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特表2024-514065複合構造を形成するためのマンドレルを形成する方法、複合構造を形成する方法、および関連の工具
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  • 特表-複合構造を形成するためのマンドレルを形成する方法、複合構造を形成する方法、および関連の工具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】複合構造を形成するためのマンドレルを形成する方法、複合構造を形成する方法、および関連の工具
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/46 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
B29C70/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558890
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 US2022023051
(87)【国際公開番号】W WO2022212843
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/169,662
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520128820
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア,ベンジャミン・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ケチャム,ジェイコブ・エム
(72)【発明者】
【氏名】ヌーダ,ジャレド・エス
(72)【発明者】
【氏名】マドセン,カール・ビー
(72)【発明者】
【氏名】マチャク,デビッド・アール
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AD16
4F205AG07
4F205AJ08
4F205HA02
4F205HA23
4F205HA37
4F205HB01
4F205HC02
4F205HK31
4F205HL02
4F205HT22
(57)【要約】
複合構造を形成するための工具は、ポリマー材料から形成された形成された2つ以上のセグメント(102、104)を有することができる。工具は、2つ以上のセグメントの間に配設されたクラッシュインサート(106)をさらに有することができる。工具は、2つ以上のセグメントの間に連結された支持シャフトも有することができる。マンドレルを形成する方法は、付加製造プロセスを通じてマンドレルのセグメントを形成することを含むことができる。本方法は、セグメントを互い対して組み立てることをさらに含むことができる。本方法は、セグメントの各々の間にクラッシュインサートを配置することをさらに含むことができる。複合構造を作製する方法も開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合構造を形成するためのマンドレルを形成するための方法であって、
付加製造プロセスを通じて前記マンドレルのセグメントを形成するステップと、
前記セグメントを互いに対して組み立てるステップと、
隣り合うセグメントの間にクラッシュインサートを配置するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
ポリマー材料から前記セグメントを形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記付加製造プロセスが、溶融フィラメント製造プロセスまたは大規模付加製造プロセスのうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マンドレルの前記セグメントを組み立てるステップが、前記マンドレルの前記セグメントを支持シャフトに固定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マンドレルの前記セグメントを前記支持シャフトに固定するステップが、相補的な位置合わせ構造部を介して前記マンドレルの前記セグメントを前記支持シャフトに固定するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
付加製造プロセスを通じて前記クラッシュインサートを形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複合材硬化プロセス中に、前記マンドレルの前記セグメントの熱膨張によって加えられる荷重で変形するように構成されるかまたは配合されるかの少なくともいずれかである材料の前記クラッシュインサートを形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも2つのウェッジセグメントおよび少なくとも1つの接続セグメントを備えるように前記マンドレルの前記セグメントを構成するステップをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記セグメントを互いに対して組み立てるステップが、前記少なくとも2つのウェッジセグメントを支持シャフトに固定するステップと、前記少なくとも1つの接続セグメントを前記少なくとも2つのウェッジセグメントの間に配置するステップとを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも2つのウェッジセグメントが、前記少なくとも1つの接続セグメントが前記マンドレルの軸から径方向に移動して離れることを実質的に防止するように構成され、前記支持シャフトが、前記少なくとも1つの接続セグメントが前記マンドレルの前記軸に向かって径方向に移動することを実質的に防止するように構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
複合構造を形成するための工具であって、前記工具が、
ポリマー材料から形成された2つ以上のセグメントと、
前記2つ以上のセグメントの間に配設されたクラッシュインサートと、
前記2つ以上のセグメントの間に連結された支持シャフトと
を備える、工具。
【請求項12】
前記クラッシュインサートが、硬化プロセス中に複合構造の熱膨張によって加えられる荷重で変形するように構成される、請求項11に記載の工具。
【請求項13】
前記クラッシュインサートが、アルミニウムハニカムを備える、請求項11に記載の工具。
【請求項14】
前記2つ以上のセグメントが、ウェッジセグメント、直線セグメント、またはこれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の工具。
【請求項15】
前記2つ以上のセグメントが、ポリエーテルイミド材料から形成される、請求項11から14のいずれか一項に記載の工具。
【請求項16】
複合構造を作製する方法であって、前記方法が、
マンドレルを組み立てるステップであって、
付加製造プロセスを通じて前記マンドレルのセグメントを形成するステップ、
前記セグメントを互いに対して組み立てるステップ、
前記セグメントの各々の間にクラッシュインサートを配置するステップ、および、
前記セグメントを支持シャフトに連結するステップ、
を含む、マンドレルを組み立てるステップと、
前記支持シャフトを巻き付け機械に連結するステップと、
前記複合構造を形成するために複合繊維を前記マンドレルの周りに巻き付けるステップと、
前記複合構造を加熱するステップと、
前記マンドレルを前記複合構造から分離するステップと
を含む、方法。
【請求項17】
前記マンドレルを前記複合構造から分離するステップが、前記マンドレルの前記セグメントを分解するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複合構造を加熱するときに、前記マンドレルの前記セグメントの熱膨張を吸収するために変形するように構成されたクラッシュインサートを使用するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記マンドレルの前記セグメントが、少なくとも2つのウェッジセグメント、および、少なくとも1つの接続セグメントを備え、前記セグメントを互いに対して組み立てるステップが、前記少なくとも2つのウェッジセグメントの間に前記少なくとも1つの接続セグメントを配置するステップを含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記マンドレルを前記複合構造から分離するステップが、前記少なくとも2つのウェッジセグメントを取り外す前に、前記少なくとも2つのウェッジセグメントの間から前記少なくとも1つの接続セグメントを取り外すステップを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、本参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている、2021年4月1日に出願された米国仮特許出願第63/169,662号の利益を、米国特許法第119(e)条の下で主張するものである。
【0002】
本開示の実施形態は、一般に、複合構造を形成する方法に関する。特に、本開示の実施形態は、複合構造を形成する方法、ならびに、関連付けられたツールおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
複合構造を形成するときに、絶縁ゴムおよび複合材料の層を組み立てるのに硬表面マンドレル(hard surfaced mandrel)が使用され得る。マンドレルは、巻き付け(winding)プロセス中に、絶縁体、複合膜材料、およびスカート材料を支持することができ、巻き付けプロセスでは、複合材を形成することになる繊維のフィラメントが、絶縁体、複合膜材料、スカート材料、およびマンドレルの周りに巻き付けられる。マンドレルは、ゴムおよび複合材料の硬化中に剛性も維持する。硬化プロセス中に、ゴムおよび複合材料が固まるにつれて、熱および圧力が複合構造およびマンドレルに与えられる。硬化後、マンドレルは複合構造から取り外され、マンドレルが配置されていた箇所に空洞が残される。したがって、マンドレルは、内側のゴムまたは複合材料を一切損傷させたりまたは変形させたりすることなくマンドレルが取り外されるのを可能にするような手法で形成されるべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態は、複合構造を形成するためのマンドレルを形成する方法を含むことができる。本方法は、付加製造プロセスを通じてマンドレルのセグメントを形成することを含むことができる。本方法は、セグメントを互いに対して組み立てることをさらに含むことができる。本方法は、隣り合うセグメントの間にクラッシュインサート(crush insert)を配置することをさらに含むことができる。
【0005】
本開示の別の実施形態は、複合構造を形成するための工具を含むことができる。工具は、ポリマー材料から形成された形成された2つ以上のセグメントを有することができる。工具は、2つ以上のセグメントの間に配設されたクラッシュインサートをさらに有することができる。工具は、2つ以上のセグメントの間に連結された支持シャフトをさらに有することができる。
【0006】
本開示の別の実施形態は、複合構造を作製する方法を含むことができる。本方法は、マンドレルを組み立てることを含むことができる。マンドレルを組み立てることは、付加製造プロセスを通じてマンドレルのセグメントを形成することを含むことができる。マンドレルを組み立てることは、セグメントを互いに対して組み立てることをさらに含むことができる。マンドレルを組み立てることは、セグメントの各々の間にクラッシュインサートを配置することをさらに含むことができる。マンドレルを組み立てることは、セグメントを支持シャフトに連結することをさらに含むことができる。複合構造を作製する方法は、支持シャフトを巻き付け機械に連結することをさらに含むことができる。本方法は、複合構造を形成するために複合繊維をマンドレルの周りに巻き付けることをさらに含むことができる。本方法は、複合構造を加熱することをさらに含むことができる。本方法は、マンドレルを複合構造から分離することをさらに含むことができる。
【0007】
本明細書は、本開示の実施形態を詳細に指示し、かつ、明確に特許請求する特許請求の範囲により終結するが、本開示の実施形態の利点は、添付図面と併せて読めば、本開示の実施形態の以下の説明から、より容易に確認され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態によるマンドレルの斜視図である。
図2】本開示の実施形態によるマンドレル組立体の斜視図である。
図3】本開示の実施形態によるクラッシュインサートの側面図である。
図4図1および図2に示される実施形態のマンドレルの上に複合構造を形成するための加工処置を示す図である。
図5図1および図2に示される実施形態のマンドレルの上に複合構造を形成するための加工処置を示す図である。
図6図1および図2に示される実施形態のマンドレルの上に複合構造を形成するための加工処置を示す図である。
図7図1および図2に示される実施形態のマンドレルの上に複合構造を形成するための加工処置を示す図である。
図8図1および図2に示される実施形態のマンドレルの上に複合構造を形成するための加工処置を示す図である。
図9図4図8に示される加工処置で形成された複合構造からマンドレルを取り外すための加工処置を示す図である。
図10図4図8に示される加工処置で形成された複合構造からマンドレルを取り外すための加工処置を示す図である。
図11図4図8に示される加工処置で形成された複合構造からマンドレルを取り外すための加工処置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に提示される説明図は、複合構造または複合構造の構成要素を作製するための任意の具体的な工具の実際の図であることを意図されず、例示の実施形態を説明するために採用される単に理想的な表現である。図面は必ずしも正確な縮尺ではない。
【0010】
本明細書で使用される場合、所与のパラメータを参照するときの「実質的に」という用語は、所与のパラメータ、特性、または条件が許容可能である製造公差の範囲内などの小さい変化量に適合することを当業者が理解することになるような程度を意味して、このような程度を含む、ものである。例えば、実質的に適合するというパラメータは、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、またはさらには少なくとも約100%で、適合することができる。
【0011】
本明細書で使用される場合の、「第1の」、「第2の」、「頂部」、「底部」などの、関係語は、概して、本開示および添付図面を理解する際の明瞭さおよび便益さのために使用されるものであり、文脈により他の意味で明確に示されない限り、任意特定の優先傾向、向き、もしくは順序を含意したりまたはそれらに依存したりするものではない。
【0012】
本明細書で使用される場合の「および/または」という用語は、関連の列記されるアイテムのうちの1つまたは複数のアイテムの任意のおよびすべての組み合わせを意味するものであり、また、含むものである。
【0013】
本明細書で使用される場合の「垂直方向」および「横方向」という用語は図に描かれる向きを意味する。
圧力容器、ロケットエンジンなどの、大型の中空複合構造が、複合構造内に中空空洞を画定するために硬表面マンドレルの上に形成され得る。硬表面マンドレルが、絶縁ゴムおよび複合材料の層を組み立てて所望の形状にするのに使用され得る。マンドレルは、巻き付けプロセス中に、絶縁体、複合膜材料、およびスカート材料を支持することなどの、多くの機能を果たすことができる。マンドレルがさらに、絶縁ゴムおよび複合材料の硬化中に剛性を維持する。硬化プロセス中に絶縁ゴムおよび複合材料が固まるとき、熱および圧力がマンドレルに与えられる(例えば、適用される)。硬化後、マンドレルは、得られた複合構造から取り外される。したがって、マンドレルは、内側の絶縁ゴムまたは複合材料を一切有意に損傷させたりまたは変形させたりすることなくマンドレルが取り外されるのを可能にする手法で形成されるべきである。硬化プロセス中のマンドレルの熱膨張は、複合構造の内側形状を決定し得る1つのファクタである。通常、マンドレルには、硬くて低い熱膨張性(thermal expansion)を有する材料が望ましい。その理由は、このような材料が荷重で予測可能な特性を呈するからである。
【0014】
マンドレルは、鋼鉄などの金属材料から形成され得る。鋼鉄は、高い強度、高いスティフネス、および低い熱膨張性を提供する。また、鋼鉄は頑丈であり、他の材料と比較して摩耗を受けにくい。しかし、鋼鉄のマンドレルは重い可能性があり、生産において高価である可能性がある。いくかの例では、鋼鉄のマンドレルは、設計、調達、および実装するのに、数年とはいわないまでも、数か月を要する可能性がある。さらに、鋼鉄のマンドレルは、複雑な組み立ておよび取り外しプロセスを有する可能性がある。
【0015】
マンドレルを形成するのに使用され得る別の材料は、焼き石膏などの、石膏である。石膏は、硬化時、剛体となることができ、低熱膨張性を有することができる。石膏材料は安価となり得、入手することが比較的容易となり得る。しかし、石膏は、支持のための堅固な骨組み構造を必要とする。この骨組み構造は、鋼鉄などの金属材料から形成され得る。骨組み構造は、巻き付けおよび硬化中に石膏が割れるのを防止するように設計され得る。石膏からマンドレルを形成することは、石膏を骨組み構造に加えるのに有意な時間量を必要とする可能性がある。さらに、石膏は脆弱である可能性があり、容易に損傷する可能性もあり、それによりマンドレルが損傷して追加の損失および費用が発生する可能性がある。下にある骨組み構造の上に石膏を加えることは数週間を要する可能性もある。巻き付けおよび硬化の後、水により石膏を軟化させるのを可能にして複合構造の内部から石膏を削り取ることにより、石膏が複合構造から取り外され得る。
【0016】
マンドレルを作製するのにケイ砂も使用され得る。ケイ砂は、所望の形状のケイ砂を形成するように、外側モールド(outer mold)内で形成され得る。ケイ砂が硬くなった後、ケイ砂がモールドから取り外され得、巻き付けに備えて加工処理され得る。石膏と同様に、ケイ砂のマンドレルは脆弱である可能性があり、容易に損傷する可能性もある。したがって、巻き付け中にケイ砂を割ってしまわないように注意しなければならない。巻き付けおよび硬化の後、水を使用して複合構造の内部からケイ砂が洗い落とされる。
【0017】
容易に組み立てられたりかつ分解されたりされ得る低コストで堅固である剛体材料から再使用可能マンドレルを形成することにより、圧力容器、ロケットエンジンなどの、複合構造を形成するコストを低減することができる。さらに、短期間で調達され得る再使用可能マンドレルは、マンドレルに変更を施すのに過大なリードタイムおよび費用を必要とせずに設計変更が実施および/または試験するのを可能にすることにより、革新性を促進することができる。
【0018】
図1は、本開示の実施形態によるマンドレル100の実施形態を示している。マンドレル100は、ウェッジセグメント102および接続セグメント104などの、複数のセグメントから形成され得る。ウェッジセグメント102および/または接続セグメント104は、金属材料またはポリマー材料などの、剛体材料から形成され得る。ウェッジセグメント102が概略楔形状の断面を有することができ、接続セグメント104が2つの隣り合うウェッジセグメント102の間に配設され得る。
【0019】
セグメント102、104の材料は、関連付けられた複合構造の複合材料の硬化温度で安定するように(例えば、可撓性とならずに剛体となるように)構成され得る。例えば、材料は、約93.3℃(200°F)から約204.4℃(400°F)の間の温度で安定することができる(例えば、約140.6℃(285°F)から約160℃(320°F)の間、など)。
【0020】
セグメント102、104は、溶融フィラメント製造(FFF:fused filament fabrication)、大規模付加製造(LSAM:large scale additive manufacturing)、光造形法(SLA:stereolithography)、デジタルライト処理(DLP:digital light processing)、マルチジェットフュージョン(MJF:multijet fusion)、ポリジェット、選択的レーザー焼結(SLS:selective laser sintering)、直接堆積モデリング(DDM:direct deposition modeling)、直接金属レーザー焼結(DMLS:direct metal laser sintering)、連続炭素繊維法、または電子ビーム溶解(EBM:electron beam melting)などの、付加製造プロセス(例えば、3D印刷)を通して形成され得る。付加製造プロセスの種類は、関連付けられたセグメント102、104のサイズに基づいて選定され得る。例えば、いくつかの付加製造プロセスはより安価となり得、より小さい部品を生産するのに効果的となり得、対してより高価な付加製造プロセスはより大きい部品を生産するのにより効果的となり得る。いくつかの事例では、安価なプロセスがいくつかのセグメント102、104のために使用され得、高価なプロセスが、安価なプロセスによって形成するには大き過ぎるセグメント102、104のために使用され得る。いくつかの事例では、セグメント102、104のサイズおよび構造は、所望の付加製造プロセスに基づいて決定され得る。例えば、マンドレル100は、安価な付加製造プロセスを通じてセグメント102、104を形成するのを支援するために、より多数の比較的小さいセグメント102、104から形成され得る。他の事例では、マンドレル100は、マンドレル100の組立および分解において時間を節約するために、より少数の比較的大きいセグメント102、104から形成され得る。いくつかの実施形態では、セグメント102、104を形成するのに使用される材料の種類が付加製造プロセスの種類を決定することができる。
【0021】
いくつかの事例では、セグメント102、104は、所望の形状のセグメント102、104を形成するために材料の個別の層を互いの上に融着させることにより、形成され得る。セグメント102、104を層として形成することは、関連付けられたセグメント102、104の中にある支持リブなどの内部構造をカスタマイズすることを支援することができる。したがって、内部支持構造は各セグメント102、104の領域(レイアップ(layup)プロセスおよび硬化プロセス中に最も大きい荷重の位置がこの領域になる可能性がある)を支持するように構築され得る。これによりさらに、関連付けられたセグメント102、104内に空隙を形成することを支援することができ、それにより関連付けられたセグメント102、104の重量および材料コストを低減することができる。表面仕上げは層の厚さに関連付けられる可能性がある。例えば、より薄い層を形成することにより、より滑らかな表面仕上げになる可能性があり、対してより厚い層を形成することにより、より粗い表面仕上げになる可能性がある。同様に、所望の厚さに達するために利用される通過回数の違いを理由として、各々のセグメント102、104を形成するための時間量も個別の層の厚さに関係する可能性がある。例えば、個別の層をより薄くするように、関連付けられたセグメント102、104を所望の厚さに形成することは、個別の層をより厚くするように同じセグメント102、104を所望の厚さに形成する場合よりも多くの時間量を要する可能性がある。層の厚さが増大すると、個別のセグメント102、104のより複雑な構造部の中実度(definition)が低下する可能性がある。いくつかの事例では、粗い表面仕上げ、および/または、中実度の不足する複雑な構造部は、機械加工、サンディング、研磨などのプロセスを通じて修正され得る。
【0022】
セグメント102、104は、ポリエーテルイミド材料(例えば、ULTEM(登録商標)1010、およびULTEM(登録商標)9085)、ガラス充填ULTEM(登録商標)(例えば、30%ガラス充填ULTEM(登録商標))、炭素充填ULTEM(登録商標)(例えば、30%炭素充填ULTEM(登録商標))などの、ポリマー材料から形成され得る。ポリマー材料は、約160℃(320°F)を超える硬化温度に耐えるように構成され得る。ポリマー材料は、鋼鉄、石膏、またはケイ砂の熱膨張係数(CTE:coefficient of thermal expansion)より有意に高い熱膨張係数を有する可能性がある。ポリマー材料から形成されたセグメント102、104の膨張を考慮して、セグメント102とセグメント104との間の接合部106は、図3に関連して後でより詳細に説明されるクラッシュインサート300を有することができる。クラッシュインサート300は、マンドレル100の同じ外側形状を実質的に維持しながらセグメント102、104が膨張するのを可能にすることができる。クラッシュインサート300はセグメント102とセグメント104との間の接合部106内に固定され得る。例えば、クラッシュインサート300は、接合セグメント102、104とクラッシュインサート300との間の摩擦干渉(frictional interference)によって固定され得る。いくつかの事例では、クラッシュインサート300は、接着剤、エポキシ、またはテープ、などの接着性物質によって固定され得る。いくつかの実施形態では、セグメント102、104は、マンドレル100の組み立て中にクラッシュインサート300を捕捉して保持するように構成された保持形状を有することができる。いくつかの実施形態では、クラッシュインサート300は、後でより詳細に説明されるように、関連付けられたセグメント102、104の上に直接に形成され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、複雑な細部は、1回使用の材料などの取り外し可能な材料を用いて、セグメント102、104の上に形成され得る。例えば、可溶性ポリマー(例えば、水溶性ポリマーまたは弱酸可溶性ポリマー(mild acid soluble polymer))は、関連付けられたセグメント102、104の外側表面の上に複雑な細部を形成するのに使用され得る。次いで、複合材料は、可溶性ポリマーから形成された複雑な細部を有する関連付けられたマンドレルの上に形成され得る。複合材料が可溶性ポリマーの輪郭に適合することができる。複合材料が硬化した後、可溶性ポリマーを溶解させるように構成された溶液は、複合材料内に形成される適合する輪郭を残すように可溶性ポリマーを溶解させるためにマンドレルと複合材料との間に配設され得る。
【0024】
マンドレル100は、マンドレル100の中央部分を通るように画定された孔108を有することができる。孔108は、セグメント102、104を互いに対して固定するのに、および/または、セグメント102、104を、巻き付け機械、ワインディングジク(winding jig)などの、巻き付け工具に対してマンドレル100を固定するのに、使用され得る支持シャフト202(図2)にマンドレル100を連結するように構成され得る。孔108は、キー溝、チャンネル、突起部などの、1つまたは複数の位置合わせ構造部110を有することができる。
【0025】
図2は、孔108の中に配設された支持シャフト202を備えるマンドレル100の実施形態の分解図を示している。支持シャフト202は、金属材料(例えば、鋼鉄)などの、低CTEを有する剛体材料から形成され得る。
【0026】
支持シャフト202は、複数の多様なマンドレル100にインターフェース接続されるように構成され得る。例えば、多様なサイズおよび/または形状を有する複数の多様なマンドレル100のセグメント102、104は、同じ支持シャフト202を受けるように構成された、実質的に同様の孔108および位置合わせ構造部110を有することができる。結果として、マンドレル100のデザインを変更するのに新しい支持シャフト202を入手することが必要ない可能性がある。
【0027】
支持シャフト202が相補的な位置合わせ構造部204を有することができ、相補的な位置合わせ構造部204は、孔108内の位置合わせ構造部110にインターフェース接続されるように(例えば、中に挿入される、受ける、インターロックされる、など)構成され得る(例えば、サイズ決めおよび成形され得る)。相補的な位置合わせ構造部204は、回転方向および径方向の両方においてセグメント102、104を固定するように構成され得る。言い換えると、セグメント102、104を用いて組み立てられるとき、相補的な位置合わせ構造204は、支持シャフト202に対してのセグメント102、104の回転方向および径方向の移動を少なくとも実質的に防止することができる。例えば、相補的な位置合わせ構造部204が関連付けられたセグメント102、104を径方向において支持シャフト202に固定することができ、その結果、固定されたセグメント102、104は、干渉、摩擦、または接合部106内にある相補的な形状などによる、接合部106での接触を介して、隣り合うセグメント102、104を固定することができる。相補的な位置合わせ構造部204がさらに、回転方向においてセグメント102、104を固定することができ、その結果、支持シャフト202が回転する場合でもマンドレル100が支持シャフト202と共に回転することになる。
【0028】
支持シャフト202および相補的な位置合わせ構造部204が位置合わせ支持体206に固定され得る。例えば、棒、だぼなどの、相補的な位置合わせ構造部204は、支持シャフト202から分離していてもよい。位置合わせ支持体206は、相補的な位置合わせ構造部204を受けて相補的な位置合わせ構造部204を互いに対して円周方向において位置決めするように構成された凹部を有することができる。位置合わせ支持体206は、位置合わせ支持体206を支持シャフト202に固定するように構成された構造部をさらに有することができる。例えば、位置合わせ支持体206および支持シャフト202は、ピン、ねじ、ボルト、スタッドなどの、金属製品を受けるように構成された位置合わせ穴を有することができる。
【0029】
ボス208は、ボス支持体210を通してマンドレル100に連結され得る。ボス支持体210は、ねじ、ボルトなどの、複数の金属製品接続具、または、ボルト、ねじ、もしくはスタッドなどの、金属製品を受けるように構成された孔を有することができる。ボス208は、セグメント102、104と同様の付加製造プロセスを通じて形成され得る。
【0030】
支持シャフト202が駆動シャフト212に連結され得る。駆動シャフト212が巻き付け工具(図示せず)に連結され得る。巻き付け工具は、巻き付けプロセス中に駆動シャフト212を介してマンドレル100の環状位置または回転位置などの位置を制御することができる。例えば、巻き付け工具は、駆動シャフト212と共に支持シャフト202を回転させることができる。支持シャフト202の回転は、位置合わせ構造部204と位置合わせ構造部110との間の干渉によりマンドレル100を回転させることができる。巻き付け工具がさらに、巻き付け工具に対しての駆動シャフト212および支持シャフト202の角度を変化させることにより、巻き付け工具に対してのマンドレル100の角度を変化させることができる。
【0031】
図3は、本開示の実施形態によるセグメント102、104の間の接合部106内に配置され得るクラッシュインサート300を示している。クラッシュインサート300は、複合構造の硬化中にセグメント102、104の熱膨張に付随する荷重下で変形するように構成され得る。クラッシュインサート300を変形させることは、それ以外の場合で複合構造の硬化中に複合構造に作用することになるような力を吸収することができる。力を吸収することにより、クラッシュインサート300が関連付けられたセグメント102、104の変形および/または劣化を有意に低減することができ、その結果、セグメント102、104が、使用の間でまったくといってよいくらい修理を必要とせずに、再使用され得る。いくつかの実施形態では、クラッシュインサート300が所与の荷重で一定の変化量で変形することができる。いくつかの事例では、クラッシュインサート300が一定の変化量で変形することが可能となるように「予め圧縮(crush)され」ていてもよい。他の実施形態では、クラッシュインサート300が、熱膨張によって加えられる荷重で非一定の変化量で圧縮されてもよい。
【0032】
クラッシュインサート300は、荷重で構造自体がつぶれる(例えば、変形する)のを可能にする空隙302を構造内に有するような構造であってよい。例えば、クラッシュインサート300は、ミシガン州にあるPLASCORE(登録商標)によって販売されているPACL-XR1などの、アルミニウムハニカム構造から形成され得る。他の実施形態では、クラッシュインサート300は、溶融フィラメント製造(FFF)、大規模付加製造(LSAM)、光造形法(SLA)、デジタルライト処理(DLP)、マルチジェットフュージョン(MJF)、ポリジェット、選択的レーザー焼結(SLS)、直接堆積モデリング(DDM)、直接金属レーザー焼結(DMLS)、連続炭素繊維法、または電子ビーム溶解(EBM)などの、付加製造プロセスまたは3D印刷プロセスを通じて形成され得る。付加製造プロセスは、荷重で構造がつぶれるのを可能にする空隙302を構造内に有するような構造を形成するのに使用され得る。付加製造プロセスを通じてクラッシュインサート300を形成することは、計画的な圧縮荷重、一定の圧縮変化量、段階的な圧縮変化量(例えば、異なる荷重で変化するかまたは所与の荷重での圧縮中に変化する圧縮変化量)などの、特定の圧縮特性を有するようにクラッシュインサート300を設計するのを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、クラッシュインサート300は、付加製造プロセスを通じてセグメント102、104の上に直接に形成され得る。例えば、各々の使用の後に使用済みのクラッシュインサート300が関連付けられたセグメント102、104から取り外され得、次いで、新しいクラッシュインサート300が関連付けられたセグメント102、104の上に形成され得る。代替として、クラッシュインサート300は、追加のクラッシュインサート300を形成することが必要となるまでに複数回使用されるように構成されるなどして、繰り返し変位可能であってもよい。
【0033】
クラッシュインサート300を各々のセグメント102、104の間に配設することは、硬化プロセス中に各セグメント102、104を個別に調整する、膨張させる、かつ/または漸増的に移動させることを可能にすることができる。各セグメント102、104を個別に調整するのを可能にすることにより、硬化プロセスの全体を通してマンドレル100の形状の一貫性を向上させることができる。
【0034】
位置合わせ構造部110と相補的な位置合わせ構造部204との間のインターフェースまたは隣り合うセグメント102、104の間のインターフェースのうちの少なくとも一方を通して各セグメント102、104を支持シャフト202に固定することにより、マンドレル100が組み立てられ得る。
【0035】
マンドレル100が組み立てられた後、マンドレル100が駆動シャフト212を通して巻き付け工具に連結され得る。絶縁体402の層が図4に示されるようにマンドレル100の上に形成され得る。絶縁体402はゴム材料であってよい。絶縁体402は、最大約2.54mm(約0.1インチ)の厚さまで材料のシートとして加えられ得る。絶縁体402の1つまたは複数の層がマンドレル100の上に加えられた後、絶縁体402の所望の厚さに達するまで、サンディングまたは機械加工を通して絶縁体402の一部分が取り除かれ得る。絶縁体402の所望の厚さは、約1.52mm(約0.06インチ)から約11.43mm(約0.45インチ)の間であってよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、TEFLON(登録商標))の層が絶縁体402より先にマンドレル100の上に形成され得、その結果、PTFEの層が絶縁体402とマンドレル100との間にあってよく、硬化後にマンドレル100から複合構造を解放するのを支援することができる。
【0037】
絶縁体402が加えられた後、繊維502のフィラメントが図5に示されるようにフィラメントワインディングプロセスを通じて絶縁体402の上に加えられ得る。繊維502は、他方な方向に強度を提供するように多様に層において多様な構成で巻き付けられ得る。例えば、繊維502は、図5に示されるように、螺旋構成で巻き付けられ得る。螺旋構成では、繊維502は、マンドレル100の長手方向軸に対して約10°から約40°の角度(約20°から約30°の間の角度、または、約27°の角度、など)で巻き付けられ得る。他の層では、繊維502が輪状構成で巻き付けられ得る。輪状構成では、繊維502は、約80°から約90°の間の角度(約85°から約90°の間の角度、または、約89.5°から約90°の間の角度)で巻き付けられ得る。巻き付け角度は駆動シャフト212によって制御され得る。例えば、駆動シャフト212は、上述したように、巻き付け工具に対してのマンドレル100の角度を変化させることができる。他の実施形態では、マンドレル100に対してのワインディングヘッドの位置を変化させることによって巻き付け角度が制御され得る。
【0038】
図6は、繊維502の複数の層が巻き付けられた後の、複合構造602の表面を示している。上述したように、繊維502が多様な角度で巻き付けられ得る。例えば、繊維502は、図6に示されるように輪状の巻線604として巻き付けられ得るか、または図5および図6で示されるように螺旋巻線606として形成され得る。巻線の異なる角度により他方な方向において複合構造602の強度を向上させることができる。例えば、輪状巻線604が複合構造602の径方向の強度を向上させることができ、対して螺旋巻線606が複合構造602の長手方向の強度を向上させることができる。
【0039】
繊維502の各層は、約0.16mm(約0.0063インチ)から約0.366mm(約0.0144インチ)の間の厚さを有することができる。複合構造602は、約1個の層から約30個の層の間で形成され得る(約10個の層から約20個の層の間、または約16個の層、など)。
【0040】
複合構造602が繊維502の複数の層から形成された後、図7に示されるように外側層702が複合構造602の上に形成され得る。外側層702は、PTFE/繊維ガラス(ARMALON(商標))などの、保護材料から形成され得る。
【0041】
複合構造602が形成された後、複合構造602が高い温度および/または高い圧力で硬化され得る。例えば、マンドレル100の上にある複合構造602は、オーブンまたは加圧滅菌器などの、高温チャンバ内に指定の時間量で配置され得る。例えば、複合構造602を収容するオーブンまたは加圧滅菌器は、数時間(約4時間から約20時間の間など)、約48.89℃(約102°F)から約204.4℃(約400°F)の間の温度で維持され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、複合構造602は、多様な温度および多様な時間で、複数の段階にわたって硬化され得る。例えば、複合構造602は、最初に、約48.89℃(約120°F)から約137.78℃(約280°F)の間など、または、約121.11℃(約250°F)などの、低い温度で、約4時間から約10時間の間(約8時間など)、硬化され得る。次いで、複合構造602は、約137.78℃(約280°F)から約176.67℃(約350°F)の間など、または、約143.3℃(約290°F)などの、高い温度で、約4時間から約14時間の間(約10時間など)、硬化され得る。これらの硬化時間の間では、温度は硬化温度より高いかまたは低い温度まで徐々に上昇および/または低下することができる。硬化時間後では、温度は、チャンバから複合構造602が取り外され得るようになるまで、ゆっくり低下することができる。例えば、温度は、約0.056℃/分(約0.1°F/分)から約2.778℃/分(約5°F/分)の範囲(約0.056℃/分(約0.1°F/分)から約1.25℃/分(約2.25°F/分)の範囲など)の速度で変化することができる。
【0043】
図8が、複合構造602が支持シャフト202および駆動シャフト212に依然として連結された状態である、硬化プロセス後の複合構造602を示している。支持シャフト202および駆動シャフト212が孔108から取り外され得、図9に示されるように複合構造602内にマンドレル100を残す。次いで、マンドレル100の個別の接続セグメント104およびウェッジセグメント102が、図10および11に示されるように、複合構造602から取り外され得る。例えば、第1の接続セグメント104が図10に示されるように取り外され得る。ウェッジセグメント102の外形により、マンドレル100の軸から径方向に移動して離れることを実質的に防止しながら、2つのウェッジセグメント102の間に配置された接続セグメント104がマンドレル100の軸に向かってウェッジセグメント102に対して径方向に移動することを可能にすることができる。したがって、支持シャフト202が孔108から取り外されると、接続セグメント104が、接続セグメント104を孔108の中へ径方向に移動させることによって取り外され得る。次いで、第1の接続セグメント104が取り外された状態で、隣接するウェッジセグメント102が孔108を通して取り外され得る。同様に、マンドレルの各セグメント102、104が複合構造602から取り外されるまで、他の接続セグメント104およびウェッジセグメント102がさらに孔108を通して取り外され得る。
【0044】
図11が、すべてのセグメント102、104およびクラッシュインサート300が取り外された後の、複合構造602およびマンドレル100を示している。複合構造602が、マンドレル100と実質的に同じ形状を有する空洞1102を有することができる。マンドレル100のセグメント102、104が、各々、巻き付けおよび硬化プロセスの後でもマンドレル100を組み立てるときと同じように以前と実質的に同じ形状を有することができ、その結果、別の複合構造602を形成することを目的として別のマンドレル100を形成するために、完全に新しいマンドレル100を形成するのを必要とすることなく、セグメント102、104が新しいをクラッシュインサート300と共に再組み立てされ得るようになる。支持シャフト202および関連付けられた相補的な位置合わせ構造部204、位置合わせ支持体206なども、新しいマンドレル100と共に再使用され得る。
【0045】
本開示の実施形態は、伝統的な(例えば、従来の)金属マンドレルと比較してコストを低減してより迅速に再使用可能マンドレルを形成することを可能にすることができる。マンドレルを形成するのに必要となるコストを低減して時間を短縮することにより、異なるデザインに変更するためのおよび/または異なるデザインを試験するための時間を短縮してそのコストを低減して複合構造に大幅な革新性をもたらすことが可能となる。同様に、時間を短縮してコストを低減することにより、高い速度で生産することが可能となり、複合構造のエンドユーザーにとってのコストを低減することができる。
【0046】
本開示の非限定の例示の実施例が以下の実施形態を含む:
実施形態1:複合構造を形成するためのマンドレルを形成するための方法であって、付加製造プロセスを通じてマンドレルのセグメントを形成することと、セグメントを互いに対して組み立てることと、隣り合うセグメントの間にクラッシュインサートを配置することとを含む。
【0047】
実施形態2:実施形態1の方法であって、ポリマー材料からセグメントを形成することをさらに含む。
実施形態3:実施形態1または2のいずれか1つの実施形態の方法であって、付加製造プロセスが、溶融フィラメント製造プロセスまたは大規模付加製造プロセスのうちの少なくとも一方を含む。
【0048】
実施形態4:実施形態1から3までのいずれか1つの実施形態の方法であって、マンドレルのセグメントを組み立てることが、マンドレルのセグメントを支持シャフトに固定することを含む。
【0049】
実施形態5:実施形態4の方法であって、マンドレルのセグメントを支持シャフトに固定することが、相補的な位置合わせ構造部を介してマンドレルのセグメントを支持シャフトに固定することをさらに含む。
【0050】
実施形態6:実施形態1から5までのいずれか1つの実施形態の方法であって、付加製造プロセスを通じてクラッシュインサートを形成することをさらに含む。
実施形態7:実施形態1から6までのいずれか1つの実施形態の方法であって、複合材硬化プロセス中にマンドレルのセグメントの熱膨張によって加えられる荷重で変形するように構成されるかまたは配合されるかの少なくともいずれかである材料のクラッシュインサートを形成することをさらに含む。
【0051】
実施形態8:実施形態1から7までのいずれか1つの実施形態の方法であって、少なくとも2つのウェッジセグメントおよび少なくとも1つの接続セグメントを備えるようにマンドレルのセグメントを構成することをさらに含む。
【0052】
実施形態9:実施形態8の方法であって、セグメントを互いに対して組み立てることが、少なくとも2つのウェッジセグメントを支持シャフトに固定することと、少なくとも1つの接続セグメントを少なくとも2つのウェッジセグメントの間に配置することとを含む。
【0053】
実施形態10:実施形態9の方法であって、少なくとも2つのウェッジセグメントが、少なくとも1つの接続セグメントがマンドレルの軸から径方向に移動して離れることを実質的に防止するように構成され、支持シャフトが、少なくとも1つの接続セグメントがマンドレルの軸に向かって径方向に移動することを実質的に防止するように構成される。
【0054】
実施形態11:複合構造を形成するための工具であって、工具が、ポリマー材料から形成された2つ以上のセグメントと、2つ以上のセグメントの間に配設されたクラッシュインサートと、2つ以上のセグメントの間に連結された支持シャフトとを備える。
【0055】
実施形態12:実施形態11の工具であって、クラッシュインサートが、硬化プロセス中に複合構造の熱膨張によって加えられる荷重で変形するように構成される。
実施形態13:実施形態11または12のいずれか1つの実施形態の工具であって、クラッシュインサートがアルミニウムハニカムを備える。
【0056】
実施形態14:実施形態11から13までのいずれか1つの実施形態の工具であって、2つ以上のセグメントが、ウェッジセグメント、直線セグメント、またはこれらの組み合わせを含む。
【0057】
実施形態15:実施形態11から14までのいずれか1つの実施形態の工具であって、2つ以上のセグメントがポリエーテルイミド材料から形成される。
実施形態16:複合構造を作製する方法であって、本方法が、マンドレルを組み立てることであって、マンドレルを組み立てることが、付加製造プロセスを通じてマンドレルのセグメントを形成すること、セグメントを互いに対して組み立てること、セグメントの各々の間にクラッシュインサートを配置すること、および、セグメントを支持シャフトに連結することを含む、マンドレルを組み立てることと、支持シャフトを巻き付け機械に連結することと、複合構造を形成するために複合繊維をマンドレルの周りに巻き付けることと、複合構造を加熱することと、マンドレルを複合構造から分離することとを含む。
【0058】
実施形態17:実施形態16の方法であって、マンドレルを複合構造から分離することが、マンドレルのセグメントを分解することを含む。
実施形態18:実施形態17の方法であって、複合構造を加熱するときに、マンドレルのセグメントの熱膨張を吸収するために変形するように構成されたクラッシュインサートを使用することをさらに含む。
【0059】
実施形態19:実施形態16から18までのいずれか1つの実施形態の方法であって、マンドレルのセグメントが、少なくとも2つのウェッジセグメント、および、少なくとも1つの接続セグメントを備え、セグメントを互いに対して組み立てることが、少なくとも2つのウェッジセグメントの間に少なくとも1つの接続セグメントを配置することを含む。
【0060】
実施形態20:実施形態19の方法であって、マンドレルを複合構造から分離することが、少なくとも2つのウェッジセグメントを取り外す前に少なくとも2つのウェッジセグメントの間から少なくとも1つの接続セグメントを取り外すことを含む。
【0061】
上述されるおよび添付図面に示される本開示の実施形態は本発明の範囲を限定しない。その理由は、これらの実施形態が単に、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的均等物によって画定される本発明の実施形態の例であるからである。任意の等価の実施形態は本開示の範囲内にあることを意図される。実際には、本記述から、本明細書で示されるおよび説明される実施形態に加えて、説明される要素の代替的な有用な組み合わせなどの、本開示の種々の修正形態が当業者には明らかとなり得よう。このような修正形態および実施形態も、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的均等物の範囲内にあることを意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】