(250a)の第2の外向きに広がったセグメント(152b)は、第2のループ電極アセンブリ(250b)の外向きに広がったセグメント(152a、152b)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続している。本変形例の第3のループ電極アセンブリ(250c)は、第1及び第2のループ電極アセンブリ(250a、250b)の両方と重なり合っている。より具体的には、第3のループ電極アセンブリ(250c)の外向きに広がったセグメント(152a、152b)は各々、第1のループ電極アセンブリ(250a)の第1の外向きに広がったセグメント(152a)及び第2のループ電極アセンブリ(250b)の第2の外向きに広がったセグメント(152b)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続している。他の変形例では、第3のループ電極アセンブリ(250c)は、第1及び/若しくは第2のループ電極アセンブリ(250a、250b)と重なり合わなく得、並びに/又は、第1及び第2のループ電極アセンブリ(250a、250b)は、互いに重なり合わない場合がある。
【0043】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)と同様に、各ループ電極アセンブリ(250a、250b、250c)は、可撓性支持ワイヤ(160)と、絶縁スリーブ(162)と、第1及び第2のリング電極(170a、170b)の形態の複数のエネルギー印加要素と、を含む。ループ電極アセンブリ(250a)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(250a)のそれぞれの第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)に沿って互いから長手方向に離間している、第1のリング電極(170a)の2つの平行な列を有する。ループ電極アセンブリ(250b)も、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(250b)のそれぞれの第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)に沿って互いから長手方向に離間している、第1のリング電極(170a)の2つの平行な列を有する。ループ電極アセンブリ(250c)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(250c)のそれぞれの第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)に沿って互いから長手方向に離間している、第2のリング電極(170b)の2つの平行な列を有する。
【0044】
第1及び第2のループ電極アセンブリ(250a、250b)が第1のリング電極(170a)のそれぞれのセットを有し、第3の電極アセンブリが第2のリング電極(170b)のセットを有する場合、第1及び第2のループ電極アセンブリ(250a、250b)は各々、第1の極性でRFエネルギーを印加するように構成されており、第3の電極アセンブリ(250c)は、第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成されている。したがって、第1及び第2のループ電極アセンブリ(250a、250b)は各々、第3のループ電極アセンブリ(250c)と協働して、双極RFエネルギーを組織に印加し得る。いくつかの変形例では、第1のループ電極アセンブリ(250a)の第1のリング電極(170a)の導電性シリンダ(172)は、単一の導電性要素(例えば、第1のループ電極アセンブリ(250a)の対応する支持ワイヤ(160))を介してRF生成器(102)と電気的に結合され得、第2のループ電極アセンブリ(250b)の第1のリング電極(170a)の導電性シリンダ(172)は、単一の導電性要素(例えば、第2のループ電極アセンブリ(250b)の対応する支持ワイヤ(160))を介してRF生成器(102)と電気的に結合され得、第3のループ電極アセンブリ(250c)の第2のリング電極(170b)の導電性シリンダ(172)は、単一の導電性要素(例えば、第3のループ電極アセンブリ(250c)の対応する支持ワイヤ(160))を介してRF生成器(102)と電気的に結合され得る。リング電極(170a、170b)のこの配置、並びに第3のループ電極アセンブリ(250c)と第1及び第2のループ電極アセンブリ(250a、250b)との関係に起因して、リング電極(170a、170b)の極性は、第3のループ電極アセンブリ(250c)と第1及び第2のループ電極アセンブリ(250a、250b)との間に画定された平面によって分割され得る。
【0045】
C.双極性の三重ループ電極アセンブリを有する代替的なエネルギーカテーテル
場合によっては、エネルギーカテーテル(140)と比較して追加のエネルギー送達能力を有する、器具(100)とともに使用するためのカテーテルを提供することが望ましい場合がある。図7は、そのような能力を有する別の例示的なエネルギーカテーテル(340)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エネルギーカテーテル(340)は、エネルギーカテーテル(140)と実質的に同様である。
【0046】
本実施例のエネルギーカテーテル(340)は、近位本体部分(142)及び遠位本体部分(144)を含み、細長いエンドエフェクタ(346)が、遠位本体部分(144)から遠位に延在する第1、第2、及び第3のループ電極アセンブリ(350a、350b、350c)を有する。この点に関して、ループ電極アセンブリ(350a、350b、350c)は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に各々平行であり、かつそれらに沿って位置付けられたそれぞれの平面に沿って延在する。いくつかの他の変形例では、ループ電極アセンブリ(350a、350b、350c)によって画定された平面は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸と平行であるが、それらから横方向にオフセットされている。各ループ電極アセンブリ(350a、350b、350c)は、第1及び第2の外向きに広がったセグメント(152a、152b)と、第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)と、弓状横断方向セグメント(156)と、を含む。
【0047】
図示されている実施例では、第1及び第2のループ電極アセンブリ(350a、350b)は、少なくとも部分的に互いに重なり合っている。より具体的には、第2のループ電極アセンブリ(350b)の第1の外向きに広がったセグメント(152a)は、第1のループ電極アセンブリ(350a)の外向きに広がったセグメント(152a、152b)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続しており、第1のループ電極アセンブリ(350a)の第2の外向きに広がったセグメント(152b)は、第2のループ電極アセンブリ(350b)の外向きに広がったセグメント(152a、152b)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続している。本変形例の第3のループ電極アセンブリ(350c)は、第1又は第2のループ電極アセンブリ(350a、350b)の両方と重なり合っている。より具体的には、第3のループ電極アセンブリ(350c)の外向きに広がったセグメント(152a、152b)は各々、第1のループ電極アセンブリ(350a)の第1の外向きに広がったセグメント(152a)及び第2のループ電極アセンブリ(350b)の第2の外向きに広がったセグメント(152b)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続している。他の変形例では、第3のループ電極アセンブリ(350c)は、第1及び/若しくは第2のループ電極アセンブリ(350a、350b)と重なり合わない場合があり、並びに/又は、第1及び第2のループ電極アセンブリ(350a、350b)は、互いに重なり合わない場合がある。
【0048】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)と同様に、各ループ電極アセンブリ(350a、350b、350c)は、可撓性支持ワイヤ(160)と、絶縁スリーブ(162)と、第1及び第2のリング電極(170a、170b)の形態の複数のエネルギー印加要素と、を含む。ループ電極アセンブリ(350a)は、第1のリング電極(170a)の列及び第2のリング電極(170a)の列を有する。ループ電極アセンブリ(350a)の第1のリング電極(170a)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(350a)の第2の長手方向セグメント(154b)に沿って互いから長手方向に離間しており、一方、ループ電極アセンブリ(350a)の第2のリング電極(170b)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(350a)の第1の長手方向セグメント(154a)に沿って互いから長手方向に離間している。ループ電極アセンブリ(350a)の第1のリング電極(170a)は、第1の極性でRFエネルギーを印加するように動作可能であり、一方、ループ電極アセンブリ(350a)の第2のリング電極(170b)は、第2の極性でRFエネルギーを印加するように動作可能である。したがって、ループ電極アセンブリ(350a)は、それ自体で、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。
【0049】
同様に、ループ電極アセンブリ(350b)は、第1のリング電極(170a)の列及び第2のリング電極(170a)の列を有する。ループ電極アセンブリ(350b)の第1のリング電極(170a)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(350b)の第2の長手方向セグメント(154b)に沿って互いから長手方向に離間しており、一方、ループ電極アセンブリ(350b)の第2のリング電極(170b)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(350b)の第1の長手方向セグメント(154a)に沿って互いから長手方向に離間している。ループ電極アセンブリ(350b)の第1のリング電極(170a)は、第1の極性でRFエネルギーを印加するように動作可能であり、一方、ループ電極アセンブリ(350b)の第2のリング電極(170b)は、第2の極性でRFエネルギーを印加するように動作可能である。したがって、ループ電極アセンブリ(350b)は、それ自体で、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。
【0050】
同様に、ループ電極アセンブリ(350c)は、第1のリング電極(170a)の列及び第2のリング電極(170a)の列を有する。ループ電極アセンブリ(350c)の第1のリング電極(170a)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(350c)の第2の長手方向セグメント(154b)に沿って互いから長手方向に離間しており、一方、ループ電極アセンブリ(350c)の第2のリング電極(170b)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(350c)の第1の長手方向セグメント(154a)に沿って互いから長手方向に離間している。ループ電極アセンブリ(350c)の第1のリング電極(170a)は、第1の極性でRFエネルギーを印加するように動作可能であり、一方、ループ電極アセンブリ(350c)の第2のリング電極(170b)は、第2の極性でRFエネルギーを印加するように動作可能である。したがって、ループ電極アセンブリ(350c)は、それ自体で、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。
【0051】
いくつかの変形例では、各第2の長手方向セグメント(154b)の第1のリング電極(170a)の導電性シリンダ(172)は、それぞれの第1の導電性要素(例えば、それぞれの第2の長手方向セグメント(154b)及び第2の外向きに広がったセグメント(152b)に沿って対応する絶縁スリーブ(162)の通路内に受容される)を介してRF生成器(102)と電気的に結合され得、各第1の長手方向セグメント(154a)の第2のリング電極(170b)の導電性シリンダ(172)は、それぞれの第2の導電性要素(例えば、それぞれの第1の長手方向セグメント(154a)及び第1の外向きに広がったセグメント(152a)に沿って対応する絶縁スリーブ(162)の通路内に受容される)を介してRF生成器(102)と電気的に結合され得る。
【0052】
各ループ電極アセンブリ(350、350b、350c)は、組織に双極RFエネルギーを独立して印加することができるが、ループ電極アセンブリ(350a、350b、350c)は、互いに協働して、組織に双極RFエネルギーを印加することもできる。リング電極(170a、170b)の配置、並びに第3のループ電極アセンブリ(350c)と第1及び第2のループ電極アセンブリ(350a、350b)との関係に起因して、リング電極(170a、170b)の極性は、第1のループ電極アセンブリ(350a)の第1の長手方向セグメント(154a)と第2のループ電極アセンブリ(350b)の第2の長手方向セグメント(154b)との間で第1の周方向に一重交互配列で配置され得、第1のループ電極アセンブリ(350a)の第1の長手方向セグメント(154a)と第2のループ電極アセンブリ(350b)の第2の長手方向セグメント(154b)との間で第2の周方向に二重交互配列で配置され得る。
【0053】
D.双極性の三重ループ電極アセンブリ及び位置センサを有する代替的なエネルギーカテーテル
場合によっては、エネルギーカテーテル(140)と比較して追加のエネルギー送達能力及び/又は追加の位置感知能力を有する、器具(100)とともに使用するためのカテーテルを提供することが望ましい場合がある。図8は、そのような能力を有する別の例示的なエネルギーカテーテル(440)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エネルギーカテーテル(440)は、エネルギーカテーテル(140)と実質的に同様である。
【0054】
本実施例のエネルギーカテーテル(440)は、近位本体部分(142)及び遠位本体部分(144)を含み、細長いエンドエフェクタ(446)が、遠位本体部分(144)から遠位に延在する第1、第2、及び第3のループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)を有する。この点に関して、ループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に各々平行であり、かつそれらに沿って位置付けられたそれぞれの平面に沿って延在する。いくつかの他の変形例では、ループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)によって画定された平面は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸と平行であるが、それらから横方向にオフセットされている。各ループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)は、第1及び第2の外向きに広がったセグメント(152a、152b)と、第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)と、弓状横断方向セグメント(156)と、を含む。
【0055】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)と同様に、各ループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)は、可撓性支持ワイヤ(160)と、絶縁スリーブ(162)と、第1及び第2のリング電極(170a、170b)の形態の複数のエネルギー印加要素と、を含む。第1のリング電極(170a)は、各ループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)の第2の長手方向セグメント(154b)に沿って位置付けられており、第2のリング電極(170b)は、各ループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)の第1の長手方向セグメント(154a)に沿って位置付けられており、その結果、第2の長手方向セグメント(154b)は各々、第1の極性でRFエネルギーを印加するように構成されており、第1の長手方向セグメント(154a)は各々、第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成されている。したがって、ループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)は、この点においてループ電極アセンブリ(350a、350b、350c)と同様に構成され、動作可能である。
【0056】
図示されている実施例では、各ループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)は、それぞれの第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)の各々上に(例えば、それぞれのリング電極(170a、170b)と同軸に及び/又はそれらの間に)位置付けられた少なくとも1つの位置センサ(180)を更に含む。各位置センサ(180)は、三次元空間におけるそれぞれのループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)の位置を示す信号を生成するように動作可能である。位置センサ(180)は、それぞれのループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)の幾何学的形状及び/又は対応するリング電極(170a、170b)によって印加されるRFエネルギーのパターンを、ループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)が組織に押し付けられているときにループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)が変形するときを含めて、リアルタイムで更に示し得る。
【0057】
各位置センサ(180)は、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ又は2つ以上のコイルの形態を採り得る。このような位置信号によって生成された位置データは、それぞれのループ電極アセンブリ(450a、450b、450c)が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、操作者に視覚的指標を提供するシステム(例えば、IGSナビゲーションシステム(50))によって処理され得る。このような視覚的指標は、患者の解剖学的構造の、手術前に得らされた1つ又は2つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供され得る。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。いくつかの変形例では、位置センサ(180)は各々、対応する絶縁スリーブ(162)の通路内に受容された1つ又は2つ以上のワイヤ(図示せず)を介してプロセッサ(52)に動作可能に結合されて、位置信号をプロセッサ(52)に送信し得る。
【0058】
E.双極性の三重ループ電極アセンブリを有する代替的なエネルギーカテーテル
場合によっては、エネルギーカテーテル(140)と比較して追加のエネルギー送達能力を有する、器具(100)とともに使用するためのカテーテルを提供することが望ましい場合がある。図9は、そのような能力を有する別の例示的なエネルギーカテーテル(540)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エネルギーカテーテル(540)は、エネルギーカテーテル(140)と実質的に同様である。
【0059】
本実施例のエネルギーカテーテル(540)は、近位本体部分(142)及び遠位本体部分(144)を含み、細長いエンドエフェクタ(546)が、遠位本体部分(144)から遠位に延在する第1、第2、及び第3のループ電極アセンブリ(550a、550b、550c)を有する。この点に関して、ループ電極アセンブリ(550a、550b、550c)は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に各々平行であり、かつそれらに沿って位置付けられたそれぞれの平面に沿って延在する。いくつかの他の変形例では、ループ電極アセンブリ(550a、550b、550c)によって画定された平面は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸と平行であるが、それらから横方向にオフセットされている。各ループ電極アセンブリ(550a、550b、550c)は、第1及び第2の外向きに広がったセグメント(152a、152b)と、第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)と、弓状横断方向セグメント(156)と、を含む。
【0060】
図示されている実施例では、第1及び第2のループ電極アセンブリ(550a、550b)は、少なくとも部分的に互いに重なり合っている。より具体的には、第2のループ電極アセンブリ(550b)の第1の外向きに広がったセグメント(152a)は、第1のループ電極アセンブリ(550a)の外向きに広がったセグメント(152a、152b)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続しており、第1のループ電極アセンブリ(550a)の第2の外向きに広がったセグメント(152b)は、第2のループ電極アセンブリ(550b)の外向きに広がったセグメント(152a、152b)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続している。本変形例の第3のループ電極アセンブリ(550c)は、第1及び第2のループ電極アセンブリ(550a、550b)の両方と重なり合っている。より具体的には、第3のループ電極アセンブリ(550c)の外向きに広がったセグメント(152a、152b)は各々、第1のループ電極アセンブリ(550a)の第1の外向きに広がったセグメント(152a)及び第2のループ電極アセンブリ(550b)の第2の外向きに広がったセグメント(152b)が遠位本体部分(144)に接続する位置の間の位置で遠位本体部分(144)に接続している。他の変形例では、第3のループ電極アセンブリ(550c)は、第1及び/若しくは第2のループ電極アセンブリ(550a、550b)と重なり合わない場合があり、並びに/又は、第1及び第2のループ電極アセンブリ(550a、550b)は、互いに重なり合わない場合がある。
【0061】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)と同様に、各ループ電極アセンブリ(550a、550b、550c)は、可撓性支持ワイヤ(160)と、絶縁スリーブ(162)と、第1及び第2のリング電極(170a、170b)の形態の複数のエネルギー印加要素と、を含む。ループ電極アセンブリ(550a)は、第1のリング電極(170a)の列及び第2のリング電極(170a)の列を有する。ループ電極アセンブリ(550a)の第1のリング電極(170a)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(550a)の第2の長手方向セグメント(154b)に沿って互いから長手方向に離間しており、一方、ループ電極アセンブリ(550a)の第2のリング電極(170b)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(550a)の第1の長手方向セグメント(154a)に沿って互いから長手方向に離間している。ループ電極アセンブリ(550a)の第1のリング電極(170a)は、第1の極性でRFエネルギーを印加するように動作可能であり、一方、ループ電極アセンブリ(550a)の第2のリング電極(170b)は、第2の極性でRFエネルギーを印加するように動作可能である。したがって、ループ電極アセンブリ(550a)は、それ自体で、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。
【0062】
同様に、ループ電極アセンブリ(550b)は、第1のリング電極(170a)の列及び第2のリング電極(170a)の列を有する。ループ電極アセンブリ(550b)の第1のリング電極(170a)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(550b)の第2の長手方向セグメント(154b)に沿って互いから長手方向に離間しており、一方、ループ電極アセンブリ(550b)の第2のリング電極(170b)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(550b)の第1の長手方向セグメント(154a)に沿って互いから長手方向に離間している。ループ電極アセンブリ(550b)の第1のリング電極(170a)は、第1の極性でRFエネルギーを印加するように動作可能であり、一方、ループ電極アセンブリ(550b)の第2のリング電極(170b)は、第2の極性でRFエネルギーを印加するように動作可能である。したがって、ループ電極アセンブリ(550b)は、それ自体で、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。
【0063】
同様に、ループ電極アセンブリ(550c)は、第1のリング電極(170a)の列及び第2のリング電極(170a)の列を有する。ループ電極アセンブリ(550c)の第1のリング電極(170a)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(550c)の第1の長手方向セグメント(154a)に沿って互いから長手方向に離間しており、一方、ループ電極アセンブリ(550c)の第2のリング電極(170b)は、互いに同軸に位置合わせされており、ループ電極アセンブリ(550c)の第2の長手方向セグメント(154b)に沿って互いから長手方向に離間している。ループ電極アセンブリ(550c)の第1のリング電極(170a)は、第1の極性でRFエネルギーを印加するように動作可能であり、一方、ループ電極アセンブリ(550c)の第2のリング電極(170b)は、第2の極性でRFエネルギーを印加するように動作可能である。したがって、ループ電極アセンブリ(550c)は、それ自体で、双極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能である。
【0064】
各ループ電極アセンブリ(550、550b、550c)は、組織に双極RFエネルギーを独立して印加することができるが、ループ電極アセンブリ(550a、550b、550c)は、互いに協働して、組織に双極RFエネルギーを印加することもできる。エンドエフェクタ(546)はしたがって、上述のエンドエフェクタ(346)と同様に構成され、動作可能である。しかしながら、リング電極(170a、170b)の配置、及びエンドエフェクタ(346)内の第1のループ電極アセンブリ(550a)と第2のループ電極アセンブリ(550b)との重なり合っている関係に起因して、エンドエフェクタ(546)内のリング電極(170a、170b)の極性は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に対して反対の横方向側に分配される。換言すれば、エンドエフェクタ(546)において、第1の電極(170a)は、長手方向軸の第1の横方向側上で一緒にまとめられており、長手方向軸の第1の横方向側上で第1の極性を印加し、一方、電極(170b)は、長手方向軸の第2の横方向側上で一緒にまとめられており、長手方向軸の第2の横方向側上で第2の極性を印加する。
【0065】
F.双極性の三重ループ電極アセンブリ及び位置センサを有する代替的なエネルギーカテーテル
場合によっては、エネルギーカテーテル(140)と比較して追加のエネルギー送達能力及び/又は追加の位置感知能力を有する、器具(100)とともに使用するためのカテーテルを提供することが望ましい場合がある。図10は、そのような能力を有する別の例示的なエネルギーカテーテル(640)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エネルギーカテーテル(640)は、エネルギーカテーテル(140)と実質的に同様である。
【0066】
本実施例のエネルギーカテーテル(640)は、近位本体部分(142)及び遠位本体部分(144)を含み、細長いエンドエフェクタ(646)が、遠位本体部分(144)から遠位に延在する第1、第2、及び第3のループ電極アセンブリ(650a、650b、650c)を有する。この点に関して、ループ電極アセンブリ(650a、650b、650c)は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に各々平行であり、かつそれらに沿って位置付けられたそれぞれの平面に沿って延在する。いくつかの他の変形例では、ループ電極アセンブリ(650a、650b、650c)によって画定された平面は、遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸と平行であるが、それらから横方向にオフセットされている。各ループ電極アセンブリ(650a、650b、650c)は、第1及び第2の外向きに広がったセグメント(152a、152b)と、第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)と、弓状横断方向セグメント(156)と、を含む。
【0067】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)と同様に、ループ電極アセンブリ(650a、650b、650c)は各々、可撓性支持ワイヤ(160)と、絶縁スリーブ(162)と、第1及び第2のリング電極(170a、170b)の形態の複数のエネルギー印加要素と、を含む。第1のリング電極(170a)は、第1及び第2のループ電極アセンブリ(650a、650b)の第2の長手方向セグメント(154b)、並びに第3のループ電極アセンブリ(650c)の第1の長手方向セグメント(154a)に沿って位置付けられており、第2のリング電極(170b)は、第1及び第2のループ電極アセンブリ(650a、650b)の第1の長手方向セグメント(154a)、並びに第3のループ電極アセンブリ(650c)の第2の長手方向セグメント(154b)に沿って位置付けられており、その結果、第1及び第2のループ電極アセンブリ(650a、650b)の第2の長手方向セグメント(154b)、並びに第3のループ電極アセンブリ(650c)の第1の長手方向セグメント(154a)は各々、第1の極性でRFエネルギーを印加するように構成されており、第1及び第2のループ電極アセンブリ(650a、650b)の第1の長手方向セグメント(154a)、並びに第3のループ電極アセンブリ(650c)の第2の長手方向セグメント(154b)は各々、第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成されている。したがって、ループ電極アセンブリ(650a、650b、650c)は、この点においてループ電極アセンブリ(550a、550b、550c)と同様に構成され、動作可能である。
【0068】
図示されている実施例では、各ループ電極アセンブリ(650a、650b、650c)は、それぞれの第1及び第2の長手方向セグメント(154a、154b)の各々上に(例えば、それぞれのリング電極(170a、170b)と同軸に及び/又はそれらの間に)位置付けられた少なくとも1つの位置センサ(180)を更に含む。各位置センサ(180)は、三次元空間におけるそれぞれのループ電極アセンブリ(650a、650b、650c)の位置を示す信号を生成するように動作可能である。位置センサ(180)は、それぞれのループ電極アセンブリ(650a、650b、650c)の幾何学的形状及び/又は対応するリング電極(170a、170b)によって印加されるRFエネルギーのパターンを、ループ電極アセンブリ(650a、650b、650c)が組織に押し付けられているときにループ電極アセンブリ(650a、650b、650c)が変形するときを含めて、リアルタイムで更に示し得る。エンドエフェクタ(646)内の位置センサ(180)は、したがって、エンドエフェクタ(446)内の位置センサと同様に構成され、動作可能であり得る。
【0069】
G.双極性の一重ループ電極アセンブリを有する代替的なエンドエフェクタ
場合によっては、エンドエフェクタ(146)と比較して異なるエネルギー送達能力及び/又はより平坦なプロファイルを有する、器具(100)とともに使用するための細長いエンドエフェクタを提供することが望ましい場合がある。図11は、そのような能力を有する別の例示的なエンドエフェクタ(746)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エンドエフェクタ(746)は、エンドエフェクタ(146)と実質的に同様である。
【0070】
本実施例のエンドエフェクタ(746)は、対応するエネルギーカテーテル(図示せず)の遠位本体部分から、このような遠位本体部分(144)の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に平行かつ/又は位置合わせされた平面に沿って遠位に延在し得るループ電極アセンブリ(750)を有する。ループ電極アセンブリ(750)は、第1及び第2の近位長手方向セグメント(751a、751b)と、それぞれの近位長手方向セグメント(751a、751b)の遠位端部に結合された第1及び第2の外向きに広がったセグメント(752a、752b)と、それぞれの外向きに広がったセグメント(752a、752b)の遠位端部から遠位に延在する第1及び第2の遠位長手方向セグメント(754a、754b)と、遠位長手方向セグメント(754a、754b)の遠位端部間に延在する弓状横断方向セグメント(756)と、を含む。本実施例では、ループ電極アセンブリ(750)は、概ね球根状の形状を画定する。ループ電極アセンブリ(750)は概ね対称であるが、ループ電極アセンブリ(750)は、所望であれば非対称であり得る。
【0071】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)と同様に、ループ電極アセンブリ(750)は、ループ電極アセンブリ(750)の概ね球根状の形状を画定するように弾性的に付勢された可撓性支持ワイヤ(図示せず)と、絶縁スリーブ(762)と、第1及び第2のリング電極(170a、170b)の形態の複数のエネルギー印加要素と、を含み得る。第1のリング電極(170a)は、ループ電極アセンブリ(750)の第2の遠位長手方向セグメント(754b)に沿って位置付けられており、第2のリング電極(170b)は、ループ電極アセンブリ(750)の第1の遠位長手方向セグメント(754a)に沿って位置付けられており、その結果、第2の遠位長手方向セグメント(754b)は、第1の極性でRFエネルギーを印加するように構成されており、第1の遠位長手方向セグメント(754a)は、第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成されている。リング電極(170a、170b)のこの配置に起因して、リング電極(170a、170b)の極性は、シャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に対して反対の横方向側で分配される。エンドエフェクタ(746)は、本明細書に説明されるように(例えば、アブレーション、電気穿孔などを提供するために)組織に双極RFエネルギーを印加するために使用され得る。
【0072】
H.単極性の一重ループ電極アセンブリ及び直線的な電極アセンブリを有する代替的なエンドエフェクタ
場合によっては、エンドエフェクタ(146)と比較して異なるエネルギー送達能力及び/又はより平坦なプロファイルを有する、器具(100)とともに使用するためのエンド細長いエフェクタを提供することが望ましい場合がある。図12は、そのような能力を有する別の例示的なエンドエフェクタ(846)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エンドエフェクタ(846)は、エンドエフェクタ(146)と実質的に同様である。
【0073】
本実施例のエンドエフェクタ(846)は、対応するエネルギーカテーテル(図示せず)の遠位本体部分から、このような遠位本体部分の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に平行かつ/又は位置合わせされた平面に沿って遠位に延在し得るループ電極アセンブリ(850)を有する。ループ電極アセンブリ(850)は、第1及び第2の近位長手方向セグメント(751a、751b)と、第1及び第2の外向きに広がったセグメント(752a、752b)と、第1及び第2の遠位長手方向セグメント(754a、754b)と、弓状横断方向セグメント(756)と、を含む。図示されている実施例では、エンドエフェクタ(146)はまた、対応するエネルギーカテーテルの遠位本体部分から遠位に、遠位本体部分及び/又はシャフトアセンブリ(130)と同軸に延在し得る直線的な電極アセンブリ(858)を有する。図示されているように、直線的な電極アセンブリ(858)は、ループ電極アセンブリ(850)によって画定された外周内に入れ子にされており、ループ電極アセンブリ(850)と同一平面上にある。直線的な電極アセンブリ(858)の近位部分は、ループ電極アセンブリ(850)の第1及び第2の近位長手方向セグメント(751a、751b)の間に横方向に介在する。
【0074】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)と同様に、ループ電極アセンブリ(850)は、ループ電極アセンブリ(850)の概ね球根状の形状を画定するように弾性的に付勢された可撓性支持ワイヤ(図示せず)と、絶縁スリーブ(762)と、第1のリング電極(170a)の形態の複数のエネルギー印加要素と、を含み得る。第1のリング電極(170a)は、ループ電極アセンブリ(850)の第1及び第2の遠位長手方向セグメント(754a、754b)に沿って位置付けられており、その結果、第1及び第2の遠位長手方向セグメント(754a、754b)は各々、第1の極性でRFエネルギーを印加するように構成されている。直線的な電極アセンブリ(858)は同様に、直線的な電極アセンブリ(858)の概ね細長い形状を画定するように弾性的に付勢された可撓性支持ワイヤ(図示せず)と、絶縁スリーブ(862)と、第2のリング電極(170b)の形態の複数のエネルギー印加要素と、を含み得る。このようにして、直線的な電極アセンブリ(858)は、第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成され得る。したがって、ループ電極アセンブリ(850)及び直線的な電極アセンブリ(858)は、互いに協働して、直線的な電極アセンブリ(858)と第1の遠位長手方向セグメント(754a)との間、及び/又は直線的な電極アセンブリ(858)と第2の遠位長手方向セグメント(754b)との間の組織に双極RFエネルギーを印加することができる。
【0075】
I.単極性の二重ループ電極アセンブリを有する代替的なエンドエフェクタ
場合によっては、エンドエフェクタ(146)と比較して異なるエネルギー送達能力及び/又はより平坦なプロファイルを有する、器具(100)とともに使用するための細長いエンドエフェクタを提供することが望ましい場合がある。図13は、そのような能力を有する別の例示的なエンドエフェクタ(946)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エンドエフェクタ(946)は、エンドエフェクタ(146)と実質的に同様である。
【0076】
本実施例のエンドエフェクタ(946)は、対応するエネルギーカテーテル(図示せず)の遠位本体部分から、このような遠位本体部分の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に平行かつ/又は位置合わせされた平面に沿って遠位に各々延在し得る第1及び第2のループ電極アセンブリ(950a、950b)を有する。第1のループ電極アセンブリ(950a)は、第1及び第2の近位長手方向セグメント(751a、751b)と、第1及び第2の外向きに広がったセグメント(752a、752b)と、第1及び第2の遠位長手方向セグメント(754a、754b)と、弓状横断方向セグメント(756)と、を含む。第2のループ電極アセンブリ(950b)は、第1及び第2の直線的な長手方向セグメント(951a、951b)と、それぞれの直線的な長手方向セグメント(951a、951b)の遠位端部に結合された第1及び第2の外向きに広がったセグメント(952a、952b)と、それぞれの外向きに広がったセグメント(952a、952b)の遠位端部から遠位に延在する第1及び第2の弓状長手方向セグメント(954a、954b)と、弓状長手方向セグメント(954a、954b)の遠位端部間に延在する弓状横断方向セグメント(956)と、を含む。本実施例では、第1のループ電極アセンブリ(950a)は、概ね球根状の形状を画定し、第2のループ電極アセンブリ(950b)は、概ね楕円形の形状を画定する。図示されているように、第2のループ電極アセンブリ(950b)は、第1のループ電極アセンブリ(950a)によって画定された外周内に入れ子にされており、第1のループ電極アセンブリ(950a)と同一平面上にある。第2のループ電極アセンブリ(950b)の第1及び第2の直線的な長手方向セグメント(951a、951b)は、第1のループ電極アセンブリ(950a)の第1及び第2の近位長手方向セグメント(751a、751b)の間に横方向に介在する。
【0077】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)と同様に、第1のループ電極アセンブリ(950a)は、第1のループ電極アセンブリ(950a)の概ね球根状の形状を画定するように弾性的に付勢された可撓性支持ワイヤ(図示せず)と、絶縁スリーブ(762)と、第2のリング電極(170b)の形態の複数のエネルギー印加要素と、を含み得る。第2のリング電極(170b)は、第1のループ電極アセンブリ(950a)の第1及び第2の遠位長手方向セグメント(754a、754b)に沿って位置付けられており、その結果、第1及び第2の遠位長手方向セグメント(754a、754b)は各々、第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成されている。本実施例では、第2のループ電極アセンブリ(950b)は、第2のループ電極アセンブリ(950b)の概ね楕円形の形状を画定するように弾性的に付勢され、ニチノールなどの導電性材料で形成された可撓性支持ワイヤ(960)の形態のエネルギー印加要素を含む。いくつかの変形例では、第2のループ電極アセンブリ(950b)は、可撓性支持ワイヤ(960)を部分的に覆う絶縁スリーブ(図示せず)を含み得、可撓性支持体(960)の様々な所定の電極部分は露出されたままである。いずれにしても、可撓性支持ワイヤ(960)は、可撓性支持ワイヤ(960)をRF生成器(102)と電気的に結合する、対応する1つ若しくは2つ以上のワイヤ、トレース、及び/又は他の導電性要素と結合されている。このようにして、第2のループ電極アセンブリ(950b)は、第1の極性でRFエネルギーを印加するように構成することができる。したがって、第1及び第2のループ電極アセンブリ(950a、950b)は、互いに協働して、第1及び第2のループ電極アセンブリ(950a、950b)の間の組織に双極RFエネルギーを印加することができる。
【0078】
J.単極性の二重ループ電極アセンブリを有する代替的なエンドエフェクタ
場合によっては、エンドエフェクタ(146)と比較して異なるエネルギー送達能力及び/又はより平坦なプロファイルを有する、器具(100)とともに使用するための細長いエンドエフェクタを提供することが望ましい場合がある。図14は、そのような能力を有する別の例示的なエンドエフェクタ(1046)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エンドエフェクタ(1046)は、エンドエフェクタ(146)と実質的に同様である。
【0079】
本実施例のエンドエフェクタ(1046)は、対応するエネルギーカテーテル(図示せず)の遠位本体部分から、このような遠位本体部分の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に平行かつ/又は位置合わせされた平面に沿って遠位に各々延在し得る第1及び第2のループ電極アセンブリ(1050a、1050b)を有する。第1のループ電極アセンブリ(1050a)は、第1及び第2の近位長手方向セグメント(751a、751b)と、第1及び第2の外向きに広がったセグメント(752a、752b)と、それぞれの外向きに広がったセグメント(752a、752b)の遠位端部から遠位に延在する第1及び第2の遠位長手方向セグメント(1054a、1054b)と、遠位長手方向セグメント(1054a、1054b)の遠位端部間に延在する弓状横断方向セグメント(1056)と、を含む。第2のループ電極アセンブリ(1050b)は、第1及び第2の直線的な長手方向セグメント(951a、951b)と、第1及び第2の外向きに広がったセグメント(952a、952b)と、第1及び第2の弓状長手方向セグメント(954a、954b)と、弓状横断方向セグメント(956)と、を含む。本実施例では、第1のループ電極アセンブリ(1050a)は、概ね球根状の形状を画定し、第2のループ電極アセンブリ(1050b)は、概ね楕円形の形状を画定する。図示されているように、第2のループ電極アセンブリ(1050b)は、第1のループ電極アセンブリ(1050a)によって画定された外周内に入れ子にされており、第1のループ電極アセンブリ(1050a)と同一平面上にあり、第2のループ電極アセンブリ(1050b)の第1及び第2の直線的な長手方向セグメント(951a、951b)は、第1のループ電極アセンブリ(1050a)の第1及び第2の近位長手方向セグメント(751a、751b)の間に介在する。
【0080】
本実施例では、第1のループ電極アセンブリ(1050a)は、第1のループ電極アセンブリ(1050a)の概ね球根状の形状を画定するように弾性的に付勢され、ニチノールなどの導電性材料で形成された可撓性支持ワイヤ(1060)の形態のエネルギー印加要素を含む。第1のループ電極アセンブリ(1050a)はまた、ループ電極アセンブリ(1050a、1050b)の間の短絡を防止するために、可撓性支持ワイヤ(1060)にわたってそれぞれの近位長手方向セグメント(751a、751b)及び外向きに広がったセグメント(752a、752b)に沿って延在する一対の絶縁スリーブ(1062a、1062b)を含む。図示されている実施例では、可撓性支持ワイヤ(1060)は、遠位長手方向セグメント(1054a、1054b)に沿って比較的厚く、弓状横断方向セグメント(1056)に沿って比較的薄い。可撓性支持ワイヤ(1060)は、代替的に、可撓性支持ワイヤ(1060)の長さ全体に沿って一定の厚さを有し得る。
【0081】
可撓性支持ワイヤ(1060)は、可撓性支持ワイヤ(1060)をRF生成器(102)と電気的に結合する、対応する1つ若しくは2つ以上のワイヤ、トレース、及び/又は他の導電性要素と結合されている。このようにして、第1及び第2の遠位長手方向セグメント(1054a、1054b)並びに弓状横断方向セグメント(1056)は各々、第1又は第2の極性のうちの1つ、例えば第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成され得る。本実施例では、第2のループ電極アセンブリ(1050b)は、第2のループ電極アセンブリ(1050b)の概ね楕円形の形状を画定するように弾性的に付勢された可撓性支持ワイヤ(960)の形態のエネルギー印加要素を含む。いくつかの変形例では、第2のループ電極アセンブリ(1050b)は、可撓性支持ワイヤ(960)を部分的に覆う絶縁スリーブ(図示せず)を含み得、可撓性支持体(960)の様々な所定の電極部分は露出されたままである。いずれにしても、可撓性支持ワイヤ(960)は、可撓性支持ワイヤ(960)をRF生成器(102)と電気的に結合する、対応する1つ若しくは2つ以上のワイヤ、トレース、及び/又は他の導電性要素と結合されている。このようにして、第2のループ電極アセンブリ(1050b)は、第1又は第2の極性のうちの他方、例えば第1の極性でRFエネルギーを印加するように構成され得る。したがって、第1及び第2のループ電極アセンブリ(1050a、1050b)は、互いに協働して、第1及び第2のループ電極アセンブリ(1050a、1050b)の間の組織に双極RFエネルギーを印加することができる。
【0082】
K.双極性の三重ループ電極アセンブリ及び取り外し可能なエネルギー印加要素を有する代替的なエンドエフェクタ
場合によっては、エンドエフェクタ(146)と比較して追加のエネルギー送達能力及び/又は追加のエネルギー送達調節能力を有する、器具(100)とともに使用するための細長いエンドエフェクタを提供することが望ましい場合がある。図15A図15Bは、そのような能力を有する別の例示的なエンドエフェクタ(1146)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エンドエフェクタ(1146)は、エンドエフェクタ(146)と実質的に同様である。
【0083】
本実施例のエンドエフェクタ(1146)は、第1、第2、及び第3のループ電極アセンブリ(1150a、1150b、1150c)を有し、これらは、対応するエネルギーカテーテル(図示せず)の遠位本体部分から、このような遠位本体部分の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に各々平行かつ/又は位置合わせされ得るそれぞれの平面に沿って遠位に延在し得る。各ループ電極アセンブリ(1150a、1150b、1150c)は、第1及び第2の近位長手方向セグメント(1151a、1151b)と、それぞれの近位長手方向セグメント(1151a、1151b)の遠位端部に結合された第1及び第2の外向きに広がったセグメント(1152a、1152b)と、それぞれの外向きに広がったセグメント(1152a、1152b)の遠位端部から遠位に延在する第1及び第2の遠位長手方向セグメント(1154a、1154b)と、遠位長手方向セグメント(1154a、1154b)の遠位端部間に延在する弓状横断方向セグメント(1156)と、を含む。図示されている実施例では、第1、第2、及び第3のループ電極アセンブリ(1150a、1150b、1150c)は各々、概ね球根状の形状を画定し、それぞれの弓状横断方向セグメント(1156)の頂点で互いに交差している。
【0084】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)と同様に、各ループ電極アセンブリ(1150a、1150b、1150c)は、可撓性支持ワイヤ(図示せず)と、絶縁スリーブ(1162)と、第1及び第2のリング電極(170a、170b)の形態の複数のエネルギー印加要素と、を含む。図15Aに図示されているように、第1のリング電極(170a)は、第1及び第3のループ電極アセンブリ(1150a、1150c)の第1の遠位長手方向セグメント(1154a)、並びに第2のループ電極アセンブリ(1150b)の第2の遠位長手方向セグメント(1154b)に沿って選択的に位置付けられている。したがって、第1及び第3のループ電極アセンブリ(1150a、1150c)の第1の遠位長手方向セグメント(1154a)、並びに第2のループ電極アセンブリ(1150b)の第2の遠位長手方向セグメント(1154b)は各々、第1の極性でRFエネルギーを印加するように構成されている。第2のリング電極(170b)は、第1及び第3のループ電極アセンブリ(1150a、1150c)の第2の遠位長手方向セグメント(1154b)、並びに第2のループ電極アセンブリ(1150b)の第1の遠位長手方向セグメント(1154a)に沿って選択的に位置付けられている。したがって、第1及び第3のループ電極アセンブリ(1150a、1150c)の第2の遠位長手方向セグメント(1154b)、並びに第2のループ電極アセンブリ(1150b)の第1の遠位長手方向セグメント(1154a)は各々、第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成されている。
【0085】
図示されている実施例では、第1及び/又は第2のリング電極(170a、170b)の少なくとも一部分は、エンドエフェクタ(1146)のエネルギー送達能力を調節するために、それぞれの長手方向セグメント(1154a、1154b)から選択的に取り外し可能である。例えば、図15Bに図示されているように、第1及び第3のループ電極アセンブリ(1150a、1150c)の第1の遠位長手方向セグメント(1154a)が各々、第1の極性でRFエネルギーを印加することができなくなり、第2のループ電極アセンブリ(1150b)の第1の遠位長手方向セグメント(1154a)が、第2の極性でRFエネルギーを印加することができなくなるように、第1のリング電極(170a)は、第1及び第3のループ電極アセンブリ(1150a、1150c)の第1の遠位長手方向セグメント(1154a)から選択的に取り外され得、第2のリング電極(170b)は、第2のループ電極アセンブリ(1150b)の第1の遠位長手方向セグメント(1154a)から選択的に取り外され得る。この点に関して、このような選択的に取り外し可能なリング電極(170a、170b)のシリンダ(172)は、導電性シリンダ(172)をRF生成器(102)に電気的に結合する対応する1つ若しくは2つ以上のワイヤ、トレース、及び/又は他の導電性要素から選択的に分離され得、それぞれの長手方向セグメント(1154a、1154b)に沿って(例えば、近位に)摺動されて、それぞれの可撓性支持ワイヤ及び/又はスリーブ(1162)をそのようなシリンダ(172)のボア(174)から取り外し得る。他の変形例では、そのような選択的に取り外し可能なリング電極(170a、170b)のシリンダ(172)は各々、スプリットリング構成、又はリング電極(170a、170b)を長手方向セグメント(1154a、1154b)に選択的に取り付け、そこから取り外すための任意の他の好適な構成を有し得る。
【0086】
L.双極性の三重ループ電極アセンブリ及び取り外し可能なエネルギー印加要素を有する代替的なエンドエフェクタ
場合によっては、エンドエフェクタ(146)と比較して追加のエネルギー送達能力及び/又は追加のエネルギー送達調節能力を有する、器具(100)とともに使用するための細長いエンドエフェクタを提供することが望ましい場合がある。図16A図16Bは、そのような能力を有する別の例示的なエンドエフェクタ(1246)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エンドエフェクタ(1246)は、エンドエフェクタ(146)と実質的に同様である。
【0087】
本実施例のエンドエフェクタ(1246)は、第1、第2、及び第3のループ電極アセンブリ(1250a、1250b、1250c)を有し、これらは、対応するエネルギーカテーテル(図示せず)の遠位本体部分から、このような遠位本体部分の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に各々平行かつ/又は位置合わせされ得るそれぞれの平面に沿って遠位に延在し得る。各ループ電極アセンブリ(1250a、1250b、1250c)は、第1及び第2の長手方向セグメント(1251a、1251b)と、それぞれの長手方向セグメント(1251a、1251b)の遠位端部に結合された第1及び第2の外向きに広がったセグメント(1252a、1252b)と、それぞれの外向きに広がったセグメント(1252a、1252b)の遠位端部から遠位に延在する第1及び第2の弓状長手方向セグメント(1254a、1254b)と、それぞれの弓状長手方向セグメント(1254a、1254b)の遠位端部によって画定された遠位先端部(1256)と、を含む。図示されている実施例では、第1、第2、及び第3のループ電極アセンブリ(1250a、1250b、1250c)は各々、概ねやりの穂先状の形状を画定し、それぞれの遠位先端部(1257)において互いに交差している。
【0088】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)と同様に、各ループ電極アセンブリ(1250a、1250b、1250c)は、可撓性支持ワイヤ(図示せず)と、絶縁スリーブ(1262)と、第1及び第2のリング電極(170a、170b)の形態の複数のエネルギー印加要素と、を含む。図16Aに図示されているように、第1のリング電極(170a)は、第1及び第3のループ電極アセンブリ(1250a、1250c)の第1の弓状長手方向セグメント(1254a)、並びに第2のループ電極アセンブリ(1250b)の第2の弓状長手方向セグメント(1254b)に沿って選択的に位置付けられている。したがって、第1及び第3のループ電極アセンブリ(1250a、1250c)の第1の弓状長手方向セグメント(1254a)、並びに第2のループ電極アセンブリ(1250b)の第2の弓状長手方向セグメント(1254b)は各々、第1の極性でRFエネルギーを印加するように構成されている。第2のリング電極(170b)は、第1及び第3のループ電極アセンブリ(1250a、1250c)の第2の弓状長手方向セグメント(1254b)、並びに第2のループ電極アセンブリ(1250b)の第1の弓状長手方向セグメント(1254a)に沿って選択的に位置付けられている。したがって、第1及び第3のループ電極アセンブリ(1250a、1250c)の第2の弓状長手方向セグメント(1254b)、並びに第2のループ電極アセンブリ(1250b)の第1の遠位長手方向セグメント(1254a)は各々、第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成されている。
【0089】
図示されている実施例では、第1及び/又は第2のリング電極(170a、170b)の少なくとも一部分は、エンドエフェクタ(1246)のエネルギー送達能力を調節するために、それぞれの弓状長手方向セグメント(1254a、1254b)から選択的に取り外し可能である。例えば、図16Bに図示されているように、第1及び第3のループ電極アセンブリ(1250a、1250c)の第1の弓状長手方向セグメント(1254a)が各々、第1の極性でRFエネルギーを印加することができなくなり、第2のループ電極アセンブリ(1250b)の第1の弓状長手方向セグメント(1254a)が、第2極性でRFエネルギーを印加することができなくなるように、第1のリング電極(170a)は、第1及び第3のループ電極アセンブリ(1250a、1250c)の第1の弓状長手方向セグメント(1254a)から選択的に取り外され得、第2のリング電極(170b)は、第2のループ電極アセンブリ(1250b)の第1の弓状長手方向セグメント(1254a)から選択的に取り外され得る。この点に関して、このような選択的に取り外し可能なリング電極(170a、170b)のシリンダ(172)は、導電性シリンダ(172)をRF生成器(102)に電気的に結合する対応する1つ若しくは2つ以上のワイヤ、トレース、及び/又は他の導電性要素から選択的に分離され得、それぞれの弓状長手方向セグメント(1254a、1254b)に沿って(例えば、近位に)摺動されて、それぞれの可撓性支持ワイヤ及び/又はスリーブ(1262)をそのようなシリンダ(172)のボア(174)から取り外し得る。他の変形例では、そのような選択的に取り外し可能なリング電極(170a、170b)のシリンダ(172)は各々、スプリットリング構成、又はリング電極(170a、170b)を弓状長手方向セグメント(1254a、1254b)に選択的に取り付け、そこから取り外すための任意の他の好適な構成を有し得る。
【0090】
M.単極性の二重角度付き電極アセンブリを有する代替的なエンドエフェクタ
場合によっては、エンドエフェクタ(146)と比較して異なるエネルギー送達能力及び/又はより平坦なプロファイルを有する、器具(100)とともに使用するための細長いエンドエフェクタを提供することが望ましい場合がある。図17は、そのような能力を有する別の例示的なエンドエフェクタ(1346)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エンドエフェクタ(1346)は、エンドエフェクタ(146)と実質的に同様である。
【0091】
本実施例のエンドエフェクタ(1346)は、対応するエネルギーカテーテル(図示せず)の遠位本体部分から、このような遠位本体部分の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に平行かつ/又は位置合わせされた平面に沿って遠位に延在し得る第1及び第2の角度付き(例えば、曲がった)電極アセンブリ(1350a、1350b)を有する。各角度付き電極アセンブリ(1350a、1350b)は、長手方向セグメント(1351)と、それぞれの長手方向セグメント(1351)の遠位端部に結合された外向きに広がったセグメント(1352)と、を含む。本実施例では、角度付き電極アセンブリ(1350a、1350b)は、全体として、概ねバイデント状の(例えば、「Y」)形状を画定する。
【0092】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)と同様に、角度付き電極アセンブリ(1350a、1350b)は各々、角度付き電極アセンブリ(1350a、1350b)の概ねバイデント状の形状を全体的に画定するように弾性的に付勢された可撓性支持ワイヤ(図示せず)と、絶縁スリーブ(1362)と、第1及び/又は第2のリング電極(170a、170b)の形態の少なくとも1つのエネルギー印加要素と、を含み得る。図示されている実施例では、第2の角度付き電極アセンブリ(1350b)の外向きに広がったセグメント(1352)が第1の極性でRFエネルギーを印加するように構成され、第1の角度付き電極アセンブリ(1350a)の外向きに広がったセグメント(1352)が第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成されるよう、第1のリング電極(170a)は、第2の角度付き電極アセンブリ(1350b)の外向きに広がったセグメント(1352)の遠位端部に位置付けられており、第2のリング電極(170b)は、第1の角度付き電極アセンブリ(1350a)の外向きに広がったセグメント(1352)の遠位端部に位置付けられている。リング電極(170a、170b)のこの配置に起因して、リング電極(170a、170b)の極性は、シャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に対して反対の横方向側で分配される。エンドエフェクタ(1346)は、本明細書に説明されるように(例えば、アブレーション、電気穿孔などを提供するために)組織に双極RFエネルギーを印加するために使用され得る。
【0093】
N.単極性の二重角度付き電極アセンブリ及び直線的な電極アセンブリを有する代替的なエンドエフェクタ
場合によっては、エンドエフェクタ(146)と比較して異なるエネルギー送達能力及び/又はより平坦なプロファイルを有する、器具(100)とともに使用するための細長いエンドエフェクタを提供することが望ましい場合がある。図18は、そのような能力を有する別の例示的なエンドエフェクタ(1446)を示す。本明細書に別途説明されている場合を除き、エンドエフェクタ(1446)は、エンドエフェクタ(146)と実質的に同様である。
【0094】
本実施例のエンドエフェクタ(1446)は、対応するエネルギーカテーテル(図示せず)の遠位本体部分から、このような遠位本体部分の長手方向軸及び/又はシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に平行かつ/又は位置合わせされた平面に沿って遠位に延在し得る第1及び第2の角度付き電極アセンブリ(1450a、1450b)を有する。各角度付き電極アセンブリ(1450a、1450b)は、長手方向セグメント(1451)と、それぞれの長手方向セグメント(1451)の遠位端部に結合された外向きに広がったセグメント(1452)と、を含む。本実施例では、角度付き電極アセンブリ(1450a、1450b)は、全体として、概ねバイデント状の(例えば、「Y」)形状を画定する。
【0095】
図示されている実施例では、エンドエフェクタ(1446)はまた、対応するエネルギーカテーテルの遠位本体部分から遠位に、遠位本体部分及び/又はシャフトアセンブリ(130)と同軸に延在し得る直線的な電極アセンブリ(1450c)を有する。図示されているように、直線的な電極アセンブリ(1450c)は、第1及び第2の角度付き電極アセンブリ(1450a、1450b)と同一平面上にあり、直線的な電極アセンブリ(1450c)の近位部分は、第1及び第2の角度付き電極アセンブリ(1450a、1450b)の長手方向セグメント(1451)の間に介在する。したがって、角度付き電極アセンブリ(1450a、1450b)及び直線的な電極アセンブリ(1450c)は、全体として、概ね三叉状の形状を画定する。
【0096】
ループ電極アセンブリ(150a、150b)と同様に、角度付き電極アセンブリ(1450a、1450b)は各々、角度付き電極アセンブリ(1450a、1450b)の概ねバイデント形状を画定するように弾性的に付勢された可撓性支持ワイヤ(図示せず)と、絶縁スリーブ(1462)と、第2のリング電極(170b)の形態の少なくとも1つのエネルギー印加要素と、を含み得る。図示されている実施例では、第1及び第2の角度付き電極アセンブリ(1450a、1450b)の外向きに広がったセグメント(1452)が各々、第2の極性でRFエネルギーを印加するように構成されるよう、第2のリング電極(170b)は、第1及び第2の角度付き電極アセンブリ(1450a、1450b)の外向きに広がったセグメント(1452)の遠位端部に位置付けられている。直線的な電極アセンブリ(1450c)は同様に、直線的な電極アセンブリ(1450c)の概ね細長い形状を画定するように弾性的に付勢された可撓性支持ワイヤ(図示せず)と、絶縁スリーブ(1463)と、第1のリング電極(170a)の形態の少なくとも1つのエネルギー印加要素と、を含み得る。このようにして、直線的な電極アセンブリ(1450c)は、第1の極性でRFエネルギーを印加するように構成することができる。したがって、角度付き電極アセンブリ(1450a、1450b)は各々、直線的な電極アセンブリ(1450c)と協働して、双極RFエネルギーを組織に印加することができる。
【0097】
III.後鼻神経をアブレーションする例示的な方法
上記の器具(100)の例示的な特徴について説明したので、ここでは、器具(100)を用いて患者の後鼻神経(40)におけるアブレーションを実行する例示的な方法について、図19A図19Bと関連して説明する。例示的な方法は、エネルギーカテーテル(140)を装備した器具(100)を用いて実行されることを示しているが、エネルギーカテーテル(240、340、440、540、640)又はエンドエフェクタ(746、846、946、1046、1146、1246、1346、1446)のいずれかを装備した器具(100)を使用して同様の方法が実行され得ることが理解されよう。加えて、後鼻神経を治療するための器具(100)を図示及び説明しているが、器具(100)は、鼻腔(10)内の他の神経若しくは解剖学的構造をアブレーションするために、又は、患者の様々な他の解剖学的領域の組織をアブレーションするために、様々な他の外科手術用途に使用され得ることが理解されよう。例えば、本明細書の教示は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年12月12日公開の「Apparatus and Method for Performing Vidian Neurectomy Procedure」と題された米国特許出願公開第2019/0374280号の教示の少なくともいくつか、及び/又はその開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年8月17日に出願の「ENT Instrument with Expandable Ablation Feature」と題された米国特許出願第17/404,088号の教示の少なくともいくつかと組み合わされ得る。
【0098】
図19Aに図示されているように、器具(100)の遠位端部は、鼻腔(10)に挿入され、下鼻甲介(20)及び中鼻甲介(22)の後端部に向かっており、これは、例えば、内視鏡(図示せず)によって提供される視覚化の下で実行され得る。後鼻神経(40)の標的部分が存在する鼻壁(18)の標的部位に到達すると、操作者は、スライダ(122)を遠位に前進させ、それによって、図19Bに図示されているように、エンドエフェクタ(146)のループ電極アセンブリ(150a、150b)を伸長及び拡張させて、電極アセンブリ(150a、150b)、より具体的にはリング電極(170a、170b)を後鼻神経(40)の標的部分と電気的に接触させる。次いで、リング電極(170a、170b)は、双極RFエネルギーで通電され、それによって後鼻神経(40)の標的部分をアブレーションする。
【0099】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例解的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略し得ることも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように別途明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものとみなされるべきではない。
【実施例1】
【0100】
外科用器具であって、(a)患者の頭部の鼻腔に挿入されるように構成されたシースと、(b)シース内に配設されたエネルギーカテーテルであって、(i)長手方向軸に沿って延在するシャフトと、(ii)シャフトから遠位に延在し、非拡張状態から拡張状態に半径方向外向きに選択的に拡張するように構成された、細長い拡張可能なエンドエフェクタであって、(A)少なくとも1つの可撓性ワイヤと、(B)少なくとも1つの可撓性ワイヤに沿って配設された複数の電極と、を備える、少なくとも1つのエネルギー部材を含む、細長い拡張可能なエンドエフェクタと、を含む、エネルギーカテーテルと、を備え、エネルギーカテーテルは、エンドエフェクタがシース内に同軸に収容され、それによってエンドエフェクタが非拡張状態から拡張状態に半径方向に拡張することを防止する近位後退位置と、エンドエフェクタがシースから露出され、それによってエンドエフェクタが患者の頭部の鼻腔内の組織に接触するために非拡張状態から拡張状態に拡張することを可能にする遠位伸長位置との間で、シースに対して選択的に並進可能であり、エンドエフェクタが拡張状態にあるとき、エンドエフェクタが、ある幅と、幅よりも大きい長さと、を有する、外科用器具。
【実施例2】
【0101】
少なくとも1つの可撓性ワイヤが、導電性材料を含む、実施例1に記載の外科用器具。
【実施例3】
【0102】
少なくとも1つの可撓性ワイヤが、弾性的に付勢される材料を含む、実施例1~2のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例4】
【0103】
エンドエフェクタが、エネルギーカテーテルが近位後退位置から遠位伸長位置に並進することに応答して、非拡張状態から拡張状態に半径方向に弾性的に拡張するように構成されている、実施例1~3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例5】
【0104】
少なくとも1つのエネルギー部材が、少なくとも1つの電気絶縁層を更に含む、実施例1~4のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例6】
【0105】
少なくとも1つの電気絶縁層が、少なくとも1つの可撓性ワイヤの周りに同軸に延在する、実施例5に記載の外科用器具。
【実施例7】
【0106】
少なくとも1つの電気絶縁層が、複数の電極のうちの隣接する電極の間に延在する、実施例5~6のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例8】
【0107】
少なくとも1つの電気絶縁層が、複数の電極のうちの少なくとも1つの電極の外側表面の一部分によって提示されている、実施例5に記載の外科用器具。
【実施例9】
【0108】
少なくとも1つの電気絶縁層が、電気絶縁コーティングを含む、実施例8に記載の外科用器具。
【実施例10】
【0109】
複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が、少なくとも1つの可撓性ワイヤから選択的に取り外し可能である、実施例1に記載の外科用器具。
【実施例11】
【0110】
少なくとも1つのエネルギー部材が、少なくとも1つのループ形状エネルギー部材を含む、実施例1~10のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例12】
【0111】
少なくとも1つのループ形状エネルギー部材が、複数のループ形状エネルギー部材を含む、実施例11に記載の外科用器具。
【実施例13】
【0112】
複数のループ形状エネルギー部材が、互いに重なり合っている、実施例12に記載の外科用器具。
【実施例14】
【0113】
複数のループ形状エネルギー部材が、長手方向軸の周りに位置付けられている、実施例12~13のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例15】
【0114】
少なくとも1つのエネルギー部材が、少なくとも1つの角度付きエネルギー部材を含む、実施例1~10のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例16】
【0115】
外科用器具であって、(a)シースと、(b)シース内に配設されたエネルギーカテーテルであって、長手方向軸に沿って延在し、非拡張状態から拡張状態に半径方向外向きに選択的に拡張するように構成された、拡張可能なエンドエフェクタを含み、エンドエフェクタが、(i)少なくとも1つの可撓性ワイヤと、(ii)少なくとも1つの可撓性ワイヤに沿って配設された複数の電極と、を備える、少なくとも1つのエネルギー部材を含み、複数の電極のうちの各電極が、(A)外側表面を有する導電性本体と、(B)導電性本体の外側表面にわたって部分的に配設された電気絶縁層と、を含む、エネルギーカテーテルと、を備え、エネルギーカテーテルは、エンドエフェクタがシース内に同軸に収容され、それによってエンドエフェクタが非拡張状態から拡張状態に半径方向に拡張することを防止する近位後退位置と、エンドエフェクタがシースから露出され、それによってエンドエフェクタが組織に接触するために非拡張状態から拡張状態に拡張することを可能にする遠位伸長位置との間で、シースに対して選択的に並進可能である、外科用器具。
【実施例17】
【0116】
導電性本体が、導電性シリンダを含む、実施例16に記載の外科用器具。
【実施例18】
【0117】
電気絶縁層が、電気絶縁コーティングを含む、実施例16~17のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例19】
【0118】
外科用器具を用いて患者の頭部内の組織を治療する方法であって、外科用器具が、シースと、シース内に配設されたエネルギーカテーテルと、を含み、エネルギーカテーテルが、(i)長手方向軸に沿って延在するシャフトと、(ii)シャフトから遠位に延在する拡張可能なエンドエフェクタと、を含み、方法が、(a)エンドエフェクタがシース内に後退したままである間に、外科用器具の遠位端部を患者の頭部に挿入することと、(b)外科用器具の遠位端部を患者の頭部における組織の標的領域に位置付けることと、(c)エンドエフェクタをシースに対して露出させることと、(d)エンドエフェクタを、非拡張状態から、エンドエフェクタが、ある幅と幅よりも大きい長さと、を有する拡張状態に半径方向に拡張することと、(e)組織を、露出され、拡張されたエンドエフェクタと接触させて、エンドエフェクタの電極を組織と電気的に接触させて配置することと、(f)組織と電気的に接触しているエンドエフェクタの電極をRFエネルギーで通電し、それによって、RFエネルギーを組織に印加することと、を含む、方法。
【実施例20】
【0119】
組織が、後鼻神経を含む、実施例19に記載の方法。
【0120】
V.その他
本明細書に説明される教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に説明される他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0121】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又は他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている現行の定義、見解、又は他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾するあらゆる内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0122】
上で説明されるデバイスの変形例は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計され得る。変形例は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含み得る。具体的には、デバイスのいくつかの変形例は分解され得、また、デバイスの任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換され得る又は取り外され得る。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形例を、再調整用の施設において、又は手技の直前にユーザによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0123】
単に例として、本明細書に説明される変形例は、手技の前及び/又は後に滅菌され得る。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次いで、容器及びデバイスは、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線場に置かれ得る。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次いで、滅菌されたデバイスは、後の使用のために、滅菌容器内に保管され得る。デバイスはまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において既知の任意の他の技術を使用して滅菌され得る。
【0124】
本発明の様々な実施形態を図示及び説明してきたが、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に説明される方法及びシステムの更なる適合化が実現され得る。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、他の修正は、当業者には明らかであろう。例えば、上で考察された実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは例解的なものであり、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に図示及び説明される構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0125】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
(a)患者の頭部の鼻腔に挿入されるように構成されたシースと、
(b)前記シース内に配設されたエネルギーカテーテルであって、
(i)長手方向軸に沿って延在するシャフトと、
(ii)前記シャフトから遠位に延在し、非拡張状態から拡張状態に半径方向外向きに選択的に拡張するように構成された、細長い拡張可能なエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
(A)少なくとも1つの可撓性ワイヤと、
(B)前記少なくとも1つの可撓性ワイヤに沿って配設された複数の電極と、を備える、少なくとも1つのエネルギー部材を含む、細長い拡張可能なエンドエフェクタと、を含む、エネルギーカテーテルと、を備え、
前記エネルギーカテーテルが、前記エンドエフェクタが前記シース内に同軸に収容され、それによって、前記エンドエフェクタが前記非拡張状態から前記拡張状態に半径方向に拡張することを防止する近位後退位置と、前記エンドエフェクタが前記シースから露出され、それによって、前記エンドエフェクタが前記患者の頭部の前記鼻腔内の組織に接触するために前記非拡張状態から前記拡張状態に拡張することを可能にする遠位伸長位置との間で、前記シースに対して選択的に並進可能であり、
前記エンドエフェクタが前記拡張状態にあるとき、前記エンドエフェクタが、ある幅と、前記幅よりも大きい長さと、を有する、外科用器具。
(2) 前記少なくとも1つの可撓性ワイヤが、導電性材料を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記少なくとも1つの可撓性ワイヤが、弾性的に付勢された材料を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(4) 前記エンドエフェクタが、前記エネルギーカテーテルが前記近位後退位置から前記遠位伸長位置に並進することに応答して、前記非拡張状態から前記拡張状態に半径方向に弾性的に拡張するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記少なくとも1つのエネルギー部材が、少なくとも1つの電気絶縁層を更に含む、実施態様1に記載の外科用器具。
【0126】
(6) 前記少なくとも1つの電気絶縁層が、前記少なくとも1つの可撓性ワイヤの周りに同軸に延在する、実施態様5に記載の外科用器具。
(7) 前記少なくとも1つの電気絶縁層が、前記複数の電極のうちの隣接する電極の間に延在する、実施態様5に記載の外科用器具。
(8) 前記少なくとも1つの電気絶縁層が、前記複数の電極のうちの少なくとも1つの電極の外側表面の一部分によって提示されている、実施態様5に記載の外科用器具。
(9) 前記少なくとも1つの電気絶縁層が、電気絶縁コーティングを含む、実施態様8に記載の外科用器具。
(10) 前記複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が、前記少なくとも1つの可撓性ワイヤから選択的に取り外し可能である、実施態様1に記載の外科用器具。
【0127】
(11) 前記少なくとも1つのエネルギー部材が、少なくとも1つのループ形状エネルギー部材を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(12) 前記少なくとも1つのループ形状エネルギー部材が、複数のループ形状エネルギー部材を含む、実施態様11に記載の外科用器具。
(13) 前記複数のループ形状エネルギー部材が、互いに重なり合っている、実施態様12に記載の外科用器具。
(14) 前記複数のループ形状エネルギー部材が、前記長手方向軸の周りに位置付けられている、実施態様12に記載の外科用器具。
(15) 前記少なくとも1つのエネルギー部材が、少なくとも1つの角度付きエネルギー部材を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
【0128】
(16) 外科用器具であって、
(a)シースと、
(b)前記シース内に配設されたエネルギーカテーテルであって、長手方向軸に沿って延在し、非拡張状態から拡張状態に半径方向外向きに選択的に拡張するように構成された、拡張可能なエンドエフェクタを含み、前記エンドエフェクタが、
(i)少なくとも1つの可撓性ワイヤと、
(ii)前記少なくとも1つの可撓性ワイヤに沿って配設された複数の電極と、を備える、少なくとも1つのエネルギー部材を含み、前記複数の電極のうちの各電極が、
(A)外側表面を有する導電性本体と、
(B)前記導電性本体の前記外側表面にわたって部分的に配設された電気絶縁層と、を含む、エネルギーカテーテルと、を備え、
前記エネルギーカテーテルが、前記エンドエフェクタが前記シース内に同軸に収容され、それによって、前記エンドエフェクタが前記非拡張状態から前記拡張状態に半径方向に拡張することを防止する近位後退位置と、前記エンドエフェクタが前記シースから露出され、それによって、前記エンドエフェクタが組織に接触するために前記非拡張状態から前記拡張状態に拡張することを可能にする遠位伸長位置との間で、前記シースに対して選択的に並進可能である、外科用器具。
(17) 前記導電性本体が、導電性シリンダを含む、実施態様16に記載の外科用器具。
(18) 前記電気絶縁層が、電気絶縁コーティングを含む、実施態様16に記載の外科用器具。
(19) 外科用器具を用いて患者の頭部内の組織を治療する方法であって、前記外科用器具が、シースと、前記シース内に配設されたエネルギーカテーテルと、を含み、前記エネルギーカテーテルが、(i)長手方向軸に沿って延在するシャフトと、(ii)前記シャフトから遠位に延在する拡張可能なエンドエフェクタと、を含み、前記方法が、
(a)前記エンドエフェクタが前記シース内に後退したままである間に、前記外科用器具の遠位端部を前記患者の頭部に挿入することと、
(b)前記外科用器具の遠位端部を前記患者の頭部における組織の標的領域に位置付けることと、
(c)前記エンドエフェクタを前記シースに対して露出させることと、
(d)前記エンドエフェクタを、非拡張状態から、前記エンドエフェクタが、ある幅と、前記幅よりも大きい長さと、を有する、拡張状態に半径方向に拡張することと、
(e)前記組織を、前記露出され、拡張されたエンドエフェクタと接触させて、前記エンドエフェクタの電極を前記組織と電気的に接触させて配置することと、
(f)前記組織と電気的に接触している前記エンドエフェクタの前記電極をRFエネルギーで通電し、それによって、前記RFエネルギーを前記組織に印加することと、を含む、方法。
(20) 前記組織が、後鼻神経を含む、実施態様19に記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18
図19A
図19B
【国際調査報告】