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特表2024-513944医療用インプラントを製造するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】医療用インプラントを製造するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
A61F2/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562266
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2021052651
(87)【国際公開番号】W WO2022216312
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】17/226,200
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523382029
【氏名又は名称】クリテヴァ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トッド・レイス
(72)【発明者】
【氏名】エリック・リンダー
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・ヘスケット
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC02
4C097DD01
4C097DD09
4C097DD10
4C097EE13
4C097FF05
4C097MM03
4C097MM04
4C097MM07
(57)【要約】
印刷デバイスを使用して医療用インプラントを形成するためのシステムおよび方法。印刷デバイスは、加熱されたノズルを有するプリントヘッドと、印刷された材料をその上に受け入れるための加熱されたビルドプレートと、アクティブ加熱器を有する反射プレートとを含む。医療用デバイスを形成するための方法は、格子状の構造体を有する多孔性のオブジェクトを形成するために、継続的な堆積によって印刷材料を押し出すステップを含む。脊椎インプラントなどのような医療用デバイスは、相互接続された細孔を有することが可能であり、骨成長をその中で促すための異なる多孔度をそれぞれ有する異なる領域を有することが可能である。印刷された医療用インプラントは、患者特有になるように、カスタマイズされるように、および、オンデマンドで印刷されるように設計されることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用インプラントを製造するための方法であって、前記方法は、
前記医療用インプラントを印刷するための第1の材料を提供するステップと;
印刷デバイスを提供するステップと
を含み、
前記印刷デバイスは、
囲まれたスペースを形成するハウジングと;
前記第1の材料を押し出すための加熱されたノズルを含むプリントヘッドと;
前記第1の材料をその上に受け入れるための上部表面を有する平面的な加熱されたビルドプレートと;
アクティブ加熱エレメントを含む反射プレートであって、前記反射プレートは、前記加熱されたノズルに隣接して位置付けされており、前記反射プレートは、前記ビルドプレートに向けて熱を反射するように構成されている底部表面を有している、反射プレートと
を含み、
前記反射プレート、前記ビルドプレート、および前記ノズルは、すべて、前記医療用デバイスを形成している間に、前記第1の材料を所定の温度に維持するように構成されており;
また、前記方法は、
前記プリントヘッドおよび前記反射プレートをZ-平面において垂直方向に移動させるステップと;
前記ビルドプレートをX-平面およびY-平面において水平方向に移動させるステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、前記第1の材料を前記所定の温度に維持するために、前記ビルドプレートに熱を提供するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記第1の材料を前記所定の温度に維持するために、前記反射プレートの中の前記加熱エレメントを活性化させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記印刷デバイスは、少なくとも1つの温度センサーをさらに含み、前記方法は、前記第1の材料を前記所定の温度に維持するために、前記ハウジングの中の少なくとも1つの場所における温度をセンシングするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
医療用デバイスを印刷するためのシステムであって、前記システムは、
前記医療用デバイスを形成するための印刷材料と;
印刷デバイスと
を含み、
前記印刷デバイスは、
囲まれたスペースを形成するハウジングと;
前記印刷材料を押し出すための加熱されたノズルを含むプリントヘッドと;
前記印刷材料をその上に受け入れるための上部表面を有する平面的な加熱されたビルドプレートと;
アクティブ加熱エレメントを含む反射プレートであって、前記反射プレートは、前記加熱されたノズルに隣接して位置付けされており、前記反射プレートは、前記ビルドプレートに向けて熱を反射するように構成されている底部表面を有している、反射プレートと
を含み、
前記反射プレート、前記ビルドプレート、および前記ノズルは、すべて、前記医療用デバイスを形成している間に、前記印刷材料を所定の温度に維持するように構成されている、システム。
【請求項6】
前記ビルドプレートは、
前記上部表面を含む上部ビルド層と;
前記上部ビルド層の下にある上部フレーム層と;
抵抗加熱器を含む加熱層であって、前記加熱層は、前記上部フレーム層の下にある、加熱層と;
前記加熱層の下にある絶縁層と;
底部フレーム層と
を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記上部ビルド層は、ポリエーテルイミド(PEI)またはポリエーテル-エーテル-ケトン(PEEK)を含み、前記絶縁層は、マイカまたはセラミックを含み、前記底部フレーム層および前記上部フレーム層のうちの少なくとも1つは、アルミニウムを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
第1の材料から外科用インプラントを形成するためのデバイスであって、前記デバイスは、
囲まれたスペースを形成するハウジングと;
前記第1の材料を押し出すための加熱されたノズルを含むプリントヘッドと;
前記第1の材料をその上に受け入れるための上部表面を有する平面的な加熱されたビルドプレートと;
アクティブ加熱エレメントを含む反射プレートであって、前記反射プレートは、前記加熱されたノズルに隣接して位置付けされており、前記反射プレートは、前記ビルドプレートに向けて熱を反射するように構成されている底部表面を有している、反射プレートと
を含み、
前記反射プレート、前記加熱されたビルドプレート、および前記加熱されたノズルは、すべて、前記外科用インプラントを形成している間に、前記第1の材料を所定の温度に維持するように構成されている、デバイス。
【請求項9】
前記加熱されたビルドプレートは、
前記上部表面を含む上部ビルド層と;
前記上部ビルド層の下にある上部フレーム層と;
抵抗加熱器を含む加熱層であって、前記加熱層は、前記上部フレーム層の下にある、加熱層と;
前記加熱層の下にある絶縁層と;
底部フレーム層と
を含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記デバイスは、前記加熱層と前記上部フレーム層との間に中間層をさらに含み、前記中間層は、熱放散を補助する、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記上部ビルド層は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテル-エーテル-ケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、他の熱可塑性ポリマー、ガラス、アルミニウム、ステンレス鋼、他の金属合金、または、それらの組み合わせを含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
前記絶縁層は、マイカまたはセラミックを含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項13】
前記底部フレーム層および前記上部フレーム層のうちの少なくとも1つは、アルミニウムを含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項14】
前記デバイスは、印刷の間に前記外科用インプラントに熱を方向付けるように構成されている少なくとも1つの赤外線加熱器を、前記囲まれたスペースの中にさらに含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項15】
前記デバイスは、少なくとも1つの温度センサーをさらに含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項16】
前記デバイスは、前記上部ビルド層および前記上部フレーム層の中に複数の開口部をさらに含み、前記複数の開口部は、機械的なカップリングをその中に受け入れるように、および、熱放散を補助するように構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項17】
前記デバイスは、前記外科用インプラントを形成するための特注設計パラメーターを受信するように構成されたプロセッサーを含む制御システムをさらに含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項18】
前記設計パラメーターは、サイズ、形状、および多孔度を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第1の材料は、熱可塑性ポリマーであり、前記所定の温度は、前記ポリマーのガラス転移温度に近い、請求項8に記載のデバイス。
【請求項20】
前記ハウジングの少なくとも1つの内側表面は、熱絶縁材料を含む、請求項8に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、カスタマイズされたオブジェクト(たとえば、医療用インプラントなど)を印刷するための方法、システム、および印刷デバイスに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、ポリマー材料の外科用インプラントを形成するための方法、システム、および印刷デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
必要とされているものは、ポリマー材料の医療用インプラントを製造するためのプロセスであり、それは、少なくともそのサイズ、形状、および多孔度をカスタマイズすることを可能にする。
【0003】
本発明は、外科用デバイス(たとえば、脊椎インプラントまたは他の医療用インプラントなど)を製造するための改善された方法およびシステムを説明する。
【0004】
本発明は、特注の医療用デバイスを生成させるようにプログラムされ得る3次元印刷のための印刷デバイスを説明する。印刷デバイスは、印刷材料がポリマー材料(たとえば、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、または、より具体的には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など)であることを可能にするように構成されている。
【0005】
以前の印刷デバイスは、最終的な印刷されたデバイスのそれぞれの層がそれぞれの他の層に一体的に取り付けられることを保証するために、印刷プロセス全体の間に印刷材料を最適化された温度に十分に維持することができなかった。
【0006】
1つの実施形態では、最終的な印刷オブジェクトは、脊椎インプラントなどのような医療用インプラントであることが可能である。脊椎は、頭蓋骨から臀部へ延在する24個の椎骨の柱から構成されている。軟部組織の椎間板が、隣接する椎骨の間に配設されている。加えて、脊椎は、脊髄を囲んで保護しており、脊髄の周りの骨管(脊柱管と呼ばれる)を画定している。通常は、脊髄と脊柱管の境界部との間にスペースが存在しており、脊髄およびそれに関連付けられる神経が挟まれないようになっている。
【0007】
時間の経過とともに、脊柱管を取り囲む靭帯および骨は、厚くなり硬化する可能性があり、脊柱管の狭窄および脊髄または神経根の圧縮を結果として生じさせる。この状態は、脊柱管狭窄症と呼ばれ、それは、背中および脚の痛みおよびしびれ、脱力感、ならびに/または平衡感覚障害を結果として生じさせる。これらの症状は、所定の時間の期間にわたって歩いたりまたは立ったりした後に増加することが多い。
【0008】
脊柱管狭窄症のための複数の非外科的治療が存在している。これらは、腫れおよび痛みを低減させるための非ステロイド性抗炎症薬、および、腫れを低減させて急性の痛みを治療するためのコルチコステロイドを含む。そのような治療によって脊柱管狭窄症の症状からの解放を経験する患者がいる可能性もあるが、多くの患者はそうではなく、したがって、外科的治療に頼ることになる。脊柱管狭窄症を治療するための最も一般的な外科的処置は、椎骨の一部の除去を必要とする除圧椎弓切除術である。この処置の目標は、脊柱管の面積を増加させることによって、脊髄および神経にかかる圧力を緩和することである。
【0009】
棘間プロセス減圧術(IPD)は、脊柱管狭窄症を治療するための低侵襲的な外科的処置である。IPD外科手術では、骨または軟部組織の除去は存在しない。その代わりに、インプラントまたはスペーサーデバイスは、脊髄または神経の後ろに、および、腰背部における椎骨から突出する棘突起間に位置決めされる。
【0010】
以前の医療用インプラントは、骨成長を促すための多孔度を限定していた。公知のインプラントは、その外側表面にのみ表面多孔性を有するか、または、規定された層の中に離散的な開口部を有することが可能である。本発明は、内部構造体の全体を通して多孔性であるインプラントを生成させることによって、以前のインプラントデバイスに対する改善を提供する。インプラントは、デバイス全体を通って延在する相互接続された細孔を可能にする格子タイプの構造体を有することが可能である。これは、有利には、身体の中へのインプラントの一体化を改善し、その中での骨成長を促すこととなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の実施形態は、印刷プロセス全体の間に印刷材料を所定の温度に維持するように構成されている複数の加熱されたエレメントを有する印刷デバイスを使用して、カスタマイズされたオブジェクト(たとえば、外科用インプラントなど)を印刷するためのシステムおよび方法を提供することによって、上述の問題を解決する。
【0012】
また、本発明の実施形態によるインプラントの構築は、異なる多孔度を有する複数の異なる部分を有するようにインプラントをカスタマイズすることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の実施形態は、第1の材料から外科用インプラントを形成するための印刷デバイスであって、印刷デバイスは、囲まれたスペースを形成するハウジングと;第1の材料を押し出すための加熱されたノズルを含むプリントヘッドと;第1の材料をその上に受け入れるための上部表面を有する平面的な加熱されたビルドプレートと;アクティブ加熱エレメントを含む反射プレートとを含む、印刷デバイスに関する。反射プレートは、加熱されたノズルに隣接して位置付けされており、ビルドプレートに向けて熱を反射するように構成されている底部表面を有している。反射プレート、加熱されたビルドプレート、および加熱されたノズルは、すべて、外科用インプラントを形成している間に、第1の材料を所定の温度に維持するように構成されている。
【0014】
本発明の別の実施形態は、医療用インプラントを生成させるために印刷デバイスを使用するための方法であって、本方法は、医療用インプラントを印刷するための第1の材料を提供するステップと;印刷デバイスを提供するステップと;プリントヘッドおよび反射プレートをZ-平面において垂直方向に移動させるステップと;ビルドプレートをX-平面およびY-平面において水平方向に移動させるステップとを含むは、方法に関する。印刷デバイスは、囲まれたスペースを形成するハウジングと、第1の材料を押し出すための加熱されたノズルを含むプリントヘッドと、第1の材料をその上に受け入れるための上部表面を有する平面的な加熱されたビルドプレートと、アクティブ加熱エレメントを含む反射プレートとを含む。反射プレートは、加熱されたノズルに隣接して位置付けされており、ビルドプレートに向けて熱を反射するように構成されている底部表面を有している。反射プレート、ビルドプレート、およびノズルは、すべて、医療用デバイスを形成している間に、第1の材料を所定の温度に維持するように構成されている。
【0015】
本発明の別の実施形態は、医療用デバイスを3-D印刷するためのシステムであって、システムは、医療用デバイスを形成するための印刷材料と;印刷デバイスとを含む、システムに関する。印刷デバイスは、囲まれたスペースを形成するハウジングと、印刷材料を押し出すための加熱されたノズルを含むプリントヘッドと、印刷材料をその上に受け入れるための上部表面を有する平面的な加熱されたビルドプレートと、アクティブ加熱エレメントを含む反射プレートとを含む。反射プレートは、加熱されたノズルに隣接して位置付けされており、ビルドプレートに向けて熱を反射するように構成されている底部表面を有している。反射プレート、ビルドプレート、およびノズルは、すべて、医療用デバイスを形成している間に、印刷材料を所定の温度に維持するように構成されている。
【0016】
本発明のさらに他の実施形態は、コンピューター実行可能なインストラクションを記憶する1つまたは複数の非一時的なコンピューター可読媒体であって、コンピューター実行可能なインストラクションは、プロセッサーによって実行されるときに、医療用インプラントを3次元に印刷する方法を実施し、本方法は、特定の患者の解剖学的構造に少なくとも部分的に基づいてインプラントの特注の最終的な形状を選択するステップと;第1の領域のための第1の多孔度を選択するステップと、インプラントの第2の領域のための第2の多孔度を選択するステップと;印刷デバイスのノズルに印刷材料を提供するステップと;印刷材料を少なくともガラス転移温度まで加熱するステップと;インプラントを形成するためにノズルを通してビルドプレートの上に印刷材料の複数の層をディスペンスするステップとを含む、1つまたは複数の非一時的なコンピューター可読媒体に関する。
【0017】
本発明の別の実施形態は、医療用インプラントを印刷するための方法であって、本方法は、印刷材料およびノズルを含む印刷デバイスを提供するステップと;インプラントの最終的な形状、サイズ、および構成を選択するステップと;インプラントの第1の領域のための第1の多孔度を選択するステップと;インプラントの第2の領域のための第2の多孔度を選択するステップと;ノズルからビルドプレートの上への印刷材料のディスペンスレートを制御するステップと;少なくとも1つの温度センサーによって印刷デバイスの少なくとも1つの部分の温度を監視するステップと;印刷プロセス全体の間にインプラントを所定の温度に維持するために、プリンターデバイスの少なくとも1つのエレメントの温度を調節するステップとを含む、方法に関する。
【0018】
本発明の別の実施形態は、継続的な堆積によって多孔性の外科用デバイスを形成するための方法であって、本方法は、印刷材料を提供するステップと;ノズルヘッドを通して印刷材料を押し出すステップと;ノズルヘッドをZ-平面において垂直方向に移動させるステップと;ビルドプレートの上部表面の上に印刷材料を受け入れるステップと;ビルドプレートをX-平面およびY-平面において水平方向に移動させるステップと;外科用デバイスを形成するために印刷材料の複数の層をビルドプレートの上に堆積させるステップとを含む、方法に関する。印刷材料の複数の層を堆積させるステップは、a)ビルドプレートの上に第1の層を堆積させるステップと;b)実質的に継続的なパターンを約36°だけ回転させるステップと;c)第1の層の上に第2の層を堆積させるステップと;所定の数の層が形成されるまで、ステップa、b、およびcを繰り返すステップとをさらに含む。
【0019】
本発明のさらなる実施形態は、プリンターによる溶融フィラメント製作(FFF)のプロセスによって作製された選択的に多孔性のカスタマイズ可能な医療用インプラントであって、医療用インプラントは、第1の多孔度を有する少なくとも第1の領域と、第2の多孔度を有する少なくとも第2の領域とを含み、第1の領域の細孔は、第2の領域の細孔よりも大きい、医療用インプラントに関する。第1の領域は、相互接続された細孔を備えた格子構造体を有することが可能である。インプラントは、ポリマー(たとえば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など)から作製されることが可能である。インプラントは、細孔の中へ延在するヒドロキシアパタイトのコーティングをさらに含むことが可能である。
【0020】
本発明の別の実施形態は、ポリマーモノフィラメント印刷プロセスによって形成される脊椎インプラントであって、脊椎インプラントは、上部表面と;底部表面と;周辺外側表面と;中央開口部と;複数の相互接続された細孔を有する多孔性のセクションとを含む、脊椎インプラントに関する。多孔性のセクションは、上部表面の上の第1の複数の開口部と、底部表面の上の第2の複数の開口部とを有している。インプラント形状および細孔サイズは、インプラントを特定の患者にカスタマイズするために選択可能である。
【0021】
この概要は、詳細な説明においてさらに下記に説明されている概念の選択を、簡単化された形態で導入するために提供されている。この概要は、特許請求されている主題の重要な特徴または本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求されている主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。本発明の他の態様および利点は、実施形態の以下の詳細な説明および添付の図面から明らかになることとなる。
【0022】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して下記に詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】本発明の印刷デバイスの第1の実施形態の外部の斜視図である。
図1B】印刷デバイスの第1の実施形態の内部の概略図である。
図2A】組み立てられた状態にあるビルドプレートの第1の実施形態の斜視図である。
図2B】ビルドプレートの第1の実施形態の分解図である。
図3A】組み立てられた状態にある本発明の上側アッセンブリの第1の実施形態の斜視図である。
図3B】上側アッセンブリの第1の実施形態の分解図である。
図4】本発明のプリントヘッドの実施形態の断面図である。
図5】本発明の印刷ユニットの内部の斜視図である。
図6】本発明の材料ハウジングおよび印刷材料の斜視図である。
図7】本発明の特定の実施形態のための例示的なハードウェアプラットフォームを描く図である。
図8A】本発明の印刷デバイスによって印刷され得る印刷オブジェクトの実施形態の斜視図である。
図8B】印刷オブジェクトの例示的な実施形態の第1の層の斜視図である。
図8C図8Bの実施形態の第1の層の上に堆積された第2の層の斜視図である。
図8D】本発明の印刷デバイスによって印刷され得る医療用インプラントの例示的な実施形態の斜視図である。
図8E図8Dの医療用インプラントの例示的な実施形態の断面図である。
図9】本発明の印刷デバイスを使用する方法を図示する例示的なフローチャートである。
図10】本発明の印刷デバイスによって印刷され得る前方頸椎椎体間固定術(ACIF)外科手術のための例示的な前方頸椎椎体間ケージの斜視図である。
図11】本発明の印刷デバイスによって印刷され得る後方腰椎椎体間固定術(PLIF)外科手術のための例示的な腰椎ケージの斜視図である。
図12】本発明の印刷デバイスによって印刷され得る経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)外科手術のための例示的な腰椎ケージの斜視図である。
図13A】本発明の印刷デバイスによって印刷され得る追加的な医療用インプラントの例示的な実施形態である。
図13B】本発明の印刷デバイスによって印刷され得る追加的な医療用インプラントの例示的な実施形態である。
図13C】本発明の印刷デバイスによって印刷され得る追加的な医療用インプラントの例示的な実施形態である。
図13D】本発明の印刷デバイスによって印刷され得る追加的な医療用インプラントの例示的な実施形態である。
図13E】本発明の印刷デバイスによって印刷され得る追加的な医療用インプラントの例示的な実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面は、本明細書で開示されて説明されている特定の実施形態に本発明を限定するものではない。図面は、必ずしも正しい縮尺であるとは限らず、その代わりに、本発明の原理を明確に図示することに重点が置かれている。
【0025】
以下の詳細な説明は、添付の図面を参照しており、添付の図面は、本発明が実践され得る特定の実施形態を図示している。実施形態は、当業者が本発明を実践することを可能にするのに十分に詳細に本発明の態様を説明することを意図している。他の実施形態も利用されることが可能であり、本発明の範囲を逸脱することなく変更が行われることも可能である。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。本発明の範囲は、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0026】
この説明において、「1つの実施形態」、「ある実施形態」、または「複数の実施形態」への言及は、言及されている1つまたは複数の特徴が本技術の少なくとも1つの実施形態の中に含まれているということを意味している。本説明における「1つの実施形態」、「ある実施形態」、または「複数の実施形態」への別々の言及は、必ずしも同じ実施形態に言及しているとは限らず、また、そのように記載されていない限り、および/または、本説明から当業者に容易に明らかになることとなるような場合を除き、相互に排他的でもない。たとえば、1つの実施形態において説明されている特徴、構造体、行為などは、他の実施形態にも含まれることも可能であるが、必ずしも含まれているとは限らない。したがって、本技術は、本明細書で説明されている実施形態のさまざまな組み合わせおよび/または一体化を含むことが可能である。
【0027】
図1A図1Bは、印刷デバイス10の1つの実施形態を図示している。印刷デバイス10は、3次元プリンターまたはアディティブマニュファクチャリングプリンターであることが可能であり、それは、印刷オブジェクト800を印刷材料から形成するように構成されている。いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、アディティブマニュファクチャリングの任意の公知のまたはまだ発見されていない方法(それに限定されないが、アディティブマニュファクチャリングのインクジェット方法、材料押出方法、光重合方法、粉末床方法、積層方法、粉末給送方法、またはワイヤー方法を含む)を使用して、オブジェクト800を製造するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、溶融フィラメント製作(FFF)プリンターである。いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、印刷材料(たとえば、PAEK、PEEK、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、および/または他の高性能プラスチック、ならびに、それらの組み合わせなど)によって供給される。追加的な印刷材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレントリメチレンテレフタレート(PETT)、ナイロンフィラメント、ポリビニルアルコール(PVA)、砂岩フィラメント、および、それらの組み合わせを含む。印刷材料は、複数の形態で印刷デバイス10に供給されることが可能である。1つの実施形態では、印刷材料は、フィラメントの形態で供給される。
【0028】
図1Aは、ハウジングユニット12を含む印刷デバイス10の外部を示している。ハウジングユニット12は、印刷デバイス10のコンポーネントを支持して囲むためのフレーム14を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、フレーム14は、一般的に、長方形のハウジングユニットとして設計されることが可能であるが、しかし、フレーム14は、任意の幾何学的な形状または設計(たとえば、円筒形状または正方形など)で設計されることが可能であるということが認識されることとなる。そのうえ、フレーム14の寸法は、同様に、実施形態に応じて変化することが可能であり、たとえば、最終的な印刷オブジェクトの寸法に基づいて構成されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、フレーム14は、以下の寸法:約25インチから約45インチの長さ;約18インチから38インチの幅;および、約33インチから53インチの高さを含むことが可能である。フレーム14は、それに限定されないが、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ステンレス鋼、または他の公知の構造フレーム材料などのような金属合金を含む、任意の適切な材料から構築されることが可能である。
【0029】
いくつかの実施形態において、フレーム14は、少なくとも1つのパネル16をその上に支持することが可能である。いくつかの実施形態において、複数のパネル16は、印刷オブジェクト800を保護するためのエンクロージャーを形成するために提供されることが可能である。たとえば、パネル16は、図5において見られるように、立方体のようなエンクロージャーを形成することが可能である。パネル16は、ハウジングユニット12の内側に所望の温度を維持するのを補助するために、部分的にまたは全体的に閉じられたフレーム設計を提供することが可能である。また、部分的にまたは全体的に閉じられたフレーム設計は、ユーザーが動作の間に印刷デバイス10の内側に接触することを防止することが可能である。
【0030】
パネル16は、それに限定されないが、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ステンレス鋼、または他の公知の材料などのような金属合金を含む、任意の適切な材料から構築されることが可能である。いくつかの実施形態において、パネル16は、動作の間にハウジングユニット12の内側に所望の温度を維持するのを補助するために熱絶縁特性を有する少なくとも1つの材料から構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、パネル16の少なくとも1つの内部表面は、熱絶縁材料18を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、熱絶縁材料18は、ライニングまたは追加的な層として適用されることが可能であり、パネル16へと製造されることが可能であり、または、パネル16の表面の上にコーティングとして適用されることが可能である。いくつかの実施形態において、パネル16は、固有の熱絶縁特性を有する材料から製造されることが可能であり、または、そのような材料は、製造プロセスの間に追加されることが可能である。
【0031】
いくつかの実施形態において、フレーム14は、ハウジングユニット12の内部にアクセスするための少なくとも1つの手段(たとえば、1つもしくは複数のドア20またはハッチなど)をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、ドア20は、ハンドルを備えて構成されており、ヒンジの上で回転する。いくつかの実施形態において、一方または両方のドア20は、印刷デバイス10の動作の間にハウジングユニット12の内部を観察するためのビューイングポータル22またはウィンドウをさらに含むことが可能である。ビューイングポータル22は、任意の適切な透明なまたは半透明の材料から構築されることが可能であり、たとえば、積層された安全ガラスであることが可能である。いくつかの実施形態において、ビューイングポータル22は、フレーム14の上に支持されているパネル16のうちの1つの上に位置付けされることが可能である。いくつかの実施形態において、ドア20の上に、パネル16の上に、または、それらの任意の組み合わせで位置付けされている複数のビューイングポータル22が存在することが可能である。また、印刷デバイス10は、安全遮断スイッチ24を有することが可能であり、安全遮断スイッチ24は、フロントパネルの上に位置付けされることが可能である。また、印刷デバイス10は、印刷デバイス10が動作中にある間にドア20をロックするためのキーロック26を有することが可能である。いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、ユーザーが印刷の間にチャンバーを開けることを防止するために、ドア20を自動的にロックする。
【0032】
さらに図1Aに図示されているように、印刷デバイス10は、制御システム50を含むことが可能であり、制御システム50は、印刷デバイス10に通信可能に連結されている。制御システム50は、プロセッサーを含むことが可能であり、プロセッサーは、本明細書でより詳細に説明されているように、動作の前におよび/または動作の間に印刷デバイス10を制御するためにユーザーから特注設計パラメーターを受信するように構成されることが可能である。制御システム50は、ディスプレイ52をさらに含むことが可能である。ディスプレイ52は、インストラクションを入力するためのインターフェース(たとえば、タッチスクリーンインターフェースなど)を提供することが可能である。また、ディスプレイ52は、動作の前に、動作の間に、および、動作の後に、印刷デバイス10についての任意の情報をユーザーに提供することが可能である。たとえば、ディスプレイは、動作前、動作後、診断試験、および/またはトラブルシューティングのために必要とされ得る情報を提供することが可能である。追加的なコンピューター702は、印刷デバイス10に接続されることが可能である。コンピューター702は、ユーザーが追加的なインストラクションを入力することを可能にすることができ、制御システム50と相互作用するように構成されている。
【0033】
図1Bは、印刷デバイス10の追加的なコンポーネントを図示する、ハウジングユニット12の内部の概略図を図示している。パネル16は、他の内部コンポーネントをより良好に見るために、この図には示されていないということが留意される。いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、ビルドプレート100、プリントヘッド200、およびリフレクターユニット300を含むことが可能である。図1Bにおいて見ることができるように、フレーム14は、上側アッセンブリ201および下側アッセンブリ260を支持している。下側アッセンブリ260は、ビルドプレート100をその上に受け入れるための支持構造体262を含む。上側アッセンブリ201は、プリントヘッド200およびリフレクターユニット300をその上に受け入れるための支持構造体278を含む。いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、プリントヘッド200およびリフレクターユニット300の下方に位置決めされることが可能である。ビルドプレート100は、オブジェクト800を形成するために、印刷された材料400をその上に受け入れるように構成されている。
【0034】
図2A図2Bは、ビルドプレート100の実施形態を図示している。図2Aは、組み立てられた状態にあるビルドプレート100の斜視図を図示しており、図2Bは、分解図である。1つの実施形態では、ビルドプレート100は、概して長方形の形状および構成で設計されることが可能である。しかし、他の実施形態では、ビルドプレート100は、任意の幾何学的な形状で設計されることが可能であり、たとえば、円形の、三角形の、長方形の、五角形の、または任意の他の多角形の幾何学的な形状または設計になっていることが可能である。そのうえ、ビルドプレート100のサイズおよび形状は、実施形態および所望の用途に応じて変化することも可能であるということが認識されることとなる。しかし、ビルドプレート100は、一般的に、それが印刷されることとなるオブジェクト800の所望の寸法よりも大きくなるように設計されることが可能である。したがって、印刷オブジェクト800の全体は、ビルドプレート100の内部周囲の中に受け入れられることが可能である。
【0035】
図2Bを参照すると、いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、複数の層を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、平坦なおよび平面的な設計を含む。いくつかの実施形態において、ビルドプレート100の複数の層のそれぞれは、概して平坦で平面的な形状および設計を含むことが可能である。代替的に、いくつかの実施形態において、複数の層のそれぞれは、他の形状および設計を含むことが可能であり、たとえば、湾曲した、凹形の、または凸形の設計を含むことが可能である。1つの実施形態では、図2Bにおいて見られるように、ビルドプレート100は、底部フレーム層102、少なくとも1つの絶縁層104、少なくとも1つの加熱層106、少なくとも1つの中間層108、上部フレーム層109、および上部ビルド層110を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、より多いまたはより少ない層を含むことが可能であるということが認識されることとなる。
【0036】
1つの実施形態では、底部フレーム層102は、アルミニウムから構築されることが可能である。代替的な実施形態において、底部フレーム層102は、他の材料(たとえば、ステンレス鋼、チタン、または他の適切な材料は、および、それらの組み合わせなど)から構築されることが可能である。いくつかの実施形態において、底部フレーム層102の上側表面は、凹部112または形成された窪みを含むことが可能であり、それは、ビルドプレート100の少なくとも1つの他の層が、凹部112の上に設置され、凹部112の中に置かれることが可能であるように構成されている。底部フレーム層102は、ビルドプレートの層を一緒にアンカー固定するために締結具をその中に受け入れるための1つまたは複数の開口部105を含むことが可能である。具体的には、開口部105は、上部フレーム層109の下側に位置付けされている対応する開口部113に底部フレーム層102を接続するための締結具を受け入れることが可能である。代替的に、底部フレーム層102および上部フレーム層109は、任意の公知の手段(たとえば、機械的な締結具または接着剤など)によって一緒に接続されることが可能である。底部フレーム層102は、さらに下記に議論されているように、ビルドプレート100を下側アッセンブリ260に接続するためのコネクター130をその中に受け入れるための1つまたは複数の開口部103をさらに含むことが可能である。
【0037】
いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、1つまたは複数の絶縁層104を含むことが可能である。絶縁層104は、ビルドプレート100の中のヒートブレークとして作用することが可能であり、ビルドプレート100によって発生させられる熱が望ましくない場所に移動することを制限するか、低減させるか、または排除する。1つの実施形態では、ビルドプレート100は、底部フレーム層102の上方に隣接して位置決めされている絶縁層104を含む。1つの実施形態では、絶縁層104は、平面的であることが可能であり、一般的に、凹部112と同じ形状に構成されており、それが凹部112の中に完全に受け入れられるようになっている。1つの実施形態では、絶縁層104は、約0.2インチから約0.3インチの厚さを有している。いくつかの実施形態において、絶縁層104は、約0.1インチから約0.75インチの範囲にある厚さを有することが可能である。いくつかの実施形態において、絶縁層104は、単一の材料、合金、またはポリマーから構築されることが可能であるということが認識されることとなる。代替的な実施形態において、絶縁層104は、複数の材料、合金、またはポリマーの混合物から構築されることが可能である。絶縁層104は、それぞれ異なる熱絶縁特性を有するさまざまな異なる材料、合金、またはポリマーから構築されることが可能である。たとえば、1つの実施形態では、絶縁層104は、少なくとも部分的にマイカから構築されることが可能である。1つの実施形態では、絶縁層104は、少なくとも部分的にセラミックから構築されることが可能である。1つの実施形態では、絶縁層104は、少なくとも部分的にPEEK、PAEK、またはPEKKから構築されることが可能である。
【0038】
代替的に、いくつかの実施形態において、絶縁層104は、間隔を置いて配置された様式で凹部112の中に位置決めされている複数の個別のユニットを含むことが可能である。複数のユニットは、任意の幾何学的な形状として設計されることが可能であり、たとえば、丸形の、三角形の、長方形の、五角形の、または任意の他の多角形の形状になっていることが可能である。いくつかの実施形態において、複数のユニットは、形状に関して丸形および円形である。複数のユニットは、任意の所望の厚さ(たとえば、約0.25インチなど)を有することが可能である。代替的に、いくつかの実施形態においては、複数のユニットの厚さは、0.1~0.75インチの厚さであることが可能である。ユニットの数は、実施形態に応じて変化することが可能であり、任意の数の所望のユニットから構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、絶縁層104は、5つの熱絶縁ユニットを含むことが可能である。
【0039】
いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、少なくとも1つの加熱層106をさらに含むことが可能である。1つの実施形態では、加熱層106は、絶縁層104の上方に隣接して位置決めされることが可能であり、いくつかの実施形態では、絶縁層104の上部表面に支えられて置かれることが可能である。加熱層106は、熱を発生させるために、および、動作の間にビルドプレート100の上部ビルド層110の所定の温度を維持するために、選択的に動作可能なおよび/またはプログラム可能な加熱エレメント114を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、加熱層106は、熱を発生させることができる伝導特性を有するシリコーン、アルミニウム、チタン、プラチナ、または他の金属合金などのような、材料の固体層であることが可能である。いくつかの実施形態において、加熱層106は、電流を加熱層106に伝達することができる配線、ケーブル、コイル、または他の伝導性回路116に連結されることが可能である。伝導性回路116は、熱を発生させるために、外部供給源(たとえば、バッテリーまたは標準的な電気コンセントなど)から加熱層106へ電気を伝達することが可能である。いくつかの実施形態において、加熱エレメント114および/または伝導性回路116は、制御システム50に通信可能に連結されることが可能である。制御システム50は、動作の間に所望の通りに加熱エレメント114によって発生させられる熱を増加および/または減少させるためにユーザーからインストラクションを受信するようにプログラムおよび/または構成されることが可能である。
【0040】
いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、少なくとも1つの中間層108をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、中間層108は、加熱層106の上方に隣接して位置決めされることが可能である。いくつかの実施形態において、中間層108は、加熱層106の上部表面の上方に設置され、加熱層106の上部表面の上に置かれることが可能である。中間層108は、任意の幾何学的な設計または形状(たとえば、円形の、三角形の、長方形の、五角形の、または任意の他の多角形の形状など)で設計されることが可能である。いくつかの実施形態において、中間層108は、一般的に、ビルドプレート100と同じ形状を含むことが可能である。中間層108の寸法は、実施形態に応じてさらに変化することが可能である。いくつかの実施形態において、中間層108は、それが絶縁層104および加熱層106とともに凹部112の中に設置され得るように寸法を有することとなる。
【0041】
いくつかの実施形態において、中間層108は、ディフューザーとして作用することが可能であり、それは、加熱層106によって発生させられる熱を均一で均等な様式で分配する。いくつかの実施形態において、中間層108は、任意の熱の集中したポケットまたはホットスポットを防止するか、低減させるか、または排除するのを補助することが可能である。中間層108は、その表面の全体を横切ってホットスポットを消散させるように作用する。ホットスポットの消散は、熱の均一な分配を形成するのを補助することが可能であり、それは、オブジェクト800を印刷するためにより最適な環境をビルドプレート100の上部表面の上に生成させる。1つの実施形態では、中間層108は、ステンレス鋼から構築されているが、しかし、中間層108は、熱放散特性を有する任意の適切な材料から構築されることが可能であるということが認識されることとなる。
【0042】
いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、上部フレーム層109をさらに含むことが可能である。上部フレーム層109は、中間層108の直ぐ上方に隣接して位置決めされている。上部フレーム層109は、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、もしくは、任意の他の適切な材料、または、それらの組み合わせから構築されることが可能である。いくつかの実施形態において、上部フレーム層109は、底部フレーム層102と協働し、絶縁層104、加熱層106、および中間層108をそれらの間に囲む。上部フレーム層109および底部フレーム層102は、それらが組み合わさるように同様の寸法を有することが可能である。上部フレーム層109は、1つまたは複数の開口部111をさらに含むことが可能であり、それは、コネクター130をその中に受け入れるために、底部フレーム層102の中の1つまたは複数の開口部103と整合することが可能である。いくつかの実施形態において、開口部111および開口部103は、それぞれ上部フレーム層109および底部フレーム層102の4つの角部に位置付けされている。コネクター130は、さらに下記に議論されているように、ビルドプレート100を下側アッセンブリ260にアンカー固定することが可能である。代替的にまたは追加的に、コネクター130および開口部111は、上部ビルド層110の微細なベッドレベリングを行うためにさらに使用されることが可能である。
【0043】
いくつかの実施形態において、上部フレーム層109の上側表面は、上部ビルド層110をその中に受け入れるための凹部122を含むことが可能である。したがって、上部フレーム層109は、上部ビルド層110よりも大きな長さおよび幅を有することが可能である。いくつかの実施形態において、上部ビルド層110は、凹部122の深さよりも大きい厚さを有することが可能であり、上部ビルド層110の上側表面がそこから突出するようになっている。いくつかの実施形態において、上部ビルド層110および上部フレーム層109は、ビルドプレート100の上側表面を形成するために、互いに同一平面上にある上側表面を有している。いくつかの実施形態において、凹部122は、締結具120をその中に受け入れるための複数の孔部119を含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、上部ビルド層110は、印刷オブジェクト800を形成するために印刷された材料をその上に受け入れるための表面を提供する。上部ビルド層110は、それに限定されないが、円形の、三角形の、長方形の、五角形の、または任意の他の多角形の形状を含む、任意の幾何学的な形状または設計として設計されることが可能である。図2Bに示されているように、上部ビルド層110は、実質的に長方形になっていることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、上部ビルド層110は、約1.5インチから約4.5インチの長さを含むことが可能であり、約1.5インチから約4.5インチの幅をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、上部ビルド層110は、複数の孔部118を含み、複数の孔部118は、締結具120をその中に受け入れるために上部フレーム層109の中の孔部119と協働する。1つの実施形態では、締結具120は、上部ビルド層110を上部フレーム層109に固定するために使用されることが可能である。上部ビルド層110を上部フレーム層109に固定することは、上部ビルド層110が使用の間に反るまたは湾曲することを防止するのを補助する。動作の間に上部ビルド層110の平面的な構造を維持することは、平坦なベースを有する印刷オブジェクト800の信頼性を保証する。代替的な実施形態において、上部ビルド層110は、それに限定されないが、接着剤または他の機械的な締結具(たとえば、釘、ボルト、またはクランプなど)を含む、任意の公知の締結方法を通して、上部フレーム層109に固定されることが可能である。
【0045】
いくつかの実施形態において、上部ビルド層110は、ディフューザーとして作用することも可能であり、それは、加熱層106によって発生させられる熱を均一で均等な様式で分配する。いくつかの実施形態において、上部ビルド層110は、任意の熱の集中したポケットまたはホットスポットを防止するか、低減させるか、または排除するのを補助することが可能である。上部ビルド層110は、その表面の全体を横切ってホットスポットを消散させるように作用する。ホットスポットの消散は、熱の均一な分配を形成するのを補助することが可能であり、それは、オブジェクト800を印刷するためにより最適な環境をビルドプレート100の上部表面の上に生成させる。1つの実施形態では、上部ビルド層110は、ステンレス鋼から構築されているが、しかし、上部ビルド層110は、熱放散特性を有する任意の適切な材料から構築されることが可能であるということが認識されることとなる。
【0046】
いくつかの実施形態において、上部ビルド層110は、ポリエーテルイミド(PEI)、PEEK、PAEK、PEKK、Ultem(商標)、もしくは、他の熱可塑性ポリマー、または、それらの任意の組み合わせから少なくとも部分的に構築されることが可能である。いくつかの実施形態において、上部ビルド層110は、ガラス、アルミニウム、ステンレス鋼、もしくは他の金属合金、または、それらの組み合わせから部分的にまたは全体的に構築されることが可能である。いくつかの実施形態において、上部ビルド層110は、約0.25インチの厚さを有することが可能である。いくつかの実施形態において、上部ビルド層110の厚さは、約0.1インチから約0.75インチであることが可能である。
【0047】
上記に議論されているように、いくつかの実施形態において、上部ビルド層110は、その上部表面の中に複数の孔部118またはボイドスペースを含むことが可能である。孔部118の数および設置は、実施形態に応じて変化することが可能である。いくつかの実施形態において、孔部118の数および設置は、上部フレーム層109の中の孔部119の数および設置に対応することが可能である。孔部118は、構築の間に上部ビルド層110の中へ機械加工もしくは製造されることが可能であり、または、代替的に、構築の後に上部ビルド層110の中に設置されることが可能である。いくつかの実施形態において、孔部118は、所定の量の行および/または列に選択的に位置決めされることが可能である。いくつかの実施形態において、孔部118は、設置の所定の選択なしに、ランダムに設置されることが可能である。いくつかの実施形態において、孔部118は、上部ビルド層110を通って完全に延在する貫通孔部であることが可能であり、それによって、上部ビルド層110の中へ連続的な開口部を生成させる。代替的に、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の孔部118は、上部ビルド層110の中へ部分的に画定され、上部ビルド層110を完全に通る連続的な開口部を生成させる手前で止まることが可能である。いくつかの実施形態において、上部ビルド層110は、貫通孔部118および部分的な孔部118の組み合わせを含むことが可能である。
【0048】
いくつかの実施形態において、加熱層106によって発生させられる熱が、ビルドプレート100のz-平面の中を上に移動し始め、上部ビルド層110に到達するとき、孔部118は、上部ビルド層110の表面全体を横切って熱を分配するのを補助することが可能である。いくつかの実施形態において、孔部118は、熱が上部ビルド層110に到達するときに熱を消散させるのを補助することも可能である。より詳細に下記に説明されているように、印刷デバイス10は、追加的な熱供給源をさらに含むことが可能であり、いくつかの実施形態では、追加的な熱供給源は、軸線方向に上部ビルド層の上方に位置付けされることが可能である。下側加熱層106から方向付けられる熱を分配および消散させることに加えて、上部ビルド層110は、同様の様式で、上記の追加的な熱供給源からの熱をさらに分配および消散させることが可能である。熱の分配または消散は、上部ビルド層110の上のホットスポットまたはヒートシンクの蓄積を防止するか、低減させるか、または排除することを助けることが可能である。ホットスポットおよびヒートシンクの低減または排除は、動作の間に有益である可能性がある。その理由は、これが上部ビルド層110および/または最終的な印刷オブジェクト800の反りまたは歪みを引き起こす可能性があるからである。いくつかの実施形態において、上部ビルド層110は、ハウジングユニット12の中の温度が上昇するにつれて膨張する熱膨張材料から構成されることが可能である。そのような実施形態では、孔部118は、材料が膨張するための間隔またはクリアランスを提供するのを補助することが可能であり、したがって、上部ビルド層110の反りを防止および/または低減させる。
【0049】
いくつかの実施形態において、孔部118によって生成されるボイドスペースのうちの少なくともいくつかは、適合性エレメントによって充填されることが可能である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の孔部118は、機械的な締結具120(たとえば、スクリュー、釘、グルー、もしくはエポキシ、または他の適切な締結具など)をその中に受け入れることが可能である。いくつかの実施形態において、締結具120は、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、または他の金属合金から構築されることが可能である。いくつかの実施形態において、締結具120は、熱可塑性ポリマーから構築されることが可能である。いくつかの実施形態において、締結具120は、印刷デバイス10が実現することができる最高の温度範囲までその形態および形状を維持することができる任意の公知のまたはまだ発見されていない材料から構築されることが可能である。締結具120は、上部ビルド層110の熱分配または消散特性を増加させるのを補助することが可能である。たとえば、締結具120は、上部ビルド層110の表面を横切って加熱層106から発生させられる熱を分配または消散させるのを補助することが可能である。
【0050】
いくつかの実施形態において、締結具120は、ビルドプレート100の複数の層のうちの少なくとも1つ(たとえば、上部フレーム層109など)に上部ビルド層110を機械的に連結するために使用されることが可能である。代替的に、いくつかの実施形態において、ビルドプレート100の複数の層のそれぞれは、機械的な締結具(たとえば、スクリュー、ボルト、またはエポキシなど)の使用を通して一緒に固定されることが可能である。
【0051】
たとえば、図2Bに図示されているように、いくつかの実施形態において、底部フレーム層102は、ビルドプレート100の底部を形成することが可能である。絶縁層104が、凹部112の中に位置決めされることが可能である。加熱層106が、次いで、絶縁層104に隣接して、および、絶縁層104の上において、凹部112の中に設置されることが可能である。次いで、中間層108が、加熱層106に隣接して、および、加熱層106の上において、凹部112の中に位置決めされることが可能である。次いで、上部フレーム層109が、底部フレーム層102の上に設置されることが可能であり、それは、絶縁層104、加熱層106、および中間層108のためのエンクロージャーとして作用する。次いで、上部フレーム層109および底部フレーム層102が、機械的な締結具、接着剤、または他の締結方法を使用して、一緒に連結または固定されることが可能である。上部ビルド層110が、上記に議論されているように、上部フレーム層109の凹部122の中に位置決めされ、その中にアンカー固定されることが可能である。
【0052】
いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、ビルドプレート100の温度を調整するのを補助するために少なくとも1つの随意的なまたは追加的な冷却デバイス(図示せず)をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、ビルドプレート100の中に内部に位置付けされることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、ビルドプレート100の外部に位置付けされている追加的な冷却デバイスを含むことが可能である。冷却デバイスは、ハードウェアまたはパーツを冷却するための任意の公知のシステムまたはデバイスとして構成されることが可能であり、ファン、バッフル、水冷デバイス、または、任意の他の公知の冷却デバイスまたはシステムとして構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、加熱されたビルドプレート100を冷却するための複数の冷却デバイスが存在していることが可能である。
【0053】
いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、z-平面においてプリントヘッド200の下方に位置決めされ、印刷材料をその上に受け入れるための印刷表面を提供することが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料は、上部ビルド層110の上に直接的に印刷されることが可能である。いくつかの実施形態において、加熱層106によって発生させられる熱は、ビルドプレート100を通って上に伝達し、上部ビルド層110に到達することが可能であり、ここで、熱は、次いで、上部ビルド層110の上部表面を横切って分配されることが可能である。熱のこの分配は、ヒートシンクまたはホットスポットの存在(それは、印刷オブジェクト800および/または上部ビルド層110の反りを引き起こす可能性がある)を低減させるか、防止するか、または排除することが可能である。
【0054】
いくつかの実施形態において、加熱されたビルドプレート100は、印刷オブジェクト800の品質を改善させるのを補助することが可能である。多くの印刷フィラメントおよび材料に関して、材料がディスペンスされた後にあまりにも急速に冷却する場合には、材料が結晶化する傾向が存在する可能性がある。したがって、印刷材料が印刷表面(たとえば、上部ビルド層110など)の上にある間に、印刷材料の温度を維持することが有利である。いくつかの実施形態において、加熱層106から発生させられる熱は、上部ビルド層110に到達するまで、z-平面を通って上に伝達することが可能である。上部ビルド層110に到達すると、熱は、消散することが可能であり、または、上部ビルド層110の全体を通してその他の方法で分配されることが可能である。加熱層106から発生させられ、上部ビルド層110において消散させられる熱は、印刷オブジェクトに対して加熱効果を生成させ、それによって、印刷オブジェクト800の結晶化を防止または低減させることが可能である。
【0055】
いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、z-平面において動作的におよび選択的に移動するように構成されることが可能である。下側アッセンブリ260は、ビルドプレート100をその上に受け入れるための支持構造体262を含む。いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、コネクター130を介して支持構造体262に固定されることが可能であり、それによって、コネクター130は、ビルドプレート100を支持構造体262にアンカー固定する。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、x-y平面において移動するように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、図1Bに図示されているように、ビルドプレート100は、支持構造体262を介して、モーター126を有する電動式の下側ドライブトレイン124または機械化されたプラットフォームに取り付けられることが可能であり、それは、z-平面および/またはx-y平面において移動するように選択的におよび制御可能に構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、電動式の下側ドライブトレイン124は、第1の下側サブアッセンブリ264および第2の下側サブアッセンブリ266を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、第1の下側サブアッセンブリ264は、x-平面においてビルドプレート100を移動させるように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、第2の下側サブアッセンブリ266は、y-平面においてビルドプレート100を移動させるように構成されることが可能である。代替的に、いくつかの実施形態において、第1の下側サブアッセンブリ264は、y-平面においてビルドプレート100を移動させるように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、第2の下側サブアッセンブリ266は、x-平面においてビルドプレート100を移動させるように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、下側ドライブトレイン124は、制御システム50に通信可能に連結されることが可能である。制御システム50は、z-平面において上におよび/もしくは下に移動するように、ならびに/または、x-y平面において横方向に移動するように、下側ドライブトレイン124に命令するようにプログラムおよび/または構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、制御システム50は、ビルドプレート100を移動させるための手動制御に応答することが可能である。いくつかの実施形態において、制御システム50は、特定の所定のパラメーター(たとえば、ハウジングユニット12の内部の温度、印刷オブジェクト800の温度、および/または、ビルドプレート100とプリントヘッド200との間の距離など)に応答してビルドプレート100を移動させるように、機械学習アルゴリズムおよびインストラクションによってプログラムされることが可能である。代替的な実施形態において、下側ドライブトレイン124は、非電動式の手段によって手動で動作されることが可能である。たとえば、下側ドライブトレイン124は、機械的なリフトによって手動で動作されることが可能である。z-平面においておよび/またはx-y平面においてビルドプレート100を移動させるために実装され得る多数の方法およびシステムが存在しており、任意の適切な方法またはシステムが、本発明において実装され得るということが認識されることとなる。
【0056】
図3A図3Bは、上側アッセンブリ201の一部分の実施形態を図示している。図3Aは、組み立てられた状態にある上側アッセンブリ201の斜視図を図示しており、図3Bは、その分解図を示している。
【0057】
いくつかの実施形態において、上側アッセンブリ201は、印刷材料(たとえば、印刷フィラメント400など)を加熱およびディスペンスするために使用されることが可能である。図1Bにおいて見ることができるように、上側アッセンブリ201は、プリントヘッド200およびリフレクターユニット300をその上に受け入れるための支持構造体278を含む。上側アッセンブリ201は、カップリングプレート272、ブラケット274、および垂直方向支持体270を含む。また、上側アッセンブリ201は、上側ドライブトレイン280に動作可能に接続されているモーター276を含む。いくつかの実施形態において、カップリングプレート272は、支持構造体278にアンカー固定されており、ブラケット274は、カップリングプレート272にアンカー固定されている。ブラケット274は、垂直方向支持体270をその中に受け入れており、垂直方向支持体270にアンカー固定されている。いくつかの実施形態において、プリントヘッド200およびリフレクターユニット300は、垂直方向支持体270に固定されている。
【0058】
いくつかの実施形態において、垂直方向支持体270は、垂直方向支持体270および垂直方向支持体270に固定されているコンポーネントを選択的に移動させるために、上側ドライブトレイン280に連結されることが可能である。上側ドライブトレイン280は、z-平面において選択的に移動するように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、上側ドライブトレイン280は、制御システム50に通信可能に連結されることが可能である。制御システム50は、z-平面において垂直方向に移動するように上側ドライブトレイン280に命令するようにプログラムおよび/または構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、上側ドライブトレイン280は、追加的にまたは代替的に、x-y平面において選択的に移動するように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、制御システム50は、プリントヘッド200およびリフレクターユニット300を移動させるための手動制御に応答することが可能である。いくつかの実施形態において、制御システム50は、特定の所定のパラメーター(たとえば、ハウジングユニット12の内部の温度、印刷オブジェクト800の温度、または、ビルドプレート100とプリントヘッド200との間の距離など)に応答してプリントヘッド200を移動させるように、機械学習アルゴリズムおよびインストラクションによってプログラムされることが可能である。代替的な実施形態において、上側ドライブトレイン280は、非電動式の手段によって手動で動作されることが可能である。たとえば、上側ドライブトレイン280は、機械的なリフトによって手動で動作されることが可能である。z-平面においておよび/またはx-y平面においてプリントヘッド200およびリフレクターユニット300を移動させるために実装され得る多数の方法およびシステムが存在しており、任意の適切な方法またはシステムが、本発明において実装され得るということが認識されることとなる。
【0059】
図4は、プリントヘッド200の断面図を図示している。いくつかの実施形態において、プリントヘッド200は、印刷材料(たとえば、印刷フィラメント400など)を加熱およびディスペンスするためのさまざまなコンポーネントおよびパーツから構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、プリントヘッド200は、冷却器204、加熱器206、少なくとも1つのブリッジ208、およびノズル210を含むことが可能である。プリントヘッド200は、印刷材料400をビルドプレート100の上にディスペンスする前に、プリントヘッド200の中へおよびプリントヘッド200を通して印刷材料400を給送するための給送チューブ212をさらに含むことが可能である。給送チューブ212は、アルミニウム、チタン、または任意の他の適切な材料などのような、金属から構築されることが可能である。いくつかの実施形態において、給送チューブ212は、概して軸線方向に延在することが可能である。給送チューブ212は、固体の配設材料の前方に駆動される印刷フィラメント400を受け入れるための入口部214を含むことが可能である。給送チューブ212は、入口部214から下流に位置決めされている出口部216をさらに含むことが可能である。中空の内部通路218は、入口部214を出口部216に接続することが可能である。内部通路218は、上流部分220および下流部分222を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、給送チューブ212は、付着低減物質によってコーティングされた内側表面を有し、印刷材料400がそれに固着することを防止することが可能である。たとえば、給送チューブ212の内側表面は、無電解ニッケル、無電解ニッケル-ホウ素複合体、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、ダイヤモンド状炭素、もしくは任意の他の適切な材料、または、それらの組み合わせによってコーティングされることが可能である。
【0060】
いくつかの実施形態において、加熱器206は、下流部分222と熱的に連結されることが可能である。加熱器206は、印刷フィラメント400が給送チューブ212を通過して下流部分222に到達するときに、印刷フィラメント400を加熱するために使用されることが可能である。加熱器206は、加熱エレメント224を含むことが可能であり、加熱エレメント224は、印刷フィラメント400を加熱するように選択的に制御されることが可能である。いくつかの実施形態において、加熱エレメント224は、加熱器(たとえば、グローワイヤーまたは伝導性回路など)を含む熱伝導性材料であることが可能である。いくつかの実施形態において、加熱エレメント224は、任意の公知の電気的なまたは化学的な加熱エレメントであることが可能である。いくつかの実施形態において、加熱器206は、加熱器206のパラメーターを選択的に制御するために、制御システム50に通信可能に連結されることが可能である。たとえば、制御システム50は、印刷材料400が所望の温度に維持され得るように、いつ加熱器206が活性化させられるか、活性化の持続期間、および/または、発生させられる熱の量を制御することが可能である。いくつかの実施形態において、加熱器206は、制御システム50の中へ入力された入力によって、手動で制御および調節されることが可能である。いくつかの実施形態において、加熱器206は、所定のパラメーターに基づいて自動的に制御され、動作の間に印刷材料400の温度を自動的に調整するために制御システム50によって調節されることが可能である。
【0061】
いくつかの実施形態において、加熱器206は、印刷材料400が下流部分222を通して輸送されるときに印刷フィラメント400を溶融させることができる温度まで加熱されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷材料400は、PEEKフィラメントであることが可能である。加熱器206は、少なくとも430℃まで印刷材料400を加熱することが可能である。いくつかの実施形態において、加熱器206は、約130℃から約500℃に印刷材料400を加熱するように構成されることが可能である。印刷材料400は、印刷またはアディティブマニュファクチャリングのための任意の公知の材料またはフィラメントから選択されることが可能であり、加熱器206は、少なくとも溶融温度まで印刷材料400を加熱するように構成されることが可能である。
【0062】
いくつかの実施形態において、冷却器204は、上流部分220と熱的に連結されることが可能であり、印刷フィラメント400が給送チューブ212を通過するときに印刷フィラメント400の温度を調整するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態において、冷却器204は、加熱器206から冷却器204を分離する画定されたギャップ226またはスペースを伴って、加熱器206から概して軸線方向上流に間隔を置いて配置されることが可能である。ギャップ226は、少なくとも1つのブリッジ208によって充填されることが可能であり、加熱器206と冷却器204との間にリジッドの機械的な接続を提供する。いくつかの実施形態において、冷却器204は、熱伝導性材料を含む電熱冷却器またはヒートシンクを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、冷却器204は、歪み硬化ステンレス鋼の外科用チュービングを含むことが可能であり、それは、約15W/mK未満の熱伝導率、約100MPAよりも大きい引張強度、および、約0.5μm未満の表面粗さを有することが可能である。いくつかの実施形態において、冷却器204は、冷却流体を受け入れるように構成されている内部熱伝達通路(図示せず)を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、熱伝達通路は、冷却のために空気を受け入れるように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、上流部分220は、印刷材料400を直接的に冷却するための少なくとも1つの2次冷却器228とさらに連結されることが可能である。
【0063】
いくつかの実施形態において、プリントヘッド200は、ホットゾーン240を含むように構成されることが可能である。ホットゾーン240は、一般的に、おおよそ加熱器206と冷却器204および2次冷却器228との間のエリアに位置決めされている画定されたスペース、ボイド、またはヒートブレークゾーンであることが可能である。いくつかの実施形態において、ホットゾーン240は、クリーンな分離ラインを提供することが可能であり、それは、冷却器204および2次冷却器228によって画定される冷却器温度から、加熱器206から発生させられる熱を分離する。たとえば、印刷材料400が給送チューブ212を通過するときに、印刷材料400がホットゾーン240のブレークゾーンに到達するまで固体状態のままであることが有利である。印刷材料400が下流部分222を通って下にトラベルしてホットゾーン240に到達するとき、印刷材料400は、加熱器206によって加熱し始めることが可能である。加熱器206によって発生させられる熱は、印刷材料400がホットゾーン240を通過した後にのみ、印刷材料400を加熱および溶融し始め、印刷材料400を固体状態から溶融された液体状態へ移行させる。いくつかの実施形態において、加熱器206は、銅合金を含み、銅合金は、約300w/mKよりも大きい伝導率、および、約500MPAよりも大きい引張強度を有することが可能であり、それは、高温におけるクリープに対して特に耐性がある。熱は、加熱器206を通って内向きに効率的に流れ、フィラメントを迅速に溶融させる。ホットゾーン240は、加熱器206によって取り囲まれている下流部分222に到達するまで、印刷材料400を固体状態に維持する。ホットゾーン240によって画定されるクリーンな分離ラインは、給送チューブ212におけるヒートクリープをさらに防止する。たとえば、FFF印刷システムでは、ディスペンスする前に印刷材料400を加熱することは問題がある。ディスペンスする前に印刷材料400を加熱することは、印刷材料が結晶化することを引き起こすことが可能であり、それは、最終的な印刷オブジェクトの中の不完全さにつながる可能性がある。いくつかの実施形態において、ホットゾーン240は、約0.5mmから約1.5mmの寸法を有することが可能であり、固体材料と溶融材料との間に最小スペースが存在するようになっている。
【0064】
プリントヘッド200は、ノズル210をさらに含むことが可能であり、ノズル210は、加熱器206に取り付けられ、給送チューブ212の出口部216に連結されることが可能である。ノズル210は、プリントヘッド200の最も低く位置決めされたパーツであることが可能であり、さらに、ディスペンスする前に印刷フィラメント400が通過する最終的なパーツであることが可能である。ノズル210は、実施形態に応じて、滑らかな穴付きまたはネジ山付きになっていることが可能である。いくつかの実施形態において、ノズル210の内側表面は、付着低減材料によってコーティングされることが可能である。いくつかの実施形態において、付着低減材料は、無電解ニッケル、無電解ニッケル-ホウ素複合体、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、ダイヤモンド状炭素、もしくは任意の他の適切な材料、または、それらの組み合わせであることが可能である。ノズル210の直径は、実施形態に応じて変化することが可能であり、印刷材料400の寸法に概してマッチするように設計されることが可能である。いくつかの実施形態において、ノズル210の直径は、約0.2mmから約0.5mmの範囲から選択されることが可能である。そのうえ、いくつかの実施形態において、ノズル210は、除去可能および交換可能であり得るということが認識されることとなる。いくつかの実施形態において、それぞれが異なる直径またはサイズを有する複数のノズル210が提供されることが可能であり、それによって、ユーザーは、所望のサイズを選択することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷材料400は、約1.75mmの直径を有するフィラメントを含むことが可能であり、それは、約0.2mmから約0.5mmの直径を有するノズル210を必要とする。3mmの直径を有するノズル210が、複数のノズル210から選択され、特定の印刷材料400をディスペンスするためにプリントヘッド200に取り付けられることが可能である。
【0065】
いくつかの実施形態において、プリントヘッド200は、印刷材料400、給送チューブ212、加熱器206、冷却器204、および/または、プリントヘッド200の任意の他の部分の温度を測定するための1つまたは複数のセンサー242をさらに含むことが可能である。センサー242は、プリントヘッド200の中のさまざまな場所において内部に位置付けされることが可能であり、または、代替的に、外部に位置付けされることが可能である。いくつかの実施形態において、センサーは、制御システム50に通信可能に連結されることが可能であり、そこからの測定値は、ディスプレイ52に提供されることが可能である。
【0066】
いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、プリントヘッド200と協働するリフレクターユニット300を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、リフレクターユニット300は、プリントヘッド200に隣接しておよび/またはプリントヘッド200を部分的に取り囲んで位置付けされることが可能である。いくつかの実施形態において、リフレクターユニット300は、ビルドプレート100および/または印刷オブジェクト800に向けて熱を反射させるように構成されている底部表面314を有する反射プレート302を含む。いくつかの実施形態において、反射プレート302は、熱反射特性を有する材料から構築されることが可能である。たとえば、反射プレート302は、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、または、熱反射特性を有する他の材料から構築されることが可能である。いくつかの実施形態において、反射プレート302は、厚膜ステンレス鋼プレートである。
【0067】
反射プレート302は、一般的に、任意の幾何学的な形状を含むことが可能であり、実施形態に応じて、円形の、三角形の、長方形の、五角形の、または任意の他の幾何学的な形状になっていることが可能である。反射プレート302の寸法は、実施形態に応じてさらに変化することが可能である。いくつかの実施形態において、反射プレート302は、印刷されているオブジェクト800の寸法よりも大きい寸法を有することが可能である。いくつかの実施形態において、反射プレート302は、リフレクターユニット300がx-y平面において移動されるときに、反射プレート302がフレーム14、パネル16、または熱絶縁材料18と接触することとならないように、最大寸法を有することが可能である。
【0068】
たとえば、いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、3次元オブジェクト800(たとえば、医療用インプラントなど)を印刷するために使用されることが可能である。そのようなインプラントは、幅および/または長さに関して約3インチの寸法を有することが可能である。いくつかの実施形態において、反射プレート302は、少なくとも3次元に印刷されたオブジェクト800の寸法よりも大きい寸法を有することが可能である。いくつかの実施形態において、反射プレート302は、約140mm2の寸法を有することが可能である。いくつかの実施形態において、反射プレート302は、より大きなまたはより小さな寸法(たとえば、約25mm2から約300mm2など)を有することが可能である。
【0069】
いくつかの実施形態において、リフレクターユニット300は、アクティブ加熱器であるように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、オフ状態または非通電状態にあるときに、リフレクターユニット300は、パッシブ熱リフレクターであるように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、反射プレート302の底部表面314は、動作の間に熱(それは、ビルドプレート100または他の供給源によって発生させられる可能性がある)を上部ビルド層110および/または印刷オブジェクト800に向けて反射する。いくつかの実施形態において、リフレクターユニット300は、加熱層106から発生させられる熱を反射することが可能であり、したがって、印刷オブジェクト800を複数の方向から加熱することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷オブジェクト800は、加熱層106によって下方から加熱され、リフレクターユニット300によって上方から加熱されることが可能である。リフレクターユニット300による熱の反射は、印刷オブジェクト800の所望の温度を維持するのを補助し、望まれない結晶化または反りを防止することが可能である。制御された熱環境は、より均一で構造的に健全な印刷オブジェクト800を形成するのを補助する。
【0070】
いくつかの実施形態において、リフレクターユニット300は、選択的に制御されるように構成されているアクティブ加熱器303をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、アクティブ加熱器303は、熱を発生させるように構成されることが可能であり、熱は、ビルドプレート100の上部表面および/または印刷オブジェクト800に向けて方向付けられることが可能である。いくつかの実施形態において、アクティブ加熱器303は、反射プレート302の上部表面の上に位置決めされることが可能である。いくつかの実施形態において、アクティブ加熱器303は、伝導性材料から構築されることが可能であり、電流がそれに印加されるときに、伝導性材料が熱を発生させるようになっている。いくつかの実施形態において、反射プレート302は、アクティブ加熱器303(たとえば、その上部表面の上に位置決めされているグローワイヤー、伝導性導管、または他の伝導性材料など)を有する、熱絶縁材料から少なくとも部分的に構成されたプレートを含むことが可能である。アクティブ加熱器303は、電流がそれに印加されるときに熱を発生させることが可能である。アクティブ加熱器303は、電流をアクティブ加熱器303に供給するために、エネルギー供給源(たとえば、バッテリーまたは電気コンセントなど)に連結されることが可能である。いくつかの実施形態において、エネルギー供給源は、印刷デバイス10の中へ組み込まれることが可能である。いくつかの実施形態において、エネルギー供給源は、印刷デバイス10の外部にあることが可能である。
【0071】
いくつかの実施形態において、リフレクターユニット300は、リフレクターハウジング306および絶縁体304をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、絶縁体304は、スペーサーの上に設置されることが可能であり、スペーサーは、反射プレート302と絶縁体304との間にギャップを提供する。反射プレート302および絶縁体304は、リフレクターハウジング306の中に取り付けられて固定されることが可能である。いくつかの実施形態において、リフレクターハウジング306は、反射プレート302と同じ一般的な形状および設計を有するように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、絶縁体304は、反射プレート302と同じ一般的な形状および設計を有するように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、絶縁体304は、それがリフレクターハウジング306と反射プレート302との間に設置されて固定され得るような寸法を有することが可能である。リフレクターハウジング306は、凹部318を形成する側壁部316を含むことが可能である。絶縁体304および反射プレート302は、図3Aおよび図3Bにおいて見られるように、リフレクターハウジング306の凹部318の中に受け入れられることが可能である。リフレクターユニット300を一緒にアンカー固定するために、いくつかの実施形態では、プレート302は、孔部322を含み、絶縁体304は、孔部324を含み、リフレクターハウジング306は、それを通してコネクターを受け入れるための孔部326を含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、リフレクターユニット300は、プリントヘッド200を少なくとも部分的に取り囲むように構成されることが可能である。図3Aおよび図3Bに図示されているように、1つの実施形態では、中央開口部308が、反射プレート302の中に画定されることが可能であり、中央開口部310が、絶縁体304の中に画定されることが可能であり、中央開口部312が、リフレクターハウジング306の中に画定されることが可能である。開口部308、310、および312は、反射プレート302、絶縁体304、およびリフレクターハウジング306が組み立てられたときに、それらが1つの連続的な開口部を生成させるように整合されることが可能である。いくつかの実施形態において、開口部308、310、および312は、プリントヘッド200の遠位端部の形状に対応するように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、プリントヘッド200の遠位部分は、開口部308、310、および312を通過することが可能であり、リフレクターユニット300がプリントヘッド200を少なくとも部分的に取り囲むようになっている。図3Aに図示されているように、いくつかの実施形態では、プリントヘッド200の遠位端部は、リフレクターユニット300から延在して出ることとなる。いくつかの実施形態において、プリントヘッド200の遠位部分(それは、ノズル210を含むことが可能である)は、リフレクターユニット300の下方に位置決めされている。
【0073】
別の実施形態では、リフレクターユニット300は、プリントヘッド200に隣接して位置決めされることが可能であり、したがって、開口部308、310、および312を必要としない。そのような実施形態では、プリントヘッド200は、リフレクターユニット300を通過していない。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のリフレクターユニット300が存在していることが可能であり、リフレクターユニット300は、プリントヘッド200に隣接して位置決めされることが可能である。複数のリフレクター300を含むいくつかの実施形態において、すべてのリフレクターユニット300は、同時にアクティブにならなくてもよい。したがって、リフレクターユニット300のそれぞれは、独立して制御され、独立して動作されることが可能である。たとえば、2つのリフレクターユニット300を含む実施形態では、第1のリフレクターユニット300のアクティブ加熱器303が通電され、アクティブ状態において熱を発生させることが可能であり、一方では、第2のリフレクターユニット300は、オフになっていてパッシブ状態にあるアクティブ加熱器303を含むことが可能である。そのような例では、第1のリフレクターユニット300のみがアクティブに熱を発生させているが、両方のリフレクターユニット300は、ビルドプレート100に向けてパッシブに熱を反射している。
【0074】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のアクティブ加熱器303は、アクティブ加熱器303のためのパラメーターを選択的に制御するために制御システム50に通信可能に連結されることが可能である。より詳細に下記に説明されているように、制御システム50は、アクティブ加熱器303の温度および状態(オン/オフ)を監視および調整することが可能である。たとえば、制御システム50は、印刷オブジェクト800の温度をセンシングおよび監視することが可能であり、センシングされた温度に応じて、印刷オブジェクト800に向けて方向付けられる熱を制御するために、アクティブ加熱器303を通電するかまたは通電停止することが可能である。たとえば、印刷オブジェクト800の温度が所定の閾値を上回る場合には、制御システムは、アクティブ加熱器303を通電停止し、印刷オブジェクト800に向けて方向付けられる熱を低減させることが可能である。いくつかの実施形態において、制御システム50は、手動で入力されたコマンドを送信するために使用されることが可能であり、手動で入力されたコマンドに応答してアクティブ加熱器303を通電するかまたは通電停止することが可能である。
【0075】
いくつかの実施形態において、リフレクターユニット300は、リフレクターユニット300を冷却するための少なくとも1つの冷却デバイスまたはシステム(図示せず)をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、リフレクターハウジング306の中に位置付けされることが可能である。いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、リフレクターハウジング306の上に外部に位置付けされることが可能である。冷却デバイスは、任意の公知の冷却デバイスまたはシステム(たとえば、ファンまたは液体冷却システムなど)として構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、制御システム50に通信可能に連結されることが可能である。いくつかの実施形態において、制御システム50は、冷却デバイスを自動的に監視および調整することが可能である。いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、制御システム50の中へ入力されるインストラクションおよび入力によって、手動で制御されることが可能である。
【0076】
図5は、ハウジングユニット12の内部の実施形態の斜視図である。いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、少なくとも1つの追加的な熱供給源をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、追加的な熱供給源は、少なくとも1つの赤外線(IR)ライト500を含むことが可能である。IRライト500は、熱を発生させるための任意の他の公知のおよび適切な供給源と交換されることが可能であり、限定的な特徴であることを意図していないということが認識されることとなる。いくつかの実施形態において、IRライト500は、ビルドプレート100の上方に位置決めされ、ビルドプレート100に向けて熱を方向付けるように配向されることが可能である。いくつかの実施形態において、IRライト500は、ハウジングユニット12に取り付けられおよび/または接続されることが可能である。IRライト500は、フレーム14に締結されることが可能であり、または、ハウジングユニット12の内部に位置付けされているスタンドアロンのデバイスであることが可能である。いくつかの実施形態において、IRライト500は、上側アッセンブリ201に取り付けられることが可能であり、IRライト500がプリントヘッド200およびリフレクターユニット300とともに移動するように構成されるようになっている。図5において見ることができるように、印刷デバイス10の1つの実施形態は、2つの対向するIRライト500を含む。いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、任意の数のIRライト500を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、IRライト500は、IRライト500を選択的に動作させるために制御システム50に通信可能に連結されることが可能である。たとえば、制御システム50は、それぞれのIRライト500をオフ状態からオン状態に移行させるために手動で制御されることが可能である。代替的に、いくつかの実施形態において、IRライト500は、制御システム50によって自動的に制御されることが可能であり、ビルドプレート100の上の印刷オブジェクト800の最適化された温度を維持するために、所定のパラメーターに基づいて、それがターンオンまたはターンオフするようにプログラムされるようになっている。
【0077】
図6は、印刷デバイス10によって使用され得る印刷材料400のための材料ハウジング402の斜視図である。印刷デバイス10は、それに限定されないが、高性能ポリマー(たとえば、PEEK、PAEK、PEKK、および/または、それらの組み合わせなど)を含む多数の印刷材料と適合性を有することが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、フィラメント形態になっていることが可能である。印刷材料400は、所定の範囲の直径(たとえば、直径に関して約1mmから約5mmなど)を含むことが可能である。
【0078】
いくつかの実施形態において、印刷材料400は、移植可能なグレードのポリエーテルケトンロッドストック(たとえば、Vestakeep(登録商標) i-Grade材料、Vestakeep(登録商標) i4 R、またはVestakeep(登録商標) i4G樹脂など)であることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、任意の医療グレードのFDA承認材料であることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、約6~20mm、約25~60mmまたは約70~100mmの直径、および、約3000mm、約2000mm、または約1000mmの長さを有することが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料は、スプールの上に提供されることが可能であり、約60mmまたは160mmの長さ、および、約1.75mmの直径を有することが可能である。印刷材料は、生体適合性、双安定性、放射線透過性、および滅菌可能であり得る。
【0079】
いくつかの実施形態において、印刷材料400は、材料ハウジング402の中に収容されることが可能であり、材料ハウジング402は、スプール、シリンダー、または、印刷材料400のための他の適切なエンクロージャーの形態になっていることが可能である。1つの実施形態では、材料ハウジング402は、回転様式で印刷材料400を回転可能に受け入れるためのフィラメントスプール404を含む円筒形状のハウジングユニットであることが可能である。スプールは、印刷材料400をそれらの間に受け入れるための中央コア410および側壁部412、ならびに、上部カバー414を有している。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、同心円状の様式で中央コア410の周りに巻き付けられることが可能である。
【0080】
1つの実施形態では、材料ハウジング402は、フレーム14の上に装着されていることによって、ハウジングユニット12に連結されることが可能である。1つの実施形態では、材料ハウジング402は、パネル16のうちの1つに連結されることが可能である。いくつかの実施形態において、材料ハウジング402は、外部に(たとえば、印刷デバイス10の近くの表面の上など)位置付けされることが可能である。1つの実施形態では、材料ハウジング402は、内部または外部のいずれかに、ハウジングユニット12の上に位置付けされることが可能である。いくつかの実施形態において、材料ハウジング402は、損傷および熱から印刷材料を保護することが可能である。いくつかの実施形態において、材料ハウジング402は、印刷材料400の入力を制御し、印刷材料400がひとりでに広がることを防止するのを助けることも可能である。
【0081】
印刷材料400のフィラメントの遠位端部は、材料ハウジング402から延在し、プリントヘッド200の給送チューブ212の中へ受け入れられる。印刷材料400は、輸送デバイス406によってプリントヘッド200に搬送されることが可能である。輸送デバイス406は、印刷材料400を材料ハウジング402から給送チューブ212へ繰り出すかまたはその他の方法で伝送するための機械的な手段を提供することが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、印刷材料400が固体状態にある状態で、輸送デバイス406を介してプリントヘッド200に搬送される。いくつかの実施形態において、輸送デバイス406は、機械的な押出機として構成されることが可能である。輸送デバイス406は、印刷材料400を材料ハウジング402から給送チューブ212へディスペンスするための少なくとも1つの動作状態を有することが可能である。印刷材料400がディスペンスされ得るレートは、制御システム50によって選択的に制御されることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、毎秒約2mmから約20mmのレートでディスペンスされることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、より速いレートまたはより遅いレートでディスペンスされることが可能であり、それは、所望の通りに動作の間に変化することが可能である。いくつかの実施形態において、輸送デバイス406は、押出機アッセンブリ408にさらに連結されることが可能である。いくつかの実施形態において、押出機アッセンブリ408は、印刷材料400を材料ハウジング402から給送チューブ212へ給送するために、輸送デバイス406に前方駆動エレメントを提供するためのモーター、遊星ギア、および押出機を含むことが可能である。押出機アッセンブリ408は、一貫した信頼性の高い様式で印刷材料400がプリントヘッド200に給送されることを保証するのを補助することが可能である。そのうえ、押出機アッセンブリ408は、印刷材料400を一貫してディスペンスするのを補助し、印刷の間に安定したビルドを実現するのを補助することが可能である。
【0082】
いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、複数の場所においてハウジングユニット12の中の温度を測定するための1つまたは複数の温度センサーをさらに含むことが可能である。たとえば、センサー510は、ビルドプレート100の温度を測定することが可能であり、センサー244は、プリントヘッド200の中の印刷材料400の温度を測定することが可能であり、センサー242は、プリントヘッド200のノズル210の温度を測定することが可能である。センサーは、ハウジングユニット12の内部の中の複数の位置に位置付けされることが可能である。いくつかの実施形態において、センサーは、ビルドプレート100、プリントヘッド200、および/またはリフレクターユニット300の中に位置付けされることが可能である。代替的に、いくつかの実施形態において、センサーは、ビルドプレート100、プリントヘッド200、および/またはリフレクターユニット300の上に外部に位置付けされることが可能である。いくつかの実施形態において、センサーは、印刷デバイス10の中のさまざまなエレメントの温度を測定するために使用されることが可能である。たとえば、センサーは、プロセスにおけるさまざまなポイントにおいて(たとえば、プリントヘッド200に到達する前、プリントヘッド200において、印刷材料400がディスペンスされている間、および、印刷材料400が上部ビルド層110の上に受け入れられた後など)、印刷材料400の温度を測定するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態において、センサー510、242、244は、サーミスタまたは熱電対であることが可能である。いくつかの実施形態において、センサーは、制御システム50に通信可能に連結されることが可能である。たとえば、センサーは、印刷の間に印刷オブジェクト800の印刷されている現在の層の温度を測定するために使用されることが可能である。次いで、測定された温度は、制御システム50に送信されることが可能であり、ディスプレイ52の上に示されることが可能である。
【0083】
いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、1つまたは複数の冷却デバイス(図示せず)をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、ハウジングユニット12の内部の中に位置決めされている1つまたは複数のファンであることが可能である。いくつかの実施形態において、ファンは、空気フローがビルドプレート100および印刷オブジェクト800に向けて方向付けられ得るように、指向的に配向されることが可能であり、それによって、ビルドプレート100および/または印刷オブジェクト800のみを選択的に冷却する。代替的に、いくつかの実施形態では、ファンは、ハウジングユニット12の内部の全体を通して空気フローを方向付けるように指向的に配向および位置決めされることが可能であり、それによって、選択された場所における特定の冷却ではなく、ハウジングユニット12の内部の周囲冷却を提供する。いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、液体冷却のためにハウジングユニット12の中に位置付けされているチュービングを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、チュービングは、ハウジングユニット12の中のさまざまなポイントに位置決めされることが可能であり、ビルドプレート100、プリントヘッド200、リフレクターユニット300を冷却するために、および/または、ハウジングユニット12の内部を全体的に冷却するために使用されることが可能である。チュービングは、水、液体窒素、エチレングリコール/水混合物、プロピレングリコール/水混合物、または、液体冷却システムの中で使用され得る任意の他の液体を受け入れるように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、制御システム50に通信可能に連結されることが可能である。制御システム50は、冷却デバイスを自動的に制御するようにプログラムされることが可能であり、および/または、冷却デバイスは、制御システム50の中へ入力されたインストラクションによって手動で制御されることが可能である。
【0084】
図7は、例示的なコンピューターハードウェアシステム700を図示しており、それは、印刷デバイス10および制御システム50と協働することが可能である。コンピューティングデバイス702は、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、サーバーコンピューター、モバイルデバイス(たとえば、スマートフォンもしくはタブレットなど)、または、汎用のまたは特殊用途のコンピューティングデバイスの任意の他のフォームファクターであることが可能である。コンピューティングデバイス702とともに描かれているのは、例示目的のためのいくつかのコンポーネントである。いくつかの実施形態において、特定のコンポーネントは、異なって配置されてもよく、または、存在しなくてもよい。また、追加的なコンポーネントが存在することも可能である。システムバス704が、コンピューティングデバイス702の中に含まれており、それによって、コンピューティングデバイス702の他のコンポーネントは、互いに通信することが可能である。特定の実施形態において、複数のバスが存在することも可能であり、または、コンポーネントは、互いに直接的に通信することも可能である。中央処理装置(CPU)706が、システムバス704に接続されている。また、1つまたは複数のランダムアクセスメモリー(RAM)モジュール708が、システムバス704に取り付けられている。
【0085】
また、グラフィックスカード710が、システムバス704に取り付けられている。いくつかの実施形態において、グラフィックスカード710は、物理的に別個のカードでなくてもよく、むしろ、マザーボードまたはCPU706の中へ一体化されていてもよい。いくつかの実施形態において、グラフィックスカード710は、別個のグラフィックス処理ユニット(GPU)712を有しており、それは、グラフィックス処理のためにまたは汎用コンピューティング(GPGPU)のために使用されることが可能である。また、GPUメモリー714が、グラフィックスカード710の上にある。ユーザーインタラクションのためのコンピューターディスプレイ716が、グラフィックスカード710に(直接的にまたは間接的に)接続されている。いくつかの実施形態では、ディスプレイが存在しないが、他の実施形態では、それは、コンピューティングデバイス702の中へ一体化されている。同様に、周辺機器(たとえば、キーボード718およびマウス720など)は、システムバス704に接続されている。コンピューターディスプレイ716のように、これらの周辺機器は、コンピューティングデバイス702の中へ一体化されてもよく、または、存在しなくてもよい。また、ローカルストレージ722が、システムバス704に接続されており、それは、任意の形態のコンピューター可読媒体であることが可能であり、コンピューティングデバイス702の中に内部に据え付けられていてもよく、または、外部におよび除去可能に取り付けられていてもよい。
【0086】
最後に、ネットワークインターフェースカード(NIC)724もシステムバス704に取り付けられており、コンピューティングデバイス702がネットワーク(たとえば、ネットワーク726など)を介して通信することを可能にする。NIC724は、当技術分野において公知の任意の形態のネットワークインターフェース(たとえば、イーサネット、ATM、ファイバー、Bluetooth、またはWi-Fi(すなわち、IEEE 802.11ファミリーの規格)など)であることが可能である。NIC724は、コンピューティングデバイス702をローカルネットワーク726に接続し、ローカルネットワーク726は、1つまたは複数の他のコンピューター(たとえば、コンピューター728など)およびネットワークストレージ(たとえば、データストア730など)を含むことも可能である。そして、ローカルネットワーク726は、インターネット732に接続されており、インターネット732は、たとえば、ローカルネットワーク726、リモートネットワーク734、または、直接的に取り付けられたコンピューター(たとえば、コンピューター736など)などのような、多くのネットワークを接続している。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス702は、それ自身がインターネット732に直接的に接続されることが可能である。
【0087】
本発明の実施形態のコンピュータープログラムは、本発明のさまざまな方法のステップを実施するためにコンピューティングデバイスによって実行可能な複数のコードセグメントを含む。方法のステップは、議論されている順序で実施されることが可能であり、または、それらは、別段の明示的な記述がない限り、異なる順序で実施されることも可能である。そのうえ、いくつかのステップは、シーケンシャルに実施されるのとは対照的に、同時に実施されることが可能である。また、いくつかのステップは、随意的なものであることも可能である。また、コンピュータープログラムは、本明細書で説明されていない追加的なステップを実行することも可能である。本発明の実施形態のコンピュータープログラム、システム、および方法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、それらの組み合わせで実装されることが可能であり、それは、広くは、サーバーデバイス、コンピューティングデバイス、および通信ネットワークを含む。
【0088】
本発明の実施形態のコンピュータープログラムは、ユーザー入力に応答することが可能である。本明細書において定義されているように、ユーザー入力は、それに限定されないが以下を含むさまざまなコンピューティングデバイスから受信されることが可能である:デスクトップ、ラップトップコンピューター、計算機、電話、スマートフォン、スマートウォッチ、車載コンピューター、カメラシステム、またはタブレット。コンピューティングデバイスは、それに限定されないが以下を含むさまざまな供給源からユーザー入力を受信することが可能である:キーボード、キーパッド、マウス、トラックパッド、トラックボール、ペン入力デバイス、プリンター、スキャナー、ファクシミリ、タッチスクリーン、ネットワーク送信、口頭/音声コマンド、ジェスチャー、またはボタン押圧など。
【0089】
モニター、サーバーデバイス、およびコンピューティングデバイス702は、処理エレメントおよび関連のメモリーエレメントを備えた任意のデバイス、コンポーネント、または機器を含むことが可能である。処理エレメントは、オペレーティングシステムを実装することが可能であり、コンピュータープログラムを実行することができ、コンピュータープログラムは、インストラクション、コマンド、ソフトウェアコード、実行可能ファイル、およびアプリケーション(「アプリ」)などとしても一般的に知られている。処理エレメントは、プロセッサー、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラー、およびフィールドプログラマブルゲートアレイなど、または、それらの組み合わせを含むことが可能である。メモリーエレメントは、コンピュータープログラムを記憶または保持することができ、また、テキスト、データベース、グラフィックス、オーディオ、ビデオ、および、それらの組み合わせなどを含む、データ(典型的には、バイナリーデータ)を記憶することが可能である。また、メモリーエレメントは、「コンピューター可読ストレージ媒体」としても知られている可能性があり、ランダムアクセスメモリー(RAM)、リードオンリーメモリー(ROM)、フラッシュドライブメモリー、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、光学的ストレージ媒体(たとえば、コンパクトディスク(CDまたはCDROM)およびデジタルビデオディスク(DVD)など)、または、それらの組み合わせを含むことが可能である。これらのメモリーエレメントに加えて、サーバーデバイスは、複数のハードディスクドライブ、ネットワークに取り付けられたストレージ、または別個のストレージネットワークを含む、ファイルストアをさらに含むことが可能である。
【0090】
コンピューティングデバイスは、具体的には、モバイル通信デバイス(ワイヤレスデバイスを含む)、ワークステーション、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、パームトップコンピューター、タブレットコンピューター、ポータブルデジタルアシスタント(PDA)、およびスマートフォンなど、または、それらの組み合わせを含むことが可能である。また、コンピューティングデバイスのさまざまな実施形態は、音声通信デバイス(たとえば、携帯電話および/またはスマートフォンなど)を含むことが可能である。好適な実施形態では、コンピューティングデバイスは、視覚的グラフィックス、イメージ、テキストなどを表示するように動作可能な電子ディスプレイを有することとなる。特定の実施形態において、コンピュータープログラムは、電子ディスプレイを介して表示されるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を通したインタラクションおよび通信を促進させる。GUIは、モニターに情報を提供するために表示エリアにタッチしたりまたは指さしたりすることによって、ユーザーが電子ディスプレイと相互作用することを可能にする。
【0091】
通信ネットワークは、有線または無線であることが可能であり、サーバー、ルーター、スイッチ、ワイヤレスレシーバーおよびトランスミッターなど、ならびに、導電性ケーブルまたは光学的ケーブルを含むことが可能である。また、通信ネットワークは、ローカル、メトロ、またはワイドエリアネットワーク、ならびに、インターネット、または他のクラウドネットワークを含むことも可能である。そのうえ、通信ネットワークは、セルラーまたはモバイルフォンネットワーク、ならびに、固定電話ネットワーク、公衆交換電話ネットワーク、または光ファイバーネットワークなどを含むことが可能である。
【0092】
コンピュータープログラムは、コンピューティングデバイスの上で実行することが可能であり、または、代替的に、1つまたは複数のサーバーデバイスの上で実行することも可能である。本発明の特定の実施形態では、コンピュータープログラムは、ユーザーのコンピューティングデバイスの上にダウンロードされたスタンドアロンのコンピュータープログラム(すなわち、「アプリ」)において具現化されてもよく、または、通信ネットワークを介してユーザーのコンピューティングデバイスによってアクセス可能なウェブアクセス可能なプログラムにおいて具現化されてもよい。本明細書で使用されているように、スタンドアロンのコンピュータープログラムまたはウェブアクセス可能なプログラムは、電子リソース(電子リソースから、ユーザーは、本発明のさまざまな実施形態と相互作用することが可能である)へのアクセスをユーザーに提供する。
【0093】
いくつかの実施形態において、印刷プロセスの前に、印刷されることとなるオブジェクト800に対応するオブジェクトデータが、制御システム50に送信されることが可能であり、制御システム50は、コンピューティングデバイス702と協働するか、または、コンピューティングデバイス702を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、オブジェクトデータは、.stl、obj.、もしくは.amfなどのようなファイルフォーマットで、または、コンピューター支援設計(CAD)プログラムもしくはソフトウェアによって生成される任意の他のファイルフォーマットで、制御システム50に送信されることが可能である。いくつかの実施形態において、オブジェクトデータは、印刷されることとなるオブジェクト800の幾何学形状、および、追加的な情報(たとえば、公差、膨張、強度特性など)を含むことが可能である。その後に、CADデータは、たとえば、スライサープログラムまたはソフトウェアなどによって、個々の層へと分割されることが可能である。したがって、スライサーソフトウェアは、CADソフトウェアの3Dモデルを制御システム50のために可読フォーマットに変換することが可能である。この点において、層への分割は、外部においておよび印刷デバイス10自身の両方において行われることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷プロセスの前に、印刷プロセスの後の冷却の間の印刷オブジェクトの収縮プロセスが計算されることが可能である。個々の層の印刷ルーチンは、機械可読コードに変換され、制御システム50に送信されることが可能である。いくつかの実施形態において、制御システム50のソフトウェアは、ウェブベースのアプリケーションであることが可能である。いくつかの実施形態において、制御システム50のソフトウェアは、コンピューターベースのソフトウェアプログラムであることが可能である。
【0094】
いくつかの実施形態において、印刷デバイス10に送信されたオブジェクトデータは、オブジェクト800のための汎用的な設計またはそうでなければ非特注の設計であることが可能である。そのような設計は、大量生産製品にとって有用であるか、または、印刷オブジェクト800が繰り返して印刷されることとなるときに有用である可能性がある。いくつかの実施形態において、オブジェクトデータは、特定の、特注の、または独特のオブジェクトを生成させるためのものであることが可能であり、印刷オブジェクト800は、独自に設計されたものになることとなる。
【0095】
たとえば、いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、脊椎インプラント、顎顔面インプラント、足首または足ウェッジ、または頭蓋プレートを含む、医療用デバイスまたは外科用インプラントなどのようなオブジェクト800を印刷するために使用されることが可能である。患者特有になるように設計された特注のインプラントは、増加した有効性を有することが可能である。そのようなインプラントは、特定の患者の解剖学的構造にマッチするように特注設計および構成されることが可能であり、現場で印刷されるように構成されることが可能である。コンピューターモデリングは、MRIまたはCTスキャンの使用を通して特定の患者の解剖学的構造の3次元イメージを取得するために使用されることが可能であり、設計、パラメーター、および他のオブジェクトデータ情報は、さまざまなCADプログラムまたはソフトウェアを使用して構築および設計されることが可能である。したがって、いくつかの実施形態において、オブジェクトデータは、患者特有のオブジェクト800(たとえば、外科用インプラントなど)を印刷するための独自のおよび患者特有のインストラクションを含むことが可能である。
【0096】
図8Aは、印刷デバイス10を用いたFFFプロセスを使用して印刷され得る印刷オブジェクト800の例示的な実施形態を図示している。印刷オブジェクト800は、医療用インプラント802、ラフト816、およびスキャフォールディング818を含むことが可能である。インプラント802は、複数の層804と、第1の多孔性の領域806と、格子細工構造体810を有する第2の多孔性の領域808とボイド812とを含むことが可能である。ラフト816は、印刷された構造体であることが可能であり、それは、上部ビルド層110の上に直接的に印刷され、それは、医療用インプラント802と上部ビルド層110との直接的な接触の間のバリアとして作用する。ラフト816は、医療用インプラント802の反りまたは結晶化の頻度をさらに低減または制限することが可能である。ラフト816は、インプラントと上部ビルド層110との間のインターフェースを生成させる。ラフト816は、インプラント800と同じ材料から構成されている。いくつかの実施形態において、ラフト816は、互いに重ねられた約3つの印刷された層から構成されることが可能である。ラフト816における印刷材料は、緩く間隔を置いて配置されることが可能であり、単に、インプラント802を積み上げるための構造体を提供するためのものである。
【0097】
より詳細に下記に説明されているように、印刷オブジェクト800は、スキャフォールディング818をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、スキャフォールディング818は、医療用インプラント802のための水平なビルド平面を生成させるために使用されることが可能であり、複数の層804のそれぞれの層が印刷されるときに、印刷材料400が、概して水平方向の水平な平面の上にディスペンスされるようになっている。スキャフォールディング818は、インプラント802が仕上げられて使用のための準備ができると、解体されることが可能である。いくつかの実施形態において、スキャフォールディング818は、たとえば、インプラント802の底部表面がテーパー付きになることが望まれるときなどには、傾斜された上部表面を有することが可能である。スキャフォールディング818の上部表面は、特定の角度(たとえば、7度から約45度など)で傾斜されることが可能であるが、しかし、任意の角度が、所望の通りに使用されることも可能である。したがって、インプラント802の配向は、スキャフォールディング818の形状に基づいて変化することが可能である。
【0098】
いくつかの実施形態において、および、より詳細に下記に説明されているように、印刷材料400が正しい粘度および流量でディスペンスされていることを保証するために、印刷オブジェクト800を印刷する前に、テストサークル814が印刷されることが可能である。印刷オブジェクト800のオブジェクトデータを受信した後に、印刷デバイス10は、印刷プロセスを開始することが可能である。上記に述べられているように、印刷デバイス10は、限定するものではないがFFF印刷を含む、さまざまなアディティブマニュファクチャリングプロセスにおいて使用されることが可能である。
【0099】
図9は、印刷オブジェクト800を印刷するために印刷デバイス10を使用する方法900の1つの実施形態を図示している。方法900における第1のステップは、パワーアップ902およびレビューステップを含むことが可能である。パワーアップ902は、制御システム50およびユーザーインターフェース、ウェブベースのアプリケーション、またはプログラムの診断を含むことが可能であり、制御システム50が適正に働いていることを確認する。パワーアップ902は、制御システム50のネットワークステータスのレビュー、下側ドライブトレイン124および上側ドライブトレイン280のレビュー、ならびに、ハウジングユニット12の中の室温のレビューをさらに含むことが可能である。
【0100】
方法900の第2のステップは、ビルド準備904ステップをさらに含むことが可能である。たとえば、ビルド準備904の間に、クリーナーが、印刷材料400を受け入れるために上部ビルド層110の表面を準備するために、ビルドプレート100の上部ビルド層110をクリーニングするために使用されることが可能である。いくつかの実施形態において、クリーナーは、アセトンクリーナーであることが可能である。ビルド準備904は、リントフリーの布およびイソプロピルアルコールによって上部ビルド層110を拭くことをさらに含むことが可能である。
【0101】
方法900の第3のステップは、ノズル準備906ステップを含むことが可能である。ノズル準備906の間に、プリントヘッド200は、それが印刷のために準備されていることを保証するために検査およびレビューされることが可能である。たとえば、ノズル準備906の間に、給送チューブ212が、破片または他の閉塞物(たとえば、以前の印刷からの残りの印刷フィラメント400など)に関して検査されることが可能である。たとえば、印刷フィラメント400がPEEKとして含まれる実施形態では、プリントヘッド200は、給送チューブ212を塞いでいる可能性のある任意の残りのPEEKを溶融させるために、約350℃まで加熱されることが可能である。プリントヘッド200は、クリーナー(たとえば、綿棒など)によってさらにクリーニングされることが可能である。
【0102】
方法900の第4のステップは、フィラメント準備908ステップを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、素手で触るのが危険であるか、または、そうでなければ、素手で触られると有効性を失うこととなるかのいずれかである材料を含む可能性がある。したがって、ニトリルまたは他の滅菌グローブを使用して、材料ハウジング402の中へ印刷材料400をロードすることが有利である可能性がある。次いで、印刷フィラメント400が、部分的に繰り出されるか、または、輸送デバイス406の中へその他の方法で給送されることが可能である。いくつかの実施形態において、少なくとも部分的に空気に露出されているか、または、そうでなければ、材料ハウジング402の中に含有されていない印刷材料400が存在している可能性がある。露出された印刷材料400は、イソプロピルアルコールまたは別のクリーナーによってさらにクリーニングされるか、拭かれるか、またはその他の方法で準備され、印刷の前に印刷材料の純度を維持するのを補助することが可能である。フィラメント準備908の間に、印刷材料400は、所定の長さにカットされることが可能である。
【0103】
方法900の第5のステップは、ビルドプレート準備910ステップを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、所定の温度に予熱されることが可能である。いくつかの実施形態において、所定の温度は、印刷材料の特定の組成に基づくことが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷材料400は、アディティブマニュファクチャリングのFFF方法を使用して印刷されたPEEKフィラメントを含むことが可能である。そのような実施形態では、ビルドプレート100は、約145℃に予熱されることが可能である。ビルドプレート100を約145℃に予熱することは、上部ビルド層110の反りを防止することを助け、および/または、印刷の間の印刷オブジェクト800の結晶化を防止することを助けることが可能である。ビルドプレート100は、代替的に、実施形態および印刷材料400の組成に応じて、所定の範囲の温度に予熱されることが可能である。いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、約50℃から約350℃の温度に予熱されることが可能である。実施形態に応じて、ビルドプレート100は、アディティブマニュファクチャリングに必要とされる任意の温度に予熱されることが可能であるということが認識されることとなる。ビルドプレートは、加熱層106、リフレクターユニット300、および/またはIRライト500を使用して、予熱されることが可能である。
【0104】
方法900の第6のステップは、プリントヘッドを加熱するステップ912を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、プリントヘッド200は、印刷材料400を溶融させるのに、および、印刷フィラメント400を固体状態から液体状態または溶融状態へ移行させるのに十分に高温の温度まで予熱されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷材料400は、PEEK材料を含むことが可能であり、プリントヘッド200は、ディスペンスするためにPEEKを溶融させるために、約450℃に予熱されることが可能である。いくつかの実施形態において、プリントヘッド200は、印刷フィラメント400を固体状態から光沢のある状態へ移行させる温度に加熱されることが可能であり、それによって、プリントヘッド200は、ガラス転移状態においてまたはその近くにおいて印刷材料400を維持することができる温度に加熱されることが可能である。
【0105】
方法900の第7のステップは、フィラメントをプライミングすること914を含むことが可能である。フィラメントをプライミングすること914の間に、事前決定された量の印刷材料400が、材料ハウジング402から給送チューブ212へ輸送され、ノズル210から上部ビルド層110の上にディスペンスされることが可能である。いくつかの実施形態において、所定の量の材料400が、たとえば、テストサークル814になるように、または、線もしくは他の形状としてディスペンスされることが可能である。テストサークル814は、印刷材料のフローおよびディスペンシングが許容可能なレベルにあるかどうかを決定するためのテストとして使用されることが可能であり、印刷材料400のフローが均等であり、所望のディスペンシング速度にあることを保証する。
【0106】
方法900の第8のステップは、オブジェクト印刷プロセス916ステップを含むことが可能である。オブジェクト印刷プロセスの間に、下側ドライブトレイン124、上側ドライブトレイン280、ビルドプレート100、プリントヘッド200、リフレクターユニット300、IRライト500、センサー242、244、510、および、制御システム50に通信可能に連結されている印刷デバイス10の任意の他のコンポーネントは、制御システム50によって制御されることが可能である。プリントヘッド200の温度、印刷材料400の温度、ビルドプレート100の位置、および、他の関連のパラメーターは、オブジェクト印刷プロセス916の間にディスプレイ52の上に表示されることが可能である。オブジェクト印刷プロセス916の間に、特定の印刷オブジェクト800のためのオブジェクトデータが選択され、制御システム50にアップロードまたは送信されることが可能であり、それによって、設計、パラメーター、および、オブジェクトデータを含む他の情報が、印刷オブジェクト800の印刷パターンをマッピングまたは設定するために使用されることが可能である。下記により詳細に議論されているように、いくつかの実施形態において、制御システム50によって実行されるG-コードまたはソフトウェアは、印刷オブジェクト800の3-Dモデルをスライスまたは複数の層に分解することが可能であり、印刷パターンは、それぞれのスライスまたは層に対して実装されることが可能である。
【0107】
オブジェクト印刷プロセス916の間に、印刷材料400が、給送チューブ212を通して連続的に給送され、ノズル210から連続的にディスペンスされることが可能である。印刷材料400が給送チューブ212を通して給送されてノズル210からディスペンスされるレートは、制御システム50によって監視および調整されることが可能である。したがって、制御システム50は、ディスペンシング材料400が給送チューブ212を通して給送されるレートを増加または減少させるために使用されることが可能である。オブジェクト印刷プロセス916の間に、印刷材料400が給送チューブ212を通して給送されるかまたはノズル210からディスペンスされるレートは、変動する可能性があるということが認識されることとなる。いくつかの実施形態において、印刷材料400が給送チューブ212を通して給送されて加熱器206に到達するとき、印刷材料400は、加熱されて溶融されることが可能であり、それがノズル210からディスペンスされ得るようになっている。溶融後に、印刷材料400は、次いで、ノズル210から予熱された上部ビルド層110の上にディスペンスされることが可能である。
【0108】
いくつかの実施形態において、印刷材料400は、インプラント802を印刷する前に、上部ビルド層110の上にラフト816を印刷するために使用されることが可能である。ラフト816は、上部ビルド層110の上に印刷され、印刷されたインプラント802と上部ビルド層110との間にバリアを提供するスタビライザー、バッファー層、または保護層のいずれかとして作用することが可能であり、印刷されたインプラント802と上部ビルド層110との間の直接的な接触を防止する。したがって、ラフト816は、印刷されたインプラント802の寸法よりも大きい寸法を含むことが可能であり、ラフト816は、印刷されたインプラント802と上部ビルド層110との間の任意の直接的な接触を防止する。ラフト816は、印刷オブジェクト800の表面よりも大きい表面を有することが可能であり、印刷されたインプラント802は、ラフト816の表面の上に完全に印刷され、上部ビルド層110とは接触しない。いくつかの実施形態において、ラフト816は、概して楕円形の形状を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、ラフト816は、任意の幾何学的な形状を含むことが可能であり、たとえば、円形の、三角形の、長方形の、五角形の、または任意の多角形の形状であることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷されたインプラント802は、上部ビルド層110の上ではなく、ラフト816の上に直接的に印刷されることが可能である。いくつかの実施形態において、ラフト816は、オブジェクト印刷プロセス916が完了された後に、印刷されたインプラント802から除去されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、ラフト816は、単にオブジェクト印刷プロセス916の間にのみ必要とされる可能性がある。
【0109】
いくつかの実施形態において、印刷材料400は、インプラント802を印刷する前に、スキャフォールディング818を印刷するために使用されることが可能である。スキャフォールディング818は、印刷されたインプラント802を水平なまたはおおよそ水平方向のビルド平面に維持するのを補助するためのレベリング平面または構造体を印刷するために使用されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷されたインプラント802は、複数のビルド層のそれぞれの層のさまざまな角度または角度の近似を有するように印刷されることが可能である。したがって、スキャフォールディング818は、印刷されることが可能であり、異なるレベルまたは角度を含む複数の層を含むことが可能であり、インプラント802がその上に印刷されることが可能である。スキャフォールディング818のレベルまたは角度は、インプラント802のそれぞれの層がおおよそ水平方向の平面において印刷され得る構造体またはベースレベルを提供するために使用されることが可能である。スキャフォールディング818は、インプラント802が傾斜されたまたは角度付きの設計を含むときに、とりわけ有利である可能性があり、インプラント802のそれぞれの層は、おおよそ水平方向のレベルまたは平面において印刷されることが可能である。スキャフォールディング818は、インプラント802のための水平なビルド平面を提供するために、実施形態に応じて、複数の層を含むことが可能である。スキャフォールディング818の複数の層は、インプラント802の寸法および最終的な高さに応じて、さまざまな高さまたは寸法を含むことが可能である。スキャフォールディング818の寸法は、変化することが可能であり、いくつかの実施形態では、インプラント802の寸法よりも大きい寸法を有することが可能である。代替的に、いくつかの実施形態において、スキャフォールディング818の寸法は、インプラント802の寸法に等しくなっていることが可能である。代替的に、いくつかの実施形態において、スキャフォールディング818の寸法は、インプラント802の寸法よりも小さくなっていることが可能である。
【0110】
したがって、例示的なオブジェクト印刷プロセス916は、ビルドプレート100の上にラフト816を印刷することと、ラフト816の上にスキャフォールディング818を印刷することと、スキャフォールディング818の上にインプラント802を印刷することとを含むことが可能である。そのうえ、インプラント802は、複数の層で印刷されることが可能であり、それぞれの層は、次の層が開始される前に完了される。たとえば、いくつかの実施形態において、第1の印刷された層は、事前決定されたパターン、厚さ、または他のパラメーターで印刷されることが可能である。いくつかの実施形態において、インプラント802の第1の層は、z-平面において上に移動して第2の層の印刷が開始する前に、その全体が印刷されることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、ノズル210から継続的にディスペンスされることが可能であり、インプラント802は、ディスペンスされた印刷材料の中に、ほぼ一定のまたは継続的な組成、ギャップのボイド、ブレーク、またはスペースを含む。代替的に、いくつかの実施形態において、印刷材料400は、ノズル210からの液滴として、または、そうでなければ、非継続的なフローでディスペンスされることが可能である。
【0111】
いくつかの実施形態において、第1の層が完了された後に、インプラント802の第2の層が印刷され始める。いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、下側ドライブトレイン124を介してz-平面において下に移動され、上部ビルド層110および部分的に印刷されたインプラント802をさらにプリントヘッド200から離れるように移動させることが可能である。したがって、インプラント802がプリントヘッド200から離れるように移動されるときに、印刷材料400は、印刷された第1の層の上にディスペンスされることが可能である。いくつかの実施形態において、ビルドプレート100は、静止したままであることが可能であり、プリントヘッド200は、z-平面において指向的に移動されることが可能である。たとえば、印刷オブジェクト800の第1の層をディスペンスした後に、上側ドライブトレイン280は、さらにビルドプレート100から離れるように、z-平面においてプリントヘッド200を上に指向的に移動させるために使用されることが可能である。いくつかの実施形態において、ビルドプレート100およびプリントヘッド200のうちのいずれかまたは両方が、印刷の間にz-平面において指向的に移動されることが可能である。
【0112】
継続的な堆積によって多孔性の外科用デバイスを形成するための例示的な方法は、フィラメント材料から構成される印刷材料400を提供することと、ビルドプレート100の上部表面の上に印刷材料400を堆積させることによって外科用デバイスの第1の層を形成することとを含むことが可能である。第1の層を形成することは、ビルドプレートの上部表面に対して第1のX-Y位置において開始する、ノズル210を通して印刷材料を押し出すステップを含むことが可能であり、第1の層は、多孔性の外科用デバイスの少なくとも第1の領域を形成するために実質的に継続的なパターンで印刷材料400を堆積させることによって形成され、第1の領域は、第1の多孔度を有している。さらなるステップは、プリントヘッド200をZ-平面において第2のZ-平面位置まで移動させることによって、および、ビルドプレート100の上部表面に対して第2のX-Y位置において開始する、ノズル210を通して印刷材料400を押し出すことによって、外科用デバイスの第2の層を形成することを含み、第2のX-Y位置は、第1のX-Y位置から所定の距離または角度である。追加的な層は、以前のZ-平面位置に対してノズルヘッドをZ-平面において移動させることによって、および、ビルドプレート100の表面に対してX-Y位置において開始する、ノズル210を通して印刷材料400を押し出すことによって形成され、複数の層のうちの任意の1つに関するX-Y位置は、任意の以前のX-Y位置から所定の距離または角度である。複数の層のうちの任意の1つは、任意の以前に形成された層よりも小さいまたは大きい多孔度を有する領域を有することが可能である。追加的に、それぞれの層の多孔度は、層自身の中で変化することが可能である。
【0113】
いくつかの実施形態において、オブジェクト印刷プロセス916の間に、印刷オブジェクト800を加熱することが有利であるかまたは必要である可能性がある。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷材料400は、フィラメント材料(たとえば、PEEK、PAEK、またはPEKKなど)から構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、ハウジングユニット12の中の温度が低過ぎるかまたは高過ぎることによって引き起こされる結晶化、反り、または他の問題の多い事例を起こしやすい可能性がある。したがって、印刷材料400が結晶化するかまたは反る頻度を防止または制限することとなるハウジングユニット12の中の温度範囲を維持することが有利である可能性がある。たとえば、印刷フィラメント400をディスペンスする前に、上部ビルド層110は、約140℃から約160℃に予熱されることが可能であり、温度は、オブジェクト印刷プロセス916の全体の間に維持されることが可能である。ビルドプレート100の内部に位置付けされているセンサー510、または、ビルドプレート100の外部に位置付けされているセンサーは、上部ビルド層110の温度を測定することが可能であり、制御システム50は、上部ビルド層110の温度をアクティブに監視および調整することが可能である。ビルドプレート100から発生させられる熱、および、上部ビルド層110のその後の加熱は、印刷オブジェクト800に熱を提供することが可能である。発生させられた熱は、オブジェクト印刷プロセスの間の印刷オブジェクト800の結晶化または反りを防止するのを補助することが可能である。
【0114】
いくつかの実施形態において、リフレクターユニット300によって発生させられる熱は、結晶化または反りを防止するのをさらに補助することが可能である。オブジェクト印刷プロセス916の間に、ハウジングユニット12の中に位置付けされているセンサーは、印刷オブジェクト800の温度(印刷オブジェクト800の1つまたは複数の層の温度を含む)を測定することが可能である。いくつかの実施形態において、ハウジングユニット12の中に静的な加熱環境を生成させるのではなく、印刷オブジェクト800を選択的に加熱することが有利である可能性があるということが認識されることとなる。たとえば、印刷オブジェクト800のそれぞれの層がディスペンスされて形成されるときに、それぞれの層または複数の層の温度が測定されることが可能である。測定された温度は、制御システム50に送信されることが可能であり、それによって、制御システム50は、印刷オブジェクト800により多くのまたはより少ない熱を発生させるように、リフレクターユニット300のアクティブ加熱器303に指示することが可能である。いくつかの実施形態において、制御システム50は、印刷オブジェクト800により多くのまたはより少ない熱を発生させるように、IRライト500にさらに指示することが可能である。いくつかの実施形態において、オブジェクト印刷プロセス916の間に結晶化または反りを防止し、印刷オブジェクト800を光沢のある状態に保つために、印刷オブジェクト800またはその層を、ガラス転移状態の近くにまたはガラス転移状態に保つまたは維持することが有利である可能性がある。したがって、制御システム50は、印刷オブジェクト800またはその層の温度を絶えず監視し、リフレクターユニット300および/またはIRライト500にインストラクションを送ることによって温度を維持することが可能である。いくつかの実施形態において、印刷オブジェクト800がリフレクターユニット300から離れるようにさらに移動されるとき、および/またはIRライト500は、印刷オブジェクト800に方向付けられた発生熱を増加させるように、より高いレベルにおいて通電されることが可能である。温度制御の唯一の手段に加えて、または、その代替的に、リフレクターユニット300および底部表面314は、加熱層106から発生させられた熱を印刷オブジェクト800に向けて反射して戻すことも可能であるということがさらに認識されることとなる。したがって、オブジェクト印刷プロセス916の間に、印刷オブジェクト800は、ビルドプレート100の加熱層106によって下方から、および/または、リフレクターユニット300(アクティブ加熱器303を通してアクティブに、もしくは、反射的な底部表面314によってパッシブにのいずれか)および/またはIRライト500によって上方から加熱されることが可能であるということが認識されることとなる。
【0115】
いくつかの実施形態において、制御システム50は、オブジェクト印刷プロセス916の間に、印刷オブジェクト800の温度を監視することが可能であり、ハウジングユニット12の中の加熱エレメントを通して、印刷オブジェクト800の事前決定された温度を維持することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷材料400は、PEEKフィラメントを含むことが可能である。PEEKフィラメントから作製された印刷オブジェクト800は、オブジェクト印刷プロセス916の間に約140℃から約160℃の範囲内に維持されることを必要とされるということが決定される可能性がある。ハウジングユニット12の中のセンサーは、印刷オブジェクト800の温度を測定し、その情報を制御システム50に送信することが可能であり、制御システム50は、印刷オブジェクト800の温度を決定された範囲内に維持するように、ハウジングユニット12の中のアクティブ加熱エレメント(アクティブ加熱器303、加熱層106、IRライト500)にインストラクションをさらに送ることが可能である。たとえば、オブジェクト印刷プロセス916が進行するにつれて、印刷オブジェクト800がプリントヘッド200から離れるようにさらに移動されるときに、制御システム50は、アクティブ加熱器303にインストラクションを送り、印刷オブジェクト800を通電し、印刷オブジェクト800により多くの熱を方向付けることが可能である。
【0116】
いくつかの実施形態において、ディスペンスされた印刷材料400の厚さは、印刷材料400がプリントヘッド200からディスペンスされるレートによって制御されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、ディスペンスされる印刷材料400の厚さは、印刷材料400がディスペンスされる流量に反比例して対応することが可能である。したがって、毎秒10mmでディスペンスされる印刷材料400のビードは、毎秒8mmでディスペンスされる印刷材料400のビードよりも薄くなることとなる。いくつかの実施形態において、印刷材料400の流量およびディスペンシング速度は、制御システム50によって、および、オブジェクトデータにしたがって、選択的に制御されることが可能である。
【0117】
いくつかの実施形態において、ディスペンスされた印刷材料400の厚さは、ビルドプレート100がx-y平面において移動されるレートによって制御されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷材料400の流量が一定に保たれる場合には、ディスペンスされた印刷材料400の厚さは、x-y平面におけるビルドプレート100の加速度または減速度に反比例して対応することが可能である。したがって、毎秒12mmで移動するビルドプレート100の上にディスペンスされる印刷材料400のビードは、毎秒8mmで移動するビルドプレート100の上にディスペンスされる印刷材料400のビードよりも薄くなることとなる。いくつかの実施形態において、x-y平面におけるビルドプレート100の加速度または減速度は、制御システム50によって、および、オブジェクトデータにしたがって、選択的に制御されることが可能である。
【0118】
いくつかの実施形態において、プリントヘッド200からディスペンスされる印刷材料400の流量は、ビルドプレート100がx平面および/またはy平面において移動されるレートと同期されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷材料400は、一定のおよび均一なビード厚さを実現するために、一定のレートでディスペンスされることが可能であり、ビルドプレート100は、印刷材料400がプリントヘッド200からディスペンスされる同じ速度で、x-y平面において移動されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷材料400が毎秒10mmでディスペンスされる場合には、ビルドプレート100が毎秒10mmでx-y平面において移動されれば、一貫したおよび均一なビード厚さが実現されることが可能である。いくつかの実施形態において、プリントヘッド200からディスペンスされる印刷材料400の流量と、ビルドプレート100がx平面および/またはy平面において移動される速度との間に、差異が存在する可能性がある。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷材料400の流量とビルドプレート100の速度との間の差異は、約2mm/秒の増分で変化する可能性がある。たとえば、より厚いビードサイズを実現するために、印刷材料400が10mm/秒の一定のレートでディスペンスされる場合には、ビルドプレート100は、x-y平面において約8mm/秒で移動されることが可能である。逆に、より薄いビードサイズを実現するために、印刷材料400が10mm/秒の一定のレートでディスペンスされる場合には、ビルドプレート100は、x-y平面において約12mm/秒で移動されることが可能である。代替的に、同じ効果は、ビルドプレート100をx-y平面において一定の速度で移動させることによって、および、印刷材料400の流量を変化させることによって、実現されることが可能である。
【0119】
印刷材料400の流量およびディスペンシング速度は、オブジェクト印刷プロセス916の間に変動または変化することが可能であるということが認識されることとなる。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷オブジェクト800は、さまざまな厚さまたはサイズの層またはセクションを含むことが可能であり、ディスペンスされた印刷材料400の複数のサイズおよび厚さを必要とする。したがって、印刷材料400の流量およびディスペンスレートは、印刷材料400が正しい位置において正しいサイズおよび厚さでディスペンスされるように調整されることが可能である。
【0120】
方法900の第9のステップは、オブジェクト印刷プロセスを終了させること918を含むことが可能である。たとえば、印刷オブジェクト800の最終的な層がディスペンスされた後に、印刷オブジェクト800が、上部ビルド層110から除去されることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷オブジェクト800を上部ビルド層110から除去した後に、ラフト816が、印刷されたインプラント802から除去されることが可能である。いくつかの実施形態において、スキャフォールディング818も、インプラント802から除去されることが可能である。本明細書でより詳細に説明されているように、スキャフォールディング818および/またはラフト816を除去した後に、インプラント802は、クリーニングまたは滅菌されることが可能である。
【0121】
方法900の第10のステップは、パワーダウンおよびクールダウン920ステップを含むことが可能である。パワーダウンおよびクールダウン920の間に、加熱エレメント114、加熱器206、アクティブ加熱器303、IRライト500、および/または、印刷デバイス10の任意の他の加熱されたコンポーネントが、ターンオフされることが可能であり、冷却が開始することが可能である。印刷デバイス10およびさまざまな加熱エレメントの温度は、センサーおよび制御システム50によって監視されることが可能である。いくつかの実施形態において、パワーダウンおよびクールダウン920は、1つまたは複数の冷却器(たとえば、ファンまたは液体冷却器など)によって促進されることが可能である。
【0122】
方法900の第11のステップは、フィラメント貯蔵922ステップを含むことが可能である。任意の余分な印刷材料400が、材料ハウジング402から除去され、ストレージユニット(図示せず)の中に貯蔵されることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、素手で触るのが危険であるか、または、そうでなければ、素手で触られると有効性を失うこととなるかのいずれかである材料を含む可能性がある。したがって、ニトリルまたは他の滅菌グローブを使用して、材料ハウジング402から印刷材料400を除去することが有利である可能性がある。印刷材料400は、乾燥したストレージユニットの中に保管され、湿分または他の汚染(それは、将来の使用に関して印刷材料400の有効性を制限する可能性がある)を防止することが可能である。
【0123】
方法900の第12のステップは、シャットダウン924ステップを含むことが可能である。シャットダウン924の間に、制御システム50が、ターンオフまたはシャットダウンされることが可能である。印刷デバイス10が、さらにパワーダウンまたは遮断されることが可能である。これは、印刷デバイス10を電源から抜くこと、または、バッテリーもしくは他のエネルギー供給源を印刷デバイス10から除去することを含むことが可能である。
【0124】
図8A図8Eを参照すると、いくつかの実施形態において、印刷デバイス10は、それぞれが異なる多孔度を有する1つまたは複数の多孔性の領域を有する印刷オブジェクト800を印刷または生成させるために使用されることが可能である。たとえば、図8Aは、印刷オブジェクト800の1つの実施形態を図示しており、ここで、印刷オブジェクト800は、医療用インプラント802を含む。インプラント802は、少なくとも第1の多孔性の領域806および第2の多孔性の領域808を生成させる複数の層804から構成されている。代替的な実施形態では、医療用インプラント802は、1つの、2つの、または、それ以上の異なる多孔性の領域を含むことが可能であるということが認識されることとなる。いくつかの実施形態において、医療用インプラント802は、患者特有のまたは特注のインプラントであることが可能であり、それは、特定の患者のために設計されており、コンピューター支援設計ソフトウェアを使用して、その特定の患者の解剖学的構造に基づいてモデル化されている。代替的に、いくつかの実施形態において、医療用インプラント802は、特注または患者特有ではない汎用的な設計を含むことが可能である。本明細書では、印刷オブジェクト800を医療用インプラントと称するが、印刷デバイス10は、医療分野または外科分野において使用するための印刷オブジェクトに限定されることを意図していないということが認識されることとなる。したがって、印刷デバイス10は、アディティブマニュファクチャリングを通して形成され得る任意のタイプのオブジェクト800を印刷または構築するために使用されることが可能である。
【0125】
いくつかの実施形態において、医療用インプラント802は、複数の層804を含むことが可能であり、複数の層804の中のそれぞれの層は、第1の多孔性の領域806と第2の多孔性の領域808の両方を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、医療用インプラント802は、層ごとに印刷されることが可能であり、次の層の印刷を開始する前に、1つの層の全体が印刷される。このプロセスは、それぞれの層が印刷されて医療用インプラント802が完全に形成されるまで、繰り返されることが可能である。
【0126】
いくつかの実施形態において、医療用インプラント802のオブジェクトデータが制御システム50にアップロードされた後に、医療用インプラント802の3次元モデルが、制御システム50によってマッピングされることが可能であり(それは、G-コードまたは他のソフトウェアによってプログラムされることが可能であり)、印刷パターンが実装されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、医療用インプラント802の3次元モデルは、複数の層またはスライスに分解またはペアダウンされ(paired down)、それによって、印刷フットプリント(printing footprint)が含むこととなるものの2次元表現へと3次元モデルを移行させることが可能である。たとえば、医療用インプラント802(または、任意の他のオブジェクト)の3-Dモデルは、制御システム50にアップロードされることが可能である。3-Dモデルの上部から開始して、G-コードまたはソフトウェアは、3-Dモデルをスライスまたは層へと分解またはペアダウンし始めることが可能である。いくつかの実施形態において、スライスは、厚さに関して約50μmから約250μmであることが可能であり、使用される印刷材料に依存することが可能である。次いで、G-コードまたはソフトウェアは、最終的に医療用インプラント802を形成するために印刷材料400を堆積させるための印刷パターンをマッピングまたは設計することが可能である。いくつかの実施形態において、G-コードまたはソフトウェアは、さらに、外側の境界または周囲844をさらに設定または定義することが可能である。印刷の間に、印刷材料400は、G-コードまたはソフトウェアによってマッピングされたパターンで堆積されることが可能である。いくつかの実施形態において、G-コードまたはソフトウェアは、第1の多孔性の領域806および/または第2の多孔性の領域808の場所をさらにマッピングまたは設計することが可能である。いくつかの実施形態において、印刷パターンまたは多孔度は、それぞれのスライスの間で変更されることが可能であり、全体的に形成された医療用インプラント802の中に複数の印刷パターンおよび多孔度を提供する。
【0127】
図8Bは、複数の層804の第1の層840の例示的な実施形態を図示している。図示されているように、いくつかの実施形態において、第1の層840は、波形の、ジグザグの、曲がりくねった、湾曲した、または他のパターンでディスペンスされる印刷材料400から形成されることが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、特異な直線パターンでディスペンスされることが可能である。図8Bは、第1の層840の例示的な実施形態を図示しており、印刷材料は、波状の正弦波パターン842でディスペンスされる。図8Bにおいて見られるように、いくつかの実施形態において、波形パターン842は、ほぼ継続的なまたは連続的な様式でディスペンスされることが可能である。そうであるので、印刷材料400は、実質的に連続的なまたは継続的なレートでプリントヘッド200からディスペンスされることが可能である。たとえば、印刷材料400がディスペンスされるときに、それは、ディスペンシングのギャップ、ブレーク、または、その他の中断を回避するために、ほぼ連続的にディスペンスされることが可能である。したがって、波形パターン842は、任意のブレークまたはギャップの存在しない、印刷材料400の概して継続的な固体のビードを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、上部ビルド層110に対して、第1のx-y位置において開始してディスペンスされることが可能である。印刷材料400は、波形パターン842で継続的にディスペンスされ、医療用インプラント802の外側寸法を画定する所定の周囲844に到達するまで、x-y平面において移動されることが可能である。いくつかの実施形態において、周囲844に到達すると、プリントヘッド200は、x-y平面において移動され、再び周囲844に到達するまで、医療用インプラント802の内部に向かう方向に戻るように波形パターン842で印刷材料を堆積させ続けることが可能である。いくつかの実施形態において、波形パターン842で堆積された印刷材料400の間に、複数のギャップ846またはスペースが存在することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、ギャップ846は、約300μmであることが可能である。いくつかの実施形態において、ギャップ846は、約50μmから約500μmの範囲から選択されることが可能である。さらに図8Bに図示されているように、印刷材料400は、波形パターン842で継続的に堆積され、第1の層840が完了されるまで、周囲844が到達されるたびに内部に戻ることが可能である。第1の層840が完了すると、第2の層850を堆積させることが開始することが可能である。いくつかの実施形態において、印刷材料400は、それぞれの層が完了された後に、継続的に印刷されることが可能であり、それぞれの層の間に印刷材料のギャップまたはスペースが存在しないようになっており、継続的なまたはほぼ継続的な医療用インプラント802を結果として生じさせる。たとえば、第1の層840を完了した後に、第2の層850を堆積させることは、ノズル210から給送チューブ212を通る印刷材料400の給送を停止することなく開始することが可能である。
【0128】
図8Cは、図8Bに図示されているように、第1の層840の上に堆積された第2の層850を図示している。いくつかの実施形態において、G-コードまたはソフトウェアプログラミングは、波形パターン842のレイアウトまたは配向を回転させることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、第2の層850は、第1の層840に存在しているものと同じ設計で、波形パターン842で第1の層840の上に堆積される。しかし、パターンは、所定の角度または度数で回転させられることが可能であり、それによって、印刷材料400は、正確な同じレイアウトでは堆積されず、その代わりに、第1の層840と第2の層850との間に印刷材料400の十字形効果が存在している。たとえば、図8Cは、第1の層840が完了された後に第2の層850を印刷するために印刷パターンが約36°回転させられる実施形態を図示している。図8Cでは、第2の層850における波形パターン842は、第1の層840の波形パターン842と同じ設計を含むが、パターン回転に起因して、印刷材料400は、結果として生じる十字形の様式で堆積される。
【0129】
いくつかの実施形態において、医療用インプラント802のビルド層の完了の後に印刷パターンを回転させるプロセスが、すべての層に関して繰り返されることが可能である。いくつかの実施形態において、パターンは、異なる層において異なる量だけ回転させられることが可能である。いくつかの実施形態において、パターンは、すべての層に関して回転させられなくてもよく、むしろ、複数の連続した層の後に回転させられてもよい。パターンは、任意の所定の度数で(たとえば、約1°から約179°の範囲内でなど)回転させられることが可能である。いくつかの実施形態において、パターンは、印刷されているそれぞれの層の完了の後に、選択された度数で回転させられることとなる。たとえば、いくつかの実施形態において、それぞれの層が完了された後に、パターンは、36°の度数だけ回転することとなる。そのうえ、パターンは、G-コードまたは他のソフトウェアを介して制御システム50によって回転させられるが、プリントヘッド200もビルドプレート100もいずれも物理的に回転させられる必要はない。パターンは、ソフトウェアプログラミングの中のみで回転させられ、パターンがディスペンスされる角度または方向を修正する。ビルドプレート100およびプリントヘッド200は指向的に移動可能であるように構成されることが可能であるが、いずれも印刷プロセスの間に機械的に回転させられることを必要とされない。
【0130】
図8Dは、医療用インプラント1000の例示的な実施形態を図示しており、第1の多孔性の領域1002および第2の多孔性の領域1006を詳述している。図8Eは、医療用インプラント1000の断面を図示している。いくつかの実施形態において、医療用インプラント1000は、第1の多孔度を有する第1の多孔性の領域1002と、第2の多孔度を有する第2の多孔性の領域1006とを少なくとも含むことが可能である。いくつかの実施形態において、医療用インプラント1000は、2つよりも多いまたは少ない多孔性の領域を含むことが可能であり、さまざまな多孔度を有する任意の数の多孔性の領域を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、医療用インプラント1000は、複数の層1010を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、医療用インプラント1000は、層ごとに印刷されることが可能であり、1つの層の全体が、次の層の印刷を開始する前に印刷される。このプロセスは、それぞれの層が印刷され、医療用インプラント1000が完全に形成されるまで繰り返されることが可能である。いくつかの実施形態において、複数の層1010の中のそれぞれの層は、第1の多孔性の領域1002および第2の多孔性の領域1006を含むことが可能である。
【0131】
図8D図8Eに図示されているように、いくつかの実施形態において、第1の多孔性の領域1002は、格子フレームワークまたは構造体1004を含むことが可能であり、または、そうでなければ、第1の多孔性の領域1002の全体を通して、画定された開口部、孔部、または間隔を有する一般的な構造体を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、第1の多孔性の領域1002を含む格子フレームワーク1004は、約300mmから約350mmの細孔を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、第1の多孔性の領域1002は、サイズに関して約50mmから約500mmの細孔を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、第1の多孔性の領域1002は、さまざまで不均一なサイズの細孔を含むことが可能である。
【0132】
さらに図8D図8Eに図示されているように、いくつかの実施形態において、第2の多孔性の領域1006は、最小の細孔、開口部、またはギャップを有する実質的に固体の構造体1008を含むことが可能である。第2の多孔性の領域1006は、第1の多孔性の領域1002と同じ印刷材料400によって印刷されることが可能であり、または、異なる印刷材料を使用して印刷されることも可能である。いくつかの実施形態において、第2の多孔性の領域1006は、最小の細孔、開口部、またはギャップを有するか、または、細孔、開口部、またはギャップを有さない、密度を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、第2の多孔性の領域1006は、代替的なまたは第1の多孔性の領域1002とは異なるパターンを使用して形成または印刷されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、第2の多孔性の領域1006は、シームツーシームの様式(seam-to-seam manner)で置かれた印刷材料の固体ビードを使用して印刷され、実質的にまたは完全に固体の構造体を結果として生じさせることが可能である。いくつかの実施形態において、第2の多孔性の領域1006は、構造的支持体として作用することが可能であり、医療用インプラント1000の構造的安定性を維持するのを補助する。
【0133】
いくつかの実施形態において、第1の多孔性の領域1002および第2の多孔性の領域1006の多孔度は、事前に決定され、選択的に位置決めされることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、医療用インプラント1000は、特定の患者に解剖学的に適合性となるように設計された特注の外科用インプラントである。したがって、それは、骨成長を推進することとなる特定の設計、形状、構成、または場所で、第1の多孔性の領域1002を選択的に位置決めすることが有利である可能性がある。追加的に、第2の多孔性の領域1006は、選択的に位置決めされることも可能であり、それが、適切な場所に位置決めされ、医療用インプラント1000にかかる任意の荷重を支持する多孔度を含むことを保証する。
【0134】
上記に説明されているように、ディスペンスされた印刷材料400のビードの厚さは、プリントヘッド200からの印刷材料400の流量に依存することが可能である。一般的に、印刷材料400がより速いレートでディスペンスされるとき、ビードは、印刷材料400がより遅いレートでディスペンスされるときよりも直径が細くなることとなる。したがって、いくつかの実施形態において、流量は、オブジェクト1000のセクションの所定の多孔度に対応するように選択的にプログラムまたは制御されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、第1の多孔性の領域1002における印刷された材料400は、約300nmから約350nmの所定の直径を有することが可能である。第1の多孔性の領域1002を構成することとなる材料をディスペンスするときに、印刷材料400は、約10mm/秒の流量でディスペンスされることが可能である。いくつかの実施形態において、第2の多孔性の領域1006における印刷された材料400は、約500nmから約700nmの所定の直径を有することが可能である。第2の多孔性の領域1006を構成することとなる材料をディスペンスするときに、印刷材料は、約5mm/秒の流量でディスペンスされることが可能である。
【0135】
さらに図8Eに図示されているように、いくつかの実施形態において、医療用インプラント1000は、少なくとも1つのオーバーラップエリア1012をさらに含むことが可能であり、そこでは、第1の多孔性の領域1002および第2の多孔性の領域1006が、相互接続することが可能である。たとえば、印刷プロセスの間に、印刷材料400が第1の多孔性の領域1002を印刷するためにディスペンスされるときに、印刷材料400は、第1の多孔性の領域1002の境界を越えて第2の多孔性の領域1006の境界の中へ意図的に延在することが可能である。したがって、医療用インプラント1000のそれぞれの層が印刷されるときに、オーバーラップエリア1012は、複数の相互接続された層を含むことが可能であり、第1の多孔性の領域1002および第2の多孔性の領域1006が、連続的に相互接続する。オーバーラップエリア1012、および、第1の多孔性の領域1002と第2の多孔性の領域1006との相互接続は、より構造的に安定した医療用インプラント1000を結果として生じさせることが可能である。たとえば、印刷プロセスが完了され、医療用インプラントが硬化し始めた後に、第1の多孔性の領域1002および第2の多孔性の領域1006は、相互接続された様式で一緒に硬化されることが可能であり、それによって、第1の多孔性の領域1002と第2の多孔性の領域1006との間の連結を増強する。
【0136】
印刷デバイス10を使用して、ユーザーは、患者のために現場でインプラント1000を印刷することが可能である。印刷されることとなるオブジェクトの追加的な実施形態が、図10図11図12、および図13A図13Eに関して説明される。具体的には、例示的な医療用インプラント2000、3000、4000が、下記に説明されている。
【0137】
図10は、印刷デバイス10を使用して印刷され得る前方頸椎椎体間ケージ2000を示している。頸椎椎体間ケージ2000は、インプラントとインプラントが接触する椎体との間の表面積を最大化しながら、頸椎の荷重を支持するように設計されている。頸椎椎体間ケージ2000は、前方頸椎椎体間固定術(ACIF)処置において椎間板スペースにおいて第1の椎体と第2の椎体との間に設置されるように構成される。頸椎椎体間ケージ2000は、上部表面2002、底部表面2004、前部側面2008、後部側面2006、ならびに、周辺側面2007および2009を有している。頸椎椎体間ケージ2000は、上部表面2002から底部表面2004へ延在する中央開口部2010を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、中央開口部2010は、実質的に長方形の、正方形の、円形の、長円形の、または任意の他の所望の形状になっていることが可能である。中央開口部2010は、その場で骨成長を刺激するために骨移植材料をその中に受け入れるように構成されることが可能である。
【0138】
いくつかの実施形態において、上部表面2002は、約0~30度の角度で傾斜されており、前部側面2008から後部側面2006に向けて角度を付けられることが可能である。いくつかの実施形態において、底部表面2004は、約0~30度の角度で傾斜されており、前部側面2008から後部側面2006に向けて角度を付けられることが可能である。いくつかの実施形態において、頸椎椎体間ケージ2000は、約12~20mmの幅、約11~15mmの長さ、および、約5~14mmの高さを有している。
【0139】
いくつかの実施形態において、前部側面2008は、移植のための器具の遠位端部を受け入れるための1つまたは複数の周辺開口部2005をその中に含むことが可能である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の周辺開口部2005は、器具の遠位端部と協働するように内部にネジ山を付けられることが可能である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の周辺開口部2005は、円形になっていることが可能である。いくつかの実施形態において、周辺側面2007および/または2009は、グラフトウィンドウとして作用する開口部(図示せず)を有することが可能である。しかし、頸椎椎体間ケージ2000の多孔性の構造体に起因して、周辺側面2007、2009におけるグラフトウィンドウは、不必要である可能性がある。いくつかの実施形態において、周辺開口部(または、任意の他の開口部)は、頸椎椎体間ケージ2000が印刷された後に追加されることが可能である。
【0140】
頸椎椎体間ケージ2000は、複数の異なる多孔性の領域を有するように設計されることが可能である。多孔度は、最適な骨固定も提供しながら構造的完全性を提供するために慎重にバランスされることが可能である。たとえば、上部表面2002および底部表面2004は、インプラント2000の中で最大の多孔度を有することが可能である。いくつかの実施形態において、上部表面2002および底部表面2004は、約300~350μmの細孔を有することが可能である。多孔度の第1の領域2012は、上部表面2002からインプラント2000の中へ約1~1.5mm下に延在することが可能である。多孔度の第2の領域2014は、底部表面2004からインプラント2000の中へ約1~1.5mm上に延在することが可能である。骨内方成長は、一般的に、隣接する骨表面からインプラントの中へ約1~1.5mm延在するということが見出されている。多孔度の第3の領域2016は、第1の領域2012と第2の領域2014との間においてインプラント2000の中心に延在することが可能である。いくつかの実施形態において、多孔度の第4の領域2018は、図10において見られるように、インプラントの周辺の周りに延在し、より多孔性の低い外側周辺表面を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、第4の領域2018は、そのような小さな多孔度を有することが可能であり、それが固体またはほとんど固体に見えるようになっている。
【0141】
図11は、印刷デバイス10を使用して印刷され得る例示的な腰椎ケージ3000を示している。腰椎ケージ3000は、インプラントとインプラントが接触する椎体との間の表面積を最大化しながら、腰椎の荷重を支持するように設計されている。腰椎ケージ3000は、後方腰椎椎体間固定術(PLIF)処置において椎間板スペースにおいて第1の椎体と第2の椎体との間に設置されるように構成される。1つの実施形態では、第1の椎体は、L4であることが可能であり、第2の椎体は、L5であることが可能である。別の実施形態では、第1の椎体は、L5であることが可能であり、第2の椎体は、S1であることが可能である。いくつかの実施形態において、2つの腰椎ケージ3000が、同じ椎間板スペースの中に植え込まれることが可能である。
【0142】
腰椎ケージ3000は、上部表面3002、底部表面3004、前部側面3008、後部側面3006、ならびに、周辺側面3007および3009を有している。腰椎ケージ3000は、上部表面3002から底部表面3004へ延在する中央開口部3010を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、中央開口部3010は、実質的に長方形の、正方形の、円形の、長円形の、または任意の他の所望の形状になっていることが可能である。中央開口部3010は、その場で骨成長を刺激するために骨移植材料をその中に受け入れるように構成されることが可能である。
【0143】
いくつかの実施形態において、腰椎ケージ3000は、実質的に長方形に形状決めされることが可能である。いくつかの実施形態において、前部側面3008および後部側面3006は、より短くなっており、周辺側面3007、3009は、より長くなっている。そのような実施形態では、中央開口部3010も、実質的に長方形に形状決めされることが可能である。いくつかの実施形態において、上部表面3002および/または底部表面3004は、実質的に平面的であることが可能である。いくつかの実施形態において、上部表面3002および/または底部表面3004は、実質的に凸形になっていることが可能であり、中央部が、隣接する骨に係合するためにわずかにより高い高さを有するようになっている。いくつかの実施形態において、腰椎ケージ3000は、約8~12mmの幅、約20~40mmの長さ、および、約6~16mmの高さを有している。
【0144】
いくつかの実施形態において、前部側面3008は、実質的に三角形形状の弾丸状の先端部を有するように形状決めされることが可能である。いくつかの実施形態において、後部側面3006は、移植のための器具の遠位端部を受け入れるための1つまたは複数の周辺開口部3005をその中に含むことが可能である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の周辺開口部3005は、器具の遠位端部と協働するように内部にネジ山を付けられることが可能である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の周辺開口部は、円形になっていることが可能である。いくつかの実施形態において、周辺側面3007および/または3009は、グラフトウィンドウとして作用する開口部(図示せず)を有することが可能である。しかし、腰椎ケージ3000の多孔性の構造体に起因して、周辺側面3007、3009におけるグラフトウィンドウは、不必要である可能性がある。いくつかの実施形態において、周辺開口部(または、任意の他の開口部)は、腰椎ケージ3000が印刷された後に追加されることが可能である。
【0145】
腰椎ケージ3000は、複数の異なる多孔性の領域を有するように設計されることが可能である。多孔度は、最適な骨固定も提供しながら構造的完全性を提供するために慎重にバランスされることが可能である。たとえば、上部表面3002および底部表面3004は、インプラント3000の中で最大の多孔度を有することが可能である。いくつかの実施形態において、上部表面3002および底部表面3004は、約100~500μmの細孔を有することが可能である。多孔度の第1の領域3012は、上部表面3002からインプラント3000の中へ約1~1.5mm下に延在することが可能である。多孔度の第2の領域3014は、底部表面3004からインプラント3000の中へ約1~1.5mm上に延在することが可能である。骨内方成長は、一般的に、隣接する骨表面からインプラントの中へ約1~1.5mm延在するということが見出されている。多孔度の第3の領域3016は、第1の領域3012と第2の領域3014との間においてインプラント3000の中心に延在することが可能である。いくつかの実施形態において、多孔度の第4の領域3018は、インプラントの周辺の少なくとも一部分の周りに延在し、より多孔性の低い外側周辺表面を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、第4の領域3018は、そのような小さな多孔度を有することが可能であり、それが固体またはほとんど固体に見えるようになっている。いくつかの実施形態において、第4の領域は、図11において見られるように、主として、前部側面3008および後部側面3006の上にある。
【0146】
図12は、印刷デバイス10を使用して印刷され得る例示的な腰椎ケージ4000を示している。腰椎ケージ4000は、インプラントとインプラントが接触する椎体との間の表面積を最大化しながら、腰椎の荷重を支持するように設計されている。腰椎ケージ4000は、経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)処置において椎間板スペースにおいて第1の椎体と第2の椎体との間に設置されるように構成される。1つの実施形態では、第1の椎体は、L4であることが可能であり、第2の椎体は、L5であることが可能である。別の実施形態では、第1の椎体は、L5であることが可能であり、第2の椎体は、S1であることが可能である。いくつかの実施形態において、1つの腰椎ケージ4000が、椎間腔の中に植え込まれる。
【0147】
腰椎ケージ4000は、上部表面4002、底部表面4004、前部側面4008、後部側面4006、ならびに、周辺側面4007および4009を有している。腰椎ケージ4000は、上部表面4002から底部表面4004へ延在する中央開口部4010を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、中央開口部4010は、実質的に長方形の、正方形の、円形の、長円形の、または任意の他の所望の形状になっていることが可能である。中央開口部4010は、その場で骨成長を刺激するために骨移植材料をその中に受け入れるように構成されることが可能である。
【0148】
いくつかの実施形態において、腰椎ケージ4000は、実質的に湾曲した長方形の形状を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、前部側面4008および後部側面4006は、より短くなっており、周辺側面4007、4009は、より長くなっている。そのような実施形態では、中央開口部4010は、実質的に湾曲しており、実質的に長方形に形状決めされることが可能である。いくつかの実施形態において、上部表面4002および/または底部表面4004は、実質的に平面的であることが可能である。いくつかの実施形態において、上部表面4002および/または底部表面4004は、実質的に凸形になっていることが可能であり、中央部が、隣接する骨に係合するためにわずかにより高い高さを有するようになっている。いくつかの実施形態において、腰椎ケージ4000は、約8~14mmの幅、約28~34mmの長さ、および、約6~16mmの高さを有している。
【0149】
いくつかの実施形態において、前部側面4008は、実質的に三角形形状の弾丸状の先端部を有するように形状決めされることが可能である。いくつかの実施形態において、後部側面4006は、移植のための器具の遠位端部を受け入れるための1つまたは複数の周辺開口部4005をその中に含むことが可能である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の周辺開口部4005は、器具の遠位端部と協働するように内部にネジ山を付けられることが可能である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の周辺開口部は、円形になっていることが可能である。いくつかの実施形態において、周辺側面4007および/または4009は、グラフトウィンドウとして作用する開口部(図示せず)を有することが可能である。しかし、腰椎ケージ4000の多孔性の構造体に起因して、周辺側面4007、4009におけるグラフトウィンドウは、不必要である可能性がある。いくつかの実施形態において、周辺開口部(または、任意の他の開口部)は、腰椎ケージ4000が印刷された後に追加されることが可能である。
【0150】
腰椎ケージ4000は、複数の異なる多孔性の領域を有するように設計されることが可能である。多孔度は、最適な骨固定も提供しながら構造的完全性を提供するために慎重にバランスされることが可能である。たとえば、上部表面4002および底部表面4004は、インプラント4000の中で最大の多孔度を有することが可能である。いくつかの実施形態において、上部表面4002および底部表面4004は、約100~500μmの細孔を有することが可能である。多孔度の第1の領域4012は、上部表面4002からインプラント4000の中へ約1~1.5mm下に延在することが可能である。多孔度の第2の領域4014は、底部表面4004からインプラント4000の中へ約1~1.5mm上に延在することが可能である。骨内方成長は、一般的に、隣接する骨表面からインプラントの中へ約1~1.5mm延在するということが見出されている。多孔度の第3の領域4016は、第1の領域4012と第2の領域4014との間においてインプラント4000の中心に延在することが可能である。いくつかの実施形態において、多孔度の第4の領域4018は、インプラントの周辺の少なくとも一部分の周りに延在し、より多孔性の低い外側周辺表面を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、第4の領域4018は、そのような小さな多孔度を有することが可能であり、それが固体またはほとんど固体に見えるようになっている。いくつかの実施形態において、第4の領域4018は、図12において見られるように、主として、前部側面4008および後部側面4006の上にある。
【0151】
いくつかの実施形態において、インプラント1000、2000、3000、または4000は、その外側表面にコーティングを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、コーティングは、チタンプラズマスプレーコーティングおよび/またはヒドロキシアパタイト(HA)コーティングを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、コーティングは、たとえば、Promimicによって製造されているようなHAnanoSuface(登録商標)コーティングであることが可能である。いくつかの実施形態において、コーティングは、外側表面の上にあることが可能であり、および/または、たとえば、インプラント1000、2000、3000、または4000がコーティングのための溶液の中へ浸漬されるときなどに、インプラントの全体を通して細孔の中へ延在することが可能である。
【0152】
いくつかの実施形態において、インプラント1000、2000、3000、または4000は、視認性および設置を最適化するためにX線不透過性のマーカーを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、X線不透過性のマーカーは、タンタルであることが可能である。
【0153】
いくつかの実施形態において、インプラントの一部分は、より大きな構造的完全性を提供するために、2次材料の上に印刷されるか、または、2次材料に取り付けられることが可能である。2次材料は、金属(たとえば、ステンレス鋼またはチタンなど)であることが可能である。いくつかの実施形態において、2次材料は、印刷材料400をその上に受け入れるためのスキャフォールドを形成することが可能である。
【0154】
上記に説明されているようなプロセスに加えて、1つの実施形態では、印刷の前に、ポリマーフィラメント400が、脱水機の中で一晩乾燥させられることが可能である。次いで、フィラメント400をその上に有するスプール404が、材料ハウジング402の中へ挿入され、印刷デバイス10に取り付けられる。次いで、ポリマーフィラメント400が、輸送デバイス406の中へ給送され、輸送デバイス406は、ハウジング402からプリントヘッド200へ走るチューブであることが可能である。ノズル210は、材料400のための所望の溶融温度に加熱される。いくつかの実施形態において、所望の溶融温度は、約420℃から約450℃である。ラインをパージするために、約50mmの材料400が、一貫したフローを提供するように押し出されることが可能である。次いで、ビルドプレート100が、所望の温度に加熱される。いくつかの実施形態において、ビルドプレート100の温度は、約140℃から約160℃である。次いで、上記に説明されているように、プログラムが選択され、オブジェクト800が印刷される。印刷が完了された後に、ラフト816が、ビルドプレート100から除去される。次いで、インプラント802が、ラフト816およびスキャフォールディング818から除去される。ナイフが、任意の余分な材料を除去するために使用されることが可能である。
【0155】
図13A図13Eは、印刷され得るインプラントの追加的な例示的な実施形態を示している。インプラントは、患者において(たとえば、脊椎、四肢、または頭蓋骨などにおいて)使用するために印刷されることが可能である。例示的なインプラントは、頭蓋プレート、顎顔面インプラント、骨切り術ウェッジ、脊椎スペーサー、もしくはケージ、または、スクリューもしくは締結具であることが可能である。
【0156】
いくつかの実施形態において、印刷の後に、次いで、アニーリングプロセスが実行される。ポリマー材料のアニーリングは、製作の間に導入される内部応力を緩和するために行われる。ポリマー材料は、ガラス転移温度を下回る温度に加熱され、ポリマー鎖が励起されて再整列するようになっている。たとえば、インプラント1000、2000、3000、または4000は、約6時間にわたってオーブンの中に設置されることが可能である。いくつかの実施形態において、アニーリングプロセスは、第1の最初の1時間にわたって約150℃の温度まで上昇し、約1時間にわたってこの温度に留まり、約30分にわたって約200℃まで上昇し、約1時間にわたって約200℃に留まり、約30分にわたって約150℃に減少し、約30分にわたって約150℃に留まり、室温(約20℃)に減少することが可能である。いくつかの実施形態において、アニーリングプロセスは、より大きな印刷された構造体が関与するときには、より高い温度(たとえば、約300℃など)において行われることが可能である。
【0157】
いくつかの実施形態において、インプラント1000、2000、3000、または4000は、オーブンの中に一晩放置され、インプラント1000、2000、3000、または4000が、除去される前に室温まで冷却するための時間を有するようになっている。いくつかの実施形態において、約50個のインプラント1000、2000、3000、または4000が、オーブンの中に同時に設置されることが可能である。
【0158】
次いで、インプラント1000、2000、3000、または4000が、クリーニングされることが可能である。たとえば、インプラント1000、2000、3000、または400は、約30分にわたって、クリーニング溶液を伴う加熱された超音波クリーナーの中に設置されることが可能である。次いで、インプラント1000、2000、3000、または4000は、水およびイソプロピルアルコールの溶液を伴う加熱されていない超音波クリーナーの中に設置されることが可能である。
【0159】
アニーリングプロセスの後に、任意の後機械加工が、インプラント1000、2000、3000、または4000に行われる。後機械加工は、たとえば、インプラント1000、2000、3000、または4000に孔部またはネジ切りを追加することを含むことが可能である。次いで、インプラント1000、2000、3000、または4000は、クリーニングプロセスを受けることが可能であり、そこで、任意の外部破片が除去される。
【0160】
インプラント1000、2000、3000、または4000は、コーティングの塗布のためのハイパークリーン環境に設置されることが可能である。インプラントは、ヒドロキシアパタイト(HA)溶液の中に浸されることが可能であり、すべての表面がHAによってコーティングされるようになっている。いくつかの実施形態において、コーティングは、ナノメートル程度に薄くなっていることが可能である。インプラント1000、2000、3000、または4000の全体的に多孔性の構造に起因して、HAコーティングは、デバイスの内部多孔性構造体を通って延在することが可能である。インプラント1000、2000、3000、または4000の上でのHAコーティングの使用は、親水性の表面を生成させ、より速いオッセオインテグレーションを推進する。完全な多孔性は、インプラントの新しい骨のオン成長(on-growth)および内方成長を促し、より大きな一体化強度につながる。インプラント1000、2000、3000、または4000は、任意の余分なコーティング材料を蒸発させるために、コーティング/浸漬の後に加熱されることが可能である。次いで、インプラント1000、2000、3000、または4000は、滅菌パッケージングの中に設置され、滅菌のためにガンマ放射線を受けることが可能である。
【0161】
上記に説明されている特徴、および、下記に特許請求されている特徴は、その範囲から逸脱することなくさまざまな方式で組み合わせられることが可能である。以下の例は、いくつかの可能な非限定的な組み合わせを図示している。
【0162】
(A1) 第1の材料から外科用インプラントを形成するための印刷デバイスであって、印刷デバイスは、囲まれたスペースを形成するハウジングと、プリントヘッドと、第1の材料をその上に受け入れるための上部表面を有する平面的な加熱されたビルドプレートと、反射プレートとを含む。プリントヘッドは、第1の材料を押し出すための加熱されたノズルを含む。反射プレートは、アクティブ加熱エレメントを含み、前記反射プレートは、加熱されたノズルに隣接して位置付けされており、ビルドプレートに向けて熱を反射するように構成されている底部表面を有している。反射ユニット、加熱されたビルドプレート、および加熱されたノズルは、すべて、外科用インプラントを形成している間に、第1の材料を所定の温度に維持するように構成されている。
【0163】
(A2) (A1)として示される印刷デバイスに関して、加熱されたビルドプレートは、上部表面を含む上部ビルド層と;上部ビルド層の下にある上部フレーム層と;上部フレーム層の下にある、抵抗加熱器を含む加熱層と;加熱層の下にある絶縁層と;底部フレーム層とを含む。
【0164】
(A3) (A2)として示される印刷デバイスに関して、印刷デバイスは、加熱層と上部フレーム層との間に中間層をさらに含み、中間層は、熱放散を補助する。
【0165】
(A4) (A2)から(A3)として示される印刷デバイスに関して、上部ビルド層は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテル-エーテル-ケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、他の熱可塑性ポリマー、ガラス、アルミニウム、ステンレス鋼、他の金属合金、または、それらの組み合わせを含む。
【0166】
(A5) (A2)から(A4)のいずれか1つとして示される印刷デバイスに関して、上部フレーム層および底部フレーム層のうちの少なくとも1つは、アルミニウムを含む。
【0167】
(A6) (A3)から(A5)のいずれか1つとして示される印刷デバイスに関して、中間層は、ステンレス鋼を含む。
【0168】
(A7) (A2)から(A6)のいずれか1つとして示される印刷デバイスに関して、絶縁層は、マイカまたはセラミックを含む。
【0169】
(A8) (A1)から(A7)のいずれか1つとして示される印刷デバイスに関して、印刷デバイスは、印刷の間に外科用インプラントに熱を方向付けるように構成されている少なくとも1つの赤外線加熱器を、囲まれたスペースの中にさらに含む。
【0170】
(A9) (A1)から(A8)のいずれか1つとして示される印刷デバイスに関して、印刷デバイスは、少なくとも1つの温度センサーを含む。
【0171】
(A10) (A2)から(A9)のいずれか1つとして示される印刷デバイスに関して、印刷デバイスは、上部ビルド層および上部フレーム層の中に複数の開口部をさらに含み、複数の開口部は、機械的なカップリングをその中に受け入れるように、および、熱放散を補助するように構成されている。
【0172】
(A11) (A1)から(A10)のいずれか1つとして示される印刷デバイスに関して、印刷デバイスは、外科用インプラントを形成するための特注設計パラメーターを受信するように構成されたプロセッサーを含む制御システムをさらに含む。
【0173】
(A12) (A11)として示される印刷デバイスに関して、設計パラメーターは、サイズ、形状、および多孔度を含む。
【0174】
(A13) (A1)から(A12)のいずれか1つとして示される印刷デバイスに関して、第1の材料は、熱可塑性ポリマーであり、所定の温度は、ポリマーのガラス転移温度に近い。
【0175】
(A14) (A1)から(A13)のいずれか1つとして示される印刷デバイスに関して、ハウジングの内側表面は、熱絶縁材料を含む。
【0176】
(B1) 医療用デバイスを3-D印刷するためのシステムは、医療用デバイスを形成するための印刷材料と、印刷デバイスとを含む。印刷デバイスは、囲まれたスペースを形成するハウジングと、印刷材料を押し出すための加熱されたノズルを含むプリントヘッドと、印刷材料をその上に受け入れるための上部表面を有する平面的な加熱されたビルドプレートと、アクティブ加熱エレメントを含む反射プレートとを含む。反射プレートは、加熱されたノズルに隣接して位置付けされており、ビルドプレートに向けて熱を反射するように構成されている底部表面を有している。反射ユニット、ビルドプレート、およびノズルは、すべて、医療用デバイスを形成している間に、印刷材料を所定の温度に維持するように構成されている。
【0177】
(B2) (B1)として示されるシステムに関して、ビルドプレートは、上部表面を含む上部ビルド層と;上部ビルド層の下にある上部フレーム層と;上部フレーム層の下にある、抵抗加熱器を含む加熱層と;加熱層の下にある絶縁層と;底部フレーム層とを含む。
【0178】
(B3) (B1)として示されるシステムに関して、システムは、加熱層と上部フレーム層との間に中間層をさらに含み、中間層は、熱放散を補助する。
【0179】
(B4) (B2)から(B3)として示されるシステムに関して、上部ビルド層は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテル-エーテル-ケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、他の熱可塑性ポリマー、ガラス、アルミニウム、ステンレス鋼、他の金属合金、または、それらの組み合わせを含む。
【0180】
(B5) (B2)から(B4)のいずれか1つとして示されるシステムに関して、上部フレーム層および底部フレーム層のうちの少なくとも1つは、アルミニウムを含む。
【0181】
(B6) (B3)から(B5)のいずれか1つとして示されるシステムに関して、中間層は、ステンレス鋼を含む。
【0182】
(B7) (B2)から(B6)のいずれか1つとして示されるシステムに関して、絶縁層は、マイカまたはセラミックを含む。
【0183】
(B8) (B1)から(B7)のいずれか1つとして示されるシステムに関して、システムは、印刷の間に外科用インプラントに熱を方向付けるように構成されている少なくとも1つの赤外線加熱器を、囲まれたスペースの中にさらに含む。
【0184】
(B9) (B1)から(B8)のいずれか1つとして示されるシステムに関して、システムは、少なくとも1つの温度センサーを含む。
【0185】
(B10) (B2)から(B9)のいずれか1つとして示されるシステムに関して、システムは、上部ビルド層および上部フレーム層の中に複数の開口部をさらに含み、複数の開口部は、機械的なカップリングをその中に受け入れるように、および、熱放散を補助するように構成されている。
【0186】
(B11) (B1)から(B10)のいずれか1つとして示されるシステムに関して、システムは、医療用デバイスを形成するための特注設計パラメーターを受信するように構成されたプロセッサーを含む制御システムをさらに含む。
【0187】
(B12) (B11)として示されるシステムに関して、設計パラメーターは、サイズ、形状、および多孔度を含む。
【0188】
(B13) (B1)から(B12)のいずれか1つとして示されるシステムに関して、印刷材料は、熱可塑性ポリマーであり、所定の温度は、ポリマーのガラス転移温度に近い。
【0189】
(B14) (B1)から(B13)のいずれか1つとして示されるシステムに関して、ハウジングの内側表面は、熱絶縁材料を含む。
【0190】
(C1) 医療用インプラントを生成させるために印刷デバイスを使用するための方法であって、本方法は、医療用インプラントを印刷するための第1の材料を提供するステップと;印刷デバイスを提供するステップと;プリントヘッドおよび反射プレートをZ-平面において垂直方向に移動させるステップと;ビルドプレートをX-平面およびY-平面において水平方向に移動させるステップとを含む。印刷デバイスは、囲まれたスペースを形成するハウジングと、第1の材料を押し出すための加熱されたノズルを含むプリントヘッドと、第1の材料をその上に受け入れるための上部表面を有する平面的な加熱されたビルドプレートと、アクティブ加熱エレメントを含む反射プレートとを含む。反射プレートは、加熱されたノズルに隣接して位置付けされており、ビルドプレートに向けて熱を反射するように構成されている底部表面を有している。反射ユニット、ビルドプレート、およびノズルは、すべて、医療用デバイスを形成している間に、第1の材料を所定の温度に維持するように構成されている。
【0191】
(C2) (C1)として示される方法に関して、本方法は、第1の材料を所定の温度に維持するために、ビルドプレートに熱を提供するステップをさらに含む。
【0192】
(C3) (C1)または(C2)として示される方法に関して、本方法は、第1の材料を所定の温度に維持するために、反射プレートの中の加熱器を活性化させるステップをさらに含む。
【0193】
(C4) (C1)から(C3)のいずれか1つとして示される方法に関して、印刷デバイスは、少なくとも1つの温度センサーをさらに含み、本方法は、第1の材料を所定の温度に維持するために、ハウジングユニットの中の少なくとも1つの場所における温度をセンシングするステップをさらに含む。
【0194】
(C5) (C4)として示される方法に関して、所定の温度は、第1の材料のガラス転移温度に近い。
【0195】
(D1) 継続的な堆積によって多孔性の外科用デバイスを形成するための方法であって、本方法は、印刷材料を提供するステップと;ノズルヘッドを通して印刷材料を押し出すステップと;ノズルヘッドをZ-平面において垂直方向に移動させるステップと;ビルドプレートの上部表面の上に印刷材料を受け入れるステップと;ビルドプレートをX-平面およびY-平面において水平方向に移動させるステップと;外科用デバイスを形成するために印刷材料の複数の層をビルドプレートの上に堆積させるステップとを含む。複数の層を堆積させるステップは、(a)ビルドプレートの上に第1の層を堆積させるステップと;(b)実質的に継続的なパターンを約36°だけ回転させるステップと;(c)第1の層の上に第2の層を堆積させるステップと;所定の数の層が形成されるまで、ステップa、b、およびcを繰り返すステップとを含む。
【0196】
(D2) (D1)として示される方法に関して、第2の層は、第1の層および第2の層の外側周囲を越えて延在している。
【0197】
(D3) (D1)から(D2)のいずれか1つとして示される方法に関して、本方法は、作り出される外科用デバイスの多孔度を制御するために、印刷材料がディスペンスされる速度を調節するステップをさらに含む。
【0198】
(D4) (D1)から(D3)のいずれか1つとして示される方法に関して、本方法は、ノズルにおける印刷材料を所定の温度に加熱するステップをさらに含み、所定の温度は、印刷材料のガラス転移温度に近い。
【0199】
(D5) (D4)として示される方法に関して、所定の温度は、約140℃から約160℃である。
【0200】
(D6) (D1)から(D5)のいずれか1つとして示される方法に関して、本方法は、プロセス全体の間にビルドプレートの上の印刷材料の所定の温度を維持するステップをさらに含む。
【0201】
(D7) (D1)から(D6)のいずれか1つとして示される方法に関して、本方法は、特定の患者のためにインプラントのサイズ、形状、および多孔度をカスタマイズすることをさらに含む。
【0202】
(D8) (D1)から(D7)のいずれか1つとして示される方法に関して、印刷材料は、ポリエーテル-エーテル-ケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、または他の熱可塑性ポリマーを含む。
【0203】
(E1) 医療用インプラントを3-D印刷するための方法であって、本方法は、印刷材料およびノズルを含む印刷デバイスを提供するステップと;印刷されるインプラントの最終的な形状、サイズ、および構成を選択するステップと;インプラントの第1の領域のための第1の多孔度を選択するステップと;インプラントの第2の領域のための第2の多孔度を選択するステップと;ノズルからビルドプレートの上への印刷材料のディスペンスレートを制御するステップと;少なくとも1つの温度センサーによって印刷デバイスの少なくとも1つの部分の温度を監視するステップと;印刷プロセス全体の間にインプラントを所定の温度に維持するために、プリンターデバイスの少なくとも1つのエレメントの温度を調節するステップとを含む。
【0204】
(E2) (E1)として示される方法であって、本方法は、インプラントを所定の温度に維持するために、ビルドプレートを加熱するステップをさらに含む。
【0205】
(E3) (E1)または(E2)として示される方法であって、第1の多孔度は、相互接続された細孔のネットワークを形成する。
【0206】
(E4) (E1)から(E3)のいずれか1つとして示される方法であって、第2の多孔度は、実質的に固体の領域を形成する。
【0207】
(E5) (E1)から(E4)のいずれか1つとして示される方法であって、印刷材料は、ポリエーテル-エーテル-ケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、または他の熱可塑性ポリマーを含む。
【0208】
(F1) 継続的な堆積によって多孔性の外科用デバイスを形成するための方法であって、本方法は、ビルドプレートの上部表面の上に印刷材料を堆積させることによって、外科用デバイスの第1の層を形成するステップと;第1の層の上に印刷材料を堆積させることによって、外科用デバイスの第2の層を形成するステップと;第1および第2の層に対して複数の層を形成し続けることによって、外科用デバイスを形成するステップとを含む。本方法は、ビルドプレートの上部表面に対して第1のX-Y位置において開始する、ノズルを通して印刷材料を押し出すことによって、および、多孔性の外科用デバイスの第1の領域を少なくとも形成するために実質的に継続的なパターンで印刷材料を堆積させることによって、第1の層を形成するステップをさらに含み、第1の領域は、第1の多孔度を有している。本方法は、ノズルをZ-平面において第2のZ-平面位置まで移動させることによって第2の層を形成させるステップと;ビルドプレートの上部表面に対して第2のX-Y位置において開始する、ノズルを通して印刷材料を押し出すステップとをさらに含むことが可能であり、第2のX-Y位置は、第1のX-Y位置から所定の距離または角度である。本方法は、以前のZ-平面位置に対してノズルをX-平面において移動させることによって、および、ビルドプレートの上部表面に対してX-Y位置において開始する、ノズルを通して印刷材料を押し出すことによって、第1および第2の層に対して複数の層を形成し続けることによって外科用デバイスを形成するステップをさらに含むことが可能であり、複数の層のうちの任意の1つに関するX-Y位置は、任意の以前のX-Y位置から所定の距離または角度である。複数の層のうちの任意の1つは、任意の以前に形成された層の多孔度とは異なる第2の多孔度を有する領域を有している。
【0209】
(F2) (E1)として示される方法であって、本方法は、デバイスを所定の温度に維持するために、ビルドプレートを加熱するステップをさらに含む。
【0210】
(F3) (F1)または(F2)として示される方法であって、第1の多孔度は、相互接続された細孔のネットワークを形成する。
【0211】
(F4) (F1)から(F3)のいずれか1つとして示される方法であって、第2の多孔度は、実質的に固体の領域を形成する。
【0212】
(F5) (F1)から(F4)のいずれか1つとして示される方法であって、印刷材料は、ポリエーテル-エーテル-ケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、または他の熱可塑性ポリマーを含む。
【0213】
(G1) コンピューター実行可能なインストラクションを記憶する1つまたは複数の非一時的なコンピューター可読媒体であって、コンピューター実行可能なインストラクションは、プロセッサーによって実行されるときに、医療用インプラントを3次元に印刷する方法を実施し、本方法は、特定の患者の解剖学的構造に少なくとも部分的に基づいてインプラントの特注の最終的な形状を選択するステップと;第1の領域のための第1の多孔度を選択するステップと、インプラントの第2の領域のための第2の多孔度を選択するステップと;印刷デバイスのノズルに印刷材料を提供するステップと;印刷材料を少なくとも溶融温度まで加熱するステップと;インプラントを形成するためにノズルを通してビルドプレートの上に印刷材料の複数の層をディスペンスするステップとを含む。
【0214】
(G2) (G1)として示される媒体に関して、媒体は、Z-平面において垂直方向に移動するようにノズルを制御するステップをさらに含む。
【0215】
(G3) (G1)または(G2)として示される媒体に関して、媒体は、X-平面および/またはY-平面において水平方向に移動するようにビルドプレートを制御するステップをさらに含む。
【0216】
(G4) (G1)から(G3)として示される媒体に関して、媒体は、所定のパターンで印刷材料をディスペンスするステップと、それぞれの層が完了された後に、連続した層を印刷する前に、パターンを約36°だけ回転させるステップとをさらに含む。
【0217】
(G5) (G1)から(G4)として示される媒体に関して、媒体は、プロセス全体の間に、インプラントを所定の温度に維持するために、ビルドプレートの加熱を制御するステップをさらに含む。
【0218】
(G6) (G1)から(G5)として示される媒体に関して、印刷材料は、ポリエーテル-エーテル-ケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、または他の熱可塑性ポリマーを含む。
【0219】
(G7) (G1)から(G6)として示される媒体に関して、媒体は、複数の異なるインプラントのための印刷可能な設計のライブラリを記憶するためのメモリーをさらに含む。
【0220】
(H1) 3-Dプリンターによる溶融フィラメント製作のプロセスによって作製された選択的に多孔性のカスタマイズ可能な医療用インプラントであって、医療用インプラントは、第1の多孔度を有する少なくとも第1の領域と、第2の多孔度を有する少なくとも第2の領域とを含み、第1の領域の細孔は、第2の領域の細孔よりも大きい。
【0221】
(H2) (H1)によって示されるようなインプラントに関して、第1の領域は、相互接続された細孔を備えた格子構造体を有している。
【0222】
(H3) (H1)または(H2)によって示されるようなインプラントに関して、インプラントは、ポリエーテル-エーテル-ケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、または他の熱可塑性ポリマーを含む。
【0223】
(H4) (H1)から(H3)によって示されるようなインプラントに関して、インプラントは、ヒドロキシアパタイト(HA)コーティングをさらに含み、コーティングは、細孔を通って延在している。
【0224】
(H5) (H1)から(H4)によって示されるようなインプラントに関して、インプラントは、脊椎インプラント、頭蓋フラップインプラント、顎顔面インプラント、または、足もしくは足首ウェッジインプラントとして使用されるように構成されている。
【0225】
(H6) (H1)から(H5)によって示されるような選択的に多孔性のカスタマイズ可能な医療用インプラントに関して、第1の領域の細孔は、約300μmの細孔サイズを有している。
【0226】
(I1) ポリマーモノフィラメント3-D印刷プロセスによって形成される脊椎インプラントであって、脊椎インプラントは、上部表面と;底部表面と;周辺外側表面と;中央開口部と;複数の相互接続された細孔を有する多孔性のセクションとを含む。多孔性のセクションは、上部表面の上の第1の複数の開口部と、底部表面の上の第2の複数の開口部とを有している。インプラント形状および細孔サイズは、インプラントを特定の患者にカスタマイズするために選択可能である。
【0227】
(I2) (I1)として示される脊椎インプラントに関して、脊椎インプラントは、外側周辺表面の上に固体のセクションを含む。
【0228】
(I3) (I1)または(I2)として示される脊椎インプラントに関して、多孔性のセクションは、第1の材料を含み、第1の材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、または別の熱可塑性ポリマーである。
【0229】
(I4) (I2)から(I3)のいずれか1つとして示される脊椎インプラントに関して、固体のセクションは、第2の材料を含み、第2の材料は、チタン、ステンレス鋼、または熱可塑性ポリマーである。
【0230】
(I5) (I1)から(I4)のいずれか1つとして示される脊椎インプラントに関して、インプラントは、複数の層における第1の材料の継続的な堆積によって形成される。
【0231】
(I6) (I1)から(I5)のいずれか1つとして示される脊椎インプラントに関して、多孔性のセクションは、約300μmのサイズを有する細孔を含む。
【0232】
(J1) アディティブマニュファクチャリングによって形成される外科用インプラントであって、外科用インプラントは、相互接続された細孔の少なくとも1つの領域を形成する複数の層を含み、細孔は、その中で骨成長を促進させるように構成されている。インプラントは、特定の患者の解剖学的構造にカスタマイズ可能であり、患者の脊椎、四肢、または頭蓋骨の中での使用のために構成されている。複数の層は、相互接続された細孔を形成するために特定の所定のパターンで堆積された印刷材料を含む。
【0233】
(J2) (J1)として示される外科用インプラントに関して、インプラントは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、または別の熱可塑性ポリマーを含む。
【0234】
(J3) (J1)または(J2)として示される外科用インプラントに関して、外科用インプラントは、細孔の中へ延在するヒドロキシアパタイト(HA)コーティングを含む。
【0235】
(J4) (J1)から(J3)のいずれか1つとして示される外科用インプラントに関して、外科用インプラントは、約300μmのサイズを有する細孔を含む。
【0236】
本発明は、添付の図面に図示されている実施形態を参照して説明されてきたが、特許請求の範囲に記載されているような本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書において均等物が用いられることが可能であり、置換が行われることが可能であるということが留意される。
【0237】
このように本発明のさまざまな実施形態を説明してきたが、新規なものとして特許請求され、特許状によって保護されることが望まれるものは、以下のものを含む。
【符号の説明】
【0238】
10 印刷デバイス
12 ハウジングユニット
14 フレーム
16 パネル
18 熱絶縁材料
20 ドア
22 ビューイングポータル
24 安全遮断スイッチ
26 キーロック
50 制御システム
52 ディスプレイ
100 ビルドプレート
102 底部フレーム層
103 開口部
104 絶縁層
105 開口部
106 加熱層
108 中間層
109 上部フレーム層
110 上部ビルド層
111 開口部
112 凹部
113 開口部
114 加熱エレメント
116 伝導性回路
118 孔部
120 締結具
122 凹部
124 下側ドライブトレイン
126 モーター
130 コネクター
200 プリントヘッド
201 上側アッセンブリ
204 冷却器
206 加熱器
208 ブリッジ
210 ノズル
212 給送チューブ
214 入口部
216 出口部
218 内部通路
220 上流部分
222 下流部分
224 加熱エレメント
228 2次冷却器
240 ホットゾーン
242 センサー
244 センサー
260 下側アッセンブリ
262 支持構造体
264 第1の下側サブアッセンブリ
266 第2の下側サブアッセンブリ
270 垂直方向支持体
272 カップリングプレート
274 ブラケット
276 モーター
278 支持構造体
280 上側ドライブトレイン
300 リフレクターユニット
302 反射プレート
303 アクティブ加熱器
304 絶縁体
306 リフレクターハウジング
308 開口部
310 中央開口部
312 中央開口部
314 底部表面
316 側壁部
318 凹部
322 孔部
324 孔部
400 印刷材料
402 材料ハウジング
404 スプール
406 輸送デバイス
408 押出機アッセンブリ
410 中央コア
412 側壁部
414 上部カバー
500 赤外線(IR)ライト
510 センサー
700 コンピューターハードウェアシステム
702 コンピューター、コンピューティングデバイス
704 システムバス
706 中央処理装置(CPU)
708 ランダムアクセスメモリー(RAM)モジュール
710 グラフィックスカード
712 グラフィックス処理ユニット(GPU)
714 GPUメモリー
716 コンピューターディスプレイ
718 キーボード
720 マウス
722 ローカルストレージ
724 ネットワークインターフェースカード(NIC)
726 ネットワーク
728 コンピューター
730 データストア
732 インターネット
734 リモートネットワーク
736 コンピューター
800 オブジェクト
802 医療用インプラント
804 複数の層
806 第1の多孔性の領域
808 第2の多孔性の領域
810 格子細工構造体
812 ボイド
814 テストサークル
816 ラフト
818 スキャフォールディング
840 第1の層
842 波形パターン
844 周囲
846 ギャップ
850 第2の層
1000 医療用インプラント
1002 第1の多孔性の領域
1004 格子フレームワーク
1006 第2の多孔性の領域
1008 実質的に固体の構造体
1010 複数の層
1012 オーバーラップエリア
2000 前方頸椎椎体間ケージ
2002 上部表面
2004 底部表面
2005 周辺開口部
2006 後部側面
2007 周辺側面
2008 前部側面
2009 周辺側面
2010 中央開口部
2012 多孔度の第1の領域
2014 多孔度の第2の領域
2016 多孔度の第3の領域
2018 多孔度の第4の領域
3000 腰椎ケージ
3002 上部表面
3004 底部表面
3005 周辺開口部
3006 後部側面
3007 周辺側面
3008 前部側面
3009 周辺側面
3010 中央開口部
3012 多孔度の第1の領域
3014 多孔度の第2の領域
3016 多孔度の第3の領域
3018 多孔度の第4の領域
4000 腰椎ケージ
4002 上部表面
4004 底部表面
4005 周辺開口部
4006 後部側面
4007 周辺側面
4008 前部側面
4009 周辺側面
4010 中央開口部
4012 多孔度の第1の領域
4014 多孔度の第2の領域
4016 多孔度の第3の領域
4018 多孔度の第4の領域
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
【国際調査報告】