(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】椎体間装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
A61F2/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565143
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 EP2022000006
(87)【国際公開番号】W WO2022152576
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】102020000028514
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523397311
【氏名又は名称】エメメ・エス・アール・エル・エス
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラコ、アントニノ
(72)【発明者】
【氏名】カセリ、ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】ミスクシ、マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】トラベルソ、クラウディオ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097BB01
4C097CC13
4C097CC18
(57)【要約】
特に体節間の椎骨の安定化のための椎体間装置(10)は、互いに往復のスライドが可能であり、受け側の脊椎プレートの体腔の上部領域を覆うまで体腔内の容積体積が増大するように協働する少なくとも2つの本体(20、30)を備える。調整部材(40)は、前記本体(20、30)と相互作用して、装置(10)が第1の「コンパクトな」状態と、第2の「伸張拡張した」状態、すなわち、開いていて容積体積が大きい状態とを画定区分する。第1要素(20)の歯は移動され、第2要素の歯(30)の要素との干渉は最小限に抑えられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に体節間椎骨の安定化のための装置(10)であって、互いに往復スライドが可能であり、受け側の脊椎板よりも大きな領域を覆うまで椎間腔内の容積が増大するように協働する、少なくとも2つの本体(20、30)を備え、調整部材(40)が前記本体(20、30)と相互作用して、以下を規定する、
A.装置(10)が第2の要素(30)の歯の間に第1の要素(20)の歯を有する、またはその逆の第1の「コンパクト」または閉じた状態になること、および及び
B.第2の「拡張」の構成、すなわち、開いていて容積体積が大きく、第1の要素(20)の歯が移動し、第2の要素(30)の歯との干渉が最小限に抑えられること
を特徴とする、装置(10)。
【請求項2】
A.前記要素(20、30)は、横方向に、複数の要素または歯(22、23、32、33)が突出出発または収束するそれぞれの基部基部(21、31)を備え、
B.前記調整部材(40)は、前記歯(22、23、32、33)の間の空間内に収容され、基部(21、31)に得られたそれぞれの座(45)に保持される
請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記調整部材40は、少なくとも2つの前記歯(22、23、32、)、の内面に設けられたそれぞれのラック(27、37)と係合するネジである、
請求項1または2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記歯は、好ましくは、前記部材40及びサイドの基部21、31の配置に対して実質的に斜めの方向に配置され、前記ラックは、前記歯と同じ角度で斜めになっている歯のラックである、
請求項1または2に記載の装置(10)。
【請求項5】
請求項1~4の少なくとも一項に記載の少なくとも1つの装置(10)の使用を提供することを特徴とする、
椎体間の椎骨の安定化のための方法。
【請求項6】
体節間の椎骨の安定化を作動させるための、請求項10~4の少なくとも1つに記載の装置(10)の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊柱に対する椎体間の手術に使用され、医療器具の分野に属する拡張可能な椎体間装置に関する。本発明は、安定化方法を作動させるための前記装置の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
脊椎の病状の主な原因は、椎間板の変性である。
【0003】
椎間板がその役割を果たす能力が低下すると、多くの場合、椎間板に介入する必要が生じるが、その介入の結果、脊柱の運動部分に損傷が生じる可能性がある。
【0004】
この変性を治療するための外科的治療法のうち、今日参照される方法は、機能を果たせなくなった2つ以上の悪化した椎間板間の正しい距離を再確立することを目的とした介入である、体間関節固定術による椎骨の安定化処置である。
【0005】
現在、体節間の安定化は、影響を受ける解剖学上の領域と痛みの主な原因の位置に応じて、様々な手術方法で行われている。体腔内に設置される装置は、さまざまな材質と形状のケージである。
【0006】
ケージの主な欠点は、ケージがスペーサーとして、または治療を受ける部分の生物学的な安定化に適した物質のスペーサー/容器としてしか機能しないという事実にある。
【0007】
また、いくつかの外科手術では、ケージが拡張可能であるため、その高さ寸法を増大させることができる装置が使用されることにも留意する必要がある。
【発明の概要】
【0008】
装置と受け側の解剖学的部位との間の接触面積を最適化するために、本発明は、解剖学的および機械的適切性の要件を維持しながら、脊椎プレートを受け取る体腔の上部領域を覆うまで体腔内の容積を増加させることができる装置に関する。
【0009】
さらに、拡張は解剖学的横断面で起こる可能性があり、これは既知の装置では利用できない特殊性である。
【0010】
より詳細には、装置は、往復的にスライドして互いに遠ざかることができるその構成要素の動きによって拡張して、体腔間空間をより大きく覆うことができる。
【0011】
本発明の前記特徴により、操作者は、脊椎板のより広い領域をカバーしなければならない体間装置を位置決めするために必要な、侵襲性が最小限の外科的作業を行うことができるようになる。
【0012】
別の特徴は、この装置が冠状面上での拡張を可能にし、おそらく介入空間のより大きな充填を得ることができることである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
課題の本発明の特徴は、特許請求の範囲に提案されている内容に従って、また添付の図面の助けを借りて、以下の好ましい実施形態の説明から明らかになるであろう。
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の対象とする装置を閉じた、すなわちコンパクトな構成で示す図である;
【
図2】
図2は、本発明の対象とする装置を拡張した構成で示す図である;
【
図3】
図3は、本発明の対象とする装置を示す2つの図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図示の図面を参照すると、全体10は、装置が解剖学的及び機械的適切性の要件を維持しながら、同時に調整できるように相互にスライド可能な2つの本体20及び30からなる拡張可能な椎体間装置を示す。椎体間腔の容積が、受け側の椎骨板の上部を覆うまで増加する。前記要素20及び30のそれぞれは、横方向にそれぞれの基部21、31を備え、そこから複数の要素または歯22、23及び32、33が実質的に垂直に突出し、収束する。
【0016】
より詳細には、歯22、23と、サイドの基部21、31のそれぞれの端部の端から遠ざかる歯22、23と、本体20、30全体とで2つの櫛を形成する。
【0017】
前記本体または櫛20、30は、以下に説明する調整部材によって相互に作用し、協働して以下を規定するように構成される。
・装置10が第2の要素30の歯の間に第1の要素20の歯を有する、またはその逆の第1の「コンパクト」または閉じた状態、及び
・第2の「拡張」構成、すなわち、開いていて容積が大きく、第1の要素20の歯が移動して第2の要素30の歯と最小限に干渉する、すなわち、それぞれの端部26、36のみと干渉する。
【0018】
2つの構成間の調整は、全体を40で示す調整部材によって行われる。
【0019】
前記調整部材40は、櫛20、30の歯の間の空間内に収容され、基部21、31に設けられたそれぞれの座45に保持され、全体として、歯22、23、32、33の方向に対して垂直に配置される。
【0020】
調整部材40は、歯22、23、32、33の内面に形成されたそれぞれのラック27、37と係合するウォームギアであることが好ましい。歯は、部材40及びサイドの基部21、31、32の配置に対して実質的に斜めの方向に配置されることが好ましく、ラックは、歯と同じ傾斜角度だけ斜めになっている歯を備えたラックである。
【0021】
このように、部材40がその軸を中心に回転すると、斜めのラックによって、装置10の2つの本体20及び30の歯22、23、32、33から遠ざかる、またはそれに向かうスライド動作が引き起こされ、上記の2つの「コンパクト」及び「拡張」の制限された構成で動作することが可能である。
【0022】
したがって、体節間の椎骨の安定化のための方法は、上述したものによる少なくとも1つの装置10を使用し、その結果、対応する方法とその使用の両方が保護される。
【国際調査報告】