(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】オプティカルディテクタ
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0232 20140101AFI20240319BHJP
【FI】
H01L31/02 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561624
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 EP2022058920
(87)【国際公開番号】W WO2022214445
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ホーレン クリストフ ヘラルド オーグスト
(72)【発明者】
【氏名】ヘネン ルドヴィクス ヨハンネス ラムベルトゥス
【テーマコード(参考)】
5F149
【Fターム(参考)】
5F149BA01
5F149BA30
5F149BB01
5F149HA09
5F149HA20
5F149KA04
5F149XB05
(57)【要約】
本発明は、より大きな入射角から生じる光信号を検出する感度を向上させたオプティカルディテクタ(100)に関する。また、オプティカルディテクタ(100)は、光信号の発信方向を決定するために使用されてもよい。オプティカルディテクタ(100)は、フォトディテクタ(101)及びレンズ(103)を含む。フォトディテクタ(101)は、フォトディテクタ平面(002)に直交する中心平面(001)に位置する中心軸(102)を有する。レンズは、中心平面(001)で分けられる第1のレンズセグメント(131)及び第2のレンズセグメント(132)を有する。第1のレンズセグメント(131)は、第1の受光面(133)及び第1の光出口面(135)を含み、第1の光出口面(135)は、フォトディテクタ(101)に面している。第2のレンズセグメント(132)は、第2の受光面(134)及び第2の光出口面(136)を含み、第2の光出口面(136)は、フォトディテクタ(101)に面している。第1の受光面(133)は、非一定の曲率を有する第1の凸面を含み、第1の凸面は、第1の表面点において第1の最小曲率半径(051)を有する。第2の受光面(134)は、非一定の曲率を有する第2の凸面を含み、第2の凸面は、第2の表面点において第2の最小曲率半径(052)を有する。中心軸(102)及び第1の線(055)によって囲まれる第1の角度(053)は、0度よりも大きく、第1の線(055)は、第1の表面点において第1の凸面に垂直であり、中心軸(102)まで延びる。中心軸(102)及び第2の線(056)によって囲まれる第2の角度(054)は、0度よりも大きく、第2の線(056)は、第2の表面点において第2の凸面に垂直であり、中心軸(102)まで延びる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の方向からの到来光信号を受信するためのオプティカルディテクタであって、当該オプティカルディテクタは、
フォトディテクタ平面に直交する中心平面に位置する中心軸を有するフォトディテクタと、
前記中心平面で分けられる第1のレンズセグメント及び第2のレンズセグメントを有するレンズと、
を含み、
前記フォトディテクタは、前記中心軸の周りに構成される第1のフォトディテクタセグメント及び第2のフォトディテクタセグメントを含み、
前記第1のレンズセグメントは、第1の受光面及び第1の光出口面を含み、前記第1の光出口面は、前記フォトディテクタに面しており、
前記第2のレンズセグメントは、第2の受光面及び第2の光出口面を含み、前記第2の光出口面は、前記フォトディテクタに面しており、
前記第1の受光面は、非一定の曲率を有する第1の凸面を含み、前記第1の凸面は、第1の表面点において第1の最小曲率半径を有し、
前記第2の受光面は、非一定の曲率を有する第2の凸面を含み、前記第2の凸面は、第2の表面点において第2の最小曲率半径を有し、
前記第1のレンズセグメント及び前記第2のレンズセグメントは、前記第1及び第2のレンズセグメント間のエアギャップによって互いに少なくとも部分的に光学的にアイソレートされ、前記第1のレンズセグメント及び前記第2のレンズセグメントは、前記中心軸の周りに位置付けられ、互いに向かい合う実質的に平坦なエッジ面を有し、前記エッジ面は、少なくとも部分的に透過性の材料を含み、
前記中心軸及び第1の線によって囲まれる第1の角度は、0度よりも大きく、前記第1の線は、前記第1の表面点において前記第1の凸面に垂直であり、前記中心軸まで延び、
前記中心軸及び第2の線によって囲まれる第2の角度は、0度よりも大きく、前記第2の線は、前記第2の表面点において前記第2の凸面に垂直であり、前記中心軸まで延びる、オプティカルディテクタ。
【請求項2】
前記第1の角度及び前記第2の角度は、5度~45度の範囲で同じ値を有する、請求項1に記載のオプティカルディテクタ。
【請求項3】
前記第1の受光面及び前記第2の受光面は、実質的に平坦又は凹状である、前記中心平面に隣接する部分を有する、請求項1又は2に記載のオプティカルディテクタ。
【請求項4】
前記第1の受光面及び前記第2の受光面は、前記フォトディテクタ平面に向かってカーブする、前記中心平面に隣接する部分を有する、請求項1又は2に記載のオプティカルディテクタ。
【請求項5】
前記第1の光出口面は、前記第1のフォトディテクタセグメントと光学的に接触し、前記第2の光出口面は、前記第2のフォトディテクタセグメントと光学的に接触する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のオプティカルディテクタ。
【請求項6】
前記エアギャップは、10~100マイクロメートルの範囲の幅を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のオプティカルディテクタ。
【請求項7】
前記レンズは、ある数のレンズセグメントを有し、前記フォトディテクタは、前記レンズセグメントの数と同じ又は整数倍の数のフォトディテクタセグメントを有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のオプティカルディテクタ。
【請求項8】
請求項1に記載のオプティカルディテクタと、
第1のフォトディテクタセグメント及び第2のフォトディテクタセグメントによってそれぞれ生成される複数のディテクタ信号を受信するように構成される信号プロセッサと、
復調デバイスと、
を含む、光ワイヤレス通信デバイスであって、
前記信号プロセッサは、前記複数のディテクタ信号のうちの少なくとも1つを選択するように構成され、
前記復調デバイスは、データを抽出するために前記複数のディテクタ信号のうちの少なくとも1つを復調するように構成される、光ワイヤレス通信デバイス。
【請求項9】
当該光ワイヤレス通信デバイスはさらに、
調整可能であるエミッション方向に送信光信号を発するように構成される光信号エミッタと、
前記光信号エミッタを制御するように構成されるコントローラと、
を含み、
前記信号プロセッサは、前記複数のディテクタ信号の比較によって到来光信号の方向を決定するように構成され、
前記信号プロセッサは、前記到来光信号の方向に基づいて前記光信号エミッタのエミッション方向を調整するために前記コントローラに通信可能に接続される、請求項8に記載の光ワイヤレス通信デバイス。
【請求項10】
当該光ワイヤレス通信デバイスはさらに、
調整可能であるエミッション方向に送信光信号を発するように構成される光信号エミッタと、
前記光信号エミッタを制御するように構成されるコントローラと、
光学要素及びセグメント化ディテクタを含む方向センサと、
を含み、
前記信号プロセッサは、セグメント化フォトディテクタによって生成される複数のセンサ信号の比較によって到来光信号の方向を決定するように構成され、
前記信号プロセッサは、前記到来光信号の方向に基づいて前記光信号エミッタのエミッション方向を調整するために前記コントローラに通信可能に接続される、請求項8に記載の光ワイヤレス通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広い視野角から生じる光信号をより良好に受信するように構成されるオプティカルディテクタに関する。さらに、オプティカルディテクタは、複数の方向からの到来光信号の方向をロバストに(robustly)決定するように構成される。オプティカルディテクタは、光ワイヤレス通信(optical wireless communication)に適し得るが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
近年、光ワイヤレス通信は、研究及び商業活動の面で急速な成長を遂げている。高速、高帯域幅、電磁干渉への耐性、及びセキュリティは、これらの活動を後押ししている魅力的な特徴である。簡潔に、これは、変調された可視、赤外、又は紫外変調光が、光信号の形態で通信信号を送信するために使用される通信分野である。このコンポーネントは、広いビームで光信号を送信するように構成され、これは、情報ネットワークに接続される、アクセスポイントと呼ばれることが多い。一般的なシナリオでは、複数のアクセスポイントが、対象エリアを可能な限りカバーするように天井に設置される。エミッタを含む各アクセスポイントは、天井照明器具に組み込まれることがある。受信側には、これらの送信された光信号を受信し、少なくとも、これらのアクセスポイントのうちの1つと1つの通信リンクを確立するように配置されるフォトディテクタを少なくとも含む光デバイス(optical device)がある。また、受信側は、天井のアクセスポイントにおける1つ以上のフォトディテクタによって受信される光信号の広いビームを発するように構成されるエミッタを含むことがある。受信側は、エンドポイントと呼ばれることが多い。アクセスポイントもエンドポイントも、本質的に、エミッタ、フォトディテクタ、及び必要な通信回路等のコンポーネントを少なくとも収容する光ワイヤレス通信デバイスである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光ワイヤレス通信システムのエンドポイントは、結像オプティック(imaging optic)と組み合わせてフォトディテクタを用いて光信号を検出することがある。一般に、ディテクタに到達する光の量は、ディテクタ表面に対して入射角の余弦とともに(投影面積が小さくなるにつれて)減少する。さらに、エミッタが位置する平面と平行な平面内でレシーバが並進する光ワイヤレス通信の場合、距離は、より大きな入射角に対して(再び角度の余弦とともに)増大する。さらに、エミッタは、(例えば、ランバートエミッタ(Lambertian emitter)の場合、再び角度の余弦とともに)そのエミッション軸(emission axis)に対してより大きな角度でより低い強度を発することがある。すなわち、余弦は、入射角が大きくなるにつれて検出信号の強い低下をもたらす、3つの依存性を持つ。入射角が大きくなると(すなわち、アクセスポイントの位置に対するエンドポイントの並進が大きくなると)検出されるパワーと同様に検出される信号は非常に小さくなり、通信リンク速度を劇的に低下させるか、リンクの損失を引き起こすことさえある。逆に、エミッタは、高い強度で光信号を送信する可能性があり、必要とされる電力損失が大きすぎて、コンシューマアプリケーションで要求されるような小さなビルディングブロック(例えば、モバイルフォン)へ組み込むことができない。
【0004】
フォトディテクタは、到来光信号の方向を決定するための複数のディテクタセグメントを含むことがある。複数のフォトディテクタセグメントを有する結像オプティックを使用しても、アクセスポイントのエミッタは非常に小さいため、正確な方向情報を提供せず、結果的に、到来光信号の多くの異なる方向に対してほとんど同じディテクタ信号をもたらす。光信号がどのフォトディテクタセグメントで受信されたかを知ることはできても、光信号がどこから生じているかを正確に知ることはできない。また、上記の理由から、光信号が広い視野角から生じている場合、十分な角度弁別(angular discrimination)を実現することは難しくなる。
【0005】
それゆえ、フォトディテクタの感度を本質的に向上させるためにより大きな入射角又は視野角において光学要素のゲインを増加させることが望ましい。
【0006】
本発明の目的は、より大きな入射角に対して向上した感度を有するオプティカルディテクタを提供することである。それゆえ、オプティカルディテクタは、より大きな入射角度から入射する光信号をより良好に検出することができる。また、オプティカルディテクタは、到来光信号のおおよその(approximate)方向をロバストに決定するように構成される。さらに、オプティカルディテクタは、光信号を検出及びオプティカルディテクタに対するアクセスポイント又はエンドポイントの方向を決定し、特定の方向に狭ビーム光信号を送信することをさらに支援する、光ワイヤレス通信デバイス(optical wireless communication device)の一部であってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、この及び他の目的は、複数の方向からの到来光信号(incoming optical signal)を受信するためのオプティカルディテクタ(optical detector)によって達成される。オプティカルディテクタは、フォトディテクタ(photodetector)及びレンズを含む。フォトディテクタは、フォトディテクタ平面(photodetector plane)に直交する中心平面(center plane)に位置する中心軸を有する。レンズは、中心平面で分けられる(separated by)第1のレンズセグメント及び第2のレンズセグメントを有する。第1のレンズセグメントは、第1の受光面(light receiving surface)及び第1の光出口面(light exit surface)を含み、第1の光出口面は、フォトディテクタに面している。第2のレンズセグメントは、第2の受光面及び第2の光出口面を含み、第2の光出口面は、フォトディテクタに面している。第1の受光面は、非一定の曲率を有する第1の凸面(convex surface)を含み、第1の凸面は、第1の表面点(surface point)において第1の最小曲率半径を有する。第2の受光面は、非一定の曲率を有する第2の凸面を含み、第2の凸面は、第2の表面点において第2の最小曲率半径を有する。中心軸及び第1の線(line)によって囲まれる第1の角度は、0度よりも大きく、第1の線は、第1の表面点において第1の凸面に垂直であり、中心軸まで延びる。中心軸及び第2の線によって囲まれる第2の角度は、0度よりも大きく、第2の線は、第2の表面点において第2の凸面に垂直であり、中心軸まで延びる。
【0008】
凸面は、透過媒体(transmission medium)がより高い屈折率を有する限り、衝突光信号(impinging optical signal)の集中(concentration)を可能にする。それゆえ、凸面を法線方向に対して斜め方向に向ける(orient)ことにより(法線方向はレンズの中心軸と一致する)、ある斜め方向からの集光(concentration of light)を高めることができる。
【0009】
凸面は、1つ以上の曲率半径を有してもよい。斯かるカーブについて、ある点における曲率半径は、当該点におけるカーブを最もよく近似する円弧の半径に等しい。最小曲率半径は、グローバル又はローカル最小曲率半径(global or local minimum radius of curvature)を示すことができる。第1の角度又は第2の角度は、凸面のこの最高曲率点の向き(orientation)を示す。衝突方向が第1の線又は第2の線と一致する、凸面の第1の表面点又は第2の表面点の周りに衝突する光信号は、より低い曲率を有する凸面の他の部分と比較して、より大きな集中を経験する。それゆえ、オプティカルディテクタは、第1の線又は第2の線とある程度アラインする方向を有する光信号に対する感度を向上させることができる。
【0010】
レンズは、レンズ視野(lens field of view)を有してもよい。第1及び第2のレンズセグメントは、セグメント化(segmented)視野を有してもよい。セグメント化視野は レンズ視野のサブセットであってもよい。セグメント化視野は実質的に異なってもよいが、中心軸の周りにオーバーラップする視野領域を有してもよい。視野間のオーバーラップの程度を変える一つのやり方は、レンズセグメントの受光面を修正することによってもよい。
【0011】
第1の角度及び第2の角度は、5度~45度の範囲で同じ値を有してもよい。
【0012】
第1のレンズセグメント及び第2のレンズセグメントは鏡面対称であってもよく、また、中心軸に対して回転対称であってもよい。
【0013】
凸面及びその向きの可能な選択は、かなり広い。選択は、アプリケーションによって必要とされる全視野(FoV)、及び他の入射角についてどの程度低い集光が許容されるか(ある入射角についての増加は、他の入射角における低下を意味する)に依存してもよい。
【0014】
光ワイヤレス通信の場合、第1の角度及び第2の角度を5度から45度くらいにするのが好ましくあり得る。
【0015】
第1の受光面及び第2の受光面は、実質的に平坦又は凹状であってもよい、中心平面に隣接する部分を有する。
【0016】
中心軸と一致する方向から生じる光信号は、光信号が最短距離からの発信(origination)である可能性が高いことを意味し得る。それゆえ、光信号の強度は、他の位置から生じる光信号に比べてかなり強くなる。それゆえ、凹面又は平坦面を選択することにより、中心軸と一致する方向から生じる光信号に対するゲイン又は集光を低減する犠牲が払われてもよい。
【0017】
第1の受光面及び第2の受光面は、フォトディテクタ平面に向かってカーブする、中心平面に隣接する部分を有してもよい。
【0018】
第1の受光面及び第2の受光面は、第1の受光面及び第2の受光面の部分の接線が中心平面及びフォトディテクタ平面と交差するように延ばされることができるように構成されてもよい中心平面に隣接する当該部分を有する。
【0019】
この構成は、中心軸と一致する方向から生じる光信号に対するゲイン又は集光のより強い低下をもたらし得る。それゆえ、この構成は、このような条件が些細ではない場合に選択されてもよい。しかしながら、このような軸上(中心軸)検出に対するより強い低下は、(中心軸から離れる)軸外検出に対するゲイン又は集中のより強い増加を可能にし得る。
【0020】
レンズは、フォトディテクタのエッジの周りにレンズエッジ面(lens edge surface)を有してもよい。レンズエッジ面は、部分的な被覆を有してもよい。レンズエッジ面は、フォトディテクタ平面に直交することができる。部分的な被覆は、吸収性又は反射性であることができる外側部分及び反射性であることができる内側部分を有する。内側部分の反射性の性質は、レンズによってフォトディテクタ平面に集束されることができない高入射角からの到来光の折り返し(folding)を可能にする。部分的な被覆は、レンズエッジ面上に構成されるメタルシート又は反射コーティングによって達成されてもよい。
【0021】
代替的に、レンズエッジ面は、いかなる形態の被覆も有さなくてもよい。
【0022】
また、レンズエッジ面は、フォトディテクタ平面に直交しなくてもよい。
【0023】
フォトディテクタは、中心軸の周りに構成される第1のフォトディテクタセグメント及び第2のフォトディテクタセグメントを含んでもよい。
【0024】
上記のレンズは、セグメント化フォトディテクタ(segmented photodetector)と組み合わせて、オプティカルディテクタの方向検出ケイパビリティ(direction detection capability)を可能にしてもよい。
【0025】
フォトディテクタは、PN若しくはPiNフォトダイオード(PD)、アバランシェフォトダイオード(APD)、フォトトランジスタ、シリコンフォトマルチプライヤ(SiPM)又はマルチピクセルフォトンカウンター(MPPC)、シングルフォトンアバランシェディテクタ(SPAD)等であることができ、SiPM/MPPC及びSPADだけでなく、他のディテクタも、複数のセグメントを含んでもよい。フォトディテクタセグメントは、同心状に配置されてもよく、六角形に詰められ(packed)てもよい。また、フォトディテクタセグメントは、直線状に配置されてもよい。
【0026】
第1の光出口面は、第1のフォトディテクタセグメントと光学的に接触してもよく、第2の光出口面は、第2のフォトディテクタセグメントと光学的に接触してもよい。
【0027】
この場合、「光学的に接触する(in optical contact)」は、光学的に接触する2つの部品間の光伝送(optical transmission)を可能にすることと解釈されてもよい。
【0028】
レンズ及びフォトディテクタが空気によって隔てられる場合、空気は、カップリング媒体(coupling medium)として考えられてもよい。しかしながら、フォトディテクタに面するレンズの界面でのフレネル反射が多くなると、光の損失が大きくなる可能性がある。ゆえに、空気よりも高い屈折率を有する媒体が好ましい。そうでなければ、フォトディテクタ及びレンズは、光の損失を防ぐか、少なくとも最小限に抑えるために、反射防止コーティングを有してもよい。
【0029】
光学的接触は、薄いオプティカルボンディング層(optical bonding layer)、弱いファンデルワールス相互作用による接着、又は例えば成形(molding)若しくは鋳造(casting)によって実現される直接相互接続(direct interconnect)であることができる。フォトディテクタがカップリング材料によってレンズと接触する場合、レンズ及びフォトディテクタの屈折率の間の屈折率を有するカップリング材料を有することが有益であり得、好ましくは、レンズ及び/又はカップリング材料の屈折率は、フォトディテクタの屈折率に相対的に近く選択される。
【0030】
第1及び第2のレンズセグメントは、中心軸の周りの光アイソレータ(optical isolator)によって互いに少なくとも部分的に光学的にアイソレートされてもよい。
【0031】
「少なくとも部分的に光学的にアイソレートされる(at least partially optically isolated)」は、第1及び第2のレンズセグメントが2つの別個のセグメントであり、セグメント間のセパレーション(separation)への光衝突が完全反射又は部分的透過をもたらしてもよいこととして解釈されてもよい。完全反射及び部分的透過間のこの程度は、入射角に対して主観的であってもよい。
【0032】
光アイソレータは、第1のレンズセグメント及び第2のレンズセグメントの間のエアギャップであってもよい。
【0033】
エアギャップは、中心平面の周りに対称的に配置されてもよい。比較的高い入射角において、到来光信号は、関連するフォトディテクタセグメントに完全に集中されない可能性があり、それゆえ、エアギャップに到達する可能性がある。エアギャップは、近隣のフォトディテクタセグメント上の光信号の少なくとも部分的な透過を可能にし、クロストークを促進するように設計されてもよい。さらに、エアギャップは、受光レンズセグメントに関連する(複数の)フォトディテクタセグメントへ実質的な光信号を反射し、これにより、この検出に使用される単位センサ面積当たりの信号強度を高めるように設計されてもよい。このクロストーク挙動は通信に極端に望ましくないが、クロストーク挙動は、到来光信号の発信方向(originating direction)のロバストな決定に利用されることができる。また、レンズセグメントが反射材料によって互いに完全に光学的にアイソレートされる場合、精度は低いが、到来光信号の発信方向の決定は可能であり得る。
【0034】
オプティカルディテクタが光信号を検出及び復調するものとして使用されることが望まれる場合、光アイソレータ又はエアギャップは、限定されたクロストークにつながる限定された光透過率を有するように設計されてもよい。例えば、入射角に依存して、光アイソレータ又はエアギャップを通る光透過は、光アイソレータ又はエアギャップに衝突する光の10%を超えないようにしてもよい。より好ましくは、光アイソレータ又はエアギャップに衝突する光の5%が透過されることを可能にしてもよい。
【0035】
エアギャップは、10~100マイクロメートルの範囲であってもよい幅を有する。
【0036】
第1のレンズセグメント及び第2のレンズセグメントは、中心軸の周りに位置付けられ、互いに向かい合うエッジ面を実質的に有し、エッジ面は、少なくとも部分的に透過性の材料(at least partially transmissive material)を含んでもよい。
【0037】
エアギャップ及び少なくとも部分的に透過性の材料は一緒に光アイソレータを表してもよい。コーティング又はフィルムの形態の少なくとも部分的に透過性の材料は、反射特性を有するが、好ましくは散乱特性を有さない薄い金属フィルム又は誘電体フィルム(例えば、SiO2、SiNx、TiO2、及びAl2O3)のいずれか又は組み合わせであってもよい。
【0038】
第1及び第2のレンズセグメントは、近隣のエッジ面が少なくとも部分的に透過性の材料で覆われた状態で別々に製造され、レンズの上述の構成を有するようにアセンブリされてもよい。
【0039】
光アイソレータは、第1及び第2のレンズセグメント間に位置する部分的に透過性の材料であってもよい。
【0040】
少なくとも部分的に透過性の材料は、完全反射性又は部分的透過性であるように選択されてもよい。
【0041】
レンズは、ある数のレンズセグメントを有してもよく、フォトディテクタは、レンズセグメントの数と同じ又は整数倍の数のフォトディテクタセグメントを有してもよい。
【0042】
レンズセグメントあたりのフォトディテクタセグメントの数が多いほど、到来光信号の方向の正確な決定に有益であり得る。
【0043】
本発明の第2の態様によれば、光ワイヤレス通信デバイス(optical wireless communication device)が提供される。光ワイヤレス通信デバイスは、上述したオプティカルディテクタ及び信号プロセッサを含む。信号プロセッサは、第1のフォトディテクタセグメント及び第2のフォトディテクタセグメントによって生成される複数のディテクタ信号を受信するように構成される。光ワイヤレス通信デバイスはさらに、復調デバイスを含む。信号プロセッサは、複数のディテクタ信号のうちの少なくとも1つを選択するように構成され、復調デバイスは、データを抽出するために複数のディテクタ信号のうちの少なくとも1つを復調するように構成される。
【0044】
信号プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は1つ以上のコンパレータであってもよい。
【0045】
ディテクタ信号は、フォトディテクタセグメントによって測定された検出信号の定量化されたパワー又は振幅であることができる。
【0046】
通信目的のために、高周波変調が使用される。変調は、一般に、オンオフキーイング(OOK:on-off keying)、ノンリターントゥゼロオンオフキーイング(NRZ-OOK:non-return-to-zero on-off keying)等、振幅変調の形態、又はPAM-3若しくはPAM-4等のXレベルパルス振幅変調(PAM-X:X-level pulse amplitude modulation)の形態であってもよい。代替的に、周波数変調の形態が使用されてもよく、光直交周波数分割多重(OOFDM:optical orthogonal frequency division multiplexing)等、変調技術のさらなる組み合わせが使用されてもよい。ここで使用されるすべての変調技術に共通するのは、実際のデータを送信するために、典型的には、比較的高い周波数、例えば、1MHz以上で光ビームを変調することである。それゆえ、ハイパスフィルタが、信号プロセッサによって受信される前にディテクタ信号をフィルタリングするために使用されてもよい。ハイパスフィルタは、1MHz以上の信号を通過させてもよい。ディテクタ信号からデータ又は情報を抽出するには、復調が必要とされる。
【0047】
信号プロセッサは、ディテクタ信号から、復調及びデータ又は情報を抽出するためにどの信号が使用されてもよいかを決定してもよい。それゆえ、信号プロセッサは、復調デバイスによる復調のためにいずれか一方又は両方のディテクタ信号を選択してもよい。光ワイヤレス通信デバイスは、マルチインプットシングルアウトプット(MISO:multiple input single output)システムをサポートしてもよい。
【0048】
光ワイヤレス通信デバイスはさらに、光信号エミッタ及びコントローラを含んでもよい。光信号エミッタは、調整可能(tunable)であるエミッション方向(emission direction)に送信光信号を発するように構成されてもよく、コントローラは、光信号エミッタを制御するように構成されてもよい。信号プロセッサは、複数のディテクタ信号の比較によって到来光信号の方向を決定するように構成されてもよく、信号プロセッサは、到来光信号の方向に基づいて光信号エミッタのエミッション方向を調整するためにコントローラに通信可能に接続されてもよい。
【0049】
オプティカルディテクタは、光ワイヤレス通信デバイスにおいて、1)軸外ゲイン(off-axis gain)を高めた光信号を検出する、及び、2)到来光信号の方向を決定する、
という2つの役割を持って使用されてもよい。
【0050】
代替的に、光ワイヤレス通信デバイスは、調整可能であるエミッション方向に送信光信号を発するように構成されてもよい光信号エミッタと、光信号エミッタを制御するように構成されるコントローラと、光学要素及びセグメント化ディテクタを含む方向センサ(direction sensor)とを含んでもよい。信号プロセッサは、セグメント化フォトディテクタによって生成される複数のセンサ信号を比較することにより到来光信号の方向を決定するように構成されてもよい。信号プロセッサは、到来光信号の方向に基づいて光信号エミッタのエミッション方向を調整するためにコントローラに通信可能に接続されてもよい。
【0051】
この場合、オプティカルディテクタは、軸外ゲインを高めた光信号を検出する単一の役割を有する。一方、到来光信号の方向は、方向センサで決定される。方向センサは、光学要素及びセグメント化フォトディテクタを含む安価な光学センサであってもよい。光学要素は、結像型又は非結像型であることができる。
【0052】
入射ビーム又は光の方向を決定するために、ローパスフィルタが、ディテクタ信号をフィルタリングするために使用されてもよい。光ワイヤレス通信信号が例えば100MHzまで変調される場合、方向検出は、1MHz、ましては100kHzにおいてローパスフィルタリングされる信号で行われてもよい。近(near)直流(DC)信号もフィルタリングアウトされる必要があり得るので、方向検出のために、代替的に、1kHz~100kHzのバンドパスフィルタが使用されてもよい。
【0053】
ローパスフィルタリングされた信号によってフィルタリングされたディテクタ信号は、信号プロセッサによって受信されてもよく、信号プロセッサは、ディテクタ信号のフラクションを決定するように構成されてもよい。フラクション(fraction)の一例は、フォトディテクタセグメントによって検出されたディテクタ信号の大きさを、すべてのフォトディテクタセグメントからのディテクタ信号の大きさの合計で割ったものであることができる。ディテクタ信号のフラクションを比較することにより、到来光信号の方向が決定されることができる。
【0054】
ディテクタ信号の低周波数応答の最大フラクション(maximum fraction)が、どのフォトディテクタセグメントから通信信号が抽出されるべきかを決定するために使用されてもよく、斯くして、通信信号増幅のための単一のトランスインピーダンスアンプ(TIA:trans-impedance amplifier)のみが使用されてもよい。
【0055】
代替的に、異なるフォトディテクタセグメントからハイパスフィルタを通過した光通信信号が、入射ビームの方向を決定するために使用されることもできるが、これは、高周波増幅特性を有する複数のトランスインピーダンスアンプを必要とする。
【0056】
(複数の)アクセスポイント又は(複数の)エンドポイントの相対的な向きのみを決定するために、フォトディテクタの帯域幅は、いっそう高い感度を可能にするために到来光信号の帯域幅の10%以下であることができる。好ましくは、方向センサにおけるフォトディテクタの3dB周波数帯域幅は、高変調周波数で到来光信号を検出するために使用される信号センサにおけるフォトディテクタのものの10%未満であることができる。<1%、さらには<0.1%等、さらに低くてもよい。
【0057】
光信号エミッタの好適な例としては、LED、スーパールミネッセント発光ダイオード(SLED:superluminescent light-emitting diode)、エッジ発光レーザダイオード(ELD:edge-emitting laser diode)、垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL:vertical-cavity surface-emitting laser)を挙げることができ、単一のエミッタ又は複数のエミッタ(又は発光セグメント)のいずれかであることができる。
【0058】
光信号エミッタは、エミッタ視野内で調整可能であるエミッション方向に光信号を発するように構成されてもよい。送信光信号のビームは、狭ビームを有することが好ましくあり得る。ターゲットとするレシーバのロケーションへの指向性及び狭放射(directional and narrow emission of radiation)の使用は、ビーム形状内の強度をかなり増加させることを可能にし得る。それゆえ、データ速度の増加とともにエネルギ散逸の低減が期待されることができる。さらに、熱散逸が少なくなるため小さな体積(volume)が使用されることができ、発せられる必要がある総光パワーが小さくなるため目の安全性も向上され得る。
【0059】
光信号エミッタは、レンズ視野の60%未満、好ましくは30%未満、最も好ましくは15%未満に範囲が定められる立体角で発するように構成されてもよい。
【0060】
コントローラは、光信号エミッタを制御するように構成されてもよい。光信号エミッタの制御には、エミッション方向の調整、及び基本エミッタ特性の制御(例えば、強度、変調周波数、及び波長調整)が含まれてもよい。
【0061】
また、コントローラは、ネットワーク又はエンドポイントデバイスからそれぞれダウンリンク信号又はアップリンク信号を受信し、これを光ワイヤレス通信に適合するように変換することを担ってもよい。
【0062】
ここで上述したすべての構成のオプティカルディテクタは、光ワイヤレス通信システムからのエンドポイント又はアクセスポイントデバイスでの使用に適し得ることを理解されたい。オプティカルディテクタの目的は、光信号を検出することのみであってもよく、及び/又は、ソース若しくはアクセスポインロケーションを決定することであってもよい。
【0063】
到来光信号から信号プロセッサによってアクセスポイントの方向が決定されると、信号プロセッサは、アクセスポイント又はエンドポイントとの通信を確立するためにエミッション方向を調整するためにコントローラと通信してもよい。
【0064】
光信号エミッタは、独立に調整可能である複数のエミッション方向に複数の送信光信号を発するように構成されてもよい。
【0065】
この構成を用いて、光ワイヤレス通信デバイスは、マルチインプットマルチアウトプット(MIMO:multiple input multiple output)システムで動作してもよい。
【0066】
光ワイヤレス通信デバイスは、モバイルエンドポイントデバイスの一部であってもよい。この場合、光ワイヤレス通信デバイス(例えば、ドングル又はモバイルフォン)からのデータ転送は、デジタル通信インターフェースデバイスを介して達成されてもよい。光ワイヤレス通信デバイスは、ワイヤ、又は銅若しくは金の相互接続によってデジタル通信インターフェースデバイスに通信可能に接続されてもよい。デジタル通信インターフェースデバイスは、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)インターフェース、Bluetooth(登録商標)インターフェース、又はEthernet(登録商標)インターフェースであることができる。モバイル光通信デバイスは、デジタル通信インターフェースデバイスを介してユーザーデバイスに通信可能に接続されてもよい。
【0067】
本発明は、特許請求の範囲に列挙されている特徴のすべての可能な組み合わせに関する。本発明の概念の他の目的、特徴、及び、利点は、以下の詳細な開示から、添付の特許請求の範囲から、及び、図面から明らかになる。ある態様に関連して述べられる特徴は、他の態様にも組み込まれることができ、該特徴の利点は、該特徴が組み込まれるすべての態様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
開示されたデバイス、方法、及びシステムの上記の及び追加の目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して、デバイス、方法、及びシステムの実施形態の以下の例示的且つ非限定的な詳細な説明を通してよりよく理解されるであろう。図に示されているように、レイヤ及び領域のサイズは、例示の目的で誇張されている場合があり、斯くして、本発明の実施形態の一般的な構造を例示するために提供されている。同様の参照数字は、全体を通して同様の要素を指す。
【
図1】
図1は、オプティカルディテクタの断面図を示す。
【
図2】
図2は、オプティカルディテクタの動作を断面図で示す。
【
図3】
図3は、オプティカルディテクタの代替構成の断面図を示す。
【
図4】
図4(a)及び(b)は、光アイソレータの代替例によるオプティカルディテクタの断面を示す。
【
図5】
図5は、オプティカルディテクタのさらに別の代替構成の断面図を示す。
【
図6】
図6(a)、(b)、及び(c)は、レンズセグメントの受光面のさまざまな構成によるオプティカルディテクタの断面を示す。
【
図7】
図7は、到来光信号を検出するためのオプティカルディテクタを含む光ワイヤレス通信デバイスを概略的に示す。
【
図8】
図8(a)及び(b)は、方向を決定するためのオプティカルディテクタと、それぞれ、シングルビームエミッタ及びマルチビームエミッタを制御するためのコントローラとを含む光ワイヤレス通信デバイスを概略的に示す。
【
図9】
図9は、到来光信号を検出するためのオプティカルディテクタと、方向を決定するための方向センサとを含む光ワイヤレス通信デバイスを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本発明は、本発明の現在好ましい実施形態が示されている添付図面を参照して、以下にさらに完全に述べられる。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実施されてもよく、本明細書で述べられている実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、徹底性及び完全性のために提供されており、本開示の範囲を当業者に完全に伝える。
【0070】
最初に
図1を参照すると、オプティカルディテクタ100の断面図が示されている。オプティカルディテクタ100は、フォトディテクタ101を含む。フォトディテクタ101は、フォトディテクタ平面002に直交する中心平面001に位置する中心軸102を有する。オプティカルディテクタ100はさらに、第1のレンズセグメント131及び第2のレンズセグメント132を有するレンズ103を含む。レンズセグメント131及び132は、中心軸102で分けられる。レンズセグメント131及び132は、それぞれ、第1の受光面133及び第2の受光面134を含み、同様に、それぞれ、第1の光出口面135及び第2の光出口面136を含む。受光面133及び134は、光出口面135及び136よりも大きい。その上、受光面133及び134は、1つ以上の到来光信号を集中させるために、それぞれ、第1の凸面及び第2の凸面を少なくとも部分的に有する。
【0071】
光出口面135及び136は、フォトディテクタ101と光学的に接触している。
【0072】
レンズ103は、レンズ視野003を有する。第1のレンズセグメント131及び第2のレンズセグメント132は、それぞれ、セグメント化視野137及び138を含む。セグメント化視野137及び138は、レンズ視野003のサブセットを含む。セグメント化視野137及び138は実質的に異なるが、中心軸102の周りにオーバーラップする視野領域004を有する。視野間のオーバーラップの程度を変える一つのやり方は、レンズセグメントの受光面を修正することによってもよい。
【0073】
図2は、オプティカルディテクタ100の動作を断面図で示している。あるアプリケーションについて、フォトディテクタ平面002の法線方向以外の異なる方向から入射する到来光信号に対して、強化された受光ケイパビリティ(enhanced light reception capability)を実現することが望まれる可能性がある。例えば、これは、オプティカルディテクタを含むエンドポイントデバイスがアクセスポイントの直下にないことがほとんどの場合である光ワイヤレス通信に関連する可能性がある。それゆえ、ゼロ入射角よりも大きな入射角(入射角801は、到来光信号の斜め方向802と中心軸102との間の囲まれた角度によって定義される)から生じる到来光信号を検出するために、レンズの集光係数(light concentration factor)を増加させる等、ゲインを増加させることは有益である。フォトディテクタ平面002に垂直であり、中心軸102に平行である法線方向803から生じる光信号については、直接視野及びアクセスポイントとエンドポイントとの間の最短距離に起因して光信号が十分な強度を有し得るため、集光係数は犠牲にされてもよい。本発明によれば、レンズセグメント131及び132の受光面133及び134は、それぞれ、0度よりも大きい入射角に対する集光係数の増加を達成するように修正されることができ、入射角は、到来光信号の方向と中心軸102との間の囲まれた角度によって定義される。
【0074】
図2において、第1のレンズセグメント131の第1の受光面133は、少なくとも部分的に、第1の凸面を有する。非一定の曲率を有する(with non-constant curvature)第1の凸面は、第1の表面点において第1の最小曲率半径051を有する。第1の線055は、第1の最小曲率半径051の第1の表面点において第1の凸面に垂直であり、中心軸102まで延ばされることができる。第1の線055は、中心軸102と、0度よりも大きい第1の角度053を囲む。同様に、中心軸102と第2の線056とによって囲まれる第2の角度054は、0度よりも大きく、第2の線056は、第2の最小曲率半径052の第2の表面点において第2の凸面に垂直であり、中心軸102まで延びる。第1及び第2の最小曲率半径051及び052は、それぞれ、仮想円005によって定義される。
図2において、第1の角度053及び第2の角度054は同じである。それゆえ、第1の受光面133及び第2の受光面134は、中心軸102で分けられる互いの鏡像である。レンズセグメント131及び132は対称であり、回転対称でもあると考えられることができる。
【0075】
到来光信号の斜め方向802は、第2の線056と一致して示されている。それゆえ、第2の受光面134の第2の凸面は、本質的に、光入射角が0度よりも大きい斜め方向802からの到来光信号に面する(face)ように構成される。その結果、レンズ103の集光特性は、斜め位置から生じる光に対して少なくとも実質的に高くなる。なぜなら、法線方向803から生じる到来光信号は、中心平面001に隣接する第1の受光面133及び第2の受光面134の部分が実質的に凹状であるため、より少ない集光を経験するからである。それゆえ、受光面133及び134は、(法線方向に生じる)軸上到来光よりも(斜め方向に生じる)軸外到来光に対してより大きなゲインを提供するように適合される。その結果、オプティカルディテクタ100は、より大きな入射角から生じる信号に対して感度が向上するという特性を有する。
【0076】
図3では、オプティカルディテクタ100の断面図が示されており、レンズセグメント131及び132は、光アイソレータ104によって互いに部分的に光学的にアイソレートされている。光アイソレータ104はエアギャップ141であり、中心平面001の周りに対称的に配置されている。第1の受光面133及び第2の受光面134は、それぞれ、
図1及び
図2に示されたものと同様の特性を有する。フォトディテクタ101は、中心軸102の周りに構成される第1のフォトディテクタセグメント121及び第2のフォトディテクタセグメント122を含む。第1のレンズセグメント131は、第1のフォトディテクタセグメント121と光学的に接触しており、同様に、第2のレンズセグメント132は、第2のフォトディテクタセグメント122と光学的に接触している。
【0077】
比較的高い入射角において、到来光信号は、関連するフォトディテクタセグメントに完全に集中されない可能性があり、それゆえ、エアギャップ141に到達する可能性がある。エアギャップ141は、近隣のフォトディテクタセグメント上の光信号の少なくとも部分的な透過を可能にするように設計されてもよい。エアギャップ141は、受光レンズセグメントに関連する(複数の)フォトディテクタセグメントへ実質的な光信号を反射するように設計されてもよい。それゆえ、フォトディテクタによって受けられる光の慎重な精査(careful examination)及び異なる光入射角に対する部分透過率を知ることにより、入射光信号の発信方向のロバストな決定が可能である。レンズセグメントが反射材料によって互いに完全に光学的にアイソレートされる場合、到来光信号の発信方向の決定は可能であり得る。オプティカルディテクタ100がアクセスポイントからの光信号を検出及び復調するものとして使用されることが望まれる場合、光アイソレータ104又はエアギャップ141は、限定された光透過率を有するように設計されてもよい。例えば、入射角に依存して、光アイソレータ104又はエアギャップ141を通る光透過は、光アイソレータ104又はエアギャップ141に衝突する光の10%を超えないようにしてもよい。より好ましくは、光アイソレータ104又はエアギャップ141に衝突する光の5%が透過されることを可能にしてもよい。
【0078】
図4(a)及び(b)は、光アイソレータ104の代替例によるオプティカルディテクタ100の断面を示している。
図4は、
図1~3に示され、関連するテキストで述べられている特徴、要素及び/又は機能を含むことに留意されたい。したがって、理解を高めるために、当該図及びこれらに関連する記述も参照される。
図1~4における同じ参照数字は、同じ又は類似の機能を有する、同じ又は類似の構成要素を示している。
【0079】
図4(a)において、レンズセグメント131及び132は、エアギャップ141によって隔てられている。レンズセグメント131及び132に面するエッジ面147は実質的に平坦であり、恐らくはコーティングの形態の、少なくとも部分的に透過性の材料142を含む。エアギャップ141及び少なくとも部分的に透過性の材料142は一緒に光アイソレータ104を表してもよい。エアギャップ141の幅及び少なくとも部分的に透過性の材料142の選択によって、光アイソレータ104を通る光の透過の調整が可能である。少なくとも部分的に透過性の材料142は、反射特性を有する薄い金属フィルム又は誘電体フィルム(例えば、SiO
2、SiN
x、TiO
2、及びAl
2O
3)のいずれか又は組み合わせであってもよい。
【0080】
図4(b)において、光アイソレータ104は、隣接するレンズセグメント131及び132間に位置する少なくとも部分的に透過性の材料143によって表されている。少なくとも部分的に透過性の材料143は、完全反射性又は部分的透過性であるように選択されてもよい。
【0081】
図5は、
図3に類似するオプティカルディテクタ100の断面図を示している。
図5は、
図1~4に示され、関連するテキストで述べられている特徴、要素及び/又は機能を含むことに留意されたい。したがって、理解を高めるために、当該図及びこれらに関連する記述も参照される。
図1~5における同じ参照数字は、同じ又は類似の機能を有する、同じ又は類似の構成要素を示している。
【0082】
図5において、レンズ103は、フォトディテクタ101のエッジの周りにレンズエッジ面149を有する。レンズエッジ面149は、部分的な被覆を有する。レンズエッジ面149は、フォトディテクタ平面002に直交するように示されている。部分的な被覆は、吸収性又は反射性であることができる外側部分150及び反射性であることができる内側部分151を有する。内側部分151の反射性の性質は、レンズ103によってフォトディテクタ平面002に集束されることができない高入射角からの到来光の折り返しを可能にする。部分的な被覆は、レンズエッジ面上に構成されるメタルシート又は反射コーティングによって達成されてもよい。オプティカルディテクタ100の代替例で、レンズエッジ面149は、いかなる形態の被覆も有さなくてもよい。また、レンズエッジ面は、
図1~4に示されるようにフォトディテクタ平面002に直交しなくてもよい。
【0083】
図6(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ、レンズセグメント131及び132の受光面133及び134の様々な構成によるオプティカルディテクタ100の断面を示している。
図6は、
図1~5に示され、関連するテキストで述べられている特徴、要素及び/又は機能を含むことに留意されたい。したがって、理解を高めるために、当該図及びこれらに関連する記述も参照される。
図1~6における同じ参照数字は、同じ又は類似の機能を有する、同じ又は類似の構成要素を示している。
【0084】
図6(a)において、中心平面001に隣接する第1の受光面133及び第2の受光面134は、実質的に平坦であることが示されている。一方、第1の受光面133は、部分的に、仮想円005の一部である第1の最小曲率半径051を有する第1の凸面を有する。これに関して、第2の受光面134は、鏡面対称であることが示されている。第1の角度053は、中心軸102と第1の線055とによって囲まれ、約40度であることが示されている。
図6(b)及び(c)において、受光面133及び134は、凸面の異なる構成を含むことが示され、第1の角度053及び第2の角度054は同じであり、約15度~20度程度であることも示されている。中心平面001に隣接する第1の受光面133及び第2の受光面134の部分は、接線が中心平面001及びフォトディテクタ平面002と交差するように延ばされることができるようにフォトディテクタ平面002に向かってカーブするように構成されている。それゆえ、法平面に直交する到来光は、
図6(a)に示される構成と比較してかなり弱く集光される。
【0085】
図7は、より大きな角度からの到来光信号を検出するための感度を高めたオプティカルディテクタ100を含む光ワイヤレス通信デバイス200を概略的に示している。
図7は、
図1~6に示され、関連するテキストで述べられている特徴、要素及び/又は機能を含むことに留意されたい。したがって、理解を高めるために、当該図及びこれに関連する記述も参照される。
図1~7における同じ参照数字は、同じ又は類似の機能を有する、同じ又は類似の構成要素を示している。
【0086】
光ワイヤレス通信デバイス200はさらに、フォトディテクタセグメント121及び122からそれぞれディテクタ信号007及び008を受信するように構成される信号プロセッサ201を含む。信号プロセッサ201は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は1つ以上のコンパレータであってもよい。ここで、ディテクタ信号は、フォトディテクタセグメントによって測定された検出信号のパワー又は振幅として定量化されることができる。通信目的のために、高周波変調が使用される。それゆえ、ハイパスフィルタ204が、信号プロセッサ201によって受信される前にディテクタ信号007及び008をフィルタリングするために使用される。ハイパスフィルタ204は、1MHz以上の信号を通過させてもよい。ディテクタ信号007及び008からデータ又は情報を抽出するには、復調が必要とされる。信号プロセッサ201は、ディテクタ信号007及び008から、復調及びデータ又は情報を抽出するためにどのフォトディテクタセグメント121、122が使用されてもよいかを決定してもよい。それゆえ、信号プロセッサ201は、復調デバイス206による復調のためにいずれか一方又は両方のディテクタ信号007、008を選択してもよい。潜在的に、オプティカルディテクタ100を含む光ワイヤレス通信デバイス200は、マルチインプットシングルアウトプット(MISO)及びマルチインプットマルチアウトプット(MIMO)システムをサポートする。復調された信号207は、オプティカルディテクタ100によって受信されたダウンリンク信号であることができる。同様の原理は、1つのセグメントのみを有するフォトディテクタにも当てはまるが、この場合、信号プロセッサ201は、復調のためにディテクタ信号を単に通過させてもよい。この場合、単一のセグメントを有するフォトディテクタにとって、ディテクタ信号007及び008は同じであるため、信号プロセッサは、ディテクタ信号を比較する必要はない。
【0087】
図8は、到来光信号の方向を決定するためのオプティカルディテクタ100を含む光ワイヤレス通信デバイス200を概略的に示している。
図8は、
図1~7に示され、関連するテキストで述べられている特徴、要素及び/又は機能を含むことに留意されたい。したがって、理解を高めるために、当該図及びこれに関連する記述も参照される。
図1乃至8における同じ参照数字は、同じ又は類似の機能を有する、同じ又は類似の構成要素を示している。
【0088】
光ワイヤレス通信デバイス200はまた、入射光ビームの方向を決定するために使用されるディテクタ信号007及び008をフィルタリングするためのローパスフィルタを含んでもよい。ローパスフィルタリングされた信号によってフィルタリングされたディテクタ信号007及び008は、ディテクタ信号007及び008を比較するように構成される信号プロセッサ201によって受信される。この比較のベースは、ディテクタ信号007及び008のフラクションであることができる。フラクションの一例は、フォトディテクタセグメントによって検出された信号の大きさを、すべてのフォトディテクタセグメントからのディテクタ信号の大きさの合計で割ったものであることができる。ディテクタ信号007及び008のフラクションを比較することにより、到来光信号の方向が決定されることができる。レンズセグメント131及び132間のエアギャップと同様の光アイソレータ104は、光クロストークを促進することができる。信号プロセッサ201は、ロバストな直接検出のために、様々な入射角に対する光アイソレータ104を介す透過率も考慮してもよい。ディテクタ信号の低周波数応答の最大フラクションが、どのフォトディテクタセグメントから通信信号が抽出されるべきかを決定するために使用されてもよく、斯くして、通信信号増幅のための単一のトランスインピーダンスアンプ(TIA)のみが使用されてもよい。
【0089】
代替的に、異なるフォトディテクタセグメントからハイパスフィルタを通過した光通信信号が、入射ビームの方向を決定するために使用されることもできるが、これは、高周波増幅特性を有する複数のトランスインピーダンスアンプを必要とする。
【0090】
(複数の)アクセスポイント又は(複数の)エンドポイントの相対的な向きを決定するために、フォトディテクタの帯域幅は、いっそう高い感度を可能にするために到来光信号の帯域幅の10%以下であることができる。好ましくは、方向センサにおけるフォトディテクタの3dB周波数帯域幅は、高変調周波数で到来光信号を検出するために使用される信号センサにおけるフォトディテクタのものの10%未満であることができる。<1%、さらには<0.1%等、さらに低くてもよい。光ワイヤレス通信信号が例えば100MHzまで変調される場合、方向検出は、1MHz、ましては100kHzにおいてローパスフィルタリングされる信号で行われてもよい。近直流(DC)信号もフィルタリングアウトされる必要があり得るので、方向検出のために、代替的に、1kHz~100kHzのバンドパスフィルタが使用されてもよい。
【0091】
図8(a)において、光ワイヤレス通信デバイス200はまた、エミッタ視野225内で調整可能であるエミッション方向に光信号221を発するように構成される光信号エミッタ202を含む。送信光信号221のビームは狭くすることができる。例えば、光信号エミッタ202は、レンズ視野003の60%未満、好ましくは30%未満、最も好ましくは15%未満に範囲が定められる立体角で発するように構成されてもよい。光信号エミッタ202を制御するように構成されるコントローラ203が、光ワイヤレス通信デバイス200に存在する。光信号エミッタ202の制御には、エミッション方向の調整、及び基本エミッタ特性の制御(例えば、強度、変調周波数、及び波長調整)が含まれてもよい。また、コントローラ203は、アクセスポイントに接続されるネットワーク又はエンドポイントデバイスからそれぞれダウンリンク信号又はアップリンク信号205を受信し、これを光ワイヤレス通信に適合するように変換することを担ってもよい。
【0092】
上述したオプティカルディテクタ100及び光通信デバイス200は、複数の到来光信号の発信元(origin)を決定するために好適に用いられてもよい。
図8(b)に示されるように、この特徴は、複数の光通信リンクが確立されることができるように、2つの送信光信号221及び222を発するように構成される光信号エミッタ202を制御するために活用されることができる。したがって、アクセスポイント又はエンドポイントとの高スループットマルチインプットマルチアウトプット(MIMO)システムを維持するために、複数の調整可能な狭ビームを有する光信号エミッタ202を制御できることは有益である。
図8(b)に示されるように、エミッション方向において2つの送信光信号221及び222は、エミッタ視野225内で独立に調整可能である。
【0093】
ここで上述したすべての構成のオプティカルディテクタ100は、光ワイヤレス通信システムからのエンドポイント又はアクセスポイントデバイスでの使用に適し得ることを理解されたい。オプティカルディテクタ100の目的は、光信号を検出する、及び/又は、ソース若しくはアクセスポインロケーションを決定することであってもよい。
【0094】
信号プロセッサ201は、コントローラ203に通信可能に接続される。到来光信号から信号プロセッサ201によってアクセスポイントの方向が決定されると、信号プロセッサ201は、アクセスポイント又はエンドポイントとの通信を確立するためにエミッション方向を調整するためにコントローラ203と通信してもよい。
図8において、オプティカルディテクタ100の役割は、(複数の)アクセスポイント又はエンドポイント位置をロバストに分離するために到来光信号の方向を決定すること、すなわち、方向センサであり、最終的には、狭ビームを発する光信号エミッタの制御を容易にすることである。
【0095】
図9は、到来光信号を検出するためのオプティカルディテクタ100と、到来光信号の方向を決定するための方向センサ900とを含む光ワイヤレス通信デバイス200を概略的に示している。
図9は、
図1~8に示され、関連するテキストで述べられている特徴、要素及び/又は機能を含むことに留意されたい。したがって、理解を高めるために、当該図及びこれに関連する記述も参照される。
図1乃至9における同じ参照数字は、同じ又は類似の機能を有する、同じ又は類似の構成要素を示している。
【0096】
図9において、方向センサ900は、到来光信号の方向を決定するために使用される光学要素901及びセグメント化ディテクタ902を含む。光学要素901は、結像又は非結像オプティクスであることができる。方向ディテクタについては、当該技術分野における様々な既知の構成が考慮されてもよい。センサ信号903及び904は、ローパスフィルタ220を通過し、信号プロセッサ201によって受信される。信号プロセッサ201は、センサ信号903及び904の比較に基づいて方向を決定するように構成される。
図7と同様に、オプティカルディテクタ100は、最終的にデータ又は情報を抽出するために使用される、感度を高めた大きな入射角由来の光信号を検出するために使用される。
【0097】
上述した実施形態は本発明を限定するものではなく、例示するものであり、当業者は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替的な実施形態を設計できることに留意されたい。特許請求の範囲において、括弧内に置かれた参照符号はいずれも、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞「含む」及びその活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。
【0098】
特定の特徴が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。上述した様々な態様は、追加の利点を提供するために組み合わされてもよい。さらに、当業者は、2つ以上の実施形態が組み合わされてもよいことを理解するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の方向からの到来光信号を受信するためのオプティカルディテクタであって、当該オプティカルディテクタは、
フォトディテクタ平面に直交する中心平面に位置する中心軸を有するフォトディテクタと、
前記中心平面で分けられる第1のレンズセグメント及び第2のレンズセグメントを有するレンズと、
を含み、
前記フォトディテクタは、前記中心軸の周りに構成される第1のフォトディテクタセグメント及び第2のフォトディテクタセグメントを含み、
前記第1のレンズセグメントは、第1の受光面及び第1の光出口面を含み、前記第1の光出口面は、前記フォトディテクタに面しており、
前記第2のレンズセグメントは、第2の受光面及び第2の光出口面を含み、前記第2の光出口面は、前記フォトディテクタに面しており、
前記第1の受光面は、非一定の曲率を有する第1の凸面を含み、前記第1の凸面は、第1の表面点において第1の最小曲率半径を有し、
前記第2の受光面は、非一定の曲率を有する第2の凸面を含み、前記第2の凸面は、第2の表面点において第2の最小曲率半径を有し、
前記第1のレンズセグメント及び前記第2のレンズセグメントは、前記第1及び第2のレンズセグメント間のエアギャップによって互いに少なくとも部分的に光学的にアイソレートされ、前記第1のレンズセグメント及び前記第2のレンズセグメントは、前記中心軸の周りに位置付けられ、互いに向かい合う実質的に平坦なエッジ面を有し、前記エッジ面は、少なくとも部分的に透過性の材料を含み、
前記中心軸及び第1の線によって囲まれる第1の角度は、0度よりも大きく、前記第1の線は、前記第1の表面点において前記第1の凸面に垂直であり、前記中心軸まで延び、
前記中心軸及び第2の線によって囲まれる第2の角度は、0度よりも大きく、前記第2の線は、前記第2の表面点において前記第2の凸面に垂直であり、前記中心軸まで延びる、オプティカルディテクタ。
【請求項2】
前記第1の角度及び前記第2の角度は、5度~45度の範囲で同じ値を有する、請求項1に記載のオプティカルディテクタ。
【請求項3】
前記第1の受光面及び前記第2の受光面は、実質的に平坦又は凹状である、前記中心平面に隣接する部分を有する、請求項
1に記載のオプティカルディテクタ。
【請求項4】
前記第1の受光面及び前記第2の受光面は、前記フォトディテクタ平面に向かってカーブする、前記中心平面に隣接する部分を有する、請求項
1に記載のオプティカルディテクタ。
【請求項5】
前記第1の光出口面は、前記第1のフォトディテクタセグメントと光学的に接触し、前記第2の光出口面は、前記第2のフォトディテクタセグメントと光学的に接触する、請求項
1に記載のオプティカルディテクタ。
【請求項6】
前記エアギャップは、10~100マイクロメートルの範囲の幅を有する、請求項
1に記載のオプティカルディテクタ。
【請求項7】
前記レンズは、ある数のレンズセグメントを有し、前記フォトディテクタは、前記レンズセグメントの数と同じ又は整数倍の数のフォトディテクタセグメントを有する、請求項
1に記載のオプティカルディテクタ。
【請求項8】
請求項1に記載のオプティカルディテクタと、
第1のフォトディテクタセグメント及び第2のフォトディテクタセグメントによってそれぞれ生成される複数のディテクタ信号を受信するように構成される信号プロセッサと、
復調デバイスと、
を含む、光ワイヤレス通信デバイスであって、
前記信号プロセッサは、前記複数のディテクタ信号のうちの少なくとも1つを選択するように構成され、
前記復調デバイスは、データを抽出するために前記複数のディテクタ信号のうちの少なくとも1つを復調するように構成される、光ワイヤレス通信デバイス。
【請求項9】
当該光ワイヤレス通信デバイスはさらに、
調整可能であるエミッション方向に送信光信号を発するように構成される光信号エミッタと、
前記光信号エミッタを制御するように構成されるコントローラと、
を含み、
前記信号プロセッサは、前記複数のディテクタ信号の比較によって到来光信号の方向を決定するように構成され、
前記信号プロセッサは、前記到来光信号の方向に基づいて前記光信号エミッタのエミッション方向を調整するために前記コントローラに通信可能に接続される、請求項8に記載の光ワイヤレス通信デバイス。
【請求項10】
当該光ワイヤレス通信デバイスはさらに、
調整可能であるエミッション方向に送信光信号を発するように構成される光信号エミッタと、
前記光信号エミッタを制御するように構成されるコントローラと、
光学要素及びセグメント化ディテクタを含む方向センサと、
を含み、
前記信号プロセッサは、セグメント化フォトディテクタによって生成される複数のセンサ信号の比較によって到来光信号の方向を決定するように構成され、
前記信号プロセッサは、前記到来光信号の方向に基づいて前記光信号エミッタのエミッション方向を調整するために前記コントローラに通信可能に接続される、請求項8に記載の光ワイヤレス通信デバイス。
【国際調査報告】