(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックする方法
(51)【国際特許分類】
A24C 5/345 20060101AFI20240321BHJP
A24C 5/01 20200101ALI20240321BHJP
【FI】
A24C5/345
A24C5/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023562221
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 EP2022059185
(87)【国際公開番号】W WO2022218790
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ナタリ ルカ
(72)【発明者】
【氏名】バルボニ マッテオ
【テーマコード(参考)】
4B144
【Fターム(参考)】
4B144CC11
4B144CC22
4B144CF02
4B144CF06
4B144CL01
4B144CL20
4B144CM03
4B144CM13
(57)【要約】
本発明は、製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックする方法に関し、方法は、-エアロゾル発生物品を回転させている間に、エアロゾル発生物品の幾つかの2次元表面プロファイルを記録することと、-3次元表面プロファイルを得るために、異なる回転角度にて記録された幾つかの表面プロファイルを組み合わせることと、-3次元表面プロファイルの最大高差を計算することと、-その3次元表面プロファイルの最大高差が閾値を上回る場合、エアロゾル発生物品を拒絶することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックする方法であって、
-前記エアロゾル発生物品を回転させている間に、前記エアロゾル発生物品の幾つかの2次元表面プロファイルを記録することと、
-3次元表面プロファイルを得るために、異なる回転角度にて記録された幾つかの表面プロファイルを組み合わせることと、
-前記3次元表面プロファイルの最大高差を計算することと、
-その3次元表面プロファイルの前記最大高差が閾値を上回る場合、前記エアロゾル発生物品を拒絶することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記エアロゾル発生物品がフィルター部分および基体部分を備え、前記基体部分がエアロゾル形成基体を含み、さらに前記エアロゾル発生物品が、前記フィルター部分を上包みするチッピングペーパーを備え、前記基体部分の少なくとも一部が前記フィルター部分に隣接する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チッピングペーパーによって上包みされた少なくとも前記フィルター部分および前記基体部分の一部の幾つかの2次元表面プロファイルが記録される、請求項1~2に記載の方法。
【請求項4】
前記製造欠陥が、破れ、スリット、穴、しわ、破損、フィルター部分への基体部分の接着不良、およびフィルター部分と基体部分の間の露出した接続から成る群から選択される、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
追加的に、
-前記エアロゾル発生物品を回転させている間に、前記エアロゾル発生物品の前記表面の2次元視覚的画像が記録され、
-組み合わせられた2次元視覚的表面画像を得るために、異なる回転角度にて記録された幾つかの2次元表面視覚的画像または強度線が組み合わせられ、
-前記組み合わせられた視覚的表面プロファイルが、画像相関を介して、欠陥のないエアロゾル発生物品の欠陥のない組み合わせられた視覚的画像と比較され、
-その組み合わせられた視覚的表面プロファイルが前記欠陥のない視覚的画像と適合しない場合、前記エアロゾル発生物品が拒絶される、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一つの視覚的マーカーが、前記エアロゾル発生物品の前記表面上に存在し、かつ前記エアロゾル発生物品の前記表面上の前記視覚的マーカーの前記位置が、前記組み合わせられた2次元視覚的表面画像を使用して決定され、好ましくは前記視覚的マーカーが少なくとも一つの線を含む、請求項1~5に記載の方法。
【請求項7】
前記製造欠陥が、汚れ、前記基体部分に対する前記チッピングペーパーの変位、異なるブランドのエアロゾル発生物品の混合、および前記チッピングペーパーの折れから成る群から選択される、請求項4~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記エアロゾル発生物品が360度回転され、かつ、
-360度の3次元表面プロファイル、または、
-360度の組み合わせられた2次元視覚的表面画像の一方または両方が得られる、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ラインレーザーセンサーが、
-前記幾つかの2次元表面プロファイル、または、
-幾つかの2次元表面視覚的画像の一方または両方を記録するために採用される、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
エアロゾル発生物品における製造欠陥の検出のために構成された検査装置であって、
-前記エアロゾル発生物品の幾つかの2次元表面プロファイルを記録するために構成された表面プロファイルセンサーと、
-前記表面プロファイルの前記記録中に前記エアロゾル発生物品を回転させるために構成された回転手段と、
-3次元表面プロファイルを得るために、異なる回転角度にて記録された前記幾つかの2次元表面プロファイルを処理するために構成された、かつ前記3次元表面プロファイルの最大高差を計算するために構成された表面プロファイルコントローラと、を備える検査装置。
【請求項11】
-前記エアロゾル発生物品を回転させている間に、前記エアロゾル発生物品の前記表面の幾つかの2次元視覚的画像または強度線を記録するために構成された視覚的画像化センサーと、
-組み合わせられた2次元視覚的表面画像を得るために、前記幾つかの2次元表面視覚的画像または強度線を異なる回転角度にて処理するように構成された、かつ前記組み合わせられた視覚的表面プロファイルを、画像相関を介して欠陥のないエアロゾル発生物品の組み合わせられた欠陥のない視覚的画像と比較するために構成された視覚的画像化コントローラと、をさらに備える、請求項1~10に記載の検査装置。
【請求項12】
前記視覚的画像化センサーおよび前記表面プロファイルセンサーが、一つの単一のセンサーヘッド内に一体化されていて、好ましくは前記センサーヘッドがラインレーザーセンサーヘッドである、請求項1~11に記載の検査装置。
【請求項13】
前記表面プロファイルコントローラおよび前記視覚的画像化コントローラが、一つの単一の制御ユニットへと一体化されている、請求項18または請求項19に記載の検査装置。
【請求項14】
前記回転手段が、
-二つの回転ドラム、
-一つの回転ドラムおよび一つの静止部、
-一つの移動ベルトおよび一つの静止部、のいずれかを備える、請求項10~13に記載の検査装置。
【請求項15】
請求項10~14に記載の検査装置と、エアロゾル発生物品とを備える、検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックする方法に関する。本発明は、エアロゾル発生物品における製造欠陥の検出のために構成された検査装置にさらに関する。本発明は、エアロゾル発生物品における製造欠陥の検出のために構成された、検査装置およびエアロゾル発生物品のシステムにさらに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体と、追加的にしばしばフィルターセクションとを含む基体セクションを備え、これらは両方ともラッピングペーパーで覆われている。エアロゾル発生物品の生産中に、ラッピングペーパーの剥離、フィルターセクションと基体セクションとの接続の間の破損、ラッピングペーパーにおけるしわまたは汚れなど、エアロゾル発生物品において欠陥が生じる可能性がある。エアロゾル発生物品の製造中に生じる可能があるすべての異なる欠陥を検出することは、非常に困難であり、時間がかかる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の異なる欠陥を簡単なやり方で検出することができる、製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックする方法を提供することが望ましいことになる。さらに、製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックする、信頼性のある方法を提供することが望ましいことになる。加えて、エアロゾル発生物品の製造中にインラインプロセス制御として実装されることができる、製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックする方法を提供することが望ましいことになる。さらに、製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックする、正確な方法を提供することが望ましい場合がある。さらに、複数の異なる欠陥を同時に検出することができる検査装置を提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によると、製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックする方法が提供されうる。方法は、エアロゾル発生物品を回転させている間に、エアロゾル発生物品の幾つかの2次元表面プロファイルを記録することを含んでもよい。方法は、3次元表面プロファイルを得るために、異なる回転角度にて記録された幾つかの表面プロファイルを組み合わせることをさらに含んでもよい。さらに、方法は、3次元表面プロファイルの最大高差を計算する工程を含んでもよい。加えて、その3次元表面プロファイルの最大高差が閾値を上回る場合、エアロゾル発生物品は拒絶されてもよい。
【0005】
本発明の別の実施形態によると、製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックする方法が提供されている。方法は、エアロゾル発生物品を回転させている間に、エアロゾル発生物品の幾つかの2次元表面プロファイルを記録することを含む。3次元表面プロファイルを得るために、異なる回転角度にて記録された幾つかの表面プロファイルが組み合わせられる。3次元表面プロファイルの最大高差が計算され、その3次元表面プロファイルの最大高差が閾値を超える場合、エアロゾル発生物品は拒絶される。
【0006】
製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックするためのこうした方法は、幾つかの製造欠陥の検出を可能にする場合があり、これは通常、視覚的な検出方法によっては簡単に検出されない。加えて、こうした方法はまた、エアロゾル発生物品の周囲の周りの異なる位置に位置する製造欠陥の検出を可能にする場合がある。
【0007】
2次元表面プロファイルは、エアロゾル発生物品の表面の2次元高さプロファイルであってもよい。表面の2次元高さプロファイルは、デカルト座標系(x-yプロファイル)のx軸およびy軸に沿ってもよい。2次元高さプロファイルは、エアロゾル発生物品の表面上の押圧部および膨らみを図示する場合がある。2次元高さプロファイルは、エアロゾル発生物品の表面の高さの差異を図示する場合がある。2次元高さプロファイルは、エアロゾル発生物品の表面の高さプロファイルの最も低い点および最も高い点を図示する場合がある。
【0008】
エアロゾル発生物品の異なる回転角度にて記録された表面の幾つかの2次元高さプロファイルを組み合わせることは、デカルト座標系(x-y-zプロファイル)のx軸、y軸、z軸に沿っている場合がある3次元表面プロファイルを作り出す。
【0009】
これらの3次元表面プロファイルは、製造欠陥の検出を容易にする場合があり、これは、エアロゾル発生物品のしわ、穴、または突出セクションなどのエアロゾル発生物品の表面プロファイルの変化をもたらす。
【0010】
方法は、3次元表面プロファイルを2次元平面上に投影することを含んでもよい。3次元表面プロファイルの2次元投影は、一方がもう一方の上方に配設された複数の2次元表面プロファイルを含んでもよい。2次元平面は、異なる回転角度にて、続いて記録された一連の3次元表面プロファイルを図示する場合がある。続いて記録された一連の3次元表面プロファイルは、等距離の回転角度にて記録されてもよい。例えば、2次元表面プロファイルを記録している間に、エアロゾル発生物品は、1度から9度、好ましくは2度から8度、より好ましくは3度から7度の等距離の増分で回転されてもよい。
【0011】
エアロゾル発生物品は、幾つかの2次元表面プロファイルを記録している間に、360度回転されてもよい。これは、エアロゾル発生物品の全表面の360度の3次元表面プロファイルを得ることを可能にする場合がある。30個~550個の、好ましくは少なくとも200個の2次元表面プロファイルが、一つの単一のエアロゾル発生物品について取得され、分析され、潜在的に記録されてもよい。等距離の回転角度にて記録されたこれらのすべての2次元表面プロファイルは、一つの単一の3次元表面プロファイルに組み合わせられてもよく、これはまた、3次元ポイントクラウドと呼ばれてもよい。
【0012】
3次元表面プロファイル(ポイントクラウド)の分析は、エアロゾル発生物品における製造誤差の検出を簡単にする場合がある。
【0013】
エアロゾル発生物品は、中央長軸方向軸を備える管状の形態で形作られてもよい。幾つかの2次元表面プロファイルの記録中に、エアロゾル発生物品は、その中央長軸方向軸に沿って回転されてもよい。これは、等距離の回転角度にて、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、エアロゾル発生物品の幾つかの2次元表面プロファイルを記録することを可能にする場合がある。これは、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿った、エアロゾル発生物品の少なくとも大きいセクションの検査を簡単にする場合がある。2次元表面プロファイルは、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿った、エアロゾル発生物品の表面の2次元高さプロファイルであってもよい。
【0014】
エアロゾル発生物品は、フィルター部分と、基体部分とを含んでもよい。基体部分はエアロゾル形成基体を含んでもよい。基体部分は管状であってもよい。ラッパーはエアロゾル発生物品の基体部分の周りに巻かれてもよい。ラッパーは、紙、厚紙、プラスチック、またはそれらの混合物を含んでもよい。フィルター部分はセルロースアセテートトウのプラグを備えてもよい。フィルター部分は、例えば中空アセテート管(HAT)、微細中空アセテート管(FHAT)、または中央の厚紙管の周りに巻かれたトウのプラグを備えてもよく、そのすべての構造はフィルター要素の製造から知られている。
【0015】
エアロゾル発生物品は、フィルター部分および基体部分と重なるように、フィルター部分および基体部分の周りに少なくとも部分的に巻かれて配設されたチッピングペーパーをさらに備えてもよい。チッピングペーパーは、フィルター部分、およびフィルター部分に隣接した基体部分の少なくとも一部を上包みしていてもよい。チッピングペーパーは、エアロゾル発生物品の構成要素、具体的にフィルター部分および基体部分を相互に取り付けるために使用されてもよい。
【0016】
本発明の方法のさらなる一実施形態によると、チッピングペーパーによって上包みされた少なくともフィルター部分および基体部分の一部の幾つかの2次元表面プロファイルが記録される。これは、フィルター部分がラッピングペーパーを介して基体部分に接続されている時に生じる可能性がある製造欠陥の検出を可能にする場合がある。
【0017】
フィルター部分を有するエアロゾル発生物品は、二つの単一の長さの基体部分の間に二重長さのフィルター部分を挿入することによって生産されてもよい。次いで、二重長さのフィルター部分は、チッピングペーパーで上包みすることによって、両方の基体部分に取り付けられてもよい。接着剤が、両方の基体部分の周りのチッピングペーパーの閉鎖を可能にするために、チッピングペーパーの端部分に塗布されてもよい。これは、両方の基体部分と二重長さのフィルター部分の間の安定した接続を提供する場合がある。その後、二重長さのフィルター部分は真ん中で切断され、各々が基体部分およびフィルター部分を備える二つの単一のエアロゾル形成物品を解放する。二重長さのフィルター部分を両方の基体部分に接続する時に、製造欠陥が生じる場合がある。製造欠陥をチェックする方法は、基体部分へのフィルター部分の取り付け中に生じる場合がある何らかの製造欠陥を検出するために特に適している場合がある。
【0018】
閾値は、製造中に依然として許容可能である製造欠陥を有しないエアロゾル発生物品の表面プロファイルからの、特定のエアロゾル発生物品の表面プロファイルの最大偏差であってもよい。このエアロゾル発生物品の組み合わせられた3次元表面プロファイルにおける最大高差は、最大高差を有するこの組み合わせられた3次元表面プロファイルの2次元表面プロファイルを選択することによって決定されてもよい。それ故に、最大高差は、各プロファイルに対して計算されたすべての最大高差の最大値として計算されることができる。製造欠陥をチェックする方法に供されたあらゆるエアロゾル形成物品は、その3次元表面プロファイルの最大高差が閾値以下である場合、欠陥がないとして許容されてもよい。その3次元表面プロファイルの最大高差が閾値を上回る場合、エアロゾル発生物品は欠陥を含むとして拒絶される場合がある。
【0019】
閾値は、0.4~0.6ミリメートル、好ましくは0.48~0.52ミリメートルであってもよい。
【0020】
3次元表面プロファイルを記録することによって検出される場合がある製造欠陥は、破れ、スリット、穴、しわ、破損、基体部分に対するフィルター部分の接着不良、およびフィルター部分と基体部分の間の露出した接続から成る群から選択される。
【0021】
これらの製造欠陥は、本発明による方法によって簡単に検出されることができる、エアロゾル発生物品の3次元表面プロファイルの変化をもたらす。
【0022】
製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックする方法は、正確かつ迅速であってもよい。方法は、エアロゾル発生物品の製造プロセスの一部であってもよく、また製造プロセス中にインラインプロセス制御として実装されてもよい。
【0023】
製造欠陥をチェックする方法は、エアロゾル発生物品を回転させている間に、エアロゾル発生物品の表面の2次元視覚的画像または強度線を記録する工程をさらに含んでもよい。異なる回転角度にて記録された幾つかの2次元表面視覚的画像または幾つかの強度線を組み合わせて、組み合わせられた2次元視覚的表面画像を得てもよい。組み合わせられた視覚的表面プロファイルは、画像相関を介して、欠陥のないエアロゾル発生物品の、欠陥のない組み合わせられた視覚的画像と比較されてもよい。その組み合わせられた視覚的表面プロファイルが、欠陥のない視覚的画像と適合しない場合、エアロゾル発生物品は拒絶されてもよい。
【0024】
組み合わせられた2次元視覚的表面画像を得るために、幾つかの2次元表面視覚的画像は組み合わせられてもよい。別の方法として、幾つかの強度線、具体的にグレースケール強度線は、一つの組み合わせられた2次元視覚的表面グレースケール画像に組み合わせられてもよい。強度線、具体的にグレースケール強度線の記録は、2次元リニアカメラで行われてもよい。
【0025】
エアロゾル発生物品の表面の幾つかの2次元視覚的画像または幾つかの強度線を記録することは、幾つかの2次元表面プロファイルの記録を採用して、簡単に検出されない製造欠陥の検出を可能にする場合がある。
【0026】
少なくとも一つの第一の視覚的マーカーは、エアロゾル発生物品の表面上に存在してもよい。エアロゾル発生物品の表面上の第一の視覚的マーカーの位置は、組み合わせられた2次元視覚的表面画像を使用して決定されてもよい。少なくとも一つの第一の視覚的マーカーは、少なくとも一つの線を備えてもよい。少なくとも一つの第一の視覚的マーカーは、エアロゾル発生物品の周囲の周りに延びる一つの線であってもよい。一つの線である少なくとも一つの第一の視覚的マーカーは、チッピングペーパー上に位置してもよい。この少なくとも一つの第一の視覚的マーカーは、基体部分およびフィルター部分に対するチッピングペーパーの位置を示してもよい。
【0027】
さらに、一組の平行な線は、一組の第二の視覚的マーカーとして存在してもよい。この一組の平行線は、チッピングペーパー上に位置してもよい。少なくとも二組の平行線が存在してもよい。これらの少なくとも二組の平行線は、チッピングペーパーの異なる位置に位置してもよい。チッピングペーパーがエアロゾル発生物品の周りに巻かれている時に、これらの少なくとも二組の平行線は、物品の周囲の異なる位置に位置してもよい。これらの少なくとも二組の平行線は、基体部分に対するエアロゾル発生物品の周囲の周りのチッピングペーパーの位置を検出することを可能にする場合がある。
【0028】
これらのすべての視覚的マーカーは、幾つかの2次元視覚的画像または幾つかの強度線のいずれかを記録する、かつこれらの2次元表面視覚的画像または幾つかの強度線を、エアロゾル発生物品の組み合わせられた2次元視覚的表面画像に組み合わせる上述の方法を採用して検出されてもよい。視覚的マーカーはまた、例えば商標など、エアロゾル発生物品のブランドを表示するマーカーを含んでもよい。視覚的マーカーはまた、エアロゾル発生物品の基体部分を上包みするラッピングペーパー上に位置してもよい。
【0029】
これらの視覚的マーカーは、フィルター部分を基体部分に取り付ける時に、エアロゾル発生物品に対するチッピングペーパーの何らかの位置ずれを検出するために適切である場合がある。これらの視覚的マーカーはまた、フィルター部分またはそのラッピングペーパーに対する基体部分の何らかの変位を検出するために適切である場合がある。これらの視覚的マーカーはまた、基体部分のラッピングペーパーのしわまたは上包みの不良を検出するために適している場合がある。
【0030】
エアロゾル発生物品の表面の視覚的画像または強度線を記録することによって検出される場合がある製造欠陥は、汚れ、基体部分に対するチッピングペーパーの変位、異なるブランドのエアロゾル発生物品の混合、およびチッピングペーパーの折れから成る群から選択されてもよい。
【0031】
エアロゾル発生物品の表面の2次元視覚的画像を記録することは、製造欠陥の検出を可能にする場合があり、この製造欠陥はそうでなければ、幾つかの2次元表面プロファイルを記録することによって検出されることができない、または検出することが困難である。
【0032】
視覚的マーカーの位置もしくは外観、または上述の製造欠陥のうちのいずれかの何らかの変化は、画像相関を介して検出される場合がある。実際に記録された組み合わせられた2次元視覚的表面画像は、欠陥のないエアロゾル発生物品の基準2次元視覚的表面画像に対する画像相関を介して比較されてもよい。同様に、エアロゾル発生物品の周囲の周りに延びる一つの連続的な線の位置、または平行線の組の位置および外観は、画像相関を介して基準画像と比較されてもよい。
【0033】
幾つかの2次元表面視覚的画像または幾つかの強度線のいずれかの記録中に、エアロゾル発生物品は360度回転されてもよい。これは、幾つかの2次元表面視覚的画像または幾つかの強度線を、エアロゾル発生物品の全表面を覆う組み合わせられた360度の2次元視覚的表面画像に組み合わせることを可能にする場合がある。
【0034】
複数の2次元表面視覚的画像は、エアロゾル発生装置の等距離回転角度にて記録されてもよい。30個~550個の、好ましくは少なくとも200個の2次元視覚的表面画像が記録されてもよく、また一つの組み合わせられた2次元視覚的表面画像と組み合わせられてもよい。
【0035】
幾つかの2次元表面プロファイルおよび幾つかの2次元視覚的表面画像または幾つかの強度線は、同時に記録されてもよい。これは、多種多様な異なる製造欠陥を検出するために、3次元表面プロファイルおよび組み合わせられた2次元視覚的表面画像を同時に得ることを可能にする場合がある。
【0036】
エアロゾル発生物品の幾つかの2次元表面プロファイルまたは幾つかの強度線のいずれかを記録するために構成されている表面プロファイルセンサーを採用してもよい。類似的に、エアロゾル発生物品の表面の幾つかの2次元視覚的画像を記録するために構成されている視覚的画像化センサーが採用されてもよい。表面プロファイルセンサーおよび視覚的画像化センサーのうちの一方または両方は、レーザーセンサーであってもよい。
【0037】
本発明の方法の別の実施形態によると、別個の2次元レーザーセンサーおよび別個の3次元レーザーセンサーが存在してもよい。2次元レーザーセンサーは、幾つかの2次元表面視覚的画像または幾つかの強度線のいずれかを記録するように構成されてもよく、また3次元レーザーセンサーは、3次元表面プロファイルに組み合わせられる幾つかの2次元表面視覚的画像を記録するように構成されてもよい。
【0038】
2次元レーザーセンサーおよび別個の3次元レーザーセンサーは、異なる位置に位置してもよく、例えば一つのセンサーはエアロゾル発生物品の下方に、一つのセンサーは物品の上方に位置してもよい。
【0039】
表面プロファイルセンサーと視覚的画像化センサーの両方は、一つの単一のセンサーヘッド内に一体化されていることが好ましい。単一のセンサーヘッドは、ラインレーザーセンサーヘッドであることが好ましい。
【0040】
レーザーセンサーヘッドは、
-幾つかの2次元表面プロファイル、または
-幾つかの2次元表面視覚的画像もしくは幾つかの強度線のいずれか、のうちの一方または両方を記録するために採用されてもよい。
【0041】
このレーザーセンサーヘッドは、表面プロファイルと表面視覚的画像の両方の迅速かつ正確な記録を可能にする場合がある。ラインレーザーセンサーヘッドが採用されてもよい。ラインレーザーセンサーヘッドは、レーザービームを発生するためのレーザー光源と、レーザービームをレーザーラインとして投影するための光学装置とを備えてもよい。従って、ラインレーザーは、一つの単一のスキャン動作中に、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分にわたる、好ましくは全長にわたる、2次元表面プロファイル、または2次元視覚的表面画像もしくは幾つかの強度線のいずれかのうちの一方または両方の記録を可能にする場合がある。
【0042】
エアロゾル発生物品の幾つかの2次元表面プロファイルおよび幾つかの2次元表面視覚的画像のうちの一方または両方を記録するために、一つの単一のレーザーセンサーヘッド、好ましくは単一のラインレーザーセンサーヘッドを使用してもよい。幾つかの2次元表面プロファイルと、幾つかの2次元表面視覚的画像または幾つかの強度線のいずれかとは、好ましくは同時に記録されてもよい。
【0043】
これは、3次元表面プロファイルと、組み合わせられた2次元視覚的表面画像との両方の同時の迅速かつ正確な検出を可能にする場合がある。両方の検出方法の組み合わせは、エアロゾル発生物品の様々な異なる製造欠陥を検出することを可能にする場合があり、この製造欠陥はそうでなければ、エアロゾル発生物品の製造プロセス中に同時にモニターすることが困難である場合がある。
【0044】
レーザーセンサーヘッドは、レーザープロファイラであってもよい。レーザープロファイラは、レーザー光源と面スキャン高速センサーの組み合わせを備える。これは、一つの装置における、レーザービームの放射と、エアロゾル発生物品の表面から反射されたレーザービームの検出とを可能にする。上述の通り、レーザープロファイラは、ラインレーザーを備えてもよい。これは、一つのスキャン工程において、エアロゾル発生物品の表面の大部分の表面プロファイルおよび表面視覚的画像の記録を可能にする場合がある。レーザープロファイラは、2D/3Dレーザープロファイラであってもよい。こうした2D/3Dレーザープロファイラは、2次元レーザースキャナまたはリニアセンサーカメラおよび3次元レーザースキャナを備えてもよい。2次元レーザースキャナまたはリニアセンサーカメラは、幾つかの2次元表面視覚的画像または幾つかの強度線のいずれかを記録するように、およびそれらをエアロゾル発生物品の組み合わせられた2次元視覚的表面画像に組み合わせるように構成されてもよい。2次元レーザースキャナまたはリニアセンサーカメラは、グレースケールもしくはRGBリニアセンサーカメラまたは面スキャンセンサーカメラを含んでもよい。3次元レーザースキャナは、エアロゾル発生物品の幾つかの2次元表面プロファイルを記録するように、およびそれらを3次元表面プロファイルに組み合わせるように構成されてもよい。3次元レーザースキャナは、エアロゾル発生物品の異なる回転角度に対応する様々な異なる2次元表面プロファイルを記録してもよい。これは、3次元空間内での異なる記録されたデータの収集、いわゆる「3Dポイントクラウド取得」を可能にする場合がある。
【0045】
エアロゾル発生物品は、16000~1200の速度で、好ましくは15000~2400の速度で、より好ましくは15000~10000回転毎分(rpm)で回転されてもよい。
【0046】
こうした速度範囲は、製造欠陥をチェックする方法をインラインプロセス制御としてエアロゾル発生物品の製造プロセスへと一体化するために十分である場合がある。
【0047】
エアロゾル発生物品は、
-二つの回転ドラム、
-一つの回転ドラムおよび一つの静止部、または
-一つの移動ベルトおよび一つの静止部、のいずれかの間で回転されてもよい。
【0048】
これらの構成のうちのいずれかは、幾つかの2次元表面プロファイルまたは幾つかの2次元表面視覚的画像のうちの一方または両方を記録している間に、エアロゾル発生物品を回転させるために適切である場合がある。
【0049】
二つの回転ドラムを採用することは、幾つかの2次元表面プロファイルまたは幾つかの2次元表面視覚的画像のうちの一方または両方の記録中に、エアロゾル発生物品を回転させる好ましいやり方である。二つのドラムは反対方向に回転されてもよい。二つの回転ドラムを採用することは、レーザーセンサーを静止位置にし、それにもかかわらず回転に起因して、エアロゾル発生物品の表面の大部分または好ましくは全表面の画像を記録することを可能にする場合がある。回転ドラムのうちの一つは、真空ドラムであってもよい。この真空ドラムは、真空ドラムを回転させている間に、エアロゾル発生物品を適所に保つことができる真空を発生するための真空穴を備えてもよい。真空ドラムは、ドラムの周囲の周りに配設されている、異なる組の真空穴を備えてもよい。第一の回転真空ドラムは、他の第二の回転ドラムよりも大きい直径を有してもよい。真空ドラムは、評価されるべきエアロゾル発生物品を適所に保持し、エアロゾル発生物品がもう一方のドラムに到達するまで、生産プロセス中にエアロゾル発生物品を回転させてもよい。もう一方のドラムに到達すると、エアロゾル発生物品は真空穴から外れてもよく、真空ドラムともう一方のドラムの間で回転されてもよい。回転中に、レーザーセンサーは、幾つかの表面プロファイルまたは幾つかの強度線のいずれか、または幾つかの2次元表面視覚的画像のうちの一方または両方を記録してもよい。ドラムの次の組の真空穴が、さらなる搬送のためにエアロゾル発生物品を再び取り上げる時に、エアロゾル発生物品はその後、真空ドラムによって生産ラインをさらに下って搬送され続けてもよい。
【0050】
別の方法として、エアロゾル発生物品は、一つの回転ドラムと一つの静止部の間で回転されてもよい。静止部は、エアロゾル発生物品のための生産ラインの一部であってもよい。静止部は、エアロゾル発生物品の検査を可能にするために、少なくとも部分的に透明であってもよく、または部分的に開放されていてもよい。回転ドラムは、真空穴に起因してエアロゾル発生物品を適所に保つ、かつエアロゾル発生物品を固定部品に搬送する真空ドラムであってもよい。エアロゾル発生物品が固定部に到達すると、ドラムの真空穴から切り離され、回転ドラムと固定部の間で回転を開始する。レーザーセンサーは静止していてもよい。レーザーセンサーは、物品の回転に起因して、エアロゾル発生物品の表面の一部または全表面をモニターすることができる場合がある。
【0051】
エアロゾル発生物品は、一つの移動ベルトと一つの固定部の間で回転されてもよい。ベルトは直線状であってもよく、または円形状であってもよい。静止部は、エアロゾル発生物品を生産するための生産ラインの一部であってもよい。静止部に対する移動ベルトの相対的な動きに起因して、エアロゾル発生物品は回転される。従って、この実施形態において、レーザーセンサーはまた、静止していてもよい。
【0052】
本発明の方法の別の実施形態によると、エアロゾル発生物品は、移動ベルトと生産ラインの固定部の間で搬送される。静止部は、ベルトと静止部の間に固定されたエアロゾル発生物品の検査を可能にするために、少なくとも部分的に透明であってもよく、または開放していてもよい。例えば、静止部は、エアロゾル発生物品を移動ベルトに固定するストラップであってもよい。この場合、レーザーセンサーは、画像を記録することができるように、回転移動または平行移動のうちの一方または両方を実施してもよい。
【0053】
回転可能であるように構成された鏡が存在してもよい。レーザーセンサーが静止していて、エアロゾル発生物品がレーザーセンサーに対して移動している場合、エアロゾル発生物品の画像をレーザーセンサーに投影するために、鏡は回転してもよい。回転する鏡は、レーザーセンサーがエアロゾル発生物品の表面の大部分またはすべてを記録することを可能にする場合がある。回転する鏡は、一つの回転ドラムおよび一つの固定部、または一つの移動ベルトおよび一つの固定部が採用される時に、特に有利である場合がある。
【0054】
本発明はまた、エアロゾル発生物品における製造欠陥の検出のために構成された検査装置を提供する。検査装置は、エアロゾル発生物品の幾つかの表面プロファイルを記録するために構成された表面プロファイルセンサーを備えてもよい。検査装置はまた、表面プロファイルの記録中にエアロゾル発生物品を回転させるために構成された回転手段を備えてもよい。表面プロファイルコントローラは、検査装置内に存在してもよく、表面プロファイルコントローラは、3次元表面プロファイルを得るために、異なる回転角度にて記録された幾つかの2次元表面プロファイルを処理するために構成されている。表面プロファイルコントローラは、3次元表面プロファイルの最大高差で計算するために構成されてもよい。
【0055】
本発明のさらなる一実施形態によると、エアロゾル発生物品における製造欠陥の検出のために構成された検査装置が提供されている。検査装置は、エアロゾル発生物品の幾つかの表面プロファイルを記録するために構成された表面プロファイルセンサーを備える。さらに、検査装置はまた、表面プロファイルの記録中にエアロゾル発生物品を回転させるために構成された回転手段を備える。表面プロファイルコントローラは、3次元表面プロファイルを得るために、異なる回転角度にて記録された幾つかの表面プロファイルを処理するために構成されていて、3次元表面プロファイルの最大高差を計算するためにも構成されている。
【0056】
こうした検査装置は、回転手段に起因して、エアロゾル発生物品の表面プロファイルをエアロゾル発生物品の異なる回転角度にて簡単に記録することができる。表面プロファイルコントローラは、3次元表面プロファイルを得るために、これらの表面プロファイルを処理する。
【0057】
表面プロファイルコントローラはさらに、回転手段を制御することができてもよい。これは、異なる回転角度にて幾つかの表面プロファイルの信頼性のある記録を可能にする場合がある。
【0058】
表面プロファイルコントローラはさらに、表面プロファイルセンサーを制御するように構成されてもよい。
【0059】
検査装置はさらに、エアロゾル発生物品を回転している間に、エアロゾル発生物品の表面の2次元視覚的画像を記録するために構成された視覚的画像化センサーを備えてもよい。検査装置はさらに、幾つかの2次元表面視覚的画像を異なる回転角度にて処理するために構成された視覚的画像化コントローラを備えてもよい。視覚的画像化コントローラは、組み合わせられた2次元視覚的表面画像を得るために、これらの幾つかの2次元表面視覚的画像を処理するように構成されてもよい。視覚的画像化コントローラはまた、画像相関を介して、組み合わせられた視覚的表面プロファイルを、欠陥のないエアロゾル発生物品の組み合わせられた欠陥のない視覚的画像と比較するように構成されてもよい。
【0060】
こうした検査装置は、3次元表面プロファイルと、追加的にエアロゾル発生物品の表面の視覚的画像とをモニターすることができる。好ましくは、検査装置は、エアロゾル発生物品の表面の幾つかの2次元視覚的画像または幾つかの強度線のいずれかと、幾つかの2次元表面プロファイルとを同時に記録するように構成されている。
【0061】
こうした検査装置は、表面プロファイリングを採用して、またはエアロゾル発生物品の表面の視覚的画像化によってのいずれかで検出されることができる様々な製造欠陥をチェックするように構成されてもよい。
【0062】
視覚的画像コントローラは、回転手段を制御することができてもよい。視覚的画像コントローラはさらに、視覚的画像化センサーを制御するように構成されてもよい。表面プロファイルコントローラおよび視覚的画像コントローラは、一つの制御ユニットへと一体化されていることが好ましい。
【0063】
従って、この制御ユニットは、幾つかの2次元表面視覚的画像と幾つかの2次元表面プロファイルとのうちの一方または両方を処理するように構成されてもよい。制御ユニットは、3次元表面プロファイルと、組み合わせられた2次元視覚的表面画像とのうちの一方または両方を得るために、幾つかの2次元表面視覚的画像と、幾つかの2次元表面プロファイルとのうちの一方または両方を組み合わせるように構成されてもよい。次いで、これらのデータは、3次元表面プロファイルを得るために、制御ユニットによって(例えば、ソフトウエアを使用することによって)処理されてもよい。制御ユニットはまた、視覚的画像コントローラと表面プロファイルセンサーの一方または両方を制御するように構成されてもよい。
【0064】
表面プロファイルセンサーおよび視覚的画像コントローラは両方とも、既に上述の通り、一つのセンサーヘッドへと一体化されてもよい。好ましくは、この単一のセンサーヘッドは、レーザーセンサーヘッド、より好ましくはラインレーザーセンサーヘッドである。レーザーセンサーヘッドは、上述の通り、2D/3Dレーザープロファイラであってもよい。制御ユニットは、2D/3Dレーザープロファイラを制御してもよい。
【0065】
2D/3Dレーザープロファイラの一つの例は、Keyenceによって市販されているLJ-V7000シリーズ高速2D/3Dレーザープロファイラである。2D/3Dレーザープロファイラの一つの特定の例は、Keyenceによって製造されているセンサーヘッドLJ-V7200Bである。2D/3Dレーザープロファイラの別の例は、Sickによって市販されている3DマシンビジョンRanger 3である。
【0066】
視覚的画像コントローラと表面プロファイルセンサー(具体的に2D/3Dレーザープロファイラ)の一方または両方を制御するように構成された制御ユニットに対する一つの例は、Keyenceによって市販されているXG-Xシリーズコントローラである。コントローラの一つの具体的な例は、LJ-V7000シリーズ高速2D/3Dレーザープロファイラのいずれかに接続されることができるCV-X/XG-Xコントローラである。
【0067】
回転手段は、
-二つの回転ドラム、
-一つの回転ドラムおよび一つの静止部、または
-一つの移動ベルトおよび一つの静止部、のいずれかを備えてもよい。
【0068】
回転手段のこれらの異なる実施形態は、視覚的画像化コントローラと表面プロファイルコントローラのうちの一方または両方によって制御されてもよい。表面プロファイルコントローラと視覚的画像化コントローラの両方を一体化する制御ユニットはまた、これらの回転手段を制御するように構成されていることが好ましい。
【0069】
こうした検査装置は、表面プロファイリングと視覚的画像化の両方を用いて検出されることができる多種多様な異なる製造欠陥の検出を提供するように構成されることになる。こうした検査装置はさらに、エアロゾル発生物品を回転する間の製造欠陥の検出の自動化されたシステムを提供するように構成されて、完全に一体化されることになる。
【0070】
本発明の別の目的は、検査システムを提供することである。検査システムは、本明細書に記載の通りの検査装置と、エアロゾル発生物品とを備える。エアロゾル発生物品は、上述の通りの様々な製造欠陥について検査されるべきである。
【0071】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
【0072】
エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、例えば製紙プロセスまたはキャスティングプロセスによって作製された均質化植物系材料(均質化したたばこを含む)を含んでもよい。
【0073】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度かつ安定したエアロゾルの形成を容易にし、またシステムの動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は、例えば多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)である。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)であってもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。
【0074】
エアロゾル発生物品は、物品に点火することと、エアロゾル形成基体を燃焼温度を上回って加熱することとによって、エアロゾルを発生してもよい。別の方法として、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体を燃焼温度を下回る温度に加熱することによって、エアロゾルを発生してもよい。こうしたエアロゾル発生物品は、「加熱非燃焼式製品」と呼ばれてもよい。
【0075】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0076】
実施例A:製造欠陥についてエアロゾル発生物品をチェックする方法であって、
-エアロゾル発生物品を回転させている間に、エアロゾル発生物品の幾つかの2次元表面プロファイルを記録することと、
-3次元表面プロファイルを得るために、異なる回転角度にて記録された幾つかの表面プロファイルを組み合わせることと、
-3次元表面プロファイルの最大高差を計算することと、
-その3次元表面プロファイルの最大高差が閾値を上回る場合、エアロゾル発生物品を拒絶することと、を含む、方法。
実施例B:3次元表面プロファイルが2次元平面上に投影されていて、好ましくは組み合わせられた幾つかの表面プロファイルの2次元投影が、等距離の回転角度にて記録された一連の2次元表面プロファイルを含む、実施例Aに記載の方法。
実施例C:エアロゾル発生物品が、中央長軸方向軸を備える管状形態で形作られていて、好ましくはエアロゾル発生物品が、その長軸方向軸に沿って回転され、かつエアロゾル発生物品の幾つかの2次元表面プロファイルが、等距離回転角度にて長軸方向軸に沿って記録され、より好ましくは2次元表面プロファイルが、長軸方向軸に沿ったエアロゾル発生物品の表面の2次元高さプロファイルである、実施例A~Bのいずれかに記載の方法。
実施例D:エアロゾル発生物品がフィルター部分および基体部分を備え、基体部分がエアロゾル形成基体を含み、さらにエアロゾル発生物品が、フィルター部分と、フィルター部分に隣接する基体部分の少なくとも一部とを上包みするチッピングペーパーを備える、実施例A~Cのいずれかに記載の方法。
実施例E:チッピングペーパーによって上包みされた少なくともフィルター部分と基体部分の一部との幾つかの2次元表面プロファイルが記録される、先行する実施例Dに記載の方法。
実施例F:最大高差に対する閾値が、3次元表面プロファイル内の最も低い点と最も高い点の間の最大距離であり、好ましくは閾値が0.44~0.52ミリメートル、好ましくは0.46~0.50ミリメートル、より好ましくは0.47~0.49ミリメートルである、実施例A~Eのいずれかに記載の方法。
実施例G:製造欠陥が、破れ、スリット、穴、しわ、破損、フィルター部分への基体部分の接着不良、およびフィルター部分と基体部分の間の露出した接続から成る群から選択される、実施例A~Fのいずれかに記載の方法。
実施例H:追加的に、
-エアロゾル発生物品を回転させている間に、エアロゾル発生物品の表面の2次元視覚的画像が記録され、
-組み合わせられた2次元視覚的表面画像を得るために、異なる回転角度にて記録された幾つかの2次元表面視覚的画像または強度線が組み合わせられ、
-組み合わせられた視覚的表面プロファイルが、画像相関を介して、欠陥のないエアロゾル発生物品の欠陥のない組み合わせられた視覚的画像と比較され、
-その組み合わせられた視覚的表面プロファイルが欠陥のない視覚的画像と適合しない場合、エアロゾル発生物品が拒絶される、実施例A~Gのいずれかに記載の方法。
実施例I:少なくとも一つの視覚的マーカーが、エアロゾル発生物品の表面上に存在し、かつエアロゾル発生物品の表面上の視覚的マーカーの位置が、組み合わせられた2次元視覚的表面画像を使用して決定され、好ましくは視覚的マーカーが少なくとも一つの線を含む、実施例A~Hに記載の方法。
実施例J:少なくとも一つの視覚的マーカーがチッピングペーパー上に存在し、かつエアロゾル発生物品の表面上の視覚的マーカーの位置が、基体部分に対するチッピングペーパーの位置を決定するために使用される、先行する実施例Iおよび実施例Dに記載の方法。
実施例K:製造欠陥が、汚れ、基体部分に対するチッピングペーパーの変位、異なるブランドのエアロゾル発生物品の混合、およびチッピングペーパーの折れから成る群から選択される、実施例H~実施例Jのいずれかに記載の方法。
実施例L:エアロゾル発生物品が360度回転され、かつ、
-360度の3次元表面プロファイル、または、
-360度の組み合わせられた2次元視覚的表面画像の一方または両方が得られる、実施例A~Kのいずれかに記載の方法。
実施例M:ラインレーザーセンサーが、
-幾つかの2次元表面プロファイル、または、
-幾つかの2次元表面視覚的画像の一方または両方を記録するために採用される、実施例A~Lのいずれかに記載の方法。
実施例N:一つの単一のラインレーザーセンサーが、エアロゾル発生物品の幾つかの表面プロファイルと、幾つかの2次元表面視覚的画像または強度線とのうちの一方または両方を記録するために採用され、好ましくは幾つかの表面プロファイルおよび幾つかの2次元表面視覚的画像が同時に記録される、先行する実施例Lに記載の方法。
実施例O:エアロゾル発生物品が、
-二つの回転ドラム、
-一つの回転ドラムおよび一つの静止部、
-一つの移動ベルトおよび一つの静止部、のいずれかの間で回転される、実施例A~Nのいずれかに記載の方法。
実施例P:二つの異なるセンサーが、幾つかの2次元表面視覚的画像および幾つかの表面プロファイルを記録するために採用される、実施例A~Oのいずれかに記載の方法。
実施例Q:エアロゾル発生物品における製造欠陥の検出のために構成された検査装置であって、
-エアロゾル発生物品の幾つかの2次元表面プロファイルを記録するために構成された表面プロファイルセンサーと、
-表面プロファイルの記録中にエアロゾル発生物品を回転させるために構成された回転手段と、
-3次元表面プロファイルを得るために、異なる回転角度にて記録された幾つかの2次元表面プロファイルを処理するために構成された、かつ3次元表面プロファイルの最大高差を計算するために構成された表面プロファイルコントローラと、を備える検査装置。
実施例R:
-エアロゾル発生物品を回転させている間に、エアロゾル発生物品の表面の幾つかの2次元視覚的画像または強度線を記録するために構成された視覚的画像化センサーと、
-組み合わせられた2次元視覚的表面画像を得るために、幾つかの2次元表面視覚的画像または強度線を異なる回転角度にて処理するように構成された、かつ組み合わせられた視覚的表面プロファイルを、画像相関を介して欠陥のないエアロゾル発生物品の組み合わせられた欠陥のない視覚的画像と比較するために構成された視覚的画像化コントローラと、をさらに備える、先行する実施例Qに記載の検査装置。
実施例S:視覚的画像化センサーおよび表面プロファイルセンサーが、一つの単一のセンサーヘッド内に一体化されていて、好ましくはセンサーヘッドがラインレーザーセンサーヘッドである、先行する実施例Rに記載の検査装置。
実施例T:表面プロファイルコントローラおよび視覚的画像化コントローラが、一つの単一の制御ユニットへと一体化されている、先行する実施例Q~Sに記載の検査装置。
実施例U:回転手段が、
-二つの回転ドラム、
-一つの回転ドラムおよび一つの静止部、
-一つの移動ベルトおよび一つの静止部、のいずれかを備える、先行する実施例Q~Tに記載の検査装置。
実施例V:先行する実施例Q~Uに記載の検査装置と、エアロゾル発生物品とを備える検査システム。
【0077】
一つの実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0078】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【
図1】
図1は、本発明の一つの実施形態による検査装置および検査システムの概略斜視図を示す。
【
図2】
図2は、第一の回転ドラムとストラップの間のエアロゾル発生物品を検査する2D/3Dレーザープロファイラの概略図を示す。
【
図3A-3B】
図3Aおよび
図3Bは、二つの回転ドラムの間で回転するエアロゾル発生物品をスキャンする2D/3Dレーザープロファイラの断面図を示す。
【
図4】
図4は、移動ベルトとストラップの間で回転するエアロゾル発生物品を検査する、移動する2D/3Dプロファイラを示す別の概略斜視図を図示する。
【
図5A-5B】
図5Aおよび
図5Bは、フィルター部分を介して接続された二つのエアロゾル発生物品を含有する、欠陥のない二重スティックの写真、およびその二重スティックの一つの単一の2次元表面プロファイルをそれぞれ示す。
【
図6A-6B】
図6Aおよび
図6Bは、製造欠陥を含む二つのエアロゾル発生物品を含有する二重スティックの写真、およびその二重スティックの一つの単一の2次元表面プロファイルをそれぞれ示す。
【
図7】
図7は、2次元平面上に投影された製造欠陥を含むエアロゾル発生物品の3次元表面プロファイルを示す。
【
図8A-8B】
図8Aおよび
図8Bは、製造欠陥を有する二つの異なるエアロゾル発生粒子の二つの異なる組み合わせられた2次元視覚的表面画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
以下において、同じ要素は、すべての図を通して、同じ参照符号で記されている。
【0081】
図1は、本発明の一つの実施形態による、エアロゾル発生物品内の製造欠陥の検出のために構成された検査装置および検査システムを図示する。検査装置は、エアロゾル発生物品の製造プロセス中の、いわゆる「インライン品質検査」として採用されることが好ましい。検査装置は、レーザーセンサー12(とりわけ、一つのセンサーヘッドに一体化されたレーザー12Aおよびセンサー12Bを含む2D/3Dレーザープロファイラ)を備える。2D/3Dレーザープロファイラは、エアロゾル発生物品10の表面を、または二つのエアロゾル発生物品(これらは両側で基体部分に接続された二重フィルター部分によって接続されている)を含有する、いわゆる「二重スティック」2×10の表面をスキャンする。以下において、「エアロゾル発生物品」10を参照する時に、別段の記載がない場合、これは同様に「二重スティック」2×10を含むことを意味する。2D/3Dレーザープロファイラは、エアロゾル発生物品または二重スティックの幾つかの2次元表面プロファイルおよび幾つかの2次元表面視覚的画像を同時に記録するように構成されてもよい。エアロゾル発生物品は、回転手段である第一の回転ドラム14と第二の回転ドラム16との間で回転される。第一の回転ドラムは矢印14Aによって示された方向に回転し、第二の回転ドラム16は矢印16Aによって示された反対方向に回転する。これは、2D/3Dレーザープロファイラが、エアロゾル発生物品10の表面の大部分を、好ましくは物品が360度回転する場合にエアロゾル発生物品の全表面をスキャンすることを可能にする。スキャンプロセス中に、2D/3Dレーザープロファイラは静止の状態に保たれる。第一の回転ドラム14は突出部14Bを含み、これはエアロゾル発生物品10を、さらに製造プロセスを通して搬送することができる。当初、エアロゾル発生物品10は、真空穴14Cを介して第一の回転ドラム14上の適所に保たれている。真空穴14Cによって保持されたエアロゾル発生物品が第二の回転ドラム16に到達すると、物品は回転を開始し、2D/3Dレーザープロファイラによる物品の検査が開始される。エアロゾル発生物品の検査は、第一の回転ドラム14の次の突出部14Bが、エアロゾル発生物品10を第二の回転ドラム16から押し離した時に、終了する。それ故に、エアロゾル発生物品10は、第一の回転ドラム14の隣接する突出部14Bの間で、第一の回転ドラムと第二の回転の間で回転される。第一の回転ドラム14および第二の回転ドラム16と、2D/3Dレーザープロファイラとは、通信接続22を介して制御ユニット18に接続されている。制御ユニット18は、幾つかの2次元表面視覚的画像または幾つかの強度線のいずれかと、幾つかの2次元表面プロファイルとのうちの一方または両方を処理するように構成されている。具体的に、制御ユニット18は、組み合わせられた次元の視覚的表面画像を得るために、幾つかの2次元表面視覚的画像または幾つかの強度線のいずれかを組み合わせるように構成されてもよい。同様に、制御ユニット18は、3次元表面プロファイルを得るために、幾つかの2次元表面プロファイルを組み合わせるように構成されてもよい。通信接続22を介して制御ユニット18に接続されたワークステーション20が存在する。ワークステーション20は、ユーザーが検査装置を取り扱うことを可能にする。こうした検査装置は、製造プロセス中に、製造されたエアロゾル発生物品のインライン検査を提供するように構成されている。このインライン検査は、様々な異なる製造欠陥の検出を可能にし、これは、好ましくは視覚的画像化または表面プロファイリングのいずれかによって検出されることができる。従って、この検査装置は、自動化されたやり方で本発明の製造欠陥をチェックする方法をユーザーが実行することを可能にする。
【0082】
図2は、二つの回転ドラムの代わりに、
図1の検査装置の中に一体化されてもよい、検査装置のための回転手段の別の実施形態を図示する。この実施形態において、回転手段は、第一の回転ドラム14と、エアロゾル発生物品10を回転ドラムに固定するストラップ24とを含む。この場合、レーザー12Aおよびセンサー12Bを含む2D/3Dレーザープロファイラ12は、エアロゾル発生物品の表面の異なる部分を検査するために、第一のドラムと一緒に移動しなければならない。
【0083】
図3Aは、回転手段として反対方向に回転する、二つの回転ドラム14および16を、断面図で図示する。
図3Bは、二つの回転ドラム14および16を用いてエアロゾル発生物品10を搬送する、異なる後続の工程の断面図を示す。「a)」で表示される第一の工程において、第一の回転ドラム14の真空穴によって適所に保持されているエアロゾル発生物品10は、ドラム14とドラム16の間に捕らえられ、回転を開始する(真空穴は
図3Bに示されていない)。回転中に、2D/3Dレーザープロファイラは、「b)」で表示される第二の工程に示す通り、エアロゾル発生物品の表面をスキャンする(レーザープロファイラのビーム12Aおよび12Bのみを示す)。「c)」で表示される最終的な工程において、第一の回転ドラム14の次の突出部14Bは、製造プロセスを通してさらに搬送するために、エアロゾル発生物品10を取り上げ、それによってエアロゾル発生物品の検査を終了する。
【0084】
図4は、
図1に示す検査装置の中に組み込まれることができる回転手段の別の実施形態の斜視概略図を図示する。この場合、エアロゾル発生物品10は、移動ベルト26とストラップ24の間に固定されている。ストラップ24は装置の静止部であるため、エアロゾル発生物品10は、静止ストラップ24と移動ベルト26の間で回転を開始し、同時に矢印15によって示された方向に移動する(エアロゾル発生物品の回転平行移動)。エアロゾル発生物品の表面のすべてまたは大部分をスキャンするために、2D/3Dプロファイラ12は、矢印15によって示されたエアロゾル発生物品の平行移動に追従しなければならない。
【0085】
図5Aは、チッピングペーパーによって一つの二重フィルター部分10Aに接続されている、二つの基体部分10Bを含む二重スティック2×10の写真を示す。
図5Aの破線は、二つの単一のエアロゾル発生物品10を生産するために、二重スティックを切断するための切断線を示す。この場合、二重スティックは、いかなる製造欠陥も包含しない。二重スティックの周囲の周りに延びる線である、一つの連続的な第一の視覚的マーカー10Cが、二重スティック上に存在する。さらに、一組の第二の視覚的マーカー10Dが、二重スティックのチッピングペーパー上に存在する。二重フィルター部分10Aを両方の基体部分10Bに接続する時に、チッピングペーパーの正しい位置をモニターするために、第一の視覚的マーカーおよび第二の視覚的マーカーの組を使用することができる。
【0086】
図5Bは、
図5Aに示す二重スティックの一つの単一の2次元表面プロファイルを示す。この二重スティックには欠陥が存在しないため、2次元表面プロファイルは平らであり、また閾値レベルを上回るいかなる大きい突出部も示さない。
【0087】
図6Aは、製造欠陥30を含む別の二重スティック2×10の写真を示す。具体的に、チッピングペーパーは、二重スティックから剥離されていて、二重スティックから突出する。
【0088】
図6Bは、製造欠陥30が存在する領域内の、
図6Aに示す二重スティックの単一の2次元表面プロファイル28を示す。製造欠陥の突出部30は、2次元表面プロファイル28で明瞭に見える。従って、2次元表面プロファイルを記録し、それらを3次元表面プロファイルに組み合わせることは、二重スティックの表面プロファイルの変化を伴う製造欠陥を検出するために特に適している。
【0089】
図7は、3次元表面プロファイルの2次元投影32を示す。幾つかの2次元表面プロファイル28は、一つがもう一方の上に整列されている。隣接する表面プロファイル28は、等距離の回転角度である、いわゆる「ステップサイズ」34によって分離されている。一つの単一の2次元表面プロファイル28は、
図7の単一の明るい線によって示されている。明瞭化のために、わずかな数の明るい線に参照番号28が記されている。製造欠陥30は、3次元表面プロファイル32で明瞭に見える。
【0090】
図8Aおよび
図8Bは、製造欠陥を有する二重スティックの異なる組み合わせられた2次元視覚的表面画像を示す。こうしたグレースケール表面画像は、エアロゾル発生物品の異なる回転角度にて記録された、様々な異なるグレースケール強度線を組み合わせることによって得ることができる。
図8Aにおいて、第二の視覚的マーカー10Dの組は、真っ直ぐではなく、38で表示された円内に示す通り波状であり、これはおそらく、この領域におけるチッピングペーパーの位置ずれに起因する。
図8Bにおいて、汚れ40が製造欠陥として存在する。両方の場合において、二重スティックの視覚的画像化は、両方の製造欠陥を検出することがよくできる。
【国際調査報告】