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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-27
(54)【発明の名称】タッチレス手袋装着システム
(51)【国際特許分類】
   A41D 19/015 20060101AFI20240319BHJP
   A61B 42/50 20160101ALI20240319BHJP
   A47G 25/90 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A41D19/015 610Z
A61B42/50
A47G25/90
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569768
(86)(22)【出願日】2022-01-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 US2022012678
(87)【国際公開番号】W WO2022164665
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】17/159,274
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ベルクロ
(71)【出願人】
【識別番号】523284170
【氏名又は名称】ダリー・ジェームズ・エドウィン
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ダリー・ジェームズ・エドウィン
【テーマコード(参考)】
3B033
3K099
【Fターム(参考)】
3B033AA15
3B033AB09
3K099AA30
3K099BA06
3K099CB54
3K099DA15
3K099EA40
(57)【要約】
手袋装着システムは、取り付けキャビティと、取り付けキャビティ内へのアクセスを提供するアクセス開口と、を画定するハウジングを提供する手袋装着モジュールと、取り付けキャビティ内に負圧および正圧を発生させる圧力システムと、ハウジングに据え付けられ、カートリッジベルトを含む手袋カートリッジ組立体であって、カートリッジベルトは、カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、各手袋カートリッジは、カートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、手袋カートリッジ組立体と、を含む。手袋カートリッジ組立体は、カートリッジベルトを前進させ、各手袋カートリッジをアクセス開口と順次整列させるように動作可能である。圧力システムによって発生した負圧により、アクセス開口と整列した手袋は取り付けキャビティ内に膨張し、圧力システムによって発生した正圧により、手袋はアクセス開口を通して手袋内に延ばされた手にはまる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手袋装着システムであって、
取り付けキャビティと、前記取り付けキャビティ内へのアクセスを提供するアクセス開口と、を画定するハウジングを提供する手袋装着モジュールと、
前記取り付けキャビティ内に負圧および正圧を発生させるように動作可能な圧力システムと、
前記ハウジングに据え付けられ、カートリッジベルトを含む手袋カートリッジ組立体であって、前記カートリッジベルトは、前記カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、各手袋カートリッジは、前記カートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、手袋カートリッジ組立体と、
を含み、
前記手袋カートリッジ組立体は、前記カートリッジベルトを前進させ、各手袋カートリッジを前記アクセス開口と順次整列させるように動作可能であり、
前記圧力システムによって発生した負圧により、整列された手袋カートリッジの前記手袋は前記取り付けキャビティ内に膨張し、前記圧力システムによって発生した正圧により、前記手袋は前記アクセス開口を通して前記手袋内に延ばされた手にはまる、手袋装着システム。
【請求項2】
前記圧力システムは、圧力ピストン、空気ピストン、プランジャ、ワイパー、折り畳み可能/変形可能な機構、反転圧縮機またはポンプ、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される装置を含む、請求項1に記載の手袋装着システム。
【請求項3】
前記手袋装着モジュールを動作させるためにユーザーによって起動可能なユーザーインターフェースをさらに含む、請求項1に記載の手袋装着システム。
【請求項4】
前記ハウジングは、円形断面を有する円筒形チューブを含む、請求項1に記載の手袋装着システム。
【請求項5】
前記圧力システムおよび前記手袋カートリッジ組立体の少なくとも一方を動作させるために、ユーザーによって手動で作動可能な機械的アクチュエータをさらに含む、請求項1に記載の手袋装着システム。
【請求項6】
前記手袋装着モジュールは、第1の手袋装着モジュールを含み、前記手袋カートリッジ組立体は、第1の手袋カートリッジ組立体を含み、前記手袋装着システムは、
第2の手袋装着モジュールであって、前記第2の手袋装着モジュールは、前記第1の手袋装着モジュールに結合され、取り付けキャビティと、前記第2の手袋装着モジュールの前記取り付けキャビティ内へのアクセスを提供するアクセス開口と、を画定するハウジングを提供し、前記圧力システムは、前記第2の手袋装着モジュールの前記取り付けキャビティ内に負圧および正圧を発生させるように動作可能である、第2の手袋装着モジュールと、
前記第2の手袋装着モジュールの前記ハウジングに据え付けられ、カートリッジベルトを含む第2の手袋カートリッジ組立体であって、前記カートリッジベルトは、前記カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、前記第2の手袋カートリッジ組立体の各手袋カートリッジは、個々に包装され、前記第2の手袋カートリッジ組立体の前記カートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、第2の手袋カートリッジ組立体と、
をさらに含み、
前記第1の手袋カートリッジ組立体に含まれる手袋は、第1のタイプであり、前記第2の手袋カートリッジ組立体に含まれる手袋は、前記第1のタイプとは異なる第2のタイプである、請求項1に記載の手袋装着システム。
【請求項7】
前記第1の手袋装着モジュールまたは前記第2の手袋装着モジュールの動作を選択するために、ユーザーによって起動可能なユーザーインターフェースをさらに含む、請求項6に記載の手袋装着システム。
【請求項8】
前記手袋カートリッジ組立体は、供給スプールと、回収スプールと、を含み、前記カートリッジベルトは、前記供給スプールと前記回収スプールとの間に延在可能である、請求項1に記載の手袋装着システム。
【請求項9】
前記手袋カートリッジ組立体は、前記ハウジング内に設置される前に、滅菌包装内に真空パックされ密封されている、請求項1に記載の手袋装着システム。
【請求項10】
前記取り付けキャビティ内に位置付けられた滅菌装置をさらに含む、請求項1に記載の手袋装着システム。
【請求項11】
各手袋は、スプリットOリング、剥離可能な接着剤、ワックス、ベルクロアタッチメント、1つ以上の機械的ステープル、重ね合わせ基材、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される締結システムで前記カートリッジベルトに解放可能に固定されている、請求項1に記載の手袋装着システム。
【請求項12】
手袋を手に着用する方法であって、
手袋装着システムを起動することであって、前記手袋装着システムは、
取り付けキャビティを画定するハウジングを提供する手袋装着モジュールと、
前記ハウジングに据え付けられ、カートリッジベルトを含む手袋カートリッジ組立体であって、前記カートリッジベルトは、前記カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、各手袋カートリッジは、前記カートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、手袋カートリッジ組立体と、
を含む、ことと、
前記カートリッジベルトを前進させて、手袋カートリッジを、前記ハウジングに画定されており、前記取り付けキャビティ内へのアクセスを提供するアクセス開口と整列させることと、
圧力システムにより前記取り付けキャビティ内に負圧を発生させ、それにより、前記手袋を前記取り付けキャビティ内に膨張させることと、
前記取り付けキャビティ内に膨張された前記手袋内に手を延ばすことと、
前記圧力システムにより前記取り付けキャビティ内に正圧を発生させ、それにより、前記手袋を前記手にはめることと、
前記手袋を前記カートリッジベルトから解放することと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記手袋装着システムを起動することは、前記手袋装着モジュールに含まれるユーザーインターフェースを動作させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記手袋装着システムを起動することは、前記手袋装着システムに含まれる機械的アクチュエータを手動で作動させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記取り付けキャビティ内に位置付けられた滅菌装置で前記手袋の外側を滅菌することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記手袋装着システムは、前記手袋装着モジュールに結合された滅菌モジュールをさらに含み、前記方法は、
前記手袋がはめられた前記手を前記滅菌モジュール内に延ばすことと、
前記滅菌モジュール内に配置された滅菌装置で前記手袋を滅菌することと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記手袋を前記カートリッジベルトから解放することは、前記正圧により前記手袋を解放することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
手袋装着システムであって、
アクセス開口を提供する据え付けブラケットと、
前記据え付けブラケットに据え付け可能であり、カートリッジベルトを含む手袋カートリッジ組立体であって、前記カートリッジベルトは、前記カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、各手袋カートリッジは、締結システムにより前記カートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、手袋カートリッジ組立体と、
を含み、
前記手袋カートリッジ組立体は、前記カートリッジベルトを前進させ、各手袋カートリッジを前記アクセス開口と順次整列させるように動作可能であり、
前記アクセス開口を通して手を延ばすと、整列された手袋カートリッジからの手袋が前記手に取り付けられ、同時に前記手袋が前記カートリッジベルトから解放される、手袋装着システム。
【請求項19】
前記締結システムは、
内部を画定する管状構造体と、
前記手袋を前記カートリッジベルトに解放可能に固定するために各手袋の手首ビードが前記内部の中に受容されることを可能にするために前記管状構造体に画定された開口部と、
を含むスプリットOリングを含む、請求項18に記載の手袋装着システム。
【請求項20】
前記手袋カートリッジ組立体を動作させ、前記カートリッジベルトを前進させるために手動で作動可能な機械的アクチュエータをさらに含む、請求項18に記載の手袋装着システム。
【請求項21】
前記カートリッジベルトを前記アクセス開口と整列させるために、前記カートリッジベルトが中を通って延びる整列ガイドをさらに含む、請求項18に記載の手袋装着システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
使い捨て手袋(例えば、ラテックス手袋、ニトリル手袋など)の使用は、多くの産業で一般的であり、概して、ユーザー(着用者)と周囲の環境との間の不注意なまたは偶発的な交差汚染に対する主要な保護手段の1つとして認識されている。適切に使用されれば、手袋は、衛生状態を改善し、ユーザーおよび他者、特に手袋を着用している人からサービスを受ける人々、の両方の曝露を最小限に抑えることができる。
【0002】
しかし、手袋の装着(配置)中に発生する一般的なエラーは、装着前および装着中に手袋の外側にかなりの物理的接触を受けさせるなど、手袋使用の全体的な有効性を損なう可能性がある。例えば、手袋は、一般的に、ユーザーが1つの手袋を取り出す際に素手で複数の手袋に物理的に接触する確率を高める方法で包装されている。さらに、最初の手袋は、通常、手袋をしていない手で装着され、それによって、最初の手袋の外側が汚染される可能性がある。事実上、使い捨て手袋を単に手ではめるだけで、無菌または衛生的な用途を意図した複数の手袋を不注意に汚染する可能性がある。さらに、手袋は、意図された使用の前に、不注意にまたは意図的に非衛生的な表面と接触することによって汚染され得る。
【0003】
さらに、現在世界を悩ませているCOVID-19パンデミックの観点から、使い捨て手袋の使用は、指数関数的に増加している。したがって、汚染を増加または伝播させることなく使い捨て手袋を装着するシステムおよび方法が大いに望まれている。
【0004】
以下の図は、本開示の特定の態様を説明するために含まれるものであり、排他的な実施形態とみなされるべきではない。開示される主題は、本開示の範囲から逸脱することなく、形態および機能において多くの修正、変更、組み合わせ、および等価物が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】1つ以上の実施形態による、例としての手袋装着システムの正面図である。
図2】1つ以上の追加の実施形態による、別の例としての手袋装着システムの正面図である。
図3】本開示の1つ以上の実施形態による、図1または図2のシステムの露出上面図である。
図4】本開示の実施形態による、図3のカートリッジベルトの例としての実施形態の一部の平面図である。
図5】1つ以上の実施形態による、例としての膨張した手袋の上面図である。
図6A】1つ以上の実施形態による、別の例としての手袋装着システムの等角側面図である。
図6B図6Aのシステムの概略上面図である。
図7A】1つ以上の実施形態による、別の例としての手袋装着システムの側面概略図である。
図7B】1つ以上の実施形態による、上記別の例としての手袋装着システムの正面概略図である。
図8】1つ以上の追加の実施形態による、別の例としての手袋装着システムの側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、使い捨て手袋を装着するための手袋装着システムに関し、より詳細には、手袋の装着(配置)中に手袋の外側が汚染される可能性を最小限に抑えるように設計されたタッチレス手袋装着システムに関する。
【0007】
本明細書で説明する自動手袋装着システムは、使い捨て手袋の「タッチレス」自己着用(取り付け)を可能にし、それにより、装着プロセス中の手袋の外部表面とのユーザーの接触を最小限に抑えるかまたは排除する。本明細書で論じるシステムおよび方法は、無菌技術を強化し、手袋装着の速度を上げると同時に、ユーザーのミスおよび手袋との不注意な汚染接触に関連する汚染を防止することができる。手袋装着システムは、個別に包装され滅菌された手袋を組み込み、これらの手袋は、自動システムを介してユーザーによりアクセスされ得る。いくつかの実施形態では、個別に包装された手袋は、本明細書に記載のディスペンサーシステム内に容易に取り付けられ得る、予め包装され滅菌されたカートリッジ組立体に入れて提供され得る。開示される1つ以上の実施形態では、本明細書に記載される手袋装着システムは、手袋装着およびユーザーの手に手袋をフィットさせることを助ける周期的な負圧および正圧状態を提供する圧力システムを利用する。
【0008】
本開示の実施形態は、現在のCOVID-19パンデミックの観点から有利である。特に、使い捨て手袋のような個人防御用具(PPE)は、急速に汚染されやすく、典型的には、故意にまたは不注意に汚染されると廃棄される。本明細書で説明する自動手袋装着システムは、偶発的に損なわれ得る、無駄な使い捨て手袋の量を減らすのに役立ち得、そうでなければ、ユーザーは汚染された手袋を廃棄し、新しい手袋を着用または装着する必要がある。本明細書で開示される実施形態は、病院、老人ホーム、レストラン、浴室などであるがこれらに限定されない、高度な衛生または滅菌が要求されるかまたは望まれる環境において特に有利であり得る。本明細書で使用される場合、用語「着用する」および「着用」は、手袋を手に装着するかまたは取り付ける行為を指す。用語「着用する」および「着用」は、「装着する」または「取り付ける」などの用語と互換的に使用され得る。
【0009】
図1は、1つ以上の実施形態による、例としての手袋装着システム100の正面図である。図示されているように、手袋装着システム100(以下、「システム100」)は、手袋装着モジュール102を含み得る。いくつかの実施形態では、手袋装着モジュール102は、任意の所望の場所に持ち運び可能とすることができるスタンドアロンシステムを含み得る。しかし、他の実施形態では、手袋装着モジュール102は、使用のため剛性構造体104に据え付けられてもよい。剛性構造体104は、壁、調理台、スタンド、公共のアクセスポイント(例えば、給油ポンプ、地下鉄の入口、エレベーターの壁など)、またはそれらの任意の組み合わせなどであるがこれらに限定されない、さまざまな静止構造体を含み得る。あるいは、剛性構造体104は、車輪付きカート、緊急車両、またはそれらの任意の組み合わせなどの可動(運搬可能)構造体を含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、壁の電源コンセント(例えば、110V)を通じて利用可能な系統電力(electrical grid power)、または車両電力ポートから得られる電力などの、電力源が、手袋装着モジュール102を動作させるために剛性構造体104に含まれ得る。手袋装着モジュール102が給油ポンプ、エレベーターなどといった機器に取り付けられている実施形態では、電力はそのような機器から得ることができる。代替的に、またはそれに加えて、手袋装着モジュール102は、1つ以上の電池(例えば、12V、24Vなど)、燃料電池、ソーラーパネル電力システム、またはそれらの任意の組み合わせなどの局所的な電源106を含み得る。
【0011】
手袋装着モジュール102は、手袋装着モジュール102を動作させるために使用されるさまざまな装置または機構を収容または支持するハウジング108を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング108は、第1のまたは「取り付け」キャビティ110aと、仕切り112によって取り付けキャビティ110aから分離された第2のまたは「圧力」キャビティ110bと、を提供するかまたは別様に画定する。キャビティ110a、110bは、交互に「ゾーン」と呼ばれ得る。仕切り112は、第1のキャビティ110aと第2のキャビティ110bとを分離するが、第1のキャビティ110aと第2のキャビティ110bとの間に流体(空気)連通を提供する圧力ベント114も画定する。
【0012】
また、手袋装着モジュール102は、取り付けキャビティ110a内に周期的な負圧および正圧状態を発生させるように動作可能な圧力システム116を含むことができる。負圧および正圧は、周囲圧力または気圧に対して測定される。したがって、圧力システム116によって提供される負圧発生は、気圧より低い、取り付けキャビティ110a内の任意の圧力状態を含むことができ、正圧発生は、気圧より高い、取り付けキャビティ110a内の任意の圧力状態を含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、(破線で示す)圧力システム116は、圧力キャビティ110b内に配置され得、圧力ベント114を介して取り付けキャビティ110a内に負圧および正圧状態を発生させるように動作可能とすることができる。そのような実施形態では、圧力システム116は、圧力キャビティ110b内に周期的な負圧および正圧を発生させることができ、そのような圧力変化は、圧力ベント114を介して取り付けキャビティ110aに伝達される。より具体的には、圧力システム116は、取り付けキャビティ110aから圧力ベント114を介して圧力キャビティ110b内に空気を引き込む低圧状態を、圧力キャビティ110b内に発生させるように構成され得る。次いで、圧力システム116は、圧力ベント114を介して取り付けキャビティ110a内に空気を強制的に送り込む高圧状態を、圧力キャビティ110b内に発生させるように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、取り付けキャビティ110aは、周期的な負圧および正圧状態の効果を高めるために実質的に密封され得る。
【0014】
あるいは、圧力システム116は、ホースなどを介して圧力ベント114と直接連絡してもよく、したがって、圧力キャビティ110b内の圧力状態に影響を与えず、取り付けキャビティ110a内のみに影響を与える。しかしながら、他の実施形態では、圧力システム116は、ハウジング104の外側に取り付けられるなど、圧力キャビティ110bの外側に配置され得る。このような実施形態では、圧力キャビティ110bは不要であるとして省略されてもよく、圧力システム116は、例えば、取り付けキャビティ110a内に負圧および正圧状態を発生させるために、ハウジング104の側壁を通じて取り付けキャビティ110aと直接流体連通することができる。
【0015】
圧力システム116は、取り付けキャビティ110a内の圧力を増減させることができる任意の適切な圧縮機、ポンプ、または装置を含むことができる。圧力システム116の適切な例としては、圧力ピストン、空気ピストン、プランジャ、ワイパー、折り畳み可能/変形可能な機構(例えば、ベローズ、アコーディオン型ベローズ、拡張可能なブラダなど)、反転圧縮機もしくはポンプ、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施形態では、圧力システム116は、ばね仕掛けのベローズを含み得、これは、正圧状態を作り出すために一方向に作動させられ、負圧状態を作り出す間にその自然な状態に戻ることを許容され得る。いくつかの実施形態では、空気が、圧力システム116によってハウジング108の外側から引き込まれて、取り付けキャビティ110a内の圧力を増加させることができる。そのような実施形態では、ベント121が、ハウジング108の側壁に画定され得、入口フィルタが、流入空気を濾過するためにベント121内部に配置され得る。入口フィルタは、手袋装着モジュール102、より詳細には、取り付けキャビティ110aに入る前にさまざまな汚染物質を捕捉するように構成された、高効率粒子空気(HEPA)フィルタであってもよい。
【0016】
手袋装着モジュール102は、ハウジング108に据え付けられ、複数の個々に包装され解放可能に固定された手袋を含む、(概ね破線で示された)手袋カートリッジ組立体118をさらに含むことができる。手袋は、ラテックス手袋、ニトリル手袋、ブチル手袋、ビニル手袋、ネオプレン手袋、またはそれらの任意の組み合わせなどであるがこれらに限定されない、使い捨て手袋を含み得る。手袋は無菌でも非無菌でもよい。以下でさらに詳細に説明するように、手袋カートリッジ組立体118内の手袋は、個々に包装され、かつ/または対向する供給スプールと回収スプールとの間で駆動(移送)されるように構成されたカートリッジベルトに沿って離間され得る。手袋装着モジュール102は、手袋カートリッジ組立体118内の個々の手袋を、ハウジング108に画定されたアクセス開口120と整列するように選択的に前進させる手段を含むことができる。アクセス開口120は、ユーザーがアクセス開口120を介して取り付けキャビティ110aに手を挿入し、同時に、アクセス開口120と整列された手袋に手を挿入することができる場所を提供する。
【0017】
いくつかの実施形態では、図示されているように、手袋カートリッジ組立体118は、取り付けキャビティ110a内に配置されてもよい。しかし、他の実施形態では、手袋カートリッジ組立体118は、ハウジング108の外側に取り付けられてもよく、カートリッジベルトは、外部に据え付けられた供給スプールから一方の側でハウジング108内に供給され、ハウジング108の対向する側で外部に据え付けられた回収スプールによって受け取られ得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、手袋装着モジュール102は、ユーザーが手袋装着モジュール102を動作させることを可能にするように設計されたユーザーインターフェース122をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、ユーザーインターフェース122は、ハウジング108に据え付けられた自己消毒スイッチまたはボタンなどのタッチインターフェースを含み得る。このような実施形態では、ユーザーは、手動でスイッチを入れるか、またはボタンを押して、手袋装着モジュール102の動作を起動することができ、これにより、手袋カートリッジ組立体118は、カートリッジベルトを前進させ、手袋をアクセス開口120と整列させることができる。他の実施形態では、ユーザーインターフェース122は、ユーザーが手袋装着モジュール102を動作させることを可能にする自己消毒タッチスクリーンディスプレイなどのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を含み得る。このような実施形態では、ユーザーインターフェース122は、手袋のサイズ、手袋の色、手袋の材質、手袋のスタイル、右手、左手、またはそれらの任意の組み合わせなどであるがこれらに限定されない、さまざまな手袋選択基準についてのユーザー入力を受け付けるようにプログラムされ得る。
【0019】
さらに他の実施形態では、ユーザーインターフェース122はタッチレスインターフェースを含み得る。このような実施形態では、例えば、タッチレスユーザーインターフェース122は、手袋装着モジュール102のタッチレス操作を容易にする1つ以上のセンサを含み得る。より詳細には、手袋装着モジュール102に組み込まれたさまざまなセンサは、ユーザーインターフェース122の近傍での動きまたは動作(例えば、ユーザーインターフェース122の前で手を振る、手袋装着モジュール102に近づくなど)を感知することができる。ユーザーインターフェース122の近傍でのこのような動きまたは動作により、手袋カートリッジ組立体118は、手袋を前進させ、アクセス開口120と整列させることができる。ユーザーインターフェース122のための適切なセンサは、モーションセンサ(例えば、赤外線(IR)センサ)、光電センサ(例えば、フォトアイ)、ライトカーテン、光センサ、近接センサ(例えば、無線周波数識別(RFID)リーダー)、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施形態では、タッチレスユーザーインターフェース122は、例えば、RFID技術を採用した近接センサを含み得、これは、手袋装着モジュール102に近接すると、ユーザーの識別情報(例えば、会社のバッジなど)を検出することができる。他の実施形態では、タッチレスユーザーインターフェース122は、マイクロホンおよびスピーカを備えた音声起動型コンピュータシステムを含み得る。このような実施形態では、ユーザーは、手袋カートリッジ組立体118が手袋を前進させ、アクセス開口120と整列させるように、ユーザーインターフェース122に音声コマンドを話すことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、圧力システム116および手袋カートリッジ組立体118の一方または両方は、局所的な電源106によって電力供給され得る。他の実施形態では、圧力システム116および手袋カートリッジ組立体118の一方または両方は、壁の電源コンセント(例えば、110V)を通じて利用可能な系統電力、または車両電力ポートから得られる電力で給電されてもよい。しかしながら、さらに他の実施形態では、機械的アクチュエータ124が、ユーザーインターフェース122の一部を形成することができ、手袋装着モジュール102を動作させるためにユーザーによって手動で作動され得る。このような実施形態は、電力への迅速なアクセスが制限され得る遠隔用途または携帯型用途など、系統電力または局所的な電源106が利用できない場合に有利であることが分かる。
【0021】
機械的アクチュエータ124は、例えば、手袋カートリッジ組立体118および/または圧力システム116を動作させるためにユーザーが手動で作動(例えば、往復運動)させなければならない1つ以上のレバーまたはペダルを含み得る。図示の実施形態では、作動システム124は、手袋装着モジュール102を動作させるためにユーザーにより上下に揺動され得るレバーを含む。少なくとも1つの実施形態では、レバーは、「手首ブレード」などを含み得、これは、ユーザーが、手を使用する必要なしに手袋カートリッジ組立体118および/または圧力システム116を手動で作動させるために、腕、手首などと能動的に係合させることができる概ね平坦な表面を含む。他の実施形態では、機械的アクチュエータ124は、手袋カートリッジ組立体118および圧力システム116の一方もしくは両方とのギア付きおよび/または滑車式の相互接続部を有する踏板を含み得、踏板のユーザー作動(操作)により、手袋カートリッジ組立体118および/または圧力システム116を動作させることができる。
【0022】
次に、手袋装着モジュール102の例としての動作を提供する。いくつかの実施形態では、ユーザーは、概ね上述したように、ユーザーインターフェース122および/または機械的アクチュエータ124との相互作用を通じて手袋装着モジュール102の動作を起動することができる。このような実施形態では、ユーザーインターフェース122(例えば、タッチもしくはタッチレス)および/または機械的アクチュエータ124を動作させることにより、手袋カートリッジ組立体118がカートリッジベルトを前進させ、手袋をアクセス開口120と整列させることができる。手袋がアクセス開口120と整列されると(または、手袋が移動され整列されているときに)、圧力システム116が起動され、取り付けキャビティ110a内に負圧(例えば真空)を発生させることができる。発生した負圧は、整列された手袋を取り付けキャビティ110aの内部に膨張させるのに十分となり得るが、各手袋は、手袋を取り付けキャビティ110a内に膨張させても手袋がカートリッジベルトから解放されないように、カートリッジベルトに動作可能に結合され得る。しかし、他の実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく、手袋を取り付けキャビティ110a内に膨張させることができる前に、ユーザーはまず手袋を覆うシールを貫通しなければならない。
【0023】
手袋が膨張されて取り付けキャビティ110a内に延ばされると、ユーザーは、アクセス開口120を介して、膨張した手袋内に手を延ばすことができ、この時点で、圧力システム116は、取り付けキャビティ110a内での負圧発生から正圧発生へと循環(スイッチ-リターンサイクル)することができる。圧力システム116を負圧発生から正圧発生に循環させることは、手動でまたは電子的に制御され得る。圧力システムがばね仕掛けのベローズ、空気ピストン、または踏板などの往復運動装置を含む実施形態では、圧力システム116を負圧発生から正圧発生に循環させることは、動作中に自然に起こり得る。いくつかの実施形態では、負圧/正圧サイクルの持続時間は、2秒毎、3秒毎、5秒毎などの、選択されたタイミングに基づき得る。他の実施形態では、圧力システム116を負圧から正圧に循環させることは、手の存在を検出する1つ以上の内部センサの動作によってトリガされ得る。このような実施形態では、モーションセンサまたはライトカーテンは、膨張した手袋内での手の存在が検出されると、圧力システム116を取り付けキャビティ110a内での負圧から正圧に切り替えさせる(循環させる)ことができる。いくつかの実施形態では、圧力システム116は、連続的に動作することができ、負圧状態と正圧状態との間を循環させるか、または取り付けキャビティ110a内の負圧を維持する。しかし、他の実施形態では、圧力システム116は、手袋を取り付けるために必要に応じて動作され得るにすぎず、その後、圧力システム116の動作は停止することができる。
【0024】
圧力システム116によって発生する正圧は、手袋をユーザーの手にはめるのを助け、それによって、手袋が適切に着用されている(取り付けられている)という触覚フィードバックをユーザーに提供することができる。手袋をユーザーの手にはめるのに役立つ正圧の力(positive pressure forces)がないと、ユーザーは手袋を外さずに手を引き抜くことができる可能性があり、手袋装着モジュール102の目的が損なわれる。したがって、正圧状態から手袋が手に適切に装着されている(はめられている)とユーザーが感じたら、手袋をはめた手をアクセス開口120から引き抜くことができる。いくつかの実施形態では、手袋をはめた手をアクセス開口120から引き抜くと、手袋をカートリッジベルトから解放することができる。他の実施形態では、またはそれに加えて、正圧状態は、手袋をカートリッジベルトから解放するのに十分な脱離力を生じさせ得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、手袋をはめた手を取り付けキャビティ110aから引き抜くことで、別の手袋を前進させてアクセス開口120と整列させるように手袋カートリッジ組立体118の動作をトリガすることができる。このような実施形態では、手袋装着モジュール102のデフォルト位置は、ユーザーがシステム100に近づく前に既に前進されアクセス開口120と整列された手袋を有することとし得る。したがって、手袋が手袋装着モジュール102から分配され、ユーザーが手を引き抜くと、手袋カートリッジ組立体118は、自動的に別の手袋を前進させ、アクセス開口120と整列させ、よって、手袋装着モジュール102をその後の継続的な使用への準備ができた状態にすることができる。
【0026】
図2は、1つ以上の追加の実施形態による、別の例としての手袋装着システム200の正面図である。手袋装着システム200(以下、「システム200」)は、図1のシステム100といくつかの点で類似していてよく、したがって、それを参照して最もよく理解され、同様の符号は、再び説明されない同様の構成要素を指す。図示されるように、システム200は、手袋装着モジュール102a、102b、102cとして示される、垂直に積み重ねられた複数の手袋装着モジュールを含む。3つの手袋装着モジュール102a~102cが図2に描かれているが、本開示の範囲から逸脱することなく、3つ超または3つ未満がシステム200において利用され得る。手袋装着モジュール102a~102cは、使用のため剛性構造体104に据え付けられ得、または、代替的に、スタンドアロンユニットを含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、各手袋装着モジュール102a~102cは、手袋装着モジュール102a~102cを動作させるために使用されるさまざまな装置または機構を収容または支持する別個のハウジング108を含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、手袋装着モジュール102a~102cは、手袋装着モジュール102a~102cのすべてを組み込むかまたは含む共通のハウジングを共有し得る。各手袋装着モジュール102a~102cは、取り付けキャビティ110aおよびアクセス開口120を提供することができ、アクセス開口120は、ユーザーが対応する取り付けキャビティ110aに手を挿入し、同時に対応するアクセス開口120と整列された膨張した手袋に手を挿入することができる場所を提供する。
【0028】
いくつかの実施形態では、システム200は、機械的ハウジング202をさらに含み得、これは、ハウジング108の一部を形成してもよく、またはそれに結合されていてもよい。機械的ハウジング202は、圧力システム116と、手袋装着モジュール102a~102cを動作させるように構成されたさまざまな電気構成要素(例えば、コンピュータシステムなど)と、を収容することができる。しかしながら、他の実施形態では、圧力システム116は、代替的にハウジング108の外側に結合されてもよい。そのような実施形態では、機械的ハウジング202は、追加の手袋装着モジュールと置き換えられてもよい。圧力システム116は、各手袋装着モジュール102a~102cの取り付けキャビティ110aと流体連通していてよい。動作中、ユーザーの入力に応じて、圧力システム116は、取り付けキャビティ110aのいずれかまたはすべてにおいて周期的な負圧および正圧を選択的に発生させるように動作可能であり得る。
【0029】
各手袋装着モジュール102a~102cは、ハウジング108に据え付けられた(破線で示す)別個かつ別々の手袋カートリッジ組立体118をさらに含み得る。各手袋カートリッジ組立体118は、設置前に予め包装され滅菌されていてよく、個々に包装され、対向する供給スプールと回収スプールとの間で駆動(移送)されるように構成されたカートリッジベルトに解放可能に固定された複数の手袋を含み得る。各手袋カートリッジ組立体118はまた、ユーザー入力に応じて、対応するアクセス開口120に個々の手袋を選択的に前進させるように、プログラムされるか、または別様に動作可能とすることができる。より具体的には、システム200は、ユーザーが手袋装着モジュール102a~102cを動作させることを可能にするように設計された1つ以上のユーザーインターフェース122(3つが図示されている)をさらに含むことができる。図示の実施形態では、各手袋装着モジュール102a~102cは、別個のユーザーインターフェース122を含む。このような実施形態では、各ユーザーインターフェース122は、対応する手袋装着モジュール102a~102cの動作をトリガするように構成され得る。しかしながら、他の実施形態では、システム200は、ユーザー入力に応じて、手袋装着モジュール102a~102cのいずれかを選択的に動作させるように構成された単一のユーザーインターフェース122を含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、各手袋装着モジュール102a~102cは、異なるタイプの手袋を分配するように構成され得る。例えば、各手袋カートリッジ組立体118は、異なるタイプの手袋を含むことができ、ユーザーは、対応するユーザーインターフェース122を介して特定の手袋装着モジュール102a~102cの動作を起動することによって、所望のタイプの手袋を選択することができる。システム200において分配され得る異なるタイプの手袋の基準は、サイズ、色、材質、スタイル、右手、左手、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0031】
いくつかの実施形態では、システム200は、圧力システム116および手袋カートリッジ組立体118の一方または両方を動作させるためにユーザーによって手動で作動され得る機械的アクチュエータ204をさらに含み得る。図示された実施形態では、機械的アクチュエータ204は、圧力システム116の動作を助けるかまたはこれに取って代わるように構成された、ばね仕掛けの足踏みペダルベローズを含む。より具体的には、ベローズは、ユーザーによって(例えば、足で)押し下げられ、その後、拡張させられて、取り付けキャビティ110a内に周期的な正圧および負圧を作り出す。このような実施形態は、圧力システム116のための電力への迅速なアクセスが制限され得る、遠隔用途または携帯型用途に有利であることが分かる。
【0032】
手袋装着モジュール102a~102cの動作は、複数のアクセス開口120を介して異なるタイプの手袋を分配する能力を除いて、上記図1の手袋装着モジュール102の動作と概ね同様であってよい。しかしながら、さらに、いくつかの実施形態では、システム200は、ハウジング108に結合されるか、またはハウジング108の一部を形成するオプションの滅菌モジュール206をさらに含むことができる。図示されているように、滅菌モジュール206は、手袋を消毒および/または滅菌するためにユーザーが手袋をはめた手(または複数の手)を入れることができる開口208を提供または画定することができる。滅菌モジュール206は、開口208への導入時に手袋を消毒および/または滅菌するように動作可能な滅菌装置210を含むことができる。滅菌装置210は、紫外線(UV)ランプ(例えば、短波長UVランプ、UV-Cランプ、殺菌UVランプなど)、オゾン発生器、化学殺菌剤(例えば、噴霧器、エアロゾライザー(aerosolizer)、槽など)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。滅菌モジュール206は、限定的に(またはより長く)使用されている手袋を滅菌するのに有利であることが分かり、よって、手袋の取り外しと新しい手袋の装着を繰り返す必要性を最小限に抑え、それによって無駄なPPEの削減に役立つ。
【0033】
いくつかの実施形態では、滅菌モジュール206は、ユーザーインターフェース122の1つを介して選択的に作動可能であってよく、したがって、ユーザーが要求に応じて滅菌装置210を選択的に起動することを可能にする。しかしながら、他の実施形態では、滅菌モジュール206は、開口208の近くまたは開口208の中に手が存在することを検出するように構成されたセンサ212(例えば、近接センサ)を含むことができる。手が検出されると、滅菌装置210の動作がトリガされ得る。さらに他の実施形態では、滅菌装置210の動作は連続的であってよく、ユーザーは、本開示の範囲から逸脱することなく、手袋をはめた手を開口208内に挿入するだけでよい。
【0034】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、図1のシステム100の露出上面図である。図示されているように、手袋カートリッジ組立体118は、供給スプール302a、回収スプール302b、および供給スプール302aと回収スプール302bとの間に延在可能な半径方向のカートリッジベルト304を含むことができる。カートリッジベルト304には、所定の位置および間隔でカートリッジベルト304に取り付けられた、複数の個々に離間し分離された手袋カートリッジ306が予め装填されていてよい。各手袋カートリッジ306は、単一の手袋と、手袋をカートリッジベルト304に取り付ける手段と、を含む。いくつかの実施形態では、手袋は、滅菌包装内に真空パックされ密封され得るが、代わりに包装を含まず、代わりに単にカートリッジベルト304に取り付けられていてもよい。カートリッジベルト304には、25、50、100、200、25~200の任意の数、25未満、または200超などであるがこれらに限定されない、規定された数の手袋カートリッジ306が取り付けられていてよい。
【0035】
手袋カートリッジ組立体118が手袋装着モジュール102の中または上に取り付けられる前に、カートリッジベルト304は、滅菌され、配送のために予め包装され得る。いくつかの実施形態では、予め包装され滅菌されたカートリッジベルト304は、全体的に(または大部分が)供給スプール302aに予め巻き付けられ得るが、代替的に、システム100の一部を形成する既存の供給スプール302a上に設置されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、手袋カートリッジ組立体118の設置は、カートリッジベルト304がアクセス開口102を横切って延びるように、単に手袋カートリッジ組立体118を手袋装着モジュール102に取り付けることを伴い得る。このような実施形態では、手袋カートリッジ組立体118は、カートリッジベルト304が供給スプール302aと回収スプール302bとの間に既に延在している状態でユーザーに提供され得る。しかし、他の実施形態では、ユーザーが手袋カートリッジ組立体118を設置することが可能であることが本明細書で企図されている。そのような実施形態では、カートリッジベルト304の一端部は、供給スプール302aから半径方向に引っ張られ、ハウジング108内に設けられた整列ガイド308の中を延ばされ(通され)、回収スプール302bに動作可能に結合され、回収スプール302bの回転を駆動すると、それに対応して、供給スプール302aから整列ガイド308を通ってカートリッジベルト304の追加の長さが引っ張られる。図示されるように、整列ガイド308は、アクセス開口120と整列され、整列ガイド308を通してカートリッジベルト304を前進させる(引っ張る)ことにより、個々の手袋カートリッジ306が、動作のためにアクセス開口120と順次整列されることを可能にする。
【0037】
いくつかの実施形態では、回収スプール302bは、回転軸312を中心に回収スプール302bを回転させるように構成されたモータ310によって回転駆動され得る。そのような実施形態では、モータ310は、個々の手袋カートリッジ306をアクセス開口120と正確かつ精密に整列させる所定の増分で、整列ガイド308を通してカートリッジベルト304を前進させるように動作され得る。しかしながら、またはそれに加えて、他の実施形態では、手袋装着モジュール102は、1つ以上のピニオンギア314をさらに含み得、これは、カートリッジベルト304と係合可能であり、また、個々の手袋カートリッジ306をアクセス開口120と整列させるために所定の増分で整列ガイド308を通してカートリッジベルト304を前進させるように回転可能である。このような実施形態では、ピニオンギア314のギア歯は、カートリッジベルト304に画定された対応する穴と嵌合することができ、ピニオンギア314の回転は、ギア歯を対応する穴に対して駆動し、カートリッジベルト314を前進させる。さらに、そのような実施形態では、回収スプール302bは必要でないかもしれないが、その代わりに、カートリッジベルト304の使用された部分は、ピニオンギア314を越えてハウジング108の反対側に自己巻き付きし得る。
【0038】
しかしながら、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、カートリッジベルト304を前進させるためにさまざまな他の方法が採用され得ることを容易に理解するであろう。例えば、上記で示したように、少なくとも1つの実施形態では、機械的アクチュエータ124(図1)が含まれ、手袋装着モジュール102;例えば手袋カートリッジ組立体118を動作させるためにユーザーによって手動で作動され得る。
【0039】
例としての動作中、カートリッジベルト304は、個々の手袋カートリッジ306がアクセス開口120と整列するまで、供給スプール302aから前進する。いくつかの実施形態では、供給スプール302aは、ばね仕掛けであり、それによって、カートリッジベルト304に一定の張力を発生させることができる。少なくとも1つの実施形態では、例えば、供給スプール302aは、ねじりばね316を含むことができ、これは、カートリッジベルト304への引張荷重(引っ張り)を維持し、それによって、カートリッジベルト304を常に張った状態に保つ。
【0040】
手袋カートリッジ306がアクセス開口120と適切に整列されると、または手袋カートリッジ306がアクセス開口120に移動しているときに、圧力システム116(図1および図2)は、取り付けキャビティ110a内に負圧を発生させるように動作(起動)され得る。負圧は、整列された手袋カートリッジ306からの手袋318を少なくとも部分的に膨張させるのに十分であり得、手袋318は、取り付けキャビティ110a内に延びる。しかし、手袋318を膨張させるのに必要な負圧は、手袋318をカートリッジベルト304から解放するのに十分でなくてもよい。いくつかの実施形態では、手袋カートリッジ306をアクセス開口120と整列させることにより、アクセス開口120と取り付けキャビティ110aとの間にバリアが形成され、それによって、手袋318を膨張させるのに役立つ感圧シールが形成される。手袋318は、外側シールまたは被覆の有無にかかわらず、包装されたおよび/または圧縮された手袋を含むことができる、包装(収納)された構成から膨張され得る。
【0041】
いったん手袋318が膨張すると、ユーザーは、アクセス開口120を介して膨張した手袋の中に手を延ばすことができ、圧力システム116は、次に、取り付けキャビティ110a内に正圧を発生させるように循環(切り替え)することができる。上述したように、正圧は、手袋318をユーザーの手に押し付け、それによって、手袋318が適切に着用(装着)され、引き抜かれる準備ができたことをユーザーに知らせる肯定的な触覚フィードバックを提供することができる。手袋318が適切に装着されたとユーザーが感じたら、手袋をはめた手をアクセス開口120から引き抜き、よって、手袋318をカートリッジベルト304から解放することができる。しかし、やはり上述したように、いくつかの実施形態では、取り付けキャビティ110a内の正圧は、手袋318をカートリッジベルト304から解放するのに十分であることができる。
【0042】
手袋をはめた手を取り付けキャビティ110aから引き抜くと、カートリッジベルト304は、別の(後続の)手袋カートリッジ306がアクセス開口120と整列するまで前進され得る。あるいは、カートリッジベルト304は、手袋装着モジュール102を再び起動する際に前進され得る。いずれのシナリオにおいても、カートリッジベルト304を前進させることは、本明細書で一般的に説明されるように、手動で、または自動システムを通じて、行われ得る。回収スプール302bは、使用済みカートリッジベルト304、および個々の手袋カートリッジ306が以前に提供された対応する空の開口320を回収し、かつ/または巻き取るように構成され得る。供給スプール302aから手袋カートリッジ306がなくなると、手袋カートリッジ組立体118は新しい手袋カートリッジ組立体と交換され得る。手袋装着モジュール102は、包装された手袋318の潜在的な汚染を最小限に抑える迅速な補充を可能にする交換可能または補充可能な手袋カートリッジ組立体を備えて構成され得る。手袋カートリッジ組立体118および任意の交換用手袋カートリッジ組立体は、設置前に予め包装され、滅菌され、密封されていてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、システム100は、取り付けキャビティ110a内に位置付けられた滅菌装置322をさらに含むことができる。滅菌装置322は、図2の滅菌装置210といくつかの点で類似していてよく、したがって、滅菌装置210について上記で与えられた例のいずれかを含み得る。滅菌装置322は、取り付けキャビティ110a内への導入(膨張)時に手袋318を消毒および/または滅菌するように動作可能であってよい。いくつかの実施形態では、滅菌装置322の動作は、膨張した手袋318が、図2のセンサ212と同様の1つ以上のセンサ324を用いて取り付けキャビティ110a内で検出されると、起動され得る。
【0044】
図4は、カートリッジベルト304の例としての実施形態の一部の平面図である。図示されているように、カートリッジベルト304は、複数の手袋カートリッジ306が結合された概ね平面状の材料片を含み得る。カートリッジベルト304は、機械的に耐久性のあるプラスチック(例えば、ビニル、ポリエチレンなど)のようなさまざまな可撓性材料で作られ得るが、代替的に、紙または紙製品で作られてもよい。しかし、少なくとも1つの実施形態では、カートリッジベルト304は手袋318と同じ材料で作られ得る。
【0045】
各手袋カートリッジ306は、個々に包装(収納)され、包装された構成でカートリッジベルト304に解放可能に固定された手袋318を含むことができる。いくつかの実施形態では、各手袋318は、保護セロファンシールのような密封境界面402内に真空パックされ得る。少なくとも1つの実施形態では、密封境界面402は、不正開封防止包装を提供することができるが、ユーザーが手で貫通すると容易に破れるほど薄くてよい。しかし、他の実施形態では、密封境界面402は省略されてもよい。いずれのシナリオにおいても、各手袋318は、カートリッジベルト304に取り付ける前に滅菌され得、したがって、カートリッジベルト304に沿って既知の距離で互いから離間した、複数の密封され滅菌された交換用手袋カートリッジ306を提供する。
【0046】
各手袋カートリッジ306は、手袋318を対応する手袋カートリッジ306内においてカートリッジベルト304に解放可能に固定するように構成された締結システム404をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、締結システム404は、各手袋318の手首部分(例えば、手首ビード(wrist bead))を受容し解放可能に固定するように構成されていてもよく、これは、膨張中に手袋318を拘束するのに役立つ。少なくとも1つの実施形態では、締結システム404は、手袋318の手首ビードを解放可能に固定するスプリットOリングを含み得る。しかし、他の実施形態では、締結システム404は、剥離可能な接着剤、ワックス、ベルクロアタッチメント、1つ以上の機械的ステープル、または手袋318を締結システム404から解放するために手袋318に適切な量の張力が加えられるまで手袋318を適所に保持できる任意の他のタイプの解放可能な機構を含み得る。さらに別の実施形態では、締結システム404は、重ね合わせ基材を含み得、手袋318の手首ビードは、手袋318を解放可能に固定するサンドイッチ型の配置で重ね合わせ基材を差し挟むことができる。締結システム404はまた、手袋318を取り付けキャビティ110a内に膨張させることができる加圧可能なシールも容易にすることができる(図1図3)。
【0047】
手袋装着モジュール102(図3)がピニオンギア314(図3)を含む実施形態では、カートリッジベルト304は、その側面の一方または両方に沿って一連の等距離に離間した穴406を画定することができる。穴406は、ピニオンギア314のギア歯と嵌合するように構成され得、ピニオンギア314が回転すると、ギア歯が穴406に順次係合し、それによって、カートリッジベルト304を前方に前進させる(駆動する)。したがって、穴406は、動作中の手袋カートリッジ306のタイミングおよび正確な配置を助けるように構成された、等距離に離間したノッチまたは他の割り出し特徴部を含み得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、カートリッジベルト304は、カートリッジベルト304の長さに沿って、長手方向に隣接する手袋カートリッジ306を差し挟むスペーサセクション408を提供するか、または別様に画定することができる。いくつかの実施形態に従った例としての動作の間、カートリッジベルト304は、スペーサセクション408がアクセス開口120(図1図3)と整列するまで前進することができる。整列されたスペーサセクション408は、汚染を最小限に抑えるために、手袋装着サイクルの合間に取り付けキャビティ110a(図1図3)へのアクセスを制限するように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、スペーサセクション408は、アクセス開口120にシールを形成することができ、これは、手袋装着サイクルの合間の微粒子および汚染物質の侵入を防止するのに役立ち得る。
【0049】
図5は、1つ以上の実施形態による、例としての膨張した手袋318の上面図である。図示されるように、手袋318は、概ね上述したように、締結システム404を用いてカートリッジベルト304に解放可能に結合され得る。図示の実施例では、締結システム404は、カートリッジベルト304に固定され得、手袋318の丸められた手首ビード502を受容して固定するように構成され得る。
【0050】
図示されているように、締結システム404は、手首ビード502を受容し、それによって、手袋318をカートリッジベルト304に解放可能に固定するように構成されたスプリットOリングを含み得る。より具体的には、スプリットOリングは、内部506を画定する管状構造体504を含み得る。いくつかの実施形態では、例えば、スプリットOリングは、1本のチューブまたはホースを含み得、エラストマー、ポリマー、または複合材料を含むがこれらに限定されないさまざまな材料で作られ得る。管状構造体504は、完全な円を形成してもしなくてもよい。裂け目または開口部508が、管状構造体504全体の周りに画定されて、手首ビード502が内部506の中に受容されることを可能にし、手袋318をカートリッジベルト304に解放可能に固定することができる。管状構造体504は、手袋318がユーザーの手を受容したとき、ユーザーが取り付けキャビティ110a(図1図3)から手袋を引き出したとき、または取り付けキャビティ110a内で正圧を経験したときに、手首ビード502を解放するように構成され得る。
【0051】
理解されるように、脆いシール、脆い接着剤、解放可能な締まり嵌め、解放可能な機械的接続、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない、他のタイプのクイックリリース締結システム404も、採用され得る。上述したように、締結システム404によって提供される取り付け力は、手袋318を膨張させる取り付けキャビティ110a内の負圧によって手袋318が締結システム404から解放されないような十分なものであってよい。
【0052】
図6Aは、1つ以上の実施形態による、別の例としての手袋装着システム600の等角側面図である。手袋装着システム600(以下、「システム600」)は、図1のシステム100といくつかの点で類似していてよい。図示されているように、システム600は、手袋装着モジュール602を含み、これは、調理台などの剛性表面上に位置することができるスタンドアロン型の携帯型システムを含み得る。手袋装着モジュール602は、取り付けキャビティ606を提供するかまたは別様に画定する、ハウジング604を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング604は、円形断面を有する円筒形チューブを含み得、取り付けキャビティ606はこのチューブ内に画定される。さらに、ハウジング604の全部または一部は、ユーザーが動作中に取り付けキャビティ606を見ることができるように、ガラスまたは透明プラスチックなどの透明材料で作られ得る。アクセス開口608が、ハウジング604の一端部に画定されるか、または別様に提供されてよく、ユーザーが手を取り付けキャビティ606に挿入し、同時にアクセス開口608と整列された手袋(図示せず)に挿入することができる場所を提供する。
【0053】
手袋装着モジュール602は、取り付けキャビティ606内に周期的な負圧および正圧状態を発生させるように動作可能な圧力システム610をさらに含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、圧力システム610は、ベローズ(例えば、アコーディオン型、ばね仕掛けなど)のような折り畳み可能/変形可能な機構を含み得る。例としての動作中、ベローズは、取り付けキャビティ606内に負圧状態を作り出すために一方向に作動され、取り付けキャビティ606内に正圧状態を作り出すために反対方向に作動され得る。
【0054】
図6Bは、1つ以上の実施形態によるシステム600の概略上面図である。図示されているように、手袋装着モジュール602は、ハウジング604に据え付けられ得る手袋カートリッジ組立体612をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、手袋カートリッジ組立体612は、供給スプール614a、回収スプール614b、および供給スプール614aと回収スプール614bとの間に延在可能な半径方向のカートリッジベルト616を含むことができる。図3のカートリッジベルト304と同様に、カートリッジベルト616には、所定の場所および間隔でカートリッジベルト616に取り付けられた、複数の個々に離間し分離された手袋カートリッジ618が予め装填されていてよい。各手袋カートリッジ618は、単一の手袋と、手袋をカートリッジベルト616に取り付ける手段と、を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、手袋カートリッジ組立体612は、カートリッジベルト616がアクセス開口608を横切って延びるように、手袋装着モジュール602に手袋カートリッジ組立体612を取り付けることによって設置され得る。そのような実施形態では、手袋カートリッジ組立体612は、カートリッジベルト616が供給スプール614aと回収スプール614bとの間に既に延在している状態でユーザーに提供され得る。しかしながら、他の実施形態では、ユーザーが、供給スプール614aから、アクセス開口608を横切って(その前で)カートリッジベルト616の一端部を引っ張り、カートリッジベルト616のその端部を回収スプール614bに動作可能に結合することによって、手袋カートリッジ組立体612を設置し、回収スプール614bの回転を駆動すると、それに対応して供給スプール614aからカートリッジベルト616の追加の長さが引っ張られることが、本明細書において企図される。
【0056】
カートリッジベルト616を供給スプール614aから回収スプール614bに前進させることにより、個々の手袋カートリッジ618は、アクセス開口608と順次整列することができる。いくつかの実施形態では、回収スプール614bは、図3の回収スプール302bと同様であってもよく、したがって、モータ(図示せず)によって回転駆動され得る。しかしながら、他の実施形態では、1つ以上のピニオンギア(図示せず)が、カートリッジベルト616を前進させて、個々の手袋カートリッジ618をアクセス開口608と整列させることができる。さらに他の実施形態では、システム600は、手首ブレードまたはラチェットレバーのような機械的アクチュエータ620を含み得、これは、手袋装着モジュール602を動作させ、そうでなければカートリッジベルト616を前進させるためにユーザーによって手動で作動され得る。いくつかの実施形態では、機械的アクチュエータ620を作動させることで、圧力システム610の動作を開始させることもできる。
【0057】
例としての動作中、カートリッジベルト616は、個々の手袋カートリッジ618がアクセス開口608と整列するまで供給スプール614aから前進させられる。手袋カートリッジ618がアクセス開口608と適切に整列されると、または手袋カートリッジ618がアクセス開口608まで移動しているときに、圧力システム610は、取り付けキャビティ606内に負圧を発生させるために動作(起動)され得る。図1および図2の圧力システム116と同様に、圧力システム610は、自動化されるか、または別様に、ユーザーによって手動で作動される機械的アクチュエータ(例えば、ばね仕掛けの足踏みペダルベローズ)を使用して、動力を供給され得る。
【0058】
少なくとも1つの実施形態では、圧力システム610は、圧力ベント622を介して取り付けキャビティ606と連通してよい。圧力システム610によって発生する負圧は、手袋624が取り付けキャビティ606内に延びるように、整列された手袋カートリッジ618から手袋624を膨張させるのに十分とすることができる。いったん手袋624が膨張すると、ユーザーは、アクセス開口608を介して膨張した手袋の中に手を延ばすことができる。ハウジング604が透明材料で作られている実施形態では、ユーザーはこのプロセスを見ることができ、手がどこに挿入されているかを見ることができる。次に、圧力システム610は、取り付けキャビティ606内に正圧を発生させるように循環(切り替え)することができ、これにより手袋624をユーザーの手に押し付け、それにより、肯定的な触覚フィードバックを提供することができる。正圧はまた、手袋624をカートリッジベルト616から解放するのに十分であることができる。その後、ユーザーは手袋をはめた手を引き抜くことができる。
【0059】
図7Aおよび図7Bは、それぞれ、1つ以上の実施形態による、さらに別の例としての手袋装着システム700の側面概略図および正面概略図である。本明細書で説明する他の手袋装着システムと同様に、手袋装着システム700(以下、「システム700」)は、使い捨て手袋を順次かつ体系的に分配し着用(装着)させるように構成され得る。しかしながら、先に開示されたシステムとは異なり、システム700は、圧力システム、または周期的な正圧および負圧状態の使用を必要としない。
【0060】
いくつかの実施形態では、図示されているように、システム700は、給油ポンプ、地下鉄の入口、トイレの壁、または迅速かつ不連続な使い捨て手袋の分配が所望され得る任意の他の場所のような剛体構造体702に据え付けられ得る。いくつかの実施形態では、システム700は、システム700を剛性構造体702に所望の向きで固定し得る据え付けブラケット704を含み得る。据え付けブラケット704は、例えば、1つ以上の機械的ファスナーまたは接着剤を用いて剛性構造体702に固定され得る。
【0061】
図示されているように、システム700は、据え付けブラケット704に据え付けられ得る手袋カートリッジ組立体706を含み得る。いくつかの実施形態では、手袋カートリッジ組立体706は、システム700の一体部分を形成し得る。しかしながら、他の実施形態では、手袋カートリッジ組立体706は、代替的に、システム700(例えば、据え付けブラケット704)に据え付けられ得る、使い捨て手袋の供給を含む予め包装され滅菌された容器を含み得る。このような実施形態では、手袋の供給が手袋カートリッジ組立体706から枯渇すると、手袋カートリッジ組立体706が、システム700から取り外され、新しい手袋カートリッジ組立体と交換され得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、手袋カートリッジ組立体706は、供給スプール708と、供給スプール708に巻かれた(図7Bに破線で示す)半径方向のカートリッジベルト710と、を含むことができる。カートリッジベルト710には、所定の場所および間隔でカートリッジベルト710に取り付けられた、複数の個々に離間し分離された手袋カートリッジ712(図7A)が予め装填されていてよい。各手袋カートリッジ712は、単一の手袋714(図7B)と、手袋714をカートリッジベルト710に取り付ける手段;例えば、図4および図5の締結システム404と、を含む。少なくとも1つの実施形態では、例えば、各手袋714は、図5を参照して説明したスプリットOリングの実施形態を使用してカートリッジベルト710に取り付けられ得る。
【0063】
手袋カートリッジ組立体612を設置するために、カートリッジベルト710の一端部は、供給スプール708から半径方向に、据え付けブラケット704によって提供されるアクセス開口716を横切って(その前で)引っ張られ得る。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジベルト710は、据え付けブラケット704に取り付けられた整列ガイド718の中を延ばされ(通され)、連続する手袋カートリッジ712をアクセス開口716と整列させるように構成され得る。図示されるように、整列ガイド718は、アクセス開口716と整列され、整列ガイド718を通してカートリッジベルト710を前進させる(引っ張る)ことにより、個々の手袋カートリッジ712を、動作のためにアクセス開口716と順次整列させることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、システム700は、使用済みカートリッジベルト710がその手袋714を分配した後に巻かれ得る、回収スプール(図示せず)を含むことができる。しかし、他の実施形態では、回収スプールは省略されてもよく、使用済みカートリッジベルト710は、代替的に、システム700の底部において回収(例えば、自己巻き付き)されてもよい。このような実施形態では、使用済みカートリッジベルト710の一部は、時々切断または除去されてもよい。カートリッジベルト710は、例えば、所定の場所でカートリッジベルト710に画定された予め穿孔された引き裂き線を含んでよく、カートリッジベルト710は、引き裂き線において切断され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、システム700は、個々の手袋カートリッジ712をアクセス開口716と正確かつ精密に整列させる所定の増分で、整列ガイド718を通してカートリッジベルト710を前進させるために、電動化され、他の方法で動力を与えられ得る。そのような実施形態では、システム700を動作させるのに必要な動力は、剛性構造体702から得ることができる。しかしながら、他の実施形態では、システム700は、ユーザーによって手動で作動され得る。そのような実施形態では、システム700は、機械的アクチュエータ720を含み得、これは、手袋カートリッジ712がアクセス開口716と整列するまでカートリッジベルト710を前進させるためにユーザーによって手動で操作され得る。図示の実施形態では、機械的アクチュエータ720は、カートリッジベルト710を手動で前進させるためにユーザーが手、手首、または前腕と係合させることができる手首ブレードまたはラチェットレバーを含む。そのような実施形態では、機械的アクチュエータ720の伝導装置(gearing)および/または機構は、機械的アクチュエータ720の作動サイクルごとに、新しい手袋カートリッジ712が前進し、アクセス開口716と整列するように設計され得る。
【0066】
例としての動作中、カートリッジベルト710は、個々の手袋カートリッジ712が整列ガイド718においてアクセス開口716と整列するまで供給スプール708から前進される。手袋カートリッジ712がアクセス開口716と適切に整列されると、ユーザーは、アクセス開口716を介して手722(図7A)を手袋カートリッジ712の中に延ばし、同時に手袋カートリッジ712内に包装された手袋714の中に延ばすことができる。手722を手袋カートリッジ712内に延ばす行為により、手袋714がその収納された構成から拡張し、手722の上に受け取られる。さらに、いくつかの実施形態では、手722を手袋714の中に延ばすことによって、手袋714をカートリッジベルト710から解放することができる。より具体的には、手722を手袋714の中に延ばすと、過剰圧力が提供され、これは、手袋714をカートリッジベルト710に取り付ける手段;例えば、図4および図5の締結システム404から、手袋714を解放する。次に、手袋をはめた手722は、アクセス開口716から引き抜くことができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、システム700は、ユーザーがシステム700を動作させることができるように設計されたユーザーインターフェース724(図7B)をさらに含むことができる。システム700が給油ポンプに取り付けられる実施形態では、ユーザーインターフェース724は、給油ポンプを動作させるために使用されるのと同じインターフェースであってよい。そのような実施形態では、ユーザーインターフェース724は、システム700と通信してよく、図1図2のユーザーインターフェース122について説明したタッチまたはタッチレス構成のいずれかを含み得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、システム700は、料金を払えば手袋を分配するように動作可能であってもよい。このような実施形態では、ユーザーインターフェース724は、ユーザーの支払いを処理し、適切な料金が納められるとシステム700の動作をトリガするために使用され得る。しかしながら、他の実施形態では、ユーザーインターフェース724は、本開示の範囲から逸脱することなく、システム700の一体部分を形成することができる。
【0069】
図8は、1つ以上の追加の実施形態による、さらに別の例としての手袋装着システム800の側面概略図である。手袋装着システム800(以下、「システム800」)は、手袋を汚染することなく単一の手袋を着用する(取り付ける)手段をユーザーに提供するように構成され得る。図示されているように、システム800は、開口804を画定するアプリケータ802を含み、手袋806は、締結システム808を用いて開口804においてアプリケータ802に解放可能に据え付けられる。アプリケータ802は、厚紙、カード用紙、プラスチック、複合材料、金属、またはそれらの任意の組み合わせなどであるが、これらに限定されない、剛性または半剛性材料で作られた概ね平坦な構造体を含み得る。いくつかの実施形態では、アプリケータ802は、使用後に使い捨てであってよいが、代替的に再使用可能またはリサイクル可能であってもよい。
【0070】
アプリケータ802は、特定の形状またはデザインを示すものとして図8に描かれているが、アプリケータ802の形状は、本開示の範囲から逸脱することなく、アプリケータ802が手袋806および締結システム808を収容するのに十分な大きさである限り、さまざまであってよい。いくつかの実施形態では、例えば、アプリケータ802は、実質的に長方形もしくは正方形の形状、または任意の他の多角形の形状を示すことができる。他の実施形態では、アプリケータ802は、概ね円形、楕円形、または卵形の形状を示すことができる。
【0071】
図8に示すように、システム800は、包装(収納)された構成の手袋806と共にユーザーに提供され得る。収納された構成では、手袋806は、アプリケータ802の厚さ程度に圧縮されるかまたは平らにされ得、外側のシールまたは被覆を含んでも含まなくてもよい。
【0072】
締結システム808は、本明細書で説明する締結システムのいずれかと同様であってよく、手袋806をアプリケータ802に解放可能に固定するように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、例えば、締結システム808は、図5を参照して説明した実施形態と同様のタイプのスプリットOリング締結システムを含み得る。しかしながら、他の実施形態では、締結システム808は、本開示の範囲から逸脱することなく、剥離可能であるかまたは脆い接着剤またはシールを含み得る。締結システム808は、ユーザーがアプリケータ802から手袋806を解放するのに十分な力で手袋806に手を挿入するまで、手袋806をアプリケータ802に固定することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、アプリケータ802は、手袋806を着用する(取り付ける)のに備えてユーザーがアプリケータ802を把持することができる場所を提供する、タブ810を提供または画定することができる。しかし、他の実施形態では、タブ810は省略されてもよく、ユーザーは手袋806を着用するためにアプリケータ802の一部を単に把持してもよい。
【0074】
例としての動作中、ユーザーは片方の手812でタブ810(またはアプリケータ802の別の部分)においてアプリケータ802を把持し、同時に開口804において手袋806の中に他方の手(図示せず)を挿入する。ユーザーは、十分な張力が手袋806に加わって締結システム808から手袋806を解放するまで、開口804を通して手袋806の中にこの他方の手を進める。いったん手袋806がアプリケータ802から解放されると、ユーザーは、手袋をはめた手を取り出して、アプリケータ802を必要に応じて処分する(例えば、捨てるかまたはリサイクルする)ことができる。いくつかの適用では、ユーザーは、新しいシステム800および新しい手袋806を使用して、最初の手812のために着用プロセスを繰り返すことができ、それによって、最初の手812に新しい手袋806を取り付けることができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、手袋806は、使用のためにアプリケータ802に取り付けられたままであり得る。より具体的には、場合によっては、アプリケータ802が、一種のガードまたはシールド(a type or guard or shield)として動作するために、ユーザーの手首またはその近くに残ることが望まれるかもしれない。例えば、アプリケータ802は、給油ポンプを使用している間に燃料の飛沫または液滴からユーザーを保護することができる。そのような実施形態では、ユーザーは、開口804を通して手袋806の中に手を進めることができるが、アプリケータ802から手袋806を解放するほど遠くまで進めるわけではない。手袋806を外すことが望まれるとき、ユーザーは、(例えば、タブ810またはアプリケータ802の別の部分において)アプリケータ802を再び把持し、手袋806から手を引き抜くことができる。
【0076】
システム800は、複数のシステム800を収容するパッケージまたは装置においてユーザーが利用可能であり得ることが、本明細書では企図される。そのような実施形態では、各システム800のタブ810は、複数のシステムから所与のシステム800を取り出すために、ユーザーによって容易にアクセス可能とすることができる。少なくとも1つの実施形態では、例えば、複数のシステム800は、積み重ねられた関係で配置され、前のシステム800が取り外されると新しいシステム800を順次分配する手動または自動分配機(図示せず)から分配され得る。他の実施形態では、システム800は、箱などの静的ディスペンサー(図示せず)内に積み重ねられ得、ユーザーは、必要に応じて、静的ディスペンサー内のシステム800にアクセスすることができる。
【0077】
システム800は、本明細書に記載されるシステム100、200、300、600、または700のいずれかの一体物品または一体部分を形成し得ることも、本明細書では企図される。より具体的には、いくつかの実施形態では、複数のシステム800は、カートリッジベルトに結合され、対応する手袋カートリッジを形成するように互いから離間され得、または、複数のシステム800は、代替的に、カートリッジベルト自体を形成するように並んで取り付けられてもよい。その後、カートリッジベルトは、順次前進されて、所与の手袋806を取り付けキャビティと整列させることができ、圧力システムの動作は、手袋806を取り付けキャビティ内に膨張させるために、トリガされ得る。
【0078】
本明細書に開示される実施形態は、以下を含む:
【0079】
A.手袋装着システムであって、取り付けキャビティと、取り付けキャビティ内へのアクセスを提供するアクセス開口と、を画定するハウジングを提供する手袋装着モジュールと、取り付けキャビティ内に負圧および正圧を発生させるように動作可能な圧力システムと、ハウジングに据え付けられ、カートリッジベルトを含む手袋カートリッジ組立体であって、カートリッジベルトは、カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、各手袋カートリッジは、カートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、手袋カートリッジ組立体と、を含み、手袋カートリッジ組立体は、カートリッジベルトを前進させ、各手袋カートリッジをアクセス開口と順次整列させるように動作可能であり、圧力システムによって発生した負圧により、整列された手袋カートリッジの手袋は取り付けキャビティ内に膨張し、圧力システムによって発生した正圧により、手袋はアクセス開口を通して手袋内に延ばされた手にはまる、手袋装着システム。
【0080】
B.手袋を手に着用する方法であって、手袋装着システムを起動することを含み、手袋装着システムは、取り付けキャビティを画定するハウジングを提供する手袋装着モジュールと、ハウジングに据え付けられ、カートリッジベルトを含む手袋カートリッジ組立体であって、カートリッジベルトは、カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、各手袋カートリッジは、カートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、手袋カートリッジ組立体と、を含む、方法。本方法は、カートリッジベルトを前進させて、手袋カートリッジを、ハウジングに画定されており、取り付けキャビティ内へのアクセスを提供するアクセス開口と整列させることと、圧力システムにより取り付けキャビティ内に負圧を発生させ、それにより、手袋を取り付けキャビティ内に膨張させることと、取り付けキャビティ内に膨張された手袋内に手を延ばすことと、圧力システムにより取り付けキャビティ内に正圧を発生させ、それにより、手袋を手にはめることと、手袋をカートリッジベルトから解放することと、をさらに含む。
【0081】
C.手袋装着システムであって、アクセス開口を提供する据え付けブラケットと、据え付けブラケットに据え付け可能であり、カートリッジベルトを含む手袋カートリッジ組立体であって、カートリッジベルトは、カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、各手袋カートリッジは、締結システムによりカートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、手袋カートリッジ組立体と、を含み、手袋カートリッジ組立体は、カートリッジベルトを前進させ、各手袋カートリッジをアクセス開口と順次整列させるように動作可能であり、アクセス開口を通して手を延ばすと、整列された手袋カートリッジからの手袋が手に取り付けられ、同時に手袋がカートリッジベルトから解放される、手袋装着システム。
【0082】
実施形態A、B、およびCはそれぞれ、以下の追加要素の1つ以上を、任意の組み合わせで有することができる:要素1:圧力システムは、圧力ピストン、空気ピストン、プランジャ、ワイパー、折り畳み可能/変形可能な機構、反転圧縮機またはポンプ、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される装置を含む。要素2:手袋装着モジュールを動作させるためにユーザーによって起動可能なユーザーインターフェースをさらに含む。要素3:ハウジングは、円形断面を有する円筒形チューブを含む。要素4:圧力システムおよび手袋カートリッジ組立体の少なくとも一方を動作させるために、ユーザーによって手動で作動可能な機械的アクチュエータをさらに含む。要素5:手袋装着モジュールは、第1の手袋装着モジュールを含み、手袋カートリッジ組立体は、第1の手袋カートリッジ組立体を含み、手袋装着システムは、第2の手袋装着モジュールであって、第2の手袋装着モジュールは、第1の手袋装着モジュールに結合され、取り付けキャビティと、第2の手袋装着モジュールの取り付けキャビティ内へのアクセスを提供するアクセス開口と、を画定するハウジングを提供し、圧力システムは、第2の手袋装着モジュールの取り付けキャビティ内に負圧および正圧を発生させるように動作可能である、第2の手袋装着モジュールと、第2の手袋装着モジュールのハウジングに据え付けられ、カートリッジベルトを含む第2の手袋カートリッジ組立体であって、カートリッジベルトは、カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、第2の手袋カートリッジ組立体の各手袋カートリッジは、個々に包装され、第2の手袋カートリッジ組立体のカートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、第2の手袋カートリッジ組立体と、をさらに含み、第1の手袋カートリッジ組立体に含まれる手袋は、第1のタイプであり、第2の手袋カートリッジ組立体に含まれる手袋は、第1のタイプとは異なる第2のタイプである。要素6:第1または第2の手袋装着モジュールの動作を選択するために、ユーザーによって起動可能なユーザーインターフェースをさらに含む。要素7:手袋カートリッジ組立体は、供給スプールと、回収スプールと、を含み、カートリッジベルトは、供給スプールと回収スプールとの間に延在可能である。要素8:手袋カートリッジ組立体は、ハウジング内に設置される前に、滅菌包装内に真空パックされ密封される。要素9:取り付けキャビティ内に位置付けられた滅菌装置をさらに含む。要素10:各手袋は、スプリットOリング、剥離可能な接着剤、ワックス、ベルクロアタッチメント、1つ以上の機械的ステープル、重ね合わせ基材、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される締結システムでカートリッジベルトに解放可能に固定される。
【0083】
要素11:手袋装着システムを起動することは、手袋装着モジュールに含まれるユーザーインターフェースを動作させることを含む。要素12:手袋装着システムを起動することは、手袋装着システムに含まれる機械的アクチュエータを手動で作動させることを含む。要素13:取り付けキャビティ内に位置付けられた滅菌装置で手袋の外側を滅菌することをさらに含む。要素14:手袋装着システムは、手袋装着モジュールに結合された滅菌モジュールをさらに含み、本方法は、手袋がはめられた手を滅菌モジュール内に延ばすことと、滅菌モジュール内に配置された滅菌装置で手袋を滅菌することと、をさらに含む。要素15:手袋をカートリッジベルトから解放することは、正圧により手袋を解放することを含む。
【0084】
要素16:締結システムは、内部を画定する管状構造体と、手袋をカートリッジベルトに解放可能に固定するために各手袋の手首ビードが内部の中に受容されることを可能にするために管状構造体に画定された開口部と、を含むスプリットOリングを含む。要素17:手袋カートリッジ組立体を動作させ、カートリッジベルトを前進させるために手動で作動可能な機械的アクチュエータをさらに含む。要素18:カートリッジベルトをアクセス開口と整列させるために、カートリッジベルトが中を通って延びる整列ガイドをさらに含む。
【0085】
したがって、開示されたシステムおよび方法は、言及された目的および利点ならびにそれに固有のものを達成するために十分に適合される。上記に開示された特定の実施形態は、例示に過ぎず、それは、本開示の教示が、本明細書の教示の利益を有する当業者に明らかな、異なるが等価な様式で修正および実施され得るためである。さらに、本明細書に示される構造または設計の詳細については、以下の特許請求の範囲に記載される以外に、いかなる制限も意図されない。したがって、上記に開示された特定の例示的な実施形態は、変更、組み合わせ、または修正が可能であり、そのようなすべての変形は、本開示の範囲内であるとみなされることは明らかである。本明細書において例示的に開示されるシステムおよび方法は、本明細書において具体的に開示されない任意の要素および/または本明細書において開示される任意のオプション要素がない場合にも好適に実施され得る。組成物および方法は、さまざまな成分またはステップを「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、または「含む(including)」という用語で記載されるが、組成物および方法はまた、さまざまな成分およびステップから「本質的になる」か、または「なる」ことができる。上記で開示されたすべての数値および範囲は、いくらか異なっていてよい。下限値および上限値を有する数値範囲が開示される場合は常に、その範囲内に入るあらゆる数値および含まれるあらゆる範囲が具体的に開示される。特に、本明細書に開示される(「約aから約bまで」、または等価的に「およそaからbまで」、または等価的に「およそa~b」という形式の)あらゆる数値範囲は、より広い数値範囲内に包含されるあらゆる数値および範囲を規定するものと理解される。また、特許請求の範囲に記載された用語は、特許権者によって別様に明示的かつ明確に定義されていない限り、平易な通常の意味を有する。さらに、特許請求の範囲において使用される不定冠詞「a」または「an」は、本明細書において、それが導く要素の1つまたは複数を意味するものと定義される。本明細書と、参照により本明細書に組み込まれ得る1つ以上の特許またはその他の文書における単語または用語の用法に矛盾がある場合は、本明細書と一致する定義を採用すべきである。
【0086】
本明細書で使用される場合、アイテムのいずれかを区切る「および(and)」または「または(or)」という用語を伴う、一連のアイテムに先行する「のうちの少なくとも1つ」という語句は、リストの各メンバー(すなわち、各アイテム)ではなく、リスト全体を修飾する。「のうちの少なくとも1つ」という語句は、アイテムのうちのいずれか1つの少なくとも1つ、および/またはアイテムの任意の組み合わせの少なくとも1つ、および/またはアイテムそれぞれの少なくとも1つ、を含む意味を許容する。一例として、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」という語句はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、もしくはCのみ;A、B、およびCの任意の組み合わせ;ならびに/または、A、B、およびCのそれぞれの少なくとも1つを指す。
【0087】
上、下、上部、下部、上方、下方、左、右などの方向を示す用語の使用は、図に描かれている例示的な実施形態に関連して使用され、上方方向は対応する図の上に向かっており、下方方向は対応する図の下に向かっている。
【0088】
〔実施の態様〕
(1) 手袋装着システムであって、
取り付けキャビティと、前記取り付けキャビティ内へのアクセスを提供するアクセス開口と、を画定するハウジングを提供する手袋装着モジュールと、
前記取り付けキャビティ内に負圧および正圧を発生させるように動作可能な圧力システムと、
前記ハウジングに据え付けられ、カートリッジベルトを含む手袋カートリッジ組立体であって、前記カートリッジベルトは、前記カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、各手袋カートリッジは、前記カートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、手袋カートリッジ組立体と、
を含み、
前記手袋カートリッジ組立体は、前記カートリッジベルトを前進させ、各手袋カートリッジを前記アクセス開口と順次整列させるように動作可能であり、
前記圧力システムによって発生した負圧により、整列された手袋カートリッジの前記手袋は前記取り付けキャビティ内に膨張し、前記圧力システムによって発生した正圧により、前記手袋は前記アクセス開口を通して前記手袋内に延ばされた手にはまる、手袋装着システム。
(2) 前記圧力システムは、圧力ピストン、空気ピストン、プランジャ、ワイパー、折り畳み可能/変形可能な機構、反転圧縮機またはポンプ、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される装置を含む、実施態様1に記載の手袋装着システム。
(3) 前記手袋装着モジュールを動作させるためにユーザーによって起動可能なユーザーインターフェースをさらに含む、実施態様1に記載の手袋装着システム。
(4) 前記ハウジングは、円形断面を有する円筒形チューブを含む、実施態様1に記載の手袋装着システム。
(5) 前記圧力システムおよび前記手袋カートリッジ組立体の少なくとも一方を動作させるために、ユーザーによって手動で作動可能な機械的アクチュエータをさらに含む、実施態様1に記載の手袋装着システム。
【0089】
(6) 前記手袋装着モジュールは、第1の手袋装着モジュールを含み、前記手袋カートリッジ組立体は、第1の手袋カートリッジ組立体を含み、前記手袋装着システムは、
第2の手袋装着モジュールであって、前記第2の手袋装着モジュールは、前記第1の手袋装着モジュールに結合され、取り付けキャビティと、前記第2の手袋装着モジュールの前記取り付けキャビティ内へのアクセスを提供するアクセス開口と、を画定するハウジングを提供し、前記圧力システムは、前記第2の手袋装着モジュールの前記取り付けキャビティ内に負圧および正圧を発生させるように動作可能である、第2の手袋装着モジュールと、
前記第2の手袋装着モジュールの前記ハウジングに据え付けられ、カートリッジベルトを含む第2の手袋カートリッジ組立体であって、前記カートリッジベルトは、前記カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、前記第2の手袋カートリッジ組立体の各手袋カートリッジは、個々に包装され、前記第2の手袋カートリッジ組立体の前記カートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、第2の手袋カートリッジ組立体と、
をさらに含み、
前記第1の手袋カートリッジ組立体に含まれる手袋は、第1のタイプであり、前記第2の手袋カートリッジ組立体に含まれる手袋は、前記第1のタイプとは異なる第2のタイプである、実施態様1に記載の手袋装着システム。
(7) 前記第1の手袋装着モジュールまたは前記第2の手袋装着モジュールの動作を選択するために、ユーザーによって起動可能なユーザーインターフェースをさらに含む、実施態様6に記載の手袋装着システム。
(8) 前記手袋カートリッジ組立体は、供給スプールと、回収スプールと、を含み、前記カートリッジベルトは、前記供給スプールと前記回収スプールとの間に延在可能である、実施態様1に記載の手袋装着システム。
(9) 前記手袋カートリッジ組立体は、前記ハウジング内に設置される前に、滅菌包装内に真空パックされ密封されている、実施態様1に記載の手袋装着システム。
(10) 前記取り付けキャビティ内に位置付けられた滅菌装置をさらに含む、実施態様1に記載の手袋装着システム。
【0090】
(11) 各手袋は、スプリットOリング、剥離可能な接着剤、ワックス、ベルクロアタッチメント、1つ以上の機械的ステープル、重ね合わせ基材、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される締結システムで前記カートリッジベルトに解放可能に固定されている、実施態様1に記載の手袋装着システム。
(12) 手袋を手に着用する方法であって、
手袋装着システムを起動することであって、前記手袋装着システムは、
取り付けキャビティを画定するハウジングを提供する手袋装着モジュールと、
前記ハウジングに据え付けられ、カートリッジベルトを含む手袋カートリッジ組立体であって、前記カートリッジベルトは、前記カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、各手袋カートリッジは、前記カートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、手袋カートリッジ組立体と、
を含む、ことと、
前記カートリッジベルトを前進させて、手袋カートリッジを、前記ハウジングに画定されており、前記取り付けキャビティ内へのアクセスを提供するアクセス開口と整列させることと、
圧力システムにより前記取り付けキャビティ内に負圧を発生させ、それにより、前記手袋を前記取り付けキャビティ内に膨張させることと、
前記取り付けキャビティ内に膨張された前記手袋内に手を延ばすことと、
前記圧力システムにより前記取り付けキャビティ内に正圧を発生させ、それにより、前記手袋を前記手にはめることと、
前記手袋を前記カートリッジベルトから解放することと、
を含む、方法。
(13) 前記手袋装着システムを起動することは、前記手袋装着モジュールに含まれるユーザーインターフェースを動作させることを含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記手袋装着システムを起動することは、前記手袋装着システムに含まれる機械的アクチュエータを手動で作動させることを含む、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記取り付けキャビティ内に位置付けられた滅菌装置で前記手袋の外側を滅菌することをさらに含む、実施態様12に記載の方法。
【0091】
(16) 前記手袋装着システムは、前記手袋装着モジュールに結合された滅菌モジュールをさらに含み、前記方法は、
前記手袋がはめられた前記手を前記滅菌モジュール内に延ばすことと、
前記滅菌モジュール内に配置された滅菌装置で前記手袋を滅菌することと、
をさらに含む、実施態様12に記載の方法。
(17) 前記手袋を前記カートリッジベルトから解放することは、前記正圧により前記手袋を解放することを含む、実施態様12に記載の方法。
(18) 手袋装着システムであって、
アクセス開口を提供する据え付けブラケットと、
前記据え付けブラケットに据え付け可能であり、カートリッジベルトを含む手袋カートリッジ組立体であって、前記カートリッジベルトは、前記カートリッジベルトに沿って離間した複数の手袋カートリッジを有し、各手袋カートリッジは、締結システムにより前記カートリッジベルトに解放可能に固定された手袋を有する、手袋カートリッジ組立体と、
を含み、
前記手袋カートリッジ組立体は、前記カートリッジベルトを前進させ、各手袋カートリッジを前記アクセス開口と順次整列させるように動作可能であり、
前記アクセス開口を通して手を延ばすと、整列された手袋カートリッジからの手袋が前記手に取り付けられ、同時に前記手袋が前記カートリッジベルトから解放される、手袋装着システム。
(19) 前記締結システムは、
内部を画定する管状構造体と、
前記手袋を前記カートリッジベルトに解放可能に固定するために各手袋の手首ビードが前記内部の中に受容されることを可能にするために前記管状構造体に画定された開口部と、
を含むスプリットOリングを含む、実施態様18に記載の手袋装着システム。
(20) 前記手袋カートリッジ組立体を動作させ、前記カートリッジベルトを前進させるために手動で作動可能な機械的アクチュエータをさらに含む、実施態様18に記載の手袋装着システム。
【0092】
(21) 前記カートリッジベルトを前記アクセス開口と整列させるために、前記カートリッジベルトが中を通って延びる整列ガイドをさらに含む、実施態様18に記載の手袋装着システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
【国際調査報告】