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特表2024-514061張力係留式プラットフォームのための係留構成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】張力係留式プラットフォームのための係留構成
(51)【国際特許分類】
   B63B 21/50 20060101AFI20240321BHJP
   B63B 35/00 20200101ALI20240321BHJP
   B63B 77/10 20200101ALI20240321BHJP
【FI】
B63B21/50 A
B63B35/00 T
B63B77/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558778
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2022059277
(87)【国際公開番号】W WO2022214596
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】2104934.1
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514114529
【氏名又は名称】マリン パワー システムズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】フォスター グラハム
(72)【発明者】
【氏名】オマリー アレックス
(57)【要約】
浮揚性の張力係留式プラットフォームであって、プラットフォームは、水域において沈められるとき、再生可能エネルギー獲得装置を支持するように構成される。プラットフォームは、少なくとも3つの頂点又は横方向の広がりを含み、少なくとも3つの頂点又は横方向の広がりは、係留構成を有する。係留構成は、頂点又は横方向の広がりと水域の底に通じている第1固定点の間で延び、底に対して斜めに延びる第1係留索と、頂点又は横方向の広がりから第2固定点に延び、底に対して斜めに延びる第2係留索と、各々の対応する頂点又は横方向の広がりの係留構成が、平面上に位置決めされる三角形を画定するようになっていることを含む。本発明は、再生可能エネルギー獲得装置を沈めて支持するとき、そのようなプラットフォームの安定性の向上を提供することを目的としている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットフォームが水域内で沈められるときに、再生可能エネルギー獲得装置を支持するように構成された浮揚性の張力係留式プラットフォームであって、前記プラットフォームは、少なくとも3つの頂点又は横方向の広がりを有し、少なくとも3つの前記頂点又は横方向の広がりは、係留構成を有し、
前記係留構成は、前記頂点又は横方向の広がりと前記水域の底と連通する第1固定点との間で延びるとともに前記底に対して斜めに延びる第1係留索と、
前記頂点又は横方向の広がりから第2の前記固定点に延び、前記底に対して斜めに延びる第2係留索と、を含み、
対応する頂点又は横方向の広がりの各々の前記係留構成は、平面上に位置する三角形を画定するようになっている、
ことを特徴とするプラットフォーム。
【請求項2】
前記プラットフォームの各々の頂点又は横方向の広がりは、対応する前記係留構成を有する、請求項1に記載のプラットフォーム。
【請求項3】
前記係留構成の前記第1及び第2係留索は、前記海底に対して45°に位置決めされ、更に互いに対して90°に位置決めされる、請求項1又は2に記載のプラットフォーム。
【請求項4】
前記第1固定点及び前記第2固定点は、前記係留構成の中心軸から等距離に位置決めされ、前記中心軸は、前記係留構成の前記対応する頂点又は横方向の広がりから垂直に延びる、請求項1~3のいずれか1項に記載のプラットフォーム。
【請求項5】
前記係留構成によって形成される各々の前記三角形の前記面は、平行である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプラットフォーム。
【請求項6】
前記面は、最も一般的な波の方向及び/又は最も一般的な風の方向に対して垂直に向けられる、請求項5に記載のプラットフォーム。
【請求項7】
前記係留構成によって形成される各々の前記三角形の前記面は、別の前記三角形の面と交差する、請求項1~4のいずれか1項に記載のプラットフォーム。
【請求項8】
前記面は、交差角を形成するように交差し、前記プラットフォームの全ての前記交差角の合計が、およそ(n-2)×180°(nは、前記プラットフォームの前記頂点又は横方向の広がりの数である)と等しい、請求項7に記載のプラットフォーム。
【請求項9】
前記交差角は、同一である、請求項7又は8に記載のプラットフォーム。
【請求項10】
前記面は、前記プラットフォームの前記対応する頂点又は横方向の広がりに対して接面である、請求項7~9のいずれか1項に記載のプラットフォーム。
【請求項11】
各々の前記係留構成は、2つ以上の係留索を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のプラットフォーム。
【請求項12】
前記2つ以上の係留索の各々は、対応する前記固定点に固定され、各々の前記係留構成の前記固定点は、規則的な二次元形状の頂点を画定し、各々の固定点が、前記形状の中心から等距離にある、請求項11に記載のプラットフォーム。
【請求項13】
前記形状の前記中心は、前記形状を形成する前記係留構成の前記対応するプラットフォームの頂点又は横方向の広がりと垂直に整列する、請求項12に記載のプラットフォーム。
【請求項14】
前記係留索は、係留索材料を含み、前記係留索材料は、例えば鋼鉄チェーンなどの鎖、例えば鋼索などの金属ロープ、及び例えばナイロン及び/又はダイニーマロープなどの合成繊維ロープの群から選択される1つ又はそれ以上である、請求項1~13のいずれか1項に記載のプラットフォーム。
【請求項15】
前記プラットフォームは、各々の前記頂点又は横方向の広がりの上又はこれに隣接して位置決めされる浮揚性部材を更に含むこ、請求項1~14にいずれか1項に記載のプラットフォーム。
【請求項16】
前記浮揚性部材は、前記頂点又は横方向の広がりの調整可能な浮力を提供するように構成される、請求項15に記載のプラットフォーム。
【請求項17】
前記係留構成は、前記水域内の沈められる位置において前記プラットフォームを保持するように構成される、請求項1~16のいずれか1項に記載のプラットフォーム。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載のプラットフォームと共に使用するための係留構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォームに関し、特に、水域に沈められる間、再生可能エネルギー利用装置を支持するように構成される張力係留式プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
張力係留式プラットフォーム(TLP)は、浮揚性のプラットフォームが、張力をかけられた係留索によって拘束される海洋プラットフォーム及び係留構成の種類のものを参照する。係留索に対して垂直に作用する浮力は、係留設備が固定された点の上方でプラットフォームを安定させる。
【0003】
従来、TLPは垂直係留索を備え、この構成は、垂直(引き揚げ)方向における非常に良い剛性、したがって、安定制御を与えるが、係留索の長さによっては、水平(サージ)剛性、したがって、位置制御は、あまり好ましくない。
【0004】
位置安定性は、海洋プラットフォームに取り付けられる風力タービン及び波エネルギー変換装置のような、再生可能エネルギー利用装置にとって必須要件である。一般的に、そのような全ての機械は、性能を妥協するまたは損傷のリスクを負う前に、偏位運動、加速度、及び偏向のような運動要素に制限を有するであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえに、従来の垂直レイアウトに加えて、TLPの安定性を向上させる係留構成は、再生可能エネルギー装置又は他のシステムを取り付けるためのTLPの使用の実現可能性を増加させることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の開示は、上記プラットフォームのための浮揚性の張力係留式プラットフォーム(TLP)及び係留構成に向けられている。浮揚性のプラットフォームは、少なくとも3つの頂点又は横方向の広がりを有し、少なくとも3つの頂点又は横方向の広がりの各々は、係留構成を有する。係留構成は、プラットフォームが沈められる水域の底と共に、プラットフォームの各々の頂点又は横方向の広がりを三角形にするように構成される。そのような三角形分割は、プラットフォームに作用する波力の結果、横方向のオフセットに反応してプラットフォームの浮力の水没率が増加することにより、水中動作状態におけるプラットフォームの安定性を向上させることが判明した。それゆえに、プラットフォームの水平(サージ)剛性が、本発明の係留構成によって実質的に向上する。そのようなプラットフォームにおける安定性は、再生可能エネルギー利用装置の表面に作用する波力に対して向上された堅牢性、したがって、再生可能エネルギー獲得システムの向上された全体の寿命と共に、プラットフォームに取り付けられた再生可能エネルギー利用装置による再生可能エネルギーの連続した且つとぎれない獲得に対して有利であることが判明した。そのような向上された寿命は、そのようなシステムが遠く離れていること及びそのようなシステムに対して必要なメンテナンス及び修理を考慮するときの物流上の要件のため、特に有益であると判明した。
【0007】
本発明の開示の1つの態様によれば、プラットフォームが水域に沈められるときに、再生可能エネルギー獲得装置を支持するように構成された浮揚性の張力係留式プラットフォームが提供され、プラットフォームは、少なくとも3つの頂点又は横方向の広がりを有し、少なくとも3つの頂点又は横方向の広がりは、係留構成を有し、係留構成は、頂点又は横方向の広がりと水域の底と連通している第1固定点との間で延び且つ水域の底に対して斜めに延びる第1係留索と、頂点又は横方向の広がりから第2固定点に延び且つ水域の底に対して斜めに延びる第2係留索と、を含み、対応する頂点又は横方向の広がりの各々の係留構成が、平面上に位置する三角形を画定するようになっている。
【0008】
1つ以上の斜めの線を用いてTLPの各々の頂点又は横方向の広がりを三角形にすることにより、浮力の水没率が横方向のオフセットに反応して増加するにつれて、TLPの安定性は向上する。したがって、TLPの水平(サージ)剛性は、実質的に増加する。
【0009】
本発明の文脈の中で、「水域」という用語は、任意の適切な水域を意味することが当業者によって理解され、特に海又は海洋を対象としている。
【0010】
「頂点」という用語は、プラットフォームの周縁で形成された主要な「横方向の頂点」を意味し、頂点の数は、プラットフォームを表す主要な二次元断面形状、好ましくは正多角形、によって決定される。例えば、ほとんど三角形の形状を有するプラットフォームは、3つの頂点を有することが理解されるであろう。本開示は、任意の数の頂点を有するプラットフォームと共に使用するのに適切であることが理解されるであろう。3つ以上の頂点を有するプラットフォームにおいて、少なくとも3つの頂点は、上記のような係留構成を含むということが理解されるであろう。係留構成を有する頂点は、好ましくは、プラットフォームの周りで等間隔であり、プラットフォームの中心からおよそ等距離である、。本開示の文脈において、「横方向の広がり」という用語は、「頂点」という用語と互換性があるということが理解され、プラットフォームの外縁まわりに位置する或いはプラットフォームの中心に対して遠位に位置するプラットフォームの点又は領域を意味することを意図している。「頂点」又は「複数の頂点」という用語の本明細書のいずれの言及は、それぞれ「横方向の広がり」又は「複数の横方向の頂点」をその意味の範囲内に含むことが意図されている。そのような頂点又は横方向の広がりの例は、多角形上の主要な頂点又はプラットフォームの中心近くから離れて延びる細長い構造又は部材の端を含む。そのような細長い構造は、例えば、星形又は日輪型構成のように、プラットフォームの中心近くから半径方向外側に延びてもよい。最も好ましい実施形態において、プラットフォームの各々の頂点又は横方向の広がりは上記の係留構成を含む。
【0011】
第1及び第2の両方の係留索が水域の底に対して置かれる角度は同一であり、対応する頂点又は横方向の広がりの各々の係留構成は、平面上に位置する三角形を画定するようになっている。海底に対する頂点又は横方向の広がりのこの三角形分割は、TLPのサージ剛性に必要な向上を提供し、それによってプラットフォームの安定性の向上を提供する。
【0012】
いくつかの好ましい実施形態において、上記の係留構成の第1及び第2の係留索は、水域の底に対して45度に位置決めされていてもよい。この構成は、プラットフォームの安定性に特に有益な効果を有することが判明した。向上した安定性のために、上記の係留構成の第1及び第2の係留索を互いに対して90度で位置決めすることを含む、更なる好ましい構成が発見された。
【0013】
いくつかの好ましい実施形態において、第1固定点及び第2固定点は、係留構成の中心軸から等距離に位置決めされ、中心軸は、係留構成の対応する頂点又は横方向の広がりから垂直に延びる。多くの実施形態において、固定点は、プラットフォームが係留索により水域の底につなぎ留められる固定点であるということが理解されるであろう。
【0014】
特に好ましい実施形態において、係留構成によって形成された三角形の各々の面は平行である。平行な面は、好ましくは、最も一般的な波の方向及び/又は最も一般的な風の方向に対して垂直に方向づけられてもよい。一般的な波及び/又は風の方向に対して垂直に配置された面は、サージ力に対して驚くほどの堅牢性を提供するように特定される。多くの位置において、プラットフォーム及びその上に取り付けられる任意の再生可能エネルギー利用装置によって受ける支配的な風及び/又は波の方向を予想することが可能であってもよい。そのような実施形態における最適な安定性を提供するために、面を上記の方向に対して垂直に配置することが好ましい。そのような「最も一般的な」方向は、いくつかの実施形態において、上記の面の方向を知らせるために、配置の前に決定されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、係留構成によって形成された各々の三角形の面は、別の三角形の面と交差する。そのような実施形態における係留構成の面の交差する性質は、好ましくは複数の方向のサージに対する堅牢性を提供し、それゆれに経時的に変化する風及び/又は波の方向を有することが期待される位置に配置される実施形態には好ましい。いくつかの実施形態において、面は、交差角を形成するように交差してもよく、プラットフォームの全ての交差角の合計が、およそ(n-2)×180°(ここでnは、プラットフォームの頂点の数)と等しくなる。交差角が、プラットフォーム近くと交差する面の内角であるということは理解されるであろう。そのような実施形態において、交差角は、好ましくは同一である。例えば、3つの頂点を有する実施形態において、3つの頂点の係留構成によって形成される三角形の面は、それらが交差して、各々の交差がおよそ60°の等しい角度を形成するように位置決めされてもよい。交差するように構成された面を有するいくつかの実施形態において、面は、プラットフォームの対応する頂点に対する接面であってもよい。
【0016】
いくつかの好ましい実施形態において、各々の係留構成は、好ましくは2つ以上の係留索を含む。好ましいそのような実施形態において、2つ以上の係留索の各々は、対応する固定点に固定されてもよく、各々の係留構成の固定点は、規則的な二次元形状の頂点を画定し、各々の固定点は、形状の中心から等距離である。好ましい実施形態において、形状の中心は、形状を形成する係留構成の、対応するプラットフォームの頂点又は横方向の広がりと垂直方向に整列している。「対応するプラットフォームの頂点又は横方向の広がりと垂直方向に整列する」という用語は、本開示の文脈において、プラットフォームの頂点又は横方向の広がりの直下に位置決めされることを意味することが理解され、追加的に、頂点又は横方向の広がりの平面直下の面上で頂点又は横方向の広がりと水平に整列されることを指してもよい。
【0017】
好ましくは、係留索は、係留索材料を含み、係留索材料は、鎖、ロープの群から選択された1又はそれ以上である。係留索材料は、好ましくは、防錆である。材料が鎖である実施形態において、鎖は、鋼又は鋼を含む合金を含み或いはそれらで形成されてもよい。材料がロープである実施形態において、ロープは、例えば複数の金属ワイヤなどの金属で構成されてもよく、例えば、金属ワイヤは、鋼又は鋼を含む合金を含み或いはそれらで構成されてもよい。いくつかの実施形態において、ロープは、合成繊維ロープであってもよく、適切な合成物質の例は、ナイロン及びダイニーマであってもよい。実施形態は、係留索材料が、張力係留式プラットフォームを提供するために任意の適切な材料であることは理解されるであろう。
【0018】
プラットフォームは、好ましくは、各々の頂点又は横方向の広がりの上に或いはこれらに隣接して位置決めされた浮揚性部材を更に含む。浮揚性部材は、好ましくは対応する頂点又は横方向の広がりの浮力の中心を画定し、浮力の中心は、好ましくは対応する係留構成の中心軸上に位置決めされる。浮揚性部材は、いくつかの実施形態において、頂点又は横方向の広がりの調整可能な浮力を提供するように構成されてもよい。
【0019】
係留構成は、好ましくは水域内の沈められた位置において、プラットフォームを保持するように構成される。いくつかの実施形態において、プラットフォームは、沈められた位置において、水面より上に位置決めされた上部を含んでもよい。上部は再生可能エネルギー獲得装置を支持してもよい。
【0020】
本開示の更なる態様によれば、第1態様のプラットフォームと共に使用するための係留構成が提供される。
【0021】
本発明の1又はそれ以上の態様又は実施形態に組み込むために適切であるとして本明細書で説明された任意の特徴は、本開示の任意の且つ全ての態様にわたって一般化可能になることが意図されているということは理解されるであろう。
【0022】
本開示の実施形態が、例のみによって且つ添付の図面を参照してこれから説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】プラットフォームが3つの頂点を含み、水中作動構成における使用時のする、プラットフォームの上に取り付けられた風力タービンを有する本発明の第1態様によるプラットフォームと、平行に構成された面を有する第2態様の係留構成の斜視図を示す。
図1B図1Aの実施形態の平面図を示す。
図2】使用時に、交差する面を備えた係留構成を有する、図1Aのプラットフォームの代替的な実施形態の平面図を示す。
図3A】正方形のプラットフォームを構成する4つの頂点を有する図1Aのプラットフォームの更なる代替的な実施形態の斜視図を示す。
図3B】係留構成に関して、ひし形の方向を有する、図3Aのプラットフォームの代替的な実施形態の斜視図を示す。
図4】6角形のプラットフォームを構成する6つの頂点を有する図1Aのプラットフォームの更なる代替的な実施形態の斜視図を示す。
図5A】各々の係留構成が3つの係留索を有する、図1Aのプラットフォームの更なる代替的な実施形態の平面図を示す、。
図5B図5Aの実施形態の斜視図を示す。
図6A図5Aのプラットフォームの代替的な実施形態の平面図を示す。
図6B図6Aの実施形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1Aを参照すると、本開示の第1態様の浮揚性プラットフォームの実施形態100が記載され、使用時には、浮揚性プラットフォームは、張力係留式プラットフォーム(TLP)を構成する第2態様による係留構成によって水域の底に、水中作動構成でつなぎ留められる。示される実施形態例において、プラットフォーム102は、実質的な平坦な下部と、下部から延びるとともに水域の表面の上にとどまる上部であって、上部に取り付けられた風力タービン104を含む上部と、を含む。プラットフォームの下部は、一連の波エネルギー変換装置(WECs)を支持する。他の実施形態は、プラットフォームが、任意の適切な再生可能エネルギー獲得又は利用装置を支持するように構成された、任意の適切な浮揚性構造であることは理解されるであろう。
【0025】
図1Aの実施形態におけるプラットフォーム102は、3つの頂点106を有するほぼ三角形構造を形成する開金属枠組みを含む。各々の頂点106から水域(本例の場合、海又は海洋である)の底に向かって、第2態様の係留構成108が延びている。係留構成108は、第1固定点112で水域の底につなぎ留められた第1係留索110、及び第2固定点116で水域の底につなぎ留められた第2係留索114を含み、係留構成108は、それゆえに、実質的に垂直な面に位置決めされる三角形118を形成する。示される実施形態において、対応する頂点106の各々の係留構成108によって形成される三角形の形状は、図1Bの平面図において示されるように、平行な面内に位置決めされる。
【0026】
水域及び他の内外水源は、使用中、プラットフォーム102に多数の力及びモーメントをかけるであろう。例えば、持続する最適な再生可能エネルギー獲得が起こることができるように、且つ更にプラットフォーム102へのダメージ又は極端な例においては、プラットフォーム102の倒壊が起こらないように、使用中に安定しままであることは、プラットフォーム102にとって望ましい。係留索110、112の張力は、プラットフォーム102の3つの頂点が、相対的に固定された面において、プラットフォーム102に例えば波及び風による力及びモーメントがかかっている間に、水域の表面に対して実質的に平行なままでいることを可能にする。このようにして、係留構成108は、安定性をプラットフォーム102に提供する。
【0027】
示される例において、プラットフォーム102の各々の頂点106は、一対の浮力タンクを含む。それゆえに、タービン104を支持するプラットフォーム102に作用する下向きの引力に、浮力タンクよって提供されるプラットフォーム102の上向きの浮力が上回る。浮力タンクは、主たる正味で正の上向きの浮力をプラットフォーム102に提供する。示される例において、プラットフォーム102の各々の頂点106にとって、一対の浮力タンクの各々は、対応する頂点106の中心の垂直軸から等距離に位置決めされ、軸に頂点106の浮力の結合した中心を提供する。したがって、示される水中作動構成において、係留構成108の係留索110、114は、係留索上に作用する上向きの浮力によって張力を受け、それによって、張力係留式プラットフォーム(TLP)を提供する。
【0028】
示されるプラットフォーム102の水中作動構成において、第1係留索110及び第2係留索114は、同一の内角で水域の底に対して位置決めされ、示される実施形態例における内角は、45°である。第1係留索110及び第2係留索114は、示される実施形態例において90°の内角で互いに対して位置決めされる。実施形態例において、対応する頂点106で形成された三角形118の先端は、第1固定点112及び第2固定点116の間で水域の底に沿って通る三角形118の斜辺の中心点と垂直に整列して位置決めされる。したがって、固定点112、116は、対応する頂点106の中心の垂直軸から等距離にあり、示される実施形態において、固定点112、116を対応する頂点106の浮力の中心から等距離に配置する。
【0029】
実施形態における平行な面内の複数の頂点の係留構成108の位置決めは、図1Bの平面図で示されるように、実施形態100が配置される位置における主たる波の方向の情報を有して実行される。そのような情報は、例えば、配置の前に経時的に波の方向を測定することによって、突きとめられる。特に示される実施形態において、係留構成108の平行な面は、決定された主たる波の方向に対して垂直に向けられる。そのような配置は、好ましくは例えば、プラットフォーム102に作用する波によって引き起こされるサージ力に対する向上した安定性を提供する。実施形態は、係留構成108が、任意の方向に向けられるということは理解されるであろう。
【0030】
係留構成108の係留索110、114は、ロープ、鎖、又は他の適切な係留手段のような、任意の適切な係留索を含んでもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、例えば、浮力タンクへの気体又は流体を除去又は追加することによって、浮力タンクによって提供された浮力を監視し制御することが可能である。代替の浮力の方法が利用され、この浮力を提供するということは、理解されるであろう。
【0032】
次に、図2を見ると、図1Aのプラットフォーム102と実質的に同一であるプラットフォーム202を有する実施形態200が示され、実施形態200は、風力タービン204を支持する上部及び3つの頂点206を有する沈められた平坦な下部を有する。図2の頂点206は、頂点から延びる係留構成208を各々有し、図1Aの実施形態100と類似した方法で、各々が、水域の底に位置決めされた対応する固定点212,216に固定された第1係留索210及び第2係留索214を有する。図2の実施形態200において、各々の係留構成208の係留索210,214は、他の係留構成によって形成された各々の他の三角形の面と交差する面内で位置決めされる三角形を形成する。総称して、示される実施形態200の係留構成208の面は、実質的にプラットフォーム202の同一の形を構成し、プラットフォーム202と同心であるが、その側面は、プラットフォーム202の頂点206に対して接線方向に位置決めされるように、構成される。示される実施形態200における係留構成208の交差する面は、したがって、合計するとおよそ(n-2)×180°(ここで「n」は、プラットフォーム202の頂点206の数である)になる内角を交点において形成し、本場合は180°である。
【0033】
示される実施形態200の係留構成208の面の交差する性質は、好ましくは、図1Aで示される実施形態100より多くの数の方向においてプラットフォームの安定性を提供する。それゆえに、図2の実施形態200は、好ましくは、非常に変わりやすい波及び/又は風の方向を受ける地域に配置するのに適切であってもよい。
【0034】
示される実施形態200において、隣接した係留構成の係留索は、個々の固定点を有する。実施形態は、隣接した係留構成の係留索が、共通の固定点を共有することは理解されるであろう。
【0035】
第1態様によるTLPの付加的な実施形態300、302が、図3Aで示され、図1Aの実施形態100と実質的に同等であり、平行な面内に位置決めされた係留構成を有し、対応するプラットフォーム304は、3つではなく4つの頂点を有する。実施形態300、302は、実質的に同一であり、対応するプラットフォームの向きは、図3Aの実施形態300における正方形の構成、及び図3Bの実施形態302におけるひし形の構成を提供するように中心軸まわりに回転されている。
【0036】
六角形のプラットフォームを説明している更なる実施形態400が図4で示され、6つの頂点を有し、各々は対応する平行な係留構成を有する。
【0037】
図3A図3B、及び図4の実施形態と同等である実施形態は、係留構成が、図2の実施形態200と同様に、交差している面内で位置決めされることは理解されるであろう。
【0038】
図5A及び図5Bを参照すると、更なる実施形態500が、第1態様により提供される。示される実施形態500において、プラットフォーム502は、実質的に図1Aで示され且つ説明されるように提供されるが、プラットフォーム502の各々の3つの頂点506は、3つの係留索510を有する係留構成508を含む。各々の係留構成508の係留索510は、他の係留構成によって形成される三角形に平行な面内で三角形を構成するように協力し、更に他の係留構成によって形成される三角形と交差している。そのような構成は、多様な方向における特に向上されたサージ安定性を提供する。
【0039】
各々の係留構成508の3つの係留索510は、水域の底に対して且つ三角形の形状を描く固定点と共に、共通の内角を共有する。示される実施形態における各々の係留構成508の3つの係留索510の固定点によって形成される三角形の形状の中心点は、対応する頂点506と垂直に整列して並べられ、且つそこに固定される浮揚性部材によって提供される頂点506の浮力の中心と特に整列する。そのような構成は、浮力に反作用する最適な張力を提供し、その一方でプラットフォームの横方向オフセットの結果となってもよい追加のサージ力に対抗してプラットフォームを安定させている。
【0040】
更なる実施形態600が、図6A及び図6Bで説明され、図5A及び図5Bの実施形態500と実質的に等しく、類似の参照番号を使用するが、図5A及び図5Bに関して説明される実施形態と別の位置で位置決めされた、対応する係留構成の各々の係留索の固定点を有し、その一方で実質的に同一の利点を提供している。
【0041】
本実施形態は、頂点を有する多角形のプラットフォームに関して説明される。実施形態は、実質的に同一の効果が、任意の適切な形状によって得られることは理解され、例えばプラットフォームの中心又は中央部から離れて延びる複数の細長い構造を含むプラットフォームであって、半径方向又は放射状に、各々の細長い部材が、本明細書で説明されるように係留構成を含む横方向の広がりを構成する中心又は中央部に対して遠位の端部を有するプラットフォームなどである。係留構成は、例えば、プラットフォームの枠組上の静止点に直接固定される、或いはウィンチを使用して巻かれるように構成される、索などの任意の適切な構成によって提供されてもよいことは理解されるであろう。巻く種類は、例えば、配置の間に、且つ所望の深さにプラットフォームを沈めるために、索の長さの調整が望まれるところに使用されてもよい。所望の深さが時間と共に変化する例があり、例えば、海水位の上昇及び下降によるもの、又は嵐の間のような海面状態の変化の結果などである。そのような例において、調節可能な長さを有する係留構成が、望まれる。好ましいそのような実施形態において、係留索の長さの調整、したがってプラットフォームの潜水の深さは、プラットフォームに取り付けられた再生可能エネルギー獲得装置による再生可能エネルギーのいずれの獲得と無関係であってもよい。それゆえに、深さの調節は、再生可能エネルギー獲得装置の動作のいかなる中断を必要とすることなく実行されてもよく、かくして、エネルギー獲得を最適化する。これは、例えば、好ましくは、嵐の状態の間であってもよく、波によってプラットフォーム上に作用する横方向の力を減ずるために、広い海の状態が、プラットフォームの深さを減ずることを要求する間であるのがよいが、その間は、例えば、プラットフォーム上に取り付けられる風力タービン又は波エネルギー獲得装置による最大のエネルギー獲得の機会を提供する。
【0042】
いくつかの好ましい実施形態において、再生可能エネルギー獲得装置は、波エネルギー変換システム(WEC)、潮汐エネルギー変換システム、及び風エネルギー変換システムから選択される1つを含む。WECは、いくつかの実施形態において、任意の適切な型のWEC構造を含むことができ、例えば、ポイントアブソーバ、振動波サージアブソーバ、又は没水差圧アブソーバ、などである。いくつかの好ましい実施形態において、再生可能エネルギー獲得装置は、波エネルギー変換装置、潮汐エネルギー変換装置及び風力タービンから選択される1つを含む。潮汐エネルギー変換装置は、任意の適切な潮汐エネルギー変換装置を含んでもよく、例えば、水平軸タービン又は垂直軸タービンを有する潮力タービンであってもよい。風エネルギー変換装置は、任意の適切な風エネルギー変換装置であってもよく、例えば、風力タービンを含んでもよい。いくつかの好ましい実施形態において、再生可能エネルギー処理装置は、水素電解槽を含む。実施形態は、任意の適切な再生可能エネルギー処理装置が設けられ、再生可能エネルギー処理装置は、利用され且つ/或いは保存されたエネルギーから二次資源を生成するように構成されることは、理解されるであろう。水素生成を含む実施形態において、電力は、任意の再生可能エネルギー利用及び/又は変換装置によって生成されてもよく、任意の再生可能エネルギー利用及び/又は変換装置は、1つずつ又は組み合わせて、本発明に取り付けられ、固定され、上で支持され、或いは内部に収容され、水素を生成するために使用され得る。
【0043】
記載された例に関して示され且つ説明されるように、いくつかの好ましい実施形態において、プラットフォームは、下部及び1又はそれ以上の上部を含んでもよく、プラットフォームは、下部が水域の表面より下に位置決めされ且つ上部が水域の表面より上に位置決めされる、沈められる使用中構成を有している。使用中構成において、上部は、水域の表面より上で位置決めされたままであるように構成されてもよい。上部は、それゆえに、乾燥状態のために最適化された装置又はハウジングを含んでもよく、それゆえに、好ましくは使用中に水域の表面より上にとどまるということは理解されるであろう。ハウジングは、例えば、制御、作動又はメンテナンス装置を収納する室であってもよい。プラットフォームの上部は、いくつかの実施形態において、プラットフォーム上に取り付けられる風力タービンのような、再生可能エネルギー装置を含んでもよい。
【0044】
好ましい実施形態において、プラットフォームの頂点又は横方向の広がりの浮力の中心は、プラットフォームに平行な第1面上及びプラットフォームに垂直な第2面上の位置により画定されてもよく、係留点は、第1面、第2面の少なくとも1つにおいて、対応する浮揚性部材の浮力の中心の位置の近く又はその位置において位置決めされる。いくつかの好ましい実施形態において、少なくとも1つの係留部材は、係留索がそれぞれの頂点又は横方向の広がりと通じているそれぞれの係留点上に張力を加えるように構成され、張力は、第2面に平行な且つ第2面の近くの或いは同一平面上の面で作用する。係留点は、好ましくは浮力の中心において、プラットフォームの上に作用する浮力によって占有される面に平行な面内に張力を提供する。頂点又は横方向の広がりの係留構成によって係留点に加えられる張力は、それゆえに、好ましくは対応する浮揚性部材の浮力の中心に作用する浮力に反作用する。反作用力の平行及び近く、並びに好ましくは同一平面上の性質は、好ましくは最適な安定性を使用中のプラットフォームに提供する。
【0045】
好ましい実施形態において、少なくとも3つの頂点又は横方向の広がりは、プラットフォームの外端を形成する。頂点又は横方向の広がりを(対応する浮揚性部材と共に又は浮揚性部材なしに)プラットフォームの外端に位置決めすることは、好ましくは、係留構成に起因して使用中のプラットフォーム上の最適な安定性を与える。少なくとも3つの頂点又は横方向の広がりは、好ましくは、プラットフォームの面に平行な共通面内に位置決めされる。
【0046】
好ましい実施形態において、少なくとも3つの頂点又は横方向の広がりは、プラットフォームの中心軸から実質的に等距離にあり、且つプラットフォームの中心軸まわりに或いはそれを中心に実質的に等間隔である。
【0047】
本発明の範囲内の更なる実施形態は、上記で説明されていなかったということが考えられてもよく、例えば、本明細書で説明されるようにプラットフォーム上に再生可能エネルギー変換装置の任意の組み合わせが存在してもよい。1つの、複数の、又は全ての頂点又は横方向の広がりは、再生可能エネルギー変換装置を含んでもよい。プラットフォームは、浮揚性部材を含まない多数の非浮揚性の頂点又は横方向の広がりを含んでもよい。これらの非浮揚性の頂点又は横方向の広がりは、浮揚性の頂点又は横方向の広がりと同一の水平面内又はオフセット平面内で整列して並べられてもよい。これらの非浮揚性の頂点又は横方向の広がりは、再生可能エネルギー変換装置を含んでもよい。プラットフォームは、単一の本体部品を含んでもよく、多数の部品の組み立て形態であってもよい。本発明は、説明された特定の例又は構造に限定されない。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
【国際調査報告】