IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

<>
  • 特表-生物活性物質を送達するための基体 図1
  • 特表-生物活性物質を送達するための基体 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】生物活性物質を送達するための基体
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/34 20170101AFI20240321BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20240321BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20240321BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240321BHJP
   A61K 31/465 20060101ALI20240321BHJP
   A61P 25/26 20060101ALI20240321BHJP
   A61K 31/196 20060101ALI20240321BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240321BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240321BHJP
【FI】
A61K47/34
A61K9/12
A61K9/70 401
A61K45/00
A61K31/465
A61P25/26
A61K31/196
A61P29/00
A61K47/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023561800
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 EP2022059917
(87)【国際公開番号】W WO2022219063
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】AM20210028
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AM
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100183379
【弁理士】
【氏名又は名称】藤代 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】アタベキアン マリ リオヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ファーマジアン ゾヤ メリク
(72)【発明者】
【氏名】グリゴリアン ステパン グリゴール
(72)【発明者】
【氏名】ラヴァナン ローラン
(72)【発明者】
【氏名】トプジアン ヴィーゲン オニク
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA24
4C076AA72
4C076AA93
4C076BB01
4C076BB31
4C076CC01
4C076CC05
4C076DD38
4C076EE27M
4C076EE47M
4C076FF31
4C076FF68
4C084AA01
4C084AA02
4C084AA17
4C084MA13
4C084MA32
4C084MA52
4C084MA63
4C084NA10
4C084NA12
4C084ZA252
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC20
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA13
4C086MA32
4C086MA52
4C086MA63
4C086NA10
4C086NA12
4C086ZA25
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA31
4C206KA01
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA33
4C206MA52
4C206MA72
4C206MA83
4C206NA10
4C206NA12
4C206ZB11
(57)【要約】
生物活性物質を送達するための基体(12)であって、テトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を使用して、シリコーンポリマーを架橋することによって形成される架橋シリコーンマトリックスであって、複数のドメインを画定する架橋シリコーンマトリックスと、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有される組成物であって、少なくとも一つの単量体グリコールおよび少なくとも一つの生物活性物質を含む、組成物と、を含む、基体(12)。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物活性物質を送達するための基体であって、
テトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成される架橋シリコーンマトリックスであって、複数のドメインを画定する、架橋シリコーンマトリックスと、
前記架橋シリコーンマトリックスの前記ドメイン内に含有される組成物であって、少なくとも一つの単量体グリコールおよび少なくとも一つの生物活性物質を含む、組成物と、
を含む、基体。
【請求項2】
前記少なくとも一つの架橋剤が、TEOS、グリセリン酸ケイ素、および1,2-プロピレングリコール酸ケイ素からなる群から選択される、請求項1に記載の基体。
【請求項3】
前記少なくとも一つの架橋剤が、グリセリン酸ケイ素および1,2-プロピレングリコール酸ケイ素の一方または両方を含む、請求項2に記載の基体。
【請求項4】
前記少なくとも一つの架橋剤が、約0.2重量パーセント~約18重量パーセントの量で使用される、請求項1~3のいずれか一項に記載の基体。
【請求項5】
前記少なくとも一つの単量体グリコールが、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの一方または両方を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の基体。
【請求項6】
前記基体が、約10重量パーセント~約60重量パーセントの量で前記少なくとも一つの単量体グリコールを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の基体。
【請求項7】
前記シリコーンポリマーがヒドロキシル末端シリコーンポリマーを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の基体。
【請求項8】
前記シリコーンポリマーがヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサンを含む、請求項7に記載の基体。
【請求項9】
前記シリコーンポリマーが、約35重量パーセント~約85重量パーセントの量で使用される、請求項1~8のいずれか一項に記載の基体。
【請求項10】
前記基体が硬化触媒を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の基体。
【請求項11】
前記硬化触媒が、アミノプロピル末端シリコーンポリマー、アミン、および金属系触媒のうちの少なくとも一つを含む、請求項10に記載の基体。
【請求項12】
前記基体が、約0.2重量パーセント~約12重量パーセントの量で前記硬化触媒を含む、請求項10または11に記載の基体。
【請求項13】
前記基体が、約0.2重量パーセント~約15重量パーセントの量で前記少なくとも一つの生物活性物質を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の基体。
【請求項14】
前記少なくとも一つの生物活性物質がニコチンを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の基体。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の基体を含む、エアロゾル発生物品。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか一項に記載の基体を含む、経皮パッチ。
【請求項17】
請求項1~14のいずれか一項に記載の基体を含む、経口送達製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物活性物質を送達するための基体、基体を含むエアロゾル発生物品、基体を含む経皮パッチ、基体を含む経口送達製品、および基体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーンポリマーを使用して、生物活性物質を送達するための基体を形成することが知られている。例えば、シリコーンポリマーは、生物活性物質を送達するために、移植可能なシステムおよび局所用途で使用されてきた。
【0003】
シリコーンポリマーを使用して、その中に放出可能に含有される生物活性物質を含むシリコーンマトリックスを形成してもよい。シリコーンマトリックスからの生物活性物質の放出は、ユーザーへの生物活性物質の送達に影響を与える可能性があるため、シリコーンマトリックスからの生物活性物質の制御された放出が望ましい。
【0004】
以前には、シリコーンマトリックスに添加剤を組み込むことにより、シリコーンマトリックスからの生物活性物質の放出を制御することが提案されている。例えば、生物活性物質が放出可能に含まれ得るドメインを提供するために、添加剤がシリコーンマトリックスに含まれてもよい。しかしながら、添加剤を含むことは望ましくない場合がある。例えば、特定の添加剤は、生物活性物質をユーザーに送達するための基体への含有に適した生体適合性を有しない場合がある。特定の添加剤の含有はまた、望ましくないことに製造コストを上昇させうる。
【0005】
シリコーンポリマーからマトリックスを形成することは、シリコーンポリマーの加硫を伴いうる。これには長い硬化時間が必要となる場合がある。シリコーンポリマーの加硫は、それによって、シリコーンポリマーを含む基体の効率的な製造を妨げうる。
【0006】
生物活性物質を送達するための改善された基体を提供することが望ましい。特に、生物活性物質の制御された放出プロファイルを提供し得、かつ効率的に製造され得る、生物活性物質を送達するための基体を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、生物活性物質を送達するための基体に関する。基体は、架橋シリコーンマトリックスを含んでもよい。架橋シリコーンマトリックスは、少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成され得る。少なくとも一つの架橋剤は、テトラアルコキシシランを含んでもよい。架橋シリコーンマトリックスは、複数のドメインを画定してもよい。基体は、組成物を含んでもよい。組成物は、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有されてもよい。組成物は、少なくとも一つの単量体グリコールを含んでもよい。組成物は、少なくとも一つの生物活性物質を含んでもよい。
【0008】
本発明によれば、生物活性物質を送達するための基体であって、基体が、テトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成される架橋シリコーンマトリックスであって、複数のドメインを画定する架橋シリコーンマトリックスと、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有される組成物であって、少なくとも一つの単量体グリコールおよび少なくとも一つの生物活性物質を含む、組成物と、を含む、基体が提供される。
【0009】
本発明はまた、生物活性物質を送達するための基体を含むエアロゾル発生物品に関する。基体は、架橋シリコーンマトリックスを含んでもよい。架橋シリコーンマトリックスは、少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成され得る。少なくとも一つの架橋剤は、テトラアルコキシシランを含んでもよい。架橋シリコーンマトリックスは、複数のドメインを画定してもよい。基体は、組成物を含んでもよい。組成物は、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有されてもよい。組成物は、少なくとも一つの単量体グリコールを含んでもよい。組成物は、少なくとも一つの生物活性物質を含んでもよい。
【0010】
本発明によれば、生物活性物質を送達するための基体であって、基体が、テトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成される架橋シリコーンマトリックスであって、複数のドメインを画定する架橋シリコーンマトリックスと、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有される組成物であって、少なくとも一つの単量体グリコールおよび少なくとも一つの生物活性物質を含む、組成物と、を含む基体を含む、エアロゾル発生物品が提供される。
【0011】
本発明はまた、生物活性物質を送達するための基体を含む経皮パッチに関する。基体は、架橋シリコーンマトリックスを含んでもよい。架橋シリコーンマトリックスは、少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成され得る。少なくとも一つの架橋剤は、テトラアルコキシシランを含んでもよい。架橋シリコーンマトリックスは、複数のドメインを画定してもよい。基体は、組成物を含んでもよい。組成物は、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有されてもよい。組成物は、少なくとも一つの単量体グリコールを含んでもよい。組成物は、少なくとも一つの生物活性物質を含んでもよい。
【0012】
本発明によれば、生物活性物質を送達するための基体であって、基体が、テトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成される架橋シリコーンマトリックスであって、複数のドメインを画定する架橋シリコーンマトリックスと、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有される組成物であって、少なくとも一つの単量体グリコールおよび少なくとも一つの生物活性物質を含む、組成物と、を含む基体を含む、経皮パッチが提供される。
【0013】
本発明はまた、生物活性物質を送達するための基体を含む経口送達製品に関する。基体は、架橋シリコーンマトリックスを含んでもよい。架橋シリコーンマトリックスは、少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成され得る。少なくとも一つの架橋剤は、テトラアルコキシシランを含んでもよい。架橋シリコーンマトリックスは、複数のドメインを画定してもよい。基体は、組成物を含んでもよい。組成物は、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有されてもよい。組成物は、少なくとも一つの単量体グリコールを含んでもよい。組成物は、少なくとも一つの生物活性物質を含んでもよい。
【0014】
本発明によれば、生物活性物質を送達するための基体であって、基体が、テトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成される架橋シリコーンマトリックスであって、複数のドメインを画定する架橋シリコーンマトリックスと、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有される組成物であって、少なくとも一つの単量体グリコールおよび少なくとも一つの生物活性物質を含む、組成物と、を含む基体を含む、経口送達製品が提供される。
【0015】
本発明はまた、生物活性物質を送達するための基体を製造する方法に関する。方法は、シリコーンポリマー、少なくとも一つの単量体グリコール、少なくとも一つの生物活性物質、および少なくとも一つの架橋剤を混合して、混合物を形成することを含みうる。少なくとも一つの架橋剤は、テトラアルコキシシランを含んでもよい。方法は、混合物を硬化して基体を形成することを含みうる。
【0016】
本発明によれば、生物活性物質を送達するための基体を製造する方法であって、方法が、シリコーンポリマー、少なくとも一つの単量体グリコール、少なくとも一つの生物活性物質、およびテトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を混合して混合物を形成することと、混合物を硬化して基体を形成することを含む、方法が提供される。
【0017】
以下の説明において、本発明による生物活性物質を送達するための基体の特徴または特性への言及は、別段の記載がない限り、本発明によるエアロゾル発生物品の基体、本発明による経皮パッチの基体、本発明による経口送達製品の基体、および本発明による基体の製造方法にも適用される。
【0018】
テトラアルコキシシランを含むシリコーンポリマーを架橋することによって形成された少なくとも一つの単量体グリコールおよび架橋シリコーンマトリックスを含む基体を提供することは、有利には、基体からの少なくとも一つの生物活性物質の放出の制御を容易にし得る。
【0019】
テトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を使用して、シリコーンポリマーを架橋することによって形成される少なくとも一つの単量体グリコールおよび架橋シリコーンマトリックスを含む基体を提供することは、有利なことに、基体の効率的な製造を容易にし得る。特に、驚くべきことに、テトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を使用して、シリコーンポリマーを架橋することによって形成された少なくとも一つの単量体グリコールおよび架橋シリコーンマトリックスを含む基体を提供することは、有利には、シリコーンポリマーの加硫に必要な硬化時間を減少させ得ることが見出された。
【0020】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、加熱されて吸入可能なエアロゾルを発生させてユーザーに送達する基体を含む物品を記述するために使用される。
【0021】
テトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成される少なくとも一つの単量体グリコールおよび架橋シリコーンマトリックスを含む基体は、有利には、基体を含むエアロゾル発生物品の使用中に基体によって到達する温度で熱安定性でありうる。
【0022】
テトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成される少なくとも一つの単量体グリコールおよび架橋シリコーンマトリックスを含む基体は、基体または基体を含む経口送達製品を含む経皮パッチに対して望ましい機械的特性を示しうる。特に、基体の弾性は、基体を含む経口送達製品が、使用中にユーザーに所望の口腔感覚体験を提供するようなものであってもよい。
【0023】
テトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成される少なくとも一つの単量体グリコールおよび架橋シリコーンマトリックスを含む基体は、有利には、基体を含む経口送達製品に適した形状およびサイズに成形され得る。
【0024】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、用語「架橋シリコーンマトリックス」は、シリコーンポリマーを架橋することによって形成される三次元ネットワークを記述するために使用される。
【0025】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、用語「ドメイン」は、架橋シリコーンマトリックス内の細孔を記述するために使用される。組成物は、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有されてもよい。
【0026】
別途記載のない限り、本明細書に列挙した基体の構成要素の重量パーセントは、基体の総重量に基づく。
【0027】
構成要素の重量パーセントは、基体を形成するために使用される構成要素の総重量を基体の総重量で割り、100を掛けることによって計算することができる。
【0028】
基体は、任意の適切なシリコーンポリマーを架橋することによって形成され得る。
【0029】
シリコーンポリマーは、線形シリコーンポリマーを含むことが好ましい。
【0030】
シリコーンポリマーは、ヒドロキシル末端シリコーンポリマーを含むことが好ましい。
【0031】
シリコーンポリマーは、線形ヒドロキシル末端シリコーンポリマーを含むことが好ましい。
【0032】
適切なヒドロキシル末端シリコーンポリマーとしては、ヒドロキシル末端ポリジアルキルシロキサン、例えばヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-OH)およびヒドロキシル末端ポリジエチルシロキサン、ならびにヒドロキシル末端ポリジフェニルシロキサンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
好ましくは、シリコーンポリマーはヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサンを含む。
【0034】
シリコーンポリマーの分子量は、基体の所望の機械的特性に基づいて選択されうる。例えば、シリコーンポリマーの分子量は、基体の所望の可撓性を達成するために選択されうる。これは、基体または基体を含む経口送達製品を含む経皮パッチに特に有利であり得る。
【0035】
シリコーンポリマーは、少なくとも約25000グラム/モル、または少なくとも約30000グラム/モル、または少なくとも約35000グラム/モルの分子量を有してもよい。
【0036】
シリコーンポリマーは、最大約60000グラム/モル、または最大約55000グラム/モル、または最大約50000グラム/モルの分子量を有し得る。
【0037】
シリコーンポリマーは、約25000グラム/モル~約60000グラム/モル、または約25000グラム/モル~約55000グラム/モル、または約25000グラム/モル~約50000グラム/モルの分子量を有し得る。
【0038】
シリコーンポリマーは、約30000グラム/モル~約60000グラム/モル、または約30000グラム/モル~約55000グラム/モル、または約30000グラム/モル~約50000グラム/モルの分子量を有し得る。
【0039】
シリコーンポリマーは、約35000グラム/モル~約60000グラム/モル、または約35000グラム/モル~約55000グラム/モル、または約35000グラム/モル~約50000グラム/モルの分子量を有し得る。
【0040】
シリコーンポリマーは、少なくとも約35重量パーセント、または少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約45重量パーセントの量で使用されて、架橋シリコーンマトリックスを形成してもよい。
【0041】
シリコーンポリマーは、最大約85重量パーセント、または最大約80重量パーセント、または最大約75重量パーセントの量で使用されて、架橋シリコーンマトリックスを形成してもよい。
【0042】
シリコーンポリマーは、約35重量パーセント~約85重量パーセント、または約35重量パーセント~約80重量パーセント、または約35重量パーセント~約75重量パーセントの量で使用されて、架橋シリコーンマトリックスを形成してもよい。
【0043】
シリコーンポリマーは、約40重量パーセント~約85重量パーセント、または約40重量パーセント~約80重量パーセント、または約40重量パーセント~約75重量パーセントの量で使用されて、架橋シリコーンマトリックスを形成してもよい。
【0044】
シリコーンポリマーは、約45重量パーセント~約85重量パーセント、または約45重量パーセント~約80重量パーセント、または約45重量パーセント~約75重量パーセントの量で使用されうる。
【0045】
シリコーンポリマーは、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、グリセリン酸ケイ素(Si-GLY)、および1,2-プロピレングリコール酸ケイ素(Si-PGL)からなる群から選択される少なくとも一つの架橋剤を使用して架橋されてもよい。
【0046】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「オルトケイ酸テトラエチル」および「TEOS」は、以下の化学構造を有する化合物を指す。
【化1】
【0047】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「グリセリン酸ケイ素」および「Si-GLY」は、以下の化学構造を有する化合物を指す。
【化2】
【0048】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「1,2-プロピレングリコール酸ケイ素」および「Si-PGL」は、以下の化学構造を有する化合物を指す。
【化3】
【0049】
好ましくは、少なくとも一つの架橋剤は、グリセリン酸ケイ素および1,2-プロピレングリコール酸ケイ素の一方または両方を含む。すなわち、好ましくは、少なくとも一つの架橋剤は、グリセリン酸ケイ素、または1,2-プロピレングリコール酸ケイ素、またはグリセリン酸ケイ素および1,2-プロピレングリコール酸ケイ素の両方を含む。
【0050】
グリセリン酸ケイ素および1,2-プロピレングリコール酸ケイ素の一方または両方を含む少なくとも一つの架橋剤を使用して、シリコーンポリマーを架橋することは、有利に、シリコーンポリマーの加硫速度を実質的に増加させ得る。これにより、基体の効率的な製造が有利に促進され得る。
【0051】
特定の実施形態では、少なくとも一つの架橋剤は、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素を含むことが好ましい。
【0052】
少なくとも一つの架橋剤がグリセリン酸ケイ素を含む場合、グリセロールを含む溶液においてグリセリン酸ケイ素を使用してもよい。
【0053】
グリセロールを含む溶液中でグリセリン酸ケイ素が使用される場合、溶液は、グリセリン酸ケイ素とグリセロールとのモル比が、約1:0.5~約1:2.9であってもよい。
【0054】
少なくとも一つの架橋剤が、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素を含む場合、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素は、1,2-プロピレングリコール溶液中で使用され得る。
【0055】
1,2-プロピレングリコール酸ケイ素が1,2-プロピレングリコールを含む溶液中で使用される場合、溶液は、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素と1,2-プロピレングリコールとのモル比が、約1:0.5~約1:2.9であってもよい。
【0056】
基体を形成するための少なくとも一つの単量体グリコールを含む溶液における少なくとも一つの架橋剤の使用は、シリコーンポリマーの加硫に必要な硬化時間に影響を与えうる。
【0057】
シリコーンポリマーを架橋するために使用される架橋剤の量は、シリコーンポリマーの所望の程度の加硫に基づいて選択され得る。シリコーンポリマーの高度な加硫は、基体の機械的特性を有利に強化し得る。
【0058】
過剰な架橋剤を使用して、シリコーンポリマーを架橋してもよい。
【0059】
過剰な架橋剤は、基体の製造中に二酸化ケイ素を生成するために加水分解を受けうる。シリコーンポリマーを架橋するための過剰な架橋剤の使用によって、架橋シリコーンマトリックスを有利に強化し得る。これにより、基体の機械的特性が増強され得る。
【0060】
過剰な架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することは、有利には、反応速度を改善することができる。これにより、シリコーンポリマーの加硫速度が増大し得る。
【0061】
少なくとも一つの架橋剤とシリコーンポリマーとのモル比は、少なくとも約1:2、または少なくとも約1:1、または少なくとも約2:1としうる。
【0062】
少なくとも一つの架橋剤とシリコーンポリマーとのモル比は、最大約45:1、または最大約40:1、または最大約35:1としうる。
【0063】
少なくとも一つの架橋剤とシリコーンポリマーとのモル比は、約1:2~約45:1、または約1:2~約40:1、または約1:2~約35:1としうる。
【0064】
少なくとも一つの架橋剤とシリコーンポリマーとのモル比は、約1:1~約45:1、または約1:1~約40:1、または約1:1~約35:1としうる。
【0065】
少なくとも一つの架橋剤とシリコーンポリマーとのモル比は、約2:1~約45:1、または約2:1~約40:1、または約2:1~約35:1としうる。
【0066】
少なくとも一つの架橋剤がTEOSを含む場合、TEOSとシリコーンポリマーとのモル比は、少なくとも約5:1としうる。
【0067】
少なくとも一つの架橋剤がTEOSを含む場合、TEOSとシリコーンポリマーとのモル比は、最大約35:1としうる。
【0068】
少なくとも一つの架橋剤がTEOSを含む場合、TEOSとシリコーンポリマーとのモル比は約5:1~約35:1としうる。
【0069】
少なくとも一つの架橋剤がグリセリン酸ケイ素を含む場合、グリセリン酸ケイ素とシリコーンポリマーとのモル比は、少なくとも約5:1でありうる。
【0070】
少なくとも一つの架橋剤がグリセリン酸ケイ素を含む場合、グリセリン酸ケイ素とシリコーンポリマーとのモル比は、最大約20:1としうる。
【0071】
少なくとも一つの架橋剤がグリセリン酸ケイ素を含む場合、グリセリン酸ケイ素とシリコーンポリマーとのモル比は、約5:1~約20:1としうる。
【0072】
少なくとも一つの架橋剤が、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素を含む場合、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素とシリコーンポリマーとのモル比は、少なくとも約2:1としうる。
【0073】
少なくとも一つの架橋剤が、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素を含む場合、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素とシリコーンポリマーとのモル比は、最大約5:1としうる。
【0074】
少なくとも一つの架橋剤が、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素を含む場合、シリコーン1,2-プロピレングリコール酸ケイ素とシリコーンポリマーとのモル比は、約2:1~約5:1としうる。
【0075】
少なくとも一つの架橋剤は、少なくとも約0.5重量パーセント、または少なくとも約0.75重量パーセント、または少なくとも約1重量パーセントの量で使用されうる。
【0076】
少なくとも一つの架橋剤は、最大約18重量パーセント、または最大約15重量パーセント、または最大約12重量パーセントの量で使用されうる。
【0077】
少なくとも一つの架橋剤は、約0.5重量パーセント~約18重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約15重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約12重量パーセントの量で使用されうる。
【0078】
少なくとも一つの架橋剤は、約0.75重量パーセント~約18重量パーセント、または約0.75重量パーセント~約15重量パーセント、または約0.75重量パーセント~約12重量パーセントの量で使用されうる。
【0079】
少なくとも一つの架橋剤は、約1重量パーセント~約18重量パーセント、または約1重量パーセント~約15重量パーセント、または約1重量パーセント~約12重量パーセントの量で使用されうる。
【0080】
基体は、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有される組成物を含む。組成物は、少なくとも一つの単量体グリコールを含む。
【0081】
少なくとも一つの単量体グリコールの含有は、架橋シリコーンマトリックス内に均一に分散されたドメインを有利に提供し得る。これにより、少なくとも一つの生物活性物質が架橋シリコーンマトリックス内に均一に分散される有利な結果がもたらされ得る。これは有利には、基体からの少なくとも一つの生物活性物質の制御された放出プロファイルを達成するのに役立ちうる。
【0082】
少なくとも一つの単量体グリコールの含有は、架橋シリコーンマトリックス内に親水性ドメインを提供しうる。架橋シリコーンマトリックス内に親水性ドメインを提供することは、有利には、親水性生物活性物質を含む本発明による基体の製造を容易にし得る。
【0083】
少なくとも一つの単量体グリコールの含有は、基体に望ましくない添加剤を含む必要性を有利に回避し得る。例えば、少なくとも一つの単量体グリコールの含有は、基体にポリエチレンオキシド(PEO)を含む必要性を回避しうる。少なくとも一つの単量体グリコールの含有は、基体にリノール酸およびオレイン酸などの脂肪酸を含む必要性を回避しうる。
【0084】
少なくとも一つの単量体グリコールの含有は、それによって、生物活性物質の制御された放出プロファイルを提供する生物活性物質を送達するための基体の、費用対効果が高く効率的な製造を有利に可能とし得る。
【0085】
少なくとも一つの単量体グリコールは、架橋シリコーンマトリックスのドメインの所望の特性に基づいて選択されうる。
【0086】
少なくとも一つの単量体グリコールは、少なくとも一つの生物活性物質の所望の放出プロファイルに基づいて選択されうる。
【0087】
単量体グリコールは、最大七個の炭素原子を含みうる。
【0088】
単量体グリコールは、少なくとも二個の炭素原子を含みうる。例えば、単量体グリコールは、二個の炭素原子~七個の炭素原子、または二個の炭素原子~六個の炭素原子、または二個の炭素原子~五個の炭素原子、または二個の炭素原子~四個の炭素原子、または二個の炭素原子~三個の炭素原子を含みうる。
【0089】
単量体グリコールは、少なくとも三個の炭素原子を含み得る。例えば、単量体グリコールは、三個の炭素原子~七個の炭素原子、または三個の炭素原子~六個の炭素原子、または三個の炭素原子~五個の炭素原子、または三個の炭素原子~四個の炭素原子を含みうる。
【0090】
単量体グリコールは、三個の炭素原子を含むことが好ましい。
【0091】
適切な単量体グリコールには、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。少なくとも一つの単量体グリコールは、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールのうちの一方または両方を含み得る。
【0092】
少なくとも一つの単量体グリコールは、グリセロールを含んでもよい。
【0093】
少なくとも一つの単量体グリコールは、1,2-プロピレングリコールを含んでもよい。
【0094】
少なくとも一つの単量体グリコールは、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含み得る。
【0095】
基体を含むエアロゾル発生物品において、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールは、生物活性物質などの加熱時に基体から放出された他の化合物を輸送し得る。
【0096】
組成物中の少なくとも一つの単量体グリコールは、単一の供給源に由来する場合がある。
【0097】
組成物中の少なくとも一つの単量体グリコールは、複数の供給源に由来する場合がある。
【0098】
少なくとも一つの単量体グリコールは、基体を形成するために使用される他の構成要素とは別個に、基体の製造中に添加してもよい。
【0099】
少なくとも一つの単量体グリコールは、基体を形成するために使用される他の構成要素と組み合わせて、基体の製造中に添加されうる。例えば、少なくとも一つの架橋剤と組み合わせた基体の製造中に、少なくとも一つの単量体グリコールを添加してもよい。例えば、少なくとも一つの架橋剤は、少なくとも一つの単量体グリコールを含む溶液中で使用されてもよい。
【0100】
少なくとも一つの単量体グリコールは、基体の製造中に形成されうる。例えば、少なくとも一つの架橋剤がグリセリン酸ケイ素を含む場合、グリセロールは、シリコーンポリマーの加硫中に形成されうる。少なくとも一つの架橋剤は、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素を含む場合、1,2-プロピレングリコールは、シリコーンポリマーの加硫中に形成され得る。
【0101】
基体は、少なくとも約10重量パーセント、または少なくとも約15重量パーセント、または少なくとも約20重量パーセントの量で、少なくとも一つの単量体グリコールを含んでもよい。
【0102】
基体は、最大約60重量パーセント、または最大約55重量パーセント、または最大約50重量パーセントの量で、少なくとも一つの単量体グリコールを含んでもよい。
【0103】
基体は、約10重量パーセント~約60重量パーセント、または約10重量パーセント~約55重量パーセント、または約10重量パーセント~約50重量パーセントの量で、少なくとも一つの単量体グリコールを含んでもよい。
【0104】
基体は、約15重量パーセント~約60重量パーセント、または約15重量パーセント~約55重量パーセント、または約15重量パーセント~約50重量パーセントの量で、少なくとも一つの単量体グリコールを含んでもよい。
【0105】
基体は、約20重量パーセント~約60重量パーセント、または約20重量パーセント~約55重量パーセント、または約20重量パーセント~約50重量パーセントの量で、少なくとも一つの単量体グリコールを含んでもよい。
【0106】
少なくとも一つの単量体グリコールの重量パーセントは、基体中に存在する少なくとも一つの単量体グリコールの総重量を基体の総重量で割って、100を掛けることによって計算される。基体中に存在する少なくとも一つの単量体グリコールの総重量は、以下を合計することによって計算される。基体の製造中に、基体を形成するために使用される他の構成要素とは別個に添加される任意の単量体グリコールの重量、少なくとも一つの架橋剤など、基体を形成するために使用される他の構成要素と組み合わせて、基体の製造中に添加される任意の単量体グリコールの重量;および基体の製造中に形成される任意の単量体グリコールの重量。
【0107】
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含む場合、基体は、1,2-プロピレングリコールと重量でほぼ同じ量のグリセロールを含み得る。基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含む場合、好ましくは、基体は重量で1,2-プロピレングリコールよりも多くのグリセロールを含む。
【0108】
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含む場合、基体は、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールを少なくとも約1:1重量、または少なくとも約1.5:1重量、または少なくとも約2:1重量の比率で含みうる。
【0109】
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含む場合、基体は、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールを最大約59:1重量、または最大約40:1重量、または最大約25:1重量の比率で含みうる。
【0110】
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含む場合、基体は、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールを約1:1~約59:1重量、または約1:1~約40:1重量、または約1:1~約25:1重量の比率で含み得る。
【0111】
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含む場合、基体は、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールを約1.5:1~約59:1重量、または約1.5:1~約40:1重量、または約1.5:1~約25:1重量の比率で含み得る。
【0112】
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含む場合、基体は、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールを約2:1~約59:1重量、または約2:1~約40:1重量、または約2:1~約25:1重量の比率で含み得る。
【0113】
重量による1,2-プロピレングリコールよりも多くのグリセロールの含有は、基体の製造中に均質な混合物の形成を補助し得る。これは有利には、架橋シリコーンマトリックス内の組成物のより均一な分散をもたらし得る。これはまた、基体の製造を有利に促進し得る。
【0114】
基体はポリエチレンオキシドを含んでもよい。
【0115】
好ましくは、基体は、約1重量パーセント未満、または約0.5重量パーセント未満、または約0.1重量パーセント未満の量のポリエチレンオキシドを含む。
【0116】
より好ましくは、基体はポリエチレンオキシドを含まない。
【0117】
基体は、リノール酸およびオレイン酸などの脂肪酸を含んでもよい。
【0118】
好ましくは、基体は、約1重量パーセント未満、または約0.5重量パーセント未満、または約0.1重量パーセント未満の量の脂肪酸を含む。
【0119】
より好ましくは、基体は脂肪酸を含まない。
【0120】
基体はリノール酸を含まないことが好ましい。
【0121】
基体はオレイン酸を含まないことが好ましい。
【0122】
架橋シリコーンマトリックスは、硬化触媒の存在下でシリコーンポリマーを架橋することによって形成され得る。
【0123】
硬化触媒は、シリコーンポリマーの所望の硬化速度に基づいて選択されうる。
【0124】
硬化触媒は、室温加硫触媒を含んでもよい。
【0125】
硬化触媒は、アミノプロピル末端シリコーンポリマー、アミン、および金属系触媒のうちの少なくとも一つを含み得る。適切なアミノプロピル末端シリコーンポリマーには、限定されるものではないが、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-NH2)が含まれる。適切なアミンとしては、以下に限定されないが、モノエタノールアミンなどのモノアミン、および1,6-ヘキサメチレンジアミンなどのジアミンが挙げられる。好適な金属系触媒としては、限定されるものではないが、ジブチルスズジラウレートおよびオクタン酸スズ(II)が挙げられる。
【0126】
硬化触媒は、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンなどのアミノプロピル末端シリコーンポリマーを含むことが好ましい。アミノプロピル末端シリコーンポリマーは、生体適合性であってもよく、したがって、生物活性物質を送達するための基体への含有に適している場合がある。アミノプロピル末端シリコーンポリマーを含む硬化触媒の使用は、それによって基体の製造を簡略化し、基体の製造効率を改善することができる。
【0127】
アミノプロピル末端シリコーンポリマーは、少なくとも約400グラム/モル、または少なくとも約600グラム/モル、または少なくとも約800グラム/モルの分子量を有してもよい。
【0128】
アミノプロピル末端シリコーンポリマーは、最大約3000グラム/モル、または最大約2800グラム/モル、または最大約2600グラム/モルの分子量を有し得る。
【0129】
アミノプロピル末端シリコーンポリマーは、約400グラム/モル~約3000グラム/モル、または約400グラム/モル~約2800グラム/モル、または約400グラム/モル~約2600グラム/モルの分子量を有し得る。
【0130】
アミノプロピル末端シリコーンポリマーは、約600グラム/モル~約3000グラム/モル、または約600グラム/モル~約2800グラム/モル、または約600グラム/モル~約2600グラム/モルの分子量を有し得る。
【0131】
アミノプロピル末端シリコーンポリマーは、約800グラム/モル~約3000グラム/モル、または約800グラム/モル~約2800グラム/モル、または約800グラム/モル~約2600グラム/モルの分子量を有し得る。
【0132】
基体は、硬化触媒を含んでもよい。
【0133】
基体は、少なくとも約0.2重量パーセント、または少なくとも約0.5重量パーセント、または少なくとも約0.8重量パーセントの量で硬化触媒を含み得る。
【0134】
基体は、最大約12重量パーセント、または最大約10重量パーセント、または最大約8重量パーセントの量で硬化触媒を含み得る。
【0135】
基体は、約0.2重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.2重量パーセント~約10重量パーセント、または約0.2重量パーセント~約8重量パーセントの量で硬化触媒を含み得る。
【0136】
基体は、約0.5重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約10重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約8重量パーセントの量で硬化触媒を含み得る。
【0137】
基体は、約0.8重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.8重量パーセント~約10重量パーセント、または約0.8重量パーセント~約8重量パーセントの量で硬化触媒を含み得る。
【0138】
硬化触媒は、架橋シリコーンマトリックスの形成中に、少なくとも約0.2重量パーセント、または少なくとも約0.5重量パーセント、または少なくとも約0.8重量パーセントの量で存在し得る。
【0139】
硬化触媒は、架橋シリコーンマトリックスの形成中に、最大約12重量パーセント、または最大約10重量パーセント、または最大約8重量パーセントの量で存在し得る。
【0140】
硬化触媒は、架橋シリコーンマトリックスの形成中に、約0.2重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.2重量パーセント~約10重量パーセント、または約0.2重量パーセント~約8重量パーセントの量で存在し得る。
【0141】
硬化触媒は、架橋シリコーンマトリックスの形成中に、約0.5重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約10重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約8重量パーセントの量で存在し得る。
【0142】
硬化触媒は、架橋シリコーンマトリックスの形成中に、約0.8重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.8重量パーセント~約10重量パーセント、または約0.8重量パーセント~約8重量パーセントの量で存在し得る。
【0143】
基体は、任意の適切な生物活性物質を含んでもよい。
【0144】
生物活性物質は、親水性生物活性物質であってもよい。
【0145】
適切な生物活性物質には、アルカロイド、カンナビノイド、フラゾリドン、ガングルフェン塩酸塩、およびジクロフェナクナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0146】
適切なカンナビノイドには、限定されないが、カンナビジオール(CBD)およびテトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれる。
【0147】
好ましくは、少なくとも一つの生物活性物質はアルカロイドを含む。
【0148】
より好ましくは、少なくとも一つの生物活性物質は、ニコチンを含む。少なくとも一つの生物活性物質がニコチンを含む場合、ニコチンはニコチン塩の形態でありうる。ニコチンは、ニコチン塩基の形態であることが好ましい。
【0149】
基体を含む経口送達製品では、少なくとも一つの生物活性物質は、ニコチンおよびカンナビノイドのうちの一方または両方を含み得る。
【0150】
基体は、任意の適切な量の少なくとも一つの生物活性物質を含んでもよい。
【0151】
少なくとも一つの生物活性物質の量は、限定されるものではないが、少なくとも一つの生物活性物質の性質および少なくとも一つの生物活性物質の投与方法を含む、多くの因子に依存しうる。
【0152】
基体中に存在する少なくとも一つの生物活性物質の量は、生物活性物質の所望の用量に基づいて選択されうる。
【0153】
基体は、少なくとも約0.2重量パーセント、または少なくとも約0.5重量パーセント、または少なくとも約1重量パーセントの量で、少なくとも一つの生物活性物質を含んでもよい。
【0154】
基体は、最大約15重量パーセント、または最大約12重量パーセント、または最大約10重量パーセントの量で、少なくとも一つの生物活性物質を含んでもよい。
【0155】
基体は、約0.2重量パーセント~約15重量パーセント、または約0.2重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.2重量パーセント~約10重量パーセントの量で、少なくとも一つの生物活性物質を含んでもよい。
【0156】
基体は、約0.5重量パーセント~約15重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約10重量パーセントの量で、少なくとも一つの生物活性物質を含んでもよい。
【0157】
基体は、約1重量パーセント~約15重量パーセント、または約1重量パーセント~約12重量パーセント、または約1重量パーセント~約10重量パーセントの量で、少なくとも一つの生物活性物質を含んでもよい。
【0158】
少なくとも一つの生物活性物質がニコチンを含む場合、基体は、最大約5重量パーセントの量でニコチンを含んでもよい。
【0159】
生物活性物質は、生物活性成分および非生物活性成分を含んでもよい。例えば、生物活性物質は、生物活性成分および非生物活性対イオンを含む塩の形態であってもよい。別の例として、生物活性物質は、生物活性成分および非生物活性リガンドを含む複合体の形態であってもよい。
【0160】
生物活性物質の重量パーセントは、生物活性物質の非生物活性成分の重量ではなく、生物活性物質の生物活性成分の重量を使用して計算される。例えば、少なくとも一つの生物活性物質がニコチン塩の形態のニコチンを含む場合、少なくとも一つの生物活性物質の重量パーセントは、ニコチンの重量を使用して計算される。別の例として、少なくとも一つの生物活性物質がガングルフェン塩酸塩を含む場合、少なくとも一つの生物活性物質の重量パーセントは、ガングルフェンの重量を使用して計算される。
【0161】
基体は、風味剤を含んでもよい。
【0162】
基体が風味剤を含む場合、組成物は風味剤を含むことが好ましい。
【0163】
好適な風味剤としては、メントールが挙げられるが、これに限定されない。
【0164】
組成物は、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に放出可能に含まれる。
【0165】
架橋シリコーンマトリックスは、連続気泡であってもよい。
【0166】
組成物は、熱の作用によって架橋シリコーンマトリックスのドメインから放出されてもよい。
【0167】
組成物は、圧力の作用によって架橋シリコーンマトリックスのドメインから放出されてもよい。
【0168】
組成物は、唾液の作用によって架橋シリコーンマトリックスのドメインから放出されてもよい。
【0169】
組成物は、液体または懸濁液であってもよい。
【0170】
基体は、少なくとも約10重量パーセント、または少なくとも約15重量パーセント、または少なくとも約20重量パーセントの量で組成物を含んでもよい。
【0171】
基体は、最大約75重量パーセント、または最大約72重量パーセント、または最大約70重量パーセントの量で組成物を含んでもよい。
【0172】
基体は、約10重量パーセント~約75重量パーセント、または約10重量パーセント~約72重量パーセント、または約10重量パーセント~約70重量パーセントの量で組成物を含んでもよい。
【0173】
基体は、約15重量パーセント~約75重量パーセント、または約15重量パーセント~約72重量パーセント、または約15重量パーセント~約70重量パーセントの量で組成物を含んでもよい。
【0174】
基体は、約20重量パーセント~約75重量パーセント、または約20重量パーセント~約72重量パーセント、または約20重量パーセント~約70重量パーセントの量で組成物を含んでもよい。
【0175】
ニコチン含有基体などの基体が燃焼されるのではなく加熱されてエアロゾルを発生するエアロゾル発生物品が、当該技術分野で知られている。このような「加熱式」エアロゾル発生物品の一つの目的は、従来の紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解性分解によって生成されるタイプの既知の有害な煙成分を低減させることである。
【0176】
典型的に、加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは熱源から物理的に分離した基体への熱の伝達によって発生する。使用中、揮発性化合物は放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気に同伴される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは凝縮してユーザーによって吸入されうるエアロゾルを形成する。
【0177】
本発明は、本発明による基体を含むエアロゾル発生物品に関する。
【0178】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体を加熱するように構成された発熱体を備えてもよい。
【0179】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置と共に使用するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の基体を加熱するように構成された発熱体を備え得る。
【0180】
エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置の一方または両方の発熱体は、一つ以上の抵抗発熱体、一つ以上の誘導発熱体、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0181】
本発明は、本発明による基体を含む経皮パッチに関する。
【0182】
経皮パッチは、バッキング層を含んでもよい。基体は、バッキング層に取り付けられてもよい。
【0183】
経皮パッチは、接着剤層を含んでもよい。基体は、バッキング層と接着剤層との間に位置付けられてもよい。
【0184】
本発明は、本発明による基体を含む経口送達製品に関する。本発明による経口送達製品の例には、限定されないが、経口チューズ、経口トローチ、および経口パウチ製品が含まれる。
【0185】
本発明は、本発明による基体の製造方法に関する。
【0186】
好ましくは、本方法は、シリコーンポリマーと少なくとも一つの単量体グリコールとを混合して、エマルションを形成することを含む。本方法は、エマルションを、少なくとも一つの生物活性物質およびテトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤と組み合わせて、混合物を形成することをさらに含んでもよい。
【0187】
エマルションを少なくとも一つの生物活性物質および少なくとも一つの架橋剤と組み合わせる前に、シリコーンポリマーおよび少なくとも一つの単量体グリコールを混合してエマルションを形成することは、有利には、より均質な混合物をもたらし得る。これは有利にも、組成物が均一に分散した基体の形成に寄与し得る。これにより、基体の製造を有利に容易にし得る。
【0188】
方法は、硬化触媒を、シリコーンポリマー、少なくとも一つの単量体グリコール、少なくとも一つの生物活性物質、および少なくとも一つの架橋剤と混合して、混合物を形成することを含みうる。
【0189】
方法が、エマルションを少なくとも一つの生物活性物質および少なくとも一つの架橋剤と組み合わせる前に、シリコーンポリマーおよび少なくとも一つの単量体グリコールを混合してエマルションを形成することを含む場合、方法は、硬化触媒をエマルション、少なくとも一つの架橋剤、および少なくとも一つの生物活性物質と混合して、混合物を形成することを含みうる。
【0190】
方法は、混合物を室温で硬化させることを含んでもよい。
【0191】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、用語「室温」は、摂氏約20度~摂氏約30度の温度を記述するために使用される。
【実施例
【0192】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、または実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0193】
実施例1:
生物活性物質を送達するための基体であって、
テトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を使用してシリコーンポリマーを架橋することによって形成される架橋シリコーンマトリックスであって、複数のドメインを画定する、架橋シリコーンマトリックスと、
架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有される組成物であって、
少なくとも一つの単量体グリコール、および
少なくとも一つの生物活性物質を含む、組成物と、を含む、基体。
実施例2:
シリコーンポリマーがヒドロキシル末端シリコーンポリマーを含む、実施例1に記載の基体。
実施例3:
シリコーンポリマーがヒドロキシル末端ポリジアルキルシロキサンを含む、実施例1または実施例2に記載の基体。
実施例4:
シリコーンポリマーがヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサンを含む、実施例1~実施例3のいずれか一つに記載の基体。
実施例5:
シリコーンポリマーがヒドロキシル末端ポリジエチルシロキサンを含む、実施例1~実施例3のいずれか一つに記載の基体。
実施例6:
シリコーンポリマーがヒドロキシル末端ポリジフェニルシロキサンを含む、実施例1または実施例2に記載の基体。
実施例7:
シリコーンポリマーが少なくとも約25000グラム/モルの分子量を有する、実施例1~実施例6のいずれか一つに記載の基体。
実施例8:
シリコーンポリマーが少なくとも約30000グラム/モルの分子量を有する、実施例1~実施例7のいずれか一つに記載の基体。
実施例9:
シリコーンポリマーが少なくとも約35000グラム/モルの分子量を有する、実施例1~実施例8のいずれか一つに記載の基体。
実施例10:
シリコーンポリマーが、最大約60000グラム/モルの分子量を有する、実施例1~実施例9のいずれか一つに記載の基体。
実施例11:
シリコーンポリマーが、最大約55000グラム/モルの分子量を有する、実施例1~実施例10のいずれか一つに記載の基体。
実施例12:
シリコーンポリマーが最大約50000グラム/モルの分子量を有する、実施例1~実施例11のいずれか一つに記載の基体。
実施例13:
シリコーンポリマーが少なくとも約35重量パーセントの量で使用される、実施例1~実施例12のいずれか一つに記載の基体。
実施例14:
シリコーンポリマーが少なくとも約40重量パーセントの量で使用される、実施例1~実施例13のいずれか一つに記載の基体。
実施例15:
シリコーンポリマーが少なくとも約45重量パーセントの量で使用される、実施例1~実施例14のいずれか一つに記載の基体。
実施例16:
シリコーンポリマーが、最大約85重量パーセントの量で使用される、実施例1~実施例15のいずれか一つに記載の基体。
実施例17:
シリコーンポリマーが、最大約80重量パーセントの量で使用される、実施例1~実施例16のいずれか一つに記載の基体。
実施例18:
シリコーンポリマーが、最大約75重量パーセントの量で使用される、実施例1~実施例17のいずれか一つに記載の基体。
実施例19:
少なくとも一つの架橋剤が、TEOS、グリセリン酸ケイ素、および1,2-プロピレングリコール酸ケイ素からなる群から選択される、実施例1~実施例18のいずれか一つに記載の基体。
実施例20:
少なくとも一つの架橋剤が、グリセリン酸ケイ素および1,2-プロピレングリコール酸ケイ素の一方または両方を含む、実施例1~実施例19のいずれか一つに記載の基体。
実施例21:
少なくとも一つの架橋剤がグリセリン酸ケイ素を含む、実施例1~実施例20のいずれか一つに記載の基体。
実施例22:
グリセロールを含む溶液において、グリセリン酸ケイ素が使用される、実施例21に記載の基体。
実施例23:
溶液のグリセリン酸ケイ素とグリセロールとのモル比が、約1:0.5~約1:2.9である、実施例22に記載の基体。
実施例24:
少なくとも一つの架橋剤が、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素を含む、実施例1~実施例23のいずれか一つに記載の基体。
実施例25:
1,2-プロピレングリコール酸ケイ素が、1,2-プロピレングリコールを含む溶液で使用される、実施例24に記載の基体。
実施例26:
溶液の1,2-プロピレングリコール酸ケイ素と1,2-プロピレングリコールとのモル比が、約1:0.5~約1:2.9である、実施例25に記載の基体。
実施例27:
少なくとも一つの架橋剤とシリコーンポリマーとのモル比が、少なくとも約1:2である、実施例1~実施例26のいずれか一つに記載の基体。
実施例28:
少なくとも一つの架橋剤の過剰が、シリコーンポリマーを架橋するために使用される、実施例1~実施例27のいずれか一つに記載の基体。
実施例29:
少なくとも一つの架橋剤とシリコーンポリマーとのモル比が、少なくとも約1:1である、実施例1~実施例28のいずれか一つに記載の基体。
実施例30:
少なくとも一つの架橋剤とシリコーンポリマーとのモル比が、少なくとも約2:1である、実施例1~実施例29のいずれか一つに記載の基体。
実施例31:
少なくとも一つの架橋剤とシリコーンポリマーとのモル比が、最大約45:1である、実施例1~実施例30のいずれか一つに記載の基体。
実施例32:
少なくとも一つの架橋剤とシリコーンポリマーとのモル比が、最大約40:1である、実施例1~実施例31のいずれか一つに記載の基体。
実施例33:
少なくとも一つの架橋剤とシリコーンポリマーとのモル比が、最大約35:1である、実施例1~実施例32のいずれか一つに記載の基体。
実施例34:
少なくとも一つの架橋剤がTEOSを含み、TEOSとケイ素ポリマーとのモル比が少なくとも約5:1である、実施例1~実施例33のいずれか一つに記載の基体。
実施例35:
少なくとも一つの架橋剤がTEOSを含み、TEOSとケイ素ポリマーとのモル比が最大約35:1である、実施例1~実施例34のいずれか一つに記載の基体。
実施例36:
少なくとも一つの架橋剤が、グリセリン酸ケイ素を含み、グリセリン酸ケイ素とシリコーンポリマーとのモル比が、少なくとも約5:1である、実施例1~実施例35のいずれか一つに記載の基体。
実施例37:
少なくとも一つの架橋剤が、グリセリン酸ケイ素を含み、グリセリン酸ケイ素とシリコーンポリマーとのモル比が最大約20:1である、実施例1~実施例36のいずれか一つに記載の基体。
実施例38:
少なくとも一つの架橋剤が、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素を含み、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素とシリコーンポリマーとのモル比が少なくとも約2:1である、実施例1~実施例37のいずれか一つに記載の基体。
実施例39:
少なくとも一つの架橋剤が、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素を含み、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素とシリコーンポリマーとのモル比が、最大約5:1である、実施例1~実施例38のいずれか一つに記載の基体。
実施例40:
基体が二酸化ケイ素を含む、実施例1~実施例39のいずれか一つに記載の基体。
実施例41:
少なくとも一つの架橋剤が、少なくとも約0.5重量パーセントの量で使用される、実施例1~実施例40のいずれか一つに記載の基体。
実施例42:
少なくとも一つの架橋剤が、少なくとも約0.75重量パーセントの量で使用される、実施例1~実施例41のいずれか一つに記載の基体。
実施例43:
少なくとも一つの架橋剤が、少なくとも約1重量パーセントの量で使用される、実施例1~実施例42のいずれか一つに記載の基体。
実施例44:
少なくとも一つの架橋剤が、最大約18重量パーセントの量で使用される、実施例1~実施例43のいずれか一つに記載の基体。
実施例45:
少なくとも一つの架橋剤が、最大約15重量パーセントの量で使用される、実施例1~実施例44のいずれか一つに記載の基体。
実施例46:
少なくとも一つの架橋剤が、最大約12重量パーセントの量で使用される、実施例1~実施例45のいずれか一つに記載の基体。
実施例47:
単量体グリコールが、最大七個の炭素原子を含む、実施例1~実施例46のいずれか一つに記載の基体。
実施例48:
単量体グリコールが少なくとも二個の炭素原子を含む、実施例1~実施例47のいずれか一つに記載の基体。
実施例49:
単量体グリコールが、二個の炭素原子~六個の炭素原子を含む、実施例1~実施例48のいずれか一つに記載の基体。
実施例50:
単量体グリコールが、二個の炭素原子~五個の炭素原子を含む、実施例1~実施例49のいずれか一つに記載の基体。
実施例51:
単量体グリコールが、二個の炭素原子~四個の炭素原子を含む、実施例1~実施例50のいずれか一つに記載の基体。
実施例52:
単量体グリコールが、二個の炭素原子~三個の炭素原子を含む、実施例1~実施例51のいずれか一つに記載の基体。
実施例53:
単量体グリコールが少なくとも三個の炭素原子を含む、実施例1~実施例52のいずれか一つに記載の基体。
実施例54:
単量体グリコールが、三個の炭素原子~七個の炭素原子を含む、実施例1~実施例48または実施例53のいずれか一つに記載の基体。
実施例55:
単量体グリコールが、三個の炭素原子~六個の炭素原子を含む、実施例1~実施例49、実施例53または実施例54のいずれか一つに記載の基体。
実施例56:
単量体グリコールが、三個の炭素原子~五個の炭素原子を含む、実施例1~実施例50のいずれか一つ、または実施例53~実施例55のいずれか一つに記載の基体。
実施例57:
単量体グリコールが、三個の炭素原子~四個の炭素原子を含む、実施例1~実施例51のいずれか一つまたは実施例53~実施例56のいずれか一つに記載の基体。
実施例58:
単量体グリコールが三個の炭素原子を含む、実施例1~実施例57のいずれか一つに記載の基体。
実施例59:
少なくとも一つの単量体グリコールが、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの一方または両方を含む、実施例1~実施例58のいずれか一つに記載の基体。
実施例60:
少なくとも一つの単量体グリコールがグリセロールを含む、実施例1~実施例59のいずれか一つに記載の基体。
実施例61:
少なくとも一つの単量体グリコールが1,2-プロピレングリコールを含む、実施例1~実施例60のいずれか一つに記載の基体。
実施例62:
基体が、少なくとも約10重量パーセントの量で少なくとも一つの単量体グリコールを含む、実施例1~実施例61のいずれか一つに記載の基体。
実施例63:
基体が、少なくとも約15重量パーセントの量で少なくとも一つの単量体グリコールを含む、実施例1~実施例62のいずれか一つに記載の基体。
実施例64:
基体が、少なくとも約20重量パーセントの量で少なくとも一つの単量体グリコールを含む、実施例1~実施例63のいずれか一つに記載の基体。
実施例65:
基体が、最大約60重量パーセントの量で少なくとも一つの単量体グリコールを含む、実施例1~実施例64のいずれか一つに記載の基体。
実施例66:
基体が、最大約55重量パーセントの量で少なくとも一つの単量体グリコールを含む、実施例1~実施例65のいずれか一つに記載の基体。
実施例67:
基体が、最大約50重量パーセントの量で少なくとも一つの単量体グリコールを含む、実施例1~実施例66のいずれか一つに記載の基体。
実施例68:
基体が、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールを約1:1重量超の比率で含む、実施例1~実施例67のいずれか一つに記載の基体。
実施例69:
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含み、基体が1,2-プロピレングリコールとほぼ同じ量のグリセロールを重量で含む、実施例1~実施例68のいずれか一つに記載の基体。
実施例70:
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含み、基体が1,2-プロピレングリコールよりも多くのグリセロールを重量で含む、実施例1~実施例68のいずれか一つに記載の基体。
実施例71:
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含み、基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールを少なくとも約1:1重量の比率で含む、実施例1~実施例70のいずれか一つに記載の基体。
実施例72:
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含み、基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールを少なくとも約1.5:1重量の比率で含む、実施例1~実施例71のいずれか一つに記載の基体。
実施例73:
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含み、基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールを少なくとも約2:1重量の比率で含む、実施例1~実施例72のいずれか一つに記載の基体。
実施例74:
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含み、基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールを最大約59:1重量の比率で含む、実施例1~実施例73のいずれか一つに記載の基体。
実施例75:
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含み、基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールを最大約40:1重量の比率で含む、実施例1~実施例74のいずれか一つに記載の基体。
実施例76:
基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含み、基体がグリセロールおよび1,2-プロピレングリコールを最大約25:1重量の比率で含む、実施例1~実施例75のいずれか一つに記載の基体。
実施例77:
基体がポリエチレンオキシドを含む、実施例1~実施例76のいずれか一つに記載の基体。
実施例78:
基体が約1重量パーセント未満の量のポリエチレンオキシドを含む、実施例1~実施例77のいずれか一つに記載の基体。
実施例79:
基体が約0.5重量パーセント未満の量のポリエチレンオキシドを含む、実施例1~実施例78のいずれか一つに記載の基体。
実施例80:
基体が約0.1重量パーセント未満の量のポリエチレンオキシドを含む、実施例1~実施例79のいずれか一つに記載の基体。
実施例81:
基体がポリエチレンオキシドを含まない、実施例1~実施例76のいずれか一つに記載の基体。
実施例82:
基体が脂肪酸を含む、実施例1~実施例81のいずれか一つに記載の基体。
実施例83:
基体が約1重量パーセント未満の量の脂肪酸を含む、実施例1~実施例82のいずれか一つに記載の基体。
実施例84:
基体が約0.5重量パーセント未満の量の脂肪酸を含む、実施例1~実施例83のいずれか一つに記載の基体。
実施例85:
基体が約0.1重量パーセント未満の量の脂肪酸を含む、実施例1~実施例84のいずれか一つに記載の基体。
実施例86:
脂肪酸がリノール酸を含む、実施例82~実施例85のいずれか一つに記載の基体。
実施例87:
脂肪酸がオレイン酸を含む、実施例82~実施例86のいずれか一つに記載の基体。
実施例88:
基体がリノール酸を含まない、実施例1~実施例85または実施例87のいずれか一つに記載の基体。
実施例89:
基体がオレイン酸を含まない、実施例1~実施例86または実施例88のいずれか一つに記載の基体。
実施例90:
基体が脂肪酸を含まない、実施例1~実施例81のいずれか一つに記載の基体。
実施例91:
基体が硬化触媒を含む、実施例1~実施例90のいずれか一つに記載の基体。
実施例92:
基体が、少なくとも約0.2重量パーセントの量で硬化触媒を含む、実施例1~実施例91のいずれか一つに記載の基体。
実施例93:
基体が、少なくとも約0.5重量パーセントの量で硬化触媒を含む、実施例1~実施例92のいずれか一つに記載の基体。
実施例94:
基体が、少なくとも約0.8重量パーセントの量で硬化触媒を含む、実施例1~実施例93のいずれか一つに記載の基体。
実施例95:
基体が、最大約12重量パーセントの量で硬化触媒を含む、実施例1~実施例94のいずれか一つに記載の基体。
実施例96:
基体が、最大約10重量パーセントの量で硬化触媒を含む、実施例1~実施例95のいずれか一つに記載の基体。
実施例97:
基体が、最大約8重量パーセントの量で硬化触媒を含む、実施例1~実施例96のいずれか一つに記載の基体。
実施例98:
架橋シリコーンマトリックスが、硬化触媒の存在下でシリコーンポリマーを架橋することによって形成される、実施例1~実施例97のいずれか一つに記載の基体。
実施例99:
硬化触媒が、少なくとも約0.2重量パーセントの量で架橋シリコーンマトリックスの形成中に存在する、実施例1~実施例98のいずれか一つに記載の基体。
実施例100:
硬化触媒が、少なくとも約0.5重量パーセントの量で架橋シリコーンマトリックスの形成中に存在する、実施例1~実施例99のいずれか一つに記載の基体。
実施例101:
硬化触媒が、少なくとも約0.8重量パーセントの量で架橋シリコーンマトリックスの形成中に存在する、実施例1~実施例100のいずれか一つに記載の基体。
実施例102:
硬化触媒が、最大約12重量パーセントの量で架橋シリコーンマトリックスの形成中に存在する、実施例1~実施例101のいずれか一つに記載の基体。
実施例103:
硬化触媒が、最大約10重量パーセントの量で架橋シリコーンマトリックスの形成中に存在する、実施例1~実施例102のいずれか一つに記載の基体。
実施例104:
硬化触媒が、最大約8重量パーセントで架橋シリコーンマトリックスの形成中に存在する、実施例1~実施例103のいずれか一つに記載の基体。
実施例105:
硬化触媒が室温加硫触媒を含む、実施例91~実施例104のいずれか一つに記載の基体。
実施例106:
硬化触媒が、アミノプロピル末端シリコーンポリマー、アミン、および金属系触媒のうちの少なくとも一つを含む、実施例91~実施例105のいずれか一つに記載の基体。
実施例107:
硬化触媒がアミノプロピル末端シリコーンポリマーを含む、実施例91~実施例106のいずれか一つに記載の基体。
実施例108:
硬化触媒がアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンを含む、実施例91~実施例107のいずれか一つに記載の基体。
実施例109:
硬化触媒がアミノプロピル末端シリコーンポリマーを含み、アミノプロピル末端シリコーンポリマーが少なくとも約400グラム/モルの分子量を有する、実施例91~実施例108のいずれか一つに記載の基体。
実施例110:
硬化触媒がアミノプロピル末端シリコーンポリマーを含み、アミノプロピル末端シリコーンポリマーが少なくとも約600グラム/モルの分子量を有する、実施例91~実施例109のいずれか一つに記載の基体。
実施例111:
硬化触媒がアミノプロピル末端シリコーンポリマーを含み、アミノプロピル末端シリコーンポリマーが少なくとも約800グラム/モルの分子量を有する、実施例91~実施例110のいずれか一つに記載の基体。
実施例112:
硬化触媒がアミノプロピル末端シリコーンポリマーを含み、アミノプロピル末端シリコーンポリマーが最大約3000グラム/モルの分子量を有する、実施例91~実施例111のいずれか一つに記載の基体。
実施例113:
硬化触媒がアミノプロピル末端シリコーンポリマーを含み、アミノプロピル末端シリコーンポリマーが最大約2800グラム/モルの分子量を有する、実施例91~実施例112のいずれか一つに記載の基体。
実施例114:
硬化触媒がアミノプロピル末端シリコーンポリマーを含み、アミノプロピル末端シリコーンポリマーが最大約2600グラム/モルの分子量を有する、実施例91~実施例113のいずれか一つに記載の基体。
実施例115:
硬化触媒がアミンを含む、実施例91~実施例114のいずれか一つに記載の基体。
実施例116:
硬化触媒がモノアミンを含む、実施例91~実施例115のいずれか一つに記載の基体。
実施例117:
硬化触媒がモノエタノールアミンを含む、実施例91~実施例116のいずれか一つに記載の基体。
実施例118:
硬化触媒がジアミンを含む、実施例91~実施例116のいずれか一つに記載の基体。
実施例119:
硬化触媒が1,6-ヘキサメチレンジアミンを含む、実施例91~実施例117のいずれか一つに記載の基体。
実施例120:
硬化触媒が金属系触媒を含む、実施例91~実施例119のいずれか一つに記載の基体。
実施例121:
硬化触媒がジブチルスズジラウレートを含む、実施例91~実施例120のいずれか一つに記載の基体。
実施例122:
硬化触媒がオクタン酸スズ(II)を含む、実施例91~実施例121のいずれか一つに記載の基体。
実施例123:
少なくとも一つの生物活性物質がアルカロイドを含む、実施例1~実施例122のいずれか一つに記載の基体。
実施例124:
少なくとも一つの生物活性物質がニコチンを含む、実施例1~実施例123のいずれか一つに記載の基体。
実施例125:
ニコチンがニコチン塩の形態である、実施例124に記載の基体。
実施例126:
ニコチンがニコチン塩基の形態である、実施例124に記載の基体。
実施例127:
少なくとも一つの生物活性物質が、カンナビノイドを含む、実施例1~実施例126のいずれか一つに記載の基体。
実施例128:
少なくとも一つの生物活性物質が、ジクロフェナクナトリウムを含む、実施例1~実施例127のいずれか一つに記載の基体。
実施例129:
少なくとも一つの生物活性物質が、ガングルフェン塩酸塩を含む、実施例1~実施例128のいずれか一つに記載の基体。
実施例130:
少なくとも一つの生物活性物質が、フラゾリドンを含む、実施例1~実施例129のいずれか一つに記載の基体。
実施例131:
基体が、少なくとも約0.2重量パーセントの量で少なくとも一つの生物活性物質を含む、実施例1~実施例130のいずれか一つに記載の基体。
実施例132:
基体が、少なくとも約0.5重量パーセントの量で少なくとも一つの生物活性物質を含む、実施例1~実施例131のいずれか一つに記載の基体。
実施例133:
基体が、少なくとも約1重量パーセントの量で少なくとも一つの生物活性物質を含む、実施例1~実施例132のいずれか一つに記載の基体。
実施例134:
基体が、最大約15重量パーセントの量で少なくとも一つの生物活性物質を含む、実施例1~実施例133のいずれか一つに記載の基体。
実施例135:
基体が、最大約12重量パーセントの量で少なくとも一つの生物活性物質を含む、実施例1~実施例134のいずれか一つに記載の基体。
実施例136:
基体が、最大約10重量パーセントの量で少なくとも一つの生物活性物質を含む、実施例1~実施例135のいずれか一つに記載の基体。
実施例137:
少なくとも一つの生物活性物質がニコチンを含み、基体が、最大約5重量パーセントの量でニコチンを含む、実施例1~実施例136のいずれか一つに記載の基体。
実施例138:
基体が風味剤を含む、実施例1~実施例137のいずれか一つに記載の基体。
実施例139:
組成物が風味剤を含む、実施例1~実施例138のいずれか一つに記載の基体。
実施例140:
風味剤がメントールを含む、実施例138または実施例141に記載の基体。
実施例141:
組成物が架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に放出可能に含有される、実施例1~実施例140のいずれか一つに記載の基体。
実施例142:
組成物が液体である、実施例1~実施例141のいずれか一つに記載の基体。
実施例143:
組成物が懸濁液である、実施例1~実施例141のいずれか一つに記載の基体。
実施例144:
基体が、少なくとも約10重量パーセントの量で組成物を含む、実施例1~実施例143のいずれか一つに記載の基体。
実施例145:
基体が、少なくとも約15重量パーセントの量で組成物を含む、実施例1~実施例144のいずれか一つに記載の基体。
実施例146:
基体が、少なくとも約20重量パーセントの量で組成物を含む、実施例1~実施例145のいずれか一つに記載の基体。
実施例147:
基体が、最大約75重量パーセントの量で組成物を含む、実施例1~実施例146のいずれか一つに記載の基体。
実施例148:
基体が、最大約72重量パーセントの量で組成物を含む、実施例1~実施例147のいずれか一つに記載の基体。
実施例149:
基体が、最大約70重量パーセントの量で組成物を含む、実施例1~実施例148のいずれか一つに記載の基体。
実施例150:
実施例1~実施例149のいずれか一つに記載の基体を備える、エアロゾル発生物品。
実施例151:
エアロゾル発生物品が、エアロゾル発生基体を加熱するように構成された発熱体を含む、実施例150に記載のエアロゾル発生物品。
実施例152:
発熱体が、一つ以上の抵抗発熱体を備える、実施例151に記載のエアロゾル発生物品。
実施例153:
発熱体が、一つ以上の誘導発熱体を備える、実施例151または実施例152に記載のエアロゾル発生物品。
実施例154:
エアロゾル発生物品が、エアロゾル発生装置と共に使用されるように構成される、実施例150~実施例153のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例155:
エアロゾル発生装置がエアロゾル発生物品の基体を加熱するように構成された発熱体を備える、実施例154に記載のエアロゾル発生物品。
実施例156:
エアロゾル発生装置の発熱体が、一つ以上の抵抗発熱体を含む、実施例155に記載のエアロゾル発生物品。
実施例157:
エアロゾル発生装置の発熱体が、一つ以上の誘導発熱体を含む、実施例155または実施例156に記載のエアロゾル発生物品。
実施例158:
実施例1~実施例149のいずれか一つに記載の基体を含む経皮パッチ。
実施例159:
経皮パッチがバッキング層を含む、実施例158に記載の経皮パッチ。
実施例160:
基体がバッキング層に取り付けられる、実施例159に記載の経皮パッチ。
実施例161:
経皮パッチが接着剤層を含む、実施例158~実施例160のいずれか一つに記載の経皮パッチ。
実施例162:
経皮パッチがバッキング層および接着剤層を含み、基体がバッキング層と接着剤層との間に位置付けられる、実施例158~実施例161のいずれか一つに記載の経皮パッチ。
実施例163:
実施例1~実施例149のいずれか一つに記載の基体を含む経口送達製品。
実施例164:
経口送達製品が経口チュウである、実施例163に記載の経口送達製品。
実施例165:
経口送達製品が経口トローチである、実施例163に記載の経口送達製品。
実施例166:
経口送達製品が経口パウチ製品である、実施例163に記載の経口送達製品。
実施例167:
少なくとも一つの生物活性物質がニコチンを含む、実施例163~実施例166のいずれか一つに記載の経口送達製品。
実施例168:
少なくとも一つの生物活性物質が、カンナビノイドを含む、実施例163~実施例167のいずれか一つに記載の経口送達製品。
実施例169:
方法が、シリコーンポリマー、少なくとも一つの単量体グリコール、少なくとも一つの生物活性物質、およびテトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤を混合して混合物を形成することと、混合物を硬化して基体を形成することとを含む、実施例1~実施例149のいずれか一つに記載の生物活性物質を送達するための基体を製造する方法。
実施例170:
方法が、シリコーンポリマーおよび少なくとも一つの単量体グリコールを混合してエマルションを形成することを含む、実施例169に記載の方法。
実施例171:
方法が、少なくとも一つの生物活性物質およびテトラアルコキシシランを含む少なくとも一つの架橋剤とエマルションを組み合わせて混合物を形成することをさらに含む、実施例170に記載の方法。
実施例172:
硬化触媒を、シリコーンポリマー、少なくとも一つの単量体グリコール、少なくとも一つの生物活性物質、および少なくとも一つの架橋剤と混合して、混合物を形成することを含む、実施例169~実施例171のいずれか一つに記載の方法。
実施例173:
方法が、硬化触媒をエマルション、少なくとも一つの架橋剤、および少なくとも一つの生物活性物質と混合して、混合物を形成することを含む、実施例170または実施例171に記載の方法。
実施例174:
方法が、混合物を室温で硬化させることを含む、実施例169~実施例173のいずれか一つに記載の方法。
【0194】
本発明による十七個の基体(実施例1~17)は、シリコーンポリマー、少なくとも一つの架橋剤、少なくとも一つの単量体グリコール、少なくとも一つの生物活性物質、および硬化触媒を使用して調製される。
【0195】
基体を形成するために、シリコーンポリマーおよび少なくとも一つの単量体グリコールをガラスビーカー中で混合して、滑らかなエマルションを形成する。少なくとも一つの架橋剤、硬化触媒、および少なくとも一つの生物活性物質がエマルションに添加される。得られた混合物を室温で硬化させ、架橋シリコーンマトリックスと、架橋シリコーンマトリックスのドメイン内に含有される組成物とを含む基体を形成する。
【0196】
表1は、シリコーンポリマー、少なくとも一つの架橋剤、少なくとも一つの単量体グリコール、少なくとも一つの生物活性物質、硬化触媒、および実施例1~6の基体を形成するために使用されるこれらの構成要素の量を示す。
【0197】
実施例1~3では、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-OH)は、アルドリッチによって提供され、2550~3570センチストークスの粘度を有する。
【0198】
実施例4では、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-OH)は、ジェレストによって提供され、3500センチストークスの粘度を有する。
【0199】
実施例5および6では、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-OH)は、ジェレストによって提供され、2000センチストークスの粘度を有する。
【0200】
実施例3および6では、グリセリン酸ケイ素(Si-GLY)は、約1:2.9のモル比でグリセロールを含む溶液中に存在する。
【0201】
実施例4および5では、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素(Si-PGL)は、約1:2.9のモル比で1,2-プロピレングリコールを含む溶液中に存在する。
【0202】
実施例1~3では、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-NH2)は、アルドリッチによって提供され、50センチストークスの粘度を有する。
【0203】
実施例4~6では、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-NH2)は、ジェレストによって提供され、10~15センチストークスの粘度を有する。
【0204】
表2は、実施例1~6の基体を形成するために、シリコーンポリマーの加硫に必要な硬化時間を示す。
【0205】
実施例1の基体は、外表面上にグリセロールの痕跡のない高密度モノリスである。
【0206】
実施例2の基体は、外表面上にグリセロールの痕跡のない高密度バルク基体である。
【0207】
実施例3の基体は、外表面上にグリセロールの痕跡のない高密度バルク基体である。
【0208】
実施例4の基体は、外表面にグリセロールの痕跡のない高密度モノリスである。
【0209】
実施例5の基体は、外表面上にグリセロールの痕跡のない高密度バルク基体である。
【0210】
実施例6の基体は、紙に付着しない高密度バルク基体である。
【0211】
表2はまた、約5時間後および約24時間後の、室温での生理食塩水中の実施例1~6の基体から放出されるニコチンの量を示す。生理食塩水中に放出されるニコチンの量は、基体が指定の時間の間生理食塩水中に置かれた後、生理食塩水のUV分析によって測定される。生理食塩水中に放出されるニコチンの量は、基体を形成するために添加されるニコチンの重量に基づいて、生理食塩水中のニコチンの重量減少によるパーセンテージを計算するために使用される。約24時間後、生理食塩水中の実施例1~6の基体から、無視できる量のニコチンがさらに放出される。
【0212】
表2はまた、約10分後に約200°Cの温度に加熱された空気流における実施例1および2の基体からのニコチンの放出を示す。実施例1の基体を約200°Cに加熱すると、グリセロールを含むエアロゾル中でニコチンが放出される。実施例2の基体を約200°Cに加熱すると、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの両方を含むエアロゾル中でニコチンが放出される。加熱された空気流におけるニコチンの放出は、約200°Cの温度に加熱された空気流に約10分間供された基体を室温で生理食塩水中に置き、約24時間後にUV分析によって生理食塩水中に放出されたニコチンの量を測定し、生理食塩水中に放出されたニコチンの量を基体を形成するために使用されるニコチンの量から差し引くことによって計算される。加熱された空気流中に放出されたニコチンの計算量は、基体を形成するために使用されるニコチンの重量に基づいて、加熱された空気流中のニコチンの重量による減少率を計算するために使用される。
【0213】
表2はまた、約300°Cの温度に加熱されたときに、実施例1~3および5の基体の質量分析(TGA-MS)と組み合わせた熱重量分析によって測定された重量損失も示す。実施例1および3の基体の重量損失は、ニコチンおよびグリセロールの放出に起因する。実施例2および5の基体の重量損失は、ニコチン、グリセロールおよび1,2-プロピレングリコールの放出に起因する。
【0214】
表2はまた、引張試験を使用して測定された実施例1および2の基体のヤング率を示す。
【表1】
【表2】
【0215】
表3は、シリコーンポリマー、少なくとも一つの架橋剤、少なくとも一つの単量体グリコール、少なくとも一つの生物活性物質、硬化触媒、および実施例7~10の基体を形成するために使用されるこれらの構成要素の量を示す。
【0216】
実施例7~10では、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-OH)は、ジェレストによって提供され、2000センチストークスの粘度を有する。
【0217】
実施例8では、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素(Si-PGL)は、約1:2.9のモル比で1,2-プロピレングリコールを含む溶液中に存在する。
【0218】
実施例9では、グリセリン酸ケイ素(Si-GLY)は、約1:2.9のモル比でグリセロールを含む溶液中に存在する。
【0219】
実施例7~10では、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-NH2)は、ジェレストによって提供され、10~15センチストークスの粘度を有する。
【0220】
表4は、実施例7~10の基体を形成するために、シリコーンポリマーの加硫に必要な硬化時間を示す。
【0221】
実施例7の基体は、紙に付着しない高密度バルク基体である。
【0222】
実施例8の基体は、紙に付着しない高密度バルク基体である。
【0223】
実施例9の基体は、紙に付着しない高密度バルク基体である。
【0224】
実施例10の基体は、紙に付着しない高密度バルク基体である。
【0225】
表4は、約5時間後および約24時間後の、室温でのエタノール中の実施例7~9の基体から放出されるジクロフェナクナトリウムの量を示す。エタノール中に放出されたジクロフェナクナトリウムの量は、基体がエタノール中に指定された時間の間置かれた後、エタノールのUV分析によって測定される。エタノール中に放出されたジクロフェナクナトリウムの量を使用して、基体を形成するために添加されたジクロフェナクナトリウムの総量に基づいて、エタノール中のジクロフェナクナトリウムの重量減少によるパーセンテージを計算する。
【0226】
表4はまた、約5時間後、約24時間後、および約8日後の、室温での生理食塩水中の実施例7~10の基体から放出されるジクロフェナクナトリウムの量を示す。生理食塩水中に放出されたジクロフェナクナトリウムの量は、基体が指定の期間にわたって生理食塩水中に置かれた後、生理食塩水のUV分析によって測定される。生理食塩水中に放出されるジクロフェナクナトリウムの量は、基体を形成するために添加されるジクロフェナクナトリウムの総量に基づいて、生理食塩水中のジクロフェナクナトリウムの重量減少によるパーセンテージを計算するために使用される。
【表3】
【表4】
【0227】
表5は、シリコーンポリマー、少なくとも一つの架橋剤、少なくとも一つの単量体グリコール、少なくとも一つの生物活性物質、硬化触媒、および実施例11~15の基体を形成するために使用されるこれらの構成要素の量を示す。
【0228】
実施例11~14では、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-OH)は、ジェレストによって提供され、2000センチストークスの粘度を有する。
【0229】
実施例15では、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-OH)は、ジェレストによって提供され、5000センチストークスの粘度を有する。
【0230】
実施例12および15では、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素(Si-PGL)は、約1:2.9のモル比で1,2-プロピレングリコールを含む溶液中に存在する。
【0231】
実施例13では、グリセリン酸ケイ素(Si-GLY)は、約1:2.9のモル比でグリセロールを含む溶液中に存在する。
【0232】
実施例11~15では、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-NH2)は、ジェレストによって提供され、10~15センチストークスの粘度を有する。
【0233】
表6は、実施例11~15の基体を形成するために、シリコーンポリマーの加硫に必要な硬化時間を示す。
【0234】
実施例11の基体は、弾性および粘着性があり、紙に強く接着する。
【0235】
実施例12の基体は、わずかに粘着性があり、紙への接着力は弱い。
【0236】
実施例13の基体は、わずかに粘着性があるが、紙には接着しない。
【0237】
実施例14の基体は、弾性でわずかに粘着性があり、紙への接着力は弱い。
【0238】
実施例15の基体は、弾性でわずかに粘着性があり、紙への接着力は弱い。
【0239】
表6は、約5時間後、約24時間後、および約8日後の、室温での生理食塩水中の実施例11~15の基体から放出されるガングルフェン塩酸塩の量を示す。生理食塩水中に放出されるガングルフェン塩酸塩の量は、基体が指定の期間にわたって生理食塩水中に置かれた後、生理食塩水のUV分析によって測定される。生理食塩水中に放出されるガングルフェン塩酸塩の量は、基体を形成するために添加されるガングルフェン塩酸塩の重量に基づいて、生理食塩水中のガングルフェン塩酸塩の重量減少によるパーセンテージを計算するために使用される。
【表5】
【表6】
【0240】
表7は、シリコーンポリマー、少なくとも一つの架橋剤、少なくとも一つの単量体グリコール、少なくとも一つの生物活性物質、硬化触媒、および実施例16および17の基体を形成するために使用されるこれらの構成要素の量を示す。
【0241】
実施例16および17では、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-OH)は、ジェレストによって提供され、2000センチストークスの粘度を有する。
【0242】
実施例16では、1,2-プロピレングリコール酸ケイ素(Si-PGL)は、約1:2.9のモル比で1,2-プロピレングリコールを含む溶液中に存在する。
【0243】
実施例17では、グリセリン酸ケイ素(Si-GLY)は、約1:2.9のモル比でグリセロールを含む溶液中に存在する。
【0244】
実施例16および17では、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS-NH2)は、ジェレストによって提供され、10~15センチストークスの粘度を有する。
【0245】
表8は、実施例16および17の基体を形成するためにシリコーンポリマーの加硫に必要な硬化時間を示す。
【0246】
実施例16の基体は、弾性で粘着性がなく、紙への接着力は弱い。
【0247】
実施例17の基体は、弾性で粘着性がなく、紙への接着力は弱い。
【0248】
表8はまた、約5時間後、約24時間後、および約8日後の、室温での生理食塩水中の実施例16および17の基体から放出されるフラゾリドンの量を示す。生理食塩水中に放出されたフラゾリドンの量は、基体が指定の期間にわたって生理食塩水中に置かれた後、生理食塩水のUV分析によって測定される。生理食塩水中に放出されるフラゾリドンの量は、基体を形成するために添加されるフラゾリドンの重量に基づいて、生理食塩水中のフラゾリドンの重量減少によるパーセンテージを計算するために使用される。
【表7】
【表8】
【0249】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0250】
図1は、本発明による基体を含むエアロゾル発生物品の概略側面断面図を示す。
【0251】
図2は、本発明による基体を含む経皮パッチの概略側面断面図を示す。
【0252】
図1は、基体12、空気入口14、および空気出口16を含む、エアロゾル発生物品10を示す。
【0253】
図2は、基体22、バッキング層24、および接着層26を備える経皮パッチ20を示す。基体22は、バッキング層24と接着剤層26との間に位置付けられる。
【0254】
上記に説明された特定の実施形態および実施例は、本発明を例示するが、限定しない。本発明の他の実施形態がなされてもよく、また本明細書に記載の具体的な実施形態および実施例は網羅的なものでないことが理解される。
図1
図2
【国際調査報告】