(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】血液凝固活性を有するペプチドとこの用途
(51)【国際特許分類】
C07K 7/08 20060101AFI20240321BHJP
A61K 38/10 20060101ALI20240321BHJP
A61P 7/04 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
C07K7/08 ZNA
A61K38/10
A61P7/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560412
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 KR2022005090
(87)【国際公開番号】W WO2022234963
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2021-0058155
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510271129
【氏名又は名称】ケアジェン カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CAREGEN CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002620
【氏名又は名称】弁理士法人大谷特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヨンジ
(72)【発明者】
【氏名】キム ウンミ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ミヒ
(72)【発明者】
【氏名】クォン キョンナン
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA07
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA18
4C084BA23
4C084CA59
4C084DC50
4C084MA13
4C084MA17
4C084MA43
4C084MA63
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA531
4C084ZA532
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA16
4H045EA20
4H045FA20
(57)【要約】
本発明は、pH条件によりゲル化される特性がある新規な配列のペプチドに関し、前記ペプチドは、血液の凝固を誘導することができるので、前記ペプチドを含む組成物は、止血を誘導するための用途として有用に用いられ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列を含む、pH依存的ゲル化特性を有するペプチド。
【請求項2】
前記ペプチドは、pH4からpH8でゲル化されるものである、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
前記ペプチドは、血液凝固を誘導することができるものである、請求項1に記載のペプチド。
【請求項4】
請求項1に記載のペプチドを含む、止血誘導用組成物。
【請求項5】
前記ペプチドは、前記組成物内に0.5mg/mlから50mg/mlの濃度で含まれるものである、請求項4に記載の止血誘導用組成物。
【請求項6】
前記組成物は、カルシウムイオンをさらに含むものである、請求項4に記載の止血誘導用組成物。
【請求項7】
前記組成物は、pH4からpH8で血液を凝固させるものである、請求項4に記載の止血誘導用組成物。
【請求項8】
前記組成物は、塩濃度が50mM以上の条件で血液を凝固させるものである、請求項4に記載の止血誘導用組成物。
【請求項9】
前記組成物は、溶血現象を起こさないものである、請求項4に記載の止血誘導用組成物。
【請求項10】
前記組成物は、粉末型製剤、パッチ剤、ガーゼ、スプレー剤及び注射剤からなる群から選択される少なくとも1つの形態であるものである、請求項4に記載の止血誘導用組成物。
【請求項11】
出血が発生した動物の出血部位に請求項4に記載の組成物を処理する段階を含む、止血方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液の凝固を誘導することができる新規ペプチド及びこの用途に関する。
【背景技術】
【0002】
血管系は、動物内で各種栄養素を運搬し酸素や二酸化炭素を運搬する重要な役割を担い、血管と組織の間で血液と体液が互いに交換される。ところで、皮膚組織や血管などに損傷が発生する場合、血液及び体液が外部に流出することがあるが、このような出血が過多な場合、酸素の運搬などが正常に行われずに死にまで至ることがあり、出血を減少させるための止血方法が開発されてきた。
【0003】
生体内では、自主的に血液の凝固を誘導するシステムが備わっているところ、酵素反応を介して形成されるトロンビンとこれから作られるフィブリン繊維により、血球細胞が絡み合い血栓又は血餅を形成しながら、血液や体液成分の流出を抑制させて止血が起こり得る。しかし、深くて大きな傷の発生によって出血が過多に発生する場合、生体の凝固システムだけでは十分に止血されないことがあり、外科的手術時に伴わざるを得ない過度な出血を調節しなければならない必要性も大きいため、効果的に止血するための方法と止血活性を有する物質に対する需要は常に高いといえる。
【0004】
従来、止血を目的に活用される製品の成分として、キトサン、コラーゲン、デンプン、ミツロウなどが用いられており、これをパウダー、スポンジ、シート、ゲル形態などに製造して適用している。韓国公開特許公報第2018-0027126号では、架橋化ヒアルロン酸誘導体マトリックスを含む組成物を用いて止血効果を誘導していた。
【0005】
ところが、止血のための製剤は、基本的に、損傷、傷が発生した部位に適用されるものであるという点で生体に無害な成分でなければならず、溶血現象のような副作用を起こしてはならない。従来、医療機器として開発されている、キトサン、ポリマーなどを用いた止血製品は、止血効能が僅かであり、生体に適用後、残余物を体内で分解したり排出しなければならないという問題点があり、残余物により炎症反応が誘発されることがある。また、従来の血液凝固メカニズムを有した生物学的医薬品製剤の場合、生体由来の成分なので製造及び運送/保管が容易でないという短所があり、使用前に解凍の過程が要求されるか1剤と2剤の混合後に用いなければならないなど、適用するために長い時間が必要で使用性が良くないという短所を有する。よって、製造及び保管安定性に優れて止血効能に優れながらも、生体構成成分であるアミノ酸成分を活用して合成した血液凝固促進用ペプチド製剤の開発が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、特定条件でゲル化されて血液の凝固を誘導するために用いられ得るペプチドを提供することを目的とする。
また、本発明は、前記のようなペプチドを用いて効果的に止血を誘導することができる組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記組成物を用いて止血する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本発明の一側面は、配列番号1のアミノ酸配列を含む、pH依存的ゲル化特性を有するペプチドを提供する。
本発明の他の側面は、前記ペプチドを含む、止血誘導用組成物を提供する。
本発明の他の側面は、出血が発生した動物の出血部位に前記組成物を処理する段階を含む、止血方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明において提供するペプチドは、中性pH条件で自らゲル化する特性がある。具体的に、前記ペプチドは、特定pH条件でゲル化して凝集体を形成することができ、これにより、前記ペプチド又はこれを含む組成物を血液又は体液に処理したとき、血液内のpH条件により前記ペプチドのゲル化が進行され得る。前記ペプチドは、血球細胞とともに凝集されるか前記ペプチドのゲル化により形成されたナノ繊維構造が血球細胞及び血球以外の血液成分を取り囲んで塊を形成することにより、沈殿したり血液の流れや流出を妨害して止血が誘導されるようにするという効果がある。
【0009】
本発明のペプチド及びこれを含む組成物は、従来市販されている止血剤と比較すると、類似の水準で血液の凝固を誘導する活性があり、止血時間を短縮させる効果に優れた特徴があり、また、溶血作用を誘発しないので止血を誘導するための用途として有用に用いられ得る。
【0010】
特に、酸性条件では、ゲル化が進行されずに液体又はゾル(sol)の形態を示し得るところ、本発明のペプチド及び組成物は、実際に血液又は体液に適用される前には酸性pH条件を維持することにより流動性を有するので、保管したり適用するのにより適した性状を示し得る。そして、血液や体液に適用されたとき、この中性pHによりゲル化が進行されて実際に出血部位で効率的に止血効果を示し得るという長所がある。
【0011】
また、本発明のペプチド及びこれを含む組成物は、生体を構成するアミノ酸成分で製造されるものなので、生体に適用したときに副作用や分解/排出の問題点が発生する可能性が少ないという長所があり、これによる炎症反応の発生可能性が低い。そして、従来の止血用製剤と比較すると、製造が容易で保管安定性に優れているという効果がある。
【0012】
但し、本発明の効果は、前記で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】pH変化により本発明のペプチドが示す光散乱強さのkcps値及び粒子の大きさ(Size)を測定して示したグラフである。
【
図2】塩(NaCl)濃度変化により本発明のペプチドが含まれた溶液の光学密度値(OD 600)を測定して示したグラフと、塩濃度による前記溶液の形態を示した写真である。
【
図3】本発明のペプチドの濃度差により示されるゲル化の程度の差を比較して示した写真である。
【
図4】本発明のペプチドが含まれた組成物を濃度別にラットから採取した赤血球懸濁液と混合して観察した血球凝集試験の結果である。円で表示した部分は、血球が沈殿せずに血栓を形成し始めた濃度の実験結果を示したものである。
【
図5】本発明のペプチドが含まれた組成物を用いて血液凝固試験を行った結果であり、13秒経過後に血液の凝固が起こったことを示した写真である。
【
図6】本発明のペプチドが含まれた組成物を用いて血液凝固試験(Coagulation test)を行った結果であり、遠心分離させた試料の上澄み液の光学密度を測定して比較した結果である。蒸留水を処理した陰性対照群(DW)の数値を基準として相対的な数値(Relative to negative control)を示し、グリーンプラスト(Greenplast Q)及びRADA16ペプチド製剤を処理した群が対照群として用いられた。
【
図7】本発明のペプチドの含まれた組成物が示す止血効果に対する動物実験の結果であり、何も処理していない対照群(No Treatment)、グリーンプラストを処理した対照群(Greenplast Q)、そして、本発明のペプチドをそれぞれ1%及び2.5%の濃度で処理した群の出血部位の写真と出血量(Bleeding Loss)、出血時間(Bleeding Time)の数値を示したものである。何ら処理をしていない対照群の場合、出血開始後90秒後に出血量を測定した。
【
図8】本発明のペプチドの含まれた組成物が示す止血効果に対する動物実験の結果であり、何も処理していない対照群(NC)、グリーンプラストを処理した対照群(Greenplast Q)、そして、本発明のペプチドをそれぞれ1%及び2.5%の濃度で処理した群の出血時間(Bleeding Time)の数値を比較して示したグラフである。何ら処理をしていない対照群の場合、出血開始後約90秒後に実験を中断した。
【
図9】本発明のペプチドの含まれた組成物が示す止血効果に対する動物実験の結果であり、何も処理していない対照群(NC)、グリーンプラストを処理した対照群(Greenplast Q)、そして、本発明のペプチドをそれぞれ1%及び2.5%の濃度で処理した群の出血量(Bleeding Loss)の数値を比較して示したグラフである。何ら処理をしていない対照群の場合、出血開始後約90秒後に出血量を測定した。
【
図10】本発明のペプチドが含まれた組成物を用いた溶血試験(Hemolysis Test)の結果を比較して示した写真及びグラフであり、対照群としては、1%のSDSとPBSを本発明の組成物の代わりに処理してその結果を確認した。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
1.pH依存的ゲル化特性を有するペプチド
本発明の一側面は、pH依存的にゲル化される特性を有する新規のペプチドを提供する。
本発明における用語「ペプチド」は、ペプチド結合により連結された2個以上のアミノ酸からなるポリマーを意味する。
【0016】
本発明における用語「ゲル化(gelation)」は、ゲル(gel)形態(形状)に変化される現象を意味し、溶液中のコロイド粒子が流動性を失って固体又は半固体状態の一定の形態を有するようになることを意味する。一般的に、ゲルとは、液体内に固体粒子が分散しているゾル(sol)が化学結合などを形成しながらゲル化されたものであってよい。
【0017】
前記ペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。前記ペプチドは、前記ペプチドの特性又は活性に影響を及ぼさない範囲内で、アミノ酸残基の欠失、挿入、置換又はこれらの組み合せによって異なる配列を有する変異体ペプチドを含むことができ、又は同一の機能を有するタンパク質断片の形態であってよい。前記配列番号1のアミノ酸配列を含むことによる特性又は活性を全体的に変更させない、タンパク質及びペプチド水準におけるアミノ酸の変形は、本発明の技術分野に公知となっており、場合によっては、リン酸化(phosphorylation)、硫化(sulfation)、アクリル化(acrylation)、糖化(glycosylation)、メチル化(methylation)、ファネシル化(farnesylation)などに変形されてよい。よって、前記ペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列だけでなく、これと実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチド又はこの変異体を含む。前記実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチドは、前記配列番号1のアミノ酸配列と90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、又は99.5%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含むペプチドであってよいが、これに限定されず、前記配列番号1のアミノ酸配列と90%以上のアミノ酸配列の相同性を有する配列を含みながら同一の活性を有するペプチドであれば、本発明の範囲に含まれる。
【0018】
本発明のペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含みながら、pHに依存的にゲル化される特性を示す20個以下のアミノ酸からなるものであってよい。具体的に、前記ペプチドは、20個以下、18個以下、15個以下又は12個のアミノ酸からなるものであってよい。
【0019】
また、本発明の前記ペプチドは、当該分野で広く公知の多様な方法で獲得することができる。一例として、ポリヌクレオチド組み換えとタンパク質発現システムを用いて製造したり、ペプチド合成のような化学的合成を介して試験管内で合成する方法、及び無細胞タンパク質合成法などで製造されてもよいが、この製造方法によって限定されるものではない。
【0020】
また、さらに良好な化学的安定性、強化された薬理特性(半減期、吸収性、力価、効能など)、変更された特異性(例えば、広範囲な生物学的活性スペクトル)、減少された抗原性を獲得するために、ペプチドのN末端又はC末端に保護基が結合されていてよい。例えば、前記保護基は、アセチル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、ホルミル基、パルミトイル基、ミリスチル基、ステアリル基またはポリエチレングリコール(PEG)であってもよいが、ペプチドの改質、特にペプチドの安定性を増進させることができる成分であれば制限なく含んでもよい。前記「安定性」は、生体内タンパク質切断酵素の攻撃から本発明のペプチドを保護するインビボにおける安定性だけではなく、保存安定性(例えば、常温保存安定性)も意味する。
【0021】
本発明のペプチドは、中性pHでゲル化されるものであってよい。具体的に、前記ペプチドは、pH4からpH8、pH4からpH7、pH4.5からpH7、又はpH5からpH7の範囲のpH条件でゲル化されるものであってよいが、これに制限されるものではない。前記ペプチドは、ヒト又はヒトを除いた動物の血液又は体液が示し得るpH範囲でゲル化されるものであってよい。
【0022】
また、本発明のペプチドは、酸性pHでゾル(sol)又は液体の形態を示すものであってよい。具体的に、前記ペプチドの含まれた溶液は、酸性pH、例えば、pH0からpH3.9の範囲でゾル又は液体の形態であってよく、本発明のペプチドは、pHが変化されて中性pH条件が与えられることによってゲル化(gelation)され、流動性を失って固体又は半固体形態のゲルを形成する特性を有するものであってよい。
【0023】
本発明の具体的な実施例においては、pHを変化させながら前記ペプチドの光散乱強さのkcps値及び大きさを測定し、pH4以上の条件で溶液内の粒子の大きさが増加してkcps値が徐々に増加することを確認することでゲル化が進行されることを確認した。特に、pH6以上の条件では目視でもペプチドの凝集が観察されたので、本発明のペプチドはpHに依存的に、より具体的には、中性pH条件でゲル化される特性があることを確認することができた。
【0024】
前記ペプチドは、塩が存在する条件でゲル化される特性を有するものであってよく、例えば、前記塩は、塩化ナトリウム(NaCl)であってよいが、これに制限されるものではない。前記ペプチドは、前記塩の濃度が50mM以上、60mM以上、70mM以上又は100mM以上の条件でゲル化され得、塩の濃度が高くなるのに伴ってゲル化される程度が増加し得る。前記ペプチドは、ヒト又はヒトを除いた動物の血液又は体液が示し得る塩濃度の範囲でゲル化されるものであってよい。
【0025】
本発明の具体的な実施例においては、塩の濃度を変化させながら前記ペプチドの凝集の程度を光学密度の測定により目視で確認し、その結果、塩化ナトリウム(NaCl)の濃度が100mM以上であるとき、濁度が徐々に増加し粘度が増加してゲル化が起こることを確認した。
【0026】
前記で説明したような前記ペプチドの特性により、前記ペプチドは、血液の凝固を誘導することができる。前記血液の凝固とは血液が固まることを意味し、前記ペプチドは、液体状態の血液が固体状態の血栓、血餅などに固まる反応を誘導することができる。より具体的に、前記ペプチドにはゲル化される特性があるので、ペプチドのゲル化により形成されるナノ繊維形態の構造が血液内の血球及びその他の血液成分を取り囲んで凝集されるように誘導することができる。本発明のペプチドとともに凝集された血球細胞は塊を形成することができ、これにより体積が大きくなって沈殿したり、血液の流れ、流出を妨害することができる。よって、本発明のペプチドは、出血が発生した際に血液の凝固を誘導することができる活性があるので、本発明のペプチド又はこれを含む組成物は、止血のための用途として有用に用いられ得る。
【0027】
2.止血誘導用組成物及びこれを用いた止血方法
本発明のまた他の側面は、前記ペプチドを含む、止血誘導用組成物を提供する。
前記ペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含むものであり、これに関する説明は、「1.pH依存的ゲル化特性を有するペプチド」項目で説明したペプチドと同一なので、具体的な説明はこれを援用する。
【0028】
本発明における用語「止血」は、出血を減少させることを意味し、これは、血液の流出だけでなく、血液以外の体液の流出を減少させることを全て意味し得る。また、前記止血は、血液又は体液の凝固を誘導又は促進すること、出血量を減少させること、出血時間を減少させること、出血を止めるようにすること、血栓又は血餅の形成を促進することなどを全て含む概念である。
【0029】
本発明の前記ペプチドは、pHに依存的にゲル化される特徴があるので、これを含む組成物もpH条件によって凝集されてゲル化されることがあり、血球とともに凝集されることにより止血を誘導するための用途として用いられ得る。具体的に、出血が発生した部位で前記組成物に含まれたペプチドのゲル化が起こり得、これにより形成されたゲル又はナノ繊維の形態が血球細胞及びその他の血液成分を取り囲みながら凝集され得る。このように形成された凝集体は、大きな塊をなして沈殿したり、血液の流れ、流出を妨害することができる。よって、本発明の組成物は、出血部位で止血を誘導するために有用に用いられ得る。
【0030】
前記組成物は、酸性pHを示すものであってよい。例えば、前記組成物は、pH0からpH3.9の範囲を示すことができ、これによりゲル化が進行されていない液体又はゾル(sol)の形態であってよい。
【0031】
前記ペプチドは、前記組成物内に0.5mg/mlから50mg/mlの濃度で含まれるものであってよい。具体的に、前記ペプチドは、0.5mg/mlから50mg/ml、1mg/mlから40mg/ml、10mg/ml から35mg/ml、又は20mg/mlから30mg/mlの濃度で含まれるものであってよいが、これに制限されるものではない。本発明の組成物に含まれるペプチドの濃度が前記範囲である場合、ペプチドによるゲル化が十分に起こり得るので、血液の凝固が誘導されて止血効果が十分に現れ得るという長所がある。
【0032】
前記組成物は、カルシウムイオンをさらに含むものであってよい。前記カルシウムイオンは、例えば、塩化カルシウム(CaCl2)の形態で本発明の組成物に添加されてよい。カルシウムイオンは、血液内で血液の凝固反応を誘導、促進するものと知られており、より具体的には、血液凝固反応に関与するトロンボキナーゼなどの酵素によるトロンビン形成反応に役立つことができる。よって、前記カルシウムイオンは、本発明の組成物が示す血液の凝固又は止血効果に役立つことができ、また、適切な塩濃度を形成するために含まれてもよい。
【0033】
前記組成物は、中性pHで血液を凝固させるものであってよく、より具体的に、pH4からpH8、pH4からpH7、pH4.5からpH7、又はpH5からpH7の範囲のpH条件で血液を凝固させることができるものであってよいが、これに制限されるものではない。前記組成物は、ヒト又はヒトを除いた動物の血液又は体液が示し得るpH範囲で血液を凝固させるものであってよい。
【0034】
前記組成物は、塩濃度が50mM以上である条件で血液を凝固させるものであってよく、より具体的に、塩の濃度が50mM以上、60mM以上、70mM以上又は100mM以上の条件で血液を凝固させることができるものであってよいが、これに制限されるものではない。前記組成物は、ヒト又はヒトを除いた動物の血液又は体液が示し得る塩濃度の範囲で血液を凝固させるものであってよい。
【0035】
前記組成物は、溶血現象を起こさないものであってよい。前記溶血現象とは、血球が破壊される現象を意味し、具体的に、赤血球が破壊される現象であってよい。本発明の組成物は、溶血現象を起こさないため、血液や出血部位に適用するのに適するという特徴がある。
【0036】
本発明の具体的な実施例においては、ラットから採取した血液から分離した赤血球に本発明の組成物を処理した後、遠心分離して上澄み液の光学密度を測定した結果、1%SDSを処理した際と比較して前記測定値が顕著に小さく測定された。これは、赤血球の溶血現象が発生しないため表れた結果であり、本発明の組成物は、血液の溶血作用を誘発しないことを確認することができた。
【0037】
前記組成物は、止血を誘導するために多様な形態の製剤に作製されてよい。具体的に、前記組成物は、粉末型製剤、パッチ剤、ガーゼ、スプレー剤及び注射剤からなる群から選択される少なくとも1つの形態であってよいが、これに制限されるものではなく、前記組成物に含まれたペプチドがゲル化されて血球及びその外血液成分とともに凝集することができれば、如何なる形態で提供されてもよい。
【0038】
本発明のまた他の側面は、前記組成物を用いる止血方法を提供する。
本発明の止血方法は、出血が発生した動物の出血部位に請求項4に記載の組成物を処理する段階を含む。前記動物は、ヒト又はヒト以外の動物を全て含み、前記ヒト以外の動物は、例えば、牛、豚、羊、山羊、鹿、馬、ラット又は家禽類(ニワトリ、鴨、ガチョウ、七面鳥、ダチョウ、七面鳥、雉)であってよいが、これに制限されるものではなく、血管系を保有している動物であれば制限なく適用されてよい。
【0039】
前記出血部位は、血液又は血液以外の体液が流出される全ての部位を含み、例えば、皮膚の表面に損傷が発生して血液又は体液が流出される部位、血管に損傷又は切断が発生して血液が流出される部位、腸内出血部位などを全て含むことができる。
【0040】
前記組成物を処理する方法は、前記組成物の形態により変わってよく、例えば、前記組成物が粉末型製剤、スプレー剤などの場合、出血部位に噴射したり塗布して処理されてよく、パッチ剤、ガーゼなどの場合、出血部位の表面に付着して処理されてよい。また、前記組成物が注射剤の場合、出血部位に注射器を用いて注射して処理されてよいが、これに制限されるものではない。
【0041】
前記止血方法は、前記組成物を処理する段階の後、出血部位に物理的な圧迫を加える段階をさらに含むことができる。しかし、本発明の止血方法は、これに制限されず、通常、出血を抑制するために用いられる止血方法であれば、如何なるものであっても制限なく本発明の組成物処理段階とともに適用されてよい。
【0042】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
但し、下記実施例は、本発明を具体的に例示するものであり、本発明の内容が下記実施例により限定されない。
【0043】
[製造例]ペプチドの製作
自動ペプチド合成機(Milligen 9050、Millipore、米国)を用いて、下表1に記載された配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドを合成し、C18逆相高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)(Waters Associates、米国)を用いてこれら合成されたペプチドを純粋分離した。カラムは、ACQUITY UPLC BEH300 C18(2.1mm×100mm、1.7μm、Waters Co、米国)を用いた。
【0044】
【0045】
[実験例1]pH変化によるペプチドのゲル化の確認
配列番号1のアミノ酸配列を有する本発明のペプチドのゲル化現象を確認するために、pHを調節しながら本発明のペプチドの物性変化を測定することによりゲル化の程度の変化を確認した。具体的に、10mMの酢酸緩衝溶液(pH3.4からpH5.5)と10mMのリン酸緩衝溶液(pH6.0からpH7.4)を用いて本発明のペプチドを1mg/mlの濃度で溶解した。そして、pHがそれぞれ3.4、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7及び7.4であるとき、前記ペプチドを対象として光散乱分析装置(ZetaSizer、Malvern panalytical、UK)を用いて大きさ
(Size)及び光散乱強さ(単位:kcps)を測定した。
【0046】
その結果、
図1から確認できるように、pH3.4及び4であるときには光散乱強さのkcps値の変化が大きくなかったが、pHが4.5に増加したときからkcps値が大きく増加するものと測定され、本発明のペプチドのゲル化が始まるpHであるゲル化点(gelling point)は、pH4とpH4.5の間であるものと確認された。そして、pHが徐々に増加するにつれてkcps値も徐々に増加し、pH5.5であるとき最も高いものと測定された。これは、pHが増加しながら本発明のペプチドの構造的な変化が誘導され、これによる粒子の配列によりゲル化特性を有するようになるためであると予想される。pH6においても前記ペプチドのkcps値は高く維持され、目視でペプチドの凝集(aggregation)が起こったことを確認することができた。pHが増加するにつれて粒子の大きさは徐々に大きくなるものと示され、中性pHでペプチドの凝集及びゲル化が起こることを確認することができた。
【0047】
前記のような結果を介して、本発明のペプチドは、酸性pH条件ではゲル化が進行せず凝集現象が観察されなかったが、pHが徐々に増加してpH4から4.5であるときゲル化が始まり、中性pHに至って凝集されてゲル形状をなす特性があることを確認することができた。よって、前記ペプチドは、このpH条件に応じて凝集体を形成することができ、これを血液の凝固を誘導するための用途として用いることができる可能性があり、特に、動物の血液、体液と類似のpH範囲でゲル化が起こる本発明のペプチドの特性を考慮すると、これは生体に適用するのに適していることを確認することができた。
【0048】
[実験例2]塩濃度によるペプチドのゲル化の確認
前記実験例1により、本発明のペプチドがpHの増加に伴ってゲル化される特性があることを確認したことに加え、NaClのような塩の濃度により前記ペプチドのゲル化現象が如何に変化するのかを確認した。具体的に、それぞれ0、10、50、100、150及び200mMのNaCl水溶液を準備した後、前記NaCl水溶液200μlに配列番号1のアミノ酸配列を有する25mg/mlの本発明のペプチドを100μl添加し、3,500rpmでボルテックスして混合した。そして、前記ペプチドと塩水溶液の混合物の光学密度を600nm波長で測定した。
【0049】
その結果、
図2から確認できるように、NaClの濃度が100mMであるとき混合物の濁度が増加し始め、NaClが200mM濃度に至るまで混合物の濁度は増加し続けた。これは、本発明のペプチド分子間の相互作用の増加により凝集が促進されるためであると予想される。また、NaCl 150mMの濃度まで粘度が増加する傾向があることを確認した。
【0050】
動物の血液や体液は一定量の塩が溶解されているので、血液及び体液と類似の環境においても本発明のペプチドのゲル化が十分に起こるか否かを確認する必要性がある。NaClの濃度による前記ペプチドのゲル化可否の結果からみると、本発明のペプチドは、生体内環境でゲル性状を形成することにより、血液の凝固を誘導するための用途などに有用に用いられ得ることを確認することができた。
【0051】
[実験例3]ペプチド濃度によるペプチドのゲル化の確認
配列番号1のアミノ酸配列を有する本発明のペプチドの濃度により、前記ペプチドのゲル化の程度が如何に変化するのかを確認した。具体的に、1.5mlマイクロチューブに前記ペプチドをそれぞれ5、10及び25mg/mlの濃度で蒸留水と混合して溶解させた後、これに5N NaOHを添加し、pHを徐々に増加させながら前記ペプチドが含まれた混合物の相転移を目視で観察した。
【0052】
その結果、
図3から確認できるように、本発明のペプチドは、最初の(initial)酸性pH条件においては概してゾル(sol)性状を示しているが、pHの増加に伴いゲル化(Gelation)が進行した。前記ペプチドの濃度が0.5mg/mlである場合にはpHが7.5に至ってもゲル化が起こらなかった(GelationX)が、ペプチドの濃度が増加するほどペプチドのゲル化はさらに促進されるものと示され、25mg/mlの濃度でペプチドが含まれたチューブではpH4.2条件からゲル化が進行したことを確認することができた。
【0053】
[実験例4]本発明のペプチドの血球凝集効果の確認(Hemagglutination assay)
中性pH条件でゲル化されて凝集する特性があるものとして確認された前記製造例のペプチドを用いて、血液内で赤血球に対する凝集効果があるのか否かを確認した。具体的に、ラットから採取した血液を1.5mlのEPチューブに分株した後、1,500gで10分間遠心分離を行ってから、上澄みのプラズマを除去して0.9%の塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄した。そして、赤血球と塩化ナトリウム水溶液を3:11(v/v)の比率で混合して赤血球懸濁液を準備した。本発明のペプチドに対する対照群として、止血活性があるものと知られて市中で販売されている研究用RADA16ペプチド試料(3D Matrix)を用いた。v-typeの96ウェルプレートに本発明の製造例ペプチド及び前記対照群ペプチドを精製水に溶解し、それぞれ0、62.5、125、250,500及び1,000μg/mlの濃度(concentration)で10μl処理した後、塩化ナトリウム水溶液90μlを添加した。これに前記赤血球懸濁液10μlを添加した後、300rpmで10分間混合して4℃で2時間以上反応させた。そして、赤血球懸濁液の沈殿の程度を目視で確認することにより、各試料のナノ繊維の形成による血球の凝集の程度を評価した。
【0054】
その結果、
図4から確認できるように、500μg/ml以上の本発明のペプチド濃度で赤血球懸濁液が沈殿されず血栓を形成するものと示された。これは、本発明のペプチドにより形成されたナノ繊維により赤血球が凝集されて示されるようになった効果であって、血球に対する凝集効果があるものと知られている対照群ペプチド試料と類似の水準で血液の凝固促進効果が示されることを確認した。したがって、本発明のペプチドやこれを含む組成物は、血球の凝集を誘導することにより止血のための用途として有用に用いられ得ることを確認することができた。
【0055】
[実験例5]本発明のペプチドの血液凝固効果の確認(Blood coagulation test)
本発明のペプチドが血液の凝固反応を誘導する効果があるのか否かを確認するために、ラットから採取した血液に本発明のペプチドを処理した後、血液の凝固可否を確認した。
【0056】
先ず、本発明のペプチド処理による血液の凝固時間(Clotting time)を評価した。ヘパリン真空採血管に採取したラットの血液凝固反応を抑制させた状態で、300μlの血液をEPチューブに移し入れ、本発明のペプチドを精製水に溶解させた溶液を150μl処理した。10秒間隔でチューブをひっくり返して血液の流れ性を目視で評価することにより凝固時間を測定した。対照群としては、前記RADA16ペプチド試料とグリーンプラスト(Greenplast Q、GC緑十字)を用いて本発明のペプチドと同一の方法で実験を行った。
【0057】
その結果、下表2及び
図5から確認できるように、2.5%濃度の製造例のペプチドを処理した場合、13秒経過後に血液が凝固されることを確認することができた。グリーンプラストを処理したときには、血液が凝固されるまで20秒以内の時間が費やされ、RADA16ペプチドを処理したときには30秒以内の時間が費やされたところ、本発明のペプチドは、既存に止血剤として用いられていた市販製剤と類似するかより優れた血液凝固の効能を示すことを確認することができた。
【0058】
【0059】
また、本発明のペプチドの凝固効能を評価するために、前記製造例のペプチドをラットの血液に処理した後、その光学密度(optical density)を測定した。具体的に、ヘパリン真空採血管に採取したラットの血液凝固反応を抑制させた状態で300μlの血液を15mlコニカルチューブに移した後、本発明のペプチド溶液を300μl入れて軽く交ぜた。そして、0.2MのCaCl2溶液を30μl入れて37℃で10分間インキュベーションすることにより凝固反応を促進させた。その次に、10mlの蒸留水を慎重に入れた後、均一に分散された上澄み液200μlを96ウェルプレートに入れ、分光光度計で540nm波長で光学密度を測定した。同様に、対照群としてグリーンプラストとRADA16ペプチド製剤を用いた。
【0060】
その結果、
図6から確認できるように、本発明のペプチドを処理したとき測定された光学密度は、蒸留水を処理した陰性対照群の血液凝固の程度を基準として(Relative to negative control)0.41の水準に示されたので、上澄み液内の血球の量が顕著に減少したものと測定された。これは、従来市販されていた止血剤であるRADA16ペプチド製剤を処理したときの効果(0.7)よりさらに優れた血液凝固の効果を示すものであって、本発明のペプチドとこれを含む組成物は、血液の凝固を促進させるための用途として有用に用いられ得ることを確認することができた。
【0061】
[実験例6]本発明のペプチドの止血効果の動物実験(in vivo test)
本発明のペプチドが示す血液凝固の効果が実際に動物においても示されるのか否かを確認するために動物実験を行った。具体的に、8週齢の雌ラット(SD-rat)の大腿部を切開して動脈を露出させた後、21Gのニードルで露出された動脈を損傷させて出血モデルを構築した。そして、出血して直ぐに本発明のペプチドを精製水に溶解させてそれぞれ1%及び2.5%の濃度で製造した試料をそれぞれ200μl出血部位に処理した後、予め重さを測定したガーゼに出血された血液を吸収させた。そして、出血が停止するまで必要とされた時間(Bleeding time)を測定し、血液が吸収された前記ガーゼの重さを測定して出血量(Bleeding loss)を確認した。陽性対照群としてはグリーンプラスト製剤を用い、何ら処理をしていない陰性対照群(No Treatment)の場合、出血が始まってから90秒後に実験を中断してその時までの出血量を確認した。
【0062】
その結果、
図7から
図9から確認できるように、本発明のペプチドを処理した場合、ラットの出血が止まり止血効果があるものと示された。1%のペプチドを処理した場合、96秒後に出血が止まり、2.5%のペプチドを処理した場合には59秒後に止血され、グリーンプラストを処理した陽性対照群の止血時間(84秒)と比較すると、類似するかより優れた止血効果があることを確認することができた。出血された血液量を比較したときにも2.5%の本発明のペプチドを処理した場合、何も処理せずに90秒間出血が起こった陰性対照群と比較すると、出血量が顕著に減少した。したがって、本発明のペプチドは、実際に出血が発生した動物に処理したときにも止血効果が示され、既存に市販されていた止血剤と類似の水準の効果を示し得ることを確認することができた。
【0063】
[実験例7]本発明のペプチドによる溶血現象の発生有無の確認(Hemolysis test)
【0064】
さらには、本発明のペプチド処理により血球が破壊される溶血現象が起こるか否かを確認した。ヘパリン真空採血管に採取したラットの血液凝固反応を抑制させた状態でEPチューブに移し入れ、1,500gで10分間遠心分離させた。上澄みプラズマを除去した後、沈殿された赤血球に本発明のペプチド2.5%及び5%をそれぞれ200μl処理した。溶血作用に対する陽性対照群としては1%のSDSを処理して用いた。37℃インキュベーターで各試料を1時間保管した後、再び1,500gで10分間遠心分離を行った。上澄み液を96ウェルプレートに200μlずつ移して540nmの波長で光学密度を測定した。
【0065】
その結果、
図10から確認できるように、SDSを処理した群においては溶血現象が発生したが、本発明のペプチドは2.5%及び5%濃度のいずれにおいて陰性対照群と同様に溶血作用を誘発しないものと示された。したがって、本発明のペプチドは血球を破壊させないので、血液の凝固を誘導するための目的に用いるとしても問題がないことを確認することができ、これを含む組成物を止血のための用途として有用に用い得ることを確認することができた。
【0066】
以上、本発明は、記載された実施例に対してのみ詳細に説明されたが、本発明の技術思想の範囲内で多様な変形及び修正が可能であるのは、当業者において明白なことであり、このような変形及び修正が特許請求の範囲に属することは当然であろう。
【配列表】
【国際調査報告】