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特表2024-514097自動車の車外視認ユニットのための調節駆動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】自動車の車外視認ユニットのための調節駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/072 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
B60R1/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560618
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 NL2022050185
(87)【国際公開番号】W WO2022211636
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】2027910
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510126416
【氏名又は名称】エムシーアイ(ミラー コントロールズ インターナショナル)ネザーランド ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】ウィジンジェッツ,ヤニック ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ブラウウェル,ステファン フリッツ
(72)【発明者】
【氏名】ファン スティファウト,パウルス ヘラルドゥス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ド フリース,ヘンドリック アルフレット シメオン
(72)【発明者】
【氏名】ブアジズ,フランソワ ロデリック ヘンリー
【テーマコード(参考)】
3D053
【Fターム(参考)】
3D053GG06
3D053GG12
3D053HH03
3D053HH18
3D053LL02
3D053MM02
(57)【要約】
自動車の車外視認要素の調節器(10)のための駆動装置であって、前記駆動装置は、第1の電気モータ(12)と協働する駆動機構(14)を備え、前記駆動機構(14)は、前記第1の電気モータ(12)が通電することによって第1の被駆動要素および第2の被駆動要素(70,72)をそれぞれ駆動するように構成されており、前記駆動機構(14)は、第2の電気モータ(16)と協働する連結機構(18)を含み、前記連結機構(18)は、前記第2の電気モータ(16)が通電することによって、前記駆動機構(14)と前記第1の被駆動要素および前記第2の被駆動要素(70,72)とをそれぞれ選択的に連結するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車外視認要素の調節器(10)のための駆動装置であって、前記駆動装置は、第1の電気モータ(12)と協働する駆動機構(14)を備え、
前記駆動機構(14)は、前記第1の電気モータ(12)が通電することによって第1の被駆動要素および第2の被駆動要素(70,72)をそれぞれ駆動するように構成されており、前記駆動機構(14)は、第2の電気モータ(16)と協働する連結機構(18)を含み、
前記連結機構(18)は、前記第2の電気モータ(16)が通電することによって、前記駆動機構(14)と前記第1の被駆動要素および前記第2の被駆動要素(70,72)とをそれぞれ選択的に連結するように構成されている、駆動装置。
【請求項2】
前記第1の電気モータおよび前記第2の電気モータ(12,16)は、低電圧電気モータである、特に、低電圧直流電気モータである、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第2の電気モータ(16)の最大吸収電力は、第1の電気モータ(12)の最大吸収電力よりも小さい、請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第1の電気モータおよび前記第2の電気モータ(12,16)への電力供給は、自動車の1つの電動ドアモジュールによって行われる、請求項1から3の何れか一項に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記第2の電気モータ(16)の作用下にある前記連結機構(18)は、前記第1の電気モータ(12)が前記第1の被駆動要素(70)に連結された第1の状態と、前記第1の電気モータ(12)が前記第2の被駆動要素(72)に連結された第2の状態との間で調節可能である、請求項1から4の何れか一項に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第2の電気モータ(16)の作用により、前記連結機構(18)はニュートラル状態に調節可能であり、前記ニュートラル状態において前記連結機構(18)は前記第1の被駆動要素および前記第2の被駆動要素(70,72)の両方を解放する、請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記連結機構(18)は、前記第2の電気モータ(16)の駆動に対して前記第1の電気モータ(12)が対抗するように構成されている、請求項1から6の何れか一項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記駆動機構(14)は、前記第1の電気モータ(12)と協働する駆動段(20)を有し、
前記駆動段(20)は、前記第1の被駆動要素が属する第1の出力段(22)および、前記第2の被駆動要素が属する第2の出力段(24)と協働する、請求項1から7の何れか一項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記駆動段(20)は出力要素(26)を含み、前記連結機構(18)を介して前記第2の電気モータ(16)の作用下にある前記出力要素(26)は、前記駆動段(20)の前記出力要素(26)が前記第1の出力段(22)と協働する、前記連結機構(18)の前記第1の状態に対応する第1の位置と、前記駆動段(20)の前記出力要素(26)が前記第2の出力段(24)と協働する、前記連結機構(18)の前記第2の状態に対応する第2の位置との間で調節可能である、請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記出力要素(26)は、前記連結機構(18)を介して前記第2の電気モータ(16)の作用下で、前記連結機構(18)の前記ニュートラル状態に対応するニュートラル位置へと調節可能であり、
前記ニュートラル位置では、前記第1の被駆動要素および前記第2の被駆動要素(70,72)の両方が解放され、特に、前記第1の出力段および前記第2の出力段(22、24)の両方が解放された状態である、請求項8に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記連結機構(18)はレバーアーム(28)を有し、
前記レバーアーム(28)は、前記第2の電気モータ(16)によって回動され、前記駆動段(20)の出力要素(26)を一端に有する、請求項1から10の何れか一項に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記出力要素(26)および前記被駆動要素(70,72)は、協働歯車対、ウォームホイール/ウォーム歯車対、または、歯車/クラウン歯車対で構成される、請求項1から11の何れか一項に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記連結機構(18)は、並進可能に配置されたアーム(30,32)、特に、互いに反対方向に移動可能に配置された2つのアーム(30,32)を有する、請求項1から12の何れか一項に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記出力要素(26)は、遊星歯車機構(34)の出力を含む、請求項1から13の何れか一項に記載の駆動装置。
【請求項15】
自動車の車外視認要素(44)の調節器(10)であって、請求項1から14の何れか一項に記載の駆動装置と、前記車外視認要素の上方および下方への回動運動を駆動するための第1の出力段(22)と、前記車外視認要素の内側および外側への回動運動を駆動するための第2の出力段(24)とを備える、調節器。
【請求項16】
前記第1の被駆動要素および/または前記第2の被駆動要素(70,72)と連結される車外視認ユニットを更に備える、請求項15に記載の調節器。
【請求項17】
ニュートラル状態の前記第1の出力段および/または前記第2の出力段(22,24)は自己制動ではない、請求項15または16に記載の調節器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置、特に自動車用の車外視認要素の調節駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車外視認要素の調節器は、通常、車外に設けられるミラー、カメラ、LIDARおよび/またはディスプレイ等の車外視認ユニットを搭載するためのキャリアを備える。キャリアは、車外視認ユニットのハウジングの一部であるまたは車外視認ユニットの一部であってもよい。キャリアは、通常、駆動装置、特に電気駆動装置により調節器のベースに対して調節可能であり、自動車に搭載され、車外視認要素のハウジングに対して調節可能であるまたは調節可能でない。
【0003】
調節器は、多くの場合、複数の調節軸を有し、特に、固定座標系における縦軸と固定座標系における横軸との両方について、視認ユニットを調節可能に構成されている。例えば、車外視認ユニットが駆動位置にある時、運転者が車外視認要素を介して見ることができる角度を設定することができる。そして、縦軸に関する調節は、通常、左から右への方向と右から左への方向との両方向に行うことができる。横軸の調節も通常、下から上、上から下の2方向に行うことができる。車外ミラーの従来の調節では、実際には、ミラーガラス作動という用語が使われることが多い。
【0004】
また、調節器は、キャリアが実質的に車両に沿って延在する駐車位置と、キャリアが実質的に車両に対して横方向に延在する展開走行位置との間で視認ユニットを調節可能にするように構成されてもよい。このような調節は、通常、電動格納作動という用語で呼ばれる。
【0005】
多くの実施例において、調節器は、各々が自身の電気モータを備える2つの駆動部を有する1つのアクチュエータを備えてもよい。アクチュエータによって、キャリアを折り畳むおよび展開するための回動動作と、キャリアを縦軸および/または横軸に関して調節する調節動作との両方が行われる。この場合、車外視認ユニットは、2軸電動格納アクチュエータ、または、電動格納機能付きミラーガラスアクチュエータとみなすことができる。このような単一のアクチュエータを有する調節器では、回動軸は縦調節軸と一致させてもよい。このような調節器はEP3218226に記載されている。
【0006】
このような調節要素には非常に多くの利点がある反面、欠点もある。例えば、このような調節器は、縦軸と横軸の調節後に適切な位置に維持するために、比較的重いばねの付勢を必要とする。その結果、縦軸の調節用電気モータだけでなく、横軸の調節用電気モータも比較的重い設計にする必要がある。これはコスト増につながる。また、電動格納作動およびミラーガラス作動のために、調節器に電源供給を担うドアモジュールが、標準設計では、比較的重い設計であるただ1つの電気モータのための電流を供給し切り替えるように構成され、さらに、主に比較的軽い電流を供給し切り替えるように構成されるという問題につながる可能性がある。視認ユニットを縦軸および横軸に関して調節するために、2つの比較的重い電流を供給し切り替えることができる適合したドアモジュールを提供することは、比較的コストがかかる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、上述した利点を維持しつつ、上述した欠点を解消できる調節器用駆動装置を提供する。本発明は、駆動装置、特に自動車用の車外視要素の調節器のための駆動装置であって、第1の電気モータと協働する駆動機構を備える。この駆動機構は、第1の電気モータの通電によって、第1の被駆動要素および第2の被駆動要素をそれぞれ駆動するように構成され、当該駆動機構は第2の電気モータと協働する連結機構を備え、前記連結機構は、前記第2の電気モータが通電することによって、前記駆動機構と前記第1の被駆動要素および前記第2の被駆動要素とをそれぞれ選択的に連結するように構成されている。駆動機構に電気的に作動する連結機構を設けることにより、縦軸および横軸のそれぞれについて調節のために選択的に駆動される要素を作動させるための比較的重い1つの第1の電動モータと、連結機構を作動させるための比較的軽い1つの電動モータとで足りる。従って、電動モータのコストを節約することができ、標準的なドアモジュールを使用することができる。
【0008】
電気モータは、自動車の電気車載ネットワークで通常使用されるような低電圧電気モータ、特に低電圧直流電気モータとして実装可能である。この文脈における低電圧とは、少なくとも、電動モータが、約100V未満、さらには約50V未満、特に約24Vまたは約12Vの動作電圧用に設計されたモータであることを意味する。第1の電気モータおよび/または第2の電気モータは、従来の直流電気モータ、ブラシレス直流電気モータ、ステッピングモータまたは交流モータとして実装可能である。
【0009】
第2の電気モータの最大吸収電力は、本発明によれば、第1の電気モータの吸収電力よりも小さくてもよい。第2の比較的軽い電気モータの吸収電力は、例えば、比較的重い第1の電気モータの吸収電力の半分以下または4分の1以下とすることができ、望ましくは、比較的重い第1の電気モータの吸収電力の約10%である。第1の電気モータの吸収電力は25W未満、例えば、約12Wとすることができ、第2の電気モータの吸収電力は2.5W未満、例えば、約1Wとすることができる。有利なことに、両方の電気モータは等しい作動電流に構成される。
【0010】
前記第1の電気モータおよび前記第2の電気モータへの電力供給は、自動車の1つの電動ドアモジュールによって行われてもよい。電動ドアモジュールは、第1および第2の電気モータの電源を切り替えるが、第1の電気モータのスイッチング電源だけは、例えば、第2の電気モータの最大2.5Wに対して最大25W等、比較的高出力に設計されている。
【0011】
前記第2の電気モータの作用下にある前記連結機構は、前記第1の電気モータが前記第1の被駆動要素に連結された第1の状態と、前記第1の電気モータが前記第2の被駆動要素に連結された第2の状態との間で調節可能である、そして連結機構は、第1の状態では第2の被駆動要素を解放し、第2の状態では第1の被駆動要素を解放する。前記第2の電気モータの作用により、前記連結機構はニュートラル状態に調節可能であり、前記ニュートラル状態において前記連結機構は前記第1の被駆動要素および前記第2の被駆動要素の両方を解放する。こうして、それぞれの場合において、比較的重い電気モータが、第1の被駆動要素および第2の被駆動要素のうちの一方と結合され、他方の被駆動要素が解放される。ニュートラル状態では、両方の被駆動要素が解放された状態であってもよい。被駆動要素がフリーであれば、第1の電気モータを使用することなく被駆動要素を移動させることができ、例えば、組み付けを容易にすることができる。ニュートラル状態は、第1の状態と第2の状態との中間の状態である。
【0012】
前記連結機構は、前記第2の電気モータの駆動に対して前記第1の電気モータが対抗するように構成されている、このように、連結機構を第2の電気モータの方向に自己制動するように構成することで、第1の電気モータの駆動力から分岐して連結機構に作用する力成分が、相対的に軽い第2の電気モータの作動力に対抗する、あるいは打ち消すことができる。
【0013】
前記駆動機構は、前記第1の電気モータと協働する駆動段を有し、前記駆動段は、前記第1の被駆動要素が属する第1の出力段および前記第2の被駆動要素が属する第2の出力段と協働する。従って、駆動段および/または出力段において、例えば速度の低下など、追加の伝達を実現することができる。
【0014】
前記駆動段は、前記連結機構を介して前記第2の電気モータの作用下にある出力要素を有してもよい。前記出力要素は、前記駆動段の前記出力要素が前記第1の出力段と協働する、前記連結機構の前記第1の状態に対応する第1の位置と、前記駆動段の前記出力要素が前記第2の出力段と協働する、前記連結機構の前記第2の状態に対応する第2の位置との間で調節可能である。従って、連結機構は、第1の位置と第2の位置との間の変位、例えば、回動および/または摺動によって出力要素を調節するように配置することができる。駆動段の出力要素は、第1の位置において、第2の被駆動要素特に第2の出力段を解放し、第2の位置において、第1の被駆動要素特に第1の出力段を解放してもよい。前記出力要素は、前記連結機構を介して前記第2の電気モータの作用下で、前記連結機構の前記ニュートラル状態に対応するニュートラル位置へと調節可能であり、前記ニュートラル位置では、前記第1の被駆動要素および前記第2の被駆動要素の両方が解放され、特に、前記第1の出力段および前記第2の出力段の両方が解放された状態である。
【0015】
前記連結機構はレバーアームを有し、前記レバーアームは、前記第2の電気モータによって回動され、前記駆動段の出力要素を一端に有する。前記レバーアームの一端は、例えば、第2の電気モータを介して駆動される歯車と結合される歯車部を有してもよい。また、例えば、カムや偏心子と協働するスロットを使用することもできる。
【0016】
第1および第2の電気モータは、例えば、第1または第2の電気モータがレバーアームと共に移動するように、互いに対して移動可能に配置することができる。また、第1および第2の電気モータは互いに対して固定的に配置することもでき、例えば、第1の電気モータのモータシャフトの中心軸がレバーアームの回動軸と一致する場合などが考えられる。
【0017】
駆動出力要素と被駆動要素は、例えば、互いに真っ直ぐ噛みあう一組の協働歯車として実装することができるが、例えば、協働ウォームホイール/ウォーム歯車対または歯車/クラウン歯車対で構成することもできる。
【0018】
前記連結機構は、並進可能に配置されたアーム、特に、互いに反対方向に移動可能に配置された2つのアームを有する。このようなアームを使用して、例えばスライド結合を操作することができ、この結合により駆動部の構成部品を係合または非係合、駆動部の構成部品を解放するまたは解放しないようにできる。
【0019】
連結機構は、遊星歯車機構、例えば、二つの出力を備えた遊星歯車トランスミッションで構成することもでき、一方の出力を固定し他方の出力を駆動出力要素としてもよい。
【0020】
本発明はまた、自動車の車外視認要素の調節器に関し、調節器は、本明細書で前述したような変形例のうちの1つの駆動装置と、車外視認要素の上方および下方への回動運動を駆動するための第1の出力段と、車外視認要素の内側および外側への回動運動を駆動するための第2の出力段とを備えている。調整要素はまた、ミラーガラス、LIDARセンサまたはカメラ等、第1および/または第2の被駆動要素と結合された車外視認ユニットを既に備えていてもよい。車外視認ユニットは、直接的に出力段に結合されてもよいが、例えば、キャリアを介して間接的に結合されてもよい。車外視認ユニットおよび/またはキャリアは、ヒンジ機構を介して、例えば自動車のドアに取り付けられるベースとヒンジ結合され、調節駆動の影響下で、ベースに対して調節可能であってもよい。
調節駆動は、連結機構のニュートラル状態では自己制動しない第1および/または第2の出力段を用いて実行することができる。従って、連結機構が当該出力段の被駆動要素を解放状態にする時、車外視認要素は限界値までの外力が作用してもその位置に留まることができ、限界値を超える外力が作用すると、第1の電気モータが駆動されることなく及び/又は出力段を損傷することなく、その位置に調節される。連結機構がニュートラル状態にある時、外力の限界値まで、例えば、調節装置の摩擦の助けを借りて、外部視認要素を定位置に保持することができる。
【0021】
さらに有利な実施形態については、従属請求項に示されている。
上記の各態様は任意であり、各態様は相互に組み合わせることが可能であり、上記の態様の要素はその文脈から切り離すことができ、独立して使用することも、記載した態様の一部のみと組み合わせて使用することも可能であることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明を、図面に図示されている調節器の実施形態の例に基づいて更に説明する。各図面は以下の通りである。
【0023】
図1】従来技術において知られている調節器を備えた視認要素の例を示す。
図2】本明細書に係る駆動装置と調節器の例を示す。
図3図2の例の詳細を示す。
図4図2の例の下側を示す。
図5】本明細書に係る駆動装置と調節器の別の例を示す。
図6図5の例の詳細を示す。
図7】本明細書に係る駆動装置と調節器の別の例を示す。
図8図7の例の詳細を示す。
図9】本明細書に係るカップリング機構の一例を示す。
図9B図9のカップリング機構の詳細を示す。
図10】本明細書に係るカップリング機構の他の例を示す。
図11図10の線AAに沿ったシャフトの断面を示す。
図12】本明細書に係る出力段および調節器の一例を示す。
図13図12の線AAに沿ったシャフトの断面を示す。
【0024】
図は単に実施形態例として示したものであり、決して限定的なものと見なすべきでないことに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の図の詳細な説明では、参照数字を用いて、図に表されている実施例を参照する。
【0026】
全ての実施形態において、調節器10は、先行技術から既に知られている図1に示す例のような車外視認要素44の一部として構成することができる。車外視認要素44は、自動車に取り付けられる調節器10のベース74と、ベース74に対して調節器具によって第1のヒンジ軸50および第2のヒンジ軸52の周りに回転可能なキャリア46とから構成される。図1に示すように、車外視認要素44は、ベース74に対して第1のヒンジ軸50の周りに回転可能なキャリングフレーム48を備えてもよく、キャリア46は、キャリングフレーム48に対して第2のヒンジ軸52の周りに回転可能である。キャリア46は、調節要素を覆い、車外ミラー、カメラ、LIDARおよび/またはディスプレイ等の車外視認ユニットを取り付けることができるキャップを備えてもよい。ベース74に対するキャリア46の回転を可能にするヒンジの動作は、例えば、WO2016/076713の6ページ14行目から10ページ7行目に記載された実施形態のヒンジの動作と同様である。第1の要素70を駆動することにより第1のヒンジ軸50を中心とするキャリア46の枢動をもたらし、第2の要素72を駆動することにより第2のヒンジ軸52を中心とするキャリア46の枢動をもたらす。このようにして、キャリアに関連付けられた車外視認ユニットを調節することができる。
【0027】
本発明は概して、駆動装置、特に、自動車用の車外視認要素の調節器10のための駆動装置を提供する。駆動装置は、第1の電気モータ12と協働する駆動機構14を備えており、この駆動機構14は、第1の電気モータ12が通電することによって、第1および第2の被駆動要素70,72をそれぞれ駆動するように構成されている。駆動機構14は、第2の電気モータ16と協働する連結機構18を備えており、この連結機構18は、第2の電気モータ16が通電することによって、駆動機構14と第1および第2の被駆動要素70,72とをそれぞれ選択的に連結させるように構成されている。駆動の効果および利点は、上記の概要において既に説明されており、これらの効果および利点は、参照によりここに挿入される。
【0028】
第1の実施形態では、図2~4に示すように、連結機構18は、枢動軸36を中心に旋回可能なレバーアーム28を備える。第1の電気モータ12は、レバーアーム28上またはレバーアーム28の第1の端部に配置される。出力要素26は、第1の電気モータ12によって駆動されるウォームである。レバーアーム28の第2の端部は第2の電気モータ16と連結され、これにより回動可能となっている。第2の電気モータ16によってレバーアーム28の第2の端部が回動することにより、第1の電気モータとウォーム26も回動する。このようにして、ウォーム26は、第1の被駆動要素70および第2の被駆動要素72に選択的に連結される。回動により、ウォーム26は、例えば、第1の出力段22であるウォームギア38と噛み合い、その結果、第1の被駆動要素70が駆動される。また、ウォーム26は、第2の出力段24であるウォームギア40と噛み合い、その結果、第2の要素72が駆動される。
【0029】
レバーアーム28が回動可能な角度は、ウォーム26が第1の出力段22および第2の出力段24から自由となる中立位置を有するように設定することができる。図4の例では、第2の電気モータ12は、第2の電気モータ16のロータに、偏心して連結されたホイール42によってレバーアーム28と連結されている。偏心ホイール40は、レバーアーム28の第2の端部において2つのアームの間に受容される。モータ16のロータの回転位置が調節されることにより、レバーアーム28が偏心ホイール42によって回動する。
【0030】
図5および図6は、上述の実施形態と同様な第2の実施形態の例を示している。第1の電気モータ12をレバーアーム28の端部に配置する代わりに、電電気モータ12を揺動軸36と同心に配置している。すなわち、第1の電気モータ12のロータの中心軸が揺動軸36と一致する。第1の電気モータ12は、調節器10内に固定して設けられてもよい。このように構成することにより、第1の電気モータにフレキシブルな電気接続が不要であるという利点がある。駆動段20によって第1の電気モータは出力要素26を駆動する。図6にその一例を示す駆動段20は、第1の電気モータのロータと連結される第1のモータ歯車25aと、出力要素26と連結される出力ギア25bとで構成されてもよい。
【0031】
出力要素26は、第1の実施形態と同様に、第1の電気モータ12によって駆動されるウォームであってもよく、このウォームは連結機構18を用いて、第1の被駆動要素70または第2の被駆動要素72に選択的に連結可能である。
【0032】
図5の例では、第2の電気モータ16は、第2の電気モータ16のロータに連結された第2のモータ歯車25cによってレバーアーム28と連結されている。歯車25cは、レバーアーム28の歯付き端部または歯車部分25dに係合し、回転することによってレバーアーム28を回転させることができる。第2の電気モータ16もレバーアーム28に連結してもよく、第2の電気モータの歯車25cはフレーム46に固定連結された歯車部分25dに噛み合う。
【0033】
図7および図8にその一例を示す第3の実施形態では、出力要素26は、直線状の歯付を有する歯車25bとしてもよい。出力要素26は、通常の歯車であってもよいし、図に示すように、中央部分と2つの側面部分とを有し側面部分が中央部分よりも小さい直径を有する複合歯車26であってもよい。歯車26の第1の側部は、レバーアーム28の枢動により、第1の被駆動要素70と結合する。これは例えば、歯車が第1の出力段22の第1のクラウン歯車54に係合することによって行われてもよい。歯車26の第2の側部は、レバーアーム28の枢動により、第2の被駆動要素72と結合する。これは例えば、歯車26が第2の出力段24の第2のクラウン歯車56に係合することによって行われてもよい。複合歯車26の使用により、第1の電気モータ12から第1の被駆動要素70または第2の被駆動要素72への動力伝達は、例えば、車外視認要素の所望の調節速度に到達するように減速される。異なる側部に異なる直径を与えることにより、この減速を被駆動要素70、72ごとに定義することができる。歯車26は、第1の電気モータ12のロータに連結された駆動ウォーム58によって駆動される。
【0034】
図9にその一例を示す第4の実施形態では、連結機構18は、並進可能な第1のアーム30および第2のアーム32を備える。両アーム30、32には、第2の電気モータのロータと連結されたピニオン76と噛み合うラックを設けることができる。ピニオン76の回転により、両アームを並進させることができる。両アーム30、32がそれぞれ対向する側でピニオン76に係合する場合、ピニオン76の第1の方向への回転時に、第1のアーム30は出力要素26に向かう方向に移動し第2のアーム32は出力要素26から離れる方向に移動する。ピニオン76が第1の方向とは反対の第2の方向に回転すると、第1のアーム30は出力要素26から離れる方向に移動し第2のアーム32は出力要素26に向かう方向に移動する。
【0035】
出力要素26は、複合遊星歯車機構34の出力であってもよい。出力段ごとに、第1の電気モータ12のロータと連結された駆動ウォーム58が駆動されることにより、遊星歯車機構34において剛結合されているウォームホイール34a’により太陽歯車34aが駆動される。並進可能なアーム30、32はそれぞれ、遊星歯車系34の出力軸の一方の歯車に係合するように構成された歯止めを端部に備えることができる。両アーム30、32は、歯止めを有するそれぞれの端部が複合遊星歯車機構34の対応する歯34bのセットに係合する阻止位置を有する。これにより出力軸は回転が抑制され、遊星歯車機構34の遊星歯車キャリア34cによって形成される他方の出力軸が出力要素26の出力を形成することになる。遊星歯車キャリア34cと出力要素26bは一体的に動作する。この出力は、歯車によって回転を第1の被駆動要素70または第2の被駆動要素72に伝達することができる。図9の例では、出力要素26は、第1の出力段22または第2の出力段24のクラウン歯車と係合する。
【0036】
図10および図11にその一例を示す第5の実施形態は、連結機構に関しては上述した第4の実施形態と同等である。この実施形態では、並進可能なアーム30、32はそれぞれ、並進方向に対して横方向に延在する駆動歯車60、62を有する。第1の並進可能アーム30に連結される第1の駆動歯車60を、スナップ嵌めにより第1のアーム30に固定されたシャフトに取り付けることができる。第2の駆動歯車62も同様に、第2の並進可能アーム32に連結することができる。第1の駆動歯車を貫通しているのは第1の駆動シャフト64であり、第2の駆動歯車62を貫通しているのは第2の駆動シャフトである。2つのアーム30、32の並進によって、駆動歯車60、62はそれぞれ駆動シャフト64、66上を摺動する。第1の駆動シャフト64および第2の駆動シャフト66は、これらと剛結合され、駆動シャフト64、66と関連付けられた駆動歯車60、62の内側の歯に係合する連結部を有してもよい。
【0037】
第1の並進可能アーム30は、第1の並進可能アーム30の端部に連結された第1の駆動歯車60が第1の駆動シャフト64の連結部68に係合する連結位置を有し、これにより、第1の駆動歯車60および連結部68を介して駆動ウォーム58の回転が第1の駆動シャフト64に伝達される。第1の並進可能アーム30は、第1の並進可能アーム30の端部に連結された第1の駆動歯車60が第1の駆動シャフト64の連結部68から解放される解放位置を有し、これにより、駆動ウォーム58の回転は第1の駆動シャフト64に伝達されない。第2の並進可能アーム32も同様に連結位置を有し、この連結位置では、第2の並進可能アーム32の端部に連結された第2の駆動歯車62が第2の駆動シャフト66の連結部68に係合し、これにより、第2の駆動歯車62および連結部68を介して駆動ウォーム58の回転が第2の駆動シャフト66に伝達される。第2の並進可能なアーム32は、第2の並進可能なアーム32の端部に連結された第2の駆動歯車62が第2の駆動シャフト66の連結部68から解放される解放位置を有し、これにより、駆動ウォーム58の回転は第2の駆動シャフト66に伝達されない。2つのアーム30、32が互いに反対方向に並進するため、そのうちの1つだけが常に連結位置に位置する。
【0038】
出力要素26を第1の被駆動要素70または第2の被駆動要素72に連結すると、第2の電気モータ16によって及ぼされる力とは反対の力が関連する並進可能アーム30、32に印加される。それによって第2の電気モータ16の作動力が打ち消されるまたは相殺されるのを防止するために、第2の電気モータ16のロータと並進可能なアーム30、32それぞれのラックに係合しているピニオン76との間の接続は、スロット穴に挿入されたピンまたは膝関節ロッドシステムを有してもよい。これにより、第2の電気モータ16に対する並進可能なアーム30,32の物理的なバックラッシュが防止される。
【0039】
すべての実施形態に当てはまることは、第1の被駆動要素70は第1の出力段22の一部とすることができ、第2の被駆動要素72は第2の出力段24の一部とすることができるということである。被駆動要素70、72は、図に示すように、第1の枢動軸50および第2の枢動軸52を介してシャフトに係合する歯車であってもよい。また、被駆動要素70,72は、上述した実施形態における第1のウォーム歯車38及び第2のウォーム歯車40、第1のクラウン歯車54及び第2のクラウン歯車56、又は、第1の駆動歯車6及び第2の駆動歯車62のように、出力要素26に噛み合ってもよい。出力段22、24は、出力要素26によって駆動され、被駆動要素70、72と接続されるまたはその一部である歯車と噛み合うウォームを備えるシャフトとして実装されてもよい。この伝達により、第1の電気モータ12の回転速度を低減でき、これにより、第1の電気モータ12の回転により、第1の被駆動要素70または第2の被駆動要素72がより低い回転速度で回転される。出力段22、24のシャフトに遊星歯車を追加することにより、さらなる減速を得ることができ、その例が図12および図13に示されている。遊星歯車が出力要素26に係合すると、遊星歯車の回転が出力段22、24のシャフトに遅れて伝達される。
【0040】
本発明は、さらに、自動車用の車外視認要素44のための調節器10を提供する。この調節器は、本明細書で前述したような変形例のうちの1つの駆動装置と、車外視認要素の上方および下方への回動運動を駆動するための第1の出力段22と、車外視認要素の内側および外側への回動運動を駆動するための第2の出力段24とを備えている。調節器10の効果および利点は、発明の概要において既に説明されており、これらの効果および利点は、参照によりここに挿入される。
【0041】
一実施形態では、調節要素10は、第1の被駆動要素70および/または第2の要素72に結合されたミラーガラスまたはカメラ等の車外視認ユニットと共に設けられてもよい。車外視認ユニットは、直接的に出力段に結合されてもよいが、例えば、キャリア46を介して間接的に結合されてもよい。車外視認ユニットおよび/またはキャリア46は、例えば、自動車のドアに取り付けられるベース74とヒンジ機構を介してヒンジ結合され、調節駆動によりベース74に対して調節可能であってもよい。
【0042】
図示され説明された装置の各々および図示され説明された装置の各要素もまた、個別に説明され示されたと理解されることは明らかであろう。また、装置および要素は、個別に、および/または、記載または図示された少なくとも1つの他の要素と組み合わせて使用可能であることも明らかであろう。
【0043】
さらに、本発明はここに記載した例示的な実施形態に限定されないことに留意されたい。多くの変形例が可能である。
【0044】
従って、この駆動装置は、例えば、空力特性を改善するために自動車のエアガイドフラップを調節するなど、自動車の外装ビジョンユニットの調節装置を調節するため以外の運転目的にも使用することができる。
【0045】
このような変形例は、当業者には明らかであり、請求の範囲に記載する本発明の範囲に含まれるものと理解されたい。
【符号の説明】
【0046】
10 - 調節器
12 - 第1の電気モータ
14 - 駆動機構
16 - 第2の電気モータ
18 - 連結機構
20 - 駆動段
22 - 第1の出力段
24 - 第2の出力段
25a - 第1のモータ歯車
25b - 出力歯車
25c - 第2のモータ歯車
25d - 歯車部分
26 - 出力要素
28 - レバーアーム
30 - 第1の(並進可能)アーム
32 - 第2の(並進可能)アーム
34 - 遊星歯車機構
36 - 回動軸
38 - 第1のウォームギア
40 - 第2のウォームギア
42 - 偏心ホイール
44 - 車外視覚要素
46 - キャリア
48 - キャリングフレーム
50 - 第1のヒンジ軸
52 - 第2のヒンジ軸
54 - 第1のクラウン歯車
56 - 第2のクラウン歯車
58 - 駆動ウォーム
60 - 第1の駆動歯車
62 - 第2の駆動歯車
64 - 第1の駆動シャフト
66 - 第2の駆動シャフト
68 - 結合部
70 - 第1の被駆動要素
72 - 第2の被駆動要素
74 - ベース
76 - ピニオン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図9B
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車外視認要素の調節器(10)のための駆動装置であって、前記駆動装置は、
第1の電気モータ(12)と協働する駆動機構(14)を備え、
前記駆動機構(14)は、前記第1の電気モータ(12)が通電することによって第1
の被駆動要素および第2の被駆動要素(70,72)をそれぞれ駆動するように構成され
ており、前記駆動機構(14)は、第2の電気モータ(16)と協働する連結機構(18
)を含み、
前記連結機構(18)は、前記第2の電気モータ(16)が通電することによって、前
記駆動機構(14)と前記第1の被駆動要素および前記第2の被駆動要素(70,72)
とをそれぞれ選択的に連結するように構成されている、駆動装置。
【請求項2】
前記第1の電気モータおよび前記第2の電気モータ(12,16)は、低電圧電気モー
タである、特に、低電圧直流電気モータである、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第2の電気モータ(16)の最大吸収電力は、第1の電気モータ(12)の最大吸
収電力よりも小さい、請求項に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第2の電気モータ(16)の最大吸収電力は、第1の電気モータ(12)の最大吸
収電力よりも小さい、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記第1の電気モータおよび前記第2の電気モータ(12,16)への電力供給は、自
動車の1つの電動ドアモジュールによって行われる、請求項に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第2の電気モータ(16)の作用下にある前記連結機構(18)は、前記第1の電
気モータ(12)が前記第1の被駆動要素(70)に連結された第1の状態と、前記第1
の電気モータ(12)が前記第2の被駆動要素(72)に連結された第2の状態との間で
調節可能である、請求項に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記第2の電気モータ(16)の作用により、前記連結機構(18)はニュートラル状
態に調節可能であり、前記ニュートラル状態において前記連結機構(18)は前記第1の
被駆動要素および前記第2の被駆動要素(70,72)の両方を解放する、請求項に記
載の駆動装置。
【請求項8】
前記連結機構(18)は、前記第2の電気モータ(16)の駆動に対して前記第1の電
気モータ(12)が対抗するように構成されている、請求項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記駆動機構(14)は、前記第1の電気モータ(12)と協働する駆動段(20)を
有し、
前記駆動段(20)は、前記第1の被駆動要素が属する第1の出力段(22)および、
前記第2の被駆動要素が属する第2の出力段(24)と協働する、請求項に記載の駆動
装置。
【請求項10】
前記駆動段(20)は出力要素(26)を含み、前記連結機構(18)を介して前記第
2の電気モータ(16)の作用下にある前記出力要素(26)は、前記駆動段(20)の
前記出力要素(26)が前記第1の出力段(22)と協働する、前記連結機構(18)の
前記第1の状態に対応する第1の位置と、前記駆動段(20)の前記出力要素(26)が
前記第2の出力段(24)と協働する、前記連結機構(18)の前記第2の状態に対応す
る第2の位置との間で調節可能である、請求項に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記出力要素(26)は、前記連結機構(18)を介して前記第2の電気モータ(16
)の作用下で、前記連結機構(18)の前記ニュートラル状態に対応するニュートラル位
置へと調節可能であり、
前記ニュートラル位置では、前記第1の被駆動要素および前記第2の被駆動要素(70
,72)の両方が解放され、特に、前記第1の出力段および前記第2の出力段(22、2
4)の両方が解放された状態である、請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記連結機構(18)はレバーアーム(28)を有し、
前記レバーアーム(28)は、前記第2の電気モータ(16)によって回動され、駆動
段(20)の出力要素(26)を一端に有する、請求項に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記出力要素(26 )および前記被駆動要素(70,72)は、協働歯車対、ウォー
ムホイール/ウォーム歯車対、または、歯車/クラウン歯車対で構成される、請求項10
に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記連結機構(18)は、並進可能に配置されたアーム(30,32)、特に、互いに
反対方向に移動可能に配置された2つのアーム(30,32)を有する、請求項に記載
の駆動装置。
【請求項15】
前記出力要素(26)は、遊星歯車機構(34)の出力を含む、請求項10に記載の駆
動装置。
【請求項16】
前記出力要素(26)は、遊星歯車機構(34)の出力を含む、請求項14に記載の駆
動装置。
【請求項17】
自動車の車外視認要素(44)の調節器(10)であって、請求項1から14の何れか
一項に記載の駆動装置と、前記車外視認要素の上方および下方への回動運動を駆動するた
めの第1の出力段(22)と、前記車外視認要素の内側および外側への回動運動を駆動す
るための第2の出力段(24)とを備える、調節器。
【請求項18】
前記第1の被駆動要素および/または前記第2の被駆動要素(70,72)と連結され
る車外視認ユニットを更に備える、請求項17に記載の調節器。
【請求項19】
ニュートラル状態の前記第1の出力段および/または前記第2の出力段(22、24)
は自己制動ではない、請求項17に記載の調節器。
【請求項20】
ニュートラル状態の前記第1の出力段および/または前記第2の出力段(22、24)
は自己制動ではない、請求項18に記載の調節器。
【国際調査報告】