(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】パッケージ化された吸収性物品
(51)【国際特許分類】
B65D 85/07 20170101AFI20240319BHJP
A61F 13/511 20060101ALI20240319BHJP
A61F 13/514 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B65D85/07
A61F13/511 500
A61F13/514 400
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563902
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 US2022025446
(87)【国際公開番号】W WO2022231892
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ、スティーブン、リーデマン
(72)【発明者】
【氏名】ホセ、エンリケ、ベタンクール
【テーマコード(参考)】
3B200
3E068
【Fターム(参考)】
3B200DC10
3B200DD09
3E068AA40
3E068AB02
3E068BB06
3E068CC22
3E068CE02
3E068CE03
3E068DE01
3E068EE17
3E068EE24
(57)【要約】
1つ以上の吸収性物品のパッケージが開示されている。パッケージは、包装材料を含む。包装材料は、ポリマーフィルム及びインクを含む。パッケージはまた、香料組成物を有する吸収性物品を含み、香料組成物は、香料成分及び担体成分を有する。担体成分は、香料組成物の約15重量%~約85重量%である。担体成分は、実質的に水に不溶性である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の吸収性物品(132)のパッケージ(130)であって、
ポリマーフィルム及びインクを含む包装材料(134)と、
香料組成物を含む吸収性物品(132)であって、前記香料組成物が、香料成分及び担体成分を含み、前記担体成分が、前記香料組成物の約15重量%~約85重量%であり、前記担体成分が、水に不溶性である、吸収性物品(132)と、
を含む、パッケージ(130)。
【請求項2】
前記担体成分が、ミリスチン酸イソプロピルを含む、請求項1に記載の1つ以上の吸収性物品(132)のパッケージ(130)。
【請求項3】
前記担体成分が、ミリスチン酸イソプロピルからなる、請求項1に記載の1つ以上の吸収性物品(132)のパッケージ(130)。
【請求項4】
前記包装材料(134)の前記ポリマーフィルムが、ポリエチレンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の1つ以上の吸収性物品(132)のパッケージ(130)。
【請求項5】
前記パッケージ材料(134)が、前面パネル(161)、前記前面パネルの反対側の後面パネル(163)、第1の側面パネル(164)、前記第1の側面パネルの反対側の第2の側面パネル(165)、上面パネル(166)、及び前記上面パネル(166)の反対側の底面パネル(167)を形成し、前記パネルが、前記パッケージ(130)の内部区画(168)を画定し、前記1つ以上の吸収性物品(132)が、前記内部区画(168)内に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の1つ以上の吸収性物品(132)のパッケージ(130)。
【請求項6】
前記包装材料が、ポリマーフィルム、インク、及びオーバープリントワニスからなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項7】
前記インクが、ニトロセルロース系インクである、請求項1~6のいずれか一項に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項8】
前記インクが、水性インクである、請求項1~6のいずれか一項に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項9】
前記吸収性物品が、トップシート、バックシート、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に少なくとも部分的に配置された吸収性コアを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項10】
グラフィックが、前記バックシートの衣類対向面上に配置されており、前記グラフィックが、水性インクから形成されている、請求項9に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項11】
前記吸収性物品が、前記トップシートと前記吸収性コアとの間に少なくとも部分的に配置された二次トップシートを含み、グラフィックが、前記二次トップシートの着用者対向面上に配置されており、前記グラフィックが、水性インクから形成されている、請求項9又は10に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項12】
前記香料成分が、6未満の分配係数(log K
ow)を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項13】
前記香料成分が、β-イオノンを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項14】
前記香料成分が、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール(フェニルヘキサノール)を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項15】
前記香料成分が、約0.2~約6の分配係数(log K
ow)を有し、前記担体成分が、約7.5×10
-4mmHg~約3.46×10
-8mmHgの蒸気圧及び/又は約1.0~約10の分配係数(log K
ow)を有する、請求項1に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸収性物品が香料組成物を含む、1つ以上のパッケージ化された吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨て吸収性物品(例えば、おむつ及びトレーニングパンツ、使い捨て成人用失禁パンツ、並びに女性用衛生パッド)などの、壊れにくく、圧縮可能な消費者向け製品は、可撓性包装材料から形成された柔らかいパッケージ中にパッケージ化されて小売販売(すなわち、小売店において陳列及び販売)されている場合が多い。包装材料の少なくとも一部分には、典型的には、ブランド識別子、審美的に心地よいデザイン、封入された吸収性物品の描写、吸収性物品の使用方法、及び/又は他の消費者情報などの1つ以上のグラフィックが印刷されている。グラフィックは、典型的には、包装材料上へのインクの堆積から形成されている。
【0003】
吸収性物品は、通常、人体によって排泄される体液及びその他の排泄物を吸収及び保持するために使用される。このような排泄物は、悪臭であり得る、又は悪臭として知覚され得る。したがって、吸収性物品における悪臭を制御及び低減させるための方法及び材料が開発されてきた。芳香物質は、この目的で吸収性物品において使用されている。芳香物質は、多くの場合、吸収性物品を取り囲む環境中に蒸発して悪臭の知覚を覆う又は遮断する揮発性成分を含む。特定の揮発性成分は、包装材料、インク、及び/又はインクの成分と相互作用して、インクを軟化させ、グラフィックをすり減らせ、汚させ、若しくは魅力をなくさせ、かつ/又は判読できなくさせる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、香料組成物を含むパッケージ化された吸収性物品は、改善されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様は、一部には、1つ以上の吸収性物品のパッケージであって、ポリマーフィルム及びインクを含む包装材料を含み、吸収性物品が、香料組成物を含む、パッケージを提供することによって、上述した一部又は全部又は問題を解決する。香料組成物は、香料成分及び担体成分を含んでもよい。担体成分は、香料組成物の約15重量%~約85重量%であってもよい。担体成分は、実質的に水に不溶性であってもよい。本明細書に記載されるような香料成分及び担体成分を有する香料組成物は、包装材料及び/又はインクとの相互作用が低減されていても又は相互作用が全くなくてもよく、その結果、パッケージグラフィックはすり減り又は汚れの影響をより受けにくい可能性があり、したがって、より魅力的かつ/又は判読可能となり得、このことは消費者に好まれる。
【0006】
本開示は、一部には、ポリエチレンと、包装材料の消費者対向面上に配置されたインクとを含む包装材料を含む、1つ以上の吸収性物品のパッケージを提供する。吸収性物品は、約15重量%~約85重量%のミリスチン酸イソプロピル及び香料成分を含む香料組成物を含んでもよい。
【0007】
本開示は、一部には、トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に少なくとも部分的に配置された吸収性コアと、香料組成物とを含む個別の層を備える吸収性物品を提供する。香料組成物は、約15重量%~約85重量%のミリスチン酸イソプロピル及び香料成分を含む。個別の層の少なくとも1つは、インクから形成されたグラフィックを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の上記及び他の特徴及び利点、並びにそれらを実現する様式は、本開示の以下の例示的な形態の説明を添付の図面と併せて参照することによって、より明らかになり、本開示自体の理解が深まるであろう。
【
図1】衣類対向面が観察者に向いており、平坦に広げられた状態の、テープ式おむつの形態の例示的な吸収性物品の平面図である。
【
図2】着用者対向面が観察者に向いており、平坦に広げられた状態の、
図1の例示的な吸収性物品の平面図である。
【
図3】締着位置にある、
図1及び
図2の吸収性物品の正面斜視図である。
【
図4】パンツの形態の吸収性物品の正面斜視図である。
【
図6】平坦に広げられ、衣類対向面が観察者に向いている状態の、
図4の吸収性物品の平面図である。
【
図7】
図6の線7-7の周囲で取られた吸収性物品の断面図である。
【
図8】
図6の線8-8の周囲で取られた吸収性物品の断面図である。
【
図9】例示的な吸収性コア又は吸収性物品の平面図である。
【
図10】
図9の吸収性コアの線10-10の周囲で取られた断面図である。
【
図11】
図10の吸収性コアの線11-11の周囲で取られた断面図である。
【
図12】生理用ナプキンである本開示の例示的な吸収性物品の平面図である。
【
図13】本開示のパッケージ内に配置された複数の吸収性物品の積層体の側面図である。
【
図15】結合層を含む多層フィルムの断面図である。
【
図17】フローラッププロセスにより構築された本開示のパッケージの概略平面図である。
【
図18】本明細書に開示される拡散速度試験方法の概略図である。
【
図19】様々な包装材料を通る比較例1の香料組成物の拡散速度のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で開示されるパッケージ化された吸収性物品の構造、機能、製造、及び使用の原理の総合的な理解を提供するために、ここで、本開示の様々な非限定的形態が説明される。これらの非限定的な形態の1つ又は2つ以上の実施例を添付の図面に示す。当業者であれば、本明細書に説明され、添付図面に例示されるパッケージ化された吸収性物品が非限定的な例示的形態であることを理解するであろう。1つの非限定的な形態に関して示される、又は説明される特徴は、他の非限定的な形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本開示の範囲に含まれるものとする。
【0010】
吸収性物品の概説
テープ式おむつの形態で示されている本開示による例示的な吸収性物品10を
図1~
図3に示す。
図1は、衣類対向面2が観察者に向いており、平坦に広げられた状態の(すなわち、弾性収縮がない)、例示的な吸収性物品10の平面図である。
図2は、平らに広げられた状態で着用者対向面4が観察者に面している、
図1の例示的な吸収性物品10の平面図である。
図3は、締着形態にある
図1及び
図2の吸収性物品10の正面斜視図である。本開示は、例えば、成人用失禁製品、パンツ、又は生理用ナプキン及び吸収性パッドなどの他の吸収性物品などの、多種多様なおむつを作製するのに使用され得るため、
図1~
図3の吸収性物品10は、例示目的のみで示されている。
【0011】
吸収性物品10は、前側腰部領域12と、股部領域14と、後側腰部領域16と、を含み得る。股部領域14は、前側腰部領域12と後側腰部領域16との中間に延び得る。前側腰部領域12、股部領域14、及び後側腰部領域16は、それぞれ吸収性物品10の長さの3分の1とすることができる。吸収性物品10は、前端縁部18と、前端縁部18とは反対側の後端縁部20と、長手方向に延び、シャーシ52によって画定される、横断方向に対向する側縁部22及び24と、を含み得る。
【0012】
吸収性物品10は、液体透過性トップシート26と、液体不透過性バックシート28と、トップシート26とバックシート28との中間に少なくとも部分的に配置された吸収性コア30と、を含み得る。吸収性物品10はまた、弾性体33を有する若しくは有さない一対以上のバリアレッグカフ32、一対以上の脚部弾性体34、1つ以上の弾性ウエストバンド36、及び/又は1つ以上の捕捉材料38を含むことができる。捕捉材料(複数可)38は、トップシート26と吸収性コア30との中間に配置することができる。不織布材料などの外側カバー材料40が、バックシート28の衣類対向面を被覆してもよい。吸収性物品10は、後側腰部領域16に後耳部42を含むことができる。後耳部42は締結具46を含んでもよく、吸収性物品10の後側腰部領域16から延び、吸収性物品10の前側腰部領域12の衣類対向部分のランディング区域エリア又はランディング区域材料44に(締結具46を使用して)取り付けられ得る。吸収性物品10はまた、前側腰部領域12に前耳部47を有することができる。吸収性物品10は、中央横方向(又は横断方向)軸48と、中央長手方向軸50と、を有することができる。中央横方向軸48は、中央長手方向軸50に対して垂直に延びる。
【0013】
他の例では、吸収性物品は、恒久的又は再締結可能なサイドシームを有するパンツの形態であってもよい。好適な再締結可能なシームは、米国特許出願公開第2014/0005020号及び米国特許第9,421,137号に開示されている。
図4~
図8を参照すると、パンツ形態の例示的な吸収性物品10が例示されている。
図4は、吸収性物品10の正面斜視図である。
図5は、吸収性物品10の背面斜視図である。
図6は、衣類対向面が観察者に面するようにして平らに広げられた吸収性物品10の平面図である。
図1~
図3に関連して上述したものと同一の参照番号を有する
図4~
図8の要素は、同一の要素(例えば、吸収性コア30)であってもよい。
図7は、
図6の線7-7の周囲で取られた、吸収性物品の例示的な断面図である。
図8は、
図6の線8-8の周囲で取られた、吸収性物品の例示的な断面図である。
図7及び
図8は、前側ベルト54及び後側ベルト56の例示的な形態を例示する。吸収性物品10は、前側腰部領域12と、股部領域14と、後側腰部領域16と、を有し得る。領域12、14、及び16の各々は、吸収性物品10の長さの3分の1とすることができる。吸収性物品10は、
図1~
図3に関して上述したものと類似の、トップシート26と、バックシート28と、トップシート26とバックシート28との中間に少なくとも部分的に配置された吸収性コア30と、任意選択の捕捉材料38と、を含むシャーシ52(中心シャーシ又は中心パネルと呼ばれることもある)を有することができる。吸収性物品10は、前側腰部領域12の前側ベルト54と、後側腰部領域16の後側ベルト56と、を含み得る。シャーシ52は、前側ベルト54及び後側ベルト56の着用者対向面4、又はベルト54、56の衣類対向面2に接合することができる。前側ベルト54の側縁部23及び25は、後側ベルト56の側縁部27及び29にそれぞれ接合されて、2つのサイドシーム58を形成することができる。サイドシーム58は、例えば、突き合わせシーム又は重なり合いシームなど、当業者に既知の任意の適切なシームとすることができる。サイドシーム58が恒久的に形成されるか又は再締結可能に閉じられると、パンツ形態の吸収性物品10は、2つの脚部開口部60及び腰部開口外周部62を有する。サイドシーム58は、例えば、接着剤若しくはボンドを使用して恒久的に接合されてもよく、又は例えば、フックアンドループ式締結具を使用して再締結可能に閉じられてもよい。
【0014】
ベルト
図7及び
図8を参照すると、前側ベルト54及び後側ベルト56は、前側内側ベルト層66及び後側内側ベルト層67と、それらの間に少なくとも部分的に配置されたエラストマー材料(例えば、ストランド68又はフィルム(アパーチャ付きであってもよい))を有する前側外側ベルト層64及び後側外側ベルト層65と、を含んでもよい。弾性要素68又はフィルムは、吸収性コア30上の弾性歪みを低減するために弛緩(切断されることを含む)されてもよく、又は代替的に、吸収性コア30を横断して連続的に通っていてもよい。弾性要素68は、ベルトの任意の部分において、それらの間に均一又は可変の間隔を有することができる。弾性要素68はまた、同一量又は異なる量の予歪みも受けていてもよい。前側ベルト54及び/又は後側ベルト56は、シャーシ52がベルト54、56と重なり合う、1つ以上の弾性要素を含まないゾーン70を有してもよい。他の例では、弾性要素68のうちの少なくともいくつかは、シャーシ52を横断して連続的に延びてもよい。
【0015】
前側内側ベルト層66及び後側内側ベルト層67、並びに前側外側ベルト層64及び後側外側ベルト層65は、接着剤、熱接着、圧着、又は熱可塑性接着剤を使用して接合することができる。様々な好適なベルト層構成は、米国特許出願公開第2013/0211363号に見出され得る。
【0016】
前側ベルト端縁部55及び後側ベルト端縁部57は、前側シャーシ端縁部19及び後側シャーシ端縁部21(
図6に示される)を越えて長手方向に延びてよく、又はそれらは同一末端であってもよい。前側及び後側ベルト側縁部23、25、27、及び29は、シャーシ側縁部22及び24を越えて横方向に延びてもよい。前側ベルト54及び後側ベルト56は、ベルト側縁部からベルト側縁部まで(例えば、23から25まで及び27から29までの横断方向距離)連続的であってもよい(すなわち、連続的である少なくとも1つの層を有する)。代替的に、前側ベルト54及び後側ベルト56は、それらが別個となるように、ベルト側縁部からベルト側縁部まで(例えば、23から25まで及び27から29までの横断方向距離)不連続的であってもよい。
【0017】
米国特許第7,901,393号に開示されるように、後側ベルト56の長手方向長さ(中央長手方向軸50に沿った)は、前側ベルト54の長手方向長さより長くてもよく、このことは、後側ベルト56がサイドシーム58に隣接するか又はすぐ隣接する前側ベルト54と比べて、より大きい長手方向長さを有するときに、増加した臀部適用範囲に特に有用であり得る。
【0018】
前側外側ベルト層64及び後側外側ベルト層65は、各層が別個となるように互いから分離されてもよく、又は代替的に、これらの層は、層が前側ベルト端縁部55から後側ベルト端縁部57まで連続的に通るように連続的であってもよい。これは、前側内側ベルト層66及び後側内側ベルト層67にも当てはまることができ、すなわち、それらは、長手方向にも別個であってもよく、又は連続的であってもよい。更に、前側内側ベルト層66及び後側内側ベルト層67を長手方向に別個とする一方で、前側外側ベルト層64及び後側外側ベルト層65を長手方向に連続的としてもよく、その結果、間隙がそれらの間に形成される(前側外側ベルト層64と後側外側ベルト層65との間の間隙、及び前側内側ベルト層66と後側内側ベルト層67との間の間隙は
図7に示され、前側内側ベルト層66と後側内側ベルト層67との間の間隙は
図8に示される)。
【0019】
前側ベルト54及び後側ベルト56は、増加した通気性、柔軟性、及び衣服のような質感を提供するスリット、穴、及び/又は穿孔を含んでもよい。下着様の外観は、サイドシーム58(
図4及び
図5を参照)の位置で腰部及び脚部縁部を実質的に整列させることによって向上させることができる。
【0020】
前側ベルト54及び後側ベルト56はグラフィックを含んでもよい(例えば
図1の78を参照)。グラフィックは、吸収性物品10の全周の周りに実質的に延びてもよく、またサイドシーム58全体に、かつ/又は近位前側ベルトシーム15及び後側ベルトシーム17全体に配置してもよく、あるいは、米国特許第9,498,389号に記載される方法でシーム58、15、及び17に隣接して配置することで、より下着らしい物品とすることができる。グラフィックはまた、不連続であってもよい。グラフィックは、本明細書に開示される任意のインク組成物によって全体的又は部分的に形成されていてもよい。
【0021】
代替的に、ベルト54及び56をシャーシ52に取り付けてパンツを形成する代わりに、個別のサイドパネルがシャーシ22及び24の側縁部に取り付けられてもよい。別個のサイドパネルを含む好適な形態のパンツは、米国特許第6,645,190号、同第8,747,379号、同第8,372,052号、同第8,361,048号、同第6,761,711号、同第6,817,994号、同第8,007,485号、同第7,862,550号、同第6,969,377号、同第7,497,851号、同第6,849,067号、同第6,893,426号、同第6,953,452号、同第6,840,928号、同第8,579,876号、同第7,682,349号、同第7,156,833号、及び同第7,201,744号に開示されている。
【0022】
トップシート
トップシート26は、着用者の皮膚に接触する、吸収性物品10の部分である。トップシート26は、当業者には既知であるように、バックシート28、吸収性コア30、バリアレッグカフ32、及び/又は任意の他の層の部分に接合することができる。トップシート26は、着用者の皮膚に対して適合性があり、柔らかい感触であり、かつ非刺激性のものであり得る。更に、トップシートの少なくとも一部分又はその全体を液体透過性とすることができ、これにより液状の身体の排泄物がその厚みを通して容易に浸透する。好適なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網目状発泡体、孔形成されたプラスチックフィルム、織布材料、不織布材料、天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維又はフィラメント(例えば、ポリエステル繊維、若しくはポリプロピレン繊維、若しくは二成分PE/PP繊維、又はこれらの混合物)、あるいは天然繊維と合成繊維との組み合わせの、織布材料又は不織布材料などの、幅広い範囲の材料から製造されてもよい。トップシートは1つ以上の層を有してもよい。トップシートは有孔であってもよく(
図2の要素31)、任意の好適な三次元特徴部を有してもよく、及び/又は、複数のエンボス(例えば、ボンドパターン)を有してもよい。トップシートは、材料を強接合し、次いで、米国特許第5,628,097号(Bensonら、1997年5月13日発行)及び米国特許出願公開第2016/0136014号(Aroraら)に開示されているように、リングロールを介して強接合部を破裂させることによって、孔形成されてもよい。トップシートの任意の部分は、スキンケア組成物、抗菌剤、界面活性剤、及び/又はその他の有益な薬剤でコーティングされてもよい。トップシートは、親水性又は疎水性であってもよく、あるいは、親水性部分若しくは親水性層及び/又は疎水性部分若しくは疎水性層を有していてもよい。トップシートが疎水性である場合、身体の排泄物がトップシートを通過し得るように、典型的には孔が存在することになる。
【0023】
バックシート
バックシート28は、一般には、吸収性物品10のうちの、吸収性コア30の衣類対向面に近接して位置付けられる部分である。バックシート28は、当業者に既知の任意の取り付け方法によって、トップシート26、外側カバー材料40、吸収性コア30、及び/又は吸収性物品の任意のその他の層の部分に接合することができる。バックシート28は、吸収性コア10に吸収され閉じ込められた身体排泄物が、ベッドシーツ、下着、及び/又は衣服などの物品を汚すことを防止するか、又は少なくとも抑制する。バックシートは典型的には、液体不透過性であるか、又は少なくとも実質的に液体不透過性である。バックシートは、例えば、約0.012mm~約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムであるか、又はこれを含んでもよい。その他の適切なバックシート材料は、吸収性物品から蒸気を逃がすことを可能にする一方で、依然として、身体の排泄物がバックシートを通過することを防止するか又は少なくとも抑制する、通気性材料を含んでもよい。
【0024】
外側カバー材料
外側カバー材料(バックシート不織布と呼ばれることもある)40は、バックシート28に接合されバックシート28を被覆する、1つ以上の不織布材料を含み得る。外側カバー材料40は、吸収性物品10の衣類対向面2の少なくとも一部分を形成し、フィルムが衣類対向面2上に存在しないように、バックシート28を効果的に「カバーする」。外側カバー材料40は、ボンドパターン、開口、及び/又は三次元特徴部を含んでもよい。外側カバー材料40は、水流交絡された不織布材料であってもよい。
【0025】
吸収性コア
本明細書で使用するとき、用語「吸収性コア」30は、吸収性物品によって受け取られた尿などの液体を吸収及び閉じ込めるために物品内に配置された吸収性物品10の構成要素を指す。したがって、吸収性コアは、典型的には高い吸収能力を有する。例示的な吸収性コア30が、
図9~
図11に概略的に示されている。吸収性コアは、典型的にはコアラップ74内に封入された又はコアラップ74の間に挟まれた、吸収性材料72を含む。
【0026】
コアラップは、折り畳まれてそれ自体に取り付けられた単一の材料であってもよく、又は互いに結合若しくは他の方法で接合することができる別個の最上層及び最下層を含んでもよい。吸収性材料は、典型的には、任意選択的にセルロース繊維と混合された、超吸収性粒子を含む。本明細書で使用するとき、「吸収性コア」は、吸収性物品の任意の捕捉分配システム、トップシート、又はバックシートを含まない。
【0027】
図9~
図11に単独で示される例示的な吸収性コア30は、乾燥状態(使用前)にある。吸収性コアは、典型的には、その長手方向縁部並びに横断方向前縁部及び後縁部によって画定されるような概ね長方形の形状を有してもよく、又は他の形状を有してもよい。
【0028】
吸収性材料72は、
図9に示されるように、概ね長方形の輪郭を有する吸収性層として堆積されていてもよい。多種多様な吸収性コアを使用することもできる。吸収性材料72の層はまた、非矩形の外周(「成形」コア)を有してもよく、特に、吸収性材料72は、コアの中心領域に向かってその幅に沿って先細り(又は「ドッグボーン」形状)を画定してもよい。このようにして、吸収性材料堆積エリアは、吸収性物品の股部領域内に配置されることが意図されたコアの区域において、比較的狭い幅を有してもよい。これにより、例えば、より良好な着用快適性をもたらすことができる。吸収性材料の当該エリアに、「T字」、又は「Y字」、又は「砂時計」などの他の形状も使用することができる。
【0029】
吸収性材料72は、当該技術分野で既知の任意の従来の吸収性材料であり得る。例えば、吸収性材料は、セルロース繊維と超吸収性粒子(「superabsorbent particles、SAP」)とのブレンドを、典型的には吸収性材料の約50重量%~約75重量%の範囲のSAPのパーセンテージで含むことができる。吸収性材料はまた、吸収性材料がSAPからなる又は本質的になる、いわゆるエアフェルトフリーコアで知られているように、セルロース繊維を含まなくてもよい。吸収性材料はまた、高内相エマルション発泡体であってもよい。
【0030】
本明細書では、「超吸収性ポリマー」又は「SAP」は、遠心保持容量(Centrifuge Retention Capacity、CRC)試験(EDANA法WSP241.2.R3(12))を用いて測定したときに、それらの重量の少なくとも10倍の0.9%生理食塩水を吸収することができる、吸収性材料、典型的には架橋ポリマー材料を指す。SAPは、具体的には、少なくとも20g/g、具体的には20g/g~40g/gのCRC値を有することができる。本明細書で使用するとき、「超吸収性ポリマー粒子」は、乾燥状態で流動性であるような微粒子形態である超吸収性ポリマー材料を指す。
【0031】
多量のSAPを含む様々な吸収性コア設計が過去に提案されており、例えば、米国特許第5,599,335号(Goldman)、欧州特許第1447066号(Busam)、国際公開第95/11652号(Tanzer)、米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号(Hundorf)、国際公開第2012/052172号(Van Malderen)を参照されたい。特に、米国特許出願公開第2006/024433号(Blessing)、米国特許出願公開第2008/0312617号、及び米国特許出願公開第2010/0051166(A1)号(両方ともHundorfら)に開示されているようなSAP印刷技術を使用してもよい。しかしながら、本開示は、特定のタイプの吸収性コアに限定されない。吸収性コアはまた、コアラップの外側のSAPの漏れを低減するために、コアラップ層の一方(又は両方)の内面と吸収性材料との間に適用される補助接着剤などの1つ以上の接着剤を含み得る。また、上記のHundorfの参考文献に記載されているように、マイクロ繊維状接着剤ネットがエアフェルトフリーコアに使用されてもよい。これらの接着剤は、簡略化のために図には表されていない。SAP粒子が堆積された多孔質構造を有する、カード不織布層などの高ロフト不織布基材を含む他のコア構造もまた、本開示において使用されてもよい。
【0032】
吸収性材料は、コアラップ内の連続層として堆積させることができる。吸収性材料はまた、例えば、コアラップ内に封入され、材料フリーの接合エリアによって互いに分離された吸収性材料の個々のポケット又はストライプとして不連続的に存在してもよい。吸収性材料、特にSAPの連続層は、一致する不連続的な吸収性材料の適用パターンを有する2つの吸収性層を組み合わせることによっても得ることができ、結果として得られる層は、
図10~
図11に示すように、吸収性微粒子ポリマー材料エリアにわたって実質的に連続的に分布している。例えば、米国特許出願公開第2008/312622(A1)号(Hundorf)で教示されるように、各吸収性材料の層は、このようにして、吸収性材料のランドエリアと吸収性材料フリーの接合エリアとを有するパターンを含み、第1の層の吸収性材料のランドエリアは、第2の層の吸収性材料フリーの接合エリアに実質的に対応し、逆もまた同様である。
【0033】
吸収性材料の坪量(表面単位当たりの堆積量)は、特に、コアの中心及び中央に向かってより多くの吸収性を提供するために長手方向に、しかしながらコアの横断方向にも、あるいは両方向に、吸収性材料の輪郭分布を作り出すように変化され得る。吸収性コアはまた、吸収性材料層内に吸収性材料を実質的に含まない吸収性層のエリアである1つ以上の長手方向に(又は他の方法で)延びるチャネル76を備えることができる。コアラップの上側は、有利には、これらの材料フリーのエリアを通して、接着剤、機械的又は超音波接合によってコアの下側に結合されていてもよい。エアフェルトフリーコアにおけるそのようなチャネルの例示的な開示は、国際公開第2012/170778号(Rosatiら)及び米国特許出願公開第2012/0312491号(Jackels)に見出すことができる。チャネルは、当然のことながら、セルロース繊維とSAP粒子との混合物を含む吸収性コアにも形成することができる。これらのチャネルは、任意の好適な形状として具体化することができ、任意の好適な数のチャネルを設けることができる。他の例では、吸収性コアにエンボス加工を施して、チャネルのくぼみをつけることができる。
図9~
図11の吸収性コアは、単なる例示的な吸収性コアである。チャネルを有する又は有しない多くの他の吸収性コアも本開示の範囲内である。
【0034】
バリアレッグカフ/脚部弾性体
例えば、
図1及び
図2を参照すると、吸収性物品10は、一対以上のバリアレッグカフ32及び一対以上の脚部弾性体34を含むことができる。バリアレッグカフ32は、脚部弾性体34の横方向内側に配置することができる。各バリアレッグカフ32は、吸収性物品10の着用者対向面4から上方向に延び、かつ着用者の胴部と脚部との接合部付近で改善された身体排泄物の閉じ込めを提供することができるように、吸収性物品10に結合される一片の材料によって形成することができる。バリアレッグカフ32は、トップシート及び/又はバックシートに直接又は間接的に接合された近位縁部と、着用者の皮膚に接触し皮膚との封止部を形成することが意図された自由末端縁部と、によって境界が定められる。バリアレッグカフ32は、中央長手方向軸50の両側で吸収性物品10の前端縁部18と後端縁部20との間に少なくとも部分的に延びてよく、少なくとも股部領域14に存在してよい。バリアレッグカフ32は各々、自由末端縁部付近又は自由末端縁部に、1つ以上の弾性体33(例えば、弾性ストランド又はストリップ)を含むことができる。これらの弾性体33により、バリアレッグカフ32は、着用者の脚部及び胴部の周囲に封止部を形成する助けとなる。脚部弾性体34は、少なくとも部分的に前端縁部18と後端縁部20との間に延びる。脚部弾性体34により、本質的に、シャーシ側縁部22、24に近接している吸収性物品10の部分は、着用者の脚部の周囲に封止部を形成する助けとなる。脚部弾性体34は、少なくとも股部領域14内に延びていてよい。
【0035】
弾性ウエストバンド
図1及び
図2を参照すると、吸収性物品10は、1つ以上の弾性ウエストバンド36を含むことができる。弾性ウエストバンド36は、衣類対向面2又は着用者対向面4上に配置することができる。一例として、第1の弾性ウエストバンド36は、前側腰部領域12の前側ベルト端縁部18付近に存在してよく、第2の弾性ウエストバンド36は、後側腰部領域16の後端縁部20付近に存在してよい。弾性ウエストバンド36は、着用者の腰部の周囲で吸収性物品10を封止し、少なくとも身体排泄物が腰部開口部外周部を通って吸収性物品10から漏れ出るのを防ぐのを助けることができる。いくつかの例では、弾性ウエストバンドは、吸収性物品の腰部開口外周部を完全に包囲してよい。
【0036】
捕捉材料
図1、
図2、
図7、及び
図8を参照すると、1つ以上の捕捉材料38が、トップシート26と吸収性コア30との中間に少なくとも部分的に存在してもよい。捕捉材料38は、典型的には、身体排泄物の著しいウィッキングを提供する親水性材料である。これらの材料は、トップシート26を脱水し、身体排泄物を吸収性コア30内へ迅速に移動させることができる。捕捉材料38は、例えば、1つ以上の不織布材料、発泡体、セルロース材料、架橋セルロース材料、エアレイドセルロース不織布材料、スパンレース材料、又はこれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの例では、捕捉材料38の一部はトップシート26の一部を通って延びてもよく、トップシート26の一部は捕捉材料38の一部を通って延びてもよく、かつ/又はトップシート26は捕捉材料38と入れ子にされてもよい。典型的には、捕捉材料38は、トップシート26の幅及び長さよりも小さい幅及び長さを有し得る。捕捉材料は、女性用パッドの文脈で、二次トップシートとすることができる。捕捉材料は、吸収性コア30に関して上述したように、1つ又は2つ以上のチャネルを有し得る(エンボス版も含む)。捕捉材料のチャネルは、吸収性コア30のチャネルと位置合わせされていても位置合わせされていなくてもよい。一例において、第1の捕捉材料は、不織布材料を含んでよく、第2の捕捉材料は、架橋セルロース材料を含んでよい。
【0037】
ランディング区域
図1及び
図2を参照すると、吸収性物品10は、外側カバー材料40の衣類対向面2の一部分に形成されるランディングゾーンエリア44を有してもよい。ランディングゾーンエリア44は、吸収性物品10が前側から後側に締結される場合は後側腰部領域16に配置することができ、又は吸収性物品10が後側から前側に締結される場合は前側腰部領域12に配置することができる。いくつかの例において、ランディングゾーン44は、吸収性物品が前側で締結されるか又は後側で締結されるかに応じて、前側腰部領域12又は後側腰部領域16の外側カバー材料40の一部分に取り付けられる1つ以上の別個の不織布材料であってよく、又はそれを含んでもよい。本質的に、ランディングゾーン44は、締結具46を受けるように構成され、例えば、締結具46の複数のフックと係合されるように構成された複数のループを含んでもよく、又は逆もまた同様である。
【0038】
湿り度インジケータ/グラフィック
図1を参照すると、本開示の吸収性物品10は、衣類対向面2から目視可能な、グラフィック78及び/又は湿り度インジケータ80を含んでよい。グラフィック78は、ランディングゾーン40、バックシート28、及び/又はその他の位置に印刷され得る。グラフィック78は、本明細書に開示される任意のインク組成物によって全体的に又は部分的に形成されていてもよい。湿り度インジケータ80は、典型的には、吸収性コア30内で身体排泄物と接触することができるように、バックシート28の吸収性コアに面する側に適用される。場合によっては、湿り度インジケータ80は、グラフィック78の一部分を形成してもよい。例えば、湿り度インジケータは、現れるか又は消えることができ、一部のグラフィック内に文字を形成/除去することができる。他の場合、湿り度インジケータ80は、グラフィック78と調和してもよく(例えば、同一デザイン、同一パターン、同一色)、又は調和していなくてもよい。
【0039】
前耳部及び後耳部
図1及び
図2を参照すると、上記で参照したように、吸収性物品10は、テープ式おむつの関連で、前耳部47及び/又は後耳部42を有することができる。ほとんどのテープ式おむつでは、一組の耳部のみが必要とされ得る。一組の耳部は、ランディング区域又はランディング区域エリア44と係合するように構成された締結具46を含むことができる。二組の耳部が提供される場合、ほとんどの例では、一組の耳部のみが締結具46を有し、他方の組は締結具がなくてよい。耳部又はその一部は、弾性であってもよいし、又は弾性パネルを有してもよい。一実施例では、弾性フィルム又は弾性ストランドは、第1の不織布材料と第2の不織布材料との中間に配置することができる。弾性フィルムはアパーチャ加工されていてもされていなくてもよい。耳部は、成形されてもよい。耳部は一体型(例えば、外側カバー材料40、バックシート28、及び/又はトップシート26の延長)であってもよく、あるいは吸収性物品のシャーシ52の着用者対向面4上、衣類対向面2上、又は2つの表面4、2の中間に取り付けられた別個の構成要素であってもよい。
【0040】
マスキング層
1つ以上のマスキング層又は材料が、吸収性物品10内に提供されてもよい。マスキング層は、吸収性物品が衣類対向面2又は着用者対向面4から触れた場合にクッション性を提供する層であってもよい。マスキング層は、超吸収性ポリマーなどの吸収性材料72によって引き起こされる可能性があるざらざらした感触を「隠す(mask)」ことができる。マスキング層は、吸収性物品10の着用者対向面4又は衣類対向面2を見たときに、身体排泄物が視認可能となるのを「隠す」ことができる。マスキング層は、約15gsm~約50gsm又は約15gsm~約40gsmの範囲の坪量を有してもよい。マスキング層は、1つ以上の不織布材料(例えば、水流交絡不織布材料)、発泡体、パルプ層、及び/又はその他の好適な材料を含んでもよい。マスキング層は、外側カバー材料40であってもよい。マスキング層は、コアバッグ74の衣類対向側又は着用者対向側を形成する層であってもよい。マスキング層は、コアバッグ74の衣類対向側と液体不透過性バックシート28との中間に配置された別個の材料であってもよい。
【0041】
センサ
再び
図1を参照すると、本開示の吸収性物品は、吸収性物品10内の変化を監視するためのセンサシステム82を含んでもよい。センサシステム82は、吸収性物品10と別個であってもよく、あるいは一体であってもよい。吸収性物品10は、尿及び/又は便などの身体排泄物の発生に伴う吸収性物品10の様々な態様を感知することができるセンサを含むことができる(例えば、センサシステム82は、温度、湿度、アンモニア又は尿素の存在、排泄物(尿及び便)の様々な蒸気成分、吸収性物品の衣類対向層の透湿性の変化、衣類対向層の半透明性の変化、及び/又は衣類対向層の色の変化などの変動を感知することができる)。加えて、センサシステム82は、アンモニア若しくは尿素などの尿の成分、及び/又はこれらの成分と吸収性物品10との反応に起因する副生成物を感知することができる。センサシステム82は、尿が吸収性物品10の他の成分(例えば、接着剤、agm)と混ざり合ったときに生じる副生成物を感知することができる。感知されるこれらの成分又は副生成物は、衣類対向層を通過することができる蒸気として存在し得る。また、尿又は便と混ざり合うと、状態(例えば、色、温度)を変化させる、又は測定可能な副生成物が生じる反応物質を、吸収性物品に入れることが望ましい場合がある。センサシステム82は、pH、圧力、臭気、ガスの存在、血液、化学マーカー若しくは生物学的マーカー、又はこれらの組み合わせの変化も感知し得る。センサシステム82は、吸収性物品からより遠位にある、例えばiPhoneなどの受信機に信号を送信する構成要素を、吸収性物品上に又はこれに近接して有してよい。受信機は、結果を出力して、吸収性物品10の状態を介護者に伝えることができる。他の例では、受信機が提供されなくてもよいが、代わりに吸収性物品10の状態が吸収性物品上のセンサから視覚的又は聴覚的に明らかとなるようにしてもよい。
【0042】
生理用ナプキン
図12を参照すると、本開示の吸収性物品は生理用ナプキン110であってもよい。生理用ナプキン110は、液体透過性トップシート114と、液体不透過性又は実質的に液体不透過性のバックシート116と、吸収性コア118と、を含んでもよい。液体不透過性バックシート116は、蒸気透過性であってもなくてもよい。吸収性コア118は、吸収性コア30に関して本明細書で説明される特徴のいずれか又は全部を有してよく、いくつかの形態では、上記で開示した捕捉材料の代わりに二次トップシート119(STS)を有してよい。STS119は、上述したように、1つ又は2つ以上のチャネルを含み得る(エンボス変形例を含む)。いくつかの形態において、STS119のチャネルは、吸収性コア118のチャネルと位置合わせされ得る。また、生理用ナプキン110は、生理用ナプキン110の長手方向軸180に対して外向きに延びる羽根120を含んでもよい。生理用ナプキン110はまた、横方向軸190を含むことができる。羽根120は、トップシート114、バックシート116、及び/又は吸収性コア118に接合することができる。生理用ナプキン110はまた、前縁部122と、前縁部122と長手方向の反対側に位置する後縁部124と、第1の側縁部126と、第1の側縁部126と長手方向の反対側に位置する第2の側縁部128と、を含み得る。長手方向軸180は、前縁部122の中点から後縁部124の中点まで延びてもよい。横方向軸190は、第1の側縁部128の中点から第2の側縁部128の中点まで延びてもよい。生理用ナプキン110は、当該技術分野では既知のように、生理用ナプキンに一般的に見出される追加の特徴も備えてもよい。
【0043】
香料組成物
本開示の吸収性物品は、香料組成物を含んでもよい。香料組成物は、1つ以上の香料成分及び担体成分を含んでもよい。
【0044】
香料は、ヘキシルシンナミックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、p-アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド、クミンアルデヒド、デカナール、シクラメンアルデヒド、β-イオノン、p-t-ブチル-α-メチルジヒドロシンナムアルデヒド、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール(フェニルヘキサノール)、4-ヒドロキシ-3-メトキシシンナムアルデヒド、バニリンイソブチレート、2-フェニル-3-(2-フリル)プロパ-2-エナール、エチルバニリンアセテート、バニリンアセテート、ヘプタナール、ラウリルアルデヒド、ノナナール、オクタナール、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、バニリン、サリチルアルデヒド、シトラール、2,4-ジヒドロキシ-3-メチルベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-4-メチルベンズアルデヒド、5-メチルサリチルアルデヒド、4-ニトロベンズアルデヒド、o-ニトロベンズアルデヒド、5-エチル-2-チオフェンカルボアルデヒド、5-メチル-2-チオフェンカルボキサルデヒド、2-チオフェンカルボアルデヒド、アサロンアルデヒド、5-(ヒドロキシメチル)-2-フルアルデヒド、2-ベンゾフランカルボキシアルデヒド、2,3,4-トリメトキシベンズアルデヒド、プロトカテキュアルデヒド、ヘリオトロピン、4-エトキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、3,4,5-トリメトキシベンズアルデヒド、3-ヒドロキシベンズアルデヒド、o-メトキシシンナムアルデヒド、3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシシンナムアルデヒド、2,8-ジチアノン-4-3n-4-カルボキシアルデヒド、ソルビンアルデヒド、2,4-ヘプタジエナール、2,4-デカジエナール、2,4-ノナジエナール、2,4-ノナジエナール、(E,E)-2,4-オクタジエン-1-アール、2,4-オクタジエナール、2,4-ドデカジエナール、2,4-ウンデカジエナール、2,4-トリデカジエン-1-アール、2-トランス-4-シス-7-シス-トリデカトリエナール、ピペロニリデンプロピオンアルデヒド、2-メチル-3-(2-フリル)アクロレイン、2,4-ペンタジエナール、2-フルフリリデンブチルアルデヒド、3-(2-フリル)アクロレイン、ピルブアルデヒド、エタンジアール、ラエボカルボン、1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセニル)ペンタ-1-エン-3-オン、4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン(異性体)、5-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)4-ペンテン-3-オン、(E)-4-(2,2-ジメチル-6-メチリデンシクロヘキシル)ブタ-3-エン-2-オン、及びこれらの混合物の群から選択される香料成分を含むことができる。代替的に又は追加的に、香料組成物は、メンソール、酢酸メンチル、乳酸メンチル、1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセニル)ペンタ-1-エン-3-オン、4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン(異性体)、5-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)4-ペンテン-3-オン、(E)-4-(2,2-ジメチル-6-メチリデンシクロヘキシル)ブタ-3-エン-2-オン、酢酸イソメンチル、プロピオン酸イソメンチル、イソ酪酸イソメンチル、プロピオン酸イソメンチル、酪酸イソメンチル、カンファー、p-メンタン、リモネン、ユーカリプトール、クレソール、リナロール、テトラ-ヒドロリナロール、ミルセノール、テトラヒドロミルセノール、ジヒドロミルセノール、ミルセン、シトロネロール、シトロネリル誘導体、ゲラニオール、ゲラニル誘導体、酢酸リナリル、ムゲタノール、オイゲノール、ジャスマール、テルピネオール、ピナノール、セドレン、ダマスコン、βピネン、シネオール及びその誘導体、ノナジエノール、エチルヘキサナール、酢酸オクタノール、メチルフルフラール、テルピネン、ツジェン、アミルアセテート、酢酸ベンジル、カンフェン、シトロネラール、ジヒドロクマリン、ジヒドロミルセニルアセテート、ゲラニオール、ゲラニアール、酢酸イソアミル、酢酸エチル及び/又は酢酸トリエチル、パラ-クレソール、パラ-シメン、アビエチン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、ヘキシル-2-メチルブチレート、酢酸ベンジル、ラエボカルボン、ヘキシル-2-メチルブチレート、ユーカリ、フェニルエチルアルコール、並びにこれらの混合物の群から選択される1つ以上の香料成分を含んでもよい。代替的に又は追加的に、香料組成物は、リモネン、ユーカリプトール、クレソール、リナロール、テトラ-ヒドロリナロール、ミルセノール、テトラヒドロミルセノール、ジ-ヒドロミルセノール、ミルセン、シトロネロール、シトロネリル誘導体、ゲラニオール、ゲラニル誘導体、酢酸リナリル、ムゲタノール、オイゲノール、ジャスマール、テルピネオール、ピナノール、セドレン、ダマスコン、βピネン、シネオール及びその誘導体、ノナジエノール、エチルヘキサナール、酢酸オクタノール、メチルフルフラール、テルピネン、ツジェン、アミルアセテート、酢酸ベンジル、カンフェン、シトロネラール、ジ-ヒドロクマリン、ジ-ヒドロミルセニルアセテート、ゲラニオール、ゲラニアール、encalyptus、酢酸イソアミル、酢酸エチル及び/又は酢酸トリエチル、パラ-クレソール及びパラ-シメン、安息香酸ベンジル、アビエチン酸メチル、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコ-ル、1,2-ブチレングリコ-ル、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジエチルを含んでもよい。
【0045】
香料組成物は、約15重量%~約85重量%の担体成分を含んでもよい。担体成分は、単一成分であってもよく、又は2つ以上の成分のブレンドであってもよい。担体は、香料成分(単数又は複数)を希釈するように機能することができる。担体は、また又はあるいは、例えば、蒸発を遅くし、それによってより長く持続する香りを作り出すことによって、香料組成物の揮発を和らげるように機能してもよい。担体成分は、実質的に無臭であってもよい。担体成分は、水に不溶性かつ/又は非混和性であってもよい。本明細書で使用されるとき、「不溶性」という用語は、成分が20℃で1.0mg/L未満の水への溶解度を有することを意味する。本明細書で使用されるとき、「可溶性」という用語は、成分が20℃で1.0mg/L以上の水への溶解度を有することを意味する。担体成分は、非吸湿性であってもよい。担体成分は、低い蒸気圧を有することができる。担体成分は、約7.5×10-4mmHg未満、又は約7.5×10-4mmHg~約3.46×10-8mmHg、約1.5×10-4mmHg~約5.0×10-7mmHg、又は約9.8×10-5mmHg~約7.5×10-6mmHgの蒸気圧を有してもよく、具体的には、これらの範囲内、及びこれらの範囲内に又はこれらの範囲によって形成された任意の範囲内の全ての値を列挙する。担体成分は、1.0超、約1.0~約10、約1.5~約8.5、又は約2.0~約8の分配係数(log Kow)を有してもよく、具体的には、これらの範囲内、及びこれらの範囲内に又はこれらの範囲によって形成された任意の範囲内の全ての値を列挙する。担体成分は、ミリスチン酸イソプロピルを含んでもよい。担体成分は、ミリスチン酸イソプロピルからなってもよい。理論に束縛されることを望むものではないが、本明細書に記載される担体成分は、包装材料を通過する能力が制限されている若しくは全くなく、かつ/又は吸収性物品及び/若しくは包装材料上に配置されたインク及び/若しくはOPVと相互作用する能力が制限されている若しくは全くない場合があると考えられる。
【0046】
本開示の香料組成物は、6未満、4未満、2未満、1.5未満、約0.2~約6、約0.4~約4、約0.6~約2、又は約0.75~約1.5の分配係数(log Kow)を有する香料成分を含んでもよく、具体的には、上述の担体成分と組み合わせて、これらの範囲内、及びこれらの範囲内に又はこれらの範囲によって形成された任意の範囲内の全ての値を列挙する。本開示の香料組成物は、6未満の分配係数(log Kow)を有する香料成分と、水に不溶性である担体成分、及び/又は約7.5×10-4mmHg未満の蒸気圧を有する担体成分、及び/又は約1.0~約10の分配係数(log Kow)を有する担体成分とを含んでもよい。一形態では、本開示の香料組成物は、約0.2~約6の分配係数(log Kow)を有する香料成分と、約7.5×10-4mmHg~約3.46×10-8mmHgの蒸気圧を有する担体成分とを含んでもよい。別の形態では、本開示の香料組成物は、約0.4~約4の分配係数(log Kow)を有する香料成分と、約1.5×10-4mmHg~約5.0×10-7mmHgの蒸気圧及び/又は約2.0~約8の分配係数(log Kow)を有する担体成分とを含んでもよい。本開示のそのような配合物は、包装材料を通って拡散する能力が限られている若しくは全くなく、かつ/又は吸収性物品及び/若しくは包装材料上に配置されたインク及び/若しくはOPVと相互作用する能力が制限されている若しくは全くないと考えられる。
【0047】
香料組成物は、スプレー、液滴、又はビードアプリケータなどの流体塗布装置を使用して、様々な方法で、及び様々なパターンで吸収性物品に適用されてもよい。このようなアプリケータは、ストライプ、円、ドット、滴、幾何学的図形、星、装飾的図形、不規則な形状などの任意のパターンで吸収性物品に香料組成物を適用することを可能にする。パターン付きの適用は有益であり得るが、それは、それらが正確な適用を可能にし、その結果、吸収性物品の様々な層を接続する接着剤との接触を回避するのが容易になるからである。
【0048】
香料組成物は、吸収性物品がパッケージに入れられる前に、完成した吸収性物品に適用されてもよい。香料組成物は、吸収性物品を組み立てるプロセス中に吸収性物品の1つの構成要素又は複数の構成要素に適用されてもよい。例えば、香料組成物は、吸収性物品の層上又は層内に適用されてもよい。これは、吸収性物品が一連の層によって構成されているので、香料組成物は、これらの層の表面のうちの1つに適用されてもよいことを意味する。例えば、香料組成物は、コアラップ及び/又は捕捉層及び/又は二次トップシート及び/又はトップシートの表面に適用されてもよい。あるいは、層のうちの1つがそれを可能にする場合(例えば、吸収性コアなどの厚い繊維層であるため)、層は、物品の衣類対向面に実質的に平行な平面に沿って2つに切断されてもよく、香料組成物は、切断から得られる2つの表面のうちの1つに適用されてもよく、次いで、層は、単一層として再接合されてもよい。香料組成物は、吸収性物品を形成するために構成材料が他の構成材料と係合される前に、吸収性物品の構成材料に適用されてもよい。
【0049】
香料組成物は、吸収性物品1つ当たり約1mg~約500mg、吸収性物品1つ当たり約3mg~約200mg、又は吸収性物品1つ当たり約4mg~約150mgの量で吸収性物品上及び/又は吸収性物品の1つ若しくは複数の構成要素上に配置されていてもよく、具体的には、これらの範囲内、及びこれらの範囲内に又はこれらの範囲によって形成された任意の範囲内の全ての値を列挙する。
【0050】
構成要素のためのバイオベース成分
本明細書に記載の吸収性物品及び/又は包装材料の構成要素は、米国特許出願公開第2007/0219521(A1)号に記載されているようなバイオベース成分から少なくとも部分的に構成されてもよい。例えば、超吸収性ポリマー構成成分は、バイオベースのアクリル酸からのそれらの誘導によるバイオベースであってもよい。バイオベースのアクリル酸及び製造方法は、米国特許出願公開第2007/0219521号、並びに米国特許第8,703,450号、同第9,630,901号、及び同第9,822,197号に更に記載されている。他の構成要素、例えば、不織布及びフィルム構成要素は、バイオベースのポリオレフィン材料を含んでもよい。バイオベースのポリオレフィンは、米国特許出願公開第2011/0139657号、同第2011/0139658号、同第2011/0152812、及び同第2016/0206774号、並びに米国特許第9,169,366号において更に考察されている。本開示で使用するための例示的なバイオベースのポリオレフィンは、SHA7260(商標)、SHE150(商標)、又はSGM9450F(商標)(全てBraskem S.A.から入手可能)の呼称で入手可能なポリマーを含む。
【0051】
吸収性物品構成要素は、例えば、ASTM D6866-10の方法Bを使用して、約10%~約100%、約25%~約100%、約40%~約100%、約50%~約100%、約75%~約100%、又は約90%~約100%のバイオベース含有量値を備えてよい。
【0052】
リサイクルしやすい吸収性物品及び包装材料
本明細書に記載の吸収性物品及び/又は包装材料の構成要素は、それらがリサイクル可能な材料から少なくとも部分的に形成されているかどうかにかかわらず、他の用途のためにリサイクルされてもよい。リサイクルすることができる吸収性物品材料の例は、不織布、フィルム、フラッフパルプ、及び超吸収性ポリマーである。リサイクルプロセスは、吸収性物品を滅菌するためにオートクレーブを使用してもよく、その後、吸収性物品は、細断され、異なる副生成物流に分離されてもよい。例示的な副生成物流としては、プラスチック、超吸収性ポリマー、及びパルプなどのセルロース繊維を挙げることができる。これらの副生成物流は、肥料、プラスチック製品、紙製品、ビスコース、建築材料、ペット用若しくは病院用ベッドの吸収性パッドの製造において、及び/又は他の用途のために使用することができる。リサイクルを助ける吸収性物品、リサイクルしやすいおむつの設計、並びにリサイクルしやすく、かつバイオベースの構成要素のおむつの設計に関する更なる詳細は、2019年6月27日に公開された米国特許出願公開第2019/0192723号に開示されている。
【0053】
パッケージ
図13を参照すると、本開示の吸収性物品132は、パッケージ130内に配置されていてもよい。グラフィック及び/又は目印は、パッケージ130の外面に形成する、印刷する、配置する、及び/又は置くことができる。各パッケージ130は、複数の吸収性物品132を含むことができる。吸収性物品132は、パッケージのサイズを低減する一方で、依然として1パッケージ当たりに適切な数の吸収性物品を提供するように、圧縮下で包装することができる。吸収性物品を圧縮下で包装することによって、介護者はパッケージを容易に扱い、保管することができるとともに、パッケージのサイズによる流通コストの削減を製造業者にもたらすこともできる。
【0054】
包装材料
本開示のパッケージ130は、ポリマーフィルム及び/又は他の材料を含む包装材料134を含んでもよい。ポリマーフィルムとしては、ポリオレフィン、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、少なくとも1つのオレフィン性構成成分を有するポリプロピレン/エチレンインターポリマー及びコポリマー、並びにこれらの任意の混合物を挙げることができる。ポリオレフィンとしては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリメチルペンテン(「PMP」)、ポリブテン-1(「PB-1」)、アイソタクチックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンコポリマー、耐衝撃性改質ポリプロピレンコポリマー、ポリイソブテン(「PIB」)、架橋ポリエチレン(XLPE)、架橋高密度ポリエチレン(PEX)、並びに国際公開第99/20664号、国際公開第2006/047374号、及び国際公開第2008/086539号に記載されている他のポリオレフィンを挙げることができるが、これらに限定されない。ポリエステル、ナイロン、ポリヒドロキシアルカノエート(又はPHA)、ポリビニルアルコール、それらのコポリマー、及び前述のいずれかの組み合わせなどの他のベースポリマーも好適であり得る。加えて、ポリオレフィンプラストマー及びエラストマーを利用して、多層ポリマーフィルムを形成することができる。このような好適なポリオレフィンプラストマー及びエラストマーの例は、米国特許第6,258,308号、米国特許出願公開第2010/0159167(A1)号、並びに国際公開第2006/047374号及び同第2006/017518号に記載されている。
【0055】
ポリマーフィルムは、単一層(単層)であってもよく、又は2層、3層、若しくはそれよりも多い層(多層)を有してもよい。
図14を参照すると、多層フィルム140は、例えば、第1のポリマーで形成された外部スキン層142と、第2のポリマーで形成された内部スキン層144とを有することができる。(本明細書で使用するとき、用語「外部」及び「内部」とは、完成したパッケージの内側及び外側に対する層の位置決めを指し、したがって、「内層」は収容された製品に面し、「外層」は外方に面し、例えば、小売店の買い物客などによる閲覧及び接触に晒される外面を有する。)多層フィルムは、その他の層の間に配置された1つ以上の結合層を含んでもよい。隣接層のポリマーが、その他の方法で押出中に互いに結合するように混和性又は相溶性でない場合、結合層が有益である場合がある。例えば、ポリ乳酸(PLA)とポリオレフィンとの間の極性の著しい違いのために、ポリエチレンスキン層とポリ乳酸含有量の多い中間層との間の結合層が望ましい場合がある。
図15を参照すると、3つの主層(2つのスキン層(152、154)及びその間に配置された中間層156)を有する多層フィルム150では、結合層158、159は、中間層156と各スキン層152、154との間に配置することができる。結合層は、1つ以上の官能化ポリオレフィンを含むことができる。いくつかの実施例では、結合層は、結合層の5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%又は45重量%から55重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、又は100重量%までの、1つ以上の官能化ポリオレフィンを含むことができる。結合層は、1つ以上の官能化ポリオレフィンから本質的になってもよい。
【0056】
本開示のパッケージは、天然繊維を含む包装材料を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「天然繊維」という用語は、セルロース系繊維、竹繊維、及び同様のものを含む繊維を指す。天然繊維はまた、綿、マニラ麻、ケナフ麻、サバイ草、亜麻、エスパルト草、わら、ジュート、麻、バガス、トウワタフロス繊維、及びパイナップルリーフ繊維などの非木質繊維、並びに北部及び南部針葉樹クラフト繊維などの軟材繊維、ユーカリ、カエデ、カバノキ、及びアスペンなどの硬材繊維を含む、落葉樹及び針葉樹から得されるものなどの木材又はパルプ繊維などの木質繊維を指す。包装材料は、少なくとも50重量パーセントの天然繊維、少なくとも70重量パーセントの天然繊維、少なくとも90重量パーセントの天然繊維、約50重量パーセント~約100重量パーセントの天然繊維、約65重量パーセント~約99重量パーセントの天然繊維、又は約75重量パーセント~約95重量パーセントの天然繊維を含むことができ、具体的には、これらの範囲内、及びこれらの範囲内に又はこれらの範囲によって形成された任意の範囲内の全ての値を列挙する。一形態では、パッケージ材料は、99.9重量パーセントの天然繊維を含み得る。
【0057】
図16を参照すると、本開示のパッケージは、バッグ構造体160を形成するように適切に折り畳まれた包装材料の単一のシートから形成されていてもよい。パッケージ材料134は、前面パネル161、前面パネル161の反対側の後面パネル163、第1の側面パネル164、第1の側面パネル164の反対側の第2の側面パネル165、上面パネル166、及び上面パネル166の反対側の底面パネル167を形成することができ、パネルは、パッケージの内部区画168を画定し、1つ以上の吸収性物品132は、内部区画168内に配置されている。バッグ構造体160、及び吸収性物品132又はその中に配置される吸収性物品の積層体の寸法は、包装材料が吸収性物品(単数又は複数)の周りでピンと張るように、設計、折り畳み、積み重ね、圧縮、及び包装のプロセスを通して適切に選択され、もたらされることができる。包装材料がポリマーフィルムを含む場合、継ぎ目162などの継ぎ目のいずれか又は全てを形成する結合は、溶接によって形成されていてもよい。(本明細書では、「溶接」とは、フィルムの別個の部分を少なくとも部分的に溶解させてある程度融合させ、一方又は両方の接合された部分の残部が大きく破壊されない限りは分離することのできない結合領域、接合部、又は継ぎ目を形成する、直接的又は間接的(例えば、超音波)加熱エネルギー及び圧力の印加によって達成される、フィルム材料の分離した部分間の融合を指す)。包装材料が天然繊維を含む場合、継ぎ目162などの継ぎ目のいずれか又は全てを形成する結合は、接着剤の適用によって形成されていてもよい。フローラップ又は水平フォーム充填及び封止ラップを含む他のパッケージ形状が想到される。
図17を参照すると、フローラップパッケージ170は、第1の表面172と反対側の第2の表面174とを含んでもよい。丸みのある縁部は、第1の表面172と第2の表面174との間の移行部として提供することができる。別の形態では、第1の表面172と第2の表面174との間に1つ以上の折り畳み線が提供されてもよい。フローラップパッケージ170は、端部封止部176及び178と、第2の表面174上に配置することができるフープシーム179と、を更に含むことができる。フローラップパッケージは、特に、少数の吸収性物品がパッケージ内に含まれる場合に有用であり得る。
【0058】
インク/ワニス:
本開示の1つ以上の吸収性物品のパッケージは、グラフィックを有する構成要素を含んでもよい。構成要素は、パッケージ、包装材料の一部分、並びに/又は吸収性物品の構成要素、例えば、バックシート、二次トップシート、トップシート、及び/若しくはランディングゾーンであってもよい。「グラフィック」は、デザイン(単数又は複数)の描写、数字、文字、単語、ブランド名、アイコン、ロゴ、キャラクタ、前面/背面表示、パッケージ内に封入された吸収性物品の描写、吸収性物品の使用方法、及び/又は他の消費者情報などの任意の認識可能な目印、並びに構成要素の表面又は表面の一部分にわたる大量の色を含むことができる。「グラフィック」はまた、例えば、センサの形状と一致する破線の輪郭など、センサが吸収性物品に取り付けられるべき場所を示すための可視配置印を含むことができる。
【0059】
グラフィックは、構成要素の少なくとも一部分上へのインクの堆積によって形成されていてもよい。インクは、当該技術分野において既知の任意の好適なインクであってもよい。インクは、ニトロセルロース系インクであってもよい。典型的なニトロセルロース系インク配合物は、Williamsらの米国特許出願公開第2008/0255275(A1)号、及びBreckらの米国特許第6,548,572号に記載されている。インクは、水性インクであってもよい。水性インクは、吸収性物品が着用者と密接に接触し得るので、インクが吸収性物品上に配置されている場合に有益であり得る。水性インクの例は、Warnerらの米国特許第10,836,196号及びTransvalidouらの国際公開第2010/114899(A1)号に記載されている。インクは、顔料着色剤粒子を含んでもよい。顔料着色剤粒子としては、アゾ顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料レーキ、β-ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンゾイミダゾロン顔料、ジスアゾ縮合顔料、金属錯体顔料、イソインドリノン及びイソインドリン顔料、キナクリドン顔料、多環顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラピリミドン顔料、フラバントロン顔料、アンタントロン顔料、ジオキサジン顔料、トリアリールカルボニウム顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、二酸化チタン、酸化鉄、及びカーボンブラックを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
インクは、当該技術分野において既知の任意の方法によって構成要素に適用することができる。特に、インクは、インクジェットプリンター、フレキソ印刷機、グラビア印刷機、押出積層、接着積層、又はこれらの組み合わせを用いて基材に適用されてもよい。
【0061】
グラフィックを有する本開示の構成要素はまた、オーバープリントワニスを含んでもよい。オーバープリントワニスは、グラフィックの適用後に構成要素に適用されてもよい。オーバープリントワニスの使用は、製造、包装、及び輸送中の包装又は他の吸収性物品に対する摩擦による損傷から、並びに使用中の摩耗からグラフィックを保護するのに有益であり得る。しかしながら、オーバープリントワニスはまた、包装材料を横切って拡散する揮発性香料組成物成分との相互作用に対して脆弱である場合がある。揮発性香料組成物成分は、オーバープリントワニスと相互作用して、それを軟化させ、グラフィックを損傷から保護するその能力を失わせる場合がある。オーバープリントワニスは、非常に低いTg℃のポリマー、ポリウレタン分散液、コロイド分散液、界面活性剤、タルク、アンモニア、水、及び/又はこれらの組み合わせのうちの1つを含んでもよい。インク組成物に記載される任意の他の成分もまた、OPVに有用であり得る。包装材料は、ポリマーフィルム、インク、及びオーバープリントワニスを含んでもよい。
【0062】
オーバープリントワニスは、当該技術分野において既知の任意の方法によって印刷された基材に適用することができる。オーバープリントワニスは、基材全体に、インク印刷されたエリアのみに、又はそれらの任意の組み合わせに適用されてもよい。オーバープリントワニスは、インクジェットプリンター、フレキソ印刷機、グラビア印刷機、又はこれらの組み合わせを用いて基材に適用されてもよい。一形態では、オーバープリントワニスは、80~100%スクリーン印刷版を使用して印刷される。オーバープリントワニスは、インクが印刷され乾燥させた後に印刷することができる。
【実施例】
【0063】
以下の実施例及び比較例は、本明細書に記載されるパッケージ化された吸収性物品を例示するのを助けるために提供される。例示する香料組成物は、従来の配合及び混合技術により調製することできる。製剤分野の当業者の技術範囲内で、本明細書に記載の香料組成物及び包装材料の他の変更を行うことができることが理解されよう。本明細書における全ての部、百分率、及び比は、特に指定しない限り、重量基準である。
【0064】
香料組成物の担体成分の拡散速度は、本明細書に開示される拡散速度試験方法に従って決定される。拡散速度試験方法は、様々な包装材料を横切る拡散速度を計算する。
【0065】
比較例1は、担体成分としてジプロピレングリコールを含む香料組成物である。実施例1は、担体成分としてミリスチン酸イソプロピルを含む香料組成物である。比較例1及び実施例1の担体成分の拡散速度を、拡散速度試験方法に従って試験して、インク及びオーバープリントワニスを含まないポリエチレンフィルムを横切る2つの担体成分の拡散速度を決定する。
【0066】
【0067】
表1に示すように、ミリスチン酸イソプロピルは、水不溶性であり、低い蒸気圧を有し、ポリエチレンフィルムを横切る拡散をほとんど又は全く示さない。一方、ジプロピレングリコールは、水溶性であり、より高い蒸気圧を有し、測定可能な速度でポリエチレンフィルムを横切って拡散する。理論に束縛されることを望むものではないが、ポリエチレンフィルムなどの包装材料を横切る拡散は、香料組成物の成分が包装材料の消費者対向側に配置されたインク及び/又はオーバープリントワニスと相互作用することを可能にし得ると考えられる。したがって、包装材料を横切って拡散しない、又は非常に低いレベルで拡散する香料組成物成分の選択により、香料組成物成分と包装材料上に配置されたインク及び/又はオーバープリントワニスとの相互作用を低減又は阻害することができる。
【0068】
インク及びオーバープリントワニスを含まない、インクのみを含む、オーバープリントワニスのみを含む、並びにインク及びオーバープリントワニスの両方を含む、ポリエチレンフィルムを横切る比較例1の香料組成物の拡散速度を
図19に示す。
図19に示すように、ポリエチレンフィルムを横切る総揮発性化合物拡散は、インク及びオーバープリントワニスの追加により減少した。理論に束縛されることを望むものではないが、揮発性化合物とインク及びオーバープリントワニスの両方との相互作用は、揮発性化合物の一部が外側ガラスバイアルのヘッドスペースに到達することを防止していると考えられる。更に、香料組成物の揮発性化合物とインク及び/又はオーバープリントワニスとのこの相互作用は、インク及び/又はオーバープリントワニスの軟化を引き起こす場合があり、これにより、パッケージ化された吸収性物品のパッケージ上に配置されたグラフィックにすり減り又は他の損傷をもたらす場合があると考えられる。
【0069】
図19を参照すると、比較例1の香料組成物の拡散速度を、インク及びオーバープリントワニスを含まないポリエチレンフィルム192、インクのみを含むポリエチレンフィルム196、オーバープリントワニスのみを含むポリエチレンフィルム194、並びにインク及びオーバープリントワニスの両方を含むポリエチレンフィルム198にわたって試験した。
図19に示すように、インク及びオーバープリントワニスを含まないポリエチレンフィルム192を横切る香料組成物成分の拡散速度は、他の変数の拡散速度よりも大きかった。インク又はオーバープリントワニスの追加は、拡散速度の減少をもたらし、香料組成物の揮発性化合物がインク及びオーバープリントワニスと相互作用することを示す。理論に束縛されることを望むものではないが、水溶性であり、かつ/又は約7.5×10
-4mmHg未満の蒸気圧を有し、かつ/又は1.0超の分配係数(log K
ow)を有する担体成分を含む香料組成物からの揮発性化合物は、いくつかの包装材料を横切って拡散しない場合があり、かつ/又は包装材料上に配置されたインク及びオーバープリントワニスとの相互作用の低減を示す、又は相互作用を示さない場合があると考えられる。
【0070】
本開示の態様
本開示の以下の態様は、例示に過ぎず、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
1.1つ以上の吸収性物品のパッケージであって、
ポリマーフィルム及びインクを含む包装材料と、
香料組成物を含む吸収性物品であって、香料組成物が、香料成分及び担体成分を含み、担体成分が、香料組成物の約15重量%~約85重量%であり、担体成分が、水に不溶性である、吸収性物品と、
を含む、パッケージ。
2.担体成分が、ミリスチン酸イソプロピルを含む、態様1に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
3.担体成分が、ミリスチン酸イソプロピルからなる、態様1に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
4.包装材料のポリマーフィルムが、ポリエチレンを含む、態様1~3のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
5.パッケージ材料が、前面パネル、前面パネルの反対側の後面パネル、第1の側面パネル、第1の側面パネルの反対側の第2の側面パネル、上面パネル、及び上面パネルの反対側の底面パネルを形成し、パネルが、パッケージの内部区画を画定し、1つ以上の吸収性物品が、内部区画内に配置されている、態様1~4のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
6.包装材料が、ポリマーフィルム、インク、及びオーバープリントワニスからなる、態様1~5のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
7.インクが、ニトロセルロース系インクである、態様1~6のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
8.インクが、水性インクである、態様1~6のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
9.インクが、包装材料の消費者対向面上に配置されている、態様1~8のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
10.吸収性物品が、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に少なくとも部分的に配置された吸収性コアを含む、態様1~9のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
11.グラフィックが、バックシートの衣類対向面上に配置されており、グラフィックが、水性インクから形成されている、態様10に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
12.吸収性物品が、トップシートと吸収性コアとの間に少なくとも部分的に配置された二次トップシートを含み、グラフィックが、二次トップシートの着用者対向面上に配置されており、グラフィックが、水性インクから形成されている、態様10~11のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
13.香料成分が、6未満の分配係数(log Kow)を有する、態様1~12のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
14.香料成分が、β-イオノンを含む、態様1~13のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
15.香料成分が、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール(フェニルヘキサノール)を含む、態様1~14のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
16.1つ以上の吸収性物品のパッケージであって、
包装材料であって、ポリエチレンと、包装材料の消費者対向面上に配置されたインクと、を含む包装材料と、
香料組成物を含む吸収性物品であって、香料組成物が約15重量%~約85重量%のミリスチン酸イソプロピル及び香料成分を含む、吸収性物品と、
を含む、パッケージ。
17.包装材料が、ポリエチレン、インク、及びワニスからなる、態様16に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
18.インクが、ニトロセルロース系インクである、態様16及び17のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
19.パッケージ材料が、前面パネル、前面パネルの反対側の後面パネル、第1の側面パネル、第1の側面パネルの反対側の第2の側面パネル、上面パネル、及び上面パネルの反対側の底面パネルを形成し、パネルが、パッケージの内部区画を画定し、1つ以上の吸収性物品が、内部区画内に封入されている、態様16~18のいずれか1つに記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
20.個別の層であって、
トップシートと、
バックシートと、
トップシートとバックシートとの間に少なくとも部分的に配置された吸収性コアと、
約15重量%~約85重量%のミリスチン酸イソプロピル及び香料成分を含む香料組成物と、
を含み、
個別の層のうちの少なくとも1つが、インクから形成されたグラフィックを含む、
個別の層、を備える吸収性物品。
21.インクが、水性である、態様20に記載の吸収性物品。
22.1つ以上の吸収性物品のパッケージであって、
ポリマーフィルム及びインクを含む包装材料と、
香料組成物を含む吸収性物品であって、香料組成物が、香料成分及び担体成分を含み、担体成分が、香料組成物の約15重量%~約85重量%であり、香料成分が、約0.2~約6の分配係数(log Kow)を有し、担体成分が、約7.5×10-4mmHg~約3.46×10-8mmHgの蒸気圧及び/又は約1.0~約10の分配係数(log Kow)を有し、担体成分が、水に不溶性である、香料組成物を含む吸収性物品と、
を含む、パッケージ。
【0071】
試験方法
拡散速度試験方法:
拡散速度試験方法は、様々な包装材料を横切る拡散速度を計算する。試験設定の概略図を
図18に見ることができる。最初に、香料組成物又は香料組成物の成分1800を、小型ガスクロマトグラフィーバイアル1801に入れる。小型バイアルは、中心に穴を有する隔壁1803と、包装材料の一部分1804と、金属圧着キャップ1805とを備えるキャップ1802で蓋をされる。キャップ構造体1802は、香料組成物1800からの揮発性化合物1806が包装材料1804を横切って拡散することを可能にする。小型バイアル1810は、40mLのガラスバイアル1811内に配置され、ガラスバイアル1811は、隔壁キャップ1812で閉じられる。
【0072】
固相マイクロ抽出(Solid Phase Micro Extraction、SPME)は、40mLのガラスバイアルのキャップ1812の隔壁を通して抽出相繊維1821を含有する針1820を挿入することによって行われる。揮発性化合物1806は、一定時間、抽出相繊維1821上に吸収される。次いで、ヘッドスペース中の揮発性化合物の分析のために、繊維をガスクロマトグラム注入ポートに挿入する。
【0073】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0074】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0075】
本開示の特定の実施形態について説明し記載したが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることは当業者には明白であろう。したがって、本開示の範囲内に属する全てのそのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の吸収性物品(132)のパッケージ(130)であって、
ポリマーフィルム及びインクを含む包装材料(134)と、
香料組成物を含む吸収性物品(132)であって、前記香料組成物が、香料成分及び担体成分を含み、前記担体成分が、前記香料組成物の約15重量%~約85重量%であり、前記担体成分が、水に不溶性である、吸収性物品(132)と、
を含む、パッケージ(130)。
【請求項2】
前記担体成分が、ミリスチン酸イソプロピルを含む、請求項1に記載の1つ以上の吸収性物品(132)のパッケージ(130)。
【請求項3】
前記担体成分が、ミリスチン酸イソプロピルからなる、請求項1に記載の1つ以上の吸収性物品(132)のパッケージ(130)。
【請求項4】
前記包装材料(134)の前記ポリマーフィルムが、ポリエチレンを含む、請求項
1に記載の1つ以上の吸収性物品(132)のパッケージ(130)。
【請求項5】
前記パッケージ材料(134)が、前面パネル(161)、前記前面パネルの反対側の後面パネル(163)、第1の側面パネル(164)、前記第1の側面パネルの反対側の第2の側面パネル(165)、上面パネル(166)、及び前記上面パネル(166)の反対側の底面パネル(167)を形成し、前記パネルが、前記パッケージ(130)の内部区画(168)を画定し、前記1つ以上の吸収性物品(132)が、前記内部区画(168)内に配置されている、請求項
1に記載の1つ以上の吸収性物品(132)のパッケージ(130)。
【請求項6】
前記包装材料が、ポリマーフィルム、インク、及びオーバープリントワニスからなる、請求項
1に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項7】
前記インクが、ニトロセルロース系インクである、請求項
1に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項8】
前記インクが、水性インクである、請求項
1に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項9】
前記吸収性物品が、トップシート、バックシート、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に少なくとも部分的に配置された吸収性コアを含む、請求項
1に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項10】
グラフィックが、前記バックシートの衣類対向面上に配置されており、前記グラフィックが、水性インクから形成されている、請求項9に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項11】
前記吸収性物品が、前記トップシートと前記吸収性コアとの間に少なくとも部分的に配置された二次トップシートを含み、グラフィックが、前記二次トップシートの着用者対向面上に配置されており、前記グラフィックが、水性インクから形成されている、請求項
9に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項12】
前記香料成分が、6未満の分配係数(log K
ow)を有する、請求項
1に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項13】
前記香料成分が、β-イオノンを含む、請求項
1に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項14】
前記香料成分が、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール(フェニルヘキサノール)を含む、請求項
1に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【請求項15】
前記香料成分が、約0.2~約6の分配係数(log K
ow)を有し、前記担体成分が、約7.5×10-4mmHg~約3.46×10-8mmHgの蒸気圧及び/又は約1.0~約10の分配係数(log K
ow)を有する、請求項1に記載の1つ以上の吸収性物品のパッケージ。
【国際調査報告】