(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】反芻動物の消化活動から生じるメタンの形成を引き下げるためのゴシポール及びメタン阻害剤の使用
(51)【国際特許分類】
A23K 20/116 20160101AFI20240321BHJP
A23K 50/10 20160101ALI20240321BHJP
【FI】
A23K20/116
A23K50/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559043
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2022059716
(87)【国際公開番号】W WO2022218967
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
【住所又は居所原語表記】Het Overloon 1, NL-6411 TE Heerlen,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】キンデルマン, マイク
(72)【発明者】
【氏名】レチノア, ウラー
(72)【発明者】
【氏名】モンテイロ タマシア, ルイス, フェルナンド
(72)【発明者】
【氏名】ステムラー, レネ, トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー, ニコラ
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005BA00
2B005BA01
2B005BA07
2B005MB09
2B150AA02
2B150AB20
2B150DA08
(57)【要約】
本発明は、反芻動物におけるメタン排出の引下げの分野に関する。特に、前記反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を引き下げるための、反芻動物へのゴシポール及びメタン阻害剤の投与に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反芻動物の消化活動から生じるメタンの形成を引き下げるためのゴシポール及びメタン阻害剤の使用であって、前記メタン阻害剤は、0.01~100gのメタン阻害剤/動物/日の範囲内で選択される量で前記反芻動物に投与され、そしてゴシポールは、0.05~100gのゴシポール/動物/日の範囲内で選択される量で前記反芻動物に投与される、使用。
【請求項2】
前記メタン阻害剤は、0.01~50gのメタン阻害剤/動物/日の範囲内で、最も好ましくは0.01~25gのメタン阻害剤/動物/日の範囲内で選択される量で前記反芻動物に投与される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
ゴシポールは、0.1~50gのゴシポール/動物/日、最も好ましくは0.2~25gのゴシポール/動物/日の範囲内で選択される量で前記反芻動物に投与される、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
ゴシポールの、前記メタン阻害剤に対するモル比は、100~0.1、好ましくは75~0.25、より好ましくは60~0.35、最も好ましくは50~0.5で構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記反芻動物は、家畜のウシからなる群から、最も好ましくは肉牛又は乳牛から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記メタン阻害剤は、オイゲノール、タンニン酸、アリシン、ブロモホルム、クロロホルム、及びプロパンジオールモノニトラートからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を引き下げる方法であって、前記反芻動物に、ゴシポール及びメタン阻害剤の有効な量を経口的に投与することを含み、前記メタン阻害剤の前記有効な量は、0.01~100gのメタン阻害剤/動物/日の範囲内で選択され、そしてゴシポールの前記有効な量は、0.05~100gのゴシポール/動物/日の範囲内で選択される、方法。
【請求項8】
前記メタン阻害剤の前記有効な量は、0.01~50gのメタン阻害剤/動物/日の範囲内、最も好ましくは0.01~25gのメタン阻害剤/動物/日の範囲内で選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ゴシポールの前記有効な量は、0.1~50gのゴシポール/動物/日、最も好ましくは0.02~25gのゴシポール/動物/日の範囲内で選択される、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
ゴシポール及びメタン阻害剤を含む飼料組成物又は飼料添加物であって、前記飼料組成物は、乾物飼料1kgあたり25mg~約10gのゴシポールの範囲内で選択される量のゴシポール、及び乾物飼料1kgあたり1mg~5gのメタン阻害剤の範囲内で選択される量の前記メタン阻害剤を含む反芻動物飼料である、飼料組成物又は飼料添加物。
【請求項11】
ゴシポールの、前記メタン阻害剤に対するモル比は、100~0.1、好ましくは75~0.25、より好ましくは60~0.35、最も好ましくは50~0.5で構成される、請求項10に記載の反芻動物飼料。
【請求項12】
前記メタン阻害剤は、オイゲノール、タンニン酸、アリシン、ブロモホルム、クロロホルム、及びプロパンジオールモノニトラートからなる群から選択される、請求項10又は11に記載の反芻動物飼料。
【請求項13】
前記飼料組成物は、ミネラルプレミックス、ビタミンプレミックス、又はボーラスである、請求項10に記載の飼料組成物。
【請求項14】
反芻動物においてメタン阻害剤のメタン引下げ特性を増強するためのゴシポールの使用。
【請求項15】
ゴシポールの、前記メタン阻害剤に対するモル比は、100~0.1、好ましくは75~0.25、より好ましくは60~0.35、最も好ましくは50~0.5で構成される、請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、反芻動物におけるメタン排出の引下げの分野に関する。特に、前記反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を引き下げるための、反芻動物へのゴシポール及び少なくとも1つのメタン阻害剤の投与に関する。
【0002】
本発明はさらに、反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を引き下げるための、メタン阻害剤及びゴシポールを含む動物飼料組成物及び飼料添加物、並びに前記飼料組成又は飼料添加物の使用に関する。
【0003】
地球を囲む空気の温度は上昇しており、これは、地球温暖化と称されるプロセスである。この温暖化効果を引き下げる主な焦点の1つが、大気中に排出される温室効果ガスの量を引き下げることである。温室効果ガスは、自然に存在する、そして人工であるいくつかの異なる源から排出されている;しかしながら、最も重要な2つの源は、農業及び化石燃料業界である。農業の内、反芻動物、特にウシが、生物起源のメタン形成への主要な寄与因子である。反芻動物からのメタン形成の防止は、大気中のメタン濃度をほぼ安定させることが推定されている。
【0004】
反芻動物家畜セクターからのメタン排出(反芻動物消化器系における植物バイオマスの腸管発酵由来の副産物)は、メタン生成古細菌によってもたらされる。反芻動物からのメタン生成を軽減する種々の試みが、最近の数十年においてなされてきた。アプローチは変わるが、ここまで最も一般に普及している方法は、メタン生成古細菌によるメタン生成を引き下げて阻害することによって第一胃流体中で作用する飼料添加物である。
【0005】
本明細書中で用いられる用語メタン阻害剤は、反芻動物においてメタン排出を引き下げるのに適した全ての化合物(すなわち第一胃メタン阻害剤)に関する。そのような化合物は、当業者に周知である。
【0006】
ゴシポールは、例えば、サキシマハマボウ(Indian tulip)(セスペシア(Thespesia)属)植物において見出される式(I)
【化1】
の天然フェノールである。
【0007】
驚くべきことに、ゴシポール及びメタン阻害剤の併用は、メタン形成を相乗的に引き下げることが現在見出されている。
【0008】
ゆえに、メタン阻害剤及びゴシポールの併用は、反芻動物の消化活動の間に生じるメタン排出をかなり引き下げることによって気候変動を軽減する大きな潜在性がある。
【0009】
したがって、第1の実施形態において、本発明は、反芻動物の消化活動から生じるメタンの形成を引き下げるためのゴシポール及びメタン阻害剤の使用を提供する。
【0010】
第2の実施形態において、本発明はさらに、反芻動物の消化活動から生じるメタンの生成を引き下げる方法であって、動物に、ゴシポール及びメタン阻害剤の有効な量を経口投与することを含む方法を提供する。
【0011】
第3の実施形態において、本発明は、ゴシポール及びメタン阻害剤を含む(反芻動物)飼料組成物又は飼料添加物に関する。
【0012】
本発明に従う適切なメタン阻害剤として、ニンニクエキス、アリシン、ジアリルジスルフィド、プロパンジオールモノニトラート、ブロモホルム、クロロホルム、ブロモエタンスルホナートナトリウム塩、ニトラート、ニトロエタン、ラウリン酸、ラウリシジン、モネンシン、コリアンダー(Coriandrum sativum)のシードオイル、オイゲノール、酢酸ゲラニル、バニリン、リモネン、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール酸、タンニン、タンニン酸、チモール、及びゲラニオール、並びに海洋藻類、例えばハワイ微細藻類(Hawaiian micro-algae)ツノケイソウ属(Chaetoceros)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
ゴシポール及びメタン阻害剤は、一緒に混ぜられて(すなわち、前もって混合されて)、又は別々に反芻動物に投与され得ることが十分に理解される一方、後者の場合において、メタン阻害剤及びゴシポールの投与は、特定の時間ウィンドウ内で、すなわち、長くとも6時間以内、好ましくは3時間以内、より好ましくは1時間以内、例えば0.5時間以内に起こることが十分に理解される。最も好ましくは、別々に投与されるならば、双方の成分が、反芻動物に、例えば、動物の飼料(食餌)中への、又は飼料ラック中へのそれらの付随する追加によって、併用投与(concomitantly administered)される。
【0014】
好ましくは、本発明の全ての実施形態において、ゴシポール及びメタン阻害剤は、ゴシポール及びメタン阻害剤を含む飼料組成物又は飼料添加物の形態で一緒に投与される。
【0015】
本発明の全ての実施形態において、ゴシポール及びメタン阻害剤は、有効な量が、すなわち、対照、すなわちゴシポール及びメタン阻害剤が補充されていない反芻動物と比較した場合に、好ましくは少なくとも10%のメタン引下げをもたらす量が反芻動物に投与されることが十分に理解される。
【0016】
ゆえに、本発明はまた、ゴシポール及びメタン阻害剤の(組み合わせた)使用に関し、反芻動物におけるメタン生成は、対照(すなわち、ゴシポール及び各メタン阻害剤の不在下)と比較して、少なくとも10%引き下げられる。
【0017】
プロパンジオールモノニトラート[CAS No:100502-66-7]は、例えば、国際公開第2004043898号パンフレット又は国際公開第2012084629号パンフレットに概説されるように製造することができ、そしてDSM Nutritional Products Ltd.の商標Bovaer(登録商標)により入手可能である、知られている化合物である。
【0018】
オイゲノール(CAS No:97-53-0)は、本発明の全ての実施形態にそれ自体(すなわち、異なった化合物として)用いることができる、知られている化合物である。しかしながら、好ましくは、本発明の全ての実施形態において、オイゲノールは、例えばAgolin Ruminant及びCrina Ruminant(最大7%のオイゲノールを含む精油の混合液)として商業的に入手可能である、オイゲノールを含む精油混合液の形態で用いられる。
【0019】
アリシン(CAS No:539-86-6)は、本発明の全ての実施形態にそれ自体(すなわち、異なった化合物として)用いることができる、知られている化合物である。しかしながら、好ましくは、本発明の全ての実施形態において、アリシンは、例えばMootralとして商業的に入手可能である、ニンニクエキスの形態で用いられる。
【0020】
ブロモホルム(CAS No:75-25-2)は、本発明の全ての実施形態にそれ自体(すなわち、異なった化合物として)用いることができる、知られている化合物である。しかしながら、好ましくは、本発明の全ての実施形態において、ブロモホルムは、海草含有ブロモホルムの形態で用いられる。そのような海草は、当業者に周知であり、例えば、ハワイ微細藻類ツノケイソウ属(Chaetoceros)、カギケノリ(Asparagopsis)属種、例えば紅藻カギケノリ(A.taxiformis)又はA.アルマタ(A.armata)、及びアスコフィルム・ノドスム(Ascophyllum nodosum)のような褐藻を包含する。カギケノリ(Asparagopsis)属におけるブロモホルムの報告されている濃度は、1~7mg/gの範囲内である。
【0021】
ゴシポール(CAS No:303-45-7)は、2つの鏡像異性体が生じる軸性キラリティを示す。ゆえに、ゴシポールは、単一の各鏡像異性体の形態で、又はそれらの混合物として用いられ得る。さらに、本発明の全ての実施形態における用語ゴシポールはまた、ゴシポール酢酸溶媒和物(CAS 12542-36-8)として用いられ得る。好ましくは、本発明の全ての実施形態において、ゴシポールは、鏡像異性混合物の形態で、すなわち、(±)ゴシポールとして用いられる。前記ゴシポールは、例えば、Sigma-Aldrichから綿実由来(±)ゴシポール≧95%(HPLC)として商業的に入手可能である。
【0022】
本発明の好ましい一実施形態において、ゴシポールは、それ自体(すなわち、単一の化合物として)、又は本発明に従う(±)ゴシポール酢酸溶媒和物の形態で用いられ、双方の化合物はMerckから入手可能である。本発明に従う全ての実施形態において特に好ましいのは、(±)ゴシポール酢酸として得られるゴシポール酢酸溶媒和物の使用である。
【0023】
別の好ましい実施形態において、ゴシポールは、本発明の全ての実施形態において、ゴシポールを含む植物生成物の形態で用いられる/投与される。前記植物生成物は、当業者に周知であり、例えば、泌乳牛及び他の反芻動物にとって対費用効果の高い一番の飼料として一般的に用いられている。そのような植物生成物のゴシポール含有量は、最大約6%に達し得る。しかしながら、一般的に、前記植物生成物のゴシポール含有量は、約50~10,000ppmの範囲内である。
【0024】
本明細書中で用いられる用語「有効な量」は、反芻動物の消化活動から生じるメタン排出の引下げを得るのに必須の量を指す。前記引下げは、1回の単(1日)用量又は反復(1日)用量によって達成され得ることが十分に理解される。さらに、本発明に従う使用、方法、及び組成物におけるゴシポール及びメタン阻害剤の有効な量は、知られている要因、例えば、特定の組成物の特徴、並びにその投与モード及び投与経路、各植物生成物又は精油混合液のメタン阻害剤含有量、反芻動物の年齢、健康、及び体重、処置の頻度(それらの全てが、標準的な治験、又は接種レジーム及び/若しくは配合に関する通常の考慮により、当該分野のエキスパートによって決定され得る)に応じて変わり得ることが、当業者によって十分に理解される。
【0025】
好ましくは、本発明の全ての実施形態において、反芻動物に投与されることとなるメタン阻害剤の有効な量は、0.01~100gのメタン阻害剤/動物/日の範囲内、より好ましくは0.01~50gのメタン阻害剤/動物/日の範囲内、最も好ましくは0.01~25gのメタン阻害剤/動物/日の範囲内で、例えば、0.01~10gのメタン阻害剤/動物/日、0.01~5gのメタン阻害剤/動物/日、又は0.01~2.5gのメタン/動物/日の範囲内で選択される。
【0026】
好ましくは、本発明の全ての実施形態において、反芻動物に投与されることとなるプロパンジオールモノニトラートの有効な量は、0.05~5gのPDMN/動物/日の範囲内、より好ましくは0.1~4gのPDMN/動物/日の範囲内、最も好ましくは0.25~3gのPDMN/動物/日の範囲内で選択される。さらに適した有効な量は、0.5~3gのPDMN/動物/日、1~3gのPDMN/動物/日、又は1~2gのPDMN/動物/日の範囲内で選択される。
【0027】
飼料に関して、好ましくは、本発明の全ての実施形態において、飼料中のプロパンジオールモノニトラートの有効な量は、10mg~300mgのPDMN/kg DM/日の範囲内、より好ましくは50~150gのPDMN/kg DM/日の範囲内、最も好ましくは60~100gのPDMN/kg DM/日の範囲内で選択される。
【0028】
好ましくは、本発明の全ての実施形態において、反芻動物に投与されることとなるオイゲノールの有効な量は、0.01~5gのオイゲノール/動物/日の範囲内、より好ましくは0.02~4gのオイゲノール/動物/日の範囲内、最も好ましくは0.025~3gのオイゲノール/動物/日の範囲内で選択される。さらに適した有効な量は、0.01~1gのオイゲノール/動物/日、又は0.02~0.5gのオイゲノール/動物/日の範囲内で選択される。
【0029】
好ましくは、本発明の全ての実施形態において、反芻動物に投与されることとなるゴシポールの有効な量は、0.05~100gのゴシポール/動物/日の範囲内、より好ましくは0.1~50gのゴシポール/動物/日の範囲内、最も好ましくは0.2~25gのゴシポール/動物/日の範囲内で、例えば、0.2~10gのゴシポール/動物/日、0.2~5gのゴシポール/動物/日、又は0.2~2.5gのゴシポール/動物/日の範囲内で選択される。
【0030】
ウシに関して、さらに特に適した範囲は、0.2~100gのゴシポール/動物/日の範囲内、より好ましくは0.5~90gのゴシポール/動物/日の範囲内、最も好ましくは1~90gのゴシポール/動物/日の範囲内、例えば、1~50gのゴシポール/動物/日、1~25gのゴシポール/動物/日、又は2~25gのゴシポール/動物/日の範囲内である。
【0031】
本発明の全ての実施形態において、ゴシポールの、メタン阻害剤に対するモル比(すなわち、ゴシポールモル/メタン阻害剤モル)が100~0.1(例えば100μMゴシポール/1μMメタン阻害剤~1mMゴシポール/10mMメタン阻害剤)、好ましくは75~0.25、最も好ましくは60~0.35、例えば50~0.5の範囲内で構成されるならば、さらに有利である。さらに適した範囲は、50:1~1:5、20:1~1:5、20:1~3:1、15:1~1:2.5、及び10:1~1:2を包含する。
【0032】
好ましくは、本発明の全ての実施形態において、メタン阻害剤は、プロパンジオールモノニトラート(PDMN)である。
【0033】
本発明の全ての実施形態において、プロパンジオールモノニトラートは、好ましくは、その粉末状の(powderous)製剤の形態で投与される。
【0034】
好ましくは、前記粉末状の製剤は、PDMN及び担体材料を含む粉末状の製剤である。適切な担体として、食品及び飼料業界において周知のあらゆる担体、例えば二酸化ケイ素(シリカ)が挙げられるが、これに限定されない。
【0035】
PDMN及び担体材料を含む粉末状の製剤は、通常、当該技術における標準的な方法によってPDMNを担体材料上にスプレーするか、又はこれと混ぜることによって、例えば、食品又は飼料生成物の調製に適した有機溶媒、例えばジクロロメタン中にPDMNを希釈して、前記溶液を担体上にスプレーするか/担体と混ぜてから、有機溶媒をエバポレートすることによって調製される。
【0036】
これ以外にも、PDMNは、担体材料上にスプレーされるか、又はこれと混ぜられる前に、適切な食用油中に希釈され得る。後者のケースでは、各食用油は、通常、除去されない。粉末状の製剤は、加えて、飼料用途用の粉末状の製剤の調製に用いられる通常の添加物を含有し得る。
【0037】
本発明に従う粉末状の製剤中のPDMNの量は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは1~20重量%の範囲、好ましくは2~15重量%の範囲、最も好ましくは4~12重量%の範囲で選択される。
【0038】
本発明の全ての実施形態に用いられるのに特に適した粉末状の製剤は、例えば国際公開第2018149756号パンフレット及び国際公開第2018149755号パンフレットに概説されるように、PDMN、プロピレングリコール、及びシリカから本質的になり、そしてDSM Nutritional Products Ltd.のBovaer(登録商標)10として商業的に入手可能である。
【0039】
本発明に従う全ての使用及び方法におけるゴシポール及びメタン阻害剤は、好ましくは、それらの先行の混合によるか、又は動物の飼料への別々の添加によって、反芻動物に併用投与される。
【0040】
ゴシポール及びメタン阻害剤は、好ましくは、(反芻動物)飼料組成物又は飼料添加物を介して、例えば個々の構成要素を反芻動物の飼料と混ぜることによって反芻動物に投与される。
【0041】
ゆえに、好ましくは、本発明に従う全ての使用及び方法において、本明細書中で全ての定義及び選好性が与えられているメタン阻害剤及びゴシポールは、(反芻動物)飼料組成物又は飼料添加物中に組み込まれて反芻動物に投与される。
【0042】
本明細書中で用いられる用語飼料組成又は飼料添加物は、動物による経口摂取に適しているか、又はこれが意図されるあらゆる調合剤、混合物、又は組成物を意味する。ウシ等の反芻動物用の例示的な飼料として、飼草(牧草、豆類、サイレージ)、干し草、牧草、穀粒、及び大豆が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
前記飼料組成物又は飼料添加物は、飼料製剤及びプロセシングの当該技術においてそれ自体が知られている方法によって調製され得る。
【0044】
前記飼料組成物及び飼料添加物は、今もなお新規である。ゆえに、本発明の更なる態様は、本明細書中で全ての定義及び選好性が与えられているゴシポール及びメタン阻害剤を含む(反芻動物)飼料組成物及び飼料添加物である。
【0045】
好ましい一実施形態において、飼料組成物及び飼料添加物は、無機プレミックス、ビタミンプレミックス(ビタミン及び場合によってはミネラルを含む)、又はボーラスである。
【0046】
ゴシポール及びメタン阻害剤は、動物飼料組成物(飼料)、例えば飼草(生の牧草、干し草、サイレージ)、業界由来の共製品(柑橘類のパルプ、大豆外皮、ディスティラ、可溶性の乾燥又は湿潤穀粒中に存在する従来の成分(以下に限定されないが、ミネラル(炭酸カルシウム、電解質、例えば、塩化アンモニウム、マクロ及び微量ミネラル(全ての形態、無機、及び有機))、タンパク質、例えば、大豆ミール、ヒマワリミール、肉骨粉、魚粉、アミノ酸その他、エネルギー成分、例えば、穀粒、コムギ、デンプン、オオムギ、キビ、モロコシ、トウモロコシ、動物及び植物の脂肪又は油、並びにビタミン)と組み合わせて用いられ得る。
【0047】
本発明の飼料組成物の特定の例として、以下がある:
- (a)メタン阻害剤及び(b)ゴシポール、並びに(c)(c-1)脂溶性ビタミン、(c-2)水溶性ビタミン、(c-3)微量ミネラル、及び(c-4)マクロミネラルの1つ以上を含む動物飼料添加物;
- (a)プロパンジオールモノニトラート及び(b)少なくとも6つのフェノール物質の混合物、並びに(c)(c-1)50~800g/飼料kg(50~80%)の粗タンパク質含有量、(c-2)5~100g/飼料kg(5~10%)の脂肪、(c-3)150~700g/飼料kg(15~70%)のNDF、(c-4)300~800(30~80%)のTDN、及び(c-5)150~700g/飼料kg(15~70%)のデンプンの1つ以上を含む動物飼料組成物。
【0048】
いわゆるプレミックスは、本発明の動物飼料添加物の例である。プレミックスは、好ましくは、希釈剤及び/又は担体との1つ以上のマイクロ成分の均一な混合物を示す。プレミックスは、より大きな混合物中でのマイクロ成分の均一な分散を容易にするのに用いられる。
【0049】
本発明の活性成分(すなわち、ゴシポール及びメタン阻害剤)は別として、本発明のプレミックスは、好ましくは、少なくとも1つの脂溶性ビタミン、及び/又は少なくとも1つの水溶性ビタミン、及び/又は少なくとも1つの微量ミネラル、及び/又は少なくとも1つのマクロミネラルを含有する。言い換えると、本発明のプレミックスは、メタン阻害剤及びゴシポールを、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、微量ミネラル、及びマクロミネラルからなる群から選択される少なくとも1つの追加の構成要素と共に含む。
【0050】
マクロミネラルは、飼料に別に添加されてもよい。したがって、特定の実施形態において、プレミックスは、ゴシポール及びメタン阻害剤を、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、及び微量ミネラルからなる群から選択される少なくとも1つの追加の構成要素と共に含む。
【0051】
以下のものが、これらの構成要素の例の非排他的なリストである:
- 脂溶性ビタミンの例として、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、及びビタミンK、例えばビタミンK3がある。
- 水溶性ビタミンの例として、ビタミンB12、ビオチン及びコリン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸、並びにパントテナート、例えばCa-D-パントテナートがある。
- 微量ミネラルの例として、マンガン、亜鉛、鉄、銅、ヨウ素、セレン、マンガン、及びコバルトがある。
- マクロミネラルの例として、カルシウム、リン、カリウム、マグネシウム、及びナトリウムがある。
【0052】
ウシ等の反芻動物用の飼料組成物、及びその成分に関して、反芻動物飼料は、通常、容易に分解可能な画分(濃縮物と命名)、及び繊維リッチの、容易な分解可能性に劣る画分(干し草、飼草、又は粗飼料と命名)で構成される。
【0053】
干し草は、乾燥牧草、豆類、又は全粒の穀物でできている。牧草として、とりわけ、温帯型牧草又は暖地型牧草、チモシー、ライグラス、フェスク、ブラキアリア、キビ、ティフトンが挙げられる。豆類として、とりわけ、クローバー、ムラサキウマゴヤシ又はアルファルファ、エンドウ、インゲン、及びベッチが挙げられる。全粒の穀物として、とりわけ、オオムギ、トウモロコシ(コーン)、エンバク、コムギ、モロコシが挙げられる。他の飼草作物として、サトウキビ、サトウキビバガス、柑橘類のパルプ、ケール、ナタネ、及びキャベツが挙げられる。また、根菜作物、例えば、カブ、スウェーデンカブ、マングル、飼料ビート、及びシュガービート(シュガービートパルプ及びビートモラセスが挙げられる)が、反芻動物に餌を与えるのに用いられる。更なる作物として、塊茎、例えば、ジャガイモ、キャッサバ、及びサツマイモがある。サイレージは、繊維リッチ画分(例えば、牧草、豆類、又は全粒の穀物由来)及び穀粒(例えば、高水分トウモロコシサイレージ)のサイロ貯蔵バージョンであり、これによって、水含有量が高い材料が、制御された嫌気発酵プロセスにより処理される(自然発酵するか、又は追加で処理される)が、これに限定されない。
【0054】
濃縮物飼料は、大部分は、穀物(例えば、ブリュワーズグレイン及びディスティラーズグレインが挙げられるオオムギ、トウモロコシ、コムギ、モロコシ)で構成されるが、多くの場合、タンパク質リッチ飼料成分、例えば、大豆ミール、ナタネミール、パーム核、及びヒマワリミール(これらに限定されない)も含有する。
【0055】
また、反芻動物(雄、雌(全成長段階及び成体))は、完全混合飼料(TMR)の餌が与えられ得、全ての食事の構成要素、例えば、飼草、サイレージ、他の飼料成分、及び濃縮物が、供給前に混合されている。
【0056】
上記のように、プレミックスは、ゴシポール及びメタン阻害剤を含み得る飼料添加物の例である。化合物が、他の異なる形態で動物に投与され得ることが理解される。例えば、化合物は、第一胃内に置かれ、そして明確に定義された投薬量で特定の期間にわたって、活性化合物の定義された量を連続的に放出するボーラスでも含まれ得る。
【0057】
特定の有益な実施形態において、本発明に従う飼料組成物は、反芻動物飼料(多くの場合、反芻動物食餌とも称される)であり、全ての食餌構成要素、例えば、マクロ成分及びミクロ成分、飼草、サイレージ、及び濃縮物飼料、並びにゴシポール及びメタン阻害剤を含む添加物が挙げられる。そのような反芻動物飼料又は食餌は、多くの場合、草食動物用の完全混合飼料(TMR)若しくは部分的混合飼料(PMR)、又は栄養補給剤とも称される。
【0058】
好ましくは、本発明の全ての実施形態において、前記反芻動物飼料中で、プロパンジオールモノニトラートの量は、乾物飼料1kgあたり1mg~約25g、好ましくは乾物飼料1kgあたり約1mg~約10g、より好ましくは乾物飼料1Kgあたり約10mg~約1g、最も好ましくは乾物飼料1Kgあたり20mg~500mg、例えば乾物飼料1Kgあたり約20mg~250mg、又はさらにより好ましくは乾物飼料1kgあたり10mg~300mgの範囲内、例えば、乾物飼料1kgあたり50mg~150mg、又は乾物飼料1kgあたり60mg~100mgの範囲内で選択される。
【0059】
好ましくは、本発明の全ての実施形態において、前記反芻動物飼料中で、ゴシポールの量は、1kg乾物飼料あたり25mg~約10gゴシポール、好ましくは乾物飼料1kgあたり約50mg~約10gゴシポール、より好ましくは乾物飼料1Kgあたり50mg~約5gゴシポール、最も好ましくは乾物飼料1Kgあたり100mg~2.5gゴシポールの範囲内で選択される。さらに特定の適切な範囲は、乾物飼料1Kgあたり25mg~1gゴシポール、乾物飼料1Kgあたり50mg~1gゴシポール、又は乾物飼料1Kgあたり100mg~1gゴシポールである。
【0060】
ウシについての1日乾物摂取量は、通常、生体重1kgあたり1~3.5%の乾物の範囲内にある。乳牛についての乾物摂取量(DMI)は、飼育用地又は放牧としての給餌システムに応じて、例えば、生体重1kgあたり約2~3%の乾物であり、肉牛についての乾物摂取量は、通常、生体重の1.0~3%である。
【0061】
また、本発明に従う全ての使用及び方法において、ゴシポール及びメタン阻害剤は、一緒に適時に補充されて、相乗効果を抜粋する(excerpt)必要があるが、動物の食餌に別途加えられ得る、例えば、考慮に入れているフィーディングラック中に別途加えられ得ることが十分に理解される。
【0062】
ゆえに、本発明は、反芻動物にゴシポール及びメタン阻害剤を補充する方法であって、ゴシポール及びメタン阻害剤(全ての定義及び選好性が、本明細書中で与えられている)を、飼料ラックに付随して加える工程を包含する方法に関する。
【0063】
反芻動物に投与される反芻動物飼料の量は、種類及び年齢に応じて変わり得る。通常、肉牛又は乳牛に与えられる乾物の量は、好ましくは、例えば500kgの生体重の動物について、生体重の1.5%~3.5%の範囲内で選択され、これは、乾物7.5~17.5kg/日を与えることを意味する。
【0064】
本発明の全ての実施形態において、これは、ボーラスの経口投与、単純な給餌、又は手動の投与によって理解されるはずである。また、メタン阻害剤及びゴシポールは、投与の前に予め混合され得るか、又は動物飼料組成物及び飼料添加物に別途加えられ得ることが十分に理解される。
【0065】
反芻動物によるメタン排出は、当該技術において知られている方法によって、代謝チャンバ内の個々の動物において容易に測定され得る(Grainger et al.,2007 J.Dairy Science;90:2755-2766)。さらに、これはまた、レーザービーム(McGinn et al.,2009,Journal of Environmental Quality;38:1796-1802)若しくは六フッ化硫黄を用いる新興の技術、又は単にSF6若しくはGreenFeedシステムによって、バーンレベルにて評価され得る。これ以外にも、酪農反芻動物によって生成されるメタンはまた、国際公開第2009/156453号パンフレットに従って、乳中の脂肪酸プロファイルの測定によって評価され得る。
【0066】
本発明に従う反芻哺乳動物として、ウシ、ヤギ、ヒツジ、キリン、アメリカバイソン、ヨーロッパバイソン、ヤク、スイギュウ、シカ、ラクダ、アルパカ、ラマ、ヌー、レイヨウ、プロングホーン、及びニルガイが挙げられる。
【0067】
本発明の全ての実施形態について、家畜のウシ、ヒツジ、及びヤギが、より好ましい種である。本目的のために、最も好ましい種は、家畜のウシである。当該用語は、家畜のウシの全ての種類、及びウシの全ての生産種、特に乳牛及び肉牛を含む。用語乳牛及び肉牛は、全ての年齢及び生理学的ライフステージ及びプロダクションシステム、例えば、制限(confined)、半制限、及び草食の動物を包含することが十分に理解される。
【0068】
更なる実施形態において、本発明は、反芻動物におけるメタン阻害剤のメタン引下げ特性を相乗的に増強するためのゴシポールの使用に関する。また、本明細書中で定義される全ての定義及び特性は、前記使用に当て嵌まることが十分に理解される。
【0069】
本発明は、以下の実施例によってよりさらに説明されており、これは本発明の範囲を制限すると解釈されるべきでない。
【0070】
[実施例]
メタン生成についてのインビトロ試験:「Hohenheim飼草値テスト(HFT)」の修飾バージョンを、当該インビトロシステムによって模倣される第一胃機能に及ぼす特定の化合物の効果を試験するのに用いた。
【0071】
原理:飼料を、第一胃液の組成物及びバッファの適切な混合液と共にシリンジ中に加える。溶液を39℃にてインキュベートする。8時間後、生成されたガス相の量(及び組成)を測定して、変換式に入れた。
【0072】
[試薬:]
[質量元素溶液:]
- 6.2gのリン酸二水素カリウム(KH2PO4)
- 0.6gの硫酸マグネシウム七水化物(MgSO4*7H2O)
- 9mlの濃リン酸(1mol/l)
- 蒸留水中に1lまで溶解(pH約1.6)
【0073】
[バッファ溶液:]
- 35.0gの炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)
- 4.0gの炭酸水素アンモニウム((NH4)HCO3)
- 蒸留水中に1lまで溶解
【0074】
[微量元素溶液:]
- 13.2gの塩化カルシウム二水和物(CaCl2*2H2O)
- 10.0gの塩化マンガン(II)四水和物(MnCl2*4H2O)
- 1.0gの塩化コバルト(II)六水和物(CoCl2*6H2O)
- 8.0gの塩化鉄(III)(FeCl3*6H2O)
- 蒸留水中に100mlまで溶解
【0075】
[ナトリウム塩溶液:]
- 100mgのナトリウム塩
- 蒸留水中に100mlまで溶解
【0076】
[還元溶液:]
- 最初に3mlの水酸化ナトリウム(c=1mol/l)、次に427.5mgの硫化ナトリウム水和物(Na2S*H2O)を、71.25mlのH2Oに加える
- 溶液は、媒体溶液に加える少し前に調製しなければならない
【0077】
[手順:]
サンプル秤量:餌(すなわち、TMR(44%の濃縮物、6%の干し草、37%のトウモロコシサイレージ、及び13%の牧草サイレージ))を、1mmまで篩にかけて、正確に秤量して64本のシリンジ中に入れた。これらのシリンジのうちの4本は、基質対照である。これらは、試験する化合物の影響のないガス生成を示す。4本の他のシリンジは、陽性対照(3-NOP、10μM)である。必要である場合、4本のシリンジは、(試験化合物が担体を必要とするならば)担体対照を含有する。残りのシリンジは、表1に示す量で、4本のシリンジの群単位で、試験物質を含有する。
【0078】
[媒体溶液の調製:]
構成要素を、Woulffボトル中で、以下の順に混合する:
- 711mlの水
- 0.18mlの微量元素溶液
- 355.5mlのバッファ溶液
- 355.5mlの質量元素溶液
【0079】
完了した溶液を、39℃まで温めてから、1.83mlのナトリウム塩溶液を加え、そして36℃にて還元溶液を加える。
【0080】
指標が無色になると、第一胃液を加える。
【0081】
第一胃液の抽出:750mlの第一胃液を、およそ1,400mlの媒体溶液に、継続的な撹拌及びCO2ガス処理下で加える。
【0082】
シリンジを満たして、インキュベートして、ガス容量及びVFA値を判定:希釈した第一胃流体(24ml)を、ガラスシリンジに加える。続いて、シリンジを39℃にて8時間、穏やかな撹拌下でインキュベートする。8時間後、生成されたガスの容量を測定して、ガス相中のメタンのパーセンテージを、ガスクロマトグラフィによって判定する。
【0083】
[結果]
発酵食は、人工TMR(44%の濃縮物、6%の干し草、37%のトウモロコシサイレージ、及び13%の牧草サイレージ)であった。ゴシポールを、Sigma-Aldrich(G8761)から得て、表1に概説する濃度にて用いた。3-ニトロオキシ-プロパノール(3-NOP)を、表1に概説する濃度にて用いた。
【0084】
結果を、以下の表1に示す。プロパンジオールモノニトラートをゴシポールと組み合わせた場合に、明白な相乗効果を、メタン還元について得た。これが、動物にとっての追加の性能利益に変換する。
【0085】
【0086】
【国際調査報告】