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特表2024-514029動的電力割り当てを有するAPLフィールドスイッチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】動的電力割り当てを有するAPLフィールドスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20240321BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
H04L12/28 200Z
G06F1/26 306
H04L12/28 100F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541713
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 US2022017477
(87)【国際公開番号】W WO2022182727
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】63/152,432
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512073770
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ディベロップメント アンド マニュファクチャリング、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スワー、ロネル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】キャッツ、デイビット エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ノリス、ジェイソン アラン
(72)【発明者】
【氏名】ギレスピー、ブライアン ジョン
【テーマコード(参考)】
5B011
5K033
【Fターム(参考)】
5B011DA01
5B011DB27
5B011EA10
5B011EB03
5B011FF04
5B011GG06
5B011JA12
5K033AA05
5K033BA03
5K033DB18
5K033DB23
5K033EC01
(57)【要約】
APLフィールドスイッチは、幾つかのポートを含み、多数のポートは、ポートから延伸するスパーに接続されたAPLフィールドデバイスに電力を送信する。各ポートのAPL電力クラスは、ポートへの電力のより効率的な割り当てが接続されたフィールドデバイスのニーズを満たすことを可能にするために、ユーザによって動的に設定されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
APLプロセス制御ネットワークにおいて使用するための動的電力割り当てを有するAPLフィールドスイッチであって、
前記APLフィールドスイッチに電力を受信させ、前記APLフィールドスイッチにデータを送信させ、且つそれからデータを送信させるように構成された電力端子及びデータ端子と、
ポート、及び前記ポートを前記電力端子及びデータ端子に接続するチャネル電力/データ線を備えるチャネルであって、前記ポートは、2線式APLスパーに接続されるように構成され、前記APLスパーは、前記APLスパーを介して前記ポートをAPLフィールドデバイスに接続し、前記ポートは、複数の電力クラスのうちのデフォルトの電力クラスに関連付けられ、前記チャネル電力/データ線は、前記電力端子から前記ポートに電力を送信し、前記ポートと前記データ端子との間でデータを送信するように構成され、前記チャネル電力/データ線は、前記ポートに接続され、前記電力端子から受信された電力を前記ポートに送信するように構成された電力線セグメントを備える、チャネルと、
前記電力線セグメントに配置されている調整可能な電流制限装置であって、前記電力線セグメントを流れる電流は、前記電流制限装置を流れ、前記電流制限装置は、複数の動作状態のそれぞれで選択的に動作することができ、前記電流制限装置が前記複数の動作状態のうちの1つの動作状態にある場合に、前記電流制限装置を流れるそれぞれの最大電流が、前記電流制限装置を作動させ、それによって、前記電力線セグメントを流れる電流を制限、低減、又は停止し、各動作状態は、異なる電力クラスに関連付けられている、電流制限装置と、
前記電流制限装置に接続されているコントローラであって、前記コントローラは、前記コントローラを動作させるための実行可能命令が組み込まれたコンピュータソフトウェアプログラムを備え、前記コントローラは、前記ポートの電力クラスを所望の電力クラスに設定するように前記コントローラに要求する入力を受信し、前記入力に応答して、前記電流制限装置の動作状態を前記所望の電力クラスに関連付けられた動作状態に設定する制御信号を、前記電流制限装置への接続を介して発行するように構成されている、コントローラと
を備える、APLフィールドスイッチ。
【請求項2】
前記電流制限装置は、電子ヒューズを備える、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項3】
前記電流制限装置は、複数の抵抗値から選択可能な抵抗値を有する可変抵抗器である抵抗器に接続されている前記電子ヒューズを備え、
前記電子ヒューズは、前記抵抗器の前記抵抗値が前記電子ヒューズを作動させる前記電子ヒューズを流れる最大電流を設定するように構成され、
前記コントローラは、前記抵抗器の前記抵抗値を設定する制御信号を送信するように構成されている、請求項2に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項4】
前記抵抗器は、デジタルポテンショメータである、請求項3に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項5】
前記抵抗器は、ラダー型デジタルポテンショメータ又はリレー型デジタルポテンショメータである、請求項4に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項6】
前記電流制限装置が、並列に配置された複数のPTCヒューズを備え、各PTCヒューズは、前記コントローラに接続され、前記コントローラによって制御されるリレーと直列である、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項7】
前記電流制限装置は、定電流制限回路及びフォールドバック電流制限回路のうちの1つを備える、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項8】
前記電力管理モジュールの前記コンピュータプログラムは、前記APLフィールドスイッチのケース内に位置する、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項9】
前記コントローラは、シリアル通信線によって前記電流制限装置に接続されている、請求項1~8の何れか一項に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項10】
前記コントローラは、ユーザが前記ポートの電力クラスを設定しない場合に、前記ポートの電力クラスを前記デフォルトの電力クラスに設定するように構成されている、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項11】
前記チャネルは、同様の複数のチャネルのうちの1つであり、前記複数のチャネルの各チャネルは、それぞれのポートと、チャネル電力及びデータ線と、電流制限装置とを備え、それによって、前記APLフィールドスイッチは、複数のポートを備え、
前記コントローラは、前記複数のチャネルの各チャネルの前記電流制限装置に接続され、
入力を受信するように構成されている前記コントローラは、前記APLフィールドスイッチの前記複数のポートのうちの1つのポートの電力クラスを設定するように前記コントローラに要求する入力を受信するように構成されている前記コントローラを備え、前記コントローラは、前記1つのポートに接続された前記電流制限装置に、前記電流制限装置の動作状態を前記所望の電力クラスに関連付けられた動作状態に設定する制御信号を発行することができる、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項12】
前記コントローラは、前記複数のチャネルの前記ポートに割り当てるために、前記APLフィールドスイッチが利用可能な合計電力を決定するように構成され、ポートを所望の電力クラスに変更することを要求する入力によって、前記ポートに割り当てられた電力が合計電力を超えると、前記コントローラは、前記ポートの電力クラスを前記所望の電力クラスに設定することなく前記要求をキャンセルする、請求項11に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項13】
前記コントローラは、前記APLフィールドスイッチの各ポートの電力クラスを前記ポートに関連付けられた前記デフォルトの電力クラスに設定するように前記コントローラに要求する入力を受信し、前記入力に応答して、前記電流制限装置の動作状態を前記電流制限装置に接続された前記ポートの前記デフォルトの電力クラスに関連付けられた動作状態に設定する制御信号を、各電流制限装置への接続を介して発行するように構成されている、請求項11に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項14】
前記コントローラは、入力信号を、(a)前記データ端子から独立した有線又は無線接続、及び(b)前記APLフィールドスイッチの前記データ端子を介して前記入力信号を送信する接続のうちの少なくとも1つを介して受信するように構成されている、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項15】
出力ポートの動的電力割り当てのための回路であって、前記ポートは、前記ポートに電気的に接続された装置に電力を供給し、
ポート、電力端子、及び電線であって、前記電力端子は、電源に接続されるように構成され、前記電線は、前記電力端子及び前記ポートに接続され、前記電力端子が電源に接続され、前記ポートが前記ポートに電気的に接続された装置に電力を供給している場合に、前記電線は、前記電力端子から前記ポートに電流を流すことができる、ポート、電力端子、及び電線と、
前記電線に配置されている調整可能な電流制限装置であって、前記電線を流れる電流は、前記電流制限装置を流れ、前記電流制限装置は、複数の動作状態のそれぞれで選択的に動作することができ、前記電流制限装置が前記複数の動作状態のうちの1つの動作状態にある場合に、前記電流制限装置を流れるそれぞれの最大電流が、前記電流制限装置を作動させ、それによって、前記電線を流れる電流を低減又は停止し、各動作状態は、異なる最大電流に関連付けられている、電流制限装置と、
前記電流制限装置に接続されているコントローラであって、前記コントローラは、前記コントローラを動作させるための実行可能命令が組み込まれたコンピュータソフトウェアプログラムを備え、前記コントローラは、前記電流制限装置の動作状態を所望の動作状態に設定するように前記コントローラに要求する入力を受信し、前記入力に応答して、前記電流制限装置の動作状態を前記所望の動作状態に設定する制御信号を、前記電流制限装置への接続を介して発行するように構成されている、コントローラと
を備える、回路。
【請求項16】
前記調整可能な電流制限装置は、電子ヒューズを備える、請求項15に記載の回路。
【請求項17】
前記電流制限装置は、複数の抵抗値から選択可能な抵抗値を有する可変抵抗器に接続されている前記電子ヒューズを備え、
前記電子ヒューズは、前記抵抗器の前記抵抗値が前記電子ヒューズを作動させる前記電子ヒューズを流れる最大電流を設定するように構成され、
前記コントローラは、前記抵抗器の前記抵抗値を設定する制御信号を送信するように構成されている、請求項16に記載の回路。
【請求項18】
前記抵抗器は、デジタルポテンショメータである、請求項17に記載の回路。
【請求項19】
前記デジタルポテンショメータは、ラダー型デジタルポテンショメータ又はリレー型デジタルポテンショメータである、請求項18に記載の回路。
【請求項20】
前記電流制限装置は、並列に配置された複数のPTCヒューズを備え、各PTCヒューズは、前記コントローラに接続され、前記コントローラによって制御されるリレーと直列である、請求項15に記載の回路。
【請求項21】
前記電流制限装置は、定電流制限回路及びフォールドバック電流制限回路のうちの1つを備える、請求項15に記載の回路。
【請求項22】
前記コントローラは、前記コントローラへの有線入力又は無線入力を受信する電気端子を備える、請求項15に記載の回路。
【請求項23】
前記コントローラは、前記コントローラへの無線入力を受信するように構成されている、請求項15に記載の回路。
【請求項24】
前記電線は、前記ポートが前記ポートに電気的に接続された装置に電力を供給している場合に、前記ポートにデータを送信させ、前記ポートからデータを受信させるように構成されている、請求項15に記載の回路。
【請求項25】
ポートから出力されることができる最大電力を変更する方法であって、前記ポートは、前記ポートに電気的に接続された装置に電力を供給し、前記ポートは、調整可能な電流制限装置と直列に接続され、前記ポートを流れる電流はまた、前記電流制限装置を流れる必要があり、
(a)前記電流制限装置を第1の動作状態に設定するステップであって、前記電流制限装置を流れる第1の最大電流が、前記電流制限装置を作動させ、それによって、前記ポートを流れる電流を低減又は停止し、前記第1の動作状態は、前記ポートから出力されることができる第1の最大電力に関連付けられている、ステップと、
(b)前記電流制限装置を前記第1の動作状態から第2の動作状態に変更するステップであって、前記電流制限装置を流れる第2の最大電流が、前記電流制限装置を開き、前記第2の最大電流は、前記第1の最大電流とは異なり、前記第2の動作状態は、前記ポートから出力されることができる第2の最大電力に関連付けられ、前記第2の最大電力は、前記第1の最大電力とは異なる、ステップと
を含む方法。
【請求項26】
前記電流制限装置は、抵抗値を選択可能な可変抵抗器に接続された電子ヒューズを備え、前記電子ヒューズは、前記ポートと直列に接続され、前記ポートを通過する電流は、前記電子ヒューズを流れる必要があり、ステップ(b)は、
(c)前記可変抵抗器の前記抵抗値を、第1の抵抗値から前記第1の抵抗値とは異なる第2の抵抗値に変化させるステップ
を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記可変抵抗器は、デジタルポテンショメータである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
ステップ(c)は、
(d)抵抗値を前記第1の抵抗値から前記第2の抵抗値に変化させるように前記デジタルポテンショメータに指示する制御信号を、前記デジタルポテンショメータに送信するステップ
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
ステップ(b)は
(c)前記ポートから出力されることができる最大電力の変更を要求する入力を受信するステップと、
(d)前記電流制限装置の動作状態を前記第1の動作状態から前記第2の動作状態に変更するように前記電流制限装置に指示する前記入力に応答して生成された制御信号を送信するステップと
を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記ポートから出力されることができる最大電力は、最大電力を超えることができず、前記電流制限装置の1つ以上の動作状態によって、前記ポートは、前記最大電力を超える電力を出力することができ、
(e)ステップ(d)の後に、前記ポートを所望の最大電力出力に設定することによって、前記ポートが前記最大電力を超える電力を出力することができるか否かを判断するステップと、
(f)前記判断が肯定的であると、ステップ(e)を実行しないステップと
を更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記電流制限装置の各動作状態について前記ポートから出力されることができる最大電力は、それぞれのAPL電力クラスに関連付けられた最大電力出力を超えない、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記ポートは、前記ポートに取り付けられた2線ケーブルに電力を送信する、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記電流制限装置は、並列に配置された複数のPTCヒューズを備え、各PTCヒューズは、前記コントローラに接続され、前記コントローラによって制御されるリレーと直列である、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記電流制限装置は、定電流制限回路及びフォールドバック電流制限回路のうちの1つを備える、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年2月23日に弁護士整理番号14-1381-Pで提出された「APL FIELD SWITCH WITH DYNAMIC POWER ALLOCATION」と題された米国特許出願第63/152,432号の優先権及び出願日の利益を主張するものであり、その優先権出願は、本出願の出願日に係属中であり、あたかも完全に本明細書に記載されているかのように参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、プロセス制御ネットワークにおいて使用されるためのAPLフィールドスイッチに関する。
【背景技術】
【0003】
イーサネット(Ethernet)アドバンスト物理層(Advanced Physical Layer(APL))仕様は、イーサネットベースの2線式プロセス制御ネットワークの物理層の業界標準(IEEE 802.3cg)に基づく。イーサネット-APLネットワークは、最大10メガビット/秒(Mbps)全二重のデータレートを可能にする。イーサネット-APLネットワークは、最大1,000メートルのデータ送信距離、データを送信する同じ2本のワイヤによる電力送信、マルチドロップ、本質安全、フィールドデバイスへのイーサネット接続、及び他のプロセス制御のニーズをサポートする。
【0004】
イーサネットネットワーキングの基本を、例えば非特許文献1を含む幾つかの書籍によって理解することができる。
【0005】
2本のワイヤを介して電力及びイーサネット形式のデータを送信することは、本明細書では総称的に「パワーオーバーデータ(Power over Data)」又はPoDと呼ばれる。電力及びイーサネットデータは、電力ドメイン及びデータドメインは異なる周波数ドメインに存在するので、同じツイストワイヤペアを介して送信されることができる。異なる周波数ドメインにあることは、電力及びデータが同じツイストワイヤペア上で同時に伝搬されることを可能にし、必要に応じて個別のDC電力コンポーネント及びACデータコンポーネントにまだ分離されることを可能にする。
【0006】
イーサネット-APLネットワークは、トランク及びスパートポロジを利用する。APL2線式トランクは、最大1,000メートルの長距離で高い電力を送信することができる。APL2線式スパーは、トランクからフィールドデバイスまでの最大200メートルの短距離で、より低い電力を伝搬する。
【0007】
APLフィールドスイッチは、APLトランクをフィールドスイッチから延伸するAPLスパーに接続する。フィールドスイッチは、スパーをフィールドスイッチに接続するための幾つかのポートを含む。各ポートは、APLフィールドスイッチに受信された電力をポートに送信し、ポートとAPLトランクとの間でイーサネットデータを送信する、ポートに接続された電力/データ線を含む、それぞれのチャネルの一部を形成する。各電力/データ線は、電力のみを送信する電力線セグメント、及びデータのみを送信するデータ線セグメントを含む。データ線セグメントのイーサネットスイッチは、データ線セグメントを介してイーサネットデータを送受信する。電力及びデータは、ポート及びフィールドデバイスを接続する2線式スパーを介して送信される。
【0008】
APLフィールドスイッチは、ネットワークトランク自体を介して、又は外部補助DC電源からフィールドスイッチポートに分配するための電力を受信する。補助DC電源は通常、ネットワークトランクを介して利用可能な電力より多くの電力を供給する。その結果、ポートが利用可能なAPLフィールドスイッチが利用可能な合計電力は、電源(トランク又は補助DC電源)に依存する。ポートを介して送られる最大電力は、APLフィールドスイッチに受信される電力を超えることはできない。
【0009】
APLフィールドスイッチはまた、「カスケード」してもよく、すなわち、上流のAPLフィールドスイッチは、下流のAPLフィールドスイッチに電力を供給してもよい。従って、上流のAPLフィールドスイッチに供給される合計電力は、上流のAPLフィールドスイッチに取り付けられたフィールドデバイスに給電し、且つ下流のAPLフィールドスイッチ(及び任意の更なる下流のAPLフィールドスイッチ)に取り付けられたフィールドデバイスに給電するのに十分である必要がある。
【0010】
APL標準は、APLフィールドスイッチの各ポートに適用されることができる複数の電力クラスが定義する。電力クラスは、ポートに接続されたスパーを介して送信されることができるポートにおいて利用可能な最大電力を定義する。説明の目的のために、APL標準は、各電力クラスが異なる最大電力出力に関連付けられる、電力クラスA、電力クラスB、電力クラスC、及び電力クラスDという4つの電力クラスを定義すると仮定する。
【0011】
各電力クラスは、ポートの最大電力出力を定義する事前定義された電圧及び電力パラメータを有する電力プロファイルに関連付けられる。一部の電力クラスは、他の電力クラスより大きい電力出力を許容する。
【0012】
スパーを介してポートに取り付けられた各フィールドデバイスは、取り付けられたフィールドデバイス間で異なる場合があるそれ独自の独立した電力要件を有する。フィールドデバイスは、フィールドデバイスに給電するのに十分な電力クラスに関連付けられたポートに取り付けられる必要がある。
【0013】
しかし、設定された数のポート(例えば、8、12、16、又は24ポート)を有するAPLフィールドスイッチが製造される。従って、APLフィールドスイッチは、最大電力要件に準拠するために、設定された数のポートに関連付けられた電力クラスの数及びタイプを制限する必要がある。例えば、メーカーは、24ポートのAPLフィールドスイッチの複数のモデルを提供し、各モデルは、関連付けられた電力クラスの異なる組合せを有するポートを有する場合がある。
【0014】
各設定された数のポートに対するAPLフィールドスイッチのモデルの数は膨大になり、メーカーに様々な可能な組合せのサブセットだけを構成して提供することを要求する場合がある。また、顧客は、フィールドスイッチの選択において妥協する必要がある。更に、顧客は、各電力クラスのポートの位置(左側、右側、等)のメーカーの選択を受け入れる必要がある場合がある。
【0015】
APLフィールドスイッチの顧客は、フィールドスイッチに取り付けられたフィールドデバイスの数が異なり、ポートに取り付けられた様々なフィールドデバイスに適切な電力を供給するために要求される電力クラスが異なる使用事例を有する場合がある。
【0016】
顧客は、ポート及び電源プロファイルの間違った組合せに基づいて産業用制御ネットワークをセットアップしている間に誤ってAPLフィールドスイッチを指定し、設置時に、選択されたAPLフィールドスイッチが不適切であり、交換される必要があることを理解する場合がある(又はシステムは、APLフィールドデバイスに対応するように再設計される必要がある)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Sterling & Wissler, The Industrial Ethernet Networking Guide, 2003 (ISBN 0-7668-4210-X), published by Delmar Learning
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、顧客の特定のニーズを満たすために、且つフィールドスイッチの電源の変更及びAPLフィールドスイッチに取り付けられているフィールドデバイスの変更に応じて、ポートに動的電力割り当てを提供することができるAPLフィールドスイッチが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
各ポートに動的電力割り当てを提供するAPLフィールドスイッチが開示される。顧客は、所望の数のポートを有するAPLフィールドスイッチを購入することができ、購入後、ユーザは、産業用制御ネットワークのニーズを満たすために各ポートの電力クラスを選択的に変更することができる。メーカーは、提供されるポートの数のみが異なるAPLフィールドスイッチのモデルを販売することができるが、ユーザは、購入後にポートを電力クラスの様々な組み合わせに関連付けることができる。
【0020】
開示されたAPLフィールドスイッチは、APLネットワークトランク又は補助DC電源の何れかによって給電されることができる。ポートが利用可能にされた合計電力は、APLフィールドスイッチに供給される電力(APLフィールドスイッチ自体に給電するために必要な電力を差し引いたもの)を超えることはできない。
【0021】
APLフィールドスイッチは、各ポートにデフォルトの電力クラス割り当てを提供する。デフォルトの電力クラス割り当ては、APLフィールドスイッチに接続された電源に依存してもよい。割り当てられた合計電力は、ポートが利用可能な合計電力を超えることはできない。
【0022】
ユーザは、ポートの電力クラスを選択的に変更することができるが、ポートに割り当てられた電力は、合計でAPLフィールドスイッチが利用可能な合計電力を超えることはできない。
【0023】
APLフィールドスイッチには、接続された電源(トランク又は補助DC電源)の各タイプに対するポートの電力クラス割り当てのデフォルトセットが提供される。デフォルトの割り当ては、各ポートに対してデフォルトの電力クラスを設定する。異なるポートは、異なるデフォルトの電力クラスが割り当てられてもよい。
【0024】
APLフィールドスイッチソフトウェアは、ユーザが、APLフィールドスイッチハードウェア及びAPLフィールドスイッチに供給される電力の許容限度内で、試運転中及び実行中にAPLフィールドスイッチを再構成することを可能にする。
【0025】
電源のタイプに基づくデフォルト構成の例:
補助DC電源
全てのフィールドスイッチポートは、クラスB(相対的により高い)の電力動作用に構成され、カスケード動作が有効になる。
トランクを介する電力
全てのフィールドスイッチポートは、クラスA(相対的により低い)の電力動作用に構成され、カスケード動作が無効になる。
【0026】
APLフィールドスイッチソフトウェアは、ユーザが、ソフトウェアアプリケーションを介してデフォルトのポートの電力クラス割り当てをオーバーライドすることを可能にする。アプリケーションは、ユーザ構成がAPLフィールドスイッチの電力特性を超えることができないというルールを施行する。
【0027】
トランクを介して給電される場合に、ソフトウェアアプリケーションは、トランク電源によって定義された利用可能な電力割当量に基づいて、ユーザが利用可能なクラスBのスパーの最大数を制限する。
【0028】
この構成例において、インラインの選択可能な電流制限装置をポートの電力クラスの適切な電流制限に設定することによって、電力クラスは、各ポートに対して独立して施行される。電流制限装置は、電流が所定の最大電流(アンペア数)を超えると作動し、それによって、回路を遮断して電流を停止し、又は回路における電流を安全なレベルまで減少させる、回路において配置される装置である。電流制限装置は、ポートを流れる電流の最大流量を制限する。各ポートのクラスは、それぞれの電流又はアンペア数の制限に関連付けられる。
【0029】
回路における最大アンペア数を選択的に制限するために回路に設置されることができる、選択可能に調整可能な電流制限装置は既知であり、本開示に従って使用するように適合されることができる。
【0030】
非限定的な例として、例えば、選択可能な電流制限装置は、電子ヒューズ又はeFuseを含む。電子ヒューズは、電流が所定のアンペア数を超えると作動する場合に電流を停止する、全電子式の選択可能な電流制限ヒューズの例である。電子ヒューズは、電流を停止するためにインライン要素の熱及びその後の開回路に依存せず、迅速に反応し、簡単にリセットされることができる。電子ヒューズは、選択可能な抵抗値を有するデジタルポテンショメータに接続される。デジタルポテンショメータの抵抗値は、電子ヒューズを開く電流制限を設定する。次に、ポートの電力クラスは、電子ヒューズを開く電流制限によって決定される。この実施形態におけるユーザは、ポテンショメータの抵抗値を設定することによってポートの電力クラスを設定する。
【0031】
本開示の他の目的及び特徴は、説明が進むにつれて、特に1つ以上の事例的な実施形態を図示する添付の図面と併せて考慮される場合に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本開示によるAPLフィールドスイッチを含むプロセス制御ネットワークを図示する。
図2】本開示によるAPLフィールドスイッチを図示する。
図3図2に示されるAPLフィールドスイッチのチャネルの拡大図である。
図4】定電流制限回路の概略図である。
図5】フォールドバック電流制限回路の概略図である。
図6】並列リセット可能ヒューズ構成の概略図である。
図7】本開示による第1の実施形態のユーザ構成可能な電流制限装置に接続された図3に示される電力管理モジュールの概略図である。
図8】第1の電力クラスに関連付けられた第1の動作状態にある、図7に示される電流制限装置の概略図である。
図9図8と同様であるが、第2の電力クラスに関連付けられた第2の動作状態にある電流制限装置を図示する。
図10】第2の実施形態の電流制限装置の概略図である。
図11図2に示される電源管理モジュールで使用される例示的なGUIを図示する。
図12図1に示されるAPLプロセス制御ネットワークでの使用を対象とするソフトウェアアプリケーションのグラフィカルユーザインターフェースの例示的なワイヤフレームを図示する。
図13図2に示される電源管理モジュールと組み合わせて使用される分散コンピューティングネットワークを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、10Mbpsのイーサネット-APLプロセス制御ネットワーク12及び100Mbpsの産業用イーサネットプロセス制御ネットワーク14からなるプロセス制御ネットワーク10を図示する。
【0034】
APL-イーサネットプロセス制御ネットワーク12は、イーサネットアドバンスト物理層(Advanced Physical Layer:APL)仕様に準拠する。APL-イーサネットネットワーク12は、2本のワイヤを介する同時のデータ送信及び電力送信のために、2線式トランク(Trunk)ケーブル及び2線式スパー(Spur)ケーブルを使用する。APL-イーサネットプロセス制御ネットワーク12のトランク及びスパーは、図1に実線で示される。
【0035】
図示された産業用イーサネットプロセス制御ネットワーク14は、イーサネット/IP(イーサネット産業用プロトコルネットワーク)である。産業用イーサネットネットワーク14は、標準イーサネットCAT5以降のイーサネットケーブル(本明細書では「標準イーサネットケーブル」と呼ぶ)及びビジネスイーサネットLANネットワークにおいても一般的に使用される関連ハードウェアを使用する。標準のイーサネットケーブルは、図1において破線で示される。
【0036】
プロセス制御ネットワーク10は、エンジニアリングステーション16、オペレーションステーション18、プロセスコントローラ20、及びバックエンド非APLイーサネットスイッチ22を有するバックエンドを含む。バックエンドステーション、プロセスコントローラ、及びイーサネットスイッチは、高速イーサネット通信(100Mbps以上)用の標準CAT5以降のイーサネットケーブルによって接続される。
【0037】
産業用イーサネットネットワーク14は、標準CAT5以降のイーサネットケーブルによってバックエンドイーサネットスイッチ22に接続された非APLイーサネットスイッチ24を含む。産業用イーサネットスイッチ24は、矢印25によって表される補助電源によって給電される。産業用イーサネットスイッチ24は、標準CAT5以降のイーサネットケーブルによって非APLフィールドデバイス26a及び非APLフィールドデバイス26bに接続される。フィールドデバイス26a及びフィールドデバイス26bは、ネットワークを介さずに補助電源によって給電される。バックエンドは、バックエンドイーサネットスイッチ22及び産業用イーサネットスイッチ24を介してフィールドデバイス26a、26bと通信することができる。
【0038】
APL-イーサネットネットワーク12は、APL電源スイッチ26を含み、APL電源スイッチ26は、APL電源スイッチから下流のAPLフィールドスイッチ30まで、そして更に下流のAPLフィールドスイッチ32まで延伸するAPLトランク28に接続される。APL電源スイッチ26は、矢印34によって表される補助DC電源から電力を受信する。APL電源スイッチ26は、トランクを介する電力及びデータの同時の送信のために、APLトランクに電力を注入する。
【0039】
APL電源スイッチ26は、標準イーサネットCAT5以降のケーブルを介してバックエンドイーサネットスイッチ22にデータ送信のために接続される。APL電源スイッチ26は、APL-イーサネットネットワーク12とバックエンドイーサネットスイッチ22との間でデータ通信するために、標準イーサネットケーブルを介して送信される100MbpsイーサネットとAPL-イーサネット2線式ケーブルを介して送信される10Mbpsイーサネットとの間で変換する。
【0040】
APLフィールドスイッチ30自体は、APLトランク28を介して給電される。APLフィールドスイッチ30は、APLトランクを介して受信された電力を、APLフィールドスイッチ30に取り付けられたフィールドデバイスに送信する。図1に示されるようなAPLフィールドスイッチ30は、APLフィールドスイッチのポートから延伸するそれぞれのAPLスパーによってフィールドデバイス36a及びフィールドデバイス36bに接続される。APLフィールドスイッチ30は、フィールドデバイスに接続されたポートを介してフィールドデバイス36に電力及びデータの両方を送信する。
【0041】
APLフィールドスイッチ32は、トランク電力供給型APLフィールドスイッチ30と同様であるが、矢印38に表される補助電源によってのみ給電される。APLフィールドスイッチ32は、トランク28から給電されないが、APLトランク28を介してデータを送受信する。図1に示されるようなAPLフィールドスイッチ32は、APLフィールドスイッチのポートから延伸するそれぞれのAPLスパーによってAPLフィールドデバイス40a及びAPLフィールドデバイス40bに接続される。APLフィールドスイッチ32は、フィールドデバイス40にフィールドデバイスに接続されたポートを介して電力及びデータの両方を送信する。
【0042】
フィールドデバイス26、36、40は、それらが接続されるネットワークと互換性のあるセンサ、アクチュエータ、等である。フィールドデバイスは、プロセス制御ネットワーク10の動作に必要なセンサデータ、動作ステータス、コマンド確認、診断、及び他の発信ネットワーク通信を出力し、且つ/或いはプロセス制御ネットワーク10の動作に必要なコマンド、データ要求、及び他の着信ネットワーク通信を受信するように構成される。
【0043】
トランク給電APLフィールドスイッチ30及び補助DC給電APLフィールドスイッチ32はそれぞれ、本開示に従って動的電力割り当て特性を提供する。図1に示される2つのAPLフィールドスイッチは同一であるので、APLフィールドスイッチ30のみを詳細に説明する。
【0044】
図2は、APLフィールドスイッチのケース内に少なくとも部分的に封入されたAPLフィールドスイッチ30の構成要素を概略的に図示する。APLフィールドスイッチは、フィールドスイッチをAPLトランク28に接続するためのトランク端子35と、フィールドスイッチを補助電源(補助電源38のような)に接続するための外部電源端子37とを有する。図示されたAPLフィールドスイッチ30はまた、APLフィールドスイッチ30の内外に電力ではなくデータを送信する1つ以上の専用データ端子39を含む。専用データ端子37は、互換性のある外部光又は電気データケーブルに接続するためのイーサネットRJ45コネクタ、SFP光コネクタ、等として実現されることができる。
【0045】
APLフィールドスイッチがトランク端子35に接続されたAPLトランクによって給電される場合に、トランク端子35は、APLフィールドスイッチに電力を受信させる電力端子として、及びAPLトランクとAPLフィールドスイッチとの間でデータを送信するデータ端子として機能する。APLフィールドスイッチが外部電源端子37に接続された外部電源によって給電される場合に、外部電源端子37は、APLフィールドスイッチに電力を受信させる電力端子として機能し、トランク端子35は、APLトランクとAPLフィールドスイッチとの間でデータを送信するデータ端子として機能する。各専用データ端子43は、データをAPLフィールドスイッチ30に送信し、且つデータをそれから送信するデータ端子としてのみ機能する。
【0046】
電力端子35、37を介して受信された電力は、端子35、37に接続された電力線46を介してAPLフィールドスイッチ30に受信される。電力線46はまた、トランク端子35を介してAPLフィールドスイッチにデータを送信し、トランク端子35を介してAPLフィールドスイッチからデータを送信する。データ線41aは、電力線46とイーサネットスイッチ42の一端との間で延伸する。データ線41aは、トランク端末35を介して受信されたデータを電力線46から抽出し、イーサネットスイッチ42にデータを送信し、トランク端子35を介する送信のために、イーサネットスイッチ42から電力線46に受信されたデータを注入する。データ線41bは、データ端子39へのデータ送信及びデータ端子39からのデータ送信のために、各データ端子39とイーサネットスイッチ42の一端との間で延伸する。次に、イーサネットスイッチ42は、イーサネットスイッチと接続されたフィールドデバイスとの間でデータを送信するために、イーサネットスイッチの他端から延伸するデータ線43を有する。
【0047】
APLフィールドスイッチ30は、N個の同様のチャネル48を有する(単一のチャネル48が図3においてより詳細に概略的に示される)。絶縁スイッチング電源45は、端子42、44とチャネル48との間のデバイス線46に配置される。APLトランク28とAPLフィールドスイッチポートとの間のAPLフィールドスイッチ30を介する電力及びイーサネットフォーマットデータフレームの送信は、以下に更に詳細に説明するように、ポートに動的電力割り当てを提供するためのAPLフィールドスイッチ30の性能を除いて、その他の点では従来通りである。
【0048】
各チャネル48は、チャネル48にスパーを取り付けるためのポート50を含む。図示されたAPLフィールドスイッチにおいては、各ポートは、2線式イーサネット互換コネクタ(本明細書ではポートコネクタと呼ぶ)として形成される。代替実施形態においては、ポートコネクタ50は、ねじ若しくはクランプ端子、M12コネクタ、又はAPL仕様と互換性のある他のコネクタとして構成されてもよい。ポート50を形成するのに適する様々なスタイル又はタイプのポートコネクタが、APLフィールドスイッチ製造業者によって提供されてもよく、ポートは、フィールドデバイスをポートに接続する際の接続の柔軟性を高めるために並列に提供された複数のタイプのポートコネクタを含んでもよい。
【0049】
ポート50は、チャネル電力線47を介して電力線46に接続される。N個のチャネル48は、電力線46からチャネルポート50まで平行に延伸するそれぞれのチャネル電力線47を有する。チャネル電力線47は、チャネルを介して電力を送信する。従って、ポート50に関連付けられたポートクラスはまた、ポート50を含むチャネル48に関連付けられる。チャネル電力線47は、最大電力を伝送することができる。特定の時点において使用中にチャネル電力線47によって伝送されることができる実際の電力は、以下でより詳しく説明するように、その時点においてチャネルに関連付けられたポートクラスの最大電力に制限される。
【0050】
チャネル電力線47は、ポート50とデータ線43との間でデータをまた送信する、ポート50とチャネルデータ線43との接続部との間に配置された電力線セグメント49を含む。イーサネットスイッチ42から受信されたチャネルのデータは、ポート50への送信のためにチャネル電力線47に注入され、ポート50を介してチャネル電力線47に受信されたデータは、イーサネットスイッチ42への送信のためにチャネル電力線47から抽出される。データ線42に配置されたAPL10BaseTILイーサネット物理層トランシーバ53は、ポート50とイーサネットスイッチ42との間のイーサネットフォーマットデータフレームの通信を可能にする。
【0051】
チャネル48は、概念的には、デバイス電源/データ線46とポート50との間でイーサネットデータフレームを中継するイーサネットスイッチとして、また、デバイス電力/データ線46から受信された電力をチャネル電源/データ線47に注入するPoDインジェクタとして動作する。チャネル電力/データ線47の設計に応じて、チャネル電力/データ線47は、電力及びデータを同じワイヤで同時に送信してもよく、或いは電力/データ線47の少なくとも一部に沿って別のワイヤで電力及びデータを送信してもよい。データ線セグメント51は、デバイス電力/データ線46及び電力/データ線47に直接接続されてもよい。
【0052】
チャネル48は、ポート50を介して送信されるエネルギーを制限する。電力線46からチャネル電力線47を介してポート50に流れる電力は、本質安全回路及び他の安全回路を介して流れる。本質安全回路は、短絡又はその他の電気的障害が発生した場合に電力送信を制限する。回路の安全性は、直列に動作し、2線式スパーを介してフィールドデバイスに送信される電力の電流及び電圧を制限する幾つかの電力保護モジュールとして考えられることができる。APLフィールドスイッチポートの設計者は、設計及び安全性の要件を満たすために、ポートの電源保護モジュールの順序、数、及び回路設計を変更することができる。
【0053】
チャネル電力線47を流れる電力は、まず最大電流電力保護モジュール52を流れる。最大電流保護モジュール52は、チャネル電力線47を流れる絶対最大電流を制限するヒューズ54を含む。
【0054】
最大電流電力保護モジュール52はまた、APLフィールドスイッチに接続された電源からチャネル電力線47を絶縁する。第2のヒューズは、チャネル電力線47の絶縁部分に含められることができる。
【0055】
電力は、最大電流電力保護モジュール52から電流制限電力保護モジュール56に流れる。
【0056】
電流制限電力保護モジュール56は、チャネル電力線47を流れる最大電流を設定することによって、チャネルの電力クラスを設定する。APL仕様においては、幾つかの電力クラスが定義される(現在のAPL仕様の電力クラスの定義は変更される可能性があるが、各電力クラスはそれぞれの最大電力に関連付けられる)。APLフィールドスイッチチャネルに適用可能な電力クラスは、チャネルによってポート50に提供されることができる最大電圧における最大電力量をワット単位で定義する。電力クラスA、B、及びCは、爆発性雰囲気のあるエリアの本質安全定格チャネルを対象とするが、本質安全使用を対象としないポートでまた使用されることができる。
【0057】
電流制限電力保護モジュール56は、図3において可変抵抗器として表される、選択的に調整可能な電流制限装置58を含む。ユーザ調整可能な電流制限装置の可能な実施形態は、以下で後述される。ユーザは、電流がポート50を介して送信されることができる設定最大電流を超えるのを阻止するために、電流制限装置を作動させる最大電流(アンペア数)を選択的に設定することができる。電流制限装置の最大電流設定を設定することによるチャネル48の電力クラスのユーザ選択は、以下でより詳細に説明される。
【0058】
電力は、電流制限電力保護モジュール56から電圧電力保護モジュール60に流れる。電力保護モジュール60は、過電圧又はサージ状態を阻止し、インピーダンス62によって表されるクローバー回路として実現されることができる。クローバー回路は、電圧出力に短絡又は低抵抗パスを設けることによって動作する。クローバー回路は、例えば、サイリスタ、トライアック、トリシル(Trisil)、又はサイラトロンを短絡デバイスとして使用して実装されてもよい。
【0059】
図2に示されるように、APLフィールドスイッチ30は、電力管理モジュール64を含む。電力管理モジュール64は、ユーザが各チャネル48の電力クラスを設定することを可能にする。電力管理モジュール64は、各チャネル48の電力クラスの両方を管理するために使用されるCPU66によって実行可能な実行可能命令を有するアプリケーションソフトウェア70を保持するストレージ又はメモリ68にアクセスするマイクロプロセッサ又は中央処理装置(CPU)66を含む。メモリ68は、EEROMメモリ、又は組み込みシステムにおいて使用される他のタイプのメモリのような永続的書き込み可能メモリであってもよい。
【0060】
電力管理モジュールは、可能な実施形態において、グラフィックス処理ユニット(GPU)、Wi‐Fiモジュール、1つ以上のコプロセッサ、等を含む他の周辺機器とともにマイクロコントローラを含んでもよいシステムオンチップ(SoC)として実現されてもよい。
【0061】
電力管理モジュール64は、APLフィールドスイッチが利用可能な電力を判断することができる。電力管理モジュール64は、APL端子42、44に動作可能に接続され、電圧が端子に印加されているか否かを判断することができる。これは、電力管理モジュール64が、APLフィールドスイッチ30がネットワークトランク(APL規格はトランク電力供給を制限する)を介して給電されているか、又はAPLフィールドスイッチに適切な電力定格を有する外部電源を介して給電されているかを判断することを可能にする。
【0062】
電力管理モジュール64は、各電流制限電力保護モジュール56に接続されたコントローラ64として機能する。コントローラ64は、各モジュール54の調整可能なヒューズの電流制限を設定することによって、各ポートの電力クラスを設定する。ユーザが1つ以上のポートの電力クラスを動的に設定することを可能にするために、そのオペレーティングソフトウェア70を介して動作するコントローラ64は、1つ以上のポート及び1つ以上のポートの所望の電力クラスを表すユーザ入力を受信し、ユーザ入力を読み取り、ユーザ入力に応答して、ポートに接続されたヒューズの電流制限を所望の電力クラスに関連付けられた電流制限に設定する。コントローラ64はまた、APLトランクを介して下流に電力をカスケードするためのAPLフィールドスイッチ30の性能を制御することができる。
【0063】
APLフィールドスイッチ30の実施形態におけるコントローラ64は、APLフィールドスイッチ自体のタッチパッドディスプレイから、プロセス制御ネットワークとは独立して通信する相互接続する有線又は無線通信回線(非限定的な例として、シリアルUSBケーブル)を介して、及び/又はプロセス制御ネットワーク自体を介してユーザ入力を受信する。コントローラ64は、プロセス制御ネットワークを介してユーザ入力を受信するために、プロセス制御ネットワーク上のフィールドデバイスとしてみなされるように構成されてもよい。
【0064】
図示された実施形態におけるアプリケーションソフトウェア70は、ユーザに送り返されるポートの電力クラスを設定するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)72を生成する。GUI72は、例えば、ウェブページ上にGUIを表示するアプリケーションソフトウェア70によって提供されるウェブサーバを介して提供されることができる。図示された例におけるコントローラ64は、ワークステーション16との双方向通信を可能にする相互接続有線又は無線通信回線又リンク73を介して、エンジニアリングワークステーション16上のアプリケーションにGUI72を送信する。コントローラ64は、エンジニアが、CPU66及び関連付けられたソフトウェアと通信し、APLフィールドスイッチ30のポート50の一部又は全ての電力クラスを変更することを可能にする。コントローラ64はまた、ユーザがAPLフィールドスイッチ30のカスケード特性を有効又は無効にすることを可能にする。
【0065】
CPU66は、I2Cネットワーク74を介して、各チャネルの電流制限電力保護モジュール56の選択的に調整可能な電流制限装置58に接続される。I2Cネットワークプロトコルは、一般に使用されるシリアル通信プロトコルである。
【0066】
本開示での使用のために適合されることができる、既知のタイプの選択可能に調整可能な電流制限装置は、
選択可能な抵抗値の抵抗器に接続された電子ヒューズ(eFuse)と、
定電流制限回路と、
フォールドバック電流制限回路と、
何れのヒューズをアクティブにするかを選択するリレーと直列に配置された異なるアンペア数定格の並列リセット可能ヒューズ配置と
を含むが、これらに限定されない。
【0067】
電子ヒューズは、作動する場合に電流の流れを停止する、完全電子式の選択可能な電流制限ヒューズである。
【0068】
定電流制限回路は、最大電流に到達するまで電流が通過することを可能にする。そして、回路は、電流が最大電流を超えるのを阻止するために、電圧を低下させる。図4は、本開示での使用のために適合されることができる例示的な定電流制限回路を図示する。
【0069】
フォールドバック電流制限回路は、最大電流に到達するまで電流が通過することを可能にする。回路は、電流が最大電流を超えるのを阻止するために電圧及び電流を低下させる。図5は、本開示での使用のために適合されることができる例示的なフォールドバック電流制限回路を図示する(画像の帰属:英語版WikipediaのMikiemikeによる、CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=70852656)。
【0070】
電流制限回路は、回路を流れる最大電流を設定するために抵抗を利用する。これらの回路の設計において抵抗値の動的な選択を可能にする可変抵抗器を利用することによって、回路を流れる最大電流、それ故に回路の最大電力出力が、抵抗器の抵抗値を選択することによって選択されることができる。
【0071】
電流制限回路はまた、相対的に大きい電圧降下の検出を可能にする、米国01887マサチューセッツ州ウィルミントンのアナログデバイセズ社から入手可能なLTC7003ドライバのような静的スイッチドライバと直列に接続されることができる。
【0072】
図6は、冷却後に自動的に再び開くことができる正温度係数(PTC)リセット可能ヒューズを含む並列ヒューズ配置として形成された選択可能な電流制限装置58を図示する。本開示に従う使用のために適合されてもよいPTCヒューズは、米国オハイオ州クリーブランドのイートンの電子部門から入手されてもよい。ヒューズ69はそれぞれ、コントローラ68に接続され、コントローラ68によって制御されるリレー71と直列に配置される。1つのリレーを閉じ、他のリレーを開いた状態で保持にすることは、コントローラ64が、ヒューズ69のうちの選択された1つをチャネル電力線47に選択可能に挿入することを可能にする。
【0073】
図示されたAPLフィールドスイッチ30とともに使用される電流制限装置58は、デジタルポテンショメータに接続された電子ヒューズを含む。電子ヒューズは、電流を制御するための多くの利点を提供する。電子ヒューズは、テキサスインスツルメンツ、東芝、STMマイクロエレクトロニクス、及びその他のベンダーから集積回路パッケージとして市販されている。電子ヒューズは、アンペア数及び電圧容量、応答速度、エネルギー効率、等に基づいて選択される必要がある。電子ヒューズ及びその動作に関する詳細情報は、メーカーから入手可能な製品データシートを介して公開されている(例えば、2018年4月発行のテキサスインスツルメンツ・アプリケーションレポートSLVA862A「電子ヒューズの基礎」、電子ヒューズのTPS2662xファミリについて説明する2019年8月発行のキサスインスツルメンツの出版物SLVSDT4E、及び2020年6月発行のテキサスインスツルメンツの設計ガイドTIDA-010076「シングルペアイーサネット上のデイジーチェーン電源及びデータ」)。
【0074】
図7は、電流制限装置58がデジタルポテンショメータ76に接続された電子ヒューズ74を含むユーザ電力保護モジュール56の実施形態を図示する。電子ヒューズ74は、チャネル電力線セグメント49に含まれる。チャネル電力線47を流れる電流は、電子ヒューズ74を通過する。電子ヒューズ74は、抵抗器が電子ヒューズを開く電流制限を設定する電子ヒューズ74に接続されることを可能にする。可変抵抗器を電子ヒューズ74に接続することは、電流制限が可変抵抗器の選択された抵抗値に基づいて選択的に変化することを可能にする。
【0075】
デジタルポテンショメータ集積回路は、アナログデバイセズ、マイクロチップ、テキサスインスツルメンツ、及び他のサプライヤから入手可能である。
【0076】
図示されたデジタルポテンショメータ76は、ラダーの各段において抵抗器ラダー78及び電子スイッチ80を含む。動作中、1つのスイッチ80が、デジタルポテンショメータの実効抵抗値を決定するために所与の時間において閉じられる(従来のアナログポテンショメータのワイパーの動作と同様)。
【0077】
スイッチ80のセットの動作状態は、デジタルポテンショメータの抵抗値を設定するために外部コマンドを受信することができるデジタルポテンショメータの制御ユニット82によって制御される。I2C及びSPIシリアルネットワークへの接続のために互換性のある制御ユニットを有するデジタルポテンショメータが市販されている。
【0078】
デジタルポテンショメータ76は、電子ヒューズの電流制限を設定する抵抗値が、異なる最大電流、それ故に異なる電力クラスにおいて電子ヒューズを開くために選択的に変化することを可能にする。
【0079】
図8は、電流制限電力電流制限装置58を図示し、デジタルポテンショメータ76は、チャネル48をより低い電力ポートクラスに設定するのに適する相対的に高い抵抗値に設定される。電子ヒューズ74を流れるより低い電流によって、電子ヒューズは開く。
【0080】
図9は、電流制限電力保護モジュール56を図示し、デジタルポテンショメータ76は、相対的に低い抵抗値に設定される。この抵抗値は、チャネル48をより高い電力ポートクラスに設定するのに適する。電子ヒューズを開くために、図5に示されるデジタルポテンショメータ76の抵抗状態と比較して、より高い電流が電子ヒューズ74を流れる必要がある。
【0081】
図7に戻って参照すると、電流制限装置58は、UART回路86によって制御ユニット82に接続されているマイクロプロセッサ又はMCU84を含む。MCU84は、制御ユニット82と通信し、それによって、制御ユニット82は、デジタルポテンショメータ76の所望の抵抗値を設定する。
【0082】
MCU84は、I2Cネットワーク74によって電力管理モジュールのCPU66に接続される。アプリケーションソフトウェア70は、各チャネル48が利用可能な電力クラス、APLフィールドスイッチのチャネル数、APLフィールドスイッチが利用可能な合計電力容量、各電力クラスに関連付けられたデジタルポテンショメータの抵抗値、セキュリティ及びユーザ認証、等を表すAPLフィールドスイッチ30に適用可能なデータにアクセスする。CPU66は、各チャネルMCU84を個別にアドレス指定することができ、接続されたデジタルポテンショメータ76の所望の抵抗値を設定するために、MCU84に指示することができ、それによって、ソフトウェアアプリケーション70によって要求されるチャネルの電力クラスを確立することができる。
【0083】
図10は、ラダー型デジタルポテンショメータ76の代わりに使用されることができる、切替可能抵抗器型デジタルポテンショメータ77を図示する。切替可能抵抗器型デジタルポテンショメータ77は、抵抗器ラダー78を幾つかの並列抵抗器で置き換え、各抵抗器は、それぞれのプログラム可能なスイッチと直列である。抵抗器の抵抗値は様々である。各スイッチは、所望の抵抗値を得るために、制御ユニット82によって選択的に開閉することができる。
【0084】
図11は、アプリケーションソフトウェア70によって提示される例示的なグラフィカルユーザインターフェース72のワイヤフレームを図示する。ユーザインターフェイスは、一般的なコンピューティングアプリケーション又は組み込みコンピュータアプリケーションが利用可能な任意の数のGUIフレームワークを使用して実装されることができ、レイアウト、情報及び制御の表示、及びユーザインタラクションのための許容可能なベストプラクティスに従って設計されることができる。
【0085】
アプリケーションソフトウェア70を介して作動するGUI72は、エラーメッセージを提示し、ヘルプ画面及びログイン画面を表示し、アーカイブ目的でGUIの使用履歴を記録するためのイベントを発行し、APLフィールドスイッチ30の状態を反映してメモリ68に格納されたデータを変更することができる。
【0086】
図示されたGUI72は、APLフィールドスイッチ30の識別情報、フィールドスイッチのカスケードが有効になっているか否か、及びフィールドスイッチの電源(トランス又は補助電源)を表示する。カスケードを、UIスイッチ88を介して有効又は無効にすることができる。カスケードを許可しない電源によってフィールドスイッチが給電されると、GUIは、カスケードが無効にされることを表示し、UIスイッチ88も同様に無効にされる。
【0087】
GUI72は、各ポート50のデータ行を有するデータグリッド90を表示し、各行は、それぞれのポートチャネル番号及びポートの現在の電力クラスを表示する。ポートの電力クラスは、ドロップボックス92のようなUI制御を介して変更される。ユーザがGUI72を介して電力クラスを変更する場合に、ソフトウェアアプリケーションは変更イベントを検出する。ソフトウェアアプリケーション70は、APLフィールドスイッチ30の現在の状態を考慮して電力クラスの変更がなされることができることを確認する。例えば、ポート50に現在供給されている電力が利用可能な電力を全て使用すると、アプリケーションソフトウェア70は、ユーザがポートの電力クラスをより高い電力の電力クラスに変更することを阻止することができる。
【0088】
アプリケーションソフトウェア70が、要求された電力クラスの変更が可能であると判定すると、CPU66及びI2Cネットワーク74を介して作動するアプリケーションソフトウェア70は、ポートの関連付けられたデジタルポテンショメータ76の抵抗値を、要求された電力クラスに関連付けられた抵抗値に変化させるために、適切なチャネルMCU84と通信する。抵抗値の変化を確認すると、アプリケーションソフトウェア70は、ポートの電力クラスの変更を反映するためにGUI72を更新し、チャネルの変更をメモリ68に書き込むことができる。
【0089】
アプリケーションソフトウェア70が電力クラスの変更が不可能であると判断すると、GUI72は、適切なエラーメッセージを表示する。電力クラスは変更されない。
【0090】
図示されたGUI72はまた、ユーザが全てのポート50又は各ポート50を初期のデフォルト電力クラスにリセットすることを、アプリケーションソフトウェア70によってそのようなリセットが許可されると可能にする。GUI72は、コントローラ64に各ポートの電力クラスを個別に変更し、確認を待つように要求してもよく、或いはコントローラ64に複数のポートの電力クラスをバッチ操作で変更するように要求してもよい。
【0091】
図12は、APLプロセス制御ネットワークでの使用を対象とするソフトウェアアプリケーションのグラフィカルユーザインターフェース94の例示的なワイヤフレームを図示する。ソフトウェアアプリケーションGUI94は、例えば、エンジニアリングワークステーション16上に表示されることができる。ソフトウェアアプリケーションは、プロセス制御ネットワーク10を介して作動し、APLフィールドスイッチの現在の状態を反映してデータを各APLネットワークフィールドスイッチ30、32から要求する。ソフトウェアアプリケーションはデータを集約し、それをGUI94を介して提示する。図示されたGUI94は、各APLフィールドスイッチのデータ行を有するデータグリッド96を表示し、各行は、APLフィールドスイッチID、ポートの数、アクティブポートの数、及びネットワーク上の各APLフィールドスイッチの現在の電源を表示する。各行はまた編集リンク98を含み、これをクリックすると、その行に関連付けられたAPLフィールドスイッチのGUI72が、ワークステーション上で開く。
【0092】
ソフトウェアアプリケーション72は、可能な実施形態において、APLフィールドスイッチの一部を形成しないCPU上で実行するように設計されることができる。
【0093】
図13は、ネットワーク化された分散コンピューティングシステムの一部を形成する電源保護モジュール64の使用を図示する。コンピューティングシステムは、エンジニアリングワークステーション16とネットワーク化されたサーバ100を含む。サーバ100はまた、サーバとともにローカルなデータベース102にアクセスする。データベースは、バックエンドに位置し、またクラウド又はサーバ100から離れた別のサーバでホストされることができる。
【0094】
このネットワーク化された実施形態において、サーバ100は、コンピュータ処理の一部又は全てをAPLフィールドスイッチからサーバにオフロードするために、前述のソフトウェアアプリケーション70に含まれるソフトウェア機能の一部又は全てを実行する。コンピュータ処理の一部又は全ては、APLフィールドスイッチから離れて位置するコンピュータハードウェアで行われることができる。
【0095】
アプリケーションGUI72は、エンジニアリングワークステーション16上に表示される。アプリケーションの起動時に、エンジニアリングワークステーション16は、プロセス制御ネットワーク10を介してAPLフィールドスイッチ30に問い合わせを行い、APLフィールドスイッチ及びフィールドスイッチチャネルの現在の状態を表すデータを受信する。GUI72とのユーザインタラクションは、ワークステーション16とサーバ100との間で伝送される。サーバ100は、チャネルの電力クラスの提案された変更が可能であるか否かを判断する。
【0096】
ポートの電力クラスが変更されると、エンジニアリングワークステーション16は、ポートの電力クラスを変更するために、コマンドをAPLフィールドスイッチ30に送信する。APLフィールドスイッチCPU66は、I2Cネットワーク74を介して、ポートチャネルのデジタルポテンショメータ76の抵抗値を要求された電力クラスに関連付けられた抵抗値に変化させるために、適切なMCU84に信号を送る。APLフィールドスイッチ30は、電力クラスの変更をエンジニアリングワークステーション16に確認し、GUI72は、電力クラスの変更を反映するために更新される。
【0097】
サーバ100は、APLフィールドスイッチに関連付けられたデータ及びAPLフィールドスイッチ状態の変更の履歴をデータベース102に格納することができる。サーバ100は、GUI72を最初に表示するために必要なデータについてデータベース102に、そのデータについてAPLフィールドスイッチに問い合わせる代わりに、問い合わせることができる。
【0098】
他の分散コンピューティングアーキテクチャが既知であり、要求されたコンピューティング電力をAPLフィールドスイッチ30からオフロードするように適合されることができる。
【0099】
本開示によるリレーは、アナログリレー、トランジスタリレー、機械リレー、又は均等物であってもよい。
【0100】
本開示は、詳細に説明された1つ以上の事例的な実施形態を含むが、1つ以上の実施形態は、それぞれ変更可能であり、本開示の範囲は、本明細書に記載される正確な詳細に限定されず、APLフィールドスイッチポートの数、APLフィールドスイッチの給電、使用環境、電力クラスの電力制限、等の変更、並びに添付の特許請求の範囲に含まれるこのような変更及び改変(但し、これらに限定されない)を含む、当業者には明らかであろうこのような変更を含むことが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続されたフィールドデバイスへのユーザ選択可能な動的電力割り当てを可能にする、産業用制御ネットワーク用のAPLフィールドスイッチであって、
各々が前記APLフィールドスイッチに電力を受信させるように構成された電力端子及びデータ端子であって前記データ端子は、前記APLフィールドスイッチにデータを送信させ、且つそれからデータを送信させるように更に構成されている、電力端子及びデータ端子と、
各々がポート、及び前記ポートを前記電力端子及びデータ端子に接続するチャネル電力/データ線を備える複数のチャネルであって、前記複数のチャネルの各ポートは、2線式APLスパーに接続されるように構成され、前記APLスパーは、前記APLスパーを介して前記ポートをAPLフィールドデバイスに接続し、前記ポートは、複数の電力クラスのうちのデフォルトの電力クラスに関連付けられ、各チャネルの前記チャネル電力/データ線は、前記電力端子から前記チャネルポートに電力を送信し、前記チャネルポートと前記データ端子との間でデータを送信するように構成され、前記チャネル電力/データ線は、前記チャネルポートに接続され、前記電力端子から受信された電力を前記チャネルポートに送信するように構成された電力線セグメントを備える、複数のチャネルと、
前記電力線セグメントに配置されている調整可能な電制限装置であって、前記電制限装置は、複数の動作状態のそれぞれで選択的に動作することができ、前記電制限装置が前記複数の動作状態のうちの1つの動作状態にある場合に、前記電制限装置を介す電力のそれぞれの最大送信が、前記電制限装置を作動させ、それによって、前記電力線セグメントを介する電力の送信を制限、低減、又は停止し、各動作状態は、異なる電力クラスに関連付けられている、電制限装置と、
前記複数のチャネルの各チャネルの前記電制限装置に接続されているコントローラであって、前記コントローラは、前記コントローラを動作させるための実行可能な非一時的コンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータソフトウェアプログラムを備え、前記コントローラは、前記複数のチャネルの選択されたポートの電力クラスを所望の電力クラスに設定するように前記コントローラに要求するユーザ入力を受信し、前記ユーザ入力に応答して、前記電制限装置の動作状態を前記所望の電力クラスに関連付けられた動作状態に設定する制御信号を、前記選択されたポートに接続された前記電制限装置への接続を介して発行するように構成され、それによって、ユーザは、前記産業用制御ネットワークのニーズを満たすために、各ポートの電力クラスを選択的に変更することができる、コントローラと
を備える、APLフィールドスイッチ。
【請求項2】
前記APLフィールドスイッチは、前記フィールドデバイスの前記ポートに合計最大電力を利用可能にさせることができ、前記コントローラは、電力クラスを変更することによって前記ポートに送信可能な最大電力が前記APLフィールドスイッチの利用可能な前記合計最大電力を超える可能性があると、前記ユーザ入力に応答して前記選択されたポートの電力クラスを変更しないように構成されている、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ
【請求項3】
前記ユーザ入力は、前記APLフィールドスイッチの外部からアクセス可能なコンピュータ実装のユーザインターフェースから送信される、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項4】
前記ユーザインターフェースは、前記複数のチャネルの各ポート、及び前記複数のチャネルの各ポートの現在の電力クラスをリストし、前記コントローラへの前記ユーザ入力を生成するために前記複数のチャネルの選択されたポートの前記所望の電力クラスをユーザが設定することを可能にするグラフィカルユーザインターフェース(GUI)である、請求項3に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項5】
前記GUIは、前記コントローラソフトウェアによって生成される、請求項4に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項6】
前記GUIは、前記コントローラソフトウェアとは別の実行可能な非一時的コンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェアによって生成される、請求項4に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項7】
前記ユーザインターフェースは、データベースに動作可能に接続可能であり、
前記ユーザインターフェースは、ユーザが前記複数のチャネルの前記ポート間で電力クラスを選択的に割り当てることを可能にするために、前記ユーザインターフェースによって必要とされる前記データベースにデータを格納し、且つそれからデータを取得するように構成されている、請求項3に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項8】
前記データベースは、前記APLフィールドスイッチから遠隔のサーバに格納される、請求項7に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項9】
前記コントローラは、前記複数のチャネルの各ポートの電力クラスを前記ポートの前記デフォルトの電力クラスに設定するように前記コントローラに要求するユーザ入力を受信し、前記ユーザ入力に応答して、各電力制限装置の動作状態を前記電力制限装置に取り付けられた前記ポートの前記デフォルトの電力クラスに関連付けられた動作状態に設定する制御信号を、前記ポートに接続された前記電力制限装置に発行するように構成されている、請求項11に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項10】
前記ユーザインターフェースは、データベースに動作可能に接続可能であり、
前記ユーザインターフェースは、ユーザが前記複数のチャネルの各ポートを前記ポートの前記デフォルトの電力クラスに設定するように前記コントローラに要求することを可能にするために、前記ユーザインターフェースによって必要とされる前記データベースにデータを格納し、且つそれからデータを取得するように構成されている、請求項9に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項11】
前記APLフィールドスイッチは、前記APLフィールドスイッチが前記データ端子を介して給電される場合のポート電力クラス割り当ての第1のデフォルトのセットと、前記APLフィールドスイッチが前記電力端子を介して給電される場合の前記第1のセットとは異なるポート電力クラス割り当ての第2のデフォルトのセットとを含み、
前記コントローラは、前記APLフィールドスイッチが前記データ端子を介して給電されると、ポート電力クラスの前記第1のデフォルトのセットに従って前記複数のチャネルの前記ポートの電力クラスを設定し、前記コントローラが各ポートの電力クラスを前記ポートの前記デフォルトの電力クラスに設定するように前記コントローラに要求する前記ユーザ入力を受信する場合に、前記APLフィールドスイッチが前記電力端子を介して給電されると、ポート電力クラスの前記第2のデフォルトのセットに従って前記複数のチャネルの前記ポートの電力クラスを設定するように構成されている、請求項9に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項12】
前記ユーザインターフェースは、前記APLフィールドスイッチの前記ポートに割り当てられた現在の電力クラスを表すデータをユーザに表示するように構成され、前記ユーザに表示されたデータについて前記APLフィールドスイッチに問い合わせるように更に構成されている、請求項3に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項13】
前記APLフィールドスイッチは、別のAPLフィールドスイッチに電力をカスケードすることができ、前記コントローラは、選択的に、前記APLフィールドスイッチが電力をカスケードすることを許可し、又は前記APLフィールドスイッチが電力をカスケードすることを許可しないユーザ入力を受信するように構成されている、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項14】
前記複数のチャネルの各電力制限装置は、電流制限装置である、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項15】
前記複数のチャネルの少なくとも1つの電流制限装置は、
(a)電子ヒューズ、
(b)並列に配置された複数のPTCヒューズであって、各PTCヒューズは、前記コントローラに接続され、前記コントローラによって制御されるリレーと直列である、複数のPTCヒューズ、
(c)定電流制限回路、及び
(d)フォールドバック電流制限回路
のうちの1つを備える、請求項14に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの電流制限装置は、複数の抵抗値から選択可能な抵抗値を有する可変抵抗器に接続されている前記電子ヒューズを備え、
前記電子ヒューズは、前記抵抗器の前記抵抗値が前記電子ヒューズを作動させる前記電子ヒューズを流れる最大電流を設定するように構成され、
前記コントローラは、前記抵抗器の前記抵抗値を設定する制御信号を前記少なくとも1つの電流制限装置に送信するように構成されている、請求項15に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項17】
前記可変抵抗器は、デジタルポテンショメータである、請求項16に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項18】
前記可変抵抗器は、ラダー型デジタルポテンショメータ又はリレー型デジタルポテンショメータである、請求項16に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項19】
前記コントローラは、ユーザが前記ポートの電力クラスを設定しない場合に、前記複数のチャネルの各ポートの電力クラスをそれぞれのデフォルトの電力クラスに設定するように構成されている、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項20】
前記コントローラは、入力信号を、(a)前記データ端子から独立した有線又は無線接続、及び(b)前記APLフィールドスイッチの前記データ端子を介して前記入力信号を送信する接続のうちの少なくとも1つを介して受信するように構成されている、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続されたフィールドデバイスへのユーザ選択可能な動的電力割り当てを可能にする、産業用制御ネットワーク用のAPLフィールドスイッチであって、
各々が前記APLフィールドスイッチに電力を受信させるように構成された電力端子及びデータ端子であって、前記データ端子は、前記APLフィールドスイッチにデータを送信させ、且つそれからデータを送信させるように更に構成されている、電力端子及びデータ端子と、
各々がポート、及び前記ポートを前記電力端子及びデータ端子に接続するチャネル電力/データ線を備える複数のチャネルであって、前記複数のチャネルの各ポートは、2線式APLスパーに接続されるように構成され、前記APLスパーは、前記APLスパーを介して前記ポートをAPLフィールドデバイスに接続し、前記ポートは、複数の電力クラスのうちのデフォルトの電力クラスに関連付けられ、各チャネルの前記チャネル電力/データ線は、前記電力端子から前記チャネルポートに電力を送信し、前記チャネルポートと前記データ端子との間でデータを送信するように構成され、前記チャネル電力/データ線は、前記チャネルポートに接続され、前記電力端子から受信された電力を前記チャネルポートに送信するように構成された電力線セグメントを備える、複数のチャネルと、
前記電力線セグメントに配置されている調整可能な電力制限装置であって、前記電力制限装置は、複数の動作状態のそれぞれで選択的に動作することができ、前記電力制限装置が前記複数の動作状態のうちの1つの動作状態にある場合に、前記電力制限装置を介する電力のそれぞれの最大送信が、前記電力制限装置を作動させ、それによって、前記電力線セグメントを介する電力の送信を制限、低減、又は停止し、各動作状態は、異なる電力クラスに関連付けられている、電力制限装置と、
前記複数のチャネルの各チャネルの前記電力制限装置に接続されているコントローラであって、前記コントローラは、前記コントローラを動作させるための実行可能な非一時的コンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータソフトウェアプログラムを備え、前記コントローラは、前記複数のチャネルの選択されたポートの電力クラスを所望の電力クラスに設定するように前記コントローラに要求するユーザ入力を受信し、前記ユーザ入力に応答して、前記電力制限装置の動作状態を前記所望の電力クラスに関連付けられた動作状態に設定する制御信号を、前記選択されたポートに接続された前記電力制限装置への接続を介して発行するように構成され、それによって、ユーザは、前記産業用制御ネットワークのニーズを満たすために、各ポートの電力クラスを選択的に変更することができる、コントローラと
を備える、APLフィールドスイッチ。
【請求項2】
前記APLフィールドスイッチは、前記フィールドデバイスの前記ポートに合計最大電力を利用可能にさせることができ、前記コントローラは、電力クラスを変更することによって前記ポートに送信可能な最大電力が前記APLフィールドスイッチの利用可能な前記合計最大電力を超える可能性があると、前記ユーザ入力に応答して前記選択されたポートの電力クラスを変更しないように構成されている、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項3】
前記ユーザ入力は、前記APLフィールドスイッチの外部からアクセス可能なコンピュータ実装のユーザインターフェースから送信され
任意に、前記ユーザインターフェースは、前記APLフィールドスイッチから遠隔のサーバに任意に格納されているデータベースに動作可能に接続可能であり、前記ユーザインターフェースは、ユーザが前記複数のチャネルの前記ポート間で電力クラスを選択的に割り当てることを可能にするために、前記ユーザインターフェースによって必要とされる前記データベースにデータを格納し、且つそれからデータを取得するように構成され、
前記ユーザインターフェースは、前記APLフィールドスイッチの前記ポートに割り当てられた現在の電力クラスを表すデータをユーザに表示し、且つ前記ユーザに表示されたデータについて前記APLフィールドスイッチに問い合わせるように任意に構成されている、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項4】
前記ユーザインターフェースは、前記複数のチャネルの各ポート、及び前記複数のチャネルの各ポートの現在の電力クラスをリストし、前記コントローラへの前記ユーザ入力を生成するために前記複数のチャネルの選択されたポートの前記所望の電力クラスをユーザが設定することを可能にするグラフィカルユーザインターフェース(GUI)であり、
任意に、前記GUIは、前記コントローラソフトウェアによって生成され、或いは前記GUIは、前記コントローラソフトウェアとは別の実行可能な非一時的コンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェアによって生成される、請求項3に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項5】
前記コントローラは、前記複数のチャネルの各ポートの電力クラスを前記ポートの前記デフォルトの電力クラスに設定するように前記コントローラに要求するユーザ入力を受信し、前記ユーザ入力に応答して、各電力制限装置の動作状態を前記電力制限装置に取り付けられた前記ポートの前記デフォルトの電力クラスに関連付けられた動作状態に設定する制御信号を、前記ポートに接続された前記電力制限装置に発行するように構成され
任意に、前記ユーザインターフェースは、データベースに動作可能に接続可能であり、前記ユーザインターフェースは、ユーザが前記複数のチャネルの各ポートを前記ポートの前記デフォルトの電力クラスに設定するように前記コントローラに要求することを可能にするために、前記ユーザインターフェースによって必要とされる前記データベースにデータを格納し、且つそれからデータを取得するように構成されている、請求項に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項6】
前記APLフィールドスイッチは、前記APLフィールドスイッチが前記データ端子を介して給電される場合のポート電力クラス割り当ての第1のデフォルトのセットと、前記APLフィールドスイッチが前記電力端子を介して給電される場合の前記第1のセットとは異なるポート電力クラス割り当ての第2のデフォルトのセットとを含み、
前記コントローラは、前記APLフィールドスイッチが前記データ端子を介して給電されると、ポート電力クラスの前記第1のデフォルトのセットに従って前記複数のチャネルの前記ポートの電力クラスを設定し、前記コントローラが各ポートの電力クラスを前記ポートの前記デフォルトの電力クラスに設定するように前記コントローラに要求する前記ユーザ入力を受信する場合に、前記APLフィールドスイッチが前記電力端子を介して給電されると、ポート電力クラスの前記第2のデフォルトのセットに従って前記複数のチャネルの前記ポートの電力クラスを設定するように構成されている、請求項に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項7】
前記APLフィールドスイッチは、別のAPLフィールドスイッチに電力をカスケードすることができ、前記コントローラは、選択的に、前記APLフィールドスイッチが電力をカスケードすることを許可し、又は前記APLフィールドスイッチが電力をカスケードすることを許可しないユーザ入力を受信するように構成されている、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項8】
前記複数のチャネルの各電力制限装置は、電流制限装置である、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項9】
前記複数のチャネルの少なくとも1つの電流制限装置は、
(a)電子ヒューズ、
(b)並列に配置された複数のPTCヒューズであって、各PTCヒューズは、前記コントローラに接続され、前記コントローラによって制御されるリレーと直列である、複数のPTCヒューズ、
(c)定電流制限回路、及び
(d)フォールドバック電流制限回路
のうちの1つを備え
任意に、前記少なくとも1つの電流制限装置は、複数の抵抗値から選択可能な抵抗値を有する可変抵抗器に接続されている前記電子ヒューズを備え、前記可変抵抗器は、任意にデジタルポテンショメータであり、更に任意に、前記デジタルポテンショメータは、ラダー型デジタルポテンショメータ又はリレー型デジタルポテンショメータの何れかである、請求項に記載のAPLフィールドスイッチ。
【請求項10】
前記コントローラは、
(a)ユーザが前記ポートの電力クラスを設定しない場合に、前記複数のチャネルの各ポートの電力クラスをそれぞれのデフォルトの電力クラスに設定し、及び/又は
(b)入力信号を、(aa)前記データ端子から独立した有線又は無線接続、及び(bb)前記APLフィールドスイッチの前記データ端子を介して前記入力信号を送信する接続のうちの少なくとも1つを介して受信する
ように構成されている、請求項1に記載のAPLフィールドスイッチ。
【国際調査報告】