IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インフィニトゥム エレクトリック インコーポレーテッドの特許一覧

特表2024-513959複数のPCBステータを有する直接液冷軸方向磁束電気機械のためのシステム、方法、および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】複数のPCBステータを有する直接液冷軸方向磁束電気機械のためのシステム、方法、および装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20240319BHJP
   H02K 1/2783 20220101ALI20240319BHJP
【FI】
H02K9/19
H02K1/2783
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562575
(86)(22)【出願日】2022-04-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 US2022024204
(87)【国際公開番号】W WO2022221166
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】17/227,888
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/716,577
(32)【優先日】2022-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519251139
【氏名又は名称】インフィニトゥム エレクトリック インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ランダル・エー・リー
(72)【発明者】
【氏名】パウロ・ゲデス-ピント
【テーマコード(参考)】
5H609
5H622
【Fターム(参考)】
5H609BB03
5H609BB21
5H609PP02
5H609PP06
5H609PP07
5H609QQ05
5H609QQ13
5H609RR43
5H609RR50
5H622AA06
5H622CA02
5H622CA10
(57)【要約】
デバイスは、ハウジングと、ハウジングに回転可能に結合されたロータとを有する。各ロータは、ロータの少なくとも一方の側に磁石を有する。プリント基板(PCB)ステータが、ロータ間に軸方向に位置し、ハウジングに結合される。PCBステータは、層を有し、各層はコイルを有する。ロータディスクの数は、ステータの数に1を加えた数に等しい。ステータは、ロータと交互配置される。ロータおよびハウジングにシャフトが結合される。シャフトは、回転コネクタを通して液体クーラントの供給源と、ロータとPCBステータとの間に液体クーラントを分配するシャフト内の半径方向チャネルとに結合された中空部分を有する。シャフトは、それぞれの整合する内径を有する回転ディスクを受け入れるように構成されたそれぞれに異なる直径を有するフランジを有する。加えて、ハウジングは、液体クーラントを溜めるサンプを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向磁場回転エネルギーデバイスであって、
ハウジングと、
回転軸を有し、前記ハウジングに回転可能に結合されたロータディスクであり、各ロータディスクは、前記ロータディスクの少なくとも一方の側に磁石を備える、ロータディスクと、
前記ロータディスク間に軸方向に位置し、前記ハウジングに結合されたプリント基板(PCB)ステータであり、各PCBステータは層を備え、各層はコイルを備え、前記ロータディスクの数は、ステータの数に1を加えた数に等しく、前記ステータは、前記ロータディスクと交互配置される、PCBステータと、
前記ロータディスクおよび前記ハウジングに結合されたシャフトであり、回転コネクタを通して液体クーラントの供給源と、前記ロータディスクと前記PCBステータとの間に液体クーラントを分配するように構成された前記シャフト内の半径方向チャネルとに結合されるように構成された中空部分を有し、
それぞれの整合する内径を有する前記ロータディスクを受け入れるように構成されたそれぞれに異なる直径を有するフランジを有する、シャフトと、
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記液体クーラントを分配する前記半径方向チャネルは、それぞれの前記PCBステータと実質的に位置合わせされる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記液体クーラントを分配する前記半径方向チャネルは、前記PCBステータと前記ロータディスクとの間の空隙と実質的に位置合わせされる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記シャフトのフランジと前記ロータディスクとの間に、前記ロータディスクと前記PCBステータとの間の空隙を調整するシムをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記シャフトに結合された前記回転コネクタは、7500rpm以上で動作するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ロータディスクは、前記磁石の内側に先細りの表面を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記PCBステータの内径縁部は、くさび外形を形成するように先細りにされる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ロータディスクは、軟磁性材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ロータディスクは、非磁性材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ロータディスクは、炭素繊維複合材を含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ロータディスク上の前記磁石は、極当たり2つの磁石を有するハルバッハ配列構成に構成され、第1の磁石は、それぞれのロータディスクの平面に垂直に配向され、第2の磁石は、前記第1の磁石に垂直に配向される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
前記ロータディスク上の前記磁石は、極当たり4つの磁石を有するハルバッハ配列構成に構成され、第1の磁石は、それぞれのロータディスクの平面に垂直に配向され、第2の磁石は、前記第1の磁石に垂直に配向され、前記第2の磁石には、前記第1の磁石に対して45度に配向された第3の磁石および第4の磁石が組み入れられる、請求項9に記載のデバイス。
【請求項13】
前記PCBステータに直列に接続されたインダクタを前記ハウジング内部にさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記シャフトは、液体クーラントを分配して前記インダクタを冷却する半径方向チャネルを有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記ハウジングは、前記液体クーラントを溜めるように構成されたサンプを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
軸方向磁場回転エネルギーデバイスであって、
ハウジングと、
回転軸を有し、前記ハウジングに回転可能に結合されたロータディスクであり、各ロータディスクは、前記ロータディスクの少なくとも一方の側に磁石を備え、前記ロータディスク上の前記磁石は、極当たり複数の磁石を有するハルバッハ配列構成に構成される、ロータディスクと、
前記ロータディスク間に軸方向に位置し、前記ハウジングに結合されたプリント基板(PCB)ステータであり、各PCBステータは、層を備え、各層は、コイルを備え、前記ロータディスクの数は、ステータの数に1を加えた数に等しく、前記ステータは、前記ロータディスクと交互配置される、PCBステータと、
前記ロータディスクおよび前記ハウジングに結合されたシャフトであり、回転コネクタを通して液体クーラントの供給源と、前記ロータディスクと前記PCBステータとの間に液体クーラントを分配するように構成された前記シャフト内の半径方向チャネルとに結合されるように構成された中空部分を有し、
それぞれの整合する内径を有する前記ロータディスクを受け入れるように構成されたそれぞれに異なる直径を有するフランジを有する、シャフトと、
を備える、デバイス。
【請求項17】
前記ロータディスクは、非磁性材料を含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
各ロータディスクは、極当たり2つの磁石を備え、第1の磁石は、それぞれのロータディスクの平面に垂直に配向され、第2の磁石は、前記第1の磁石に垂直に配向される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項19】
各ロータディスクは、極当たり4つの磁石を有し、第1の磁石は、それぞれのロータディスクの平面に垂直に配向され、第2の磁石は、前記第1の磁石に垂直に配向され、前記第2の磁石には、前記第1の磁石に対して45度に配向された第3の磁石および第4の磁石が組み入れられる、請求項16に記載のデバイス。
【請求項20】
前記PCBステータに直列に接続されたインダクタを前記ハウジング内部にさらに備え、前記シャフトは、液体クーラントを分配して前記インダクタを冷却する半径方向チャネルを有する、請求項16に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月12日に出願され、「System, Method and Apparatus for Direct Liquid-Cooled Axial Flux Electric Machine With PCB Stator」という名称を有する米国特許出願第17/227,888号の優先権および利益を主張する。本出願はまた、2022年4月8日に出願され、「System, Method and Apparatus for Direct Liquid-Cooled Axial Flux Electric Machine With PCB Stators」という名称を有する米国特許出願第17/716,577号の優先権および利益を主張する。上記の出願の内容は、あらゆる目的について、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、軸方向磁場回転エネルギーデバイスに関し、詳細には、1つまたは複数のプリント基板(PCB)ステータを有する永久磁石モータおよび発電機などの液冷軸方向磁束電気機械のためのシステム、方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの高出力密度電気機械(2.0kW/kg以上)は、導電コイルを備える円筒形ステータと同心の円筒形ロータを有することができる。ロータは導電コイルまたは磁石を有することができる。ロータは、ステータの軸と一致するロータの回転軸の周りを回転する。ロータの主面とステータの主面との間の空隙は狭い場合がある(1mm以下など)。このような機械の多くは、その高出力密度に起因して液冷である。この冷却方法は、直接的な方法である場合も、または間接的な方法である場合もある。間接的な液冷は、機械のステータの周りに取り付けられた液体クーラントを備える冷却ジャケットを有するか、または特許文献1に記載された機械のステータに埋め込まれた冷却ダクトを有することによって実現することができる。直接冷却は、電気機械のステータ巻線上にクーラントを直接噴霧することによって実現することができる。直接冷却法のいくつかは、鉱油または合成潤滑油を使用することができる。直接冷却を使用するとき、クーラントは、ステータの両端において軸方向に突き出るコイルの部分であるコイル座巻に誘導される。空隙に液体クーラントを有することは、狭い空隙において過度の引き摺り損失が生じるので望ましくない。
【0004】
モータまたは発電機などの、いくつかの軸方向磁場永久磁石(PM)回転デバイスは、プリント基板(PCB)ステータ構造を使用する。この例には、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、および特許文献6が含まれる。これらの米国特許の各々は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。これらのデバイスは、デバイスの各電気的位相用の1つのPCBステータなど、1つ、2つ、または3つ以上のPCBステータを含むことができる。いくつかのデバイスは、複数の位相用の巻線を有するPCBステータを含むことがある。
【0005】
各PCBステータは、たとえば、PCBの銅積層構造に形成された複数のコイルを含むことができる。デバイスに電力が供給されると、電流がコイルを循環する。電流がPCBステータコイルを循環すると、抵抗損失が生じ、そのような電流および外部磁場と、電流自体によって生成される磁場との相互作用によって、渦電流損失が生じる。抵抗損失と渦電流損失が組み合わされることによって、PCBステータにおいて熱が発生する。これは、ステータの温度が上昇するので、PCBステータにおける電流の循環の望ましくない影響である。極端な場合では、PCBステータの温度上昇が、PCBステータにおいて使用される積層の温度クラスを超え、PCBステータの早期故障が生じることがある。したがって、PCBステータから熱を除去してPCBステータの温度をPCB積層材料の温度クラス未満に維持することが望ましい。
【0006】
PCBステータから熱を除去するための機構は、伝導、対流、および放射熱伝達を含むことができる。コイル導体において発生した熱の一部は、伝導によってPCBステータの外面に運ぶことができ、そこでクーラント流によって熱を除去することができる。クーラントとして広く空気が使用されているが、空気は密度が低く(約1.2kg/m)、熱容量が低く(約1.00kJ/kg.K)、熱伝導率が不十分である(0.026W/m.K)ので、最も効果的なクーラントではない。たとえばPCBステータ損失が1500kW/mを超えることがあるいくつかの高出力密度用途では、空冷は効果が低く、軸方向磁場PM回転デバイスの出力が制限される。それらの高出力密度用途では、より高い熱伝導率、熱容量、および密度を有するクーラントは、より効果的にステータから熱を除去することができ、より高い出力密度を可能にする。たとえば、熱伝導率が0.15W/m.Kであり、熱容量が1.67kJ/kg.Kであり、密度が800kg/mである液体クーラント(たとえば、鉱油)は、空気よりも高速にPCBステータから熱を除去することができ、クーラント流量に応じて、空冷によって可能な出力密度の3倍以上の出力密度が可能になる。
【0007】
これらの問題に対するいくつかの解決策が過去に提案されているが、これらの解決策は顕著な欠点を有する。たとえば、GB2485185は、クーラント流体を含む気密ケース内のPCBステータを開示している。気密ケースは、組立てが困難な複雑な構造を形成する。ステータを交換しなければならないとき、気密ケースを分解しなければならない。さらに、気密ケースは基本的に、ロータとステータとの間の磁束経路に干渉し、ロータおよびステータの機械出力および効率を著しく低下させる。
【0008】
当業者には、以下の開示が軸方向磁場永久磁石(PM)回転デバイスの直接的な冷却を大幅に簡略化し向上させることが明らかになろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第8,201,316号
【特許文献2】米国特許第10,141,803号
【特許文献3】米国特許第10,135,310号
【特許文献4】米国特許第10,340,760号
【特許文献5】米国特許第10,141,804号
【特許文献6】米国特許第10,186,922号
【特許文献7】GB2485185
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
軸方向磁場回転エネルギーデバイスのためのシステム、方法、装置の実施形態を開示する。たとえば、システムは、ハウジングと、ハウジングに回転可能に結合されたロータとを有するデバイスを含むことができる。各ロータは、ロータの少なくとも一方の側に磁石を有する。プリント基板(PCB)ステータが、ロータ間に軸方向に位置し、ハウジングに結合される。PCBステータは、層を有し、各層はコイルを有する。ロータディスクの数は、ステータの数に1を加えた数に等しい。ステータは、ロータと交互配置される。ロータおよびハウジングにシャフトが結合される。シャフトは、回転コネクタを通して液体クーラントの供給源と、ロータとPCBステータとの間に液体クーラントを分配するシャフト内の半径方向チャネルとに結合された中空部分を有する。シャフトは、それぞれの整合する内径を有する回転ディスクを受け入れるように構成されたそれぞれに異なる直径を有するフランジを有する。加えて、ハウジングは、液体クーラントを溜めるサンプを有する。
【0011】
実施形態の特徴および利点が達成され、より詳しく理解することができるように、添付の図面に示された実施形態を参照することによってより詳細な説明を行うことができる。しかし、図面は、いくつかの実施形態のみを示し、したがって、他の同様に有効な実施形態があり得るので、範囲を制限するものと見なすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】PCBステータを有する軸方向磁場PM回転デバイスの等角断面図である。
図2】熱流方式を示す、機械ハウジングに取り付けられたPCBステータの一部の概略断面側面図である。
図3】軸方向磁場PM回転デバイスと、液体クーラント用の別個の熱交換器を有する液体クーラント循環システムとを備えるシステムの概略図である。
図4】軸方向磁場PM回転デバイスと、クーラント槽を有する液体クーラント循環システムとを備えるシステムの概略図である。
図5】軸方向磁場PM回転デバイスと、熱交換器に結合された槽を有する液体クーラント循環システムとを備えるシステムの概略図である。
図6】液体クーラント循環システムの一実施形態を示すPCBステータを有する軸方向磁場PM回転デバイスの断面図である。
図7】軸受潤滑および冷却システムの一実施形態を示すPCBステータを有する軸方向磁場PM回転デバイスの等角断面図である。
図8】ステータが保護エンベロープで覆われている、液体クーラントシステムの一実施形態を示す軸方向磁場PM回転デバイスの断面図である。
図9】デバイスの別の実施形態の断面側面図である。
図10A】デバイスの他の実施形態の部分断面側面図である。
図10B】デバイスの他の実施形態の部分断面側面図である。
図10C】デバイスの他の実施形態の部分断面側面図である。
図10D】デバイスの他の実施形態の部分断面側面図である。
図10E】デバイスの他の実施形態の部分断面側面図である。
図10F】デバイスの他の実施形態の部分断面側面図である。
図11】デバイス用のセグメント化ステータの一実施形態の平面図である。
図12A】ロータの一実施形態の等角投影図である。
図12B】磁石の実施形態の部分平面図である。
図12C】磁石の実施形態の部分平面図である。
図12D】磁石の実施形態の部分平面図である。
図13】デバイスのさらに別の実施形態の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、軸方向磁場PM回転デバイスを備えるシステムの実施形態を含む。デバイスは、軸に沿ってハウジングに取り付けられたPCBステータなどの少なくとも1つのステータを含むことができる。ロータアセンブリは、ハウジング内に軸に沿って回転可能に取り付けることができる。ロータアセンブリは、PCBステータの両軸方向端部上にロータを有することができ、PCBステータ表面上に液体クーラントを分散させる機能を有することができる。ハウジングは、液体クーラントを収集してクーラント循環および冷却システムに誘導することができる機能を有することができ、クーラント循環および冷却システムは、クーラントを軸方向磁場PM回転デバイスに戻す。
【0014】
図1に示すように、モータまたは発電機などの軸方向磁場PM回転デバイス100の一実施形態は、PCBステータ200などのステータを使用することができる。PCBステータ200は、シャフト350に結合されたロータディスク300間に位置することができる。ロータディスク300およびシャフト350は、回転軸150の周りを回転し、ハウジング250に結合された軸受160を含むことができる。図1では、ハウジング250は、互いに結合された2つのハウジング構成要素を含むことができる。ロータディスク300は、PCBステータ200を通って流れる電流と相互作用する磁場を生成する磁石を備える。
【0015】
軸方向磁場PM回転デバイス100は、伝導、対流、および放射に依存してPCBステータ200から熱を除去することができる。図2は、コイル210を有するPCBステータ200内およびPCBステータ200の周りの熱除去機構のうちのいくつかを示す図である。コイル210の導体において発生した熱の一部は、伝導205によってPCBステータ200の外面に運ばれる。この熱は、ステータ200とロータディスク300との間の空隙305内を流れるクーラント流215によって除去することができる。ステータコイル210によって発生した熱の他の部分は、他の伝導225により、PCBステータ200の層に沿って、PCBステータ200がハウジング250に結合された領域に向かって運ぶことができる。熱235は引き続き、図2に示すように、機械ハウジング250を通って冷却器表面および体積に向かって伝達される。
【0016】
PCBステータを有するいくつかの軸方向磁場PM回転デバイスは、高出力を提供するように設計され得る。そのような場合、PCBステータにおける導体を循環する電流に関連する抵抗損失および渦電流損失が、大きくなり、空冷の熱除去特性を超えることがある。高出力PCBステータにおける過剰な熱によって、ステータが過熱し、ステータのPCB積層材料の温度クラス定格を超えることがある。高出力用途の場合、本開示は、ステータ冷却流体としての空気を液体クーラントで置き換える。液体クーラントの一例は鉱油である。他のクーラントを使用することもできる。たとえば、鉱油または合成トランスミッションオイル、変圧器油、シリコーン系オイルなどの、導電性を有さず、腐食しないクーラントを使用してPCBステータを冷却することができる。いくつかの実施形態では、クーラントは、60/40水MEGまたは60/40水PEG(ポリエチレングリコール)などの水グリコールの混合物とすることができる。
【0017】
図3は、軸方向磁場PM回転デバイス100が液冷されるシステムの一実施形態を示す。システムは、軸方向磁場PM回転デバイス100に液体クーラントを供給することができる一次ポンプ110を有することができる。液体クーラントは、ドレイン105を通って軸方向磁場PM回転デバイス100から出て、排油ポンプ115に誘導される。液体クーラントは、排油ポンプ115から別個の熱交換器120を通過し、液体はそこでより低い温度に冷却され、槽130に戻される。別個の熱交換器120の例には液気熱交換器または液液熱交換器を含めることができる。一次ポンプ110は、液体クーラントを軸方向磁場PM回転デバイス100に再循環させることができる。
【0018】
図4は、一次ポンプ110が軸方向磁場PM回転デバイス100に液体クーラントを供給する図3に示されたシステムの代替実施形態を示す。液体クーラントは、ドレイン105を通って軸方向磁場PM回転デバイスから出て、排油ポンプ115に誘導され、排油ポンプ115は、液体クーラントを直接槽130に戻す。槽130は、フィン135および/または冷却ファン140など、液体クーラントから熱を除去する機能を有することができる。
【0019】
図5は、図3に示されたシステムのさらに別の実施形態を示す。一次ポンプ110は、軸方向磁場PM回転デバイス100に液体クーラントを供給する。液体クーラントは、ドレイン105を通って軸方向磁場PM回転デバイス100から出て、排油ポンプ115に誘導され、排油ポンプ115は、液体クーラントを直接槽130に戻す。槽130は、液体クーラントから熱を除去することができる熱交換器120に結合することができる。一例として、熱交換器120は、液液熱交換器とすることができる。
【0020】
図3図5に示されたシステムの他の実施形態はまた、センサーを有することができる。センサーは、流量計、熱電対、圧力計、およびその他のセンサーを含み、液体クーラント流量、圧力、および温度を監視することができる。さらに、さらに他の実施形態は、弁を含み、液体クーラント流量および圧力を制御することができる。
【0021】
図6は、液体クーラントがデバイスを循環するのを可能にする機能を備える軸方向磁場PM回転デバイス100の一例を示す。図6に示された実施形態では、軸方向磁場PM回転デバイス100は、中空部分355を含むシャフト350を有し、中空部分355は、シャフト350の端部において回転コネクタ400に接続することができる。液体クーラントは、回転コネクタ400および中空部分355を介して軸方向磁場PM回転デバイス100に給送することができる。中空部分355は、1つまたは複数の半径方向チャネル360に結合することができ、半径方向チャネル360は、液体クーラントを静止したPCBステータ200と回転するロータディスク300との間で半径方向に誘導し拡散することができる。いくつかの実施形態は、半径方向チャネル360に結合されたノズル365を有することができ、ノズル365は、クーラントを拡散および/もしくは誘導し、かつ/またはクーラント流を制御することができる。一例では、クーラントが、ロータディスク300間の空間に進入すると、図2に全体的に示されるように、ロータディスク300とPCBステータ200との間の空隙305(すなわち、PCBステータ200の各主側の1つの空隙305)を通って半径方向に流れ、PCBステータ200から熱を除去することができる。空隙305は、幅がたとえば1.0mm以上であってもよく、それによって、液体クーラントは過度の引き摺り損失を生じさせずに半径方向に流れることが可能になる。空隙305は、いくつかの例では最大で約2.5mmとすることができる。他の例は、1.1mm(または1.2mm)~2.5mm、またはさらに他の例では1.5mm~2.0mmの空隙範囲を含むことができる。代替実施形態は、最大で3.0mmの空隙を含むことができる。これらの形態の各々が、液体クーラントによる無視できるかまたは取るに足らない引き摺り損失を有することができる。しかし、より狭い空隙を有する従来のデバイスでは、過剰な引き摺り損失がデバイスの機械的損失の2倍以上になることがある。
【0022】
再び図6を参照すると、液体クーラントはロータディスク300の周辺において空隙305から出ることができ、次いでロータディスク300とハウジング250の内壁との間の空間に流入し、サンプ260に溜まることができる。いくつかの例では、液体クーラントは、1つまたは複数のドレイン105を通ってハウジング250から出ることができる。図6は、ハウジングの両側の2つのドレイン105を示しているが、他の実施形態は、1つのドレインのみもしくは2つよりも多くのドレインを有することができ、かつ/またはハウジングの同じ側にすべてのドレインを有することができる。さらに、ドレイン105はハウジング250の底部側に位置することができる。
【0023】
図7の実施形態では、液体クーラントは、PCBステータ200を冷却し、軸方向磁場PM回転デバイス100の軸受380を潤滑し冷却する2つの機能を有することができるオイルであってよい。いくつかの例では、シャフト350は、シャフト350の一端から軸受380とロータディスク300の両方の下の領域まで延びる中空部分355を含むことができる。図6の例について説明したように、オイルは回転コネクタ400を通って中空部分355に進入することができる。この実施形態は、冷却オイルを分散させてロータディスク300間の空間に分配する半径方向チャネル360に加えて、オイルを分散させ分配して軸受380を潤滑する半径方向チャネル370を有することができる。オイルは、軸受380を通ってハウジングに流入することができ、ハウジングにおいて、ステータPCB200を冷却するオイル流と混合することができる。図7に示された実施形態は、オイルを保持してシャフト350に沿って漏れるのを妨げることができる機械的シール390を有することができる。
【0024】
軸方向磁場PM回転デバイス100のいくつかの実施形態は、水ベースのクーラントまたは腐食することがある何らかの他のクーラントを使用することができる。図8は、そのような実施形態の一例を示す。この形態では、液体クーラントは、シャフト350の中空部分355を通ってデバイスに進入し、半径方向チャネル360およびノズル365を通って半径方向に流れてロータディスク300間の空間に流入する。液体クーラントは引き続き、ロータディスク300とPCBステータ200との間の空隙305を通って半径方向に流れる。いくつかの例では、PCBステータ200は、液体クーラントがPCBステータ200に直接接触するのを妨げる被覆260を有することができる。被覆260の実施形態は、PCBステータ200を完全に包み、PCBステータ200が液体クーラントにさらされないようにPCBステータ200を遮断することができる。被覆260は、たとえば、インコネル625、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリルベースの共形コーティング、パリレン共形コーティング、またはさらに他の材料などの非磁性の耐腐食性材料の薄いシートから形成することができる。
【0025】
液体クーラントは、ロータディスクの外周において空隙305から出て、次いでロータディスク300とハウジング250の内壁との間の空間に流入することができる。液体クーラントは、本開示における他の部分に記載されるように収集しかつ/または再循環させることができる。実施形態は、内部シール395を有し、液体クーラントが軸受380に接触するのを妨げることができる。
【0026】
軸方向磁場PM回転デバイスのいくつかの実施形態は、図9に示すように、複数のPCBステータ200を有することができ、図9は、3つのPCBステータおよび4つのロータを有するデバイス1000の例を示す。軸方向磁場PM回転デバイスは、3つのPCBステータ1200.1、1200.2、および1200.3を備え、PCBステータ1200.1、1200.2、および1200.3は、1つまたは複数の電気的位相に割り当てられた層およびコイルを有することができる。PCBステータ1200.1、1200.2、および1200.3は、ハウジング1250に結合することができ、ハウジング1250は、回転シャフト1350を支持する軸受1380を有することができる。回転シャフト1350は、この例では4つのロータディスクを支持することができる。シャフト1350およびロータディスク1300.1~1300.4は集合的にロータを構成する。ディスク1300.1および1300.2はそれぞれ、PCBステータ1200.1および1200.3の外側に取り付けられ、ステータに面する側に磁石1005を保持する。ディスク1300.3および1300.4はそれぞれ、PCBステータ1200.1とPCBステータ1200.2の間およびPCBステータ1200.2とPCBステータ1200.3の間に取り付けられ、各ディスクの両側に磁石1005を保持する。図9に示された例では、各PCBステータが1つの電気的位相に割り当てられるが、他の実施形態は、3相PCBステータまたは他のステータ位相構成を有することができる。
【0027】
シャフト1350は、回転コネクタ1400に結合されたキャビティ1355を有することができ、キャビティ1355は、軸方向磁場PM回転デバイス1000に液体クーラントを供給する。回転コネクタ1400は、高回転速度(たとえば、7500rpmから10000rpmの間)で動作することができる。キャビティ1355は、複数の半径方向チャネル1360に結合され、半径方向チャネル1360は、液体クーラントを静止したPCBステータ1200.1、1200.2、および1200.3と回転するロータディスク1300.1~1300.4との間で半径方向に誘導し拡散させることができる。液体クーラントは、ロータとステータとの間の隙間を通って半径方向に流れ、次いでハウジング1250の内壁の周りを流れ、サンプ1260に溜まり、1つまたは複数のドレイン1105を通ってハウジング1250から出ることができる。シャフト1350は、半径方向チャネル360に加えて、軸受1380の外側に位置する半径方向チャネル1370を有することができる。チャネル1370は、軸受1380を通ってクーラント流を供給することができ、クーラント流は、(図7に示された実施形態と同様に)軸受を冷却し潤滑するのを助けることができる。いくつかの実施形態は、軸受1380にクーラント流を供給するチャネル1370を有さなくてもよい。
【0028】
図9は、3つのステータおよび4つのロータを有する軸方向磁場PM回転デバイスを示しているが、デバイス1000の他の実施形態は、2つのステータおよび3つのロータを有するか、またはより一般的に、N個のステータおよびM個のモータを有することができる。ここで、M=N+1である。
【0029】
図10Aは、デバイス1000の概略図を示し、図を明確にするために、ハウジング1250は削除されている。図10Aでは、デバイス1000のシャフト1350は、それぞれに異なる直径を有するフランジ1310.1~1310.4を備える。図10Aに示された例では、フランジ1310.1は、すべての他のフランジよりも大きい直径を有し、ロータディスク1300.1に結合されている。フランジ1310.3は、ロータディスク1300.3に結合され、フランジ1310.1よりも小さい直径を有するが、フランジ1310.4よりも大きい直径を有する。フランジ1310.4は、ロータディスク1300.4に結合され、フランジ1310.3よりも小さい直径を有するが、フランジ1310.2よりも大きい直径を有する。最後に、フランジ1310.2は、すべての他のフランジよりも小さい直径を有し、ロータディスク1300.2に結合される。図10Aに示された実施形態は、シャフト1350の同じ端部1351からのロータディスク1300.1、PCBステータ1200.1、ロータ1300.3、PCBステータ1200.2、ロータ1300.4、PCBステータ1200.3、およびロータ1300.2の順次組立てを可能にし、それによって、自動組立てプロセスを可能にすることができる。
【0030】
デバイス1000のいくつかの実施形態は、ロータディスク1300.1~1300.4と対応するシャフトフランジ1310.1~1310.4との間にそれぞれに異なる厚さを有するシム1301を有することができ、シム1301を追加または削除してPCBステータに対するロータディスクの軸方向位置を調整し、したがって、空隙1305を調整することができる(図10A)。
【0031】
図10Bは、図10Aに示された実施形態の詳細を示し、ここでは、半径方向チャネル1360が軸方向においてPCBステータ1200.1~1200.3に実質的に位置合わせされている。この実施形態では、半径方向チャネル1360から出現するクーラント流を2つの流れに分割することができ、これらの流れは、たとえば、PCBステータ1200.1とロータ1300.1および1300.3との間の空隙1305に半径方向に流入する。図10Aおよび図10Bに示された実施形態では、PCBステータ200内縁部1205は、PCBステータ1200.1の面に実質的に垂直である平坦な縁部を有する。
【0032】
図10Cは、別の実施形態を示し、ここでは、PCBステータ内縁部1205は実質的にくさび形を有し、この形はさらに、クーラント流を2つの流れに分割してこれらの流れを空隙1305に向かって誘導するのを助けることができる。
【0033】
図10Dおよび図10Eは、さらに他の実施形態を示しており、ここでは、シャフト1350内の半径方向チャネル1360が空隙1305に実質的に位置合わせされる。図10Dに示された実施形態では、PCBステータ内縁部1205は、PCBステータ1200.1の面に実質的に垂直な平坦な縁部を有することができる。図10Eに示された実施形態では、PCBステータ内縁部1205は実質的にくさび形を有し、この形は、クーラント流を空隙1305に向かって誘導するのを助けることができる。
【0034】
軸方向磁場PM回転デバイス1000のいくつかの実施形態では、ロータディスク1300は、クーラント流を誘導するのを助ける外形を有することができる。図10Fは、そのような実施形態の例を示し、ここでは、ロータディスク1300.1および1300.3は、磁石1005の内側に先細り外形1302を有する。この実施形態では、先細り外形1302は、半径方向チャネル1360を通して分配されたクーラントを空隙1305に向かって誘導し、磁石1005の内縁部がクーラント流に直接さらされないように保護するのを助ける。
【0035】
軸方向磁場PM回転デバイス1000のいくつかの実施形態では、シャフト1350の半径方向チャネル1360は、隣接するロータディスクによって画定される体積に流入するクーラント流を調整するようにそれぞれに異なる断面を有することができる。他の実施形態では、シャフト1350のチャネル1360は、前記体積に流入するクーラント流を調整するように図6図7、および図8に示されたノズル365と同様のノズルを有することができる。
【0036】
軸方向磁場PM回転デバイス1000内を流れるクーラントは、たとえば、鉱油ベースのクーラント、または水ベースのクーラントとすることができる。水ベースのクーラントを使用する実施形態では、PCBステータは、PCBステータとクーラントとの間の直接的な接触を妨げるように、図8に示された被覆260と同様の被覆を有することができる。それらの実施形態では、図9に示された軸受1380を密封することができ、チャネル1370はなくてもよい。
【0037】
図9および図10Aに示されたPCBステータ1200.1~1200.3は、プリプレグおよび銅箔層の単一の積層スタックで作ることができるが、いくつかの用途では、PCBステータは、機械的および電気的に結合することのできる4つのセグメントを有する、図11に示されたステータ1200としてセグメント化することができる。ステータ1200の他の実施形態は、異なる数のセグメントを有することができる。
【0038】
図12Aは、デバイス1000の個々のロータディスク1300の一実施形態を示す。この実施形態では、ロータディスクは、複数の交番極性磁石1005.1および1005.2を備えることができ、ここでは、たとえば、磁石1005.1をN極として配向することができ、磁石1005.2をS極として配向することができる。図12Aに示された実施形態は16極磁石構成を有するが、他の実施形態は異なる数の磁石を有することができる。
【0039】
図12B図12Dは、ロータディスク1300の磁石構成のそれぞれに異なる実施形態の詳細を示す。図12Bは、図12Aに示された磁石1005.1および1005.2の配向を示し、ここでは、磁石1005.1がN極として配向され、磁石1005.2がS極として配向される。この磁石パターン配向は、ロータディスク300全体の周りで繰り返される。
【0040】
ロータディスク1300の他の実施形態では、磁石を極当たり2つの磁石を有するハルバッハ配列として構成することができる。図12Cは、そのような磁石構成の一例を示す。この実施形態では、磁石1005.1は、実質的に同じ角度スパンを有する2つのセグメント1005.1.1および1005.1.2に分割される。セグメント1005.1.1は、N極として配向され、セグメント1005.1.2は、磁石1005.1.1の配向に垂直な方向に配向され、セグメント1005.1.2のN極は磁石1005.1.1の方を指し示す。同様に、磁石1005.2は、実質的に同じ角度スパンを有する2つのセグメント1005.2.1および1005.2.2に分割される。セグメント1005.2.1は、S極として配向され、セグメント1005.2.2は、磁石1005.2.1の配向に垂直な方向に配向され、セグメント1005.2.2のS極は磁石1005.2.1から離れる方を指し示す。この磁石パターン配向は、ロータディスク1300全体の周りで繰り返される。
【0041】
図12Dは、ロータディスク1300上にハルバッハ配列を形成する磁石の別の実施形態を示す。この実施形態では、磁石1005.1は、実質的に同じ角度スパンを有する4つのセグメント1005.1.1~および1005.1.4に分割される。セグメント1005.1.1は、N極として配向され、セグメント1005.1.2は、磁石1005.1.1の配向に垂直な方向に配向され、セグメント1005.1.2のN極は磁石1005.1.1の方を指し示す。セグメント1005.1.3および1005.1.4は、セグメント1005.1.1と1005.1.2の間に組み入れられ、磁石1005.1.1の配向から約45°に配向され、セグメント1005.1.3および1005.1.4のN極は磁石1005.1.1の方を指し示す。同様に、磁石1005.2は、実質的に同じ角度スパンを有する4つのセグメント1005.2.1~および1005.2.4に分割される。セグメント1005.2.1は、S極として配向され、セグメント1005.2.2は、磁石1005.2.1の配向に垂直な方向に配向され、セグメント1005.2.2のS極は磁石1005.2.1から離れる方を指し示す。セグメント1005.2.3および1005.2.4は、セグメント1005.2.1と1005.2.2の間に組み入れられ、磁石1005.2.1の配向から約45°に配向され、セグメント1005.2.3および1005.2.4のN極は磁石1005.2.1から離れる方を指し示す。この磁石パターン配向は、ロータディスク1300全体の周りで繰り返される。
【0042】
図12Aに示され、図12Bに詳細に示された磁石構成は、ロータディスクが、磁石によって生成された磁束を運ぶので、たとえば、A36またはSAE4140などの低炭素鋼合金などの軟磁性材料で作られたロータディスク1300を含むことができる。図12Cおよび図12Dに示されたハルバッハ配列磁石構成は、磁束が磁石自体の内部で送られるので、非磁性材料で作られたロータディスク300を含んでもよい。したがって、ロータディスク1300の強度重量比または他の特性に基づいて他の材料をロータディスク1300に使用することができる。いくつかの実施形態は、炭素繊維複合材で作られたロータディスクを有することができる。他の実施形態は、たとえば、アルミニウム6061-T6などのアルミニウム合金、またはチタングレード9 3AL-2.5Vなどのチタン合金で作られたロータディスクを有することができる。
【0043】
軸方向磁場PM回転デバイス1000のいくつかの実施形態は、PCBステータ1200.1~1200.3と直列に接続されたインダクタを有することができる。図13は、軸方向磁場PM回転デバイス1000の一実施形態の一例を示し、ここでは、インダクタ1500がハウジング1250の内部に同軸に取り付けられ、それによって、ハウジング1250内部でシャフト1350の半径方向チャネル1360を通して分散されるクーラントによってインダクタを冷却することもできる。他の実施形態では、シャフト1350は、クーラント流を供給してインダクタ1500を冷却するように割り当てられた半径方向チャネル1361の追加のセットを有することができる。
【0044】
本明細書で使用される用語は、特定の例を説明することを目的としており、限定を意図されていない。本明細書では、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈による明確な指示がない限り、複数形も含むことを意図されることがある。「備える」、「含む」、および「有する」という用語は、包括的であり、したがって、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を除外しない。本明細書に記載された方法ステップ、プロセス、および動作は、実施順序として具体的に特定されていない限り、必ずしも方法ステップ、プロセス、および動作を説明または図示された特定の順序で実施する必要があると解釈すべきではない。また、追加または代替ステップが使用されてもよいことを理解されたい。
【0045】
要素もしくは層は、別の要素もしくは層「上にある」か、またはその別の要素もしくは層に「係合」、「接続」、もしくは「結合」されていると表現されるとき、その別の要素もしくは層上に直接載っているか、または直接係合、接続、もしくは結合されていてもよく、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。これに対して、要素が別の要素もしくは層「上に直接載っている」か、またはその別の要素もしくは層に「直接係合されている」か、「直接接続されている」か、もしくは「直接結合されている」と表現されるとき、介在する要素もしくは層は存在しなくてもよい。要素間の関係について説明するために使用される他の語も同様に解釈すべきである(たとえば、「の間に」と「直接~の間に」、「隣接する」と「すぐ隣の」など)。本明細書では、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆる組合せを含む。
【0046】
本明細書では、様々な要素、構成要素、領域、層、および/または部分について説明するために第1、第2、第3などの用語が使用されることがあるが、これらの要素、構成要素、領域、層、および/または部分は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層、または部分を別の領域、層、または部分から区別するためにのみ使用されてもよい。本明細書において「第1」、「第2」、および他の数値項などの項が使用されるときは、文脈による明確な指示がない限り順番または順序を意味することはない。したがって、以下で説明される第1の要素、構成要素、領域、層、または部分は、例示的な実施形態の教示から逸脱せずに第2の要素、構成要素、領域、層、または部分と呼ぶことができる。
【0047】
本明細書では、説明を容易にするために、図示されたようなある要素または特徴の別の要素または特徴との関係を表すために「内側」、「外側」、「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」、「頂部」、「底部」などの空間的に相対的な用語が使用されることがある。空間的に相対的な用語は、図示された向きに加えて、使用時または動作時におけるデバイスのそれぞれに異なる向きを包含することを意図されてもよい。たとえば、図のデバイスが反転された場合、他の要素または特徴の「下方」にあると記載された要素は、他の要素または特徴の「上方に」に向けられる。したがって、「下方」という例示的な用語は、上下両方の向きを包含することができる。デバイスは、他の向き(回転度または他の向き)に配置されてもよく、本明細書において使用される空間的に相対的な記載はそれに応じて解釈される。
【0048】
この明細書は、例を使用して、最良の形態を含む実施形態を開示し、また当業者が本発明を作成し使用するのを可能にする。特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に想到する他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文字通りの文言に対してわずかな差異を有する均等な構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内であることが意図される。
【0049】
前述の明細では、特定の実施形態を参照して概念について説明した。しかし、当業者には、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱せずに様々な修正および変更を施すことができることが諒解されよう。したがって、明細および図は、制限的な意味ではなく例示的な意味で考慮すべきであり、すべてのそのような修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0050】
本特許文献全体にわたって使用される特定の単語および語句の定義を記載すると有利である場合がある。「通信する」という用語ならびにその派生語は、直接的な通信と間接的な通信の両方を包含する。「含む」および「備える」という用語ならびにその派生語は、制限なしに含むことを意味する。「または」という用語は、包括的であり、および/またはを意味する。「関連する」という用語ならびにその派生語は、内に含まれる、と相互接続する、含有する、内に収容される、に接続する、に結合する、と通信可能である、と協働する、交互配置する、並置する、近接する、に結合される、有する、の特性を有する、との関係を有する、などを含むことを意味することができる。「のうちの少なくとも1つ」という語句は、項目のリストとともに使用されるときに、リストされた項目のうちの1つまたは複数の項目のそれぞれに異なる組合せを使用することができ、リストのうちの1つの項目しか必要とされない場合があることを意味する。たとえば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、ならびにAおよびBおよびCの各組合せのいずれかを含む。
【0051】
さらに、本明細書に記載された様々な機能は、1つまたは複数のコンピュータプログラムによって実施またはサポートすることができ、コンピュータプログラムの各々は、コンピュータ可読プログラムコードから形成され、コンピュータ可読媒体において具現化される。「アプリケーション」および「プログラム」という用語は、適切なコンピュータ可読プログラムコードにおいて実施されるように適合された1つまたは複数のコンピュータプログラム、ソフトウェアコンポーネント、命令のセット、手順、関数、オブジェクト、クラス、インスタンス、関連データ、またはそれらの一部を指す。「コンピュータ可読プログラムコード」という語句は、ソースコード、オブジェクトコード、および実行可能コードを含む任意のタイプのコンピュータコードを含む。「コンピュータ可読媒体」という語句は、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、または任意の他のタイプのメモリなどの、コンピュータによってアクセスできる任意のタイプの媒体を含む。「非一時的」コンピュータ可読媒体は、一時的電気信号または他の信号を送る有線通信リンク、無線通信リンク、光通信リンク、またはその他の通信リンクを除外する。非一時的コンピュータ可読媒体は、データを永続的に記憶することができる媒体および書換え可能光ディスクまたは消去可能メモリデバイスなど、データを記憶し、後で上書きすることができる媒体を含む。
【0052】
また、本明細書に記載された要素および構成要素を説明するために「a」または「an」が使用されている。このことは、単に便宜上行われているにすぎず、本発明の範囲の一般的な意味を与えるためのものである。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含むものと解釈すべきであり、単数形はまた、特に明記されない限り複数形を含む。
【0053】
本出願における説明は、任意の特定の要素、ステップ、または機能が請求の範囲に含めなければならない必須の要素または重大な要素であることを暗示していると解釈すべきではない。特許主題の範囲は、許可された請求項によってのみ定義される。さらに、特定の請求項において「のための手段」または「のためのステップ」という正確な単語が明示的に使用され、その後に機能を識別する分詞句が続くのでない限り、請求項のうちで、添付の請求項または請求要素のうちのいずれかに関して米国特許法112条(f)項を発動させるものはない。
【0054】
上記では、特定の実施形態に関して利益、他の利点、および問題の解決策について説明した。しかし、利益、他の利点、問題の解決策、および任意の利益、利点、または解決策を生じさせるかまたは明白にすることのできるおよび任意の特徴を、あらゆる請求項の重大な特徴、必要な特徴、不可侵の特徴、または必須の特徴と解釈すべきではない。
【0055】
当業者は、本明細書を読んだ後、明確にするために、本明細書において別々の実施形態の文脈で説明した特定の特徴を単一の実施形態として組み合わせて示すこともできることが諒解されよう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈において説明した様々な特徴を別々に示すかまたは任意のサブコンビネーションとして示すこともできる。さらに、範囲として述べられた値の参照は、その範囲内の各々のあらゆる値を含む。
【符号の説明】
【0056】
100 軸方向磁場PM回転デバイス
110 一次ポンプ
105 ドレイン
115 排油ポンプ
120 別個の熱交換器
130 槽
135 フィン
140 冷却ファン
150 回転軸
160 軸受
200 PCBステータ
205 伝導
210 コイル
215 クーラント流
225 他の伝導
235 熱
250 ハウジング
260 サンプ、被覆
300 ロータディスク
305 空隙
350 シャフト
355 中空部分
360 半径方向チャネル
365 ノズル
370 半径方向チャネル
380 軸受
390 機械的シール
395 内部シール
400 回転コネクタ
625 インコネル
1000 軸方向磁場PM回転デバイス
1005 磁石
1005.1、1005.2 交番極性磁石
1005.1.1~1005.1.4 セグメント
1005.2.1~1005.2.4 セグメント
1105 ドレイン
1200.1、1200.2、1200.3 PCBステータ
1205 PCBステータ内縁部
1250 ハウジング
1260 サンプ
1300.1、1300.2、1300.3、1300.4 ロータディスク
1302 先細り外形
1305 空隙
1310.1、1310.2、1310.3、1310.4 フランジ
1350 回転シャフト
1351 端部
1355 キャビティ
1360 半径方向チャネル
1361 半径方向チャネル
1370 半径方向チャネル
1380 軸受
1400 回転コネクタ
1500 インダクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
【国際調査報告】