(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】治療イオンの導入のための金属合金を含むカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61N 1/30 20060101AFI20240321BHJP
A61N 1/14 20060101ALI20240321BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
A61N1/30
A61N1/14
A61M25/00 600
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562993
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 US2022024434
(87)【国際公開番号】W WO2022221287
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523387253
【氏名又は名称】レイン サイエンティフィック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】コーラー ティム
(72)【発明者】
【氏名】フランクハウザー ポール
【テーマコード(参考)】
4C053
4C267
【Fターム(参考)】
4C053EE04
4C053HH02
4C267BB03
4C267BB42
4C267HH10
(57)【要約】
本発明は、金属イオンをその場で発生させることにより、血液機能内の病原体を効率的かつ安全に死滅させるデバイス及び方法に関する。そのような金属イオンは、銀イオン、銅イオン、及び金イオンを含むが、白金、イリジウム、及び亜鉛を含む追加の金属をその場でのイオンの発生に使用することができる。本発明のデバイス及び方法の作用は、極めて広範囲であり、かつ病原性細菌、ウイルス、及び真菌を死滅させることができる。本発明のデバイス及び方法の作用は、デバイスと死滅させる病原体の面との間の特定の相互作用に依存しない。これに加えて、デバイス及び方法の作用は、従来の抗細菌剤、抗真菌剤、又は抗ウイルス剤の投与に続いて発生する可能性があるような病原体による耐性の発達を起こさない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む前記ワイヤ、
(b)前記ワイヤを絶縁する絶縁カバリングであって、前記ワイヤ及び前記絶縁カバリングが、治療されることになる患者の血流の中にカテーテルを通じて挿入される前記絶縁カバリング、
(c)雄コネクタ、
(d)前記雄コネクタと作動可能に接触している雌コネクタであって、前記雄コネクタ及び前記雌コネクタが、デバイスの構成要素を保護し、かつ前記カテーテルへの接続を可能にするような前記雌コネクタ、
(e)デバイスに接続された電源から低強度直流を伝達するために(i)前記雄コネクタ内の導電材料のピン及び(ii)円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタから構成される群から選択された導電要素、及び
(f)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備えるデバイス。
【請求項2】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
約10μA未満の電流を使用する請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
約6μA未満の電流を使用する請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
約4.9μAの電流を使用する請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
デバイスと電気接触している電源を更に備える請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
デバイスと電気接触している前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む前記ワイヤ、
(b)前記ワイヤを絶縁する絶縁カバリングであって、前記ワイヤ及び前記絶縁カバリングが、治療されることになる患者の血流の中にカテーテルを通じて挿入される前記絶縁カバリング、
(c)雄コネクタ、
(d)前記雄コネクタと作動可能に接触している雌コネクタであって、前記雄コネクタ及び前記雌コネクタが、デバイスの構成要素を保護し、かつ前記カテーテルへの接続を可能にするような前記雌コネクタ、
(e)デバイスに接続された電源から低強度直流を伝達するために(i)前記雄コネクタ内の導電材料のピン及び(ii)円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタから構成される群から選択された導電要素、
(f)治療されることになる被験者の静脈の中への挿入のためのスタイレット、
(g)前記スタイレットを絶縁するための絶縁体、及び
(h)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備えるデバイス。
【請求項14】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
約10μA未満の電流を使用する請求項13に記載のデバイス。
【請求項19】
約6μA未満の電流を使用する請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
約4.9μAの電流を使用する請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
デバイスと電気接触している電源を更に備える請求項13に記載のデバイス。
【請求項22】
デバイスと電気接触している前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項13に記載のデバイス。
【請求項24】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項13に記載のデバイス。
【請求項25】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む前記ワイヤ、
(b)前記ワイヤの一部分を絶縁する絶縁カバリング、
(c)コネクタ、及び
(d)前記絶縁カバリング及び前記ワイヤが患者の静脈の中に挿入された時に患者の皮膚の上に載る電極、
を備えるデバイス。
【請求項26】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項25に記載のデバイス。
【請求項28】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項23に記載のデバイス。
【請求項29】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
約10μA未満の電流を使用する請求項25に記載のデバイス。
【請求項31】
約6μA未満の電流を使用する請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
約4.9μAの電流を使用する請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
デバイスと電気接触している電源を更に備える請求項25に記載のデバイス。
【請求項34】
デバイスと電気接触している前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項25に記載のデバイス。
【請求項36】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項25に記載のデバイス。
【請求項37】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む前記ワイヤ、
(b)前記ワイヤの一部分を絶縁する絶縁カバリング、
(c)前記ワイヤの遠位端を覆うドーム形キャップ、
(d)前記低強度直流が前記ワイヤに印加された時に前記イオンの送出のために前記ワイヤの一部分を露出する前記絶縁カバリングの1又は2以上の面剥離領域、
(e)雄コネクタ、
(f)前記雄コネクタと作動可能に接触している雌コネクタであって、前記雄コネクタ及び前記雌コネクタが、デバイスの構成要素を保護し、かつデバイスの挿入のためのカテーテルへの接続を可能にするような前記雌コネクタ、及び
(g)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備えるデバイス。
【請求項38】
前記雄コネクタの近位点又は起点から延びる前記絶縁ワイヤの長さが、
(i)末梢静脈電極との併用に対して約1.5インチ(3.81cm)から約6インチ(15.24cm)、
(ii)中心静脈電極に対して約4インチ(10.16cm)から約9インチ(22.86cm)、又は
(iii)末梢絶縁中心カテーテル(PICC)内に置かれた電極に対して約6インチ(15.24cm)から約32インチ(81.28cm)、
に及ぶことができる、
請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項37に記載のデバイス。
【請求項40】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項37に記載のデバイス。
【請求項41】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項37に記載のデバイス。
【請求項42】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項41に記載のデバイス。
【請求項43】
約10μA未満の電流を使用する請求項37に記載のデバイス。
【請求項44】
約6μA未満の電流を使用する請求項43に記載のデバイス。
【請求項45】
約4.9μAの電流を使用する請求項44に記載のデバイス。
【請求項46】
デバイスと電気接触している電源を更に備える請求項37に記載のデバイス。
【請求項47】
デバイスと電気接触している前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項46に記載のデバイス。
【請求項48】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項37に記載のデバイス。
【請求項49】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項37に記載のデバイス。
【請求項50】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む前記ワイヤであって、患者の血流の中へのデバイスの挿入のためにカテーテルの周りに巻き付けられた又は編組された前記ワイヤ、
(b)前記ワイヤと電気接触している2つのキャップコネクタであって、各キャップコネクタが、デバイスに低強度直流を伝達するためにデバイスに接続された電源に接続される前記2つのキャップコネクタ、及び
(c)前記2つのキャップコネクタに接続された電源、
を備えるデバイス。
【請求項51】
前記ワイヤは、
(a)前記カテーテルの外部で螺旋状、
(b)前記カテーテルの内部で螺旋状、
(c)前記カテーテルの外部で六角形状、
(d)前記カテーテルの内部で六角形状、
(e)前記カテーテルの外部で編組状、及び
(f)前記カテーテルの内部で編組状、
から構成される群から選択された代替案で前記カテーテルに対して配置される、
請求項50に記載のデバイス。
【請求項52】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項50に記載のデバイス。
【請求項53】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項50に記載のデバイス。
【請求項54】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項50に記載のデバイス。
【請求項55】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項54に記載のデバイス。
【請求項56】
約10μA未満の電流を使用する請求項46に記載のデバイス。
【請求項57】
約6μA未満の電流を使用する請求項56に記載のデバイス。
【請求項58】
約4.9μAの電流を使用する請求項57に記載のデバイス。
【請求項59】
デバイスと電気接触している前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項50に記載のデバイス。
【請求項60】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項50に記載のデバイス。
【請求項61】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項50に記載のデバイス。
【請求項62】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む前記ワイヤ、
(b)1又は2以上の切欠き部を除く前記ワイヤ全体を覆う絶縁カバリング、
(c)前記絶縁カバリングの開口端部を密封するドーム形キャップ、及び
(d)デバイスに接続されて前記低強度直流をデバイスに伝達する電源、
を備えるデバイス。
【請求項63】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項62に記載のデバイス。
【請求項64】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項62に記載のデバイス。
【請求項65】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項62に記載のデバイス。
【請求項66】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項65に記載のデバイス。
【請求項67】
約10μA未満の電流を使用する請求項62に記載のデバイス。
【請求項68】
約6μA未満の電流を使用する請求項67に記載のデバイス。
【請求項69】
約4.9μAの電流を使用する請求項68に記載のデバイス。
【請求項70】
前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項62に記載のデバイス。
【請求項71】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項62に記載のデバイス。
【請求項72】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項62に記載のデバイス。
【請求項73】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む前記ワイヤであって、カテーテルを通じて患者の静脈の中に挿入される前記ワイヤ、
(b)前記ワイヤを保護するための絶縁カバリング、
(c)キャップコネクタ、
(d)前記ワイヤの一端の近くに取り付けられた雄コネクタ、
(e)前記雄コネクタがそこに取り付けられた前記ワイヤの前記端部に前記雄コネクタよりも近くに取り付けられた雌コネクタ、
(f)前記雄コネクタ内の導電材料のピンであって、デバイスに接続された電源から低強度直流を伝達するための前記ピン、及び
(g)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備えるデバイス。
【請求項74】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項73に記載のデバイス。
【請求項75】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項73に記載のデバイス。
【請求項76】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項73に記載のデバイス。
【請求項77】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項76に記載のデバイス。
【請求項78】
約10μA未満の電流を使用する請求項73に記載のデバイス。
【請求項79】
約6μA未満の電流を使用する請求項78に記載のデバイス。
【請求項80】
約4.9μAの電流を使用する請求項79に記載のデバイス。
【請求項81】
デバイスと電気接触している電源を更に備える請求項73に記載のデバイス。
【請求項82】
前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項81に記載のデバイス。
【請求項83】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項73に記載のデバイス。
【請求項84】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項73に記載のデバイス。
【請求項85】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む前記ワイヤであって、患者の静脈の中に挿入される前記ワイヤ、
(b)前記ワイヤを取り囲む絶縁カバリング、
(c)ドーム形キャップであって、前記絶縁カバリングが前記ドーム形キャップまで全体にわたって延びる前記ドーム形キャップ、
(d)患者の血流への前記ワイヤのためのアクセスを提供する1又は2以上の切欠き部、
(e)雄コネクタ、
(f)雌コネクタ、
(g)デバイスに接続された電源から低強度直流を伝達するために前記雄コネクタ内にある導電材料のピンであって、前記雄コネクタ及び前記雌コネクタによって保護されている前記ピン、及び
(h)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備え、
デバイスが、PICCカテーテル(末梢絶縁中心カテーテル)と併用するようになっている、
デバイス。
【請求項86】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項85に記載のデバイス。
【請求項87】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項85に記載のデバイス。
【請求項88】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項85に記載のデバイス。
【請求項89】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項88に記載のデバイス。
【請求項90】
約10μA未満の電流を使用する請求項85に記載のデバイス。
【請求項91】
約6μA未満の電流を使用する請求項90に記載のデバイス。
【請求項92】
約4.9μAの電流を使用する請求項91に記載のデバイス。
【請求項93】
デバイスと電気接触している電源を更に備える請求項85に記載のデバイス。
【請求項94】
前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項93に記載のデバイス。
【請求項95】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項85に記載のデバイス。
【請求項96】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項85に記載のデバイス。
【請求項97】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)開口管腔カテーテル、
(b)前記カテーテルに取り付けられて前記カテーテルの周りの空間を閉鎖する止血シール、
(c)静脈内抗生物質又は他の薬品の投与を可能にする側面ポート、及び
(d)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む前記ワイヤであって、前記ワイヤが、前記カテーテルを通じて患者の静脈の中に挿入され、前記カテーテル管腔の内径が、前記ワイヤの前記挿入及び前記側面ポートを通じてかつ近位止血シールとの組合せでの補助静脈投薬ポートとしてのその両方を可能にするように前記ワイヤの外径よりも大きい前記ワイヤ、
を備えるデバイス。
【請求項98】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項97に記載のデバイス。
【請求項99】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項97に記載のデバイス。
【請求項100】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項97に記載のデバイス。
【請求項101】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項100に記載のデバイス。
【請求項102】
約10μA未満の電流を使用する請求項97に記載のデバイス。
【請求項103】
約6μA未満の電流を使用する請求項102に記載のデバイス。
【請求項104】
約4.9μAの電流を使用する請求項103に記載のデバイス。
【請求項105】
デバイスと電気接触している電源を更に備える請求項97に記載のデバイス。
【請求項106】
前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項105に記載のデバイス。
【請求項107】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項97に記載のデバイス。
【請求項108】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項97に記載のデバイス。
【請求項109】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)カテーテル、
(b)前記カテーテルを取り囲む配線であって、前記配線の構成が、
(i)前記カテーテルを取り囲む外部螺旋巻き配線、
(ii)前記カテーテルを取り囲む直線長手配線、
(iii)前記カテーテルの遠位端、前記カテーテルの近位端、又は前記カテーテルの前記遠位端及び前記近位端の両方でのリングの形状の配線、
(iv)前記カテーテルの外部での六角形パターンの配線、及び
(v)前記カテーテルの前記近位端から前記遠位端までの又はこれに代えて前記カテーテルの前記遠位端のみでの前記配線の周期的露出セクションを有する配線、
から構成される群から選択され、
前記配線が、前記配線に低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む、
前記配線、及び
(c)低強度直流をデバイスに伝達するために前記六角形設計の前記配線を電源に接続するコネクタ、
を備えるデバイス。
【請求項110】
前記カテーテルを取り囲む前記配線は、前記カテーテルを取り囲む外部螺旋巻き配線の構成にある請求項109に記載のデバイス。
【請求項111】
前記カテーテルを取り囲む前記配線は、前記カテーテルを取り囲む直線長手配線の構成にある請求項109に記載のデバイス。
【請求項112】
前記カテーテルを取り囲む前記配線は、前記カテーテルの前記遠位端、前記カテーテルの前記近位端、又は前記カテーテルの前記遠位端及び前記近位端の両方でのリングの形状の配線の構成にある請求項109に記載のデバイス。
【請求項113】
前記カテーテルを取り囲む前記配線は、前記カテーテルの外部で六角形パターンの配線の構成にある請求項109に記載のデバイス。
【請求項114】
前記カテーテルを取り囲む前記配線は、前記カテーテルの前記近位端から前記遠位端までの又はこれに代えて前記カテーテルの前記遠位端のみでの前記配線の周期的露出セクションを有する配線の構成にある請求項109に記載のデバイス。
【請求項115】
金属又は金属合金を含む前記配線は、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項109に記載のデバイス。
【請求項116】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項109に記載のデバイス。
【請求項117】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項109に記載のデバイス。
【請求項118】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項117に記載のデバイス。
【請求項119】
約10μA未満の電流を使用する請求項109に記載のデバイス。
【請求項120】
約6μA未満の電流を使用する請求項119に記載のデバイス。
【請求項121】
約4.9μAの電流を使用する請求項120に記載のデバイス。
【請求項122】
デバイスと電気接触している電源を更に備える請求項109に記載のデバイス。
【請求項123】
前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項122に記載のデバイス。
【請求項124】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項109に記載のデバイス。
【請求項125】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項109に記載のデバイス。
【請求項126】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)単一管腔又は複数管腔のいずれかを有するカテーテル、
(b)前記カテーテルの中に埋め込まれた削られた窓を有する前記カテーテルの中に埋め込まれた配線であって、前記配線に低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む前記配線、及び
(c)デバイスに低強度直流を伝達するために前記配線を電源に接続するコネクタ、
を備えるデバイス。
【請求項127】
前記カテーテルは、単一管腔を有する請求項126に記載のデバイス。
【請求項128】
前記カテーテルは、複数管腔を有する請求項126に記載のデバイス。
【請求項129】
金属又は金属合金を含む前記配線は、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項126に記載のデバイス。
【請求項130】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項126に記載のデバイス。
【請求項131】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項126に記載のデバイス。
【請求項132】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項131に記載のデバイス。
【請求項133】
約10μA未満の電流を使用する請求項126に記載のデバイス。
【請求項134】
約6μA未満の電流を使用する請求項133に記載のデバイス。
【請求項135】
約4.9μAの電流を使用する請求項134に記載のデバイス。
【請求項136】
デバイスと電気接触している電源を更に備える請求項126に記載のデバイス。
【請求項137】
前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項136に記載のデバイス。
【請求項138】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項126に記載のデバイス。
【請求項139】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項126に記載のデバイス。
【請求項140】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)上側と底側とを有する実質的に平面のパッチ又は絆創膏、
(b)前記パッチ又は絆創膏の前記底側のコーティングであって、第1のワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む前記第1のワイヤをそこに含む前記コーティング、
(c)前記パッチ又は絆創膏の前記上側のスナップコネクタ、
(d)前記スナップコネクタと電気接触している第2のワイヤ、及び
(e)デバイスに低強度直流を伝達するための電源であって、前記第1及び第2のワイヤと電気接触している前記電源、
を備える創部ケア絆創膏又はパッチ、
を備えるデバイス。
【請求項141】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項140に記載のデバイス。
【請求項142】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項140に記載のデバイス。
【請求項143】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項140に記載のデバイス。
【請求項144】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項143に記載のデバイス。
【請求項145】
約10μA未満の電流を使用する請求項140に記載のデバイス。
【請求項146】
約6μA未満の電流を使用する請求項145に記載のデバイス。
【請求項147】
約4.9μAの電流を使用する請求項146に記載のデバイス。
【請求項148】
前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項140に記載のデバイス。
【請求項149】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項140に記載のデバイス。
【請求項150】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項140に記載のデバイス。
【請求項151】
流体を供給することを意図した静脈ライン又は他のデバイスの中への組み込みに対する細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)デバイスのためのカバーとして作用するハブキャップ、
(b)電源として作用するセルバッテリ、
(c)電流出力を制御するために前記セルバッテリと電気接触しているプリント回路基板、
(d)金属又は金属合金を含むカソードワイヤ、
(e)金属又は金属合金を含むアノードワイヤ、
(f)流体がデバイスを通って流れる時に電気回路を提供するように前記カソードワイヤ及び前記アノードワイヤと電気接触している流体吸収材料、
(g)第1のコネクタ、
(h)第2のコネクタであって、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタが、流体を患者に供給するための静脈ラインの中へのデバイスの配置を可能にする前記第2のコネクタ、
(i)前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを接合するアノード金属ピン、及び
(j)前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを接合するカソード金属ピンであって、デバイスが、流体を供給することを意図した静脈ライン又は他のデバイスの中に挿入されるようになっている前記カソード金属ピン、
を備えるデバイス。
【請求項152】
静脈ラインの中に挿入されるようになっている請求項151に記載のデバイス。
【請求項153】
金属又は金属合金を含む前記カソードワイヤ及び前記アノードワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項151に記載のデバイス。
【請求項154】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項151に記載のデバイス。
【請求項155】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項151に記載のデバイス。
【請求項156】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項155に記載のデバイス。
【請求項157】
約10μA未満の電流を使用する請求項151に記載のデバイス。
【請求項158】
約6μA未満の電流を使用する請求項157に記載のデバイス。
【請求項159】
約4.9μAの電流を使用する請求項158に記載のデバイス。
【請求項160】
前記プリント回路基板は、デバイスの治療用途に基づいて電流を調節する機能を有する請求項151に記載のデバイス。
【請求項161】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項151に記載のデバイス。
【請求項162】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項151に記載のデバイス。
【請求項163】
前記第1及び第2のコネクタは、ルアーロック、静脈内ホースクランプ、及び静脈内ホースコネクタから構成される群から選択される請求項151に記載のデバイス。
【請求項164】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は、微生物バイオフィルムの発現若しくは穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するための、流体源への取り付けに適合されたデバイスであって、
(a)デバイスのためのカバーとして作用するハブキャップ、
(b)電源として作用するセルバッテリ、
(c)電流出力を制御するために前記セルバッテリと電気接触しているプリント回路基板、
(d)金属又は金属合金を含むカソードワイヤ、
(e)金属又は金属合金を含むアノードワイヤ、
(f)流体がデバイスを通って流れる時に電気回路を提供するように前記カソードワイヤ及び前記アノードワイヤと電気接触している流体吸収材料、
(g)中実キャップ、
(h)コネクタ、
(i)前記コネクタと作動可能に接触している流体源、
(j)前記コネクタと作動可能に接触しているアノード金属ピン、及び
(k)前記コネクタと作動可能に接触しているカソード金属ピン、
を備えるデバイス。
【請求項165】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項164に記載のデバイス。
【請求項166】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項164に記載のデバイス。
【請求項167】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項164に記載のデバイス。
【請求項168】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項167に記載のデバイス。
【請求項169】
約10μA未満の電流を使用する請求項164に記載のデバイス。
【請求項170】
約6μA未満の電流を使用する請求項169に記載のデバイス。
【請求項171】
約4.9μAの電流を使用する請求項170に記載のデバイス。
【請求項172】
前記プリント回路基板は、デバイスの治療用途に基づいて電流を調節する機能を有する請求項164に記載のデバイス。
【請求項173】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項164に記載のデバイス。
【請求項174】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項164に記載のデバイス。
【請求項175】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)患者の皮膚に取り付けられた発電器、
(b)前記発電器の出力を調整するための手段、及び
(c)ワイヤを備える埋め込み式スタイレットであって、前記発電器が、前記ワイヤと電気接触して前記ワイヤを通して前記患者の前記皮膚の中に低強度直流を伝達する前記埋め込み式スタイレット、
を備えるデバイス。
【請求項176】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項175に記載のデバイス。
【請求項177】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項175に記載のデバイス。
【請求項178】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項175に記載のデバイス。
【請求項179】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項178に記載のデバイス。
【請求項180】
約10μA未満の電流を使用する請求項175に記載のデバイス。
【請求項181】
約6μA未満の電流を使用する請求項180に記載のデバイス。
【請求項182】
約4.9μAの電流を使用する請求項181に記載のデバイス。
【請求項183】
前記発電器の前記出力を調整するための前記手段は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項175に記載のデバイス。
【請求項184】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項175に記載のデバイス。
【請求項185】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項175に記載のデバイス。
【請求項186】
金属又は金属合金の粒子が組み込まれたチュアブルガムのウェーハ又は層であって、前記粒子の放出を可能にする唾液の加水分解作用により前記粒子が咀嚼時に放出されることによって、前記粒子が血流の中に吸収される、前記チュアブルガムのウェーハ又は層、
を備えるデバイス。
【請求項187】
前記金属又は金属合金は、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項186に記載のデバイス。
【請求項188】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)カテーテル、
(b)前記カテーテル内で内部を延びるワイヤ、
(c)前記カテーテルを取り囲む1から5個の外部導電リング、
(d)金属又は金属合金を含む絶縁ワイヤ、
(e)前記カテーテルと作動可能に接触しているコネクタ、
(f)デバイスに低強度直流を伝達するための電源への接続のために前記コネクタの内側に置かれたワイヤであって、前記電源が前記ワイヤと電気接触している前記ワイヤ、及び
(g)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備えるデバイス。
【請求項189】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項188に記載のデバイス。
【請求項190】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項188に記載のデバイス。
【請求項191】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項188に記載のデバイス。
【請求項192】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項191に記載のデバイス。
【請求項193】
約10μA未満の電流を使用する請求項188に記載のデバイス。
【請求項194】
約6μA未満の電流を使用する請求項193に記載のデバイス。
【請求項195】
約4.9μAの電流を使用する請求項194に記載のデバイス。
【請求項196】
デバイスと電気接触している電源を更に備える請求項188に記載のデバイス。
【請求項197】
前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項196に記載のデバイス。
【請求項198】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項188に記載のデバイス。
【請求項199】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項188に記載のデバイス。
【請求項200】
前記カテーテルは、単一管腔カテーテルである請求項188に記載のデバイス。
【請求項201】
前記カテーテルは、多重管腔カテーテルである請求項188に記載のデバイス。
【請求項202】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスであって、
(a)導入針、
(b)二重管腔カテーテル、
(c)前記二重管腔カテーテル内の流体流れのための1次管腔、
(d)前記二重管腔カテーテル内の2次管腔、
(e)前記2次管腔の中への挿入のための絶縁スタイレット、
(f)前記絶縁スタイレットと電気接触している金属又は金属合金から構成されたワイヤ、
(g)取り外し可能スペーサ、
(h)前記絶縁スタイレットを前記二重管腔カテーテルに取り付けるために前記取り外し可能スペーサに隣接するコネクタ、
(i)電源への取り付けのための内部銅ピン、
(j)流体を追加するための注入側面ポート、及び
(k)前記2次管腔からの血液の逆流を防止するための止血シール、
を備えるデバイス。
【請求項203】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項202に記載のデバイス。
【請求項204】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項202に記載のデバイス。
【請求項205】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項202に記載のデバイス。
【請求項206】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項205に記載のデバイス。
【請求項207】
約10μA未満の電流を使用する請求項202に記載のデバイス。
【請求項208】
約6μA未満の電流を使用する請求項207に記載のデバイス。
【請求項209】
約4.9μAの電流を使用する請求項208に記載のデバイス。
【請求項210】
デバイスと電気接触している電源を更に備える請求項202に記載のデバイス。
【請求項211】
前記電源は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項210に記載のデバイス。
【請求項212】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項202に記載のデバイス。
【請求項213】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項202に記載のデバイス。
【請求項214】
中心カテーテル、正中カテーテル、PICCカテーテル、及び中心静脈カテーテルから構成される群から選択されたカテーテルと併用することができる請求項202に記載のデバイス。
【請求項215】
(a)流体含有デバイスへの接続のための近位端、及び
(b)静脈の中への挿入のための遠位端、
を備える無針注入器スタイレット。
【請求項216】
細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するための、体外カテーテルを備えるデバイスであって、前記体外カテーテルは、
(a)近位端と遠位端とを有する静脈の中への挿入のためのカテーテル、
(b)バッテリ駆動式電源、
(c)デバイスによって供給される電圧及び電流の制御のために前記バッテリ駆動式電源と作動可能に接触している回路基板、
(d)カソードと、
(e)前記カソードを覆う抗凝血コーティング、
(f)金属又は金属合金を含む1から5個のワイヤを備えるイオン生成アノードワイヤ、及び
(g)血流を促進するためのポンプ、
を備える、
デバイス。
【請求項217】
金属又は金属合金を含む前記ワイヤは、
(a)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(b)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(c)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(d)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(e)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(f)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(g)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(h)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(i)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(j)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(k)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(l)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される、
請求項216に記載のデバイス。
【請求項218】
作動時に毎秒約2×10
9から約7×10
12個のイオンを放出する請求項216に記載のデバイス。
【請求項219】
約1.2V以下の電圧を使用する請求項216に記載のデバイス。
【請求項220】
約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用する請求項219に記載のデバイス。
【請求項221】
約10μA未満の電流を使用する請求項216に記載のデバイス。
【請求項222】
約6μA未満の電流を使用する請求項221に記載のデバイス。
【請求項223】
約4.9μAの電流を使用する請求項222に記載のデバイス。
【請求項224】
前記バッテリ駆動式電源及び前記プリント回路基板は、デバイスの治療用途に基づいて前記電流を調節する機能を有する請求項216に記載のデバイス。
【請求項225】
電圧上限を用いて一定電流を提供する請求項216に記載のデバイス。
【請求項226】
電流上限を用いて一定電圧を提供する請求項216に記載のデバイス。
【請求項227】
血液媒介病原体感染症を治療する方法であって、
(a)請求項1、請求項13、請求項25、請求項37、請求項50、請求項62、請求項73、請求項85、請求項97、請求項109、請求項126、請求項140、請求項151、請求項164、請求項175、請求項188、請求項202、又は請求項216のいずれか1項に記載の前記デバイスを、血液媒介病原体感染症の治療を必要とする被験者と作動可能に接触させて、前記デバイスが前記被験者の血流に金属イオンを提供することができるようにする段階、及び
(b)前記感染症を治療するために、前記デバイスにより、前記被験者の前記血流に金属イオンを放出させる段階、
を含む方法。
【請求項228】
前記デバイスは、前記デバイスのワイヤを前記被験者の静脈の中に配置することによって、前記ワイヤが前記患者の前記血流の中に金属イオンを放出するように、前記被験者と作動可能に接触する請求項227に記載の方法。
【請求項229】
前記デバイスは、静脈ラインの中に直列に配置される請求項227に記載の方法。
【請求項230】
前記デバイスは、流体源の中に直列に配置される請求項227に記載の方法。
【請求項231】
細菌感染症を治療するのに使用される請求項227に記載の方法。
【請求項232】
前記細菌感染症は、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、セレウス菌、フェカリス菌、フェシウム菌、リステリア菌、肺炎連鎖球菌、A群連鎖球菌、B群連鎖球菌、大腸菌、肺炎桿菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、アセチノバクター・バウマニ、髄膜炎菌、バクテロイデス・フラジリス、炭疽菌、ペスト菌、野兎病菌、ウシ流産菌、及びヒト型結核菌から構成される群から選択された細菌によって引き起こされる感染症である請求項231に記載の方法。
【請求項233】
前記細菌感染症は、黄色ブドウ球菌によって引き起こされる感染症であり、
前記黄色ブドウ球菌は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)である、
請求項232に記載の方法。
【請求項234】
ウイルス感染症を治療するのに使用される請求項227に記載の方法。
【請求項235】
前記ウイルス感染症は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、エボラウイルス、ジカウイルス、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、デング熱ウイルス、及び重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2から構成される群から選択されたウイルスによって引き起こされる感染症である請求項234に記載の方法。
【請求項236】
前記ウイルス感染症は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2によって引き起こされる感染症である請求項234に記載の方法。
【請求項237】
真菌感染症を治療するのに使用される請求項227に記載の方法。
【請求項238】
前記真菌感染症は、カンジダ症、アスペルギルス症、ブラストミセス症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス・ネオフォルマンスによる感染症、及びクリプトコッカス・ガッティによる感染症から構成される群から選択された感染症である請求項237に記載の方法。
【請求項239】
真菌感染症は、カンジダ症であり、
前記カンジダ症は、カンジダ・アウリスによって引き起こされる、
請求項238に記載の方法。
【請求項240】
原虫感染症を治療するのに使用される請求項227に記載の方法。
【請求項241】
治療有効量の抗菌剤の投与を更に含む請求項227に記載の方法。
【請求項242】
前記抗菌剤は、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、及び抗原虫剤から構成される群から選択される請求項241に記載の方法。
【請求項243】
前記抗菌剤は、抗細菌剤である請求項242に記載の方法。
【請求項244】
前記抗細菌剤は、グラム陰性細菌をターゲットにする抗細菌剤である請求項243に記載の方法。
【請求項245】
グラム陰性細菌をターゲットにする前記抗細菌剤は、アミノペニシリン、ウレイドペニシリン、セファロスポリン、ベータ-ラクタム-ベータ-ラクタマーゼ阻害剤組合せ、葉酸拮抗薬、キノロン、及びカルバペネムから構成される群から選択される請求項244に記載の方法。
【請求項246】
前記抗細菌剤は、グラム陽性細菌をターゲットにする抗細菌剤である請求項243に記載の方法。
【請求項247】
グラム陽性細菌をターゲットにする前記抗細菌剤は、バンコマイシン、テイコプラニン、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、オキサゾリジノン、ダプトマイシン、テラバンシン、及びセフタロリンから構成される群から選択される請求項246に記載の方法。
【請求項248】
前記抗細菌剤は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して有効である抗細菌剤である請求項243に記載の方法。
【請求項249】
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して有効である前記抗細菌剤は、バンコマイシン、テイコプラニン、リネゾリド、ダプトマイシン、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、ドキシサイクリン、セフトビプロール、セフタロリン、クリンダマイシン、ダルババンシン、フシジン酸、ムピロシン、オマダサイクリン、オリタバンシン、テジゾリド、テラバンシン、及びチゲサイクリンから構成される群から選択される請求項248に記載の方法。
【請求項250】
前記抗細菌剤は、緑膿菌に対して有効である抗細菌剤である請求項243に記載の方法。
【請求項251】
緑膿菌に対して有効である前記抗細菌剤は、カナマイシンA、アミカシン、トブラマイシン、ジベカシン、ゲンタマイシン、シソマイシン、ネチルマイシン、ネオマイシンB、ネオマイシンC、パロモマイシン、ストレプトマイシン、プラゾマイシン、チエナマイシン、イミペネム、メロペネム、エルタペネム、ドリペネム、パニペネム、ビアペネム、テビペネム、ラズペネム、レナペネム、トモペネム、セフタジジム、セフェピム、セフトビプロール、セフトロザン、オキソリニック酸、ロソキサシン、シプロフロキサシン、フレロキサシン、ロメフロキサシン、ナジフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ぺフロキシシン、ルフロキサシン、バロフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、パズフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、クリナフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、シタフロキサシン、プルリフロキサシン、ベシフロキサシン、デラフロキサシン、オゼノキサシン、ピペラシリン、チカルシリン、及びクラブラン酸から構成される群から選択される請求項250に記載の方法。
【請求項252】
前記抗細菌剤は、バンコマイシン耐性腸球菌に対して有効である抗細菌剤である請求項243に記載の方法。
【請求項253】
バンコマイシン耐性腸球菌に対して有効である前記抗細菌剤は、リネゾリド、キヌプリスチン、ダルホプリスチン、プリスチナマイシン、バージニアマイシン、チゲサイクリン、及びダプトマイシンから構成される群から選択される請求項252に記載の方法。
【請求項254】
前記抗細菌剤は、ヒト型結核菌の治療のための薬剤である請求項243に記載の方法。
【請求項255】
前記抗菌剤は、抗ウイルス剤である請求項242に記載の方法。
【請求項256】
前記抗ウイルス剤は、アバカビル、アシクロビル、アデホビル、アマンタジン、アンプレナビル、ウミフェノビル、アタザナビル、バロキサビルマルボキシル、ビクテグラビル、エムトリシタビン、テノホビルアラフェナミド、ボセプレビル、シドフォビル、コビシスタット、ラミブジン、ジドブジン、ダクラタスビル、ソホスブビル、リバビリン、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、ドルテグラビル、ドラビリン、エドクスジン、エファビレンツ、エルビテグラビル、エンフビルチド、エンテカビル、エトラビリン、ファムシクロビル、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ガンシクロビル、イバシタビン、イバリズマブ、イドクスウリジン、インジナビル、レテルモビル、ロピナビル、ロビリド、マラビロク、メチサゾン、モロキシジン、ネルフィナビル、ニタゾキサニド、リトナビル、オセルタミビル、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ラルテグラビル、レムデシビル、リルピビリン、リマンタジン、サキナビル、シメプレビル、スタブジン、テラプレビル、テルビブジン、チプラナビル、トリフルリジン、トロマンタジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビクリビロック、ビダラビン、ビラミジン、ザルシタビン、及びザナミビルから構成される群から選択される請求項255に記載の方法。
【請求項257】
前記抗菌剤は、抗真菌剤である請求項242に記載の方法。
【請求項258】
前記抗真菌剤は、カンジシジン、フィリピン、ハマイシン、ナタマイシン、ナイスタチン、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ルリコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、アルバコナゾール、エフィナコナゾール、エポキシコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、プロピコナゾール、ラブコナゾール、テルコナゾール、ボリコナゾール、アバファンギン、アモロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン、シクロピロクス、5-フルオロシトシン、グリセオフルビン、トルナフテート、ウンデシレン酸、トリアセチン、オロトミド、ミルテホシン、ニッコマイシン、ピロクトンオラミン、及びクリオキノールから構成される群から選択される請求項257に記載の方法。
【請求項259】
前記抗菌剤は、抗原虫剤である請求項242に記載の方法。
【請求項260】
前記抗菌剤は、エフロルニチン、フラゾリドン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、メラルソプロール、メトロニダゾール、ニフルセミゾン、ニタゾキサニド、オルニダゾール、パロモマイシン硫酸塩、ペンタミジン、ピリメタミン、キナピラミン、ロニダゾール、チニダゾール、アモジアキン、プログアニル、スルホンアミド、メフロキン、アトバコン、プリマキン、アルテミシニン、アルテメテル、アルテスネート、ジヒドロアルテミシニン、アルテテル、ハロファントリン、ルメファントリン、ドキシサイクリン、及びクリンダマイシンから構成される群から選択される請求項259に記載の方法。
【請求項261】
前記抗菌剤は、マラリアの治療のための薬剤である請求項260に記載の方法。
【請求項262】
(c)治療の投与の開始に続いて、前記被験者の血液に残っている前記血液媒介病原体の量又は濃度を検出する又は決定することによって前記治療の結果を決定する段階、及び
(d)必要に応じて、投与されるイオンの量、使用される電流、電圧、又は波形を変更することにより、又は追加の抗細菌剤、抗ウイルス剤、又は抗真菌剤が投与される場合に、投与されている前記追加薬剤の種類、前記追加薬剤の投与量、前記追加薬剤の投与の頻度、前記追加薬剤の投与の継続時間、前記追加薬剤の投与の経路、又は前記追加薬剤の前記投与に関連付けられた別の要因から構成される群から選択された要因を変更することにより、前記治療を調節する段階、
を更に含む請求項227に記載の方法。
【請求項263】
前記血液媒介病原体の前記量又は濃度は、前記血液媒介病原体に関連付けられた抗原に関する免疫学的アッセイ、前記血液媒介病原体のゲノムに関する核酸ベースのアッセイ、細菌に関する培養方法、及び組織学的方法から構成される群から選択された方法によって検出される又は決定される請求項262に記載の方法。
【請求項264】
前記治療は、
(i)投与されるイオンの量を変更する段階、
(ii)使用される電圧を変更する段階、
(iii)使用される電流を変更する段階、
(iv)使用される波形を変更する段階、及び
(v)追加抗菌剤が投与される場合に、
(A)前記追加抗菌剤の種類と、
(B)前記追加抗菌剤の投与量と、
(C)前記追加抗菌剤の投与の頻度と、
(D)前記追加抗菌剤の投与の継続時間と、
で構成される群から選択された要因を変更する段階、
から構成される群から選択された調節によって調節される、
請求項262に記載の方法。
【請求項265】
ナチュラルキラー(NK)細胞の生成を刺激する方法であって、
(a)請求項1、請求項13、請求項25、請求項37、請求項50、請求項62、請求項73、請求項85、請求項97、請求項109、請求項126、請求項140、請求項151、請求項164、請求項175、請求項188、請求項202、又は請求項216のいずれか1項に記載の前記デバイスを、ナチュラルキラー細胞の生成を刺激することを必要とする被験者と作動可能に接触させて、前記デバイスが前記被験者の血流に金属イオンを提供することができるようにする段階、及び
(b)ナチュラルキラー細胞の前記生成を刺激するために、前記デバイスにより、前記被験者の前記血流に金属イオンを放出させる段階、
を含む方法。
【請求項266】
ナチュラルキラー細胞の前記生成を刺激する段階が、乳癌を治療する請求項265に記載の方法。
【請求項267】
免疫系を刺激する方法であって、
(a)請求項1、請求項13、請求項25、請求項37、請求項50、請求項62、請求項73、請求項85、請求項97、請求項109、請求項126、請求項140、請求項151、請求項164、請求項175、請求項188、請求項202、又は請求項216のいずれか1項に記載の前記デバイスを、前記免疫系を刺激することを必要とする被験者と作動可能に接触させて、前記デバイスが前記被験者の血流に金属イオンを提供することができるようにする段階、及び
(b)前記免疫系を刺激するために、前記デバイスにより、前記被験者の前記血流に金属イオンを放出させる段階、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、この引用によって本明細書にその内容が組み込まれる「治療イオンの導入のための金属合金を含むカテーテル(Catheters Including Metallic Alloys for Introduction of Therapeutic Ions)」という名称で2021年4月12日出願のT.Koehler他による米国仮特許出願第63/173,844号の利益を主張するものである。
【0002】
この発明は、血中の病原体を死滅させて病原体によって引き起こされる疾患を治療するためのデバイス及び方法、並びに免疫系を刺激するためのデバイス及び方法、並びに薬剤又は流体を静脈内に送出するためのデバイス及び方法、並びに体液を排出するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
細菌、ウイルス、及び真菌の感染症の治療では、抗細菌、抗ウイルス、及び抗真菌の治療剤の使用によって大きい進歩が遂げられたが、血液媒介の病原性感染及び空気媒介感染は、医療現場で依然として重大な懸念事項である。COVID-19を引き起こし、かつ主として肺を攻撃する重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2のような主として他の組織又は器官を攻撃する感染動因でさえも、血液に感染する可能性があり、それによってCOVID-19の治療及び制御が極度に複雑になる。より一般的には、血液の病原性感染は、病原体がその宿主に感染した状態で、患者に対して深刻な影響を及ぼす可能性がある。多くの場合に、そのような感染は、宿主の死をもたらす。血液媒介感染症のうちでも最も深刻なものは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、すなわち、AIDSを引き起こすウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、エボラウイルス、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)のような抗生物質耐性菌、並びにデング熱ウイルス、西ナイルウイルス、及びジカウイルスのような生物媒介ウイルスのような病原体である。HIVは、急速に変異する可能性があり、従って、それに対する治療を生成することが困難である可能性があり、更に、HIVは、DNAの中に逆転写されるRNAゲノムを有するレトロウイルスであり、この逆転写の後に、HIVが感染する細胞のゲノムの中にこのDNAが組み込まれる可能性がある。これは、ウイルスの根絶を極度に複雑にする可能性があり、20余年の研究の後でもHIVによる感染の予防のためのワクチンは依然として利用可能ではない。C型肝炎ウイルスでは、多くの異なるウイルス株が存在し、従って、抗ウイルス剤のような利用可能な薬物療法が効果を示さない及び/又は衰弱性副作用を有する場合がある。利用可能な抗ウイルス剤が効果を示さない患者は、無反応者として分類され、これらの患者が生き残る可能性はかなり厳しい。1つの特定のC型肝炎株は、これまで見られなかった新しい形態の肝癌にリンクされている。同様に、入れ墨の人気増大、それに関連付けられた適正な衛生の欠如、並びにヘロインのような街頭販売違法薬物の危険状態での静脈内注射を含むいくつかの要因に起因するC型肝炎の発生が世界的に増加している。
【0004】
特に、ウイルス感染症の治療は、ウイルスが構造的及び生物学的に非常に多様であり、多くの異なるライフサイクルを有することによって複雑化する。従って、殆どの抗ウイルス薬物は、ペニシリン又はアジスロマイシンのような多くの抗細菌抗生物質に関する比較的広域の作用スペクトルと比較して比較的限られた作用スペクトルのみを有する。例えば、インフルエンザを治療するのに使用される抗ウイルス薬品であるオセルタミビルは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2を含む他のウイルスに対する活性を基本的に全く持たない。更に、季節性インフルエンザを治療するのに使用される時であっても、オセルタミビルは、最大効果を達成するためには疾患過程の早期に投与しなければならない。
【0005】
他の重大な血液媒介細菌病原体は、表皮ブドウ球菌、セレウス菌、フェカリス菌、フェシウム菌、リステリア菌、肺炎球菌、化膿レンサ球菌(A群溶血性レンサ球菌)、B群溶血性レンサ球菌、大腸菌、肺炎桿菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター・バウマニ、髄膜炎菌、バクテロイデス・フラジリス、炭疽菌、ペスト菌、野兎病菌、及びウシ流産菌を含む(M.R.Pringle他著「新しい16SrRNA遺伝子PCRリガーゼ検出反応-キャピラリー電気泳動アッセイ(Multiplexed Identification of Blood-Borne Bacterial Pathogens by Use of a Novel 16S rRNA Gene PCR-Ligase Detection Reaction-Capillary Electrophoresis Assay)」、J.Clin.Microbiol.45、1927~1235ページ(2007))。
【0006】
特に重大な細菌感染症は、上述のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌、緑膿菌、及びバンコマイシン耐性腸球菌によって引き起こされるものである。
【0007】
血液媒介真菌感染症は、カンジダ・アウリスによって引き起こされる感染症を含むカンジダ症、アスペルギルス症、ブラストミセス症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス・ネオフォルマンス感染症、及びクリプトコッカス・ガッティ感染症を含む。
【0008】
血液媒介原虫感染症はマラリアを含む。
【0009】
これらの欠点に起因して金属イオンの使用によって血液媒介病原体を破壊する試みが行われている。
【0010】
血液媒介感染性疾患の治療に関して金属イオンを導入するのに使用されてきた1つの過程はイオン泳動である。イオン泳動は、イオンが電界によって駆動されて媒体を通って拡散流動する物理過程である。従来技術は、カテーテルを鎖骨下静脈又は上大静脈の中に挿入し、次に、カテーテルを通じて直接血流の中に銀プローブを配置することによる銀イオン泳動を用いる。次に、処方量の小電流がワイヤに印加され、若干正の電荷を有する適正量の銀ナノ粒子が放出され、それが若干負の電荷を有するウイルスに結合する。この過程は、ウイルスの薄膜の機能を妨害し、従って、ウイルスの生存機能を妨害することによってウイルスを破壊する。この手順は、心臓へのその近接性、成功するのに必要とされる所要時間、及び進入部位での2次感染を生成する可能性に起因するそれに関連付けられた様々な課題を有する。
【0011】
従来技術はまた、患者の身体から血液を取り出し、ナノ粒子を用いてウイルスを死滅させるデバイスを通るように血液を再経路指定し、次に、患者の身体の中に再注入するデバイス及び方法を提供している。
【0012】
これらのデバイス及び方法は、患者の血流の中に注入される磁気ナノ粒子の面に取り付けて細菌、ウイルス、及び真菌に接着する蛋白質を有するナノ粒子を使用するWyss Instituteで開発されたバイオ脾臓デバイスを含む。次に、バイオ脾臓デバイスは、磁石を用いてナノ粒子及びそこに取り付けられた病原体を引き出す。更に、これらのデバイス及び方法は、ヘパリンが被覆されたマイクロビーズを用いてウイルスに結合するセラフ100デバイスを含み、このデバイスが血流からウイルスを除去することを可能にする。しかし、これらの方法は、大型の機械と、患者内の病原体数、例えば、ウイルス数、細菌数、又は真菌数の改善が提供されるほど十分に長い期間にわたって機械に「留められた」状態に留まる患者の能力とに依存する。
【0013】
従来技術はまた、低強度直流を利用して様々な金属からウイルス病原体を破壊する陽性粒子を生成する血液媒介病原体を破壊する方法及び装置を開示している(Fields他に付与された米国特許第6,539,252号明細書)。銀のような金属から構成された第1の電極が、患者の静脈系の中に挿入される。次に、第2の電極が、患者の体外で第1の電極の近くに配置される。第1の金属電極に低強度直流が印加され、この電極は、ウイルスに結合され、その結果としてウイルスの変性をもたらす銀陽イオンを放出する。第1の電極は、感染患者の静脈系内にカテーテルを通じて配置される。しかし、この従来技術の方法は、一方が患者の体内に挿入されて他方が患者の皮膚上にある2つ別々の電極を使用することに依存し、かつ患者によっては電極を患者の頸静脈の中に挿入することを更に必要とする場合がある。この従来技術の配置は複雑であり、必要とされる複数の挿入に起因して感染症のような合併症をもたらす場合がある。
【0014】
Fuller他に付与された米国特許第9,849,282号明細書は、電流を使用する関節補綴インプラントに関連付けられた感染を抑制するための医療インプラントデバイスを開示している。しかし、医療インプラントデバイスが完全に体内に埋め込まれるので、デバイスの制御及びプログラミングに対するオプションが非常に限られる。
【0015】
病原体を処置するための電流の使用に関する他の代替案は、Koehlerによる米国特許出願公開第2020/0009375号明細書に説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第6,539,252号明細書
【特許文献2】米国特許第9,849,282号明細書
【特許文献3】米国特許出願第2020/0009375号明細書
【特許文献4】米国特許第8,660,645号明細書
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】M.R.Pringle他著、「新しい16SrRNA遺伝子PCRリガーゼ検出反応-キャピラリー電気泳動アッセイ(Multiplexed Identification of Blood-Borne Bacterial Pathogens by Use of a Novel 16S rRNA Gene PCR-Ligase Detection Reaction-Capillary Electrophoresis Assay)」、2007年、J.Clin.Microbiol.45、1927~1235ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
金属イオンの抗菌活性を使用する血液媒介感染症の治療には、従来技術のデバイス及び方法の準最適な性能の理由から新しい手法が必要である。
【0019】
抗菌カテーテルに関する現在の代替案は、抗菌剤の放出のための化学反応に依存するコーティングを使用するものである。典型的には、放出される抗菌剤は、イオンであり、最も一般的には銀イオンである。この化学物質放出は、無制御のものであり、その作用に一貫性がなく、かつ時間と共に減少する。ここでもまた、金属イオンの抗菌作用を使用する血液媒介感染症の治療には、従来技術のデバイス及び方法の準最適な性能の理由から新しい手法が必要である。
【0020】
すなわち、望ましい結果を達成するのに患者から血液を取り出す必要がなく、低侵襲技術を用いて感染症のような合併症のリスクを最小にする血中の病原体を効率的かつ安全に死滅させるデバイス及び方法に対する長年にわたる必要性が存在する。好ましくは、そのようなデバイス及び方法は、ウイルス、細菌、真菌、及び原虫を含む広範な病原体を死滅させることができ、かつその作用に関してデバイスと病原体の面との間の特定の相互作用に依存しない。好ましくは、そのようなデバイスは、従来の抗菌、抗ウイルス、抗真菌、及び抗原虫の製薬剤を用いて発生する可能性があるような処置されている病原体によるデバイスに対する耐性の発現を受けない。
【0021】
更に、時間と共に減少しない一貫した効果を有する改善された抗菌カテーテルに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、金属イオンをその場で発生させることにより、血液機能内の病原体を効率的かつ安全に死滅させるデバイス及び方法に関する。そのような金属イオンは、銀イオン、銅イオン、及び金イオンを含むが、白金、イリジウム、及び亜鉛を含む追加の金属をその場でのイオンの発生に使用することができる。本発明のデバイス及び方法の作用は、非常に広範囲にわたって病原性の細菌、ウイルス、真菌、及び原虫を死滅させることができる。本発明のデバイス及び方法の作用は、デバイスと死滅させる病原体の面との間の特定の相互作用に依存しない。これに加えて、本発明のデバイス及び方法の作用は、従来の抗細菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、又は抗原虫剤の投与に続いて発生する可能性があるような病原体による耐性の発達を起こさない。
【0023】
本発明の一態様は、
(a)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含むワイヤ、
(b)ワイヤを絶縁する絶縁カバリングであって、ワイヤ及び絶縁カバリングが治療されることになる患者の血流の中にカテーテルを通じて挿入される上記絶縁カバリング、
(c)雄コネクタ、
(d)雄コネクタと作動可能に接触している雌コネクタであって、雄コネクタ及び雌コネクタがデバイスの構成要素を保護し、かつカテーテルへの接続を可能にするような上記雌コネクタ、
(e)デバイスに接続された電源から低強度直流を伝達するために雄コネクタ内にある導電材料のピン、及び
(f)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0024】
デバイスのこの代替案の別のバージョンでは、カテーテルは、ケーブルが実際にカテーテルの一部であるようにワイヤへの直接コネクタを提供するケーブルを含むことができる。
【0025】
デバイスのこの代替案の更に別のバージョンでは、導電材料、典型的には銅のピンは、円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタと交換することができる。熱収縮コネクタの使用に関して、接続されることになる2つのワイヤは、円形半田リング内で隣接するようにコネクタの両端に配置され、コネクタ外面に熱が印加され、この熱は、ワイヤ間を接続するように半田リングを活性化し、それに続いて外部プラスチック材料が、収縮して接続されたワイヤを封入する。この代替案は、銅導電ピン又は別の導電金属の導電ピンを有するものとして説明する本発明の他の実施形態に使用することができる。
【0026】
デバイスは、デバイスと電気接触している電源を更に備えることができる。一代替案では、デバイスと電気接触している電源は、デバイスの治療用途に基づいて電流を調節する機能を有する。
【0027】
この及び下記で説明する類似のデバイスでは、金属又は金属合金を含むワイヤは、典型的には、
(1)70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金、
(2)70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金、
(3)70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金、
(4)70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(5)70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金、
(6)各々が1%と99%の間の金、銀、及び銅を含む銀と銅と金との合金、
(7)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(8)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(9)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(10)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、
(11)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、及び
(12)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金、
から構成される群から選択される。しかし、これらのワイヤに対する他の代替案は、本発明の範囲内である。
【0028】
典型的には、デバイスは、作動時に毎秒約2×109から約7×1012個のイオンを放出する。典型的には、デバイスは、約1.2V以下の電圧を使用する。好ましくは、デバイスは、約0.5Vから約0.92Vの電圧を使用し、一部の代替案では、0.87V又は0.89Vの電圧が使用される。典型的には、デバイスは、約10μA未満の電流を使用する。好ましくは、デバイスは、約6μA未満の電流を使用する。より具体的には、デバイスは、約4.9μAの電流を使用する。
【0029】
一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0030】
本発明の別の態様は、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含むワイヤ、
(2)ワイヤを絶縁する絶縁カバリングであって、ワイヤ及び絶縁カバリングが治療されることになる患者の血流の中にカテーテルを通じて挿入される上記絶縁カバリング、
(3)雄コネクタ、
(4)雄コネクタと作動可能に接触している雌コネクタであって、雄コネクタ及び雌コネクタがデバイスの構成要素を保護し、かつカテーテルへの接続を可能にするような上記雌コネクタ、
(5)デバイスに接続された電源から低強度直流を伝達するために雄コネクタ内にある導電材料のピン、
(6)治療されることになる被験者の静脈の中への挿入のためのスタイレット、
(7)スタイレットを絶縁するための絶縁体、及び
(8)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0031】
デバイスのこの代替案の別のバージョンでは、スタイレットは、ケーブルが実際にスタイレットの一部であるようにワイヤへの直接コネクタを提供するケーブルを含むことができる。
【0032】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオンの放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0033】
デバイスに関するこの代替案は、上述した電源を更に備えることができる。
【0034】
本発明の更に別の態様は、
(a)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含むワイヤ、
(b)ワイヤの一部分を絶縁する絶縁カバリング、
(c)コネクタ、及び
(d)絶縁カバリング及びワイヤが患者の静脈の中に挿入された時に患者の皮膚上に載る電極、
を備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0035】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。この代替案では、患者の皮膚の上に載る電極は、典型的には、電源に接続しているケーブルに接続されて電気回路を完成させるEKGパッチのような導電性パッチである。この電極はカソードとして作用する。
【0036】
デバイスに関するこの代替案は、上述した電源を更に備えることができる。
【0037】
本発明の更に別の態様は、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含むワイヤ、
(2)ワイヤの一部分を絶縁する絶縁カバリング、
(3)ワイヤの一端を覆うドーム形キャップ、
(4)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンの送出のためにワイヤの一部分を露出する1又は2以上の切欠き部、
(5)雄コネクタ、
(6)雄コネクタと作動可能に接触している雌コネクタであって、雄コネクタ及び雌コネクタが、デバイスの構成要素を保護し、かつデバイスの挿入のためのカテーテル又はスタイレットへの接続を可能にするような上記雌コネクタ、及び
(7)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0038】
デバイスのこの実施形態の別の代替案では、カテーテル又はスタイレットは、ケーブルが実際にカテーテルの一部であるようにワイヤへの直接接続を提供するケーブルを含むことができる。これに代えて、雌コネクタ又は雄コネクタのうちの一方が、上述した導電材料のピンを含むことができると考えられる。
【0039】
本発明のこの態様では、雄コネクタの近位点又は起点から延びる絶縁ワイヤの長さは、
(a)末梢静脈電極との併用に対して約1.5インチ(3.81cm)から約6インチ(15.24cm)、
(b)中心静脈電極に対して約4インチ(10.16cm)から約9インチ(22.86cm)、又は
(c)末梢絶縁中心カテーテル(PICC)の中に配置された電極に対して約6インチ(15.24cm)から約32インチ(81.28cm)、
の範囲とすることができる。
【0040】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0041】
デバイスに関するこの代替案は、上述した電源を更に備えることができる。
【0042】
本発明の更に別の態様は、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含み、患者の血流の中へのデバイスの挿入のためのカテーテルの周りに巻き付けられた又は編組されたワイヤ、
(2)ワイヤと電気接触しており、デバイスに接続されてデバイスに低強度直流を伝達する電源に各々が接続された2つのキャップコネクタ、及び
(3)2つのキャップコネクタに接続された電源、
を備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0043】
この代替案では、ワイヤは、
(1)カテーテルの外部で螺旋状、
(2)カテーテルの内部で螺旋状、
(3)カテーテルの外部で六角形状、
(4)カテーテルの内部で六角形状、
(5)カテーテルの外部で編組状、
(6)カテーテルの内部で編組状、
から構成される群から選択される代替案でカテーテルに対して配置することができる。
【0044】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0045】
デバイスに関するこの代替案は、上述した電源を更に備えることができる。
【0046】
本発明の更に別の態様は、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含むワイヤ、
(2)1又は2以上の切欠き部を除くワイヤ全体を覆う絶縁カバリング、
(3)絶縁カバリングの開口端部を密封するドーム形キャップ、及び
(4)デバイスに接続されて低強度直流をデバイスに伝達する電源、
を備えるデバイス細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0047】
この代替案では、ドーム形キャップは、裸ワイヤが露出して潜在的なかぶれを引き起こす又は静脈内壁を損傷することのないようにワイヤを静脈の中に挿入するのに使用されるスタイレット又はカテーテルの遠位端を覆う。デバイスのこの実施形態の別の代替案では、デバイスは、ケーブルが実際にスタイレットの一部であるようにワイヤへの直接コネクタを提供するケーブルを含むことができる。デバイスの更に別の代替案では、デバイスは、上述した導電材料のピンを含むことができる。
【0048】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0049】
本発明の更に別の態様は、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含み、カテーテルを通じて患者の静脈の中に挿入されるワイヤ、
(2)ワイヤを保護するための絶縁カバリング、
(3)キャップコネクタ、
(4)ワイヤの一端の近くに取り付けられた雄コネクタ、
(5)雄コネクタがそこに取り付けられたワイヤの端部に雄コネクタよりも近く取り付けられた雌コネクタ、
(6)デバイスに接続された電源から低強度直流を伝達するために雄コネクタ内にある導電材料のピン、及び
(7)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0050】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0051】
デバイスのこの代替案の更に別のバージョンでは、導電材料、典型的には銅のピンは、上述のように円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタと交換することができる。
【0052】
デバイスに関するこの代替案は、上述した電源を更に備えることができる。
【0053】
本発明の更に別の態様は、
(1)スタイレット内のワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含み、スタイレットの挿入によって患者の静脈の中に挿入されるワイヤ、
(2)ワイヤを取り囲む絶縁カバリング、
(3)絶縁カバリングがドーム形キャップまで全体にわたって延びるドーム形キャップ、
(4)ワイヤに対して患者の血流へのアクセスを提供する1又は2以上の切欠き部、
(5)雄コネクタ、
(6)雌コネクタ、
(7)デバイスに接続された電源から低強度直流を伝達するために雄コネクタ内にあり、雄コネクタ及び雌コネクタによって保護された導電材料のピン、及び
(8)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスであり、デバイスは、PICCカテーテル(末梢絶縁中心カテーテル)と併用するようになっている。
【0054】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0055】
デバイスのこの代替案の更に別のバージョンでは、導電材料、典型的には銅のピンは、上述のように円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタと交換することができる。
【0056】
デバイスに関するこの代替案は、上述した電源を更に備えることができる。
【0057】
本発明の更に別の態様は、
(1)開口管腔カテーテル、
(2)カテーテルに取り付けられてカテーテルの周りの空間を閉鎖する止血シール、
(3)静脈内抗生物質又は他の薬品の投与を可能にする側面ポート、及び
(4)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含むワイヤであって、ワイヤが、カテーテルを通じて患者の静脈の中に挿入され、ワイヤの挿入と、側面ポートを通じてかつ近位止血シールとの組合せによって補助静脈薬品送出ポートとしてのその両方を可能にするようにカテーテルの内径がワイヤの外径よりも大きい上記ワイヤ、
を備えるデバイス細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0058】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0059】
デバイスに関するこの代替案は、上述した電源を更に備えることができる。
【0060】
本発明の更に別の態様は、
(1)カテーテル、
(2)カテーテルを取り囲む配線であって、配線の構成が、
(a)カテーテルを取り囲む外部螺旋巻き配線、
(b)カテーテルを取り囲む直線長手配線、
(c)カテーテルの遠位端、カテーテルの近位端、又はカテーテルの遠位端と近位端の両方でリングの形状の配線、
(d)カテーテルの外部で六角形パターンの配線、及び
(e)カテーテルの近位端から遠位端までの又はこれに代えてカテーテルの遠位端のみでのワイヤの周期的露出セクションを有する配線、
から構成される群から選択され、
配線が、ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む上記配線、及び
(3)デバイスに低強度直流を伝達するために六角形設計の配線を電源に接続するコネクタ、
を備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0061】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0062】
デバイスに関するこの代替案は、上述した電源を更に備えることができる。
【0063】
本発明の更に別の態様は、
(1)単一管腔又は複数の管腔のいずれかを有するカテーテル、
(2)削られた窓が埋め込まれたカテーテルの中に埋め込まれた配線であって、ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金のワイヤを備える上記配線、及び
(3)デバイスに低強度直流を伝達するために配線を電源に接続するコネクタ、
を備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0064】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0065】
デバイスに関するこの代替案は、上述した電源を更に備えることができる。
【0066】
本発明の更に別の態様は、
(1)上側と底側とを有する実質的に平面のパッチ又は絆創膏、
(2)パッチ又は絆創膏の底側のコーティングであって、第1のワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む第1のワイヤをそこに含む上記コーティング、
(3)パッチ又は絆創膏の上側のスナップコネクタ、
(4)スナップコネクタと電気接触している第2のワイヤ、及び
(5)デバイスに低強度直流を伝達するために第1及び第2のワイヤと電気接触している電源、
を備える創部ケア絆創膏又はパッチを備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0067】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0068】
本発明の更に別の態様は、流体を供給することを意図した静脈ライン又は他のデバイスの中への組み込みのための細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスであり、デバイスは、
(1)デバイスのためのカバリングとして作用するハブキャップ、
(2)電源として作用するセルバッテリ、
(3)電流出力を制御するためにセルバッテリと電気接触しているプリント回路基板、
(4)金属又は金属合金を含むカソードワイヤ、
(5)金属又は金属合金を含むアノードワイヤ、
(6)流体がデバイスを通って流れる時に電気回路を提供するためにカソードワイヤ及びアノードワイヤと電気接触している流体吸収材料、
(7)第1のコネクタ、
(8)第2のコネクタであって、第1のコネクタ及び第2のコネクタが、流体を患者に供給するための静脈ラインの中へのデバイスの配置を可能にする上記第2のコネクタ、
(9)第1のコネクタと第2のコネクタとを接合するアノード金属ピン、及び
(10)第1のコネクタと第2のコネクタとを接合するカソード金属ピンであって、デバイスが、流体を供給することを意図した静脈ライン又は他のデバイスの中に挿入されるようになっている上記カソード金属ピン、
を備える。
【0069】
この代替案では、金属又は金属合金を含むカソードワイヤ及びアノードワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0070】
本発明の更に別の態様は、
(1)デバイスのためのカバリングとして作用するハブキャップ、
(2)電源として作用するセルバッテリ、
(3)電流出力を制御するためにセルバッテリと電気接触しているプリント回路基板、
(4)金属又は金属合金を含むカソードワイヤ、
(5)金属又は金属合金を含むアノードワイヤ、
(6)流体がデバイスを通って流れる時に電気回路を提供するためにカソードワイヤ及びアノードワイヤと電気接触している流体吸収材料、
(7)中実キャップ、
(8)コネクタ、
(9)コネクタと作動可能に接触している流体源、
(10)コネクタと作動可能に接触しているアノード金属ピン、及び
(11)コネクタと作動可能に接触しているカソード金属ピン、
を備えて流体源への取り付けに適合された、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0071】
この代替案では、金属又は金属合金を含むカソードワイヤ及びアノードワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0072】
本発明の更に別の態様は、
(1)患者の皮膚に取り付けられた発電器、
(2)発電器の出力を調整するための手段、及び
(3)ワイヤを備える埋め込み式スタイレットであって、ワイヤを通してかつ患者の皮膚の中に低強度直流を伝達するために発電器がワイヤと電気接触している上記埋め込み式スタイレット、
を備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0073】
この代替案では、金属又は金属合金を含むカソードワイヤ及びアノードワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0074】
本発明の更に別の態様は、金属又は金属合金の粒子がそこに組み込まれたチュアブルガムのウェーハ又は層であって、粒子の放出を可能にする唾液の加水分解作用により粒子が咀嚼時に放出されることによって、粒子が血流の中に吸収される、チュアブルガムのウェーハ又は層を備えるデバイスである。金属又は金属合金は、上述した通りのものである。本発明によるそのようなデバイスは、本明細書に説明する輸液療法に対する補助とすることができる。
【0075】
本発明の更に別の態様は、
(1)カテーテル、
(2)カテーテル内で内部を延びるワイヤ、
(3)カテーテルを取り囲む1から5個の外部導電リング、
(4)金属又は金属合金を含む絶縁ワイヤ、
(5)カテーテルと作動可能に接触しているコネクタ、
(6)デバイスに低強度直流を伝達するための電源への接続のためにコネクタの内側に配置されたワイヤであって、電源がワイヤと電気接触している上記ワイヤ、及び
(7)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0076】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0077】
デバイスに関するこの代替案は、上述した電源を更に備えることができる。
【0078】
本発明の更に別の態様は、
(1)導入針、
(2)二重管腔又は多重管腔カテーテル、
(3)二重管腔又は多重管腔カテーテル内の流体流れのための1次管腔、
(4)二重管腔又は多重管腔カテーテル内の2次管腔、
(5)二重管腔又は多重管腔カテーテルの2次管腔の中への挿入のための絶縁スタイレット、
(6)絶縁スタイレットと電気接触している金属又は金属合金から構成されたワイヤ、
(7)取り外し可能スペーサ、
(8)取り外し可能スペーサに隣接して絶縁スタイレットを二重管腔又は多重管腔カテーテルに取り付けるコネクタ、
(9)電源への取り付けのための内部銅ピン、
(10)流体を追加するための注入側面ポート、及び
(11)スタイレットが置かれた2次管腔からの血液の逆流を防止するための止血シール、
を備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。
【0079】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0080】
デバイスのこの代替案の更に別のバージョンでは、導電材料の銅ピンは、円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタと交換することができる。
【0081】
デバイスに関するこの代替案は、上述した電源を更に備えることができる。
【0082】
この代替案では、デバイスは、中心カテーテル、正中カテーテル、PICCカテーテル、及び中心静脈カテーテルから構成される群から選択されるカテーテルと併用することができる。
【0083】
本発明の更に別の態様は、
(1)流体含有デバイスへの接続のための近位端、及び
(2)静脈の中への挿入のための遠位端、
を備える無針注入器スタイレットである。
【0084】
本発明の更に別の態様は、
(1)近位端と遠位端とを有する静脈の中への挿入のためのカテーテル、
(2)バッテリ駆動式電源、
(3)デバイスによって供給される電圧及び電流の制御のためにバッテリ駆動式電源と作動可能に接触している回路基板、
(4)カソード、
(5)カソードを覆う抗凝血コーティング、
(6)金属又は金属合金を含む1から5個のワイヤを備えるイオン生成アノードワイヤ、及び
(7)血流を促進するためのポンプ、
を備え、体外カテーテルを備える細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスである。
【0085】
この代替案では、金属又は金属合金を含むワイヤは、上述した通りのものである。イオン放出速度、電圧、及び電流は、上述した通りのものである。
【0086】
本発明の更に別の態様は、
(1)上述のように細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系の刺激のための、又はカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスを、血液媒介病原体感染症の治療を必要とする被験者と作動可能に接触させて、デバイスが被験者の血流に金属イオンを提供することができるようにする段階、及び
(2)感染症を治療するために、免疫系を刺激するために、又はカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するために、デバイスにより、被験者の血流に金属イオンを放出させる段階、
を含む細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症のような血液媒介病原体感染症を治療する方法、免疫系を刺激する方法、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供する方法である。抗菌カテーテルに関する現在の市場は、抗菌薬の放出のための化学反応に依存する何らかの種類のコーティングの利用を伴い、殆どの場合に、この化学反応はイオンを放出し、最も一般的には銀イオンを放出する。そのような化学反応の使用は、無制御で一貫性がなく、抗菌イオンの放出が時間と共に減少するという結果をもたらす。それとは対照的に、本発明によるデバイス及び方法は、抗菌イオンの放出が制御され、一貫しており、本発明によるデバイスの配置の寿命にわたって持続されるような電流駆動式システムを利用する。本発明によるデバイスの抗菌構成要素は交換可能であり、従って、デバイスは、カテーテル挿入の望ましい寿命にわたって優れた保護を提供することができる。これに加えて、本発明によるデバイスの一部の実施形態では、スタイレットは、カテーテル全体を取り出して別のカテーテルを挿入する必要があってこれが感染症又は他の合併症のリスクを高める従来技術デバイスとは対照的に、カテーテル全体を取り出すことなく入れ替えることができる。
【0087】
典型的に、デバイスは、ワイヤを被験者の静脈の中に配置することによって、ワイヤが患者の血流の中に金属イオンを放出するように、被験者と作動可能に接触する。デバイスは、静脈ラインの中に直列に配置するか又は流体源の中に直列に配置することができる。
【0088】
本方法が細菌感染症を治療するのに使用される時に、典型的には、細菌感染症は、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、セレウス菌、フェカリス菌、フェシウム菌、リステリア菌、肺炎連鎖球菌、A群連鎖球菌、B群連鎖球菌、大腸菌、肺炎桿菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、アセチノバクター・バウマニ、髄膜炎菌、バクテロイデス・フラジリス、炭疽菌、ペスト菌、野兎病菌、及びウシ流産菌から構成される群から選択される細菌によって引き起こされる感染症である。特に、本方法は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)である黄色ブドウ球菌によって引き起こされる感染症を治療するのに使用することができる。
【0089】
本発明によるデバイス及び方法はまた、細菌、ウイルス、真菌、及び原虫を含む血液媒介病原体に対する単独治療として、免疫系を調節するための手段として、及び微生物バイオフィルム又はカテーテルの穿刺部位からの感染を考慮するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供する手段として使用することができる。
【0090】
本方法がウイルス感染症を治療するのに使用される時に、典型的には、ウイルス感染症は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、エボラウイルス、ジカウイルス、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、デング熱ウイルス、及び重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2から構成される群から選択されるウイルスによって引き起こされる感染症である。
【0091】
本方法が真菌感染症を治療するのに使用される時に、典型的には、真菌感染症は、カンジダ症、アスペルギルス症、ブラストミセス症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス・ネオフォルマンスによる感染症、及びクリプトコッカス・ガッティによる感染症から構成される群から選択される感染症である。
【0092】
本方法が原虫感染症を治療するのに使用される時に、典型的には、原虫感染症はマラリアであるが、他の原虫感染症も治療することができる。
【0093】
本方法は、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、及び抗原虫剤から構成される群から選択することができる治療有効量の抗菌剤の投与を更に含むことができる。
【0094】
本方法は、
(3)治療の投与の開始に続いて、被験者の血液中に残っている血液媒介病原体の量又は濃度を検出又は決定することによって治療の結果を決定する段階、及び
(4)必要に応じて、投与されるイオンの量、使用される電流、電圧、又は波形を変更することによって治療を調節する段階、又は追加の抗細菌剤、抗ウイルス剤、又は抗真菌剤が投与される場合に、投与中の追加の薬剤の種類(identity)、追加の薬剤の投与量、追加の薬剤の投与頻度、追加の薬剤の投与継続時間、追加の薬剤の投与経路、又は追加の薬剤の投与に関連付けられた別の要因から構成される群から選択される要因を変更する段階、
を更に含むことができる。
【0095】
本発明の更に別の態様は、
(a)上述のように細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスを、ナチュラルキラー細胞の生成を刺激することを必要とする被験者と作動可能に接触させて、デバイスが被験者の血流に金属イオンを提供することができるようにする段階、及び
(b)乳癌を含む新生細胞を治療するために、身体のナチュラルキラー細胞の生成及び他の自然免疫応答を刺激するために、デバイスにより、被験者の血流に金属イオンを放出させる段階、
を含むナチュラルキラー(NK)細胞の生成を刺激する方法である。
【0096】
本発明による方法では、免疫系を刺激するための手段は、発電器によって生成されてカテーテル又はスタイレットを通じて伝達され、リンパ球上のカルシウムの流入チャネル及び流出チャネルを活性化し、これが次に免疫系内の信号伝達を活性化する電界を伴う可能性がある。
【0097】
本発明による方法は、免疫系刺激に対して使用することもできる。
【0098】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面を参照することによってより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【
図1】本発明の選択された実施形態による患者の血液中の病原体を死滅させるためのデバイスの前面図である。
【
図2】本発明の選択された実施形態による患者の血液中の病原体を死滅させるためのデバイスの別の前面図である。
【
図3】本発明の選択された実施形態による患者の血液中の病原体を死滅させるためのデバイスの前面図及び側面図である。
【
図4】本発明の選択された実施形態による患者の血液中の病原体を死滅させるためのデバイスの一連の前面図である。
【
図5】本発明の選択された実施形態による患者の血液中の病原体を死滅させるためのデバイスの別の一連の前面図である。
【
図6】本発明の選択された実施形態による患者の血液中の病原体を死滅させるためのデバイスの一連の前面斜視図である。
【
図7】患者の静脈又は動脈の中に挿入されるカテーテルが装着されたデバイスの一連の前面図である。
【
図9】2剤併用療法のための開放管腔カテーテルの一連の前面図である。この図では、この場合は特殊設計カテーテルであるカテーテルの周りを閉鎖するために止血シールが取り付けられている。
【
図10A】免疫系を刺激して血液中の病原体を死滅させるために正に帯電したイオンを送出する「抑制ゾーン」に関するいくつかのカテーテル設計のうちの1つの図であり、内部又は外部のいずれかの螺旋巻き配線を有する図である。
【
図10B】免疫系を刺激して血液中の病原体を死滅させるために正に帯電したイオンを送出する「抑制ゾーン」に関するいくつかのカテーテル設計のうちの1つの図であり、内部露出、外部露出、又は内部と外部の両方の露出のいずれかである3から5個のワイヤを有する直線長手配線を有する図である。
【
図10C】免疫系を刺激して血液中の病原体を死滅させるために正に帯電したイオンを送出する「抑制ゾーン」に関するいくつかのカテーテル設計のうちの1つの図であり、遠位端、近位端、又はその両方にリングを有し、全てのリングをアノードとすることができ、又はアノードとカソードとが1つ置きに交替することができ、又はカテーテルをEKG経路に使用されるような外部カテーテルカソードと併用することができる図である。
【
図10D】免疫系を刺激して血液中の病原体を死滅させるために正に帯電したイオンを送出する「抑制ゾーン」に関するいくつかのカテーテル設計のうちの1つの図であり、遠位、近位、又はその両方で近位外面と遠位内面又は外面とに又は近位内面と遠位内面又は外面とに六角形設計を有し、EKG経路に使用されるようなカソードが外部に付加された図である。
【
図10E】免疫系を刺激して血液中の病原体を死滅させるために正に帯電したイオンを送出する「抑制ゾーン」に関するいくつかのカテーテル設計のうちの1つの図であり、近位端から遠位端までの又は遠位端のみでの周期的露出セクションを有し、1mmから10mmの長さ及び35°~180°露出の窓を有する図である。
【
図10F】免疫系を刺激して血液中の病原体を死滅させるために正に帯電したイオンを送出する「抑制ゾーン」に関するいくつかのカテーテル設計のうちの1つの図であり、(i)3つの30°窓を有する配置と(ii)1つの180°窓を有する配置との端面図である。
【
図10G】免疫系を刺激して血液中の病原体を死滅させるために正に帯電したイオンを送出する「抑制ゾーン」に関するいくつかのカテーテル設計のうちの1つの図である。
【
図10H】免疫系を刺激して血液中の病原体を死滅させるために正に帯電したイオンを送出する「抑制ゾーン」に関するいくつかのカテーテル設計のうちの1つの図である。
【
図11A】末梢挿入、中心挿入、正中挿入及び中心挿入、又は末梢挿入式静脈カテーテル(PICC)挿入のいずれかを意図することができると考えられる単一管腔設計又は多重管腔設計のいずれかを用いた本発明によるカテーテルの設計に関する代替案を示す図であり、(i)(A)抑制(抗菌活性)ゾーンを生成するために及び(B)EKG経路に使用されるような外部カソードを利用して正に帯電したイオン(陽イオン)を放出するために免疫系を刺激するためのイオン放出のための削られた窓を遠位端に有するカテーテルの中に埋め込まれた金属合金を有する二重管腔の側面図及び(ii)単一管腔及び電極の端面図である。
【
図11B】末梢挿入、中心挿入、正中挿入及び中心挿入、又は末梢挿入式静脈カテーテル(PICC)挿入のいずれかを意図することができると考えられる単一管腔設計又は多重管腔設計のいずれかを用いた本発明によるカテーテルの設計に関する代替案を示す図であり、
図11Aのカテーテルの端面図である。
【
図11C】末梢挿入、中心挿入、正中挿入及び中心挿入、又は末梢挿入式静脈カテーテル(PICC)挿入のいずれかを意図することができると考えられる単一管腔設計又は多重管腔設計のいずれかを用いた本発明によるカテーテルの設計に関する代替案を示す図であり、類似の多重管腔カテーテルの端面図である。
【
図12A】本発明による創部ケア絆創膏又は火傷保護絆創膏の概略図であり、皮膚の部位への付加のための可変サイズのパッチの皮膚側(皮膚と接触状態になる側)に下記でより詳しく説明するイオン放出金属合金を組み込むパッチを示す図である。イオン放出金属合金は、下記でより詳しく説明する低強度直流発生器に接続された時に電流を受け入れる。
【
図12B】本発明による創部ケア絆創膏又は火傷保護絆創膏の概略図であり、組み込みイオン放出金属合金がカソードとアノードとを示す創部ケア絆創膏又は火傷保護絆創膏の下側を示す図である。
【
図13】カテーテル、静脈ライン、又は別のデバイスのような他のデバイスにルアーロック、IVホースクランプ、IVホース取付具、又は医療流体流れ構成要素を接続するための他の従来の接続金具を通して接続することができる本発明によるデバイスの図である。
図13では、X及びYは、静脈ラインのような他のデバイスへの流体が貫流するデバイスの接続のための1ペアのコネクタを示している。デバイスは、その両側に延びるアノード及びカソードの金属ピンと、デバイスの上面の上のハブキャップとを有する。デバイスは、焼結多孔質プラスチックシート(Porex(登録商標))を含有し、カソードは、流体を吸収するために焼結多孔質プラスチックシートによって囲まれてアノードからカソードへの回路の完成を可能にする。デバイスはまた、電流出力を制御するための小型プリント回路基板を含有する。流体がコネクタ及び焼結多孔質プラスチックシートを通過する時に、完全な回路が形成されてイオンが放出される。アノード及びカソードは、上述のようにイオン放出金属合金で組み立てられる。一代替案では、接続部のうちの1つは、水瓶又は静脈内輸液のための容器のような流体源に接続される。
【
図14】典型的には、腕のような体肢での静脈の中への挿入のための本発明によるデバイスの代替案の図である。この代替実施形態では、低強度直流を生成する発電器は、上述のようにイオン放出合金に取り付けられる。一時的に埋め込まれるスタイレット又はカテーテルが静脈の中に挿入される。本発明によるデバイスのこの代替実施形態は、静脈ラインの中にも挿入されてラインの中にイオンが放出される。この用途では、デバイスは、蒸留水又はイオンをその中に放出することができる静脈ラインを通じた投与のための他の流体の小型容器に取り付けられ、この容器が逆さにされた時に、流体は、望ましい期間にわたるイオンの放出を活性化し、イオン充填溶液を生成する。
【
図15】一時的に埋め込まれるスタイレット又はカテーテルを通じて患者の静脈の中に上述のように金属イオンを伝達することが意図される本発明によるデバイスの別の代替実施形態の図である。
【
図16】金属イオンを血流の中に間断なく放出するチュアブルガムである本発明によるデバイスの別の代替実施形態の図である。吸収は、これに代えて、経口で行うことができる。
【
図17】カソードカテーテルである本発明によるデバイスの更に別の代替実施形態の図である。
【
図18】本発明による無針注入器スタイレットの図である。
【
図19】流体送出のための二重管腔カテーテル、注入側面ポート、カテーテルの2次管腔からの血液の逆流を防止するための止血弁又は止血シールとを組み込む本発明によるデバイスの更に別の代替案の図である。
【
図20】電源としてのバッテリと、電圧及びアンペア数を調整するための回路基板と、カソードが抗凝血コーティングによって覆われたカソード及びアノード配線と、血流を促進するためのポンプとを備える本発明による体外カテーテルの図である。体外カテーテルは、免疫調節及び血液媒介病原体の治療の目的でより大きい静脈の中に挿入されるように設計される。
【
図21A】本発明によるデバイスによる様々な疾患の治療結果を示す表である。
図21に示す本発明によるデバイスによって治療可能な疾患は、HIVと、デング熱と、HSV-1感染症と、HSV-2感染症とを含む。
図21の結果は、詳細な血液検査の結果を含む。
【
図21B】本発明によるデバイスによる様々な疾患の治療結果を示す表であり、
図21Aの続きである。
【
図21C】本発明によるデバイスによる様々な疾患の治療結果を示す表であり、
図21Bの続きである。
【
図21D】本発明によるデバイスによる様々な疾患の治療結果を示す表であり、
図21Cの続きである。
【発明を実施するための形態】
【0100】
本発明は、イオン生成金属を通る低強度直流の通過によってイオン生成金属によって発生されるイオンの使用を使用する。本明細書に使用する時に、「イオン生成金属」という用語は、(i)銀、銅、金、白金、イリジウム、亜鉛、パラジウム、及びオスミウムから構成される群から選択される金属元素又は半金属元素、及び(ii)各々が、銀、銅、金、白金、イリジウム、亜鉛、パラジウム、及びオスミウムから構成される群から選択される2又は3以上の金属元素又は半金属元素の合金を意味する。下記で説明するように、イオン生成金属は、患者の中への挿入のための電極に形成され、典型的には、下記で説明するように、この電極は、カテーテルを通すなどで静脈系の中に挿入される。本明細書に使用する時に、「カテーテル」という用語は、長さ及び直径が本明細書に説明するデバイスと整合する典型的にテフロン(登録商標)、ポリウレタン、シリコーン剤、又はいずれかの他の形態のプラスチック又は他の生体適合性材料の従来のカテーテルを意味する。長さ及び直径が本明細書に説明するデバイスと整合し、本明細書に説明する材料で組み立てられたカテーテルは、院内感染から患者を保護するために体液を排出するのに使用することができ、そのようなカテーテルは尿道カテーテルを含む。
【0101】
特に銀イオンは、免疫細胞の薄膜に取り付けてこれらの膜を約-70mVから約-50mVに脱分極させることができ、正に帯電したナトリウム及びカルシウムのイオン流れがイオンチャネルと呼ぶ薄膜内の孔を通って細胞の中に逆流するが、本出願人は、この理論によって拘束されることを意図していない。このイオン逆流は、細胞を活性状態にする遺伝子の転写変化をもたらす信号を含む。従って、電流は、銀イオンなどであるがこれに限定されない金属イオンを血流中に発生させ、次に、これらの金属イオンは、免疫細胞を活性状態にする。
【0102】
これに加えて、本発明によるデバイス及び方法は、ペースメーカー、神経刺激器、又はTENSユニットのようなデバイスでの電流よりも実質的に弱い電流を使用する。本発明によるデバイス及び方法の機能の一態様は、リンパ球内の電流誘導カルシウムイオン流入に沿う抗原呈示を促進することであり、それによってリンパ球を活性化し、更に増殖を活性化する。更に、ウイルス感染細胞は、健全な真核細胞よりも電流に対して脆弱である。過剰カルシウムイオンの流入及び脱分極が多くのウイルス感染の特質であることは公知である。この理由から、本発明によるデバイス及び方法からの電流は、非感染真核細胞と比較してウイルス感染細胞に対して大きい影響を及ぼすと考えられるが、本出願人は、この理論によって拘束されることを意図していない。
【0103】
本発明の別の態様では、本発明によるデバイス及び方法によって生成されたイオンの細菌の外膜の中への浸透は、外膜内のポリンによって強化される。これは、細菌の複製を阻止するイオンの機能を増大する。更に、細菌の中へのイオンの浸透は、細菌の変性を誘導することができ、それによって抗原の生成及びその後のリンパ球に対する抗原呈示が容易になる。
【0104】
本発明によるデバイス及び方法は、リンパ球の中へのカルシウムの流入を誘導し、相応に免疫系に信号伝達することによって免疫系を調節するという仮説を提供するが、本出願人は、この理論によって拘束されることを意図していない。抗原がリンパ球に結合すると、カリウムチャネルが開き、細胞からのK+の流出が、細胞を尚一層負に帯電させる過分極を生成する。その結果、電圧感度Ca2+チャネルが開いて、リンパ球の内側に信号を生成するCa2+イオンの流入を可能にする。この信号は、リンパ球に、(i)細胞の形状又は体積を変化させること、(ii)活性化カスケードである一定の酵素を活性化すること、及び(iii)K+及びCa2+のイオンチャネルを発現させる遺伝子を活性化することを行わせる。更に、Ca2+の流入は、体内の感染体及び癌と戦う上で重要であるように機能するT細胞とNK細胞の両方を活性化することも示されている。K+及びCa2+チャネルが細胞膜内に多く存在するほど、リンパ球を活性化することへのCa2+の効果は高い。これは、適応免疫系の活動に関連付けられる。
【0105】
更に、T細胞の生体電気状態を調節することにより、これらの細胞を活性化又は不活性化することができる。活性化は、イオンチャネルが過剰発現され、それによって開いて、細胞の中へのカルシウムイオンの内向き電流及び細胞からのカリウムイオン及び塩化物イオンの逆電流を可能にする。正味の効果は、T細胞の細胞膜電位が低下する脱分極である。この脱分極は、(1)ニューロンシナプスでのイオンチャネルの集積と類似のT細胞の細胞膜内のイオンチャネル(従って、それに関連付けられたイオン電流)が、差別的に免疫シナプス(すなわち、T細胞が抗原に結合する場所)でクラスター化すること、(2)抗原へのその後の結合がより高いカルシウムイオン電流の誘導をもたらすことでT細胞脱分極に関する格納効果が存在すること、(3)免疫系の生得的なアームでのNK細胞内に類似の現象が認識され、内向きに流れるカルシウムイオン電流による細胞膜脱分極がNK細胞を活性化することができること、(4)銀イオンが、類似の内向きカルシウムイオン電流を促進させることによって細胞膜を可逆に脱分極させることができることという影響を有する。
【0106】
従って、Ca2+がリンパ球の中に汲み入れられると、リンパ球は、細胞に形状を変化させ、酵素を活性化させ、K+及びCa2+イオンチャネルを発現させる遺伝子を活性化させるように信号伝達する。その結果、更に細胞膜が開いて、K+イオンが細胞から汲み出され、負(-85mV)に帯電したリンパ球が発生する。
【0107】
従って、本発明によるデバイス及び方法は、2つの相互作用機構、すなわち、(1)リンパ球によって提供することができる病原体からの抗原の生成、及び(2)本発明によるデバイス及び方法によって生成されたイオンによって誘導された活性化によるT細胞の刺激によって機能するが、本出願人は、この理論によって拘束されることを意図していない。
【0108】
合金であるイオン生成金属に関して、合金中の各金属の百分率は、望ましい結果に依存する可能性がある。しかし、典型的には、合金が使用される時に病原体を破壊するのに最適な結果を達成するために、合金中の主要金属が70%に等しいか又はそれよりも高い比率で存在しなければならない。目標は、治療されることになる患者の血流中に直接挿入された又はイオン生成金属が血流と接触状態になるような配置で挿入されたかのいずれかであるイオン生成金属を用いて血液媒介病原体を破壊することである。金属イオンの投与の適切な濃度及び継続時間は、赤血球(赤血球細胞)及び白血球(細胞性免疫反応及び体液性免疫反応の確立及び維持で重要であるように機能するリンパ球を含む白血球細胞)のような患者の細胞に影響を及ぼすことなく病原体を死滅させることができる。
【0109】
本発明による一代替案では、イオン生成金属は、70%以上の金と30%以下の銀とを含む金と銀との合金である。本発明による別の代替案では、イオン生成金属は、70%以上の銀と30%以下の金とを含む金と銀との合金である。本発明による更に別の代替案では、イオン生成金属は、70%以上の金と合計で30%以下の銀及び銅とを含む金と銀と銅との合金である。本発明による更に別の代替案では、イオン生成金属は、70%以上の銀と合計で30%以下の銅及び金とを含む銀と銅と金との合金である。本発明による更に別の代替案では、イオン生成金属は、70%以上の銅と合計で30%以下の銀及び金とを含む銀と銅と金との合金である。
【0110】
典型的には、電極は、1%と99%の間の金、銀、及び銅の各々を有する。
【0111】
本発明による他の代替案では、イオン生成金属は、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上を含むことができる。従って、金属の可能な更に別の組合せ、すなわち、(1)70%以上の金と合計で30%以下の銀、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む金と銀、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、(2)70%以上の銀と合計で30%以下の金、銅、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銀と金、銅、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、(3)70%以上の銅と合計で30%以下の金、銀、白金、イリジウム、又は亜鉛とを含む銅と金、銀、白金、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、(5)70%以上の白金と合計で30%以下の金、銀、銅、イリジウム、又は亜鉛とを含む白金と金、銀、銅、イリジウム、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、(5)70%以上のイリジウムと合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又は亜鉛とを含むイリジウムと金、銀、銅、白金、及び亜鉛のうちの1又は2以上との合金、(6)70%以上の亜鉛と合計で30%以下の金、銀、銅、白金、又はイリジウムとを含む亜鉛と金、銀、銅、白金、及びイリジウムのうちの1又は2以上との合金が本発明内にある。本発明による合金では、他の金属組合せを使用することができる。
【0112】
本発明によるデバイス及び方法の使用は、感染からもたらされる生命を脅かす合併症への露出を有意に低減することになり、治療に必要とされる所要時間のかなりの低減をもたらすことにもなる。本発明による方法及びデバイスは、診療室、自宅、病院又は診療所、戦場で、又は長期休暇治療として使用することができる。
【0113】
システムは、構造と使用の両方でかなり基本的で単純である。カテーテルの一部として製造されたもの又は絶縁カバリングを有するように製造されたもののいずれかであるワイヤは、血液媒介病原体の治療のために患者の血流の中に挿入される。設計の詳細は、患者の性状と、治療されている特定の病原体と、治療の所要時間とに依存する。イオンの放出の継続時間及び強度は、専有制御システム又は他の適切な制御ユニットによって制御され、制御ユニットは、その中に電流と、波形と、外部ソフトウエアプログラムを使用して血液媒介病原体を治療するための様々なプログラムに対する出力とを制御する専有ソフトウエアを有するPCB(プリント回路基板)を有する。
【0114】
典型的には、作動時に、デバイスは、血液媒介病原体の治療又は免疫系の刺激のために毎秒約2×109から約7×1012個のイオンを放出する。本発明による方法及びデバイスでは、金属イオンを生成するために印加される電圧は、典型的には、約1.2V以下である。好ましくは、印加電圧は、約0.5Vから約0.92Vであり、一部の代替案では、0.87V又は0.89Vの電圧が使用される。印加電圧は、組織の耐性に依存する。典型的には、使用電流は、約10μAよりも弱く、より一般的には約6μA以下であり、好ましくは、約4.9μAである。殆どの用途では、金属イオンを生成するために印加される電圧を約1.2V以下に保つことが重要であり、この範囲よりも大きい電圧は、発生イオンと血流中の塩化物との結合を引き起こし、更に、治療効果を欠く粒子の形成をもたらす傾向を有する。
【0115】
一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0116】
典型的には、完全露出ワイヤ設計の遠位端からの露出金属ワイヤの長さは、約0.1インチ(0.254cm)から約1.0インチ(2.54cm)である。典型的には、下記でより詳しく議論するように、ワイヤは、破断を防止するため及び安全の目的で面が剥離される。典型的には、イオンの適正な放出のための金属ワイヤ露出面積の範囲は、約0.0005平方インチ(0.0032cm2)から約0.70平方インチ(4.52cm2)である。典型的には、電極は、少なくとも0.5″(1.27cm)の電極の長さが静脈系の中に存在するように静脈系の中に配置される。
【0117】
面剥離電極が使用される時に、延長先端をドーム形端部で保護することが好ましい。これは、より安全でより快適な電極の挿入配置を可能にする。金属を露出する最後の削られた窓又は開放窓を超えて延びる絶縁体は、最小で0.5″(1.27cm)であり、ドーム形端部を有し、更にワイヤの実際の先端を見ることができる鈍頭端部を覆う。
【0118】
本明細書に使用する時に、「患者」という用語は、ヒトだけではなく、哺乳動物及び典型的には動物も意味する。本発明によるデバイス及び方法は、ヒトだけではなく、犬、猫、馬、羊、牛、豚、兎、及び山羊を含むがこれらに限定されない社会的又は経済的に重要な動物の病原性感染を治療するのに使用することができる。
【0119】
本明細書に使用する時に、「ワイヤ」という用語は、上述して下記で詳細に説明する特性を有する細く、真っ直ぐで、剛性又は可撓性の導体を意味する。典型的には、ワイヤは、断面が円形又は楕円形である。「先端保護」という用語は、小さい部分を除いて完全に被覆又は絶縁されることを意味する。典型的には、電極の絶縁部分の絶縁は、低強度直流の絶縁のための電気絶縁体、典型的には医療用途のためのシリコーン系絶縁体の使用によって達成される。医療用途のためのシリコーン系絶縁体は、FDA又は他の国にある同等の法規制機関によって認可されている。
【0120】
図1は、本発明の実施形態による細菌、ウイルス、真菌、又は原虫のような病原体を死滅させるために、免疫系を調節するために、又はカテーテル上での細菌増殖又は患者の血液中にあるカテーテルの穿刺部位での細菌感染を防止するための抑制領域を生成するためのデバイス及び方法の前面図である。デバイス10は、絶縁カバリング14によって保護されたワイヤ12を含む。ワイヤ12及び絶縁カバリング14は、カテーテル16を通して患者の血流の中に挿入される。上記で詳述したように、ワイヤ12の実際の組成は、望ましい治療に依存して異なる場合がある。患者の血流との接触状態になると、ワイヤ12は、その周りに流れる血流の中に存在する病原体を死滅させるイオンを放出する。絶縁カバリング14は、ワイヤ12が損傷を受けることを防止する。更に、絶縁カバリング14は、患者の血流内で破断したワイヤ12によって患者が外傷を負うことを防止し、更に、治療目標を含む1又は複数の病原体を破壊するために適正な放出量の治療イオンが送出されることを保証する。デバイスの近位部分は、雌コネクタ20に接続する雄コネクタ18を有する。コネクタ18及び20は、感度の高い構成要素を保護し、これらのコネクタをカテーテル16に接続することを可能にするネジ山又は他の嵌合機構を提供する。雄コネクタ18の中に、デバイス10を電源(図示せず)に接続する、低密度直流の伝達のための銅ピン22又は別の導電材料のピンがある。ピン22の用途は、イオンの放出を加速する低強度直流をデバイス10に供給することである。血液中のワイヤ12は、イオンを独力で放出することになるが、病原体を実質的に破壊するのに必要とされる速度又は体積では放出することにはならない。デバイスは、薬品の導入のための側面ポート24を任意的に含むことができる。
【0121】
このデバイスに対する代替案では、導電材料、典型的には銅のピンは、円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタと交換することができる。熱収縮コネクタの使用では、接続されることになる2つのワイヤは、円形半田リング内で隣接するようにコネクタの両端に配置され、コネクタ外面に熱が印加され、この熱は、ワイヤ間を接続するように半田リングを活性化し、それに続いて外部プラスチック材料が収縮して接続されたワイヤを封入する。
【0122】
図1は、同じ基本概念の異なる実施形態を更に示している。先端を除くワイヤ12の全てを覆う絶縁カバリング14を有する代わりに、この実施形態は、ワイヤの全てを覆う絶縁カバリング14を有し、ドーム形キャップ26が、ワイヤ12の保護を完全にする。この実施形態は、ワイヤ12を血流に露出させてワイヤ12が望ましいイオンを放出することを可能にする1又は2以上の切欠き部28を有する。この第2の実施形態は、血流中に裸ワイヤ12が存在しないことで第1の実施形態よりも安全である。
【0123】
図1のデバイスは、ほぼ以下の方法に従って作動する。電極ワイヤは、この療法に対して重要であり、静脈及び血流の中に十分に入り込むように意図する放出点以外のワイヤのいずれの部分からもイオンが放出されないように露出先端まで又は切欠き部(存在する場合は)焼き鈍されて絶縁される。これは、イオン放出が発生することが意図される放出点の前にいずれの露出ワイヤも存在しなくなり、ターゲット病原体に到達してそれを治療するために放出される準理想的な体積のイオンをもたらすイオン放出が防止されることを保証する。最大で毎秒数兆個のイオンの急速な放出に起因して、自由な又は裸の金属又はワイヤの近接性は、導入針又はカテーテルの先端を超えて又は静脈の進入点からの最短で0.5″(1.27cm)又はそれよりも大きくなければならない。この距離は、イオン放出のための静脈の中への露出金属面の過剰長さの挿入を防止するように選択される。
【0124】
ワイヤによって放出されるイオンの体積は、露出金属の長さ及び/又は面積に依存し、従って、長さ又は面積のいずれかに関して適正な露出ワイヤ長さを有することは、ターゲット病原体を死滅させるための潜在力又は効果に直接的に関連付けられることが見出されている。従って、露出ワイヤの長さ及び面積は、低強度直流(LIDC)によって媒介される実際のイオン放出に対して重要であるので、様々な露出ワイヤ長さ及びこのような適正長さをどのように露出するかに関する代替案が考えられている。様々な病原体は、特定の病原体を死滅させるのに必要とされる可能性がある製薬物の様々な用量と同じく様々なイオン負荷、イオン放出量、又はイオン体積を必要とすることが示されており、典型的には、製薬物に関しては、これらの用量はmgで表されるが、投与量は、特定の薬物、治療されている感染症、腎臓及び肝臓の機能のような薬物動態学的要因、及び当業技術で公知の他の要因に従って異なることになる。
【0125】
本発明は、各々がターゲット病原体に依存して大なり小なり有効な3つの異なる印加電極の使用を考えている。これらの電極は、中心静脈電極(CVE)と、末梢静脈電極(PVE)と、末梢挿入中心カテーテル(PICC)の中に配置された電極であるPICC電極(PICCE)とを備える。雄及び雌のコネクタの近位点又は起点から延びる焼鈍し又は絶縁されたワイヤの長さは、血液媒介病原体の治療のための金属イオンの適正な配置及び送出に対して重要である。従って、様々な電極設計での先端保護ワイヤの長さは変化するが、典型的には、約1.5″(3.81cm)から約32″(81.28cm)(PVEに対して約1.5″(3.81cm)から約6″(15.24cm)であり、CVEに対して約4″(10.16cm)から約9″(22.86cm)であり、PICCに対して約6″(15.24cm)から約32″(81.28cm))である。
【0126】
図1に示すデバイスを含むがこれに限定されない本発明によるデバイスは、それ及び本発明による方法を用いた治療中に安全性を容易にし、改善するために更に波形に依存する。電極が配置された区域への血流を容易にし、更に静脈系の中への金属イオンの分散を容易にして治療効果を改善するために、本発明によるデバイスからの背景電流波形が電源から送出される。
【0127】
典型的には、本発明によるデバイスは、毎秒約2.0×109個から毎秒約7.0×1012個のイオンを生成する電流範囲を提供する。時間が経過する時に、電流は、毎秒発生するイオン数が毎秒約7.0×1012個まで増加し、次に、毎秒約2.0×109個まで徐々に減少し、その後に毎秒約7.0×1012個まで徐々に戻ることで毎秒約2.0×109個から毎秒約7.0×1012個の範囲とするように反復サイクルで変化する。放出されるイオンの体積が立ち上がって立ち下がるのにどれほどの時間を消費するかに関する変数は、デバイスコントローラから設定することができる変数である。このサイクルは、例えば、事前設定間隔で発生イオン数を毎秒約2.0×109個から毎秒約7.0×1012個まで増加させ、次に、発生イオン数を低減して毎秒約2.0×109個に戻す固定サイクル、又はこれに代えて発生イオン数の増加の継続時間及びそれに続く発生イオン数の減少の継続時間が変更されるように発生イオン数を毎秒約2.0×109個から毎秒約7.0×1012個まで増加させ、次に、発生イオン数を低減して毎秒約2.0×109個に戻す可変サイクルとすることができる。可変サイクルに関して一部の代替案が存在し、例えば、サイクルの継続時間は、固定初期値から線形に増加するか又は線形に減少するかのいずれかで線形に変えることができる。これに代えて、継続時間は、最初に増加し、次に、減少することができる。可変サイクルに関する他の代替案が可能である。
【0128】
デバイスの作動に対して非常に重要なことは、段階的出力電流の使用である。出力電流の時限の又は段階的な放出は、予め決められた治療期間にわたってより急速な金属イオン放出を可能にし、治療継続時間中の残りの期間にわたってより緩慢な金属イオン放出を可能にする。1つのそのような例は、治療過程中に菌血症(ある濃度の特定の病原性細菌、例えば、ブドウ球菌が血液中に存在する)又はウイルス血症(ある濃度の特定の病原性ウイルス、例えば、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2が血液中に存在する)のような要因が改善されることで金属イオン放出量を引き下げることである。別の例は、就寝時間中に金属イオン放出量を引き下げて治療をより有効にし、それと共に患者に対して快適にすることである。
【0129】
イオン放出速度及び特定の使用放出サイクルは、患者の年齢、性別、及び体重、患者に感染した特定の病原体(細菌、ウイルス、又は真菌)、感染症の重症度、特に血液中に存在する病原体の濃度、患者に投与されている他の薬物、並びに薬物動態に影響を及ぼす可能性がある患者の肝臓及び腎臓の機能のような要因に依存して必要に応じて変更することができる。
【0130】
一部の代替案では、本出願によるデバイス及び方法によって治療されることになる患者は、1よりも多い病原体に感染している場合がある。例えば、インフルエンザウイルス又は他の呼吸器ウイルスに感染した患者が2次細菌感感染症にも罹患することは一般的である。この罹患は、骨髄機能を抑制する抗腫瘍薬物の投与などによって誘起される可能性がある免疫抑制を有する患者で発生する可能性がより高い。そのような場合に、イオン放出速度及び特定の使用放出サイクルを上述した要因内でも取りわけ、患者に感染した特定の病原体及び患者の血液中の病原体の濃度に依存して変更することができる。
【0131】
本発明は、抗生物質耐性細菌を含むがこれに限定されない血液媒介病原体の治療に関して、上述した金属イオンの放出と、同じカテーテル内の異なるか又は別々の管腔を通じた静脈内抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、又は他の薬剤の投与のと両方を同時に可能にする組合せカテーテルも考えている。上述のように、治療は、免疫系の活性化と、カテーテル上での細菌増殖又はカテーテルの穿刺部位での細菌感染の防止とをもたらすことができる。組合せカテーテルは、電極を適正に導入するために12~26ゲージの範囲とするか又はシース導入器が最大で12FR(フレンチ)にわたっている。このカテーテルサイズ範囲は、様々な直径の電極を患者の血流の中に挿入することを可能にする。このカテーテルサイズ範囲は、青少年と成人の両方を含む様々な患者を治療するために様々な電極直径を可能にする。接続は、ネジ止めコネクタ又はユニバーサルコネクタは、複数の利用可能な静脈内結合システムを受け入れることを可能にすることになる。カテーテルの外面又は内面は、適用可能な治療に必要な特定のイオン放出のためなどに設計された上述した螺旋巻き金属ワイヤを有する。これに代えて、金属ワイヤは、メッシュ、編組線、又は六角形パターンに配置することができる。最適なイオン放出に影響を及ぼす要因は、上記に示している。典型的には、この代替案では、露出螺旋ワイヤは、この形態のカテーテルの遠位端の約0.5″(1.27cm)から約2″(5.08cm)の長さを幅広螺旋又は緊密螺旋のいずれかで覆う範囲を有する。螺旋は、内部又は外部のいずれかとすることができる。別の代替案では、ワイヤは、カテーテルの内面又は外面の中に編み込むことができる。典型的には、カテーテルの端部からの編組距離は、カテーテルの遠位端から0.5″(1.27cm)から約2″(5.08cm)である。この代替案では、カテーテルの中に組み込まれる螺旋ワイヤ又は編組ワイヤの範囲は、患者の性状に関して上述した要因、患者に影響を及ぼす1又は複数の感染症、並びに患者に投与されている他の薬品によって決定される適正イオン放出体積を達成するのに必要な範囲である。本発明のこの実施形態の基本設計は、挿入されるカテーテルが、その構造の一部として螺旋巻き又はメッシュ巻きの金属ワイヤを有し、カテーテルが、それを静脈系の中に挿入することができるのに必要とされる可撓性を有することを可能にする。更に、カテーテルは、血液媒介感染症の治療に関して金属イオン放出の望ましい体積及び速度を達成するために露出される十分な金属を有する。更に、カテーテルは、その近位端に、電流が通電された時に静脈系の中への分散のために金属イオンが放出されるように発電器のような低強度直流の発生源をカテーテルに接続するための接続点を有する。更に、単一管腔又は多重管腔のそのようなカテーテルは、その内部の管腔を通して望ましい溶液を投与し、それを静脈系の中に直接流し込むことができるように外部静脈内抗生物質バッグ又は治療バッグへの接続部を有する。本発明によるそのような組合せカテーテルは、上述した血液媒介病原体感染症の治療のために金属イオン放出と、静脈内の抗生物質、抗ウイルス剤、又は抗真菌剤の投与とを同時に可能にする。典型的には、螺旋巻きワイヤ又は編組ワイヤの直径の寸法範囲は、約0.001″(0.00254cm)から約0.020″(0.0508cm)である。
【0132】
低強度直流を提供するのに使用される電源は、典型的には、入力電圧を調整するためのクランプと、制御板(プリント回路基板(PCB))に流れる実際の電流を調整し、制御板の保護の目的で過剰な電圧又は電流が制御板に流れることを防止する調整器と、電極を保護するためのかつ最適な治療効果を与えて過剰電流から患者を保護するために電極による過剰イオン放出を防止するための出力電流及び出力電圧の調整器とを備える。
【0133】
本発明の目標は、本発明によるデバイス及び方法を用いてより多くのタイプの病原体によって引き起こされる感染症を治療することを可能にするために複数の技術を組み合わせることである。上述した代替案は、本発明のユーザが1又は複数のターゲット病原体に対する金属イオンのイオン泳動放出を患者の年齢、体重、及び性別、1又は複数の感染症の重症度、又は本発明によるデバイス及び方法の使用と同時に投与される他の薬物に影響を及ぼす薬物動態学的要件のような他の要因を考慮に入れてカスタム化することを可能にする。この組合せは、電極の製造コストを引き下げ、それによって治療をより受けやすいものにもする。同様に、この組合せは、治療に対してより広い治療窓を提供する。更に、この組合せは、電極の配置を患者に対してより安全でより快適なものにする。更に、この組合せは、デバイスの使用を患者に対してそれほど侵襲的ではないものにする。
【0134】
図2は、血液中の細菌、ウイルス、又は真菌を死滅させるための、免疫系を調節するための、又はカテーテル上での細菌増殖又はカテーテルの穿刺部位での細菌感染を防止する抑制ゾーンを生成するための本発明によるデバイスの別の実施形態の前面図である。デバイス40は、
図1と類似のワイヤ42と、
図1と類似の絶縁カバリング44と、
図1と類似の銅ピン46又は別の導電材料のピン、雄ルアーロック又は他のコネクタ48と、雌ルアーロック又は他のコネクタ50と、任意的に静脈内抗生物質又は他の望ましい薬品の投与のための側面ポート52とを備える。銅ピン又は別の導電材料のピンは、上述のように円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタによって置換することができる。
【0135】
図3は、患者の腕の中へのデバイスの挿入を示す本発明によるデバイスの別の実施形態の前面図(上段パネル)及び側面図(下段パネル)である。上段パネルでは、デバイス100は、
図1及び
図2と類似のワイヤ102を含み、この図は、絶縁カバリング104によって覆われないワイヤ102の長さをどのように変えることができるかを例示している。好ましい実施形態では、絶縁カバリング104によって覆われないワイヤ102の長さは、約0.1″(0.254cm)から約1.0″(2.54cm)まで変えることができる。
図3では、ルアーロック又は他のコネクタ106が、電極108に接続される。血液媒介病原体を死滅させるために上述のように金属イオンを放出するようにワイヤ102に送出される電圧及び電流を電気的に制御することができるように、電極108は、患者の皮膚の上に載っており、それに対して絶縁カバリング104及びワイヤ102は、患者の静脈の中に挿入されている。ワイヤ102及び絶縁カバリング104の幅は変えることができる。一般的な範囲は、約0.005″(0.127cm)から約0.025″(0.635cm)であるが、好ましい実施形態は、約0.010″(0.254cm)の絶縁を必要とする。
図3のデバイスは、雄ルアーロック又は他のコネクタ110と、雌ルアーロック又は他のコネクタ112と、任意的に静脈内抗生物質又は他の望ましい薬品の投与のための側面ポート114とを更に備える。
【0136】
図3から見ることができるように、皮膚に付加したパッドを通じた静脈内点滴及びイオン泳動放出という従来技術の方法は、目標血液媒介病原体を変性させる、破壊するか又は他に不活性化するのに有効であるほど十分なイオンを生成せず、また、十分に大きい体積で静脈系の中にイオンを入れないので、患者の静脈系の中へのワイヤの挿入による金属イオンの導入は、従来技術よりも優れている。従って、ターゲット病原体を実質的に治療するために、典型的には、毎秒2×10
9個を過えるイオンを直接静脈系内で生成することが必要である。
【0137】
本発明者による研究は、特にある一定の病原体の場合に、治療に要する時間が1~2日よりも長い場合があること、及び胸部位内でイオン放出を有することが優れており、長い期間を必要とする治療に関して優れており、迅速とすることができることを示している。この治療方法を促進するために、本発明によるデバイス及び方法は、末梢挿入中心カテーテル(PICC)に依存する可能性がある。PICCの使用は、デバイスのユーザが患者に必要とされる適正長さを測定し、配置中にPICCを適正長さに切断することを必要とし、従って、電極も修正しなければならなくなる。
【0138】
本発明者は、理論はさておき、1毎当たりの実際のイオン放出体積が、得られる治療の成功に対して重要であることも見出した。金、銀、又は銅などであるがこれらに限定されない金属イオンは、体内及び静脈系内で短い寿命を有する。短い期間の後に、これらの金属イオンの変化は中和され、その後に、濾過されて身体から排出する。従って、ターゲット病原体を治療するのに最も高い効率を有するためにはある一定レベルの金属イオン濃度に到達することが重要であり、従って、直接的な血流の中への約2×109個/秒から約7×1012個/秒の範囲の金属イオンの一定のイオン泳動放出量が好ましい。
【0139】
ワイヤ直径範囲、様々な長さの露出ワイヤ、焼き鈍しワイヤ、及び所要イオン体積を用いて、言及した変数による金属陽イオンの適切なイオン泳動放出をもたらすために、約1.25μAから約6.0μA内にあるデバイスからの出力電流が、血液媒介病原体の治療のための金属陽イオンの放出に最適である。好ましくは、電流は約4.9μAである。
【0140】
図4は、血液中の血液媒介病原体の治療のための、免疫系を活性化するための、又はカテーテル上での細菌増殖又はカテーテルの穿刺部位での細菌感染を防止する抑制ゾーンを生成するためのデバイス140の一連の前面図である。デバイス140は、ワイヤ142と絶縁カバリング144とを備える。
図4は、ワイヤ142及び絶縁カバリング144の長さをどのように変更することができるかを例示している。
図4は、ワイヤ142が、1又は2以上の切欠き部146を除いて絶縁カバリング144及びドーム形キャップ148によって完全に覆われた時に、露出ワイヤの長さをワイヤが絶縁カバリング144の端部から辿ることが許される時の露出ワイヤに対して等しくすることができることも例示している。この図は、様々なエンドユースに対する絶縁カバリング144及びワイヤ142の長さの一部の代替案も例示している。
図4のデバイスは、雄ルアーロック又は他のコネクタ150と雌ルアーロック又は他のコネクタ152とを更に備える。
図4のデバイスは、任意的に、静脈内抗生物質又は他の望ましい薬品の投与のための側面ポート154を更に備えることができる。
【0141】
図5は、本発明による抗生物質耐性細菌又は他の血液媒介病原体を死滅させるための、免疫系を活性化するための、又はカテーテル上での細菌増殖又はカテーテルの穿刺部位での細菌感染を防止する抑制ゾーンを生成するためのデバイスの一連の前面図である。
図5では、デバイス200は、カテーテル204の周りに巻き付けられた又は編組されたワイヤ202を含み、ユニット全体が患者の血流の中に挿入される。ワイヤ202の各端部はキャップコネクタ206に接続され、更にキャップコネクタ206は、治療を行うための金属イオンの放出のためなどにワイヤ202の付勢を制御する上述した電源に接続される。
【0142】
図6は、本発明による抗生物質耐性細菌又は他の血液媒介病原体を死滅させるための、免疫系を活性化するための、又はカテーテル上での細菌増殖又はカテーテルの穿刺部位での細菌感染を防止する抑制ゾーンを生成するためのデバイスの一連の前面図である。
図6は、絶縁カバリング244が、1又は2以上の切欠き部246以外の全体のワイヤ242を覆う本発明によるデバイス240に関する一部の詳細図を提供している。更に、ワイヤ242は、絶縁カバリング244の開口端部を密封するドーム形キャップ248によって絶縁カバリング244の中に保持される。
【0143】
図7は、患者の静脈の中に挿入されるカテーテルに装着された本発明によるデバイスの一連の前面図である。デバイス300は、患者の静脈の中に挿入され、絶縁カバリング304によって保護されたワイヤ302を含む。キャップコネクタ306、雄ルアーロック又は他のコネクタ308、及び雌ルアーロック又は他のコネクタ310は、上述のように電源への接続のための銅ピン312又は別の導電材料のピンを保護する。絶縁カバリング304は、1又は2以上の切欠き部314を含むことができ、ドーム形キャップ316によって留めることができる。デバイス300は、カテーテル318の中に装着される。デバイス300は、静脈内抗生物質又は他の望ましい薬品の投与のための側面ポート320を更に備えることができる。
【0144】
図8は、本発明によるPICCデバイスの一連の前面図である。本発明のこの実施形態では、デバイス340は、絶縁カバリング344によって囲まれたワイヤ342を有する。絶縁カバリング344は、ドーム形キャップ346まで全体にわたって延びる。1又は2以上の切欠き部348は、ワイヤ342に対して患者の血流へのアクセスを提供している。デバイス340は、銅ピン354又は別の導電材料のピンを保護する雄ルアーロック又は他のコネクタ350と雌ルアーロック又は他のコネクタ352とを更に有する。任意的に、デバイスは、静脈内抗生物質又は他の望ましい薬品の投与のための側面ポート356を有することができる。典型的には、デバイスは、側面ポート356を通して静脈内抗生物質又は他の望ましい薬品を投与することができるような単一管腔カテーテルの形態にある。カテーテル内に組み込むことができる絶縁カバリング344は、ワイヤ342よりも直径が大きく、典型的には、患者の静脈の中に挿入される遠位端のために先細である。側面ポート356は、弁付きであるか又は覆うことができる。
【0145】
図9は、本発明による2剤併用療法のための補助管腔カテーテルの一連の前面図である。補助管腔カテーテル400は、その周りの空間を閉鎖するために取り付けられた止血シール又は側面ポート止血弁402を有する。静脈内抗生物質又は他の望ましい薬品の投与を可能にするための側面ポート404が存在する。カテーテル400の内径は、側面ポート404を通して追加されるあらゆるものが患者の血流の中に容易に流れ込むことになるように挿入電極(図示せず)の外径よりも大きい。主張する本発明によるデバイスのこの代替案は、血液中の血液媒介病原体の治療のために、免疫系を活性化するために、又はカテーテル上での細菌増殖又はカテーテルの穿刺部位での細菌感染を防止する抑制ゾーンを生成するのに使用することができる。
【0146】
本発明の特に好ましい実施形態を以下に説明する。この特に好ましい実施形態は、
(1)患者の静脈の中に挿入され、導入針及び導入カテーテルの先端を少なくとも約0.5″(1.27cm)超えて、約0.2″(0.508cm)と約1.0″(2.54cm)の間の長さを有し、約0.005平方インチ(0.0322cm2)と約0.70平方インチ(4.52cm2)の間の面積を有する静脈部分と、患者の静脈の外側に位置付けられる外側面分とを備える1又は2以上の金属を含む電極を含むイオン泳動ワイヤ、
(2)患者の静脈の内側に位置付けられた意図する放出点以外のいずれの場所からもイオンが放出されないように電極の外側面分を絶縁し、合成材料及びプラスチック材料から構成される群から選択されるFDA認可材料であり、患者の静脈系の中に有意な刺激をもたらすことなく安全に配置されるほど十分な可撓性を有するように十分に低いデュロメーター硬度を有する外側絶縁体、
(3)低強度直流を提供することを目的とし、1又は2以上の抵抗器と変換器とを含み、イオン泳動ワイヤと電気接触している変圧器、及び
(4)変圧器との電気接続状態にある電源、
を備える患者の血流中の血液媒介病原体を治療するためのデバイスであり、デバイスは、約1.25μAから約6μAの出力電流を有し、デバイスは、患者の血流中で毎秒約2×109個のイオンを生成する。
【0147】
電極を含む1又は2以上の金属は、上述した通りのものである。
【0148】
別の代替案では、電極は、第1の電極部品と第2の電極部品とを有する二部構成電極である。第1の電極部品は、導電ピンを含有する近位端ユニットであり、導電ピンは、銅又は別の導電材料を含む。導電ピンは、ルアーロック又は他のコネクタの中に保持される。導電ピンは、電源からイオン泳動ワイヤへの低強度直流の伝達を可能にする。導電ピンは、締め付けデバイスの使用によって第2の電極部品上に締め付けることができる。第2の電極部品は、露出ワイヤの遠位端にある長さの露出ワイヤを有する。
【0149】
代替案では、導電材料、典型的には銅のピンは、上述のように円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタと交換することができる。
【0150】
代替実施形態では、締め付けデバイスは、止めネジ又は十分な量の生体適合性導電性接着剤とすることができる。生体適合性導電性接着剤は、Stevenson他に付与された米国特許第8,660,645号明細書に説明されている。
【0151】
他の代替実施形態では、遠位端にある露出ワイヤのセグメントは、銀ワイヤ又はワイヤを露出する削られた窓などであるがこれらに限定されない裸ワイヤである。
【0152】
更に別の代替実施形態では、ワイヤは、適正なイオン放出量及び静脈系内のワイヤの使用安全性を達成するように焼戻したもの及び/又は焼鈍したものとすることができる。
【0153】
更に他の代替実施形態では、本発明によるデバイスは、2剤併用療法のための組合せカテーテルを含むことができ、組合せカテーテルは、血液媒介病原体を治療するほど十分な量の金属イオンの放出と、ある量の別の静脈内薬品、例えば、抗生物質、静脈内投与することができる別の抗細菌剤、静脈内投与することができる抗ウイルス剤、又は静脈内投与することができる抗真菌剤の投与とを同時に可能にする。金属イオン及び追加の静脈内薬品は、抗生物質耐性細菌などであるがこれに限定されない血液媒介病原体を治療するために投与される。これらの代替実施形態では、典型的には、デバイスのゲージは、電極を適正に導入するために12ゲージから26ゲージの範囲とする。このカテーテルサイズ範囲は、様々な直径の電極を患者の血流の中に挿入することを可能にする。このカテーテルサイズ範囲は、青少年と成人の両方を含む様々な患者を治療するために様々な電極直径を与える。デバイスは、当業技術で従来使用されるものと類似のユニバーサルコネクタが複数の利用可能な静脈内結合システムを受け入れることを可能にする静脈内接続部を含む。この代替案では、カテーテルの外面は、銀ワイヤなどであるがこれに限定されない螺旋巻き金属ワイヤを備え、この場合に、露出螺旋ワイヤは、約0.5″(1.27cm)から約2.0″(2.54cm)の範囲の長さと、約0.001″(0.00254cm)から約0.1″(0.254cm)の範囲の螺旋直径とを有する。カテーテルの内径は、挿入電極の外径よりも大きく、抗生物質のような上述した追加の静脈内投与物が、容易に電極に沿ってその周りを流れ、従って、患者の血流の中に流れ込むことを可能にする。
【0154】
図10は、免疫系を刺激して血液中の病原体を死滅させるために正に帯電したイオンを送出する「抑制ゾーン」に関するいくつかのカテーテル設計の図である。
図10Aは、外部螺旋巻き配線を有する。
図10Bは、内部螺旋巻き配線を有する。
図10Cは、内部露出、外部露出、又は内部と外部の両方の露出のいずれかである3から5個のワイヤを有する直線長手配線を有する。
図10Dは、
図10Cのカテーテルの端面図であり、2つの代替案(上段にある外部露出、下段にある内部露出)を例示している。
図10Eは、遠位端、近位端、又はその両方にリングを有し、全てのリングをアノードとすることができ、又はアノードとカソードとが1つ置きに交替することができ、又はカテーテルをEKG経路に使用されるような外部カテーテルカソードと併用することができ、
図10Fは、遠位、近位、又はその両方で近位外面と遠位の内面又は外面とに又は近位内面と遠位の内面又は外面に六角形設計を有し、EKG経路に使用されるようなカソードが外部に付加され、
図10Gは、近位端から遠位端までの又は遠位端のみでの周期的露出セクションを有し、1mmから10mmの長さ及び35°~180°露出の窓を有し、
図10Hは、(i)3つの30°窓を有する配置と、(ii)1つの180°窓を有する配置との端面図を例示している。
【0155】
図10Aに示すカテーテル設計では、カテーテル500は、幅広めの近位セクション502と減幅する遠位セクション504とを有し、螺旋巻き配線506が巻き付けられる。
【0156】
図10Bに示すカテーテル設計では、カテーテル510は、幅広めの近位セクション512と減幅する遠位セクション514とを有し、内部螺旋巻き配線516を含む。
【0157】
図10Cに示すカテーテル設計では、カテーテル520は、幅広めの近位セクション522と減幅する遠位セクション524とを有し、内部露出、外部露出、又は内部と外部の両方の露出のいずれかである配線526を含む。
【0158】
図10Cに示すカテーテル設計の端面図である
図10Dに示すカテーテル設計では、上段パネルが、外部露出の配線526を示し、それに対して下段パネルが、内部露出の配線526を例示している。
【0159】
図10Eに示すカテーテル設計では、カテーテル530は、幅広めの近位セクション532と幅狭めの遠位セクション534とを有し、リング536を含む。リング536は、近位セクション532、遠位セクション534、又は近位セクション532と遠位セクション534の両方に位置付けることができる。リング536は、全てのリングに関してアノードとすることができ、又はアノードとカソードとの間で交替することができ、これに代えて、EKGパッチのような外部カテーテルカソードを含めることができる。
【0160】
図10Fに示すカテーテル設計では、カテーテル540は、幅広めの近位セクション542と幅狭めの遠位セクション544とを有し、六角形パターンに配置された配線546を含む。配線546は、近位セクション542の外面と、遠位セクション544の外面又は内面のいずれかとに位置付けることができ、これに代えて、近位セクション542の内面と、遠位セクション544の外面又は内面とのいずれかとに位置付けることができる。
図10Eに示すカテーテル設計の場合と同様に、これに代えて、EKGパッチのような外部カテーテルカソードを含めることができる。
【0161】
図10Gに示すカテーテル設計では、カテーテル550は、幅広めの近位セクション552と幅狭めの遠位セクション554とを有し、近位端から遠位端まで又は遠位端のみのいずれかに周期的露出ワイヤセクションを有し、1mmから10mmの長さ及び30°から180°露出の窓を提供する配線556を含む。
【0162】
図10Eに示すカテーテル設計の端面図である
図10Hに示すカテーテル設計では、左のパネルが、3つの30°窓を有する配線556を示し、それに対して右のパネルが、1つの180°窓を有する配線556を例示している。
【0163】
図11は、末梢挿入、中心挿入、正中挿入、又はPICC挿入のいずれかを意図することができると考えられる単一管腔設計又は多重管腔設計のいずれかを用いた本発明によるカテーテルの設計に関する代替案を例示している。
図11Aは、(i)(A)抑制(抗菌活性)ゾーンを生成するために、及び(B)EKG経路に使用されるような外部カソードを利用して正に帯電したイオン(陽イオン)を放出し、免疫系を刺激するためのイオン放出のための削られた窓を遠位端に有するカテーテルの中に埋め込まれた金属合金を有する二重管腔の側面図、及び(ii)単一管腔及び電極の端面図を示しており、
図11Bは、類似の多重管腔カテーテルの端面図を例示している。
【0164】
図11Aは、幅広めの近位セクション582と幅狭めの遠位セクション584とを有し、遠位端に削られた窓586を有し、中空セクション590及び金属合金592を有する二重管腔588を有するカテーテル580の側面図を例示している。
図11Bは、
図11Aのカテーテルの端面図である。
【0165】
図11Cは、2つの開口管腔と金属合金の挿入のための1つの管腔とを有する類似の多重管腔カテーテルの端面図である。カテーテル600は、第1の開口管腔602と、第2の開口管腔604と、金属合金608の挿入のための第3の管腔606とを有する。
【0166】
図12は、本発明によるパッチとも説明する創部ケア絆創膏又は火傷保護絆創膏の概略図である。
図12Aは、皮膚のある部位への付加のための可変サイズのパッチの皮膚側(皮膚と接触状態になる側)に下記でより詳しく説明するイオン放出金属合金を組み込むパッチを例示している。イオン放出金属合金は、下記でより詳しく説明する低強度直流発生器に接続された時に電流を受け入れる。
図12Bは、組み込みイオン放出金属合金がカソードとアノードとを示す創部ケア絆創膏又は火傷保護絆創膏の底側を例示している。
【0167】
図12Aでは、パッチ620は、上側622と底側624とを有する。上側622には、低強度直流をパッチ620に供給するために電源630に接続されたワイヤ628に接続されたスナップコネクタ626が取り付けられる。
【0168】
図12Bでは、パッチの底側624は、低強度直流が金属合金に印加された時に上述のように金属イオンを放出する金属合金632を組み込む医療コーティングを有する。金属合金は、カソード634とアノード636とを有する。パッチの皮膚側に使用すべき材料は、典型的には、ヒドロゲルである。ヒドロゲルは、水が分散媒であるコロイド状ゲルとして時々に見られる親水性の架橋ポリマー鎖のネットワークである。親水性ポリマー鎖が架橋によって互いに保持されることで3次元固体がもたらされる。ヒドロゲルのポリマー間を結合する架橋は、物理的分類及び化学的分類という2つの基本分類に属する。物理的架橋は、水素結合、疎水性相互作用、及び鎖の交絡(取りわけ)から構成される。内因性架橋に起因してヒドロゲルネットワークの構造統合性は、高い水濃度の結果として消失しない。ヒドロゲルは、高吸収性(90%超の水を含有することができる)の天然又は合成のポリマーネットワークである。パッチの皮膚側に使用される材料に関する他の代替案を使用することができ、これらは当業技術で公知である。
【0169】
図13は、血漿、薬品、栄養補助剤、又は電解質などであるがこれらに限定されない流体を患者に供給することを意図した静脈ライン又は他のデバイスの中への組み込みのための本発明の代替実施形態を描いている。
【0170】
図13では、デバイス650は、デバイスを覆うためのハブキャップ652を有する。デバイス650内には、セルバッテリ654と、電流出力を制御するためのプリント回路基板656とが位置付けられる。更に、デバイス650は、カソードワイヤ658とアノードワイヤ660とを備える。カソードワイヤ658は、流体吸収材料662と電気接触しており、流体吸収材料662も、アノードワイヤ660と電気接触している、流体がデバイス650を貫流する時に電気回路を提供する。更に、デバイス650は、上述のように流体を患者に供給するために静脈ライン又は他のデバイスの中へのデバイス650の配置を可能にする第1のコネクタ664と第2のコネクタ666とを備え、
図13には、これらのコネクタを「X」及び「Y」と例示している。第1のコネクタ664及び第2のコネクタ666は、雌又は雄のルアーロック、静脈内ホースクランプ、静脈内ホースコネクタ、又は当業技術で従来使用される他のコネクタとすることができる。第1のコネクタ664と第2のコネクタ666とは、アノード金属ピン668及びカソード金属ピン670によって接合される。
【0171】
上述のデバイスの別のバージョンを
図14に示している。デバイスのこのバージョンは、静脈ラインの中へのデバイスの挿入なしに金属イオンの生成を可能にする流体源に取り付けられたデバイスを有する。
図14に示すデバイスのバージョンでは、デバイス700は、デバイスを覆うためのハブキャップ702を有する。デバイス700内には、セルバッテリ704と、電流出力を制御するためのプリント回路基板706とが位置付けられる。更に、デバイス700は、カソードワイヤ708とアノードワイヤ710とを備える。カソードワイヤ708は、流体吸収材料712と電気接触しており、流体吸収材料712も、アノードワイヤ710と電気接触している、流体がデバイス700を貫流する時に電気回路を提供する。更に、デバイス700は、中実キャップ714とコネクタ716とを備える。コネクタ716は、流体源718に接続される。流体源718は、デバイス700が金属イオンを生成することを可能にするための蒸留水、生理食塩水、又は別の生体適合性水溶液を提供している。中実キャップ714とコネクタ716とは、アノード金属ピン720及びカソード金属ピン722によって接合される。
【0172】
本発明によるデバイスの更に別の実施形態を
図15に示している。
図15のデバイスは、一時的に埋め込まれたスタイレット又はカテーテルを通じて上述したように金属イオンを患者の静脈の中に伝達することを目的としたものである。
【0173】
図15に示すデバイスのバージョンでは、デバイス740は、患者の皮膚に取り付けられる発電器742を含む。発電器742は、埋め込み式スタイレット744を通して電流を伝達し、ワイヤ746は、上述のように金属イオンを生成する。典型的には、埋め込み式スタイレット744は、患者の腕のような中で患者の静脈の中に埋め込まれる。ケーブルが発電器742からスタイレット744に電流を提供する代わりに、典型的には、発電器742は、患者の皮膚に取り付けられ、信号を皮膚を通して埋め込み式スタイレット744に送信し、スタイレット744が、金属イオンの放出を活性化することになる。
【0174】
本発明によるデバイスの更に別の実施形態を
図16に示している。
図16のデバイスは、健康の理由から又は栄養補助剤を提供するために経口で血流の中に急速に吸収されることになる銀又は金属のイオンを間断なく放出するチュアブルガムである。
【0175】
図16のデバイスでは、デバイス760は、上述した金属又は金属合金の粒子が組み込まれたチュアブルガムのウェーハ又は層762を備え、粒子の放出を可能にする唾液の加水分解作用により粒子が咀嚼時に放出されることによって粒子が血流の中に吸収され、治療活性又は免疫刺激活性が得られるようにイオンが放出される。
【0176】
本発明によるデバイスの更に別の実施形態を
図17に示している。
図17のデバイスでは、カテーテルは、上述した発電器と併用することができる又は上述した発電器によって刺激される時の金属イオンの放出と共に静脈内輸液を提供するためのデバイスとして使用することができる単一管腔又は多重管腔カテーテルとすることができる。この実施形態の背後にある前提は、1から5個のリングを有するカソードが、発電器との回路を完成させるのに外部付加パッチの必要がないようにカテーテルの中に作り込まれることである。これは、より一定の耐性を提供し、かつ発電器からのより一定の電圧送出を保証する。この代替案では、アノードは、カテーテルを通じて静脈系の中に挿入されるスタイレットによって構成される。この代替案では、カテーテルの中に作り込まれてカテーテルの近位端にある面の点に取り付けられた金属リングが存在する。アノードスタイレットのコネクタハブの中に、スタイレットがこのコネクタを通してロックされた時にカテーテルカソードと電気接触して回路を完成させるような金属面区域が存在する。
【0177】
図17のデバイスでは、デバイス800は、内部を延びるワイヤ804と、1から5個の外部導電リング806とを有するカテーテル802を含む。更に、デバイス800は、上述のように金属又は金属合金から構成された絶縁ワイヤ808を含む。デバイスは、カテーテルと作動可能に接触しているコネクタ810を更に含み、コネクタ810は、任意的に静脈内抗生物質又は他の望ましい薬品の投与のための側面ポート812を有する。コネクタ810の内側には、発電器への接続のためのワイヤ814がある。デバイス800を単一管腔カテーテルの場合で示すが、これに代えて、二重管腔又は多重管腔カテーテルを使用することができる。
【0178】
本発明によるデバイスでは、上述した金属合金は、一部の代替案な手法でカテーテルの中に組み込むことができる。カテーテルは、中心静脈カテーテル、血液透析中心静脈カテーテル、末梢カテーテル、PICC(末梢挿入中心カテーテル)、正中カテーテル、尿路カテーテル、又は排液カテーテルとすることができる。代替案は、(1)内部及び/又は外部の両方で露出されるワイヤ、(2)カテーテルを通じて内部及び/又は外部に巻き付けられたワイヤ、(3)カテーテルの長さを内部及び/又は外部を延びるワイヤ、(4)カテーテルの遠位先端でのみ内部及び/又は外部で露出されるワイヤ、(5)皮膚の面でのみ内部及び/又は外部で露出されるワイヤ、(6)複数の場所で露出されるワイヤ、(7)カテーテル及びスライド上に置かれるが、カテーテルに対する挿入部位の中に延びることにはならないカフに配置されて穿刺部位を保護するワイヤ、(8)カテーテルの長さに沿って周期的な間隔で環状又は帯状に配置されたワイヤ、(9)六角形設計で内部及び/又は外部で螺旋に巻かれたワイヤ、又は(10)カテーテルの長さに沿って周期的に露出するように配置されたワイヤである。
【0179】
本発明によるデバイスの他の代替案は、(1)金属イオンの放出を制御するために外部がワイヤで包まれたカテーテル、(2)被覆カテーテルを通して電流が流された時にカテーテルが金属イオン(銀イオンなどであるがこれに限定されない)を放出するように配置された金属粒子(銀粒子などであるがこれに限定されない)を導電材料がその中に有する被覆カテーテルを含む。
【0180】
本発明によるデバイス及び方法では、デバイスによって放出されて本方法に使用することができる金属イオンは、典型的には、銅、銀、金、白金、イリジウム、錫、オスミウム、パラジウム、又はオスミウムのイオンである。金属イオンが銅イオンである時に、イオンは、+1(第一銅イオン)又は+2(第二銅イオン)の酸化状態を有することができる。金属イオンが銀イオンである時に、イオンは、+1、+2、又は+3の酸化状態を有することができ、典型的には+1の酸化状態を有する。金属イオンが金イオンである時に、イオンは、+1、+2、+3、又は+5の酸化状態を有することができ、典型的には+1又は+3の酸化状態を有する。金属イオンが白金イオンである時に、イオンは、+1、+2、+3、又は+4の酸化状態を有することができ、典型的には+1又は+3の酸化状態を有する。金属イオンがイリジウムイオンである時に、イオンは、+1、+2、+3、+4、+5、+6、+7、+8、又は+9の酸化状態を有することができ、典型的には+3又は+4の酸化状態を有する。金属イオンが錫イオンである時に、イオンは、+2又は+4の酸化状態を有することができる。金属イオンがパラジウムイオンである時に、イオンは、+2、+3、又は+4の酸化状態を有することができ、典型的には+2の酸化状態を有する。金属イオンがオスミウムイオンである時に、イオンは、+1、+2、+3、+4、+5、+6、+7、又は+8の酸化状態を有することができ、典型的には+2、+3、+4、又は+8の酸化状態を有する。
【0181】
本発明による方法及びデバイスでは、金属イオンを生成するために印加される電圧は、典型的には、約1.2V以下である。好ましくは、印加電圧は、約0.5Vから約0.92Vである。印加電圧は、組織の抵抗に依存する。典型的には、組織の抵抗は、約5×104オームから約3×105オーム、より一般的には約1×105オームから約2×105オームである。典型的には、使用電流は、約10μA以下、より一般的には約6μA以下、好ましくは、約5μA以下、最も好ましくは、約4.9μAである。殆どの用途では、好ましくは、最小出力電流は約1.25μAである。殆どの用途では、金属イオンを生成するために印加される電圧を約1.2V以下に保つことが重要であり、この範囲よりも大きい電圧は、発生イオンと血流中の塩化物との結合を引き起こし、更に治療効果を欠く粒子の形成をもたらす傾向を有する。
【0182】
上述した本発明によるデバイスでは、典型的には、発電器又は他の電源は、電流を治療用途に基づいて調節する機能を有する。下記で詳述するように、電流は、一定に保持することができ、これに代えて、電圧を一定に保持することができる。デバイスは、自動的に電流を一定に保持することができる。ファームウエアは、オームの法則を用いて電流を例えば4.9μAに維持するが、典型的には、約200kΩよりも低い身体の抵抗が、上述の電流値を維持するために出力電圧を0.87V、0.89V、又は0.92Vよりも高くしなければならなくなるような値まで増大した場合に、デバイスは、出力電圧を0.87V、0.89V、又は0.92Vに保持することになり、この抵抗に依存して出力電流を引き下げ、それによってより低い出力電流で、従って、より低いイオン放出速度で治療が一定に留まるようにすることになる。
【0183】
上述した本発明によるデバイスでは、典型的には、デバイスは、NFC接続を使用したスマートフォンとの無線通信機能を有する。NFCは、約4cm(1.5インチ)以下の距離を跨ぐ2つの電子デバイスの間の通信に対する通信プロトコルセットである。NFCは、簡単な設定を用いて低速接続を与える。NFCは、ECMA-340及びISO/IEC10892で標準化される。これに代えて、着信と送信の両方の外部通信を可能にするのに、NFC接続を携帯電話サービス上で作動されることになるPCBモデムと交換することができる。NFCは、スマートフォン装置がデバイスに近づいてデータをアップロード又はダウンロードし、プログラムパラメータを変更し、治療セッションを起動して開始することを可能にする。別の代替案では、通信は、Bluetooth(登録商標)を通じたものとすることができると考えられる。通信用他の代替案は、当業技術で公知である。
【0184】
上述した本発明によるデバイスでは、典型的には、デバイスは、データ、ファームウエア、又は他の情報をダウンロード及びアップロードするために携帯電話システムを用いた無線通信の機能を更に有する。ファームウエアは、患者への治療イオンの投与に関するパルス、周波数、電流、電圧、振動パターン、バースト、又は可変時間を制御又は調節するようにプログラムすることができる。デバイスの機能の修正のためにデバイスにダウンロードすることができる情報は、患者の年齢、患者の人種(特に、特定の疾患又は病態に対する感度に関連する場合)、患者の体重、特定の感染要因に対する患者の感度に影響を及ぼす可能性があるHLAハプロタイプのような遺伝子情報、及び糖尿病の発症、高血圧症の発症、タバコ喫煙歴、アルコール摂取歴、又は特定の疾患又は病態に対する感度に影響を及ぼす可能性がある他の関連身体歴のような患者の関連身体歴、並びに免疫応答を改善するための白血球の刺激などであるがこれに限定されない本発明によるデバイスの使用によって治療又は予防されることになる特定の疾患又は病態、例えば、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2、感染症、HIV感染症、A型肝炎感染症、B型肝炎感染症、C型肝炎感染症、デングウイルス感染症、ジカウイルス感染症、細菌感染症、又は真菌感染症を含むことができるがこれらに限定されない。このデータ伝達は、デバイスを使用するか又は他にそれで作業する誰かが特定の患者を識別することを可能にすると考えられるいずれの個人情報も収集又は格納されないようにHIPAAに完全に準拠する。上述した関連情報は、ユニットセッションに関してユニットが平均の電圧、電流、及び抵抗、並びに治療の長さを格納するようにユニットを始動する前に入力されると考えられる。関連情報は、典型的には、NFC接続によって入力されるが、これに代えて、他の接続経路を本明細書に説明するように使用することができる。この入力は、デバイスの作動を開始するのに使用される。ユニットの使用に続いて、ユニットは、セッションからの全ての格納されたデータを中心サーバにアップロードし、中心サーバのオペレータがデバイスの使用から多大な包括的データを収集し、治療中の疾患、病態、又は他の兆候、結果、並びに本発明の技術の検証及び考えられる修正を可能にすることになる他の情報を含むデバイスの使用状況を決定することを可能にすることができる。ここでもまた、この情報伝達は、病原性及びデバイスを用いて治療される個人のタイプの考えられる差異に関して認識可能な傾向を求めるために、実際の治療時間、その期間にわたる抵抗、電圧、及び電流に必要な限り関連付けるべきパラメータである年齢、性別、人種、治療される病原体のようなデータの収集に関してHIPAA準拠のものになる。これらの情報は、治療効率及び治療結果を改善するのに使用することができ、送信、解析、又は他のデータ使用結果として個人を決定することができないように匿名化されることになる。典型的には、デバイスはファームウエアを含み、ファームウエアは、出力電流が最大許容出力電流よりも大きいまで増大するとオームの法則に基づいて予想される点に抵抗が達するまで又は達する時に抵抗が出力電圧を制御することを許しながら出力アンペア数を制御又は固定し、この到達点で最大出力電圧にロックし、次に、抵抗に基づいて出力電流を引き下げる。デバイスのオペレータが制御可能な特定の点では、抵抗が過度に高く、出力電流が低設定値に達した、すなわち、この点で治療作用に対して最適なイオン放出が発生していないという警報を患者又は臨床医に通知することができる。
【0185】
他の代替案では、本発明によるデバイスは携帯可能とすることができる。
【0186】
上述した本発明によるデバイスでは、典型的には、デバイスは、様々な波形又は振動信号又はパルス信号を提供する機能を更に有する。信号パルスに関して好ましくは、パルス速度は、中枢神経系(CNS)又は末梢神経系(PNS)がパルスを認識しないように十分に高速である。好ましくは、パルス速度は、血栓形成のリスクを低減するか又は排除するためにも十分に高速である。別の代替案では、バースト波形を使用することができる。更に別の代替案では、振動波形を使用することができる。更に別の代替案では、使用電流は、立ち上がり電流又は時限電流とすることができる。典型的には、パルスが使用される時に、パルス速度は、中枢神経系(CNS)又は末梢神経系(PNS)がパルスを認識しないように十分に高速であり、更に血栓形成を抑制するためにも十分に高速である。典型的には、パルス幅は、約50マイクロ秒から約1000マイクロ秒の範囲とする。バースト波形が使用される時に、複数のパルスの組合せが複数の周波数と連続して迅速に組み合わされて免疫系を刺激する。一例として40Hzの周波数で印加されてパルスバーストの終点に電荷均衡の受動的再生を有する500Hzで1マイクロ秒パルス間隔を有する5つの1マイクロ秒パルスが考えられる。使用周波数は、約40Hzから最大で約10kHzの範囲とすることができる。典型的には、血流を容易にして静脈炎のリスクを低減し、更にイオン信号の静脈内分散を促進するために約10kHzの周波数が背景電流に好ましい。振動波形が使用される時に、時間的な電流印加パターンは、バースト波形に関して上述したものと同様であるが、刺激パターンを変更するための電流強度変化を更に含むことができる。一例として指定期間にわたる3.0μAから4.9μAの振動電流、次に、残りの時間にわたる1.5μAから3.0μAの振動が考えられる。この振動電流は、例えば、夕方又は患者が睡眠状態にあると考えられる時により低い振動電流(最大で3.0μA)を使用すべき夜間治療に使用することができると考えられる。一代替案では、16時間の期間にわたって振動させ、それに8時間振動設定を続けることが最適であると考えられる。立ち上がり波形又は時限波形が使用される時に、送出電流を制御するために、電流は、線形に徐々に上昇し、次に、線形に低下する。典型的には、これは、約5秒から約10秒までの期間にわたって行われる。例えば、5秒から10秒までを最大電力まで上昇させるのに用い、次に、5秒から10秒までを低下させるのに使用することが考えられる。典型的には、これらの代替案は、治療効果を最適化するために技術者又は他のオペレータがプログラム可能に考えられる。立ち上がり波形又は時限波形の使用に対する他の代替案を使用することができる。
【0187】
本発明による一部の代替案では、システムはプログラム可能であり、時刻、身体位置、印加部位、患者の年齢、性別、及び体重、治療される特定の疾患又は病態、その重症度、患者に影響を及ぼす他の条件、又は他の要因などであるがこれらに限定されず、電流印加に関する様々な設定をプログラムすることができる。
【0188】
一代替案では、システムは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。これは、システムのインピーダンスが、電圧上限に達する点に達しない限り、システムが、設定一定電流出力を維持することになることを意味する。電圧が上限に達すると、システムは、設定上限電圧を超えないように出力電流を低減するか又は出力電流が低下することを可能にすることになる。
【0189】
別の代替案では、システムは、出力電圧を約0.55Vから約0.95Vの値に固定する。好ましくは、この代替案では、出力電圧は、約0.92Vに固定され、一部の代替案では、0.87V又は0.89Vの固定出力電圧を使用することができる。初期出力電流は、約6μA以下にあり、典型的には約4.9μAにある。電圧が約0.95Vよりも大きいことを必要とするまで抵抗が増大した場合に、電圧は制限され、出力電圧を約0.95V以下の値、好ましくは、約0.92Vに維持するために出力電流が引き下げられる。
【0190】
更に別の代替案では、血流を容易にしてイオン分散を容易にし、静脈炎のリスクを低減するために、電圧上限を有する一定電流と重なる第2の高周波背景信号が導入される。高周波背景信号の周波数は、上述の通りである。
【0191】
本発明の別の実施形態は、細菌感染症、ウイルス感染症、又真菌感染症の治療又は予防、免疫応答を刺激すること、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供することを含む様々な目的で金属イオンを含有する溶液を生成するための小型金属イオン発生器である。デバイスは、1又は2以上の永久取り付け式金属又は金属合金のアノードと単一カソードとへの出力電圧と出力電流の両方を制御する小型プリント回路基板に取り付けられた固定小型セルバッテリを組み込んでいる。1から4個のアノードを取り付けることができる。カソードは、Porex Filtration Group(米国ジョージア州フェアバーン)製のPorexのようなスポンジ様材料で覆われる。発生器は、それによって生成させた金属イオンで治療されることになる流体を保持することになる様々な付属品を配置することを可能にすることになる露出アノード及びコーティングカソードの開口端部の周りにツイストコネクタを有する。流体含有容器が金属イオン発生器に接触されると、流体は、アノードとカソードの間の接触を完全にすることになり、流体の中への金属イオンの制御式放出を可能にし、様々な目的に使用することができる抗菌溶液を生成することになる。これらの目的は、瘡のような病態の治療のために溶液を皮膚に付加すること、鼻又は肺の治療のために溶液をネブライザーによって投与することができ、又は溶液を口内洗浄液として飲み込む又は使用することを含むがこれらに限定されない。抗菌溶液は、複数の他の用途に使用することができる。典型的には、このデバイスでは、バッテリは、1.5Vから3.5Vのリチウムセルバッテリである。バッテリの寸法は、直径が典型的には約0.5cmから約3.0cmの範囲とされる。プリント回路基板は、5cm2以下の面積を有する。プリント回路基板は、上述したものと同じく機能し、典型的には、0.92Vの上限を用いて4.9μAの固定流出電流を生成し、一部の代替案では、0.87V又は0.89Vの電圧が使用される。電流及び電圧に対する他の代替案が可能である。
【0192】
本発明の別の実施形態は、金属イオンの連続放出を制御するために上述の
図14のスタイレットのような構成要素に一定電流と上限電圧とを提供するのに使用されるバッテリ給電式の再使用可能又は使い捨て可能なデバイスである。バッテリ給電式デバイスによって放出がトリガされる金属イオンは、上述のように合金又は純金属から生成することができる。制御式電流は、好ましくは、約1.5μAから約10μAの範囲、より好ましくは、約1.5μAから約6μAの範囲、更により好ましくは、約1.5μAから約5μA内にあり、最も好ましくは、約4.9μAである。この範囲は、電流によってイオンのみが生成され、より大きい粒子は生成されないことを保証することになる。上限電圧は、好ましくは、約1.2Vよりも低く、より好ましくは、約0.92Vであるが、他の電圧を使用することができる。このバッテリ給電式デバイスは、アノード、典型的にはアノードとして作用する上述したスタイレットに電流を提供する単一雌プラグコネクタを有し、金属合金と、供給電流の帰還のためのカソードEKG型パッドに対する雌のスナップコネクタとが回路を完成させる。これに代えて、スタイレットは、その内部の金属への直接ワイヤ接続部を有することができる。バッテリ給電式デバイスは、標準のEKG電極をもたらす。バッテリ給電式デバイスは、上述のように療法士からの入力に基づいて一定電流出力を調節する機能を有する。バッテリ給電式デバイスは、上述のようにNFC接続を使用したスマートフォンとの無線通信機能を更に有する。更に、バッテリ給電式デバイスは、上述のようにデータ又はファームウエアをダウンロード又はアップロードするために携帯電話システムを用いた無線通信機能を有する。更に、バッテリ給電式デバイスは、上述のように様々な電流レベル、電圧レベル、波形、又は振動信号又はパルス信号を提供する機能を有する。
【0193】
図14又は
図15で説明されたものなどであるがこれらに限定されないスタイレットを使用する本発明の代替案では、デバイスは、より長い投与時間及び/又は患者が血液中に高いビタミンD濃度を有する場合に対してカテーテル及びスタイレットの設置によってヘパリンのような流体を注入することができるように無針注入器スタイレットを更に備えることができる。無針注入器スタイレットを
図18に示している。
【0194】
図18では、無針注入器スタイレット840は、流体供給及び注入に典型的に使用されるような流体含有デバイスへの接続のための近位端842と、静脈846の中への挿入のための遠位端844とを有する。静脈846は、無針注入器スタイレットの一部ではない。
【0195】
本発明によるデバイスの更に別の実施形態は、2次管腔を用いた流体送出のための二重管腔又は多重管腔カテーテル、注入側面ポート、二重管腔又は多重管腔カテーテルの2次管腔からの血液の逆流を防止するための止血シールとを組み込む本発明によるデバイスの更に別の代替案の図である
図19に示している。
【0196】
図19のデバイスでは、デバイスは、二重管腔又は多重管腔カテーテルを使用し、この場合に、その1次管腔は、静脈内輸液を提供することになり、2次管腔は、上述した電源によって供給される電圧によって発生されるイオンの持続的放出のための上述した金属又は金属合金から構成されたワイヤに接続されたスタイレットを格納するか又は組み込むことになる。スタイレットは、カテーテルの中に作り込まれ、赤色プルタブ又は取り外し可能スペーサによって予め決められた位置に保持され、これらが取り外されると、デバイスのユーザがスタイレットを前方に移動して金属又は金属合金から構成されたワイヤを露出させ、ワイヤは、上述した電源に接続されると、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療のためにイオンを一貫して持続的に放出すること、免疫応答を活性化することができ、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供することを可能にする。この代替案は、抗菌保護のための抗菌金属を含有するコーティングを有する既存カテーテルよりも一貫性が高く安全で有効な設計を可能にする。この代替案に関する設計の重要点は、(i)作り込みスタイレット、(ii)スタイレットを予め決められた位置に保持し、遠位先端から後退された時に導入針がカテーテルを配置することを可能にする取り外し可能スペーサ、及び(iii)カテーテルが予め決められた位置に配置されると取り外し可能スペーサが取り外され、スタイレットが前方に移動されて予め決められた位置にロックされると遠位先端が露出されて金属又は金属合金から構成されたワイヤをイオン放出のために露出することを可能にするようにスタイレットが特定のカテーテルに合わせて緊密に設計されることである。典型的には、露出される長さは、約1cm(0.39インチ)から約4cm(約1.56インチ)である。本発明によるデバイスのこの実施形態は、中心カテーテル、正中カテーテル、PICCカテーテル、中心静脈カテーテル、及び他のカテーテルタイプの場合に使用することができる。
【0197】
図19のデバイスでは、デバイス840は、導入針842と二重管腔又は多重管腔カテーテル844とを備える。二重管腔又は多重管腔カテーテル844は、流体流れ及び静脈の中への挿入の要件を満足する様々なサイズとすることができる。二重管腔又は多重管腔カテーテル844は、流体流れのための1次管腔846を有する。更に、二重管腔又は多重管腔カテーテル844は、絶縁スタイレット850の挿入のための2次管腔848を有する。絶縁スタイレット850は、上述した金属又は金属合金から構成されたワイヤ852と電気接触している。デバイス840は、取り外し可能スペーサ854を更に備える。取り外し可能スペーサ854は、イオン送出のために絶縁スタイレット850をカテーテル844に取り付けるためのコネクタ856に隣接する。デバイス840は、電源への取り付けのための内部銅ピン858を更に備える。同様に、デバイス840は、ラインを洗浄し、洗い流してフィブリンの蓄積を防止するためのヘパリンのような流体を追加するための注入側面ポート860を更に備える。デバイスは、2次管腔からの血液の逆流を防止するための止血シール862を更に備える。一代替案では、導電材料、典型的には銅のピンは、円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタと交換することができる。
【0198】
本発明によるデバイスの更に別の実施形態は、
図20に示す体外カテーテルである。
図20は、電源としてのバッテリ、電圧及びアンペア数を調整するための回路基板、抗凝血コーティングで覆われたカソード、及びアノード配線、血流を促進するためのポンプとを備える本発明による体外カテーテルの図である。体外カテーテルは、免疫調節及び血液媒介病原体の治療の目的でより大きい静脈の中に挿入されるように設計される。
【0199】
図20のデバイスでは、デバイス900は、バッテリ駆動式電源902と、デバイスによって供給される電圧及び電流の制御のためにバッテリ駆動式電源902と作動可能に接触している回路基板904とを備える。デバイス900は、抗凝血コーティング908によって覆われたカソード906と、1から5個のワイヤを備えることができるアノードワイヤ910とを更に備える。デバイス900は、血流を促進するためのポンプ912を更に備える。デバイス900は、近位端916と遠位端918とを有するカテーテル914を更に含み、デバイス900によって治療されることになる被験者の静脈の中への挿入のためなどに遠位端918は近位端916よりも幅狭である。デバイス900は、被験者のより大きい静脈の中に挿入されることが意図される。
【0200】
本発明の他の実施形態は、流体を送出するという1次機能を有する二重管腔又は多重管腔カテーテルを組み込むデバイスを含む。流体を送出する第1の管腔に関して例えば送出される流体の体積、送出される流体の粘性、及び治療又は予防される疾患又は病態に依存するゲージ範囲を使用することができる。第2の管腔は、典型的には、20ゲージであり、静脈内イオン放出を可能にするために遠位端に削られた窓が作り込まれた金属又は金属合金のワイヤを有する。この実施形態は、カテーテルと一体的な作り込みスタイレットを含む。代替案では、二重管腔又は多重管腔カテーテルは、作り込みスタイレットではなく交換可能スタイレットを有し、この代替案も、カテーテルの遠位端に窓を有し、カテーテルの中に作り込まれたこの削られた窓を通してスタイレットの遠位裸ワイヤをイオン放出のために露出することを可能にする。
【0201】
本発明による他の代替実施形態では、連続的又は実質的に連続的な送出に対して金属イオンを提供するために、上述したデバイスの代替案のようなデバイスが静脈ラインに対するコネクタの中に組み込まれる。
【0202】
従って、本発明の一実施形態は、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系を刺激するための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスである。デバイスは、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含むワイヤ、
(2)ワイヤを絶縁する絶縁カバリングであって、ワイヤ及び絶縁カバリングが、治療されることになる患者の血流の中にカテーテルを通じて挿入される上記絶縁カバリング、
(3)雄コネクタ、
(4)雄コネクタと作動可能に接触している雌コネクタであって、雄コネクタ及び雌コネクタがデバイスの構成要素を保護し、かつカテーテルへの接続を可能にするような上記雌コネクタ、
(5)デバイスに接続された電源から低強度直流を伝達することを目的とし、(i)雄コネクタ内にある導電材料のピン、及び(ii)円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタから構成される群から選択される導電要素、及び
(6)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備える。
【0203】
デバイスは、デバイスと電気接触している電源を更に備えることができる。
【0204】
【0205】
本発明によるデバイスのこの実施形態では、イオン生成金属ワイヤは、上述のように、例えば、(i)銀、銅、金、白金、イリジウム、亜鉛、パラジウム、及びオスミウムから構成される群から選択される金属元素又は半金属元素、及び(ii)各々が銀、銅、金、白金、イリジウム、亜鉛、パラジウム、及びオスミウムから構成される群から選択される2又は3以上の金属元素又は半金属元素の合金とすることができる。
【0206】
典型的には、作動時に、デバイスは、上述のように血液媒介病原体の治療又は免疫系の刺激のために毎秒約2×109から約7×1012個のイオンを放出する。
【0207】
典型的には、上述のように、金属イオンを生成するために印加される電圧は、約1.2V以下である。好ましくは、印加電圧は、約0.5Vから約0.92Vである。上述のように、印加電圧は、組織の抵抗に依存する。典型的には、金属イオンを生成するために印加される電圧は、約10μAよりも低く、より一般的には約6μA以下であり、好ましくは、約4.9μAである。
【0208】
典型的には、電源は、上述のように電流を治療用途に基づいて調節する機能を有する。典型的には、デバイスは、上述のようにデータ、ファームウエア、又は他の情報をダウンロード及びアップロードするために携帯電話を用いた無線通信の機能を更に有し、これに代えて、他の通信経路を上述のように使用することができる。デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。デバイスは、様々な波形又は振動信号又はパルス信号を提供する機能を有することができる。
【0209】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0210】
本発明の別の実施形態は、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系を刺激するための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスの別の代替案である。デバイスは、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含むワイヤ、
(2)ワイヤを絶縁する絶縁カバリングであって、ワイヤ及び絶縁カバリングが、治療されることになる患者の血流の中にカテーテルを通じて挿入される上記絶縁カバリング、
(3)雄コネクタ、
(4)雄コネクタと作動可能に接触している雌コネクタであって、雄コネクタ及び雌コネクタがデバイスの構成要素を保護し、かつカテーテルへの接続を可能にするような上記雌コネクタ、
(5)デバイスに接続された電源から低強度直流を伝達することを目的とし、(i)雄コネクタ内にある導電材料のピン、及び(ii)円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタから構成される群から選択される導電要素、
(6)治療されることになる被験者の静脈の中への挿入のためのスタイレット、
(7)スタイレットを絶縁するための絶縁体、及び
(8)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備える。
【0211】
デバイスは、デバイスと電気接触している電源を更に備えることができる。
【0212】
【0213】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0214】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0215】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0216】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0217】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0218】
本発明の別の実施形態は、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系を刺激するための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスの別の代替案である。デバイスは、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含むワイヤ、
(2)ワイヤの一部分を絶縁する絶縁カバリング、
(3)コネクタ、及び
(4)絶縁カバリング及びワイヤが患者の静脈の中に挿入された時に患者の皮膚上に載る電極、
を備える。
【0219】
デバイスは、デバイスと電気接触している電源を更に備えることができる。電源の詳細及び機能は、上述した通りのものである。
【0220】
【0221】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0222】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0223】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0224】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0225】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0226】
本発明の別の実施形態は、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系を刺激するための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスの別の代替案である。デバイスは、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含むワイヤ、
(2)ワイヤの一部分を絶縁する絶縁カバリング、
(3)ワイヤの一端を覆うドーム形キャップ、
(4)低強度直流がワイヤに印加された時にイオンの送出のためにワイヤの一部分を露出する絶縁カバリングの1又は2以上の面剥離領域、
(5)雄コネクタ、
(6)雄コネクタと作動可能に接触している雌コネクタであって、雄コネクタ及び雌コネクタがデバイスの構成要素を保護し、かつデバイスの挿入に対してカテーテルへの接続を可能にするような上記雌コネクタ、及び
(7)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備える。
【0227】
この代替案を全体的に
図4に示している。この代替案に対する様々なオプションを
図4に示している。
図4に示す一代替案では、雄コネクタの近位又は起点から延びる絶縁ワイヤの長さは、末梢静脈電極との併用に対して約1.5インチ(3.81cm)から約6インチ(15.24cm)、中心静脈電極に対して約4インチ(10.16cm)から約9インチ(22.86cm)、末梢絶縁中心カテーテル(PICC)の中に配置された電極に対して約6インチ(15.24cm)から約32インチ(81.28cm)の範囲とすることができる。
【0228】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0229】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0230】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0231】
デバイスは、デバイスと電気接触している電源を更に備えることができる。電源の詳細及び機能は、上述した通りのものである。
【0232】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0233】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0234】
本発明の更に別の実施形態は、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系を刺激するための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスの別の代替案である。デバイスは、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含み、患者の血流の中へのデバイスの挿入のためのカテーテルの周りに巻き付けられた又は編組されたワイヤ、
(2)ワイヤと電気接触しており、各々がデバイスに接続されてデバイスに低強度直流を伝達する電源に接続された2つのキャップコネクタ、及び
(3)2つのキャップコネクタに接続された電源、
を備える。
【0235】
この代替案を全体的に
図5に示している。この代替案に対する様々なオプションを
図5に示している。カテーテルに関するワイヤの配置は変えることができる。ワイヤは、カテーテルの外部で螺旋状に配置することができる。これに代えて、ワイヤは、カテーテルの内部で螺旋状に配置することができる。更に別の代替案では、ワイヤは、カテーテルの外部で六角形配置で配置することができる。更に別の代替案では、ワイヤは、カテーテルの内部で六角形配置で配置することができる。更に別の代替案では、ワイヤは、カテーテルの外部で編組することができる。更に別の代替案では、ワイヤは、カテーテルの内部で編組することができる。
【0236】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0237】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0238】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0239】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0240】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0241】
デバイスの更に別の実施形態は、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系を刺激するための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスの別の代替案である。デバイスは、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含むワイヤ、
(2)1又は2以上の切欠き部を除くワイヤ全体を覆う絶縁カバリング、
(3)絶縁カバリングの開口端部を密封するドーム形キャップ、及び
(4)デバイスに接続されて低強度直流をデバイスに伝達する電源、
を備える。
【0242】
低強度直流をデバイスに伝達するための電源は、上述した通りのものである。電源の詳細及び機能は、上述した通りのものである。
【0243】
【0244】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0245】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0246】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0247】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0248】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0249】
デバイスの更に別の実施形態は、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系を刺激するための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスの別の代替案である。デバイスは、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含み、カテーテルを通じて患者の静脈の中に挿入されるワイヤ、
(2)ワイヤを保護するための絶縁カバリング、
(3)キャップコネクタ、
(4)ワイヤの一端の近くに取り付けられた雄コネクタ、
(5)雄コネクタが取り付けられたワイヤの雄コネクタよりも近い場所にある端部に取り付けられた雌コネクタ、
(6)デバイスに接続された電源から低強度直流を伝達するために雄コネクタ内にある導電材料のピン、及び
(7)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備える。
【0250】
上述した電源は、上述のようにデバイスに接続されて低強度直流をデバイスに伝達する。電源の詳細及び機能は、上述した通りのものである。
【0251】
この代替案では、デバイスは、患者の静脈の中に挿入されるカテーテルの中に挿入される。この代替案を全体的に
図7に示している。
【0252】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0253】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0254】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0255】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0256】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0257】
デバイスの更に別の実施形態は、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系を刺激するための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスの別の代替案である。デバイスは、PICCカテーテル(末梢絶縁中心カテーテル)との併用に関する。デバイスは、
(1)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含み、患者の静脈の中に挿入されるワイヤ、
(2)ワイヤを取り囲む絶縁カバリング、
(3)絶縁カバリングが全体にわたって延びて到達するドーム形キャップ、
(4)ワイヤに対して患者の血流へのアクセスを提供する1又は2以上の切欠き部、
(5)雄コネクタ、
(6)雌コネクタ、
(7)デバイスに接続された電源から低強度直流を伝達するために雄コネクタ内にあり、雄コネクタ及び雌コネクタによって保護された導電材料のピン、及び
(8)任意的に、薬品の導入のための側面ポート、
を備える。
【0258】
代替案では、導電材料、典型的には銅のピンは、上述のように円形半田リングを組み込む熱収縮コネクタと交換することができる。
【0259】
上述した電源は、上述のようにデバイスに接続されて低強度直流をデバイスに伝達する。電源の詳細及び機能は、上述した通りのものである。
【0260】
この代替案では、デバイスは、患者の静脈の中に挿入されるPICCカテーテルの中に挿入される。この代替案を全体的に
図8に示している。
【0261】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0262】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0263】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0264】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0265】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0266】
デバイスの更に別の実施形態は、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系を刺激するための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスの別の代替案である。この代替案は、2剤併用療法のために補助使用側面ポートカテーテルを使用する。デバイスは、
(1)補助使用側面ポートカテーテル、
(2)カテーテルに取り付けられてカテーテルの周りの空間を閉鎖する止血シール、
(3)静脈内抗生物質又は他の薬品の投与を可能にする側面ポート、及び
(4)ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含み、カテーテルを通じて患者の静脈の中に挿入され、ワイヤの挿入と、側面ポート及び近位止血シールの組合せによって補助静脈薬品送出ポートとして働きの両方を可能にするようにカテーテルの内径がワイヤの外径よりも大きいワイヤ、
を備える。
【0267】
この代替案では、低強度直流は、デバイスに接続された電源によって供給される。電源の詳細及び機能は、上述した通りのものである。
【0268】
【0269】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0270】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0271】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0272】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0273】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0274】
デバイスの更に別の実施形態は、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系を刺激するための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスの別の代替案である。デバイスは、下記で説明するように様々な構成にある配線を有するカテーテルを含む。
【0275】
この実施形態の第1の構成では、デバイスは、
(1)カテーテル、
(2)カテーテルを取り囲む外部螺旋巻き配線であって、ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む上記配線、及び
(3)低強度直流をデバイスに伝達するために外部螺旋巻き配線を上述した電源に接続するコネクタ、
を備える。
【0276】
この実施形態の第2の構成では、デバイスは、
(1)カテーテル、
(2)カテーテルを取り囲む直線長手配線であって、ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含み、内部露出、外部露出、又は内部露出と外部露出の両方のいずれかの3から5個のワイヤを備える上記配線、及び
(3)低強度直流をデバイスに伝達するために直線長手配線を上述した電源に接続するコネクタ、
を備える。
【0277】
この実施形態の第3の構成では、デバイスは、
(1)カテーテル、
(2)カテーテルの遠位端、カテーテルの近位端、又はカテーテルの遠位端と近位端の両方にあるリング形配線であって、全てのリングをアノードとすることができ、又はアノードとカソードとが1つ置きに交替することができ、又はカテーテルをEKG経路に使用されるような外部カテーテルカソードと併用することができ、ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む上記配線、及び
(3)低強度直流をデバイスに伝達するためにリング形配線を上述した電源に接続するコネクタ、
を備える。
【0278】
この実施形態の第4の構成では、デバイスは、
(1)カテーテル、
(2)EKG経路に使用されるようなカテーテルの外部の六角パターン(「六角形設計」)配線であって、六角形設計が、遠位、近位、又はその両方で近位外面と遠位の内面又は外面とに又は近位内面と遠位の内面又は外面とに存在することができ、EKG経路に使用されるようなカソードが外部に付加され、ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む上記配線、及び
(3)上述のように六角形設計配線を電源に接続されて低強度直流をデバイスに伝達するコネクタ、
を備える。
【0279】
この実施形態の第5の構成では、デバイスは、
(1)カテーテル、
(2)カテーテルの近位端から遠位端までの又はこれに代えてカテーテルの遠位端のみでのワイヤの周期的露出セクションを有し、約1mmから約10mmの長さ及び約35°から約180°露出の窓を有し、ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む配線、及び
(3)低強度直流をデバイスに伝達するために周期的露出セクションを有する配線を上述した電源に接続するコネクタ、
を備える。
【0280】
【0281】
上述した電源は、上述のようにデバイスに接続されて低強度直流をデバイスに伝達する。電源の詳細及び機能は、上述した通りのものである。
【0282】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0283】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0284】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0285】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0286】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0287】
デバイスの更に別の実施形態は、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系を刺激するための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスの別の代替案である。デバイスは、下記で説明するように様々な構成にある配線を有するカテーテルを含む。デバイスは、単一管腔を有するカテーテルを使用することができる。これに代えて、デバイスは、複数の管腔を有するカテーテルを使用することができる。カテーテルは、末梢挿入、中心挿入、又はPICC挿入のためとすることができる。
【0288】
デバイスは、
(1)単一管腔又は複数の管腔のいずれかを有するカテーテル、
(2)削られた窓が埋め込まれたカテーテルの中に埋め込まれた配線であって、ワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む上記配線、及び
(3)低強度直流をデバイスに伝達するために周期的露出セクションを有する配線を上述した電源に接続するコネクタ、
を備える。
【0289】
【0290】
上述した電源は、上述のようにデバイスに接続されて低強度直流をデバイスに伝達する。電源の詳細及び機能は、上述した通りのものである。
【0291】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0292】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0293】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0294】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0295】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0296】
デバイスの更に別の実施形態は、細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための、免疫系を刺激するための、又は微生物バイオフィルムの発現又は穿刺部位からの感染を防止するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのデバイスの別の代替案である。このデバイスは、創傷に関連付けられた感染症を防止又は治療することのための創部ケア絆創膏又はパッチである。
【0297】
デバイスは、
(1)上側と底側とを有する実質的に平面のパッチ又は絆創膏、
(2)パッチ又は絆創膏の底側にあり、第1のワイヤに低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む第1のワイヤをそこに含むコーティング、
(3)パッチ又は絆創膏の上側のスナップコネクタ、
(4)スナップコネクタと電気接触している第2のワイヤ、及び
(5)デバイスに低強度直流を伝達するために第1及び第2のワイヤと電気接触している電源、
を備える。
【0298】
パッチの材料は、典型的には、ヒドロゲルである。ヒドロゲルは、水が分散媒であるコロイド状ゲルとして時々に見られる親水性の架橋ポリマー鎖のネットワークである。親水性ポリマー鎖が架橋によって互いに保持されることで3次元固体がもたらされる。ヒドロゲルのポリマー間を結合する架橋は、物理的分類及び化学的分類という2つの基本分類に属する。物理的架橋は、水素結合、疎水性相互作用、及び鎖の交絡(取りわけ)から構成される。内因性架橋に起因してヒドロゲルネットワークの構造統合性は、高い水濃度から消失しない。ヒドロゲルは、高吸収性(90%超の水を含有することができる)の天然又は合成のポリマーネットワークである。当業技術では、他の代替案が公知である。
【0299】
【0300】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0301】
電源の詳細及び機能は、上述した通りのものである。
【0302】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0303】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0304】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0305】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0306】
デバイスの更に別の実施形態は、血漿、薬品、栄養補助剤、又は電解質などであるがこれらに限定されない流体を患者に供給することを意図した静脈ライン又は他のデバイスの中への組み込みのための本発明の別の代替案である。
【0307】
デバイスは、
(1)デバイスのためのカバリングとして作用するハブキャップ、
(2)電源として作用するセルバッテリ、
(3)電流出力を制御するためにセルバッテリと電気接触しているプリント回路基板、
(4)カソードワイヤ、
(5)アノードワイヤ、
(6)カソードワイヤ及びアノードワイヤと電気接触しており、流体がデバイスを通って流れる時に電気回路を提供する流体吸収材料、
(7)第1のコネクタ、
(8)第2のコネクタであって、第1のコネクタ及び第2のコネクタが、流体を患者に供給するための静脈ラインの中へのデバイスの配置を可能にする上記第2のコネクタ、
(9)第1のコネクタと第2のコネクタとを接合するアノード金属ピン、及び
(10)第1のコネクタと第2のコネクタとを接合するカソード金属ピン、
を備える。
【0308】
第1及び第2のコネクタは、雌又は雄のルアーロック、静脈内ホースクランプ、静脈内ホースコネクタ、又は当業技術で従来使用される他のコネクタとすることができる。
【0309】
【0310】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0311】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のための、免疫系の調節のための、又は微生物バイオフィルム及び/又はカテーテルの穿刺部位からの感染に対処するためにカテーテル配置位置の周りに抑制ゾーンを提供するためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0312】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0313】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0314】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0315】
デバイスの更に別の実施形態は、流体源に取り付けられて静脈ラインの中へのデバイスの挿入なしに金属イオンの生成を可能にするデバイスである。
【0316】
デバイスは、
(1)デバイスのためのカバリングとして作用するハブキャップ、
(2)電源として作用するセルバッテリ、
(3)電流出力を制御するためにセルバッテリと電気接触しているプリント回路基板、
(4)カソードワイヤ、
(5)アノードワイヤ、
(6)カソードワイヤ及びアノードワイヤと電気接触しており、流体がデバイスを通って流れる時に電気回路を提供する流体吸収材料、
(7)中実キャップ、
(8)コネクタ、
(9)コネクタと作動可能に接触している流体源、
(10)コネクタと作動可能に接触しているアノード金属ピン、及び
(11)コネクタと作動可能に接触しているカソード金属ピン、
を備える。
【0317】
【0318】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0319】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0320】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0321】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0322】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0323】
デバイスの更に別の実施形態は、一時的に埋め込まれたスタイレット又はカテーテルを通じて患者の静脈の中に上述した金属イオンを伝達することを意図している。
【0324】
デバイスは、
(1)患者の皮膚に取り付けられた発電器、
(2)発電器の出力を調整するための手段、及び
(3)ワイヤを備える埋め込み式スタイレットであって、ワイヤを通してかつ患者の皮膚の中に低強度直流を伝達するために発電器がワイヤと電気接触している上記埋め込み式スタイレット、
を備える。典型的には、このデバイスでは、発電器は、治療されることになる患者の皮膚に取り付けられ、金属イオンの放出を活性化することになる信号を皮膚を通して埋め込み式スタイレットに伝達する。
【0325】
【0326】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0327】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0328】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0329】
この代替案では、発電器の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0330】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0331】
本発明の更に別の実施形態は、健康の理由から又は栄養補助剤を提供するために経口で血流の中に急速に吸収されることになる銀又は金属のイオンを間断なく放出するチュアブルガムである。
【0332】
【0333】
この実施形態は、噛むことで放出される上述した銀又は別の金属の粒子が組み込まれたチュアブルガムのウェーハ又は層を備え、この場合に、唾液の加水分解作用がこれらの粒子の放出を可能にし、それによって粒子は、血流の中に吸収され、治療作用又は免疫刺激作用が得られるように粒子からイオンが放出される。
【0334】
本発明によるデバイスの更に別の代替案は、カソードがカテーテルの中に直接に作り込まれたデバイスである。
【0335】
【0336】
デバイスは、
(1)単一管腔カテーテル又は多重管腔カテーテルのいずれかとすることができるカテーテル、
(2)カテーテル内で内部を延びるワイヤ、
(3)カテーテルを取り囲む1から5個の外部リング、
(4)絶縁配線に低強度直流が印加された時にイオンを放出する金属又は金属合金を含む絶縁配線、
(5)コネクタ、
(6)任意的に、静脈内抗生物質又は他の望ましい薬品の投与のためのポート、及び
(7)低強度直流をデバイスに伝達するための上述した電源への接続のために電源が電気接触しているワイヤ、
を備える。
【0337】
デバイスは、上述した電源を更に備えることができる。電源の詳細及び機能は、上述した通りのものである。
【0338】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0339】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0340】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0341】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように、様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0342】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0343】
本発明によるデバイスの更に別の代替案は、導入針及び二重管腔カテーテルを使用した細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。この代替案を全体的に
図19に示している。
【0344】
デバイスは、
(1)導入針、
(2)二重管腔又は多重管腔カテーテル、
(3)二重管腔又は多重管腔カテーテル内の流体流れのための1次管腔、
(4)二重管腔又は多重管腔カテーテル内の少なくとも1つの2次管腔、
(5)2次管腔の中への挿入のための絶縁スタイレット、
(6)絶縁スタイレットと電気接触している金属又は金属合金から構成されたワイヤ、
(7)取り外し可能スペーサ、
(8)取り外し可能スペーサに隣接して絶縁スタイレットを二重管腔又は多重管腔カテーテルに取り付けるコネクタ、
(9)電源への取り付けのための内部銅ピン、
(10)流体を追加するための注入側面ポート、及び
(11)2次管腔からの血液の逆流を防止するための止血シール、
を備える。
【0345】
上述した電源は、上述のようにデバイスに接続されて低強度直流をデバイスに伝達する。電源の詳細及び機能は、上述した通りのものである。
【0346】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0347】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0348】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0349】
この代替案では、電源の機能及び通信に関するデバイスの機能は、上述した通りのものである。この代替案では、デバイスは、上述のように携帯可能とすることができる。この代替案では、デバイスは、上述のように様々な波形を提供することができ、又は振動信号又はパルス信号を提供することができる。
【0350】
上述のように、一代替案では、デバイスは、電圧上限を用いて一定電流を提供する。別の代替案では、デバイスは、上述のように電流上限を用いて一定電圧を提供する。
【0351】
本発明によるデバイスのこの代替案は、中心カテーテル、正中カテーテル、PICCカテーテル、及び中心静脈カテーテルから構成される群から選択されるカテーテルと併用することができる。上述のように、二重管腔又は多重管腔カテーテルを使用することができ、多重管腔カテーテルが使用される時に、1よりも多い2次管腔をカテーテルに含めることができる。
【0352】
本発明の別の実施形態は、無針注入器スタイレットである。無針注入器スタイレットは、スタイレットを使用する本発明によるデバイスと併用することができる。このデバイスを
図18に全体的に示している。無針注入器スタイレットは、
(1)流体含有デバイスへの接続のための近位端、及び
(2)静脈の中への挿入のための遠位端、
を備える。
【0353】
本発明によるデバイスの更に別の代替案は、体外カテーテルを使用した細菌、ウイルス、真菌、又は原虫の感染症の治療又は予防のための又は免疫系の刺激のためのデバイスである。この代替案を全体的に
図20に示している。体外カテーテルは、
(1)近位端と遠位端とを有する静脈の中への挿入のためのカテーテル、
(2)バッテリ駆動式電源、
(3)デバイスによって供給される電圧及び電流の制御のためにバッテリ駆動式電源と作動可能に接触している回路基板、
(4)カソード、
(5)カソードを覆う抗凝血コーティング、
(6)金属又は金属合金を含む1から5個のワイヤを備えるイオン生成アノードワイヤ、及び
(7)血流を促進するためのポンプ、
を備える。
【0354】
この代替案では、イオン生成金属ワイヤは、上述した通りのものである。
【0355】
この代替案では、血液媒介病原体の治療のためのイオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0356】
この代替案では、金属イオンを生成するための電圧は、上述した通りのものである。
【0357】
本発明の更に別の態様は、血液媒介病原体感染症を治療する方法である。
【0358】
一般的に、この方法は、
(1)上述した本発明によるデバイスを、デバイスが血液媒介病原体感染症の治療を必要とする被験者の血流に金属イオンを提供することができるように、被験者と作動可能に接触させる段階、及び
(2)感染症を治療するために、デバイスにより、被験者の血流に金属イオンを放出させる段階、
を含む。
【0359】
典型的には、デバイスは、ワイヤが患者の血流の中に金属イオンを放出するように、ワイヤを被験者の静脈の中に配置することによって、被験者と作動可能に接触する。本明細書に使用する時に、「作動可能に接触」という用語は、デバイスの機能を実施するほど十分なイオンが放出されるように十分な電流及び電圧をデバイスの作動部位に供給するほどの十分な接触を意味する。しかし、上述のように、他の配置が可能である。例えば、デバイスが静脈ラインによって被験者に送出されている流体の中に金属イオンを患者の血流に到達するように放出するように、デバイスを静脈ラインの中に直列に配置することができる。これに代えて、デバイスが流体源の中に金属イオンを患者の血流に到達するように放出するように、デバイスを別の流体源内に直列に配置することができる。
【0360】
本方法では、金属イオンを放出するために使用される電圧及び電流は、上述した通りのものである。
【0361】
本方法では、イオン放出速度は、上述した通りのものである。
【0362】
本方法では、電流及び電圧、並びに波形の調節のための機構は、上述した通りのものである。
【0363】
本発明による方法は、細菌、ウイルス、真菌、及び原虫によって引き起こされる感染症を治療するのに使用することができる。
【0364】
本方法が細菌によって引き起こされる感染症を治療するのに使用される時に、細菌感染症は、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、セレウス菌、フェカリス菌、フェシウム菌、リステリア菌、肺炎連鎖球菌、A群連鎖球菌、B群連鎖球菌、大腸菌、肺炎桿菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、アセチノバクター・バウマニ、髄膜炎菌、バクテロイデス・フラジリス、炭疽菌、ペスト菌、野兎病菌、ウシ流産菌、又はヒト型結核菌によって引き起こされる感染症である場合があるがこれらに限定されない。特に重大な感染症は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)である。別の特に重大な感染症は、典型的には、ヒト型結核菌によって引き起こされるか又は一部の場合にウシ型結核菌によって引き起こされる結核である。
【0365】
本方法がウイルスによって引き起こされる感染症を治療するのに使用される時に、ウイルス感染症は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、エボラウイルス、ジカウイルス、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、デング熱ウイルス、又は重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2によって引き起こされる感染症である場合があるがこれらに限定されない。
【0366】
本方法が真菌によって引き起こされる感染症を治療するのに使用される時に、真菌感染症は、カンジダ症、アスペルギルス症、ブラストミセス症、コクシジオイデス症、又はクリプトコッカス・ネオフォルマンスによる感染症、又はクリプトコッカス・ガッティによる感染症である場合があるがこれらに限定されない。真菌感染症がカンジダ症である時に、カンジダ症は、カンジダ・アウリスによって引き起こされる可能性があるが、これに代えて、他のカンジダ株によって引き起こされる可能性がある。
【0367】
本方法が原虫によって引き起こされる感染症を治療するのに使用される時に、原虫感染症は、アメーバ症、マラリア、トリパノソーマ症、シャガス病、リーシュマニア症、トキソプラスマ症、及びクリプトスポリジウム症である場合があるがこれらに限定されない。特に重大な感染症は、典型的には、熱帯熱マラリア原虫によって引き起こされるマラリアであり、マラリアは、三日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、又は四日熱マラリア原虫によって引き起こされる場合もある。
【0368】
別の代替案では、本方法は、治療有効量の抗菌剤の投与を更に含む。抗菌剤は、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、及び抗原虫剤から構成される群から患者内の感染症のタイプに依存して選択することができる。1よりも多い適切な抗菌剤を投与することができる。
【0369】
抗菌剤が抗細菌剤である時に、特定の抗細菌剤の選択は、患者に感染している特定の細菌と、感染症の重症度、患者の年齢、体重、及び性別、患者の肝機能及び腎機能のような薬物動態学的要因、患者に投与されている他の薬物、患者の免疫機能、投与される抗細菌剤の毒性、考慮されている特定の抗細菌剤又はその部類に対するいずれかの感度又はアレルギー反応、並びに当業技術で公知であり、抗細菌剤を処方及び投与する当業者によって考慮される他の要因のような他の要因とに依存する。適切な抗細菌剤を決定するのに考慮される要因のうちの1つは、患者に感染している細菌がグラム陰性又はグラム陽性のいずれであるかである。いくつかの部類の抗細菌剤は、アミノペニシリン、ウレイドペニシリン、セファロスポリン、ベータ-ラクタム-ベータ-ラクタマーゼ阻害剤の組合せ、葉酸拮抗薬、キノロン、及びカルバペネムを含むグラム陰性細菌をターゲットにするように設計されたものである。特定的にグラム陰性生物をターゲットにする薬物は、アミノグリコシド、モノバクタム、及びシプロフロキサシンを含む。特定的にグラム陽性生物をターゲットにする薬物は、バンコマイシン、テイコプラニン、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、オキサゾリジノン、ダプトマイシン、テラバンシン、及びセフタロリンを含む。
【0370】
バンコマイシン、テイコプラニン、リネゾリド、ダプトマイシン、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、ドキシサイクリン、セフトビプロール、セフタロリン、クリンダマイシン、ダルババンシン、フシジン酸、ムピロシン、オマダサイクリン、オリタバンシン、テジゾリド、テラバンシン、及びチゲサイクリンという抗生物質は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して有効である。
【0371】
カナマイシンAと、アミカシンと、トブラマイシンと、ジベカシンと、ゲンタマイシンと、シソマイシンと、ネチルマイシンと、ネオマイシンBと、ネオマイシンCと、パロモマイシンと、ストレプトマイシンと、プラゾマイシンとを含むアミノグリコシド系、チエナマイシンと、イミペネムと、メロペネムと、エルタペネムと、ドリペネムと、パニペネム(典型的には、ベタミプロンを用いて投与される)と、ビアペネムと、テビペネムと、ラズペネムと、レナペネムと、トモペネムとを含むカルバペネム系、セフタジジム、セフェピム、セフトビプロール、セフトロザン(典型的には、タゾバクタムを用いて投与される)、オキソリニック酸と、ロソキサシンと、シプロフロキサシンと、フレロキサシンと、ロメフロキサシンと、ナジフロキサシンと、ノルフロキサシンと、オフロキサシンと、ぺフロキシシンと、ルフロキサシンと、バロフロキサシンと、グレパフロキサシンと、レボフロキサシンと、パズフロキサシンと、スパルフロキサシンと、テマフロキサシンと、クリナフロキサシンと、ガチフロキサシンと、モキシフロキサシンと、シタフロキサシンと、プルリフロキサシンと、ベシフロキサシンと、デラフロキサシンと、オゼノキサシンとを含むフルオロキノロン系、ピペラシリン(典型的には、タゾバクタムを用いて投与される)、チカルシリン、及びクラブラン酸という抗生物質及びその部類は、緑膿菌に対して有効である。
【0372】
リネゾリド、キヌプリスチンと、ダルホプリスチンと、プリスチナマイシンと、バージニアマイシンとを含むストレプトグラミン系、チゲサイクリン、及びダプトマイシンという抗生物質及びその部類は、バンコマイシン耐性腸球菌に対して有効である。
【0373】
抗菌剤が抗ウイルス剤である時に、特定の抗ウイルス剤の選択は、患者に感染している特定のウイルスと、感染症の重症度、患者の年齢、体重、及び性別、患者の肝機能及び腎機能のような薬物動態学的要因、患者に投与されている他の薬物、患者の免疫機能、投与される抗ウイルス剤の毒性、考慮されている特定の抗ウイルス剤又はその部類に対するいずれかの感度又はアレルギー反応、ウイルスがDNAウイルス又はRNAウイルスのいずれであるか、ウイルスの主な形態のゲノムが一本鎖又は二本鎖のいずれであるか、特にウイルスのゲノムが患者の細胞のDNAの中に組み込まれた状態になることができるか否かに関するウイルスのライフサイクル、並びに当業技術で公知であり、抗ウイルス剤を処方及び投与する当業者によって考慮される他の要因のような他の要因とに依存する。更に、上述のように、当業技術では、多くの抗ウイルス剤は、ペニシリン又はアジスロマイシンのような多くの抗細菌抗生物質に関する比較的広域の作用スペクトルと比較してウイルスの構造的及び生物学的な多様性に起因して比較的狭ゾーンの作用スペクトルのみを有することが公知である。これに加えて、上述のように、レトロウイルスのような一部のRNAウイルスは、それが感染する個人のゲノム内にDNAの形態で組み込まれた状態になることができるが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2のような他のRNAウイルスは、この機能を欠くことを考慮に入れるべきである。
【0374】
抗ウイルス剤は、アバカビル、アシクロビル、アデホビル、アマンタジン、アンプレナビル、ウミフェノビル、アタザナビル、バロキサビルマルボキシル、ビクテグラビル、エムトリシタビン、テノホビルアラフェナミド、ボセプレビル、シドフォビル、コビシスタット、ラミブジン、ジドブジン、ダクラタスビル、ソホスブビル、リバビリン、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、ドルテグラビル、ドラビリン、エドクスジン、エファビレンツ、エルビテグラビル、エンフビルチド、エンテカビル、エトラビリン、ファムシクロビル、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ガンシクロビル、イバシタビン、イバリズマブ、イドクスウリジン、インジナビル、レテルモビル、ロピナビル、ロビリド、マラビロク、メチサゾン、モロキシジン、ネルフィナビル、ニタゾキサニド、リトナビル、オセルタミビル、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ラルテグラビル、レムデシビル、リルピビリン、リマンタジン、サキナビル、シメプレビル、スタブジン、テラプレビル、テルビブジン、チプラナビル、トリフルリジン、トロマンタジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビクリビロック、ビダラビン、ビラミジン、ザルシタビン、及びザナミビルという薬剤を含むがこれらに限定されない。
【0375】
抗菌剤が抗真菌剤である時に、特定の抗真菌剤の選択は、患者に感染している特定の真菌と、患者の年齢、体重、及び性別、患者の年齢、体重、及び性別、患者の肝機能及び腎機能のような薬物動態学的要因、患者に投与されている他の薬物、患者の免疫機能、投与される抗真菌剤の毒性、考慮されている特定の抗真菌剤又はその部類に対するいずれかの感度又はアレルギー反応、並びに当業技術で公知であり、抗真菌剤を処方及び投与する当業者によって考慮される他の要因のような他の要因とに依存する。
【0376】
抗真菌剤は、アムホテリシンB、カンジシジン、フィリピン、ハマイシン、ナタマイシン、ナイスタチン、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ルリコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、アルバコナゾール、エフィナコナゾール、エポキシコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、プロピコナゾール、ラブコナゾール、テルコナゾール、ボリコナゾール、アバファンギン、アモロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン、シクロピロクス、5-フルオロシトシン、グリセオフルビン、トルナフテート、ウンデシレン酸、トリアセチン、オロトミド、ミルテホシン、ニッコマイシン、ピロクトンオラミン、及びクリオキノールを含む。
【0377】
抗原虫剤は、エフロルニチン、フラゾリドン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、メラルソプロール、メトロニダゾール、ニフルセミゾン、ニタゾキサニド、オルニダゾール、パロモマイシン硫酸塩、ペンタミジン、ピリメタミン、キナピラミン、ロニダゾール、チニダゾール、アモジアキン、プログアニル、スルホンアミド、メフロキン、アトバコン、プリマキン、アルテミシニン、アルテメテル、アルテスネート、ジヒドロアルテミシニン、アルテテル、ハロファントリン、ルメファントリン、ドキシサイクリン、クリンダマイシンを含み、これらの薬剤は、マラリアに対して有効である薬剤を含む。
【0378】
本発明の別の態様は、本発明によるデバイスを上述のように用いてナチュラルキラー(NK)細胞の生成を刺激する方法である。NK細胞は、自然免疫系に対して重要な細胞毒性リンパ球であり、ウイルス感染細胞に対する迅速な応答を与え、感染後3日前後で作用して腫瘍の形成に応答する。NK細胞は固有であるが、抗体及びMHCの不在時にストレス細胞を認識して死滅させる機能を有するので、かなり高速の免疫反応を可能にする。これらの細胞は、MHC部類1の「自己」マーカーが欠如した細胞を死滅させるのに活性化を必要としないことで「ナチュラルキラー」と名付けられた。MHC部類Iのマーカーが欠如した有害な細胞は、Tリンパ球細胞のような他の免疫細胞によって検出して破壊することができないので、ナチュラルキラー細胞の役割は特に重要である。NK細胞は、そのCD56+CD3-表現型によって認識することができる。
【0379】
NKは、面接着分子及び抗原ペプチドの不在時であっても腫瘍細胞の死を直接に誘起することによって腫瘍免疫モニタのように機能する(NKが細胞溶解性エフェクタリンパ球として作用する)ことは公知である。NK細胞のこの役割は、特に、T細胞が面抗原の不在時に病原体を認識することが不可能であることで免疫の成功に対して重要である。腫瘍細胞の検出は、NK細胞の活性化、及びその得られるサイトカインの生成及び放出をもたらす。腫瘍細胞は、炎症を引き起こさない場合に、同じく自己マーカーとして見なされることになり、T細胞応答を誘起することにはならない。腫瘍壊死要因α(TNFα)、IFNγ、及びインターロイキン10(IL-10)を含むいくつかのサイトカインがNKによって生成される。TNFα及びIL-10は、それぞれ炎症誘起剤及び免疫抑制剤として作用する。NK細胞の活性化及びそれに続く細胞溶解性エフェクタ細胞の生成は、大食細胞、樹状細胞、及び好中球に影響を及ぼし、それによってその後に抗原独特のT細胞及びB細胞の応答を可能にする。抗原特異的受容体による作用代わりに、NK細胞による腫瘍細胞の溶解は、NKG2D、NKp44、NKp46、NKp30、及びDNAMを含む代替受容体によって媒介される。NKG2Dは、典型的には、腫瘍細胞上で発現されるULBP及びMICAを含むいくつかのリガンドを認識するジスルフィド結合ホモダイマーである。
【0380】
本発明による方法によるNK細胞の活性化を用いて早期の悪性腫瘍、特に乳癌を治療することができる。乳癌の治療では、NK細胞の活性化を他の免疫療法、手術、放射療法、及び化学療法を含む他の治療方法と共に使用することができる。NK細胞の活性化のための方法を含む本発明による方法では、免疫系を刺激するための手段は、発電器によって生成されてカテーテル又はスタイレットを通じて伝達されてリンパ球上のカルシウムの流入チャネル及び流出チャネルを活性化してそれが次に免疫系での信号伝達を活性化する電界を伴う可能性がある。
【0381】
一般的に、本方法は、
(1)上述した本発明によるデバイスを、デバイスがナチュラルキラー細胞の生成を刺激することを必要とする被験者の血流に金属イオンを提供することができるように、被験者と作動可能に接触させる段階、及び
(2)ナチュラルキラー細胞の生成を刺激するために、デバイスにより、被験者の血流に金属イオンを放出させる段階、
を含む。
【0382】
本発明の更に別の態様は、
(1)上述した本発明によるデバイスを、デバイスが免疫系を刺激することを必要とする被験者の血流に金属イオンを提供することができるように、被験者と作動可能に接触させる段階、及び
(2)免疫系を刺激するために、デバイスにより、被験者の血流に金属イオンを放出させる段階、
を含む免疫系を刺激する方法である。
【0383】
本発明による方法では、本方法は、
(1)治療の投与の開始に続いて、被験者の血液中に残っている血液媒介病原体の量又は濃度を検出又は決定することによって治療の結果を決定する段階、及び
(2)必要に応じて、投与されるイオンの量、使用される電流、電圧、又は波形を変更することによって治療を調節する段階、又は追加の抗細菌剤、抗ウイルス剤、又は抗真菌剤が投与される場合に投与中の追加の薬剤の種類(identity)、追加の薬剤の投与量、追加の薬剤の投与頻度、追加の薬剤の投与継続時間、追加の薬剤の投与経路、又は追加の薬剤の投与に関連付けられた別の要因から構成される群から選択される要因を変更する段階、
を更に含むことができる。
【0384】
典型的には、血液媒介病原体の量又は濃度は、血液媒介病原体に関する抗原に関する免疫学的アッセイ、血液媒介病原体のゲノムに関するPCRアッセイ又は他の核酸ベースのアッセイ、細菌に関する培養方法、細菌の染色に基づく組織学的方法、又は他の従来の方法などであるがこれらに限定されない当業技術で公知の従来の方法によって検出又は決定される。
【0385】
説明した本発明による方法によるNK細胞の活性化は、特に、早期の悪性腫瘍、特に乳癌を治療するのに使用することができる。乳癌の治療では、NK細胞の活性化を他の免疫療法、手術、放射療法、及び化学療法を含む他の治療方法と共に使用することができる。治療のそのような追加の方法は、当業技術で公知である。
【0386】
上述したデバイスを使用する本発明による別の方法は、アフェレーシスユニットと類似の手法で患者の血液を浄化するための体外又は静脈内イオン放出のためのこれらのデバイスの使用である。
【0387】
本発明を以下の実施例によって例示する。これらの実施例は、単なる例示目的で含めたものであり、本発明を限定するように意図したものではない。
【0388】
実施例
[実施例1]
デング熱の治療
デング熱は、フラビウイルス科フラビウイルス属のRNAウイルスによって引き起こされる蚊媒介ウイルス性疾患である。デング熱を引き起こすウイルスは、黄熱病ウイルス、西ナイルウイルス、ジカウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、及び他の疾患を引き起こすウイルスに関連する。デング熱は、多くの熱帯地域の風土病であり、年間約3億9千万件の感染症を引き起こし、感染した者のうちの約500,000人が入院加療を必要とし、約40,000件の死亡をもたらしている。気候変化及び往来の増加に起因してデング熱の発生率は、欧州及び米国南部のようなより温暖な地域で急激に高まっている。
【0389】
本発明によるデバイスを用いてデング熱を治療した。デバイスは、上述した挿入スタイレットを有する20ゲージ×10cmの正中末梢挿入カテーテル(PICC)を使用したものであった。デバイスは、金属又は合金として銀/銅合金を用いたものであった。この治療では、イオン放出速度は、毎秒約2.5×1012であった。使用電圧は0.92Vであった。使用電流は2.5μAであった。治療継続時間は4時間であった。
【0390】
結果を表1に示している。
【0391】
【0392】
表1の結果は、上述したデバイスによるデング熱の有効な治療を例示している。患者の体温は平熱まで低下し、血小板数は平常値に戻り、高いリンパ球数は感染が進行中の証拠でありリンパ球数の降下は感染の解消を示すものであるところ、リンパ球数も平常値に戻り、更にヘマトクリットが増大した。これらの臨床改善は、8週間又はそれよりも多くにわたって維持されている。
【0393】
[実施例2]
本発明によるデバイスによる様々な疾患の治療
本発明によるデバイスによる様々な疾患の治療を
図21に示している。HIV、デング熱、HSV-1による感染症、及びHSV-2による感染症を含む本発明によるデバイスによって治療可能な疾患を
図21に示している。
【0394】
図21では、「BUN」は血清尿素窒素であり、「AST/GOT」は、肝機能の尺度であるアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(高い値は肝損傷を意味することができる)であり、「ALT/GLT」は、肝機能の別の尺度であるアラニンアミノトランスフェラーゼ(高い値は肝損傷を意味することができる)であり、「WBC」は、白血球細胞(白血球)数(高い値は、進行中の感染の存在を意味する可能性がある)であり、「ESR」は、赤血球沈降速度(高い値は、感染又は自己免疫疾患のような他の原因に起因する可能性がある炎症の兆候である)である。
【0395】
図21に示すデング熱及びHIVに関する結果では、デバイスは、上述した挿入スタイレットを有する20ゲージ×10cmの正中末梢挿入カテーテル(PICC)を使用したものであった。デバイスは、金属又は合金として銀/銅合金を用いたものであった。この治療では、イオン放出速度は、毎秒約2.5×10
12であった。使用電圧は0.92Vであった。使用電流は2.5μAであった。デング熱では治療継続時間は4時間であり、HIVでは24時間又は72時間のいずれかであった。
【0396】
図21に示すHSV-1による感染症及びHSV-2による感染症に関する結果では、デバイスは、上述した挿入スタイレットを有する20ゲージ×10cmの正中末梢挿入カテーテル(PICC)を使用したものであった。デバイスは、金属又は合金として銀/銅合金を用いたものであった。この治療では、イオン放出速度は、毎秒約5.5×10
12であった。使用電圧は0.89Vであった。使用電流は4.9μAであった。
【0397】
実施例2の結果は、HIV、デング熱、HSV-1による感染症、及びHSV-2による感染症の有効な治療を例示している。
【0398】
デング熱患者に関する実施例2からの特定の結果を表2に示している。
【0399】
【0400】
表2では、「BIT」は、全ビリルビン値であり、「BID」は、直接ビリルビン値であり、「ALK」は、アルカリホスファターゼである。異常に高いビリルビンレベルは、肝臓又は胆管の様々なタイプの問題を示す場合があり、ビリルビンは、赤血球細胞の正常な分解中に生成されることで溶血の存在と関係がある場合がある。アルカリホスファート濃度は、肝損傷の別の尺度であり、高い値は、肝損傷を示す場合がある。
【0401】
表3は、デング熱患者でのNANDIシステムを用いた治療後の血小板値とGENESYSとして公知の代替システムを用いた治療後の血小板値との比較を例示している。NANDIシステムでは、デバイスは、上述した挿入スタイレットを有する20ゲージ×10cmの正中末梢挿入カテーテル(PICC)を使用したものであった。デバイスは、金属又は合金として銀/銅合金を用いたものであった。この治療では、イオン放出速度は、毎秒約2.5×1012であった。使用電圧は0.92Vであった。使用電流は2.5μAであった。GENESYSシステムでは、デバイスは、上述した挿入スタイレットを有する20ゲージ×10cmの正中末梢挿入カテーテル(PICC)を使用したものであった。デバイスは、金属又は合金として銀/銅合金を用いたものであった。この治療では、イオン放出速度は、毎秒約5.5×1012であった。使用電圧は0.89Vであった。使用電流は4.9μAであった。
【0402】
【0403】
[実施例3]
肝機能及び腎機能及び白血球数の改善
本発明によるデバイスによる肝機能及び腎機能の改善を表4に示している。
【0404】
【0405】
表4のデータは、本発明によるデバイスを用いた治療が健常患者並びにHSV-1感染患者での腎機能及び肝機能を改善することことができることを示している。
【0406】
合計で12人の患者に対してBUNが平均で13.89%低下し、クレアチンが平均で6.4%低下した。これは、腎機能の改善を示している。これらの患者では、ASTが平均で21.53%低下し、ALTが平均で11.75%低下した。これは、肝機能の改善を示している。
【0407】
これに加えて、12人の健常患者に対して19.94%の白血球細胞数の増加があった。これは、感染症に対する感染抵抗性の増大を示している。
【0408】
表4に示す結果では、デバイスは、上述した挿入スタイレットを有する20ゲージ×10cmの正中末梢挿入カテーテル(PICC)を使用したものであった。デバイスは、金属又は合金として銀/銅合金を用いたものであった。この治療では、イオン放出速度は、毎秒約5.5×1012であった。使用電圧は0.89Vであった。使用電流は4.9μAであった。治療時間は、表4に示す通りである。
【0409】
[実施例4]
HIVの治療
本発明によるデバイスを用いたHIVの治療に関する結果を表5に示している。
【0410】
【0411】
表5の結果に関して用いたデバイスは、上述した挿入スタイレットを有する20ゲージ×10cmの正中末梢挿入カテーテル(PICC)を使用したものであった。デバイスは、金属又は合金として銀/銅合金を用いたものであった。この治療では、イオン放出速度は、毎秒約2.5×1012であった。使用電圧は0.92Vであった。使用電流は2.5μAであった。治療時間は、表4に説明されている通りである。
【0412】
この結果は、抗ウイルス薬を服用しなかった患者に対するものである。この結果は、本発明によるデバイスが72時間弱の治療でウイルス負荷を低減してCD4+細胞の濃度を増大させるのに有効であったことを示している。
【0413】
本発明の利点
本発明によるデバイス及び方法は、従来の抗細菌治療剤、抗ウイルス治療剤、又は抗真菌治療剤の特異性に依存しない新しい治療機構を使用して血液媒介病原体感染症、特に細菌感染症、ウイルス感染症、及び真菌感染症を治療するための改善された方法を提供する。本出願によるデバイス及び方法は、広範囲にわたる治療用途のものであり、良好な忍容性を示し、重大な副作用を誘起しない。これらのデバイス及び方法は、従来の抗細菌治療剤、抗ウイルス治療剤、又は抗真菌治療剤、並びに肺炎又は重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2による感染症のような肺に影響を及ぼす感染症を治療するための人工呼吸器の使用、更にウイルス疾患の治療を複雑にする可能性がある免疫系の無制御応答(いわゆる「サイトカインストーム」)を防止するためのデキサメタゾンのようなステロイドの使用のような方法を含むがこれらに限定されない他の治療方法と併用することができる。本発明によるデバイス及び方法は、更に、病原体の増殖を阻害することと共に免疫系を刺激するように作用することができる。
【0414】
本発明によるデバイスは、医療に有利なデバイスとして産業上の利用可能性を有する。本発明による方法は、本明細書に説明する疾患及び病態を治療するための薬剤の調製に関して産業上の利用可能性を有し、更に細菌感染症、ウイルス感染症、及び真菌感染症を含むがこれらに限定されない本明細書に説明する疾患及び病態の治療のための本発明によるデバイスの使用を包含する。
【0415】
値の範囲に関連して、本発明は、状況が他を明確に示さない限り、当該範囲の上限値と下限値の間である各介在値を下限値の単位の少なくとも10分の1までの単位で包含する。更に、本発明は、範囲の上限値及び下限値のいずれか又は両方を含むいずれかの他の記載介在値をその範囲から特定的に除外しない限り包含する。
【0416】
他に定めない限り、本明細書に使用する全ての科学技術用語の意味は、本発明が属する当業技術の当業者によって典型的に理解されるものである。当業者はまた、本発明を実施又は試用するのに本明細書に説明するものと同様又は同等のいずれの方法及び材料も使用することができることを更に認めるであろう。
【0417】
本明細書に開示する文献及び特許は、これらの文献及び特許の開示が本出願の出願日に先立つという理由のみから提供するものである。本明細書にあるいずれのものも、本発明が先行発明によってそのような文献に先行する権利を失うことを認めたものと解釈すべきではない。更に、提供する公開日は、実際の公開日と異なる場合があり、実際の公開日は、別々に確認する必要がある場合がある。
【0418】
公開された全ての特許、特許出願、及び引用文献、及びこれらの公開文書内に組み込まれている文献を含む言及する全ての文献の全内容は、引用によって本明細書に組み込まれている。しかし、引用によって本明細書に組み込まれているいずれかの文献が公開されることになる情報に言及している点に関して、本出願人は、本出願の出願日の後に公開されるいずれのそのような情報も従来技術とは認めない。
【0419】
本明細書及び特許請求の範囲に使用される時に、単数形は複数形を含む。例えば、単数形「a」、「an」、及び「the」は、状況が他を明確に示さない限り、複数の指示物を含む。更に、列挙する要素の前にある「少なくとも」という用語は、列挙内の全ての要素によるものと理解しなければならない。本明細書で例示的に説明する本発明は、本明細書に具体的には開示しない1又は複数のいずれかの要素、1又は複数の限界なしに適切に実施することができる。すなわち、例えば、「備える」、「含む」、「含有する」という用語又は同等の術語は、制限のない拡張的な意味で読解しなければならない。本明細書に使用する時に、「を備える」という移行句は、狭義の意味を有するこれらの句が明示的に除外されない限り、「を基本的に構成する」及び「を構成する」という移行句を包含する。これに加えて、本明細書に使用する用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として用いたものであり、そのような用語及び表現の使用では、将来示されて説明されるいずれの均等物又はそのいずれの部分も除外する意図はなく、様々な修正は、主張する本発明内で可能であることを認識しなければならない。従って、本発明を好ましい実施形態及び任意的な特徴によって具体的に開示したが、当業者は、本明細書に開示する本発明の修正及び代替案を講じることができ、そのような修正及び代替案は本明細書に開示する本発明内にあると見なされることを理解しなければならない。本発明は、本明細書で概括的かつ包括的に説明した。包括的な開示に収まる狭めの範囲の種及び亜属群の各々もこれらの本発明の一部分を形成する。これは、削除する資料が内在するか否かに関係なく、条件又は否定的限定が属からいずれかの主題を取り除いた状態での各発明の包括的説明を含む。更に、本発明の特徴又は態様をマーカッシュ群に関して説明する場合に、この説明により、本発明がマーカッシュ群の複数の構成要素のうちのいずれかの個々の構成要素又は部分群に関しても説明されていることを当業者は認識するであろう。同様に、以上の説明は、限定的ではなく例示的であるように意図していることは理解されるものとする。以上の説明を精査した上で、当業者には多くの実施形態が明らかであろう。従って、本発明の範囲は、以上の説明を参照することによって決定すべきではなく、代わりに、特許請求の範囲をそのような請求が権利を有する均等物の全貌と共に参照することによって決定しなければならない。当業者は、説明した特定の実施形態に対する多くの均等物を日常の実験を越えないものを使用して認識するであろうし、又は確認することができるであろう。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されるように意図している。
【国際調査報告】