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特表2024-514041動的画像による表面装飾を有する化粧品
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  • 特表-動的画像による表面装飾を有する化粧品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】動的画像による表面装飾を有する化粧品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20240321BHJP
   A45D 33/18 20060101ALI20240321BHJP
   A45D 40/00 20060101ALI20240321BHJP
   A61Q 1/06 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
A61K8/02
A45D33/18 Z
A45D40/00 P
A61Q1/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023555152
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 IB2021055445
(87)【国際公開番号】W WO2022195339
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102021000006122
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516200323
【氏名又は名称】インテルコス エッセ.ピ.ア.
【氏名又は名称原語表記】INTERCOS S.p.A
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】ラッタンチ、ジウセッペ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンチュレリ、ジョヴァンニ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083CC13
4C083DD11
4C083DD17
4C083EE07
(57)【要約】
平坦なウエハやプレート、または口紅用の押出ロッド形状の粉末化粧品は、三角形断面を有する複数の突出した凸条(2、21)をその可視表面に備えた化粧品本体(1、20)を備える。各凸条(2)は、頂点(4、21)と、第1の画像(7、24)の一部で装飾された第1の傾斜側面(5、22)と、第2の画像(8、25)の一部で装飾された第2の傾斜側面(6、23)とを有する。各凸条(2)の第1の傾斜側面(5、22)のみが見えるように角度を付けた観察点(A)から前記化粧品本体(1、20)を観察すると、第1の画像(7、24)だけが視認可能となり、各凸条(2)の第2の傾斜側面(6、23)のみが見えるように角度を付けた観察点(B)から同じ化粧品本体(1、20)を観察すると、第2の画像(8、25)だけが視認可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三角形断面を有する凸条(2)を複数設けた視覚表面を有する化粧品本体(1、20)を備える化粧品において、
各凸条(2)は、頂点(4、21)と、第1の画像(7、24)の一部で装飾された第1の傾斜側面(5、22)と、第2の画像(8、25)の一部で装飾された第2の傾斜側面(6、23)とを有し、
各凸条(2)の前記第1の傾斜側面(5、22)のみが見えるように角度を付けた観察点(A)から前記化粧品本体(1、20)を観察すると、前記第1の画像(7、24)だけが視認可能となり、
各凸条(2)の前記第2の傾斜側面(6、23)のみが見えるように角度を付けた観察点(B)から同じ前記化粧品本体(1)を観察すると、前記第2の画像(8、25)だけが視認可能となることを特徴とする化粧品。
【請求項2】
三角形断面を有する各前記凸条(2)は、側面傾斜が40°~60°、底辺の幅が0.5mm~3.0mm、および、高さが0.2mm~1.5mmであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品。
【請求項3】
前記化粧品本体(1)が、三角形断面を有し表面に突出する凸条(2)を有するプレートまたはウエハであることを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧品。
【請求項4】
前記化粧品本体(1)が、多角形断面を有する口紅ロッド(20)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧品。
【請求項5】
前記三角形断面を有する凸条(2)が、前記ロッド(20)の角部(21)であり、
その傾斜側面(5、6)が、対向する部分から前記角部(21)に隣接する平坦面(22、23)であることを特徴とする、請求項4に記載の化粧品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動的効果を有する複数の画像で構成される表面装飾を有する化粧品に関し、動的効果という用語は、観察点の角度により切り替え可能な個々の画像を表示する能力を意味する。
【背景技術】
【0002】
化粧品は、圧縮、溶融、焼成された粉末から成るものであり、または、押出ロッド形状とすることもできる。
【0003】
現在の化粧品表面装飾技術は、その表面上に「静的」画像、すなわち、どの観察点からでも同一に見える画像の作成を可能としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、観察点の角度に応じて別々に見ることが可能な2つ以上の表面画像を生み出す、化粧品の表面を形成および装飾する技術を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、三角形断面を有する複数の突出した凸条をその可視表面に備えた本体を備え、各凸条は、上部頂点と、第1の画像の一部で装飾された第1の傾斜側面と、第2の画像の一部で装飾された第2の傾斜側面とを有する、圧縮、溶融・焼成、または、押し出しされた粉末から成る、または、口紅などのロッドスティック状に成形された、化粧品により達成される。
【発明の効果】
【0006】
化粧品の表面を、三角形断面を有する凸条で成形することにより、凸条のそれぞれの側面をその反対側の側面に気付くことなく見えるように角度を付けた2つの異なる観察点から同じ表面を観察することを可能とする。
【0007】
これにより、同じ化粧品を、2つの異なる観察点から別々に視認可能な2つの異なる画像で装飾することができ、いわゆる「レンチキュラー効果」が得られる。
凸条の側面の傾き、幅、高さは、「レンチキュラー」効果を適用したい化粧品によっても定まる比率規則に従う必要がある。具体的には、凸条の側面(または側壁)の傾きは40°~60°、底辺の幅は0.5mm~3.0mm、高さは0.2mm~1.5mmとする必要がある。
【0008】
本発明の特徴は、添付図面に示される例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明からよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る、平行な表面凸条と、二重像による装飾とを有する化粧品の平面図である。
図2図1の線II-IIに沿った断面図である。
図3図1および図2の化粧品本体の表面凸条の拡大斜視図である。
図4図2に示すような対向角度にある観察点から見た化粧品の装飾表面の図を示す。
図5図2に示すような対向角度にある別の観察点から見た化粧品の装飾表面の図を示す。
図6図1の化粧品を含む箱状パッケージの正面図を示す。
図7】本発明に係る化粧品を含むパッケージの別の例の正面図を示す。
図8】本発明の装飾的特徴を備えた口紅ロッドを含む口紅アプリケータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1および図2に示す化粧品は、圧縮、溶融焼成、または、押し出しされた化粧料粉末から成る、正方形のプレート状またはウエハ状の本体1を有し、本体1の上面は、図3に拡大して示すような、例えば平行な複数の凸条2を有するように成形されている。言うまでもなく、プレートの形状は、本発明の範囲に影響を与えることなく長方形、多角形、円形、楕円形、またはその他の所望の形状とすることができるため、完全にどの形状でもよい。
【0011】
図3に示すように、各凸条2は、幅Lの底辺3、高さHの上部頂点4、および、傾きαの傾斜側面5および6を有する三角形断面を有する。
【0012】
凸条2の幅L、高さHおよび傾きαは、使用される化粧品によっても定まる比率規則に準拠しなければならない。具体的には、傾きαは40°~60°、底辺の幅Lは0.5mm~3.0mm、高さHは0.2mm~1.5mmとする必要がある。
【0013】
図1に示すように、三角形の凸条2の側面5は第1の画像7の一部で装飾され、同じ三角形の凸条の側面6は第2の画像8の一部で装飾される。
【0014】
化粧品の表面の装飾は、化粧品の種類にも応じて様々な方法で得ることが出来る。例として以下の方法が挙げられる。
・インクジェット:化粧品用インクジェットプリンタによる4色印刷。
・スプレー+レーザー:真珠光沢のあるスプレーによる表面完全被覆とその後レーザーによる除去。
・彫刻型:型内の凸条の側面に画像を直接彫刻し、既知の除去技術(フライス加工、放電加工、写真彫刻など)によって明暗効果を創出する。この場合、視覚効果は、化粧品を形成する工程中に型の画像を製品に直接転写することにより創出される。
・レーザー:画像はレーザー技術によって直接彫刻される。
【0015】
いずれの方法を用いても、2つの側面5、6が傾斜しているため、それぞれ、表面の傾斜側面5、6のみが見えるように角度を付けた対向観察点A、B(図2)から化粧品本体1の上面を見ることにより、図4および図5にそれぞれ示すように、別々の様式で、点Aから画像7の全体を、点Bから画像8の全体を検知可能となる。
【0016】
その結果、図6に示すように、化粧品本体1を、鏡12を備えたヒンジ付きカバー11を備えた包装ケース9の箱状ベース10に、詳しくは、凸条2がカバー11の回転方向と平行になるように挿入することにより、カバーを開いた状態で、ベース10内の画像7と鏡12に反射された画像8とを別々に観察することが可能となる。
【0017】
同様に、ヒンジ付きカバー17と鏡18とを備えたケース16のベース15に挿入された化粧品14の表面に第1の可視画像13と、鏡18に反射された第2の画像19とを有する、図7のようなパッケージを得ることが可能である。
【0018】
また、化粧品の表面を、互いに平行ではなく、波状、または、集中または分散する凸条で成形することも可能であり、これにより、鏡を必ずしも使用せずに、単にプレートまたはウエハを右や左に回転するだけで、複数の画像が別々に見えるようできる。
【0019】
図1図5を参照して粉末化粧品について上述し、一例として図6および図7のパッケージに適用したものと同じ発明原理を、図8に符号20により示されるような、多角形断面を有する口紅ロッドを装飾するために使用することができる。この場合、本発明によって提供される三角形断面を有する凸条の頂点は、ロッド20の角部21で構成され、凸条の傾斜側面は、角部21の両側の平坦面22、23で構成される。異なる角度から見たそれぞれの画像は、符号24、25で示すものである。
【符号の説明】
【0020】
1、20 化粧品本体
2 凸条
4、21 頂点
7、24 第1の画像
5、22 第1の傾斜側面
8、25 第2の画像
6、23 第2の傾斜側面
20 ロッド
21 角部
22、23 平坦面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮、溶融焼成、または、押し出された粉末からなる化粧品(1、20)、または、口紅などのロッドスティック状に成形された化粧品(1、20)であり、三角形断面を有する凸条(2)を複数設けた視覚表面を有する化粧品(1、20)において、
各凸条(2)は、頂点(4、21)と、第1の画像(7、24)の一部で装飾された第1の傾斜側面(5、22)と、第2の画像(8、25)の一部で装飾された第2の傾斜側面(6、23)とを有し、
各凸条(2)の前記第1の傾斜側面(5、22)のみが見えるように角度を付けた観察点(A)から前記化粧品(1、20)を観察すると、前記第1の画像(7、24)だけが視認可能となり、
各凸条(2)の前記第2の傾斜側面(6、23)のみが見えるように角度を付けた観察点(B)から同じ前記化粧品(1、20)を観察すると、前記第2の画像(8、25)だけが視認可能となることを特徴とする化粧品。
【請求項2】
三角形断面を有する各前記凸条(2)は、側面傾斜が40°~60°、底辺の幅が0.5mm~3.0mm、および、高さが0.2mm~1.5mmであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品。
【請求項3】
前記化粧品(1、20)が、三角形断面を有し表面に突出する凸条(2)を有するプレートまたはウエハ(1)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧品。
【請求項4】
前記化粧品(1、20)が、多角形断面を有する口紅ロッド(20)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧品。
【請求項5】
前記三角形断面を有する凸条(2)が、前記ロッド(20)の角部(21)であり、
その傾斜側面(5、6)が、対向する部分から前記角部(21)に隣接する平坦面(22、23)であることを特徴とする、請求項4に記載の化粧品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動的効果を有する複数の画像で構成される表面装飾を有する化粧品に関し、動的効果という用語は、観察点の角度により切り替え可能な個々の画像を表示する能力を意味する。
【背景技術】
【0002】
化粧品は、圧縮、溶融、焼成された粉末から成るものであり、または、押出ロッド形状とすることもできる。
【0003】
現在の化粧品表面装飾技術は、その表面上に「静的」画像、すなわち、どの観察点からでも同一に見える画像の作成を可能としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、観察点の角度に応じて別々に見ることが可能な2つ以上の表面画像を生み出す、化粧品の表面を形成および装飾する技術を開発することである。
特開2005-313129号公報は、基材が複数の三角形断面を有し、突出する複数の凸条が備わった視覚表面を有するコンパクト容器のカバー体を開示している。各凸条は、頂点と、第一の色で装飾された第一の傾斜側面と、第二の色で装飾された第二の傾斜側面とを有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、三角形断面を有する複数の突出した凸条をその可視表面に備えた本体を備え、各凸条は、上部頂点と、第1の画像の一部で装飾された第1の傾斜側面と、第2の画像の一部で装飾された第2の傾斜側面とを有する、圧縮、溶融・焼成、または、押し出しされた粉末から成る、または、口紅などのロッドやスティック状に成形された、化粧品により達成される。
【発明の効果】
【0006】
化粧品の表面を、三角形断面を有する凸条で成形することにより、凸条のそれぞれの側面をその反対側の側面に気付くことなく見えるように角度を付けた2つの異なる観察点から同じ表面を観察することを可能とする。
【0007】
これにより、同じ化粧品を、2つの異なる観察点から別々に視認可能な2つの異なる画像で装飾することができ、いわゆる「レンチキュラー効果」が得られる。
凸条の側面の傾き、幅、高さは、「レンチキュラー」効果を適用したい化粧品によっても定まる比率規則に従う必要がある。具体的には、凸条の側面(または側壁)の傾きは40°~60°、底辺の幅は0.5mm~3.0mm、高さは0.2mm~1.5mmとする必要がある。
【0008】
本発明の特徴は、添付図面に示される例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明からよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る、平行な表面凸条と、二重像による装飾とを有する化粧品の平面図である。
図2図1の線II-IIに沿った断面図である。
図3図1および図2の化粧品本体の表面凸条の拡大斜視図である。
図4図2に示すような対向角度にある観察点から見た化粧品の装飾表面の図を示す。
図5図2に示すような対向角度にある別の観察点から見た化粧品の装飾表面の図を示す。
図6図1の化粧品を含む箱状パッケージの正面図を示す。
図7】本発明に係る化粧品を含むパッケージの別の例の正面図を示す。
図8】本発明の装飾的特徴を備えた口紅ロッドを含む口紅アプリケータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1および図2に示す化粧品は、圧縮、溶融焼成、または、押し出しされた化粧料粉末から成る、正方形のプレート状またはウエハ状の本体1を有し、本体1の上面は、図3に拡大して示すような、例えば平行な複数の凸条2を有するように成形されている。言うまでもなく、プレートの形状は、本発明の範囲に影響を与えることなく長方形、多角形、円形、楕円形、またはその他の所望の形状とすることができるため、完全にどの形状でもよい。
【0011】
図3に示すように、各凸条2は、幅Lの底辺3、高さHの上部頂点4、および、傾きαの傾斜側面5および6を有する三角形断面を有する。
【0012】
凸条2の幅L、高さHおよび傾きαは、使用される化粧品によっても定まる比率規則に準拠しなければならない。具体的には、傾きαは40°~60°、底辺の幅Lは0.5mm~3.0mm、高さHは0.2mm~1.5mmとする必要がある。
【0013】
図1に示すように、三角形の凸条2の側面5は第1の画像7の一部で装飾され、同じ三角形の凸条の側面6は第2の画像8の一部で装飾される。
【0014】
化粧品の表面の装飾は、化粧品の種類にも応じて様々な方法で得ることが出来る。例として以下の方法が挙げられる。
・インクジェット:化粧品用インクジェットプリンタによる4色印刷。
・スプレー+レーザー:真珠光沢のあるスプレーによる表面完全被覆とその後レーザーによる除去。
・彫刻型:型内の凸条の側面に画像を直接彫刻し、既知の除去技術(フライス加工、放電加工、写真彫刻など)によって明暗効果を創出する。この場合、視覚効果は、化粧品を形成する工程中に型の画像を製品に直接転写することにより創出される。
・レーザー:画像はレーザー技術によって直接彫刻される。
【0015】
いずれの方法を用いても、2つの側面5、6が傾斜しているため、それぞれ、表面の傾斜側面5、6のみが見えるように角度を付けた対向観察点A、B(図2)から化粧品本体1の上面を見ることにより、図4および図5にそれぞれ示すように、別々の様式で、点Aから画像7の全体を、点Bから画像8の全体を検知可能となる。
【0016】
その結果、図6に示すように、化粧品本体1を、鏡12を備えたヒンジ付きカバー11を備えた包装ケース9の箱状ベース10に、詳しくは、凸条2がカバー11の回転方向と平行になるように挿入することにより、カバーを開いた状態で、ベース10内の画像7と鏡12に反射された画像8とを別々に観察することが可能となる。
【0017】
同様に、ヒンジ付きカバー17と鏡18とを備えたケース16のベース15に挿入された化粧品14の表面に第1の可視画像13と、鏡18に反射された第2の画像19とを有する、図7のようなパッケージを得ることが可能である。
【0018】
また、化粧品の表面を、互いに平行ではなく、波状、または、集中または分散する凸条で成形することも可能であり、これにより、鏡を必ずしも使用せずに、単にプレートまたはウエハを右や左に回転するだけで、複数の画像が別々に見えるようできる。
【0019】
図1図5を参照して粉末化粧品について上述し、一例として図6および図7のパッケージに適用したものと同じ発明原理を、図8に符号20により示されるような、多角形断面を有する口紅ロッドを装飾するために使用することができる。この場合、本発明によって提供される三角形断面を有する凸条の頂点は、ロッド20の角部21で構成され、凸条の傾斜側面は、角部21の両側の平坦面22、23で構成される。異なる角度から見たそれぞれの画像は、符号24、25で示すものである。
【符号の説明】
【0020】
1、20 化粧品本体
2 凸条
4、21 頂点
7、24 第1の画像
5、22 第1の傾斜側面
8、25 第2の画像
6、23 第2の傾斜側面
20 ロッド
21 角部
22、23 平坦面
【国際調査報告】