(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】液晶組成物及びそれを含む液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
C09K 19/34 20060101AFI20240319BHJP
C09K 19/12 20060101ALI20240319BHJP
C09K 19/14 20060101ALI20240319BHJP
C09K 19/16 20060101ALI20240319BHJP
C09K 19/18 20060101ALI20240319BHJP
C09K 19/20 20060101ALI20240319BHJP
C09K 19/28 20060101ALI20240319BHJP
C09K 19/30 20060101ALI20240319BHJP
C09K 19/32 20060101ALI20240319BHJP
C09K 19/56 20060101ALI20240319BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240319BHJP
G02F 1/139 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
C09K19/34
C09K19/12
C09K19/14
C09K19/16
C09K19/18
C09K19/20
C09K19/28
C09K19/30
C09K19/32
C09K19/56
G02F1/13 500
G02F1/139
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563128
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 CN2022085767
(87)【国際公開番号】W WO2022218217
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】202110406533.X
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514025683
【氏名又は名称】ジアンスー ヘチェン ディスプレイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】Building 2,China-Japan Cooperation Innovation Park,16 Zidan Road,Qinhuai District,Nanjing,210000 Jiangsu China
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】チャオ テンユン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヤーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ディン ウェンチュアン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ ディー
(72)【発明者】
【氏名】ワン パンパン
(72)【発明者】
【氏名】シュー シュアン
【テーマコード(参考)】
2H088
4H027
【Fターム(参考)】
2H088JA04
2H088JA05
2H088JA10
2H088KA06
2H088KA20
2H088KA27
2H088MA09
2H088MA20
4H027BD03
4H027BD07
4H027BD09
4H027BD24
4H027BE04
4H027BE05
4H027CD01
4H027CD05
4H027CK05
4H027CM01
4H027CQ05
4H027CR01
4H027CT01
4H027CW01
4H027CW02
4H027DL04
(57)【要約】
本発明は、液晶組成物及びそれを含む表示装置を提供し、液晶組成物は、少なくとも1種の一般式Iの化合物と、少なくとも1種の一般式IIの化合物とを含む。従来技術に比べて、本発明の液晶組成物は、適切な透明点、光学異方性及び回転粘度を維持した上で、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を更に有することにより、それを含む液晶表示装置が、広い温度使用範囲、良好なコントラスト、優れた低温相溶性を有し、PSA型液晶ディスプレイの製造プロセスを効果的に速め、製造効率を向上させるとともに、従来のPSA型液晶ディスプレイの「画像焼き付き」、表示ムラ、「ドット落ち」の問題を効果的に改善することができ、高い実用価値を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の一般式Iの化合物と、
【化1】
少なくとも1種の一般式IIの化合物とを含み、
【化2】
ここで、R
1は、1~5個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のハロゲン化又は非ハロゲン化アルキル基を表し、
R
2は、-H、ハロゲン、-CN、-Sp
2-P
2、又は1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化3】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化4】
における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
R
3は、-H、ハロゲン、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化5】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、-O-が直接連結しないように、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化6】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
【化7】
は、それぞれ独立に、
【化8】
を表し、
【化9】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
【化10】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F、-Cl又は-CNで置き換えられてもよく、環における1つ以上の-CH=は、-N=で置き換えられてもよく、
Aは、
【化11】
を表し、
【化12】
における1つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、X
1又はX
2で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、X
1は、-O-又は-S-を表し、X
2は、1~5個の炭素原子を含む直鎖のアルキル基を表し、
Lは、それぞれ独立に、ハロゲン、-CN又は-Sp
2-P
2を表し、
L
1及びL
2は、それぞれ独立に、-H、ハロゲン、1~3個の炭素原子を含むハロゲン化アルキル基、又は1~3個の炭素原子を含むハロゲン化アルコキシ基を表し、
P
1及びP
2は、それぞれ独立に、重合性基を表し、
Sp
1及びSp
2は、それぞれ独立に、スペーサー基又は単結合を表し、
Xは、-O-、-S-、-CO-、-CF
2-、-NH-又は-NF-を表し、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CH
2O-、-OCH
2-、-CH
2S-、-SCH
2-、-CF
2O-、-OCF
2-、-CF
2S-、-SCF
2-、-(CH
2)
n-、-CF
2CH
2-、-CH
2CF
2-、-(CF
2)
n-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH=CF-、-CF=CH-、-C≡C-、-CH=CH-CO-O-、-O-CO-CH=CH-、-CH
2CH
2-CO-O-、-O-CO-CH
2CH
2-、-CR
1R
2-又は単結合を表し、ここで、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、-H、又は1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、nは、1~4の整数を表し、
Z
3、Z
4及びZ
5は、それぞれ独立に、単結合、-CH
2CH
2-、-CF
2CF
2-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH
2O-又は-OCH
2-を表し、
r
1、r
2及びr
3は、それぞれ独立に、0、1、2又は3を表し、r
1、r
2及びr
3がそれぞれ独立に2又は3を表す場合、Lは、同じであっても異なってもよく、
n
1及びn
2は、それぞれ独立に、0、1又は2を表し、n
1+n
2≧1であり、n
1が2を表す場合、
【化13】
は、同じであっても異なってもよく、n
2が2を表す場合、
【化14】
は、同じであっても異なってもよく、
n
3は、0、1又は2を表し、n
4は、0又は1を表し、n
3が2を表す場合、環
【化15】
は、同じであっても異なってもよく、Z
3は、同じであっても異なってもよい、ことを特徴とする液晶組成物。
【請求項2】
前記一般式Iの化合物は、
【化16】
からなる群から選択され、
ここで、R
1は、1~5個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のハロゲン化又は非ハロゲン化アルキル基を表し、
P
1及びP
2は、それぞれ独立に、重合性基を表し、
Sp
1及びSp
2は、それぞれ独立に、スペーサー基又は単結合を表し、
L’及びL’’は、それぞれ独立に、-F、-Cl、-CN又は-Sp
2-P
2を表す、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項3】
前記一般式IIの化合物は、
【化17】
からなる群から選択され、
ここで、R
3は、-H、ハロゲン、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化18】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、-O-が直接連結しないように、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化19】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
【化20】
は、それぞれ独立に、
【化21】
を表し、
【化22】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
【化23】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F、-Cl又は-CNで置き換えられてもよく、環における1つ以上の-CH=は、-N=で置き換えられてもよく、
Z
3及びZ
5は、それぞれ独立に、単結合、-CH
2CH
2-、-CF
2CF
2-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH
2O-又は-OCH
2-を表す、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の一般式Mの化合物を更に含み、
【化24】
ここで、R
M1及びR
M2は、それぞれ独立に、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化25】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、
【化26】
は、それぞれ独立に、
【化27】
を表し、
【化28】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
【化29】
における多くとも1つの-Hは、ハロゲンで置き換えられてもよく、
Z
M1及びZ
M2は、それぞれ独立に、単結合、-CO-O-、-O-CO-、-CH
2O-、-OCH
2-、-C≡C-、-CH=CH-、-CH
2CH
2-又は-(CH
2)
4-を表し、
n
Mは、0、1又は2を表し、n
M=2である場合、環
【化30】
は、同じであっても異なってもよく、Z
M2は、同じであっても異なってもよい、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の一般式Nの化合物を更に含み、
【化31】
ここで、R
N1及びR
N2は、それぞれ独立に、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化32】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、
【化33】
は、それぞれ独立に、
【化34】
を表し、
【化35】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
【化36】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F、-Cl又は-CNで置き換えられてもよく、環における1つ以上の-CH=は、-N=で置き換えられてもよく、
Z
N1及びZ
N2は、それぞれ独立に、単結合、-CO-O-、-O-CO-、-CH
2O-、-OCH
2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH
2CH
2-、-CF
2CF
2-、-(CH
2)
4-、-CF
2O-又は-OCF
2-を表し、
L
N1及びL
N2は、それぞれ独立に、-H、1~3個の炭素原子を含むアルキル基又はハロゲンを表し、
n
N1は、0、1、2又は3を表し、n
N2は、0又は1を表し、0≦n
N1+n
N2≦3であり、n
N1=2又は3である場合、環
【化37】
は、同じであっても異なってもよく、Z
N1は、同じであっても異なってもよい、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項6】
前記液晶組成物中の前記一般式Iの化合物の重量百分率は、0.001%~5%である、ことを特徴とする請求項2に記載の液晶組成物。
【請求項7】
前記液晶組成物中の前記一般式IIの化合物の重量百分率は、0.1%~25%である、ことを特徴とする請求項3に記載の液晶組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の一般式SAの自己配向剤を更に含み、
【化38】
ここで、R
S1は、Sp-P、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化39】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化40】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
R
S2は、アンカー基
【化41】
を表し、
pは、1又は2を表し、pが2を表す場合、-Sp
d-X
2は、同じであっても異なってもよく、
oは、0又は1を表し、
X
1及びX
2は、それぞれ独立に、-H、-OH、-SH、-NH
2、-NHR
11、-NR
11
2、NHC(O)-R
11、-OR
11、-C(O)OH、-CHO、又は1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のハロゲン化又は非ハロゲン化アルキル基を表し、
X
1及びX
2のうちの少なくとも一方は、-OH、-SH、-NH
2、-NHR
11、-C(O)OH又は-CHOから選択され、
Sp
a、Sp
c及びSp
dは、それぞれ独立に、スペーサー基又は単結合を表し、
Sp
bは、それぞれ独立に、
【化42】
を表し、
【化43】
は、それぞれ独立に、
【化44】
を表し、
【化45】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
Lsは、それぞれ独立に、-F、-Cl、-CN、-NO
2、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(O)N(R
0)
2、-C(O)R
0、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化46】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化47】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-Fで置き換えられてもよく、
R
0及びR
11は、それぞれ独立に、1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、
Pは、重合性基を表し、
Spは、スペーサー基又は単結合を表し、
n
s1は、0又は1を表し、
n
s2は、0、1、2又は3を表し、n
s2が2又は3を表す場合、
【化48】
は、同じであっても異なってもよく、
p
s1、p
s2、p
s3及びp
s4は、それぞれ独立に、0、1又は2を表し、1≦p
s1+p
s2≦2であり、
p
s5及びp
s6は、それぞれ独立に、0又は1を表し、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CH
2O-、-OCH
2-、-CH
2S-、-SCH
2-、-CF
2O-、-OCF
2-、-CF
2S-、-SCF
2-、-(CH
2)
n-、-CF
2CH
2-、-CH
2CF
2-、-(CF
2)
n-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH=CF-、-CF=CH-、-C≡C-、-CH=CH-CO-O-、-O-CO-CH=CH-、-CH
2CH
2-CO-O-、-O-CO-CH
2CH
2-、-CR
1R
2-又は単結合を表し、ここで、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、-H、又は1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、nは、1~4の整数を表す、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項9】
少なくとも1種の添加剤を更に含む、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の液晶組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の液晶組成物を含む、液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶の分野に関し、具体的には、液晶組成物及び該液晶組成物を含む液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)は、体積が小さく、重量が軽く、消費電力が低く、表示品質に優れるため、急速に発展し、特に携帯型電子情報製品に広く適用されている。表示モードのタイプに応じて、液晶ディスプレイは、PC(phase change、相変化)、TN(twist nematic、ねじれネマチック)、STN(super twisted nematic、超ねじれネマチック)、ECB(electrically controlled birefringence、電気制御複屈折)、OCB(optically compensated bend、光学補償ベンド)、IPS(in-plane switching、面内スイッチング)、FFS(fringe field switching、縞状電界スイッチング)、VA(vertical alignment、垂直配向)及びPSA(polymer stable alignment、ポリマー維持配向)などのタイプに分けられてもよい。
【0003】
PSA型液晶表示モードは、少量(典型的には、<1wt%、例えば、0.3wt%)の1種以上の重合性化合物を液晶組成物に添加することにより、液晶組成物を液晶セルに充填した後、電極間に電圧を印加するか又は電圧を印加しない場合、(一般的に、UV光重合により)初期配向を有する状態で液晶分子をin-situ重合又は架橋させることにより、液晶分子の配向を固定する。PSA型液晶表示素子の継続的な開発に伴い、既知のPSA-VA、PSA-OCB、PSA-IPS、PSA-FFS及びPSA-TN型の液晶ディスプレイなどの様々な従来の液晶表示装置に応用されている。PSA型液晶ディスプレイにおいて、重合性化合物を含む液晶組成物は、2つの基板の間に位置し、各基板には、いずれも電極構造が配置されるか、或いは、2つの電極構造は、1つの基板のみに配置される。また、2つの基板のうちのいずれか一方又は両方は、液晶組成物の初期配向を誘起するように、基板又は電極構造(あれば)に設置された配向層を含んでもよい。PSA型液晶ディスプレイは、従来の液晶ディスプレイと同様に、アクティブマトリックスディスプレイ又はパッシブマトリックスディスプレイとして動作することができる。アクティブマトリックスディスプレイの場合、各画素は、集積された非線形アクティブ素子(例えば、トランジスタ)によりアドレッシングされるが、パッシブマトリックスディスプレイの場合、各画素は、一般的に、従来技術における既知の多重伝送方法によりアドレッシングされる。
【0004】
液晶組成物を表示装置に充填した後、液晶組成物に含まれた重合性化合物は、一般的に、UV光重合によりin-situ重合又は架橋され、UV光重合は、液晶組成物をUV放射線にさらすことにより達成され、同時に電極構造に電圧を印加することが好ましい。UVにさらす結果として、重合又は架橋された重合性化合物は、液晶組成物における他の化合物と相分離し、基板の表面にポリマー層を形成し、それにより、液晶分子の基板に対するプレチルト角が生じる。PSA-VA、PSA-OCB、PSA-FFS及びPSA-TN型液晶ディスプレイに対して、重合性化合物の重合は、電圧を印加する場合に行われることが好ましく、PSA-IPS型液晶ディスプレイに対して、重合性化合物の重合は、電圧を印加してもしなくてもよく、電圧を印加しないことが好ましい。
【0005】
一般的に、PSA型液晶ディスプレイの製造方法において、UV光重合は、以下の2つのステップにより達成される。
【0006】
第1のステップ(以下、「UV1ステップ」という)において、放射線源(以下、「光源」という)から放出されたUV放射線に液晶組成物をさらすとともに、電極構造に電圧を印加することにより、プレチルト角を発生させる。好ましい重合性化合物について、製造効率を向上させ、量産時のタクトタイム(tact time)を短縮させ、コストを低減するために、同じ時間でより小さいプレチルト角を発生させるか、又はより短いUV1照射時間で同じプレチルト角を発生させる(即ち、速いプレチルト角発生速度を有する)べきであり、それとともに、重合性化合物のプレチルト角発生速度が速いほど、重合性化合物の完全な重合を達成して、ポリマーの残留を低減するのに有利である。プレチルト角発生速度を高めるために、波長の短いUV1放射線を使用することが好ましいが、電圧保持率(Voltage Holding Ratio、VHR)を高めるために、波長の長いUV1放射線を使用することが好ましいため、速いプレチルト角発生速度と高い電圧保持率との両者の両立は一般的に困難であり、
第2のステップ(以下、「UV2ステップ」という)において、UV1ステップにおいて重合しなかった残りの重合性化合物の全てを完全に重合させることを確保するために、液晶組成物をUV放射線にさらすが、電極構造に電圧を印加しない。PSA型液晶ディスプレイがUVプロセスの不均一性(光、熱、応力などの外部条件の不均一性)の影響を受けて表示ムラを発生させる可能性を低減するために、UV2ステップの後に、プレチルト角の変化ができるだけ小さいことが望ましい。それとともに、マイナス効果(例えば、信頼性の低下又は画像焼き付き)を回避又は低減するために、UV2ステップにおけるUV照射強度を低減すべきである。
【0007】
UV1及びUV2のプロセスにおいて、ポリマー粒子が大きすぎ、ポリマー粒子の大きさが不均一である現象が発生すると、ポリマーの分布が不均一になって、PSA型液晶ディスプレイに「ドット落ち」の問題が発生する。UV1及びUV2のプロセスの後、ずっと反応しなかった重合性化合物は、ディスプレイ製造後に制御不能な方式で重合してディスプレイの品質に影響を与える可能性があり、例えば、残りの重合性化合物は、環境からのUV光又はバックライト照明の影響を受けて重合し、スイッチングされたディスプレイ領域において、複数のアドレッシングサイクルの後、プレチルト角が変化し、透過率もそれに応じて変化するが、スイッチングされていないディスプレイ領域において、プレチルト角及び透過率が変化しないため、「画像焼き付き」現象が発生する。
【0008】
しかしながら、従来技術において、全ての液晶組成物が重合性化合物との完璧な組み合わせを達成できるわけではなく、UV1及びUV2による処理の後、残りの重合性化合物が完全に重合しないか又はプレチルト角発生速度が遅いという問題を発見した。それとともに、液晶組成物と重合性化合物との相溶性が低いと、重合性化合物の重合後に形成されたポリマーネットワークの剛性が低いため、PSA型液晶表示素子が同じパターンを長時間連続的に表示する場合、ポリマーネットワークの構造が変化し、続いて液晶分子のプレチルト角が変化し、表示不良が発生する。
【0009】
しかしながら、技術の発展に伴い、液晶表示業界において、LCDの表示品質に対する要求がより厳しくなり、特にTV業界において、TVのサイズが大きくなり、LCDの世代生産ラインもそれに応じて大きくなり、大型LCDパネルの製造プロセスの難易度も大幅に上がる。したがって、表示品質をどのように保証するかは、早急に解決すべき課題である。パネル製造プロセスの継続的な最適化に加え、液晶材料の継続的な開発も解決手段の1つであり、特に、PSA型液晶ディスプレイにとって、重合性化合物と組み合わせて使用する液晶組成物の選択が研究の焦点となっている。
【0010】
現在、PSA型液晶ディスプレイの製造における一般的な問題は、重合性化合物の残留又は除去と、プレチルト角の安定性とを含む。PSA型液晶ディスプレイにおいて、UV1放射線及びUV2放射線を照射して重合性化合物を重合させてプレチルト角を発生させた後、少量の反応しなかった重合性化合物は、ディスプレイ製造後に制御不能な方式で重合してディスプレイの品質に影響を与える可能性があり、例えば、残りの重合性化合物は、環境からのUV光又はバックライト照明の影響を受けて重合し、スイッチングされたディスプレイ領域において、複数のアドレッシングサイクルの後、プレチルト角が変化し、透過率もそれに応じて変化するが、スイッチングされていないディスプレイ領域において、プレチルト角及び透過率が変化しないため、「画像焼き付き」現象が発生する。したがって、PSA型液晶ディスプレイの製造中に、重合性化合物ができるだけ完全に重合し、残りの重合性化合物が制御可能な方式で反応することが望まれ、重合速度が速いほど、該望みの達成に有利である。また、複数のアドレッシングサイクルの後、プレチルト角の変化が小さいことも望まれている。
【0011】
また、従来技術における重合性化合物は、一般的に、高い融点を有し、多くの従来の液晶組成物において限られた溶解性しか示さず、常に液晶組成物から析出する。また、重合性化合物は、自己重合する可能性があるため、液晶組成物での溶解性がより悪くなる。したがって、一般的に、重合性化合物が自己重合するリスクを低減するために、重合性化合物が溶解された液晶組成物を低温で導入する必要があるが、重合性化合物の液晶組成物での溶解性、特に低温での溶解性に対する要求がより高くなる。
【0012】
したがって、上記要求を同時に満たすか又は上記要求のうちの少なくとも1つを満たすことができる、液晶組成物の開発が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、適切な透明点、適切な光学異方性及び適切な回転粘度を維持した上で、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を更に有する、液晶組成物を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、上記液晶組成物を含む液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記発明の目的を達成するために、本発明は、重合性化合物を含む液晶組成物を提供し、液晶組成物は、
少なくとも1種の一般式Iの化合物と、
【化1】
少なくとも1種の一般式IIの化合物とを含み、
【化2】
ここで、R
1は、1~5個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のハロゲン化又は非ハロゲン化アルキル基を表し、
R
2は、-H、ハロゲン、-CN、-Sp
2-P
2、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化3】
を表し、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化4】
における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
R
3は、-H、ハロゲン、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化5】
を表し、1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、-O-が直接連結しないように、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化6】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
【化7】
は、それぞれ独立に、
【化8】
を表し、
【化9】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
【化10】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F、-Cl又は-CNで置き換えられてもよく、環における1つ以上の-CH=は、-N=で置き換えられてもよく、
Aは、
【化11】
を表し、
【化12】
における1つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、X
1又はX
2で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、X
1は、-O-又は-S-を表し、X
2は、1~5個の炭素原子を含む直鎖のアルキル基を表し、
Lは、それぞれ独立に、ハロゲン、-CN又は-Sp
2-P
2を表し、
L
1及びL
2は、それぞれ独立に、-H、ハロゲン、1~3個の炭素原子を含むハロゲン化アルキル基、又は1~3個の炭素原子を含むハロゲン化アルコキシ基を表し、
P
1及びP
2は、それぞれ独立に、重合性基を表し、
Sp
1及びSp
2は、それぞれ独立に、スペーサー基又は単結合を表し、
Xは、-O-、-S-、-CO-、-CF
2-、-NH-又は-NF-を表し、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CH
2O-、-OCH
2-、-CH
2S-、-SCH
2-、-CF
2O-、-OCF
2-、-CF
2S-、-SCF
2-、-(CH
2)
n-、-CF
2CH
2-、-CH
2CF
2-、-(CF
2)
n-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH=CF-、-CF=CH-、-C≡C-、-CH=CH-CO-O-、-O-CO-CH=CH-、-CH
2CH
2-CO-O-、-O-CO-CH
2CH
2-、-CR
1R
2-又は単結合を表し、ここで、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、-H、又は1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、nは、1~4の整数を表し、
Z
3、Z
4及びZ
5は、それぞれ独立に、単結合、-CH
2CH
2-、-CF
2CF
2-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH
2O-又は-OCH
2-を表し、
r
1、r
2及びr
3は、それぞれ独立に、0、1、2又は3を表し、r
1、r
2及びr
3がそれぞれ独立に2又は3を表す場合、Lは、同じであっても異なってもよく、
n
1及びn
2は、それぞれ独立に、0、1又は2を表し、n
1+n
2≧1であり、n
1が2を表す場合、
【化13】
は、同じであっても異なってもよく、n
2が2を表す場合、
【化14】
は、同じであっても異なってもよく、
n
3は、0、1又は2を表し、n
4は、0又は1を表し、n
3が2を表す場合、環
【化15】
は、同じであっても異なってもよく、Z
3は、同じであっても異なってもよい。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態において、R1は、1~5個の炭素原子を含む直鎖のアルキル基、例えば、-CH3、-C2H5、-C3H7、-C4H9又は-C5H11を表す。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態において、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を得るために、R1は、-CH3を表すことが好ましい。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態において、Lは、それぞれ独立に、-F、-Cl、-CN又は-Sp2-P2を表す。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態において、r1及びr2は、それぞれ独立に、0又は1を表す。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態において、Z1及びZ2は、それぞれ独立に、単結合を表す。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態において、R2は、-Sp2-P2を表す。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式Iの化合物は、
【化16】
の化合物からなる群から選択され、
ここで、L’及びL’’は、それぞれ独立に、-F、-Cl、-CN又は-Sp
2-P
2を表す。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式Iの化合物は、一般式I-1の化合物、一般式I-2の化合物、一般式I-3の化合物、一般式I-4の化合物及び一般式I-8の化合物からなる群から選択される。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態において、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を得るために、一般式Iの化合物は、一般式I-1の化合物、一般式I-2の化合物、一般式I-4の化合物及び一般式I-8の化合物からなる群から選択される。
【0025】
本発明に係る重合性基は、重合反応(例えば、フリーラジカル若しくはイオン結合の重合、付加重合又は縮合重合)に適用された基、又はポリマーの主鎖における付加又は縮合に適用された基である。連鎖重合に対して、-CH=CH-又は-C≡C-を含む重合性基が特に好ましく、開環重合に対して、例えばオキセタン又はエポキシ基が特に好ましい。
【0026】
「重合性基」という用語は、それぞれ独立に、
【化17】
又は-SHを表し、好ましくは、「重合性基」は、それぞれ独立に、
【化18】
又は-SHを表し、さらに好ましくは、「重合性基」は、それぞれ独立に、
【化19】
を表す。
【0027】
本明細書で使用されるように、「スペーサー基」という用語は、当業者に知られており、文献(例えば、Pure Appl.Chem.2001、73(5)、888及びC.Tschierske、G.Pelzl、S.Diele、Angew.Chem.2004、116、6340-6368)に記載されている。本明細書で使用されるように、「スペーサー基」という用語は、重合性化合物においてメソゲン基と重合性基とを接続する、可撓性基を表す。典型的なスペーサー基は、例えば、-(CH
2)p
1-、-(CH
2CH
2O)q
1-CH
2CH
2-、-(CH
2CH
2S)q
1-CH
2CH
2-、-(CH
2CH
2NH)q
1-CH
2CH
2-、-CR
0R
00-(CH
2)
p1-又は-(SiR
0R
00-O)p
1-であり、ここで、p
1は、1~12の整数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11などを表し、q
1は、1~3の整数、例えば、2を表し、R
0及びR
00は、それぞれ独立に、-H、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化20】
を表す。特に好ましいスペーサー基は、-(CH
2)p
1-、-(CH
2)p
1-O-、-(CH
2)p
1-O-CO-、-(CH
2)p
1-CO-O-、-(CH
2)p
1-O-CO-O-又は-CR
0R
00-(CH
2)
p1-である。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態において、Sp1及びSp2は、いずれも単結合を表す。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態において、液晶組成物中の一般式Iの化合物の重量百分率は、0.001%~5%であり、例えば、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%などであり、好ましくは、液晶組成物中の一般式Iの化合物の重量百分率は、0.01%~2%である。
【0030】
本発明において、直線が環構造を横切る表現方法は、基のアクセス結合が環構造の任意の可能な結合位置にあることを示す。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態において、L1及びL2は、それぞれ独立に、-F又は-Clを表す。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態において、L1及びL2は、いずれも-Fを表す。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態において、Xは、-O-又は-S-を表す。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、R3は、1~10個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、1~9個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、又は2~10個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を表し、更に好ましくは、R3は、1~8個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、1~7個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、又は2~8個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を表し、より更に好ましくは、R3は、1~5個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、又は2~5個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を表す。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式IIの化合物は、
【化21】
の化合物からなる群から選択される。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式IIの化合物は、一般式II-1の化合物、一般式II-2の化合物、一般式II-3の化合物、一般式II-4の化合物、一般式II-5の化合物、一般式II-6の化合物、一般式II-7の化合物、一般式II-8の化合物、一般式II-9の化合物、一般式II-10の化合物及び一般式II-11の化合物からなる群から選択される。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態において、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を得るために、一般式IIの化合物は、一般式II-3の化合物、一般式II-4の化合物、一般式II-5の化合物及び一般式II-10の化合物からなる群から選択される。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、一般式IIの化合物の含有量を調整することにより、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を得る。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態において、液晶組成物中の一般式IIの化合物の重量百分率は、0.1%~25%であり、例えば、0.1%、1%、2%、4%、6%、8%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、20%、22%、24%、25%であり、好ましくは、液晶組成物中の一般式IIの化合物の重量百分率は、1%~20%である。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の液晶組成物は、少なくとも1種の一般式Mの化合物を更に含み、
【化22】
ここで、R
M1及びR
M2は、それぞれ独立に、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化23】
を表し、1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、
【化24】
は、それぞれ独立に、
【化25】
を表し、
【化26】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
【化27】
における多くとも1つの-Hは、ハロゲンで置き換えられてもよく、
Z
M1及びZ
M2は、それぞれ独立に、単結合、-CO-O-、-O-CO-、-CH
2O-、-OCH
2-、-C≡C-、-CH=CH-、-CH
2CH
2-又は-(CH
2)
4-を表し、
n
Mは、0、1又は2を表し、n
M=2である場合、環
【化28】
は、同じであっても異なってもよく、Z
M2は、同じであっても異なってもよい。
【0041】
本発明のアルケニル基は、好ましくは、式(V1)~式(V9)のいずれかで表される基から選択され、特に好ましくは、式(V1)、式(V2)、式(V8)又は式(V9)で表される基から選択される。式(V1)~式(V9)で表される基は、以下のとおりである。
【化29】
ここで、*は、結合した環構造における炭素原子を表す。
【0042】
本発明のアルケニルオキシ基は、好ましくは、式(OV1)~式(OV9)のいずれかで表される基から選択され、特に好ましくは、式(OV1)、式(OV2)、式(OV8)又は式(OV9)で表される基から選択される。式(OV1)~式(OV9)で表される基は、以下のとおりである。
【化30】
ここで、*は、結合した環構造における炭素原子を表す。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式Mの化合物は、
【化31】
【化32】
の化合物からなる群から選択される。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式Mの化合物は、一般式M-1の化合物、一般式M-2の化合物、一般式M-6の化合物、一般式M-12の化合物、一般式M-13の化合物、一般式M-16の化合物、一般式M-19の化合物、一般式M-26の化合物及び一般式M-30の化合物からなる群から選択される。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態において、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を得るために、一般式Mの化合物は、一般式Mー1の化合物、一般式M-2の化合物、一般式Mー6の化合物及び一般式M-12の化合物からなる群から選択される。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、一般式Mの化合物の含有量を調整することにより、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を得る。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態において、液晶組成物中の一般式Mの化合物の重量百分率は、0.1%~80%であり、例えば、0.1%、1%、2%、4%、6%、8%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、20%、22%、24%、25%、26%、28%、30%、32%、34%、35%、36%、38%、40%、42%、44%、46%、48%、50%、52%、54%、56%、58%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、72%、74%、76%、78%、80%であり、好ましくは、液晶組成物中の一般式Mの化合物の重量百分率は、1%~60%である。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式Mの化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの必要な性能に応じて適切に調整する必要がある。
【0049】
一般式Mの化合物の含有量について、本発明の液晶組成物の粘度が低く、応答時間が短いことを保持する必要がある場合、好ましくは、その含有量の下限値が高く、且つ含有量の上限値が高く、更に、本発明の液晶組成物の透明点が高く、温度の安定性が高いことを保持する必要がある場合、好ましくは、その含有量の下限値が高く、かつ含有量の上限値が高く、駆動電圧を低く保ちながら、誘電率異方性の絶対値を大きくするために、好ましくは、その含有量の下限値を低くし、且つ含有量の上限値を低くする。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、RM1及びRM2は、それぞれ独立に、1~10個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、1~9個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、又は2~10個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を表し、更に好ましくは、RM1及びRM2は、それぞれ独立に、1~8個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、1~7個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、又は2~8個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を表し、より更に好ましくは、RM1及びRM2は、それぞれ独立に、1~5個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、又は2~5個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を表す。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、RM1及びRM2は、それぞれ独立に、2~8個の炭素原子を含む直鎖のアルケニル基を表し、更に好ましくは、RM1及びRM2は、それぞれ独立に、2~5個の炭素原子を含む直鎖のアルケニル基を表す。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、RM1及びRM2のうちのいずれか一方は、2~5個の炭素原子を含む直鎖のアルケニル基であり、他方は、1~5個の炭素原子を含む直鎖のアルキル基である。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、RM1及びRM2は、それぞれ独立に、1~8個の炭素原子を含む直鎖のアルキル基、又は1~7個の炭素原子を含む直鎖のアルコキシ基を表し、更に好ましくは、RM1及びRM2は、それぞれ独立に、1~5個の炭素原子を含む直鎖のアルキル基、又は1~4個の炭素原子を含む直鎖のアルコキシ基を表す。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、RM1及びRM2のうちのいずれか一方は、1~5個の炭素原子を含む直鎖のアルキル基であり、他方は、1~5個の炭素原子を含む直鎖のアルキル基、又は1~4個の炭素原子を含む直鎖のアルコキシ基であり、更に好ましくは、RM1及びRM2の両方ともは、それぞれ独立に、1~5個の炭素原子を含む直鎖のアルキル基である。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態において、信頼性を重視する場合、好ましくは、RM1及びRM2は、いずれもアルキル基であり、化合物の揮発性の低下を重視する場合、好ましくは、RM1及びRM2は、いずれもアルコキシ基であり、粘度の低下を重視する場合、好ましくは、RM1及びRM2のうちの少なくとも一方は、アルケニル基である。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の液晶組成物は、少なくとも1種の一般式Nの化合物を更に含み、
【化33】
ここで、R
N1及びR
N2は、それぞれ独立に、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化34】
を表し、1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、
【化35】
は、それぞれ独立に、
【化36】
を表し、
【化37】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
【化38】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F、-Cl又は-CNで置き換えられてもよく、環における1つ以上の-CH=は、-N=で置き換えられてもよく、
Z
N1及びZ
N2は、それぞれ独立に、単結合、-CO-O-、-O-CO-、-CH
2O-、-OCH
2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH
2CH
2-、-CF
2CF
2-、-(CH
2)
4-、-CF
2O-又は-OCF
2-を表し、
L
N1及びL
N2は、それぞれ独立に、-H、1~3個の炭素原子を含むアルキル基又はハロゲンを表し、
n
N1は、0、1、2又は3を表し、n
N2は、0又は1を表し、0≦n
N1+n
N2≦3であり、n
N1=2又は3である場合、環
【化39】
は、同じであっても異なってもよく、Z
N1は、同じであっても異なってもよい。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式Nの化合物は、
【化40】
【化41】
【化42】
の化合物からなる群から選択される。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式Nの化合物は、一般式N-1の化合物、一般式N-2の化合物、一般式N-3の化合物、一般式N-5の化合物、一般式N-6の化合物、一般式N-10の化合物、一般式N-11の化合物、一般式N-12の化合物、一般式N-13の化合物、一般式N-15の化合物、一般式N-24の化合物及び一般式N-26の化合物からなる群から選択される。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態において、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を得るために、一般式Nの化合物は、一般式N-2の化合物、一般式N-3の化合物、一般式N-5の化合物、一般式N-6の化合物、一般式N-10の化合物、一般式N-11の化合物、一般式N-12の化合物、一般式N-13の化合物、一般式N-15の化合物、一般式N-24の化合物及び一般式N-26の化合物からなる群から選択される。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態において、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を得るために、一般式Nの化合物は、一般式N-2の化合物及び一般式N-5の化合物からなる群から選択される。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態において、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を得るために、一般式Nの化合物は、一般式N-3の化合物及び一般式N-6の化合物からなる群から選択される。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態において、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を得るために、一般式Nの化合物は、一般式N-10の化合物及び一般式N-13の化合物からなる群から選択される。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、一般式Nの化合物の含有量を調整することにより、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を得る。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態において、液晶組成物中の一般式Nの化合物の重量百分率は、0.1%~65%であり、例えば、0.1%、1%、2%、4%、6%、8%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、20%、22%、24%、25%、26%、28%、30%、32%、34%、35%、36%、38%、40%、42%、44%、46%、48%、50%、52%、54%、56%、58%、60%であり、好ましくは、液晶組成物中の一般式Nの化合物の重量百分率は、1%~60%である。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の液晶組成物の粘度が低く、応答時間が短いことを保持する必要がある場合、好ましくは、一般式Nの化合物の含有量の下限値が低く、且つ上限値が低く、更に、本発明の液晶組成物の透明点が高く、温度の安定性が高いことを保持する必要がある場合、好ましくは、一般式Nの化合物の含有量の下限値が低く、且つ上限値が低く、また、駆動電圧を低く保ちながら、誘電率異方性の絶対値を大きくするために、好ましくは、一般式Nの化合物の含有量の下限値を高くし、且つ上限値を高くする。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、RN1及びRN2は、それぞれ独立に、1~10個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、1~9個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、又は2~10個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を表し、更に好ましくは、RN1及びRN2は、それぞれ独立に、1~8個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、1~7個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、又は2~8個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を表し、より更に好ましくは、RN1及びRN2は、それぞれ独立に、1~5個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、又は2~5個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を表す。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の液晶組成物は、少なくとも1種の一般式A-1及び/又は一般式A-2の化合物を更に含み、
【化43】
ここで、R
A1及びR
A2は、それぞれ独立に、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化44】
を表し、1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化45】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
【化46】
は、それぞれ独立に、
【化47】
を表し、
【化48】
における1つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、それぞれ独立に、二重結合で置き換えられてもよく、
【化49】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F、-Cl又は-CNで置き換えられてもよく、環における1つ以上の-CH=は、それぞれ独立に、-N=で置き換えられてもよく、
Z
A11、Z
A21及びZ
A22は、それぞれ独立に、単結合、-CH
2CH
2-、-CF
2CF
2-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH
2O-又は-OCH
2-を表し、
L
A11、L
A12、L
A13、L
A21及びL
A22は、それぞれ独立に、-H、1~3個の炭素原子を含むアルキル基、又はハロゲンを表し、
X
A1及びX
A2は、それぞれ独立に、ハロゲン、1~5個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のハロゲン化アルキル基若しくはハロゲン化アルコキシ基、又は2~5個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のハロゲン化アルケニル基若しくはハロゲン化アルケニルオキシ基を表し、
n
A11は、0、1、2又は3を表し、n
A11=2又は3である場合、環
【化50】
は、同じであっても異なってもよく、Z
A11は、同じであっても異なってもよく、
n
A12は、1又は2を表し、n
A12=2である場合、環
【化51】
は、同じであっても異なってもよく、
n
A2は、0、1、2又は3を表し、n
A2=2又は3である場合、環
【化52】
は、同じであっても異なってもよく、Z
A21は、同じであっても異なってもよい。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式A-1の化合物は、
【化53】
【化54】
の化合物からなる群から選択され、
ここで、R
A1は、1~8個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、1~8個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、これらの基に存在する1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
R
v及びR
wは、それぞれ独立に、-CH
2-又は-O-を表し、
L
A11、L
A12、L
A11’、L
A12’、L
A14、L
A15及びL
A16は、それぞれ独立に、-H又は-Fを表し、
L
A13及びL
A13’は、それぞれ独立に、-H又は-CH
3を表し、
X
A1は、-F、-CF
3又は-OCF
3を表し、
v及びwは、それぞれ独立に、0又は1を表す。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態において、液晶組成物中の一般式A-1の化合物の重量百分率は、0.1%~50%であり、例えば、0.1%、1%、2%、4%、6%、8%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、20%、22%、24%、25%、26%、28%、30%、32%、34%、35%、36%、38%、40%、42%、44%、46%、48%、50%である。
【0070】
一般式A-1の化合物の好ましい含有量について、本発明の液晶組成物の粘度が低く、応答速度が速いことを保持する場合、好ましくは、その含有量の下限値をわずかに低くし、且つ含有量の上限値をわずかに低くし、更に、本発明の液晶組成物の透明点が高く、温度の安定性が高いことを保持する場合、好ましくは、その含有量の下限値をわずかに低くし、且つ含有量の上限値をわずかに低くし、また、駆動電圧を低く保ちながら、誘電率異方性の絶対値を大きくしようとする場合、好ましくは、その含有量の下限値をわずかに高くし、且つ含有量の上限値をわずかに高くする。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式A-2の化合物は、
【化55】
【化56】
の化合物からなる群から選択され、
ここで、R
A2は、1~8個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、1~8個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、これらの基に存在する1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
L
A21、L
A22、L
A23、L
A24及びL
A25は、それぞれ独立に、-H又は-Fを表し、
X
A2は、-F、-CF
3、-OCF
3又は-CH
2CH
2CH=CF
2を表す。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態において、液晶組成物中の一般式A-2の化合物の重量百分率は、0.1%~50%であり、例えば、0.1%、1%、2%、4%、6%、8%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、20%、22%、24%、25%、26%、28%、30%、32%、34%、35%、36%、38%、40%、42%、44%、46%、48%、50%である。
【0073】
一般式A-2の化合物の好ましい含有量について、本発明の液晶組成物の粘度が低く、応答速度が速いことを保持する場合、好ましくは、その含有量の下限値をわずかに低くし、且つ含有量の上限値をわずかに低くし、更に、本発明の液晶組成物の透明点が高く、温度の安定性が高いことを保持する場合、好ましくは、その含有量の下限値をわずかに低くし、且つ含有量の上限値をわずかに低くし、また、駆動電圧を低く保ちながら、誘電率異方性の絶対値を大きくしようとする場合、好ましくは、その含有量の下限値をわずかに高くし、且つ含有量の上限値をわずかに高くする。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の液晶組成物は、少なくとも1種の一般式Bの化合物を更に含み、
【化57】
ここで、R
B1及びR
B2は、それぞれ独立に、-H、ハロゲン、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は2つ以上の-CH
2-は、-O-が直接連結しないように、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、前記基における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
【化58】
は、それぞれ独立に、
【化59】
を表し、
【化60】
における1つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、それぞれ独立に、二重結合で置き換えられてもよく、
【化61】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F、-Cl、-CN、-CH
3又は-OCH
3で置き換えられてもよく、環における1つ以上の-CH=は、それぞれ独立に、-N=で置き換えられてもよく、
X
Bは、-O-、-S-、-CO-、-CF
2-、-NH-又は-NF-を表し、
Y
B1及びY
B2は、それぞれ独立に、-H、ハロゲン、1~3個の炭素原子を含むハロゲン化若しくは非ハロゲン化アルキル基、又は1~3個の炭素原子を含むハロゲン化若しくは非ハロゲン化アルコキシ基を表し、
Z
B1及びZ
B2は、それぞれ独立に、単結合、-O-、-S-、-CO-O-、-O-CO-、-CH
2O-、-OCH
2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH
2CH
2-、-CF
2CF
2-、-(CH
2)
4-、-CF
2O-又は-OCF
2-を表し、
n
B1及びn
B2は、それぞれ独立に、0、1又は2を表し、n
B1=2である場合、環
【化62】
は、同じであっても異なってもよく、Z
B1は、同じであっても異なってもよく、n
B2=2である場合、環
【化63】
は、同じであっても異なってもよく、Z
B2は、同じであっても異なってもよい。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式Bの化合物は、
【化64】
の化合物からなる群から選択され、
ここで、Y
B3及びY
B4は、それぞれ独立に、-H、-F、-Cl、-CN、-CH
3又は-OCH
3を表す。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態において、液晶組成物中の一般式Bの化合物の重量百分率は、0.1%~30%であり、例えば、0.1%、1%、2%、4%、6%、8%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、20%、22%、24%、25%、26%、28%又は30%である。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、RB1及びRB2は、それぞれ独立に、1~10個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、1~9個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、又は2~10個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を表し、更に好ましくは、RB1及びRB2は、それぞれ独立に、1~8個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、1~7個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、又は2~8個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を表し、より更に好ましくは、RB1及びRB2は、それぞれ独立に、1~5個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、又は2~5個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を表す。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の液晶組成物は、少なくとも1種の一般式SAの自己配向剤を更に含み、
【化65】
ここで、R
S1は、Sp-P、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化66】
を表し、1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化67】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
R
S2は、アンカー基
【化68】
を表し、
pは、1又は2を表し、pが2を表す場合、-Sp
d-X
2は、同じであっても異なってもよく、
oは、0又は1を表し、
X
1及びX
2は、それぞれ独立に、-H、-OH、-SH、-NH
2、-NHR
11、-NR
11
2、NHC(O)-R
11、-OR
11、-C(O)OH、-CHO、又は1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のハロゲン化又は非ハロゲン化アルキル基を表し、
X
1及びX
2のうちの少なくとも一方は、-OH、-SH、-NH
2、-NHR
11、-C(O)OH又は-CHOから選択され、
Sp
a、Sp
c及びSp
dは、それぞれ独立に、スペーサー基又は単結合を表し、
Sp
bは、それぞれ独立に、
【化69】
を表し、
【化70】
は、それぞれ独立に、
【化71】
を表し、
【化72】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
Lsは、それぞれ独立に、-F、-Cl、-CN、-NO
2、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(O)N(R
0)
2、-C(O)R
0、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化73】
を表し、1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化74】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-Fで置き換えられてもよく、
R
0及びR
11は、それぞれ独立に、1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、
Pは、重合性基を表し、
Spは、スペーサー基又は単結合を表し、
n
s1は、0又は1を表し、
n
s2は、0、1、2又は3を表し、n
s2が2又は3を表す場合、
【化75】
は、同じであっても異なってもよく、
p
s1、p
s2、p
s3及びp
s4は、それぞれ独立に、0、1又は2を表し、1≦p
s1+p
s2≦2であり、
p
s5及びp
s6は、それぞれ独立に、0又は1を表し、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CH
2O-、-OCH
2-、-CH
2S-、-SCH
2-、-CF
2O-、-OCF
2-、-CF
2S-、-SCF
2-、-(CH
2)
n-、-CF
2CH
2-、-CH
2CF
2-、-(CF
2)
n-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH=CF-、-CF=CH-、-C≡C-、-CH=CH-CO-O-、-O-CO-CH=CH-、-CH
2CH
2-CO-O-、-O-CO-CH
2CH
2-、-CR
1R
2-又は単結合を表し、ここで、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、-H、又は1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、nは、1~4の整数を表す。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態において、一般式SAの自己配向剤は、
【化76】
【化77】
【化78】
【化79】
の化合物からなる群から選択される。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態において、R
S2は、
【化80】
又は-Sp
a-X
1を表す。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態において、R
S2は、
【化81】
又は-Sp
a-X
1を表し、
ここで、Sp
d’は、スペーサー基又は単結合を表し、
X
2’は、-H、-OH、-SH、-NH
2、-NHR
11、-NR
11
2、NHC(O)-R
11、-OR
11、-C(O)OH、-CHO、又は1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のハロゲン化又は非ハロゲン化アルキル基を表し、R
11は、1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態において、R
S2は、
【化82】
の基からなる群から選択され、
R
S2は、破線を介して
【化83】
環構造に結合される。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態において、液晶組成物中の一般式SAの化合物の重量百分率は、0.001%~5%であり、例えば、0.001%、0.005%、0.05%、0.1%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1.0%、2%、3%、4%又は5%などであり、好ましくは、液晶組成物中の一般式SAの化合物の重量百分率は、0.1%~2%である。
【0084】
上記化合物に加えて、本発明の液晶組成物は、一般的なネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、ドーパント、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、重合性モノマー又は光安定剤などを含んでもよい。
【0085】
本発明に係る液晶組成物に好ましくは添加できるドーパントは、以下に示される。
【化84】
【0086】
本発明のいくつかの実施形態において、液晶組成物中のドーパントの重量百分率は、0%~5%であり、好ましくは、液晶組成物中のドーパントの重量百分率は、0.01%~1%である。
【0087】
また、本発明の液晶組成物に使用される酸化防止剤、光安定剤などの添加剤は、好ましくは、以下の物質である。
【化85】
【化86】
【化87】
ここで、nは、1~12の正の整数を表す。
【0088】
好ましくは、光安定剤は、以下に示す光安定剤から選択される。
【化88】
【0089】
本発明のいくつかの実施形態において、液晶組成物中の光安定剤の総重量百分率は、0%~5%であり、好ましくは、液晶組成物中の光安定剤の総重量百分率は、0.01%~1%であり、より好ましくは、液晶組成物中の光安定剤の総重量百分率は、0.01%~0.1%である。
【0090】
本発明の重合性化合物を含む液晶組成物は、重合開始剤が存在しない場合であっても、重合することができるが、重合を促進するために、重合開始剤を含んでもよい。重合開始剤として、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイド類などが挙げられる。
【0091】
本発明の液晶組成物について、液晶組成物における重合性化合物の重合により液晶配向能が付与され、液晶組成物における複屈折を利用して液晶表示装置における透過光量を制御することができる。
【0092】
重合性化合物の重合方法について、迅速な重合の進行が望ましいので、紫外線又は電子線などの活性エネルギー線を照射することによって重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を使用してもよく、非偏光光源を使用してもよい。また、液晶組成物を2枚の基板の間に挟持した状態で重合を行う場合、少なくとも照射面側の基板は、活性エネルギー線に対して適切な透明性を有する必要がある。また、光照射時にマスクを用いて、特定部分のみを重合させ、その後、電場、磁場又は温度などの条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させ、更に活性エネルギー線を照射して重合させてもよい。特に、紫外線露光を行う場合、好ましくは、液晶組成物に電圧を印加するとともに紫外線露光を行う。
【0093】
紫外線又は電子線などの活性エネルギー線を照射するときの温度は、好ましくは、本発明の液晶組成物の液晶状態を維持する温度範囲内にある。好ましくは、室温に近い温度(即ち、15~35°)で重合を行う。紫外線を発生させるランプとして、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプなどを使用することができる。また、照射される紫外線の波長について、液晶組成物の吸収波長領域以外の波長の紫外線を照射することが好ましく、必要に応じて紫外線を遮断して使用することが好ましい。照射される紫外線の強度は、好ましくは、0.1mW/cm2~50mW/cm2である。紫外線を照射する場合、その強度を変化させ、照射される紫外線の強度に応じて紫外線の照射時間を適切に選択することができ、好ましくは10s~600sである。
【0094】
本明細書で使用される「チルト」及び「チルト角」という用語は、液晶表示装置(本発明において、好ましくはPSA型液晶表示装置)における液晶セルの表面に対する液晶分子の傾斜配向として理解される。チルト角は、液晶分子の長手方向の分子軸(液晶ダイレクタ)と液晶セルの外板の表面との間に形成された平均角度(<90°)を意味する。低い値の(即ち、90°から大きく離れている)チルト角は、大きなチルトに対応する。
【0095】
本発明は、上記液晶組成物を含む液晶表示装置、好ましくはPSA型液晶表示装置、より好ましくはPS-VA、PS-OCB、PS-IPS、PS-FFS、PS-UB-FFS、PS-ポジティブ-VA又はPS-TN型液晶表示装置を更に提供する。
【発明の効果】
【0096】
従来技術に比べて、本発明の液晶組成物は、適切な透明点、適切な光学異方性及び適切な回転粘度を維持した上で、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を更に有することにより、それを含む液晶表示装置が、広い温度使用範囲、良好なコントラスト、優れた低温相溶性を有し、PSA型液晶ディスプレイの製造プロセスを効果的に加速し、製造効率を向上させるとともに、従来のPSA型液晶ディスプレイの「画像焼き付き」、表示ムラ、「ドット落ち」の問題を効果的に改善することができ、高い実用価値を有する。
【発明を実施するための形態】
【0097】
以下、具体的な実施形態を参照しながら本発明を説明する。なお、以下の実施例は、本発明の例示的なものであり、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本発明の構想内の他の組み合わせ及び様々な改良を行うことができる。
【0098】
説明を容易にするために、以下の各実施例において、各化合物の基構造を表1に示されたコードで示す。
【0099】
【0100】
以下の構造式の化合物を例とする。
【化89】
該構造式を表1に示されるコードで表す場合、nCCGFとして表すことができ、コードにおけるnは、左端のアルキル基のC原子数を表し、例えば、nが「3」である場合、該アルキル基が-C
3H
7であることを表し、コードにおけるCは、1,4-シクロヘキシレン基を表し、Gは、2-フルオロ-1,4-フェニレン基を表し、Fは、フッ素置換基を表す。
【0101】
以下の実施例における測定項目の略号は、以下のとおりである。
Cp 透明点(ネマチック相-等方相の転移温度、℃)
Δn 光学異方性(589nm、25℃)
Δε 誘電率異方性(1KHz、25℃)
γ1 回転粘度(mPa・s、25℃)
K11 スプレイ弾性定数(25℃)
K33 曲げ弾性定数(25℃)
t-20℃ -20℃での低温保存時間(日)
Ra 粗さ(nm)
PTA プレチルト角(°、25℃)
ΔPTA プレチルト角の安定性(電圧を一定時間印加した後のプレチルト角の変化、°)
VHR 電圧保持率(%)
Cpは、融点測定装置による測定で得られる。
Δnは、アッベ屈折計を用いて、ナトリウムランプ(波長589nm)の光源下にて、25℃で測定して得られる。
Δε=εll-ε⊥、ここで、εllは、分子軸に平行な誘電率であり、ε⊥は、分子軸に垂直な誘電率であり、測定条件は、25℃、1KHz、(セル厚さが6μmの)VA型試験セルである。
γ1は、LCM-2型液晶物性評価システムによる測定で得られ、測定条件は、25℃、160V~260V、厚さが20μmの試験セルである。
K11及びK33は、LCRメータ及びVA型試験セルを使用して液晶材料のC-V曲線を測定し、更に計算して得られ、測定条件は、6μmのVA型試験セル、V=0.1~20Vである。
t-20℃は、ネマチック液晶媒体をガラス瓶に入れ、-20℃で保存し、結晶の析出が観察された場合に記録される時間である。
Raは、重合性化合物を含む液晶組成物をUV光照射により重合した後、液晶分子を洗い流してから、原子間力顕微鏡(AFM)により測定された重合後のポリマー層の形態粗さである。
PTAについて、結晶回転法により、液晶をVA型試験セル(セル厚さ3.5μm)に注入し、電圧(15V、60Hz)を印加するとともに、紫外線UV1を照射することにより、重合性化合物を重合させてプレチルト角PTA1を形成し、次に、プレチルト角PTA1が形成された液晶組成物に紫外線UV2を照射し続けて、PTA1の状態で残留した重合性化合物を除去し、このとき、重合性化合物に形成されたプレチルト角がPTA2である。本発明は、UV1を同じ時間照射するときに形成されるプレチルト角の大きさ(プレチルト角が小さいほど、重合速度が速い)又は同じプレチルト角を形成するのに必要な時間(必要な時間が短いほど、重合速度が速い)を比較することにより、重合性化合物の重合速度を考察する。
ΔPTAについて、プレチルト角PTAの測定に使用される試験セルに対してUV1ステップ及びUV2ステップを行って88±0.2°のプレチルト角を形成した後、試験セルに60HzのSW波、20VのAC電圧及び2VのDC電圧を印加し、40℃でバックライトが存在する環境において、一定時間後、試験セルのプレチルト角を測定し、ΔPTA(168h)=PTA(初期)-PTA(168h)、ΔPTA(168h)が小さいほど、プレチルト角の安定性が高いことを示す。
ポリマー残留について、UV2を70min照射した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、液晶試験セルから溶出した液晶を検出し、その中の重合性化合物の含有量をポリマー残留という。
VHRについて、UV2を70min照射した後、TOY06254型液晶物性評価システムにより測定し、測定条件は、60℃、5V、6Hz、セル厚さが3.5μmのVA型試験セルである。
【0102】
以下の実施例で用いられる各成分は、いずれも公知の方法で合成するか、又は商業的に入手することができる。これらの合成技術は、一般的であり、得られた各液晶化合物は、測定したところ、電子系化合物標準に合致する。
【0103】
以下の実施例に規定される各液晶組成物の配合比率に従って液晶組成物を製造する。液晶組成物の製造は、本分野の一般的な方法で行われ、例えば加熱、超音波、懸濁などの方式を用いて比率に応じて混合して製造される。
【0104】
以下の各実施例で使用される重合性化合物の構造を以下の表2に示す。
【0105】
【0106】
比較例1~4及び実施例1~5
表3に挙げられた各化合物及びそれらの重量百分率に従って、対照Host-1、Host-1及びHost-2の液晶組成物を調製し、液晶ディスプレイの2つの基板の間に充填して性能測定を行う。
【0107】
【0108】
重合性化合物RM-01、RM-02、RM-03及びRM-1をそれぞれ100重量部の液晶組成物の対照Host-1に添加して比較例1~3として使用し、重合性化合物RM-01を100重量部の液晶組成物Host-1に添加して比較例4として使用し、重合性化合物RM-1及びRM-2をそれぞれ100重量部の液晶組成物Host-1に添加して実施例1~2として使用し、重合性化合物RM-1、RM-2、RM-3及びRM-4をそれぞれ100重量部の液晶組成物Host-2に添加して実施例3~5として使用し、重合性化合物の具体的な重量部及び関連性能の測定結果を以下の表4に示す。
【0109】
【0110】
比較例1~4と実施例1~5との比較から分かるように、本発明の液晶組成物は、適切な透明点、適切な光学異方性及び適切な回転粘度を維持した上で、より大きな誘電率異方性の絶対値、より大きなK値、より長い低温保存時間、より小さいポリマー層の表面粗さを更に有し、UV1の作用で、短い時間でより小さいプレチルト角を形成し、プレチルト角発生速度がより速く、UV2が70min作用した後にポリマー残留がより少なく、VHRがより高く、且つプレチルト角の安定性がより良好である。
【0111】
比較例5~8及び実施例6~10
表5に示される各化合物及びそれらの重量百分率に従って、対照Host-2、Host-3及びHost-4の液晶組成物を調製し、液晶ディスプレイの2つの基板の間に充填して性能測定を行う。
【0112】
【0113】
重合性化合物RM-01、RM-02、RM-03及びRM-1をそれぞれ100重量部の液晶組成物の対照Host-2に添加して比較例5~7として使用し、重合性化合物RM-01を100重量部の液晶組成物Host-3に添加して比較例8として使用し、重合性化合物RM-1及びRM-2をそれぞれ100重量部の液晶組成物Host-3に添加して実施例6~7として使用し、重合性化合物RM-1、RM-2、RM-3及びRM-4をそれぞれ100重量部の液晶組成物Host-4に添加して実施例8~10として使用し、重合性化合物の具体的な重量部及び関連性能の測定結果を以下の表6に示す。
【0114】
【0115】
比較例5~8と実施例6~10との比較から分かるように、本発明の液晶組成物は、適切な透明点、適切な光学異方性及び適切な回転粘度を維持した上で、より大きな誘電率異方性の絶対値、より大きなK値、より長い低温保存時間、より小さいポリマー層の表面粗さを更に有し、UV1の作用で、短い時間でより小さいプレチルト角を形成し、プレチルト角発生速度がより速く、UV2が70min作用した後にポリマー残留がより少なく、VHRがより高く、且つプレチルト角の安定性がより良好である。
【0116】
実施例11
100重量部のHost-1に0.6重量部のSA-2-1の化合物
【化90】
を添加するとともに、0.6重量部のRM-1の重合性化合物を添加する。得られた液晶組成物を「無配向」の試験セル(セル厚さdがいずれも3.5μmであり、両側にITOコーティング層(マルチドメインスイッチングの場合には構造化ITO)を有し、配向層もパッシベーション層もない)に充填する。
【0117】
液晶ディスプレイは、基板の表面に対して自発的な垂直配向を形成し、透明点及び得られたVAセルが逆にスイッチングできるまでその配向が安定する。交差偏光子は、スイッチング動作を可視化させるために必要とされる。
【0118】
式SA-2-1の化合物のような添加剤を使用することにより、Δε<0と垂直配向との組み合わせに基づいて、VA、PM-VA、PVA、MVA、HT-VA、VA-IPS及び他の類似の表示技術は、配向層を必要としない(例えば、PIコーティングを必要としない)。
【0119】
実施例12
100重量部のHost-2に0.6重量部のSA-4-1の化合物
【化91】
を添加するとともに、0.6重量部のRM-2の重合性化合物を添加する。得られた液晶組成物を「無配向」の試験セル(セル厚さdがいずれも3.5μmであり、両側にITOコーティング層(マルチドメインスイッチングの場合には構造化ITO)を有し、配向層もパッシベーション層もない)に充填する。
【0120】
液晶ディスプレイは、基板の表面に対して自発的な垂直配向を形成し、透明点及び得られたVAセルが逆にスイッチングできるまでその配向が安定する。交差偏光子は、スイッチング動作を可視化させるために必要とされる。
【0121】
式SA-4-1の化合物などの添加剤を使用することにより、Δε<0と垂直配向との組み合わせに基づいて、VA、PM-VA、PVA、MVA、HT-VA、VA-IPS及び他の類似の表示技術は、配向層(を必要としない(例えば、PIコーティングを必要としない)。
【0122】
実施例13
100重量部のHost-3に0.5重量部のSA-4-2の化合物
【化92】
を添加するとともに、0.5重量部のRM-3の重合性化合物を添加する。
得られた液晶組成物を「無配向」の試験セル(セル厚さdがいずれも3.5μmであり、両側にITOコーティング層(マルチドメインスイッチングの場合には構造化ITO)を有し、配向層もパッシベーション層もない)に充填する。
【0123】
液晶ディスプレイは、基板の表面に対して自発的な垂直配向を形成し、透明点及び得られたVAセルが逆にスイッチングできるまでその配向が安定する。交差偏光子はスイッチング動作を可視化させるために必要とされる。
【0124】
式SA-4-2の化合物などの添加剤を使用することにより、Δε<0と垂直配向との組み合わせに基づいて、VA、PM-VA、PVA、MVA、HT-VA、VA-IPS及び他の類似の表示技術は、配向層を必要としない(例えば、PIコーティングを必要としない)。
【0125】
以上より、本発明の液晶組成物は、適切な透明点、適切な光学異方性及び適切な回転粘度を維持した上で、大きな誘電率異方性の絶対値、大きなK値、長い低温保存時間、小さいポリマー層の表面粗さ、小さいプレチルト角、速いプレチルト角発生速度、少ないポリマー残留、高いVHR及び高いプレチルト角の安定性を更に有することにより、それを含む液晶表示装置が、広い温度使用範囲、良好なコントラスト、優れた低温相溶性を有し、PSA型液晶ディスプレイの製造プロセスを効果的に速め、製造効率を向上させるとともに、従来のPSA型液晶ディスプレイの「画像焼き付き」、表示ムラ、「ドット落ち」の問題を効果的に改善することができ、高い実用価値を有する。
【0126】
以上の実施形態は、当業者が本発明の内容を理解し、かつ実施することができるように、本発明の技術的思想及び特徴を説明するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではなく、本発明の要旨に基づいて行われる等価的な変形又は修飾は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明に係る液晶組成物は、液晶の分野に適用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の一般式Iの化合物と、
【化1】
少なくとも1種の一般式IIの化合物とを含み、
【化2】
ここで、R
1は、1~5個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のハロゲン化又は非ハロゲン化アルキル基を表し、
R
2は、-H、ハロゲン、-CN、-Sp
2-P
2、又は1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化3】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化4】
における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
R
3は、-H、ハロゲン、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化5】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、-O-が直接連結しないように、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化6】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
【化7】
は、それぞれ独立に、
【化8】
を表し、
【化9】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
【化10】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F、-Cl又は-CNで置き換えられてもよく、環における1つ以上の-CH=は、-N=で置き換えられてもよく、
Aは、
【化11】
を表し、
【化12】
における1つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、X
1又はX
2で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、X
1は、-O-又は-S-を表し、X
2は、1~5個の炭素原子を含む直鎖のアルキル基を表し、
Lは、それぞれ独立に、ハロゲン、-CN又は-Sp
2-P
2を表し、
L
1及びL
2は、それぞれ独立に、-H、ハロゲン、1~3個の炭素原子を含むハロゲン化アルキル基、又は1~3個の炭素原子を含むハロゲン化アルコキシ基を表し、
P
1及びP
2は、それぞれ独立に、重合性基を表し、
Sp
1及びSp
2は、それぞれ独立に、スペーサー基又は単結合を表し、
Xは、-O-、-S-、-CO-、-CF
2-、-NH-又は-NF-を表し、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CH
2O-、-OCH
2-、-CH
2S-、-SCH
2-、-CF
2O-、-OCF
2-、-CF
2S-、-SCF
2-、-(CH
2)
n-、-CF
2CH
2-、-CH
2CF
2-、-(CF
2)
n-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH=CF-、-CF=CH-、-C≡C-、-CH=CH-CO-O-、-O-CO-CH=CH-、-CH
2CH
2-CO-O-、-O-CO-CH
2CH
2-、-CR
1R
2-又は単結合を表し、ここで、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、-H、又は1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、nは、1~4の整数を表し、
Z
3、Z
4及びZ
5は、それぞれ独立に、単結合、-CH
2CH
2-、-CF
2CF
2-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH
2O-又は-OCH
2-を表し、
r
1、r
2及びr
3は、それぞれ独立に、0、1、2又は3を表し、r
1、r
2及びr
3がそれぞれ独立に2又は3を表す場合、Lは、同じであっても異なってもよく、
n
1及びn
2は、それぞれ独立に、0、1又は2を表し、n
1+n
2≧1であり、n
1が2を表す場合、
【化13】
は、同じであっても異なってもよく、n
2が2を表す場合、
【化14】
は、同じであっても異なってもよく、
n
3は、0、1又は2を表し、n
4は、0又は1を表し、n
3が2を表す場合、環
【化15】
は、同じであっても異なってもよく、Z
3は、同じであっても異なってもよい、ことを特徴とする液晶組成物。
【請求項2】
前記一般式Iの化合物は、
【化16】
からなる群から選択され、
ここで、R
1は、1~5個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のハロゲン化又は非ハロゲン化アルキル基を表し、
P
1及びP
2は、それぞれ独立に、重合性基を表し、
Sp
1及びSp
2は、それぞれ独立に、スペーサー基又は単結合を表し、
L’及びL’’は、それぞれ独立に、-F、-Cl、-CN又は-Sp
2-P
2を表す、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項3】
前記一般式IIの化合物は、
【化17】
からなる群から選択され、
ここで、R
3は、-H、ハロゲン、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化18】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、-O-が直接連結しないように、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化19】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
【化20】
は、それぞれ独立に、
【化21】
を表し、
【化22】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
【化23】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F、-Cl又は-CNで置き換えられてもよく、環における1つ以上の-CH=は、-N=で置き換えられてもよく、
Z
3及びZ
5は、それぞれ独立に、単結合、-CH
2CH
2-、-CF
2CF
2-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH
2O-又は-OCH
2-を表す、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の一般式Mの化合物を更に含み、
【化24】
ここで、R
M1及びR
M2は、それぞれ独立に、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化25】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、
【化26】
は、それぞれ独立に、
【化27】
を表し、
【化28】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
【化29】
における多くとも1つの-Hは、ハロゲンで置き換えられてもよく、
Z
M1及びZ
M2は、それぞれ独立に、単結合、-CO-O-、-O-CO-、-CH
2O-、-OCH
2-、-C≡C-、-CH=CH-、-CH
2CH
2-又は-(CH
2)
4-を表し、
n
Mは、0、1又は2を表し、n
M=2である場合、環
【化30】
は、同じであっても異なってもよく、Z
M2は、同じであっても異なってもよい、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の一般式Nの化合物を更に含み、
【化31】
ここで、R
N1及びR
N2は、それぞれ独立に、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化32】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、
【化33】
は、それぞれ独立に、
【化34】
を表し、
【化35】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
【化36】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F、-Cl又は-CNで置き換えられてもよく、環における1つ以上の-CH=は、-N=で置き換えられてもよく、
Z
N1及びZ
N2は、それぞれ独立に、単結合、-CO-O-、-O-CO-、-CH
2O-、-OCH
2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH
2CH
2-、-CF
2CF
2-、-(CH
2)
4-、-CF
2O-又は-OCF
2-を表し、
L
N1及びL
N2は、それぞれ独立に、-H、1~3個の炭素原子を含むアルキル基又はハロゲンを表し、
n
N1は、0、1、2又は3を表し、n
N2は、0又は1を表し、0≦n
N1+n
N2≦3であり、n
N1=2又は3である場合、環
【化37】
は、同じであっても異なってもよく、Z
N1は、同じであっても異なってもよい、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項6】
前記液晶組成物中の前記一般式Iの化合物の重量百分率は、0.001%~5%である、ことを特徴とする請求項2に記載の液晶組成物。
【請求項7】
前記液晶組成物中の前記一般式IIの化合物の重量百分率は、0.1%~25%である、ことを特徴とする請求項3に記載の液晶組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の一般式SAの自己配向剤を更に含み、
【化38】
ここで、R
S1は、Sp-P、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化39】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化40】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-F又は-Clで置き換えられてもよく、
R
S2は、アンカー基
【化41】
を表し、
pは、1又は2を表し、pが2を表す場合、-Sp
d-X
2は、同じであっても異なってもよく、
oは、0又は1を表し、
X
1及びX
2は、それぞれ独立に、-H、-OH、-SH、-NH
2、-NHR
11、-NR
11
2、NHC(O)-R
11、-OR
11、-C(O)OH、-CHO、又は1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のハロゲン化又は非ハロゲン化アルキル基を表し、
X
1及びX
2のうちの少なくとも一方は、-OH、-SH、-NH
2、-NHR
11、-C(O)OH又は-CHOから選択され、
Sp
a、Sp
c及びSp
dは、それぞれ独立に、スペーサー基又は単結合を表し、
Sp
bは、それぞれ独立に、
【化42】
を表し、
【化43】
は、それぞれ独立に、
【化44】
を表し、
【化45】
における1つ以上の-CH
2-は、-O-で置き換えられてもよく、環における1つ以上の単結合は、二重結合で置き換えられてもよく、
Lsは、それぞれ独立に、-F、-Cl、-CN、-NO
2、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(O)N(R
0)
2、-C(O)R
0、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化46】
を表し、前記1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基における1つ又は隣接しない2つ以上の-CH
2-は、それぞれ独立に、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-で置き換えられてもよく、1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
【化47】
における1つ以上の-Hは、それぞれ独立に、-Fで置き換えられてもよく、
R
0及びR
11は、それぞれ独立に、1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、
Pは、重合性基を表し、
Spは、スペーサー基又は単結合を表し、
n
s1は、0又は1を表し、
n
s2は、0、1、2又は3を表し、n
s2が2又は3を表す場合、
【化48】
は、同じであっても異なってもよく、
p
s1、p
s2、p
s3及びp
s4は、それぞれ独立に、0、1又は2を表し、1≦p
s1+p
s2≦2であり、
p
s5及びp
s6は、それぞれ独立に、0又は1を表し、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CH
2O-、-OCH
2-、-CH
2S-、-SCH
2-、-CF
2O-、-OCF
2-、-CF
2S-、-SCF
2-、-(CH
2)
n-、-CF
2CH
2-、-CH
2CF
2-、-(CF
2)
n-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH=CF-、-CF=CH-、-C≡C-、-CH=CH-CO-O-、-O-CO-CH=CH-、-CH
2CH
2-CO-O-、-O-CO-CH
2CH
2-、-CR
1R
2-又は単結合を表し、ここで、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、-H、又は1~12個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、nは、1~4の整数を表す、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項9】
少なくとも1種の添加剤を更に含む、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の液晶組成物。
【請求項10】
請求項
1に記載の液晶組成物を含む、液晶表示装置。
【国際調査報告】