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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】酵素床洗浄組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/386 20060101AFI20240321BHJP
   C11D 1/12 20060101ALI20240321BHJP
   C11D 1/90 20060101ALI20240321BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20240321BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20240321BHJP
   C11D 1/722 20060101ALI20240321BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20240321BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20240321BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20240321BHJP
   C11D 1/94 20060101ALI20240321BHJP
   C11D 3/40 20060101ALI20240321BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20240321BHJP
   C11D 3/43 20060101ALI20240321BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
C11D3/386
C11D1/12
C11D1/90
C11D1/68
C11D1/72
C11D1/722
C11D1/75
C11D3/48
C11D1/62
C11D1/94
C11D3/40
C11D3/50
C11D3/43
C11D17/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562868
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 US2022025035
(87)【国際公開番号】W WO2022221670
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】63/201,162
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】デリック アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】エリック シー.オルソン
(72)【発明者】
【氏名】ウェンディ ロー
(72)【発明者】
【氏名】メリッサ マルティネス-クロウリー
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB27
4H003AC05
4H003AC08
4H003AD04
4H003AE05
4H003BA12
4H003DA05
4H003DA06
4H003DA08
4H003DA13
4H003DB01
4H003DC02
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB14
4H003EC01
4H003EC02
4H003EC03
4H003ED02
4H003ED28
4H003FA04
4H003FA34
(57)【要約】
【課題】本開示は、硬質表面洗浄組成物、硬質表面洗浄組成物を作製する方法、及び硬質表面洗浄組成物を使用する方法に関する。
【解決手段】硬質表面洗浄組成物は、酵素性であり、pHが中性に近い。特に、硬質表面洗浄組成物は、低い表面自由エネルギーを有する表面を洗浄するために、低減された表面張力を有する。好ましくは、硬質表面洗浄組成物は、多様な表面上で低い接触角を有する。好ましい実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、殺生物剤を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酵素硬質表面洗浄組成物であって、前記組成物は、
アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤のうちの一つ又は複数を含む、界面活性剤ブレンドであって、前記アニオン性界面活性剤が、硫酸化、スルホン化、及び/又はカルボキシル化されており、前記両性界面活性剤が、アミンオキシド、ベタイン、スルタイン、又はそれらの混合物を含み、前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、直鎖状若しくは分岐状アルコキシレート、及び/又はEO/POコポリマーを含む、界面活性剤ブレンドと、
酵素と、
水と、を含み、
前記組成物が、約5.5~約10のpHを有する、酵素硬質表面洗浄組成物。
【請求項2】
前記両性界面活性剤が、直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル化若しくは非アルコキシル化C8~C18アミンオキシド、アミドベタイン、又はそれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤ブレンド、前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、C8~C18直鎖状若しくは分岐状アルキルアルコキシル化界面活性剤、又はそれらの混合物である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、殺生物剤を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記殺生物剤が、約2個の炭素~約12個の炭素のR基を有するジ-アルキル鎖四級アンモニウム化合物又はその塩を含み、前記塩が、バイカーボネート、カルボキシレート、塩化物、カーボネート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、ポリカルボキシレート、又はそれらの組み合わせである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記界面活性剤ブレンドが、アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤と、を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、約0.01重量%~約15重量%の前記非イオン性界面活性剤、約1重量%~約30重量%の前記両性界面活性剤、約0.02重量%~約10重量%の前記殺生物剤、及び約0.1重量%~約30重量%の前記酵素、又はそれらの混合物を有する、濃縮組成物である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記アニオン性界面活性剤が、直鎖状若しくは分岐状C8~22アルキルベンゼンスルホネート、アルファオレフィンスルホネート、C8~C18直鎖状若しくは分岐状アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、又はそれらの混合物を含む、請求項1、2、又は6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、約1重量%~約30重量%の前記アニオン性界面活性剤、約1重量%~約30重量%の前記両性界面活性剤、及び約0.1重量%~約30重量%の前記酵素を有する、濃縮組成物である、請求項1、2、6、又は8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、約1ppm~約10,000ppmの前記非イオン性界面活性剤、約25ppm~約10,000ppmの前記両性界面活性剤、及び約25ppm~約25,000ppmの前記酵素を有する、すぐに使用できる洗浄組成物である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、約25ppm~約10,000ppmの前記アニオン性界面活性剤、約25ppm~約10,000ppmの前記両性界面活性剤、及び約25ppm~約25,000ppmの前記酵素を有する、すぐに使用できる洗浄組成物である、請求項1、2、6、又は8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
硬質表面酵素消毒組成物であって、前記組成物は、
非イオン性界面活性剤であって、前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、直鎖状若しくは分岐状アルコキシレート、EO/POコポリマー、又はそれらの混合物を含み、前記組成物が、アニオン性界面活性剤を含まない、非イオン性界面活性剤と、
殺生物剤と、
酵素と、
水と、を含み、
前記組成物が、約6.5~約10.5のpHを有する、硬質表面酵素消毒組成物。
【請求項13】
前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシドとC8~C18直鎖状又は分岐状アルキルアルコキシル化界面活性剤との混合物を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記殺生物剤が、約2つの炭素~約12個の炭素のR基を有するジ-アルキル鎖四級アンモニウム化合物又はその塩を含み、前記塩が、バイカーボネート、カルボキシレート、塩化物、カーボネート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、ポリカルボキシレート、又はそれらの組み合わせである、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項15】
前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、及び直鎖状又は分岐状アルコキシレートを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、約0.01重量%~約15重量%の前記非イオン性界面活性剤、約0.02重量%~約10重量%の前記殺生物剤、及び約0.1重量%~約30重量%の前記酵素を有する、濃縮組成物である、請求項12~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、約5ppm~約25,000ppmの前記非イオン性界面活性剤、約1ppm~約10,000ppmの前記殺生物剤、及び約5ppm~約25,000ppmの前記酵素を有する、RTU組成物である、請求項12~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、染料、金属イオン封鎖剤、香料、酸化剤、pH調整剤、溶媒、水調整剤、又はそれらの混合物を更に含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、約7~約10のpHを有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、約0.01重量%~約10重量%の濃度で前記水調整剤を更に含む、濃縮組成物である、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が、約0.1ppm~約500ppmの前記水調整剤を有する、すぐ使用できる洗浄組成物を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が、約28ダイン未満の表面張力を有する、請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、グルコナーゼ、又はそれらの混合物である、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
硬質表面を洗浄する方法であって、
前記硬質表面を請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物と接触させることを含み、前記表面が、汚れを含み、前記表面から前記汚れのうちの少なくとも50%が除去され、前記組成物が、前記表面上で約50°未満の表面接触角を有する、方法。
【請求項25】
前記硬質表面をすすぐことを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物を前記硬質表面上で乾燥させる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記接触させることが、前記硬質表面を前記硬質表面洗浄組成物でスプレーすること、拭くこと、注ぐこと、及び/又はモップ掛けすることによって実施される、請求項24~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記硬質表面が、排水管、シャワー、シンク、トイレ、浴槽、天板、窓、鏡、及び床のうちの一つ又は複数を含む、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
硬質表面を消毒する方法であって、
前記硬質表面を請求項1~5、7、10、又は12~23のいずれか一項に記載の組成物と接触させることを含み、前記硬質表面が、微生物集団を含み、前記組成物が、前記表面上で約50°未満の表面接触角を有する、方法。
【請求項30】
前記硬質表面をすすぐことを更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記接触させることが、前記硬質表面を前記硬質表面洗浄組成物でスプレーすること、拭くこと、注ぐこと、及び/又はモップ掛けすることによって実施される、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記硬質表面が、排水管、シャワー、シンク、トイレ、浴槽、天板、窓、鏡、及び床のうちの一つ又は複数を含む、請求項29~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記組成物が、前記接触させるステップの後に、少なくとも約5分間の間、前記表面上に静置される、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記組成物が、約5分~約2時間の間、前記表面上に静置される、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記微生物集団が、少なくとも約99.9%低減される、請求項29~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記硬質表面が、汚れを含み、前記表面から前記汚れのうちの少なくとも50%が除去される、請求項29~34のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本出願は、「ENZYMATIC FLOOR CLEANING COMPOSITION」と題された2021年4月15日出願の米国仮出願第63/201,162号に関し、米国特許法第119号の下、優先権を主張し、本特許出願の全容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、硬質表面洗浄組成物に関する。特に、低い表面自由エネルギーを有する表面を洗浄するために、低減された表面張力を有する硬質表面洗浄組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
新しい表面材料及びコーティング、特にエネルギー効率のよい材料及びコーティングの開発は、汚れの洗浄についてのより大きな困難を生じている。多くの表面は、より疎水性であり、現在ではより低い表面自由エネルギーを有しており、それが、汚れを除去することをより困難にしている。更なる複雑さは、ある特定の状況において、複数の種類の表面及び汚れが、単一の場所で遭遇することである。例えば、レストランでは、台所、食事エリア、及び入口の床は大きく異なり得、汚れが、靴、食品汚れ、又は調理汚れによって持ち込まれるかにどうかかかわらず、それらの領域で遭遇する汚れは、大きく異なり得る。歴史的に、表面及び汚れの種類におけるそのような区別は、異なる領域及び異なる汚れに対して異なる洗浄組成物を必要としてきた。
【0004】
酵素の使用はまた、洗浄組成物の有効性を大幅に向上させ得る。しかしながら、酵素はタンパク質であるので、それらの効力は、界面活性剤及び塩によって大きく影響を受け得る。界面活性剤及び塩の両方は、酵素の変性を引き起こし得るか、又は全ての効力を喪失する点まで効力を喪失するほど十分に立体構造を変化させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、変動する表面種類に対して有用であり、複数の種類の汚れを除去するのに有用である、洗浄組成物を開発することが、本開示の目的である。
【0006】
本開示の更なる目的は、低い表面自由エネルギーを有する表面から汚れを除去することができる、酵素を含む洗浄組成物及び方法の開発である。
【0007】
本開示の他の目的、利点、及び特徴は、添付の図面と併せて以下の明細書から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に記載の硬質表面洗浄組成物は、低減された表面張力を有し、酵素及び/又は殺生物剤を含むので、有利である。本明細書に記載の硬質表面洗浄組成物が、複数の表面の種類を洗浄し、複数の汚れの種類を除去するのに特に好適であることは、本明細書に記載の技術の利点である。本明細書に記載の洗浄組成物のなお更なる利点は、それらが低い表面自由エネルギーを有する表面を濡らすことが可能であることである。更に別の利点は、ある特定の実施形態が、非食品消毒効果も提供することである。
【0009】
好ましい実施形態は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤のうちの一つ又は複数を含む界面活性剤ブレンド、酵素、及び水で構成される、酵素硬質表面洗浄組成物である。好ましくは、組成物は、約5.5~約10のpHを有する。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、硫酸化、スルホン化、及び/又はカルボキシル化されており、両性界面活性剤は、アミンオキシド、ベタイン、スルタイン、又はそれらの混合物を含み、非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、直鎖状若しくは分岐状アルコキシレート、及び/又はEO/POコポリマーを含む。硬質表面洗浄組成物は、濃縮組成物又は使用溶液であり得る。濃縮硬質表面組成物は、固体又は液体であり得る。
【0010】
好ましい実施形態では、酵素硬質表面洗浄組成物は、酵素と、殺生物剤と、水と、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤ブレンドと、を含む。好ましくは、組成物は、約5.5~約10のpHを有する。好ましくは、両性界面活性剤は、アミンオキシド、ベタイン、スルタイン、又はそれらの混合物を含み、非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、直鎖状若しくは分岐状アルコキシレート、及び/又はEO/POコポリマーを含む。
【0011】
好ましい実施形態では、酵素硬質表面洗浄組成物は、酵素と、水と、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤ブレンドと、を含む。好ましくは、組成物は、約5.5~約10のpHを有する。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、硫酸化、スルホン化、及び/又はカルボキシル化されており、非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、直鎖状若しくは分岐状アルコキシレート、及び/又はEO/POコポリマーを含む。
【0012】
好ましい実施形態は、非イオン性界面活性剤、殺生物剤、酵素、及び水で構成される、硬質表面酵素消毒組成物である。好ましくは、組成物は、約6.5~約10.5のpHを有する。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、直鎖状若しくは分岐状アルコキシレート、EO/POコポリマー、又はそれらの混合物を含む。好ましくは、組成物は、アニオン性界面活性剤を含まない。硬質表面洗浄組成物は、濃縮組成物又は使用溶液であり得る。濃縮硬質表面組成物は、固体又は液体であり得る。
【0013】
好ましい実施形態では、硬質表面酵素消毒組成物は、非イオン性界面活性剤ブレンドと、殺生物剤と、酵素と、水と、を含む。好ましくは、組成物は、約6.5~約10.5のpHを有する。好ましくは、非イオン性界面活性剤ブレンドは、アルキルポリグリコシド、及び直鎖状又は分岐状アルコキシレートを含む。好ましくは、組成物は、アニオン性界面活性剤を含まない。好ましくは、殺生物剤は、約2つの炭素~約12個の炭素のR基を有するジ-アルキル鎖四級アンモニウム化合物又はその塩を含み、塩が、バイカーボネート、カルボキシレート、塩化物、カーボネート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、ポリカルボキシレート、又はそれらの組み合わせである。硬質表面洗浄組成物は、濃縮組成物又は使用溶液であり得る。濃縮硬質表面組成物は、固体又は液体であり得る。
【0014】
本開示はまた、液体及び固体組成物、濃縮組成物及び使用溶液を調製する方法を含む、硬質表面洗浄組成物を調製する方法について記載する。
【0015】
本開示はまた、硬質表面を洗浄する方法であって、硬質表面を硬質表面洗浄組成物と接触させることを含む、方法について記載する。好ましい実施形態では、硬質表面は、硬質表面洗浄組成物との接触後にすすがれ得る。
【0016】
複数の実施形態が開示されているが、なお他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示しかつ記載する以下の詳細な記載、実施例、及び添付の図面から、当業者には明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本来例示的なものであり、限定的なものではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】様々な市販の洗浄剤の動的表面張力の比較を示す。
図2】水と比較した場合の、汚れたビニルタイル上の、赤色汚れ組成物の除去によって示される油脂性汚れ除去、及び黒色汚れ組成物の除去によって示される炭化水素及びすす汚れ除去に対する、様々な洗浄組成物の効力の比較を示す。
図3】異なる温度条件下、具体的には室温、40℃、及び50℃で最大8週間の間貯蔵した場合の酵素の経時的安定性を示す。
図4】黒色汚れ組成物の除去によって示される炭化水素及びすす汚れ除去に対する、異なる濃度の様々な洗浄組成物の効力の比較を示す。
図5A】20時間浸漬後の油脂汚れの除去に関する、市販の酵素洗浄剤、市販のアルカリ洗浄剤、及び本発明の酵素洗浄剤の効力の比較を示す。
図5B】20時間浸漬後のタイルの比較の例を示す。
図6A】20時間浸漬後の油脂及び軽度タンパク質性汚れの除去に関する、異なる濃度での市販の酵素洗浄剤及び本発明の酵素洗浄剤の効力の比較を示す。
図6B】20時間浸漬後のタイルの比較の例を示す。
図7A】20時間浸漬後の油脂及び中程度タンパク質性汚れの除去に関する、異なる濃度での市販の酵素洗浄剤及び本発明の酵素洗浄剤の効力の比較を示す。
図7B】20時間浸漬後のタイルの比較の例を示す。
図8A】約2年間の使用を模倣するために、水に730回浸した後の0gpgの水硬度での例示的な床洗浄剤組成物の化学残留物を示す。
図8B】約2年間の使用を模倣するために、水に730回浸した後の5gpgの水硬度での例示的な床洗浄剤組成物の化学残留物を示す。
図8C】約2年間の使用を模倣するために、水に730回浸した後の17gpgの水硬度での例示的な床洗浄剤組成物の化学残留物を示す。
図9A】pH8.0の17gpgの硬度を有する水に100回浸した後の、添加剤を含まない例示的な床洗浄剤組成物の硬水耐性を示す。
図9B】pH9.25の17gpgの水硬度で350ppmのトリエタノールアミン及び500ppmのシトレートを含む、例示的な床洗浄剤組成物の硬水耐性を示す。
図9C】pH9.25の17gpgの水硬度で350ppmのトリエタノールアミンを含む、例示的な床洗浄剤組成物の硬水耐性を示す。
図10】様々な貯蔵条件及び貯蔵時間下での保持された酵素のパーセントを示す表7のグラフである。
図11A】中性pHでの20時間の静的浸漬後の油脂の除去に関する、市販の非酵素アルカリ洗浄剤の効力を示す写真を示す。
図11B】中性pHでの20時間の静的浸漬後の油脂の除去に関する、本明細書に開示の酵素洗浄剤の効力を示す写真を示す。
図11C】中性pHでの20時間の静的浸漬後の油脂の除去に関する、市販の酵素洗浄剤の効力を示す写真を示す。
図11D】中性pHでの20時間の静的浸漬後の油脂の除去に関する、異なる市販の酵素洗浄剤の効力を示す写真を示す。
図12A】2時間の静的浸漬後の油脂及びタンパク質の除去に関する、市販の非酵素アルカリ洗浄剤の効力を示す写真を示す。
図12B】2時間の静的浸漬後の油脂及びタンパク質の除去に関する、本明細書に開示の酵素洗浄剤の効力を示す写真を示す。
図12C】2時間の静的浸漬後の油脂及びタンパク質の除去に関する、市販の酵素洗浄剤の効力を示す写真を示す。
図12D】2時間の静的浸漬後の油脂及びタンパク質の除去に関する、異なる市販の酵素洗浄剤の効力を示す写真を示す。
図13A】30分浸漬後の油脂(左試料)及び3時間浸漬後のタンパク質(右試料)の除去に関する、市販の非酵素アルカリ洗浄剤の効力を示す写真を示す。
図13B】30分間浸漬後の油脂(左試料)及び3時間浸漬後のタンパク質(右試料)の除去に関する、本明細書に開示の酵素洗浄剤の効力を示す写真を示す。
図13C】30分浸漬後の油脂(左試料)及び3時間浸漬後のタンパク質(右試料)の除去に関する、市販の酵素洗浄剤の効力を示す写真を示す。
【0018】
本発明の様々な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。様々な実施形態への言及は、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書に表される図は、本発明による様々な実施形態を限定するものではなく、本発明の例示的な例証のために提示される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、表面張力が低減された硬質表面洗浄組成物、並びにそれを作製及び使用する方法に関する。本明細書に記載の硬質表面洗浄組成物は、既存の硬質表面洗浄組成物を上回る多くの利点を有する。例えば、低減された表面張力を有する硬質表面洗浄組成物は、低い表面自由エネルギーを有する表面を洗浄するのに好適である。更に、硬質表面洗浄組成物は、多様な表面を洗浄するのに有効であり、多様な種類の汚れを除去するのに有効である。
【0020】
本発明の実施形態は、特定の硬質表面又は汚れに限定されず、様々なものであり得、かつ当業者によって理解される。本明細書で使用される全ての専門用語は、単に特定の実施形態を記載する目的のものであり、いかなる様式又は範囲にも限定することが意図されないことが更に理解されるものである。例えば、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が別段明らかに示さない限り、複数形の指示対象を含み得る。更に、全ての単位、接頭辞、及び記号は、そのSIによって認められた形式で示され得る。
【0021】
本明細書内に列挙される数値範囲は、範囲を定義する数を含み、定義される範囲内の各整数を含む。本開示全体を通じて、本発明の様々な態様が、範囲形式で提示されている。範囲形式における記載は、単に便宜性及び簡潔性のためのものであり、本発明の範囲に対する堅固な限定として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の記載は、その範囲内の全ての可能性のある部分範囲、分数、及び個々の数値について具体的に開示しているとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、その範囲内の1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、並びに個々の数字、例えば、1、2、3、4、5、及び6、並びに小数及び分数、例えば、1.2、3.8、1と1/2、及び4と3/4を具体的に開示しているとみなされるべきである。これは、範囲の幅にかかわらず、適用される。
【0022】
本明細書における元素への言及は、それらの酸化状態及び同位体のいずれか又は全てを包含するように意図される。例えば、アルミニウムの考察には、Al、AlII、又はAlIIIが含まれ、ホウ素への言及にはその同位体のいずれか、すなわちB、B、B、B、10B、11B、12B、13B、14B、15B、16B、17B、18B、及び19Bが含まれ得る。
【0023】
定義
本発明をより容易に理解することができるように、ある特定の用語をまず定義する。別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の実施形態が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様であるか、修正されているか、又は同等である多くの方法及び材料は、不要な実験を行うことなく本発明の実施形態の実施に使用することができ、好ましい材料及び方法が本明細書に記載されている。本発明の実施形態を記載及び特許請求することでは、以下に記載の定義に従って以下の専門用語が使用されるであろう。
【0024】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、これらに限定されないが、質量、体積、時間、濃度、温度、モル数、鎖の数、反射率、汚れ除去、表面接触角、表面自由エネルギー、及び粘度を含む、任意の定量化可能な変数に関して、例えば典型的な測定技法及び機器を通じて行われ得る、数的な定量化における変動を指す。更に、現実世界で使用される固体及び液体の取り扱い手順を考慮すると、組成物を作製するか、又は方法などを実行するために使用される成分の製造、供給源、若しくは純度における差を通じた可能性が高い、ある特定の不注意による誤差及び変動が存在する。「約」という用語はまた、これらの変動を包含する。「約」という用語によって修飾されるか否かにかかわらず、特許請求の範囲には、その量に対する等価物が含まれる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「類似体」という用語は、分子の分子誘導体を意味する。用語は、「構造類似体」又は「化学類似体」という用語と同義である。
【0026】
本明細書で使用される場合、「オリゴマー」という用語は、1~10個のモノマー単位で構成される分子複合体を指す。例えば、二量体、三量体、及び四量体は、オリゴマーとみなされる。更に、別段に具体的に限定されない限り、「オリゴマー」という用語は、これらに限定されないが、アイソタクチック、シンジオタクチック及びランダム対称、並びにそれらの組み合わせを含む、分子の全ての可能な異性体配置を含むものとする。更に、別段に具体的に限定されない限り、「オリゴマー」という用語は、分子の全ての可能な幾何学的配置を含むものとする。
【0027】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、10以上のモノマー単位で構成される分子複合体を指し、一般に、これらに限定されないが、ホモポリマー、コポリマー、例えばブロック、グラフト、ランダム及び交互コポリマーなど、ターポリマー、並びにより高次の「x」量体を含み、それらの類似体、誘導体、組み合わせ及びそのブレンドを更に含む。更に、別段に具体的に限定されない限り、「ポリマー」という用語は、これらに限定されないが、アイソタクチック、シンジオタクチック、及びランダム対称、並びにそれらの組み合わせを含む、分子の全ての可能な異性体構造を含むものとする。更に、別段に具体的に限定されない限り、「ポリマー」という用語は、分子の全ての可能な幾何学構造を含むものとする。
【0028】
本発明の方法及び組成物は、本明細書に記載の他の成分と同様に、本発明の構成成分及び成分を含み得るか、それらから本質的になり得るか、又はそれらからなり得る。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」とは、追加のステップ、構成成分、又は成分が、特許請求される方法、システム、装置、及び組成物の基本的かつ新規の特徴を物質的に変更しない場合にのみ、方法、システム、装置、及び組成物が、追加のステップ、構成成分、又は成分を含み得ることを意味する。
【0029】
「有効性(actives)」又は「有効性パーセント(percent actives)」又は「有効性重量パーセント(percent by weight actives)」又は「有効性濃度(actives concentration)」という用語は、本明細書では互換的に使用され、水又は塩などの不活性成分を差し引いた洗浄に関与するそれらの成分のパーセンテージとして表される濃度を指す。例えば、「化学物質(10%)」のように、括弧内のパーセンテージで示されることもある。
【0030】
本明細書で使用される場合、「アルキル」又は「アルキル基」という用語は、一つ又は複数の炭素原子を有する飽和炭化水素を指し、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなど)、環式アルキル基(又は「シクロアルキル」若しくは「脂環式」若しくは「炭素環式」基)(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなど)、分岐鎖アルキル基(例えば、イソプロピル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソブチルなど)、及びアルキル置換アルキル基(例えば、アルキル置換シクロアルキル基及びシクロアルキル置換アルキル基)が挙げられる。
【0031】
別段に指定されない限り、「アルキル」という用語は、「非置換アルキル」及び「置換アルキル」の両方を含む。本明細書で使用される場合、「置換アルキル」という用語は、炭化水素骨格の一つ又は複数の炭素上の一つ又は複数の水素を置換する置換基を有するアルキル基を指す。そのような置換基としては、例えば、アルケニル、アルキニル、ハロゲノ、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイドを含む)、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、複素環式、アルキルアリール、又は芳香族(複素芳香族を含む)基を挙げることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、置換アルキルとしては、複素環式基を挙げることができる。本明細書で使用される場合、「複素環式基」という用語は、環中の炭素原子のうちの一つ又は複数が炭素以外の元素、例えば、窒素、硫黄、又は酸素である炭素環式基に類似の閉環構造を含む。複素環式基は、飽和又は不飽和であり得る。例示的な複素環式基としては、これらに限定されないが、アジリジン、エチレンオキシド(エポキシド、オキシラン)、チイラン(エピスルフィド)、ジオキシラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ジオキセタン、ジチエタン、ジチエト、アゾリジン、ピロリジン、ピロリン、オキソラン、ジヒドロフラン、及びフランが挙げられる。
【0033】
四級アンモニウム化合物に関して、「アルキル」又は「アルキル基」という用語は、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなど)、好ましくはオクチル及びデシルアルキル基を含む、一つ又は複数の炭素原子を有する飽和炭化水素のみを指す。本明細書に記載の四級アンモニウム化合物のアルキル基としては、好ましくはアルキル及びジアルキル基が挙げられる。
【0034】
「再堆積防止剤」は、洗浄されている物体上に再堆積する代わりに、水中に懸濁されたままであることを助ける化合物を指す。再堆積防止剤は、洗浄されている表面上への除去された汚れの再堆積の低減を補助するために、本発明において有用である。
【0035】
「ポリオールエステル」という用語は、少なくとも2つのヒドロキシルを含有する有機化合物と少なくとも1つのカルボン酸とのエステルを指す。
【0036】
「重量パーセント(weight percent)」、「重量%(wt.%)」、「重量%(wt-%)」、「重量パーセント(percent by weight)」、「重量%(%by weight)」という用語、及びそれらの変形は、本明細書で使用される場合、その物質の重量を組成物の総重量によって除し、100を乗じた物質の濃度を指す。
【0037】
本明細書で使用される場合、「洗浄」という用語は、汚れ除去を促進するか又は助けるために使用される方法を指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、「食品加工表面」という語句は、食品加工、調理、又は貯蔵活動の一部として用いられる、ツール、機械、機器、構造物、建造物などの表面を指す。食品加工表面の例としては、食品加工又は調理機器(例えば、水路を含む、スライス機器、缶詰機器、又は輸送機器)の表面、食品加工用品(例えば、用具、食器、洗浄用品(wash ware)、及びバーガラスの表面、及び食品加工が行われる構造物の床、壁、又は固定具の表面が挙げられる。食品加工表面は、食品腐敗防止空気循環システム、無菌包装消毒、食品冷蔵及びクーラーの洗浄剤及び消毒剤、用品洗浄(warewashing)消毒、漂白剤洗浄及び消毒、食品包装材、まな板添加剤、サードシンク(third-sink)消毒、飲料冷却機及び加温機、肉の冷却又は熱湯処理の水、自動食器消毒剤、消毒ゲル、冷却塔、食品加工用抗微生物衣服スプレー、並びに非水性~低水性食品調理潤滑剤、油、並びにすすぎ添加剤中に見出され、用いられる。
【0039】
本明細書で使用される場合、「食品製品」という語句は、抗微生物剤又は組成物での処理を必要とし得、かつ更なる調理の有無にかかわらず食用可能である、任意の食品物質を含む。食品製品としては、肉(例えば、赤身の肉及び豚肉)、シーフード、鶏肉、農産物(例えば、果物及び野菜)、卵、有精卵、卵製品、すぐに食べられる食品、小麦、種子、根、塊茎、葉、茎、トウモロコシ、花、芽、調味料、又はそれらの組み合わせが挙げられる。「農産物」という用語は、典型的には、未調理で、多くの場合、未包装で販売されており、時には生食され得る、果物及び野菜並びに植物又は植物由来材料などの食品製品を指す。
【0040】
「一般に安全と認められる」又は「generally recognized as safe、GRAS」という用語は、本明細書で使用される場合、食品医薬品局によって、人による直接的な食品消費に安全であるか、又は例えば、21 C.F.R.Chapter 1、§170.38及び/若しくは570.38で定義される、使用の現在の優良製造規範の条件に基づく成分に分類されている構成成分を指す。
【0041】
「硬質表面」という用語は、天板、タイル、床、壁、パネル、窓、配管固定具、台所及び浴室の家具、電化製品、エンジン、回路基板、皿、間仕切り、手すり、並びにテーブルなどの固体の実質的に非可撓性の表面を指す。硬質表面としては、例えば、ヘルスケア表面及び食品加工表面を挙げることができる。
【0042】
本明細書で使用される場合、「ヘルスケア表面」という語句は、ヘルスケア活動の一部として用いられる、器具、デバイス、カート、ケージ、家具、構造物、建造物などの表面を指す。ヘルスケア表面の例としては、医療用若しくは歯科用器具、医療用若しくは歯科用デバイス、患者の健康状態を監視するために用いられる電子装置、及びヘルスケアが行われる構造物の床、壁、又は固定具の表面が挙げられる。ヘルスケア表面は、病院、手術室、医務室、出産室、葬儀場、及び臨床診断室において見出される。これらの表面は、「硬質表面」として代表されるもの(壁、床、差し込み便器など)、又は布地表面、例えばニット、織布、及び不織布表面(手術用衣服、カーテン、ベッドリネン、包帯など)、又は患者ケア機器(呼吸器、診断機器、シャント、ボディスコープ、車椅子、ベッドなど)、又は手術及び診断機器であり得る。ヘルスケア表面としては、動物ヘルスケアにおいて用いられる物品及び表面が挙げられる。
【0043】
本明細書で使用される場合、「器具」という用語は、本発明の方法によって処理された組成物によって浄化することにより利益を得ることができる、様々な医療用若しくは歯科用器具又はデバイスを指す。
【0044】
本明細書で使用される場合、「肉製品」という語句は、動物を形成する屠体、筋肉、脂肪、臓器、皮膚、骨、及び体液などの構成成分を含む、動物の肉の全ての形態を指す。動物の肉としては、これらに限定されないが、哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類、両生類、巻貝、二枚貝、甲殻類、ロブスター、カニなどの他の食用種の肉、又は他の形態のシーフードが挙げられる。動物の肉の形態としては、例えば、動物の肉の全部又は一部を単独で又は他の成分と組み合わせたものが挙げられる。典型的な形態としては、例えば、塩漬肉、切断及び成形された製品、ミンチ製品、細挽き製品、ひき肉及びひき肉を含む製品、全製品などの加工肉が挙げられる。
【0045】
本明細書で使用される場合、「医療用器具」、「歯科用器具」、「医療用デバイス」、「歯科用デバイス」、「医療用機器」、又は「歯科用機器」という語句は、医薬又は歯科において使用される、器具、デバイス、ツール、電化製品、装置、及び機器を指す。そのような器具、デバイス、及び機器は、冷滅菌、浸漬、若しくは洗浄(wash)され、次いで熱滅菌され得るか、又はそうでなければ本発明の組成物における洗浄(cleaning)から利益を得ることができる。これらの様々な器具、デバイス、及び機器には、これらに限定されないが、診断用器具、トレイ、パン、ホルダ、ラック、鉗子、はさみ、剪断器、鋸(例えば、骨鋸及びそれらの刃)、止血鉗子、ナイフ、チゼル、骨鉗子、ファイル、ニッパー、ドリル、ドリルビット、やすり、バリ、スプレッダ、ブレーカ、エレベータ、クランプ、針ホルダ、キャリア、クリップ、フック、ガウジ、キューレット、リトラクタ、ストレートナ、パンチ、エクストラクタ、スクープ、角膜切開刀、スパチュラ、エクスプレッサ、トロカール、拡張器、ケージ、ガラス用品、チュービング、カテーテル、カニューレ、プラグ、ステント、スコープ(例えば、内視鏡、聴診器、及び関節鏡)、及び関連する機器など、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0046】
本明細書で使用される場合、「植物」又は「植物性製品」という用語は、任意の植物性物質又は植物由来物質を含む。植物性製品としては、これらに限定されないが、種子、堅果、堅果の肉、切り花、温室で栽培若しくは貯蔵された植物又は作物、観葉植物などが挙げられる。植物性製品としては、多くの動物飼料が挙げられる。
【0047】
本明細書で使用される場合、「家禽」という用語は、肉若しくは卵のために飼育され、収穫され、又は家畜化された任意の鳥類の全ての形態を指し、ニワトリ、シチメンチョウ、ダチョウ、狩猟によって得た鳥類、ハト、ホロホロドリ、キジ、ウズラ、アヒル、ガチョウ、エミューなど、及びこれらの鳥類の卵が挙げられる。家禽としては、丸ごとの、切断された、加工された、調理された、又は生の家禽が挙げられ、家禽の肉、副製品、及び副産物の全ての形態を包含する。家禽の肉は、筋肉、脂肪、臓器、皮膚、骨、及び体液などの動物を形成する構成成分を含む。動物の肉の形態としては、例えば、動物の肉の全部又は一部を単独で又は他の成分と組み合わせたものが挙げられる。典型的な形態としては、例えば、塩漬された家禽肉などの加工された家禽肉、切断され及び成形された製品、ミンチ製品、細引き製品、及び全製品が挙げられる。
【0048】
本明細書で使用される場合、「家禽破片」という語句は、加工中に家禽屠体又は一部分から除去され、廃棄流に入る、任意の破片、残留物、材料、泥、臓物、家禽の一部、家禽廃棄物、家禽内臓、家禽臓器、そのような材料の断片若しくは組み合わせなどを指す。
【0049】
本特許明細書の目的では、微生物集団が、少なくとも約50%、又は水を用いた洗浄(wash)によって達成されるよりも有意に多く低減される場合、微生物低減の成功が達成される。微生物集団をより多く低減することによって、より高いレベルの保護が提供される。
【0050】
本明細書で使用される場合、「汚れ」又は「染み」という用語は、鉱物粘土、砂、天然鉱物質、カーボンブラック、グラファイト、カオリン、環境埃、泥などの微粒子物質を含有してもしなくてもよい非極性の油性物質などの有機及び/又は無機汚れ、並びにタンパク質性汚れ、デンプン質汚れ、多糖類、飽和及び不飽和脂肪性汚れを含む脂肪性汚れ、食品微粒子及び物質などを含む食品汚れを指す。
【0051】
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、その構成成分を完全に欠くか、又はその構成成分が組成物の性能に影響を及ぼさない少量の構成成分を有する組成物を指す。その構成成分は、不純物又は汚染物質として存在する可能性があり、0.5重量%未満とする。別の実施形態では、構成成分の量は、0.1重量%未満であり、更に別の実施形態では、構成成分の量は、約0.01重量%未満であり、別の実施形態では、構成成分の量は、0.001%重量%未満である。
【0052】
「実質的に同様の洗浄性能」という用語は、一般に洗浄の同じ度合い(又は少なくとも顕著に劣る度合いではない)、若しくは一般に労力の同じ消費(又は少なくとも顕著に劣る消費ではない)、又はそれらの両方の代用的な洗浄製品又は代用的な洗浄系によって一般に達成されることを指す。
【0053】
「閾値剤(threshold agent)」という用語は、溶液からの硬水イオンの結晶化を阻害するが、その硬水イオンと特定の錯体を形成する必要がない化合物を指す。閾値剤としては、これらに限定されないが、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、オレフィン/マレイン酸コポリマーなどが挙げられる。
【0054】
本明細書で使用される場合、「車両」又は「車」という用語は、限定するものではないが、自動車、トラック、スポーツ用多目的車、バス、トラック、オートバイ、モノレール、ディーゼル機関車、旅客コーチ、小型単一エンジン私用飛行機、企業用ジェット機、民間航空機器などを含む任意の輸送のための輸送機関を指す。
【0055】
本明細書で使用される場合、「用品」という用語は、食事用具及び調理用具、皿、用品、排水管、シャワー、シンク、トイレ、浴槽、天板、窓、鏡、運搬車両、及び床などのアイテムを指す。本明細書で使用される場合、「用品洗浄(warewashing)」という用語は、用品を洗浄すること(washing)、洗浄すること(cleaning)、又はすすぐことを指す。用品はまた、プラスチック製のアイテムを指す。本発明による組成物で洗浄され得るプラスチックの種類としては、これらに限定されないが、ポリプロピレンポリマー(polypropylene polymer、PP)、ポリカーボネートポリマー(polycarbonate polymer、PC)、メラミンホルムアルデヒド樹脂又はメラミン樹脂(メラミン)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンポリマー(acrilonitrile-butadiene-styrene polymer、ABS)、及びポリスルホンポリマー(polysulfone polymer、PS)が挙げられる。本発明の化合物及び組成物を使用して洗浄され得る他の例示的なプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)ポリスチレンポリアミドが挙げられる。
【0056】
「水溶性」及び「水分散性」という用語は、本明細書で使用される場合、ポリマーが、本発明の組成物中の水に可溶性又は分散性であることを意味する。一般に、ポリマーは、25℃で、0.0001重量%、好ましくは0.001%、より好ましくは0.01%、最も好ましくは0.1%の濃度で水溶液及び/又は水担体に可溶性又は分散性であるべきである。
【0057】
「重量パーセント(weight percent)」、「重量%(wt-%)」、「重量パーセント(percent by weight)」、「重量%(%by weight)」という用語、及びそれらの変形は、本明細書で使用される場合、その物質の重量を組成物の総重量によって除し、100を乗じた物質の濃度を指す。本明細書で使用される場合、「パーセント」、「%」等は、「重量パーセント」、「重量%」などと同義であることが意図されることが理解される。
【0058】
本発明の方法、システム、装置、及び組成物は、本発明の構成成分及び成分、並びに本明細書に記載の他の成分を含み得るか、それらから本質的になり得るか、又はそれらからなり得る。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」とは、追加のステップ、構成成分、又は成分が、特許請求される方法、システム、装置、及び組成物の基本的かつ新規の特徴を物質的に変更しない場合にのみ、方法、システム、装置、及び組成物が、追加のステップ、構成成分、又は成分を含み得ることを意味する。
【0059】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「構成される」という用語は、特定のタスクを実施するか、又は特定の構成を適合するように構築若しくは構成されているシステム、装置、又は他の構造について記載していることに留意されるべきである。「構成される」という用語は、配置され構成される、構築され配置される、適合され構成される、適合され、構築され、製造され、配置されるなどの他の同様の語句と互換的に使用され得る。
【0060】
硬面洗浄組成物
硬質表面洗浄組成物は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤のうちの2つ以上を含む界面活性剤ブレンドと、酵素と、水と、を含む。好ましい実施形態では、硬質表面洗浄組成物はまた、殺生物剤を含む。硬質表面洗浄組成物はまた、いくつかの実施形態では、これらに限定されないが、染料、香料、pH調整剤、溶媒、酸化剤、及び水調整剤を含む、多様な任意選択の成分を含み得る。硬質表面洗浄組成物は、固体組成物又は液体組成物として調製され得る。組成物は、液体又は固体であり得る濃縮組成物として調製され得る。組成物はまた、すぐに使用できる組成物(「ready-to-use、RTU」又は「使用溶液」とも称される)として調製され得、これは液体であり、使用濃度で直接調製され得るか、又は濃縮組成物を希釈することによって調製され得る。好ましくは、濃縮液体洗浄組成物は、約100cps以下の粘度を有する。
【0061】
好ましくは、硬質表面洗浄組成物は、約5~約9、より好ましくは約5.5~約8.5、より好ましくは約6~約8.2、なおより好ましくは約6.5~約8のpHを有する。好ましい実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、個人防護具(personal protective equipment、PPE)を用いずに使用するのに好適なpHを有する。
【0062】
我々は、今日存在する硬質表面のうちの多くを十分に濡らすために、洗浄組成物の表面張力を更に低減させる必要があることを見出した。これは、洗浄組成物に最良の汚れ除去特性を提供した。更に、接触角は、表面の種類に特異的であり得るが、約1秒以下の間表面に接触した後、一般に約50°未満、より好ましくは約45°未満、最も好ましくは約40°未満の表面接触角を洗浄組成物に提供することが好ましいことを我々は見出した。好ましい実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、約1秒~約30秒の間表面に接触した後、約45°以下、より好ましくは約40°以下、最も好ましくは約35°の表面接触角を提供する。
【0063】
好ましい実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、約1~約30秒後に高級ビニルタイル表面上で約50°未満、より好ましくは約45°未満、最も好ましくは約40°以下の表面接触を提供する。
【0064】
好ましい実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、約1~約30秒後にリノリウム表面上で約50°未満、より好ましくは約45°以下、最も好ましくは約40°以下の表面接触を提供する。
【0065】
好ましい実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、約1~約30秒後にグラウト表面上で約40°未満、より好ましくは約35°未満、なおより好ましくは約30°未満、更により好ましくは約25°未満、最も好ましくは約20°未満の表面接触を提供する。
【0066】
周囲湿度及び室温下で測定される前述の接触角測定値の各々。接触角は、任意の好適な方法及び器具によって測定され得る。好ましい器具は、光学張力計であり、1つの市販の光学張力計は、Biolin Scientificによって販売されているAttention(登録商標)光学張力計である。
【0067】
我々は、同様の化学物質を用いてさえも、多孔性表面及び疎水性である表面から多くの汚れを除去することがより困難になっていることを見出した。理論に束縛されることを望むものではないが、用いることができる1つの機序は、より低い表面自由エネルギーを有する化学物質によって汚れを移動させる吸水湿潤であると我々は考えている。したがって、洗浄組成物がより低い表面自由エネルギーを有する場合、多孔質表面又は疎水性表面さえも含む表面からでさえも汚れを移動させることができる。これに照らして、好ましい実施形態では、洗浄組成物は、硬質表面基材よりも低い表面自由エネルギーを有する。例えば、好ましい実施形態では、洗浄組成物は、約28ダイン未満、より好ましくは約27ダイン未満、なおより好ましくは約26ダイン未満、更により好ましくは約25ダイン以下、最も好ましくは約24ダイン以下の表面張力を有する。
【0068】
周囲湿度及び室温下で測定される前述の表面張力測定値の各々。表面張力は、任意の好適な方法及び器具によって測定され得る。好ましい器具は、表面張力計であり、これは複数の供給元から市販されている。
【0069】
硬質表面洗浄組成物の好ましい実施形態は、以下の表1A~1C(濃縮組成物)及び2A~2C(RTU組成物)に記載されている。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】
好ましい実施形態では、濃縮洗浄組成物を水で希釈して、RTU組成物を形成することができる。好ましくは、濃縮洗浄組成物は、約1ガロンの水に対して約0.5oz~約4ozの濃縮組成物、より好ましくは、約1ガロンの水に対して約0.5oz~約3ozの濃縮組成物、最も好ましくは、約1ガロンの水に対して約0.5oz~約2.5ozの濃縮組成物の用量で希釈される。別の実施形態では、濃縮組成物は、任意の好適な分配機器に通して希釈され得る。
【0077】
濃縮物を希釈するために使用される水(希釈水)は、希釈の現場又は場所で利用することができる。希釈の水には、現場に応じて様々なレベルの硬度を含有し得る。様々な自治体から利用可能な水道水は、様々なレベルの硬度を有する。様々な自治体の水道水に見られる硬度レベルを処理することができる濃縮物を提供することが望ましい。濃縮物を希釈するために使用される希釈水は、少なくとも1のグレイン硬度を含む場合、硬水と特徴付けることができる。希釈水は、少なくとも5のグレイン硬度、少なくとも10のグレイン硬度、又は少なくとも20のグレイン硬度を含み得ることが予想される。
【0078】
両性界面活性剤
硬質表面洗浄組成物は、両性界面活性剤を含み得る。両性界面活性剤を含む好ましい実施形態では、濃縮硬質表面洗浄組成物は、約1重量%~約30重量%、より好ましくは約2重量%~約15重量%、最も好ましくは約3重量%~約6重量%の両性界面活性剤を含む。好ましい実施形態では、RTU硬質表面洗浄組成物は、約25ppm~約10,000ppm、より好ましくは約50ppm~約750ppm、最も好ましくは約75ppm~約500ppmの両性界面活性剤を含む。
【0079】
硬質表面洗浄組成物に組み込むのに好ましい両性界面活性剤としては、アミンオキシド、ベタイン、スルタイン、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0080】
アミンオキシドは、以下の一般式に対応する三級アミンオキシドであり、
【0081】
【化1】
式中、矢印が、半極性結合の従来の表現であり、R、R、及びRが、脂肪族、芳香族、複素環式、脂環式、又はそれらの組み合わせであり得る。一般に、洗剤目的のアミンオキシドでは、Rは、約8~約24個の炭素原子のアルキルラジカルであり、R及びRは、1~3つの炭素原子のアルキル若しくはヒドロキシアルキル、又はそれらの混合物であり、R及びRは、例えば、酸素又は窒素原子を通じて互いに結合して環構造を形成し得、Rは、2~3つの炭素原子を含有するアルキレン又はヒドロキシアルキレン基であり、nが、0~約20の範囲である。アミンオキシドは、対応するアミンと、過酸化水素などの酸化剤とから生成することができる。好ましくは、アミンオキシドは、水溶性である。
【0082】
好ましい水溶性アミンオキシド界面活性剤は、オクチル、デシル、ドデシル、イソドデシル、ココナッツ、又はタロウアルキルジ-(低級アルキル)アミンオキシドから選択され、その具体例は、オクチルジメチルアミンオキシド、ノニルジメチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ウンデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジメチルアミンオキシド、イソドデシルジメチルアミンオキシド、トリデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミンオキシド、ペンタデシルジメチルアミンオキシド、ヘキサデシルジメチルアミンオキシド、ヘプタデシルジメチルアミンオキシド、オクタデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジプロピルアミンオキシド、ヘキサデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジブチルアミンオキシド、オクタデシルジブチルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-ドデコキシ-1-ヒドロキシプロピルアミンオキシド、ジメチル-(2-ヒドロキシドデシル)アミンオキシド、3,6,9-トリオクタデシルジメチルアミンオキシド、及び3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピルジ-(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシドから選択される。好ましいアミンオキシド界面活性剤としては、これらに限定されないが、直鎖状又は分岐状のアルコキシル化又は非アルコキシル化C8~C18アミンオキシドが挙げられる。
【0083】
ベタイン界面活性剤は、好ましくは、以下の一般構造のものであり、
【0084】
【化2】
式中、R’が、0~10個のエチレンオキシド部分及び0~1つのグリセリル部分を有する、8~18個の炭素原子のアルキル、アルケニル、又はヒドロキシアルキルラジカルを含み、R’’が、1~6つの炭素原子を含有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり、R’’’が、1~4つの炭素原子のアルキレン又はヒドロキシアルキレン又はヒドロキシアルキレンである。
【0085】
これらの界面活性剤ベタインは、典型的には、極度のpHで強いカチオン性若しくはアニオン性の特徴を呈さず、それらの等電範囲で水溶性の低減も示さない。好ましいベタインとしては、これに限定されないが、アミドベタインが挙げられる。好ましいアミドベタインの例としては、これらに限定されないが、ココナツアシルアミドプロピルジメチルベタイン、ヘキサデシルジメチルベタイン、C12~14アシルアミドプロピルベタイン、C8~14アシルアミドヘキシルジエチルベタイン、4-C14~16アシルメチルアミドジエチルアンモニオ-1-カルボキシブタン、C16~18アシルアミドジメチルベタイン、C12~16アシルアミドペンタンジエチルベタイン、及びC12~16アシルメチルアミドジメチルベタインが挙げられる。
【0086】
好適なスルタインとしては、式(R(RSO3-を有する化合物を挙げることができ、式中、Rが、C~C18ヒドロカルビル基であり、各Rが、典型的には、独立して、C~Cアルキル、例えばメチルであり、Rが、C~Cヒドロカルビル基、例えば、C~Cアルキレン又はヒドロキシアルキレン基である。
【0087】
アニオン性界面活性剤
硬質表面洗浄組成物は、アニオン性界面活性剤を含み得る。アニオン性界面活性剤は、好ましくは、殺生物剤を含まない組成物中に含まれる。これは、アニオン性界面活性剤と殺生物剤のカチオン性基との相互作用に起因する。このことを考慮して、殺生物剤を含む組成物中に微量のアニオン性界面活性剤を潜在的に用いることができるが、最も好ましくは、アニオン性界面活性剤は、殺生物剤を含む組成物から除外される。殺生物剤を含まない硬質表面洗浄組成物では、アニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。アニオン性界面活性剤は、親水性物質上の負電荷によって分類される界面活性物質、又はpHがpKa以上(例えば、カルボン酸)まで上昇しない限り、分子の疎水性物質区画が電荷を担持しない界面活性剤である。カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、及びホスフェートは、アニオン性界面活性剤に見出される極性(親水性)可溶化基である。これらの極性基に会合するカチオン(対イオン)のうち、ナトリウム、リチウム、及びカリウムは水溶性を付与し、アンモニウム及び置換アンモニウムイオンは、水溶性及び油溶性の両方を提供し、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムは、油溶性を促進する。好ましい実施形態では、界面活性剤は、アニオン性のスルホン化、硫酸化、又はカルボキシル化界面活性剤である。
【0088】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの界面活性剤は、アニオン性スルホン化界面活性剤である。また、組成物中での使用に好適なアニオン性スルホン化界面活性剤としては、アルキルスルホネート、直鎖状及び分岐状一級及び二級アルキルスルホネート、並びに置換基を有するか又は有さない芳香族スルホネートが挙げられ、スルホネートとしては、スルホン化カルボン酸エステルを挙げることができる。好ましい実施形態では、好適なアルキルスルホネート界面活性剤としては、直鎖状若しくは分岐状C8~C22アルキルベンゼンスルホネート、又はC10~C22アルキルスルホネートが挙げられる。例示的な態様では、アニオン性アルキルスルホネート界面活性剤は、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸(linear alkyl benzene sulfonic acid、LAS)、アルキルオレフィンスルホネート(アルファオレフィンスルホネートなど)、又はそれらの混合物である。
【0089】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの界面活性剤は、アニオン性硫酸化界面活性剤である。また、組成物中での使用に好適なアニオン性流下界面活性剤としては、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェート(好ましくは、C8~C18アルキルスルフェート)、直鎖状及び分岐状一級及び二級アルキルスルフェート(好ましくは、C8~C18)、アルキルエトキシスルフェート、脂肪性オレイルグリセロールスルフェート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルスルフェート、C~C17アシル-N-(C~Cアルキル)、並びに-N-(C~Cヒドロキシアルキル)グルカミンスルフェート、並びにアルキルポリグルコシドのスルフェートなどのアルキルポリサッカリドのスルフェートなどが挙げられる。また挙げられるのは、エチレンオキシド及びノニルフェノールのスルフェート又は縮合生成物(通常、分子当たり1~6つのオキシエチレン基を有する)などの、アルキルスルフェート、アルキルポリ(エチレンオキシ)エーテルスルフェート、及び芳香族ポリ(エチレンオキシ)スルフェートである。場合によっては、アルキレンオキシド架橋は、エチレンオキシドではなく、又はそれに加えて、プロピレンオキシドであり得る。
【0090】
本組成物中での使用に好適なアニオン性カルボキシレート界面活性剤としては、アルカン酸(及びアルカノエート)、エステルカルボン酸(例えば、アルキルスクシネート)、エーテルカルボン酸、スルホン化オレイン酸などのスルホン化脂肪酸などのカルボン酸(及び塩)などが挙げられる。そのようなカルボキシレートとしては、アルキルエトキシカルボキシレート、アルキルアリールエトキシカルボキシレート、アルキルポリエトキシポリカルボキシレート界面活性剤、及び石鹸(例えば、アルキルカルボキシル)が挙げられる。本組成物において有用な二級カルボキシレートとしては、二級炭素に接続されたカルボキシル単位を含有するものが挙げられる。二級炭素は、例えば、p-オクチル安息香酸、又はアルキル置換シクロヘキシルカルボキシレートとしての環構造内に存在し得る。二級カルボキシレート界面活性剤は、典型的には、エーテル結合、エステル結合、及びヒドロキシル基を含有しない。更に、それらは、典型的には、頭部基(両親媒性部分)に窒素原子を欠く。好適な二級石鹸界面活性剤は、典型的には、合計11~13個の炭素原子を含有するが、より多くの炭素原子(例えば、最大16個)が存在し得る。好適なカルボキシレートとしてはまた、アシルグルタメート、アシルペプチド、サルコシネート(例えば、N-アシルサルコシネート)、タウレート(例えば、N-アシルタウレート、及びメチルタウリドの脂肪酸アミド)などのアシルアミノ酸(及び塩)などが挙げられる。
【0091】
好適なアニオン性界面活性剤としては、以下の式のアルキル又はアルキルアリールエトキシカルボキシレートが挙げられ、
R-O-(CHCHO)(CH-COX (3)
式中、Rが、C~C22アルキル基、又は
【0092】
【化3】
であり、Rが、C~C16アルキル基であり、nが、1~20の整数であり、mが、1~3の整数であり、Xが、水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムなどの対イオン、又はモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、若しくはトリエタノールアミンなどのアミン塩である。いくつかの実施形態では、nは、4~10の整数であり、mは、1である。いくつかの実施形態では、Rは、C~C16アルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは、C12~C14アルキル基であり、nは、4であり、mは、1である。
【0093】
他の実施形態では、Rは、
【0094】
【化4】
であり、Rは、C~C12アルキル基である。なお更に他の実施形態では、Rは、Cアルキル基であり、nは、10であり、mは、1である。そのようなアルキル及びアルキルアリールエトキシカルボキシレートは、市販されている。これらのエトキシカルボキシレートは、典型的には、アニオン性又は塩形態に容易に変換することができる酸形態として入手可能である。市販のカルボキシレートとしては、Neodox23-4、C12~13アルキルポリエトキシ(4)カルボン酸(Shell Chemical)、及びEmcol CNP-110、Cアルキルアリールポリエトキシ(10)カルボン酸(Witco Chemical)が挙げられる。カルボキシレートはまた、例えば、製品Sandopan(登録商標)DTC、C13アルキルポリエトキシ(7)カルボン酸、Clariantから入手可能である。
【0095】
アニオン性界面活性剤を含む実施形態では、濃縮硬質表面洗浄組成物は、約1重量%~約30重量%、より好ましくは約2重量%~約12重量%、最も好ましくは約5重量%~約10重量%のアニオン性界面活性剤を含む。アニオン性界面活性剤を含む実施形態では、RTU硬質表面洗浄組成物は、約25ppm~約10,000ppm、より好ましくは約50ppm~約750ppm、最も好ましくは約100ppm~約500ppmのアニオン性界面活性剤を含む。
【0096】
殺生物剤
硬質表面洗浄組成物は、任意選択で、殺生物剤を含む。殺生物剤を含む好ましい実施形態では、濃縮硬質表面洗浄組成物は、約0.01重量%~約10重量%、より好ましくは約0.1重量%~約8重量%、最も好ましくは約1重量%~約6重量%の殺生物剤を含む。殺生物剤を含む好ましい実施形態では、RTU硬質表面洗浄組成物は、約10ppm~10,000ppm、より好ましくは約10ppm~約5000ppm、最も好ましくは約20ppm~約500ppmを含む。殺生物剤を含む好ましい実施形態では、RTU硬質表面洗浄組成物は、約1ppm~10,000ppm、より好ましくは約5ppm~約5000ppm、最も好ましくは約10ppm~約500ppmを含む。
【0097】
好ましい殺生物剤としては、四級アンモニウム化合物が挙げられる。ある特定の四級アンモニウム化合物(「quat」)は、抗微生物活性を有することが知られている。したがって、抗微生物活性を有する様々な四級アンモニウム化合物が組成物中で使用され得る。「四級アンモニウム化合物」又は「四級(quat)」という用語は、一般に、以下の式を有する任意の組成物を指し、
【0098】
【化5】
式中、R1~R4が、各々C16未満の鎖長(又はC1~C16)を有し、R1~R4が、アルキル基及び/又はベンジル若しくはアルキルベンジル基であり、Xが、アニオン性対イオンである。実施形態では、R1~R4基は、同じであっても異なっていてもよく、置換又は非置換、飽和又は不飽和、分岐状又は非分岐状、及び環式又は非環式であってもよく、エーテル、エステル、又はアミド結合を含有し得、それらは、芳香族又は置換芳香族基であり得る。「アニオン性対イオン」という用語は、四級アンモニウムと塩を形成し得る任意のイオンを含む。好適な対イオンの例としては、塩化物及び臭化物などのハロゲン化物、硫酸メチル、カーボネート、及びバイカーボネートが挙げられる。好ましくは、アニオン性対イオンは、塩化物である。いくつかの実施形態では、四級アンモニウムは、約1~16個、約8~16個、好ましくは8~12個、又はより好ましくは8~10個の炭素鎖を有し、組成物中に含まれる。実施形態では、四級アンモニウム化合物は、約1~16個、約8~16個、好ましくは8~12個、及び/又は8~10個の同じ又は異なるアルキル鎖を有するR1~R4基を有する。実施形態では、四級アンモニウム化合物のR1~R4アルキル基は、2つのアルキル基がC1~C4であり、2つのアルキル基がC8~C12であるなどの、C1~C4及びC8~C12である。更なる実施形態では、四級アンモニウム化合物のR1~R4アルキル基は、2つのアルキル基がC1(ジメチル)であり、2つのアルキル基がC8~C12であるなどの、C1及びC8~C12である。更なる実施形態では、R1~R4のうちの少なくとも1つは、ベンジル又はアルキルベンジル基であり、ベンジル又はアルキルベンジル基が、メチルベンジル又はエチルベンジルである。
【0099】
硬質表面洗浄組成物に好適な四級アンモニウム化合物は、水溶性化合物であり、本明細書に記載の化合物の塩を更に含み得る。好適な塩としては、例えば、ニトレート、スルフェート、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸メチル、スルホン酸メチル、カーボネート、バイカーボネート、カルボキシレート、ポリカルボキシレート、ホスフェート、ホスホネートなどの、有機酸及び無機酸の両方の塩が挙げられる。
【0100】
好ましい四級アンモニウム化合物は、約2つの炭素~約12個の炭素、より好ましくは約3つの炭素~約12個の炭素、最も好ましくは約6つの炭素~約12個の炭素のR基を有するジ-アルキル鎖四級アンモニウム化合物及びその塩を含む。好ましい四級アンモニウム塩は、これらに限定されないが、バイカーボネート、カルボキシレート、塩化物、カーボネート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、ポリカルボキシレート、及びそれらの組み合わせを含む。好ましい実施形態では、四級アンモニウム化合物は、アルキルベンジルアンモニウム塩、ジアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩とジアルキルベンジルアンモニウム塩とのブレンド、ジデシルジメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウムとジオクチルジメチルアンモニウム塩とのブレンド、又はそれらの混合物である。好ましい実施形態では、本発明の抗微生物組成物で使用される四級アンモニウム化合物は、ジアルキル四級アンモニウムとアルキルベンジル四級アンモニウムとの混合物で構成される。最も好ましい実施形態では、四級アンモニウム塩は、塩化物塩又はカーボネート塩及びバイカーボネート塩である。
【0101】
本発明で有用な四級アンモニウム化合物の例としては、これらに限定されないが、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、及びジデシルジメチルアンモニウムクロリドを含む、アルキル(C8~C16)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド(ADBAC)、アルキル(C8~16)ジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド(ADEBAC)、及びジアルキル(C8~C16)ジメチルアンモニウムクロリド(dimethyl ammonium chloride、DAAC)が挙げられる。好ましい実施形態では、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド(DAAC)は、C10以下(C8~C10)を有するジアルキルである。好ましい実施形態では、四級アンモニウム化合物は、オクチルデシルジメチル、ジオクチルジメチル、及びジデシルジメチルアンモニウムクロリドのブレンドである。単一の四級アンモニウム又は2つ以上の四級アンモニウムの組み合わせが、組成物中に含まれ得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、R基の性質、アニオン、及び存在する四級窒素原子の数に応じて、抗微生物四級アンモニウム化合物は、以下のカテゴリー:モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルメチルベンジルアンモニウム塩、モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、複素芳香族アンモニウム塩、多置換四級アンモニウム塩、ビス-四級アンモニウム塩、及びポリマー性四級アンモニウム塩、のうちの1つに分類され得る。各々のカテゴリーは、本明細書中で考察されるであろう。
【0103】
モノアルキルトリメチルアンモニウム塩は、長鎖アルキル基である1つのR基を含有し、残りのR基は、メチル又はエチル基などの短鎖アルキル基である。モノアルキルトリメチルアンモニウム塩のいくつかの非限定的な例としては、Rhodaquat M242C/29及びDehyquart Aの商品名で市販されているセチルトリメチルアンモニウムブロミド、Arquad16として市販されているアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルアリールトリメチルアンモニウムクロリド、及びAmmonyx DMEとして市販されているセチルジメチルエチルアンモニウムブロミドが挙げられる。
【0104】
モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩は、長鎖アルキル基である1つのR基、ベンジル又はアルキルベンジル基である第2のR基を含有し、2つの残りのR基は、メチル又はエチル基などの短鎖アルキル基である。モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩は、一般に、非イオン性界面活性剤、洗剤ビルダー、香料、及び他の成分と適合する。モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩のいくつかの非限定的な例としては、Lonza IncからBarquatとして市販されているアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、Lonza IncからLonzagardとして市販されているベンゼトニウムクロリドが挙げられる。加えて、モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩は、置換され得る。そのような塩の非限定的な例としては、ドデシルジメチル-3,4-ジクロロベンジルアンモニウムクロリドが挙げられる。最後に、Stepan CompanyからBTC 2125Mとして、及びLonza IncからBarquat4250として市販されているアルキルジメチルベンジルとアルキルジメチル置換ベンジル(エチルベンジル)アンモニウムクロリドとの混合物が存在する。
【0105】
ジアルキルジメチルアンモニウム塩は、長鎖アルキル基である2つのR基を含有し、残余のR基は、メチル基などの短鎖アルキル基である。好ましい四級アンモニウム塩は、これらに限定されないが、バイカーボネート、カルボキシレート、塩化物、カーボネート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、ポリカルボキシレート、及びそれらの組み合わせを含む。ジアルキルジメチルアンモニウム塩のいくつかの非限定的な例としては、Lonza IncからBardac22として市販されているジデシルジメチルアンモニウムハライド、Lonza Inc.からBardac2250として市販されているジデシルジメチルアンモニウムクロリド、Lonza IncからCarobquat Hとして市販されているジデシルジメチルアンモニウムカーボネート及びジデシルジメチルアンモニウムバイカーボネート、Lonza Inc.からBardac LF及びBardac LF-80として市販されているジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、並びにLonza IncからBardac2050及び2080として市販されている、ジデシル及びジオクチルジメチルアンモニウムクロリドを含む混合物として販売されているオクチルデシルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0106】
非イオン性界面活性剤
硬質表面洗浄組成物は、非イオン性界面活性剤を含み得る。非イオン性界面活性剤を含む好ましい実施形態では、濃縮硬質表面洗浄組成物は、約0.01重量%~約30重量%、より好ましくは約0.1重量%~約5重量%、最も好ましくは約0.5重量%~約2重量%の非イオン性界面活性剤を含む。非イオン性を含む好ましい実施形態では、RTU硬質表面洗浄組成物は、約0.1ppm~約10,000ppm、より好ましくは約1ppm~約1000ppm、最も好ましくは約10ppm~約250ppmの非イオン性界面活性剤を含む。
【0107】
非イオン性界面活性剤を含む別の好ましい実施形態では、濃縮硬質表面洗浄組成物は、約1重量%~約30重量%、より好ましくは約5重量%~約20重量%、最も好ましくは約10重量%~約15重量%の非イオン性界面活性剤を含む。非イオン性を含む好ましい実施形態では、RTU硬質表面洗浄組成物は、約5ppm~約25,000ppm、より好ましくは約10ppm~約20,000ppm、最も好ましくは約25ppm~約15,000ppmの非イオン性界面活性剤を含む。
【0108】
好ましい非イオン性界面活性剤は、低発泡性である。非イオン性低発泡性界面活性剤の例としては、以下が挙げられる:
1.エチレンオキシドをエチレングリコールに添加して指定の分子量の親水性物質を提供し、次いでプロピレンオキシドを添加して分子の外側(端部)に疎水性ブロックを得ることによって修飾され、本質的に反転させた(1)からの化合物。最終的な分子の10重量%~約80重量%を含む中心の親水性物質を有する、約1,000~約3,100の分子量の疎水性部分。これらの反転Pluronics(商標)は、BASF CorporationによってPluronic(商標)R界面活性剤の商品名で製造されている。同様に、Tetronic(商標)R界面活性剤は、BASF Corporationにより、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのエチレンジアミンへの逐次的付加によって製造されている。分子の疎水性部分は、最終的な分子の10重量%~80重量%を含む中心の親水性物質を有し、約2,100~約6,700の重量がある。
【0109】
2.プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ベンジルクロリドなどの疎水性小分子;及び1~約5つの炭素原子を含有する短鎖脂肪酸、アルコール、又はアルキルハライド;並びにそれらの混合物との反応によって発泡を低減するために、(多官能性部分の)1つの若しくは複数の末端ヒドロキシ基を「末端処理」又は「端部ブロッキング」することによって修飾された、グループ(1)、(2)、(3)及び(4)からの化合物。また、末端ヒドロキシ基を塩化物基に変換する塩化チオニルなどの反応物質も含まれる。末端ヒドロキシ基へのそのような修飾は、オールブロック、ブロック-ヘテリック、ヘテリック-ブロック、又はオールヘテリック非イオン性物質をもたらし得る。
【0110】
3.以下の式によって表される、1959年9月8日にBrownらに対して発行された米国特許第2,903,486号のアルキルフェノキシポリエトキシアルカノール
【0111】
【化6】
(式中、Rが、8~9つの炭素原子のアルキル基であり、Aが、3~4つの炭素原子のアルキレン鎖であり、nが、7~16の整数であり、mが、1~10の整数である)。
末端疎水性鎖の分子量、中間疎水性単位の分子量、及び連結親水性単位の分子量が各々縮合物の約3分の1を占める、交互親水性オキシエチレン鎖及び疎水性オキシプロピレン鎖を有する、1962年8月7日にMartinらに対して発行された米国特許第3,048,548号のポリアルキレングリコール縮合物。
一般式Z[(OR)OH](式中、Zはアルコキシル化可能な物質であり、Rは、エチレン及びプロピレンであり得るアルカリオキシド由来のラジカルであり、nは、例えば、10~2,000以上の整数であり、zは、反応性のオキシアルキル化可能な基の数によって決定される整数である)を有する、Lissantらに対して1968年5月7日に発行された米国特許第3,382,178号に開示される消泡性非イオン性界面活性剤。
式Y(CO)(CO)H(式中、Yが、約1~6つの炭素原子及び1つの反応性水素原子を有する有機化合物の残基であり、nが、ヒドロキシル価によって決定して少なくとも約6.4の平均値を有し、mが、オキシエチレン部分が分子の約10重量%~約90重量%を構成するような値を有するような値を有する)に相当する、1954年5月4日にJacksonらに対して発行された米国特許第2,677,700号に記載の共役ポリオキシアルキレン化合物。
式Y[(C(CO)H](式中、Yが約2~6個の炭素原子を有し、x個の反応性水素原子を含有する有機化合物の残基であり、xが、少なくとも約2の値を有し、nが、ポリオキシプロピレン疎水性塩基の分子量が少なくとも約900であるような値を有し、mが、分子のオキシエチレン含有量が約10重量%~約90重量%であるような値を有する)を有する、1954年4月6日にLundstedらに対して発行された米国特許第2,674,619号に記載の共役ポリオキシアルキレン化合物。Yについての定義の範囲内に該当する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミンなどが挙げられる。オキシプロピレン鎖は、任意選択ではあるが有利には、少量のエチレンオキシドを含有し、オキシエチレン鎖もまた、任意選択ではあるが有利には、少量のプロピレンオキシドを含有する。
本発明の組成物中で有利に使用される更なる共役ポリオキシアルキレン表面活性剤は、式:P[(CO)(CO)H]に対応し、式中、Pが、約8~18個の炭素原子を有し、x個の反応性水素原子を含有する有機化合物の残基であり、xが、1又は2の値を有し、nがポリオキシエチレン部分の分子量が、少なくとも約44であるような値を有し、mが、分子のオキシプロピレン含量が約10重量%~約90重量%であるような値を有する。いずれの場合においても、オキシプロピレン鎖は、任意選択ではあるが有利には、少量のエチレンオキシドを含有し得、オキシエチレン鎖はまた、任意選択ではあるが有利には、少量のプロピレンオキシドを含有し得る。
【0112】
4.本組成物中での使用に好適なポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤としては、構造式RCONR1Zを有するものが挙げられ、式中、R1が、H、C~Cヒドロカルビル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、エトキシ、プロポキシ基、又はそれらの混合物であり、Rが、直鎖であり得るC~C31ヒドロカルビルであり、Zが、鎖に直接結合した少なくとも3つのヒドロキシルを有する直鎖状ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル、又はそのアルコキシル化誘導体(好ましくはエトキシル化又はプロポキシル化)である。Zは、グリシチル部分などの、還元アミン化反応における還元糖から誘導され得る。
【0113】
5.約0~約25モルのエチレンオキシドとの脂肪族アルコールのアルキルエトキシレート縮合生成物は、本組成物中での使用に好適である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直直鎖状又は分岐状の一級又は二級のいずれかであり得、一般に、6~22個の炭素原子を含有する。
【0114】
6.エトキシル化C~C18脂肪アルコール及びC~C18混合エトキシル化及びプロポキシル化脂肪アルコール、特に水溶性のものが、本組成物での使用に好適な界面活性剤である。好適なエトキシル化脂肪アルコールとしては、3~50のエトキシル化度を有するC~C18エトキシル化脂肪アルコールが挙げられる。
【0115】
7.特に本組成物における使用に好適な非イオン性アルキルポリサッカリド界面活性剤には、1986年1月21日に発行された米国特許第4,565,647号、Llenadoにおいて開示されているものが含まれる。これらの界面活性剤は、約6~約30個の炭素原子を含有する疎水性基、及びポリサッカリド、例えば、ポリグリコシド、約1.3~約10個のサッカリド単位を含有する親水性基を含む。5又は6つの炭素原子を含有する任意の還元サッカリドが使用され得、例えば、ガラクトシル部分は、グルコース、ガラクトース、及びグルコシル部分と置換され得る。(任意選択で、疎水基が2-、3-、4-などの位置に結合し、グルコシド又はガラクトシドとは対照的にグルコース又はガラクトースを生成する。)サッカリド間の結合は、例えば、追加のサッカリド単位の1つの位置と、その前のサッカリド単位上の2、3、4、及び/又は6位との間であり得る。
【0116】
8.本組成物での使用に好適な脂肪酸アミド界面活性剤としては、式:RCON(Rを有するものが挙げられ、式中、Rが、7~21個の炭素原子を含有するアルキル基であり、各Rが、独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、又は--(CO)Hであり、xが、1~3の範囲にある。
【0117】
9.非イオン性界面活性剤の有用なクラスとしては、アルコキシル化アミン、又は、最も具体的には、アルコールアルコキシル化/アミノ化/アルコキシル化界面活性剤として定義されるクラスが挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤は、少なくとも部分的に、一般式:R20--(PO)N--(EO)H、R20--(PO)N--(EO)H(EO)H、及びR20--N(EO)Hによって表され得、式中、R20は、8~20個、好ましくは12~14個の炭素原子のアルキル、アルケニル、若しくは他の脂肪族基、又はアルキル-アリール基であり、EOは、オキシエチレンであり、POは、オキシプロピレンであり、sは、1~20、好ましくは2~5であり、tは、1~10、好ましくは2~5であり、uは、1~10、好ましくは2~5である。これらの化合物の範囲における他の変形は、代替的な式:R20--(PO)--N[(EO)H][(EO)H]によって表され得、式中、R20が、上で定義されるとおりであり、vが、1~20(例えば、1、2、3、又は4(好ましくは2))であり、w及びzが、独立して、1~10、好ましくは2~5である。これらの化合物は、商業的には、非イオン性界面活性剤としてHuntsman Chemicalsによって販売されている製品ラインによって代表される。本発明の組成物のための好ましい非イオン性界面活性剤としては、アルコールアルコキシレート、EO/POブロックコポリマー、アルキルフェノールアルコキシレートなどが挙げられる。
【0118】
好ましい非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化界面活性剤及びアルキルポリグリコシドを含む。好ましいアルコキシル化界面活性剤は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はそれらの混合物を含む。最も好ましいアルコキシル化界面活性剤は、約8つの炭素~約18個の炭素を有し、直鎖状又は分岐状であり得る。好ましいアルコキシル化界面活性剤としては、EO/POコポリマー、末端処理EO/POコポリマー、アルコールアルコキシレート、末端処理アルコールアルコキシレート、伸長アルコキシレート、それらの混合物が挙げられる。
【0119】
酵素
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、酵素を含む。好ましい酵素には、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、及びそれらの組み合わせが含まれる。より好ましい酵素はプロテアーゼである。酵素は、好ましくは、約0重量%~約30重量%、約0.1重量%~約20重量%、又は約0.3重量%~約15重量%の量である。
【0120】
プロテアーゼ
選択された酵素が所望のpH範囲(約6~約9)で安定であるという条件で、任意の供給元からの任意のプロテアーゼ又はプロテアーゼの混合物が、酵素洗剤組成物中で使用され得る。例えば、プロテアーゼ酵素は、植物、動物、又は酵母、黴、若しくは細菌などの微生物に由来し得る。好ましいプロテアーゼ酵素としては、これらに限定されないが、Bacillus subtilis、Bacillus licheniformis、及びStreptomyces griseusに由来する酵素が挙げられる。B.subtilisに由来するプロテアーゼ酵素が最も好ましい。プロテアーゼは、精製されても、微生物抽出物の構成成分であってもよく、野生型であるか、又は(化学的又は遺伝子組換えのいずれか)バリアントのいずれかであってもよい。例示的なプロテアーゼは、各々Genencorから入手可能な以下の商品名Excellase(商標)、Properase(商標)、Purafect(商標)、Purafect(商標)Prime、Purafect(商標)Ox、並びに各々Novozymesから入手可能なAlcalase(登録商標)、Blaze(登録商標)、Evity(登録商標)、Savinase(登録商標)、Esperase(登録商標)、Liquinase(商標)、Ovozyme(商標)、Everlase(商標)、Release(商標)、Polarzyme(商標)、Coronase(商標)、及びProgress UNO(商標)(Everis DUO(商標)の名称でも販売されている)で市販されている。
【0121】
アミラーゼ
選択された酵素が、所望のpH範囲(約6~約9)で安定であることを条件として、任意の供給元からの任意のアミラーゼ又はアミラーゼの混合物が酵素洗剤組成物中で使用され得る。例えば、アミラーゼ酵素は、植物、動物、又は酵母、黴、若しくは細菌などの微生物に由来し得る。好ましいアミラーゼ酵素としては、これらに限定されないが、B.licheniformis、B.amyloliquefaciens、B.subtilis、又はB.stearothermophilusなどのBacillusに由来するものが挙げられる。B.subtilisに由来するアミラーゼ酵素が最も好ましい。アミラーゼは、精製されても、微生物抽出物の構成成分であってもよく、野生型であるか、又は(化学的又は遺伝子組換えのいずれか)バリアントのいずれかであってもよい。好ましいアミラーゼは、Novozymesから入手可能な商品名Stainzyme(登録商標)で市販されている。
【0122】
セルラーゼ
選択された酵素が、所望のpH範囲(約6~約9)で安定であることを条件として、任意の供給元からの任意のセルラーゼ又はセルラーゼの混合物が酵素洗剤組成物中で使用され得る。例えば、セルラーゼ酵素は、植物、動物、又は真菌若しくは細菌などの微生物に由来し得る。好ましいセルラーゼ酵素としては、これらに限定されないが、Humicola insolens、Humicola株DSM1800、又はAeromonas科に属するセルラーゼ212産生真菌、及び海洋軟体動物の肝膵臓から抽出されるものであるDolabella Auricula Solanderに由来するものが挙げられる。セルラーゼは、精製されても、微生物抽出物の構成成分であってもよく、野生型であるか、又は(化学的又は遺伝子組換えのいずれか)バリアントのいずれかであってもよい。
【0123】
リパーゼ
選択された酵素が、所望のpH範囲(約6~約9)で安定であることを条件として、任意の供給元からの任意のリパーゼ又はリパーゼの混合物が酵素洗剤組成物中で使用され得る。例えば、リパーゼ酵素は、植物、動物、又は真菌若しくは細菌などの微生物に由来し得る。好ましいプロテアーゼ酵素としては、これらに限定されないが、Pseudomonas stutzeri ATCC 19.154などのPseudomonas、又はHumicola lanuginosaなどのHumicola(典型的には、Aspergillus oryzaeにおいて組換え産生される)に由来する酵素が挙げられる。リパーゼは、精製されても、微生物抽出物の構成成分であってもよく、野生型であるか、又は(化学的又は遺伝子組換えのいずれか)バリアントのいずれかであってもよい。
【0124】
他の酵素
酵素洗剤組成物は、上記に加えて追加の酵素を含むことができる。追加の好適な酵素としては、これらに限定されないが、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、グルコナーゼ、又はそれらの混合物が挙げられ得る。
【0125】
pH調整剤
いくつかの実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、任意選択で、pH調整剤を含み得る。選択されるpH調整剤は、組成物の所望のpHに基づき得る。本発明の別の態様では、pH調整剤は、中和剤であり得る。好適なpH調整剤としては、酸源、アルカリ源、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0126】
酸源
いくつかの実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、任意選択で、酸源を含み得る。本発明のいくつかの実施形態では、洗浄組成物は、酸性pHを有し得る。そのような一実施形態では、pHは、好ましくは3~7である。本発明の別の態様では、所望のpHを達成するために、塩基性組成物中にpH調整剤又は中和剤として、酸源が含まれ得る。
【0127】
好適な酸源としては、有機及び/又は無機酸を挙げることができる。好適な有機酸の例としては、とりわけ、これらに限定されないが、ヒドロキシ酢酸(グリコール酸)、クエン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、トリクロロ酢酸、尿素塩酸塩、及び安息香酸などのカルボン酸が挙げられる。とりわけ、シュウ酸、マロン酸、グルコン酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、及びテレフタル酸などの有機ジカルボン酸もまた、本発明に従って有用である。これらの有機酸の任意の組み合わせは、本発明の組成物の適切な形成を可能にする他の有機酸と混合して、又は共に使用され得る。
【0128】
本発明に従って有用な無機酸としては、とりわけ、硫酸、スルファミン酸、メチルスルファミン酸、塩酸、臭化水素酸、及び硝酸が挙げられる。これらの酸はまた、他の無機酸又は上述のこれらの有機酸と組み合わせて使用され得る。好ましい実施形態では、酸は、無機酸である。
【0129】
濃縮硬質表面洗浄組成物中に含まれる場合、酸源は、好ましくは約0.01重量%~約10重量%、より好ましくは約0.1重量%~約8重量%の濃度である。RTU硬質表面洗浄組成物中に含まれる場合、酸源は、好ましくは約0.1ppm~約1000ppm、より好ましくは約1ppm~約500ppmの濃度である。
【0130】
アルカリ源
洗剤組成物は、任意選択で、アルカリ源を含み得る。好適なアルカリ源としては、弱塩基及び強塩基が挙げられる。好ましい実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、弱塩基及び固体塩基の両方を含む。洗浄組成物の好適なアルカリ源の例としては、これらに限定されないが、例えば、アルカリ金属カーボネートなどのカーボネート塩を含むカーボネート系アルカリ源;例えば、アルカリ金属水酸化物を含む苛性アルカリ源が挙げられ、他の好適なアルカリ源としては、金属シリケート、金属ボレート、及び有機アルカリ源を挙げることができる。使用され得る例示的なアルカリ金属カーボネートとしては、これらに限定されないが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、バイカーボネート、セスキカーボネート、及びそれらの混合物が挙げられる。使用され得る例示的なアルカリ金属水酸化物としては、これらに限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、又は水酸化カリウムが挙げられる。使用され得る例示的な金属ケイ酸塩としては、これらに限定されないが、ケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸カリウム又はメタケイ酸ナトリウム若しくはメタケイ酸カリウムが挙げられる。例示的な金属ボレートとしては、これらに限定されないが、ホウ酸ナトリウム又はホウ酸カリウムが挙げられる。
【0131】
有機アルカリ源は、多くの場合、例えば、アンモニア(水酸化アンモニウム)、アミン、アルカノールアミン、及びアミノアルコールを含む強窒素塩基である。アミンの典型的な例としては、少なくとも1つの窒素結合炭化水素基を担持する一級、二級、又は三級アミン及びジアミンが挙げられ、それらは、少なくとも10個の炭素原子、好ましくは16~24個の炭素原子を有する飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又は最大24個の炭素原子を含有するアリール、アラルキル、若しくはアルカリール基を表し、任意選択の他の窒素結合基が、任意選択で置換されたアルキル基、アリール基、又はアラルキル基、又はポリアルコキシ基によって形成される。アルカノールアミンの典型的な例としては、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンなどが挙げられる。アミノアルコールの典型的な例としては、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ヒドロキシメチルアミノメタンなどが挙げられる。
【0132】
一般に、アルカリ源は、水性又は粉末形態のいずれかで一般的に利用可能である。アルカリ性物質は、水溶液に溶解させた固体ビーズ、顆粒、若しくは微粒子形態、又はそれらの組み合わせを含む、当該技術分野で既知の任意の形態で組成物に添加され得る。
【0133】
アルカリ源は、組成物の所望のpHを達成するのに必要な任意の量で硬質表面洗浄組成物中に含まれ得る。好ましい実施形態では、濃縮硬質表面洗浄組成物は、約0重量%~約50重量%、より好ましくは約2重量%~約12重量%、最も好ましくは約3重量%~約10重量%のアルカリ源を含む。好ましい実施形態では、RTU硬質表面洗浄組成物は、約0ppm~約10,000ppm、より好ましくは約1ppm~約750ppm、最も好ましくは約10ppm~約600ppmのアルカリ源を含む。
【0134】
追加の任意選択の成分
本発明の実施形態では、追加の成分が硬質表面洗浄組成物中に含まれ得る。追加の成分は、組成物に所望の特性及び機能性を提供する。本出願の目的のために、「機能性成分」という用語は、特定の使用における有益な特性を提供する材料を含む。機能性材料のいくつかの特定の例が、以下でより詳細に考察されるが、考察される特定の材料は、単に例として与えられており、多種多様な他の機能性成分が使用され得る。そのような機能性材料の例としては、これらに限定されないが、染料、香料、酸化剤、溶媒、水調整剤、又はそれらの混合物が挙げられる。また、組成物の所望の特徴及び/若しくは機能性に応じて、多種多様な他の機能性材料が含まれ得るか、又は除外され得る。好ましい実施形態では、組成物は、カチオン性界面活性剤、ケイ素系ポリマー及び界面活性剤、発泡促進剤、イオン性塩、並びに/若しくはレオロジー調整剤のうちの一つ又は複数を実質的に含まないか、又は完全に含まない。
【0135】
本明細書に開示のいくつかの実施形態の状況では、任意選択で、それらの機能性特性のための機能性材料又は成分が硬質表面洗浄組成物内に含まれる。機能性材料のいくつかのより具体的な例が、以下でより詳細に考察されるが、考察される特定の材料は、単に例として与えられており、多種多様な他の機能性材料が使用され得ることが、当業者及び他の者によって理解されるべきである。
【0136】
特定の任意選択の機能性成分の量は、成分の性質及び組成物に意図される特性に応じて変動し得る。これにもかかわらず、濃縮硬質表面洗浄組成物は、0重量%~約20重量%、約0.01重量%~約20重量%、0.01重量%~約15重量%の追加の機能性成分を含むことが一般に予想される。同様に、RTU硬質表面洗浄組成物は、0ppm~約1000ppm、約0.1ppm~約1000ppm、1ppm~約750ppm、5ppm~約500ppmの追加の機能性成分を含む。
【0137】
染料
硬質表面洗浄組成物は、任意選択で、染料又は着色剤を含み得る。様々な染料及び他の審美性向上剤が、硬質表面洗浄組成物中に含まれ得る。例えば、FD&C Blue 1(Sigma Chemical)、FD&C Yellow 5(Sigma Chemical)、Direct Blue 86(Miles)、Fastusol Blue(Mobay Chemical Corp.)、Acid Orange 7(American Cyanamid)、Basic Violet 10(Sandoz)、Acid Yellow 23(GAF)、Acid Yellow 17(Sigma Chemical)、Sap Green(Keyston Analine and Chemical)、Metanil Yellow(Keystone Analine and Chemical)、Acid Blue 9(Hilton Davis)、Sandolan Blue/Acid Blue 182(Sandoz)、Hisol Fast Red(Capitol Color and Chemical)、Fluorescein(Capitol Color and Chemical)、Acid Green 25(Ciba-Geigy)、Liquitint Green 1054などの染料が、組成物の外観を変えるために含まれ得る。
【0138】
濃縮硬質表面洗浄組成物中に含まれる場合、染料は、好ましくは約0.001重量%~約5重量%、より好ましくは約0.01重量%~約2重量%の濃度である。RTU硬質表面洗浄組成物中に含まれる場合、染料は、好ましくは約0.0001ppm~約100ppm、より好ましくは約0.001ppm~約50ppmの濃度である。
【0139】
香料
硬質表面洗浄組成物は、任意選択で、香料を含み得る。様々な香料、着臭剤、香料(perfume)、及び他の臭気向上剤が、硬質表面洗浄組成物中に含まれ得る。好ましい香料としては、これらに限定されないが、シトロネロールなどのテルペノイド、アミルシンナムアルデヒドなどのアルデヒド、C1S-ジャスミン又はジャスマルなどのジャスミン、バニリン、天然若しくは合成の果実香料、天然若しくは合成の野菜香料、天然若しくは合成のハーブ又はスパイス香料などが挙げられる。
【0140】
濃縮硬質表面洗浄組成物中に含まれる場合、香料は、好ましくは約0.01重量%~約5重量%、より好ましくは約0.1重量%~約2重量%の濃度である。RTU硬質表面洗浄組成物中に含まれる場合、香料は、好ましくは約0.01ppm~約200ppm、より好ましくは約0.1ppm~約100ppmの濃度である。
【0141】
酸化剤
硬質表面洗浄組成物は、任意選択で、酸化剤を含み得る。濃縮硬質表面洗浄組成物中に含まれる場合、酸化剤は、好ましくは約0重量%~約10重量%、より好ましくは約0.1重量%~約7重量%の濃度である。
【0142】
酸化剤は、基材を明るくするか又は白くするために使用され得、典型的に洗浄プロセス中に遭遇する条件下で、Cl、Br、-OCl、及び/又は-OBrなどの活性ハロゲン種を遊離させることが可能な活性酸素化合物及び漂白化合物を挙げることができる。好適な活性酸素化合物は、無機若しくは有機であり得るか、又はそれらの混合物であり得る。活性酸素化合物のいくつかの例としては、過酸素化合物又は過酸素化合物付加物が挙げられる。活性酸素化合物又は活性酸素源のいくつかの例としては、テトラアセチルエチレンジアミンなどの活性剤の有無にかかわらず、過酸化水素、ペルボレート、炭酸ナトリウム過酸化水素化物、リン酸過酸化物、ペルオキシ一硫酸カリウム、並びに過ホウ酸ナトリウム一水和物及び四水和物が挙げられる。好適な漂白化合物としては、例えば、塩素、次亜塩素酸塩、クロラミンなどの塩素含有化合物を挙げることができる。ハロゲン放出化合物のいくつかの例としては、アルカリ金属ジクロロイソシアヌレート、塩素化リン酸三ナトリウム、アルカリ金属次亜塩素酸塩、モノクロラミン、及びジクロラミンなどが挙げられる。被包された塩素源は、組成物中の塩素源の安定性を強化するためにも使用され得る(例えば、開示が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,618,914号及び同第4,830,773号を参照されたい)。好ましい酸化剤としては、これらに限定されないが、過酸化物系酸化剤、塩素系酸化剤、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0143】
金属イオン封鎖剤
組成物は、有機若しくは無機の金属イオン封鎖剤又は金属イオン封鎖剤の混合物を含み得る。クエン酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸(nitrilotriacetic acid、NTA)のアルカリ金属塩、ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA)、EDTA、アルカリ金属グルコン酸塩、ポリアクリル酸のような高分子電解質などの有機金属イオン封鎖剤を、本明細書において使用し得る。金属イオン封鎖剤と配合物塩基との適合性に起因して、最も好ましい金属イオン封鎖剤は、グルコン酸ナトリウムなどの有機金属イオン封鎖剤である。
【0144】
本開示はまた、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどを含む複合体リン酸塩金属イオン封鎖剤、及びそれらの混合物などの物質を含む金属封鎖剤を混合することができる。ナトリウム縮合ホスフェート硬度金属イオン封鎖剤構成成分であるホスフェートは、水軟化剤、洗浄剤、及び洗剤ビルダーとして機能する。アルカリ金属(M)直鎖状及び環式縮合リン酸塩は、約1:1~2:1以上のMO:Pのモル比を有する。この種類の典型的なポリリン酸塩は、好ましいトリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、及びこれらのリン酸塩の対応するカリウム塩、並びにそれらの混合物である。ホスフェートの粒経は重要ではなく、任意の微粉化又は顆粒状の市販の製品が用いられ得る。
【0145】
溶媒
硬質表面洗浄組成物は、任意選択で、溶媒を含み得る。濃縮硬質表面洗浄組成物中に含まれる場合、溶媒は、好ましくは約0重量%~約20重量%の濃度である。我々は、溶媒の包含によって、組成物内の酵素の安定化を助けることができることを見出した。好ましい溶媒としては、これらに限定されないが、ジオール、ポリオール、芳香族アルコール、及びそれらの混合物を含む、これに限定されないが、有機溶媒が挙げられる。
【0146】
好ましい実施形態では、溶媒は、疎水性酸素化溶媒である。例示的な溶媒及び溶媒系としては、限られた水溶性アルコールが挙げられる。一態様では、ベンジルアルコール溶媒及び/又は溶媒系が用いられる。更なる態様では、フェノキシエタノール溶媒及び/又は溶媒系が用いられている。特定の作用機序に限定されることなく、いくつかの実施形態では、溶媒は、油脂性汚れに対する親和性を追加し、可塑剤として作用する疎水性を提供する限定された水溶性アルコールを提供する。
【0147】
追加の好適な溶媒及び溶媒系には、芳香族アルコール、エーテルアミン、アミジン、エステル、グリコールエーテル、及びそれらの混合物を含む一つ又は複数の異なる溶媒が含まれ得る。代表的なグリコールエーテル溶媒には、エチレングリコールフェニルエーテル(Dow製のDowanol Ephとして市販されている)又はジエチレングリコールフェニルエーテル(Dowanol DiEPhとして市販されている)などの芳香族グリコールエーテル溶媒が含まれ得る。追加の好適なグリコールエーテル溶媒としては、これらに限定されないが、Butyl CARBITOL(商標)アセテート、Butyl CARBITOL(商標)、Butyl CELLOSOLVE(商標)アセテート、Butyl CELLOSOLVE(商標)、Butyl DIPROPASOL(商標)、Butyl PROPASOL(商標)、CARBITOL(商標)PM-600、CARBITOL(商標)Low Gravityを挙げることができ、更に、緩衝剤、共溶媒、カップリング剤、消泡剤、染料、香料、発泡剤、ヒドロトロープ、pH調整剤、可溶化剤、追加の界面活性剤、湿潤剤、又はそれらの混合物、CELLOSOLVE(商標)、DOWANOL PPH(商標)、DOWANOL TPnB(商標)、EEP(商標)、FILMER IBT(商標)、Hexyl CARBITOL(商標)、Hexyl CELLOSOLVE(商標)、Methyl CARBITOL(商標)、Methyl CELLOSOLVE(商標)アセテート、Methyl CELLOSOLVE(商標)、Methyl DIPROPASOL(商標)、Methyl PROPASOLアセテート、Methyl PROPASOL(商標)、Propyl CARBITOL(商標)、Propyl CELLOSOLVE(商標)、Propyl DIPROPASOL(商標)、及び/又はPropyl PROPASOL(商標)を含む。
【0148】
追加の好適な溶媒としては、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(又は2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミドル[1,2-a]アゼピン(又はDBU)とも称され得る)、2.5.7.10-テトラオキサウンデカン(tetraoxaundecante、TOU)、アセトアミドフェノール、アセトアニリド、アセトフェノン、2-アセチル-1-メチルピロール、エチルヘキシルグリセリン、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコール、アルファフェニルエタノール、安息香酸ベンジル、ベンジルオキシエタノール、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールフェニルエーテル、酢酸アミル、アミルアルコール、3-ブトキシエチル-2-プロパノール、酢酸ブチル、プロピオン酸n-ブチル、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、ジエトキシエタノール、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジイソブチルカルビノール、ジイソブチルケトン、ジメチルヘプタノール、ジプロピレングリコールtert-ブチルエーテル、2-エチルヘキサノール、プロピオン酸エチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ヘキサノール、イソブタノール、酢酸イソブチル、イソブチルヘプチルケトン、イソホロン、イソプロパノール、酢酸イソプロピル、メタノール、メチルアミルアルコール、メチルn-アミルケトン、2-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、1-ペンタノール、n-ペンチルプロピオネート、1-プロパノール、n-プロピルアセテート、n-プロピルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールn-ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールn-ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチル3-エトキシプロピオネート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルを挙げることができる。代表的な炭酸ジアルキルとしては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジイソプロピル、及び炭酸ジブチルが挙げられる。代表的な油には、ベンズアルデヒド、ピネン(アルファ、ベータなど)、テルピネオール、テルピネン、カルボン、シンナムアルデヒド、ボルネオール及びそのエステル、シトラール、イオネン、ジャスミン油、リモネン、ジペンテン、リナロール及びそのエステルが挙げられる。代表的な二塩基性エステルには、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、マロン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジブチル、及びDuPont Nylon製の商品名DBE、DBE-3、DBE-4、DBE-5、DBE-6、DBE-9、DBE-IB、及びDBE-MEで入手可能な製品が挙げられる。代表的なフタル酸エステルとしては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチルヘキシル、及びフタル酸ジエチルが挙げられる。追加の溶媒には、グリセリン及びモノヘプチルグリセリンなどのグリセリンモノアルキルエーテル、並びに1,2オクタンジオールなどの1,2アルカンジオールが含まれる。
【0149】
好ましい実施形態では、溶媒は、ベンジルアルコール、及び/又はDowanol Eシリーズ及び/又はDowanol Pシリーズからの溶媒のうちの一つ又は複数である。
【0150】
水調整剤
いくつかの実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、任意選択で、水調整剤を含み得る。好ましい水調整剤としては、これらに限定されないが、アミノカルボキシレート、縮合ホスフェート、ホスホネート、ポリカルボン酸ポリマー、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0151】
好ましいアミノカルボキシレートとしては、これらに限定されないが、エチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetra-acetate、EDTA)、グルタミン酸-N,N-二酢酸(glutamic-N,N-diacetic acid、GLDA)、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(N-hydroxyethylethylenediaminetriacetate、HEDTA)、メチル-グリシン-二酢酸(methyl-glycine-diacetic acid、MGDA)、ニトリロ-三酢酸(nitrilo-triacetate、NTA)、エチレンジアミンテトラプロプリオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、及びエタノールジグリシン、前述の塩及び誘導体、その中のアルカリ金属、アンモニウム、及び置換アンモニウム塩、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0152】
好ましい縮合ホスフェートとしては、これらに限定されないが、オルトリン酸ナトリウム及びカリウム、ピロリン酸ナトリウム及びカリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0153】
好ましいホスホネートとしては、これらに限定されないが、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸CHC(OH)[PO(OH);アミノトリ(メチレンホスホン酸)N[CHPO(OH);アミノトリ(メチレンホスホネート)、ナトリウム塩
【0154】
【化7】
2-ヒドロキシエチルイミノビス(メチレンホスホン酸)HOCHCHN[CHPO(OH);ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(HO)POCHN[CHN[CHPO(OH);ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホネート)、ナトリウム塩C(28-x)Na15(x=7);ヘキサメチレンジアミン(テトラメチレンホスホネート)、カリウム塩C10(28-x)12(x=6);ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(ペンタメチレンホスホン酸)(HO)POCHN[(CHN[CHPO(OH);及び亜リン酸HPOが挙げられる。いくつかの実施形態では、ATMP及びDTPMPなどのホスホネートの組み合わせが、使用され得る。
【0155】
好適なポリカルボン酸ポリマーは、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、若しくはそれらの組み合わせを含む、ホモポリマー、コポリマー、及び/又はターポリマーであり得る。好ましいポリカルボン酸ポリマーとしては、約1,000~約100,000の重量平均分子量を有するポリアクリル酸ポリマー、約1,000~約100,000の重量平均分子量を有する修飾ポリアクリル酸ポリマー、又は約500~約5,000の重量平均分子量を有するポリマレイン酸ポリマーが挙げられる。最も好ましい実施形態では、水調整剤は、ポリマレイン酸ポリマーを含むポリカルボン酸ポリマーを含む。
【0156】
好適なポリカルボン酸ポリマーの例としては、ポリアクリル酸ポリマー、脂肪酸終端基によって修飾されたポリアクリル酸ポリマー(「修飾ポリアクリル酸ポリマー」)、及びポリマレイン酸ポリマーが挙げられる。好適なポリアクリル酸ポリマー及び修飾ポリアクリル酸ポリマーの例としては、約1,000~約100,000の重量平均分子量を有するものが挙げられる。好適なポリマレイン酸ポリマーの例としては、約500~約5,000の重量平均分子量を有するものが挙げられる。好適なポリカルボン酸ポリマーは、商品名AcusolでRohm&Haas LLC(Philadelphia,Pa)から入手可能であり、Houghton Chemical Corporation(Boston,Mass)から入手可能なBelcleneである。
【0157】
硬質表面洗浄組成物は、任意選択で、ポリカルボン酸ポリマーを含む。ポリカルボン酸ポリマーを含む好ましい実施形態では、濃縮硬質表面洗浄組成物は、約0.01重量%~約10重量%、より好ましくは約0.1重量%~約5重量%、最も好ましくは約0.5重量%~約2重量%のポリカルボン酸ポリマーを含む。非イオン性を含む好ましい実施形態では、RTU硬質表面洗浄組成物は、約0.1ppm~約5000ppm、より好ましくは約1ppm~約250ppm、最も好ましくは約10ppm~約100ppmのポリカルボン酸ポリマーを含む。
【0158】
硬質表面洗浄組成物を作製する方法
硬質表面洗浄組成物は、調製される製品の種類(すなわち、液体、固体、濃縮、又は使用溶液)に応じて、任意の好適な調製方法によって調製することができる。例えば、液体組成物は、典型的には、水性液体又は水性液体溶媒系中で成分を形成することによって作製され得る。そのような系は、典型的には、活性成分を水又は相溶性の溶媒に溶解又は懸濁し、次いで生成物を適切な濃度まで希釈して、濃縮物又はその使用溶液のいずれかを形成することによって作製される。ゲル化組成物は、同様に、適切な濃度でゲル化剤を含む相溶性の水性、水性液体、又は混合水性有機系に活性成分を溶解又は懸濁することによって作製され得る。
【0159】
硬質表面洗浄組成物が固体組成物として調製される実施形態では、固体組成物としては、これらに限定されないが、顆粒及びペレット化された固体組成物、粉末、固体ブロック組成物、キャスト固体ブロック組成物、押出固体ブロック組成物、プレス固体組成物、並びに他を挙げることができる。
【0160】
固体微粒子洗浄組成物は、本発明に従って形成された乾燥固体成分を適切な比で単にブレンドすることによって、又は適切な凝集系中で材料を凝集させることによって作製され得る。ペレット化された材料は、固体顆粒又は凝集した材料を適切なペレット化機器で圧縮して、適切にサイズ決めされたペレット化された材料を生じることによって製造され得る。固体ブロック及びキャスト固体ブロック材料は、事前に硬化させた材料のブロック、又は容器内で固体ブロックへと硬化させるキャスト可能な液体のいずれかを、容器に導入することによって作製され得る。好ましい容器には、使い捨てのプラスチック容器又は水溶性フィルム容器が挙げられる。組成物のための他の好適な包装には、可撓性バッグ、小包、収縮ラップ、及びポリビニルアルコールなどの水溶性フィルムが挙げられる。
【0161】
固体洗浄組成物は、バッチ又は連続混合システムを使用して形成され得る。例示的な実施形態では、一軸又は二軸スクリュー押出機を使用して、一つ又は複数の構成成分を高剪断で合わせ、混合して、均質な混合物を形成する。いくつかの実施形態では、加工温度は、構成成分の融解温度以下である。加工された混合物は、形成、キャスティング、又は他の好適な手段によって、混合器から分配され得、そこで、洗浄組成物が固体形態へと硬化する。マトリックスの構造は、その硬度、融点、材料分布、結晶構造、及び当該技術分野において既知の方法による他の同様の特性に従って、特徴評価され得る。一般に、本発明の方法に従って処理された固体洗浄組成物は、成分の分布に関してその塊全体を通じて実質的に均質であり、寸法的に安定である。
【0162】
押出プロセスでは、液体及び固体構成成分は、最終混合システムに導入され、構成成分が実質的に均質な半固体混合物を形成するまで連続的に混合され、半固体混合物中では、構成成分が、その塊全体を通じて分配される。混合物は、次いで、混合システムからダイ若しくは他の成形手段の中へ、又はそれを通して排出される。生成物は、次いで、包装される。例示的な実施形態では、形成された組成物は、およそ1分間~およそ3時間で固体形態へと硬化し始める。具体的には、形成された組成物は、およそ1分間~およそ2時間で固体形態に硬化し始める。より具体的には、形成された組成物は、およそ1分間~およそ20分間で固体形態へと硬化し始める。
【0163】
キャスティングプロセスでは、液体及び固体構成成分は、最終混合システムに導入され、構成成分が実質的に均質な液体混合物を形成するまで連続的に混合され、液体混合物中では、構成成分が、その塊全体を通じて分配される。例示的な実施形態では、構成成分は、混合システム内で少なくともおよそ60秒間混合される。混合が完了すると、生成物は、包装容器に移され、そこで固化が起こる。例示的な実施形態では、キャスト組成物は、およそ1分間~およそ3時間で固体形態へと硬化し始める。具体的には、キャスト組成物は、およそ1分間~およそ2時間で固体形態へと硬化し始める。より具体的には、キャスト組成物は、およそ1分間~およそ20分間で固体形態へと硬化し始める。
【0164】
プレス固体プロセスでは、顆粒固体又は他の粒子固体などの流動性固体は、圧力下で合わせられ得る。プレス固体プロセスでは、組成物の流動性固体は、型枠(例えば、型又は容器)内に配置される。方法は、流動性固体を型枠内で穏やかにプレスして、固体洗浄組成物を生成することを含み得る。圧力は、ブロック機械又は回転式プレスなどによって加えられ得る。圧力は、約1~約3000psi、約5~約2500psi、又は約10psi~約2000psiで加えられ得る。本明細書で使用される場合、「psi」又は「平方インチ当たりのポンド」という用語は、プレスされている流動性固体に加えられる実際の圧力を指し、プレスしている装置のある点で測定されるゲージ又は水圧を指さない。方法は、固体洗浄組成物を生成するための硬化ステップを含み得る。本明細書で言及される場合、流動性固体を含む硬化されていない組成物は、硬化されていない組成物が、安定な固体洗浄組成物へと固化するであろう流動性固体を構成する粒子間に、十分な表面接触を提供するように圧縮される。十分な量の互いに接触している粒子(例えば、顆粒)は、安定した固体組成物を作製するために効果的な粒子の互いへの結合を提供する。任意選択の硬化ステップの包含は、数時間又は約1日(又はそれ以上)などの期間の間、プレスされた固体が固化するのを可能にすることを含み得る。追加的な態様では、本方法は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,889,048号に開示される方法などの、流動性固体を型枠又は型内で振動させることを含んでもよい。
【0165】
プレスされた固体の使用は、錠剤プレス内の高圧若しくは顕著な量のエネルギーを消費する組成物の融解を必要とするキャスティングを必要とする、並びに/又は高価な機器及び高度な技術知識を必要とする押出成形による従来的な固体ブロック又は錠剤組成物を上回る、多くの利益を提供する。プレスされた固体は、固体洗浄組成物の作製のために必要である他の固体配合物のそのような様々な制限を克服する。更に、プレス成形された固体組成物は、組成物が貯蔵され得るか、又は取り扱われ得る条件下で、その形状を保持する。
【0166】
「固体」という用語によって、硬化された組成物が、適度な応力若しくは圧力、又は単なる重力下で流動せず、その形状を実質的に保持するであろうことが意味される。固体は、粉末、フレーク、顆粒、ペレット、錠剤、ロゼンジ、円盤、ブリケット、レンガ、固体ブロック、単位用量、又は当業者に既知である別の固体形態などの様々な形態であり得る。固体キャスト組成物及び/又はプレス固体組成物の硬度の程度は、例えば、コンクリートのように比較的密で硬い融合固体生成物の硬度から、硬化ペーストであるとして特徴評価される密度までの範囲であり得る。加えて、「固体」という用語は、固体洗浄組成物の貯蔵及び使用の予想される条件下での洗浄用組成物の状態を指す。一般に、洗浄組成物は、最大およそ100°F、具体的には最大およそ120°Fの温度に曝露されると、固体形態のままであろうことが、予想される。
【0167】
生じる固体洗剤組成物は、これらに限定されないが、キャスト固体生成物;押出、成形、若しくは形成された固体ペレット、ブロック、錠剤、粉末、顆粒、フレーク;プレスされた固体を含む形態を取り得るか、又は形成された固体は、その後、粉砕され得るか、若しくは粉末、顆粒、若しくはフレークへと形成され得る。例示的な実施形態では、固化マトリックスによって形成される押出ペレット材料は、およそ50グラム~およそ250グラムの重量を有し、組成物によって形成される押出固体は、およそ100グラム以上の重量を有し、組成物によって形成される固体ブロック洗剤は、およそ1~およそ10キログラムの質量を有する。固体組成物は、機能性材料の安定化された供給源を提供する。いくつかの実施形態では、固体組成物は、例えば、水性媒体又は他の媒体中に溶解されて、濃縮溶液及び/又は使用溶液が生成され得る。溶液は、後の使用及び/若しくは希釈のために貯水槽へと向けられ得るか、又は使用点に対して直接適用され得る。
【0168】
以下の特許は、本発明の固体洗浄組成物において利用され得る固化剤、結合剤、及び/又は硬化剤の様々な組み合わせについて開示している。以下の米国特許は、参照により本明細書に組み込まれる:米国特許第7,153,820号、同第7,094,746号、同第7,087,569号、同第7,037,886号、同第6,831,054号、同第6,730,653号、同第6,660,707号、同第6,653,266号、同第6,583,094号、同第6,410,495号、同第6,258,765号、同第6,177,392号、同第6,156,715号、同第5,858,299号、同第5,316,688号、同第5,234,615号、同第5,198,198号、同第5,078,301号、同第4,595,520号、同第4,680,134号、同第RE32,763号、及び同第RE32818号。
【0169】
硬質表面洗浄組成物を使用する方法
機序の理解は、本明細書に記載の硬質表面洗浄組成物を実用するのに必要ではなく、本実施形態は、いかなる特定の作用機序にも限定されないが、いくつかの実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、表面に適用され得ることが企図される。好ましい実施形態では、表面は、表面への洗浄組成物の適用後にすすがれる。好ましくは、表面から汚れを除去するのに十分な任意の時間の間、硬質表面洗浄組成物を表面と接触させる。いくつかの実施形態では、接触時間は、約30秒~10分、より好ましくは約1分~約5分である。
【0170】
硬質表面洗浄組成物は、特定の表面に好適な任意の所望の様式で表面に適用され得る。例えば、硬質表面洗浄組成物は、注ぐこと、スプレーすること、拭くこと、及び/又はモップ掛けすることによって適用され得る。硬質表面洗浄組成物を適用する他の機構が実施され得る。好ましい実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、ディスペンサから容器(例えば、ボトル又はバケツ)、洗浄基材(例えば、ワイプ、モップ、スポンジ、及び/又はラグ)へと分配され得るか、又は洗浄のために表面に直接分配され得る。好適なディスペンサは、濃縮組成物又はRTU組成物を含有し得る。好ましい実施形態では、ディスペンサは、濃縮洗浄組成物を希釈すること、及びそれをRTU組成物として分配することの両方ができる。
【0171】
好ましくは、硬質表面洗浄組成物は、本明細書で定義される任意の好適な硬質表面に適用され得る。好ましい硬質表面としては、これらに限定されないが、床、手すり、カウンター、壁、椅子、スツール、ベンチ、ドア、ハンドル、ドアノブなどが挙げられる。本発明の好ましい態様では、硬質表面洗浄組成物は、これらに限定されないが、高級ビニルタイル、リノリウム、タイル、木材、石、コンクリート、グラウト、ラミネート、磁器、プラスチック、複合材料、及び金属を含む、多様な表面材料を洗浄するのに好適である。
【0172】
本発明の好ましい態様では、硬質表面洗浄組成物は、これらに限定されないが、食品汚れ、調理汚れ、及び無機汚れを含む、多様な汚れを除去する。より好ましくは、硬質表面洗浄組成物は、鉱物粘土、砂、天然鉱物質、カーボンブラック、グラファイト、カオリン、環境埃、泥などの微粒子物質を含有してもしなくてもよい非極性の油性物質などの無機汚れ、並びにタンパク質性汚れ、デンプン質汚れ、多糖類、飽和及び不飽和脂肪性汚れを含む脂肪性汚れ、食品微粒子及び物質などを含む食品汚れを除去することができる。
【0173】
好ましい実施形態では、硬質表面洗浄組成物は、表面上の汚れのうちの少なくとも約50%、より好ましくは表面上の汚れのうちの少なくとも約60%、なおより好ましくは表面上の汚れのうちの少なくとも約70%、更により好ましくは表面上の汚れのうちの少なくとも約80%、なおより好ましくは表面上の汚れのうちの少なくとも約85%、更により好ましくは表面上の汚れのうちの少なくとも約90%、なおより好ましくは表面上の汚れのうちの少なくとも約95%、更により好ましくは表面上の汚れのうちの少なくとも約99%、最も好ましくは表面上の汚れの100%を除去することができる。
【0174】
本明細書における全ての刊行物及び特許出願は、本発明が関連する技術分野における通常の技術レベルを示している。全ての刊行物及び特許出願は、各個々の刊行物又は特許出願が具体的かつ個々に参照により組み込まれると示される場合と同程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
【0175】
例示的な実施形態
本発明は、特許請求の範囲において定義される。しかしながら、段落番号によって列挙された非限定的な実施形態の非網羅的なリストが以下に提供される。これらの実施形態の特徴のうちのいずれか一つ又は複数は、本明細書に記載の別の例、実施形態、又は態様のいずれか一つ又は複数の特徴と組み合わせられ得る。
【0176】
1.酵素硬質表面洗浄組成物であって、
アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤のうちの一つ又は複数を含む、界面活性剤ブレンドであって、アニオン性界面活性剤が、硫酸化、スルホン化、及び/又はカルボキシル化されており、両性界面活性剤が、アミンオキシド、ベタイン、スルタイン、又はそれらの混合物を含み、非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、直鎖状若しくは分岐状アルコキシレート、及び/又はEO/POコポリマーを含む、界面活性剤ブレンドと、
酵素と、
水と、を含み、
組成物が、約5.5~約10のpHを有する、酵素硬質表面洗浄組成物。
【0177】
2.両性界面活性剤が、直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル化若しくは非アルコキシル化C8~C18アミンオキシド、アミドベタイン、又はそれらの混合物である、段落1に記載の組成物。
【0178】
3.界面活性剤ブレンド、非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、C8~C18直鎖状若しくは分岐状アルキルアルコキシル化界面活性剤、又はそれらの混合物である、段落1又は2に記載の組成物。
【0179】
4.組成物が、殺生物剤を更に含む、段落1~3のいずれか1つに記載の組成物。
【0180】
5.殺生物剤が、約2つの炭素~約12個の炭素のR基を有するジ-アルキル鎖四級アンモニウム化合物又はその塩を含み、塩が、バイカーボネート、カルボキシレート、塩化物、カーボネート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、ポリカルボキシレート、又はそれらの組み合わせである、段落4に記載の組成物。
【0181】
6.界面活性剤ブレンドが、アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤と、を含む、段落1~3のいずれか1つに記載の組成物。
【0182】
7.組成物が、約0.01重量%~約15重量%の非イオン性界面活性剤、約1重量%~約30重量%の両性界面活性剤、約0.02重量%~約10重量%の殺生物剤、及び約0.1重量%~約30重量%の酵素、又はそれらの混合物を有する、濃縮組成物である、段落1~5のいずれか1つに記載の組成物。
【0183】
8.アニオン性界面活性剤が、直鎖状若しくは分岐状C8~22アルキルベンゼンスルホネート、アルファオレフィンスルホネート、C8~C18直鎖状若しくは分岐状アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、又はそれらの混合物を含む、段落1、2、又は6のいずれか1つに記載の組成物。
【0184】
9.組成物が、約1重量%~約30重量%のアニオン性界面活性剤、約1重量%~約30重量%の両性界面活性剤、及び約0.1重量%~約30重量%の酵素を有する、濃縮組成物である、段落1、2、6、又は8のいずれか1つに記載の組成物。
【0185】
10.組成物が、約1ppm~約10,000ppmの非イオン性界面活性剤、約25ppm~約10,000ppmの両性界面活性剤、及び約25ppm~約25,000ppmの酵素を有する、すぐに使用できる洗浄組成物である、段落1~5のいずれか1つに記載の組成物。
【0186】
11.組成物が、約25ppm~約10,000ppmのアニオン性界面活性剤、約25ppm~約10,000ppmの両性界面活性剤、及び約25ppm~約25,000ppmの酵素を有する、すぐに使用できる洗浄組成物である、段落1、2、6、又は8のいずれか1つに記載の組成物。
【0187】
12.硬質表面酵素消毒組成物であって、
非イオン性界面活性剤であって、非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、直鎖状若しくは分岐状アルコキシレート、EO/POコポリマー、又はそれらの混合物を含み、組成物が、アニオン性界面活性剤を含まない、非イオン性界面活性剤と、
殺生物剤と、
酵素と、
水と、を含み、
組成物が、約6.5~約10.5のpHを有する、硬質表面酵素消毒組成物。
【0188】
13.界面活性剤ブレンド、非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、C8~C18直鎖状若しくは分岐状アルキルアルコキシル化界面活性剤、又はそれらの混合物である、段落12に記載の組成物。
【0189】
14.殺生物剤が、約2つの炭素~約12個の炭素のR基を有するジ-アルキル鎖四級アンモニウム化合物又はその塩を含み、塩が、バイカーボネート、カルボキシレート、塩化物、カーボネート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、ポリカルボキシレート、又はそれらの組み合わせである、段落12又は13に記載の組成物。
【0190】
15.非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、及び直鎖状又は分岐状アルコキシレートを含む、段落12~14のいずれか1つに記載の組成物。
【0191】
16.組成物が、約0.01重量%~約15重量%の非イオン性界面活性剤、約0.02重量%~約10重量%の殺生物剤、及び約0.1重量%~約30重量%の酵素を有する、濃縮組成物である、段落12~15のいずれか1つに記載の組成物。
【0192】
17.組成物が、約5ppm~約25,000ppmの非イオン性界面活性剤、約1ppm~約10,000ppmの殺生物剤、及び約5ppm~約25,000ppmの酵素を有する、RTU組成物である、段落12~15のいずれか1つに記載の組成物。
【0193】
18.組成物が、染料、金属イオン封鎖剤、香料、酸化剤、pH調整剤、溶媒、水調整剤、又はそれらの混合物を更に含む、段落1~17のいずれか1つに記載の組成物。
【0194】
19.組成物が、約7~約10のpHを有する、段落1~18のいずれか1つに記載の組成物。
【0195】
20.組成物が、約0.01重量%~約10重量%の濃度で水調整剤を更に含む、濃縮組成物である、段落18に記載の組成物。
【0196】
21.組成物が、約0.1ppm~約500ppmの水調整剤を有する、すぐ使用できる洗浄組成物を含む、段落18に記載の組成物。
【0197】
22.組成物が、約28ダイン未満の表面張力を有する、段落1~21のいずれか1つに記載の組成物。
【0198】
23.酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、グルコナーゼ、又はそれらの混合物である、段落1~22のいずれか1つに記載の組成物。
【0199】
24.硬質表面を洗浄する方法であって、
硬質表面を段落1~23のいずれか1つに記載の組成物と接触させることを含み、表面が、汚れを含み、表面から汚れのうちの少なくとも50%が除去され、組成物が、表面上で約50°未満の表面接触角を有する、方法。
【0200】
25.硬質表面をすすぐことを更に含む、段落24に記載の方法。
【0201】
26.組成物を硬質表面上で乾燥させる、段落24に記載の方法。
【0202】
27.接触させることが、硬質表面を硬質表面洗浄組成物でスプレーすること、拭くこと、注ぐこと、及び/又はモップ掛けすることによって実施される、段落24~26のいずれか1つに記載の方法。
【0203】
28.硬質表面が、排水管、シャワー、シンク、トイレ、浴槽、天板、窓、鏡、及び床のうちの一つ又は複数を含む、段落24~27のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
29.硬質表面を消毒する方法であって、
硬質表面を段落1~5、7、10、又は12~23のいずれか1つに記載の組成物と接触させることを含み、硬質表面が、微生物集団を含み、組成物が、表面上で約50°未満の表面接触角を有する、方法。
【0205】
30.硬質表面をすすぐことを更に含む、段落29に記載の方法。
【0206】
31.接触させることが、硬質表面を硬質表面洗浄組成物でスプレーすること、拭くこと、注ぐこと、及び/又はモップ掛けすることによって実施される、段落29又は30に記載の方法。
【0207】
32.硬質表面が、排水管、シャワー、シンク、トイレ、浴槽、天板、窓、鏡、及び床のうちの一つ又は複数を含む、段落29~31のいずれか1つに記載の方法。
【0208】
33.組成物が、接触させるステップの後に、少なくとも約5分間の時間の間、表面上に静置される、段落29~32のいずれか1つに記載の方法。
【0209】
33.組成物が、約5分~約2時間の時間の間、表面上に静置される、段落29~32のいずれか1つに記載の方法。
【0210】
34.微生物集団が、少なくとも約99.9%だけ低減される、段落29~33のいずれか1つに記載の方法。
【0211】
35.硬質表面が、汚れを含み、表面から汚れのうちの少なくとも50%が除去される、段落29~34のいずれか1つに記載の方法。
【実施例
【0212】
酵素を含む硬質表面洗浄組成物及びそれを使用する方法の実施形態は、以下の非限定的な実施例において更に定義される。これらの実施例は、一つ又は複数の好ましい実施形態を示しているが、単なる例示として与えられており、非限定的であることが理解されるべきである。上の考察及びこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認することができ、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の実施形態の様々な変更及び修正を行って、様々な用途及び条件に適合させることができる。したがって、本明細書に示され記載されるものに加えて、実施形態の様々な修正が、前述の記載から当業者に明らかになるであろう。そのような修正もまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。使用材料:
Ammonyx(登録商標)LO:Stepanから入手可能なラウラミンオキシド。
Amplify(登録商標)Prime:Novozymesから入手可能なアミラーゼ。
Barlox(登録商標)12(B12):Lonzaから入手可能なココアミンオキシド界面活性剤。
Bioterge(登録商標)AS-40K:Stepanから入手可能なC14~16オレフィンスルホン酸ナトリウム界面活性剤。
Carboquat H:Lonzaから市販されているジ-アルキル鎖四級アンモニウム化合物を含む殺生物性活性物質。
Diversey Suma Bio:Diversey Globalから入手可能なSuma(登録商標)Bio-Floor(登録商標)Cleaner。
Esperase(登録商標):Novozymesから入手可能なプロテアーゼ。
Liquanse(登録商標):Novozymesから入手可能なプロテアーゼ。
Progress(登録商標)Uno100L:Novozymesから入手可能なプロテアーゼ。
Tomadol(登録商標)91-6:Evonikから入手可能なエトキシル化アルコール界面活性剤。
【0213】
市販のアルキルオレフィンスルホネート(alkyl olefin sulfonate、AOS)、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(linear alkylbenzene sulfonate、LAS)、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ゼラチン、トリエタノールアミン(triethanolamine、TEA)、モノエタノールアミン(monoethanolamine、MEA)、ラウレス硫酸ナトリウム(sodium laureth sulfate、SLES)、プロテアーゼ、アミラーゼ、及びリパーゼ。
【0214】
実施例1
様々なアルカリ及び酵素含有表面洗浄剤の表面張力を試験した。液体-空気界面への界面活性剤動態の測定を行った。この研究は、異なる界面活性剤プロファイルを有する様々な市販の硬質表面床洗浄剤を用いて室温で行った。アルカリ洗浄剤の結果を図1Aに示す。酵素表面洗浄剤の結果を図1Bに示す。
【0215】
図1Aの結果に示されるように、アルカリ表面洗浄剤は、10秒で約25~30nM/mの表面張力を達成する。図1Bに見ることができるように、この同じ低い表面張力は、酵素を含有する表面洗浄剤によっても得られた。これは、酵素の包含によって、表面張力を低減する様々な界面活性剤系の能力の効力が損なわれないことを示している。
【0216】
実施例2
スダン染料(着色用)を含む、1:1の比のラード及びトウモロコシ油から、食品汚れ組成物を調製した(実施例全体を通じて「赤色汚れ組成物」と称される)。赤色汚れ組成物は、裏庭(back of house、BOH)作業領域などの表面上に見出される半固体脂肪汚れを模倣している。
【0217】
9:1の比のモータ油及びジアシルグリセロール油から、工業用炭化水素系油性汚れを調製した(実施例全体を通じて「黒色汚れ組成物」と称される)。黒色汚れ組成物は、前庭(front of house、FOH)作業領域などの表面上に見出される汚れ及び油を模倣している。
【0218】
赤色汚れ組成物で汚したビニルタイル基材を調製し、黒色汚れ組成物で汚したタイルを調製した。およそ0.15グラムの赤色汚れ組成物又は黒色汚れ組成物のいずれかで、タイルを汚した。5gpg(ガロン当たりの粒子数)の水硬度を有する水で希釈した様々な洗浄剤組成物の使用溶液に、タイルを浸漬させた。赤色汚れを有するタイルを、様々な洗浄組成物と共に室温で24時間浸漬させた。黒色汚れを有するタイルを、様々な洗浄組成物と共に室温で30分間浸漬させた。
【0219】
図2に示されるように、アルキルオレフィンスルフェート、アミンオキシド、及びエトキシル化アルコール界面活性剤の界面活性剤ミックスを有する実験用酵素洗浄剤は、赤色汚れに対して市販の洗浄剤よりも良好に機能したが、クラク汚れに対しては市販の中性酵素洗浄剤よりも驚くほど良好に機能し、市販のアルカリ洗浄剤と同様に機能した。更に、市販の天然酵素洗浄剤とは異なり、実験用酵素洗浄剤は、赤色汚れ及び黒色汚れの両方に対して水よりも性能が優れていた。
【0220】
実施例3
また、高温条件下で最大8週間の間、酵素安定性を試験した。Progress(登録商標)Uno及びAmplify(登録商標)Primeを、それぞれプロテアーゼ及びアミラーゼの例として試験した。(一方は、Progress(登録商標)Unoを含み、他方はAmplify(登録商標)Primeを含む)2つの実験用酵素洗浄剤を作製し、各々の3つの試料を抽出し、次いで室温、40℃、及び50℃で8週間の間貯蔵し、0日目、1週間後、2週間後、4週間後、及び8週間後に酵素の活性を測定した。結果を表3及び図3に提供する。
【0221】
【表7】
【0222】
アミラーゼは、プロテアーゼと同じ貯蔵安定性を有していなかったが、過酷な温度条件下で高い貯蔵安定性を依然として示した。更に、プロテアーゼは、優れた安定性を呈し、50℃で8週間後に減少を示したのみであった。過酷な温度条件は、組成物が長期間にわたってどのように貯蔵するかを示すために提供される。典型的には、組成物は、高められた条件で貯蔵されないが、温度を上昇させることによって、組成物に対するストレスは、長期間、例えば、9か月、1年、又はそれ以上にわたるものと同様に増加する。表3及び図3に見ることができるように、実験用酵素洗浄剤は、高い貯蔵温度での長期貯蔵能力を示している。
【0223】
実施例4
上記の方法を使用して、中性pHで異なる量のアミンオキシド(amine oxide、AO)を含む様々な実験用酵素洗浄剤を試験し、黒色汚れに対して様々な濃度の市販の酵素洗浄剤及びアルカリ洗浄剤と比較した。結果は、図4に見ることができ、表4に要約する。
【0224】
図4及び表4に見ることができるように、実験用中性酵素洗浄剤は、両方の濃度で市販の酵素洗浄剤よりも顕著に性能が優れていた。更に、低AO含有(0又は4.5%AO)実験用中性酵素洗浄剤は、同じ濃度で両方の市販のアルカリ洗浄剤と同様の性能を有していた。しかしながら、AOの量が増加するにつれて、実験用中性酵素洗浄剤は、市販の酵素洗浄剤よりも依然として顕著に良好に機能するが、市販のアルカリ洗浄剤ほど良好に機能しなかった。これらの結果は、AOの濃度が、黒色汚れ除去に影響を及ぼし得、より低い濃度のAOで黒色汚れ除去が増加することを示している。
【0225】
【表8】
【0226】
実施例5
浸漬によって油脂性及びタンパク質性汚れを除去する能力を試験した。0、5%又は25%の卵タンパク質を含む、2:1のラード:植物油の汚れ混合物に対して、実験用酵素洗浄剤を、様々な市販の中性酵素洗浄剤及び様々な市販のアルカリ洗浄剤と比較した。タイルを汚れでコーティングし、3又は20時間浸漬させた。浸漬後、除去された汚れの量を計算した。
【0227】
図5A及び図5Bは、油脂性汚れ中0%のタンパク質を用いた、20時間浸漬の結果を示す。図5Aに見ることができるように、両方の酵素洗浄剤は、市販のアルカリ洗浄剤よりも高く性能が優れており、市販のアルカリ洗浄剤は、タイルから汚れのうちの5%を除去することが可能ではなかった。しかしながら、両方の酵素洗浄剤は、浸漬させることを通じただけで汚れのうちの30~35%を除去することが可能であった。
【0228】
図6A及び図6Bは、油脂性汚れ中5%のタンパク質を用いた、低用量及び高容量の実験用中性酵素洗浄剤及び市販の中性酵素洗浄剤の20時間浸漬の結果を示す。図6Aに示されるように、純粋に油脂性汚れ(0%、上記)と同様に、市販の洗浄剤は、両方の使用量で、汚れのうちの最大約35%をタイルから除去することが可能であった。しかしながら、低使用量の実験用中性酵素洗浄剤でさえ、高使用量の市販の洗浄剤よりも汚れを除去するのに効果的であり、低タンパク質性油脂性汚れのうちの最大55%を除去した。
【0229】
図7A及び図7Bは、油脂性汚れ中25%のタンパク質を用いた、低用量及び高容量の実験用中性酵素洗浄剤及び市販の中性酵素洗浄剤の3時間浸漬の結果を示す。図7Aに示されるように、市販の洗浄剤の性能は、上昇したタンパク質の量では劇的に減少するが、実験用中性酵素洗浄剤は、性能を維持又は改善し、より高い濃度で汚れのうちの最大55%を除去することが可能である。
【0230】
これらの結果は、市販のアルカリ洗浄剤(図5A及び図5B)は、油脂性汚れの除去に有効ではないが、市販の中性酵素洗浄剤は、実験用中性酵素洗浄剤と比較すると、タンパク質の量が増加するにつれて、汚れの除去にますます有効ではないことを示している。更に、これらの結果は、より高濃度の実験用中性酵素洗浄剤では、汚れ除去は、汚れ中のタンパク質濃度が増加するにつれて改善することを示している。
【0231】
実施例6
また、表面上に残された残留化学物質の量を、異なるレベルの硬水で試験した。2年間繰り返された洗浄(washing)を模倣するために、異なるレベルの硬水を模倣する0gpg、5gpg、又は17gpgの水で作製した実験用酵素洗浄剤の溶液中に、タイルを730回浸した。図8A図8Cに示されるように、17gpg水溶液中にのみ化学物質の蓄積があった。
【0232】
化学残留物の蓄積を相殺することができるかどうかを決定するために、シトレート含むか又は含まない異なるpHの17gpgの水及びトリエチルアミン(TEA)を用いて、実験用酵素洗浄剤の溶液を作製した。図9A図9Cに示されるように、より高いpHレベルでさえも、シトレートの包含によって、100回浸した後のタイル上の化学残留物の蓄積が防止された。
【0233】
これらの結果は、実験用酵素洗浄剤が、軟水中では残留物を残さず、硬水中では任意選択の金属イオン封鎖剤のみを必要とすることを示している。
【0234】
実施例7
実験組成物内の様々な酵素の安定性を更に決定するために、表5~7に提示される異なる酵素を用いた様々な実施形態を、異なる温度で8週間の間試験した。結果を表8に要約する。
【0235】
表8に示されるように、酵素の安定性は、温度及び溶媒に応じて異なった。全ての温度及び溶媒にわたって、Progress Uno100Lは、平均して最良に機能し、室温よりも高い温度でLiquanse及びEsperaseの両方よりも性能が優れていた。しかしながら、室温のプロピレングリコール中では、Liquanse及びエスペラーゼの両方は、Progress Uno100Lよりも高い安定性を有していた。Esperaseはまた、室温のグリセリン中では、Progress Uno100Lよりも良好な8週間安定性を有する。
【0236】
【表9】
【0237】
【表10】
【0238】
【表11】
【0239】
また、表8からのデータは、図10における棒グラフ比較によって提供される。これらの結果は、温度及び溶媒に応じて、酵素の安定性が保存され得、溶媒及び酵素が、予想される貯蔵条件に応じて最適化され得ることを示している。
【0240】
【表12】
【0241】
【表13】
【0242】
実施例8
100%油脂性汚れ(2:1のラード:トウモロコシ油;20時間浸漬)及び25%の卵タンパク質を含む油脂(2:1のラード:トウモロコシ油)(2時間浸漬)に対する、様々な市販のアルカリ洗浄剤及び酵素洗浄剤(Diversey Suma Bio:Suma(登録商標)Bio-Floor(登録商標)洗浄剤を含む)、並びに実験用酵素洗浄剤の中性pHでの性能を試験した。100%デンプン及び100%タンパク質に対して、酵素洗浄剤を更に試験した。水ガロン当たり2oz.の希釈で、各洗浄剤を調製した。
【0243】
図11A図11Dに示されるように、市販のアルカリ洗浄剤は、最良の性能を有し、実験用酵素洗浄剤はほぼ同様に機能した。100%油脂性汚れの除去について、両方の洗浄剤は、他の市販の洗浄剤よりも良好に機能した。しかしながら、実施例5のように、タンパク質が油脂に添加されると、市販のアルカリ洗浄剤は、もはや十分に機能しないが、酵素洗浄剤は、増加した性能を有した。この結果は、図11A図12Dに見ることができ、実験用酵素洗浄剤は、油脂性汚れ+タンパク質性汚れにおいて、2時間浸漬後に最良の性能を有する。
【0244】
また、この性能効率を図13A図13Cに示す。図13A図13Dは、100%デンプン(左列、30分浸漬)又は100%タンパク質(右列、3時間浸漬)に対する、中性pHでの市販のアルカリ洗浄剤(図13A)、実験用酵素洗浄剤(図13B)、及び市販の酵素洗浄剤(図13C)の間の比較を示す。図13に見ることができるように、実験用酵素洗浄剤は、デンプン及びタンパク質の両方に対して、市販の洗浄剤の両方よりも性能が優れていた。
【0245】
これらの結果は、アルカリ洗浄剤及び酵素洗浄剤のいずれも同じレベルの性能が可能ではないので、実験用酵素洗浄剤中の界面活性剤と酵素との間に相乗効果が存在することを示している。
【0246】
実施例9
殺生物剤を含有する硬質表面洗浄組成物を試験して、殺傷効力を評価した。以下の試験を実施した:
・ ASTM E1054-21 Standard Test Method for Evaluation of Inactivators of Antimicrobial Agents、
・ ASTM E1153-14 Standard Test Method for Efficacy of Sanitizers Recommended for Inanimate Hard,Nonporous Non-Food Contact Surfaces、
・ U.S.EPA OCSPP 810.2000:General Considerations for Testing Public Health Antimicrobial Pesticides-Guidance for Efficacy Testing(February 2018)、及び
・ U.S.EPA OCSPP 810.2300 Sanitizers for Use on Hard Surfaces-Efficacy Data Recommendations(September 4,2012)。
【0247】
非食品消毒のために、硬質表面殺生物性組成物を、S.Aureus(ATCC6538)及びK.Aerogenes(ATCC13048)に対して試験した。以下の表9に従って3つの組成物を調製し、次いで、水で1.50%の濃度まで希釈した後、上に列挙したガイドラインに従って試験した。細菌で汚した表面に、モップによって組成物を適用し、すすぎ前の表面接触時間は、5分であった。非食品消毒試験の結果を以下の表10に示す。
【0248】
【表14】
【0249】
【表15】
【0250】
表10から見ることができるように、消毒硬質表面洗浄は、殺生物剤単独と本質的に同じ、細菌の低減を提供した。殺生物剤を含まない組成物は、実際に細菌低減を提供することができなかった。S.Aureusの0.79%低減は、真の殺傷活性とは対照的に、モップ掛け及びすすぎを介した除去に起因する。
【0251】
このように本発明について記載してきたが、多くの方式でこれらは変動し得ることは明らかであろう。そのような変形は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱するものとみなされるものではない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの実施形態を行うことができるので、本発明は、特許請求の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A-8C】
図9A-9C】
図10
図11A-11D】
図12A-12D】
図13B
【手続補正書】
【提出日】2023-11-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0251
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0251】
このように本発明について記載してきたが、多くの方式でこれらは変動し得ることは明らかであろう。そのような変形は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱するものとみなされるものではない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの実施形態を行うことができるので、本発明は、特許請求の範囲に属する。以下の項目[1]~[36]に、本開示の実施形態の例を列記する。
[1]
酵素硬質表面洗浄組成物であって、前記組成物は、
アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤のうちの一つ又は複数を含む、界面活性剤ブレンドであって、前記アニオン性界面活性剤が、硫酸化、スルホン化、及び/又はカルボキシル化されており、前記両性界面活性剤が、アミンオキシド、ベタイン、スルタイン、又はそれらの混合物を含み、前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、直鎖状若しくは分岐状アルコキシレート、及び/又はEO/POコポリマーを含む、界面活性剤ブレンドと、
酵素と、
水と、を含み、
前記組成物が、約5.5~約10のpHを有する、酵素硬質表面洗浄組成物。
[2]
前記両性界面活性剤が、直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル化若しくは非アルコキシル化C8~C18アミンオキシド、アミドベタイン、又はそれらの混合物である、項目1に記載の組成物。
[3]
前記界面活性剤ブレンド、前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、C8~C18直鎖状若しくは分岐状アルキルアルコキシル化界面活性剤、又はそれらの混合物である、項目1又は2に記載の組成物。
[4]
前記組成物が、殺生物剤を更に含む、項目1~3のいずれか一項に記載の組成物。
[5]
前記殺生物剤が、約2個の炭素~約12個の炭素のR基を有するジ-アルキル鎖四級アンモニウム化合物又はその塩を含み、前記塩が、バイカーボネート、カルボキシレート、塩化物、カーボネート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、ポリカルボキシレート、又はそれらの組み合わせである、項目4に記載の組成物。
[6]
前記界面活性剤ブレンドが、アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤と、を含む、項目1~3のいずれか一項に記載の組成物。
[7]
前記組成物が、約0.01重量%~約15重量%の前記非イオン性界面活性剤、約1重量%~約30重量%の前記両性界面活性剤、約0.02重量%~約10重量%の前記殺生物剤、及び約0.1重量%~約30重量%の前記酵素、又はそれらの混合物を有する、濃縮組成物である、項目1~5のいずれか一項に記載の組成物。
[8]
前記アニオン性界面活性剤が、直鎖状若しくは分岐状C8~22アルキルベンゼンスルホネート、アルファオレフィンスルホネート、C8~C18直鎖状若しくは分岐状アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、又はそれらの混合物を含む、項目1、2、又は6のいずれか一項に記載の組成物。
[9]
前記組成物が、約1重量%~約30重量%の前記アニオン性界面活性剤、約1重量%~約30重量%の前記両性界面活性剤、及び約0.1重量%~約30重量%の前記酵素を有する、濃縮組成物である、項目1、2、6、又は8のいずれか一項に記載の組成物。
[10]
前記組成物が、約1ppm~約10,000ppmの前記非イオン性界面活性剤、約25ppm~約10,000ppmの前記両性界面活性剤、及び約25ppm~約25,000ppmの前記酵素を有する、すぐに使用できる洗浄組成物である、項目1~5のいずれか一項に記載の組成物。
[11]
前記組成物が、約25ppm~約10,000ppmの前記アニオン性界面活性剤、約25ppm~約10,000ppmの前記両性界面活性剤、及び約25ppm~約25,000ppmの前記酵素を有する、すぐに使用できる洗浄組成物である、項目1、2、6、又は8のいずれか一項に記載の組成物。
[12]
硬質表面酵素消毒組成物であって、前記組成物は、
非イオン性界面活性剤であって、前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、直鎖状若しくは分岐状アルコキシレート、EO/POコポリマー、又はそれらの混合物を含み、前記組成物が、アニオン性界面活性剤を含まない、非イオン性界面活性剤と、
殺生物剤と、
酵素と、
水と、を含み、
前記組成物が、約6.5~約10.5のpHを有する、硬質表面酵素消毒組成物。
[13]
前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシドとC8~C18直鎖状又は分岐状アルキルアルコキシル化界面活性剤との混合物を含む、項目12に記載の組成物。
[14]
前記殺生物剤が、約2つの炭素~約12個の炭素のR基を有するジ-アルキル鎖四級アンモニウム化合物又はその塩を含み、前記塩が、バイカーボネート、カルボキシレート、塩化物、カーボネート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、ポリカルボキシレート、又はそれらの組み合わせである、項目12又は13に記載の組成物。
[15]
前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、及び直鎖状又は分岐状アルコキシレートを含む、項目12~14のいずれか一項に記載の組成物。
[16]
前記組成物が、約0.01重量%~約15重量%の前記非イオン性界面活性剤、約0.02重量%~約10重量%の前記殺生物剤、及び約0.1重量%~約30重量%の前記酵素を有する、濃縮組成物である、項目12~15のいずれか一項に記載の組成物。
[17]
前記組成物が、約5ppm~約25,000ppmの前記非イオン性界面活性剤、約1ppm~約10,000ppmの前記殺生物剤、及び約5ppm~約25,000ppmの前記酵素を有する、RTU組成物である、項目12~15のいずれか一項に記載の組成物。
[18]
前記組成物が、染料、金属イオン封鎖剤、香料、酸化剤、pH調整剤、溶媒、水調整剤、又はそれらの混合物を更に含む、項目1~17のいずれか一項に記載の組成物。
[19]
前記組成物が、約7~約10のpHを有する、項目1~18のいずれか一項に記載の組成物。
[20]
前記組成物が、約0.01重量%~約10重量%の濃度で前記水調整剤を更に含む、濃縮組成物である、項目18に記載の組成物。
[21]
前記組成物が、約0.1ppm~約500ppmの前記水調整剤を有する、すぐ使用できる洗浄組成物を含む、項目18に記載の組成物。
[22]
前記組成物が、約28ダイン未満の表面張力を有する、項目1~21のいずれか一項に記載の組成物。
[23]
前記酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、グルコナーゼ、又はそれらの混合物である、項目1~22のいずれか一項に記載の組成物。
[24]
硬質表面を洗浄する方法であって、
前記硬質表面を項目1~23のいずれか一項に記載の組成物と接触させることを含み、前記表面が、汚れを含み、前記表面から前記汚れのうちの少なくとも50%が除去され、前記組成物が、前記表面上で約50°未満の表面接触角を有する、方法。
[25]
前記硬質表面をすすぐことを更に含む、項目24に記載の方法。
[26]
前記組成物を前記硬質表面上で乾燥させる、項目24に記載の方法。
[27]
前記接触させることが、前記硬質表面を前記硬質表面洗浄組成物でスプレーすること、拭くこと、注ぐこと、及び/又はモップ掛けすることによって実施される、項目24~26のいずれか一項に記載の方法。
[28]
前記硬質表面が、排水管、シャワー、シンク、トイレ、浴槽、天板、窓、鏡、及び床のうちの一つ又は複数を含む、項目24~27のいずれか一項に記載の方法。
[29]
硬質表面を消毒する方法であって、
前記硬質表面を項目1~5、7、10、又は12~23のいずれか一項に記載の組成物と接触させることを含み、前記硬質表面が、微生物集団を含み、前記組成物が、前記表面上で約50°未満の表面接触角を有する、方法。
[30]
前記硬質表面をすすぐことを更に含む、項目29に記載の方法。
[31]
前記接触させることが、前記硬質表面を前記硬質表面洗浄組成物でスプレーすること、拭くこと、注ぐこと、及び/又はモップ掛けすることによって実施される、項目29又は30に記載の方法。
[32]
前記硬質表面が、排水管、シャワー、シンク、トイレ、浴槽、天板、窓、鏡、及び床のうちの一つ又は複数を含む、項目29~31のいずれか一項に記載の方法。
[33]
前記組成物が、前記接触させるステップの後に、少なくとも約5分間の間、前記表面上に静置される、項目29~32のいずれか一項に記載の方法。
[34]
前記組成物が、約5分~約2時間の間、前記表面上に静置される、項目29~32のいずれか一項に記載の方法。
[35]
前記微生物集団が、少なくとも約99.9%低減される、項目29~33のいずれか一項に記載の方法。
[36]
前記硬質表面が、汚れを含み、前記表面から前記汚れのうちの少なくとも50%が除去される、項目29~34のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酵素硬質表面洗浄組成物であって、前記組成物は、
アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤のうちの一つ又は複数を含む、界面活性剤ブレンドであって、前記アニオン性界面活性剤が、硫酸化、スルホン化、及び/又はカルボキシル化されており、前記両性界面活性剤が、アミンオキシド、ベタイン、スルタイン、又はそれらの混合物を含み、前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、直鎖状若しくは分岐状アルコキシレート、及び/又はEO/POコポリマーを含む、界面活性剤ブレンドと、
酵素と、
水と、を含み、
前記組成物が、約5.5~約10のpHを有する、酵素硬質表面洗浄組成物。
【請求項2】
前記両性界面活性剤が、直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル化若しくは非アルコキシル化C8~C18アミンオキシド、アミドベタイン、又はそれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤ブレンド、前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、C8~C18直鎖状若しくは分岐状アルキルアルコキシル化界面活性剤、又はそれらの混合物である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、殺生物剤を更に含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
前記殺生物剤が、約2個の炭素~約12個の炭素のR基を有するジ-アルキル鎖四級アンモニウム化合物又はその塩を含み、前記塩が、バイカーボネート、カルボキシレート、塩化物、カーボネート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、ポリカルボキシレート、又はそれらの組み合わせである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記界面活性剤ブレンドが、アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤と、を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、約0.01重量%~約15重量%の前記非イオン性界面活性剤、約1重量%~約30重量%の前記両性界面活性剤、約0.02重量%~約10重量%の前記殺生物剤、及び約0.1重量%~約30重量%の前記酵素、又はそれらの混合物を有する、濃縮組成物である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項8】
前記アニオン性界面活性剤が、直鎖状若しくは分岐状C8~22アルキルベンゼンスルホネート、アルファオレフィンスルホネート、C8~C18直鎖状若しくは分岐状アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、又はそれらの混合物を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、約1重量%~約30重量%の前記アニオン性界面活性剤、約1重量%~約30重量%の前記両性界面活性剤、及び約0.1重量%~約30重量%の前記酵素を有する、濃縮組成物である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、約1ppm~約10,000ppmの前記非イオン性界面活性剤、約25ppm~約10,000ppmの前記両性界面活性剤、及び約25ppm~約25,000ppmの前記酵素を有する、すぐに使用できる洗浄組成物である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、約25ppm~約10,000ppmの前記アニオン性界面活性剤、約25ppm~約10,000ppmの前記両性界面活性剤、及び約25ppm~約25,000ppmの前記酵素を有する、すぐに使用できる洗浄組成物である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項12】
硬質表面酵素消毒組成物であって、前記組成物は、
非イオン性界面活性剤であって、前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、直鎖状若しくは分岐状アルコキシレート、EO/POコポリマー、又はそれらの混合物を含み、前記組成物が、アニオン性界面活性剤を含まない、非イオン性界面活性剤と、
殺生物剤と、
酵素と、
水と、を含み、
前記組成物が、約6.5~約10.5のpHを有する、硬質表面酵素消毒組成物。
【請求項13】
前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシドとC8~C18直鎖状又は分岐状アルキルアルコキシル化界面活性剤との混合物を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記殺生物剤が、約2つの炭素~約12個の炭素のR基を有するジ-アルキル鎖四級アンモニウム化合物又はその塩を含み、前記塩が、バイカーボネート、カルボキシレート、塩化物、カーボネート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、ポリカルボキシレート、又はそれらの組み合わせである、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項15】
前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、及び直鎖状又は分岐状アルコキシレートを含む、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、約0.01重量%~約15重量%の前記非イオン性界面活性剤、約0.02重量%~約10重量%の前記殺生物剤、及び約0.1重量%~約30重量%の前記酵素を有する、濃縮組成物である、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、約5ppm~約25,000ppmの前記非イオン性界面活性剤、約1ppm~約10,000ppmの前記殺生物剤、及び約5ppm~約25,000ppmの前記酵素を有する、RTU組成物である、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、染料、金属イオン封鎖剤、香料、酸化剤、pH調整剤、溶媒、水調整剤、又はそれらの混合物を更に含む、請求項1又は12に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、約7~約10のpHを有する、請求項1又は12に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、約0.01重量%~約10重量%の濃度で前記水調整剤を更に含む、濃縮組成物である、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が、約0.1ppm~約500ppmの前記水調整剤を有する、すぐ使用できる洗浄組成物を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が、約28ダイン未満の表面張力を有する、請求項1又は12に記載の組成物。
【請求項23】
前記酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、グルコナーゼ、又はそれらの混合物である、請求項1又は12に記載の組成物。
【請求項24】
硬質表面を洗浄する方法であって、
前記硬質表面を請求項1又は12に記載の組成物と接触させることを含み、前記表面が、汚れを含み、前記表面から前記汚れのうちの少なくとも50%が除去され、前記組成物が、前記表面上で約50°未満の表面接触角を有する、方法。
【請求項25】
前記硬質表面をすすぐことを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物を前記硬質表面上で乾燥させる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記接触させることが、前記硬質表面を前記硬質表面洗浄組成物でスプレーすること、拭くこと、注ぐこと、及び/又はモップ掛けすることによって実施される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記硬質表面が、排水管、シャワー、シンク、トイレ、浴槽、天板、窓、鏡、及び床のうちの一つ又は複数を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
硬質表面を消毒する方法であって、
前記硬質表面を請求項1又は12に記載の組成物と接触させることを含み、前記硬質表面が、微生物集団を含み、前記組成物が、前記表面上で約50°未満の表面接触角を有する、方法。
【請求項30】
前記硬質表面をすすぐことを更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記接触させることが、前記硬質表面を前記硬質表面洗浄組成物でスプレーすること、拭くこと、注ぐこと、及び/又はモップ掛けすることによって実施される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記硬質表面が、排水管、シャワー、シンク、トイレ、浴槽、天板、窓、鏡、及び床のうちの一つ又は複数を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記組成物が、前記接触させるステップの後に、少なくとも約5分間の間、前記表面上に静置される、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記組成物が、約5分~約2時間の間、前記表面上に静置される、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記微生物集団が、少なくとも約99.9%低減される、請求項29項に記載の方法。
【請求項36】
前記硬質表面が、汚れを含み、前記表面から前記汚れのうちの少なくとも50%が除去される、請求項29に記載の方法。
【国際調査報告】