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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】駆動装置及び血液ポンプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/139 20210101AFI20240321BHJP
   A61M 60/221 20210101ALI20240321BHJP
   A61M 60/419 20210101ALI20240321BHJP
   A61M 60/804 20210101ALI20240321BHJP
   A61M 60/816 20210101ALI20240321BHJP
   A61M 60/824 20210101ALI20240321BHJP
【FI】
A61M60/139
A61M60/221
A61M60/419
A61M60/804
A61M60/816
A61M60/824
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561227
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-04
(86)【国際出願番号】 CN2022132058
(87)【国際公開番号】W WO2023098472
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202111479375.7
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520245301
【氏名又は名称】シェンジェン コア メディカル テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN CORE MEDICAL TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】謝 瑞卿
(72)【発明者】
【氏名】余 順周
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077DD10
4C077EE01
4C077HH03
4C077HH13
4C077KK27
(57)【要約】
駆動装置(30)及び血液ポンプ(100)であって、駆動装置(30)は、駆動ハウジング(32)と、ブッシングアセンブリ(34)と、回転軸(35)と、駆動部材(36)と、センシングアセンブリ(40)と、を含む。ブッシングアセンブリ(34)には、収納キャビティ(34a)及び収納キャビティ(34a)に連通する検出ポート(34b)が設けられ、検出ポート(34b)はブッシングアセンブリ(34)の外壁上に位置し、回転軸(35)はブッシングアセンブリ(34)に回転可能に設けられ、駆動部材(36)は回転軸(35)の回転を駆動可能であり、センシングアセンブリ(40)は、センサ(42)を含み、センサ(42)は、プローブ(422)を含み、プローブ(422)は、収納キャビティ(34a)に収容され、プローブ(422)の位置は、検出ポート(34b)の位置に対応し、プローブ(422)は、駆動装置(30)の外部の流体圧力を検出可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ハウジングと、ブッシングアセンブリと、回転軸と、駆動部材と、センシングアセンブリと、を含む駆動装置であって、
前記ブッシングアセンブリは、前記駆動ハウジングに固定接続され、前記ブッシングアセンブリには、収納キャビティ及び前記収納キャビティに連通する検出ポートが設けられ、前記検出ポートは前記ブッシングアセンブリの外壁上に位置し、
前記回転軸は、前記ブッシングアセンブリに回転可能に設けられ、
前記駆動部材は、前記駆動ハウジングに取り付けられ、前記回転軸の回転を駆動可能であり、
前記センシングアセンブリはセンサを含み、前記センサはプローブを含み、前記プローブは前記収納キャビティに収容され、前記プローブの位置は、前記検出ポートの位置に対応し、前記プローブは、前記駆動装置の外部の流体圧力を検出可能である、ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記ブッシングアセンブリは、前記駆動ハウジングに固定接続された接続スリーブと、前記接続スリーブに固定接続された第1ブッシングと、を含み、前記回転軸は、前記第1ブッシング及び前記接続スリーブに回転可能に穿設され、
前記収納キャビティの少なくとも一部は、前記第1ブッシング上に位置し、前記検出ポートの少なくとも一部は、前記第1ブッシング上に位置し、又は、前記収納キャビティ及び前記検出ポートは、いずれも前記接続スリーブ上に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第1ブッシングは、反対する第1表面及び第2表面を有する円盤状のキャップ部と、前記第1表面に形成されたボスと、を含み、前記第1ブッシングには、前記ボスの前記キャップ部から離れた一端の端面から前記キャップ部の前記第2表面まで延在する第1軸孔が設けられ、前記キャップ部は、前記接続スリーブの一端の開口を密封的にカバーし、前記駆動ハウジングは、前記接続スリーブの前記キャップ部から離れた一端に嵌設され、前記回転軸は、前記第1軸孔及び前記接続スリーブに回転可能に穿設され、
前記収納キャビティは、前記接続スリーブの前記キャップ部から離れた一端の端面から前記キャップ部上に延在し、前記検出ポートの少なくとも一部は、前記キャップ部上に位置し、又は、前記収納キャビティ及び前記検出ポートは、いずれも前記接続スリーブ上に位置し、且つ前記検出ポートは、前記接続スリーブの前記キャップ部に近い一端に位置する、ことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第1ブッシングは、前記接続スリーブに固定的に収容され、前記収納キャビティ及び前記検出ポートは、いずれも前記接続スリーブ上に位置し、且つ前記検出ポートは、前記接続スリーブの前記駆動ハウジングから離れた一端に設置される、ことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記ブッシングアセンブリは、前記接続スリーブに固定接続された第2ブッシングをさらに含み、前記第2ブッシング及び前記第1ブッシングは、前記回転軸の軸線に沿って設置され、前記回転軸は、前記第2ブッシングに回転可能に穿設される、ことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第1ブッシングに第1軸孔が設けられ、前記第2ブッシングに第2軸孔が設けられ、前記回転軸は、軸本体と、前記軸本体の周りに1周分だけ設置された凸リングと、を含み、前記軸本体は、前記第1軸孔、前記第2軸孔及び前記接続スリーブに回転可能に穿設され、前記軸本体の一端は、前記駆動ハウジング内まで延在し、前記凸リングは、前記第1ブッシングと前記第2ブッシングとの間に位置し、前記凸リングの外径は、前記第1軸孔の孔径よりも大きく、且つ前記第2軸孔の孔径よりも大きい、ことを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記センシングアセンブリは、軟質充填材をさらに含み、
前記プローブと前記収納キャビティのキャビティ壁との間に前記軟質充填材が設置され、及び/又は、前記検出ポートに前記軟質充填材が設置され、前記軟質充填材は、前記検出ポートを密封し、且つ前記軟質充填材は、受けた流体圧力を前記プローブに伝達できる、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記センサは、光ファイバ圧力センサであり、前記センサは、前記プローブに接続された伝送用光ファイバをさらに含み、前記伝送用光ファイバの前記プローブに近い一端は、前記収納キャビティに収容される、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記収納キャビティは、連通口をさらに有し、前記伝送用光ファイバは、前記連通口に穿設され、前記伝送用光ファイバの一端は、前記収納キャビティ内に収容されて前記プローブに接続され、前記伝送用光ファイバの他端は、前記連通口から前記駆動ハウジング内に延在し、前記連通口には、前記連通口を介する前記収納キャビティと前記駆動ハウジングとの連通を阻止するシール材が設けられる、ことを特徴とする請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記センシングアセンブリは、封入チューブをさらに含み、前記収納キャビティの外部に位置する前記伝送用光ファイバの部分は前記封入チューブに封入される、ことを特徴とする請求項8に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記駆動部材は、前記駆動ハウジングに固定接続され、前記回転軸と前記回転軸の軸線に沿って間隔を置いて設置された駆動固定子と、前記回転軸に固定接続された第1磁石を含む磁気アセンブリと、を含み、前記駆動固定子は、前記回転軸を動かして回転させるように、前記第1磁石の回転を駆動する回転磁界を発生可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記駆動固定子は、前記回転軸の軸線の周りに1周分だけ間隔をおいて設置された複数の第1コアと、複数の前記第1コアにそれぞれ巻き付けられた複数の第1コイルと、を含む、ことを特徴とする請求項11に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記駆動部材は、前記駆動ハウジングに固定接続された動力固定子をさらに含み、前記動力固定子及び前記駆動固定子は、前記回転軸の軸線に沿って設置され、前記回転軸は、前記動力固定子に回転可能に穿設され、前記磁気アセンブリは、前記回転軸に固定接続された第2磁石をさらに含み、前記動力固定子は、前記第2磁石の回転を駆動する回転磁界を発生可能である、ことを特徴とする請求項11に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記磁気アセンブリは、前記回転軸に固定接続されたフライホイールをさらに含み、前記フライホイールは、前記動力固定子と前記駆動固定子との間に位置し、前記第1磁石及び前記第2磁石は、いずれも前記フライホイール上に設置される、ことを特徴とする請求項13に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記フライホイールは、円盤状部を含み、前記回転軸は、前記円盤状部に固定的に穿設され、前記第1磁石及び前記第2磁石は、前記円盤状部の反対する両側にそれぞれ設置され、前記第1磁石及び前記第2磁石は、いずれも環状のハルバッハ配列磁石であり、前記第1磁石は、着磁方向が前記第1磁石の軸線に平行な複数の第1磁石ブロックを含み、前記第2磁石は、着磁方向が前記第2磁石の軸線に平行な複数の第2磁石ブロックを含み、複数の前記第2磁石ブロック及び複数の前記第1磁石ブロックは、それぞれ前記回転軸の周りに前記円盤状部上に設置され、前記回転軸の延在方向において、各前記第2磁石ブロックは、1つの前記第1磁石ブロックに対向して設置され、且つ対向して設置された前記第1磁石ブロック及び前記第2磁石ブロックの前記円盤状部に向かう側の極性は、逆である、ことを特徴とする請求項14に記載の駆動装置。
【請求項16】
前記駆動固定子は、第1コアと、第1コイルと、を含み、前記第1コアは、複数であり、且つ複数の前記第1コアは、前記回転軸の軸線の周りに1周分だけ間隔をおいて設置され、前記動力固定子は、第2コアと、第2コイルと、を含み、前記第2コアは、複数であり、複数の前記第2コアは、前記回転軸の周りに1周分だけ間隔をおいて設置され、前記第1コア及び前記第2コアは、いずれも磁性柱を含み、前記第1コイルは、前記第1コアの前記磁性柱に巻き付けられ、前記第2コイルは、前記第2コアの前記磁性柱に巻き付けられ、前記第1コアの前記磁性柱の断面積は、前記第2コアの前記磁性柱の断面積よりも大きい、ことを特徴とする請求項13に記載の駆動装置。
【請求項17】
前記第1磁石は、前記駆動固定子と前記動力固定子との間に位置し、前記駆動ハウジング内にガード部が固定的に設けられ、前記ガード部の少なくとも一部の位置は前記第1磁石の位置に対応し、前記ガード部と前記駆動ハウジングの内壁との間にガード隙間が形成され、前記駆動装置は、電気ワイヤをさらに含み、前記電気ワイヤは、前記ガード隙間に穿設されて前記動力固定子に電気的に接続され、前記ガード部は、前記第1磁石と前記電気ワイヤとの間に位置する、ことを特徴とする請求項13に記載の駆動装置。
【請求項18】
回転可能なインペラと、請求項1~17のいずれか一項に記載の駆動装置と、を含む、ことを特徴とする血液ポンプ。
【請求項19】
前記血液ポンプは、前記駆動装置に固定接続されたカニューレアセンブリをさらに含み、前記カニューレアセンブリは、流出口を有し、前記インペラは、前記カニューレアセンブリ内に回転可能に収容され、前記検出ポートの位置は、前記流出口の位置に対応し、又は、前記検出ポートの位置は、前記流出口に近い、ことを特徴とする請求項18に記載の血液ポンプ。
【請求項20】
前記血液ポンプは、前記駆動ハウジングに固定接続されたカテーテルアセンブリをさらに含み、前記カテーテルアセンブリは、前記駆動ハウジング内に注入液を通液可能であり、前記回転軸と前記ブッシングアセンブリとの間に前記注入液が通過する隙間があり、前記プローブは、前記収納キャビティ内に密封される、ことを特徴とする請求項18に記載の血液ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年12月03日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202111479375.7の中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、医療機器技術分野に関し、特に駆動装置及び血液ポンプに関する。
【背景技術】
【0003】
血管内血液ポンプは、患者の血管内に経皮的に挿入され、左心室補助装置及び/又は右心室補助装置として患者の心臓にプロービングされるように構成された装置であり、血管内血液ポンプは、心内血液ポンプとも呼ばれることがある。現在の血管内血液ポンプは、通常ガイドワイヤによって血管を通して特定の位置に輸送され、且つ当該特定の位置でその補助機能を実現するため、血液ポンプの位置を検出するために血液ポンプにセンサを設置することができるが、血液ポンプにセンサを設置することにより、血液ポンプの寸法が大きくなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づき、本発明は、血液ポンプの位置をより精度良く検出できるとともに、寸法がより小さい駆動装置及び血液ポンプを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
駆動装置であって、駆動ハウジングと、ブッシングアセンブリと、回転軸と、駆動部材と、センシングアセンブリと、を含み、
前記ブッシングアセンブリは、前記駆動ハウジングに固定接続され、前記ブッシングアセンブリには、収納キャビティ及び前記収納キャビティに連通する検出ポートが設けられ、前記検出ポートは前記ブッシングアセンブリの外壁上に位置し、
前記回転軸は、前記ブッシングアセンブリに回転可能に設けられ、
前記駆動部材は、前記駆動ハウジングに取り付けられ、前記回転軸の回転を駆動可能であり、
前記センシングアセンブリはセンサを含み、前記センサはプローブを含み、前記プローブは前記収納キャビティに収容され、前記プローブの位置は、前記検出ポートの位置に対応し、前記プローブは、前記駆動装置の外部の流体圧力を検出可能である。
【0006】
血液ポンプであって、回転可能なインペラと、上記駆動装置と、を含む。
【0007】
本発明の1つ又は複数の実施例の詳細は以下の図面及び説明において示される。本発明の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0008】
本願の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下は実施例又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働なしにこれらの図面に基づいて他の図面をさらに得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の血液ポンプの構造模式図である。
図2図1に示される血液ポンプからカテーテルアセンブリ及び一部のカニューレアセンブリを省略した構造模式図である。
図3図2のA-Aに沿った断面図である。
図4】一実施形態の血液ポンプからカニューレアセンブリ、インペラ、駆動部材、駆動ハウジング、一部の回転軸及び一部のセンシングアセンブリを省略した部分断面図(図4の実施例におけるセンシングアセンブリは封入チューブを有する)である。
図5図1に示される血液ポンプのブッシングアセンブリの斜視構造模式図である。
図6図5に示されるブッシングアセンブリの分解図である。
図7図5に示されるブッシングアセンブリの断面図である。
図8図5に示されるブッシングアセンブリの第1ブッシングの構造模式図である。
図9図2に示される血液ポンプの駆動装置の別の角度の構造模式図である。
図10図9のB-Bに沿った断面図である。
図11図3に示される血液ポンプの磁気アセンブリの斜視構造模式図である。
図12図11に示される磁気アセンブリの分解図である。
図13図11に示される磁気アセンブリの断面図である。
図14図3のI部の拡大図である。
図15】第2実施形態の血液ポンプの部分模式図である。
図16図15に示される血液ポンプの別の角度の構造模式図である。
図17図16のC-Cに沿った断面図である。
図18図15に示される血液ポンプのブッシングアセンブリの構造模式図である。
図19図18に示されるブッシングアセンブリの分解図である。
図20図18に示されるブッシングアセンブリの断面図である。
図21】第3実施形態の血液ポンプの部分模式図である。
図22図21に示される血液ポンプの別の角度の構造模式図である。
図23図22のD-Dに沿った断面図である。
図24図21に示される血液ポンプのブッシングアセンブリの構造模式図である。
図25図24に示されるブッシングアセンブリの分解図である。
図26図24に示されるブッシングアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の目的、技術案及び利点をより明確且つ分かりやすくするために、以下は図面及び実施例を参照して本願をさらに詳細に説明する。理解すべきものとして、ここで説明した具体的な実施例は本願を解釈するためにのみ用いられ、本願を限定するものではない。
【0011】
なお、素子が別の素子に「固定される」又は「設置される」と呼ばれる場合、別の素子に直接あってもよいし、又は当該別の素子に間接あってもよい。素子が別の素子に「接続される」と呼ばれる場合、別の素子に直接接続されてもよいし、又は当該別の素子に間接接続されてもよい。
【0012】
また、「第1」、「第2」という用語は、説明の目的にのみ用いられ、相対的重要性を示し又は暗示し、又は示された技術的特徴の数を暗示するものとは理解できない。このことから、「第1」、「第2」で限定される特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本願の説明において、「複数」とは、別段の明示的且つ具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0013】
本願の技術案を説明するために、以下は具体的な図面及び実施例を参照して説明する。
【0014】
図1図3に示すように、第1実施形態の血液ポンプ100は、特に血管内血液ポンプに関する。当該血液ポンプ100は、カニューレアセンブリ10と、インペラ20と、駆動装置30と、を含む。
【0015】
カニューレアセンブリ10は、流入口12と、流出口14と、を有する。その1つの実施例では、使用時に、カニューレアセンブリ10は延在して大動脈弁などの心臓弁を通り、流入口12は心臓内に位置し、流出口14は心臓外の大動脈などの血管内に位置する。具体的には、図示される実施例では、流入口12及び流出口14は、それぞれカニューレアセンブリ10の両端に近接して設置される。
【0016】
インペラ20は、カニューレアセンブリ10に回転可能に収容される。インペラ20が回転すると、血液は、カニューレアセンブリ10の流入口12からカニューレアセンブリ10に流入し、さらに流出口14を介してカニューレアセンブリ10から流出する。図示の実施例では、インペラ20は、カニューレアセンブリ10の流出口14に近い一端に設置される。
【0017】
駆動装置30は、カニューレアセンブリ10に固定接続される。具体的には、駆動装置30は、カニューレアセンブリ10の流出口14に近い一端に固定接続される。駆動装置30は、インペラ20に転動可能に接続され、駆動装置30は、インペラ20の回転を駆動可能である。
【0018】
本実施例では、駆動装置30は、駆動ハウジング32と、ブッシングアセンブリ34と、回転軸35と、駆動部材36と、センシングアセンブリ40と、を含む。
【0019】
駆動ハウジング32は、略管状構造である。駆動ハウジング32は、対向する2つの開口端を有する。
【0020】
ブッシングアセンブリ34は、駆動ハウジング32に固定接続される。具体的には、ブッシングアセンブリ34は、駆動ハウジング32の一端に固定接続され、且つブッシングアセンブリ34は、駆動ハウジング32に密封的に接続され、カニューレアセンブリ10は、ブッシングアセンブリ34に固定接続される。図示の実施例では、ブッシングアセンブリ34は、カニューレアセンブリ10と駆動ハウジング32との間に位置する。理解されるように、他の実施例では、カニューレアセンブリ10は、駆動ハウジング32に直接固定接続されてもよく、このとき、ブッシングアセンブリ34は、少なくともカニューレアセンブリ10に部分的に収容される。
【0021】
図4を併せて参照すると、ブッシングアセンブリ34には、収納キャビティ34a及び収納キャビティ34aに連通する検出ポート34bが設けられ、検出ポート34bは、ブッシングアセンブリ34の外壁上に位置する。具体的には、検出ポート34bは、収納キャビティ34aの開口である。本願では、ブッシングアセンブリ34の外壁は、ブッシングアセンブリ34の外周壁と、ブッシングアセンブリ34の軸方向における両端の外端面と、を含み、言い換えれば、検出ポート34bは、ブッシングアセンブリ34の外周壁上に位置してもよいし、ブッシングアセンブリ34の両端の外端面上に位置してもよいし、一部がブッシングアセンブリ34の外周壁上に位置し、一部が外端面上に位置してもよい。
【0022】
具体的には、検出ポート34bの位置は、流出口14に近く、又は、検出ポート34bの位置は、流出口14の位置に対応する。図示の実施例では、検出ポート34bの位置は、流出口14の位置に対応する。具体的には、ブッシングアセンブリ34の一部は、カニューレアセンブリ10に収容され、検出ポート34bは、カニューレアセンブリ10に収容されたブッシングアセンブリ34の部分上に位置し、且つ流出口14に対向する。
【0023】
回転軸35は、ブッシングアセンブリ34に回転可能に穿設され、回転軸35の一端は、駆動ハウジング32内まで延在し、他端は、駆動ハウジング32から離れた方向に延在してインペラ20に固定接続される。具体的には、回転軸35の駆動ハウジング32から離れた一端は、カニューレアセンブリ10内まで延在してインペラ20に固定接続される。ここで、回転軸35は、ブッシングアセンブリ34と共に軸受構造を構成する。
【0024】
本実施例では、ブッシングアセンブリ34は、接続スリーブ342と、第1ブッシング344と、を含み、接続スリーブ342は、駆動ハウジング32に固定接続され、第1ブッシング344は、接続スリーブ342に固定接続され、回転軸35は、第1ブッシング344及び接続スリーブ342に回転可能に穿設される。具体的には、第1ブッシング344に第1軸孔344aが設けられ、第1軸孔344aは、接続スリーブ342に連通し、回転軸35は、第1軸孔344a及び接続スリーブ342に回転可能に穿設される。ここで、第1ブッシング344は、回転軸35と共に第1軸受を構成する。ここで、接続スリーブ342及び第1ブッシング344のうちの少なくとも一方は、カニューレアセンブリ10に固定接続される。
【0025】
具体的には、収納キャビティ34aの少なくとも一部は、第1ブッシング344上に位置し、検出ポート34bの少なくとも一部は、第1ブッシング344上に位置し、又は、収納キャビティ34a及び検出ポート34bは、いずれも接続スリーブ342上に位置する。図示の実施例では、収納キャビティ34aは、接続スリーブ342から第1ブッシング344上まで延在し、検出ポート34bは、第1ブッシング344上に位置する。第1軸孔344aは、収納キャビティ34aと仕切られる。
【0026】
図示の実施例では、接続スリーブ342の両端は開口され、第1ブッシング344及び駆動ハウジング32は、それぞれ接続スリーブ342の2つの開口端に固定接続され、第1ブッシング344は、接続スリーブ342に連通し、駆動ハウジング32は、接続スリーブ342に連通する。具体的には、接続スリーブ342の第1ブッシング344から離れた一端は、駆動ハウジング32に収容される。
【0027】
図5図8を併せて参照すると、図示の実施例では、第1ブッシング344は、円盤状のキャップ部3442と、ボス3444と、を含み、キャップ部3442は、反対する第1表面及び第2表面を有し、ボス3444は、キャップ部3442の第1表面上に形成される。キャップ部3442は、駆動ハウジング32から離れた接続スリーブ342の一端の開口を密封的にカバーする。ここで、第1軸孔344aは、ボス3444のキャップ部3442から離れた一端の端面からキャップ部3442の第2表面まで延在する。収納キャビティ34aは、接続スリーブ342のキャップ部3442から離れた一端の端面からキャップ部3442まで延在し、検出ポート34bは、キャップ部3442上に位置する。具体的には、ボス3444のキャップ部3442から離れた一端は、接続スリーブ342中に収容される。接続スリーブ342のキャップ部3442から離れた一端は、駆動ハウジング32に収容される。
【0028】
さらに、ブッシングアセンブリ34は、第2ブッシング346をさらに含み、第2ブッシング346は、接続スリーブ342に固定接続され、第2ブッシング346及び第1ブッシング344は、回転軸35の軸線に沿って設置される。ここで、第1ブッシング344は、第2ブッシング346よりもインペラ20に近い。回転軸35は、第2ブッシング346に回転可能に穿設され、第2ブッシング346は回転軸35と共に第2軸受を構成する。第1ブッシング344に加えて第2ブッシング346を増設することにより回転軸35の回転安定性を向上させることができる。具体的には、第2ブッシング346に第2軸孔346aが設けられ、回転軸35は、第2軸孔346aに回転可能に穿設される。第2ブッシング346は、接続スリーブ342に収容される。
【0029】
具体的には、第2ブッシング346及び接続スリーブ342は、接着剤により粘着固定される。図示の実施例では、第2ブッシング346を接続スリーブ342内に固定して取り付けることを容易にするために、第2ブッシング346の外周壁に接着剤を収納するための接着剤溝346bが設けられる。
【0030】
その1つの実施例では、第1ブッシング344、第2ブッシング346及び回転軸35の材質は、いずれもセラミックであり、セラミックは、より耐食性があり、耐用年数が長く、且つ質量がより軽い。理解されるように、他の実施例では、第1ブッシング344、第2ブッシング346及び回転軸35の材質は、いずれも金属であってもよく、又は、第1ブッシング344、第2ブッシング346及び回転軸35の一部の材質は、セラミックであり、一部の材質は、金属であり、又は、第1ブッシング344、第2ブッシング346及び回転軸35の材質は、他の生体適合性材質であってもよい。
【0031】
図4を再び参照すると、本実施例では、回転軸35は、軸本体352と、軸本体352の周りに1周分だけ設置された凸リング354と、を含み、軸本体352は、第1軸孔344a、第2軸孔346a及び接続スリーブ342に回転可能に穿設され、軸本体352は、一端が駆動ハウジング32内まで延在し、他端が駆動ハウジング32から離れた方向に延在してインペラ20に接続され、凸リング354は、第1ブッシング344と第2ブッシング346との間に位置し、凸リング354の外径は、第1軸孔344aの孔径よりも大きく、且つ第2軸孔346aの孔径よりも大きくい。これにより、回転軸35の延在方向において回転軸35を位置規制して、回転軸35がその延在方向においてブッシングアセンブリ34に対して大幅に移動することを回避する。具体的には、軸本体352の駆動ハウジング32から離れた一端は、カニューレアセンブリ10内まで延在してインペラ20に固定接続される。
【0032】
本実施例では、接続スリーブ342の内壁に突起3422が設けられ、突起3422は、回転軸35の軸線の周りに1周分だけ設置され、突起3422は、第1ブッシング344と第2ブッシング346との間に位置し、凸リング354の位置は、突起3422の位置に対応し、且つ凸リング354と突起3422との間に隙間がある。
【0033】
なお、ブッシングアセンブリ34は、上記構造に限定されず、他の実施例では、ブッシングアセンブリ34の第2ブッシング346は、駆動ハウジング32内に固定的に設けられてもよく、又は、ブッシングアセンブリ34の第2ブッシング346は、一部が接続スリーブ342に収容され、一部が駆動ハウジング32に収容され、又は、第2ブッシング346は、設置されなくてもよい。又は、ブッシングアセンブリ34は、図17図20のブッシングアセンブリの構造又は図23図26のブッシングアセンブリの構造であってもよい。
【0034】
図3図9及び図10を併せて参照すると、駆動部材36は、駆動ハウジング32内に取り付けられ、駆動部材36は、回転軸35の回転を駆動可能である。ここで、インペラ20は、回転軸35と共に回転可能である。
【0035】
具体的には、駆動部材36は、駆動固定子362と、磁気アセンブリ364と、を含み、駆動固定子362は、駆動ハウジング32に固定接続され、磁気アセンブリ364は、第1磁石3642を含み、第1磁石3642は、回転軸35に固定接続され、駆動固定子362は、第1磁石3642を駆動して回転軸35の軸線の周りに回転させる回転磁界を発生可能であり、回転軸35は、第1磁石3642と共に回転可能である。図示の実施例では、磁気アセンブリ364は、駆動ハウジング32内に収容される。
【0036】
具体的には、駆動固定子362は、複数の第1コア3622と、第1コア3622にそれぞれ巻き付けられて設置された複数の第1コイル3624と、を含む。複数の第1コア3622は、回転軸35の軸線の周りに1周分だけ間隔をおいて設置される。具体的には、各第1コア3622の延在方向は、いずれも回転軸35の軸線に平行である。第1コイル3624は、回転軸35を動かして回転させてインペラ20を動かして回転させるように、第1磁石3642の回転を駆動する回転磁界を発生可能である。
【0037】
本実施例では、駆動固定子362及び回転軸35は、回転軸35の軸線に沿って間隔をおいて設置され、即ち、回転軸35は、駆動固定子362内まで穿設されない。駆動固定子362を回転軸35と軸方向に間隔をおいて設置することにより、駆動固定子362のコアの断面積を大きく設置するのに有利であり、コアの断面積が大きいほど、駆動固定子362が発生する磁束が大きくなり、第1磁石3642に対するトルクが大きくなり、駆動固定子362が回転軸35を動かして回転させる時に必要な電流が少なくなり、それにより血液ポンプ100全体の消費電力を低減し、発熱量を低減するのに有利である。したがって、上記駆動装置30を採用する血液ポンプ100は、より低い消費電力及び少ない発熱を有することができる。
【0038】
本実施例では、駆動固定子362は、駆動ハウジング32に固定接続された第1バックプレート3625をさらに含み、各第1コア3622は、一端が第1バックプレート3625に固定接続され、他端が第1磁石3642に近いまで延在する。第1バックプレート3625は、閉磁路として機能して、駆動固定子362の磁束の発生を促進及び増加させ、結合能力を向上させる。第1バックプレート3625が磁束量を増加させることができるので、第1バックプレート3625を設置することは、血液ポンプ100全体の直径を小さくするのに有利である。
【0039】
具体的には、第1バックプレート3625は、第1コア3622と同じ材料であり、いくつかの実施例では、第1バックプレート3625及び第1コア3622は、いずれもコバルト鋼などの軟磁性材料で作製される。
【0040】
本実施例では、駆動装置30は、駆動ハウジング32内に固定された固定部材37をさらに含み、固定部材37に位置決めポスト372が設置され、第1バックプレート3625に位置決め孔3625aが設けられ、位置決めポスト372が位置決め孔3625a内に穿設されることにより、駆動固定子362の位置決め及び取り付けを容易にする。ここで、位置決めポスト372の軸線は、回転軸35の軸線と重なる。
【0041】
なお、いくつかの実施例では、駆動固定子362は、第1バックプレート3625を有しなくてもよい。
【0042】
具体的には、駆動部材36は、駆動ハウジング32に固定接続された動力固定子366をさらに含み、動力固定子366及び駆動固定子362は、回転軸35の軸線に沿って設置される。動力固定子366は、駆動固定子362よりもインペラ20に近い。回転軸35は、動力固定子366に回転可能に穿設され、磁気アセンブリ364は、回転軸35に固定接続された第2磁石3644をさらに含み、動力固定子366は、第2磁石3644の回転を駆動する回転磁界を発生可能である。即ち、駆動固定子362及び動力固定子366は、それぞれ第1磁石3642及び第2磁石3644の回転を駆動でき、駆動固定子362及び動力固定子366は、共同で回転軸35を動かして回転軸35の軸線の周りに回転させ、それによりインペラ20を動かして回転させ、インペラ20の回転により大きな駆動力を提供する。具体的には、第1磁石3642は、駆動固定子362と動力固定子366との間に位置することにより、駆動固定子362と第1磁石3642とが相互作用して、第1磁石3642の回転を駆動する回転磁界を発生することが容易になる。
【0043】
図示の実施例では、動力固定子366の構造は、駆動固定子362の構造と類似する。動力固定子366は、第2バックプレート3662、複数の第2コア3664及び第2コイル3665を含む。第2バックプレート3662は、駆動ハウジング32及びブッシングアセンブリ34のうちの少なくとも一方に固定接続される。複数の第2コア3664は、回転軸35の周りに1周分だけ間隔をおいて設置される。具体的には、各第2コア3664の延在方向は、いずれも回転軸35の軸線に平行である。各第2コア3664は、一端が第2バックプレート3662に固定接続され、他端が第2磁石3644に近いまで延在する。各第2コイル3665は、対応する第2コア3664にそれぞれ巻き付けられる。第2コイル3665は、第2磁石3644の回転を駆動する回転磁界を発生可能である。理解されるように、動力固定子366は、第2バックプレート3662を有しなくてもよい。
【0044】
具体的には、第1コア3622及び第2コア3664は、いずれも磁性柱を含み、第1コイル3624は、第1コア3622の磁性柱に巻き付けられ、第2コイル3665は、第2コア3664の磁性柱に巻き付けられ、第1コア3622の磁性柱の断面積は、第2コア3664の磁性柱の断面積よりも大きい。
【0045】
磁性柱の断面積が大きいほど、発生する磁束が大きくなり、磁石に対するトルクが大きくなり、必要な電流が小さくなり、消費電力の低減、発熱の低減に有利である。動力固定子366の中央部に回転軸35が貫通するため、血液ポンプ100の径方向の寸法の制約により、第2コア3664の断面積が制限される一方、駆動固定子362の中央部に回転軸35が貫通しないため、大きな断面積の第1コア3622を選択できる。言い換えれば、このように設置することにより、消費電力を低減し、駆動装置30の発熱を低減することができる。
【0046】
本実施例では、第1コア3622及び第2コア3664は、いずれも磁性柱のみを有し、即ち、第1コア3622及び第2コア3664は、いずれも幅が大きいヘッド(即ち磁極片)を有さず、第1コア3622及び第2コア3664の長さ方向において、その幅は一定であり、第1コア3622全体は第1磁石3642と磁気的に結合でき、第2コア3664全体は第2磁石3644と磁気的に結合できる。磁極片が設置されたコアと比較して、本願の全体が磁性柱であるコアは、磁気損失を低減し、第1コア3622と第1磁石3642との間、第2コア3664と第2磁石3644123との間の磁気結合密度を増加させ、それにより第1磁石3642に対する駆動固定子362のトルク(等しい電流条件で)及び第2磁石3644に対する動力固定子366のトルク(等しい電流条件で)を増大させることができる。また、ヘッドを有さない第1コア3622及び第2コア3664は、隣接するコアの間の接触による局所磁気短絡によるモータの電力低下の問題を大幅に低減することができる。
【0047】
磁性柱のみを有する第1コア3622及び第2コア3664の断面の形状は、扇形、円形、台形、三角形などであってもよい。図示の実施例では、磁性柱のみを有する第1コア3622及び第2コア3664は、略三角柱状であり、各コアの1辺は、回転軸35の軸線に向かう。本実施例では、第1コア3622及び第2コア3664の辺は、いずれも丸め処理される。辺を丸め処理することにより、その後のコイルの巻き付けを容易にするとともに、コイルに被覆された絶縁材料の保護に有利である。
【0048】
理解されるように、他の実施例では、第1コア3622及び第2コア3664は、磁性柱の一端に設置されたヘッドをさらに含み、第1バックプレート3625は、第1コア3622の磁性柱のヘッドから離れた一端に接合され、第2バックプレート3662は、第2コア3664の磁性柱のヘッドから離れた一端に結合されてもよい。又は、いくつかの実施例では、第1コア3622及び第2コア3664のうちの一方が同時に磁性柱及びヘッドを有し、他方が磁性柱のみを有してもよい。
【0049】
図示の実施例では、第1磁石3642及び第2磁石3644は、いずれも駆動固定子362と動力固定子366との間に位置する。インペラ20に近い一端からインペラ20から離れた一端まで、動力固定子366、第2磁石3644、第1磁石3642及び駆動固定子362は、回転軸35の軸線に沿って順次配置される。
【0050】
図示の実施例では、磁気アセンブリ364は、回転軸35に固定接続されたフライホイール3645をさらに含み、フライホイール3645は、動力固定子366と駆動固定子362との間に位置し、第1磁石3642及び第2磁石3644は、いずれもフライホイール3645上に設置される。即ち、磁気アセンブリ364は、動力固定子366と駆動固定子362との間に位置する。フライホイール3645を設置することにより磁石と回転軸35との接続強度を増加させ、回転軸35の回転安定性を向上させることができる。また、第1磁石3642及び第2磁石3644をいずれも同じフライホイール3645上に設置することにより、回転軸35の回転時のぐらつきを低減し、回転軸35を回転時により安定化させることができるとともに、駆動装置30の構造を簡素化することができる。
【0051】
ここで、フライホイール3645は回転軸35と一体成型構造であってもよく、又はフライホイール3645は、接着、溶接などの方式により回転軸35に固定されてもよい。
【0052】
図11図13を併せて参照すると、図示の実施例では、フライホイール3645は、円盤状部3645aと、管状部3645bと、を含み、管状部3645bは、円盤状部3645aの中心に固定的に穿設され、且つ円盤状部3645aと同軸であり、回転軸35のインペラ20から離れた一端は、管状部3645b内に固定的に収容され、第1磁石3642及び第2磁石3644は、円盤状部3645aの反対する両側にそれぞれ設置され、それにより、第1磁石3642及び第2磁石3644の組み立てを容易にし、第1磁石3642及び第2磁石3644を回転軸35により良く固定する。
【0053】
具体的には、第1磁石3642及び第2磁石3644は、いずれも環状のハルバッハ配列磁石である。第1磁石3642は、着磁方向が第1磁石3642の軸線に平行な複数の第1磁石ブロック3642aを含み、第2磁石3644は、着磁方向が第2磁石3644の軸線に平行な複数の第2磁石ブロック3644aを含み、複数の第2磁石ブロック3644a及び複数の第1磁石ブロック3642aは、それぞれ回転軸35の周りに円盤状部3645aの反対する両側に設置される。回転軸35の延在方向において、各第2磁石ブロック3644aは、1つの第1磁石ブロック3642aに対向して設置され、且つ対向して設置された第2磁石ブロック3644a及び第1磁石ブロック3642aの円盤状部3645aに向かう側の極性は、逆である。このように設置することにより、第1磁石3642及び第2磁石3644の取り付けを容易にし、第1磁石3642の磁石ブロック及び第2磁石3644の磁石ブロックが互いに反発して組み立てが困難になるという問題を回避できる。
【0054】
いくつかの実施例では、第1磁石3642は、第1磁石3642の周方向に沿って着磁された複数の第3磁石ブロック3642bをさらに含み、周方向に着磁された複数の第3磁石ブロック3642b及び第1磁石3642に平行な軸線に沿って着磁された複数の第1磁石ブロック3642aは、第1磁石3642が位置する円周に沿って交互に設置される。ここで、隣接する第1磁石ブロック3642aの着磁方向は逆であり、例えば、隣接する第1磁石3642の一方の着磁方向は、第1磁石ブロック3642aの円盤状部3645aから離れた側から円盤状部3645aに向かう側に向かい、他方の着磁方向は、第1磁石ブロック3642aの円盤状部3645aに向かう側から円盤状部3645aから離れた側に向かう。隣接する第3磁石ブロック3642bの着磁方向は、第1磁石3642が位置する円周において逆である。
【0055】
対応して、第2磁石3644は、第2磁石3644の周方向に沿って着磁された複数の第4磁石ブロック3644bをさらに含み、複数の第4磁石ブロック3644b及び複数の第2磁石ブロック3644aは、第2磁石3644が位置する円周に沿って交互に設置される。ここで、隣接する第2磁石ブロック3644aの着磁方向は逆であり、隣接する第4磁石ブロック3644bの着磁方向は、第2磁石3644が位置する円周において逆である。
【0056】
なお、第3磁石ブロック3642b及び第4磁石ブロック3644bの着磁方向は、周方向着磁に限定されず、いくつかの実施例では、第3磁石ブロック3642b及び第4磁石ブロック3644bの着磁方向は、回転軸35の軸線に対して傾斜してもよい。
【0057】
図示の実施例では、第1磁石3642及び第2磁石3644にいずれも8つの磁石ブロックが設置され、即ち、第1磁石ブロック3642a、第2磁石ブロック3644a、第3磁石ブロック3642b及び第4磁石ブロック3644bは、いずれも4つである。第1磁石ブロック3642a、第2磁石ブロック3644a、第3磁石ブロック3642b及び第4磁石ブロック3644bは、いずれも環状扇形磁石であり、第1磁石3642及び第2磁石3644は、略円環状構造である。理解されるように、他の実施例では、第1磁石3642及び第2磁石3644は、2つ、4つ、6つ又は10つなどのより多く又はより少ない磁石ブロックから構成されてもよい。
【0058】
第1磁石3642及び第2磁石3644の取り付けを容易にするために、フライホイール3645には、第1磁石ブロック3642aの取り付け位置及び第2磁石ブロック3644aの取り付け位置を決定するための標識部3645cがさらに設けられる。標識部3645cは、溝、目盛り線、又は標識などとして設置されてもよく、第1磁石ブロック3642a及び第2磁石ブロック3644aを取り付けるとき、標識部3645cを用いてそのうちの1つの第1磁石ブロック3642a及びそのうちの1つの第2磁石ブロック3644aの位置を標識すれば、残りの磁石ブロックの取り付け位置を決定できるため、第1磁石3642及び第2磁石3644の取り付けを容易にする。具体的には、標識部3645cは、管状部3645b及び円盤状部3645aの少なくとも一方に設けられてもよい。具体的には、図示の実施例では、管状部3645bの両端の端面にはいずれも標識部3645cが設けられる。
【0059】
本実施例では、フライホイール3645は、円盤状部3645aの周りに設置された外周壁3645dをさらに含み、外周壁3645d、管状部3645b及び円盤状部3645aで共に、第1磁石3642及び第2磁石3644をそれぞれ収納する第1収納部3645e及び第2収納部3645fが囲まれ、且つ第1収納部3645e及び第2収納部3645fは、円盤状部3645aによって仕切られる。このように設置することにより、第1磁石3642及び第2磁石3644を位置規制することができ、第1磁石3642及び第2磁石3644の取り付けを容易にするだけでなく、第1磁石3642及び第2磁石3644とフライホイール3645との結合をより強固にする。
【0060】
本実施例では、管状部3645bの軸方向において、第1磁石3642の円盤状部3645aから離れた側は、外周壁3645dよりもある距離だけ高く、第2磁石3644の円盤状部3645aから離れた側は、外周壁3645dよりもある距離だけ高く、第1磁石3642及び第2磁石3644のフライホイール3645への組み立てを容易にする。
【0061】
なお、フライホイール3645は、上記構造に限定されず、いくつかの実施例では、フライホイール3645は、外周壁3645dを有さず、いくつかの実施例では、フライホイール3645は、外周壁3645d及び管状部3645bを有さず、このとき、回転軸35は、円盤状部3645a、例えば、円盤状部3645aの中心に固定的に穿設される。円盤状部3645aのみを有するフライホイール3645と比較して、管状部3645bを設置することによりフライホイール3645と回転軸35とをより安定的に接続することができる。
【0062】
図14を併せて参照すると、動力固定子366に電力を供給し及び/又は動力固定子366を制御するために、通常、電気ワイヤ50を動力固定子366に電気的に接続する必要があり、動力固定子366に接続された電気ワイヤ50は通常駆動ハウジング32の内部で駆動ハウジング32のインペラ20から離れた一端に延在し、磁気アセンブリ364は動力固定子366と駆動固定子362との間に設置されるため、動力固定子366に接続された電気ワイヤ50が回転する磁気アセンブリ364に接触すると、磁気アセンブリ364の回転に伴って動力固定子366に電気的に接続された電気ワイヤ50にねじれ又は脱落が発生するリスクがある。
【0063】
このために、駆動ハウジング32内にガード部322が固定的に設けられ、ガード部322の位置は、磁気アセンブリ364の位置に対応し、ガード部322と駆動ハウジング32の内壁との間にガード隙間324が形成され、電気ワイヤ50はガード隙間324を貫通して動力固定子366に電気的に接続され、ガード部322は、磁気アセンブリ364と電気ワイヤ50との間に位置する。ガード部322を設置することにより、磁気アセンブリ364の回転中に、電気ワイヤ50が磁気アセンブリ364に接触することで電気ワイヤ50が磁気アセンブリ364の回転に伴ってねじれ又は脱落するリスクを回避できる。いくつかの実施例では、電気ワイヤ50は、一端が動力固定子366の第2コイル3665に電気的に接続され、他端が血液ポンプ100の外部コントローラに電気的に接続される。
【0064】
なお、電気ワイヤ50が磁気アセンブリ364と共に回転することを防止するためにガード部322を設置する方式を採用することに限定されず、いくつかの実施例では、直接駆動ハウジング32の側壁に電気ワイヤ50を穿設するための通路を設けてもよく、このとき、ガード部322を設置する必要がない。
【0065】
なお、駆動部材36は、上記構造に限定されず、いくつかの実施例では、磁気アセンブリ364は、2つのフライホイールを有し、動力固定子366は、2つのフライホイールの間に位置し、即ち、一方のフライホイールは、インペラ20と動力固定子366との間に位置し、他方のフライホイールは、動力固定子366と駆動固定子362との間に位置し、第1磁石3642は、動力固定子366と駆動固定子362との間のフライホイール上に固定され、第2磁石3644は、インペラ20と動力固定子366との間のフライホイール上に固定される。このとき、ガード部322を設置すると、ガード部322は、動力固定子366と駆動固定子362との間のフライホイールと駆動ハウジング32との間に設置され、即ち、ガード部322の位置は、第1磁石3642の位置に対応し、このとき、ガード部322は、第1磁石3642が取り付けられたフライホイールと電気ワイヤ50との間に位置する。理解されるように、このとき、磁気アセンブリ364はフライホイールを有しなくてもよく、このとき、ガード部322は、第1磁石3642と電気ワイヤ50との間に位置する。
【0066】
或いは、いくつかの実施例では、2つのフライホイールは、いずれも駆動固定子362と動力固定子366との間に位置し、2つのフライホイールは、それぞれ第1磁石3642及び第2磁石3644を取り付けるために用いられ、このとき、ガード部322を設置すると、第1磁石3642が取り付けられたフライホイールと電気ワイヤ50との間、第2磁石3644が取り付けられたフライホイールと電気ワイヤ50との間にいずれもガード部322が設置される。理解されるように、磁気アセンブリ364は、フライホイールを有しなくてもよく、このとき、第1磁石3642と電気ワイヤ50との間、第2磁石3644と電気ワイヤ50との間にいずれもガード部322が設置される。
【0067】
或いは、いくつかの実施例では、磁気アセンブリ364は、1つのフライホイールを有し、第1磁石3642及び第2磁石3644の一方がフライホイール上に取り付けられ、他方が回転軸35上に直接取り付けられる。
【0068】
或いは、いくつかの実施例では、駆動部材36は、駆動固定子362及び動力固定子366の一方のみを有し、例えば、駆動部材36は、駆動固定子362のみを有し、動力固定子366を有さず、このとき、磁気アセンブリ364は、第2磁石3644を有さず、磁気アセンブリ364は、インペラ20と駆動固定子362との間に位置し、このとき、ガード部322を設置する必要がない。また例えば、駆動部材36は、動力固定子366のみを有し、このとき、磁気アセンブリ364は、第1磁石3642を有さず、このとき、磁気アセンブリ364は、インペラ20と動力固定子366との間に設置されてもよく、動力固定子366はインペラ20と磁気アセンブリ364との間に設置されてもよい。磁気アセンブリ364がインペラ20と動力固定子366との間に設置されると、動力固定子366に電気的に接続された電気ワイヤ50が磁気アセンブリ364を通らないため、ガード部322を設置する必要がない一方、動力固定子366がインペラ20と磁気アセンブリ364との間に設置されると、電気ワイヤ50が磁気アセンブリ364と共に回転することを回避するために、ガード部322を設置することが好ましい。
【0069】
或いは、いくつかの実施例では、回転軸35は、駆動固定子362に穿設されるように設置されてもよく、このとき、駆動部材36は、動力固定子366を有してもよいし、動力固定子366を有しなくてもよい。駆動部材36が動力固定子366を有しない場合、このとき、駆動固定子362の設置方式は、動力固定子366のみを有する駆動部材36の設置方式と一致してもよい。駆動部材36が駆動固定子362及び動力固定子366を同時に有し、回転軸35が駆動固定子362及び動力固定子366に穿設される場合、磁気アセンブリ364は、駆動固定子362と動力固定子366との間に設置されてもよく、又は、動力固定子366は、第1磁石3642と第2磁石3644との間に位置し、又は、動力固定子366及び駆動固定子362は、第1磁石3642と第2磁石3644との間に位置してもよい。
【0070】
図3及び図4を再び参照すると、センシングアセンブリ40は、駆動装置30の外部の流体圧力を検出でき、当該外部流体圧力は、駆動装置30が目標位置に位置するか否か、即ち血液ポンプ100が目標位置に位置するか否かを判断するために用いられてもよい。例えば、血液ポンプ100の輸送中に血液ポンプ100が目標位置に達したか否かを検出するために用いられ、血液ポンプ100の作動時に血液ポンプ100の位置をリアルタイムで検出し、血液ポンプ100が目標位置からずれた場合、血液ポンプ100の位置を適時調整するために用いられてもよい。ここで、センシングアセンブリ40は、センサ42を含み、センサ42は、プローブ422を含み、プローブ422は、収納キャビティ34aに収容され、プローブ422の位置は、検出ポート34bの位置に対応し、プローブ422は、駆動装置30の外部の流体圧力を検出できる。具体的には、プローブ422は、収納キャビティ34a内に密封される。
【0071】
具体的には、センサ42は、光ファイバ圧力センサである。光ファイバ圧力センサは、電磁干渉がなく、小型で、測定の信頼性が高く、精度が高く、耐腐食性があるなどの利点を有し、特に血管内血液ポンプのような外径が10ミリメートルを超えない血液ポンプに適用される。
【0072】
具体的には、センサ42は、プローブ422に接続された伝送用光ファイバ424をさらに含み、伝送用光ファイバ424のプローブ422に近い一端は、収納キャビティ34aに収容される。図示の実施例では、収納キャビティ34aは、連通口34cを有し、伝送用光ファイバ424は、連通口34cに穿設され、伝送用光ファイバ424の一端は、収納キャビティ34a内に収容されてプローブ422に接続され、伝送用光ファイバ424の他端は、連通口34cから駆動ハウジング32内に延在する。具体的には、収納キャビティ34a外に位置する伝送用光ファイバ424の部分は、駆動ハウジング32に穿設され、且つ駆動ハウジング32のブッシングアセンブリ24から離れた一端から駆動ハウジング32外に延在する。
【0073】
いくつかの実施例では、センシングアセンブリ40は、封入チューブ43をさらに含み、収納キャビティ34a外に位置する伝送用光ファイバ424の部分は、封入チューブ43に封入される。通常、光ファイバ圧力センサの伝送用光ファイバ424の材質は、脆くて切れやすいガラス繊維であるため、収納キャビティ34a外に位置する伝送用光ファイバ424の部分を封入チューブ43で封入することで、伝送用光ファイバ424を効果的に保護できる。収納キャビティ34a内に位置する伝送用光ファイバ424が収納キャビティ34aのキャビティ壁によって保護されるので、収納キャビティ34aに位置する伝送用光ファイバ424の部分に封入チューブ43を設置しなくてもよい。このように、収納キャビティ34aの寸法を小さくすることができる。その1つの実施例では、封入チューブ43は、PI封入チューブである。
【0074】
具体的には、センシングアセンブリ40は、軟質充填材44をさらに含み、プローブ422と収納キャビティ34aのキャビティ壁との間に軟質充填材44が設置される。これにより、プローブ422と収納キャビティ34aのキャビティ壁との剛体接触を防止してプローブ422を保護する役割を果たす。
【0075】
具体的には、検出ポート34bにも軟質充填材44が設置され、検出ポート34bの軟質充填材44は、検出ポート34bを密封し、且つ受けた流体圧力をプローブ422に伝達できる。即ち、検出ポート34bの軟質充填材44は、検出ポート34bを密封して血液ポンプ100の外部の流体が検出ポート34bを通じて収納キャビティ34aに進入することを阻止する役割を果たすとともに、圧力をプローブ422に伝達する役割を果たす。外部流体圧力を検出ポート34bに位置する軟質充填材44を介してプローブ422に良好に伝達するために、軟質充填材44はプローブ422に密着する。
【0076】
いくつかの実施例では、軟質充填材44の材質は、例えばシリカゲルなどであってもよい。
【0077】
図示の実施例では、血液ポンプ100は、駆動ハウジング32に固定接続されたカテーテルアセンブリ60をさらに含む。カテーテルアセンブリ60は、駆動ハウジング32内に注入液を通液することができ、回転軸35とブッシングアセンブリ34との間に注入液が通過する隙間がある。ここで、カテーテルアセンブリ60によって駆動ハウジング32内に通液する注入液は、回転軸35とブッシングアセンブリ34との間の隙間を介して駆動ハウジング32から流出し、且つカニューレアセンブリ10に進入することができる。具体的には、カテーテルアセンブリ60によって駆動ハウジング32内に通液する注入液は、駆動ハウジング32を介して、第2ブッシング346と回転軸35との間の隙間、回転軸35の凸リング354と接続スリーブ342の突起3422との間の隙間、及び回転軸35と第1ブッシング344との間の隙間を順次流れ、且つ回転軸35と第1ブッシング344との間の隙間を介してカニューレアセンブリ10中に流入する。
【0078】
ここで、注入液は、カニューレアセンブリ10内の血液が回転軸35と第1ブッシング344との間の隙間から駆動ハウジング35内に進入することを阻止する役割を果たすとともに、第2ブッシング346と回転軸35との間、及び回転軸35と第1ブッシング344との間の潤滑の役割も果たす。
【0079】
具体的には、カテーテルアセンブリ60内に駆動ハウジング32に連通する供給管が設けられ、供給管は、駆動ハウジング32内に注入液を通液するために用いられる。
【0080】
いくつかの実施例では、注入液は、例えば生理食塩水、ヘパリン含有生理食塩水、又はブドウ糖などであってもよい。
【0081】
具体的には、第1軸孔344aの孔壁と回転軸35との間の隙間は、2μm以下である。最小の赤血球(直径約8μm、厚さ約2μm)は、幅が2μm以下の隙間に進入しにくいことに加えて、逆洗浄の洗浄流体はこの隙間を通過するため、血液が第1軸孔344aを通じて駆動ハウジング32の内部に進入することをより効果的に阻止できる。
【0082】
注入液が駆動装置30内の素子を汚染及び/又は腐食することを回避するために、駆動装置30の駆動部材36(例えば、駆動固定子362及び動力固定子366など)に防水密封膜が被覆される。ここで、防水密封膜の材料は、シリカゲル、糊で形成された膜などであってもよい。
【0083】
具体的には、カテーテルアセンブリ60は、駆動装置30に電気的に接続された電気接続ワイヤ(例えば、駆動装置30を外部コントローラと電気的に接続する電気接続ワイヤ)をさらに含む。具体的には、供給管及び電気接続ワイヤは、いずれも駆動ハウジング32の開口端から離れた一端から駆動ハウジング32内に延びる。電気ワイヤ50は、電気接続ワイヤに直接電気的に接続されてもよいし、電気接続ワイヤに間接電気的に接続されてもよい。
【0084】
注入液が駆動ハウジング35から収納キャビティ34aに進入して収納キャビティ34aのプローブ422の検出精度に影響することを回避するために、連通口34cにシール材326が設けられ、シール材326は収納キャビティ34aと駆動ハウジング32とが連通口34cを介して連通することを阻止し、駆動ハウジング32内の注入液が連通口34cを介して収納キャビティ34aに進入してプローブ422による外部流体圧力の検出精度に影響することを阻止する。具体的には、収納キャビティ34a及び駆動ハウジング35の外部に位置する伝送用光ファイバ424の部分は、カテーテルアセンブリ60に収容され、且つカテーテルアセンブリ60と共に患者の外部に延びて外部コントローラに接続される。
【0085】
図6及び図8を再び参照すると、さらに、第1ブッシング344の凸リング354に近い側に第1流体溝344bがさらに設けられ、第1流体溝344bは第1ブッシング344と回転軸35との間の隙間に連通する。具体的には、第1流体溝344bは、ボス3444のキャップ部3442から離れた一端に位置する。第2ブッシング346の凸リング354に近い側に第2流体溝346cが設けられ、第2流体溝346cは第2ブッシング346と回転軸35との間の隙間に連通する。このように、注入液の流通を容易にする。なお、他の実施例では、第1ブッシング344及び第2ブッシング346の一方に流体溝を設置してもよいし、又はいずれも流体溝を設置しなくてもよい。
【0086】
上記血液ポンプ100は、少なくとも以下の利点を有する。
(1)上述駆動装置30のブッシングアセンブリ34には、収納キャビティ34a及び収納キャビティ34aに連通する検出ポート34bが設けられ、センシングアセンブリ40のセンサ42のプローブ422は、収納キャビティ34aに収容され、且つプローブ422の位置は、検出ポート34bの位置に対応し、且つ検出ポート34bは、ブッシングアセンブリ34の外壁上に位置することにより、プローブ422は、検出ポート34bにおいて駆動装置30の外部の流体圧力を検出でき、それにより操作者は、検出された外部の流体圧力値によって駆動装置30が目標位置に位置するか否かを比較的正確に判断し、血液ポンプ100の輸送及び血液ポンプ100位置の調整を容易にする。プローブ422をブッシングアセンブリ34に集積するために、ブッシングアセンブリ34上にセンサのプローブ422を収納するための収納キャビティ34aを設けることにより、駆動装置30上にセンシングアセンブリ40を追加することによって駆動装置30の直径が大きくなる問題を回避することができる。したがって、上記血液ポンプ100は、血液ポンプ100の位置をより正確に検出することができるだけでなく、より小さい直径を有する。
(2)センシングアセンブリ40のセンサ42のプローブ422をブッシングアセンブリ34の収納キャビティ34a内に密封することにより、駆動ハウジング32内の注入液が収納キャビティ34aに進入してプローブ422による外部流体圧力の検出精度に影響を与えることを効果的に回避できるとともに、血液ポンプ100の外部流体(例えば血液)が検出ポート34bを通って収納キャビティ34aに進入してセンサ42を汚染し、又は収納キャビティ34aを通って駆動ハウジング32に進入して駆動ハウジング32内部の素子を汚染することを防止できる。
(3)プローブ422の位置は検出ポート34bの位置に対応し、検出ポート34bの位置が流出口14に近いか又は検出ポート34bの位置が流出口14の位置に対応するため、プローブ422がカニューレアセンブリ10の流出口14に近いほど、プローブ422が検出したデータをより直接的に血液ポンプ100の位置の判断に用いることができ、且つ検出したデータがより正確である。
(4)上記血液ポンプ100の伝送用光ファイバ424の収納キャビティ34a外に位置する部分は駆動ハウジング32に穿設され、且つ駆動ハウジング32のカニューレアセンブリ10から離れた一端から駆動ハウジング32外に延びることにより、血液ポンプ100に取り付けられたセンシングアセンブリ40の部分は駆動装置30の内部に集積され、このように伝送アセンブリ40の保護役割を果たす。
(5)駆動固定子362及び回転軸35を回転軸35の軸線に沿って間隔をおいて設置することにより、即ち、回転軸35を駆動固定子362内に穿設しないことにより、駆動固定子362のコアの断面積を大きく設置することが容易であり、血液ポンプ100全体の消費電力を低減し、発熱量を低減するのに有利である。
【0087】
図15図20に示すように、第2実施形態の血液ポンプ700は、第1実施形態の血液ポンプ100の構造とほぼ同じであり、相違点は、第2実施形態の血液ポンプ700のブッシングアセンブリ710の収納キャビティ710a及び検出ポート710bがいずれも接続スリーブ712上に位置し、且つ検出ポート710bが第1ブッシング714のキャップ部714aに近い接続スリーブ712の一端の外周壁上に位置すること、検出ポート710bの位置もカニューレアセンブリ720の流出口722の位置に対応すること、且つ第1ブッシング714のキャップ部714aのボス714bが形成された表面は、接続スリーブ712の駆動ハウジングから離れた一端の端面に当接することである。
【0088】
回転軸730の軸線の延在方向を血液ポンプ700の軸方向とし、回転軸730の軸線に垂直な方向を径方向とすると、本実施形態の検出ポート710bは径向設置方式であり、このように、インペラ740の回転による血液流動がセンシングアセンブリ750のプローブ752に与える圧力の影響を低減できる。言い換えれば、本実施形態の検出ポート710bの設置方式は、血液ポンプ700の輸送時に外部流体圧力をより正確に検出できるだけでなく、血液ポンプ700の作動時に外部流体圧力をより正確に検出できる。
【0089】
第2実施形態の血液ポンプ700の構造は第1実施形態の血液ポンプ100の構造と類似するため、第1実施形態の血液ポンプの利点も有するため、ここでは説明を省略する。
【0090】
図21図23に示すように、第3実施形態の血液ポンプ800は、第1実施形態の血液ポンプ100の構造とほぼ同じであり、相違点は、第3実施形態の血液ポンプ800のブッシングアセンブリ810の構造が第1実施形態の血液ポンプ100のブッシングアセンブリ34の構造と若干異なることである。より具体的には、本実施形態におけるブッシングアセンブリ810の接続スリーブ812及び第1ブッシング814の構造は、第1実施形態の血液ポンプ100のブッシングアセンブリ34の接続スリーブ342及び第1ブッシング344の構造と異なる。
【0091】
図24図26を参照すると、本実施形態において、第1ブッシング814は、キャップ部を有さず、第1ブッシング814は、略円盤状構造である。第1ブッシング814は、接続スリーブ812に固定的に収容される。第1ブッシング814は、接続スリーブ812の駆動ハウジング820から離れた一端に設置され、第1ブッシング814の外壁は、接続スリーブ812の内壁に固定接続される。
【0092】
具体的には、第1ブッシング814及び接続スリーブ812は、接着剤により粘着固定される。図示の実施例では、第1ブッシング814を接続スリーブ812内に固定して取り付けることを容易にするために、第1ブッシング814の外周壁上に接着剤を収納するための接着剤溝814aが設けられる。
【0093】
ここで、収納キャビティ810a及び検出ポート810bはいずれも接続スリーブ812上に位置する。図示の実施例では、検出ポート810bは、接続スリーブ812の外周壁上に位置する。本実施形態の検出ポート810bは、径方向設置方式である。したがって、本実施形態のプローブは、血液ポンプ800の動作時においても血液ポンプ800の位置を精度よく検出できる。
【0094】
理解されるように、他の実施例では、検出ポート810bは、接続スリーブ812の駆動ハウジング820から離れた一端の端面上に位置してもよい。これにより、検出ポート810bはカニューレアセンブリ830の流出口832により近く、このように設置することにより、血液ポンプ800を輸送する時に血液ポンプ800の位置をより正確且つ直接的に検出することを容易にする。
【0095】
第3実施形態の血液ポンプ800の構造は第1実施形態の血液ポンプ100の構造と類似するため、第1実施形態の血液ポンプ100の利点も有するため、ここでは説明を省略する。
【0096】
上記の実施例は、本発明の技術案を説明するためにのみ用いられ、本発明の技術案を限定するものではない。前述の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載された技術案を修正したり、その一部の技術的特徴を同等に置換したりすることができ、これらの修正又は置換は、対応する技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の精神及び範囲から逸脱させるものではなく、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきであると理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図16
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【国際調査報告】