IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-514012吻合デバイス、システム、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】吻合デバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/11 20060101AFI20240319BHJP
   A61F 2/848 20130101ALI20240319BHJP
【FI】
A61B17/11
A61F2/848
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563888
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 US2022028399
(87)【国際公開番号】W WO2022240779
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/186,338
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フルーリー、ショーン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ファブロー、ジョン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】スカッティ、ジェームズ ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160DD01
4C160DD19
4C160DD29
4C267AA43
4C267AA47
4C267BB03
4C267CC07
(57)【要約】
本願は、体管腔間の吻合を確立するための医療デバイスに関する。一例では、細長い部材は、第1の構成と第2の構成との間で変化するように構成されている。細長い部材は、第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在する中間セグメントを備えていてよい。第2の構成では、第1の端部および第2の端部の各々は、曲げ戻し端部において中間セグメントの中心面に向かって屈曲するとともに、1つまたは複数のループを形成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
第1の構成と第2の構成との間で変化するように構成された細長い部材を備え、前記細長い部材は、第1のセグメントと、第2のセグメントと、それらの間に延在する中間セグメントとを含み、
前記第2の構成において、前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントの各々は、前記中間セグメントの方に延在して、前記デバイスのそれぞれの第1の曲げ戻し端部および第2の曲げ戻し端部を形成するとともに、それぞれの保持部材を形成している、デバイス。
【請求項2】
前記第1の構成における前記細長い部材は、実質的に直線状であり、前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントは、前記中間セグメントから実質的に同軸に延在している、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントの各々は、前記細長い部材の前記中間セグメントと前記それぞれの保持部材との間の前記細長い部材の一部分に沿って、前記デバイスのそれぞれの曲げ戻し端部を形成している、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記細長い部材は、非円形断面を有している、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記細長い部材は、その全長に沿って非円形断面を有している、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記細長い部材は、その部分的な長さに沿って非円形断面を有している、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記保持部材は、前記中間セグメントが通って延在するそれぞれの第1の組織層および第2の組織層を並置するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記保持部材は、第1の組織層および第2の組織層を引き寄せて並置するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記中間セグメントの方に延在する少なくとも1つの細長い部材の自由端をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記中間セグメントは、1つまたは複数の保持部材を通って延びる中心軸からオフセットされている、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1のセグメント、前記第2のセグメント、またはその両方は、少なくとも1つのアンカー特徴部を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記保持部材は、前記中間セグメントによって画定される軸を横切る平面内にある、請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記保持部材は、吻合領域を取り囲む1つまたは複数のループを形成している、請求項1~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記中間セグメントは、前記吻合領域の中心領域と交差しない、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
吻合デバイスであって、
第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成された細長い部材を備え、
前記第1の構成において、前記細長い部材は、実質的に直線状であり、
前記第2の構成において、前記細長い部材は、第1の保持部材および第2の保持部材を形成し、中間セグメントがそれらの間に延在し、
前記中間セグメントは、前記第1の保持部材および前記第2の保持部材によって囲まれたエリアの中心領域からオフセットされており、前記中心領域は、そこを通って長手方向に延在する組織を切除して、前記吻合デバイスを通って延在するポートを形成するために、十分に大きい直径を有している、吻合デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療デバイスの分野に関する。特に、本開示は、隣接する体管腔の組織層を一緒に保持する吻合デバイスなどの、隣接する体管腔間に経路を確立するための医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
自己拡張型ステント(例えば、自己拡張型金属ステントまたはSEMS)などのデバイスを解剖学的領域(例えば、体管腔、通路、血管、管など)内に配置することにより、ある領域から別の領域への流体連通を可能にすることができる。例えば、ステントは、ある体管腔から別の体管腔への物質の流れを可能にすることができる。
【0003】
しかしながら、ステントのようなデバイスには種々の欠点がある可能性がある。例えば、ステントは、製造コストが高い可能性があり、および/またはステントを運ぶのに十分な幅のルーメンを備える特殊なシースのシステムなどの高度に特殊化されたシステムおよび送達方法を必要とする場合がある。
【0004】
したがって、本開示のデバイスおよび/または方法によって、様々な有利な医療成果を実現することができる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様では、吻合デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で変化するように構成された細長い部材を備えていてよい。細長い部材は、第1のセグメントと、第2のセグメントと、それらの間に延在する中間セグメントとを備えていてよい。第2の構成において、第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々は、中間セグメントの方に延在して、デバイスの曲げ戻し端部を形成することができる。第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々は、第2の構成において1つまたは複数のループを形成することができる。
【0006】
上記態様では、第1の構成における細長い部材は、中間セグメントに沿って延びる横軸に沿って実質的に直線状であってよい。
細長い部材は、ワイヤであってよい。
【0007】
第1のセグメントおよび第2のセグメントのうちの1つまたは各々について、曲げ戻し端部は、中間セグメントと1つまたは複数のループとの間の細長い部材の一部分に沿っていてよい。
【0008】
細長い部材は、非円形断面を有していてよい。細長い部材は、その全長に沿って非円形断面を有していてもよい。細長い部材は、その部分的な長さに沿って非円形断面を有していてもよい。
【0009】
1つまたは複数のループは、中間セグメントが通って延在するそれぞれの第1の組織層および第2の組織層を並置するように構成されていてよい。1つまたは複数のループは、第1の組織層および第2の組織層を引き寄せて並置するように構成されていてよい。
【0010】
吻合デバイスは、中間セグメントの方に延在する少なくとも1つの細長い部材の端部を備えていてよい。
中間セグメントは、1つまたは複数のループを通って延びる中心軸からオフセットされていてよい。
【0011】
第1のセグメント、第2のセグメント、またはその両方は、少なくとも1つのアンカー特徴部を備えていてよい。
1つまたは複数のループは、中間セグメントによって画定される軸を横切る平面内にあってよい。
【0012】
1つまたは複数のループは、吻合領域を画定し得る。中間セグメントは、吻合領域の中心を通って延在していなくてもよい。曲げ戻し端部は、組織に配置されている間に把持器によって把持されるように構成されていてよい。
【0013】
本開示の別の態様では、吻合を生成する方法は、第1の組織および第2の組織を通してシースを前進させることを含んでいてよい。シースは、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成された細長い本体を含んでいてよい。方法は、細長い本体の遠位端が第2の構成において少なくとも1つの遠位周縁ループを形成するように、細長い本体の遠位端を第2の組織に対して遠位に展開することを含んでいてよい。方法は、少なくとも1つの遠位ループが第2の組織に係合するように、遠位周縁ループとともにシースを近位に後退させることを含んでいてよい。方法は、細長い本体に対してシースを近位に後退させて、細長い本体の近位端を展開することを含んでいてよい。細長い本体の近位端は、第2の構成において、少なくとも1つの近位ループが第1の組織壁に係合するように、少なくとも1つの近位周縁ループを形成してよい。方法は、少なくとも1つの遠位ループと少なくとも1つの近位ループとの間の第1の組織および第2の組織の各々のセクションを切除することを含んでいてよい。組織は、少なくとも1つの遠位ループおよび少なくとも1つの近位ループによって囲まれた吻合領域にあってよい。
【0014】
少なくとも上記の態様では、細長い本体は、第2の組織に向かって屈曲して、遠位曲げ戻し端部を形成することができる。細長い本体は、第1の組織に向かって屈曲して、近位曲げ戻し端部を形成することができる。
【0015】
細長い本体の遠位端を展開することは、細長い本体に対してシースを近位に後退させること、シースに対して細長い本体を遠位に前進させること、またはその両方を含んでいてよい。
【0016】
細長い本体の遠位端を展開することは、細長い本体が第2の組織に向かって屈曲して遠位曲げ戻し端部を形成するように、遠位端を露出させることを含んでいてよい。細長い本体の近位端を展開することは、細長い本体が第1の組織に向かって屈曲して近位曲げ戻し端部を形成するように、近位端を露出させることを含んでいてよい。
【0017】
第2の構成における細長い本体は、少なくとも1つの近位周縁ループと少なくとも1つの遠位周縁ループとの間に延在する、実質的に直線状の中間セグメントを備えていてよい。実質的に直線状の中間セグメントは、第2の構成において細長い本体を通って延びる中心軸から偏心していてよい。方法は、中間セクションの干渉なしに、組織を切除することをさらに含んでいてよい。
【0018】
第1の構成における細長い本体は、実質的に直線状のワイヤであってよい。
少なくとも1つまたは複数のループは、第1の組織層および第2の組織層を引き寄せて並置するように構成されていてよい。
【0019】
本開示のさらなる態様では、吻合デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成された細長い部材を備えていてよい。第1の構成において、細長い部材は、実質的に直線状であってよい。第2の構成において、吻合デバイスは、第1の保持部材と、第2の保持部材と、それらの間に延在する中間セグメントとを備えていてよい。第2の構成において、第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々は、中間セクションの方に延在して、デバイスのそれぞれの第1の曲げ戻し端部および第2の曲げ戻し端部を形成することができる。第2の構成において、第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々は、それぞれの保持部材を形成することができる。第1の曲げ戻し端部は、第1の保持部材と中間セグメントとの間で細長い部材に沿って配置されていてよい。第2の曲げ戻し端部は、第2の保持部材と中間セグメントとの間で細長い部材に沿って配置されていてよい。保持部材は、ループの形態であってよい。
【0020】
上記および種々の態様では、第1の保持部材および第2の保持部材は、第1の組織層および第2の組織層を並置するように構成されていてよい。保持部材は、第1の組織層および第2の組織層を引き寄せて並置するように構成されていてよい。
【0021】
第1の保持部材、第2の保持部材、またはその両方は、1つまたは複数の周縁ループを備えていてよい。1つまたは複数の周縁ループは、それらの間に長手方向に延在する吻合領域を画定または取り囲むことができる。
【0022】
中間セグメントは、吻合領域の中心領域と交差しなくてもよい。中間セグメントは、吻合領域の中心領域からオフセットされていてよく、吻合領域の周縁に沿って延在していてもよい。
【0023】
細長い部材は、非円形断面を有していてよい。
細長い部材の少なくとも1つの端部は、中間セグメントの方に延在していてよい。
中間セグメントは、第1の保持部材、または第2の保持部材、またはその両方によって画定される領域内の中心に位置していなくてもよい。
【0024】
本開示の種々の原理に従って、吻合デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で変化するように構成された細長い部材を備えていてよい。細長い部材は、第1のセグメントと、第2のセグメントと、それらの間に延在する中間セグメントとを備えていてよい。第2の構成において、第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々は、中間セグメントの方に延在して、デバイスの曲げ戻し端部を形成するとともに、1つまたは複数のループを形成することができる。
【0025】
細長い部材は、第1の構成において、実質的に直線状のワイヤであってよく、第1のセグメントおよび第2のセグメントは、中間セグメントから実質的に同軸に延在している。
デバイスの曲げ戻し端部は、中間セグメントから1つまたは複数のループまで延在していてよい。
【0026】
別の態様では、吻合を作成する方法は、第1の組織および第2の組織を通してシースを前進させることを含んでいてよく、シースは、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成された細長い本体を含んでいる。方法は、細長い本体の遠位端が第2の構成において少なくとも1つの遠位周縁ループを形成するように、細長い本体の遠位端を第2の組織に対して遠位に展開することを含んでいてよい。方法は、少なくとも1つの遠位ループが第2の組織に係合するように、遠位周縁ループとともにシースを近位に後退させることを含んでいてよい。方法は、細長い本体に対してシースを近位に後退させて、細長い本体の近位端を展開することを含んでいてよい。細長い本体の近位端は、第2の構成において、少なくとも1つの近位ループが第1の組織壁に係合するように、少なくとも1つの近位周縁ループを形成してよい。方法は、少なくとも1つの遠位ループおよび少なくとも1つの近位ループによって囲まれた吻合領域において第1の組織および第2の組織の各々のセクションを切除することを含んでいてよい。
【0027】
上記および他の態様では、細長い本体の遠位端を展開することは、細長い本体が第2の組織に向かって屈曲して遠位曲げ戻し端部を形成するように、遠位端を露出させることを含んでいてよい。細長い本体の近位端を展開することは、細長い本体が第1の組織に向かって屈曲して近位曲げ戻し端部を形成するように、近位端を露出させることを含んでいてよい。
【0028】
上記および他の態様では、第2の構成における細長い本体は、少なくとも1つの近位周縁ループと少なくとも1つの遠位周縁ループとの間に延在する、実質的に直線状の中間セグメントを備えていてよい。実質的に直線状の中間セグメントは、第2の構成において細長い本体を通って延びる中心軸から偏心していてよい。方法は、中間セクションの干渉なしに、組織を切除することをさらに含んでいてよい。
【0029】
さらなる態様では、吻合デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成された細長い部材を備えていてよい。第1の構成において、細長い部材は、実質的に直線状であってよい。第1の構成において、第1のセグメントおよび第2のセグメントは、中間セグメントから実質的に同軸に延在していてよい。第2の構成において、細長い部材は、第1の保持部材と、第2の保持部材と、それらの間に延在する中間セグメントとを形成することができる。第1の曲げ戻し端部は、中間セグメントから延在するとともに、中間セグメントの方に延在して、第1の保持部材を形成することができる。第2の曲げ戻し端部は、中間セグメントから延在するとともに、中間セグメントの方に延在して、第2の保持部材を形成することができる。
【0030】
上記および他の態様では、第1の保持部材および第2の保持部材は、第1の組織層および第2の組織層を並置するように構成されていてよい。第1の保持部材および第2の保持部材は、第1の組織層および第2の組織層を引き寄せて並置するように構成されていてよい。第1の保持部材、第2の保持部材、またはその両方は、1つまたは複数の周縁ループを備えていてよい。1つまたは複数の周縁ループは、それらの間に長手方向に延在する吻合領域を画定することができる。
【0031】
中間セグメントは、吻合領域の中心領域と交差しなくてもよい。中間セグメントは、吻合領域の中心領域からオフセットされていてよく、吻合領域の周縁に沿って延在していてもよい。
【0032】
細長い部材は、非円形断面を有していてよい。
中間セグメントは、第1の保持部材、または第2の保持部材、またはその両方によって画定されるクランプ領域内の中心に位置していなくてもよい。
【0033】
さらに別の態様において、吻合デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成された細長い部材を備えていてよい。第1の構成において、細長い部材は、実質的に直線状であってよい。第2の構成において、細長い部材は、第1の保持部材と、第2の保持部材と、それらの間に延在する中間セグメントとを形成することができる。中間セグメントは、第1の保持部材および第2の保持部材によって囲まれたエリアの中心領域からオフセットされていてよい。中心領域は、そこを通って長手方向に延在する組織を切除して、吻合デバイスを通って延在するポートを形成するために、十分に大きい直径を有していてよい。
【0034】
上記および他の態様では、第1の保持部材および第2の保持部材は、第1の組織層および第2の組織層を並置するように構成されていてよい。第1の保持部材および第2の保持部材は、第1の組織層および第2の組織層を引き寄せて並置するように構成されていてよい。第1の保持部材、第2の保持部材、またはその両方は、1つまたは複数の周縁ループを備えていてよい。
【0035】
デバイスの第2の構成において、デバイスの曲げ戻し端部は、中間セグメントと保持部材のうちの少なくとも1つとの間に画定されていてよい。
中間セグメントは、吻合領域の中心領域と交差しなくてもよい。中間セグメントは、吻合領域の中心領域からオフセットされていてよく、吻合領域の周縁に沿って延在していてもよい。
【0036】
細長い部材は、非円形断面を有していてよい。
中間セグメントは、第1の保持部材、または第2の保持部材、またはその両方によって画定される領域内の中心に位置していなくてもよい。
【0037】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、吻合デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で変化するように構成された細長い部材を備えていてよい。細長い部材は、第1のセグメントと、第2のセグメントと、それらの間に延在する中間セグメントとを備えていてよい。第2の構成において、第1のセグメントおよび第2のセグメントのいずれかまたは各々は、中間セグメントの方に延在して、デバイスのそれぞれの第1の曲げ戻し端部および第2の曲げ戻し端部を形成するとともに、それぞれの保持部材を形成している。
【0038】
上記および他の態様では、第1の構成における細長い部材は、実質的に直線状であってよい。
第1のセグメントおよび/または第2のセグメントは、中間セグメントから実質的に同軸に延在していてよい。
【0039】
第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々は、細長い部材の中間セグメントとそれぞれの保持部材との間の細長い部材の一部分に沿って、デバイスのそれぞれの曲げ戻し端部を形成することができる。
【0040】
細長い部材は、非円形断面を有していてよく、その部分的な長さまたは全長に沿って非円形断面を有していてよい。
保持部材は、中間セグメントが通って延在するそれぞれの第1の組織層および第2の組織層を並置するように構成されていてよい。保持部材は、第1の組織層および第2の組織層を引き寄せて並置するように構成されていてよい。
【0041】
吻合デバイスは、中間セグメントの方に延在する少なくとも1つの細長い部材の自由端をさらに備えていてよい。
中間セグメントは、1つまたは複数の保持部材を通って延びる中心軸からオフセットされていてよい。
【0042】
第1のセグメント、第2のセグメント、またはその両方は、少なくとも1つのアンカー特徴部を備えていてよい。
保持部材は、中間セグメントによって画定される軸を横切る平面内にあってよい。
【0043】
保持部材は、吻合領域を取り囲む1つまたは複数のループを形成することができる。中間セグメントは、吻合領域の中心領域と交差しなくてもよい。
本開示の別の態様では、吻合デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成された細長い部材を備えていてよい。第1の構成において、細長い部材は、実質的に直線状であってよい。第2の構成において、細長い部材は、第1の保持部材および第2の保持部材を形成することができ、中間セグメントがそれらの間に延在している。中間セグメントは、第1の保持部材および第2の保持部材によって囲まれたエリアの中心領域からオフセットされていてよい。中心領域は、そこを通って長手方向に延在する組織を切除して、吻合デバイスを通って延在するポートを形成するために、十分に大きい直径を有していてよい。
【0044】
上記および他の態様では、第1の保持部材および第2の保持部材は、第1の組織層および第2の組織層を並置するように構成されていてよい。第1の保持部材および第2の保持部材は、第1の組織層および第2の組織層を引き寄せて並置するように構成されていてよい。
【0045】
第1の保持部材、第2の保持部材、またはその両方は、1つまたは複数の周縁ループを備えていてよい。
第2の構成において、デバイスの曲げ戻し端部は、中間セグメントと、第1の保持部材または第2の保持部材のうちの少なくとも1つとの間に画定されていてよい。
【0046】
中間セグメントは、吻合領域の中心領域を通って延在していなくてもよい。
細長い部材は、非円形断面を有していてよい。
中間セグメントは、第1の保持部材、または第2の保持部材、またはその両方によって画定されるクランプ領域内の中心に位置していなくてもよく、吻合領域の外側にあってもよい。
【0047】
他の技術的特徴は、以下の図面、説明、および特許請求の範囲から当業者には容易に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本開示の非限定的な例は、添付の図面を参照して説明されるが、これらの図面は概略的なものであり、縮尺通りに描かれることを意図していない。図において、図示された同一または略同一の構成要素の各々は、通常、単一の数字によって表される。明確化のために、すべての構成要素がすべての図においてラベル付けされているわけではなく、当業者が本開示を理解することを可能にするために図示が必要でない場合には、本開示の各実施形態におけるすべての構成要素が示されているわけではない。
図1A図1Aは、本明細書に説明される1つまたは複数の実施形態による吻合デバイスの直交投影図である。
図1B図1Bは、本明細書に説明される1つまたは複数の実施形態による吻合デバイスの側面図である。
図1C図1Cは、本明細書に説明される1つまたは複数の実施形態による吻合デバイスの端面図である。
図2A図2Aは、本明細書に説明される1つまたは複数の実施形態による吻合デバイスの送達の一例を示す図である。
図2B図2Bは、本明細書に説明される1つまたは複数の実施形態による吻合デバイスを送達する追加のステップの一例を示す図である。
図2C図2Cは、本明細書に説明される1つまたは複数の実施形態による、組織内に展開された吻合デバイスを示す図である。
図2D図2Dは、本明細書に説明される1つまたは複数の実施形態による、吻合の形成の一例を示す図である。
図2E図2Eは、本明細書に説明される1つまたは複数の実施形態による、吻合デバイスの配置の一例を示す図である。
図2F図2Fは、本明細書に説明される1つまたは複数の実施形態による、吻合デバイスの除去の一例を示す図である。
図3図3は、本明細書に記載される実施形態による様々な断面ワイヤプロファイルを示す図である。
図4図4は、本明細書に説明される種々の実施形態による、1つまたは複数のアンカー特徴部を備える、吻合デバイスを形成するために使用され得るようなワイヤを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本開示は、説明される特定の実施形態に限定されない。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲を超えて限定することを意図するものではない。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0050】
本開示の実施形態は、胆嚢、偽嚢胞のドレナージのための、および/または胃空腸吻合などのための医療デバイス(例えば、吻合デバイス、組織クランプなど)およびシステムを具体的に参照して説明され得るが、そのような医療デバイスは、種々の身体器官、管腔、管、血管、瘻孔、嚢胞および空間(例えば、真皮、胃、十二指腸、空腸、小腸、胆嚢、腎臓、膵臓、胆管/膵臓樹、膀胱、尿管、膿瘍、被包化膵壊死(WOPN)、胆管など)からのまたはそれらの間の一時的または永続的な開いた流れまたはドレナージ通路を確立および/または維持するために、種々の医療処置(例えば、体外胆道ドレーン変換、小腸小腸吻合、胃十二指腸吻合および胃回腸吻合など)において使用され得ることが理解されるべきである。デバイスは、異なるアクセスポイントおよびアプローチを介して、例えば、経皮的に、内視鏡的に、腹腔鏡的に、またはそれらのいくつかの組み合わせで挿入され得る。本明細書に開示される医療デバイスは、形状記憶材料から形成され、予め設定された形状を自動的にとることができるが、他の実施形態では、医療デバイスは、例えば、把持器による手動操作、電気素子による加熱などを含む、他の手段によって成形可能であってもよい。さらに、このような医療デバイスは、ドレナージに限定されず、流体または固体をある位置から別の位置へと迂回またはバイパスするための経路を形成すること、閉塞物を除去すること、および/または、臓器内の組織の非侵襲性または低侵襲性の操作および/または開いた流れ路を介した薬剤の導入を含む治療を送達することなどの他の目的のために、臓器、血管または体管腔へのアクセスを容易にし得る。
【0051】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える(comprises)」および/または「備えている(comprising)」または「含む(includes)」および/または「含んでいる(including)」は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、領域、ステップ、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、領域、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されよう。
【0052】
本明細書で使用される場合、「近位」は、デバイスを使用するとき(例えば、デバイスを患者に導入するとき、または埋め込み、配置、もしくは送達中)など、ユーザ(医療専門家または臨床医または技術者またはオペレータまたは医師など、そのような用語は、限定する意図なしに本明細書で互換的に使用され、自動コントローラシステムなどを含む)などに最も近い方向または位置を指し、「遠位」は、デバイスを使用するとき(例えば、デバイスを患者に導入するとき、または埋め込み、配置、もしくは送達中)など、ユーザから最も遠い方向または位置を指す。「長手方向」は、要素のより長い、またはより大きい寸法に沿って延在することを意味する。「中心」は、中心点を少なくとも概ね二等分すること、および/または周囲若しくは境界から概ね等距離であることを意味し、「中心軸」は、開口部に関して、開口部の中心点または領域を少なくとも概ね二等分する線であって、開口部が、例えば、外接領域、管状要素、チャネル、キャビティ、またはボアを備える場合、開口部の長さに沿って長手方向に延在する線を意味する。
【0053】
本開示の種々の態様は、1つまたは複数の体管腔に関して説明され得る。代替的にまたは追加的に、体管腔は、体腔を指し得ることが理解されるであろう。例えば、体管腔は、腸、胃、嚢胞体、腹膜腔などであってよい。
【0054】
本開示の種々の実施形態では、医療デバイス(例えば、吻合デバイス、組織クランプ、ポートデバイスなど)は、第1の体管腔と第2の体管腔との間、および/または第1の身体組織および第2の身体組織にわたって延在し、並置された身体組織のそれぞれの層(例えば、筋層)の並置または並置の維持を補助するように構成することができる。並置された組織(並置された体管腔など)を並置状態に維持することにより、一時的、長期的、または恒久的な開いた流れ、ポート、またはアクセス通路をそれらの間に形成することができる。便宜上、かつ限定を意図することなく、開いた流れ、ポート、またはアクセス通路は、本明細書では、便宜上、かつ限定を意図することなく、吻合と称され得る。同様に、本開示の医療デバイスは、便宜上、かつ限定を意図することなく、まとめて「吻合デバイス」と称され得る。
【0055】
従来の吻合デバイスは、三次元形状を形成するように構成された固体材料および/または1つまたは複数のワイヤから形成されていてよく、それらは、拡張されていない構成で送達され、拡張された構成に移行するために展開され得るように、拡張された構成および拡張されていない構成を有していてよい。しかしながら、拡張されていない構成であっても、従来のデバイスは、特殊な送達システムを必要とし得る、管状構成などの比較的かさばる形状を有している場合がある。例えば、従来のデバイスは、それぞれのデバイスを担持するのに十分な幅のルーメンを画定する1つまたは複数のシースとともに送達され得る。
【0056】
それらの複雑でしばしばかさばる送達方法に起因して、特定の解剖学的領域は、アクセスすることが困難であるか、または従来のデバイスでの処置のために実質的にアクセス不可能である可能性がある。例えば、体管腔の高度に蛇行したおよび/または狭い通路は、既存の送達システムを用いて内視鏡的にナビゲートすることが困難または不可能であり得る。
【0057】
展開された場合であっても、従来のデバイスは、1つまたは複数の欠点を提示し得る。例えば、ステントは、例えば、移動のリスクを低減するために、並置された組織との外面接触の比率を高く維持し得る。しかしながら、組織との接触は、組織に望ましくない刺激を引き起こす可能性があり、患者に不快感および/または感染のリスクをもたらす。種々の吻合デバイスは、並置された組織への外傷を低減するために、被覆(すなわち、メッシュ構造を覆って伸長されたシリコーン被覆)を備えていてもよい。しかしながら、被覆されたデバイスは、移動する傾向があり、潜在的に、患者に痛みをもたらし、および/またはデバイスを再配置するために追加の手順が必要になる可能性がある。
【0058】
さらに、従来のデバイスおよび/またはそれらの送達システムは、製造コストが高い場合があり、それによって、医療専門家および/またはシステムによるそれらのアクセスを減少させる。
【0059】
これらの懸念のうちの1つまたは複数は、本開示のデバイス、システム、および/または方法によって対処することができる。
本開示の少なくとも1つの例では、吻合デバイスは、送達構成および展開構成を有し得る、ワイヤなどの単一の細長い本体または部材を用いて形成されていてよい。送達構成では、本開示による種々のデバイスは、伸長ワイヤなどの、管状部材である必要はない単一の細長い部材として構成されていてよい。単一の細長い部材は、実質的に均一な直径を備えていてよい。
【0060】
本開示の種々のデバイスの送達は、伸長された細長い本体(例えば、単一のワイヤ)を運ぶのに十分な内径を有するルーメンを画定することのみを必要とする、1つまたは複数のシースによって容易にすることができる。したがって、本開示の送達シースは、従来の吻合デバイスとともに使用される送達シースよりも狭くてもよい。したがって、本開示のいくつかの実施形態は、従来のシステムよりも遠隔の解剖学的領域へのアクセスおよび治療を可能にし得る。例えば、本開示のデバイスは、ガイドワイヤと同程度に小さい直径を有するデバイスを介してのみアクセス可能な解剖学的領域へアクセスおよび/または治療するように構成されていてよい。
【0061】
本開示の種々の実施形態によれば、吻合デバイスは、単一のワイヤ(すなわち、細長い部材)を用いて組織層を横断して延在するように構成されていてよい。細長い部材が形成される要素は、それ自体が拡張することなく、送達されている間、ならびに展開された後、コンパクトであり得る。代わりに、細長い部材は、展開されると、第1の送達構成(例えば、送達を容易にするために細長い)から第2の構成(例えば、少なくとも1つの組織に対して所定の位置に保持されるなど、少なくとも1つの組織の表面に接触するように構成される)に移行またはシフトすることができる。第2の構成では、細長い部材は、並置された組織のいずれかの側などの組織表面に接触し得る1つまたは複数の保持部材を含むように構成されていてよい。
【0062】
より具体的には、第1の構成では、細長い部材が形成される要素は、細長くてよく(例えば、実質的に直線状)、一方、第2の構成では、細長い部材が形成される要素は、細長い部材の異なるセグメントに沿って屈曲していてよく、その結果、そのようなセグメントは、デバイスの長手方向軸を横切って延在する。例えば、細長い部材は、第1のセグメントまたは部分、第2のセグメントまたは部分、および第1のセグメントと第2のセグメントとの間の中間セグメントまたは部分を備えていてよい。細長い部材の第1のセグメントおよび/または第2のセグメントは、細長い部材が第2の構成にある場合に、保持部材を形成するように屈曲していてよい。第1の保持部材は、第1のセグメントに沿って形成されていてよく(例えば、保持部材を形成するために第1のセグメントを曲げることによって)、第2の保持部材は、第2のセグメントに沿って形成されていてよい(例えば、保持部材を形成するために第2のセグメントを曲げることによって)。保持部材は、吻合デバイスの長手方向軸に対して概ね横方向に延在して、吻合を形成するために吻合デバイスが延在する組織に接触することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、細長い部材の第2の構成において、第1のセグメントまたは第2のセグメント(細長い部材が細長い第1の構成にあるとき、概して、中間セグメントから離れる方向に延在する)のうちの少なくとも1つは、中間セグメントに向かって曲げられて、デバイスの曲げられた端部を画定することができる。デバイスの曲げられた端部は、デバイスを形成する細長い部材の端部と区別され、中間セグメントと、曲げられたセグメントを形成する第1のセグメントまたは第2のセグメントとの間の細長い部材の一部分に沿って画定される。例えば、第1のセグメントは、細長い部材の第1の自由端に沿った、またはそれに隣接する第1の端部と、中間セグメントに沿った、またはそれに隣接する第2の端部とを有していてよい。同様に、第2のセグメントは、細長い部材の第2の自由端に沿った、またはそれに隣接する第1の端部と、中間セグメントに沿った、またはそれに隣接する第2の端部とを有していてよい。細長い部材の第1のセグメントは、第1のセグメントの第1の端部と第2のセグメントの第1の端部との間の距離が、第1のセグメントの第2の端部と第2のセグメントの第1の端部との間の距離よりも短くなるように曲げられてよい。第1のセグメントのこのような屈曲は、吻合デバイスの第1の端部を形成すると考えることができる。細長い部材の第2のセグメントは、第2のセグメントの第1の端部と第1のセグメントの第1の端部との間の距離が、第2のセグメントの第2の端部と第1のセグメントの第1の端部との間の距離よりも短くなるように曲げられてよい。第2のセグメントのこのような屈曲は、吻合デバイスの第2の端部を形成すると考えることができる。セグメントのうちの1つの第1の端部(細長い部材の自由端に隣接する)から他のセグメントまでの距離が、セグメントのうちのそのような1つの第2の端部(細長い部材の中間セグメントに隣接する)から他のセグメントまでの距離よりも短くなるようにセグメントが曲げられる実施形態では、その屈曲は、デバイスの曲げられた端部を形成し、これは、(そのような構成では)デバイスの端部から内側に離隔される(すなわち、デバイスの端部よりも細長い部材の中間セグメントに近い)細長い部材の端部(すなわち、自由端)とは対照的である。そのような構成では、そのような曲げられたセグメントによって形成される保持部材は、デバイスの端部の内側に、かつ細長い部材の中間セグメント/デバイスの中間領域に向かって配置されると考えることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、細長い部材は、その長さに沿って、隆起および/またはアンカーなどの1つまたは複数の保持特徴部を含んでいてよい。したがって、本明細書に記載される吻合デバイスは、対応する従来のデバイスに対して組織との接触面積を減少させることができ、それにもかかわらず、移動に効果的に抵抗することができる。
【0065】
実施形態は、組織を並置するように構成された少なくとも1つの周縁ループを備えた1つまたは複数の保持部材を含んでいてよく、それによって、組織に対して吻合デバイスを安定して保持し、複数の組織層を一緒に保持し、またはその両方を行うことができる。少なくとも1つの周縁ループは、開いていても閉じていてもよい(例えば、円周の開いた部分を有する、または閉じた円周を完成させる)ことが理解されるであろう。
【0066】
本明細書に説明される種々の例では、本明細書に説明される吻合デバイスは、電気焼灼法による吻合の形成のために、組織層(複数可)を保持および/または支持することができる。焼灼方法によって形成された組織を横切る吻合は、焼灼された組織の液密接合によって画定され得ることが理解されるだろう。しかしながら、組織の層は、並置された組織層にわたる焼灼された吻合の形成のために、ならびに組織の層が一緒に成長する(例えば、一緒に融合する)ためのその後の時間のために、並置して保持される必要があり得る。したがって、本明細書に説明されるデバイスによって支持される吻合は、吻合を画定する焼灼された組織を通る漏出に抵抗しながら、それらの形成および/または並置された組織の治癒の間に支持され得る。
【0067】
さらに、体内の異物の存在は、特に身体の自然な動きが異物による周囲組織の摩耗に寄与する場合、周囲組織からの免疫応答を誘発し得ることが認識されるだろう。その結果、組織の成長反応が引き起こされる可能性があり、いくつかの従来のデバイスでは、形成された吻合の閉塞をもたらす可能性がある。注目すべきことに、本明細書に説明される種々の吻合デバイスは、形成された吻合を通って延在する部材を含まなくてもよく、および/または、それらは、吻合の通路を包囲する(例えば、その壁を画定する)組織とのデバイスの接触を最小限にし、またはさらに排除してもよい。例えば、デバイスは、吻合の全周長または周囲の周りで組織に接触しなくてもよい。したがって、本開示のデバイスは、従来の医療デバイスと同じように、吻合を画定する組織の摩耗に寄与せず、それによって、組織の内方成長を最小限に抑え、そのような組織の内方成長によって形成された吻合の潜在的な閉塞を最小限に抑える。
【0068】
本開示の種々の態様によれば、(本開示の種々の原理に従って形成された吻合デバイスの各端部における)保持部材の各々は、保持部材によって接触される組織に沿ってクランプ領域を画定するか、取り囲むか、または輪郭を描き、および任意選択で、(吻合デバイスの各端部上の)対向する保持部材の間に組織を含む。クランプ領域内で、吻合領域は、細長い部材の中間セグメントに沿って(例えば、平行に)延在するが、細長い部材からの干渉を受けない容積として画定され得る。吻合領域内の組織(例えば、第1の保持部材および第2の保持部材によって接触された表面の間のクランプ領域内に広がる容積の組織)は、吻合を形成するために除去され得る。いくつかの実施形態では、吻合デバイスの中間セグメントは、吻合領域の中心領域からオフセットされ(例えば、中心領域を通って延在せず)、吻合領域の周縁に沿って、またはさらにその外側に延在すると考えることができる。このように、吻合デバイスは、吻合の形成を妨げることなく、吻合が形成される組織を保持する。換言すれば、吻合は、デバイスが所定の位置にある間に、デバイスが組織除去を妨げることなく、デバイスによって画定された(例えば、境界を定められ、または輪郭を描かれた)組織を除去する(例えば、切断またはくり抜く)ことによって形成され得る。
【0069】
本開示の種々の態様に従って、吻合デバイスは、保持部材を備えた細長い部材で形成され、保持部材は、吻合デバイスの長手方向の範囲に対して横方向に延びて、吻合デバイスが延在するとともに吻合が形成される組織に接触する。細長い部材の中間セグメントは、保持部材の間に延在している。いくつかの実施形態では、中間セグメントは、吻合を取り囲む組織に接触しないように、または吻合を取り囲む組織の一部のみに接触するように、吻合に対して構成および配置される。例えば、細長い部材の中間セグメントは、吻合の周囲に対して最小の範囲を有する直径を備えたワイヤから形成されていてよい。中間セグメントは、吻合の領域の外側に留まってもよい(例えば、組織を通る通路を形成する組織のくり抜かれたセクション内にはない)。より詳細には、中間セグメントは、吻合の開いた通路内に延びることなく、吻合を取り囲む組織を通って延在していてもよい。しかしながら、いくつかの例では、中間セグメントは、吻合の周縁に沿っていてもよい。中間セグメントが吻合の組織壁に接触する場合であっても、このような接触は、先行技術の管状吻合デバイスによる接触よりも有意に少ない。たとえそうであっても、細長い部材は、細長い部材の剛性に対応するそれらの直径に基づいて選択され得ることが現在企図されており、それは、例えば、細長い部材から形成される保持部材の保持強度に関連し得る。いくつかの実施形態では、本開示の種々の原理による吻合デバイスを形成する細長い要素の直径は、約0.01インチ(0.254mm)程度に小さくてもよく、約0.05インチ(1.27mm)程度に小さくてもよく、それらの間に0.001インチ(0.0254mm)の増分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本開示の種々の原理による吻合デバイスを形成する細長い要素の直径は、約0.075インチ(1.91mm)程度に大きくてもよく、これは、本明細書に説明されるようなデバイスに対して比較的厚いと考えられるが、吻合の周囲に比べて無視可能であり、吻合の検出可能な閉塞を引き起こすことはないであろう。
【0070】
追加的または代替的に、本開示のデバイスは、製造が簡単および/または効率的であってよく、従来のデバイスを上回る付加的利点を提供することができる。
本明細書に説明されるいくつかの例では、吻合デバイスは、細長い本体の曲げられたセグメントによって形成される1つまたは複数の保持部材を備えていてよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの保持部材は、並置された組織の方に延在するように曲げられたワイヤによって形成されてよく、これは、対応する保持部材設計よりも保持部材の保持強度を増加させ得る。種々の例では、保持部材の曲げ戻し設計は、少なくとも1つの曲げ戻し端部(bent back end)を含んでいてよく、これは、組織から吻合デバイスを除去するために(すなわち、把持要素を介して)把持され、かつ引っ張られ得るループ(またはフック、または折り目など)を含んでいてよい。
【0071】
本明細書では、吻合および/または吻合の形成のためのデバイスが参照されるが、本開示の原理は、より広く適用され得ることが理解されるであろう。例えば、吻合は、一般に、2つの並置された組織の間に形成されると考えられ得る。しかしながら、本開示の種々の原理は、組織の単一層に適用されてもよい。例えば、本開示の種々の原理に従って形成されたデバイスは、例えば、くり抜かれる(例えば、除去される)組織の領域を画定する(例えば、取り囲む、または輪郭を描く)デバイスの保持部材などによって、組織を通るポートまたは通路の形成を容易にするために使用され得る。さらに、本開示の原理は、吻合が形成されない組織の並置にも適用され得る。
【0072】
ここで、図面に示される実施形態の例を参照し、最初に図1A図1Cの例を参照すると、吻合デバイス100は、ワイヤ102などの細長い要素、または最小化された断面を有する他の薄いまたは狭い要素から形成されていてよく、細長い要素は、第1の送達構成および第2の展開構成を有する。図1A図1Cは、展開構成の例における吻合デバイス100を示す。図1Aは、吻合デバイス100の直交投影図を示し、図1Bは、吻合デバイス100の側面図を示し、図1Cは、吻合デバイス100の端面図を示す。
【0073】
ワイヤ102は、ニチノール、形状記憶ポリマーなどの形状記憶材料から形成されていてよい。多くの実施形態では、ワイヤ102は、図2Aに示されるような中実および/または単一ワイヤを含んでいてよい。種々の実施形態では、本開示による吻合デバイスは、代替的または追加的に、ワイヤ以外の要素/細長い部材から形成されていてもよい。しかしながら、簡略化のために、吻合デバイス100に関する説明では、形成体をワイヤ102と称し得る。
【0074】
ワイヤ102の種々の実施形態は、第1のセグメント(例えば、セグメント「S1」)と、第2のセグメント(例えば、セグメント「S3」)と、それらの間に延在する中間セグメント104(例えば、セグメント「S2」)とを含む。中間セグメント104は、1つまたは複数の組織を通って延在するように構成されたブリッジセグメントなどと考えることができる。中間セグメント104は、本明細書において、直線状または実質的に直線状であるものとして説明および図示されている場合があるが、中間セグメント104は、様々な実施形態において、追加的にまたは代替的に、少なくとも1つの湾曲部、起伏部などを含み得ることが理解されるであろう。中間セグメント104は、組織に沿った場所に接する平面(簡略化のために図示せず)を通って横方向(本明細書で使用されるように、垂直または他の角度、概して0°よりも大きい)に延在するように構成され得る。実施形態はこの文脈に限定されるものではない。
【0075】
中間セグメント104の少なくとも1つの端部において、吻合デバイス100は、第1の保持部材106および/または第2の保持部材108などの保持構造を備えていてよい。第1の保持部材106は、展開構成におけるワイヤ102の第1のセグメントS1の曲げられた部分から形成されていてよい。同様に、第2の保持部材108は、展開構成において、ワイヤ102の第2のセグメントS3の曲げられた部分で形成されていてよい。第1の保持部材106および/または第2の保持部材108は、吻合デバイス100の中間セグメント104が通って延びる組織の表面に接触するように、吻合デバイス100の長手方向軸LAに対して横方向に延在していてよい。
【0076】
種々の実施形態において、ワイヤ102は、吻合デバイス100の曲げ戻し端部110,116を形成するように屈曲していてよく、それぞれの保持部材106,108を、吻合デバイス100の端部110,116の内側に、このような保持部材が延びる反対側の端部セグメントに向かって配置する。換言すれば、より具体的には、そのような実施形態では、第1のセグメントS1は、第2のセグメントS3に向かって屈曲して、曲げ戻し端部110および保持部材106を形成し、保持部材106と第2のセグメントS3との間の距離は、曲げ戻し端部110と第2のセグメントS3との間の距離よりも短い。同様に、そのような実施形態では、第2のセグメントS3は、第1のセグメント103に向かって屈曲して、曲げ戻し端部116および保持部材108を形成し、保持部材108と第1のセグメントS1との間の距離は、曲げ戻し端部116と第1のセグメントS1との間の距離よりも短い。例えば、図2Cに示されるように、組織内に展開されると、第1の曲げ戻し端部110は、並置された組織(すなわち、図2Cの組織層「T2」)および/または中間セグメント104の方に戻って延在するワイヤ102の曲げられたセグメントを備えていてよい。第2の曲げ戻し端部116は、同様に、並置された組織(すなわち、図2Dの組織層「T1」)および/または中間セグメント104の方に戻って延在するワイヤ102の曲げられたセグメントを備えていてよい。曲げ戻し端部は、並置された組織によってそれぞれの保持構造に印加される横方向の力に対抗することによって、吻合デバイス100の保持力を改善し得ることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、第1の曲げ戻し端部110および/または第2の曲げ戻し端部116は、吻合デバイス100のデバイス端部を形成してもよい(すなわち、デバイスの最も遠い長手方向に延在する領域または端部であってもよい)。
【0077】
本開示の様々な原理によれば、ワイヤ102は、中間セグメント104が保持部材として存在する平面に対して横断方向に延在するセグメントに曲げられ得る。換言すれば、S1および/またはS3の少なくとも一部は、中間セグメント104と交差する平面内に存在する保持部材として曲げられていてよく、中間セグメント104は、保持部材(または少なくともその大部分)が存在する平面に対して直交するか、または他の角度で横断する。様々な例では、横方向に延在するワイヤセグメントS1,S2は、中間セグメント104から半径方向に離れて延在してよく、次いで、中間セグメント104の周りに延在して、中間セグメント104の周りにループ112を形成してよい。延在部は、円形、螺旋状、卵形などであってもよく、そうでなくてもよく、および/または1つまたは複数の角度、起伏などを含んでいてよいことが理解されるであろう。多くの場合、横方向に延在するワイヤの一部分は、中間セグメント104の直径よりも広い外周の周りで、並置された組織に接触するように構成されていてよい(簡略化のために図示せず)。周囲に延在するそのようなワイヤは、本明細書では、簡略化のために、限定することを意図せずに、「周縁ループ(circumferential loop)」と称される。例えば、ワイヤ102の第1のセグメントS1が曲げられて第1の周縁ループ112になってよく、これは、組織層を並置し、それによって、組織層に対して吻合デバイス100を安定させるように構成されていてよい(例えば、図2Cに図示されるような組織層T2に対する吻合デバイス100を参照のこと)。少なくとも1つの周縁ループが、図面において明確にするために示されているが、さらなる周縁ループ(例えば、2つ以上の同心ループ)が、並置された組織に対して吻合デバイス100を保持するのにさらに役立ち得ることが理解されるであろう。例えば、さらに半径方向外向きに延在するループは、螺旋状および/または同心円状に横方向外向きに延在していてよい。図1Cに関して見ることができるように、保持部材の少なくとも1つの周縁ループは、吻合デバイス100を通って長手方向に延在する長手方向軸LAから半径方向外向きに、かつその周りに周方向に延在していてよい。第1の周縁ループ112および第2の周縁ループ118は、ループ112および/または周縁ループ118によって囲まれた境界を有するクランプ領域122を画定することができる。クランプ領域122は、組織に対する少なくとも1つの周縁ループの接触を介して固定された並置された組織を通って延在する容積を備えていてよい。例えば、第1の保持部材106と第2の保持部材108との間の容積は、図2Eに示されるように、クランプ領域122の外壁が第1の保持部材106の外周と第2の保持部材108の外周との間に延在するように、クランプ領域122として画定されていてよい。さらなる同心ループは、クランプ領域122を広げることができ、および/またはクランプ領域122内に並置された組織に対する圧力を増加させることができ、および/または並置された組織の非平坦および/または運動性表面に適応することができることがさらに理解されるであろう。種々の実施形態において、クランプ領域122内の吻合デバイス100からの圧力によって並置状態に保持された組織は、時間とともに融合することができ、図2E図2Fに関して記載されるように、その中に形成された吻合またはポートに損傷を与えることなく、吻合デバイス100のその後の除去を可能にする。
【0078】
図1A図1Cに見られるように、いくつかの実施形態では、長手方向軸LAは、少なくとも1つの周縁ループ112,118の中心点または少なくとも中心領域を通って延在していてよい。周縁ループ112,118は、卵形(図1Cに示されるように)であってよく、またはそれらは、円形、多角形、波状などの別の形状であってもよい(簡潔にするために図示せず)。多くの実施形態では、中間セグメント104は、長手方向軸LAからオフセットされていてよい(例えば、長手方向軸LAから横方向に離隔される、長手方向軸LAと同軸でない、または長手方向軸LAと同一の広がりを持たない)。
【0079】
いずれにしても、図1Cに見られるように、少なくとも1つの周縁ループ112,118は、第1周縁ループ112と第2の周縁ループ118との間の組織(複数可)のクランプ領域122よりも小さい吻合領域A、および/または多くの例では、中間セグメント104と交差しない治療部位(すなわち、多くの例では、中間セグメント104は、吻合領域Aを通って延在していない)の周りに延在していて(例えば、囲んでいて)よい。種々の実施形態において、吻合領域Aは、クランプ領域122内に存在するが、吻合デバイス100を形成するために使用される細長い本体の任意の部分によって妨げられず、および/または遮られない。吻合デバイス100が治療部位を通して展開されると、切断要素(例えば、電気焼灼先端)などのツールまたは器具が、吻合を形成するように、吻合領域A内から組織を切除または除去またはくり抜くために使用され得ることが理解されるであろう。長手方向軸LAからの中間セグメント104の偏心および/または周縁ループ112,118の楕円形状(すなわち、クランプ領域122内で中心に置かれていない)は、中間セグメント104からの干渉なしに、吻合領域Aのより大きな作業空間(すなわち、ワイヤ102の屈曲部によって覆われない、および/または交差されていないクランプ領域122内のエリア)を提供することが理解されるだろう。多くの実施形態では、中間セグメント104および/または少なくとも1つまたは複数の周縁ループ112,118の内径の偏心は、吻合領域Aが、切断デバイス(例えば、図2Eに関して説明されるような切断要素210)を通過させて、中間セグメント104の干渉なしに吻合を形成するために十分な幅を有するように構成されていてよい。
【0080】
第1の周縁ループ112は、第1のワイヤ端部114(第1の「自由」端)で終端していてよく、第2の周縁ループ118は、第2のワイヤ端部120(第2の「自由」端)で終端していてよい。ワイヤ端部114,120は、図示されているように、丸みを帯びていてもよく(すなわち、ドーム状、凸状に湾曲していてもよく)、または、四角形であってもよく、尖っていてもよく、または他の形状であってもよい。ワイヤ端部114,120は、ワイヤ102の残りの部分と同じ直径または異なる直径を有していてよい。いくつかの実施形態では、ワイヤ端部114,120は、中間セグメント104を横切るまたは中間セグメント104に直交する平面A-Aに実質的に平行に、および/または並置された組織に沿って延在するように構成されていてよい。他の実施形態では、ワイヤ端部114,120は、平面A-Aの方に延在していてもよく、これは、ワイヤ端部を並置された組織(図示せず)と接触させ、任意選択でその中に係留させてもよい。
【0081】
同様に、少なくとも1つの周縁ループ112,118は、平面A-Aに実質的に平行な平面内に位置するように、または平面A-Aに対して斜めの角度で中間セグメント104に向かって延びるように構成されていてよい。いくつかの実施形態では、周縁ループ112,118のうちの少なくとも1つは、ループが中間セグメント104に徐々に接近して延在する、螺旋状ワイヤ保持部材の形態であってもよい。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、平面A-Aに向かって横方向に延在する周縁ループ112,118および/またはワイヤ端部114,120は、並置された組織によってそれぞれの保持部材106,108に及ぼされる横方向の力に対抗することによって、代替的な設計を上回って吻合デバイス100の保持強度を増加させ得ると考えられる。
【0082】
図2A図2Dは、例として、本明細書に説明されるような医療デバイスのための送達方法の態様を示す。
図2Aに示されるように、本明細書中に開示されるような吻合デバイス100は、シース202(例えば、組織貫通要素、カテーテルなど)内に送達構成(例えば、非拡張構成、直線構成、拘束構成など)で配置されていてよく、シース202は、それを通って長手方向に延在するルーメン204を画定する。種々の実施形態では、送達構成では、ワイヤ102は、ワイヤ102が実質的または完全に直線状であるように、1つまたは複数の保持部材106,108、および/または曲げ戻し端部110,116が、実質的または完全に直線状にされ得るように、伸長されていてよい。例えば、第1の保持部材106は、直線状にされて、拘束構成のワイヤ102のセグメントS1(例えば、第1のセグメント)になってよく、中間セグメント104は、拘束構成のワイヤ102のセグメントS2であってよく、第2の保持部材108は、直線状にされて、拘束構成のワイヤ102のセグメントS3(例えば、第2のセグメント)になってよく、セグメントS1、S2、およびS3は、簡潔にするために、限定することを意図せずに、図1Aに関して説明したものに概ね対応する。換言すれば、送達構成における吻合デバイス100の長さ「L」は、吻合デバイス100を形成するために使用されるワイヤ102の同じ長さLであってよい。送達構成における吻合デバイス100の直径「D」は、吻合デバイス100を形成するために使用されるワイヤ102の直径Dと同一または実質的に同一であってよい。多くの実施形態では、ルーメン204内のワイヤ102の配置は、ワイヤ102の直線構成を維持するために十分であってよい。例えば、シース202および/またはルーメン204は、ワイヤ102がルーメン204内に配置されている間、ワイヤ102を実質的に真っ直ぐな構成に保持するのに十分に小さい直径を備えていてよい。ルーメン204は、したがって、直径Dと実質的に同じサイズであるか、または直径Dよりわずかに大きい直径を有していてよく、直径Dは、従来のデバイスより小さくてもよいことが認識されるであろう。
【0083】
シース202の遠位端206は、第1の体管腔BL1から、第1の組織層T1および第2の組織層T2を通って、第2の体管腔BL2の中へ遠位に前進させることができる。遠位端206は、組織層T1およびT2を通って直接前進させられてもよく、または穴が、例えば、電気焼灼先端(図示せず)によって、前進の際または前進に先立って形成されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の体管腔BL3が、組織層T1と組織層T2との間に存在していてもよい。
【0084】
次に、図2Bに注目する。
シース202の遠位端206が第2の組織層T2を通って前進すると、シース202はワイヤ102に対して近位に後退させられてよく、またはワイヤ102はシース202に対して遠位に伸長させられてよく(すなわち、ルーメン204内でワイヤ102に隣接する、および/または結合され得るプッシャ208の印加圧力によって)、それによって、ワイヤの遠位端が送達構成から展開構成(すなわち、拘束されていない構成、拡張された構成、屈曲された構成、カールされた構成、保持構成などであり、これらの用語は互換的に使用されてよく、限定する意図はない)に変化することを可能にする。特に、ワイヤ102の遠位端(すなわち、セグメントS1)は、第2の体管腔BL2内の第1の保持部材106へと移行することができる。
【0085】
第1の保持部材106が第2の組織層T2に接触していない場合、吻合デバイス100は、第1の保持部材106が第2の組織層T2を並置するように、シース202とともに近位に後退させられてよい。例えば、プッシャ208がワイヤ102に結合される場合(例えば、プッシャ208が把持器を含む場合)、吻合デバイス100は、シース202のルーメン204内に配置され得るプッシャ208とともに近位に後退させられてよい。
【0086】
次いで、シース202は、第1の保持部材106が第2の体管腔BL2内に残るが、中間セグメント104(すなわち、セグメントS2)が組織層T1およびT2を通って延びるように、組織層T2およびT1を通ってさらに近位に後退させられてよい。
【0087】
図2Cに見られるように、次いで、セグメントS3の近位端を越えてシース202をさらに近位に後退させることによって、第2の保持部材108が第1の体管腔BL1内で展開されてよく、その結果、第2の構成に変化することによってセグメントS3が第2の保持部材108を形成する。いくつかの実施形態では、第2の保持部材108の展開は、第2の保持部材108が、組織層T1およびT2をともに圧迫または引き寄せることを可能にし、例えば、追加の体管腔BL3または組織層T1と組織層T2との間の空間を橋渡しし、および/または組織層T1と組織層T2との間の距離を減少させることを可能にすることができる。
【0088】
続いて、例えば、電気焼灼先端212を備えた切断要素210などのツールが、図1Cに示されるように、吻合領域Aと位置合わせされ、吻合領域Aにおいて吻合またはポートを作成するために使用されてよい。いくつかの実施形態では、吻合領域は、吻合領域Aと一致していてよい(すなわち、図2Dに示されるように、吻合デバイス100を形成する細長い部材によって干渉または妨害されない、クランプ領域122内で利用可能な全空間を占める)。他の実施形態では、より小さい吻合が、吻合領域A内に作成されてもよい。実施形態はこの文脈に限定されるものではない。吻合の形成は、吻合デバイス100の配置と同じ手順または異なる手順で行われ得る。
【0089】
切断要素210は、それを通るルーメン216を画定する第2のシース214を通して、または同じ第1のシース202を通して伸長されてよい。例えば、プッシャ208は、ルーメン204から除去され、切断要素210と交換されてよい。別の例では、切断要素210は、プッシャ208として機能し、それによって、施術者が処置中にツールを交換する必要性を排除してもよい。
【0090】
様々なタイプの切断要素210(すなわち、メス、針、鋏など)が現在企図されているが、様々な実施形態では、電気焼灼要素を使用することができ、この電気焼灼要素は、吻合領域Aに吻合を形成しながら、同時に組織層T1および組織層T2を一緒に焼灼および/または融合させることができる。吻合デバイス100は、したがって、組織層T1および組織層T2を一緒にクランプし、それによって、例えば、組織層T1および組織層T2が治癒する際に、それ自体は吻合の導管を通って延在することなく、吻合の維持をサポートすることができる。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、本開示のデバイス、システム、および方法は、したがって、吻合を通って延在する医療デバイスによる吻合の継続的な悪化なしに、吻合の治癒を可能にし得ると考えられる。中間セグメント104は、組織層T1および組織層T2を能動的に橋渡しする、吻合デバイス100の唯一の部分であってよいことが認識される。中間セグメント104がワイヤなどの単純な細長い部材である本明細書に記載のような実施形態では、中間セグメント104のそのような構成は、従来の吻合デバイスよりも、並置された組織との表面接触の面積および潜在的な刺激を低減させる。
【0091】
種々の実施形態において、図2Eに示されるように、把持器218は、吻合デバイス100の位置を調節するために、および/または吻合デバイス100を除去するために使用され得る。特に、把持器218は、ルーメン222を画定するシース220を通して伸長されていてよく、シース220は、シース202,214と同一または異なるシースであってよい。把持器218は、吻合デバイス100の曲げ戻し端部110,116を把持するために使用されてよく、これは、吻合デバイス100が展開後であっても所定の位置に調整されることを可能にすることができる。
【0092】
いくつかの例では、施術者は、例えば、吻合領域Aの吻合が治癒した場合、および/または吻合デバイス100が移植される必要性がもはやない場合、組織から吻合デバイス100を除去することを所望する可能性がある。この場合、把持器218は、第2の曲げ戻し端部116を保持し、第2の曲げ戻し端部116とともに近位に後退させることができる。
【0093】
第2の曲げ戻し端部116に印加された力に応答して、少なくとも第1の保持部材106を画定するワイヤ102は、真っ直ぐになり、組織層T2および組織層T1を通って摺動することができ、それによって、吻合デバイス100を組織内のその展開位置から除去することができる。例えば、第1の周縁ループ112を形成するワイヤ102のセグメントS1は、組織層T2および組織層T1を通って近位に引っ張られると真っ直ぐになることができる。いくつかの実施形態では、把持器218は、次いで、図2Fに示されるように、ワイヤ102がシース220内に捕捉されるように、シース220に対して第2の曲げ戻し端部116とともにさらに近位に後退させることができる。次いで、シース220を第1の体管腔BL1から除去することができる。
【0094】
本開示の種々の実施形態では、吻合デバイスは、1つまたは複数の保持特徴部を備えていてよい。保持特徴部は、並置された組織に対して摺動および/または移動する吻合デバイスの抵抗を増加させるために、並置された組織と接するように構成されていてよい。保持特徴部は、吻合デバイスを形成するために使用されるワイヤなどの要素の表面に沿って(すなわち、組織と接するように構成されたワイヤの一部分に沿って選択的に)、または吻合デバイスを形成するために使用される要素の表面の全長に沿って選択的に配置されてよい。
【0095】
例えば、吻合デバイス100を形成するために使用されるワイヤ102は、円形断面表面(図示せず)を有する丸形ワイヤを備えていてよい。代替的に、ワイヤ102の少なくとも一部分は、非円形形状を有する断面表面を備えていてもよい。変化した表面は、そのような断面表面を有するワイヤの長さに沿って1つまたは複数の保持特徴部を備えていてよい。例えば、ワイヤ表面の傾斜部分または突出部分は、並置された組織に対してワイヤの位置を固定するのを助ける保持特徴部として機能することができる。
【0096】
図3は、ワイヤ断面302a~fの様々なオプションを示すが、実施形態はこの文脈に限定されるものではない。
例えば、ワイヤ断面302aは、点304に向かって引かれた表面を特徴とし、これは、並置された組織と接するように構成され得る。ワイヤ断面302bを有するワイヤの例では、ワイヤの表面の周囲の他の点よりも小さい曲率半径を有する丸みを帯びた点306は、ワイヤ断面302aとは対照的に、より外傷性の低い組織接触を提示することができるが、対応する円形断面を有するワイヤよりも保持性の高い表面を提示することができる。ワイヤ断面302cを有するワイヤは、楕円形であってよい。様々な他の実施形態では、ワイヤは、星形の形状(ワイヤ断面302d)、正方形または長方形の形状(ワイヤ断面302e)、三角形の形状(ワイヤ断面302f)、および/または他の多角形もしくは不規則もしくは角度付きもしくは完全に曲線的でない、もしくは曲線的ではない断面を備えた断面を有していてよい。
【0097】
図3に関して説明されるような断面を有する保持特徴部(すなわち、ワイヤ表面特徴部)は、図2Aに示されるような、ワイヤ102の長さLに沿って完全にまたは部分的に延在していてよい。いくつかの実施形態では、図3に関して議論されるような断面は、ワイヤに沿って均一に延在していてよく、またはワイヤを通って延在する軸を中心として円周方向に直線的に延在していてもよい(図示せず)。ワイヤの種々の部分は、同一または異なる断面プロファイルを備えていてよい。実施形態はこの文脈に限定されるものではない。
【0098】
いくつかの実施形態では、ワイヤ形成吻合デバイス100は、その長さLに沿って1つまたは複数のアンカーを備えていてよく、1つまたは複数のアンカーは、図3に示される外形を備えている。例えば、図4において、アンカー402a,402bは、ワイヤ断面302eとして示される外形を備えている。アンカー402aは、ワイヤ102に沿って配置され、アンカー402bは、第1のワイヤ端部114または第2のワイヤ端部120など、ワイヤ102の端部に配置される。実施形態の例は、ワイヤ102の長さLに沿って規則的または不規則な間隔で配置された1つまたは複数のアンカー(すなわち、アンカー特徴部)を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、ワイヤ102は、例えば、周囲組織への望ましくない摩耗を最小限にするために、保持部材106,108に沿って非円形断面および/または少なくとも1つのアンカー特徴部のみを含んでいてもよい。他の実施形態では、ワイヤ102は、その長さLに沿った任意の場所に、非円形断面および/または少なくとも1つのアンカー特徴部を備えていてもよく、これは、例えば、吻合デバイス100を製造する複雑さを低減し得る。
【0099】
本明細書で開示され、請求されるデバイスおよび/または方法の全ては、本開示に照らして、過度の実験を伴わずに、製造および実行することが可能である。本開示のデバイスおよび方法は、好ましい実施形態に関して説明されているが、本開示の概念、技術思想、および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されるデバイスおよび/または方法、ならびに方法のステップまたは一連のステップに変形を適用できることは、当業者にとって明らかであろう。当業者に明らかな全てのそのような類似の代替物および改変は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の技術思想、範囲、および概念の範囲内であるとみなされる。
【0100】
前述の議論は、広範な用途を有し、例示および説明の目的で提示されており、本開示を本明細書に開示される1つまたは複数の形態に限定することを意図していない。本開示の概念、技術思想、および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される実施形態に対して様々な追加、修正、および置換が行われ得ることが理解されるであろう。特に、本開示の原理は、その概念、技術思想、もしくは範囲、または特性から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、比率で、ならびに他の要素、材料、および構成要素を用いて具現化され得ることが当業者には明らかであろう。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つまたは複数の態様、実施形態、または構成に、一緒にグループ化される。しかしながら、本開示の特定の態様、実施形態、または構成の様々な特徴は、代替の態様、実施形態、または構成において組み合わされ得ることを理解されたい。本開示は、実施形態に関して提示されるが、本主題の様々な別個の特徴は、本主題またはそのような個々の特徴の所望の特性および/または利点のうちの少なくともいくつかを達成するために、全てが存在する必要はないことを理解されたい。本開示は、本開示の原理または技術思想または範囲から逸脱することなく、多くの修正、または特定の環境および動作要件に特に適合される、本開示の実施において使用される構造、配置、比率、材料、構成要素などの修正とともに使用され得ることを当業者は理解するであろう。例えば、一体的に形成されるものとして示される要素は、複数の部品から構成されてもよく、または複数の部品として示される要素は、一体的に形成されてもよく、要素の動作は、逆にされてもよく、または変更されてもよく、要素のサイズまたは寸法は、変更されてもよい。同様に、動作またはアクションまたは手順が特定の順序で説明されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような特定の順序を必要とすると理解されるべきではなく、あるいはすべての動作またはアクションまたは手順が実行されるべきであると理解されるべきではない。加えて、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲内にある。いくつかの場合には、特許請求の範囲に記載された動作は、異なる順序で実行することができ、それでも望ましい結果を達成することができる。したがって、現在開示されている実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、請求される主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、前述の説明、または本明細書で説明もしくは図示されている特定の実施形態もしくは構成に限定されない。上記を考慮して、任意の実施形態の個々の特徴が使用されてもよく、別個に、またはその実施形態もしくは任意の他の実施形態の特徴と組み合わせて請求されてもよく、主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、前述の説明に限定されない。
【0101】
前述の説明および以下の特許請求の範囲において、以下が理解されるであろう。本明細書で使用される「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」、および「および/または」という語句は、動作において接続的および選言的の両方であるオープンエンド表現である。「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「第1の(first)」、「第2の(second)」などの用語は、複数を除外しない。例えば、用語「1つの(a)」または「1つの(an)」エンティティは、本明細書で使用される場合、そのエンティティの1つまたは複数を指す。したがって、用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1つまたは複数」および「少なくとも1つ」は、本明細書において互換的に使用することができる。全ての方向に関する言及(例えば、近位、遠位、上部、下部、上方、下方、左、右、横方向、長手方向、前部、後部、頂部、底部、上、下、垂直、水平、半径方向、軸方向、時計回り、反時計回りなど)は、本開示の読者の理解を助けるための識別目的でのみ使用され、および/または関連する要素の領域を互いに区別する役割を果たし、特に本開示の位置、向き、または使用に関して関連する要素を限定するものではない。接続に関する言及(例えば、取り付けられる、結合される、接続される、および接合される)は、広義に解釈されるべきであり、別段の指示がない限り、要素の集合の間の中間部材および要素間の相対移動を含み得る。したがって、接続に関する言及は、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも示唆するものではない。識別に関する参照(例えば、一次、二次、第1、第2、第3、第4など)は、重要性または優先度を含意することを意図するものではなく、1つの特徴を別の特徴から区別するために使用される。
【0102】
以下の特許請求の範囲は、参照によりこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、本開示の別個の実施形態として独立している。特許請求の範囲において、「備える/備えている」という用語は、他の要素またはステップの存在を除外しない。加えて、個々の特徴が異なる請求項に含まれ得るが、これらは、有利に組み合わせられる可能性があり、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能でないおよび/または有利でないことを意味するものではない。加えて、単数の参照は、複数を除外しない。特許請求の範囲における参照符号は、単に明確にする例として提供されており、特許請求の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
第1の構成と第2の構成との間で変化するように構成された細長い部材を備え、前記細長い部材は、第1のセグメントと、第2のセグメントと、それらの間に延在する中間セグメントとを含み、
前記第2の構成において、前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントの各々は、前記中間セグメントの方に延在して、前記デバイスのそれぞれの第1の曲げ戻し端部および第2の曲げ戻し端部を形成するとともに、それぞれの保持部材を形成している、デバイス。
【請求項2】
前記第1の構成における前記細長い部材は、実質的に直線状であり、前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントは、前記中間セグメントから実質的に同軸に延在している、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントの各々は、前記細長い部材の前記中間セグメントと前記それぞれの保持部材との間の前記細長い部材の一部分に沿って、前記デバイスのそれぞれの曲げ戻し端部を形成している、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記細長い部材は、非円形断面を有している、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記細長い部材は、その全長に沿って非円形断面を有している、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記細長い部材は、その部分的な長さに沿って非円形断面を有している、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記保持部材は、前記中間セグメントが通って延在するそれぞれの第1の組織層および第2の組織層を並置するように構成されている、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項8】
前記保持部材は、第1の組織層および第2の組織層を引き寄せて並置するように構成されている、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項9】
前記中間セグメントの方に延在する少なくとも1つの細長い部材の自由端をさらに備える、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項10】
前記中間セグメントは、1つまたは複数の保持部材を通って延びる中心軸からオフセットされている、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1のセグメント、前記第2のセグメント、またはその両方は、少なくとも1つのアンカー特徴部を備える、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項12】
前記保持部材は、前記中間セグメントによって画定される軸を横切る平面内にある、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項13】
前記保持部材は、吻合領域を取り囲む1つまたは複数のループを形成している、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項14】
前記中間セグメントは、前記吻合領域の中心領域と交差しない、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
吻合デバイスであって、
第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成された細長い部材を備え、
前記第1の構成において、前記細長い部材は、実質的に直線状であり、
前記第2の構成において、前記細長い部材は、第1の保持部材および第2の保持部材を形成し、中間セグメントがそれらの間に延在し、
前記中間セグメントは、前記第1の保持部材および前記第2の保持部材によって囲まれたエリアの中心領域からオフセットされており、前記中心領域は、そこを通って長手方向に延在する組織を切除して、前記吻合デバイスを通って延在するポートを形成するために、十分に大きい直径を有している、吻合デバイス。
【国際調査報告】