(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】薬物送達のためのペプチド、ナノ小胞、及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/12 20060101AFI20240321BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240321BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20240321BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20240321BHJP
C12N 15/88 20060101ALI20240321BHJP
C07K 14/705 20060101ALI20240321BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20240321BHJP
C07K 16/30 20060101ALI20240321BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240321BHJP
C07K 1/22 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
C12N15/12 ZNA
C12N5/10
C12N15/13
C12N15/62 Z
C12N15/88 Z
C07K14/705
C07K19/00
C07K16/30
C12N15/63 Z
C07K1/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562843
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 EP2022059940
(87)【国際公開番号】W WO2022219075
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523029526
【氏名又は名称】アンジャリウム バイオサイエンシズ エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル デ ビーア
(72)【発明者】
【氏名】モニーク マウラー
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ラバニヤ クナリンガム
(72)【発明者】
【氏名】マルチェロ クレリシ
【テーマコード(参考)】
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA25
4B065CA44
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA28
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、ポリペプチド(特に、Eph受容体ドメインを含むポリペプチド、すなわち、Eph受容体由来ポリペプチド)、そのようなポリペプチドを含むナノ小胞(例えば、細胞外小胞(EV)及びハイブリドソーム)に関する。該ポリペプチドは、目的の分子を付着させることができる膜結合タンパク質スキャフォールドとして働くことができる。ポリペプチド及びナノ小胞は、ターゲッティング、治療及び/又は診断用途で使用することができる。また提供されるのは、そのようなポリペプチドをコードする核酸及び発現ベクター並びに該ポリペプチドを発現する細胞である。さらに提供されるのは、そのようなポリペプチドを含むナノ小胞を産生する方法である。そのようなポリペプチド又はナノ小胞を含む組成物及びその使用も記載されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリペプチドを含む細胞外小胞(EV)であって、該ポリペプチドが、N-末端からC-末端の方向に:
a.エフリン受容体システインリッチ(CR)ドメイン;
b.第一のエフリン受容体フィブロネクチンタイプIII(FN III)ドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;並びに
c.膜貫通(TM)ドメイン;
を含み、
ここで、該ポリペプチドが、(i)エフリン結合活性、(ii)エフリン受容体キナーゼ活性、又は(iii)エフリン結合活性とエフリン受容体キナーゼ活性の両方を欠く、
前記細胞外小胞(EV)。
【請求項2】
ポリペプチドを含むハイブリドソームであって、該ポリペプチドが、N-末端からC-末端の方向に:
a.エフリン受容体CRドメイン;
b.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;並びに
c. TMドメイン;
を含み、
ここで、該ポリペプチドが、(i)エフリン結合活性、(ii)エフリン受容体キナーゼ活性、又は(iii)エフリン結合活性とエフリン受容体キナーゼ活性の両方を欠く、
前記ハイブリドソーム。
【請求項3】
前記ポリペプチドがエフリン結合活性を欠く、請求項1記載のEV又は請求項2記載のハイブリドソーム。
【請求項4】
前記ポリペプチドが前記エフリン受容体CRドメインのN-末端にターゲッティングドメインをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項5】
前記ターゲッティングドメインが、scFv、(scFv)2、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、dAb、Fd断片、ダイアボディ、F(ab')3、ジスルフィド結合Fv、sdAb(VHH又はナノボディ)、CDR、ジ-scFv、バイ-scFv、tascFv(タンデムscFv)、トリアボディ、テトラボディ、V-NARドメイン、Fcab、IgGACH2、DVD-Ig、プロボディ、DARPin、センチリン、アフィボディ、アフィリン、アフィチン、アンチカリン、アビマー、フィノマー、クニッツドメインペプチド、モノボディ(又はアドネクチン)、トリボディ、及びナノフィチン:からなる群から選択される、請求項4記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項6】
前記ターゲッティングドメインがマーカーに特異的に結合する、請求項4又は5記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項7】
前記マーカーが腫瘍関連抗原である、請求項6記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項8】
前記腫瘍関連抗原が、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、CD20、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、前立腺特異的膜(PSMA)、DLL3、ガングリオシドGD2(GD2)、CD123、アノクタミン-1(Ano1)、メソテリン、カルボニックアンンヒドラーゼIX(CAIX)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(TROP2)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン-l8.2、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、糖タンパク質非転移性黒色腫タンパク質B(GPNMB)、葉酸受容体-α(FR-α)、妊娠関連血漿タンパク質A(PAPP-A)、CD37、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD2、CD19、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、CD79b、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、グリピカン3(GPC3)、B7ホモログ6(B7H6)、C-Cケモカイン受容体タイプ4(CCR4)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体2(ROR2)、CD133、HLAクラスI組織適合性抗原、α鎖E(HLA-E)、上皮成長因子受容体(EGFR/ERBB-l)、インスリン様成長因子1-受容体(IGF1R)、及びヒト上皮成長因子受容体3からなる群から選択される、請求項7記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項9】
前記ポリペプチドが、前記TMドメインのC-末端に、カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項10】
前記カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインが、リンカーを介して、前記ポリペプチドの残りの部分に融合している、請求項9記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項11】
前記カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインが、リンカーを介して、前記ポリペプチドの残りの部分に共有結合的に融合している、請求項10記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項12】
前記リンカーがペプチドリンカーである、請求項10又は11記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項13】
前記ペプチドリンカーが(GGGS)n(配列番号226)のアミノ酸配列を含み、ここで、nが1~10の整数である、請求項12記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項14】
前記ペプチドリンカーがGGGSというアミノ酸配列を含む、請求項12記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項15】
前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたスキャフォールド結合ドメイン(SBD)を介して間接的に結合することができるカーゴ結合ドメインを含む、請求項9~14のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項16】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、請求項15記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項17】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、請求項15又は16記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項18】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、請求項15~17のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項19】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、請求項18記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項20】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、請求項18記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項21】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該カーゴ結合ドメインに結合するが、インビボでは該カーゴ結合ドメインから放出されるように制御されることができる、請求項15~20のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項22】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該カーゴ結合ドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する様式で放出されるように制御されることができる、請求項15~20のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項23】
前記カーゴ結合ドメインがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、請求項15~22のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項24】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがホスホチロシン結合(PTB)ドメインである、請求項23記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項25】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSrc相同性2(SH2)ドメインである、請求項23記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項26】
前記カーゴ結合ドメインが第一のステライルα-モチーフ(SAM)ドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDが第二のSAMドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該第一のSAMドメインと該第二のSAMドメインとの間の結合である、請求項15~22のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項27】
前記カーゴ結合ドメインがPDZ結合モチーフ(PBM)ドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPDZドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該PBMドメインと該PDZドメインとの間の結合である、請求項15~22のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項28】
前記カーゴ結合ドメインがPDZドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPBMドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該PDZドメインと該PBMドメインとの間の結合である、請求項15~22のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項29】
前記ポリペプチドがカーゴタンパク質を含む、請求項9~14のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項30】
前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にある、エフリン受容体JMドメインをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項31】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、請求項30記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項32】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、請求項30又は31記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項33】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、請求項30~32のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項34】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、請求項33記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項35】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、請求項33記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項36】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該エフリン受容体JMドメインに結合するが、インビボでは該エフリン受容体JMドメインから放出されるように制御されることができる、請求項30~35のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項37】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該エフリン受容体JMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、請求項30~35のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項38】
前記エフリン受容体JMドメインがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該エフリン受容体JMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、請求項30~37のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項39】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、請求項38記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項40】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、請求項38記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項41】
前記エフリン受容体JMドメインが、
(i)(X
1)-Ptyr-(X
2)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
1は、Y、P、V、I、T、もしくはFであり、かつX
2は、I、V、L、もしくはAである);
(ii)(X
3)-Ptyr-(X
4)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
3は、T、A、もしくはSであり、かつX
4は、EもしくはGである);又は
(iii)(i)と(ii)の両方
:を含む、請求項38~40のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項42】
前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にある、エフリン受容体KDをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項43】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、請求項42記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項44】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、請求項42又は43記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項45】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、請求項42~44のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項46】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、請求項45記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項47】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、請求項45記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項48】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該エフリン受容体KDに結合するが、インビボでは該エフリン受容体KDから放出されるように制御されることができる、請求項42~47のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項49】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該エフリン受容体KDから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、請求項42~47のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項50】
前記エフリン受容体KDがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該エフリン受容体KDと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、請求項42~49のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項51】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、請求項50記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項52】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、請求項50記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項53】
前記KDが、活性化ループ中に、(X
7)-Ptyr-(X
8)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
7は、T、V、又はAであり、かつX
8は、E又はTである)を含む、請求項50~52のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項54】
前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にある、SAMリンカードメインをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項55】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、請求項54記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項56】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、請求項54又は55記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項57】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、請求項54~56のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項58】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、請求項57記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項59】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、請求項57記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項60】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該SAMリンカードメインに結合するが、インビボでは該SAMリンカードメインから放出されるように制御されることができる、請求項54~59のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項61】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該SAMリンカードメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、請求項54~59のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項62】
前記SAMリンカードメインがリン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸を含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDが該リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインを含み、該SAMリンカードメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸と該リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインとの間の結合である、請求項54~61のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項63】
前記SAMリンカードメインがエフリン受容体SAMリンカードメインである、請求項54~62のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項64】
前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にある、SAMドメインをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項65】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、請求項64記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項66】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、請求項64又は65記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項67】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、請求項64~66のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項68】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、請求項67記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項69】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、請求項67記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項70】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該SAMドメインに結合するが、インビボでは該SAMドメインから放出されるように制御されることができる、請求項64~69のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項71】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該SAMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、請求項64~69のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項72】
前記カーゴタンパク質又は前記SBDが第二のSAMドメインを含み、前記SAMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該SAMドメインと該第二のSAMドメインとの間の結合である、請求項64~71のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項73】
前記SAMドメインがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該SAMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、請求項64~71のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項74】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、請求項73記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項75】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、請求項73記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項76】
前記SAMドメインがα2ヘリックス中のホスホチロシンを含む、請求項73~75のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項77】
前記SAMドメインのα2ヘリックス中のホスホチロシンが(X
5)-Ptyr-(X
6)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
5は、C、R、Q、又はHであり、かつX
6は、Q、I、E、K、R、又はTである)中にある、請求項76記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項78】
前記SAMドメインがエフリン受容体SAMドメインである、請求項64~77のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項79】
前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にあるエフリン受容体PDZ結合モチーフ(PBM)ドメインをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項80】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、請求項79記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項81】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、請求項79又は80記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項82】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、請求項79~81のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項83】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、請求項82記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項84】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、請求項82記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項85】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該エフリン受容体PBMドメインに結合するが、インビボでは該エフリン受容体PBMドメインから放出されるように制御されることができる、請求項79~84のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項86】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該エフリン受容体PBMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、請求項79~84のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項87】
前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPDZドメインを含み、前記エフリン受容体PBMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該エフリン受容体PBMドメインと該PDZドメインとの間の結合である、請求項79~86のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項88】
前記カーゴタンパク質が治療用タンパク質である、請求項9~87のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項89】
前記治療用タンパク質が治療用抗体又はその抗原結合断片である、請求項88記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項90】
前記治療用タンパク質が遺伝子エディター又はトランスポザーゼである、請求項88記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項91】
前記カーゴタンパク質が診断用タンパク質である、請求項9~87のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項92】
前記診断用タンパク質が蛍光タンパク質である、請求項91記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項93】
前記ポリペプチドがエフリン受容体リガンド結合ドメイン(LBD)を欠く、請求項1~92のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項94】
前記ポリペプチドが突然変異したエフリン受容体LBDを含む、請求項1~92のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項95】
前記ポリペプチドが、該ポリペプチドが該ポリペプチドと同一の別のポリペプチドとのヘテロドメイン二量体化を受けるのを可能にする2つの異なるドメインを含む、請求項1~94のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項96】
前記ポリペプチドが、該ポリペプチドが該ポリペプチドと同一の別のポリペプチドとのヘテロドメイン二量体化を受けるのを可能にする2つの異なるドメインをヘッド・トゥ・テール配置で含む、請求項1~94のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項97】
前記TMドメインがエフリン受容体TMドメインである、請求項1~96のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項98】
前記ポリペプチドのエフリン受容体ドメインのいずれか1つ又は複数が、EphA1、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA10、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、もしくはこれらの組合せ由来のものであるか、又はそれらに由来する、請求項1~97のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項99】
前記ポリペプチドのエフリン受容体ドメインドメインのいずれか1つ又は複数が、EphA2、EphA4、EphB2、もしくはこれらの組合せ由来のものであるか、又はそれらに由来する、請求項1~97のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項100】
前記ポリペプチドが免疫グロブリンの修飾されたFcドメインをさらに含む、請求項1~99のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項101】
前記修飾されたFcドメインが前記エフリン受容体CRドメインのN-末端にある、請求項100記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項102】
前記修飾されたFcドメインが、リンカー配列によって、前記ポリペプチドの残りの部分に融合している、請求項101記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項103】
前記修飾されたFcドメインが、
a.新生児Fc受容体(FcRn)のFc結合部位に特異的に結合することができ;かつ
b.ホモ二量体を形成する能力を欠く、
請求項100~102のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項104】
6.5のpHでFcRnに結合した前記修飾されたFcドメインの解離定数が最大でも10
-4Mの値を有する、請求項100~103のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項105】
7.4のpHでFcRnに結合した前記修飾されたFcドメインの解離定数が少なくとも10
-4Mの値を有する、請求項100~104のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項106】
前記修飾されたFcドメインが、アミノ酸配列
【化1】
(ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、及びX
8は、各々、任意のアミノ酸である)に特異的に結合することができる、請求項100~105のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項107】
前記修飾されたFcドメインがヒトFcRn(配列番号228)及び/又はマウスFcRn(配列番号227)の位置135~158の間のアミノ酸配列に特異的に結合することができる、請求項100~106のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項108】
前記ポリペプチドが、C1q、FcγRI、FcγRII、又はFcγRIIIに実質的に結合しない、請求項100~107のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項109】
a.前記修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性;
b.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性;
c.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性;及び/又は
d.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性
が、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、又は50%減少している
:請求項100~108のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項110】
a.前記修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性;
b.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性;
c.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性;及び/又は
d.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性
が、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも1.5、2、3、4、又は5倍減少している
:請求項100~109のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項111】
前記修飾されたFcドメインが、N-末端からC-末端に:
a.前記未修飾のCH2ドメインと比べて、エフェクター機能を減少するように修飾されている修飾されたCH2ドメイン;及び
b.ホモ二量体を形成する能力を欠くように修飾されている修飾されたCH3ドメイン
を含む、
請求項100~110のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項112】
前記第一のエフリン受容体FN IIIドメインと前記第二のエフリン受容体FN IIIドメインが異なるアミノ酸配列を含む、請求項1~111のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項113】
治療剤又は診断剤を標的細胞又は組織に送達する方法であって、請求項1~112のいずれか一項記載の細胞外小胞又はハイブリドソームを該標的細胞又組織に提供することを含む、前記方法。
【請求項114】
N-末端からC-末端の方向に:
a.ターゲッティングドメイン;
b.エフリン受容体CRドメイン;
c.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;並びに
d. TMドメイン
を含む、ポリペプチド。
【請求項115】
前記ポリペプチドがエフリン結合活性を欠く、請求項114記載のポリペプチド。
【請求項116】
前記ターゲッティングドメインが、scFv、(scFv)2、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、dAb、Fd断片、ダイアボディ、F(ab')3、ジスルフィド結合Fv、sdAb(VHH又はナノボディ)、CDR、ジ-scFv、バイ-scFv、tascFv(タンデムscFv)、トリアボディ、テトラボディ、V-NARドメイン、Fcab、IgGACH2、DVD-Ig、プロボディ、DARPin、センチリン、アフィボディ、アフィリン、アフィチン、アンチカリン、アビマー、フィノマー、クニッツドメインペプチド、モノボディ(又はアドネクチン)、トリボディ、及びナノフィチン:からなる群から選択される、請求項114又は115記載のポリペプチド。
【請求項117】
前記ターゲッティングドメインがマーカーに特異的に結合する、請求項114~116のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項118】
前記マーカーが腫瘍関連抗原である、請求項117記載のポリペプチド。
【請求項119】
前記腫瘍関連抗原が、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、CD20、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、前立腺特異的膜(PSMA)、DLL3、ガングリオシドGD2(GD2)、CD123、アノクタミン-1(Ano1)、メソテリン、カルボニックアンンヒドラーゼIX(CAIX)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(TROP2)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン-l8.2、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、糖タンパク質非転移性黒色腫タンパク質B(GPNMB)、葉酸受容体-α(FR-α)、妊娠関連血漿タンパク質A(PAPP-A)、CD37、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD2、CD19、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、CD79b、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、グリピカン3(GPC3)、B7ホモログ6(B7H6)、C-Cケモカイン受容体タイプ4(CCR4)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体2(ROR2)、CD133、HLAクラスI組織適合性抗原、α鎖E(HLA-E)、上皮成長因子受容体(EGFR/ERBB-l)、インスリン様成長因子1-受容体(IGF1R)、及びヒト上皮成長因子受容体3からなる群から選択される、請求項118記載のポリペプチド。
【請求項120】
N-末端からC-末端の方向に:
a.エフリン受容体CRドメイン;
b.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;
c. TMドメイン;並びに
d.カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメイン
を含む、ポリペプチド。
【請求項121】
前記ポリペプチドがエフリン結合活性を欠く、請求項120記載のポリペプチド。
【請求項122】
N-末端からC-末端の方向に:
a.ターゲッティングドメイン;
b.エフリン受容体CRドメイン;
c.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;
d. TMドメイン;並びに
e.カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメイン
を含む、ポリペプチド。
【請求項123】
前記ポリペプチドがエフリン結合活性を欠く、請求項122記載のポリペプチド。
【請求項124】
前記ターゲッティングドメインが、scFv、(scFv)2、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、dAb、Fd断片、ダイアボディ、F(ab')3、ジスルフィド結合Fv、sdAb(VHH又はナノボディ)、CDR、ジ-scFv、バイ-scFv、tascFv(タンデムscFv)、トリアボディ、テトラボディ、V-NARドメイン、Fcab、IgGACH2、DVD-Ig、プロボディ、DARPin、センチリン、アフィボディ、アフィリン、アフィチン、アンチカリン、アビマー、フィノマー、クニッツドメインペプチド、モノボディ(又はアドネクチン)、トリボディ、及びナノフィチン:からなる群から選択される、請求項122又は123記載のポリペプチド。
【請求項125】
前記ターゲッティングドメインがマーカーに特異的に結合する、請求項122~124のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項126】
前記マーカーが腫瘍関連抗原である、請求項125記載のポリペプチド。
【請求項127】
前記腫瘍関連抗原が、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、CD20、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、前立腺特異的膜(PSMA)、DLL3、ガングリオシドGD2(GD2)、CD123、アノクタミン-1(Ano1)、メソテリン、カルボニックアンンヒドラーゼIX(CAIX)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(TROP2)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン-l8.2、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、糖タンパク質非転移性黒色腫タンパク質B(GPNMB)、葉酸受容体-α(FR-α)、妊娠関連血漿タンパク質A(PAPP-A)、CD37、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD2、CD19、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、CD79b、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、グリピカン3(GPC3)、B7ホモログ6(B7H6)、C-Cケモカイン受容体タイプ4(CCR4)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体2(ROR2)、CD133、HLAクラスI組織適合性抗原、α鎖E(HLA-E)、上皮成長因子受容体(EGFR/ERBB-l)、インスリン様成長因子1-受容体(IGF1R)、及びヒト上皮成長因子受容体3からなる群から選択される、請求項126記載のポリペプチド。
【請求項128】
前記カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインが、リンカーを介して、前記ポリペプチドの残りの部分に融合している、請求項120~127のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項129】
前記カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインが、リンカーを介して、前記ポリペプチドの残りの部分に共有結合的に融合している、請求項128記載のポリペプチド。
【請求項130】
前記リンカーがペプチドリンカーである、請求項128又は129記載のポリペプチド。
【請求項131】
前記ペプチドリンカーが(GGGS)n(配列番号226)のアミノ酸配列を含み、ここで、nが1~10の整数である、請求項130記載のポリペプチド。
【請求項132】
前記ペプチドリンカーがGGGSというアミノ酸配列を含む、請求項130記載のポリペプチド。
【請求項133】
前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができるカーゴ結合ドメインを含む、請求項120~132のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項134】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、請求項133記載のポリペプチド。
【請求項135】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、請求項133又は134記載のポリペプチド。
【請求項136】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、請求項133~135のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項137】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、請求項136記載のポリペプチド。
【請求項138】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、請求項136記載のポリペプチド。
【請求項139】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該カーゴ結合ドメインに結合するが、インビボでは該カーゴ結合ドメインから放出されるように制御されることができる、請求項133~138のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項140】
前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該カーゴ結合ドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する様式で放出されるように制御されることができる、請求項133~138のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項141】
前記カーゴ結合ドメインがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、請求項133~140のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項142】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、請求項141記載のポリペプチド。
【請求項143】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、請求項141記載のポリペプチド。
【請求項144】
前記カーゴ結合ドメインが第一のSAMドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDが第二のSAMドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該第一のSAMドメインと該第二のSAMドメインとの間の結合である、請求項133~140のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項145】
前記カーゴ結合ドメインがPBMドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPDZドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該PBMドメインと該PDZドメインとの間の結合である、請求項133~140のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項146】
前記カーゴ結合ドメインがPDZドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPBMドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該PDZドメインと該PBMドメインとの間の結合である、請求項133~140のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項147】
前記ポリペプチドがカーゴタンパク質である、請求項120~132のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項148】
前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に、又はSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にある、エフリン受容体JMドメインをさらに含む、請求項114~119のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項149】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、請求項148記載のポリペプチド。
【請求項150】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、請求項148又は149記載のポリペプチド。
【請求項151】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、請求項148~150のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項152】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、請求項151記載のポリペプチド。
【請求項153】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、請求項151記載のポリペプチド。
【請求項154】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該エフリン受容体JMドメインに結合するが、インビボでは該エフリン受容体JMドメインから放出されるように制御されることができる、請求項148~153のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項155】
前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該エフリン受容体JMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、請求項148~153のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項156】
前記エフリン受容体JMドメインがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該エフリン受容体JMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、請求項148~155のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項157】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、請求項156記載のポリペプチド。
【請求項158】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、請求項156記載のポリペプチド。
【請求項159】
前記エフリン受容体JMドメインが、
(i)(X
1)-Ptyr-(X
2)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
1は、Y、P、V、I、T、もしくはFであり、かつX
2は、I、V、L、もしくはAである);
(ii)(X
3)-Ptyr-(X
4)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
3は、T、A、もしくはSであり、かつX
4は、EもしくはGである);又は
(iii)(i)と(ii)の両方
:を含む、請求項156~158のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項160】
前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にある、エフリン受容体KDをさらに含む、請求項114~119のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項161】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、請求項160記載のポリペプチド。
【請求項162】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、請求項160又は161記載のポリペプチド。
【請求項163】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、請求項160~162のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項164】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、請求項163記載のポリペプチド。
【請求項165】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、請求項163記載のポリペプチド。
【請求項166】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該エフリン受容体KDに結合するが、インビボでは該エフリン受容体KDから放出されるように制御されることができる、請求項160~165のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項167】
前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該エフリン受容体KDから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、請求項160~165のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項168】
前記エフリン受容体KDがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該エフリン受容体KDと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、請求項160~167のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項169】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、請求項168記載のポリペプチド。
【請求項170】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、請求項168記載のポリペプチド。
【請求項171】
前記KDが、活性化ループ中に、(X
7)-Ptyr-(X
8)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
7は、T、V、又はAであり、かつX
8は、E又はTである)を含む、請求項168~170のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項172】
前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にある、SAMリンカードメインをさらに含む、請求項114~119のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項173】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、請求項172記載のポリペプチド。
【請求項174】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、請求項172又は173記載のポリペプチド。
【請求項175】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、請求項172~174のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項176】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、請求項175記載のポリペプチド。
【請求項177】
前記SAMリン
カードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、請求項175記載のポリペプチド。
【請求項178】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該SAMリンカードメインに結合するが、インビボでは該SAMリンカードメインから放出されるように制御されることができる、請求項172~177のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項179】
前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該SAMリンカードメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、請求項172~177のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項180】
前記SAMリンカードメインがリン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸を含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDが該リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインを含み、該SAMリンカードメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸と該リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインとの間の結合である、請求項172~179のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項181】
前記SAMリンカードメインがエフリン受容体SAMリンカードメインである、請求項172~180のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項182】
前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にある、SAMドメインをさらに含む、請求項114~119のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項183】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、請求項182記載のポリペプチド。
【請求項184】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、請求項182又は183記載のポリペプチド。
【請求項185】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、請求項182~184のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項186】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、請求項185記載のポリペプチド。
【請求項187】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、請求項185記載のポリペプチド。
【請求項188】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該SAMドメインに結合するが、インビボでは該SAMドメインから放出されるように制御されることができる、請求項182~187のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項189】
前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該SAMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、請求項182~187のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項190】
前記カーゴタンパク質又は前記SBDが第二のSAMドメインを含み、前記SAMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該SAMドメインと該第二のSAMドメインとの間の結合である、請求項182~189のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項191】
前記SAMドメインがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該SAMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、請求項182~189のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項192】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、請求項191記載のポリペプチド。
【請求項193】
前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、請求項191記載のポリペプチド。
【請求項194】
前記SAMドメインがα2ヘリックス中のホスホチロシンを含む、請求項191~193のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項195】
前記SAMドメインのα2ヘリックス中のホスホチロシンが(X
5)-Ptyr-(X
6)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
5は、C、R、Q、又はHであり、かつX
6は、Q、I、E、K、R、又はTである)中にある、請求項194記載のポリペプチド。
【請求項196】
前記SAMドメインがエフリン受容体SAMドメインである、請求項182~195のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項197】
前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にある、エフリン受容体PDZ結合モチーフ(PBM)ドメインをさらに含む、請求項114~119のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項198】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、請求項197記載のポリペプチド。
【請求項199】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、請求項197又は198記載のポリペプチド。
【請求項200】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、請求項197~199のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項201】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、請求項200記載のポリペプチド。
【請求項202】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、請求項200記載のポリペプチド。
【請求項203】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該エフリン受容体PBMドメインに結合するが、インビボでは該エフリン受容体PBMドメインから放出されるように制御されることができる、請求項197~202のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項204】
前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該エフリン受容体PBMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、請求項197~202のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項205】
前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPDZドメインを含み、前記エフリン受容体PBMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該エフリン受容体PBMドメインと該PDZドメインとの間の結合である、請求項197~204のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項206】
前記カーゴタンパク質が治療用タンパク質である、請求項120~205のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項207】
前記治療用タンパク質が治療用抗体又はその抗原結合断片である、請求項206記載のポリペプチド。
【請求項208】
前記治療用タンパク質が遺伝子エディター又はトランスポザーゼである、請求項206記載のEV又はハイブリドソーム。
【請求項209】
前記カーゴタンパク質が診断用タンパク質である、請求項120~205のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項210】
前記診断用タンパク質が蛍光タンパク質である、請求項209記載のポリペプチド。
【請求項211】
前記ポリペプチドがエフリン受容体リガンド結合ドメイン(LBD)を欠く、請求項114~210のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項212】
前記ポリペプチドが突然変異したエフリン受容体LBDを含む、請求項114~210のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項213】
前記ポリペプチドが、該ポリペプチドが該ポリペプチドと同一の別のポリペプチドとのヘテロドメイン二量体化を受けるのを可能にする2つの異なるドメインを含む、請求項114~210のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項214】
前記ポリペプチドが、該ポリペプチドが該ポリペプチドと同一の別のポリペプチドとのヘテロドメイン二量体化を受けるのを可能にする2つの異なるドメインをヘッド・トゥ・テール配置で含む、請求項114~210のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項215】
前記TMドメインがエフリン受容体TMドメインである、請求項114~214のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項216】
前記ポリペプチドのエフリン受容体ドメインのいずれか1つ又は複数が、EphA1、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA10、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、もしくはこれらの組合せ由来のものであるか、又はそれらに由来する、請求項114~215のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項217】
前記ポリペプチドのエフリン受容体ドメインドメインのいずれか1つ又は複数が、EphA2、EphA4、EphB2、もしくはこれらの組合せ由来のものであるか、又はそれらに由来する、請求項114~215のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項218】
前記ポリペプチドが免疫グロブリンの修飾されたFcドメインをさらに含む、請求項114~217のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項219】
前記修飾されたFcドメインが前記エフリン受容体CRドメインのN-末端にある、請求項218記載のポリペプチド。
【請求項220】
前記修飾されたFcドメインが、リンカー配列によって、前記ポリペプチドの残りの部分に融合している、請求項219記載のポリペプチド。
【請求項221】
前記修飾されたFcドメインが、
a.新生児Fc受容体(FcRn)のFc結合部位に特異的に結合することができ;及び
b.ホモ二量体を形成する能力を欠く、
請求項218~220のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項222】
6.5のpHでFcRnに結合した前記修飾されたFcドメインの解離定数が最大でも10
-4Mの値を有する、請求項218~221のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項223】
7.4のpHでFcRnに結合した前記修飾されたFcドメインの解離定数が少なくとも10
-4Mの値を有する、請求項218~222のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項224】
前記修飾されたFcドメインが、アミノ酸配列
【化2】
(ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、及びX
8は、各々、任意のアミノ酸である)
に特異的に結合することができる、請求項218~223のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項225】
前記修飾されたFcドメインがヒトFcRn(配列番号228)及び/又はマウスFcRn(配列番号227)の位置135~158の間のアミノ酸配列に特異的に結合することができる、請求項218~224のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項226】
前記ポリペプチドが、C1q、FcγRI、FcγRII、又はFcγRIIIに実質的に結合しない、請求項218~225のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項227】
a.前記修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性;
b.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性;
c.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性;及び/又は
d.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性
が、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、又は50%減少している
:請求項218~226のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項228】
a.前記修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性;
b.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性;
c.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性;及び/又は
d.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性
が、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも1.5、2、3、4、又は5倍減少している
:請求項218~227のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項229】
前記修飾されたFcドメインが、N-末端からC-末端に:
a.前記未修飾のCH2ドメインと比べて、エフェクター機能を減少するように修飾されている修飾されたCH2ドメイン;及び
b.ホモ二量体を形成する能力を欠くように修飾されている修飾されたCH3ドメイン
を含む、請求項218~228のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項230】
前記第一のエフリン受容体FN IIIドメインと前記第二のエフリン受容体FN IIIドメインが異なるアミノ酸配列を含む、請求項114~229のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項231】
請求項114~230のいずれか一項記載のポリペプチドをコードする核酸。
【請求項232】
請求項231記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項233】
請求項231記載の核酸又は請求項232記載の発現ベクターを含む細胞。
【請求項234】
EVを産生する方法であって、
a.細胞を請求項231記載の核酸又は請求項232記載の発現ベクターでトランスフェクトすること;
b.該細胞を該EVの産生のための好適な条件下で培養すること;及び
c.該細胞によって分泌されるEVを回収すること
:を含む、前記方法。
【請求項235】
ハイブリドソームを産生する方法であって、第一のEVを第二のEVと接触させ、それにより、該第一のEVを該第二のEVと一体化させ、該ハイブリドソームを産生することを含み、
ここで、該第一のEVがインビトロで産生されたものであり、かつ該第一のEVが、(i)膜、及び(ii)融合性でイオン化可能なカチオン性脂質を含み、かつ
ここで、該第二のEVが請求項234の方法によって産生されたものである、
前記方法。
【請求項236】
EV又はハイブリドソームを精製する方法であって、
a.該EV又はハイブリドソームを提供すること(ここで、該EV又はハイブリドソームは、第一の結合パートナーを含み、ここで、該第一の結合パートナーは、FcRnのFc結合部位にpH依存的な様式で結合することができる);及び
b.第一のpHで、該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二の結合パートナーと接触させること(ここで、該第二の結合パートナーは、該FcRnのFc結合部位を含み、かつ固体マトリックスと関連している);及び
c.該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二のpHで該固体マトリックスから溶出させること
:を含む、前記方法。
【請求項237】
前記方法が前記第一のpHでの洗浄工程をさらに含む、請求項236記載の方法。
【請求項238】
前記第一のpHが6.5未満である、請求項236又は237記載の方法。
【請求項239】
前記第二のpHが7.4を上回る、請求項236~238のいずれか一項記載の方法。
【請求項240】
前記FcRnのFc結合部位が配列番号230のアミノ酸配列を含む、請求項236~239のいずれか一項記載の方法。
【請求項241】
EV又はハイブリドソームを精製する方法であって、
a.該EV又はハイブリドソームを提供すること(ここで、該EV又はハイブリドソームは、第一の結合パートナーを含み、ここで、該第一の結合パートナーは、FcRnのFc結合部位にpH依存的な様式で結合することができ、かつ請求項111~224のいずれか一項記載のポリペプチドを含むか、又は該ポリペプチドからなる);及び
b.第一のpHで、該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二の結合パートナーと接触させること(ここで、該第二の結合パートナーは、該FcRnのFc結合部位を含み、かつ固体マトリックスと関連している);及び
c.該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二のpHで該固体マトリックスから溶出させること:を含む、前記方法。
【請求項242】
前記方法が前記第一のpHでの洗浄工程をさらに含む、請求項241記載の方法。
【請求項243】
前記第一のpHが6.5未満である、請求項241又は242記載の方法。
【請求項244】
前記第二のpHが7.4を上回る、請求項241~243のいずれか一項記載の方法。
【請求項245】
前記FcRnのFc結合部位が配列番号230のアミノ酸配列を含む、請求項241~244のいずれか一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれる、2021年4月14日に出願された米国特許出願第63/174,874号に対する優先権の恩典を主張する。
【0002】
(電子的に提出された配列表の参照)
本出願は、2022年4月11日に作成された、444,261バイトのサイズを有する「14497-007-228_Sequence_Listing.txt」という表題のテキストファイルとして本出願とともに提出された配列表を引用により組み込む。
【0003】
(1.分野)
本開示は、ポリペプチド(特に、Eph受容体ドメインを含むポリペプチド、すなわち、Eph受容体由来ポリペプチド)、そのようなポリペプチドを含むナノ小胞(例えば、細胞外小胞(EV)及びハイブリドソーム)に関する。該ポリペプチドは、目的の分子を付着させることができる膜結合タンパク質スキャフォールドとして働くことができる。ポリペプチド及びナノ小胞は、ターゲッティング、治療及び/又は診断用途で使用することができる。また提供されるのは、そのようなポリペプチドをコードする核酸及び発現ベクター並びに該ポリペプチドを発現する細胞である。さらに提供されるのは、そのようなポリペプチドを含むナノ小胞を産生する方法である。そのようなポリペプチド又はナノ小胞を含む組成物及びその使用も記載されている。
【背景技術】
【0004】
(2.背景)
有望な新薬候補の同定における大きなブレークスルーにもかかわらず、これらの知見を臨床に移すことは、効果的な薬物投薬量を疾患部位に送達する上での課題によってしばしば妨げられている。最近発見された細胞間情報伝達経路は、より正確な薬物送達のための欠けていたパズルのピースを提供する可能性がある。体内のほとんど全ての細胞が、細胞外小胞(EV)と呼ばれる小さな「風船」の放出によって、隣接する細胞だけでなく、遠くの細胞とのつながりも確立することができることが明らかになった。これらのEV、特に、エクソソームがシグナル伝達分子の機能的なシャトルであるという発見は、それらが現代の医薬品の薬物送達系の理想的なナノスケール候補になり得るという考えにつながった。しかしながら、この考えは、いくつかの課題とつながっている。したがって、EVを生成させ、単離し、かつ精製するための好適な方法及び組成物が、EVに基づく技術の治療的使用及びその他の応用を改善するために必要とされている。
【0005】
EVへの医薬品のローディング及び組織ターゲッティングリガンドによるEV表面の装飾を可能にするために、EV表面とカーゴをカスタマイズするためのいくつかの戦略が開発中である。目的のタンパク質のEVへのソーティングを可能にするためのEVプロデューサー細胞のバイオエンジニアリングは、注目されている分野である。特に、EV生合成及び小胞タンパク質ソーティングに内因的に関与するEV関連タンパク質を利用することは、当技術分野の焦点となっている。幅広い方法が長年にわたってEV関連タンパク質の同定に適用されており、質量分析(MS)に基づくプロテオミクスが非常に有用であることが証明されている。古くから、精製されたEVのプロテオミクスデータを組み合わせることにより、高度に濃縮された内因性タンパク質(いわゆる「EVマーカー」)及びそのようなマーカーと関連するタンパク質が同定され、融合タンパク質をEVにローディングするためのソーティングスキャフォールドとして使用されてきた。ソーティングタンパク質として古くから利用されている遍在的かつ高度に発現されるタンパク質マーカーとしては、テトラスパニン分子(例えば、CD63、CD81、CD9など)、リソソーム関連膜タンパク質2(LAMP2及びLAMP2B)、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)、GPIアンカータンパク質、ラクトアドヘリン、プロスタグランジンF2受容体ネガティブレギュレーター、ユビキチンC、シンテニン、シンデカン、及びアリックスが挙げられる(Shiらによる総説、2020年、Methods 177:95-102(2019年9月27日オンライン公開)を参照)。
【0006】
しかしながら、内因性タンパク質とバイオエンジニアリングされたタンパク質のソーティングにおける大きな違いが報告されている。EVのバイオエンジニアリングのための最も一般的に使用されるソーティングタンパク質についての最近の定量的比較により、スクリーニングされた全てのEV関連標的タンパク質の中で、GFPとテトラスパニンであるCD9、CD81、及びCD63、並びにミリストイル化ドメインの過剰発現融合タンパク質がEV内で最も高い存在量を示すことが示された(Corsoらの文献、2019, 8(1):1663043)。しかしながら、ウェスタンブロッティング又はMSプロテオミクスによって同定されたEV中で濃縮された内因性マーカータンパク質の全てが、対応するGFP融合タンパク質の効率的な小胞ソーティングと相関しているわけでも、それにつながるわけでもなかった。さらに、GFP-EVマーカー融合タンパク質は、親細胞における同様の過剰発現レベルにもかかわらず、極めて不均一なEVへのソーティング効率を示した。顕著な例は、広く使用されているEVマーカーのAlixであり、これは、GFPとの融合タンパク質として過剰発現させた場合、EV中でほとんど検出されなかった。さらに、CD63-GFP融合タンパク質がEV上により多く存在することが確認されているにもかかわらず、GFPがCD63のN-末端に結合しているか、C-末端に結合しているか、又は第二のループに結合しているかによって、ローディング効率にかなりの違いが観察された。
【0007】
したがって、EVに、より一般的には、ナノ小胞に、好ましくは、高密度で、容易かつ効率的に組み込まれるバイオエンジニアリングされたタンパク質が当技術分野で必要とされている。
【0008】
本明細書における参考文献の引用は、それが本開示の先行技術であるという承認として解釈されてはならない。
【発明の概要】
【0009】
(3.本開示の概要)
一態様において、本明細書に提供されるのは、ポリペプチドを含む細胞外小胞(EV)であって、該ポリペプチドが、N-末端からC-末端の方向に: a.エフリン受容体システインリッチ(CR)ドメイン; b.第一のエフリン受容体フィブロネクチンタイプIII(FN III)ドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;並びにc.膜貫通(TM)ドメインを含み;ここで、該ポリペプチドが、(i)エフリン結合活性、(ii)エフリン受容体キナーゼ活性、又は(iii)エフリン結合活性とエフリン受容体キナーゼ活性の両方を欠く、細胞外小胞(EV)である。ある実施態様において、ポリペプチドは、エフリン結合活性を欠く。
【0010】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、ポリペプチドを含むハイブリドソームであって、該ポリペプチドが、N-末端からC-末端の方向に: a.エフリン受容体CRドメイン; b.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;並びにc. TMドメインを含み;ここで、該ポリペプチドが、(i)エフリン結合活性、(ii)エフリン受容体キナーゼ活性、又は(iii)エフリン結合活性とエフリン受容体キナーゼ活性の両方を欠く、ハイブリドソームである。ある実施態様において、ポリペプチドは、エフリン結合活性を欠く。
【0011】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、エフリン受容体CRドメインのN-末端にターゲッティングドメインをさらに含む。ある実施態様において、ターゲッティングドメインは、scFv、(scFv)2、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、dAb、Fd断片、ダイアボディ、F(ab')3、ジスルフィド結合Fv、sdAb(VHH又はナノボディ)、CDR、ジ-scFv、バイ-scFv、tascFv(タンデムscFv)、トリアボディ、テトラボディ、V-NARドメイン、Fcab、IgGACH2、DVD-Ig、プロボディ、DARPin、センチリン、アフィボディ、アフィリン、アフィチン、アンチカリン、アビマー、フィノマー、クニッツドメインペプチド、モノボディ(又はアドネクチン)、トリボディ、及びナノフィチン:からなる群から選択される。ある実施態様において、ターゲッティングドメインは、マーカーに特異的に結合する。具体的な実施態様において、マーカーは、腫瘍関連抗原である。具体的な実施態様において、腫瘍関連抗原は、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、CD20、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、前立腺特異的膜(PSMA)、DLL3、ガングリオシドGD2(GD2)、CD123、アノクタミン-1(Ano1)、メソテリン、カルボニックアンンヒドラーゼIX(CAIX)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(TROP2)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン-l8.2、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、糖タンパク質非転移性黒色腫タンパク質B(GPNMB)、葉酸受容体-α(FR-α)、妊娠関連血漿タンパク質A(PAPP-A)、CD37、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD2、CD19、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、CD79b、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、グリピカン3(GPC3)、B7ホモログ6(B7H6)、C-Cケモカイン受容体タイプ4(CCR4)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体2(ROR2)、CD133、HLAクラスI組織適合性抗原、α鎖E(HLA-E)、上皮成長因子受容体(EGFR/ERBB-l)、インスリン様成長因子1-受容体(IGF1R)、及びヒト上皮成長因子受容体3からなる群から選択される。
【0012】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、TMドメインのC-末端に、カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインをさらに含む。ある実施態様において、カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインは、リンカーを介して、ポリペプチドの残りの部分に融合している。ある実施態様において、カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインは、リンカーを介して、ポリペプチドの残りの部分に共有結合的に融合している。具体的な実施態様において、リンカーは、ペプチドリンカーである。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)n(配列番号226)のアミノ酸配列を含み、ここで、nは、1~10の整数である。別の具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、GGGSというアミノ酸配列を含む。
【0013】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたスキャフォールド結合ドメイン(SBD)を介して間接的に結合することができるカーゴ結合ドメインを含む。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、非共有結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、可逆的結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、pHによって制御されることができる。別の具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質がインビトロではカーゴ結合ドメインに結合するが、インビボではカーゴ結合ドメインから放出されるように制御されることができる。他の実施態様において、カーゴタンパク質がそれが位置する細胞内区画に依存する方法でカーゴ結合ドメインから放出されるように、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、ホスホチロシンを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、ホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、ホスホチロシンとホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、ホスホチロシン結合(PTB)ドメインである。別の具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、Src相同性2(SH2)ドメインである。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、第一のステライルα-モチーフ(SAM)ドメインを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、第二のSAMドメインを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、第一のSAMドメインと第二のSAMドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、PDZ結合モチーフ(PBM)ドメインを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、PDZドメインを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、PBMドメインとPDZドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、PDZドメインを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、PBMドメインを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、PDZドメインとPBMドメインとの間の結合である。
【0014】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質である。
【0015】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつTMドメインのC-末端にあるエフリン受容体JMドメインをさらに含む。ある実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、非共有結合である。ある実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、可逆的結合である。ある実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、pHによって制御されることができる。別の具体的な実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。いくつかの実施態様において、カーゴタンパク質がインビトロではエフリン受容体JMドメインに結合するが、インビボではエフリン受容体JMドメインから放出されるように、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。他の実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質が、エフリン受容体JMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる。ある実施態様において、エフリン受容体JMドメインは、ホスホチロシンを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、ホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、ホスホチロシンとホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、PTBドメインである。別の具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、SH2ドメインである。具体的な実施態様において、エフリン受容体JMドメインは、(i)(X1)-Ptyr-(X2)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X1は、Y、P、V、I、T、もしくはFであり、かつX2は、I、V、L、もしくはAである);(ii)(X3)-Ptyr-(X4)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X3は、T、A、もしくはSであり、かつX4は、EもしくはGである);又は(iii)(i)と(ii)の両方:を含む。
【0016】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつTMドメインのC-末端にあるエフリン受容体KDをさらに含む。ある実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、非共有結合である。ある実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、可逆的結合である。ある実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、pHによって制御されることができる。別の具体的な実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。いくつかの実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質がインビトロではエフリン受容体KDに結合するが、インビボではエフリン受容体KDから放出されるように制御されることができる。他の実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質が、エフリン受容体KDから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる。ある実施態様において、エフリン受容体KDは、ホスホチロシンを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、ホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、ホスホチロシンとホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、PTBドメインである。別の具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、SH2ドメインである。具体的な実施態様において、KDは、活性化ループ中に、(X7)-Ptyr-(X8)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X7は、T、V、又はAであり、かつX8は、E又はTである)を含む。
【0017】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつTMドメインのC-末端にあるSAMリンカードメインをさらに含む。ある実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、非共有結合である。ある実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、可逆的結合である。ある実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、pHによって制御されることができる。別の具体的な実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。いくつかの実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質がインビトロではSAMリンカードメインに結合するが、インビボではSAMリンカードメインから放出されるように制御されることができる。他の実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質が、SAMリンカードメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる。ある実施態様において、SAMリンカードメインは、リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸を含み、カーゴタンパク質又はSBDは、リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインを含み、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸とリン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインとの間の結合である。ある実施態様において、SAMリンカードメインは、エフリン受容体SAMリンカードメインである。
【0018】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつTMドメインのC-末端にあるSAMドメインをさらに含む。ある実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、非共有結合である。ある実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、可逆的結合である。ある実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、pHによって制御されることができる。別の具体的な実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。いくつかの実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質がインビトロではSAMドメインに結合するが、インビボではSAMドメインから放出されるように制御されることができる。他の実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質が、SAMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる。ある実施態様において、カーゴタンパク質又はSBDは、第二のSAMドメインを含み、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、SAMドメインと第二のSAMドメインとの間の結合である。ある実施態様において、SAMドメインは、ホスホチロシンを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、ホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、ホスホチロシンとホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、PTBドメインである。別の具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、SH2ドメインである。具体的な実施態様において、SAMドメインは、α2ヘリックス中のホスホチロシンを含む。具体的な実施態様において、SAMドメインのα2ヘリックス中のホスホチロシンは、(X5)-Ptyr-(X6)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X5は、C、R、Q、又はHであり、かつX6は、Q、I、E、K、R、又はTである)中にある。ある実施態様において、SAMドメインは、エフリン受容体SAMドメインである。
【0019】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつTMドメインのC-末端にあるエフリン受容体PDZ結合モチーフ(PBM)ドメインをさらに含む。ある実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、非共有結合である。ある実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、可逆的結合である。ある実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、pHによって制御されることができる。別の具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。いくつかの実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質がインビトロではエフリン受容体PBMドメインに結合するが、インビボではエフリン受容体PBMドメインから放出されるように制御されることができる。他の実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質が、エフリン受容体PBMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる。ある実施態様において、カーゴタンパク質又はSBDは、PDZドメインを含み、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、エフリン受容体PBMドメインとPDZドメインとの間の結合である。
【0020】
様々な実施態様において、カーゴタンパク質は、治療用タンパク質である。具体的な実施態様において、治療用タンパク質は、治療用抗体又はその抗原結合断片である。別の具体的な実施態様において、治療用タンパク質は、遺伝子エディター又はトランスポザーゼである。様々な実施態様において、カーゴタンパク質は、診断用タンパク質である。具体的な実施態様において、診断用タンパク質は、蛍光タンパク質である。
【0021】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、エフリン受容体リガンド結合ドメイン(LBD)を欠く。様々な実施態様において、ポリペプチドは、突然変異したエフリン受容体LBDを含む。
【0022】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、該ポリペプチドが該ポリペプチドと同一の別のポリペプチドとのヘテロドメイン二量体化を受けるのを可能にする2つの異なるドメインを含む。ある実施態様において、ポリペプチドは、該ポリペプチドが該ポリペプチドと同一の別のポリペプチドとのヘテロドメイン二量体化を受けるのを可能にする2つの異なるドメインをヘッド・トゥ・テール配置で含む。
【0023】
様々な実施態様において、TMドメインは、エフリン受容体TMドメインである。
【0024】
様々な実施態様において、ポリペプチドのエフリン受容体ドメインのいずれか1つ又は複数は、EphA1、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA10、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、もしくはこれらの組合せ由来のものであるか、又はそれらに由来する。ある実施態様において、ポリペプチドのエフリン受容体ドメインドメインのいずれか1つ又は複数は、EphA2、EphA4、EphB2、もしくはこれらの組合せ由来のものであるか、又はそれらに由来する。
【0025】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、免疫グロブリンの修飾されたFcドメインをさらに含む。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、エフリン受容体CRドメインのN-末端にある。具体的な実施態様において、修飾されたFcドメインは、リンカー配列によって、ポリペプチドの残りの部分に融合している。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、a.新生児Fc受容体(FcRn)のFc結合部位に特異的に結合することができ;かつb.ホモ二量体を形成する能力を欠く。ある実施態様において、6.5のpHでFcRnに結合した修飾されたFcドメインの解離定数は、最大でも10
-4Mの値を有する。ある実施態様において、7.4のpHでFcRnに結合した修飾されたFcドメインの解離定数は、少なくとも10
-4Mの値を有する。具体的な実施態様において、修飾されたFcドメインは、アミノ酸配列
【化1】
(ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、及びX
8は、各々、任意のアミノ酸である)に特異的に結合することができる。具体的な実施態様において、修飾されたFcドメインは、ヒトFcRn(配列番号228)及び/又はマウスFcRn(配列番号227)の位置135~158の間のアミノ酸配列に特異的に結合することができる。ある実施態様において、ポリペプチドは、C1q、FcγRI、FcγRII、又はFcγRIIIに実質的に結合しない。ある実施態様において、修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性、修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性、修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性、及び/又は修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性は、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、又は50%減少している。ある実施態様において、修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性、修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性、修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性、及び/又は修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性は、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも1.5、2、3、4、又は5倍減少している。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、N-末端からC-末端に、a.未修飾のCH2ドメインと比べて、エフェクター機能を減少するように修飾されている修飾されたCH2ドメイン;及びb.ホモ二量体を形成する能力を欠くように修飾されている修飾されたCH3ドメイン:を含む。
【0026】
様々な実施態様において、第一のエフリン受容体FN IIIドメインと第二のエフリン受容体FN IIIドメインは、異なるアミノ酸配列を含む。
【0027】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、治療剤又は診断剤を標的細胞又は組織に送達する方法であって、本明細書に記載される細胞外小胞又はハイブリドソームを該標的細胞又組織に提供することを含む、方法である。
【0028】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、N-末端からC-末端の方向に: a.ターゲッティングドメイン; b.エフリン受容体CRドメイン; c.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;並びにd. TMドメインを含むポリペプチドである。ある実施態様において、ポリペプチドは、エフリン結合活性を欠く。ある実施態様において、ターゲッティングドメインは、scFv、(scFv)2、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、dAb、Fd断片、ダイアボディ、F(ab')3、ジスルフィド結合Fv、sdAb(VHH又はナノボディ)、CDR、ジ-scFv、バイ-scFv、tascFv(タンデムscFv)、トリアボディ、テトラボディ、V-NARドメイン、Fcab、IgGACH2、DVD-Ig、プロボディ、DARPin、センチリン、アフィボディ、アフィリン、アフィチン、アンチカリン、アビマー、フィノマー、クニッツドメインペプチド、モノボディ(又はアドネクチン)、トリボディ、及びナノフィチン:からなる群から選択される。ある実施態様において、ターゲッティングドメインは、マーカーに特異的に結合する。具体的な実施態様において、マーカーは、腫瘍関連抗原である。具体的な実施態様において、腫瘍関連抗原は、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、CD20、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、前立腺特異的膜(PSMA)、DLL3、ガングリオシドGD2(GD2)、CD123、アノクタミン-1(Ano1)、メソテリン、カルボニックアンンヒドラーゼIX(CAIX)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(TROP2)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン-l8.2、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、糖タンパク質非転移性黒色腫タンパク質B(GPNMB)、葉酸受容体-α(FR-α)、妊娠関連血漿タンパク質A(PAPP-A)、CD37、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD2、CD19、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、CD79b、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、グリピカン3(GPC3)、B7ホモログ6(B7H6)、C-Cケモカイン受容体タイプ4(CCR4)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体2(ROR2)、CD133、HLAクラスI組織適合性抗原、α鎖E(HLA-E)、上皮成長因子受容体(EGFR/ERBB-l)、インスリン様成長因子1-受容体(IGF1R)、及びヒト上皮成長因子受容体3からなる群から選択される。
【0029】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、N-末端からC-末端の方向に: a.エフリン受容体CRドメイン; b.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン; c. TMドメイン;並びにd.カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインを含むポリペプチドである。ある実施態様において、ポリペプチドは、エフリン結合活性を欠く。
【0030】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、N-末端からC-末端の方向に: a.ターゲッティングドメイン; b.エフリン受容体CRドメイン; c.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン; d. TMドメイン;並びにe.カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインを含むポリペプチドある。ある実施態様において、ポリペプチドは、エフリン結合活性を欠く。ある実施態様において、ターゲッティングドメインは、scFv、(scFv)2、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、dAb、Fd断片、ダイアボディ、F(ab')3、ジスルフィド結合Fv、sdAb(VHH又はナノボディ)、CDR、ジ-scFv、バイ-scFv、tascFv(タンデムscFv)、トリアボディ、テトラボディ、V-NARドメイン、Fcab、IgGACH2、DVD-Ig、プロボディ、DARPin、センチリン、アフィボディ、アフィリン、アフィチン、アンチカリン、アビマー、フィノマー、クニッツドメインペプチド、モノボディ(又はアドネクチン)、トリボディ、及びナノフィチン:からなる群から選択される。ある実施態様において、ターゲッティングドメインは、マーカーに特異的に結合する。具体的な実施態様において、マーカーは、腫瘍関連抗原である。具体的な実施態様において、腫瘍関連抗原は、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、CD20、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、前立腺特異的膜(PSMA)、DLL3、ガングリオシドGD2(GD2)、CD123、アノクタミン-1(Ano1)、メソテリン、カルボニックアンンヒドラーゼIX(CAIX)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(TROP2)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン-l8.2、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、糖タンパク質非転移性黒色腫タンパク質B(GPNMB)、葉酸受容体-α(FR-α)、妊娠関連血漿タンパク質A(PAPP-A)、CD37、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD2、CD19、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、CD79b、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、グリピカン3(GPC3)、B7ホモログ6(B7H6)、C-Cケモカイン受容体タイプ4(CCR4)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体2(ROR2)、CD133、HLAクラスI組織適合性抗原、α鎖E(HLA-E)、上皮成長因子受容体(EGFR/ERBB-l)、インスリン様成長因子1-受容体(IGF1R)、及びヒト上皮成長因子受容体3からなる群から選択される。
【0031】
様々な実施態様において、カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインは、リンカーを介して、ポリペプチドの残りの部分に融合している。ある実施態様において、カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインは、リンカーを介して、ポリペプチドの残りの部分に共有結合的に融合している。具体的な実施態様において、リンカーは、ペプチドリンカーである。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)n(配列番号226)のアミノ酸配列を含み、ここで、nは、1~10の整数である。別の具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、GGGSというアミノ酸配列を含む。
【0032】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができるカーゴ結合ドメインを含む。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、非共有結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、可逆的結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、pHによって制御されることができる。別の具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質がインビトロではカーゴ結合ドメインに結合するが、インビボではカーゴ結合ドメインから放出されるように制御されることができる。他の実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質が、カーゴ結合ドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、ホスホチロシンを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、ホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、ホスホチロシンとホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、ホスホチロシン結合(PTB)ドメインである。別の具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、Src相同性2(SH2)ドメインである。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、第一のステライルα-モチーフ(SAM)ドメインを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、第二のSAMドメインを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、第一のSAMドメインと第二のSAMドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、PDZ結合モチーフ(PBM)ドメインを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、PDZドメインを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、PBMドメインとPDZドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、PDZドメインを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、PBMドメインを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、PDZドメインとPBMドメインとの間の結合である。
【0033】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質である。
【0034】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつTMドメインのC-末端にあるエフリン受容体JMドメインをさらに含む。ある実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、非共有結合である。ある実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、可逆的結合である。ある実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、pHによって制御されることができる。別の具体的な実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。いくつかの実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質がインビトロではエフリン受容体JMドメインに結合するが、インビボではエフリン受容体JMドメインから放出されるように制御されることができる。他の実施態様において、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質が、エフリン受容体JMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる。ある実施態様において、エフリン受容体JMドメインは、ホスホチロシンを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、ホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、エフリン受容体JMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、ホスホチロシンとホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、PTBドメインである。別の具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、SH2ドメインである。具体的な実施態様において、エフリン受容体JMドメインは、(i)(X1)-Ptyr-(X2)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X1は、Y、P、V、I、T、もしくはFであり、かつX2は、I、V、L、もしくはAである);(ii)(X3)-Ptyr-(X4)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X3は、T、A、もしくはSであり、かつX4は、EもしくはGである);又は(iii)(i)と(ii)の両方:を含む。
【0035】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつTMドメインのC-末端にあるエフリン受容体KDをさらに含む。ある実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、非共有結合である。ある実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、可逆的結合である。ある実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、pHによって制御されることができる。別の具体的な実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。いくつかの実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質がインビトロではエフリン受容体KDに結合するが、インビボではエフリン受容体KDから放出されるように制御されることができる。他の実施態様において、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質が、エフリン受容体KDから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる。ある実施態様において、エフリン受容体KDは、ホスホチロシンを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、ホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、エフリン受容体KDとカーゴタンパク質との間の結合は、ホスホチロシンとホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、PTBドメインである。別の具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、SH2ドメインである。具体的な実施態様において、KDは、活性化ループ中に、(X7)-Ptyr-(X8)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X7は、T、V、又はAであり、かつX8は、E又はTである)を含む。
【0036】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつTMドメインのC-末端にあるSAMリンカードメインをさらに含む。ある実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、非共有結合である。ある実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、可逆的結合である。ある実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、pHによって制御されることができる。別の具体的な実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。いくつかの実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質がインビトロではSAMリンカードメインに結合するが、インビボではSAMリンカードメインから放出されるように制御されることができる。他の実施態様において、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質が、SAMリンカードメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる。ある実施態様において、SAMリンカードメインは、リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸を含み、カーゴタンパク質又はSBDは、リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインを含み、SAMリンカードメインとカーゴタンパク質との間の結合は、リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸とリン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインとの間の結合である。ある実施態様において、SAMリンカードメインは、エフリン受容体SAMリンカードメインである。
【0037】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつTMドメインのC-末端にあるSAMドメインをさらに含む。ある実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、非共有結合である。ある実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、可逆的結合である。ある実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、pHによって制御されることができる。別の具体的な実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。いくつかの実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質がインビトロではSAMドメインに結合するが、インビボではSAMドメインから放出されるように制御されることができる。他の実施態様において、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質が、SAMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる。ある実施態様において、カーゴタンパク質又はSBDは、第二のSAMドメインを含み、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、SAMドメインと第二のSAMドメインとの間の結合である。ある実施態様において、SAMドメインは、ホスホチロシンを含み、カーゴタンパク質又はSBDは、ホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、SAMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、ホスホチロシンとホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、PTBドメインである。別の具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、SH2ドメインである。具体的な実施態様において、SAMドメインは、α2ヘリックス中のホスホチロシンを含む。具体的な実施態様において、SAMドメインのα2ヘリックス中のホスホチロシンは、(X5)-Ptyr-(X6)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X5は、C、R、Q、又はHであり、かつX6は、Q、I、E、K、R、又はTである)中にある。ある実施態様において、SAMドメインは、エフリン受容体SAMドメインである。
【0038】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつTMドメインのC-末端にあるエフリン受容体PDZ結合モチーフ(PBM)ドメインをさらに含む。ある実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、非共有結合である。ある実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、可逆的結合である。ある実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、pHによって制御されることができる。別の具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。いくつかの実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質がインビトロではエフリン受容体PBMドメインに結合するが、インビボではエフリン受容体PBMドメインから放出されるように制御されることができる。他の実施態様において、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、カーゴタンパク質が、エフリン受容体PBMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる。ある実施態様において、カーゴタンパク質又はSBDは、PDZドメインを含み、エフリン受容体PBMドメインとカーゴタンパク質との間の結合は、エフリン受容体PBMドメインとPDZドメインとの間の結合である。
【0039】
様々な実施態様において、カーゴタンパク質は、治療用タンパク質である。具体的な実施態様において、治療用タンパク質は、治療用抗体又はその抗原結合断片である。別の具体的な実施態様において、治療用タンパク質は、遺伝子エディター又はトランスポザーゼである。様々な実施態様において、カーゴタンパク質は、診断用タンパク質である。具体的な実施態様において、診断用タンパク質は、蛍光タンパク質である。
【0040】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、エフリン受容体リガンド結合ドメイン(LBD)を欠く。様々な実施態様において、ポリペプチドは、突然変異したエフリン受容体LBDを含む。
【0041】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、該ポリペプチドが該ポリペプチドと同一の別のポリペプチドとのヘテロドメイン二量体化を受けるのを可能にする2つの異なるドメインを含む。ある実施態様において、ポリペプチドは、該ポリペプチドが該ポリペプチドと同一の別のポリペプチドとのヘテロドメイン二量体化を受けるのを可能にする2つの異なるドメインをヘッド・トゥ・テール配置で含む。
【0042】
様々な実施態様において、TMドメインは、エフリン受容体TMドメインである。
【0043】
様々な実施態様において、ポリペプチドのエフリン受容体ドメインのいずれか1つ又は複数は、EphA1、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA10、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、もしくはこれらの組合せ由来のものであるか、又はそれらに由来する。ある実施態様において、ポリペプチドのエフリン受容体ドメインドメインのいずれか1つ又は複数は、EphA2、EphA4、EphB2、もしくはこれらの組合せ由来のものであるか、又はそれらに由来する。
【0044】
様々な実施態様において、ポリペプチドは、免疫グロブリンの修飾されたFcドメインをさらに含む。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、エフリン受容体CRドメインのN-末端にある。具体的な実施態様において、修飾されたFcドメインは、リンカー配列によって、ポリペプチドの残りの部分に融合している。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、a.新生児Fc受容体(FcRn)のFc結合部位に特異的に結合することができ;かつb.ホモ二量体を形成する能力を欠く。ある実施態様において、6.5のpHでFcRnに結合した修飾されたFcドメインの解離定数は、最大でも10
-4Mの値を有する。ある実施態様において、7.4のpHでFcRnに結合した修飾されたFcドメインの解離定数は、少なくとも10
-4Mの値を有する。具体的な実施態様において、修飾されたFcドメインは、アミノ酸配列
【化2】
(ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、及びX
8は、各々、任意のアミノ酸である)に特異的に結合することができる。具体的な実施態様において、修飾されたFcドメインは、ヒトFcRn(配列番号228)及び/又はマウスFcRn(配列番号227)の位置135~158の間のアミノ酸配列に特異的に結合することができる。ある実施態様において、ポリペプチドは、C1q、FcγRI、FcγRII、又はFcγRIIIに実質的に結合しない。ある実施態様において、修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性、修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性、修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性、及び/又は修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性は、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、又は50%減少している。ある実施態様において、修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性、修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性、修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性、及び/又は修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性は、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも1.5、2、3、4、又は5倍減少している。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、N-末端からC-末端に、a.未修飾のCH2ドメインと比べて、エフェクター機能を減少するように修飾されている修飾されたCH2ドメイン;及びb.ホモ二量体を形成する能力を欠くように修飾されている修飾されたCH3ドメイン:を含む。
【0045】
様々な実施態様において、第一のエフリン受容体FN IIIドメインと第二のエフリン受容体FN IIIドメインは、異なるアミノ酸配列を含む。
【0046】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるポリペプチドをコードする核酸である。
【0047】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される核酸を含む発現ベクターである。
【0048】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される本明細書に記載される核酸又は発現ベクターを含む細胞である。
【0049】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、EVを産生する方法であり、ここで、該方法は、a.細胞を本明細書に記載される本明細書に記載される核酸又は発現ベクターでトランスフェクトすること; b.該細胞を該EVの産生のための好適な条件下で培養すること;及びc.該細胞によって分泌されるEVを回収すること:を含む。
【0050】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、ハイブリドソームを産生する方法であり、ここで、該方法は、第一のEVを第二のEVと接触させ、それにより、該第一のEVを該第二のEVと一体化させて、該ハイブリドソームを産生することを含み、ここで、該第一のEVは、インビトロで産生されたものであり、かつ該第一のEVは、(i)膜、及び(ii)融合性でイオン化可能なカチオン性脂質を含み、かつここで、該第二のEVは、上記の方法によって産生されたものである。
【0051】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、EV又はハイブリドソームを精製する方法であり、ここで、該方法は、a.該EV又はハイブリドソームを提供すること(ここで、該EV又はハイブリドソームは、第一の結合パートナーを含み、ここで、該第一の結合パートナーは、FcRnのFc結合部位にpH依存的な様式で結合することができる);及びb.第一のpHで、該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二の結合パートナーと接触させること(ここで、該第二の結合パートナーは、該FcRnのFc結合部位を含み、かつ固体マトリックスと関連している);及びc.該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二のpHで該固体マトリックスから溶出させること:を含む。ある実施態様において、該方法は、第一のpHでの洗浄工程をさらに含む。ある実施態様において、第一のpHは、6.5未満である。ある実施態様において、第二のpHは、7.4を上回る。ある実施態様において、FcRnのFc結合部位は、配列番号230のアミノ酸配列を含む。
【0052】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、EV又はハイブリドソームを精製する方法であり、ここで、該方法は、a.該EV又はハイブリドソームを提供すること(ここで、該EV又はハイブリドソームは、第一の結合パートナーを含み、ここで、該第一の結合パートナーは、FcRnのFc結合部位にpH依存的な様式で結合することができ、かつ本明細書に記載されるポリペプチドを含むか、又は該ポリペプチドからなる);及びb.第一のpHで、該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二の結合パートナーと接触させること(ここで、該第二の結合パートナーは、該FcRnのFc結合部位を含み、かつ固体マトリックスと関連している);及びc.該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二のpHで該固体マトリックスから溶出させること:を含む。ある実施態様において、該方法は、第一のpHでの洗浄工程をさらに含む。ある実施態様において、第一のpHは、6.5未満である。ある実施態様において、第二のpHは、7.4を上回る。ある実施態様において、FcRnのFc結合部位は、配列番号230のアミノ酸配列を含む。
【0053】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるポリペプチドは、エンドドメイン又はその部分(例えば、ステライルアルファモチーフ(SAM)ドメイン及び/もしくはPDZドメイン)が欠如しているためか、或いは親Eph受容体のキナーゼ活性が、例えば、突然変異及び/又は欠失によって不活性化されているために、前方(すなわち、内腔)のシグナル伝達能が低下しているという点で、シグナルニュートラルである。さらに、リガンド結合ドメインが、好ましくは、Eph受容体の天然リガンドであるエフリンとの結合が減少又は消失するように修飾されている又は欠失させられているため、スキャフォールドは、好ましくは細胞外不活性である。
【0054】
重要なことに、本開示のそのような改変されたEph受容体変異体は、目的の分子(例えば、カーゴ、ターゲッティングドメイン、又は精製ドメイン)を融合させることができる、接近可能で、かつ遊離しているN-末端とC-末端の両方を有する。例えば、ポリペプチドを1以上のターゲッティングドメインとインフレームで融合させることができ、例えば、そのようなポリペプチドを含むナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)を、対象への投与時に、特定の細胞型にターゲッティングすることを可能にする。融合部分が機能的であるためには、融合部分とナノ小胞(例えば、EV又はハイブリドソーム)の表面との間に一定の距離があることが有益である。ターゲッティング部分をEph受容体由来ポリペプチドのリガンド結合ドメイン(LBD)のN-末端に融合させることにより、屈曲及び/又は再構成する柔軟性はあるが、同時に安定である構造が得られる。さらに、Eph受容体のエクトドメインが膜から突出しているので、Eph受容体のエクトドメインは、リーチのための長い突出を提供する。
【0055】
ある実施態様において、本明細書に開示されるポリペプチド及びこれらのポリペプチドを含むナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)は、治療応用に好適である。
【0056】
一態様において、本開示は、Eph受容体に由来するポリペプチドであって、
i.親Eph受容体と比較したとき、エフリンとの結合が減少しているか又はエフリンとの結合がないことを示すエフリンリガンド結合ドメインを含み;かつ
ii.膜貫通ドメインを含む、
該ポリペプチドを提供する。
【0057】
好ましくは、該ポリペプチドは、1以上の目的の分子、好ましくは、タンパク質に融合している。
【0058】
別の態様において、本明細書に記載されるポリペプチドをコードする核酸が提供される。
【0059】
別の態様において、本明細書に記載される核酸を含む発現ベクターが提供される。
【0060】
さらに別の態様において、そのような核酸又は発現ベクターを含む細胞が提供される。外因性核酸又は発現ベクターは、一過性に又は安定的に細胞に導入することができる。好ましい実施態様において、そのような細胞は、ナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)を好適な条件下で産生することができるソース細胞である。
【0061】
別の態様において、本開示は、本明細書に開示されるポリペプチドを含むナノ小胞(例えば、EV又はハイブリドソーム)に関する。一実施態様において、ナノ小胞は、ソース細胞(すなわち、細胞外小胞又は「EV」)に由来する。一実施態様において、ナノ小胞は、天然/合成ハイブリッド(例えば、ハイブリドソーム)である。
【0062】
別の態様において、表面が1以上の異種ポリペプチド(例えば、ターゲッティングドメイン)で装飾されたナノ小胞(例えば、EV又はハイブリドソーム)を産生する方法であって、
(i)1以上の目的のタンパク質に融合されている本明細書に開示されるポリペプチドをコードする核酸又は発現ベクターを提供する工程;
(ii)細胞を本明細書に記載される核酸又は発現ベクターでトランスフェクトする工程;
(iii)ナノ小胞が産生されるように、該細胞を好適な条件下で培養する工程;及び
(iv)そのように産生されたナノ小胞を細胞培養物から精製する工程
を含む、方法が提供される。
【0063】
さらに提供されるのは、本明細書に記載されるナノ小胞、本明細書に記載される核酸、本明細書に記載される発現ベクター、及び/又は本明細書に記載される細胞を含む組成物である。そのような組成物は、疾患又は障害の治療において使用することができる。
【0064】
さらに提供されるのは、疾患又は障害を治療する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書に記載される組成物を投与することを含む、方法である。
(3.1 例示的な実施態様)
1.ポリペプチドを含む細胞外小胞(EV)であって、該ポリペプチドが、N-末端からC-末端の方向に:
a.エフリン受容体システインリッチ(CR)ドメイン;
b.第一のエフリン受容体フィブロネクチンタイプIII(FN III)ドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;並びに
c.膜貫通(TM)ドメイン;
を含み、
ここで、該ポリペプチドが、(i)エフリン結合活性、(ii)エフリン受容体キナーゼ活性、又は(iii)エフリン結合活性とエフリン受容体キナーゼ活性の両方を欠く、
前記細胞外小胞(EV)。
2.ポリペプチドを含むハイブリドソームであって、ここで、該ポリペプチドが、N-末端からC-末端の方向に:
a.エフリン受容体CRドメイン;
b.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;並びに
c. TMドメイン;
を含み、
ここで、該ポリペプチドが、(i)エフリン結合活性、(ii)エフリン受容体キナーゼ活性、又は(iii)エフリン結合活性とエフリン受容体キナーゼ活性の両方を欠く、
前記ハイブリドソーム。
3.前記ポリペプチドがエフリン結合活性を欠く、段落1記載のEV又は段落2記載のハイブリドソーム。
4.前記ポリペプチドが前記エフリン受容体CRドメインのN-末端にターゲッティングドメインをさらに含む、段落1~3のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
5.前記ターゲッティングドメインが、scFv、(scFv)2、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、dAb、Fd断片、ダイアボディ、F(ab')3、ジスルフィド結合Fv、sdAb(VHH又はナノボディ)、CDR、ジ-scFv、バイ-scFv、tascFv(タンデムscFv)、トリアボディ、テトラボディ、V-NARドメイン、Fcab、IgGACH2、DVD-Ig、プロボディ、DARPin、センチリン、アフィボディ、アフィリン、アフィチン、アンチカリン、アビマー、フィノマー、クニッツドメインペプチド、モノボディ(又はアドネクチン)、トリボディ、及びナノフィチン:からなる群から選択される、段落4記載のEV又はハイブリドソーム。
6.前記ターゲッティングドメインがマーカーに特異的に結合する、段落4又は5記載のEV又はハイブリドソーム。
7.前記マーカーが腫瘍関連抗原である、段落6記載のEV又はハイブリドソーム。
8.前記腫瘍関連抗原が、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、CD20、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、前立腺特異的膜(PSMA)、DLL3、ガングリオシドGD2(GD2)、CD123、アノクタミン-1(Ano1)、メソテリン、カルボニックアンンヒドラーゼIX(CAIX)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(TROP2)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン-l8.2、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、糖タンパク質非転移性黒色腫タンパク質B(GPNMB)、葉酸受容体-α(FR-α)、妊娠関連血漿タンパク質A(PAPP-A)、CD37、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD2、CD19、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、CD79b、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、グリピカン3(GPC3)、B7ホモログ6(B7H6)、C-Cケモカイン受容体タイプ4(CCR4)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体2(ROR2)、CD133、HLAクラスI組織適合性抗原、α鎖E(HLA-E)、上皮成長因子受容体(EGFR/ERBB-l)、インスリン様成長因子1-受容体(IGF1R)、及びヒト上皮成長因子受容体3からなる群から選択される、段落7記載のEV又はハイブリドソーム。
9.前記ポリペプチドが、前記TMドメインのC-末端に、カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインをさらに含む、段落1~8のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
10.前記カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインが、リンカーを介して、前記ポリペプチドの残りの部分に融合している、段落9記載のEV又はハイブリドソーム。
11.前記カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインが、リンカーを介して、前記ポリペプチドの残りの部分に共有結合的に融合している、段落10記載のEV又はハイブリドソーム。
12.前記リンカーがペプチドリンカーである、段落10又は11記載のEV又はハイブリドソーム。
13.前記ペプチドリンカーが(GGGS)n(配列番号226)のアミノ酸配列を含み、ここで、nが1~10の整数である、段落12記載のEV又はハイブリドソーム。
14.前記ペプチドリンカーがGGGSというアミノ酸配列を含む、段落12記載のEV又はハイブリドソーム。
15.前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたスキャフォールド結合ドメイン(SBD)を介して間接的に結合することができるカーゴ結合ドメインを含む、段落9~14のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
16.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、段落15記載のEV又はハイブリドソーム。
17.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、段落15又は16記載のEV又はハイブリドソーム。
18.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、段落15~17のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
19.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、段落18記載のEV又はハイブリドソーム。
20.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、段落18記載のEV又はハイブリドソーム。
21.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該カーゴ結合ドメインに結合するが、インビボでは該カーゴ結合ドメインから放出されるように制御されることができる、段落15~20のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
22.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該カーゴ結合ドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する様式で放出されるように制御されることができる、段落15~20のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
23.前記カーゴ結合ドメインがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、段落15~22のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
24.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがホスホチロシン結合(PTB)ドメインである、段落23記載のEV又はハイブリドソーム。
25.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSrc相同性2(SH2)ドメインである、段落23記載のEV又はハイブリドソーム。
26.前記カーゴ結合ドメインが第一のステライルα-モチーフ(SAM)ドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDが第二のSAMドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該第一のSAMドメインと該第二のSAMドメインとの間の結合である、段落15~22のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
27.前記カーゴ結合ドメインがPDZ結合モチーフ(PBM)ドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPDZドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該PBMドメインと該PDZドメインとの間の結合である、段落15~22のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
28.前記カーゴ結合ドメインがPDZドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPBMドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該PDZドメインと該PBMドメインとの間の結合である、段落15~22のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
29.前記ポリペプチドがカーゴタンパク質である、段落9~14のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
30.前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にあるエフリン受容体JMドメインをさらに含む、段落1~8のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
31.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、段落30記載のEV又はハイブリドソーム。
32.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、段落30又は31記載のEV又はハイブリドソーム。
33.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、段落30~32のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
34.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、段落33記載のEV又はハイブリドソーム。
35.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、段落33記載のEV又はハイブリドソーム。
36.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該エフリン受容体JMドメインに結合するが、インビボでは該エフリン受容体JMドメインから放出されるように制御されることができる、段落30~35のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
37.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該エフリン受容体JMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、段落30~35のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
38.前記エフリン受容体JMドメインがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該エフリン受容体JMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、段落30~37のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
39.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、段落38記載のEV又はハイブリドソーム。
40.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、段落38記載のEV又はハイブリドソーム。
41.前記エフリン受容体JMドメインが、
(i)(X
1)-Ptyr-(X
2)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
1は、Y、P、V、I、T、もしくはFであり、かつX
2は、I、V、L、もしくはAである);
(ii)(X
3)-Ptyr-(X
4)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
3は、T、A、もしくはSであり、かつX
4は、EもしくはGである);又は
(iii)(i)と(ii)の両方
:を含む、段落38~40のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
42.前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にあるエフリン受容体KDをさらに含む、段落1~8のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
43.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、段落42記載のEV又はハイブリドソーム。
44.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、段落42又は43記載のEV又はハイブリドソーム。
45.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、段落42~44のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
46.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、段落45記載のEV又はハイブリドソーム。
47.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、段落45記載のEV又はハイブリドソーム。
48.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該エフリン受容体KDに結合するが、インビボでは該エフリン受容体KDから放出されるように制御されることができる、段落42~47のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
49.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該エフリン受容体KDから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、段落42~47のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
50.前記エフリン受容体KDがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該エフリン受容体KDと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、段落42~49のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
51.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、段落50記載のEV又はハイブリドソーム。
52.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、段落50記載のEV又はハイブリドソーム。
53.前記KDが、活性化ループ中に、(X
7)-Ptyr-(X
8)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
7は、T、V、又はAであり、かつX
8は、E又はTである)を含む、段落50~52のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
54.前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にあるSAMリンカードメインをさらに含む、段落1~8のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
55.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、段落54記載のEV又はハイブリドソーム。
56.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、段落54又は55記載のEV又はハイブリドソーム。
57.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、段落54~56のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
58.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、段落57記載のEV又はハイブリドソーム。
59.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、段落57記載のEV又はハイブリドソーム。
60.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは前記SAMリンカードメインに結合するが、インビボでは該SAMリンカードメインから放出されるように制御されることができる、段落54~59のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
61.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該SAMリンカードメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、段落54~59のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
62.前記SAMリンカードメインがリン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸を含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDが該リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインを含み、該SAMリンカードメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸と該リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインとの間の結合である、段落54~61のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
63.前記SAMリンカードメインがエフリン受容体SAMリンカードメインである、段落54~62のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
64.前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にあるSAMドメインをさらに含む、段落1~8のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
65.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、段落64記載のEV又はハイブリドソーム。
66.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、段落64又は65記載のEV又はハイブリドソーム。
67.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、段落64~66のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
68.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、段落67記載のEV又はハイブリドソーム。
69.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、段落67記載のEV又はハイブリドソーム。
70.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該SAMドメインに結合するが、インビボでは該SAMドメインから放出されるように制御されることができる、段落64~69のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
71.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該SAMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、段落64~69のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
72.前記カーゴタンパク質又は前記SBDが第二のSAMドメインを含み、前記SAMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該SAMドメインと該第二のSAMドメインとの間の結合である、段落64~71のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
73.前記SAMドメインがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該SAMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、段落64~71のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
74.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、段落73記載のEV又はハイブリドソーム。
75.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、段落73記載のEV又はハイブリドソーム。
76.前記SAMドメインがα2ヘリックス中のホスホチロシンを含む、段落73~75のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
77.前記SAMドメインのα2ヘリックス中のホスホチロシンが(X
5)-Ptyr-(X
6)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
5は、C、R、Q、又はHであり、かつX
6は、Q、I、E、K、R、又はTである)中にある、段落76記載のEV又はハイブリドソーム。
78.前記SAMドメインがエフリン受容体SAMドメインである、段落64~77のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
79.前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にあるエフリン受容体PDZ結合モチーフ(PBM)ドメインをさらに含む、段落1~8のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
80.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、段落79記載のEV又はハイブリドソーム。
81.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、段落79又は80記載のEV又はハイブリドソーム。
82.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、段落79~81のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
83.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、段落82記載のEV又はハイブリドソーム。
84.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、段落82記載のEV又はハイブリドソーム。
85.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該エフリン受容体PBMドメインに結合するが、インビボでは該エフリン受容体PBMドメインから放出されるように制御されることができる、段落79~84のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
86.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該エフリン受容体PBMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、段落79~84のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
87.前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPDZドメインを含み、前記エフリン受容体PBMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該エフリン受容体PBMドメインと該PDZドメインとの間の結合である、段落79~86のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
88.前記カーゴタンパク質が治療用タンパク質である、段落9~87のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
89.前記治療用タンパク質が治療用抗体又はその抗原結合断片である、段落88記載のEV又はハイブリドソーム。
90.前記治療用タンパク質が遺伝子エディター又はトランスポザーゼである、段落88記載のEV又はハイブリドソーム。
91.前記カーゴタンパク質が診断用タンパク質である、段落9~87のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
92.前記診断用タンパク質が蛍光タンパク質である、段落91記載のEV又はハイブリドソーム。
93.前記ポリペプチドがエフリン受容体リガンド結合ドメイン(LBD)を欠く、段落1~92のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
94.前記ポリペプチドが突然変異したエフリン受容体LBDを含む、段落1~92のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
95.前記ポリペプチドが、該ポリペプチドが該ポリペプチドと同一の別のポリペプチドとのヘテロドメイン二量体化を受けるのを可能にする2つの異なるドメインを含む、段落1~94のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
96.前記ポリペプチドが、該ポリペプチドが該ポリペプチドと同一の別のポリペプチドとのヘテロドメイン二量体化を受けるのを可能にする2つの異なるドメインをヘッド・トゥ・テール配置で含む、段落1~94のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
97.前記TMドメインがエフリン受容体TMドメインである、段落1~96のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
98.前記ポリペプチドのエフリン受容体ドメインのいずれか1つ又は複数が、EphA1、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA10、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、もしくはこれらの組合せ由来のものであるか、又はそれらに由来する、段落1~97のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
99.前記ポリペプチドのエフリン受容体ドメインドメインのいずれか1つ又は複数が、EphA2、EphA4、EphB2、もしくはこれらの組合せ由来のものであるか、又はそれらに由来する、段落1~97のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
100.前記ポリペプチドが免疫グロブリンの修飾されたFcドメインをさらに含む、段落1~99のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
101.前記修飾されたFcドメインが前記エフリン受容体CRドメインのN-末端にある、段落100記載のEV又はハイブリドソーム。
102.前記修飾されたFcドメインが、リンカー配列によって、前記ポリペプチドの残りの部分に融合している、段落101記載のEV又はハイブリドソーム。
103.前記修飾されたFcドメインが、
a.新生児Fc受容体(FcRn)のFc結合部位に特異的に結合することができ;かつ
b.ホモ二量体を形成する能力を欠く、
段落100~102のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
104. 6.5のpHでFcRnに結合した前記修飾されたFcドメインの解離定数が最大でも10
-4Mの値を有する、段落100~103のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
105. 7.4のpHでFcRnに結合した前記修飾されたFcドメインの解離定数が少なくとも10
-4Mの値を有する、段落100~104のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
106.前記修飾されたFcドメインが、アミノ酸配列
【化3】
(ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、及びX
8は、各々、任意のアミノ酸である)に特異的に結合することができる、段落100~105のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
107.前記修飾されたFcドメインがヒトFcRn(配列番号228)及び/又はマウスFcRn(配列番号227)の位置135~158の間のアミノ酸配列に特異的に結合することができる、段落100~106のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
108.前記ポリペプチドが、C1q、FcγRI、FcγRII、又はFcγRIIIに実質的に結合しない、段落100~107のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
109.
a.前記修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性;
b.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性;
c.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性;及び/又は
d.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性
が、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、又は50%減少している
:段落100~108のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
110.
a.前記修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性;
b.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性;
c.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性;及び/又は
d.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性
が、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも1.5、2、3、4、又は5倍減少している
:段落100~109のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
111.前記修飾されたFcドメインが、N-末端からC-末端に、
a.前記未修飾のCH2ドメインと比べて、エフェクター機能を減少するように修飾されている修飾されたCH2ドメイン;及び
b.ホモ二量体を形成する能力を欠くように修飾されている修飾されたCH3ドメイン
:を含む、段落100~110のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
112.前記第一のエフリン受容体FN IIIドメインと前記第二のエフリン受容体FN IIIドメインが異なるアミノ酸配列を含む、段落1~111のいずれか一項記載のEV又はハイブリドソーム。
113.治療剤又は診断剤を標的細胞又は組織に送達する方法であって、段落1~112のいずれか一項記載の細胞外小胞又はハイブリドソームを該標的細胞又組織に提供することを含む、前記方法。
114.N-末端からC-末端の方向に、
a.ターゲッティングドメイン;
b.エフリン受容体CRドメイン;
c.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;及び
d. TMドメイン
:を含む、ポリペプチド。
115.前記ポリペプチドがエフリン結合活性を欠く、段落114記載のポリペプチド。
116.前記ターゲッティングドメインが、scFv、(scFv)2、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、dAb、Fd断片、ダイアボディ、F(ab')3、ジスルフィド結合Fv、sdAb(VHH又はナノボディ)、CDR、ジ-scFv、バイ-scFv、tascFv(タンデムscFv)、トリアボディ、テトラボディ、V-NARドメイン、Fcab、IgGACH2、DVD-Ig、プロボディ、DARPin、センチリン、アフィボディ、アフィリン、アフィチン、アンチカリン、アビマー、フィノマー、クニッツドメインペプチド、モノボディ(又はアドネクチン)、トリボディ、及びナノフィチン:からなる群から選択される、段落114又は115記載のポリペプチド。
117.前記ターゲッティングドメインがマーカーに特異的に結合する、段落114~116のいずれか一項記載のポリペプチド。
118.前記マーカーが腫瘍関連抗原である、段落117記載のポリペプチド。
119.前記腫瘍関連抗原が、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、CD20、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、前立腺特異的膜(PSMA)、DLL3、ガングリオシドGD2(GD2)、CD123、アノクタミン-1(Ano1)、メソテリン、カルボニックアンンヒドラーゼIX(CAIX)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(TROP2)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン-l8.2、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、糖タンパク質非転移性黒色腫タンパク質B(GPNMB)、葉酸受容体-α(FR-α)、妊娠関連血漿タンパク質A(PAPP-A)、CD37、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD2、CD19、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、CD79b、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、グリピカン3(GPC3)、B7ホモログ6(B7H6)、C-Cケモカイン受容体タイプ4(CCR4)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体2(ROR2)、CD133、HLAクラスI組織適合性抗原、α鎖E(HLA-E)、上皮成長因子受容体(EGFR/ERBB-l)、インスリン様成長因子1-受容体(IGF1R)、及びヒト上皮成長因子受容体3からなる群から選択される、段落118記載のポリペプチド。
120.N-末端からC-末端の方向に、
a.エフリン受容体CRドメイン;
b.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;
c. TMドメイン;並びに
d.カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメイン
:を含む、ポリペプチド。
121.前記ポリペプチドがエフリン結合活性を欠く、段落120記載のポリペプチド。
122.N-末端からC-末端の方向に、
a.ターゲッティングドメイン;
b.エフリン受容体CRドメイン;
c.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;
d. TMドメイン;並びに
e.カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメイン
:を含む、ポリペプチド。
123.前記ポリペプチドがエフリン結合活性を欠く、段落122記載のポリペプチド。
124.前記ターゲッティングドメインが、scFv、(scFv)2、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、dAb、Fd断片、ダイアボディ、F(ab')3、ジスルフィド結合Fv、sdAb(VHH又はナノボディ)、CDR、ジ-scFv、バイ-scFv、tascFv(タンデムscFv)、トリアボディ、テトラボディ、V-NARドメイン、Fcab、IgGACH2、DVD-Ig、プロボディ、DARPin、センチリン、アフィボディ、アフィリン、アフィチン、アンチカリン、アビマー、フィノマー、クニッツドメインペプチド、モノボディ(又はアドネクチン)、トリボディ、及びナノフィチン:からなる群から選択される、段落122又は123記載のポリペプチド。
125.前記ターゲッティングドメインがマーカーに特異的に結合する、段落122~124のいずれか一項記載のポリペプチド。
126.前記マーカーが腫瘍関連抗原である、段落125記載のポリペプチド。
127.前記腫瘍関連抗原が、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、CD20、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、前立腺特異的膜(PSMA)、DLL3、ガングリオシドGD2(GD2)、CD123、アノクタミン-1(Ano1)、メソテリン、カルボニックアンンヒドラーゼIX(CAIX)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(TROP2)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン-l8.2、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、糖タンパク質非転移性黒色腫タンパク質B(GPNMB)、葉酸受容体-α(FR-α)、妊娠関連血漿タンパク質A(PAPP-A)、CD37、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD2、CD19、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、CD79b、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、グリピカン3(GPC3)、B7ホモログ6(B7H6)、C-Cケモカイン受容体タイプ4(CCR4)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体2(ROR2)、CD133、HLAクラスI組織適合性抗原、α鎖E(HLA-E)、上皮成長因子受容体(EGFR/ERBB-l)、インスリン様成長因子1-受容体(IGF1R)、及びヒト上皮成長因子受容体3からなる群から選択される、段落126記載のポリペプチド。
128.前記カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインが、リンカーを介して、前記ポリペプチドの残りの部分に融合している、段落120~127のいずれか一項記載のポリペプチド。
129.前記カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインが、リンカーを介して、前記ポリペプチドの残りの部分に共有結合的に融合している、段落128記載のポリペプチド。
130.前記リンカーがペプチドリンカーである、段落128又は129記載のポリペプチド。
131.前記ペプチドリンカーが(GGGS)n(配列番号226)のアミノ酸配列を含み、ここで、nが1~10の整数である、段落130記載のポリペプチド。
132.前記ペプチドリンカーがGGGSというアミノ酸配列を含む、段落130記載のポリペプチド。
133.前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができるカーゴ結合ドメインを含む、段落120~132のいずれか一項記載のポリペプチド。
134.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、段落133記載のポリペプチド。
135.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、段落133又は134記載のポリペプチド。
136.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、段落133~135のいずれか一項記載のポリペプチド。
137.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、段落136記載のポリペプチド。
138.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、段落136記載のポリペプチド。
139.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該カーゴ結合ドメインに結合するが、インビボでは該カーゴ結合ドメインから放出されるように制御されることができる、段落133~138のいずれか一項記載のポリペプチド。
140.前記カーゴ結合ドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該カーゴ結合ドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する様式で放出されるように制御されることができる、段落133~138のいずれか一項記載のポリペプチド。
141.前記カーゴ結合ドメインがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、段落133~140のいずれか一項記載のポリペプチド。
142.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、段落141記載のポリペプチド。
143.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、段落141記載のポリペプチド。
144.前記カーゴ結合ドメインが第一のSAMドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDが第二のSAMドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該第一のSAMドメインと該第二のSAMドメインとの間の結合である、段落133~140のいずれか一項記載のポリペプチド。
145.前記カーゴ結合ドメインがPBMドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPDZドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該PBMドメインと該PDZドメインとの間の結合である、段落133~140のいずれか一項記載のポリペプチド。
146.前記カーゴ結合ドメインがPDZドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPBMドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該PDZドメインと該PBMドメインとの間の結合である、段落133~140のいずれか一項記載のポリペプチド。
147.前記ポリペプチドがカーゴタンパク質である、段落120~132のいずれか一項記載のポリペプチド。
148.前記カーゴ結合ドメインがPBMドメインを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPDZドメインを含み、該カーゴ結合ドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該PBMドメインと該PDZドメインとの間の結合である、段落114~119のいずれか一項記載のポリペプチド。
149.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、段落148記載のポリペプチド。
150.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、段落148又は149記載のポリペプチド。
151.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、段落148~150のいずれか一項記載のポリペプチド。
152.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、段落151記載のポリペプチド。
153.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、段落151記載のポリペプチド。
154.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該エフリン受容体JMドメインに結合するが、インビボでは該エフリン受容体JMドメインから放出されるように制御されることができる、段落148~153のいずれか一項記載のポリペプチド。
155.前記エフリン受容体JMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該エフリン受容体JMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、段落148~153のいずれか一項記載のポリペプチド。
156.前記エフリン受容体JMドメインがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該エフリン受容体JMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、段落148~155のいずれか一項記載のポリペプチド。
157.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、段落156記載のポリペプチド。
158.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、段落156記載のポリペプチド。
159.前記エフリン受容体JMドメインが、
(i)(X
1)-Ptyr-(X
2)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
1は、Y、P、V、I、T、もしくはFであり、かつX
2は、I、V、L、もしくはAである);
(ii)(X
3)-Ptyr-(X
4)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
3は、T、A、もしくはSであり、かつX
4は、EもしくはGである);又は
(iii)(i)と(ii)の両方
:を含む、段落156~158のいずれか一項記載のポリペプチド。
160.前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にあるエフリン受容体KDをさらに含む、段落114~119のいずれか一項記載のポリペプチド。
161.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、段落160記載のポリペプチド。
162.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、段落160又は161記載のポリペプチド。
163.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、段落160~162のいずれか一項記載のポリペプチド。
164.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、段落163記載のポリペプチド。
165.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、段落163記載のポリペプチド。
166.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該エフリン受容体KDに結合するが、インビボでは該エフリン受容体KDから放出されるように制御されることができる、段落160~165のいずれか一項記載のポリペプチド。
167.前記エフリン受容体KDと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該エフリン受容体KDから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、段落160~165のいずれか一項記載のポリペプチド。
168.前記エフリン受容体KDがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該エフリン受容体KDと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、段落160~167のいずれか一項記載のポリペプチド。
169.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、段落168記載のポリペプチド。
170.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、段落168記載のポリペプチド。
171.前記KDが、活性化ループ中に、(X
7)-Ptyr-(X
8)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
7は、T、V、又はAであり、かつX
8は、E又はTである)を含む、段落168~170のいずれか一項記載のポリペプチド。
172.前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にあるSAMリンカードメインをさらに含む、段落114~119のいずれか一項記載のポリペプチド。
173.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、段落172記載のポリペプチド。
174.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、段落172又は173記載のポリペプチド。
175.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、段落172~174のいずれか一項記載のポリペプチド。
176.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、段落175記載のポリペプチド。
177.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、段落175記載のポリペプチド。
178.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該SAMリンカードメインに結合するが、インビボでは該SAMリンカードメインから放出されるように制御されることができる、段落172~177のいずれか一項記載のポリペプチド。
179.前記SAMリンカードメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該SAMリンカードメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、段落172~177のいずれか一項記載のポリペプチド。
180.前記SAMリンカードメインがリン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸を含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDが該リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインを含み、該SAMリンカードメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸と該リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインとの間の結合である、段落172~179のいずれか一項記載のポリペプチド。
181.前記SAMリンカードメインがエフリン受容体SAMリンカードメインである、段落172~180のいずれか一項記載のポリペプチド。
182.前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にあるSAMドメインをさらに含む、段落114~119のいずれか一項記載のポリペプチド。
183.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、段落182記載のポリペプチド。
184.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、段落182又は183記載のポリペプチド。
185.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、段落182~184のいずれか一項記載のポリペプチド。
186.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、段落185記載のポリペプチド。
187.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、段落185記載のポリペプチド。
188.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該SAMドメインに結合するが、インビボでは該SAMドメインから放出されるように制御されることができる、段落182~187のいずれか一項記載のポリペプチド。
189.前記SAMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該SAMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、段落182~187のいずれか一項記載のポリペプチド。
190.前記カーゴタンパク質又は前記SBDが第二のSAMドメインを含み、前記SAMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該SAMドメインと該第二のSAMドメインとの間の結合である、段落182~189のいずれか一項記載のポリペプチド。
191.前記SAMドメインがホスホチロシンを含み、前記カーゴタンパク質又は前記SBDがホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、該SAMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該ホスホチロシンと該ホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である、段落182~189のいずれか一項記載のポリペプチド。
192.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがPTBドメインである、段落191記載のポリペプチド。
193.前記ホスホチロシンに結合することができるドメインがSH2ドメインである、段落191記載のポリペプチド。
194.前記SAMドメインがα2ヘリックス中のホスホチロシンを含む、段落191~193のいずれか一項記載のポリペプチド。
195.前記SAMドメインのα2ヘリックス中のホスホチロシンが(X
5)-Ptyr-(X
6)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X
5は、C、R、Q、又はHであり、かつX
6は、Q、I、E、K、R、又はTである)中にある、段落194記載のポリペプチド。
196.前記SAMドメインがエフリン受容体SAMドメインである、段落182~195のいずれか一項記載のポリペプチド。
197.前記ポリペプチドが、カーゴタンパク質に直接的に又は該カーゴタンパク質に連結されたSBDを介して間接的に結合することができ、かつ前記TMドメインのC-末端にあるエフリン受容体PDZ結合モチーフ(PBM)ドメインをさらに含む、段落114~119のいずれか一項記載のポリペプチド。
198.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が非共有結合である、段落197記載のポリペプチド。
199.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が可逆的結合である、段落197又は198記載のポリペプチド。
200.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が制御されることができる、段落197~199のいずれか一項記載のポリペプチド。
201.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がpHによって制御されることができる、段落200記載のポリペプチド。
202.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合がイオン強度によって制御されることができる、段落200記載のポリペプチド。
203.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質がインビトロでは該エフリン受容体PBMドメインに結合するが、インビボでは該エフリン受容体PBMドメインから放出されるように制御されることができる、段落197~202のいずれか一項記載のポリペプチド。
204.前記エフリン受容体PBMドメインと前記カーゴタンパク質との間の結合が、該カーゴタンパク質が、該エフリン受容体PBMドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する方法で放出されるように制御されることができる、段落197~202のいずれか一項記載のポリペプチド。
205.前記カーゴタンパク質又は前記SBDがPDZドメインを含み、前記エフリン受容体PBMドメインと該カーゴタンパク質との間の結合が該エフリン受容体PBMドメインと該PDZドメインとの間の結合である、段落197~204のいずれか一項記載のポリペプチド。
206.前記カーゴタンパク質が治療用タンパク質である、段落120~205のいずれか一項記載のポリペプチド。
207.前記治療用タンパク質が治療用抗体又はその抗原結合断片である、段落206記載のポリペプチド。
208.前記治療用タンパク質が遺伝子エディター又はトランスポザーゼである、段落206記載のEV又はハイブリドソーム。
209.前記カーゴタンパク質が診断用タンパク質である、段落120~205のいずれか一項記載のポリペプチド。
210.前記診断用タンパク質が蛍光タンパク質である、段落209記載のポリペプチド。
211.前記ポリペプチドがエフリン受容体リガンド結合ドメイン(LBD)を欠く、段落114~210のいずれか一項記載のポリペプチド。
212.前記ポリペプチドが突然変異したエフリン受容体LBDを含む、段落114~210のいずれか一項記載のポリペプチド。
213.前記ポリペプチドが、該ポリペプチドが該ポリペプチドと同一の別のポリペプチドとのヘテロドメイン二量体化を受けるのを可能にする2つの異なるドメインを含む、段落114~210のいずれか一項記載のポリペプチド。
214.前記ポリペプチドが、該ポリペプチドが該ポリペプチドと同一の別のポリペプチドとのヘテロドメイン二量体化を受けるのを可能にする2つの異なるドメインをヘッド・トゥ・テール配置で含む、段落114~210のいずれか一項記載のポリペプチド。
215.前記TMドメインがエフリン受容体TMドメインである、段落114~214のいずれか一項記載のポリペプチド。
216.前記ポリペプチドのエフリン受容体ドメインのいずれか1つ又は複数が、EphA1、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA10、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、もしくはこれらの組合せ由来のものであるか、又はそれらに由来する、段落114~215のいずれか一項記載のポリペプチド。
217.前記ポリペプチドのエフリン受容体ドメインドメインのいずれか1つ又は複数が、EphA2、EphA4、EphB2、もしくはこれらの組合せ由来のものであるか、又はそれらに由来する、段落114~215のいずれか一項記載のポリペプチド。
218.前記ポリペプチドが免疫グロブリンの修飾されたFcドメインをさらに含む、段落114~217のいずれか一項記載のポリペプチド。
219.前記修飾されたFcドメインが前記エフリン受容体CRドメインのN-末端にある、段落218記載のポリペプチド。
220.前記修飾されたFcドメインが、リンカー配列によって、前記ポリペプチドの残りの部分に融合している、段落219記載のポリペプチド。
221.前記修飾されたFcドメインが、
a.新生児Fc受容体(FcRn)のFc結合部位に特異的に結合することができ;かつ
b.ホモ二量体を形成する能力を欠く、
段落218~220のいずれか一項記載のポリペプチド。
222. 6.5のpHでFcRnに結合した前記修飾されたFcドメインの解離定数が最大でも10
-4Mの値を有する、段落218~221のいずれか一項記載のポリペプチド。
223. 7.4のpHでFcRnに結合した前記修飾されたFcドメインの解離定数が少なくとも10
-4Mの値を有する、段落218~222のいずれか一項記載のポリペプチド。
224.前記修飾されたFcドメインが、アミノ酸配列
【化4】
(ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、及びX
8は、各々、任意のアミノ酸である)に特異的に結合することができる、段落218~223のいずれか一項記載のポリペプチド。
225.前記修飾されたFcドメインがヒトFcRn(配列番号228)及び/又はマウスFcRn(配列番号227)の位置135~158の間のアミノ酸配列に特異的に結合することができる、段落218~224のいずれか一項記載のポリペプチド。
226.前記ポリペプチドが、C1q、FcγRI、FcγRII、又はFcγRIIIに実質的に結合しない、段落218~225のいずれか一項記載のポリペプチド。
227.
a.前記修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性;
b.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性;
c.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性;及び/又は
d.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性
が、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、又は50%減少している
:段落218~226のいずれか一項記載のポリペプチド。
228.
a.前記修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性;
b.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性;
c.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性;及び/又は
d.該修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性
が、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも1.5、2、3、4、又は5倍減少している、
:段落218~227のいずれか一項記載のポリペプチド。
229.前記修飾されたFcドメインが、N-末端からC-末端に、
a.前記未修飾のCH2ドメインと比べて、エフェクター機能を減少するように修飾されている修飾されたCH2ドメイン;及び
b.ホモ二量体を形成する能力を欠くように修飾されている修飾されたCH3ドメイン
:を含む、段落218~228のいずれか一項記載のポリペプチド。
230.前記第一のエフリン受容体FN IIIドメインと前記第二のエフリン受容体FN IIIドメインが異なるアミノ酸配列を含む、段落114~229のいずれか一項記載のポリペプチド。
231.段落114~230のいずれか一項記載のポリペプチドをコードする核酸。
232.段落231記載の核酸を含む発現ベクター。
233.段落231記載の核酸又は段落232記載の発現ベクターを含む細胞。
234.EVを産生する方法であって、
a.細胞を段落231記載の核酸又は段落232記載の発現ベクターでトランスフェクトすること;
b.該細胞を該EVの産生のための好適な条件下で培養すること;及び
c.該細胞によって分泌されるEVを回収すること
:を含む、前記方法。
235.ハイブリドソームを産生する方法であって、第一のEVを第二のEVと接触させ、それにより、該第一のEVを該第二のEVと結合させ、該ハイブリドソームを産生することを含み、
ここで、該第一のEVがインビトロで産生されたものであり、かつ該第一のEVが、(i)膜、及び(ii)融合性でイオン化可能なカチオン性脂質を含み、かつ
ここで、該第二のEVが段落234の方法によって産生されたものである、前記方法。
236.EV又はハイブリドソームを精製する方法であって、
a.該EV又はハイブリドソームを提供すること(ここで、該EV又はハイブリドソームは、第一の結合パートナーを含み、ここで、該第一の結合パートナーは、FcRnのFc結合部位にpH依存的な様式で結合することができる);及び
b.第一のpHで、該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二の結合パートナーと接触させること(ここで、該第二の結合パートナーは、該FcRnのFc結合部位を含み、かつ固体マトリックスと関連している);及び
c.該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二のpHで該固体マトリックスから溶出させること:を含む、前記方法。
237.前記方法が前記第一のpHでの洗浄工程をさらに含む、段落236記載の方法。
238.前記第一のpHが6.5未満である、段落236又は237記載の方法。
239.前記第二のpHが7.4を上回る、請求項236~238のいずれか一項記載の方法。
240.前記FcRnのFc結合部位が配列番号230のアミノ酸配列を含む、請求項236~239のいずれか一項記載の方法。
241.EV又はハイブリドソームを精製する方法であって、
a.該EV又はハイブリドソームを提供すること(ここで、該EV又はハイブリドソームは、第一の結合パートナーを含み、ここで、該第一の結合パートナーは、FcRnのFc結合部位にpH依存的な様式で結合することができ、かつ段落111~224のいずれか一項記載のポリペプチドを含むか、又は該ポリペプチドからなる);及び
b.第一のpHで、該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二の結合パートナーと接触させること(ここで、該第二の結合パートナーは、該FcRnのFc結合部位を含み、かつ固体マトリックスと関連している);及び
c.該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二のpHで該固体マトリックスから溶出させること:を含む、前記方法。
242.前記方法が前記第一のpHでの洗浄工程をさらに含む、段落241記載の方法。
243.前記第一のpHが6.5未満である、段落241又は242記載の方法。
244.前記第二のpHが7.4を上回る、請求項241~243のいずれか一項記載の方法。
245.前記FcRnのFc結合部位が配列番号230のアミノ酸配列を含む、請求項241~244のいずれか一項記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0065】
(4.図面の簡単な説明)
【
図1】
図1Aは、Eph受容体の構造の図である。
図1Bは、以下のドメイン:(i)CRD-FNIII-FNIII-TM、(ii)CRD-FNIII-FNIII-TM-JM、(iii)CRD-FNIII-FNIII-TM-JM-KD、(iv)CRD-FNIII-FNIII-TM-JM-SAM-PBM、(v)LBD
*-CRD-FNIII-FNIII-TM、(vi)LBD
*-CRD-FNIII-FNIII-TM-JM、(vii)LBD
*-CRD-FNIII-FNIII-TM-JM-KD、又は(viii)LBD
*-CRD-FNIII-FNIII-TM-JM-SAM-PBMを含むスキャフォールドタンパク質の例示的なバージョンの図である。LBD
*は、野生型LBDと比較してエフリン結合が減少している突然変異したLBDを意味する。
【0066】
【
図2】
図2Aは、ホモドメイン二量体化界面及びポリペプチドの二量体を示している。
図2Bは、ヘテロドメイン二量体化ドメイン界面及びヘッド・トゥ・テール配置のポリペプチドのオリゴマーを示している。
【0067】
【
図3】
図3Aは、エフリン2受容体結合ドメイン残基E129とEphA4 LBD残基R106との相互作用を示している。
図3Bは、ヘッド・トゥ・テールクラスター中でのEphA4 FNIII残基N504及びN07とEphA4 LBD残基R106との相互作用を示している。EphA4 LBD残基R106からEへの突然変異誘発は、EphA4-エフリン2相互作用を損なう。R106は、N504及びT507と相互作用する(H-結合する)。エフリン結合が損なわれたヘッド・トゥ・テール配置を保持するために、R106Eとの新たなH-結合を生み出す突然変異T507Nを導入することができる一方で、N504をそのままにしておき、R106Eとのその相互作用を維持することができる。
【0068】
【
図4】
図4。2つのEphA4スキャフォールドとリンカーを介して融合部分に連結されたN-末端との間のFNIII-LBD(ヘッド・トゥ・テール)相互作用の図。
【0069】
【
図5】
図5。2つのEphA4 LBDとホモドメイン二量体化界面に対して遠位にあるリンカーを介して融合部分に連結されたN-末端との間のエフリン非依存的LBD-LBD相互作用の図。
【0070】
【
図6】
図6。CRD及びLBDホモドメイン界面を介する2つのEphA4スキャフォールドとリンカーを介して融合部分に連結されたN-末端との間の相互作用の図。
【0071】
【
図7】
図7。CRDホモドメイン界面を介する2つのLBD切断型EphA4スキャフォールドとリンカーを介して融合部分に連結されたN-末端との間の相互作用の図。
【0072】
【
図8】
図8。ターゲッティングドメイン及び/又は修飾されたFcドメインに連結された、突然変異型(切断型を含む)リガンド結合ドメイン(LBD)を有するか又はLBDを有さないEph受容体に由来する新しいスキャフォールドの例示的な構造。
【0073】
【
図9】
図9。EVの生合成時のスキャフォールドポリペプチドとの共有結合によるカーゴタンパク質のローディングの例示的な模式図。
【0074】
【
図10】
図10。EVの生合成時のスキャフォールド結合ドメイン(SBD)を介するカーゴタンパク質とスキャフォールドポリペプチドとのホスホチロシンに基づく可逆的結合の例示的な模式図。
【0075】
【
図11】
図11。β鎖D~M及び対応するループ(EphA1由来の配列番号243、EphA2由来の配列番号244、EphA3由来の配列番号245、EphA4由来の配列番号246、EphA5由来の配列番号247、EphA6由来の配列番号248、EphA7由来の配列番号249、EphA8由来の配列番号250、EphA10由来の配列番号251、EphB1由来の配列番号252、EphB2由来の配列番号253、EphB3由来の配列番号254、及びEphB4由来の配列番号255)を示すヒトEph受容体のLBD配列のアラインメント。
【0076】
【
図12】
図12。アダプタータンパク質と相互作用するいくつかのスキャフォールドタンパク質の例示的な模式図。
【0077】
【
図13】
図13。馴化培地から精製されたEVを示すウェスタンブロット。該EVは、腔内turbolucを有する全長スキャフォールドタンパク質を含有していた。
【0078】
【0079】
【
図15】
図15。scFcRnカラムに充填された、濃縮馴化培地中でコンストラクトから発現されたEphA4融合タンパク質の検出を示す抗EphA4ウェスタンブロット。1番目のレーンは、充填物であり、2番目のレーンは、フロースルーの試料であり、3番目のレーンは、溶出画分の試料である。
【0080】
【
図16】
図16。EphA2を発現し、かつEphA2又は非標的対照としてのマウスCD64を標的とするスキャフォールドタンパク質及びLNPを含むEVに由来する様々な用量のCre mRNA搭載ハイブリドソームで処理されたカラースイッチHEK293T細胞のフローサイトメトリーによって決定される、RFP+であった細胞のパーセンテージ。
【0081】
【
図17】
図17A。EVの内腔へのカーゴの非共有結合的ローディングのためのレンチウイルスポリシストロン性コンストラクトの模式図である。
図17B。回収されたEV試料中のturboluc-SH2-SBX100タンパク質の存在を示す抗turbolucウェスタンブロット。
図17C。トリプシンで処理された回収されたturboluc-SH2-SBX100 EVと未処理の回収されたturboluc-SH2-SBX100 EVの発光。
【0082】
【
図18】
図18。修飾されたFcドメインを提示するスキャフォールドタンパク質を含むEVとLNP製剤のIV投与後3、6、21、及び24日目のマウス血漿1ul当たりのDNAベクターコピー数。
【0083】
【
図19】
図19。タンパク質データバンク(PDB)から得られ、Xu Q, Dunbrack RL Jr.の文献、Bioinformatics. 2012;28(21):2763-2772)に従って重ね合わせられた、以下のEph受容体エクトドメイン鎖結晶構造: EphB2_MOUSE_lbd(PDB:1kgy)、EphB4_HUMAN_lbd(PDB:2bba)、EphB2_HUMAN_lbd(PDB:2qbx)、EphA4_HUMAN_lbd(PDB:2wo1)、EphA2_HUMAN_lbd_fn3_fn3(PDB:3fl7)、EphA2_HUMAN_lbd(PDB:3mbw)、EphA2_HUMAN_lbd_fn3(PDB:3mx0)、EphA7_HUMAN_lbd(PDB:3nru)、EphB3_HUMAN_lbd(PDB:3p1i)、EphA5_HUMAN_lbd(PDB:4et7)、EphA3_HUMAN_lbd(PDB:4l0p)、EphA4_HUMAN_lbd(PDB:4w50)の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0084】
(5.詳細な説明)
本開示は、少なくとも一部は、エフリン(Eph)受容体をナノ小胞にソートすることができるという発見に基づく。したがって、エフリン受容体は、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)のナノ小胞(例えば、細胞外小胞(EV)又はハイブリドソーム)への輸送、トラフィッキング、又はシャトリングを可能にする。それゆえ、エフリン受容体、特に、エフリンとの結合が減少しているか又はエフリンとの結合がない結果として、逆シグナル伝達が低減しているか又は逆シグナル伝達がないように改変されたエフリン受容体の変異体は、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)をナノ小胞の表面又はその中にローディングするのに適したニュートラルなタンパク質スキャフォールドとして使用することができる。これにより、エフリン受容体ドメインを含む本明細書に記載されるポリペプチド(本明細書において、エフリン受容体由来ポリペプチドとも呼ばれる)は、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)をナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)の表面又はその中に提示するための魅力的なタンパク質スキャフォールドとなる。
【0085】
本明細書に提供されるのは、膜貫通ドメインを含み、かつカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)をナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)の表面に又はその中にローディングするために使用することができるエクトドメイン及び/又はエンドドメインをさらに含むポリペプチドである。カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、本明細書に記載されるポリペプチドの部分であることができる。すなわち、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、(例えば、リンカーを介して)ポリペプチドの残りの部分に融合させることができる。或いは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に結合することができるドメイン、すなわち、カーゴ結合ドメインを介して、ポリペプチドに結合させる(好ましくは、可逆的に結合させる)ことができる。カーゴ結合ドメインは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に直接的に又はカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に連結されたスキャフォールド結合ドメイン(SBD)を介して間接的に結合することができる。本明細書で使用される単数形の「a」、「an」、及び「the」は、複数の指示対象を含む。したがって、本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれより多くの)カーゴを送達するために使用することができ、本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくはそれより多くの)カーゴ又は1以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくはそれより多くの)カーゴ結合ドメインを含むことができる。
【0086】
本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上の機能的部分、例えば、ナノ小胞(例えば、EVもしくはハイブリドソーム)を特定の器官、組織、もしくは細胞型にターゲッティングすることができるターゲッティングドメイン、及び/又はナノ小胞(例えば、EVもしくはハイブリドソーム)の精製を容易にすることができる精製ドメインをさらに含むことができる。
【0087】
好ましくは、本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上のEph受容体由来の又はそれに由来する1以上のドメインを含む。そのようなポリペプチドは、本明細書において、Eph受容体由来ポリペプチド又はEph受容体に由来するポリペプチドとも呼ばれる。エフリン受容体由来ポリペプチドは、非エフリン受容体タンパク質由来の又はそれに由来する1以上のドメイン(例えば、膜貫通ドメイン)を含んでも含まなくてもよい。様々な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上のエフリン受容体由来の又はそれに由来するエクトドメイン又はその断片(例えば、柔軟なドメイン)、エフリン受容体もしくは非エフリン受容体膜貫通タンパク質由来の又はそれに由来する膜貫通ドメイン、及び任意に、1以上のエフリン受容体由来の又はそれに由来するエンドドメイン又はその断片を含む。
【0088】
特に、本明細書に提供されるのは、少なくともエフリン受容体システインリッチ(CR)ドメイン、2つのエフリン受容体フィブロネクチンタイプIII(FN III)ドメイン(すなわち、第一のエフリン受容体FN IIIドメイン(エフリン受容体FN1ドメイン)及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン(エフリン受容体FN2ドメイン))、並びに膜貫通(TM)ドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)、並びに任意に、カーゴ結合ドメイン、エフリン受容体膜近傍(JM)ドメイン、エフリン受容体キナーゼドメイン(KD)、ステライルα-モチーフ(SAM)リンカードメイン(例えば、エフリン受容体リンカーSAMドメイン)、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)、エフリン受容体PDZ結合モチーフ(PBM)ドメイン、ターゲッティングドメイン、精製ドメイン、修飾されたFcドメイン、並びに/又はリガンド結合ドメイン(LBD)を含むポリペプチドである。ポリペプチドの様々な態様及び実施態様は、第5.2節に記載されている。エフリン受容体LBD、エフリン受容体CRドメイン(CRD)、エフリン受容体FN IIIドメイン、及びTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)は、第5.2.1節にさらに記載されている。エフリン受容体JMドメイン、エフリン受容体KD、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)、及びエフリン受容体PBMドメインは、第5.2.2節にさらに記載されている。カーゴ結合ドメインは、第5.2.3節にさらに記載されている。ターゲッティングドメイン及び精製ドメインは、第5.2.4節にさらに記載されている。修飾されたFcドメインは、第5.2.5節にさらに記載されている。
【0089】
本明細書に記載されるポリペプチドを用いて、例えば、治療用途又は診断用途のために、例えば、細胞外小胞(EV)又はハイブリドソームによって、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)を送達することができる。カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、ポリペプチドの部分であることができる。すなわち、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、(例えば、リンカーを介して)ポリペプチドの残りの部分に融合させることができる。或いは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、カーゴ結合ドメインを介して、ポリペプチドに結合させる(好ましくは、可逆的に結合させる)ことができる。カーゴ結合ドメインは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に直接的に又はカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に連結されたSBDを介して間接的に結合することができる。カーゴ結合ドメインは、エフリン受容体ドメイン(例えば、エフリン受容体JMドメイン、エフリン受容体KD、エフリン受容体SAMリンカードメイン、エフリン受容体SAMドメイン、もしくはエフリン受容体PBMドメイン)、又はカーゴに結合することができるが、エフリン受容体ドメインではないドメインのいずれかであることができる。カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)とカーゴ結合ドメインとの間の可逆的な結合は、ホスホチロシンに基づく結合(例えば、ホスホチロシンとホスホチロシン結合(PTB)ドメインとの間の結合、もしくはホスホチロシンとSrc相同性2(SH2)ドメインとの間の結合)、SAMドメインに基づく結合、PDZドメインに基づく結合、又はDH-PHモチーフに基づく結合)であることができるが、これらに限定されない。カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)及びカーゴ結合ドメインは、第5.2.3節にさらに記載されている。エフリン受容体ドメインは、第5.2.1節及び第5.2.2節にさらに記載されている。
【0090】
本明細書に記載されるエフリン受容体ドメインのいずれか1つ又は複数は、同じエフリン受容体もしくは異なるエフリン受容体由来のものであるか、又はそれに由来することができる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、同じエフリン受容体由来の又はそれに由来するエフリン受容体ドメインを含む。他の実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、2つ、3つ、もしくは3つより多くのエフリン受容体由来の又はそれに由来するエフリン受容体ドメインを含む。具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドのエフリン受容体ドメインのいずれか1つ又は複数は、EphA1、EphA2、EphHA3、EphA4、EphA5、EphHA6、EphA7、EphA8、EphA10、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、もしくはこれらの組合せに由来のものであるか、又はそれらに由来する。具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドのエフリン受容体ドメインのいずれか1つ又は複数は、EphA2、EphA4、EphB2、もしくはこれらの組合せに由来のものであるか、又はそれらに由来する。
【0091】
本明細書に記載されるエフリン受容体ドメインのいずれか1つ又は複数は、野生型又は突然変異体エフリン受容体ドメインであることができる。ある実施態様において、本明細書に記載されるエフリン受容体ドメインは、野生型エフリン受容体(例えば、配列番号212~225からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体)の対応するドメインとの少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。ある実施態様において、本明細書に記載されるエフリン受容体ドメインは、1つのアミノ酸突然変異、2つのアミノ酸突然変異、3つのアミノ酸突然変異、4つのアミノ酸突然変異、5つのアミノ酸突然変異、6つのアミノ酸突然変異、7つのアミノ酸突然変異、又は7つよりも多くのアミノ酸突然変異を除き、野生型エフリン受容体(例えば、配列番号212~225からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体)の対応するドメインのアミノ酸配列を含む。突然変異は、置換、挿入、欠失、又はこれらの任意の組合せであることができる。
【0092】
様々な実施態様において、アダプタータンパク質を用いて、本明細書に記載されるポリペプチドをナノ小胞(例えば、EV又はハイブリドソーム)上で互いに近接させる(例えば、クラスター化させる)ことができる。アダプタータンパク質は、第5.2.3節(c)にさらに記載されている。
【0093】
また提供されるのは、本明細書に記載されるポリペプチドをコードする核酸、本明細書に記載される核酸を含む発現ベクター、及び本明細書に記載される核酸又は発現ベクターを含む細胞であり、これらは全て、第5.3節にさらに記載されている。
【0094】
さらに提供されるのは、本明細書に記載されるポリペプチドを含むナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)である。ナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)は、第5.4節にさらに記載されている。
【0095】
ナノ小胞(例えば、EV又はハイブリドソーム)を産生又は精製する方法も提供されており、かつ第5.4節にさらに記載されている。
【0096】
本明細書に記載されるポリペプチド、ナノ小胞(例えば、EVもしくはハイブリドソーム)、核酸、発現ベクター、又は細胞を含む組成物及びキットが提供されており、かつ第5.5節にさらに記載されている。
【0097】
本明細書に記載されるポリペプチド、ナノ小胞(例えば、EVもしくはハイブリドソーム)、組成物、又はキットの治療的及び診断的使用が提供されており、かつ第5.6節にさらに記載されている。
【0098】
(5.1 定義)
本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、その内容が別のことを明確に示さない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ポリペプチド」への言及は、2以上のそのような分子などを含み得る。
【0099】
本明細書で使用される場合、「約(about)」及び「約(approximately)」という用語は、数値又は範囲で指定された量を修飾するために使用されるとき、数値だけでなく、当業者に公知の値からの妥当な偏差、例えば、±20%、±10%、又は±5%も、列挙された値の意図された意味の範囲内であることを示す。記載された範囲の上下のわずかな変動は、その範囲内の値と実質的に同じ結果を達成するために使用できることがさらに理解される。また、別途示されない限り、範囲の開示は、最小値と最大値の間のあらゆる値を含む連続的な範囲として意図される。
【0100】
「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、広範に又はオープンエンドで、かつ限定されることなく読まれるものとする。
【0101】
別途示されない限り、一連の要素に先行する「少なくとも」という用語は、その一連のあらゆる要素を指すことが理解されるべきである。「少なくとも1つ」及び「のうちの少なくとも1つ」という用語は、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは5つ、又はそれより多くの要素を含む。
【0102】
「ナノ小胞」という用語は、ソース細胞に由来する脂質ナノ小胞(すなわち、細胞外小胞)、及び合成脂質ナノ粒子、及び天然/合成ハイブリッド(例えば、ハイブリドソーム)を指す。ナノ小胞は、典型的には、脂質又は脂肪酸及びポリペプチドを含み、かつペイロード、ターゲッティング部分、又は他の分子をさらに含み得る。さらに、本明細書における教示が単数形のナノ小胞を指す場合、そのような教示は全て、複数のナノ小胞及びナノ小胞の集団に等しく関連し、かつ適用可能であることが理解されるべきである。ナノ小胞の医学的及び科学的な使用及び応用を説明する場合、本開示は、通常、複数のナノ小胞、すなわち、数千、数百万、数十億、又はさらには数兆のナノ小胞を含み得るナノ小胞の集団に関するものであることが当業者には明らかであろう。下記の実験の節から分かるように、ナノ小胞は、単位容積当たり(例えば、ml当たり)、105、108、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1018、1025、1030粒子などの濃度、又はそれより大きいか、それより小さいか、もしくはその間のどこかの任意の他の数で存在し得る。 個々のナノ小胞は、複数存在する場合、ナノ小胞集団を構成する。したがって、当然のことながら、本開示は、個々のナノ小胞とナノ小胞を含む集団の両方に関連する。
【0103】
「細胞外小胞」、「EV」、又は「エクソソーム」という用語は、本明細書で互換的に使用されており、任意の形態の細胞から得られる任意のタイプの小胞、例えば、微小胞(例えば、細胞の形質膜から排出される任意の小胞)、エクソソーム(例えば、エンドソーム、リソソーム、及び/又はエンド-リソソーム経路に由来する任意の小胞)、アポトーシス小体、ARMM(アレスチンドメイン含有タンパク質1[ARRDC1]媒介性微小胞)、フソソーム、微粒子、並びに細胞由来の小胞構造体に関連することが理解されるものとする。通常、細胞外小胞は、流体力学的直径が20nm~1000nmの範囲であり、様々な高分子カーゴ(又は「ペイロード」)を、内部空間内に、細胞外小胞の外表面に提示して、及び/又は膜にまたがって含むことができる。該カーゴは、核酸、タンパク質、炭水化物、脂質、低分子、及び/又はこれらの組合せを含むことができる。例として、限定するものではないが、細胞外小胞には、アポトーシス小体、細胞の断片、直接的又は間接的な操作によって(例えば、連続押し出し、超音波処理、又はアルカリ溶液での処理によって)細胞から得られた小胞、小胞化したオルガネラ、及び生細胞によって(例えば、直接的な形質膜の出芽又は後期エンドソームと形質膜との融合によって)産生された小胞が含まれる。細胞外小胞は、生きたもしくは死んだ生物、外植された組織もしくは器官、及び/又は培養細胞から得ることができる。
【0104】
本明細書で使用される場合、「ハイブリドソーム」という用語は、少なくとも1つの細胞外小胞(EV)に由来する構造及び生物活性要素(例えば、脂質、炭水化物、脂肪酸、ポリヌクレオチド、又はポリペプチド)と調整可能な融合性部分を含む少なくとも1つの人工薬物カプセル化モジュール(EDEM)とを含むハイブリッド生体適合性担体を指す。該融合性部分は、融合性脂質、又は膜の破壊もしくは膜と脂質二重層との間の脂質混合を増強しもしくは可能にする任意の他の融合性成分であってもよい。ハイブリドソームは、1つのEVを1つのEDEMと、1つのEVをいくつかのEDEMと、いくつかのEVを1つのEDEMと、又はいくつかのEVをいくつかのEDEMと一体化することにより生じる。一体化事象は、EV及びEDEMのサイズ、そのそれぞれの電荷、並びにEV/EDEM比、pH、温度、及び反応時間などの一体化反応中に適用される条件によって制御することができる。ハイブリドソーム及びそれを産生する方法は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれるWO2015110957号に詳細に記載されている。
【0105】
「Eph受容体」又は「エフリン受容体」という用語は、エフリンとして知られる一群の細胞膜関連リガンドに結合する受容体チロシンキナーゼ(RTK)のサブファミリーを指す。リガンドによって誘導されるそのキナーゼドメインの活性化を通して、Eph受容体は、細胞外から細胞内へシグナルを伝達する。このように、Eph受容体は、隣接する細胞上のエフリンと相互作用することにより、接触に関連した細胞間コミュニケーションを媒介する。Eph受容体とエフリンとの結合は、Eph受容体のキナーゼドメインの活性化をもたらす。Eph受容体-エフリン結合事象は、受容体-リガンド複合体のエンドサイトーシスをもたらすことができ、活性化された受容体は、脱リン酸化と分解によって不活性化されるか、又は細胞表面に運び戻されるまで、細胞内区画からシグナルを伝達し続ける。ヒトにおいて、Eph受容体のファミリーは、高度に保存された全体構造を有しており、EphA受容体クラスとEphB受容体クラスは、同じ構造特徴及びドメインを共有している。Eph受容体のドメインは、配列/構造/機能関係のリストを含め、米国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)(NCBI)の保存ドメインデータベース(Conserved Domain Database)でカタログ化されている。クラスは、配列相同性に従って分類された10のEphAメンバーと5つのEphBメンバーからなる。Eph受容体領域のエクトドメインは、受容体をそのエフリンリガンドに結合させる保存されたN-末端リガンド結合ドメイン(LBD、SMARTアクセッション番号SM00615)を含有する。Eph受容体のLBDは、
図11に示されているように、β鎖D-M及び対応するループからなる。Eph受容体とエフリンの間の複合体の形成は、D-E、J-K、及びG-Hループと合わせた4つのβ-鎖の凸状シートによって形成されるEph受容体疎水性チャネルへのエフリンG-Hループの挿入を中心に起こる。EphA受容体とEphB受容体の主な配列の違いは、エフリンサブクラス結合特異性を決定するリガンド結合ドメインの領域に存在する。LBDに隣接して、スシドメイン及び上皮成長因子(EGF)様ドメインを含むシステインリッチ領域があり、それに続いて、2つのフィブロネクチンタイプIIIドメイン(FN1及びFN2)がある。膜貫通ドメインから移行して、細胞質Eph受容体領域は、キナーゼドメイン、ステライルアルファモチーフ(SAM)ドメイン、及びPDZ結合モチーフ(PBM)を含有する。LBDは、このRTKファミリーに特有であり、他の既知のタンパク質との顕著なアミノ酸配列相同性を共有しない。野生型Eph受容体の模式図については、
図1Aを、Eph受容体由来の又はそれに由来するドメインを含む例示的なスキャフォールドタンパク質の模式図については、
図1Bを参照されたい。
【0106】
本明細書で使用される場合、「ドメイン」という用語は、独立にフォールディングして、安定な三次構造になることができるポリペプチドの単位(例えば、セグメント)を指す。通常、ドメインは、タンパク質の個別の機能的特性を担っており、多くの場合、タンパク質の残りの部分及び/又はドメインの機能を失うことなく、他のタンパク質に付加、除去、又は転移することができる。いくつかの異なるドメインを異なる組合せで結合させ、マルチドメインポリペプチドを形成させることができる。従来、ドメインにまたがるポリペプチドの長さは、実験的に決定されたタンパク質の三次元構造から原子座標を用いて解明されてきた。ごく最近、実験的に決定された三次元(3D)構造を欠くタンパク質が、配列相同性に基づく計算方法によってドメインに割り当てられている。多くのタンパク質は構造が解明されていないので、配列に基づくアプローチがさらに多くの注目を集めている。Wang, Yanらの文献、Computational and structural biotechnology journal vol. 19 1145-1153. 2 Feb. 2021で概説されているように、配列に基づくアプローチは、予測方法が3D構造を利用するか又は相同配列を利用するかによって、鋳型に基づく手法、相同モデリングに基づく手法、及び機械学習に基づく手法を含む。計算によって予測されたいくつかのドメインは、公的に利用可能なデータベース(例えば、Pfam: 2021年のタンパク質ファミリーデータベース(Pfam: The protein families database in 2021): J. Mistry, S.らの文献、Nucleic Acids Research(2020)に記載されているPfamデータベース又はNCBI保存ドメインデータベース(CDD) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/Structure/cdd/cdd.shtml)でカタログ化されている。
【0107】
「ドメイン間リンカー」という用語は、2つの隣接するドメインを結びつけるポリペプチドのセグメントを指す。ドメイン間リンカーは、Bhaskara RMらの文献、J Biomol Struct Dyn. 2013 Dec; 31(12):1467-80に記載されているように、ドメインの動きを容易にするための及びドメイン間形状を調節するための柔軟性を提供する。ドメイン間リンカーは、その長さ、立体構造、分子間相互作用、及び局所構造によって隣接ドメインの相互作用を調節し、それにより、全体的なドメイン間形状に影響を及ぼす。予測された構造ドメインに基づく上記のデータベース(Pfamデータベース又はNCBI保存ドメインデータベース)は、ドメインの一般化を提供し、かつドメイン境界の推定のみ(例えば、ドメイン内にある残基又はドメイン間リンカーである残基を区別するため)を提供することができる。それゆえ、本明細書に記載されるドメイン配列(例えば、表2~20の配列)は、対応するドメイン及びドメイン間リンカーを含むポリペプチド配列を含み得る。いくつかの実施態様において、カタログ化されたドメイン配列のN-末端又はC-末端の1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸残基は、ドメイン間リンカーであることができる。当業者は、ドメイン及びドメイン間リンカーに対応するポリペプチド鎖のセグメント、並びにドメインから(すなわち、ドメイン境界における)ドメイン間リンカーへの移行が生じる場所を決定することができる。
【0108】
エフリン受容体の「エクトドメイン」という用語は、当技術分野で周知であり、Eph受容体の細胞外部分、すなわち、形質膜の外側にあり、かつシグナルペプチドを欠いているRTKの部分を指す。
【0109】
「リガンド結合ドメイン」又は「LBD」は、1以上の特定の受容体リガンドに特異的に結合するペプチド領域である。複数のリガンドが存在する場合、それらのリガンドは、結合ドメインに検出可能に結合するのに十分な結合決定基を共有する。場合により、結合ドメインは、アミノ酸の連続配列である。
【0110】
本明細書で使用される「表面装飾された」という用語は、目的の分子(例えば、タンパク質)が結合しているスキャフォールドタンパク質を含むナノ粒子を指す。スキャフォールドタンパク質は、化学的、物理的、もしくは生物学的方法によって、又は化学的、物理的、もしくは生物学的方法によって修飾されている細胞から産生されることによって変化させることができる。具体的には、遺伝子工学によって以前に修飾された細胞がそのような修飾されたスキャフォールドタンパク質を産生するように、スキャフォールドタンパク質を遺伝子工学によって変化させることができる。
【0111】
本明細書で使用される場合、「生物学的活性分子」という用語は、生物系(例えば、細胞又はヒト対象)において活性を有する薬剤を指し、これには、タンパク質、ポリペプチド又はペプチド(限定されないが、構造タンパク質、酵素、サイトカイン(例えば、インターフェロン及び/もしくはインターロイキン)、抗生物質、ポリクローナルもしくはモノクローナル抗体、又はこれらの効果的な部分、例えば、Fv断片(抗体又はその部分は、天然、合成、もしくはヒト化されたものであることができる)、ペプチドホルモン、受容体、シグナル伝達分子、又はタンパク質を含む);以下で定義されている核酸(限定されないが、オリゴヌクレオチドもしくは修飾オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチドもしくは修飾アンチセンスオリゴヌクレオチド、cDNA、ゲノムDNA、人工もしくは天然染色体(例えば、酵母人工染色体)又はその一部、RNA(mRNA、tRNA、rRNA、もしくはリボザイムを含む)、又はペプチド核酸(PNA)を含む);ウイルス又はウイルス様粒子;ヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド又はその合成類似体(これは、修飾されていても修飾されていなくてもよい);アミノ酸又はその類似体(これは、修飾されていても修飾されていなくてもよい);非ペプチド(例えば、ステロイド)ホルモン;プロテオグリカン;脂質;或いは炭水化物:が含まれるが、これらに限定されない。ある態様において、生物学的に活性のある分子は、治療用分子(例えば、抗原)、ターゲッティング部分(例えば、抗体もしくはその抗原結合断片)、アジュバント、免疫モジュレーター、又はこれらの任意の組合せを含む。いくつかの態様において、生物学的に活性のある分子は、高分子(例えば、タンパク質、抗体、酵素、ペプチド、DNA、RNA、又はこれらの任意の組合せ)を含む。いくつかの態様において、生物学的に活性のある分子は、低分子(例えば、アンチセンスオリゴマー(ASO)、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PMO)、ペプチドコンジュゲートホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PPMO)、siRNA、STING、医薬、又はこれらの任意の組合せ)を含む。いくつかの態様において、生物学的に活性のある分子は、EVにとって外因性である、すなわち、EV中に天然には見られない。
【0112】
本明細書で使用される場合、「スキャフォールドタンパク質」という用語は、ペイロード又は任意の他の目的の化合物(例えば、カーゴタンパク質)をナノ小胞に固定するために使用することができるポリペプチドを指す。いくつかの態様において、スキャフォールドタンパク質は、EV中に天然には存在しないポリペプチドである。いくつかの実施態様において、スキャフォールドタンパク質は、合成ポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、スキャフォールドタンパク質は、修飾タンパク質を含み、ここで、対応する未修飾タンパク質は、EV、例えば、エクソソーム中に天然に存在する。いくつかの実施態様において、スキャフォールドタンパク質は、EV中に天然に存在するタンパク質、又はその断片、例えば、EVタンパク質の断片を含み、その場合、タンパク質は、天然に存在するレベルよりも高いレベルで発現される。いくつかの実施態様において、スキャフォールドタンパク質は、(i)天然に存在するEVタンパク質又はその断片と(ii)異種ペプチド(例えば、抗原結合ドメイン、カーゴタンパク質、修飾Fc、又はこれらの任意の組合せ)を含む融合タンパク質を含む。本明細書で使用される場合、本開示の「スキャフォールドタンパク質」という用語又は文法的変化形は、以下のものであることができる:
【0113】
(i)ナノ小胞、例えば、エクソソームの膜にまたがるエフリン受容体(天然に発現されるもの、化学的もしくは酵素的に合成されるもの、又は組換え産生されるもの);
【0114】
(ii)(i)の任意の機能的断片;
【0115】
(iii)(i)又は(ii)の任意の機能的変異体;
【0116】
(iv)(i)~(iii)のいずれかの誘導体;
【0117】
(v)ナノ小胞、例えば、エクソソームの膜にまたがることができる(i)のタンパク質に由来するドメインもしくはその組合せに対応する任意のペプチド、又はそのようなペプチドを含む分子;
【0118】
(vi)本明細書に記載されるエフリン受容体由来のポリペプチド
【0119】
(vii)少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む(i)~(vi)のいずれかの分子;或いは
【0120】
(viii)(i)~(vii)の任意の組合せ;
【0121】
これは、ペイロード、例えば、生物学的に活性のある分子を、ナノ小胞、例えば、エクソソームの表面(例えば、生物学的に活性のある分子がターゲッティングドメインを含む場合)及び/又は内腔(例えば、生物学的に活性のある分子がカーゴタンパク質を含む場合)にターゲッティングする(付着させる)ためのスキャフォールドとして使用するのに好適である。
【0122】
ポリペプチドに関する「断片」という用語は、親タンパク質と比較してN-末端及び/又はC-末端が欠失しているために、親ポリペプチドよりも短いが、親ポリペプチドの目的の機能を依然として果たすことができる、ポリペプチド中に存在する任意のアミノ酸配列を指す。
【0123】
「ソース細胞」もしくは「EVソース細胞」もしくは「細胞ソース」もしくは「EV産生細胞」もしくは「プロデューサー細胞」という用語又は任意の他の類似の専門用語は、好適な条件下で、例えば、懸濁培養で又は接着培養で又は任意の他のタイプの培養系でEVを産生することができる任意のタイプの細胞に関するものと理解することができる。
【0124】
「特異的に結合する」という用語は、試料中のそのエピトープ又は標的に対して、別のエピトープ又は非標的化合物(例えば、構造的に異なる抗原)に結合するよりも大きい親和性、大きい結合力、及び/又は長い持続期間で、エピトープ又は標的に結合する分子(例えば、抗原結合分子)を指す。いくつかの実施態様において、エピトープ又は標的に特異的に結合する分子(例えば、抗原結合分子)は、他のエピトープ又は非標的化合物よりも少なくとも5倍大きい親和性で、例えば、少なくとも6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、25倍、50倍、100倍、1000倍、10,000倍、又はそれよりも大きい親和性で、エピトープ又は標的に結合する。本明細書で使用される、特定のエピトープ又は標的「の特異的結合」、「に特異的に結合する」、又は「に特異的である」という用語は、例えば、それが結合するエピトープ又は標的に対する、例えば、10-4M以下、例えば、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、10-9M、10-10M、10-11M、又は10-12M以下の平衡解離定数Kdを有する分子によって示されることができる。ある種由来の標的に特異的に結合する分子(例えば、抗原結合分子)がその標的のオルソログにも特異的に結合し得ることは、当業者に認識されるであろう。
【0125】
「単離された」という用語は、ポリペプチド、核酸、細胞などの物質が、その通常の生理的環境、例えば、天然源から取り除かれていること、又はポリペプチドもしくは核酸が合成されていることを示す。「単離された」という用語の使用は、天然に存在する配列がその通常の細胞(例えば、染色体)環境から取り除かれていることを示す。したがって、配列は、無細胞溶液中にあってもよく、又は異なる細胞環境に置かれていてもよい。ポリペプチド又は核酸分子に関する「単離された」とは、天然源から単離されているポリペプチドもしくは核酸分子又は合成されているポリペプチドもしくは核酸分子を含む、互いに結合した2以上のアミノ酸又はヌクレオチドのポリマーを意味する。「単離された」という用語は、配列が存在する唯一のアミノ酸鎖又はヌクレオチド鎖であることを意味するのではなく、例えば、それぞれ、それに自然に付随する非アミノ酸物質及び/又は非核酸物質を本質的に含まないことを意味する。「単離された細胞」は、細胞に自然に付随する分子及び/又は細胞成分から分離されている細胞を指す。
【0126】
ナノ小胞との関連において、「単離する」、「単離された」、及び「単離すること」、又は「精製する」、「精製された」、及び「精製すること」、並びに「抽出された」及び「抽出すること」という用語は、互換的に使用されており、精製の1以上のプロセス、例えば、所望のナノ小胞調製物の選択又は濃縮を経た所望のナノ小胞の調製物の状態(例えば、複数の既知又は未知の量及び/又は濃度)を指す。いくつかの実施態様において、本明細書で使用される単離又は精製は、ソース細胞を含有する試料からナノ小胞を除去する、部分的に除去する(例えば、画分する)プロセスである。
【0127】
「ポリヌクレオチド」及び「核酸」という用語は、互換的に、任意の長さのヌクレオチドの鎖を指し、DNA、RNA、ヘテロ二重鎖、及びポリペプチドをコードすることができる合成分子を包含する。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチドもしくは塩基、及び/もしくはこれらの類似体、又はDNAもしくはRNAポリメラーゼによって鎖に組み込まれ得る任意の基質であることができる。ポリヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド、例えば、メチル化ヌクレオチド及びその類似体を含み得る。本明細書で企図されるポリヌクレオチドの例としては、一本鎖及び二本鎖DNA、一本鎖及び二本鎖RNA、並びに一本鎖及び二本鎖DNAと一本鎖及び二本鎖RNAの混合物を有するハイブリッド分子が挙げられる。
【0128】
「アミノ酸配列」という用語は、「ポリペプチド」、「タンパク質」、及び「ペプチド」という用語と互換的に使用される。アミノ酸残基に対する従来の1文字又は3文字暗号が使用され、アミノ酸配列は、標準的なアミノ末端からカルボキシ末端への向き(すなわち、N→C)に提示される。
【0129】
本明細書で使用される場合、「キナーゼデッドドメイン」は、細胞内シグナル伝達に欠陥のあるEph受容体を指す。対応する野生型Eph受容体のキナーゼドメインは、(部分的もしくは全体的に)存在しないか、又は1以上の突然変異によって機能しなくなるかのいずれかであり得る。
【0130】
ポリペプチド又はポリヌクレオチド配列に関する「親」又は「参照」という用語は、ポリペプチド又はポリヌクレオチドの改変(又は変異体)形態を生成させるために使用される鋳型配列として機能するポリペプチド又はポリヌクレオチド配列を意味する。
【0131】
Eph受容体に関する「野生型」、「ネイティブ」、及び「天然に存在する」という用語は、天然に生じる配列を有するドメインを指すために本明細書で使用される。野生型ポリペプチドは、成熟型のポリペプチドを含むことが理解される。「成熟」ポリペプチド(又はその変異体)は、シグナル配列が存在しない、例えば、ポリペプチドの発現時又は発現後に未成熟型のポリペプチドから切断されたものである。
【0132】
本明細書で使用される場合、突然変異体ポリペプチド又は突然変異体ポリヌクレオチドに関する「突然変異体」という用語は、「変異体」と互換的に使用される。所与の野生型Eph受容体参照配列に関する変異体には、天然に存在するアレル変異体が含まれ得る。「非天然に」存在するEph受容体ドメインは、天然の細胞には存在せず、かつポリペプチドをコードする核酸配列に適切な修飾を導入する親Eph受容体ポリヌクレオチドの、例えば、遺伝子工学技術もしくは突然変異誘発技術を用いる、遺伝子修飾によるか、又はタンパク質/ペプチド合成によって産生される変異体又は突然変異体ドメインを指す。「変異体」には、野生型に対して少なくとも1つのアミノ酸突然変異を含む任意の配列が含まれる。突然変異には、1以上のアミノ酸の置換、挿入、及び欠失(例えば、切断)、並びに別のタンパク質におけるフレームシフト又は再配列が含まれ得る。同様に、ポリヌクレオチドに関する「変異体」という用語は、ヌクレオチド配列が特定の親ポリヌクレオチドと異なるポリヌクレオチドを指す。親ポリペプチド又はポリヌクレオチドの同一性は、文脈から明らかであろう。変異体は、1以上の特定の置換、挿入、及び/又は欠失を含むだけでなく、親配列との%配列同一性を有することもできる。
【0133】
「アミノ酸置換」という用語は、少なくとも1つの既存のアミノ酸残基と別の異なるアミノ酸残基(置換アミノ酸残基)との置換を意味する。置換アミノ酸残基は、「天然に存在するアミノ酸残基」であってもよく、アラニン(3文字暗号: ala、1文字暗号: A)、アルギニン(arg、R)、アスパラギン(asn、N)、アスパラギン酸(asp、D)、システイン(cys、C)、グルタミン(gin、Q)、グルタミン酸(glu、E)、グリシン(gly、G)、ヒスチジン(his、H)、イソロイシン(ile、I)、ロイシン(leu、L)、リジン(lys、K)、メチオニン(met、M)、フェニルアラニン(phe、F)、プロリン(pro、P)、セリン(ser、S)、トレオニン(thr、T)、トリプトファン(trp、W)、チロシン(tyr、Y)、及びバリン(val、V)からなる群から選択される。
【0134】
「アミノ酸挿入」という用語は、アミノ酸配列の所定の位置における少なくとも1つのアミノ酸残基の組み込みを意味する。一実施態様において、挿入は、1つ又は2つのアミノ酸残基の挿入である。挿入されるアミノ酸残基は、任意の天然に存在する又は非天然に存在するアミノ酸残基であり得る。「アミノ酸欠失」という用語は、アミノ酸配列の所定の位置における少なくとも1つのアミノ酸残基の除去を意味する。
【0135】
「非天然に存在するアミノ酸残基」という用語は、上記の天然に存在するアミノ酸残基以外のアミノ酸残基であって、ポリペプチド鎖中の隣接するアミノ酸残基に共有結合することができるアミノ酸残基を意味する。非天然に存在するアミノ酸残基の例は、ノルロイシン、オルニチン、ノルバリン、ホモセリンである。さらなる例は、Ellmanらの文献、Meth. Enzym. 202(1991) 301-336に記載されている。非天然に存在するアミノ酸残基の合成のための例示的な方法は、例えば、Norenらの文献、Science 244(1989) 182及びEllmanらの文献(上記)に報告されている。
【0136】
参照ポリペプチド配列に対する「パーセント(%)配列同一性」は、最大のパーセント配列同一性を達成するために、配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入した後の、いかなる保存的置換も配列同一性の一部とみなさない、参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。同じ原則が核酸配列に適用される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定するためのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に利用可能なコンピュータソフトウェアを用いて、当業者の範囲内にある様々な方法で達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアライメントを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、配列を整列させるための適切なパラメータを決定することができる。同じ一次アミノ酸配列又は核酸配列を有する2つの分子は、何らかの化学的及び/又は生物学的修飾にかかわらず、同一である。例えば、追加のドメインを含むという理由で、本明細書に提供される配列のいずれよりも長い配列は、それでもやはり、特許請求される配列全体をカバーする比較ウインドウなどの、比較ウインドウにわたる配列同一性が示される場合、本明細書に開示される参照配列と同一であるものとする。
【0137】
「異種」又は「外因性」という用語は、例えば、細胞内又はポリペプチド中など、所与の状況では通常見られない分子を指す。例えば、外因性分子又は異種分子は、細胞内に導入されることができ、かつ例えば、トランスフェクション又は他の形態の遺伝子工学によって細胞を操作した後に初めて存在する。別の例として、異種アミノ酸配列は、それが天然には見出されないタンパク質中に存在することができる。
【0138】
ポリヌクレオチド又はポリペプチドに関する「内因性」という用語は、宿主細胞内に天然に存在するポリヌクレオチド又はポリペプチドを指す。
【0139】
「融合」ポリペプチド配列は、2つの対象ポリペプチド配列間のペプチド結合を介して接続されている。
【0140】
「と関連した」、「に結合した」、「に連結された」、「にコンジュゲートされた」という用語及びこれらの文法的変化形は、2以上の元素間の直接的又は間接的相互作用を指すために本明細書で互換的に使用される。2つの要素は、共有結合もしくは非共有結合及び/又は相互作用によって互いに関連することができる。いくつかの実施態様において、第一の要素、例えば、ターゲッティングドメインは、ペプチド結合によって、第二の要素、例えば、スキャフォールドタンパク質と関連する。いくつかの実施態様において、第一の要素(例えば、スキャフォールド結合ドメインに連結されたカーゴタンパク質)は、非共有結合的相互作用、例えば、ホスホチロシンに基づく結合(例えば、ホスホチロシンとホスホチロシン結合(PTB)ドメインとの間の結合、ホスホチロシンとSrc相同性2(SH2)ドメインとの間の結合)、静電相互作用、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、イオン誘導双極子、双極子誘導双極子、イオン結合、配位結合、キレート化、又はこれらの組合せによって、第二の要素、例えば、スキャフォールドタンパク質と関連する。第一の要素と第二の要素は、直接的に関連することができ、例えば、この場合、スキャフォールドタンパク質は、ペプチド結合によってカーゴタンパク質に連結され;又は第一の要素は、間接的な関連を介して第二の要素と関連することができ、例えば、この場合、カーゴタンパク質は、中間スキャフォールド結合ドメインとスキャフォールドタンパク質の相互作用を介してスキャフォールドタンパク質と関連し、ここで、スキャフォールドタンパク質は、カーゴタンパク質に共有結合的に連結されたスキャフォールド結合ドメインに結合する。
【0141】
「結合パートナー」という語句は、特異的結合対のメンバーである分子を指し、これは、特異的に結合し、それにより、対のもう1つの分子と相補的であると定義される2つの異なる分子のうちの1つである。例えば、特異的結合対の一方のメンバーは、特定の空間及び極性構成の特異的結合対のもう一方のメンバーに特異的に結合する表面上又は空洞内の領域を有することができる。
【0142】
本明細書で使用される場合、「二量体化剤(dimerizing agent)」又は「二量体化剤(dimerization agent)」という用語は、互いに相互作用して、多量体(例えば、二量体)を形成する少なくとも2つの要素のうちの1つのメンバーを指す。いくつかの実施態様において、二量体化剤は、第二の結合パートナーと相互作用する第一の結合パートナーである。いくつかの実施態様において、二量体化剤は、第二の結合パートナー及び/又は第三の結合パートナーと相互作用する第一の結合パートナーである。任意の二量体化剤を本明細書に開示される組成物及び方法で使用することができる。いくつかの実施態様において、二量体化剤は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、脂肪酸、低分子、又はこれらの任意の組合せであることができる。
【0143】
本明細書で使用される場合、「アダプタータンパク質」という用語は、ポリペプチド二量体化剤を指し、該ポリペプチドは、2つのスキャフォールドタンパク質及び/又は第三のスキャフォールドタンパク質と同時に相互作用する2以上のスキャフォールド結合ドメインを含むことができる。該アダプタータンパク質は、複数のスキャフォールドタンパク質と同時に相互作用し、スキャフォールドタンパク質との相互作用を通じて、スキャフォールドタンパク質を細胞又はナノ小胞の膜に空間的に閉じ込め、したがって、二量体化又はオリゴマー化剤として機能することができる。
【0144】
本明細書で使用される場合、「化学的に誘導される二量体化剤」という用語は、低分子の存在下で二量体を形成する二量体化剤(例えば、第一の結合パートナー及び/又は第二の結合パートナー)を指す。いくつかの実施態様において、化学的に誘導される二量体化剤は、(i)FKBPとFKBP(FK1012);(ii)FKBPとカルシニューリンA(CNA)(FK506);(iii)FKBPとCyP-Fas(FKCsA);(iv)FKBPとFRB(ラパマイシン);(v)GyrBとGyrB(クーママイシン);(vi)GAIとGID1(ジベレリン);(vii)Snap-タグとHaloタグ(HaXS);(viii)eDHFRとHaloTag(TMP-HTag);及び(ix)BCL-xLとFab(AZ1)(ABT-737)からなる群から選択される化学的に誘導される二量体の第一の結合パートナーと第二の結合パートナーから選択される。
【0145】
本明細書で使用される場合、「スキャフォールド結合ドメイン」という用語は、互いに相互作用して多量体(例えば、二量体)を形成する少なくとも2つの結合パートナーの第一のメンバーを指し、この場合、少なくとも第二のメンバーは、スキャフォールドタンパク質、スキャフォールドタンパク質上に存在するカーゴ結合ドメイン、又はスキャフォールドタンパク質に共有結合しているカーゴ結合ドメインである。
【0146】
「医薬として許容し得る」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適であり、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題もしく合併症を伴わず、妥当な利益/リスク比に見合った、活性化合物、材料、組成物、担体、及び/又は剤形を指す。
【0147】
医学的/生理学的な文脈において、すなわち、生理的状態の文脈において、「予防する」という用語は、生物が異常な疾病に罹る又はそれを発症する確率を減少させることを指す。
【0148】
「対象」及び「個体」という用語は、本明細書で互換的に使用されており、かつヒト又は非ヒト動物、通常、哺乳動物を指す。対象は、ウサギ、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ウマ、サル、又はヒトなどの哺乳動物種であり得る。したがって、本書に記載される方法、使用、及び組成物は、ヒト使用と獣医学的使用の両方に適用可能である。対象が疾患又は疾病のための医療を受けているヒトである場合、該対象は、「患者」としても扱われる。
【0149】
態様又は実施態様が「含む」という言葉を伴って本明細書に記載されている場合はいつでも、「からなる」及び/又は「から本質的になる」という用語で記載される他の類似の態様も提供されることが理解される。
【0150】
ある用語の任意の使用の範囲及び意味は、その用語が使用されている特定の文脈から明らかになるであろう。本書の全体を通して使用される選択された用語の特定のさらなる定義は、該当する場合、詳細な説明の適切な文脈で与えられる。さらに、特定の実施態様によっては、選択された定義、実施態様、又は範囲が適用されない場合がある。
【0151】
本明細書に具体的かつ明示的に列挙されている任意の実施態様は、単独で、又は1以上のさらなる実施態様と組み合わせて、免責事項の基礎を形成することができる。
【0152】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本明細書に記載される開示が属する技術分野における当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての刊行物及び特許は、例えば、現在記載されている開示との関連において使用され得る刊行物に記載されているコンストラクト及び方法論を記載及び開示する目的で、その全体が引用により本明細書中に組み込まれる。
【0153】
本開示の様々な態様が以下の小節でさらに詳細に記載される。様々な実施態様、選好、及び範囲を自由自在に組み合わせ得ることが理解される。
【0154】
(5.2 本開示のポリペプチド)
本発明の一態様は、ペイロード、例えば、生物学的に活性のある分子(例えば、カーゴタンパク質)をナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)の表面に及び/又は内腔にターゲッティングする(繋ぐ)ためのスキャフォールドとして使用するのに好適である膜貫通ポリペプチドの同定、使用、及び修飾に関する。本発明の別の態様は、スキャフォールドポリペプチドを含むナノ小胞の作製及び使用に関する。本明細書で同定される1以上の膜貫通ポリペプチドは、プロデューサー細胞、産生条件、精製方法、又はナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)の意図される用途に応じて選択的に使用することができる。
【0155】
本明細書に提供されるのは、膜貫通ドメインを含み、かつカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)をナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)の表面に又はその中にローディングするために使用することができるエクトドメイン及び/又はエンドドメインをさらに含むポリペプチドである。カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、本明細書に記載されるポリペプチドの部分であることができる。すなわち、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、(例えば、リンカーを介して)ポリペプチドの残りの部分に融合させることができる。或いは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、カーゴ結合ドメインを介して、ポリペプチドに結合させる(好ましくは、可逆的に結合させる)ことができる。カーゴ結合ドメインは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に直接的に又はカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に連結されたスキャフォールド結合ドメイン(SBD)を介して間接的に結合することができる。本明細書で使用される単数形の「a」、「an」、及び「the」は、複数の指示対象を含む。したがって、本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれより多くの)カーゴを送達するために使用することができ、本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくはそれより多くの)カーゴ結合ドメインを含むことができる。
【0156】
本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上の機能的部分、例えば、ナノ小胞(例えば、EVもしくはハイブリドソーム)を特定の器官、組織、もしくは細胞型にターゲッティングすることができるターゲッティングドメイン、及び/又はナノ小胞(例えば、EVもしくはハイブリドソーム)の精製を容易にすることができる精製ドメインをさらに含むことができる。
【0157】
ある態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上のエフリン受容体由来の又はそれに由来する1以上のドメインを含み、かつナノ小胞の膜に位置する。そのようなポリペプチドは、本明細書において、エフリン受容体由来ポリペプチド又はエフリン受容体に由来するポリペプチドとも呼ばれる。エフリン受容体由来ポリペプチドは、非エフリン受容体タンパク質由来の又はそれに由来する1以上のドメイン(例えば、膜貫通ドメイン)を含んでも含まなくてもよい。様々な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上のエフリン受容体由来の又はそれに由来するエクトドメイン又はその断片(例えば、柔軟なドメイン)、エフリン受容体もしくは非エフリン受容体膜貫通タンパク質由来の又はそれに由来する膜貫通ドメイン、及び任意に、1以上のエフリン受容体由来の又はそれに由来するエンドドメイン又はその断片を含む。
【0158】
野生型Eph受容体は、通常、エクトドメイン、膜貫通ドメイン、及びエンドドメインから構成される。エクトドメインは、N→Cの順に、リガンド結合ドメイン(LBD)、スシドメインを含むシステインリッチ領域、及び上皮成長因子(EGF)様ドメイン、それに続く、2つのフィブロネクチンタイプIIIドメイン(FN1ドメイン及びFN2ドメイン)を含む。エクトドメインは、第5.2.1節にさらに記載されている。システインリッチ領域及び2つのフィブロネクチンタイプIIIドメインは、以後、「柔軟なドメイン」と呼ばれる。エンドドメインは、膜近傍ドメイン、キナーゼドメイン、ステライルアルファモチーフ(SAM)ドメイン、及びPDZ結合モチーフを含む(エンドドメインは、第5.2.2節にさらに記載されている)。
【0159】
特に、本明細書に提供されるのは、少なくともエフリン受容体システインリッチ(CR)ドメイン、2つのエフリン受容体フィブロネクチンタイプIII(FN III)ドメイン(すなわち、第一のエフリン受容体FN IIIドメイン(エフリン受容体FN1ドメイン)、及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン(エフリン受容体FN2ドメイン))、並びに膜貫通(TM)ドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)、並びに任意に、カーゴ結合ドメイン、エフリン受容体膜近傍(JM)ドメイン、エフリン受容体キナーゼドメイン(KD)、ステライルα-モチーフ(SAM)リンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)、エフリン受容体PDZ結合モチーフ(PBM)ドメイン、ターゲッティングドメイン、精製ドメイン、修飾されたFcドメイン、及び/又はリガンド結合ドメイン(LBD)を含む特定のスキャフォールドポリペプチドである。
【0160】
一態様において、本明細書に提供されるのは、N-末端からC-末端の方向に: a.エフリン受容体CRドメイン; b.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン;及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;並びにc. TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含むポリペプチドである。ある実施態様において、ポリペプチドは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に融合される。ある実施態様において、ポリペプチドは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)と関連する(すなわち、結合する)。
【0161】
一態様において、本明細書に提供されるのは、N-末端からC-末端の方向に: a.ターゲッティングドメイン; b.エフリン受容体CRドメイン; c.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン;並びにd. TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含むポリペプチドである。ある実施態様において、ポリペプチドは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に融合される。ある実施態様において、ポリペプチドは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)と関連する(すなわち、結合する)。
【0162】
一態様において、本明細書に提供されるのは、N-末端からC-末端の方向に: a.エフリン受容体CRドメイン; b.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン; c. TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン);並びにd.カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインを含むポリペプチドである。
【0163】
一態様において、本明細書に提供されるのは、N-末端からC-末端の方向に: a.ターゲッティングドメイン; b.エフリン受容体CRドメイン; c.第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン; d. TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン);並びにe.カーゴタンパク質又はカーゴ結合ドメインを含むポリペプチドである。
【0164】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、エフリン結合活性を欠く。具体的な実施態様において、ポリペプチドは、エフリン受容体LBDを欠く。具体的な実施態様において、ポリペプチドは、不活化されたエフリン受容体LBD、例えば、エフリン結合活性を欠く修飾された(例えば、突然変異した)エフリン受容体LBDである。具体的な実施態様において、エフリン受容体LBDは、エフリン受容体LBDの外側の1以上のドメインにおける1以上の突然変異のために、不活化されるようになり得る。
【0165】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、エフリン受容体キナーゼ活性を欠く。具体的な実施態様において、ポリペプチドは、エフリン受容体KDを欠く。具体的な実施態様において、ポリペプチドは、不活化されたエフリン受容体KD、例えば、エフリン受容体キナーゼ活性を欠く修飾された(例えば、突然変異した)エフリン受容体KDを含む。具体的な実施態様において、エフリン受容体KDは、エフリン受容体KDの外側の1以上のドメインにおける1以上の突然変異のために、不活化されるようになり得る。
【0166】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、エフリン結合活性とエフリン受容体キナーゼ活性の両方を欠く。具体的な実施態様において、ポリペプチドは、エフリン受容体LBDとエフリン受容体KDの両方を欠く。具体的な実施態様において、ポリペプチドは、不活化されたエフリン受容体LBD、例えば、エフリン結合活性を欠き、かつエフリン受容体KDを欠く修飾された(例えば、突然変異した)エフリン受容体LBDを含む。具体的な実施態様において、ポリペプチドは、エフリン受容体LBDを欠き、かつ不活化されたエフリン受容体KD、例えば、エフリン受容体キナーゼ活性を欠く修飾された(例えば、突然変異した)エフリン受容体KDを含む。具体的な実施態様において、ポリペプチドは、不活化されたエフリン受容体LBD、例えば、エフリン結合活性を欠く修飾された(例えば、突然変異した)エフリン受容体LBDを含み、かつ不活化されたエフリン受容体KD、例えば、エフリン受容体キナーゼ活性を欠く修飾された(例えば、突然変異した)エフリン受容体KDを含む。具体的な実施態様において、エフリン受容体LBDは、エフリン受容体LBDの外側の1以上のドメインにおける1以上の突然変異のために、不活化されるようになり得る。具体的な実施態様において、エフリン受容体KDは、エフリン受容体KDの外側の1以上のドメインにおける1以上の突然変異のために、不活化されるようになり得る。
【0167】
ある態様において、本明細書に提供されるのは、目的の分子に付着させるためのナノ小胞(例えば、細胞外小胞(EV)及びハイブリドソーム)中のシグナルニュートラルなタンパク質スキャフォールドとして機能し得るEph受容体由来ポリペプチドである。ある実施態様において、ポリペプチドは、膜結合性であり、かつ(i)細胞内の細胞質キナーゼ活性化能が低下しているか又は全くなく、かつ(ii)他の細胞上に発現されたエフリンに対するリガンド結合能が減少しているか又は全くない。
【0168】
本明細書に提供されるポリペプチドは、これまでに記載されたタンパク質スキャフォールドに優るいくつかの利点を有する。それは、エンドサイトーシスのリサイクリングタンパク質であり、したがって、ソース細胞によってナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)にソーティングされることができる。エクトドメイン(特に、Eph受容体のエクトドメイン)又はその断片を目的の分子に融合させ、それにより、細胞型特異的ターゲッティング、受容体デコイ、又は精製などの追加の機能性のためのナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)のエンジニアリングを可能にすることができる。タンパク質スキャフォールドは、膜から突出しており、それにより、融合された部分へのアクセスが可能になる。また、突出が長いため、本明細書に記載されるポリペプチドは、屈曲及び/又は再構成する柔軟性があると同時に、安定性を維持する。安定な膜固定は、目的の分子をナノ小胞(例えば、EVもしくはハイブリドソーム)の内腔又は細胞の外表面に又は内側に向けることができるという点で、得られる融合タンパク質の構成を合理化することができる。ポリペプチドのN-末端とC-末端はどちらも、生物学的に活性のある分子(例えば、融合部分)を付着させるためにアクセス可能であり、かつ遊離している。
【0169】
さらに、本明細書に記載されるポリペプチドは、オリゴマー化、例えば、クラスター化する傾向を付与するホモ二量体相互作用界面を含み、それにより、ナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)上の高密度表面装飾を可能にするため、これまでに当技術分野で記載されたタンパク質スキャフォールドよりも優れた特徴を有する(例えば、
図2A、
図5、
図6、及び
図7を参照)。Eph LBD-LBD界面のクラスター化に関与する主要な残基(例えば、EphA2のD104、K116、E117、及びT144)並びにCRD-CRD界面のホモドメイン二量体化に関与する主要な残基(例えば、CRDホモドメイン二量体化モチーフ: GX
1WX
2VX
3X
4G(ここで、X
1=E又はKであり、X
2=L又はMであり、X
3=P又はAであり、X
4=V、I、又はLである)(配列番号239)は、EphA及びEphB受容体間で高度に保存されている。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、オリゴマー化(例えば、LBD-FN1間のヘテロドメイン二量化)をもたらし得る、ヘテロドメイン二量化を受け得るドメインを含む(例えば、
図2B及び
図4を参照)。ある実施態様において、ポリペプチドは、ヘッド・トゥ・テール配置でのヘテロドメイン二量体化を受ける(例えば、EphA4及びEphA2のLBD-FN1間の二量体化又はEphB6のLBD-FN2間の二量体化)。
【0170】
ある実施態様において、クラスター化傾向は、ドメインのアミノ配列の修飾によってさらに増強又は破壊することができる。クラスター化修飾のさらなる例は、以下の節で記載されている。
【0171】
本開示のポリペプチドのクラスター化を検出するためのいくつのアッセイがあり、これらには、膜におけるポリペプチドのクラスター化を可視化するための顕微鏡技術が含まれ、これには、共焦点顕微鏡法及び蛍光相関分光法による側方膜拡散が含まれるが、これらに限定されない。例えば、ポリペプチド及び/又はポリペプチド特異的抗体を標識することができ、これらの標識を検出して、ポリペプチドエレメントのクラスター化を可視化することができる。この種のアッセイの1つの例において、目的のポリペプチドを含む細胞を、ポリペプチド特異的抗体、及びポリペプチド特異的抗体に結合する蛍光標識二次抗体と接触させる。そのような技術の例は、Mely, Y.らの文献、2013. 生体膜を研究するための蛍光法(Fluorescent methods to study biological membranes). Berlin: Springer Berlin Heidelberg、He L, Hristova Kの文献(2014). 哺乳類細胞における受容体チロシンキナーゼ(RTK)活性化に対する突然変異の影響の定量化。受容体チロシンキナーゼ:方法及びプロトコル(Quantification of the effects of mutations on receptor tyrosine kinase (RTK) activation in mammalian cells. Receptor Tyrosine Kinases: Methods and Protocols). 81-87、Christopher Kingらの文献、完全定量されたスペクトルイメージングはインビボの膜タンパク質相互作用を明らかにする(Fully quantified spectral imaging reveals in vivo membrane protein interactions)、Integrative Biology, 第8巻、第2刷、2016年2月、216~229ページに記載されている。
【0172】
一態様において、Eph受容体に由来するポリペプチドが提供され、ここで、該ポリペプチドは、
i.親Eph受容体と比較して、エフリンとの結合が減少しているか又はエフリンとの結合が全くないことを示すエフリンリガンド結合ドメインを含み;かつ
ii.膜貫通ドメインを含む。
【0173】
親Eph受容体は、ヒト、マウス、又はラットを含む任意の哺乳動物種に由来し得るが、親Eph受容体は、好ましくは、ヒトEph受容体(hEph)である。いくつかの実施態様において、親Eph受容体は、配列番号212~225及びその断片からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。しかしながら、いくつかの実施態様において、ポリペプチドの個々のドメインの源は、混合されてもよい。例として、ポリペプチドは、ある受容体のLBD(例えば、EphA2の突然変異したLBD、配列番号16を参照)、別の受容体の柔軟なドメイン(例えば、EphA4の柔軟なドメイン、配列番号63を参照)、及び第三の受容体の膜貫通ドメイン(例えば、EphA1のTMドメイン、配列番号74を参照)を含み得る。
【0174】
Eph受容体由来ポリペプチドに対する欠失、置換、付加、修飾、及び挿入を任意に組み合わせることができる。ただし、作製された変異体が、適切な方法を用いてスクリーニングすることができる望ましい特徴を保持していることが条件である。特に興味深いのは、置換、好ましくは、保存的置換である。本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上の、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、又はそれより多くのそのような置換を含み得る。
【0175】
(5.2.1 エクトドメイン及び膜貫通ドメイン)
上で説明されているように、エフリン受容体エクトドメインは、N→Cの順に、リガンド結合ドメイン(LBD)、スシドメインを含むシステインリッチ領域(CRドメイン)、及び上皮成長因子(EGF)様ドメイン、それに続く、2つのフィブロネクチンタイプIIIドメイン(FN IIIドメイン-FN1ドメイン及びFN2ドメイン)を含む。膜貫通ドメインは、2つのFN IIIドメインのC-末端にある。
【0176】
ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、同じエフリン受容体由来の又はそれに由来するエフリン受容体エクトドメイン及びエフリン受容体膜貫通ドメイン(TMドメイン)を含む。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、2つの異なるエフリン受容体由来の又はそれに由来するエフリン受容体エクトドメイン及びエフリン受容体TMドメインを含む。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、野生型エフリン受容体エクトドメイン及び野生型エフリン受容体TMドメインを含む。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、突然変異体エフリン受容体エクトドメイン及び突然変異体エフリン受容体TMドメインを含む。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、野生型エフリン受容体エクトドメイン及び突然変異体エフリン受容体TMドメインを含む。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、突然変異体エフリン受容体エクトドメイン及び野生型エフリン受容体TMドメインを含む。様々な実施態様において、突然変異体エフリン受容体エクトドメインは、野生型エフリン受容体エクトドメインとの少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。様々な実施態様において、突然変異体エフリン受容体TMドメインは、野生型エフリン受容体TMドメインとの少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0177】
ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、エフリン受容体CRドメイン(野生型又は突然変異体のエフリン受容体CRドメイン)、第一のエフリン受容体FN IIIドメイン(野生型又は突然変異体の第一のエフリン受容体FN IIIドメイン)、第二のエフリン受容体FN IIIドメイン(野生型又は突然変異体の第二のエフリン受容体FN IIIドメイン)、及びエフリン受容体TMドメイン(野生型又は突然変異体のエフリン受容体TMドメイン)を含み、ここで、これら4つのエフリン受容体ドメインは全て、同じエフリン受容体由来のものであるか、又はそれに由来する。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、エフリン受容体CRドメイン(野生型又は突然変異体のエフリン受容体CRドメイン)、第一のエフリン受容体FN IIIドメイン(野生型又は突然変異体の第一のエフリン受容体FN IIIドメイン)、第二のエフリン受容体FN IIIドメイン(野生型又は突然変異体の第二のエフリン受容体FN IIIドメイン)、及びエフリン受容体TMドメイン(野生型又は突然変異体のエフリン受容体TMドメイン)を含み、ここで、これら4つのエフリン受容体ドメインは、2つ、3つ、もしくは4つのエフリン受容体由来のものであるか、又はそれに由来する。様々な実施態様において、突然変異体エフリン受容体ドメインは、野生型エフリン受容体ドメインとの少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0178】
天然のEph受容体のエクトドメインとエンドドメインは両方とも、プロテアーゼ切断部位を含み得る。いくつかの実施態様において、ポリペプチドが細胞環境にあるときに無傷であり続けるために、1以上のプロテアーゼ切断部位を除去することが有益である場合がある。いくつかの実施態様において、1以上の切断部位は、ADAM(ディスインテグリン及び金属タンパク質、亜鉛プロテアーゼスーパーファミリーのメンバー)などのメタロプロテアーゼに特異的である。いくつかの実施態様において、1以上の切断部位は、γ-セクレターゼに特異的である。
【0179】
いくつかの実施態様において、1つの切断部位は、FN2ドメインと膜貫通ドメインの間にあってもよい。例えば、EphA4断片(配列番号226)のアミノ酸ストレッチ533~547における1以上の修飾を行って、プロテアーゼ切断部位を除去することができる。具体的な実施態様において、そのような修飾は、突然変異である。したがって、ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、1以上の突然変異が、配列番号226のアミノ酸位置533、534、535、536、537、538、539、540、541、542、543、544、545、546及び/又は547に存在する配列を含み得る。FN2ドメインと膜貫通ドメインの間の切断部位の除去のさらなる例は、EphB2エクトドメイン(配列番号208)のアミノ酸位置536における1以上の修飾、例えば、S536E修飾である。
【0180】
さらなる実施態様において、Eph受容体は、FN1ドメイン中のアミノ酸の1以上の修飾によって、プロテアーゼ切断に対してより耐性があるようにすることができる。例えば、EphB2は、配列番号208のアミノ酸L356及びI395のFN1中の1以上の修飾(例えば、L356A、I395A)によって、プロテアーゼ切断に対して耐性があるようにすることができる。
【0181】
さらなる実施態様において、Eph受容体は、膜貫通ドメイン中のアミノ酸の1以上の修飾によって、プロテアーゼ切断に対してより耐性があるようにすることができる。例えば、EphB2は、配列番号208のアミノ酸A562の膜貫通ドメイン中の1以上の修飾(例えば、A562S)によって、プロテアーゼ切断に対して耐性があるようにすることができる。
【0182】
したがって、ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、1以上の突然変異が、FN1、FN2、及び/又は膜貫通ドメイン中に存在する配列を含み得る。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、切断に対してより耐性があり、かつエクトドメイン及び/又は膜貫通ドメイン中に、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、又は10の突然変異を有する。
【0183】
ある実施態様において、本開示のポリペプチドは、プロテアーゼ切断部位を含まない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、1つ、2つ、又は3つのプロテアーゼ切断部位を含む。
【0184】
(a)リガンド結合ドメイン(LBD)
様々な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、低下したエフリン結合活性を示すか、又はエフリン結合活性を欠く。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、エフリン受容体リガンド結合ドメイン(LBD)を欠く。突然変異型(切断型を含む)リガンド結合ドメイン(LBD)を有する又はLBDを有さない、例示的なEph受容体由来ポリペプチドの概略図については、
図1Bを参照されたい。エフリンリガンド結合の減少又は消失は、本開示のEph受容体由来ポリペプチドが、それらが密に接触する細胞において逆シグナル伝達を誘発しないという点で有用であり得る。これは、本明細書に記載されるポリペプチドがナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)上に存在する場合、標的細胞のそれぞれのシグナル伝達経路がナノ小胞とその標的細胞との接触時に誘発されないという点で有益であり得る。
【0185】
ある実施態様において、本明細書に記載されるEph受容体由来ポリペプチドは、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さないように修飾されるエフリンリガンド結合ドメインを含む。親Eph受容体は、エフリン結合の親和性を決定するための参照として役立ち得る。いくつかの実施態様において、エフリンリガンド結合ドメインは、突然変異(例えば、置換、挿入、及び/又は欠失)によって、好ましくは、1以上のアミノ酸の置換によって修飾される。受容体-リガンド結合活性は、当技術分野で公知の方法を用いて測定することができる。例えば、Elliott S.らの文献(1997) Blood, 89:493-502を参照されたい。
【0186】
いくつかの実施態様において、エフリンリガンド結合は、親Eph受容体と比較して、少なくとも10%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%減少している。
【0187】
いくつかの実施態様において、本開示のポリペプチドのエフリンに対する結合親和性は、親Eph受容体の結合親和性と比べて、少なくとも2倍低い、少なくとも3倍低い、少なくとも4倍低い、少なくとも5倍低い、少なくとも6倍低い、少なくとも7倍低い、少なくとも8倍低い、少なくとも9倍低い、少なくとも10倍低い、少なくとも15倍低い、少なくとも20倍低い、少なくとも25倍低い、少なくとも30倍低い、少なくとも35倍低い、少なくとも40倍低い、少なくとも45倍低い、少なくとも50倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも150倍低い、又は10~50倍低い、50~100倍低い、100~150倍低い、150~200倍低い、もしくは200倍を超えて低い。
【0188】
様々な実施態様において、本開示のEph受容体由来ポリペプチドは、該ポリペプチドが、親Eph受容体と比べて実質的に低下又は消失した親和性又は活性、例えば、結合親和性(例えば、KD)及び/又は活性化活性(例えば、リガンドがエフリン受容体に対するアゴニストである場合、例えば、KA及び/もしくはEC50として測定可能)及び/又は阻害活性(例えば、リガンドがエフリン受容体に対するアンタゴニストである場合、例えば、KI及び/又はIC50として測定可能)を有するようにさせる1以上の突然変異を含む。そのような実施態様において、ポリペプチドは、親Eph受容体と比べて、約1%、又は約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約10%~20%、約20%~40%、約50%、約40%~60%、約60%~80%、又は約80%~100%のエフリンに対する親和性を有する。いくつかの実施態様において、結合親和性は、親Eph受容体と比べて、少なくとも2倍低い、少なくとも3倍低い、少なくとも4倍低い、少なくとも5倍低い、少なくとも6倍低い、少なくとも7倍低い、少なくとも8倍低い、少なくとも9倍低い、少なくとも10倍低い、少なくとも15倍低い、少なくとも20倍低い、少なくとも25倍低い、少なくとも30倍低い、少なくとも35倍低い、少なくとも40倍低い、少なくとも45倍低い、少なくとも50倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも150倍低い、もしくは10~50倍低い、50~100倍低い、100~150倍低い、150~200倍低い、又は200倍を超えて低い。
【0189】
エフリンとLBD間の結合親和性及び結合反応速度を解析する方法は、当技術分野で公知である。これらの方法には、固相結合アッセイ(例えば、ELISAアッセイ)、免疫沈降、表面プラズモン共鳴(例えば、Biacore(商標)(GE Healthcare, Piscataway, NJ))、動力学的排除アッセイ(例えば、KinExA(登録商標))、フローサイトメトリー、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)、バイオレイヤー干渉法(例えば、Octet(登録商標)(ForteBio社、Menlo Park, CA))、及びウェスタンブロット解析が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、ELISAは、結合親和性を決定するために使用される。いくつかの実施態様において、表面プラズモン共鳴(SPR)は、結合親和性及び/又は結合反応速度を決定するために使用される。いくつかの実施態様において、動力学的排除アッセイは、結合親和性及び/又は結合反応速度を決定するために使用される。いくつかの実施態様において、バイオレイヤー干渉アッセイは、結合親和性及び/又は結合反応速度を決定するために使用される。
【0190】
LBD内の特定の位置がエフリン結合部位を構成し、エフリンと相互作用する。エフリンと相互作用し、エフリン結合部位を構成するLBDアミノ酸位置の非網羅的なリストは、NCBI保存ドメインデータベース(CDD)にカタログ化されている(例えば、表1の位置を参照)。したがって、ある実施態様において、親Eph受容体は、アルギニン(R)がGとHのβ-鎖間のループ中でグルタミン酸(E)に置換されているLBDを含む(例えば、EphA1/3の場合のR104、EphA2の場合のR103、EphA4/8の場合のR106、EphA7の場合のR107、EphA6の場合のR109、EphA10の場合のR110、EphA5の場合のR135、EphB1の場合のR94、EphB2の場合のR95、EphB3の場合のR115、又はEphB6の場合のR112)。いくつかの実施態様において、EphB4のロイシンL95は、アルギニン(R)によって置換されることができる。それに加えて、又はその代わりに、親EphA4 LBDの154位置のアミノ酸は、アラニン(A)によって置換される(配列番号15を参照)。当業者は、エフリン結合を減少又は消失させるさらなる位置を同定することが十分に可能である。いくつかの実施態様において、ポリペプチドのLBDは、野生型エフリン受容体のLBD(例えば、配列番号1~14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体LBD)との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0191】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドのLBDは、野生型エフリン受容体のLBD(例えば、配列番号1~14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体LBD)である。
【0192】
表1. LBDエフリン結合部位(CDD: cl02704)の位置
【表1】
【0193】
一態様において、本明細書に記載されるポリペプチドはLBDを含むことができ、該LBDは、野生型エフリン受容体のLBD構造と重ね合わせることができる三次元構造を示す。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドはLBDを含み、該LBDは、その等価なCα位間の部分を最大でも1、2、4、4、5、6、7、8、9、又は10Åの二乗平均平方根偏差(RMSD)で野生型Eph受容体LBDと重ね合わせることができる三次元構造を示す。例えば、未結合のEphA2 LBDとEphB2 LBDの構造は、Himanen, J.Pらの文献(2009)、EMBO reports, 10: 722-728に記載されているように、対応するCα位の間の1.7ÅのRMSDで重ね合わせることができる。さらなる例として、未結合のEphB4 LBDとEphB2 LBDの構造は、Chrencikらの文献、Structure, 14, 2,(2006), 321-330)に記載されているように、等価なCα位間の1.08Åの全体的なRMSDで重ね合わせることができる。重ね合わせた構造のRMSDを計算することにより2つの生物学的構造を比較する方法は、当技術分野で周知である(Xu, Y., Xu, D.及びLiang, J.の文献、2007.タンパク質構造の予測及びモデリングのための計算方法(Computational methods for protein structure prediction and modeling). Springerに記載されている)。2つの同一の構造がゼロのRMSDを示すのに対し、2つの異なる構造はその非類似度に比例した値を示す。重ね合わせた構造のさらなる例は、
図19に示されている。
【0194】
いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるスキャフォールドポリペプチドはLBDドメインを含み、該LBDは、上記の低下したエフリン結合活性を有し、野生型エフリン受容体のLBDドメイン(例えば、表2に示されている配列番号1~14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体LBD)との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0195】
表2. LBD(CDDスーパーファミリー: cl02704、ProRule:PRU00883)
【表2】
【0196】
いくつかの実施態様において、リガンド結合ドメインは、1つのアミノ酸突然変異、2つのアミノ酸突然変異、3つのアミノ酸突然変異、4つのアミノ酸突然変異、5つのアミノ酸突然変異、6つのアミノ酸突然変異、7つのアミノ酸突然変異、又は7つより多くのアミノ酸突然変異を除いた、野生型エフリン受容体のLBD(例えば、配列番号1~14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体LBD)のアミノ酸配列を含む。突然変異は、置換、挿入、欠失、又はこれらの任意の組合せであることができる。
【0197】
いくつかの実施態様において、リガンド結合ドメインは、表2に示されるアミノ酸配列を含む。
【0198】
いくつかの実施態様において、リガンド結合ドメインは、表2に示されるアミノ酸配列を含む。
【0199】
表3.エフリン結合部位突然変異を有する例示的なLBD
【表3】
【0200】
いくつかの実施態様において、リガンド結合ドメインは、野生型エフリン受容体(例えば、配列番号:1~14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体LBD)のアミノ酸配列を含み、その長さは、野生型エフリン受容体のリガンド結合ドメインのアミノ酸配列(例えば、配列番号1~14)のN末端及び/又はC末端において、1アミノ酸、2アミノ酸、3アミノ酸、4アミノ酸、5アミノ酸、6アミノ酸、7アミノ酸、8アミノ酸、9アミノ酸、10アミノ酸、11アミノ酸、12アミノ酸、13アミノ酸、14アミノ酸、15アミノ酸、16アミノ酸、17アミノ酸、18アミノ酸、19アミノ酸、又は20アミノ酸以上である。
【0201】
いくつかの実施態様において、LBDは、異なるEph受容体に由来するβ鎖及び接続ループをコードするアミノ酸配列のキメラを含む(例えば、Li Pengらの文献、Journal of Molecular Biology, 2011に記載されている、EphA4 LBDに由来するH-Jループ及びJβ鎖及びJ-Kループを有するEphA2親配列)。
【0202】
いくつかの実施態様において、エフリン受容体結合ドメインの断片は、リンカーを介してLBDのBCループに挿入され、それにより、LBDのリガンド結合状態を模倣し、LBDクラスター化界面でのクラスター化を促進する。例えば、エフリンA2の受容体結合ドメインのGHループを配列番号17に示されるEphA4 LBDのBCループに挿入することができる。いくつかの実施態様において、リガンド結合ドメインは、表2に示されるアミノ酸配列を含む。
【0203】
表3
【0204】
いくつかの実施態様において、修飾されたLBDは、ヘッド・トゥ・テールでのヘテロドメイン二量体形成を誘発する性質を有することができ、すなわち、修飾されたLBDは、別のEph受容体由来ポリペプチドのFN2ドメインに結合し、それにより、細胞表面又はナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)上でのポリペプチドのオリゴマー化を増大させることができる。一実施態様において、Eph受容体由来のポリペプチドは、オリゴマー化を増大させるように修飾されているFN2ドメインを含む。ある実施態様において、LBDは、エフリン結合を減少させるように修飾され、FN2は、ヘッド・トゥ・テール結合を、例えば、EphA4において、FN2ドメイン2中の位置106のアルギニンをグルタミン酸(R106E)と、位置507のトレオニンをアスパラギン(T507N)と置換することにより向上させるように修飾される。これらの残基の近傍は、
図3Bに示されている。エフリン2受容体結合ドメイン残基E129とEphA4 LBD残基R106との相互作用は、
図3Aに示されている。
【0205】
(b)システインリッチ(CR)ドメイン及びフィブロネクチンタイプIII(FN III)ドメイン
システインリッチ領域及び2つのフィブロネクチンタイプIIIドメイン(すなわち、FN1及びFN2)は、「柔軟なドメイン」と呼ばれる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドの柔軟なドメインは、表7の配列から選択される。
【0206】
本開示のポリペプチドは、親Eph受容体の柔軟なドメインを含んでも含まなくてもよい。いくつかの実施態様において、該柔軟なドメインは、部分的又は全体的に欠けている。例えば、柔軟なドメインをリンカー又は機能性タンパク質などの他のポリペプチドによって部分的又は全体的に置換することができる。それに加えて又はその代わりに、目的のタンパク質配列(例えば、ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメイン)をポリペプチドの柔軟なドメイン(例えば、CRドメイン、FN1ドメイン、又はFN2ドメイン)に挿入し又は付着し、それにより、追加の機能性を付加することができる。ある実施態様において、本開示のポリペプチドは、Eph受容体の柔軟なドメインを含む。
【0207】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、親Eph受容体のシステインリッチ領域、FN1ドメイン、及び/又はFN2ドメインを含み、ここで、システインリッチ領域、FN1ドメイン、及び/又はFN2ドメインは、1以上のポリペプチド間の相互作用を増大させるための1以上の修飾を含む。ある実施態様において、該1以上の修飾は、置換、挿入、欠失、又はこれらの任意の組合せであることができる突然変異である。
【0208】
具体的な実施態様において、親Eph受容体は、配列番号202を含み、位置504のアミノ酸は、アスパラギン酸(D)によって置換されており、及び/又は位置507のアミノ酸は、アスパラギン酸(D)によって置換されている。さらなる具体的な実施態様において、親LBDのアミノ酸位置154は、アラニン(A)によって置換されている。得られるポリペプチドのオリゴマー化を増大させるために、この又は他の親Eph受容体の柔軟なドメイン内のさらなる突然変異を同定することは、日常的な実験の範囲内である。
【0209】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、2以上のポリペプチド間の相互作用を増大させるCRDホモドメイン二量体化モチーフを含む。ある実施態様において、CRDホモドメイン二量体化モチーフは、GX1WX2VX3X4G(ここで、X1=E又はK、X2=L又はM、X3=P又はA、X4=V、I、又はLである)(配列番号239)である。
【0210】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドのCRドメインは、野生型エフリン受容体のCRドメイン(例えば、配列番号18~31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体CRドメイン)との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施態様において、ポリペプチドのCRドメインは、野生型エフリン受容体のCRドメイン(例えば、配列番号18~31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体CRドメイン)である。
【0211】
一態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、CRDを含むことができ、該CRDは、野生型エフリン受容体のCRD構造と重ね合わせることができる三次元構造を示す。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、CRDを含むことができ、該CRDは、その等価なCα位間の部分を最大でも1、2、4、4、5、6、7、8、9、又は10Åの二乗平均平方根偏差(RMSD)で野生型Eph受容体CRDと重ね合わせることができる三次元構造を示す。
【0212】
【0213】
いくつかの実施態様において、CRドメインは、1つのアミノ酸突然変異、2つのアミノ酸突然変異、3つのアミノ酸突然変異、4つのアミノ酸突然変異、5つのアミノ酸突然変異、6つのアミノ酸突然変異、7つのアミノ酸突然変異、又は7つより多くのアミノ酸突然変異を除いた、野生型エフリン受容体のCRドメイン(例えば、配列番号18~31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体CRドメイン)のアミノ酸配列を含む。突然変異は、置換、挿入、欠失、又はこれらの任意の組合せであることができる。
【0214】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドのFN1ドメインは、野生型エフリン受容体のFN1ドメイン(例えば、配列番号32~45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体FN1ドメイン)との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施態様において、ポリペプチドのFN1ドメインは、野生型エフリン受容体のFN1ドメイン(例えば、配列番号32~45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体FN1ドメイン)である。
【0215】
一態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、FN1を含むことができ、該FN1は、野生型エフリン受容体のFN1構造と重ね合わせることができる三次元構造を示す。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、FN1を含むことができ、該FN1は、その等価なCα位間の部分を最大でも1、2、4、4、5、6、7、8、9、又は10Åの二乗平均平方根偏差(RMSD)で野生型Eph受容体FN1と重ね合わせることができる三次元構造を示す。
【0216】
表5. FNIII-1(CDD:365830 ProRule: PRU00316)
【表5】
【0217】
いくつかの実施態様において、FN1ドメインは、1つのアミノ酸突然変異、2つのアミノ酸突然変異、3つのアミノ酸突然変異、4つのアミノ酸突然変異、5つのアミノ酸突然変異、6つのアミノ酸突然変異、7つのアミノ酸突然変異、又は7つより多くのアミノ酸突然変異を除いた、野生型エフリン受容体のFN1ドメイン(例えば、配列番号32~45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体FN1ドメイン)のアミノ酸配列を含む。突然変異は、置換、挿入、欠失、又はこれらの任意の組合せであることができる。
【0218】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドのFN2ドメインは、野生型エフリン受容体のFN2ドメイン(例えば、配列番号46~59からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体FN2ドメイン)との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施態様において、ポリペプチドのFN2ドメインは、野生型エフリン受容体のFN2ドメイン(例えば、配列番号46~59からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体FN2ドメイン)である。
【0219】
一態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、FN2を含むことができ、該FN2は、野生型エフリン受容体のFN2構造と重ね合わせることができる三次元構造を示す。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、FN2を含むことができ、該FN2は、その等価なCα位間の部分を最大でも1、2、4、4、5、6、7、8、9、又は10Åの二乗平均平方根偏差(RMSD)で野生型Eph受容体FN2と重ね合わせることができる三次元構造を示す。
【0220】
表6. FNIII-2(CDD:365830 ProRule: PRU00316)
【表6】
【0221】
いくつかの実施態様において、FN2ドメインは、1つのアミノ酸突然変異、2つのアミノ酸突然変異、3つのアミノ酸突然変異、4つのアミノ酸突然変異、5つのアミノ酸突然変異、6つのアミノ酸突然変異、7つのアミノ酸突然変異、又は7つより多くのアミノ酸突然変異を除いた、野生型エフリン受容体のFN2ドメイン(例えば、配列番号46~59からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体FN2ドメイン)のアミノ酸配列を含む。突然変異は、置換、挿入、欠失、又はこれらの任意の組合せであることができる。
【0222】
ある実施態様において、第一のエフリン受容体FN IIIドメイン(すなわち、FN1)及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン(すなわち、FN2)は、異なるアミノ酸配列を含む。ある実施態様において、第一のエフリン受容体FN IIIドメイン(すなわち、FN1)及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン(すなわち、FN2)は、同じアミノ酸配列を含む。
【0223】
一態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、柔軟なドメインを含むことができ、該柔軟なドメインは、野生型エフリン受容体の柔軟なドメイン構造と重ね合わせることができる三次元構造を示す。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは柔軟なドメインを含むことができ、該柔軟なドメインは、その等価なCα位間の部分を最大でも1、2、4、4、5、6、7、8、9、又は10Åの二乗平均平方根偏差(RMSD)で野生型Eph受容体の柔軟なドメインと重ね合わせることができる三次元構造を示す。
【0224】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドの柔軟なドメインは、野生型エフリン受容体の柔軟なドメイン(例えば、配列番号60~73からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体の柔軟なドメイン)との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施態様において、ポリペプチドの柔軟なドメインは、野生型エフリン受容体の柔軟なドメイン(例えば、配列番号60~73からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体の柔軟なドメイン)である。
【0225】
表7.例示的な柔軟なドメイン(CRD+FN1+FN2)
【表7】
【0226】
(c)膜貫通(TM)ドメイン
本開示の膜貫通ドメインは、細胞膜に包埋され、かつ細胞膜を少なくとも1回横断する1以上の膜貫通領域を含む膜結合タンパク質又は膜貫通タンパク質のポリペプチドドメインである。そのような膜貫通領域又はその機能的断片は、本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)の膜アンカーとして使用され得る。本開示のそのようなポリペプチドにおいて有用な膜貫通ドメインは、限定されないが、形質膜、小胞体膜、ゴルジ複合体膜、リソソーム膜、核膜、及びミトコンドリア膜を含む、細胞の種々の膜のいずれかと関連している膜貫通タンパク質に由来し得る。ある実施態様において、膜貫通ドメインは、哺乳動物タンパク質、好ましくは、ヒトタンパク質に由来する。
【0227】
本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来のポリペプチド)中の膜貫通ドメインは、膜貫通タンパク質が通常関連している細胞の膜を通常横断する膜貫通タンパク質の膜貫通領域の全て又は一部を含む。膜貫通ドメインは、膜貫通タンパク質の膜貫通領域だけでなく、膜貫通タンパク質の膜貫通領域又は膜包埋領域に対して上流(N-末端)及び/又は下流(C-末端)のいずれかの隣接領域に位置する膜貫通タンパク質の追加のアミノ酸も含み得る。例えば、特定の実施態様において、膜貫通タンパク質の膜貫通領域全体が使用される。さらなる実施態様において、膜貫通領域全体、及び膜貫通タンパク質の膜包埋部分の任意の上流又は下流領域の全て又は一部が使用され得る。本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)の膜貫通ドメインの一部であり得る膜貫通タンパク質の膜包埋部分から上流(N-末端)及び/又は下流(C-末端)のいずれかに位置する追加のアミノ酸は、限定されないが、1~10アミノ酸、1~20アミノ酸、1~30アミノ酸、1~40アミノ酸、1~50アミノ酸、1~60アミノ酸、1~70アミノ酸、1~80アミノ酸、1~90アミノ酸、1~100アミノ酸、1~200アミノ酸、1~300アミノ酸、1~400アミノ酸、1~500アミノ酸、1~600アミノ酸、1~700アミノ酸、1~800アミノ酸、及び1~900アミノ酸を含む、様々なサイズを有し得る。いくつかの実施態様において、膜貫通ドメインは、ネイティブな膜貫通タンパク質のN-末端から少なくとも5、10、50、100、200、300、400、500、600、700、又は800個のアミノ酸を欠く。いくつかの実施態様において、膜貫通ドメインは、ネイティブな膜貫通タンパク質のC-末端から少なくとも5、10、50、100、200、300、400、500、600、700、又は800個のアミノ酸を欠く。いくつかの実施態様において、膜貫通ドメインは、ネイティブな膜貫通タンパク質のN-末端とC-末端の両方から少なくとも5、10、50、100、200、300、400、500、600、700、又は800個のアミノ酸を欠く。いくつかの実施態様において、膜貫通ドメインは、ネイティブな膜貫通タンパク質の1以上の機能又は構造ドメインを欠く。
【0228】
膜貫通ドメインは、いくつかの実施態様において、親Eph受容体の膜貫通ドメイン(例えば、Eph受容体TMドメイン、例えば、配列番号74~87からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するEph受容体TMドメインなど)である。本明細書に記載されるポリペプチドの膜貫通ドメインは、膜貫通タンパク質の膜貫通領域に結合した細胞質領域全体、又は例えば、細胞質テールの望ましくないシグナル伝達機能を排除するための1以上のアミノ酸による細胞質領域の切断を含み得る。上記のように、キナーゼ膜貫通タンパク質の膜包埋(膜貫通)領域及び隣接する細胞質C-末端領域の全て又は一部が本開示の融合タンパク質の膜貫通ドメインとして使用されることになる場合、膜貫通領域及び任意の隣接する細胞質領域を含む融合タンパク質が宿主細胞を活性化しないように、任意の既知の機能的キナーゼシグナルが排除又は破壊されるべきである。
【0229】
いくつかの実施態様において、膜貫通ドメインは、野生型エフリン受容体の膜貫通ドメイン(例えば、配列番号74~87からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体TMドメイン)と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドの膜貫通ドメインは、野生型エフリン受容体の膜貫通ドメイン(例えば、配列番号74~87からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体TMドメイン)である。
【0230】
【0231】
いくつかの実施態様において、膜貫通ドメインは、1つのアミノ酸突然変異、2つのアミノ酸突然変異、3つのアミノ酸突然変異、4つのアミノ酸突然変異、5つのアミノ酸突然変異、6つのアミノ酸突然変異、7つのアミノ酸突然変異、又は7つより多くのアミノ酸突然変異を除いた、野生型エフリン受容体の膜貫通ドメイン(例えば、配列番号74~87からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体TMドメイン)のアミノ酸配列を含む。突然変異は、置換、挿入、欠失、又はこれらの任意の組合せであることができる。
【0232】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、膜貫通ドメインにおける2以上のポリペプチド間の相互作用を増大させる膜貫通ドメインホモドメイン二量体化モチーフを含む。ある実施態様において、膜貫通ドメインホモドメイン二量体モチーフは、膜貫通ロイシンジッパーモチーフである。ある実施態様において、膜貫通ドメインホモ-二量体モチーフは、膜貫通グリシンジッパーモチーフである。膜貫通ドメイン二量体化を修飾及びアッセイするための方法は、当技術分野で公知である。例えば、Bocharovらの文献、J Biol Chem. 2008 Oct 24;283(43):29385-95を参照されたい。
【0233】
いくつかの実施態様において、膜貫通ドメインは、野生型エフリン受容体の膜貫通ドメイン(例えば、配列番号74~87からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体TMドメイン)のアミノ酸配列を含み、その長さは、野生型エフリン受容体の膜貫通ドメインのアミノ酸配列(例えば、配列番号74~87)のN末端及び/又はC末端において、1アミノ酸、2アミノ酸、3アミノ酸、4アミノ酸、5アミノ酸、6アミノ酸、7アミノ酸、8アミノ酸、9アミノ酸、10アミノ酸、11アミノ酸、12アミノ酸、13アミノ酸、14アミノ酸、15アミノ酸、16アミノ酸、17アミノ酸、18アミノ酸、19アミノ酸、又は20アミノ酸以上である。
【0234】
膜貫通領域が特定のタイプの膜貫通タンパク質に由来することを知ることにより、本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)に対する膜貫通ドメインの好ましい配向及び位置が示唆される。このことは、膜貫通領域の両側の細胞質及びナノ小胞内腔に対してそのN-末端及びC-末端の配向及び位置が固定されているI型及びII型膜貫通タンパク質に関して特に重要である。例えば、I型膜貫通タンパク質の膜貫通領域が本開示のポリペプチドの膜貫通ドメインとして使用される場合、ポリペプチドは、膜から遠位の位置に配向される。したがって、I型膜貫通タンパク質由来の膜貫通ドメインを有する本開示のポリペプチドの最も一般的な構成は、次のように示されるN-末端からC-末端への線形構造を含む:
(1)(エクトドメイン)-L-(膜貫通ドメイン)
(ここで、式中のLは、2つのドメインを連結する直接的なペプチド結合、又は1以上のアミノ酸残基のリンカーを表す)。
【0235】
具体的な実施態様において、I型由来の膜貫通ドメインを含む本明細書に記載されるポリペプチドは、好ましくは、ポリペプチドのN-末端をER膜を通してER内腔に導くことができるN-末端シグナル配列を含む。
【0236】
非限定的な例として、本明細書に記載されるEph受容体由来ポリペプチドは、エクトドメインを、I型由来膜貫通ドメイン、例えば、EphA4(配列番号77)のもの、又はEphA4(配列番号77)の膜貫通ドメインとの少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を共有する膜貫通ドメインのN-末端シグナルペプチドの後ろに挿入することにより構築される。
【0237】
(5.2.2 エンドドメイン(膜近傍(JM)ドメイン、キナーゼドメイン(KD)、ステライルα-モチーフ(SAM)リンカードメイン、SAMドメイン、及びPDZ結合モチーフ(PBM)ドメイン))
野生型エフリン受容体については、エクトドメインが膜貫通ドメインに接続され、この膜貫通ドメインが膜近傍(JM)ドメインまで細胞内に伸長し、この膜近傍(JM)ドメインがエンドドメインの一部であるキナーゼドメインを繋いでいる。
【0238】
先に概説したように、野生型エフリン受容体のエンドドメインは、膜近傍(JM)ドメイン、キナーゼドメイン(KD)、ステライルアルファモチーフ(SAM)リンカードメイン、SAMドメイン、及びPDZ結合モチーフ(PBM)ドメインを含む。Eph受容体のうち、EphB6及びEphA10は、その触媒チロシンキナーゼ活性に寄与する必須モチーフが変化しており、触媒的に欠損した状態になっている。場合により、Eph受容体は、KD、SAMリンカードメイン、SAMドメイン、及び/又はPBMドメインを含まない天然に発現されるスプライシングアイソフォーム、例えば、マウスEphA4及びEphA7のアイソフォームとなり得る。
【0239】
本開示のポリペプチドは、JMドメイン、KD、SAMリンカードメイン、SAMドメイン、及び/もしくはPBMドメイン、又はこれらの断片を任意に含み得る。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある以下のドメイン:エフリン受容体JMドメイン、エフリン受容体KD、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)、及びエフリン受容体PBMドメインのうちの1つ、2つ、3つ、4つ、又は全てをさらに含む。
【0240】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体JMドメインをさらに含む。
【0241】
いくつかの実施態様において、本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)は、前方シグナル伝達能力がない。したがって、いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、エフリン受容体キナーゼ活性を欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、親Eph受容体のエンドドメインを完全に欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、親Eph受容体のエンドドメインの一部を欠く。そのいくつかの実施態様において、ポリペプチドは、親Eph受容体又はその断片のキナーゼドメインを欠く。そのいくつかの実施態様において、ポリペプチドは、親Eph受容体のキナーゼドメイン中のチロシンアミノ酸を欠く。そのいくつかの実施態様において、ポリペプチドは、親Eph受容体のSAMリンカードメインを欠く。そのいくつかの実施態様において、ポリペプチドは、親Eph受容体のSAMドメインを欠く。そのいくつかの実施態様において、ポリペプチドは、親Eph受容体のPBMドメインを欠く。
【0242】
それゆえ、具体的な実施態様において、本明細書に提供されるポリペプチドは、受容体を発現する細胞の前方(すなわち、内腔)シグナル伝達能に関して、シグナルニュートラルである。順行性シグナル伝達の能力は、当技術分野で公知の方法によって試験することができる。例えば、Germano, S.の文献、2015、受容体チロシンキナーゼ(Receptor tyrosine kinases). Totowa, N.J.: Humana Pressを参照されたい。
【0243】
ある実施態様において、ポリペプチドの細胞局在化、ユビキチン化、及びトラフィッキングは、KD及びJMドメイン中の重要な残基の修飾によって方向転換することができる。これらのプロセスを修飾する方法は、例えば、Sabet, O.らの文献、ユビキチン化はEphA2小胞輸送を連続的なセーフガードから有限のシグナル伝達モードに切り替える(Ubiquitination switches EphA2 vesicular traffic from a continuous safeguard to a finite signalling mode). Nat. Commun. 6:804に記載されているように、当技術分野で公知である。
【0244】
ある実施態様において、本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)は、エフリン受容体キナーゼ活性とエフリン結合活性の両方を欠く。具体的な実施態様において、本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)は、エフリン受容体キナーゼドメインとエフリン受容体リガンド結合ドメインの両方を欠く。具体的な実施態様において、本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)は、エフリン受容体キナーゼドメインを欠き、かつ第5.2.1節に記載される修飾されたエフリン受容体リガンド結合ドメインを含む。具体的な実施態様において、本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)は、本明細書に記載される修飾されたエフリン受容体キナーゼドメインを含み、かつエフリン受容体リガンド結合ドメインを欠く。具体的な実施態様において、本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)は、本明細書に記載される修飾されたエフリン受容体キナーゼドメインを含み、かつ第5.2.1節に記載される修飾されたエフリン受容体リガンド結合ドメインを含む。
【0245】
(a)膜近傍ドメイン
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体JMドメインをさらに含む。
【0246】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドのJMドメインは、野生型エフリン受容体のJMドメイン(例えば、表9の配列番号88~101からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体JMドメイン)との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施態様において、ポリペプチドのJMドメインは、野生型エフリン受容体のJMドメイン(例えば、配列番号88~101からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体JMドメイン)である。
【0247】
表9. JM(CDDスーパーファミリー: cl25995、ProRule:PRU00159)
【表9】
【0248】
いくつかの実施態様において、JMドメインは、1つのアミノ酸突然変異、2つのアミノ酸突然変異、3つのアミノ酸突然変異、4つのアミノ酸突然変異、5つのアミノ酸突然変異、6つのアミノ酸突然変異、7つのアミノ酸突然変異、又は7つより多くのアミノ酸突然変異を除いた、野生型エフリン受容体のJMドメイン(例えば、配列番号88~101からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体JMドメイン)のアミノ酸配列を含む。突然変異は、置換、挿入、欠失、又はこれらの任意の組合せであることができる。
【0249】
具体的な実施態様において、エフリン受容体JMドメインは、(i)(X1)-Ptyr-(X2)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X1は、Y、P、V、I、T、もしくはFであり、かつX2は、I、V、L、もしくはAである);(ii)(X3)-Ptyr-(X4)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X3は、T、A、もしくはSであり、かつX4は、EもしくはGである);又は(iii)(i)と(ii)の両方:を含む。
【0250】
具体的な実施態様において、エフリン受容体JMドメインは、(i)YX1DX2X3X4YEDPモチーフ(ここで、X1はIもしくはVであり、X2はPもしくはLであり、X3は、Q、H、F、D、E、もしくはSであり、X4はAもしくはTである)(配列番号240);又は(ii)FX1DX2X3X4FEDPモチーフ(ここで、X1はIもしくはVであり、X2はPもしくはLであり、X3は、Q、H、F、D、E,もしくはSであり、X4はAもしくはTである)(配列番号241):を含む。
【0251】
(b)キナーゼドメイン
一態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、保存されたタンパク質ドメインファミリー(EphAについては、NCBI CDDアクセッション番号cd05066、EphBについては、NCBI CDDアクセッション番号cd05033)であるキナーゼドメインを含むことができる。
【0252】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体JMドメイン、及びエフリン受容体TMドメインのC-末端にある(例えば、エフリン受容体TMドメインのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体KDをさらに含む。
【0253】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体KDをさらに含む。
【0254】
いくつかの実施態様において、親Eph受容体のエンドドメインは、シグナル伝達能力がなくなるように修飾される。例えば、ポリペプチドは、キナーゼ活性を不活化する1以上のアミノ酸突然変異を有するキナーゼドメインを含み得る。その具体的な実施態様は、ATP結合部位の保存されたリジンが(例えば、それぞれ、親EphA1-8及びEphB1-4のアミノ酸位置L656、L646、L653、L707、L663、L665、L667、L651、L654、L665、及びL647における)リジン(L)のアルギニン(R)への置換によって突然変異させられ、それにより、キナーゼドメインの酵素活性を不活化しているキナーゼデッドEph受容体変異体である。さらなる非限定的な例において、キナーゼデッドEph受容体変異体は、例えば、チロシンキナーゼドメイン中の保存されたチロシン残基(例えば、それぞれ、親EphA1~8及びEphB1~4の位置781、772、779、779、883、831、791、793、793、778、780、792、及び774)を除去することによって、キナーゼ活性に不可欠な残基に影響を及ぼす1以上の点突然変異を導入し、その基質をリン酸化することができなくすることにより作製することができる。例えば、キナーゼデッドEph受容体は、Truitt L、Freywald Aの文献、ダンシング・ウィズ・ザ・デッド: Eph受容体及びそのキナーゼヌルパートナー(Dancing with the dead: Eph receptors and their kinase-null partners)、Biochem Cell Biol. 2011 Apr, 89(2):115-129に記載されている。例えば、突然変異体キナーゼデッドEph受容体は、Peter W. Janesらの文献、Eph受容体機能はA型Eph受容体とB型Eph受容体のヘテロオリゴマー化によって調節される(Eph receptor function is modulated by heterooligomerization of A and B type Eph receptors)、J Cell Biol, 2011 December, 195(6): 1033-1045に記載されている。
【0255】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドのKDは、野生型エフリン受容体のKD(例えば、表10の配列番号102~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体KD)との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施態様において、ポリペプチドのKDは、野生型エフリン受容体のKD(例えば、配列番号102~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体KD)である。
【0256】
本明細書に記載されるポリペプチドは、KDを含むことができ、該KDは、野生型エフリン受容体の柔軟なドメイン構造と重ね合わせることができる三次元構造を示す。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、KDを含むことができ、該KDは、その等価なCα位間の部分を最大でも1、2、4、4、5、6、7、8、9、又は10Åの二乗平均平方根偏差(RMSD)で野生型Eph受容体KDと重ね合わせることができる三次元構造を示す。
【0257】
表10. KD(CDDスーパーファミリー: cl21453、ProRule:PRU00159)
【表10】
【0258】
いくつかの実施態様において、KDは、1つのアミノ酸突然変異、2つのアミノ酸突然変異、3つのアミノ酸突然変異、4つのアミノ酸突然変異、5つのアミノ酸突然変異、6つのアミノ酸突然変異、7つのアミノ酸突然変異、又は7つより多くのアミノ酸突然変異を除いた、野生型エフリン受容体のKD(例えば、配列番号102~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体KD)のアミノ酸配列を含む。突然変異は、置換、挿入、欠失、又はこれらの任意の組合せであることができる。
【0259】
具体的な実施態様において、エフリン受容体KDは、活性化ループ中に(X7)-Ptyr-(X8)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X7は、T、V、又はAであり、かつX8は、E又はTである)を含む。
【0260】
(c)SAMリンカードメイン
ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体JMドメイン、エフリン受容体TMドメインのC-末端にある(例えば、エフリン受容体TMドメインのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体KD、及びエフリン受容体KDのC-末端にある(例えば、エフリン受容体KDのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)をさらに含む。
【0261】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体KD、及びエフリン受容体KDのC-末端にある(例えば、エフリン受容体KDのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)をさらに含む。
【0262】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)をさらに含む。
【0263】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドのSAMリンカードメインは、野生型エフリン受容体のSAMリンカードメイン(例えば、表11の配列番号116~129からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体SAMリンカードメイン)との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施態様において、ポリペプチドのSAMドメインは、野生型エフリン受容体のSAMドメイン(例えば、配列番号116~129からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体SAMリンカードメイン)である。
【0264】
いくつかの実施態様において、SAMリンカードメインは、リン酸化部位として機能する複数のアミノ酸を含有する。いくつかの実施態様において、SAMリンカードメインは、リン酸化模倣アミノ酸(例えば、リン酸基の負電荷を模倣するグルタミン酸又はアスパラギン酸)によって置換される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つのリン酸化部位(例えば、チロシン(Y)、セリン(S)、及びトレオニン(T)部位)を含む変異体である。ある実施態様において、リン酸化模倣アミノ酸を含むSAMリンカードメインは、立体構造変化(キナーゼドメインから離れたC-末端の伸長)をもたらす。いくつかの実施態様において、SAMリンカードメインは、リン酸化不可能なアミノ酸(例えば、アラニン)によって置換される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つのリン酸化部位(例えば、チロシン、セリン、及びトレオニン残基)を含む。
【0265】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるSAMリンカードメインは、エフリン受容体SAMリンカードメインである。
【0266】
【0267】
(d)SAMドメイン
一態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、保存されたタンパク質ドメインファミリー(NCBI CDDアクセッション番号cl26516又はシンプル・モジュラー・アーキテクチャー・リサーチ・ツール(Simple Modular Architecture Research Tool)(SMART)アクセッション番号smart00454)であるSAMドメインを含むことができる。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体JMドメイン、エフリン受容体TMドメインのC-末端にある(例えば、エフリン受容体TMドメインのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体KD、エフリン受容体KDのC-末端にある(例えば、エフリン受容体KDのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)、及びSAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にある(例えば、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)をさらに含む。
【0268】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体KD、エフリン受容体KDのC-末端にある(例えば、エフリン受容体KDのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)、及びSAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にある(例えば、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)をさらに含む。
【0269】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)、及びSAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にある(例えば、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)をさらに含む。
【0270】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)をさらに含む。
【0271】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドのSAMドメインは、野生型エフリン受容体のSAMドメイン(例えば、表12の配列番号130~143からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体SAMドメイン)との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性である。いくつかの実施態様において、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体SAMドメインは、野生型エフリン受容体のSAMドメイン(例えば、配列番号130~143からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体SAMドメイン)である。
【0272】
表12. SAM(CDD: cd09488、ProRule:RU00184)
【表12】
【0273】
いくつかの実施態様において、SAMドメインは、1つのアミノ酸突然変異、2つのアミノ酸突然変異、3つのアミノ酸突然変異、4つのアミノ酸突然変異、5つのアミノ酸突然変異、6つのアミノ酸突然変異、7つのアミノ酸突然変異、又は7つより多くのアミノ酸突然変異を除いた、野生型エフリン受容体のSAMドメイン(例えば、配列番号130~143からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体SAMドメイン)のアミノ酸配列を含む。突然変異は、置換、挿入、欠失、又はこれらの任意の組合せであることができる。
【0274】
いくつかの実施態様において、SAMドメインは、エフリン受容体に由来しない。具体的な実施態様において、SAMドメインは、表13の配列番号144~146からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。ある実施態様において、非エフリン受容体SAMドメインは、エフリン受容体SAMドメインよりもオリゴマー化する傾向が高い。具体的な実施態様において、オリゴマー化する傾向がより高い非エフリン受容体SAMドメインは、ヘッド・トゥ・テール配置を取り、非限定的な例としては、例えば、TEL、TNKS1、又はTNKS2のSAMドメインが挙げられる。いくつかのヒトSAMドメインは、高マイクロモル濃度からナノモル濃度の範囲の様々な自己親和性で、オリゴマー化することができ、そのようなドメインを同定及びアッセイする方法は、当技術分野で公知である(例えば、Knightらの文献(2011). Protein Science, 20: 1697-1706)。
【0275】
いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、SAMドメインを含むことができ、該SAMドメインは、野生型エフリン受容体の柔軟なドメイン構造と重ね合わせることができる三次元構造を示す。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、SAMドメインを含むことができ、該SAMドメインは、その等価なCα位間の部分を最大でも1、2、4、4、5、6、7、8、9、又は10Åの二乗平均平方根偏差(rmds)で野生型Eph受容体SAMドメインと重ね合わせることができる三次元構造を示す。
【0276】
【0277】
具体的な実施態様において、SAMドメインは、α2ヘリックス中のホスホチロシンを含む。特定の実施態様において、SAMドメインのα2ヘリックス中のホスホチロシンは、(X5)-Ptyr-(X6)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X5は、C、R、Q、又はHであり、かつX6は、Q、I、E、K、R、又はTである)中にある。
【0278】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるSAMドメインは、エフリン受容体SAMドメインである。
【0279】
(e)PBMドメイン
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体JMドメイン、エフリン受容体TMドメインのC-末端にある(例えば、エフリン受容体TMドメインのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体KD、エフリン受容体KDのC-末端にある(例えば、エフリン受容体KDのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にある(例えば、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)、及びSAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端にある(例えば、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体PBMドメインをさらに含む。
【0280】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体KD、エフリン受容体KDのC-末端にある(例えば、エフリン受容体KDのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にある(例えば、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)、及びSAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端にある(例えば、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体PBMドメインをさらに含む。
【0281】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にある(例えば、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)、及びSAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端にある(例えば、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体PBMドメインをさらに含む。
【0282】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)、及びSAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端にある(例えば、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体PBMドメインをさらに含む。
【0283】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)を含み、かつTMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合された)エフリン受容体PBMドメインをさらに含む。
【0284】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドのPBMドメインは、野生型エフリン受容体のPBMドメイン(例えば、表14の配列番号147~159及び256からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体PBMドメイン)との少なくとも33%、少なくとも66%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施態様において、ポリペプチドのPBMドメインは、野生型エフリン受容体のPBMドメイン(例えば、配列番号147~159及び256からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体PBMドメイン)である。
【0285】
【0286】
いくつかの実施態様において、PBMドメインは、1つのアミノ酸突然変異又は2つのアミノ酸突然変異を除いた、野生型エフリン受容体のPBMドメイン(例えば、配列番号147~159及び256からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエフリン受容体PBMドメイン)のアミノ酸配列を含む。突然変異は、置換、挿入、欠失、又はこれらの任意の組合せであることができる。
【0287】
(5.2.3 カーゴ及びカーゴ結合ドメイン)
本明細書に記載されるポリペプチドを用いて、例えば、治療的又は診断的使用のために、例えば、細胞外小胞(EV)又はハイブリドソームによって、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)を送達することができる。カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、ポリペプチドの部分であることができる。すなわち、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、(例えば、リンカーを介して)ポリペプチドの残りの部分に融合させることができる(例えば、
図9を参照)。或いは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、カーゴ結合ドメインを介して、ポリペプチドに結合させる(好ましくは、可逆的に結合させる)ことができる。カーゴ結合ドメインは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に直接的に又はカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に連結されたスキャフォールド結合ドメイン(SBD)を介して間接的に結合することができる。カーゴ結合ドメインは、エフリン受容体ドメイン(例えば、エフリン受容体JMドメイン、エフリン受容体KD、エフリン受容体SAMリンカードメイン、エフリン受容体SAMドメイン、もしくはエフリン受容体PBMドメイン、例えば、
図10を参照)、又はカーゴに結合することができるが、エフリン受容体ドメインではないドメインのいずれかであることができる。したがって、具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はカーゴ結合ドメインを含む。本明細書で使用される単数形の「a」、「an」、及び「the」は、複数の指示対象を含む。したがって、本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれより多くの)カーゴを送達するために使用することができ、本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくはそれより多くの)カーゴ結合ドメインを含むことができる。
【0288】
例示的なカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)としては、治療用分子(例えば、治療用タンパク質)、アジュバント、診断用タンパク質、及び/又は受容体タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。カーゴは、巨大なポリペプチド又はペプチド、例えば、RGDもしくは抗微生物ペプチドであってもよい。
【0289】
治療用分子は、治療用途を有し得る任意の分子を指す。治療用分子は、任意の無機又は有機化合物であることができる。治療用分子は、動物、例えば、哺乳動物又はヒトの疾患、障害、又は細胞増殖の発生又は進行を減少させ、抑制し、減弱させ、低減させ、停止させ、又は安定化することができる。Eph受容体由来ポリペプチドを含むナノ小胞中に導入することができる治療用分子の例としては、治療剤、例えば、核酸(例えば、酵素などのポリペプチドをコードするDNAもしくはmRNA分子、抗原などのポリペプチドをコードするmRNA分子又は調節機能を有するRNA分子、例えば、miRNA、dsDNA、及びlncRNA)、アミノ酸(例えば、検出可能な部分もしくは毒素を含むアミノ酸又は翻訳を中断させるアミノ酸)、ポリペプチド(例えば、酵素、遺伝子編集用の酵素、核酸結合タンパク質、抗体、イントラボディ、単鎖可変断片(scFv)、アフィボディ、二重及び多重特異性抗体もしくはバインダー、アフィボディ、darpin、受容体、リガンド、又はこれらの断片)、脂質、炭水化物、並びに低分子(例えば、低分子薬及び毒素)が挙げられる。ある実施態様において、治療用分子は、疾患の診断、治療、もしくは予防において又は医薬品の成分として使用される物質であり得る。いくつかの実施態様において、「ペイロード」は、生物、例えば、哺乳動物、又は特に、ヒトの体内の標的とされる部位についての診断情報を得やすくする化合物を指すことができる。例えば、イメージング剤は、診断に必要とされるイメージング情報を提供する物質であるので、本開示では活性剤に分類することができる。
【0290】
本開示において使用されることが意図される治療用核酸のさらなる非限定的な例は、siRNA、小さい又は短いヘアピンRNA(shRNA)、ガイドRNA(gRNA)、単一ガイドRNA(sgRNA)、クラスター化した規則的な配置の短い回文配列リピートRNA(crRNA)、トランス作用型のクラスター化した規則的な配置の短い回文配列リピートRNA(tracrRNA)、免疫刺激オリゴヌクレオチド、プラスミド、アンチセンス核酸、及びリボザイムが挙げられる。ある実施態様において、治療用核酸は、線状DNA、環状DNA、又は人工染色体であることができる。いくつかの実施態様において、治療用DNAは、エピソームに維持される。いくつかの実施態様において、治療用DNAは、ゲノムに組み込まれる。治療用RNAは、化学修飾RNAであることができ、例えば、治療用RNAは、1以上の骨格修飾、糖修飾、非典型的塩基、又はキャップを含むことができる。骨格修飾としては、例えば、ホスホロチオエート、N3'ホスホロアミダイト、ボラノホスフェート、ホスホノアセテート、チオ-PACE、モルホリノホスホロアミダイト、又はPNAが挙げられる。糖修飾としては、例えば、2'-0-Me、LNA、UNA、及び2'-0-MOEが挙げられる。非標準的塩基としては、例えば、5-ブロモ-U、及び5-ヨード-U、2,6-ジアミノプリン、C-5プロピニルピリミジン、ジフルオロトルエン、ジフルオロベンゼン、ジクロロベンゼン、2-チオウリジン、シュードウリジン、及びジヒドロウリジンが挙げられる。キャップとしては、例えば、ARCAが挙げられる。さらなる修飾は、例えば、Deleaveyらの文献、「標的化遺伝子サイレンシングのための化学修飾されたオリゴヌクレオチドの設計(Designing Chemically Modified Oligonucleotides for Targeted Gene Silencing)」、Chemistry & Biology、第19巻、第8刷、2012年8月24日、937~954ページで考察されている。
【0291】
他の好適な治療用分子の非限定的な例としては、薬理活性のある薬物及び遺伝的に活性のある分子が挙げられ、これには、抗新生物剤、抗炎症剤、ホルモン又はホルモン拮抗薬、イオンチャネル修飾物質、及び神経活性剤が含まれる。治療剤の好適なペイロードの例としては、全て引用により本明細書中に組み込まれる、「治療薬の薬理学的基礎(The Pharmacological Basis of Therapeutics)」、Goodman及びGilmanの文献、McGraw-Hill, New York, N.Y.,(1996)、第9版の以下の節:シナプス及びニューロエフェクター接合部位で作用する薬物(Drugs Acting at Synaptic and Neuroeffector Junctional Sites);中枢神経系に作用する薬物(Drugs Acting on the Central Nervous System);オータコイド(Autacoids):炎症の薬物療法(Drug Therapy of Inflammation);水、塩、及びイオン(Water, Salts and Ions);腎機能及び電解質代謝に影響を及ぼす薬物(Drugs Affecting Renal Function and Electrolyte Metabolism);心血管薬(Cardiovascular Drugs);消化管機能に影響を及ぼす薬物(Drugs Affecting Gastrointestinal Function);子宮運動に影響を及ぼす薬物(Drugs Affecting Uterine Motility);寄生虫感染の化学療法(Chemotherapy of Parasitic Infections);微生物性疾患の化学療法(Chemotherapy of Microbial Diseases);新生物性疾患の化学療法(Chemotherapy of Neoplastic Diseases);免疫抑制に使用される薬物(Drugs Used for Immunosuppression);造血器官に作用する薬物(Drugs Acting on Blood-Forming organs);ホルモン及びホルモン拮抗薬(Hormones and Hormone Antagonists);ビタミン、皮膚科学(Vitamins, Dermatology);及び毒性学(Toxicology)に記載されているものが挙げられる。好適なペイロードとしては、毒素、並びに生物兵器剤及び化学兵器剤がさらに挙げられる。例えば、Somani, S. M.(編)、化学兵器剤(Chemical Warfare Agents)、Academic Press, New York(1992))を参照されたい。
【0292】
治療用分子のさらなる非限定的な例としては、抗原結合分子(例えば、治療用抗体又はその抗原結合断片)、遺伝子エディター、トランスポザーゼ、酵素又はその断片;リガンド又はその断片、受容体又はその断片;抗微生物ペプチド又はその断片、アミノ酸、及びこれらの任意の組合せ:が挙げられる。いくつかの実施態様において、治療用分子は、非タンパク質性であり、リンカーを介して、Eph受容体由来ポリペプチドに付着している。
【0293】
治療用分子として機能する抗原結合分子は、単一特異性、二重特異性、又は多重特異性であることができる、すなわち、これは、同じ標的又は異なる標的の1以上のエピトープを標的とすることができる。より多くの特異性がナノ小胞上で提示されるほど、その標的化はますます特異的となる。いくつかの実施態様において、抗原結合分子は、
i)全長抗体分子(例えば、IgG、IgM、IgA、IgM、又はIgE);
ii)抗体断片、例えば、CDR、Dab、Fab、Fab'、F(ab)'2、Fd断片、Fv断片、ジスルフィド結合Fv、scFab、ナノボディ、最小認識ユニット、VHH、又はV-NARドメイン;
iii)非抗体スキャフォールド、例えば、アフィボディ、アフィリン分子、アフィチン、アドネクチン、アンチカリン、アビマー、センチリン、リポカリンムテイン、DARPin、フィノマー、ノッチン、クニッツ型ドメイン、ナノフィチン、テトラネクチン、又はトランス-ボディ;
iv)1以上の抗体ドメインを含む融合ポリペプチド、例えば、バイ-scFv、aBITE、ダイアボディ、バイ-scFv、プロボディ、tascFv(タンデムscFv)、トリアボディ、トリボディ、テトラボディ、IgGACH2、DVD-Ig、MATCH、ミニボディ、scFv、scFv-Fc、二重特異性F(ab')2、F(ab')3、一価IgG;
v)可溶性T細胞受容体(sTCR);
vi)ペプチド、例えば、天然ペプチド、組換えペプチド、合成ペプチド;及び/或いは
vii)ウイルスタンパク質、例えば、ウイルススパイクタンパク質(例えば、コロナウイルスのもの)の受容体結合ドメインもしくはインフルエンザのヘマグルチニン(HA)、又はこれらの断片
:からなる群からそれぞれ選択される。
【0294】
緑色蛍光タンパク質(GFP)又はルシフェラーゼなどの、いくつかのレポータータンパク質が当技術分野で公知である。レポータータンパク質は、レシピエント細胞における細胞内トラフィッキング及び/又はナノ小胞の取り込みを観察するのに有用である。
【0295】
ある実施態様において、診断用タンパク質は、蛍光タンパク質であることができる。具体的な実施態様において、診断用タンパク質は、目的のバイオマーカーに結合することができる部分と蛍光タンパク質(例えば、GFP)を含む融合タンパク質であることができる。
【0296】
(a)カーゴ融合タンパク質
上記のように、本明細書に提供されるポリペプチドは、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)、好ましくは、生物学的に活性のある分子を含むことができる。したがって、ナノ小胞中にソーティングされたとき、ポリペプチドは、そのようなカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)のスキャフォールドタンパク質として機能する。ポリペプチドは、予め規定された様式で、例えば、遺伝子融合によって、任意の目的の分子をナノ小胞にローディングするのに適したタンパク質スキャフォールドを提供する。ある実施態様において、カーゴは、インフレームでポリペプチドの残りの部分に融合されるカーゴタンパク質(例えば、カーゴペプチド又はカーゴポリペプチド)である。ある実施態様において、カーゴタンパク質は、リンカーを介して、ポリペプチドの残りの部分に融合される。いくつかの実施態様において、カーゴタンパク質は、リンカーを介して、ポリペプチドの残りの部分に共有結合的に融合される。具体的な実施態様において、リンカーは、ペプチドリンカーである。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)n(配列番号231)(ここで、nは、1~10の整数である)というアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、GGGSというアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)2(配列番号232)というアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)3(配列番号233)というアミノ酸配列を含む。
【0297】
そのような1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、ポリペプチドの残りの部分のN-末端及び/もしくはC-末端にある(例えば、N-末端及び/もしくはC-末端に融合される)ことができるか、又はポリペプチドの残りの部分の異なるドメイン間に配置されることができる。ある実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、ナノ小胞の内腔の方に提示される。いくつかの実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、エフリン受容体JMドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、エフリン受容体KDのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、エフリン受容体PBMドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。ある実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、ナノ小胞の外部空間の方に提示される。いくつかの実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、ポリペプチドのエフリンリガンド結合ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、ポリペプチドのエフリン受容体システインリッチドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、エフリン受容体FN1ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、エフリン受容体FN2ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。
【0298】
ある実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、本開示に記載されるターゲッティングドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、本開示に記載されるターゲッティングドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。ある実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、本開示に記載される精製ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、本開示に記載される精製ドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。ある実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、本開示に記載される修飾されたFcドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、1以上のカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)は、本開示に記載される修飾されたFcドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。
【0299】
(b)カーゴ結合ドメイン
本明細書に記載されるポリペプチドを用いて、カーゴ結合ドメインを介して、ポリペプチドと関連している(好ましくは、非共有結合している)カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)を送達することができる。カーゴ結合ドメインは、エフリン受容体ドメイン(例えば、エフリン受容体JMドメイン、エフリン受容体KD、エフリン受容体SAMリンカードメイン、エフリン受容体SAMドメイン、もしくはエフリン受容体PBMドメイン、例えば、
図10を参照)、又はカーゴに結合することができるが、エフリン受容体ドメインではないドメイン(例えば、エフリン受容体に由来しないSAMドメインもしくはSAMリンカードメイン)のいずれかであることができる。したがって、具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、カーゴ結合ドメインを含む。カーゴ結合ドメインは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に直接的に又はカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に連結したスキャフォールド結合ドメイン(SBD)を介して間接的に結合することができる。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に特異的に結合することができる。本明細書で使用される単数形の「a」、「an」、及び「the」は、複数の指示対象を含む。したがって、本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれより多くの)カーゴを送達するために使用することができ、本明細書に記載されるポリペプチドは、1以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくはそれより多くの)カーゴ結合ドメインを含むことができる。
【0300】
様々な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、インフレームでポリペプチドの残りの部分に融合させることができる。ある実施態様において、カーゴ結合ドメインは、リンカーを介して、ポリペプチドの残りの部分に融合される。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、リンカーを介して、ポリペプチドの残りの部分に融合される。具体的な実施態様において、リンカーは、ペプチドリンカーである。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)n(配列番号231)(ここで、nは、1~10の整数である)というアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、GGGSというアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)2(配列番号232)というアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)3(配列番号233)というアミノ酸配列を含む。
【0301】
そのようなカーゴ結合ドメインは、ポリペプチドの残りの部分のN-末端もしくはC-末端にある(例えば、N-末端及び/もしくはC-末端に融合される)ことができるか、又はポリペプチドの残りの部分の異なるドメイン間に配置されることができる。ある実施態様において、カーゴ結合ドメインは、ナノ小胞の内腔の方に提示される。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、エフリン受容体JMドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、エフリン受容体KDのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、エフリン受容体PBMドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。ある実施態様において、カーゴ結合ドメインは、ナノ小胞の外部空間の方に提示される。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、ポリペプチドのエフリンリガンド結合ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、ポリペプチドのエフリン受容体システインリッチドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、エフリン受容体FN1ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、エフリン受容体FN2ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。
【0302】
ある実施態様において、カーゴ結合ドメインは、本開示に記載されるターゲッティングドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、カーゴ結合ドメインは、本開示に記載されるターゲッティングドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。ある実施態様において、カーゴ結合ドメインは、本開示に記載される精製ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、カーゴ結合ドメインは、本開示に記載される精製ドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。ある実施態様において、カーゴ結合ドメインは、本開示に記載される修飾されたFcドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、カーゴ結合ドメインは、本開示に記載される修飾されたFcドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。
【0303】
いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、共有結合である。さらなる実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の関連は、(例えば、
図10に示されているような)非共有結合である。好ましくは、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の関連は、可逆的な関連である。
【0304】
具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、制御されることができる。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、その値が、ポリペプチドの位置、例えば、ポリペプチドがインビトロにあるか、もしくはインビボにあるか、又はポリペプチドが、どの器官、組織、細胞、もしくは細胞内区画にあるかによって決まるパラメータによって制御されることができる。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、pHによって制御されることができる。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、イオン強度によって制御されることができる。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、ホスファターゼの有無によって制御されることができる。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)がインビトロではカーゴ結合ドメインに結合するが、インビボではカーゴ結合ドメインから放出されるように制御されることができる。例えば、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、インビボ環境と比べて、インビトロ環境での結合親和性がより高い(例えば、少なくとも2倍高い、少なくとも5倍高い、少なくとも10倍高い、少なくとも20倍高い、少なくとも50倍高い、少なくとも100倍高い、少なくとも200倍高い、少なくとも500倍高い、又は少なくとも1000倍高い)可能性がある。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)が、カーゴ結合ドメインから、それらが位置する細胞内区画に依存する様式で放出されるように制御されることができる。例えば、具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)が、カーゴ結合ドメインから、それらが細胞質ゾルに入るときに放出されるように制御されることができる。さらなる非限定的な例において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)が、その内腔にカーゴタンパク質を含むナノ小胞がエンドソーム膜と融合して、細胞質ゾルと接触するときに、カーゴ結合ドメインから放出されるように制御されることができる。
【0305】
いくつかの実施態様において、ポリペプチドのカーゴ結合ドメインとカーゴ、例えば、カーゴタンパク質は、仲介物を介して関連している。いくつかの実施態様において、カーゴ、例えば、カーゴタンパク質は、スキャフォールド結合ドメインに連結され、スキャフォールドタンパク質は、カーゴ結合ドメインを含み、ここで、スキャフォールドタンパク質のカーゴ結合ドメインは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に連結されたスキャフォールド結合ドメインと関連する。いくつかの実施態様において、カーゴタンパク質は、少なくとも1つのスキャフォールド結合ドメインを有する。カーゴタンパク質は、C-もしくはN-末端であれ、その間のどこかであれ、タンパク質の任意の位置でスキャフォールド結合ドメインを含むか、又はそれに連結されることができる。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴタンパク質に連結されたスキャフォールド結合ドメインとの間の結合は、結合親和性、結合反応速度(例えば、固有の平衡解離定数)、及び結合対の濃度を考慮することにより制御されることができる。スキャフォールド結合ドメインとカーゴ結合ドメインの間の結合親和性及び結合反応速度を解析する方法は、当技術分野で公知である(例えば、SPR、BLI、ELISA)。
【0306】
ある実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、ホスホチロシンに基づく結合(例えば、ホスホチロシンとホスホチロシン結合(PTB)ドメインとの間の結合、ホスホチロシンとSrc相同性2(SH2)ドメインとの間の結合、又はホスホチロシンとHYBドメイン、GEP100 PHドメイン、PKCδドメイン、PKCθ C2ドメイン、触媒活性のないPTPドメイン、又はRaf-1キナーゼ阻害性タンパク質(RKIP)ドメインとの間の結合)である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、ホスホチロシン及びカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)を含むか、又はスキャフォールド結合ドメイン(SBD)は、ホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、かつカーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、ホスホチロシンとホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である。
【0307】
具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、PTBドメインである。具体的な実施態様において、PTBドメインは、CBL(UniProt ID番号P22681)に由来するか、又は下の表15に掲載されている配列番号160のアミノ酸配列と同一もしくは同様のアミノ酸配列を含み、カーゴ結合ドメインは、ホスホチロシンを含む。具体的な実施態様において、PTBドメインは、CBL(UniProt ID番号P22681)に由来するか、又は下の表15に掲載されている配列番号160のアミノ酸配列を含み、カーゴ結合ドメインは、ホスホチロシンを含み、かつEphA2由来のものであるか又はそれに由来する。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、SH2ドメインの機能的変異体(NCBI CDDアクセッション番号cl15255)である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、下の表16に掲載されているタンパク質に由来するSH2ドメインであるか、又は表16に掲載されているアミノ酸配列と同一もしくは同様のアミノ酸配列を含み、カーゴ結合ドメインは、ホスホチロシンを含む。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、下の表16に掲載されているタンパク質に由来するSH2ドメインであるか、又は表16に掲載されているアミノ酸配列と同一もしくは同様のアミノ酸配列を含み、カーゴ結合ドメインは、ホスホチロシンを含み、かつ表16に掲載されている対応する親Eph受容体由来のものであるか又はそれに由来する。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、HYBドメイン、GEP100 PHドメイン、PKCδドメイン、PKCθ C2ドメイン、触媒活性のないPTPドメイン、又はRaf-1キナーゼ阻害性タンパク質(RKIP)ドメインである。
【0308】
表15.例示的なホスホチロシン及びPTBドメインに基づく結合
【表15】
【0309】
表16.例示的なホスホチロシン及びSH2ドメインに基づく結合
【表16】
【0310】
ある実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、SAMドメインに基づく結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、第一のSAMドメインを含むか、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、第一のSAMドメインに結合することができるドメイン(例えば、第二のSAMドメイン)を含み、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、第一のSAMドメインと第一のSAMドメインに結合することができるドメイン(例えば、第二のSAMドメイン)との間の結合である。いくつかの実施態様において、第二のSAMドメインは、CDDアクセッション番号cl15755に属する。第一のSAMドメインと第二のSAMドメインは、同一の又は異なるSAMドメインであることができる。具体的な実施態様において、第二のSAMドメインは、下の表17に掲載されているタンパク質に由来するか、又は表17に掲載されているアミノ酸配列と同一もしくは同様のアミノ酸配列を含み、カーゴ結合ドメインは、第一のSAMドメインを含む。具体的な実施態様において、第二のSAMドメインは、下の表17に掲載されているタンパク質に由来するか、又は表17に掲載されているアミノ酸配列と同一もしくは同様のアミノ酸配列を含み、カーゴ結合ドメインは、第一のSAMドメインを含み、かつ表17に掲載されている対応する親Eph受容体由来のものであるか又はそれに由来する。
【0311】
表17.例示的なSAMドメインに基づく結合
【表17】
【0312】
ある実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、PDZ又はPBMドメインに基づく結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、PBMドメインを含み、カーゴ又はSBDは、PBMドメインに結合することができるドメイン(例えば、PDZドメイン)を含み、ここで、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、PBMドメインとPBMドメインに結合することができるドメイン(例えば、PDZドメイン)との間の結合である。具体的な実施態様において、PDZドメインは、下の表18に掲載されているタンパク質に由来するか、又は表18に掲載されているアミノ酸配列と同一もしくは同様のアミノ酸配列を含み、カーゴ結合ドメインは、PBMドメインを含む。具体的な実施態様において、PDZドメインは、下の表18に掲載されているタンパク質に由来するか、又は表18に掲載されているアミノ酸配列と同一もしくは同様のアミノ酸配列を含み、カーゴ結合ドメインは、PBMドメインを含み、かつ表18に掲載されている対応する親Eph受容体由来のものであるか又はそれに由来する。いくつかの実施態様において、カーゴ結合ドメインは、PDZドメイン(CDDアクセッション番号cl00117)を含み、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、PDZドメインに結合することができるドメイン(例えば、PBMドメイン)を含み、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、PDZドメインとPDZドメインに結合することができるドメイン(例えば、PBMドメイン)との間の結合である。
【0313】
表18.例示的なPDZドメインに基づく結合
【表18】
【0314】
Eph受容体のC-末端のPDZ結合モチーフは、PDZドメイン含有タンパク質(例えば、カーゴタンパク質)のリン酸化非依存的スキャフォールド結合ドメイン部位として機能し得る。
【0315】
ある実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、Dbl-相同性-プレクストリン相同性(DH-PH)モチーフに基づく結合である。プレクストリン相同性ドメインは、NCBI CDDアクセッション番号cl17171によって特徴付けられる。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、DH-PHモチーフを含み、カーゴ又はSBDは、DH-PHモチーフに結合することができるドメインを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、DH-PHモチーフとDH-PHモチーフに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、DH-PHモチーフに結合することができるドメインを含み、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、DH-PHモチーフを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、DH-PHモチーフに結合することができるドメインとDH-PHモチーフとの間の結合である。具体的な実施態様において、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、下の表19に掲載されているタンパク質に由来するDH-PHモチーフを含むか、又は表19に掲載されているアミノ酸配列と同一もしくは同様のアミノ酸配列を含み、カーゴ結合ドメインは、DH-PHモチーフに結合することができるドメインを含む。具体的な実施態様において、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、下の表19に掲載されているタンパク質に由来するDH-PHモチーフを含むか、又は表19に掲載されているアミノ酸配列と同一もしくは同様のアミノ酸配列を含み、カーゴ結合ドメインは、DH-PHモチーフに結合することができるドメインを含み、かつ表19に掲載されている対応する親Eph受容体由来のものであるか又はそれに由来する。
【0316】
表19.例示的なDH-PHモチーフに基づく結合
【表19】
【0317】
ある実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、Dbl-相同性(DH)モチーフに基づく結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、DHモチーフを含み、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、DHモチーフに結合することができるドメインを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、DHモチーフとDHモチーフに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、DHモチーフに結合することができるドメインを含み、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、DHモチーフを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、DHモチーフに結合することができるドメインとDHモチーフとの間の結合である。
【0318】
ある実施態様において、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、プレクストリン相同性(PH)モチーフに基づく結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、PHモチーフを含み、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、PHモチーフに結合することができるドメインを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、PHモチーフとPHモチーフに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、カーゴ結合ドメインは、PHモチーフに結合することができるドメインを含み、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、PHモチーフを含み、カーゴ結合ドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、PHモチーフに結合することができるドメインとPHモチーフとの間の結合である。
【0319】
ある実施態様において、本明細書に記載されるカーゴ結合ドメインは、エフリン受容体由来のものであるか又はそれに由来する。ある実施態様において、本明細書に記載されるカーゴ結合ドメインは、エフリン受容体由来のものではなく、かつそれに由来するものでもない。ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、エフリン受容体由来のものであるか又はそれに由来するカーゴ結合ドメイン、及びエフリン受容体由来のものではなく、かつそれに由来するものでもないカーゴ結合ドメインを含む。本明細書に記載されるポリペプチドは、カーゴ結合ドメインとして機能しない1以上のエフリン受容体由来のものであるか又はそれに由来する1以上の追加のドメイン、例えば、エフリン受容体CRドメイン、2つのエフリン受容体FN IIIドメイン、エフリン受容体TMドメイン、及び任意に、エフリン受容体JMドメイン、エフリン受容体KD、エフリン受容体SAMリンカードメイン、エフリン受容体SAMドメイン、エフリン受容体PBMドメイン、及び/又は好ましくは、不活化エフリン受容体LBDを含むことができる。本明細書に記載されるポリペプチドは、ターゲッティングドメイン、精製ドメイン、及び/又は修飾されたFcドメインをさらに含むことができる。
【0320】
ある実施態様において、本明細書に記載されるカーゴ結合ドメインは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に直接的に又はカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に連結されたSBDを介して間接的に結合することができるエフリン受容体JMドメインである。具体的な実施態様において、エフリン受容体JMドメインは、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある。具体的な実施態様において、エフリン受容体JMドメインは、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、エフリン受容体JMドメインは、ホスホチロシンを含み、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、ホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、エフリン受容体JMドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、ホスホチロシンとホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、PTBドメインである。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、SH2ドメインである。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、HYBドメイン、GEP100 PHドメイン、PKCδドメイン、PKCθ C2ドメイン、触媒活性のないPTPドメイン、又はRaf-1キナーゼ阻害性タンパク質(RKIP)ドメインである。具体的な実施態様において、エフリン受容体JMドメインは、(i)(X1)-Ptyr-(X2)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X1は、Y、P、V、I、T、もしくはFであり、かつX2は、I、V、L、もしくはAである);(ii)(X3)-Ptyr-(X4)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X3は、T、A、もしくはSであり、かつX4は、EもしくはGである);又は(iii)(i)と(ii)の両方:を含む。本明細書に記載されるポリペプチドがエフリン受容体JMドメインであるカーゴ結合ドメインを含む場合、具体的な実施態様において、ポリペプチドは、以下のもの:(1)好ましくは、エフリン受容体JMドメインのC-末端にあるエフリン受容体KD;(2)好ましくは、エフリン受容体JMドメインのC-末端にあるSAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン);(3)好ましくは、エフリン受容体JMドメインのC-末端にあるSAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン);及び(4)好ましくは、エフリン受容体JMドメインのC-末端にあるエフリン受容体PBMドメインのうちの1つ、2つ、3つ、又は4つをさらに含む。
【0321】
ある実施態様において、本明細書に記載されるカーゴ結合ドメインは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に直接的に又はカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に連結されたSBDを介して間接的に結合することができるエフリン受容体KDである。具体的な実施態様において、エフリン受容体KDは、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある。具体的な実施態様において、エフリン受容体KDは、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、エフリン受容体KDは、エフリン受容体JMドメインのC-末端にある。具体的な実施態様において、エフリン受容体KDは、エフリン受容体JMドメインのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、エフリン受容体KDは、ホスホチロシンを含み、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、ホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、エフリン受容体KDとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、ホスホチロシンとホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、PTBドメインである。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、SH2ドメインである。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、HYBドメイン、GEP100 PHドメイン、PKCδドメイン、PKCθ C2ドメイン、触媒活性のないPTPドメイン、又はRaf-1キナーゼ阻害性タンパク質(RKIP)ドメインである。具体的な実施態様において、エフリン受容体KDは、(X7)-Ptyr-(X8)モチーフを活性化ループ中に含み、ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X7は、T、V、又はAであり、かつX8は、E又はTである。本明細書に記載されるポリペプチドがエフリン受容体KDであるカーゴ結合ドメインを含む場合、具体的な実施態様において、ポリペプチドは、以下のもの:(1)好ましくは、エフリン受容体KDのN-末端にあるエフリン受容体JMドメイン;(2)好ましくは、エフリン受容体KDのC-末端にあるSAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン);(3)好ましくは、エフリン受容体KDのC-末端にあるSAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン);及び(4)好ましくは、エフリン受容体KDのC-末端にあるエフリン受容体PBMドメインのうちの1つ、2つ、3つ、又は4つをさらに含む。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるポリペプチドは、EphB2 CRドメイン、第一のEphB2 FN IIIドメイン、及び第二のEphB2 FN IIIドメインを含み、かつカーゴ結合ドメインとして機能するEphA2 KDをさらに含む。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるポリペプチドは、EphB2 CRドメイン、第一のEphB2 FN IIIドメイン、第二のEphB2 FN IIIドメイン、及びEphB2 TMドメインを含み、かつカーゴ結合ドメインとして機能するEphA2 KDをさらに含む。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるポリペプチドは、EphB2 CRドメイン、第一のEphB2 FN IIIドメイン、第二のEphB2 FN IIIドメイン、EphB2 TMドメイン、及びEphA2 JMドメインを含み、かつカーゴ結合ドメインとして機能するEphA2 KDをさらに含む。
【0322】
ある実施態様において、本明細書に記載されるカーゴ結合ドメインは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に直接的に又はカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に連結されたSBDを介して間接的に結合することができるSAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)である。具体的な実施態様において、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)は、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある。具体的な実施態様において、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)は、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)は、エフリン受容体JMドメインのC-末端にある。具体的な実施態様において、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)は、エフリン受容体JMドメインのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)は、エフリン受容体KDのC-末端にある。具体的な実施態様において、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)は、エフリン受容体KDのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、SAMリンカードメインに結合することができるドメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)を含み、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)とカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)とSAMリンカードメインに結合することができるドメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)との間の結合である。具体的な実施態様において、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)は、リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸を含み、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインを含み、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)とカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、リン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸とリン酸化アミノ酸又はリン酸化模倣アミノ酸に結合することができるドメインとの間の結合である。本明細書に記載されるポリペプチドがSAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)であるカーゴ結合ドメインを含む場合、具体的な実施態様において、ポリペプチドは、以下のもの:(1)好ましくは、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のN-末端にあるエフリン受容体JMドメイン;(2)好ましくは、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のN-末端にあるエフリン受容体KD;(3)好ましくは、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にあるSAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン);及び(4)好ましくは、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にあるエフリン受容体PBMドメインのうちの1つ、2つ、3つ、又は4つをさらに含む。
【0323】
ある実施態様において、本明細書に記載されるカーゴ結合ドメインは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に直接的に又はカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に連結されたSBDを介して間接的に結合することができるSAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)である。具体的な実施態様において、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)は、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある。具体的な実施態様において、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)は、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)は、エフリン受容体JMドメインのC-末端にある。具体的な実施態様において、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)は、エフリン受容体JMドメインのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)は、エフリン受容体KDのC-末端にある。具体的な実施態様において、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)は、エフリン受容体KDのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)は、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にある。具体的な実施態様において、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)は、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、カーゴタンパク質又はSBDは、第二のSAMドメインを含み、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)とカーゴタンパク質との間の結合は、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)と第二のSAMドメインとの間の結合である。SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)及び第二のSAMドメインは、同一の又は異なるSAMドメインであることができる。具体的な実施態様において、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)は、ホスホチロシンを含み、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、ホスホチロシンに結合することができるドメインを含み、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)とカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、ホスホチロシンとホスホチロシンに結合することができるドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、PTBドメインである。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、SH2ドメイン(例えば、Grb2のSH2ドメイン又はGrb7のSH2ドメイン)である。具体的な実施態様において、ホスホチロシンに結合することができるドメインは、HYBドメイン、GEP100 PHドメイン、PKCδドメイン、PKCθ C2ドメイン、触媒活性のないPTPドメイン、又はRaf-1キナーゼ阻害性タンパク質(RKIP)ドメインである。具体的な実施態様において、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)は、α2ヘリックス中のホスホチロシンである。特定の実施態様において、SAMドメインのα2ヘリックス中のホスホチロシンは、(X5)-Ptyr-(X6)モチーフ(ここで、Ptyrは、ホスホチロシンであり、X5は、C、R、Q、又はHであり、かつX6は、Q、I、E、K、R、又はTである)中にある。本明細書に記載されるポリペプチドがSAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)であるカーゴ結合ドメインを含む場合、具体的な実施態様において、ポリペプチドは、以下のもの:(1)好ましくは、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のN-末端にあるエフリン受容体JMドメイン;(2)好ましくは、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のN-末端にあるエフリン受容体KD;(3)好ましくは、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のN-末端にあるSAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン);及び(4)好ましくは、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端にあるエフリン受容体PBMドメインのうちの1つ、2つ、3つ、又は4つをさらに含む。
【0324】
ある実施態様において、本明細書に記載されるカーゴ結合ドメインは、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に直接的に又はカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)に連結されたSBDを介して間接的に結合することができるエフリン受容体PBMドメインである。具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインは、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある。具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインは、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインは、エフリン受容体JMドメインのC-末端にある。具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインは、エフリン受容体JMドメインのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインは、エフリン受容体KDのC-末端にある。具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインは、エフリン受容体KDのC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインは、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にある。具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインは、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインは、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端にある。具体的な実施態様において、エフリン受容体PBMドメインは、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端に(本明細書に記載されるペプチドリンカーなどのリンカーを用いて、又はリンカーなしで)融合される。具体的な実施態様において、カーゴ(例えば、カーゴタンパク質)又はSBDは、PDZドメインを含み、エフリン受容体PBMドメインとカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)との間の結合は、エフリン受容体PBMドメインとPDZドメインとの間の結合である。本明細書に記載されるポリペプチドがエフリン受容体PBMドメインであるカーゴ結合ドメインを含む場合、具体的な実施態様において、ポリペプチドは、以下のもの:(1)好ましくは、エフリン受容体PBMドメインのN-末端にあるエフリン受容体JMドメイン;(2)好ましくは、エフリン受容体PBMドメインのN-末端にあるエフリン受容体KD;(3)好ましくは、エフリン受容体PBMドメインのN-末端にあるSAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン);及び(4)好ましくは、エフリン受容体PBMドメインのN-末端にあるSAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のうちの1つ、2つ、3つ、又は4つをさらに含む。
【0325】
(c)アダプタータンパク質及び二量体化剤
一態様において、本明細書に記載されるポリペプチドをさらに、アダプタータンパク質によって、互いに対して空間的かつ時間的に制御し、近接させる(例えば、クラスター化する)ことができる(例えば、
図12を参照)。膜貫通スキャフォールドタンパク質が多量体を形成する傾向及び得られるクラスターのサイズは、膜(例えば、細胞膜又はナノ小胞膜)の中のスキャフォールドタンパク質の総数によって決まる;しかし、通常、新しいスキャフォールドタンパク質が合成され、膜に取り込まれるには時間が必要であり、スキャフォールドタンパク質の合成と分解の平衡が存在するため、大きなクラスターは、容易には形成されない。いくつかの実施態様において、スキャフォールドタンパク質の細胞質ドメインに結合するアダプタータンパク質の使用は、スキャフォールドタンパク質とスキャフォールドタンパク質の相互作用を修飾する(例えば、増大させる)ことができる。いくつかの実施態様において、アダプタータンパク質のスキャフォールドタンパク質への結合は、アダプタータンパク質の合成、緩衝化、又はリン酸化、メチル化、もしくは切断などの酵素的修飾を含むプロセスを通して、空間的かつ時間的に制御することができる。
【0326】
いくつかの実施態様において、アダプタータンパク質の機能的断片が(例えば、ソース細胞によって)合成され、該断片は、誘導可能な二量体化剤(例えば、化学的に誘導可能な二量体化剤)に連結されたスキャフォールド結合ドメインを含み、この断片は、二量体化化学物質(例えば、ラパマイシン)の添加によって、アダプタータンパク質を形成し、それにより、スキャフォールドタンパク質を互いに近接させる。
【0327】
ある実施態様において、アダプタータンパク質は、第5.2.3節(b)に記載されているようないくつかの共有結合的に連結されたスキャフォールド結合ドメインを含む。ある実施態様において、アダプタータンパク質は、第5.2.3節(b)に記載されているようないくつかの同一の(例えば、反復した)共有結合的に連結されたスキャフォールド結合ドメインを含む。
ある実施態様において、アダプタータンパク質は、第5.2.3節(b)に記載されているようないくつかの共有結合的に連結された異種スキャフォールド結合ドメインを含む。
【0328】
ある実施態様において、アダプタータンパク質は、ホスホチロシンに結合することができる1以上のスキャフォールド結合ドメイン、例えば、PTBドメインを含むSBDを含む。具体的な実施態様において、アダプタータンパク質は、CBL(UniProt ID番号P22681)に由来するPTBドメインを含むか、又は表15に掲載されている配列番号160のアミノ酸配列を含み、スキャフォールドタンパク質は、ホスホチロシンを含む。
【0329】
ある実施態様において、アダプタータンパク質は、ホスホチロシンに結合することができるドメイン、例えば、SHドメイン又はその変異体を含む1以上のスキャフォールド結合ドメインを含む。具体的な実施態様において、アダプタータンパク質は、SH2ドメインの機能的変異体(NCBI CDDアクセッション番号cl15255)を含む1以上のスキャフォールド結合ドメインを含む。具体的な実施態様において、アダプタータンパク質は、表16に掲載されている1以上のタンパク質に由来するSH2ドメインを含むか、又は表16に掲載されているアミノ酸配列と同一もしくは同様の1以上のアミノ酸配列を含む。
【0330】
ある実施態様において、アダプタータンパク質は、SAMドメインに結合することができるドメインを含む1以上のスキャフォールド結合ドメインを含む。具体的な実施態様において、アダプタータンパク質は、表17に掲載されている1以上のタンパク質に由来する1以上のSAMドメインを含むか、又は表17に掲載されているアミノ酸配列と同一もしくは同様の1以上のアミノ酸配列を含み、スキャフォールドタンパク質は、SAMドメインも含む。
【0331】
ある実施態様において、アダプタータンパク質とスキャフォールドタンパク質との間の結合は、PDZドメインに基づく結合である。具体的な実施態様において、アダプタータンパク質は、PDZドメインを含むスキャフォールド結合ドメインを含み、スキャフォールドタンパク質は、PBMドメインを含み、アダプタータンパク質とスキャフォールドタンパク質との間の結合は、PDZドメインとPBMドメインとの間の結合である。具体的な実施態様において、アダプタータンパク質は、表18に掲載されているタンパク質に由来するPDZドメインを含むか、又は表18に掲載されているアミノ酸配列と同一もしくは同様のアミノ酸配列を含み、スキャフォールドタンパク質は、PBMドメインを含む。
【0332】
いくつかの実施態様において、アダプタータンパク質は、上記の2つ、3つ、4つ、又は5つのスキャフォールド結合ドメインを含む。ある実施態様において、アダプタータンパク質は、2以上の連結されたヘテロドメインスキャフォールド結合ドメインを含む。いくつかの実施態様において、アダプタータンパク質は、1つ、2つ、3つ、4つ、及び/又は5つのスキャフォールド結合ドメインを含み、各々のスキャフォールドドメインは、1つのスキャフォールドタンパク質と相互作用する。
【0333】
(5.2.4 ターゲッティングドメイン及び精製ドメイン)
上記のように、本明細書に提供されるポリペプチドは、1以上の機能的部分(例えば、融合部分、例えば、
図4~7を参照)、好ましくは、ポリペプチドを含むナノ小胞(例えば、EVもしくはハイブリドソーム)を特定の器官、組織、もしくは細胞型にターゲッティングすることができるターゲッティングドメイン、及び/又はそのようなナノ小胞(例えば、EVもしくはハイブリドソーム)の精製を容易にすることができる精製ドメインを含むこともできる。ターゲッティングドメインを有する例示的なEph受容体由来ポリペプチドの概略図については、
図8を参照されたい。好ましい実施態様において、1以上の機能的部分は、タンパク質(例えば、ペプチド又はポリペプチド)である。好ましい実施態様において、1以上の機能的部分は、インフレームでポリペプチドの残りの部分に融合される。ある実施態様において、1以上の機能的部分は、リンカーを介して、ポリペプチドの残りの部分に共有結合的に融合される。具体的な実施態様において、リンカーは、ペプチドリンカーである。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)n(配列番号231)(ここで、nは、1~10の整数である)というアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、GGGSというアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)
2(配列番号232)というアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)
3(配列番号233)というアミノ酸配列を含む。
【0334】
そのような1以上の機能的部分は、ポリペプチドの残りの部分のN-末端もしくはC-末端にある(例えば、N-末端及び/もしくはC-末端に融合される)ことができるか、又はポリペプチドの残りの部分の異なるドメイン間に配置されることができる。ある実施態様において、1以上の機能的部分は、ナノ小胞の外部空間の方に提示される。いくつかの実施態様において、1以上の機能的部分は、ポリペプチドのエフリンリガンド結合ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上の機能的部分は、ポリペプチドのエフリン受容体システインリッチドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上の機能的部分は、エフリン受容体FN1ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上の機能的部分は、エフリン受容体FN2ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上の機能的部分は、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、1以上の機能的部分は、ナノ小胞の内腔の方に提示される。いくつかの実施態様において、1以上の機能的部分は、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上の機能的部分は、エフリン受容体JMドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上の機能的部分は、エフリン受容体KDのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上の機能的部分は、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上の機能的部分は、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、1以上の機能的部分は、エフリン受容体PBMドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。
【0335】
ある実施態様において、1以上の機能的部分は、本開示に記載されるカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)のN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、1以上の機能的部分は、本開示に記載されるカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。ある実施態様において、1以上の機能的部分は、本開示に記載されるカーゴ結合ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、1以上の機能的部分は、本開示に記載されるカーゴ結合ドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。ある実施態様において、1以上の機能的部分は、本開示に記載される修飾されたFcドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、1以上の機能的部分は、本開示に記載される修飾されたFcドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。
【0336】
例示的な機能的部分としては、ターゲッティングドメイン及び精製ドメイン、例えば、親和性タグが挙げられるが、これらに限定されない。機能的部分は、大きいポリペプチド又はペプチドであってもよい。
【0337】
ある実施態様において、本明細書に記載されるターゲッティングドメインは、本明細書に記載される精製ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、本明細書に記載されるターゲッティングドメインは、本明細書に記載される精製ドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。
【0338】
いくつかの実施態様において、ターゲッティングドメインは、好ましくは、ナノ小胞の表面に位置する。したがって、いくつかの実施態様において、ターゲッティングドメインは、スキャフォールドのN-末端に融合される。ターゲッティングドメインは、ナノ小胞を特定の器官、組織、又は細胞の方向に導くのを助け、好ましくは、器官、組織、又は細胞に特異的である。1以上のターゲッティングドメインを用いて、ポリペプチドの残りの部分に融合させることができる。複数のターゲッティングドメインの存在は、ターゲッティングされる器官、組織、又は細胞に対する特異性を増大させることができる。いくつかの実施態様において、ターゲッティングドメインは、1以上の抗原結合分子であるか、又はそれを含む。いくつかの実施態様において、ターゲッティングドメインは、癌細胞、転移性細胞、樹状細胞、幹細胞、又は免疫細胞上に発現される抗原を特異的にターゲッティングする。腫瘍細胞上に発現される例示的な抗原としては、BAGE、BCMA、CEA、CD19、CD20、CD33、CD123、CEA、FAP、HER2、LMP1、LMP2、MAGE、Mart1/MelanA、NY-ESO、PSA、PSMA、RAGE、及びサバイビンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0339】
いくつかの実施態様において、ターゲッティングドメインは、ナノ小胞の内腔に位置する。したがって、いくつかの実施態様において、ターゲッティングドメインは、スキャフォールドのC-末端に融合される。ターゲッティングドメインは、陥入及び小胞形成の前に、細胞質成分(例えば、タンパク質、タンパク質複合体、ウイルス)をスキャフォールドに付着させるのを助ける。1以上のターゲッティングドメインは、ポリペプチドのC-末端に融合させることができる。複数のターゲッティングドメインの存在は、生物発生時の細胞質成分のナノ小胞の内腔へのローディング効率を増大させることができる。いくつかの実施態様において、ターゲッティングドメインは、1以上の抗原結合分子であるか、又はそれを含む。いくつかの実施態様において、ターゲッティングドメインは、アデノ随伴ウイルス上に発現される抗原を特異的にターゲッティングする。
【0340】
ある実施態様において、ターゲッティングドメインは、scFv、(scFv)2、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、dAb、Fd断片、ダイアボディ、F(ab')3、ジスルフィド結合Fv、sdAb(VHH又はナノボディ)、CDR、ジ-scFv、バイ-scFv、tascFv(タンデムscFv)、トリアボディ、テトラボディ、V-NARドメイン、Fcab、IgGACH2、DVD-Ig、プロボディ、DARPin、センチリン、アフィボディ、アフィリン、アフィチン、アンチカリン、アビマー、フィノマー、クニッツドメインペプチド、モノボディ(又はアドネクチン)、トリボディ、及びナノフィチン:からなる群から選択される。
【0341】
ある実施態様において、ターゲッティングドメインは、マーカーに特異的に結合する。具体的な実施態様において、マーカーは、腫瘍関連抗原である。具体的な実施態様において、腫瘍関連抗原は、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、CD20、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、前立腺特異的膜(PSMA)、DLL3、ガングリオシドGD2(GD2)、CD123、アノクタミン-1(Ano1)、メソテリン、カルボニックアンンヒドラーゼIX(CAIX)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(TROP2)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン-l8.2、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、糖タンパク質非転移性黒色腫タンパク質B(GPNMB)、葉酸受容体-α(FR-α)、妊娠関連血漿タンパク質A(PAPP-A)、CD37、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD2、CD19、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、CD79b、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、グリピカン3(GPC3)、B7ホモログ6(B7H6)、C-Cケモカイン受容体タイプ4(CCR4)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体2(ROR2)、CD133、HLAクラスI組織適合性抗原、α鎖E(HLA-E)、上皮成長因子受容体(EGFR/ERBB-l)、インスリン様成長因子1-受容体(IGF1R)、及びヒト上皮成長因子受容体3からなる群から選択される。
【0342】
上で概説されているように、ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、該ポリペプチドがエフリンに対する低下した親和性を有するように改変される。いくつかの実施態様において、エフリンに対するポリペプチドの親和性は、その標的に対するターゲッティングドメインの結合親和性よりも低い。いくつかの実施態様において、この結合親和性の差は、ポリペプチドとターゲッティングドメインと同じレシピエント細胞上のその標的との間にある。いくつかの実施態様において、この結合親和性の差は、ポリペプチドスキャフォールドが限局性のオンターゲット効果を有すること、及び野生型Eph受容体で観察される副作用の根底にあるオフターゲット効果を最小化することを可能にする。いくつかの実施態様において、エフリンに対するポリペプチドのこの結合親和性は、その標的に対するターゲッティングドメインの結合親和性よりも少なくとも2倍、もしくは少なくとも5倍、もしくは少なくとも10倍、もしくは少なくとも15倍低いか、又は少なくとも25倍、もしくは少なくとも50倍低いか、又は少なくとも100倍、もしくは少なくとも150倍低い。
【0343】
いくつかの態様において、ナノ小胞を特定の器官、組織、又は細胞にターゲッティングする方法であって、本開示のターゲッティングドメインをポリペプチドの残りの部分に融合させる工程及びナノ小胞で発現されたポリペプチドを得る工程を含む、方法が提供される。
【0344】
ターゲッティングドメインとして機能する抗原結合分子は、単一特異的、二重特異的、又は多重特異的であることができる、すなわち、これらは、同じ標的又は異なる標的の1以上のエピトープを標的とすることができる。より多くの特異性がナノ小胞上で提示されるほど、その標的化はますます特異的となる。いくつかの実施態様において、抗原結合分子は、
i)全長抗体分子(例えば、IgG、IgM、IgA、IgM、又はIgE);
ii)抗体断片、例えば、CDR、Dab、Fab、Fab'、F(ab)'2、Fd断片、Fv断片、ジスルフィド結合Fv、scFab、ナノボディ、最小認識ユニット、VHH、又はV-NARドメイン;
iii)非抗体スキャフォールド、例えば、アフィボディ、アフィリン分子、アフィチン、アドネクチン、アンチカリン、アビマー、センチリン、リポカリンムテイン、DARPin、フィノマー、ノッチン、クニッツ型ドメイン、ナノフィチン、テトラネクチン、又はトランス-ボディ;
iv)1以上の抗体ドメインを含む融合ポリペプチド、例えば、バイ-scFv、aBITE、ダイアボディ、ジ-scFv、プロボディ、tascFv(タンデムscFv)、トリアボディ、トリボディ、テトラボディ、IgGACH2、DVD-Ig、MATCH、ミニボディ、scFv、scFv-Fc、二重特異性F(ab')2、F(ab')3、一価IgG;
v)可溶性T細胞受容体(sTCR);
vi)ペプチド、例えば、天然ペプチド、組換えペプチド、合成ペプチド;及び/或いは
vii)ウイルスタンパク質、例えば、ウイルススパイクタンパク質の(例えば、コロナウイルスのもの)受容体結合ドメインもしくはインフルエンザのヘマグルチニン(HA)、ニパウイルスタンパク質F、麻疹ウイルスFタンパク質、ツパイパラミクソウイルスFタンパク質、パラミクソウイルスFタンパク質、ヘンドラウイルスFタンパク質、ヘニパウイルスFタンパク質、モルビリウイルスFタンパク質、レスピロウイルスFタンパク質、センダイウイルスFタンパク質、ルブラウイルスFタンパク質、又はアブラウイルスFタンパク質、又はこれらの断片
:からなる群からそれぞれ選択される。
【0345】
上で説明されているように、本明細書に記載されるポリペプチドは、ポリペプチドを含むナノ粒子の精製を容易にすることができる精製ドメインを含むことができる。ある実施態様において、精製ドメインの結合パートナーは、精製、例えば、クロマトグラフィー及び/又は膜に基づく精製を可能にするために固相に付着される。具体的な実施態様において、精製ドメイン及び結合パートナーは、第一のセットの条件下では高い親和性で、かつ第二のセットの条件下では低い親和性で互いに結合し、それにより、精製ドメインを含有するポリペプチドを含むナノ粒子を、第一のセットの条件下で固相に固定し、後に、第二のセットの条件下で固相から溶出させることを可能にする。ある実施態様において、精製ドメインは、親和性タグである。ある実施態様において、精製ドメインは、第5.2.5節に記載される修飾されたFcドメインであり、その結合パートナーは、Fc受容体(例えば、新生児Fc受容体(FcRn))のFc結合部位を含む。
【0346】
ある実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、穏やかな条件下で、例えば、穏やかなpH(例えば、pH 7~pH 9)で、ポリペプチドを含むナノ粒子をその固定された結合パートナーから溶出させることを可能にする精製ドメインを含む。
【0347】
ポリペプチドは、通常は結合剤に対する親和性を有する短い配列である親和性タグを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。そのような親和性タグは、親和性タグに特異的な結合剤を用いて、本開示のポリペプチドを含むナノ小胞を精製又は除去するために使用することができる。親和性タグの例示的な実施態様としては、Hisタグ、GSTタグ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、S-ペプチド、HA、Myc、FLAG(商標)(Sigma-Aldrich Co.)、MBP、インテニン、SUMO、プロテインA、及びプロテインGが挙げられるが、これらに限定されない。
【0348】
(5.2.5 修飾されたFcドメイン)
様々な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、免疫グロブリンの修飾されたFcドメインをさらに含む。修飾されたFcドメインを有する例示的なEph受容体由来ポリペプチドの概略図については、
図8を参照されたい。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、インフレームでポリペプチドの残りの部分に融合させることができる。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、リンカー(例えば、リンカー配列)を介して、ポリペプチドの残りの部分に融合される。いくつかの実施態様において、修飾されたFcドメインは、リンカー(例えば、リンカー配列)を介して、ポリペプチドの残りの部分に共有結合的に融合される。具体的な実施態様において、リンカーは、ペプチドリンカーである。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)n(配列番号231)(ここで、nは、1~10の整数である)というアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、GGGSというアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)
2(配列番号232)というアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)
3(配列番号233)というアミノ酸配列を含む。
【0349】
そのような修飾されたFcドメインは、ポリペプチドの残りの部分のN-末端もしくはC-末端にある(例えば、N-末端及び/もしくはC-末端に融合される)ことができるか、又はポリペプチドの残りの部分の異なるドメイン間に配置されることができる。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、ナノ小胞の外部空間の方に提示される。いくつかの実施態様において、修飾されたFcドメインは、ポリペプチドのエフリンリガンド結合ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、修飾されたFcドメインは、ポリペプチドのエフリン受容体システインリッチドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、修飾されたFcドメインは、エフリン受容体FN1ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、修飾されたFcドメインは、エフリン受容体FN2ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、修飾されたFcドメインは、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、ナノ小胞の内腔の方に提示される。いくつかの実施態様において、修飾されたFcドメインは、TMドメイン(例えば、エフリン受容体TMドメイン)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、修飾されたFcドメインは、エフリン受容体JMドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、修飾されたFcドメインは、エフリン受容体KDのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、修飾されたFcドメインは、SAMリンカードメイン(例えば、エフリン受容体SAMリンカードメイン)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、修飾されたFcドメインは、SAMドメイン(例えば、エフリン受容体SAMドメイン)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。いくつかの実施態様において、修飾されたFcドメインは、エフリン受容体PBMドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。
【0350】
ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、本開示に記載されるターゲッティングドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、本開示に記載されるターゲッティングドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、本開示に記載される精製ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、本開示に記載される精製ドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、本開示に記載されるカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)のN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、本開示に記載されるカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)のC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、本開示に記載されるカーゴ結合ドメインのN-末端にある(例えば、N-末端に融合される)。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、本開示に記載されるカーゴ結合ドメインのC-末端にある(例えば、C-末端に融合される)。
【0351】
ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、新生児Fc受容体(FcRn)のFc結合部位に特異的に結合することができ、かつホモ二量体を形成する能力を欠く。ある実施態様において、6.5のpHでFcRnに結合した修飾されたFcドメインの解離定数は、最大でも10
-4Mの値を有する。ある実施態様において、7.4のpHでFcRnに結合した修飾されたFcドメインの解離定数は、少なくとも10
-4Mの値を有する。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、アミノ酸配列
【化5】
(ここで、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、及びX
8は、各々、任意のアミノ酸である)に特異的に結合することができる。ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、ヒトFcRn(配列番号228)及び/又はマウスFcRn(配列番号227)の位置135~158の間のアミノ酸配列に特異的に結合することができる。
【0352】
ある実施態様において、修飾されたFcドメインを含むポリペプチドは、C1q、FcγRI、FcγRII、又はFcγRIIIに実質的に結合しない。
【0353】
ある実施態様において、修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性、修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性、修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性、及び/又は修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性は、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、又は50%減少している。
【0354】
ある実施態様において、修飾されたFcドメインの補体依存性細胞傷害性(CDC)活性、修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性、修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)活性、及び/又は修飾されたFcドメインの抗体依存性細胞内中和(ADIN)活性は、未修飾のFcドメインと比較して、少なくとも1.5、2、3、4、又は5倍減少している。
【0355】
ある実施態様において、修飾されたFcドメインは、N-末端からC-末端に:未修飾のCH2ドメインと比べて、エフェクター機能を減少するように修飾されている修飾されたCH2ドメイン、及びホモ二量体を形成する能力を欠くように修飾されている修飾されたCH3ドメインを含む。
【0356】
ある実施態様において、修飾されたFcドメイン(例えば、本明細書に記載される修飾されたFcドメイン)は、修飾されたFcドメインを含有するポリペプチドを含むナノ小胞の精製を容易にすることができる、第5.2.4節に記載されている精製ドメインとして使用される。修飾されたFcドメインが精製ドメインとして使用される場合、精製に使用されるその結合パートナー、例えば、固相に結合した結合パートナーは、Fc受容体(例えば、新生児Fc受容体(FcRn))のFc結合部位を含む。具体的な実施態様において、修飾されたFcドメイン及びその結合パートナーは、第一のセットの条件下では高い親和性で、かつ第二のセットの条件下では低い親和性で互いに結合し、それにより、修飾されたFcドメインを含有するポリペプチドを含むナノ粒子を、第一のセットの条件下で固相に固定し、後に、第二のセットの条件下で固相から溶出させることを可能にする。様々な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチド上に存在する修飾されたFcドメインは、そのようなポリペプチドを含むナノ小胞の大規模精製を可能にする。
【0357】
ある実施態様において、ポリペプチドは、ポリペプチドを含むナノ小胞の薬物動態特性を、ナノ小胞がポリペプチドなしで示すであろうものと比べて、例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも400%、少なくとも800%、少なくとも1,000%、又は少なくとも10,000%改善する修飾されたFcドメイン(例えば、本明細書に記載される修飾されたFcドメイン)を含む。具体的な実施態様において、ポリペプチドは、循環中にポリペプチドを含むナノ小胞の半減期を、ナノ小胞がポリペプチドなしで示すであろうものと比べて、例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも400%、少なくとも800%、少なくとも1,000%、又は少なくとも10,000%延長する修飾されたFcドメイン(例えば、本明細書に記載される修飾されたFcドメイン)を含む。
【0358】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に:ターゲッティングドメイン(例えば、ターゲッティングモノボディ)、任意に、リンカー、修飾されたFcドメイン(例えば、単量体Fcドメイン)、任意に、リンカー、エフリン受容体CRドメイン(例えば、EphB2 CRドメイン)、第一のエフリン受容体FN IIIドメイン及び第二のエフリン受容体FN IIIドメイン(例えば、第一及び第二のEphB2 FN IIIドメイン)、TMドメイン(例えば、EphB2TMドメイン)、エフリン受容体JMドメイン(例えば、EphA2 JMドメイン)、並びにエフリン受容体KD(例えば、EphA2 KD)を含む。
【0359】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に:ターゲッティングモノボディ、任意に、リンカー、単量体Fcドメイン、任意に、リンカー、EphB2 CRドメイン、第一及び第二のEphB2 FN IIIドメイン、EphB2 TMドメイン、EphA2 JMドメイン、並びにEphA2 KDを含む。
【0360】
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、N-末端からC-末端の方向に:ターゲッティングモノボディ、リンカー、単量体Fcドメイン、リンカー、EphB2 CRドメイン、第一及び第二のEphB2 FN IIIドメイン、EphB2 TMドメイン、EphA2 JMドメイン、並びにEphA2 KDを含む。
【0361】
(5.2.6 リンカー)
融合タンパク質の場合にはよくあることだが、融合タンパク質に通常含まれる2つの構成要素は、融合タンパク質中、隣接する様式で直接連結されていてもよく、又は種々のリンカーを用いて互いに連結され、かつ/もしくは結合していてもよい。
【0362】
様々な実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチド中に存在する2つのドメインのいずれか及び本明細書に記載されるポリペプチドの2つの部分のいずれかを、リンカー、好ましくは、ペプチドリンカーを介して、一緒に融合させることができる。例えば、本明細書に記載されるカーゴ(例えば、カーゴタンパク質)、カーゴ結合ドメイン、ターゲッティングドメイン、精製ドメイン、及び/又は修飾されたFcドメインは、1以上のリンカー、好ましくは、1以上のペプチドリンカーを介して、ポリペプチドの残りの部分に融合させることができる。ペプチドリンカーはいずれも、少なくとも5残基、少なくとも10残基、少なくとも15残基、少なくとも20残基、少なくとも25残基、少なくとも30残基、又はそれを上回る長さを含み得る。他の実施態様において、リンカーは、2~4残基、2~4残基、2~6残基、2~8残基、2~10残基、2~12残基、2~14残基、2~16残基、2~18残基、2~20残基、2~22残基、2~24残基、2~26残基、2~28残基、又は2~30残基の長さを含む。いくつかの実施態様において、リンカーは、柔軟なリンカーを含む。いくつかの実施態様において、リンカーは、グリシン-セリンリンカー、すなわち、主として又は全体として、グリシン及びセリン残基のストレッチからなるリンカーを含む。いくつかの実施態様において、リンカーは、(G4S)nリンカー(GGGGS)n(配列番号234)(ここで、nは、1~10の整数である)を含む。いくつかの実施態様において、リンカーは、G4S(配列番号242)リンカー、(G4S)2(配列番号235)リンカー、(G4S)3(配列番号236)リンカー、(G4S)2-G4(配列番号237)リンカー、又はG3S-(G4S)4-G2(配列番号238)リンカーを含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)n(配列番号231)(ここで、nは、1~10の整数である)というアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、GGGSというアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)2(配列番号232)というアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、ペプチドリンカーは、(GGGS)3(配列番号233)というアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様において、リンカーは、1以上の修飾を含むグリシン-セリンリンカーである。
【0363】
例えば、本明細書に記載されるポリペプチドのエクトドメインは、そのC-末端でリンカーを介して膜貫通ドメインに融合させることができ、かつそのN-末端でリンカーを介して融合部分(例えば、本明細書に開示される生物学的に活性のある外因性分子、例えば、抗原、ターゲッティング部分、アジュバント、免疫モジュレーター、カーゴ結合ドメイン、ターゲッティングドメイン、精製ドメイン、及び/又は修飾されたFcドメイン)に融合させることもできる。
【0364】
したがって、使用される膜貫通ドメインのタイプに応じて、そのような融合タンパク質のあり得る線形配置は、N-末端からC-末端の順に、次のように示すことができる:
(融合部分)-L-(LBD)-(柔軟なドメイン)-L-(膜貫通ドメイン)-又は
(融合部分)-L-(柔軟なドメイン)-L-(膜貫通ドメイン)又は
(融合部分)-L-(エクトドメイン)-L-(膜貫通ドメイン)
(ここで、式中の各々のLは、2つのドメインを連結する直接的なペプチド結合又は上記のリンカーを表す)。同じ式中の2つのLは、同じペプチド結合もしくはリンカーであることができるか、又は異なるペプチド結合もしくはリンカーであることができる。そのような配置は、融合部分の細胞外又は表面提示を提供する。
【0365】
或いは、そのような融合タンパク質のあり得る線形配置は、ここでもN-末端からC-末端の順に、以下の形で示すことができる:
(エクトドメイン)-L-(膜貫通ドメイン)-L-(融合部分)(I型膜貫通タンパク質由来膜貫通ドメインが使用される場合)、
(融合部分)-L-(膜貫通ドメイン)-L-(エクトドメイン)(II型膜貫通タンパク質由来膜貫通ドメインが使用される場合)、
(柔軟なドメイン)-L-(膜貫通ドメイン)-L-(融合部分)(I型膜貫通タンパク質由来膜貫通ドメインが使用される場合)、又は
(融合部分)-L-(膜貫通ドメイン)-L-(柔軟なドメイン)(II型膜貫通タンパク質由来膜貫通ドメインが使用される場合)、
(ここで、式中の各々のLは、2つのドメインを連結する直接的なペプチド結合又は上記のリンカーを表す)。同じ式中の2つのLは、同じペプチド結合もしくはリンカーであることができるか、又は異なるペプチド結合もしくはリンカーであることができる。これらの配置は、融合部分の細胞内又は内腔内提示を提供する。治療用酵素は、外部分子と相互作用することができないので、異種ポリペプチドの細胞内及び/又は内腔内提示は、例えば、プロテアーゼからの保護の増加を提供することができ、かつオフターゲット相互作用をほとんど誘発しない可能性がある。
【0366】
本明細書に記載されるポリペプチドが2つの融合部分を含む場合、各々の融合部分は、C-末端でリンカーに接続することができる。したがって、そのような融合タンパク質のあり得る線形配置は、N-末端からC-末端の順に、次のように示すことができる:
(融合部分1)-L-(融合部分2)-L-(エクトドメイン)-L-(膜貫通ドメイン)、又は
(融合部分1)-L-(融合部分2)-L-(柔軟なドメイン)-L-(膜貫通ドメイン)
(ここで、式中の各々のLは、2つのドメインを連結する直接的なペプチド結合又は上記のリンカーを表す)。同じ式中の2つのLは、同じペプチド結合もしくはリンカーであることができるか、又は異なるペプチド結合もしくはリンカーであることができる。
【0367】
或いは、2つの融合部分を含むポリペプチドについてのN-末端からC-末端の順でのあり得る線形配置は、次のように示すことができる:
(融合部分1)-L-(エクトドメイン)-L-(膜貫通ドメイン)-L-(融合部分2)、又は
(融合部分1)-L-(柔軟なドメイン)-L-(膜貫通ドメイン)-L-(融合部分2)
(ここで、式中の各々のLは、2つのドメインを連結する直接的なペプチド結合又は上記のリンカーを表す)。同じ式中の2つのLは、同じペプチド結合もしくはリンカーであることができるか、又は異なるペプチド結合もしくはリンカーであることができる。
【0368】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphA1に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphA1のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphA1のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号198又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号198との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA1に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA1由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA1由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA1由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA1由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA1由来部分のN-末端に融合される。
【0369】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphA2に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphA2のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphA2のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号199又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号199との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA2に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA2由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA2由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA2由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA2由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA2由来部分のN-末端に融合される。
【0370】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphA3に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphA3のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphA3のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号200又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号200との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA3に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA3由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA3由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA3由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA3由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA3由来部分のN-末端に融合される。
【0371】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphA4に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphA4のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphA4のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号201又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号201との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA4に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA4由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA4由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA4由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA4由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA4由来部分のN-末端に融合される。
【0372】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphA5に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphA5のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphA5のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号202又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号202との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA5に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA5由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA5由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA5由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA5由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA5由来部分のN-末端に融合される。
【0373】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphA6に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphA6のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphA6のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号203又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号203との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA6に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA6由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA6由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA6由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA6由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA6由来部分のN-末端に融合される。
【0374】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphA7に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphA7のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphA7のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号204又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号204との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA7に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA7由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA7由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA7由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA7由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA7由来部分のN-末端に融合される。
【0375】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphA8に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphA8のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphA8のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号205又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号205との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA8に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA8由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA8由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA8由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA8由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA8由来部分のN-末端に融合される。
【0376】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphA10に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphA10のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphA10のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号206又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号206との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA10に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA10由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA10由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA10由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphA10由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA10由来部分のN-末端に融合される。
【0377】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphB1に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphB1のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphB1のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号207又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号207との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphB1に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB1由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB1由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB1由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB1由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphB1由来部分のN-末端に融合される。
【0378】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphB2に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphB2のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphB2のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号208又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号208との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphB2に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB2由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB2由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB2由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB2由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphB2由来部分のN-末端に融合される。
【0379】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphB3に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphB3のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphB3のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号209又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号209との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphB3に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB3由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB3由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB3由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB3由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphB3由来部分のN-末端に融合される。
【0380】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphB4に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphB4のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphB4のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号210又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号210との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphB4に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB4由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB4由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB4由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB4由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphB4由来部分のN-末端に融合される。
【0381】
具体的な実施態様において、ポリペプチドは、EphB6に由来するエクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠く。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、野生型EphB6のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ野生型EphB6のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、ポリペプチドは、配列番号211又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含み、かつ配列番号211との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphB6に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。ある実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、第5.2.2節に記載されているエフリン受容体エンドドメインの全長、エフリン受容体エンドドメインの構造ドメイン、又はエフリン受容体エンドドメインの断片(例えば、KDもしくはJMドメイン)をコードする1以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB6由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB6由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB6由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、該EphB6由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインである。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphB6由来部分のN-末端に融合される。
【0382】
表20.エクトドメイン及び膜貫通ドメインを含む例示的なEph受容体スキャフォールド)
【表20】
【0383】
(5.3 核酸、発現ベクター、細胞、及びポリペプチドの作製方法)
また本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるポリペプチドをコードする核酸(例えば、第5.2節に記載されている)、本明細書に記載される核酸を含むベクター(例えば、発現ベクター)、及び本明細書に記載される核酸又は発現ベクターを含む細胞(例えば、宿主細胞)である。
【0384】
本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)は、原核生物及び真核生物発現系を含む、任意の数の発現系を用いて産生することができる。いくつかの実施態様において、発現系は、HEK293T系などの哺乳動物発現系である。多くのそのような系は、商業的供給元から広く入手可能である。いくつかの実施態様において、ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドは、例えば、2シストロン性発現ユニットで、又は異なるプロモーターの制御下で、単一のベクターを用いて発現させることができる。他の実施態様において、ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドは、個別のベクターを用いて発現させることができる。
【0385】
ポリヌクレオチドは、様々な異なる形態で、かつ/又は異なるベクター中に存在することができる。例えば、ポリヌクレオチドは、本質的に線状、環状であり、かつ/又は任意の二次及び/又は三次及び/又はより高次の構造を有することができる。さらに、本開示はまた、ポリヌクレオチドを含むベクター、例えば、プラスミドなどのベクター、任意の環状又は線状DNAポリヌクレオチド、ミニサークル、ウイルス(例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、レトロウイルス)、mRNA、及び/又は修飾mRNAに関する。
【0386】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書に記載されるポリペプチドのいずれか(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)をコードする核酸配列を含む単離された核酸;そのような核酸を含むベクター;及び該核酸を複製し、かつ/又は該ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を発現させるために使用される、該核酸が導入される宿主細胞を提供する。
【0387】
いくつかの実施態様において、ポリヌクレオチド(例えば、単離されたポリヌクレオチド)は、本明細書に開示される(例えば、上記の)ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、異種核酸、例えば、異種プロモーターに機能的に連結される。
【0388】
本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)又はその断片をコードするポリヌクレオチドを含有する好適なベクターとしては、クローニングベクター及び発現ベクターが挙げられる。選択されるクローニングベクターは、使用されることが意図される細胞によって異なり得るが、有用なクローニングベクターは、通常、自己複製する能力を有し、特定の制限エンドヌクレアーゼの単一の標的を保有し得、かつ/又はベクターを含有するクローンを選択する際に使用することができるマーカーの遺伝子を保有し得る。例としては、プラスミド及び細菌ウイルス、例えば、pUCl8、pUCl9、Bluescript(例えば、pBS SK+)、及びその派生物、mpl8、mpl9、pBR322、pMB9、ColEl、pCRl、RP4、ファージDNA、並びにシャトルベクター、例えば、pSA3及びpAT28が挙げられる。これら及び多くのその他のクローニングベクターは、BioRad、Strategene、及びInvitrogenなどの商業的ベンダーから入手可能である。
【0389】
発現ベクターは、通常、本開示の核酸を含有する複製可能なポリヌクレオチドコンストラクトである。発現ベクターは、細胞内で、エピソームとしてか又は染色体DNAの不可欠な部分としてかのいずれかで複製することができる。好適な発現ベクターとしては、プラスミド、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、レトロウイルスを含むウイルスベクター、及び任意の他のベクターが挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、ポリペプチドのコード配列は、好適な宿主におけるDNAの発現に影響を及ぼすことができる好適な制御配列に機能的に連結される。そのような制御配列としては、転写に影響を及ぼすプロモーター、転写を制御するための任意のオペレーター配列、mRNA上での好適なリボソーム結合部位をコードする配列、エンハンサー、並びに/又は転写及び翻訳の終結を制御する配列を挙げることができる。
【0390】
本明細書に記載されるポリヌクレオチド又はベクターをクローニングし、又はそれを発現させる好適な細胞としては、原核生物又は真核生物細胞が挙げられる。いくつかの実施態様において、細胞は、原核生物である。いくつかの実施態様において、細胞は、真核生物、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又はリンパ系細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は、ヒト細胞、例えば、ヒト胎児腎臓(HEK)細胞である。
【0391】
トランスフェクションは、非ウイルス的な方法によって、核酸を細胞に導入するプロセスである。形質導入は、ウイルスベクターによって、外来DNAを別の細胞に導入するプロセスである。一般的なトランスフェクション方法としては、リン酸カルシウム、カチオン性ポリマー(例えば、PEI)、磁気ビーズ、エレクトロポレーション、並びに市販の脂質ベースの試薬、例えば、Lipofectamine及びFugeneが挙げられる。形質導入は、組換えウイルスベクター粒子の標的細胞への導入を記述するために主に使用されるが、「感染」は、ヒト又は動物の野生型ウイルスへの自然感染を指す。
【0392】
上述の標準的な核酸送達方法に付け加えて、本明細書に提供される核酸は、細胞のゲノム内の特異的部位にターゲッティングすることができる。そのような方法としては、CRISPR-Cas9、TALEN、宿主細胞内の目的のゲノム配列に対して設計されたメガヌクレアーゼ、及びゲノムの正確な編集のための他の技術、Cre-lox部位特異的組換え;ジンクフィンガー媒介性組込み;並びに相同組換えが挙げられるが、これらに限定されない。核酸は、本開示のポリペプチドをコードする核酸を含むトランスポゾンを含有し得る。いくつかの実施態様において、該核酸は、トランスポザーゼ酵素をコードする核酸配列をさらに含有し得る。他の実施態様において、2つの核酸を用いる系が本明細書に提供され、ここで、第一のプラスミドは、本開示のポリペプチドをコードする核酸を含むトランスポゾンを含有し、第二のプラスミドは、トランスポザーゼ酵素をコードする核酸配列を含有する。第一の核酸と第二の核酸の両方を宿主細胞に共送達することができる。本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を発現する細胞は、遺伝子挿入(トランスポゾンを使用)と遺伝子編集(ヌクレアーゼを使用)の組合せを使用することにより作製することもできる。例示的なトランスポゾンとしては、限定されないが、piggyBac及びスリーピングビューティートランスポゾン系(SBTS)が挙げられるのに対し;例示的なヌクレアーゼとしては、限定されないが、CRISPR/Cas系、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、及びジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)が挙げられる。
【0393】
遺伝的に修飾された細胞は、一過性の又は安定な形質転換によって、外因性配列を含有することができる。外因性配列は、プラスミドとして形質転換することができる。外因性配列は、標的とされる部位に又はランダムな部位で、細胞のゲノム配列に安定に組み込むことができる。いくつかの態様において、安定細胞株は、本明細書に開示されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)の産生のために作製される。好ましくは、細胞は、安定細胞株が作製されるように、本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)をコードするコンストラクトで安定にトランスフェクトされる。これにより、均一な品質及び収量のナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)の一貫した産生が有利にもたらされる。
【0394】
本明細書に開示されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)の断片をコードする外因性配列をプロデューサー細胞のゲノム配列に挿入し、膜貫通ドメインをコードする内因性配列の内部、上流(5'末端)、又は下流(3'末端)に配置することができる。当技術分野で公知の様々な方法を、プロデューサー細胞への外因性配列の導入のために使用することができる。例えば、様々な遺伝子編集方法(例えば、相同組換え、トランスポゾン媒介系、loxP-Cre系、CRISPR/Cas9、又はTALENを用いる方法)を用いて修飾された細胞は、本開示の範囲内である。
【0395】
外因性核酸配列は、本明細書に開示されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)又はその断片もしくは変異体をコードする配列を含むことができる。ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)をコードする配列の追加のコピーを導入して、本明細書に記載されるナノ小胞(例えば、ナノ小胞の表面により高密度のEph受容体由来ポリペプチドを有するか又は複数の異なるEph受容体由来ポリペプチドを発現するナノ小胞)を産生することができる。ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)、又はその変異体もしくは断片をコードする外因性配列を導入して、内腔が改変された及び/又は表面が装飾されたナノ小胞(EV又はハイブリドソーム)、並びに任意に、ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)の修飾又は断片を含有するナノ小胞を産生することができる。
【0396】
いくつかの態様において、細胞を、本明細書に記載される外因性融合部分(例えば、ターゲッティング部分又は精製ドメイン)を含む1以上のポリペプチド(特に、1以上のEph受容体由来ポリペプチド)をコードする1以上のベクターで修飾、例えば、トランスフェクトすることができる。
【0397】
別の態様において、本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を作製する方法が提供される。いくつかの実施態様において、本方法は、本明細書に記載される宿主細胞(例えば、本明細書に記載される核酸又は発現ベクターを含む細胞)を、ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)の発現に好適な条件下で培養することを含む。いくつかの実施態様において、ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)は、その後、宿主細胞(又は宿主細胞培養培地)から除去される。いくつかの実施態様において、ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)は、例えば、親和性クロマトグラフィーによって精製される。
【0398】
(5.4 ナノ小胞(例えば、細胞外小胞及びハイブリドソーム)並びにナノ小胞を産生又は精製する方法)
また本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される(例えば、第5.2節に記載される)ポリペプチドを含むナノ小胞(例えば、細胞外小胞及びハイブリドソーム)である。本開示の別の態様は、表面が改変されたナノ小胞の作製及び使用に関する。本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞は、重要な進歩をもたらし、新規のナノ小胞組成物及びそれを作製する方法につながる。これまで、外因性タンパク質の過剰発現は、表面が改変されたナノ小胞の産生をナノ小胞上の外因性タンパク質の確率論的な又はランダムな傾向に依存していた。これにより、ナノ小胞上の低レベルで予測不可能な密度の異種ポリペプチド(例えば、ターゲッティングドメイン又は精製ドメイン)が生じた。
【0399】
したがって、一態様において、少なくとも1つのEph受容体由来ポリペプチドを含むナノ小胞が提供され、ここで、該Eph受容体由来ポリペプチドは、
(i)親Eph受容体と比較して、エフリンとの結合が減少しているか又はエフリンとの結合が全くないことを示すエフリンリガンド結合ドメインを含み;かつ
(ii)膜貫通ドメインを含む。
【0400】
本開示のナノ小胞は、ネイティブ(すなわち、エンドソーム、エンドリソーム、及び/もしくはリソソーム経路からの分泌又はソース細胞の形質膜からの分泌によってソース細胞から産生される)ナノ小胞であっても、合成ナノ小胞であってもよい。例示的なナノ小胞としては、細胞外小胞(「EV」)、微小小胞(MV)、エクソソーム、アポトーシス小体、ARMM、フソソーム、微粒子及び細胞由来小胞構造、膜粒子、膜小胞、エクソソーム様小胞、エクトソーム様小胞、エクトソームもしくは細胞外小胞、又はハイブリドソームが挙げられるが、これらに限定されない。
【0401】
一態様において、Eph受容体由来ポリペプチドは、ハイブリドソーム、すなわち、WO2015110957号に記載されているような、Eph受容体由来ポリペプチドを含むEVに由来する構造エレメント及び生物活性エレメントと調整可能な融合性部分を含む脂質ナノ粒子とを含むハイブリッド生体適合性担体上に存在し得る。いくつかの実施態様において、本開示のEph受容体由来ポリペプチドを含む単離されたハイブリドソームは、治療用分子をさらに含む。
【0402】
本開示は、上記のような少なくとも1つのポリペプチド(特に、少なくとも1つのEph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)を産生及び/又は精製する方法をさらに提供する。本方法は、通常、(i)EV産生細胞に上記のようなポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)をコードする核酸を導入する工程;及び(ii)該EV産生細胞がポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むEVを産生することを可能にする工程、例えば、細胞を好適な条件下で培養する工程を含み得る。膜貫通ドメインの存在の結果として、ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)は、効率的に細胞の膜に輸送され、EVの中又は表面に提示される。その後、工程(iii)において、EVを培養培地から精製することができる。そのような方法は、任意に、(iv)精製されたEVを化学的に修飾して、例えば、ハイブリドソームなどの合成ナノ小胞を産生する工程を含み得る。
【0403】
一態様において、1以上の異種ポリペプチド(例えば、ターゲッティングドメイン)で表面装飾されているナノ小胞を産生する方法であって、
(i)1以上の異種ポリペプチド(例えば、ターゲッティングドメイン)を含む、上記のようなポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)をコードする核酸又は発現ベクターを提供する工程;
(ii)該核酸又は発現ベクターをEV産生細胞に導入する工程;
(iii)EV(例えば、エクソソーム)が産生されるように、該細胞を好適な条件下で培養する工程;及び
(iv)該ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むそのように産生されたEV(例えば、エクソソーム)を培養培地から精製する工程
を含む、方法が提供される。
【0404】
本方法は、任意に、(v)EVを化学的に修飾して、例えば、ハイブリソソームなどの合成ナノ小胞をする工程を含み得る。ハイブリドソームは、例えば、EVを、インビトロで産生される第二の小胞であって、膜、融合性でイオン化可能なカチオン性脂質(例えば、第二の小胞の全脂質の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、及び好ましくは、少なくとも30%のモル濃度)、並びに任意に治療剤を含む第二の小胞と接触させ、それにより、該EVを該第二の小胞と一体化させ、ハイブリドソームを産生することにより作製される。
【0405】
一態様において、EVを産生する方法は、a.細胞を本明細書に記載される核酸又は本明細書に記載される発現ベクターでトランスフェクトすること; b.該細胞を該EVの産生のための好適な条件下で培養すること;及びc.該細胞によって分泌されるEVを回収すること:を含む。
【0406】
一態様において、ハイブリドソームを産生する方法は、第一のEVを第二のEVと接触させ、それにより、第一のEVを第二のEVと一体化させること、及びハイブリドソームを産生することを含み、ここで、該第一のEVは、インビトロで産生されたものであり、かつ第一のEVは、(i)膜、及び(ii)融合性でイオン化可能なカチオン性脂質(例えば、第一の小胞の全脂質の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、及び好ましくは、少なくとも30%のモル濃度)を含み、かつここで、該第二のEVは、本明細書に記載されるEVを産生する方法によって産生されたものである。
【0407】
本発明のいくつかの実施態様は、ナノ小胞膜上に濃縮された本開示のスキャフォールドタンパク質に連結された精製ドメイン(例えば、修飾されたFcドメイン)と固定された結合剤との間の特異的な結合相互作用を用いる、ナノ小胞の単離、精製、及び部分分画(すなわち、親和性精製)に関する。これらの方法は、通常、(1)ナノ小胞を含む試料を固定された薬剤に適用又はローディングする工程、(2)任意に、ナノ小胞のスキャフォールドタンパク質に連結された精製ドメインと結合剤との間の結合相互作用を維持する適切なバッファーを用いて、結合していない試料成分を洗い流す工程、及び(3)結合相互作用がもはや生じないようにバッファー条件を変化させることにより、スキャフォールドタンパク質に連結された精製ドメイン(例えば、修飾されたFcドメイン)を含むナノ小胞を、固定された結合剤から溶出させる(解離させ、かつ回収する)工程を含む。
【0408】
いくつかの態様において、本明細書に記載される少なくとも1つのポリペプチド(特に、少なくとも1つのEph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞を精製するための親和性精製方法は、当技術分野で公知のナノ小胞の他の親和性精製と比較して優れた回収率を有することを示している。例えば、本明細書に記載される少なくとも1つのポリペプチド(特に、少なくとも1つのEph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞は、固定された結合パートナー(例えば、プロテインA)からナノ小胞を溶出させる(例えば、解離させる)ために5未満のpH、時に、3未満のpHを必要とする従来の親和性精製方法と比較して、穏やかなpH(例えば、pH 7~pH 9)で、固定された結合パートナーから溶出させることができる。
【0409】
一態様において、EV又はハイブリドソームを精製する方法は、a. EV又はハイブリドソームを提供すること(ここで、該EV又はハイブリドソームは、第一の結合パートナー(例えば、修飾されたFcドメイン)を含み、ここで、該第一の結合パートナーは、FcRnのFc結合部位にpH依存的な様式で結合することができる); b.第一のpHで、該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二の結合パートナーと接触させること(ここで、該第二の結合パートナーは、該FcRnのFc結合部位を含み、かつ固体マトリックスと関連している);及びc.該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二のpHで該固体マトリックスから溶出させること:を含む。ある実施態様において、本方法は、第一のpHでの洗浄工程をさらに含む。ある実施態様において、第一のpHは、6.5未満である。ある実施態様において、第二のpHは、7.4を上回る。ある実施態様において、FcRnのFc結合部位は、配列番号230のアミノ酸配列を含む。
【0410】
一態様において、EV又はハイブリドソームを精製する方法は、a. EV又はハイブリドソームを提供すること(ここで、該EV又はハイブリドソームは、第一の結合パートナーを含み、ここで、該第一の結合パートナーは、FcRnのFc結合部位にpH依存的な様式で結合することができ、かつ本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むか又は該ポリペプチドからなる); b.第一のpHで、該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二の結合パートナーと接触させること(ここで、該第二の結合パートナーは、該FcRnのFc結合部位を含み、かつ固体マトリックスと関連している);及びc.該第一の結合パートナーを含む該EV又はハイブリドソームを第二のpHで該固体マトリックスから溶出させること:を含む。ある実施態様において、本方法は、第一のpHでの洗浄工程をさらに含む。ある実施態様において、第一のpHは、6.5未満である。ある実施態様において、第二のpHは、7.4を上回る。ある実施態様において、FcRnのFc結合部位は、配列番号230のアミノ酸配列を含む。
【0411】
本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)は、好適な条件下で、例えば、懸濁培養で又は接着培養で又は任意の他のタイプの培養系でナノ小胞(例えば、EV)を産生することができる任意のタイプの哺乳動物から産生することができる。本開示によるソース細胞には、ナノ小胞(例えば、EV)をインビボで産生することができる細胞も含まれ得る。ソース細胞は、懸濁又は接着培養で増殖し得るか、又は懸濁増殖に適合し得る広範囲の細胞及び細胞株から選択することができる。通常、ナノ小胞(例えば、EV及びハイブリドソーム)は、初代細胞源であろうが、不死化細胞株であろうが、本質的に全ての細胞源に由来することができる。ソース細胞は、治療されることになる患者にとって、同種異系の性質、自己の性質、又は異種の性質ですらあってもよく、すなわち、細胞は、患者自身に由来するものであっても、血縁関係のない、適合した又は適合していないドナーに由来するものであってもよい。ある状況において、同種異系細胞は、特定の適応症に罹患している対象の自己細胞から得ることができない可能性がある免疫調節効果をもたらし得るので、医学的見地から好ましい場合がある。例えば、炎症性疾患又は変性疾患の治療との関連において、同種異系MSC又は羊膜上皮(AE)は、そのEVの固有の免疫調節性のために、ナノ小胞(例えば、EV又はハイブリドソーム)産生細胞源として非常に有益である可能性がある。特に関心のある細胞株としては、アニオン性流体由来細胞、誘導多能性細胞、ヒト臍帯内皮細胞(HUVEC)、HEK293細胞、HEK293T細胞、無血清HEK293細胞、懸濁HEK293細胞などのヒト胎児腎臓(HEK)細胞、微小血管又はリンパ管内皮細胞などの内皮細胞株、赤血球、赤血球前駆細胞、軟骨細胞、異なる起源のMSC、羊膜細胞、AE細胞、羊水穿刺によって又は胎盤から得られる細胞、気道又は肺胞上皮細胞、線維芽細胞、内皮細胞、及び上皮細胞などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0412】
上記のように、ソース細胞を、1以上の外因性配列(例えば、1以上の融合タンパク質をコードする)を含むように遺伝的に修飾して、本明細書に記載されるナノ小胞を産生させることができる。好ましくは、本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)をコードする外因性配列は、標的とされる部位に又はランダムな部位で、プロデューサー細胞のゲノム配列に安定に組み込まれる。いくつかの態様において、安定な細胞株は、本明細書に開示されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞(例えば、EV)の産生のために作製される。これにより、均一な品質及び収量のナノ小胞(例えば、EV)の一貫した産生が有利にもたらされる。
【0413】
いくつかの実施態様において、EV産生時に、形成中のEVの近くの産生細胞の細胞質ゾルに存在するカーゴタンパク質は、EVが形成される間にポリペプチドのカーゴ結合ドメインによって捕捉される。結果として、EVとカーゴタンパク質の両方を産生している細胞は、EVの内腔に少なくとも1つのカーゴタンパク質を有するいくつかのEVを産生することができる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるEVは、天然に存在する量、例えば、形成中のEVによって受動的に捕捉される量よりも多くのカーゴタンパク質をEVの内腔に有する。いくつかの実施態様において、本開示のポリペプチドを発現するEVの内腔におけるカーゴタンパク質の数は、参照EVの内腔におけるカーゴタンパク質の数よりも多い。いくつかの実施態様において、参照EVは、自然過程を通じてEVと関連したカーゴタンパク質を含む。
【0414】
いくつかの態様において、本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞は、上記のような1以上の融合部分を含み得る本明細書に開示される全長ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)をコードする配列で形質転換された細胞から産生することができる。本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)はいずれも、プラスミド、ゲノムに挿入された外因性配列、又は他の外因性核酸、例えば、合成メッセンジャーRNA(mRNA)から発現させることができる。
【0415】
一態様において、本開示は、本開示の細胞から産生される、2以上の相互作用するポリペプチド(例えば、スキャフォールドタンパク質)を含むEVを提供する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるEV上のポリペプチド(例えば、スキャフォールドタンパク質)の表面密度又は濃度は、二量体化又はオリゴマー化によって増加する。ある実施態様において、EVは、ホモドメイン二量体化モチーフ(例えば、CRDホモ二量体モチーフ)を各々含み、かつ互いに相互作用して、ホモ対を形成する、本明細書に記載されるポリペプチド(例えば、スキャフォールドタンパク質)を含む。ある実施態様において、EVは、ヘテロドメイン二量体化(例えば、LBD-FN二量体化)を受けることができるドメインを各々含む、本明細書に記載されるポリペプチド(例えば、スキャフォールドタンパク質)を含み、ここで、該ドメインは、互いに相互作用して、ヘテロ対を形成することができる。ヘテロドメイン二量体化(例えば、LBD-FN二量体化)を受けるエフリン受容体の能力は、それが2つより多くのエフリン受容体のクラスター化の形成を促進することができるという点で独特である(なぜなら、ヘテロドメイン二量体化は、2つの異なるドメインを含み、同じタンパク質上に存在する2つの異なるドメインを介して、1つのエフリン受容体タンパク質を2つの他のエフリン受容体タンパク質に連結することができるからである、例えば、
図2Bを参照);一方、ホモドメイン二量体化を受けることしかできないスキャフォールドタンパク質は、通常、二量体を形成することしかできない。
【0416】
さらなる態様において、本開示は、2以上のポリペプチド(例えば、スキャフォールドタンパク質)及び1以上のアダプタータンパク質を含むEVを提供し、このEVは、本開示に細胞から産生される。アダプタータンパク質は、上の第5.2.3節(c)に記載されている通りのものである。一実施態様において、細胞質ゾル中のアダプタータンパク質の濃度は、合成を制御するプロセスによって(例えば、誘導性プロモーターを介して)、非常に速い時間スケールで変化させることができる。さらなる実施態様において、細胞質ゾル中のアダプタータンパク質の濃度は、2以上のアダプター断片の二量体化を制御するプロセスによって(例えば、化学的に誘導可能な二量体化剤を使用することによって)、非常に速い時間スケールで変化させることができる。
【0417】
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるソース細胞は、追加の外因性配列を含むようにさらに修飾される。例えば、追加の外因性配列は、内因性遺伝子発現を調節するか又は特定のポリペプチドをペイロードとして含むナノ小胞を産生するために導入することができる。いくつかの態様において、ソース細胞は、一方が本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)又はその変異体もしくは断片をコードし、もう一方がペイロードをコードする、2つの外因性配列を含むように修飾される。いくつかの態様において、ソース細胞は、一方が本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)又はその変異体もしくは断片をコードし、もう一方が任意のターゲッティング部分を含む本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)をコードする、2つの外因性配列を含むように修飾される。ある実施態様において、ソース細胞は、ナノ小胞に追加の機能性(例えば、ペイロード、ターゲッティング部分、又は精製ドメイン)を付与する追加の外因性配列を含むようにさらに修飾することができる。いくつかの態様において、ソース細胞は、一方が本明細書に開示されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)又はその変異体もしくは断片をコードし、もう一方がナノ小胞に追加の機能性を付与するタンパク質をコードする、2つの外因性配列を含むように修飾される。いくつかの態様において、ソース細胞は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、もしくは10、又はそれより多くの追加の外因性配列を含むようにさらに修飾される。
【0418】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphA1の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphA1の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、野生型EphA1のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphA1のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号198又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号198との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA1に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA1由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA1由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA1由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA1由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA1由来部分のN-末端に融合される。
【0419】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphA2の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphA2の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、野生型EphA2のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphA2のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA2に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号199又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号199との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA2に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA2由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA2由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA2由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA2由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA2由来部分のN-末端に融合される。
【0420】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、野生型EphA3の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphA3の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、EphA3のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphA3のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号200又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号200との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA3に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA3由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA3由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA3由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA3由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA3由来部分のN-末端に融合される。
【0421】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、野生型EphA4の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphA4の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、EphA4のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphA4のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号201又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号201との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA4に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA4由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA4由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA4由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA4由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA4由来部分のN-末端に融合される。
【0422】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、野生型EphA5の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphA5の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、EphA5のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphA5のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号202又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号202との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA5に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA5由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA5由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA5由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA5由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA5由来部分のN-末端に融合される。
【0423】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、野生型EphA6の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphA6の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、EphA6のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphA6のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号203又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号203との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA6に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA6由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA6由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA6由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA6由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA6由来部分のN-末端に融合される。
【0424】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、野生型EphA7の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphA7の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、EphA7のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphA7のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号204又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号204との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA7に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA7由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA7由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA7由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA7由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA7由来部分のN-末端に融合される。
【0425】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、野生型EphA8の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphA8の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、EphA8のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphA8のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号205又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号205との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA8に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA8由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA8由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA8由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA8由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA8由来部分のN-末端に融合される。
【0426】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、野生型EphA10の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphA10の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、EphA10のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphA10のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号206又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号206との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphA10に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA10由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA10由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA10由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphA10由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphA10由来部分のN-末端に融合される。
【0427】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、野生型EphB1の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphB1の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、EphB1のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphB1のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号207又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号207との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphB1に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB1由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB1由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB1由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB1由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphB1由来部分のN-末端に融合される。
【0428】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、野生型EphB2の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphB2の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、EphB2のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphB2のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号208又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号208との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphB2に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB2由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB2由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB2由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB2由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphB2由来部分のN-末端に融合される。
【0429】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、野生型EphB3の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphB3の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、EphB3のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphB3のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号209又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号209との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphB3に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB3由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB3由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB3由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB3由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphB3由来部分のN-末端に融合される。
【0430】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、野生型EphB4の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphB4の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、EphB4のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphB4のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号210又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号210との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphB4に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB4由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB4由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB4由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB4由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphB4由来部分のN-末端に融合される。
【0431】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、野生型EphB6の断片をコードする1以上のヌクレオチド配列で形質転換された細胞から産生することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、EphB6の断片を含むが、LBDなどの1以上の機能又は構造ドメインを欠くポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、EphB6のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ野生型EphB6のエクトドメイン及び膜貫通ドメイン領域全体のアミノ酸配列との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、産生されたナノ小胞は、配列番号211又はその断片と同一又は同様のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、かつ配列番号211との少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有し、ここで、該ポリペプチドは、親Eph受容体と比較したとき、エフリンに対する減少した結合を示すか又は結合を全く示さない。いくつかの実施態様において、EphB6に由来するポリペプチドの部分は、1以上の異種タンパク質に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB6由来部分のN-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB6由来部分のC-末端に融合される。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB6由来部分のN-末端とC-末端の両方に融合される。いくつかの実施態様において、1以上の異種タンパク質は、ヒトタンパク質である。いくつかの実施態様において、該1以上の異種タンパク質は、該EphB6由来部分のN-末端に融合された(例えば、第5.2.4節に記載されている)ターゲッティングドメイン及び/又は精製ドメインを含む。ある実施態様において、該ターゲッティングドメインは、(例えば、第5.2.5節に記載されている)修飾されたFcドメインのC-末端に融合され、該修飾されたFcドメインは、該EphB6由来部分のN-末端に融合される。
【0432】
いくつかの実施態様において、修飾されたソース細胞由来の少なくとも1つのポリペプチド(特に、少なくとも1つのEph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞は、同じ又は同様の細胞型の未修飾細胞から単離されたネイティブなナノ小胞と比較して、より高い密度の少なくとも1つのポリペプチド(特に、少なくとも1つのEph受容体由来ポリペプチド)を有する。いくつかの実施態様において、本開示のナノ小胞は、同じ又は同様の細胞型の未修飾細胞から単離されたネイティブなナノ小胞よりも2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、100倍、200倍、400倍、800倍、1,000倍高い、又はそれより高い密度で、本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含有する。いくつかの実施態様において、ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)は、従来のスキャフォールドタンパク質(例えば、CD63のような、テトラスパニン分子)を用いて同様に修飾された他のナノ小胞表面上の融合タンパク質よりもナノ小胞上に2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、100倍、200倍、400倍、800倍、1,000倍高い、又はそれより高い密度で存在する。ナノ小胞(例えば、EV)上に発現されたポリペプチドの量又はレベルを定量するために、当技術分野で公知の任意の適切な方法を使用することができる。いくつかの態様において、ナノ小胞(例えば、EV)上に発現されたポリペプチド(特に、少なくとも1つのEph受容体由来ポリペプチド)の量は、タンデム質量分析(LC-MS/MS)を伴う液体クロマトグラフィーを用いて、ナノ小胞(例えば、EV)を含む所与の試料中のペプチドスペクトル一致の数を測定することにより評価することができる。
【0433】
本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)は、当技術分野で公知のネイティブなEV又は合成ナノ小胞と比較して、ナノ小胞上で発現されたときに利点を提供し得る。
【0434】
いくつかの態様において、ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)がナノ小胞上に発現される場合、膜貫通ドメインは、該ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)のエクトドメインが、いずれか1つ又は複数の任意の異種ポリペプチド(例えば、ターゲッティングドメイン)と同様に、共有結合的に連結される(例えば、融合される)膜への固定をもたらす。上で概説されているように、そのような固定は、本明細書に記載される1以上のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を、どちらの配置が好ましいかに応じて、ナノ小胞の表面上又はナノ小胞の内腔のいずれかに確実に導くことを可能にする。
【0435】
いくつかの態様において、本明細書に記載される少なくとも1つのポリペプチド(特に、少なくとも1つのEph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞は、当技術分野で公知のナノ小胞と比較して優れた特徴を示す。例えば、異なる膜貫通ドメイン又はその断片を含むEph受容体由来ポリペプチドは、天然に存在するもの又は従来のEVタンパク質を用いて産生されたナノ小胞よりも、ナノ小胞の表面上に 高度に濃縮されることができる。さらに、本開示のEph受容体由来ポリペプチドを含むナノ小胞の表面は、天然に存在するナノ小胞又は従来の膜貫通ドメイン(例えば、Lamp2b、PTGFRN、CD63、もしくはCD81)を用いて産生されたナノ小胞と比較して、より大きい、より特異的な、又はより制御された生物活性(例えば、特定の細胞へのターゲッティング又は半減期)を有することができる。いくつかの実施態様において、Eph受容体由来ポリペプチドは、異なるナノ小胞の従来のスキャフォールドタンパク質よりも高い密度でナノ小胞の表面に存在する。いくつかの実施態様において、Eph受容体由来ポリペプチドは、異なるナノ小胞の従来のスキャフォールドタンパク質よりも増大したオリゴマー化を示す。さらに、本開示のスキャフォールドタンパク質は、ナノ小胞上に発現され得る他のタンパク質スキャフォールド(例えば、Lamp2b、PTGFRN、CD63、又はCD81)とは対照的に、ヘテロドメイン二量体化又はクラスター化(例えば、ヘッド・トゥ・テール配置)を受けることができる。従来のスキャフォールドタンパク質の例としては、CD9、CD63、CD81、PDGFR、GPIアンカータンパク質、ラクトアドヘリン、LAMP2、LAMP2B、及びこれらの断片が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、親Eph受容体を含むナノ小胞と比較したとき、増大したオリゴマー化を示す。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、親Eph受容体を含むナノ小胞と比較したとき、増大したスキャフォールドタンパク質密度を示す。
【0436】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、ヘテロドメイン二量体化(例えば、ヘッド・トゥ・テール二量体化)を受けることができるドメインを有する本明細書に記載されるポリペプチドを含む。具体的な実施態様において、ナノ小胞は、LBDとFNドメインとの間でのヘテロドメイン二量体化(例えば、ヘッド・トゥ・テール二量体化)を受けることができる本明細書に記載されるポリペプチドを含む。
【0437】
いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、ホモドメイン二量体化を受けることができる本明細書に記載されるポリペプチドを含む。具体的な実施態様において、ナノ小胞は、CRDを介するホモドメイン二量体化を受けることができる本明細書に記載されるポリペプチドを含む。
【0438】
いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるナノ小胞は、内腔に(例えば、膜貫通ドメインのC-末端の後ろに)、(i)YX1DX2X3X4YEDPモチーフ(ここで、X1はIもしくはVであり、X2はPもしくはLであり、X3は、Q、H、F、D、E、もしくはSであり、X4はAもしくはTである)(配列番号240);又は(ii)FX1DX2X3X4FEDPモチーフ(ここで、X1はIもしくはVであり、X2はPもしくはLであり、X3は、Q、H、F、D、E、もしくはSであり、X4はAもしくはTである)(配列番号241):を含む、本明細書に記載される少なくとも1つのポリペプチド(特に、少なくとも1つのEph受容体由来ポリペプチド)を含む。
【0439】
いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるナノ小胞を産生する方法は、ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞を特徴付ける工程をさらに含む。いくつかの実施態様において、該ナノ小胞の内容物は、試験及び特徴付けのために抽出することができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、単離され、限定されないが、サイズ、形状、形態、又は分子組成、例えば、核酸、タンパク質、代謝物、及び脂質、並びに半減期及び薬力学を含む、測定基準によって特徴付けられる。
【0440】
一態様において、スキャフォールドタンパク質及び修飾されたFcドメインを含むナノ小胞は、血清半減期の増加、血液クリアランスの短縮、及び親和性精製の改善を含む、いくつかの望ましい特性をナノ小胞に付与することができる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるナノ小胞は、循環中のその半減期を増加又は減少させるように修飾することができる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドを含むナノ小胞中の治療用カーゴの循環中の半減期は、ナノ小胞の半減期を改変することにより修飾することができる。いくつかの場合、半減期は増加し、その増加は、例えば、ナノ小胞に含まれない治療剤及び血清含有溶液中で測定される半減期と比較したとき、本明細書に記載されるポリペプチドを含むナノ小胞に維持される治療剤ペイロードについて、約1.5倍~20倍であることができる。
【0441】
ある実施態様において、循環系におけるナノ小胞及び/又は治療用分子ペイロードの有無は、ナノ小胞上の特定のポリペプチド又はその断片、例えば、修飾されたFcドメインポリペプチド又はその機能断片の有無によって決定される。
【0442】
いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチドを含むナノ小胞は、対象の循環系又は組織に長期間存在することができ、該ポリペプチドを欠くナノ小胞によって達成され得るものよりも効率的な治療効果の送達を可能にする。半減期の延長は、修飾されたFcドメインを含むスキャフォールドタンパク質を伴わない現在のEVベースの治療法と比較したときの特別な利点である。
【0443】
修飾されたFcドメインを含む有効量のスキャフォールドタンパク質は、ナノ小胞当たり、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、40個、60個、80個、100個、又はそれより多くのポリペプチドを含む。或いは、有効量は、ナノ小胞がポリペプチドなしで示すであろう半減期と比べて、ナノ小胞半減期を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、400%、800%、1,000%、又は10,000%延長することができる量である。
【0444】
いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法は、精製画分に含まれるナノ小胞及び/又はナノ小胞の集団のサイズを測定することを含む。いくつかの実施態様において、ナノ小胞サイズは、最長測定可能寸法として測定される。通常、ナノ小胞の最長全体寸法は、その直径としても呼ばれる。
【0445】
ナノ小胞サイズは、当技術分野で公知の様々な方法、例えば、ナノ粒子追跡分析、多角度光散乱法、単一角度光散乱法、サイズ排除クロマトグラフィー、分析的超遠心分離、フィールドフローフラクショネーション、レーザー回折、調整可能抵抗パルスセンシング、又は動的光散乱法を用いて測定することができる。
【0446】
いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法は、ナノ小胞表面のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)の密度を測定することを含む。表面密度は、単位面積当たりの質量、面積当たりのタンパク質の数、ナノ小胞当たりの分子の数又は分子シグナルの強度、タンパク質のモル量などとして計算又は提示することができる。表面密度は、当技術分野で公知の方法によって、例えば、バイオレイヤー干渉法(BLI)、FACS、ウェスタンブロッティング、蛍光(例えば、GFP融合タンパク質)検出、ナノフローサイトメトリー、ELISA、alphaLISA、及び/又はタンパク質ゲル上のビーズを測定することによるデンシトメトリーを使用することにより、実験的に測定することができる。
【0447】
他の実施態様において、単離されたナノ小胞の組成物は、許容し得る量及び/もしくは濃度又はそれを上回る量及び/もしくは濃度の所望のナノ小胞を有する。他の実施態様において、単離されたナノ小胞の組成物は、組成物が得られる(例えば、プロデューサー細胞調製物由来の)出発材料と比較して濃縮されている。この濃縮は、出発材料と比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、99.99%、99.999%、99.9999%、又は99.9999%超)であることができる。いくつかの実施態様において、単離されたナノ小胞調製物は、残留する生物学的産物を実質的に含まない。いくつかの実施態様において、単離されたナノ小胞調製物は、混入する生物学的物質を100%含まない、99%含まない、98%含まない、97%含まない、96%含まない、95%含まない、94%含まない、93%含まない、92%含まない、91%含まない、又は90%含まない。残留する生物学的産物としては、非生物材料(化学物質を含む)又は不要な核酸、タンパク質、脂質、もしくは代謝物を挙げることができる。残留する生物学的産物を実質的に含まないということは、ナノ小胞組成物が検出可能なプロデューサー細胞を含有しないということ、及びナノ小胞のみが検出可能であるということを意味することもできる。
【0448】
さらに、本開示のナノ小胞は、ナノ小胞膜に組み込まれ得るポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)の他に、さらなるペイロードを含むこともできる。ナノ小胞は、内部空間内、ナノ小胞の外部表面に提示されて、及び/又は膜にまたがって、様々な高分子カーゴを含むことができる。該カーゴは、核酸、タンパク質、炭水化物、脂質、低分子、及び/又はこれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞の内部容積は、細胞外小胞に由来する少なくとも1つの生物活性剤(例えば、内因性ポリヌクレオチド、酵素、又はポリペプチド)、及びインビトロで製造されたナノ小胞に封入された少なくとも1つの生物活性剤を含有する。別の実施態様において、ナノ小胞の内部容積は、細胞外小胞に由来する天然成分のみを含み、さらに処理されてもよい。
【0449】
いくつかの実施態様において、ハイブリドソームは、1以上の標的細胞外小胞への封入材料(例えば、活性剤)の封入及び放出(例えば、細胞外小胞の脂質膜に浸透又は融合することによる)を促進又は増強する医薬組成物を生産するために使用される。例えば、脂質ベースの組成物が1以上のイオン化可能脂質を含むか、又は他の方法で1以上のイオン化可能脂質で濃縮されている場合、1以上の細胞外小胞の脂質二重層における相転移は、1以上のハイブリドソームへの封入材料(例えば、脂質ナノ粒子に封入された活性剤)の送達を促進し得る。本開示の一実施態様において、ハイブリドソームは、ハイブリドソームへの組込み時に、細胞外小胞に由来する1以上の化合物と相互作用することができる酵素及び生物活性触媒化合物を封入するように製造することができる。例えば、ハイブリドソームは、細胞外小胞によってハイブリドソーム中に移行した任意の内因性ポリヌクレオチドを分解することができるリボヌクレアーゼを含有するように製造することができる。
【0450】
(5.5 組成物及びキット)
別の態様において、本開示の(例えば、第5.2~5.4節に記載されている)ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)、ナノ小胞、核酸、発現ベクター、及び/又は細胞を含む組成物及びキットが提供される。そのような組成物は、例えば、美容用組成物、診断用組成物、又は医薬組成物であることができる。
【0451】
ある実施態様において、本明細書に記載される組成物は、医薬品として有用である。典型的には、そのような医薬品は、治療有効量の本明細書に提供される組成物を含む。したがって、それぞれの組成物は、障害の治療において有用な医薬品の生産のために使用することができる。したがって、一実施態様において、本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)、ナノ小胞、核酸、発現ベクター、及び/又は細胞を含む医薬組成物及びキットが提供される。いくつかの実施態様において、提供されるのは、本開示のナノ小胞(すなわち、上記のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞)を含む医薬組成物及びキットである。
【0452】
いくつかの実施態様において、医薬組成物は、本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)、ナノ小胞、核酸、発現ベクター、及び/又は細胞を含み、かつ1以上の医薬として許容し得る担体、賦形剤及び/又は希釈剤をさらに含む。製剤を調製するための指針は、当業者に公知の医薬調製物及び製剤のいくつもの手引き書に見出すことができる。
【0453】
医薬として許容し得る担体には、生理的に適合性があり、かつ好ましくは、活性剤の活性を妨害しない、又は別の形で阻害しない任意の溶媒、分散媒、又はコーティング剤が含まれる。様々な医薬として許容し得る賦形剤は、当技術分野で周知である。
【0454】
いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る担体は、静脈内、筋肉内、経口、腹腔内、髄腔内、経皮、局所、又は皮下投与に好適である。医薬として許容し得る担体は、例えば、組成物を安定させるように又は活性剤の吸収を増減させるように作用する1以上の生理的に許容し得る化合物を含有することができる。生理的に許容し得る化合物としては、例えば、炭水化物、例えば、グルコース、スクロース、もしくはデキストラン、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸もしくはグルタチオン、キレート剤、低分子量タンパク質、活性剤のクリアランスもしくは加水分解を低下させる組成物、又は賦形剤もしくは他の安定化剤及び/もしくは緩衝剤を挙げることができる。他の医薬として許容し得る担体及びその製剤は、当技術分野で周知である。
【0455】
医薬組成物は、当業者に公知の方法で、例えば、従来の混合、溶解、造粒、ドラジェ製造、乳化、カプセル化、封入、又は凍結乾燥プロセスによって製造することができる。
【0456】
典型的には、インビボ投与で使用するための医薬組成物は滅菌されている。滅菌は、当技術分野で公知の方法、例えば、滅菌濾過に従って達成することができる
【0457】
本開示の医薬組成物の投薬量及び所望の薬物濃度は、想定される特定の用途によって異なり得る。
【0458】
(5.6 治療的及び診断的使用)
本開示のポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞(例えば、第5.4節に記載されている)、並びにそのようなポリペプチドをコードする核酸及び発現ベクター(例えば、第5.3節に記載されている)、そのようなポリペプチドを発現することができる細胞(例えば、第5.3節に記載されている)、並びに前述のものを含む組成物及びキット(例えば、第5.5節に記載されている)は、いくつかの疾患及び障害(例えば、癌、炎症、又は癌と関連する炎症)を治療、モニタリング、予防、及び/又は診断するために使用することができる。
【0459】
したがって、一態様において、本明細書に提供されるのは、治療剤又は診断剤を標的細胞又は組織に送達する方法であって、本明細書に記載される細胞外小胞又はハイブリドソームを該標的細胞又は組織に提供することを含む、方法である。
【0460】
一態様において、疾患又は障害を治療する方法が提供される。本方法は、医薬有効量の本明細書に記載される組成物(すなわち、ポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含む又はそれを発現することができる組成物)を、それを必要としている対象に投与する工程を含む。一実施態様において、本方法は、医薬有効量の上記の医薬組成物を投与することを含む。
【0461】
治療を必要としている対象は、ヒト又は非ヒト動物であることができる。典型的には、対象は、哺乳動物、例えば、類人猿、イヌ、モルモット、ウマ、サル、マウス、ブタ、ウサギ、又はラットである。動物モデルの場合、動物は、障害を発症するように又は疾患の特徴を示すように、遺伝的に改変されていてもよい。
【0462】
いくつかの実施態様において、対象は、癌、炎症性障害、自己免疫疾患、慢性疾患、炎症、損傷した臓器機能、感染性疾患、代謝性疾患、変性障害、遺伝性疾患(例えば、遺伝子欠損、劣性遺伝子障害、もしくは優性遺伝子障害)、又は損傷を有する。いくつかの実施態様において、対象は、感染性疾患を有し、ナノ小胞は、該感染性疾患の抗原を含む。いくつかの実施態様において、対象は、遺伝子欠損を有し、ナノ小胞は、対象が欠損しているタンパク質、又は該タンパク質をコードする核酸(例えば、mRNA)、又は該タンパク質をコードするDNA、又は該タンパク質をコードする染色体、又は該タンパク質をコードする核酸を含む核を含む。いくつかの実施態様において、対象は、優性遺伝子障害を有し、ナノ小胞は、優性突然変異体アレルの核酸阻害因子(例えば、shRNA、siRNA、又はmiRNA)を含む。いくつかの実施態様において、対象は、優性遺伝子障害を有し、かつ/又はナノ小胞は、優性突然変異体アレルの核酸阻害因子(例えば、shRNA、siRNA、もしくはmiRNA)を含み、かつ/又はナノ小胞は、核酸阻害因子によって標的とされない突然変異遺伝子の非突然変異アレルをコードするmRNAも含む。いくつかの実施態様において、対象は、ワクチン接種を必要としている。いくつかの実施態様において、対象は、例えば、損傷部位の再生を必要としている。
【0463】
いくつかの実施態様において、組成物は、少なくとも1、2、3、4、又は5回、対象に投与される。
【0464】
いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞は、対象、例えば、マウス又はヒトに投与されたとき、組織、例えば、肝臓、肺、心臓、脾臓、膵臓、消化管、腎臓、精巣、卵巣、脳、生殖器、中枢神経系、末梢神経系、骨格筋、内皮、内耳、又は目を標的とする。いくつかの実施態様において、投与される組成物中の本明細書に記載されるポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)を含むナノ小胞の少なくとも0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%は、24、48、又は72時間後に、標的組織中に存在する。
【0465】
いくつかの実施態様において、上記の組成物は、治療有効量又は治療有効用量で対象に投与される。例となる投薬量は、約0.01mg/kg~約500mg/kg、又は約0.1mg/kg~約200mg/kg、又は約1mg/kg~約100mg/kg、又は約10mg/kg~約50mg/kgの日用量範囲を含む。しかしながら、投薬量は、選択される投与経路、組成物の製剤、患者応答、疾病の重症度、対象の重量、及び処方医師の判断を含む、いくつかの要因によって変わり得る。投薬量は、個々の患者別に必要に応じて、経時的に増減させることができる。いくつかの実施態様において、患者は、最初は、低用量を投与され、これは、その後、患者にとって忍容可能な効果的な投薬量まで増加される。有効量の決定は、当業者が十分に対応できる範囲内にある。
【0466】
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される組成物は、癌の治療に使用される。ある実施態様において、癌は、CNSの原発性癌、例えば、神経膠腫、多形性膠芽腫、髄膜腫、星細胞腫、聴神経腫、軟骨腫、乏突起膠腫、髄芽腫、神経節膠腫、シュワン細胞腫、神経線維腫、神経芽腫、又は硬膜外、髄内、もしくは硬膜内腫瘍である。いくつかの実施態様において、癌は固形腫瘍であるか、又は他の実施態様において、癌は非固形腫瘍である。固形腫瘍癌には、中枢神経系の腫瘍、乳癌、前立腺癌、皮膚癌(基底細胞癌、細胞癌腫、扁平上皮細胞癌、及び黒色腫を含む)、子宮頸癌、子宮癌、肺癌、卵巣癌、精巣癌、甲状腺癌、星細胞腫、神経膠腫、膵癌、中皮腫、胃癌、肝臓癌、結腸癌、直腸癌、腎芽腫を含む腎臓癌、膀胱癌、食道癌、喉頭の癌、耳下腺の癌、胆管の癌、子宮内膜癌、腺癌、小細胞癌、神経芽腫、副腎皮質癌、上皮癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、末梢未分化神経外胚葉性腫瘍、網膜芽腫、並びに横紋筋肉腫が含まれる。いくつかの実施態様において、癌を治療するための医薬品の製造における本明細書に開示されるナノ小胞の使用が提供される。
【0467】
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される組成物は、自己免疫又は炎症性疾患の治療において使用することができる。そのような疾患例としては、強直性脊椎炎、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、乾癬性関節炎、喘息、強皮症、卒中、アテローム性動脈硬化症、クローン病、結腸炎、潰瘍性大腸炎、皮膚炎、憩室炎、線維症、特発性肺線維症、線維筋痛、肝炎、過敏性腸症候群(IBS)、狼瘡、全身性エリテマトーデス(SLE)、腎炎、多発性硬化症、及び潰瘍性大腸炎が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、自己免疫又は炎症性疾患を治療するための医薬品の製造における本明細書に開示されるナノ小胞の使用が提供される。
【0468】
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される組成物は、心血管疾患、例えば、冠動脈疾患、心臓発作、心臓律動異常、もしくは不整脈、心不全、心臓弁膜症、先天性心疾患、心筋疾患、心筋症、心膜疾患、大動脈疾患、マルファン症候群、血管疾患、又は血管疾患の治療において使用することができる。
【0469】
本開示の組成物は、様々な異なる投与経路、例えば、耳介(耳)、口腔内、結膜、皮膚、歯、電気浸透、頸管内、洞内、気管内、腸内、硬膜外、羊膜外、体外、血液透析、浸透、間質、腹腔内、羊水内、動脈内、関節内、胆管内、気管支内、嚢内、心内、軟骨内、仙骨内、海綿体内、洞内、大脳内、脳室内、嚢内、角膜内、歯冠内(歯)、冠動脈内、陰茎海綿体内、皮内、椎間板内、管内、十二指腸内、硬膜内、表皮内、食道内、胃内、歯肉内、回腸内、病巣内、腔内、リンパ管内、髄内、髄膜内、筋肉内、眼内、卵巣内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、洞内、脊髄内、滑液嚢内、腱内、精巣内、髄腔内、胸腔内、管内、腫瘍内、鼓膜内、子宮内、血管内、静脈内、急速静注、静脈内点滴、脳室内、膀胱内、硝子体内、イオントフォレシス、灌注液、喉頭、経鼻、経鼻胃、密封包帯技術、眼科的、経口、口咽頭、その他、非経口、経皮、関節周囲、硬膜外、神経周囲、歯周、直腸、呼吸器(吸入)、眼球後方、軟部組織、くも膜下、結膜下、皮下、舌下、粘膜下、局所、経皮、経粘膜、経胎盤、経気管、経鼓膜、尿管、尿道、及び/もしくは膣内投与、並びに/又は上記の投与経路の任意の組合せを介して、ヒト又は動物対象に投与することができ、これらの投与経路は、通常、治療されている疾患並びに/又はナノ小胞及び/もしくは治療用分子の特徴によって決まる。
【0470】
本明細書に開示されるナノ小胞は、定量的及び/又は定性的検出を包含するインビボ及び/又はインビトロでの検出又は診断目的のために使用することができる。同様に、前の文章に記載されているポリペプチド(特に、Eph受容体由来ポリペプチド)、核酸、発現ベクター、及び/又は細胞は、状況に応じて、この節で詳述されているように使用することができる。
【0471】
診断用途又は検出目的のために、ナノ小胞は、検出可能な、例えば、放射線検査又は磁気共鳴イメージングを含む生物学的イメージングによって検出可能な部分を含むことができる。いくつかの実施態様において、ナノ小胞は、レポータータンパク質又は検出可能な標識を含む。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるナノ小胞は、検出物質によって認識されることができる1以上の物質にカップリングされる。例として、ナノ小胞は、ストレプトアビジンに結合するその能力によって検出され得るビオチンに共有結合的に連結することができる。
【0472】
ある実施態様において、ナノ小胞は、試料、好ましくは、例えば、ヒト試料由来などの生物学的起源の試料中のその存在を検出するのに有用である。生物学的試料の非限定的な例としては、血液、生検、脳脊髄液、リンパ液、尿、及び/又は非血液組織が挙げられる。ある実施態様において、生物学的試料には、ヒト患者由来の細胞又は組織が含まれる。
【0473】
したがって、いくつかの態様において、(i)対象又は生物学的試料を、検出可能な部分を含む本開示のナノ小胞と接触させる工程;(ii)該ナノ小胞を該対象又は試料と相互作用させる工程;及び(iii)該ナノ小胞を検出する工程:を含む方法が提供される。そのような方法は、インビトロの方法であっても、インビボの方法であってもよい。いくつかの実施態様において、そのような方法は、ナノ小胞を局在化する方法である。
【0474】
(6.追加の配列)
表21.本明細書に開示される追加の配列は、以下である:
【表21】
【実施例】
【0475】
(7.実施例)
以下は、本明細書に開示される方法及び組成物を示す実施例である。上で提供されている一般的な説明を考慮して、様々な他の実施態様が実施され得ることが理解される。
【0476】
(7.1 実施例1: EV産生)
N-末端からC-末端に:ターゲッティングモノボディ-リンカー1-修飾された単量体Fc-リンカー2-EphB2スキャフォールド-リンカー3-turboluc(ここで、EphB2スキャフォールドは、LBDを欠き、かつ配列番号222に関して、以下のアミノ酸置換L356A、I395A、S536E、A562S、Y822Fを含有するEphB2の残基195~905を含んでいた)を含むポリペプチドを発現する安定細胞株を作製した。完全な融合タンパク質の配列については、配列番号229を参照されたい。細胞株由来の細胞を増殖させ、EVを安定クローンの培養物の上清から単離した。具体的には、EV含有培地を回収し、示差遠心分離によって清澄化した。その後、上清を0.22umシリンジ又はボトルトップフィルターで濾過し、様々な精製工程によってさらに処理した。より大規模な生産のために、高密度培養物を灌流モードの撹拌バイオリアクター中で維持し、回収された灌流上清を予め清澄化し、0.2um中空糸フィルターが装着された交互のタンジェンシャルフロー系によって濾過した。EVを、種々の方法、典型的には、タンジェンシャルフロー濾過を伴う透析/限外濾過とフロースルーに基づくマルチモーダルクロマトグラフィー及び/又は結合溶出クロマトグラフィー工程の組合せを用いて、清澄化された馴化培地から単離及び精製した。その後、精製されたEVを下流の解析用に凍結させ、保存した。
【0477】
EV試料中の融合タンパク質の存在を確認するために、融合タンパク質をウェスタンブロットによって検出した。簡潔に説明すると、SDS-PAGEを製造元の指示に従って実施し、ウェル当たり4ugのタンパク質を含有する試料を充填した。SDS-PAGEゲルからのタンパク質を製造元の指示に従ってPVDF膜に転写した(iBlot2, Thermo)。膜を10mlの5%スキムミルクを含むPBS-T中でブロッキングし、供給元の指示に従って、抗turboluc抗体及び適切な二次抗体でプロービングした。バンドを化学発光検出によって記録した。
図13に示されているように、産生されたEVは、腔内turbolucとともに全長スキャフォールドタンパク質を含有していた。
【0478】
(7.2 実施例2: FcRn結合免疫アッセイ)
Lumit(商標) FcRn結合免疫アッセイ(Promega)アッセイを、実施例1に記載されている精製されたEV及びネイティブなHek293 EVを用いて実施した。該EVの試料並びに対照としてのヒトIgG1及びマウスIgG1を各々、連続希釈し、製造元の指示に従って、スプリットFcRn/Tracerとともにインキュベートした(Tracer及びFcRnは10倍希釈した)。検出試薬を添加し、発光をプレートリーダーで検出した。
図14Aに示されているように、実施例1に記載されている精製されたEVは、FcRnに結合することができたが、ネイティブなEVは、FcRnに結合しなかった。
図14Bに示されているように、ヒトIgG1は、FcRnに結合することができたが、マウスIgG1は、結合しなかった。
【0479】
(7.3 実施例3: FcRn親和性精製)
分泌シグナルとしてのマウスIgGκ鎖リーダー配列に続いて、(GGGGS)3(配列番号236)を介してFCGRT重鎖の成熟配列に接続された成熟B2M配列、及びC-タグを含有する組換え単鎖FcRn(scFcRn)コンストラクトをコンピュータで設計し、これを、市販のDNA合成ベンダーに合成させた。組換えscFcRnタンパク質をこのコンストラクトから産生し、精製した。その後、scFcRnタンパク質を、指示マニュアルの手順に従って、C-タグカラム(Thermo Scientific)に充填した。その後、樹脂を25mM MES pH 5.8、150mM NaClで洗浄した。
【0480】
N-末端からC-末端に:ターゲッティングモノボディ-リンカー-修飾された単量体Fc-リンカー-EphA4断片-GFPタグを含むポリペプチド(EphA4残基29~590及び配列番号215に対するF154Aのアミノ酸置換を含有する)を発現する安定細胞株を作製及び培養し、上清を回収し、清澄化し、濃縮した。回収された上清のpHをpH 5.8に調整し、その後、平衡化されたカラムに充填し、25mM MES pH 5.8、150mM NaClでさらに洗浄した。結合した試料を50mM Tris pH 7.4、150mM NaCl(逆流)で溶出させた。
【0481】
試料中の融合タンパク質の存在を確認するために、タンパク質をウェスタンブロットによって検出した。簡潔に説明すると、SDS-PAGEを製造元の指示に従って実施し、ウェル当たり4ugのタンパク質を含有する試料を充填した。SDS-PAGEゲルからのタンパク質を製造元の指示に従ってPVDF膜に転写した(iBlot2, Thermo)。膜を10mlの5%スキムミルクを含むPBS-T中でブロッキングし、供給元の指示に従って、抗EphA4抗体(ECM Biosciences、カタログ番号EM2801)及び適切な二次抗体でプロービングした。バンドを化学発光検出によって記録した。
図15に示されているように、溶出試料は、EphA4シグナルの濃縮を示した。
【0482】
(7.4 実施例4:ターゲッティング及びmRNA送達)
Cre mRNA(Trilink)がローディングされた脂質ナノ粒子を製造元の指示に従ってNanoassemblrマイクロ流体系で調製した。所望の製剤に応じて、イオン化可能脂質(例えば、MC3)、双性イオン脂質(例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルグリセロホスホコリン(DOPC)、膜完全性を提供する成分(例えば、ステロール、例えば、コレステロール)、及びコンジュゲートされた脂質分子(例えば、PEG-脂質、例えば、2000の平均PEG分子量を有する1-(モノメトキシ-ポリエチレングリコール)-2,3-ジミリストイルグリセロール(「PEG-DMG」))からなる脂質製剤を調製した。さらに、水性mRNA溶液をpH 4.0の25mM酢酸緩衝剤中に調製した。各々の製剤について、水性mRNA溶液を3:1(Aq:Et)の流量比のエタノール-脂質溶液と室温で混合した。
【0483】
エクソソーム産生のために、2つの安定細胞株を作製した。第一の細胞株は、EphA2のエンドドメイン(残基581~976まで伸長し、かつ配列番号213に関して、アミノ酸置換Y588F及びY594Fを有する)に連結された、抗EphA2 scFv-リンカー-EphB4断片(EphB4の残基195~579まで伸長し、LBDを欠き、かつ配列番号224に関して、L355A、V393A、S531E、及びA595Sのアミノ酸置換を有する)を含んでいた。第二の細胞株は、第一の細胞株と同じスキャフォールドタンパク質を含んでいたが、scFvが抗CD64 scFvと置き換えられていた。細胞を灌流モードの撹拌バイオリアクター中で増殖させ、エクソソーム単離を、タンジェンシャルフロー濾過、それに続いて、引用により完全に本明細書中に組み込まれる、Nordinらの文献、Methods in Molecular Biology, vol 1953. Humana Press, New York, NY(2019)に記載されているCaptocore 700液体クロマトグラフィーによって実施した。
【0484】
CMVプロモーター下で「LoxP-GFP-stop-LoxP-RFP」カセットを発現する市販のヒト胎児腎臓細胞(HEK-293T)(Gen target社)は、EphA2受容体を発現することがフローサイトメトリーによって確認された。非標的化ナノ小胞(抗CD64 scFvを提示する)と対比した、その表面に抗EphA2 scfvを提示する標的化ナノ小胞の送達の効率をCre mRNAの送達によってアッセイした。機能的Cre mRNAの送達に成功すれば、Cre mRNAは、Creタンパク質に翻訳されることになり、これが核に入って、flox化された終止コドンを切り出し、RFP発現を作動させることになる。送達効率を試験するために、HEK-293T細胞(2×104個/ウェル)を96-ウェルプレートに播種し、それぞれ、100ng、50ng、5ng、0.05、及び0.01ngのCre mRNAで48時間トランスフェクトした。トランスフェクションは、米国特許出願公開2016/0354313 A1号に概説されているようにエクソソームを脂質ナノ粒子と融合させることにより作製されたハイブリドソームを用いて媒介された。比較として、さらなるHEK-293T細胞を脂質ナノ粒子(LNP)でトランスフェクトした。
【0485】
48時間後、細胞を剥離させ、GFP/RFP発現をフローサイトメトリー(CytoFlex)によって検出した。機能的Cre mRNAの送達が起こった、RFP+であった細胞のパーセンテージは、
図16に示されている。抗EphA2 scfvは、機能的Cre mRNAの送達を1桁改善した。
【0486】
(7.5 実施例5: SH2に基づく内腔ローディング)
図17Aに示されているようなレンチウイルスのポリシストロン性コンストラクトを構築した。該コンストラクトを含む安定細胞株を作製した。該安定細胞株は、該コンストラクトから2つのタンパク質:(1)ターゲッティングモノボディ、単量体Fc(monoFC)、リガンド結合ドメイン(LBD)を欠くEphB2の柔軟なドメイン、EphB2の膜貫通ドメイン(TM)、EphA2の膜近傍(JM)ドメイン、及びEphA2のキナーゼドメイン(KD)を含む融合タンパク質;並びに(2)N-末端からC-末端に:ルシフェラーゼ、リンカー、SOCS2のSH2ドメイン、リンカー、及びSBX100(スリーピングビューティートランスポザーゼ)(turboluc-SH2-SBXと呼ばれる)を含む融合タンパク質を発現した。
【0487】
その後、これらのプロデューサー細胞由来のEVを安定細胞株の馴化培地から精製した。EV精製後、ルシフェラーゼ、SOCS2のSH2ドメイン、及びSBX100(スリーピングビューティートランスポザーゼ)を含む融合タンパク質の存在をウェスタンブロットによって確認した。ウェスタンブロットをルシフェラーゼに対する抗体(thermo PA1-178)で免疫ブロットした。
図17Bは、turboluc-SH2-SBXタンパク質がEV溶解物中に存在したことを示している。
【0488】
turboluc-SH2-SBXタンパク質がEVの内腔にあることを確認するために、改変されたEVをトリプシンで37℃で30分間処理するか、又はPBS中、37℃でインキュベートした。試料を室温まで冷却させておき、ルシフェラーゼ活性を製造元の指示に従ってTurboLuc(商標)ルシフェラーゼOne-Step Glowアッセイキットによって測定した。
図17Cは、トリプシンで処理されたEVがルシフェラーゼ活性を保持したことを示している。トリプシンは膜不透過性であり、turboluc-SH2-SBXタンパク質が保護されたので、このデータは、turboluc-SH2-SBXタンパク質がEVの内腔に存在することを示した。
【0489】
(7.6 実施例6:修飾されたFcハイブリドソームのIV投与後の血液クリアランス)
エクソソームは、非常に短い半減期及び循環時間を有すると考えられる。実施例1に記載されているEphB2スキャフォールドを含むハイブリドソームの血液クリアランスを試験するために、免疫応答性のSKH1ヌードマウス(6~8週齢、n=6/群)に、DNAがローディングされたナノ粒子又はハイブリドソーム(0.5mg/kg)を静脈内注射した。DNAカーゴは、プロモーター、レポーター導入遺伝子、及びBGHポリ(A)をコードしていた。脂質ナノ粒子を製造元の指示に従ってNanoassemblr(商標)マイクロ流体系(Precision NanoSystems)で調製した。投与後21日目に、動物に再投与した。血液クリアランスをモニタリングするために、それぞれ、3、6、21(2回目の投与の前)、及び24日目に、20マイクロリットルの血液を尾静脈から採血し、血漿にまで処理した。2マイクロリットルの希釈した血漿をTaqman qPCRアッセイで用いて、同じプレート上の標準曲線と比較することにより、DNA配列、具体的には、BGHポリA配列を定量した。未処置のマウス血漿由来のDNAの回収効率は、DNAベクターをマウス血漿に添加することにより決定した。
図18に示されているように、EphB2スキャフォールドタンパク質に融合されたターゲッティングモノボディ-修飾されたFcドメインを含むハイブリドソームは、投与から6日後のマウス血漿中で検出することができたが、同じ日に、血漿コピー数は、LNP処置群について検出限界未満であった。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
【国際調査報告】