(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】血液ポンプ及びその駆動装置
(51)【国際特許分類】
A61M 60/174 20210101AFI20240321BHJP
A61M 60/216 20210101ALI20240321BHJP
A61M 60/419 20210101ALI20240321BHJP
A61M 60/804 20210101ALI20240321BHJP
A61M 60/81 20210101ALI20240321BHJP
A61M 60/411 20210101ALI20240321BHJP
【FI】
A61M60/174
A61M60/216
A61M60/419
A61M60/804
A61M60/81
A61M60/411
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561228
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-04
(86)【国際出願番号】 CN2022132049
(87)【国際公開番号】W WO2023098471
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202111470871.6
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520245301
【氏名又は名称】シェンジェン コア メディカル テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN CORE MEDICAL TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】謝 瑞卿
(72)【発明者】
【氏名】余 順周
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077BB10
4C077CC04
4C077DD10
4C077EE01
4C077KK21
(57)【要約】
血液ポンプ(100)及びその駆動装置(10)であって、駆動装置(10)は、駆動ハウジング(11)と、回転子(12)と、固定子機構(13)と、電気ワイヤ(17)と、を含み、駆動ハウジング(11)は、仕切られた取り付けキャビティ(11a)及び収納キャビティ(114)を有し、回転子(12)は、回転軸(121)と、磁気アセンブリと、を含み、回転軸(121)は、駆動ハウジング(11)に対して回転可能であり、磁気アセンブリは、回転軸(121)に固定接続され、固定子機構(13)は、取り付けキャビティ(11a)内に収容され、固定子機構(13)は、磁気アセンブリの回転を駆動する回転磁界を発生可能であり、磁気アセンブリは、回転軸(121)を動かして回転軸(121)の軸線の周りに回転させることができ、磁気アセンブリと駆動ハウジング(11)との間に位置する電気ワイヤ(17)の部分は、収納キャビティ(114)のキャビティ壁によって電気ワイヤ(17)と磁気アセンブリとの接触を阻止するために、収納キャビティ(114)に収容される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ハウジングと、回転子と、固定子機構と、電気ワイヤと、を含む駆動装置であって、
前記駆動ハウジングは、取り付けキャビティ及び前記取り付けキャビティと仕切られた収納キャビティを有し、
前記回転子は、一端が前記取り付けキャビティに収容され、前記駆動ハウジングに対して回転可能な回転軸と、前記回転軸に固定接続された磁気アセンブリと、を含み、
前記固定子機構は、前記取り付けキャビティ内に収容され、前記磁気アセンブリの回転を駆動する回転磁界を発生可能であり、前記磁気アセンブリは前記回転軸を動かして前記回転軸の軸線の周りに回転させることができ、
前記電気ワイヤは、前記固定子機構に電気的に接続され、前記電気ワイヤの一部は、少なくとも一部の前記磁気アセンブリと前記駆動ハウジングとの間に位置し、且つ前記磁気アセンブリと前記駆動ハウジングとの間に位置する前記電気ワイヤの部分は、前記収納キャビティのキャビティ壁によって前記電気ワイヤと前記磁気アセンブリとの接触を阻止するために、前記収納キャビティに収容される、ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記固定子機構は、動力固定子を含み、前記動力固定子は、前記磁気アセンブリの回転を駆動する回転磁界を発生可能であり、前記電気ワイヤは、前記動力固定子に電気的に接続され、前記回転軸は、前記動力固定子に回転可能に穿設され、前記磁気アセンブリは、前記動力固定子よりも前記取り付けキャビティに収容された前記回転軸の一端の端部に近い、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記磁気アセンブリは、第1磁石と、第2磁石と、を含み、前記第1磁石及び前記第2磁石は、いずれも前記回転軸に固定接続され、前記固定子機構は、駆動固定子と、動力固定子と、を含み、前記駆動固定子及び前記動力固定子は、前記回転軸の軸線に沿って配置され、前記駆動固定子は、前記第1磁石の回転を駆動する回転磁界を発生可能であり、前記動力固定子は、前記第2磁石の回転を駆動する回転磁界を発生可能であり、前記第1磁石は、前記駆動固定子と前記動力固定子との間に位置し、前記電気ワイヤの一部は、前記第1磁石と前記駆動ハウジングとの間に位置し、且つ前記第1磁石と前記駆動ハウジングとの間に位置する前記電気ワイヤの部分は、前記収納キャビティに収容される、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第2磁石は、前記動力固定子と前記第1磁石との間に位置し、前記第1磁石と前記駆動ハウジングとの間、前記第2磁石と前記駆動ハウジングとの間にいずれも前記電気ワイヤを有し、前記第1磁石と前記駆動ハウジングとの間に位置する前記電気ワイヤの部分、及び前記第2磁石と前記駆動ハウジングとの間に位置する前記電気ワイヤの部分は、いずれも前記収納キャビティに収容される、ことを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記磁気アセンブリは、前記回転軸に固定接続されたフライホイールをさらに含み、前記フライホイールは、前記駆動固定子と前記動力固定子との間に位置し、前記第1磁石及び前記第2磁石は、いずれも前記フライホイール上に取り付けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記フライホイールは、前記回転軸に固定的に嵌設された円盤状部を含み、前記第1磁石及び前記第2磁石は、前記円盤状部の反対する両側にそれぞれ設置され、前記第1磁石及び前記第2磁石は、いずれも環状のハルバッハ配列磁石であり、前記第1磁石は、着磁方向が前記第1磁石の軸線に平行な複数の第1磁石ブロックを含み、前記第2磁石は、着磁方向が前記第2磁石の軸線に平行な複数の第2磁石ブロックを含み、複数の前記第2磁石ブロック及び複数の前記第1磁石ブロックは、それぞれ前記回転軸の周りに前記円盤状部の対向する両側に設置され、前記回転軸の延在方向において、各前記第2磁石ブロックは、1つの前記第1磁石ブロックに対向して設置され、且つ対向して設置された前記第1磁石ブロック及び前記第2磁石ブロックの前記円盤状部に向かう側の極性は、逆である、ことを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記フライホイールは、円盤状部と、管状部と、を含み、前記管状部は、前記円盤状部の中央部に固定的に穿設され、且つ前記円盤状部と同軸であり、前記回転軸は、前記管状部に固定接続され、前記第1磁石及び前記第2磁石は、前記円盤状部の反対する両側にそれぞれ設置される、ことを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記フライホイールは、前記円盤状部の周りに設置された外周壁をさらに含み、前記外周壁、前記管状部及び前記円盤状部で共に、前記第1磁石及び前記第2磁石をそれぞれ収納する第1収納部及び第2収納部が囲まれ、且つ前記第1収納部及び前記第2収納部は、前記円盤状部によって仕切られる、ことを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記管状部の軸方向において、前記第1磁石の前記円盤状部から離れた側は、前記外周壁よりもある距離だけ高く、前記第2磁石の前記円盤状部から離れた側は、前記外周壁よりもある距離だけ高い、ことを特徴とする請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記駆動固定子は、前記回転軸の軸線の周りに1周分だけ間隔をおいて設置された複数の第1コア及び第1コイルを含み、前記動力固定子は、前記回転軸の周りに1周分だけ間隔をおいて設置された複数の第2コア及び第2コイルを含み、前記第1コア及び前記第2コアは、いずれも磁性柱を含み、前記第1コイルは、前記第1コアの前記磁性柱に巻き付けられ、前記第2コイルは、前記第2コアの前記磁性柱に巻き付けられ、前記第1コアの前記磁性柱の断面積は、前記第2コアの前記磁性柱の断面積よりも大きい、ことを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記第1コア及び前記第2コアの前記磁性柱は、いずれも三角柱状を呈し、各前記磁性柱の辺は、丸め処理される、ことを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記回転軸は、前記動力固定子に回転可能に穿設され、前記駆動固定子及び前記回転軸は、前記回転軸の軸線に沿って間隔をおいて設置される、ことを特徴とする請求項3~11のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記駆動ハウジングの内部にはガードが固定的に設けられ、前記ガードは、前記駆動ハウジングの内部キャビティを前記取り付けキャビティ及び前記収納キャビティに仕切り、前記ガードは、前記電気ワイヤと少なくとも一部の前記磁気アセンブリとの間に位置し、前記ガードは、前記電気ワイヤと前記磁気アセンブリとの接触を阻止する、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記ガードには、前記取り付けキャビティと前記収納キャビティとを連通し、且つ前記電気ワイヤを穿設するための連通孔が設けられされ、前記電気ワイヤは前記連通孔を貫通して前記取り付けキャビティ内の前記固定子機構に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項13に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記駆動ハウジングは、ハウジング本体と、密封蓋と、を含み、前記ハウジング本体には、前記取り付けキャビティに連通する取り付け口がさらに設けられされ、前記密封蓋は、前記取り付け口を密封的にカバーし、前記収納キャビティの少なくとも一部は、前記密封蓋及び前記ガードにより共同で囲まれて形成される、ことを特徴とする請求項13に記載の駆動装置。
【請求項16】
前記駆動ハウジングは、複数のハウジングを含み、複数の前記ハウジングは、順次突き合わせて共同で前記取り付けキャビティが囲まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項17】
前記駆動装置は、第1ブッシングと、第2ブッシングと、をさらに含み、前記第1ブッシング及び前記第2ブッシングは、いずれも前記取り付けキャビティに収容され、且つ前記駆動ハウジングに固定的に接続され、前記回転軸は、前記第1ブッシング及び前記第2ブッシングに回転可能に穿設され、前記回転子は、前記回転軸に固定的に嵌設された位置規制リングをさらに含み、前記位置規制リングは、前記第1ブッシングと前記第2ブッシングとの間に位置し、前記位置規制リングの外径は、前記回転軸の延在方向において前記回転軸を位置規制するように、それぞれ前記第1ブッシングの内径及び前記第2ブッシングの内径よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項18】
前記取り付けキャビティ内には、前記回転軸の延在方向に沿って設置された第1位置規制孔、第2位置規制孔及び第3位置規制孔を有し、前記第2位置規制孔は、前記第1位置規制孔に連通し、前記第3位置規制孔は、前記第2位置規制孔に連通し、前記第2位置規制孔の孔径は、前記第1位置規制孔の孔径よりも小さく、且つ前記第3位置規制孔の孔径よりも小さく、前記第1ブッシングは、前記第1位置規制孔内に収容され、前記第2ブッシングは、前記第3位置規制孔内に収容され、前記位置規制リングは、前記第2位置規制孔内に収容される、ことを特徴とする請求項17に記載の駆動装置。
【請求項19】
前記駆動ハウジングは、前記取り付けキャビティに連通する連通口をさらに有し、前記回転軸の一端は、前記連通口から前記駆動ハウジング外に延在し、前記駆動装置は、前記駆動ハウジングに固定接続されたブッシングをさらに含み、前記ブッシングは、前記連通口に設置され、前記回転軸は、前記ブッシングに回転可能に穿設され、前記ブッシングと前記回転軸との間の隙間は、2μm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の駆動装置と、
前記回転軸に固定接続され、前記回転軸と共に回転可能なインペラと、を含む、ことを特徴とする血液ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年12月03日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202111470871.6の中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、医療機器技術分野に関し、特に血液ポンプ及びその駆動装置に関する。
【背景技術】
【0003】
血管内血液ポンプは、患者の血管内に経皮的に挿入され、左心室補助装置又は右心室補助装置として患者の心臓にプロービングされるように構成された装置であり、血管内血液ポンプは、心内血液ポンプとも呼ばれることがある。
【0004】
従来の血液ポンプは、主にインペラ及び当該インペラの回転を駆動する駆動装置を含み、インペラは、駆動装置の駆動により、血液を血液ポンプの血液流入口から血液流出口に輸送するが、この過程で駆動装置における電気ワイヤの故障(例えば断線又は脱落)の原因で、血液ポンプの正常な使用に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに基づき、本発明は、駆動装置における電気ワイヤの故障を回避し、血液ポンプの正常な使用を保証する血液ポンプ及びその駆動装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
駆動装置であって、駆動ハウジングと、回転子と、固定子機構と、電気ワイヤと、を含み、
前記駆動ハウジングは、取り付けキャビティ及び前記取り付けキャビティと仕切られた収納キャビティを有し、
前記回転子は、一端が前記取り付けキャビティに収容され、前記駆動ハウジングに対して回転可能な回転軸と、前記回転軸に固定接続された磁気アセンブリと、を含み、
前記固定子機構は、前記取り付けキャビティ内に収容され、前記磁気アセンブリの回転を駆動する回転磁界を発生可能であり、前記磁気アセンブリは前記回転軸を動かして前記回転軸の軸線の周りに回転させることができ、
前記電気ワイヤは、前記固定子機構に電気的に接続され、前記電気ワイヤの一部は、少なくとも一部の前記磁気アセンブリと前記駆動ハウジングとの間に位置し、且つ前記磁気アセンブリと前記駆動ハウジングとの間に位置する前記電気ワイヤの部分は、前記収納キャビティのキャビティ壁によって前記電気ワイヤと前記磁気アセンブリとの接触を阻止するために、前記収納キャビティに収容される。
【0007】
血液ポンプであって、上記の駆動装置と、前記回転軸に固定接続され、前記回転軸と共に回転可能なインペラと、を含む。
【0008】
本発明の1つ又は複数の実施例の詳細は以下の図面及び説明において示される。本発明の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0009】
本願の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下は実施例又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働なしにこれらの図面に基づいて他の図面をさらに得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例の血液ポンプの構造模式図である。
【
図2】
図1に示される血液ポンプの部分構造模式図である。
【
図3】
図2に示される血液ポンプのA-Aに沿った断面図である。
【
図4】
図2に示される血液ポンプの駆動装置から駆動ハウジングを省略した構造模式図である。
【
図5】
図4に示される駆動装置のB-Bに沿った断面図である。
【
図6】
図4に示される駆動装置のフライホイールの斜視図である。
【
図7】
図4に示される駆動装置のフライホイール、第1磁石及び第2磁石の組立斜視図である。
【
図8】
図7に示されるフライホイール、第1磁石及び第2磁石の分解斜視図である。
【
図9】
図7に示されるフライホイール、第1磁石及び第2磁石の正面図である。
【
図10】
図9に示されるフライホイール、第1磁石及び第2磁石のC-Cに沿った断面図である。
【
図11】
図3に示される回転軸の構造模式図である。
【
図12】
図4に示される駆動装置の駆動固定子の構造模式図である。
【
図13】
図4に示される駆動装置から駆動ハウジングを省略した別の角度の構造模式図である。
【
図14】
図1に示される血液ポンプの駆動ハウジングの構造模式図である。
【
図15】
図14に示される駆動ハウジングのD-Dに沿った断面図である。
【
図16】
図15に示される駆動ハウジングのK部の部分拡大図である。
【
図17】
図1に示される血液ポンプからカニューレアセンブリ及びカテーテルアセンブリを省略した構造模式図である。
【
図18】
図17に示される血液ポンプのE-Eに沿った断面図である。
【
図21】
図20に示される駆動ハウジングの別の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願の目的、技術案及び利点をより明確且つ分かりやすくするために、以下は図面及び実施例を参照して本願をさらに詳細に説明する。理解すべきものとして、ここで説明した具体的な実施例は本願を解釈するためにのみ用いられ、本願を限定するものではない。
【0012】
なお、素子が別の素子に「固定される」又は「設置される」と呼ばれる場合、別の素子に直接あってもよいし、又は当該別の素子に間接あってもよい。素子が別の素子に「接続される」と呼ばれる場合、別の素子に直接接続されてもよいし、又は当該別の素子に間接接続されてもよい。
【0013】
また、「第1」、「第2」という用語は、説明の目的にのみ用いられ、相対的重要性を示し又は暗示し、又は示された技術的特徴の数を暗示するものとは理解できない。このことから、「第1」、「第2」で限定される特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本願の説明において、「複数」とは、別段の明示的且つ具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0014】
本願の技術案を説明するために、以下は具体的な図面及び実施例を参照して説明する。
【0015】
図1~
図3に示すように、本願の実施例は、駆動装置10と、カニューレアセンブリ20と、インペラ30と、を含む血液ポンプ100を提供する。カニューレアセンブリ20は、駆動装置10に接続され、インペラ30は、カニューレアセンブリ20に回転可能に収容され、インペラ30は、駆動装置10に接続され、駆動装置10は、血液ポンプ100のポンプ機能を実現するために、インペラ30を動かして回転させることができる。
【0016】
具体的には、カニューレアセンブリ20は、流入口21と、流出口22と、を有する。その1つの実施例では、カニューレアセンブリ20は、延在して大動脈弁などの心臓弁を通り、流入口21は、心臓内に位置し、流出口22及び駆動装置10は、心臓外の大動脈などの血管内に位置する。インペラ30が回転すると、血液は、流入口21からカニューレアセンブリ20に流入し、さらに流出口22からカニューレアセンブリ20外に流出する。
【0017】
より具体的には、カニューレアセンブリ20は、一端が駆動装置10に接続され、他端には、心臓における血液ポンプ100の位置を安定化し、心臓組織に非外傷性支持を提供するためのピッグテールカテーテル23が設置され得る。
【0018】
具体的には、ピッグテールカテーテル23は、中空構造である。ピッグテールカテーテル23の材料は、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレン、ポリエーテルブロックポリアミドPEBAX、及びラテックス材料からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0019】
さらに、血液ポンプ100は、駆動装置10に接続されたカテーテルアセンブリ40をさらに含み、カテーテルアセンブリ40内に供給ラインが設置され、供給ラインは、駆動装置10に洗浄流体を通液するための洗浄ライン411、及び駆動装置10に電力を供給するか及び/又は外部電気器具(例えば外部コントローラなど)に電気的に接続されるための電気接続ラインなどを含む。
【0020】
駆動装置10は、インペラ30に転動可能に接続され、駆動装置10は、血液ポンプ100のインペラ30を動かして回転させることができる。ここで、駆動装置10は、駆動ハウジング11と、回転子12と、固定子機構13と、を含む。
【0021】
駆動ハウジング11は、略円筒状である。駆動ハウジング11は、取り付けキャビティ11aを有する。インペラ30は、駆動ハウジング11外に設置される。ここで、駆動ハウジング11は、取り付けキャビティ11aに連通する連通口110を有し、連通口110は、駆動ハウジング11のインペラ30に近い側に位置する。具体的には、連通口110は、駆動ハウジング11とカニューレアセンブリ20とを連通する。ここで、洗浄ライン411に通液された洗浄流体は、駆動ハウジング11の内部を流れ、連通口110からカニューレアセンブリ20に流入して、血液が駆動ハウジング11の連通口110から駆動ハウジング11に浸透することを阻止することができる。
【0022】
回転子12は、駆動ハウジング11内に回転可能に取り付けられ、回転子12は、インペラ30に固定接続され、回転子12は、インペラ30を動かして回転させることができる。ここで、回転子12は、回転軸121と、回転軸121に固定接続された磁気アセンブリと、を含む。回転軸121は、一端が取り付けキャビティ11aに収容され、他端が駆動ハウジング11外に位置し、且つインペラ30に固定接続され、回転軸121は、駆動ハウジング11に対して回転可能である。具体的には、回転軸121は、連通口110に回転可能に穿設される。回転軸121のインペラ30に接続されるための一端は、連通口110から駆動ハウジング11外に延在する。
【0023】
具体的には、回転軸121は、破損を回避するために、セラミック又はステンレス鋼などの材料で製造され、例えばアルミナ強化ジルコニア(ATZ)又はSUS316Lなどで製造される。
【0024】
固定子機構13は、取り付けキャビティ11a内に収容され、固定子機構13は、回転子12の回転を駆動可能である。具体的には、固定子機構13は、磁気アセンブリの回転を駆動する回転磁界を発生可能であり、磁気アセンブリは、回転軸121を動かして回転軸121の軸線の周りに回転させることができる。ここで、固定子機構13は、駆動固定子131を含み、駆動固定子131及び回転軸121は、回転軸121の軸線に沿って間隔をおいて設置され、即ち、回転軸121は、駆動固定子131内まで穿設されない。磁気アセンブリは、回転軸121に固定接続された第1磁石122を含み、駆動固定子131は、第1磁石122と相互作用する回転磁界を発生可能であり、それにより第1磁石122は、回転軸121を動かして回転軸121の軸線の周りに回転させることができ、それによりインペラ30を動かして回転させる。
【0025】
図4及び
図5を併せて参照すると、具体的には、駆動固定子131は、第1バックプレート1311と、複数の第1コア1312と、複数の第1コア1312の周りにそれぞれ設置された複数の第1コイル1313と、を含む。第1バックプレート1311は、駆動ハウジング11内に固定接続される。複数の第1コア1312は、回転軸121の軸線の周りに1周分だけ間隔をおいて設置される。具体的には、各第1コア1312の延在方向は、いずれも回転軸121の延在方向に平行である。各第1コア1312は、一端が第1バックプレート1311に固定接続され、他端が第1磁石122に近いまで延在する。第1コイル1313は、第1磁石122と相互作用する回転磁界を発生可能であり、それにより第1磁石122の回転を引き起こし、回転軸121を動かして回転させ、インペラ30を回転軸121と共に回転させる。
【0026】
なお、いくつかの実施例では、駆動固定子131は、第1バックプレート1311を有しなくてもよい。第1バックプレート1311は、閉磁路として機能し、駆動固定子131の磁束の発生を促進・増加させて、結合能力を向上させる。第1バックプレート1311が磁束を増加させることができるので、第1バックプレート1311を設置することにより血液ポンプ100全体の直径を小さくすることに有利である。第1バックプレート1311は、第1コア1312と同じ材料であり、いくつかの実施例では、第1バックプレート1311及び第1コア1312は、いずれもコバルト鋼などの軟磁性材料から作製される。
【0027】
本実施例では、駆動装置10は、駆動ハウジング11内に固定された固定部材14をさらに含み、固定部材14には位置決めポスト141が設置され、第1バックプレート1311に位置決め孔13111が設けられ、位置決めポスト141は、位置決め孔13111内に穿設され、それにより駆動固定子131の位置決め及び取り付けを容易にする。ここで、位置決めポスト141の軸線は、回転軸121の軸線と重なる。
【0028】
具体的には、固定部材14には貫通孔142が設けられ、貫通孔142は、駆動ハウジング11の内部キャビティに連通し、貫通孔142は、洗浄ライン411のインペラ30に近い一端を収容するために用いられる。
【0029】
さらに、磁気アセンブリは、回転軸121に固定的に接続された第2磁石123をさらに含み、固定子機構13は、動力固定子132をさらに含み、動力固定子132及び駆動固定子131は、回転軸121の軸線に沿って設置され、且つ動力固定子132は、駆動固定子131よりもインペラ30に近く、即ち、回転軸121の延在方向において、動力固定子132は、インペラ30と駆動固定子131との間に配置される。ここで、回転軸121は、動力固定子132に回転可能に穿設され、動力固定子132は、第2磁石123の回転を駆動する回転磁界を発生可能である。駆動固定子131及び動力固定子132は、それぞれ第1磁石122及び第2磁石123の回転を駆動可能であることにより、駆動固定子131及び動力固定子132は、共同で回転軸121を動かして回転軸121の軸線の周りに回転させることができ、それによりインペラ30を動かして回転させ、インペラ30の回転により大きな駆動力を提供する。
【0030】
図示の実施例では、第1磁石122及び第2磁石123は、駆動固定子131と動力固定子132との間に配置される。具体的には、磁気アセンブリは、回転軸121に固定接続されたフライホイール124をさらに含み、フライホイール124は、動力固定子132と駆動固定子131との間に位置し、第1磁石122及び第2磁石123は、いずれもフライホイール124上に設置される。
【0031】
具体的には、
図2及び
図3を参照すると、回転軸121のインペラ30から離れた一端は、第1端1211であり、回転軸121のインペラ30に近い一端は、第2端1212である。フライホイール124は、回転軸121の第1端1211に固定的に嵌設される。ここで、フライホイール124は、回転軸121と一体成形されてもよく、又は接着、溶接などの方式により回転軸121に固定されてもよい。
【0032】
フライホイール124を設置することにより磁石と回転軸121との接続強度を増加させ、回転軸121の回転安定性を向上させることができ、また、第1磁石122及び第2磁石123をいずれも同じフライホイール124上に設置することにより、回転軸121の回転時のぐらつきを低減し、回転軸121を回転時により安定化させることができる。
【0033】
より具体的には、
図6を参照すると、フライホイール124は、円盤状部1241と、管状部1242と、を含み、管状部1242は、円盤状部1241の中央部に固定的に穿設され、且つ円盤状部1241と同軸であり、回転軸121のインペラ30から離れた一端(即ち第1端1211)は、管状部1242内に固定的に収容され、第1磁石122及び第2磁石123は、円盤状部1241の反対する両側にそれぞれ設置され、それにより第1磁石122及び第2磁石123の組み立てを容易にし、第1磁石122及び第2磁石123を回転軸121により良く固定する。
【0034】
図7~
図10を参照すると、具体的には、第1磁石122及び第2磁石123は、いずれも環状のハルバッハ配列磁石である。第1磁石122は、着磁方向が第1磁石122の軸線に平行な複数の第1磁石ブロック1221を含み、第2磁石123は、着磁方向が第2磁石123の軸線に平行な複数の第2磁石ブロック1231を含み、複数の第2磁石ブロック1231及び複数の第1磁石ブロック1221は、それぞれ回転軸121の周りに円盤状部1241の反対する両側に設置される。回転軸121の延在方向において、各第2磁石ブロック1231は、1つの第1磁石ブロック1221に対向して設置され、且つ対向して設置された第2磁石ブロック1231及び第1磁石ブロック1221の円盤状部1241に向かう側の極性は、逆である。このように設置することにより、第1磁石122及び第2磁石123の取り付けを容易にし、第1磁石122の磁石ブロック及び第2磁石123の磁石ブロックが互いに反発して組み立てが困難になるという問題を回避できる。
【0035】
いくつかの実施例では、第1磁石122は、第1磁石122の周方向に沿って着磁された複数の第3磁石ブロック1222をさらに含み、周方向に着磁された第3磁石ブロック1222及び第1磁石122の軸線に平行に着磁された第1磁石ブロック1221は、第1磁石122が位置する円周に沿って交互に設置される。ここで、隣接する第1磁石ブロック1221の着磁方向は逆であり、例えば、隣接する第1磁石122の一方の着磁方向は、第1磁石ブロック1221の円盤状部1241から離れた側から円盤状部1241に向かう側に向かい、他方の着磁方向は、第1磁石ブロック1221の円盤状部1241に向かう側から円盤状部1241から離れた側に向かう。隣接する第3磁石ブロック1222の着磁方向は、第1磁石122が位置する円周において逆である。
【0036】
対応して、第2磁石123は、第2磁石123の周方向に沿って着磁された複数の第4磁石ブロック1232をさらに含み、第4磁石ブロック1232及び第2磁石ブロック1231は、第2磁石123が位置する円周に沿って交互に設置される。ここで、隣接する第2磁石ブロック1231の着磁方向は逆であり、隣接する第4磁石ブロック1232の着磁方向は、第2磁石123が位置する円周において逆である。
【0037】
なお、第3磁石ブロック1222及び第4磁石ブロック1232の着磁方向は、周方向着磁に限定されず、いくつかの実施例では、第3磁石ブロック1222及び第4磁石ブロック1232の着磁方向は、回転軸121の軸線に対して傾斜してもよい。
【0038】
本実施例では、第1磁石122及び第2磁石123にはいずれも8つの磁石ブロックが設置され、即ち、第1磁石ブロック1221、第2磁石ブロック1231、第3磁石ブロック1222及び第4磁石ブロック1232は、いずれも4つである。第1磁石ブロック1221、第2磁石ブロック1231、第3磁石ブロック1222及び第4磁石ブロック1232は、いずれも環状扇形磁石であり、第1磁石122及び第2磁石123は、略円環状構造である。理解されるように、他の実施例では、第1磁石122及び第2磁石123は、2つ、4つ、6つ又は10つなどのより多く又はより少ない磁石ブロックから構成されてもよい。
【0039】
第1磁石122及び第2磁石123の取り付けを容易にするために、フライホイール124には、第1磁石ブロック1221の取り付け位置及び第2磁石ブロック1231の取り付け位置を決定するための標識部1243がさらに設けられる。標識部1243は、溝、目盛り線、又は標識などとして設置されてもよい。第1磁石ブロック1221及び第2磁石ブロック1231を取り付けるときには、標識部1243を用いてそのうちの1つの第1磁石ブロック1221及びそのうちの1つの第2磁石ブロック1231の位置を標識すれば、残りの磁石ブロックの取り付け位置を決定でき、それにより第1磁石122及び第2磁石123の取り付けを容易にする。具体的には、標識部1243は、管状部1242及び円盤状部1241の少なくとも一方に設けられてもよい。
【0040】
その1つの実施例では、フライホイール124は、粘着の方式により回転軸121に固定される。
図11を参照すると、回転軸121の第1端1211の端部には接着剤溝1213が設けられ、管状部1242の内壁には接着剤溝1213に当接するストッパ突起12421が設置される。このように接着剤溝1213内に接着剤を配置することにより、回転軸121とストッパ突起12421との固定接続を容易にすることができる。
【0041】
さらに、接着剤溝1213は、回転軸121に垂直な軸線方向に沿って延在し、且つ接着剤溝1213の端部は、回転軸121の外周面まで延在する。このように設置することにより、接着剤溝1213に接着剤を配置するときに、接着剤が回転軸121の外周面に溢れ、管状部1242の内周壁及び回転軸121の周面を粘着し、回転軸121とフライホイール124との間をより良く固定し、又は、回転軸121と管状部1242との間を粘着するための余分な接着剤が接着剤溝1213に溢れることも容易となる。
【0042】
図6~
図10を参照すると、本実施例では、フライホイール124は、円盤状部1241の周りに設置された外周壁1244をさらに含み、外周壁1244、管状部1242及び円盤状部1241で共に、第1磁石122及び第2磁石123をそれぞれ収納する第1収納部及び第2収納部が囲まれ、且つ第1収納部及び第2収納部は、円盤状部1241によって仕切られる。このように設置することにより、第1磁石122及び第2磁石123を位置規制することができ、第1磁石122及び第2磁石123の取り付けを容易にするだけでなく、第1磁石122及び第2磁石123とフライホイール124との結合をより強固にする。
【0043】
本実施例では、管状部1242の軸方向において、第1磁石122の円盤状部1241から離れた側は、外周壁1244よりもある距離だけ高く、第2磁石123の円盤状部1241から離れた側は、外周壁1244よりもある距離だけ高く、第1磁石122及び第2磁石123のフライホイール124への組み立てを容易にする。
【0044】
なお、フライホイール124は、上記構造に限定されず、いくつかの実施例では、フライホイール124は、外周壁1244を有さず、いくつかの実施例では、フライホイール124は、外周壁1244及び管状部1242を有さず、このとき、回転軸121は、円盤状部1241、例えば、円盤状部1241の中心に固定的に穿設される。円盤状部1241のみを有するフライホイール124と比較して、管状部1242を設置することによりフライホイール124と回転軸121とをより安定的に接続することができる。
【0045】
動力固定子132の構造は、駆動固定子131の構造と類似する。ここで、動力固定子132は、第2バックプレート1321と、複数の第2コア1322と、複数の第2コイル1323と、を含む。複数の第2コア1322は、回転軸121の周りに1周分だけ間隔をおいて設置され、各第2コア1322の延在方向は、いずれも回転軸121の軸線に平行である。各第2コア1322は、一端が第2バックプレート1321に固定接続され、他端が第2磁石123に近いまで延在する。言い換えれば、回転軸121の軸方向において、駆動固定子131と動力固定子132とは、逆向きに設置される。各第2コイル1323は、対応する第2コア1322にそれぞれ巻き付けられる。第2コイル1323は、第2磁石123と相互作用する回転磁界を発生可能である。
【0046】
ここで、第1コア1312及び第2コア1322は、磁性柱を含み、第1コイル1313は、第1コア1312の磁性柱上に巻き付けられ、第2コイル1323は、第2コア1322の磁性柱上に巻き付けられる。第1コア1312の磁性柱の断面積は、第2コア1322の磁性柱の断面積よりも大きい。
【0047】
磁性柱の断面積が大きいほど、発生する磁束が大きくなり、固定子の磁石に対するトルクが大きくなり、必要な電流が小さくなり、消費電力の低減や発熱の低減に有利である。動力固定子132の中央部に回転軸121が貫通するため、血液ポンプ100の径方向の寸法の制約により、第2コア1322の断面積が制限される一方、駆動固定子131の中央部に回転軸121が貫通しないため、大きな断面積の第1コア1312を選択できる。言い換えれば、このように設置することにより、消費電力を低減し、駆動装置10の発熱を低減することができる。
【0048】
図12及び
図13に示すように、本実施例では、第1コア1312及び第2コア1322は、いずれも磁性柱のみを有し、即ち、第1コア1312及び第2コア1322は、いずれも幅が大きいヘッド(即ち磁極片)を有さず、第1コア1312及び第2コア1322の長さ方向において、その幅は一定であり、第1コア1312全体は第1磁石122と磁気的に結合でき、第2コア1322全体は第2磁石123と磁気的に結合できる。磁極片が設置されたコアと比較して、本願は、磁気損失を低減し、第1コア1312と第1磁石122との間、第2コア1322と第2磁石123との間の磁気結合密度を増加させ、それにより駆動固定子131の第1磁石122に対するトルク(等しい電流条件で)及び動力固定子132の第2磁石123に対するトルク(等しい電流条件で)を増大させることができる。また、ヘッドを有しない第1コア1312及び第2コア1322は、隣接するコアの間の接触による局所磁気短絡によるモータの電力低下の問題を大幅に低減することができる。
【0049】
磁性柱のみを有する第1コア1312及び第2コア1322の断面の形状は、扇形、円形、台形、環状扇形などであってもよい。図示の実施例では、磁性柱のみを有する第1コア1312及び第2コア1322は、略三角柱状であり、各コアの1辺は、回転軸121の軸線に向かう。本実施例では、第1コア1312及び第2コア1322の辺は、いずれも丸め処理され、辺を丸め処理することによりその後のコイルの巻き付けを容易にするとともに、コイルに被覆された絶縁材料の保護に有利である。
【0050】
理解されるように、他の実施例では、第1コア1312及び第2コア1322は、磁性柱の一端に設置されたヘッドをさらに含み、第1バックプレート1311は、第1コア1312の磁性柱のヘッドから離れた一端に接合され、第2バックプレート1321は、第2コア1322の磁性柱のヘッドから離れた一端に結合されてもよい。又は、いくつかの実施例では、第1コア1312及び第2コア1322のうち一方が同時に磁性柱及びヘッドを有し、他方が磁性柱のみを有してもよい。
【0051】
図3、
図5及び
図13を参照すると、駆動装置10は、取り付けキャビティ11aに収容された第1ブッシング15をさらに含み、第1ブッシング15は、駆動ハウジング11に固定的に接続され、回転軸121は、第1ブッシング15内に回転可能に穿設される。ここで、回転軸121と第1ブッシング15との間に隙間がある。第1ブッシング15を設置することにより回転軸121と駆動ハウジング11との組み立ての寸法要求を低減することができ、回転軸121の回転摩擦を低減することができる。第1ブッシング15を駆動ハウジング11内に固定的に取り付けることを容易にするために、第1ブッシング15の外周面に第1接着剤収納溝152が設けられる。
【0052】
本実施例では、第1ブッシング15は、連通口110に設置され、第1ブッシング15と回転軸121との間の隙間は、2μm以下である。最小の赤血球(直径約8μm、厚さ約2μm)は、幅が2μm以下の隙間に進入しにくいことに加えて、逆洗浄の洗浄流体はこの隙間を通過するため、血液が連通口110を通じて駆動ハウジング11の内部に進入することが阻止される。
【0053】
具体的には、洗浄流体は、例えば生理食塩水、ヘパリン含有生理食塩水、又はブドウ糖などであってもよい。
【0054】
洗浄流体が汚染されるか及び/又は駆動装置10内の素子が腐食されることを回避するために、駆動装置10の駆動固定子131及び動力固定子132にはいずれも防水密封膜が被覆される。ここで、防水密封膜の材料は、シリカゲル、接着剤などであってもよい。
【0055】
駆動装置10は、取り付けキャビティ11aに収容された第2ブッシング16をさらに含み、第2ブッシング16は、駆動ハウジング11に固定接続され、回転軸121は、隙間をあけて第2ブッシング16内に穿設され、回転軸121は、第2ブッシング16内を回転可能であり、第2ブッシング16及び第1ブッシング15は、回転軸121の延在方向に沿って間隔をおいて設置され、第1ブッシング15は、第2ブッシング16よりもインペラ30に近い。第1ブッシング15を設置した上で第2ブッシング16を増設することにより、回転軸121の回転安定性を向上させることができる。
【0056】
第2ブッシング16の駆動ハウジング11内への固定取り付けを容易にするために、第2ブッシング16の外周面に第2接着剤収納溝162が設けられる。第2接着剤収納溝162を設置することにより、第1接着剤収納溝152に接着剤を設置することで第2ブッシング16と駆動ハウジング11とを粘着することを容易にする。
【0057】
具体的には、第1ブッシング15及び第2ブッシング16は、金属材質、セラミック材料などである。
【0058】
図3、
図5及び
図13を併せて参照すると、本実施例では、回転子12は、回転軸121に固定的に嵌設された位置規制リング125をさらに含む。ここで、位置規制リング125は、回転軸121と一体成形されてもよく、又は接着、溶接などの方式により回転軸121に固定されてもよい。位置規制リング125は、第1ブッシング15と第2ブッシング16との間に位置し、位置規制リング125の外径は、第1ブッシング15の内径よりも大きく、かつ、位置規制リング125の外径も第2ブッシング16の内径よりも大きく、それにより回転軸121の延在方向において回転軸121を位置規制し、回転軸121が回転軸121の延在方向において駆動ハウジング11に対して大幅に移動することを回避する。
【0059】
図3、
図14及び
図15を参照すると、具体的には、取り付けキャビティ11a内には、回転軸121の軸線に沿って順次第1位置規制孔111、第2位置規制孔112及び第3位置規制孔113が設置され、第2位置規制孔112は、第1位置規制孔111に連通し、第3位置規制孔113は、第2位置規制孔112に連通し、第2位置規制孔112の孔径は、第1位置規制孔111の孔径よりも小さく、且つ第3位置規制孔113の孔径よりも小さく、第1ブッシング15は、第1位置規制孔111内に収容され、第2ブッシング16は、第3位置規制孔113内に収容され、位置規制リング125は、第2位置規制孔112内に収容される。第1位置規制孔111、第2位置規制孔112及び第3位置規制孔113を設置することにより、回転軸121の軸方向において第1ブッシング15及び第2ブッシング16を位置規制することができる。ここで、連通口110は、第1位置規制孔111の第2位置規制孔112から離れた側の開口である。
【0060】
本実施例では、位置規制リング125と第1位置規制孔111の孔壁とは、隙間嵌めされる。
【0061】
ここで、洗浄ライン411から駆動ハウジング11の内部に通液した洗浄流体は、第2ブッシング16と回転軸121との間の隙間、位置規制リング125と第1位置規制孔111との間の隙間、及び第1ブッシング15と回転軸121との間の隙間を流れ、連通口110からカニューレアセンブリ20内に進入することにより、逆洗浄の役割を果たすことができるだけでなく、回転軸121と第1ブッシング15との間、回転軸121と第2ブッシング16との間の潤滑の役割も果たすことができる。
【0062】
本実施例では、第1ブッシング15の位置規制リング125に近い側に第1流体溝153が設けられ、第1流体溝153は、第1ブッシング15と回転軸121との間の隙間に連通する。第2ブッシング16の位置規制リング125に近い側に第2流体溝163が設けられ、第2流体溝163は、第2ブッシング16と回転軸121との間の隙間に連通する。このように、洗浄液の流通を容易にする。なお、他の実施例では、第1ブッシング15及び第2ブッシング16の一方に流体溝を設置してもよいし、又は流体溝を設置しなくてもよい。
【0063】
図14~
図20を参照すると、駆動ハウジング11は、取り付けキャビティ11aと仕切られた収納キャビティ114をさらに有する。駆動装置11は、電気ワイヤ17をさらに含み、電気ワイヤ17は、固定子機構13に接続され、電気ワイヤ17の一部は、少なくとも一部の磁気アセンブリと駆動ハウジング11との間に位置し、且つ磁気アセンブリと駆動ハウジング11との間に位置する電気ワイヤ17の部分は、収納キャビティ114に収容され、それにより収納キャビティ114のキャビティ壁は、電気ワイヤ17と磁気アセンブリとの接触を阻止する。図示の実施例では、電気ワイヤ17は、動力固定子132に電気的に接続され、具体的には、電気ワイヤ17は、動力固定子132の第2コイル1323に電気的に接続される。ここで、第1磁石122と駆動ハウジング11との間、第2磁石123と駆動ハウジング11との間にいずれも電気ワイヤ17を有し、第1磁石122と駆動ハウジング11との間に位置する電気ワイヤ17の部分、及び第2磁石123と駆動ハウジング11との間に位置する電気ワイヤ17の部分は、いずれも収納キャビティ114に収容される。磁気アセンブリの位置は、収納キャビティ114の位置に対応する。
【0064】
ここで、電気ワイヤ17は、供給ラインにおける電気接続ラインに直接電気的に接続されてもよく、又は、電気ワイヤ17は、駆動装置10内の制御ユニットに接続され、制御ユニットは、固定子機構13の動作状態を制御するために用いられる。具体的には、電気ワイヤ17は、一端が第2コイル1323に電気的に接続され、他端が直接供給ラインにおける電気接続ラインに電気的に接続されるか又は制御ユニットに電気的に接続される。
【0065】
収納キャビティ114を設置することにより、固定子機構13に電気的に接続された電気ワイヤ17と回転可能な磁気アセンブリとを仕切り、磁気アセンブリの回転中に電気ワイヤ17に接触して電気ワイヤ17が磁気アセンブリと共に回転することによる電気ワイヤ17の断線又は脱落などの故障リスクを効果的に回避でき、それにより血液ポンプ100の正常な使用をさらに確保する。
【0066】
さらに、駆動ハウジング11内にはガード115が固定的に設けられ、ガード115は、駆動ハウジング11の内部キャビティを取り付けキャビティ11a及び収納キャビティ114に仕切る。ガード115の位置は、磁気アセンブリの位置に対応し、即ち、ガード115の位置は、第1磁石122の位置及び第2磁石123の位置に対応する。ガード115は、磁気アセンブリと電気ワイヤ17との間に位置し、ガード115は、電気ワイヤ17と磁気アセンブリとの接触を阻止する。即ち、ガード115は、第1磁石122、第2磁石123及びフライホイール124を収納キャビティ114外に仕切る。
【0067】
具体的には、ガード115には、取り付けキャビティ11aと収納キャビティ114とを連通し、且つ電気ワイヤ17を穿設するための連通孔1151が設けられることにより、電気ワイヤ17は連通孔1151を貫通して取り付けキャビティ11a内の固定子機構13に電気的に接続される。
【0068】
駆動固定子131と動力固定子132とを接続する電気ワイヤ17の取り付けを容易にするために、駆動ハウジング11は、ハウジング本体11bと、密封蓋117と、を含み、ハウジング本体11bに取り付け口116がさらに設けられ、密封蓋117は、取り付け口116を密封的にカバーし、ガード115は、取り付け口116の一部を遮蔽し、収納キャビティ114の少なくとも一部は、密封蓋117及びガード115により共同で囲まれて形成される。
【0069】
図21を参照すると、駆動ハウジング11は、第1ハウジング118及び第1ハウジング118に突き合せた第2ハウジング119を含み、ガード115は、第2ハウジング119上に位置する。駆動ハウジング11を複数のハウジングの組み合わせの方式に設計することにより、駆動装置10の内部部品の組み立てを容易にすることができる。
【0070】
いくつかの実施例では、収納キャビティ114は、ガード115を設置する方式によって形成されるものに限定されず、いくつかの実施例では、収納キャビティ114は、直接駆動ハウジング11の側壁上に設けられた、電気ワイヤ17を穿設するための通路であってもよい。
【0071】
なお、駆動装置10は、上記構造に限定されず、いくつかの実施例では、駆動装置10は、2つのフライホイールを有し、2つのフライホイールは、いずれも動力固定子132と駆動固定子131との間に設置され、2つのフライホイールは、いずれも回転軸121に固定接続され、且つ回転軸121の軸線に沿って配置され、第1磁石122及び第2磁石123は、2つのフライホイール上にそれぞれ取り付けられる。このとき、収納キャビティ114の位置は、第1磁石122及び第2磁石123に対応し、第1磁石122が取り付けられたフライホイールと電気ワイヤ17との間、第2磁石123が取り付けられたフライホイールと電気ワイヤ17との間にいずれもガード115が設置される。理解されるように、このとき、回転子12は、フライホイールを有しなくてもよく、このとき、第1磁石122と電気ワイヤ17との間、第2磁石123と電気ワイヤ17との間にいずれもガード115が設置される。又は、フライホイールは、1つであり、当該フライホイールは、第1磁石122及び第2磁石123の一方を取り付けるために用いられる。
【0072】
或いは、動力固定子132は、2つのフライホイールの間に位置し、即ち、1つのフライホイールは、インペラ30と動力固定子132との間に位置し、もう1つのフライホイールは、動力固定子132と駆動固定子131との間に位置し、第1磁石122は、動力固定子132と駆動固定子131との間のフライホイール上に固定され、第2磁石123は、インペラ30と動力固定子132との間のフライホイール上に固定され、即ち、第1磁石122は、動力固定子132と駆動固定子131との間に位置し、第2磁石123は、インペラ30と動力固定子132との間に位置し、このとき、第1磁石122と駆動ハウジング11との間に電気ワイヤ17を有する。電気ワイヤ17が第1磁石122又は第1磁石122が取り付けられたフライホイールに接触することを回避するために、第1磁石122と駆動ハウジング11との間に位置する電気ワイヤ17の部分は、収納キャビティ114に収容される。対応して、ガード115は、第1磁石122が取り付けられたフライホイールと電気ワイヤ17との間に位置する。理解されるように、このとき、回転子12はフライホイールを有しなくてもよく、このとき、ガード115は、第1磁石122と電気ワイヤ17との間に位置する。
【0073】
或いは、いくつかの実施例では、回転軸121は、駆動固定子131に穿設されるように設置されてもよく、回転軸121は、駆動固定子131及び動力固定子132に穿設され、このとき、磁気アセンブリ全体は、駆動固定子131と動力固定子132との間に設置されてもよく、このとき、収納キャビティの設置方式は、
図18~
図21と類似してもよい。或いは、動力固定子366は、第1磁石122と第2磁石123との間に位置し、又は、駆動固定子131及び動力固定子132は、いずれも第1磁石122と第2磁石123との間に位置し、このとき、第1磁石122と駆動ハウジング11との間に電気ワイヤ17を有する。電気ワイヤ17が第1磁石122又は第1磁石122が取り付けられたフライホイールに接触することを回避するために、第1磁石122と駆動ハウジング11との間に位置する電気ワイヤ17の部分は、収納キャビティ114に収容される。対応して、ガード115は、第1磁石122が取り付けられたフライホイールと電気ワイヤ17との間に位置する。理解されるように、このとき、回転子12はフライホイールを有しなくてもよく、このとき、ガード115は、第1磁石122と電気ワイヤ17との間に位置する。
【0074】
或いは、いくつかの実施例では、駆動装置10は、動力固定子132のみを有し、動力固定子132は、磁気アセンブリの回転を駆動する回転磁界を発生可能であり、電気ワイヤ17は、動力固定子132に電気的に接続され、回転軸121は、動力固定子132に回転可能に穿設され、磁気アセンブリは、動力固定子132よりも取り付けキャビティ11aに収容された回転軸121の一端の端部に近い。このとき、磁気アセンブリは、少なくとも動力固定子132に対応する磁石を有し、動力固定子132は、当該磁石の回転を駆動する回転磁界を発生可能である。
【0075】
上記の実施例は、本発明の技術案を説明するためにのみ用いられ、本発明の技術案を限定するものではない。前述の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載された技術案を修正したり、その一部の技術的特徴を同等に置換したりすることができ、これらの修正又は置換は、対応する技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の精神及び範囲から逸脱させるものではなく、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきであると理解すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ハウジングと、回転子と、固定子機構と、電気ワイヤと、を含む駆動装置であって、
前記駆動ハウジングは、取り付けキャビティ及び前記取り付けキャビティと仕切られた収納キャビティを有し、
前記回転子は、一端が前記取り付けキャビティに収容され、前記駆動ハウジングに対して回転可能な回転軸と、前記回転軸に固定接続された磁気アセンブリと、を含み、
前記固定子機構は、前記取り付けキャビティ内に収容され、前記磁気アセンブリの回転を駆動する回転磁界を発生可能であり、前記磁気アセンブリは前記回転軸を動かして前記回転軸の軸線の周りに回転させることができ、
前記電気ワイヤは、前記固定子機構に電気的に接続され、前記電気ワイヤの一部は、少なくとも一部の前記磁気アセンブリと前記駆動ハウジングとの間に位置し、且つ前記磁気アセンブリと前記駆動ハウジングとの間に位置する前記電気ワイヤの部分は、前記収納キャビティのキャビティ壁によって前記電気ワイヤと前記磁気アセンブリとの接触を阻止するために、前記収納キャビティに収容される、ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記固定子機構は、動力固定子を含み、前記動力固定子は、前記磁気アセンブリの回転を駆動する回転磁界を発生可能であり、前記電気ワイヤは、前記動力固定子に電気的に接続され、前記回転軸は、前記動力固定子に回転可能に穿設され、前記磁気アセンブリは、前記動力固定子よりも前記取り付けキャビティに収容された前記回転軸の一端の端部に近い、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記磁気アセンブリは、第1磁石と、第2磁石と、を含み、前記第1磁石及び前記第2磁石は、いずれも前記回転軸に固定接続され、前記固定子機構は、駆動固定子と、動力固定子と、を含み、前記駆動固定子及び前記動力固定子は、前記回転軸の軸線に沿って配置され、前記駆動固定子は、前記第1磁石の回転を駆動する回転磁界を発生可能であり、前記動力固定子は、前記第2磁石の回転を駆動する回転磁界を発生可能であり、前記第1磁石は、前記駆動固定子と前記動力固定子との間に位置し、前記電気ワイヤの一部は、前記第1磁石と前記駆動ハウジングとの間に位置し、且つ前記第1磁石と前記駆動ハウジングとの間に位置する前記電気ワイヤの部分は、前記収納キャビティに収容される、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第2磁石は、前記動力固定子と前記第1磁石との間に位置し、前記第1磁石と前記駆動ハウジングとの間、前記第2磁石と前記駆動ハウジングとの間にいずれも前記電気ワイヤを有し、前記第1磁石と前記駆動ハウジングとの間に位置する前記電気ワイヤの部分、及び前記第2磁石と前記駆動ハウジングとの間に位置する前記電気ワイヤの部分は、いずれも前記収納キャビティに収容される、ことを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記磁気アセンブリは、前記回転軸に固定接続されたフライホイールをさらに含み、前記フライホイールは、前記駆動固定子と前記動力固定子との間に位置し、前記第1磁石及び前記第2磁石は、いずれも前記フライホイール上に取り付けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記フライホイールは、前記回転軸に固定的に嵌設された円盤状部を含み、前記第1磁石及び前記第2磁石は、前記円盤状部の反対する両側にそれぞれ設置され、前記第1磁石及び前記第2磁石は、いずれも環状のハルバッハ配列磁石であり、前記第1磁石は、着磁方向が前記第1磁石の軸線に平行な複数の第1磁石ブロックを含み、前記第2磁石は、着磁方向が前記第2磁石の軸線に平行な複数の第2磁石ブロックを含み、複数の前記第2磁石ブロック及び複数の前記第1磁石ブロックは、それぞれ前記回転軸の周りに前記円盤状部の対向する両側に設置され、前記回転軸の延在方向において、各前記第2磁石ブロックは、1つの前記第1磁石ブロックに対向して設置され、且つ対向して設置された前記第1磁石ブロック及び前記第2磁石ブロックの前記円盤状部に向かう側の極性は、逆である、ことを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記フライホイールは、円盤状部と、管状部と、を含み、前記管状部は、前記円盤状部の中央部に固定的に穿設され、且つ前記円盤状部と同軸であり、前記回転軸は、前記管状部に固定接続され、前記第1磁石及び前記第2磁石は、前記円盤状部の反対する両側にそれぞれ設置される、ことを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記フライホイールは、前記円盤状部の周りに設置された外周壁をさらに含み、前記外周壁、前記管状部及び前記円盤状部で共に、前記第1磁石及び前記第2磁石をそれぞれ収納する第1収納部及び第2収納部が囲まれ、且つ前記第1収納部及び前記第2収納部は、前記円盤状部によって仕切られる、ことを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記管状部の軸方向において、前記第1磁石の前記円盤状部から離れた側は、前記外周壁よりもある距離だけ高く、前記第2磁石の前記円盤状部から離れた側は、前記外周壁よりもある距離だけ高い、ことを特徴とする請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記駆動固定子は、前記回転軸の軸線の周りに1周分だけ間隔をおいて設置された複数の第1コア及び第1コイルを含み、前記動力固定子は、前記回転軸の周りに1周分だけ間隔をおいて設置された複数の第2コア及び第2コイルを含み、前記第1コア及び前記第2コアは、いずれも磁性柱を含み、前記第1コイルは、前記第1コアの前記磁性柱に巻き付けられ、前記第2コイルは、前記第2コアの前記磁性柱に巻き付けられ、前記第1コアの前記磁性柱の断面積は、前記第2コアの前記磁性柱の断面積よりも大きい、ことを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記第1コア及び前記第2コアの前記磁性柱は、いずれも三角柱状を呈し、各前記磁性柱の辺は、丸め処理される、ことを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記回転軸は、前記動力固定子に回転可能に穿設され、前記駆動固定子及び前記回転軸は、前記回転軸の軸線に沿って間隔をおいて設置される、ことを特徴とする請求項
3に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記駆動ハウジングの内部にはガードが固定的に設けられ、前記ガードは、前記駆動ハウジングの内部キャビティを前記取り付けキャビティ及び前記収納キャビティに仕切り、前記ガードは、前記電気ワイヤと少なくとも一部の前記磁気アセンブリとの間に位置し、前記ガードは、前記電気ワイヤと前記磁気アセンブリとの接触を阻止する、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記ガードには、前記取り付けキャビティと前記収納キャビティとを連通し、且つ前記電気ワイヤを穿設するための連通孔が設けられされ、前記電気ワイヤは前記連通孔を貫通して前記取り付けキャビティ内の前記固定子機構に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項13に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記駆動ハウジングは、ハウジング本体と、密封蓋と、を含み、前記ハウジング本体には、前記取り付けキャビティに連通する取り付け口がさらに設けられされ、前記密封蓋は、前記取り付け口を密封的にカバーし、前記収納キャビティの少なくとも一部は、前記密封蓋及び前記ガードにより共同で囲まれて形成される、ことを特徴とする請求項13に記載の駆動装置。
【請求項16】
前記駆動ハウジングは、複数のハウジングを含み、複数の前記ハウジングは、順次突き合わせて共同で前記取り付けキャビティが囲まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項17】
前記駆動装置は、第1ブッシングと、第2ブッシングと、をさらに含み、前記第1ブッシング及び前記第2ブッシングは、いずれも前記取り付けキャビティに収容され、且つ前記駆動ハウジングに固定的に接続され、前記回転軸は、前記第1ブッシング及び前記第2ブッシングに回転可能に穿設され、前記回転子は、前記回転軸に固定的に嵌設された位置規制リングをさらに含み、前記位置規制リングは、前記第1ブッシングと前記第2ブッシングとの間に位置し、前記位置規制リングの外径は、前記回転軸の延在方向において前記回転軸を位置規制するように、それぞれ前記第1ブッシングの内径及び前記第2ブッシングの内径よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項18】
前記取り付けキャビティ内には、前記回転軸の延在方向に沿って設置された第1位置規制孔、第2位置規制孔及び第3位置規制孔を有し、前記第2位置規制孔は、前記第1位置規制孔に連通し、前記第3位置規制孔は、前記第2位置規制孔に連通し、前記第2位置規制孔の孔径は、前記第1位置規制孔の孔径よりも小さく、且つ前記第3位置規制孔の孔径よりも小さく、前記第1ブッシングは、前記第1位置規制孔内に収容され、前記第2ブッシングは、前記第3位置規制孔内に収容され、前記位置規制リングは、前記第2位置規制孔内に収容される、ことを特徴とする請求項17に記載の駆動装置。
【請求項19】
前記駆動ハウジングは、前記取り付けキャビティに連通する連通口をさらに有し、前記回転軸の一端は、前記連通口から前記駆動ハウジング外に延在し、前記駆動装置は、前記駆動ハウジングに固定接続されたブッシングをさらに含み、前記ブッシングは、前記連通口に設置され、前記回転軸は、前記ブッシングに回転可能に穿設され、前記ブッシングと前記回転軸との間の隙間は、2μm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の駆動装置と、
前記回転軸に固定接続され、前記回転軸と共に回転可能なインペラと、を含む、ことを特徴とする血液ポンプ。
【国際調査報告】