(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】超音波外科手術機器及びその加工組立方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/32 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
A61B17/32 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562837
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 CN2022087173
(87)【国際公開番号】W WO2022218422
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】202110409157.X
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523104845
【氏名又は名称】上海逸思医療科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】聶紅林
(72)【発明者】
【氏名】廖夢輝
(72)【発明者】
【氏名】楊光
(72)【発明者】
【氏名】張永春
(72)【発明者】
【氏名】唐傳剛
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ12
4C160JJ43
4C160JJ46
4C160MM32
4C160NN08
4C160NN09
4C160NN23
(57)【要約】
超音波エネルギを伝達するための超音波メスホルダ(1)と、超音波メスホルダ(1)の外側に同軸に取り付けられたスリーブアセンブリ(2)とを含み、スリーブアセンブリ(2)の遠端にクランプ(3)が設けられ、近端にハンドル部(4)が設けられる、スリーブアセンブリ(2)の組立が容易である超音波手術機器を提供する。スリーブアセンブリ(2)は、一体型構造であり、接続機構を介して前記ハンドル部(4)に接続される。この一体型スリーブアセンブリは、組立工数を減少させ、取り付け構造を簡素化し、複雑な構造を減少させ、全体的に機器の製造コストを低減させ、患者の負担を軽減することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メスホルダと、クランプと、スリーブアセンブリと、ハンドル部とを含む超音波手術機器であって、
前記メスホルダは、超音波エネルギを伝達するための超音波メスホルダであり、前記スリーブアセンブリは、前記メスホルダと同軸に配置され、前記クランプは、前記スリーブアセンブリの遠端部分に設けられ、前記ハンドル部は、前記スリーブアセンブリの近端部分に設けられ、
前記スリーブアセンブリは、外側スリーブアセンブリと、内側スリーブアセンブリと、ノブ外輪とを含み、前記外側スリーブアセンブリ及び前記内側スリーブアセンブリとは、いずれも一体型構造であり、前記スリーブアセンブリは、前記ハンドル部に回転可能に接続され、
前記ノブ外輪は、前記外側スリーブアセンブリの外側に同軸に取り付けられ、かつ前記ノブ外輪と前記外側スリーブアセンブリとは、相対的に回転することができないことを特徴とする、超音波手術機器。
【請求項2】
前記外側スリーブアセンブリと前記ハンドル部との回転接続は、取り外し不可能でありかつ軸方向における移動を制限するものであることを特徴とする、請求項1に記載の超音波手術機器。
【請求項3】
前記スリーブアセンブリにおける前記ハンドル部との同軸回転する接続構造は、外側スリーブアセンブリ上、又はノブ外輪上に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の超音波手術機器。
【請求項4】
前記外側スリーブアセンブリには、軸方向に沿って回り止めボスが設けられ、前記ノブ外輪には、回り止め溝が設けられ、前記回り止めボスは、前記回り止め溝に嵌合され、或いは
前記外側スリーブアセンブリには、軸方向に沿って回り止め溝が設けられ、前記ノブ外輪には、回り止めボスが設けられ、前記回り止めボスは、前記回り止め溝に嵌合されることを特徴とする、請求項1に記載の超音波手術機器。
【請求項5】
前記外側スリーブアセンブリ上には、軸方向に沿って第1抜け止めボスが設けられ、前記ノブ外輪上には、第2抜け止めボスが設けられ、前記外側スリーブアセンブリ上の第1抜け止めボスと、前記ノブ外輪上の第2抜け止めボスとが係合することによって、前記外側スリーブアセンブリと前記ノブ外輪とが組み立てられることを特徴とする、請求項1に記載の超音波手術機器。
【請求項6】
前記第1抜け止めボスは、1つ又は複数であり、
前記第1抜け止めボスは、好ましくは2つ設けられ、かつ2つの前記第1抜け止めボスは、円周上で対称に配置されることを特徴とする、請求項5に記載の超音波手術機器。
【請求項7】
前記ノブ外輪と前記外側スリーブアセンブリとは、前記ノブ外輪と前記外側スリーブアセンブリが相対的に回転できないように、しまり嵌め又は接着により組み立てられるが、これらに限定されないことを特徴とする、請求項1に記載の超音波手術機器。
【請求項8】
前記クランプと前記メスホルダの遠端は、挟持構造を構成し、前記外側スリーブアセンブリと前記内側スリーブアセンブリは、同軸に組み立てられ、前記内側スリーブアセンブリは、前記メスホルダと前記外側スリーブアセンブリとの間に位置し、前記ハンドル部の伝動アセンブリにより内側スリーブアセンブリを運動させることでクランプを開閉することでクランプとメスホルダの遠端を開いた状態又は閉じた状態とすることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の超音波手術機器。
【請求項9】
前記外側スリーブアセンブリは、外側スリーブ本体と、外側スリーブ基部とを含み、前記外側スリーブ本体と、前記外側スリーブ基部とは、共射出一体成形プロセス、接着プロセス又は溶接プロセスにより組み立てられて一体化されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の超音波手術機器。
【請求項10】
前記内側スリーブアセンブリは、内側スリーブ本体と、内側スリーブ基部とを含み、前記内側スリーブ本体と、前記内側スリーブ基部とは、共射出一体成形プロセス、接着プロセス又は溶接プロセスにより組み立てられて一体化されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の超音波手術機器。
【請求項11】
超音波手術機器は、シールリングを含み、前記シールリングは、前記外側スリーブアセンブリと前記内側スリーブアセンブリとの間に位置し、前記シールリングは、好ましくは、前記外側スリーブアセンブリの外側スリーブ基部と、前記内側スリーブアセンブリの内側スリーブ基部との間に位置することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の超音波手術機器。
【請求項12】
超音波手術機器の加工組立方法であって、
前記超音波手術機器は、メスホルダと、クランプと、スリーブアセンブリと、ハンドル部とを含み、クランプとメスホルダの遠端とは、挟持構造を構成し、前記スリーブアセンブリは、外側スリーブアセンブリと、内側スリーブアセンブリと、ノブ外輪とを含み、前記加工組立方法は、
外側スリーブ本体と外側スリーブ基部とを共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立てて一体化した外側スリーブアセンブリを形成するステップと、
内側スリーブ本体と内側スリーブ基部とを共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立てて一体化した内側スリーブアセンブリを形成するステップと、
前記外側スリーブアセンブリと前記内側スリーブアセンブリとを同軸に取り付けてスリーブアセンブリを得るステップと、
スリーブアセンブリ、メスホルダ、クランプ及びハンドル部を組み立てて超音波手術機器を得るステップと、
を含み、
前記ノブ外輪と、前記スリーブアセンブリにおける外側スリーブアセンブリは、相対的に回転することができないことを特徴とする、超音波手術機器の加工組立方法。
【請求項13】
前記外側スリーブアセンブリと前記ハンドル部との回転接続は、取り外し不可能であり、かつ軸方向における移動を制限するものであり、前記スリーブアセンブリにおける前記ハンドル部と同軸回転する接続構造は、外側スリーブアセンブリ上、又はノブ外輪上に設けられることを特徴とする、請求項12に記載の超音波手術機器の加工組立方法。
【請求項14】
前記外側スリーブアセンブリ上には、軸方向に沿って回り止めボスが設けられ、前記ノブ外輪上には、回り止め溝が設けられ、前記加工組立方法は、前記外側スリーブアセンブリの回り止めボスを前記ノブ外輪の回り止め溝に嵌合することを含むことを特徴とする、請求項12に記載の超音波手術機器の加工組立方法。
【請求項15】
前記外側スリーブアセンブリ上には、軸方向に沿って第1抜け止めボスが設けられ、前記ノブ外輪上には、第2抜け止めボスが設けられ、前記加工組立方法は、前記外側スリーブアセンブリ上の第1抜け止めボスと、前記ノブ外輪上の第2抜け止めボスとを係合させることにより、前記外側スリーブアセンブリと前記ノブ外輪とを組み立てることを含むことを特徴とする、請求項12に記載の超音波手術機器の加工組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科医療機器分野に関し、外科手術機器に適用し、特に超音波手術機器及加工組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低侵襲手術の普及に伴って、超音波メスは既に通常の手術機器となっている。超音波メスは、超音波周波数発生器を使用してメスホルダを特定の超音波周波数で機械的に振動させ、組織内の水分子を蒸発させ、タンパク質の水素結合を切断し、細胞を破砕させることによって、組織を切断又は凝固させて、血管を閉じることができる。超音波メスは、側方への熱損傷を少なくしながら、組織の切断と止血を同時に行うことができる。臨床でこの機器を用いることにより、低温で出血量が少なく病変切除が可能で、組織の側方への熱損傷を最小限に抑えることができるため、超音波メスはますます人気が高まっている。
【0003】
超音波メスは主に、超音波周波数発生器、トランスデューサ、手術機器から構成される。そのうち、超音波発生器は発振電気信号を発し、トランスデューサは発振電気信号を機械振動に変換し、手術機器はトランスデューサの機械振動を利用して組織を切断し、止血する。手術機器は、通常、メスホルダ、メスホルダと挟持構造を構成するクランプ、メスホルダの外部を取り囲むスリーブアセンブリ、及びハンドル部から構成される。メスホルダは、トランスデューサの機械的振動をメスホルダに伝達する。メスホルダとクランプとは協働して組織を挟持して切断及び止血機能を実現する。スリーブアセンブリは、外側スリーブ及び内側スリーブから構成される。メスホルダは、内側スリーブの内部に位置する。スリーブアセンブリは、メスホルダを外部から隔離してメスホルダを保護及び支持する作用を果たすとともに、クランプと連接機構を構成してクランプを開閉することができる。ハンドル部は、医師が手で持つ部分であり、クランプの開閉を制御できるとともに、スイッチを有し、発振電気信号の出力を開始又は停止するように超音波周波数発生器を制御することができる。
【0004】
従来の超音波メスは、メスホルダアセンブリの構造が比較的複雑で、製造コストが高く、組立も不便であり、内/外側スリーブの組立にチューブ拡張、回転溝加工などのプロセスを使用する必要があることからコストが抑えられないとともに、内/外側スリーブの構造が複雑であるため、コストが高く、加工効率が低い。
【0005】
図9に示すように、従来の超音波メスの内側スリーブと外側スリーブとのシーリングは、一般的に張出溝構造を形成することにより実現されている。
図9に示される超音波メスは、外側スリーブアセンブリ21’と、内側スリーブアセンブリ22’と、ノブ外輪23’と、シールリング24’とを含む。ノブ外輪23’、外側スリーブアセンブリ21’及び内側スリーブアセンブリ22’は、外から内へ順に分布する構造を構成する。シールリング24’は、外側スリーブアセンブリ21’の外側スリーブ本体211’と内側スリーブアセンブリ22’の内側スリーブ本体221’との間に位置する。外側スリーブアセンブリ21’の外側スリーブ本体211’及び内側スリーブアセンブリ22’の内側スリーブ本体221’は、いずれも複雑な凹凸構造を有し、このような複雑な凹凸構造により内側スリーブと外側スリーブのシーリングを実現する。つまり、張出溝構造を形成してシーリングを実現するために、スリーブを特殊な構造に成形しなければならない。しかし、このようなスリーブは、構造が複雑で、加工プロセスが複雑であるため、コストが高い。
【0006】
そのため、当該技術分野では、従来技術に存在する上記欠陥の全部又は一部を解消又は少なくとも軽減できる超音波手術機器(超音波メス)が必要である。
【発明の概要】
【0007】
従来技術に存在する上記欠陥の少なくとも1つを解決するために、本発明は、再利用可能で組立が容易な超音波手術機器を提供する。この機器は、構造全体がより簡素化され、スリーブアセンブリのコストが大幅に低下する。
【0008】
また、本発明では、一体成形プロセスにより組立工数が減少する。一体成形プロセス(共射出)により得られた部品は、一体性が高いとともに、内外スリーブ間のシーリングは、スリーブの複雑な構成構造(例えば、張出溝構造)を設計する必要がなく実現することができ、スリーブ部分の張出溝構造は、省略又は簡素化できるため、超音波手術機器の全体的な性能が大幅に向上し、これによって、この超音波手術機器は、より精密な手術に適用することができる。
【0009】
本発明の一態様によれば、メスホルダと、クランプと、スリーブアセンブリと、ハンドル部とを含む超音波手術機器が提供される。クランプとメスホルダの遠端とは挟持構造を構成し、前記メスホルダは、超音波エネルギを伝達するための超音波メスホルダであり、前記スリーブアセンブリと前記メスホルダとは、同軸に配置され、前記クランプは、前記スリーブアセンブリの遠端部分に設けられ、前記ハンドル部は、前記スリーブアセンブリの近端部分に設けられる。前記スリーブアセンブリは、外側スリーブアセンブリと、スリーブアセンブリと、ノブ外輪とを含み、前記外側スリーブアセンブリ及び前記内側スリーブアセンブリは、いずれも一体型構造(一体式構造)であり、接続機構を介して前記ハンドル部に接続される。超音波手術機器は、ノブ外輪をさらに含み、前記ノブ外輪は、前記外側スリーブアセンブリの外側に同軸に取り付けられ、かつ前記ノブ外輪と前記外側スリーブアセンブリは、相対的に回転することができない。前記スリーブアセンブリは、前記ハンドル部に回転可能に接続される。前記外側スリーブアセンブリと前記ハンドル部との回転接続は、取り外し不可能でありかつ軸方向における移動を制限するものである。前記スリーブアセンブリにおける前記ハンドル部と同軸回転する接続構造は、外側スリーブアセンブリ上、又はノブ外輪上に設けられる。前記外側スリーブアセンブリ上には、軸方向に沿って回り止めボスが設けられ、前記ノブ外輪上には、回り止め溝が設けられ、前記回り止めボスは、前記回り止め溝に嵌合される。或いは、前記外側スリーブアセンブリ上には、軸方向に沿って回り止め溝が設けられ、前記ノブ外輪上には、回り止めボスが設けられ、前記回り止めボスは、回り止め溝に嵌合される。前記外側スリーブアセンブリ上には、軸方向に沿って第1抜け止めボスが設けられ、前記ノブ外輪上には、第2抜け止めボスが設けられ、前記外側スリーブアセンブリの第1抜け止めボスと、前記ノブ外輪の第2抜け止めボスとが係合することによって、前記外側スリーブアセンブリと前記ノブ外輪とが組み立てられる。前記ノブ外輪と、前記外側スリーブアセンブリとは、前記ノブ外輪と前記外側スリーブアセンブリが相対的に回転できないように、しまり嵌め又は接着により組み立てられるが、これらに限定されない。
【0010】
本発明の超音波手術機器は、一体型のスリーブアセンブリを使用し、かつスリーブアセンブリ内に張出構造が設けられていない(省略されている)ことによって、超音波手術機器の構造が簡単で、組立が容易で、コストが低減される。
【0011】
本発明の別の態様によれば、超音波手術機器の加工組立方法が提供される。超音波手術機器は、メスホルダと、クランプと、スリーブアセンブリと、ハンドル部とを含み、クランプとメスホルダの遠端とは、挟持構造を構成し、前記スリーブアセンブリは、外側スリーブアセンブリと、内側スリーブアセンブリとを含む。前記加工組立方法は、
外側スリーブ本体と外側スリーブ基体とを共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立てて一体化した外側スリーブアセンブリを形成するステップと、
内側スリーブ本体と内側スリーブ基体とを共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより一体化した内側スリーブアセンブリを形成するステップと、
前記外側スリーブアセンブリと前記内側スリーブアセンブリとを同時に取り付けてスリーブアセンブリを得るステップと、
スリーブアセンブリ、メスホルダ、クランプ、及びハンドル部を組み立てて超音波手術機器を得るステップと、
を含む。
【0012】
本発明の実施例で提供される超音波外科手術機器及び加工組立方法により、以下の有益な効果が得られる。
【0013】
前記外側スリーブアセンブリと前記内側スリーブアセンブリは、いずれも一体型構造であるため、内外スリーブ間の密封を、スリーブの複雑な構成構造を設計する必要がなく実現することができ、スリーブ部分の張出構造を、省略又は簡素化することができ、構造全体がより簡素化され、性能がより最適化される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書において説明する図面は、本発明の実施例をさらに理解するためのものであり、本発明の一部を構成する。本発明の模式的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明に対する不当な限定を行うものではない。
【0015】
【
図1】本発明の超音波手術機器の全体模式図である。
【
図2】本発明のスリーブアセンブリの分解図である。
【
図3】本発明のスリーブアセンブリの組立模式図である。
【
図5】本発明の外側スリーブアセンブリの模式図である。
【
図6】本発明の内側スリーブアセンブリの模式図である。
【
図7】本発明のスリーブアセンブリが所定の位置に取り付けられた模式図である。
【0016】
符号の説明
1メスホルダ;2スリーブアセンブリ;3クランプ;4ハンドル部;21外側スリーブアセンブリ;22内側スリーブアセンブリ;23ノブ外輪;24シールリング;25第1取付方向;26第2取付方向;211外側スリーブ本体;212外側スリーブ基体;213第1抜け止めボス;214回り止めボス;215接続構造;221内側スリーブ本体;222内側スリーブ基体;231第2抜け止めボス;232回り止め溝;21’外側スリーブアセンブリ;22’内側スリーブアセンブリ;23’ノブ外輪;24’シールリング;211’外側スリーブ本体;212’外側スリーブ基部。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術的手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の具体的な実施例及び対応する図面により本発明の技術的手段を明確で完全に説明する。明らかなように、以下の実施例は、本発明の実施例の一部だけであり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的努力なしで得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0018】
従来技術において、出願番号CN201220588716.4(公開番号CN202908803U)の中国出願には、ブレードとホルダとを含み、前記ブレードはブレード内管と、ブレード外管と、ブレード本体とを含み、前記ホルダはホルダ内管と、ホルダ外管と、ホルダ本体とを含み、前記ブレード、ホルダの内管、外管及び本体がそれぞれ着脱可能に一体に接続される、使い捨て超音波メスが開示されている。この考案に係る超音波メスのブレードは、一度しか使用できず、つまり、一度使用したら廃棄されるため、使用コストが高い。
【0019】
出願番号CN201921215696.4(公開番号CN211187447U)の中国出願には、ハサミ式一体型超音波メス及び手術機器が開示されている。このハサミ式一体型超音波メスは、超音波駆動ロッドとハサミ式ハンドルとを含む。超音波駆動ロッドは、メスホルダと超音波トランスデューサとを含む。ハサミ式ハンドルは、第1ハンドルと第2ハンドルとを含む。超音波駆動ロッドは、第1ハンドルに取り外し不可能に設けられる。超音波駆動ロッドは、位置規制構造を含む。位置規制構造は、第1ハンドルの内部に位置し、超音波駆動ロッドの移動を制限するためのものである。この考案に係る超音波メスは、同様に全体的に使い捨ての無菌機器であり、複数回使用することはできない。
【0020】
出願番号CN201810130712.3の中国出願には、再利用可能な超音波メスが開示されている。前記超音波メスは、ブレードと、ホルダアセンブリと、機能アセンブリとを含む。前記ブレード、前記ホルダアセンブリ及び前記機能アセンブリは、順に接続される。前記ホルダアセンブリは、ホルダと、内から外へ順にホルダに外嵌される内側スリーブ及び外側スリーブとを含む。前記内側スリーブは、クランプヘッド端内側スリーブ及び回転ハンドル端内側スリーブに分けられる。前記外側スリーブは、クランプヘッド端外側スリーブ及び回転ハンドル端外側スリーブに分けられる。前記クランプヘッド端内側スリーブと前記回転ハンドル端内側スリーブとは、L型係合構造により係合される。前記クランプヘッド端外側スリーブと前記回転ハンドル端外側スリーブとは、L型係合構造により係合される。
【0021】
出願番号CN201810871843.7(公開番号CN109009330A)の中国出願には、ケーシングと、ケーシングを貫通するホルダアセンブリ及びスリーブユニットと、スリーブユニットに可動接続されるトリガーアセンブリとを含み、ホルダアセンブリは、チップホルダユニットと、ハンドルユニットとを含み、スリーブユニットは、外側スリーブと、内側スリーブと、対向して設けられる2つの内側ケーシング及び外側ケーシングと、回転操作具と、固定装置とを含み、内側ケーシングと内側スリーブとの間には、軸方向位置規制装置が設けられ、固定装置は、外側スリーブと回転操作具との間に設けられ、ピン軸ユニットは、外側スリーブの第1ストリップ溝及び内側スリーブの第3ストリップ溝の中に位置する超音波メスが開示されている。
【0022】
出願番号CN201811114966.2(公開番号CN108969058A)の中国出願には、ケーシングと、ハンドルと、ホルダアセンブリと、ユニバーサルホイールと、移動機構とを含み、ホルダアセンブリは、ケーシングを貫通し、ハンドル部分は、ケーシングに位置してホルダアセンブリに接続され、ユニバーサルホイールは、ホルダアセンブリに外嵌され、ホルダアセンブリは、チップホルダと、内側スリーブと、外側スリーブとを含み、チップホルダは、内側スリーブを貫通し、外側スリーブは、内側スリーブの外部に外嵌され、チップホルダは、軸方向においてハンドルに固定され、径方向において軸ピンを介して外側スリーブに位置規制されるように接続され、移動機構は、ケーシング内に位置しかつ内側スリーブに接続され、ユニバーサルホイールの外側スリーブに向かう端には切り欠きが形成され、切り欠き内にはシリコンプラグが設けられ、接続部には、クリーニング用開口が形成され、シリコンプラグは、クリーニング用開口を密閉するものである再利用可能な超音波メスが開示されている。
【0023】
出願番号CN201910752035.3(公開番号CN110448357A)の中国出願には、再利用可能な超音波メスが開示されている。ハンドルアセンブリと、その遠端に延在して設けられ、かつ超音波機械エネルギを伝達するための超音波メスホルダとを含み、超音波メスホルダの外周には、スリーブアセンブリが設けられ、スリーブアセンブリは、クイック接続機構を介してハンドルアセンブリに着脱可能に接続される。
【0024】
従来の超音波メスにおいて、設計されるメスホルダアセンブリ構造は比較的複雑で、製造コストが高く、組立も不便であり、内/外側スリーブの組立にチューブ拡張、回転溝加工などのプロセスを使用する必要があることからコストが抑えられないとともに、内/外側スリーブの構造が複雑であるため、コストが高く、加工効率が低い。
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例で提供される技術的手段を詳しく説明する。
【0026】
特に断りのない限り、本明細書で使用される用語は、当該技術分野における様々な科学技術用語の一般的な意味、及び様々な専門用語辞典や教科書などで定義されている専門用語の意味と一致している。
【0027】
本明細書において、方向位置を説明する際に、一般には機器操作者を基準とし、機器操作者に相対的に近い位置は「近端」、機器操作者から相対的に遠い位置は「遠端」と呼ぶ。さらに、本明細書において、超音波メスの長手方向は、軸方向と呼ばれてもよい。
【0028】
図1は、本発明の一実施例に係る超音波手術機器を示す。この手術機器は、通常、メスホルダ1と、クランプ3と、スリーブアセンブリ2と、ハンドル部4とを含む。クランプ3とメスホルダ1の遠端とは、挟持構造を構成する。スリーブアセンブリ2は、メスホルダ1の外部を取り囲む。
【0029】
前記メスホルダ1は、超音波エネルギを伝達するための超音波メスホルダである。前記スリーブアセンブリ2は、前記メスホルダ1と同軸に配置される。前記クランプ3は、前記スリーブアセンブリ2の遠端部分に設けられる。前記ハンドル部4は、前記スリーブアセンブリ2の近端部分に設けられる。前記スリーブアセンブリ2は、一体型構造であり、接続機構を介して前記ハンドル部4に接続される。
【0030】
手術する際に、医師がハンドル部4を手で把持し、クランプ3の開閉を操作することができ、かつスイッチにより発振電気信号の出力を開始又は停止するように超音波周波数発生器を制御することができる。トランスデューサにより発振電気信号を機械的振動に変換する。前記メスホルダ1は、トランスデューサの機械的振動をメスホルダに伝達する。メスホルダとクランプ3とは協働して組織を挟持し、挟持される組織に対して超音波切断と止血を行う。
【0031】
スリーブアセンブリ2は、メスホルダ1を外部から隔離してメスホルダを保護する作用を奏するとともに、その遠端においてクランプ3とリンク機構を構成してクランプ3を開閉させる。
【0032】
図2は、本発明に係る超音波外科手術機器のスリーブアセンブリ2の分解図である。スリーブアセンブリ2は、外側スリーブアセンブリ21と、内側スリーブアセンブリ22と、ノブ外輪23とを含む。
【0033】
外側スリーブアセンブリ21、内側スリーブアセンブリ22、及びメスホルダ1は、同軸に設けられる。内側スリーブアセンブリ22は、外側スリーブアセンブリ21とメスホルダ1との間に位置し、即ち、外から内への構造順序は、外側スリーブアセンブリ21、内側スリーブアセンブリ22、メスホルダ1である。
【0034】
図3は、本発明に係る超音波外科手術機器のスリーブアセンブリ2の取り付け模式図である。超音波手術機器は、ノブ外輪23をさらに含む。内側スリーブアセンブリ22と、外側スリーブアセンブリ21は、同軸に取り付けられ、即ち、同図における第1取付方向25に沿って取り付けられる。内側スリーブアセンブリ22は、遠端から外側スリーブアセンブリ21の近端に挿入される。さらに、ノブ外輪23も外側スリーブアセンブリ21と同軸に取り付けられ、即ち、同図における第2取付方向26に沿って取り付けられる。具体的には、ノブ外輪23を遠端から外側スリーブアセンブリ21に外挿する。
【0035】
前記ノブ外輪23と前記外側スリーブアセンブリ21とは、相対的に回転することができない。
【0036】
好ましくは、前記外側スリーブアセンブリ2と前記ハンドル部4との回転接続は、取り外し不可であり、かつ軸方向における移動を制限するものである。
【0037】
外側スリーブアセンブリ21は、全体的に、外側スリーブ本体211と外側スリーブ基部212とを、共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立て得られる。内側スリーブアセンブリ22は、全体的に、内側スリーブ本体221と内側スリーブ基部222とを、共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立てて得られる。
【0038】
組み立てられたスリーブアセンブリ2をハンドル部4に取り付け、その後、ハンドル部4内の伝動アセンブリによりスリーブアセンブリ2の内側スリーブアセンブリ22を運動させ、内側スリーブアセンブリ22と外側スリーブアセンブリ21の相対運動によりクランプ3とメスホルダ1の開閉を実現する。
【0039】
ノブ外輪23の周方向回転により、スリーブアセンブリ2、メスホルダ1、クランプ3の回転させることが実現され、医師が適切な切断角度と止血角度を調整するのに便利である。
【0040】
好ましい実施例において、
図5に示すように、外側スリーブアセンブリ21は、外側スリーブ本体211及び外側スリーブ基部212から構成される。外側スリーブ本体211とスリーブ基部212は、一体型構造となるように設けられる。
【0041】
選択可能なプロセスとして、共射出成形技術により外側スリーブ本体211と外側スリーブ基部212とを一体成形する。共射出成形技術により形成された一体化構造は、接続に隙間がないため、一体性に優れ、使用に便利である。
【0042】
さらなる選択可能なプロセスとして、溶接又は接着により外側スリーブ本体211と外側スリーブ基部212を一体成形する。このように接続して形成された外側スリーブアセンブリ21は、同様に一体性に優れ、使用に便利であるという利点を有する。
【0043】
ノブ外輪23との組立を容易にするために、外側スリーブアセンブリ21には、第1抜け止めボス213及び回り止めボス214が設けられる。第1抜け止めボス213と回り止めボス214は、数が同じでも異なっていてもよい。第1抜け止めボス213及び回り止めボス214は、円周上にそれぞれ1つずつ配置されてもよく、又は、均等若しくは不均等に複数配置されてもよい。好ましくは、第1抜け止めボス213及び回り止めボス214は、いずれも2つずつ設けられ、2つの第1抜け止めボス213は、円周上で対称に配置され、2つの回り止めボス214は、円周上で対称に配置される。このようにすれば、向きを気にせず取り付けられるため、取り付けが容易である。
【0044】
これに対し、
図4に示すように、ノブ外輪23には、第2抜け止めボス231及び回り止め溝232が設けられる。第2抜け止めボス231と回り止め溝232は、数が同じでも異なっていてもよい。第2抜け止めボス231及び回り止め溝232は、円周上にそれぞれ1つずつ配置されてもよく、又は均等若しくは不均等に複数配置されてもよい。好ましくは、第2抜け止めボス231及び回り止め溝232は、いずれも2つずつ設けられ、2つの第2抜け止めボス231は、円周上で対称に配置され、2つの回り止め溝232は、円周上で対称に配置される。このようにすれば、向きを気にせず取り付けられるため、取り付けが容易である。
【0045】
ノブ外輪23と外側スリーブアセンブリ21を取り付ける際に、外側スリーブアセンブリ21上の回り止めボス214及び第1抜け止めボス213は、それぞれノブ外輪の回り止め溝232及び第2抜け止めボス231に入り込む。第1抜け止めボス213と第2抜け止めボス232が互いに係合する作用により、ノブ外輪23と外側スリーブアセンブリ21の相互位置が固定され、前記ノブ外輪23が遠端で前記外側スリーブアセンブリ21から脱落することができなくなる。回り止めボス214と回り止め溝232の嵌合によりノブ外輪23と外側スリーブアセンブリ21の間の相対的な回転が制限される。
【0046】
好ましくは、ノブ外輪23と外側スリーブアセンブリ21を取り付ける際に、外側スリーブアセンブリ21上の回り止めボス214が、ノブ外輪23の回り止め溝232内に入って取付位置が確定された後で、外側スリーブアセンブリ21上の第1抜け止めボス213が、ノブ外輪23の第2抜け止めボス231と係合し、第1抜け止めボス213と第2抜け止めボス232が互いに係合する作用により、ノブ外輪23と外側スリーブアセンブリ21との相互位置が固定される。
【0047】
好ましくは、前記回り止めボス214と前記回り止め溝232は、締りばめされるか、又は接着により固定される。
【0048】
好ましくは、前記スリーブアセンブリ2及びハンドル部4には、軸方向における移動を制限するための、同軸回転する接続構造215が設けられる。同軸回転する接続構造215は、外側スリーブ基部212においてハンドルに同軸接続されてもよい。同軸回転する接続構造215は、ノブ外輪23上においてハンドルに同軸接続されてもよい。
【0049】
好ましくは、前記同軸回転する接続構造215は、外側スリーブアセンブリ21上に設けられ、前記接続構造215は、前記ハンドル部4に接続される。
【0050】
好ましい実施例において、
図6に示すように、内側スリーブアセンブリ22は、内側スリーブ本体221及び内側スリーブ基部222から構成される。内側スリーブ本体221と基部222とは、一体型構造となるように組み立てられる。
【0051】
選択的なプロセスとして、共射出技術により内側スリーブ本体221と内側スリーブ基部222とを一体成型する。共射出技術により形成された一体化構造は、接続に隙間がないため、一体性に優れ、使用に便利である。
【0052】
さらなる選択的なプロセスとして、溶接又は接着により内側スリーブ本体221と内側スリーブ基部222とを一体成形する。このように形成された内側スリーブアセンブリ22は、同様に一体性に優れ、使用に便利である利点を有する。
【0053】
好ましい実施例において、外側スリーブアセンブリ23の基部231と、内側スリーブアセンブリ22の基部221との間には、シーリング構造が設けられる。これによって、手術中に生じた微細組織又は血液がハンドル部に入ってハンドル部を汚染することで再利用できなくなることが防止される。
【0054】
具体的には、
図2及び
図8に示すように、外側スリーブアセンブリ23の基部231と、内側スリーブアセンブリ22の基部221との間にシールリング24が設けられてもよい。シールリング24により、外側スリーブアセンブリ基部231と内側スリーブアセンブリ基部221との間の隙間のシーリングが実現され、微細組織又は血液が毛管作用によりキャビティ内に入ることが阻止され、ハンドル部4が汚染されることが防止される。
【0055】
図7は、本発明に係る超音波手術機器が組み立てられた後の模式図である。スリーブアセンブリ22と外側スリーブアセンブリ21は同軸に組み立てられ、ノブ外輪23は、外側スリーブアセンブリ21の外部に同軸に取り付けられる。具体的な取り付け過程は、
外側スリーブ本体211と外側スリーブ基部212とを共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立てて一体化した外側スリーブアセンブリ21を形成するステップAと、
内側スリーブ本体221と内側スリーブ基部222とを共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立てて一体化した内側スリーブアセンブリ22を形成するステップBと、
前記外側スリーブアセンブリ21と前記内側スリーブアセンブリ22とを同軸に取り付けてスリーブアセンブリ2を得るステップCと、
スリーブアセンブリ2、メスホルダ1、クランプ3、及びハンドル部4を組み立てて超音波手術機器を得るステップDと、
を含む。
【0056】
なお、上記のステップAとステップBの順序は、変更可能である。つまり、ステップBを実施してからステップAを実施してもよい。
【0057】
さらに、ステップAは、外側スリーブ本体211と外側スリーブ基部212とを共射出一体成形プロセスにより組み立てて一体化した外側スリーブアセンブリ21を形成することを含む。
【0058】
ステップBは、内側スリーブ本体221と内側スリーブ基部222とを共射出一体成形プロセスにより組み立てて一体化した内側スリーブアセンブリ22を形成することを含む。
【0059】
さらに、ステップCは、前記シールリング24を前記内側スリーブアセンブリ22に同軸に取り付け、前記外側スリーブアセンブリ21を前記内側スリーブアセンブリ22に同軸に取り付けることを含む。つまり、外側スリーブ基部212と内側スリーブ基部222との間にシールリング24を取り付ける。
【0060】
さらに、超音波手術機器は、ノブ外輪23を含む。ステップDは、スリーブアセンブリ2、メスホルダ1、クランプ3、ハンドル部4、及びノブ外輪23を組み立てて超音波手術機器を得ることを含む。
【0061】
さらに、前記ノブ外輪23と前記外側スリーブアセンブリ21とは、相対的に回転することができない。
【0062】
さらに、前記メスホルダ1は、超音波エネルギを伝達するための超音波メスホルダである。前記スリーブアセンブリ2は、前記メスホルダ1の外部に同軸に取り付けられる。前記クランプ3は、前記スリーブアセンブリ2の遠端部分に設けられる。前記ハンドル部4は、前記スリーブアセンブリ2の近端部分に設けられる。
【0063】
さらに、前記外側スリーブアセンブリ21には、第1抜け止めボス213及び回り止めボス214が設けられる。前記ノブ外輪23には、第2抜け止めボス231及び回り止め溝232が設けられる。
【0064】
さらに、前記ノブ外輪23と前記外側スリーブアセンブリ21を取り付ける際に、前記外側スリーブアセンブリ21上の回り止めボス214及び第1抜け止めボス213は、それぞれ前記ノブ外輪23の前記回り止め溝232及び前記第2抜け止めボス231に入り込み、これによって、前記ノブ外輪23は、遠端で前記外側スリーブアセンブリ21から脱落することができなくなる。
【0065】
本発明に係る超音波外科手術機器は、使用されるときに、前記ハンドル部4内の伝動アセンブリにより内部スリーブアセンブリ22を運動させることでクランプ3を開閉し、これによって、クランプ3とメスホルダ1の最遠端部が開いた状態又は閉じた状態を形成する。
【0066】
使用過程において、ノブ外輪23の周方向回転によりスリーブアセンブリ2、メスホルダ1、クランプ3の回転を実現する。
【0067】
本発明の実施例で提供される超音波外科手術機器によれば、以下の有益な効果が得られる。
【0068】
1、共射出技術、溶接プロセス又は接着プロセスによりスリーブアセンブリを形成し、さらに加工組立により超音波外科手術機器を得ることによって、組立の工数が減少する。
【0069】
2、共射出、溶接又は接着により得られた部材は、一体性に優れ、内外スリーブ間のシーリングは、スリーブの複雑な構成構造を設計する必要がなく実現することができ、スリーブ部分の張出構造を、省略又は簡素化することができ、構造全体がより簡素化され、性能がより最適化される。
【0070】
3、本発明に係る超音波手術機器は、一体型のスリーブアセンブリを使用することで製造コストが低い。
【0071】
4、この外科超音波手術機器は、構造が簡単で、組立が便利で、分解しやすく、掃除や消毒が容易である。
【0072】
5、内側スリーブアセンブリと外側スリーブアセンブリとの間にシーリング構造があるため、手術中に生じた微細組織又は血液がハンドル部に入って汚染を引き起こすことを防止することができる。
【0073】
6、本発明に係る超音波手術機器は、より精密な手術に適用することができる。
【0074】
図9は、従来技術の組立模式図であり、内側スリーブ部分と外側スリーブ部分との間に複雑な張出構造を設計する必要があることを示している。そのため、構造が複雑で、性能が低い。
【0075】
なお、図面における実施形態は、本発明の比較的に代表的な実施例であって、当業者が本発明をより良く理解するためのものである。本発明の保護範囲は、図面中の実施形態に限定されない。図面における実施形態の組み合わせ、変形及び変化は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0076】
なお、本明細書において、用語「含む」、「含有する」又はそれらの任意の変形は、非排他的な包含を意図することによって、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は設備は、それらの要素のみならず、明確に挙げられていない他の要素も含むか、或いはこのようなプロセス、方法、物品又は設備に固有の要素をも含む。さらなる制限がない場合、用語「・・・を含む」によって限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は設備に他の同一の要素が存在することを排除するものではない。
【0077】
最後に、以上の実施例は、本発明の技術的手段を説明するためのものに過ぎず、本発明を制限するものではない。上記の実施例により本発明を詳しく説明したが、依然として上記の各実施例に記載の技術的手段を修正したり、その中の技術的特徴の一部を均等な特徴により置換したりすることができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的手段の本質を、本発明の各実施例の技術的手段の思想及び範囲から逸脱させるものではないことが、当業者に明らかである。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メスホルダと、クランプと、スリーブアセンブリと、ハンドル部とを含む超音波手術機器であって、
前記メスホルダは、超音波エネルギを伝達するための超音波メスホルダであり、前記スリーブアセンブリは、前記メスホルダと同軸に配置され、前記クランプは、前記スリーブアセンブリの遠端部分に設けられ、前記ハンドル部は、前記スリーブアセンブリの近端部分に設けられ、
前記スリーブアセンブリは、外側スリーブアセンブリと、内側スリーブアセンブリと、ノブ外輪とを含み、前記外側スリーブアセンブリ及び前記内側スリーブアセンブリとは、いずれも一体型構造であり、前記スリーブアセンブリは、前記ハンドル部に回転可能に接続され、
前記ノブ外輪は、前記外側スリーブアセンブリの外側に同軸に取り付けられ、かつ前記ノブ外輪と前記外側スリーブアセンブリとは、相対的に回転することができないことを特徴とする、超音波手術機器。
【請求項2】
前記外側スリーブアセンブリと前記ハンドル部との回転接続は、取り外し不可能でありかつ軸方向における移動を制限するものであることを特徴とする、請求項1に記載の超音波手術機器。
【請求項3】
前記スリーブアセンブリにおける前記ハンドル部との同軸回転する接続構造は、外側スリーブアセンブリ上、又はノブ外輪上に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の超音波手術機器。
【請求項4】
前記外側スリーブアセンブリには、軸方向に沿って回り止めボスが設けられ、前記ノブ外輪には、回り止め溝が設けられ、前記回り止めボスは、前記回り止め溝に嵌合され、或いは
前記外側スリーブアセンブリには、軸方向に沿って回り止め溝が設けられ、前記ノブ外輪には、回り止めボスが設けられ、前記回り止めボスは、前記回り止め溝に嵌合されることを特徴とする、請求項1に記載の超音波手術機器。
【請求項5】
前記外側スリーブアセンブリ上には、軸方向に沿って第1抜け止めボスが設けられ、前記ノブ外輪上には、第2抜け止めボスが設けられ、
前記第1抜け止めボスと、
前記第2抜け止めボスとが係合することによって、前記外側スリーブアセンブリと前記ノブ外輪とが組み立てられることを特徴とする、請求項1に記載の超音波手術機器。
【請求項6】
前記第1抜け止めボスは
、2つ設けられ、かつ2つの前記第1抜け止めボスは、円周上で対称に配置されることを特徴とする、請求項5に記載の超音波手術機器。
【請求項7】
前記ノブ外輪と前記外側スリーブアセンブリとは、前記ノブ外輪と前記外側スリーブアセンブリが相対的に回転できないように、しまり嵌め又は接着により組み立てられるが、これらに限定されないことを特徴とする、請求項1に記載の超音波手術機器。
【請求項8】
前記クランプと前記メスホルダの遠端は、挟持構造を構成し、前記外側スリーブアセンブリと前記内側スリーブアセンブリは、同軸に組み立てられ、前記内側スリーブアセンブリは、前記メスホルダと前記外側スリーブアセンブリとの間に位置し、前記ハンドル部の伝動アセンブリにより内側スリーブアセンブリを運動させることでクランプを開閉することでクランプとメスホルダの遠端を開いた状態又は閉じた状態とすることを特徴とする、請求項
1に記載の超音波手術機器。
【請求項9】
前記外側スリーブアセンブリは、外側スリーブ本体と、外側スリーブ基部とを含み、前記外側スリーブ本体と、前記外側スリーブ基部とは、共射出一体成形プロセス、接着プロセス又は溶接プロセスにより組み立てられて一体化されることを特徴とする、請求項
1に記載の超音波手術機器。
【請求項10】
前記内側スリーブアセンブリは、内側スリーブ本体と、内側スリーブ基部とを含み、前記内側スリーブ本体と、前記内側スリーブ基部とは、共射出一体成形プロセス、接着プロセス又は溶接プロセスにより組み立てられて一体化されることを特徴とする、請求項
1に記載の超音波手術機器。
【請求項11】
超音波手術機器は、シールリングを含み、前記シールリングは、前記外側スリーブアセンブリと前記内側スリーブアセンブリとの間に位置し、前記シールリングは
、前記外側スリーブアセンブリの外側スリーブ基部と、前記内側スリーブアセンブリの内側スリーブ基部との間に位置することを特徴とする、請求項
1に記載の超音波手術機器。
【請求項12】
超音波手術機器の加工組立方法であって、
前記超音波手術機器は、メスホルダと、クランプと、スリーブアセンブリと、ハンドル部とを含み、クランプとメスホルダの遠端とは、挟持構造を構成し、前記スリーブアセンブリは、外側スリーブアセンブリと、内側スリーブアセンブリと、ノブ外輪とを含み、前記加工組立方法は、
外側スリーブ本体と外側スリーブ基部とを共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立てて一体化した外側スリーブアセンブリを形成するステップと、
内側スリーブ本体と内側スリーブ基部とを共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立てて一体化した内側スリーブアセンブリを形成するステップと、
前記外側スリーブアセンブリと前記内側スリーブアセンブリとを同軸に取り付けてスリーブアセンブリを得るステップと、
スリーブアセンブリ、メスホルダ、クランプ及びハンドル部を組み立てて超音波手術機器を得るステップと、
を含み、
前記ノブ外輪と、前記スリーブアセンブリにおける外側スリーブアセンブリは、相対的に回転することができないことを特徴とする、超音波手術機器の加工組立方法。
【請求項13】
前記外側スリーブアセンブリと前記ハンドル部との回転接続は、取り外し不可能であり、かつ軸方向における移動を制限するものであり、前記スリーブアセンブリにおける前記ハンドル部と同軸回転する接続構造は、外側スリーブアセンブリ上、又はノブ外輪上に設けられることを特徴とする、請求項12に記載の超音波手術機器の加工組立方法。
【請求項14】
前記外側スリーブアセンブリ上には、軸方向に沿って回り止めボスが設けられ、前記ノブ外輪上には、回り止め溝が設けられ、前記加工組立方法は、
前記回り止めボスを
前記回り止め溝に嵌合することを含むことを特徴とする、請求項12に記載の超音波手術機器の加工組立方法。
【請求項15】
前記外側スリーブアセンブリ上には、軸方向に沿って第1抜け止めボスが設けられ、前記ノブ外輪上には、第2抜け止めボスが設けられ、前記加工組立方法は、
前記第1抜け止めボスと、
前記第2抜け止めボスとを係合させることにより、前記外側スリーブアセンブリと前記ノブ外輪とを組み立てることを含むことを特徴とする、請求項12に記載の超音波手術機器の加工組立方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科医療機器分野に関し、外科手術機器に適用し、特に超音波手術機器及加工組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低侵襲手術の普及に伴って、超音波メスは既に通常の手術機器となっている。超音波メスは、超音波周波数発生器を使用してメスホルダを特定の超音波周波数で機械的に振動させ、組織内の水分子を蒸発させ、タンパク質の水素結合を切断し、細胞を破砕させることによって、組織を切断又は凝固させて、血管を閉じることができる。超音波メスは、側方への熱損傷を少なくしながら、組織の切断と止血を同時に行うことができる。臨床でこの機器を用いることにより、低温で出血量が少なく病変切除が可能で、組織の側方への熱損傷を最小限に抑えることができるため、超音波メスはますます人気が高まっている。
【0003】
超音波メスは主に、超音波周波数発生器、トランスデューサ、手術機器から構成される。そのうち、超音波発生器は発振電気信号を発し、トランスデューサは発振電気信号を機械振動に変換し、手術機器はトランスデューサの機械振動を利用して組織を切断し、止血する。手術機器は、通常、メスホルダ、メスホルダと挟持構造を構成するクランプ、メスホルダの外部を取り囲むスリーブアセンブリ、及びハンドル部から構成される。メスホルダは、トランスデューサの機械的振動をメスホルダに伝達する。メスホルダとクランプとは協働して組織を挟持して切断及び止血機能を実現する。スリーブアセンブリは、外側スリーブ及び内側スリーブから構成される。メスホルダは、内側スリーブの内部に位置する。スリーブアセンブリは、メスホルダを外部から隔離してメスホルダを保護及び支持する作用を果たすとともに、クランプと連接機構を構成してクランプを開閉することができる。ハンドル部は、医師が手で持つ部分であり、クランプの開閉を制御できるとともに、スイッチを有し、発振電気信号の出力を開始又は停止するように超音波周波数発生器を制御することができる。
【0004】
従来の超音波メスは、メスホルダアセンブリの構造が比較的複雑で、製造コストが高く、組立も不便であり、内/外側スリーブの組立にチューブ拡張、回転溝加工などのプロセスを使用する必要があることからコストが抑えられないとともに、内/外側スリーブの構造が複雑であるため、コストが高く、加工効率が低い。
【0005】
図9に示すように、従来の超音波メスの内側スリーブと外側スリーブとのシーリングは、一般的に張出溝構造を形成することにより実現されている。
図9に示される超音波メスは、外側スリーブアセンブリ21’と、内側スリーブアセンブリ22’と、ノブ外輪23’と、シールリング24’とを含む。ノブ外輪23’、外側スリーブアセンブリ21’及び内側スリーブアセンブリ22’は、外から内へ順に分布する構造を構成する。シールリング24’は、外側スリーブアセンブリ21’の外側スリーブ本体211’と内側スリーブアセンブリ22’の内側スリーブ本体221’との間に位置する。外側スリーブアセンブリ21’の外側スリーブ本体211’及び内側スリーブアセンブリ22’の内側スリーブ本体221’は、いずれも複雑な凹凸構造を有し、このような複雑な凹凸構造により内側スリーブと外側スリーブのシーリングを実現する。つまり、張出溝構造を形成してシーリングを実現するために、スリーブを特殊な構造に成形しなければならない。しかし、このようなスリーブは、構造が複雑で、加工プロセスが複雑であるため、コストが高い。
【0006】
そのため、当該技術分野では、従来技術に存在する上記欠陥の全部又は一部を解消又は少なくとも軽減できる超音波手術機器(超音波メス)が必要である。
【発明の概要】
【0007】
従来技術に存在する上記欠陥の少なくとも1つを解決するために、本発明は、再利用可能で組立が容易な超音波手術機器を提供する。この機器は、構造全体がより簡素化され、スリーブアセンブリのコストが大幅に低下する。
【0008】
また、本発明では、一体成形プロセスにより組立工数が減少する。一体成形プロセス(共射出)により得られた部品は、一体性が高いとともに、内外スリーブ間のシーリングは、スリーブの複雑な構成構造(例えば、張出溝構造)を設計する必要がなく実現することができ、スリーブ部分の張出溝構造は、省略又は簡素化できるため、超音波手術機器の全体的な性能が大幅に向上し、これによって、この超音波手術機器は、より精密な手術に適用することができる。
【0009】
本発明の一態様によれば、メスホルダと、クランプと、スリーブアセンブリと、ハンドル部とを含む超音波手術機器が提供される。クランプとメスホルダの遠端とは挟持構造を構成し、前記メスホルダは、超音波エネルギを伝達するための超音波メスホルダであり、前記スリーブアセンブリと前記メスホルダとは、同軸に配置され、前記クランプは、前記スリーブアセンブリの遠端部分に設けられ、前記ハンドル部は、前記スリーブアセンブリの近端部分に設けられる。前記スリーブアセンブリは、外側スリーブアセンブリと、スリーブアセンブリと、ノブ外輪とを含み、前記外側スリーブアセンブリ及び前記内側スリーブアセンブリは、いずれも一体型構造(一体式構造)であり、接続機構を介して前記ハンドル部に接続される。超音波手術機器は、ノブ外輪をさらに含み、前記ノブ外輪は、前記外側スリーブアセンブリの外側に同軸に取り付けられ、かつ前記ノブ外輪と前記外側スリーブアセンブリは、相対的に回転することができない。前記スリーブアセンブリは、前記ハンドル部に回転可能に接続される。前記外側スリーブアセンブリと前記ハンドル部との回転接続は、取り外し不可能でありかつ軸方向における移動を制限するものである。前記スリーブアセンブリにおける前記ハンドル部と同軸回転する接続構造は、外側スリーブアセンブリ上、又はノブ外輪上に設けられる。前記外側スリーブアセンブリ上には、軸方向に沿って回り止めボスが設けられ、前記ノブ外輪上には、回り止め溝が設けられ、前記回り止めボスは、前記回り止め溝に嵌合される。或いは、前記外側スリーブアセンブリ上には、軸方向に沿って回り止め溝が設けられ、前記ノブ外輪上には、回り止めボスが設けられ、前記回り止めボスは、回り止め溝に嵌合される。前記外側スリーブアセンブリ上には、軸方向に沿って第1抜け止めボスが設けられ、前記ノブ外輪上には、第2抜け止めボスが設けられ、前記外側スリーブアセンブリの第1抜け止めボスと、前記ノブ外輪の第2抜け止めボスとが係合することによって、前記外側スリーブアセンブリと前記ノブ外輪とが組み立てられる。前記ノブ外輪と、前記外側スリーブアセンブリとは、前記ノブ外輪と前記外側スリーブアセンブリが相対的に回転できないように、しまり嵌め又は接着により組み立てられるが、これらに限定されない。
【0010】
本発明の超音波手術機器は、一体型のスリーブアセンブリを使用し、かつスリーブアセンブリ内に張出構造が設けられていない(省略されている)ことによって、超音波手術機器の構造が簡単で、組立が容易で、コストが低減される。
【0011】
本発明の別の態様によれば、超音波手術機器の加工組立方法が提供される。超音波手術機器は、メスホルダと、クランプと、スリーブアセンブリと、ハンドル部とを含み、クランプとメスホルダの遠端とは、挟持構造を構成し、前記スリーブアセンブリは、外側スリーブアセンブリと、内側スリーブアセンブリとを含む。前記加工組立方法は、
外側スリーブ本体と外側スリーブ基部とを共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立てて一体化した外側スリーブアセンブリを形成するステップと、
内側スリーブ本体と内側スリーブ基部とを共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより一体化した内側スリーブアセンブリを形成するステップと、
前記外側スリーブアセンブリと前記内側スリーブアセンブリとを同時に取り付けてスリーブアセンブリを得るステップと、
スリーブアセンブリ、メスホルダ、クランプ、及びハンドル部を組み立てて超音波手術機器を得るステップと、
を含む。
【0012】
本発明の実施例で提供される超音波外科手術機器及び加工組立方法により、以下の有益な効果が得られる。
【0013】
前記外側スリーブアセンブリと前記内側スリーブアセンブリは、いずれも一体型構造であるため、内外スリーブ間の密封を、スリーブの複雑な構成構造を設計する必要がなく実現することができ、スリーブ部分の張出構造を、省略又は簡素化することができ、構造全体がより簡素化され、性能がより最適化される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書において説明する図面は、本発明の実施例をさらに理解するためのものであり、本発明の一部を構成する。本発明の模式的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明に対する不当な限定を行うものではない。
【0015】
【
図1】本発明の超音波手術機器の全体模式図である。
【
図2】本発明のスリーブアセンブリの分解図である。
【
図3】本発明のスリーブアセンブリの組立模式図である。
【
図5】本発明の外側スリーブアセンブリの模式図である。
【
図6】本発明の内側スリーブアセンブリの模式図である。
【
図7】本発明のスリーブアセンブリが所定の位置に取り付けられた模式図である。
【0016】
符号の説明
1メスホルダ;2スリーブアセンブリ;3クランプ;4ハンドル部;21外側スリーブアセンブリ;22内側スリーブアセンブリ;23ノブ外輪;24シールリング;25第1取付方向;26第2取付方向;211外側スリーブ本体;212外側スリーブ基部;213第1抜け止めボス;214回り止めボス;215接続構造;221内側スリーブ本体;222内側スリーブ基部;231第2抜け止めボス;232回り止め溝;21’外側スリーブアセンブリ;22’内側スリーブアセンブリ;23’ノブ外輪;24’シールリング;211’外側スリーブ本体;212’外側スリーブ基部。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術的手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の具体的な実施例及び対応する図面により本発明の技術的手段を明確で完全に説明する。明らかなように、以下の実施例は、本発明の実施例の一部だけであり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的努力なしで得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0018】
従来技術において、出願番号CN201220588716.4(公開番号CN202908803U)の中国出願には、ブレードとホルダとを含み、前記ブレードはブレード内管と、ブレード外管と、ブレード本体とを含み、前記ホルダはホルダ内管と、ホルダ外管と、ホルダ本体とを含み、前記ブレード、ホルダの内管、外管及び本体がそれぞれ着脱可能に一体に接続される、使い捨て超音波メスが開示されている。この考案に係る超音波メスのブレードは、一度しか使用できず、つまり、一度使用したら廃棄されるため、使用コストが高い。
【0019】
出願番号CN201921215696.4(公開番号CN211187447U)の中国出願には、ハサミ式一体型超音波メス及び手術機器が開示されている。このハサミ式一体型超音波メスは、超音波駆動ロッドとハサミ式ハンドルとを含む。超音波駆動ロッドは、メスホルダと超音波トランスデューサとを含む。ハサミ式ハンドルは、第1ハンドルと第2ハンドルとを含む。超音波駆動ロッドは、第1ハンドルに取り外し不可能に設けられる。超音波駆動ロッドは、位置規制構造を含む。位置規制構造は、第1ハンドルの内部に位置し、超音波駆動ロッドの移動を制限するためのものである。この考案に係る超音波メスは、同様に全体的に使い捨ての無菌機器であり、複数回使用することはできない。
【0020】
出願番号CN201810130712.3の中国出願には、再利用可能な超音波メスが開示されている。前記超音波メスは、ブレードと、ホルダアセンブリと、機能アセンブリとを含む。前記ブレード、前記ホルダアセンブリ及び前記機能アセンブリは、順に接続される。前記ホルダアセンブリは、ホルダと、内から外へ順にホルダに外嵌される内側スリーブ及び外側スリーブとを含む。前記内側スリーブは、クランプヘッド端内側スリーブ及び回転ハンドル端内側スリーブに分けられる。前記外側スリーブは、クランプヘッド端外側スリーブ及び回転ハンドル端外側スリーブに分けられる。前記クランプヘッド端内側スリーブと前記回転ハンドル端内側スリーブとは、L型係合構造により係合される。前記クランプヘッド端外側スリーブと前記回転ハンドル端外側スリーブとは、L型係合構造により係合される。
【0021】
出願番号CN201810871843.7(公開番号CN109009330A)の中国出願には、ケーシングと、ケーシングを貫通するホルダアセンブリ及びスリーブユニットと、スリーブユニットに可動接続されるトリガーアセンブリとを含み、ホルダアセンブリは、チップホルダユニットと、ハンドルユニットとを含み、スリーブユニットは、外側スリーブと、内側スリーブと、対向して設けられる2つの内側ケーシング及び外側ケーシングと、回転操作具と、固定装置とを含み、内側ケーシングと内側スリーブとの間には、軸方向位置規制装置が設けられ、固定装置は、外側スリーブと回転操作具との間に設けられ、ピン軸ユニットは、外側スリーブの第1ストリップ溝及び内側スリーブの第3ストリップ溝の中に位置する超音波メスが開示されている。
【0022】
出願番号CN201811114966.2(公開番号CN108969058A)の中国出願には、ケーシングと、ハンドルと、ホルダアセンブリと、ユニバーサルホイールと、移動機構とを含み、ホルダアセンブリは、ケーシングを貫通し、ハンドル部分は、ケーシングに位置してホルダアセンブリに接続され、ユニバーサルホイールは、ホルダアセンブリに外嵌され、ホルダアセンブリは、チップホルダと、内側スリーブと、外側スリーブとを含み、チップホルダは、内側スリーブを貫通し、外側スリーブは、内側スリーブの外部に外嵌され、チップホルダは、軸方向においてハンドルに固定され、径方向において軸ピンを介して外側スリーブに位置規制されるように接続され、移動機構は、ケーシング内に位置しかつ内側スリーブに接続され、ユニバーサルホイールの外側スリーブに向かう端には切り欠きが形成され、切り欠き内にはシリコンプラグが設けられ、接続部には、クリーニング用開口が形成され、シリコンプラグは、クリーニング用開口を密閉するものである再利用可能な超音波メスが開示されている。
【0023】
出願番号CN201910752035.3(公開番号CN110448357A)の中国出願には、再利用可能な超音波メスが開示されている。ハンドルアセンブリと、その遠端に延在して設けられ、かつ超音波機械エネルギを伝達するための超音波メスホルダとを含み、超音波メスホルダの外周には、スリーブアセンブリが設けられ、スリーブアセンブリは、クイック接続機構を介してハンドルアセンブリに着脱可能に接続される。
【0024】
従来の超音波メスにおいて、設計されるメスホルダアセンブリ構造は比較的複雑で、製造コストが高く、組立も不便であり、内/外側スリーブの組立にチューブ拡張、回転溝加工などのプロセスを使用する必要があることからコストが抑えられないとともに、内/外側スリーブの構造が複雑であるため、コストが高く、加工効率が低い。
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例で提供される技術的手段を詳しく説明する。
【0026】
特に断りのない限り、本明細書で使用される用語は、当該技術分野における様々な科学技術用語の一般的な意味、及び様々な専門用語辞典や教科書などで定義されている専門用語の意味と一致している。
【0027】
本明細書において、方向位置を説明する際に、一般には機器操作者を基準とし、機器操作者に相対的に近い位置は「近端」、機器操作者から相対的に遠い位置は「遠端」と呼ぶ。さらに、本明細書において、超音波メスの長手方向は、軸方向と呼ばれてもよい。
【0028】
図1は、本発明の一実施例に係る超音波手術機器を示す。この手術機器は、通常、メスホルダ1と、クランプ3と、スリーブアセンブリ2と、ハンドル部4とを含む。クランプ3とメスホルダ1の遠端とは、挟持構造を構成する。スリーブアセンブリ2は、メスホルダ1の外部を取り囲む。
【0029】
前記メスホルダ1は、超音波エネルギを伝達するための超音波メスホルダである。前記スリーブアセンブリ2は、前記メスホルダ1と同軸に配置される。前記クランプ3は、前記スリーブアセンブリ2の遠端部分に設けられる。前記ハンドル部4は、前記スリーブアセンブリ2の近端部分に設けられる。前記スリーブアセンブリ2は、一体型構造であり、接続機構を介して前記ハンドル部4に接続される。
【0030】
手術する際に、医師がハンドル部4を手で把持し、クランプ3の開閉を操作することができ、かつスイッチにより発振電気信号の出力を開始又は停止するように超音波周波数発生器を制御することができる。トランスデューサにより発振電気信号を機械的振動に変換する。前記メスホルダ1は、トランスデューサの機械的振動をメスホルダに伝達する。メスホルダとクランプ3とは協働して組織を挟持し、挟持される組織に対して超音波切断と止血を行う。
【0031】
スリーブアセンブリ2は、メスホルダ1を外部から隔離してメスホルダを保護する作用を奏するとともに、その遠端においてクランプ3とリンク機構を構成してクランプ3を開閉させる。
【0032】
図2は、本発明に係る超音波外科手術機器のスリーブアセンブリ2の分解図である。スリーブアセンブリ2は、外側スリーブアセンブリ21と、内側スリーブアセンブリ22と、ノブ外輪23とを含む。
【0033】
外側スリーブアセンブリ21、内側スリーブアセンブリ22、及びメスホルダ1は、同軸に設けられる。内側スリーブアセンブリ22は、外側スリーブアセンブリ21とメスホルダ1との間に位置し、即ち、外から内への構造順序は、外側スリーブアセンブリ21、内側スリーブアセンブリ22、メスホルダ1である。
【0034】
図3は、本発明に係る超音波外科手術機器のスリーブアセンブリ2の取り付け模式図である。超音波手術機器は、ノブ外輪23をさらに含む。内側スリーブアセンブリ22と、外側スリーブアセンブリ21は、同軸に取り付けられ、即ち、同図における第1取付方向25に沿って取り付けられる。内側スリーブアセンブリ22は、遠端から外側スリーブアセンブリ21の近端に挿入される。さらに、ノブ外輪23も外側スリーブアセンブリ21と同軸に取り付けられ、即ち、同図における第2取付方向26に沿って取り付けられる。具体的には、ノブ外輪23を遠端から外側スリーブアセンブリ21に外挿する。
【0035】
前記ノブ外輪23と前記外側スリーブアセンブリ21とは、相対的に回転することができない。
【0036】
好ましくは、前記外側スリーブアセンブリ2と前記ハンドル部4との回転接続は、取り外し不可であり、かつ軸方向における移動を制限するものである。
【0037】
外側スリーブアセンブリ21は、全体的に、外側スリーブ本体211と外側スリーブ基部212とを、共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立て得られる。内側スリーブアセンブリ22は、全体的に、内側スリーブ本体221と内側スリーブ基部222とを、共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立てて得られる。
【0038】
組み立てられたスリーブアセンブリ2をハンドル部4に取り付け、その後、ハンドル部4内の伝動アセンブリによりスリーブアセンブリ2の内側スリーブアセンブリ22を運動させ、内側スリーブアセンブリ22と外側スリーブアセンブリ21の相対運動によりクランプ3とメスホルダ1の開閉を実現する。
【0039】
ノブ外輪23の周方向回転により、スリーブアセンブリ2、メスホルダ1、クランプ3の回転させることが実現され、医師が適切な切断角度と止血角度を調整するのに便利である。
【0040】
好ましい実施例において、
図5に示すように、外側スリーブアセンブリ21は、外側スリーブ本体211及び外側スリーブ基部212から構成される。外側スリーブ本体211とスリーブ基部212は、一体型構造となるように設けられる。
【0041】
選択可能なプロセスとして、共射出成形技術により外側スリーブ本体211と外側スリーブ基部212とを一体成形する。共射出成形技術により形成された一体化構造は、接続に隙間がないため、一体性に優れ、使用に便利である。
【0042】
さらなる選択可能なプロセスとして、溶接又は接着により外側スリーブ本体211と外側スリーブ基部212を一体成形する。このように接続して形成された外側スリーブアセンブリ21は、同様に一体性に優れ、使用に便利であるという利点を有する。
【0043】
ノブ外輪23との組立を容易にするために、外側スリーブアセンブリ21には、第1抜け止めボス213及び回り止めボス214が設けられる。第1抜け止めボス213と回り止めボス214は、数が同じでも異なっていてもよい。第1抜け止めボス213及び回り止めボス214は、円周上にそれぞれ1つずつ配置されてもよく、又は、均等若しくは不均等に複数配置されてもよい。好ましくは、第1抜け止めボス213及び回り止めボス214は、いずれも2つずつ設けられ、2つの第1抜け止めボス213は、円周上で対称に配置され、2つの回り止めボス214は、円周上で対称に配置される。このようにすれば、向きを気にせず取り付けられるため、取り付けが容易である。
【0044】
これに対し、
図4に示すように、ノブ外輪23には、第2抜け止めボス231及び回り止め溝232が設けられる。第2抜け止めボス231と回り止め溝232は、数が同じでも異なっていてもよい。第2抜け止めボス231及び回り止め溝232は、円周上にそれぞれ1つずつ配置されてもよく、又は均等若しくは不均等に複数配置されてもよい。好ましくは、第2抜け止めボス231及び回り止め溝232は、いずれも2つずつ設けられ、2つの第2抜け止めボス231は、円周上で対称に配置され、2つの回り止め溝232は、円周上で対称に配置される。このようにすれば、向きを気にせず取り付けられるため、取り付けが容易である。
【0045】
ノブ外輪23と外側スリーブアセンブリ21を取り付ける際に、外側スリーブアセンブリ21上の回り止めボス214及び第1抜け止めボス213は、それぞれノブ外輪の回り止め溝232及び第2抜け止めボス231に入り込む。第1抜け止めボス213と第2抜け止めボス231が互いに係合する作用により、ノブ外輪23と外側スリーブアセンブリ21の相互位置が固定され、前記ノブ外輪23が遠端で前記外側スリーブアセンブリ21から脱落することができなくなる。回り止めボス214と回り止め溝232の嵌合によりノブ外輪23と外側スリーブアセンブリ21の間の相対的な回転が制限される。
【0046】
好ましくは、ノブ外輪23と外側スリーブアセンブリ21を取り付ける際に、外側スリーブアセンブリ21上の回り止めボス214が、ノブ外輪23の回り止め溝232内に入って取付位置が確定された後で、外側スリーブアセンブリ21上の第1抜け止めボス213が、ノブ外輪23の第2抜け止めボス231と係合し、第1抜け止めボス213と第2抜け止めボス231が互いに係合する作用により、ノブ外輪23と外側スリーブアセンブリ21との相互位置が固定される。
【0047】
好ましくは、前記回り止めボス214と前記回り止め溝232は、締りばめされるか、又は接着により固定される。
【0048】
好ましくは、前記スリーブアセンブリ2及びハンドル部4には、軸方向における移動を制限するための、同軸回転する接続構造215が設けられる。同軸回転する接続構造215は、外側スリーブ基部212においてハンドルに同軸接続されてもよい。同軸回転する接続構造215は、ノブ外輪23上においてハンドルに同軸接続されてもよい。
【0049】
好ましくは、前記同軸回転する接続構造215は、外側スリーブアセンブリ21上に設けられ、前記接続構造215は、前記ハンドル部4に接続される。
【0050】
好ましい実施例において、
図6に示すように、内側スリーブアセンブリ22は、内側スリーブ本体221及び内側スリーブ基部222から構成される。内側スリーブ本体221と基部222とは、一体型構造となるように組み立てられる。
【0051】
選択的なプロセスとして、共射出技術により内側スリーブ本体221と内側スリーブ基部222とを一体成型する。共射出技術により形成された一体化構造は、接続に隙間がないため、一体性に優れ、使用に便利である。
【0052】
さらなる選択的なプロセスとして、溶接又は接着により内側スリーブ本体221と内側スリーブ基部222とを一体成形する。このように形成された内側スリーブアセンブリ22は、同様に一体性に優れ、使用に便利である利点を有する。
【0053】
好ましい実施例において、外側スリーブアセンブリ21の外側スリーブ基部212と、内側スリーブアセンブリ22の内側スリーブ基部222との間には、シーリング構造が設けられる。これによって、手術中に生じた微細組織又は血液がハンドル部に入ってハンドル部を汚染することで再利用できなくなることが防止される。
【0054】
具体的には、
図2及び
図8に示すように、外側スリーブアセンブリ
21の
外側スリーブ基部
212と、内側スリーブアセンブリ22の
内側スリーブ基部
222との間にシールリング24が設けられてもよい。シールリング24により、
外側スリーブ基部212と
内側スリーブ基部222との間の隙間のシーリングが実現され、微細組織又は血液が毛管作用によりキャビティ内に入ることが阻止され、ハンドル部4が汚染されることが防止される。
【0055】
図7は、本発明に係る超音波手術機器が組み立てられた後の模式図である。スリーブアセンブリ22と外側スリーブアセンブリ21は同軸に組み立てられ、ノブ外輪23は、外側スリーブアセンブリ21の外部に同軸に取り付けられる。具体的な取り付け過程は、
外側スリーブ本体211と外側スリーブ基部212とを共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立てて一体化した外側スリーブアセンブリ21を形成するステップAと、
内側スリーブ本体221と内側スリーブ基部222とを共射出一体成形プロセス、溶接プロセス又は接着プロセスにより組み立てて一体化した内側スリーブアセンブリ22を形成するステップBと、
前記外側スリーブアセンブリ21と前記内側スリーブアセンブリ22とを同軸に取り付けてスリーブアセンブリ2を得るステップCと、
スリーブアセンブリ2、メスホルダ1、クランプ3、及びハンドル部4を組み立てて超音波手術機器を得るステップDと、
を含む。
【0056】
なお、上記のステップAとステップBの順序は、変更可能である。つまり、ステップBを実施してからステップAを実施してもよい。
【0057】
さらに、ステップAは、外側スリーブ本体211と外側スリーブ基部212とを共射出一体成形プロセスにより組み立てて一体化した外側スリーブアセンブリ21を形成することを含む。
【0058】
ステップBは、内側スリーブ本体221と内側スリーブ基部222とを共射出一体成形プロセスにより組み立てて一体化した内側スリーブアセンブリ22を形成することを含む。
【0059】
さらに、ステップCは、前記シールリング24を前記内側スリーブアセンブリ22に同軸に取り付け、前記外側スリーブアセンブリ21を前記内側スリーブアセンブリ22に同軸に取り付けることを含む。つまり、外側スリーブ基部212と内側スリーブ基部222との間にシールリング24を取り付ける。
【0060】
さらに、超音波手術機器は、ノブ外輪23を含む。ステップDは、スリーブアセンブリ2、メスホルダ1、クランプ3、ハンドル部4、及びノブ外輪23を組み立てて超音波手術機器を得ることを含む。
【0061】
さらに、前記ノブ外輪23と前記外側スリーブアセンブリ21とは、相対的に回転することができない。
【0062】
さらに、前記メスホルダ1は、超音波エネルギを伝達するための超音波メスホルダである。前記スリーブアセンブリ2は、前記メスホルダ1の外部に同軸に取り付けられる。前記クランプ3は、前記スリーブアセンブリ2の遠端部分に設けられる。前記ハンドル部4は、前記スリーブアセンブリ2の近端部分に設けられる。
【0063】
さらに、前記外側スリーブアセンブリ21には、第1抜け止めボス213及び回り止めボス214が設けられる。前記ノブ外輪23には、第2抜け止めボス231及び回り止め溝232が設けられる。
【0064】
さらに、前記ノブ外輪23と前記外側スリーブアセンブリ21を取り付ける際に、前記外側スリーブアセンブリ21上の回り止めボス214及び第1抜け止めボス213は、それぞれ前記ノブ外輪23の前記回り止め溝232及び前記第2抜け止めボス231に入り込み、これによって、前記ノブ外輪23は、遠端で前記外側スリーブアセンブリ21から脱落することができなくなる。
【0065】
本発明に係る超音波外科手術機器は、使用されるときに、前記ハンドル部4内の伝動アセンブリにより内部スリーブアセンブリ22を運動させることでクランプ3を開閉し、これによって、クランプ3とメスホルダ1の最遠端部が開いた状態又は閉じた状態を形成する。
【0066】
使用過程において、ノブ外輪23の周方向回転によりスリーブアセンブリ2、メスホルダ1、クランプ3の回転を実現する。
【0067】
本発明の実施例で提供される超音波外科手術機器によれば、以下の有益な効果が得られる。
【0068】
1、共射出技術、溶接プロセス又は接着プロセスによりスリーブアセンブリを形成し、さらに加工組立により超音波外科手術機器を得ることによって、組立の工数が減少する。
【0069】
2、共射出、溶接又は接着により得られた部材は、一体性に優れ、内外スリーブ間のシーリングは、スリーブの複雑な構成構造を設計する必要がなく実現することができ、スリーブ部分の張出構造を、省略又は簡素化することができ、構造全体がより簡素化され、性能がより最適化される。
【0070】
3、本発明に係る超音波手術機器は、一体型のスリーブアセンブリを使用することで製造コストが低い。
【0071】
4、この外科超音波手術機器は、構造が簡単で、組立が便利で、分解しやすく、掃除や消毒が容易である。
【0072】
5、内側スリーブアセンブリと外側スリーブアセンブリとの間にシーリング構造があるため、手術中に生じた微細組織又は血液がハンドル部に入って汚染を引き起こすことを防止することができる。
【0073】
6、本発明に係る超音波手術機器は、より精密な手術に適用することができる。
【0074】
図9は、従来技術の組立模式図であり、内側スリーブ部分と外側スリーブ部分との間に複雑な張出構造を設計する必要があることを示している。そのため、構造が複雑で、性能が低い。
【0075】
なお、図面における実施形態は、本発明の比較的に代表的な実施例であって、当業者が本発明をより良く理解するためのものである。本発明の保護範囲は、図面中の実施形態に限定されない。図面における実施形態の組み合わせ、変形及び変化は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0076】
なお、本明細書において、用語「含む」、「含有する」又はそれらの任意の変形は、非排他的な包含を意図することによって、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は設備は、それらの要素のみならず、明確に挙げられていない他の要素も含むか、或いはこのようなプロセス、方法、物品又は設備に固有の要素をも含む。さらなる制限がない場合、用語「・・・を含む」によって限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は設備に他の同一の要素が存在することを排除するものではない。
【0077】
最後に、以上の実施例は、本発明の技術的手段を説明するためのものに過ぎず、本発明を制限するものではない。上記の実施例により本発明を詳しく説明したが、依然として上記の各実施例に記載の技術的手段を修正したり、その中の技術的特徴の一部を均等な特徴により置換したりすることができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的手段の本質を、本発明の各実施例の技術的手段の思想及び範囲から逸脱させるものではないことが、当業者に明らかである。
【国際調査報告】